開議午後1時00分
○議長(鈴木喜明)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、松田優子議員、濱本進議員を御指名いたします。
日程第1「議案第1号ないし議案第26号及び議案第29号並びに報告第1号ないし報告第4号」を一括議題といたします。
質疑及び一般質問を一括し、これより会派代表質問を行います。
それでは、通告がありますので、順次、発言を許します。
(「議長、14番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)14番、中村吉宏議員。
(14番中村吉宏議員登壇)(拍手)
○14番(中村吉宏議員)第3回定例会に当たり、自由民主党を代表し、質問いたします。
質問の前に、先日、北海道では胆振東部地震が発生、また日本各地で台風により多くの方が犠牲となり、甚大な被害が発生しました。犠牲になられた方々には、心よりお悔やみ申し上げます。また、被災された皆様には、心よりお見舞いを申し上げますとともに、一日も早く日常を取り戻すことのできるよう御祈念を申し上げる次第でございます。
さきの地震に起因する全道規模の長時間にわたる停電は、本市にも例外なく影響があり、全市民に不安や恐怖と生活の不便さを与えたと同時に、ふだん何げなく使用している電気の大切さや、日ごろからの防災に対する認識、備えの必要性を思い知らされることにもなりました。
また、観光都市である本市を訪れた多くの観光客の方々は、ふなれな土地での予想外の出来事に戸惑いや混乱も多かったことと思います。迫市長におかれましては、就任早々の予期せぬ災害への対応に、大変な御苦労をされたこととお察しいたします。その対応時、職員の方々からは、指示が的確、具体的であるという言葉が聞こえてまいりました。今回見えてきた本市の防災に関する課題については、後の項で質問、議論をさせていただきます。
一方、本市市政につきましては、前市長によるこれまでの異常とも言える市政運営による爪痕は、市政のあちらこちらに残された状況であります。具体的に挙げれば、枚挙にいとまがないほどの失政、否、悪政でありました。
また、議会の場で自分の考えが通らず、一部の議員が自分の提案を全て否定する、議会と自分のどちらが正しいのか民意を問うという理由なき理由で7月4日に辞職を表明し、出直し選挙を行った森井前市長ですが、8月26日執行の小樽市長選挙では、迫俊哉市長が当選されました。これが、小樽市民の民意であると我々は考えております。
迫市長は、当選翌日よりすぐに職務を行っておられますが、前市長の間違った市政運営を正すことも含め、市政執行上の問題が山積をしております。こうした問題点にも果敢に取り組まれ、さらに市民生活向上に向け、我々と結んだ政策協定の考え方もあわせて実行し、小樽再起動実現への期待を込めて、迫俊哉市長の今後の市政執行について伺います。
初めに、迫市長の公約、市政執行の方針に関して伺います。
迫市長は、基本方針として三つの政治姿勢を挙げておられます。その一つ目に、対話の重視を挙げ、市民の皆様との対話や議論を重ね、ともにまちづくりを進めるとのことでありますが、市民の皆様との対話についてどのような形で進めるのかお示しください。
また、これに関して記者会見の資料にもあった市政のオープン化についても、その方策をお示しください。
次に、経済と生活の好循環について伺います。
私はまさに、今の小樽に必要な視点であると考えますが、この考え方の要となる経済の活発化について、どのようなビジョンをお持ちなのかお示しください。
また、好循環をどのような手法でつくり出すお考えなのかお示しください。
そして、市民の皆様の生活や暮らしを守る政策とはどういうものなのかお示しください。
三つ目に、未来への備えということを挙げておられます。市民生活の安全・安心や、時代の変化、そして未来に備えるという言葉から、積極的な備えによって小樽の未来をつくり出していく発想をお持ちであると理解しましたが、それには相応の財源も必要であろうと推察されます。
ここで気になるのが、財政の状況であります。前市長の下での市政運営の結果、各事業執行に対する財源対策が行われずに、財源不足を財政調整基金の取り崩しによって進められてきた結果、今定例会補正予算後、かつて30億円を超える財政調整基金が9億9,600万円まで減少するとのことです。このまま財源の対策を考えなければ、市民のための施策を行えず、また、未来への備えも難しい状況になるものと思われます。厳しい財政状況下で、さまざまな施策を実施するため、財政上の工夫が必要になると考えます。迫市長は、今定例会でみずからの給与を現状よりさらに10%削減し、計25%削減の条例案を提出されており、その削減した給与分で子供たちのスポーツや文化活動の充実を図りたいとしております。
また、市では、財政再建に向けた取り組みの計画も検討する状況である旨も耳にしております。この財政上の問題を克服し、さまざまな施策に耐え得る本市財政基盤を構築するためにどのようなお考えをお持ちなのか伺います。
次に、決算に関して伺います。
迫市長は、本市総務部長を御経験されております。その折、財政状況や事務執行等を把握されておられると考えます。今回示されている平成29年度決算は、前市長の市政執行によるものでありますが、迫市長が総務部長御在職のときの決算状況と今回示されている決算の内容を比較した際、どのような所感をお持ちなのかお聞かせください。
次に、副市長の選任について伺います。
市長は、副市長の選任について、現時点では決まっておらず、第4回定例会までには決定し、副市長とともに来年度予算編成を行いたいとおっしゃられております。そこで伺いますが、副市長選任について、どのような方法で選考されるのかお示しください。
我が会派内では、公募の方法によることも検討すべきではないかという意見もあります。広く社会から人材を求められることは、お考えではないのかお示しください。
また、どのような経験、経歴を持つ方を副市長として迎えたいとお考えかお示しください。
以上、1項目めの質問を終わります。(拍手)
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)中村吉宏議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、私の政治姿勢について御質問がありました。
初めに、私の公約と市政執行方針についてですが、まず、対話の重視の進め方につきましては、町会やまちづくり団体などの会合に積極的に伺い、市民の皆様の御意見をお聞きするほか、小樽商工会議所を初めとする経済団体との新たな意見交換の場を設けるなど、さまざまな機会を通じて対話し、市政に生かしてまいります。また、職員には、もっと積極的に生活、福祉、経済などの現場に入って関係者の皆様と対話するよう意識改革を促してまいります。
次に、市政のオープン化の方策につきましては、私は、情報の開示によって多様な主体がまちづくりについての共通認識を持つことが前向きな対話を促進する前提と考えております。そのため、情報の開示を含む小樽市自治基本条例の情報の共有の基本原則に基づき、例えば、このたび、排雪の重点箇所の考え方をお示ししたように、市の取り組みや考え方、意思決定の過程を市民の皆様に可能な限り具体的にお伝えすることで、市民の皆様に納得いただけるまちづくりにつなげていく考えであります。
次に、経済と生活の好循環に係る経済の活発化についてのビジョンにつきましては、好調な外国人観光客を背景に観光入込客数が増加しているほか、食料品などの製造品出荷額の増加、今後も伸びが期待できるクルーズ客船の寄港など、本市の強みをさらに生かす取り組みを進めることにより、本市経済を支える中小企業が元気な、働く人々が生き生きと暮らすことができるにぎわいのあるまちづくりを目指してまいりたいと考えております。
また、持続性のあるまちづくりに当たっては、中小企業の振興を図りながら、市民の皆様のよりよい暮らしに向けた好循環を生み出す必要があります。このため、豊かな自然や歴史、文化などの資源と、本市の強みを関連づけながら、観光を基軸とし、歴史的な町並みを生かした観光拠点づくり、「みなと観光」の拠点整備、中心市街地のにぎわい形成、国内外への販路拡大、中小企業等の振興策など地域内での経済循環と外貨、市内にお金を入れるということでございますけれども、外貨の獲得を意識しながら総合的に取り組みを進めることにより、本市に集積する多様な業種にその効果を波及させ、企業収益の改善と、それに伴う雇用環境の改善に結びつけることが好循環を生み出すために重要であると考えております。
次に、市民の皆様の生活や暮らしを守る政策につきましては、一つには、安心して子供を産み育てることができるようにする政策として、保育環境の整備や子供たちが安心して利用できる公園整備などであります。もう一つは、安全をつくり安心を生む政策として、健康寿命を延ばし、生涯現役で元気に生活できるようにするとともに、介護が必要になっても住みなれた地域で暮らし続けられるようにする取り組みのほか、市民要望を踏まえた除排雪や、通院や買い物の足を守るための公共交通ネットワークの維持、防災力の強化を図る取り組みなどであります。これらを市民の皆様の御意見も伺いながら、効果的に展開したいと考えているところであります。
次に、さまざまな施策に耐え得る財政基盤の構築につきましては、現在、財政の健全化を図るため、具体的な計画について検討しており、財政状況の改善に向けた取り組みを進めておりますが、国の動向なども注視しながら、中長期的な収支を見通した財政運営を図ることにより、安定的な財政基盤を構築していきたいと考えております。
一方、本市が抱える課題について、財政の健全化とのバランスを保ちつつ、市民の皆様からも御意見を伺いながら、人口減少対策に向けた戦略など新たな施策にも取り組みたいと考えております。
次に、私が総務部長在籍時の決算状況と、平成29年度決算の内容を比較した所感につきましては、本市では、山田市政時代の平成19年3月に、これまでの累積赤字の解消に向け財政健全化計画を策定し、さまざまな行財政改革の取り組みを行った結果、平成22年度決算で累積赤字を解消いたしました。私はその後の中松市政の4年間、総務部長を務めておりましたが、この時期は累積赤字は解消したものの、多額の他会計や基金からの借り入れがありましたので、その償還を開始する一方、決算剰余金から財政調整基金を一定程度積み立てるなど、財政の健全化に向けて歩み始めていたと感じておりました。
このたび、私が市長に就任し、平成29年度決算の状況を見て改めて感じたことは、地方交付税などの歳入が減少する中でも扶助費などの義務的経費は増加しており、以前よりも財政の硬直化が進んでいることです。地方自治体は、必要なサービスを必要な時期に確実に提供する必要がありますので、財政需要が増加し、その財源が不足する年度もありますが、予算の基本は歳入に見合った歳出となりますので、限りある財源で予算編成を行う必要があります。
しかしながら、近年は新しい事業にも着手するなど歳入の減少に見合った歳出の減少とはならなかったことにより、実質単年度収支は平成28年度決算から2年連続の赤字となったものであり、早急に財政の健全化に向けて取り組んでいきたいと考えております。
次に、副市長の選任につきましては、庁内のみならず市のOBや民間からの起用も含め、幅広く検討したいと考えているところであります。また、私のパートナーとなって重責を担う副市長には、夢あふれる元気な小樽の実現と円滑な市政運営を進めるに当たり、まちづくりや行政に関する知識と経験が豊富であると同時に、誠実で人望も厚い人材を登用したいと考えております。
○議長(鈴木喜明)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、14番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)14番、中村吉宏議員。
(14番中村吉宏議員登壇)
○14番(中村吉宏議員)次に、森井前市長が約3年3カ月行ってきたこれまでの市政運営に関する重大な問題点の幾つかを指摘しながら、迫市長が今後どのように改善されるのかについて伺います。
まず、当市議会との関係について伺います。
森井前市政下では、本会議、委員会を問わず数々の事実誤認や虚構を含む不正確、不誠実な答弁がもとで議会が空転し、多くの時間を浪費したと認識しております。そのたびに、議会と真摯に向き合うと発言しながら同じことを繰り返してきたことは、今さらながら遺憾に思うところであります。迫市長には、これまでのような状況を発生させることはないと考えます。改めて伺いますが、この約3年3カ月の前市政の議会対応を見るに、どのような所感をお持ちなのか、その上で今後どのように議会と対応していくお考えかお聞かせください。
次に、職員の人事について伺います。
本市における職員の人事異動は、地方公務員法第15条の受験成績、勤務成績、今は人事評価という言葉ですが、その他能力の実証に基づいてとの規定を受けて内申に基づいて行われてきたものであります。しかし、前市長は、平成27年6月の人事異動において、内申に基づかない異動を行い、その後、刑事告発される事態を招きました。また、一部職員を短期間で昇任させ、議会からその根拠を求められても、ただ適材適所と繰り返し述べるだけで明確な根拠を示すことができませんでした。これらのことを取り繕うように、そして恣意的な人事異動の形式的な根拠とするためか、係長職以上の職員については、全員の内申書を出させるようにしたものです。
そこで伺いますが、迫市長におかれましては、前市長によるこうした内申のシステムを、今後どう扱っていかれるのでしょうか。
また、地方公務員法第15条の「受験成績、人事評価その他の能力の実証に基づいて」の規定を踏まえて、今後は根拠ある人事異動を行っていかれることを確認したいと思いますが、いかがでしょうか。
次に、北海道中央バス株式会社との関係と地域公共交通について伺います。
これも、森井前市長の折、地域公共交通網形成計画策定のための法定協議会設置に関する同社の前社長との会談の中で、森井前市長の発言に起因し、同社から三度、四度にわたる質問状が送付され、そのいずれにも真摯な対応をしてこなかったのみならず、その後の関係改善も図ろうとしなかったため、本市と同社は関係が悪化したまま時間が経過しております。
古くから本市の公共交通を積極的に担い、市民の生活利便性確保に寄与してくださった企業と本市が関係悪化したままでは、当然に市民生活にも影響が出てくるものであります。現に、昨年12月から市内バス路線は大幅な減便となり、多くの市民の方からバス利用に関する不便さの声も上がっているところであります。前市長が引き起こした同社との関係悪化についても、大変お気の毒な話ではありますが、迫市長のもとで関係修復をしていただき、もって市民生活の利便性確保に努めていただかなければならないものと考えます。
そこで伺いますが、前市政下における同社との関係についての所感と、今後の関係改善のためにどのように取り組まれるのかお示しください。
その上で、昨年11月にようやく立ち上がった地域公共交通活性化協議会について、現状の進展と、今後どのような議論を行っていくのかお示しください。
この問題に関連して、ふれあいパス事業について伺います。
市内の高齢者の皆さんの外出機会を促進するために用意された事業ですが、この事業も前市長と当時の副市長が同社との交渉の際、不誠実きわまる対応をし、結果、同社に負担していただいていた費用を昨年10月分より全額本市が負担しなければならない状況となりました。昨年の議会議論でこの問題に関する多くの質疑が行われる中で、負担割合について同社から見直しの要望があったこと、それに対して本市では問題を先送りするかのごとき対応を行っていたこと、そのような状況下で、本来、年度当初までに締結をしなければならない負担部分に関する契約が締結できていなかったこと、それは本市予算にかかわることであるのに一切の報告を議会に行ってこなかったことなど、多くのずさんな事務執行が指摘されてきたところであります。
また、本年第1回定例会では、この事業費について引き続き本市が財政負担を続けることに関し、財源措置等は何ら説明なく、事業見直し等の案も示されないまま、平成30年度予算案の中に含めて提案しました。高齢化率の高い本市において重要な市民サービスであると考えますが、この事業を今後継続するのか否か、継続するとすれば、財政上の課題を含めどのように制度設計し、事業を行うお考えかお示しください。
次に、高島漁港区における観光船事業に対する法令・条例違反の許認可取り消し後の対応について伺います。
この件は、小樽市コンプライアンス委員会が、法令・条例違反を指摘し、これを受けて市は、本年4月27日付で不利益処分決定の通知をしました。これにより市は、事業者に対し、港湾施設使用許可等を取り消すと同時に、該当地に建設された建築物について、建物の用途の変更または撤去を命じたとのことであります。建物の是正期間として、不利益処分決定通知の文書送達日から3カ月の猶予を示し、その期限が8月7日と認識しております。
