開議午後1時00分
○議長(横田久俊)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、安斎哲也議員、山田雅敏議員を御指名いたします。
日程第1「議案第1号ないし第30号」を一括議題とし、これより一般質問を行います。
通告がありますので、順次、発言を許します。
(「議長、4番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)4番、吹田友三郎議員。
(4番吹田友三郎議員登壇)
○4番(吹田友三郎議員)一般質問をいたします。
初めに、私は、そろそろこのことについて取り上げる必要があると考え、第1項目にしました。
飲酒の問題についてであります。
私は酒を口にすることはできますが、アルコールを飲まないことを生き方の基本としております。全国にはアルコール中毒と言われる人が800万人を超え、重篤な人が400万人、今後、中毒患者は高齢の女性を中心に増大すると言われております。アルコールは極端に嗜好性が強く、飲酒運転などは罪の意識が全くないこと、そして続けることは明白であります。
私は、大人社会で45年、アルコールが蔓延する中でのさまざまな問題を見てきました。飲めない人、飲まない人をさげすむ日本社会を奇異と感じております。よく学生たちや一般社会でもありますが、飲めない相手に対しパワハラで死に至らしめるほど飲ませることがまかり通っております。
アルコールは、麻薬の一種であります。中毒患者が医療、経済活動、そして家庭問題に膨大なマイナス要因となっておりますが、家庭内のアルコール依存症の家族については、ほとんど表に出ないある種の秘密となっており、世間に知られたくないとの考えが底流にあるものと考えております。そのような多くの家族の苦しみの解放も考えなければなりません。
このアルコールの問題は、個人の問題として捉えては無理であります。飲酒にかかわる事件・事故は、提供する企業の製造責任を問うことが必要であります。
近年、飲酒を原因とする社会問題を背景に、ノンアルコールビールなどが開発されて流通しています。
しかしながら、飲酒を好む人はアルコールを選択するため、飲酒による問題が後を絶たないのが現状です。今後、飲酒を原因とする問題が発生しないために、飲酒を好む人が選択するような、よりアルコールに近いノンアルコール商品の開発を事業者に義務づけるための法整備が早急に必要であると考えます。市長はどのように考えますか、お伺いします。
(発言する者あり)
本市におきましても、全国に一躍名を売った海水浴場の酔っぱらいによる私に言わせれば殺人事件が起きておりますが、犯罪者をいくら罰しても亡くなられた方は生き返ることはありません。本市もこのような事件を発生させない、また、アルコールを飲めない、飲まない人が安心して暮らせる小樽市をつくるためには、行政としてはどのような方策をつくることができますか、お伺いいたします。
今後、一般企業でも従業員の健康管理のために、飲酒、喫煙をしない人を雇用することの導入を検討するべきであり、本市も同様に検討されてはいかがですか。
(発言する者あり)
夜の徘徊をやめさせ、家庭中心の生活により、健全な子育てにも寄与するものと考えます。市長の御見解をお尋ねいたします。
(発言する者あり)
(「副市長答えれ」と呼ぶ者あり)
私は、日本は戦前、戦後を通じて封建的な社会構造として、男性は仕事をし、そして夜に飲み歩き、女性は家でじっと帰りを待つというスタイルから、男女共同参画社会を生み出し、女性も男性と同じように行動形態をとるようになりましたが、これは本当に理想の人間の生き方なのか、大いに疑問と思っております。
(発言する者あり)
これも一つの考えとして社会に伝えてまいります。
次に、携帯電話、スマートフォンの児童・生徒の携行についての問題であります。
現在、児童・生徒への携帯電話、スマートフォンの携行は、拡大の一途をたどっております。児童・生徒の携行によるさまざまな問題は、マスコミ等を通して大きな社会問題として取り上げられております。LINEやツイッターによる不特定多数とのつながりにより、犯罪を犯したり、犯罪に巻き込まれたり、大人社会の重大な犯罪の当事者となることを繰り返しております。また、相手とのやりとりの中で、誹謗・中傷・いじめとネットトラブルは際限のない問題があります。
保護者は児童・生徒への携行は簡単な連絡方法、そして安否確認の手段として使っておりますが、これを利用する児童・生徒は自宅学習の時間を相当程度持っているにもかかわらず、時間を無駄に費消し、なおかつ睡眠時間も惜しんでゲームやLINEをしております。
全国学力・学習状況調査の児童生徒質問用紙調査で明らかなように、携帯電話、スマートフォンにかける時間が長いほど学力が低いことが示されております。保護者が子供の将来を真面目に考えるなら、問題となる使い方をする携帯電話、スマートフォンを所持させないという決断が必要であります。児童・生徒の成長過程において不特定多数との情報のやりとりなどは全く必要がなく、自身の学習に必要とする情報は、身近な文献から調べる努力により、自身の知識として獲得すべきものであります。
児童・生徒の安全のため、現在、夜間の外出は午後6時までとなっておりますが、その実効性は担保されておりますか、お伺いいたします。
また、以降の時間、万やむを得ない場合は、保護者同伴の条件で認める規則をつくることはできませんか。
携帯電話等は、安否確認の連絡用のみの機能を持つものに限定、携行させることを教育委員会として進められないか、お伺いいたします。
児童・生徒のよりよい環境をつくることは、大人社会の義務であります。個々の保護者の判断で対応することは無理であります。行政側から一律的に規制をかけることが必要であると考えます。教育長の御見解をお伺いいたします。
再質問を留保し、質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)吹田議員の御質問にお答えします。
