開議午後1時00分
○議長(鈴木喜明)これより、本日の会議を開きます。
本日の議事録署名議員に、千葉美幸議員、酒井隆裕議員を御指名いたします。
日程第1「議案第1号ないし議案第38号及び報告第1号」を一括議題といたします。
これより、昨日に引き続き、会派代表質問を行います。
通告がありますので、順次、発言を許します。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)1番、秋元智憲議員。
(1番秋元智憲議員登壇)(拍手)
○1番(秋元智憲議員)平成31年第1回定例会に当たり、公明党を代表し質問いたします。
今任期も残すところ約2カ月となりました。任期中は、小樽市にとって激動の4年間ではなかったでしょうか。振り返れば、議会の空転や流会、決算不認定など、問題を挙げ出せば枚挙にいとまがありません。
今期限りで5名の議員が勇退されるとのことでありますが、会派は違うものの、小樽市、市民のためにとの思いは同じであります。4年間本当にお疲れさまでした、との言葉とともに、議員をやめられた後も御健康に留意され、それぞれの立場で小樽市と市民のためにお力添えをいただけるようお願いいたしまして、質問に入りたいと思います。
初めに、市政運営について質問いたします。
本来であれば、改選期の骨格予算の審議となる予定が、昨年、突然の市長選により迫市長が誕生し、初めての政策予算の提案となりました。
予算編成に当たっては、財源対策として過疎対策事業債ソフト分の充当が2億2,000万円、財政調整基金の取り崩し分15億7,000万円により収支均衡予算を編成したとのことですが、大変厳しい状況であり、財政調整基金の取り崩しなどの財源対策に頼らざるを得ない予算編成は、さきに策定された収支改善プランを見ても、毎年度綱渡り状態です。
まず、市として収支改善プランの着実な推進を図るため、今予算編成に向けては、将来負担や必要性、有効性を十分に検証した上で事業を厳選するとのことで、平成31年度一般会計当初予算額の主な増減内容が示されましたが、ここにある事業全てが将来負担や必要性、有効性を十分に検証した上で事業を厳選するとの考えのもと示された事業と言い切れるのか伺います。
また、予算上改廃した主な事業があれば、事業名と効果額をお知らせください。
次に、除雪費に関連して質問いたします。
冬季間における円滑な道路交通を確保し、市民の快適な冬の暮らしや経済活動を支えるため、バス路線及び主要通学路を優先した計画的な除排雪を実施するとともに、雪対策基本計画の策定に着手するとのことです。今年度の除雪は今までとは全然違い、市長がかわればこうも違うのだねと感謝の声も聞かれます。確かに今年度は雪が少なく、除排雪作業も計画的にできたことも間違いありません。
初めにお聞きしますが、迫市長は今年度の除排雪を行うに当たり、どのような考えで進めてきたのか伺います。
市民にとってみれば、今年度が迫市長の除排雪を評価する上で基準となる年度でもあります。今年度は早い段階で排雪を行ってきており、除排雪業者は少し多目に雪が降っても余裕を持って作業ができたものと思います。
前市長の森井さんのときには、除排雪業者が除雪対策本部に協議簿を上げ、約1週間ごとに開かれる会議で排雪日の見合わせなどの判断がされてきました。ただ、事実として判断がおくれたことにより、昨年までの市内の道路状況は最悪な状況でありました。今年度の除雪対策本部の会議で協議簿が上がり、判断されるまでの平均日数をお知らせください。
また、昨年度はステーション会議が開かれず大変な状況でした。ステーション会議の開催状況についてもお知らせください。
次に、置き雪対策についてです。
今までは、市として統一した考えがなかったために、市には一定の排雪基準が必要ではないかというような議論も多々ありました。また、置き雪に対する苦情を大変多く聞くようにもなりました。これまでは市民の協力を得て、自宅前の置き雪は各自で処理するようお願いしてきたと思います。しかしながら、高齢化が進む本市にとって大変な負担になっていることもありますし、若い方からも置き雪を処理してから会社に行くのでは遅刻をしてしまうという声を聞きます。また、この問題は、議会が行っている市民と語る会でも意見として挙がっておりました。この問題を解決しなければ、人口減少に拍車をかける一つの要因となるのではないかと危惧いたします。
方法としては、機械的な解消法、人的な解消法、補助金的な解消法などが挙げられますが、一度試算してみるべきと思いますがいかがですか。
次に、防災行政無線整備事業費です。
津波や高潮の災害時に沿岸の住民及び観光客等へ避難情報を迅速、確実に伝達するために、今年度は1億5,000万円が計上されております。
まず、この事業の概要について説明願います。
また、予算の内訳についてもお知らせください。
昨年9月の胆振東部地震では、ブラックアウトを経験しました。これまでの防災計画などでも予想されていなかったことが実際に起こったわけですが、今回の防災行政無線にはどのような対策がなされているのか伺います。
拡張機能についても説明願います。
また、設備の耐用年数とランニングコストについても説明願います。
次に、持続可能な開発目標について質問いたします。
2015年9月、ニューヨークの国連本部で国連持続可能な開発サミットが開催され、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択され、貧困、教育、環境など17の目標と169のターゲットから成る持続可能な開発目標、いわゆるSDGsを発表し、誰一人取り残さないとの理念のもと、本格的な取り組みが2016年1月からスタートしました。
国も2016年5月に持続可能な開発目標推進本部を設置し、同年12月に実施指針を決定、発表し、国が地方自治体を含むあらゆるステークホルダーと協力して、SDGsの推進に取り組むことを示しています。SDGsには、開発途上国だけではなく、先進国も取り組むべき課題が含まれ、2030年までに世界規模でSDGsのターゲットを達成するために動き出しております。
昨年の7月にニューヨークの国連本部で開かれたSDGsに関する政治フォーラムでは、SDGsの採択から3年が経過した時点における各国の取り組みの現状が紹介され、共有されることとなりました。日本は2030年に向けて、民間及び市民団体へのSDGsの取り組みの普及、拡大を促進しながら、オールジャパンでSDGsに取り組むことを表明しております。政府は、地方創生と中長期的なまちづくりを推進すべく、積極的にSDGsに取り組んでいる29の自治体をSDGs未来都市として2018年6月15日に選定し、その中でも循環型の森林経営に取り組む北海道下川町を初め、特にすぐれた取り組みと認定された10の事業に対して上限4,000万円の補助金制度も設けられました。政府が地方のSDGsの取り組みを支援しながら成功事例をふやすことで、全国的に持続可能なまちづくりの普及を加速させることが狙いだといいます。
まず、これまで庁内でSDGsについての議論などをされたことはあるのか。
また、職員研修などで勉強する機会などがあったのかをお知らせください。
現在、市が行っている事業は、第6次総合計画に基づいた政策、施策、事業でありますが、昨年の第4回定例会では第7次総合計画基本構想が可決され、現在、基本計画を策定中だと思います。基本構想に示されたまちづくりの基本的な考え方やまちづくり六つのテーマの考え方がSDGsの理念に合致すると考えることや、今定例会の提案趣旨説明では持続可能なまちづくりとの考えを示していることからも、策定中の基本計画に登載される事業の目標を達成していくことがSDGs達成の一助になると思いますが、迫市長はどのように考えますか。
また、さきに述べたとおり、SDGsは世界的な取り組みであり、日本政府としても積極的な取り組みを行っていることから、小樽市としてもSDGsの誰一人取り残さないとの理念を理解した上での全庁的な取り組みをしていただきたいと思いますが、いかがですか。
以上、1項目めの質問を終わります。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)秋元議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、市政運営について御質問がありました。
初めに、事業の厳選及び改廃した事業につきましては、平成31年度予算の編成に当たりましては、全ての事務事業について職員と議論を重ねながら、その必要性や有効性、事務事業に無駄がないのかを十分に検証し、選択と集中の観点で事業を厳選したものと考えております。
また、予算上改廃した主な事業名と効果額については、訪問先を厳選したことにより事業費を圧縮した小樽港物流促進プロジェクト事業費で、効果額は70万円。事業効果を検証した結果、終了することとしたアンテナショップ展開事業費で、効果額は62万5,000円。費用負担のかからない手法を検討すべきと判断し予算計上を取りやめたスポーツ選手交流事業費で、効果額は44万1,000円となっております。
次に、今年度の除排雪につきましては、平成29年度のような事後保全的な排雪作業から予防保全的な早期の排雪作業に改めるとの方針のもとで、バス路線や主要通学路を優先した排雪作業を小・中学校の始業式前に行うなど、適切なタイミングで実施したものであります。
このことは、庁内連絡会議や除雪ステーション会議を通じて、状況を的確に把握した上で、排雪の時期や規模の方針を明確にし、具体的な排雪協議が速やかに整ったためと考えております。
次に、排雪作業の判断日数につきましては、先ほど申し上げたとおり、協議を円滑に進めてきたことにより、2月15日までで協議簿の提出から排雪作業の判断までの平均日数は約2日となりました。
また、除雪ステーション会議は、これまで11月に1回、12月に2回、1月に2回、2月に1回の計6回開催しております。
次に、置き雪対策につきましては、本市では道路の雪を両脇に堆積していくかき分け除雪で行っており、自宅前の置き雪の処理については各家庭で処理されるようお願いしているところであり、市民の皆様の負担となっているものと認識しております。
除雪後の置き雪処理の負担軽減については、今後、雪対策にかかわる基本計画を策定する中で、どのような仕組みで行うことが可能なのか、御提案の方法も参考に懇話会などを通じて、市民の皆様の御意見を伺いながら検討してまいりたいと考えております。
次に、防災行政無線整備事業の概要につきましては、平成31年度は津波避難対象地域となっている沿岸部に全38局のうち、屋外放送用の拡声子局を13局、災害対策室に親局、消防指令センターに副局を設置する計画であります。
また、予算の内訳につきましては、工事請負費が約1億4,600万円、無線通信システムの専門技術者に施工管理を委託するための費用が約400万円となっております。
次に、今回整備する防災行政無線のブラックアウト対策につきましては、停電時に屋外拡声子局を稼働させるため、3日分、72時間に対応したバッテリーを装備することとしております。
また、拡張機能につきましては、FMおたるへの割り込み放送、指定避難所に配備している無線機への転送、テキスト形式による登録制メールへの配信、多言語放送、地区別放送などを備えることとしております。
次に、設備の耐用年数につきましては、設置場所や使用頻度にもよりますが、全国的に防災行政無線の多くは10年から20年の間で更新が行われており、実施設計時におけるメーカーからの聞き取りではおおむね15年との説明であったことから、本市としてもおおむね15年と見込んでおります。
また、ランニングコストにつきましては、保守点検費用及び電波使用料など、システム全体で年間約400万円、38の拡声子局のバッテリー更新が5年ごとに約1,100万円と見込んでおります。
次に、SDGsについての庁内議論などにつきましては、現時点で全庁的な議論や職員に対する研修等は行っておりませんが、関連イベントやセミナーについての情報周知は行っております。なお、2月13日に東京で開催された第1回地方創生SDGs国際フォーラムに東京事務所長を出席させ、情報収集を行ったところであります。
次に、総合計画とSDGsの関係につきましては、SDGsの目標を達成していくためには、未来を目指して総合的に取り組む必要があると認識しております。総合計画はまちづくり全般をテーマとしておりますので、その着実な推進はSDGs達成に寄与するものと考えております。
次に、SDGsに対する取り組みにつきましては、国では地方創生の実現という観点から、昨年12月に改訂したまち・ひと・しごと創生総合戦略において、SDGs達成に向けた取り組みを初めとする現在と未来の社会的変化を見据え、次期総合戦略策定の準備を開始するとしております。
そのため、本市の次期総合戦略策定に当たりましては、SDGsの理念も踏まえながら進めてまいりたいと考えております。
○議長(鈴木喜明)次に、2項目めの質問に入ります。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)1番、秋元智憲議員。
(1番秋元智憲議員登壇)
○1番(秋元智憲議員)事業継続マネジメントと事業継続計画について質問いたします。
近年多発している災害を初めとする緊急事態に対応していくため、国や各省庁が積極的に自治体や企業などに対して、緊急時に事業を継続するための対応、対策を進めるよう発信しております。これまでの経緯として、政府は平成17年、21年、25年と3度にわたり事業継続ガイドラインを改定してきました。特に平成25年に改定された事業継続ガイドライン第3版では、東日本大震災の教訓、平常時からの取り組み、継続的な改善の重要性を踏まえ、事業継続マネジメント、いわゆるBCMを前面に押し出した改定となりました。
初めに、事業継続マネジメント、BCMについてです。
事業継続マネジメントは、1970年代に情報システムが企業に入り始めたことで認識されるようになり、その後アメリカやイギリスでのテロがきっかけとなり、平常時から事業の中断に備えることの必要性の認識が高まったといいます。
また、2001年に起きた9.11同時多発テロでは、BCMを実施していたことで、代替拠点での早急な復旧を果たした企業と、そうでない企業が事故後に事業復旧する速さに著しい違いもあり、経営状態の格差が明確になったとも言われ、BCMが大きな注目を集めるようになりました。
日本においては、なかなか認識が深まらない中、平成16年の新潟県中越地震で被害を受けた半導体工場の復旧に時間がかかり、経営問題に直結する問題が起き、平成19年の新潟県中越沖地震でもエンジン部品工場の被害で多くの自動車メーカーに影響が出たことから、BCPの策定の認識が高まりました。
BCMは、あらゆる環境の変化に応じ、継続的に改善し、発展させる狙いがあり、まずは方針の策定、分析検討、事業継続戦略、対策の検討と決定、BCPの策定、事前対策及び教育訓練の実施、見直し、改善のサイクルでマネジメントするものであり、BCPはBCMの一部であり、BCP単独の計画では本来の機能を発揮することはできず、BCMとセットであることに本来の意味があるものと考えます。
国が示した事業継続ガイドラインで、BCMは経営戦略との位置づけからも本市における事業継続マネジメント策定に着手するべきであると考えますが、迫市長のお考えを伺います。
次に、事業継続計画についてです。
災害時や感染症の拡大など、緊急事態から市民の安全を担保するのは、国はもちろん、自治体としての最優先事項であり、安心して市民生活を送れる環境を維持できるようにすることは自治体としての重要な役割であります。
平成29年に消防庁が公表した地方公共団体における業務継続計画策定状況の調査結果では、業務継続計画を策定済みとしたのは都道府県が47団体100%であり、市町村では29年度内の策定予定を含めると1,407団体、80.8%になっております。
また、平成26年に閣議決定された国土強靱化基本計画では、企業連携型BCP、BCMの構築促進などが盛り込まれました。
また、国土強靱化アクションプラン2014では、最悪事態とされるサプライチェーンの寸断による影響も示されており、サプライチェーンを確保するため、企業ごとの企業連携型BCPの策定が求められております。
このような状況の中で、先ほど紹介した平成29年の消防庁の調査で、業務継続計画が策定済みの自治体にカウントされている本市としては、業務継続に関する重要6要素のうち一部規定が文書体系として地域防災計画に定められているとはいえ、肝心な非常時優先業務の特定、非常時優先業務ごとの役割分担が明記されておりません。
昨年9月の胆振東部地震を経験し、改めて緊急時の業務継続の視点で、早急に小樽市としてのBCPの策定を進めるべきだと思います。
私が事業継続計画について初めて質問した平成21年第3回定例会の代表質問当時に比べると、BCPに対する認知度も上がっているものと感じますが、当時は厚生労働省が示したインフルエンザのパンデミック期間中における欠勤者が40%になる可能性があり、限られた人員で必要最低限の業務をいかに継続するか、業務の継続、中断、再開までの計画策定が求められていたことから、本市の当時の状況や業務体系についても質問してきましたが、BCP、BCMは防災計画と混同し議論されることも多々あるようなことも指摘されております。
本市としてのこの二つの計画の違いについて、どのような認識をお持ちなのか伺います。
また、本市として既に小樽港におけるBCPについて、平成28年度に370万円の予算で策定済みだと認識しておりますが、現在の本市や本市機関における策定状況と策定済みのものの予算、手法について御説明ください。
私が平成24年に質問した際には、国土交通省が津波対策で126港に事業継続計画策定を求めるとの記事を紹介し、小樽港のBCPの策定とともに小樽市としてBCPの策定についても提案しております。
当時の総務部長だった迫市長からも、BCP策定も視野に入れながら取り組むとの答弁がありましたが、迫市長が誕生し備えるという点で言えば、事業継続計画策定はなくてはならないものであると考えます。迫市長のお考えを伺います。
次に、安全で安心できる市民生活を実現するために市内企業の協力は欠かせないものと感じますが、国としても国土強靱化基本計画に各企業のBCP策定を求める内容を盛り込んだように、市内企業へのBCPの説明、周知、策定、相談窓口の設置などが必要になるものと考えます。
これまで、本市では平成20年10月に市内医療機関や事業者に対し、BCPに関する説明会を行っており、当時医療品卸業の1社が計画を策定済みであったと記憶しております。その後の市内医療機関、事業者等の策定状況をお知らせください。
また、BCP策定についてかかわってきた実績があれば、その内容について御説明ください。
栃木県真岡市では、企業や団体が災害発生時の対応をあらかじめ定めた事業継続計画の策定推進都市を宣言いたしました。この宣言は全国の自治体で初めてであり、中小企業や介護施設などのBCP策定を積極的に支援し、まち全体の防災力強化を目指すとのことです。栃木県は、2020年度までに全市町での策定を目指しており、真岡市では昨年3月に地震や風水害、原子力災害に備えたBCPが策定されました。
推進都市宣言に当たり、真岡市ではBCP策定状況をつかむため、市内1,026事業所に対してアンケート調査を実施し、370件の回答があり、BCPを「策定済み」が93件、「策定中」が161件で約7割に上ったそうです。検討しているとの回答も43件あり、策定、改定に対する支援については、「支援してほしい」が151件、「説明をきいてみたい」が111件だったとのこと。真岡市によれば、大手の中堅の製造業などは既に策定を終えており、今回の策定推進都市宣言を機に中小企業や個人事業主にも広がるよう後押ししたいとしております。
今後、県のBCP策定支援プロジェクトとの連携を強化し、昨年8月から啓発用のポスター配付やセミナー開催を通して周知を図ったといいます。また、新たにBCPを策定する際には、県と協定を結ぶ大手保険会社から個別指導が受けられるようにもなりました。
事業継続計画の策定推進都市とまではいかなくとも、まずは本市として市内企業の計画の策定状況が進んでいるのか、進んでいないのか把握するべきです。その上で、計画策定推進に向けた取り組みも行うべきと思いますが、いかがですか。
先日の北海道新聞の記事によれば、道内中小企業を対象にアンケートを実施したところ、BCP「策定予定なし」との回答が35.8%で、「策定方法がわからない」が理由の半数を占めたとのこと。策定に必要な支援策としては、セミナーによる策定方法の説明や専門家の派遣を求める回答が多かったそうです。
このことからも、小樽市だけではなく、さまざまな支援策を講じ、民間の企業や団体の協力を得て計画策定を進めることが市民の安全・安心につながると思いますが、市長のお考えを伺います。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)秋元議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、事業継続マネジメントと事業継続計画について御質問がありました。
初めに、BCM、いわゆる事業継続マネジメントにつきましては、BCP、いわゆる事業継続計画を継続的に運用する上で必要となる計画、実行、評価、改善を行うPDCAが主となり、本市において事業継続計画を策定する場合にはこれらの概念が必要となりますので、策定の段階において検討してまいりたいと考えております。
次に、防災計画と事業継続計画の違いにつきましては、地域防災計画は災害対策基本法第42条の規定に基づき、災害予防、災害応急対策、災害復旧などについて実施すべき事項を定めております。
一方、事業継続計画は、災害時に行政みずからも被災し、人、もの、情報など利用できる資源に制約のある状況下において、優先的に実施すべき業務を特定し、その業務の執行体制や対応手順、継続に必要な資源の確保などをあらかじめ定めるものであり、地域防災計画の実効性を補完するものと認識しております。
次に、本市における事業継続計画の策定状況等につきましては、平成30年度現在で、産業港湾部、水道局、消防本部、病院局が策定済みであり、このほか保健所が策定中であります。
また、策定済みの事業継続計画についてですが、産業港湾部の小樽港港湾BCPについては、28年度に業務委託により素案を作成するとともに、小樽港に関係する機関、団体等で構成する小樽港港湾BCP協議会を設置して、協議会の合意を経て策定したものであり、策定に要した費用は336万1,000円であります。
水道局の小樽市水道局上下水道BCPについては、27年度に職員で構成する委員会で策定したことから、費用は生じておりません。
消防本部の小樽市消防本部新型インフルエンザ業務継続計画については、21年度に国が示したマニュアルを参考に職員が策定したものであり、費用は生じておりません。
病院局の小樽市立病院事業継続計画については、27年度に職員で構成するワーキンググループで策定しており、費用は生じておりません。
さらに、保健所が策定中の(仮称)小樽市保健所業務継続計画についても、職員で策定を進めており、費用は生じておりません。
次に、事業継続計画の策定につきましては、災害時においても市民生活に対する行政サービスを提供するため、市の機能を維持することが大変重要と認識しており、新年度から策定に向けた調査、検討に着手してまいりたいと考えております。
次に、市内医療機関、事業所等の事業継続計画策定状況につきましては、現在、病院・診療所45カ所、薬局37カ所、訪問看護ステーション3カ所が新型インフルエンザ等感染症の事業継続計画を策定しております。
また、保健所では、市内100医療機関に対し、国の新型インフルエンザ等発生時の診療継続計画作りの手引きについて情報提供を行い、事業継続計画策定を促したところであります。
次に、市内企業の事業継続計画策定状況につきましては、現在のところ把握しておりませんが、特に昨年9月の胆振東部地震以降、計画の重要性がうたわれるなど、関心も高まっている状況にあると推測しておりますので、今後、経済団体等とも協議しながら現状の把握に努めてまいりたいと考えております。
