開議午後1時00分
○議長(横田久俊)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、川畑正美議員、佐々木秩議員を御指名いたします。
この際、理事者から発言の申出がありますので、これを許します。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)先般、9月10日の一般質問の際の私の答弁につきまして、1件訂正をお願いしたいと思います。
共産党新谷議員の土砂災害対策についての御質問の中で、警戒区域指定の計画について、「本市における計画は示されておりません」と答弁申し上げましたが、正しくは、「本市における計画は、今年度実施される20か所以外は示されておりません」でありましたので、おわびして訂正をさせていただきます。
○議長(横田久俊)副市長。
○副市長(貞村英之)私からも1件、答弁の訂正をお願いいたします。
9月10日の一般質問におきまして、民主党・市民連合斎藤博行議員の再生可能エネルギーに関する再質問の中で、手宮地区統合小学校に太陽光発電システムを設置しなかった理由に関する御質問に対し、「全部起債ということになります」と答弁申し上げましたが、正しくは「長橋小学校のときのような国の経済対策としての財源はありません」と訂正したいと思いますので、おわびさせていただきたいと思います。
○議長(横田久俊)日程第1「議案第1号ないし第30号並びに請願及び陳情並びに調査」を一括議題といたします。
これより、順次、委員長の報告を求めます。
まず、予算特別委員長の報告を求めます。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)1番、秋元智憲議員。
(1番秋元智憲議員登壇)(拍手)
○1番(秋元智憲議員)予算特別委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は次のとおりであります。
朝里川温泉地区の避難所に指定されている豊倉小学校については、土砂災害のおそれがあると判断した場合は避難所とはせず、朝里小学校に避難誘導する考えであるというが、他の地域においても、土砂災害等の警戒区域内に避難所がある場合については、同様の体制がとられているのかどうか。
災害の種類によっては、現在の避難所は危険なのではないかとの不安に駆られ、どこに避難すればよいのかわからないとの声が多いことから、災害種別ごとの避難所を早急に決定し、周知してほしいと思うがどうか。
三重県紀宝町では、災害が想定される数日前から災害発生後までの間に行われる防災行動について、いつ誰が何をするかを時系列で整理した計画、いわゆるタイムラインが策定され、先日の台風通過時には人的被害が発生しなかったと聞いている。
一方、本市も含め、これまでの災害対策は、事後処理的な対応が主であり、災害以前についての取決めがほとんどなかったため、住民避難が迅速に行われなかったと認識しているが、事前対応の手順を定めておけば、市民も速やかに避難することが可能となり、人的被害を最小限に食い止めることが期待できることから、本市においてもタイムラインの策定を検討すべきと思うがどうか。
九州電力川内原子力発電所が原子力規制委員会の新規制基準に合格するなど、原発再稼働に向けた動きがある中で、本市は、泊原発のUPZ圏外ではあるものの、再稼働までに原子力防災計画を定めておく必要があると考えるが、市が独自に策定しようとしている計画において検討している内容にはどのようなものがあるのか。
また、これまでに行われた北海道原子力防災訓練を見ると、本市においてはUPZ圏内からの避難者を受け入れることに主眼が置かれているように思われるが、福島第一原発事故では、30キロメートルから45キロメートル圏内の飯舘村が、現在も高い放射線量により避難区域に指定されていることからすれば、本市でも同様の事態が起こりかねないと考えられる。市は、小樽市民が避難するという状況も想定し、その体制整備について、計画の中にしっかりと位置づけるべきと思うがどうか。
今定例会には、本市では初めて、国の政省令とリンクする方式を採用した条例案が提出されているが、この方式では、政省令の改正に連動し、本市の条例も自動的に更新されるため、議会の議決が必要なくなるとの指摘に対し、市は、政省令が改正された際の報告をルール化することで、議会審議の機会を確保したいとしている。しかし、議会にとっては、議員の態度を明確にする議決の場が奪われる形となり、これは権利の侵害に当たると考えられるが、リンク方式の採用に当たり、こうしたことについて何ら考慮しなかったのか。
また、この方式は、国が決めたことに何でも従うということを意味しており、今後、この形式の条例が増えていくことは到底容認できることではない。このような条例案は取下げ、具体的な条文を明記した上で、改めて提出すべきと思うがどうか。
地方分権改革の流れにより、これまでのように国が全国一律で地方公共団体に義務づけをするという形ではなく、地方の自主性を尊重する観点から、実際の運用は自治体の条例に委任される場合が増えている。こうした中、子ども・子育て支援法において市町村の条例で定めることとされている特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準については、平成26年の内閣府令第39号第1条において、従うべき基準及び参酌すべき基準が定められているとのことである。このようなケースでの条例制定において、内閣府令を引用するリンク方式を採用することは、本来、個々の市町村の実情に合わせて定めるべき基準が、結果的に全国一律の基準になってしまうと思うがどうか。
マイナンバー制度において、民間事業者は源泉徴収票の提出を通じて従業員の個人番号を取得できることになるが、この番号が悪用され、不正に個人情報を収集されてしまうこともあり得ると思うがどうか。
また、住民基本台帳カードについては、成り済ましによる不正交付が5年間で100件以上も発生していることから、個人番号カードについても同様の不正交付がなされ、さまざまな個人情報が他人に閲覧されてしまうおそれがあるのではないか。
一方、制度のメリットとして、市民においては各種手続の簡素化や社会保障給付の適正化、行政においては事務の効率化が図られることが挙げられている。個人情報の漏えいや悪用など重大なデメリットがあるにもかかわらず、わずかなメリットのために、巨額のシステム整備費をかけて実施することが必要なのか疑問に思うがどうか。
北しりべし定住自立圏については、協定締結後も圏域の人口が減少し、取組の成果が表れていないように見えるが、一方で、取組のおかげで、人口減少がこの程度で済んでいるという見方もできる。こうした人口減少抑制の効果をより高めるため、来年度以降を引き継ぐ次期共生ビジョンの策定に当たっては、現ビジョンよりも人口減少への対応をはっきりと前面に打ち出すようにしてほしいと思うがどうか。
また、北しりべし定住自立圏そのものが住民にあまり認知されていないように感じられることから、圏域住民がより連携を意識できるよう、例えば、NHK連続テレビ小説の放送で余市町に注目が集まることをきっかけにするなど、今まで以上に自立圏についてアピールしてほしいと思うがどうか。
学校給食センターでは食物アレルギーへの対応として、2学期中にも卵除去食の提供を開始するとのことであるが、除去食の提供を受けるためには、希望する児童・生徒から学校生活管理指導表の提出を受ける必要がある。指導表については医師が作成することになり、文書料がかかることになるというが、アレルギーは、1人の子供に複数あることが多く、個々の症状ごとに文書料がかかるとなれば、保護者の負担が大きくなることから、医師会と協議し、配慮を求めてほしいと思うがどうか。
また、食物アレルギーへの対応は、卵除去食を提供することで終わりということにはならないと思うが、今後、除去食を卵以外に拡大する可能性について、どのように考えているのか。
フッ化物洗口については、本市においても実施する方向で動いているが、保護者等からは、安全性や有効性の観点から不安や疑問の声が上がっている。市は、今後、保護者向けの説明会を開催し、理解を求めていくとのことだが、具体の日時、場所等については計画しているのかどうか。
また、説明会においては、こうした声にしっかりと応えていくとともに、改善できる点については最大限の改善をしつつ、事実誤認に基づく声に対しては丹念に説明し、理解が得られるよう努めてほしいと思うがどうか。
最近、小・中学生向けの電子書籍ストアが開設され、読書の好みが近い友達同士による、いわゆる「読み友」ネットワークがつくられるなど電子書籍の広がりが見られるが、市教委は、札幌市中央図書館などが実証実験として行った体験プロジェクトの概要を押さえているのか。
図書館に電子書籍を導入するに当たり、対象書籍が少ないことのほか、著作権侵害の危惧や過去に出版された作品の権利関係が不明であることなど普及を妨げる要因があると聞くが、一方で返却の遅れがない、汚れの心配がない、所蔵スペースが不要など、多くのメリットがあることから、本市においても導入に向けた考察を深めてもらいたいと思うがどうか。
本市へのふるさと納税の一形態である小樽ファンが支えるふるさとまちづくり寄附条例に基づく寄附については、これまでの累計が1億円を超えているが、その寄附額は年々減少しているという。
一方で、寄附への返礼として、特産品などを贈ることで、多額の寄附を得ている自治体もあり、人気のある特産品を有する自治体には寄附が殺到し、生産が追いつかないケースもあるなど、地場産品のPRという面でも大きな効果が出ていると聞く。
本市の返礼としては、社会教育施設の無料パスポートを進呈しているが、これに加え、特産品を贈ることで、寄附の増加とともに、地場産業の活性化も見込めることから、早急に取り組むべきと思うがどうか。
本年、小樽港発着の定点クルーズが18回予定され、食材の納入のほか、乗組員や入国審査に携わる職員の宿泊など、寄港地型クルーズ以上の経済効果が現れていると聞く。引き続き、発着港としてもらうためには、埠頭の整備などハード面だけでなく、船社や代理店に対し、例えば、環日本海クルーズ推進協議会に加盟する港湾を寄港していくクルーズといった新しいプログラムを提案するなど、一歩踏み込んだ姿勢で取り組む必要があると思うがどうか。
また、ソフト面での提案をするためには、乗船客のニーズの把握や分析が欠かせないものであることから、関連業者からの聞き取りに加え、市のホームページに寄港した感想を書いてもらうなど、多様なツールを複合的に活用した情報収集に努めてほしいと思うがどうか。
外国人旅行者向けの消費税免税制度が改正され、10月1日からは、対象品目が現行の家電や衣服などに加え、食料品等の消耗品にも拡大されると聞いている。本市においては、菓子や地酒などが土産品の上位を占めることから、免税店が増加し、外国人観光客への地場産品の販売が拡大すれば、市内経済の活性化につながるなど、大きなメリットがある改正と言える。
しかし、免税店の登録には、人員配置など五つの条件を満たす必要があるほか、梱包に手間を要することなどから、登録をちゅうちょする事業者が多いという。市においては、事業者がこういった課題をクリアし、登録に踏み出せるよう、商工会議所や観光協会とも協力し、個別に相談や情報交換ができる説明会を開催するなど、丁寧な対応をしてほしいと思うがどうか。
本市では今年度、海水浴に関連する海難事故が4件発生しており、その多くは海水浴場の区域外で発生したものであると聞いている。市は、海水浴場の開設場所や開設期間などについて、ホームページやフェイスブック、さらには市内の小・中学校などに対し文書で周知を図っているというが、市外から来る海水浴客への周知に向け、看板を設置するなど、さらなる工夫をしてほしいと思うがどうか。
特に、銭函地域の海水浴場については、札幌市を含む道央圏から多くの海水浴客が訪れていることから、北海道など関係機関との連携を図り、本市の海水浴場の情報を道央圏全体に周知できる体制を構築することも必要ではないか。
身寄りのない高齢者のみの世帯などでは、いわゆる消費者トラブルに巻き込まれやすい状況にあると考えられることから、被害に遭わないための対策を日ごろから周知徹底し、高齢者の方々に十分認識してもらうことが大切だと思うがどうか。
市は、ホームページや情報誌を通じトラブル防止策の周知を図っているとのことであるが、高齢者は、パソコンの操作が苦手であったり、文章を読むこと自体も難儀であったりすることから、耳からの情報を得やすいラジオを利用するなど、高齢者の立場に立った周知方法を検討してほしいと思うがどうか。
本年10月から、高齢者の肺炎球菌ワクチンが定期予防接種になることを受け、今定例会に補正予算が計上されている。接種に当たっての自己負担額3,000円という金額は、道内9市の平均から設定したというが、このうち5市では2,000円台となっていることや、接種率が上がれば医療費の削減にもつながること、さらには、年金給付額の削減や消費税の増税などの高齢者を取り巻く厳しい経済状況を考慮すれば、本市においても、自己負担額を2,000円台に設定すべきと思うがどうか。
街路灯設置費助成金について、今年度は57町会207灯に対し助成の決定をしたとのことであるが、申請は629灯であり422灯が助成の対象外となっている。しかし、対象外とされたものの中には、緊急な対処が必要なものもあると思われることから、市は町会の意向の把握に努め、希望があれば追加で助成を実施すべきと思うがどうか。
また、市は街路灯のLED化を平成27年度から数年間で実施する考えで、その促進のために助成率を見直し、町会の負担を軽減することも検討しているという。負担が軽減されたとしても費用捻出が難しい町会もあると考えられるため、市が直接LEDに切り替えていくことも検討してほしいと思うがどうか。
街路灯のLED化促進に当たっては、さまざまな課題がありながら、年内に具体的な制度設計を行う考えとのことであり感謝するが、今後、課題を整理し解決する過程においては、町会などへの個別のアンケート調査を行うなど、十分なリサーチを行う必要があると思うがどうか。
また、事業規模を考えたとき、素案の段階で議会の意見を求めることや総連合町会へのヒアリングを実施することなど、きめ細かい対応を行ってもらいたいがどうか。
近年、市内中心部では、マンション建設などによる人口増加に伴い、子供も増えているが、子供たちが喜ぶような遊具のある公園は、銭函工業団地や色内ふ頭など、歩いて行けない不便な場所にしかない。人口減少対策として、若年層の定住化を考える上で、近所に子供が遊べる公園もないということでは、充実した公園が多数ある他都市に子育て世代が流出してしまいかねない。公園行政における予算づけを見直し、市街地の小さな公園にも、利用者の実態や人口密度などを考慮した費用対効果の高い遊具を整備すべきと思うがどうか。
また、本市の児童・生徒はゲームのしすぎや体力不足が指摘されているが、外で遊ぶ場所もないということでは、その是正もおぼつかない。市には、公園の役割が教育面にも影響するということを考えてほしいと思うがどうか。
本市は、まちづくり景観条例を定め、歴史と自然に育まれた小樽らしい魅力あるまちづくりを進めてきており、平成21年の条例改正において建築物等の色相・明度・彩度についての規制を行っているが、現状、観光客が集まる地区において、派手で、けばけばしい色彩が散見されている。
他都市における景観保全地区などでは、コンビニエンスストアさえも景観に配慮されていることからすれば、目指すべき都市景観の形成に向け、基準の見直しを含めた対策を検討すべきと思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、議案第1号及び第2号につきましては、採決の結果、賛成多数により、いずれも可決と決定いたしました。
次に、その他の議案につきましては、いずれも可決と、全会一致により決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)8番、川畑正美議員。
(8番川畑正美議員登壇)(拍手)
○8番(川畑正美議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、議案第1号平成26年度小樽市一般会計補正予算及び議案第2号平成26年度小樽市国民健康保険事業特別会計補正予算については、否決を主張して討論を行います。
議案第1号一般会計補正予算に社会保障・税番号制度システム整備事業費が計上されています。この法律は、日本国民と中・長期滞在の外国人を含めた日本居住者に個人番号をつけるもので、複数の機関に存在する個人の情報を同一人の情報であることを番号で確認して利用するものです。
マイナンバー法導入は、民主党・自民党・公明党による三党の合意に加え、経団連からも求められていました。この法案は、消費税と社会保障の一体改革関連法案の一つとして、野田内閣が国会に提出していましたが、衆議院が解散し廃案になりました。その後、2013年5月、マイナンバー法である行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律及び関連法案が成立しています。
しかし、日本共産党は、プライバシー侵害や成り済ましなどの犯罪が常態化するおそれがあること、巨額プロジェクトにもかかわらず、具体的なメリットも費用対効果も示されていないこと、税や社会保障の分野では、徴税強化や社会保障給付の削減の手段とされかねないことを理由に反対しています。
我が党は、平成24年第3回定例会において、共通番号制度・マイナンバー法案の撤回を求める意見書(案)を提出しましたが、意見書案は、他会派の賛同を得られず否決されました。
この制度システム整備事業は、2015年10月には住民につけられた個人番号の通知、2016年1月以降には市区町村に申請をすることで顔写真の入った個人番号カードが交付されるなど、具体的日程で進められる予定で、本会議に補正予算が計上されています。補正予算計上に当たって、市当局は、制度導入によるメリットを語っています。
しかし、社会保障や税にかかわる行政事務、所得や受給情報などが個人番号で個人情報の名寄せが可能となり、その情報が流出すれば、犯罪の格好のデータとして利用されることは明白です。
また、写真つきの個人番号カードそのものが成り済ましで交付される危険もあります。現に08年から5年間で100件を超える成り済ましによる不正交付が起きています。先進して実施した国々で、大きな社会問題になっています。