しかしながら現状、是正したとは伺っておりません。それどころか、事業者は是正措置を命じられていると認識していながら、建物を使用し、漁港区で悠然と観光船事業を継続しております。法令・条例違反の状況の解消を実現するべきことは、前市長の市政下でも再三指摘させていただきましたが、市では営業を差しとめる法的根拠がないとのことです。
一方で、漁業者の方への対応や、法令・条例違反の許認可を取り消した後の対応が示されないままの状況に、市民の方からも厳しい声が寄せられております。また、事業者が前市長の後援会の重要な関係者で、便宜供与との指摘もされている本事案であります。迫市長のもとで、法令・条例に基づいた形にしっかりと是正をしていただきたいと考えます。
伺いますが、高島漁港区における観光船事業に関する許認可について、許認可申請前後を含め、本市として違法または条例違反の認識は本当になかったのでしょうか。
また、許認可業務遂行に当たり、前市長から許認可に関する指示や命令はなかったのでしょうか。それが事務執行を所管する部署の考え方に反するものであり、前市長からの指示または命令でそうせざるを得なかったという状況は発生しなかったのかお示しください。
次に、この高島漁港区における観光船事業に対する許認可取り消しを受け、事業者が市からの命令、指導に従っていない部分について今後どのように是正していくのかお示しください。
港湾の整備や港湾計画の改訂について伺います。
前市長は、港湾計画の改訂を中断し、整備や新しい計画の改訂を期限も示さず先送りをしました。小樽は、港湾物流を中心に発展してきたまちであり、港湾業界を含む経済界全体から港の整備を行わないことに不満の声も上がっております。また、観光都市である小樽は、国内外のクルーズ客船受け入れ等の充実も図っていく必要があり、市内観光関連事業者を初め経済界からも港湾整備の促進が求められているところ、以前、本市で計画をしていた第3号ふ頭のクルーズ客船受け入れを想定した整備計画が、前市長のもとで停止させられている状態にあります。
こうした状況下で、小樽港内の岸壁や港湾施設を充実させ、また、本来小樽市が目指していた港湾計画について、迫市長はどのように対応するのかお示しください。
第3号ふ頭には、クルーズ客船受け入れのための旅客ターミナル建設の計画も含まれておりました。前市長は、計画を否定し、市内外に大きな物議を醸し出しました。旅客ターミナル建設について、市として進めるのかお考えをお示しください。
次に、北海道新幹線の札幌延伸に伴う新駅周辺まちづくりについて伺います。
2030年度の北海道新幹線札幌延伸を控え、小樽全体としてこの新幹線延伸を小樽発展のために確固たる戦略をもって利用すべきものと考えます。新駅周辺まちづくりに関し、本市では平成27年より策定会議が設置されましたが、前市長は多くの市民の意見を伺いたいと言いながら、商工会議所の委員参加を拒否しました。議会議論の中で、商工会議所の委員参加を我が党も強く要望しましたが、実現しませんでした。他都市の状況を見ても、商工会議所があるまちで、この種の会議に商工会議所がかかわらないということはあり得ない状況であります。新駅周辺の開発は、市はもちろん周辺住民や町会、そして商工会議所、市内経済界も協働して考え、進めていかなければならないものと考えます。この点、迫市長の認識はいかがでしょうか、お答えください。
また、新駅策定会議は、一定の報告を出し、会議が閉じられていると認識をしております。今後において新駅周辺まちづくりの議論をどのように進めていくお考えかお示しください。
以上、2項目めの質問を終わります。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、前市長の市政執行により発生した問題とその対応について御質問がありました。
初めに、議会との関係についてですが、市政運営を円滑に進めるためには、議会との信頼関係のもとで、市政におけるさまざまな課題や施策についてしっかり議論できる関係が築かれていなければならないものと考えますが、前市政においては、そのような関係を構築することができず、逆に対立を深めていたのではないかという印象を持っております。
私といたしましては、こうした議会との関係を立て直すため、信頼関係の構築に努め、市政運営におけるさまざまな事業や施策について議論できるよう環境を整えてまいりたいと考えております。
次に、職員人事についてですが、前市長による内申システム及び今後の人事異動につきましては、人事異動に当たってはできる限り原部の意向を尊重したいと考えておりますが、現実的には原部の希望が留任の場合でも昇任や異動となることはありますので、留任希望の内申書を活用することはありました。しかしながら、必ずしも全ての内申書が必要となるわけではありませんので、原部の負担等も考慮の上、内申書のあり方を見直し、今後におきましては内申書や人事評価という客観的な能力の実証に基づき、適正な人事異動を行ってまいりたいと考えております。
次に、北海道中央バス株式会社との関係と地域公共交通についてですが、まず、前市政における同社との関係についての所感等につきましては、過去の定例会において、前市長は平成29年1月の市内バス路線の維持に関するトップ会談での発言に関し、認識の違いが生じていたことは大変残念に思っていると答弁しており、こうした発言からも、本市と同社において少なからず課題解決に向けた共通認識が図られていなかったものと感じております。
今後におきましては、私自身がリーダーシップを発揮し、交通事業者を初め、関係団体や市民の皆様と連携を図りながら、本市にふさわしい持続可能な公共交通ネットワークの再構築に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、地域公共交通活性化協議会につきましては、平成30年度は地域公共交通網形成計画の策定に向け、地域ごとの課題を把握するため、市民を対象にした公共交通のニーズ把握調査や、市内路線バスの利用実態調査、学生や通勤者を対象にした利用実態調査を実施しました。8月末には、平成30年度第1回地域公共交通活性化協議会を開催し、各調査の速報を報告したほか、観光客への地域公共交通に関する実態調査の実施に向けた協議や道内他都市の路線バスの現状等について説明を行いました。
今後は、各調査の分析を進め、地域ごとの課題の整理を行い、基本目標や施策についての議論を進めてまいります。
次に、ふれあいパス事業の今後の方向性などにつきましては、御高齢の皆様がまちに出ていろいろな活動にかかわり、お元気に生活していただくためにもこの事業は継続してまいります。
そのため、制度設計においては、本市の厳しい財政状況から事業費の抑制も考える必要があるほか、公共交通の利用促進の観点なども考慮する必要がありますので、事業者の御協力を得ながら持続可能な制度となるよう見直しする考えでおります。
次に、高島漁港区における観光船事業に対する許認可の是正についてですが、まず、条例違反の認識、前市長からの指示・命令、許認可の判断経緯につきましては、観光船事業に係る一連の許認可における瑕疵については、法令の拡大解釈による誤った運用を行ったことで法令違反となったものであります。このようなことは本来あってはならない問題だと強く感じておりますので、今後、再発防止を図るために、私自身、どこに問題があったのかを確認してまいりたいと考えております。
次に、今後どのように是正していくのかにつきましては、法令違反となる観光船事業に係る建築物については、いまだ是正措置が講じられていない状況にありますので、口頭指導や文書指導を繰り返し行うなど、粘り強く対応してまいりたいと考えております。
次に、港湾計画についてですが、まず港湾整備や港湾計画についてどのように対応するのかにつきましては、港湾整備については港湾機能の保全を目的とした老朽化対策や、第3号ふ頭の再開発に重点を置き、効果的に進めてまいりたいと考えております。
また、港湾計画については、小樽港の特徴を踏まえ、物流・産業基盤の強化、観光・交流基盤の強化、安全・安心基盤の強化を基本に見据えて改訂を進めてまいりたいと考えております。
次に、旅客ターミナル建設を進めるかにつきましては、クルーズ客船の誘致を進める上で、旅客ターミナル機能は重要なものであると認識しております。第3号ふ頭及び周辺全体の整備は、事業規模が大きいことから段階的に進めていく必要があり、第3号ふ頭及び周辺再開発事業の第一段階として、現在、大型客船対応岸壁の整備を進めており、この中で当面の対応として既存上屋を改修し、旅客ターミナル機能の導入を図りたいと考えております。
次に、北海道新幹線の札幌延伸と新駅周辺まちづくりについてですが、新駅周辺の開発に対する私の認識につきましては、市民の皆様はもとより、商工会議所を初めとした経済界などとも連携して取り組むべき重要課題であると認識しており、新幹線開業効果を市内全域に波及させるために、それぞれと協力体制を構築し、進めていくべきものと考えています。
次に、新駅周辺のまちづくりの議論をどのように進めていくのかにつきましては、昨年3月に策定いたしました新駅周辺まちづくり計画に基づき、官民連携組織を早急に立ち上げ、新駅と中心市街地を結ぶ二次交通対策や、国内外からの観光客誘致促進を図るためのソフト対策等について議論し、具体的な行動計画の策定とその実践を進めてまいりたいと考えております。
○議長(鈴木喜明)次に、3項目めの質問に入ります。
(「議長、14番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)14番、中村吉宏議員。
(14番中村吉宏議員登壇)
○14番(中村吉宏議員)続いて、市民の安心・安全とまちづくりについて、市長の公約にも関連して伺います。
まず、今冬の除排雪についてであります。
昨年の除排雪は、市民に大きな不満や不信感を与え、冬の生活を不安かつ危険な状況にしました。前市長が市民の皆様にお約束した、きめ細かな除排雪という言葉に基づいて行われた結果であります。道路の脇に雪を積むだけ積んで排雪しない、通学路の排雪も新学期開始前に行わない、必要な箇所も排雪しない、市民が怒るのも無理のない話であります。
このような状況を、市民の皆さんのお声を伺い改善を目指すと訴えられ、当選された迫市長に伺います。除排雪の改善について、何が問題であり、それをどのように改善するお考えか、今冬改善をされるところと、さらに今後において改善を行うところを具体的にお示しください。
昨年第4回定例会、そして本年第1回定例会では、各議員が排雪の充実を訴えているにもかかわらず、本年第1回定例会で示された平成30年度小樽市一般会計予算案について十分な排雪が期待できないため、議会はこの部分を減額修正し、必要な排雪業務が行える予算を再度提示するよう求めたところであります。
一方、迫市長は、昨年度より9,111万円増額の8億6,801万円を今定例会で一般会計補正予算に計上されております。排雪の充実を期待したいところですが、この予算計上の根拠と対応できる排雪量を昨年と比較してお示しください。
次に、雪処理場について伺います。
前市長が第1回定例会で示した塩谷4丁目、市民向け雪堆積場の設置について、議会議論では、多くの予算をかけ道路等の整備を伴う割に利便性に問題があることなどから見直しを求め、雪処理場等関係経費1億5,609万円のうちの該当部分の2,030万円を減額修正しました。迫市長は、今冬の雪処理場についてどのように対応されるお考えかお示しください。新しい雪堆積場等の検討があれば、あわせてお示しください。
次に、貸出ダンプ事業について伺います。
本市市民の御負担をいただきながら、冬の市民生活の利便性を確保する貸出ダンプ事業ですが、この利用に関しても前市長は利用制限を行ってきました。その結果、多くの市民から不満や苦情が寄せられております。貸出ダンプの利用申請が利用者直接の申し込みでなければ受け付けない、雪押し場の雪を排雪してはいけないなど、誰のための事業なのかと考えざるを得ない状況であります。
そこで伺いますが、貸出ダンプ事業について市として把握している現状の問題点、ことし改善する点があればお示しください。この制度も市民要望に沿った形での運用をしていただきたいと考えます。
次に、臨港地区の除排雪について伺います。
臨港地区の除排雪について、昨年、前市長は、降雪期間近になり、従来の方法から大幅に変更しました。議会に何の報告もなく、除排雪地域を3分割し、除排雪業者の入札要件を変更するなど、恣意的で不公平、不公正な事業実施方法の変更を行いました。結果、入札に対応できたのは、従来除排雪を行っていた業者と前市長後援会幹部の企業とほか1社だけでした。これも、便宜供与かと言わざるを得ない状況です。入札の結果も非常に不可解なものでありました。
公平、公正な事業執行を期待し伺いますが、ことしの臨港地区の除排雪について、昨年の方法を継続するのか、是正するのか、具体的にどのように進めるのかお示しください。
次に、防災について伺います。
緊急時に市民の生命、安全を守るという目的はもとより、観光都市の本市では、国内外の観光客の皆様への対応もあわせて考えなければなりません。今回の地震と大規模停電の際、本市では9月6日の午前7時に緊急部長会議を開き、状況把握と災害対策本部設置を行ったと聞きました。広報車やFMおたるの協力をいただき、情報提供を速やかに行い、また、関係各所の協力のもと、避難所の設置や観光客対応も順次行ったと記憶しております。その中でも、緊急支援物資を支援くださった企業、物資の積みおろしや避難所の対応など尽力くださった小樽青年会議所、そしてボランティアの皆様の多大なる御助力に感謝いたします。
今回の地震と大規模停電を受けて、本市の防災について伺います。
停電の際、病院等がしっかりと対応できたのか心配です。小樽市立病院を初め市内の医療機関の停電時の状況、対応方法を示してください。
また、市民の生命や治療の安全に危険な状況が発生しなかったのかお示しください。
停電時、市民は電気がなく、大変難儀をしました。避難所でも発電機を利用し、明かりを確保していたことと思います。その発電機も民間からレンタルをしたと伺っております。このような緊急時、市として避難所や必要なところで使用する発電機を確保しておくことは、速やかに避難所開設を行う上でも重要です。今後において、非常用の発電機を一定数確保するべきと考えますが、見解を伺います。
次に、避難所の地域的問題について伺います。
今回、小学校を中心に避難所が設置されました。しかし、その中には地域的偏在もあったと思います。市内で最も遅く通電した地域の一つ、稲穂、色内地区について、その避難所として示されたところが山の手小学校でした。市では、避難所の偏在の問題について認識をお持ちか伺います。
防災マップには、中心市街地で数カ所、津波対策の避難所として示されておりますが、今回、避難所は開設されませんでした。小樽駅周辺には市外の方々も多くおられたと思います。市民への対応とともに市外から来られた方への対応を含め、緊急時に市内中心部での避難所を開設していただきたいと考えます。見解を伺います。
次に、観光客対応について伺います。
停電発生当日、宿泊をしていた国内外からの観光客の方々も小樽市内で足どめされ、滞在を余儀なくされました。今回、市ではウイングベイ小樽を観光客の方の避難所として開設し、小樽駅や観光物産プラザ前から一定時刻に対象者を車でお送りしたとのことでした。観光客向けの防災マップや対応マニュアルも見当たりませんが、観光都市である本市にとって、観光客を想定した防災対応が急務であると考えます。どのように対応するお考えか見解を伺います。
次に、国立小樽海上技術学校存続に向けた取り組みについて伺います。
この問題も継続して議論されてきた問題ですが、耐震構造を備えた新校舎について、本年5月25日付文書で本市から海技教育機構宛てに提案したうち、海技教育機構では、閉校後の小樽商業高校跡の利用を希望している旨、報告を受けました。この校舎は北海道が所有しており、海上技術学校がその後利用するに当たっては道の協力が必要であります。前市長は、みずから道庁に足を運び、トップとしての問題提起や依頼などを行っておらず、これまで道との折衝は事務レベルの交渉のみであった旨、伺っております。本市の活力にかかわる重要な案件であるにもかかわらず、この状況では停滞していると言わざるを得ません。
迫市長にはどうかこの問題を前進させ、海上技術学校が小樽で存続できるよう、市のトップとして御尽力いただきたいと考えます。市長就任後、この件に関し早速行動を起こされたと伺っておりますが、道に対してどのような行動をとられたのかお示しください。
