開会午前10時00分
○議長(横田久俊)これより、平成27年小樽市議会第2回定例会を開会いたします。
直ちに、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、髙橋龍議員、中村吉宏議員を御指名いたします。
日程第1「会期の決定」を議題といたします。
本定例会の会期を、本日から7月6日までの19日間といたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
日程第2「議案第1号ないし第15号」を一括議題といたします。
まず、議案第1号ないし第14号について、市長から提案理由の説明を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)本日、平成27年第2回定例会が開会されるに当たり、今後4年間の市政運営、まちづくりについての考え方の一端を述べさせていただきますので、議員の皆様、市民の皆様の御理解と御協力をお願いいたします。
御承知のとおり、本市を取り巻く環境は、歯止めのかからない人口減少や少子高齢化の進行、人口減少に伴う市内経済の低迷、多くの公共施設の老朽化、厳しい財政状況など、さまざまな課題に直面しております。中でも、人口減少への対策は最重要課題であることから、周産期医療の安定化に向けた取組のほか、子育て支援の充実や除排雪の改善など、市民の皆様の身近な行政サービスの向上に向け、財政状況を検証した上で、一つ一つの政策を着実に進めてまいりたいと考えております。
私は、市民の皆様が住んでいてよかったと思えるまちづくりを進めることが何より重要であると考えております。まちづくりの主役である市民の皆様にも市政運営に携わっていただきながら、このまちの元気を取り戻し、住みよいまち小樽、人にやさしいまち小樽の実現に向けて、小樽の再生とまちづくりに取り組む覚悟でございます。
自治基本条例では、本市が目指す自治の姿やまちづくりを進める上での基本原則として情報の共有と市民参加及び協働が規定されております。
今後、町会の皆様や地域の方々とお話をする機会をつくっていきたいと考えておりますが、開かれた市政運営を念頭に置き、市民の皆様に市政の現状をできる限りオープンにできるよう、その内容や手法の検討を進めていくとともに、市民目線で取り組める市政を築き上げてまいります。
その上で、私は、これからの4年間、本市の抱えるさまざまな課題を解決しながら、元気なまち小樽を取り戻すため、五つの公約を掲げました。小樽のまちの将来を見据え、市民の皆様、議員の皆様との協働の下、小樽の再生に向けて最善を尽くす決意であります。
まず一つ目は、安全で安心なまちづくりであります。
このまちで生活している人たちを大切にする政策を第一に進めてまいります。
市民生活と最もかかわり合いが深く、市民満足の基本となるのが生活の安全と安心の確保であります。子供からお年寄りまで、誰もが健康で、心豊かに、安全で安心に暮らせる地域社会の実現を目指してまいります。
まず、冬の快適な生活のための除排雪の体制の整備であります。
市民の雪堆積場と除雪拠点の見直しを行い、それぞれ増設したいと考えておりますので、その確保に向けて早急な検討を進めてまいります。
また、除雪の出動態勢を15センチから10センチにすることや、がたがたの道路を解消するため路面整正を行うなど、よりきめ細やかな除排雪に取り組みたいと考えておりますので、除雪機械やオペレーターの確保など、除排雪体制の見直しに向けた検討を進め、可能な取組から一つ一つ実施をしてまいります。
防災・減災対策では、本市は比較的災害の少ないまちではありますけれども、近年、豪雨による土砂崩れや火山の噴火などの自然災害が全国各地で発生しており、いつどこで災害が起こるかわからない状況にあります。市民の皆様の安全・安心を守るため、防災や減災に向けた備えをできるだけ速やかに進めていく必要があることから、防災無線の設備や避難所の環境整備、避難訓練支援など、先を見据えたしっかりとした防災対策を行うほか、福島第一原発事故を踏まえ、小樽市地域防災計画に原子力防災対策を盛り込みます。
なお、泊発電所の再稼働については、東日本大震災における福島第一原子力発電所の事故を見ましても事故は起こり得るものと考えており、再稼働には反対の立場でありますが、具体的な対応については、今後、検討してまいりたいと考えております。
公共建築物や上下水道、道路、橋梁などの耐震化や老朽化対策につきましては、長期にわたる取組が必要であり、小・中学校をはじめとした耐震化などを計画的に進めるとともに、道路ストック修繕更新計画や橋梁長寿命化修繕計画などに基づく更新や維持・管理を進めてまいります。
今後の公共施設全体のあり方については、速やかに検討していく必要がありますので、公共施設等の状況を把握し、将来的な人口規模や財政状況に見合うよう更新・統廃合・長寿命化などを計画的に行うとともに、財政負担を平準化していく必要があることから、新たな体制の下で公共施設等総合管理計画の策定作業を進めてまいります。
また、コミュニティの中核として地域活動を支える町会の自主的な活動を支援し、地域の方々がそれぞれの課題解決に取り組み、また、まちづくりに参画していただけるよう、しっかりとした協力関係が必要であります。既存の街路防犯灯の老朽化や電気料金の値上がりに伴う町会等の負担を軽減するとともに、子供や高齢者も安心して歩けるよう、3か年でLED化を進めるほか、町会等が新たにLED街灯を設置する場合については、既存の助成制度の見直しを検討してまいります。
