開議午後1時00分
○議長(鈴木喜明)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、秋元智憲議員、小貫元議員を御指名いたします。
日程第1「議案第1号ないし議案第41号並びに請願及び陳情並びに調査」を一括議題といたします。
これより、順次、委員長の報告を求めます。
まず、予算特別委員長の報告を求めます。
(「議長、25番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)25番、前田清貴議員。
(25番前田清貴議員登壇)(拍手)
○25番(前田清貴議員)予算特別委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
まず、議案第1号一般会計予算についての質疑としては、海岸線に防災行政無線を設置するための実施計画を行う防災関係経費900万円について、無線システムの種類はいろいろあるとのことだが、本市ではどのようなシステムを採用する予定なのか。また、そのシステムの特徴はどのようなものなのか。
市は、市内の海岸線に40基の屋外拡声子局を設置するとして、戸別受信装置との併用は考えていないという。しかし、これまで実施してきた訓練などでは、消防車等の音が屋内にいる人に聞こえなかったという話もあり、子局から放送をしても同様に聞こえないこともあり得ることから、市には無線設置後も検証を行い、必要があれば戸別受信装置との併用について検討してほしいと思うがどうか。
市交際費については、本市の財政状況が大変厳しいと市長みずからが自覚しながらも、前年度から約33%増額した100万円が計上されている。予算編成時に市長から各部局へ予算の2%削減を要請したにもかかわらず、自身の交際費だけ大幅に増額させるという市長の姿勢は到底理解できるものではなく、市政を運営する者として率先垂範した姿を示すならば、市長みずからが市交際費を減額修正し、議案を提出し直すべきと思うがどうか。
スウェーデン芸術祭の小樽市での開催に当たり、実行委員会への補助金が計上されているが、当該芸術祭が初開催であり、また、過去に類似の補助金支出の実績がないにもかかわらず、開催にかかわる総事業費の約3割を市が補助金として支出するというのは、疑問が残る。また、この芸術祭は日本とスウェーデンの外交交流150周年を記念した事業であるというが、本市が姉妹都市提携している2市を差し置いて、直接的なつながりのないスウェーデンとの芸術祭を開催することについて、市民の理解を得るのは簡単ではないと思うがどうか。
小樽市の大事な財産である、アイアンホース号の整備事業費1,400万円については、財源が全て基金繰入金であり、一般財源からの手当は一切ない。この基金繰入金のうち、社会教育振興資金基金からの900万円については、市が基金から約2,000万円を借用しているため残高約2,000万円から繰り出すことになるというが、市は基金から借り入れをしているにもかかわらず、一般財源で事業費の手当をしないというのは、市教委に対して非常に冷たい対応であると考えるがどうか。また、このような対応をするのであれば、せめて今年度の決算で剰余金が出た場合には、借入金を一括返済するなどの政治判断を市長はすべきと思うがどうか。
市は、銭函地区における水難救助体制の強化と、海水浴客の水難事故防止を図ることを目的に、水難救助員3名と救助用ボートを銭函地区の海岸に配置するため、平成30年度予算に水難救助体制整備事業費を計上したという。しかし、人命救助の大切さは理解するものの、海岸のパトロールは本来海上保安が行うものであり、市が海岸のパトロールを実施することは二重行政となるため、本事業は厳しい財政状況の中、市が取り入れるべき事業ではないと思うがどうか。また、市民からは不十分な除排雪により道幅が狭くなったことで、消防車や救急車が現場までたどり着けないことに対し、不満の声が上がっている。同じ人命救助なら、このような不満の声に対応することに重点を置くべきだと思うがどうか。
水難救助体制整備事業の実施に必要な人員については消防職員を充てるというが、市の消防職員数はただでさえ国の定める基準を満たしておらず、そのような状況の中で消防職員から人員を割くことは、結果として市の消防力低下につながってしまうおそれがあると思うがどうか。また、水難救助体制を整えること自体の必要性を否定するものではないが、一般的には、水難救助はあくまでも海上保安庁や警察が主体になって行うものであり、海岸の管理は北海道が主体になって行うものであることに鑑みると、市は関係機関と事前にしっかりと協議した上で進めるべきであったと思うがどうか。
消防職員の人命救助に対する崇高な使命感は理解でき、業務に必要であれば装備の更新や拡充を行うのは当然であるが、本事業を予算計上する前に警察や海上保安庁、北海道などと連携した活動を考えるべきであり、それらの機関との協議もないまま、特定の地区に水難救助員を常時配置することには唐突な印象が否めないがどうか。また、全国の消防を見ても類例がない本事業は、人命にかかわる以上責任が重く、途中で投げ出すわけにはいかないものであるから、消防本部として実施できるものなのか、慎重に検討すべきと思うがどうか。
市は、市内中心部における雇用確保、市内居住を促進することを目的として、IT関連企業等誘致促進補助金1,000万円を計上したが、この補助金の今年度の活用実績はゼロだったという。企業に利用してもらうには他市の補助金より優位性があるなど、企業にとって本市の補助金に本当にメリットがあり、魅力のあるものでなければならないと思うがどうか。
補助金の内容が、市としてIT関連企業をどうしても誘致したいというものであれば、誘致することを否定するつもりはないが、他市との間で比較優位性がない、通り一遍なことを漫然とやるのであれば、別な取り組みを行ったほうがよいと思うがどうか。
市はこれまでに、IT企業誘致に向けて東京事務所に企業誘致推進員を配置し、企業訪問などに取り組んできたというが、実際にIT企業からの相談や、現在協議が進められている案件はないという。当該補助金によって、本市がIT企業の誘致に積極的だと対外的にアピールでき、本市への進出を考える企業との折衝を円滑に行えるというメリットは理解できるが、硬直化する本市の財政状況を考えると、具体的なターゲットが定まっていない事業に対して多額の当初予算を計上するのではなく、企業との協議が進展した時点で補正予算を計上するというような対応はできないのか。
本事業において、市が誘致をもくろんでいるのはコールセンターであると思うが、市はコールセンターで必要とされるオペレーター業務などに関して、求職者の動向などを調査しているのか。また、そういった調査を行っていないとすれば、たとえ企業誘致に成功し市内に進出いただいたとしても、求人を出したところで人が全く集まらないといった求職者とのミスマッチが生じかねないが、そういった場合、市は企業に対してどのような対応をするつもりなのか。
本事業を創設した平成29年度は、平成27年度に行った設備投資動向調査の結果に基づき、北海道や本市への立地に関心を示した企業を訪問し、支援ニーズ等を聞き取った上で事業を実施したものの、実際に本事業を活用し本市に移転した企業は、現在に至るまでないと聞く。本事業を来年度も予算計上するに当たり、27年度の調査結果を根拠にしてしまっては、結果として実績の伴わなかった企業ニーズに基づいて事業を継続することになってしまうことから、来年度も事業を継続するのであれば、改めて根拠となる企業ニーズの調査を行うべきと思うがどうか。
創業支援事業費1,900万円の予算計上に当たっては、今年度から事業が継続する部分を実額で計上し、新規部分は予算算定時の今年度実績と、それ以降の見込みで計上したとのことだが、現時点での本事業の今年度決算見込み額は約1,300万円であるという。こういった状況に鑑みると、平成30年度の実績も予算計上されている1,900万円には達しないのではないかと思うがどうか。また、過去には利用条件などが折り合わず、本事業を利用できなかった方がいたと聞くが、新年度に向けてはそういったことも踏まえた上で、制度設計を見直すつもりはないのか。
本市の非常に厳しい財政状況を踏まえ、当初予算で1,900万円を計上するのではなく、予算を切り詰めた上で本事業への申し込みが増加し、予算不足が見込まれた際に改めて補正予算を計上する方法もあると思うがどうか。
ロケツーリズムによるシティプロモーション事業費補助金100万円については、小樽フィルムコミッションが全国ふるさと甲子園に北海道初の出店を目指すための補助金だという。一方で、事業内容については映像関係者へのセールスによる、映画などの大型撮影の誘致を目指すとしているが、本事業の主たる目的はどちらなのか。
また、ふるさと甲子園の応募要領によれば、出店の申し込み締め切りは3月14日であり、今定例会の会期中だとのことだが、仮に補助金が議決される前に申し込みを行ったものの予算が否決された場合、市はどのような対応をするつもりなのか。
港湾計画改訂事業費20万円については、小樽港の基本理念を作成するため、港湾業界や関係機関から幅広い意見聴取を行うための予算だという。しかし、これまで数千万円もの費用をかけさんざん議論してきた港湾計画改訂を中断すると宣言しながら、改めて20万円という中途半端な額の改訂事業費を予算化することは矛盾していると思うがどうか。また、市は港湾計画の改訂を中断した理由について、今改訂すると貨物量の計画値が下がり、計画が縮小傾向になってしまうためというが、中断して時間を置けば計画値を下げなくても済むという話にはならない。そうであれば、計画改訂を中断するなどと言わず粛々と改訂作業を継続すべきであり、今回のような矛盾した中途半端で支離滅裂な予算は、到底認められないと思うがどうか。
勤労女性センターで開催されている放課後児童クラブについて、市は、今年度定員を上回る児童を受け入れるに当たり、暫定的にセンター内の部屋のやりくりで対応するが、新年度に向けては別の場所での開設について検討すると答弁していた。しかし、新年度も結局センター内の部屋を拡張して実施することになったと聞くが、市はこの間どのような場所について、どのような検討を行ってきたのか。
また、年々増加する利用児童に加え、センターで活動をするサークルの方と児童とが譲り合いながら利用しているような現状に鑑みれば、さらに児童が増加した場合、センターでは対応し切れなくなることが想定されることから、市には勤労女性センターの役割を損なわせることなく、児童が安全に過ごすことができるよう、放課後児童クラブを別の場所で実施することも含め、真剣に検討してほしいと思うがどうか。
ふれあいパス事業は、新年度予算に2億350万円計上されているが、市によれば、ふれあいパス制度を今後も継続していくためには、市の費用負担を1億5,000万円に抑える必要があるという。そのため、費用負担を軽減できなければ制度の継続が困難になるが、本制度は継続を望む市民の声が多いことから、市にはICカード化など、費用負担の軽減につながる新しい仕組みを、いろいろと検討してほしいと思うがどうか。
また、現在森井市長は中央バスの信頼を失っており、市長は同社社長と会談して誤解を解きたいと言ってはいるものの、いまだ実現はしていない。しかし、制度を継続するためにはバス事業者の協力が不可欠であり、そのまま放置するわけにはいかないことから、市職員には中央バスとの関係が改善できるよう、いろいろと取り組んでほしいと思うがどうか。
2億円を超える事業費が計上された新年度のふれあいパス事業において、市は、今後は事業費の目安を1億5,000万円として、制度に一定の制限を行った新たな制度を実施したいとしている。しかし、その実施時期について、市長の改選期である平成31年度を避け、32年度から行いたいという市の言い分は、市長が自身の選挙に不利になることを避けているようにしか思えないがどうか。
また、本事業の制度設計から実施までをスムーズに行い、31年度から新たな制度を実施できれば約4,000万円の事業費の削減につながることから、市には市民からの税金を有意義に使うためにも、31年度からの実施に向け真剣に検討すべきと思うがどうか。
新年度のふれあいパス事業費が、昨年度当初予算と比較して4,350万円もの増額となった原因は、森井さんが北海道中央バス株式会社に対して、真摯さのない口先だけの態度をとり続けたことで、同社との信頼関係を破壊してしまったことにあるが、その結果、今後も事業が続く限り、この増額分が市民への毎年度積み重なる負担となることについて、市はどのように認識しているのか。
また、ふれあいパス事業自体の性格に鑑みると、予算増額に至った裏に幾ら森井さんの失策があったとしても、議会としてはそのことを理由に予算を削るわけにはいかず、本予算を議決せざるを得ない状況であるが、森井さんはそこにつけ込んで市民に多額の負担をかぶせる一方、みずからは依然として市長の座に居座り続け、この失策の責任を、給料を半月分減給する処分だけで済ませようというのは到底受け入れられる話ではなく、森井さんがとるべき責任のとり方は、辞職以外にあり得ないと思うがどうか。
子どもの生活実態調査事業費については、市内における子育て世帯の経済状況と子供の生活環境や学校、家庭での過ごし方などの関係を具体的に把握することを目的とした事業であると聞くが、道が平成28年度に行った同様の調査内容を見ると、子供の生活実態の調査といいながら、調査票にはあたかも貧困者を探し出すかのような設問も見受けられた。市が調査を行うに当たっては、小樽の子供の現状をしっかりと把握できるような調査内容とすることで、市の今後の施策検討に生かしてほしいと思うがどうか。
本事業の調査結果によっては、本市の子供の深刻な貧困の実態が浮き彫りになる可能性も憂慮されるが、そのような結果であっても、市には調査結果をしっかりと受けとめ、実効的対策をとる覚悟で調査に臨んでほしいと思うがどうか。
一方、調査が一度だけで終わってしまっては、今後市が行う施策による効果をはかる機会を失ってしまうことから、市には施策の有効性や改善点を検証するためにも、今後も継続的に本調査を実施してほしいと思うがどうか。
民間保育施設等整備支援事業費補助金は、いなほ幼稚園の認定こども園施設整備に対する補助として予算計上されたものであるが、市はいなほ幼稚園の新園舎完成に合わせて、同園で病児・病後児保育を平成31年度中に委託し、実施できるよう準備しているという。病児・病後児保育が本市でも実施されることは非常によいことだと思うが、一方で一般的に指摘されている問題点や課題について、市はどのように考え、課題解決に臨むつもりなのか。また、病児・病後児保育の実施に当たっては、事業の開始までにいろいろと考えなければならない事項があると思うが、市には、実施に向けて利用する子供のためになるよう取り組みを進めてほしいと思うがどうか。
臨時市道整備事業費については、ここ数年予算額が減少しており、新年度予算3億5,000万円についても今年度より1,000万円の減額となっているが、この理由はどのようなものか。また、この減額は事業を請け負う地元事業者、ひいては市内経済にも影響を及ぼすものと思うが、市ではその影響についてどのように考えているのか。
ここ数年の異常気象により、本市においてもこれまでにないような道路の冠水等が発生していることに鑑みれば、側溝の改修を含めた道路の改良・整備は、市民生活に直結する非常に重要な事業と考える。しかし、現在の予算額ですら十分なのかという心配がある中で、今後もさらに予算の削減が続けば非常に問題であると思うが、市では、今後、本事業の予算をどのように確保していくつもりなのか。
森井市長が進める除排雪に関するパトロールの強化については、建設部の職員が本来やるべき仕事を置いて携わっており、その人件費は表面上除雪費予算にはあらわれない隠れた除雪費と言えるが、市はこの人件費に費やしている金額を把握しているのか。また、パトロールの人件費の費用対効果を検証もせず、パトロールを実施しているのではないか。
森井市長は公約の一つである、よりきめ細やかな除排雪を実現するため、就任初年度から除雪ステーションの増設、それに伴う共同企業体構成員を2社以上から4社以上とするなどとした「小樽市共同企業体除雪業務入札等参加申請に係る提出要領」の改定など新たな施策を提案してはいるが、いずれも実施根拠に乏しく、その効果に疑問を持たざるを得ない。
一方で、除排雪担当の市職員は、市長の新たな施策の検証に多くの時間が割かれており、そのため除排雪業務にかかわる最も基本的な部分である作業効率や新たな除排雪方法など、市民のための除排雪を検討する時間が奪われていると思うがどうか。
また、今後について、市には除排雪の基本的な検討・研究をしっかり行った上で、建設業界にも協力を依頼し、市民が安全・安心に暮らすことができる除排雪を目指してほしいと思うがどうか。
冬季の通学路の確保は、子供が安全に通学するために必要不可欠であるにもかかわらず、長橋小学校区の通学路の中には、積雪で2車線の車道が1車線になり車の交差が困難な状態になっていたり、除雪で積み上げられた雪山が2メートル近くになっている場所があるなど、危険な状況が見受けられるが、市が通学路の排雪を行うに当たっては、どのような基準をもとに判断しているのか。
また、通学路が危険な状況にあることは、子供の安全を見守る立場にある町会にとっても見過ごせない問題であることから、市には子供の安全を確保するため、排雪の必要な箇所がないか学校や町会に確認したり、パトロールの強化をするなどして、危険な通学路を解消するよう取り組んでほしいと思うがどうか。
ことし1月末現在の累計降雪量は、昨年同期より61センチメートルも増加しているが、一方で排雪量は半分近くに減少しており、データの上では、昨年に比べ、市内には降雪量の差以上に雪が残されていることになる。このように、数字で見ると除排雪の状況が悪くなっているようにしか思えず、除排雪が改善されていると言っている森井さんの感覚とは大きな隔たりがあると思うが、市としては、この数字を見て除排雪が改善されていると思っているのか。
また、今年度と同じような累計降雪量であった平成26年度の排雪量は、55万立方メートルであったが、今年度の排雪量がわずか12万6,000立方メートルであることに鑑みれば、市は予算ありきで意図的に排雪を抑制しているとしか理解できないがどうか。
市の除雪費予算について、今年度の予算残額が少ない状況にある中、市は今後排雪を行う箇所の選定をどのように行う考えなのか。
また、市は通学路の排雪について、現在も道幅が狭い箇所が見受けられるが、必要な幅員を確保するなど適切な対応をするので、この時期に補正予算を組んでまで排雪を行う必要はないという。しかし、子供の安全確保のため、市には補正予算を組んででも排雪を行ってほしいと思うがどうか。