また、国土交通省や海技教育機構は、高齢化や予算等の問題で海事従事者の早期育成を目指し、現在高校対応の海上技術学校を短大化し、さらに全国にある校舎の統合も検討しているという話も耳にします。取り巻く厳しい環境の中ではありますが、将来短大化を視野に入れながらもしっかりと存続させるべきと考えますし、市としても、この点、国や海技教育機構に訴えかけを行いながら、小樽海上技術学校存続のための施策を実行していただきたいと考えます。見解を伺います。
(「自民党が潰そうとしてるんでしょ」と呼ぶ者あり)
次に、小樽駅前中心市街地再々開発について伺います。
このことは、以前も議会質問させていただきました。小樽駅前第1ビル、第2ビルは老朽化し、非耐震の状況であります。更新等の議論もある中で、市としても小樽駅前中心市街地再々開発に向けて取り組まないのかという質問に対し、前市長の答弁は、駅前広場の整備と駅周辺の市営住宅建設が重要との考えであり、再々開発には消極的でした。小樽の未来に向けた中心市街地の整備は、市としての案も示しながら、地権者の方々と議論を進めて取り組むべきと考えます。
迫市長におかれましては、現在再々開発に向けて議論をされている小樽駅前第1ビル周辺地区を手始めに、積極的に取り組んでいただきたいと考えます。見解を伺います。
以上、第3項目めの質問を終わります。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、市民の安心・安全について御質問がありました。
初めに、除排雪についてですが、まず、除排雪の改善等につきましては、私といたしましては、排雪が適切な時期に入っていないこと、排雪が入ったとしても道路上の高い雪山が残され、歩行者に対しても危険であることなどの排雪に関する課題があるものと認識しており、多くの市民の皆様からも同様の声をお聞きしているところです。
このことから、今冬の除排雪の改善につきましては、計画排雪量を平成27年度の実績に基づく算出方法から過去5カ年の実績の平均値としております。このことにより、主にバス路線や交差点、通学路の安全確保が図られると考えております。そのために、除雪第2種路線の出動基準を降雪量が10センチメートルであったものを15センチメートルに変更いたします。
また、除雪対策本部は、例年12月1日に設置しておりましたが、近年、11月に降雪状態となる状況もあることから、11月中旬には除雪対策本部を立ち上げ、除雪ステーションに除雪機械や人員等を早期に配置することで、除雪作業の出動や市民の皆様からの問い合わせにも対応できるよう取り組んでまいりたいと考えております。
なお、今後においての除排雪の改善につきましては、これまでの除排雪の検証を進める中で判断してまいりたいと考えております。冬の安全で安心な市民生活を支えるために、どのような施策が必要となるのか、市民の皆様の声をしっかりとお聞きしながら除排雪の取り組みを進めてまいりたいと考えております。
次に、今回の除雪費の補正予算につきましては、市内7地域の総合除雪や石狩湾新港除雪などの業務委託料を積み上げて計上しており、このうち対応できる排雪量は、昨年度の34万立方メートルに対して、今年度は50万立方メートルを計画しております。
次に、今年度の雪堆積場につきましては、昨年度と同様12カ所の雪堆積場と新たに2カ所の雪堆積場を開設する予定であります。
なお、新たな雪堆積場としましては、奥沢水源地前の広場を使用する天神2丁目雪堆積場と、昨年廃校となりました最上小学校グラウンドを使用する、旧最上小学校雪堆積場の2カ所を開設する予定となっております。
また、平成30年度当初予算原案が修正されたことにより計上されなかった塩谷4丁目雪堆積場の開設につきましては、新たな雪堆積場の開設に伴い、見送ることといたしました。
今後も効率的な排雪作業を推進するため、新たな雪堆積場の確保に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
次に、貸出ダンプの現状の問題点と改善のための変更点につきましては、貸出ダンプ制度の主な問題点としましては、排雪箇所の近くの雪堆積場が不足していること、排雪が認められている除雪機械の転回場の規模、また、利用団体に対しては制度の周知不足や直接申請を行うことによる負担増があるものと認識しております。このうち、今年度につきましては、利用団体に対してさらなる制度の周知を図るとともに、申請手続において利用団体が直接申請書を市の窓口へ提出していただいたことにより利用団体の負担が増大したことから、利用者への負担を軽減する方法について早急に検討してまいりたいと考えております。
次に、臨港地区の除排雪の進め方につきましては、臨港地区の除排雪作業については、建設部で作成している除排雪業務共通仕様書に準拠して実施しておりますが、平成29年度において区域を3分割にして実施せざるを得なかった要因である再委託を制限するとした要件の見直しについては、本年度においても同様の扱いとなっていることから、今後、市として改めて除雪登録業者へのヒアリングを行い、実施方法を検討したいと考えております。
次に、防災についてですが、まず、市内の医療機関の停電時の状況、対応方法、市民の生命や治療の安全性の確保につきましては、災害拠点病院である市立病院は自家発電設備を備えており、通常の6割程度の電源を確保する中で対応をしました。そのほかの医療機関では、自家発電設備を備えている施設がある一方、停電により調理器具、照明器具、医療器具、医療機器が使用できなくなった施設、流通の途絶により食材不足となった施設もありました。
各医療機関の被災状況は、地域防災計画に基づいて設置した救護対策本部について調査し、状況に応じて食材などの配布や非常用電源の確保、懐中電灯、乾電池の貸出などについて対応いたしました。
また、停電により休止した夜間急病センターの救急患者への医療提供や、人工透析を中止するおそれのある医療機関の患者の受け入れ体制の確保を災害拠点病院である市立病院と調整を行うなど、市民の生命や治療の安全が損なわれるようなことはなかったものと承知しております。
次に、発電機につきましては、本市では災害対策用に発電機を保有しておらず、このたびの大規模停電時には、民間から借り受け、市内に開設した避難所の照明用電源として使用したものであり、避難所を運営する上で重要な機材であると改めて認識いたしました。
しかしながら、燃料等の危険物を含めた保管場所の確保や維持管理など保有する上で整理しなければならない課題もあることから、今後の停電対策とあわせて発電機の確保についても検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、避難所につきましては、日没が迫る中、市内の停電の復旧状況が不透明であったことから、地勢や生活圏を優先的に考慮し、市内を7地区に分け、各1カ所ずつ開設したものでありますが、御指摘の点を踏まえ、今回のことを検証し、今後の避難所開設に生かしてまいりたいと考えております。
次に、市内中心部での避難所の開設につきましては、小樽駅周辺などでは、市民や観光客など人の往来が多い場所と認識しており、事象や規模にもよりますが、災害時には避難所の開設が必要であると認識しております。
今回、小樽駅周辺の指定避難所につきましては、いずれも停電によりトイレが使用できなかったことから開設を見合わせましたが、今後の停電対策とあわせて検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、観光客に対する防災対応につきましては、現在、本市が防災対策用として発行している刊行物は、防災マップ及び津波浸水ハザードマップとなっており、観光客向け防災マップなどは作成しておりませんが、平成29年から小樽観光協会が発行している小樽観光ガイドブック、もっともっとおたるに中心部エリアの指定避難所について掲載しているところであります。今回の地震後に行った観光客対応の緊急避難所への誘導と運営を振り返りますと、通訳の配置と公共交通機関に関する情報の提供が重要であったと感じております。
このようなことから、速やかに必要な情報を伝達できる仕組みづくりについて、庁内の関係部局や観光協会などとも検討してまいりたいと考えております。
次に、海上技術学校の存続に向けた取り組みについてですが、まず、私が市長就任後に行った北海道に対する行動につきましては、先月11日に私と林教育長が北海道総合政策部の交通企画監及び北海道教育委員会の教育長と面談し、これまでの状況についての報告と今後の協力要請を行ってまいりました。その際、私からは、この件については本市のみで取り組むには限界があるため、北海道からも御協力をいただきたいということや、改めて関係団体や経済界とともに要請させていただく旨をお伝えいたしました。
次に、海上技術学校の存続に向けた施策の実行に関する見解につきましては、国土交通省や海技教育機構に対しては、高校、短大を問わず、まずは同校を存続することで決定していただくようしっかりと訴えていくとともに、道内選出国会議員等とも情報を共有しながら連携を図ってまいりたいと考えております。
また、北海道に対しては、本市と連携した同校存続に向けた取り組みや海技教育機構が移転先候補として選択した小樽商業高校の譲渡について、オール小樽で要請してまいりたいと考えております。
次に、小樽駅前中心市街地の再々開発に係る駅前第1ビル周辺地区への取り組みにつきましては、この地区には老朽化したビルや歩行者と車が混在している駅前広場等があり、安全面などの面からも多くの課題を抱えているものと認識しております。
このことから、私といたしましては、地権者の方々を初め関係機関の皆様と協力しながら観光都市小樽にふさわしい玄関口として整備するために、リーダーシップを発揮し、前向きに取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(鈴木喜明)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、14番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)14番、中村吉宏議員。
(14番中村吉宏議員登壇)
○14番(中村吉宏議員)震災による市内経済への打撃とその対策について伺います。
まず、観光の状況に関して伺います。
平成29年度の観光入込客数が800万人に達したところ、さきに発生した地震や大規模停電により、観光客が激減しております。本来、今後の観光施策についていろいろと市長のお考えを伺いたいのですが、今回は観光都市として看過できない現状について、どう対応していくのか伺います。
今回の地震と停電により、小樽の観光が大打撃を受けております。観光客を中心に営業を展開している堺町通り商店街では、地震発生以降の約2週間で案内所利用者が昨年同期比で6割近く減少、各店舗の売上もおおむね7割減という状況です。中には9割減というところもあり、悲痛な声が上がっております。また、停電が2日間にわたった影響で、これは市内全域の食品関連業全てに言えることですが、冷蔵庫、冷凍庫内にストックしている商品、原材料を廃棄せざるを得なくなり、堺町通り商店街の会社では400万円から500万円の廃棄商品が発生したところもあります。市では、経営的支援として、中小企業に対し、関係機関を含めた金融等相談窓口を設置したとのことであります。
まず、この相談窓口について市内企業にどのように周知をしたのか、また、実際に相談に来た企業はどのくらいの社数なのかお示しください。
さらに、今回の震災の風評被害が問題となっております。さきに示した堺町通り観光案内所利用者のうち、外国人観光客の割合が63%減少とのことです。日本人観光客は、少ないながらも日増しに戻りつつありますが、外国人観光客は減ったままです。震災後、台湾や韓国、中国では小樽を含む道内ツアーがほぼキャンセルされ、現地メディアでは被災地域や液状化の発生した現状の映像を流し、北海道には春ごろまで行かないほうがよいと報道されていることも耳にしました。
そのような中、停電復帰後間もなく、観光客減少に危機感を抱いた堺町通り商店街では、各社経営陣が有志で、「小樽は元気です、元気に営業中!」というメッセージを手に、SNS等で発信をして世界中の小樽ファンを呼び戻そうと努力をしております。
小樽市でも、風評被害の緊急対策として、小樽は安全というメッセージ動画を作成、発信する事業、そして、先述の報道が行われている地域を中心にSNSを使い、各地域の有名ブロガーに本市の状況を発信してもらうという事業を行う旨も報告を受けました。
一方、他都市では、函館市が市内経済界と協力し、観光の主要マーケットである台湾に赴き、プロモーションを行う旨、報道がありました。9月19日、既に取りかかっているとのことです。
情報化が進む現代ですが、このような時期だからこそネット頼みではなく、アジア各地に小樽市として直接足を運び、小樽の元気と安全をPRする行動も必要と考えます。春まで風評被害が解消できなければ、今月以降の観光閑散期や、小樽雪あかりの路などが行われる冬季の観光への大きな影響が懸念されます。早急に赴く地域を選定し、足を運び、メディアやエージェントを訪れ、直接映像を見ていただきながら、小樽は大丈夫ということを伝え、地域の人たちに発信、拡散していただくべきと考えます。見解を伺います。
また、秋季は小樽観光が閑散期になるのに対し、例えば京都は観光繁忙期であると聞いております。こうした繁忙期が訪れる他地域に小樽の観光情報を提供し、PRをしていただく連携も行うことも可能と考えます。あわせて取り組んではいかがでしょうか。お考えをお示しください。
次に、この地震、停電による市内経済への影響の対応策について伺います。
食品加工や製造、販売を中心に停電の影響で多くの廃棄処分が発生し、また、その後の製造過程、営業に支障が出る企業も多数あると考えます。影響を受けた企業で、市が把握している社数をお示しください。
金融相談窓口以外に支援を行う緊急施策は検討していないのかもお示しください。
観光を含め、市内企業の経済活動の停滞は、その企業体の存続危機、弱体を招くだけでなく、雇用の場が失われ、市民の経済的生産活動が失われ、経済の循環が滞り、結果、市民生活に影響を及ぼします。この危機を全市を挙げて対処し、まちを守らなければならないものと考えます。市としても最大限の力を発揮していただくようお願いいたします。
以上、再質問を留保して、質問を終わります。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、震災による市内経済への打撃と、その対策について御質問がありました。
初めに、中小企業支援のため設置した金融等の相談窓口につきましては、北海道小樽商工労働事務所、小樽商工会議所、日本政策金融公庫小樽支店、北海道信用保証協会小樽支店、それぞれの窓口開設にあわせ、本市では産業振興課に開設し、市ホームページ、フェイスブックでの周知や、報道各社への情報提供のほか、産業港湾部内各課を通じ市内各団体等へ御案内しております。
また、窓口開設後、9月27日までの相談企業数は、合わせて28社となっております。
次に、東アジア圏への風評被害対策のための現地プロモーションにつきましては、11月15日から台湾の台北で実施される大葉高島屋の北海道展に観光協会職員が参加いたしますので、台湾の方々に小樽の元気な姿を映像などを用いて直接PRすることを考えております。
次に、他地域と連携した観光PRにつきましては、例えば、北前船日本遺産推進協議会の構成自治体が各地で開催している寄港地フォーラムなどを通して、他地域のさまざまな情報を共有する中でお互いの観光情報を提供し合い、PRできる取り組みを進めてまいりたいと考えております。
次に、地震、停電により影響を受けた、市が把握している企業数につきましては、現在、市内関係機関とともに実施中の影響調査をもとに9月末現在の速報値で申し上げますと、提出があった330社のうち118社が何らかの影響があると回答されております。
また、相談窓口以外の対策につきましては、ただいま申し上げた影響調査の内容や、市内に開設されている各相談窓口の状況、また、今後も影響が懸念される観光客の動向など、市内企業の現状を可能な限り把握しながら、引き続き対応を検討してまいりたいと考えております。
(「議長、14番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)14番、中村吉宏議員。
○14番(中村吉宏議員)今、代表質問でいろいろ質問させていただきました中で、かつてと言いますか、この3年3カ月で停滞をしていた内容のものが前進をするという旨の御答弁をいただきまして、ありがとうございます。このうち何点か再質問させていただきますけれども、まず、ふれあいパス事業についてお伺いをしたいと思います。
このふれあいパス事業の件ですが、今いろいろ協議されていらっしゃると思うのですけれども、事業者との協議というのは現時点で進んでいらっしゃるのかというのを一点お伺いしたいと思います。