また、消防署長橋出張所と塩谷出張所を統合するオタモイ出張所につきましては、平成29年4月の供用開始に向けて取組を進めるほか、AEDにつきましては、未設置となっている公共施設へ設置をしてまいります。
二つ目としましては、人口減少に歯止めをかけるため、子育て支援と高齢者対策の充実を図ります。住んでいる方々を大切にする政策に、より重点を置いて進めてまいります。
本市の人口は、昭和39年をピークに減少が続いており、まちの活力を維持していくため、人口減少への対策は最重要課題であると考えております。
市内経済の活性化による雇用の場の創出・拡大や子育て・教育環境の充実、身近な暮らしに直結する生活環境の整備、そのどれもが重要であり、総合的な取組が必要であると認識しておりますが、限られた財源の中、中・長期的な観点を持ちながら、優先的に取り組む事業を組み立てていく必要があると考えております。
本市では、若い世代の市外への転出が続き、相対的に少子高齢化が速い速度で進行している中で、当面は子供たちへの取組や住みよい環境づくりが重要であると考えており、庁内検討会議や小樽市人口対策会議の中で、各方面からの御意見をいただきながら、効果的な人口対策を検討してまいりたいと考えております。
そのための施策として、まず子育て支援では、小学生までの医療費と第3子以降の保育料を無料化し、子育て世代の負担を軽減してまいります。実施に当たっては、制度設計や関係機関への説明・周知方法などのほか、財政状況を検証した上で、着実に取組を進めてまいります。
また、全ての子供が健やかに育ち、安心して子供を産み育てることができる子育て環境を創出するため、生まれた全ての子供を保健師や助産師が訪問するこんにちは赤ちゃん事業や育児の援助を行うファミリーサポートセンター事業を引き続き実施していくほか、子育てに不安を持つ保護者のサポートを目的とした相談事業や親子の交流事業などを実施する地域子育て支援センターの活動なども推進してまいります。
さらに、入会対象が小学校6年生まで拡充された放課後児童クラブの安定的な運営を図るなど、本年4月からスタートした子ども・子育て支援新制度に基づく取組や、子育て世代の皆様のニーズに応じた総合的な子育て支援を進めてまいります。
安定した周産期医療の実現に向けては、医師の確保が何よりも重要であることから、地域周産期母子医療センターとして認定されている小樽協会病院や、周産期医療に携わられている方々などから情報収集を行うほか、北海道をはじめとした関係機関との対話を進め、現状をしっかり把握した上で、産婦人科医の働きやすい環境を整え、支援を強化できるよう、できることから一つ一つ取り組んでまいりたいと考えております。
市民の命と健康を守るための取組につきましては、小樽市健康増進計画第2次健康おたる21等の計画に基づき、高齢者等が生きがいを持って毎日楽しく過ごすための礎である健康の維持・増進を進めてまいります。計画の推進に当たっては、町会や関係団体などとも協働しながら、生活習慣病予防のための健康教育などに取り組んでまいります。
小児健診の充実や高齢者の病気予防と健康増進に向けては、医療機関等との連携の下、取組を検討するほか、高齢者の予防接種の接種率向上や、がん検診や特定健診、後期高齢者健診などの受診率向上に努めるなど、健康増進に向けた取組を推進してまいります。
高齢者への支援としては、可能な限り住みなれた地域で自立した日常生活を営むことができるよう、医療や介護、予防、住まい、生活支援が一体的に提供できる地域包括ケアシステムの構築に向け、在宅サービスの拡充を図るとともに、地域支援事業の充実に向けた準備を進めてまいります。
昨年12月に開院した小樽市立病院は、後志2次医療圏の基幹病院として高度・急性期医療を担い、他の医療機関とのネットワーク化を推進し、この地域で完結できる医療体制の拠点となることを目指しておりますので、市民や後志地域の住民が安全・安心な生活を送ることができるよう、最良の医療を提供するとともに、災害拠点病院として救命医療等を行うための高度な診療機能を確保してまいります。そのためにも、効率的な運営を行い、健全な病院経営に努めてまいります。
また、住みよい環境づくりでは、市民の皆様から多くの要望があるJR銭函駅、南小樽駅のエレベーターの設置など、バリアフリー化に向けてJR北海道等との協議を行い、できる限り早期の実現を目指してまいります。特に、銭函地域は札幌市とのかかわりが強く、人口対策を検討する上でも重要な地域と考えていることから、JR快速の停車を含めた交通網の再構築について検討や協議を進めるほか、銭函市民センターの設備の充実など、生活環境に即した政策を行ってまいります。
三つ目は、中心市街地の整備再開発と空き家対策についてであります。
まちなかのにぎわいを創出するためには、中心市街地の活性化が重要であります。
まず、駅前広場など小樽駅周辺地区のあり方の検討については、官民が参画する協議会等において、現状分析と将来を見据えた再整備の必要性について話し合うこととしております。
