開会午前10時00分
○議長(横田久俊)これより、平成28年小樽市議会第1回定例会を開会いたします。
直ちに、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、千葉美幸議員、酒井隆行議員を御指名いたします。
日程第1「会期の決定」を議題といたします。
お諮りいたします。
本定例会の会期を、本日から3月16日までの22日間といたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
日程第2「議案第1号ないし第59号」を一括議題といたします。
まず、議案第1号ないし第58号について、市長から提案理由の説明を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)平成28年第1回定例会の開会に当たり、ただいま上程されました各案件について提案理由の説明を申し上げるのに先立ち、新年度に向けた市政執行についての所信の一端と主な施策の概要を申し上げ、議員及び市民の皆様の御理解と御協力をいただきたいと思います。
平成27年4月の選挙において多くの市民の皆様の負託を受け、市長に就任させていただいてから、早くも10か月がたとうとしております。
私は、住みよいまち小樽、人にやさしいまち小樽の実現に向け、小樽の再生とまちづくりに取り組む覚悟の下、安全・安心なまちづくり、子育て支援などの人口対策、中心市街地のまちづくり、知育・徳育・体育などの教育の取組、まちが元気になる経済対策の五つの柱を公約に掲げ、その実現に向けて取組を進めてまいりました。
そのためには、まず私自身が本市の現状を十分に把握し、現場を理解しなければならないとの思いがあることから、多くの方々に私の考えを伝えながら、できるだけ対話を重ね、共通認識を得ることができるよう努めてきたつもりであります。
特に、市民の皆様には、できる限り市政の現状をオープンにすることが必要であると感じていることから、その第一歩として、開かれた市政の仕組みづくりである、無作為抽出による市民公募員制度小樽まちづくりエントリー制度を導入し、市民の皆様の御意見をより反映することで、行政との協働によるまちづくり、市民参加の市政運営に取り組んでまいりたいと考えております。
本市の財政状況や公共施設の老朽化の現状などについては、私が理解していた以上に厳しい状況から、多くの課題を改めて認識したところではありますが、一方で、この歴史と伝統ある12万都市の市長としての責任の重さとともに、このまちのすばらしさ、このまちの大きな可能性を再認識したところであります。
新年度を迎えるに当たっては、公約に掲げた取組を一つ一つ実現することで、その可能性を大きく切り開き、そして小樽の持続的かつさらなる発展のため、持てる力の全てを注ぎ込む思いを新たにしているところであります。
さて、国内外におきましては、拡散するテロ活動や大規模化する自然災害などのほか、中国をはじめとした新興国や原油安による資源国の経済減速などの懸念材料から、世界経済の先行きに対する不安が取り沙汰されている中、我が国においても、経験したことのない人口減少と急速な少子高齢化という大きな課題を抱え、これまでの考え方を変えていかなければならない時代に突入しております。
国内景気は、過去最高水準の企業収益や高水準で推移する有効求人倍率のほか、訪日客の増加による活発な消費や原油安などから、経常収支の黒字額が急拡大するなど、回復傾向にあるとは言われておりますが、国外経済の影響などによる金融市場の混乱や、さきに発表された国内総生産のマイナス成長など、不透明感が増しております。
北海道はもとより小樽におきましては、まだまだ経済の好循環を実感できる状況にはなく、地方は総じて厳しい状況が続いているものと感じております。
こうした中、国においては、地方の活力なくして我が国の発展はないとの認識の下、地方創生が大きな目標の一つとして掲げられ、自分たちの今後の方向性を示すため、自主性と主体性を持って地域の再生を目指す地方版総合戦略の策定が求められました。
さらには、一億総活躍社会の実現に向けた新3本の矢として、希望を生み出す強い経済、夢をつむぐ子育て支援、安心につながる社会保障という新たな目標が打ち出され、地方創生の取組を地方とともに総力を挙げて取り組むことが重要であるとされたところであります。
本市におきましても、この地方創生における国の方針を受け、昨年10月に小樽市総合戦略~OTARUPRIDE~を策定いたしました。策定に当たっては、私の公約や考え方を盛り込むとともに、本市の持続的な発展のため、本市に住んでいてよかったと思えるような子育て・教育環境の充実や、身近な暮らしに直結する生活環境の整備とともに、本市が持つ地域資源やブランド力を強化し、市内経済の活性化による雇用の場の創出・拡大など、小樽再生に向けた取組を展開していくこととしております。
地域における課題や方向性を共有し、社会情勢の変化に対応した自治体経営に努めるとともに、この総合戦略を推進することにより、人・物・お金の流れをつくり、魅力にあふれ活気に満ちた小樽を創生してまいりたいと考えております。
次に、平成28年度予算編成に当たっての基本的な考え方を説明申し上げます。
本市は、人口問題のような大きな課題から、公共施設の老朽化、厳しい財政状況、市民生活に直結する身近な問題まで、多くの難しい課題を抱えておりますが、市民の皆様とまちづくりに対する思いを共有しながら、将来に明るい希望を持てるよう、市民の皆様はもとより経済界をはじめとした各団体、市議会などとも連携、協力し、切磋琢磨しながら、スピード感を持って一つ一つの政策を着実に実施し、市政運営を進めていかなければなりません。
しかしながら、本市の財政状況は、国の地方財政計画で示されたような市税の伸びが期待できないことに加え、地方交付税と臨時財政対策債を加えた実質的な地方交付税の減少が見込まれることから、引き続き厳しい状況にあります。
そのため、予算の編成に当たっては、多様な市民のニーズを踏まえるとともに、職員と議論を重ねながら、事業の有効性や優先度などを熟慮し、予算を編成したところでありますが、結果として4億8,000万円の財源不足が生じたため、過疎債ソフト分の計上や財政調整基金の取崩しなどの財源対策により、収支均衡予算を編成したところであります。
平成28年度は、本市の大きな課題である財政健全化に向けた取組を継続する一方で、将来を見据え、特に優先的に取り組む重点施策として、訪れる人を魅了し、暮らす人には優しい、市民幸福度の高いまちを将来の都市像に掲げる小樽市総合戦略を位置づけ、総合戦略の体系にある四つの施策プロジェクトに基づき、積極的な取組を進めることといたします。
一つ目といたしましては、あずましい暮らしプロジェクトであります。
私は、まずは市民の皆様が、小樽に住んで本当によかったと思っていただけることが重要であると考えておりますことから、住み心地のよさや交通の利便性など、市民の皆様が安全・安心に生活することができる暮らしを実現することで、定住を持続させる取組を進めます。
初めに、市民の皆様から多くの要望があり、高齢者などに優しく利便性の高いまちづくりに寄与するJR駅のバリアフリー化につきましては、平成28年度中の整備を目指す銭函駅の設備整備に所要額を計上したほか、南小樽駅及び周辺のバリアフリー化を重点的かつ一体的に推進するため、基本構想の策定に取り組んでまいります。
次に、住まいについての対策では、議員提案により条例化された小樽市エコリフォームの促進に関する条例に基づき、よりよい住環境の促進と市内経済の活性化を目的とした住宅エコリフォーム助成の新設や、危険な空き家への対策や空き家の活用などについての今後の指針となる空家等対策計画の策定を進めるほか、老朽化した市営住宅の改修等に取り組んでまいります。
また、子供や高齢者をはじめとした安全・安心の確保と、電気料金の値上がりに伴う町会等の負担の軽減を図るため、既存街路防犯灯のLED化を引き続き推進してまいります。