森井市長は、除雪対策本部が開催する会議に出席し、作業効率や予算、自分が聞いた一部の市民の声を職員に伝えているというが、職員にとって、市長の発言は当然実行しなければならない指示になってしまうと思われる。このことに鑑みると、市長が会議で発言していることが、昨今の排雪抑制につながり、市内の排雪作業をおくらせている原因になっていると思うがどうか。
また、市長は排雪抑制をしていないというが、実態は排雪が抑制され、多くの市民が森井市長に失望している。常々、「きめ細やかな除排雪」、「住みよいまち、人にやさしいまち」と言っているのであれば、補正予算を計上し、きちんと排雪を行ってほしいと思うがどうか。
市長は記者会見において、報道機関から除排雪に関して聞かれた際に、自身の私見に基づいて除排雪の改善が図られたというふうに答えたと聞くが、そもそも、市長が公の場で私見を話すことは、相手から求められた場合に限られるものであり、それ以外の場合は、市長は小樽市を主語として話さなくてはならないものと考えるがどうか。
また、市長は記者会見の場で、除排雪がかなり改善が図られていると発言したことについて、議会議論の中で具体的な根拠を求められるに至り、結局その発言が市長個人の私見であったことで、発言を裏づける具体的な根拠を示すことができない事態に陥っているが、市としては、それをよしとする見解であるのか。
国家賠償法第2条は、公の営造物の設置または管理に瑕疵があり他人に損害が生じたとき、国または公共団体が賠償しなければならないという内容であり、過去には除排雪に起因する事故により、責任が問われた事例があるという。事故はさまざまな要因が絡まって発生するものであり、最終的には司法が判断するものだが、森井さんが議会議論の中で公言する、雪山を積めるだけ積み上げてから排雪を行うという手法により、意図的につくられた危険な状況の中、車両や歩行者に万が一事故が発生した場合は、市の責任を問われることはないのか。また、これまで議会議論の中で多くの議員が現在の除排雪の手法について危険だと指摘をしても一切聞く耳を持たない、現在の小樽市の状況は異常だと思わざるを得ないが、市は改めて議会からの指摘を踏まえ、今年度の除排雪の手法を見直す考えはないのか。
市は、中央ふ頭の雪堆積場の負担軽減と市民サービスの維持を図るため、塩谷4丁目に市民が利用する雪堆積場を開設するというが、当該地について、市民からは行きづらく、そこに至る道路は危険だとの声が上がっているという。
市によれば、堆積場の設置場所を検討するに当たり、当該地の情報は森井市長から提供されたとのことだが、本来は実際に使用する業者など、さまざまな意見を聞いた上で検討すべきであり、市長の一声で決めたことには違和感があると思うがどうか。また、雪堆積場の必要性は認めるものの、不便だという市民の声があることや、決定の過程に疑問が残ることから、市は塩谷4丁目に雪堆積場を開設することを考え直すべきだと思うがどうか。
開設予定の塩谷4丁目雪堆積場の搬入路となる幅員の狭い市道について、市は路盤改良工事や照明設置などの整備を行うというものの、当該市道は、新幹線トンネル発生土を運搬するダンプトラックの動線とも一致しており、大型ダンプトラックと市民の雪を運搬するトラックがすれ違うのは困難な幅員であることから、非常に危険な道路状況となることが考えられるが、市は市民の安全をきちんと考えた上で雪堆積場の開設を決めたのか。
また、塩谷4丁目の遊休地を雪堆積場とすることは市長の提案であるというが、そもそも、市長提案の案件であるがゆえに、市は市民の利便性や安全を考えずに、当該遊休地での雪堆積場開設を決めたとしか思えないがどうか。
この搬入路の一部となる道道小樽環状線はカーブが多く、冬期間は近隣住民でも通行を避けるほど危険な道であり、北海道でもその危険性から、平成32年から小樽環状線のトンネル工事を予定していると聞く。それほどまでに危険だとされる道路を通らなければならない場所に、市民向けの雪堆積場を開設するというのは非常に危険であることから、市にはその危険性を十分理解し、雪堆積場の開設を考え直してほしいと思うがどうか。
貸出ダンプ制度の利用対象について、市が雪押し場に堆積された雪の排雪を対象外とする制度変更を行ったことで、市民からは制度を利用しづらくなってしまい、道路状況が悪くなるなど不便を被っているという苦情の声が上がっている。市は、雪押し場にある雪が道路の雪なのかどうか色分けできないことを理由に一切対象外としているが、生活道路の雪を排雪するという本来の制度趣旨に鑑みれば、市が把握している道路の総延長、幅員、降雪量などの情報をもとに道路の積雪量を推計し、当該量の雪を雪押し場から排雪を行えるようにするなど、市民にとって利用しやすい制度のあり方を前向きに検討してほしいと思うがどうか。
今年度の貸出ダンプ制度の申し込み団体数は、昨年度と比較し82団体減少したというが、減少した1番の要因は市が行った制度変更により、排雪第2種路線に属する27団体が対象外にされたためだという。対象外にされた団体に対し、市は基本的には排雪を行う考えを持っているものの、市民が自主的に排雪した場合は市の排雪が入らないとのことであり、その対応は一概ではないという。しかし、市民が自主的に排雪を行うのは、市が排雪をせず貸出ダンプも利用させないからであり、そのような対応では不公平が生じると思うが、このことについて市はどう考えているのか。
また、市は常々財政が厳しいとして除排雪予算を抑制し、新年度予算でも削減しようとしているが、貸出ダンプの制度変更により排雪で苦労している市民のためにも、市には排雪予算をしっかりと確保してほしいと思うがどうか。
本市の水道料金は、2カ月で20立方メートルという基本水量が設定されているが、市内の4割近い世帯では、基本水量まで水道を使用していないという。市は、現在検討している次期水道ビジョンの策定に合わせ、わかりやすい料金体系にしていきたいというが、検討の中で、基本水量の見直し等についてどのような議論を行っているのか。水道の供給に当たり、固定的な経費や人件費がかかることは承知するが、使用水量が基本水量を下回る世帯が4割近くいることに鑑みれば、水道料金と下水道使用料の引き下げもしくは基本水量の引き下げを行うべきだと思うがどうか。
次に、その他の質疑・質問については、平成30年度港湾事業特別会計におけるひき船建造事業費について、市が示した新造船を導入した場合の30年間の収支計画では、約1億5,440万円の赤字が見込まれているが、市は厳しい財政状況の中で今後の収支バランスをどのようにとり、どのぐらいの収益が見込めると試算しているのか。
また、今回計上された事業費は6億6,000万円と非常に大きいものであるが、収支計画の黒字化が難しい中で、市はこの予算額が本当に妥当だと考えているのか。
平成28年第1回定例会において、ひき船の新造を要望したところ、市からは中古船での導入を検討しているとの答弁であったが、一転して、今回新造船での予算が計上されたのは、どのような理由によるものか。また、総事業費の2分の1を過疎対策事業債で賄いたいとのことだが、過疎対策事業債が適用される見込みはあるのか。
議案第39号小樽市職員退職手当支給条例等の一部を改正する条例案については、人事院勧告に基づき国家公務員に準じて職員の退職手当の支給水準を引き下げるものであるが、市では平成16年度から平成26年度までの10年間もの間、職員給与を独自削減してきた経緯があり、独自削減がなかった場合の支給差額と条例改正による退職手当引き下げ分を合計すると、相当大きな支給差額が発生するという。このような支給差額が発生することについて、市長は、職員給与の独自削減は過去のものであるから、配慮は必要ないという認識でいるのか。また、人事院勧告を無条件に受け入れて退職手当の引き下げを執行しようとする市の姿勢は、職員給与の独自削減に協力してきた職員に対して余りにも配慮が足りないと思うがどうか。
昨年10月、塩谷地区の漁業者を対象に、鉄道・運輸機構による北海道新幹線建設工事のトンネル掘削工事等により発生する建設残土受け入れ候補地の説明会が行われ、その際参加した漁業者からは、残土の受け入れに対して否定的な意見が出ていたと聞く。塩谷地区の漁業者は、既に余市・小樽間の高速道路に関係する工事現場からの濁水による漁業被害を受けていることから、今後は漁業者の意見をしっかり把握した上で、市は工事を行う関係機関に注意事項を文書で通知するなど、同様の被害が二度と起こらないよう対策をとるべきだと思うがどうか。
小樽海上技術学校の存続問題について、市はこれまでの海技教育機構との協議では、機構から必要な教室数や機能などの提示はないことから、同校を暫定的・恒久的に存続させるために、市が機構に提示できる場所の決定には至っていないという。これでは協議が進んでいるとは思えないが、市は同校の暫定的な移転場所も含めて、今後想定される機構からの要求に対してどこまで対応できるのか、事業費等も含めた検討はしているのか。
また、同校は平成32年度以降の生徒募集については不明であるとしているが、同校への進学を希望する中学生の進路決定のためにも、市には同校の存続について、市としての意思決定の期限をしっかりと決めて、機構との協議に臨んでほしいと思うがどうか。
人口減少対策について、市長はその根本としている小樽市総合戦略の中で、人口動向から導出される主な課題を挙げているが、その課題の一つである札幌市手稲区や西区への人口流出を抑制するために、市ではどのような施策を行ってきたのか。同様に市外から本市に通勤・通学する人を市内に住まわせるために、市はどのような施策を行ってきたのか。
また、人口減少対策に係る施策はどの自治体でも実施されている中、本市の施策が他市より優位性がなければ他市との競争には勝てないことから、市には他市の二番煎じのような施策ではなく、本市の魅力を具体的にアピールできる施策を行ってほしいと思うがどうか。
市長が街頭で行っている辻立ちについて、市長は公務の一環であると明言しているが、公務であるというからには、必要とされる法的根拠は何なのか。また、市長が辻立ちを政治活動として行うことは否定しないが、地方公共団体のトップという立場にある人間が、氏名の記載されたのぼり旗を持って辻立ちを行うという、公職選挙法に抵触しているのではないかと疑念を持たれるようなことは避けるべきであり、法に明確に合致した形で行うべきと思うがどうか。
本年6月に施行される民泊新法への対応について、市は、道が制定する条例の中で制限を定めるとしており、上乗せ条例など市独自の対応については法施行後の動向を見据え、必要があればそのとき考えるという。しかし、問題が発生してからでは遅く、市には上乗せ条例の制定など、市が市民や来樽する方の生命や財産を守るために独自でできることを検討し、法施行後に大変な問題が起きないよう対応してほしいと思うがどうか。また、国内の民泊では昨今、凄惨な事件が発生していることに鑑みると、市内でも同様に民泊が犯罪の温床となる危険性は否めないと思われるが、それでも森井市長は民泊を推進する考えでいるのか。
本市では、堺町通りなどで外国人によるいわゆる白タクが横行しているが、市長はそのことを認識しているのか。白タクは自家用車で乗客を運送し料金を徴収するもので、道路運送法上問題であり、市は警察や運輸局が検挙につなげられるよう情報提供を行っているというが、情報提供だけではなく白タク行為が違法であることを看板の設置などで喚起するなど、ほかにも対応できることがあると思われることから、市には対応を検討してほしいと思うがどうか。
地籍調査事業の実施に当たって、市は、本事業の趣旨や目的について土地所有者の理解を得るために、平成28年度に説明会を1回開催したほか、回覧板での周知を行い、また、土地の売買等によって所有者が移転した場合は、事業受託者から対象者へ直接説明を行っているというが、市はそれらの周知方法だけで土地所有者から本事業への理解をしっかりと得られていると考えているのか。また、今回の調査において、土地所有者に土地の境界の立ち会いを求める際、事業受託者が期限を設けて立ち会いを求めていると聞く。市は、地籍調査は個人の財産を調査し、土地所有者の同意を得ながら進めるものだというが、そうであるならば期限を設けて立ち会いを迫るようなことはせず、しっかりと土地所有者の同意を得た上で調査を実施すべきだと思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、議案第1号につきましては、酒井隆裕委員外1名及び千葉委員外2名からそれぞれ修正案が提出されましたが、採決の結果、酒井隆裕委員外1名提出の修正案は賛成少数により否決と、千葉委員外2名提出の修正案は賛成多数により可決と、修正部分を除く原案は賛成多数により可決と決定いたしました。
次に、議案第2号ないし議案第14号、議案第27号、議案第28号及び議案第39号につきましては、採決の結果、賛成多数によりいずれも可決と決定いたしました。
次に、その他の議案につきましては、いずれも可決と、全会一致により決定いたしました。
なお、可決された平成30年度小樽市一般会計予算の修正案の概要については、歳入歳出をそれぞれ8億324万1,000円減額して、総額559億1,355万2,000円から551億1,031万1,000円に改めるものであります。
歳出を減額する理由としては、ふれあいパス事業について、森井市長の失政による市とバス事業者との関係悪化に伴い、これまで事業者に御負担いただいた事業費の一部、約4,000万円を市が負担せざるを得なくなったことに対する財源対策を行うとともに、現状の施策の見直しや不要不急の事業について精査した結果であります。
その内訳については、総務費の総務管理費について、市長みずから本市の厳しい財政状況を述べているにもかかわらず、合理的な根拠も示さない中で、市交際費を増額することは認められないことから25万円の減額、商工費については、IT関連企業等誘致促進補助金が平成29年度の事業開始以降実績が全くないことから、一度事業を凍結し内容を見直すべきであり、対象企業が出てきた場合も、補正対応すべきと考えることから1,000万円を全て減額し、創業支援事業においても、過去2年間の事業実績を踏まえ、400万円減額することから、商工費合計で1,400万円の減額、土木費については、今年度の除排雪が市民の大きな不満や不安を生み、市民のための除排雪がなされていないことに鑑み、新年度は除排雪業者や交通事業者等も交え、データをもとに事業をよく検証した上で改めて予算計上すべきとの考えから、除排雪業務委託料7億6,414万円を全て減額するとともに、塩谷4丁目雪堆積場の設置は、受け入れ量などを精査した結果、必要性が認められないことから、雪処理場等関係経費2,030万円を減額、さらに港湾計画改訂作業を中断しているにもかかわらず、改訂事業費を計上するのは不適切であることから、港湾計画改訂事業費20万円を全て減額し、土木費合計で7億8,464万円の減額に、消防費では、水難救助体制整備事業費について、銭函のみに救助体制を整えることは、ほかの海水浴場との整合性が保てないこと。また、遊泳禁止区域で遊泳させないための情報周知の徹底など、先んじて行うべきことは多々あり、予算計上は妥当とは言えないことから、435万1,000円を減額するものであります。
また、以上の歳出減額に伴い、国庫補助金1億7,200万円と基金繰入金6億3,124万1,000円についても減額するものであります。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(鈴木喜明)次に、議案第1号に対し、高野議員外4名から修正案が提出されておりますので、提出者から趣旨の説明を求めます。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)21番、川畑正美議員。
(21番川畑正美議員登壇)(拍手)
○21番(川畑正美議員)日本共産党を代表して、議案第1号2018年度小樽市一般会計予算の修正案について提案説明します。
中小零細企業が経済の中心を担う小樽市内の状況は、2014年の経済センサス基礎調査では、民間事業所は5年間で675事業所が減少しています。2016年度の正規雇用労働者は64.2%、非正規労働者が35.8%を占めている状況です。
日本共産党は国の悪政から市民を守るため、福祉の充実と地元企業の支援、雇用拡大で若い人の市内への定住を図ることを目的にして、予算修正を提案します。
市民生活応援では、福祉灯油を復活させます。灯油価格は2月の生活必需品小売価格調査によれば、ホームタンクなどの多量買いで、最高高値が102.7円です。母子家庭や低所得者などを対象に2011年に厚生常任委員会に提出された予算世帯の6,000世帯、1世帯当たり6,000円を支給することで、3,600万円を計上します。
ふれあいパスは100円のワンコイン利用として、2016年度回数券販売数19万2,000冊分をもとに、3,840万円増額します。
社会保険料の軽減として、国民健康保険料は1世帯1万円の引き下げ、そして18歳未満被保険者の均等割を5割軽減いたします。
第7期の介護保険料は、介護給付費準備基金から約2億8,600万円繰り入れし、基金の額を中間計画から下げましたが、さらに第1段階から第4段階までを第6期保険料と同額にします。
中小零細企業に対して、緊急貸付資金として、限度額50万円を無利子無担保の融資制度を設け、小樽市高等学校卒業者と、卒業後20歳以下の市内居住者を雇用した企業に雇用奨励金1人20万円を助成する制度を設立します。
若年者の地元定住策の一つとして、35歳未満者を対象に、月額30万円以下の所得世帯に、1カ月1万円を限度として家賃を補助します。
就学援助として、せめてPTA会費を助成し、小学生は223万1,000円、中学生には130万6,000円、合計353万7,000円を計上します。
住宅リフォーム助成事業を復活させ、かつての実績をもとに1,600万円を計上します。
市営室内水泳プール建設については、基本設計を進めるための委託料を計上します。
職員退職手当については、かつて市の財政が厳しいことで、職員給与を独自削減して協力してきた職員に、人事院勧告だからといって退職金を減額するのは余りにも冷たい対応であり、減額を取りやめます。
これらに対応する財源として、OBCの固定資産税等の滞納の回収と財産売り払いなどによって増額し、個人番号カード交付事業の国庫補助金や貸付金元利収入などで減額します。
また、市交際費の25万円の増額及び伍助沢雪堆積場の開設は取りやめ、石狩湾新港管理組合負担金やニーズ根拠のないIT関連企業等誘致促進補助金、北海道新幹線推進費、社会保障・税番号制度システム運用経費などを削減します。
我が党の修正案は、市民サービスと市内経済の回復を目指して編成しています。他会派各議員の皆様の賛同を求めて提案説明といたします。(拍手)
○議長(鈴木喜明)これより、修正案を含め、一括討論に入ります。
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)8番、酒井隆裕議員。
(8番酒井隆裕議員登壇)(拍手)
