開会午後4時00分
○議長(横田久俊)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、林下孤芳議員、小貫元議員を御指名いたします。
この際、市長から発言の申出がありますので、これを許します。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)昨日の本会議冒頭に私が発言した内容につきましては、誠実に答弁させていただきたいという気持ちで申し上げたものですが、私と議会との双方で解釈にすれ違いが生じたものです。その後、双方で調整が図られないままに時間のみが経過し、本会議が再開できない事態となりました。
議会運営委員会で確認いただいた事項と異なる内容で発言したことは取り違いによるものであり、その結果、第2回定例会に付託された市民生活に重要な議案審議が行われないことは、市民にとって不利益になるものであり、私としても大変遺憾なことであります。したがいまして、今後、より意思疎通がなされるよう、議会との良好な関係を築いていきたいと思いますので、議員各位の御指導、御協力のほどをよろしくお願い申し上げます。
○議長(横田久俊)この際、私からも一言申し上げたいと思います。
地方公共団体における市長と議会との関係は、車の両輪のごとく対等で、それぞれが法律により付与された権限を行使することにより、住民の福祉の増進を図ることを基本として存在しているものであることは、皆様御承知のとおりであります。
このたびのような議会の空転や停滞という事態は、最終的には市民の皆様の不利益につながることは言うまでもありません。議長に委ねられた最重要の責務は、正常な議会運営の実現にあります。時としてお互いの意見の食い違いや対立するといった場面があろうかとは思いますが、双方が目指すべきは市民生活の向上のただ1点でありますので、今後ともその目的に向けてお互い十分に尊重する中で積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
日程第1「議案第1号ないし第15号」を一括議題といたします。
これより、昨日に引き続き、一般質問を行います。
通告がありますので、順次、発言を許します。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、高野さくら議員。
(7番高野さくら議員登壇)(拍手)
○7番(高野さくら議員)一般質問させていただきます。
周産期医療について質問いたします。
小樽市の保健行政に掲載された人口動態総覧では、今から16年前の1999年、小樽市の出生数は957人、産科は市立小樽病院、北生病院、小樽協会病院の三つ病院があり、市内の個人産婦人科は五つの診療所がありました。病院と診療所を合わせますと、8か所で子供を出産できました。2014年現在では、子供の出生数623人、15年前に比べると334人減り、現在、子供を産める場所は小樽協会病院とおたるレディースクリニックの二つです。今年の7月からは、小樽協会病院が医師不足により、新規の分娩受付を休止することを発表しました。小樽協会病院は北海道から後志で唯一の地域周産期母子医療センターに認定されており、周産期に係る比較的高度な医療行為を随時担う医療機関で、リスクの高い分娩に対応していただけに、市民の中でも不安が広がっております。出産できる病院が二つしかないために、出産する妊婦が集中すれば、次々と数分単位で患者を診なければいけませんので医師も大変ですが、妊婦も現場がばたばたとせわしない様子になるので気持ちが不安定になり、難産になった妊婦の例も聞いております。
私自身も小樽市内で長男を出産しましたが、そのとき出産目前の妊婦が集中していたため、分娩台に上がっても、部屋に戻ってほしいと言われ、分娩台から歩いて部屋に3回も戻りました。歩いている途中に生まれたらどうしようかと、不安と先の見えないお産に、2人目は札幌で出産をいたしました。私だけではございません。小樽で出産された母親からは、自分や子供の命の危険を感じ、もう小樽の病院では産みたくないという方や、安心して子供を産めなかったトラウマで、子供を産むことすら諦めてしまう方もおります。
出産は母と子供の命にかかわる大変な問題ですが、このことは小樽市の未来にかかわる人口減にも直結する極めて重大な問題だと思います。安心して子供を産める病院を増やさなければいけないと思いますが、まず、一刻も早く小樽協会病院で子供を産める環境を整えるようにすることが先決だと考えます。
先日、市民有志でつくる後志周産期医療を守る会から日本共産党に、後志における周産期医療を守る署名の依頼を受け、多くの方から御協力をいただき、先月5月26日、後志の周産期医療を守る会事務所に署名を届けました。ほかの団体からも署名が集まり、3万8,825筆になりました。同会のメンバーは27日、道庁を訪問し、当時の知事代理、高田保健福祉部長に署名を手渡し、産科医師の確保を要望いたしました。署名を締め切った後も、周産期医療を守る署名が後を絶たないと聞いております。1か月間にこれだけ署名が集まるほど、市民の周産期医療に対する要望が切実であることがわかります。
こうした市民の声を市長はどう捉えておりますか、お答えください。
次に、日本共産党の菊地葉子道議会議員は、今年5月27日に、高橋はるみ知事に対し、小樽協会病院が7月以降も産科医師を確保し、分娩できるよう予算要望いたしました。知事からは、小樽協会病院は後志地域唯一の地域周産期母子医療センターとして、また道が策定した北海道周産期医療体制整備計画においても、重点的に産婦人科医師の確保を図る病院であることから、大変重要であると認識しているとのコメントを寄せられております。
今年の第1回定例会、北野元市議が代表質問で中松前市長に、小樽協会病院、周産期医療体制確保に全力を尽くすこと、そのために医師確保の見通しはどうなのかと質問したことに対し、市長答弁では、小樽協会病院の周産期医療に係る医師確保の見通しについてはめどが立っていないけれども、小樽協会病院の分娩再開に向けて引き続き病院側と協議を行い、できる限りのことを尽くしたいと話しておりましたが、市長就任後、医師確保に向けてどのような対策をとってきたのか、経過をお知らせください。
市長は公約で、安定した周産期医療実現に向けて産婦人科医師の働きやすい環境を整え、支援を強化しますと掲げておりますが、どのような考えをお持ちでしょうか。
また、今後は小樽市として産婦人科医師確保に向けてどのような取組をされるのでしょうか、お示しください。
次に、小樽市の公園について質問いたします。
公園は、緑や施設がもたらす効果として環境保全、防災、地域のコミュニティ、子供たちが健やかに育つために、また高齢者にとっても健康促進などに、大切な場所となっております。
小樽市では朝里川公園のみストレッチができる遊具がございますが、他都市では健康促進のため、ストレッチ遊具などが設置されております。公園によく来るという年輩の方は、子供が遊んでいる姿を見るだけで自分も元気になると話し、公園に行くのを楽しまれております。今、公園は子供だけではなく、どの年代にも適応した場所が求められていると思います。
ですが、小樽市の公園は、道内の10万人以上都市の中で一番少なく、93か所です。小樽市の次に公園が少ない北見市でも165か所と、小樽市と比べると72か所も多いことがわかります。
また、地形の差などはあるものの、小樽市は1人当たりの面積も一番小さく、10.13平方メートルで、一番広い苫小牧市は60.35平方メートルなので、50.22平方メートル差があります。
小樽市環境基本計画の都市公園の整備の資料を見ますと、中心街や周辺では不足している状況になっていると記載されておりました。住宅地250メートル範囲内にある街区公園や住宅地から500メートル範囲内の近隣公園が、小樽市では最も少ないです。子育てをしている保護者の中でも、小樽は公園が少なく、身近に子供を遊ばせられる公園が少ない、公園をもっと増やしてほしいとの声もあります。
子育て支援を進めるためにも、身近に公園の整備と遊び場の整備は急ぐ必要があると思いますが、いかがでしょうか。
次に、室内公園について質問いたします。
ある市民の方は、八雲町にある噴火湾パノラマパークや旭川市にあるカムイの杜公園などのように、雨の日や冬でも遊べる公園があれば、まだ歩けない小さい子供から大人まで楽しめて、もっと子育てしやすいまちになるのではないかと話しておりました。
充実した室内公園があれば、雨の日など天候の悪いときでも、家を出て体を動かすことができます。また、天気が悪いときに、小樽に観光に来られた方が遊べる場所にもなります。ゼロ歳から2歳ぐらいまでの小さい子供は、外の公園の遊具は比較的年齢が高い子供用なので遊ぶのが難しいですが、室内公園で小さい子供も遊べる遊具があれば、安心して遊ばせることもできます。
小樽は雪も多く、雪捨場がないことから、公園が雪捨場になり、冬でも遊べる公園が少ないです。冬の間も運動不足にならないようにするためにも、冬でも利用できる室内公園をつくっていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
また、今ある公園を利用しやすいように魅力を伝えるのも大切だと考えます。小樽公園に遊びに来た母親は、公園の遊具の場所がわからず、遠方の公園まで出かけたと言います。しかし、小樽公園では、以前こどもの国があったところが滑り台や迷路などの遊具にかわり、設置されています。
運河公園は歴史的建造物の倉庫の中に遊具があり、雨の日でも利用できる魅力の公園ですが、市民の中には倉庫に入れることすら知らない方も多いです。公園にわかりやすい案内表示、また広報おたるやホームページに載せたりなどして、市民に小樽の公園の魅力を伝えることも必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
次に、公園のトイレについてです。
小さな子供がいる保護者にとっては、公園のトイレは重要です。近年ではトイレのバリアフリー化や子供用の便座、おむつ台、手すりなどの新たな設置がされました。今後は入船公園や朝里川公園など5か所が改修予定となっておりますが、トイレのない公園や、トイレがあっても不便で使えない公園もあります。使用しやすいトイレを設置しなければいけないと思いますが、市民が多く利用される公園のトイレは特に急がれると思います。
長橋なえぼ公園の森の自然館のトイレを見ますと、女子トイレにしかおむつ台がなく、子供用の便座もありませんでした。長橋なえぼ公園は幼稚園や保育所の遠足でも多くの子供たちが利用し、特にゴールデンウィークや花見の季節になりますと、1,000人以上の方が来るところです。
また、運河公園の女子トイレは全て和式で、おむつ台も女子トイレのみですし、車椅子トイレにはおむつ台や子供用の便座はありません。運河公園も幼稚園などの小さい子供が利用する公園です。保育所の保育士に、和式で子供が利用できるのかと聞いたところ、今の子供は家でも、保育所や幼稚園でも洋式を利用していることが多いので、和式だと子供は利用できないと話しておりました。
また、足腰が弱い方ですと、和式だと足に負担がかかり、立ち上がることすらできなくなり、大変な思いをしています。
公園にトイレがないところは設置し、男性用、女性用ともに乳幼児対応の設備を設置していただきたいと思います。市長の御意見をお伺いいたします。
再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)高野議員の御質問にお答えをいたします。
初めに、周産期医療について御質問がありました。
まず、多くの署名が寄せられたことにつきましては、周産期医療に対する皆様の関心の高さを改めて認識したところであります。
次に、市長就任後に、医師確保に向けてとった対策につきましては、周産期医療は子育て支援と多くかかわってきますので、福祉部内に子育て支援と周産期医療の両方の業務を担う職員を配置し、協会病院などの関係機関へ出向いて、現在の状況など、情報収集に努めている段階であります。
次に、産婦人科医師の働きやすい環境の整備と支援策につきましては、例えば子育て世代の医師も多いと聞いておりますので、子育てをしながら働ける環境を整えることなどが挙げられますが、あらゆる方面からの情報収集に努める中で、可能な支援策を検討してまいりたいと考えております。
次に、今後の産婦人科医師確保に対する取組につきましては、あらゆる方面からの情報収集に努め、北しりべし定住自立圏のみならず、管内の町村とも連携をし、北海道などの関係機関に対して要望、要請を行うなど、産婦人科医の確保に向け、取り組んでまいりたいと考えております。
次に、小樽市の公園について御質問がありました。
まず、公園の整備につきましては、中心市街地においては既にまち並みが形成をされており、新たに公園をつくるには用地の確保が難しい状況にありますが、市民の皆様に安心して利用していただけるよう、小樽市公園施設長寿命化計画に基づき、既設遊具の更新を優先的に行っているところであります。
また、市が管理している公園のほかに、町会等が管理する児童遊園が53か所あり、設置等にかかる費用を助成しておりますので、今後も町会等からの要望に対応してまいります。
さらに、例えば冬期間の公園の斜面を利用してそり遊びの場や、海水浴場の活用等、既存施設の活用方法に工夫ができないか、遊び場の研究をしてまいります。
次に、冬でも遊べる室内公園につきましては、現在、本市においては、小樽公園の再整備や遊具の更新を優先的に行っているところであり、現段階では室内公園の設置は難しいと考えているところではありますが、市が所有する施設の中に小型の遊具を配置するなど、室内公園の役割を果たす工夫ができないか、研究をしてまいります。
次に、わかりやすい公園の周知につきましては、これまでも広報おたるや市のホームページなどで、広く市民の皆様にお知らせをしているところでありますが、ホームページの内容をよりわかりやすくするとともに、さまざまな媒体を通し、小樽の公園の魅力を発信してまいりたいと思います。
次に、公園のトイレにつきましては、これまでも町会等からの設置要望に対し、随時設置をしてきたところであり、今後も同様に対応してまいります。
また、小樽市公園施設長寿命化計画の中で、利用者の多い公園について、トイレのバリアフリー化を計画しており、老朽化したトイレの改築を含め、男女の区別なく身障者の方も使える多目的トイレの設置を行い、その中で乳幼児対応の施設を計画しているところであります。
なお、御指摘のありました2か所の公園のトイレにつきましては、現在の身障者用トイレのスペースや構造等を考慮し、検討をしてまいります。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、高野さくら議員。
○7番(高野さくら議員)再質問させていただきます。
まず、周産期医療について質問なのですが、今、小樽と余市、仁木、積丹、赤井川、古平の5町村で行っている周産期医療支援事業費補助金を挙げて、先ほど市長が子育てしながら医師をしている方も多いので改善していきたいと話していたのですけれども、よりよい医師の待遇の改善や医療が受けられるように、周産期医療支援事業費補助金を上げるということも一応考えているのでしょうか。