移住に関する取組では、新規商業起業者に対して店舗家賃を助成する商業起業者定住促進事業を活用しながら、本市に移住し起業を希望する方を対象とした体験ツアーを実施するほか、後志総合振興局や管内町村との連携の下、スキーリゾート地での移住相談会を開催するなど、国が示す「地方への人の流れをつくる」に対応した取組を進め、本市への移住促進を図ってまいります。この移住促進事業経費については、平成27年度補正予算となる国の地方創生加速化交付金の活用を予定しております。
なお、除排雪予算につきましては、本年度の除排雪や貸出ダンプの検証をした上で見直す必要がありますことから、主な予算については、当初予算での計上を見送ったものであります。
二つ目としましては、樽っ子プライド育成プロジェクトであります。
子育て世代の育児の不安や負担を軽減し、地域全体で郷土愛あふれる優秀な樽っ子を育成するなど、安心して子育てできる環境づくりに力を入れることで地元定着を実現する取組を進めます。
まず、安心して子供を産み育てる環境づくりでは、子育て世代の負担軽減として公約にも掲げた乳幼児等医療費助成事業を拡大し、制度の更新時期である8月からこども医療費助成事業として、小学生の入院外医療費を助成対象といたします。これにより、道内主要都市の中でも充実した支援となるものと考えております。今後も、引き続き、最終的な目標である小学生までの医療費無料化に向けて検討を進めてまいります。
また、育児の援助活動を行うファミリーサポートセンターや親子の交流の場を提供する地域子育て支援センターでの活動にも積極的に取り組んでまいります。
教育の取組では、このまちで育つ子供たちが、夢と目標を持って、みずから進んで学ぶことができるよう、子供たちの教育環境をしっかりと整えてまいりたいと考えております。
なお、後ほど教育長職務執行者から教育行政執行方針の説明がありますので、予算面から主なものに絞って申し上げます。
学力向上に向けた取組では、早くに世界に関心を持ち外へと視野を広げる国際感覚を育むため、小学校3、4年生の総合的な学習の時間に外部講師を派遣し、英語教育等を実施する小学校英語教育推進事業をスタートするとともに、主に市内各中学校に派遣する外国人指導助手ALTの増員や、小学校5、6年生と中学生を対象に、宿泊などを通じて英語漬けの時間を過ごす小樽イングリッシュキャンプの実施により、英語教育の取組を強化してまいります。この小学校英語教育推進事業費と小樽イングリッシュキャンプ関係経費については、平成27年度補正予算となる国の地方創生加速化交付金の活用を予定しております。
また、教育環境の整備では、これまで整備してきた機材や教材の一層の活用と学習意欲の向上を図るため、小学校3年生以下の教室にデジタルテレビを整備いたします。
雇用の拡大や男女平等参画に係る取組では、高校1、2年生を対象に市内企業への就職促進を図るため、就職活動の実践力向上を目指す高校生就職スキルアップ支援事業や、正規雇用を目指す女性や若年者等の失業者を対象にした実務研修や就職支援等に取り組むほか、第2次小樽市男女共同参画基本計画における各施策の進捗状況について把握するため、市民意識調査を実施いたします。
三つ目としましては、にぎわい再生プロジェクトであります。
本市には、数多くの貴重な歴史的文化遺産や、豊かな自然環境など、すばらしい地域特性や資源があり、情緒あふれるまち並みは多くの人々を魅了しております。こうした本市が持つ資源を生かした観光振興を新たなステージへと高め発展させていくとともに、その効果が他の産業へと波及できるよう取り組んでまいります。
そして、強みである地場の加工技術の集積を生かし、積極的な情報発信を行うとともに、本市の観光や地場産品のPR、クルーズ客船と企業誘致のためのトップセールスにより、新たな人の流れとにぎわいをつくり出すことで、雇用の創出に努めます。
まず、いよいよ来月26日に北海道に初めて上陸する北海道新幹線の開業に向けては、函館で開催される北海道うまいもんサミットへの出展や北海道新幹線開業PRキャラバン隊へ参加するほか、東北や北関東を視野に入れた修学旅行ガイドブックを作成するなど、本市への観光客誘致に向けて開業効果を生かすための取組を進めます。
大きく増加している外国人観光客に対する取組では、多様なニーズへの対応や情報発信を行うため、運河プラザにある国際インフォメーションセンターに加え、JR小樽駅の改札口付近に通訳を配置した新たな窓口を設置し、より迅速で的確なサービスの提供に努めるほか、堺町通りの観光案内所への通訳配置に対する支援を継続し、外国人観光客の受入れ体制の強化と利便性の向上を図ります。
海外からの観光客誘致に向けては、札幌市や北海道運輸局と連携し、ベトナム、フィリピンをはじめとする東南アジア各国のメディアや旅行会社を招請するほか、新千歳空港への直行便が就航し、特に入り込み数の増加が期待されるマレーシアについては、現地旅行博に出展するなどの現地プロモーション事業を通じ、本市の知名度アップを図ってまいります。
本市経済を支える地場企業への支援といたしましては、新たな技術や製品の開発費用を支援するほか、小樽商工会議所や金融機関との連携により創業支援をサポートするワンストップ相談窓口を立ち上げたことから、昨年度スタートした創業支援事業を活用した事業開始に係る経費を支援してまいります。
また、多くの中小企業にとって厳しい経営環境が続いていることから、より多くの商談機会を創出できるよう、海外への販路拡大を目的とした商談会や展示会への参加費用を支援するほか、高付加価値商品の開発や販路開拓、販売力向上を支援する事業に取り組みます。
そのほか、ブランド力の強化に向けては、水産加工品の品評会を開催し、その受賞商品の知名度向上に努めるほか、ふるさと納税の新たな取組として、本市のまちづくり施策などに賛同し一定額以上の寄附をしていただいた方に対して、小樽らしさをPRできる特産品を送付し、市内経済への波及効果とともに、寄附件数の増加を図ってまいりたいと考えております。
クルーズ客船に対する取組としては、新年度は22回の寄航が予定されており、本市への直接的な港湾収入のほか、乗船客などによる観光消費などの経済効果も期待されることから、小樽の魅力とともに後志管内のすばらしさを管内町村と連携してPRし、その効果を最大限引き出してまいります。
また、小樽港の物流促進に向けては、ロシア・サハリン州の企業訪問や市場調査を行うとともに、小樽や後志圏の生産者や輸出企業などを対象とするロシア貿易セミナーを開催いたします。
企業誘致の推進としましては、工場等の移転を検討している三大都市圏や札幌圏の企業を、私や担当者が直接訪問し、本市のPRや情報交換を通じて1社でも多くの企業に立地・操業していただけるよう、努力してまいります。また、石狩湾新港LNG火力発電所の建設が順調に進むよう、可能な限り協力を行ってまいりたいと考えております。
そして、本市の重要な地域資源である歴史的建造物の活用につきましては、まちづくりと文化財保存の両立を図る日本遺産認定を目指し、本市の文化財及び周辺環境を保存するための基本方針となる小樽市歴史文化基本構想の策定に着手するほか、民間が所有する市登録歴史的建造物の保全を図るため、引き続き外観補修に対する助成を行ってまいります。
また、市内においては、株式会社ニトリによる歴史的建造物を活用した美術館の開設などが計画されているとお聞きしているところでありますし、市立文学館や美術館においても、外国人観光客の来館が増えている状況にありますので、歴史的建造物と文化という本市の強みを生かしながら、新たな人の流れが生まれるよう取り組んでまいりたいと考えております。
四つ目は、あんしん絆再生プロジェクトであります。
高齢者や子育て世代が安心して暮らすため、地域のきずなを再生し、地域住民の助け合いや見守りなど共助の仕組みづくりを行うことにより、健康で生き生きと活動できる取組を進めます。
新たな取組としましては、胃がん検診の受診率向上を図るため市内4医療機関へも受診機会を拡大するほか、地域包括ケアを実現するための中核機関として、市内4か所に設置している地域包括支援センターにおいて認知症対策の推進などを前倒しで実施をするため、各センターの専門職を1名ずつ増員いたします。
また、防災対策では、避難所備蓄品の整備・更新による機能強化を進めてまいります。
次に、新年度から実施してまいりますそのほかの主な施策・事業の概要について、第6次小樽市総合計画まちづくり5つのテーマの体系に沿って説明を申し上げます。