○8番(酒井隆裕議員)日本共産党を代表いたしまして、ただいまの委員長報告に反対し、議案第1号ないし議案第14号、議案第27号、議案第28号、議案第39号、予算特別委員会から提出された議案第1号修正案については反対、日本共産党から提出された議案第1号修正案に賛成の立場で討論をいたします。
除排雪に関して、日本共産党は当初予算で計上することが基本であることを、これまでも求めてまいりましたので、予算計上そのものについては賛成です。しかし、市長提案説明での「住みよいまち、人にやさしいまち」と正反対な除排雪となっていることは大問題であり、理解できません。
冬期間における円滑な道路交通は確保されていません。予算特別委員会当時でも、車がすれ違いできない道路が排雪されないまま放置されていました。通学路の歩道の確保でも、始業式に合わせて一定程度は行われたものの、一部は始業式に間に合いませんでした。歩道除雪が不十分なため、やむを得ず車道を通行するなど、市民の安全は保たれませんでした。このような除排雪体制を改め、排雪抑制を行わず、市民要望に対応した予算計上が必要であったにもかかわらず、昨年第3回定例会補正より2,600万円減らしたことは認められません。また、除雪対策本部会議に市長が出席することは、組織を乱し、職員のやる気を奪うものであり、直ちにやめるべきです。
塩谷4丁目に市民のための雪堆積場を開設することについては、市民が利用しづらい不便な場所にあり、必要性が感じられないこと、使用されない雪堆積場に道路整備や照明設置に多額な費用をかけることが必要とは思えないこと、カーブが多く、冬期間は危険な道道小樽環状線を通行しなければならないこと、新幹線トンネル工事に伴うダンプトラックの通行とのかかわりはどうなるかなど、安全対策も考慮されていると思えないこと、濁り水など環境問題はどうなるかなど、明確ではなく、賛成できません。そもそも市長から土地があると提案されたことを理由に、なぜ、利便性も調べずに本地を選定したのか疑問です。
貸出ダンプ制度の見直しについて、市排雪第2種路線であることを理由に制度利用ができなくなりました。市が排雪しないため、近隣住民が費用負担して制度を利用していたにもかかわらず、今回の見直しで利用できなくなり、年2回排雪していた箇所が1回のみとなりました。本来であれば、市民との協働でどのように分担していくかが大切であるはずです。費用抑制と効率重視の見直しは、市民の願いと反しています。貸出ダンプ制度の抑制ではなく、むしろ制度の充実を検討すべきです。
IT関連企業等誘致促進補助金ですが、小樽市設備投資動向調査に基づき、支援ニーズを聞き取った上で事業を実施しましたが、本事業を活用するとした応募はありませんでした。根拠もなくなり、本市の財政が厳しいと言いつつ、ニーズのない事業を行う理由はありません。そもそも市長の掲げる中小零細企業へ、より大きな助成支援は全く行われていません。このような事業をやめて、地場産業の発展に寄与する施策が必要なはずです。
市交際費について、職員退職金の削減を提案していながら、みずからの交際費は増額することは納得できません。
水難救助体制整備事業費について、予算計上そのものには反対しません。水難救助体制の向上は必要なことです。しかし、なぜ銭函なのか説明が十分ではありません。シーズン中、消防吏員を張りつけるわけですから、結果として消防力の低下が懸念されます。そもそも設置したものの救助できなかったことになれば、小樽市の責任問題にもつながりかねません。まずは、海岸管理者である北海道や、水難救助の主体である小樽海上保安部、北海道警察など関係機関との協議をした上で、小樽市として何ができるか考えるべきです。
石狩湾新港については、過度な投資が続けられています。王子エフテックス株式会社のための北防波堤工事は総工費が膨らみ続け、砂対策にはこれまで100億円近い経費がかけられています。現在あるガントリークレーンは、毎年9,000万円の赤字です。それにもかかわらず、2基目を導入するといいます。
地元企業への仕事の受注ですが、母体の一つである石狩市は、毎年1億5,000万円ほどの受注になっている一方で、小樽市は2015年度164万円、2016年度はゼロという結果です。改訂された港湾計画では、背後地域の貨物は現在小樽港で扱っている貨物を全て石狩湾新港で取り扱うことを見込んだ計画であり、小樽港と石狩湾新港との分担や連携を考えていないものです。
マイナンバー制度については、情報漏えいの危険性や、市民へのメリットよりもデメリットが大きいことなど、一貫して反対しております。
港湾計画の策定がおくれているのは、市長が原因です。
新・市民プールですが、複合計画の基本方針策定について、PFIやPPPの検討は行うべきではありません。今年度中に基本設計を実施するべきです。
学校適正配置ですが、基本計画を見直すべきです。
市民から求められている就学援助の費目拡大、PTA会費について、予算要望があったにもかかわらず、市長部局が盛り込まなかったことは、市長の責任です。
議案第39号小樽市職員退職手当支給条例等の一部を改正する条例案についてです。引き下げ額は部長職で79万4,723円、一般職で70万5,563円、平均で74万4,537円にもなります。10年もの間、職員給与の独自削減に協力した職員に、人事院勧告だからといって退職手当を引き下げるというのは、余りにもひどい仕打ちです。
国民健康保険、介護保健、後期高齢者医療についてですが、市民負担軽減こそ求められています。国民健康保険の賦課限度額については、限度額に達する所得が国の想定より低いことから、これまで限度額の引き上げをおくらせてきたと説明されていますが、2018年度、2019年度の2年間で、国と同じ水準に引き上げるとしています。
後期高齢者医療制度についても、軽減特例制度が2017年度から変更され、2018年度保険料は引き上げになります。これらの保険料、負担増に対して、しっかりと国に意見を言うことが求められます。
同時に、他市で実施しているように一般会計から繰り入れ、国民健康保険料を下げるべきです。また、国民健康保険事業運営基金が4億4,493万円あり、18歳以下の均等割を5割軽減する予算はわずか560万円ですから、この基金を使って、負担軽減と子育て支援の立場で実施するべきです。
介護給付費準備基金積立金は、約6億円となる見込みです。介護保険料の算定に当たっては、基金積立金2億8,600万円を繰り入れて当初計画より下がりましたが、なお負担増です。第1段階から第4段階の保険料を第6期と同額にするため、3年間で1億1,500万円基金を活用しても、2億円残ります。基金をもう少し繰り入れ、低所得者層の保険料を軽減するべきです。また、現在10段階の介護保険料の段階を、さらに細分化することを求めます。
水道料金下水道使用料では、基本水量を2カ月20立方メートルで基本料金を設定していますが、基本水量まで使用していない世帯が38.5%に上っていることは問題です。次期水道ビジョンは策定されますが、両会計とも黒字で推移しており、市民の声に応えビジョン策定を待たずに、基本分と超過分の水道料金と下水道使用料を引き下げるべきです。
以上を申し上げ、討論といたします。(拍手)
(「議長、14番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)14番、中村吉宏議員。
(14番中村吉宏議員登壇)(拍手)
○14番(中村吉宏議員)自由民主党を代表し、議案第1号平成30年度小樽市一般会計予算について、委員長報告の修正案に賛成、修正部分を除くその他の原案に賛成の立場で討論をいたします。
修正案の概要は、ただいまの委員長報告のとおりであります。
我々議員は、今定例会の予算特別委員会での質疑を通じて、市長が提案した原案について審議をしてまいりました。
除排雪予算については、年度当初に提示されたものの、この冬の排雪状況については、市民から多くの苦情が寄せられている中、市民ニーズを含め何らの検証もせず、予算計上の根拠も示されない状況であります。
また、他の予算についても、市長本人が認めるとおり厳しい本市の財政状況のもとで、市長は何らの財源対策を行わず、予算を計上しております。
特に、ふれあいパス事業費増加分は、中央バスとの交渉過程等に鑑み、明らかに市長の失政の結果、4,350万円を一般会計から支出することになりました。その点には何も言及せず、市民に大きな負担を負わせることへの説明もなく、財源を捻出する努力も行わず、財政調整基金を取り崩すなどということは、言語道断であります。
このような状況の中で、委員長報告のとおり、不要不急の事業については減額修正を行い、少しでも財源対策を検討して、予算を取りまとめることは妥当な考え方であります。
問題となる点について、まず、除排雪関連予算であります。除排雪業務委託料7億6,414万円については、平成29年度予算から1,000万円以上も減額されて計上されております。この冬の除排雪について、市内各地域の市民の方から排雪を全くやってくれないという不満の声が寄せられている中、予算特別委員会では、市が排雪を行う基準を設けず、また、今後も設けるつもりはないこと、排雪予算の抑制を行っていることなどが、議論経過から明らかになりました。
今冬は昨年より降雪量が増加し、気温も低下している中で、排雪量が極端に減少していることも示されております。一体、誰のための除排雪なのでしょうか。どこがきめ細やかな除排雪なのでしょうか。何の基準もないまま、不透明な密室で行われる除雪対策本部会議で、排雪箇所が決定されていること、その決定も除雪ステーションと協議しているかのごとく答弁していますが、ほとんど協議の跡など見えず、市が決定していること。バス路線が、2年も続けて除排雪を起因として運休していること、除雪パトロールが機能していないことなども踏まえると、およそ市民のための除排雪とはかけ離れた事業執行であります。排雪を行わないことについて、二言目には限られた予算の中で執行するということを、市長を初め説明員は答弁しておりますが、市民は、予算内で排雪をすることではなく、高く積み上げる前に安心・安全な生活を送るために、しっかり排雪をすることを求めております。予算予算と口にする市長ですが、本来こういう必要な予算に対し、しっかりと財源を確保して予算を計上し、執行することが市長の務めではないでしょうか。それができていないことに、森井市長だからこそあり得ることかもしれませんが、まさかそれが市長の務めだと思っていないなどとは、言わないですよね。
森井市長を支持する石田議員も、選挙の際に掲げた主な政策案で、除排雪の充実が最大の課題だとして、除排雪の予算は最大級にとるべきであろうと訴えております。この政策が実現されていないことは、石田氏の当選前後、それは、森井市長の当選前後の除排雪予算、決算、排雪量等を比較してみても明らかであります。石田議員も、市民生活を守るために最大限の除排雪予算を求めるならば、本修正案に賛同すべきではないでしょうか。
また、市長は議会からの辞職勧告を拒否するのであれば、次回定例会までに安心・安全な市民生活を確保するために、今冬の除排雪状況をしっかりと検証し、排雪抑制などを行うことのないよう財源措置も講じた上で、再度の予算計上を行う仕事をする必要があるのではないでしょうか。
そのほか、特に問題となるべき点は、水難救助体制整備事業費についてであります。銭函の海岸線で水難事故が発生した場合の救助に当たり、消防職員3名を常駐させ、救助用ボートを購入する費用として約430万円を計上しておりますが、予算特別委員会で可決された修正案では、この予算について全額減額をしております。予算特別委員会において、なぜ銭函限定なのか。本市消防本部が対応する前に、警察や海上保安との連携が必要ではないのかなどの質疑に対し、市は説得力のある答弁をできなかったと認識しております。
また、本事業案は、消防が水難救助の使命感から示したものだということでしたが、質疑の過程で、市長が消防本部に持ちかけた話から端を発していることも明らかになりました。この発案者が市長だと言い切れないにしても、少なくとも消防本部がそんたくしたと言える状況であります。元ライフセーバーだった市長は、一般社会人としてはあり得ないとっぴな発想で、かつて市議会議員時代に、小樽市の海岸線で水難事故を発生させないために、小樽市の職員2,000人を海岸線に立たせろと、当時の観光振興室に強く迫ったという話も漏れ聞こえております。
(「そうだ」と呼ぶ者あり)
この事業予算を修正するに当たっての、予算特別委員会における提案理由を、市長はしっかりと聞いていたのでしょうか。提案説明では、昨年発生した水難事故のほとんどは、海水浴場外で発生したものであるため、小樽市が行うべきことは、海水浴は指定の海水浴場でするべきことを市民や海水浴客に周知徹底し、結果、海水浴場外で遊泳することを防止することであるということです。また、近年指摘されているところでは、飲酒後に遊泳することで水難に遭う方が増加しているということであります。飲酒後に遊泳しないこともあわせて周知を徹底することで、水難の発生を未然に防ぐことが、本市の行政が行わなければならない事業なのではないでしょうか。
それを水難ということを捉えた際、自分の経験の中だけで水難救助だけを発想し、その対策を講じるという狭い考え方で約430万円もの事業費を計上することは、幅広い視野で市政執行を考えなければならない行政の長たる者の行動として認められるものではありません。もちろん、人の命はとうとく大切なものであります。一方、海水浴について発生する事柄については、原則、自己責任であります。水難に小樽市としてどう対応するのか、こういう課題について水難救助という観点に固執し、その予防を含めた広い観点からの冷静な思考を行えず、予算特別委員会閉会後の報道へのインタビューに対し、市長は、銭函で水難事故が発生した場合に、議員はどう責任をとるのか、予算に一部の議員が協力しない状況は大変残念などと発言しました。その発言について、総務常任委員会で各議員から質疑された際、どういう責任があるのかということについても、また、一部の議員とは何なのか、予算特別委員会採決の結果はこの予算案について、委員の誰も認めていない状況であることを問われても、答弁にならない答弁に終始し委員会を混乱させ、会期を延長させたことは許されるものではありません。
(「そうだ」と呼ぶ者あり)
また、もっと問題なことは、議員はどう責任をとるのかという表現についてであります。言及という言葉の意味もよく知らない市長だからこそ言わせてもらいますが、この表現の方法はいわゆる反語を用いた表現方法であり、議員はどう責任をとるのか、とられないではないかということで、つまり、議員は責任をとることができないということを強調する表現であります。これはまさしく、議員に対し、どんな責任かも示されない責任について、責任をとれと強く迫る発言であり、議会における議員の発言や議決等の判断を抑制するものであります。こうした発言を、市長という立場で平気で行うこと自体、正常ではありませんし、およそ市長の言動としてふさわしくないものであります。さらに、どんな責任が議員にあるのかということも、議会の場で、自分の主観に基づいた説明しかできない無責任な態度も、許されるものではありません。ちなみに議員、議会ともに本修正案議決後に、もし水難事故が発生したとしても、それについて、法的責任も道義的責任も発生するものではありません。理由は、責任が発生する合理的根拠がないからであります。
(「そのとおり」と呼ぶ者あり)
昨年の第3回、第4回定例会で、高島漁港区の観光船事業に対する許認可問題等の執行責任について、議会は二度も森井市長への辞職勧告決議案を可決しました。それ以前から議会では森井市長に真摯に議会に向き合うことを求めていたところであります。しかし、今定例会においても、一向に改善の余地がないことには、議員としてのみならず、一市民としても遺憾の意を表明させていただきます。
稚内市では、3月14日の市議会本会議で平成30年度の一般会計予算案が否決されました。報道によると、民間温泉観光施設内の市有スペースに足湯を新設する改修費874万円の計上について、議会が反対したためとのことであります。
本市において、我が会派は予算の内容を精査し、市民生活に直結する必要な事業の予算と認められるものは原案どおり認め、各事業が予定どおり執行できるようにと検討、議論を進めてまいりました。本来であれば、市民生活を左右する予算について、100点満点と言わなくとも、議論過程で十分な説明がされる中で原案が可決されるよう、執行部、議会が努力をし、それが認められていくものと考えます。しかし、本市ではそうなってはおりません。それは、しっかりとした理由のある提案や、十分と言える説明が議会に対して行われていないためであります。
今回の稚内市の状況について、稚内市長は、大失態を招き、責任者として市民におわびをしたいと謝罪したとの報道がありました。一方、本市では、市長は議会で多くの問題点を指摘される予算案を編成し、また、自身の発言で会期が延長となり、議会の予算審議に影響を及ぼしたことについて、市民の皆様におわびどころか何のコメントもなく、ただ議会、議員の責任と言わんばかりの態度であります。このような改善の余地がない市長に対しては、我が会派としては、これまでの辞職勧告決議に従い、速やかに辞職して責任をとるべきであることを強く申し述べるものであります。
最後に、議会はみずからが有している監視、牽制、政策立案機能を十分に発揮して、修正案を予算特別委員会で提案し、可決しました。よって、この修正案は本会議においても可決されるのが当然であります。とにもかくにも、市民生活に必要な予算に配慮をし、精査を重ねた本修正案の可決について、各会派議員の皆様の御賛同をお願いし、討論といたします。(拍手)
(「議長、6番、議事進行について」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)6番、石田博一議員。それでは、どういう部分で、どういうことでということで。
○6番(石田博一議員)ただいまの中村吉宏議員の発言の中に、私の個人名が出てまいりました。内容を聞けば明らかに個人攻撃であり、一度ならず二度、三度出てまいりました。このような場でこのような種類の発言は、議会としてふさわしいのか、ふさわしくないのか、議長の御判断をお願い申し上げます。
(「事実の話してるんでしょ。間違ってないしょ」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
○議長(鈴木喜明)ただいまの石田博一議員の議事進行にお答えいたします。
公約の中で、除雪に対して最大限努力というか、予算がつくべきだということに対して、しっかりそれを遂行してほしいということを言ったと、私は理解していますね。そのことについて、もし公約違いであるならば、今のお話はありますけれども、私の知る限りでも、除雪に関しましては石田議員が一番、一丁目一番地というか、すごく気にされていたことだと思っております。そういうことですから、そういう考えのもとには賛同していただくべきではないのかというお話ですからね、非難ではないというふうに私は捉えております。