空き家対策につきましては、去る5月26日に全部施行された空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、新たな体制の下、危険な空き家に対する対策や対応を進めてまいりますが、今年度実施する空き家の実態調査などの情報を活用しながら、空き家・空き地バンクの活用はもとより、市内にある空き家解消に向けての情報提供のあり方について検討を進め、利用可能な空き家の活用を図ってまいります。また、小樽市住宅マスタープランに位置づけられた、空き家を借り上げる既存借上公営住宅制度の検討を進めてまいります。
四つ目は、知育、徳育、体育など教育の取組についてであります。
詳しくは、教育行政執行方針において、後ほど教育長から述べさせていただきますが、子供たちは、これからの小樽のまちづくりを担う大切な宝でございます。したがいまして、学力の向上はもちろんのこと、自然や歴史体験の機会を通じた情操豊かな人間形成や生活習慣の改善、そして命の大切さなど、心身の健やかな成長を目指した豊かな教育環境をつくり上げていく必要があります。
また、国外から多くの観光客が訪れているように、人や物が国境を越えて自由に移動するボーダレス化が進む中で、早くに世界に関心を持ち、外へと視野を広げることは大切なことと考えており、姉妹都市提携との関係などを意識した語学学習の機会を創出し、国際社会に対応できる人材育成を目指してまいります。
社会教育の分野においては、本市ではさまざまな団体や組織が文化・芸術活動を営んでおり、これら団体と連携を図りながら、文化や芸術に触れる機会の拡大に取り組むとともに、子供たちの体力向上や市民の健康増進に向けて、一流の指導者やプロの選手と触れ合う機会を設け、子供たちにやる気や憧れを抱かせる環境を整えてまいります。
新・市民プールの整備も含めた体育施設の整備につきましては、学校適正配置の進捗状況や公共施設の今後のあり方などを踏まえ、建設できる用地を検討するとともに、財政状況も見極めながら実現に向けた取組を進めてまいります。
このまちで育つ子供たちが、夢を持って、目標を持って、みずから進んで学んでいただけるように、子供たちの教育環境をしっかりと整えてまいりたいと考えております。そのためにも、幼少期の教育から力を注いでまいります。
小樽の教育環境はすばらしいと皆様に思っていただけることが、人口の減少が続く本市にとっても大きなアピールポイントになるものと考えておりますので、教育委員会と連携を図りながら、公約の実現に向けて、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
五つ目は、まちが元気になる経済対策についてであります。
本市には、数多くの貴重な歴史的文化遺産や豊かな自然環境など、すばらしい地域特性や資源があり、情緒あふれるまち並みは、多くの人々を魅了しています。地域経済の活性化に向けて、この小樽特有の地域資源や知名度など強みを最大限に活用するため、その可能性をしっかりと掘り起こし、磨き上げ、ポテンシャルを顕在化させることで、その効果の波及に努めてまいります。また、小樽のすばらしさを国内のみならず海外へ向けて幅広く情報発信するとともに、私自身が小樽の営業マンとして積極的なトップセールスを行うなど、地域経済の活性化を図ることにより雇用の場の拡大に努め、若い世代の地元への定着を目指してまいります。
まず、小樽産品を活用したふるさと納税の推進についてですが、自治体や地場産品のPRによって地域経済への波及効果が見込まれることから、全国各地でさまざまな取組が行われているふるさと納税制度を導入することが必要ではないかと考えております。市が買い上げた地場産品をふるさと納税をしていただいた方に進呈することで、小樽の魅力を発信してまいります。
また、本市をはじめ後志地域は、北海道の縮図と言われるほどの魅力ある食の宝庫でありますので、その強みを本市の加工技術による新たな商品開発の推進や商品力アップによるブランド化の取組、国内外への販路の拡大に向けて、引き続き取組を進めてまいります。
次に、地場産業の振興につきましては、本市の経済を支えている中小零細企業の振興なくして経済の活性化を考えることはできないため、これらの企業への助成支援の検討を進めるほか、商店街や市場の集客強化に向けた取組に対する支援や、市内の各経済団体との連携によって中心市街地のにぎわいづくりを図るなど、経済波及効果を高める政策を展開してまいります。
また、新たな創業環境を創出することは、市内経済の活性化や雇用創出効果のほか、市外からの転入者の増加が期待できることから、創業に向けた支援に取り組んでまいります。
企業誘致につきましては、今年度、食品や物流関連を中心に、三大都市圏の大手・中堅企業を対象とし設備投資動向を調査するほか、首都圏で開催される産業展でのPRなどを実施しながら積極的な企業誘致を進めるほか、石狩湾新港LNG火力発電所の建設が順調に進むよう、可能な限り協力を行ってまいりたいと考えております。
また、イベント誘致につきましても、小樽をPRする観点からも、スポーツや文化など関係する団体などと連携をしながら、全国・全道規模の大会や合宿の誘致を進めてまいります。
