開議午後1時00分
○議長(鈴木喜明)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、髙橋龍議員、小貫元議員を御指名いたします。
日程第1「議案第1号ないし議案第33号」を一括議題といたします。
質疑及び一般質問を一括し、これより会派代表質問を行います。
それでは、通告がありますので、順次、発言を許します。
(「議長、14番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)14番、須貝修行議員。
(14番須貝修行議員登壇)(拍手)
○14番(須貝修行議員)自由民主党を代表して、会派代表質問をさせていただきます。
第1項目め、まちづくりについてであります。
公共施設再編素案について、まず公共施設再編計画についてお聞きいたします。一部報道が先行しておりますが、整理する意味でもお聞きしたいと思います。
将来人口が減少していく中でのまちづくりには、多くの課題が立ちはだかっていることは、私たち市民も認識しております。特に小樽市の場合、築年後30年以上の施設が数多く、これらの施設の更新は喫緊の課題であることは言うまでもありません。その中でも特に老朽化が激しく、早急なる対策が必要な39施設が今回再編の対象として取り上げられ、素案を示されました。本件に関しては、素案をもとにした計画案を12月にまとめる予定から延期する方針を示され、さらには、今定例会において特別委員会が設置され、今後議論をすることになりましたが、議論結果に大いに期待するところであります。
私は、この再編素案に関して三つの観点から質問をさせていただきたいと思います。
1番目、全体のスケジュールと決定のプロセスについてであります。
国へ提出する長寿命化計画の期限が2020年度中ということから、時間がない中、取り急ぎ素案をつくり事を進めていった背景は理解はするものの、一部から拙速であるとの指摘があったのも事実であります。私たちに素案の説明があったのが8月の後半であり、9月の第3回定例会での議論も深まらぬ間の10月の市民意見交換会、そして12月に計画案のまとめでは、余りにも性急過ぎます。
ここでは、今後の再編計画提出までの全体的なスケジュールをお示しいただきたいと思います。また、最終判断する機関、メンバーは誰なのかお示しいただきたいと思います。
2番目、市民意見交換会の準備、進め方についてであります。
7カ所8回の市民意見交換会が実施され、延べ141名の熱心な市民の方々に御参加いただきました。私も2カ所に参加いたしましたが、残念ながら、各会場ともに多くの市民の方々というわけにはいかなかったと考えております。私はその後、担当部局から資料をたくさんいただき、個人的に説明と御意見をいただいて歩きましたが、その多くの方々は、意見交換会が行われたことを後で知った、また、そもそもあることを知らなかったという声が多数でありました。これでは多くの市民の方々の声は拾えません。
そこでお尋ねいたしますが、今回の参加者の人数についてどのように評価しておりますか。また、市民への周知方法において、今後の課題は何であると分析しておりますか。
国立小樽海上技術学校に関しては、我が会派ももちろん、オール小樽で存続に向けて取り組んだ成果であると認識しておりますが、ある会場ではその経緯すら誤解をされ、小樽商業高校跡の購入すら再考すべきとの声も出ておりました。また、どの会場でも、この商業高校施設にフォーカスが当たり、多くの質問が出ていたにもかかわらず、それに明確に答えることが可能な部局担当者が出席しておらず、これが新たな不信感を招き、会場がヒートアップし、負の連鎖を招いていったと私は感じました。
そこでお伺いいたしますが、今回の市民意見交換会の実施運営に当たっての総括をお聞きしたいと思います。また、本市として、この海上技術学校存続活動、そして、それに起因した商業高校購入の経緯、さらには、海上技術学校、北海道との契約内容などを市民へどのように周知を図っていく予定ですか、お聞かせください。
3番目、各施設のプランについてであります。
私は、ある会場で出ました次の言葉に強い印象を受けました。「明るい未来の見出せるプランにしてほしい」「このプランはまちづくりそのものである」「縮小縮小、住民サービスの縮小では小樽に住む誇りが感じられない」というものであります。これらの声を肝に銘じながらも、将来の世代に過大な負担を強いない、身の丈に合った稼働効率のよい、さらには小樽人の誇り、誉れをくすぐる施設を目指していかなければならないと考えます。
市庁舎、市民会館、総合体育館、市民プールなど大きな箱物については特別委員会での議論を待ちますが、生涯学習プラザ、勤労女性センター、勤労青少年ホームなどが商業高校へ移転する案に関しては、会場同様、利用者からの反対の声が圧倒的多数でありました。商業高校はとにかく不便である、町なかになければ利用率はさらに低下するというものであります。移転集約するのであれば市中心部のみ、産業会館との声が多数でありました。産業会館の方針は提示されておりませんが、本市として今後産業会館をどのように活用していくのか、これらの市民利用の高い施設を産業会館へ集約することはできないのか、見解を伺います。
私はほかにも、素案にあります水産卸売市場や青果卸売市場、手宮保育所や最上保育所に伺い、お話を聞いてまいりました。そこには、施設の老朽化に苦しむ姿と小樽市の財政状況を理解した上での嘆きを見ました。会場に足を運んでくれる熱心な方々の意見を聞く、そして一方で、大きな声を発しないサイレントマジョリティーのニーズ形成をどのように図っていくのか、難題ではありますが、一緒に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、コンパクトシティについてお聞きいたします。
小樽市は東西36キロメートル、南北20キロメートル、総面積243平方キロメートル、ピーク人口20万人のまちであります。しかしながら、人口の社会的減少や少子高齢化等に鑑みると、やはりコンパクトシティを念頭に置いたまちづくりビジョンが必要であると考えます。
人口増のフェーズであれば、まちは需要と供給の原理により自然にでき上がっていきます。一方、人口減のフェーズとなれば、行政がビジョンを描き、しっかりと意思を示し、誘導していかなければなりません。本市では、都市計画マスタープランにおいて市内を9地区に分けて、地域別構想及び目標が定められております。しかしながら、これだけでは明確な行政による誘導政策は見えてこず、強い意思は感じられません。
平成26年度、国土交通省から都市再生特別措置法の改正により立地適正化計画が制度化され、全国272都市が計画作成、公表を完了しております。北海道でも札幌市、旭川市、函館市、釧路市など8市6町で作成されております。同計画は、まちづくりを包括的に考えるだけではなく、従来の土地利用規制とあわせ、届出制度や補助金、融資等の誘導政策を行うことにより、コンパクトなまちづくりを具体的に進めていくことが可能となるものであります。
制度や規制緩和の一例を示しますと、都市機能の誘導を図るものとして、特定用途誘導地区、駐車場法に係る特例、居住の誘導を図るものとして都市計画、景観計画の提案制度、跡地の適正な管理活用を図るものとして跡地等管理区域、跡地等管理協定などがあります。どの制度も中身を見ましたが、まちづくりに障害となっている事象を解消できる、または一歩前へ進めることのできる制度となっております。釧路市では、居住誘導区域を八つに分け誘導策を講じるとともに、居住区域外での開発制限や基準を示した上での届出制等を定めております。
そこで質問ですが、小樽市としてコンパクトシティをどのように捉えているのか見解を伺います。また、この立地適正化計画を作成する予定はありますか、お答えください。
私は人口減少は否めないと考えますが、仮に20万人いた人口が8万人になっても、市民が十分な行政サービスを享受し、持続的な社会を実現しなければならないと考えます。コンパクトシティ構想は、住民の方の居住権の問題もありますし、全国的に見てもまだ成功例に比べて失敗例が多いのが現状ではありますが、であるからこそしっかりと準備をする、時間をかけて誘導策を講じる、そんなグランドデザインが必須と考えます。ぜひとも取り組んでいただきたいと考えます。
第1項目めを終了いたします。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)須貝議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、まちづくりについて御質問がありました。
初めに公共施設再編素案についてですが、まず、今後の再編計画に係る全体的なスケジュールにつきましては、改めて庁内で公共施設再編計画案の策定に向け検討を進め、令和2年第1回定例会には再編計画案を報告し、その後パブリックコメントを経て決定した再編計画を第2回定例会で報告したいと考えております。
次に、最終判断につきましては、私が委員長を務め、副市長と部長職で構成した公共施設等マネジメント検討委員会で協議をし、最終的にはさまざまな御意見を考慮した上で私が判断を行うこととなります。
次に、市民意見交換会参加者の人数と周知方法につきましては、まず参加者につきましては、市内7会場で延べ8回実施し、延べ141人で、1会場当たり約18名でした。会場によって参加人数にばらつきがあり、地域特性があったものと考えており、また、若い世代の多数の参加を期待しておりましたが、残念ながらそれほど多くはありませんでした。
また、周知方法については、今回、広報おたると小樽市ホームページへの掲載、回覧板による案内、再編対象施設でのポスター掲示、チラシの配布、新聞報道依頼など、考えられる方法は講じたと考えております。
次に、今回の市民意見交換会の運営に当たっての総括につきましては、今回の市民意見交換会は、平成29年に実施した個別の施設利用者に対するものとは違い、市民の皆さんから公共施設再編素案に関する意見などを幅広くいただくことを目的としたものであったため、計画策定を担当する財政部が意見交換会の対応をしたものであります。しかしながら、財政部では対応し切れない質問などがあり、限られた時間の中で不満を抱かれた参加者もいたのではないかと考えております。
次に、小樽商業高校施設の取得に係る経緯等の周知につきましては、本年4月に存続決定の概要や小樽商業高校の取得手続などの進め方について記者会見を行い、5月のFMおたるの番組内におきましても、私から存続決定の報告をさせていただいたところであります。今後も適宜ホームページやFMおたるなどを活用しながら、市民の皆さんへの情報提供に努めてまいりたいと考えております。
次に、今後の産業会館の活用につきましては、議員の御指摘のとおり、市民意見交換会において、生涯学習プラザなどの施設利用者からも同様の意見がありました。この施設は交通の便がよいことや市中心部に位置していることから、その活用によって町なかのにぎわい形成にも寄与することが考えられることから、臨時休館予定の2階ホールについて、現在、庁内において公共施設の移転先としての検討を始めたところであります。
次に、コンパクトシティについてですが、まずコンパクトシティの捉えにつきましては、人口減少下においても安心で快適な暮らしを持続できるよう、中心拠点や複数の地域拠点に公共施設などの都市機能を集約し、それらが交通ネットワークで結ばれた効率的なまちの姿であるものと考えております。
次に、立地適正化計画の作成予定につきましては、ただいまお答えした効率的なまちの姿を形成していくことに加え、小樽駅周辺の市街地再開発事業を進めるためにも、来年度以降作成に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(鈴木喜明)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、14番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)14番、須貝修行議員。
(14番須貝修行議員登壇)
○14番(須貝修行議員)第2項目、港湾・経済について。
小樽港の基本的な戦略についてお聞きいたします。
先ごろ中断していました小樽港長期構想が再開され、11月25日に約3年ぶりに検討委員会が開催されたとの説明がございました。私も、小樽港活性化を重要視する者として大変心強く思いますし、今後の議論、長期構想に大いに期待するところであります。
11月27日に開催されました、ザ・シンポジウムみなとin小樽でも、クルーズ船や対岸貿易、さらには港のにぎわいに関して述べられておりました。当日のパネルディスカッションの提案にはおおむねアグリーではありますが、少し私なりの見解を述べさせていただきたいと思います。
国際戦略についてです。