(「事実だ、事実」と呼ぶ者あり)
よろしいですか。
同一趣旨の議事進行はできませんよ。
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)6番、石田博一議員。
(6番石田博一議員登壇)
○6番(石田博一議員)平成30年第1回定例会、予算特別委員長報告における議案第1号修正案に反対する討論を行います。
まず、市長の交際費について。本来、市民から会合等の出席依頼があったときには、最大限出席するということは市長の責務ではないでしょうか。それこそ、これは立派なことです。しかしながら、それに一々議会は異議を唱える。何か全て感情論で発言していませんか。出席の依頼があったとき、こちらは出るけれどもそちらは出ないなんて言えるわけがない。どの市民に対しても分け隔てなく、極力出席する。市民から来てほしいということで案内をいただいているわけですから、少しでも多く市民の皆様と接点を持つということは、地方都市の市長として当然のことではないでしょうか。そうすることによって、市民の皆様の御意見や要望、これをいただいてくる、これが何より重要で大切なことだと私は思います。
(「示せないしょ、だけど」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
御案内をいただくということは、それだけ市民の皆様に慕われているということではありませんか。
(発言する者あり)
まちづくりにとって、大いに意義ある行動であるのに、その予算を削れという、全くつじつまが合いません。
(「そんな意義あるならメモくらい出してくれ」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
どうしたら市民の声を吸い上げられるか、我々議員も考える責任があるのではないでしょうか。
(「あんただけだ」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
我々もいろいろなところへ顔を出して市民の声を拾い、まちづくりに生かしていく、これは大切なことですね。
(発言する者あり)
要するに、市民目線で市政に携わるという観点からも……
○議長(鈴木喜明)発言が聞こえませんのでお静かに。
○6番(石田博一議員)こういうことが重要であると、私は考えます。
また、この交際費の金額のことについてですが、ちなみに、近隣地域では100万円を超えている例も多々あります。
(「出た」と呼ぶ者あり)
(「こっちやってるからいいってか」と呼ぶ者あり)
例えば、余市町長でさえ予算150万円……
(発言する者あり)
執行額は144万3,990円。
(「無礼だべ」と呼ぶ者あり)
仁木町長に至っては……
(発言する者あり)
予算180万円に対して執行額154万4,000円です。
(「失礼だ、あんた」と呼ぶ者あり)
これによって町民の皆さんと密着度がいかに高いか見てとれます。
(「今の発言のほうが失礼ですよ」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
前小樽市長との比較においても、各種団体活動や会合への参加件数は、前市長の場合は4年間の平均で102件、森井市長の場合は、2年間の平均で1.8倍の179件となります。森井市長の行動量を鑑みれば、むしろよく押さえ込んだ予算であると評価するのが、妥当な捉え方ではないでしょうか。
(「無駄遣いだ」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
インターネットでも情報公開していますから、いま一度確認してみてください。
(「無駄遣いだ」と呼ぶ者あり)
続きまして、水難救助体制整備事業費について。これについては、遊泳禁止区域での事故だったから遊泳させない措置を講ずる、それが重要だというのが議会側の主張ですが、考えてみてください、本当にそれだけで安全が守られますか。例えば、看板を立てましたと。立入禁止の柵も設置しました、注意喚起をして周知にも努めました。でも、海水浴のお客は来てしまうのです。
(「自己責任だ」と呼ぶ者あり)
もちろん自己責任です。
(発言する者あり)
委員会での答弁にもありましたが、全国71カ所ある海上保安で、小樽海上保安部が管轄する地域が飛び抜けて事故が多いと。だから早目に手を打たなければならない。
(発言する者あり)
いつも消防本部がやっていることは救助活動ではなく捜索活動になってしまっていることが大変残念だと、こうおっしゃっていました。
(発言する者あり)
人の命にかかわる、重大な問題です。今回の措置は、私としても当然のことだと考えます。本来なら全会一致で可決してもおかしくないはずですが、一体どうなっているのでしょうか。
(「勝手なこと言うな」と呼ぶ者あり)
1人でも救える命があるのなら、勝納からの出動では間に合いません。
(「したら、蘭島とかどうするの」と呼ぶ者あり)
現場常駐での対応が……
(「そんなこと言ったら、全国どこでも必要だよな」と呼ぶ者あり)
絶対必要だということは明らかです。
(発言する者あり)
こんな疑う余地のない安心・安全についての施策が否決されること自体、大変残念ですし、全く理解できません。
(「査察は重要でないの、そこ」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
続きまして、除排雪関係経費について。例年除排雪の予算は、第1回定例会では、とりあえず必要最小限の予算提示でやってまいりました。
(「とりあえず」と呼ぶ者あり)
それは、前年度の反省や取り組みの変更、さまざまな検証をした上で、第3回定例会で補正予算として提出し、可決いただいてきたはずです。しかし、議会側から年度当初に予算全額を提示すべきだという指摘を受けたので、今定例会での提示になったわけです。にもかかわらず、それを今度は、しっかり検証もしないで予算を組むことは認められない、全く真逆のことを言う。
(発言する者あり)
今さら、何をか言わんやであります。全く理解ができません。何かの意図を持って、その都度思いつきで発言しているとしか思えません。
(発言する者あり)
次に、雪堆積場関係の経費です。これも市民の雪捨て場ということで、冬期間における市民生活に直結する、大変重要な施策であります。中央ふ頭の雪捨て場は、ピークになれば雪があふれ巨大な雪山ができ、一時投げられない状態にも陥っています。
(「それ勝納じゃないの」と呼ぶ者あり)
重機を4台も入れて、海面を何度もたたくようにして雪を解かしています。しかし、その際泥も一緒に舞い上がり、ネットから流出している始末です。こんなことで海を汚しているのです。
(「山汚していいの」と呼ぶ者あり)
(「山汚していいんですか」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
また、漁業や港湾業務にも支障を来していると聞いていますし、海上保安部からも指導が入っている現状です。こんな時代に、こんなことでいいのでしょうか。こういうことは、我々議員が一番敏感になるべき問題ではないでしょうか。
さらに、ことしは融雪のための海水を循環させる循環ポンプも故障したり、外海への流出を防ぐフェンスも破れ、完全にパンク状態でありました。
(発言する者あり)
その上、最上の雪捨て場も近い将来、トンネル工事によって利用制限がかかるかもしれません。
(「なんでそんなこと知ってるの」と呼ぶ者あり)
この雪、どうするのですか。
(発言する者あり)
市民には川に投げてはだめ、海に投げてはだめと言っておきながら、中央ふ頭の雪はどんどんふえてくる。とても解消できるレベルではありません。また、交通事情の面から見ても、降雪量の多い天神地区や山の手地区の皆さんのことを考えると、港まで捨てに行くのは大変手間がかかっているのが現状です。
(発言する者あり)
小樽の道路は、海に向かって縦方向に弱いのです。特に冬場は、日常的、慢性的に渋滞が起こっています。毎回そんな中で作業をしている、除雪業者の方々の苦労も目に見えてきます。
(「排雪しないからでしょ」と呼ぶ者あり)
(「何言ってんの」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
そういうことを考えると、市民にとっても業者にとっても、市内各所に一つでも多く雪捨て場があるということは、願ってもないことではないですか。
(発言する者あり)
そういう意味でも、今回の雪堆積場は、非常に使い勝手のよい場所ではないでしょうか。
(発言する者あり)
また、何といっても、環境問題を考えれば、これ以上海に投げることはやめるべきです。
(「山はいいのかい」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
環境問題に真っ向から取り組んでいる政党の皆さんもいるはずです、逆行していませんか。
(「大きなお世話だ」と呼ぶ者あり)
もしほかに有力な候補地があるのなら、反対ばかりではなくて御提示願います。
(「探してないでしょ、あなたたちは」と呼ぶ者あり)
中央ふ頭がパンクしたら、小樽市も議会も、市民から集中砲火を浴びますよ。
(「またおどしかい」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
市民のための雪捨て場の増設は市民の願いです。まさしく民意です。
(「誰の」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
今回の皆さんの否決という判断は、その民意に逆らうものであります。来年は選挙の年です。こんなのでいいのでしょうか。
(笑う者あり)
(発言する者あり)
市民の皆様が、住んでいてよかったと言ってくれるまちにしていくためにも、便利で暮らしやすくしていくことが我々議員の責務であり、役割なのではないでしょうか。私たちの責任を果たしましょう。市長だけに任せ放しにしておく場合ではありません。
(「任せない」と呼ぶ者あり)
最後にまとめさせていただきます。そもそも今回の修正案のように、委託料そのものを減額する修正では、いずれ年度途中で補正を組むことは必至であり……
(発言する者あり)
単に課題を先送りにしたにすぎない全く無意味な修正であります。
(発言する者あり)
表向きには8億円減額した格好になっていますが、内容は何も変わっていません。
(「違う。そういう意味じゃない」と呼ぶ者あり)
森井市長になってから、あたかも財政が悪化したと言っているようですが、平成27年度の除雪費は、当初予算は6,500万円しか組んでおらず、このときでさえ、財政調整基金から5億3,000万円切り崩しております。ということは、実際の除雪費は当然補正予算を組まなければならず、この年には11億3,000万円の補正予算が組まれました。合わせると16億6,000万円の財源不足であります。
(発言する者あり)
物価の変動や地方交付税の減額を考えれば、現在までよく維持してきていると考えるのが妥当です。
(発言する者あり)
厳しい財政状況は平成27年当時から、いや、その前から何も変わっていないのです。
(発言する者あり)
であるのに、昨年の12月の第4回定例会において、議員の歳費を値上げする法案を可決しました。
(発言する者あり)
(「議案ね」と呼ぶ者あり)
共産党や私は反対しましたが、これも数の力で可決されてしまいました。
(「それ事実と違うじゃない」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
こんなことが市民に知れたら、大騒ぎになるのではないのでしょうか。
(発言する者あり)
我々議員もこんな財政状況ですから、身を切る対応があってしかるべきです。
(「じゃあ、退職金もらうな」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
以上、修正案には否決、原案には可決を主張し、討論といたします。
(「道義的って言葉、一つも出てこないぞ」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
(「市長、退職金もらわないほうがいいんでないの」と呼ぶ者あり)
(「議長、3番、議事進行について」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)3番、安斎哲也議員。
○3番(安斎哲也議員)ただいまの石田議員の討論の中で、市交際費の部分で、隣の町村の名前を出して「余市町長でさえ」とか、「仁木町に至っては」ということで、少し他町村首長のことをやゆするというか、低く見て、見下げたような言い方をしている部分があったので、これは、さすがに小樽市議会として、認めていい発言なのかどうかというのは疑問に思っていますので、これについて議長のほうで、私の指摘がそのとおりだということであれば、石田議員に訂正を御指示いただきたいと思います。
(発言する者あり)
○議長(鈴木喜明)ただいま、安斎哲也議員の議事進行にお答えします。
(発言する者あり)
「でさえ」とかそういうのは、私も若干問題はあるなという気はいたしますけれども、ここで石田議員に「でさえ」とかそういうことは、ニュアンス的には違ったということであれば、発言を許したいと思いますが。
(「言い直したほうがいいって」と呼ぶ者あり)
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)6番、石田博一議員。
○6番(石田博一議員)言葉は、あくまでもとり方ですから。
(「違うって」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
私は、「でさえ」とか「に至っては」と言ったのは、あくまでも小樽市よりも予算規模の小さな町でもという意味で使っております。
(「そういう言い方ないしょ」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
ですから間違ってはいません。
(発言する者あり)
(「それが失礼な言い方だよ」と呼ぶ者あり)
(「余市長は、仁木町は、でいいんだよ」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)今のお話で、そういうことは、余市町は、財政規模も小さいところでさえ、小樽より多いということを言ったということなのですね。
(「そういうことです」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
それは、その財政規模が小さければ、当然、市長の交際費はそれより縮小するはずだというお考えのもとという発言になりますけれども、そういうことですか。
(「まあ、そういう意味もあります」と呼ぶ者あり)
(「それもまた失礼だぞ」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
その言い方は失礼というか、要するに財政規模が小さければ首長の交際費は少なくあるべきだということはその市町村、それぞれのお考えがあるわけですから、当然、財政規模が小さければ、例えば大きいところよりたくさん使うのは不遜ではないかというような聞こえ方もしてくるので、そういう意味ではないのでしょうから、そういうところの言葉の使い方が少し違うのではないかという御指摘だと思いますよ。
ですから、間違っているとかではなくて、そういう、財政規模が小さければ首長の交際費が少なくあるべきだというお考えではないのですよね、石田議員は。そういうことであれば、基本的にはそういうお考えでない中で、今の使い方ということであれば、私としては訂正というかあれではないですけれども、もし、財政規模が小さければ当然首長の交際費は少なくあるべきだというお考えのもとでの発言であれば、それは即訂正していただかなければいけないと思いますよ。その件について、もう1回お答えください。
(「言い直せばいいんだって、だから」と呼ぶ者あり)
(「言い直しなさい。余市町は、でいいんでしょ」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
○6番(石田博一議員)今の議長のお考えでよろしいです。
(「ちゃんと自分で言い直しなさいって」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
○議長(鈴木喜明)申しわけありませんけれども、議員の発言でありますので、私としてはこういう考えのもとにお話をしたというか、先ほど皆様が議事進行の中で指摘があった、誤解ではないということをしっかり説いていただいて、もし、そういうふうにとられそうであれば、「でさえ」とかそういうところは取られたほうがよいかと思いますけれども、こちらのそれはいいですか。
(「自分の口で言わせなきゃだめだよ」と呼ぶ者あり)
(「隣の余市町は」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
細かいところと思うかもしれませんが、基本的にはやはり自治体同士、しっかりきちんと尊厳を持った言い方をしなければいけないというふうには思いますので、もう一度、発言の内容を訂正するならしていただきたいと思います。
(発言する者あり)
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)6番、石田博一議員。
(「訂正・削除しろって」と呼ぶ者あり)
○6番(石田博一議員)そういう誤解が生まれそうなのであれば、それぞれを「は」に変えてください。
(「それぞれって」と呼ぶ者あり)
(「ちゃんと言い直せばいいしょ。子供じゃないんだよ」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
○議長(鈴木喜明)町村名を出されて、「でさえ」、「至っては」というところは「は」に訂正させていただくということですね。それでよろしいですね。
(「はい」と呼ぶ者あり)
では、そう処理させていただきます。
安斎議員の議事進行でありますけれども、今の形で直します。よろしいですか。
(「はい」と呼ぶ者あり)
(「議長、18番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)18番、佐々木秩議員。
(18番佐々木秩議員登壇)(拍手)
○18番(佐々木秩議員)民進党を代表し、予算特別委員会において可決された平成30年第1回定例会議案第1号修正案に対して、可決に賛成の討論をいたします。
森井市長から提案された一般会計予算額、およそ559億1,000万円のその大部分については、本市の経常収支比率が2016年度99.3%であることから、大部分が市民生活に必要不可欠ということがわかります。しかし、新年度予算においては財源不足約20億円、結果、財政調整基金の残額が約3億円という内容は市中期財政収支見通しを上回るスピードで市財政が危機的状況に近づいているのが実情であるにもかかわらず、森井市長は何ら有効な財源対策を講ずることもできず、いたずらにこれまでの歴代市長が苦心して蓄えてきた市の貯金である財政調整基金を食い潰している実態をあらわしています。
