開会午前10時00分
○議長(鈴木喜明)これより、令和元年小樽市議会第3回定例会を開会いたします。
直ちに、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、面野大輔議員、高野さくら議員を御指名いたします。
日程第1「議席の一部変更」を議題といたします。
お諮りいたします。
前田清貴議員の議席をただいま御着席のとおり25番とし、私の議席を24番に変更いたしたいと思います。
これに御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)御異議なしと認め、さように決しました。
日程第2「会期の決定」を議題といたします。
お諮りいたします。
本定例会の会期を、本日から9月24日までの22日間といたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)御異議なしと認め、さように決しました。
日程第3「議案第1号ないし議案第34号及び報告第1号」を一括議題といたします。
まず、議案第1号ないし議案第33号及び報告第1号について、市長から提案理由の説明を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)(拍手)
○市長(迫俊哉)提案理由を説明させていただく前に、一言御挨拶申し上げます。
昨年、8月26日施行の市長選挙で当選し、市長に就任をさせていただいてから1年が経過いたしました。この間、日々職員とともに課題の解決に当たってまいりましたが、人口問題など、解決しなければならない課題は山積していると実感しております。本市の抱える課題を解決するためには、オール小樽で臨む必要があり、また、この1年間、まちづくりに対する市民の皆様の熱い思いや意欲を感じているところでもあり、市長としてそのためのリーダーシップをしっかりと発揮することが私の役割だと感じているところでもあります。
二元代表制の下で、市議会には真摯に、そして誠実に向き合ってまいりたいと考えており、引き続き市政進展のため、御理解、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
それでは、ただいま上程されました各案件について、提案理由の概要を説明申し上げます。
初めに、議案第1号から議案第6号までの令和元年度各会計補正予算について説明申し上げます。
まず、議案第1号、一般会計補正予算の主なものといたしましては、平成30年度に超過交付となった国庫支出金等の返還金や、10月から開始される幼児教育、保育の無償化を実施するため所要の補正を計上したほか、本年5月の炭鉄港の日本遺産認定に伴い、協議会構成自治体とともに情報発信や環境整備などを進めるための炭鉄港推進協議会負担金、昨年度に引き続き、地球温暖化防止のため二酸化炭素の排出抑制に向けた普及啓発事業を実施するクール・チョイス推進事業費を計上するとともに、地域公共交通網形成計画に基づき、市内の外国人観光客のバス利用促進を図ることを目的として、英語と中国語に対応した公共交通マップを作成するため、地域公共交通活性化事業費を増額いたしました。
また、除雪費につきましては、第1回定例会において、貸出ダンプ経費について、制度の見直しを含めた検討が必要であったため当初予算計上を見送っておりましたが、利用者の皆様へのアンケート調査の結果や課題等を踏まえ、転回場の利用箇所数などを見直した上で除排雪車両借上料を計上したほか、銭函地区の雪堆積場変更による排雪運搬距離の増加などに伴い、除排雪業務委託料を増額いたしました。
そのほか、平成30年度一般会計の決算剰余金の2分の1を財政調整基金へ積み立てるとともに、将来の市庁舎建て替えに備えて庁舎建設資金基金を積み立てるほか、今年度より市町村に配分される森林環境譲与税につきまして、新設する基金に積み立てることとし、所要の補正を計上いたしました。
これらに対する財源といたしましては、平成30年度決算剰余額を繰越金として計上したほか、地方特例交付金、負担金、使用料、国・道支出金、寄附金、繰入金、諸収入を計上いたしました。
以上の結果、一般会計における補正額は歳入歳出ともに8億3,725万6,000円の増となり、財政規模は592億5,129万7,000円となりました。
次に、議案第2号から議案第6号までの特別会計の補正予算について説明申し上げます。
港湾整備事業につきましては、昨年7月に発生した多目的荷役機械の故障に伴う損害賠償金を計上したことから、一般会計への繰出金を減額いたしました。
国民健康保険事業及び住宅事業につきましては、平成30年度決算剰余金を繰越金として計上するなど、所要の補正を計上いたしました。
介護保険事業につきましては、平成30年度に超過交付となった国庫支出金等の返還金などを計上いたしました。
後期高齢者医療事業につきましては、平成30年度出納整理期間中に収納した保険料を北海道後期高齢者医療広域連合へ納付するための所要額を予算措置いたしました。