あと、今、全国的に産科医師が不足してはおりますが、神奈川県の横須賀市では、市民が安心して出産できるまちづくりを進めるために、産科医師増加を目的とした産科医師確保補助金制度を平成23年に創設しまして、当時は9人しかいなかった産科医師が、4年から5年近くで22人に増加しました。また、医師だけではなく看護師の確保や不育症、治療費の助成のために、いのちの基金を創設し、市民と一緒に命を大切にしようという取組を行って、募金箱を保健所や診療所など市内に17か所設置し、ホームページなどでも募金の呼びかけをして、去年は市民からの募金が350万円程度集まり、寄附した市民の思いを市も寄附したいということから市のほうでも同額を募金して、700万円程度の募金が、いのちの基金が集まりました。そして、出産環境は改善されつつあると、私自身、電話をかけて確認をいたしましたけれども、市長は産科医師の確保に向けて、他都市からもいろいろと情報を集めて行いたいということだったのですが、ぜひいろいろなところから情報をいただきたいと思うのですけれども、産科医師が来たとしても離職されては意味がないと思うのです。離職予防の、これは看護師の例なのですけれども、横須賀市では看護師が離職しないように、働くモチベーションを高め、自身のキャリアを考える研修を実施しており、25年からは離職防止研修2回分の経費をこのいのちの基金から出して、研修に参加された方は、やめようと思っていた人もやめるかもということを口にしなくなり、離職率も研修後には減っていると聞いております。
こうした産科医師の増加や離職防止を改善している地域もありますので、このような先進事例について、情報収集をこれからもすると言っていたのですけれども、どの程度調査し、把握をしているのでしょうか。ぜひお聞かせいただきたいと思います。
また、公園についてなのですけれども、子育て世代には、子供のためにという理由で住む場所を変える人も少なくありません。私自身、子育てをしている保護者10人ほどに、子育てのしやすさをどこに感じるのかと尋ねたところ、家の付近に学校や病院があるのはもちろんですけれども、公園や自然の遊びができるところがあるかどうかで子育てしやすいまちなのかどうかを感じると話しておりました。今、子育て世代が多く住んでいる地域では、やはり公園が近所にあり、自然豊かなところが多いわけです。
以前、私は朝里4丁目に住んでいたこともありますが、近所に公園など遊ぶところがなくて、近所に住んでいる子供たちは道路でキャッチボールや鬼ごっこなどをして遊んでおり、車にひかれそうになる子供を見かけることも多々ございました。車を持っている方は離れた場所でも公園に行くことはできますが、車を持っていない人は離れた場所に行くことができません。山坂の多い小樽こそ、多いからこそ、子供が遊べるところをきちんと確保しなければいけないと私は思います。
第6次小樽市総合計画の公園・緑地を見ますと、3年後、1人当たりの都市公園の面積は、目標値は12平方メートルになっており、その中でも市民1人当たりの面積は全道平均に対して低い水準になっている、計画的な公園や緑地の整備が求められていると、こういうことが書かれているわけです。具体的に計画について、今、一部進められているのかどうか、そこら辺もしっかりお話しいただければと思います。お願いします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(森井秀明)高野議員の再質問にお答えをいたします。
私のほうで答弁をしないことがありましたら、担当部長からお答えすることになると思いますので、よろしくお願いいたします。
まず1点目、よりよい医師の待遇等も含めて考えていかなければというお話でしたけれども、そのことも含めて、現在、協会病院から情報をいただきながら、その待遇も含めて市でどのような支援ができるのか、情報収集と検討をしているところでございます。
それから、医師確保に向けて他都市の情報をもっと集めていくべきではないかと。いのちの基金等のお話もありました。そのような方法があるということも、今、私自身も改めて知ったところでございますけれども、御存じのことがあれば、私たちももっと情報収集していきたいというふうに思っておりますので、ぜひ御提案をいただけたら大変心強く思います。そのような情報を我々ももっと得ていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
それと、おっしゃるように、子供たちの環境のために住居を変えられる方々もいらっしゃるというのは、私自身もそのとおりだというふうに思っております。公園も含めて、やはり子育て環境を整えることで人口増に直結すると私自身も感じておりますので、その中の一つとして、公園整備においても、御答弁させていただいたように、一つ一つ確認をさせていただきながら、よりよい環境を整えてまいりたいと私自身思っておりますので、よろしくお願いいたします。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、高野さくら議員。
○7番(高野さくら議員)その情報収集はどの程度されたのでしょうか。これから頑張っていくということも話されてはいたのですけれども、具体的にその中でどの程度情報収集して、周産期に向けてこれからどういうふうにやっていくのかということもお話しいただければと思います。お願いします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)福祉部長。
○福祉部長(三浦波人)ただいまの再々質問で、情報収集の御質問がございましたけれども、このたび子育て支援の観点で周産期医療を担当することになりました副参事、主幹でございますけれども、配置されました後、まずは御挨拶のために関係機関を訪問させていただいた中で、お相手の考えとか思いも一部お聞かせいただいておりますけれども、まだ初回ですし、御挨拶が主体ということでして、断片的な情報になりますので、今後さらにお話をさせていただく機会を設けさせていただく中で総合的な情報収集、情報把握に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○議長(横田久俊)高野議員の一般質問を終結いたします。
(「議長、13番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)13番、酒井隆行議員。
(13番酒井隆行議員登壇)(拍手)
○13番(酒井隆行議員)代表質問に続き一般質問も5番目となりますと、重複している項目もあるかと思いますが、なかなか明確な答弁が行われておりませんので、通告どおり質問をいたします。
本年4月に行われた統一地方選挙において、森井市長が誕生し、2か月弱がたちました。これまで市長が記者会見やさまざまな場面で、市政の現状をオープンにするとの発言をしていますが、なかなか見えてきておりません。この定例会において、市長が市民の皆様にお約束した市政の現状をオープンにするためにも、またしっかりと議論をするためにも、透明感のある答弁をしていただきたいと強く要望をいたします。このことを踏まえて、森井市長が掲げた公約の一部と市政の現状について、質問をいたします。
初めに、森井市長が公約として掲げた「安全で安心なまちづくりを実行」についてお伺いいたします。
皆様の信頼を取り戻すために市政の現状をオープンにし、いいことはいい、悪いことは悪いと市民目線で取り組める市政を築き上げるとのことでありますが、当然市長はある特定の市民、団体ではなく、小樽全市民の皆様を大切にする市政運営と全市民の皆様の福祉向上に向けて取り組まれるものと思いますが、これまでの代表質問あるいは一般質問の答弁を聞いていて、いいこと、悪いことの認識に違いがあると受け止めましたので、共通認識として確かめておかなければならないと思います。市長公約の中にあるいいこと、悪いことの認識をお答えください。
次に、防災無線の整備など、先を見据えたしっかりとした防災対策については、具体的にはどのように進めていくのか、市長のお考えについてお答えください。
また、海岸線が多い小樽市においては、同報系防災行政無線の設置の要望が多く、これまでも議論してまいりましたが、森井市長が考えている防災無線の整備などについては、防災無線を活用した同報系防災行政無線も含まれているのか、お答えください。
次に、AEDの設置についてお伺いいたします。
平成19月9月9日救急の日から始まったおたる救急ステーション事業では、その効果目標として、小樽のまちの至るところに応急手当てのできる場所と人がいるまちを目指す取組をしたいとの考えから、自分の安全・安心は自分で守る、家族の安心・安全は家族で守る、地域の安全・安心は地域で守ることとなり、結果として災害に強いまちづくりにつながるものとのことでありました。そして、現在では市内29か所のおたる救急ステーションにAEDが設置されておりますが、森井市長が進める計画的な公共施設への設置についてのお考えを具体的にお答えください。
次に、中心市街地整備再開発と空き家対策についてお伺いをいたします。
まず、空き家の解消に情報提供を行い、避暑地として活用していただけるよう、さまざまな対策を行うとのことでありますが、具体的にはどのような対策になるのか、お答えください。
また、どのような方が対象になるのか、どのような情報を発信していくのか、さらには市長がイメージしている避暑地とはどのようなイメージのものなのか、具体的にお答えください。
次に、中心市街地に市営住宅を建設し、中心部からまちづくりを再構築するとのことでありますが、中心市街地の具体的な場所について、新幹線や高速道路延伸など将来展望も含めてお答えください。
また、中心部からのまちづくりについても、同じく新幹線、高速道路延伸など将来展望も含めて、市長がイメージしている再構築とはどのようなものなのか、お答えください。
次に、市内経済についてお伺いいたします。
我が自民党政権下で行われているアベノミクスにより、我が国の経済は回復基調となっておりますが、小樽市内経済は景気回復の動きがまだまだ弱く、加えて人口減少による社会、経済への影響が強く現れております。
このことは、小樽商工会議所が市内企業の協力を得て実施した小樽市経済動向調査、調査期間平成27年1月から3月までのものが発表され、この報告の内容からもうかがえるものとなっており、全業種概況の業況については、全業種平均で、好転すると見る企業が10.3パーセント、悪化すると見る企業が13.5パーセントで、DI値はマイナス3.2、売上高については、全業種平均で、増加すると見る企業が16.5パーセント、減少すると見る企業が18.5パーセントで、DI値はマイナス2.0、採算については、全業種平均で、好転すると見る企業が13.3パーセント、悪化すると見る企業が19.7パーセントで、DI値はマイナス6.4、業況、売上げ、採算、DIのいずれも前年同期比でマイナス幅を縮小、個人消費の回復を期待しつつもプラス要因は乏しく、先行きの不透明感は増しているとのことでありました。このことについての市長の認識をお答えください。
次に、森井市長が掲げる経済対策の一つとして、ふるさと納税を活用し、市内経済の発展と小樽市のPRをするとのことでありますが、これまでの小樽市の取組は、ふるさと納税の制度を利用しつつ、あくまでも全国の小樽ファンからの寄附を募ってまちづくりを進めていこうというものであり、小樽ファンが支えるふるさとまちづくり寄附条例でありました。
そこで、お伺いをいたします。制度の見直しも含めて検討していくのか、重複して新たな制度を検討していくのか、お答えください。
次に、これまでの寄附金については、平成25年度は187名の小樽ファンから寄附金額約1,217万円、平成26年度は226名の小樽ファンから約697万円が寄せられております。
森井市長の公約では、ふるさと納税の増進と経済の発展を掲げておりますが、増進目標額と市内経済の波及効果はどのようにもたらすのか、お答えください。
次に、クルーズ客船の誘致についてお伺いいたします。
これまでクルーズ客船については、経済効果も高く、市としても力を入れてきた経緯があり、今年度においても予定されている寄港回数は21回となっております。日本海側拠点港として最大限努力をし、小樽港の活性化を図っていきたいと考えておりますが、これからのクルーズ客船誘致についての重要度に関する認識と、小樽港の物流に関する展望についてお答えください。
次に、タグボートの更新時期についてお伺いいたします。
平成25年3月の予算特別委員会での私の質問に対し、今後、調査などを行っていくとのことで、更新時期については、平成28年8月とのことでありました。これまでの調査内容についてお答えください。
また、更新時の考え方について、中古船にするのか、新造船にするのか、船の能力、馬力などについての内容やコスト金額も含めてお答えください。
港湾に関連して、小樽市には小樽港と石狩湾新港の二つの港があり、それぞれの特徴を生かした活用方法が求められておりますが、市長の認識と、今後、この二つの港をどのように活用していくのか、お考えをお答えください。
次に、市内企業の皆様の最大の悩みは、電気料金の値上げについてであることは、市長も認識されていることと思います。原発反対を掲げてこられた森井市長ですが、原発賛成、反対の議論だけではなく、この電気代の問題について、どうすれば電気代が安くなるのか、真剣に議論しなければならないのではないでしょうか。原発反対を掲げて選挙を戦ってこられた森井市長にはその責任が私はあると思っております。市長としてどのように考えているのか、お答えください。
電気代の問題とあわせて、エネルギー開発の多様化に関連して、風力発電についてお伺いいたします。
現在、石狩湾新港地域において、銭函風力開発株式会社、エコ・パワー株式会社、株式会社市民風力発電、石狩湾新港管理組合が公募を進めている洋上風力発電の四つの事業について、現在の状況と、今後どのような進め方かについてお答えください。
また、森井市長の風力発電についての認識と見解についてもお答えください。
この項最後に、銭函工業協同組合への助成金についてお伺いいたします。
銭函地域について、森井市長は人口減少対策の上でも、企業誘致の観点からも、重要地域だとの認識と強く感じているとのことであり、私自身も共通認識を持っております。さらに、企業誘致や既存企業についても、組合の活性化が必要であるものと考えております。現在、組合への助成金を支出しておりますが、その目的と金額、さらには段階的にその金額が下がっていった経緯と、あわせて市長の認識と今後のお考えについてお答えください。
次に、人口減少対策と子育て支援などについてお伺いをいたします。
市長のこの項目の公約には、銭函駅、南小樽駅のバリアフリー化がありますが、現実に向けてのJR北海道との協議を始める目標時期と、実現に向けての現時点での問題点についてお答えください。
また、銭函駅については、南口の設置、さらには快速列車の停車などの要望もありますが、このことについても、市長の認識と見解をお答えください。
次に、銭函市民センターの設備の充実について、設備の内容とその時期について、あわせて老朽化したこのセンターの補修や建替えのお考えはあるのかも含めてお答えください。