私たちは、本市がこのまま第二の夕張になることを見過ごすことはできません。小樽市民から託された血税の有効活用のために、根拠を十分に示せない事業や、市長の明らかに判断ミスの事業については、その支出をそのまま認めることはできかねます。
予算特別委員会終了後、市長は予算に一部の議員が協力しない状況は大変残念と述べました。これは、森井市長のそのときの心情をそのまま吐露されたのだと思いますが、この発言は、市長提案予算案を議会が無条件、無批判で可決するのが当然と述べているようで、市長の地方自治と民主主義のルールについて、無理解のあらわれです。
このような市長が立案した予算案については、より一層、慎重にチェック機能を果たさなければなりません。
また、森井市長は議会が議決した予算に対する道義的責任についても言及しました。私たちとしては、議決結果への公的責任と道義的責任が一致するのが望ましいですが、不幸にして一致しない場合は、議員として公的責任を果たすことを優先します。それが私たち議員に課せられた使命だからです。
よって、このたびの新年度予算について、たとえ市長が道義的責任があると言おうが、最初に述べたように、本市の財政が第二の夕張にならないための修正案を支持し、公的責任を果たすことといたします。
以下、修正案の具体的内容について触れます。
除排雪予算についてです。森井市長が就任して3回目の冬が終わろうとしていますが、その集大成として、平成30年度予算を作成されたものと考えます。森井市政の一丁目一番地のきめ細やかな除排雪の結果は、極めて主観的で恣意的な判断による排雪抑制により、ことしも数日間路線バスがとまり、除排雪に対する苦情は増加しています。市長は、地域総合除雪体制を導入した目的や経緯を全く理解していないようです。過去の一部関係者の話だけを聞き、不公正を指摘された反省から生まれたこの体制を逆行するのは許せません。今定例会で指摘されたように客観性、透明性のもとで除排雪の基準を示し、市民の理解を得られる再提案を強く望みます。
伍助沢の市民雪堆積場についてです。本当にここに設置することが、大きな意味で地域住民や利用業者のためになるのでしょうか。狭い道路の危険性や、環境の問題も指摘されました。何よりこの場所使用の提案は、専門家ではない市長から一方的に出たとのこと、本当に検討が尽くされているのか不明です。よって、課題を整理してから着手するべきです。
続いて、市交際費についてですが、財政が逼迫している状況で、市交際費は増額するということにはなりません。今定例会の議論においても、公的な場で私見の話をし、政治活動と公務の違いもわからず混同してしまっている森井市長です。全て公務で広く声を聞くために必要と言い切ることには疑義があります。
増額の理由に、他の道内主要都市と比べても低いことも挙げていましたが、他の施策においては、よそはよそ、うちはうちという市長のスタンスとは全く矛盾しております。
(「そうだ」と呼ぶ者あり)
このような財政状況であるからこそ、市長にかかわる予算は削減していくのが自身の責務であると、みずから言ってほしかったです。
(発言する者あり)
水難救助体制整備事業費435万1,000円の予算修正について、今定例会の議論経過で、市長から検討するよう指示があり、予算要求がなされたことが明らかにされた上、小樽海上保安部や警察など、関係機関との協議も十分になされた上での提案と判断することはできませんでした。今後、市民の安全を全ての海岸河川で守るための、よりよい方策を御提案いただくよう、お願いします。
創業支援事業費についてです。新規創業者への支援に関しては、本市の経済活動に重要な事業と考える一方で、財政状況における懸念も勘案すると、前年度の実績値をもとに400万円減額した1,500万円の計上が、財政状況を踏まえた上での苦渋の決断といたします。
IT関連企業等誘致促進補助金についてです。現在、IT関連企業等からの協議や相談の実態はなく、2018年度も具体的な動きは見込めない状況であるとのこと。よって、今回の予算計上については見送り、協議が進捗した時点で補正予算を組む方法で対応していただきたいと考えます。
港湾計画改訂事業費についてです。中断する港湾計画改訂作業の再開は、基本理念作成後の2019年度から行うということでした。その間にかかる事務費や出張費は、港湾総務費から捻出することが妥当と考えます。
以上ですが、この修正案は、代表質問から予算特別委員会までの10日間、出席議員と説明員側の危機的状態にある本市財政を何とかしたいという、熱く真摯な議論の具体的成果です。はなから市長の言っていることが全て正しいという、議会のチェック機能を果たし得ない、一方的思い込みで根拠に乏しい市長擁護の感情論とは違うことを申し添え、議員各位の御賛同をお願いし、本修正案に対する賛成の討論とします。(拍手)
(「議長、11番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)11番、斉藤陽一良議員。
(11番斉藤陽一良議員登壇)(拍手)
○11番(斉藤陽一良議員)ただいまの委員長報告に賛成し、予算特別委員長報告の平成30年第1回定例会議案第1号平成30年度小樽市一般会計予算に対する修正案及び修正部分を除く原案について、公明党を代表し、可決を求めて討論を行います。
原案は、平成30年度一般会計予算として、総額559億1,355万2,000円を計上されていますが、森井さんみずから発言されているとおり、厳しい財政状況の中、歳入については過疎対策事業債ソフト充当分から2億1,590万円、さらに、財政調整基金から何と17億9,695万6,000円も取り崩す財源対策により編成されています。
30年度は、除排雪事業の費用も当初予算に計上されていますが、さらなる歳入増加の施策を伴う予定もない中、中期財政収支見通しでも指摘されているように、このまま何ら財源対策を行わなければ、平成32年度には財政調整基金が枯渇するという状況に陥っており、今回のような財源対策で一般会計を賄わざるを得ないことは、市民の皆さんにとって大きな負担を与えるものであります。
本来なら、森井さんは少しでも予算を削減すべき義務があるにもかかわらず、この原案からはその努力が全く見受けられないという提案者の指摘は、まことに的を射たものであります。
また、昨年の議会議論で明らかになった、本市の公共交通網の重要な部分を担っていただいている北海道中央バスとの関係悪化や、同社に一部負担をしていただきながら進めてきたふれあいパス事業について、昨年10月からは市が事業費を全額負担しなければならなくなったことにより、29年度当初予算で1億6,000万円だった事業費が、平成30年度には2億350万円に増加したことは、本市財政にとって極めて重大な問題であり、原因は、同社に真摯な対応を怠り、小樽市にとって全額負担以外の交渉の余地も残されていたにもかかわらず、負担部分についての交渉を十分に行わないまま、いたずらに時間だけを費やした森井さんの個人としての資質のなさに加えて、救いがたい失策、失政にあることは誰が見ても明らかであります。
したがって、我が党は本修正案について、財政健全化に真剣に取り組もうとしない森井さんにかわって、提案者がこうした状況を改善し、ふれあいパス事業を従来どおり継続するためには、これまで同社に負担をしていただいていた部分の財源対策を考えるべきとし、それに見合う財源をその他の事業の中から探索し、さらなる精査の必要があるものや提案を先送りすべきものについて、具体的に減額修正すべき金額や内容、その理由を明快に述べられていることから、それぞれについて賛同の意思を表明するものであります。
まず、総務費については、25万円を減額することについてですが、これは全て市交際費の減額であり、市長みずから厳しい本市の財政状況を述べている中で、歴代市長が例年75万円で対応してきているにもかかわらず、みずからの身を切る努力をすることもなく、欲しいままに予算を増額することは、市民が納得する合理的な根拠を示すことができない以上、認めるわけにいかないのは当然であります。
次に、商工費の1,400万円の減額について。そのうちIT関連企業等誘致促進補助金は、平成29年度から実施をし、28年度、さらに平成29年度の残る期間の見込みを含めても実績なしとのことであり、原案計上の1,000万円全額を減額し、対象企業や内容を見直し、対象企業が出てきた段階で費用を算定し、予算を補正し対応すべきであります。
同じく、創業支援事業費については400万円減額し、1,500万円とします。本事業も平成28年度900万円、平成29年度1,300万円の実績ベースで考えると、平成30年度は実績の伸びの期待を含めても、修正案の金額が妥当であると考えます。
土木費の7億8,464万円減額についてですが、その減額内訳として、まず、除雪費の除排雪業務委託料は、原案では7億6,414万円計上されておりますが、今年度の除排雪業務については、市民の間に大きな不満や不安を生み、市民のための除排雪が実施されていない現状であり、多くの疑義が議会質疑でも挙げられ、見直すべき点も多数指摘される中、今年度の検証も行わずに例年どおり平然と当初予算計上することを認めることは到底できません。森井さんがよく言うきめ細やかな除排雪とはほど遠い、不行き届きな除排雪状況であり、市内の計画的な除排雪事業を執行するに当たっては、各ステーションの除排雪業者や交通事業者等も交え、バックデータをもとによくよく検証の上、各作業の進行に当たり明確な基準などを設けて、市民の安全・安心と冬の生活利便性確保に、必要十分な予算の計上を行うべきであります。
次に、雪処理場等関係経費1億5,609万円のうち、塩谷4丁目雪堆積場開設に関する経費分2,030万円の減額については、市民が利用する雪堆積場について、受け入れ量など精査し慎重に判断するべきであり、また、この開設地は環境への配慮が必要な場所であり、その上、道路改修など多額のコストがかかる点も考慮に入れて、しっかりとしたデータに基づいた必要性が示されるまで、先送りすべきであります。
続いて、港湾計画改訂事業費について。原案では20万円計上されていますが、市は現在、港湾計画改訂事業を中断し、来年度はその事業を執行しないとしていながら、計画改訂の事業費を計上することは不適切であり、矛盾であります。この金額について、原案から削除し先送りとするのは、至極妥当であると考えます。
最後に、消防費のうち水難救助体制整備事業費435万1,000円を全額減額修正する件についてですが、予算説明では、水難救助用のボートその他を購入し、常備消防職員3名を常駐させるとのことであります。しかしこれは銭函地区に限定されており、これでは市内の他の海水浴場等への対応と整合性が保てず、まして銭函地区での水難事故は、主に遊泳禁止区域で発生していることなどを考えると、遊泳禁止区域で遊泳をさせないための情報周知を徹底することや、市内全ての海水浴場の監視、救助体制の現状を総合的に確認、分析するなど、銭函地区に特化して体制を固定化する前に、先んじて行うべきことは多々あることから、当該予算も妥当とは言いがたいものであります。
以上の理由から、平成30年度小樽市一般会計予算について、歳入歳出予算総額559億1,355万2,000円を、総額551億1,031万1,000円に減額する修正案については妥当であります。
このように、新年度当初予算がこれだけ大幅に減額修正される事態は、その当初予算原案を提案した執行機関の政策運営に対して、議会側が事実上の不信任の態度を表明したことを意味するものと解すべき重大な事態であります。
さらに、この修正案が採決された3月9日の予算特別委員会の終了直後、森井さんは記者の取材に対して、銭函で水難事故が発生した場合、議員はどう責任をとるのか、予算に一部の議員が協力しない状況は大変残念と述べたことが報道されました。万が一発生した水難事故に対する責任は、一般に、市にも議会にも、議員にもないことは明白であるにもかかわらず、それをいかにも議員にあり、それをどうとるのかと迫る森井さんの悪質な言いがかりは、到底許されるものではありません。
さらに、それを議会で追及されると、法的責任はないが、道義的責任が市や議会にあると強弁するなど、市長として求められる行政の長としての資質、能力はおろか、一社会人としての判断力や倫理観さえ疑問視されるに至りました。
また、予算特別委員会の全ての委員が反対の態度をとっているにもかかわらず、森井さんは一部の議員が協力しない状況と、事実に反する発言をして改めず、審議を著しく停滞させたほか、議会が市長提案の予算議案を修正したことをもって、議員が協力しないのは残念と、いわば戦争中の翼賛議会さながら、議会は市長に協力すべきものと言わんばかりの、議会制民主主義をわきまえない時代錯誤の致命的な政治感覚のなさを露呈しております。
以上、森井さんはこれまで二度に及ぶ辞職勧告決議の可決に加え、今回、事実上の不信任を意味する議会による平成30年度当初予算の大幅な減額修正という恥ずべき事実を重く受けとめて、直ちに市長の職を辞すべきことを強く申し上げ、予算特別委員長報告の平成30年度小樽市一般会計歳入歳出予算の修正案に対し、可決の態度を表明し、各会派、各議員の御賛同を呼びかけて討論といたします。(拍手)
○議長(鈴木喜明)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
議案第1号に対する委員長報告は修正可決でありますが、まず、高野議員外4名から提出された修正案について採決いたします。
高野議員外4名から提出された修正案について可決とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(鈴木喜明)起立少数。
よって、否決されました。
次に、本案に対する委員長報告は修正可決でありますので、委員会の修正案を可決とすることに賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(鈴木喜明)起立多数。
よって、委員会の修正案は可決と決しました。
次に、ただいま可決した修正部分を除く原案について採決いたします。
修正可決部分を除く部分を原案のとおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(鈴木喜明)起立多数。
よって、修正可決部分を除く原案は、可決と決しました。
次に、議案第2号ないし議案第14号、議案第27号、議案第28号及び議案第39号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(鈴木喜明)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)御異議なしと認め、さように決しました。
この際、暫時休憩いたします。
休憩午後3時17分
――――――――――――――
再開午後3時45分
○議長(鈴木喜明)休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
次に、総務常任委員長の報告を求めます。
(「議長、23番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)23番、山田雅敏議員。
(23番山田雅敏議員登壇)(拍手)
○23番(山田雅敏議員)総務常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
議案第23号小樽市債権管理条例案については、市は、条例の制定による市民へのメリットとして、大多数の納期内納付者にとっては、適正な債権管理により公平性が確保され納得できること、滞納者にとっては、徴収猶予や債権放棄ができることを挙げているが、徴収猶予や債権放棄については地方自治法に定めがあり、現行の制度下においても可能であることから、メリットとはならないと思うが、市にはその認識があるのか。また、パブリックコメントの意見募集時には、条例制定の目的を公平な市民負担の確保としていたにもかかわらず、条例案では、公正かつ円滑な行財政運営に資することと変更したことは、市民を欺いたことにほかならず、結局は、市が税や料の徴収効率化や円滑化を行うための条例でしかなくなっていることから、市は条例案を修正して、提案し直すべきだと思うがどうか。
自治基本条例については、平成30年度に全ての条文を対象として見直しが必要か否かの検討を行い、見直しが必要と判断した条文については、31年度に見直しを行う予定であるという。2年かけて見直しを行うことについて、市は、初めての見直しのため慎重に行うためだとしているが、現状に適さない条文があるのであれば、速やかに見直す必要があると考えることから、31年度とは言わず、その前に結論を出すべきと思うがどうか。
また、見直しに当たり、議会を規定する条文を見直すことになった場合には、市による見直し案が議会によって修正される事態にならないよう、市長は議会の意向を確認するための手段を講じるなど、市職員に指示するべきと思うがどうか。
森井市長は、予算特別委員会閉会後の取材に対し、予算に一部の議員が協力しない状況は大変残念と発言したことについては、全委員が予算を原案どおり認めていないことから、市長発言は事実誤認であることは明白であるにもかかわらず、市長は事実誤認であることを認めず、発言を訂正しないという。しかし、それでは森井市長に対し、客観的事実に基づかず、思い込みや憶測で公的発言を行い、誤りが発覚しても謝罪や反省ができない市長だという烙印が押され、社会的信頼性を失うことになるが、市長はそれでもよいのか。
また、市長は発言の中で「協力」という言葉を使用しているが、議員には市長提案の予算への協力義務はなく、今回、予算が修正可決されたのは単なる市長の力不足であり、協力しないことをもって議会が道義的責任を果たしていないというのは、戦前の大政翼賛会と同じ発想である。議決に不服があるなら、再議のように法律に基づく手続もあることから、市長には不適切な発言を行う前に、ルールに基づいて対応してほしいと思うがどうか。
森井さんは、銭函地区における水難救助体制整備事業費が予算特別委員会で減額修正された直後、取材に対し、事故が発生した場合には議会にとるべき責任があるかのような発言をしている。しかし、水難事故は本来自己責任であり、市や市議会に法的責任はなく、また、森井さんの言う道義的責任も個人の内心の問題であり、法的には意味をなさないことから、議会にはとるべき責任はないと考えるが、なぜ、森井さんはいかにも責任があるかのごとき発言を行ったのか。今回の森井さんの発言は、記事を見た者の感情をあおり議会をおとしめるものであり、その手法はファシズムが用いるデマの手口と同様のものだと言わざるを得ない。歴史ある小樽市の市長が、公人としてこのような発言をすることは恥ずべきことであり、小樽市の名誉のためにも、森井さんは発言を撤回すべきと思うがどうか。