次に、議案第7号から議案第20号までの平成30年度各会計決算認定などについて説明申し上げます。
一般会計につきましては、歳入総額544億3,266万9,722円に対し、歳出総額は542億734万4,729円で、歳入から歳出を差し引いた額は2億2,532万4,993円となりました。この額から翌年度に繰り越した歳出予算に充当すべき財源950万1,840円を差し引いた実質収支は2億1,582万3,153円の黒字となり、これを翌年度に繰り越すこととし、決算を了したところであります。また、この実質収支から、前年度の実質収支を差し引いた単年度収支は482万1,170円の赤字、さらに財政調整基金の積み立てや取り崩しを考慮した実質単年度収支は、1億9,416万9,346円の赤字となりました。
歳入では固定資産税、都市計画税などの市税収入や地方消費税交付金が当初予算額を上回り、歳出では職員給与費、生活保護費、他会計への繰出金などにおいて不用額が生じたことから実質収支は黒字となりましたが、単年度収支、実質単年度収支は3年連続の赤字となったところであり、依然として厳しい財政状況にあります。
なお、地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づく、健全化判断比率等につきましては、実質赤字比率と連結実質赤字比率は、平成29年度に引き続き比率自体が計上されないこととなりました。また、実質公債費比率は7.9%、将来負担比率は43.1%となり、いずれも早期健全化基準を下回るとともに、前年度と比較して、実質公債費比率は同率、将来負担比率は5.4ポイント改善いたしました。
一方、公営企業会計の資金不足比率につきましては、病院事業で材料費等の費用が増加したため0.7%となりましたが、そのほかの企業会計では前年度と同様に比率自体が計上されないこととなりました。
次に、平成30年度に実施した主な施策について、小樽市総合戦略の4つの施策プロジェクトに沿って説明申し上げます。
1点目のあずましい暮らしプロジェクトの取り組みでは、新たにナトリウム灯や無電極灯の既存街路防犯灯をLED灯に改良する場合に9割の助成を行ったほか、交通に関する取り組みとしまして、JR南小樽駅のバリアフリー化のため、多目的トイレを整備する費用の一部を助成いたしました。また、空き家対策につきましては、周辺に被害を与える恐れがあり、危険度・緊急度が高い空き家に対して除却費用の一部を助成する特定空家等住宅除却費助成事業を開始いたしました。
2点目の樽っ子プライド育成プロジェクトの取り組みでは、子育て世帯の負担軽減策として、こども医療費助成事業において、平成30年8月から課税世帯の3歳以上小学6年生までの入院の自己負担を軽減するとともに、平成30年9月から第3子以降の保育料の完全無料化を実施いたしました。また、スクールカウンセラーの派遣や学校司書の配置拡大、令和2年度より始まる小学3年生からの英語教育導入を見据えた外部講師の派遣拡大など、教育環境の向上を図りました。そのほか、幸小学校の耐震補強等工事に向けた実施設計や、ガバメントクラウドファンディングによる寄附金を活用し、総合博物館所蔵の蒸気機関車アイアンホース号のボイラー整備を行いました。
3点目のにぎわい再生プロジェクトの取り組みでは、平成29年度からの繰越事業として、外国人などの多様な観光客に対応した多言語表記やユニバーサルデザインを取り入れた歩行者案内標識を整備したほか、映画撮影などの誘致を目指し、ロケとご当地グルメの祭典「全国ふるさと甲子園」に北海道より初出展いたしました。また、昨年9月に発生した北海道胆振東部地震の影響による観光客の減少に対応するため、SNSやインターネットを通じて、本市が観光客の受け入れに支障がないことを国内外へ情報発信する事業などに支援いたしました。そのほか、北前船寄港地として日本遺産に追加認定されたことに伴う地域活性化事業の実施や、地域の企業活動の活性化により雇用創出を目指す地域雇用創造協議会の運営を支援いたしました。
4点目のあんしん絆再生プロジェクトの取り組みでは、胃がん検診における内視鏡検査や子宮頸がんへの自己検査キットによる検査の導入など、がんの早期発見に向けた取り組みを進めました。また、消防署銭函支署に配置している普通救急自動車を高規格救急自動車へ更新配備するとともに、手宮出張所と高島支所を統合した(仮称)消防署手宮支署の建設のため、基本設計を行いました。
次に、そのほかの主な施策について、説明申し上げます。
まず、令和2年度の個別施設計画策定に向けて、公共施設の集約化や複合化による再編を示す公共施設再編計画の策定に着手いたしました。また、色内ふ頭護岸の延命化を図るため、老朽化対策工事に向けた地質調査や実施設計などを行いました。そのほか、港湾整備事業において、平成15年に設置した多目的荷役機械の延命化対策のため、健全度調査の実施と維持管理計画の作成を行うとともに、老朽化が著しい引き船の用船契約期間満了により後継船を導入するため、新造船の建造工事に着手いたしました。
次に、予算と決算の対比について、その主なものを説明申し上げます。