初めに、飲酒にかかわって御質問がありました。
まず、アルコールによる問題が解決されるような新たなノンアルコール商品の開発を義務づける法整備についてですが、平成26年6月1日にアルコール健康障害対策基本法が施行されました。その中で、政府は法の施行後2年以内にアルコール健康障害対策推進基本計画を策定することになっており、また、酒類の製造、販売事業者は国等が実施する対策に協力するよう努めることとされております。本市といたしましては、国においてより効果的な対策がとられるよう期待しているところであります。
次に、アルコールを飲めない人、飲まない人が安心して暮らせる小樽市をつくるための方策についてですが、市では、これまでも健康づくりの観点から、アルコールの害、楽しい酒の飲み方、アルコール依存症などに関する健康教育や健康相談を行ってまいりました。アルコールを飲めない人、飲まない人にはアルコールを無理強いしない、飲む方にはマナーを守っていただくよう、今後も周知・啓発を進めてまいります。
次に、飲酒や喫煙をしない職員の採用の検討についてですが、飲酒や喫煙については個人の嗜好の問題であり、たしなむ場合においては、法律を厳守するほか、周囲の方々に対する配慮が必要であると考えます。したがいまして、市職員の採用に当たっては、飲酒等をするかどうかではなく、法律を遵守し、社会的な常識やマナーを持った人材の確保に努めてまいりたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)吹田議員の御質問にお答えいたします。
初めに、携帯電話、スマートフォンについての御質問であります。
まず、児童・生徒の夜間の外出についてでありますが、本市では、校長会が各学校の教職員、小樽警察署員、青少年センター職員、指導主事などで構成する小樽市小・中学校生活指導委員会を設置し、その中で児童・生徒の校外生活の決まりについての指針を定め、各学校を通じて保護者に対し生活規律の徹底について指導をしております。この指針では、児童・生徒は夏季は6時まで、冬季は5時までに帰宅し、外出する際には保護者に行き先、帰宅時間、同伴者等を告げ、許可を得ることとしております。
小樽市教育委員会としては、児童・生徒における校外生活の過ごし方については、保護者の責任において行うことを基本に指導しておりますが、各家庭の状況によってその対応に相違がありますので、今後、関係機関等と連携し、指針を守るよう指導の徹底を図ることといたします。
なお、教育委員会としては、児童・生徒の帰宅時間などについて条例・規則などで一律に規制することは難しいものと考えております。
次に、携帯電話等の携行に関する規制についてでありますが、本市における児童・生徒の携帯電話などの使用については、他都市と比べて所持率が高く、使用時間が長い状況にあることから、一昨年から児童・生徒や保護者に対し夜10時以降は携帯電話などを使用しないとする携10運動の取組や情報モラル教室を実施するとともに、教職員や保護者に対してネットパトロール体験会を開催するなど、適切な使用などについて働きかけを行ってまいりましたが、今年度の全国学力・学習状況調査においても携帯電話等の利用時間は依然として改善が進んでおらず、危機的な状況であると認識しております。教育委員会としては、現在、児童・生徒、保護者、学校が一体となった取組を行うため、購入時のフィルタリングの設定や日常の管理のあり方など、具体的な行動の指針の作成に向け、校長会と協議を進めておりますので、直ちに条例又は規則などで一律に規制することは考えておりません。
(「議長、4番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)4番、吹田友三郎議員。
○4番(吹田友三郎議員)まず、飲酒の関係ですけれども、今、市長から答弁していただきましたが、私はこれからの人たちのためにそういう喫煙とか、飲酒をやらない形で世の中をつくっていくためには、今後そういうことをやったほうがいいのかなということで提案をさせていただいているのですけれども、このあたりのところについて、やはり今好んで飲んでいる方々に何とかというのは難しいと思うのですが、これからやる方々についてはそういう形になっていただくような方策というのは、やはりある部分考えていかなければだめではないかなと私は考えているのです。だから、アルコールを飲まないと大人ではないという言い方をする人もいるのだけれども、そうではないと考えていまして、だからそういう意味で何かそういう部分の考え方を少し取り入れながら、今後のそういうことに若い人たちのためにやっていただくというのはどうかなと考えています。
それから、携帯電話の関係ですけれども、そういうさまざまなことができる携帯電話でないものを持っていただくという感じのことを積極的にやっていただくようなことはできないのかなと。今のところさまざまなことができるものを親が差し上げているから、そうならないようにするためのことをもう少し教育委員会がしっかりと保護者に対してそういうことを伝えながらこういう方向に持っていくような、基本的に誰かが持っていると、それは無理なのです。あの子が持っているからという話になってしまう。だから、やはりこの部分はこれから子供たちが大人になるための階段を上るためには、そういうことをさせないということを保護者も一緒に合意しながらやっていくということが大事なので、その辺のところをもう少し積極的な形で対応できないのかなと、こう思うのですけれども、いかがでしょうか。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)副市長。
○副市長(貞村英之)吹田議員の再質問にお答えいたします。
