開議午後1時00分
○議長(鈴木喜明)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、横尾英司議員、髙橋龍議員を御指名いたします。
日程第1「議案第1号ないし議案第13号及び議案第15号並びに陳情並びに調査」を一括議題といたします。
これより、順次、委員長の報告を求めます。
まず、予算特別委員長の報告を求めます。
(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)16番、中村誠吾議員。
(16番中村誠吾議員登壇)(拍手)
○16番(中村誠吾議員)予算特別委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は次のとおりであります。
地域福祉計画を策定するため、補正予算に地域福祉計画策定準備経費を計上し、今年度はアンケート調査を実施するということだが、地域における福祉の計画を策定するために行うものであることから、アンケートには本市の独自性を勘案した設問が必要だと考えるが、高齢化率の高さや地形的なものなどに起因する本市の地域的な課題についての設問を盛り込む考えはあるのか。
また、策定する計画には障害のある方の意見も反映させる必要があると考えるものの、アンケートでは意見を伺うことは難しいと思われるが、障害のある方からの意見をどのように反映させるつもりなのか。
地域福祉計画は住民主体の計画であり、住民がお互いに支え合い、より安心した暮らしができるような地域をつくることを目的としているが、法令に助け合いが位置づけられることにより自治体による互助の強制につながり、市が住民の自助・互助に役割を押しつけ、公的責任を放棄するのではないかと危惧されることについてどのように留意していくつもりなのか。
また、地域福祉計画策定委員会の設置根拠について、社会福祉法で特に定めがないことや道内他市で要綱設置としている自治体が多かったことを理由として、条例ではなく要綱で定めたというが、当該計画は福祉分野における上位計画として位置づけられており、総合計画や都市計画マスタープランなど他の上位計画の審議会が市の附属機関として条例で定められていることに鑑みれば、当該計画の策定委員会についても条例で定めるべきだと思うがどうか。
市は、生活保護受給者の健康管理を支援することを目的とした被保護者健康管理支援事業を推進するためデータ収集や分析による健康課題の把握を行うとして、補正予算にレセプトデータ収集・分析等業務委託料を計上している。
しかし、本市では8割以上の生活保護受給者が医療機関を受診しており、その方々の健康管理を支援するというのであれば、レセプトデータを収集するのではなく、医療機関に相談すればよいだけの話だと思うがどうか。
また、この事業に使用されるシステムを見ると、生活保護者の頻回受診を抑制し、医療から追い出すことが事業の目的ではないかと懸念してしまう。市には、この事業によって本当に必要な医療が受けられないことがないようにしてほしいと思うがどうか。
介護保険事務処理システム改修事業は、国と市が回収費用の2分の1をそれぞれ負担し、消費税率改定に伴う介護保険制度改正に対応するためシステム改修を行うものであるが、消費税増税は国が強行しようとしているのだから、どうしてもシステム改修が必要であれば国が全額負担すべきだと思うがどうか。
また、消費税増税はこれまで二度先延ばしとなっていることから、3度目の先延ばしや、そもそも増税自体が中止となることも考えられるが、その場合システム改修や当該補正予算はどのようになるのか。
総合戦略の進捗管理において、戦略に位置づけている事業の目標値に対する達成度がスコアで示されているが、その関係が非常にわかりづらいことから、誰が見ても達成度が読み取れるようなシンプルなものにすべきと思うがどうか。
また、各事業担当課が現状の分析を行い、今後の展開についての考え方を示しているが、その中には、スコアが低い状況にありながら今後も現状を維持していくとしているものや、毎年度の実績値がゼロであるにもかかわらず継続している事業があるなど理解しがたいものも見受けられることから、次期総合戦略の策定に当たっては、戦略に位置づけている事業の点検・評価方法を明確にして、運用面ではPDCAサイクルを十分に機能させることができるよう検討してほしいと思うがどうか。
収支改善プランに、職員定数適正化計画の策定を記載した背景について、職員数が増加傾向にあり、人件費の抑制が避けて通れない課題であるからだというが、増加傾向になったことについての分析内容を聞く限り、十分な分析ができていないと感じる。十分な分析を行うためには、業務棚卸表を作成することが必要であり、作成することにより経年変化の分析が可能となり、事務事業の見直しやスクラップ・アンド・ビルドを行うには有効であることから、職員定数適正化計画の作成に当たっては、業務棚卸表を作成し、事務の量と質をデータ化した上で計画づくりを行ってほしいと思うがどうか。
小樽市収支改善プランでは、ふるさと納税制度のさらなる推進によって、毎年度1,000万円増の効果額を見込んでおり、目標達成による収支改善に向けて今までの寄附者のデータベースをもとに、選ばれる返礼品の傾向や、リピーターのニーズなどを把握することで返礼品の充実を図るのだという。
しかし、ふるさと納税制度は、自治体間の過度な返礼品競争が発生したことにより、地方税法の改正や総務大臣から寄附金の募集に関する新たな基準が示されるなど、一定の規制が設けられたため、今後は返礼品の充実を図るだけでは目標を達成するのは難しいものと考えられることから、市は目標達成に向けて新たな規制に腰を引くことなく、寄附金額の増加に向けた工夫やチャレンジを行うことで収支改善につなげていってほしいと思うがどうか。
就学援助について、PTA会費、生徒会費、クラブ活動費の3費目を支給対象とすることは、財政が厳しい状況であることや近年就学援助の認定者が増加していることなどを理由として見送らざるを得なかったという。
しかし、道教委から市教委に対し、当該3費目についても支給を促す通知が出ていることや、道内主要10市の中に3費目を支給対象にしている自治体があることから、特に経済的負担が増す中学生のいる子育て世代の実情を考え、当該3費目についてもぜひ支給するよう検討してほしいと思うがどうか。
また、3費目を支給対象にすることが難しいのならば、せめて全ての児童・生徒が負担しているPTA会費だけでも支給対象にするよう検討してほしいと思うがどうか。
第3号ふ頭では現在、大型クルーズ船が停泊できるようにするための岸壁改良工事が行われており、その整備効果を生かすため既存の33号上屋の一部を改修し、旅客船ターミナルと大型バスの駐車場を整備するという。
埠頭全体が指定保税地域になっているなど、いろいろなハードルがあることから、一部改修ということは理解できるが、いずれターミナルを拡張するのであれば全ての貨物としての機能を移動することになるのだから、今の段階から一部ではなく全体を見据えた上で移転計画を立てていくべきだと思うがどうか。
また、ターミナルを拡張するに当たっては拡張後のイメージを持つことが大事だと考えるが、拡張後のターミナルのイメージは見えているのか。
大型クルーズ船の歓迎に関し、市では初寄港時の歓迎式典の実施や小樽港クルーズ客船歓迎クラブ会員を中心とした入出港時の見送りと出迎えなどさまざまな取り組みを行っているとのことだが、他市では幼稚園児による歓迎や高校生ブラスバンドによる船内での演奏、高校生通訳ボランティアによる観光客への案内など、本市にはない取り組みも見受けられ、港湾関係者からは本市は他市と比べてクルーズ船歓迎の度合いが弱いとの声も聞いている。
クルーズ船の誘致は本市にとって非常に大きい経済効果につながることから、来ていただいたお客様に小樽を印象づけることができるようセレモニー等を工夫し独自性のあるものにしてほしいと思うがどうか。
訪日外国人観光客を対象にした通訳ガイドについて、国は訪日インバウンド増加による通訳案内士の不足に対応するため、自治体が地域通訳案内士の制度を導入し、十分な育成を行った上で資格を付与すれば国家資格を持たない者でも有償で通訳ガイドができるよう法改正を行い、2019年6月14日現在、全国の36地域で導入され、合計2,631名の登録があると聞く。
例えば、先進事例として挙げられる岐阜県高山市では、地域通訳案内士の制度を活用して、歴史的な町並みなどを案内できる通訳ガイドの情報をホームページに掲載することで、観光客自身がガイド時間や料金を直接依頼できる仕組みを整え、多くの外国人観光客を呼び込んでいるが、本市においても市長公約である国際観光都市小樽の実現に向けて、地域通訳案内士制度を活用し人材の育成を検討すべきと思うがどうか。
本市の観光入込客を国土交通省が示す観光振興のロジックに当てはめると、観光消費で人口減による消費減をカバーできる計算になるはずだが、実際にはそのようになっていない。市は、平成15年度から16年度にかけて実施した観光基礎調査以来、観光消費が市内経済へ及ぼす影響について調査を実施していないというが、観光消費額が及ぼす経済波及効果をさらに高めていくためには、イメージや感覚で現状を捉えるのではなく、観光基礎調査のような幅広く経済の部分に踏み込んでの調査が必要である。観光が基幹産業の一つだというのであれば、本市における観光の課題を打破していくためにも、先行投資の意識を持って精度の高い調査を実施してほしいと思うがどうか。
ひきこもりについて、不登校の児童・生徒が増加傾向にあるなど深刻な社会問題となっている中、市では、保健所の健康増進課、福祉部の生活サポートセンター、生活支援課、こども福祉課、教育委員会の学校教育支援室においてそれぞれ相談を受け付け、各部署が連携して対応を行っているという。
しかし、一方で、ひきこもりは子供や若者に限ったものではなく、相談窓口に来ない中高年者等のひきこもりもいることから、市がひきこもり支援を行うに当たっては、民生・児童委員が日ごろ知り得た情報を提供してもらうなどにより実態把握する必要があると思うがどうか。
また、市は生活環境部の青少年課を事務局として庁内連絡会議を設置しているものの、その実態は相談者数と相談内容を情報共有するにとどまっているという。
市の各部署の日常業務が多忙の中、しっかりとした支援につなげるためには、担当部署の設置や民間委託など体制の整備について検討を行うとともに、新たな支援策を実施するための指針となる計画の策定が必要と考えるがどうか。
最上地区の太陽光発電パネル設置に関する問題について、事業者に対し住民に事前説明を行い、十分な理解を得てから建設するよう市が通知したにもかかわらず、当初事業者はポスティングをもって住民への説明を終えたという認識で、住民説明会を開催する予定はなかったという。
しかし、地域住民との合意形成が事業を始める大前提という考えに基づけば、今回の事業者の対応はずさんであり、地域住民が情報を得る機会を確保することが必要だと考えるが、市は住民との合意、あるいは理解を得るということについてどのような認識を持っているのか。
また、今後も同様の問題が発生すると思われることから、住民の安全・安心を守ることを市の施策の重要な指針の一つとしているのであれば、同様の問題が発生しないよう対策を講じてほしいと思うがどうか。
国民健康保険料が未納となる割合は、子育て世帯のほうが子育てをしていない世帯に比べて明らかに高くなっており、子供の人数に応じて均等割がかかる国民健康保険料は、均等割のない協会けんぽと比べ子育て世帯にとって大きな負担になっていると考えるがどうか。