昨今の北海道港湾の報道を見てみますと、実に小樽港はライバル港に水をあけられているように思えて仕方がありません。まずは釧路港であります。釧路港は穀物の国際バルク戦略港湾に国内5港のうちの一つとして選定され、4年がかりで182億円、長さ300メートル、水深14メートルの岸壁を持つ国際物流ターミナルが昨年11月に完成し、これらに附随して港湾、道路等のインフラ整備、大型サイロの完成と整備が加速しております。近年、穀物船は大型化しており、このターミナルにより満載状態で接岸でき、物流コストを1割低減できるといいます。
次に苫小牧港です。北海道から本州への物流基地としての冷蔵倉庫の増強はもとより、最近では北極海航路を経由したコンテナ貨物を視野に入れ、先ごろ試験輸送を終了したことは報道にあったとおりであります。
釧路港でお示ししたケースは、そっくり小樽港にも当てはまります。小樽には製粉工場や配合飼料工場があり、原料供給基地の役割を果たしておりますが、外国船の大型化により満載入港できない事例は、まさしくそのものであります。また、苫小牧港の北極海航路の試験輸送は、まさに中国政府の思惑も推測されますが、今後北極海航路は俄然注目されるところであります。つい最近も、株式会社商船三井が出資する企業が2023年度までに北極圏のLNG積みかえ基地を完成させる、そしてアジアへの供給基地として西部ガス株式会社が北九州港において名乗りを上げているとの報道がなされました。国際情勢の変化スピードは大変速く、常にトップスピードにギアが入っております。この数年間の停滞により小樽市は周回おくれの状況ではありますが、何とか明確な戦略を描いていただきたいと考えます。
そこでお尋ねいたしますが、小樽港も大型バルク船に対応すべきと考えますが、今後の計画等で検討されているのでしょうか。
また、石狩湾新港にLNGの火力発電も稼働いたしました。小樽港及び石狩湾新港も、北極圏からのLNG船が中継地として寄港し、物資補給やLNG供給基地として一定のアドバンテージがあると考えますが、いかがでしょうか。
また、北極海航路についての見解と小樽港の物流拠点としての可能性について、本市の見解を伺います。
JR貨物代替輸送についてです。
北海道新幹線高速化の課題として、青函トンネルでの貨物列車との共用走行問題が取り沙汰されております。また、さきにありました記録的な大雨による台風第19号により、JR貨物の不通で北海道からの貨物輸送網は分断され、生産者、物流会社に大損害を与えたことは記憶に新しいところであります。さらには、近年の人手不足からトラック運転手の確保にも困窮している現状であることは、御承知のとおりであります。
このような状況下では、災害に強い物流ルートの確保、安定的なルートの選択肢をふやす観点からも、小樽港発着の物流輸送には一定のアドバンテージがあると考えておりますが、現状は、これらの物流は苫小牧港と釧路港がその主役であります。また、ホクレンは自前のRORO船を持ち、釧路港から日立港へ乳製品を中心に毎日ピストン輸送しているようであります。
これらの現状を踏まえ、青函トンネルの貨物列車との共用問題や太平洋側の災害リスクに備える代替輸送の観点から、小樽港の利用促進に向けた取り組みを進めるべきと考えますが、本市の見解を伺います。
また、小樽港は対岸貿易において他港に比べアドバンテージがあると考えます。中国やロシアに向けて、小樽港から北海道の農産物を増加させる取り組みを進めるべきと考えますが、本市の見解を伺います。
法定外目的税についてお聞きします。
小樽市の新たな財源として、観光税を柱とした法定外目的税を検討してきた経緯及び議論をリードしてきた方々には敬意を表するところであります。一部報道が先行しておりますが、まず、税目は宿泊税と決定されたのか、または、まだ議論の余地があるのかお聞かせください。小樽市として、この観光税の決定、導入までのタイムスケジュール、そして最終決定を下すまでの進め方についてお示しいただきたいと思います。
以上を踏まえた上で、法定外目的税に関して何点かお聞きいたします。
例えば宿泊税とした場合、幾つか解決すべき課題があると考えます。まず、免税点をどうするのかという課題であります。他都市では、免税点を設定している都市と、していない都市があり、本市が導入する場合、それをどうするのかが課題となります。また、北海道も宿泊税を検討中であり、道との調整も必要となります。さらには、課税対象を広げれば広げるほど徴収関係経費が生じる課題もあります。そして高額宿泊先の一つである温泉宿泊施設では入湯税を課税しており、その関係性を検討する必要性も生じます。以上のように実に多くの課題が存在いたします。
そこでお尋ねいたしますが、これらの課題解決に向けた本市の見解をお示しいただきたいと思います。
小樽観光の課題は、滞在型ではなく通過型観光であると指摘されます。データを見ましても、例えば令和元年度上期入込客数約397万人、宿泊客数約46.2万人で、11.6%であります。この状況は明らかに先行する他都市とは違うところであります。今後の本市の観光振興策のさらなる財源として、将来的には、宿泊をされない観光客の方々にも御理解をいただきながら、観光税の御負担をいただくことも必要ではないかと考えます。
その課税方法として、例えば大型観光バスへの観光税や、これから整備をする小樽港第3号ふ頭のクルーズ船ターミナル整備のために、大型クルーズ船の乗客の方々への入域税を課すことも考えられると思います。宿泊税導入後、次の税目として今例示いたしましたこれらの課税方法について、本市の見解をお聞かせください。
次に、外国人労働者についてお聞きします。
先日、外国人労働者の現状、外国人住民の増加と自治体の課題に関する勉強会に参加してまいりました。統計によりますと、2018年に道内で受け入れられている外国人技能実習生は、2017年に比べ21%増の1万357人であり、その他の在留資格者を含めると2万1,026人もの外国人労働者の方々がおります。外国人労働者の方々が北海道の農水1次産業や食品製造業等の2次産業、さらには地方町村の介護を支えている現状を知りました。人手不足が言われる昨今、むしろ外国人の方々がいなければ成り立たないと言っても過言ではないと感じました。
小樽市も蘭島・忍路地区の農業や銭函地区の加工業、さらには建設業等で外国人労働者を受け入れているとお聞きしますが、まずは現状を聞かせていただきたいと思います。また、行政として、外国人労働者受け入れの支援策を講じているのかお聞きいたします。
私はそのフォーラムの中で語られたフレーズが忘れられません。「技能実習者であっても住民登録した住民である」「外国人が暮らしやすい社会は日本人にも暮らしやすい」、そして紋別市長の「希望と感動のまちづくり、この信念は外国人も例外ではない」というものであります。外国人の方々を受け入れるためには、多くの課題があるのも事実であります。
まずは本市として、外国人労働者の状況を把握する、他自治体の交付金など国の制度を活用した事例を研究する、さらには外国人相談窓口を設ける、地域住民と触れ合う機会をつくるところから始めていただきたいと考えます。本市の見解を伺います。
第2項目を終了いたします。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、港湾・経済について御質問がありました。
初めに小樽港の基本的な戦略についてですが、まず穀物船の大型化への対応につきましては、近年小樽港に寄港する穀物船も大型化しており、現状の港内の水深から、貨物を満載せずに喫水を浅くして寄港する状況が発生していることが小樽港における課題の一つとして認識をしております。
今後とも小樽港が北海道における穀物の取り扱い拠点港としての役割を担っていくためにも、穀物船の大型化への対応は必要なものと考えており、現在進めている小樽港長期構想検討委員会においても、将来に向けての検討課題に位置づけておりますので、今後、対応について検討してまいりたいと考えております。
次に、北極圏からのLNG船の中継地につきましては、小樽港につきましては、LNG基地としての設備がなく、LNG船の受け入れ体制も整っていないため、物資補給や供給基地としての他港に比べ優位性は特にないものと考えております。一方、石狩湾新港は、既に道内へのLNG供給拠点としての一面も持っておりますので、港湾施設の条件が整えば優位性があるものと考えております。
次に、北極海航路につきましては、この航路は、日本と欧州との航行距離がスエズ運河を経由する距離の6割となり、燃料費や輸送日数において有利となっている状況、また、航路沿岸に位置するロシアのヤマル半島でのLNG基地稼働もあり、今後、欧州とアジアを結ぶ新たな航路としての利用が高まるものと認識しております。
また、北極海航路における小樽港の物流拠点としての可能性につきましては、国内においては生産拠点や消費地が集中した太平洋側の海上輸送網が充実していることから、日本海側に位置する小樽港が物流拠点となることは難しいと考えておりますが、寄港地としての可能性はあると思いますので、今後も航路の利用状況などについて注視してまいりたいと考えております。
次に、代替輸送の点を踏まえた小樽港の利用促進について、北海道新幹線の札幌延伸を見据えた貨物列車との共用問題の解決策につきましては、現時点では方針が定まっていない状況ですが、仮に一部でも海上輸送に移ることがあれば、小樽港のフェリー航路においてもチャンスになるものと考えておりますので、検討の状況を注視しているところであります。
また、太平洋側の災害時における代替輸送につきましては、小樽港における大きなセールスポイントだと認識しており、引き続きこの点を積極的にPRしながら、ポートセールスに取り組んでまいりたいと考えております。
次に、中国やロシアへ向けた農産物の輸出を増加させる取り組みにつきましては、これまでも小樽港近隣の農業協同組合を訪問し、輸出の意向について調査を行い、また、中国やロシアにおける現地での需要について情報収集を行い、輸出貨物量の増加に向け努めてきたところであります。しかしながら、ロシアの通関の複雑さ、また、中国においては、日本から輸出される食品等への放射性物質に係る輸入規制措置により野菜、果物が実質輸入停止となっているなど、それぞれ難しい部分があり、成果に結びついていない状況にありますが、小樽港には道内唯一の中国と直接結ぶ定期コンテナ航路や、ロシアウラジオストクの間にも定期RORO船航路が就航しておりますので、これらの航路を活用し、農産物も含めて輸出増加について引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
次に、法定外目的税についてですが、初めに観光税の税目や導入までのスケジュールにつきましては、まず税目については、本市における新たな観光財源の確保策について、先日開催いたしました有識者会議において本市の考え方を説明し、宿泊税を導入することについて合意をいただいたところであります。
次に、スケジュールについては、今後宿泊施設に対してアンケート調査を行い、課題を整理した上で有識者会議における議論を経て年度内に制度設計を終え、その後宿泊事業者への説明会を開催し、そこで御意見を伺いながら、令和2年第4回定例会に条例案を提出できるよう進めてまいりたいと考えております。また、課税対象である宿泊者の予約期間などに配慮した周知期間を設ける必要があることから、条例の施行は令和3年度になるものと考えております。
次に、課題解決に向けた本市の見解につきましては、議員の御指摘のとおり解決すべき課題は多くありますが、本市にとって新たな観光財源の確保は喫緊の課題であると考えておりますので、宿泊事業者の皆さんに丁寧に説明をし、御理解をいただきながら、限られた時間の中でスピード感を持って取り組んでまいりたいと考えております。
次に、大型クルーズ船への入域税などにつきましては、新たな財源確保策の一つであると思いますが、一方で課題も多くあると考えますので、まずは宿泊税の導入に向け取り組んでまいりたいと考えております。
次に、外国人労働者についてですが、まず現状につきましては、平成30年10月末時点での北後志の町村を含むハローワーク小樽管内で申し上げますと、外国人労働者数は683人、外国人労働者を雇用する事業所数は188カ所となっております。なお、本市が実施した市内企業、団体へのヒアリングでは、教育機関、卸売・小売業、飲食店・宿泊業、製造業、農業や漁業で外国人労働者が受け入れられており、中でも食料品製造業においては、ベトナムやミャンマーなどから多くの技能実習生が受け入れられている状況を確認しております。
次に、外国人労働者受け入れの支援策につきましては、外国人技能実習や特定技能に関する制度、在留資格、労務管理などの周知を図るため、市が構成団体となっている小樽地域雇用創造協議会が、本年6月と11月に市内企業を対象とした外国人材の受け入れに関するセミナーを開催したところであります。
次に、本市の外国人受け入れに関する取り組みにつきましては、本市が実施している労働実態調査において今年度から新たに在留資格や国籍に関する項目を設け、外国人労働者の実態把握に努めるとともに、外国人への支援の必要性を見きわめながら、相談窓口の設置など対応について検討してまいりたいと考えております。