飲酒の関係でございますが、飲酒が全てだめだということになると私もちょっと罪の意識を感じるところでございますが、これからの人に喫煙、飲酒をやめさせるということとなりますと、やはり先ほど市長が答弁したように個人の嗜好の問題でございますので、それをとめるということは難しいのかなと思っております。要するに、答弁のとおり法律を遵守するかどうかの問題でございまして、そちらに重点を置いて採用等については考えていきたいと思っております。それから度が過ぎるとなるとそれはやはり注意していかなければならないのかなとは思いますが、飲酒についてもコミュニケーションの面などメリットが結構ありますので、そこら辺のところは御理解いただきたいと思っております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)携帯電話、スマートフォンの所持ということについてでありますけれども、まずはやはり携帯電話がなぜ必要なのかということを保護者と子供たちで十分に議論した上で、その利用目的を明らかにした上で、携帯電話を持つ、持たないの判断をしてもらう、そういうことも必要だと思いますので、現在、校長会と携帯電話、スマートフォンの使い方などについて協議をしておりますので、その場の中で持つときにどのような利用の仕方をするかを明確にした上で、所持するということも含めて検討してまいりたいと考えています。
(「議長、4番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)4番、吹田友三郎議員。
○4番(吹田友三郎議員)ぜひ、この辺のことはさまざまな形でございますので、そういう中で御検討をいただければと思いますので、これで質問を終わりたいと思います。
○議長(横田久俊)吹田議員の一般質問を終結いたします。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
(7番小貫元議員登壇)(拍手)
○7番(小貫元議員)一般質問をします。
JR南小樽駅のバリアフリー化に向けた取組について質問します。
今年の第2回定例会で、新谷議員も取り上げていますが、その後も地域の住民からは何とかしてほしいとの声が強くなっています。
私は、2011年第2回定例会、12年第3回定例会、13年第2回定例会で、南小樽駅のバリアフリー化に関して質問を繰り返してきました。その後、法律なども変わっていますので、また違う角度から質問をいたします。
最初に、バリアフリー化に対しての都道府県の補助について伺います。
昨年の第2回定例会で、バリアフリー化に対する都道府県段階での支援についての再質問に対して、引き続き研究していく旨の答弁を行っています。その研究の内容についてお答えください。
北海道の場合、JR駅舎でバリアフリー化が未実施の駅が14駅も残されているのに、独自の助成制度を設けていません。これはバリアフリー法や1997年に北海道が制定した北海道福祉のまちづくり条例に反しています。バリアフリー法第5条は、「地方公共団体は、国の施策に準じて、移動等円滑化を促進するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない」と定め、北海道福祉のまちづくり条例第11条の3では「道は、障害者、高齢者等の外出時の円滑な移動に資するため、移動手段の確保の支援その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。」とあります。このような法律や条例に即して北海道は、駅舎のバリアフリー化の助成制度をつくり、駅舎のバリアフリー化をもっと積極的に進めていくことが求められていると思いますが、市長の見解を示してください。
次に、JR北海道との協議についてお聞きします。
2009年9月に国土交通省が行った鉄軌道駅の段差解消に向けた対応状況についての調査によると、JR小樽駅の場合、2010年度にエレベーターの設置が検討されていました。ところが、市とJR北海道との話合いがつかず、設置とはなりませんでした。このときには、具体的な費用の負担割合と額についてはJR北海道側から示されていたのでしょうか。
また、JR北海道からエレベーター2基の設置の話があってから結論までの期間はどのくらいで、協議は何回行われ、設置に至らなかった理由も含めて説明してください。
第2回定例会の新谷議員の質問には、JR北海道との話合いにおいてJR北海道側からまだ計画を示せないとの説明を受けたと答弁をしています。説明を受けて小樽市としてはJR北海道にどのような要望をしているのでしょうか、お答えください。
バリアフリー法の基本方針では、1日の平均利用者数3,000人以上の駅舎は2020年度までにバリアフリー化を行うとしています。来年度の計画はありませんから、あと5年しか残されていません。2010年に小樽駅でのエレベーター設置が見送られたように、5年間で3駅のバリアフリー化の計画をJR北海道が出してきて、小樽市の財政で応えていけるかどうかです。駅舎のバリアフリーの費用にもよりますが、南小樽駅についてJR北海道が計画を出したときに、小樽市として基本的に補助金を出す方向になるのでしょうか、お答えください。
次に、バリアフリー基本構想についてお聞きします。
昨年、成立した交通政策基本法の第17条には、国は、高齢者、障害者、妊産婦などが日常生活や社会生活上円滑に移動できるように必要な施策を講ずると位置づけられ、引き続きバリアフリー化を推進していくことが明記されています。また、第6条には、行政と事業者だけでなく、住民などとの連携が定められています。バリアフリー基本構想もそうですが、住民参加で計画を作成するということが重視されています。今年の6月に改正された地域公共交通の活性化及び再生に関する法律においても、利用者を含む協議会の設置が位置づけられています。これはまちづくりを住民参加でつくっていく小樽市が定めた自治基本条例の精神ともかみ合うものです。基本構想の作成目的の一つは、公共交通特定事業計画の認定を受けることで、地方債の特例があるという点にありますが、住民参加のまちづくりという点からも、基本構想の作成は必要だと考えますが、市長の見解を示してください。
基本構想を作成することになると、どの程度の日数と経費を要すると考えているのでしょうか、お答えください。
