開議午後1時00分
○議長(鈴木喜明)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、須貝修行議員、高野さくら議員を御指名いたします。
日程第1「議案第1号ないし議案第40号」を一括議題といたします。
質疑及び一般質問を一括し、これより会派代表質問を行います。
それでは、通告がありますので、順次、発言を許します。
(「議長、15番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)15番、中村吉宏議員。
(15番中村吉宏議員登壇)(拍手)
○15番(中村吉宏議員)自由民主党を代表し、令和2年第1回定例会に当たり質問いたします。
質問の前に、昨年12月、中華人民共和国湖北省武漢市に端を発するとされ、世界的に猛威を振るう新型コロナウイルスにより、とうとい命を失われた方々に心より哀悼の意を表するとともに、世界中でこのウイルスによる肺炎に罹患されている皆様にお見舞い申し上げ、一日も早い御回復をお祈り申し上げます。
新型コロナウイルスの影響は、本市にも大きく及んでいるところであります。市民の健康に関する安心・安全を脅かすもととなり、また、本市の基幹産業の観光についても、冬の観光シーズン最中の流行により、インバウンドを中心に観光客が減少する、まさに大打撃の状況であることが報道などでも示されているところであります。
こうした状況の中、我々小樽市民はこの小樽で生活し、日々前進しなければなりません。今定例会には令和2年度の小樽市会計予算案が上程され、我々は審議をしてまいりますが、昨今の異常気象がもたらす災害や伝染病の流行などに鑑みると、今年度中にもさまざまな対策を柔軟に講じていかなければならない場面も想定されます。こうした状況にも即応できる行政であっていただきたいと思います。
まず、1項目めの質問です。市長の政治姿勢について伺います。
市長就任以降、間もなく1年半が経過しようとしております。この間、北海道胆振東部地震が発生し、我々がこれまで経験したことのない全道規模の大停電が発生し、その対応に市長は陣頭指揮をとられました。冬にはしっかりとした除排雪体制を整え、市民の冬の安心・安全を守ることに努められたことは、除排雪苦情が減少したことが何よりの証拠と言えるものと考えます。
この間、前市長が停滞させた数々の市政上の懸案を前進させるべく取り組まれてきたことは、我々もしっかりと確認をしております。対話の重視、経済と生活の好循環、備えという市政執行に向けた方針を掲げて市長に就任された迫市長は、その一つ一つを真摯に取り組まれておられますが、目の前には本市がなかなか解決できずにいる人口減少・少子高齢化という大きな課題が立ち塞がり、また、財政上の厳しさも看過できない状況であります。
この課題に対応する具体の議論についてはこの後の項目で行いますが、この項目で伺いたいこととして、まず、市長がこの1年半の任期を振り返られて、市長公約と照らし合わせ実現できたことと、今後課題とすることをお示しください。
また、次年度で市長が最も重要とお考えの課題は何かお示しください。
次に、本年1月23日に自由民主党小樽支部より市長宛てに提出いたしました政策要望について、市長のお考えを伺います。
要望書の中で、重要要望として四つの要望を記しております。その概要は、一つに、国や道のICT教育について、その環境整備と教育格差を生まないような教職員の指導力強化を図ること。
二つ目に、現在3歳児まで行っている健診を5歳児まで無料実施すること。
三つ目に、JR小樽駅周辺について、老朽化した建築物と、人と車両が混在する駅前広場の一体的な整備計画策定と有効活用の実施。
四つ目に、国土強靭化地域計画の策定と、その総合的かつ計画的推進であります。
この4点について、我々は実現を求めるわけでありますが、1点目と3点目、そして4点目については、市長提案説明時に取り組まれる旨の御発言がありました。これらは積極的に進めていただきたいと考えますが、何点か確認をさせていただきます。
まず1点目、ICT教育について。
環境整備については示されておりますが、教育格差を生まないような教職員の指導力強化について、どのようにお考えなのかお示しください。
そして、2点目に要望した幼児健診を5歳児も無料実施することについて、今定例会に提出された予算案に示されていないと認識をしております。この政策についてもぜひ本市で取り組んでいただきたいと考えます。市長のお考えを伺います。
3点目に関連して、JR小樽駅周辺整備ですが、この問題は私も小樽駅前再々開発として議論をしてまいりました。市では、小樽駅前第1ビルで予定されている再々開発にあわせ、駅前広場再整備の基本計画策定費として600万円の予算を計上しております。
そこで伺いますが、駅前広場再整備の準備に伴い、駅前第1ビル再々開発に関して、現状、市は再々開発を行う準備組合とどのような協議を行っているのかお示しください。
次に、市政上の総合的課題について伺います。
まず、財政について伺います。
次年度予算について、市長提案説明では、歳入に関し、人口減による地方交付税減額の見通しを示されており、他方歳出では、少子化対策、そして本市の主要産業である観光に関する振興策、災害への備え、まちの玄関口整備等の事業を重視し、さらに将来への課題解決に向けた予算編成を行ったとのことであります。結果、財源不足が生じ、財政調整基金の取り崩し等による収支均衡予算を編成されたとのことであります。
まず、気になるところは、財政調整基金についてであります。令和2年度の予算編成時、15億5,000万円の財源不足が生じているところ、過疎債ソフト充当分2億2,000万円、そして財政調整基金から13億3,000万円の取り崩しを行い不足分を補うことが示されております。その結果、令和2年度予算編成時で財政調整基金残高は1億2,000万円となるわけであります。今年度末には不用額等の発生により財政調整基金が増額されることと思いますが、その間、災害等、緊急の財政出動が必要となった場合、対応できるのかという懸念があるわけであります。この点について、市としてどのように捉え対応する考えなのかお示しください。
さまざまな政策実現の財源について、本市は常にこの課題に頭を悩ませております。市長の公約実現は本市の発展に欠かせないと我々も考えておりますが、次年度に限らず、今後においても財政に関する課題は重要であると認識をしております。また、財政上の課題を克服しなければ、その先の積極的なまちづくり、市民サービス充実策も実現できなくなります。この課題を克服するためには財源を獲得することであり、その手段の一つは歳入をふやすことであります。そのためには市税収入の増を図ることであり、また、地方交付税の増を図ることも重要なことであります。それから、ふるさと納税、ふるさと応援基金のさらなる活用や、目下、本市で実施検討されている宿泊税などの法定外目的税の有効な課税も手段として取り得るものであると考えます。
ただ、重要なことは、それぞれの増収を図るために何が必要なのか、何をすればよいのか、これを具体的かつ可及的速やかに考えなければなりません。我が党の濱本議員は、議会質問の際、折に触れ、行政経営というテーマの質問を行っております。国や道への依存だけでなく、独自の財源獲得を行っていく場合、法令等のさまざまな要件をクリアするとともに、経営という発想に基づいて仕事を進めていかなくてはならないものと考えます。経営するということは、ある目的達成のために効果目標を定め、一定の投資を行い、その目標実現に向けて事業を遂行するということだと思います。
また、経営という言葉を見ると、経営の経は経理の経であり、経営の営は営業の営であります。経理については、予算・決算に示されるとおり、市政においてはまさに財政上の収支把握に始まり、外的要因に関する数字、つまり事業が生み出した効果を数値化したものなど、市政上重要な数字の把握となります。
営業と言うと民間の営利追求の手段の一つと捉えられるかもしれませんが、それだけではありません。営業とは、暮らしの手だてを営む、継続的に行うことです。そこには時として競争の原理が介在します。地方創生とは、地方都市がそれぞれで存続のための営みを行うことを競うわけであります。知恵を絞り頑張った地方都市に、国はメリットを与えてくれるというシステムです。この状況下、本市においてさまざまな行政経営的取り組みを行う中で、営業的発想がまさしく今必要な状況であると解します。この経営という視点から、人口減少対策、歳入増加策を考えると、歳入減の根本的要因が人口減少であるならば、人口増を図るための施策は何かということであります。
これまで人口対策会議などでもさまざまな議論がなされてきたことと思います。それを踏まえ、知恵を絞り、行動することを決めて、目標を定めて実行することが大切です。そのことについて、私が考える手法としては、継続的取り組みとしては、移住促進に関する各施策を効果の観点から点検、見直しし、より実効性あるものにつくり上げることなどが考えられます。また、将来的歳入増として考えられることは、企業誘致策を充実させることであります。
さらに、短期で効果を出すためには、例えば通学者の半数以上が札幌市からの通学である小樽商科大学の学生の方々が小樽に居住していただくために補助を行う事業や、市外から小樽で創業を希望する方々への情報開示や補助のサービス、規制緩和などを裾野を広げて行うことが考えられるわけであります。このことは、人口がふえ、直接、住民税の増収や次のタイミングでの交付税の増加の要因となる施策であると考えます。施策はほかにも多々ありますが、歳入増加や人口減の対策に向けて経営的、特に営業的観点も取り入れ、本市で積極的かつ速やかな検討と課題解決に向けた取り組みをお願いしたいと考えます。見解をお示しください。
次項以下では、こうした経営的観点に立ちながら具体の政策を確認、提言させていただきます。
以上1項目めの質問を終わります。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)中村吉宏議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、私の公約と政治姿勢等について御質問がありました。
初めに、私の政治姿勢等についてですが、まず、実現できたことと今後の課題につきましては、就任以来、市政への不信感や停滞感を払拭するため、市長と語る会の再開や小樽スクラムミーティングの設置など、私の政治姿勢である対話の重視を実践してまいりました。
また、除排雪の見直しや防災力の強化、ひとり親家庭などの子供の学習支援、部活動への外部人材登用など、喫緊の課題の解決と公約の実行に努めたほか、港湾計画改訂の再開や、観光税の議論の開始、そして国立小樽海上技術学校が短期大学校として開校が決まるなど、議会議論において指摘を受けた課題や社会的な要請などにも一定程度対応できたものと考えております。
今後の課題については、人口減少・少子化への対策と、経済と生活の好循環の確立に向けた経済活性化、安全・安心や時代の変化、未来に対する備えの三つに重点的に取り組むべきと捉えており、これらは互いに関連していることから、全て重要なものであると考え、令和2年度の予算編成を行ったところであります。
次に、5歳児健診につきましては、発達に問題を持つ子供の発見に一定の効果があるものと考えておりますが、小児科医師や相談員の確保など、実際の導入には課題があります。市といたしましては、家庭で子供の様子を確認し、気になることがあれば健診や発達相談につなげるための5歳児セルフチェック表を送付することにより、5歳児を持つ保護者の不安の軽減と、子供については必要な支援につなげるよう取り組んでまいりたいと考えております。
次に、駅前広場再整備に係る協議につきましては、駅前広場の再整備に当たっては、広場に隣接する小樽駅前第1ビル周辺で予定されている再開発と連携した計画の策定が必要であり、今後、小樽駅前第1ビル周辺地区再開発準備組合を含めた関係団体等による検討委員会を設置し、その中で議論していく予定であります。現在、準備組合とは再開発計画とのスケジュール調整や検討委員会の進め方について協議を行っているところであります。
次に、市政上の総合的課題についてですが、まず、財政調整基金の残高につきましては、年度途中に災害などの不測の財政需要が生じた際には、令和2年度当初予算編成後の財政調整基金残高のほかに予備費として3,000万円計上しており、緊急の財政需要に一定程度対応できるものと考えております。しかし、それでも財源に不足が生じる場合は、その時点で見込まれる歳入・歳出予算の精査を改めて行い、必要な財源確保を図ってまいりたいと考えております。
次に、経営的観点に立った取り組みにつきましては、第7次小樽市総合計画において、持続可能なまちづくりを行うために経営的視点を盛り込んだところであり、この点を意識し、効果的・効率的な施策を行う必要があると考えております。議員御指摘の移住などの人口減少対策や、ふるさと納税などの歳入増加策は、まさに自治体間における競争の原理が働くものであり、ターゲットを絞った対策や近隣自治体との差別化を意識した取り組みが必要であると考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)教育長。
○教育長(林秀樹)中村吉宏議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、市長の公約と政治姿勢等について御質問がございました。