イギリスでは、IDカード法を人権侵害への危険があることや、巨額の費用を浪費させるおそれがあるとして廃止、アメリカでは社会保障番号の流出、不正使用による被害が年間20万件を超えるとして見直ししています。韓国でも最近の4年間で延べ1億2,000万人分が漏えいし、情報が売買され、大問題になっています。スウェーデンでは、成り済ましが横行し、犯罪の温床になり見直しが進められ、ドイツでも行政機関の番号使用を規制するなど、限定的な使用にしています。
システム導入には、膨大なコストがかかります。住民基本台帳ネットワークでさえ、初期投資額は約390億円でした。住基ネット整備事業は、小樽市も進めてきましたが、整備事業費の総額は5,122万7,000円かかっています。今回の制度システム整備事業には、第1次として3,879万5,000円が計上されています。しかし、この後も2015年度以降、総務省系で住基税務システムなどで事業費が算定中とされています。そして、厚生労働省系の社会保障システムなどでは、15年度5,650万円、16年度には2,300万円が見込まれ、実施時点では、これらを上回ることが確実視されています。このように巨額のコストがかかることは市当局も認めているところです。
我が党は、このようにわずかな効率化やメリットのために全住民に個人情報の漏えいや悪用などの重大なデメリットがある共通番号制度システム整備事業を進めることに反対です。
次に、議案第2号平成26年度小樽市国民健康保険事業特別会計補正予算についてです。
国民健康保険事業運営基金条例が設置されています。その第5条には、「市長は、財政上必要があると認めるときは、確実な繰戻しの方法、期間及び利率を定めて、基金に属する現金を歳計現金に繰り替えて運用し、又は歳入歳出予算の定めるところにより歳入に繰り入れて運用することができる」とあります。これは、国保事業特別会計の基金を一般会計に貸出しできるという解釈ができます。市は、基金の目的を国保事業の健全な運営を確保するため、保険給付費に不足が生じた場合に充てると答弁しています。
しかし、国保事業特別会計では、超過交付金については、国や道に遅滞なく返還しています。保険料を支払う市民に対しても同様に還元すべきであり、国保事業会計の剰余金は基金に積み立てることなく、保険料引下げに回すべきであります。基金に3億955万円もため込むのではなく、せめて1世帯当たり1万円の国保料引下げを実現すべきです。
国民健康保険事業運営基金への積立金については、1世帯1万円の国保料引下げ後の残金にとどめるべきです。
以上、議員各位の賛同をお願いし、討論といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、議案第1号及び第2号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の方の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、決算特別委員長の報告を求めます。
(「議長、27番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)27番、前田清貴議員。
(27番前田清貴議員登壇)(拍手)
○27番(前田清貴議員)決算特別委員会の報告をいたします。
去る9月10日に開催されました当委員会において、付託されております各議案について採決いたしました。
採決の結果、議案はいずれも継続審査と、全会一致で決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、議案第6号ないし第20号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、総務常任委員長の報告を求めます。
(「議長、27番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)27番、前田清貴議員。
(27番前田清貴議員登壇)(拍手)
○27番(前田清貴議員)総務常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は次のとおりであります。
先月、各地で土砂災害が相次いで発生したが、本市で災害が発生した場合において、消防団のかかわりはどうなっているのか。
また、災害発生の際は、火災出動と同様に緊急車両のサイレン等による自己覚知により現場に参集するとのことだが、消防の出動情報にかかわる電話案内について、もう少し細かな案内をしてもらいたいがどうか。
今年度の防災ラジオの配付についてはこれから行うとのことだが、町会の役員改選において円滑に引き継げるよう、早急に配付してもらいたいと思うがどうか。
大規模災害が発生した際、市の備蓄品や支援物資などを合わせても避難者全員分の食糧を確保できない場合、市はどのように食糧の配給を行っていく考えなのか。
また、福島県いわき市では、東日本大震災後、数万食分の食糧が送られてきたものの、30万人以上の市民にいかに公平に配給するかについて苦慮したため、行政機関に比べてそれほど公平性を求められない青年会議所に委託したところ、非常にスムーズに進んだと聞いている。本市においても、大規模災害時の食糧配給については、信頼の置ける民間団体に任せるなど、あらかじめ方針を定めておく必要があると思うがどうか。
地域防災計画における職員動員計画では、動員の方法として電話や口頭での連絡がうたわれているが、市は、ほかの伝達方法については検討していないのか。
また、勤務時間外における動員方法として自主参集が記載されているが、特に一般職の職員にとっては、人事異動などにより、現在、所属する部署において自分がどのような行動をとるべきか認識できていない場合もあることから、今後、一般職も含めた参集訓練を実施してもらいたいがどうか。
また、各町会などで行われる防災訓練についても、地域の実情や住民の生の声を聞くことができることから、その地域に住む職員にも参加してほしいと思うがどうか。
本市の人口については、今後、若年女性人口の大幅な減少が見込まれることから、平成52年には7万3,841人となり、平成22年の国勢調査人口に比べ44パーセント減少するとの推計が報道されているほか、平成25年の減少数は2,210人とここ数年の中では大きな数字となっているとのことである。市は、将来、具体的にどのような状態となることを予測しているのか。
また、人口対策については、全庁的な組織において都市機能を含めた検討をすべきと提案してきたが、このたび横断的な人口対策庁内検討会議を立ち上げ、検討を進めると聞いている。市民は加速度的に人口減少が進むことを危惧していることから、ぜひ強力に推進してもらいたいと思うがどうか。
平成26年度石狩湾新港港湾関係事業費における北防波堤整備にかかわる配分額は7億8,920万円であるが、当初予算要求額22億円に対する割合はわずか36パーセントにすぎない。また、この割合は平成22年度以降、1割にも満たない状況が続いてきたと聞くが、市は、地方財政法第3条の規定に鑑み、このような予算編成について、妥当と考えているのかどうか。
東地区の泊地のしゅんせつに関連し、新港では拡張工事をするごとに砂が流入し、しゅんせつをするということを繰り返しているように思われるが、今後、さらなる防砂堤の建設が計画される心配はないのか。
長期構想や港湾計画の改訂に当たっては、管理組合の説明をうのみにすることなく、十分な精査が必要と考えるが、提案に対し、同意しないということはあり得るのかどうか。
最近、企業が地方自治体の所有する土地や建物の屋根を借り、再生可能エネルギーによる発電を行う事例が増えていると聞くが、本市では、このような発電についての問い合わせはあるのか。
また、このことについて庁内で具体的な検討を行っているのかどうか。
張碓地区の高台の市有地や潮見台公園は、住宅地から離れているため、騒音等の心配が少なく、風力発電に適した土地であると思うが、市はこれら市有地での導入を検討したことはないのか。
札幌市では、市独自の助成により住宅での太陽光発電導入が進んでいるが、本市では、住宅リフォーム助成の対象に太陽光発電システムの設置が含まれているにもかかわらず設置の実績が全くないなど、再生可能エネルギーの普及が進んでいない現状にある。今後、国の助成制度も活用しながら、再生可能エネルギーの普及に前向きに取り組んでほしいと思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、議案第30号につきましては、採決の結果、賛成少数により、否決と決定いたしました。
次に、陳情第811号につきましては、採決の結果、可否同数となったことから、小樽市議会委員会条例第15条第1項の規定により、委員長において、不採択と裁決いたしました。
次に、陳情第2号ないし第145号、第151号ないし第280号、第283号ないし第289号、第293号ないし第308号、第319号、第325号ないし第739号、第741号ないし第810号及び第812号ないし第834号につきましては、採決の結果、賛成多数により、いずれも継続審査と決定いたしました。
次に、所管事務の調査は継続審査と、全会一致により決定いたしました。
なお、当委員会におきまして、陳情第811号について、今後の審議の参考に資するため、委員会の休憩中に陳情者から趣旨の説明を受けたことを申し添えます。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
(7番小貫元議員登壇)(拍手)
○7番(小貫元議員)日本共産党を代表して、議案第30号は可決、陳情第2号ないし第145号、第151号ないし第280号、第283号ないし第289号、第293号ないし第308号、第319号、第325号ないし第739号及び第741号ないし第834号は採択を主張して討論を行います。
最初に、議案第30号小樽市非核港湾条例案についてです。
原水爆禁止2014年世界大会・国際会議が8月4日に採択した宣言では、冒頭、次のように述べました。
「広島と長崎への原爆投下から69年がたった。被爆70年にむけ、我々はここ広島から、核保有国はじめ、すべての政府に呼びかける。「核兵器のない世界」の達成のため、責任ある行動をただちに開始することを。そして、世界の人々に訴える。諸国政府をつきうごかす広大な世論と運動をつくり上げることを」このように始まり、核兵器は直ちに全面的に禁止し、廃絶させなければならないと強調しています。
8月6日の平和宣言では、「核兵器は決して存在してはならない「絶対悪」であると確信できます。その「絶対悪」による非人道的な脅しで国を守ることを止め、信頼と対話による新たな安全保障の仕組みづくりに全力で取り組んでください」とうたっています。このような被爆地の声にもかかわらず、核保有国は核兵器を手放そうとしません。そして、この核兵器をアメリカは、どの艦船に積んでいるのか明らかにせず、世界の海を渡っています。このような艦船が小樽港に毎年寄港しています。小樽市民を守るため、核廃絶への世論を高めるために条例の制定を求めるものです。
次に、陳情第319号所得税法第56条を廃止し、自家労賃を経費として認めることを求める意見書提出方について及び陳情第810号所得税法第56条の廃止を求める意見書提出方についてです。
北海道では、函館市や帯広市、苫小牧市などでも同様の意見書が採択されています。申告の種類により、家族の労働が認められないとする不当な条文が所得税法第56条です。明治時代の家父長制のなごりで、自営業者の家族従業員者が働いても、その給与が経費として認められていません。このような差別規定は、憲法第13条個人の尊重、第14条法の下の平等、第24条両性の平等、第25条生存権、第27条労働の権利などに反する人権問題です。
次に、新「小樽市室内水泳プール」の早期建設方について、旧小樽税務署敷地への新「小樽市室内水泳プール」建設方等について、「第6次小樽市総合計画」の「後期実施計画」の早期での新「市民水泳プール」の建設方についての陳情についてです。
新・市民プールの早期建設を求める声は、今も広がっていることは、署名が積み上げられていることに示されています。教育委員会は市有地だけではなく、国有地や道有地も含めて検討するといいます。売られた旧税務署敷地へのプール建設を求めてきた市民の主張が正しかったことを認めたものです。小樽駅前にあった室内水泳プールを廃止し、そのお金を再開発に使ってしまった責任は市にあります。ですから、市民に新・市民プールの早期建設を約束し、第6次総合計画の前期実施計画に明記しました。市民との約束を果たすべきです。
最後に、陳情第811号特定秘密の保護に関する法律の廃止を求める意見書提出方についてです。
秘密保護法は、国民の多数が反対する中で、強行に次ぐ強行の結果、国会で成立した法律です。なぜ、審議を打ち切り、採択を強行してきたかといえば、法案を審議すればするほど到底覆い隠すことのできない重大な問題点があらわになるからであり、この法律が国民主権、基本的人権の尊重、平和主義という憲法の基本原則をことごとく覆す極めて危険な違憲性を本質としているからです。
第1に、特定秘密の指定は政府に委ねられ、政府が保有する膨大な情報の中から、その恣意的判断で勝手に決められることです。何が秘密かは秘密となり、自分が近づいた情報の中身もわからないまま処罰されます。秘密は防衛、外交に限定されていると説明しても、法律を読めば、第3条第1項に行政機関の長は、我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿とすることが必要であるものを特定秘密として指定するとあるように、支障を与えるおそれという広範かつ曖昧なもので、際限なく指定されるおそれがあります。
第2に、法律は、懲役10年以下の重罰と、威嚇や適性評価の名によるプライバシー侵害という権力の監視にさらされるのは、限られた公務員の漏えい行為だけではなく、国民の日常とその自由であり、国民の知る権利に応える取材と報道の自由です。第22条には、「国民の知る権利の保障に資する報道又は取材の自由に十分に配慮しなければならない」とあります。しかし、国民の持つ表現の自由、知る権利は配慮するものではなく、保障されなければならない憲法上定められている権利です。
第3に、法律で特定秘密と指定されれば、国会への提供も政府の裁量により秘密下に提供された秘密を同僚議員に話すだけで重罰になります。これは、国会の国政調査権や議員の質問権を乱暴に侵すものです。まさに国民主権、三権分立、議会制民主主義の根幹を壊すものになります。
秘密保護法に反対する声明は、憲法学者や弁護士、ジャーナリストや労働組合、出版関係者や演劇、映画に携わる人など、国民の知る権利や言論、表現の自由にかかわるあらゆる分野と言っていいほど広がりました。
政府が8月にパブリックコメントした秘密保護法の運用基準の素案には、秘密指定のリストの対象事項として、米軍の運用や米軍の防衛力の整備が盛り込まれています。秘密保護法は、防衛、外交、特定有害活動の防止、テロリズム防止の4分野を定めて、別表でリストにしています。このうち防衛に関する事項では、「自衛隊の運用又はこれに関する見積り若しくは計画若しくは研究」このようになっています。
ところが、運用基準の素案では、「自衛隊及びアメリカ合衆国の軍隊の運用又はこれに関する見積り若しくは計画若しくは研究」と明記されています。
同じように防衛力の整備に関すると法律であるのに、素案では、「米軍の防衛力の整備に関する」と明記され、アメリカ軍の運用や防衛力にかかわる事項が秘密指定の対象になっています。運用基準で法律がさらに拡張されることになります。国民が知らないうちに運用基準で法律が勝手に拡張され、法定されていない事項が盛り込まれることなど許されません。アメリカ軍の防衛力の整備は、日本の防衛力整備とは全く異質です。これは、集団的自衛権の行使容認の閣議決定が強行された下で、日米が共同して戦争を準備する上で、極めて重要となっていく情報です。これらが秘密指定の対象とされ、国民や国会に対し、全て秘密とされたまま戦争体制の構築、戦争準備が進められるという重大な問題です。
先ほど述べたように秘密保護法は、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義をことごとく覆す法律です。
今年の第1回定例会でも意見書討論を行いましたが、このような憲法に反する法律は、憲法第98条、「この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない」の規定から見ても、存在すら許されない法律です。直ちに廃止すべきです。
いずれの陳情も願意は妥当であり、採択を求めます。議員各位の賛同をお願いしまして、討論といたします。(拍手)
(「議長、12番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)12番、鈴木喜明議員。
(12番鈴木喜明議員登壇)(拍手)
○12番(鈴木喜明議員)自由民主党を代表し、陳情第811号特定秘密の保護に関する法律の廃止を求める意見書案について、不採択の立場で討論をいたします。
特定秘密保護法とは、日本を外敵の侵略から守るという日本の安全保障にかかわる情報のうち、特に秘密にしなければならないものを特定秘密と指定し、この情報を扱う人、その人の適性も含め決定し、この特定秘密を漏らしてしまったときの罰則を定めた法律です。
第1号は、防衛に関する事項で、例を挙げると、自衛隊が使っている装備の性能とか、どこの基地に何がどれくらい配備されているかなどの情報です。
第2号は、外交に関する事項です。
第3号は、外国の利益を図る目的で行われる安全協議活動の防止に関する事項、いわゆるスパイ活動防止についての事項です。
第4号は、テロ活動防止に関する事項となっています。
この法案の成立の背景には、先進国の中で、我が国はこのようなスパイ等を取り締まる法律の制定が遅れ、罰則規定も軽微で、情報セキュリティに対する意識も低く、実際、過去に最高レベルの防衛に関する情報も漏えいされた経緯があります。そのため、安全保障条約を結ぶ同盟国である米国から安全保障に関する重要機密情報の共有を拒まれた例もありました。
本陳情の説明の中で陳情者が述べられた、国家の秘密は現在の法律によって十分保護されているという観点は、本法の罰則規定の強化と情報入手者もその対象にすることなどは、スパイ等の防止には必須で、現法だけでは不十分だと考えます。確かに、陳情者が御心配される裁判になったときに、どれほどの情報を裁判の場で公開するのかという規定もないことや、特定秘密を指定する第三者機関の設置・運営など明確化されていないことには、我々自民党地方議員も不安に思う部分はあります。
本法案は、必要だという過半数の国民の声を受け、昨年12月6日に成立しました。
(発言する者あり)