バリアフリー基本構想を作成する場合、原則として生活関連施設のうち、特別特定建築物が三つ以上とされています。ですから、南小樽駅のバリアフリー化と小樽駅のバリアフリー化を一体にした基本構想とし、堺町通りや運河なども含めたエリアでのバリアフリー基本構想を提案します。市長の見解を示してください。
最後に、南小樽駅のバリアフリー化に対して、市としてさらに積極的な取組を求めます。
今年の12月には新市立病院が開院することは、既に決まっています。地域の要望で病院開院までに駅のバリアフリー化を求める強い声がありました。
昨年成立した障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律では、第5条で行政機関や事業者に対して社会的障壁の除去の実施について必要な環境の整備に努めることが定められています。
このように、私が2011年第2回定例会で取り上げてから幾つかの法律ができて改正され、バリアフリー化への地方自治体の役割はますます大きくなっています。しかしながら、小樽市の答弁は一向に変わる気配が見えません。
バリアフリー法の第1条には、高齢者や障害者の利便性と安全性を向上することによって、公共の福祉の増進に資することを目的とするとあります。なぜ国が補助を出すかといえば、バリアフリー化の事業は地方自治法第1条の2に掲げられている「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として」とあるように、事業者任せではなく地方自治の本旨に基づいて行われるべき事業だということです。
市として積極的に駅舎のバリアフリー化の促進をJR北海道に働きかけるべきではないですか、お答えください。
また、JR北海道は、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が全株を保有しています。ですから、バリアフリー法の国の責務からも、JR北海道のバリアフリー化は国の責任も重大です。国に対してもJR北海道に駅舎のバリアフリー化の整備計画を早期に示すよう働きかけるつもりはありませんか、お答えください。
以上、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)小貫議員の御質問にお答えします。
JR南小樽駅のバリアフリー化について御質問がありました。
まず、鉄道駅のバリアフリー化に対する補助につきましては、補助金交付要綱を持つ八つの県について調査を実施しております。その結果、補助対象事業には全ての県がエレベーター設置を挙げており、このほかにエスカレーターや障害者対応型トイレ等の整備を加えている県が7県ありました。また、市町村を補助対象としている県は7県で、補助率は市町村が鉄道事業者に補助する額の2分の1以内で、かつ補助対象経費の6分の1以内としている県が4県となっております。
次に、北海道による独自の助成制度の創設につきましては、JR北海道が国から補助を受けて駅のバリアフリー化を進めていく場合は、補助対象経費のうち国からの3分の1の補助を除く残り3分の2について事業者と地元が協議して負担割合を決めることとなっており、市の財政的な影響を考えますと、北海道に地元への支援について要請していくことが必要と考えております。
次に、小樽駅へのエレベーター設置に関する協議経過につきましては、平成20年7月にJR北海道からエレベーター設置について市の補助が可能であるか打診がありました。この際、事業費は示されておりませんでしたが、市の負担割合は3分の1でありました。その後、平成22年5月までの約2年間にわたり7回協議を行いましたが、本市は財政上非常に厳しい状況にあったことや、車椅子対応のエスカレーター設置に対して既に市の補助を出していたことから、将来のエレベーター設置に向けて、引き続き協議を進めていくこととしたところであります。
次に、市がJR北海道に対して行っている要望につきましては、現在、JR北海道が市内3駅の駅舎バリアフリー化の検討を進めていると聞いておりますので、できるだけ早く本市にその概要を示していただきたい旨の要望をしております。
次に、南小樽駅バリアフリー化への市の補助金拠出につきましては、JR北海道から具体的な計画等が示された段階で、小樽駅や銭函駅の計画等も踏まえ、適切に判断してまいりたいと考えております。
次に、バリアフリー基本構想の必要性につきましては、バリアフリー法でも基本構想を作成する場合には住民参加と意見の反映について必要な措置を講ずることとされておりますが、基本構想の作成につきましては、今後、JR北海道から具体的な計画等が示された段階で適切に判断してまいりたいと考えております。
次に、基本構想の作成に要する期間と経費についてですが、まず期間につきましては、国土交通省が平成25年3月に行った調査によりますと、6か月から1年が53パーセントと最も多くなっております。また、作成に要した費用は、他自治体の例によりますと、業者に委託する場合は4ないし500万円程度となっております。
次に、南小樽駅と小樽駅のバリアフリー化を一体にした基本構想の提案につきましては、基本構想の作成は、今後、JR北海道から具体的な計画等が示された段階で判断したいと考えており、構想の作成が必要になった場合は、駅舎などの特定旅客施設のほか、官公庁施設や福祉施設等の特別特定建築物の配置等を踏まえ、適切なエリアを設定したいと考えております。
次に、南小樽駅のバリアフリー化の促進に関するJR北海道への働きかけにつきましては、JR北海道とはこれまでも情報交換の中でバリアフリー化の検討状況の確認や市民要望の伝達等を行ってきており、引き続きバリアフリー化に向けて協議を継続していきたいと考えております。
