開議午後1時00分
○議長(横田久俊)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、松田優子議員、面野大輔議員を御指名いたします。
日程第1「議案第1号ないし第26号」を一括議題といたします。
質疑及び一般質問を一括し、これより会派代表質問を行います。
それでは、通告がありますので、順次、発言を許します。
(「議長、23番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)23番、山田雅敏議員。
(23番山田雅敏議員登壇)(拍手)
○23番(山田雅敏議員)本日は、我が会派の濱本議員が代表質問を行う予定でありましたが、身内の不幸により質問を行うことができなくなりました。これに伴い、質問者の交代などについて議会運営委員会で御協議いただき、会派から新たに質問者を立てさせていただくことに御同意いただいたことに対し、まずもって各会派の御理解に感謝いたします。
それでは、濱本議員が予定していた質問の趣旨に従い、私が代表質問をさせていただきます。
自由民主党を代表して、質問いたします。
初めに、市長に求められる資質について伺います。
さきの第2回定例会の予算特別委員会において、市長の資質などについて自民党からも質問しましたが、明確な答弁がなかったので、改めて質問いたします。
初めに、市長は平成14年7月のNPO法人ドットジェイピーのインタビューで、大好きな海の現状をよくしたいとの思いを実現する手段として、市議会議員になったと答えています。また、5年後、10年後も市議会議員でいたいとも答えています。さらに、議員であった平成15年第3回定例会の一般質問において、市議会議員選挙に出馬したきっかけは、海岸における諸問題を少しでも改善できればという思いからであったと発言しています。恵庭市で生まれ、北広島市の高校、そして北海道教育大学札幌校教育学部体育学科を卒業した市長が、なぜ小樽市の市議会議員という選択をしたのでしょうか、お聞かせください。
また、インタビュー当時は、5年後、10年後も市議会議員でいたいと答えていましたが、平成19年には市長選挙に立候補しています。その動機についても詳しくお聞かせください。
あわせて、平成23年、27年の立候補の動機についてもお聞かせください。
市議会議員から市長へと求める先を変えたとき、二元代表制を前提としている地方自治においては、当然、市議会議員に求められる資質、能力、見識などと市長に求められるそれらとは共通するもの、しないもの、いろいろあると理解していますが、市長はどのようにお考えでしょうか。より具体的な見解をお伺いいたします。
また、市長に適任か否かの判断をするときに、その人の経歴を一つの要素として判断します。例えば、山田元市長は市の職員としての豊富な経歴があります。また、中松前市長においては、銀行の支店長、市の収入役、そして小樽商工会議所の専務理事などの多様な経歴があります。元市長、前市長にはその豊富な、そして多様な経歴から市長としての適格性を理解しましたが、残念ながら、森井市長の経歴からは市長としての適格性を理解しかねます。市長という職責を全うするための資質、能力、見識などをどのような経歴の中で培ったのでしょうか、お聞かせください。
次に、市長の市政に対する理念について伺います。
二元代表制の一翼を担う市長には、政治家としての側面と行政組織の長としての側面が存在します。政治家としては理念を語り、行政組織の長としてはその理念を実現する役割を担う存在として認識しています。市民、そして議会に対して市長としての理念を説明し、理念を具現化する施策を体系的に、また、優先順位を明らかにして提案する責任があります。
第2回定例会の市長提案説明の冒頭で、市長は、今後4年間の市政運営、まちづくりについての一端について述べますと前置きし、小樽市の現状、課題、公約について述べていましたが、我々には市長の市政に対する理念がよく理解できませんでしたし、一端だけでは議会に対する説明責任を果たしていないと言わざるを得ません。
市長は議員であった平成16年第3回定例会の一般質問で、当時の山田市長に私と同じ質問をしていました。山田市長の答弁は大変わかりやすく、現時点でも決して色あせてはいません。森井市長の市政に対する理念について一端ではなく100パーセントの明確な答弁、そして中松前市長の理念と対比しての答弁を求めます。
米沢市や国分寺市においては、市長がその年度の市政運営方針を議会に対して明確に説明しています。米沢市の構成は、1番目は市政運営に当たっての基本的な考え方、2番目は6項目の分野別の主要施策、3番目に新年度予算の概要、4番目に結びとなっており、体系的、そして具体的です。国分寺市においても同様です。森井市長が今期初めて市長に就任したことを踏まえると、第2回定例会において、これからの在任期間4年間の基本方針、工程表、そして初年度である今年度の方針を市民、議会に対して体系的、具体的に表明する責任があったはずですが、その責任を十二分に果たしたとは思えません。市長はどのように認識していますか、お答えください。
あわせて、改めて基本理念に基づいた市政の基本方針についても米沢市、国分寺市と同様に体系的に、そして具体的にお答えください。
関連して、市長が初めて議会と向き合った第2回定例会は、提出議案の否決、議会の空転、会期の延長など間違いなく順風満帆とは言えませんでしたが、市長の第2回定例会に対する所感をお伺いいたします。
以上、第1項目について終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(森井秀明)答弁の前に議長に確認をさせていただきたいのですけれども、よろしいでしょうか。
○議長(横田久俊)どうぞ。
○市長(森井秀明)ただいま代表質問の中で経歴から適格性を理解される。そして私に対して適格性を認識させるだけの経歴が見られないという旨の発言がありました。
私は、さきの選挙戦を通し、市民の皆様からの負託を得てこの場にいます。それは私の経歴を含めたさまざまな要因に対して市民の皆様が考え、決断された結果であります。この御質問は私個人ばかりか、その負託をしてくれている市民の皆様の投票行為に対しての否定にもつながりかねないもので、民主主義の根底にも触れかねない重大な発言だと感じております。しかも、会派代表質問であり、この発言が会派意思として統一されている見解だとすると、さらに残念で仕方ありません。
私は、前定例会において突発的な発言へのルール化とともに、議会にそぐわない発言に対しての改善を図られるよう、議長、副議長に申入れをしたところです。議会は個人のパーソナルな部分を追及する場ではなく、政策議論を行う場であると私は信じており、議員の皆様においても同じ思いであると思います。この発言に対しての議長への見解を求めるとともに、前定例会において正副議長に申入れをしたことに対して回答をいただいておりませんので、それを確認させていただいた上で答弁させていただきたいと思いますので、議長よろしくお願い申し上げます。
○議長(横田久俊)ただいまの市長の発言についてお答えいたします。
議会は議員と理事者側、執行部が議論をして物事を積み上げていく、そういう場だと感じております。私は公正中立な立場で議事裁きをするという立場でありますので、異例ではありますけれども、私の見解を述べるということは控えさせていただきます。というのは、今申しましたように、中立的な立場でありまして、私が議員の質問に対してこれをこう思う、ああ思う、だめだ、いい、そういう発言は今後の審議にも影響を与えるものと思っています。
山田議員の今の質問が市長を誹謗中傷する、あるいは品性を欠く、そういう内容であれば、これは当然、私は地方自治法第132条あるいは小樽市議会会議規則第89条等に基づいて、これに抵触すれば当然注意をいたしますし、発言の制止を求めることもあります。しかし、今回の山田議員の質問については、会議規則第51条に規定されております一般質問について、議員は市の一般事務について質問ができると明確に規定しております。市長の資質を問うことについては、その範疇であろうと考えております。この件については、先ほど全国市議会議長会に対して口頭ではありますが確認いたしましたところ、市長の資質についての質問は市の一般事務についてのいわゆる一般質問に含まれるとの回答を得ておりますので、先ほどの山田議員の質問については品性の保持等々に抵触するものではないと考えております。
それから、前定例会での突発的な発言に対する議会のルールづくりについて申入れをしたけれども、回答がないということでありますが、これは突発であるなしにかかわらず、今申し上げましたように議員の質問中に不適切な言動等があれば、これは当然ながら私の議事整理権として注意をすると、こういうことでありますので、改めて議会のルールづくりの中にはそういったことは含めないというふうにしております。
冒頭申しましたように、議会は議員が質問し、そして市長が答弁という形で御自身の意思表示をされると、そういう場でありますので、私の見解を聞かれましても、繰り返しになりますが、お答えすることは控えさせていただきます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)それでは、今のお話を受けましたので、答弁を行わせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
山田議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、市長に求められる資質及び市政に対する基本理念について御質問がありました。
初めに、市長に求められる資質についてですが、まず、なぜ小樽市議会議員を選択したかにつきましては、小樽地域の海岸線においてとうとい命が奪われる光景を目の当たりにし、この事故をなくしたい、海の現状をよくしたいとの思いが湧き出たことからこれを実現しようと思ったためであります。
次に、市長選挙への立候補の動機につきましては、市議会議員活動を通じ、市政の現状を変えたい、しがらみを断ち切りたいとの思いからであります。
次に、市議会議員及び市長に求められる資質、能力、見識につきましては、共通するものもあり、違うものもあるかと思いますが、市民の皆様の目線に立つことが一番の共通点であると考えます。市議会議員と市長との立場に違いはありますが、双方が両輪となり、市民の皆様の期待に応えていくことが理想であると考えております。
次に、市長の職責を全うするための資質、能力、見識につきましては、私はさきの選挙において公約や経歴なども含めて市民の皆様から負託を得てこの市長というお役目につきました。今後4年間の取組において、市民の皆様に判断をしていただくのが市長としての姿であり、その市民の皆様の期待に応えていく所存であります。
次に、市長の市政に対する基本理念についてですが、まず市政に対する理念につきましては、この場で全てを申し上げることには限界がございますが、再度述べさせていただくならば、元気なまち小樽を取り戻し、小樽の再生を果たすことが市民の皆様から私に託された最大の使命であると思っております。
本市を取り巻く環境は、人口減少や少子高齢化の進行、多くの公共施設の老朽化や厳しい財政状況など、さまざまな課題に直面しておりますが、住みよいまち小樽、人に優しいまち小樽を目指してまいります。
また、小樽には先人が築き上げた誇るべき歴史と伝統があり、すばらしい地域特性や資源がたくさんあります。中松前市長の認識と一部重なる部分もありますが、これらの貴重な財産をしっかりと活用し、まちの魅力向上と地域経済の活性化に向けて努めてまいりたいと考えております。
次に、第2回定例会での提案説明につきましては、本市を取り巻く環境の認識や市政運営に対する基本的な姿勢のほか、元気なまち小樽を取り戻すための五つの公約に基づき、私の考え方をできるだけ御理解いただけるよう努めたものであります。
基本方針としましては、市民の皆様が住んでいてよかったと思えるまちづくりを進めることが何より重要であると考えておりますので、住みよいまち小樽、人に優しいまち小樽の実現に向け、公約としたものであります。
御質問にあります米沢市や国分寺市とは異なりますが、公約の体系としましては、安心で安全なまちづくりとして、除排雪体制の充実や防災対策などを、人口減少に歯止めをかけるための子育て支援と高齢者対策の充実では、小学生までの医療費と第3子以降の保育料の無料化や安定した周産期医療の実現、JR駅のバリアフリー化などを、中心市街地の再開発と空き家対策では、空き家の活用や既存借り上げ公営住宅制度の検討などを、教育の取組では、心身の健やかな成長を目指した豊かな教育環境づくりや新・市民プールの整備などを、まちが元気になる経済対策では、トップセールスの実施やふるさと納税の推進などをお示ししたものであります。
次に、第2回定例会に対する所感につきましては、お互いに市民から選ばれました二元代表として大変緊張感のある定例会であったと思います。市民の皆様の期待に応えていくためにも、今定例会においても活発な議論をお願いするものであります。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、23番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)23番、山田雅敏議員。
(23番山田雅敏議員登壇)
○23番(山田雅敏議員)第2項目めに入らせていただきます。
都市経営・自治体経営の認識について伺います。
これまでの自治体運営は人口増加を基調とし、右肩上がりの経済成長を前提として行ってきたと言えます。しかしながら、この運営モデルは平成11年の地方分権一括法、また平成18年の地方分権改革推進法の成立などによる地方分権の進展、そして人口減少や少子高齢化などの人口問題の顕在化、自治体財政状況の悪化などにより機能不全となり、現状に的確に対応し、機能する運営モデルの構築が求められています。
また、都市とは行政だけではなく、個人、法人、各種団体など、各種経営体が協働する連合体とも言われています。それゆえに近年、都市経営、自治体経営という言葉が使われるようになってきたと認識しています。都市経営、自治体経営の新たなモデルの構築に際しては、新公共経営NPM、マーケティング戦略、経営戦略など、新たな視点、概念を導入しているのが現状と言えます。市民の幸福、福祉の向上という成果を得るために、これからの自治体経営は限られた経営資源を投入、配分して、多様な行政サービスを市民に提供しなければなりません。限られた経営資源を投入、配分するに当たっては、有効活用、最適化を意識するとともに、単に効率化を追求する企業化ではなく、行政部門と個人、法人、各種団体などの民間部門との強いパートナーシップ、協働を前提とした経営の社会化を目指す必要があります。市長は在任中の自治体経営についてどのように定義づけしているのか、お聞かせください。
また、小樽市が直面しているさまざまな課題を解決するためには、個人、法人、各種団体などの民間部門との強いパートナーシップ、協働が不可欠であると市長も認識していると思いますが、これをどのように実現していくのか、具体的にお聞かせください。
また、昨年の第3回定例会の自民党濱本議員の一般質問において、釧路市が平成24年2月に策定した釧路市都市経営戦略プランの前文に書かれた蝦名釧路市長の信念を紹介し、中松前市長に質問いたしました。蝦名市長は、「市長は市政のCEO(最高経営責任者)である」との信念を述べています。そして、前市長に最高経営責任者の使命は経営理念を明確にし、理念を実現するための戦略、戦術を策定することだと示し、前市長に確認しました。前市長は同じ見解であると答弁しましたが、森井市長は蝦名市長の「市長は市政のCEO(最高経営責任者)である」との信念をどのように捉えていますか。
また、最高経営責任者の使命についてどのように認識していますか、お答えください。
市長は、議員であった平成17年第2回定例会の一般質問において、経営の定義について辞書を引用して「方針を定め、組織を整え、目的を達成するよう持続的に事を行うこと」と述べていますが、今もその認識は変わりませんか。
あわせて行政の経営品質を高める必要があると述べていますが、行政の経営品質を高めるとはどのようなことなのか、具体的にお答えください。
そして、現在も必要と認識しているのか、根拠を明示してお答えください。
次に、人事管理についてお伺いいたします。
市長が議員時代の平成17年3月に発表された分権型社会における自治体経営の刷新戦略によれば、都市を構成する一つの中核的経営体である行政組織が必要とする機能を強化する方法の一つに、職員の能力を最大限に引き出しうる人材管理、人事育成が必要であり、具体的には一つ目に「研修・多様な業務経験による人材育成」、二つ目には「実績評価及び職務遂行能力評価に基づく人事管理」、三つ目に「組織マネジメントの刷新を裏打ちする組織文化の醸成」と記載されています。私はこの考え方については至極当然であると理解しています。市長はどのように捉えていますか、お答えください。
あわせて、市長は議員であった平成18年第2回定例会の会派代表質問において、山田元市長に対して職員の人事異動、昇任について質問をしています。内容は職員の異動の早さ、つまり在職期間の短さによる弊害について、次に人事異動の意義、選考方法、昇任制度、昇任の選考基準についてです。山田市長の答弁についてお知らせください。
人事異動のサイクルの早さを指摘した森井市長が、本年6月に行った部長、次長、課長人事を改めて見ると違和感を覚えます。部長職の異動総数は何人ですか。そのうち2年以内、1年以内での異動人数をお知らせください。
次長職、課長職についてもお知らせください。
職員の昇任についての選考基準と条件についても、山田元市長から答弁がありました。さきの第2回定例会において他会派から昇任人事について質問がありましたが、市長は山田元市長の答弁を忘れていたのでしょうか、お聞かせください。
さきの第2回定例会において、6月1日付けの人事異動についてその適切さが質問されました。議会において人事異動の適切さが質問されたことは過去にあまり例がなく、異常な事態であったと認識しています。
市長は、自治基本条例第18条の規定を遵守しなかったと言わざるを得ません。市長の見解を伺います。
次に、市職員の居住地に関して伺います。
過去の議会においても、市外に住む市職員のことが議論されてきました。市の見解としては法的な制約があるので強制はできないが、災害などの危機管理の観点、市民目線、市民感情からもでき得る限り市内居住が望ましいとのことでした。
市長は、市職員の市外居住についてどのようにお考えなのか、お答えください。
次に、医師などの人材確保が困難な病院局を除き、現在の部長、次長、課長職で市外に住み、通勤している人数はそれぞれの職で何人中何人でしょうか。お答えください。
また、その中で6月1日付け人事異動で昇任した職員はそれぞれ何人でしょうか、お答えください。
再任用職員についても伺います。
現在、市の再任用職員は何人でしょうか。そのうち市外に住み、通勤している人数は何人でしょうか、お答えください。
再任用といえども、新規採用です。市長は再任用の際に市内居住を条件とするのでしょうか、見解を伺います。
市外から通勤する職員には、通勤手当が支給されていますが、その支給基準、支給者数、支給総額、最高支給額についてお答えください。