その後の世論調査で説明不足であるなど、多数の批判があることも承知しています。
(発言する者あり)
しかしながら、現在でも我が国は、情報漏えいによる国家の安全が脅かされ、特定秘密保護法そのものの必要性は、市民、国民の皆様にも理解されていると認識しています。
本年12月に予定されている施行に向けて、本法律の政令や運用基準のほか、第三者機関の設置、運営等の多岐にわたる事項について、検討が進められている中、陳情者が心配される点が明確にされるべきとは考えますが、陳情趣旨であります廃止を求めるまでは同意できません。よって、本陳情に対しては、反対をいたします。
他会派の御賛同をお願いし、討論を終わります。(拍手)
(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)16番、林下孤芳議員。
(16番林下孤芳議員登壇)(拍手)
○16番(林下孤芳議員)民主党・市民連合を代表して、議案第30号小樽市非核港湾条例案は可決、陳情第811号特定秘密の保護に関する法律の廃止を求める意見書案提出方については、採択を求めて討論をいたします。
まず、議案第30号小樽市非核港湾条例案ですが、我が国は、広島、長崎に原子爆弾の投下を受け、多くの人命を失い、ビキニ環礁でもアメリカの大気圏内核実験によって、日本のマグロ漁船の乗組員や近くの島々の住民も被爆し、多数の犠牲者を出し、今なおその後遺症に苦しみが続いております。
核兵器は、絶対悪と言われながらも、今なおアメリカやロシアだけでも地球上の全ての人類を2回も死滅させる量の核兵器が存在するとも言われていますが、その一部は、爆撃機や艦船、潜水艦などに搭載され、世界中を移動し、常に危険にさらされていることになります。
アメリカで公開された機密文書の中には、B-52爆撃機から誤って核爆弾が落下し、アメリカ国内に落下して、奇跡的に爆発を免れた例が明らかになっておりますが、そうした事例は、潜在的に、まだまだ多く存在することが想定されています。
核兵器に限らず、福島第一原発の事故でも、いったん事故を起こせば、原子炉の暴走をコントロールすることは不可能となり、被爆被害を食い止めることすら大変困難なことが明らかにされ、いまだ懸命の模索が続いていると言っても過言ではありません。そうした脅威から市民、国民を守るためには、小樽市非核港湾条例案は、議会の意思を示す最も有効な方策と思います。
各議員の御賛同をお願いいたします。
次に、陳情第811号特定秘密の保護に関する法律の廃止を求める意見書案提出方について、採択を主張して討論いたします。
総務常任委員会の休憩中に行われた陳情者からの陳情趣旨説明では、刑罰を科すには、何が犯罪であるのかを法律で定める罪刑法定主義の原則に反し、どのような特定秘密の侵害があったのかの立証も極めて無限定、不明確で、これをもって極めて重い懲役10年、1,000万円以下の罰金を科すことは、人権侵害の危険が顕著である旨の陳述もありました。
この法律案は、昨年秋の臨時国会に提出され、野党はもとより、全国の弁護士会、日本ペンクラブ、日本新聞協会、刑事法の研究者、憲法・メディア法研究者、歴史学者、言論界、映画界、一部の県議会や市町村議会など、国民各層、各分野からの表現の自由、知る権利の侵害など、憲法上の重大な人権侵害などの見地から、一斉に反対の声が上がりました。
しかし、衆議院では、11月7日の本会議からわずか20日後には、強行採決され、その10日後には、参議院でも強行採決されました。以降、今日まで10か月余りが経過しておりますが、今なお国民各層から表現の自由、知る権利の侵害など、国民に対する重大な権利侵害といった問題提起と反対の声が続いており、法律が成立して、施行を間近に控えても、なおこうした運動が広がり続けていることは、異例と言わざるを得ませんし、これほどにこの法律は、深刻な問題を抱えていると言わざるを得ません。そして、集団的自衛権行使の閣議決定とあわせ、アメリカをはじめ、諸外国の研究者からも我が国の一連の動きは、再び軍事大国化や核武装に対する懸念や疑問が広がっていると言われています。このことは、戦後、我が国が長い年月をかけて培ってきた世界に誇る平和国家の信頼を一変させるもので、極めて危険な法律と言わざるを得ません。
総務常任委員会の採決では可否同数となり、委員長裁決で不採択となりましたが、討論でも地方議員として、若干の疑問や不安を感じている自民党、公明党議員の皆さんの勇気ある決断をお願いしたいと思いますし、また悲惨な戦争体験を受け継いでこられた無所属議員の御賛同も心よりお願いし、討論といたします。(拍手)
(発言する者あり)
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)1番、秋元智憲議員。
(1番秋元智憲議員登壇)(拍手)
○1番(秋元智憲議員)公明党を代表し、陳情第811号特定秘密の保護に関する法律の廃止を求める意見書提出方について、不採択を主張し、討論いたします。
日本を取り巻く安全保障環境は、厳しさを増しております。国民の安全や国益を守るために、これらにかかわる情報を迅速に入手する必要性については、言うまでもありません。現在、国家公務員法や自衛隊法、MDA秘密保護法にも秘密を漏えいした公務員などを処罰する規定はありますが、量刑が軽すぎたり、情報の対象が限定されており、我が国の安全保障に関する重要な情報の漏えいを防ぐ法整備は万全ではないために、万が一にも兵器の性能や外交の暗号などが漏えいし、インターネット上に流れでもしたら、取り返しのつかない事態になることも指摘されてきました。このような重要な情報管理が万全でなければ、諸外国は重要な情報を我が国と共有しようとはしないため、自国民の安全や国益を守るために必要な特定秘密を守るための法整備は、もはや国際基準となっているのも事実であります。
今回の特定秘密保護法で、特定秘密に指定されるのは、安全保障に関する情報のうち、防衛、外交、特定有害活動の防止、いわゆるスパイ活動の防止、テロリズムの防止の4分野であり、通常生活の中で、国民がこれら4分野の情報にかかわることは極めて少ないと考えますし、何が特定秘密であるかを知らず、またスパイなどの目的を持つこともないので、知ろうとした情報が、偶然、特定秘密に該当するものであったとしても処罰されることはありません。
また、国民の知る権利については、記者が報道目的で特定秘密を取材することや、その結果として特定秘密の内容を報道することも禁じてはいませんし、さらには恐喝などの法令違反や相手の人間性を踏みにじるような著しく不当な方法でない限り、公益目的の取材行為は、正当な業務と定められました。刑法第35条は、正当な業務を不処罰と定めているため、特定秘密の取材行為も処罰されません。
(発言する者あり)
第三者機関についてですが、修正協議の結果、特定秘密の指定及びその解除に関する基準などが、真に安全保障に資するものであるかを独立した公正な立場において検証、観察する新たな機関の設置を含め、特定秘密の指定などの適性を確保するために必要な方策について検討することが附則に明記され、国会が国権の最高機関として、行政の活動をコントロールする観点から、特定秘密を取り扱う行政機関のあり方や、特定秘密の運用の状況などについて審議、監視する委員会、その他の組織を国会に置くことなどについて、早急に検討を加え、法案の施行までに結論を得ることとしており、当然ながら特定秘密保護法が施行されるまでには設置されるものと考えております。
また、政府が特定秘密の恣意的な運用をさせない方法として、報道、取材の自由のほかに情報公開法に基づく方法があり、国民からの開示請求に対し、官庁が特定秘密を理由に不開示としても、有識者による情報公開、個人情報保護審査会が特定秘密そのものを見て、不開示が妥当かどうかを判断できます。秘密指定される期間については、アメリカでは秘密の有効期間は、原則25年以下であり、人的情報源などの情報に限って、50年又は75年となっております。
また、イギリスでは、秘密情報は、原則20年で開示され、例外的に港湾関係などの情報については100年、国家安全保障に関する情報については、個別に定める期間となっています。
今回の秘密保護法では、原則として30年、例外的には60年とされており、他国と比べた場合でも、指定期間について特別に長期間にわたるものではありません。
ただし、特定秘密の中には、どうしても延長し続けなくてはならないものがあり、その事項として、武器、弾薬、航空機、その他の防衛に必要なもの、情報収集活動の手法、又は能力、また暗号、外国政府又は国際機関から60年を超えて指定を行うことを条件に提供された情報などであり、このような特定秘密が延長指定されることにより、国民が不利益をこうむることはないものと考えます。
以上の理由から陳情第811号特定秘密の保護に関する法律の廃止を求める意見書提出方については、不採択を主張いたします。
議員各位の賛同を呼びかけ、討論といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、議案第30号について採決いたします。
委員長報告は否決でありますので、原案について採決いたします。
可決と決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立少数。
よって、議案は否決されました。
次に、陳情第811号について採決いたします。
委員長報告は不採択でありますので、原案について採決いたします。
採択と決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)可否同数であります。
よって地方自治法第116条の規定により、議長において可否を裁決いたします。
本件につきましては、議長は不採択と裁決いたします。
次に、陳情第2号ないし第145号、第151号ないし第280号、第283号ないし第289号及び第294号ないし第308号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、陳情第293号、第319号、第325号ないし第739号、第741号ないし第810号及び第812号ないし第834号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、所管事務の調査について、採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、経済常任委員長の報告を求めます。
(「議長、3番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)3番、中村岩雄議員。
(3番中村岩雄議員登壇)(拍手)
○3番(中村岩雄議員)経済常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
議案第22号は条例に登載されている土地の一部を高速道路建設用地として売却したことに伴い地積変更をするものであるが、売買契約は2月に締結されており、本来ならもっと早い機会に提出できたのではないか。
提出が遅れた理由は、今回の売却については議決の対象外だったためなどとしているが、議会への報告なしに土地を売却し、その上、条例改正案の提出も遅れるということはあってはならないことであり、今後はこのようなことがないよう、議決対象外の処分であっても、議会報告と議案提出はセットで速やかに行うべきと思うがどうか。
また、余市―小樽間の国道整備については、完成のめどが立たず、平成30年に完成予定の高速道路と比較し、明らかに後回しにされている。本来、国道整備を優先すべきところ、市が賛否両論ある高速道路の建設に協力し、土地を売却することについては到底納得できないがどうか。
今年8月、オタモイ海岸で崖崩れが発生したが、崩れた箇所は市有地であったと聞いている。市は、平成18年にオタモイ海岸急傾斜地調査業務を行い、今回崩落のあった場所についても危険であると認識していたはずだが、どうして安全対策を講じていなかったのか。
また、市は、これまで景観保全と安全対策の両立ができないことを理由に、開発は困難との姿勢を示しているが、過去に市がオタモイ開発のために崖崩れを承知で土地を購入したことなど、土地所有の歴史的経過に照らせば、崩落の危険性を理由に開発を放棄することには到底納得できないがどうか。
赤岩遊歩道については、今後3年をかけ、北海道が整備を行うほか、市としても、祝津地区の観光客が集まる場所に案内板を設置するということで、観光客の増加に期待をしているところである。
一方、車で遊歩道を訪れる観光客やロッククライマーが多いにもかかわらず、赤岩から遊歩道に至る道路は、車両がすれ違うのが困難なほど狭隘で側溝もない市道であるため、一たび雨が降れば道路に水が流れ込んでしまう状況にある。今後、遊歩道の整備が進むことで来訪者が増加することを考えれば、訪れた方々に満足していただけるよう、道路の拡幅や側溝の設置などに努めてほしいと思うがどうか。
近年、クルーズ客船の需要が拡大している中、大型クルーズ客船の新造や国内での誘致活動の話題が報道されることが多くなっている。大型クルーズ客船の寄港による経済効果は非常に高いことから、全国各地の港湾による誘致合戦が繰り広げられているが、本市はどのようにして情報収集に努めているのか。
また、さらに誘致を促進していくためには、現在検討されている港湾計画を早期に実施に移し、港湾施設の整備を図る必要があると思われることから、港湾計画の策定作業をこれまで以上に精力的に進めてほしいと思うがどうか。
小樽のまち並み・景色を観光資源とした観光促進事業の一環である撮街(とりまち)小樽撮影ツアーには、定員20名に対し45名もの応募があり、参加者の8割は市外の方であったと聞く。また、参加者からは、小樽のまち自体が素晴らしい被写体であるとともに、プロのカメラマンからの助言を得られることが魅力であるとの声が聞かれるなど、ツアーへの評価は非常に高いものであった。
本事業の実施期間は今年12月までとされているが、ツアーのほか、フォトコンテストやワークショップなどでの反応を見ても、新たな観光コンテンツとして十分期待が持てることから、この事業が民間事業として自立できるよう、期間終了後においても予算措置を一定程度継続してほしいと思うがどうか。
近年、本市経済を支えている小規模事業者の数が、高齢化や人口減少に伴い減少傾向にあると聞くが、市はこれまで小規模事業者に対しどのような支援を行ってきたのか。
また、継承者がいないことも廃業が増加する一因として考えられるが、リタイア後に何かをしたいという高齢者も多い中で、継承者を探している事業者とのマッチングにより技術などを継承させることができれば、その企業は消えずに引き継がれていくこととなる。今後も少子高齢化が進む中で小規模事業者を支援していくためには、元気な高齢者に協力してもらう形での取組を考えることが必要であると思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、議案第22号及び陳情第290号につきましては、採決の結果、賛成多数により、議案は可決と、陳情は継続審査と、それぞれ決定いたしました。
次に、所管事務の調査は継続審査と、全会一致により決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、討論に入ります。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
(22番北野義紀議員登壇)(拍手)
○22番(北野義紀議員)日本共産党を代表し、ただいまの委員長報告に反対し、議案第22号小樽市山林基金条例の一部を改正する条例案は否決、陳情第290号国定公園「ニセコ・積丹・小樽海岸」の中心地区「オタモイ海岸」の早期整備方については、採択を求め、討論を行います。
議案第22号ですが、今年1月31日に小樽市山林基金に属する財産である天神3丁目の山林585.75平方メートルを17万5,725円で、ネクスコ東日本に北海道横断自動車道建設に係る用地として随意契約で売却いたしました。
売却の地積、価格は、議会の議決事項の対象外であることをいいことに、山林基金条例改正を本年第1回定例会、第2回定例会に提案できたにもかかわらず、それを行わず、第3回定例会に議決対象である決算書の詳しい説明を記載している決算説明書の財産売払収入として計上しなければならないため、議会に条例改正を提案してきたものであります。
売払地積、予定価格が議会の議決対象外で、市長決裁でできることをよいことに、条例改正は必要に迫られるまで議会に提案しないというのは、議会軽視であり怠慢そのものです。今後も市有地財産売払の条例改正は、今回のようにやると答弁するに至っては言語道断です。市民の財産を扱う公務員としての自覚に欠ける態度を改めるよう強く要求するものです。
国の道路行政は、自動車専用道路優先で、一般国道改修は後回しにされています。小樽市の区域である塩谷文庫歌から蘭島までの国道の4車線化などの改修計画はありません。この区間について言えば、崖の崩落などがあったため、忍路と塩谷の防災工事の計画があり、このうち忍路防災の工事は行われていますが、塩谷防災は工事の着手時期、完成年次も不明なままです。
一方、余市-小樽間の北海道横断自動車道の工事は、20工区に分けられ、既に5工区は完成済み、12工区が一斉に工事に着手し、まさに突貫工事の様相を呈しています。今年度新たに残りの3工区が発注予定で、これら工区の完成年次は、平成29年12月、その後、舗装工事、照明などの付帯工事が予定され、平成30年度末までに完成予定とのことです。
先ほど指摘したように国道の防災工事でさえ完成年次は不明です。これは、無料の一般国道より有料の自動車専用道路を優先している何よりの証拠で、市民や道民の便宜や経済的負担を考えない道路行政と言わざるを得ません。少なくとも国道5号の抜本的な改修計画と当面の防災工事の完成予定時の明確な約束ぐらいさせるべきです。こういう約束もしない道路行政に協力し、市民の財産を売り払うことは賛成できません。
次に、陳情第290号国定公園「ニセコ・積丹・小樽海岸」の中心地区「オタモイ海岸」の早期整備方についてです。
理事者は、オタモイ海岸については、抜本的な対策、安全対策をした上で、あの景観を守る方法はないと断定し、今後、何らかの形でオタモイの開発を進めることは、非常に難しいとの態度です。オタモイ海岸では、昨年と今年、それぞれ崖崩れが起きています。昨年の崩落箇所は民有地であり、これまで崖崩れ防止対策が行われてこなかった箇所です。今年8月の崩落箇所は、小樽市の所有地でありましたが、昭和54年に落石防止ネットが設置されて以降、35年間一度も安全対策がとられてこなかった箇所です。抜本的対策ではなくとも補強工事などで安全対策がとられていたなら、今回の崩落は防げたはずです。