次に、事業継続計画の策定促進につきましては、経済産業省北海道経済産業局や北海道などがセミナー開催や専門家派遣などの取り組みを進めておりますので、こうした取り組みの周知に努めるとともに、さきの胆振東部地震では、大規模な停電による事業活動への影響も大きかったことから、ただいま答弁いたしました計画策定状況の把握などを踏まえながら、今後の取り組みに向けて市内の経済団体、業界団体、金融機関などと意見交換を進めてまいりたいと考えております。
○議長(鈴木喜明)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)1番、秋元智憲議員。
(1番秋元智憲議員登壇)
○1番(秋元智憲議員)地域コミュニティについて質問いたします。
地方自治法第260条の2で定義される地縁的なつながりによる地域コミュニティは、少子高齢化、核家族化、人口減少などにより衰退が懸念されており、衰退に伴う影響は地域の安全・安心をも脅かす問題でもあり、早急な対策と対応が必要です。
私も市民や特に町会関係者から、地域住民のために行ってきた町会活動や行事などについての相談をいただく機会がふえ、危機感を覚えます。主な相談内容は、活動の中心になってきた役員の高齢化、役員のなり手不足、町会加入世帯の減少などにより、活動や行事を縮小せざるを得ないという問題についてであります。
市では今後、人口減少対策をこれまで以上に積極的に取り組んでいくことと思いますが、人口減少対策の一つの視点として、地域コミュニティの再生と活性化は重要なポイントだと思います。
小樽市自治基本条例において、コミュニティを「地域を単位とする町内会、ボランティア団体その他の市民が心豊かに暮らすために主体的かつ自立的に活動する組織又は団体」と定義し、コミュニティは重要で欠かすことのできない存在として捉え、市民、議会、市がその重要性を認識して、守り育てることや支援などに努めるとしています。また、「コミュニティがまちづくりにとって重要であることを認識し、守り育てる」ともしております。
そこで、まず、自治基本条例の協働によるまちづくりの推進、第9条第2項に規定されるまちづくりに関する情報の提供、参加する機会の提供では、コミュニティへの参加という観点でどのような参加機会の提供をされてきたのかお知らせください。
また、第10条の市民がコミュニティを守り育てるために、市は具体的にどうかかわってきたのか伺います。
次に、先ほどの市民からの相談にもあった町会役員の高齢化となり手不足についてです。
昨年末の本市の高齢化率は39.72%であり、今後もしばらくはこの状況が続くものと感じますが、迫市長は市職員を退職され、市長に就任するまでの間、多くの市民から市に対するさまざまな意見や要望、苦情などを直接聞いてこられたと思います。実際に生の市民の声の中には、地域コミュニティの維持や衰退を感じさせる話もあったのではないでしょうか。
それらを踏まえ人口減少と高齢化が進むことでどのような問題が生じていると感じていますでしょうか、市長の御所見を伺います。
次に、地域コミュニティへの市職員としてのかかわりについてです。
自治基本条例第19条第3項には、「職員は、自らも市民としての自覚を持ち、幅広い視野で積極的にまちづくりに参加するよう努めます。」とされております。市職員が地域コミュニティにかかわることは、以前から多くの市民から聞いてきた要望でもありますし、小樽市自治基本条例検討委員会では、コミュニティについて、幾つかの町会では支援員制度が使いづらいという意識がある、また、それとともに条例の趣旨であるコミュニティへの必要な支援を具体の制度としてどのように進めていくか検討が必要との指摘もありましたが、支援員制度を改善すべくどのような検討がされてきたのか伺います。
また、現状での支援員制度の活用町会数と支援員数について御説明願います。
平成24年第2回定例会の私の代表質問への中松元市長の答弁では、平成19年10月に町会の自主性と自立性を尊重しつつ、市と市民との協働のまちづくりを推進するために設けられたものであり、支援員は、町会行事や地域イベント等における支援、町会の課題に対する相談、助言及び関係部局との連絡調整、市に対する町会の要望等の受け付けを行っている。課題としては、本来は地域の実情に精通している職員を配置することが望ましいものの、職員の居住地に偏りがあり、その地域に居住していない職員を配置せざるを得ないことがあるとのことでありました。
この課題については、どのように解消されたのかお知らせください。
また、予算特別委員会の質問では、当時の支援員は管理職のみに限定されており、理由としては支援員の業務を公務と位置づけているので、時間外手当が発生する。このことは避けては通れない問題とのことでありました。
自治基本条例で職員の責務が規定されたことにより、積極的にコミュニティやまちづくりにかかわることで時間外手当が発生することもあり得るということなのか、現在の支援員の位置づけと時間外手当についてどのように整理されたのか伺います。
また、幅広い視野での積極的にまちづくりに参加とは、どういう活動をイメージされているのか御説明ください。
次に、町会の加入世帯と加入率についてです。
先日、担当課に伺ったところでは、本市の町会加入世帯は平成5年の5万7,956世帯がピークであり、加入率で言えば昭和62年の92.1%が最高となっています。町会数も最高が平成16年の157町会となっています。人口減などの理由により、町会の廃止、統合が理由で平成30年は151町会、加入世帯は4万6,256世帯、加入率は72.2%まで減少しています。平成30年7月末の世帯数は6万4,107世帯ですから、1万7,851世帯が未加入です。
まず、この現状を踏まえ、市としてどのような考えをお持ちなのか伺います。
また、未加入世帯に対して、市としてどのようにさまざまな情報を提供しようとしているのか、現時点での情報の提供策と今後の考えについて御説明願います。
人口減少により、町会数や世帯数が減少していくことはすぐには解消できないものの、加入率向上については各自治体がさまざまな取り組みをされております。
北九州市のように各自治会単位で独自の加入推進の取り組みを行っているところや、東日本大震災を機に町会や自治会に加入、応援することを目的とした条例制定も行われてきております。
本市では、市外からの転入届時にパンフレットなどを配付し、町会への加入促進に努めていると思いますが、その効果についてはどのように分析しているのか伺います。
自治基本条例第12条、「市民は、一人一人の自由意志に基づいて、まちづくりに参加することができます。」とし、市民の権利を明記し、第13条では、「市民は、まちづくりについて関心を持ち、それぞれの可能な範囲において、まちづくりに参加するよう努めます。」と市民の責務を明記しております。
コミュニティに定義される町会だけに絞って言えば、市として加入世帯増と加入率向上に向け、今以上に積極的に取り組む必要があると思いますが、いかがですか。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、地域コミュニティについて御質問がありました。
初めに、コミュニティ参加への機会の提供につきましては、町会、杜のつどい及び老人クラブの活動などの紹介や加入について市民の皆様へお知らせしてきたところです。
また、コミュニティを守り育てるため、町会に対する財政的な支援や個性豊かなふるさとまちづくりを進めるふるさとまちづくり協働事業など、市民の自主的なコミュニティ活動を支える施策を行ってきたところであります。
次に、人口減少と高齢化が進むことで地域コミュニティに生じる問題につきましては、町会の会員数が減少することなどで町会の活動費が減少し、これまでの活動を縮小、または中止せざるを得なくなることや、高齢化によって町会活動への参加者が減少することが懸念されると認識しております。
次に、支援員制度の検討につきましては、本市の支援員制度は町会が役員の高齢化やなり手不足等の問題を抱えていたことから、市の職員を配置して、個別の町会における活動支援や課題等の相談窓口となることを目的として平成19年度に創設されたものであります。制度発足から10年が経過しており、町会を取り巻く状況の変化や本制度についての周知不足もあることから、総連合町会と見直しについて事務レベルでの話し合いを始めたところであります。
次に、支援員制度を活用している町会の数と支援員の数につきましては、現在23の町会に対して、職員各1名を配置しております。
次に、支援員の配置につきましては、御指摘のとおり各町会に居住する職員を地域の支援員として配置することが望ましいものと考えておりますが、支援員の配置を要望している町会に職員が居住していない場合については、別の地域に居住している職員を配置しているケースが依然として存在しているのが現状であります。
次に、地域コミュニティに対する職員のかかわりにつきましては、まず自治基本条例で定める職員の責務としての積極的なコミュニティやまちづくりへのかかわりについては、業務としてではなく市民としてのかかわりであるため、時間外手当が発生するものではないと考えております。
一方、支援員については、小樽市町会活動支援員要綱により、町会活動の支援や町会の課題等の相談窓口として配置されるものであるため、業務としての位置づけとなることから時間外手当の対象になるものではありますが、支援員は管理職にある職員をもって充てておりますので、時間外手当の支給はありません。
次に、小樽市自治基本条例に規定する幅広い視野で積極的にまちづくりに参加という職員の責務につきましては、まちづくりを目的に実施されるさまざまなイベントや町会を初めとするコミュニティ活動などに職員が業務ではなく、市民としての自覚を持って参加することをイメージいたしております。
次に、多くの町会未加入世帯があることにつきましては、町会活動は1人でも多くの住民が参加、協力して運営していくことが望ましい姿であると考えておりますが、未加入世帯が多くなりますと、町会の活力低下につながることなどが懸念されると認識しております。
また、未加入世帯に対しての情報提供策につきましては、市では未加入世帯の把握はしておりませんので、現在特別な対策は行っておりませんが、市政の情報については、市民全体に向けてホームページ、広報おたる、テレビ及びラジオの広報番組等を通じて広く情報発信に努めているほか、対象者が限定される情報については、個別に郵送などでお知らせをしております。
今後につきましては、どのような方策があるか、他都市の状況を研究してまいりたいと考えております。
次に、市外からの転入届時のパンフレット配付による効果につきましては、パンフレットを見た方から、自分がどの町会に該当するのか、加入する際の町会の連絡先等の問い合わせが市及び総連合町会事務局へ寄せられていることから、少なからず効果があるものと考えております。
さらに、平成28年度から市内転居者にもパンフレットの配付を開始したほか、29年度からは市ホームページ内に町会に関する情報を新たに掲載し、パンフレットのダウンロードを可能にするなどの取り組みを行っており、さらなる効果を期待しているところであります。
次に、加入世帯増と加入率向上の取り組みにつきましては、地域コミュニティの機能強化は重要な課題と捉えており、積極的に総連合町会と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(鈴木喜明)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)1番、秋元智憲議員。
(1番秋元智憲議員登壇)
○1番(秋元智憲議員)コンテンツの活用と観光問題について質問いたします。
初めに、コンテンツの活用についてです。
昨年11月、会派視察で京都市のコンテンツ産業振興に向けた指針について視察してまいりました。京都市では、今後さらなる市場の成長が見込まれる漫画、アニメ、ゲーム、映画、映像などに関する産業をコンテンツ産業と位置づけ、見本市の開催や人材育成、商品化の支援を行うとし、有識者や市民、事業者の意見を踏まえ、コンテンツ産業の振興に向けた指針を策定いたしました。近年の報道を見ていても特に海外でのコンテンツ産業の需要はふえており、経済産業省コンテンツ産業課の資料によれば、2020年のコンテンツ産業の世界市場規模は81兆円と試算され、国としてもコンテンツ産業の保護や海外における我が国の文化の理解を図るため、法整備も行っております。
コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律第3条の基本理念には、「コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する施策の推進は、情報記録物、高度情報通信ネットワークその他の手段を介して提供されるコンテンツが国民の生活に豊かさと潤いを与えるものであり、かつ、海外における我が国の文化等に対する理解の増進に資するものであることにかんがみ、コンテンツの制作者の創造性が十分に発揮されること、コンテンツに係る知的財産権が国内外において適正に保護されること、コンテンツの円滑な流通が促進されること等を通じて、コンテンツの恵沢を享受し、文化的活動を行う機会の拡大等が図られ、もって国民生活の向上に寄与し、あわせて多様な文化の創造に資することを基本として行わなければならない。」とし、同法第5条、「地方公共団体は、基本理念にのっとり、コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の区域の特性を生かした自主的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。」としております。
初めに、市としてコンテンツについてどのような認識があるのかお聞かせください。
また、この法でいう地方公共団体の責務について、どのような受けとめをされているのか伺います。
次に、市としてコンテンツ産業をどう活用していくかについてですが、以前より小樽は、映画やテレビドラマ、漫画、アニメの舞台となり、国内のみならず海外でもその映像を見たことがきっかけとなり、小樽を訪れる観光客も少なくないと思いますし、近年では聖地巡礼として撮影場所や描かれた現場を訪れる観光客もいます。小樽においても聖地巡礼などが目的の観光客数がふえているものと感じます。今後のコンテンツ産業の発展や振興といった観点で、市としてこれらの情報を一元管理していくような取り組みが必要ではないでしょうか。
その上で、市ホームページやSNSを活用して情報発信をし、観光資源として活用することが重要になっていくと思いますが、市長の御見解を伺います。
また、市はこれらの撮影場所や描かれた場所などの情報を集約するようなことはされているのか伺います。
コンテンツツーリズムなどがこれまであったのか、市が把握しているものがあればお知らせください。
本市では、以前より小樽フィルムコミッションが活動されてきており、それに伴うロケ誘致活動の状況についても御説明願います。
また、小樽フィルムコミッションの行った効果についてお知らせください。
次に、漫画、アニメについてです。
内閣府知的財産戦略推進事務局が外国人に対して行った、「あなたが日本に興味を持ったきっかけは何ですか」、という調査結果は大変に興味深い内容でありました。調査は、22項目から三つ選択するというもので、「アニメ・マンガ・ゲーム」や「映画・テレビ番組」「音楽」「日本食」「観光」といった項目があり、欧州、アジア、北米の三つの地域に分けられております。日本に興味を持ったきっかけとして、欧州とアジアで1位となったのが、「アニメ・マンガ・ゲーム」であり、欧州では75%、アジアでは56.5%と群を抜く結果となっております。また、北米では、日本食の27.78%に次ぎ、23.15%で2位という結果です。
このことからも、海外における関心が高いのがわかります。間違いなく今後日本の漫画、アニメ、ゲームといったコンテンツが今以上に世界の方々に影響を与えることは言うまでもありません。
そこで重要になってくるのが、小樽市としてこの結果をどう政策に反映していくかだと考えます。これまで小樽では、アニメパーティーやパネル展などを行ってきたことは認識していますが、これらの情報などを整理したことはありますでしょうか。もしあれば、その内容について御説明願います。
また、これまで漫画やアニメの作者とイベント開催や作品の使用についてコンタクトをとったことなどがあればお知らせください。
最近では、小樽の文化や町並みなどを作品で描いている作家の方もおり、皆さん御承知のとおり「ゴールデンカムイ」は国内のみならず、海外でも大変人気の漫画ですし、昨年の報道では「ゴールデンカムイ」の外国版が20の国と地域で出版され、イギリスでは日本文化の研究者が内容を評価し、アイヌ文化の魅力が世界へ発信されており、大英博物館の学芸員も興味を示しているとのことです。
また、ことし5月から8月に大英博物館で開かれる日本の漫画展のシンボルに選ばれ、昨年から告知用の垂れ幕が使用されたことにより、「ゴールデンカムイ」の知名度は高まっております。
また、「聖樹のパン」は小樽を舞台とした漫画であり、小樽の町並みが細部にわたり描かれております。何より、作者の山花典之氏は小樽の出身でありますし、山花氏も小樽観光の一助になればとのお考えで協力したい旨、お話をいただきました。
以前開催したパネル展をさらに一歩進めて、市と「聖樹のパン」のコラボで新しい取り組みをし、発信する。また、小樽観光のみならず、小樽出身のアーティストを市として応援する、このような取り組みができないでしょうか。市長のお考えをお聞かせください。
さきに紹介したコンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律でも、「地方公共団体の区域の特性を生かした自主的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。」とあることからも、小樽の特性を生かした自主的な施策を進めていただきたいと思いますが、いかがですか。
次に、観光問題についてです。
平成29年の観光入込客数は、14年ぶりに800万人を超え、806万1,600人となりました。海外からの外国人宿泊客数は20万5,587人と前年より120.3%の伸びであります。市内経済のことを考えても、観光入込客数がふえることは大変喜ばしいことですが、一方で外国人観光客がふえることにより、一部の地域でトラブルも起きております。
南小樽駅から三本木急坂、メルヘン交差点までの道路では多くの外国人観光客が通行しておりますが、文化やマナーの違いなのでしょうか、特に冬は横一列に広がり、車が通れずにクラクションを鳴らす場面も見られるとのことです。
また、この通り沿いに住んでいる方は、自宅車庫から車が出せず困っている、外出して車を車庫に入れる際も全くよける様子もない、声が大きい上に近くに民泊もでき心配だといいます。市も観光都市宣言をするのであれば、こういう問題にも目を向けるべきだと。この地域に住んでいることがストレスになっているとお叱りの言葉をいただきました。
市としてこのような状況は把握されているのか伺います。
また、何か対策をされたことはあるのかについても御説明願います。
次に、外国人観光客に対するマナーの啓発についてです。
以前、経済常任委員会で視察した京都市では、外国人観光客に対するマナーの啓発を行っており、トイレのマナー啓発看板や道路に広がって歩く観光客と車の事故防止のために右側通行を促すピクトグラム高札が設置され、効果があるとのことでありました。
本市においても住民とのトラブル防止のためにマナー啓発看板の設置をするべきだと思いますが、市の考えを伺います。
また、観光客が活用している観光マップやマナー啓発看板については、平成26年観光庁が発表した観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイドラインでは、「我が国の多言語対応のレベルが、統一感を持って、着実に向上していくよう期待する」とされており、本市もガイドラインに沿った形の整備が必要であります。お考えを伺います。
以上、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、コンテンツの活用と観光問題について御質問がありました。
初めに、コンテンツについての市の認識につきましては、コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律の基本理念にあるとおり、コンテンツが国民の生活に豊かさと潤いを与えるものであり、かつ、海外における我が国の文化等に対する理解の増進に資するものと承知しております。
次に、地方公共団体の責務につきましては、法の第5条の中で、その地方公共団体の区域の特性を生かした自主的な施策を策定し、実施する責務を有するとうたわれていることから、本市の持つブランド力や歴史、文化、自然、景観、食の魅力などを生かしたコンテンツの活用を図ることが本市の責務となるものと考えております。
次に、ホームページやSNSを活用した情報発信につきましては、コンテンツを戦略的に活用するために情報を一元管理した上で、ホームページや会員制交流サイト、SNSにより発信することはコンテンツを観光資源化するための非常に効果的な取り組みであると考えております。
次に、撮影場所等の情報集約につきましては、これまで本市で撮影された映画やテレビドラマ、コマーシャル、ミュージックビデオ、漫画等の舞台などの情報集約は市が事務局を担い撮影を支援している小樽フィルムコミッションで行っております。
次に、これまでのコンテンツツーリズムにつきましては、本市で撮影された映画「Love Letter」や「探偵はBARにいる」のほか、人気テレビ番組などの効果により観光客が訪れておりますので、本市においてもコンテンツツーリズムが生まれているものと認識しております。
次に、小樽フィルムコミッションの活動と効果につきましては、これまでもロケ誘致活動に努めてきたところであり、とりわけ平成30年度は東京で開催されているロケ地と地域グルメの祭典、全国ふるさと甲子園に出展し、本市が有する数多くの撮影素材や新千歳空港、札幌市からのアクセスのよさを首都圏の映画監督やプロデューサーなどの映像制作者、芸能事務所等にPRしております。
なお、平成30年4月から31年1月末のロケ件数は97件で、平成29年から30年までの同じ時期と比較して約50%の増となっております。
次に、漫画やアニメ関連イベントの情報につきましては、市としては一元的な整理はしておりません。
次に、漫画やアニメの作者とのコンタクトにつきましては、図書館では「聖樹のパンと小樽のパン屋さん」特別展示の実施の当たり、原作者と企画の相談のなどを行ったほか、現在、観光振興室で「聖樹のパン」を活用したコンテンツツーリズムを企画するための打ち合わせを行っているところであります。
次に、「聖樹のパン」と連携した新たな取り組みにつきましては、平成31年度は国の事業を活用し、コンテンツツーリズムとして「聖樹のパン」と市内のベーカリーを組み合わせ、ロケ地マップやショートムービーを製作・発信するなど、ブレッドツーリズムの構築を進めます。
また、「聖樹のパン」の原作者である山花典之氏を初めとする各分野で幅広く活躍している本市出身のアーティスト等の応援につきましては、私としてもさまざまな機会を捉えて行ってまいりたいと考えております。
次に、特性を生かした自主的な施策につきましては、コンテンツツーリズムの推進はロケ地めぐりの効果による本市への誘客推進はもとより、ロケ隊の本市滞在時の消費行動による経済効果、さらには放映等のメディア露出が大きな広告効果を生むことにつながるものであります。
今後も、本市の特性である歴史・風情や町並みとコンテンツを組み合わせたイベントなどを行ってまいりたいと考えております。
次に、外国人観光客増加によるトラブルにつきましては、市内で交通ルールやマナーの違反が起こっていることは承知しております。この対策としましては、現在、市のホームページとアジアの12カ国にサーバーを持つ民間情報サイトに交通ルールや本市で発生しているマナー違反に関する記事を掲載し、注意喚起に努めているところであります。