市は子育ての応援をしたいとして、こども医療費助成の拡大などを行っているというが、他の制度による子育て支援では、国民健康保険と協会けんぽの子育て世帯の負担の違いの解決にはならないため、せめて18歳未満の子供が3人以上いる多子世帯だけでも国民健康保険料の均等割の独自減免を行うべきと考えるがどうか。
乳児用液体ミルクは、粉ミルクよりも価格が高いというデメリットはあるが、それ以上に、常温で衛生的に長期保存することができ、水や燃料を使わずに授乳することができることから災害時の備えとしての活用が可能であるほか、外出時や夜間における授乳が簡便になることで育児負担が軽減され、医療機関や保育施設での職員の業務負担軽減や男性の育児参加の促進という効果も期待されるものである。
しかし、その一方で、液体ミルクは本年4月から国内での販売が認可されたばかりであり、安全性や利用方法などについて市民の認知が進んでいないのが現状である。
「安心して子どもを生み育てることのできるまち」小樽の実現のためにも、子育て世代への具体的な支援策の一つとして、液体ミルクの普及促進の取り組みや災害時の備蓄について関係部署が連携し、ローリングストック等の手法も検討しながら課題を解決し、実施につなげてほしいと思うがどうか。
市は、まちづくりに資するとして、北海道新幹線の新小樽(仮称)駅周辺について、多額の費用をかけて整備するというが、経済効果はわからず、1日に何本新幹線がとまるのかも不明であり、利用者数も1日700人から1,600人と南小樽駅の半分程度しかいないと想定しているにもかかわらず、なぜ市は多額の費用をかけてまで新駅周辺を整備することがまちの発展につながると言えるのか。
また、JR北海道は、北海道新幹線の赤字の穴埋めのために、在来線を切り捨てる考えは持っていないと考えているというが、実際に札幌・小樽間の快速列車が4本減便されたなど、全道的に在来線の切り捨てが進められている中、なぜ市は北海道新幹線の延伸がさらなる在来線の切り捨てにつながるとは考えないのか。
中心市街地の再々開発に対する市と再々開発の準備組合、そして地権者の間では、認識が必ずしも共有できておらず、地権者には開発に対する疑問や不安があると思われる。
中心市街地の老朽した建物の状況に鑑みて、開発を進めることが急務だと言う中、市長の重要公約でもある対話の重視にのっとり、準備組合や地権者と回数、質ともに十分と言えるだけの対話を行ってほしいと思うがどうか。
本市では、平成26年度から令和6年度までに、10地区での地籍調査を計画しているが、現時点では北海道全域や後志全域の調査の進捗ぐあいに比べ、本市は非常におくれている状況であるという。地籍調査を実施することにより、大規模災害が発生し土地の現状がわからなくなった際にも境界の特定が可能になることから、大規模災害への備えという観点からも、DID地区と呼ばれる人口集中地区の地籍調査を進めることは特に重要だと考えるかどうか。
公園管理は、市と市民の方々とのパートナーシップの形成が非常に重要であり、朝里川公園で行われているリバーサイドフェスティバルにおける管理の事例などは、今後の公園管理の大きなヒントになるのではないかと考えるがどうか。
また、からまつ公園のテニスコートは、中体連や高体連の大会も開催されるジュニアの指導・育成における重要な施設だというが、その管理はごく少数のスーパーボランティアが、白線やローラー機の燃料代などを自前で賄うことで成り立っていると聞いている。市は、予算執行についていま一度検討し、市民の方々とのパートナーシップを形成した上で公園を維持管理すべきと考えるがどうか。
小樽市既存借上公営住宅制度は、子育て世代がより少ない負担で利便性の高いまちなかに居住できるように支援することを目的として、民間事業者等が有する既存賃貸共同住宅の空き住戸を市営住宅として借り上げて転貸する事業であるが、平成30年度は事業者からの応募がゼロ件であり、事業最終年度である今年度も応募要件を緩和したにもかかわらず、現時点での応募はゼロ件であるという。
今後も本事業は継続していくべきだが、本事業を現在のまま継続することは到底考えられない状況であるため、現在は借上住宅の募集対象エリアが市内中心部に限定されているが、小樽は東西に長く、中心部以外にも子育て世帯が多い地域があるのだから、地域の見直しを検討してはどうか。
また、新築住宅も制度の対象にして成功している他都市の事例もあることから、新築住宅借上公営住宅制度との併用も検討すべきと思うがどうか。
空き地の雑草や樹木などについての相談が市民から寄せられていると聞くが、空き家については、空家対策特措法の施行により法的な対策を講じることができるようになったものの、空き地については法的根拠がなく、空き地の所有者に対し管理責任を問うことができないという。
しかし、今後空き家対策が進み解体される空き家が増加すると、それに伴い空き地が増加することが懸念されることから、市には国に先立ち、条例化など空き地対策に向けて動き出してほしいと思うがどうか。
小樽市域の用途地域について、現在人口減少が進み、住宅地では空き家や空き地の増加が目立つことで住民の不安が増している地区もあることから、今後の市全体の都市計画を見据え、現在の小樽、将来の小樽にふさわしい用途地域への見直しを行うべきと考えるが、市は現在の用途地域を見直す考えはないのか。
また、市が用途地域の見直しを行うに当たっては、小樽市域内でいろいろな活動をしたいという考えを持つ市外の方々にも配慮し、土地の利活用に関するニーズを反映できるよう不必要な規制を緩和し、必要な規制を残していくという方針で検討を進めてほしいと思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、議案第1号及び議案第2号につきましては、採決の結果、賛成多数により、いずれも可決と決定いたしました。
次に、その他の議案につきましては、いずれも可決と、全会一致により決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。
○議長(鈴木喜明)これより、一括討論に入ります。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)20番、小貫元議員。
(20番小貫元議員登壇)(拍手)
○20番(小貫元議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、議案第1号令和元年度小樽市一般会計補正予算、議案第2号令和元年度小樽市介護保険事業特別会計補正予算に否決の立場で討論します。
初めに議案第1号です。
理由はレセプトデータ収集・分析等業務委託料です。再来年から実施される生活保護利用者の健康管理支援事業に係る準備の予算計上です。国の社会保障審議会による議論のまとめでは、生活保護利用者を、一般国民と比べ食事や運動などへの関心が薄く、このように表現するなど人権無視のもとでまとめ上げられた健康管理支援事業は生活保護を利用している方を対象に医療を受ける権利を抑制するとともに、厚生労働大臣の求めに応じてデータを集めることになります。
次に、議案第2号です。
ことし10月からの消費税増税に伴う介護保険制度のシステム改修で国が半分負担します。日本共産党は消費が落ち込む中、兵器を爆買いする一方で国民に負担を押しつける増税派の自民党と公明党を今度の参議院選挙で少数派にすることで増税を中止する見通しであり改修する必要がありません。
以上、討論といたします。(拍手)
○議長(鈴木喜明)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、議案第1号及び議案第2号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(鈴木喜明)起立多数
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、総務常任委員長の報告を求めます。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)22番、濱本進議員。
(22番濱本進議員登壇)(拍手)
○22番(濱本進議員)総務常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
議案第5号小樽市税条例等の一部を改正する条例案のうち、軽自動車税の見直しについては、現行の自動車取得税にかわって新設される環境性能割について、本年10月から令和2年9月までに自家用の軽自動車を取得した場合における税率を軽減するためのものだというが、そもそもこの見直しは消費税増税に伴って必要になったものなのではないか。
また、仮に国が消費税増税を中止した場合には、この税率の引き下げはどうなるのか。こうした市民の税負担が軽減されるような見直しはもっと行うべきだと思うが、消費税や増税に伴って行われるような見直しは理解しがたいものと考えるがどうか。
市では、昨年の北海道胆振東部地震における大規模なブラックアウトの経験を踏まえ、小樽市地域防災計画を修正したという。今回の修正の中で新設された災害ボランティア連携計画は、今後の災害時の応急対策に大いに役立つものと思われるものの、実際に災害ボランティアを受け入れるための災害ボランティアセンターが設置される小樽市総合福祉センターは老朽化が激しく、耐震化の問題も抱えていることを考えると、設置場所として適当なのか疑問に思うがどうか。
また、被災状況などの事情によっては、災害ボランティアセンターを小樽市総合福祉センター内に設置することが困難になる場合も想定されることから、代替場所についてもはっきりと計画に明記する必要があると思うがどうか。
市は、市内全域に災害時の情報提供を行えるよう、FMおたるの難聴地域を解消するための送信局増設に係る調査及び実施設計を行っており、今後、事業を進めていくに当たっては、事業コストが市の財政に影響を及ぼすことを踏まえ、できるだけコストがかからないようにする必要があると思うが、災害時の市民の安心・安全を確保するための手だてに対するコストであれば惜しまず費やし、災害時にしっかりと機能するよう整備を進めてほしいと思うがどうか。
市教委は、5月に小樽市いじめ防止基本方針を改定し、その中で各学校で学校いじめ防止基本方針の策定、または見直しを行う際の考え方として、児童・生徒の意見も取り入れ、よりわかりやすい基本方針となるように努めることという考え方が示されたが、幾らわかりやすくても、策定した基本方針を教員から押しつけられたり、頭ごなしに伝えられれば、児童・生徒は本心から受け付けることはできないと考える。基本方針の策定や見直しの機会をいじめについて議論する絶好の機会と捉え、児童・生徒に心から理解してもらえるよう、児童・生徒を中心に作業を進める必要があると思うがどうか。
市教委は、英検IBAと呼ばれる英語を読むこと、聞くことの2技能を測定する試験を本年10月に各中学校で実施することとしており、試験結果によって生徒の現時点での英語力がどの段階にあるか把握できることから、今後の英語教育に役立つものだと考えているという。この試験を実施することで自身の英語力を把握し、今後の学習に役立ててもらおうという取り組みはもちろん重要なことであると考えるが、中学校学習指導要領には、コミュニケーション能力の基礎を養うことが目標に掲げられていることに鑑みると、英語を母語としている方との交流も重要であることから、例えばクルーズ船の入港セレモニーが催される際に、生徒が英語で挨拶やスピーチする機会を設けることで生徒の自主的な学習を促すなど、小樽市独自の取り組みを検討してほしいと思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、議案第15号につきましては、採決の結果、賛成少数により、否決と決定いたしました。