初めに、市長の政治姿勢等についてでありますが、ICT教育における教職員の指導力強化につきましては、教育委員会といたしましては、学校間の格差を生まないようにするため、教職員の研修は大変重要であると考えております。既に今年度導入をいたしましたタブレット端末の操作方法やプログラミング教育に関する研修会を行っておりますが、このたびの1人1台の学習用端末の整備に伴い、小樽市教育情報化推進委員会を立ち上げ、校内研修で活用を図るための実践事例集を作成するとともに、外部講師を招いたICT活用研修講座を開催し、市内の全教員が研修に参加する機会を設けることで指導力の強化に努めてまいります。
○議長(鈴木喜明)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、15番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)15番、中村吉宏議員。
(15番中村吉宏議員登壇)
○15番(中村吉宏議員)子育て・教育支援について伺います。
初めに、小・中学生の学習について伺います。
教育行政執行方針では、子供たちの未来への備えを意識した数々の施策が用意されていることを確認しました。ICT教育への対応、郷土愛を培うための教育、英語力を強化するための教育など、大変充実した内容であると考えます。しかし一方で、従来の国語、算数・数学を初め基礎学力を充実させる施策について、来年度、市教委がどのような取り組みを行うのか伺います。
子供たちがさまざまな可能性にチャレンジできる素養をつくるために、小学校、中学校で学ぶカリキュラムは非常に重要であり、基礎学力をつける教育は今後も重要であると考えます。全国学力・学習状況調査の結果も、モデル校制度など、これまでの取り組みの成果が徐々にあらわれているものと考えます。今後も子供たちが学ぶ意欲を高め、知識と教養を習得する機会の整備に努めていただきたいと考えますが、見解をお示しください。
次に、小樽市立小中学校学校規模・学校配置適正化基本計画について伺います。
平成21年に示されたこの計画について、平成30年12月、児童・生徒数が今後も減少し、将来的に望ましい学校規模の確保、維持が困難な見通しであるので、計画を白紙に戻し、再度基本的な計画、考え方を検討すると市教委が判断したところであります。その後、学校再編に関する計画についてどのような検討が行われてきたのかお示しください。また、新しい計画案ができるのはいつなのかお示しください。
当初の計画案が白紙に戻された結果、検討中の中央・山手地区中学校再編について、その検討が中断しております。その間、松ヶ枝中学校が現校舎の老朽化により用途廃止となり、旧最上小学校跡を移転利用するべく現在も改修等が進んでいることと思います。ことしの4月から松ヶ枝中学校は当該新校舎を利用する予定ですが、改修等は移転に間に合うのか、進捗はどのような状況なのかお示しください。また、保護者、関係者や地域の方々が学校の状況を確認する機会も必要と考えますが、本市の対応についてお示しください。生徒の皆さんが、より安心・安全に学校生活を送ることができることを望んでおります。
次に、コミュニティ・スクールについて伺います。
本市では、本年4月から山の手小学校、奥沢小学校、朝里中学校の3校でのコミュニティ・スクールが導入されるわけですが、このコミュニティ・スクールでは学校と家庭、地域が連携し、学校運営協議会を設置して学校運営の課題を解消していくというものであると理解しております。また、市内でも数回コミュニティ・スクールの説明会が行われておりましたが、その中でも学校運営協議会とは、具体的に誰が何をすればよいのかということが明らかにならず、よくわからないという声も現実に聞こえてくるところであります。
そこで伺いますが、本市としてこのコミュニティ・スクールが実効性あるものになるようにどのような取り組みをするのか、具体的にお示しください。また、今回指定した3校は、それぞれ学校の特色や地域の特色もあることと思います。そういう特色をどのように生かすお考えなのか、見解をお示しください。
学校を地域で見つめ見守ることは、自然環境や社会的環境に起因する問題から子供たちを守り、小樽の子として育むために重要な考え方であると思います。実施する上で内実ともによいものとすることが必要であると考えます。
次に、子育て支援に関連して伺います。
今年度予算では、子育て支援関連の予算や実施の充実を目指しているということが明確に理解できます。さきに行われた小樽商科大学と本市の人口減少問題に対する共同研究の研究結果からも、本市の人口減の大きな課題は、子育て支援を充実させることという結果が示されていることからも、大げさに言えば、今後の本市の存続がかかっているものであると思います。
本市では、国の施策を受けて、子育て世代包括支援センター設置を決め、その設置に関する整備事業費と同センター運営に当たる事業費として、それぞれ850万円、200万円の予算を計上しております。この予算の使途について、それぞれどのような内容を予定していくのか、具体的にお示しください。
このセンターの運用について、厚生労働省は、利用者の目線で支援の継続性と整合性を確認し、支援の効果が高まるよう、支援者と子育て家族との信頼関係を醸成するということを理念に加えております。この信頼関係が形成されるということこそまさしく重要であり、そこから継続性、整合性というケアの根幹ができ上がるものと考えます。本市では、この信頼関係を築いていく取り組みとして、どのような対応を行っているのかお示しください。
その手法の一つに産後サポート事業が挙げられるのではないかと考えております。しかし、この産後サポート事業も生後五、六カ月の第1子を持つ母親が対象とのことであります。他の乳幼児のサポートについて、どのような施策があるのでしょうか。例えば本市では、地域子育て支援センターがあり、子育て支援センター「げんき」「風の子」「あそぼ」などの取り組みが行われております。出産後、子育て中の保護者が保育士の方と手づくりおもちゃ等を使って親子一緒に遊びながら過ごすこの事業では、子供は保護者の目線だけではなく、遊びながら保育士、専門職の目線も含めてケアされることになります。こうした取り組みも、今後、子育て支援センター事業と融合させながら進めていくべきではないかと考えますが、見解を伺います。
他都市の事例ではありますが、道内では岩見沢市が子育て支援関連の事業の先進地であると考えます。岩見沢市では、旧商業施設を購入し、そのワンフロアにこども・子育て支援ひろば「えみふる」を設置し、その中に全天候型の子供の遊び場施設、子育て支援センター、子育て親子ひろば、幼児ことばの教室、保健センターが入っており、文字どおり子供と保護者がワンストップで遊びから相談、健診まで受診できる施設となっております。また、会場には教育支援センターと所管である教育委員会事務局が入り、管理から運営まで一つの空間で行うことができるという環境です。さらには、建物の1階にはスーパーマーケットが入り、子供と時間を過ごした保護者の方が帰りに食料品を購入して帰るという利便性も注目するべき点であります。
人口減少が進んでいた岩見沢市ですが、4年前にこの環境を整備した結果、3年前から子育て世代の人口が転出超過から転入超過に転じたとのことです。岩見沢市では、商業ビル購入の財源として、中心市街地活性化基本計画に基づく社会資本整備総合交付金を充てたということですが、実際にえみふるの整備に要した予算は4億2,400万円、そのうち大きいものとして1億3,970万円は起債をし、2億4,630万円は一般財源からの支出とのことであります。
さらに、岩見沢市では、全道エリアで聴取できるFM局の番組に独自コーナーを設け、ドラマ仕立てで子育て支援に関する課題を提起し、その解決の提案と施設のPRに市職員が出演して応じるという広報活動も行っております。
多くの予算を必要とし、本市で同様の事業を展開することは今の財政状況で厳しいのかもしれませんが、これもさきに述べたとおり、経営的発想により実現可能なのではないかと思います。同様の事業を展開するには、例えばPFI方式を取り入れながら検討することも可能ではないでしょうか。
いずれにせよ、本市においてもこれからも手を緩めず、本気で取り組まなければならない課題であります。肝心なことは、本市の子育て支援策が有機的に関連し、子育て中の市民の方々をしっかりとサポートできることです。一つの例示ではありますが、他都市も同じ、いや、それ以上の危機感を持って取り組んでいるテーマであると思います。このような他都市の状況も踏まえ、今後、本市の目指していく子育て支援の方向性について、見解をお示しください。
以上で2項目めの質問を終わります。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、子育て・教育支援について御質問がありました。
子育て支援に関連してですが、まず、子育て世代包括支援センター設置に関する予算の内容につきましては、整備事業費はセンターを開設する保健所の一部を改修し、センター機能を整備するための工事請負費、センター運営に当たる事業費では、会計年度任用職員報酬、発達相談員報償費、保健師が研修会等へ参加するための旅費、市民への事業案内を送付するための通信運搬費、子供の遊具などの備品や消耗品を購入するための予算を計上しております。
次に、子育て家族との信頼関係を築くための対応につきましては、まずは面談等を通じてセンターに対する安心感を持ってもらうため、研修会を通じて対応する保健師の対人スキルの向上を目指します。また、相談しやすい、プライバシーに配慮した環境整備は、センター利用者とのつながりに大きく影響することから、家庭の状況等を安心して話すことができるよう専用の個室を活用し、面談を行うなどの対応を考えております。
次に、産後サポート事業と子育て支援センター事業の融合につきましては、産後サポート事業に参加した方々がその後も効果的に仲間づくりができるよう、保健師等より子育て支援センター事業の利用を積極的に進めてまいりたいと考えております。
次に、今後、本市の目指す子育て支援の方向性につきましては、これからのまちづくりを進めるに当たり、子育て世代の減少と低い出生率に歯どめをかけるためにも、少子化対策は重点的に取り組むべき大きな課題の一つであります。このため、子育て世代が安心して子供を産み育てることのできるまちとして、本市で暮らしてみたい、子育てをしたいと思っていただけるよう、子育てに関連する部署が横断的に議論を深めながら、妊娠から出産、子育て期までの連動性のある施策の展開を図ってまいりたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)教育長。
○教育長(林秀樹)ただいま、子育て・教育支援について御質問がございました。
初めに、小・中学生の学習についてでありますが、まず、基礎学力を充実させる施策につきましては、教育委員会といたしましては、授業改善と家庭学習の定着を図る取り組みが必要であると考えております。授業改善につきましては、授業づくりのポイントを示した「小樽授業づくり5つのSTEP!!」をもとにした指導を全小・中学校で徹底するとともに、各種研修講座の開催や授業改善推進チームを配置するなどして、教員の指導力向上に努めてまいります。
家庭学習の定着につきましては、市教委独自で作成する生活リズムチェックシートを活用して、家庭学習の時間の確保を図るとともに、保護者向けのゲーム依存に関する講演会を開催するなど、さまざまな施策を通して基礎学力の定着を図ってまいりたいと考えております。
次に、子供たちの学習意欲と知識等を習得する機会の充実につきましては、教育委員会といたしましては、これまでの音読の推進やポエムコンクールなど本市独自の取り組みに加え、令和2年度には小学校高学年に専門的な知識を持つ教員が指導を行う教科担任制を導入する実践校を指定するとともに、義務教育9年間を見通した教育課程を編成し、中一ギャップ等の解消を図る小中一貫教育の推進校を拡充し、取り組みの成果を市内に普及するなど、創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開することで、子供たちが主体的に学習する態度や知識・技能の習得を図ってまいりたいと考えております。
次に、小樽市立小中学校学校規模・学校配置適正化基本計画についてでございますが、まず、再編に関する計画の見直しの検討につきましては、平成31年第1回定例会学校適正配置等調査特別委員会でも御答弁をさせていただいたとおり、小樽市都市計画マスタープラン策定後に本市のまちづくりの考え方も考慮し検討していくこととしております。このため、現在は将来を見据えた学校再編の基本的な考え方について検討を行うため、児童・生徒数の将来推計や国の教育施策の動向などについて情報収集するとともに、適正化基本計画で課題としていた項目について現状の確認などを行っているところであります。
次に、新しい計画案の策定時期につきましては、計画の見直しに際しましては、学校規模の考え方の整理を初め国の教育政策の動向や、地域の防災、交流拠点としての小・中学校の役割など、本市のまちづくりの考え方を考慮し検討していくこととしております。このため、今後のまちづくりの考え方について、市長部局とも協議を行っていく必要がありますことから、現状ではお示しできるところまでには至っておりません。
次に、松ヶ枝中学校が利用する旧最上小学校の改修の進捗状況につきましては、現在当該校は中学校として必要な特別教室の改修やトイレの洋式化など、中学校仕様への工事を行っております。改修は当初の予定どおり仕上げ段階に入っており、順調に進んでおりますことから、4月1日の供用開始までには移転に伴う引っ越し作業を終える予定といたしております。