次に、マナーの啓発看板の設置につきましては、外国人観光客にマナーの啓発を行うことは必要であると考えており、既に2月上旬に船見坂、堺町通りに合計18枚の注意ポスターを掲示したところであります。今後も必要な箇所への掲示について検討してまいりたいと考えております。
次に、観光マップやマナーの啓発看板につきましては、平成26年に策定された観光庁のガイドラインに沿った形で表記、整備してきておりますが、今後も統一感を持った表記、整備に努めてまいります。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)1番、秋元智憲議員。
○1番(秋元智憲議員)それでは、何点か再質問させていただきます。
初めに、予算上改廃した主な事業を幾つか紹介していただいたのですが、例えばアンテナショップですとか、スポーツ選手との交流ですとか、物流コストの話もされておりましたけれども、その辺をまとめたものとかを議案説明のときに見せていただいたほうが、どういう有効性ですとか、必要性とか、十分検証されたと言いますが、どういう事業をどういう理由で改廃したのかというのが見えないので、ぜひそれを説明していただくために、議案説明の際にでもペーパーで出していただければわかりやすいのかというふうに思います。せっかく十分検証したのであれば、ぜひ議会に見える形で示していただきたいなと思います。これが1点。
それと、防災行政無線については、先ほど拡張機能のお話も伺いましたし、非常に沿岸部の方だけではなく、有効だなというふうに改めて感じましたけれども、少し心配なのが、更新の費用が15年間で大体3,300万円ぐらいですか、あと毎年保守点検に400万円かかるということで、大体15年ごとに9,300万円ほど更新費と保守点検費でかかるということで、非常に有効な手段であるがゆえに、この維持更新費に対しての捻出についてもしっかり取り組んでいただきたいというふうに思いますので、この辺のお考えももしあればお答えいただければと思います。
それと、地域コミュニティの件で、地域支援員の話をさせていただいたのは、私が平成21年に質問させていただいたときに、確かに管理職の方が支援員になっていただいて喜んでいる町会の方もたくさんいらっしゃいました。
ただ、先ほどお話ししたように、なかなか周知が行き届いていなかったということで、利用されていない町会もあったということが一つと、もう一つは、この地域支援員ということがなじまないのかもしれないのですけれども、一般の職員の方がどういうふうに地域とかかわっていくのかということが非常に感じている部分なのです。確かに、町会への強制的な加入ですとか、こういうことは法律上できませんから、そういうことはわかった上でなのですけれども、自治基本条例の中で職員の責務として積極的にかかわるという、まちづくりに参加するということで定義されていますから、ぜひ職員の方がもう少し地域にかかわっている状況なども市として把握していただきたいなと。
もし、自治基本条例の趣旨ですとかを理解されていない職員の方がいるのであれば、しっかり周知のほうもお願いしたいなというふうに思います。
最後の一つがコンテンツの話で、コンテンツツーリズムの話の中で感じたのが、観光客ももちろんそうなのですけれども、市長も以前一緒に韓国の総領事の方とお会いしたときに、「Love Letter」の話をされて、小樽の方は結構知らない方が多いというお話をされていました。
そういう部分では、観光客もそうなのですけれども、市民に対してもこのコンテンツの情報を発信していくという機会を考えていただきたいなというふうに思います。
この点について、再質問といたします。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
○市長(迫俊哉)秋元議員の再質問にお答えをいたします。
4点ございましたけれども、私からお答えをさせていただきたいと思います。
先ほど御答弁させていただいた改廃された事業について、議案説明の際にあらかじめ説明をいただきたいということでございました。
それについては、そのように対応させていただきたいというふうに思っておりますので、あらかじめ事業を改廃する場合については、その理由をしっかりとあらかじめ御説明させていただきたいというふうに思っているところでございます。
それから、行政防災無線の関係でございます。
確かに、更新費用も含めてランニングコストが高額だということは私どもも認識しておりますけれども、これにつきましてはどういった形で費用が捻出できるかどうか、いろいろな部分で工夫をさせていただきながら維持していきたいなというふうに思っているところでございます。
それから、コミュニティの関係で地域支援員のお話がございました。
現実的には、基本的には管理職がかかわっておりますけれども、やはり一般職員についても、やはりまちづくりにかかわっていくということが必要だというふうに私どもも考えております。ただ、どの程度一般職員がその地域にかかわっているかどうかということの把握ということでございますが、これはどんな方法でできるかどうかわかりませんけれども、検討させていただければなというふうに思っているところでございます。
やはり、地域とかかわることによっていろいろな課題が見えてくるということでも考えておりますので、そういった意味でも可能な限り一般職員にも地域あるいはまちづくりにかかわってもらいたい、こういったことは心がけて、私からも話していきたいなというふうに思っているところでございます。
それから、コンテンツツーリズムについても御質問がございましたけれども、外向けだけではなくて、市民の皆さんにも同様にコンテンツツーリズムについて周知をということでございましたが、多くの方々に関心を持っていただく、その方々はさらに外に向けて発信いただくということで、相乗効果と言えるかどうかわかりませんけれども、波及効果も期待できるというふうに思っておりますので、市内外にわたって、このコンテンツツーリズムについて周知をさせていただきたい、このように思っているところでございます。
○議長(鈴木喜明)秋元議員の会派代表質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時17分
――――――――――――――
再開午後2時40分
○議長(鈴木喜明)休憩前に引き続き、会議を再開し、会派代表質問を続行いたします。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)22番、新谷とし議員。
(22番新谷とし議員登壇)(拍手)
○22番(新谷とし議員)日本共産党を代表して質問します。
初めに、市長の政治姿勢について質問します。
消費税10%増税についてです。
消費税10%増税に対して、暮らしていけない、商売をやめなければならないなど、市民、事業者の不安や怒りが高まっています。消費税10%増税の第1の問題は、増税の前提にしている家計消費も実質賃金も落ち込み、増税の前提が崩れていることです。国会審議で、平均実質賃金は2012年の396.1万円から、2018年は382.1万円に落ち込み、しかも毎月勤労者統計調査の不正で2018年1月から11月の実質賃金は年間平均マイナス0.5%となることも明らかになりました。国内総生産の6割を占める個人消費、実質家計消費支出は2013年363.6万円から、2018年338.7万円と25万円も落ち込み、消費税8%増税前の水準を一度も回復していません。
第2は、軽減税率導入でも年収200万円未満の負担は年収1,200万円の6倍にもなり、逆進性が一層強まり、貧困と格差をさらに広げることです。
第3は、ポイント還元やプレミアム商品券の問題です。ポイント還元は、高齢者などはカードを利用しないから何の恩恵もないという声が圧倒的に多く、中小・小規模事業者は、カード読み取り機の設置やカード会社への手数料は業者負担になり、わずか9カ月間だけのために負担できないという多くの事業者の声です。プレミアム商品券にしても、ことし6月2日以降に生まれた子供が対象外になることが判明し、不公平感が生じています。
第4は、複雑な税率区分で生じる問題です。ポイント還元は、複数税率とセットになると買う商品、買う場所、買い方によって5段階にもなり、複雑で混乱は必至です。
第5は、インボイス導入で、免税業者は取引から排除されかねないことです。日本商工会議所も軽減税率制度の導入はゼロベースで見直すべき、インボイス制度は廃止を含め慎重に検討すべき、日本スーパーマーケット協会など小売店3団体も消費税10%増税の再考を求めています。
(「国会でやればいいしょ、そんなの」と呼ぶ者あり)
小樽市の経済状況では、2018年度第3・四半期小樽市経済動向調査結果の概況で、業況、売上、採算のDI値はいずれもマイナスで、前年同期比を下回り、特に採算はマイナス24.4と大きく落ち込み、市内景況は悪化しているとしています。消費税10%増税は、前回の増税以降、長期にわたって続いている深刻な消費不況に追い打ちをかけ、日本経済に破局的な影響を与えることになりませんか。
五つの問題に対して見解、また、中小企業、小規模事業者が多い小樽経済に与える影響について見解をお示しください。
除排雪についてお聞きします。
今年度は降雪量で昨年度を大きく下回っていることと、1巡目の排雪で道路状況はよい状態ですが、地域によってばらつきがあります。各ステーションの排雪と予算の執行率をお示しください。
置き雪についてです。
高齢で身体障害者の方から、置き雪ができて始末に困るという苦情が寄せられています。現在、福祉除雪の一環として、置き雪対策業務が進められていますが、対象者は非課税世帯で自力で除排雪が困難な方などに限定されています。除雪が困難な人には、課税、非課税関係なく対応を検討すべきではありませんか。
雪押し場についてです。
第3種路線に面している住民は、雪を捨てる場所がなく困っています。今年度は、雪押し場は市内で何カ所増設されたのですか。
市民から民間が所有する空き地を市が借り上げて住民の雪堆積場にし、春にはその雪を市が排雪してはどうかという要望があります。この要望に応えることができないでしょうか。
貸出ダンプは、かかる経費は市民との協働事業として抜本的な制度の見直しを含めた検討を行い、第3回定例会で補正予算として提案するとしていますが、市長の考える抜本的な制度の見直しとはどのようなものですか。
また、制度変更する場合の進め方もお示しください。
いずれにしても、制度を実施する以上、当初予算に計上し、過不足は補正予算で対応すべきではないですか。市長は雪対策基本計画を策定するお考えで、より充実した除排雪計画になると考えますが、計画策定に至った理由と条例にしなかった理由、進め方、策定時期を御説明ください。
市営室内水泳プール建設についてです。
駅前の再々開発に伴い、小樽駅前第3ビルにある市営室内水泳プールを廃止するとの情報を得、これは大変とプール視察に行くと、水中体操をしていた皆さんから、残してくださいと大きな声で要望され、私が2005年10月の建設常任委員会で取り上げ、存続を求めてから14年になります。
私は市営室内水泳プールの存続の運動にかかわり、議会での質問も最後になりますから、前向きな答弁を期待します。
この間、小樽市室内水泳プールの存続を求める会の皆さんが集めた駅前の市営室内水泳プール存続を求める署名は3万6,000筆、その後の新市営室内水泳プール早期建設を求める署名を合わせて5万3,000筆に及び、個人、団体の陳情は、後志各地の水泳協会、全道の大学水泳部、障害者水泳サークル、市内の商店、病院、医師、大学教授、町会、PTAなど多方面の方々から3,800件が議会に提出されました。
プール廃止で小樽市に6億8,000万円の補償金が入ったにもかかわらず、新市営室内水泳プールが建設されず、署名に応じた小樽観光リピーターの方から、まだ市営プールができていないのとあきれられる始末でした。
こうした長年の運動で、2015年の市長選では2人の市長候補がプール建設を公約にし、市議選後の第2回定例会では、新「小樽市室内水泳プール」の早期建設方についての陳情が全会一致で採択されています。しかし、建設場所を含め、昨年8月の市長選挙後は改めて検討することになりました。
市長は5万3,000筆も集まった署名、全国の皆さんからの応援と室内水泳プールの存続を求める会の皆さんが13年間も運動を続けているのは、道理があるからだとお考えになりませんか。
代替施設として利用されている高島小学校の温水プールは、あくまで学校施設であり、一般利用できない時間制限や施設の狭小、交通の便など問題があります。しかし、高島小学校の温水プールの延べ利用者数は、2017年度は2万人を超えており、市内体育施設の中で総合体育館を除き一番多い利用です。利便性がよく、公認プールであればもっと利用がふえるのではありませんか。無形文化財に指定されている向井流の方から、高島小学校の温水プールでは練習ができないという声も寄せられています。
2月7日にプール存続の会の皆さんが市長と懇談した際、旧緑小学校の跡に体育館と併設することを検討しているとお聞きしました。今後の予定として、2019年第2回定例会で複数の公共施設の再編素案を示し、その後8月から10月にかけて市民との意見交換会を実施、2019年度末までに再編計画をつくるということですが、複数の再編素案に必ず市営室内水泳プールを入れ、場所は旧緑小学校跡と捉えますがいかがですか。
また、過疎対策事業債が終わる前の2020年度中には本格建設にかかれると考えますが、いかがですか。長く待ち望んでいる市民要望に一日も早く応えるよう求めます。お答えください。
次に、米艦船の小樽港寄港問題についてです。
ことし1月4日付で小樽港長から小樽市長に、米艦船ミサイル巡洋艦アンティータムと揚陸指揮艦ブルーリッジ、1月9日付で掃海艦チーフの寄港と3隻相次いで通知されました。このうちチーフは寄港を取りやめ、アンティータムは商船が多く入港予定で岸壁の利用ができないことから、寄港先を石狩湾新港に変更しました。結果的にブルーリッジの入港のみとなりましたが、米艦船の一度に3隻の寄港通知は初めてです。
市長は、このことをどう受けとめましたか。
小樽港への外国艦船の入港は、記録のある1961年以来91隻目で、そのうち米艦船は82隻目です。多くが核兵器搭載可能艦です。今回の米艦船寄港の特徴は、これまでと違って船舶代理店が岸壁を手配し、希望する岸壁を記載しないなど、希望事項なしです。なぜ船舶代理店が岸壁を手配し、希望事項なしなのですか。
朝鮮半島では、非核化と平和の流れが進んでいるにもかかわらず、2018年2月米国トランプ大統領が核態勢見直し、NPRを発表し、中国、ロシア、北朝鮮、イランを名指しし、核戦略の近代化、強化を推進しようとしています。重大なのは、小型で低爆発力の核弾頭や海洋発射核巡航ミサイルの開発を進めるとともに、米国や同盟国が通常兵器など核兵器以外による攻撃を受けた場合に、核攻撃する可能性を明記していることです。
海洋発射核巡航ミサイルの開発と配備が進めば、小樽港への核兵器搭載艦の寄港、通過による核持ち込みの危険性は増大します。市長はこのことをどうお考えですか。
米国の核態勢の見直しについて、安倍首相は国会答弁で、日米同盟のもとで通常兵器に加え核兵器で守ることが大切だ。NPR、前提が変わるけれども、米国は非核三原則は理解していると発言していますが、非核三原則のもとでも日米間に核密約があることは周知の事実です。しかし、依然として廃棄されていません。
小樽港への米艦船寄港に対し、外務省はこれまでどおりの回答ですが、従来の小樽市の3項目の確認は実行あるものかどうか疑問です。市長の見解を伺います。
港湾施設使用の権限は、港湾管理者、市長にあります。市長は、小樽港の安全を守り、商業港としての発展の上でも、さらには核兵器廃絶平和都市宣言を実効あるものにするため、神戸方式を進める考えはありませんか。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)新谷議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、私の政治姿勢について御質問がありました。
初めに、消費税10%増税についてですが、御質問にありました五つの問題に対する見解につきましては、それぞれ複数の税率などによる複雑さなど、懸念される点は理解いたしますし、統計手法に関する報道もありますが、消費の落ち込みなど市場経済への影響を考慮し、軽減税率やポイント還元、プレミアム商品券などがその対策として盛り込まれるほか、複数の税率に対応するためインボイス制度が導入される予定と認識しております。
このたびの10%への税率の引き上げは、国民の社会保障に対する財源の確保を目的に実施されるものでありますので、可能な限り消費者や中小企業、小規模事業者への影響が軽減されるよう、国においては対策が講じられるものと考えているところであります。
また、市内経済に与える影響につきましては、本市の事業所はその多くが中小企業、小規模事業者であり、前回の税率引き上げ時に生じた駆け込み需要に伴う消費の反動減やインボイス制度の導入による影響などが懸念されることから、増税後の市内経済の状況について、その把握に努めてまいりたいと考えております。
次に、除排雪についてですが、まず今年度の各ステーションの執行状況につきましては、2月17日現在、計画排雪量に対する実績排雪量の割合を示す執行率は、第1ステーションから第7ステーションまで、それぞれ51%、51%、52%、77%、70%、77%、85%となっております。
また、地域総合除雪の予算に対する執行率は、それぞれ75%、65%、80%、84%、82%、77%、81%となっております。
次に、置き雪対策につきましては、私といたしましても本市の高齢化の進行に伴い、除雪後の置き雪処理など除雪弱者に対する取り組みは重要な課題であるものと認識をいたしております。今後につきましては、雪対策にかかわる基本計画を策定する中で、どのような仕組みで行うことが可能なのか、懇話会などを通して市民の皆様の御意見を伺いながら検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、道路除雪に伴う地域の雪押し場につきましては、昨年度は第1ステーションから第7ステーションまでで、合計438カ所を確保いたしました。今年度においては2カ所が利用できなくなったものの、松ヶ枝地区など新たに3カ所確保できたことで1カ所増の439カ所となっております。
次に、住民の雪堆積場の借り上げにつきましては、空き地を雪堆積場として借り上げた場合、借り上げる際の借地料やシーズン終了後に行う排雪により市の負担が増大するなど解決すべき課題もあることから、現段階においては要望にお応えすることは難しいと考えております。
しかしながら、住民の雪堆積場の確保は切実な問題であると認識しておりますので、雪対策にかかわる基本計画を策定する中で、懇話会などを通して市民の皆様の御意見を伺ってまいりたいと考えております。
次に、貸出ダンプ制度の見直しにつきましては、利用団体から、これまでの制度変更に伴い、利用しづらいことや高齢化に伴い費用負担ができないなどの地域の事情により利用できなくなってきているとの御意見も伺っておりますので、抜本的な制度の見直しも含め、改めて検討が必要であると考えております。
このため、今後の制度の見直しに当たっては、市民の皆様から課題や問題点についての御意見を伺いながら、拙速な制度変更により混乱を招かないよう丁寧に進めてまいりたいと考えております。
次に、貸出ダンプの予算計上につきましては、貸出ダンプ制度の抜本的な見直しを含め、改めて検討が必要であるものと考えており、その積算根拠も変更になる可能性があることから、当初予算への計上を見送り、第3回定例会に補正予算として計上したいと考えております。
次に、雪対策基本計画につきましては、計画策定に至った理由は、冬の安全で安心な市民生活を支えるために課題や問題点を改めて整理し、将来を見据えた雪対策にかかわる基本的な考え方を定める必要があると判断したからであります。
条例につきましては、まず基本計画の策定を優先すべきと考えておりますので、計画策定後にその必要性について判断してまいりたいと考えております。
策定手順につきましては、学識経験者や交通事業者等で組織した懇話会などを立ち上げ、市民の皆様からの御意見を伺いながら、今後の雪対策のあり方や市民との協働、役割分担など検討し、パブリックコメントを経て平成32年度の策定を目指したいと考えております。
次に、市営室内水泳プール建設についてですが、まずプール建設を求める運動につきましては、これまで多くの皆様から要望が寄せられており、また、新「小樽市室内水泳プール」の早期建設方についての陳情が全会一致で採択されていることは重く受けとめているところであり、2月7日に私も小樽市室内水泳プールの存続を求める会から要望を直接お受けしたところであります。
次に、利便性がよく、公認プールであれば利用がふえるのではないかにつきましては、一般的に交通の便などの利便性がよいことは利用増につながる要素であり、競技者の育成や大会の誘致などを図る上で競技用プールとして公認を受けることは有効なものと認識しているところであります。
次に、再編素案での示し方などにつきましては、平成30年第3回定例会では公共施設の再編計画の検討対象39施設を選定しましたが、その中に既存施設でない新・市民プールは含まれておりません。しかしながら、今後作成する再編素案では他の選定施設と同様に位置づけしてまいります。
また、その建設場所として、旧緑小学校跡地は位置や敷地面積などから有効活用できる土地であり、候補地の一つとして検討を進めております。
次に、平成32年度中の建設につきましては、現在の公共施設の個別施設計画の策定スケジュールは、平成31年度末までに再編計画の取りまとめを行い、平成32年度は再編施設の整備時期と単独で残す施設の改修内容や時期などを示す長寿命化計画の策定を予定しておりますので、その中で検討してまいりたいと考えております。
次に、米艦船小樽港寄港問題についてですが、まず一度に3隻に寄港通知があったことにつきましては、これまでも小樽港は商業港であるため、たび重なる米国艦船の入港は必ずしも好ましいものであるとは考えていない旨を申し上げてきたところであり、このたびの複数同時の寄港についても同様であります。
次に、船舶代理店が岸壁の手配をしたことにつきましては、小樽海上保安部から米艦船の小樽港寄港についての通知を受理した際、岸壁手配等の希望事項が記載されていないことについては特に説明はありませんでしたので、明確な理由についてはわかりません。
これまでも米艦船の寄港時に必要となるひき船作業、艦内の廃棄物処理などの業務は、在日米国海軍が直接、船舶代理店に委託しておりましたので、これと同様に手配したのではないかと考えております。
次に、小樽港への核持ち込みの危険性につきましては、米国が海洋発射核巡航ミサイルの開発と配備を進める方針を示したことは報道などにより承知しておりますが、非核三原則は我が国の国是でありますので、小樽港はもとより、国内に核兵器が持ち込まれることないよう、国にはしっかり対応していただきたいと考えております。
次に、小樽市の3項目の確認の実効性につきましては、米艦船の小樽港への受け入れ判断基準に関し、入出港及び接岸時の安全性については、その都度、技術的検証を行い、商業港としての港湾機能への影響については、米艦船寄港時における商船の岸壁の利用状況を確認して判断しております。
また、核兵器の搭載の有無については、外務省から文書による回答を得ていることから、いずれも実効性は確保されているものと考えております。
次に、神戸方式につきましては、神戸市における非核証明書の要求は神戸市議会の決議によるもので、法令や条例等に基づくものではないと認識しております。
本市といたしましては、外交や安全保障は国の専管事項でありますので、今後も核兵器搭載の有無を外務省と領事館の双方に確認し、判断してまいりたいと考えております。
○議長(鈴木喜明)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)22番、新谷とし議員。