最後に、森井市長の公約である小樽の教育改革についてお伺いいたします。
先日も質問がありましたが、ここ数十年で低下してしまった児童・生徒の学力について、何が原因で低下してしまったのか、市長の認識をお答えください。
また、学力を上げるためにはどのような取組が必要とお考えなのか、市長の認識をお答えください。
教育に関連して、現在進められている学校適正配置の計画について、どのような認識をお持ちなのか、森井市長のお考えをお答えください。
全体を通して、いずれも今後は国、北海道あるいは商工会議所などとの連携や協力は必要不可欠であるものと思われます。小樽の発展は、市長をはじめ議員全員の共通認識であり、小樽市民の願いでもあります。その上で、多くの市民の皆様から森井市長の若さ、爽やか、実現力、そしてしがらみのない市政運営を期待し、御支持をいただいたわけであります。しがらみについては、森井市政が始まり2か月弱ではありますが、しがらみがあるようにも感じ取れる事案があります。森井市長の政治姿勢と、今後、どのように国や北海道、各団体や近隣市町村とも信頼関係を築き上げながら連携をしていくのか、認識と見解をお答えください。
以上、市政をオープンにするためにも、明快で透明感のある答弁をお願い申し上げ、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)酒井隆行議員の御質問にお答えをいたします。
初めに、私の公約について御質問がありました。
まず、よいことはよい、悪いことは悪いと市民目線で取り組める市政への認識についてですが、私は市役所を外側から見て、職員が市民の皆様には理解しづらい、長きにわたる市役所内の常識や慣習にとらわれていた部分があったように感じておりました。この長きにわたる市役所の常識にとらわれていたことが悪いこと、市民の皆様に理解をしていただくことをよいことと例えて表現をしたものです。これからは職員と市民の皆様がより一層協働で取り組めるようにしてまいるとともに、市の施策が市民にとって有益かそうでないかを判断していくことが大切であると考えております。
次に、防災無線の整備についてですが、まず、先を見据えたしっかりとした防災対策につきましては、全国で大規模な災害が頻発をしている中で、市民の安全・安心のために、本市における防災対策の充実を不断に取り組む必要があると考えております。
本市においては、東日本大震災以降、避難所機能の強化として、備蓄資材の配備や、避難所と防災執務室を結ぶ移動系無線の整備などを行ってまいりましたが、今定例会補正予算に計上した緊急放送難聴地域対策としてのFMおたるのインターネット配信により、市民への情報伝達手段の多重化を図るほか、北海道が今年度末発表予定の日本海における津波浸水想定に基づき、平成23年度に作成した津波ハザードマップの見直しに速やかに着手してまいりたいと考えております。
次に、同報系防災行政無線につきましては、市民の皆様に対して確実に避難勧告等の避難情報を伝達するため、全ての方が何らかの形で情報を得ることができるよう、情報伝達手段の多重化、多様化を図る必要があり、同報系防災行政無線についても、整備が必要な設備の一つであると認識をしております。
次に、AEDの計画的な公共施設への設置についてですが、現在、市の施設には全小・中学校をはじめ74施設にAEDを設置しておりますが、未設置の施設については、設置の必要性や管理方法を検討した上で、計画的な設置を進めてまいりたいと考えております。
次に、空き家対策と中心市街地についてですが、まず、空き家の情報提供と避暑地としての活用の具体的な対策につきましては、今年度実施いたします空き家実態調査により、市内の空き家の実態を把握し、管理良好な空き家につきましては、所有者の意向を確認しながら、空き家・空き地バンクへの登録を促進するとともに、ホームページの構成などを検討し、わかりやすい情報の提供を進めてまいります。
また、道外の若い世代やファミリー層、お仕事をリタイアされて時間に余裕のある層などをターゲットに、暮らしの情報や物件の概要、さらには恵まれた自然環境、食の魅力などの情報発信を行ってまいりたいと考えております。
次に、避暑地のイメージにつきましては、北海道の涼しい気候を強みに、首都圏をはじめとする道外からの皆様に、初夏から初秋にかけて快適に過ごしていただきながら、海や山などのすばらしい自然環境や食の宝庫としての魅力などを体感していただくようなことを考えております。
次に、市営住宅を建設する中心市街地の具体的な場所につきましては、平成27年3月に策定をした小樽市住宅マスタープランでまちなか居住の推進エリアとしている小樽駅周辺、南小樽駅周辺、小樽築港駅周辺及び小樽公園を中心とする山手バス路線沿線を想定しているところでありますが、その中でも特に小樽駅周辺を念頭に置いているところであります。
また、予定されている新幹線駅の位置や高速道路のインターチェンジの位置が中心市街地から離れていることから、これらの周辺の土地利用については、中心市街地との関連も考慮し、検討をしていく必要があると考えております。
次に、中心部からのまちづくりの再構築につきましては、中心部では、本市を観光やビジネスで訪れる交流人口を受け入れる観光施設や宿泊施設などの充実に加え、市営住宅の建設により、中心部に人を集め、居住人口の増加を図ることが、商店街を含む中心部のにぎわい創出や活性化につながり、中心部からまちづくりを再構築することにつながるものと考えております。
また、本市においては、今後、新幹線や高速道路延伸などにより、交流人口の拡大が期待されますので、新幹線駅やインターチェンジと中心部を結ぶ円滑な交通アクセスの確保が重要になると考えております。
次に、市内経済とエネルギーなどについての御質問がありました。
市内経済の状況につきましては、商工会議所の小樽市経済動向調査によりますと、平成26年度第4四半期における業種別の見通しでは、観光・サービス業は、外国人観光客のさらなる増加が期待できることなどを要因として、好転するが悪化するを上回り、これについては明るい材料であると考えております。しかしながら、全業種では、円安による原材料費のさらなる上昇などを懸念材料として、3期連続で好転するを悪化するが上回っており、その状況は縮小傾向にはあるものの、依然厳しい状態が続いているものと認識しております。
次に、ふるさと納税についてですが、まず、本市のふるさと納税制度を見直しなども含めて検討するのかにつきましては、小樽ファンが支えるふるさとまちづくり寄附条例では、寄附金の使途を歴史的建造物の保全や総合博物館など社会教育施設の整備に係る事業に限定をしておりますことから、現行制度を生かしつつ、これら以外の分野にも寄附金の使途を拡大し、寄附される方が本市のまちづくりに対し、より広く貢献をしていただけるような新たな仕組みを検討してまいりたいと考えております。
次に、増進目標額と市内経済への波及効果につきましては、寄附者の善意によるふるさとへの応援というふるさと納税の趣旨を踏まえ、具体的な目標額の設定は考えておりませんが、より多くの方に本市の魅力を知っていただき、まちづくりに対する御賛同をいただけるよう努めてまいりたいと考えております。
また、市内経済への波及効果としましては、寄附された方に対し、市が買い上げた地場産品等を進呈したいと考えておりますことから、地場産品販売額の増加やその宣伝効果、さらには観光客として本市訪問への動機づけにつながることが期待できると考えております。
次に、クルーズ客船の重要度に関する認識につきましては、港のにぎわいにつながることに加え、乗船客や乗組員の観光消費をはじめ、一定の経済効果が期待できると考えております。このことから、これまでの取組経過を踏まえ、環日本海クルーズ推進協議会や小樽港クルーズ推進協議会などのさまざまな連携を通じて、誘致活動と受入れ態勢の強化に努めてまいります。
港湾物流の展望につきましては、関連する事業者が多岐にわたるなど、裾野が広いことなどから、本市経済を下支えする重要な役割を担っているものと考えており、フェリー航路や中国コンテナ航路、ロシア、ウラジオストクのRORO船航路などの定期航路や穀物類の取扱いなど、本港の既存物流の拡大に向け、官民一体となってポートセールスに取り組んでまいりたいと考えております。
次に、港湾関連についてですが、まず、タグボートにつきましては、現在のたていわ丸の裸用船契約が平成28年8月末までであり、その時点で船齢が30年を迎えることから、後継船については中古船による更新を検討しており、平成25年より道内外の数隻についてその使用を確認し、現地調査も行っております。船の能力、馬力については、現在のひき船が3,500馬力であり、同等かそれ以上、用船費については、中古船を導入することにより、現状程度となるよう検討しているところであります。
次に、小樽港と石狩湾新港に対する認識につきましては、両港が有している機能を相互に補完しながら、過大な二重投資とならないよう効率的に港湾整備を進めることにより、両港の連携を強化し、道央圏、日本海側の物流拠点港としての発展を目指すことが基本であると理解をしております。
また、両港の活用につきましては、小樽港は穀物関連施設の機能集積やフェリー航路をはじめとする国内外の定期航路を生かした物流の促進、石狩湾新港はエネルギーの供給基地としての発展はもとより、広大な背後地の有効活用、とりわけ小樽市域への企業誘致が重要であると考えております。
次に、エネルギー関連についてですが、まず、電気料金の値上げ問題につきましては、企業の経済活動や市民生活に影響が生じる大変難しい課題と認識をしております。今後におきましては、引き続き企業や市民の皆様の声を真摯に受け止めていくとともに、最適な電源構成を定めるエネルギーベストミックス、電力小売の全面自由化など、国のエネルギー政策の動向を見極めながら、北海道電力株式会社等の関係機関と意見交換を密に行うなど連携を図っていくことで、本市としてどのような対応が可能か考えてまいります。
次に、石狩湾新港地域における4事業の現在の状況と今後の見通しにつきましては、銭函風力開発株式会社が当該地域の西側海岸で進める計画と、エコ・パワー株式会社が陸域で進める計画は、環境影響評価手続の第2段階となる準備書の手続を終え、今後は手続の最終段階である評価書の作成に向けて準備を進めると聞いております。株式会社市民風力発電が陸域で進める計画は、準備書の縦覧が6月15日で終了し、この内容に対する市民意見の募集を同月29日まで行う予定と聞いております。
また、石狩湾新港管理組合が公募で進める北防波堤沖の洋上風力発電計画は、現在、6月30日まで事業者を募集をしており、今後は石狩湾新港洋上風力発電事業検討委員会の審査委員会での内容審査を経て、9月ごろまでに事業者を選定する予定であると聞いております。
次に、風力発電に対しての認識と見解につきましては、風力を含めた再生可能エネルギーについては、化石燃料の枯渇や地球温暖化対策として温室効果ガスの排出削減、エネルギー分散化などの観点から、発電への利用促進は必要と認識をしております。特に、風況に恵まれ、広大な背後地を有する石狩湾新港において、風力は有望な再生可能エネルギーの一つと理解をしていることから、環境影響評価の手続など条件が整った事業者の風力発電計画に対しては、本市として応援をしていきたいと考えております。
次に、銭函工業協同組合の助成金につきましては、銭函地域の経済の発展、振興に寄与されていることから、同組合の事業活動に要する経費の一部として、16万円の補助金を支出しております。補助金額は平成8年度の30万円から徐々に減額となっておりますが、本市の厳しい財政状況の中、平成17年度以降は現在の金額になったものと認識をしております。
今後につきましても、さきの理由から、直ちに補助金を増額することは困難であると考えておりますが、銭函工業団地を有する本地域は、本市産業の活性化にとって大変重要な地域であると認識をしておりますので、同組合の産業展への出展支援や北海道職業能力開発大学校との産学官連携などについて、積極的に推進してまいりたいと考えております。
次に、人口減少対策と子育て支援などについて御質問がありました。
初めに、JR駅のバリアフリー化などについてですが、まず、銭函駅、南小樽駅のバリアフリー化に関するJR北海道との協議の目標時期につきましては、事業の実施に当たっては、国の補助要綱に基づき、本市と北海道運輸局、事業者であるJR北海道が協議会を設立し、事業計画を策定することとされておりますので、今年度のなるべく早い時期に協議会を設立したいと考えております。
また、バリアフリー化の実現に向けては、本市の事業費負担や各駅の周辺整備などの課題がありますので、それらの解決に向け、検討してまいります。
次に、銭函駅の南口の設置につきましては、JR北海道によりますと、駅南側の市道銭函新道線が非常に幅員の狭い道路であることなどの立地的制約により、難しいと聞いております。
また、快速列車の停車につきましては、札樽間では桑園駅と星置駅についても同様の要望があり、停車駅が増えることにより、快速列車の運行時間が延びること、銭函駅の利用者数が星置駅より少ないことなどの課題があると認識をしておりますが、銭函地域は札幌市とのかかわりが強く、人口対策上重要な地域でありますことから、交通網の再構築について検討しながら、引き続きJR北海道と協議を進めてまいります。
次に、銭函市民センターの設備の充実についてですが、先ほども申し上げましたとおり、私は銭函地域が人口対策上重要な地域と考えておりますことから、より生活環境の整備を図るためには、コミュニティ機能の強化を含めた銭函市民センターの充実は欠かせないものと考え、将来的な建替えも視野に入れながら、公約に掲げさせていただいたものです。具体的には、地域住民の皆様の声をお聞きしながら進めてまいりたいと考えておりますが、老朽化が著しく、また財政的な制約もございますので、当面は使用に支障のないような補修を優先的に行わざるを得ない現状にあります。今後、できるだけ早い時期に地域住民の皆様の要望をお伺いし、どのような機能を強化することが有効なのか、財政状況を勘案し、優先順位をつけて設備の充実を図ってまいりたいと考えております。
次に、教育に関する認識について御質問がありました。
まず、児童・生徒の学力低下の原因につきましては、子供たちを取り巻く環境が時代の変化とともに大きく変わり、子供部屋の個室化や共働きによる両親の不在など、保護者が子供の学習状況を把握することが難しくなってきているのではないかと私自身感じており、また市民の皆様からも本市の学力低下の懸念をお聞きしているところであります。
また、近年ではスマートフォンをはじめとした携帯電話の所有が低年齢化しているとともに、ゲームやSNSなど、携帯電話を扱う時間が増えているともお聞きをしており、このような生活習慣の変化が子供たちの読書や勉強時間の減少に影響を及ぼし、基礎的な学力が十分に定着しないことにつながっているのではないかと考えております。
次に、学力を上げるために必要な取組につきましては、国語力、特に読書が全ての学力の基礎になるものと考えておりますので、現在取り組んでいる音読活動を推進するほか、図書館の活用などを検討し、子供たちの読書習慣の定着に向けた取組を幼少期から進める必要があります。