国内外の観光客誘致推進につきましては、特に、経済成長が続く東アジア及び東南アジア各国からの観光客が増加傾向にあることから、継続してお越しいただけるよう、観光基盤や、国内はもとより海外からの観光客の皆様を温かく迎え入れる体制の整備を図り、まちの活性化へとつなげてまいります。また、小樽・後志地域の体験観光では、職人体験や歴史体験、自然体験などさまざまな体験が用意をされておりますので、しっかりコーディネートしながら情報発信することにより、滞在時間の長期化に結びつき、宿泊増へと発展していくと考えております。
また、来年の北海道新幹線開業に向けて、開業効果をより一層小樽や後志全体に波及させるため、北海道新幹線しりべし協働会議や後志地域二次交通検討会議の下、オール後志で連携を図りながら、道南と小樽-後志地域間の2次交通の充実や観光客の誘致に向けた方策を検討してまいります。
なお、カジノについては、小樽が持つ環境や風土に適さない施設であると考えておりますので、その誘致に向けた取組などは考えておりません。
小樽港の整備につきましては、港湾施設の老朽化が顕在化していることから、港湾活動に支障を来さぬよう、必要性、緊急性の高いものから老朽化対策を順次進めてまいります。
小樽港の物流促進につきましては、ここ数年貨物の取扱量が減少していることから、ロシア沿海地方の企業訪問や市場調査を行うなど、貿易拡大に向けた取組を強化するほか、取扱貨物の大宗を占めるフェリー航路をはじめ、中国コンテナ航路などの定期航路の利用促進に向けて官民連携による取組を進めてまいります。
また、環日本海クルーズ推進協議会などでの活動を通じて、観光消費が期待できる国内外のクルーズ客船の寄港増に向け、誘致活動と受入れ体制の強化に努めてまいります。
さて、重要課題である財政健全化についてであります。
本市の財政状況は、歳入では、人口減少や地価の下落などから市税収入が減少傾向にある一方で、一般財源として大きく依存している地方交付税についても、国において制度改革が検討されており、その動向は不透明なものとなっております。
また、歳出では他会計等から借入れを行った約42億円の返済のほか、老朽化が進む公共施設の耐震化対策、さらには道路や橋梁をはじめとする社会インフラの整備など、多額な費用を要する事業も控えているところでございます。
そうしたことから、市としての自立性を高めるため、自主財源、特に市税の確保、強化につながる事業の推進を図る一方、限られた財源の中で多様なニーズに対応するためには、事業の取捨選択を行い、効果的・効率的な行財政運営の推進が必要であり、真の財政再建に向けての取組を進めてまいりたいと考えております。
就任してから1か月半ほどたちましたが、この財政問題も含めて、たくさんの課題を抱えていると感じてはおりますが、この間、市職員の皆様からさまざまなお話を聞き、そして、一歩外へ出てさまざまなものを見て、さらに、たくさんの市民の皆様と触れ合う中で、本当にこのまちのすばらしさ、そして市民の皆様のまちへの愛着を改めて感じております。決して悪いことばかりでなく、むしろこの期間に、このまちの大きな可能性に改めて気づかされました。
このたびの統一地方選挙において、小樽市民の皆様は変えることを選択されました。何かを変えていくことは、大きな勇気と大変な苦労が伴うことであります。しかしながら、市民の皆様の思いへの期待に応えていく以上、恐れることなく、迷うことなく、しっかりと先を見据えて取り組んでまいります。議員の皆様、市民の皆様には、御指導、御鞭撻とともに、その変えていくための勇気を与えていただきますよう、お願いを申し上げます。
小樽の再生に向けて、私も力強いリーダーシップを発揮し、その役割を果たせるよう、精進をしてまいります。
繰り返しになりますが、市民の皆様を大切にする市政運営を目指して、住みよいまち小樽、人にやさしいまち小樽の実現に向けて、皆様とともに歩んでまいりたいと考えておりますので、御協力を賜りますよう重ねてお願いを申し上げ、所信表明とさせていただきます。どうぞこれからよろしくお願い申し上げます。
ありがとうございます。
それでは、ただいま上程されました各案件について、提案理由の概要を説明申し上げます。
初めに、議案第1号から議案第3号までの平成27年度各会計補正予算について説明を申し上げます。
まず、議案第1号につきましては、銭函の海水浴場ドリームビーチにおいて海水浴場組合が建築基準法違反となっている既存建物を全件除却することができず、今年の海水浴場開設を断念したところですが、多数の海水浴客が訪れることが想定され、安全対策などを講じる必要があることから、緊急避難的な措置として市営で海水浴場を開設することとし、所要の経費を計上いたしました。これにつきましては、海水浴場開設に向け、早期に着手しなければならないことから、先議をお願いしたいと考えております。
次に、議案第2号及び第3号につきましては、一般会計及び住宅事業特別会計の通常分の補正予算であります。本年度は改選期であることから、第2回定例会において、事業実施時期等の理由により当初予算で計上を留保していた各種補助金をはじめとした予算を計上し、実質的な年間予算とするところですが、除雪費につきましては、引き続き、きめ細かな除排雪体制の実現に向けた検討に時間を要することから、当面必要となる経費のみを計上し、本格的な除雪費予算につきましては、改めて第3回定例会で提案させていただきたいと考えております。