○議長(鈴木喜明)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、14番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)14番、須貝修行議員。
(14番須貝修行議員登壇)
○14番(須貝修行議員)第3項目め、教育・安心安全について。
教育関連について、携帯電話に関してお聞きします。
つい最近大阪市で起きた小学校6年生の女児誘拐事件は、450キロメートルも離れた栃木県で無事保護され、事なきを得た事件は記憶に新しいところであります。本件のきっかけはスマートフォンのSNS機能であったことは報道のとおりであります。このようなSNSやインターネットから子供を守るためには、各家庭でしっかりとリスクを理解してルールを決めるしかすべはありません。多少の不便は子供たちにしっかりと納得させ、フィルタリング機能を使用しなければならないと思います。
私は、ここでは携帯電話の学校への持ち込みについてお聞きしたいと思います。
文部科学省はこれまで、小・中学生の携帯電話の持ち込み禁止を指導してきたと聞いております。しかし、近年の地震や災害で潮目が変わり、保護者から持ち込み容認の声が大きくなってきたと聞きます。そこで質問ですが、小樽市教育委員会として、小・中学校の携帯電話の持ち込みに対する基本的な考え方についてお聞きいたします。
確かに安全機器としてのメリットは十分理解いたします。一方、それに反した、持ち込むことによる問題点も多くあると考えております。学校での保管管理はもちろんですが、持っていない子が欲しがる、または、最近は校内暴力が見えないネット上のトラブルへ変化しているとの指摘もあります。神奈川県の持ち込みを許可した21校のアンケートでは、保護者が緊急時の使用に限るとしたにもかかわらず、それ以外の連絡手段に活用してくるといった道義的な事象も指摘されております。これらを踏まえ、今後の携帯電話の校内への持ち込みについて、教育委員会としてどのように対処していく方針なのか伺います。
次に、子供の居場所づくりについてです。
中学生、高校生が、教職員以外の大人のもと校内で何かを飲みながら思い思いに過ごすカフェが各地に広がり始めたといいます。居場所カフェ、放課後カフェと呼ばれるもので、校内の図書室が会場となるようです。小金井市や西東京市では既に事業化されており、これらのカフェはおやじの会などが運営しているようであります。また、ブックカフェ等もあり、民生委員が加わって課題を抱える子供と向き合っているケースもあるようです。本市としての中学生、高校生の居場所づくりに関しての見解を伺います。
本市の教育上の課題として読書量や読書習慣の定着が挙げられておりますが、図書室カフェを活用して図書に接する機会をふやすというのはいかがでしょうか。最近は居場所づくりとして、子供食堂など民間で御尽力いただいているケースもありますが、学校単位で難しければ、福祉センターやレピオなどを活用するのも一つの方法かもしれません。
以上を踏まえて本市の見解を伺います。
不登校について。
私は、第2回定例会予算特別委員会において不登校、フリースクールに関して質問し、その答弁で小樽市の数の多さと現状を知り、衝撃を受けました。以来、関係者や教育委員会の方々のお話を聞き、積極的に各会合にも参加させていただき、勉強させていただいているところであります。
不登校児童・生徒数は依然として高水準で推移しており、生徒指導上の喫緊の課題となっていると考えております。不登校の要因や背景は多様・複雑であり、その行為を問題行動と判断してはならないこと、そして登校支援は、学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、児童みずからが進路を主体的に捉え、社会的に自立することを目指す必要があることを知りました。
文部科学省もそうした現状に鑑み、本年10月25日付で不登校児童・生徒への支援の通知を改訂いたしました。そこには、学校への復帰を前提とした過去のあり方を見直し、フリースクールなど民間の教育施設の意義を明記したものとなっております。本市教育委員会としても、教育支援センター、登校支援室がふらっとルーム、ふれあいルームの開設、さらには在宅支援まで行っていることは大いに評価するところであります。また、11月に迫市長が関連部署とともに不登校支援団体と協議の場を設けていただいたことは、関係者も大きく前進したと大変喜んでおられました。
そこで要望も兼ねて質問いたしますが、この不登校問題に関して、教育支援センターを中核として民間を入れた協議会の立ち上げはできないでしょうか。冒頭に紹介した文部科学省の通知にも、教育支援センターの設置促進に当たり公民共営型も検討とあります。不登校問題は裾野が広い。であればこそ縦割りの官組織だけではなく、官民共営型が望ましい方向ではないかと考えます。不登校児童・生徒やその保護者を支援するネットワークを整備する必要性を感じておりますし、また、強い要望も出ております。本市の見解を伺います。
安心安全・防災について。
最後に防災に関して伺いたいと思います。
近年、全国で豪雨や地震など自然災害が相次いでおります。しかしながら、私は最早災害において想定外はあってはならないと考えております。そのためには、データを収集する、そして事例を研究し準備することが肝要であると考えます。
現在、国土強靱化地域計画は国が地方自治体に策定を求めておりますが、都道府県においては本年3月までに全て策定完了したようですけれども、市町村においてはおくれが目立つといいます。北海道の策定状況は、179市町村中17市町村ということですが、本市の国土強靱化地域計画策定の見通しについてお答えください。
次に、小樽市の防災に関して四つの観点から質問させていただきたいと考えます。
小樽市の津波ハザードマップについて。
小樽市の津波ハザードマップを拝見し、幾つかの疑問が生じました。中でも祝津・高島地区を見てみますと、今定例会でも建設費の説明がありました(仮称)消防署手宮支署の予定地が津波浸水域に入っております。資料を見ますと、高島地区で最大遡上高3.47メートル、消防署予定地で浸水深30センチメートル未満とあります。災害が起こったとき活動の先頭に立って仕事をしていただく部隊の一つが消防隊であります。果たしてその備えはできているのか心配になります。さきの台風で北陸新幹線が水につかっている光景を見たとき、私は正直、計画性のなさに驚きを禁じ得ませんでした。
そこで質問ですが、この新設する(仮称)消防署手宮支署の津波浸水対策についてお聞かせください。また、想定を超えた津波が発生した場合の消防車及び救急車の津波浸水対策についても、あわせてお聞かせください。
JR、バスの津波避難ルートについて。
小樽が誇れる風景の一つに車窓からの海を望む眺めがあります。私も大変誇りに思っておりますが、一方で津波災害時のことが心配になります。2011年3月11日の東日本大震災での三陸海岸線の鉄道被害が想起されます。現在、JR北海道株式会社、北海道中央バス株式会社と津波被害を想定した停車位置及び乗客の避難ルート、避難場所は検討されているのでしょうか、現状をお聞かせください。
朝里ダムの貯水について。
政府は、先般の台風第19号等の被害を踏まえ国内全てのダムの運用を抜本的に見直し、水害時に活用できる貯水量を大幅に引き上げる方針を固めました。運用見直しにより、大雨が予想される場合、利水用の水をあらかじめ放水し、水位を下げ、新たに貯水量を確保するといいます。さらにはハード対策として、利水目的ダムの水放出口を広げる改修工事や貯水機能の強化も行うとしております。
朝里ダムの目的を見てみますと、洪水調節、不特定利水、上水道とあります。今後の水害時の朝里ダム運用に関しての本市の見解を伺います。
BCP(事業継続計画)について。
BCPに関して伺います。
現在、小樽市ではBCPは策定されておりませんが、今後の早期策定が待たれるところであります。私は、第2回定例会厚生常任委員会において市立病院のBCPに関して質問をいたしました。市立病院に関しては、災害時に最も重要な施設であることから、先行してBCPを作成し、備えはできているとの答弁をいただきました。しかしながら、医師を含めた医療従事者が多数札幌から通勤している状況では、本当に緊急災害時の1次対応ができるものなのか心配になります。交通機関の機能不全や国道の分断を想定すると、やはり徒歩で所定の場所へたどり着ける人しか1次対応できないと考えます。
他都市のBCPを見ますと、30分以内に参集可能な者との記載がありますし、都立大塚病院のBCPを見ますと、直線距離で20キロメートル以内に居住する職員で対応するとの記載があり、BCPにおいて災害時の参集の備えが不十分との指摘が多くあります。
そこでお聞きしますが、市立病院BCPにおいて、半径何キロメートル以内居住者との設定で計画策定されておりますでしょうか、現状をお聞かせください。
海岸線の警備について。
最後に海岸線の警備についてお聞きいたします。
近年の隣国による漁業の違法操業や相次ぐミサイル発射実験等、日本海を取り巻く状況はとても平穏とは言えない状況であると私は考えております。松前小島への北朝鮮漁師の上陸等はまだ記憶に新しいところであります。余り報道はされておりませんが、近海で他国の違法操業も確認されるといいます。小樽は大変長い海岸線を持ち、その多くは夜になると人気も少なくなり、決して明るいとは言えない状況であります。そのような状況下で夜間早朝の海岸線の常備状況はどのようになっているのでしょうか。不審船も含め、本市の状況を伺います。
最後に、繰り返しになりますが、安心安全・防災には想定外があってはなりません。迫市長の公約に三つの備えがあります。市民の安全のための備えをぜひともよろしくお願いいたします。
再質問を留保し、代表質問を終了いたします。(拍手)
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、教育・安心安全について御質問がありました。
安心安全・防災についてですが、まず国土強靱化地域計画につきましては、本市における国土強靱化に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、このたび策定作業に着手をしたところであり、遅くても来年11月までには策定したいと考えております。
次に、新設予定の(仮称)消防署手宮支署の津波浸水対策につきましては、本市津波ハザードマップによりますと、建設予定地の一部が最大浸水深30センチメートル未満の津波浸水予測範囲に入っております。このことから、手宮支署の建設に当たりましては、津波浸水対策として、山側に消防車両の主たる出入口を設け、これに伴い1.5メートル程度土地のかさ上げを行うこととしておりますので、最大浸水深の予測からしましても、津波による庁舎への浸水の心配はないものと考えております。
また、実際に地震が発生し、想定を超える津波被害の危険性がある場合には、消防車、救急車ともに直ちに災害対応、避難広報等の必要な活動を行った後、津波による被害が想定されない消防署所へ速やかに移動し、出動体制を確保することとしております。
次に、JR北海道や北海道中央バスの津波対策につきましては、特に本市と両社との間で検討は行っておりませんが、両社に確認したところ、走行中の車両が津波警報などを受けた場合の状況に応じて、営業所などからの指示や乗務員の判断で対応するとの回答をいただいたところであります。
次に、水害時の朝里ダムの運用につきましては、朝里ダムを管理している北海道に確認したところ、現在国からの通知等はありませんが、北海道として必要水量を確保した上での事前放流など、ダム運用に関する見直しについて検討していると伺っております。本市といたしましては、朝里ダム運用の見直しが行われる際には、市民の安全安心を守る観点と水源確保の両面から北海道と協議を行ってまいりたいと考えております。
次に、夜間早朝の海岸線の警備と不審船の状況につきましては、日常の海岸線の警備は警察や海上保安庁により行われており、市としては実施をいたしておりません。また、海上保安庁が作成している海上保安レポート2018年版によると、平成29年は、本市を含め国内では不審船及び工作船の活動は確認していないと記載をされております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)病院局長。
○病院局長(並木昭義)須貝議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、安心安全・防災について御質問がありました。
小樽市立病院のBCP(事業継続計画)で設定した緊急災害時に徒歩で参集可能な職員につきましては、計画では半径何キロメートル以内に居住する職員で対応するとは記載しておりませんが、計画策定時に調査を行い、平常の勤務時間以外で発災10分以内に徒歩で参集可能な職員数は、医師を除き65名と記載しております。