平成30年2月1日の市長記者会見での森井市長の発言は、公式見解と私見が余りにも混在していることから、聞く人には、小樽市長が話しているのか、森井氏個人が話しているのか判断できないものになっている。しかし、市長という公職についている以上、聞かれたときにだけ個人的見解を述べる以外は、公人として発言するべきと思うがどうか。
また、森井市長は同日の記者会見で、小樽協会病院の分娩再開について事実誤認の発言を行い、市民に少なからず誤解を与えている。この発言が、私見か公式見解なのかはわからないが、市民に少なからず誤解を与えている以上、市は速やかに訂正すべきと思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、陳情第23号につきましては、継続審査を主張する会派がありましたが、賛成少数により継続審査は否決されました。続いて、採決を行った結果、賛成少数により不採択と決定いたしました。
次に、議案第40号及び議案第41号につきましては、採決の結果、賛成少数により、いずれも否決と決定いたしました。
次に、議案第21号、議案第23号及び議案第35号につきましては、採決の結果、賛成多数により、いずれも可決と決定いたしました。
次に、その他の各案件につきましては、議案はいずれも可決と、所管事務の調査は継続審査と、全会一致により決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(鈴木喜明)これより、一括討論に入ります。
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)8番、酒井隆裕議員。
(8番酒井隆裕議員登壇)(拍手)
○8番(酒井隆裕議員)日本共産党を代表いたしまして、ただいまの委員長報告に反対し、議案第21号、第23号、第35号は否決、陳情第23号は継続審査を主張し、討論を行います。
マイナンバー制度については、一貫して反対しております。債権管理条例案では、債権台帳の整備や徴収計画の策定を行い、督促以下の手続を進めるというものですが、現行制度のもとに実施している債権徴収手続においても、徴収事務と債権の消滅手続は可能です。本条例の柱は事務の一層の適正化、効率化であって、債権徴収強化です。パブリックコメントでも、条例制定の必要性がないという意見が大多数を占めました。そもそも、全庁統一的なルールなどあり得ません。条例制定の必要性は全くありません。
陳情第23号です。趣旨については理解できますが、議論が必要なことでもあり、継続審査を主張します。
議案第35号です。この手当増額は当然ですが、配偶者の手当削減はするべきではありません。
議案第40号です。市長減給条例です。市長がまず責任を果たすべきという立場で賛成はしますが、今後において、さらにみずからを律することが必要です。いずれにしても、市長がこのまま何の罰も受けない状態はふさわしくありません。
議案第41号です。小樽市非核港湾条例案です。米朝首脳会談への動きが報道されています。会談が実現し、危機打開、緊張緩和、非核化、平和体制の構築につながることを強く願うものです。その一方で、米国トランプ政権が公表した新核戦略指針「核態勢の見直し(NPR)」で日本への核持ち込みの危険拡大につながる、重大な方針転換がなされました。小樽港には、毎年のように核兵器搭載可能な米艦船の寄港が行われています。非核平和都市宣言を実効あるものとし、核兵器搭載可能艦艇の入港をさせない取り組みをするべきです。
以上を申し上げ、討論といたします。(拍手)
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)17番、中村誠吾議員。
(17番中村誠吾議員登壇)(拍手)
○17番(中村誠吾議員)民進党を代表し、議案第40号小樽市特別職に属する職員の給与の特例に関する条例案に、反対の討論をいたします。
一度議会で否決されたものです。同じ理由のままです。ということは、二度目の今回の内容は、議会にも市民にも説明責任を果たし、納得してもらう、させる気などさらさらないということです。
よろしいですか、こういうことこそが、市長として資質がないということなのです。言っても無駄なのでしょうが、市長の仕事というのは、自分の考え、思いを、条例や予算として市民の代表である議会に納得してもらって、実現していくことこそが市長の仕事なのです。
(「私見で動いたらいらないですよ」と呼ぶ者あり)
この仕組みは、地方自治の根本なのですよ。この仕事を放棄し、能力もないことが、今日のことでよくわかりました。
次に、議案第41号小樽市非核港湾条例案に対し、賛成の立場から討論いたします。
核弾頭を搭載可能な危険な軍艦が、核兵器廃絶平和都市宣言をする小樽市へ、友好親善の名のもと、係留経費すら支払わず入港すること。また、地位協定と照らし合わせても、たび重なる入港が友好親善とは考えられず、米軍の調査及び訓練であることは明らかです。市民に小樽港の軍事的役割を平時から意識させるものであり、北東アジア地域の軍事的緊張、そして平和を願う市民の思いに逆行するものと考えます。
我々民進党は在札幌米国総領事館と北海道に対して、同じ考えから、関係団体を通して、マスティン入港反対の意思を示しました。
このことについて、北海道から回答がありました。港湾管理者である小樽市長の意向が尊重されるべきと考える。核兵器の搭載の有無については、外務省に確認しており、在札幌米国総領事館に対しても、乗員の規律の厳正な保持と事故防止に万全を期すように要請を行ったと述べていました。
また、同じく北海道は、港湾利用は日米地位協定に基づいて行われるものであり、国の基本的な施策である外交安全保障にかかわるものであるが、今後も渉外知事会を通じ、港湾管理条例等の尊重、非核三原則の堅持など、地元の意向が尊重されるように国に要望していくと答えました。
これは、残念ながら相次ぐ在日米軍による事故と犯罪を受けて、関係自治体や各県知事が、強く在日米軍のふるまいを指弾しました。そして、政府も大変遺憾であると表明したのであります。これを鑑みるとき、北海道として当然の態度だと認識します。
そこでです。小樽市としても、当然同じ立場から外務省に対して、核兵器を搭載していませんよねと尋ねているだけのことなのであります。そうであるから、地域や地方の意向、思いが尊重されなければならないとする地方自治法、そして港湾法の成り立ちを考えるとき、平和を願い、人類に対する犯罪兵器である核兵器を認めないとする本小樽市非核港湾条例に賛成するものであります。
議員各委員の賛同を求めて、討論といたします。(拍手)
○議長(鈴木喜明)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、陳情第23号について採決いたします。
委員長報告は不採択でありますが、継続審査と意見が分かれておりますので、まず、継続審査について採決いたします。
継続審査と決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(鈴木喜明)起立少数。
よって、継続審査は否決されました。
次に、委員長報告は不採択でありますので、原案について採決いたします。
採択と決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(鈴木喜明)起立少数。
よって、陳情は不採択と決しました。
次に、議案第40号について採決いたします。
委員長報告は否決でありますので、原案について採決いたします。
可決と決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(鈴木喜明)起立少数。
よって、議案は否決されました。
次に、議案第41号について採決いたします。
委員長報告は否決でありますので、原案について採決いたします。
可決と決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(鈴木喜明)起立少数。
よって、議案は否決されました。
次に、議案第21号、議案第23号及び議案第35号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(鈴木喜明)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、経済常任委員長の報告を求めます。
(「議長、19番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)19番、林下孤芳議員。
(19番林下孤芳議員登壇)(拍手)
○19番(林下孤芳議員)経済常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
小樽港港湾計画の改訂を一時中断した理由について、市長は取扱貨物量の計画値においては、現在の小樽港を取り巻く社会情勢を踏まえ、物流の振興策に取り組みながら現状の港湾機能を最大限に伸ばすため、取扱貨物量の計画値を、平成8年のピーク時に近づけることができないのか検討したいと述べているが、北海道の港湾全体の取扱貨物量が減少し、フェリーの日本海航路数も限られている中で、小樽港の取扱貨物量を増加させようという市長の思いを実現するためには、取扱貨物量が平成8年度に比べて倍以上に増加している石狩湾新港への投資をやめて、小樽港の活用を促進させると同時に、小樽・敦賀間のフェリー航路を取り戻さない限り、到底不可能な話であると言わざるを得ないと思うがどうか。
小樽港の第3号ふ頭は、税関手続を比較的簡易、迅速に処理できる指定保税地域に指定されており、平成28年度には、北海道全体の中古車輸出の94.8%を小樽港が占めたことからも明らかなとおり、他港に比べての利点となっているという。しかし、市は、現在、第3号ふ頭に国際旅客船埠頭機能を整備する方向で計画を進めており、その整備がなされた場合、第3号ふ頭では指定保税地域としての輸出入機能を保持することができないとのことだったが、市は別の場所への指定保税地域の機能移転について、どのように考えているのか。
また、市が港湾計画改訂を一時中断してまで基本理念を作成するというのであれば、第3号ふ頭の例のように、個々の案件ごとに玉突きを繰り返しながら小樽港のゾーニングを決定していくのではなく、小樽港全体を見渡した上でバランスがとれるよう、考慮しながら進めてほしいと思うがどうか。
市は、ひき船「たていわ丸」の後継船を導入するに当たり、中古船、新造船、裸用船のそれぞれで30年間の経費を比較した結果、最も収支のバランスがよい新造船での導入を決定したとのことだが、この場合でも年間500万円、30年間で合計1億5,000万円程度の赤字が見込まれるという。この赤字は、現在よりも10隻多く大型クルーズ客船が毎年小樽港に寄港することで解消できるというが、ポートセールスの観点から、この寄港増は達成できると考えているのか。また、ひき船の新造に多額の税金を投入していることについて、市民の理解を得るためにも、ぜひ赤字解消に向けしっかりと取り組んでほしいと思うがどうか。
市が計画案を示した小樽市地域雇用創造計画案について、計画に基づき雇用創出事業を行うに当たっての地域重点分野として、観光産業分野と食関連産業分野の二つを挙げているが、市が地域重点分野をこの二つに絞った理由とは何なのか。
一方、市が今後行う予定の地域未来投資促進法に基づく小樽市基本計画では、地域経済牽引事業として観光や食関連だけではなく、小樽港などの交通インフラを活用した物流関連分野にも力を入れていくという話も聞くが、本事業においても観光、食関連分野だけに固執するのではなく、他事業との関連性も考慮し、例えば地域産品の販路拡大により雇用創出を目指す取り組みとして、小樽港を活用した販路拡大の可能性を探るセミナーを行うなど、小樽港を活用してもらう働きかけも積極的に行ってほしいと思うがどうか。
近年、本市において有害鳥獣による農業被害が増加しており、市ではこれらの駆除をしているものの、その生息数は一向に減少する様子が見られず、相当数が山間部に生息していると思われる。そのような中、例年150頭前後駆除されているエゾシカについて、市では来年度、わずか40頭分の駆除しか見込んでいないとのことだが、実態にそぐわない見込みを立てているのは、どのような理由によるものか。また、ここ数年駆除に関する予算の執行率が100%であることに鑑みると、実際には駆除し切れないで残された有害鳥獣も多くいることが想定される。今後、しっかりとした対策をとらなければ、さらなる農業被害の拡大が想定されることから、市には必要な頭数を駆除できるよう、手だてを講じてほしいと思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、陳情第11号につきましては、採決の結果、賛成多数により、継続審査と決定いたしました。
次に、その他の各案件につきましては、議案は可決と、所管事務の調査は継続審査と、全会一致により決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(鈴木喜明)これより、一括討論に入ります。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)20番、小貫元議員。
(20番小貫元議員登壇)(拍手)
○20番(小貫元議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、陳情第11号「店舗リフォーム助成」条例制定方については、採択を主張して討論します。
市長提案の当初予算案では、今年度実績のないIT企業誘致に、引き続き予算を計上しました。市長が公約に掲げた企業誘致のためでしょうが、同時に掲げていた中小零細企業へより大きな助成拡大については、一切進めていません。それならば、議会として本陳情を採択し、制度実現を迫り、その一例にしてはいかがでしょうか。
市内の業者は、多くが小規模業者や個人経営です。外から来る企業だけを応援するのではなく、地元で頑張ってきている業者を応援することを求めます。特に、店舗の老朽化が進んでいる中で、店舗の改修や設備の更新を助成することによって、市内業者への発注を促し、市内経済の循環を実現する店舗リフォーム助成制度実現を求める陳情者の願意は妥当であり、採択を求め討論といたします。(拍手)
○議長(鈴木喜明)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、陳情第11号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(鈴木喜明)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、厚生常任委員長の報告を求めます。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)22番、新谷とし議員。
(22番新谷とし議員登壇)(拍手)
○22番(新谷とし議員)厚生常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
議案第24号小樽市手話言語条例案については、条例を制定することが目的ではなく、制定後に手話の普及啓発に向けた各種施策を実施していくことが重要だが、市は、市民に向けた具体的な施策の推進をどのように考えているのか。また、施策の推進に当たっては、関係団体との協議をしっかり行うとともに、市には手話言語条例における他都市の先進事例を調査し、市民が手話への理解を深めることができるような施策の実施を検討してほしいと思うがどうか。
議案第29号小樽市指定地域密着型サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例案では、介護保険法の一部改正に伴う基準省令の一部改正に基づき、定期巡回・随時対応型訪問介護看護のオペレーターに係る基準の一つであるサービス提供責任者の経験年数が3年から1年に見直しされているが、この経験年数の差によって、利用者への対応に差が出るようなことはないのか。また、一部改正される基準省令では、訪問介護の生活援助中心型サービスについて、ケアプランの適正化に向けた対策の強化が行われるというが、市には、この対策がサービスの利用抑制につながらないようにしてほしいと思うがどうか。
議案第32号小樽市後期高齢者医療に関する条例及び小樽市重度心身障害者医療費助成条例の一部を改正する条例案については、道外に住民票を有しながら、本市の国民健康保険に加入する者が75歳に到達した際、従前は住民票のある都府県の後期高齢者医療に加入していたものを、国民健康保険の住所地特例を引き継ぎ、北海道の後期高齢者医療制度に加入するよう変更するものであり、これによって社会福祉施設や医療機関が偏在する都道府県、市町村の財政負担の不均衡を是正することができるという。しかし、本来は被保険者が居住する自治体で対応が完結することが原則であり、被保険者の住所地が本市から離れることで、被保険者への連絡や保険料の徴収など、手続が煩雑化する可能性があるならば、居住する自治体で手続等が完結できるように、対応を考えるべきと思うがどうか。
本市における地域包括ケアシステムの構築については、団塊世代が後期高齢者となる平成37年に向けて、市が中心となり、在宅医療と介護など多職種が連携するための箱物ではないソフトづくりが強く求められていると考える。そのためには、現在以上に医療と介護の現場が意見交換を行うことができる場を設けるなど、市が潤滑剤や接着剤のような役割となって、これまでよりも現場同士が顔の見える関係を築くための仕組みづくりを進めてほしいと考えるがどうか。
在宅医療については、高齢化が進む中で全国的にニーズが高まり、入院型医療からシフトしていくと思われる一方で、在宅医療従事者の負担の大きさが問題提起されているが、市は、在宅医療従事者の負担軽減を図るための支援体制について、どのような取り組みを行っているのか。在宅医療の提供には、訪問診療を行う医療機関が必要となるほか、医療と介護の連携も必要になるが、市には、今後想定される需要の増加に向け、庁内においても連携強化を図り、体制整備を進めていく必要があると思うがどうか。
平成29年度から実施されている新小樽市立病院改革プランの数値目標では、平成32年度に経常収支比率を98.5%とし、33年度には単年度の経常収支の黒字化を見込んでいるという。その目標達成に向け、民間的経営手法の導入や経費節減・抑制対策として、競争性の高い契約への見直し、収入増加・確保対策としては、2次救急患者や他の医療機関からの紹介患者の受け入れ拡大による患者数の増加など、各種の取り組みを行っているというが、市には自立した病院経営のために、経常収支の改善を図るとともに、市民に信頼される、より一層質の高い病院となるよう努めてほしいと思うがどうかなどであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、議案第32号並びに請願第2号並びに陳情第6号、陳情第8号及び陳情第9号につきましては、採決の結果、賛成多数により、議案は可決と、請願及び陳情は、いずれも継続審査と決定いたしました。