次に、議案第5号につきましては、採決の結果、賛成多数により、可決と決定いたしました。
次に、その他の各案件につきましては、議案はいずれも可決と、所管事務の調査は継続審査と、全会一致によりそれぞれ決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります(拍手)
○議長(鈴木喜明)これより、一括討論に入ります。
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)8番、酒井隆裕議員。
(8番酒井隆裕議員登壇)(拍手)
○8番(酒井隆裕議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、議案第5号小樽市税条例等の一部を改正する条例案に否決、議案第15号小樽市非核港湾条例案は可決を主張し、討論を行います。
議案第5号です。
未婚等のひとり親に対する個人市民税の非課税措置など必要とされる改正もありますが、消費税増税に伴うものであり賛成できません。
議案第15号です。
米朝首脳の板門店での会談が報道されています。危機打開、緊張緩和、非核化、平和体制の構築につながることを強く願うものです。その一方で、米国トランプ政権が公表した、新核戦略指針「核態勢の見直し(NPR)」で日本への核持ち込みの危険拡大につながる重大な方針転換がなされています。小樽港には毎年のように核兵器搭載可能な米艦船の寄港が行われています。非核平和都市宣言を実行あるものとし、核兵器搭載可能艦船の入港をさせない取り組みをするべきです。
以上を申し上げ、討論といたします。(拍手)
(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)16番、中村誠吾議員。
(16番中村誠吾議員登壇)(拍手)
○16番(中村誠吾議員)立憲・市民連合を代表して、議案第15号について、委員長報告に反対し、可決に賛成する立場から発言します。
核兵器禁止条約は2017年、国連加盟国の3分の2が賛成をして条約は採択されました。日本を含む40くらいの国がそのプロセスをボイコットしましたが、圧倒的少数です。日本は世界の中で核兵器がまだ必要だと言っている少数の国だということです。
核抑止力は安全保障に不可欠だという声があります。でも安全保障とは戦争を防ぐことです。核兵器は戦争を防ぐどころか戦争の危機をつくってきました。米国と旧ソ連はベトナム戦争や多くの地域で東西冷戦の代理戦争をしてきました。今、ロシアと米国は核兵器の小型化開発を競って進めています。ICBMなどの巨大核兵器は、その使用は現実に不可能なのです。なぜなら、敵国も自国も、そして地球そのものを破壊してしまうからです。
現実に発生している地域戦争、紛争、そしてテロの攻撃に備えるためには先手を打つことが必要だ。ただし、自国の兵士の命は危機にさらされないことも必要だ。そこから導き出されている考えが、確実に敵の武器と兵士をせん滅させることができる小型核兵器なのです。
しかし、そこには多くの市民がいるのです。この小型核兵器はあらゆる場所で使用できること、あらゆる運搬手段が可能であることからつくられているのです。
私は小樽市民です。そして、平和を願う市民の声を議会の場で市長にお伝えするのが使命だと考えています。平和な民間港として小樽港が発展していくために、一つの手段として、本非核港湾条例を手にすることは大変意義のあることだと考えています。世界のどの国の軍艦に対しても核の存在は否定します。持ってこられてはいないですよねと聞くことの権利を放棄するつもりはありません。
議員各位の賛同をお願いし、討論といたします。(拍手)
○議長(鈴木喜明)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、議案第15号について採決いたします。
委員長報告は否決でありますので、原案について採決いたします。
可決と決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(鈴木喜明)起立少数
よって、議案は否決されました。
次に、議案第5号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(鈴木喜明)起立多数
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、経済常任委員長の報告を求めます。
(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)16番、中村誠吾議員。
(16番中村誠吾議員登壇)(拍手)
○16番(中村誠吾議員)経済常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
多目的荷役機械延命化対策工事は、近年、突発的な故障が多発している荷役機械の電気装置を取りかえるなどの工事を行うことにより機械の延命化を図るものであるが、この工事を行うことでどれだけの延命が図れるのか。また、クレーンなどの他の機械では荷役機械の代替はできないのか。多額の予算をかけて延命化を図るのであれば、費用対効果があらわれるようコンテナ貨物を増加させ荷役機械の利用をふやすための取り組みを行ってほしいと思うがどうか。
陳情第1号奥山等の針葉樹単一放置人工林を、森林環境譲与税で順次計画的に皆伐を進め、天然林に戻すことの要望方については、一定の人工林を皆伐し天然林に戻すという趣旨だが、天然林に戻す過程において放置人工林を皆伐することで、降雨による土壌侵食や森林土壌への影響などの問題等は考えられないのか。
また、この問題については不明な点や確認が必要な点がまだあると考えるが、そもそも放置人工林を天然林に戻すためには皆伐をする以外に方法はないのか。
陳情者が主張するように、森林を整備することは必要なことだと思うが、人工林を皆伐して天然林に戻すとなると森林が回復するまでに相当の時間がかかることから、災害の面や動物たちにはよくないと考えるが、人工林を皆伐することは現実的なのかどうか。
また、市は今後、市内の森林の現状把握を行っていくとのことであり、把握した結果、必要があれば対策を考えるべきだが、森林環境税、森林環境譲与税の形で住民に負担をさせて問題を解決しようとすることは問題だと思うがどうか。
観光税の導入に向けた検討は、現在、札幌市や函館市、富良野市などの道内他都市や北海道でも行っており、スピード感を持って検討を行う必要があると思うが、2カ月に1回、庁内会議を開催するというペースでは本市が出おくれることになりかねないと思うがどうか。
また、法定外目的税の検討を行っていくというが、検討するに当たり宿泊税は比較的容易に導入することができることから、まず、本市としては宿泊税を導入する方向で検討を進めてほしいと思うがどうか。
これまで市が行ってきたおたるドリームビーチ海水浴場の駐車場の管理・運営を今シーズンからドリームビーチ協同組合が行うことになったという。
しかし、組合は、駐車場の運営をしたい考えがある一方、駐車場の赤字が3年連続で拡大しており、昨シーズンは約300万円の赤字であったということを大変不安に思っていると聞くが、市は組合に対して事前に近年の収支状況を具体的に説明したのかどうか。
また、今シーズンの駐車場の収支が赤字となった場合の支援や、来シーズン以降、組合が管理・運営できなくなった場合の対策について何らかの考えを持っているのか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、陳情第1号につきましては、採決の結果、賛成多数により、継続審査と決定いたしました。
次に、その他の各案件につきましては、議案は可決と、所管事務の調査は継続審査と、全会一致によりそれぞれ決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(鈴木喜明)これより、一括討論に入ります。
(「議長、19番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)19番、高野さくら議員。
(19番高野さくら議員登壇)(拍手)
○19番(高野さくら議員)日本共産党を代表して、委員長報告に反対し、陳情第1号奥山等の針葉樹単一放置人工林を、森林環境譲与税で順次計画的に皆伐を進め、天然林に戻すことの要望方については不採択を主張して討論をします。
森林が果たしている多面的機能が国民にさまざまな恩恵をもたらしており、これらの機能を十分に果たすために間伐など森林整備することは必要です。問題は、日本の林業は戦後建築用木材として国が主導してスギ、ヒノキの植林が進められてきたものが、植林が育つ前に木材輸入の自由化が進み外国産材が低価格で届くシステムが構築されたことで国産材の自給率が落ち込み、立木の価格が長期にわたって低迷し、人工林の大部分が主伐時期に来ても手をつけることができず、放置状態が広がっているということです。陳情者が求めている天然林に戻すために皆伐をすることになれば、山肌が露出し森林に期待されている機能、水源の保全といった機能が失われる危険性もあり、環境負担も含め適切ではありません。
また、陳情者は森林環境税及び森林環境譲与税の活用で天然林に戻すことを求めていますが、政府が導入した森林環境税及び森林環境譲与税は、日本国内で二酸化炭素排出量の約78%を占めている企業には負担させず、住民税納税者に年1,000円を上乗せして徴収し、個人負担として市町村や住民の負担によって解決しようとしていることはおかしいことです。
環境税というのであれば、二酸化炭素の排出量に着目した汚染者の負担の原則や温室効果ガスの排出抑制効果も考慮して負担するべきです。
また、作業に取り組む林業就業者の数も全国で5万人程度まで減っていることを考えても、解決のために国が責任を持って取り組むべきです。
よって不採択といたします。
以上、議員各位の賛同をお願いし、討論を終わります。(拍手)
(「議長、15番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)15番、中村吉宏議員。
(15番中村吉宏議員登壇)(拍手)
○15番(中村吉宏議員)自由民主党を代表し、陳情第1号奥山等の針葉樹単一放置人工林を、森林環境譲与税で順次計画的に皆伐を進め、天然林に戻すことの要望方について、継続審査の立場で討論をいたします。
陳情事項にあるとおり、放置人工林の天然林化や一部報道にも示されている外国資本による山林の購入、特に水源に関わる山林について行政としての対応強化は重要であるとは考えます。
森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律が本年4月に施行されました。この法令の目的は、森林整備やこれに向けた人材育成・確保、公益的機能の普及・啓発等であります。これに基づき本市でも荒廃した私有林の整理に優先的に取り組みたいという見解が示されていることは、今定例会における我が党の須貝修行議員の一般質問における答弁から明らかであります。
しかし、私有林について、所有者の意向調査を行い、森林管理上の課題把握を行った上で運用の方針を定めたいという本市の考え方も示されているところ、直ちに願意を満たすことがかなう状況ではないというのも事実であります。この点、まずは本市としてしっかり課題や状況把握に努め、必要な対応を検討するところから始めるべきと考えます。
したがって、陳情第1号について、願意は理解できますが、今後の経過等を見ることが重要であり、現時点では継続審査とすることが妥当と考えます。