医師については、病院周辺の借り上げ公宅を利用している医師が半数近くおり、参集可能であることや、院内に宿日直の医師がいることから、これらの人員により初動態勢を構築し、診療機能を維持することを想定したものであります。また、当院は夜間、休日の救急に対応しているほか、各病棟には必要な職員を配置しておりますので、災害初期の医療活動が行えるものと考えております。
しかし、現在、計画を策定してから4年が経過し、毎年、採用退職により職員の一部入れかわりが生じていることから、改めて徒歩で参集できる職員数を調査したいと考えております。
いずれにいたしましても、当院は災害拠点病院であることから、災害時にはその役割を果たせるよう引き続き努めてまいりたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)教育長。
○教育長(林秀樹)須貝議員の御質問にお答えをいたします。
ただいま、教育・安心安全について御質問がございました。
教育関連についてですが、まず教育委員会として小・中学校の携帯電話の持ち込みに対する基本的な考え方につきましては、平成21年1月30日付の文部科学省の通知や道教委の通知を踏まえ、携帯電話は学校における教育活動に直接必要のないものであること、また、児童・生徒が授業等に専念できる環境をつくり、学校での教育活動に支障が生じないようにする必要がありますことから、学校への持ち込みは原則禁止としております。
なお、例外的に携帯電話の持ち込みを認める場合には、保護者との十分な連携のもと、校内での使用を禁止し、登校後に学校で一時的に預かり下校時に返却することで、学校での教育活動に支障のないよう指導しているところでございます。
次に、携帯電話の校内への持ち込みに関する今後の教育委員会の方針につきましては、文部科学省では昨今の携帯電話の学校への持ち込みや登下校時の所持について、災害発生時や犯罪に巻き込まれたときの緊急の連絡手段として有効と考えられる一方、ネットいじめの深刻化などの課題もあり、学校を取り巻く社会環境や児童・生徒の状況の変化を踏まえ、児童・生徒の学校における携帯電話の取り扱い等について改めて検討を行うため、ことしの9月に調査を実施しております。
教育委員会といたしましては、今後国の検討結果で示される通知を踏まえるとともに、小樽市小中学校情報モラル対策委員会等で協議するなどして本市の基本的な考え方を示し、各小・中学校に対して適切に対応するよう指導してまいりたいと考えております。
次に、放課後カフェなどと呼ばれる中学生、高校生の居場所づくりにつきましては、議員御指摘の小金井市や西東京市の事例を確認いたしましたところ、中学校内の図書室や家庭科室などを利用したカフェは、地域のボランティアの方々が放課後の居場所をつくろうと自発的な活動の中で始まったとのことであります。このケースは中学生が地域の大人の方と世代を超えて交流する貴重な機会となっているとのことであり、大変有意義な取り組みであると認識をいたしております。
次に、図書室カフェを活用して図書に接する機会をふやすことにつきましては、読書離れの加速化や中学、高校と本を全く読まない児童・生徒の割合が学年が進むにつれて上昇していることが本市の課題でもございますことから、読書への興味・関心につなげるため、児童・生徒が本に親しむきっかけづくりが必要となっております。そのようなことから、図書室カフェのようなユニークな取り組みにつきましても興味深い事業であると認識しておりますので、各地の先進都市の事例を情報収集し、学校関係者や地域の方々にその情報を発信してまいりたいと考えております。
次に、子供の居場所づくりに対しての見解につきましては、学校施設における取り組みについては、子供たちが地域の大人とかかわる貴重な機会であるものと考えております。また、学校以外の施設を活用することにつきましては、子供たちがどのような居場所を必要とするかについて関係部局と協議していく必要があるものと考えております。
次に、不登校問題に関しての協議会につきましては、教育委員会では、関係機関や民間団体等が情報交換や協議を行う場として不登校対策連絡協議会を開催しております。今年度は11月27日に、関係機関の職員や教員、保護者、民間団体の代表が学校と保護者、関係機関との連携のあり方について情報交換や協議を行いました。グループ協議の中で「いろいろな関係機関や団体があるということを知り勉強になった」など、協議会の開催が有意義であったという意見が多く出されましたので、今後も多くの関係機関や民間団体に参加をしていただき、協議会の内容を充実してまいりたいと考えております。
次に、不登校児童・生徒やその保護者を支援するネットワークを整備する必要性につきましては、不登校児童・生徒はもとより、保護者が気軽に相談できる体制や、訪問による支援を充実するためのネットワークが必要であると考えておりますので、不登校対策連絡協議会においてネットワークのあり方について協議を深めるなど、関係機関や民間団体との連携を強化してまいりたいと考えております。
(「議長、14番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)14番、須貝修行議員。
○14番(須貝修行議員)深掘りは予算特別委員会でさせていただきたいと思うのですが、3点だけお聞きしたいと思います。
まず、市立病院のBCPに関して、これは質問というか、要望もあれなのですが、先ほど、策定してから既に4年たたれたというようなお答えがありました。ドクターを含めて、4月の転勤、異動の多い部署でございますので、やはりこれは1年ごとに見直さないと多分実効性のあるものにならないのではないかというふうに考えております。一番、災害において最前線で御苦労いただく部署でございますので、ぜひそのような視点で計画の見直し、修正をお願いしたいということで、1点お話ししておきます。
それから、海岸線の警備について市長からお答えがありました。基本的には、警察であるとか海上保安庁であるとかというところにお願いしなければならないと思うのですが、小樽のこの長い海岸線を考えますと、それだけでは多分不十分なのだろうと。やはり町内の住民の方の目とか、そういったところも必要かというふうに思います。地域住民の目をどのように生かしていくかということを考えれば、やはり市と各町会であるとか、そういったところとの連携といいますか、話し合いというものも必要なように私は思うのですが、そのことに関してもう一度見解をお示しいただければと思います。
最後に、津波の避難ルートについてお答えがありました。これは、やはり民間のJR北海道と中央バスの社内の整備というものが必要だというのはよくわかるのですけれども、先ほどのお答えでは、乗務員の判断で対応するというようなお答えがありましたが、実際に小樽築港駅から銭函駅の間の海岸線を考えたときに、本当に乗務員の判断だけで対応できるのか。とめる場所、乗客をおろす場所を含めて非常に難しい問題ではないかなというふうに私は思っています。それも含めて、乗務員の判断に任せるのではなく、もう少し一歩進んだ、ベストなプランはないにしてもベターなプランを模索すべきではないかなというふうに考えているのですが、その点についてお答えいただければと思います。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
○市長(迫俊哉)須貝議員の再質問にお答えをいたします。
私から、海岸線の警備と、それから津波の避難ルート、2点ありましたので、お答えさせていただきたいと思います。
最初に海岸線の警備の関係でございますが、先ほど答弁の中では、市では実施していない、海上保安庁あるいは警察に日常的にはお任せしているというような状況でございますけれども、確かに御指摘のとおり、本市の場合長い海岸線を有しているということで、やはり不測の事態にも備えていくということを心がけておかなければいけないというふうに思っております。
そのためには、やはり地域、特に海岸線に近いところにお住まいの住民の方々への情報提供といいますか、そういったこともこれから必要になってくると思いますので、町会の皆さんとはいろいろな場面でお話しする機会がありますので、そういった機会を活用しながら、どういったことができるか考えてみたいというふうに思っているところでございます。
それから、津波の避難ルートの御指摘ですけれども、確かに朝里駅を過ぎてから銭函駅に至るまでの間の区間というのは、災害があった場合に本当に逃げ場所がないような状況なのです。ところどころに避難路みたいな、通路みたいなものがあるということで確認はしておりますけれども、確かに日ごろからこういった問題には備えておかなければなりませんので、通路なり、避難路なり、どういった形で活用できるのかどうかも含めて、改めて交通事業者と話し合ってみたいというふうに思っているところでございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)病院局長。
○病院局長(並木昭義)この問題は非常に重要でありまして、毎年かわる人に対しましては適宜調査しながらやっておりまして、調査した上で補っていますが、4年ごとに大きくしっかりとやっていくということでやっております。そのほかに、毎年こういう人たちを集めて訓練もしっかりとやっておりますので、今後ともそういう方法でやっていきたいというふうに思います。
○議長(鈴木喜明)須貝議員の会派代表質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時15分
――――――――――――――
再開午後2時45分
○議長(鈴木喜明)休憩前に引き続き、会議を再開し、会派代表質問を続行いたします。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)1番、横尾英司議員。
(1番横尾英司議員登壇)(拍手)
○1番(横尾英司議員)令和元年第4回定例会に当たり、公明党を代表し質問いたします。
初めに財政問題であります。
令和2年度の予算編成方針についてお伺いいたしますが、去る10月28日、財政部長名で令和2年度予算編成方針が小樽市役所全庁に対して通達されました。その中で、小樽市の財政の現状認識として、令和元年第3回定例会補正予算後の予算ベースで約19億6,300万円の収支不足を財政調整基金の取り崩しにより収支均衡を図っているところであり、財政調整基金の残高は前年同時期よりも約1億8,900万円増の約11億8,500万円となったものの、今後とも高齢化等による社会保障関係経費や公共施設の老朽化等による施設関係経費の増加が見込まれるほか、人口・経済対策にも取り組む必要があるなど、令和2年度予算編成は非常に厳しい編成とならざるを得ない状況であることが示されています。
予算編成については、各自治体で枠配分方式や市民参加型方式などさまざまな予算編成手法を採用していますが、予算編成の手法の種類にはどのようなものがあり、それぞれどのような特徴があるのかお聞かせください。
小樽市の予算編成は現在どのような手法で行われているのか、また、どのようなプロセスを経て現在の手法となっているのか、そのプロセスについてお聞かせください。また、現在の手法を採用した目的や理由についてお聞かせください。
その手法を採用したことでの効果や成果を検証したことはありますか。検証したことがあれば、その内容と結果についてお示しください。
今年度の予算編成の基本方針において、職員全員が厳しい財政状況に対する強い危機感を意識するようとの文言が追加されています。この厳しい財政状況に対する強い危機感について、職員全員に意識してほしい厳しい財政状況とはどのようなものなのか、また、それに対する強い危機感とはどのようなものなのか詳しくお聞かせください。
あえて文言を追加したということは、その部分に課題というか問題があった、または解決の糸口があるということでしょうか、見解をお聞かせください。
そのほかに今回の予算編成において解決しなければならない課題があればお示しください。
予算編成の手法についても、職員の能力を十分に活用して行政サービスのコスト低減や質の向上に取り組むことを念頭に置きながら、ゼロベースでの見直しを行うことなどの予算編成方針のあり方を検討していますか。また、その必要性について見解をお聞かせください。
次に、使用料及び手数料の改定についてお伺いいたします。
使用料及び手数料の改定は、平成17年度以降、4年ごとに定期的な見直しが実施されてきましたが、平成25年度以降の6年間は実施されず、仕切り直しの見直しとして令和2年度から実施されるものであります。今回は、道内主要都市の平均程度の額を目安として、プラス・マイナス5%程度は据え置き、それ以外については改定を行うこととしています。財政効果としては約2,155万円ではありますが、道路占用使用料の単価改定の影響額のマイナス約1,015万円を考慮すると約1,139万円となっており、主に施設の使用料を中心に事業者対象の使用料及び手数料も改定される内容となっています。内容としては基本的には妥当なものと考えますが、利用者または市民の立場からお伺いいたします。