次に、学校の改修状況についての関係者等の内覧につきましては、改修工事は順調に進んでいるものの、工事完了後直ちに移転作業に着手しなければならないことから、保護者や地域の皆様などには、入学式やPTA総会等の機会を通して御案内させていただきたいと考えております。
次に、コミュニティ・スクールについてでございますが、まず、本市におけるコミュニティ・スクールの実施に向けた具体的な取り組みにつきましては、導入前は教職員、地域住民、保護者に向け専門家によるコミュニティ・スクールの制度説明や道内外の効果的な事例等についての説明会を実施しております。導入後は地域住民、保護者に向け学校運営協議会での協議内容や、学校や地域での実際に行われた取り組みを学校だより等により周知をいたしております。また、コミュニティ・スクールを導入していない学校を対象に、毎年専門家によるコミュニティ・スクールの制度説明や市内導入校の実践事例を紹介する研修会を実施しており、より効果的な実践の普及に努めているところでございます。
次に、来年度導入する3校の取り組みにつきましては、各学校の特色ある取り組みの一例を御紹介いたしますと、山の手小学校では、子供たちの安全確保を図る見守り活動やスキー授業でのサポート活動など、奥沢小学校では、地元企業の協力による職場見学など、学校と地域が一体となった教育活動を進めてまいります。また、朝里中学校では、地域のイベントでの吹奏楽の演奏や、朝里地区の雪あかりの路での雪像づくりなど、生徒が主体的に地域に貢献する取り組みを進めてまいります。
教育委員会といたしましては、コミュニティ・スクールの導入により、地域の方々が積極的に教育活動に参加することで、社会総がかりでの教育を一層推進し、子供たちが小樽の未来をつくる心豊かな人材となるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(鈴木喜明)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、15番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)15番、中村吉宏議員。
(15番中村吉宏議員登壇)
○15番(中村吉宏議員)経済と生活の好循環と経済政策について伺います。
この項目は、さきに述べた経営的発想を必要とする項目であります。経営的観点に立ちながらの御答弁をお願いするものであります。
まず、今後の市内の産業への対応について伺います。
近年、年間800万人前後の観光客の方々が小樽を訪れる状況が続いており、日本屈指の観光都市である小樽にとって、このたびの新型コロナウイルスによる影響は甚大であると考えます。近年の観光需要を支えるインバウンドの渡航者数は激減し、宿泊施設もキャンセルが相次いでいるとのことです。先日行われた小樽雪あかりの路は、冬の小樽観光の繁忙期を形成してきたイベントですが、その来場者数は昨年対比で34%の減少とのことでした。
伺いますが、新型コロナウイルス発症以降、市内経済はどのような状況となっているのか、市として把握している状況をお示しください。
こうした状況を踏まえ、市としても観光産業の企業を中心に相談等の対応をしているものと思いますが、具体的にどのような対応を講じているのかお示しください。
次に、DMO設立について伺います。
今定例会に提案された予算案の中に、地域DMO設立に向けて、小樽観光協会に専門人材の派遣に要する費用の一部を補助するとのことで550万円が計上されております。この専門職員について、どのようなスキルをお持ちの方なのか、また、DMO設立に当たりどのような業務に当たる方なのかお示しください。そして、設立後はどのような業務を担うことを予定しているのか示してください。
次年度予算では、その財源について基金繰入金と記されておりますが、現状の厳しい一般会計予算の中で、今後同様の財源からの支出は困難であるかと思われます。戦略的観光施策の実現に向けて、財源の確保は急務であると考えますが、財源についてどのようにお考えか、見解をお示しください。
次に、観光税、本市においては宿泊税の導入について伺います。
最近になり北海道が宿泊税の導入を具体的に検討し、道内各都市も導入を検討している中、本市もおくれをとるわけにはまいりません。現在、有識者会議が2回ほど行われておりますが、その議論経過をお示しください。
市では、本年第4回定例会を目途に宿泊税に関する条例案を提案する予定であるとのこと。市内では、これをもっと短縮してほしい、少しでも早く導入してほしいという声が多くある中、この期間短縮に努めていただきたいと考えますが、見解を伺います。
次に、域際収支の把握について伺います。
この問題も以前から議会議論で提言をしてまいりました。迫市長が掲げる経済と生活の好循環を目指すに当たり、市内経済の循環を把握する上で非常に重要なことであります。まさしく経営的観点から言えば、経理の経の部分であると考えます。今定例会に示されている予算案で観光基礎調査事業費600万円が計上されており、観光が地域に及ぼす経済効果を分析するため、産業連関表を作成するということであります。
そこで伺いますが、この産業連関表はどのようなものをベースに作成するのか、そして、具体的にどのような項目を対象として実態把握を行うのかお示しください。また、産業連関表から導き出された情報はどのように活用し、その後の観光施策展開につなげていくのかお示しください。
また、この産業連関表を運用するに当たり、観光だけでなく市域内経済におけるヒト・モノ・カネの域内における動向、つまりは出入りを把握して初めて有意義な情報収集が行えるものと考えます。今後、観光以外の分野でも活用するお考えの有無をお示しください。
次に、経営支援策について伺います。
まず、市内企業の事業承継に関する事業について伺います。
この問題は、小樽市中小企業振興会議でも指摘されている重要な課題と認識しております。市内の中小企業や個人経営店で長年にわたり経営を続けてきたけれども、後継者がおらず近い将来廃業を選択するところが少なからずあることを耳にしております。明治以降、小樽で独自性を発揮し、市民はもとより近隣住民や観光客になじまれてきた老舗の看板が後継者不足でおろされてしまうということは、市域内の経済的活力の減少のみならず、まちの魅力低下にもつながりかねない問題であります。本市では、この問題に対し、小樽商工会議所が市内経営者に対しワンストップの相談窓口を設け、日々、足しげく企業、店舗を訪問しながら状況を把握し、アドバイスを行う取り組みを行っております。
伺います。行政としては、これまでこの課題に対しどのような取り組みを行ってきたのかお示しください。
今定例会には、中小企業等実態調査事業費55万円が計上されております。事業承継等の課題把握のためアンケート調査を行うとしておりますが、どのような内容を予定しているのかお示しください。
昨年11月、当議会経済常任委員会は、この課題に対し、取り組みの先進事例となる兵庫県尼崎市を視察してまいりました。尼崎市では、市と商工会議所が連携し、中心となって金融機関や専門家と連携し、ワンストップ窓口を開設してサポートに当たっているとのことです。ここまでは本市や他都市でも類似の事業となりますが、尼崎市の担当職員の方が核心をついたお話をしてくれました。それは事業承継の相談をお勧めするに当たり、いきなり企業、店舗を回っても本音の回答を引き出すことはできない。日ごろから経営上のこと、地域の情報などを持ちながらコミュニケーションをとり続け、信頼関係を構築できなければ、事業承継に関する本音を引き出すことはできないということでありました。事業承継の問題をうかつに他者に話すことで、取引先との信頼や対金融機関の信用に関わることになる、経営上不都合が生じるからとのことです。
このことを踏まえて伺いますが、本市では、企業、店舗への訪問、情報提供や課題収集など、どの程度行っているのかお示しください。
小樽商工会議所では、この取り組みを行っております。今後は商工会議所に協力をいただきながら、訪問、情報収集の行動を行い、信頼関係を築くこともアンケート収集と並行して行うべきと考えますが、見解をお示しください。
次に、創業支援について伺います。
予算案では、創業支援事業費として1,600万円が計上されております。新規創業希望者への家賃や内外装工事費の一部を補助するものであるとのことであります。
まず伺いたいことは、新規創業希望者が本市にどのような補助、サポートを望むのかを調査したことがあるのか。あるとすれば、どのような手法で行い、どのような希望が挙げられたのかお示しください。
最近、市内中心部の古民家を利活用して営業を目指す新規創業希望者のお話を伺うことができます。古い建物は家賃も低廉で魅力的ではあるものの、そこに立ちはだかる障害は行政の規制であるということを耳にいたします。それは、一つには用途の問題であり、利用したい建物が目指す用途に合致しない、また、消防に関連する規制も大きな課題で、利用したい建物の用途で消防関連法規に従うと、複数の消防設備を設置しなければならず、時にそれが高額になるというものです。このハードルのため、新規に起業する希望者が二の足を踏むという状況も伺います。こうした課題を解消するため、補助するべき幅を広げ、創業希望者が利用しやすい補助メニューに仕立てることが必要と考えます。御見解を伺います。
次に、港湾について伺います。
港湾関連予算が計上され、港湾の整備が促進されることに期待感を持っております。中でも、港観光拠点の創出について、第3号ふ頭関連の整備促進について、一刻も早く実現されることを望みます。
その第3号ふ頭ですが、周辺開発について、市内でも民間の方々がビジョンを持って取り組みたいということを耳にしております。以前より議会でも議論されている、みなとオアシス認定に向けて取り組むことも第3号ふ頭及び周辺開発を促進する一助になるものと思います。
我々自由民主党小樽市議会議員会は、11月、みなとオアシスとウオーターフロント開発に取り組む山口県下関市を視察してまいりました。下関市では、港の中で利便性のよいところに商業施設や観光施設、市民の憩いの場を集約し、みなとオアシスの認定を受けております。その際気になったのは、対アジア中心の貿易港である下関港で、開発の際、分区指定の規制等が開発を妨げることにならなかったのかということです。
本市について見れば、第3号ふ頭及び周辺の分区指定について、これから目指す姿にかなうのかが気になります。商港区の指定である第3号ふ頭及び周辺について、現状のままで商業施設や観光施設、市民の憩いの場を建設できるのかお示しください。また、今後の小樽港を考えると、漁港区や工業港区、商港区などの分区指定について、臨港地区全体の利用の増進をするべく、今の現状に見合った見直しを行う必要があるものと考えます。見解を伺います。
以上、第3項目の質問を終わります。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、経済と生活の好循環と経済政策について御質問がありました。
初めに、今後の市内の産業への対応についてですが、まず新型コロナウイルス発生・発症以降の市内経済の状況につきましては、さきに実施したヒアリングによりますと、宿泊施設では中国人観光客を中心に多くのキャンセルが出ていると伺っており、一部の商店街では訪日外国人旅行者の減少により売り上げへの影響が生じているほか、市民も外出を控えるなどの動きがあり、影響の拡大を危惧しているとのことであります。また、製造業でも訪日外国人旅行者の減少に伴う需要の減により一部に影響が見られるほか、海外との取引がある企業を中心に今後の動向を懸念する声をお聞きしているところであります。
次に、市内経済への対応につきましては、商工会議所や金融機関など関係機関との情報共有に努めるとともに、資金繰り等の相談に対応するため、2月3日には産業振興課内に中小企業向けの金融等相談窓口を設置したところであります。
今後においても現在の状況が長期化することによる影響を懸念しておりますので、定期的に状況を把握するとともに、国が行う支援策などの情報収集に努め、必要な対策を検討してまいりたいと考えております。
次に、DMO設立についてですが、まずDMOの専門人材につきましては、現在、観光協会が株式会社ANA総合研究所と専門人材の派遣について調整中でありますが、データ収集・分析等を専門的に行い、民間での豊富なネットワークを活用し、訪日外国人を含む旅行者の増加に向けたアドバイスなど、観光戦略を策定する能力をお持ちの方を3年間の派遣期間で要請していると聞いております。
また、DMO設立に当たっては、観光戦略を策定するために必要なデータやターゲットの選定、KPIの設定など、小樽版DMO形成・確立計画の策定に対するサポート業務を担っていただく予定であると聞いております。
次に、DMO設立後の業務につきましては、先ほどお答えしたスキルを生かし、本市の観光振興によるまちづくりに関するさまざまな地域課題に対応し、DMOが実施すべき具体的な事業の企画立案に関する支援を担っていただく予定であると聞いておりますが、私といたしましては、観光人材の育成にも御尽力いただきたいと考えております。
次に、戦略的観光施策の実現に向けた財源の確保につきましては、今後も国や北海道などの補助金を活用するとともに、現在議論していただいております観光振興を図るための法定外目的税である宿泊税も重要な財源であると考えております。