補正内容の主なものといたしましては、まず、一般会計におきまして、国の緊急経済対策の一つとして創設された新しい交付金、地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金に対応するため、26年度補正予算への前倒しにより計上していた事業のうち、交付金採択とならなかった子育て支援と教育の充実に関する2事業につきまして、交付金の趣旨を踏まえ事業内容の組替えを行い、改めて所要の経費を計上いたしました。
小学校のデジタル機器整備事業費につきましては、デジタル機器とそれらを活用した教材の整備と教員に対する研修を含めたICT教育促進事業費に改めるとともに、保育環境改善事業費についても、幼稚園や保育所の絵本整備に加え、絵本の読み聞かせや伝承遊びの巡回などを含めた事業に組み替えて、保育環境の充実を図る取組を進めてまいります。
そのほか、災害時の災害広報や緊急非常放送を行う地域FM放送局が難聴地域解消のために行うインターネット配信に係る経費に対し交付する緊急放送難聴地域解消対策交付金、災害現場での隊員間の通信強化を図るために署活動用無線機を導入する消防通信体制充実強化事業費、消防団員の活動時の安全確保を図るための装備品を計画的に整備する消防団員安全装備品等整備事業費を計上するとともに、市道やJR函館線に隣接する市有地ののり面からの落石や土砂崩壊を防ぐための朝里1丁目小規模治山事業費など、所要の経費を計上いたしました。
また、老朽化が進んでいる桜ヶ丘球場と潮見台シャンツェについて、利用者が安全に競技するための施設整備に係る経費を計上いたしました。
このほか、社会保障・税番号制度、いわゆるマイナンバー制度の導入に伴い、本年10月から通知される個人番号の通知等に係る経費や、これから本市で創業しようとする方に対する支援制度の創設など、所要の経費を計上いたしました。
これらの歳出に対する財源といたしましては、市税、使用料、国庫支出金、道支出金、財産収入、寄附金、繰入金、諸収入及び市債を計上し、なお不足する財源につきましては、財政調整基金を繰り入れすることで対応することといたしました。
これらの結果、議案第1号及び第2号を合わせて、一般会計の補正額は歳入歳出ともに5億3,387万1,000円の増となり、財政規模は556億2,548万円となりました。
次に、特別会計につきましては、住宅事業特別会計において若竹住宅3号棟の建替え工事の実施に向けて、区分所有者等の移転補償費の調査に要する経費を計上いたしました。
続きまして、議案第4号から第14号までについて説明を申し上げます。
議案第4号市営住宅条例の一部を改正する条例案につきましては、オタモイD住宅及びオタモイG住宅並びに塩谷C住宅の一部を用途廃止するとともに、所要の改正を行うものであります。
議案第5号市立学校設置条例の一部を改正する条例案につきましては、塩谷中学校を廃止するものであります。
議案第6号新たに生じた土地の確認につきましては、北海道が施工した忍路漁港の公有水面埋立ての竣工により、市の区域内に新たに生じた土地を確認するものであります。
議案第7号町の区域の変更につきましては、議案第6号の土地を忍路1丁目に編入するものであります。
議案第8号から第10号までの動産の取得につきましては、市指定ごみ袋及びロータリ除雪車を取得するものであります。
議案第11号から第13号までの工事請負契約につきましては、手宮中央小学校屋内運動場新築工事、奥沢小学校校舎耐震補強ほか改修工事及び山手地区統合小学校新築造成工事の請負契約を締結するものであります。
議案第14号動産の取得につきましては、救助工作車を取得するものであります。
以上、概括的に説明を申し上げましたが、なにとぞ原案どおり御可決賜りますようお願い申し上げます。
○議長(横田久俊)次に、平成27年度小樽市教育行政執行方針について説明するため、教育長から発言の申出がありますので、これを許します。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
(上林猛教育長登壇)
○教育長(上林猛)平成27年度小樽市教育行政執行方針を申し上げます。
初めに、全国的な少子化の傾向は、本市においても顕著であり、平成26年の出生数は623人と平成21年と比較して100人の減少、また、12月末の高齢化率は30.74%から35.88%と5.14ポイント上がっております。加えて、この間の人口は13万4,770人から12万5,028人と9,742人減少しており、特に子育て世代の人口流失が深刻な状況となっております。
昨年、小樽市では、庁内に人口対策庁内検討会議を立ち上げたほか、官民挙げた人口減対策の議論を進めており、教育委員会としても、まちづくりは人づくりの観点から、その一員として参画し、積極的な提案や施策の展開を行ってまいります。
教育委員会としては、子育て世代の方々から小樽の教育に関して、学力や教育環境などについて懸念があるとの御意見も伺っており、人口減少対策の一環として、これらの改善に向けて全力を挙げて取り組んでまいります。
また、子供たちが自分が生まれ育った小樽に自信と誇りを持って成長し、将来の小樽を支える人材となるよう、小樽の歴史、産業、そして伝統文化をこれまで以上に学校教育に取り入れるとともに、地域の清掃活動やお祭りなどの行事に積極的に参加するなどの社会貢献活動を一層促進してまいります。