まず、心豊かに学び、地域文化をはぐくむまち(生涯学習)の分野についてであります。
小樽市の未来を担う子供たちが健やかに育っていくとともに、みずから学び、みずから考え行動する力など、確かな学力の向上に向けた取組を推進いたします。また、市民誰もが文化・芸術などに親しみ、豊かで潤いに満ちた市民生活を送ることのできるよう努めてまいります。
学校施設の整備につきましては、教育委員会において、学校規模・学校配置適正化基本計画に基づく適正配置を進めているところであり、4月に開校する手宮中央小学校のグラウンド整備や山手地区統合小学校の校舎・屋内運動場の建設、高島・手宮地区統合中学校開校に向けた現手宮西小学校の校舎・屋内運動場などの改修のほか、朝里中学校校舎の一部の改築などを進めてまいります。
そのほか、市立小樽図書館が創立100周年を迎えることから、イメージキャラクターの募集や記念講演会など記念行事を開催するほか、ふるさと教育推進事業の取組においては、新たに本市が有する歴史や伝統文化などのすばらしさを伝えるため、学校等を拠点として子供たちが無形文化財や無形民俗文化財を学ぶ機会を創出いたします。
2点目は、ともに支え合い、安心して健やかに暮らせるまち(市民福祉)の分野についてであります。
少子高齢化が進む中で、市民の皆様が生き生きと充実した生活を送ることができるよう、安心して子供を産み育てることのできる環境整備や、高齢者の方々などを支える体制づくりなどを進めてまいります。
まず、子育て支援では、国の制度改正に基づき、低所得世帯やひとり親世帯などの保育料を一部軽減するほか、本市独自の取組として、保育料算定時に新規入園児の年少扶養等控除の再計算と、寡婦(夫)控除のみなし適用を実施いたします。
平成27年4月からスタートした子ども・子育て支援新制度関連では、児童の養育に関する相談、指導、助言等を行う養育支援訪問事業や、小規模保育事業の円滑な施設運営のための相談・助言を行う新規参入施設等巡回支援事業などを新たに実施いたします。
高齢者への支援としましては、介護予防給付のうち、地域支援事業へ移行する訪問介護と通所介護について、平成29年度からの本格実施に向けた事業を試行いたします。
また、包括的・継続的ケアマネジメント支援事業では、医師会等と連携し、地域の医療・介護サービス資源の把握や地域住民への普及啓発等の取組を実施する在宅医療・介護連携推進事業の拡充や、認知症専門医と保健師等の専門職による認知症初期集中支援チームを設置する認知症総合支援事業、生活支援コーディネーターの配置や、定期的な情報共有・連携強化の場を設置する生活支援体制整備事業について、平成30年度の実施予定を前倒しで実施いたします。
障害者福祉におきましては、平成29年度から38年度を計画期間とする障害者計画の策定を進め、保健衛生では、新たに日本脳炎の予防接種を定期接種として実施いたします。
次は、3点目、安全で快適な住みよいまち(生活基盤)の分野についてであります。
市民生活に欠くことのできない上下水道施設のほか、トンネルなどの道路ストックや橋梁、ロードヒーティングなど、社会資本の老朽化対策は大きな課題でありますが、長期にわたる取組が必要であることから、計画的な更新や適正な維持・管理などにより、市民の利便性の向上に努めてまいります。
新たな取組としましては、道路法に基づき実施する定期点検や、国道337号線から札樽自動車道銭函インターチェンジへの連絡道路である銭函高架橋の耐震化を進めるほか、北海道横断自動車道余市-小樽間の開通に伴う交通量の増加に対応するための道路整備をいたします。
市街地整備といたしましては、観光客の回遊性向上のほか、市民の憩いの場を創出するために整備を進めている旧国鉄手宮線整備事業の完成を目指します。
また、将来、北海道新幹線の新駅が天神2丁目に設置されることから、新幹線を最大限に活用した魅力あるまちづくりを進めていくため、新駅とその周辺地域の整備指針となる(仮称)北海道新幹線新駅周辺まちづくり計画を取りまとめるとともに、今後とも、北海道をはじめ関係する市町村との連携を密にしながら、一日でも早い札幌延伸の実現を目指してまいります。
消防体制の整備では、消防署長橋出張所と塩谷出張所を統合した(仮称)消防署オタモイ出張所新庁舎の建設工事に取りかかるほか、消防ポンプ自動車や高規格救急車を更新整備いたします。
次に、4点目、人・もの・情報が交流する活力あるにぎわいのまち(産業振興)についてであります。
小樽市総合戦略における取組とともに、港湾整備のほか、商店街や水産業の振興など、まちの活力づくりについて、積極的な施策展開を図ってまいります。
小樽港につきましては、港湾にかかわる諸情勢の変化や取扱貨物などの動向を踏まえ、今後の小樽港のあり方などについて検討していく必要があることから、引き続き港湾計画改訂作業を進めていくほか、自然災害など危機的事象が発生した場合の具体的な対応計画などを示す小樽港港湾BCPを策定いたします。
港湾施設の整備としては、老朽化対策として国直轄事業である北防波堤改良事業や第3号ふ頭岸壁改良事業を進めてまいります。
また、ロシアなどからの外航船に対応するため、第2号ふ頭の岸壁改良事業を進めるとともに、中央ふ頭の岸壁背後に市営上屋を建設するための実施設計に要する経費を計上いたしました。
水産業につきましては、小樽市漁業協同組合が実施するナマコ種苗生産事業に補助するほか、漁業者や水産関係団体などで構成される活動組織が行う、藻場保全等の多面的機能発揮対策事業に対して支援を行います。
本市は、古くから栄えた商店街や市場が今なお市民の生活を支えていますが、人口減少や消費動向の変化もあり、大変厳しい環境にあります。一方、明るい兆候として、ここ数年来、商店街や市場を回遊する観光客が目立つようになり、受入れ側の意識にも変化が見られます。
こうしたことから、販売促進やイベント事業など、活性化に向けた積極的な取組を支援するにぎわう商店街づくり支援事業や商店街活性化支援事業、さらには空き店舗解消を目的とした空き店舗対策支援事業などを通じ、本市の顔である商店街や市場のにぎわいづくりに取り組んでまいります。
観光振興の取組としましては、市民、観光関連団体、行政が一体となった推進体制を確立することを目的に、第2次小樽市観光基本計画を策定するほか、第50回の記念開催となるおたる潮まつりでは、伝統を次代に継承していくためにも市内小・中学校の参加を一層促すとともに、市内全域で広報活動を行い、まちぐるみで、ねりこみを中心としたにぎわいづくりの促進を図ります。
姉妹都市交流では、昨年、韓国ソウル市の江西区とダニーデン市を訪問いたしましたが、新年度においてはナホトカ市との姉妹都市提携50周年を迎えることから、ナホトカ市代表団歓迎事業や文化交流事業などの記念事業を実施いたします。
なお、おたるドリームビーチにつきましては、違法建築物の除却が終了したことから、駐車場開設などの経費を計上したものであります。
まちづくりのテーマの最後、5点目は、自然とまちなみが調和し、環境にやさしいまち(環境保全)についてであります。
公園の整備では、子供から高齢者まで誰もが快適に利用できるよう、老朽化した遊具等の更新や、トイレ等のバリアフリー化を行うとともに、引き続き小樽公園の再整備に取り組みます。
桃内の廃棄物最終処分場につきましては、かさ上げによる延命化を計画しておりますが、計画の実施に当たり生活環境影響調査が必要なことから、所要額を計上いたしました。
次に、その他の施策等について説明申し上げます。
まず、小樽市が目指す将来都市像を明らかにし、その実現に向けた基本的な展開方法や主要施策を示すために策定した第6次小樽市総合計画の計画期間が平成30年度までであることから、市民等意向調査などを実施し、次期総合計画の策定に向けた取組を進めてまいります。
行政評価については、限られた財源を有効に活用し、効果的かつ効率的な行財政運営に向け平成24年度から実施しておりますが、新年度は、市政運営に対する市民の意見を反映するため、評価の過程に市民の皆様の参加を試行的に導入いたします。