次に、宿泊税の導入についてですが、まず、有識者会議の議論経過につきましては、昨年11月開催の第1回の有識者会議においては、本市における新たな観光財源の確保策について、本市の考え方を説明し、宿泊税導入について議論を進めていくことで合意をいただき、本年2月の第2回の会議では、宿泊施設へのアンケート調査に関しての御意見をいただいたところであります。
なお、今後につきましては、アンケート結果をもとに課題を整理し、今年度内に第3回有識者会議を開催し、委員の皆さんから御意見をいただいた上で制度設計の素案を作成してまいりたいと考えております。
次に、宿泊税導入の時期につきましては、現時点では令和2年第4回定例会に条例案を提出する予定であり、特別徴収義務者となる宿泊施設に対して丁寧な説明をしていくことなど、時間を要する課題も多いと考えておりますが、できる限りスピード感を持って取り組んでまいりたいと考えております。
次に、域際収支の把握についてですが、まず産業連関表の作成につきましては、平成28年度に公表された北海道産業連関表をもとに事業所調査による補正を行い、本市の産業連関表を作成するものであります。また、事業所調査の具体的な調査項目につきましては、今後、具体的な調整を行うことになりますが、人件費、総売上高、原材料の調達先など、企業活動を行う上での収支に関わる項目になるものと考えております。
次に、観光施策への活用につきましては、産業連関表により観光消費が地域にもたらす経済波及効果を把握することで、観光客の消費が地域にどのような効果をもたらしているのか、観光客の消費によって生み出される雇用、所得などが分析でき、各産業の関係者に当事者意識を持ってもらえるだけではなく、各産業の特徴を踏まえたビジョンを構築し、さらなる経済波及効果向上のための観光施策に取り組んでいけるものと考えております。
次に、産業連関表の観光分野以外での活用につきましては、産業連関表の作成は本市にとって初めての試みであり、他分野への活用のためには別途アンケート調査などを実施する必要がありますが、公共投資やイベント開催などの特定の施策による本市産業への経済波及効果を把握できることから、今後、積極的に活用してまいりたいと考えております。
次に、経営支援策についてですが、まず、事業承継に対する本市の取り組みにつきましては、事業承継相談窓口事業において連携した取り組みを行う商工会議所や金融機関と情報共有を図るとともに、市のホームページや広報誌において国の支援制度や相談窓口の周知を行ったほか、本市が事務局を担う小樽地域雇用創造協議会において事業承継の早期取り組みの重要性や必要な知識の習得を目的としたセミナーを開催してまいりました。
次に、事業承継に関わる調査の内容につきましては、潜在的に事業承継問題を抱える事業者の掘り起こしを行い、課題解決に向けたきっかけとするため、後継者候補の有無や事業承継に向けた意向とその要因などを調査するものであります。
次に、企業や店舗への訪問の状況につきましては、北海道技術・ビジネス交流会やスーパーマーケット・トレードショーへの出展など、市が実施する販路拡大の取り組みや、市内企業や経済団体との会議などを通じ情報提供や課題の収集を行っているほか、商店街などにおいては、市の支援施策の説明や経営状況の把握などを適宜行っているところであります。
なお、令和2年度に実施する中小企業等実態調査においても企業訪問を予定していることから、さらなる情報の提供と現状の把握に努めてまいりたいと考えております。
次に、企業訪問等による信頼関係の構築につきましては、事業承継に関する調査の実施は、商工会議所が金融機関や本市と進める事業承継相談窓口事業と連携する取り組みとして、企業訪問を通じて状況を把握するものであります。この事業承継の問題につきましては、後継者不足などにより廃業が進むことで、伝統ある産業の技術の伝承や市民の皆さんの雇用の場が失われることとなるため、市としても重要な課題であると認識しておりますので、アンケート調査を通じた企業訪問により、事業者との信頼関係を構築するとともに、商工会議所や経済団体と連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。
次に、創業支援についてですが、まず、新規創業希望者に対する調査につきましては、これまで補助やサポートのニーズについて調査を行ったことはありませんが、今後は創業支援セミナー参加者へのアンケート調査や市へ創業希望者が相談に訪れた際の面談により、ニーズの把握に努めてまいりたいと考えております。
次に、創業支援補助金の補助内容につきましては、令和2年度予算において利用者へのアンケート調査の結果を踏まえ、利子補給を廃止するとともに、市内中心部の4商店街の空き店舗解消によって観光客等の市内中心部への回遊性向上を図るため、内外装工事費補助の見直しを行ったところであります。今後とも御指摘のあったニーズの把握を含め、効果的なメニューとなるよう検討してまいりたいと考えております。
次に、港湾についてですが、まず、第3号ふ頭及び周辺での商業施設や観光施設などの建設につきましては、この地区は分区条例上、商港区となっており、港湾関連企業の施設やその従事者のための休憩所、宿泊所、飲食店などの施設、また、緑地や広場などの建設は可能でありますが、広く一般の利用者のための観光施設や商業施設などの建設はできないものであります。
次に、小樽港の臨港地区の分区指定の見直しにつきましては、臨港地区全体については、現在令和2年度末をめどに進めている小樽港港湾計画の改訂作業の中で将来の港湾空間の利用方針を整理し、改定後、必要となる分区の見直しを進めてまいりたいと考えております。
なお、第3号ふ頭及び周辺地区については、平成26年度に策定した第3号ふ頭及び周辺再開発計画に基づき既に事業着手しており、岸壁等の供用開始を見据え、できるだけ早期ににぎわい空間を創出するため、先行して部分的に分区の見直しを検討しているところであります。
○議長(鈴木喜明)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、15番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)15番、中村吉宏議員。
(15番中村吉宏議員登壇)
○15番(中村吉宏議員)4項目め、市民の安心・安全について伺います。
まず、地域包括ケアシステムについて伺います。
高齢化率が40%を超える本市において、市民の健康寿命の延伸は不可欠となります。他都市では地域包括ケアシステムの中に現代の医療、介護のみならず、さまざまな健康法を取り入れ、高齢者の皆様の健康増進に寄与する取り組みを行っている自治体もあります。国においては、我が党が統合医療というカテゴリーでこれを推進しようと、統合医療推進議員連盟を結成し取り組みを行っております。この動きは全国各地に拡散し、北海道でも道東方面で地方議員による議員連盟が発足し、取り組みのための調査・研究を行い始めました。本市の地域包括ケアシステムにも取り入れていくべきものと考えます。このことは以前の議会においても質問をさせていただいた際、市としては研究をされるとのことでした。
伺います。その後、情報収集をされ、どのような研究を行ったのかお示しください。
次に、ふれあいパス制度と地域公共交通維持について伺います。
高齢者の外出機会確保のため、ふれあいパス制度維持を望む声を多く伺います。本市でも検討が続いているところですが、次年度はバス運賃改定分を市が負担する形で制度を維持し、実施するとのことです。この制度が持続できるよう見直しを行うことが必要です。11月に行われた市議会の勉強会資料の中で、利用負担はすべきであるが、できるだけ現状を維持してほしいという声が圧倒的に多いことが市の調査結果として示されております。できるだけ利用者の負担を抑えるべく運用できればよいのですが、燃料費の高騰など外的要因もある中で、また、厳しい財政状況で、限られた財源で行わなければならないことも理解いたしますが、この制度維持に向けて今後どのように考えるのかお示しください。
他方、報道等にもありますが、全道的に運転手の人材不足が、バス路線やバスダイヤ確保の上で厳しい問題であるとのことです。本市の公共交通は、北海道中央バス株式会社がその大部分を担っている状況ですが、この問題は同じく深刻な課題と言えるものと思います。今後、市として対応、取り組みを行うものがあればお示しください。市民の移動手段を確保するために重要な課題であると考えます。
次に、最上地域における太陽光発電事業者よりの土地購入について伺います。
この土地は、小樽市所有であったところ、太陽光発電事業の展開を希望する事業者に、市が一般競争入札により売却したものであります。売却について、関係法令に照らし違法な状況ではないものの、国が示すFIT事業者に対するガイドラインで、事業者側から住民へ、建設、事業実施に係る事柄を十分に周知や説明するべきことが記されており、さらには住民とトラブルが多発していることまでも指摘されているにもかかわらず、事業者が当初十分な説明を行う機会を設けなかったこと、近隣住民の猛反発を受けてきたことは、これまでの経過で私も認識しております。とはいえ、一度契約が成立した案件ではあるもので、市は買い戻しを検討されてきたと説明を受けましたが、金額は当初売却時の1,611万円に対し、このたびの購入額は3,000万円ということであります。この3,000万円となった根拠は何かお示しください。
そして、当該企業との交渉の際、購入以外にとるべき手段はなかったのかお示しください。
さらに肝心なことは、今後このような問題を発生させないためにしっかりと手段を講じることであります。この点、市としてどのように考えているのかお示しください。
次に、除排雪について伺います。
市では目下、雪対策基本計画の策定作業を進めている状況ですが、今冬は大変雪が少なく、比較的穏やかな冬を過ごしております。その少雪の状況について伺います。
直近の累計降雪量、積雪深、除排雪事業の執行率をお示しください。
冬の安心・安全について、今冬、我々は二つの場合を考えなければなりません。その一つは、今後、大雪の状況を迎えた場合への対応です。近年、急速に発達した低気圧が短時間で多くの雪を降らせる状況がうかがえます。こうした状況下でも除排雪がしっかりと行われるのか。また、降雪量がふえ、除排雪業務が増加した場合、現予算を超える事業執行が必要になった場合、補正等の対応はできるのかということであります。この点、市の見解を求めます。
2点目は、このまま少雪で事業の執行率が低いまま今期の事業終了を迎えた場合です。
小樽市総合除雪の事業者は一定の除排雪業務を遂行し、その対価を得ることを期待しているわけですが、人員配置や準備について経費もかかるところ、一定の保証を行わなければ、今後持続可能な除排雪体制を維持できるかという問題も生じてまいります。隣接の札幌市でも同じ問題に対し対応を検討しておりますが、本市では除排雪事業者に対しどのような対応を行う考えなのかお示しください。また、その対応は事業者が今後も除排雪事業を担っていただけるよう協議の場を設けていくのかお示しください。
最後に、動物愛護に関する市の取り組みについて質問します。
市内では、ペットとして飼われていたものの、飼い主に飼育困難な状況が発生したり、多頭飼育崩壊や飼育放棄などにより要保護動物を保護する活動を展開する団体、個人があります。ペットの苦情は主に市保健所が受け付けることになると思いますが、保護を要する犬や猫への対応は相当数、民間の個人、団体に応援を要請している現状を耳にしております。
動物愛護の観点から何点か伺います。要保護動物、主に犬や猫でありますが、本市で保護についての活動の取り組みとして、どのような活動を行っているのかお示しください。
猫については、地域住民がその近隣にいる野良猫に餌を与えることにより、その結果頭数がふえ、衛生上の問題や子猫が命を長らえることなく死んでいる状況が発生します。これを阻止するため野良猫を捕獲し不妊手術を施し、地域猫として地域に戻すTNR活動が行われております。活動に資金が必要ですが、動物愛護と地域の衛生環境保全という観点から、今後市としても推進に取り組むべきと考えます。見解をお示しください。
犬については、現在要保護犬は小樽市犬管理所で一時保護を行うとされております。この事業を本市では民間団体に委託し業務を行っていると聞いておりますが、事業を行う民間団体からは、十分な予算を確保できず苦慮しているということも伺っております。動物を愛護し保護する団体の方々は、慈愛の精神でそれぞれの活動に臨んでおります。その精神に寄り添い、動物に関する行政をこのような市民と一緒に進めていくことは、市民参加と協働によるまちづくりを推進しようとする本市総合計画の理念にかなうものと考えます。この点も市の積極的な取り組みを望むものであります。見解を求めます。
また、同時に要保護動物について責任を持って飼育できる里親のもとでペットとして暮らす機会創出も大切です。里親探しの取り組みもぜひ行っていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
最後に、今、政府でもテレビCM等を通して動物虐待や無理のある飼育の是正を呼びかける取り組みを行っております。市民と協働の中で本市も独自の取り組みを行っていただきたいと考えます。見解をお示しください。
動物愛護の精神を向上させ、ペットと温かく暮らせるまちづくりは、動物に優しいまちという、まちのイメージ向上にもつながります。迫市長も猫がお好きと伺っております。ぜひ市民の皆様とともにお取り組みいただきたいと思います。