以下、教育委員会として、平成27年度の重点施策について御説明申し上げます。
まず、学校教育の分野ですが、重点施策の第1点目は、確かな学力の育成であります。
昨年の全国学力・学習状況調査では、小・中学校ともに全道平均を下回り、基礎的・基本的な学習内容が十分に定着していないことが浮き彫りとなりました。また、家庭での学習習慣においては、読書量の増加や家庭学習を全くしないと回答した児童・生徒の減少など改善は見られる一方、携帯電話・スマートフォンの使用時間やテレビを見る時間、ゲームをする時間が全国と比べて長いことなど、家庭での生活習慣に大きな課題が見られます。
このような状況を受けて、次のような取組を進めてまいります。
一つ目は、児童・生徒の基礎学力の定着及び学習意欲の向上に向けた取組であります。
教育委員会では、本定例会に小学校4年生から6年生の全ての学級に実物投影機と50インチの大型液晶テレビを配備するとともに、小学校全学年に対応した国語の漢字や算数の習熟度別の例題を数多く集積したプリントシステムと各教科のさまざまな教材を瞬時に取り出せるフラッシュ型教材を導入したICT教育促進事業について所要の経費を提案しております。
また、ICT機器の使い方やシステムの効果的な活用について、専門家が全小学校を訪問し、授業支援や校内研修のサポートなどを行うこととしており、ハード面とソフト面を組み合わせた取組を通し、児童の基礎学力の定着及び学習意欲の向上を図ってまいります。
次に、樽っ子学校サポート事業の取組についてであります。
本事業は各学校からの要望が多く、商大生だけでは対応ができないため、本年度は市内の高校生にもサポートを呼びかけるなど、事業の拡大を図ってまいります。
次に、小樽こどもの詩(ポエム)コンクールの実施についてであります。
昨年度、初めて行った本事業は、応募が1,034通と大変好評であったことから、今年度も行うこととし、児童・生徒の言葉に対する興味・関心を高めることで、国語力の育成を図ってまいります。
次に、基礎学力の定着に向けた学校の取組についてであります。
本年度から全小・中学校において、各学年の定着目標を設定し、学期末や学年末に確認テストを行い、基礎学力の定着状況を把握して、その結果を指導に生かす取組を行います。
二つ目は、教員の指導力の向上についてであります。
今年度は、授業力向上研修講座など27講座に加え、新たに小学校における英語の教科化を見据え、英会話スキルアップ講習会を年3回実施することとしています。
次に、一昨年から進めている秋田大学教授との共同研究についてでありますが、本年度は、向陽中学校と望洋台中学校の授業改善をテーマとした研究を行うとともに、公開授業などを通して、市内中学校教員の授業力向上を図ってまいります。
三つ目は、家庭・保護者への取組であります。
まず、音読運動についてであります。
本市の教育の特色として、この取組を進め、第3回音読カップへの参加を促進し、音読の質の向上と読書の量の増加を目指します。
次に、商大・能開大・高等学校等進路説明会の開催についてであります。
児童・生徒が進路について早い段階から家庭の中で話し合うきっかけとすることを目的として実施しており、今年度は北海道職業能力開発大学校と小樽看護専門学校を新たに加え、6月20日に開催いたします。
四つ目は、地域と連携した取組についてであります。
地域の人材を活用する教育支援活動推進事業の一環として、本年度新たに家庭教育支援事業として、市内の子育て支援活動団体、幼稚園や学校の関係者、PTAや女性学級などの方々に御協力をいただき、わくわく共育支援チームを立ち上げ、家庭教育をサポートするネットワークづくりを行います。拠点となる生涯学習プラザを保護者の方々が気軽に集える場として、家庭教育の悩みなどの相談、子育て情報の発信、親子向けイベントの開催などを行い、家庭での教育力の向上を図ってまいります。
次に、「小樽イングリッシュキャンプ」の実施であります。
1泊2日の英語漬けの時間を過ごし、生きた英語によるコミュニケーション能力を育成するとともに、外国人観光客を英語で観光案内するなど、児童・生徒の国際感覚を養うため、本年度も実施いたします。
次に、ラジオ放送を活用した学校の情報発信についてであります。
市民の方々から、学校で何をやっているのか、よくわからないなどの御意見もお聞きしますことから、教育委員会では、FMおたると連携して、毎週水曜日に15分間の番組として、市内全小・中学校の特色ある取組や子供たちの元気な声をラジオを通じて広く市民に伝える取組を行います。
続いて、学校教育の分野の重点施策の第2点目は、豊かな心の育成であります。
まず一つ目は、いじめ防止に向けた取組についてであります。
本年4月1日に小樽市いじめ防止対策推進条例及び小樽市いじめ防止基本方針を施行しており、児童・生徒が安心して学習活動などに取り組むことができるよう、本定例会に啓発用チラシの配布など、所要の経費を提案しておりますが、これらを通して、児童・生徒や保護者はもとより市民に対し、いじめ防止に向けた意識の高揚を図ってまいります。
二つ目は、児童・生徒の郷土愛を育む取組についてであります。