次に、その他の各案件につきましては、議案はいずれも可決と、陳情及び所管事務の調査につきましては、いずれも継続審査と全会一致により決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(鈴木喜明)これより、一括討論に入ります。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)7番、高野さくら議員。
(7番高野さくら議員登壇)(拍手)
○7番(高野さくら議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、議案第32号小樽市後期高齢者医療に関する条例及び小樽市重度心身障害者医療費助成条例の一部を改正する条例案については反対の立場で、請願第2号、陳情第6号、陳情第8号及び陳情第9号は全て採択を求め、討論を行います。
議案第32号についてです。後期高齢者医療制度は、75歳という特定の年齢に達したら強制的に全員加入させられる制度です。年齢で線引きをし、特に医療リスクの高い高齢者を、別枠の医療保険に囲い込み、高い保険料と給付を強いる制度になっています。制度がつくられた理由について、高齢化に伴い増加する医療費に対して給付と負担の均衡を図り、将来にわたり持続可能な医療制度を確保するためといいますが、高齢者だけを切り離して医療を受けることをためらわせるような医療費抑制となっており、高齢者の命と健康に重大な影響をもたらす制度です。
今回提出された議案も、まさに医療費の抑制のために一部都市に人口が集中すればその市町村の医療費が高くなるだろうということで、負担の不均衡を是正するとして、現在の住所と異なっても転籍する前の市町村で医療負担をしなさいというものです。本来、国民健康保険または後期高齢者医療の適用は住所地で行われているため、たとえ介護施設や長期入院したとしても、住所を施設所在地に移した方については、住所地がある市町村で保険給付の適用を受けることが原則です。この特例の適用になる方がふえればふえるほど、本人との直接アポイントがとることも難しくなり、結果的に納付が困難になることも懸念されます。
日本共産党は、後期高齢者医療制度を速やかに撤廃して、もとの老人保健制度に戻し、減らされ続けた高齢者医療への国庫負担を復元して、憲法第25条を生かした医療改革への転換を求めており、この議案には賛成できません。
請願第2号の「ふれあいパス」利用制限撤回、現金乗車の要請方についてです。請願の願意は、もっと利用しやすいようにしてほしいという願いも込められています。今回、2017年度のふれあいパスの有効期限が1年延長となり、毎年の更新手続が大変だったという市民からは、喜びの声を聞いています。ふれあいパスは、1997年7月から実施されました。この背景には、社会的交流の場を求める市民の強い要望があったからです。アンケート調査からも、ふれあいパスが健康維持等につながっていることがわかっています。ふれあいパス未申請の方の中には、乗用車保有者だけではなく、バスに乗れない、回数券が買えない方もいます。未申請、実購入者についてもしっかり分析を行い、目的に沿って心身の健康と、高齢者が積極的に社会に参加できるような制度にするべきです。高齢者の人口の増加を理由に制度を萎縮するようなことは許されません。今後もふれあいパスの目的と役割から利用制限なく、もっと利用しやすく、小樽市の経済や公共交通維持にもつながるようにするべきです。
次に、陳情第6号朝里におけるまちづくりセンターの建設方についてです。昨年、厚生常任委員会で京田辺市の大住ふれあいセンターの視察をしてきました。ここの施設ができた背景には、児童館と老人福祉センターが地域になかったことや、ひとり暮らしの高齢者が多くなっていたということ、また住民からの要望もあり、高齢者と子供たちが自然な形で、ともにふれあい、世代を超えた交流が活発に行われるよう、人づくりの拠点施設として老人福祉センター、児童館、地域包括支援センターの複合施設として設置されています。設置後は世代的交流も自然にはならず、難しい部分もあったと聞いていますが、現在は、世代的交流行事のときには60歳以上のボランティアの方と子供ボランティアの方にも協力してもらい、子供にお手玉を教えたり、流しそうめんの行事をしたりするなど一緒に行事をする中で、ボランティアに参加する方や孫を施設に連れてくる方もふえて、交流が進んでいるとの話も聞きました。面積や規模も、小樽の場合、同じようにはいかなくても、施設建設を願う声があるわけですから、地域住民が集い、地域の核となるコミュニティー施設は必要です。
次に、陳情第8号子どもの医療費の小学校卒業までの無料化方についてです。市から、今回新たに拡大案が出されました。市内の子育て世代の方からは、子供が1週間近く入院をし、数万円の医療費が支払いができず親戚に立てかえをして支払いをしたという声も聞いています。入院となれば、わずか数日でも数万円と医療費がかかるので、退院時の医療費に対する精神的負担や心配なども軽減されることが期待されます。子供がお金の心配なく医療を受け、重症化につながらないようにするためにも、今後も医療費助成は必要不可欠です。
また、今回、小樽市手話言語条例案、小樽市障がいのある人の情報取得・コミュニケーション促進条例案が提出されました。2016年4月には、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律が制定され、障害を理由とする差別の禁止や、障害がある方に対しての情報伝達の手段としての合理的配慮が、社会の中でも強く求められています。障害の有無にかかわらず、誰もが安心して安全に暮らすことができるようにするためにも、二つの条例案が通る見通しになったことは、日本共産党としても大変うれしく思っています。
現在継続審査中の請願、陳情については、これまで述べてきたとおり、いずれも採択を求め、各会派、各議員の皆様の賛同をお願いし、討論を終わります。(拍手)
○議長(鈴木喜明)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、陳情第6号及び陳情第9号について一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(鈴木喜明)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、陳情第8号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(鈴木喜明)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、議案第32号及び請願第2号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(鈴木喜明)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、建設常任委員長の報告を求めます。
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)2番、千葉美幸議員。
(2番千葉美幸議員登壇)(拍手)
○2番(千葉美幸議員)建設常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質問の概要は、次のとおりであります。
陳情第10号赤岩2丁目道路の除・排雪対策方についてにおいて、除排雪の強化と改善の要望が出されている市道赤岩通線及び市道北山中学校下通線については、昨年度と比較し、今年度は除雪作業や道路の拡幅及び路面整正の回数を増加するなど、一定の改善が見られるが、雪押し場の確保はできなかったとのことである。今後、雪押し場の確保を含めて除排雪の管理をしっかり行ってほしいと思うがどうか。
秋田県大仙市では、空き家対策として市が町会と密接に連携し、住民情報を共有し合うことで、空き家になるのを未然に防ぐ取り組みをしているが、本市も民間事業者との連携を密にし、情報共有をすることにより、空き家・空き地バンク制度の有効な活用方法について具体的に検討してほしいと思うがどうか。
また、空き家対策には、本市のまちづくりを将来的にどのようにしていくつもりなのか、人口減少をどのように食いとめるのかなどさまざまな問題がかかわってくるため、これらの問題を建設部所管の空き家対策の担当のみで主導していくのには、職員数的にも無理があると思われる。空き家対策の観点から、本市のまちづくりについて検討を行っていくことは大変重要なことであり、今後は、建設部が中心となって各所管課と連携し、まちづくりの議論をともに行うことができる場を、ぜひ設置すべきと思うがどうか。
都市計画道路の見直しに当たり、平成27年度から見直し検討路線チェックシートを作成しているとのことであるが、いまだにシート自体が完成しておらず、1路線ごとの見直しについても今後作業を行っていくと聞く。都市計画道路の見直しについて重要性を認識しているにもかかわらず、見直し作業に余りにも時間がかかり過ぎており、今後の大まかなスケジュールさえも示すことができない現在の状況は、大いに問題があるのではないか。市は、大まかなスケジュールを示すことができるように、一刻も早く今後の見通しを立てて見直し作業の完了期日を定めた上で、都市計画道路の見直しに取り組んでほしいと思うがどうか。
現在、貸出ダンプ制度は年度中2回までの申し込みが可能であるが、他都市を上回るサービス水準となっているため、平成30年度以降の取り組みとして、利用回数を同一箇所で1回とする制度変更を検討しているとのことである。市長が、きめ細やかな除排雪を公約としていることからも、現行の貸出ダンプ制度が他都市を上回るサービス水準となっていることを理由として、貸出ダンプの利用回数を2回から1回に制限することは、到底受け入れられるものではなく、除排雪を必要とする市民の切実な声を聞かず、市の判断のみで貸出ダンプの利用回数を2回から1回に減らすことは大変無謀であり、検討を中止すべきではないのか。
今年度の除排雪業務に関しては、市内全域でおくれが生じていると見受けられるが、除雪対策本部では、排雪作業については、本年1月以降の降雪量の増加に伴う排雪作業の増加により、一部の除雪ステーションで排雪作業におくれが生じたとの見解を示している。確かに、降雪量の増加は排雪作業におくれを生じさせる一因ではあるが、地域総合除雪を担う共同企業体構成員の人材不足や、高齢化による作業能率や作業能力の低下も、排雪作業のおくれの原因と考えられると思うがどうか。
また、現在市内には七つの除雪ステーションが設置されているが、ステーションごとの除排雪の作業範囲や排雪量などに大きな差が見られることから、担当地域の特性を加味しながら、各ステーションに合った除排雪計画を練り直すべきと思うがどうか。
近年、人口減少に伴う給水収益の減少、施設の老朽化に伴う更新費用の増加などにより、水道事業の維持、運営は厳しい状況にある。今後、水道事業を維持、継続していくためには、水道料金の改定も考える必要があるが、このような財政的に厳しい状況を市民に理解してもらうためには、ホームページでの周知や、広報イベントの実施を含めた広報活動を行うことが非常に重要になると思うがどうか。
また、現在行っている広報活動では、市民に水道事業の厳しい運営状況が伝わっているとはいえず、水道事業の運営について市民に十分に理解してもらい、水道と下水道を守っていくためにも、より一層広報活動による周知に取り組んでいく必要があると思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、陳情第4号、陳情第10号、陳情第20号及び陳情第21号につきましては、採決の結果、賛成多数により、いずれも継続審査と決定いたしました。
次に、その他の各案件につきましては、議案はいずれも可決と、陳情第13号及び所管事務の調査は、いずれも継続審査と、全会一致により、それぞれ決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(鈴木喜明)これより、一括討論に入ります。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)21番、川畑正美議員。
(21番川畑正美議員登壇)(拍手)
○21番(川畑正美議員)日本共産党を代表して、継続審査中の陳情第4号、陳情第10号、陳情第20号、陳情第21号の採択を求め、討論いたします。
陳情第4号市道御膳水仲通線の側溝一部改修方についての陳情の趣旨は、側溝を改修して雪解け水や雨水が側溝に流れ込む状態にしてほしいと、この申し出です。陳情提出後、既存舗装の上からアスファルトをかぶせるという、オーバーレイ工法による改修工事を行い、雨天時には、水たまりや民地側への雨水流出・流入はなくなりました。しかし、陳情の趣旨は雪解け水の状況も含まれており、冬期間の状況や雪解けの経過を見て判断している経過があります。近年の冬期間は、積雪深が少ない状況もあり、その後特に問題は起きていないようでありますが、陳情者からもうしばらく状況を見てほしいとの要望がありました。したがって、採択を継続していきます。
陳情第10号赤岩2丁目道路の除・排雪対策方については、バス通りから赤岩遊歩道に向かう道路が極端に狭いことに加え、保育所や特養老人ホームなどの施設があります。また、その山手には住宅団地が密集していることから交通量が多く、特に朝の時間帯に集中しております。今冬季に当たっては、除排雪の回数をふやし、昨年より改善されているわけですが、除排雪の雪押し場がいまだに確保されていない状況もあります。地域住民の安全確保をする上でも、引き続き採択といたします。
陳情第20号高速道札樽道「銭函料金所拡張工事」に係る要請方については、NEXCOへの要請以外は上下水道の課題です。NEXCOへの要請は、ほぼ陳情者の了解を得て、第3跨道橋の改修についても、一定のめどがついたと伺いました。
3世帯の上水道、南側6世帯の下水道整備の課題の実現に当たっては、民有地であることや土地の高低差などもあって、困窮を極めています。しかし、安全な市民生活の面からも適切な対処が必要であり、採択を継続します。
陳情第21号「ぱるて築港線」塩谷までの延伸方については、塩谷及びオタモイ3丁目の4線を越える住民にとって、3病院への通院は小樽駅において乗りかえしなければならないこと、そして、2路線を利用する交通費の負担がのしかかります。地域住民の要望については、願意妥当であります。
議員各位においては、陳情の趣旨を御理解いただき、採択をお願いいたしまして、討論といたします。(拍手)
○議長(鈴木喜明)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、陳情第21号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(鈴木喜明)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、陳情第4号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(鈴木喜明)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、陳情第10号及び陳情第20号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(鈴木喜明)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、学校適正配置等調査特別委員長の報告ですが、佐々木秩委員長が風邪により発声困難とのことでありますので、副委員長より報告を求めます。
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)8番、酒井隆裕議員。
(8番酒井隆裕議員登壇)(拍手)
○8番(酒井隆裕議員)学校適正配置等調査特別委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
平成30年度に天神小学校と入船小学校の一部と統合する奥沢小学校の学校規模は、市教委が望む学校規模を下回る8学級にしかならないという。このことについて市教委は、統合に伴う指定校変更の特例を認めた結果、入船小学校から奥沢小学校に移る予定の児童が多数山の手小学校に転出したことによる大幅な転出超過などが原因であり、特例が廃止される31年度以降は適正な規模になっていくというが、それは、奥沢小学校も31年度以降は12学級以上確保できると考えているということなのか。また、結果的にこのような事態を生んだ指定校変更の特例について、市教委は何らかの対策をとる考えはないのか。
本年4月、緑小学校、最上小学校及び入船小学校が統合した市立山の手小学校が開校となるが、学校周辺の山手地区は交通量や人通りがかなり多いことから、児童の通学時の安全対策がより重要になると思われる。そのため、年度当初に統合協議会の事務局で作成した通学安全マップが各家庭に配布される予定とのことであるが、今後改良すべき点が出てくることが想定されることから、このマップをもとにさらなる注意箇所などの検証を行い、より精度の高い通学安全マップの作成に取り組んでほしいと思うがどうか。
また、今年度は歩道脇に人の背丈以上の雪山が多く見受けられたほか、車道にわだちができたり、すり鉢状になるなど、市の除排雪が悪く危険な状況であったことから、児童の安心・安全な通学を確保するためにも、教育委員会から除雪対策本部に対し、除排雪の改善について要請してほしいと思うがどうか。
通学路の除排雪について、市と市教委は連携を密にして取り組んでいるというものの、実際は歩道の未確保や、すり鉢状態の道路、除雪によりつくられた高い雪山による視界不良など、多くの課題が発生しており、通学路の安全が十分確保されていないと聞く。今後は、学校統廃合により通学距離が長くなる児童・生徒がふえることから、さらに気を使わなければならない道路がふえるが、市や市教委は通学路の安全確保について、どのように考えているのか。
また、通学路の安全確保は優先すべきものであり、これまで、議会側から幾度も通学路に配慮した予算確保を提案しているが、森井市長はその提案を拒み続けている。しかし、この間、森井市長が言っている予算要望を断った側に道義的責任が発生するという理論が正しいと仮定した場合、万が一通学路で事故が発生したときには、市長が道義的責任を負うことになってしまうことから、森井市長は自分の発言が正しいと主張するのであれば、通学路の除排雪を手厚く行うための予算を確保しなければならないと思うがどうか。