この間の小樽市の対応を見ると、昭和54年にオタモイ海岸の崖地の所有者になる前より安全対策の対応は大きく後退しています。オタモイ海岸の崖地の所有者になる前の1970年7月ですが、小樽警察署が、オタモイ海岸の崖地の事故防止対策をとらない限り、立入禁止措置をとるとしたために、小樽市も警察署と一緒に、崖地の所有者である北海道上島コーヒー会社に対し警告を行い、三者で安全対策で話合いが何回か行われました。協議内容は、当時の北海道新聞7月17日付けで報道されています。当時でさえ、小樽市は警察の協力もいただいて、民間業者であろうと土地の所有者に対して安全対策をとるよう努力をしていたのです。私が2011年、平成23年第4回定例会の経済常任委員長報告に対する反対の討論で詳しく述べたように、1978年5月に北海道上島コーヒー会社からオタモイ観光開発を願う小樽市の強い要望により、小樽市への所有権移転を前提に札幌のつばめ商事にオタモイの崖地の所有権が移転になりました。
しかし、小樽市は、この崖地を買うお金がなく、北海道中央バスから7,000万円の寄附を受け、ようやく小樽市の所有となりました。同じ時期に唐門の現在地への移転も会社役員の荒木源氏から300万円の寄附を受けてのことでした。この件を改めて指摘するのは、当時オタモイ観光開発は小樽市、天狗山観光開発は中央バスとの約束が交わされていました。荒木源氏の300万円の寄附も小樽市がオタモイ観光開発を行うことが前提でした。当時の志村和雄市長も崖崩れが起きることを承知でオタモイ海岸の崖地を買い取ったのです。小樽市は、自分が崖地の所有者でないときは、民間業者に崖の安全対策をとれと警察の力もかりて迫りながら、自分が崖地の所有者になったら北海道とともに一応の安全対策を行った以降、手をつけなくなりました。2006年、山田市長のときに行ったオタモイ海岸急傾斜地調査業務の結論を金科玉条に崩落事故の後処理や立入禁止措置という安全対策しか講じてきませんでした。
原点に返って、こういう態度を改め、小樽市がみずから安全対策をとり、民間の方にも一緒に安全対策をとろうではないかと呼びかけて、初めて所有者の合意を得られるのではないでしょうか。このことを強く求め、陳情第290号は、採択を主張するものです。
最後に、港湾問題について触れます。
今年度中に、石狩湾新港の港湾計画改訂を行う予定ですが、あり得ない新規の貨物量を想定して、新たな無駄遣いを行おうとしていることをやめ、小樽市が石狩湾新港の整備を優先し、小樽港を後回しにする態度を改めることを求めて討論を行います。
今年度中に行う石狩湾新港の港湾計画改訂で、新たなバルク貨物に対応すると称して、新規に西地区にマイナス12メートルバース、240メートルを計画し、その背後地に既に計画されている6.6ヘクタールの埠頭用地を73億円かけて造成しようとしています。現在でさえ3万トン級以上の大型船が多数入ると245億円かけ造成した水深14メートル岸壁は、チップ船のみの利用で、2013年で言えば、接岸したのはたった14隻のみ、岸壁での荷役作業も平均すれば、毎月1日か2日しか使われていないのです。
また、その背後地の荷さばき地も、2号荷さばき地は、事実上王子エフテックス株式会社の専用埠頭です。これが、起債償還は使用料で間に合わず、管理者負担が出ています。残りの荷さばき地1号と3号を合わせた面積は、4万2,000平方メートルです。ここの利用状況は、2013年度は皆無、2012年の石材の利用状況は、二つ合わせた荷さばき地の10分の1も使われていません。このため、起債償還期間中の管理者負担は62億円に及ぶのです。我が党は、新規のマイナス12メートルバースを建設しなくても、既存のマイナス14メートルバースと、その背後地の4.2ヘクタールの荷さばき地で、新たなバルク貨物は取り扱うことができると考えています。
石狩湾新港管理組合議会第2回定例会での、私の質問で明らかになりましたが、新たなバルク貨物とは、石材、輸出米、風力発電の輸入機材だというのです。石材は、現在より3万トン取扱量が減りますから、これは触れませんが、輸出米はどうか。現在、北海道から輸出されている道産米は、北海道の港湾統計年報によると、全道で、たった1万5,080トンにすぎません。
ところが、石狩湾新港管理組合では、道産米の輸出は、港湾計画改訂の目標年次の10年後から15年後には14倍になるとの計画になっています。その根拠は、全国の米の生産量から国内での消費量を差し引いた225万トンが全部輸出米になるとの前提です。その理由を聞いたら、国と相談すると逃げて説明してくれません。
風力発電機材の輸入についてですが、石狩湾新港管理組合の説明は、政府が行った平成22年度、新エネルギー等導入促進基礎調査事業報告書、風力発電、風力エネルギーのことですが、この調査報告書を基に、石狩湾新港に風力発電機材が輸入されると想定し、後志、石狩、留萌、宗谷区域の風力発電の導入可能量を458万キロワットと推計しています。風車1基の発電規模は2,000キロワットとすると、これらの区域への導入可能基数は2,290基、耐用年数を30年とすれば、年間76基建設されるとの計算です。これらの機材は、石狩湾新港での年間取扱量は12万フレートトンになるとのことです。説明で問題なのは、風車2,290基が、今後30年間にわたって毎年76基分ずつ石狩湾新港に輸入されるとしていることです。耐用年数を考慮して、30年後に、また76基の風車の機材が輸入されるというのであればうなずけますが、毎年76基分の機材が取り扱われるなど考えられないことです。76基の風車の機材が輸入されると仮定しても、北海道電力にこれを買い取ってもらうことが前提です。ところが、北海道電力の風力発電買取可能量は56万キロワットに対し、平成25年現在、風力発電から既に31.6万キロワットの買取りをしていますから、あと24万4,000キロワットしか枠がありません。石狩湾新港が取り扱う区域の風力発電の割合からいって12万キロワットで、風車でいえば60基分しか買い取ってもらう枠がないことになっています。まして、76基の機材が毎年輸入され稼働するなどは、到底考えられません。どうして、こういう計画になったのかと、その根拠を質せば、国と相談すると、また逃げてしまって説明しません。
日本共産党は、原発を廃止し、地球温暖化の要因である化石燃料の火力発電の比重を下げ、再生可能エネルギーで電力を賄うことは望ましいと考えています。しかし、安倍自民・公明政権の方針からいって、直ちにとはなりません。現実的に考えても石狩湾新港管理組合の計画は、あり得ない話です。
続いて問題なのは、こういう港湾計画に当たって、あり得ない貨物量を前提に73億円かけて建設しようとしておりますが、これまで小樽市は、石狩湾新港の港湾計画改訂に当たって、管理組合からの提案をうのみにして、過大な港湾計画に同意してきた経緯があります。こういう心配があるので、今回もまた同じように同意するのではないか非常に心配です。管理組合は、既に港湾計画を改訂したからといって、直ちに工事に着手するという意味ではないと言い逃れを始めました。これを根拠に石狩湾新港の港湾計画改訂に小樽市が同意に引き込まれることがあってはなりません。
以上、指摘したように石狩湾新港の港湾計画改訂は、あり得ない貨物量を前提に、またもや過大な港湾施設建設を強行し、新たに三十数億円の管理者負担をかぶせようとしています。これに対し、小樽港港湾計画改訂はどうなっているか。今年の第1回定例会の経済常任委員会で、港湾計画の改訂を1年繰り延べし、平成28年度を目標にするとの報告があり、具体的になっているのは、第3号ふ頭の再開発に続いて、レジャー的色彩が強い若竹地区水面貯木場及びその周辺だけです。貨物よりも先に、この二つがまとまったのは、市長や理事者が貨物をどうするか展望が持てず、後回しになっているからです。今定例会での言いわけのように小樽港の計画改訂の基礎資料となる今後の物流産業動向を踏まえて、小樽港の役割について検討すると説明し、物流面に関する報告が12月に延期された理由をたった1行で説明しただけです。
石狩湾新港の港湾計画改訂が、あり得ない貨物量を前提にしてでも強行しようとしているのに比べ、本港の改訂、なかんずく取扱貨物をどうするかで全く意欲が見えません。後志での風力発電計画が幾つかあるものの、これらの機材は、全部新港に陸揚げされることを認めた上での事務レベルでの打合せにすぎません。少なくとも後志の風力機材は、小樽港で取り扱うとどうして主張できないのでしょうか。情けない限りです。
小樽市政が石狩湾新港の整備を優先し、小樽港を後回しにしていると見られるような卑屈な対応を改めるよう強く要求し、討論といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、議案22号及び陳情第290号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、所管事務の調査について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、厚生常任委員長の報告を求めます。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、中島麗子議員。
(20番中島麗子議員登壇)(拍手)
○20番(中島麗子議員)厚生常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は次のとおりであります。
議案第26号小樽市児童発達支援センター条例の一部を改正する条例案は、さくら学園において保育所等訪問支援に関する業務及び障害児相談支援に関する業務を追加するものである。
保育所等訪問支援は、障害があっても保育所等の利用ができるよう、訪問を通じて集団生活への適応のための専門的な支援を提供するものであるが、1回の訪問につき9,120円の料金が発生し、その1割は利用者負担となるという。仮に、1か月に3回の訪問を受けた場合は、約2,800円の自己負担が発生することとなり、障害者に負担を強いることになる改正は、到底容認できるものではないと思うがどうか。
議案第27号特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例案及び議案第28号家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例案は、子ども・子育て支援新制度に組み込まれる教育・保育施設及び地域型保育事業の運営に関する基準と、地域型保育事業の認可基準をそれぞれ定めたものである。
この中の小規模保育事業においては、保育士の配置を必要としない認可基準も示されているが、認可外保育施設における死亡事故の発生は、認可保育所に比べ圧倒的に多いことが全国的にも問題となっている中で、市は、この実態をどのように捉えた上で、国の基準に合わせる考えなのか。
また、現行の保育所では行われていない上乗せ徴収や文房具などの実費徴収も認められるというが、生活保護世帯や市民税非課税世帯であっても一律に徴収されることになれば、低所得者ほど負担感が増すことになるのではないか。
これら条例案については、国の考えに左右される部分が大きく、検討課題も多いことから、議会での議論はまだ不十分であると考えられる。国から明確な内容が示された時点で、条例の内容をわかりやすく変更した上で、提出し直すべきと思うがどうか。
居宅訪問型保育事業の職員の資格は、必要な研修を修了し、保育士又は保育士と同等以上の知識及び経験を有すると市町村が認める者となっているが、研修内容については、現在、国が検討している内容を踏まえて検討するという。当該研修により、資格のない者が保育にかかわることになるが、誰に預けても同等の保育が受けられるよう、統一した基本理念を浸透させるような研修内容としてほしいがどうか。
また、誰にも見られない限られた空間では、子供への虐待などが起きる可能性が大きいことから、チェック体制の構築が必要と思うがどうか。
小規模保育事業所の職員数については、事業類型でいうA型とB型は保育所の配置基準に1名加算され、C型については厚生労働省が既に実施している家庭的保育事業を踏襲し、新制度に位置づけられたというが、保育従事者の配置について、現行水準が切り下げられる心配はないと言えるのかどうか。
また、この認可基準自体は、項目が多く非常にわかりづらいものであるので、市民周知に当たっては、できるだけ理解しやすい方法を検討してほしいと思うがどうか。
本条例案も含め、国の子ども・子育て支援新制度自体が本市の実態とはかけ離れているのではないかという思いはあるが、少なくとも条例の制定により、現在の利用者負担や認可外保育施設に対する助成制度など、現在、本市が行っている支援事業については担保されるものであり、今後、議会議論なしに改悪されることはないと理解してよいのかどうか。
陳情第835号は、国民健康保険に対する国庫負担の増額を求める意見書の提出を求めるものであるが、国保財源全体に占める国庫支出金の割合は、昭和50年度は58.5パーセントであったものが、昭和60年度には45パーセントになり、平成23年度には25パーセントに減っている状況にある。この引下げが、高い保険料の一因となり、加入者の生活を圧迫しているという現状を踏まえると、国に国庫負担の引上げを求めるべきであると思うがどうか。
一方、国庫負担の増額を求める趣旨は理解できるものであるが、現在、国保の都道府県化について、国と地方の協議が進められており、8月に示された「中間整理」では、国保の財政上の構造問題解決に向け、保険者支援制度の拡充や追加公費投入の実現などの方向性が示されたと聞くことから、今は制度改正の流れを注視していく段階であると思うがどうか。
介護保険については、来年度の制度改正により、要支援者に対する訪問介護・通所介護が市の行う地域支援事業に移行することになる。本市は、平成29年度に移行する予定とのことであるが、影響の大きい改正であると考えられるので、きめ細かな情報発信と丁寧な検討をしながら現行の質を落とさないよう取り組むとともに、近隣市町村とのサービス内容の相違についても十分勘案しながら、よりよい地域支援事業を構築してほしいと思うがどうか。
利用者負担については、一定以上の所得がある利用者について2割負担が導入され、5月の住民税額決定後、8月以降に負担額を変更していくとのことであるが、利用者・事業者双方に大きな混乱を招くことが懸念されることから、負担割合の確定は早めに行うとともに、周知徹底についても十分検討する必要があると思うがどうか。
市立保育所の規模・配置に関する計画における手宮保育所のあり方については、今後の保育需要の動向を見ながら、平成26年度をめどに方向性を決定するとのことであるが、いまだ方向性は示されず、中身の議論ができない状況にある。年度も半ばに差しかかっていることから、そろそろ判断する時期だと思うがどうか。
また、方向性の判断は、保護者にとっても重要な問題であり、年度末に突然示されても混乱を来すおそれがあることから、遅くとも新年度の入所児童の募集が始まる時期までに一定の見通しを示すことが、利用者への配慮につながると思うがどうか。
本市の健康づくりの指針である健康増進計画「第2次健康おたる21」は、平成25年度から10年間にわたる長期計画であり、計画の初年度には、広報紙やホームページをはじめ各種保健事業での啓発や企業・関係団体への訪問等による市民周知を積極的に実施したという。また、分野別の取組や推進体制の構築についても、少しずつではあるが進行しているとのことであるが、今後においても、子供から働き盛りの世代までの健康増進のため、一層の取組強化を行いながら計画を進めていってほしいと思うがどうか。
アルコール依存症に関係した相談件数は全国的に増えていると聞くが、実際に依存者本人にかかわることができる人は非常に少ないと感じている。行政として、関係機関と連携を強化し相談窓口を増やすなど、依存症が起こりづらい環境をつくっていくことが必要ではないか。
また、この病気の特徴として、周りの人たちを巻き込むケースが多いが、家族は、事態の表面化は避けたいと思っていると推測されることから、アルコール依存者の回復事例をホームページに載せるなど、行政や関係機関に相談する前の段階での手段を周知することも大切だと思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、議案第26号ないし第28号並びに請願第2号並びに陳情第1号、第310号、第314号、第316号、第320号、第321号及び第835号につきましては、採決の結果、賛成多数により、議案はいずれも可決と、請願及び陳情はいずれも継続審査とそれぞれ決定いたしました。
次に、その他の各案件につきましては、議案はいずれも可決と、所管事務の調査は継続審査と、全会一致により決定いたしました。
以上をもって報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)8番、川畑正美議員。
(8番川畑正美議員登壇)(拍手)
○8番(川畑正美議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、議案第26号ないし第28号については否決、陳情第835号、継続審査中の請願第2号並びに陳情第1号、第310号、第314号、第316号、第320号及び第321号は、願意妥当、採択を求めて討論を行います。
議案第26号は、小樽市児童発達支援センター条例の一部改正条例案です。平成24年第1回定例会で、我が党は、障害者に原則1割の応益負担を強いる苛酷な制度で、障害者から生存権の侵害、憲法違反として強い反対があり、応能負担として1割を上限に家計の負担能力に応じて負担することは認められないとして反対してきました。
改正内容は、保育所等訪問支援に関する業務及び障害児相談支援に関する業務が追加されたものであります。しかし、障害児相談支援に関する業務については、サービス料金を徴収されず、保育所等訪問支援に関する業務については、相談1回につき9,120円のサービス料がかかり、保護者は1割負担とされています。我が党として、障害者相談サービスに対して、手数料をとることは認められません。
議案第27号、第28号は、子ども・子育て支援新制度に関する条例案です。子ども・子育て支援新制度は、来年10月に予定している消費税率を10パーセントに増税する財源を確保することを前提に、2015年4月から本格実施が予定されているものです。子ども・子育て支援新制度の提案された条例案は、引用している政省令の項目番号を参照しなければならず、政省令の理解が必要になります。今、市民、とりわけ子育て世代が注目している子育て支援分野の条例が、読んでも理解できないなど、市民に対しても不明な部分が多くあります。