以上、再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、市民の安心、安全について御質問がありました。
初めに地域包括ケアシステムについてですが、統合医療につきましては、厚生労働省の統合医療に係る情報発信等推進事業に基づき構築された情報発信サイトにより、引き続き国の動向を見守っているところであります。
次に、ふれあいパス制度と地域公共交通維持についてですが、まず、ふれあいパス制度につきましては、本制度は事業の本来の目的である高齢者の積極的な外出の支援をするため、できるだけ多くの方が利用できる制度として継続してまいります。そのため制度設計においては、本市の厳しい財政状況から、事業費の抑制も考える必要があるほか、公共交通の利用促進の観点なども考慮する必要がありますので、事業者の御協力を得ながら持続可能な制度となるよう見直しを進めていく考えでおります。
次に、バス運転手不足への市の取り組み等につきましては、市民の皆さんに対しましては、バス運転手不足の現状やそれによる減便などへの影響、バス事業者による大型二種免許取得の支援制度についてお知らせするとともに、バス事業者に対しましては、企業と求職者のマッチングを目的とした合同企業説明会などの情報提供を引き続き行ってまいりたいと考えております。
また、バス運転手の人材確保については、全国的な喫緊の課題であることから、国や北海道に対しましても、より即効性のある対策に取り組むことを北海道市長会を通じ要請してまいりたいと考えております。
次に、最上地域における太陽光発電事業者よりの土地購入についてですが、まず3,000万円の購入金額につきましては、事業者が計画していた太陽光発電所に対して地域住民などから多くの反対があることを重く受けとめ、買い戻しも選択肢と捉え事業者に購入を打診したところ、検討するとの回答を得たことから交渉を開始いたしました。事業者が当初提示した金額は、本市が想定していた金額との乖離が著しく、市として受け入れることはできませんでした。その後、事業者が提示した金額の詳細な内訳を求めるなど交渉を重ねましたが、詳細な内訳は示されなかったことから、まずは落札価格に事業者が土地取得に費やしたと想定される金額を加算して提示いたしましたが、事業者が想定する金額との乖離があり、合意に至りませんでした。そのため事業者が行った営業に関わる経費などを加味した金額3,000万円を市の最終回答として提示をし、事業者から合意を得たものであります。
次に、土地購入以外にとるべき手段はなかったのかにつきましては、市といたしましては、当該地の売却や事業者の計画には違法性がないと考えられることから、このままでは地域住民の理解が得られないまま建設が推し進められる可能性が高く、本件を解決し地域住民の不安を解消するためには、当該地を購入する以外の手段が見つからず、また、本件が市有地を売却したことに端を発していることを踏まえ、事業者と交渉を開始する判断をしたものであります。
次に、今後このような問題を発生させないための手段につきましては、本市で太陽光発電施設が建設される場合には、現在策定中の小樽市太陽光発電施設の設置に関するガイドラインを事業者に示し、近隣住民とのトラブルの未然防止に努めたいと考えております。また、市有地を売却する際には、それぞれのケースに応じて、当該地の周辺環境などに配慮した条件や、トラブルに備えた特約条項を付して入札や契約を行うこととしております。
次に、除排雪についてですが、まず、直近の累計降雪量等につきましては、2月19日現在で累計降雪量が342センチメートル、積雪深が41センチメートル、除排雪費の執行率は2月16日現在で約38%となっております。
次に、今後大雪となった場合の対応につきましては、気象予報を注視し、除排雪の態勢を整えるとともに、路面状況や雪山状況の変化を見きわめながら、適切な除排雪作業に努めてまいりたいと考えております。また、今後降雪量がふえる場合においても現行予算の中での業務執行が可能と考えておりますが、万が一予算を超える場合は、必要に応じて予算措置を講じてまいりたいと考えております。
次に、少雪時の除雪業務に係る事業者への対応につきましては、執行率が低く最低保障割合に達しない場合は、契約書に記載の最低保障額を支払う予定であります。この保障割合については、除排雪事業者の経営の安定と除雪業務の円滑な履行を目的として設定しましたが、設定から約10年が経過しておりますので、本市の除雪業務の実態を検証し、必要に応じ事業者の見解も伺いながら、その割合や業務の積算方法について改めて検討してまいりたいと考えております。
次に、動物愛護に関する市の取り組みについてですが、まず、本市における犬や猫の保護につきましては、犬が放たれている場合は、狂犬病予防法と小樽市畜犬取締り及び野犬掃とう条例に基づいて捕獲し、犬管理所に収容して管理しております。一定期間収用後に飼い主があらわれない場合は、市ホームページで情報提供し、新しい飼い主へ譲渡しています。また、犬・猫の引き取り相談については、終生飼養の啓発を行っておりますが、事情により飼育することが困難な市民に対しては、ボランティアと連携し、飼い主探しの支援を行っております。
次に、今後、市として野良猫のTNR活動につきましては、野良猫がこれ以上ふえないようにする有効な手段であると認識しております。しかしながら、TNR活動を本市で行うためには、獣医師を初めとした人員確保や活動費用、地域住民の理解と合意を得るなどの課題を整理し、検討していく必要があると考えております。
次に、動物愛護活動に関して、予算を確保した上で市民と協働につきましては、犬管理所の管理業務については、他都市の状況や業務量を勘案しながら適切に対応してまいります。市民との協働による動物愛護を推進することは重要なことと認識しており、今後についてはボランティアと協議し、問題点を整理しながら研究してまいりたいと考えております。
次に、里親探しの取り組みにつきましては、本市においては登録ボランティアと協働で小樽飼い主探しサポートという事業を展開し、適正に飼育できる里親を探す支援を随時行っております。また、過去にはペットの譲渡会を開催しており、今後も必要に応じて開催してまいりたいと考えております。
次に、動物虐待や飼育に関しての啓発につきましては、適正な飼育を呼びかけることを目的とした犬のしつけ教室や、動物愛護週間にあわせて適正飼養の啓発パネル展をボランティアと協働で毎年開催しております。このほか、まち育てふれあいトークにおいて犬・猫の飼い方について普及啓発しており、今後も市民の要望を受けて継続していきたいと考えております。
(「議長、15番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)15番、中村吉宏議員。
○15番(中村吉宏議員)おおむねいろいろ進んでいくという積極的な御答弁を頂戴しました。
何点か再質問をさせていただきます。
まず、コミュニティ・スクールに関連してなのですが、コミュニティ・スクールで、3校それぞれの地域で特色等があるということで、いろいろ地域の状況というか、山の手小学校だったらスキーのサポートですとか、そういう特色ということで、私が言葉足らずで申しわけないのですけれども、実は想定していたことは、例えば人口の状況を見ますと高齢化が著しく進んでいるとか、人口の減が進んでいる地域というところが出てくると思うのです。例えば新光方面の地域ですと、ここ数年は比較的子育て世代の方が多く流入をしてきているという状況があると思うのですが、そういった実態を含めて、例えば高齢者の皆さんへのサポートを学校から逆に出ていって地域と連携していくですとか、そういったことを盛り込んだりということは想定されていないのかというのが、1点、そういう着想がありましての質問であったので、もしその辺について何かあれば答弁いただければと思います。
それから、経済と生活の好循環と経済政策についてですけれども、冒頭お話ししました新型コロナウイルス発症以降の市内経済の状況ということですけれども、観光客が減少、観光の状況が大きく経済的にまずダメージを与えていること。それから、製造業にも非常にダメージが大きいのだと。特に海外に物品を輸出しているような事業者のところのダメージが大きいのだということでしたけれども、少しこれはこの後の議論にも関係するので、製造業ごとの、例えばこの一月ほどの状況で、速報値でも結構ですので、数値的な、昨対比の検証ですとか、先ほど私の質問の中では、雪あかりの路の速報値を示させていただきましたけれども、そういった形で何か示せるものがあればお示しいただきたいと思います。
ふれあいパスについては、今御答弁いただきながら、財源のところで私は少しいいことを思いついたので、どこかの議論で提案させていただきたいと思います。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
○市長(迫俊哉)中村吉宏議員の御質問にお答えをさせていただきます。
新型コロナウイルス発症以降の市内経済への影響について今お尋ねがございまして、特に製造業の部分でどうなっているのかということでございますが、現在、直ちにお示しできる情報はありませんけれども、今後、関連企業にお伺いをして、どの程度の影響があるのか、あったのか、この辺については調査をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)教育長。
○教育長(林秀樹)中村吉宏議員の再質問にお答えをさせていただきます。
コミュニティ・スクールに関わって、具体的なお話などもというところだというふうに思いますけれども、それぞれの地域においてさまざまな取り組みをするというのは、それこそ学校運営協議会の中で、それぞれの学校、それから、それぞれの地域の課題だとか、先ほども議員がおっしゃったように高齢化の問題だとか、いろいろその地域地域で違う部分もございます。そういった中で、例えば考えられるとすれば、地域の高齢者と一緒に防災訓練を学校とともに、避難所までの避難訓練をするだとか、それから、例えば環境整備ということで公園の清掃をお年寄りの方と一緒にやるだとか、それから、学校の花壇を一緒に整備していただく、それから、高齢化に伴って、例えば敬老会だとか、老人福祉施設だとか、そういったところに地域の子供たちが出向いて交流をする、逆に高齢者を招いて交流をする、そういうような具体的な取り組みも考えられるのではないかというふうに考えました。
いずれにいたしましても、その地域に入っていって、いろいろな活動を地域とともに学校が行うというシステムでございますので、そういった中で学校運営協議会の中でそれぞれ活動を進めていっていただけるかというふうに思っております。
(「議長、15番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)15番、中村吉宏議員。
○15番(中村吉宏議員)コミュニティ・スクールの点なのですけれども、いろいろな取り組みをしていただくという御答弁がありましたが、そもそも本質問の趣旨としまして、前提として、学校運営協議会を通していろいろと活動の内容を検討していくということでありますけれども、この新しい3校でいろいろ説明をした中で、そもそも学校運営協議会でどのように議論していったらいいのか、何をすべきなのかというのをまだわかっていらっしゃらない方の声がいろいろ上がっているということでありました。
市として、実効性があるものについてどういうふうに取り組んでいくのかという質問の中で、3校が特色あるのだけれどという流れで質問を組んでいって、今その特色の部分を捉まえて聞いたのですが、その特色というのも逆に言うと、いろいろ考えられる、具体的な手段は今伺ったのですけれども、どういうことをしていいかわからないという方に、逆に教育委員会としていろいろ提示をしてあげる、あるいは地域の分析的な状況から、その特色も踏まえた状況をお示しながら、そういったアドバイスも必要なのではないかと思うのですけれども、こういったところの観点で、一ついかがでしょうかということで伺いたいと思います。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)教育長。
○教育長(林秀樹)中村吉宏議員の再々質問にお答えをさせていただきます。
コミュニティ・スクールですけれども、この3校につきましては、新年度に入りましてから学校運営協議会を立ち上げるという形になります。そういった中で、それぞれの特色を生かして学校で取り組んでいただきたいということで、さまざまな地域の取り組み事例も含めて私ども教育委員会のほうで御紹介をさせていただいています。その中で地域と学校が取り組める、そういう中身、地域によっては状況により取り組めないというものも出てくると思いますので、その辺は学校運営協議会の中でしっかりと議論していただいて、私どもがいろいろなメニューを出した中からやっても結構ですし、新たな取り組みを進めていただくということでもよろしいかというふうに思っております。これから各学校にはそういった取り組みを期待しているところでございます。
○議長(鈴木喜明)中村吉宏議員の会派代表質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時32分
――――――――――――――
再開午後3時00分
○議長(鈴木喜明)休憩前に引き続き、会議を再開し、会派代表質問を続行いたします。