一般会計の歳入につきましては、市税で約2,623万円、地方消費税交付金で約4,008万円、地方交付税で約1億2,445万円の増収となりましたが、国庫支出金で約3億1,191万円、繰入金で約14億567万円、諸収入で約3億1,264万円、市債で4億4,774万円の減収となったことから、歳入総額では約22億2,021万円の減収となりましたが、このうち約8,743万円については、繰越事業の財源として令和元年度に歳入が見込まれるものであります。
歳出につきましては、繰越事業分を除き、約23億4,860万円の不用額を生じましたが、この主なものといたしましては、民生費で扶助費や特別会計繰出金の減などにより約7億8,727万円、商工費で金融機関への預託金の減などにより約2億8,701万円、土木費で道路橋りょう費の国の交付金事業や港湾費の国直轄工事費負担金の減などにより約7億3,024万円の減となりました。
次に、特別会計のうち主な会計について説明申し上げますと、まず、国民健康保険事業につきましては、歳入総額144億8,128万1,081円に対し、歳出総額144億152万4,559円となり、差し引き7,975万6,522円の剰余金を生じました。
住宅事業特別会計につきましては、歳入総額12億9,598万936円、歳出総額12億8,919万6,611円となり、差し引き678万4,325円の剰余金を生じました。主な事業といたしましては、市営若竹住宅3号棟の建てかえ工事が昨年12月で完了し、本年4月から供用を開始したほか、市営住宅改善事業として、祝津住宅7号棟・8号棟及び潮見台A住宅の外壁等改修工事を実施いたしました。
介護保険事業につきましては、歳入総額150億6,077万276円に対し、歳出総額143億7,311万3,365円となり、差し引き6億8,765万6,911円の剰余金を生じました。なお、国・道支出金及び支払基金交付金のうち超過交付となった3億8,121万1,203円については、令和元年度に精算するものであります。
後期高齢者医療事業につきましては、歳入総額21億4,257万4,168円に対し、歳出総額20億8,512万1,398円となり、差し引き5,745万2,770円の剰余金を生じました。この剰余金は、平成30年度の出納整理期間中に収納した保険料であり、令和元年度に北海道後期高齢者医療広域連合へ納付するものであります。
次に、企業会計について説明申し上げます。
病院事業につきましては、予算額に対し、収益的収支では、収入は入院収益及び外来収益の減などによる医業収益の減により1億7,193万904円の減収となり、支出では給与費及び材料費などの減による医業費用の減などで2億3,368万1,377円の不用額を生じました。資本的収支では、収入は長期貸付金償還金の増などにより446万9,000円の増収となり、支出では長期貸付金の減などにより、不用額は85万6,841円となりました。なお、当年度純損失5億9,406万8,062円につきましては、繰越欠損金として処理する予定であります。
水道事業につきましては、予算額に対し、収益的収支では、収入は給水収益の増などにより917万3,018円の増収となり、支出では営業費用などで1億8,900万8,094円の不用額を生じました。資本的収支では、収入は企業債借り入れの減などにより2億7,220万4,004円の減収となり、支出では建設改良費などで2億5,538万949円の不用額を生じました。なお、当年度未処分利益剰余金9億5,084万5,152円のうち、4億9,963万572円につきましては自己資本金として処分し、4億5,121万4,580円につきましては、減債積立金として処分する予定であります。
下水道事業につきましては、予算額に対し、収益的収支では、収入は下水道使用料は増加したものの、営業外収益などで減少となったことにより、2,116万2,903円の減収、支出では営業費用などで2億496万2,759円の不用額を生じました。資本的収支では、収入は企業債借り入れの減などにより2億9,894万2,926円の減収となり、支出では建設改良費などで1億7,899万4,585円の不用額を生じました。なお、当年度未処分利益剰余金10億601万1,578円のうち4億9,595万8,875円につきましては自己資本金として処分し、5億1,005万2,703円につきましては減債積立金として処分する予定であります。
産業廃棄物等処分事業につきましては、予算額に対し、収益的収支では、収入は産業廃棄物等処分手数料などの増から4,943万6,674円の増収となり、支出では維持管理費などで845万4,522円の不用額を生じました。資本的収支では、一般会計長期貸付金の償還により1億1,000万円の収入が生じました。なお、当年度未処分利益剰余金1億6,870万7,196円につきましては、全額を利益積立金として処分する予定であります。