次に、JR北海道の駅舎バリアフリー化に関する国への働きかけにつきましては、国は平成23年3月31日にバリアフリー基本方針を改正し、1日当たりの平均的な利用者数が3,000人以上である鉄道駅については、平成32年度までに原則として全てについてバリアフリー化するとしております。この基本方針に沿ってJR北海道は検討を進めていると聞いておりますので、市から国への働きかけを行うことは考えておりません。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
○7番(小貫元議員)再質問いたします。
本質問でも取り上げましたけれども、2011年以降この問題を取り上げてきているが、小樽市としての基本的な答弁は一切変わっていないのです。私は毎回視点を変えて質問しているつもりで、2011年のときは、市民要望や病院建設の状況から必要ではないかということを言いました。2012年のときは、北海道に費用負担又は国の支援の拡大を求めてきました。昨年は、バリアフリー法にのっとって基本構想の作成を求めました。その後、本質問でも取り上げたように、交通政策基本法が成立しました。そして、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律も改正になったと。このように地方自治体が公共交通に対して果たしていくべき役割というのが高まってきていると。そういう動きを踏まえて、ぜひ答弁をいただきたかったと思います。
加えて、紹介したうちの一つの障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の第7条や第8条では、障害者から社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合、合理的な配慮の実施について規定されていて、国や地方自治体は義務、事業者に対しては努力義務となっているわけです。しかし、この事業者の行為に対しては、事業者が適切に対応するために必要な指針を国が策定し、勧告することも定められていると。この法律というのは、障害者の差別全般に適用になる法律なのですけれども、この移動環境の改善にも適用されるということが期待されているところです。そういう時の変化があって行ったというのが今回の質問だという大前提を、まず押さえていただきたいと思います。
そこで、再質問の1点目は、多くの都道府県で駅舎のバリアフリー化を促進するための補助制度を設けています。先ほど八つの県について調査をしたと言っていましたが、国土交通省が行った鉄軌道駅の段差解消に向けた対応状況についてという状況の報告書の中では、2010年度の段階で21の都道府県が具体的に補助を行っていました。そういう中で、段差解消に向けた意思がないと答えた都道府県というのは八つで、その一つに北海道が含まれていると。これは小樽市というよりも北海道が、このバリアフリー法で定めている地方公共団体の責務から逸脱していると私は思います。
そこで、この間1日の平均利用者が5,000人以上の駅のバリアフリー化が進められてきたわけですけれども、その多くは政令市である札幌市であって、やはり財政運営というところで言えば全然違うわけです。3,000人以上ということになると、帯広市、釧路市、恵庭市、小樽市といった地方の都市になります。今の北海道の姿勢というのは、事業が決まってから補助を出すかどうかを決めるという無責任な対応です。これではやはりバリアフリー法に則してバリアフリーの促進に努めているとは言えないと思います。やはりこの条例の問題又は札幌市との違いを明確にして、北海道に対して市から積極的に助成制度を実現するよう繰り返し求めていくことが必要だと思います。これについて一言お願いいたします。
2点目ですけれども、2010年度までに5,000人以上の利用客がいる駅舎のバリアフリー化を目指してきたわけですけれども、2005年度から2008年度でバリアフリー化された駅はJR北海道の中で1駅、2009年度に3駅、2010年度に4駅と、つまり目標年度前後にまとめて実施されているというのが実態です。これが自治体について一つの駅だったら構わないのですが、小樽市の場合、三つの駅があると。このように今後いきなり目標年度の2年前とか1年前という段階でJR北海道が計画を出してきた場合に、これでは小樽市として実際に2010年にそういうふうになったように、対応できないという返答にまたなってしまうのではないかと。
だから、先ほど早めにJR北海道に対して計画を立ててほしいということを要望しているという答弁がありましたけれども、やはり解決するためにはJR北海道が早めに計画を立てるか、小樽市が基本構想を作成していかないと、短期間での支出となって、その支出に応じての事業になってしまって、結果、不十分な事業になってしまうのではないかというふうに思います。
そこで、この間のJR北海道との話合いの中で、まずJR北海道は本当に2020年度までに行おうとしているのか、そういう感覚はつかめているのかどうなのか。2010年のときに小樽駅において断っているということですが、同様のことが今回起きることはないのか、その辺が心配なのですが、どうでしょうか。
3点目は、2010年のときに2年にわたって7回も交渉を行ってきたということなのですけれども、私が調べた限りでは、議会には報告がなかったのではないかと思うのです。これについては、今後、具体的な協議をした場合は議会にしっかり報告するのかという点をお聞きして、再質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)建設部長。
○建設部長(工藤裕司)まず、1点目の道への支援要請についてですけれども、どういった施策をとるかというのは北海道の判断と考えておりますが、先ほども言いましたけれども、本市の財政状況等を考えますと、北海道への要請というのはやはり必要だと思いますので、今後そういった形をとっていきたいと考えてございます。
それから、3駅同時で大丈夫かという御質問につきましては、平成22年のときはエレベーター、エスカレーターの関係等がございまして、若干状況は違いますけれども、JR北海道で整備計画を現在作成しており、それを早く示すようにこちらもお願いしているところでございますので、バリアフリー化に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