それから、同じくふれあいパスのところなのですけれども、もう1点。迫市長就任後、時間のない中での検討等で御判断が難しいと思うのですけれども、今いろいろ制度も考えなければならないというところなのですが、制度の変更というのが新年度からも制度変更ということがあり得るのかどうか。あり得るのであれば、いい方向に、利用者が割と利用しやすい形の変更になればというふうには思うのですけれども、とはいえ財源の問題もある中で、新年度からの制度変更も、あるとすればどういう形でというのを少しお示しいただければと思います。
それから、除排雪についてですけれども、昨年度の34万立方メートルの排雪量を今年度は50万立方メートルを見込んでいるというところですが、どういった計上の根拠があるのかというところを一点お伺いさせてもらってよろしいでしょうか。
(「さっき質問してたしょ」と呼ぶ者あり)
それから、同じく除排雪の件ですが、臨港地区の除排雪について、事業者と実施方法を検討されるということですけれども、お話をヒアリングしながら。これは実際にことしの冬から見直していくという解釈でよろしいのか、あるいは、運用方法を含めて昨年度と同じ形で続けるのか、もう少し明確にお答えいただければと思います。
それから、防災の関係について、観光客の方に関して観光協会が発行している観光客向け用の冊子の中に避難所の記載がありますよということなのですけれども、済みません、少し私も不勉強なのですが、これはその前の段階の質問にも関係するのですけれども、主に観光の方が多く歩かれる地域にいざ避難できるというような避難所の設定があるのかどうかお示しいただけますでしょうか。
それと、もう一問、ふと伺わなければというところがあったのですけれども、そちらを今発見できませんので、予算特別委員会でしっかりと伺いますが、以上の点、まず御質問させていただきたいと思います。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
○市長(迫俊哉)中村吉宏議員の再質問についてお答えをいたします。
臨港の除排雪の関係については担当から答弁させていただきますけれども、それ以外については私から御答弁させていただきたいと思います。
一点目、ふれあいパス事業に関係いたしまして、今事業者とどのような協議を行っているのかということで一点お尋ねがありましたけれども、事業の存廃あるいは継続するかしないかということと少し別の問題なのですが、利用者の方から、市民の方ですけれども、ICカードを使ったらどうだと、いわゆる利便性の問題なのですが、そういった要望もあるということで、今バス事業者とは、このICカードをふれあいパス事業で使っていけないか、そのような協議をしているというふうには伺っております。
それから、ふれあいパス事業の制度の問題について、大変財政が厳しい中で、御答弁させていただきました制度の見直しも考えているということではあるのですけれども、そういった制度設計、それからその制度設計に伴いまして、市民の皆さんあるいは議会の皆さんから御理解をいただけるかどうか、あるいは制度を周知する、そういった時間的なものも必要となってまいりますけれども、そういったことが全てクリアできるようであれば、新年度から実施していきたいなというふうに考えているところでございます。
それから、防災について、市内の中心部につきまして冊子の中で記載をさせていただいているという答弁をさせていただきましたが、中心部の避難所をその冊子の中で表示はしておりますけれども、極めて小さい形で表示されておりますので、観光客が非常に中心部に多くいらっしゃっているということを考えますと、これだけでは十分ではないなというふうにも考えておりますので、この点についても改めて観光客の皆さんが、いち早く避難できるような方法というものは、今後さらに検討していかなければいけないなというふうに思っているところでございます。
それから、除排雪の関係ですけれども、34万立方メートルから50万立方メートルへ変更するということの計上の根拠につきまして、若干本答弁でも触れさせていただきましたが、34万立方メートルを算出した際には、計画排雪量を平成27年度の実績に基づいて算出しておりますけれども、この50万立方メートルというのは、過去5年間の実績の平均値としている、そのように違いがございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)産業港湾部長。
○産業港湾部長(加賀英幸)中村吉宏議員の再質問にお答えいたします。
私からは、臨港地区の除排雪の関係につきまして、今年度から見直しを行うのかどうかという御質問でございますが、今回除雪登録事業者にヒアリングを行いまして、その実施方法については検討させていただきますが、その方法として、まず4段階のヒアリングの方法を考えております。
まず、臨港地区1地域で除雪を行うことができないのかどうか。
これにつきましては、当然、効率的な除雪と費用の問題、そういったことがありますので、全体を通してできないかどうか、そういったことをまずヒアリングさせていただきます。それができないのであれば、臨港地区、それを二地域に分けて実施することができないのかどうか、これも確認させていただきます。それもできないということであれば、グレーダー路線とそれ以外の路線、これに分けて二分割で行うことができないか。それについても確認させていただきまして、最終的にその全てのヒアリングがだめだということになりますと、昨年同様、3地区での発注と、そういった状況になろうかと思います。
○議長(鈴木喜明)御答弁はよろしいですか。
防災の件で、観光客の方が多く歩かれるルートに避難所を設置するお考えがあるのかどうかということもお聞きになっていたようですけれども、その点についてはお答えがないので、お答えください。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
○市長(迫俊哉)済みません、大変失礼いたしました。少し私の受け取り方が間違っていたようですけれども。
そのルート上に避難所を設置できるかどうかということですけれども、それにつきましては、市内中心部にそういった場所があるかどうかわかりませんし、改めて、避難所というのは私ども市の保有施設を中心に設置していますけれども、民間の施設も使いながら、そういったことが可能であればそのことについては前向きに検討してまいりたいなというふうに考えております。
(「議長、14番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)14番、中村吉宏議員。
○14番(中村吉宏議員)これはもう、質問ではないのですけれども、一点その観光の事業に関する……
(発言する者あり)
○議長(鈴木喜明)質問してください。質問の形式でお願いします。
○14番(中村吉宏議員)はい、了解しました。では一点質問をさせていただきます。
この観光に関連した避難所に関してですけれども、やはり観光事業者からも実は多くの要望が上がっており、停電の発生当日に、多くの観光客がやはり迷われたということがありました。いろいろ避難所の開設も御検討をいただくということなのですけれども、民間の施設ですとかそういったお話もありましたが、どうでしょう、現状、現実的に何か設置をできそうな、耐震の状況も含めて一つあるのかというところは非常に気になるのですけれども、そういう想定がもしできるのであればお答えをいただきたいと、今回議場でお示しいただければというふうに思っております。この一点だけ質問させていただきまして、答弁いただければと思います。
○議長(鈴木喜明)中村吉宏議員に申し上げますけれども、再質問で少し触れていましたか、そこのところ。答えられるなら市長に答えていただきます。
(発言する者あり)
答えられるなら、答えていただくということですね。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
○市長(迫俊哉)中村吉宏議員の再々質問にお答えいたしますけれども、今、市内中心部における観光客対応の避難策といいますか、避難誘導策みたいなお話がございましたが、マップの中には、一応、マリンホール、それからいなきたコミュニティセンター、旧堺小学校、こういったものが設置されているということではありますけれども、その場所だけを示すという、あるいは場所を設定するということも含めて、それ以外にやはり外国人観光客も多いですから、多言語表示で、あるいはどこにどういった形で誘導していくのかということも含めて、総体的にやはり考えていかなければなりませんので、今御指摘のあった場所の問題、誘導の問題、周知の問題、そういったものもあわせて総合的に、小樽にお越しになられた観光客の避難誘導といいますか、そういったものを考えさせていただければなというふうに思っております。
○議長(鈴木喜明)中村吉宏議員の会派代表質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時32分
――――――――――――――
再開午後3時00分
○議長(鈴木喜明)休憩前に引き続き、会議を再開し、会派代表質問を続行いたします。
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)2番、千葉美幸議員。
(2番千葉美幸議員登壇)(拍手)
○2番(千葉美幸議員)質問に入る前に、9月6日未明に発生した北海道胆振東部地震で亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
それでは、平成30年第3回定例会に当たり、公明党を代表し、質問いたします。
小樽市政は、8月27日から迫新市長のもとで新たなスタートを切りました。我が党も、小樽市民のため、そして市の発展のため、常に初心に立ち返りながら市長とともに汗を流していく決意でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
初めに、提案説明に関連して伺います。
市長は、就任の挨拶で、前市長がなぜ誕生したのか、理由について、多くの市民の皆さんは、小樽のまちを変えてもらいたい、きっと変えてくれるだろうという大きな期待感があって誕生したと思っていると述べられました。今回の選挙結果は、その市民の期待が今まで以上に大きく迫新市長に寄せられていることを実感なさっていると思います。その声に応えていくためには、市長は目指すべき政治姿勢の中で、市民の皆さんと対話を重ね、ともにまちづくりを進めるとともに、市政の見える化を実現するとして対話の重視を訴えられました。具体的にどのように進められるとお考えなのかお聞かせ願います。
また、本市では、今まで見える化について推進してきたと認識していますが、迫市長が考える市政の見える化についても伺います。
次に、経済界との関係についてです。
市長は、公共サービスを維持するため、経済と生活の好循環を生み出し、小樽の元気を取り戻すとしています。そのためにも、経済界との連携が重要なのは当たり前のことですが、この3年と数カ月の間、経済界との関係が悪化したことに対して、私自身も地域経済発展のためなのに、なぜとしか言いようがありませんでした。まず、市政において経済界と連携して取り組むべき重要課題の停滞を感じていたことについて、改めて市長の御所見をお示し願います。
また、現在の本市経済の情勢と今後の本市経済の展望についてはいかがでしょうか。お示し願います。
市長が述べられた新幹線開業に向けたまちづくりや港湾の整備について、経済界との関係を正常化し、スピード感を持って推進していただきたいと思いますが、職員にはどのような指示を出しているのか、今後の取り組みについてもお聞かせ願います。
さらに、一時中断している小樽港港湾計画改訂作業ですが、平成22年から積み重ねてきた議論をもとに早急に進めるべきと考えますが、市長の見解を伺います。
次に、財政に関連して伺います。
本市財政は、今後も収支均衡予算を組み立てるのに、財政調整基金頼りの厳しい状況が続く見込みです。その財政調整基金の残高ですが、今定例会補正予算後の残高は約9億9,000万円となりますが、第2回定例会で我が党の斉藤議員の代表質問に対して、「現時点で想定される今後の財政需要として、国庫支出金等の超過交付額返還金や除雪費などを考慮すると、平成30年第3回定例会補正予算後の時点では、約13億から14億円と見込まれます」と答弁していました。まず、見込み額から大幅に減額となった理由について説明願います。
また、平成30年度末の財政調整基金残高の見込み額についてもお示しください。
昨年11月の小樽市中期財政収支の見通しでは、10億円の収支改善を行ったとしても、平成32年度には財政調整基金は枯渇するとしていました。今定例会後の残高から、一層厳しい状況になると思われますが、市長の見解をお示しください。
また、平成31年度予算編成に与える影響についてはいかがでしょうか。見解をお聞かせ願います。
本市は、人口減少や高齢化が進み、税収の減少や義務的経費の増加が見込まれ、老朽化した公共施設等の更新費用も、現状のままだと年間約140億円が40年間必要になることが想定されています。このようなことからも財政健全化は急務と考えております。
そこで、お伺いいたします。
市長は、財政健全化に向けたプランを策定し、改善の取り組みを進めるとのことですが、プラン策定作業にいつ着手すると考えているのか、また、健全化目標達成時期についてお考えはあるのかお示しください。
この項の最後に、職員の住居手当等の不正受給について伺います。
本年5月に、札幌市で親族間の賃貸借契約に係る住居手当の不正受給問題が発覚し、本市でも実態調査を実施したところ、職員2名に不正受給が判明し、処分の報告がありました。驚いたのは、不正受給額とその内容です。不正受給額及び損害額は2件で1,848万3,759円。全額返還または全額返還が確約されたと聞きますが、返還すればいいというものではありません。
特に、悪質だと思われる市立病院看護師のケースは、平成18年6月1日に、市内から市外へ転居したとして、今まで通勤手当や住居手当を受給し、深夜勤務等の場合に使用するタクシーチケットは、上限額5,000円と記入し、使用していました。しかし、調査する中で、市外に転居したと届けた平成18年6月1日、同日付で住民登録が市内の別の場所のアパートに異動していたといいます。この件に対して看護師は、だまし取ろうとしたわけではないと述べているそうですが、明らかに行政を欺いた行為で、市民から詐欺行為だと声が上がるのは当然であります。
そこで、お伺いいたします。
まず、札幌で不正受給が発覚し、公に報道されたのが5月16日ですが、それから本市の調査結果の報告、発表になぜ4カ月以上もかかったのか、理由について説明願います。
次に、看護師のケースですが、居住実態のない市外からの通勤手当が長年支給されていました。通常、病院では、職員からの通勤手当の申請内容について、どのような確認が行われているのかお示しください。
不思議なのは、このたびの看護師のケースについて、なぜここまで発覚しなかったのかです。住民税について給与支払報告書は、病院からどこの市町村に提出されていたのかお示しください。
市長は、住宅手当のあり方を見直し、チェック体制を強化すると述べられましたが、通勤手当についてもチェック機能を働かせるべきです。今後の対応及び再発防止策についてどのように取り組むのかお示し願います。
また、市民に対して職員の信頼回復に向けた決意を改めてお聞かせ願います。
以上、1項目めの質問を終わります。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)千葉議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、提案説明に関連して御質問がありました。
初めに、対話の重視の進め方につきましては、町会やまちづくり団体などの会合に積極的に伺い、市民の皆様の御意見をお聞きするほか、商工会議所を初めとする経済団体との新たな意見交換の場を設けるなど、さまざまな機会を通じて対話し、市政に生かしてまいります。
また、職員にはもっと積極的に生活、福祉、経済などの現場に入って関係者の皆様と対話するよう意識改革を促してまいります。
次に、私が考える市政の見える化につきましては、私は情報の開示によって多様な主体がまちづくりについての共通認識を持つことが前向きな対話を促進する前提と考えております。そのため、情報の開示を含む自治基本条例の情報共有の基本原則に基づき、例えばこのたび、排雪の重点箇所の考え方をお示ししたように、市の取り組みや考え方、意思決定の過程を市民の皆様に可能な限り具体的にお伝えすることで、市民の皆様に納得いただけるまちづくりにつなげていくことができ、これらの一連の流れを見える化であると考えております。
次に、経済界と連携して取り組むべき重要課題に対する私の所見につきましては、市政においては、ここしばらく経済界との信頼関係が構築されず、新幹線の開業に向けたまちづくりや、小樽港を活用したまちづくりなどが滞っていたと感じていたことから、こうした状況を正常化し、これらの重要課題の解決に向けてスピード感を持って前に進めてまいりたいと考えております。