また、国が明確な内容を示していない課題も多くあります。
保育認定や延長保育の問題では、国は保育短時間認定の子供の保育利用時間については、例えば一例の時間帯を設定するとし、その時間帯以外の利用については、延長保育として取り扱うとしています。1日4時間程度の短時間労働であっても、保護者が早朝出勤の場合には、一律設定時間外の保育が必要となり、設定時間前の部分については、延長保育料金がかかることになります。そして、延長保育を利用することによって、保育料が高くなるという矛盾も出てきます。
保育士の配置に関しては、新制度の定員20人未満の小規模保育事業は、満3歳未満の乳幼児を施設で保育する事業です。A型は、保育従事者全員が保育士ですが、政令ではB型は、保育士は保育従事者の2分の1以上でよしとされ、C型は保育士の資格を必要としていません。本来、保育格差をなくすならば、認可保育所の基準に準じたA型で取り組むべきです。厚生労働省の基準で、保育士資格を有する者が保育従事者の3分の1で可とされてきた認可外保育施設では、子供の死亡率がとても高くなっています。厚生労働省によると、2013年1月から12月の間における死亡事故件数は、認可保育所で4件、認可外保育施設では15件となっています。入所児童数から換算すると、認可外は、認可の実に45倍に及びます。保育所園児の安全を確保する上でも問題です。
新制度に移行した場合でも、3歳以上の子供に関して給食の外部搬入が認められ、保育料に上乗せ徴収や文房具などの実費も認められるというが、生活保護世帯や市民税非課税世帯にあっても徴収されることになれば、低所得者などに負担が増すことになるなど、子ども・子育て支援新制度は、問題が山積みです。
我が党は、このように国自体が明確に示しきれない部分が多くあり、保護者への十分な周知がされていない条例案には反対であり、明確な条例内容に変えて提出し直すべきです。
陳情第835号国民健康保険に関する国庫負担の増額を求める意見書提出方について及び継続審査中の案件である請願、陳情については、願意妥当、採択を求めます。
継続審査中の請願、陳情につきましては、長期に継続審査とされている経過があります。提出された皆さんは、市議会で積極的な議論がされず、無念な思いをされていることと思います。市民を代表する議員として、いつまでも継続審査として放置することなく、市民要求を真摯に受け止め、改めて請願、陳情の趣旨を確認の上、議論を行うべきであります。積極的な審査を求めるよう改めて要請いたします。
継続審査中の請願第2号JR南小樽駅のバリアフリー化の要請方について、陳情第1号天狗山ロープウェイ線における最上団地停留所利用時の料金設定改善要請方について、第310号銭函駅へのエレベーター設置方について、第314号小樽市女性国内研修事業の再開方について、第316号北西部地区における「一時的保育事業」の実施方について、第321号受動喫煙防止条例の制定等受動喫煙防止諸施策の強化方については、願意妥当であります。
全会派の皆さんの賛同をお願いして、討論を終わらせていただきます。(拍手)
(「議長、19番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)19番、斎藤博行議員。
(19番斎藤博行議員登壇)(拍手)
○19番(斎藤博行議員)民主党・市民連合を代表し、議案27号小樽市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例案及び議案第28号小樽市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例案に賛成の立場から討論を行います。
初めに、この議案のつくりに関する問題です。
議案では、小樽の子育てに関する条例の条文が国の子ども・子育て支援法や、その法が定める規定、さらには基準内閣府令や基準省令といった文言で表示されています。リンク方式といわれるこうした形式の条例では、条例で使われている政省令の内容が変わったときに、市民生活を守る立場や保育施設の利用者の立場に立った議会としての議論、審議、議決権が確保されるのかという問題があるといった声が聞かれます。こうした問題に関して、9月10日に開かれた議会運営委員会において、我が会派の林下議員が、改めてこの問題について、市の見解を求めたものであります。その際、総務部長は、リンク方式の条例で、国の政省令等の改正があったときには、議会での審議が確保されるルールを第4回定例会までに整理すると答えています。我が会派といたしましては、後日提示されるであろうルールについて、先ほど述べた疑念が払拭されるなど、その有効性を確認するための議論を十分に行っていきたいと考えております。
(発言する者あり)
次は、保育の質などに関する問題です。
国が進めようとする子ども・子育て支援制度は、児童福祉法第24条の精神である公的保育の自治体責任の後退につながり、保育の質等が大きく変わるのではないかとの心配する声があります。
また、今回の2本の条例案が成立した後には、小樽における保育に関する部分が自動的に法律に連動して変えられてしまうのではないかとの声も寄せられました。こうした心配する声の背景には、政府の子ども・子育て支援新制度の中に多様な事業主の参入促進や経営合理化によるコストカットなどの考えが含まれているからだと考えます。こうした点に関して、9月17日に開催された厚生常任委員会での議論で、議案第27号、第28号が成立した後にも、例えば公立保育所の役割、利用者負担のあり方、保育の質、さらには認可外保育施設等の問題については、小樽市における子ども・子育て支援にかかわる課題として、従来どおり議会の場において議論し、決めていくという小樽市の考え方を確認することができました。
以上、提案されている議案第27号、第28号に関し、賛成する理由について2点の考えを述べさせていただきました。
議員各位の賛同を訴えて、私の討論を終わります。(拍手)
(発言する者あり)
(「議決権の問題だと言っている」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、陳情第314及び第316号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、陳情第321号及び第835号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、議案第26号ないし第28号並びに請願第2号並びに陳情第1号、第310号及び第320号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
この際、暫時休憩いたします。
休憩午後3時17分
――――――――――――――
再開午後3時45分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
次に、建設常任委員長の報告を求めます。
(「議長、10番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)10番、高橋克幸議員。
(10番高橋克幸議員登壇)(拍手)
○10番(高橋克幸議員)建設常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
秋田市では、所有者が空き地を地域住民用の堆雪場として町会等に無償で貸し出した場合に、固定資産税の減免申請を行える事業を実施し、地域住民による除排雪の促進を図っていると聞く。本市では、まちなかで生活道路に面し、堆雪場として適した空き地があるにもかかわらず、利用できない現状があることから、先進事例を参考に、独自の制度を検討してほしいと思うがどうか。
昨年度、同一区分路線にもかかわらず、市の除雪が入る路線と入らない路線があり、その理由の一つとして、入らなかった路線では住民が率先して除雪をしていたためということであるが、住民は不公平と感じている。今後は、不公平感が生じないような対応方法を検討してほしいと思うがどうか。
市は第2回定例会の議論を受け、市内全域の街路灯でLED化が進むよう、町会への助成制度の見直し作業を行っているが、さまざまな課題があり、設計に苦慮しているという。
一方、町会では、制度設計の進捗が見えない中、電気料金の再値上げが実施された場合、電気料金の負担がさらにかさむことに懸念の声が上がっている。財政の厳しい町会においては、制度の概要が示されないままでは次年度の予算編成の見通しが立てられないことから、せめて素案だけでも早めに示してほしいと思うがどうか。
本市では、官民境界等先行調査を中心市街地の10地区で12年かけて実施する予定で、1地区で3年かかる見込みであるという。初年度は現況調査で、2年目以降の調査では所有者の立会いが必要となることから、所有者が死亡している場合は、相続人を調べるなど多くの時間を要することになる。
しかし、この調査により境界が明確になると、公共物管理の適正化が図られるだけでなく、被災した際の復旧が迅速に行われるなど、多くのメリットがあることから、時間がかかっても調査を進めてほしいと思うがどうか。
急傾斜地が多い本市では、土石流や崖崩れのおそれがある土砂災害危険箇所が道内で2番目に多いにもかかわらず、土砂災害警戒区域に指定されている箇所の比率は、全国平均より相当低くなっている。
過去には、朝里川温泉をはじめ、融雪期や台風による豪雨などで、たびたび土砂災害が発生していることから、市民の安全を守るためにも、国や道に土砂災害対策予算の増額を要望するとともに、未指定地の調査や警戒区域の指定を早期に進めるよう強く求めるべきと思うがどうか。
老朽化が進む駅前第1ビル・第2ビルについては、法改正により耐震診断の実施が義務づけられたが、診断結果によっては強度不足と判定されることが予想される。また、駅前広場は、バス、タクシー、乗用車が行き交う中を歩行者が歩いており、危険性が指摘されている。
このような状況を受け、商工会議所をはじめ、道、市、関係企業などが小樽駅前再々開発街づくり検討協議会を設立したが、再々開発に向けた協議はそれほど進んでいないと聞く。民間主導の事業であるため、調整等に時間を要することは理解できるが、構成メンバーである市がリードするなど、できるだけ早く協議が進むよう努力してほしいと思うがどうか。
大分県竹田市は、過疎化と少子高齢化が急速に進んだことで空き家が増え、にぎわいも失われつつあったが、農村回帰推進室という部署を設置し、移住・定住を推進するさまざまな支援策の中に空き家バンク制度も組み込んで、実績を上げているという。本市にも空き家バンク制度はあるが、制度設置当初の目標を達成するほどの成果は上がっていないのが現状である。原因の一つとして、移住・定住と空き家バンクの窓口が異なることから、連携がなく、縦割りになっていることが考えられる。
市は人口減対策を最重点課題と位置づけて庁内検討会議を設置したと言うが、竹田市のように空き家を活用した人口減対策を総合的に実施する部署を設置するなど、新たな対策を検討してほしいと思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、陳情第309号、第312号及び第740号につきましては、採決の結果、賛成多数により、いずれも継続審査と決定いたしました。
次に、その他の各案件につきましては、議案は可決と、所管事務の調査は継続審査と全会一致により決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)21番、新谷とし議員。
(21番新谷とし議員登壇)(拍手)
○21番(新谷とし議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、陳情第309号、第312号及び第740号の採択を求める討論を行います。
陳情第309号住宅リフォーム助成制度予算の増額方についてです。
日本共産党は、これまでも議会で、予算の増額を求め、せめて前年度残した予算を上乗せすべきという質問を行い、陳情を採択するよう主張してきました。今年度の抽選は172人、100人の当選者のうち17人が辞退し、29人が補欠となっていますが、10月10日の締切りに対し、9月16日時点では、まだ10人が未申請で、補助金総額は1,614万9,000円です。未申請の方全員が省エネ改修で、上限30万円の助成額であるとしても補助金総額は2,000万円に達しません。住宅リフォーム助成制度は、2012年度から始まりましたが、2012年度の補助金総額は1,584万7,000円、2013年度は1,841万円と、いずれも予算を残しました。当選者を100件に限定して辞退した場合、補欠となった人が待ちきれずに工事をしてしまったというケースもありました。今年度は過去2年間の教訓から最初の当選者をもっと増やすべきと主張したにもかかわらず、同じ方法で当選者を決め、結果、予算を残すのは事業の目的達成という点で、不十分さを残しました。
しかし、補助金総額に対する工事費総額の経済効果は、2012年度14.3倍、2013年度16.4倍となり、市の補助制度を活用したリフォームの施工業者のアンケート調査では、リフォーム工事件数が増えていると回答した割合は、2012年度55.6パーセント、2013年度65.8パーセントに上っていますから、助成制度が地域経済に貢献したことは事実です。小樽市が行った補助制度に対する意見要望では、「今後も補助制度を続けてほしい」が34.6パーセント、次に「予算をもっと増やしてほしい」「助成件数を増やしてほしい」が23.1パーセントと制度に対する期待が寄せられています。制度を利用した市民の声は、「補助制度を利用することができ、助かりました」が一番多く、「今後も補助制度を継続してほしい」「補助金の率、金額を増やしてほしい」「抽選でなく、希望者全員が制度を利用できるようにしてほしい」と続いています。
我が党は、リフォーム助成制度の予算として5,000万円を計上する予算修正案を提案してきましたが、これが実現されれば、さらなる市内経済活性化に寄与したものと考えます。
今期の議会は、残すところあと2回になりました。補正予算を計上し、市民とリフォーム工事業者の期待に応えるべきです。第2回定例会代表質問で、自民党は過去2年間の検証と反省を踏まえ、予算額に対して執行率を高めるなど、不用額を発生させない方策について質問しております。これは、日本共産党が主張してきたことと一致できるものです。住宅リフォーム助成制度に対する利用者、工事業者の期待に応え、予算増額を求める陳情を採択しようではありませんか。
陳情第312号市による火災崩壊家屋の撤去及び空き家対策の策定方についてです。
火災崩壊家屋の撤去については、いまだに本人と連絡がとれないという問題がありますが、空き家対策の策定の要望は、全会派が議会質問で取り上げており、国の法案制定の動きも見られることから、この点では一致できるのではないでしょうか。
陳情第740号市道御膳水仲通線の側溝改修方についてです。
この側溝は平成3年に敷設されたものですが、側溝より道路が下がったため、雪解け水や雨水が側溝に流れず自宅の敷地に流れ込み、とりわけ陳情代表の方の地先は、春先、田んぼ状態になるなど、長年にわたり困っています。9月12日には、局所的大雨で、銭函地域は側溝が溢水し、数か所で土のうを積むなどの被害が出ました。陳情している場所でも、雨水が多量に敷地内に流れ込みました。こういうことを繰り返すと、生活に支障を来すだけでなく、地盤に緩みが出てくることもあります。建設事業課としては、まだ検討しなければならない点は多々あるようですが、改修工事の手法・工法については、専門的検討で進められるはずです。一気に道路・側溝改修ができないのは住民もわかっていることで、年次計画でも改修は可能だと考えます。住民の要求の陳情を議会が採択することによって、行政を動かし、住民の切実な要望を実現することができます。ぜひ陳情を採択されるようお願いいたします。
陳情は、憲法に保障された市民の権利です。陳情をこのまま流してしまうことなく住民が安心して暮らせるように市民の声を行政に反映させていくのが議員・議会の役割です。再度、議員各位の賛同をお願いいたしまして、討論といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、陳情第309号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、陳情第312号及び第740号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、学校適正配置等調査特別委員長の報告を求めます。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
(22番北野義紀議員登壇)(拍手)
○22番(北野義紀議員)学校適正配置等調査特別委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は次のとおりであります。
これまでの適正配置は、対象となる学校のうち1校を統合校とする形で進められてきており、学校を新築するという進め方は、今回の手宮地区統合小学校が最初であるが、既存校を活用する進め方と比較し、統合の過程などに違いはあるのかどうか。
適正配置を進めるに当たり、閉校になる学校の児童・生徒が新しく通学する学校に早くなれることができるよう、事前に各学校同士で遠足などの交流が行われているとのことだが、対象となる学校の規模などによって、効果のある交流の仕方は違ってくると考えられることから、その学校に合ったやり方を検討した上で行ってほしいと思うがどうか。
山手地区統合小学校に太陽光発電パネルを設置する場合の費用を試算すると、市の持ち出しは約1,600万円となり、費用対効果の観点から、設置は難しいと考えざるを得ないと思う。しかし、教育は本質的に将来への投資であるという考え方からすれば、自然エネルギー活用に係る教育の一環として太陽光発電を体験することによる教育効果も考慮した上で、設置の是非を判断してほしいと思うがどうか。
また、仮にパネルを設置するとしても、その費用を学校で必要な施設・設備の削減により捻出するのであれば、日常の授業に支障又は影響が出ることから、設置費用は同校の建設費に別途追加してほしいと思うがどうか。
統合1年後に行われたアンケート調査において、統合時のアンケート調査と同様に教員からスクールカウンセラーの配置についての要望があった。市では統合校の児童・生徒への対応としてスクールカウンセラーの派遣を掲げているが、現場では、現行の派遣回数では児童・生徒のケアは難しいと考えている教員もいることから、今後予定されている統合校への派遣回数の増加について検討してほしいと思うがどうか。