人事管理に関連して、人材育成についてお聞きいたします。
よく組織は人なりと言われています。また、人材は材料の材ではなく、財産の財だとも言われています。人によって成り立っている組織の機能を活性化し、強化するためには、組織の根本である人を育成することは自明の理であるとともに、組織にとって人材の育成は永遠の課題であります。
市長は、市議であった平成17年第1回定例会の一般質問において、行政改革の質問の中で職員の質を高めるための育成研修について山田元市長に質問しています。また、小樽市自治基本条例第18条において「市長、その他の任命権者はまちづくりの推進及び効果的かつ効率的な行政運営のため、人材の育成並びに職員の能力の評価及び適切な配置に努めます」と規定しています。我々自民党は以前議会において職員研修の新規プログラムとして、議会の行政視察の際に視察目的にかかわる部署の職員を同行させてはと提案いたしました。
初めに、市長は人材育成についてどのように認識されているのか、お伺いいたします。
次に、どのような職員研修を行っているのか、お聞かせください。
あわせて、市長提案の新規研修プログラムはあるのでしょうか、お聞かせください。
次に、都市経営、自治体経営の観点から、第6次小樽市総合計画についてお伺いいたします。
この計画は、平成21年から平成30年までを期間として策定されました。総合計画は基本構想、基本計画、実施計画の3層構造になっています。経営的な表現をすれば、経営理念、経営戦略、経営目標といえ、抽象から具象へのプロセス、マクロからミクロへのプロセスとも言えます。経営目標を達成して初めて経営戦略が実現し、経営理念の具現化が完成しますが、経営目標を達成するためには、限られた経営資源の最適配分、有効活用などの経営判断が求められます。経営判断は都市経営において行政だけではなく、個人、法人、各種団体など、各種経営体が行い、自治体経営においては二元代表制の両翼である市長と議会が経営判断をします。
市長は、都市経営、自治体経営における総合計画の位置づけ、意味をどのように考えていますか、お答えください。
第6次総合計画の策定に当たっては、小樽市総合計画審議会条例に基づき、市議会議員、商工会議所などの民間諸団体の代表者、大学教授などの学識経験者などで構成される審議会が設置されました。私は、審議会の設置及びその構成員は先ほど述べたように、都市とは、行政だけではなく、個人、法人、各種団体などの各種経営体が協働する連合体との認識が根底に存在しているがゆえと理解しています。まさに、自治基本条例の精神であるまちづくりへの市民参加と協働を具現化していますが、市長はどのように捉えていますか、お答えください。
今年は小樽市総合計画後期実施計画期間の2年目であります。
市長は、どのような価値観、基準を持って残り3年間の後期実施計画について優先順位、予算措置、財源確保など、経営判断し、遂行するお考えなのか、お答えください。
あわせて、現在、策定中の小樽市総合戦略と第6次総合計画との関係についてどのようにお考えなのか、お答えください。
次に、これまで総合計画においては法的根拠として地方自治法第2条第4項において、市町村に対し総合計画の基本部分である基本構想について議会の議決を経て定めることを義務づけされていましたが、国の地域主権改革の下、平成23年5月に地方自治法の一部を改正する法律が公布となり、総合計画の基本構想の策定、議会の議決は市町村の独自の判断にゆだねられることになりました。鹿児島市など他都市では、総合計画策定条例の制定や、地方自治法第96条第2項「前項に定めるものを除くほか、普通公共団体は、条例で普通公共団体に関する事件(法定受託事務にかかわるものを除く)につき議会の議決すべきものを定めることができる。」を根拠に議決事件に追加するなどして対応しています。小樽市自治基本条例第20条には、総合的な計画との表現で策定を規定していますが、議会の議決には言及していません。小樽市の第6次総合計画の期間は平成30年度までであり、市長の任期は平成31年4月までであります。つまり、市長の任期中に第7次総合計画を策定するか否か、法的根拠をどうするか、議決事件として追加するのかなどの判断が求められています。策定のメリット・デメリットについてどのように認識されていますか。
また、議会の関与、どのような手続、手法、タイムスケジュールで判断するのか、具体的にお答えください。
次に、自治基本条例についてお伺いいたします。
山田元市長の公約であり、かつ第6次総合計画の基本構想、市政運営、三つの基本姿勢を受けて、基本計画に記載された自治基本条例は、平成21年1月に設置された庁内研究会から始まり、平成25年第4回定例会で議決され、平成26年4月施行となりました。
市長は市議であった平成16年第3回定例会の一般質問において市が設置する審議会のあり方を切り口に自治基本条例の制定を求めていました。
初めに、自治基本条例が制定されたことについてどのように捉えているのか、お聞かせください。
都市経営、自治体経営を行う行政や都市を構成する広義の市民にとって、自治基本条例は必要不可欠な理念の一つであると認識しています。
市長は、都市経営、自治体経営における自治基本条例の存在をどのように認識していますか、お答えください。
次に、市長はさきの定例会において参与からアドバイスをもらう項目、内容の中で、自治基本条例のブラッシュアップと答弁しています。自治基本条例のブラッシュアップとは何でしょうか。
また、ブラッシュアップが条例改正を意味しているならば、いつまでに改正を行うのか、さらに市民議会に対してどのような手続をとるのか、具体的にお答えください。
市民、議会、市長のありようなどを規定している小樽市自治基本条例の内容は他都市と比較した場合、検討する余地はあると認識しています。エコリフォーム条例が制定されたように、議会には政策立案機能、条例提案権がありますので、さらに自治基本条例を深化させるために、条例改正を視野に入れた議会としての主体的な取組が必要であると認識しています。
以上、2項目めについて質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)ただいま、都市経営、自治体経営について御質問がありました。
初めに、都市経営、自治体経営の認識についてですが、まず、自治体経営についてどのように定義づけているかにつきましては、効果的で効率的な自治体経営を行うためには、市税などの自主財源の確保や事業の取捨選択による財政運営の健全化を図ることは言うまでもなく、より円滑な経営を行うためには、市民の皆様をはじめ、各種団体などの民間部門における各界、各層との連携、協働が必要不可欠であると考えております。そうした経営を進める前提といたしまして、まちづくりの主役である市民の皆様にも直接市政運営に参加し、携わっていただくことが私の自治体経営の基本的な考え方であります。
次に、民間部門の強いパートナーシップ、協働をどのように実現していくのかにつきましては、協働によるまちづくりの実効性をより高めていくために、市民の皆様、法人や各種団体などの民間部門の皆様が有するさまざまな知識や経験が生かされ、それらを共有していくことが大切であると考えております。そのためには、市民の皆様をはじめ、各界、各層の方々が計画等の策定や施策の実施、検証する場面に参画いただけるような仕組みを構築してまいりたいと考えております。
次に、釧路市長の言う「市長は市政のCEO(最高経営責任者)である」との信念をどのように捉えるかにつきましては、都市経営の視点、市民サービス向上の視点、財政健全化の視点といった部分など、大いに共感できるものであります。また、最高経営責任者の使命として考えられるのは、自治体経営を図るための方針を決定し、責任を持って実行していくことにあると認識しております。
次に、経営の定義についての認識は、平成17年当時と変わっていないかということにつきましては、私としては市民の福祉の向上に向けたさまざまな施策についてその目的を明確にし、成果目標を定め、職員配置や予算などの経営資源の配分を行い、多様な行政サービスを提供していくといった認識は今も変わっておりません。さらには、現在行っている行政評価の仕組みの下で、施策や個々の事業目的に対する成果の検証と改善を絶えず行い、市民満足度の高い行政サービスを持続的に提供していけるよう、努めてまいりたいと考えております。
次に、行政の経営品質の向上の意味につきましては、民間における経営品質の向上とは、ものやサービスの質を高めるために経営をどうしたらよいかを考えるということであり、これを行政にも当てはめて考えてみてはどうかということで、当時提案させていただいたものです。
具体的には、そのための手法として、民間企業との人事交流などについて提案させていただいたものであり、現在も行政サービスを提供する場として、民間企業のノウハウを取り入れていくことは必要なことと考えてはおりますが、まずは職員のレベルアップのため、ほかの行政機関等への職員の派遣についての検討を行っているところではありますが、現時点では民間企業との人事交流などについては考えてございません。
次に、平成17年の分権型社会に対応した地方行政組織運営の刷新に関する研究会報告書につきましては、限られた職員数で専門的かつ高度な行政ニーズに対応をしていくことが求められる中、私も職員の能力を最大限に引き出し得る人事管理や人材育成は大変重要であると認識をしております。
次に、人事管理についてですが、まず私の議員時代の平成18年第2回定例会における人事異動に関する代表質問に対する山田元市長の答弁につきましては、まず在職期間の短さによる弊害については、人事異動後のふなれから市民に迷惑をかける可能性について触れられ、その防止策について説明をされております。
人事異動の意義については、マンネリ化や形骸化による能率低下の防止、新たな発想、視点が取り入れられ、業務改善が図られること、職員の能力をより適正な部門でより積極的に活用すること、さらには事業の新設、拡大や廃止、縮小による配置人員の過不足解消などが挙げられております。
選考方法については所属長の評価などを参考とし、職員本人からの希望をヒアリングするほか、さまざまな職場を経験することにより、幅広い知識が習得され、それが住民サービスの向上につながるという考え方で配置を進めていると伺いました。
昇任制度とその選考基準については、組織や定員管理の観点から所属長からの業務遂行能力、監督指導能力、基本的姿勢などについての評価を参考とし、職員の能力、適性、業績について十分把握するとともに、昇任させる職のポスト数やその職務内容、必要な資格、能力等について総合的に勘案し、該当職員を昇任させているとの御説明をいただいております。
次に、部長職、次長職、課長職それぞれの異動総数とそのうち在職期間が2年以内、1年以内で異動となった職員の人数につきましては、部長職は異動総数が18人中12人、そのうち在職期間2年以内の異動人数が1人、1年以内の異動人数が5人となっており、同様に次長職は36人中21人、2年以内5人、1年以内11人で、課長職は151人中39人、2年以内7人、1年以内11人となっております。
次に、本年6月の昇任人事に当たりましては、私としても複数の方から職員の能力に関するお話を伺い、その能力を私なりに十分把握させていただき、昇任させる職のポスト数を勘案した上で、昇任の可否を判断させていただいたものであります。
自治基本条例は効果的かつ効率的な行政運営のため、人材の育成並びに職員の能力の評価及び適切な配置に努めることを市長の責務と定めており、私としましても、さきの異動に当たりましては、職員個々の能力を評価した上で適材適所の配置に努めたところであります。
次に、職員の市外居住につきましては、私としても災害などの危機管理の観点のほか、市民の皆様の声を吸い上げ、その声を市政に生かす必要性、さらには税収の増や生計費の市内還流などを考えましても、職員は市内に居住すべきであると考えております。
次に、病院職員を除く管理職員で市外からの通勤者の人数につきましては、本年8月の数字で申し上げますと、部長職は18人中2人、次長職は36人中ゼロ人、課長職は151人中6人となっております。この市外通勤者のうち、さきの人事異動で昇任したのは部長職の1人のみとなっております。
次に、再任用職員につきましては、本年8月現在で67人在籍をしており、このうち市外通勤者は4名となっております。再任用に当たりましては、小樽市職員再任用制度取扱要綱では、再任用は在職時と同様の本格的な職務に従事することから、公務で働く意欲と能力のある者について在職時の勤務実績等に基づき選考委員会の選考により任用するとされており、現状では市内居住は条件となっておりません。しかしながら、私としましては、再任用職員についても職員同様市内に居住すべきと考えております。
次に、市外から通勤する職員の通勤手当につきましては、まずその支給基準については市内居住、市外居住の分け隔てなく、国家公務員の通勤手当の支給基準に準拠した小樽市職員給与条例等の給与関係規定が適用となり、交通機関利用、自家用車利用等の区分に応じ、最高5万5,000円まで支給されることになっております。
次に、市外通勤者の人数は本年8月現在で病院職員を除き83名で、これらの職員に係る通勤手当の月額合計は約147万円となっており、最も高い支給月額は約3万5,000円となっております。
次に、人材育成についての認識につきましては、社会経済情勢が急激に変化し、地方分権が大きく進む中、本市におきましても自己決定、自己責任に基づいて地域固有の政策課題に対応するとともに、市民目線に立って斬新かつ大胆な発想と創意工夫に満ちた施策を実施していくことが求められています。こうしたことから、小樽市人材育成基本方針では、効果的、効率的な市行政を担う専門知識と幅広い視野を持ち、諸課題にチャレンジする意欲と能力を持った職員の育成が急務とされており、私としても組織の活性化や強化のためには人材育成が極めて重要であると考えております。
次に、職員研修につきましては、小樽市職員研修規程に基づき、新規採用職員研修や管理者研修などの基本研修、服務給与制度研修や法制研修など専門的な知識及び技術を向上させるための特別研修、北海道市町村職員研修センターなどへの派遣研修、各部単位で行う職場研修などを実施しております。これらの研修は毎年度4月に定める研修の実施計画に沿って実施をしており、今年度においては私が提案をした新規の研修プログラムはございませんが、研修内容につきましては、その時々の時代の流れに適用したものとするため、今後とも見直しを進めていきたいと考えております。
次に、第6次総合計画についてですが、まず、都市経営、自治体経営における総合計画の位置づけにつきましては、総合計画は現状や市民意識を整理した上で、基本理念、目的、将来都市像を示し、その実現に向けて市政運営の基本姿勢である参加、協働によるまちづくりの推進、効率的な行財政運営の推進、広域連携の推進の下、基本的な展開方向や主要施策を示したものであることから、都市経営や自治体経営における経営判断の基礎として最上位に位置づけられる計画であるものと考えております。
次に、総合計画策定に当たっての認識につきましては、総合計画は本市の進むべき方向性についてお示しをするものであることから、総合計画審議会の設置や地区別、団体別懇談会の開催などにより、民間諸団体や学識経験者をはじめとした多くの市民の方々からの御意見をいただきながら、取りまとめたものと認識をしております。
このことは、自治基本条例の基本的な考え方である市民参加と協働に位置づけられるものと考えております。
次に、残り3年間の後期実施計画の取組につきましては、後期実施計画は基本計画に基づき、具体的な施策や事業を示したものであり、着実に取組を進める必要があると考えております。
このため、人口対策など公約の実現に向けた取組のほか、公共施設の耐震化や老朽化対策などを優先的に取り組む必要がある課題に対応していかなければならないと考えておりますが、本市は依然として厳しい財政状況にあることから、国の施策の情報収集や地域経済の活性化など財源確保に向けた取組とあわせ、限られた行財政資源を効果的、効率的に組み合わせながら、取り組んでまいりたいと考えております。
また、総合戦略と総合計画の関係についてですが、総合戦略は総合計画の基本構想、基本計画を踏まえながら、市民、企業、団体、行政など地域全体で課題を共有し、効果的かつ強力に地方創生に向けた施策を推進するものとして位置づけるものであります。
次に、次期総合計画の策定につきましては、策定のメリットとしては多くの方々からの御意見をいただくことにより、行財政運営を進める上での本市の進むべき方向性について市民の皆様と共通認識を持てることであり、デメリットは小さいものと認識をしております。
また、総合計画を策定することについては、自治基本条例に位置づけておりますが、計画の期間や構成のほか、策定手法やスケジュール、議決の有無などは基本的な方針を決定する必要がありますので、今年度には庁内組織を立ち上げ、検討を進めたいと考えております。
次に、自治基本条例についてですが、まず、自治基本条例が制定されたことについてどのように捉えているかにつきましては、第2回定例会の所信表明でも述べさせていただきましたが、私は市民の皆様が住んでいてよかったと思えるまちづくりを進めることが何より重要であると考えております。
そのためには、まちづくりの主役である市民の皆様に審議会への参画などにより市政運営に携わっていただくことが必要であると考えており、その根拠となる自治基本条例が制定されたことによって、まちに対する愛着や関心を持ち、主体的に考え、行動する市民がさらに増えていくものと考えております。
次に、都市経営、自治体経営における自治基本条例の存在に対する認識につきましては、先ほど自治体経営の定義づけで申し上げたとおり、市民の皆様をはじめ、各界各層との連携、協働が不可欠であると考えておりますことから、まちづくりの基本的な考え方や市政運営の基本的なルールを定めた自治基本条例は、本市が目指す自治の姿を実現するために欠かすことのできないものであると認識をしております。
次に、自治基本条例のブラッシュアップにつきましては、自治基本条例において情報の共有、参加及び協働をまちづくりの基本原則として規定していることから、その部分をさらに磨き上げたいという意味で、現時点で条例改正を行う予定はありません。
現在、より広く市民の皆様の御意見を反映できる仕組みの下で計画等の策定が審議される市民公募委員制度の構築や市民の皆様とさらなる情報の共有を図るために、懇談の場を設けることなどを検討をしております。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、23番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)23番、山田雅敏議員。
(23番山田雅敏議員登壇)
○23番(山田雅敏議員)それでは、3項目めに入ります。
市長の公約・所信について伺います。
森井市長の法定選挙ビラには、小樽の現状認識、課題について、あまり記載がありませんでした。また、さきの定例会での所信表明においても若干の言及がありましたが、単に羅列した印象でした。いま一度、外的要因、内的要因、解決の緊急度などを踏まえて、体系的に具体的に見解をお聞かせください。