各会派、議員各位の御賛同をお願いし、討論といたします。(拍手)
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)1番、横尾英司議員。
(1番横尾英司議員登壇)(拍手)
○1番(横尾英司議員)公明党を代表し、委員長報告に賛成し、陳情第1号については継続審査を主張し、討論いたします。
森林環境税及び森林環境譲与税は、パリ協定の枠組みのもとにおける我が国の温室効果ガス排出削減目標の達成や災害防止等を図るため、森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保する観点から創設されました。この森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律案が可決された際、森林環境譲与税で放置人工林の広葉樹林化が進むよう、具体的な指針を示して必要な支援を行うことや、各地で広葉樹林化が進むよう必要な取り組みを行うことなどについて適切に措置すべきであるとした附帯決議案を、公明党も含めた各派共同提案として提出し可決されております。
しかし、天然林化するために奥山全域などの放置人工林を皆伐する方法が小樽市の現状に合っているのか。また、皆伐することで一時的でも上木がなくなるため、降雨による土壌侵食など森林土壌への影響なども考えられることなどから、今後、現状や問題点、方法等を確認することが必要であり、この陳情については継続審査とするべきと考えます。
以上、各会派、議員各位の賛同を求めて討論といたします。(拍手)
○議長(鈴木喜明)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、陳情第1号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(鈴木喜明)起立多数
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、厚生常任委員長の報告を求めます。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)21番、川畑正美議員。
(21番川畑正美議員登壇)(拍手)
○21番(川畑正美議員)厚生常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
陳情第2号子ども医療費の小学校卒業まで無料化方については、所得制限なく、小学校卒業までの医療費を無料にすることを求めるものだが、この要望は以前からあるものの財政が厳しいとの理由でいまだに実現していない。
しかし、市が行った市内の子供と保護者を対象にしたアンケートの結果では、現在必要としている生活の支援について、医療費負担の軽減という答えが断トツで多かったことに鑑みれば、子育て支援としてこども医療費の拡充は必要であり、小学校卒業までの課税世帯の入院外についても実質無料化を実施してほしいと思うがどうか。
陳情第3号朝里にまちづくりセンターの建設を求める陳情方は、朝里十字街の空き地に地域おこしの核となる公共施設の建設を求める市民から、長きにわたり出されている陳情である。
市は、この地域におけるコミュニティセンターの必要性は感じているというが、実際にコミュニティセンターを建設するための財源や建設手法についてどのような課題があると認識しているのか。
平成4年度から実施している在宅寝たきり高齢者等理美容サービスは年々利用実績が減ってきている状況だというが、この事業は個人経営の理容所・美容所で担うことは困難であり、実施することができる事業所が限られることや、本事業の委託先である理容組合及び美容協会の加入率がいずれも非常に低いことによる事業の担い手不足が、利用のしにくさにつながっていると考えられることから、例えば地区を分けて実施することや実施可能な事業者を周知するなど次の方策を検討すべきと考えるがどうか。
民生・児童委員のなり手を確保することが難しくなっているというが、これは業務の内容が複雑化し、民生・児童委員の業務が激務になっているからだと考えるがどうか。
また、他都市では、学生がコミュニケーションの訓練を兼ねて高齢者の見守りを行ったり、消防団が見守り活動を行う事例などもあると聞いており、例えば危険物などの取り扱い資格を持っている燃料業界の方々などにも見守りや安否確認、災害に対する備えをお願いするということも考えられると思うが、こうした先進的な取り組み事例を民生児童委員協議会に提案してはどうか。
子供の虐待については、泣き声通報の増加など、虐待が疑われるケースも含めて通報の件数が増加しており、その結果、大半を占める問題のないケースによって本当に深刻なケースが埋もれてしまうことが懸念されるが、このことについてどのように認識しているのか。
また、虐待には子供を虐待する親もまた、幼いころにその親から虐待を受けていたという、いわゆるスパイラルという面もよく見られるため、虐待の解決には虐待の被害者に対して大人になる前に十分な精神的ケアを行うなど、虐待の連鎖を断ち切ることが必要だと考える。児童相談所では一旦虐待が収まっても、その後の見守りなどをされているようだが、市として情報共有や継続的なケアなどをどのように行っているのか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、陳情第2号及び陳情第3号につきましては、採決の結果、賛成多数により、いずれも継続審査と決定いたしました。
次に、その他の各案件につきましては、議案は可決と、所管事務の調査は継続審査と、全会一致によりそれぞれ決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(鈴木喜明)これより、一括討論に入ります。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)7番、丸山晴美議員。
(7番丸山晴美議員登壇)(拍手)
○7番(丸山晴美議員)日本共産党を代表して、委員長報告に反対し、陳情第2号子ども医療費の小学校卒業まで無料化方について及び陳情第3号朝里にまちづくりセンターの建設を求める陳情方についての採択の討論をいたします。
初めに、陳情第2号子ども医療費の小学校卒業まで無料化方についてですが、小樽市が今年度4月から、中学生の入院まで助成対象を広げたことは、子育て応援の姿勢を示したこととして喜ばしく思っております。
しかし、問題は小学校6年生までの通院の場合です。現在の小樽市のこども医療費助成制度では、満3歳になると市民税非課税世帯では初診料のみですが、市民税課税世帯ではいまだ医療費の1割が自己負担となっております。この場合、特に少しの年収の差で住民税が課税になった世帯ほど大変な思いをしているのではないでしょうか。
今回、市内の小学校5年生、中学校2年生、高校2年生の子供とその保護者及び小学校2年生の子供を持つ保護者合わせて5,627人にアンケートをとり、56%に当たる3,137人から回収をし、小樽市の子どもと家族の生活にまとめられて厚生常任委員会に提出されました。この中で年収200万円未満を低所得層Ⅰ、年収300万円未満を低所得層Ⅱとしており、その割合は34%にも上ります。この方々の家計状況を見ると、毎月赤字になってしまう方と、毎月ギリギリで貯金ができない方を合わせればそれぞれの所得階層で実に90%を上回っており、余裕のない家計であることが伺えます。
子供の受診控えがあったかの問いについては、それぞれの階層で20%が受診控えがあったとしています。低所得層では、子供が体調を崩しても5人に1人が病院に連れていってもらえていないという実態が明らかになったと思います。子供の健康管理というのは大人のようにはいきません。急にぐあいが悪くなったり、けがをしたりするのは日常茶飯時です。小学校卒業まで所得制限なしで医療費の無料化を望む子育て世代の声は切実です。
前述した小樽市の子どもと家族の生活によれば、現在必要としている生活の支援のトップは医療費負担の軽減であり、低所得層Ⅰで55.3%、低所得層Ⅱで75.8%に上ります。小学生が病院に行くということになればどうしても付き添いが必要です。現在、働く人の4割が非正規雇用という社会です。非正規雇用の多くが1時間幾らという状態で働いています。そうした保護者が仕事を休んで通院に付き添えば、家庭の収入自体が減ります。さらに医療費がかかる、交通費もかかる、せめて子供の医療費は小学校卒業まで所得制限なしで無料化を実現し、小樽市として子育て世代を応援する必要があると考えます。
次に、陳情第3号の朝里にまちづくりセンターの建設を求める陳情方についてです。
東小樽地区の人口は2万5,000人と市内でも人口の多い地域でありながら、児童館もコミュニティセンターもないのはなぜでしょうか。
2002年の第1回定例会に8,489筆のまちづくりセンター建設を求める署名が出されて以来、実に18年目となる長い間、運動が続いており、住民の強い要望だということがわかります。2007年8月には小樽市主催の新しい総合計画策定のための地域懇談会において、山田勝麿元市長より、朝里十字街共同住宅跡地にコミュニティセンターを建てたいとの回答も得ているところです。
その後、2011年3月11日の東日本大震災、2016年4月14日の熊本地震、そして2018年9月6日には北海道胆振東部地震が起きました。災害が相次ぐ中、地域住民が日常的に交流を深めネットワークを築くことが、いざというときにとても大切だと住民の皆さんも痛感しています。住民の皆さんは防災センターとしても機能する、安全で安心なまちづくりセンターの建設を望んでいます。
また、地域の子供たちがいつでも気軽に立ち寄り、友達と過ごしたり勉強したりする場所が地域につくられることを望んでいます。
第7次小樽市総合計画基本計画原案で、地域コミュニティ活動の活性化のために活動拠点の提供など必要な支援の充実に努めますとしていることからも、現在も市有地である朝里十字街空き地に地域住民の要望に応え、まちづくりセンターを建設するべきと考えます。
ぜひとも全議員の賛同をいただきますようお願いを申し上げまして、討論を終わります。(拍手)
(「議長、11番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)11番、高橋克幸議員。
(11番高橋克幸議員登壇)(拍手)
○11番(高橋克幸議員)公明党を代表し、陳情第2号子ども医療費の小学校卒業まで無料化方について、陳情第3号朝里にまちづくりセンターの建設を求める陳情方について、いずれも継続審査を主張いたします。
ここでは、陳情第3号について討論を行います。
平成14年朝里十字街の共同住宅跡地にまちづくりセンターを地域住民の交流と生活、文化、教養向上のため、まちづくり活動の拠点として建設をしていただきたいとの願意は理解できるところであります。
今回の委員会質疑において、市として現地は候補予定地であること、また、まちづくりセンター建設の必要性の認識については確認をできました。
しかしながら、建設の主体や方法、また予算についても現状では未確定要素が非常に多く、今後さらなる議論が必要と考えます。よって、継続審査を主張いたします。
各会派、各議員の賛同をお願いし、討論といたします。(拍手)
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)6番、髙橋龍議員。
(6番髙橋龍議員登壇)(拍手)
○6番(髙橋龍議員)立憲・市民連合を代表し、陳情第3号朝里にまちづくりセンターの建設を求める陳情方についてに賛成の立場での討論を行います。