また、アンケートにおいて、統合後の教員の負担は想像以上のものであったという意見が散見されることから、再編時においては、児童・生徒や保護者への配慮はもとより、教員のケアについても対策を講じてほしいと思うがどうか。
適正配置について、既に統合を実施した学校の教員から、学力向上の取組が組織的にできるようになったとの報告があるなど、その効果が形として表れてきているものと考えられる。市教委は全ての適正配置を平成36年度までに実施するとしているが、既にこうした効果が表れていることを考えると、地域によっていろいろな課題があるとは思うが、今後予定している再編についても前倒しで進めていってほしいと思うがどうか。
適正化基本計画において、小中学校再編計画の後期の進め方については、平成27年度以降の児童生徒数推計を見極め、前期に引き続き再編を行うとされている。前期に行うとされている中央・山手地区の再編が遅れていることから、これらも含めて後期の再編を進めることになると、平成27年度以降は、推計数値等の更新が必要になると思うが、その点も含め、後期の具体的な進め方についてどのように考えているのか。
また、前期に行うとされているほかの学校についても一定程度めどがついてきたことから、後期に行うとされている学校については、課題のあるところは慎重に進めつつも、前倒しできるところについては、早急に地区別懇談会等のスケジュールを明らかにしながら進めてほしいと思うがどうか。
再編後の色内小学校の跡利用については、現在、道営住宅の建設という選択肢を示して地域の理解を求める形になっているが、道営住宅の移転は平成32年までの計画であり、色内小学校の閉校まで2年というタイミングであることを考えれば、地域住民に対してどのような利活用がいいか要望を聞いてから進める必要があったのではないか。
結果的に、地域住民からは、なぜ道営住宅ありきなのか、市の進め方に納得がいかないとの声があったと聞くが、市は、適正化基本計画において「市民の共有財産として、全市的なまちづくりの視点で、地域の皆さんの意見や要望を聞きながら検討します」としている以上、この基本計画に沿った進め方をするべきと思うがどうか。
再編の進展に伴い、今後、閉校となる学校が一気に増加するが、跡利用が決まるまでは校舎などの維持・管理に年間数百万円かかるほか、老朽化している建物であれば倒壊の危険性もあるという。また、閉校になると、交付税が減額されるものの、それを上回る学校管理費が削減できるとのことだが、結局は、跡利用が決まるまでの維持管理費で、その効果が相殺されてしまうことから、早急に利用方法を決定する必要があると考えられる。
こうした中で、急増する跡利用の案件に適切に対処するためには、企画政策室だけではなく、全庁挙げての対応が必要であり、さらには、文部科学省の「みんなの廃校」プロジェクトを積極的に活用するなど、これまでより一歩も二歩も進んだ取組が必要と思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
陳情第282号及び第291号につきましては、採決の結果、賛成多数により、いずれも継続審査と決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
(7番小貫元議員登壇)(拍手)
○7番(小貫元議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、陳情第282号及び第291号の採択を主張して討論を行います。
最初に、陳情第282号小樽市立西陵中学校の存続方についてです。
私たち日本共産党は、学校の統廃合に当たっては、児童・生徒への教育的影響とともに、地元住民との合意が必要と述べてきました。陳情書にあるように、西陵中学校付近については、新しい住宅も建設されています。今、市内の人口問題を考えるに当たって、便利な中心部での定住対策として、特に若い子育て世代をどう呼び込み、流出を防ぐかは重要な課題となります。その柱となるべき施設が学校です。しかも、西陵中学校は新耐震基準で建てられており、市内全域で学校整備が続く中では、財政的にも存続させる選択肢をつくるべきです。
また、教育委員会は、1学年3クラスが適正な規模だと言って中学校の統廃合を進めながら、指定校変更によって、西陵中学校の1年生は、3クラスから2クラスへと編成されました。今後、同じような規模で指定校変更が行われれば、来年度も再来年度も3クラスから2クラスへとクラス数が減ってしまいます。みずから3クラスが適正だとしながら、一方ではクラス数の削減を行うことは矛盾しています。
次に、陳情第291号小樽市立塩谷小学校及び塩谷中学校の存続方についてです。
長距離の通学による児童・生徒の負担は、教育上、大きな影響を及ぼすことが考えられます。児童・生徒にとどまらず教員の負担も増えます。例えば、児童が家を出たのに学校に着いていないという問題が起きたとき、通学区域が広範囲な場合、対応が遅れることも危惧されます。
旧塩谷村は、1958年に小樽市に統合されました。それから半世紀以上たちますが、塩谷という地域は、独自の文化があり、歴史があります。陳情書にあるように、「かつての塩谷村に存在した小・中学校五校が、すべてなくなる異常事態だけは避けたいものです」という住民の気持ちは当然のものです。地域のコミュニティの核である学校を残してこそ、その地域に人が住み続けることのできる大きな要素となります。
いずれの陳情も願意は妥当であり、採択を主張します。全議員に採択を呼びかけまして、討論といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより陳情第282号及び第291号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
日程第2「議案第31号」を議題とし、市長から提案理由の説明を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)(拍手)
○市長(中松義治)ただいま追加上程されました議案について、提案理由を説明申し上げます。
議案第31号教育委員会委員の任命につきましては、髙木正一氏の任期が平成26年10月10日をもって満了となりますので、後任として小澤倭文夫氏を任命するものであります。
なにとぞ原案どおり御同意賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、討論に入ります。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
(7番小貫元議員登壇)(拍手)
○7番(小貫元議員)日本共産党を代表して、ただいま提案されました議案第31号小樽市教育委員会委員の任命について、棄権の討論を行います。
安倍内閣の下で狙われている教育の政治支配は、侵略戦争美化の愛国心教育の押しつけや、全国学力・学習状況調査に見られる異常な競争主義の持込みです。
また、少人数学級実施見送りや高校授業料の無償化見直しなど、教育予算切捨てが進められている中、地方教育行政法が改定され、教育委員会制度が来年度から変更になります。今回の教育委員の任命は、このような社会情勢の下での任命になります。
もともと教育委員会は、戦後の1948年、選挙で選ばれた教育委員たちが、その自治体の教育のあり方を決めるという民主的な制度として発足しました。これは、お国のために血を流せと子供たちに教えた戦前の中央集権型の教育行政を改め、教育の自主性を守るため、教育行政を首長から独立させたものです。
しかし、その後、1956年に公選制は廃止され、任命制へと変わっていきました。当時の小樽市議会で、どのような議論があったのか、公選制廃止2年後の1958年、昭和33年の小樽市議会会議録を読みました。この会議録は、日本共産党小樽市議会議員団の控室にある最も古い会議録です。昭和33年第3回定例会は、当時の市長の安達与五郎市長が、自民党に入党した後の議会です。
教育委員会委員の任命の議案についての質疑を紹介します。革新クラブ大原登志男議員の質問です。
「自民党に身売りした安達市長が、まず、第一に手をつけたのは、市教委から革新勢力をボイコットし、保守独占をはかる政治的陰謀のこころみでした。一昨年、教育委員会制度が改悪され、教育委員の公選制が廃止された。これに伴い、最初の委員の任命にあたつては、先ほど、境議員からお話がありましたように、互いに各派から推せんしあつた者に、市長個人が選定した者を加えて、それを各ムラ会議に持つて帰つて、各派の了解を得てから、本人に交渉しました。このように事前に話合いをつけ、本会議では全会一致の同意で任命されました」、「最初の委員だけは、法付則第八条で、一年、二年、三年の委員が一人づつ、四年以上が二人となつておる、この規定によつて、誰を何年委員にするかの決定にあたつても、今後とも、民主的に改選する約束のもとに、市長にまかせたのです。これは、市長自身の口から、われわれ各派の代表に言い出されたことでした」とあります。
この動きは、小樽市議会が長い間かけて確立してきた民主的な慣例を破るものでした。大原節を表現しきれていませんので、詳しい経過は議会図書室にある会議録をお読みください。
この当時、議論されていたことは、市長勢力だけによる任命は、一つの政党に所属する党員でないにしても、特定の政治勢力に教育が支配されることを防ぐ目的の地方教育行政法第4条第3項「委員の任命については、そのうち委員の定数の二分の一以上の者が同一の政党に所属することとなつてはならない」という条文の趣旨に反するということでした。
以上の経過を踏まえて、日本共産党は、公選制が廃止されても公選制の復活を要求し、公選制の精神を生かした民主的な人選を行うことを求めてきました。ですから、私たちは以前のように公選制の精神を生かして、責任を持って推薦できる人事かどうかを判断して、毎回の新しい教育委員の任命への態度表明を行っているところです。提案されている小澤氏個人について、今の教育行政に対してどのような立場をとられている人物かは不明であり反対はしませんが、会派として政治責任を持てる人事ではありませんので、自席にて棄権の態度をとります。以上、討論を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより採決いたします。
同意することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
日程第3「意見書案第1号ないし第15号及び決議案第1号」を一括議題といたします。
意見書案第11号ないし第15号につきましては、提案理由の説明を省略し、意見書案第1号ないし第10号及び決議案第1号について、順次、提出者から提案理由の説明を求めます。
まず、意見書案第1号ないし第9号及び決議案第1号について、提出者から提案理由の説明を求めます。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)21番、新谷とし議員。
(21番新谷とし議員登壇)(拍手)
○21番(新谷とし議員)日本共産党を代表して、意見書案及び決議案の提案趣旨説明を行います。
意見書案第1号は、国に対し、希望する教職員全員の再任用と必要な交付税追加措置を、意見書案第2号は、北海道に対し、希望する教職員全員の再任用を求めるものです。意見書案第1号及び第2号をまとめて提案させていただきます。
政府は、年金支給開始年齢繰り延べによる定年退職後の生活維持のため、60歳の定年以降も働き続けたいと希望する全ての労働者の雇用継続のための制度・措置を企業に義務づけ、昨年4月からは、60歳からの継続雇用に選定基準などを設けることを禁じる改正高年齢者雇用安定法が施行されています。この法律は、公務員にも適用され、政府は定年退職する職員が公的年金の支給開始年齢に達するまでの間、再任用を希望する職員については再任用するものとすると閣議決定し、3日後には総務副大臣名で、各都道府県においても、これに準じた措置を講じるように通知しています。
ところが、道立高校では今春の退職者218名中、再任用されたのは80名にすぎません。制度設計や財政負担を地方任せにした現状のままでは、来年3月も道立高校で今年を上回る大量の教職員の分限扱いが生じかねません。
また、北海道教育委員会が、現行制度の枠内での対策に終始すれば、事実上の3月解雇を大幅に増やすことになります。こうした原因は、制度設計や財政負担を地方に任せる政府の施策にあります。国には、雇用と年金の接続を確実に行うために、財政支援を必要とする地方に交付税などの追加措置を講ずる責任があります。道教委も国の動向を見極めるなどの現行制度の延長上の対策にとどまらず、どの子供にも行き届いた教育を行うために少人数学級などの教育環境整備を行い、教職員の定数増、希望する教職員の全員再任用を図るべきです。
意見書案第3号は、高校・大学教育の無償化の前進を求めるものです。
2014年4月以降の高校入学者に対して授業料無償化への所得制限が導入されました。これは、高校無償化制度の理念を後退させ、2012年に政府が留保を撤回した中等教育の漸進的無償化を定めた国際人権規約に違反するものです。
高等学校等就学支援金の受給に所得証明の提出が義務づけられ、高校生や保護者の新たな負担を招き、各家庭の経済状況が可視化され、生徒を分断する事態にもなっています。この間、無償教育を求める運動と世論の成果で、非課税世帯の高校生に支給される奨学のための給付金は、実質的な給付制奨学金で評価はできますが、その財源が所得制限で徴収した授業料であるのは問題です。
また、就学支援金が病気や留学以外で留年した生徒に支給されないのも問題です。
2010年度の日本の教育予算は、対GDP3.6パーセントで、OECD諸国中4年連続最下位です。段階的にOECD諸国平均並みの5.4パーセントまで引き上げていけば、就学前から大学まで教育の無償化が可能になります。国は、就学支援金の所得制限をやめて、高校授業料無償化を復活し、所得制限による財源ではない給付制奨学金制度をつくるべきです。
意見書案第4号は、新たな高校教育に関する指針の見直しを求めるものです。
北海道教育委員会は、新たな高校教育に関する指針の中で、高校配置の考え方を「1学年4~8学級を望ましい学校規模とし、再編整備を進めます」と明記し、学級定員を40人に固定した上で、特例2間口制度も廃止しました。この10年間で道立高校は、35校が統廃合され、1学年3学級以下の小規模校は、全207校のうち4割にも上ります。このまま指針に基づいて高校配置計画が進めば、地域の高校がなくなり、通学時間が長くなり課外活動もできない、通学費用がかさむなど、さまざまな問題がさらに深刻になります。小規模校の利点は、生徒一人一人に目が行き届き、地域に根ざした学校教育を受けられる点です。実際、卒業生は、充実した高校生活を送り、社会へ巣立っています。今、求められるのは、教育の機会均等の理念からも、指針を見直し、少人数学級を実施し、機械的統廃合を行わずに子供の学ぶ権利を保障することです。
意見書案第5号は、行き届いた教育の前進を求めるものです。
今、学校ではいじめや体罰、全国学力・学習状況調査などの競争主義教育によって、多くの子供たちが苦しめられています。現在、全国の多くの自治体で、独自に少人数学級を実施していますが、学級規模が小さくなることで不登校や生活指導の件数が減り、学習に対する理解や意欲が高まり、教員の定数増で、教職員が子供と向き合う時間が増えて、学校が落ちついてきたなど、その有効性が報告されています。
しかし、少人数学級や教職員定数増を自治体だけの負担に転嫁するならば、財政力の違いによる自治体間格差が生じますから、国の教育予算を増やし、国の責任で全ての小・中・高校で少人数学級を実現し、新たな教職員定数改善計画をつくり、計画的に教職員を増やし、行き届いた教育を進めることが強く求められます。
意見書案第6号は、国家公務員の給与制度の総合的見直しの中止を求めるものです。
今年の人事院勧告で、月例給、一時金とも7年ぶりの賃上げとなりました。
しかし、50歳代後半の給与は、ほとんど抑制されたままで、さらに来年から民間地場賃金の低い下位12県に合わせて、いったん俸給表を2パーセント程度引き下げた上で、東京都特別区をはじめとする大都市圏には地域手当を支給して、賃金を上乗せする勧告を行いました。現行でも18パーセントの地域格差があり、これをさらに20パーセントに拡大することは、国家公務員法第62条で定める職務給に反するばかりか、大都市と地方での賃金格差の固定化につながります。これは、地方公務員の給与にも影響することで、ひいては消費支出の減少により、地域経済の疲弊にもつながります。よって、国家公務員の給与制度の総合的見直しは中止すべきです。
意見書案第7号カジノ合法化法に反対する意見書(案)です。
安倍内閣は、閣議決定した改訂成長戦略にカジノ解禁を盛り込み、継続審議になっているカジノ合法化を含む特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案の次の臨時国会での成立を目指しています。カジノはそもそも社会の風俗を害する行為として刑法で禁じられている賭博であるのに、合法化し、具体的な規制策や弊害の対策はカジノ合法化法成立後に整備するという乱暴なやり方で成立させようとしています。
こうした動きに対して、日本弁護士連合会は、カジノ合法化法案に反対する意見書を発表しました。政府が進めるアベノミクスの第5の矢に位置づけられているカジノ合法化については、経済効果のプラス面のみが喧伝され、経済的なマイナス面の客観的な検証はほとんどされていないと指摘し、暴力団、マネーロンダリング、ギャンブル依存症、多重債務問題再燃の危険性、青少年の健全育成への悪影響などの問題点を挙げています。
厚生労働省の発表によると、病的ギャンブラーは推計536万人、諸外国に比べ高い比率です。小樽消費者協会が先日、9月6日に都通り商店街で行った小樽市へのカジノ誘致についてのアンケート調査では、反対が83パーセントもありました。社会を壊し、国民を苦しめるカジノ合法化は、きっぱり断念することを強く求めるものです。
意見書案第8号電力料金再値上げ申請を認可しないことを求める意見書(案)です。
北海道電力は、7月31日に電力料金の値上げを国に申請しました。今回の値上げ案は、家庭向け17.03パーセント、企業向け22.61パーセントで、昨年の2倍を超える大幅値上げです。節電ももう限界、もっと経営努力をしてほしいなど、道民や企業、自治体から厳しい批判が上がっています。小樽市にとっても新たに2億円の負担増になります。今回の再値上げ案の前に、経済産業省から一層の経営努力による経費圧縮を求める要請があったと報道されていますが、重役陣の人件費の削減などは曖昧なままです。