また、中松前市長も当然小樽の課題を認識した上で、4年間市民と議会に向き合いながら市政を運営してきました。市長と中松前市長で現状課題の認識に違いがあれば、当然、政策、対応策、優先順位も変わってきます。市長が中松前市長の認識について共通、同調する点、そうでない点について具体的にお答えください。
次に、「安心で安全な街作りを実行!」についてです。
副題が「この街で生活している人たちを大切にする施策を第一にします」と書かれています。
まず、生活する人たちの定義についてお聞きいたします。
自治基本条例第2条第1項では、市民は市内に住所のある個人、市内に通勤、通学する個人、市内の事業者、市内で活動する団体と定義しています。市長の定義と自治基本条例の定義は同一でしょうか、お答えください。
違うとすれば、その根拠も明確にお答えください。
次に、法定ビラでは、「皆様の信頼を取り戻すために、市政の現状をオープンにしていきます」と書かれています。ところが、所信表明では「開かれた市政運営を念頭に置き、市政の現状をオープンにします」と述べています。オープンにする目的が法定ビラでは皆様、つまり市長の言うところの市民だと思いますが、その皆様の信頼を取り戻すため、一方、所信表明では開かれた市政運営のためと違っています。目的が開かれた市政運営ならば、市政の現状をオープンにする対象となるのは自治基本条例第2条に規定する市民であり、二元代表制の一翼を担う市民から選ばれた議員で構成される議会であります。目的によって市政の現状をオープンにする対象が違います。どちらの目的なのでしょうか、市長の見解をお聞かせください。
次に、法定ビラでも所信表明でも「市民目線で取り組める市政を築き上げていきます」と記載し、述べています。市民目線で取り組める市政という言い方は日本語の表現として違和感を覚えます。例えば市民目線で市政に取り組みます、若しくは市政に市民目線で取り組みますであれば理解できますが、市長の認識を伺います。
あわせて、市長が市民目線と言われる市民の定義とは何か、また、市民目線ということの意味は何なのか、お答えください。
次に、「子どもや高齢者も安心して歩けるよう、防犯設備を強化し、LED街灯の増設、設置を急ぎます」と法定ビラには書かれています。この防犯設備について所信表明では言及していませんでしたが、その理由をお答えください。
また、防犯設備とは監視カメラなどを含むのでしょうか、市長の考える防犯設備について具体的にお答えください。
次に、3か年で既存の街路防犯灯をLED灯へ転換すると所信表明で述べていました。LED灯への転換事業は議会の提案、そして中松前市長の政治的決断によって平成27年度の当初予算に計上された事業であります。市長は中松前市長の政策を支持し、継承したものと理解していますが、市長の認識を伺います。
次に、法定ビラには「AEDを計画的に設置」との記載があり、所信表明では未設置の公共施設に設置すると述べています。
初めに、市長はどのような現状認識でAEDの計画的な設置と法定ビラに記載したのでしょうか、お答えください。
また、所信表明では計画的という文言が使われなかったのはなぜなのか、お答えください。
現在、小樽市が管理している施設で設置されているAEDは何台でしょうか。
また、これから設置する施設、台数についてお答えください。
あわせて、小樽市内の北海道や国などの施設数と台数について把握されていますか、具体的にお答えください。
市内の総台数については把握されていますか。
また、総台数は人口に比較して十分なのでしょうか、また設置基準などあるのでしょうか、お答えください。
2012年から3年間、AEDの使用法講習を行っていませんが、普及を進めるなら、当然ながら維持・管理もそれ以上に必要であります。
そこで、伺いますが、市では使用法講習を行っているのでしょうか。
また、点検担当者を適切に配置して機能点検などは行われているのでしょうか、現状と課題があればお答えください。
次に、「人口減少に歯止めを!子育て支援と高齢者対策の充実」についてです。
この項目について、市長は、法定ビラでは「札樽間の交通アクセス、利便性の向上に取り組みます」と記載し、所信表明では銭函地区に限定したJRの快速列車の銭函駅停車について述べられています。
初めに、法定ビラの人口対策、子育て支援と高齢者対策の項目で札樽間の交通アクセス、利便性の向上を取り上げた意図をお答えください。
次に、所信表明からは交通アクセスという表現がなく、新たに交通網の再構築を検討、協議すると述べています。交通アクセスを削除した理由と交通網を再構築するとはどういう意味なのか、お答えください。
次に、「中心市街地の整備再開発と空き家対策」について伺います。
法定ビラでは、中心市街地に市営住宅を建設するとの記載がありましたが、所信表明では言及していません。老健施設の充実についても同様に所信表明がありませんでした。なぜ、言及しなかったのか、詳しくお答えください。
次に、「小樽の教育改革を行います」の項目から伺います。
法定ビラでは小樽公園にプールを建設し、小樽運動公園に変えますとの記載がありますが、所信表明では新・市民プールの整備という表現に変更され、建設地については小樽公園と明確に述べていません。
また、小樽公園を小樽運動公園に変えることも述べていません。法定ビラと所信表明にあまりにも違いがありすぎます。この違いについて明確な説明を求めます。
次に、「街が元気になる経済対策を実行」から伺います。
法定ビラの副題には、「小樽の営業マンになります!」と記載され、所信表明では小樽の営業マンとしてトップセールを行うと述べています。小樽の何を誰にどのように売るのでしょうか。具体的にお答えください。
次に、ふるさと納税制度について伺います。
市長は地場産品を買い上げ、ふるさと納税の景品にして小樽の魅力を発信すると法定ビラに記載し、所信表明で述べています。
初めに、現状について伺います。
現在、小樽市には小樽ファンが支えるふるさとまちづくり寄附条例がありますが、ふるさと納税の対象となる平成26年の市外からの寄附実績について件数、総額についてお知らせください。
あわせて、平成27年度の課税における小樽市内からの各地のふるさと納税を利用した人数、総額についてお知らせください。
ふるさと納税の目的について、市長の認識は、地場産品を景品にして地域経済の波及効果を期待していると所信表明から読み取れます。
しかしながら、ふるさと納税の主たる目的は、他の自治体の税を獲得することではないでしょうか。
獲得する税を増やすための手段が景品であり、その景品を地元調達して地場産品の知名度向上などの副次的な効果を期待するものと認識していますが、市長の認識はいかがでしょうか、お答えください。
現在、加熱するふるさと納税の景品とよく言われています。他の自治体の税を獲得する目的を達成するための手段が景品であります。収支バランスを考えた景品を調達するコストの設定が必要です。
市長は、議員であった平成16年第1回定例会の一般質問で、石狩湾新港管理組合の予算を例に行政も民間企業のようなコスト意識が必要と質問していました。ふるさと納税制度の導入に当たっては、かつて市長が指摘したコスト意識を持って制度設計を行っていただくことを要望します。市長の見解を伺います。
次に、法定ビラ、所信表明にはありませんでしたが、6月1日付けの人事異動で財政部内の主幹3名について従来の業務に加え、入札制度改革担当としての発令を行っていることについて、お伺いいたします。
市長は、現在の入札制度に対してどのような認識をされ、どのような課題があり、従来の入札制度のどのような点を変更するとお考えなのか、お答えください。
また、改革に当たっては、参与にアドバイスを求めるなどの議会答弁がありましたが、どのようなアドバイスを受けたのか、具体的にお答えください。
あわせて、3名の入札改革担当者にはどのような指示をしたのか、お答えください。
制度改革の結論はいつごろまで出るのでしょうか。また、経過、結果について議会に対する説明も必要であると考えますが、市長の見解を伺います。
以上、3項目めについて終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)ただいま、市長の公約・所信について御質問がありました。
初めに、現状認識についてですが、まず本市の現状に対する認識や課題につきましては、歯止めのかからない人口減少や少子高齢化の進行、それに伴う市内経済の低迷など、本市を取り巻く環境は大変厳しい状況にあるものと認識しております。
一方、本市の行財政運営においては、こうした外的要因に起因した市税収入の減少に加え、他会計からの借入金の返済のほか、老朽化が進む公共施設の耐震化や社会インフラの整備など多額の費用を要する事業が控えており、財政調整基金からの繰入れがなくては収支均衡を保つことが困難な状況にあります。
以上のことから、外的要因においては人口減少への対策として市民の身近な行政サービスを向上させることが、内的要因においては財政健全化に向けたさらなる取組が最重要課題であると考えております。
次に、中松前市長の現状や課題の認識につきましては、行財政運営における財政健全化の必要性や人口減少に伴う市内経済の低迷や税収の減少、厳しい財政状況の中での社会資本の老朽化への対応の認識につきましては、共通する点であると考えております。また、人口減少に歯止めをかけるという目指すべき着地点も同様ではありますが、私といたしましては、まずは市民の暮らしに直結する生活環境の整備としまして、除排雪の体制の充実のほか、子育て支援、教育環境の充実など、市民に身近な行政サービスの向上について優先的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、安心で安全なまちづくりについてですが、まず、私が持つ市民の定義につきましては、自治基本条例で定義している市民と同一のものであり、公約に掲げた「この街で生活をしている人たち」とは市内に住んでいる方はもちろん、通勤や通学されている方、市内の事業者、市内で活動する団体を市民として考えております。
次に、市政の現状をオープンにする目的につきましては、私の考える開かれた市政運営の根本は、市民の皆様の御意見をより反映することだと認識しており、そのために市民の皆様に行政と一緒になって課題を受け止め、考えていただくためにも、市政の現状をオープンにすることが鍵であると思っております。
これまでの市政運営においては、市政がどのように行われているのかわからないという声を多く聞いており、市民と市政との間に距離感があるように受け止められていたのではないかと思います。それが市政に対する信頼の低下につながっているという思いから、法定ビラの信頼を取り戻すためといった表現にしましたので、所信表明において開かれた市政運営のために市政の現状をオープンにしますとお話しさせていただいたこととそごを生じていないと私自身は考えております。
次に、市民目線で取り組める市政ということの認識につきましては、市民の立場に立って物事を判断できる市役所の体質にしてまいりたいという認識でお話をさせていただいたものです。また、市民の定義につきましては、小樽市自治基本条例第2条で定義されている市民であり、市民目線の意味につきましては、先ほど申し上げましたとおり、市民の立場に立つという意味で使ったものです。
次に、防犯設備について所信表明において言及しなかった理由と私が考える防犯設備とは何かということにつきましては、私の考える防犯設備は子供や高齢者が安全に歩けるよう信号機や横断歩道などの交通安全施設と街路灯のことであります。街路灯については、所信表明で言及しましたが、交通安全施設については公安委員会などの関係機関に設置権限があり、市単独で設置できないため、今後協議が必要なことから言及しなかったものであります。
次に、既存街路防犯灯LED化推進事業につきましては、子供や高齢者も安心して歩けるようLED街灯の増設、設置を急ぐことを公約として掲げさせていただき、第2回定例会の所信表明でも本事業の推進について述べさせていただきました。街路防犯灯を維持・管理している町会では、昨今の電気料金の値上げに伴い、町会運営が厳しい状況になっていることや、これまでの議会での議論経過も踏まえ、安心で安全なまちづくりのため、当初の計画どおり推進しているところであります。
次に、どのような現状認識で法定ビラにAEDの計画的な設置と記載したのかにつきましては、AEDは公共施設やホテル、スポーツ施設、さらにはコンビニエンスストアなど多数の人が出入りする施設に設置されるのが望ましいと考えておりますので、市として未設置の公共施設につきまして計画的な設置を進めるとともに、民間施設に対しても設置を促したいと考えたものであります。
次に、所信表明での計画的という文言につきましては、AEDの設置については必要性や管理方法の検討を優先させたため、所信表明ではあえて計画的という表現は使用しなかったものであります。
次に、小樽市が管理している施設のAEDにつきましては、現在は全小・中学校や社会体育施設などに74台設置しております。また、今後の設置については、現在、設置の必要性や管理方法を検討しているところであり、それを踏まえ、設置する施設や台数を確定してまいりたいと考えております。
次に、北海道や国などの施設に設置されている台数、市内の総台数につきましては、AEDの設置については特に届出義務がないため、小樽市の施設以外に設置されているものは救急ステーションに登録をされている一部の施設を除き、把握をしておりません。また、設置基準についても特に規定はありません。
次に、市の使用法講習につきましては、職員研修の一環としてAEDの使用法の講習を実施しているほか、消防において実施しているAEDの取扱いを含めた救命に関する普通救命講習会などにも参加するよう推奨しております。
次に、点検担当者を適切に配置しての機能点検につきましては、点検担当者は特に配置しておりませんが、AEDの賃貸借契約の仕様書の中で、本体、バッテリー及び電極パットが正常に使用できるか否かについて毎日自動点検を行い、その結果を簡便に目視で確認できる機能を備えることを規定しており、その機能を活用しながら職員が順次点検をしております。
次に、人口減少対策についてですが、まず、札樽間の交通アクセス、利便性の向上を法定ビラの「人口減少に歯止めを!子育て支援と高齢者対策の充実」の項目で取り上げた意図につきましては、銭函地域は札幌市に隣接しており、本市の他地域に比べ、市外への人口流出が大きいことから、本市の人口対策を検討する上で重要な地域と考えているためであります。
次に、所信表明では交通アクセスの表現を使わなかった理由につきましては、交通アクセスという言葉は交通手段としての意味合いが強く感じられることから、施策を進めていくためにはもう少し広い範囲での表現が適切と考え、所信表明では「交通網の再構築を検討、協議」と述べさせていただきました。
交通網の再構築の意味につきましては、人口対策を検討する上で銭函地域を重要な地域と考えていることから、今後は関係機関と連携を強化しながら、鉄道や路線バスなどの利便性を再度見直した上で、中・長期的な視点で交通ネットワークの充実を考えていきたいということであります。
次に、中心市街地の整備、再開発、空き家対策についてですが、まず市営住宅建設を所信表明で言及しなかったことにつきましては、中心市街地に市営住宅を建設するためには用地の確保に時間を要することから、まずは空き家を借り上げる既存借り上げ公営住宅制度を立ち上げて、市営住宅を供給すべきと判断したものであります。
次に、老健施設の充実につきましては、平成27年度から29年度までの第6期介護保険事業計画では、新たな施設の整備は行わないこととしていることから、30年度からの次期計画を策定する段階で改めて充実の方向性について表明する判断をいたしました。
次に、教育改革についてですが、プールの建設につきましては、私の公約では利便性を考慮し、市内中心部にある小樽公園にプールを建設し、他の体育・スポーツ施設とあわせ、小樽運動公園としたいとしたものであり、その考えに今も変わりはありません。
しかしながら、この問題をできる限り早期に解決するためには、小樽公園を念頭に置きつつも、建設場所を幅広く検討する必要もあると考え、所信表明では建設場所を明示せずにプール建設の考え方をお示ししたものであります。
次に、経済対策についてですが、まず小樽の営業マンとしてトップセールスを行うことにつきましては、主なものといたしましては、企業誘致については今年度実施した設備投資動向調査を踏まえ、北海道や本市に関心を示している三大都市圏の企業を訪問し、本市の優位性をアピールしてまいります。
港湾については、物流の促進やクルーズ客船の誘致を図るため、小樽港の利便性などを企業訪問やセミナーを通じて荷主や船主、旅行会社などにアピールしていきたいと考えております。
また、道外百貨店で開催される物産と観光展で、現地の皆様に本市のすぐれた地場産品や観光都市としての魅力を直接発信してまいります。このほか、例えばスポーツ指導者の招聘やイベントの誘致などさまざまな分野において、小樽のPRに取り組んでまいりたいと考えております。
次に、ふるさと納税の対象となる平成26年の市外からの寄附実績につきましては169件、約799万円となっております。また、平成27年度課税において小樽市民が各地のふるさと納税を利用した人数と寄附した金額は168人、約649万円と把握をしております。
次に、ふるさと納税の目的につきましては、本市の施策に対し、多くの方から御賛同をいただくことにより、寄附金の増加を図り、まちづくりのための財源を確保していくことにあると考えております。また、返礼品として特産品を市が買い取ることにより、市内経済への波及効果や特産品のPR、さらには観光客を呼び込む動機づけにつながるものと考えております。
次に、ふるさと納税制度に対するコスト意識につきましては、ふるさと納税にかかわらず、市が行うあらゆる事業を進めていく上で、コスト意識は大事であると認識をしております。現在、検討中の返礼品につきましても、寄附を通して本市の施策に御賛同いただいた方へ感謝の気持ちを表すものであり、高価ではなくとも小樽らしさをPRできる品物を送ることを基本に考えております。
次に、入札制度についてですが、まず現在の入札制度に対しての認識、課題、また入札制度のどのような点を変更するのかにつきましては、現在の入札制度においては、事業を遂行する技術や能力があるにもかかわらず、本市の設定した参加条件により、入札に参加できないというケースが見受けられます。このような事業者に対し、門戸を開くために、入札参加条件の緩和や登録業者への情報提供の方法など、より入札に参加しやすい環境を整えるよう、現在、他市の状況も調査しながら取り組んでいるところであります。
次に、参与からのアドバイスにつきましては、担当を含めた会議に出席し、私が検討するよう提起した課題に対する方策について担当者に助言しているとともに、私としても疑問点や問題点が発生する都度、個々にそれらに対するアドバイスを受けております。
次に、3名の入札改革担当者に対する指示につきましては、先ほども申し上げましたが、入札参加条件の緩和、入札情報の確実な提供方法の検討など、より入札に参加しやすい環境を整えるよう指示をしているところです。
次に、入札制度改革の結論はいつごろ出るのか、また、経過、結果についての議会に対する説明につきましては、情報提供方法の改善などできるものは随時改革をしておりますが、制度改革そのものについては来年度からの実施に向け、現在取り組んでいるところでありますので、改革内容についてはなるべく早い時期に取りまとめを行い、結果について議会に説明したいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、23番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)23番、山田雅敏議員。