昨年10月に策定した小樽市総合戦略につきましては、基本目標の管理と効果的な推進のため、引き続き小樽市人口対策会議を設置し、関連する事業の点検・評価や施策の見直しなどの議論を重ね、より実効性の高い戦略となるよう、取組を進めてまいります。
また、市が保有する公共施設等の現状把握と今後の計画的な管理方針を定めるため、昨年から策定作業を進めている公共施設等総合管理計画につきましては、市民アンケートなどを実施し、計画を取りまとめることとしております。
生活困窮者自立相談支援では、相談者の自立に向けた、より細やかな支援を行うために相談支援員を1名増員し、体制の充実を図ってまいります。
最後に、消費税率引上げに伴い、所得の低い方々の負担を緩和するため、国の補助事業として実施する臨時福祉給付金と、新たに創設された年金生活者等支援臨時福祉給付金給付事業につきましては、平成27年度補正予算で計上した所得の低い高齢者向けの給付金とともに、障害・遺族基礎年金受給者に対する支給業務に係る所要額を計上いたしました。
次に、今定例会に上程された各案件について説明申し上げます。
初めに、議案第1号から議案第14号までの平成28年度各会計予算について説明申し上げます。
最初に、平成28年度一般会計予算の主なものについて、前年度と比較して説明申し上げますが、平成27年度当初予算は骨格予算でありましたので、政策的な予算を盛り込んだ第2回定例会後の予算と比較させていただきます。
まず、歳入についてでありますが、市税につきましては、固定資産税、軽自動車税及び特別土地保有税などの増収が見込まれるため、前年度と比較して1.8パーセント、2億3,050万円増の132億270万円を見込みました。
地方交付税につきましては、国の地方財政計画の伸び率などを基本に、本市の特殊事情を勘案し、平成27年度は、計上を保留していた特別交付税を当初予算で計上した結果、臨時財政対策債を加えた実質的な地方交付税では、5.6パーセント、9億7,400万円増の183億円を見込みました。
地方消費税交付金につきましては、消費税増税の影響が平年度化することにより、15パーセント、3億2,000万円増の24億5,000万円を見込みました。
また、歳出について、主なものについて経費別に申し上げますと、いわゆる義務的経費では、人件費が0.3パーセントの増、扶助費については教育・保育給付費負担金の増などにより1.3パーセントの増、公債費が2パーセントの減となったことにより、合計で0.5パーセントの減となり、歳出合計に占める割合は、前年度を0.7ポイント下回る57.1パーセントとなりました。
行政経費では、日本脳炎予防接種の定期接種化に伴う各種予防接種費の増加や、道路法定点検事業費の計上などにより1.1パーセントの増、建設事業費につきましては、山手地区の統合小学校改築や高島・手宮地区統合中学校の開校に向けた大規模改造、(仮称)消防署オタモイ出張所建設などの事業費を計上しましたが、桜ヶ丘球場整備事業や消防救急無線デジタル化事業が終了したことなどにより3.7パーセントの減となりました。
負担金、補助及び交付金につきましては、北しりべし廃棄物処理広域連合負担金の増や、鉄道駅バリアフリー化設備等整備事業費補助金を計上したことなどにより8.5パーセントの増、維持補修費につきましては、除雪費は平成27年度と同様に第2回定例会以降の補正で通年予算とすることといたしましたが、勝納ふ頭及び中央ふ頭岸壁補修事業費などを計上したことから5.9パーセントの増となりました。
繰出金につきましては、水産物卸売市場事業、住宅事業、産業廃棄物処分事業、後期高齢者医療事業、水道事業及び下水道事業分が減となりましたが、港湾整備事業が皆増となったほか、青果物卸売市場事業、国民健康保険事業、簡易水道事業、介護保険事業、病院事業分で増となり、総額では6.4パーセントの増となりました。
次に、特別会計及び企業会計の主なものについて説明申し上げます。
国民健康保険事業におきましては、歳出では、1人当たり医療費の増などにより保険給付費が1.9パーセント増の120億2,496万円となりましたが、後期高齢者支援金等は12.7パーセント減の15億1,021万円となりました。歳入では、保険給付費の増に伴う国庫支出金等の増が見込まれるほか、保険料の予算総額は、8.6パーセント減の24億8,040万円と見込みました。
介護保険事業では、これまでの利用実績と今後の利用見込みを勘案して算定した結果、保険給付費は3.6パーセント増の142億8,450万円、地域支援事業費は、介護保険制度改正に対応した新しい総合事業を実施することなどにより20.5パーセント増の2億8,930万円となりました。保険料は、1.1パーセント増の27億7,154万円と見込みました。
後期高齢者医療事業におきましては、保険料13億6,316万円、低所得者等に対する保険料軽減に係る公費負担金4億9,500万円及び事務費3,713万円を事業の実施主体である北海道後期高齢者医療広域連合へ支出するものであり、前年度に比べ7,960万円の減となっております。これは主に、2年に1度の保険料改定により保険料の均等割額及び所得割率が引下げとなったことなどに伴い、保険料歳入が減となったためであります。
病院事業につきましては、新病院の開院に伴い入院・外来収益が増加しておりますが、費用も伸びていることから、さらなる経営効率化が必要な状況です。平成28年度には、総務省新公立病院改革ガイドラインに基づく新公立病院改革プランを策定することとしており、新病院の実績を点検し、経常収支の改善に向けて、病院事業管理者の下、職員一丸となって健全で自立した病院経営に努めてまいります。
水道事業につきましては、長期的かつ安定的な水の供給を図るため、配水管や送水管の更新や耐震化を進めるとともに、浄水場などの施設の更新を行うほか、清風ヶ丘配水槽の移設工事を実施してまいります。資金収支の見通しは、平成28年度末においても引き続き資金余剰となる見込みであり、今後とも給水収益に見合った効率的な事業運営に努めてまいります。
下水道事業につきましては、処理場やポンプ場の機械・電気設備などの老朽化した施設の更新を進めるとともに、汚水管や雨水管の整備を実施してまいります。資金収支の見通しは、平成28年度末においても引き続き資金余剰となる見込みであり、今後の事業運営に当たりましても、効率的で健全な経営に努めてまいります。
産業廃棄物等処分事業におきましては、高速道路関連工事に伴う土砂や瓦れき類等の搬入が見込まれるものの、これまで搬入されていた国道5号の忍路防災関連事業に伴う土砂の搬入予定がないことから、土砂搬入量が大幅に減少となり、収益的収入は減少が見込まれますが、収益的支出においては、土砂搬入量の減少に伴う業務量の減などにより、平成28年度の収益的収支としては黒字が見込まれます。
以上の結果、平成28年度の財政規模は、一般会計では566億3,952万5,000円、特別会計合計では370億7,732万円、企業会計合計では236億8,132万7,000円、全会計合計では1,173億9,817万2,000円となり、前年度予算と比較いたしますと、一般会計は1.8パーセントの増、特別会計は1.1パーセントの増、企業会計は1.0パーセントの増となり、全会計では1.4パーセントの増となりました。
次に、議案第15号及び第16号の平成27年度一般会計補正予算について説明申し上げます。
まず、議案第15号につきましては、国の補正予算「アベノミクスの果実の均てんによる消費喚起・安心の社会保障」として低年金受給者へ支援する年金生活者等支援臨時福祉給付金事業費を計上いたしました。これにつきましては、早期に準備に着手しなければならないことから、先議をお願いし、平成28年度に繰り越した上で事業を実施してまいりたいと考えております。
次に、議案第16号の主なものといたしましては、まず、国の補正予算としては、地方創生の本格展開等として、地方創生加速化交付金に対応するため移住促進事業経費、小学校英語教育推進事業費などを計上したほか、自治体の情報セキュリティ強化対策事業に対応するため、情報化推進事業費を計上いたしました。これらにつきましても、平成28年度に繰り越した上で事業を実施してまいりたいと考えております。
また、公共事業の発注平準化措置としての、いわゆるゼロ国債に対応し、第3号ふ頭岸壁改良事業費に係る国直轄工事負担金の一部を債務負担行為として計上いたしました。