簡易水道事業につきましては、予算額に対し、収益的収支では、収入は他会計補助金の減などにより387万6,099円の減収となり、支出では営業費用などで353万9,701円の不用額を生じました。資本的収支では、収入は企業債借り入れの減などにより550万5,545円の減収となり、支出では建設改良費などで609万9,178円の不用額を生じました。なお、当年度純損失134万2,240円につきましては繰越欠損金として処理する予定です。
続きまして、議案第21号から議案第33号までについて説明申し上げます。
議案第21号職員の分限についての手続及び効果に関する条例等の一部を改正する条例案につきましては、成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律による地方公務員法の一部改正に伴い、成年被後見人等に係る規定の改正を行うとともに、所要の改正を行うものであります。
議案第22号資金基金条例の一部を改正する条例案につきましては、森林環境譲与税の創設に伴い、当該譲与税を財源とした森林整備等を行うための事業の資金とする目的で森林環境整備事業資金基金を設置するものであります。
議案第23号手数料条例の一部を改正する条例案につきましては、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の一部改正に伴い、複数の建築物に対する建築物エネルギー消費性能向上計画の認定に係る申請手数料を設けるとともに、所要の改正を行うものであります。
議案第24号災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例案につきましては、災害弔慰金の支給等に関する法律の一部改正に伴い、災害援護資金の貸し付けに係る償還免除の対象範囲の拡大等を行うとともに、所要の改正を行うものであります。
議案第25号特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例案につきましては、基準内閣府令の一部改正に伴い、食事の提供に要する費用の取り扱いの変更等に関する規定を基準内閣府令のとおり適用するものであります。
議案第26号家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例案につきましては、基準省令の一部改正に伴い、連携施設の確保に関する経過措置の延長等に関する規定を基準省令のとおり適用するものであります。
議案第27号児童福祉施設条例の一部を改正する条例案につきましては、子ども・子育て支援法施行令の一部改正に伴い保育料が一部無償化されることから、保育料に含まれていた副食費を新たに徴収するとともに、所要の改正を行うものであります。
議案第28号建築基準法施行条例の一部を改正する条例案につきましては、建築基準法の一部改正等に伴い新設された興行場等について、客席部の構造などの制限を緩和する規定を新設するとともに、所要の改正を行うものであります。
議案第29号下水道条例の一部を改正する条例案につきましては、成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律による水道法の一部改正に準じ、申請者が成年被後見人等である場合に指定工事店の指定をしてはならないとする規定を削除するとともに、所要の改正を行うものであります。
議案第30号消防団条例の一部を改正する条例案につきましては、成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律による地方公務員法の一部改正に準じ、成年被後見人等を消防団員として任用することができないとする規定を削除するとともに、所要の改正を行うものであります。
議案第31号火災予防条例の一部を改正する条例案につきましては、消防法施行令等の一部改正により消火器を設置すべき範囲が拡大されたことに伴い、従前からの条例による義務付けの範囲を維持しつつ、政令等との整合性を図るとともに、所要の改正を行うものであります。
議案第32号消防手数料条例の一部を改正する条例案につきましては、地方公共団体の手数料の標準に関する政令の一部改正に伴い、貯蔵所の設置の許可の申請に対する審査の手数料を改定するものであります。
議案第33号損害賠償額の決定につきましては、平成30年7月7日に発生した小樽港における多目的荷役機械の故障に係る損害賠償について、その賠償額を決定するものであります。
最後に、専決処分報告についてでありますが、報告第1号につきまして、北照高等学校野球部の全国高等学校野球選手権大会への出場決定に伴い遠征経費等の一部を助成するほか、10月から低所得者・子育て世帯向けプレミアム付商品券の販売を開始するに当たり、商品券換金業務に係る契約を早急に締結する必要があり、また、年度内に事業が完了しない見込みとなったことから、予算の一部について繰越明許費を計上するとともに、総合体育館の煙突内部においてアスベストを含有する断熱材の一部劣化が見られたことから、アスベストの除去等の対策工事を早急に実施するため、一般会計の補正予算について令和元年8月1日に専決処分したものであります。