(23番山田雅敏議員登壇)
○23番(山田雅敏議員)4項目めですが、通告しておりました項目のうち、時間の関係上、副市長についての質問のみ行います。
議案第25号副市長の選任について伺います。
初めに、市長は、会派説明の際、そして8月31日の記者会見において、今回の副市長人事案については、議会の中で説明すると明言していたにもかかわらず、最初に議会で説明するタイミングだった9月2日の本会議ではわずか29文字の提案説明でした。会派説明、そして記者会見における発言は何だったのでしょうか。市長の議会の中で説明するとの発言の意図、意味を伺います。
市長としての発言に責任を持ち、真摯に、そして誠実に議会と対応することを強く要望します。
市長は4年前の政治資金規正法違反事件を市役所の体質だと痛烈に批判して選挙に臨み当選され、現職にあります。その市長が当時の部長であった方をあえて副市長に選んだ根拠が全く理解できません。市長就任以降、これまでの副市長選考の経過と今回の選考決定の根拠を真摯に誠実にお答えください。
最後に、今回の副市長選任を含めて、市長の政治姿勢に強く疑念を感じるとともに、信頼関係を構築することができません。
また、本日も私の自宅においでになったようですが、あえて前回もお会いできませんでしたが、そういう疑念を抱くような市長としての行動も慎んでいただき、自民党として質問を終えたいと思います。
また、再質問を留保し、代表質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)ただいま議案について質問がありました。
初めに、副市長についてですが、まず、議会の中で説明するとの発言の意図、意味につきましては、このたびの副市長選任の議案については、本来であれば人事案件として最終日に追加提案するものですが、今定例会におきましては、議員の皆様からの御質問をいただくために初日に提案させていただいたものであります。
また、説明内容につきましては、通常の人事案件の際の事例に倣ったものであり、議会におきましては、議員の皆様からの御質問に対しまして、できるだけ丁寧な答弁に心がけてまいりたいという意味でございます。
次に、市長就任以降、これまでの副市長選考の経過と今回の選考決定の根拠につきましては、私としては行政経験の豊富な方が適任であると考え、行政機関での経験のある方に絞って人選を進めておりましたところ、市役所在職中すぐれた行政手腕を発揮されておりました同氏のことに考えが及び、直接お会いし、就任の可能性について打診し、了承いただいたということであります。
また、政治資金規正法違反問題については、あくまでそれにかかわっていたか、いないかではなく、また私を応援してくれていたか、いないかではなくて、市民の皆様の期待に応えるべく、公約の実現に向け、それを理解して役割を果たす方ということを第一に考え、中村氏が最も適任であると判断したところであります。
(「議長、23番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)23番、山田雅敏議員。
○23番(山田雅敏議員)再質問をさせていただきます。
今、答弁をいただいた副市長人事であります。
森井市長は清廉潔白、そういうイメージで市長になったと思います。その中で副市長について、痛烈に批判していた、政治資金規正法違反事件に関与された方を副市長に選任しようとするということは、御自身で批判された政治資金規正法違反事件については不問に付す。まして、そういうようなことに対しては、個人的に市長の公約を実現するためには議会や市民の意思に反してまでも任用するというおつもりなのか、まずそれが1点。
それからLEDの私の質問への答弁では、どのような財政措置なのか、それが全く見えてきません。3か年計画で今回市長がされたということですが、これに対して、市長はどのような認識なのか、先ほどの答弁ではなかなかほかの市の例だとか、各町会の財政負担になるからということですが、私もそういう立場で話をしたつもりであります。いつどういう形でこれが具現化できるのか、また3年間の明確な予算措置、それも示していただきたいと思います。
それと、まちづくりですが、自治基本条例のブラッシュアップについてお聞きしました。今回は改正はしないということで答弁されていましたが、そういうことをしないということで確認したいと思います。
それから、市の職員の研修プログラム、現在はないということですが、自民党が前回言った、例えば職員研修の新規プログラムとして、議会の行政視察への職員の同行、こういうものに対して市長はどのようにお考えなのか、その点を改めてお聞かせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(森井秀明)山田議員の再質問にお答えをいたします。
私から答弁したこと以外に関しては、各部長から答弁いたしますので、よろしくお願いいたします。
全部で4点あるうちの、まず1点目、政治資金規正法違反を不問にするのではないかというお話だったかと思いますけれども、私自身、この4年間、見させていただいておりましたけれども、その当時選任をされました議員の皆様が御指摘をされたり、時には追及をされたりという機会がまずあり、さらには警察の方々、さらに裁判も含めてそのことに対しての処分が全て決定されたと思っております。私自身もその当時、選挙戦における対戦相手でありましたけれども、皆様がそのときに行っていただいたことに対して、私自身も一市民として受け止め、その処分に対して、それぞれの方々がそれを取り組んでいただけるのであれば、私自身もそのことに関して受け止めていかなければならないと思っていたところでございます。そして、その処分を終えましたので、その処分を終えたことに対して私自身が個人的に重ねて追及するということは一切するつもりはありませんし、私自身がそれについて選挙戦でも皆様に訴えさせていただいたのは、あくまで体質を変えたいという思いで伝えさせていただいたところでございます。ですので、今、御指摘の部分においては、不問にするとかしないとか、そういう観念を私自身が持ち得ていなかったものですから、今の答弁で御理解をいただければと思います。
そして、自治基本条例については先ほど答弁させていただいたとおり、条例を改正するという形ではなく、現在の条例の中で市民の皆様がより参画できるように取り組んでまいりたいということで答弁をさせていただきました。
そして、職員研修について、議会における行政視察に行政職員を同行させたらどうかということで御提案をいただいたかと思います。私自身も議員時代に行政視察させていただいて、大変いい経験をさせていただきました。現時点で、まだ具体的な検討等までは入っておりませんけれども、今後、職員の方々がより先ほど答弁させていただいたように専門性を持ったり、より能力を高めていくという中において、その可能性をあわせて探っていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)建設部長。
○建設部長(相庭孝昭)山田議員の御質問にお答えいたします。
LEDの街路防犯灯の取替えの件でございます。
こちらについては、現在、市内の各町会で約1万4,000灯維持・管理されております。そのうち、やはりまだ白熱球ですとか蛍光灯そういった古いといいますか、そういったものが約1万2,000灯残っているところでございます。
そういった中で、それらも老朽化しておりますので、やはりそういったものを取り替えたい、それから同時に電気料金も負担されておりますので、そういったものもばかにならないということで、LEDが安価だといいますか、技術開発でできてきましたので、そういったものにかえられれば電気料金も安くなるということでお話があって、これまで要望があったものと理解しております。
残念ながら、現在のところこの交換に対する助成というものについては、国なり道の助成はございません。したがって、経費については今のところ全額市の負担ということになります。しかしながら、やはり私どもとしては、町会の負担、それから古い機材ですので、それを新しくして、市民の皆様が安心して歩ける、こういったまちづくりをするという観点からでは、交換しなければならないということで、これは議会の議論も踏まえてということになりますけれども、進めているところでございます。ただ同時に、9割の助成とはいえ、町会の方も1割の負担になります。したがいまして、1万2,000灯一遍にですとか、そういったことはなかなか難しい。それも逆に負担になります。
そういったことで、3年間で3分の1ずつ取り替えましょうということで、各町会の方にもそういったことで計画してくださいということでお話をしているところでございます。
したがいまして、中では来年度、再来年度ということになりますけれども、そういったことについても当初計画どおりに進めるのがよろしいのではないかと。予算については財政議論になりますけれども、そのように考えているところでございます。また同時に、その中でも来年度以降、また市が取り入れられるいろいろな制度、助成、そういったものが見つかれば、そういったことも取り入れながらやっていきたいというふうに考えているところでございます。
(「議長、23番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)23番、山田雅敏議員。
○23番(山田雅敏議員)それでは、予算特別委員会で細かい点を質問していきますので、今日はこれで質問を終わります。
(「議長、12番、議事進行について」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)12番、鈴木喜明議員。
○12番(鈴木喜明議員)今ほどの我が党の山田議員の1項目めの質問に対する答弁の前の市長の発言でありますが、この件に関しましては、事前の議会運営委員会でその旨の申出がありましたが、先ほどの議長の発言にもあるとおり、答える立場にはないが、あえて申し上げるならば問題はないとのことで、議会運営委員会からもする必要がないものとの意見を、市長部局を通して市長に申し上げたものと理解しておりました。
さきの市長のこの発言は、議会運営委員会の協議を無視したものと考えますが、いかがでしょうか。
○議長(横田久俊)ただいまの鈴木議員の議事進行について申し上げます。
私も議会運営委員会に出席しておりまして、各委員から総務部長を通じて答弁の中でしっかりお答えを述べていただきたいという話になったと思います。
これについてまず総務部長にお尋ねいたしますが、その旨は市長にはお伝えになったのでしょうか。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)総務部長。
○総務部長(小鷹孝一)議会運営委員会の内容につきまして、ただいま議長がおっしゃいましたように、できれば答弁の中で答えるほうがよろしいということを言っていたということは市長にお伝えいたしました。
○議長(横田久俊)市長にお尋ねいたしますが、ただいまの総務部長のお話をお聞きになって、あえてそれでもということでお話しになったのでしょうか。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(森井秀明)今、お話がありましたように、答弁の中でお答えすることが望ましいという話は受けましたけれども、その前段に言うべきではないというところまでは受けていないと聞いておりました。そして、このたびの質問があった後の話として答弁の前にこのような形で話をさせていただきたいということで議長にはお渡しし、お伝えしているところでございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)総務部長。
○総務部長(小鷹孝一)私から補足をさせていただきます。
議長が先ほどおっしゃいましたように、質問の中で答えていただくことが望ましいということはお伝えいたしましたけれども、議会運営委員会でそれでは議長のほうで、いや、市長のほうでお答えをしないことにしますとかそういうことを申してございませんし、市長にはそういう内容でございましたということでお伝えをいたしました。市長が今おっしゃいましたとおり、発言内容については事前に議長にもお示しさせていただいたということで、こちらといたしましてはといいますか、市長といたしましては、発言をさせていただきますという意思だったということでございます。
○議長(横田久俊)議会運営委員会の委員長は、本日欠席ですので、副委員長がおりますが、副委員長の仕切りではその旨をお伝えしてくださいということを総務部長にお願いしたのを私も聞いております。それで、本来であればその結果が、質問ではなく、改めて発言したいということを議会運営委員会にお伝えいただかないと流れとしては進まなかったかと思います。
確かにこういう旨で発言しますというペーパーはいただきましたが、その結果といいましょうか、やはり本会議場で発言させてもらいますということを議会運営委員会にお伝えいただくのが筋だったと思いますが、それをなしに発言となりましたので、私は考え方を大事にさせていただき、発言を許しましたので、この流れになったということであります。
鈴木議員、これでよろしいですか。
(「議長、12番、議事進行について」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)今と同様の趣旨であれば認められませんが、どうぞ。
○12番(鈴木喜明議員)先ほど最後に申し上げた議会運営委員会の協議を無視したのではないかということについてのお考えはどうなのでしょうか。それだけはお聞きしたいと思います。
○議長(横田久俊)議会運営委員会の意思で今の流れがあったのですが、それを無視したのではないかという鈴木議員の疑問でありますので、市長がもしお答えできれば、市長の発言を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(森井秀明)先ほどのお話の繰り返しになるかもしれませんけれども、望ましいというお話では受けましたけれども、やってはいけないというふうに言われていないと私自身そのお話について判断をさせていただいたということでございます。
(「議長、5番、議事進行について」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)安斎哲也議員。
○5番(安斎哲也議員)議会運営委員会の場で私からも話しをさせていただきましたけれども、資質うんぬんの質問については、議会の品性を欠くようなものではないですし、議員の質問の中で入れてはいけないというものではございませんので、これに関してあえて市長からただ見解を求めるという発言をすること自体がおかしいと。ただ、そもそもその質問、議員の質問の中で受けて答弁で資質についてはという説明をしてほしいということで、議会運営委員会の場で話をしていました。今回この発言を議長はお許しになられていましたけれども、我々議会運営委員会としては発言をしないでほしいというわけではないですが、しないで答弁で返してほしいと言っていましたので、見解について市長が求めたところについては、一度休憩して、撤回していただきたいというふうに思っています。
○議長(横田久俊)山田議員の代表質問が終結していますので、休憩に入りますけれども、休憩中に御協議を願いたいと思っております。
繰り返しになりますけれども、議会運営委員会から市長サイドへ質問でお答え願いたいという要請を出した。それについて議会運営委員会に返ってきていないというのは事実でありますので、その辺も含めて御協議願いたいと思います。
(「議長、1番、議事進行について」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)秋元智憲議員。
○1番(秋元智憲議員)議長に1点確認させていただきたいと思います。
先ほどの自民党の会派代表質問の中で、第1項目めの答弁冒頭の市長の発言について今もあったとおり、いろいろとありましたが、経歴等で資質を判断するうんぬんのことにつきまして市長から答弁冒頭にお話がありまして、その中で資質につきまして、森井市長のことを判断することは市民の投票行為に対しての否定にもつながりかねないと、また民主主義の根底にも触れかねない重大な発言だと、このように森井市長はおっしゃっておりますけれども、私は先ほど代表質問を伺っていまして、特に市民の投票行為が間違っていたとか、また民主主義の根底を覆すような発言ではなかったと思っています。議長は明言を避けられましたけれども、森井市長はその後質問に対する答弁に入りましたので、この点どのように議長は判断されるのか、民主主義の根底にも触れかねない重大な発言だと、この発言こそまさに重大なことでありまして、そのような部分ではないと思いますけれども、議長はいかが判断されますか。
○議長(横田久俊)その件も含めまして、休憩中に発言部分の議事録を精査して協議をしたいと思います。よろしいですか。
山田議員の会派代表質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時57分
――――――――――――――
再開午後5時15分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開します。
この際、私から一言申し上げます。
議長に委ねられました最重要の責務は、正常な議会運営の実現にあります。市長部局におかれましては、本会議の運営について委ねられている議会運営委員会の重さを十分に認識されますとともに、委員会での議論については出席された理事者の皆様が市長に対して細かなニュアンスを含めて正確にお伝えいただくことが正常な議会運営を行っていく上で大変重要と考えます。
今後はこのような空転といった事態が再び発生しないよう、十分に御留意を願います。
会派代表質問を続行いたします。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、小貫元議員。
(20番小貫元議員登壇)(拍手)
○20番(小貫元議員)日本共産党を代表して、質問します。
1項目めの質問は、2014年度決算についてです。
2014年度一般会計決算は財政調整基金からの繰入れなしで決算を終え、19億7,700万円の財政調整基金をつくり出しました。2014年第1回定例会の日本共産党の代表質問に対する答弁をまとめると、小樽市の市税収入はそれほど伸びないし、地方財政計画は都道府県と市町村が一体となっており、伸び率がそれぞれ違うから市町村分の交付税は伸びないで減少するということでした。ところが、決算でふたをあけてみたら、市税収入は当初予算比で約3億3,800万円の増、地方交付税は同じく当初予算比で約6億3,500万円の増となりました。2014年度決算において、市税収入が当初予算を上回った主な要因について第1回定例会のときからどのように変わって今回提出の決算となったのか、説明してください。
地方交付税の当初予算比約6億3,500万円の乖離はあまりにも大きすぎます。これだけ大きく地方交付税の予算編成時と決算との間で差が生まれたことは、これまでの予算編成と違いがあったのでしょうか。その理由について説明してください。