それと最後に、議会報告はするのかという話ですけれども、JR北海道との協議の内容にもよりますけれども、できるものであれば、形は別にしても報告をしながら進めてまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)2点目の感覚というか、市の基本計画、それからJR北海道が計画を早めに行おうとしているのかという感覚はつかめているのかという問いかけがあったのと、それから2010年と同様のことが起きる心配はないのかという、そういう具体の質問だったと思いますけれども、どうでしょうか。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)建設部長。
○建設部長(工藤裕司)まず、感覚につきましては、当然やるということを前提に、現在、事業計画を作成していると聞いておりますので、そのように感じております。
あと、2010年のときのようなということについては、先ほど答弁したとおりでございまして、そのときと現在の小樽市とJR北海道の関係も若干違いますけれども、我々としてはバリアフリー化に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
○7番(小貫元議員)再々質問いたしますけれども、やはり根底にはJR北海道が計画を出してこないことには何ともしがたいという姿勢が変わらずあると思うのです。そこがJR北海道任せでは、私はこの問題は早期に進む見込みがないのではないかと。2020年までにバリアフリー化を実施するというふうになった場合に、先ほどから言っているように、財政的には単年度の負担を徐々に減らしながらやっていかないと対応できないわけですから、そういう点で私は、再質問の中でも言いましたけれども、基本構想をやはりつくる必要があるのではないかと思うのです。
それで、自治基本条例の第8条には、「市は、市民が主体的かつ自主的にまちづくりに参加することができるよう市民参加のための仕組みの整備及び充実を図るよう努めます。」と。やはりこういう方向性を打ち出しているわけですから、住民の自治という基本のところからも作成の方向で私は進めるべきではないかなというふうに思いますので、この点についてお答えいただきたいのと、もし検討されていたらでいいのですけれども、先ほど基本構想の問題でどういった範囲でというのも取り上げていましたが、仮に南小樽駅周辺だけでということになると、特別特定建築物というのはどのようなところが考えられるのか、お答えください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)建設部長。
○建設部長(工藤裕司)まず、バリアフリー化につきましては、繰り返しになりますけれども、事業主体はJR北海道であるということであります。しかし、小樽市としてバリアフリー化には取り組んでいかなければならないということは十分認識しておりますので、今後ともJR北海道と十分協議をしながら対応していきたいと、そこのところは変わっておりません。
それと、基本構想をつくるというのですけれども、必ずつくらなければならないという義務化ではございませんが、万が一つくる場合には広範な方の意見を聞きながらつくっていかなければならないという中で、特別特定建築物といいますと病院ですとか公共の施設、そういったものが考えられると思います。
○議長(横田久俊)小貫議員の一般質問を終結いたします。
(「議長、3番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)3番、中村岩雄議員。
(3番中村岩雄議員登壇)(拍手)
○3番(中村岩雄議員)一般質問をいたします。
フッ化物洗口について質問いたします。
日本におけるフッ化物洗口は、昭和45年に新潟県弥彦村において地域歯科保健施策の一環として導入され、歯科医師会、行政、施設及び学校の関係者の協力を得て、全国各地に拡大、普及し、40年以上が経過してきたということですが、NPO法人日本むし歯予防フッ素推進会議による平成24年3月末調査によれば、全国1,742市区町村のうち799市区町村、45.9パーセントでフッ化物洗口が実施されており、8,500以上の保育所、幼稚園、学校などで89万人以上の子供たちが集団フッ化物洗口に参加しているということです。
また、世界の動向としては、1946年のピピイの実験、1960年のヴァイツの実験などにより、虫歯予防に有効性があるとされて以後、諸外国において次第に実施されるようになり、1969年、WHOは、加盟国に対してフッ化物応用の推進勧告を行い、それ以降、世界中でのフッ化物応用の普及が図られており、ブリティッシュ・デンタル・ジャーナルによると、2001年には世界の72カ国で1億人がフッ化物洗口を利用していると報告されています。
さて、北海道の状況ですが、児童・生徒の歯の健康状況は、全国と比較して虫歯のあるものの割合が高く、1人当たりの平均虫歯本数も多いなど、健康課題の一つとなっています。このため、道教委では道保健福祉部や歯科医師会などと連携し、学校などにおけるフッ化物洗口を推進してきました。
その結果、平成26年3月末現在で、保育所、幼稚園、小学校又は中学校においてフッ化物洗口を実施している市町村は159市町村となったものの、市町村内の全ての保育所、幼稚園、小学校及び中学校で実施している市町村は24市町村、小学校での実施は114市町村、405校、中学校での実施は37市町村、74校にとどまっており、いまだ十分な状況とは言えません。
我がまち小樽の状況はどうでしょうか。これまでの議会での質疑、答弁から、フッ化物洗口を導入するという方向性は確認しておりますが、フッ化物洗口推進のそもそもの根拠をまずはお示しください。
また、小樽の児童・生徒の虫歯の実態をお知らせください。