また、授業以外での学習機会を確保することを目的とした樽っ子学校サポート事業を拡充するほか、家庭の中で親子で一緒に宿題や読書ができ、また家族の方々が気軽に相談できるような家庭教育をサポートする仕組みづくりも必要と考えております。
学力の向上に向けては、将来の夢や目標を持つことができるよう、子供たちの興味を喚起するスポーツや体験学習などの環境を整え、学ぶことの大切さや学ぼうとする意欲を抱かせることが大切であると考えておりますので、教育委員会と連携を図りながら、しっかりと取り組んでまいります。
次に、適正化基本計画の認識につきましては、本計画は少子化に伴う小・中学校の小規模化や学校施設の老朽化に対応し、教育環境の向上を図るため、平成21年に策定されたものと承知しており、現在、本計画に基づいて全市的な学校再編を進めていると認識をしております。望ましい学校規模を確保し、教育環境を向上させることや、安全・安心の観点から耐震化等に取り組んでいくとともに、通学安全のためのきめ細やかな対応にも配慮していくべきと考えております。
次に、政治姿勢についてですが、私といたしましては、まちづくりの主役である市民の皆様にも市政にかかわっていただきながら、このまちの元気を取り戻し、市民の皆様が住んでよかったと思えるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
また、住民サービスの向上を効率的に推進するため、国、道、近隣市町村はもとより各団体とも連携し、市民交流や経済交流など、広域的な視点に立った行政を進めてまいりたいと考えております。
(「議長、13番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)13番、酒井隆行議員。
○13番(酒井隆行議員)それでは、何点か再質問させていただきたいと思います。
最初に、いいこと、悪いことの認識について御説明がありました。
まず、市役所内の常識というお言葉がありました。これは具体的にどういうものなのか、お答えいただきたいと思います。
それから、長きにわたる慣習、これについても具体的にどういうことを指しているのか、お答えいただきたいと思います。
それから、クルーズ客船の誘致について、いろいろと答弁していただいたのですが、市長提案の中を見ても、やはりクルーズ客船については少ないのではないかなというふうに思います。そういうところから、クルーズ客船については消極的になっているのかなというふうに思いますので、もう一度力強いクルーズ客船についての答弁をお願いしたいと思います。
それから、エネルギーの部分で、電気代の部分なのですが、ここで聞いていて心配になったのが、先ほど私の質問の中でもありました原発反対ということを掲げられてきた森井市長でありますが、電気代の問題については、北電との連携というお言葉がありまして、実際、反対を掲げた森井市長がうまく連携していけるのかなという心配がありますので、ここの心配、私が思っている心配点を払拭できるような答弁をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それからあと、教育の部分で、これは先日も質問があったかと思いますが、ここ数十年という部分の具体的なところ、例えばスマートフォンとかというお話もありましたけれども、ここ数十年というのは一体何年ぐらい、何十年ぐらいを指しているのか、それから学力が低下していったのは、森井市長が思う部分で答えていただきたいのですが、段階的に下がっていったのか、それとも一気に下がったのか、そこについてお聞かせいただきたいと思います。
それから、最後になります。最後の部分で、国や北海道、各団体や近隣市町村とも信頼関係を築き上げながらということでお聞きしました。連携という部分を強調されて答弁をされたのですが、私が聞きたいのは、信頼関係をどう築いていくのかという部分ですので、ここについてももう一度答弁をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(森井秀明)酒井議員の再質問にお答えをいたします。
私が答弁したこと以外については、各担当部長から答弁をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
まず、いいこと、悪いことのお話、常識、慣習のお話がありました。この場で私はあまり言いたくないですが、政治資金規正法違反というのは4年前にありましたけれども、それは市役所内における常識、慣習であったという状態だったかと思います。やはりあのことがまず一つどうしても私の中では市民の皆様には理解しづらい市役所内における常識、慣習であったのではないかなというふうに感じておりましたので、具体的にと言われれば、それについてでございます。
それから、クルーズ客船のこと、私、先ほど力強く答弁させていただいたと思ったのですけれども、クルーズ客船は皆様も御存じのとおり、今後において、より全世界的に多くクルーズ客船、運航される可能性の高い、また今までの答弁の中でも、東南アジアや東アジアの方々がより利用される可能性の高いものですから、そのクルーズ客船の誘致をしっかり行って、この市内の経済波及に結びつけられるように、私も誘致に向けてしっかりと力を注いでまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
それと、電気代のお話です。私自身は、もう既に原発自体が電気料金の下がる電力供給の手段とは限らなくなってきていると思っております。御存じのように、福島の事故があってからのやはり補償費であったりとか、また原発を使用後にいわゆる廃棄していく、それに対しても当然大きなお金がかかる、そのことを考えますと、今後において、原発は必ずしも電気料金を下げる方法、手段にはなり得ないのではないかと思っておりますので、先ほど答弁させていただいたように、さまざまなエネルギーの多様化等を鑑みながら、又は消費電力を抑えられるように、そのような考え方を持ち得ながら、電気料金ができる限り下がる、それが行政としてどのような政策ができるのかも含めて考え、検討してまいりたいと思っております。
また、北電との信頼関係を構築できるのかというお話もありましたけれども、北海道電力株式会社の中でも、取り組んでいることは原発だけではございません。ですので、さまざまな取組をなされていて、御存じのように、石狩湾新港でもあの火力発電、今、つくっていただいております。その方々とも御挨拶もさせていただき、今後における方針等をお話しさせていただき、またある程度落ちつきましたら現場のほうも確認させていただくということで、もう話は進んでおります。ですので、信頼関係はもちろんこれからではありますけれども、しっかり構築はできるというふうに私自身は考えております。
それと、教育の数十年と表現しておりますので、私自身は数十年としか言いようがないですけれども、私自身、この教育に私なりに携わっていく中で、多くの方々とお話をし、やはりそういう傾向が見られるというところから、公約等に取り上げさせていただいたということで御理解をいただければと思います。
また、市町村、国、道も含めてですけれども、信頼関係、就任して、私、2か月弱だということですけれども、これから一つ一つ、さまざまな方々とお話をしながら、信頼関係を構築してまいりたいという思いで取り組んでおります。
(「議長、13番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)はい。
○13番(酒井隆行議員)済みません、答弁漏れが一つあったかというふうに思います。
学力は段階的に落ちたのか、それとも一気に落ちたのかという、その認識の部分について、もう一度答弁をお願いしたいと思います。
○議長(横田久俊)市長。
○市長(森井秀明)失礼いたしました。
現在の答弁漏れに対しての御答弁ですけれども、具体的にどのように下がってきたかということ自体を認識しているわけではございません。
(「議長、13番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)13番、酒井隆行議員。
○13番(酒井隆行議員)再々質問を数点させていただきます。あと細かくは予算特別委員会でお聞きしていきたいと思うのですが、まず一つ目、政治資金規正法違反ということで、いいこと、悪いことの長きにわたる慣習あるいは常識という部分でお答えをいただきました。
市長、このほかには何かないのでしょうか、まずそれが1点。
それと、もう一回学力についてお聞きしたいのですが、いつから、数十年前から学力が低下していったという部分がまず理解というか、確認できました。
それから、学力がどんと落ちたのかという部分はちょっとわからないということで答弁いただいたかと思うのですが、これだけで、こういう認識で学力アップに向けての取組が本当にできるのか、市長自身が公約に挙げていたものですから、そこをもう一回、原因がはっきりしないと対策にならないと思うのですよ。対策の打ちようがないと思うのですけれども、そこの部分、もう一回答弁していただきたいというふうに思います。
この2点、お願いしたいと思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(森井秀明)酒井議員の再々質問にお答えをいたします。
先ほどの常識や慣習のことで、ほかにはないのかというお話かと思いますけれども、私自身も今、このお役目につきまして、また改めて市役所内のことをさまざま今、見て感じているところでありますけれども、このお役目、立場上、内部における恥部をこの場でさらすようなことは少し避けたいというふうに思っております。しかしながら、あまりにも目に余るような状況があれば、当然にそのことをちゃんと皆様にお知らせしながら、改善できるように取り組んでいきたいと思っております。
それともう一点、原因、対策というお話がありましたけれども、先ほどは原因というふうに思われなかったかもしれませんけれども、例えばスマートフォンであったりとか、ゲームであったりとか、現時代においてはそのようなものに触れる機会がかなり増えていると。そして、読書習慣が減ってきている、それにおける語学力が下がってきている、ですからそれに対して、少しずつそういうゲーム等の時間を下げてもらい、読書する習慣をつくって、子供たちの語学力を高めて、学力の向上に結びつけていきたい、そういうお話をさせていただきました。
○議長(横田久俊)酒井隆行議員の一般質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後5時23分
――――――――――――――
再開午後5時50分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、一般質問を続行いたします。
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)17番、中村誠吾議員。
(17番中村誠吾議員登壇)(拍手)
○17番(中村誠吾議員)一般質問を行います。
初めに、市内における周産期医療体制の確立に向けて質問します。
御承知のように、小樽協会病院では今月いっぱいで分娩を取りやめることとなります。このことが明らかになってから既に6か月以上経過してきたわけですが、残念ながら具体の解決に向けた進展がないまま、事ここに至っている状況です。市民の皆さんは大変心配していますし、また市民の皆さんがこの問題で知り得る情報が不足していることも問題があると私は考えます。どのような形でいつどこから発信されたのかは私もわかってはいないのですが、一部で伝えられたからなのでしょう、状況が変わり、医師の退職が2人から1人になったので、産婦人科は継続できるようだ、するようだというような根拠の知れない話が市民に伝わっていました。私も直接多くの方からそのような話をいただきました。このことは、逆に言えば、大変切実な願いから出てくる話なのだと考えなければなりません。母親のいるこのまちで子供を産みたい、生まれた後も小児科など総合的な診療体制のあるしっかりとした病院、地域で安心して子供を産みたいと願うのは当たり前のことですし、市民の権利です。
まずは、平成21年に再編・ネットワーク化協議会から報告のあった小樽協会病院の役割について、市長の認識をお聞かせください。
また、前段でも指摘させていただきましたが、関係情報が不足しているのではないかと考えます。市長は市民の皆さんに説明する責任があると考えますので、その点についても市長の考えをお聞かせください。
次に、このことに関して、問題の根本にかかわっていく事項でありますので、何点か具体的にお聞きします。平成26年1年間の小樽市民の出産した数を、小樽市内、札幌市内、札幌市以外の道内、そして協会病院と市内クリニックで示してください。
また、今後、協会病院が分娩を中止した場合、市内クリニックはどこまで受入れ可能なのかを示してください。
昨年5月、小樽市議会主催の市民と語る会において、市民から、小樽の周産期医療体制に不安を感じ、不本意ながら札幌での出産を考えている家族の話もありました。このたびの問題でいよいよ現実のこととなってしまいました。小樽で子供を産もうとする親の動きをどう考えるか、お聞きします。
現実に小樽市内で出産ができなくなるということになれば、市民の皆さんに非常に重大かつ危機的な影響を与えてしまうことになります。さらには、市長の責務である市民の命を守るという根本が成り立たなくなります。
今日の事態に至るまで、再編・ネットワーク化協議会以降、周産期医療体制の維持に向けて、協会病院側から市に対して何らかの要望、要求がありましたか。
また、そうであれば、市はそれらについてどう対応してきたのか、お示しください。
そのことにも関連しますが、平成27年度予算においても、周産期医療支援事業費補助金が計上されていますので、この予算の積算根拠と今後の執行についてお示しください。
再度申し上げます。確かに事は協会病院という民間病院で起きている医師の退職不補充問題ですが、問題の本質的部分は、北海道周産期医療体制整備計画策定の中で、後志地区1市19町村の拠点病院として協会病院を指定し、医師の集中を計画・推進してきたのは北海道なのであるということです。高橋知事にはそれだけの責任があるのです。体制の維持、存続を求め、市内の医師をはじめ一般市民の方々による署名活動の取組もさきにありました。もちろん小樽市も議会も北海道に対して要請をしてきた経緯は承知していますが、今後については見えてこないのが現実です。北海道の対応はどうなっているのかをお聞かせください。
この問題に対して、財政的支援も含めて考え方に変更がありますか。
また、私はこの問題を取り組む上においては、オール小樽・後志という認識による枠組みづくりと運動の構築、また管内の他自治体との連携も必要であると考えます。市長の見解を求めます。
質問を変えます。
新市立病院開院後の経営状況等についてです。
新病院完成後、外来患者数、入院患者数、またこれに伴う医業収益は、予算と比較してどうなのか、認識をお示しください。
統合により新市立病院ではベッド数が減少しました。市立病院にしかない診療科での入院待ちなどの影響はないのかについて、今後の計画にも影響が出てくると考えますが、見解をお示しください。