次に、本市経済の情勢と今後の展望につきましては、人口減少と相まって事業所数は減少しておりますが、好調な外国人観光客を背景に、観光入込客数が増加しているほか、食料品など製造品出荷額の増加、今後も伸びが期待できるクルーズ客船の寄港など、本市の強みを感じております。一方、人手不足とそれに伴う人件費の増加や、原材料、燃料高騰などの課題、このたびの胆振東部地震の影響について懸念しているところであります。
今後の展望といたしましては、豊かな自然や歴史、文化などの資源と、ただいま申し上げました本市の強みを関連づけながら、観光を基軸とし、歴史的な町並みを生かした観光拠点づくり、みなと観光の拠点整備、中心市街地のにぎわい形成、国内外への販路拡大、中小企業等の振興策など、地域内での経済循環と外貨、つまり市外から入ってくるお金のことですけれども、この外貨の獲得を意識しながら総合的に取り組みを進めることにより、本市に集積する多様な業種にその効果を波及させることが重要であります。本市には、市内経済に活力をもたらす大きな可能性がありますので、元気な中小企業で働く人が生き生きと暮らすことができる、にぎわいのあるまちづくりを目指してまいりたいと考えております。
次に、新幹線開業に向けたまちづくりや港湾の整備につきましては、いずれも経済界と連携して取り組むべき重要課題であると認識しており、これらの課題解決に向け、関係する経済団体との協力体制を構築し、早急に着手するよう指示したところであります。
今後の取り組みとして、新幹線開業に向けたまちづくりについては、新たに官民連携組織を立ち上げ、新駅と中心市街地を結ぶ二次交通対策や、国内外からの観光客誘致促進を図るためのソフト対策等を検討するとともに、港湾整備については港湾関係団体の意見、要望を聞きながら進めてまいりますが、特に第3号ふ頭の整備では、経済団体において同ふ頭の将来像を検討していると承知しておりますので、市としても連携しながら取り組みを進めてまいりたいと考えております。
次に、一時中断している小樽港港湾計画改訂作業につきましては、関係機関や港湾関係団体との協議の上、できるだけ早く作業を再開し、小樽港の特徴を生かした計画を策定してまいりたいと考えております。
次に、財政調整基金の残高見込みが第2回定例会補正予算後時点の想定よりも大幅に減額となった理由及び平成30年度末の残高見込み額につきましては、まず、第2回定例会補正予算後時点の想定よりも大幅に減額となった理由は、除雪費においては当初予算の修正可決前の数値をもとに見込んでおりましたが、計画排雪量を増としたことに伴い除排雪関係経費が増加したことや、除雪にかかわる国庫補助金の内示があり、見込みより減となったことなどにより、約2億1,000万円減少となりました。また、普通交付税の額が7月に確定し、臨時財政対策債を合わせた実質的な交付税が、当初予算計上額よりも約1億9,200万円減少したこと、さらには7月に市長選挙費を専決処分により補正予算計上したことなどによるものです。なお、平成30年度末の残高見込みは、歳入の動向など見通しの立たない部分もありますので、現時点ではお示しすることは難しいものと考えております。
次に、今定例会後の財政調整基金の残高における私の見解につきましては、本市の地方交付税は年々減少傾向にあり、今年度におきましても普通交付税と臨時財政対策債を合わせた実質的な交付税が、当初予算で計上した額より減少するなど、財政状況は非常に厳しいものと認識しております。財政調整基金の残高を確保するためには、引き続き財政の健全化に向けた取り組みを進めなければならないと考えております。
次に、財政調整基金の残高が減少することによる平成31年度予算編成に与える影響につきましては、本市の財政構造は平成31年度以降の予算編成に当たっても多額の財源不足が見込まれるところであり、財政調整基金の取り崩しも含めた何らかの財源対策を行わなければ収支均衡予算が編成できない厳しい状況が続くものと考えております。したがいまして、平成30年度の予算執行におきましても、厳しい財政状況を踏まえた上で、引き続き財源確保を進めるとともに、今後とも限られた財源を有効に活用するためにも、今まで以上に事務事業の見直しや自主財源の確保に向けた取り組みを進める必要がありますので、現在財政の健全化に向けた計画の検討を進めているところであります。
次に、財政健全化に向けたプラン策定作業の着手時期及び健全化目標達成時期につきましては、まず策定作業の着手時期ですが、既に着手しており、現在計画の内容について検討を行っている中で、財政部と各部において事務事業の見直しによる経費の削減や歳入の増加策などについて協議を進めているところであり、新年度予算編成の前に計画をお示しできるよう作業を進めております。また、健全化目標達成時期は、現在収支の見通し及び財政状況の改善に向けた取り組みによる効果額を試算しており、その結果を踏まえてお示ししたいと考えております。
次に、職員の住居手当等の不正受給に係る公表に時間を要した理由につきましては、札幌市の報道を受けて、すぐに調査に着手しましたが、看護師の事案についてはなかなか正直に話してもらえず、この間、現地調査を初め、アパート家主からの聞き取りやタクシー会社への問い合わせなどから入手した状況証拠を重ねながら、6回ほどの面談を行うことで最終的に認定したため、かなりの時間を要したものであります。さらに当該看護師は、企業職員のため労働基準法第20条の規定が適用されますが、30日間の猶予や解雇予告手当を支払わずに免職処分を行おうと考え、8月29日付で解雇予告、除外認定申請書を労働基準監督署に提出したところ、その認定が9月21日付となったことも要因の一つであります。
次に、通勤手当に係る再発防止策や市民からの信頼回復につきましては、本件は居住実態のないところからの通勤という極めて稀なケースではありますが、今回の不正受給を重く受けとめ、少なくとも通勤費が高額となる市外居住者については、定期券の写しやICカードの乗車履歴の提出を求めるなど、住居手当のみならず、通勤手当に係るチェック体制も強化し、不正受給の再発防止に努めたいと考えております。
このたびの不正受給により、行政に対する信頼を損ねたことは大変遺憾であり、まことに申しわけなく思っております。二度とこのようなことが発生しないよう、市民の皆様の信頼を取り戻すべく、しっかりと取り組んでまいります。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)病院局長。
○病院局長(並木昭義)千葉議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、職員の住居手当等の不正受給について御質問がありました。
初めに、通勤手当の申請内容について、どのような確認が行われているかにつきましては、職員が提示した通勤届の内容について、通勤距離や手段などが支給要件に該当するかを審査した上で、通勤手当を認定しております。
次に、住民税に係る給与支払報告書の提出先につきましては、当該看護師から居住している旨の届けのありました市外の市町村に提出しております。
このたびの職員の不祥事につきましては、市民の皆様、患者の皆様、関係者の皆様方の信頼を裏切る行為であり、多くの方々に御迷惑と御心配をおかけしたことに対し、心からおわび申し上げます。私といたしましては、職員一人一人に対し、適正な届け出を行うよう周知徹底を図ってまいります。今後とも、良質な医療を提供して、市民の皆様、患者の皆様の信頼を一日でも早く取り戻せるよう職員一丸となって取り組んでまいります。
○議長(鈴木喜明)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)2番、千葉美幸議員。
(2番千葉美幸議員登壇)
○2番(千葉美幸議員)2項目め、防災対策について質問いたします。
9月6日未明、胆振東部を襲った震度7の地震は、今まで経験したことがないような揺れと被害をもたらしています。この日の小樽市の震度は4、私自身はそれ以上に感じられるほどの揺れでした。揺れがおさまってくると同時に、ひとり暮らしや高齢者世帯などでは、私と同じように不安や恐怖が増大した方、また一睡もできなかった方も多くおりました。一方、少し明るくなり始めたころ、市内を回りましたが、幸いにも目視での被害は見られず、早くから庭のお手入れをしている方や、散歩している市民からも、「大丈夫だった」「物が一つ二つ落ちたくらいでした」という声も多く、このとき誰もが停電は数時間で解消されるだろうと思っていました。
しかし、実際には2日間にわたって停電が続き、マンション等では水が出ない、トイレが使えない、一部の地域では水の濁りで水道が飲み水として使えず、給水車が出動、小・中学校は2日間にわたり臨時休校、公共交通機関はストップし、食料を調達するにも苦労するという今まで余り経験したことがないような状況が起きました。
そこで、お伺いいたします。
初めに、災害時の職員初動体制についてです。
災害発生時には、初動体制とその連絡体制の確保が重要と言われています。災害の発生時及び災害の発生するおそれがある場合には、災害の発生規模や発生のおそれに応じて非常配備体制がとられることになっています。今回の地震は、小樽市で震度4でしたが、非常配備体制はどのようにとられたのか説明願います。
次に、地震のあった9月6日未明の非常配備の伝達はスムーズに行われ、配備要員は動員できたのかお示しください。
また、課題があればお聞かせ願います。
災害発生時に被害を最小限に抑えるためには、迅速かつ円滑な応急対策が求められます。そのためには、職員が身の安全を確保しながら、どのように動員・参集し、そして各機関等から情報収集を行い行動するのか、職員の初動期の対応が非常に重要になると考えます。他の自治体では、地域防災計画の職員初動マニュアルだけでなく、さらに具体的に示した、一人一人が迅速かつ適正に災害対策を実施できるよう、災害時の職員初動マニュアルを作成しています。本市でも、今回の地震による職員初動について課題点等を整理し、災害時の職員初動マニュアルを作成する必要が高いと考えます。市長の見解をお示し願います。
次に、市民等への情報伝達についてです。
多くの市民から聞かれたのは、何が起きて停電しているのか、いつ復旧するのか全くわからず暗い夜を過ごしたという声です。特に高齢の方はSNS情報を得ることが難しく、一番頼りにしているテレビは停電で映らないため、情報が全く入ってこなかったことで、不安ばかりが増大しました。
そこで、以下を伺います。
初めに、災害が起きた場合、本市の情報はどのように市民等に発信されるのかお示しください。
また、FMおたるの災害情報を聞いていた市民から大変助かったとの声が多くあった一方で、受信できない地域があります。地域の災害情報が入らない地域があるのは問題と考えます。これに対する市長の認識と、市内全域で受信できるよう対策を講じる必要があると考えますが、市長の見解、今後の対応策についてお考えをお示しください。
次に、市内を走った消防車等による広報活動についてです。
家の中にいる場合や、マンションでベランダに出ても何を伝えているのか内容がわからなかったというのが市民の声です。私も停電2日目、オタモイ方面で停車している消防車の横を窓を開けてゆっくり走りましたが、何を市民に伝えているのか正直わかりませんでした。これは、伝える内容、話すスピード、スピーカーの位置なども考慮した工夫が必要です。早急な検証と見直しを要望いたします。御見解をお示し願います。
当日は、多くの観光客も宿泊していたと思われます。宿泊施設での情報も極めて少なく、多くの観光客等が利用する観光案内所が設置されているJR小樽駅や観光物産プラザなども閉まっていたことから、情報を集めるのに御苦労なさったと聞きます。
そこで、お伺いいたしますが、災害時など可能な限り観光客、特に外国からの観光客にも配慮した案内所の開設について、今後検討すべきと考えますが、市長の御見解をお聞かせ願います。
また、課題があればあわせてお示し願います。
この項の最後に、共助の行動について伺います。
今回の地震による停電で、早朝から民生・児童委員の方が災害時要援護者宅を回り、安否の確認等をなさったとお聞きしました。しかし、これは現在も、御本人の個人情報開示承諾をいただいている方に限って確認が行われたと聞きます。一方、未明の地震だったため、近隣住民でふだんは挨拶くらいしか交わさない高齢者や、障害者宅へ自主的に安否確認等に伺った住民や職員もおります。おにぎりをつくって近所を回った方、お水を何度も高齢者宅へ届けた方、マンション等で水道もトイレも使用不可のため、近所の一軒家の方が自宅を開放し、本当に感謝する声が多数聞かれました。ふだんからのお一人お一人の災害への備えは当たり前ですが、改めて地域の共助の行動が大切だと感じたところです。
そこで、共助の行動を市民に周知、意識していただくためにも、自主防災組織の育成、強化にスピード感を持って推進していただきたいと思いますが、いかがですか、市長の御見解をお聞かせ願います。
以上、2項目めの質問を終わります。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、防災対策について御質問がありました。
初めに、災害時の初動体制についてでありますが、まず、北海道胆振東部地震に伴う非常配備体制につきましては、本市では震度4が観測されたことから、地域防災計画に基づき、自動的に第1非常配備が発令されたものであります。
次に、非常配備体制時の職員の対応につきましては、震度4以上の地震による、第1非常配備の場合、各対策部の対象職員が、職場に自主参集することになっているため、特に職員に対する連絡等を行う必要はありませんでした。
また、午前3時30分には災害対策連絡室を設置し、各対策部長の指示により、施設の被害状況の確認や、情報収集などを行っており、現状で初動体制について大きな課題等はなかったものと認識しております。
なお、現在、今回の大規模停電時の対応全般について、庁内の意見集約を進めているところであり、この中で課題等を改善してまいりたいと考えております。
次に、災害時の職員初動マニュアルの作成につきましては、本市の地域防災計画においても基本事項を掲載しているところであり、さらには小樽市職員災害発生時初動活動メモを作成し、全職員に常に携行させ、初動に対する意識啓発を行っているところであります。
しかし、災害時の職員初動マニュアルについての必要性も感じているところでありますので、今回の大規模停電に関する庁内の意見も踏まえ、その作成について検討してまいりたいと考えております。
次に、市民等への情報伝達についてですが、まず災害発生時の情報発信につきましては、本市においては、テレビやラジオ、市ホームページ、フェイスブック、ツイッター、広報車により、市民に対する情報提供を行っております。
次に、FMおたるの災害情報に関する認識と対策につきましては、FMおたるは、本市と緊急放送に関する協定を締結しており、地域に密着した災害情報を発信できる重要な放送局として認識しておりますが、御指摘のとおり、市内には難聴地域があり、これまでも検討してまいりましたが、その解消には多額な費用が必要になるため、直ちに解消することは難しいと考えております。
このため、災害時には一人でも多くの皆さんに聞いてもらえるよう、日ごろからFMおたるがインターネット配信を行っている、このことについて周知に努めてまいりたいと考えております。
次に、消防車等による、広報活動につきましては、直接市民の皆様に最新の情報をお伝えできる有効な手段の一つであると考えており、今回の大規模停電の際も、市内全域を対象に消防車などにより、広報を行ったところであります。
しかしながら、市民の皆様からは、「伝えている内容がわからない」「聞こえない」といった御意見をいただいていることから、今後は話すスピードや音量の調整、簡潔でわかりやすい内容などを検討するほか、既存車両の効果的な運用を行い、迅速かつ正確な情報をお伝えできるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、観光客、特に訪日外国人旅行者にも配慮した案内所の開設につきましては、今回の地震後に行った、観光客対応の緊急避難所への誘導と運営を振り返りますと、通訳の配置と公共交通機関に関する情報の提供が重要であったと感じております。
これらのことを踏まえて、今後、緊急時に特に訪日外国人旅行者に、速やかに必要な情報を伝達できる、その仕組みづくりについて検討してまいりたいと考えております。
次に、自主防災組織の育成・強化の推進につきましては、大規模災害発生時、消防や警察などの防災機関が全ての災害現場に向かうことは難しく、このようなときに力を発揮するのが、自助と共助であります。