教育委員会では、児童・生徒が潮音頭の歴史的背景や振りつけを学ぶ機会を通して、郷土を愛する心を育みます。また、多くの児童・生徒の潮ねりこみへの参加を促進し、保護者や地域の方々とともに活動することで、地域社会に貢献する実践的な力を育成するふるさと教育推進事業に取り組みます。
次に、道立高校の適正配置に向けた取組についてであります。
このたび、道教委から小樽商業高校と小樽工業高校との統合再編案が示されましたが、再編に当たっては、小樽にふさわしい魅力ある新しい高校を設置するよう、今後とも道教委に働きかけてまいります。
学校教育分野の重点施策の第3点目は、教育環境の整備であります。
まず一つ目は、市内小・中学校の再編についてであります。
平成27年度は、手宮地区小学校、色内小学校・稲穂小学校、長橋小学校・色内小学校及び塩谷中学校・長橋中学校各統合協議会において、平成28年4月1日の統合に向けて、新しい学校づくりに向けた検討を行うとともに、児童・生徒の事前交流の実施や通学路の安全確保等について協議を進めてまいります。
また、平成29年度に予定している北山中学校と末広中学校の統合に向けて北山中学校・末広中学校統合協議会において、校名や制服など新しい学校づくりに向けた検討を行ってまいります。
さらに、中央・山手地区の緑小学校、最上小学校、花園小学校及び入船小学校、南小樽地区の天神小学校及び奥沢小学校については、保護者や地域住民の理解を得ながら、平成30年度の統合に向けて、それぞれ統合協議会の設立を目指します。
二つ目は、学校の改築や耐震化などの施設整備についてであります。
平成27年度は、手宮中央小学校の屋内運動場新築工事を行うほか、山手地区統合小学校の敷地造成工事や高島・手宮地区統合中学校の校舎となる現手宮西小学校校舎の改修工事実施設計を行います。
次に、耐震化関係としては、耐震診断は桂岡小学校、耐震補強工事は奥沢小学校の校舎及び屋内運動場と銭函中学校屋内運動場で行い、朝里中学校のコンクリートブロックづくりの校舎は、改築に向け実施設計を行います。
学校教育分野の第4点目は、特別支援教育の充実についてであります。
本年4月、教育委員会に特別支援教育担当の指導主事を配置し、専門的な指導・助言を通し、市内の特別支援教育の充実を図ります。また、小樽市特別支援連携協議会を開催し、個別の教育支援計画の定着を図り、乳幼児期から就労時期まで一貫した支援を進めます。
次に、社会教育の分野の重点施策についてであります。
第1点目は、社会教育施設の取組についてであります。
まず、市立美術館では、特別展「小樽運河・いまむかし」を開催しておりますが、これにあわせて梁川商店街との連携や舞踊とのコラボレーションなどを行っております。また、特別展「花ひらく近代洋画の世界」を開催し、日本近代洋画界を牽引した著名な画家の作品を展覧します。
次に、市立文学館では、伊藤整文学賞の功績を継承し、特別展「生誕110年伊藤整展」を5月まで開催いたしました。さらに、8月には企画展「小樽・坂道物語展」を開催し、詩や小説、映画などに描かれてきた数々の坂道の物語を作品の一部や写真、絵画などで紹介いたします。
次に、総合博物館では、企画展「飛び出せ博物館!!手宮線を写真と歩く」を開催します。これは、小樽の繁栄をもたらした鉄道と石炭の写真などを展示室だけではなく、手宮線跡の遊歩道に展示し、小樽の歴史を歩きながら体感してもらうものです。
次に、市立図書館では、小・中学校からの要望に応えて、1校につき100冊を貸し出すスクール・ライブラリー便事業を継続実施いたします。また、小樽市立病院と連携し、病院内の図書コーナーに図書を提供して、患者の皆さんへの読書機会の充実に努めます。
第2点目は、文化財の保存・保護についてであります。
重要文化財旧日本郵船株式会社小樽支店の保存修理に向けた調査工事を終了し、その結果を踏まえ、今後、保存修理の工法などについて検討を行ってまいります。
第3点目は、市民スポーツの振興についてであります。
年々、道内外から参加者が増えているおたる運河ロードレース大会を今年も開催し、夏の観光イベントの一つとして定着化を目指します。
また、高齢化や子供の体力の低下といった状況を踏まえ、教育委員会として今後の生涯スポーツのあり方などについてスポーツ推進審議会、スポーツ推進委員会、小樽体育協会などの協力をいただきながら、引き続き検討を行ってまいります。
次に、体育施設の設備につきましては、本定例会に桜ヶ丘球場のグラウンド、フェンス等の整備、潮見台シャンツェのアプローチ及びランディングバーンの設備などについて所要の経費を提案しております。
第4点目は、生涯学習関係事業についてであります。
生涯学習プラザにおいてはつらつ講座を開設するとともに、小樽市民大学講座を開設し、市民への学習機会の提供に努めます。
また、次代を担う子供たちが親子で邦楽、日舞、華道などを体験し、その成果を発表する伝統文化こどもフェスティバルの開催を支援し、郷土の伝統文化の継承に努めてまいります。
以上、平成27年度の教育行政を執行するに当たっての重点施策と狙いについて御説明いたしました。
市民の皆様並びに議員各位の一層の御支援と御協力を心からお願い申し上げます。
○議長(横田久俊)次に、議案第15号について、提出者から提案理由の説明を求めます。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、新谷とし議員。