利用者から、新患時の受付、再来時の受付、診療科での受付等、手続が面倒だ、診療科でもう一度受付をするということを知らないままでいて長時間待たされたという声がありました。現在、患者の誘導等はうまくできているのか、お聞かせください。
開業後、市民の反応はどうか、御利用者の声や勤務する職員からも不便だというような声はないのか、あるなら例示してください。
病院局長が言った、選ばれる病院について、市民に対してのアピール策はどのようなことを考えているのかをお示しください。
森井市長にお聞きしたいのですが、病院建設には、前回の市長選でも規模縮小、計画見直しなどで消極的な意見であったと思います。経営改善策を含めて、今後の病院に対する市長の見解をお聞かせください。
質問を変えます。
保育所待機児童の解消に向けてお聞きします。
平成26年度中の待機児童の状態を年間の延べ人数で、また発生した原因を示してください。
さらに、この間、長橋保育所が廃止され、保育所の定員数が減少しましたが、現在の待機児童数についてお答えください。
国は待機児童の定義を変更していますが、その違いは何か、説明してください。
保護者が保育所を選ぶ場合に、保護者の方の居住地と勤務先の場所と通勤ルートなどもありますが、改めて待機児童数について、国にどのように報告されているのか、お示しください。
全国的な保育士不足の中で、小樽市においても議会での議論も含めて、さまざまな勤務形態に合わせた保育士の確保を検討する何らかの改正に着手していきたいとの考えが示されてきたと理解しますが、今日段階での臨時保育士などの募集条件や募集方法はどうなっていますか。
保育の質の確保のためには、有資格者である潜在保育士の活用に向けた条件整備が必要と考えますが、市長の見解を求めます。
最後に、市内の防災体制について質問します。
東日本大震災では、避難所が津波にのまれ、多数の犠牲者が出るという痛ましい現実がありました。
小樽市においても、長い海岸線を抱え、高齢者も多いという現実があります。
国においても、これらの教訓から、昨年4月、改正災害対策基本法を施行し、市町村に災害別の避難場所を定めるよう義務づけましたが、今日段階で課題は何か、お示しください。
災害は時間、季節を選ばないのであり、臨機応変な避難をする必要があり、行政は状況に応じた避難方法について、わかりやすい言葉で住民に発信、周知する必要があると考えますが、どのような具体策を考えていますか。
特に災害弱者と言われる高齢者の方や障害をお持ちの方などへの対応のあり方を机上のものとしないためにも、具体的に検証できる避難訓練が必要だと思いますが、市長の見解を伺います。
以上、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)中村誠吾議員の御質問にお答えいたします。
初めに、周産期医療について御質問がありました。
まず、再編・ネットワーク化協議会から報告のあった小樽協会病院の役割についての認識についてですが、協会病院は地域周産期母子医療センターに認定されており、協議会の中でも周産期医療、小児医療については、協会病院を中心に連携を図るとしていますので、協会病院の分娩再開は最優先の課題であると考えております。
次に、協会病院の周産期医療などに関する情報につきましては、今後、さらに協会病院と連携を図りながら情報収集に努め、市から説明できるものがあれば、市民の皆様にお知らせをしてまいりたいと考えております。
次に、平成26年1年間の小樽市民の出生数につきましては、全体で623件、出生地別の内訳といたしましては、小樽市内455件、札幌市内127件、札幌市以外の道内26件、道外15件で、小樽市内455件の内訳は、協会病院198件、市内クリニック255件、その他2件となっております。
また、協会病院が分娩を休止した後の市内クリニックでの受入れ可能人数につきましては、具体的に申し上げられるものはありませんが、スタッフの数や施設の機能等により、ある程度は限られるものと考えております。
次に、周産期医療体制の維持に向けた協会病院からの要望と市の対応につきましては、協会病院から財政支援の要請があった中で、北しりべし定住自立圏の構成自治体との協議を経て、平成22年度から必要な財政支援を行ってきたところであります。
次に、平成27年度予算の周産期医療支援事業費補助金の算出根拠につきましては、当該補助金の算出方法は交付要綱で規定されていますが、北しりべし定住自立圏のうち5町村分として、出生者数による負担金及び定額の負担金の合計額、小樽市分として病床数による負担金となっております。
また、今後の補助金執行の考え方につきましては、協会病院の動向も見ながら、改めて5町村とも協議をしてまいりたいと考えております。
次に、北海道の対応につきましては、要請文、署名を提出した際には、山谷副知事、当時の高田保健福祉部長からは、それぞれ、医師確保に向けて努力していくなどの発言があったと聞いておりますが、今後とも引き続き北海道に対して要望、要請を行ってまいりたいと考えております。
次に、協会病院への支援の考え方につきましては、今後ともあらゆる方面からの情報収集に努め、病院側の医師確保の後押しを行っていくという考え方に変わりはありません。
また、周産期医療の体制確保の取組は、後志地域全体の住民の安心な暮らしに寄与するものと考えますので、北後志5町村のみならず、管内の町村とも連携をしてまいりたいと考えております。
次に、今後の市立病院に対する見解につきましては、新病院の経営を健全に行うためには、医師確保は最重要課題であります。
また、高度な設備、高機能な医療機器を有効に活用するとともに、他の医療機関とのネットワーク化を推進し、医業収益の根幹である患者数の増加を図り、人件費や管理経費などの圧縮に努めることも必要であると考えております。
次に、保育所待機児童の解消について御質問がありました。
まず、平成26年度における待機児童数の延べ人数につきましては、あくまで国が定義する待機児童数はゼロ人ですが、特定の保育所を希望して入所待ちとなった児童数で申し上げますと、年間で延べ294人であり、発生した原因は、主に保育士不足によるものであります。
次に、現在の待機児童数につきましては、国の定義ではゼロ人ですが、入所待ち児童数で申し上げますと、平成27年6月1日現在で10人であります。
次に、国が定める待機児童の定義の変更につきましては、新たな定義として、ほかに自宅から20分ないし30分未満で登園でき入所可能な保育所がある中で、特定の保育所を希望し待機している場合は、待機児童数に含めないとした内容が、平成14年4月から加わったものであります。
次に、待機児童数の国への報告につきましては、国が定める待機児童は、保育所の入所申込みがあり、入所要件に該当し、入所していない者でありますが、ほかに入所可能な保育所があり、待機している場合は待機児童数には含めないとしていることから、国への報告はゼロ人としております。
次に、臨時保育士などの募集条件や募集方法につきましては、勤務条件は正規保育士と同一としており、賃金日額8,380円で雇用するものであり、ハローワークを通じて公募しております。
なお、終日勤務が難しい場合などもあるので、半日勤務を組み合わせた嘱託員の保育士の雇用も行っております。
次に、潜在保育士の活用につきましては、今後も必要に応じて勤務条件の見直しなどを検討し、雇用の確保に努めてまいりたいと考えております。
次に、市内の防災体制について御質問がありました。
まず、災害別の避難場所についての課題につきましては、災害ごとに開設する施設が異なるため、このことを知らない方が避難に時間を要する場合があると考えております。このため、災害別の避難場所について、本年4月に発行した広報おたるで、市民の皆様にお知らせしたところでありますが、今後も市民の方への周知を繰り返し行ってまいりたいと考えております。
次に、避難方法のわかりやすい住民への発信、周知などにつきましては、広報おたる、FMおたるの番組内での放送のほか、本市のホームページ、まち育てふれあいトークなどで周知を図る際には、わかりやすい言葉や表現でお伝えすることに努めてまいりたいと考えております。
次に、災害弱者と言われる方への対応のあり方を検証できる避難訓練につきましては、これまで町会で実施する避難訓練では、まず、参加者が地図上で避難場所や避難経路を想定する図上訓練の中で支援方法を考え、次に実地訓練で、実際に車椅子を使用した避難体験を災害弱者本人や民生・児童委員にもしていただくことによって検証を行っているところでありますが、今後もこうした訓練の実施を町会に呼びかけてまいりたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)病院局長。
○病院局長(並木昭義)中村誠吾議員の新市立病院開院後の経営状況等についての御質問にお答えいたします。
初めに、外来患者数、入院患者数と医業収益についてのお尋ねがありました。
新病院開院後の延べ外来患者数は、昨年12月、1万4,598名、今年1月、1万4,603名、2月、1万5,382名、3月、1万6,994名、4月、1万8,164名、5月、1万6,217名となっており、前年に比べ、2割程度増加しております。
延べ入院患者数は、昨年12月、8,455名、今年1月、1万64名、2月、9,310名、3月、1万378名、4月、1万361名、5月、1万840名であり、前年に比べ、1割程度増加しております。
また、医業収益につきましては、入院患者の新病院への転送を安全に行うため、昨年11月に入院調整を行ったことなどにより、予算を下回った月もありましたが、今年の3月以降は予算を上回っており、今後もこの状態を維持していくよう努力していくつもりでございます。
次に、統合による病床数減少の影響についてのお尋ねがありました。
新病院の病床数は388床ですが、旧病院の実働病床数は両病院合わせて402床でありました。実質的には旧病院での病床稼働率は78パーセント程度であり、月平均入院患者数も310名前後でありましたが、今年の5月には病床稼働率は90パーセントを超え、月平均入院患者数も350名となっておりますので、影響はないものと考えております。
次に、患者の受付等についてのお尋ねがありました。
開院当初は職員が不なれであったことや、新しいブロック受付を採用したことによる旧病院との受付方法の違いから、患者に御不便をおかけしていましたが、その後、受付や案内の職員を増員したほか、受付開始前にエントランスホールで受付の方法の事前説明を行うなどの対応をしており、現在はおおむね円滑に進んでいるものと考えております。
次に、開院後の御利用者の声などについてのお尋ねがありました。
利用者からは、施設、設備に関するものが多く寄せられており、主なものとしては、「院内の表示がわかりにくい」「水を飲める場所やトイレの場所がわかりにくい」「駐車場の駐車台数が少ない」といったものや、「デイルームなどに時計が欲しい」「郵便局のATMを設置してほしい」など、多岐にわたっております。これらのうち、院内表示の改修など、可能なものから対応しており、デイルームなどの時計につきましても、今後、設置を予定しております。
なお、職員から、不便だという声は聞いておりません。
次に、選ばれる病院のアピール策についてのお尋ねがありました。
今は医療機関も選ばれる時代となっており、そのためには質の高い、信頼・安心できる医療を提供することが何よりも重要でありますが、情報を公開し、患者や市民の皆さんに、病院がどのような医療を提供しているかを知ってもらうことが大切なことと考えております。そのために、広報おたるの活用をはじめ、年に4回、病院の広報誌「絆」を作成し、関係機関に配付するとともに、病院内にも配布しております。
また、院内において定期的に市民公開講座、糖尿病などの健康教室、講演会、講習会等を開催しているほか、新病院の開院に合わせてホームページの充実を図り、情報提供に努めております。今後とも積極的な情報発信に努めてまいります。
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)17番、中村誠吾議員。
○17番(中村誠吾議員)何点か再質問をさせていただきます。
まず、周産期医療体制の確立に向けて、私は最後のほうでオール小樽と後志、他自治体との連携ということを申し上げました。市長からは、後志と他自治体とのこの関係については連携をしていきたいとお聞きはしましたが、オール小樽というのをどう考えていらっしゃいますか。というのは、どのような運動体、市民のいろいろな声を聞くときにも、正直にはっきり申し上げますと、経済界であるとか、労働界であるとか、いろいろな団体も含めてオール小樽というものを代表していくわけです。ですから、市長の中に、団体が悪いということはないと思いますので、オール小樽というものを構築していくときのイメージというのは具体的にお持ちですかということをまず1点、お聞きしておきます。
次に、周産期医療体制のことに関しまして、先ほど、周産期医療支援事業費補助金の積算根拠について質問をいたしました。本補助金は出産数が減ることとなれば、減額となっていくことになるのだろうと考えるわけですが、医師の業務の大変な過酷さの中で、その中には宿直もありますし、大変な体制をとって頑張っていらっしゃるわけです。ですから、この補助金に関しても、このまま子供が減っていくということになれば、この補助金は減額していく形になっていくのでしょうが、それでは支えるべきものが支えられないのではないか、最低限の支えるべきところを踏み落としてはいけないのでないかと私は考えますので、固定費にできないのかと考える所存であります。これに関しても、市長及び関係部局の考え方を示していただきたい。
次に、これも今回の周産期医療に係る問題で、今聞きました補助金制度を含めて、実は私は、保健所で対応して、今後も対応していくのかと思っておりました。今回、福祉部の子育て支援担当で取組を進めていると聞いております。これは事務分掌条例、保健所規則で定めた事務の範囲を超えていると思うのですが、条例等の改正で事務の分担を今後変える考えがあるのでしょうか。それは、このままだとこれまでの事務とこれからの事務で担当がどちらなのかもわかりませんし、市としてしっかり対応をするならば、条例の改正等を行って対応をすべきではないでしょうか。市長の見解をお願いいたします。
最後に、新市立病院の経営改善策と今後についての見解をお聞きいたしました。市長の認識を再度確認させていただきたいのですが、今後、この経営改善策においては、医局との十分なる協議を図る、そして事務局との連携を保つ中で、必要なことをしっかりと議会に説明していただきたい、これはお願いになるのでしょうか、でも、お願いではありません、その考えがありますねということをお聞きいたしまして、再質問とさせていただきます。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(森井秀明)中村誠吾議員の再質問にお答えいたします。
私が答弁したこと以外で残っているものについては、各担当部長より答えさせていただきます。