2014年度決算において財政調整基金の取崩しや他会計、基金などからの借入れを行わず、収支均衡が図られたことは財政の立て直しに向けた大きな一歩です。しかし、このことは、市職員の給与削減や市民サービスの削減により生まれてきました。つまり、中松前市政が財政再建を掲げる余り、市民生活へ手を差し伸べてこなかったことが昨年度決算に表れています。真の財政再建をいうのであれば、これら削られた市民サービスをもとに戻すことが欠かせません。
市長は、小樽市の財政悪化の原因についてどのような認識をお持ちですか。
また、累積赤字を解消し、他会計等からの借入れを行わずに収支均衡予算を編成できるようになったことについて、市職員や市民の努力についてどのように認識していますか、お答えください。
次に、簡易水道特別会計決算について伺います。
2014年度も一般会計からの繰入金が9,239万2,583円となりました。現在の計画水量は2007年に石狩西部広域水道企業団水道用水供給事業再評価で水量を計画したことに基づきます。このときの計画は、地下水利用組合の企業が簡易水道を利用する前提で決められていました。しかし、利用組合は水道料金が高く、利用できずにいるために、2014年度では計画していた年間45万1,870立方メートルのうち、27万8,791立方メートルしか使われずにいます。この一般会計からの繰入れは、使いもしない水を買っている結果です。これを解決していくには、売る水を増やすか、買う水を減らすかです。市や北海道は売る水を増やすために企業誘致を進めていきたいといいます。そのこと以外にも、地下水利用企業が簡易水道を利用することが必要と考えます。移行のために利用組合企業に減額措置をし、その分を赤字縮減につなげることを提案します。見解を伺います。
もう一つの手段が、買う水を減らすことです。石狩西部広域水道企業団浄水場の2期工事が計画され、2035年度には1日最大3,100立方メートルもの水を小樽市域で使用する計画で、この工事を行うといいます。2014年度決算とこの計画を比較すると、1日平均使用水量は2014年度764立方メートルですが、計画では2035年度には2,282立方メートルであり、約3倍です。1日最大給水量では2014年度は48社で1,249立方メートルです。1日最大3,100立方メートルという数字は、この2.5倍に当たります。現在、石狩湾新港背後地への企業立地は71社、分譲率48パーセントです。このような現状で20年後の計画として1日最大3,100立方メートルの水を使用するという数字が現実的と言えるのでしょうか、市長の見解を示してください。
2007年の企業団で行われた事業再評価では、事業の目的について小樽市の石狩湾新港地域は当企業団の用水供給開始までの暫定的な水源として塩水化や地盤沈下が心配される地下水に100パーセント依存しており、安定的で恒久的な水源が必要不可欠となっていると記されています。石狩市についても同様のことが書かれています。
そこで、新港地域で地下水を揚水すると、塩水化や地盤沈下が心配されるとされている理由を説明してください。
2007年の事業再評価で現在の水量が計画されたように、2020年に着工予定の浄水場等の2期工事に当たり、事業再評価が行われるとすれば、この段階で計画1日最大給水量を見直す考えはありませんか、お答えください。
そもそもなぜ石狩開発が赤字分を負担するという話が持ち上がったかについてです。
石狩開発の設立は、1964年、当時は資本金2億円で97.5パーセントが民間出資の企業でしたが、1971年に北海道2億円をはじめ、札幌市、小樽市、石狩町などが新たな出資を行い、第三セクターとして組織替えを行いました。1976年、北海道は石狩湾新港地域開発等に関する基本方針により、水道用水供給及び水道事業に係る事業の一部について必要に応じて石狩開発が負担することにして同社と協議するとされ、1982年に石狩湾新港地域、銭函地区土地区画整備事業の施行に伴う開発関連事業にかかわる費用負担等に関する協定書を小樽市と石狩開発で結び、水道事業の経営収支不足分は石狩開発が負担すること、つまり赤字は石狩開発が持つことが明記されました。1989年、北海道知事と小樽市長との間で石狩湾新港地域水道事業に関する覚書が取り交わされます。ここでは、北海道は水道施設の整備の費用等について市の財政運営に支障を与えないよう必要な措置を講ずるものとすると明記されていました。そして、破綻前年の2001年時点では北海道の出資額は4億円で出資筆頭者になっており、2002年に石狩開発が破綻し、小樽市が毎年負担する結果となりました。
このような経過に照らせば、石狩開発が不足分を持つと約束しながらも、実態は石狩湾新港開発を進めるために、北海道が水道事業を推進してきたことは明らかです。北海道の責任を果たさせるため、赤字分は北海道が持つこと、地下水利用組合の企業が撤退しないで簡易水道を利用するよう具体的措置を行うこと、これらができないのであれば、どのようなことを北海道として行い、責任を果たすのか、説明を求めることなどを北海道に迫るべきです。また、これまでの北海道との交渉の経過も含め、市長の見解を示してください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)小貫議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、平成26年度決算について御質問がありました。
初めに、平成26年度一般会計決算についてですが、まず市税収入が当初予算を上回った主な要因につきましては、予算作成時においては各税目の過去の収入率を基に算出をしておりますが、納税課にグループ制を導入するなどの市税収納向上対策を図ったこともあり、各税目について収入率が当初予算見込みよりも向上したために収入額が増加し、予算よりも約3億3,800万円の増となったものであります。
次に、地方交付税における予算編成のこれまでとの違いにつきましては、平成26年度予算においてもこれまでと同様に国の地方財政計画などの情報を基に予算を見積もっており、見積り方法に特段違いはございませんが、普通交付税に新たに創設された地域の元気創造事業費が本算定では予算を大幅に上回る4億2,795万円で算定されたほか、特別交付税についても予算に比して7,737万円の増加となったことが、当初予算と決算で乖離が生じている主な要因であります。
次に、財政悪化の原因につきましては、本市の財政状況は、歳入では長引く景気の低迷と人口減に伴う市税収入などの減少や、歳出では過去の大型公共投資に伴う公債費の増加などにより、平成13年度以降実質単年度収支が大きく悪化し、とりわけ平成16年度の三位一体改革による地方交付税、臨時財政対策債の大幅な削減が財政悪化の最大の要因であったと認識をしております。
また、市職員や市民の協力につきましては、市として実施してきた職員数の削減や給与の独自削減といった取組はもとより、市民の皆様にも事務事業や受益者負担等の見直しなどの取組に御協力をいただいたことが本市の財政健全化と収支の改善に大きな役割を果たしてきたと認識をしております。
次に、簡易水道事業特別会計決算についてですが、まず、簡易水道を利用するための減額措置につきましては、既に当該地域の立地企業の約50社が現行の簡易水道料金で水道を利用しておりますので、公平性の観点から小樽市域の地下水利用企業の7社だけを特別扱いすることは他の利用者から理解が得られず、現時点では難しいものと考えております。
次に、20年後に計画した1日最大給水量につきましては、平成19年度事業再評価に当たり、石狩湾新港地域における将来的な土地利用の計画などに基づき、業務用水量、生活用水量や船舶用水量を推計したものです。平成26年度末の立地企業の操業面積は236.4ヘクタールのうち69.2ヘクタールで、面積比率では29.3パーセントとなっており、今後、操業する企業が増えることや地下水から簡易水道へ切り替わることにより、需要水量が増加していくものと見込まれますので、妥当な計画水量と考えております。
次に、この地域での地盤沈下や塩水化が心配されている理由につきましては、昭和63年に北海道で行われた石狩湾新港地域に係る環境影響評価において、取水量の限度を設定して予測した結果、地盤沈下については特に問題は生じないとされたものの、揚水井の数及び配置の適正化を図るべきとして、揚水管理を行う必要性がうたわれています。
また、塩水化については平成3年に北海道が策定した地下水揚水計画に対して、北海道環境影響評価審議会から地下水の揚水により、当該地域の地下水の塩水化が引き起こされる懸念があることを十分認識すべきとの答申がありました。これらのことにより、この地域では地盤沈下や塩水化が心配されているものと考えられます。
次に、計画1日最大給水量の見直しにつきましては、今後の企業誘致の状況や水需要の推移を見極めながら、計画給水量を見直すことも考えられますが、先ほど申し上げたとおり、この地域で操業している企業の全体面積に対する割合は約30パーセントであり、地下水から簡易水道への切替えも見込んでいることから現時点では変更の考えはありません。
次に、北海道との交渉経過につきましては、本市から北海道に対し地下水利用組合企業が地下水から簡易水道へ転換するよう必要な方策を実現すること、転換されないことによる料金収入の不足分について本市へ補填などの対策を講じることとの要請を続けておりますが、北海道からは市への財政支援は難しい、企業の使用水量を増やしていくことが問題解決の手段との回答を受けています。本市としてはこの収支不足を少しでも改善したいと考えておりますので、引き続き北海道に対して、粘り強く要請を続けてまいります。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、小貫元議員。
(20番小貫元議員登壇)
○20番(小貫元議員)2項目めは、財政問題についてです。
国は、2013年度に地域の元気づくり事業費3,000億円を地方交付税に持ち込み、2014年度はこの事業をなくし、地域の元気創造事業費として3,500億円を措置しています。この地域の元気創造事業費について2014年度当初予算で見込んだ額と決算で算定された額は幾らか、また、その差額について額と差額が生じた理由を説明してください。
今度は2015年度、先日発表になった地方交付税の配分について伺います。
今年度の小樽市への地方交付税の配分は、当初予算153億4,000万円に対し、約156億6,400万円と約3億2,400万円の増となりました。2015年度当初予算では地域の元気創造事業費を幾ら見込み、算定は幾らだったのでしょうか。
また、同様に、新たに地方交付税に加えられた人口減少等特別対策費は、当初予算で幾ら見込み、算定は幾らだったのか、当初予算で見込んだ額の理由も含めて説明してください。
本来、地方交付税制度は地域による条件のよしあしから来る格差を是正し、国民がどこに住んでいても標準的な行政サービスを受けられることを可能にする制度です。交付税が成果という成績で加減されたら自治体同士を競争に駆り立てる道具となりかねません。まち・ひと・しごと創生事業費において地方交付税に成果を持ち込むことは地方交付税の役割に逆行します。成果による算定の撤回と全額を必要度に変更することを国に求めることが必要です。市長の考えをお示しください。
石狩湾新港について伺います。
石狩湾新港への負担金は、毎年約3億円以上のお金が支出されています。しかも、今年7月には新たに港湾計画が改定され、施設整備ありきの計画となっています。1982年、小樽港の貨物量は925万8,000トン、石狩湾新港は9,000トンでした。この14年後、1996年には小樽港が2,570万4,000トン、石狩湾新港が249万5,000トンと小樽港の貨物もピークを迎え、石狩湾新港の貨物も増えていきました。ところが、小樽港の貨物はここから減ります。昨年で1,005万8,000トン、石狩湾新港は535万トンとなり、1996年比で小樽港39パーセント、石狩湾新港214パーセントです。この10年で石狩湾新港にかけられた港湾整備事業は153億5,795万円となり、小樽市の負担は8億8,668万円、一方、小樽港への港湾整備事業10年間で31億5,245万円と約5倍ものお金が石狩湾新港にはつぎ込まれてきました。この石狩湾新港優先の港湾整備が小樽港から貨物を失わせる一因になったとも言えます。
石狩湾新港では、2006年に西地区のマイナス14メートル岸壁が供用開始となりました。それ以降、この岸壁を利用した船は187隻です。しかし、マイナス14メートルという深さの岸壁でなくても接岸できた船が31隻です。ですから、この小さな船を除けば、156隻がマイナス14メートルという深さが必要だった船ということになります。このうち王子エフテックス株式会社や王子特殊紙株式会社のチップ船が151隻になりますから、97パーセント以上の船が王子の船ということになります。このことを指摘すると、管理組合は不特定の岸壁だ、公共性があると言い張ります。しかし、事実上、王子エフテックスの専用埠頭に対し、荷役作業も影響がない下で北防波堤延伸工事は凍結を求めるべきではないですか、お答えください。
管理組合は北防波堤の延伸工事と防波堤島外の工事について計画の133億円以上かかることになっても、工事を続けることを否定しませんでした。これでは市民の税金が底なしに使われることになります。工事が先にありきのこのような姿勢について市長の見解を示してください。
石狩湾新港において新たに中央水路を掘り込み、花畔埠頭において内貿ユニットロード貨物を取り扱う計画もあります。石狩湾新港で取り扱おうとしている内貿ユニットロード貨物はRORO船を想定しているといいます。小樽港のフェリー貨物に影響がないといえますか、お答えください。
OBCの税金滞納について伺います。
旧マイカルのための整備事業、小樽築港駅周辺地区再開発において約140億円もの事業費がかけられました。1999年にマイカルがオープンし、2年半で負債総額492億円を抱え倒産します。そのため、多額の固定資産税、都市計画税を滞納していることは周知のことです。ところが、幾ら滞納しているか、納税の状況については明らかにしません。一方、市民に対しては差押えを行うなど、厳しい取立てを行っています。このことは2014年度決算を見ても明らかです。個人市民税の滞納繰越分の収入率が40.7パーセントに対して、固定資産税の滞納繰越分の収入率は4.2パーセントです。10倍もの開きがあります。OBCの税滞納は市の税収を上げていく上でも対策は欠かせません。マイカル開業時の1999年度、マイカル破綻後の2002年度及び2014年度決算との比較を固定資産税の現年分と滞納繰越分について未収入額と収入率で示してください。
加えて、2014年度決算におけるOBCの固定資産税滞納に対して、市長は今後どのように対応していくつもりか、お聞かせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)ただいま、財政問題について御質問がありました。
初めに、地方交付税についてですが、まず、平成26年度の地域の元気創造事業費の算定額につきましては、人口を基本とした上で各地方公共団体の行革努力や地域経済活性化の成果指標により算定をしておりますが、予算編成の段階では算定に使用する指標や係数の詳細が示されていなかったことから、職員数や地方債残高の削減率などにより算定される行革努力分について総務省の通知による推計方法を参考に5,600万円と試算をしたところです。本算定では4億2,795万円となり、見込みよりも3億7,195万円の増となりましたが、これは試算の段階では示されていなかった全国の削減率と本市との差が想定を大きく越えて反映されたことや、地域経済活性化分についても一部の指標で全国の伸び率を上回り、算定対象となったことが主な要因であります。
次に、平成27年度の地域の元気創造事業費につきましては、当初予算では4億2,800万円と見込みましたが、本算定では4億3,345万円となり、545万円の増となっております。
また、新たに創設された人口減少等特別対策事業費につきましては、予算編成の段階では算定に使用する指標や係数の詳細等が示されていなかったため、個別の積算に基づく予算計上はしておりません。本算定では、本市の著しい人口減少を踏まえ、取組の必要度が大きく反映されたことにより、5億8,088万円と算定されましたが、普通交付税の当初予算額はそれらの要素なども勘案し、総額としては一定程度の増分を見込み、予算計上しておりましたので、今定例会に提案している普通交付税の補正予算額は3億2,426万円にとどまるものです。
次に、地方交付税に成果による算定を持ち込むことに対する見解につきましては、地方公共団体が求めていた地方創生のために必要な経費が平成27年度の地方財政計画にまち・ひと・しごと創生事業費として創設され、約1兆円が計上されましたことは、私としても一定の評価をしているところであります。この経費に係る普通交付税は、各地方公共団体の取組の必要度及び取組の成果を反映させるため、全国的かつ客観的な指標により算定されておりますが、6月に国から示された経済財政運営と改革の基本方針では今後人口減少対策等の取組の成果を一層反映される観点から、できるだけ早期に地方交付税をはじめとした地方財政制度改革を行うとされております。
本市でも人口減少対策の必要性を強く認識し、積極的な取組を検討しているところでありますが、短期的に成果が現れる課題ではないことから、取組に必要な地方財政措置はもとより、地方交付税の算定に当たっても単に成果のみで評価するのではなく、各団体の実情を十分に勘案し、地方創生に取り組む地方の個性や独自性を尊重したものになるよう全国市長会や北海道市長会を通じて引き続き要望してまいりたいと考えております。
次に、石狩湾新港についてですが、まず、北防波堤延伸工事につきましては、北防波堤は港内の船舶の航行や停泊、荷役の安全を確保する上で重要な施設の整備であることから、母体の一員である本市として凍結を求めることは難しいものと考えております。
次に、北防波堤等の工事につきましては、港湾管理者として荷役の安全等を確保する上で重要な施設の整備であることは認識しておりますが、本市の財政事情もありますので、できる限り効果的、効率的な事業の執行に努めてもらいたいと考えているところであります。
次に、石狩湾新港の内貿ユニットロード貨物を取り扱う施設計画につきましては、小樽港は新潟港、舞鶴港とを結ぶフェリー航路を有し、主に北陸関西方面の取扱貨物を対象としているのに対して、石狩湾新港は東北方面の港を想定し、内貿定期航路として主に関東方面の取扱貨物を対象としていることから、影響は少ないものと考えております。
次に、OBCの税金滞納についてですが、地方税法上の守秘義務がございますので、個別案件についてお答えをすることはできませんが、まず、市全体の固定資産税の平成11年度、平成14年度及び平成26年度の未収入額と収入率につきましては、平成11年度は現年度分が調定額から収入額を差し引いたいわゆる未収入額が2億3,700万円、収入率96.7パーセント、滞納繰越分が5億8,700万円、21.0パーセントとなっております。平成14年度は現年度分が7億2,400万円、収入率90.5パーセント、滞納繰越分が7億1,400万円、28.2パーセントとなっております。平成26年度は現年度分が3億8,900万円、収入率93.2パーセント、滞納繰越分が35億9,800万円、4.2パーセントとなっております。