自助は自分の命は自分で守るという考えのもと、みずから行えるものでありますが、共助は周りの人とともに助け合うという点では、町会などが主体で行うことが有効であると考えております。
このようなことから、本市におきましては、自主防災組織が一団体でも多く結成され、またその育成が進むよう、総連合町会と連携し、引き続き取り組んでまいります。
○議長(鈴木喜明)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)2番、千葉美幸議員。
(2番千葉美幸議員登壇)
○2番(千葉美幸議員)3項目め、除排雪に関連して、質問いたします。
前市長の行った除排雪に関する変更は、議会との十分な議論や検証が不十分なまま、基準や制度が改変されました。それら全てを否定するつもりはありませんが、中には企業や市民生活に大きな影響を与えたものもあります。
平成27年度に行った地域総合除雪業務の入札に参加可能なJV構成員数を2企業から当初4企業にすると強行に進め、結果入札が不調に終わり、降雪ぎりぎりまでステーションが決まらない事態となりました。
また、JV代表者等の要件変更は、除雪作業経験がない業者まで入札に参加できるようになり、市民の安心・安全が守られるのかどうか、議会議論の声も届かないまま変更、排雪では道路脇の雪山が大きくなり、これ以上除雪による対応が困難になった時点で必要な箇所の排雪作業を行うとし、排雪作業の実施に至るまでの協議にも時間を要し、地域の事情をよく知っている町会役員の方々からは、道路の雪山の危険な状況に対して極めて厳しい御意見、苦情が出た3年間でした。
迫市長は、選挙戦で除排雪の問題にも触れ、悪いものはもとに戻すと訴え、先日の市政執行方針の中で、「除雪対策本部を早期に設置し、早目に降雪シーズンに備えるとともに、バス路線やスクールゾーンを優先するなど、市民の皆様に納得いただける除排雪に努めます」と述べられております。そこで、以下、伺います。
初めに地域総合除雪業務の入札を今月末に控え、共同企業体の入札参加申請の受け付けが始まり、今年度の共同企業体除雪業務代表者要件を変更しています。この変更についてスピード感を持って対応していただいたことに、我が党としては評価しているところです。まず、変更した内容と、その理由についてお示し願います。
また、今後も共同企業体除雪業務の要件などについて、見直しや変更を考えている点はあるのかお示しください。
次に、地域総合除雪業務の拠点、いわゆるステーションの数についてです。平成27年度に第2、第3ステーションの担当区域を再編し、六つのステーションから、七つのステーションに増加させています。この件について、除排雪の依頼や苦情など、市民の声や各ステーションの除雪作業の完了時間などを検証し、今年度もさらにステーションをふやす考えもあったように聞いています。迫市長は、ステーションの数についてどのようにお考えでしょうか。理由についてもお聞かせ願います。
次に、小樽建設事業協会から平成30年度以降の除排雪業務について要望書が提出されたと伺いました。この3年間は冬の市民生活を守ってくださっている業界などと、前市長の信頼関係は築かれないまま過ぎたように思います。今回の要望について迫市長はどのように対応していくとお考えでしょうか。見解を伺います。
次に、排雪量についてです。今年度の排雪量の設定は昨年度の設定に比べ、16万3,000立方メートル増の約50万立方メートルとしています。今年度の排雪作業について平成27年度から行われてきた、排雪作業の方針の違いについて説明願います。
また、排雪量の増加分で排雪経費は予算上幾らになるのかお示しください。排雪については先ほども少し触れましたが、市民からの要望・苦情が多く、市民生活に影響が出ないよう配慮しなければなりません。
一方、雪の降り方によっては、排雪経費の大幅な増加が本市財政に与える影響が懸念されます。今年度は平成27年度以降に新たに始めた地域総合除雪の取り組みを一部取りやめ、第2種路線の出動基準については10センチメートルから15センチメートルに戻し、財源を確保するとのことです。
今後、その他の取り組みを含め、見直ししていくお考えなのか、見直すとすれば、どの取り組みと考えているのか、理由についてもお示し願います。
次に、雪堆積場についてです。
昨年度に提案のあった塩谷4丁目の雪堆積場は納得できる理由がないため、議会から認められず見送られました。今年度は新市長のもとで、その場所は取りやめ、天神2丁目雪堆積場と旧最上小学校雪堆積場を開設する予定です。まず、塩谷4丁目雪堆積場を取りやめた理由についてお聞かせ願います。
また、雪堆積場については、現在利用している場所で、今後も継続して利用できるとは限らない場所もあり、懸念しています。雪堆積場の確保について今後どのように取り組んでいかれるのかお示しください。
次に、貸出ダンプ制度についてです。貸出ダンプ制度は平成28年度から集合住宅と雪堆積場の取り扱いや、対象となる道路、申込書の業者による提出を認めないなど、一部変更がありました。この貸出ダンプ制度については、特例を認めてきた中で、事業費が予算額を大きく超えている状況について、今後も議会議論は必要と考えますが、制度の見直しは、自主的に生活道路の排雪を行う利用団体等に大きな影響を与えています。
そこで伺いますが、市民からは、救急車や灯油運搬車両などが通行できず、冬期間の生活に大きな支障が出たとの声もあります。雪堆積場の排雪が対象外となった見直しについて、迫市長はどのようにお考えですか。今後の対応策も含めお示し願います。
また、この貸出ダンプ制度について、市長の認識と今後の制度のあり方について、お考えをお聞きいたします。
最後に、市長が市政執行方針でおっしゃった、「市民の皆様に納得いただける除排雪に努めます」についてです。
除排雪についての市民要望や苦情は多く、全てに応えることは財政的に難しいところであります。これをなぜ、満足や理解ではなく、納得という言葉になさったのでしょうか。また市民に、納得していただける除排雪を今後どのように取り組まれるのか、最後にお聞きいたします。
以上、3項目めの質問を終わります。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、除排雪に関連して御質問がありました。
初めに、共同企業体除雪業務代表者要件の変更につきましては、経営状況分析評点Yに相当する点数が700点以上の者の条件は削除し、本市発注の共同企業体除雪業務の履行実績があることを条件に加えました。
私としましては、公共事業として公道上での安全な除雪作業を履行でき、地域の地形等の状況を熟知し、また共同企業体の組織運営能力を有している建設業の事業者が共同企業体の代表者であるべきと考えたためであります。
共同企業体除雪業務の要件などにつきましては、今後検証を行い、除雪事業者の御意見も参考にしながら、見直しが必要となった場合は適正に判断してまいります。
次に、除雪ステーションの数につきましては、本年度については、七つのステーションの体制を維持したいと考えておりますが、今後、除排雪の検証を行い、市民の皆様や除雪事業者の御意見も聞きながら、見直しが必要と判断した場合は、適正なステーション体制を構築してまいりたいと考えております。
次に、建設事業協会からの要望につきましては、今後の除排雪業務の再構築に当たっては、市民を初め除排雪業務を担う業界等の意見、要望等を十分に把握の上、着実に進めてほしいとの要望がありました。
私といたしましては、除雪に限らず、まちづくりを進めるに当たり、市民の皆様の声に耳を傾けることが大切であると考えておりますので、この要望を真摯に受けとめ、除雪事業者の御意見も聞きながら、市民の皆様に納得していただける除排雪を目指してまいりたいと考えております。
次に、今年度と27年度から3年間の排雪作業の方針の違いにつきましては、これまでは道路脇の雪山が高くなり、これ以上除雪による対応が困難になった時点で排雪の判断をしていたものと認識しておりますが、私といたしましては、今年度からバス路線と小・中学校周辺の通学路など、主要な路線を優先し、計画的、効率的な排雪を進めるため、排雪の決定を迅速に判断してまいりたいと考えております。
また、排雪量増加分の予算上の排雪経費につきましては、積算上、約1億500万円を見込んだところであります。
次に、除排雪についての取り組みの見直しにつきましては、これまでの除排雪業務の検証を進める中で判断してまいりたいと考えております。冬の安全で安心な市民生活を支えるために、どのような施策が必要となるのか、市民の皆さんの声をしっかりとお聞きしながら、除排雪の取り組みを進めてまいりたいと考えております。
次に、雪堆積場につきましては、塩谷4丁目雪堆積場の開設は中央ふ頭基部雪処理場の負担を軽減するためでありましたが、新たな雪堆積場として奥沢水源地前の広場を使用する天神2丁目雪堆積場と、昨年廃校となりました最上小学校グラウンドを使用する旧最上小学校雪堆積場の2カ所を開設する予定であることから、中央ふ頭基部雪処理場の負担軽減が図られると考え、見送ることといたしました。
また、今後の雪堆積場の確保につきましては、町会等への聞き取り、現地のパトロール等により、雪堆積場として利用可能か確認を行うなど、今後においても雪堆積場の確保に努めてまいりたいと考えております。
次に、貸出ダンプ制度につきましては、雪堆積場の排雪につきましては、本制度が長年の運用の中で特例が拡大解釈され、本来対象外である道路以外の雪が排雪されるようになってきたことから、生活道路の交通を確保するという制度の原点に立ち返り、公平に活用されるよう見直しを行ったものと認識しております。
しかしながら、私といたしましては、貸出ダンプ制度について、市民の皆様から、さまざまな御意見や御要望があることは承知しておりますので、今後の本制度のあり方について、市民との協働による事業の将来を見据えながら、検討してまいりたいと考えております。
次に、市民に納得していただける除排雪につきましては、高齢化、除雪業務の担い手不足、厳しい財政状況など、本市を取り巻く状況を勘案しながら、冬の安全で安心な市民生活を支えていくため、市民の皆様や除雪事業者の声をしっかりと聞いた上で、納得していただける除排雪に取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(鈴木喜明)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)2番、千葉美幸議員。
(2番千葉美幸議員登壇)
○2番(千葉美幸議員)次に、観光振興について伺います。
観光振興への取り組みは、迫市長が所信表明で述べた、経済と生活の好循環を生み出します。2016年の観光庁の発表によりますと、定住人口1人当たりの年間消費額124万円は旅行者の消費に換算すると、外国人旅行者8人分、または国内の宿泊旅行者25人分、または国内日帰り79人分に当たるそうです。この数字からも、観光による交流人口の増加で、本市の人口減少による影響を緩和させ、地域の活性化につなげていく取り組みが必要です。
そこで、初めに小樽版DMO等について伺います。観光庁が観光地経営の視点に立ち、多様な関係者と連携しながら、戦略的に観光地域づくりを推進していく組織である日本版DMOですが、地方創生の実現に向けて、本市では自立した観光地経営を行う、新たな主体となる小樽版DMOの設立に向け進んでいると認識しています。
まず、設立に向けた進捗はどのようになっているのかお聞かせ願います。平成30年7月31日現在、道内では候補法人も含め13団体が登録していますが、小樽市は法人として登録に至っていない理由について、課題も含め説明してください。
また、DMOを設立するメリットと、登録するメリットをどのように捉えているのかお聞かせ願います。観光振興の現場は、訪日外国人の急増によって大きく変わりましたが、その変化スピードに対応していくことが求められています。
今までのように、行政と観光協会等の組織だけでは限界があり、観光地経営、稼ぐ力を多様な関係者と連携していくことが重要だと考えます。このため、小樽版DMOの設立に向け、スピード感を持って推進していただきたいと思いますが、市長の見解をお聞かせ願います。
次に、観光振興について市長は所信表明で、歴史的な町並みを生かすことや、旧国鉄手宮線、北運河と第3号ふ頭を一体的に整備すること、クルーズ客船の誘致などさまざま上げられましたが、今後どのような取り組みを重点的に推進されようとしているのか、市長の御所見をお聞かせ願います。
また、財源をどのように確保していくのか、市長のお考えをお聞きいたします。
次に日本遺産追加認定と、北前船寄港地フォーラムの本市での開催について伺います。
本年5月24日、平成29年度の日本遺産として函館市など11市町が認定された、「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」に、新たに小樽市を含む、全国27市町が認定追加され、認定自治体が合わせて全国で38自治体となりました。
まず、この追加認定について迫市長の受けとめ方をお示しください。
次に、今回小樽市から構成文化財として、いずれもこれまで文化財として指定も登録もされていない、日和山、旧北浜地区倉庫群、旧魁陽亭、住吉神社奉納物、船絵馬群、北前船関係古写真、西川家文書の7件が新しく選ばれましたが、その主な理由とストーリー全体における意義や役割についてお示しください。
そして、このストーリーの中では、今回の追加認定で小樽市から構成文化財として取り入れられている、神社に奉納された船の絵馬や模型と並んで、京など遠方に起源がある祭礼や、節回しの似た民謡が触れられています。それらの例として小樽市には文化財として指定を受けている高島越後踊りなどが、逆に構成文化財として選ばれなかった理由について、わかればお示しください。
次に、ある意味では日本遺産の眼目とも言える、交流人口の拡大など、観光や産業振興への波及効果を生み出す取り組みについてでありますが、今回認定された構成文化財などを生かして、具体的にどのような取り組みが考えられるのか、また実際に考えているのかお示し願います。
その第一歩となるのが、平成31年度における、本市での北前船寄港地フォーラムの開催であります。このフォーラムには、観光庁など、関係官庁を初め、観光情報の発信元となる文化人や芸術家、陸海空の運輸交通各社、旅行代理店、宿泊・飲食・物販等、いわゆる観光事業者など、北前船やその寄港地にかかわる人や情報が全国レベルで交流する貴重なイベントであります。日程、会場、主催団体の構成や運営体制、協力や支援組織づくりなど、現時点でわかる範囲でお示しください。
今回、同時に追加認定となった石狩市とは、今後いろいろな面で協力関係を築いていく必要がありますが、今回の寄港地フォーラムに関しての連携行事など、考えられているものがあればお示し願います。
以上、4項目めの質問を終わります。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、観光振興について御質問がありました。
初めに、小樽版DMOなどについてですが、まず、小樽版DMOの設立に向けた進捗につきましては、平成29年度から観光振興室と観光協会が同一の建物で密に情報を共有しつつ、協働して業務を進めております。それと同時に、それぞれの事業の洗い出しのほか、観光協会の安定財源確保に向けた収益事業などについて、協議を進めているところであります。
次に、日本版DMO候補法人登録に至っていない理由につきましては、DMO法人の本登録の要件である、観光地域づくりの多様な関係者との合意形成や、データ収集・分析等の専門人材の育成・確保、安定的な運営資金の確保などの課題の解消について、一定の目途が立っていないことから、その前段階である候補法人登録の申請に至っていないものであります。
次に、DMO設立のメリットにつきましては、国土交通省や内閣府、経済産業省を初めとする国の機関からの交付金、補助金が受けやすくなるとともに、データ収集や分析等の専門人材の登用により、地域資源の付加価値を高め、地域経済に潤いをもたらすことなどが考えられます。
また、候補法人登録は、DMOを目指す法人の第一段階の手続でありますが、メリットとしてはDMOの本登録に向けて地域の機運が高まることが挙げられます。
次に、小樽版DMOの設立に向けた見解につきましては、まずは観光協会の組織体制の強化を図るとともに、商工会議所や物産協会などの関係団体の意見も聞きながら、将来の観光地経営を見据えた、本市ならではの収益モデルの試行など、次のステップに向けてできることから進めてまいりたいと考えております。
次に、観光振興施策のうち、重点的に推進する取り組みにつきましては、まずはクルーズ客船の誘致、商店街や市場の特性を生かした魅力づくりを初めとするソフト事業を進めながら、新たな観光拠点の創出に向け、市民や経済界などの意見も聞き、第3号ふ頭周辺一帯の整備に取り組んでまいりたいと考えております。