(22番新谷とし議員登壇)(拍手)
○22番(新谷とし議員)日本共産党を代表して、議案第15号小樽市非核港湾条例案を提案いたします。
新しい議会になり初めての提案ですが、通算59回目の提案となります。
今年は、戦後70年、そして被爆70年です。
1945年8月6日、広島に投下された一発の原子爆弾で、まちは破壊し尽くされ、35万人の市民のうち、14万人が殺傷されました。8月9日は、長崎に原爆が投下され、広島同様、まちは壊滅し、15万人が殺傷されました。そのほとんどが非戦闘員でした。
両市の被爆者は、今なお放射線による後遺症や心身の傷に苦しんでいます。被爆者の平均年齢は80歳と言われますが、核兵器による残酷な被害をなくすため、世界に向けて被爆の体験と原爆の残虐性から核兵器廃絶を懸命に訴え続けています。当時の凄惨な状況を聞くほどに核兵器の非人道性が世界に広がっています。
今年4月27日から国連本部で開かれた核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議で、日本原水爆被害者団体協議会は、核兵器国宛てに、2010年に再確認した「保有核兵器の完全破棄を達成するとの核兵器国による明確な約束の履行」を速やかに実行すること、核抑止力による安全保障ではなく、相互信頼に基づく安全保障政策に転換し、核兵器廃絶へ大きく踏み出すこと、法的枠組みについての交渉開始を検討し、速やかな核兵器の廃絶に向けて勇気ある大きな第一歩を踏み出すことなどを要請いたしました。世界160か国、地域の6,600を超える都市が加盟する平和首長会議会長の広島市長、副会長の長崎市長も核兵器廃絶に向けた前進を訴え、1,000人を超える日本原水協代表団とともに630万人を超える「核兵器全面禁止のアピール」署名を国連代表とNPT再検討会議議長に提出しました。
これらのことが力となり、会議では、非同盟諸国が核兵器を禁止、廃絶するための包括的な条約の交渉開始を提案、多くの国が核兵器禁止条約を支持し、核兵器廃絶のための法的措置や期限を切って行動する提案も行われました。
NPT再検討会議は、NPT非加盟国であるイスラエルの意を受けて米英などが中東の非核地帯化を目指す会議の開催に反対したため、最終文書を採択できませんでしたが、核軍縮を担当する第1委員会議長の最終文書草案が核保有国の反対で削除されたものの、核兵器禁止条約などによる期限を切った核兵器の廃絶に初めて言及したのは重要な前進でした。
また、2012年に始まった、核兵器の非人道性を告発し、その使用禁止と廃絶を訴える声明が159か国の賛同で発表され、オーストリア政府が主導した核兵器を禁止する法的措置を求める人道の誓いへの賛同は107か国にまで広がりました。今会議で最終文書という成果を残せませんでしたが、その議論は前回会議からも大きく発展し、核兵器廃絶に向けた流れを切り開きました。
今、国会では、安全保障関連法案、戦争法案が審議されています。戦争法案は戦闘地域にまで行って軍事支援をする、戦乱が続く地域で治安活動をする、集団的自衛権で武力行使をする、しかもベトナムやイラク戦争のようなアメリカの無法な先制攻撃であっても個別具体的、総合的に政府が判断し、集団的自衛権を発動することにもなるという重大な憲法違反のものです。
アメリカは湾岸戦争、イラク戦争で劣化ウラン弾を投下し、白血病、リンパ腫、呼吸器系疾患などの放射線被害で多くの子供たちが亡くなっています。湾岸戦争に参加した米軍兵士も劣化ウラン弾の放射線被害を受け、後遺症に苦しんでいます。劣化ウラン弾は核兵器ではないという説もありますが、弾丸に利用しているウランから出る放射性物質により白血病などの発症率が非常に高いのです。このような非人道兵器は一刻も早く廃絶しなければなりません。
日本では、現在1,500の自治体が核兵器廃絶や非核三原則を求める非核宣言を行っています。
小樽市は、1982年、全道に先駆け核兵器廃絶平和都市宣言を行いました。しかし、小樽港にはこれまで核兵器搭載可能なミサイル駆逐艦などの米艦船が75隻も入港し、全道で一番多い入港数です。
1997年9月23日に日米政府間で自治体に協力義務を定めた新ガイドラインが合意されましたが、これを先取りして同年9月7日に米空母インディペンデンスが全国の民間港で初めて小樽港に入港しました。インディペンデンス入港に当たって小樽市議会は臨時会を開いて、小樽港は「商業流通港としての平和的発展を希求する」との決議文を全会一致で可決しています。
戦後70年、被爆70年を転機に、世界の核兵器廃絶の流れに合流し、1997年の議会決議を履行するためにも、神戸方式の非核港湾条例を制定し、核兵器廃絶平和都市宣言を実効あるものにしていこうではありませんか。
議員各位の賛同をお願いいたしまして、提案説明といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)日程第3「休会の決定」を議題といたします。
お諮りいたします。
議案調査のため、明6月19日から6月21日まで3日間、休会いたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
本日は、これをもって散会いたします。
散会午前11時08分
会議録署名議員
小樽市議会 議長 横 田 久 俊
議員 髙 橋 龍
議員 中 村 吉 宏