(22番新谷とし議員登壇)
○22番(新谷とし議員)財政問題について、関連して質問します。
2019年度の財政についてです。
2019年度予算は、消費税10%増税を前提にしたものです。消費税率引き上げに伴う使用料及び手数料改定で、一般会計、特別会計、企業会計の合計影響額は3,471万1,000円、消費税の通年の影響額は9,893万3,000円と試算されていますが、この中で主に市民生活に直接かかる項目と影響額を御説明ください。
また、病院事業会計では、控除対象外消費税、いわゆる損税が生じます。2019年度病院事業会計予算に係る損税の見込み額をお示しください。
それに対する国の対策はどういうものか、損税分が補塡されるのかも御説明ください。
地方交付税は157億4,000万円で、対前年度当初予算比2,000万円増、そのうち普通交付税は3,000万円増としています。
臨時財政対策債は、対前年度当初予算比19.6%減の3億2,000万円となり、実質的な地方交付税は3億円の減です。地方交付税と臨時財政対策債が前年度よりも増減する理由と市財政に及ぼす影響について御説明ください。
地方六団体は共同声明で、臨時財政対策債を前年度から0.7兆円抑制したことは提言に沿ったものであり、高く評価するとしていますが、依然として巨額の財源不足が解消されていないことから地方交付税の法定率引き上げなどを求めています。にもかかわらず、法定率引き上げにはなりませんでした。
改めて、地方交付税のあり方についての見解を伺います。
財源不足額17億9,000万円は、過疎対策事業債ソフトと財政調整基金15億7,000万円の取り崩しで充当しています。2018年度の財政調整基金取り崩し11億8,000万円より3億9,000万円多く取り崩し、残高は7,400万円しかなくなりました。2018年度の決算において、毎年度発生する約20億円の不用額等により、ある程度財政調整基金に積み増しできると考えますが、今後の財源不足をどう補うのか見込みをお示しください。
市税収入についてお聞きします。
2019年度予算は、個人市民税、法人市民税とも前年度比マイナスで、特に法人市民税が1億1,000万円、7.7%の減です。この理由をお示しください。
固定資産税は対前年度比4億円、7.4%増、都市計画税は6.9%増に伸びている理由もお示しください。
一方、固定資産税滞納繰越分の予算5,350万円は、2015年度1億390万円、2016年度9,620万円、2017年度9,510万円、2018年度7,160万円に対して減少傾向です。その理由を説明してください。
予算に対し、収入済み額は2015年度1億8,000万円、2016年度は1億3,629万円、2017年度は1億5,496万円ですが、2018年度もこれまでどおり1億円以上見込めるのですか。
これまでの予算計上額から、旧OBCの固定資産税滞納分はこれまでも予算に計上していないのではありませんか。
2018年10月、旧OBCの民事再生手続が終結し、旧OBCの未払金は再生計画により99%が免除されましたが、滞納固定資産税はそのまま残るということです。
小樽市は、旧OBCから固定資産税滞納分はもう徴収できないという判断なのですか。それとも幾らかでも徴収可能なのですか。
また、小樽市債権管理条例に基づき債権放棄することがないのかお聞きします。
石狩湾新港についてお聞きします。
2019年度第1回石狩湾新港管理組合議会定例会において、2018年度補正予算では、国の補正予算に基づき、防災・減災、国土強靱化のための緊急対策として、北防波堤延伸工事の予算8億1,000万円をあわせた補正を行い、2019年度予算は31億円を計上しました。小樽市の負担分はそれぞれ幾らですか。
国の防災・減災、国土強靱化のための緊急対策では、防波堤の補強などは高潮、高波対策で約10施設、津波対策で約5施設です。石狩湾新港管理組合は、静穏度が確保されていないから対策が必要といいますが、高潮、高波で石狩湾新港の埠頭内の施設が被災を受けた事例はあるのですか。
2月6日に総務常任委員会で、北防波堤延伸工事増額補正に、市は妥当であり、同意したいとの報告でした。なぜ妥当と判断したのですか。
関連して伺います。
小樽港は1985年に中央ふ頭先端部の静穏度調査を行い、そのため北防波堤改良工事は1998年度から始まり、2022年度に完了予定ですが、今回の国の緊急対策に該当しなかったと考える理由と、国からどのような内容を調査され、どのように回答したのか御説明ください。
小樽港の北防波堤改良工事の全体事業費、2017年度までの実施済み事業費及び進捗率と、2022年度に完了できるのか見通しをお示しください。
ガントリークレーンについてです。
2019年度の新港の関係事業予算にガントリークレーン増設予算として、管理者負担2億8,000万円が計上されました。これまで日本共産党が指摘してきたように、既に設置されているガントリークレーンは12億円を超える大赤字です。石狩湾新港にコンテナ船が予定どおり入港したのは2017年でわずか16%にすぎません。これでもう1基増設する必要はあるのでしょうか。これに対しても市長は妥当と考えているのですか。今後の石狩湾新港港湾整備費は560億円にも上り、管理者負担は221億円を想定していますが、当然小樽市の負担も大きくなることから、事業計画を見直すべきではありませんか。
簡易水道について伺います。
2019年度の簡易水道事業の収支不足の繰り入れは1,659万8,000円で、会計全体としては依然として赤字です。小樽市は、小樽市域の石狩湾新港背後地の操業企業が計画どおり進まないため、第2期工事を始めるに当たり、2025年度から2035年度の受水計画を現在の1日最大数量3,100立方メートルから、1日最大水量1,500立方メートルに変更しました。計画による1日平均水量は、2025年度821立方メートル、2035年度889立方メートルとしていますが、年間32万4,485立方メートルは、なお過大な計画ではありませんか。また、2035年度は何社の操業を見込んでいるのですか。
企業団からの受水量は2024年度まで毎年ふえ、2024年度で72万4,525立方メートルと決まっています。しかし、企業団との協定による基本水量よりも給水量のほうが少ないため、そのことが今後も経営を圧迫していくことになります。
2016年度に策定した経営戦略では、2017年度から協定の最終年度に当たる2024年度までの8年間で収支不足を補塡するため、一般会計から幾ら繰り入れする見通しとなっていますか。
一般会計からの繰り入れは苦しい市の財政を圧迫しています。第2期工事が始まるに当たり、石狩西部広域水道企業団とは受水契約の変更ができますか。
2018年度は石狩開発株式会社が1社企業誘致し、操業企業は50社になりましたが、北海道の責任はどうなっていますか。何度も指摘しているように、簡易水道事業は北海道主導で始めた経緯から、北海道に責任を持ってもらうように強く求めるべきです。いかがですか。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、財政問題に関連して御質問がありました。
初めに、平成31年度の財政についてですが、まず消費税率の引き上げに伴う使用料及び手数料改定の影響につきましては、主に市民生活に直接かかわる項目のうち、31年度予算において改定の影響額の大きいものから、水道料金1,535万7,000円、下水道使用料1,256万3,000円となっております。
次に、地方交付税及び臨時財政対策債が増減する理由と市財政に及ぼす影響につきましては、地方交付税と臨時財政対策債については、国から示された通知や本市の特殊事情等を勘案して予算計上しており、平成31年度予算計上額の算定に当たっては、人口減少の影響などにより基準財政需要額を減と見込む一方で、基準財政収入額は全国的な地方税の伸び率を勘案して算出されるものが多いため増と見込んだ結果、実質的な交付税としては3億円の減となっております。
なお、それぞれの配分については、国の地方財政計画の伸び率を勘案して計上しております。
また、本市財政に及ぼす影響については、これらは使途を限定されない一般財源であり、その約5割を占める貴重な財源であることから、減少することは本市の財政運営に大きな影響があるものと考えております。
次に、地方交付税のあり方につきましては、地方交付税は地方公共団体間における財源の不均衡を調整し、全ての地方公共団体が住民への一定水準の行政サービスを提供するために必要な地方固有の財源であります。増加する社会保障費や公共施設の老朽化対策などの多くの課題や新たな行政需要に対応していくためにも、財源調整と財源保障の機能を持つ地方交付税総額の確保は必要であり、常態化している地方の財源不足の解消に当たっては、法定率の引き上げによる対応が望ましいものと考えております。
次に、今後の財源不足の対応につきましては、平成30年度決算における収支見込みは現時点ではまだお示しすることはできませんが、例年、決算においては不用額の発生などにより、財政調整基金の取り崩しも減少し、基金残高が増加するほか、一定程度繰越金も発生しており、それらを今後の財源対策に活用できるものと考えております。
しかしながら、人口減少が進み地方交付税が減少する中、大きな税収の伸びも期待できないことから、限られた財源の中で市政を運営していくためには、今後も小樽市収支改善プランの取り組みを着実に推進させ、必要な財源確保に努めていかなければならないと考えております。
次に、法人市民税が前年度比マイナスとなる理由につきましては、法人市民税は企業の業績に大きく影響を受けることから、その動向を予測することは難しく、直近の平成30年度決算見込みを勘案した結果、減少となったものであります。
次に、固定資産税及び都市計画税の増額理由につきましては、新増築や事業用償却資産の新規取得などにより、課税標準額の増加が見込まれることに加え、近年の決算や本年度の決算見込みにおける収入率が堅調に推移しておりますことから、両税目とも増額と見込んだものであります。
次に、固定資産税の滞納繰越予算額の減少傾向につきましては、滞納繰越分の中には、近年、相続人不明者などの徴収困難な案件が増加しており、予算計上額としては減少と見込んだものであります。
次に、固定資産税の滞納繰越分の収入済み額につきましては、平成30年度の決算見込みは現時点では当初予算計上額の7,160万円と同額程度を見込んでおります。
次に、旧OBCの固定資産税滞納分はこれまでも予算計上していないのではないかにつきましては、地方税法上の守秘義務がありますので、個別の案件についてお答えすることはできません。
次に、旧OBCから固定資産税滞納分は徴収可能なのかにつきましては、先ほど同様に個別の案件にはお答えできませんが、一般論として、滞納案件について安易に徴収を諦めることなく、最大限の徴収努力をしてまいりたいと考えております。
また、債権管理条例に基づく債権放棄につきましては、債権管理条例による債権放棄の対象は差し押さえできない債権のみであり、税については対象外となっております。
次に、石狩湾新港についてですが、まず北防波堤延伸工事の事業費ベースでの小樽市負担分につきましては、平成30年度補正予算は2,025万円、31年度予算額は7,750万円となっております。
次に、高潮、高波で石狩湾新港の埠頭内の施設が被災を受けた事例につきましては、管理組合からは、悪天候による高波などにより、岸壁や護岸において越波が発生していることはありますが、埠頭内の施設が被災したことはないと聞いております。
次に、北防波堤延伸工事の増額補正を妥当と判断したことにつきましては、北防波堤は船舶の航行や円滑な荷役作業を行う上で重要な施設であり、延伸により港内の安全性が向上し利用促進にもつながることから、早期完成が必要であると考えております。したがいまして、このたびの増額補正により延伸工事が着実に進むことになるため、本市としては妥当と判断したものであります。
次に、小樽港の施設が緊急対策に該当しなかった理由につきましては、事業採択に当たっては、国において対象となる外貿コンテナ岸壁、フェリー岸壁及び防波堤などの重要インフラについて、緊急点検や近年の被災状況の調査を行い、緊急性や予算などを考慮して決定されたものと聞いておりますが、個別の採択理由は承知いたしておりません。
また、国の調査内容と本市の回答につきましては、防波堤に関しては近年の高波等による堤体の沈下の有無などについて、電話によるヒアリングを受け、現状では大きな変化は見られていない旨、回答いたしております。
防波堤以外に関しては、対象施設の構造や形式、耐震性、健全度等について同様にヒアリングを受け、それぞれの状態について、これまでの本市における点検結果に基づき回答いたしております。
次に、小樽港の北防波堤工事の全体事業費などにつきましては、全体事業費は46億円、実施済み事業費は28億円、進捗率は60.9%であります。
また、平成34年度までに完了する見通しにつきましては、小樽港では現在、北防波堤改良のほか、第3号ふ頭岸壁改良、泊地しゅんせつを国直轄事業として進めておりますが、本市としては第3号ふ頭における大型クルーズ船対応を早期に図りたいことから、岸壁改良や泊地しゅんせつを優先して進めてもらうよう国に要望しておりますので、国の限られた予算配分の中、難しいものと考えております。
次に、ガントリークレーンの増設につきましては、石狩湾新港管理組合からは、現在、他のコンテナ船と入港が重なりそうな場合は、石狩湾新港へ向かう途中に航行速度を減速したり、寄港地を変更するなど、コンテナ船社や船舶代理店がやむを得ず事前に重複を避ける調整をしているところであり、本港を利用する荷主企業や船舶代理店などからは、2隻同時の荷役体制の確保を強く要請されていると聞いております。
また、故障や事故による長期にわたる荷役停止を回避するためには、新たなガントリークレーンを設置することは本市としても必要であると考えております。
次に、事業計画の見直しにつきましては、石狩湾新港港湾整備事業は平成27年に改訂された石狩湾新港港湾計画に基づき進められており、各事業については、これまで管理組合との協議の中でその必要性を確認しております。
今後も引き続き事業の必要性を適宜確認するとともに、過度な投資とならないよう本市としては必要なことは申し入れてまいりたいと考えております。
次に、簡易水道事業についてですが、まず小樽市域の石狩湾新港背後地における受水計画の水量につきましては、2期工事を実施するに当たり、近年の企業操業面積の推移を勘案し、現実的に将来見込まれる企業操業面積等を考慮した上で、平成37年度から47年度までの、より実情に即した水量を29年度に推計しており、妥当なものであると認識しております。
次に、平成47年度の同地域における操業見込み数につきましては、平成29年度に本市が行った小樽市石狩湾新港銭函地区の需要水量推計では、47年度の予測企業数が76社としております。
次に、収支不足補塡の繰り入れにつきましては、小樽市簡易水道事業経営戦略では、平成29年度から36年度までの8年間で1億9,601万7,000円を見込んでおります。
次に、石狩西部広域水道企業団との基本水量の変更につきましては、年間基本水量に関する覚書に基づいて平成25年度から36年度まで負担が定まっておりますが、37年度以降は定まっていないため、石狩西部広域水道企業団と協議を行ってまいりたいと考えております。
次に、該当地域における企業誘致についての北海道の責任につきましては、本市から北海道への要請に対しては、企業誘致活動を積極的に行っていくとの回答を受けておりますが、引き続き本市の要請が実現されるよう、北海道にはしっかりと取り組んでいただきたいと考えております。
次に、北海道に責任をとるよう求めることにつきましては、今年度も簡易水道事業の対策要請について、北海道が策定した地下水揚水計画どおり地下水利用組合企業が地下水から簡易水道へ転換するよう必要な方策を早急に検討し、実現していただきたい。地下水利用組合企業が本市の簡易水道への転換を行わないことで生じる簡易水道料金収入の不足分について、本市へ補塡するなどの対策を講じていただきたい。また、積極的な企業誘致活動により、小樽市域への企業立地の促進を強化していただきたいと3点の要請をしております。今後も北海道に対し、粘り強く要請を続けてまいります。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)病院局長。
○病院局長(並木昭義)新谷議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、財政問題に関連して御質問がありました。
まず、平成31年度病院事業会計予算に係る控除対象外消費税、いわゆる損税につきましては3億8,701万8,000円を見込んでおります。
また、国の消費税に対する医療機関等への対応策につきましては、国ではこれまでの消費税導入及び引き上げの際には、医療機関等の消費税負担分を診療報酬や薬価等を改定し対応していたところであります。
このたびの増税に対しましても10月から同様の措置がとられることになっておりますが、これまでの対応を見ますと、医療機関種別ごとに補塡状況にばらつきが生じており、診療報酬改定による補塡には限界があると考えているところであります。
消費税の問題は、当院の病院経営に大きな影響を及ぼす課題であると認識しており、これまでも国に対し全国自治体病院開設者協議会や全国自治体病院協議会などを通じて補塡方法の見直しを要望してきたところでありますが、引き続き抜本的な解決が図られるよう要請をしてまいりたいと考えております。
○議長(鈴木喜明)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)22番、新谷とし議員。
(22番新谷とし議員登壇)
○22番(新谷とし議員)子育て支援について質問します。
子供の医療費無料化についてです。
市長は少子化対策の一環として、中学生までの入院費の無料化に足を踏み出しましたことは歓迎します。これだけを比べれば、近隣の札幌市、石狩市、恵庭市、千歳市と肩を並べた形になりましたが、近隣市と同じでは小樽市の優位性がありません。江別市、北広島市を入れた入院外の医療費助成をお知らせください。
小樽市の中学生入院無料化の予算は、医療分予想で102件、420万円です。子供は年齢が低いほど病院にかかることが多く、最低でも小学校卒業までの外来分を無料にすることで大いに子育て支援になります。就学前までの通院助成を課税世帯も初診時一部負担金のみにする場合、小学生6年生までを初診時一部負担金のみにする場合、小学校2年生、3年生まで初診時一部負担金のみの実質無料化にすると市の負担は幾らになるか、それぞれお知らせください。
2017年度の小樽市の合計特殊出生率は1.14、北海道の1.29、国の1.43より低い数値です。安心して子供を産み育てるためにも、市長は子供の医療費助成を順次拡大するお考えはありますか。
それぞれの自治体で頑張っているのに、国と北海道の子供の医療費助成は低過ぎます。北海道に対しても、子供の医療費助成の拡大を要望していただきたいですが、いかがですか。
放課後児童クラブについてです。
現在、稲穂小学校の放課後児童クラブは勤労女性センターで運営され、2教室開設されています。これまで生活環境部からは、さまざまな施設の利用形態を検討したがうまくいかなかったと報告を受けています。勤労女性センターも、子供たちのためと利用者の理解を得て場所を提供していますが、市長は市長選の討論会で、生涯学習プラザを産業会館に移し、その後プラザで実施もあり得るという旨の発言をされていました。その後、何か検討されていますか。
指導員についてです。
厚生労働省は学童保育について、1教室に原則2人以上の職員を配置し、その内1人は都道府県の講習を受けた放課後児童支援員とすることを従うべき基準として定めました。しかし、人材確保が困難との理由で、わずか3年で職員基準を自治体の判断で引き下げ可能な参酌基準にしようとしています。参酌化されれば、無資格の職員1人体制でも運営が可能になります。
小樽市の放課後児童支援員の現状はどのようですか。仮に参酌化が強行されても、これまでどおりの基準で職員を配置すべきではありませんか。
就学援助についてです。
国は2019年度から就学援助制度の予算を拡充します。入学準備金の単価は小・中学校各1万円、修学旅行費も引き上げられ、新たに卒業アルバム代を補助します。入学準備金は我が党の質問で3月に前倒し支給になりましたが、国が示す単価に引き上げられますか。
小樽市は就学援助の品目に加えられたPTA会費助成を今年度も見送りました。近隣の石狩市、江別市はPTA会費、生徒会費を品目に加えています。札幌市、北広島市では、生徒会費が支給対象です。小樽市はどちらも支給対象にしていませんが、せめてPTA会費を助成できないのでしょうか。
小樽市奨学金についてです。
今定例会で経済格差が教育格差につながらないようにしたいと、生活困窮者世帯に無料で学習支援を打ち出したことは歓迎します。高校へ行って学びたいという生徒への小樽市の奨学金制度は年間5万円の給付です。助かっていますという声を聞いています。
しかし、毎年70人の枠があるため出願者は多いのに決定者数は少なく、狭き門となっています。この5年間の小樽市奨学生の出願者数、決定者数の推移をお知らせください。
小樽市は現在、奨学資金基金だけを原資にしていますが、ふるさと応援基金などの活用で制度を拡充し、支援できないでしょうか。
子供に対する虐待への対策についてです。
目黒区で起きた幼児虐待死事件に続き、ことし1月24日、父親が10歳の児童を虐待死させるという事件で全国に与えた衝撃ははかり知れません。児童の冥福を祈るばかりです。
でも、なぜ救えなかったのか。行政の責任が大きく問われます。女児が学校のいじめのアンケート用紙に父親に暴力を振るわれていることを書き救いを求めていたのに、市教育委員会職員が父親の圧力に負けて、女児のアンケートのコピーを見せたということは信じられない行為です。
まず、教育長に、今回の野田市教育委員会の行為に対する見解を伺います。
小樽市教育委員会が行っているいじめに関するアンケートに、家族を選択する項と自由記載欄はありません。これらの項目を加えるべきではありませんか。
子供がつらい思いをしているとき、自分から通報できる窓口は子供たちによく周知されていますか。
小樽市は2018年5月に小樽市要保護児童相談業務フローチャートを作成し、こども福祉課が地域住民、関係機関から虐待の通告の窓口になり対応しています。この2年ほど通告や相談がふえているとお聞きしていますが、この3年間の件数、理由をお知らせください。
また、虐待の通告があった場合、解決に向けた対応をお知らせください。
この場合、教育委員会とはどのように連携をとっていますか。幼児期からの虐待は就学後も続く可能性があり、教育委員会との定期的会議が必要ではありませんか。
国は児童虐待・DV対策等総合支援事業として、未就園児等全戸訪問事業(仮称)を創設し、1件当たり6,000円を補助します。私は2009年第1回定例会で、幼児虐待の未然防止の観点から3歳児健診で未受診の家庭を訪問することを提案し、現在は未受診者の実態を把握しているとお聞きしています。3歳児健診後は就学時まで健診がなく、実態を把握する機会がありません。国の事業を活用して実施するよう求めます。いかがですか。
今度の事件で、なぜ母親が助けられなかったのかという疑問、声が多数上げられていますが、DVを受けている場合、なかなか自分から相談できないという人が多く、深刻なケースにつながっているようです。DV相談窓口に相談することで解決につながることを周知することが必要と考えますがどのようにお考えですか。
また、親の悩みをワンストップで相談する窓口が必要です。市長は今後、母子保健、福祉、虐待などに対応する子育て世代包括支援センターを開設する予定ですが、開設場所、時期に向けた取り組みをお知らせください。困っている市民が気軽に利用できるセンターの充実を望みます。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、子育て支援について御質問がありました。