例えば、12歳児の1人平均虫歯数を全国、全道との比較、また、先進国との比較ではどうなのか、できるだけ具体的な数値でお示しください。
また、虫歯発生の要因とフッ化物洗口も含めた、より効果的な虫歯予防法をお示しください。
このフッ化物洗口には反対意見も存在します。東京世田谷区の市民団体からの申立てを受けて、昭和56年11月、日本弁護士連合会は、むし歯予防へのフッ素利用に関する意見書を公表いたしました。結論として、「わが国のフッ素利用の現状には、(一)本来任意であるべきであるにもかかわらず事実上強制にわたる方法で実施されているところがあること(二)フッ素の管理、調合、使用が専門家の指揮・監督の下で行われていない場合があること(三)フッ素に関する情報が公平に提供されていないこと(四)有効性、安全性についての追跡調査が全く行われていないこと等の重要な問題点があるので、厚生省および各地方自治体は、以上の問題点について速やかに調査・検討し、改善措置を講ずるべきである」というものでありました。その後、平成19年に再び前記市民団体から日本弁護士連合会に対し、集団フッ素洗口・歯面塗布の中止を求める人権救済申立てがなされ、改めて調査検討、平成23年1月21日付けで集団フッ素洗口・塗布の中止を求める意見書を公表、結語において次のように述べています。「当連合会は、1981年(昭和56年)の意見書において、事実上の強制、薬剤管理、情報提供、追跡調査等の問題を指摘して改善措置を求めたが、何ら改善措置が図られないまま、ガイドライン等を契機に、政府及び自治体によって、集団フッ素洗口・塗布の普及推進が図られており、自己決定権、知る権利及びプライバシー権の侵害の状況及び政策遂行上の違法の疑いを放置することは、もはやできない。よって、当連合会としては、上述の諸問題を踏まえ、医薬品・化学物質に関する予防原則、公衆衛生政策における基本的人権の尊重の観点に鑑み、集団フッ素洗口・塗布を中止することが相当と思料し、冒頭記載の意見を述べる次第である」というものであります。これに対し、専門学会・機関の見解が示されましたが、その内容についてお知らせください。
また、教育長としてのお考えをお示しください。
次に、フッ化物洗口に向けた一般的な手順を御説明ください。
小樽市においては現在まで学校長を対象にした研修会、8月29日には市内各校教職員を対象にした講習会が開催されていますが、研修会で出された質問、疑問や不安についてお知らせください。
マンパワーをどうするのか、財源をどう確保するのか、道の財政支援はどのような形になるのか、とりわけ小樽の場合は意思決定を明確にすることが肝要かと思いますが、いつ、どのタイミングで実施決定をするのか、フッ化物洗口の具体的導入案について最後にお尋ねして、質問を終わります。
再質問は留保いたします。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)中村議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、フッ化物洗口について御質問がありました。
初めに、フッ化物洗口推進の根拠についてですが、道や道教委は、厚生労働省が平成15年1月に示したフッ化物洗口ガイドラインや昭和60年3月に示された政府見解、平成21年6月に公布・施行された北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例、平成25年3月に道が策定した北海道歯科保健医療推進計画、平成25年3月に道教委が改定した北海道教育推進計画(第四次北海道教育長期総合計画)などに基づき、学校施設におけるフッ化物洗口を推進しております。
次に、小樽の児童・生徒の虫歯の実態についてですが、12歳児の平均虫歯数は、平成23年度では全国平均が1.20本、全道平均が2.05本のところ、本市は1.85本となっております。先進国との比較では、調査年度が異なりますが、12歳児の平均虫歯数が少ない国は、デンマークが平成20年度で0.7本、イギリスが平成16年度で0.7本、オランダが平成14年度で0.8本、スイスが平成21年度で0.8本、スウェーデンが平成20年度で0.9本などであります。
次に、虫歯の発生要因とフッ化物洗口を含めたより効果的な虫歯予防法についてですが、まず虫歯の発生要因は三つあり、一つ目は甘い食べ物や飲物に含まれる糖分、二つ目は歯の表面に歯垢となって付着する虫歯菌、三つ目は虫歯に弱い歯の質であり、この三つの要因がそろったときに虫歯が発生すると言われております。予防法としては、甘味の適正摂取、歯垢を除去するための歯磨きの励行、歯質を強くするためのフッ化物洗口などフッ化物の利用であり、これらを組み合わせることが最も効果的であるとされております。
次に、日本弁護士連合会の意見書に対する専門学会・機関の見解についてですが、一般社団法人日本口腔衛生学会では、WHOのほか、世界の150を超える医学・歯学・保健専門機関によりフッ化物の虫歯予防方法は安全で最も有効な公衆衛生的方策であると合意されていること、フッ化物洗口に際して飲み込まれるフッ化物は少量で、1日の適正摂取量以下であり、安全性は高いこと、学校等において行われるフッ化物洗口は事前説明がなされ、保護者の希望を基にすることを明記したガイドラインに沿って実施されるため、学校保健管理の一貫として国際的にも広く認められていることなどの見解が示されております。
次に、専門学会・機関の見解について私の考え方でありますが、フッ化物洗口については、さまざまな意見がありますが、WHOをはじめとする世界的な医学、歯学に関する関係機関がフッ化物洗口を推奨し、また厚生労働省や日本歯科医学会などの多くの専門機関や団体によって有用性と安全性が認められていることから、フッ化物洗口は虫歯予防の有効な手段の一つであると考えております。