周産期医療の問題に関しては、最重要課題であると思っております。また、署名等もあり、市民の皆様の関心が本当に高いものであると思っております。この状況を解決していくためには、どなたかを妨げるとか、どなたかをよけるとか、そのようなことではなく、全てにおいてさまざまな情報を得て、実現に向けて、解決に向けて取り組んでいかなければならない。そのためには経済界又はその他さまざまな団体、そういうところからそのようなお話があればもちろん受けて対応していきますし、おっしゃるようにオール小樽、そしてオール後志で解決していく問題であると私自身もそのように認識をしております。
そして、小樽協会病院へのサポート、これは先ほども答弁させていただきましたけれども、北しりべし定住自立圏の市町村としてしっかりと協議しながら、そして協会病院の動向も見ながら、現在、まだ固定費というふうに決めているわけではありませんが、どのような支援ができるのかを、その動向をしっかり見極めて、その連携の中で対応してまいりたいと思っております。
それと、新市立病院、医局との協議もというお話だったかと思いますけれども、私自身もそのように感じておりますので、病院局長とも話をしながら、私なりに連携ができるように取り組んでまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)福祉部長。
○福祉部長(三浦波人)再質問の中で、事務分掌規則との関係がございました。
現在、保健所の業務の中で、周産期医療の対応ということについては、事務分掌にそういった文言で載っているわけではございませんで、同じく子育て支援課の事務分掌を見ますと、広く子育て支援についてのことという決めがございますので、そういった中で今回、福祉部で業務を行っていくということは十分可能だというふうに考えているところでございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)保健所長。
○保健所長(秋野恵美子)中村誠吾議員の再質問の中で、小樽協会病院に対する北しりべし定住自立圏の援助の資金の考え方につきまして、御質問があったかと思います。
この定住自立圏における支援の仕方につきましては、以前から議会でもたびたび説明をしているところでございますが、開始をいたしました当初は、小樽市もやはり出産数に応じてそれを支払っていくという考えでございました。それでは年々減ってまいりますので、中松市長のときに、小樽市につきましてはその考えを変えまして、そして小樽市以外の町村につきましては、その出産分に応じてという従来のを変えずに、小樽市分につきましては病床数に応じてということで、固定という考え方に変わってございます。
○議長(横田久俊)中村誠吾議員の一般質問を終結いたします。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)1番、秋元智憲議員。
(1番秋元智憲議員登壇)(拍手)
○1番(秋元智憲議員)本来、私の質問時間ではありますが、これまでの経緯もあり、市長との信頼関係が失われた以上、誰に向かって質問すればいいのかと、そのような思いから、一般質問を行わないとの考えに至ったものの、会派から、理由はどうあれ、市民のためには質問するべきだとの説得がございました。本日、通告どおり質問することといたしました。
一般質問に入る前に、今回、会派代表質問1日目から本日までの市長の議会に対する対応について、一言申し上げておきたいと思います。
そもそも事の発端は、議会運営委員会で認められなかった発言を、市長が勝手に発言したことであります。議会運営委員会で一部発言を認められなかったことを市長に伝えた総務部長すら、その点についても理解していたと話す市長の発言に驚いている状況です。市長のとった行動は全く理解ができません。適材適所と言われた人事でしたが、市長、総務部長の連携すら不十分なのであれば、先が思いやられます。
市長は、今定例会で各議員の再質問、再々質問で答弁漏れが多発し、謝罪しております。これまでの山田市長、中松市長であれば、しっかり答弁するためにメモをとっておりましたが、昨日まで森井市長はほとんどメモもとっていなかったというふうに記憶をしております。市民の代表として負託を受け、真剣に議論する議員に対して、その姿勢は極めて失礼であり、市民さえも愚弄するものであります。市長といえども許されるものではありませんし、はなから各議員の質問に真摯に答える気持ちなどなかったのではないでしょうか。このようなことを繰り返せば、市政は停滞し、市民生活に影響が出るのは明らかであります。市職員には市民から信頼される職員にと言っておきながら、行政の長たる市長が議会から信頼されなければ、全く示しがつきません。
市長は、本日の会議冒頭でも、昨日の御自分の発言について陳謝されておりますが、議長からもありましたとおり、信頼関係があってこそ初めて成り立つのが議会だということを改めて認識していただきたいと思います。これまでの市長の姿勢に対して反省を求めるとともに、今後、このようなことが繰り返されないよう、また市長みずから議会との信頼回復のために努力することを強く要望いたします。
それでは、通告どおり一般質問いたします。質問の途中から少し早口になるかと思いますが、よろしくお願いいたします。
初めに、今後の市政運営と政策や各事業の実施に至るまでの政策判断の基準について伺いたいと思います。
森井市長にあっては、さきに行われました統一地方選におきまして、中松前市長に大差をつけ、当選されました。この大差についてはさまざまな評価、分析はあるものの、市民が森井市長の政策や変革への期待を投票という形で示した結果であるということは事実であります。
しかし、その反面、市民の期待に応えられない場合、森井市長のみならず、市政に対する失望ははかり知れないものがあると思いますし、地方創生という意味では、今後5年間が重要な期間であり、このことからもその責任は重大であります。
市長就任以来、報道や記者会見を見て、市民の中には、「なぜ森井市長はいまだに具体的な政策の話をしないのか」「いつ具体的な公約実現に向けた話があるのか、本当に大丈夫か」などの不安の声も聞きます。今定例会では、森井市長色を前面に出し、具体的な政策議論になると考えておりましたが、今定例会に上程された議案にはまだ森井色を感じることができません。
また、報道されていた、政策を懇切丁寧に市議の皆様に伝え、理解と賛同を得られるよう努力したいとの話とは裏腹に、就任後1か月半を過ぎても、そのような機会は一度もないですし、所信表明では議員に対して御理解と御協力をお願いいたしますと話されていますが、現在まで真摯に議会と向き合う姿勢すらありません。逆に、大変重要な案件であっても、議会に対し、事前の説明がないまま進めていることは大変残念ですし、不可解な人事を進めるなど、議会軽視ととられても仕方がないことが多々あります。市議会議員を4年間務めた森井市長と5月31日まで議会事務局長を務めた現総務部長が、なぜこのような強硬姿勢なのか、理解に苦しみます。なぜみずから話されたとおり、議会との懇切丁寧な話が現在までできなかったのか、市長がその気ならいくらでもその時間はあったと思うのは私だけではないはずです。その理由をお聞かせください。
今回の市長所信表明では、検討を進めるという言葉が多数使われていますが、既に市民から選ばれ、市長に当選、就任されているわけですから、そろそろ全ての市長公約の腹案を開陳し、本格的な議論を始めるべきと考えます。市長のお考えを伺います。
また、市民の不安を払拭するためにも、市長が選挙戦で掲げられ、市民に支持された公約実現への決意と政策実現に向けた具体的な4年間のスケジュールについても、説明を求めるものです。
当然ではありますが、政策実現には多額の財源が必要となります。市長は当選後さまざまな機会に、財政状況について、思ったより財政が硬直化していると話されているのを耳にいたします。御承知のとおり、これまで本市では広報おたるやホームページで、財政状況について市民周知は行ってきていますし、市長を目指してこられたわけですから、8年間の中で市政全般を通し分析し、財政状況も把握された上で公約を掲げられてきたものと推察するところですが、どのような状況から、どの時点で財政が硬直化していると判断するに至ったのか、御自身が感じていた状況と現実とに乖離があると感じたのはいつなのか、また8年間の中では、どのような分析をされてきたのか、伺います。
選挙戦では、財政のオープン化も明言されておりました。財政をどのようにオープン化するおつもりなのか、これまでの広報おたるやホームページだけでは何が足りないとお考えなのか、お知らせください。
以前、市長にこのオープン化について伺った際には、オープン化には予算が伴うとの話もありました。今定例会での所信表明では、市政の現状をできる限りオープンにできるよう、その内容や手法の検討を進めていくとのことですが、そもそも財政のオープン化の内容、手法をこれから検討するのかとの疑問があります。そこで、財政のオープン化の方法、予算とその目的、スケジュールについて、具体的にお知らせください。
報道によれば、前市長の予算は検証した上で、継続するかやめるか示すべきだと語ったとのことです。そこで伺いますが、継続かやめるのかをどう判断するのかについてです。
これまで本市では、市が行う事業について、事業の必要性や優先順位を判断するため、中松前市長の肝いりで行政評価の試行を行い、昨年度より本格実施となったことは御承知のとおりであります。行政評価の目的は、市ホームページではこのように説明されています。「人口減少や少子高齢化の進行などにより歳入の増加が見込めない一方で、行政ニーズは一層多様化しており、「選択と集中」の観点から、限られた行財政資源を効果的に配分し、効率的な行政運営を目指していくことが求められています。このことから、行政評価をツールとして活用し、職員の業務に対する目的や成果、コスト意識の醸成を図るとともに、必要な点検や見直しと効果を把握する中で今後の方向性を整理し、継続して業務の改善と改革を図ること(PDCAサイクルの確立)により、持続可能な自治体経営につながることを目的にし実施しました」とのことです。私も行政評価については、試行段階から本格実施に至るまで、何度も議会で議論させていただきましたし、公明党議員団としても、他市への視察を重ね、本市の試行段階から本格実施に向け提案をしてまいりました。市長も御承知だと思いますが、現在、多くの自治体で行政評価の手法が用いられていますし、今後の本市の市政運営には欠かせない制度であると考えます。市長の行政評価の認識と、今後継続して行うお考えはあるのか、また市長公約で掲げられた政策を進めるために、これまでの評価結果を参考に判断することもあり得るのか、さらには新しい制度導入などにより判断することも考えているのか、御所見をお聞かせください。
次に、経済施策に関連し、伺います。
昨年、日本を訪れた外国人の数は年間1,341万人に達し、過去最多を更新しました。訪日外国人の消費額も過去最高の2兆278億円とのことです。外国人観光客増加の背景には、現政権による、2020年までに外国人訪日客2,000万人の達成を目指して実施した消費税免税対象品目の拡充のほか、ビザの発給要件緩和などの政策や円安による後押しも効果につながっているものと認識しているところであります。
今年に入り、3月には単月で初めて150万人を突破し、外国人の訪日は好調な状況のようでありますが、その多くは、いわゆるゴールデンルートと呼ばれる東京、大阪、京都が中心です。政府もこの集中しがちな状況を打開するために、さまざまな政策的な取組を始めており、本年4月12日には、太田国土交通大臣が中国、韓国両国の観光担当大臣と4年ぶりに会談を行い、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックを視野に、3国間の人的交流を3,000万人まで拡大することや、東アジアをパッケージ化し、欧米諸国などへのPRをすることで合意されました。今まで以上に中国、韓国や東アジア圏からの観光客が増えることが予想されますし、特に東アジアからの観光客が増えている本市にあっては、さらに定住自立圏構想で協定を結んでいる後志各町村などとの連携強化や、あるいはもう少し広い範囲での連携など、具体的な観光戦略を練る必要があると思います。
地域連携の一例としては、石川県金沢市と長野県松本市、岐阜県白川村の広域連携による「サムライルート」がありますが、ヨーロッパで紹介され、人気があるそうです。今後、広域観光周遊ルート形成促進事業など、国のメニューを活用していく必要があると感じますが、この点でのお考えをお聞かせください。
国が観光客の一極集中化から地方へ誘客する政策である手続委託型輸出物品販売場制度、外航クルーズ船が寄港する港湾における輸出物品販売場に係る届出制度が、今年4月1日から始まったとのことであります。
説明によれば、手続委託型輸出物品販売場制度では、商店街やショッピングセンターが代理委託し、免税販売手続を免税手続カウンターで一括してできるようになり、大型ショッピングセンターなどの各テナントショップは、個別に書類作成を行う必要がなくなる上に、各ショップの買物額も合算でき、これまで百貨店のみで実施されていた買い回り後の一括還付型の対応が可能となります。
また、外航クルーズ船が寄港する港湾における輸出物品販売場に係る届出制度では、これまで免税店は常設の販売場が必要だったため、大型クルーズ船寄港時であっても、臨時の免税店を設置することができませんでした。しかし、今回の改正により、免税店は港湾エリアに臨時店舗を出店することが可能となりました。
今紹介した二つの制度は、外国人観光客が多く、増加傾向にある本市では有効な制度であると思いますが、まず、これまでの外国人の購買状況について、特徴的なことがあればお知らせください。
よくテレビなどで紹介されていた中国人の「爆買い」は、市内の一部の店舗でも見かけられたようですが、各商店街等に外国人の購買状況の調査などを行ったことはありますか。あれば購買状況についてお知らせください。
また、この制度の認識と本市での有効性と今後の利用促進について、お考えを伺います。
次に、観光庁の調査によれば、訪日外国人観光客へのアンケートで、「旅行中困ったこと」「旅行中最も困ったこと」として最も多かった回答は無料公衆無線LAN環境が整備されていないことであります。私も、観光、防災の観点から、本市でも必要であるとして、公衆無線LANの整備について提案してまいりました。
今年の第1回定例会で、移動式Wi-Fi環境整備事業費として75万円が予算計上され、可決されましたが、その後の事業進捗状況をお知らせください。
公衆無線LANは多くの観光地でも整備が進む一方、自治体間での接続環境の安全性に格差が生じているとの指摘があります。利便性を優先したセキュリティの甘さがあり、国では、安全性をおろそかにすると犯罪インフラになりかねないと懸念している状況です。
京都市では、2012年から整備を進め、現在、約1,500か所に無料スポットが設置され、今年3月の利用件数は延べ62万件だったといいます。しかし、セキュリティ環境があまりにも脆弱なために、京都府警よりセキュリティの向上を求められたそうです。
そこで、本市の移動式Wi-Fi環境のセキュリティ対策と今後の課題があれば、お知らせください。