初めに、子供の医療費無料化についてですが、まず、本市の近隣6市の入院外の助成内容につきましては、平成30年度の現況で申しますと、札幌市と石狩市は小学校1年生までの初診時に一部負担金のみを支払う実質無料化を行っておりますが、小学校2年生からは対象外となっております。江別市と恵庭市は未就学児まで実質無料化しておりますが、小学生からは対象外となっております。千歳市は未就学児まで実質無料化し、小学校1年生から3年生までは課税世帯は2割負担、非課税世帯は実質無料とし、小学校4年生からは対象外となっております。北広島市は未就学児まで実質無料化し、小学生と中学生は課税世帯は1割負担、非課税世帯は実質無料となっております。
次に、課税世帯の入院外の医療費を実質無料化した場合の本市の負担につきましては、平成31年度予算ベースで申しますと、通年で就学前まで実施した場合は1,339万6,000円、小学校6年生までの場合は3,128万7,000円となります。また、小学校2年生までの場合は1,994万5,000円、小学校3年生までの場合は2,321万7,000円が必要と見込んでおります。
次に、子供の医療費助成の今後の拡大につきましては、今回の拡大で他都市と同水準の助成内容にすることができると考えてはおりますが、「安心してこどもを生み育てることのできるまち」づくりは、第7次小樽市総合計画基本構想のテーマの一つでありますので、本市の財政状況や子育てに関する他の施策との優先順位などを勘案しながら、引き続き検討してまいりたいと考えております。
次に、北海道に対する助成拡大の要望につきましては、現在の仕組みでは、北海道が助成基準を拡大した場合、市町村はそれに合わせて助成を拡大しなければならず、市町村によっては負担がふえることになってしまうため、関係市町村と協議する必要があると考えております。
子供の医療費助成に関しては、国が全国一律の保障制度を創設することが望ましいと考えておりますので、国に対しては北海道や全国市長会等を通じ、引き続き要望してまいりたいと考えております。
次に、放課後児童クラブについてですが、まず稲穂小学校放課後児童クラブの開設につきましては、平成31年度は入会見込み児童数から判断しますと、勤労女性センターで受け入れができることから、引き続き同センターで開設することといたします。
しかしながら、32年度以降には児童数が増加し、同センターでの受け入れ定員の超過が見込まれますので、安心して子供を預けられる場所の確保を早急に図っていかなければならないと考えております。
次に、放課後児童支援員の配置につきましては、いずれの放課後児童クラブにおいても、保育士、教諭などの資格や実務経験などの基準資格を有し、北海道が実施する研修を受講した支援員を含め、2名以上の職員を配置しております。
なお、当該配置基準が参酌すべき基準に改正された場合であっても、本市といたしましては、児童の健全な育成や安全の確保の観点から、1クラブにつき2名以上の支援員等の配置に努めてまいります。
次に、子供に対する虐待対策についてですが、まず、過去3年間の児童虐待相談対応件数につきましては、平成27年度46件、28年度29件、29年度92件、30年度は12月までで103件となっております。
ここ2年間は児童相談所から本市への虐待通告数が大きく増加しておりますが、これは家庭内のトラブルで近隣住民からの通報によって警察官が臨検した際に、その家庭に児童がいた場合は、心理的虐待として児童相談所に全件通告する取り扱いに改められたことから、児童相談所から本市に安全確認の通告がふえているためであります。
次に、児童虐待通告があった際の対応につきましては、虐待通告が入った際には児童相談所運営指針により、市町村として原則48時間以内に対象児童の安全確認を行う必要があります。そのため、本市では小樽市要保護児童相談業務フローチャートに基づき、小・中学校に通っている児童については、こども福祉課から各学校に虐待通告があった旨の連絡を行うとともに、通学の状況、身体的な状況、家庭の状況を確認し、緊急性が高いと判断した場合には、市や児童相談所の担当職員が自宅を訪問し、目視で安全確認を行います。安全を確認した後であっても、各学校とは情報を共有し、引き続き見守りを続けるとともに、養育環境等に問題がある場合は関係機関によるケース検討会議を開催し、問題解決に向けた方策を検討しております。
また、教育委員会との連携につきましては、教育委員会に対して市から情報提供する場合や学校から教育委員会に報告をする場合もありますが、いずれにいたしましても、連携、情報共有が図られております。
次に、教育委員会との定期的な会議につきましては、市や関係機関が就学前から支援を続けているケースにおいては、児童の就学時に市や児童相談所から担当職員が学校に赴き、経過や注意点を説明し、情報共有を図っております。
また、就学後においては教育委員会との定期的な会議は行っておりませんが、学校との連携により情報共有に努め、問題が発生した場合は学校や教育委員会、関係機関とともに対応策を検討するなどの継続的な支援を行っております。
次に、未就園児等全戸訪問事業(仮称)の実施につきましては、本市においては国の児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策を受け、乳幼児健診未受診者、未就園児、不就学児の緊急把握を実施し、昨年12月までに対象児童全ての安全確認を行ったところです。
3歳児健診後、就学までの間、保育所や幼稚園などを利用していない児童の継続的な安全確認は必要であると考えており、今後、国の新たな制度の活用も含め、より効果的な児童の安全確認を行ってまいります。
次に、DV相談窓口への相談が解決につながることの周知につきましては、DV相談の窓口としては、市の女性相談室のほか、警察、北海道の相談電話、人権110番などがあります。被害者が相談窓口に赴くことは解決への第一歩として大変重要な行動と捉えており、相談が解決につながった事例について、個人の特定や加害者に情報を与えることにならないよう配慮しながら、男女共同参画情報誌を通じて紹介いたしております。
今後につきましても、被害に遭っている方が相談窓口へ一歩踏み出すことができるような工夫を加えながら、取り組みを継続してまいりたいと考えております。
次に、子育て世代包括支援センターにつきましては、保健所において利用者支援事業の母子保健型として、妊娠、出産、子育てに関する各種相談を受け、必要に応じて個別に支援プランを策定いたします。
また、子育て支援室において、利用者支援事業の基本型である関係機関との連絡調整や、利用者に対し情報提供を行います。
開設場所と時期は、この二つの機能をあわせて実施することができる場所での早期の開設を検討しております。
また、開設に向けた取り組みについては、道内先進地への視察や庁内関係部署での協議を行っております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)教育長。
○教育長(林秀樹)新谷議員の御質問にお答えをいたします。
ただいま、子育て支援について御質問がございました。
初めに就学援助についてですが、まず、本市における入学準備金の単価につきましては、これまでも要保護児童生徒援助費補助金の予算単価を基準として支給額を定めており、平成31年度においてもこれに準拠し、小学校、中学校でそれぞれ支給額を1万円引き上げる予算を計上しているところでございます。
次に、就学援助におけるPTA会費の支給につきましては、本市の財政が大変厳しい状況にある中、近年、就学援助の認定者が増加していること、また、入学準備金の単価を引き上げたことにより、支給額が増加したことなどから支給を見送らざるを得なかったものでございますが、教育委員会といたしましては、引き続き市長部局と協議をしてまいりたいと考えております。
次に、小樽市奨学金についてでございますが、まず、奨学生の出願者数、決定者数の過去5年間の推移につきましては、奨学生は毎年70名の支給枠のうち、前年度から引き続き給付を受ける在校生を除いた人数を募集しており、平成26年度は61名の出願者に対し24名、27年度は77名に対し28名、28年度は63名に対し27名、29年度は45名に対し28名、30年度は84名に対し24名をそれぞれ決定しております。
次に奨学金制度の拡充につきましては、本市の奨学金制度は寄附を原資としておりますので、本制度を今後も継続するためには、給付人数や給付額に一定程度の制限を設けているところでございます。
今後、奨学金の財源確保につきましては、他都市の取り組みなども調査研究するとともに、数多くの方から寄附を募るための周知に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、子供に対する虐待対策についてでありますが、まず、今回の野田市教育委員会に関しての見解につきましては、子供の安全を第一に考えなければならない立場にある教育委員会の対応としては極めて不適切であると考えております。
本市といたしましては、今回のこうした事例を教訓に改めて子供の気持ちに寄り添い、子供を守るという立場にあることを十分認識し、危機感を持って対応してまいります。
次に、いじめに関するアンケートにつきましては、本市においては道教委から示された様式にのっとって各学校でアンケートを実施しており、いじめを受けている相手を記載したり、自由に記載したりする欄はございませんが、嫌な思いをしたことがあると回答した子供に対して、誰にどんなことをされたのか、担任が詳細に聞き取りを行い、いじめの状況を把握することとなっております。
アンケート項目に、いじめを受けた相手や自由記載欄を加えることにつきましては、道教委のいじめ問題対策連絡協議会においても、アンケートの様式や自由記載欄の追加などについて協議されておりますことから、協議会の今後の方向性について注視するとともに、校長会とも協議してまいりたいと考えております。
次に、子供がつらい思いをしているとき自分から通報できる窓口が子供たちによく周知されているかということにつきましては、法務局が作成をいたしました子どもの人権SOSミニレターや、道教委が作成した子どもの相談支援センター電話相談窓口紹介カード、市教委が作成した人権啓発資料「あなたを守るために」など、各学校において子供たちへ配布する際に相談内容に応じた窓口があることを指導した上で周知を図っているところでございます。
○議長(鈴木喜明)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)22番、新谷とし議員。
(22番新谷とし議員登壇)
○22番(新谷とし議員)議案第17号、国民健康保険についてお聞きします。
国民健康保険が都道府県化され2年目を迎えます。2019年度国民健康保険事業納付金は1,426万6,000円増の30億1,700万2,000円ということですが、納付金から算出される1人当たりの保険料を2018年度と比べお知らせください。
保険給付費が4億8,000万円減るのに、なぜ1人当たりの保険料が上がるのですか。
国民健康保険は、その法律で社会保障及び国民保険の向上に寄与するとうたわれているにもかかわらず、高過ぎる保険料を納められず、受診おくれで死亡する事態が相次いでいます。
昨年、小樽市でもやっと無料低額制度を利用したものの、2カ月後に死亡した方、病気があるのに資格証明書のため病院にかかれず病状が悪化していて、医師の治療が必要との申告で短期被保険者証が発行され、何とか命を取りとめた方の例がありました。
国保の構造的問題は、所得は低いのに保険料が高いことです。加入者の8割が無職、非正規雇用で、小樽市の場合、2017年度は所得ゼロ世帯が50%です。このような事態を招いているのは、国の国保に対する国庫補助金などの引き下げがあります。
2014年7月、全国知事会は公費1兆円投入で協会けんぽ並みに引き下げる要望をしました。しかし、国は打開、解決を求める要求に応えず、都道府県化と引きかえに3,400億円の臨時的な公費投入を行っただけでした。
ここで2018年度、小樽市の国民健康保険料と協会けんぽ保険料の違いを給与収入400万円、30歳代4人世帯の比較でお知らせください。
日本共産党は、国費を投入して、均等割、平等割を廃止し、協会けんぽ並みに引き下げる提案を行っています。均等割、平等割を廃止した場合の保険料比較は幾らになるか、給与世帯400万円、30代夫婦と子供2人の場合、65歳以上の夫婦2人世帯、年金収入が夫230万円、妻50万円の場合をお示しください。
市長は、全国市長会を通して国保の制度改正や国庫補助金の増額を求めていますが、日本共産党の提案をどうお考えか見解を伺います。
日本共産党は、子育て支援として、18歳以下の均等割軽減について求めていますが、これまで市長は、国で行うべきという答弁です。国民健康保険法第77条の規定は政省令の定めもなく、自治体首長の裁量に委ねられていることから、特別な事情で扱うことができるのではありませんか。
賦課限度額は93万円に引き上げられる予定ですが、賦課限度額に到達する所得、給与収入をモデル世帯でお知らせください。協会けんぽなどと比較して大変大きな負担です。妥当とお考えですか。
小樽市は、保険料が高くなるため、2018年第3回定例会補正後、5億4,023万3,900円の国民健康保険事業運営基金のうち1億円を投入して保険料を引き下げる提案をしていますが、さらに基金を投入して1世帯1万円引き下げることを求めます。いかがですか。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、議案第17号、国民健康保険について御質問がありました。
初めに、1人当たりの保険料につきましては、平成30年度予算では9万137円、31年度予算では9万1,733円となっており、前年度と比べて1,596円上昇しています。
次に、1人当たりの保険料が上がる理由につきましては、保険料は、その年度における保険給付費や国保事業費納付金などで構成される歳出と、同年度に歳入として見込まれる道支出金や繰入金などとの差を埋めるものであります。
平成31年度の国保料の額は、30年度と比較して4,010万円、2.1%の減となっておりますが、被保険者数は保険料の減少率を上回る4.5%の減少が見込まれることから、1人当たりの保険料は上昇することになります。
次に、平成30年度の保険料につきましては、給与収入400万円、30代の4人世帯のケースでは、本市の国民健康保険料は47万3,700円、協会けんぽ保険料は20万5,000円になります。
次に、均等割、平等割を廃止した場合の平成30年度の保険料につきましては、給与収入400万円で30代夫婦と子供2人の場合は34万9,500円、65歳以上の夫婦2人世帯で、年金収入が夫230万円、妻50万円の場合は11万5,500円となり、現行の保険料と比べてそれぞれ12万4,200円、5万8,650円下がることになります。
次に、均等割、平等割を廃止するという考え方につきましては、国民健康保険は不均一で偶発的な疾病等に対しての救済のために充てられることから、受益に対する負担が考慮されなければならず、応能と応益の二本立てで算定すべきとされておりますので、均等割、平等割は必要なものと考えております。
しかしながら、国保の安定的かつ持続的な運営及び低所得者層に対する負担軽減策を拡充・強化することは大切なことでありますので、国庫負担割合の引き上げなど国保財政基盤の拡充・強化を図るよう、全国市長会を通じて国に対し強く要望しているところであります。
次に、18歳以下の均等割軽減を特別な事情で扱うことにつきましては、減免は個々の被保険者の負担能力に応じて決定すべきもので、画一的な減免基準を設けることは適当ではないとされていることから、18歳以下の子供がいることをもって特別な事情として減免することは適当でないと考えております。
次に、賦課限度額到達の所得と給与収入につきましては、単身世帯の場合では、給与収入が706万2,000円、所得額で515万5,800円、2人世帯の場合では、給与収入が684万8,000円、所得額で496万3,200円となっております。
次に、協会けんぽなどと比較し妥当と考えるかにつきましては、国民健康保険は被用者保険と比べて年齢構成が高く、医療費水準が高いことや、所得水準が低いといった構造的な課題を抱えていることから、保険料負担が大きくなっている現状にあります。こうした課題を解決するため、国保財政基盤の拡充・強化を図るよう、引き続き全国市長会を通じて国に対し要望してまいります。
次に、保険料のさらなる引き下げにつきましては、前年度からの保険料の上昇幅を抑制するために、国民健康保険事業運営基金から1億円を繰り入れる予算案を提案したところでありますが、1世帯1万円の引き下げを行うためには、さらに約2億円の基金を繰り入れる必要がありますので、今後の国保会計の安定的な運営に必要な基金の残高を考慮しますと、難しいものと考えております。
○議長(鈴木喜明)次に、第5項目めの質問に入ります。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)22番、新谷とし議員。
(22番新谷とし議員登壇)
○22番(新谷とし議員)議案第33号、連携中枢都市圏についてお聞きします。
連携中枢都市圏構想は、政府が昨年、一方的に中枢中核都市を発表し、地方創生推進交付金などで支援するとしました。
日本弁護士会が指摘しているように、国が主導して市町村の権限の一部を圏域に担わせようとしているものです。自治体が自主的権限によってみずからの事務を処理するという、団体自治の観点から問題があるとお考えになりませんか。
連携中枢都市圏ビジョンは、札幌市が実施するパブリックコメントを経て、今定例会で議決後に協約が提携されるとともに公表されるとのことですが、連携中枢都市圏構想推進要綱では、地域の実情に応じて自由に連携する内容を協議して地方自治法に裏づけのある政策合意を行い、その合意に基づき各地方公共団体は施策を実行する義務を負うことになるとあります。
小樽市が義務を負うものとはどのようなものがあり、財政負担はどうなるのか、また、小樽市としてどのような意見を上げてきたのですか。
総務省は、静岡県浜松市を都市圏構想策定モデルにしていますが、2012年の統計で81万6,000人余りの人口は2013年から減少が始まり、地域衰退に歯どめがかかっていないなど失敗しています。
この案は札幌市が中心です。今でさえ札幌一極集中が進んでいるのに、鉄路の在来線切り捨てで、地方からのさらなる移住で地方が寂れること、また、公共施設の相互利用や機能集約化などで、身近なサービスの低下で小樽市の衰退が懸念されませんか。
要綱では、協約の締結に当たっては合意形成の過程を重視すること。特に各市町村の住民に対しては、あらかじめ各種広報媒体や住民説明会などを通じて連携協約案の趣旨と具体的内容を周知するものとあります。
小樽市は市のホームページと広報2月号でパブリックコメント募集の案内をしているだけです。なぜ市民に説明しておかなかったのですか。
また、小樽市は北しりべし定住自立圏の中心市になっており、むしろ北後志との連携を大事にして発展させるべきではありませんか。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、議案第33号、連携中枢都市圏について御質問がありました。
初めに、この取り組みの自治体の団体自治の観点からの問題につきましては、この連携は地域の実情に応じて独自性を担保しつつ、連携する取り組みを議会の同意により協議することができます。
また、自治体が自主的権限によって事務を処理すべきと判断する取り組みについては連携しないことができますので、団体自治の観点から問題があるとは考えておりません。
次に、本市が合意に基づき実行する政策につきましては、本市の役割は協約案のほか、札幌市がパブリックコメントを行っているさっぽろ連携中枢都市圏ビジョンに示されております。
また、財政負担については、今後連携する取り組みを進めるに当たり、必要に応じた個別費用が生じる可能性はありますが、協約の締結により義務的に生じるものではありません。さらに、本市として同ビジョンに示されている40の事業については、庁内において検討した上で、連携の可否について意思表示をしております。
次に、この取り組みにより住民サービスが低下するのではないかにつきましては、連携の目的の一つとして、それぞれの自治体の特徴を生かした密接な連携と効果的な役割分担を図りながら、圏域全体においてよりきめ細やかな住民サービスを提供することが掲げられておりますので、この取り組みによって住民サービスが低下するものではないと考えております。
次に、連携協約案の住民周知につきましては、まず連携協約案につきましては議案として本市ホームページに掲載をしているほか、さっぽろ連携中枢都市圏ビジョンにつきましては、札幌市が行っているパブリックコメントを通じて周知してきたところであります。
今後につきましては、議会議論による議決を経て、札幌市と協議できる段階で、改めて本市ホームページに掲載し、周知を図りたいと考えております。
次に、北しりべし定住自立圏の連携につきましては、本市におきましては、同圏域が将来にわたり自立した活力のある圏域の形成に努め、魅力あふれる自然環境と歴史・文化が調和し、人、もの、情報が交流する圏域となることを目指すために、これまでと同様に中心市としての役割を果たしてまいります。
○議長(鈴木喜明)次に、第6項目めの質問に入ります。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)22番、新谷とし議員。
(22番新谷とし議員登壇)
○22番(新谷とし議員)北海道新幹線札幌延伸についてお聞きします。
1月26日、朝里川温泉地域で、鉄道・運輸機構から橋梁区間の構造計画のイメージ図、騒音、振動、事業説明会等の協議の内容についての3点の説明がありました。橋梁が低過ぎるという住民の意見もあり、詳細設計を含め2メートル程度かさ上げされる案が示されましたが、自然環境がよい朝里川温泉地区で、高速道路の橋と新幹線の橋は景観上もよくない、イメージが悪くなるという意見が相次ぎ、地域住民はトンネルにしてほしいという強い要望です。
せっかく環境のよいところに転居してきたのに温泉にマッチしていない、もう一度検討してほしいという意見にも、機構は水対策ができない、費用がかかると、あくまで進める態度です。
住民は橋ができるということを知らない住民も多いと話し、一人一人の住民に説明会があることを知らされていないという批判が出されました。説明会を開いて説明をしました。進めさせていただきますというのでは無責任です。より多くの住民に丁寧な説明は、事業を進める側の基本ではありませんか。機構はどのように考えていると思われますか。
騒音、振動についての機構の説明は、新幹線が走行する場合の基準値で、工事に関するものではありませんでした。なぜ機構は工事の説明をしなかったのですか。
朝里川温泉地域は、まさに閑静な住宅街です。説明会で住民は、高速道路の橋の工事のときは発破で窓は揺れるし、夜中までされてひどい目に遭ったと訴えていました。
新幹線の工事が特定建設作業に該当する場合は考えられますが、朝里川温泉地域の作業区域は、騒音規制法に基づく規制基準の地域区分では1号となります。どんな規制があるのか、規制の内容について御説明ください。
建設予定の橋の近くにケアハウス、特別養護老人ホーム、障害者施設があり、規制上の問題はないのですか。
また、機構はこれらの施設から意見は聞いているのですか。
機構は工事を進めて問題があれば対処するといいますが、それは当然のことです。その前に住民に十分説明するよう市として機構に要望すべきです。いかがですか。
次に、トンネル掘削土についてです。
説明会では、今度も有害物質を含んだ土を石切山に搬入することに反対の意見が出されました。朝里トンネルから有害重金属含有土が掘削されましたが、朝里トンネルの無対策土が札幌市盤渓に続き、石狩市の民有地に搬入していることが明らかになっています。なぜ小樽市だけで要対策土を処分するのですか。