(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)16番、中村誠吾議員。
(16番中村誠吾議員登壇)(拍手)
○16番(中村誠吾議員)令和2年第1回定例会に当たり、立憲・市民連合を代表して質問いたします。
1項目め、政策の優先順位についてであります。
小樽市では、厳しい財政で限られた財源で効果的な結果を出すためには政策の優先順位をつけなくてはなりません。それをどのように効果的に行っていくのか、私はこの視点が大切であると考えています。そこで、この問題をさきの定例会で少し話題になった会議について触れたいと思います。
子育て施策を全体で検討するという話題に対して、検討しているのは小樽の子ども・子育て支援をトータルで考える会で、各部のメンバーは各担当課長ですということをさきの予算特別委員会で答弁されていました。そのことについて違和感を覚えたので取り上げたいと思います。
それは、私はこの問題は、従来の小樽市役所の仕事のやり方を象徴していると思ったからです。本来、政策は部をまたがっていようがいまいが、事業の優先順位がある程度決まっていてしかるべきなのではないでしょうか。子育てなど同じテーマ内であれば、なおさら決まっているべきだと考えます。
第4回定例会時点の予算作成作業中に担当の課長の会議をしているのであれば、いろいろな部分で仕事が遅いと感じました。現場としては事業の優先順位がわからなければ、とりあえず予算を出すという選択肢をとりがちで、実は優先順位は低く、結局予算がつかないのであれば、現場の職員は無駄な資料を作成しているなど、無駄な仕事をしていることになります。そして、とりあえず出された事業の予算についても財政課は全て精査しなくてはなりません。また、政策の優先順位も決まっていなく、現状のような厳しい財政状況では新しい事業にチャレンジしようとする環境とは言えないのではないでしょうか。そもそも施策や事業の優先順位は、小樽市では誰がどのタイミングで決めていますか。
この問題は、さきの定例会で公明党の横尾議員が予算特別委員会で、枠配分方式について質問されていたことにも通じると思います。もちろん枠配分方式の是非はあるとは思いますが、枠配分方式であれば、部内の政策の優先順位を予算作成と同時につけることができます。そうすると優先順位が低い事業はそもそも予算作成の作業をしません。また、自分の管轄する優先順位の低い事業をやめて予算をつくり出せば、新しい事業に確実に予算をつけることができます。
さらに、施策の優先順位を決めるさまざまなデータが身近にあります。効率的に意思決定をどのように行っていくのかという問題意識から質問されたのかと勝手に推察はしますが、最近まで現場で働いておられた横尾議員も私と同じような危機感をお持ちではないのかと想像をしていました。
そして、私は、市長が市役所全体での施策の優先順位を決定するため、そして市民、議会に説明するには、行政評価が欠かせないと考えています。平成29年10月に出された報告書では、市民会議としての判定評価には至らず、市民が判断できないと報告されています。市長は平成29年度と同じ行政評価で施策や事業の優先順位を決定し、市民に説明ができるとお考えですか。
福岡県大野城市では、各施策に対し人件費も含めた施策マネジメント診断を実施しているそうです。さらに、施策マネジメント診断のほか民間活用のあり方診断、人材の育成と活用診断、地方創生事業診断を取り入れ、多角的に行政評価を行っています。誰にでもオープンにチェックできる環境づくりの頭文字を取り、公共サービスのDOCK事業を構築しています。結果、大野城市は人口1,000人当たり職員数4名という全国有数の効率的な組織運営を行っています。もちろん面積などの地理的条件、重要港湾や病院を抱える小樽市とは単純に数字だけでは比較はできません。しかし、効率的な組織運営という目標は、大野城市と変わらないはずです。市長はこの大野城市の取り組みに対しては、どういう感想やお考えをお持ちですか。また、大野城市の取り組みで参考にできる点や、まねしたいと思えるような点はあったのでしょうか。
私は、現状の意思決定の方法は問題点が多いと考えています。そのしわ寄せが財政課の職員に集まっているのではないでしょうか。ちなみに予算編成時期となる11月から2月の財政課の職員の時間外勤務は、月ごとに1人当たりどれくらいですか。
昔から財政課は予算編成時期が忙しくて当たり前ではありました。しかし、私はこの状況を当たり前だとは思わず、少しでも改善できるようにしてほしいと思っています。財政課は優秀な職員が配属されていると思います。その優秀な職員をもってしても今の状態であれば、職員はどうすることもできない根本的な問題点があるのではないでしょうか。私はその大きな問題点の一つが施策や事業の意思決定の方法や時期にあるのではないかと考えています。また、枠配分方式という手法も一つの考え方です。ぜひ、市役所全体の事務事業を効率的に行うという視点で取り組んでいただきたいと思います。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)中村誠吾議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、政策の優先順位について御質問がありました。
初めに施策や事業の優先順位の決定につきましては、まず解決すべき行政課題について、私の公約や社会的な要請などを踏まえて随時議論を行い、優先的に取り組む分野を絞り込んでおります。そして、それらの課題解決に向けた事業を選択するため、予算編成の過程において、まず財政部が全体の収支も考慮しながら事業実施の可否を検討して予算の原案を作成し、その後、私がヒアリングをした上で緊急性や課題解決への有効性などについて議論を重ね、最終的に実施する事業を決定しております。
次に、行政評価による施策や事業の優先順位の決定などにつきましては、平成29年度に行った行政評価市民会議では、第6次小樽市総合計画の施策の成果指標が少なかったことから評価判定ができなかったものと認識をしております。
今後の行政評価につきましては、第7次小樽市総合計画において成果指標の項目をふやすなどの充実を図っておりますので、その指標などにより同計画に定める施策や構成する事業の有効性などを評価できるものと考えております。その中で施策や事業の優先順位についても一定程度示すことができるものと考えております。
次に、大野城市の取り組みにつきましては、事業ごとに人件費の算出を行っているほか、施策マネジメントの視点、人材の育成と活用の視点、業務プロセスの視点など、多角的な行政評価を行っている自治体であると感じております。また、参考としたい点につきましては、同市が第三者評価のために設置をしている公共サービス改革委員会の委員構成について、学識経験者や市民公募委員のほか企業診断の専門家の方にも参画していただいている点などが考えられます。
次に、予算編成時期における財政課職員の時間外勤務につきましては、令和2年度予算編成業務は11月下旬から2月上旬まで行っており、その間に発生した1人当たりの時間外勤務の時間数は、11月が12時間、12月が159時間、1月が88時間、2月が43時間となっております。
○議長(鈴木喜明)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)16番、中村誠吾議員。
(16番中村誠吾議員登壇)
○16番(中村誠吾議員)2項目、会計年度任用職員についてお聞きします。
先ほど市の意思決定の話をさせていただきました。私は、小樽市の意思決定の問題点が会計年度任用職員制度のこの時期の提案になってしまったことにも如実にあらわれていると思います。それは先ほどの繰り返しになりますが、とにかく意思決定が遅いということに尽きます。事業の優先度、優先順位どころか、やるべき仕事の優先順位をしっかりつけられているのか、非常に疑問な状態なのです。
総務省の調査では、平成31年4月1日時点ですが、令和元年9月までに議会提案の実施を予定していた団体が9割です。令和2年1月議会に提案すると回答した団体は、当時ゼロでした。総務省は、募集開始時期、制度の周知期間などを勘案し、遺漏なく速やかに条例制定の準備を進める必要があるとしたのです。
とある文書があります。会計年度任用職員制度関係条例の制定状況等に関する調査結果について。令和2年1月、総務省自治行政局公務員部。一つ、関係条例の制定状況について、「1月中に臨時議会を開催し議決した団体も含め、ほぼ全ての団体が関係条例を制定したが、未制定の団体が4団体残っている。未制定の団体においては、円滑な募集・任用を行うため、臨時議会を開催するなど、速やかに関係条例の制定に向けた取組を実施する必要がある。」とされています。この文書はインターネットで見ることができます。4団体の実名は出されていませんが、調べるとすぐにわかります。
そこで少し落ちついて質問をさせていただきますが、まず市長は、この時期の提案になったことについてはどう思われますか。また、周知期間については十分と言えるのでしょうか。隣の札幌市も9月議会に提案していますし、多くの自治体は令和元年9月議会に提案しています。私が調べた限りでは、網走市は同様の条例を1年前の平成31年3月28日に成立させています。
小樽市がこの時期の提案になった理由は何でしょうか。他市は早く提案できているのに小樽市ができなかったことについて、小樽市に特有の理由はあるのでしょうか。
次に、各市においては、令和2年4月1日から任用を予定している会計年度任用職員の募集を始めています。小樽市はまだ条例案の状態なのですから、当然募集は不可能です。このような状態で会計年度任用職員制度として法律的に問題はないのでしょうか、お答えください。
今回の条例案の内容面では、大きな問題点があるとは思いませんので、反対とは申しません。しかし、もし条例の内容に不満があり、修正を求め、継続審議となるような条例案ならどうするのでしょうか。そして、いざ議会が条例案を継続審議しようとしても、今は既に3月です。4月からの会計年度任用職員制度に係る業務に支障が出るような状況であり、市政や職員の混乱を考えれば、継続審査を諦めざるを得ないような状況と言えるのではないでしょうか。
この時期の条例案の提案は、議会の議決権を制限するに等しい行為だと思います。市長はこのような認識はありますか。少し厳しい意見を述べさせていただきましたが、このような事態に陥ったことについて原因を究明し、次回に生かすことが重要だと思います。よろしくお願いします。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、会計年度任用職員について御質問がありました。
まず、関係条例案の提案時期につきましては、昨年の第4回定例会までの提案を目指しておりましたが、制度設計がうまくいかず、結果的に今定例会での提案になってしまいましたことは、まことに遺憾であります。本市においては、基本的には現在の嘱託員は所属長との面談等による能力の実証を経て、会計年度任用職員として任用することとしており、不足分についてのみ公募をする予定であります。
公募に当たっては、関係条例の公布を経てからとなりますので、周知期間は十分とは言えないものと認識しております。
次に、提案が遅くなった理由につきましては、厳しい財政状況のもと任用の際における号俸のあり方や期末手当支給率の設定など、制度設計案の検討に時間を要し、職員組合への提案が昨年9月となりました。その後、職員組合と協議を開始し、制度設計を幾度にわたって見直したことから、最終案に対する労使協議の時間を確保できず、結果的に今定例会での提案となってしまったものであります。
次に、法的な問題につきましては、現在関係条例案を上程中ですので、新たに任用する職員を公募できる状況ではありませんが、本年4月1日から会計年度任用職員制度を導入するためには、地方公務員法及び地方自治法に基づき給与や勤務時間などを条例で定める必要がありますので、任用時までに関係条例を公布できれば法的な問題は生じないものと考えております。
次に、議決権の制限という御指摘につきましては、会計年度任用職員制度は本年4月からスタートするため、今定例会において関係条例を御可決いただかなければ4月からの任用ができず、業務上大きな支障を来すほか、職員自身の生活にも多大な影響を及ぼすことになってしまいます。意図したものではないとはいえ、結果として議員御指摘のとおりの状況になっていると認識しており、大変申しわけなく思っております。
○議長(鈴木喜明)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)16番、中村誠吾議員。
(16番中村誠吾議員登壇)
○16番(中村誠吾議員)3項目め、組織改革についてです。
思い浮かぶのは、組織改革です。どのような組織が今の小樽市役所に最適なのか、それは市長の権限で決めることですので、現段階で多くの質問をすることにどれほど意味があるのかは私にもわかりかねる部分がありますので、先ほど来話題にしている意思決定の方法などについてお聞きしたいと思います。
私は、今回の組織改革の肝は、総合窓口課を創設し、窓口のワンストップ化をするのか、しないのかだと考えています。2018年の第4回定例会で私の質問に、「窓口のワンストップ化につきましては、さきの組織改革の中で検討をしたものの、別館1階のスペースが手狭なことに加え、広範囲な窓口業務に対応する職員の養成や、これらを専任で対応するための職員の確保などを理由に実施を見送った経緯があるとの説明を受けております。しかしながら、市民の利便性の向上は優先して取り組まなければならない課題でありますので、今後は組織改革の中で検討してまいりたいと考えております。」と答弁されています。