次に、国の2014年度補正予算に盛り込まれた地域住民生活等緊急支援のための交付金では、プレミアム付商品券発行支援策が盛り込まれました。各自治体・地域の実情を踏まえ、工夫することにより、消費喚起につながり、地域経済の活性化に結びつくことは言うまでもありません。全国の自治体の97パーセントが発行を予定しているなど、森井市長が提案説明で述べられた経済波及効果を高める政策とも合致するわけですが、本市では総額12億円で10万冊を発行し、消費喚起、経済の活性化を図るために実施されております。他市ではさまざまな工夫がされ、窓口に購入希望者が殺到する自治体や発行冊数16万冊を2日間で完売するといった自治体がある一方で、本市では購入の予約が伸び悩んでいるとのことです。
そこで、現在の購入予約数の状況をお知らせください。
今回の申込みについては、往復はがきによるものであり、特に高齢者にとっては、大変面倒な手続だとの声がある一方、並ばずに申込みができてよかったなど、さまざまな意見が寄せられます。
今後についてですが、申込期間は一度5月31日終了予定を6月7日まで延長し、終了しましたが、今回販売できなかった分の追加販売についてどのようにお考えなのか、伺います。
次に、取扱店についてです。取扱店の申込みは当初5月31日までとなっており、商工会議所のホームページを見ると、6月15日現在、登録店舗は1,100店でありました。その後、登録は随時受付に変更されております。市民からはどの店で使えるのかわからず、購入しようにも二の足を踏んでいる、近所で使えるのか知りたいとの声もあります。商工会議所のホームページで公開はされているものの、インターネット環境がなく、見ることができる人も限られており、不便であります。登録店舗への早い段階でのポスター、ステッカーの配付と、掲示のお願いも進めるべきだったと考えますが、現在までの周知の状況とこれからの対応策について伺います。
次に、この項の冒頭で述べたとおり、市長も経済波及効果を高める政策を展開するとのことです。市長就任以来、さまざまな会合や懇談会等に出席されてきたことと思いますが、市内消費喚起の呼び水ともなり得るプレミアム商品券のPRはどのようにされてこられたのか、また今後、追加販売をするのであれば、市長はこれからどのようにPRするおつもりか、伺いたいと思います。
次に、若者支援と連絡会議の継続について市長に伺いたいと思います。
これまで私は何度となく本市の若者支援体制の確立を質問・提案してまいりました。特に平成25年第4回定例会では、18年度のこころの健康についての疫学調査に関する研究による、ひきこもり状態にある子供のいる世帯は0.56パーセントであり、全国では約26万世帯であるとの推計を基に、22年国勢調査の小樽市の5万7,711世帯に当てはめると、小樽市のひきこもりの状態にある子供のいる世帯は323世帯程度と推定されることから、民生・児童委員協議会の方の協力を得て、実態調査をするべきだと提案させていただきました。その後、市からの要請に、民生・児童委員協議会の方々の協力が得られ、調査を行い、一定程度のひきこもり状態の方がいることが判明し、昨年12月、庁内連絡会議が発足したわけであります。私は、当初は若者支援との考えからこの問題に取り組み、市内の当事者、家族で結成されている不登校・ひきこもり家族交流会などへ参加し、勉強してまいりましたが、実は対象とされる方は若年層のみならず、高年齢化しつつあることも感じられます。一刻も早い市としての体制の強化が求められていますが、関係者や家族、保護者からも、市長が替わったことによって、せっかく一歩進んだ取組が後退しないか、心配する声も聞きます。
そこで、市長にお聞きいたしますが、私がこれまで求めてきた市としての相談体制について説明していただき、この連絡会議を引き続き行う考えはあるのか、お考えを伺います。
昨年12月にできた庁内連絡会議では、既に総務部長、総務部総務課長、総務部職員課長、産業港湾部商業労政課長、生活環境部青少年課長、福祉部生活困窮者自立支援担当主幹、福祉部地域福祉課長、福祉部子育て支援課長、保健所健康増進課長、教育委員会指導室長などが出席され、会議が行われたと認識していますが、中心となっていた総務部長、総務部総務課長、総務部職員課長が交代し、今後、事務局はどの課で行い、どのように議論が進められていくのか心配です。これまでの会議の進捗状況と議題、内容と今後の議論の進め方について説明をお願いいたします。
以上、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
(「議長、20番。議事進行について」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、小貫元議員。
○20番(小貫元議員)秋元議員の冒頭の発言なのですけれども、議長の見解を伺いたいのですが、市長の発言については、議会運営委員会で確認をしまして、秋元議員はそこの委員でありました。そして、そういうことでまとめるということで話がまとまったわけなのですけれども、そして市長の発言の後、議長が議会の総意として発言を行ったわけです。
今後、似たようなことがあって、秋元議員の冒頭の発言になるというのだったら理解はできるわけなのですけれども、これからお互い信頼関係を築いていきましょうということであった中で、先ほどのような発言というのはいかがかと思いますので、議長の見解を伺いたいと思います。
○議長(横田久俊)議会運営委員会には私も出席しておりまして、冒頭、市長が述べられた文言といいましょうか、これでよしとする、了とするといいましょうか、その合意は私も確認をしておりました。それについて、秋元議員の冒頭発言は、それではだめだという発言ではなかったのではないかと思います。
ただ、私から、質問の冒頭について、それは言ってはだめだよ、あるいはこうしたほうがいいというのは、これはなかなか言いづらいことであります。秋元議員が議員としてそうおっしゃったということは、今日の流れを見ると若干の違和感がないわけでもありませんけれども、それを私が制することはできませんし、それから繰り返しになりますが、議会運営委員会での合意について異議を唱えたことではないというふうに私は判断いたしますので、このまま議事を進めさせていただきます。
理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(森井秀明)議長、答弁の前に一つだけ確認をさせていただいてよろしいでしょうか。
○議長(横田久俊)よろしいですよ。
○市長(森井秀明)秋元議員の質問の前の一言につきましては、事前に発言の申出又は通告がありましたでしょうか、そのことだけ確認をさせていただきたいのですが。
○議長(横田久俊)質問ではないので、通告はございません。
○市長(森井秀明)わかりました。
それでは、答弁に入らせていただきます。
(森井秀明市長登壇)
秋元議員の御質問にお答えをいたします。
初めに、今後の市政運営について御質問がありました。
まず、議会への説明についてですが、重要案件や人事などについて、事前の説明が不足をしているのではないかという御指摘がございましたが、例えばおたるドリームビーチの問題につきましては、産業港湾部より5月29日に、議長、副議長、各会派の代表者、経済常任委員会の委員長、副委員長に、市の考え方として、今年の夏については市営で海水浴場を開設する方向で第2回定例会に補正予算を提出していきたいということをお伝えし、その後、6月8日、9日の各会派への議案説明の際、その経過や必要性などのほか、今定例会で先議をお願いしている予算について説明をさせていただきました。
また、参与につきましては、任用前の6月8日、9日にかけ、各会派の代表者の皆様方に説明をさせていただきましたが、議決事項ではないとはいえ、多少性急な面もあったと感じておりますので、今後はできるだけ早い段階での丁寧でわかりやすい説明に心がけてまいりたいと考えております。
次に、公約実現への決意についてですが、まず、市長公約の腹案を開陳し、本格的な議論を始めるべきとのことにつきましては、所信表明では、公約に沿いながら、今後4年間の市政運営やまちづくりについて私の考えの一端を述べさせていただきましたが、お示しした取組の中にはさらに検討を重ねていかなければならない事案もありますことから、スピード感を持ちながらも、一歩ずつ着実に取組を進め、議会や市民の皆様への説明をした上で、しっかりと議論をさせていただきたいと考えております。
次に、公約実現への決意と政策実現に向けたスケジュールにつきましては、このたびの選挙では、元気なまち小樽を取り戻すため、五つの柱を公約とし、多くの市民の皆様から御支援をいただき、市長に就任させていただきました。本市を取り巻く環境は、人口減少や少子高齢化の進行、多くの公共施設の老朽化や厳しい財政状況など、さまざまな課題に直面をしておりますが、公約に掲げた小樽の再生へ向け、住みよいまち小樽、人に優しいまち小樽を目指し、力強いリーダーシップを発揮しながら全力を傾ける決意であります。
公約に掲げた取組のスケジュールにつきましては、できるところから具体的に進めてまいりたいと考えており、除排雪の体制の充実や小学生までの医療費と第3子以降の保育料無料化など、市民の皆様に身近な行政サービス向上のため、実現に向けた検討を指示しているところであります。現状の把握や財政状況の検証などを踏まえながら、議員の皆様や市民の皆様とともに、これからの4年間で公約を達成できるよう、一つ一つの政策に着実に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、財政の硬直化についての8年間の分析につきましては、私は、市長就任前から、本市の財政状況について、平成19年度に151億円あった市税収入が25年度決算では16億円減の135億円となっているのに対し、扶助費は約22億円増となっているほか、企業会計を含めた市債の借入額についても、60億円だったものが25年度には約2倍の124億円となっていることなど、厳しい財政状況にあることは認識をしておりました。就任後、懸案事項等のヒアリングなどを通じ、依存度の高い地方交付税の制度改革が懸念される中、本市の少子高齢化に対応した社会保障の充実や老朽化した公共施設の耐震化対策などが控えており、これまで以上に事業の取捨選択を行っていかなければならないと考えているところです。
次に、財政のオープン化についてですが、現在、広報おたるには、地方自治法に基づく小樽市財政事項説明書に関する条例の定めるところにより、予算、決算や執行状況等の単年度の財政事項を掲載しているほか、ホームページには、小樽市の財政についての統計を中心に掲載しております。これらに掲載されている内容については、財政用語が専門的で難解であることや経年の財政状況を示すものが少ないなど、わかりづらいと感じておりました。
また、財政のオープン化の方法、予算とその目的、スケジュールにつきましては、所信表明での繰り返しになりますが、多くの市民の皆様と話をする機会をつくりながら、財政の現状についてもできる限りわかりやすい内容でオープンにできるよう、手法の検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、行政評価の認識につきましては、限られた行財政資源を効率的・効果的に活用するため、行政みずからが事業の必要性や有効性などを点検し、何らかの見直しが必要なのか否かを判断するとともに、その判断内容を市民の皆様にお知らせしていくことは、今後の市政運営になくてはならないものであると私も認識しております。
このため、当面は現在行っている行政評価を引き続き行い、評価結果については、これまで行った評価の結果も含め、今後の事業の見直しなどの判断材料としていきたいと考えております。その上で、できるだけ早く外部評価の導入を含め、市民目線で取り組める市政の実現に向け、市民参加による、事業や施策の点検・評価を行うための仕組みづくりを目指してまいりたいと考えております。
次に、経済施策について御質問がありました。
初めに、観光客誘致の施策についてですが、広域観光の具体的な戦略につきましては、これまでも北後志5町村との小樽・北後志広域インバウンド推進協議会や、MICEに関して連携している札幌市、倶知安町、ニセコ町と一緒に誘致事業などを実施してきたところであります。周遊ルートの形成などの観光戦略の重要性は十分に認識しておりますので、今後も関係自治体などと協議を進め、国のメニュー等も検討しながら、広域的な観光振興に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、輸出物品販売場制度についてですが、まず、本市における外国人の購買状況につきましては、これまで中国をはじめとする東アジアや東南アジアの観光客によるガラス製品、オルゴールなどの土産品の購入がほとんどを占めておりましたが、最近では大手チェーンのドラッグストアで化粧品や日用品を購入するケースも多く見受けられます。
また、平成26年10月1日から、日本の免税店制度が拡充されたことにより、店舗における免税店の表示が外国人観光客の購買意欲を高めていると聞いております。
次に、外国人観光客の購買調査につきましては、平成25年度に行った小樽市観光客動態調査では、小樽に宿泊した外国人1人当たりの市内での総消費額は約5万1,000円で、そのうち土産品購入費は約9,000円であり、この時点では日本人観光客との差はなく、いわゆる爆買いの状況は見受けられませんでした。
次に、輸出物品販売場制度の有効性と今後の利用につきましては、市といたしましても、この制度が外国人観光客の購買意欲や利便性を高め、購買増につながるものと認識しており、今後も観光協会や商店街振興組合連合会などを通じて、加盟各店舗等に周知を図ってまいりたいと考えております。
次に、無料公衆無線LAN環境整備とセキュリティについてですが、まず、移動式Wi-Fi環境整備事業の進捗状況につきましては、既に移動式通信装置を購入し、4月27日寄港のクルーズ客船クリスタル・シンフォニーの入港時の運用を始めており、外国人観光客を中心にWi-Fi環境の利便性向上を図っているところであります。
今後も客船はもとより、潮まつりなどの市内イベントに活用してまいりたいと考えております。
次に、移動式Wi-Fi環境のセキュリティ対策と今後の課題につきましては、現状では利便性向上のため、セキュリティ対策としての暗号化は行っておりませんが、今後、移動式Wi-Fi環境の提供の際には、情報漏えい対策として、暗号化によるセキュリティ強化を検討する必要があるものと考えております。
次に、プレミアム商品券についてですが、まず、現在の購入予約数につきましては、6万7,203冊とお聞きしております。
次に、追加販売につきましては、発行する10万冊を売り切ることを目標に、業務の委託先である小樽商工会議所及び販売を行う小樽信用金庫の担当者と、販売方法や販売時期、販売場所などについて、早急に検討を進めているところであります。
次に、取扱店に係る周知の状況につきましては、インターネット環境のない方への対応として、取扱店リストを商業労政課や各サービスセンターで配布するとともに、販売所となる小樽信用金庫の市内9店舗に掲示していただきました。