そのほか、歳入では市税、地方消費税交付金などの増額が見込まれるほか、過疎債のソフト分を計上した結果、財政調整基金の取崩しを全額減額する一方、残額については、同基金に積み立てることといたしました。
歳出では、教育・保育給付費負担金や障害者福祉サービスの介護給付費を減額したほか、病院事業会計に対し、地方財政法上の資金不足解消のため、財政支援として追加の繰出金を計上するなど、所要の補正を計上いたしました。
以上の結果、一般会計における補正額は、歳入歳出ともに13億7,286万1,000円の増となり、財政規模は585億4,521万9,000円となりました。
次に、議案第17号から議案第23号までの特別会計及び企業会計補正予算の主なものについて説明申し上げます。
まず、国民健康保険事業につきましては、保険給付費を増額したほか、住宅事業につきましては、繰越明許費として、最上A住宅改修工事費及びオタモイF住宅の用途廃止事業費を計上いたしました。
続きまして、議案第24号から議案第58号までについて説明申し上げます。
議案第24号建築審査会条例の一部を改正する条例案につきましては、建築基準法の一部改正に伴い、建築審査会の委員の任期について規定するほか、所要の改正を行うものであります。
議案第25号情報公開・個人情報保護審査会条例等の一部を改正する条例案につきましては、行政不服審査法の全部改正及び行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の制定に伴い、審理員による審理手続の適用除外について規定するとともに、所要の改正を行うものであります。
議案第26号行政不服審査に関する条例案につきましては、行政不服審査法の全部改正及び行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の制定に伴い、行政不服審査会の組織及び運営のほか、審査請求等に関し必要な事項を定めるものであります。
議案第27号空家等対策会議条例案につきましては、空き家等に係る対策に関し必要な事項を審議する附属機関として空家等対策会議を設置し、その組織及び運営に関し必要な事項を定めるものであります。
議案第28号職員の分限についての手続及び効果に関する条例の一部を改正する条例案につきましては、地方公務員法の一部改正により、分限処分の要件の一部が明確化されたことに伴い、当該規定を削除するとともに、所要の改正を行うものであります。
議案第29号職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例案につきましては、平成28年度における職員の派遣に当たり、その派遣先の団体における勤務時間が職員の勤務時間に満たない場合の取扱いを定めるとともに、地方公務員法の一部改正に伴い、所要の改正を行うものであります。
議案第30号人事行政の運営等の状況の公表に関する条例の一部を改正する条例案につきましては、地方公務員法の一部改正及び行政不服審査法の全部改正に伴い、所要の改正を行うものであります。
議案第31号職員の退職管理に関する条例案につきましては、地方公務員法の一部改正に伴い、職員の退職管理に関し必要な事項を定めるものであります。
議案第32号特別職に属する職員の給与条例の一部を改正する条例案につきましては、特別職の期末手当について、職員の勤勉手当支給割合の引上げに準じた改定を行うとともに、その引上げ分に相当する減額措置を講ずるものであります。
議案第33号旧制度に基づく教育委員会教育長の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する条例を廃止する条例案につきましては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律附則第2条第1項の規定により従前の例により在職していた教育長が教育委員会委員としての職を辞したことに伴い、当該旧制度に基づく教育長の給与、勤務時間等について定める条例を廃止するものであります。
議案第34号報酬、費用弁償及び実費弁償条例の一部を改正する条例案につきましては、非常勤職員が受ける日額の報酬の支給対象期間に係る規定を削除するものであります。
議案第35号職員給与条例等の一部を改正する条例案につきましては、国家公務員の給与改定に準じ、職員の給与及び期末手当の支給割合を改定するものであります。
議案第36号職員給与条例の一部を改正する条例案につきましては、地方公務員法の一部改正及び行政不服審査法の全部改正に伴い、人事評価制度を導入するほか、所要の改正を行うとともに、地域手当及び寒冷地手当の支給対象をそれぞれ変更するものであります。
議案第37号市議会議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例の一部を改正する条例案につきましては、地方公務員災害補償法施行令の一部改正に準じ、傷病補償年金又は休業補償と同一の事由により障害厚生年金等が併給される場合の調整率を改定するものであります。
議案第38号市税条例の一部を改正する条例案につきましては、平成28年度税制改正の大綱において個人番号の利用の取扱いを見直す方針が示されたことに伴い、所要の改正を行うものであります。
議案第39号手数料条例の一部を改正する条例案につきましては、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の施行等に伴い、エネルギー消費性能向上計画等の認定及び既存建築物の増改築に伴う長期優良住宅の認定に係る申請手数料を設けるものであります。
議案第40号重度心身障害者医療費助成条例案につきましては、医療助成制度に係る条例の規定の整備を行うため、重度心身障害者の医療費の助成について個別に条例を制定するものであります。
議案第41号ひとり親家庭等医療費助成条例案につきましては、医療助成制度に係る条例の規定の整備を行うため、ひとり親家庭等の医療費の助成について個別に条例を制定するものであります。
議案第42号こども医療費助成条例案につきましては、医療助成制度に係る条例の規定の整備を行うため、子供の医療費の助成について個別に条例を制定するものであります。
議案第43号福祉医療助成条例を廃止する条例案につきましては、重度心身障害者医療費助成条例、ひとり親家庭等医療費助成条例及びこども医療費助成条例を制定することに伴い、既存の条例を廃止するものであります。
議案第44号消費生活センターの組織及び運営等に関する条例案につきましては、消費者安全法の一部改正に伴い、消費生活センターの組織及び運営並びに情報の安全管理に関する事項について定めるものであります。
議案第45号畜犬取締り及び野犬掃とう条例の一部を改正する条例案につきましては、犬の捕獲業務の一部を業務委託するに当たり、職員以外の者に犬の捕獲業務を行わせることができるようにするものであります。
議案第46号国民健康保険条例の一部を改正する条例案につきましては、国民健康保険法施行令の一部改正に準じ、低所得者に係る国民健康保険料の軽減措置の対象者の範囲を拡大するほか、所要の改正を行うものであります。
議案第47号介護保険条例の一部を改正する条例案につきましては、介護予防・日常生活支援総合事業等を前倒しで実施するものであります。
議案第48号指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営の基準に関する条例及び指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営の基準等に関する条例の一部を改正する条例案につきましては、指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準等の一部改正に伴い、指定認知症対応型通所介護事業者等に運営推進会議の設置を義務づけるほか、所要の改正を行うものであります。
議案第49号特別用途地区内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例案につきましては、建築基準法の一部改正に準じ、特別用途地区における建築制限の見直しを行うとともに、所要の改正を行うものであります。