また、その財源については、可能な限り国や北海道の補助金等のメニューを活用するとともに、特にハード事業では国の支援はもとより、民間の活力も取り入れてまいりたいと考えております。
次に、日本遺産追加認定と北前船寄港地フォーラムの本市での開催についてですが、まず、日本遺産追加認定についての受けとめ方につきましては、日本遺産の取り組みは私が教育部長在任中、総合戦略に位置づけて進めることを打ち出すなど、立ち上げ段階にかかわったことから、思い入れのある事業の一つです。このたびの追加認定を非常に喜ばしく思うとともに、北前船をキーワードとしたまちづくりに民間の皆さんとともに取り組んでまいりたいと考えております。
次に、構成文化財7件が選ばれた主な理由と、ストーリー全体における意義や役割につきましては、まず、構成文化財7件が選ばれた理由につきましては、既に平成29年度に認定されている北前船の日本遺産ストーリーでは、その中で、北前船で発展した港町には、蔵などの大規模な建物、小路が海に向かう特徴的な町割り、花街や日和を見た小高い山、航海の安全を祈った神社仏閣などがあるとされており、本市ではこの7件が構成文化財に合致したことから認定されたものであります。
次に、ストーリー全体における意義や役割につきましては、本市にはストーリーに合致する町並みや文化財が現存しているということで、寄港地であった証としての意義を持っております。また本市は、明治時代からの寄港地のため、北前船に関連した古い写真、古写真と言っておりますけれども、この古写真が残っていることや、北前船主が建造した旧北浜地区倉庫群は北海道の物流の要であった本市の役割を特徴的に示しているという点で、ストーリーにおいて重要な役割を果たしていると考えております。
次に、高島越後踊りなどが選ばれなかった理由につきましては、本市といたしましては、北前船の寄港地、船主集落の自治体等で構成される北前船日本遺産推進協議会追加検討部会に対し、本市の構成文化財として高島越後踊りのほか、住吉神社の太々神楽も含めて提出いたしましたが、民謡などの芸能は船乗りによって伝わったという観点が必要とされ、移住して来られた方々が伝えたものや、神職等が伝えたと言われているものについては、部会での検討の中で構成文化財には含めないことと整理されたものであります。
次に、交流人口拡大や産業振興への波及効果を生み出す具体的な取り組みにつきましては、交流人口拡大に結びつけるため、本市の学芸員が北前船と本市のかかわりを東京のカルチャー教室で講義し、受講者にツアーで来ていただくほか、東京渋谷で開催される寄港地各地の産品を試食するイベントに本市からも出品し、それらの取り組みを通じて本市の魅力を発信し、観光客の誘致につなげてまいりたいと考えております。
また、市内では北前船をモチーフとした菓子や水産加工品、ワインなどの商品開発が民間企業の御協力により実現しており、今後さらに産業振興に波及する取り組みも進めてまいります。
次に、北前船寄港地フォーラムにつきましては、航空、鉄道、旅行などに関する企業などで構成される、北前船交流拡大機構の要請を受け、開催に向け準備を進めておりますが、日程、会場など、具体的な内容について、現時点ではお示しできる状況にありませんが、今後、商工会議所など各団体の御協力をいただきながら、実行委員会を組織し、来年秋の開催に向け、さらに準備を進めてまいりたいと考えております。
次に、石狩市との連携行事につきましては、北前船交流拡大機構からは、北前船寄港地フォーラムを石狩市と連携して開催してはどうかとの打診があり、今後、同市とどのような連携ができるか協議してまいりたいと考えております。
○議長(鈴木喜明)次に、5項目めの質問に入ります。
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)2番、千葉美幸議員。
(2番千葉美幸議員登壇)
○2番(千葉美幸議員)5項目め、子育て支援策について伺います。
初めに、子育て世代包括支援センターについてです。市長は安心して子供を産み、育てることができ、全ての子供たちが能力や可能性を発揮できるまちを目指すとしています。
我が党は、妊娠から出産に至るまで、切れ目ない支援が必要との観点で、今まで子育て支援の充実を訴えてきましたが、市長が述べた子育て世代包括支援センターの設置について、以下お伺いいたします。
まず、センターについて、母子保健に関する専門的な支援機能及び子育て支援に関する支援機能を有することが前提となっていますが、本市が考えるセンターは利用者支援事業の母子保健型と基本型をどのような体制で行おうと考えているのかお示し願います。
また、子育て世代包括支援センターには保健師等を1名以上配置することに加え、社会福祉士、ソーシャルワーカーなど、福祉職を配置することが望ましいとも言われています。本市のマンパワーの確保は可能でしょうか、お示しください。
さらに、設置に当たり課題があればお聞かせ願います。
子育てや健康に関して相談できる子育て世代包括支援センターの設置は安心・安全な出産、子育てにつながり、産後うつの重篤化や児童虐待の予防にも寄与できることから、早期に設置を要望いたしますが、市長の見解をお聞かせ願います。
次に、小児がんについて伺います。我が国では、小児の死亡原因の第1位はがんで、白血病、脳腫瘍、悪性リンパ腫などが多く、小児がんの患者と家族は発育や教育への対応など、成人のがん患者とは異なる課題を抱えています。小児がんの発症数は年間に2,000人から2,500人で罹患者数は少ないとはいえ、小児がんを扱う医療施設は、全国に200程度しかなく、多くの医療機関では小児がんに対する医療経験の乏しい中、国では昨年より全国15カ所に小児がん拠点病院を指定し、質の高い医療の提供と相談体制の充実を図っているそうです。
そこで、お伺いいたします。道内では、北海道大学病院が小児がん拠点病院となっていますが、子育て世代への小児がん拠点病院の周知はどのように行われているのかお示し願います。
国立がんセンターは本年5月にゼロ歳から14歳の小児と、15歳から39歳のAYA世代の若年層が1年間にがんと診断される率を発表しました。データは27府県の2009年から2011年を集計し、若い世代が1年間にがんを発症し、診断される罹患率を算出したもので、それによりますと、全国の罹患者数の推計でゼロ歳から14歳までの罹患率は人口10万人当たり12.3人でした。
そこで、お伺いいたします。本市では罹患率の統計がないということでありますので、小児がんの現状について過去5年間の死亡者数についてお示し願います。
小児がんは大人のがんと異なり、予防が難しく、特別な症状がほとんどないため、風邪の症状や痛みなどが長く続くなどして、医療機関を受診し、検査で発見されるケースが少なくないと聞きます。そのため、早く子供の異変に気づき、早期発見につなげることが大切です。
そこで、お伺いいたします。小樽市では小児がんの早期発見のために、どのような取り組みをされているのかお示し願います。
また、小児がんの中には、網膜芽細胞腫という目のがんがあります。発症は出生時、1.5万人から1.6万人に1人と少ないがんですが、このがんは5歳までに95%が診断され、その多くは家族が子供の目の異常に気づき、受診に至っているそうです。素人でも病状に気づきやすい小児がんとも言え、腫瘍が眼球内にとどまっている場合、眼球を摘出しないで可能な限り残す方針で治療することが多いそうです。そのためには、早期発見が重要なことは言うまでもありません。他市の我が党の議員がお話を伺った子供は、1歳半のときに診断を受け、進行していたため片眼摘出を選択しなければならなかったそうです。
そこで、お伺いいたします。網膜芽細胞腫は白色瞳孔や斜視の症状があらわれるため、これを見逃さないための本市の取り組み状況についてお示し願います。
また、小児慢性特定疾患である網膜芽細胞腫の周知に努めていただきたいと思いますが、お答え願います。
以上、5項目めの質問を終わります。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、子育て支援策について御質問がありました。
初めに、子育て世代包括支援センターについてですが、まず本市が考えるセンターの実施体制につきましては、利用者支援事業、母子保健型として、保健所において妊産婦及び乳幼児の実態を把握し、妊娠、出産、子育てに関する各種相談を受け、必要に応じて個別に支援プランを策定します。
また、基本型として、子育て支援室において、保健、医療、福祉、教育等の関係機関との課題解決に向けた連絡調整や利用者に対し、情報提供を行います。
これにより、保健所と子育て支援室が連携した体制で、妊娠期から子育て期にわたる包括的かつ切れ目のない支援を行うことを考えております。
次にセンター開設の職員の確保につきましては、子育て支援室には児童虐待にかかわる各種相談に対応するため、既に社会福祉士や保育士などの福祉職が配置されており、本年度より利用者支援専門員を新たに配置し、利用者支援事業基本型を開始しております。
利用者支援事業母子保健型については未実施ですが、実施に向けて保健師の確保等、引き続き検討してまいります。
次に、センター開設に当たっての課題につきましては、センターは利用者支援事業母子保健型と基本型が連携することにより、開設が可能となります。必ずしも同一施設内に開設する必要はありませんが、本市においては母子保健型を担当する保健所と、基本型を担当する子育て支援室が離れていることから、連携方法について工夫が必要であると考えております。
次に、センターの早期開設に当たっての私の見解につきましては、公約に掲げておりますとおり、子育て世帯に寄り添い、安心して産み育てる環境づくりのためには、妊娠期から子育て期に至るまで切れ目のない支援が大切であり、センターの設置は必要であると考えております。センターの開設に当たってはより効率的に支援を行えるよう、さまざまな角度から検討し、早期に開設できるよう取り組んでまいります。
次に、小児がんについてですが、まず子育て世代に対する小児がん拠点病院の周知につきましては、小児がん拠点病院である北海道大学病院や北海道立子ども総合医療・療育センターのホームページにおきまして、治療などに関する情報が提供されておりますが、本市においては周知を行っておりませんでしたので、今後は保健所において、情報の提供に努めてまいります。
次に、本市における小児がんの過去5年間の死亡者数につきましては、平成24年ゼロ名、25年1名、26年ゼロ名、27年1名、28年ゼロ名となっています。
次に、本市における小児がん早期発見のための取り組みにつきましては、保健所で実施している育児相談や乳幼児健康診査などにおいて、健康状態の確認を行い、長く続く症状がある場合には、医療機関を受診するよう勧めております。
次に、網膜芽細胞腫を見逃さないための本市の取り組み状況につきましては、10カ月児健康診査や1歳6カ月児健康診査において配布する保護者問診票に、白色瞳孔などの項目を含め、網膜芽細胞腫を早期に発見できるよう努めております。
次に、網膜芽細胞腫の周知につきましては、網膜芽細胞腫は早期に発見することで、子供や家族の負担を軽減する治療を行うことができることから、引き続き育児相談や乳幼児健康診査の機会を通じて周知するとともに、今後は市ホームページなどにおいても周知に努めてまいります。
○議長(鈴木喜明)次に、第6項目めの質問に入ります。
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)2番、千葉美幸議員。
(2番千葉美幸議員登壇)
○2番(千葉美幸議員)6項目め、小・中学校の再編計画に関連して伺います。
初めに、国立小樽海上技術学校の存続についてです。本市では小樽海上技術学校の存続に向け、オール小樽で取り組み、本年5月には海技教育機構と国土交通省海事局に本市の方策について文書を渡し、本市が提案した二つの案について、回答が送付されてきました。
機構からは閉校後の小樽商業高校での存続案に絞って今後の協議をしていきたいとの内容です。そこで、以下、伺います。
1点目、北海道唯一の学校であることや、回答のあった移転先が道立高校であることから、北海道との連携・協力が不可欠と考えますが、今後の対応についてお示し願います。
2点目に、回答文書の内容から存続の結論を出すには、本市の提供条件も鍵となっています。本市が今まで示してきた提供条件と、学校存続のために示そうと考えている条件について、お考えがあればお聞かせ願います。
次に、本市の学校施設の耐震化について伺います。本市の小・中学校の耐震化率は平成30年4月1日付、81.3%でした。しかし、昨年4月現在の全国98.8%、全道94.4%と比べ、低い状況が続いています。本市の耐震化がおくれている理由の一つに、学校再編の進捗状況を見ながら行ってきた経緯があり、市内には耐震診断が行われていない小・中学校が各2校、耐震診断でIs値が低いとされているが改修工事の見通しが立っていない小・中学校が各1校ある状況です。
第2回定例会学校適正配置等調査特別委員会では学校施設の耐震化について、前期の基本計画の点検結果を踏まえ、今後の考え方を整理していくとの答弁でした。しかし、先日の北海道胆振東部を襲った震度7の地震で、隣接する札幌市の被害状況を見ても、学校施設の耐震化について早急に進めなくてはならないと考えます。
そこで、市長にお伺いいたします。小・中学校施設の耐震化の推進について、どのような見解をお持ちでしょうか。お聞かせ願います。
次に、学校再編について伺います。市長の市民へのお約束の中に、「少子化に伴う小・中学校の統廃合の考え方を示した適正配置基本計画を社会状況や教育環境の変化、さらには、地域における学校の役割などまちづくりの観点を踏まえて議論します」とあります。
現在、本市の計画は平成22年度から昨年度までの前期計画期間が終わり、「小樽市立小中学校学校規模・学校配置適正化基本計画」計画期間前期の点検結果についてが6月に示されたところです。
この中では、今後の学校再編の考え方について、少子化が進行する中にあっても、できるだけ教育環境を整え、児童・生徒にとって魅力ある学校づくりを進める必要があるとされ、これは基本計画の目的でもあり、学校再編の考え方で議論がされてきたと認識しています。
市長が言われる、まちづくりの観点を踏まえた議論が加わるとすれば、前期計画で未実施の学校や後期計画に少なからず影響があると考えます。そこで、以下、伺います。
一つ目に、市長が考えるまちづくりの観点を、今後の学校再編の進め方に加えるのかについて、理由も含め説明願います。
2点目に、平成30年度から始まっている後期計画を進めるに当たり、学校再編をどのようにお考えか、計画の進め方も含めお聞かせ願います。
この項の最後に、置き勉について伺います。文部科学省は先月、通学時における子供の荷物が重過ぎる問題に対して、実際に工夫例を示し、各教育委員会に通知されたと報道がありました。
教科書協会が2017年に行った調査によると、小・中学校の主要教科の平均的なページ数は、2002年に小学校は3,090ページ、中学校は2,711ページでしたが、脱ゆとり教育後は小学校は4,896ページ、中学校は4,182ページと、それぞれ1.5倍程度ふえているそうです。
本市では学校再編が進み、通学距離がふえたことで、統合についてのアンケート調査の中に、「教科書類が重い。歩く距離が長いので大変」という保護者の声もありました。そこで、お伺いいたします。
重い荷物を背負っての通学がもたらす健康への影響について、教育長はどのようにお考えでしょうか。御所見をお伺いいたします。
本市では、以前から通学時の負担軽減に、いわゆる置き勉について各学校が取り組みを進めていると伺っております。その取り組みの状況と今後の課題についてお示し願います。
以上、全ての項目の再質問を留保し質問を終わります。(拍手)
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、小・中学校の再編計画に関連して御質問がありました。
初めに、国立小樽海上技術学校の存続についてですが、まず北海道との連携・協力に関する今後の対応につきましては、海上技術学校は北海道で唯一の船員養成の学校であることから、本市のみならず北海道全体にとっても必要な学校であるという認識のもと、北海道に対しては本市と連携した同校存続に向けた取り組みや、海技教育機構が移転先候補として選択した小樽商業高校の譲渡について、オール小樽で要請してまいりたいと考えております。
次に、今まで海技教育機構側に示してきた提供条件と、今後、学校存続のために示そうと考えている条件につきましては、本年5月25日に示した本市の方策では、小樽商業高校を選択された場合は、まずは北海道に譲渡をしていただくよう要請を行うこととしておりました。また、本市が譲り受けることとなった際には、施設の改修や維持管理に係る費用においては、使用者が負担することとし、提供方法においては、北海道からの取得条件によるため、別途協議させていただくこととしておりました。