以上、概括的に説明申し上げましたが、何とぞ原案どおり御可決、御認定、御承認賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○議長(鈴木喜明)次に、議案第34号について、提出者から提案理由の説明を求めます。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)7番、丸山晴美議員。
(7番丸山晴美議員登壇)(拍手)
○7番(丸山晴美議員)日本共産党を代表して、議案第34号小樽市非核港湾条例案の提案説明をいたします。
本条例案は、世界に開かれた港を持つ小樽市として、日本国憲法の平和主義と国の非核三原則及び地方自治の本旨にのっとり、積極的な非核港湾行政を推進することを目的としています。1982年6月28日に小樽市議会が行った核兵器廃絶平和都市宣言では「核兵器の廃絶、使用禁止は、もっとも緊急な課題であり、日本国民は、世界唯一の被爆国民としてこれを積極的に実現する崇高な責務をおっている。」とうたっています。しかし、37年たった現在も、世界には1万4,000発もの核兵器が存在しています。この状況に一石を投じ、核兵器廃絶の世論を広めるためにも、この非核港湾条例案を可決することは大きな意味を持つと考えております。
この夏、私は原水爆禁止世界大会に参加してまいりました。長崎で被爆者から直接、その体験を聞く機会を得ました。10歳のとき、爆心地から3キロメートルの地点で原爆投下にあったその男性は、次のように話しています。
「瓦れきの下敷きになり、足に大けがを負いながらも、何とか自力ではいだしました。まるで踏み潰されたようになった自宅の前で母に会うことができました。その晩は、山あいの墓地に逃げましたが、長崎のまちはまるでかまどのように燃えていました。中心地から3キロメートルの学校が臨時の診療所になりました。被爆者が「水をくれー、水をくれー。」と訴える。これは、原爆投下直後、3,000度、あるいは4,000度ともなった高温の空気を吸い込むことで、気管や肺、あるいは内臓までもが焼けただれてしまうからです。水を飲んだら死ぬと言われ、水さえももらえません。この方たちは苦しみのうちに亡くなっていきました。生きながら傷口にウジ虫が湧く、ウジ虫にかまれる痛さがわかりますか。縫い針を10本ほども束ねてつつかれるような痛みです。それでも、塩水を沸かして傷口にかけることくらいしか処置のしようがありませんでした。臨時の診療所には、爆心地から離れた佐世保市から医師が来ていました。その医師たちも発熱や下痢の症状で倒れていきました。彼らも被曝していました。市内は腐る肉と脂のにおい、学校のグラウンドは臨時の火葬場になりました。誰ともわからない遺体を次々と焼く毎日が続きました。核兵器は人として生きることを奪い、人として命を閉じることさえもかなわない。人の尊厳を否定する悪魔の兵器です。弟は原爆投下から25年後に亡くなりました。壊疽性鼻炎と診断されましたが、発症してから10日後、手の施しようもなく死亡しました。弟の妻は膵臓がん、兄の子は被爆2世として初めての死亡例でした。自身も白血球減少症、肺閉塞、さらに心臓発作の危険があり、常時ニトロスプレーを持ち歩いています。今も被爆の被害は続いています。今も被爆者は殺されています。核兵器と人間は共存できません。核兵器が使われないようにするには、核兵器をなくすしか方法はありません。」
84歳になるこの男性は、まさに命をかけて被爆体験を語り、核兵器をなくすことを訴えていました。私たちは世界で唯一原爆を投下され、その被害を受け、今もその被害に苦しんでいる国に住む者です。私たちには、人類だけでなく、この地球に住むあらゆる命を核兵器の被害から守るために、この被爆のむごたらしさを世界に知らしめ、核兵器をなくす先頭に立つ責任があると感じてまいりました。
今年、原水爆禁止世界大会が開催中の8月6日には、ボリビアが核兵器禁止条約を批准しました。条約発効に必要な50カ国の半分、25カ国が条約を批准したことになります。また、ロシアと並んで大量の核兵器を持つアメリカでも、昨年8月のカリフォルニア州に次いで、今年5月にニュージャージー州が核兵器禁止条約を支持し、連邦政府に批准を求める決議を採択しました。アメリカで2州目となりました。核兵器廃絶を求める声は世界中の市民の間で広がっています。
核兵器廃絶平和都市宣言の内容をさらに進めるためにも、小樽市非核港湾条例の制定を求めます。各会派、各議員の御賛同をお願いいたしまして、提案説明といたします。(拍手)
○議長(鈴木喜明)日程第4「休会の決定」を議題といたします。
お諮りいたします。
議案調査のため、明日から9月8日まで休会いたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)御異議なしと認め、さように決しました。
本日は、これをもって散会いたします。
散会午前10時40分
会議録署名議員
小樽市議会 議 長 鈴 木 喜 明
議員 面 野 大 輔
議員 高 野 さくら