説明会では、石倉工区の掘削に入るとの説明でしたが、このトンネルは札樽トンネルで、トンネルの掘削土は要対策土です。どこに搬入するのですか。
塩谷も朝里川温泉地域でも住民は反対しています。一昨年、朝里のまちづくりの会に説明をしたときも、せっかく石切山が緑を取り戻したのに、搬入してほしくない。ヤマベの放流をしている川が汚されたら困るという意見が出されました。このように反対意見が出ているのに、それを押し切って進めてよいのでしょうか。
しかも、塩谷、朝里川温泉地域、天神地域説明会はばらばらに行い、朝里のまちづくりの会への説明は1回きりです。小樽市民の分断を図るやり方でいいのでしょうか。小樽市として市民全体への説明会を開くよう要望するべきではありませんか。
また、説明会は、小樽市から新幹線・高速道路推進室のみ参加していますが、環境問題も多いことから、環境課など関連する部署も参加して住民の声を聞くべきではありませんか。
環境問題だけでも住民の理解を得ていない上、人口減少が進む中、小樽市の財政負担をこれからの市民にかぶせてよいのか、並行在来線の問題など多くの問題があります。新幹線ありきで進めず、一度立ちどまって見直しすることを国に求めるべきです。市長の見解を伺います。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、北海道新幹線札幌延伸について御質問がありました。
初めに、丁寧な説明で事業を進めることに対する鉄道建設・運輸施設整備支援機構の考えにつきましては、これまでも朝里川温泉地区の住民に対し、工事実施計画認可説明会が開催されたほか、その補足説明が4回開催されており、加えて町会役員や温泉組合、周辺まちづくり団体へ、それぞれ個別の説明会を開催するなど、丁寧な対応をしてきております。このことから、今後も同様の考えのもとで事業を進めていくものと認識しております。
次に、鉄道・運輸機構による騒音や振動の説明につきましては、前回の補足説明会において、出席者から新幹線開通後の走行にかかわる騒音や振動についての質問があったことから、その説明がなされたものと聞いております。
工事にかかわる騒音等については、今後予定されている工事関連の説明会で説明されると思いますが、市といたしましても、しっかりと対応するよう鉄道・運輸機構へ求めてまいりたいと考えております。
次に、朝里川温泉地域の作業区域に係る騒音の規制につきましては、当該地域は第一種住居地域であり、騒音規制法で規定する特定建設作業に該当する場合は地域区分の1号に当たるため、作業場所の敷地境界線で85デシベルを超えないこと。作業時間は、午後7時から翌日午前7時の時間内でないこと。1日当たりの作業時間は10時間を超えないこと。作業期間は連日6日を超えないこと。作業日は日曜日その他休日でないこと。これらの五つの項目について規制されます。
次に、規制上の問題につきましては、付近一帯は規制が最も厳しい1号区分に該当しているため、福祉施設等の有無によって規制の基準を左右するものではありません。
次に、周辺の福祉施設等への聞き取りにつきましては、鉄道・運輸機構において、工事の影響が予想されるケアハウスや特別養護老人ホームの代表者に対し、工事スケジュールや工事車両走行ルートなどについて説明し、御意見を伺っていると聞いております。また、障害者施設については、今後、工事の進捗状況を考慮し、時期を見て説明に伺うと聞いております。
次に、鉄道・運輸機構による住民への事前説明につきましては、先ほど申し上げましたとおり、これまでも複数回にわたり説明会が行われてきており、今後も引き続き丁寧な説明がなされるよう鉄道・運輸機構へ伝えてまいりたいと考えております。
次に、要対策土の処分につきましては、現在、小樽市内の発生土処分地として唯一確保されている塩谷伍助沢地区の容量は、後志トンネル塩谷工区の発生土でおおむね満たされる予定となっております。
朝里トンネルの無対策土につきましては、現時点で市内に受け入れ先が確保されておらず、そのため札幌市盤渓や石狩市へ搬出されているものであり、このことだけをもって小樽市だけで要対策土が処分されるものとは考えておりません。
次に、札樽トンネル石倉工区の発生土の搬入先につきましては、鉄道・運輸機構では、朝里ダム旧砕石場が処分候補地として適しているかどうか周辺の地質調査を行ったと聞いておりますが、現在は当該地域における事業計画の説明段階にあるため、発生土処分に対する地域への説明が十分なされていない状況であると認識しております。
鉄道・運輸機構では、引き続き処分候補地の調査結果を踏まえた対策方法について説明し、適切に対応されるものと考えております。
次に、市民全体の説明会につきましては、鉄道・運輸機構では、平成24年の工事実施計画認可の際に市内複数の会場で全体説明会を行っており、現在は着工に当たり、工事区域周辺への影響を最小限にとどめるため、周辺住民への丁寧な説明を重ねている段階と認識しております。
今後、市内全域にかかわる事例が生じましたら、全体説明会を開催することも考えられますが、工事内容等の諸課題に対して丁寧な説明を行い、周辺地域の皆様に御理解いただけるよう進めていくことが大切であると考えております。
次に、説明会への関連部署への参加につきましては、今後必要に応じて考えてまいります。
次に、新幹線計画を見直すよう国に求めることにつきましては、北海道新幹線は、国において収支採算性や投資効果などを検討した上で認可されたものであり、新幹線の整備効果を北海道全体に波及させるためには、一日も早い札幌までの開業が望まれておりますことから、見直しを求めるのではなく、早期開業の必要性について、引き続き国や関係機関などに強くアピールしてまいります。
(「そのとおり」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)次に、第7項目めの質問に入ります。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)22番、新谷とし議員。
(22番新谷とし議員登壇)
○22番(新谷とし議員)学校適正配置について伺います。
日本共産党は、学校配置適正化基本計画は、一度立ちどまって見直すべきと主張してきました。計画前期で再編が未実施のまま計画を見直すことになりました。この間、議会に提出された陳情や住民の声が届き、松ヶ枝中学校は旧最上小学校に移転することと、西陵中学校は現在地で存続になる方向は大いに評価します。今後、計画はいつまでに策定するのかについてお答えください。
計画を見直すと言いながら、2020年3月に豊倉小学校が廃校になります。豊倉小学校の児童は、今後ふえていく見通しでした。児童数は極端に減ったのは、保護者が養護教諭も配置してくれないし、廃校になるなら早いうちに別の学校に行かせたいと考えた結果です。2017年7月の地域説明会では、保護者と地域住民から、よい環境で通わせたい、養護教諭を配置してほしいという要望が出されたのに、それに応えなかったのはなぜですか。
教育委員会は、事務職を市費で採用したことや、養護教諭は北海道から派遣されるスクールヘルスリーダーで対応したといいますが、スクールヘルスリーダーは教師への指導で、直接児童のケアに当たるわけではありません。小さな学校でも、財政を理由に他と同様の教育を受ける権利を阻害すべきではありません。教育長の見解を求めます。
再編計画の検討期間中においても、教育環境の著しい低下が見込まれる学校があった場合には個別に対応するとしていますが、忍路中央小学校、張碓小学校などの小規模校を計画見直しの前に廃校にすることも考えているのですか。
豊倉小学校の学校評議委員会で、環境がよいので特別支援学級の児童を受け入れて、伸び伸び育ってもらったらよいのではないかという意見が出され、賛同を得たということを聞いています。これは一つの例ですが、今後、児童数が減っても特色ある教育を行う小規模特認校を設置できませんか。
再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)教育長。
○教育長(林秀樹)ただいま、学校適正配置について御質問がございました。
初めに、今後、計画をいつまでに策定するかにつきましては、現在、小樽市立小中学校学校規模・学校配置適正化基本計画を見直し、将来を見据えた学校再編の基本的な考え方について検討を始めておりますが、見直しに際しましては、学校規模についての考え方の整理を初め、国の教育施策の動向や地域の防災・交流拠点としての小・中学校の役割など、本市のまちづくりの考え方を考慮し検討していくことといたしております。
このため、今後のまちづくりの考え方について市長部局とも協議を行っていく必要がありますことから、現状ではお示しするところまでには至っておりません。
次に、豊倉小学校の養護教諭に対する保護者等の要望への対応につきましては、平成29年度は学級数が北海道の定める配置基準に満たなかったため配置はありませんでしたが、女子児童に対応するため、教職員の男女バランスに配慮したほか、スクールヘルスリーダーによる教職員への学校保健指導やスクールカウンセラーの活用などにより、児童のケアに努めたところでございます。
また、30年度は地区別懇談会での要望を受けて、児童の教育相談体制の充実を図るため、養護教諭の資格を持つ教諭を配置するとともに、新たに特別支援教育支援員の配置を行うなど、教育環境の向上のため、市教委としてできる限りの対応を行っているところでございます。
次に、忍路中央小学校、張碓小学校などの小規模校を計画見直しの前に閉校することも考えているのかにつきましては、基本的には学校再編は新たな計画に基づいて進めることとなりますが、計画の検討期間中においても、児童数の減少や学校施設の老朽化などにより、学校、保護者、地域から教育環境の著しい低下が懸念されるとの意見があった場合には、保護者会や地区別懇談会を開催し、今後の対応について検討する必要があるものと考えております。
次に、特色ある教育を行う小規模特認校の設置につきましては、教育委員会では、今後の学校再編について、児童生徒数の推移も含めた各学校の教育環境が適正に確保されているかどうかを把握するとともに、国の教育施策の方向性や学校と地域の連携、学校の地域に果たす役割などを総合的に勘案して再編の検討を進めることといたしております。
特色ある教育を行う小規模特認校につきましては、今後の再編の検討にあわせて、本市の児童生徒にふさわしい多様な学校のあり方の一つとして研究してまいりたいと考えております。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)22番、新谷とし議員。
○22番(新谷とし議員)再質問いたします。
少し長くなりましたので、絞って伺いたいと思います。
除排雪についてですけれども、置き雪対策は、雪対策基本計画の中で考えていくということでした。貸出ダンプなのですが、抜本的な見直しで制度が後退することはあり得ないと思いますけれども、いかがでしょうか。
(「前の市長よりはよくなるって」と呼ぶ者あり)
それから、室内水泳プールです。
プールの存続を求める会の皆さんが長年運動してきたことは、本当に重く受けとめているというお話でした。道理があることだと市長もお認めになったと思います。この間、次の都市計画マスタープラン策定に当たって、小樽市子ども・子育て会議を開き意見を聞いています。スポーツ施設を望む声が上がっております。
また、10年前、都市計画マスタープラン策定時にも、中学生を対象にしたアンケート調査を行っていて、まちに足りないもの、不満なものの第1位はスポーツの場でした。水泳が全てではないとしても、この間、未来を担う子供たちの希望もかなえていないというのは、本当に情けない話だと思います。それで、旧緑小学校の跡を検討しているということで、それから、市営プール、この公共施設の再編素案に含まれていないが同様に位置づけるということで答弁があったと思いますが、プールは必ずつくると、そういうことは間違いないか確認します。
それから、米艦船の小樽港寄港問題です。
小樽方式の三原則は、見直す必要がないとおっしゃいました。でも、米国のトランプ大統領はNPRで核兵器使用のハードルを低くするという、危険で攻撃的な方針を打ち出していることをしっかり認識する必要があると思います。
小樽市の経済活性化の柱は観光と市長は述べておりましたが、クルーズ船が入港する、観光客もふえるという中で、観光客の安全を守るためにも、これまでの三原則でよいのか、小樽方式でいいのか考え直す必要がありませんか、再度伺います。
それから、石狩湾新港です。
高波、高潮で石狩湾新港の埠頭内の施設の被災はなかったということです。では、どこに緊急性があるのでしょうか。
それから、小樽港の場合ですが、安全だから防災・減災の緊急対策から外されたというふうに捉えますけれども、安全であれば、むしろ小樽港を利用してもらったらいいのではないかというふうに思います。石狩湾新港を優先したやり方、これは納得いきませんし、それから、国からのヒアリングでこの内容を聞かれたということですけれども、口頭だけのやりとりで決められたということも、これは納得いかないところです。それについてどう思うのでしょうか。
それから、子育て支援です。
子供の医療費の助成については、市長は財政が厳しい中でも検討するに値するということで答弁いただきました。少子化対策の柱ともなる医療費助成は、せめて近隣市と同様に、就学前まで課税、非課税関係なく初診料のみでできないのか。小樽市の今後の人口対策を考える上でも、これは重要な問題となりますので、ぜひ、せめてものこの就学前までの初診料のみの実質無料化、検討できないでしょうか。
それから、国民健康保険です。
先ほどお示ししていただいた保険料は、協会けんぽの2.3倍にもなります。また、賦課限度額が93万円。本当にこれ、高いですね。収入の10%から15%も国保料に払うというのは本当に大変です。高過ぎます。大体、賦課限度額の国のモデル世帯というのは、収入で言うと、年金でさえ1,000万円ですよ。小樽市の被保険者の収入とは比べ物になりません。
国より3万円引き下げる予定ですけれども、負担が大き過ぎます。国保法の趣旨からいっても高過ぎる保険料は問題です。だからこそ、全国知事会や全国市長会でも国庫負担割合の引き上げを国に要望しているわけです。
小樽市が、2019年度の保険料が高過ぎるから1億円を基金から投入したことは評価します。それでも、2018年度より上がるわけです。
函館市などでは、前年度並みにしているということも聞いております。2億円と言いましたけれども、そんなにかからないと思います。1億7,000万円ぐらいだと思います。保険料を払えないと、滞納すると資格証明書になる。これは協会けんぽや共済組合の保険料ではあり得ない話なのですよ。あり得ない制度なのです。ですから、高過ぎる国保料を引き下げて、1世帯1万円引き下げる。これを検討していただきたいと思います。
それから、連携中枢都市圏構想です。
40の項目に対して、庁内で議論して意思表示をしたと言いました。でも、私が聞いたのは、小樽市としてどのような意見を上げてきたのかということです。これがわかりません。答えてください。
この間、きのうの質問でも出ておりましたけれども、共同通信社がアンケート調査を行っており、道内自治体は、「反対」、「どちらかといえば反対」が43%です。賛成の21%を上回っていて、国主導で進められることを警戒して、地方の声を聞いて慎重に議論すべき、自治が失われるおそれなどの意見が上がっております。これは単なる広域連携ではないのです。全国市長会の会長は、それぞれの市町村で地方創生総合戦略をつくって、自主独立の精神でやっていこう、できるだけ頑張ろうとしてまだ三、四年なのに、どうせだめだから圏域という新しい体制を法制化するというのは、今やっている努力に水を差す以外の何物でもないと発言しておりますけれども、この構想については、やはり心配する意見もたくさんあるわけです。
今でも札幌市は施設が整っているし、児童館もありますよね。いろいろな公共施設もあります。利便性がよいからと転居する人が後を絶ちません。構想の目的である、工事の都市機能の集積強化、圏域全体の生活関連機能サービスの向上、これで一層、札幌一極集中が進むとお考えにならないのでしょうか。
また、この構想は、各自治体で合意形成が大事だと言っております。要綱の中でそう言っています。あらかじめ具体的内容を知らせて合意形成を重視するというのに、これまでどうして市民に知らせてこなかったのか。これは問題だと思います。いかがですか。
それから、新幹線の問題です。
朝里川温泉地域というのは、規制が非常に厳しい地域であるということで、やはり特定建設作業に該当する、これが十分考えられるわけですけれども、日本建築学会の指針では、85デシベルというのは極めてうるさいです。これは境界というところですから、もう少し先に行くともっと下がるとは思うのですけれども、日常生活で望ましい範囲というのは40デシベルから50デシベルです。ですから、この地域の厳しい規制に従って行わなければならないというふうに思います。いかがですか。
それと、要対策土です。
なぜ小樽市だけに持ってくるのかということでは、そういうことではないということでした。札幌市盤渓、石狩市は無対策土なのですよ。要対策土、ほかに持っていくところがあるのでしょうか。今、札幌市では、この掘削土の受け入れを募集しているということも聞いていますけれども、それであれば、小樽市だけでその要対策土を搬入しないということになるのか。処分しないということになるのか。それの見通しなどはいかがですか。
住民が怒っているのは、なぜ小樽市だけにそういう土を持ってくるのかということです。これは、やはりまだまだきちんと説明されておりませんし、住民はずっと反対を貫いているわけです。それは当然だと思うのです。この要対策土の搬入の場所、小樽市だけで処分するのではないということでしたけれども、ではどこを考えているのかお聞かせいただきたいと思います。
それから、市民全体の説明会なのですけれども、あらかじめ説明していると。前に説明していると。だけれども、そのときはなかなかわからない問題があったわけです。新たにこの個別の説明会で、改めて住民がわかった問題がいっぱいあるわけです。小樽市としては、この住民の心配をなくしていく、そういう立場で、ばらばらに説明会をやらないで、市民全体がだめだというのであれば、塩谷、朝里川温泉、天神、また、朝里のまちづくりの会などに案内して、説明会を開くように要望すべきではないのですか。小樽市の態度として、姿勢としてどうなのでしょうか。私は問題だと思います。
それから、一度立ちどまって見直すべきということで進めたいということでしたが、北斗市の例を我が党の酒井隆裕議員が前に質問で言いましたけれども、100億円をかけて進めましたね、駅前とか道路の整備。だけれども今、そこから撤退している企業などがあるということで、本当にこれはばら色に描いていいのかという問題があります。だからこそ、後年の人口が減る中で、市民の意見は、この後の若い人たちに市民負担をかぶせられないという人もいるわけです。
(発言する者あり)
ですから、そういう財政負担も含めて、やはり立ちどまって見直すように、小樽市としては言いづらいのかもしれませんけれども、問題をしっかりと認識していただいて、それを考えていただきたいなと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
○市長(迫俊哉)新谷議員の再質問にお答えいたします。
まず、置き雪対策についてでございますけれども、これにつきましては、先ほど御答弁申し上げましたけれども、今後その貸出ダンプの制度の見直しに当たりましては、行政だけで決めていくということでは決してございません。利用者、そして市民の皆様から問題点ですとか課題をしっかりとお伺いしながら制度設計をしていきたいというふうに考えておりますので、御答弁申し上げましたとおり、拙速な制度設計によって混乱を招かないように、しっかりと丁寧に進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
それから、2番目にございました室内プールにつきましては、これは私の公約の中にも掲げられている項目でございます。私の公約の中で、四つの大きな項目の中の一つとして、「未来をつくる」という項目の中で、体育館、プールなどの市民の健康増進と、それから子供たちのスポーツ振興に寄与する体育施設の整備を計画的に進めるという公約を一つ掲げさせていただいておりますので、しっかりと皆さんの御意見をいただきながら前に進めさせていただければというふうに思っているところでございます。
それから、米艦船の入港時の三原則につきましては、商業港としての利用、それから出入港時の安全、それから核搭載の有無の確認ということの三原則を従来からとっておりますけれども、この入港時の三原則についての考え方については、現在のところ見直す考え方はございません。この三原則に沿った形で判断をさせていただきたいというふうに思っているところでございます。
それから、子育て支援についてのお尋ねもございましたけれども、今回、中学生の入院まで医療費の無料化を拡充していくわけでございますが、やはりこの少子化対策というのは大変重要な政策だというふうに思っておりますので、その一環として、これからもいろいろなことを考えていかなければいけないというふうに考えておりますけれども、やはり本市の財政状況ですとか、ほかの政策との優先順位などもしっかり考えていきながら、今後この問題について引き続き検討させていただければなというふうに思っているところでございます。
それから、連携中枢都市圏の関係でございますけれども、今回、私どもが取り組んでいこうとしているこの連携中枢都市圏の考え方と、私はその圏域という考え方がまた別にございまして、私は新谷議員がこの圏域のほうでお尋ねをされたのではないかというふうに思ってございます。
圏域という考え方は、今この地方制度審議会、これは首相の諮問機関でありますけれども、この中で今、圏域について議論されておりまして、これは御指摘のあったとおり、複数の近隣市町村が連携して中心都市に公共施設などを一定程度集約するということで、小さな自治体あたりでは、やはり過疎に拍車がかかるということで警戒をされているという御指摘もあるわけですけれども、この圏域という考え方は、今、私どもが進めていこうとしている連携中枢都市圏の一歩先にあるものでございますので、あくまでも私どもが進めていこうとしているこの連携中枢都市圏では、もちろん施設の共同利用などもありますけれども、市民の皆さんの利便性の向上といいますか、そういったものを図っていくために官公で行う共同プロモーションですとか、あるいは三次医療の体制の連携ですとか、そういった中での取り組みを目指していきたいなというふうに思っているところでございます。
それから、新幹線についてのお尋ねが何点かありましたので、私でお答えできるところは私がお答えしてまいりたいというふうに思っておりますけれども、一つには、市民全体の説明会についてでございますが、これは先ほども御答弁させていただいたとおり、きめ細やかに市民の皆さんに御説明する責任というのはあると思っておりますけれども、市民全体への説明会につきましては、今後、市内全域にかかわる事例が生じましたら、全体説明会の開催についても検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
それから、新幹線そのものを見直すべきではないのかというお尋ねでございましたけれども、私どもといたしまして、昨年の暮れに官民の協働による協議会を立ち上げまして、これから新幹線効果を最大限享受できるまちづくりというのを議論していきたいというふうに考えているところでございます。ソフト対策ですとか、2次交通対策ですとか、しっかりと考えていかなければならない。そういったような状況でございますので、改めて新幹線の取り組みについて見直すべき必要はなく、むしろ新幹線効果を大いに外に発信していかなければいけないのではないかというふうに考えているところでございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)産業港湾部長。
○産業港湾部長(加賀英幸)新谷議員の再質問にお答えいたします。