火葬炉の使用料について、今回、火葬炉の大規模改修に当たって無料となっていた市民の使用料について、改修費用の一部を受益者負担として有料化するものです。この市民の負担する火葬炉使用料は、有料となっている5市の平均額に近隣町村とのバランスを考慮して、北後志5町村の平均を加味して設定したとお聞きしていますが、有料5市だけで算定した場合と5町村を考慮した場合の違い、また、5町村の平均を加味した理由についてお聞かせください。
次に、今回の改正以前に、市民以外の方が使用した際の火葬炉使用料は2万8,000円に設定されておりましたが、この金額を算出した根拠についてお聞かせください。
また、市民が使用した場合と市民以外が使用した場合に、使用料に違いがある理由について御説明ください。
また、有料化による増収分で改修費用の一部を賄うとしていますが、主な改修内容と総事業費、工期及び受益者の負担割合を2分の1と設定した理由についてお聞かせください。
この項の最後に、今回の使用料の改定において、道内主要都市との比較等により料金の設定をしていますが、それぞれの施設の建設費や人件費、物件費及び維持管理費などのランニングコストなどのコスト計算の手法を用いた料金の算定を見送った理由をお聞かせください。
また、今回改定した使用料は、コスト計算の手法を用いた料金と比較するとかなり安価な設定になっていると聞いています。このような内容について市民に明示して理解してもらえるよう、ホームページなどでお知らせすることはできないでしょうか、見解をお聞かせください。
以上、1項目めの質問を終わります。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)横尾議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、財政問題について御質問がありました。
初めに予算編成方針についてですが、まず予算編成の手法の種類と特徴につきましては、自治体内部での予算編成過程の手法としては、主に事業別予算方式や枠配分予算方式があります。事業別予算方式は、事業目的ごとに予算を積み上げる手法であり、枠配分予算方式は、各部に一定額の予算要求額を設定し、その範囲内での予算を作成させる手法であります。一方で、市民を含めた参加型の手法としては、予算編成過程の公開や予算の一部を自治体内の地区に交付し、市民がその地区の予算を編成するケースなどがあります。
次に、本市の現在の予算編成手法につきましては、現在の手法となった経緯については、現行の地方自治法では自治体の首長が予算編成の権限を有していることから、本市は多くの自治体と同様に、従来より、通常の予算編成手法として、各部からの予算要求を財政部長がヒアリングした上で予算原案を作成し、私が査定して決定するという事業別予算方式を採用しております。
この手法は、限られた財源の中で予算編成を行っている本市においては、とりわけ地方交付税などの国の地方財政計画における歳入の動向を見きわめた上で予算編成をする必要があることから、この事業別予算方式が最も適しているものとして採用しております。
また、現在の手法による効果や成果の検証については、具体的には行っておりませんが、事業別予算方式により、各部がこれまでの議会議論を含めて、市民の皆さんのニーズを考慮しながら各事業の必要性を精査し、予算要求するという効果につながっているものと考えております。
次に、予算編成方針にある強い危機感につきましては、昨年策定した小樽市収支改善プランにあるとおり、収支改善に向けた取り組みを進めなければ将来的には財政調整基金が枯渇し、収支均衡予算が編成できない可能性があることから、改めて、収支改善プランに掲げる取り組みを着実に推進するだけではなく、既存の事務事業の見直しを早急かつ具体的に進める必要があると考えております。私といたしましては、こうした厳しい財政状況を職員全員が深く認識した上での予算編成が必要であると考え、予算編成方針に掲げるよう指示したものであります。
次に、今回の予算編成での課題につきましては、令和2年度予算は、本年度に策定した第7次小樽市総合計画の施策を予算に反映させる初年度であり、総合計画に掲げるまちづくり六つのテーマを十分に踏まえながら、本市の行政課題である人口減少対策として、子育て支援や産業振興施策などの取り組みを、限られた財源の中で効率的、効果的な配分をしながら進める必要があるものと考えております。
次に、予算編成のあり方につきましては、これまでも事業別予算方式による各部からの予算要求に当たり、マイナスシーリングや要求基準枠の設定などの工夫をしてきました。今年度においては夏季に財政部から各部に対して具体的な検討事項を示し、集中的に検討させるなど、予算編成時期以外にも新年度予算編成に向けた取り組みを進めてきました。今後とも毎年度の財政状況を分析しながら、効果的な予算編成の手法について研究してまいりたいと考えております。
次に、使用料及び手数料の改定についてですが、まず、道内主要都市のうち火葬炉使用料が有料化されている5市の平均と、北後志5町村の平均を考慮した場合の違いにつきましては、有料5市のみの平均は1万3,140円であり、北後志5町村の平均は9,600円ですので、これを考慮した平均は1万1,000円となり、有料5市のみの場合に比べて2,000円の軽減となります。
また、北後志5町村を加味した理由につきましては、火葬炉使用料の有料化に当たり、従来どおりの道内主要都市の状況だけではなく、身近な問題として定住自立圏構想の連携町村である北後志5町村の使用料も参考としたものであります。
次に、今回の改定以前における市民以外の火葬炉使用料2万8,000円の根拠につきましては、平成25年度の改定の際に道内主要9市の平均に基づいて設定したものであり、今回の改定については、主要都市平均との乖離が3.3%であり、改定の検討基準である5%以内であったため、据え置きとしたものであります。
また、市民と市民以外の使用料に違いがある理由につきましては、当該施設は市民のための施設という意味合いから使用料を設定しており、市民以外との差を設けております。これは道内9市においても同様であります。
次に、予定している主な改修につきましては、火葬炉の改修、屋根のふきかえのほか、市民要望の高い控室のバリアフリー化、ロビーのクロス・カーペットの張りかえ及び冷暖房設備の更新などを予定しており、総事業費は約3億6,000万円、工期は6年間を見込んでおります。
また、受益者の負担割合を2分の1とした理由につきましては、有料化による増収分を年間1,250万円程度と見込んでおり、約15年間で総事業費約3億6,000万円の2分で1である約1億8,000万円を御負担していただくこととしたものであります。
次に、コスト計算による料金算定を見送った理由につきましては、一定のルールに基づくコスト計算による試算を行った結果、施設の老朽化による維持補修費がかさむなどの理由のため、ほぼ全施設で現行料金から大幅な増額改定を行わなければならないこととなったことから、今回の料金改定においては、コスト計算の手法を用いた統一的な料金設定は見送ることといたしました。
次に、コスト計算の内容をホームページなどでお知らせすることにつきましては、施設における維持管理等に係るコストと御負担いただいている使用料との関係について市民の皆さんにも知っていただくことにより、本市の使用料が決して過大ではないことや、定期的な料金見直しの必要性なども理解していただけるものと思われることから、今後どのような形でお示しできるか研究してまいりたいと考えております。
○議長(鈴木喜明)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)1番、横尾英司議員。
(1番横尾英司議員登壇)
○1番(横尾英司議員)次に、人口減少対策について質問いたします。
小樽市の人口は年約2,000人のペースで減少しており、日本全体の少子化による人口減少ペースをはるかに上回っています。小樽市の人口減少段階の区分は既に日本の2060年以降に当たる老年人口減少、生産・年少人口減少の最終段階の第3段階であるとも言われ、2045年には小樽市の人口が半分の約6万人になると予測されています。
また、2014年、日本創成会議が、将来の人口推計をもとに2040年時点で20歳から39歳の女性人口が半減する自治体を消滅可能性都市と呼び、小樽市も少子化や人口流出に歯どめがかからず存続できなくなり、消滅するおそれがあると指摘されました。働く世代の人口が減り、市財政の悪化や公共施設の老朽化など課題が山積しており、このままでは公共サービスを維持することも難しくなります。
そのような中、平成30年7月に、小樽市と小樽商科大学の共同で設立した小樽市人口減少問題研究会において、小樽市における人口減少の要因分析及び有効な施策に関する研究報告書が取りまとめられました。この報告書において、小樽市の人口減少に歯どめをかけるための政策的ターゲットは子育て世代とすべきであるという提言がなされました。
小樽市と同じく消滅可能性都市と発表された東京都豊島区は危機意識を持ち、すぐに豊島区に在住・在勤・在学の20歳以上の女性の参加者を募集して、ワールドカフェ形式で、としま100人女子会を開催したところ、参加者たちからは豊島区のイメージや現状、課題、どんなまちにしたいか、子育て事情、住まい、地域のつながりについてなど、さまざまな意見が挙がったと聞きます。その後、女性に優しいまちづくりを目指し、としま100人女子会の参加者などで構成したとしまF1会議を立ち上げ、2017年には、全国で最も「共働き子育てしやすい街」に選ばれ、実際人口も増加しています。この事例では、住民がまちづくりの当事者として意識を持ってもらったことが重要な鍵となったようです。
小樽市では、小樽市子ども・子育て支援事業計画を策定するため、平成25年7月に小樽市子ども・子育て会議条例を制定し、子ども・子育て会議を設置しました。しかし、幾ら計画に基づいた施策を実施しても、子育て世代の女性がほかの市区町村ではなく小樽市で子育てをしたい、子育てをするなら小樽市でと実際に感じてもらわなければ意味がありません。
そこで確認ですが、小樽市で子育て世代の女性の意見を直接聞く機会を設けたことがありますか。もし設けていた場合は、いつ、どのような目的を持って開催し、どのような議論がなされ、どのような結果となったのかお聞かせください。
子育て世代の意見を聞くとともに、当事者意識を持ってまちづくりを一緒に進めたりするような仕組みも必要であると思いますが、市長の見解をお聞かせください。
次に、ベッドタウン化と公共交通サービスについてお聞きいたします。
報告書の提言の中に、札幌と小樽の所得差が子育て世代の流出、合計特殊出生率の低さに影響を与えており、現状とり得る方策として、小樽市に住み札幌で働く人をふやすことがあるとされています。いわゆるベッドタウン化というものですが、主な生活圏が札幌市となっている銭函地域は、実際にベッドタウンとなり得る可能性がある地域ではないかと思いますが、見解をお聞かせください。
さらに提言では、「公共交通サービスの充実は、観光客、市民ともに満足度を改善する重要なツールであることを認識すべきである。」ともされています。地域公共交通活性化協議会でも、地域公共交通網形成計画を策定する際に行った調査において、「銭函地区において、公共交通に対する不満足度が高い傾向にありました。さらに詳細な地区で分析してみると、特定の地区において、不満足度が高い傾向にあることが分かっています。」と説明されており、私もこの銭函地域、とりわけ桂岡地域においては交通への不便さを感じている声を聞いております。
しかし、桂岡地域内には札樽自動車道が通っているため、高速おたる号のバス停を新設することができれば、新たな路線の拡充や変更、増便などをしなくとも札幌への交通の便が格段によくなり、地域の魅力向上、住民満足度の向上につながると思いますが、見解をお聞かせください。また、バス停設置を検討する際にクリアしなければならない課題や条件などがあればお示しください。
次に、子育て世代への防災対策についてお伺いいたします。
報告書の提言では、教育以外の子育て環境の整備が満足度向上には効果的であるともされています。そこで、第2回定例会の予算特別委員会において質問させていただきました乳児用液体ミルクについてお聞きいたしますが、常温保存可能でそのまま飲める乳児用液体ミルクは、災害時などにとても役立つものであり、男性の育児参加の促進にも寄与するものです。
内閣府及び厚生労働省から、令和元年10月25日付事務連絡「災害時における授乳の支援並びに母子に必要となる物資の備蓄及び活用について」が通知されました。内容については、ライフラインが断絶された場合においても、水等を使用せずに授乳できる乳児用液体ミルクを母子の状況等に応じて活用することや、平時から育児用ミルク等の母子に必要となる物資の備蓄の推進をすること、さらに災害のために備蓄した育児用ミルクについては、ローリングストック等により有効に活用することが可能であることや、啓発活動において災害への備えとして正しい使用方法等を説明した上で活用することなどが考えられるとされ、参考とする取り組み事例には箕面市の乳児用液体ミルクの備蓄の例が示されており、第2回定例会の予算特別委員会で私の質問内容と同様の通知となっております。