再値上げ申請の背景には、電力需要の4割を原発に依存していることが大きく影響しています。泊原発再稼働に当たり、原子力規制委員会の基準をパスするために1,600億円もの資金を投入していると言われていますが、それも今の電気事業法では、電気料金に含まれます。北海道電力は、原発ゼロを願う道民多数の声に応え、再生可能エネルギー、自然エネルギーに転換すべきです。北海道電力は、電力料金再値上げの申請を撤回し、国・北海道においては、申請に対し、厳しい姿勢で臨み、認可しないように求めます。
意見書案第9号オスプレイの配備、全国への訓練地拡散に反対する意見書(案)です。
日米両政府は、沖縄県の普天間基地に配備されているMV-22オスプレイの作戦・訓練などを全国に一気に拡大する動きを強め、オスプレイの訓練移転先として、北海道大演習場をはじめ全国で5か所を候補地にし、2015年度からは佐賀空港に配備することにしました。沖縄県仲井眞知事が、普天間基地にかわる新基地建設のために名護市辺野古沿岸の埋立てを承認したのと引換えに、現在24機のオスプレイの半分程度を県外に配備するように求めたことによるものです。
オスプレイは、開発段階で墜落事故を起こし、多数の死者を出しています。オスプレイの元技術データ主任分析官が、「オートローテーションの欠如により、事故はいつか起こり得る。エンジンが停止すれば操縦不能となり、どこにでも墜落する」と述べているように、構造的欠陥があり、防衛省の安全基準も満たしていません。アメリカ本国では、オスプレイの騒音や環境への悪影響の可能性から、テスト飛行を取りやめたところもあるのに、沖縄では、日米合意に反して学校や病院を含む人口密集地域上空の飛行を繰り返し、県民は危険にさらされています。辺野古の海兵隊基地を拠点にしたオスプレイの沖縄配備の恒久化と騒音被害や墜落など重大事故の危険性を全国に拡散することは認められません。オスプレイの国内への配備、及び、北海道はもとより全国への訓練地移転と訓練区域拡大をしないように強く求めるものです。
以上、意見書案の提案趣旨説明をいたしました。議員各位の賛同をお願いします。
次に、決議案第1号議決権を奪う政省令引用方式の条例提案の不採用に関する決議(案)の提案について、趣旨説明を行います。
地域主権改革、地方分権改革の義務づけ、枠づけの見直しによって、これまで国が定めた基準が直接に規律していた自治事務については、国の基準にかわって、自治体が条例で定めた基準に基づいて事務の執行が行われることになりました。これにより地方自治体は、政省令によって条例制定基準の従うべき基準、標準、参酌すべき基準という三つの類型を基に条例を制定します。条例制定の際、地方自治体が定める基準が国の基準と同一ということで、条例に政省令をそのまま引用する方式をとると、参照法令である内閣府令、省令を書き込むことから非常に短い条例文で済みますが、その内容がわからず、政省令の内容が改悪されたら、市の条例も自動的に改悪され、市民に責任を負うことができなくなります。引用方式は、地方自治法や憲法が定める自治体の条例制定権を実質的に政省令に委ねてしまうものであり、国の基準どおりにすると、自治体独自の上乗せ、横出し基準を積極的に条例化する立場に反し、市民の願いに応えられないという問題が出てきます。国の政省令と同一の基準で定める場合は、せめて抜き書き方式にするべきです。
決議案は、条例の提案に当たっては、政省令をそのまま引用する方式を採用しないことを決定するものであります。議会の権利、議会制民主主義を侵害しないためにも議員各位の賛同をお願いしまして説明といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)次に、意見書案第10号について、提出者から提案理由の説明を求めます。
(「議長、9番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)9番、松田優子議員。
(9番松田優子議員登壇)(拍手)
○9番(松田優子議員)提出者を代表して、意見書案第10号魅力ある地方都市の構築へ向けた施策の推進を求める意見書(案)について提案趣旨説明をいたします。
低迷していた日本経済が今、再び力を取り戻しつつある中で、政府はさらなる日本の前進に向けて、新たな成長戦略を発表するなど、積極的な姿勢で取り組んでいます。我が国の総人口は、過去に類を見ない勢いで急激に減少し、平成24年1月に国立社会保障・人口問題研究所が公表した日本の将来推計人口によれば、平成38年には1億2,000万人を下回り、平成60年には1億人を下回ると推計されています。
また、高齢化率も現在の20パーセント台から平成36年には30パーセントを超え、平成60年には、約40パーセントへと大幅に上昇すると見込まれていることから、課題である少子高齢化に終止符を打ち、懸念される人口急減社会への道を断つためにも合計特殊出生率の向上や子育て支援策の拡充、ワーク・ライフ・バランスの推進に全力で取り組むときに来ています。
本年5月に行われた第31次地方制度調査会第1回総会に出席した安倍総理大臣は、地方の元気なくして国の元気なしと挨拶し、地方の活性化は最重要のテーマであるとし、地域の担い手、社会保障制度の支え手、労働力人口等が減少していく人口減少社会において、国民が全国で安心して快適な暮らしを営んでいけるよう元気な地方をつくっていくことは喫緊の課題であると述べられています。
東京への一極集中や地方経済の衰退による地域の活力低下に対し、新たな雇用の場の創出や新たな魅力の創造、あらゆる機能の集約化を図り、地方の活性化を急速に進めることも求められています。そのためには、立法、司法、行政をはじめ、経済、金融や研究・学術の機関などを全国の地方都市に分散させるべきです。
また一方、地方においては、中枢的な機能を担うことのできる都市については、近隣市町村と連携を図り、その地方の発展を支えるとともに、国内全体の推進力として力を発揮できる体制を構築するために、さまざまな権限の移譲を含め行政上の機能を一層充実させるとともに、地域活性化のプラットホームとしての集中的な投資を行うべきです。その上で、人口増加を目指す定住圏等においては、新たな雇用の場を創出し、若い世代が暮らしやすく、子育てしやすい環境づくりに取り組めるよう、地域再生に高い効果が期待される事業については、地域の使い勝手を重視した再編、拡充を行うべきと考えます。
今後、政府は首都圏から全国へ、大都市から地方へと人の流れを生み出せるよう企業誘致や起業を促進するために必要な財政上、税制上の措置を講じ、Uターン、Iターンの促進を図るとともに、都市高齢者の地方への住み替えを容易にする支援措置等にも積極的に取り組むべきです。
以上、議員各位の賛同を求めて提案説明といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、13番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)13番、酒井隆行議員。
(13番酒井隆行議員登壇)(拍手)
○13番(酒井隆行議員)自民党を代表し、議決権を奪う政省令引用方式の条例提案の不採用に関する決議(案)並びに意見書案第8号電力料金再値上げ申請を認可しないことを求める意見書(案)及び意見書案第9号オスプレイの配備、全国への訓練地拡散に反対する意見書(案)に否決の立場で討論を行います。
最初に、議決権を奪う政省令引用方式の条例提案の不採用に関する決議(案)についてですが、提出者の日本共産党が主張されるように地域主権改革、地方分権改革の義務づけ、枠づけの見直しによって、政省令が改正される場合には、市の基準も自動的に変わり、議会の議決を得ずに内容が変更されることについては、我々自民党においても改正された内容が本市になじまない場合の対応はどうするのかという論議は当然ありました。そこで、理事者を交えて論議し、その内容をただしました。その中で、本市としては、改正があった場合、速やかにその内容を議会に伝えるシステムを構築する用意があること、また改正内容が示されなくても、改正内容は容易に検索でき、改正内容などに異論・疑義があった場合、市側と十分審議し、納得できない場合は、議会側から議員発議の改正条例案を申し入れることができるため、政省令引用方式の条例提案であっても、日本共産党が主張する議会の権利の侵害などには当たらないとの結論に至りました。よって、本決議案の主張の根拠には無理があり、賛同できません。
次に、意見書案第8号電力料金再値上げ申請を認可しないことを求める意見書(案)については、電気料金の値上げは、市民生活や企業活動など地域経済に大きな影響があると考えております。しかしながら、北海道電力の収支状況は、泊発電所の長期停止に伴い、火力発電の燃料費などが約2,000億円増加したことから、大幅に悪化しました。また、平成25年度には、現在の電気料金に反映されている効率化額と国の査定方針に基づく補正額の合計452億円を上回る460億円程度の効率化が実施されました。平成26年度には、安定供給の観点から本来であれば実施すべき工事についても、供給支障リスクを大幅に増加させない範囲で補修工事の繰り延べが行われております。人件費などの効率化額と国の補正額の合計504億円を上回る590億円程度のコスト削減の取組も行われております。
自然エネルギーへの転換については、太陽光発電や風力発電などは、発電時にCO2を排出しないクリーンなエネルギーであり、また、燃料も必要ありません。しかし、一方で、大規模な電源と同等の発電量を得るためには広大なスペースが必要となることや、天候などによる出力変動が激しく、安定的な発電が期待できないことも大きな課題となっております。
電気は、ただ発電すればいいというものではなく、使える電気として周波数や電圧などを一定に保つ必要があることから、電力会社は電気の消費と発電所の出力バランスを24時間365日、常に調整しています。
また、電気は大量にためておくことができません。電気の流れは光と同じくらい速く、発電所で発電された電気は、即、家庭や企業活動などで使用されるので、使う電気の量に合わせて発電しなければならず、太陽光発電や風力発電は、導入量が増えると出力変動も大きくなることから、使える電気として導入するには、瞬時の過不足を素早く調整するための発電所が、どうしても必要になります。その発電施設は、現在泊原発が停止中で、老朽化した火力発電が現在の電力供給を支えており、その燃料も高騰している状況です。
さらなる企業努力はもちろんですが、安定供給と現在の状況などを総合的に考えると、全てを否定するものではないものの、意見書案第8号の提出には賛同できません。
次に、意見書案第9号オスプレイの配備、全国への訓練地拡散に反対する意見書(案)については、まずMV-22オスプレイの安全性と事故率について、2012年9月19日の防衛省の資料によると、10万飛行時間当たりの事故発生数、事故率は、普天間基地に配備されている改良型のCH-53Eスーパースタリオンでも2.35と、オスプレイの1.93よりも高くなっており、CH-53の老朽化の現状を加味すると、オスプレイの配備のほうが安全性が増すという意見もあります。
しかしながら、それでもオスプレイの垂直モードから水平モード移行時又はその逆の操作時に起こる事故比率は高く、特に市街地上空でのモード移行は、日本政府が申し出たとおり米軍は慎むべきであると考えます。
(発言する者あり)
また、アジア情勢は不安定で、とりわけ朝鮮半島では北朝鮮の核ミサイル開発や南北関係の緊張が続き、中国の飛躍的台頭と軍事能力拡大もあり、将来の不透明さ、不確実さは増しております。特に、今の尖閣問題で、中国が強硬姿勢を緩めない中で、オスプレイは従来ヘリコプターに比べ、速度、収容人数などが2倍、航続距離が8倍、作戦行動半径が4倍という性能であり、配備による中国への牽制効果はかなりのものであると述べる専門家もおります。
(発言する者あり)
(「だめだよ」と呼ぶ者あり)
また、訓練などの行動範囲を北海道を含む全国に拡散する動きについては、全国知事会でも、沖縄県の米軍基地負担の軽減ということは、他の自治体がしっかりと取り組んでいかなければいけないこと、沖縄県以外の都道府県知事が沖縄県の負担軽減をいかに実現していくかということについて議論している途中でもあります。
よって、我が党としては、今のヘリを飛ばすということの危険性、あるいはオスプレイの持つ能力を考えると、オスプレイの配備、全国への訓練地拡散について全面的に否定的な意見書案第9号の提出には賛同できません。
(発言する者あり)
以上、議員各位の御賛同をお願いし、討論といたします。(拍手)
(「だめだわ」と呼ぶ者あり)
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
(7番小貫元議員登壇)(拍手)
○7番(小貫元議員)日本共産党を代表して、意見書案第1号ないし第9号は可決、意見書案第10号は否決、決議案第1号は可決を主張して討論を行います。
最初に、意見書案第1号希望する教職員全員の再任用と必要な交付税追加措置を国に求める意見書(案)、あわせて意見書案第2号希望する教職員全員の再任用を求める意見書(案)についてです。
国は年金の支給年齢を徐々に引き上げ、65歳にならないと年金が支給されない制度へと変更しています。60歳で定年退職を迎えても、再任用にならないと、収入の手だてを失います。その責任は国にあります。希望する教職員全員が再任用となり、なおかつ新卒の教員を雇用するには、大幅に定数を引き上げていくなど、国の役割は重大です。
次に、意見書案第3号「高校・大学教育の無償化」の前進を求める意見書(案)についてです。
日本において教育費の負担は重く、日本政策金融公庫の調査では、高校入学から大学卒業までかかる費用は子供1人当たり平均1,042万円、子供にかかる教育費用は年収の37.7パーセントに上り、過去最高です。
日本国憲法第26条は国民にひとしく教育を受ける権利を保障し、教育基本法第4条は「人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない」としています。高校教育は進学率97パーセントを超える準義務教育というべきものであって、その無償化は世界の流れであり、国際人権規約にも定められた当然の権利です。授業料無償化への所得制限は、制度の理念を否定し、世界的に確立された授業料無償化の流れに逆行するものです。
私が大学生のとき、1999年に有利子の奨学金の枠が拡大し、金額も選択できるようになりました。そして、1998年度の有利子貸与人数が11万人に対して、99年度は24万人に増え、10年後の2009年度には80万人となりました。本来なら給付制の奨学金をつくるべきですが、その手前に奨学金の枠を拡大するなら無利子の枠を拡大すべきでした。ところが、有利子拡大の一方で、無利子の貸与枠は横ばいであり、有利子拡大が社会人生活のスタートで多額の借金を背負わせて、奨学金負担が重くて返せないという原因になっています。当時、何てひどいことをするのかと、学生時代に思った記憶があります。
大学教育の最大の問題は、世界にまれな高学費です。1970年代から大幅に上がり出しました。物価上昇よりも激しい伸びです。この背景には、政府の教育予算削減があります。学費の減免制度の拡大も重要ですが、子供を持つ世帯や大学生の最大の負担となっている高い授業料の解決こそ急がれます。
次に、意見書案第4号「新たな高校教育に関する指針」の見直しを求める意見書(案)、意見書案第5号「行き届いた教育」の前進を求める意見書(案)についてです。
いずれの学校の段階でも、教育の機会均等という原点に立って学校配置を考えるべきです。学校の統廃合を迫られる理由の一つが、これもまた教育予算が削減されていることです。北海道は、小・中学校においても、高校においても、少人数学級の実現と学級数が少なくとも必要な教員数を確保する財源を保障することを国に求めるとともに、子供の学ぶ権利を保障するという立場に立ち、独自の配置も必要です。
次に、意見書案第6号国家公務員の給与制度の総合的見直しの中止を求める意見書(案)についてです。
8月7日、給与制度の総合的見直しを含む人事院勧告を受け、全国市長会と全国知事会、全国町村会は、共同コメントを発表しました。以下、ホームページ記載の記事を紹介します。
「人事院は、国家公務員給与に地場の賃金をより一層反映させるなど俸級水準を引き下げる方向等での勧告を行ったが、地方と都市部の公務員給与水準の格差拡大が生じるばかりでなく、特に地方においては、公務員給与に準拠した賃金を支給している事業所等が多いことも踏まえると、結果として、官民を通じて地域間格差が拡大することとなりかねないことから、地方と都市部の格差が一層拡大することがないよう適切な措置を講ずることを期待すること等を表明した」ということです。
今、日本経済を元気にするには、賃上げによる労働者の収入を増やすことです。ここで、公務員の恒久的賃下げが行われれば、今でさえ低い最低賃金までもが固定化され、民間労働者への悪影響が生まれます。撤回すべきです。
次に、意見書案第7号カジノ合法化法に反対する意見書(案)についてです。
日本の成人の4.8パーセント、推計536万人にギャンブル依存症の疑いがあるという厚生労働省の研究班の調査が衝撃を広げています。世界でも最悪のギャンブル依存の広がりが実証されたことで、安倍政権が秋の臨時国会で狙うカジノ賭博場の解禁、合法化の危険性が鮮明になっています。
カジノ推進派は、カジノはパチンコや公営賭博とは違う高規格施設で、優良顧客だけを集めるから依存症患者は増えないと言います。日本のカジノは、厳格な規制下に置くから依存症やさまざまな社会的問題を起こすことはないと言いますが、現在、国会に提出されているカジノ法案に、そのための具体的な方策は何も書かれていません。そんな規制や対策などできるはずがないからです。日本は、刑法で賭博を禁止している国です。社会の実情に合わないなどと、まともな説明もなしにカジノ合法化を進め、それを成長戦略の目玉に位置づけるなど許されません。
カジノによる税収が期待できるとしたら、それはカジノの施設が大もうけすることが前提です。では、カジノの施設側がもうけるということはどういうことかといえば、カジノに来る客が負ける、お金を失うということです。客がお金を失うということは、依存症の多い日本人にとっては、人生を失うことにつながります。多くの人の未来を食い物にして、政治を行うことは許されません。
次に、意見書案第8号電力料金再値上げ申請を認可しないことを求める意見書(案)についてです。