まず私からは、小樽港と石狩湾新港の国の緊急対策について、箇所づけを電話ヒアリングでやったことについてお尋ねがございました。
これにつきましては、国でも各港湾の情報については基本的な情報は持ってございます。そういった情報を持っている状況の中で、電話等のヒアリングであっても基本的な内容をきちんと判断できるという、そういったことはございます。
それと、書類等で調査をする場合とヒアリング等で調査をする場合、その内容にきちんとした回答があれば、どちらでも同じような効果が持てると思いますので、今回、口頭でのヒアリングを行ったということについては、緊急的な部分も含め、こういった対応になったのかというふうに思っております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)医療保険部長。
○医療保険部長(相庭孝昭)新谷議員の再質問にお答えいたします。
先ほど、1世帯1万円下げるために基金から投入してはどうかというお話がございました。それで新谷議員のお話では1億7,000万円ということで、私どもは2億円ということでお答えしましたけれども、1億7,000万円にいたしましても、私どもが今回提案しているものと足しますと2億7,000万円ということになります。先ほど新谷議員からの御質問の中にありましたとおり、基金残高は今ありました5億4,000万円ということで、ほぼ半分を使う形になります。
それで、まだ2億7,000万円残っているだろうというお考えもあるでしょうし、会計は140億円ですので2%しかないだろうというお考え、いろいろあるかと思いますけれども、都道府県化になるまでは、基金の残高というのはおおむね5%が適切であるというふうにいわれておりました。これは都道府県化になりましてなくなりましたけれども、ただ、一定の方向性としてはあるだろうというふうに考えております。
それからまた、今回1億円繰り入れましたように、今後も保険料の上昇に備えて、やはり億単位で繰り入れるということもあるかもしれませんので、そういったことに備えますと、やはり一定の基金の残高は必要であろうというふうに私どもは考えているところでございます。
そういったことで今回、さらに加えて1億7,000万円、もしくは2億円、この繰り入れはなかなか難しいというふうに考えているところでございますので、御理解賜りたいと思います。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)生活環境部長。
○生活環境部長(鉢呂善宏)新谷議員の再質問にお答えいたします。
私からは、新幹線の工事の際の規制の部分についてお答えさせていただきます。
朝里川温泉地域の作業区域につきましては、騒音規制法で規制する特定作業に当たる場合、第一種住居地域ですので、1号に該当するということです。
先ほど市長も答弁させていただきましたけれども、この一番厳しい基準に沿って、きちんと工事については守っていただくということを機構にも十分お知らせしていきたいというふうに考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)総務部長。
○総務部長(日栄聡)新谷議員の再質問にお答えいたします。
私からはまず、石狩湾新港の高波の影響で、何か被災を受けたのかということについてですが、被災は受けていないのですけれども、実際に受けていないのであれば、北防波堤を急ぐ必要はないのではないかと、緊急性はないのではないかという質問だと思いますが、実際にそういった被災は受けてはいないのですけれども、越波が実際に発生しているということもありまして、荷役の実際に作業にも影響しているのではないかということも考えられますし、実際にはそういった静穏度の基準がありまして、これは国の基準ということで定められているのですけれども、あくまでもこれは国の判断としてこういった工事を進めているということでございます。
それから、要対策土についてですけれども、今、小樽で実際に工事によって出てきた発生土を処分する土地がほとんどないのですね。今あるのは伍助沢のみということで、これも大体18万立方メートルぐらいなのです。一つの作業しているところから出てくるその量というのが、大体50万立方メートル。今の塩谷のところからは50万立方メートル予定されておりまして、ただ小樽市全体では今、18万立方メートルしかありませんので、工事が進んでいくとどんどん土が出てきますから、それを持っていく場所がないということなのです。盤渓であれば、とりあえず無対策土であれば受け入れるということですので、まずは無対策土のみを盤渓に運ぶということになりまして、決して小樽で全て要対策土を受け入れるとか、ほかのところから受け入れるということでは、決まっているわけではございません。
それと、あともう一つ、連携中枢での意見につきましては、詳しいところは私も押さえておりませんけれども、今まで連携中枢都市圏については、各市町村の企画担当課長が今まで集まっておりまして、これについてはその推進会議の中で、今まで4回ほど話し合いを行ってきておりまして、何が自分たちでできるのか、そういった役割も含めて、これについては決めたところでございます。ただ、これについてもあくまでも案ということでございまして、これから協議することを議決していただいた後に、実際にその中で取り組むものというのを考えていくということでございます。
○議長(鈴木喜明)総務部長、今の連携中枢都市圏の件、それでどんな意見が出たのかとダイレクトに聞いているので、その件についてはわからないとか上げていないとか、上げてある内容があれば言っていただきたいし、なければなかったという答えだと思いますので、そういう答え方をしていただきたい。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
○市長(迫俊哉)新谷議員の再質問にお答えをいたします。
連携中枢都市圏の事業において、どのような意見を札幌市に述べたのかということで、詳細は私どもも承知してございませんけれども、札幌市側から示された事業というのは40あったわけであります。この中で、小樽市としてどういった事業を札幌市と共同で進めていくことが、小樽市にとって、あるいは札幌市にとっていいのかどうかということで、最終的に今34の事業に絞ったわけでございますので、その34に絞っていく、そのあたりの議論がなされたのではないかというふうに思っております。
この絞られた34の事業の枠組みの中で、具体的にどういう事業をやっていくのかということは、このたび議会で議決をいただいた後に、それぞれ札幌市と事務レベルで協議をしていくということになりますので、詳細についてどのような議論がされたかどうかということについては、この時点で申し上げることができませんので、御理解いただきたいというふうに思っております。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)22番、新谷とし議員。
○22番(新谷とし議員)再々質問を行います。
まず、連携中枢都市圏ビジョンですけれども、詳細はわからないということ自体おかしいのではないでしょうか。要綱で、自由に連携する内容を協議して、地方自治法に裏づけのある政策合意を行う、その合意に基づき各地方公共団体は政策を実行する義務を負うことになるということからして、どういう意見を上げているかわからないということ自体おかしいと思います。
案を見せていただきました。小樽市は、観光ということも出しておりますが、この連携構想は、私たちは賛成できませんけれども、しかしながら、小樽市はもっといいところがあるのにそれが載っていないということで、一体何を話してきたのかという疑問があります。詳細がわからないということ自体がおかしいのではないでしょうか。
(「事務レベルでやっていて、今把握してないって話でしょう」と呼ぶ者あり)
(「そうやって答えてほしい」と呼ぶ者あり)
では、議案としてどうして出すのですか。
プールなのですけれども、市長公約なのでということで、本当にぜひ進めていただきたいと思いますけれども、公共施設の再編計画のその個別計画の中に入れていって、大体見通しは、建設はいつごろになるのか、それはわかりませんか、お聞かせください。
(発言する者あり)
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
○市長(迫俊哉)新谷議員の再々質問にお答えいたします。
まず、プールにつきましては、先ほども申し上げましたとおり、私の公約に掲げてある事項ですので、しっかりと対応させていただきたいと思いますが、今、時期についてのお尋ねがございましたけれども、着手の時期につきましては、今この時点で明言は避けたいというふうに思っております。答弁で申し上げましたとおり、従来から御答弁させていただいておりますけれども、公共施設の個別施設計画の策定スケジュールの中でしっかりと議論させていただきたいというふうに思っているところでございます。
それから、連携中枢都市圏の関係で先ほども答弁させていただきましたけれども、この間、詳細にどのような議論が、意見交換がされてきたことにつきましては、事務レベルでやってきたことでございますので、きょうこの時点でお答えすることができませんので、御理解をいただければというふうに思っているところでございます。
○議長(鈴木喜明)以上をもって、会派代表質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後5時05分
――――――――――――――
再開午後5時25分
○議長(鈴木喜明)休憩前に引き続き、会議を再開し、質疑及び一般質問を行いたい旨の申し出がありますので、これを許します。
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)6番、石田博一議員。
(6番石田博一議員登壇)
○6番(石田博一議員)除排雪について質問いたしますが、ほかの議員の方と一部質問が重複している部分もありますが、通告どおり質問させていただきます。
まず、今年度における直近までの累計降雪量と最深積雪深はどのようであるのか、過去5年間の平均と比較する形でお答えください。
次に、平成26年度の除雪費執行額は17億円を超えました。このときの当初予算額とその差額をお答えください。
雪の問題は自然が相手ですから、降雪量次第で執行額が大きく膨らむこともあり得ますが、この年は平年以下の降雪量だったと認識しております。この平成26年度の場合は、除雪費がなぜこんなにかかったのか。選挙があった年なので特別に市民サービスをよくしたのか、検証ができていればお答えをください。
(「森井さんと違うんだって」と呼ぶ者あり)
次に、去る2月5日に各連合町会長の方々と一緒に、毎年恒例の除雪パトロール体験を実施いたしましたが、各町会長の方々からも、ことしの除排雪はよいと報告をいただきました。もちろん、予算を幾らでも使えるものなら、もっと市民要望にきちんと応えられるとは思いますが、現実はそうはいきません。この後の降雪量も未定ですし、雪山もかなり高くなっているところもあり、果たして予算内で間に合うのかも心配です。
(「どこよ」と呼ぶ者あり)
そこで質問ですが、今年度の現在までの予算に対する執行額と執行率をお答えください。
次に、今年度の場合、排雪するタイミングがかなり早かったと思います。これはこれで、今回の評判がよかった要因でもあると理解しています。
(「遅すぎたんだ」と呼ぶ者あり)
ここで質問ですが、このタイミングで排雪を開始できた要因は、業者主導だったのか、それとも除雪対策本部主導だったのかお示しください。
(「市長がかわったからです」と呼ぶ者あり)
もちろん協議の上だとは思いますが、先に提案したのはどちらからだったのでしょうか。
最後に、平成31年度新年度予算における除排雪に関することについて質問をいたします。
まず、新聞発表でもありましたが、除排雪予算に貸出ダンプが入っていません。例年7,000万円ほどの予算でした。新年度は制度設計を変更するため、第3回定例会で補正予算として計上するとのことです。
この貸出ダンプ制度は、平成26年度の場合、例年どおりにやらせるという発想で実施した結果、6,800万円の予算に対して1億5,000万円もかかってしまいました。平成27年度は7,000万円の予算に対して1億円でした。これでは何のための予算なのか、いささか疑問を感じておりました。
これに対応する形で、例えば回転場所を除く駐車スペースは対象外にしたり、雪置き場も道路の雪のみならず、屋根の雪までそこへ運び込む地域、そのようなところでも利用を認めていたり、また、排雪第2種路線において、市の排雪が入る道路であるのに、貸出ダンプも利用しているところがあって、多くの市民に対して多大なる不公平感を与えていた事実もありました。とはいうものの、市民にとっては以前より利用しづらい制度になっているのも事実です。
(発言する者あり)
全て予算があってのことですから、まさか単純に以前の状態へ戻すということはないと思いますが、今後の方向性について、どのように協議されていくのか見解をお尋ねいたします。
再質問を留保し、私の質問を終わります。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)石田議員の質問にお答えします。
ただいま、除排雪について御質問がありました。
まず、今年度の気象状況につきましては、2月22日現在で、累計降雪量は362センチメートル、最深積雪深は63センチメートルとなっております。また、過去5年間の平均値は、同時期で累計降雪量は474センチメートル、最深積雪深は107センチメートルであることから、比較いたしますとそれぞれ112センチメートル、44センチメートルと、比較的雪の少ない気象状況となっております。
次に、平成26年度の当初予算額と決算額の差額につきましては、当初予算では10億2,610万円を計上いたしましたが、決算額は17億1,032万円となり、その差額は6億8,422万円となっております。
次に、平成26年度の除雪費につきましては、このシーズンは12月の降雪量が観測史上1位の262センチメートルを記録し、最深積雪深も112センチメートルに達したことから、この異常気象に対応するため、早期に幹線道路から排雪作業を行ったものであります。さらには1月に連続した降雪もあり、例年より早く生活道路の排雪作業に入らざるを得ない状況となり、1月までの排雪量が50万立方メートルを超え、最終的には77万立方メートルとなったことが除雪費を膨らませた要因と考えております。
次に、今年度の除雪費予算に対する執行額と執行率につきましては、当初予算額の15億4,981万円に対して、2月17日現在で執行額は約10億3,400万円、執行率は約67%となっております。
次に、今年度の排雪につきましては、平成29年度のような事後保全的な排雪作業から、予防保全的な早期の排雪作業に改めるとの方針のもとで、バス路線や主要通学路を優先した排雪作業を小・中学校の始業式前に行うなど、適切なタイミングで実施したものであります。このことは、庁内連絡会議や除雪ステーション会議を通じて状況を的確に把握した上で排雪の時期や規模の方針を明確にし、具体的な排雪協議が速やかに整ったためであると考えております。
次に、貸出ダンプ制度につきましては、利用団体から、これまでの制度変更に伴い、利用しづらいことや高齢化に伴い費用負担ができないなどの地域の事情により利用できなくなってきているとの御意見も伺っておりますので、抜本的な制度の見直しも含め、改めて検討が必要であると考えております。
このため、今後の制度の見直しに当たっては、市民の皆様から課題や問題点についての御意見を伺いながら、拙速な制度変更により混乱を招かないよう、丁寧に進めてまいりたいと考えております。
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)6番、石田博一議員。
○6番(石田博一議員)再質問を1点だけさせていただきます。
先ほどの答弁で、今年度の予算の執行額が10億3,400万円ということで、67%というお答えをいただきました。これから降る量は、多分知れているとは思いますけれども、何せかんせ自然が相手ですからわかりませんが、一応当初に立てていた排雪予定量というのですか、その範囲で終われば、これは当然、補正予算を組まなくても済むということの理解でよろしいのかどうなのか。
(発言する者あり)
それで、実は先ほどの新谷議員への答弁の中で、ステーションによってはまだ予定の排雪量が半分くらいなのに、予算の執行が80%になっているステーションもあると先ほど答弁がありましたので、こういう地域もあるにもかかわらず、何とか予算内で終わるのかどうなのかというのが少し心配なので、その1点だけお答えください。
(「それは違うわ。答弁に対する再質問じゃないもん」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
○議長(鈴木喜明)石田議員に申し上げますけれども、端的に言うと、今の排雪量内であれば予算内に終わるのかということだけを聞いているということでよろしいですね。
○6番(石田博一議員)そういうことです。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
○市長(迫俊哉)石田議員の再質問にお答えをしたいと思います。
執行率に対して、今後どうなのかというお尋ねだと思いますけれども、雪は少ないのですが、低温の日が続いておりまして、ロードヒーティングの経費が少し上がっておりますけれども、計画排雪量であります50万立方メートルでおさまれば、予算内でおさまるということになると考えております。
○議長(鈴木喜明)石田議員の質疑及び一般質問を終結いたします。
(「議長、4番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)4番、中村岩雄議員。
(4番中村岩雄議員登壇)
○4番(中村岩雄)包括的な子育て支援策についてお尋ねいたします。
小樽市における重要課題の筆頭は、少子高齢化に伴う人口減少への対応です。これはもちろん小樽市だけの問題ではなく、札幌市を含めた北海道、そして日本全体や世界の国々でも今後深刻化する問題です。特に小樽市にとって、子供を産み育てる環境が他の自治体に比べ、逆に余り整っていないことが重要な問題点でありました。
昨年より、小樽協会病院での分娩がようやく再開しましたが、これはすばらしいこと、もう大丈夫と安心するようなことではなく、本来の、普通の自治体にやっと近づいたにすぎないということであります。そして、北海道の人口10万人以上都市で、唯一病児保育の行われていない自治体が小樽市でありました。
現在、この小樽市では共働きをして生活している御夫婦が多くの割合を占めています。一生懸命働いている御夫婦にとっては、子供を保育所やこども園に預かってもらう必要があります。そして、保育所などの集団生活の中では、感染症などにかかることは避けられないことであり、37.5度以上の熱が出ると、仕事をしている母親は自動的に呼び出されます。そして、インフルエンザであれば5日間、水痘のような病気であれば1週間から10日間は仕事に出られません。兄弟がいる場合は時間差でかかるため、1カ月近く休んでいる方もいると伺いました。
また、札幌市から転勤してきた御夫婦からは、この状況をサポートしてくれる病児保育のおかげで今も仕事が続けられているし、本当に助けられたとの話を伺いました。病児保育が究極の子育て支援と言われるのは、子供は多くの感染症にかかり、熱を出したり消化器症状を起こします。その病状は急激に悪化したりすることもあり、両親、特に母親はその期間中ずっと子供についていなければなりません。祖父母に預けられ、病院に連れて行くことも当たり前になっています。
しかし、急激に状態の悪くなる可能性のある小さな子供をしっかりサポートできるのは、看護師と保育士がそろって保育に当たっている病児保育施設です。その上、昨年度から病児保育の送迎が認められ、急な発熱の子供に対し、両親に成りかわり、専門の看護師がその子を病院へ連れて行き、診察を受けさせた上で病児保育施設に搬送することが国により事業化されました。これにより、母親は子供が急に熱が出たときに、職場に頭を下げ、会社や同僚に申しわけない思いをしながら子供を迎えに行かなくて済むケースが可能になったのであります。もちろん、けいれんを起こしたなど本当に状態の悪い場合は、急ぎ両親が子供を迎えにいかなければなりません。しかし、そのような稀なケースでなければ、この病児保育は名実ともに最大限に安全・安心な子育て支援となるわけです。これが究極の子育て支援とうたわれる理由であります。
小樽市は道内10万人以上都市で、最後の病児保育開設となりますが、最後とは最新であるとも言えます。サポネットという民間団体による送迎システムはありましたが、小樽市にはそれを受けられる病児保育施設がなかったため、ほとんど機能してきませんでした。しかし、昨年度から国の予算もつけられた送迎システムをしっかり導入して、小樽市の病児保育が今度は北海道の先頭に立っていく、それぐらいの情熱が必要なのではないでしょうか。
集中的に子育て支援に力を注ぎ、若い労働力となる世代にとって最高の魅力あるまちと感じてもらい、子供たちの安全と未来に大胆に投資することこそ、今の小樽市に最も必要なことと考えますが、小樽市にとっての百年の計を踏まえた市長の施策に大いに期待をしたいと思います。
平成31年度から10年間を計画期間とする第7次小樽市総合計画基本構想のまちづくり六つのテーマに沿って、平成31年度当初予算における主要な事業が示されました。
まず、テーマ1の「安心して子どもを生み育てることのできるまち(子ども・子育て)」の保育環境の整備は、市長公約の最初に掲げられている事業であります。その具体的事業の一つである病児保育については、平成30年第2回定例会、第4回定例会で取り上げさせていただきましたが、新年度でもありますので改めて質問させていただきます。
スタートする事業の具体的な実施内容。例えば対象児童、対象となる疾病、症状、利用定員、利用時間、利用期間、休業日のいかん、利用料、送迎対応の有無、配置職員数等、現時点で可能な限り具体的にお示しください。
また、10月から利用料が無償化になるやにお聞きしておりますが、その点について御説明をお願いいたします。
次に、本市の考える子育て世代包括支援センターとはどのようなものか。市長の公約でもありますので、実施体制や機能についてお聞かせください。
国は、平成32年度末までの全国展開を目指しており、小樽市としてもその準備が急務かと思いますが、31年度予算にはまだありません。センター設置に当たっての課題や開設時期をお示しください。
以上、再質問を留保して、質問を終わらせていただきます。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)中村岩雄議員の御質問にお答えします。
ただいま、包括的な子育て支援策について御質問がありました。
まず、病児保育事業につきましては、本年10月から市の事業としていなほ幼稚園で開始する予定です。利用対象は、市内の保育所、幼稚園、認定こども園や小学校に通う1歳6カ月から小学校2年生までの児童とし、対象とする疾病は、感冒、消化不良症など、乳幼児が日常罹患する疾病や麻疹、水痘、インフルエンザなどの感染性疾患を予定しております。
利用定員は1日当たり3人、同一疾病での利用期間は連続7日以内で、休業日については協議中であります。利用料は児童1人当たり1日2,000円とし、いなほ幼稚園が保護者から直接徴収いたします。
職員配置はフルタイムの保育士と看護師を1名ずつ、計2名を想定しております。
なお、送迎対応につきましては、事業開始後の利用状況や保護者のニーズなどを見据えた上で検討してまいりたいと考えております。
次に、病児保育事業の利用料につきましては、保育所や認定こども園などと同様に一定の上限額はありますが、本年10月から無償化の対象となる予定であります。
次に、本市の考える子育て世代包括支援センターの実施体制や機能につきましては、まず利用者支援事業のうち、母子保健型として保健所において妊産婦及び乳幼児の状況を把握し、妊娠、出産、子育てに関する各種相談を受け、必要に応じて個別に支援プランを策定いたします。