質問をしてから5カ月が経過いたしました。その間に9月の台風第15号や10月の台風第19号が発生し、全国各地に大きな被害をもたらしました。予算特別委員会で事例として紹介した千葉県の山武市も台風第15号の被災地となり、停電や断水などの被害が出たため、発災の日から5日間、市役所を訪れた母親らに液体ミルク415本を配布し、住民から「水を沸かせない中、とても助かる」との声があったと聞いています。
前回の質問の後に検討した内容とその後の対応、国からの通知に対する今後の対応について、見解をお聞かせ願います。
次に、子育てをしている方の災害時の避難について、子供がいる家庭はどのように行動したらいいのかという漠然とした不安を持っているとの声を聞いておりますが、東日本大震災以降、さまざま被災した保護者の体験談などをもとに防災対策をまとめた書籍も数多く出版されていることからも、その思いは全国的なものだと感じています。
ほかの自治体の事例として千葉県船橋市では、災害時の避難やその後の避難生活に配慮が必要となる妊婦や乳幼児のいる家庭向けに子育て防災手帳を作成し、横浜市西区では、パパ・ママのための「もしもにそなえる防災ノート」を作成し、妊産婦や子育て世代に確実に渡すため、母子健康手帳とあわせて配布しているそうです。このように、市民にとっては、実際に住んでいる小樽市で被災した場合の子供を守る防災対策がよりわかりやすくなることにより安心して子育てをすることができると思いますが、このような事業の必要性について見解をお聞かせください。
また、すぐに一つの冊子のようにできなくとも、小樽市子育てガイドブックの中に防災対策について追加で掲載するなどの方法もあると思いますが、実現の可能性について見解をお聞かせください。
次に、子育て世代の避難所対応ですが、災害時の避難所には子供も避難することがあります。避難所で子供に必要な環境とは、少しでもふだんの様子に近づける環境だと言われています。子供にとってふだんの様子で過ごせるとは、遊び場をつくることです。
ユニセフは、避難所では子供たちが安心して安全に過ごせる場所が必要としており、その指針として、「子どもにやさしい空間」ガイドブックを作成しています。内閣府も避難所運営ガイドラインの中で、キッズスペースの設置を検討すると言及しています。小樽市の避難所運営マニュアルでは、「施設管理者と協議のうえ、可能であれば子ども用のスペースを確保し、日中は遊び場、夜間は勉強部屋などとして利用できるよう配慮します。」となっていますが、現場で判断するには具体的な広さのイメージや生活スペースとの位置関係など、少し判断材料が足りない印象を受けます。
この子供用スペースについて、どのような場所で、どのくらいの広さで、どのような設備を想定しているのかお聞かせください。
災害時には、母親の心身に負担がかかったりすることで、母乳が一時的に出にくくなる方もいらっしゃいます。安全で安心できるスペースがあることで母乳栄養を継続することができますし、ミルクを飲んでいる赤ちゃんも落ちつける場所は安心につながります。母子が滞在する避難所にはこのような区画があることはとても大切なことではありますが、小樽市の避難所運営マニュアルには、要配慮者に対する配慮事項として、「授乳やおむつ交換の場所の確保」と記載されています。今ある小樽市内の避難所で子供用スペースや授乳スペースを明らかに確保できない場合が想定される避難所はありますか、お示しください。
また、乳児に限定するなど対象者を限定するなどし、子育て世代が避難するための避難所という機能を子育て支援センターに持たせる取り組みを行っている市もありますが、小樽市で取り組むことは可能でしょうか、見解をお聞かせください。
この項の最後に、人口減少に対応した取り組みについてお伺いいたします。
このたびの人口減少に関する研究は、課題となっている移動による人口減少を中心に検討を行っていますが、それ以外にも、合計特殊出生率が日本の平均よりかなり低いことも課題の一つかと思いますが、見解をお聞かせください。
仮に2030年に合計特殊出生率が人口置換水準である2.1まで回復したとしても、それまでに出産適齢期の女性の人口が減ってしまうため、実際に人口減少がとまるのは60年後になると言われており、人口減少対策は一刻の猶予も許されない状況であると感じておりますが、市長の見解をお聞かせください。
また、妊娠期を含むゼロ歳から18歳まで一貫して子どもの育ちを描ける小樽市ならではの、または小樽市の特色を生かしたストーリーがあればお聞かせください。
さて、これらの提言にもある目指すべき小樽市の将来像を実現するためには、政策的財源を生み出す必要があります。そのために最も有効な手だては、過去の政策決定のランニングコストである経常的経費の削減です。つまり、今やっていることを見直すことになります。令和2年度予算編成方針においても、収支改善プランにおいても、既存の事務事業の見直しを早急かつ具体的に進める必要性について記載されています。
小樽市の現状を見れば、この先は急激に人口減少が進むことを前提に、少なくとも10年から20年先を見越しながら課題を解決していかなければならないという厳しい市政運営をしていかなければなりません。今までやってきたことを見直すことは、市民にとって受け入れがたい選択肢になることもありますが、その見直しは新たな政策推進のためのものです。そこには、市民の皆さんとともに、10年先、20年先の小樽市の姿を描きながら、市民と約束したその理想の姿を実現することと引きかえに、過去の政策決定に基づきこれまで実施してきた事業を見直す、縮小する、廃止するということになります。
決算特別委員会では、例示して、市の事業に対する廃止や見直しも含めて、事業について市民が納得できるようきちんと評価する視点の必要性について質問してまいりました。今までも事業見直しをしておりますが、これからやらなければならない事業の選択と集中においては、現在の事業見直しでは困難であると考えます。やはり今までの内部での事業見直しだけではなく、事業仕分けと言われるような公開の場で、業務に精通した民間企業に勤務経験のある市民の方などが評価し、担当者も活発に議論をするなどして、市民にも理解していただける見直しをしていくことが必要であると考えます。
そもそも現在の事業が必要なのか、誰がやるべきなのか、実施方法や事業規模が適正なのかなどについて真剣に議論することが職員の意識改革にもつながり、また、市民の行政、まちづくりへの参加意識の高揚にもつながると考えますが、見解をお聞かせください。
以上、2項目めの質問を終わります。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、人口減少対策について御質問がありました。
初めに、子育て世代の意見を聞く機会についてですが、まず子育て世代の女性に絞って直接意見を聞く機会につきましては、これまで設けたことはありません。
次に、子育て世代とともにまちづくりを進める仕組みづくりにつきましては、私はまちづくりの基本方針の一つとして対話の重視を掲げておりますので、子育て世代の方々との対話も有効な手段の一つであると考えております。
次に、ベッドタウン化と公共交通サービスについてですが、まず銭函地域のベッドタウン化につきましては、本地域は札幌市に近接しており、現状においても札幌市へ通勤されている方が多く、小樽に住み札幌で働くというライフスタイルにも対応したベッドタウンとしての可能性を有した地域であると認識をしております。
次に、桂岡地域への高速おたる号のバス停新設につきましては、現在、桂岡地域に住む方が札幌へアクセスするためには、バスやJRを乗りかえて向かうことになりますが、桂岡地域から高速おたる号などに乗車できることになれば、乗りかえることなく札幌駅へ行くことができることから、バス停の新設は地域の魅力向上につながる要素の一つであると考えられます。
次に、バス停設置に係る課題などにつきましては、東日本高速道路株式会社によると、バス停間隔に関する条件があり、さらにバス停を設置する際は高速道路の拡幅工事などが必要となり、地元からの要請の場合、こうした費用の負担は基本的に地元負担になるとのことであり、財政上の課題があります。このほかにもバス停へのアクセス道路整備などの課題があると認識しているところであります。
次に、子育て世代への防災対策についてですが、まず乳児用液体ミルクにつきましては、国は本年10月に乳児用液体ミルクの備蓄と活用について通知を発出しており、本市としても検討を行いましたが、現状では費用や保管上の課題などがあるため備蓄はせず、既に災害協定を結んでいる企業から非常時に提供いただけないか、協議を進めてまいりたいと考えております。加えて、乳児のいる家庭に対しても、健診などの機会を利用し、災害発生時の母乳代替食品の一つとして乳児用液体ミルクの備蓄・活用を周知したいと考えております。
次に、子育て世代への防災対策などにつきましては、市では平時の備えや災害発生時にとるべき行動などの情報について、ホームページや津波ハザードマップ、防災マップなどに掲載しているほか、まち育てふれあいトークなどの機会に防災知識の普及啓発を行っております。しかしながら、議員も御指摘のとおり、子育て世代にとって特に必要な防災対策もあることから、その周知、情報発信の必要性は認識をしております。
次に、子育てガイドブックへの防災対策情報の追加につきましては、記載内容などを含めて、庁内関係部局において検討してまいりたいと考えております。
次に、避難所における子供用スペースにつきましては、学校を含む大規模な避難所では、施設管理者と協議の上、教室などを解放し、机や椅子を用意することで子供用スペースを確保できるものと考えております。
次に、子供用スペースなどを確保できない避難所につきましては、避難者の状況にもよりますが、小規模で部屋数が少ない避難所では子供用スペースを確保できない場合があるものと考えており、想定されるのは塩谷と銭函の両サービスセンターであります。
次に、子育て支援センターを子育て世代の避難所とすることにつきましては、現在は想定しておりませんが、今後、庁内で検討してまいりたいと考えております。
次に、人口減少に対応した取り組みについてですが、まず合計特殊出生率が低いことに対する見解につきましては、議員御指摘のとおり、本市の数値が全国平均の約8割にとどまっていることは人口減少が続く大きな要因の一つと考えているため、この数値を引き上げることが人口減少の抑制につながるものと考えております。
次に、人口減少対策が一刻の猶予も許さない状況についての見解につきましては、私もそのように認識をしております。出生数の減少が続くと将来の親世代が少なくなり、さらなる出生数の減少につながることから、出生数の減少に歯どめをかけるためには、先ほどお答えした合計特殊出生率の引き上げとともに、将来の親世代となる若年層や子育て世代の社会減を抑制する必要があると考えております。現在も雇用や子育てに関しての支援策を実施しておりますが、内容の拡充や見直しを継続的に行うことで人口減少の抑制に努めてまいりたいと考えております。
次に、18歳までの施策につきましては一貫したストーリーはありませんが、私の公約や若年層の流出といった現状を踏まえ、まず子育て世代に対しては、来年度に子育て世代包括支援センターを設置し、妊娠期から切れ目のない相談体制を構築するほか、安心安全を念頭に置いた子育て支援策の充実に努めます。
また、次代を担う児童たちには、スポーツや文化、芸術を通して豊かな感性を育み、潜在的な可能性を引き出す教育環境づくりを進めるとともに、ふるさと教育の推進により地元への愛着心を醸成いたします。さらに中学校や高校の生徒たちには、高い技術力を有し国内外に広い販路を持つ地元企業などへの理解を育み、若者就職マッチング支援事業などを通じて地元への定着を促すことにより、人口対策の面からも若年層の地元定着につなげてまいりたいと考えております。
次に、市民の方も交え事業の必要性などについて議論を行うことにつきましては、第7次総合計画の推進にあわせて事業評価の視点を取り入れた施策評価を行い、その結果を有識者や市民の皆さんにも評価していただく市民評価を検討しており、それらを実施する中で、職員の意識改革の醸成及び市民の皆さんの行政、まちづくりに対する参加意識の高揚などにつながるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(鈴木喜明)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)1番、横尾英司議員。
(1番横尾英司議員登壇)
○1番(横尾英司議員)次に、公共施設再編について質問いたします。