議案第50号建築基準法施行条例の一部を改正する条例案につきましては、学校教育法の一部改正に伴い、新たに制度化された義務教育学校についての規定を追加するとともに、建築基準法施行令の一部改正に伴うもののほか、所要の改正を行うものであります。
議案第51号公営企業管理者の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する条例の一部を改正する条例案につきましては、公営企業管理者の給与の額等に職員給与条例の一部改正条例の附則の規定を準用することを明確にするとともに、所要の改正を行うものであります。
議案第52号いじめ防止対策推進条例の一部を改正する条例案につきましては、学校教育法の一部改正に伴い、新たに制度化された義務教育学校を学校の定義に追加するものであります。
議案第53号体育施設条例の一部を改正する条例案につきましては、望洋シャンツェを廃止するものであります。
議案第54号火災予防条例の一部を改正する条例案につきましては、対象火気設備等の位置、構造及び管理並びに対象火気器具等の取扱いに関する条例の制定に関する基準を定める省令の一部改正に伴い、新たに対象となる設備及び器具に係る離隔距離を規定するともに、所要の改正を行うものであります。
議案第55号工事請負契約につきましては、(仮称)消防署オタモイ出張所新築工事の請負契約を締結するものであります。
議案第56号小樽市過疎地域自立促進市町村計画につきましては、過疎地域自立促進特別措置法第6条第1項の規定により、小樽市過疎地域自立促進市町村計画を定めるものであります。
議案第57号市道路線の認定につきましては、住吉神社上通線ほか5線を認定するものであります。
議案第58号教育委員会教育長の任命につきましては、林秀樹氏を任命するものであります。林氏は、道庁の御出身で、教育庁だけでなく、総合企画部や保健福祉部などさまざまな部局を歴任されており、私としましても、教育長としての手腕に期待をしているところであります。
さて、今回、初めて年間予算を編成する作業に携わらせていただきましたが、私の思いや公約を今後の市政に反映させていくための第一歩になりました。
市民の皆様を大切にする市政運営を目指し、住みよいまち小樽、人にやさしいまち小樽の実現に向けて、総合戦略においても掲げさせていただいておりますとおり、本市を訪れる人や住む人の満足度を高めて、まちの元気を取り戻し、人口減少に歯止めをかけていくことができるよう、さらに取組を進めてまいりたいと考えております。
小樽の再生に向けて、私も力強いリーダーシップを発揮しながら、皆様とともに歩んでまいりたいと考えておりますので、市民の皆様、議員の皆様には、御指導、御鞭撻とともに御協力を賜りますようお願いを申し上げます。
以上、概括的に説明申し上げましたが、なにとぞ原案どおり御可決、御同意賜りますようお願い申し上げます。
○議長(横田久俊)次に、平成28年度小樽市教育行政執行方針について教育長職務執行者から説明したいとの申出がありますので、これを許します。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長職務執行者。
(小澤倭文夫君登壇)
○教育長職務執行者(小澤倭文夫)平成28年度小樽市教育行政執行方針を申し上げます。
初めに、昨年策定された小樽市総合戦略には、10項目から成る施策の方向性の一つとして教育環境の向上と次世代の人づくりが示されました。教育委員会としては、まちづくりは人づくりの観点から、学習意欲の向上と学習習慣の確立や体験的な活動の充実、さらには体力・運動能力の向上を通じて、一人一人の児童・生徒の確かな学力、豊かな心、そして、健やかな体の育成に取り組むとともに、自分が生まれ育った小樽に自信と誇りを持って成長し、将来の小樽を支える人材となるよう、ふるさと教育の推進により郷土愛を育んでまいります。
一方、市内には近代建築をはじめとする古いまち並みが残っており、本市固有の歴史と物語を踏まえ、有形・無形の文化財の保全、活用を図ることは、本市の特性を生かした持続可能なまちづくりに寄与するものであり、そのための基本方針となる歴史文化基本構想の策定に着手します。
教育委員会としては、これらを基本に施策を展開し、総合計画に掲げる「心豊かに学び、地域文化をはぐくむまち」の実現に努めてまいります。
以下、教育委員会として、平成28年度の主な施策について御説明申し上げます。
まず、学校教育の分野ですが、小樽市学校教育推進計画の五つの重点目標に沿って申し上げます。
重点目標の第1点目、確かな学力の育成に向けた取組であります。
平成27年度の全国学力・学習状況調査では、小・中学校ともに前回より全国との差が縮まり、小学校の国語と算数のB問題で全道平均を上回るなど、改善の兆しが見えつつありますが、いまだ全国に比べ、基礎的・基本的な学習内容が十分に定着していない児童・生徒が多い状況にあります。また、家庭での学習習慣においては、依然として、「テレビを見る時間、ゲームをする時間」や「携帯電話・スマートフォンの使用時間」が全国と比べて長いことなど、家庭での生活習慣に大きな課題が見られます。
こうした状況を受けて、次のような児童・生徒の基礎学力の定着及び学習意欲の向上に向けた取組を進めてまいります。
教育委員会では、昨年から、小学校4年生から6年生の全ての学級に実物投影機と50インチの大型液晶テレビ等を配備するICT教育推進事業を展開してきております。さらに、今定例会においては、小学校3年生以下の全ての学級に大型液晶テレビを配備する所要の経費を提案しており、ICT活用研修会の開催や活用状況調査等を踏まえた各学校への指導・助言を通し、ICT機器を効果的に活用した指導方法の工夫・改善を行うことで、児童の基礎学力の定着及び学習意欲の向上を図ってまいります。
次に、標準学力調査等の実施についてであります。
これまでも小学校3年生と中学校1年生を対象とした標準学力検査を全ての小・中学校で実施してまいりましたが、平成28年度は、実施学年を小学校3年生、5年生、中学校2年生とし、よりきめ細かな学力の状況の把握に努め、日常の授業改善や補充学習等に結びつけることで、児童・生徒の一層の学力の向上を図ります。また、生徒一人一人の自己肯定感や生活習慣等を把握する総合質問紙調査を中学校2年生で実施し、学力の状況との関連を図りながら、個に応じた指導の充実を図ってまいります。
次に、児童・生徒の生活習慣の改善に向けた取組についてであります。
本市の児童・生徒は、全国と比べ、携帯電話やスマートフォンの利用時間が長く、学校以外での学習時間が短いことが、学力の状況にも影響していると考えられ、学校や家庭、教育委員会の連携の下、インターネット利用に関する「小樽市のルール」を作成し、周知することで、児童・生徒の生活習慣の改善を図ってまいります。
次に、音読推進事業についてであります。
それぞれ平成25年、26年から始めた音読カップと小樽こどもの詩(ポエム)コンクールを引き続き実施することとし、児童・生徒の言葉に対する興味・関心を高めることで、国語力の育成を図ってまいります。
次に、樽っ子学校サポート事業についてであります。
この事業は、小樽商大生だけではなく、市内の高校生にもサポートを呼びかけて実施しておりますが、各学校からの要望が多く、学習意欲の向上には効果的な取組であることから、継続して実施してまいります。
次に、特別支援教育についてでありますが、小・中学校の通常学級に在籍するLD、ADHDなどの特別な支援を必要とする児童・生徒や介護の必要な障害のある児童・生徒の学習活動を支援するため、引き続き必要に応じて特別支援教育支援員と介護員を配置します。
また、小樽市特別支援連携協議会を開催して、幼稚園や保育所と小学校の連携を強化し、乳幼児期から就労時期まで一貫した支援を目指します。
続いて、重点目標の第2点目、豊かな心の育成に向けた取組であります。
1点目は、いじめ防止対策の推進であります。