また、基本型として、子育て支援室において、保健、医療、福祉、教育等の関係機関との課題解決に向けた連絡調整や利用者に対し情報提供を行います。これにより、保健所と子育て支援室が連携した体制で、妊娠期から子育て期にわたる包括的、かつ切れ目のない支援を行うことを考えております。
次に、センター開設に当たっての課題や開設時期につきましては、センターは母子保健型と基本型が連携することにより開設が可能となります。必ずしも同一施設内に開設する必要はありませんが、本市においては、母子保健型を担当する保健所と、基本型を担当する子育て支援室が離れていることから、連携方法について工夫が必要であると考えております。
また、開設時期につきましては、より効率的に支援を行えるようさまざまな角度から検討し、早期に開設できるよう取り組んでまいります。
○議長(鈴木喜明)中村岩雄議員の質疑及び一般質問を終結いたします。
(「議長、3番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)3番、安斎哲也議員。
(3番安斎哲也議員登壇)
○3番(安斎哲也)2期8年の感謝を込めて質問いたします。
新年度予算では、市税収入が約3.5億円増を見込んでいますが、過去の企業誘致の種まきが実を結んできたことと、大型商業施設の再生が大きな要因と考えます。今後のLNGの稼働後も市税収入の増加になると考えます。
平成16年度から、国の三位一体改革による交付税の大幅減による赤字財政からの再建のため、他会計及び基金からの借り入れもピーク時の約54.8億円から、新年度では約16.7億円にまで減り、ようやく完済できる見通しであると思います。迫市長時代に、山田、中松の二代の市長の悲願が達成されることに対する市長の所見をお聞かせください。
次に、経済対策についてです。
人口減少を急激に食いとめる特効薬はありません。人口減少の幅を少なくして、個人市民税を一定確保しながら、法人市民税や固定資産税をふやしていかなければなりません。そこでやはり、経済対策をより一層進める必要があります。提案説明の経済と生活の好循環の中で、税収増の柱は観光であると触れていました。私も今のこの時点で、まさにそのとおりだと思っています。
そこで、相次ぐ宿泊施設のオープンと今後のホテル建設について触れながら、長年の課題であった滞在型観光の推進に向けた環境が整いつつあるとしている点について伺います。
確かに宿泊施設が多ければ宿泊できる環境は整うのですが、市行政として何を根拠に環境が整いつつあると考えており、市として考える滞在型観光の推進に向けた環境は、どの程度の宿泊施設数と宿泊室数と考えているのでしょうか。
確かに新年度予算において、観光資源の磨き上げや受け入れ体制の充実を図る施策も盛り込まれていますが、迫市長が選挙戦で訴えていた質を重視するとはこのことなのでしょうか。さらにお考えのことがあるならばお聞かせください。
質を重視するといっても、ハードとソフトの両面があると思います。私が以前視察した飛騨高山では、ハード面において高山市は市内全域を景観計画区域と定め、特に重点的に良好な景観づくりを推進する区域を重点区域としています。小樽市の景観計画以上に細かく、厳しい景観形成基準を定めていますが、策定から10年が経過したことを機に見直しをし、新基準を適用しました。本市においても、小樽市景観計画などにおいて歴史的景観区域を定めているものの、あちこちで建物や店の看板、旗など、本当に小樽らしいものか疑問を持つものがあります。市も、策定から10年を機に見直しを行い、より小樽らしい、そして上質な景観づくりを行うべきと思いますが、いかがですか。
ソフト面では、飛騨市は店の夜の営業がほとんどないのに宿泊客が多いということがあります。これは朝市が有名で、泊まらなければその朝市を観光できないという強みがあるとのこと。本市においてももっと朝の観光を進めるなり、促進させる道を模索し実行すべきかと思いますが、何か方策や調査していることがあればお聞かせください。
また、以前には、小樽市内にある各神社の例大祭行事も観光資源になり得るとして調査をされていましたが、それはその後どうなったのでしょうか。私の地元では、近くの宿に泊まり、その地区の神社の例大祭の神事やみこし渡御に参加したことがきっかけで、地域住民と親密になり、実際に移住したという例があります。しっかり調査し、発信するとともに、神社と協力関係を結んで体験型の観光資源にもなると考えますが、いかがですか。
提案説明の中で、観光の経済効果を広く波及させると述べておられました。しかし、実際の市内全体から成る経済波及効果は、前回調査を実施してから約15年が経過しており、今どうなっているのかを調べる必要がありますし、市としては何を目標としているのか明確にするべきと思いますが、いかがですか。
その関連で、テレビや映画のロケ地で有名な北九州市では、ロケで経済効果7.6億円と発表し、話題となりました。視察したときに伺ったのは、FCが全てのロケ班に対し、何人で何泊して何を食べたかまで一切合財を細かく聞き取り調査した結果とのことでした。
小樽市においても、北九州市のような大規模なロケは少ないにせよ、まさにこれも経済効果の一つと思いますので、今後調査し公表するとともに、より一層誘致活動を積極的に行う必要があると思いますが、いかがでしょうか。
1月31日で、いなきたビルの中のフードセンターが閉店しました。小樽市の再開発事業として進められ、私も小・中学生のころによく通いました。市営住宅もあり、TSUTAYAやツルハ、そしてフードセンターもあり、私はこの事業についてはいいものであったと思っていました。
しかし、この再開発のときに権利者法人株式会社アール・アイが設立されましたが、保留床の取得費に市が貸し付けをしたという経緯があり、毎年度返済されています。新年度予算においても計上されていますが、フードセンター跡には早急にテナント誘致しなければならないと思いますが、小樽市としての現在までの取り組みと今後の見通しをお聞かせください。
新・市民プール建設についてです。
私は1期目から触れていましたが、形にできずに今に至っています。また、小樽市公共施設等総合管理計画には位置づけられておらず、複合化での建設という考え方だけが示されています。今年度も暫定の高島小学校温水プールのボイラーが壊れ、利用できない期間がありました。迫市長は、公約の中でプールと明記し、体育施設の整備を計画的に進めると約束していますが、私の最後の質問と思って、最後に新・市民プールは個別施設計画に明記し、建設をすると明言していただきたいと思いますが、いかがですか。
最後に、時期ずれの市長選について伺います。
前市長の傍若無人な判断で、市長選が統一地方選挙とずれてしまいました。そのおかげで早期に迫市政が誕生し、市政の正常化とともに政策予算も編成し計上できたわけですが、代償として4年に1回、毎回無駄に5,500万円の費用が必要となりました。二元代表制においては、市長と市議の選挙はばらばらのほうがいいかと思いますが、せっかく財源対策をしても、このような支出は無駄になってしまいます。
難しいのは、市長選が終わってその半年後に市議選というタイミングですが、いつかはその無駄をなくす必要があると思います。市長の見解をお聞かせください。
以上、任期最後の質問を終わりますが、再質問は留保します。ありがとうございました。(拍手)
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)安斎議員の御質問にお答えいたします。
初めに、財政について御質問がありました。
まず、他会計借入金等の完済の見通しにつきましては、山田市長は平成19年3月に、これまでの累積赤字の解消に向け、小樽市財政健全化計画を策定し、職員給与費の削減などのさまざまな行財政改革の取り組みを行った結果、22年度決算で累積赤字を解消したところであります。その後の中松市長においては、既に累積赤字は解消したものの、14年度からの他会計及び基金からの借入金が多額に残っており、その償還を本格化させる一方、決算剰余金から財政調整基金を一定程度積み立てるなど、財政の健全化に向けて歩み始めたところであります。
これら両市長の財政健全化への取り組みにより、他会計及び基金借入金残高も31年度末までには約16億7,000万円まで減る見込みとなり、着実に完済に近づいているものと感じております。
しかし、予算編成においては収支不足が生じるなど、依然として厳しい財政状況にありますので、小樽市収支改善プランを着実に推進し、持続可能な財政運営ができるように真の財政健全化に向けた取り組みを進めてまいります。
次に、経済対策について御質問がありました。
まず、滞在型観光の推進につきましては、平成30年度は市内中心部でのホテルの開業や増築、民泊制度の開始により宿泊施設が増加したこと、さらには、今後も新たな宿泊施設の開業が予定されていることから、滞在型観光推進に向けた環境が整いつつあると述べたところであります。
また、環境が整ったとされるのは、多様化するニーズに対応する施設が質、量ともバランスよく整う状態のことと考えているところでございます。
次に、観光の質を重視することにつきましては、今回、市政執行方針で述べた観光資源の磨き上げや受け入れ体制の充実を図る取り組みはもとより、新たな観光の拠点づくりなどを進め、観光客の満足度を高める取り組みにより、滞在時間を延ばしていくことが重要であると考えております。
次に、景観計画等の見直しにつきましては、本市においては平成20年度に小樽の歴史と自然を生かしたまちづくり景観条例を全面改正した上で、小樽市景観計画を策定し、また、24年度には小樽市屋外広告物条例を制定するなど、良好な都市景観形成の取り組みを進めてきたところですが、近年、一部の地域において、これらの計画等にそぐわない事例があることは認識をしております。
このことは、景観審議会の有識者からも指摘があり、現在、同審議会のワーキンググループで行っている議論を踏まえ、今後これらの計画等の見直しについて検討してまいりたいと考えております。
次に、朝の観光につきましては、現在、観光協会の観光ガイドマップにおいて、早朝から営業している市場や、朝食に特徴のある宿泊施設、食堂などを国内外の観光客に紹介しているところであります。
朝の観光推進は、宿泊客増加につながる施策の一つであると認識しておりますので、今後、観光関連事業者との意見交換を通じて、観光客のニーズの把握に努めてまいりたいと考えております。
次に、神社と協力関係を結んだ体験型の観光資源につきましては、平成30年3月におたる案内人がおススメする小樽散策コースとして、訪ねてみたい神社・寺コースのマップを作成し、神社や寺院の魅力の周知に努めるとともに、神社の例大祭の情報についても、月間イベント情報やホームページを通じて周知、宣伝しているところであります。
寺社、寺院については、特に外国人観光客に日本独特の文化として興味を持たれる方が多いと聞いており、今後、観光協会を初め、関係者の協力を得ながら、体験型観光の一つのメニューとなるよう検討してまいりたいと考えております。
次に、観光の経済波及調査につきましては、観光政策を展開する上での指標となる重要な調査であると認識しておりますが、前回調査においては、およそ1,000万円の費用を要したところであります。現在、観光客動態調査を実施しており、観光客の消費金額や消費動向なども調べておりますので、まずはこのデータの分析を進めてまいります。
経済波及調査につきましては、予算面の課題もありますので、今後も効果的な手法について研究してまいりたいと考えております。
次に、テレビや映画のロケによる経済効果の調査と誘致活動につきましては、映画やテレビドラマ等の大型ロケは、撮影隊が準備段階から何度もロケ地を訪れ、本市に滞在することにより、さまざまな経済効果が期待されますので、今後、御提案のとおり撮影に要した費用を項目ごとに聞き取るアンケートを実施し、市内消費額を把握するとともに、可能な限り公表してまいりたいと考えております。
また、平成30年度より小樽フィルムコミッションが首都圏の映画制作者等に直接、本市のロケ地としての魅力をPRするなど誘致に取り組んでおりますので、31年度も引き続き積極的なプロモーションに努めてまいります。
次に、フードセンター跡のテナント誘致につきましては、いなきたビルには市営住宅やコミュニティセンターなどの公共施設もあることから、本市としても権利者の株式会社アール・アイから聞き取りを行い、新たなテナント誘致の状況などについて把握をしてきたところであります。
今後の見通しにつきましては、現在、物販3店、飲食1店の入居に向けて調整しているとお聞きしております。
次に、新・市民プールの建設について御質問がありました。
新・市民プールにつきましては、既存施設ではないため、小樽市公共施設等総合管理計画には含まれませんが、市民の健康増進やスポーツ振興が図られる機能があり、その整備は重要な行政課題と認識していることから、私の公約でもお示ししたところであります。
現在策定を進めている個別施設計画においても表記し、既存施設とともに体育施設の一つの機能として具体的に検討してまいります。
次に、時期ずれの市長選について御質問がありました。
統一地方選とずれたために生じる市長選の費用につきましては、異なる日程となったことで多くの費用がかかることとなりましたが、いかんともしがたいというのが正直なところであります。
私といたしましては、与えられた任期におきまして、この歴史と伝統のある本市のかじ取り役という責任を果たし、全力で市政を前に進めてまいりたいと考えているところでございます。
(「議長、3番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)3番、安斎哲也議員。
○3番(安斎哲也)再質問させていただきます。
まず、ホテルがオープンして滞在型観光の推進に向けた環境が整いつつあるというところで、質、量ともバランスがとれたことが、環境が整いつつあるというふうに御答弁されていましたけれども、質、量ともバランスがとれたというのは、具体的にどういったことを指しているのかお聞かせください。
次に、新たな観光拠点づくりを行うということでおっしゃっていましたけれども、現時点ではどの点を拠点づくりに向けた考えをお持ちで、滞在時間をどのぐらい延ばそうと思われているのかお聞かせください。
次に、観光客のニーズの把握に努めるというところなのですが、朝の観光のくだりなのですけれども、観光客のニーズの把握はどういうふうな形で努めていくのかをお聞かせいただきたいと思います。
寺社仏閣の例大祭行事のことで質問したのですけれども、月間イベント情報やホームページで周知しているということなのですが、ホームページでは、神社と住所と日にちのただの一覧だけでして、これではなかなか魅力が伝わらないだろうというふうに思っています。できたら、ホームページの内容、月間イベント情報の内容、周知の仕方をもう少し魅力の伝わるようなものにしてはいかがかというふうに思うのですけれども、これについてはいかがでしょうか。
経済波及効果を広く波及させるというところで、経済波及効果を調べるのに1,000万円の費用を要したので、今のところ動態調査の部分で消費額等を分析しているということですけれども、では、分析しているのであれば、その分析した結果、今どういう状況で、それを、ではどれぐらい経済波及効果を広く波及させようというふうに考えられているのかお聞かせいただきたいと思います。
いなきたコミュニティセンターの部分ですけれども、物販3店と飲食店1店が入居する見込みだということで、喜ばしいことかというふうに思いますが、民間のことなので余りお答えできないかもしれませんけれども、いつごろのめどがあるのかというのが、もし把握しているのであればお聞かせいただきたいなと思います。
市民プールの建設に関してですけれども、小樽市内は高島を初め、各学校施設にもプールがありまして、少し教育施設のことに踏み込んだ話になってしまうのですが、やはりただプールをつくれと言っていても、ほかのプールにランニングコストがかかっていたり、コストがかかってしまうので、もし市民プールをつくるに当たっては、やはり教育施設を含んだプールの建物、維持管理の部分も改廃を含めた検討も必要なのかというふうに思うのですけれども、これについて私の考えに御意見がございましたらお聞かせいただきたいと思います。
最後に、時期ずれの市長選については、まさにいかんともしがたい話で、前市長を応援した皆様に責任をとっていただきたいなというのが私の本音ですけれども、これについてはもう今、その市長がいませんので余り突っ込むことはできませんが、せっかく山田、中松市政で財政再建を行い、迫市長のところで他会計や基金からの借り入れが、返済の見通しが立っているのに4年に1回5,500万円かかるというのは、何ともひどい話だなと、私個人としては損害賠償請求をしたいぐらいだというふうに思いますけれども、これについては意見として言わせていただきます。
以上で、再質問を終わります。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
○市長(迫俊哉)安斎議員の再質問にお答えをいたします。
私からは、神社仏閣のお尋ねの件と、プールの件についてお答えさせていただきたいと思います。
神社仏閣と今お尋ねがあったと思うのですけれども、もちろんこの周知の仕方というのをいろいろ工夫していかなければいけないと思っていますし、特にこういった神社仏閣というのは、外国人観光客の中でも欧米の方々が非常に関心を持たれているということでございますので、そういったことも意識して周知をしていかなければいけないというのが1点と、やはり北前船の関係で、やはりこの神社仏閣というのを取り上げられておりますので、そういった角度からもやはりPRをしていくということ、日本遺産との関係ですね。そういった角度からもこの神社仏閣を周知して、もう少し掘り下げた形でPRしていくということも必要なのではないかというふうに思っているところでございます。
それから、プールの関係です。
学校施設としてのプールもあった中で、ランニングコストのことについてお尋ねもございました。学校にあるプールは、やはり教育施設として使われているわけでありますので、新しい市民プールができたときの学校施設のプールのあり方というのは、これは教育委員会ともしっかり議論させていただいた上で考えさせていただきたいなというふうに思っているところでございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)産業港湾部長。
○産業港湾部長(加賀英幸)安斎議員の再質問にお答えいたします。
私からは、最初に、ホテルの質、量のバランスがとれたというのは具体的にどのようなことかということでございましたが、これについては市長の本答弁でもお答えさせていただいておりますが、観光客のニーズが今、多様化してございます。例えば、安いホテルを、安いお宿を要望されるような方であったりとか、設備が充実したホテルを希望される方。または、バックパッカーのように人と触れ合えるようなそういった場所を求めるような方、そういった方々が今たくさん観光客の中にはいらっしゃいますので、そういった方々のニーズを的確に捉えるような、そういった施設が整う、そういったことが質、量ともにバランスがよく整うという、そういったことで考えてございます。
それと二つ目の新たな拠点、観光拠点づくりについて、どこで、どの場所で、それとあわせまして滞在時間、これをどれくらい延ばしていくのかという御質問がございました。
これにつきましては、現在、第3号ふ頭の再開発計画、これを来年度以降進めていこうというふうに考えております。その中では当然、親水空間であったりとか、緑地であったりとか、そういったいろいろなもろもろの整備を行っていくという、そういった状況にございます。
その中で、民間の方々と協議会を設立する予定でございます。そこの中でいろいろと協議していきながら、第3号ふ頭がどのような空間になるのか検討していくということを考えております。
それとあわせまして、先ほど秋元議員の質問でも答弁させていただきましたが、コンテンツツーリズムということで、新たに来年度、「聖樹のパン」の原作者の方と連携しながら小樽市内のベーカリーと連携して、ロケ地マップであったりとか、ショートムービーの制作、そういったものを今、事業を予定してございます。そういった、これまで観光資源としてはなっていなかったもの、それを観光資源に磨き上げまして、新たなツーリズムを起こしまして、皆さんに来ていただくと。そういったことを考えているところでございます。
滞在時間の部分でございますが、これについては、究極は宿泊につながるということが一つの大きな目標と考えてございます。
それと、朝観光の関係でございますが、そのニーズの把握に努めるということでございますが、これにつきましては、市内の観光事業者の方々と意見交換しながら、それで観光客が実際どういった朝の観光を求めているのか。反対に言いますと、夜の魅力もそこでは高めていくということも宿泊につながるということもございますので、そういったものを含めて観光事業者の方々と協議をしてまいりたいと思っております。
最後に、観光の経済波及効果の関係でございます。
これについては、現在も動態調査をやってございまして、これは3月まで調査状況を確認するという状況になっておりますので、そこまでかかります。それを新年度に、分析をさせていただきまして考えるのですが、その分析の方法につきましては、どういった方法がいいのか、今研究しているところでございますけれども、民間の銀行において、道内179市町村の経済連関表を作成したということがございまして、そのセミナーが来月3月5日に開催されるという御案内をいただいております。そういったものに参加しながら、経済波及効果、どういった形で求めていけるのか、そういったものを研究してまいりたいというふうに考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)建設部長。
○建設部長(上石明)安斎議員の再質問にお答えいたします。
いなきたビルのフードセンター跡のテナントの入居時期についてですけれども、今アール・アイで誘致に向けて調整をしているところでありまして、詳細につきましては、今私どもからお答えすることはできませんので御理解願います。
(「議長、3番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)3番、安斎哲也議員。
○3番(安斎哲也)1点だけ確認をさせていただきたいのですが、産業港湾部長の御答弁で、第3号ふ頭再開発について、来年度から行っていくというような答弁があったと思うのですけれども、答弁の中では協議会を立ち上げて再開発に向けた検討をしていくという意味なのか、再開発を来年度からもうやっていくよという意気込みだったのかというのは、確認をさせていただければなというふうに思っています。
私からの質問は以上となります。
2期8年、生意気を言いまして大変申しわけございませんでした。ありがとうございました。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)産業港湾部長。
○産業港湾部長(加賀英幸)安斎議員の再々質問にお答えいたします。
私、先ほどの答弁で少し間違った発言をさせていただきました。第3号ふ頭の再開発につきましては、既にもう手がけているような状況でございます。
それで、そこを観光空間として今後どのような形、どういったものをやっていくのか、それを検討する協議会を新年度から立ち上げまして、民間の経済団体の方であったりとか、民間の事業者の方々とお話をさせていただくということになりますので、再開発という形ではなくて観光空間という、そこの部分について検討してまいるという状況でございます。
○議長(鈴木喜明)以上をもって、質疑及び一般質問を終結し、本日はこれをもって散会いたします。
散会午後6時20分
会議録署名議員
小樽市議会 議 長 鈴 木 喜 明
議員 千 葉 美 幸
議員 酒 井 隆 裕