本陳情におけるまちづくりセンターは朝里を初めとし、東小樽地区においても地域住民のコミュニティの核となる施設であり、長年にわたり要望をされてきました。
朝里にまちづくりセンターをつくる会の皆様も、フリーマーケットや雪まつりなど、季節を問わず催し物を行い、建物ができる前の現段階から当該予定地において交流の拠点となっています。そこにセンターができることで、天候も問わず、世代間交流が生まれ、子供の居場所づくりや防犯としての観点、または高齢独居の方の積極的な社会参加など、さまざまな面で有益な施設であり、これを望まれる願意は妥当であると判断をしております。
建設や運営の方法について、なかなか進んでいない状況もございますので、ぜひ小樽市として特に子育て世帯の多い地域である朝里地区にまちづくりセンターができますように一歩前進をさせていただきたいと要望を申し上げ、賛成の討論といたします。
以上、各会派、議員の賛同を求めて終わります。(拍手)
○議長(鈴木喜明)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、陳情第3号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(鈴木喜明)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、陳情第2号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(鈴木喜明)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)御異議なしと認め、さように決しました。
この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時10分
――――――――――――――
再開午後2時40分
○議長(鈴木喜明)休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
次に、建設常任委員長の報告を求めます。
(「議長、9番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)9番、秋元智憲議員。
(9番秋元智憲議員登壇)(拍手)
○9番(秋元智憲議員)建設常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質問の概要は、次のとおりであります。
既存借上住宅制度は、市営住宅を建設するためのまとまった用地の確保が難しいまちなかにおいて、主に子育て世帯を対象として低廉な家賃で居住できるようにするため導入されたが、制度導入後、四、五年がたち、まとまった建設用地の確保が難しいという状況が変わらないのであれば、新築住宅借上制度なども検討に加えるとともに、色内小学校跡地を利用した子育て世帯への住宅供給についても検討の余地があると考えるがどうか。
また、人口対策として、若い世代に居住してもらいたいという目的で平成14年度から17年度まで若年者定住促進家賃補助制度を実施していたが、当時はなかなか効果がなく、制度を休止してしまったという。しかし、人口対策につなげていくためにも、条件を検討し直し、当時とはまた違った形でこの制度を考えていくことも必要と考えるがどうか。
塩谷防災事業のトンネル掘削工事は、本市で実施されている公共工事としては大規模なものであるが、市は市内の建設業者がこの工事に参加できるようにするための、国への要請等は行っていないとのことである。しかし、市内企業が元請として公共工事に参加した過去の実績は平成27年度に1工事、平成28年度に2工事あり、請負金額を合計すると約3億7,000万円であったとのことであるが、地元企業の活性化を図る観点からも、今後は市内の企業がこのような公共工事に参加できるよう、国に対し積極的に要請していくべきと思うがどうか。
本市の空き家・空き地バンク制度は、登録件数が伸びていないことから、新たな空き家の利活用対策として不動産関係団体と協定を締結することを考えているという。栃木県栃木市で行っている、あったか住まいるバンクという空き家バンク制度では、市と町会、不動産会社で情報共有を行う仕組みをつくることで空き家の利活用の実績を伸ばしているとのことであり、本市でも老朽化した空き家の除却を行うだけではなく、町会や不動産会社と情報を共有するためのネットワークを構築し、市役所としての信頼性を生かして空き家の利活用を進めてほしいと思うがどうか。
冬期間に滑りどめとして坂や道路に散布している砂は30%前後しか回収されておらず、回収されなかった砂が側溝や雨水ますに堆積することで、雨が降ったときに水があふれてしまい困っているという市民の声を聞く。市ではパトロールのほか、市民からの問い合わせをもとに現場を見て随時対応しているというが、市民から問い合わせがあってから対応するのではなく、事前に予算や計画を立てて、市民から問い合わせが来る前に行動することが必要だと思うがどうか。
運輸産業の経営を取り巻く環境は厳しさを増しており、燃料の高騰が常態化している現状においても運賃値上げができないことから、従事者の労働条件や待遇改善が置き去りにされており、運輸業界全体で人手不足が起きているという。
そのような中、小樽市地域公共交通網形成計画では、「持続可能で安定した運営形態の構築のため、運賃設定を検討する」としており、適正に運賃が値上げされれば、運輸産業従事者の労働条件や待遇の改善が図られ、人手不足の解消につながると考えられる一方で、市民に理解を求めることはなかなか容易なことではないと思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
議案はいずれも可決と、所管事務の調査は継続審査と、全会一致によりそれぞれ決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(鈴木喜明)これより、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)御異議なしと認め、さように決しました。
日程第2「議案第16号及び第17号」を一括議題といたします。
議案第17号につきましては、提案理由の説明を省略し、議案第16号について、市長から提案理由の説明を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)(拍手)
○市長(迫俊哉)ただいま追加上程されました議案について、提案理由を説明申し上げます。
議案第16号職員懲戒審査委員会委員の選任につきましては、菰田尚正氏、多木誠一郎氏、中村誠吾氏、相庭孝昭氏、前田孝一氏の任期が令和元年8月31日をもって満了することに伴い、引き続き、菰田尚正氏、多木誠一郎氏、中村誠吾氏を、新たに上石明氏、勝山貴之氏を選任するものであります。
何とぞ原案どおり御同意賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○議長(鈴木喜明)これより順次、採決いたします。
まず、議案第16号について採決いたします。
本件につきましては、職員懲戒審査委員会委員5名の選任について同意を求める案件でありますが、中村誠吾氏とそれ以外の方々を分離して採決いたします。
最初に、中村誠吾氏について採決いたします。
この採決に当たりましては、地方自治法第117条の規定により、中村誠吾議員は除斥となりますので、退席を求めます。
(16番中村誠吾議員退席)
○議長(鈴木喜明)お諮りいたします。
同意と決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)御異議なしと認め、さように決しました。
(16番中村誠吾議員着席)
○議長(鈴木喜明)次に、ただいま決定いたしました以外の方々について、一括採決いたします。
同意と決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、議案第17号について採決いたします。
可決と決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)御異議なしと認め、さように決しました。
日程第3「意見書案第1号ないし意見書案第14号」を一括議題といたします。
意見書案第9号ないし意見書案第14号につきましては、提案理由の説明を省略し、意見書案第1号ないし意見書案第8号について、順次、提出者から提案理由の説明を求めます。
まず、意見書案第1号について、提出者から提案理由の説明を求めます。
(「議長、5番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)5番、面野大輔議員。
(5番面野大輔議員登壇)(拍手)
○5番(面野大輔議員)提出者を代表して、意見書案第1号辺野古新基地建設の即時中止と、普天間基地の沖縄県外・国外移転について、国民的議論により、民主主義及び憲法に基づき公正に解決するべきとする意見書(案)に関する提案理由の説明をいたします。
沖縄では、ことし2月24日に名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票が行われ、埋め立て反対の圧倒的民意が示されたにもかかわらず、工事が強行されています。これまで県知事選で重ねて示されてきた民意と合わせ、政府及び日本国民は公正な民主主義にのっとり沖縄県民の民意に沿った解決を緊急に行う必要があります。
日米安保条約に基づき米軍基地の提供が必要であるとしても、沖縄の米軍基地の過重な負担を軽減するため、国民全体で分かち合うべきというSACO設置時の基本理念に反する沖縄県内への新たな基地建設を許すべきではなく、工事を直ちに中止し国民全体で議論すべきだと考えます。
また、小樽で発足されたゼロ番地で沖縄について考える会の活動では、本意見書案と同様の趣旨のもと、署名サイトの運営や署名活動を通して短期間の間に1,200筆以上の署名を集め、代表者は距離を超え共感の輪を広げていきたいと訴えています。
安全保障の議論は日本全体の問題であり、普天間基地の代替施設が国内に必要か。必要とされるならば、一地域への一方的な押しつけとならないよう、公正で民主的な手続によって解決することを強く求めるものです。
以上、議員各位の御賛同を求め、提案理由の説明とさせていただきます。(拍手)
○議長(鈴木喜明)次に、意見書案第2号ないし意見書案第5号について、提出者から提案理由の説明を求めます。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)21番、川畑正美議員。
(21番川畑正美議員登壇)(拍手)
○21番(川畑正美議員)提出者を代表して、意見書案の提案説明をいたします。
最初に、意見書案第2号消費税率の10%の中止を求める意見書案です。
安倍政権が5年前、8%に増税して以来、消費が低迷し国民生活は悪化しています。低所得者などに負担が重い消費税を増税すれば消費はますます低迷し、国内総生産の6割を占める個人消費が落ち込めば経済はさらに縮小します。
政府の月例経済報告や景気動向指数でも経済の悪化を認め、悪化と判断を引き下げました。安倍政権が消費税を8%に増税したその年の4月から6月期は大幅なマイナス成長となり、予定した10%の増税を2回にわたり延期しなければなりませんでした。
安倍政権は今回の増税に当たって、食料品などの税率を据え置く複数税率の導入やキャッシュレス決済時のポイント還元、プレミアム付商品券の発行などの対策をとるとしていますが、こうした複雑怪奇な仕組みは混乱を招くだけです。こんな深刻な消費不況のもとで増税していいのかという声が広がっています。今こそ、庶民の暮らしと日本経済をますます悪くする財政と税制を消費税に頼らない仕組みに変えていかなければなりません。政府においては直ちに消費税10%増税実施を中止することを求めるものです。