このときは気にはなりませんでしたが、ここ最近の小樽市の仕事のやり方を見て、言葉尻を捉えるようなことかもしれませんが、「今後は組織改革の中で検討してまいりたい」という答弁が気になりました。というのも、私は窓口のワンストップ化については、組織改革に先立って決める必要があると考えるからです。なぜなら、窓口のワンストップ化をするかしないかで、組織の形や各課の人工計画が大きく変わるからです。大きく組織が変わるのであれば、まずこの部分を決めないと、組織改革を検討する中で2パターンを用意しなければならないなど、仕事がふえる可能性が高いと思います。
窓口のワンストップ化をするかしないか、各種手続を一つの窓口で解決する、総合窓口を創設するかどうかで組織の形が大きく変わるかどうかという点について、市長の見解をお聞かせください。
私は、まずこの点についてどのような形で可能なのか、それとも現状では不可能なのか、市長の決断ではっきりさせてほしいと考えています。
この点について、組織改革については現在庁内で検討されていることは理解しています。そこであえて申し上げますが、窓口のワンストップ化を先に決定することは可能ですか。私自身は、窓口のワンストップ化は実現してほしいと考えています。市民の利便性もありますし、市民の市役所の印象を左右するのも窓口だからです。職員がすばらしい接客をしても、あちらこちらに歩かされて、それぞれの窓口で待たされたとなりますと、小樽市に好印象を持ってもらえるはずがありません。皆さんも小樽市の転入の手続を想像してください。引っ越しだけでも疲れているのに、その上での市役所の手続です。小さい子供がいれば、子供たちを抱えてさまざまな窓口に行かなければなりません。それなのに子供関係の窓口は4階です。転校など学校関係の手続はそれぞれの学校や教育委員会に行かなければなりません。そして、帰ったら家の片づけが待っているのです。私なら文句の一つも言いたくなります。
新しく小樽市民になってもらえたのに、あちらこちらの窓口に行かせてしまう現状は当たり前なのでしょうか。この現状について市長の見解をお聞かせください。
そして、現状を大きく改善できるのは、今後予定されている組織改革しかないのです。さきの組織改革のときのようにできない理由を並べるのでは、私は納得できません。平成20年の組織改革時とは違い、庁内のITも進んでいます。今のパソコンシステムなら、職員はどこの机でも仕事はできるはずです。だからこそ市長が可能な限りワンストップはするのだという意思表示をする。その上でそれぞれの部で組織の細部を考えてほしいという指示をすべきだと考えます。
市長の本気の指示があれば、別館1階のスペースだって捻出できるのではないでしょうか。それは、現在、戸籍は電子化していますし、IT化によって職員の身近に置かなければならない書類は減っているはずです。ほかにもさまざまな部署でIT化が進んでいるのですから、本当に別館1階に置くべき書類はかなり減っているはずです。そして、今の仕事のやり方であれば、ほとんどの書類はパソコンの中にもあるはずです。書類を置いているスペースを新たな用途に使えるはずです。私は、現場の課のスペースを足し算のように当てはめていくからスペースがないという結論になるのではないかと思っています。そうではなくて、窓口のワンストップ化をゼロベースで議論すべきだと思います。
また、職員の養成についても、全ての総合窓口課の職員が担うのではなく、転入・転出など基本的な対応は総合窓口課の職員が担当し、複雑な案件は担当課の職員が総合窓口課の窓口とパソコンを使用して接客するか、担当課の指示を仰ぎつつ総合窓口課の職員が接客するようにすれば、解決できるのではないでしょうか。
私は、市長のやる気や本気が職員に伝わるかどうかの問題だと思っています。市長が本気で意思表示をしないと職員は知恵を出しません。それは先ほど来申し上げているように決定事項なのかわからなければ無駄な仕事になる可能性がありますので、そのような仕事には打ち込めません。私は、これくらい言わないと窓口のワンストップ化は実現しないのではないかという危機感があります。
それは、窓口のワンストップ化はぎりぎりになって各部が調整できるレベルの問題ではないからです。そして、先ほど紹介した大野城市は既に窓口をワンストップ化しています。そして、キッズコーナーまであります。小樽市は、前回はスペースや人材を理由に断念しましたが、現状の小樽市で窓口のワンストップ化が不可能な理由はありますか。
会計年度任用職員の制度設計のやり方や予算編成の過程を見ていると、結局ぎりぎりになって全てが決まるような仕事をするのではないかとも疑いたくなります。やはり大局的な意思決定を市長が明確な形で、早い段階でやるべきだと思っています。
組織改革は、今後の10年の小樽市の仕事のやり方にかかわる大きな意思決定です。そして、窓口のワンストップ化は大局的な意思決定だと思っています。ぜひ、市民の利便性が向上し、職員の仕事がスムーズになるような条例案を自信を持って提案していただきたいと思います。その上でまた議論したいと考えています。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、組織改革について御質問がありました。
初めに、窓口のワンストップ化などで組織の形が大きく変わるのかにつきましては、各種手続を一つの窓口で解決する総合窓口課の創設や窓口のワンストップ化には、関連する部署間の調整を行い、一定程度の広いスペースや人員の確保が必要となりますので、現在の本市における組織の状況からは大きく変わるものと認識をしております。
次に、窓口のワンストップ化を先に決定することにつきましては、全ての窓口業務を一つのフロアに集約することは人員やスペースの確保などの問題もあり難しいと考えておりますけれども、福祉の相談窓口や子育ての手続などについては、関連する業務をできる限り整理をし、分野ごとのワンストップ化を進めることは既に決めております。
次に、転入手続の現状につきましては、特に小学生、中学生がいる世帯では、本庁舎別館1階の戸籍住民課や福祉医療係、4階の子育て支援室のほか、転校先の学校など、本庁舎以外にも転入に係る手続が必要となっていることは承知をしております。今後、少しでも利便性が向上するよう、窓口における手続の負担軽減について、どのようなことができるのか検討してまいりたいと考えております。
次に、窓口のワンストップ化につきましては、庁舎の構造的な問題があり、一つのフロアに多くの業務を集約することは難しいものと考えておりますが、市民サービスの向上のためにはワンストップ化の視点は必要と考えておりますので、このたびの組織改革では、繰り返しになりますが、福祉の総合相談窓口を新設するほか、子育て分野の関連業務を可能な限り集約するなど、市民の皆さんの利便性向上を図ってまいりたいと考えております。
○議長(鈴木喜明)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)16番、中村誠吾議員。
(16番中村誠吾議員登壇)
○16番(中村誠吾議員)ふるさと納税についてお聞きします。
以前、ふるさと納税を取り扱うポータルサイトが、小樽市ではなぜ一つなのかという点を質問させていただきました。令和2年度からふえるという話ですので、まず素直にありがとうございますと申し上げたいです。
ただ、私は、まだできることがあるのではないかと考えています。さきの議会では、小樽市職員提案規程の話をしましたが、私はそこに職員にチャレンジしてもらう、そして褒めることによって仕事の楽しさを感じてもらい、人材育成をしていくという思いを込めたつもりです。私はこの思いは、ふるさと納税制度によって少し具体的な形にできるかと思いまして、ふるさと納税促進に係る市役所の仕組みを少し提案させていただこうと思っています。
その仕組みとは、まず、小樽市職員一人一人が一定額のふるさと納税のメニューを考えます。もちろん重複しても構いません。そして、メニューのよさをホームページ上でアピールします。そして、メニューと職員をひもづけておいて、職員が考えたメニューの寄附金額を集計して、公表して、上位の職員を表彰し、一定の金品を贈呈するというものです。
まずお聞きしたいのは、このような仕組みは、ふるさと納税の制度上、問題はあるのでしょうか。私はこの制度に込めた思いは、まず、市職員一人一人に小樽市の特産品について知ってもらう機会になるということです。そして、アピールするという業務を通して学べることはたくさんあります。また、自分の考えたメニューを市職員一人一人に市外に住む親戚、友人、知人に、ふるさと納税の営業をしてもらいたいとも思っています。SNSでの発信はすばらしい効果があるかもしれません。もしかしたらSNS等で発信力がある職員がいるかもしれませんし、その職員の力を生かすのです。私は、小樽市の特産品は、ことしの1位の根室市にも負けないくらい、種類や魅力があると思っています。だからこそ市職員の紹介やそのストーリーがあれば、多くの納税者が注目するのではないでしょうか。
さらに、同郷で同年代の市職員が勧める特産品なら、私も興味を持ちます。それなら、お勧めしている市職員の出身地や育った土地、年代や性別など、簡易なプロフィールを検索できるようにすればよいのです。
また、日本人はランキングが好きです。小樽市の中での特産品のランキングは甲乙つけがたいですが、市職員のお勧めメニューなら、特産品そのものの甲乙ではないですし、ついつい見てしまう人も多いのではないでしょうか。ふるさと納税のホームページ自体が魅力ある、興味をそそるホームページになるのではないかと思います。
外部にランキングを出すと同時に、その結果を内部の評価にも使用し、上位の職員に一定金額を贈呈するのです。そして、その評価は、市長や部長などの管理職、一般の職員、非正規職員も全てスタートは平等の条件で競い評価されますので、全職員に対してよい刺激になるのではないでしょうか。
私は、職員の人材育成とふるさと納税の拡大ということから、このような制度を考えていますが、私の提案に対して、市長の見解はいかがでしょうか。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、ふるさと納税について御質問がありました。
市職員が返礼品をアピールすることに対する制度上の問題と御提案に対する見解につきましては、総務省からは、返礼品を強調した宣伝広告を行わないこととの基準が示されていることから、個別の案件として、このたび北海道後志総合振興局に確認したところ、抵触するおそれがあるとの見解を得たものであります。
しかしながら、ふるさと納税の寄附額を拡大させるために職員の発想を取り入れることは、人材育成の観点からも意義あることと認識をしておりますので、今後どのような方法が行えるのか検討してまいりたいと考えております。
○議長(鈴木喜明)次に、第5項目めの質問に入ります。
(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)16番、中村誠吾議員。
(16番中村誠吾議員登壇)
○16番(中村誠吾議員)PPP/PFIについてお聞きします。
公共施設再編の中でも検討するとされているPPP/PFIですが、小樽市の財政状況を考えると、このPPP/PFIの手法は当然考えられるべきです。もちろん小樽市公共施設等総合管理計画にもその言葉が出てきます。今後策定される公共施設の長寿命化計画において、PPP/PFIの検討を予定している公共施設はありますか。
ただ、私はPFIを検討するのであれば、民間事業者が注目するような需要が存在するのかが最も大切になると考えています。急激な人口減に直面している小樽市において、民間事業者が注目するような需要があるのかは疑問があり、単純な事業、他市でもできるような事業では全く見向きもされないような結果になるのではないでしょうか。
先日、倶知安町ひらふ第1ゲート駐車場をシンボルゲートとして整備する方針を発表しました。整備と運営に当たってはPFIも検討するとしています。やはり世界的に知名度もあり、他市ではまねができない事業なので、PFIという話も当然出てくるなと思いました。
直接的なきっかけは、慢性的な交通渋滞とのことですが、交通渋滞するということは、やはりそこに需要があるからです。そこで、私は一つの記事を思い出しました。それは2017年の北海道新聞に、塩谷丸山登山口の近隣住民が登山客の路上駐車によって生活が脅かされているという記事です。これは共産党の川畑議員が多く質問していることです。今回の定例会では、公明党の横尾議員の名前も出しましたし、次に川畑議員の名前も出して申しわけありませんが、事実なのでお許しください。
そこで質問なのですが、まず、市長にお伺いしたいのは、塩谷丸山登山口の路上駐車対策について、その後、小樽市はどのような対策をとりましたか。路上駐車は対策をしなければ迷惑なものです。しかし、見方を変えれば需要があると捉えることができるのではないでしょうか。近年、登山の人気が高まってきています。また、迫市長も登山を楽しんできたと聞いています。塩谷丸山は札幌近郊で手軽の上、日本海を一望でき、眺望がすばらしく、道内で有数の人気の山です。さらに2018年、塩谷丸山近くに小樽塩谷インターができました。札幌圏に多くいるであろう登山愛好家にとっては、ますます塩谷丸山が身近な存在となり、人気が高まると考えます。