次に、OBCの固定資産税滞納に対する今後の対応につきましては、これも同様に個別案件についてお答えすることはできませんが、滞納者につきましては誰に対しても財産調査を行い、収入状況や経営状況等を随時把握をしながら、納税交渉に当たり、必要に応じて納税計画の徴取や差押えの執行などの対応をしております。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、小貫元議員。
(20番小貫元議員登壇)
○20番(小貫元議員)3項目めは人事問題と第3回定例会補正予算についてお聞きします。
最初に、参与に関してです。
市長が公約実現のための政策アドバイザーを配置することについては反対しません。ただし、第2回定例会での議会議論の様子も踏まえ、進め方が強引すぎると言わざるを得ません。今定例会では参与設置規則がつくられ、小樽市報酬、費用弁償及び実費弁償条例の改正が提案されました。これらの提案は第2回定例会で提案されるべきものであると考えます。公約実現を急ぐ余り、本来とるべき手続を踏まえないで進めていては、結果として公約実現が遠のくことになりかねません。市長は参与の問題も含め、第2回定例会に至る人事問題で拙速に物事を進めてしまったとお考えでしょうか、見解を示してください。
さきの市長選挙で有権者が24年間続いてきた相乗り体制を変えたいという思いで、今までの5者体制を打破して、新しい市長を選んだ意義は大きいものがあります。政治資金規正法違反事件があったとはいえ、大多数の職員はさまざまな思想信条を持ちながらも、公務員として全体の奉仕者として働く決意の下に職についています。市長は、この全体の奉仕者である市職員の心に依拠して、市政運営を進めていくことが求められています。ですから、新しいことを進めるときには、丁寧かつ慎重に庁内で議論することが大切です。
そこで、今回、提案の参与の報酬についてどのような会議などで議論が行われ、決定して提案されたのか、説明してください。
提案された報酬は、市職員給与の係長職や課長職の平均と比べてどのようになりますか、説明してください。
続けて、副市長人事について質問します。
地方自治法第167条には副市長の職務が定められています。簡単に言えば、市長を補佐すること、職員の事務を監督すること、場合によっては市長の職務を代理することが挙げられています。このことに照らせば、行政経験の少ない市長にとってこの三つの職務を果たすには、行政経験がある人物を提案したことには理解できます。しかし、森井市長は政治資金規正法違反事件を強く批判してきました。にもかかわらず、あの事件によって公民権停止を受けた人物をなぜ副市長にと提案してきたのか理解できません。市役所内の体制はあの政治資金規正法違反事件で処分を受けた幹部職員は部長から退き、新しい部長体制になりました。政治資金規正法違反で処罰の対象にならなかった庁内の管理職から選出しなかった理由について説明してください。
副市長人事について日本共産党として提案いたします。
副市長が庁内をまとめ上げて市長と一体となって市政を前に進めるには、提案人事を白紙に戻し、副市長人事について内部で検討する機会を設け、合意した人物を選任することを提案します。市長の見解をお聞かせください。
今回の補正予算は、国の決まり事に沿った案件と除雪についての補正にとどまりました。市役所の機構が森井市長と同様の方向性を目指すには、市長の目指す市政へのビジョンが職員に伝わり、共有して進めていくことが必要です。森井市長の掲げる市政のビジョンについて具体的にどのような政策を短期、中期、長期的に実現していく予定なのか、展望をお示しください。
次に、除雪について伺います。
毎年度の予算編成でも同様ですが、除雪費は穏やかな気候を想定した予算を組み、追加補正で対応してきました。前年度、前々年度並みの気象条件であった場合、追加補正はどの程度になると予測しているのでしょうか、説明してください。
前定例会の代表質問で川畑議員が取り上げたように、除雪要望の多く寄せられる道路は生活路線です。ステーションを七つにするという説明を受けたとき、最も市民から要望が多いステーションが第3ステーションというお話でした。だから、ここから手をつけるというのです。除雪路線について調べてみますと、第3ステーションの車道は111キロメートル、市全体が474キロメートルですから、約23パーセントに当たり、確かに占める割合が高いと言えます。同じような比較を第3種路線について行うと、第3ステーションの車道が47キロ、市全体が126キロメートルです。37パーセントに当たります。車道における第3種路線の割合で比較しますと、第3ステーションは42.3パーセント、市全体では26.6パーセントと全体平均の2倍の比率となっています。このように第3ステーションから要望が多い背景には、第3種路線がほかのステーションと比べて延長でも割合でも多いことが理由と考えられます。7ステーション化により生活道路の除雪がどのように改善される予定なのか、説明してください。
岩見沢市では、教育委員会や福祉関係の部の職員も入って、除雪対策本部を設置しています。通学路の除雪対策も重要ですし、置き雪対策や福祉除雪の関係など、教育委員会や福祉部と連携することも必要と考えます。このような建設部以外の部の職員を除雪対策本部に加えることについて見解を示していただくとともに、今後の除雪業務体制をどのように強化していく予定なのでしょうか、説明してください。
社会保障・税番号制度システム整備事業費について伺います。
一つの番号で容易に国民一人一人の個人情報を結びつけて活用する番号制度は、一たび流出したり悪用されたりすれば甚大なプライバシー侵害や成り済ましなどの犯罪等の危険性を高めることも明白です。10月から届く通知カードによって国民は番号を知ることになります。政府はマイナンバーで各種行政手続の手間が省けて便利になるといいますが、国民は番号の管理という大きな手間を強いられることになります。銀行の暗証番号でさえ頻繁に変更を求められる時代に、生涯同じ番号で、しかも全ての情報が一元化される成り済まし被害を進める制度だと言わざるを得ません。このマイナンバーによるプライバシー侵害の危険性、成り済まし被害の危険性について市長はどのような認識をお持ちですか、お答えください。
10月からマイナンバーの通知カードが登録されている住所に届きます。その際に通知カードが戻ってきた人に対して小樽市としてどのような対応になるのでしょうか、お答えください。
マイナンバー制度は巨額の初期投資と、それに対して具体的メリットも費用対効果も示されないまま、新たな国民負担が求められるものです。基幹システム構築費用で2,900億円、通知カードと個人番号カードの発行経費で483億円、広告費用で9億円など、マイナンバー導入のために投入される経費は3,400億円を超えます。制度導入後、小樽市として来年度で中間サーバ運用経費が244万5,000円で交付税措置され、カード交付経費が962万8,000円で全額国庫補助ということになっています。補正予算での国の財政措置についてと制度導入による今後の小樽市の負担について説明してください。
マイナンバー制度は、税の支出にとどまらず、民間の負担が求められています。事業者は従業員の個人番号の管理を求められることになります。個人番号は法律によって特段の管理が求められており、そのためのコストが生じます。全ての社員、契約社員やアルバイトだけではなく、その扶養家族全員に交付されるマイナンバーを10月から集め、来年1月の給与支払や人事システムに反映させるだけでも企業として大変な作業になります。小樽市として市内企業の対応状況についてどのように把握しているでしょうか、お答えください。
高齢者及び子育て支援について伺います。
今回の補正予算では、財政調整基金からの繰入れを5億4,164万円減らし、さらに2億5,027万円を積立て、約8億円の財調が増えたことになります。除雪費のこれからの追加も想定されますが、あまりにも財政調整基金に積みすぎではないでしょうか。
確かに、今年、国勢調査が行われ、地方交付税の根拠となる人口がまた減少します。他会計、基金への償還も来年度から5億円を超えます。このような状況の中で財政調整基金を簡単に減らせないことも理解できます。今、市民は森井市長にかわり、どんなことを提案してくるのか、どのように今までの市政を転換していくのか、注目をしています。なぜ、今回、財政調整基金にこれほどの金額を積み立てたのか理由を説明してください。
先日、厚生常任委員の下にインフルエンザの予防接種自己負担の引上げについて説明がありました。この自己負担増を解消するには、約700万円という説明です。今回、自己負担増解消に必要な金額は財調に積み立てるお金のほんの一部で可能です。数年分を確保できます。高齢者が生き生きと暮らせる小樽、市長は選挙中の法定ビラで「高齢者の病気予防と健康増進に向けて取り組みます」と市民に約束しました。高齢者へ優しさあふれる自己負担増撤回の答弁を求めます。
高齢者とともに子育て世代への支援策です。医療費無料化の拡大は、市長の公約の目玉とも言えます。第2回定例会で、市長は来年度からの医療費無料化拡大実施を明言しました。日本共産党も小学校卒業まで無料化を求めています。確かに、一気に対象年齢を広げれば、多額の財政負担を伴います。小学校1年生や3年生までなど年齢を区切って実施し、実際の財政負担を確認して、公約にある小学校までの医療費無料化につなげたらいかがでしょうか。再度実施の決断を求めます。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)ただいま、人事問題及び補正予算について御質問がありました。
初めに、人事についてですが、まず参与の問題も含めた第2回定例会に至るまでの人事についての見解につきましては、行政経験が多くはない私といたしましては、一日も早く公約実現に向けた取組を進めたいという思いから、市政、特に除排雪について豊富な知識と経験を有する参与の設置を急いだものであり、私なりに最善を尽くしたと思っております。
6月の人事異動に当たりましても、複数の方から職員の能力に関するお話を伺い、その能力を私なりに十分把握し、評価をした上で適材適所の配置に努めたところでありますが、参与の件も含め、性急ではないかとの御心配をいただいておりますことには、私としても今後の市政運営に当たり、心にとめておきたいと思っております。
次に、参与の報酬の提案過程につきましては、さきの第2回定例会の提言などを踏まえ、総務部内において検討を重ね、その後、庁内における例規審査委員会、予算調整会議を経て議案として提出をさせていただいたものであります。
次に、参与の報酬の市職員との比較につきましては、議決後における参与の年収は27万7,000円の12月分で332万4,000円となり、これに対し、市職員の給与は医療職を除く行政職給料表適用者の平成26年の手当を含む平均年収で見ますと、係長職で636万7,000円、課長職で約714万8,000円となります。
次に、副市長人事について政治資金規正法違反事件で処罰の対象にならなかった庁内の管理職から選出しなかった理由につきましては、庁内の管理職経験者も候補ではありましたが、政治資金規正法違反問題についてはあくまでそれにかかわっていたか、いないかではなく、また私を応援してくれていたか、いないかではなくて、市民の皆様の期待に応えるべく、公約の実現に向け、それを理解して役割を果たす方ということを第一に考え、中村氏が最も適任であると判断したところであります。
次に、提案を白紙に戻し、内部で合意した人物を選任するという御提案につきましては、先ほども申し上げましたとおり、市役所在職中にさまざまな部署を経験され、また、すぐれた知識と能力を持った中村氏が私の公約実現に向けて市職員とのつなぎ役として山積する課題を解消し、市民の皆様の期待に応えてくれる最も適任な方であると考えておりますので、現時点では白紙に戻すという考えは持っておりません。
次に、政策実現の展望につきましては、私は市民の皆様が住んでいてよかったと思えるまちづくりを進めることが何より重要であると考えております。具体的には、今定例会で予算案を提出した除排雪体制の充実のほか、人口対策の公約として掲げた第3子以降の保育料無料化や乳幼児医療助成の拡大などにつきましては、来年度には現行より一定程度拡充できるよう取り組んでまいりたいと考えております。
また、公約に掲げたほかの取組につきましても、できるだけ早く実現できるよう検討を進め、このまちの元気を取り戻し、住みよいまち小樽、人に優しいまち小樽の実現に向けて、小樽の再生とまちづくりに取り組んでまいりたいと考えております。
次に、除雪についてですが、まず追加補正につきましては、気象条件はその年により必ずしも同じとは限らないため今年度と単純な比較ができませんが、仮に試算をいたしますと除雪費は約17億3,000万円となりますので、今定例会に提案している補正額を含めた除雪費を差し引くと約4億4,000万円の補正額となります。また、平成25年度についても同様に試算いたしますと、除雪費は約17億7,000万円となり、追加補正の額は約4億9,000万円と算定されます。
次に、除雪拠点の増設に伴う生活道路の改善につきましては、今年度の除排雪の体制の見直しは、幹線道路を中心としたものであることから、基本的に生活路線である第3種路線はこれまでの水準での対応となりますが、今回の除雪拠点見直しに関係する地域においては、タイヤドーザーなどが増備されますので、降雪が多いときの作業の遅れは改善が図られるものと考えております。
次に、除雪対策本部の体制強化につきましては、8月24日建設部の職員を岩見沢市に派遣し、現在、検討を進めているところであります。岩見沢市は豪雪に見舞われることが多く、除雪対策本部も全庁的な応援の下、組織されており、先進的な事例として大変参考になるものと考えております。除排雪業務では道路除排雪のほか、落雪防止、弱者支援、通学路対策などさまざまな対応が求められていることから、関係する部局を加えた体制づくりに向け、取り組んでまいりたいと考えております。
次に、マイナンバーについてですが、まずマイナンバーの流出等によるプライバシー侵害の危険性及び成り済まし被害の危険性につきましては、マイナンバーを含む個人情報の流出の可能性を完全に否定することは困難であり、万一流出してしまった場合や成り済ましなどの不正行為があった場合には、プライバシー侵害などの被害が起こり得るものと考えます。
したがいまして、マイナンバー制度の運用に当たりましては、国の第三者機関である特定個人情報保護委員会による監視、監督が行われ、個人情報の管理については一元化をせず、分散管理し、通信には暗号化を行うなど、制度面及びシステム面の両方からさまざまな個人情報保護措置がとられます。これらの保護措置により、プライバシー侵害等のリスクの軽減が図られるものと認識しております。
次に、通知カードが戻ってきた人の対応につきましては、国が示した通知カード及び個人番号カードの交付等に関する事務処理要領に基づき住民票を確認し、移動先に送るなどの処理を行い、確認できない場合は3か月間市町村において保管することになります。本市では、保管期間中、福祉部局や税務部局等で保有している情報を活用し、できる限り本人の手元に届けたいと考えております。
次に、補正予算における国の財政措置及び制度導入後の本市の財政負担につきましては、マイナンバー制度に対応するための基幹システムの整備経費では、システムの種類により、国が想定する事業費の3分の2又は10分の10の国庫補助が措置されます。これを除く市の負担分については一般財源となりますが、地方交付税措置が予定されております。
また、制度導入後、継続的に要する経費につきましては、中間サーバの運用及び保守に係る経費、個人番号カード等の発行に係る経費などが想定されます。お示しのありました来年度の経費につきましては、国や事務の委任先である地方公共団体情報システム機構から参考として示されたものですが、これら以外のものについては財政措置も含め具体的なものは現在のところ示されておりません。
次に、市内企業のマイナンバー制度への対応状況の把握につきましては、事業者の制度対応に関する指導等は国などの所管官署において行われるものであるため、市としては特に調査を実施しておりません。しかし、マイナンバー制度の円滑な導入の観点から、事業者に対する制度への対応の必要性については、市のホームページなどを通じて、引き続き周知を図ってまいりたいと考えております。
次に、高齢者及び子育て支援についてですが、まず財政調整基金に係る補正予算につきましては、交付額が決定した普通交付税や繰越金などの一般財源を精査したところ、財源に余剰が発生したために、第2回定例会までに収支不足の財源対策として計上していた財政調整基金繰入金から5億4,116万円を減額補正するものです。また、地方財政法第7条では決算剰余金を生じた場合、剰余金の2分の1を下らない金額を積み立てなければならないとあり、同規定により2億5,027万円の予算を計上したものです。
次に、高齢者のインフルエンザ予防接種に係る自己負担額の増額につきましては、今年度ワクチン単価が値上がりしたことが要因でありますが、法定接種のうち集団発生の予防を目的とする乳幼児等への予防接種は全額市の負担としている一方、インフルエンザは個人の発病と重症化の防止を目的としていることから、受益者負担という考え方でこれまでワクチン代相当分を御負担いただき、医師の問診料等を市の負担としております。このことから、今回ワクチンの値上げ分につきましては、御負担をお願いするものでありますので、御理解をいただきたいと思います。
なお、市民税非課税世帯等の低所得者世帯には、これまでと同様全額を市が負担してまいりたいと考えております。
次に、子供の医療費無料化の段階的な実施につきましては、私の公約は最終的に小学校6年生までの入院及び入院外の医療費自己負担を無料化することを目指しておりますが、議員が御指摘のように財政負担の見極めが大きな課題でありますので、段階的な実施も視野に医療費の分析をしているところであり、平成28年度には一定程度拡充できるよう取り組んでまいります。
○議長(横田久俊)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、小貫元議員。
(20番小貫元議員登壇)
○20番(小貫元議員)4項目めの質問は、介護保険にかかわる問題です。
今年4月から介護保険制度始まって以来の見直しが行われ、同時に介護事業者に支払われる介護報酬はマイナス2.7パーセントの切下げ改定が行われました。市内の特別養護老人ホームと小規模特別養護老人ホーム合わせて定員460人に対して、待機者は2014年9月の調査で685人です。定員以上の方が待っているという状態です。
一方、厚生労働省の調査によれば、北海道における介護職員の不足数は需要が約11万人に対して、2013年度の介護職員は約8万人となっており、重大な職員不足となっています。今回の介護保険の改定により、利用者負担が8月から合計所得160万円以上の人は2割負担になります。小樽市内では7月末で603人が対象となります。大きな自己負担増です。1割でも大きな負担となっているのに、もし2割となればサービスが必要であっても利用できない事態が引き起こされかねません。このような人たちが介護サービス抑制にならないために、市としてどのような対策を検討していますか、説明してください。