今後につきましても、この考え方をもとに進めたいと考えておりますが、本市の財政状況や同機構との協議を踏まえながら、存続決定に向け、よりよい条件を示せるよう、北海道へ協力要請してまいりたいと考えております。
次に、本市の小・中学校施設の耐震化につきましては、これまで教育委員会において、適正化基本計画に基づき、学校再編に合わせて実施してきたものと認識しております。私といたしましても、学校施設の耐震化は児童・生徒の安全・安心の確保や、避難所機能の観点からも必要であると考えておりますので、今後の進め方については、改めて教育委員会と協議してまいりたいと考えております。
次に、学校再編についてですが、まちづくりの観点と今後の学校再編の進め方につきましては、学校再編については、これまでも教育委員会において、子供たちの教育環境向上のため、適正化基本計画に基づき進めてきているものと承知しておりますが、災害に対する備えなど、地域の側が求める学校の姿もあると考えております。
このため、学校の再編については、子供たちの教育環境と、まちづくりの両方の観点から考えたいと思っておりますので、今後、教育委員会と協議してまいりたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)教育長。
○教育長(林秀樹)千葉議員の御質問にお答えをいたします。ただいま、小・中学校の再編計画に関連して、御質問がございました。
初めに、学校再編についてでございますが、後期計画を進めるに当たり、学校再編をどのように考えているのか、計画の進め方をどうするのかにつきましては、先の第2回定例会、学校適正配置等調査特別委員会において、「小樽市立小中学校学校規模・学校配置適正化基本計画」計画期間前期の点検結果についてで示しております、前期の再編による成果と課題を踏まえ、望ましい学校規模の考え方や地域との連携のあり方、本市の教育環境の整備充実、国の教育施策の動向などを総合的に考慮し、計画が目的とする児童・生徒のよりよい教育環境づくりに向け、今後の進め方を含めた検討を行っているところでございます。
次に、学用品等を学校に置いて帰る、いわゆる置き勉についてでありますが、まず、重い荷物を背負って通学することによる児童・生徒の健康への影響につきましては、国や関係機関から情報の提供はございませんが、かばんが重くなることで猫背ぎみになることなど、姿勢が悪くなり背骨が傾くこともあるとの報道もございまして、児童・生徒の身体の健やかな発達に影響が生じかねないことを懸念しているところでございます。
次に、各学校における置き勉の取り組み状況と、今後の課題につきましては、本市におきましては、全ての小・中学校で日常的に学校に置けるものを定めるなどの取り組みを行っており、置けるものは学校により異なりますが、授業時間の少ない教科の教科書や辞典、資料集、絵の具セットなどとなっております。
また、学期始めや学期末には、持ち物は複数回に分けて持ち帰るよう指導をしております。今後の課題といたしましては、学校に置けるものをふやすことにより、児童・生徒の家庭学習に支障がないようにすることや、学校に置いておく際の管理への配慮が上げられると考えております。
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)2番、千葉美幸議員。
○2番(千葉美幸議員)それでは、再質問させていただきます。
初めに、市政の見える化について、市長から御答弁がありました。いろいろな情報を共有するためにも、具体的に伝えていくという御答弁だったと思うのですが、これを伝えるのには、例えばホームページ上なのか、それとも直接対話の重視を訴えられていますので、その中で伝えていくのか、その辺について、いま一度具体的な事例を出して、お伺いをしたいと思います。
それと次に、財政のところで、今回、財政調整基金が大幅に減額になったというところの理由の一つに、除雪費の国庫補助金が2億1,000万円ほど減額になったということで、この減額された要因というのは一体何なのか、これもお示し願いたいと思います。
次に、防災対策の件であります。FMおたるの件でありますけれども、基地局をつくるにも非常に多額の費用がかかるということでありましたが、国等で何か使える補助もないのかどうか調べていただきたいのと、多額の費用というのは、どのくらいかかるのかということがもしわかれば、お示しを願いたいというふうに思います。
私としては、本当にFMおたるを聞けなかった地域からは、何も情報がなかったというお話でしたし、車に乗っていても塩谷あたりから、また張碓、銭函地域に入りますと、雑音が入って聞こえにくいという状況がありまして、非常に重要なことだと思いますので、この件についてもまたお話を伺わせていただきたいと思います。
次に観光客、この案内所の開設についても質問をさせていただきました。先ほど、中村吉宏議員の質問の答弁では、近くにあれば速やかに避難所に避難できるという体制を整えるというお話でしたけれども、まずその避難所がどこなのかですとか、どうやったら避難できるのかという情報を、しっかりと伝える場所がまず必要であると思いますので、この案内所の開設については、早急に設置をしていただきたいと思いますので、この取り組みについて再度御答弁をお願いいたします。
除排雪に関連して伺いますけれども、ステーションの数について、市長のお考えをお伺いしました。今後は必要と判断した場合に検討していくというお話でしたけれども、必要と判断するその要素というのは、どういうところにあるのか、これもお示し願いたいと思います。
次に、貸出ダンプ制度について伺います。貸出ダンプ制度、先ほども述べさせていただきましたが、非常に市民等、団体にも影響を与えたところで、先ほどの御答弁では、市民との協働ですとか、将来を見据えながら検討していくというお話でありましたけれども、この制度自体の話の中で、原点に立ち返ったのだというお話がありました。この原点に立ち返ったままで、その制度の見直しをしていくのか、それとも全く違う内容の制度、新たな制度をつくると考えているのか、その辺についてもお示し願えればと思います。
次に、観光振興策について、さまざまな取り組み、市長も考えていただいていますけれども、これは非常にハード的にも財源が必要だといったところで、先ほど北海道ですとか国ですとかというお話もございました。民間の活力についてお話もあったのですが、民間の活力というのは、具体的に市長がトップセールスをしに出向くのか、それとも何か違った手法での財源を集めようと考えておられるのか、その辺についてもお聞かせ願いたいと思います。
学校再編についてでありますけれども、今、市長からまちづくりの観点、その観点も入れて、両方の観点で考えていくということを、教育委員会とお話ししていくという御答弁だったのかと思いますが、実際にまちづくりの観点を入れる、加えるというふうになると、先ほど教育長から平成30年度から始まっている後期計画というのは、若干考え方も進め方も変わってくるのではないかと、私自身思いますので、教育長のお考え、もしこの観点が含まれるとしたら、変わるのかどうかも含めて見解をお聞かせ願いたいと思います。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
○市長(迫俊哉)千葉議員の再質問にお答えをいたします。
私からは市政の見える化、FMおたるの関係、観光客の避難所の問題、それから観光振興策、これについて答えさせていただきたいと思います。
市政の見える化の中で、ホームページを活用するのか、対話を重視するのか、そういった意味のお尋ねだったかと思いますが、いずれも考えていかなければならないと思っておりますけれども、やはり直接的に市民の皆さんのお話を聞きながらということになりますと、やはり直接対話をする、そういったことが望ましいと思っておりますし、そういった形で進めていきたいと思っております。
今も、こういった制度がありますけれども、今のままでいいのか、さらに改善を加えたほうがいいのか、そういったことについては、これから考えていきたいと思っておりますが、いずれにいたしましても、対話を重視するという形で、直接市民の皆さん、市民というのは経済界の皆さんも含んでということで御理解いただきたいと思いますけれども、対話を重視していきたいなというふうに思っております。
それから、防災の関係でFMおたるの活用についてということで、難聴地域があるということ、特に銭函地域、それから塩谷、張碓地域に情報が難聴地域のために今回届かなかったということでございますけれども、実は多額の費用についての金額は、直接今わかりませんけれども、当時私が総務部長時代のときから、何とかFMおたるの難聴地域を解消していきたいということで、いろいろな考え方を私どもの中でも議論しました。
やはりアンテナを立てなければ、この難聴地域というのは、解消できないということなのです。この難聴地域の解消ができないということについて、一人でも多くの皆さんにお伝えする方法は何かということで、インターネットを使った配信ということを善後策といいますか、次善策として、この方法を伝えたのですが、なかなかこのFMおたるの難聴地域の答弁、繰り返しになりますけれども、難聴地域の解消に当たっては非常に多額のお金がかかるという、当時の記憶もあります。いずれにいたしましても、FMおたるだけではなく、先ほど来お話ししておりますけれども、広報車の活動などによりまして、市民の皆様に的確に情報が伝わるような形で対応は考えていきたいなというふうに思っております。
それから、災害時の観光客の誘導について、避難所のお話がございましたが、先ほど中村吉宏議員の再質問の中でも、中心部に3カ所の避難所があるということでしたけれども、場所の問題もそうですし、非常に外国人観光客も多いということになりますと、多言語での表示、どのように誘導していくのかということもありますので、そういったことも含めて、市内中心部における、小樽にお越しいただいた観光客の避難のあり方というのは、総合的に改めて考えさせていただきたいなというふうに思っているところであります。
それから、観光振興策としての民間の活力をどのように使っていくのかということですけれども、ただお願いするだけでは民間の投資ということは、小樽に求めていくのは難しい問題なのだなというふうには思っております。そのためには、民間が小樽に投資をすることによって、民間がやはりメリットを感じなければいけないわけですから、そのメリットをどういった形であらわしていくのか、民間が小樽に投資していただくことによって、民間にとっても、小樽市にとっても、それぞれメリットがあるような、そういった理想的な形というのは、これからしっかりと考えていきたいなというふうに思っているところでございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)財政部長。
○財政部長(前田孝一)私からは、財政調整基金の残高の見込みが、第2回定例会当時と相違している部分についての再質問にお答えいたします。
先ほど、市長の本答弁で申しました、約2億1,000万円といいますのは、除排雪関係経費が増加した、歳出が増加したのと、それと国庫補助金が減になった、それを合わせて約2億1,000万円という数字でございまして、それをさらに内訳にいたしますと、事業費の増分が約1億3,200万円の増、それと特定財源の減の分、国庫支出金の減の分が約7,800万円ということで、合わせて約2億1,000万円が残高が減る要素になったということでございます。
この国庫補助金の減につきましては、当初予算の時点では、最終的には修正可決になりましたが、国の要望額ベースで見込んでございました。その後、国から内示がございまして、残念ながらこの社会資本整備総合交付金につきましては、なかなか要望どおりに国の内示がつかないような状況が続いてございまして、残念ながら今年度についても7,800万円ほど減で内示があった、そういうふうなことでございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)建設部長。
○建設部長(上石明)千葉議員の再質問にお答えいたします。私から除排雪に関連して、2点御質問がございました。まず1点目、ステーションの数についてですけれども、これは平成27年度から6ステーションから7ステーション化になりました。その当時、7ステーション化にした理由といいますか、検証を行って七つにしたという経過もございますので、改めてこの3年間の7ステーションの、要はふやしたことによってどういったことが、効果等があったのかという部分はしっかり検証したいと考えております。その中で、必要であれば改めてステーションの数については、考えてはいきたいというふうに考えております。
(「何も検証しないで7ステにしたんでしょうが」と呼ぶ者あり)
2点目の貸出ダンプ制度につきましては、議員のお話もあったとおりに、市民の協働、こういった事業について、今の制度を見直しをしていくのか、また、新たな制度をつくっていくのかということにつきましては、我々は現時点では方向性を定めているわけではございません。ただ、この貸出ダンプ制度というのは、要は市民の生活道路の除排雪の部分を担っていると、そういった中で重要な事業でありますので、これにつきましては、そういった二つ、現行制度の維持、そして新たな制度、新たな制度になりますと、他の市町村の事例等も参考にしていかないといけないと考えておりますので、そういったほうで両面を睨みながら今後検討していきたいというふうに考えております。
(「苦情、要望が多いからっていうだけで7ステーションにしたんじゃないですか」と呼ぶ者あり)
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明) 市長。
○市長(迫俊哉)一つ私から、漏れていたような感じがするのですけれども、FMおたるの難聴地域の解消の問題で、議員から国庫補助金という話もあったかと思うのですけれども、私の答弁は、私が総務部長を務めていたときの話でもありますので、改めて国の補助金もあるかどうか、幾らくらいかかるのかというのを調べて、検討させていただきたいなというふうに思います。
失礼いたしました。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)教育長。
○教育長(林秀樹)千葉議員の再質問にお答えをさせていただきます。千葉議員から、市長から学校再編に関連をしまして、まちづくりの観点についても再編の検討という答弁があったということで、教育委員会はどういうふうに考えるのかという御質問だと思いますが、先ほどお答えした中に、前期の点検結果の中でも学校と地域の連携ということにつきましては、項目として入れておりまして、今後の再編の進め方の観点の一つとして上げておりますけれども、市長の言うまちづくりの観点というのを、私のほうでは、今わかりませんので、市長が申し上げました、まちづくりの観点について、改めて市長のお考えをお聞きしてまいりたいというふうに思います。
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)2番、千葉美幸議員。
○2番(千葉美幸議員)詳しくは予算特別委員会等でお伺いしますが、最後に一点だけ、先ほどFMおたるの件で市長から御答弁いただいたのですけれども、先ほど、インターネット配信等というお話だったのですが、結局それを見られない方が、高齢者であったりするという視点も踏まえると、何か違う形でそういう高齢者、ラジオが聞けない、停電になれば電話もテレビも見られないという方がいることを考えますと、違った対策もしっかり考えていただきたいというふうに思いますが、その件を1点お伺いして、私の質問は終わりたいと思います。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
○市長(迫俊哉)千葉議員の再々質問にお答えいたしますけれども、確かに、いろいろなことを考えながら情報の伝達というのは進めていかなければなりませんし、やはりFMおたるの役割は大変重要だというふうに思っておりますけれども、それだけに頼ることはできないということも、私ども重々承知しております。どんな方法があるのか、いろいろと考えさせていただきたいと思っておりますけれども、今年度、実施設計をしている防災無線もありますけれども、そういったものも活用しながら、まずは多様な方法、どんなことができるのかどうか、特に災害弱者と言われている方々にしっかりと対応できるような対策というのは、考えていきたいなというふうに思っているところでございます。
○議長(鈴木喜明)以上をもって、本日の会派代表質問を終結し、本日はこれをもって散会いたします。
散会午後4時45分
会議録署名議員
小樽市議会 議 長 鈴 木 喜 明
議員 松 田 優 子
議員 濱 本 進