このような状況においては、路上駐車を規制したりすることによって解決するという方法を転換して、塩谷丸山を一つの観光資源と捉えていくべきだと考えます。倶知安町の事業とは規模が違いますが、塩谷丸山の登山口で路上駐車が問題になるということは、そこに需要があるからと考えることはできないでしょうか。
そこでまず、小樽市は塩谷丸山をしっかり観光資源として捉えるべきだと思いますが、市長の見解はいかがですか。
そして、塩谷丸山は、観光地として近年、外国人にも人気の天狗山と縦走路でつながっている山であります。さらに、新小樽(仮称)駅建設予定地の奥にあり、小樽の秘境として人気がある、穴滝ともつながっています。しかし、それほど縦走している登山客はいないとも聞いています。その一つが、縦走路そのものの知名度と塩谷丸山へのアクセスの問題があるのではないでしょうか。
塩谷丸山には、バスがとまれるような場所はありません。もしバスがとまれるようになれば、天狗山との縦走をするツアーを組むことができるようになるなど、新たな需要を掘り起こすことができるのではないでしょうか。つまり小樽市は、塩谷丸山の可能性を生かし切っていないとも言えるのです。
そこで、登山客のニーズに応え、さらに新たなニーズを掘り起こすためにも、小樽市がPFIの導入を検討し、まずは駐車場、可能なら公園やキャンプ場も整備していくべきと考えますが、市長の見解はいかがですか。
私は、塩谷丸山の登山口に人が集まるなら、うまくいけば温泉などの入浴施設を整備できるのではないかと考えられます。また、天狗山との相乗効果を見込むことができ、天狗山の観光資源としての価値が上がると思います。そして、何より塩谷丸山の登山口周辺に住む住民の生活を守ることができますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
再質問を留保し、私の質問を終わります。(拍手)
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、PPP/PFIについて御質問がありました。
初めに、PPP/PFIの検討を予定している公共施設につきましては、施設整備を行うに当たってはPPP/PFIによる官民連携事業を導入することで民間ノウハウを効果的に活用し、建設費の縮減を図るとともに、建設後の維持管理費の低減も図ることが期待できることから、大規模施設である市民会館や総合体育館等の建てかえなどにおいて検討を予定しているものであります。
次に、塩谷丸山の登山口の路上駐車対策につきましては、登山口付近にある高速道路の工事車両用の駐車スペースを東日本高速道路株式会社から譲渡を受けることとなり、昨年春に登山口駐車場として整備し、案内看板を設置したところであります。これにより駐車場の利用が促され、昨年においては住民生活に影響を与えるような状況はなかったものと認識をしております。
次に、塩谷丸山を観光資源として捉えることにつきましては、第二次小樽市観光基本計画で主要施策の一つとして「小樽の“山”の知られざる魅力の発信」をうたっており、塩谷丸山は手軽に登山でき、眺望がすばらしい観光資源であると認識をしており、現に多くの登山客も訪れていることから、小樽山岳連盟と協力しながら、さらなる魅力の発信に努めてまいりたいと考えております。
次に、登山客の新たなニーズの掘り起こしにつきましては、登山者の駐車場を整備し、利用環境を整えたところであり、当面は現状の駐車場の利用促進を図るとともに、小樽山岳連盟の御意見も伺いながら魅力発信を継続することで、登山者のニーズの把握に努めてまいりたいと考えております。
(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)16番、中村誠吾議員。
○16番(中村誠吾議員)何点か再質問をさせていただきます。
私が今定例会で市長に聞きたかったテーマの大きな一つが、市役所としての意思決定と、そのマネジメント方法のあり方だったわけですけれども、私は、現状の体制では、世の中が急速に変化していく中で新しい問題に対応できるのか大いに不安があると思っています。そして、その短所というか糸口のようなものがあらわれている問題に対して質問をしたつもりなのです。
財政難の小樽市では、膨大な労力をかけて予算編成を行っています。この点は私も敬意を表しますし、その苦労の結果を議論させていただいているということは理解しています。しかし、全体を市長がうまくコントロールできる体制になっているのかは、いま一度検証する必要があるのではないかとも思っているのです。これは、質を落とすことなく労力を減らしていく取り決めは、私は喫緊の課題だと思っています。
そこで質問なのですけれども、先ほど言った枠配分方式も含めて、市長として予算編成の方法を見直していくというお気持ちはお持ちですか。それとも、失礼ながら、今までどおりのやり方で何とかなるとお考えですか。これが一つ目なのです。
次に、そして会計年度任用職員なのです、しつこいと言われるかもしれませんが。特にここは仕事のマネジメントのまずさがこの結果にあらわれています。私は、この問題は根が深いと思っています。今回いろいろ答弁をいただきました。申しわけないという気持ちは十分伝わり、小樽市の状況は理解したつもりです。ただ、私が改めてお聞きしたいのは、例えば第3回定例会までに何としても提案するのだというような大方針の意思決定をしていなかったのか、それとも意思決定はしていたけれども組織全体に伝わる仕組みが不十分だったのか。さらに、組織全体に意思決定は十分に伝わっていたけれども、その仕事をスケジュールどおりにこなす力が組織として不足していなかったのか。これまでを振り返って、どのあたりが問題だとお考えですか。質問ですけれども、はっきり聞きましょう。市長の直感で結構です。素直な感想だけで結構ですので、今の点についてお答えいただきたいと思います。
私は、こういう考え方や方向性でいくという意思決定があって、その意思決定が組織全体に伝わって、現場の課長や職員が方向性を意識しながら仕事のスケジュールややり方を考えて、市役所の仕事を行っていくということなのだと入庁してからずっと思っていました。だから組織改革では、考え方や方向性の意思決定ということで総合窓口課の窓口ワンストップ化の質問をさせていただいているのです。
答弁を聞いて改めて思い浮かんだことは、小樽市の組織改革については一度条例案が否決されていることなのです。市長、この事実を忘れないで取り組んでいただきたいのです。またかと思われるけれども、森井前市長の下では、市長のポリシーも何もなくて、数合わせに終始して、職員組合の合意もないまま、結果、人件費がふえた条例案という結果になりました。ですので、厳しい指摘ですけれども、私のお願いとしては、総合窓口の実現については、思いはありますが、とにかく次に出す案は前市長との違いをきちんと説明できるようにしてほしいのです。できる範囲で結構です。
そして質問ですけれども、前回の条例案との違いをしっかり説明できるような条例案に向けて努力するという決意を、市長には今この場で表明していただきたいと思っていました。
これは一つの例なのですが、調べてきたのですけれども、前回の条例案と対照的なのは、今回の帯広市なのです。帯広市では、部を減らして、その下に室をつくる大きな組織改革を行うそうです。帯広市の米沢市長はこう言っているのです。部の統合により部長が横糸を通していけると考えていると。部長の仕事は部全体のマネジメントにかかっていき、室が機動的に動くことで、今まで部長が管理していた分も担っていくとコメントをされたのです。そして、大きな目的として関連施策の統合と課長、係長職の負担軽減を上げています。
それで、質問というか感想みたいな話なのですけれども、このような帯広市の組織改革案を小樽市は参考にするつもりはありますか。見解があればお伺いします。
(発言する者あり)
はい。今のは、どうぞ判断で。
次に、ふるさと納税なのですけれども、これで終わるのですが、私の思い込みかもしれませんけれども、小樽市の知名度と特産品の豊富さ、すばらしさから考えて、このようなふるさと納税額のはずがないと思っているのです。小樽市のふるさと納税はもっとポテンシャルがあるはずだという点について、市長の考えを改めてお聞きしたいと思います。
そこで、納税のやり方、見せ方が足りないのではないかという考えもあるのですけれども、別に何でも泉佐野市のようにやれと言っているわけではないのです、あそこまでやれとは言いません。ただ、総務省が公表している平成29年度の決算額で、小樽市は5,000件で1億2,000万円、稚内市は9万件で15億円、根室市が24万件で39億円です。質問なのですけれども、市長はこの差は何だと分析しますか。
それで、最近このPDCAサイクルがよく出てきますけれども、ふるさと納税の政策こそ、私はPDCAサイクルに当てはまると思っているのです。市役所の仕事はCのチェックが難しいですから。ところが、ふるさと納税は金額で簡単にチェックできるのです。というような考えからして、これも質問です。市長としてはさまざまなプランをこれから考えていくお考えは、先ほど申し上げたと思うのですけれども、さらにお考えがあるかお聞きしたいと思います。
このように、ふるさと納税一つとっても、私はやっていかない、進めていかない理由はないです。税が入るか、入らないかだけの話ですから。そして、ふるさと納税がふえれば、事業の方、市内の業者の売り上げが伸びるのです。二つ伸びていくのです。そういうことも含めて、ぜひ取り組んでいただきたいと思いますし、再質問にしては少し違う観点からも話してしまったのですけれども、お答えいただければ幸いと思います。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求める前に、中村誠吾議員が自分でおっしゃったように、帯広市の件は本質問では全く触れておりませんので、もし答えられるのであれば、それはあるかもしれませんけれども、一応は再質問としては取り上げられないと思います。
それと微妙なところは、根室市について、名前は出ていますけれども、市の職員がやっていただくということで、若干微妙、苦しいところがありますので、これも説明員の御判断で答えるということになります。
それでは、説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
○市長(迫俊哉)中村誠吾議員の再質問にお答えをさせていただきます。
最初に意思決定のあり方につきまして、予算編成のあり方、具体的には膨大な労力が費やされているのではないかというお尋ねでございましたけれども、これにつきましては、決してこのままでいいというふうには思っておりません。どういったやり方がいいかどうかは、これからも考えていかなければなりませんけれども、より効果的なやり方があるのではないかというふうにも思っているところでございますので、改善できるものについては改善をしていきたいというふうに思っております。
それから、会計年度任用職員の関係につきましては、先ほども御答弁をさせていただいたとおり、大変申しわけなく思っておりますけれども、何が原因かと言われれば、私がはっきりとした、あるいはしっかりとした方針を、しっかりと早い時期に示すことができなかった。つまり、私自身のリーダーシップがそこに十分至らなかったのではないかということで、この件については本当に反省をしているところでございます。
それから、組織改革の総合窓口課についての再質問でございますけれども、これから本格的に組織改革案を庁内で議論させていただきたいというふうに思っておりますが、職員にとっても市民にとっても当然、効率的な組織づくりには努めていきたいというふうに思っておりますけれども、しっかりと特徴のある、その点については市民の皆様にも理解できるような明確な形でお示しをさせていただきたいというふうに思っておりますし、今、帯広市の事例を御提示されましたけれども、帯広市に限らず、ほかの自治体でいい取り組みをしているということであれば、そういった部分についても当然参考にさせていただかなければいけないというふうに思っております。
それから、ふるさと納税については、私は中村誠吾議員と全く同感でございまして、この小樽ほど知名度が高くて、特産品がたくさんありながら、なかなかふるさと納税の納税額が伸びていかないというところについては常々疑問を持っておりまして、これをどうすればいいのかということについて、しっかりと本当に考えていかなければいけないというふうに思っております。
今回、やり方を変えますけれども、本当にそれだけでいいのかどうかということについては、しっかりと考えていかなければいけませんし、根室市、稚内市の事例もお示しされましたけれども、それについてもしっかりと分析をさせていただきながら、さまざまなプランを御提示いただきながら、ふるさと納税の推進、これは小樽市の収支改善プランの中の大事な取り組みの一つとして位置づけられているわけですから、しっかり小樽の特性を生かしたふるさと納税を推進してまいりたいというふうに思っているところでございます。
(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)16番、中村誠吾議員。
○16番(中村誠吾議員)あとの細かい点は、委員会でお聞きしたいと思います。
私の質問は、これで終わります。
○議長(鈴木喜明)以上をもって本日の会派代表質問を終結し、本日はこれをもって散会いたします。
散会午後4時04分
会議録署名議員
小樽市議会 議 長 鈴 木 喜 明
議員 須 貝 修 行
議員 高 野 さくら