自宅以外で介護を受けようとすると、居住費と食費の負担が発生します。介護保険施設では低所得者には居住費と食費の補助があり、自己負担が軽減されています。しかし、今年8月から施設利用者の補足給付の対象要件を厳しくしています。そのことに伴い、申請手続も煩雑になります。制度改定によって補足給付の申請数と認定者人数がどのように変わったのか、理由も含めて説明してください。
同時に、利用者が申請をためらうような対応があってはならないと考えますが、このことへの対応はどのようにしていくのでしょうか。
金融機関調査などは全件行う必要がなく、毎年実施する必要もありません。利用者が不安、負担にならない対応を求めます。お答えください。
在宅で療養するALS患者のたん吸引は、2003年からは業務としては認められませんが、ヘルパーやボランティアでも医師などの指導を基にできるようになりました。さらに、2012年から一定の研修を終了したホームヘルパー等にも拡大されることになりました。しかし、市内ではヘルパーでたん吸引ができる人がいないと聞いています。市としてこの現状をどのように押さえているのでしょうか、説明してください。
また、対策をどのように行おうとしているのか、あわせて説明してください。
たん吸引を行う場合の介護報酬はどのようになっているのでしょうか、説明してください。
以上、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)ただいま、介護保険について御質問がありました。
まず、介護サービス抑制にならないための対策につきましては、市独自の対策は特に考えておりませんが、自己負担割合が2割になっても、高額介護サービス費の制度などにより、必ずしも全ての方が2割負担とならないと考えられます。また、サービス利用の抑制につながらないよう、ケアマネジャーなどともよく相談いただき、必要なサービスを適切に利用していただきたいと考えております。
次に、補足給付の申請数と認定者数の変化につきましては、本年8月末までの申請数は1,645件で、認定者数は1,435件となり、昨年同時期の申請数は2,233件、認定者数は1,768件であり、申請数で588件、認定者数で333件の減となりました。申請数や認定者数の減となった理由につきましては、詳細な分析はできませんが、対象者の死亡や所得状況の変化、また制度改正により資産の状況や世帯の異なる配偶者の所得状況が認定基準に加わり、該当とならなくなったことなどが考えられます。
次に、利用者が申請をためらわず、不安や負担にならない対応につきましては、制度改正により申請時には新たに預貯金調査のための同意書や預金通帳の写しなどの提出が必要となり、申請に係る手間は実際に増えております。
また、金融機関への調査は申請内容に疑義のある場合などに行うこととしておりますが、いずれにいたしましても、制度の趣旨を御理解いただくよう丁寧な説明を行うとともに、認知症などにより通帳の所在が確認できないなどの事情がある場合には通帳の写しは後日とし、いったんは支給の決定を行うなど、スムーズな申請手続と不安を抱かれない対応に努めております。
次に、ホームヘルパーなどによるたん吸引の状況把握と対応につきましては、市内にたん吸引のできるヘルパーの存在は確認できていませんが、ALS患者でたん吸引が必要な場合は、関係事業者間の協議により、医療による訪問介護などで対応がなされていると認識をしております。
また、今後につきましては、本年度以降の国家試験に合格する介護福祉士はたん吸引が実施可能となることや、所属するヘルパーに研修を受けさせる意向のある訪問介護事業所があるとも聞いております。訪問介護によるたん吸引の需要がどれだけあるのか把握は出てきておりませんが、たん吸引の可能なヘルパーの養成について、その必要性など関係者とも協議をしてまいりたいと考えております。
次に、たん吸引を行う場合の介護報酬につきましては、平成23年度の法改正により、ホームヘルパーが行うたん吸引は通常の身体介護の区分により、報酬が算定されることとなっております。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、小貫元議員。
○20番(小貫元議員)再質問いたします。
最初に、人事の問題についてお伺いいたします。
答弁を聞いていますと、今回出した参与の報酬というのは課長クラスの半分以下と、係長の半分より少し上だと、こういう答弁でした。それで資料があったらでいいのですけれども、小樽市のフルタイムの再任用の方の年収と共済費の事業主負担を加えた額と比べるとどうなるのか、説明してください。
副市長についてです。
答弁を聞いていますと、なぜ庁内から選ばなかったのかということをお聞きしたかったのですけれども、そのことについてはあまり理由になっていない答弁だったと受け取りました。それで議案の取下げはしないのだと。
ただ、今回先ほども述べたように、やはり議会のあり方、市役所全体の、市役所というよりも市政運営が大分変わったというのが市長選挙を経ての結果だと思います。議会のあり方というのを考えていただきたいのですけれども、結局、議会制民主主義という下では出された案件が全て通るものではないのだということなのです。今までは小樽市政の下で5者相乗りの市政運営のために出された議案が全て通るということが起きていたのです。ところが、このことが調査委員会の報告で5者体制は共産党を除くほぼ全与党体制というべきものでこれが過去24年間にわたって継続する中、与党議員、市長、市役所職員及び5者に関する市民の相互間によきにつけあしきにつけ親近感を醸成し、関係者の一部において本来あるべき緊張感や法令遵守に対する感覚を鈍磨させている可能性が高いと判断されると、このように指摘されたわけです。ですから、議案を取り下げるということは、本来の市議会のあり方からしても、市長としてはとり得る選択肢なのだと。2012年の総選挙のとき、一気に解散となって、国会では出されていたカジノの法案が流れるということになりました。法案が流れるということは、議会が存在する以上あり得ることなのだということをまず前提にして聞いていただきたいというのです。
それで、庁内からということですけれども、大変なのが、一人一人一本釣りしていたら、いや、私よりもふさわしい人がいると、こういうことが出てきてしまいますので、どの範囲にするかというのは市長の判断になるのですけれども、この中からぜひ副市長を選任したいのだと、意見を出してくれと、そういうことをすれば自分たちでその中で集まった人たちが一致して出すわけですから、そうなるとその人を支えようと、協力して市政運営をやろうと、そういう気持ちになるのではないかと、庁内をまとめやすくなるのではないかと私は思います。
先ほど市長は答弁で、現時点では考えていないと一言加えられました。この後、他会派からの質問もありますので、ここで私たちの今の提案をすぐに受け入れるということは難しいと思います。ですが、せめて期待したいのは、出された意見も参考にして今後の議会審議も踏まえて検討させていただきたいと、こういう答弁ぐらいはいただければと思います。このことについてお答えください。
次に、財政に関連してなのですけれども、今回、私が取り上げた決算及び財政問題については、中松市政の4年間をどう見るかと、こういう視点で取り上げさせていただきました。
まず、市税収入が予算を上回ったことについて市長は頑張ったからだということを、端的にいうとそういうことを述べました。それだったら、今まで頑張っていなかったのかと、そういう話にもなってくるのですけれども、予算と決算において市税収入で3億円の差が生まれるということは、過去10年間ありません。2013年度決算は4,200万円、2012年度決算は1,300万円、2011年度はマイナス5,500万円、2010年度は2億300万円、それ以前がずっとマイナスです。中松市政の下の予算編成で市税は伸びないといいながら、予算を低く見積もってきた結果ではないかと思いますが、過去10年間最大の乖離だということへの説明も含めて、お答えください。
地方交付税についても同様です。予算編成については過去と別に変えていないよと、こういう話でした。ただ、特別交付税の影響も今回はあって6億円の差なのだということです。もう一つが地域の元気創造事業費の見込み、これが地域活性化分を見込まなかったために差が生まれましたということなのですけれども、地方交付税だと確かに特別交付税の関係も出てきます。ただ、過去10年間の当初予算と決算の普通交付税の比較で行えば、2014年度の5億5,800万円という差額は、これもまた最大になるのです。この数字は予算を少なく見積もるために行われたと疑われても仕方がないのではないかと思います。この指摘に対してどのようにお考えか、お答えください。
次に、今年度当初予算、このときに人口減少等特別対策事業費について見込まなかったのだと。ただ、その分、別のところで上乗せしたのだというようなお話がありました。そうしたら算定とは別に上乗せをしたという、見込んだということですから、それはどういう基準でやったのかと、その辺を説明していただきたいと思います。
次に、簡易水道事業特別会計について、利用組合に減額措置すると、簡易水道を今使っている企業との間で公平性が保てないと、こういうような答弁でした。仮に、地下水利用組合から一部の企業が、先ほど答弁でもありましたけれども、地下水から買う人が増える、こっちに来る人もいるかもしれないと、一部の企業が簡易水道を利用した場合、今度は地下水利用組合としての収入が減少します。利用組合の収支が悪化することにつながります。そうなれば、新たな企業が誘致してきたときに水道料金の安い地下水利用組合に加入すると、こういうことも想定されるわけです。このような場合、せっかく簡易水道に地下水利用組合の人がつないでも、結局新しい企業が地下水利用組合に入ってしまったら、意味がないことになります。このような場合、地下水利用組合に新たに企業が加入しないという法律や条例の根拠が存在するのかどうか、この辺をお答えください。
減額措置の提案についてですけれども、大口使用者による地下水利用を抑制すると。そして、料金収入の減少を抑えると、こういうことは簡易水道財政への影響を少しでも軽減させることと。そして、それは結局簡易水道事業が悪化すれば、その分水道料金を上げざるを得なくなってくるわけですから、そうすると、告示使用者、要は現在、加盟している簡易水道の企業の人たちの負担を増加、これを回避するための措置であって、決して公平性との問題というのは生まれないと、私は考えます。しかし、あくまでも簡易水道に接続するためのですから、期限を、例えば地下水利用組合の水道設備がどこまでもつか、そういう年数なども参考にして設定すれば公平性の問題は回避できるのではないでしょうか。
神奈川県では、地下水利用から県営水道の供給に転換した場合の減額措置を設けています。これらの例も参考にして、せめて検討するというぐらいの答弁が欲しいものです。お答えください。
もう一つ、事業再評価が行われた場合に、計画は変更を考えていないと、こういう冷たい答弁でした。しかし、それだったならば、今、結局、企業が増えたりなんなりという言いわけをしていましたけれども、どれだけそうしたらその企業が張りついて地下水利用組合からどのくらい、いつになったら何社、簡易水道に加盟するから計画どおりの数値でも十分ペイするのだと、そういうプランは存在するのでしょうか、それもお答えください。
石狩湾新港についてですけれども、簡易水道の場合、一部の企業に安い水を提供すると公平性に問題があると、こう答えていたのに、石狩湾新港では一部の企業の利益になることには公共性があるのだとこういう全く逆のことを言っているということなのですが、石狩湾新港の北防波堤工事への予算というのは、毎年、管理組合が出す予算要求額に対して、昨年と今年はゼロ国債の影響で35パーセント前後なのですけれども、それ以前は1割以下、ほとんど要求しても予算がつかないという状況でした。これは結局、石狩湾新港のほうが予算要求は過度な要求だったのではないかと考えますが、お答えいただきたいと思います。
次に、税金の問題です。OBCの対応の問題で、誰に対しても財産調査をしてやっているのだということを述べていました。私、この問題の趣旨は、収入率の低下が答弁でありましたように、固定資産税のほうでは大変優しく対応していると。その一方で、市民に対しては大変厳しく対応していると。せめてそのOBCに対する優しさを市民に分けてあげたらどうかということを主張したいわけです。結局、背景には、なぜ税金が払えないかと。税金というのは本来収入や資産に応じて、それにふさわしい税金がかけられているわけですから、本来払えるはずなのです、そこだけを見れば。しかし、背景には借入金があったり、税控除をちゃんとやっていなかったり、財産管理があまりうまくなかったり、いろいろな背景があるわけですよね。そこに対してしっかり具体的に親身に、ただ単に2年、地方税法上の最大2年なのだよと猶予できるのは、そういう対応ではなくて、具体的に何で払えないのか、ちゃんと優しく対応する必要があると思いますので、これについての答弁もお願いいたします。
もう一つ、冷たい答弁だったのがワクチンの問題なのですけれども、自己負担はやむを得ないのだという答弁でした。しかし、市長がかわった途端に何か高齢者に対して行ったことが、軽減措置ではなくて、負担増だったと。これはちょっと市長としてもあまりよろしくないのではないかなと私は思います。決して、必要な予算というのが多いとは言えないと思います。しっかりと関連する市民の意見も聞きながら、せめて今年度は延期すべきではないかと思いますので、これについて答弁願います。
もう一つが、子供の医療費の問題です。来年度どこからか実施するということなのですけれども、これが当初予算で計上するのか、現時点で考えている年齢と予算について示していただきたいと思います。
もう一つ、医療費の問題で、第2回定例会で川畑議員の質問に対して、部長がプロセスを説明しています。助成を拡大するかどうか、これをまず決めるのだと。これは拡大すると決めたと。その規模をどうするか。人口対策等の会議に図ると。その次が予算等を庁内で検討する。予算額を決める。条例を改正して医療機関へ周知する。こういうプロセスを説明していただきましたけれども、このプロセスに照らして、今どこまで進んでいるのか、これも説明していただきたいと思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(森井秀明)小貫議員の再質問にお答えいたします。
私から答弁したこと以外に関しては各部長から答弁をいたしますので、よろしくお願いいたします。
私からは、まず副市長のことについて庁内から行ったほうがよいのではないかという御提案をいただいたかと思います。答弁でもお話させていただきましたように、庁内における管理職経験者も、第2回定例会でもお話ししましたが、内部、外部に関係なく、副市長についてはどなたが適性かということに鑑みながら判断したいというお話をさせていただいたように、内部においても候補はありましたけれども、御提案があったような合意形成という方法は今回まではとってはおりません。このたび、もう既に副市長人事として提案させていただきましたけれども、今回は残念ながら合意形成というわけではないのですけれども、先ほどお話しさせていただいたように、現在、私が掲げています公約の実現に向けて理解をし、また役割を果たす、また職員とのつなぎ役としてしっかり取り組んでいただけるというお話とともに、その役職につくことに対して覚悟していただいているということもあって、このたび中村氏が適任であろうということで提案させていただいているところでございます。今後において、この法案に限らず、庁内における合意形成というのはお話のあったように施策を進めていく上で大変重要だと思いますし、また、庁内においてのそのやっていくのだという気持ちにつながっていくということにつながることはおっしゃるとおりだというふうに思いますので、その手法も含めて、今後において具体的に取り組めるかどうか、検討してまいりたいというふうに思っておりますので、御理解をいただければと思います。
それから、地下水利用組合のことで3点ほどあったのですが、そのうちの1点、公平性の観点から7社だけ特別扱いすることは難しいというお話をさせていただきましたけれども、この件についてはやはり過去からかなり長い経緯があって続いてしまっている。そして、なかなか改善が図れていない出来事ではあるというふうに思いますので、このような今御指摘いただいたような方法も含めながら、また、その他の方法、打開策がないのか、それについては庁内においてもしっかり議論をして、改善を図れるように努力をしてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
それと、子供の医療費の無料化について、こちらも答弁させていただいておりますが、私としても28年度当初に提案できるように、今、庁内で検討しているところですので、何とかそれを目標に頑張ってまいりたいというふうに思っておりますので、御理解をいただければと思っております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)総務部長。
○総務部長(小鷹孝一)私からは、まず参与に関連いたしまして、一般の職員の再任用の給与ということで御答弁をさせていただきます。
一般再任用につきましては、年収、今手元に資料はございませんけれども、記憶では約301万円ほどであったかと思います。これにつけ加えて社保の事業者負担分というものがございまして、これが三十数万円ということで、合わせますと三百三十数万円程度の金額になろうかというふうに、実際の市の負担はそういうふうになろうかというふうに計算してございます。
次に、簡易水道料金の関係で新たに企業を加入させないという、そういう法律や条例等があるのかということでございますけれども、端的に申しまして新たに企業加入させないという法律、条例があるわけではございません。したがいまして、この点については、ある意味で強制力がないということが実態であるということでございます。
それから、他都市での減額措置の例があるというお話をされましたけれども、それにつきましては、やはり公平性の観点から減額措置は難しいとの考えは基本的にございますけれども、他都市が減額措置を行った背景とか、そういったメリット・デメリット、そういったものについては今後勉強してまいりたいというふうに考えてございます。
それから、この簡易水道事業についてペイしていくプランというものがあるのかということでございますけれども、実際にそういったプランはございませんで、最終的には企業誘致等でもって企業が張りついていって、そこにその企業が簡水を使用する。それから、小樽市の現在まだ残っている組合が全て加入すると、そういったことが進んでいかなければならないということだけでございまして、確固たるプランというのはございません。
それから、石狩湾新港の関係で、新港の防波堤は計画的にということについてでございますけれども、国においては社会情勢や財政状況などを勘案した上で予算配分されたというふうに承知しておりますので、御理解をいただきたいと思います。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)水道局長。