通学路安全マップに掲載されている児童・生徒が、通学に当たって注意すべき箇所などの情報について、市教委は毎年見直しを行い、関係部署へ改善に向けた働きかけを行っているというが、実際には危険箇所の情報が共有されず、改善されていない箇所もあることから、市教委には、建設部等関係部署へ安全確保に向けた要望書を提出して、しっかりと情報共有ができるよう取り組んでほしいと思うがどうか。
また、他市で実施されている通学路の交通安全プログラムのように、学校や地域からの通学路に関する要望を受理してから処理するまでの流れを明確にし、保護者にもしっかりと伝えられるように、市教委には目に見える形のプログラムの作成や対策を講じることについて、前向きに検討してほしいと思うがどうか。
中央・山手地区の中学校再編について、市教委は商業高校跡を統合校として活用する方針であり、最短で平成33年4月に統合することも可能であるというが、最上小学校跡を統合校として活用するというような他の案を示さずに、商業高校跡の活用のみを示して再編を進めようとするのは、ひきょうではないか。また、耐震化の問題を抱える松ヶ枝中学校を、耐震化されている最上小学校跡に移転することについて、倒壊の危険性がある校舎に生徒が通っていることへの安全上の懸念を考えれば、最上小学校跡を中学校として活用することが、最短かつ少ない予算で実現できる現実的な方策であると思うがどうか。
新年度、市内の小学校4校が新たに閉校となることから、市は一刻も早く校舎の維持管理や跡利用について見通しを提示しなければならないにもかかわらず、跡利用検討委員会で学校跡の活用方針が定まらないこともあり、いまだに跡利用に向けた話が進んでいない状況であるという。小樽市立小中学校学校規模・学校配置適正化基本計画における小樽市小中学校再編計画の後期がことしの4月から開始になることを踏まえ、跡利用の検証結果を速やかに整理し、市としての跡利用に対する方針を明確に示すべきと思うがどうか。
学校適正配置に伴う空き校舎の跡利用については、現在、庁内に設置されている跡利用検討委員会で検討しているということだが、若竹小学校の事例を除き、何ら進展がないという印象を強く持っている。これら、跡利用の決まらない空き校舎の維持管理費については、現在年間約500万円を要しているとのことだが、今後、適正配置計画の後期が進行していけば、空き校舎のさらなる増加に伴い、維持管理費もあわせて増加していくことは明らかである。しかし、厳しい市の財政状況の中で、このような何も生み出すことのない経費を毎年支出し続ける状況は許されないことから、市には学校跡利用について、より真剣に取り組み、加速して進めてほしいと思うがどうか。
学校開放事業については、生涯スポーツの振興を図るため、市民に学校施設の屋内運動場を開放するものであるが、市教委によれば、今後統廃合により閉校となる学校は本事業の対象から除外されるという。これにより、今まで当該学校で活動していた利用者は、ことし4月から他の学校施設を利用せざるを得ない状況になるが、市教委が引き続き閉校後の学校を管理することになったのだから、屋内運動場を利用できるような管理方法を検討しさえすれば、閉校後も本事業を継続して行うことができるのではないか。
また、国が作成している公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引には、廃校施設の活用について市長部局と教育委員会がよく話し合い、連携していくことも重要であると示されていることに鑑みると、市と市教委は、閉校になる学校施設を引き続き本事業で活用できないかどうか、連携して検討し、利用希望者が多くなる冬期の利用申し込みまでには、その可否について結論を出してほしいと思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
陳情につきましては、採決の結果、賛成多数により、いずれも継続審査と決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(鈴木喜明)これより、一括討論に入ります。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)22番、新谷とし議員。
(22番新谷とし議員登壇)(拍手)
○22番(新谷とし議員)日本共産党を代表して、陳情第7号小樽市立塩谷小学校の存続方について、陳情第14号北陵中学校への通学路の整備と安全対策方について、陳情第15号北陵中学校に係るバス通学助成の支給対象拡充方について、陳情第17号西陵中学校の現在地での存続方について、陳情第18号最上小学校跡を新松ヶ枝中学校としての活用方については、全ての陳情を採択とする立場で討論を行います。
陳情第14号、陳情第15号です。そもそも北陵中学校への通学距離の問題は、統廃合の結果起きた問題です。市教委は3キロメートルには届かないが、長距離通学となる生徒に対し、助成の拡大や、冬期間だけでも助成をすることを検討するべきです。
陳情第17号、第18号です。西陵中学校と松ヶ枝中学校の商業高校跡に統合は、父母や地域の理解を得られず、予定していた2017年度中への道教委に対する要望をすることは、不可能になりました。老朽化した松ヶ枝中学校は、生徒の安全を考え早急に最上小学校へ移転させることを優先し、商業高校を新中学校にすることは、きっぱり諦めるべきです。
陳情第7号です。児童や生徒の減少に伴って次々に進む学校の統廃合は、地域に深刻な影響を与えます。だからこそ、陳情者は、まちづくりの観点からも塩谷小学校を存続すべきと述べられているのです。地域の重大問題として、新たな話し合いをするべきです。
以上から、いずれも願意は妥当であり、提出された全ての陳情の採択を求めます。
全議員の賛同をお願いして、討論といたします。(拍手)
○議長(鈴木喜明)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、陳情第14号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(鈴木喜明)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、陳情第18号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(鈴木喜明)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(鈴木喜明)起立多数。
よって、さように決しました。
日程第2「意見書案第1号ないし意見書案第7号」を一括議題といたします。
意見書案第3号ないし意見書案第7号につきましては、提案理由の説明を省略し、意見書案第1号及び意見書案第2号について、提出者から提案理由の説明を求めます。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)20番、小貫元議員。
(20番小貫元議員登壇)(拍手)
○20番(小貫元議員)提出者を代表して、意見書案第1号及び意見書案第2号について、提案理由を説明いたします。
初めに、意見書案第1号生活保護費の引下げ撤回を求める意見書案についてです。
政府が進めようとしている生活扶助費の見直しで、7割近くの世帯が引き下げられ、最大で5%削減されます。生活保護の問題は、制度を利用している人だけの問題ではありません。倒産、失業、リストラ、病気、親や家族の介護などで職を失えば、誰もが貧困に陥っておかしくない状態に置かれています。生活扶助基準の引き下げは、住民税、保育料、介護保険料、就学援助、最低賃金などに連動し、広範な国民の生活に重大な影響を及ぼします。憲法第25条に明記された国民の生存権を保証する最後のセーフティーネットである生活保護のあり方は、全ての国民の権利にかかわる重大な問題であり、生活保護費の引き下げを撤回することを求めるものです。
次に、意見書案第2号提出予定労働法制の全面的な検証を求める意見書案についてです。
裁量労働制拡大の議論の前提となったデータが捏造されて、裁量労働制拡大を働き方改革一括法案から切り離すことになりました。しかし、法案自体は、国会提出する姿勢を示しています。裁量制と高度プロフェッショナル制度を導入する前提が崩れており、法案の根拠とされたデータの誤りや原因を明らかにした上で、提出予定法案の全面的な検証を行うことを求めるものです。
以上、提案理由といたします。(拍手)
○議長(鈴木喜明)これより、一括討論に入ります。
(「議長、13番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)13番、酒井隆行議員。
(13番酒井隆行議員登壇)(拍手)
○13番(酒井隆行議員)意見書案第2号提出予定労働法制の全面的な検証を求める意見書案について、否決の立場で討論を行います。
初めに、意見書案にもありますが、平成25年度労働時間等総合実態調査の裁量労働制に関するデータについては、今回の改正から全面削除することとなりましたが、厚生労働省においては、実態をしっかりと把握し直し、その上で議論を積み重ねていただきたいとは考えますが、全面的な検証には当たらないと考えます。
その理由の一つに、高度プロフェッショナル制度について、労働時間ではなく仕事の成果で評価される働き方をみずから選択することができることや、高い交渉力を有する高度専門職が働き過ぎを防止するための措置を講じつつ、意欲や能力を発揮できる新しい労働制度の選択を可能とするものであります。
また、対象業務や年収要件により対象者を絞った上で、労働時間、休暇や休憩等の労働時間規制を外すことと同時に、働く方の健康を確保するため、一般の労働時間制度と比べて、より直接的な措置をさまざま講じることとしております。
具体的には、年間104日かつ4週当たり4日以上の休暇取得を義務づけるとともに、健康管理時間の客観的な把握を義務づけした上で、労使委員会の5分の4以上の多数で決議した選択的な健康確保措置を実施させることとしております。
さらに、働く方が自分の判断で働いていても、健康管理時間が長時間に及ぶ場合には、労働安全衛生法を改正し、医師による面接指導を一律に罰則つきで義務づけることが予定されております。
これらのことからも、働く方の公正な待遇と健康を確保しつつ、創造的な能力を発揮しながら、効率的に働くことができる環境の整備につながる等の効果があり、全面的な検証ではなく、しっかりと議論し、前に進めていただきたいと考えます。
以上、各会派、各議員の御賛同をお願いし、討論を終わります。(拍手)
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)22番、新谷とし議員。
(22番新谷とし議員登壇)(拍手)
○22番(新谷とし議員)日本共産党を代表して、意見書案第1号及び意見書案第2号について、可決を求める討論を行います。
意見書案第1号は、生活保護の引き下げ撤回を求めるものです。
安倍政権は2018年10月から3年かけて段階的に最大で5%の削減、母子加算も削減の方針です。2013年最大10%削減に続く大改悪で、その内容は、生活扶助費の基準を年収段階下位10%相応の消費実態と比較・均衡させる手法で引き下げるものです。年収階級下位10%の年収は、総世帯平均で116万円、2人以上世帯でも193万円、消費支出は10年間で月額1万3,000円減少しています。
これに対し、厚生労働省の諮問機関である社会保障審議会生活保護基準部会では、多くの委員から、格差や貧困が広がる中で、低所得世帯と比較する手法では、憲法25条に掲げる健康で文化的な生活が保てるかどうか、今のやり方では全く保障できない。低所得世帯の消費水準が下がったとしても、これだけは必要であるという額がある。その点からも精査をしていただきたいなどの異論が噴出し、2017年12月にまとめた報告書で、今回の検証方法は、子供の健全育成のための費用が確保されないおそれがあることや、単に消費水準との均衡を図ることが最低生活保障水準を満たすものと言えるのか、水準均衡方式のあり方が問われる、本質的な課題があることを指摘しています。にもかかわらず、4日後には当初案より一定抑えた削減計画を決めたのは、生活保護費削減ありきだからです。
母子加算については、3月1日、厚生労働省は、ひとり親世帯に支給される母子加算を3年かけて段階的に約20%削減する具体案を示しました。生活扶助費は、世帯によっては上がる場合もありますが、生活保護費全体を削減する中で、大半の世帯が引き下げになり、一層の貧困化を推し進めることになります。また、生活保護費基準引き下げは、就学援助や住民税非課税の対象などの小樽市の独自減免制度にも影響を与え、減免制度から外れたり、受けられなくなるなど、市民生活に打撃を与えるものです。憲法第25条の健康で文化的な最低限度の生活を保障するために、生活保護基準の引き下げ撤回をすべきです。
意見書案第2号は、提出予定労働法制の全面的な検証を求めるものです。
働き方改革一括法案に盛り込む裁量労働制の拡大で、安倍首相の裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均的な方で比べれば一般労働者よりも短いというデータもあるという答弁の根拠になったデータが偽りだったことが明らかになり、安倍首相は答弁を撤回し、謝罪に追い込まれました。300件を超えるデータの誤りが次々と明らかになり、しかも、3年間も偽りの答弁を繰り返してきたことも判明しました。
裁量労働制は幾ら長時間働いても、労使で事前に合意した分だけを働いたとみなす制度です。今でも裁量労働制は、長時間労働の温床の一つとされており、それを拡大する法案は、労働者、過労死遺族の人たちなどから厳しい批判の声が上がっています。
2月21日に開かれた政府の働き方改革に対する衆院予算委員会の中央公聴会で、全国過労死を考える家族の会代表世話人は、真面目で責任感が強い人を死に追いやる危険な働き方の拡大はやめてほしい、会社にとって一つの駒でも、家族にとってはかけがえのない命、国民の命を奪う法律をつくることは、家族会は絶対に認めません。
また、全労連雇用・労働法制局長は、裁量労働制と8時間労働制を比較したデータは、推計の仕方も比較の仕方も誤っていたのだから、働き方改革関連法案は、再度労働政策審議会で審議する作業から行うべき。高度プロフェッショナル制度は、労働時間規制を外し究極の働かせ放題となると述べ、法政大学の教授は労働政策研究・研修機構の調査では、企画業務型裁量労働制が194.4時間に対し、通常は186.7時間と、裁量労働制の労働時間が長くなっている。裁量労働制の拡大の是非については、労働政策審議会の議論まで差し戻して議論をやり直すべきと述べるなど、厳しい意見が次々と出されました。
一部の専門職を労働時間規制から適用除外する高度プロフェッショナル制度は、裁量労働制とは根は同じで、より危険が大きいものです。
これまでの厚生労働省の国会答弁で、年間6,000時間を超える労働をしても違法にならない、労働時間を規制する規定はない、経団連会長が年収要件緩和を求めていることに対し、残業代を含め1,100万円を超えると高プロに変わる、みずからの裁量で決定できるのは業務の遂行手段、時間配分だけで、業務量はみずから決定はできないなどが明らかになっています。
労働政策研究・研修機構の調査結果が労働政策審議会に示されず、実態をねじ曲げたデータを使ったのは大問題です。過労死根絶のためにも、裁量労働制が長時間労働になっていないか、労働法制の全面検証をしっかりとすべきです。
以上、全議員の賛同をお願いして、討論といたします。(拍手)
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)1番、秋元智憲議員。
(1番秋元智憲議員登壇)(拍手)
○1番(秋元智憲議員)公明党を代表し、意見書案第1号生活保護費の引下げ撤回を求める意見書案、第2号提出予定労働法制の全面的な検証を求める意見書案に、否決の立場で討論いたします。
第1号生活保護費の引下げ撤回を求める意見書案についてです。
これまで、5年ごとに一般低所得世帯との公平性を確保するため、生活扶助の検証を行ってまいりました。今回も検証結果を踏まえ、生活への影響を緩和するため、生活扶助費本体、母子加算などの合計の減額幅を最大5%にとどめ、2018年から2020年までの3段階に分けて実施することが示されました。制度全体を見ると、地方の高齢夫婦世帯や母子世帯は引き上げになる場合もあり、引き下げが目的の見直しではないことは明らかであります。
また、生活保護基準の見直しに伴い、影響を受け得る制度についても、それぞれの制度の趣旨や目的、実態を十分考慮しながら、できる限りその影響が及ばないよう対応することを基本的考え方とする旨の国の考えに沿って、それぞれの制度を運用していることや、これまで以上に低所得者対策も行う方針であることからも、否決といたします。
次に、意見書案第2号提出予定労働法制の全面的な検証を求める意見書案です。
今国会提出予定の働き方改革関連法案では、過労死を招くような長時間労働の慣行を是正するための時間外労働の罰則つき上限規制創設や、既に裁量労働で働いている人の健康をどう守るのかを法にしっかりと規定し、施行をすることが重要であると考えます。
また、厚生労働省が提出した、議論のもとになるデータの誤用が発覚したことは大変に問題であり、原因の究明は言うまでもありません。しかし、今回の問題を受け、政府はあらかじめ労使で決めた時間を働いたものとみなして賃金を支払う裁量労働制の適用対象拡大は、関連法案から削除する方針を示し、問題がある部分については、今後も十分な議論ができることからも、まずは、実効性のある働き方改革法案の早期成立を望む立場から、否決といたします。
以上、各議員の賛同を呼びかけ、討論といたします。(拍手)
○議長(鈴木喜明)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、意見書案第1号及び意見書案第2号について、一括採決いたします。
可決とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(鈴木喜明)起立少数。
よって、否決されました。
次に、ただいま決定いたしました以外の意見書案について、一括採決いたします。
いずれも可決とすることに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)御異議なしと認め、さように決しました。
以上をもって、本定例会に付託された案件は、全て議了いたしました。
第1回定例会は、これをもって閉会いたします。
閉会午後5時23分
会議録署名議員
小樽市議会 議 長 鈴 木 喜 明
議員 安 斎 哲 也
議員 酒 井 隆 裕