昨年4月1日から小樽市いじめ防止対策推進条例を施行し、小樽市いじめ防止基本方針の下、児童・生徒や保護者はもとより、市民に対しても、いじめ防止に向けた意識の高揚を図ってまいりましたが、平成28年度も年2回のキャンペーンの実施や小樽いじめ防止サミットの開催などを通し、児童・生徒が安心して学習活動などに取り組むことができるよう努めてまいります。また、小樽市PTA連合会と連携し、いじめ防止に関するシンポジウムを開催するなど、学校や家庭、地域が一体となった取組を一層推進してまいります。
次に、教育相談の充実であります。
平成28年度に統合する小学校の児童及び保護者等に対して、新しい環境の下での不安の解消に向けたきめ細かな教育相談を行うため、スクールカウンセラー1名を新たに配置します。
次に、道徳教育の充実であります。
道徳の教科化に向けた研修の機会として、道徳教育特別研修講座を小・中学校各1校で開催し、道徳の時間の公開授業などを通して、教員の指導力の向上を図ってまいります。
続いて、重点目標の第3点目、健やかな体の育成に向けた取組であります。
平成27年度の全国体力・運動能力、運動習慣等調査では、小・中学生ともに前回より体力調査の合計得点が上昇し、小学生は男女とも全道平均を上回るなど、全体的に改善傾向にありますが、小・中学生ともに依然として持久力や瞬発力に課題が見られます。
こうした状況を受けて、次のような取組を進めてまいります。
一つ目は、小学校体育科の授業の工夫・改善の取組であります。
小学校の早い段階から運動に対する興味・関心を高め、体育科の授業において達成感や満足感を持つことが大切であることから、体力・運動能力の向上を図るため、平成28年度は、小学校1校を体力向上実践校に指定し、指導方法の工夫・改善に関する実践研究を行うとともに、公開研究会を開催するなど、その指導方法を広く教員に還元します。また、体育専門教員を小学校に配置し、体育の授業をティーム・ティーチングで行う北海道教育委員会の体育専科教員活用事業の実施を申請しており、道内の先進的な取組を取り入れた小学校体育科の授業改善を図ってまいります。
次に、学校における体力向上の取組であります。
平成28年度から全小・中学校が、数値目標を設定した体力向上改善プランを作成し、児童・生徒の体力の状況に応じた授業改善及び特別活動等を活用した1校1実践の取組を行うことで、体力・運動能力の向上を図ってまいります。
次に、スポーツ助成金の増額であります。
沖津寅太郎・安子青少年スポーツ振興資金基金を活用し、全国大会に出場する小・中学生及び高校生に対し参加経費の一部を助成しておりますが、その助成額を引き上げ、青少年スポーツの振興を図ってまいります。
続いて、重点目標の第4点目、社会の変化に対応した教育の推進に向けた取組であります。
一つ目は、ふるさと教育の推進についての取組であります。
平成28年度も、児童・生徒の郷土愛を育む取組として、おたる潮まつり実行委員会との連携の下、潮音頭の歴史的背景や振りつけを学ぶ機会の設定や、多くの児童・生徒の潮ねりこみへの参加を促進し、保護者や地域の方々とともに活動することで、地域社会に貢献する実践的な力を育成するふるさと教育の推進に取り組みます。
また、新たな取組として、教員向けのふるさと教育研修講座を開催し、指導力の向上に努めるとともに、無形の文化財の継承を図るため、松前神楽は潮見台小学校、向井流水法は高島小学校、越後踊りは北山中学校を活動拠点として、年10回程度の講師派遣を支援します。
さらに、小学校高学年の総合的な学習の時間で使用する教材「小樽の歴史」の作成に向けた調査研究を行います。
次に、観光都市小樽のグローバル化を担う人材育成の取組であります。
児童・生徒のコミュニケーション能力を育成するとともに国際感覚を養うため、英語教育の充実に努めます。
まず、これまで2名だった外国語指導助手、いわゆるALTを4名に増員し、全ての中学校に派遣するとともに、英語教育推進校として中学校4校を指定し、その実践の成果を広く普及する取組を行います。
また、平成32年の小学校の英語科の教科化を見据え、英語教育推進校として小学校2校を指定し、新たに小学校3、4年生の総合的な学習の時間において、英語に堪能な外部人材を活用した授業を行い、早い段階からの英語によるコミュニケーション能力の育成を図るとともに、その実践を還流することで、小学校教員の指導力の向上を図ります。
継続して実施する小樽イングリッシュキャンプとともに、施策の体系化を図ることで、英語教育の一層の充実を図ります。
次に、商大・能開大・高等学校等進路説明会の開催についてであります。
児童・生徒が進路について、早い段階から家庭の中で話し合うきっかけとすることを目的として、関係機関の協力をいただきながら継続して実施します。
続いて、重点目標の第5点目、信頼に応える学校づくりに向けた取組であります。
一つ目は、教員の指導力の向上についてであります。
3年前から進めている秋田大学教授との共同研究についてでありますが、平成28年度も市内の学校2校を指定し授業改善をテーマとした研究を行うとともに、公開授業などを通して教員の授業力向上を図ってまいります。
次に、学校及び研究団体の研究活動に対する支援についてであります。
本市においては、学校や研究団体による公開研究会及び実践発表会が数多く開催されるようになり、研究活動への支援が求められていることから、これまでの研究推進校・研究交流校に加え、全国的に著名な外部講師を招いて、先進的な教育実践を展開する特別研究推進校及び研究団体を指定し、公開研究会を通して各学校に還元することで、教員の指導力向上を図ってまいります。
そのほかの学校教育の分野として、教育環境の整備について申し上げます。
まず一つ目は、小・中学校の再編成についてであります。
平成28年度は、北山中学校と末広中学校の統合校となる北陵中学校の平成29年4月開校に向け、統合協議会において新しい学校づくりの検討を進めます。校歌や校章デザイン、学校と地域との連携などの検討のほか、生徒の事前交流を実施し、円滑な統合に向けた取組を進めます。
また、中央・山手地区及び南小樽地区の小学校では、花園小学校・入船小学校、緑小学校・最上小学校・入船小学校及び入船小学校・奥沢小学校・天神小学校の各統合協議会において、平成30年4月統合に向けて、新しい学校づくりや通学の安全対策、統合校の校名等の検討を進めます。
さらに、中央・山手地区の中学校においては、今年度にお示しした西陵中学校と松ヶ枝中学校との統合について、保護者や地域住民の御理解を得て、北海道教育委員会へ小樽商業高等学校閉校後の学校施設の活用について正式に要望していきます。
二つ目は、学校の改築や耐震化などの施設設備についてであります。
平成28年度は、4月に開校する手宮中央小学校のグラウンド整備と外構工事を行うほか、山手地区統合小学校の校舎と屋内運動場の建設工事や、朝里中学校校舎の一部改築工事、さらに、北陵中学校となる現手宮西小学校校舎等の大規模改造工事を行います。
また、高島小学校プール天井の耐震改修工事を行います。
次に、社会教育の分野の主な施策についてであります。
第1点目は、社会教育施設の取組についてであります。
文学館と美術館では特別展を開催し、それぞれ小樽にゆかりのある作家の作品に触れる機会を提供します。
文学館では早川三代治展を開催し、小樽生まれで島崎藤村に師事した早川三代治のヨーロッパ留学時代や小樽のために尽くした郷土作家としての側面などに焦点を当てて紹介します。
また、美術館では「木版の夢―小樽に版画の種を蒔く」を開催し、世界的に著名な木版の巨匠、棟方志功、斎藤清などの小樽ゆかりの5人の版画家の作品を紹介します。
次に、総合博物館では、企画展「小樽の横顔~兵庫コレクションとまちかど~(仮称)」を開催します。これは、小樽商科大学との共同で、昭和50年初頭、小樽の路地の写真を撮り続けた兵庫勝人氏の写真を商大の学生が現地を歩き、当時の情報を聞き取った成果とあわせて展示し、40年前の観光地以前の小樽の姿を紹介するものです。
次に、図書館では、大正5年に区立小樽図書館が創立されてから100周年となることを記念して、市立小樽図書館創立100周年記念事業を行います。
100年のあゆみ展や記念講演会、古地図・写真アーカイブ事業のほか、児童・生徒向けには図書館のイメージキャラクター募集等を実施します。
第2点目は、文化財の保存・保護についてであります。