また、今月開催した取扱店説明会において、ポスター、ステッカー等を配付し、店頭での掲示をお願いしたところであります。
今後の対応策につきましては、販売時に購入者へ取扱店一覧の冊子を配付するほか、市の施設などにも配置いたします。このほかにも追加販売に備え、広報おたるなどによる事業の周知に努めてまいりたいと考えております。
次に、就任以来、出席した会合、懇談会等におけるプレミアム商品券のPRにつきましては、会合等の趣旨を踏まえて対応いたしました。このたびのプレミアム商品券事業は、地元消費の拡大や地域経済活性化に効果があることから、今後、追加販売の概要が決まり次第、より多くの方々へ事業の周知を図るため、さまざまな機会において情報提供とPRを心がけてまいります。
次に、若者支援と連絡会議の継続について御質問がありました。
まず、庁内の関係部局で設置した子ども・若者育成支援庁内連絡会議につきましては、昨年12月の設置以降、これまで3回開催し、ひきこもりに関する各課の所管事務、連絡会議の事務局の選定などについて協議を行ってまいりました。
この中で、若年層のひきこもりについて、精神疾患の場合は保健所となりますが、それ以外のすき間となっていた相談窓口について協議し、生活困窮者自立支援法に基づき、本年4月1日に開設された小樽市生活サポートセンター、いわゆるたるさぽをその相談窓口として整理したところです。
また、連絡会議の事務局につきましては、生活環境部青少年課が担い、各部にまたがる事案が生じた場合の会議の招集と各部間の調整を行うことと決定いたしました。
ひきこもりや不登校などにより、社会生活を円滑に営むことが困難な子供と若者の自立や社会参加に向けた取組については、重要なものと認識しておりますし、支援については対象者や対応分野が多岐にわたりますので、横断的な仕組みとして連絡会議を引き続き開催し、さらに連携を強化するとともに、今後とも包括的な支援ができるよう情報共有に努めてまいりたいと考えております。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)1番、秋元智憲議員。
○1番(秋元智憲議員)再質問を何点かさせていただきたいのですが、市長自身にかかわること以外は非常に丁寧に説明していただきました。ありがとうございます。
初めに、議会への、私たち議員への懇切丁寧な話ということでは、おたるドリームビーチ、また参与の話を挙げて話していただきました。
予算特別委員会で詳しくやらせていただきますけれども、ドリームビーチにつきましては、市長から懇切丁寧な説明をいただいたという認識はありません。原部、原課からの説明はありましたが、市長からの丁寧な説明はなかったものというふうに思っております。通常の議案説明の中で、通常の説明があったというふうに思いますし、市長が言われているような、本来急ぐのであれば、市長の思い入れがあるのであれば、懇切丁寧な説明という部分では非常に全く話の違うことだなというふうに思います。
また、参与の話も、その資料は持ってきていませんけれども、確かに私たちの会派の説明のときに、議案の説明が終わった段階で、私たちの会派の中の者からの、実はちまたで参与という人を雇うという話を聞いているが、どうなのだという質問に対しまして、市長は終わった後に各会派の代表者に話すつもりだったけれども、聞かれたので話しますということでいろいろと説明していただきました。ただ、副市長との違いですとか、顧問との違いですとかという部分では、明確にその場での説明はありませんでしたし、アドバイザーとして市長が言うように重要な人物であれば、本来であれば副市長なのではないかというような話をさせていただいたときに、実はそこまでのことでもないというお話をされていたのです。その話を聞いて、本来、市政のアドバイスをする人ですから、非常に重要な人物であるわけです。しかし、その方に対して、副市長ほどではないけれども重要であるというお話があったのです。その次の日に、会派の控室に来ましたら、A4の紙が1枚置かれていまして、いた議員に聞きましたら、市長と秘書課長が一緒に来て置いていったという話でした。その後もその件について説明はありませんでしたし、8日の議案説明で伺ったときには、今週中に任用はしたいけれども、まだ決定はしていないというお話でありました。ただ、すぐ10日には任用されたということで、非常に伝えられていたことと市長が行われたことが違うなという不信感はあります。
先ほど市長が言われたとおり、懇切丁寧な説明を求めている中で、参与の話を出したのは違うのかなというふうに感じております。それは改めて予算特別委員会で質問させていただきますけれども、市長はその参与のお話をされたことも、ドリームビーチの話が議案説明の中で出たことも、議員に対して市長が言う懇切丁寧な説明というのは、ああいうことだったのかということで、もう一度お答えいただきたいと思います。あれが懇切丁寧な説明であると言うのであれば、私はそのように理解しますけれども、もう一度お聞かせください。
それと、市長の公約について伺いました。腹案の話も伺いました。具体的に、先日来、代表質問や一般質問の中で出ていますけれども、市長の公約につきまして、各課に実現に向けて指示されているというお話でしたが、私は具体的なスケジュールをお聞きしているわけで、市民の中には、非常にやはり森井市長の政策、変わるということに投票されたということは、私もそのように理解しておりますけれども、これまで語った公約の中で、4年間の中でやるべき公約の中で、記者会見等で、実は財政の状況を見ると全てできないかもしれないという話をされていました。これは当然のことだというふうに思うのです。そういう部分も踏まえて、市長が財政状況も分析しながらつくってきた公約ですから、ただ、まさか原課に除雪を15センチメートルから10センチメートルにするということだけで投げていることはないと思うのです。まちの中に立っている中で要望があったり、いろいろな話を受ける中で、もっと細かい指示があるのかなというふうに思うのですけれども、その辺を踏まえた上でのスケジュールをいつまでに実施できるのか、そういうスケジュールのことを話しているのです。なかなか具体的に話がないので、議論する形にはなりませんけれども、そういう意味では非常に市長の言われている話が、何か雲をつかむような話で、つかみどころがないといいますか、全てこれから検討するという言葉で終えられていますので、もう少し原課についてはこういう指示をしているのだという話をぜひ聞かせていただきたいというふうに思います。
それと、財政のオープン化であります。これも議案説明で市長に伺ったときに、他市、他町村の、ほかの自治体の例も挙げながら、実は予算が伴うという話もされておりました。その辺をもう少し聞きたいのです。どこの自治体を参考にして、その自治体というのはどのぐらいの予算がかかっているのか、どのような効果があるのかということを伺いたいのですけれども、なかなかオープン化についての中身も、実は市長の中ではいろいろと考えはあるのに語っていただけないということが、非常に心配するところなのです。ぜひ市長が考えているオープン化の中身について、お話しいただければというふうに思います。
それと、行政評価にかかわって、たしか先日、ほかの議員の質問の中でも、外部評価のお話がされていましたが、市長も御存じのとおり、行政評価をされると、いろいろな全ての事業が評価されるわけで、福祉部門の事業も実はほかの市を見ますとどんどん減額されているなど、そのような判定を、縮小、廃止されているような事業もあるのです。そういうことを考えると、それは拘束される部分ではありませんが、市長が実は自分がやりたいと思っている公約も、評価されると縮小、廃止という判断をされることもあるかもしれないのですけれども、そういう判定をされたときに、市長は自分の公約に掲げた事業であっても、その判断に従うような、参考にするような考えはあるのか、その辺についてもお聞かせいただきたいと思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(森井秀明)秋元議員の再質問にお答えいたします。
私が答弁した以外のことは担当部長から答弁させていただきます。
私自身、先ほどの答弁でも話をさせていただいたように、おたるドリームビーチは大変短い期間で早急に判断しなければならない状態で、またドリームビーチ海水浴場協同組合がどのように判断されるのかということも、5月下旬ごろまで悩み悩まれていたようでございます。その情報が入ってくるぎりぎりの時期はその5月の下旬で、それに伴い、市営でいこうという話が、ここで答弁させていただいたように5月29日だったということでございます。私もその日に、本来であれば一緒に行くべきであったと思いますが、大変重要な案件ですけれども、その日はどうしても私自身、身動きがとれず、大変恐縮だったのですが、原部の担当部長をはじめとした担当職員に、各会派の皆様に御案内をさせていただいたということでございます。それにより懇切丁寧さがないと言われれば、そうなのかもしれません。今後においてそれが改善できるように、私なりにしっかり対応してまいりたいと思っております。
それから、参与の件については、任用前の6月8日、9日にかけて、各会派の代表者の皆様方に説明をさせていただいております。本来、議決案件ではない嘱託員の採用について、恐縮ですが、今までの市長の方々がそれについて皆様に御案内をされたかどうか、私は存じてはおりませんけれども、私としてはやはり参与という特別な職だということもあって、任用前に皆様にお知らせをすべきだという判断の下で伺わせていただいております。
それから、政策スケジュールについてですけれども、さまざまな政策があり、また私自身も就任前に、私なりに財政を分析していたとはいえ、内情を知り、職員からのヒアリングを聞き、レクチャーなどをされて、現状を把握したところでございますから、現在は、それにのっとって指示をし、これからスケジュールが明確になってくるだろうというふうに思っておりますので、ただ、その中でも第3回定例会で除排雪の件については予算化させていただきたいという話をさせていただいております。また、はっきりとした日が明言できているわけではありませんけれども、早ければ来年の春に予算化させていただきたいというのも幾つか、この議会でも説明させていただいておりますが、公約の実現に向けて、今ある政策を一つ一つ、できる得る限り皆様に説明させていただいて、実現に向けて取り組んでいきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
それと、行政評価について、御質問の中で、二つで受け止めているのですけれども、まず一つ、現在の行政評価は、職員の方々とも、物も全部見させていただき、また担当職員も含めて行政評価の件を聞いてきておりますが、やはりみずから手がけてきている政策をみずから判断するのはかなり難しい作業でしたという話を聞いております。また、職員にとっては必要だと思って取り組んでいる政策ですから、なかなかそれに対していわゆるメスというか、縮小とかやめるとかという判断は難しいというふうに聞いております。ですので、私としては、市民の皆様も交えて、客観的な目も交え、その行政評価をよりブラッシュアップというか、より効果ある流れにしてまいりたいというふうに思っておりますし、また今後において、私自身も政策、さまざまなことに取り組めるようにと思っておりますけれども、その政策に対し、その行政評価の中でさまざまな評価、外部評価も含めて判断されたときには、それはやはり私としても参考にしなければならないというふうに思っております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)財政部長。
○財政部長(前田孝一)財政のオープン化についての件でございますけれども、先ほど市長の答弁にございましたとおり、市長から、今後、いろいろな市民の皆様、例えば町会の代表の方ですとか、そういった方々と話をする機会をつくってまいりたいという意向を聞いてございます。そういった中で、いろいろ財政の現状についてわからないこと等を探りながら、例えばわかりやすいパンフレットを作成するとか、そういったようなことを心がけていくということで、まず、現在の時点ではそういった市民の声を聞きながら、スケジュール的な部分といいますか、そういった部分については検討してまいりたいと思ってございます。
○議長(横田久俊)予算がかかるというのは、どこか例示があるのかなという。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)財政部長。
○財政部長(前田孝一)まだ具体的に予算とかというのではなく、例えばそういったパンフレットをつくるだとかとなったときには、当然予算等も伴ってくるかというふうに思いますけれども、現時点では明確な予算等についての答えについては持ち合わせてございません。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)1番、秋元智憲議員。
○1番(秋元智憲議員)私が聞いた懇切丁寧な説明ですかという問いに、そうですというのであれば、それだけでいいのですよ。長々と説明していただかなくても、懇切丁寧な説明だと思っているのかどうなのかということを聞きたかったのですけれども、あまりかみ合っていないですし、市長が言われた他自治体の状況も、私たちと話したときには話されていましたので、そのときのことを、その自治体のことも話させていただいたのですが、そのこともお話しいただけないので、ここでいくら聞いても出てこないというふうに思いますので、また予算特別委員会でやらせていただきたいと思います。
○議長(横田久俊)以上をもって、一般質問を終結いたします。
お諮りいたします。
ただいま上程中の案件のうち、議案第1号ないし第3号につきましては、議長指名による9名の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
それでは、予算特別委員を御指名いたします。千葉美幸議員、安斎哲也議員、斉藤陽一良議員、鈴木喜明議員、酒井隆行議員、林下孤芳議員、小貫元議員、川畑正美議員、山田雅敏議員、以上であります。
なお、委員中事故ある場合は、所属会派において補充することといたします。
次に、議案第5号及び第11号ないし第15号につきましては総務常任委員会に、議案第6号及び第7号は経済常任委員会に、議案第8号及び第9号は厚生常任委員会に、議案第4号及び第10号は建設常任委員会に、それぞれ付託いたします。
日程第2「請願及び陳情」を議題といたします。
本件につきましては、別紙お手元に配付の議事事件一覧表のとおり、それぞれ所管の委員会に付託いたします。
日程第3「休会の決定」を議題といたします。
お諮りいたします。
委員会審査のため、明6月26日から6月28日まで3日間、休会いたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
本日は、これをもって散会いたします。
散会午後7時28分
会議録署名議員
小樽市議会 議長 横 田 久 俊
議員 林 下 孤 芳
議員 小 貫 元