公共施設再編素案について、背景として、全国的に人口減少と少子高齢化が進展している中、地方自治体の財政も厳しい状況が続き、現在保有する多くの公共施設等の老朽化対策が課題となっており、小樽市でも厳しい財政状況と公共施設等の老朽化対策の課題を抱えていることから、その課題解決と将来負担の軽減を図るため、平成28年度に公共施設等の計画的な管理等を定めた小樽市公共施設等総合管理計画を策定しました。
その公共施設等総合管理計画等について、今回の公共施設再編素案が示されるまでの経緯を実施してきた事業も含めてお聞かせください。また、この総合管理計画で試算された将来の施設更新費用の内容についてお示しください。
公共施設再編素案は、今まで相当な時間をかけて進められ、市民や利用者の意見なども反映させてきたものを積み上げて作成してきたものであったかと思います。今回の公共施設再編素案では、利用者の利便性を考慮しながら将来の厳しい財政状況も考慮し、実現可能で施設量の削減効果の高いケースを優先的に採用したものを再編素案1とし、次に削減効果が高いケースを再編素案2、市民の皆さんの施設整備の要望を可能な限り実現するケースを再編素案3で示しました。では、どのような議論を経てこの3案に絞られたのか、経緯と議論の内容、ほかのケースからこの3案となった理由をお示しください。
また、この再編素案3は、市民の皆さんの施設整備の要望を可能な限り実現するケースであるということでしたので、ほかのケースを検討する際にも、再編素案3で示した費用約174億円、施設量約9万3,900平方メートルが上限の目安であったと考えてよいのでしょうか、見解をお示しください。
次に、市民意見交換会についてです。
市民との意見交換会とは、市が地域住民等の意見を聞くだけではなく、双方が意見交換して計画の内容を詰めていくために開催するものだと認識しています。今回開催した市民との意見交換会の目的、当初の想定として何を説明し、どのようなことを理解していただいて、どのような意見を交換することとしていたのでしょうか、お聞かせください。
市民から多くの意見をいただき、庁内議論等を行った結果、現時点で再編計画案へ絞り込むのは困難であるとのことから、今回のスケジュール変更となりました。公共施設再編素案の中では、「提示した再編素案の組合せのみではなく、市民意見交換会等のご意見や、将来の本市財政において負担可能なケースを選び出し、組み合わせることで、一つの「再編案」とし、最適な「再編計画(案)」の策定を目指します。」としていました。
市民からの意見があることを想定していたはずですが、今回の意見交換会ではその想定を超える意見があったということでしょうか、その意見とはどのような意見であったのでしょうか、お示しください。また、この庁内議論で行われた会議と検討内容について具体的にお示しください。
意見交換会では、拙速であるとの批判意見があったと聞いております。このような公共施設の統廃合について市民の理解を得る上では、客観的なデータの提供が重要であると考えますが、公共施設のコストデータがきちんと示されれば的確な状況判断ができるはずです。他の地域においてもこれまで施設統廃合で問題を起こしてきたのは、そういった説明をしないままで行政側が施設を廃止あるいは統合するという話を唐突に住民に押しつけてきたからであると、数多くの公共施設マネジメントに携わってきた専門家は示しています。では、事前に説明すればよいかということになりますが、ただ統廃合をするからよろしくというだけでは、反対の感情を抑え切れるものではありません。情報の透明化や可視化が重要であるとよく言われますが、客観的な数字を示しながら、行政と市民が同じレベルに立って問題の解決策を考えていくという姿勢が大事です。
今回の公共施設再編計画は、小樽市の厳しい財政状況を踏まえ、公共施設等の老朽化対策の課題の解決と将来負担の軽減を図るために策定を目指していますが、今回の意見交換会では、財政面などの課題や公共施設のコストデータなどをきちんと示し、各施設に対しての意見が出た際には具体的な数字などを示しながら意見交換するということができていなかったと感じますが、見解をお聞かせください。
次に、公共施設の有効活用と機能についてです。
11月29日に、産業会館に生涯学習機能を入れるとの報道がなされました。公共施設再編素案では、生涯学習プラザの機能については商業高校または新体育館に移転し、産業会館については、「市中心部の利便性が高い場所に立地し、耐震強度も有していますが、区分所有の建物に入っており、当面は現施設を維持」し、「ホール利用率が17%と低いことなどから、建物の有効活用について検討します。」とされていました。
素案以外にも想定するケースがあったと思われますが、産業会館に生涯学習機能を入れるケースは想定されていたのでしょうか、お聞かせください。
生涯学習プラザの建物について、現在の生涯学習プラザの学習室等7室とホールを合わせると501平方メートルの面積があり、今回の素案では、とみおか児童館は210平方メートル、放課後児童クラブは151平方メートルの合計361平方メートルの機能を入れるとしていますが、単純に計算すると140平方メートルのスペースが残ります。このスペースは何かに有効活用する予定はありますか。
また、有効活用するのであれば、児童館の利用のきっかけとなるような、例えば乳幼児連れが授乳やおむつがえ等をするために、または食事を持ち込んで飲食できるようなスペースや設備を設けて、もっと気軽に立ち寄れる場所として、子育て世代の方のニーズに合ったサービスを提供することもできると思いますが、その活用の方法についての見解をお聞きいたします。
この項目の最後に、今後策定を予定している長寿命化計画についてお聞きいたします。
今回の再編計画に係るスケジュール変更で、長寿命化計画の策定期間が短縮されることになります。長寿命化計画を策定するに当たって必要となる取り組みや会議の回数など、具体的に予定しているものはありましたか。また、期間短縮により、どの部分の日程や作業に影響があると見込んでいますか、お示しください。
以上、3項目めの質問を終わります。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、公共施設再編について御質問がありました。
初めに公共施設再編素案についてですが、まず再編素案が示されるまでの経緯につきましては、平成26年4月に総務省から公共施設等総合管理計画の策定に当たっての指針が通知されて、これを受けて、28年12月に小樽市公共施設等総合管理計画を策定いたしました。
その後29年度には、個別の施設利用者を対象に意見交換会を開催し、総合管理計画の内容について説明するとともに各施設の将来のあり方について意見交換を行い、各施設の将来のあり方の検討方針をまとめました。
30年度には、この検討方針をもとに、各施設の利用率や老朽度などのデータ分析の結果により、再編対象施設として39施設を選定し、各施設の再編方針や再編手法の検討を行いました。さらに、取得することとした小樽商業高校を含めた三つの再編素案を策定し、本年第3回定例会でこれを報告するに至ったものであります。
次に、公共施設等総合管理計画で試算された将来の施設更新費用等につきましては、現在保有する公共施設等を全て保有し続けるなどの条件のもと、令和36年までの40年間の更新費用の年平均を試算したものであります。
その内訳といたしましては、公共施設が約63億3,000万円、道路が約21億1,000万円、橋梁が約1億2,000万円、上水道施設が約18億8,000万円、下水道施設が約30億9,000万円、病院施設が約4億4,000万円であり、総額として約139億7,000万円となります。
次に、再編素案として示した3案に絞った経緯等につきましては、庁内で組織する公共施設等マネジメント検討委員会において再編対象の39施設を選定し、対象施設の現状評価を行うとともに、各施設の再編方針や再編手法を検討いたしました。その上で、機能に着目した施設再編、統合化や複合化による再編形態についての議論を重ね、将来の市民の皆さんに過度な負担を残さず、各施設が抱える課題の解決につながる案や、市民ニーズに重点を置いた案など、三つの素案を策定したものであります。
次に、再編素案3の費用等につきましては、再編素案の施設総量の削減という基本方針の中で市民要望を可能な限り実現するための案であり、結果的に算出された施設量や概算の費用ですので、本市で負担できる上限の目安としてお示ししたものではありません。
次に、市民意見交換会についてですが、まず会の目的等につきましては、意見交換会では、今後策定する公共施設再編計画のたたき台となる再編素案に対して、市民の皆さんからの幅広い率直な意見をいただく場とすることを目的としたものであります。
そこで説明する内容としては、市が保有する公共施設は耐震性がなく、築30年以上経過した老朽化施設が多く、建てかえ等には多額の費用がかかることなどであります。また、今後も一定の行政サービスを行うためには、支障がない範囲で施設量を削減する必要があることなど、素案の趣旨を御理解いただこうとしたものであります。
次に、今回出された意見につきましては、平成29年度に実施した総合管理計画の説明を行う市民意見交換会とは違い、今回は各施設の具体的な再編素案をお示ししたため、特に再編対象となった施設利用者の方々から、現地での建てかえや既存の施設の有効活用など、再編素案にはない新たな御意見もありました。
次に、計画策定スケジュールの変更に関する庁内議論につきましては、10月に市内7カ所で延べ8回実施した市民意見交換会で、三つの素案に対しての多様な意見や素案にはない意見が出されたことなどから、公共施設等マネジメント検討委員会において最終的な計画案を策定する上で素案の見直しも必要であると判断し、改めて時間をかけて検討することとしたものであります。
次に、市民意見交換会での説明につきましては、財政状況やコストデータは一定程度再編素案の資料に示しておりますが、限られた時間の中で、市が保有する施設の現状や課題の説明に重点を置くとともに、意見交換の時間を確保するために具体的な数値を説明する時間が十分になかったものと認識しております。
次に、公共施設の有効活用と機能についてですが、まず産業会館の活用につきましては、当該施設は2階ホールの利用率が低いことなどから、建物の有効活用について別途検討しておりましたが、再編素案の策定時には当面は現施設を維持するものとしており、学習・交流機能の移転先という考えはお示ししておりません。
次に、再編素案における現在の生涯学習プラザにつきましては、とみおか児童館と放課後児童クラブの移転後の面積は、両施設の設置基準により設定しているため、約140平方メートルのスペースが生じるとしていますが、その部分の有効活用については、議員御指摘のように、子育て世代の方のニーズに合ったサービス提供場所として活用することも有効な方法でありますので、今後検討を行ってまいりたいと考えております。
次に、長寿命化計画策定作業につきましては、長寿命化計画の策定は、国の要請により、令和2年度末までに完了することとなっております。この計画の取り組みは、再編施設の整備時期及び単独で残す施設の改修内容と改修時期を整備コストの平準化を勘案しながら設定し、予防保全型の維持管理方針を策定するものであります。
また、策定スケジュールの変更に伴う個々の作業の影響については、委託業者と協議しながら精査しておりますので、会議の回数などは現時点では未定であります。
○議長(鈴木喜明)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)1番、横尾英司議員。
(1番横尾英司議員登壇)
○1番(横尾英司議員)肺がん検診について質問いたします。
日本ではがんに罹患する人は年々増加傾向にあり、がん対策は一億総活躍社会の実現に向けて取り組むべき課題の一つであります。また、2018年3月に閣議決定した第3期がん対策推進基本計画においては、生涯のうちに約2人に1人ががんに罹患すると推計されており、がんは国民の生命と健康にとって重大な問題であることから、国のがん対策の全体目標として、がん予防、がん医療の充実及びがんとの共生の三つの柱が掲げられました。
国立がん研究センターによれば、2017年にがんで死亡した人は37万3,334人に上り、そのうち死亡者数及び死亡率の一番多い部位は肺との報告がなされています。一方、総務省が公表している2017年度の職域を除く肺がん検診の受診率は全国平均で7.4%にとどまっており、がん対策推進基本計画で設定されているがん検診受診率の目標値50%とは大きく乖離している状況です。日本対がん協会によれば、無症状のうちに検診を受診した人は早期の肺がんが発見される可能性が高いことから、肺がん検診が非常に重要であることが示されています。
なお、2018年時点の肺がんの5年生存率は、病期Ⅰ期では82.0%に対して、Ⅱ期では50.2%、Ⅲ期では21.3%、Ⅳ期では4.9%と、肺がんの進行に伴い予後も悪くなることからも、早期発見は重要であり、早期発見のための肺がん検診の受診率向上が大変重要となります。