(仮称)小樽市歴史文化基本構想の策定に向けた作業を開始し、小樽市内にある文化財やその周辺環境を保全するための基本方針を定めるとともに、今後の日本遺産の認定申請を見据え、ストーリー展開を図り、文化遺産をまちづくりに活用できる取組を進めます。また、次代を担う子供たちが親子で邦楽、日舞、華道などを体験し、その成果を発表する伝統文化こどもフェスティバルや、市内の社中や団体が一堂に会する「和を遊ぶ」などの開催を支援し、郷土の伝統文化の継承に努めてまいります。
第3点目は、市民スポーツの振興についてであります。
28回目となるおたる運河ロードレース大会は、第30回目の節目の大会に向け、記念イベントや実行委員会の体制強化などについて検討を進めます。
次に、市民の健康増進や子供たちがスポーツに親しむきっかけづくりのため、スポーツ教室や市民歩こう運動などのスポーツ振興施策をNPO法人小樽体育協会をはじめ関係団体と連携して進めます。
また、新・市民プール整備事業は、必要な面積と利便性などを勘案し、建設適地について市長部局と連携しながら引き続き検討を行ってまいります。
第4点目は、生涯学習関係事業についてであります。
生涯学習プラザを拠点に、家庭教育支援事業として、平成27年度から地域の人材を活用した家庭教育支援チーム「小樽わくわく共育ネットワーク」を立ち上げ、子育て情報の発信、家庭教育講座、親子向けイベントなどを実施してきましたが、平成28年度は保護者同士の交流や語り合いの場として、新たに「学びカフェ」を設置するなど、家庭教育のサポート体制の強化を図ります。
また、学び続ける社会を目指し、市民への学習機会の提供として、生涯学習プラザにおけるはつらつ講座、「現代を生きる」をテーマとした小樽市民大学講座の充実にも努めてまいります。
以上、平成28年度の教育行政を執行するに当たっての主な施策と狙いについて御説明いたしました。
市民の皆様及び議員各位の一層の御支援と御協力を心からお願い申し上げます。
○議長(横田久俊)次に、議案第59号について、提出者から提案理由の説明を求めます。
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)8番、酒井隆裕議員。
(8番酒井隆裕議員登壇)(拍手)
○8番(酒井隆裕議員)提出者を代表いたしまして、議案第59号小樽市非核港湾条例案の説明を行います。今定例会で62回目の提案となります。
本年2月4日、5日と、小樽港に、米軍第7艦隊所属掃海艦パトリオット、ミサイル駆逐艦ベンフォールドが寄港しました。1960年以来、77、78隻目となります。小樽市として、寄港要請に当たり、入出港時及び接岸時の安全性、商業港としての港湾機能への影響、核兵器搭載の有無の受入れの判断の3項目について検討した結果、岸壁手配したものです。しかし、毎年のように寄港することに、民間港である小樽港の軍港化につながると懸念の声が出ています。
外務省は、これまでの見解と同様に、米国の核政策に基づけば、我が国政府としては、現時点において、核兵器を搭載する米国艦船の我が国への寄港はないと判断、照会のあった米国艦船については搭載能力がない以上、核兵器を搭載していないことにつき、我が国政府として疑いを有していませんとの回答をしていますが、米軍は核兵器搭載について肯定も否定もしません。ベンフォールドのジャスティン・ハーツ艦長も入港後の記者会見で、核兵器搭載の有無に対し否定も肯定もできないと述べています。
日米間に核密約があるのは実証済みで、日本政府との事前協議なしに核兵器搭載艦船や航空機が自由に出入りできるというのは、米国の公開文書でも既に明らかにされているとおりです。
ベンフォールドは、核搭載可能艦です。こうした米艦船の寄港は、日米防衛協力のための指針(ガイドライン)の具体化そのものであり、断じて認めることはできません。
安倍政権は、一昨年から、太平洋軍の主力をなす第7艦隊司令部への連絡官派遣も開始しました。安保法制の米軍等の武器等防護の規定に基づく日米の共同部隊化をにらみ、米部隊の最前線で情報収集に当たっていると見られます。
また、過激武装組織ISに対する軍事作戦を米軍をはじめとする有志連合が行っていますが、小樽港がテロに巻き込まれることがあってはなりません。さらに、安保法制により、さらに危険な状況になろうとしています。
平和な商業貿易港である小樽港に、米艦船の定着はふさわしくありません。パトリオットのエミリー・ロイス艦長は、市民団体などの抗議活動に対し、歓迎してくれる人たちに比べれば非常に小さな集団だと理解していると述べていますが、大変失礼な話です。
今、国民一人一人が主権者として、自分の頭で考え、自分の言葉で語り、自分の足で行動する、戦後かつてない新しい国民運動が大きく広がっています。その中で、安保法制廃止の大きなうねりが広がっています。
1975年、神戸市会は、神戸港に核兵器搭載の艦船の入港を拒否する決議を採択しました。以来、入港を希望する艦船には非核証明書の提出を求め、米艦船は提出を拒み、1隻も入港していません。
小樽市は、1982年、核兵器廃絶平和都市宣言を行いました。宣言を実効性のあるものにしていくためにも、本条例案の制定が求められます。
各会派、各議員の御賛同をお願いいたしまして、提案説明といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)ただいま上程中の案件のうち、議案第58号については先議することといたします。これより、討論に入ります。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、小貫元議員。
(20番小貫元議員登壇)(拍手)
○20番(小貫元議員)日本共産党を代表して、議案第58号小樽市教育委員会教育長の任命について棄権の討論を行います。
教育委員会は、戦後、公選制から始まり、その後、任命制に移りました。そして、今回の人事から、教育委員会内の教育長の任命権限がなくなり、市長に移されます。
日本共産党は、公選制が廃止されても公選制の復活を要求し、任命制の下でも、公選制の精神を生かした民主的な人選を行うことを求めてきました。ですので、その個人の人格を否定するものではありません。私たちが責任を持って推薦できる人事かどうかを判断するに当たって、今回提案された林氏が今の教育行政に対してどのような立場をとられている人物かは不明であり、自席にて棄権の態度をとります。
(「調べればいいだけでしょ」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)お静かに。
○20番(小貫元議員)そのことに対して少し反論をしますと長くなるのですけれども、よろしいでしょうか。
公選制が廃止された後、当時、小樽の市議会は安達与五郎市長の時代でした。その時代は、公選制が廃止された後であっても、各会派に対して、どのような人事がいいかきちんと説明をして、その上でバランスのよい教育人事を行ってきました。これは教育行政の法律、地教行法の中にありますように、同一の政党から3人以上の、要は委員を選んではいけないと、こういう規定から照らせば、政治判断が、政治性が、どのような人物かということを、しっかりと判断する必要があったわけです。こういう流れから、私たちは日本共産党として、どのような人物が適当かということに責任を持って判断するには、今時点の資料では物足りないというところです。
これ以上やると怒られますので終わりにいたしますけれども、以上、討論といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、議案第58号について採決いたします。
同意と決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
日程第3「休会の決定」を議題といたします。
お諮りいたします。
議案調査のため、明日から2月28日まで休会いたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
本日は、これをもって散会いたします。
散会午前11時45分
会議録署名議員
小樽市議会 議長 横 田 久 俊
議員 千 葉 美 幸
議員 酒 井 隆 行