○水道局長(飯田俊哉)今、総務部長から再評価の際に給水量を見直さないということで何か具体的なプランがあるのかということについてお答えいたしましたけれども、私からも若干補足させていただきますが、基本的には地下水利用組合の企業は簡水に転換しなければならないというのは事実でございますけれども、今回、料金を設定する際、平成24年度ですが、その際には地下水利用組合の企業が利用していた地下水33万トン程度で簡水で配っている水道量10万トンくらいで合計で44万4,000トンという数字をもって料金の均衡が図られると、そういう料金設定をしてございますので、あえてプランがということでお答えをすれば、地下水と簡水の利用が44万4,000トンであれば、料金は均衡すると、そういう料金設定でございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)保健所長。
○保健所長(秋野恵美子)高齢者のインフルエンザ予防接種の自己負担増についての御質問がございました。市長がかわった途端に増であったので、せめて今年度は延期すべきであったのではというような御趣旨かと思いますが、私ども保健所で今回のインフルエンザのワクチン単価の値上がりにつきまして、市長に御説明申し上げ、そしていろいろなバリエーションについても御検討いただき、それから道内の保健所政令市、他都市の様子もお伝えする中で、保健所政令市は小樽以外は全て同じ考えでございますので、そういったような状況を総合的に勘案して、市長の御了解をいただいたというプロセスでございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)財政部長。
○財政部長(前田孝一)私からは財政問題ということで市税の関係、地方交付税の関係、それから税の徴収の関係についてお答えしたいと思います。
まず、市税収入の決算額が予算よりも大きく増えたということにつきましては、私も今回の決算を分析するに当たりまして、実際の予算計上時の調定額、それとまずそこの部分について何か増えている要素がないのかということで調べたのですけれども、ほぼ調定額に関しましては、当初予算とほぼ同じ額ということになってございます。ですから、なぜ3億円から増収になったかというと、押しなべてどの費目につきましても、収入率が上がっている。こういった中での決算でございます。
この収入率につきましては、また平成25年度決算の各費目に比べましても、それぞれ収入率が上がっているということで、先ほど市長からも答弁がございましたけれども、平成24年度に納税課のグループ制導入等々した体制の見直しが徐々に成果としては表れているということが大きいのかと思います。
また、本市の場合は年金受給者が多く増えているという状況がございます。そういった中で、普通徴収から特別徴収、年金徴収に切り替わっている方もおられるということも、また収入率の増加につながっているのかと思ってございます。
そういったことで、見積りも低く見積もっていたのではということではございますけれども、決してそういうことではないということで、御理解いただきたいと思います。
続きまして、交付税の関係、平成26年度と27年度両方で再質問がございますけれども、まず26年度につきましては、先ほど市長答弁あるいは議員からもお話がありますとおり、地域の元気創造事業費という項目につきまして、これが予算の段階では国の推計方法というのは、あまり細かい部分が出ていなかった。そういった中で推計したのですけれども、5,600万円ぐらいしか入らないのではないのかというのが4億2,700万円から入ったと。これにつきましては、要は本市のさまざまな指標と全国の状況との比較というふうな中で、そういったものが我々の予想していた以上に小樽市の状況が国と市との差が大きく超えて、予想よりも大きく超えて反映されたという結果だというふうでございます。この26年度の交付税につきましては、その後、第3回定例会で増額補正をしてございまして、その後の補正予算の財源に使ってございますし、また財政調整基金の残高の確保という中では、27年度の当初予算の財源としてもうまく活用させていただいているということで、御理解いただきたいと思います。
それから、27年度の交付税でございますけれども、議員のほうからもお話がございました。今回また新しくできました人口減少等特別対策事業費、この件につきましても、先ほどの26年度の元気創造事業費と同様になかなか国からきちんとした算定方法というのが示されてございませんでした。最終的に、今回5億8,100万円ということで本算定では決定いたしましたけれども、ここも先ほど言いましたように、見方によっては何億円という違いが出てくるということで、そういった26年度の一つの伏線がございましたので、今回はこの費目については見なかったということでございます。一方では、普通交付税の見積りに際しましては、必ずしも需要額ばかりでなくて、基準財政収入額も算定した中で総体の交付税というものの予算額を決めてございますが、例えば地方消費税交付金が平成26年4月に御承知のように消費税及び地方消費税率のアップ、こういったものの地方に対する交付金が今年度ある程度平準化、平年化されるわけですけれども、こういったものの収入ですとか、いわゆるアベノミクス効果といいますか、そういった法人市民税の収入、こういったものもいろいろ国から交付税の算定に当たっては、指標となる数字は示されてはいるのですが、この辺が果たして我々の見込みとどうなのかということもございますので、そういった部分を総体的に見積もった中で、最低限、歳入欠陥を起こさないように、どうしてもかために見るところについてはかために見ている、国の指標に基づいて見ているところは見ている。そういった中で最終的に当初予算と本算定との乖離が生じたということで御理解いただきたいと思います。
それと、税の徴収に関して市民に優しくということでございます。我々といたしましても、そのようになるのがよりよいというふうには思ってございます。ただ、そこに至るまでの交渉経過、さらには財産調査の結果、大多数の優良な納税者との公平性等十分に勘案の上、差押え等の判断を下しているということでございます。そういったことですので、今後もこういった公正の税負担を求める。ただ一方では、特別な事情にありましては、実情に応じた納税方法を進めるなど、柔軟に対応していると思ってございますので、御理解いただきたいと思います。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)医療保険部長。
○医療保険部長(小山秀昭)子供の医療費無料化につきましてプロセスがどこまで進んでいるかということについて御説明いたします。
第2回定例会時点では函館市の例で試算をしておりましたが、私どもで国保連に交渉しまして、小樽市のデータを一部入手できましたので、今そのデータの解析をして分析に着手したところでございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)総務部長。
○総務部長(小鷹孝一)先ほどの石狩湾新港の北防波堤の予算が過度ではないかということにつきまして、補足説明をさせていただきたいと思います。
これにつきましては、計画的に工事をしていかなければならないわけでございますけれども、予算要求におきましては、管理組合として事業進捗を図るために必要な額を計上したものでございます。また、予算の配分につきましては、国において社会情勢や財政状況などを勘案した上でなされたものと承知しております。
今後におきましても、同じように所要の予算額の確保に向けまして、予算編成時などにおいてなど、さまざまな機会を通じまして、国に要請してまいるべきかというふうに考えてございます。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、小貫元議員。
○20番(小貫元議員)再々質問します。
人事について、参与については、大体フルタイムの再任用の人と同じぐらいの金額でやっていくのだというお話だったと思います。
それで、まず財政の問題です。
まず、交付税についてですけれども、少なく見積もったわけではないのだと。ちゃんと明確に示せない自民党と公明党の国が悪いのだと、こういうことだったと私は受け取りましたけれども、それでただ、ちゃんと再質問のときに言いましたが、中松市政の4年間をどう見るかと、こういう問題なのだという話をしたと思いますけれども、2008年から2011年、山田市政における予算編成の最後の4年間は普通交付税の予算と決算の乖離額、これの平均が1億9,200万円です。一方、2012年度から2015年度の中松市政における4年間の普通交付税の当初予算と決算の乖離額は平均4億5,300万円です。この数字を見れば、やはり普通交付税を低く見積もっていたのではないかという疑問が生じるのは当然だと私は思います。
それで、先ほど人口減少の特別対策費について基準はその分見込まなかったことに対しての上乗せはどういう基準なのだといったら、基準を明確に示しませんでした。地方財政法第3条、皆さん御存じのとおり「地方公共団体は、法令の定めるところに従い、且つ、合理的な基準によりその経費を算定し、これを予算に計上しなければならない。地方公共団体は、あらゆる資料に基いて正確にその財源を捕そくし、且つ、経済の現実に即応してその収入を算定し、これを予算に計上しなければならない。」と、こういうふうになっているわけですよね。そういうところからして、基準もよくわからないけれども、このぐらいは入るのではないかということで上乗せをしたのだというような説明とこの山田市政の4年間と中松市政の4年間の交付税のこの差、明らかにちょっと違うと思います。このことに照らしてどうお考えなのか、説明をお願いします。
もう一つ、市税の予算の乖離について言っていましたけれども、頑張るようになったから入るのだというのが再質問の答弁でもまたありましたが、だったらその分予算に見積もればいい話だと思うのです。頑張って市税が入るのだという予算をしっかり現実に即応してその収入を算定すると、それが地方財政法の精神ではないかと思います。このことについても御答弁をお願いします。
あと、簡易水道の問題について新しく地下水利用組合に加わることは制限できないのだと、こういう答弁でした。日本水道協会というところがありまして、そこが2009年に地下水利用専用水道については現在、設置者による自己管理が原則となっており、公共的にして、要は地下水利用の管理のあり方が十分に確立されていないから、過剰な地下水摂取による地盤沈下の問題を再発させる可能性を有しているということで、地下水を水源として利用することに対して、警鐘を鳴らしているわけです。このような現状でも小樽市として地下水利用と簡易水道利用の併用を将来的にも考えていく予定なのか、説明をしてください。
あと、企業誘致をしても結局その企業が比較的地下水の維持コストが安くなっていますから、結局、独自に地下水を利用すると、簡易水道は高くて入れないと、そういうことになってしまえば、簡易水道の事業会計は企業誘致に成功したとしても、これは好転しないと考えるのですけれども、このことへの見解を述べていただきたいと。
同時に、先ほど再質問への答弁で、結局プランはまともにないというのが総務部長からあって、それを打ち消すかのように水道局長が平成24年度に決めたプランで地下水利用組合が入ればペイできるのだという話をしましたけれども、しかし計画水量はどんどん増えていくわけですよね。地下水利用組合だけが入っても、それはやはり簡易水道事業がそれだけで黒字になるかといったらそうはならないと思います。だからこそ、今度の事業再評価で計画水量を見直すことが必要なのではないかと思いますが、これについてどうでしょうか。
石狩湾新港についてですが、総務部長が答弁した内容は、大体石狩湾新港管理組合が述べた内容とほとんど一緒でして、非常に残念だなと思いますけれども、結局、管理組合は年間これだけ予算をもらわないと計画に間に合わせませんと言って予算要求するわけですよね。でも、国はそんなに必要ありませんと。その1割以下で十分ですと言って1割しか予算を配分しないと。だから、今までそれでも十分計画まで間に合うような感じで来ているのだとしたら、今までの予算要求が過度な予算要求だという証明になると思います。これが、そうではないというのであれば、国がそれは今の事業についてはあまり急ぐ必要はないよと判断しているということではないでしょうかと私は思いますので、それについての見解を示してください。
子供の医療費の問題で、部長に答弁していただいたのですけれども、第2回定例会の川畑議員の質問に照らしてどの段階なのかという答弁がいただけませんでした。例えばその規模をどうするかどうかというところのたぶん答弁だったのではないかなと私は思うのですけれども、ということは人口対策会議等にはまだ諮られていないということでいいのか、それで最後の人口対策会議というのがいつまでで、そこまでにかけられるということになって、そこから予算編成が間に合うのかということについてはいかがかということを最後に御質問して終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)財政部長。
○財政部長(前田孝一)小貫議員の再々質問のうち、財政の関係を答弁させていただきます。
まず、交付税について山田市政時代と中松市政時代の予算と本算定の乖離が大きく違うのではないかとのことでございます。私も山田市政の初期のころには財政の係長として交付税の算定をしたということがございますけれども、やはりあくまでも交付税というのはいろいろ国の地方財政対策、地方財政計画、そういったことを基にできる限りの情報は集めた中で予算計上をしているというふうになってございますが、特にここ数年につきましては、国も地域の元気づくり推進費ですとか、地域の元気創造事業費、あるいは平成25年度ですと地域経済・雇用対策費ということで、大きな規模で地方に配分している交付税というのがございます。また、先ほども申しましたとおり、地方消費税等の国からの税源移譲等もございまして、そういった中で、なかなか算定も担当レベルでは先ほど言いましたようにいろいろな情報を基に算定はしているのですけれども、どうしてもそういう国の交付税に対する動きがここ数年は大きいという中で乖離が生じた、この数年間については予算等の乖離が生じているというふうに認識してございます。
それと、市税ですけれども、収入率が上がればそのように見積もればということでございますけれども、実際に予算で見積もっているのは前年の収入率というのを基にそれなりに収入率は見込んでございます。そういった中で、今年度は満遍なく各費目において収入率が上がっているという状況にございます。
歳入予算でございますので、基本的にはそういった収入率というのは前年度ベースの計算をする。何か大きな違いがなければそういったことをベースに予算を組むのが通常でございます。先ほど交付税の話でございましたけれども、歳入欠陥を起こすということになりますと、また、それに対する財源対策等もございますので、そういった中で決してこの26年度予算と決算は25年度の収入率と比較いたしましても決して低く見積もっているというふうな状況にはなっていないということで御理解いただきたいと思います。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)総務部長。
○総務部長(小鷹孝一)まず、簡易水道事業の関係でございますけれども、日本水道協会が自己管理が原則であるということを申していたということで、将来的にも新たに企業を加入させないというのは法律、条例があるわけではないということですが、それが将来的にもそう考えられないということなのかということでございますけれども、そういうふうになっていく可能性についてはないとは言えませんが、現時点でははっきりとはわからないというのが実態でございます。
(発言する者あり)
それにつきましては、計画水量の関係も含めまして、水道局長からお答えさせていただきます。
次に、石狩湾新港の北防波堤の予算の関係でありますけれども、国では要求どおりに予算がつかない、1割にも満たないというようなことでゆっくりと進めなさいということではないかということでありますけれども、国がそういう意味なのかどうかはっきりしないとしても、事業をやるということに、いざなれば、やはり予算要求をしていかなければならないということでございますので、今後も同じように要求していかなければならないなというふうには考えてございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)水道局長。
○水道局長(飯田俊哉)小貫議員からの簡易水道事業の決算についての再々質問にお答えいたします。
3点ほどあったと思いますけれども、まず1点目については、地下水と簡水の併用を今後も考えていくのかということだと思います。これについては、地下水は、先ほど答弁にもございましたけれども、北海道の環境影響評価等で塩水化も心配される、地盤沈下も心配されるというようなことで、決して恒久水源というふうには言いきれませんので、今後はやはり地下水利用組合の皆さんが簡水利用へ切り替えていくということを北海道とともにお願いをしてまいりたいというふうに思ってございます。
2番目の企業誘致をしても、結局高いので簡水に切り替えできないのではないか、企業誘致はあまり意味はないのではないかというような御質問の趣旨だったと思います。現在、地下水利用組合が、地下水を利用している企業というのが食料品工業に限ってございまして、要は大量にお水を使う企業が今地下水を利用してございまして、これが7社でございますけれども、残りの41社は簡易水道を利用していただいていますので、企業誘致が進むことによって間違いなく簡水の料金収入は増えていきますので、企業誘致についてはやはり進めていく必要があるというふうに思ってございます。
(発言する者あり)
最後の計画水量の見直しをということでございましたけれども、これについては平成19年に今回の1日最大給水量3,100トンを過去のデータ等に基づいて積上げをした結果でございます。今後20年後の計画数量でございまして、平成26年度の数字をもって、それが多い少ないというような判断は時期尚早だというふうに思ってございまして、現時点で変更はできないというお答えをしたところでございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)医療保険部長。
○医療保険部長(小山秀昭)プロセスの問題でございますが、総合戦略につきましては、市の中では10月末には策定したいということを聞いております。医療保険部としては、先ほど市長からも平成28年度の実施ということがありましたので、総合戦略に子ども医療費の無料化について記載されるように要求はしております。
並行して、時期が間に合うかということですので、事務作業としてのいろいろなケースごとの分析、財政負担がどれぐらいになるか、又は条例改正、それも複数の作業を進めていまして、結論としての規模等が決まればそれに間に合うようにできるように事務作業は進めております。
○議長(横田久俊)以上をもって本日の会派代表質問を終結し、本日はこれをもって散会いたします。
散会午後7時20分
会議録署名議員
小樽市議会 議長 横 田 久 俊
議員 松 田 優 子
議員 面 野 大 輔