では、小樽市の肺がん検診受診率向上の対策について質問いたします。
肺がんの罹患者数及び死亡者数は何人ですか、お示しください。また、肺がん検診の目標受診率は何%で、達成するには何人受診させる必要があるのか、肺がん検診の現状の受診率と受診者数についてお示しください。
対象者個人に対する個別受診勧奨は既に多くの自治体で受診率向上の成果が報告されていることや、米国疾患管理センターのレビューにおいても、個別勧奨は科学的根拠に基づいた受診率向上施策であることが実証されていることから、国は個別勧奨の実施を推進するために、市区町村が実施する個別勧奨に対する補助事業、新たなステージに入ったがん検診の総合支援事業を設けています。
総務省の調査では、がん検診対象者全員に個別勧奨を実施している自治体は全体の25.5%にとどまっていることや、より多くの対象者、対象者全員に対して個別勧奨を実施している自治体のほうが受診率が高い傾向にあることも報告されています。
小樽市では肺がん検診の個別勧奨は実施していますか。個別勧奨している場合、その対象者はどのようになっていますか、お示しください。
肺がん検診の受診率向上のために、肺がん検診対象者全員への個別の受診勧奨の実施をすることが効果的であると考えますが、見解をお聞かせください。
国は、がん検診の受診率向上のための有効な施策として、特定健診とがん検診の同時受診を推奨しており、多くの自治体で特定健診と肺がんを含むがん検診の同時受診が導入されています。
また、厚生労働省が発行する、今すぐできる受診率向上施策ハンドブックでは、同時受診の際に検査項目のオプトアウト方式を導入することも効果が期待できる施策の一つとして紹介されています。オプトアウトとは、希望すれば特定健診と同時にがん検診を受けられるオプトインのことではなく、断らない限りは特定健診と同時にがん検診をセットで受信することになるオプトアウトのことです。この手法は、ジェネリック医薬品の処方箋や大腸がん検診などの各種保健事業において既に導入されています。肺がんを含むがん検診をオプトアウト化することは、受診機会を広げるとともに、肺がん検診の受診率を高めることにつながり、早期発見、早期治療を促進することは、小樽市民の健康維持のためには非常に重要であると考えます。
特定健診と肺がん検診の同時受診及びオプトアウト方式の導入について、小樽市の現状と、導入していない場合は、導入についての見解をお聞かせください。
以上、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
○市長(迫俊哉)ただいま、肺がん検診について御質問がありました。
まず、本市の肺がんの罹患者数等につきましては、罹患者数は、北海道が公表している直近の北海道のがん登録状況によりますと、平成27年で146人となっております。また、死亡者数は、国が公表している平成29年の人口動態統計で127人となっております。
次に、本市の肺がん検診の受診率などにつきましては、目標受診率は国のがん対策推進基本計画で設定されている目標値と同じ50%としております。本市として目標を達成するためには、職域で検診を受診できる方などを除く40歳以上の市民、約2万6,000人の対象者のうち1万3,000人に受診していただく必要があります。一方、実際の受診率は、平成29年度で8.6%、受診者数にいたしますと2,219人となっております。
次に、個別勧奨の実施とその対象につきましては、個別勧奨は肺がん検診だけではなく、その他のがん検診の勧奨とあわせて平成29年度から実施をしております。今年度の個別勧奨の対象は約1,400人であり、国民健康保険加入者のうち50歳から60歳までの偶数年齢の方へ書面により個別勧奨を行っております。
次に、対象者全員への個別勧奨につきましては、個別勧奨は受診率向上に関して一定の効果があると思いますが、実際の検診対象者には市が把握することができない協会けんぽや健康保険組合加入者などが入るため、対象者名簿の作成ができないことから、全員への個別勧奨の実施は難しいものと考えております。
次に、特定健診と肺がん検診の同時受診及びオプトアウト方式の導入につきましては、本市では地域のけんしん、バスツアーけんしん、セットけんしん、日曜けんしん、街頭検診の五つの方式で集団検診を行っております。このうち、街頭検診を除いては、特定健診と肺がん検診の同時受診がおおむね可能となっております。
オプトアウト方式については、受診率向上のための有効な手法の一つとして考えておりますので、今後の課題として検討してまいりたいと考えております。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)1番、横尾英司議員。
○1番(横尾英司議員)それでは、何点か再質問させていただきたいと思います。
初めに、財政問題、予算編成方針についてです。
予算編成につきましては、高度成長期から財政再建、行革時代、そして地方分権期というところで、予算編成方針は全体として大きく変わってきたと聞いておりますが、今はそれぞれの自治体の運営能力が問われる時代ということで、見直しもかなりやっていると聞いております。
今の事業積み上げ方式ですけれども、財政担当の権限がかなり集中していて、そういった部分もそれぞれの部署の自由度というか、そういったものが若干なく、財政部にだめと言われればだめというような形になっている。そういった権限があるのかなと思うので、そういった部分も今の時代に合った見直しというのが必要ではないかなと私自身考えているのですけども、そういった財政部門の権限がやはり少し強い方式なのかどうなのか、その見解を聞かせていただきたいというふうに思います。
私がお聞きした人口減少の対策についてなのですけれども、ゼロ歳から18歳までのストーリーの部分で、ストーリーはないということと、事業の話をさせていただきましたが、このストーリーについての私のイメージといたしましては、市外の方にぜひ小樽で子育てしないかといったときに、どう説明をするかという部分で、小樽市の特色は、ホームページをよく見るとプロフィールが載っていますけれども、自然環境だとか、そういったものを生かした教育だとか、そういったものをやられていると思うのですが、市民が小樽市で子育てするには、こういったほかの都市にはないような特色があるのだよというものが必要かと思うのですけども、そういったものがもし頭にあれば、少しお話をしていただくと、市民の方も、市外の方だとか、これから子育てしたいという方が小樽市で子育てをしたいというような思いをいただけるものが、ほかの都市ではなく、小樽市を選ぶというものが何かないかなというところがありましたので、もしできていないのであれば検討もしていただきたいなと思うのですけども、いかがでしょうか、お聞かせください。
公共施設再編についてですけれども、私が思ったのは、拙速であるという意見が出たというのが、この市の計画の進め方が本当に時間が短かっただけなのか、先ほど言ったようなコストの部分だとか、資料だけの説明になってしまって、その時点で実はこの施設についてはこういう状況になっていましてというところが説明できていれば、もう少し違うような話になったのかなというのは、先ほど言っていた数多くの公共施設の再編をやってきた専門家というのは、私は書籍で読んだのですけれども、その部分で大きく唐突な説明だっただとか、拙速だというような意見が出るということがありますので、その部分が結果大きな意見だった。
本当に時間だけではなくて、そういった説明があることによって、もう少しその意見が緩和されたのではないかなと思うのですが、この拙速だという意見の要因はやはり、そういったコストだとか、その部分を理解していただく説明ができなかったことにあるのではないかなと思うのですけれども、そこをもう一回聞かせていただきたいなというふうに思っています。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
○市長(迫俊哉)横尾議員の再質問にお答えをいたします。
最初に、予算編成のあり方についてにかかわると思うのですけれども、現在のやり方は事業の積み上げ方式になっていますが、今御指摘がありましたように、自由度という言葉を使われましたけれども、職員からいろいろな意見を聞くということは、これはやはり大事なことだろうなというふうに思っております。
財政部の権限が多少強いのではないかというような御懸念も示されておりますけれども、財政部は財政部でそれなりの権限を持っていなければいけないと思いますが、どういった形になるかわかりませんけれども、職員の自由な発想をくみ上げていくということは別の場面でもしっかり考えていかなければいけない問題だというふうに考えております。
それから、18歳までのストーリーについて一貫したものはないのですが、今御指摘をいただきましたように、移住政策の中で、市外の皆さんに小樽の魅力みたいなものは、いろいろな場面でお伝えはさせていただいておりますけれども、多分、子育て世代にターゲットを絞った形での情報発信というのは十分できていないのだろうなというふうに思っております。改めて、今庁内でどのようなことが行われているかどうか確認をさせていただいた上で、そういった視点が足りないようであれば、やはり通常の移住策に加えて、子育て世代をターゲットにしたような施策といいますか、方法というものは考えていかなければならないのではないかなというふうに思っているところでございます。
それから3点目でございますけれども、これは今回の意見交換会への臨み方だったのではないかなというふうに思っております。これは私ども大変反省をしているところでございます。具体的なプランを今回お示ししたわけですから、いろいろな意見が出るだろうということは想定できたとは思いますけれども、担当者だけでこの意見交換会に臨ませたということについては、市長として十分反省をしております。今後、意見交換会を行うようであれば、しっかりとそういった体制も念頭に置きながら臨んでいきたいというふうに思っているところでございます。そういった十分な回答を得られなかったということで、多くの参加者が不満に感じられたということかと思っておりますので、そういったことのないような体制でこれから臨んでいきたいというふうに思っているところでございます。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)1番、横尾英司議員。
○1番(横尾英司議員)1点だけ再々質問させていただきたいと思います。
先ほど予算編成の部分がありましたけれども、総合計画等をつくりましたので、これから政策的なものを考えていかなければならないという部分では、やはり今の企画部門にもかなりの権限を持たせていかなければならないのかなという部分もありますし、ほかの市でも、そういった財政部と、それと別個でこれから本当に子育て世代だとか、そういった方たちに対する政策もしていかなければならないという部分では、従来やってきたことと、これから政策的な予算をつくっていかなければならないという部分では、企画部門にある程度の権限を持たせるというのもあると聞いています。
政策を進める上での部門にも若干そういったことを持たせるだとか、例えば財政部と企画部門を一緒にするというようなお話もしているというか、実際実行しているところもありますけれども、そういった今やっている施策の財政的なものを見る財政部と、これから本当にこの人口減少に対する政策としてやっていかなければならない部門に権限を持たせるというような考えがありますが、そういった部分についてもし見解があればお聞かせ願って、私の質問を終わりたいと思います。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
○市長(迫俊哉)組織の関係になりますけれども、確かに多くの自治体では企画部門と財政部門を一緒にしているような自治体もあるというふうに考えておりますが、私どもといたしましても、これからの予算を編成していく上で大事なことというのは、今回、第7次小樽市総合計画を策定したということ、それをどういうふうに実現していくかということ、六つのまちづくりのテーマがありますけれども、それをどういった形で実現していくのかということに加えて、やはり大変大きなことは、人口問題にどう向き合っていくかということになりますと、財政部と企画部門との関係は十分考えていかなければいけないというふうに思っているところでございます。
企画部門にある程度権限を持たせてはという御提言ではありますけれども、今市では、令和3年度に向けて機構を改革していこうという考えもございますので、その議論の中で、財政部あるいは企画部門のあり方というのは検討していきたいというふうに思っているところでございます。
○議長(鈴木喜明)以上をもって本日の会派代表質問を終結し、本日はこれをもって散会いたします。
散会午後4時01分
会議録署名議員
小樽市議会 議 長 鈴 木 喜 明
議員 髙 橋 龍
議員 小 貫 元