次に、意見書案第3号高齢に伴う難聴者の補聴器購入に公的補助制度の創設を求める意見書案です。
高齢に伴う加齢性難聴はコミュニケーションを困難にし日常生活に支障を来します。最近ではうつや認知症などの要因にもなっていると言われています。聞こえの悪さを補完し、音や言葉を聞き取れるようにしてくれるのが補聴器であります。
自己申告をもとにしたジャパントラック2018の調査では日本人の難聴者率は11.3%と発表しています。2018年4月から5月の調査では補聴器普及率は日本が14.1%でした。しかし、欧米ではイギリスが47.6%、フランスは41.0%、ドイツ36.9%、アメリカ30.2%などとなり、日本が極端に低くなっています。日本は補聴器への公費助成が低く、会話で不自由を感じる中等度の難聴や小声が騒がしい場所で苦労する軽度の難聴は原則対象外になっています。補聴器が1台で平均15万円程度になり、負担の大きさから敬遠する人も多く、また補聴器を調整する専門人材も不足しているのが現状です。
政府は、高齢者の社会参加、定年延長や再雇用を進めているわけでありますが、難聴が大きな障害になっています。高齢者が社会参加するための必需品となっており、健康寿命の延伸、そして認知症の予防のためにも高齢に伴う難聴者の補聴器購入に対する公的補助制度を創設すべきです。
次に、意見書案第4号「これからの高校づくりに関する指針」を見直し、機械的な高校統廃合を行わないことを求める意見書案です。
2018年3月に道教委が決定したこれからの高校づくりに関する指針では、全日制過程で1学年の望ましい学校規模を4から8学級とし、1学年3学級以下の高校については近隣の高校と再編し1学年2学級以下の高校は整理していくとしています。いわゆる指針をもとに進めることになれば、95校が統廃合の対象になり、道立高校が約半分に削減されることになります。
指針では、北海道のように農業や水産などの第1次産業を主な産業としているところや、看護または福祉に関する学科を置き、生徒数の増加が見込まれない場合は再編整備を進める方針であります。
現状の小規模校は生徒によく目が届いて、子供たちに寄り添った教育や地域の特色を生かした教育編成ができます。道教委が4から8学級に望ましい規模として統廃合を進めてきた結果、高校のない地域では遠距離通学を強いられています。北海道の広域性を考えると現実的ではありません。地域住民の皆さんからも機械的に高校をなくさないでほしいとの声が多数寄せられているところです。
北海道は機械的な統廃合を進めるのではなく、道教委の指針を見直すことが必要です。
次に、意見書案第5号特別支援学校の設置基準の策定及び特別支援学級の学級編制標準の改善を求める意見書案です。
障害のある子供が通う全国の特別支援学級では、学級編制の標準が単一障害の児童・生徒で編成する学級は6人、重複障害の児童・生徒で編成する学級は3人となっております。
しかし、現状は在籍数が適正規模の2倍から3倍となる事態が起きています。特別支援学校に設置基準がないことで、子供を幾ら詰め込んでも法令違反にならないため、自治体もなかなか学校を新設しません。
全国的に特別支援学級の児童・生徒数は増加し、文部科学省の学校基本調査では、小・中学校合わせて、2008年度で12万4,166人から、18年度は25万5,520人と2.1倍になっています。特別支援学校の設置基準を策定することが必要です。
また、障害のある子供8人を1人で担任することは負担であり、限界を超えています。特別支援学級の学級編制基準は、1学級8人のままであって、生徒数を引き下げることが必要です。
議員各位の賛同を呼びかけて、提案説明とさせていただきます。(拍手)
○議長(鈴木喜明)次に、意見書案第6号及び意見書案第7号について、提出者から提案理由の説明を求めます。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)22番、濱本進議員。
(22番濱本進議員登壇)(拍手)
○22番(濱本進議員)提出者を代表して、意見書案第6号米軍普天間飛行場の辺野古移設を促進する意見書案及び意見書案第7号国連各委員会の「沖縄県民を先住民族と認めて保護するべき」との勧告の撤回を求める意見書案について提案説明をいたします。
初めに、意見書案第6号についてです。
宜野湾市民は戦後74年の長きにわたり、米軍普天間飛行場から発生する基地被害に悩まされ続けてきました。現在、普天間飛行場の名護市辺野古地区キャンプ・シュワブへの移転統合が日本政府によって進められています。この方法こそが普天間飛行場の一日も早い危険性除去の方法であると確信をしております。
よって、政府においては普天間飛行場の危険性を除去し、宜野湾市民の74年間の苦労を一日も早く解消すること、その具体的方法として実行されている辺野古地区キャンプ・シュワブへの移転統合を推進すること。日米安全保障条約を推進するとともに、沖縄県のさらなる基地の整理・縮小を求めるものです。
次に、意見書案第7号についてです。
2008年に国連の自由権規約委員会で、琉球・沖縄の人々を先住民と認めて、その権利を保護するべきとの勧告が出て以来、日本政府は、日本にはアイヌ以外に先住民族は存在しないと否定し続けています。
沖縄県出身者も国連に対して勧告の撤回を要請しましたが、昨年8月に5回目の勧告が出されました。この勧告は沖縄の人々が国連に働きかけて出されたわけではありませんし、沖縄の地方議会では先住民族について一度も議論されたこともなく、日本政府に先住民族として認めることを要請したこともありません。
よって、国及び政府においては、早急に沖縄の人々は先住民族という国連各委員会の誤った認識を正し、勧告を撤回させるよう強く求めるとともに、国連が発信した沖縄の人々は先住民族という誤った認識がこれ以上国際社会に広がらないように速やかに正しい沖縄の情報を多言語で発信することを求めるものです。
以上、各議員の賛同を求め、提案説明といたします。(拍手)
○議長(鈴木喜明)次に、意見書案第8号について、提出者から提案理由の説明を求めます。
(「議長、9番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)9番、秋元智憲議員。
(9番秋元智憲議員登壇)(拍手)
○9番(秋元智憲議員)提出者を代表し、意見書案第8号信頼される政府統計を目指してさらなる統計改革を求める意見書案について、提案趣旨説明を行います。
問題の発端となったのは、昨年12月、統計委員会の打ち合わせの際、厚生労働省職員から、東京都では抽出調査をしており、東京以外への拡大を計画しているとの発言があり、統計委員会の西村委員長は抽出調査は重大なルール違反だと指摘し、統計の信頼性確保の観点からも危機的状況だとの認識を示しました。
その際、厚生労働省、総務省に対し早急に事実関係を確認するよう求めたことから、これまで我が国の景気動向や経済政策の指標としてきた毎月勤労統計調査が長年にわたってゆがめられ、不正に行われていたことが明らかになったわけであります。
不正問題の調査では、不正が行われたのは平成16年以降とされ、毎月勤労統計調査は従業員500人以上の事業所全てを対象とするルールでしたが、このルールに反し約3分の1を抽出する方法で調査が行われるようになっていました。また、本来は調べるべきバー、キャバレー、ナイトクラブも対象から除外し、その結果、必要な統計処理もされないままにデータが公表され続けました。
この調査結果に基づき支給される雇用保険や労災保険が、10年以上の長期間にわたり、本来受け取るべき支給額より少なくなっていたことで、影響額は約530億円、2,000万人に影響が出るとのことであります。
さらには、対象者の約半数はいまだに特定されていない状況であり、今回の不正調査をきっかけに他の7省庁でも23の基幹統計で問題が見つかり、政府統計に対する国民の信頼を裏切ることになった責任は極めて重大です。
総務省行政評価局は、賃金構造、基本統計の不正に関する調査報告を公表し、不正調査が行われてきた原因は、遵法意識の欠如と事なかれ主義の蔓延が問題の根底にある。統計部門幹部への情報集約と担当への指示が機能不全であったと指摘しています。政府はこの深刻な状態をしっかりと受けとめ、まずは不利益をこうむった国民に対して一日も早い給付を行うように準備を進めることが求められています。
その上で、決定的な点検、検証を行い、再発防止策を策定すること。分散型統計行政機構の問題点の整理を行うこと。統計に係る人材育成やガバナンスとコンプライアンスについて見直しを求めるものです。
以上、各議員の賛同を呼びかけまして、提案趣旨説明といたします。(拍手)
○議長(鈴木喜明)これより、一括討論に入ります。
(「議長、15番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)15番、中村吉宏議員。
(15番中村吉宏議員登壇)(拍手)
○15番(中村吉宏議員)自由民主党を代表し、意見書案第1号は否決、そして意見書案第6号、第7号には可決の立場で討論をいたします。
まず、意見書案第1号辺野古新基地建設の即時中止と、普天間基地の沖縄県外・国外移転について、国民的議論により、民主主義及び憲法に基づき公正に解決するべきとする意見書案について、先般の県民投票については、真摯に受けとめ沖縄の基地負担の軽減に取り組まなければならないものと考えます。
他方で、学校や住宅が近在する普天間飛行場をこれからも継続させることは避けなければならないということは、政府と地元の皆様の共通認識であるところです。
(「じゃあ撤去すればいいしょ」と呼ぶ者あり)
我が国を取り巻く安全保障環境が速いスピードで厳しさ、不確実さを増している中、日米同盟の抑止力維持と普天間飛行場の危険除去を考え合わせたとき、辺野古移設が唯一の解決策であるというのが、我が国の見解であると確認をしております。
この見解から、我々は意見書案第1号に示される、辺野古新基地工事を直ちに中止せよという要望について是とすることはできません。
一方、意見書案第6号米軍普天間飛行場の辺野古移設を促進する意見書案について、普天間飛行場をこれからも継続させることは避けなければならないということは、先述のとおりです。
辺野古移設について工期、予算について確認をしたところ、地盤改良工事に関する具体的設計等の検討を十分に行ったのち、しかるべき時期にしっかり説明を行うというのが国の方針であるとのことであります。
また、普天間全面返還について、これに関する日米合意は平成8年4月当時の橋本総理大臣とモンデール駐日アメリカ大使との会談で行われ、平成11年に当時の県知事、名護市長同意のもと、辺野古移設を閣議決定したとのことであります。その後も普天間飛行場の危険除去のため、辺野古移設を進めるということで、一歩ずつ前に進めたいと考えているのが国の見解であります。
その後の経緯として、平成25年に日米両政府で作成、公表した、沖縄における在日米軍施設・区域に関する統合計画で示された、普天間飛行場の返還条件の存在が挙げられます。また、この条件を達生困難にするような特段の問題は生じていないという認識で、日米が一致しているとのことであります。
この点に基づいて、平成29年6月6日の参議院外交防衛委員会質疑において、返還条件が整わなければ普天間飛行場は返還されないのかとの質問に対し、当時の稲田防衛大臣は、仮にアメリカ側との具体的協議やその内容に基づく調整が整わないようなことがあれば普天間飛行場の返還がなされないことになるが、そのようなことにならないよう返還条件が満たされ、普天間飛行場返還実現の支障とならないように対応していく考えである旨、答弁されております。