5月の福井地方裁判所の判決では、国民の安全よりコストを優先する考え方をきっぱり拒否し、人間の生存にかかわる権利と電気代の高い低いの問題はてんびんにかけられないと断じました。
原発は、維持するだけで多額のコストを要します。使用済み核燃料を長期間保管し続けることなど、将来の大きなコストもあります。電気料金として支払ってきた使用済燃料再処理等引当金は、2013年度末の残高が2兆5,000億円あります。この引当金や、原発推進で利益を上げてきたプラントメーカーや関係金融機関などの利益剰余金を基金化し、値上げ回避の財源に回すべきです。
次に、意見書案第9号オスプレイの配備、全国への訓練地拡散に反対する意見書(案)についてです。
佐賀空港へのMV-22オスプレイ配備を計画している防衛省は、空港建設に当たって、佐賀県と地元との間で、自衛隊と共用しないと合意していたことを最近まで知らなかったことも明らかになり、配備、先にありきの防衛省の地元無視の姿勢が浮き彫りになりました。
オスプレイは、一度に多数のアメリカ海兵隊を戦地に送り出すためにつくられています。海外への殴り込みをかけるための機体です。日本の防衛とは関係ありません。アメリカは、財政悪化による軍事費削減で、オスプレイの調達計画が落ち込んでいます。これを海外に売ることで、アメリカ軍需産業を助けようというもくろみの一つとして、日本が有力な市場になろうとしています。まさにアメリカに日本国民の安全を売り渡すことになります。全国への拡散ではなく、配備撤回をすべきです。
次に、意見書案第10号魅力ある地方都市の構築へ向けた施策の推進を求める意見書(案)についてです。
安倍内閣は6月24日に骨太の方針を閣議決定し、人口減少問題への対策を今後の日本経済の課題の一つに掲げ、地域戦略として集約と活性化を打ち出しました。地方への財政支出削減を目的に行政サービス縮小に向けた集約化を狙う政府が、道州制を視野に入れつつ新たな自治制度の改編を目指す手法として新たな広域連携を打ち出しています。集約化が進めば進むほど、自治体間の相互依存を抜きに行政サービスもままならない半人前の自治体が増えていくことになります。
意見書案が示していることが進めば、身近な行政サービスなどを自分が住んでいない自治体から受けることになる住民が広範囲に生まれることになります。拠点となる自治体の周りの近隣市町村の住民にとって物理的に遠くなることによって行政サービスなどが後退しかねません。住民自治の制度そのものを大きくゆがめかねないものです。
片山善博元総務大臣は、5月30日付けの読売新聞で、人口減少を理由に離島や農山漁村を切ってはならない、森林や水資源を維持し、食料の供給を担っているではないかと指摘しています。人口減少対策、地方の活性化と雇用の確保を進めるには、地方切捨てが危惧される集約とネットワーク化の全国展開ではなく、日本の国土と資源、食料、歴史的文化を支えてきた市町村と地域・集落の活性化を図る真の支援策こそ求められています。
地方の活性化には、交付税の削減路線から転換し、地方への財源を確保すること、一生派遣、残業代ゼロなどという政策から転換し、労働者の雇用などを守ることなどが必要です。なぜ地方の雇用が失われているのか、なぜ子供を産み育てることが選択肢としてとれないのか、その大もとにある国の責任にメスを入れない限り、魅力ある地方都市とはなり得ません。
最後に、決議案第1号議決権を奪う政省令引用方式の条例提案の不採用に関する決議(案)です。
条例作成で政省令をそのまま引用する方式、小樽市の言うリンク方式の問題点について、大きく三つの角度から指摘します。
第1に、市民との関係です。
市政の主権者は市民です。条例作成で政令や省令を引用する方式では、条例で定めるべき基準は、政令(若しくは省令)の定めるところによるとなります。条例の本文を読んでも何のことかわかりません。そして、リンクする政省令を読むと、まず、何が従うべき基準で、何が参酌すべき基準になるかなどということが記載されています。これは、政省令自体はそれを基に自治体に基準を定めるように求めるために必要な条文となっています。しかし、条例の基準では、この条文は丸ごと要りません。ここで示している従うべき基準等は、ほかの条文で記載しているからです。
小樽市は、自治基本条例によって協働による小樽のまちづくりを進めるとして、4月に同条例を制定したばかりです。この大前提となることは、情報を市民にわかりやすく提供することから始まります。問題にしている引用方式は、この大前提を覆す条例の立案方式となります。
第2に、議会との関係です。議会の議決権を奪う重大なシステムになるということです。
8月26日の議案説明が会派にあったとき、福祉部長から、引用方式なのでA4、1枚になるという趣旨の説明を受けた際、私たちは、それでは政省令が変わったとき議決が要らないのではないかと問題を提起し、そのような条例提案はするべきではないと指摘しました。政省令を引用する場合、政省令で定めている内容が変更になると、自動的に条例の内容も変更になります。条例で定めた内容が変更になっても、引用する政省令が別の政省令に変わらない限り、文言が変更にならないため議決の対象になりません。
地方自治法第96条第1項では、「地方公共団体の議会は、次に掲げる事件を議決しなければならない」として、第1号には「条例を設け又は改廃すること」とあります。このように、議会の議決権として、条例を設けること、改めること、廃止することがあります。この改めることにおいて問題になる引用方式では、議会の権限を行使できなくなります。私たち議員は、選挙により議会へと送り出されます。市政について監視し、チェックすることが議員の役割です。しかし、議案にならなければ、変更内容へのそれぞれの議員の賛否が市民に明らかにならない問題点があります。
さらには、丸ごと政省令を引用する場合の問題点があります。政省令に二つの施設の従うべき基準などが定めてある場合、議員として片方の施設に関しては賛成できるが、もう一つについては反対という場合であっても、この引用方式では、一つの政省令を引用しているため、反対とせざるを得ません。
三つ目の角度は、地方自治体としての責任が問われる重大な問題だということです。
国では、地方的・地域的事情を十分に考慮できないことから、これまで政省令で定めてきた基準を条例制定事項に振り替えました。国で基準をつくるなら、条例で制定する事柄にする必要はありません。なぜ条例で定めるとされたかということを考える必要があります。地方自治法第1条の2にある「住民の福祉の増進」を図るため条例を定め、事務を行うことに地方自治体の任務があります。憲法第94条には、「地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権限を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる」とあります。地方自治法第14条には、「法令に違反しない限りにおいて第二条第二項の事務に関し、条例を制定することができる」とあります。つまり、法律や政令で定められていることを処理するために条例を制定することができるということです。
問題の引用方式は、政省令が変われば、自動的に自治体の基準も変わるという条例の方式になります。これは、憲法第94条や地方自治法第14条に定められている自治体の条例制定権を政省令に委ねることとなり、地方自治が失われかねません。政省令が変更になった場合に議会に報告する、内容が問題となる場合は改正案を出す、ということをルール化すればいいという問題ではありません。議決が要らないということに何ら変わりはありません。新しくルール化をしなければならないところにこの引用方式の破綻が示されています。議会が修正案を提案することは、地方自治法上、定められている権利です。不満があるのだったら議会で提案しろというのは、地方自治体としての役割を投げ捨てているとしか言えません。そして、このような問題があるということをわかっていながら事を進める自治体では、自治体の議会制民主主義に対する態度が問われているということを自覚していないほうが深刻であり、これを許す市議会与党の体制は、あのパーティー券事件から何を学んだのかも問われる問題であることを指摘しておきます。
(「そうだ」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
そんなことがないのだったら……。それは、討論していただけると思いますので、ここでは言いません。
(発言する者あり)
条例で定める基準をどうするか、それぞれの会派に考えがあると思います。しかし、この三つの角度は、政省令の内容がどうあるかとは別の問題です。事務が効率的という理由で抜き書き方式にしないのであれば、それこそ市職員は何のために仕事をしているのかと、市民から批判が起きることが想像されます。市民への説明責任、議会の議決権、自治体としてのあり方、このことを解決するには、たとえ国が示す基準と同一でも、せめて抜き書き方式に変えることです。
以上、各議員への賛同を呼びかけて討論といたします。(拍手)
(「かみ合った討論をやれよ」と呼ぶ者あり)
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)2番、千葉美幸議員。
(2番千葉美幸議員登壇)(拍手)
○2番(千葉美幸議員)公明党を代表し、意見書案第10号は可決、決議案第1号は否決の討論を行います。
まず、意見書案第10号魅力ある地方都市の構築へ向けた施策の推進を求める意見書(案)についてです。
我が国の15歳未満の子供は、本年4月1日現在、昨年より16万人少ない約1,633万人で、1982年から33年間連続の減少となりました。日本の将来を支える子供の減少は、経済を衰退させ、年金や医療、介護などの社会保障制度の基盤を揺るがす大きな問題です。
国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査では、夫婦の理想的な子供の数が2.42になっていますが、予定している子供の数を聞くと2.07人で、理想とのギャップがあります。その主な理由として、子育てや教育にお金がかかりすぎることへの不安や結婚年齢が高年齢化していることなどが挙げられ、少子高齢化に終止符を打ち、懸念される人口減少社会への道を断つためには、教育費負担の軽減など子育て支援策の拡充やワーク・ライフ・バランスの推進に取り組み、地域の実情に合った産み育てやすい環境をつくらなければなりません。
また、東京への一極集中は、東京圏への人口の転入超過数を見てもわかるように2013年東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県で前年比2万9,315人増の9万6,524人で、うち東京都だけを見ると7万172人と、その数字は突出しております。中でも若年者の東京への流出は、地方の人口減少速度を速め、地域経済をも衰退させる懸念があります。このため、立法、司法、行政をはじめ、経済・金融や研究・学術の機関など、人、物、お金、そして情報が集中する東京の機能を全国の地方都市へ分散させることは、人口減少が続く財政難の地方自治体が住民の生活圏と行政機能を維持する上で必要と考えます。
また、地方において、これらの中枢的な機能を担うことのできる都市には、周辺市町村で補うことのできない医療、介護、教育などの機能を補完し、市町村と連携しながら、その地域の発展を支えるために、行政上の機能を一層充実させるとともに、地域活性化のプラットホームとして投資が必要です。
そして、人口増を目指す定住圏や、地域ごとに違った問題を抱える地方において、企業誘致や起業を促すために必要な財政上、税制上の措置を講じ、地域再生に高い効果が期待される事業について、地域の使いやすさを重視した再編や拡充を行うことは、地域経済を持続可能なものとし、魅力あるまちづくりを地域主導で行えることにつながります。
よって、本意見書案にある事項について適切な措置が講じられることは、地方の活性化を進め、広く国民の利益に資することは明らかで賛成です。
次に、議決権を奪う政省令引用方式の条例提案の不採用に関する決議(案)についてです。
本決議案は、条例制定の際、地方自治体が定める基準が国の基準と同一の場合であっても、条例の提案に当たっては、政省令をそのまま引用する方式を採用しないことを決定する内容の決議案です。条例整備の方法として、通常の条文策定方式と引用方式については、それぞれメリット、デメリットがあり、各自治体の考えが分かれていることからも、本市における条例の提案に当たっては、政省令をそのまま引用する方式を採用しないことを決定づける理由はありません。よって、現段階で本決議案を可決するには至らないと判断しました。
ただ、政省令が改正される場合に、自治体の条例も自動的に改正されることについては、本市の条例が改正されたことがわからないままにならないよう、私たち議員も政省令の改正の状況を注視していくことはもちろん、市には議会に検討内容の報告と審議を担保するための早期ルール化を求めておきます。
以上、討論を終わります。(拍手)
(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)16番、林下孤芳議員。
(16番林下孤芳議員登壇)(拍手)
○16番(林下孤芳議員)民主党・市民連合を代表して、議決権を奪う政省令引用方式の条例提案の不採用に関する決議(案)に否決の討論をいたします。
9月19日の意見書調整会議に先立ち、共産党から政省令改正に伴う小樽市の条例改正についての立案方式に関する決議案の提出方について提案があり、協議を行いました。協議の中で、提案に至る経緯として、政省令改正に伴う小樽市の条例改正について、これだけの重要問題にもかかわらず、小樽市の議員が全く疑義を感じていないことは問題との説明がありました。
私は、この発言は事実に反し、誤解に基づく提案であると判断しております。少なくともこれまで共産党の代表質問への答弁を踏まえて、議会運営委員会や厚生常任委員会、各会派代表者会議などを通じて、問題点は共有してきたと理解されるからであります。
確かに、この決議案には、議案第27号、議案第28号との表記はありませんが、共産党が代表質問で取り上げた政省令改正に伴う小樽市の条例改正に関連して提案されたものと理解されます。私どもは、議会運営委員会の協議の場で総務部長の答弁の真意をもう一度確かめて協議すべきと提案し、問題点を確認し、協議を経て、委員会での協議が進められてきたものと理解しております。その後も総務部長の答弁を踏まえ、厚生常任委員会の理事会や委員会で一定の理解の下に第4回定例会までに一定の結論を得ることで合意がなされたと理解されますが、現在、総務部長の下で、ルールづくりが進められていることを踏まえれば、今、会派間の協議も不十分なままでの突然の決議案の提出は、今後の会派間の協議にも支障を与えることが懸念されます。
(発言する者あり)
そうした意味で理解に苦しんでいるところでございます。
(発言する者あり)
よって、現状では、否決を主張せざるを得ません。以上をもって討論といたします。(拍手)
(発言する者あり)
○議長(横田久俊)お静かに願います。
(「話にならん」と呼ぶ者あり)
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)6番、安斎哲也議員。
(6番安斎哲也議員登壇)(拍手)
(発言する者あり)
○6番(安斎哲也議員)一新小樽を代表し、決議案第1号議決権を奪う政省令引用方式の条例提案の不採用に関する決議(案)に否決の態度を主張し、討論いたします。
この決議案は、政省令が改正される場合に市の基準も自動的に変わり、議決を得ずに内容が変更されることを危惧し、この引用方式を採用しないことを求めて提案されました。
今定例会には、政省令の引用方式で、子ども・子育て支援法の制定に伴い、2件の議案が提出されました。自治体条例が法令の規定を引用すること自体は違法ではありませんが、引用方式を採用した他都市の例では、条例制定の際に、その自治体に合ったものを規則で定める手法をとるなどしています。また、対象事項を引用し、基準を定める自治体もあります。
政省令をそのまま引用した場合、議会の議決なく条文が自動的に変わるというデメリットもありますが、政省令を引用することによるメリットとしては、小樽市独自の基準があるのかなど、自治体それぞれで違いがわかるということもあります。ただし、政省令改正時においては万全の対処が必要ですし、基準として示された部分に関しては、十分な検討をし、それらを適用することが妥当であると判断いたします。
小樽市においては、今後、条例立案のルール化、引用方式への対処方法が検討され、示されるとのことでありますので、それらを見極めて判断する必要があります。
よって、現段階での決議案第1号の可決はいったん見送り、否決として討論を終えます。(拍手)
(発言する者あり)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、決議案第1号について採決いたします。
可決とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立少数。
よって、否決されました。
次に、意見書案第1号ないし第7号について一括採決いたします。
可決とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立少数。
よって、否決されました。
次に、意見書案第8号について採決いたします。
可決とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)可否同数であります。
(発言する者あり)
よって、地方自治法第116条の規定により、議長において可否を裁決いたします。
本件につきましては、議長は否決と裁決いたします。
次に、意見書案第9号について採決いたします。
可決とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、意見書案第10号について採決いたします。
可決とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の意見書案について、一括採決いたします。
いずれも可決とすることに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
以上をもって、本定例会に付託されました案件は、全て議了いたしました。
第3回定例会は、これをもって閉会いたします。
閉会午後5時33分
会議録署名議員
小樽市議会 議長 横 田 久 俊
議員 川 畑 正 美
議員 佐々木 秩