我が国を取り巻く安全保障の環境が非常に速いスピードで厳しさ、不確実さを増している中、日米同盟の抑止力維持と普天間飛行場の危険除去を考え合わせたとき、国は辺野古移設が唯一の解決策であるという考え方に基づき、また、普天間飛行場の危険除去を行うという観点からも住民の方々の御意見を伺い、対話しながらこれを進めるものとするのが国の見解なので、その見解に沿う本意見書案は賛同できるものであります。
(「県民の民意はどうなるんだ」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
また、基地負担軽減のための今後の整理縮小を求めることも必要であります。
以上より、意見書案第6号については、可決とすることを求めるものであります。
次に、意見書案第7号国連各委員会の「沖縄県民を先住民族と認めて保護するべき」との勧告の撤回を求める意見書案についてであります。
本意見書案に示されている内容は至極当然であると認識いたします。民族に関する政府見解が示されている中、国連が一部の主張を受け、我が国の主権統治に影響することがあれば、内政干渉として国際法上の問題にもなりかねないものと考えます。誤解によるものであれば、それを対話によりしっかり解消するべきであります。その契機となる内容の本意見書案には賛同できるものであります。
世界には多民族で形成されている国家もあります。また、一つの国家の中で地域のアイデンティティーというものが我々の生活を豊かに、また、おもしろくしていることも事実であります。地方によって生活文化や食文化、また方言を用いたコミュニケーションをとることなど、他の地域の人から見れば時にそれは驚きであり、時には興味深い情景との出会いともなります。こうした文化的な差異があるからこそ、人々の生活に多元性が生まれ、同じ国に生活する中での刺激にもなり、また、それは相手を理解尊重すること、考え方の違いから合意形成を行うことの必要性を我々に教えてくれる重要な要素ともなるものであります。
このような差異を差別という概念で判断することに大きな違和感を感じるものであります。差別により苦痛を生じている人が存在するのであれば、それは是正するべきでしょう。しかし、それに沖縄の地方の方々が当てはまるのかといえばそうではないのだということが、この意見書の原点に示されています。
国においてもこの点、しっかりと把握の上、国連の勧告等の判断に合理性がなければ、そうではないのだと主張をしていただくことが必要と考えます。
以上より、意見書案第1号については否決、意見書案第6号、第7号については可決とすることに各会派、議員の皆様の御賛同をお願いし、討論といたします。(拍手)
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)6番、髙橋龍議員。
(6番髙橋龍議員登壇)(拍手)
○6番(髙橋龍議員)立憲・市民連合を代表し、討論いたします。
まず、意見書案第1号です。
沖縄辺野古について、小樽や他都市の人間が口を出すべきものではないという御意見があることは認識しています。しかしながら、沖縄で起こっていることは果たして本当に人ごとでしょうか。
(「人ごとじゃない」と呼ぶ者あり)
他市の人間は口を出すべきではない。しかし、国防の観点では必要であるという声も耳にします。よその話だから口を出さないけれども、国防の問題だから必要だよねという、口を出すのか出さないのか、非常にねじれたロジックです。
普天間飛行場の危険性を鑑み、早い返還を求めるべきということは他の会派の皆様も同様の見解であると認識をしております。そして、普天間返還の問題において、辺野古の新基地建設が唯一の解決策と言われてきました。そう説明され続けることで、辺野古新基地に反対することイコール普天間の返還はなされないというような認識が生まれているように感じます。本当にそうなのでしょうか。
辺野古の新基地ができたとしても、普天間返還がなされないこともあり得るという趣旨の国会答弁であったと解釈をしております。辺野古新基地は普天間返還の唯一の選択肢ではないのです。また、国防上の観点といっても、沖縄の基地については、そもそもその脆弱性がアメリカの元政府関係者からも、沖縄駐留米軍の戦力は小さ過ぎるために有事の際の戦略的価値はないとまで指摘をされています。朝鮮半島有事密約も外務省有識者がそれぞれ調査に当たり、その密約についての議事録があったことも判明しております。
つまり、日本の防衛という意味合いよりも、費用負担を含め、アメリカ側の極めて政治的な判断による駐留であるとも考えられます。前述したとおり戦力が小さいのであれば、辺野古の基地を建設する意義は本当にあるのでしょうか。ましてや、本年2月の県民投票の結果を受けてもなお、建設を前に進めるのが県民に寄り添うことなのでしょうか。
投票後に辺野古の基地建設の問題は、本質的に多くの県民の意に沿うような形になったのであれば、その表現もよろしいかと思います。何も変わらない中で寄り添うとはどういう意味なのか、理解に苦しみます。
議員活動をしている中で、行政の方向性と地元の意見との食い違いが起こることは、他の会派の皆様も身をもって体験されていることと思います。そのときに必要なのは、どうにか説得をして住民に我慢をしてもらうことではなく、願意をどうやって満たすのかを前向きに考えていくことを日々活動の中でも行われていることと存じます。その意味からも、我々立憲・市民連合としては、この意見書案に対して決して人ごとではいられません。
ゆえに意見書案第1号辺野古新基地建設の即時中止と、普天間基地の沖縄県外・国外移転について、国民的議論により、民主主義及び憲法に基づき公正に解決するべきとする意見書案については可決を呼びかけると同時に、意見書案第6号米軍普天間飛行場の辺野古移設を促進する意見書案に対しては否決の立場を主張いたします。
次に、意見書案第2号消費税の10%の中止を求める意見書案についてです。
昨年第3回定例会においては、我々の会派は消費増税やむなしという立場をとりましたが、その際の討論においては、軽減税率の制度の煩雑さなどを危惧すると申し上げておりましたし、また消費税の増額分は社会保障費に全額充てるということも大前提でありました。そして2014年に増税をした際も同様のことを国はうたっていました。
しかしながら、実際は、社会保障に充てられていたのはそのうちの2割にも満たない額であり、残りの8割強は借金返済に充てていたと、首相みずからがおっしゃったわけです。ヨーロッパのように社会保障が大きく拡充され、行政サービスの形でリターンがあるならば理解はできるのですが、どうやら違うもののようです。
社会保障の財源対策のための消費税増税であったにもかかわらず、2014年の消費税増税以後には法人税が大幅に減額されている。企業の内部留保はバブル期を超える金額となる一方で、経済格差は拡大してしまっている。これでは、現時点では増税すべきであるとは言いがたい状況です。
よって、意見書案第2号については賛成の立場をとらせていただきます。
以上、討論といたします。(拍手)
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)2番、松田優子議員。
(2番松田優子議員登壇)(拍手)
○2番(松田優子議員)公明党を代表し、意見書案第1号辺野古新基地建設の即時中止と、普天間基地の沖縄県外・国外移転について、国民的議論により、民主主義及び憲法に基づき公正に解決するべきとする意見書案について、否決の態度を表明し討論を行います。
本年2月に行われた辺野古新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う沖縄県民投票の結果は、米軍基地が沖縄に集中している現状に対し、決して容認できるものではないとの県民の意思が示されたものですが、賛成票を投じた方の中には、米軍基地の負担の重さを全て容認しているわけではないと考える人も多いと思われますし、反対票を投じた方の中にも普天間飛行場の危険は放置できないと判断している方も多いのではないかと考えます。
また、投票率が50%を超えたとはいえ、こうしたことから賛成か反対かだけでは割り切れず、投票しなかった半数近い有権者の思いも受けとめなくてはなりません。そうした悩み、複雑な思いをありのままに真摯に見る必要があると考えます。
(発言する者あり)
ともあれ政府は、普天間基地について、学校や住宅に囲まれた地域にある世界で最も危険な基地であり、一日も早い移設が必要であるとの趣旨の説明をしていることから、まず住民の安全確保を優先すべきで、この問題については政府が責任を持って取り組むべきものと考えます。
(発言する者あり)
その上で、沖縄に米軍基地の負担が過度に集中していることをきちんと受けとめ、基地負担の軽減をあらゆる選択肢を含め、誠実に追求し、沖縄の方々との丁寧な対話によって沖縄県民の求めている基地負担の軽減について、さらなる取り組みに全力を挙げるとともに、県民の方々の理解が一層深まるよう努力を怠ってはならないと考えます。
(発言する者あり)
以上の理由により、意見書案第1号辺野古新基地建設の即時中止と、普天間基地の沖縄県外・国外移転について、国民的議論により、民主主義及び憲法に基づき公正に解決するべきとする意見書案については否決の態度を表明し、全ての議員の賛同を呼びかけて討論といたします。(拍手)
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)8番、酒井隆裕議員。
(8番酒井隆裕議員登壇)(拍手)
○8番(酒井隆裕議員)日本共産党を代表いたしまして、ただいま提出されました意見書案第1号ないし第5号は可決、第6号ないし第8号については否決の立場で討論を行います。
意見書案第1号辺野古新基地の即時中止と、普天間基地の沖縄県外・国外移転について、国民的議論により、民主主義及び憲法に基づき公正に解決するべきとする意見書案です。
本意見書案では、辺野古建設即時中止と、普天間の沖縄県外・国外移転の国民的議論を求めています。普天間基地のまちに住む皆さんの切実な願いの反映と受けとめ賛成します。
意見書案第2号消費税率の10%の中止を求める意見書案です。
消費税は1989年国民の猛反対を押し切って導入されました。そもそも消費税は景気を底から冷やし、格差と貧困を広げる税制です。1997年に消費税率が3%から5%に引き上げられ、消費大不況と景気悪化が急激に進みました。そして8%になった2014年4月以降、ありとあらゆる経済指標が落ち込んでいます。
厚生労働省が発表した全労働者の実質賃金は2017年度まで7年連続で減少しています。また、個人消費は連続減少しています。消費税は子供にもかかっています。低所得者ほど重く、高額所得者ほど軽い、逆進的な不公平税制であり、憲法の応能負担原則に反する税制です。
政府は、消費税は社会保障のためと言いますが、所得の少ない人にも今まで以上の負担を押しつける消費税増税は社会保障財源として最もふさわしくありません。消費税が導入されて以降、医療や介護、福祉など社会保障は、改悪に次ぐ改悪の連続でした。高齢化などで必要な社会保障予算のカットや年金、医療、介護の負担増、給付削減で社会保障予算は3兆9,000億円も削減されてきました。その結果、市民の暮らしや地域経済は大変深刻な状況に陥っています。
このような中にあっても、政府は10月の消費税増税を行う姿勢を崩していません。税率10%への引き上げで1人当たり年間2万1,500円、4人家族で3万6,000円もの増税になるとの試算もなされています。10%増税によって、さらなる消費の落ち込みや、景気悪化によって大不況の再来は明白です。
政府は増税時の臨時特別対策として食料品などの軽減税率導入に加え、自動車や住宅購入時の減税、キャッシュレス決済などでのポイント還元、マイナンバーカード利用者の買い物時のポイント還元などの対策を実施しよう、こんなことを言っていました。消費税を増税しながら、巨額の予算を投じて対策をとるなど、筋が通りません。これら対策は消費の冷え込みや中小業者への対策と言いますが、効果は望めず、むしろ事務や制度が煩雑となり、逆に中小業者を苦しめるものばかりです。消費税の増税中止こそが最良の景気対策です。
そして、2023年に導入されるインボイス制度によって、免税業者は取引から排除されるか、課税業者になるかの二者択一が迫られるという重大な問題が発生します。インボイス導入は日本商工会議所を初め、多くの業界団体が反対表明しているのは、当然であります。消費税は中小業者にとっては営業破壊税です。また、地域経済を壊し、地方創生に逆行する税金と言わざるを得ません。
消費税導入から2017年度までの消費税収は累計で349兆円に上ります。その一方で大企業の減税などによる法人税の減収は281兆円です。すなわち、消費税収の8割が法人税減収、減税による減収の穴埋めに使われており、税源として役立っていません。安定財源確保や社会保障対策という理由は、もはや破綻しています。今必要なことは、消費税増税ではなく、税金の集め方、使い方を見直し、大企業や富裕層を優遇する不公平税制を正すことです。軍事費や不要不急の大型公共事業への歳出を減らし、暮らしや社会保障、地域経済振興優先に税金を使い、内需主導で家計を温める経済政策をとるべきです。
意見書案第3号高齢に伴う難聴者の補聴器購入に公的補助制度の創設を求める意見書案です。
難聴者支援の拡充、強化は、本格的な超高齢社会に対応するための重要かつ緊急の課題です。補聴器への公的な支援には、補装具費支給制度があります。しかし、給付には障害者手帳が必要で、両耳の平均聴力レベルが70デシベル以上の高度~重度難聴者が対象です。
WHO世界保健機関では、中度難聴の41デシベルから使用を推奨しています。日本の70デシベル以上では支給は限られます。では、70デシベル以上とはどれくらいでしょうか。両耳で40センチ以上離れると、その会話が理解できないというのが70デシベルです。相当の重度~高度の難聴ということでしか支給制度がありません。
補聴器工業会の調査では、70歳以上の高齢者のおよそ半数1,130万人難聴者がいるとの推計がされています。補聴器をつけている方は14.4%、210万人にすぎないとされています。補聴器の利用が進んでいないのはなぜでしょうか。値段が高過ぎるためであります。ひとりひとりの聞こえを精密に調整できる、こういった機種になりますと30万円以上するものも少なくありません。加齢性難聴はコミュニケーションの問題を含めて生活の質を落とします。日本耳鼻咽喉科学会は補聴器をつけるなどして難聴に正しく対処し、適切な聞こえを維持して脳を活性化し、さらに家族や友人のコミュニケーションを楽しんでいれば、認知症を予防したり、発症をおくらせる可能性が高いと指摘しています。高齢者の社会参加を促進するためにも、国において法的制度の創設を求めるものです。
意見書案第4号「これからの高校づくりに関する指針」を見直し、機械的な高校統廃合を行わないことを求める意見書案です。
北海道教育委員会は1学年3学級以下の学校は、原則として近隣高校との再編整備による学校規模の適正化を図るとしています。高校は地域の文化、コミュニティ、防災の拠点です。学校がなくなれば、人口減少、過疎化の進行で地域の活力はますます低下します。今、求められているのは子供たちや保護者、地域住民の願いに沿った学校配置であり、道教委は本指針を見直すべきです。
意見書案第5号特別支援学校の設置基準の策定及び特別支援学級の学級編制標準の改善を求める意見書案です。
特別支援学校に通う児童・生徒は増加しています。教育条件の整備が追いつかず、学習環境や健康が脅かされるなど、深刻な事態となっています。特別支援学校には学校設置基準がないことが根本的な問題です。また、特別支援学級の学級編制標準を改善することを求めるものです。
意見書案第6号米軍普天間飛行場の辺野古移設を促進する意見書案です。
意見書案では、普天間飛行場の危険性を除去する唯一の方法は辺野古移設しかないとの主張に固執し、移設反対を訴えている人たちを移設反対派と決めつけ、混乱が起きていると決めつけています。沖縄県知事選や県民投票、衆議院補選の結果など、県民が三度、辺野古移設にノーを突きつけた事実を踏みにじるものです。危険な普天間飛行場はどのようにしてつくられたのでしょうか。米軍は沖縄戦の最中、国際法に違反して住民を銃剣で強制収容し、それまであった民家も、役所も、郵便局も、墓地も、さとうきび畑も押し潰して基地を拡張したものです。無条件閉鎖、撤去を求めるのは当然です。代替施設の米軍側への提供なくして閉鎖されないことが沖縄に関する特別行動委員会によって決定されていると、不当な日米合意を絶対化していることは論外です。県内の運動を、移設反対派と決めつけ、分断を図るようなやり方はやめるべきです。
また、現宜野湾市のど真ん中にある普天間基地と、海岸沿いに統合する既存のキャンプ・シュワブ基地とどちらが安全か、自明の理であるという奇妙な主張をしています。
1977年厚木基地から離陸した戦闘機が横浜の住宅街に墜落し、市民3人が死亡する重大事故が発生しました。「パパ、ママ、バイバイ」「ポッポッポ」の言葉を残して、なくなった我が子に会いたい一心でリハビリに励んでいた母親が、2人の子供が事故翌日に死亡した事実を知らされたのは、1年3カ月後であったことをアナウンサーが涙を流して報道していたことを横浜市民は忘れていません。
現在も厚木基地には横田基地からオスプレイが飛来しています。沖縄基地負担軽減として、札幌の丘珠空港もオスプレイの訓練用基地に加えると発表がされています。横田連絡会も厚木基地での運動も、また札幌でも危険なオスプレイは撤去せよ、来るなと主張しますが、人口が少ない宜野湾市とどちらが安全かと主張するような運動は、全くありません。まさに常識外れの主張です。
そもそも、陳情者はどのような人物でしょうか。平安座唯雄氏は元宜野湾市議で、名護市長選で怪文書を大量配布していた方です。あの統一教会の発行する世界日報に、周辺住民を不安と危険に陥れるオスプレイ反対運動は、即刻中止せよ。抑止力強化のため日米同盟を強化せよと呼びかけている姿が掲載されるなど、右翼と目されている方です。
(「個人的な批判するな」と呼ぶ者あり)
まともな人物ではありません。
沖縄県内以外で本意見書が文言の修正なくして可決している自治体は、聞いたことがありません。本意見書案に賛成することは恥ずかしいことです。
(「あんたのほうが恥ずかしいよ」と呼ぶ者あり)
小樽市議会が右翼の片棒を担ごうとでもしているのでしょうか。
意見書案第7号国連各委員会の「沖縄県民を先住民族と認めて保護するべき」との勧告の撤回を求める意見書案です。
国連の勧告は、米軍基地の沖縄集中を差別の根拠として挙げ、沖縄の人々の権利を保護するよう求めたもので、当然の主張です。意見書案は殊さらに先住民族を強調し、対立と分断を持ち込もうとしています。よって本意見書案に反対します。
意見書案第8号信頼される政府統計を目指してさらなる統計改革を求める意見書案です。
厚生労働省による毎月勤労統計調査の偽装を初めとする統計不正問題は、安倍政権の隠蔽姿勢によって実態の解明が進んでいません。しかし、本意見書案は政府の責任を追及するどころか、むしろEBPM、証拠に基づく政策立案を推進した結果、今回の事案が浮かび上がったと問題をすりかえるという、極めてひきょうな、かつ事実に反する小ずるいものです。
毎月勤労統計の不正発覚後にマスメディアが行った世論調査は、政府統計そのものに対し、大多数の国民が不振と疑念を抱いていることを浮き彫りにしました。ところが、本意見書案では事務的なミスという前提に立っていることに加え、さらなる統計改革とあたかも政府与党が統計改革に取り組んできたかのような記述があります。
政府統計問題には、今なお未解明の問題が多数あります。2004年から従業員500人以上の事業所は全数調査しなければならないのに、東京都について三分の一の抽出調査しかせず、データ補正まで作成し、隠蔽してきました。
しかし、影響は、圧力はなかったという見解であり、事実経過を明らかにする姿勢がありません。厚生労働省が統計の不正調査の修正を始めた、2018年1月から不正の発覚する12月の間はどのような時期だったでしょうか。裁量労働制のデータ捏造、森友公文書の改ざん、外国人労働者のデータ捏造、さらに自衛隊による日報隠蔽、安倍政権による底なしの隠蔽、改ざん、捏造が行われた時期です。安倍政権が引き起こした政治モラルの大崩壊が統計不正の温床となったのは明らかです。安倍政権の責任を追及するどころか、擁護する意見書に断固反対します。
以上を申し上げ、討論といたします。(拍手)
(「個人的な批判はしないほうがいいよ」と呼ぶ者あり)
(「そうだ」と呼ぶ者あり)
(「すいません、ルール違反を覚悟で申し上げます。自民党の方……」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)認められません。
(「安全保障が厳しくなっていると申されましたが……」と呼ぶ者あり)
認められません。退場願いますよ、そこで発言すると。
(「一言……」と呼ぶ者あり)
退場願いますよ。いいですか。
(「皆さんも50%で当選されているはずです。ありがとうございました。失礼いたしました」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、意見書案第1号ないし意見書案第3号について、一括裁決いたします。
いずれも可決とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(鈴木喜明)起立少数。
よって、否決されました。
次に、意見書案第4号及び意見書案第5号について、一括裁決いたします。
いずれも可決とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(鈴木喜明)可否同数であります。
よって、地方自治法第116条の規定により、議長において本件に対する可否を裁決いたします。
本件については、議長はいずれも否決と裁決いたします。
次に、意見書案第6号及び意見書案第7号について、一括採決いたします。
いずれも可決とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(鈴木喜明)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、意見書案第8号について採決いたします。
可決とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(鈴木喜明)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の意見書案について、一括採決いたします。
いずれも可決とすることに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)御異議なしと認め、さように決しました。
以上をもって、本定例会に付託されました案件は、全て議了いたしました。
第2回定例会は、これをもって閉会いたします。
閉会午後3時45分
会議録署名議員
小樽市議会 議 長 鈴 木 喜 明
議員 横 尾 英 司
議員 髙 橋 龍