次に、フッ化物洗口に向けた一般的な手順についてですが、道教委が示している一般的な手順としては、まず市町村教育委員会において実施を決定し、実施に至るまでのスケジュールなどを決め、その後、教職員や保護者への説明を経て、実技研修会を開催します。次に、学校歯科医師から学校長宛てにフッ化物洗口液の濃度、必要量、回数などについて指示書を発行し、同時に学校歯科医師から薬剤師へ薬剤の計量、分包などを依頼する指示書を発行することになります。学校では児童・生徒に洗口を始める前に真水でうがいの練習を行い、その上でフッ化物洗口を実施する運びとなります。
次に、研修会で出された質問などについてですが、8月29日に開催した教職員を対象にした講習会では、フッ化物洗口についてアレルギーの心配はないか、斑状歯になる可能性はないか、洗口液を飲んでも影響はないかなどの質問がありました。講師の歯科医師からは、フッ化物は自然界に存在するもので無機質であり、アレルギーの原因物質になる可能性は低いこと、理論的には斑状歯になることはないこと、誤飲についても1度に7人分を飲み込まなければ影響がないことなどの説明を行ったところであります。
最後に、フッ化物洗口の具体的導入案についてですが、本市ではこれまでフッ化物洗口の実施に向けてフッ化物洗口を実施している幼稚園の保護者へのアンケート調査を行うとともに、校長を対象とした研修会や教職員を対象とした講習会を実施してきました。今後は、保護者を対象とした説明会を開催し、理解、啓発を図るとともに、フッ化物洗口を実施するに当たって洗口液の調合の仕方、校内体制の整備、道教委の支援制度の活用などについて検討を進め、教職員や保護者の一定の理解を得た上で、早期に実施する方向で校長会と協議を進めてまいりたいと考えております。
(「議長、3番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)3番、中村岩雄議員。
○3番(中村岩雄議員)実施決定は早期にということなのですけれども、具体的な時期というのはまだ今ここで示してもらうことは難しいですか。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)実施するまでの間に保護者の理解でありますとか、教職員の理解でありますとか、一定の理解が得られた段階で早期に実施したいということなので、その辺の手順を踏んだ上で実施時期については、今後、検討したいと。さらに予算的なこともありますので、その辺の時期的なことも含めて、今後、実施する方向で精力的に協議を行うという状況でございます。
(「議長、3番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)3番、中村岩雄議員。
○3番(中村岩雄議員)詳細につきましては、予算特別委員会でやりますので、終わります。
○議長(横田久俊)中村議員の一般質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時05分
――――――――――――――
再開午後2時30分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、一般質問を続行いたします。
(「議長、15番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)15番、濱本進議員。
(15番濱本進議員登壇)(拍手)
(「ゆっくりやってくれよ」と呼ぶ者あり)
○15番(濱本進議員)一般質問を行います。
初めに、8月29日に行われた定例記者会見において中松市長は、来年4月の市長選挙に再選を目指し、立起する決断をしたとの新聞報道などがありました。中松市長の出馬表明を一日千秋の思いで待っていた自民党議員として、そして1人の市議会議員として、市長の決断に最大限の敬意を表するとともに、微力ではありますが、市長の再選の実現のために行動していきたいと考えております。これからは今まで以上に、再選を望む多くの市民、そして多くの議員と、よりきずなを深め、さらに広げていくことが必要不可欠であり、かつ再選への王道であると確信しています。今後は心技体を整え、さらに高め、残された8か月弱の任期を全力で全うすると同時に、再選に向けても全力投球されることを大いに期待しております。市長が今回の決断に至った心情などについてお聞かせください。
さて、市長は、定例記者会見において平成23年の市長選挙の際の公約について、そして27年度以降の市政の課題について言及されています。改めて、平成23年4月から現在までの市政への認識、そして27年度以降の政策課題についての御認識を、市長のまちづくりに対する三つの基本姿勢、七つの重点公約を踏まえながら伺います。
私は、今回質問するに当たって、市長の公約パンフレットを改めて読み直し、今さらながらに、さすがに民間出身であるがゆえに真の経営の意味を理解している市長であると再認識いたしました。釧路市長は、平成24年2月に策定した釧路市都市経営戦略プランの前文の冒頭で、市長は市政の最高経営責任者であると明言しています。私は、最高経営責任者の使命は、経営理念を明確にして、理念を実現するための戦略、戦術を策定することだと認識しています。
(「経営と違うぞ」と呼ぶ者あり)
この認識を前提に、中松市長の公約パンフレットを読んだとき、市長の三つの基本姿勢はまさに経営理念であり、そして5項目のまちづくりの基本目標それぞれは経営目標、経営戦略であり、さらに4年間になすべき七つの重点公約は、経営目標、経営戦略の優先順位を明確化し、より具体化した経営戦術であると今さらながら認識させてもらいました。それゆえに、中松市長は、真の経営を理解している最高経営責任者であると再認識をいたしました。市政の最高経営責任者の自覚を、そして使命を間接的にこのパンフレットで表現したものと確信しています。私の認識に対してどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。
市長は、平成23年4月に就任して以来、現在まだ任期途中ではありますが、今までに幾多の困難を乗り越え、本年12月1日に開院する新市立病院、企業誘致、クルーズ客船誘致、グランドホテル・丸井今井跡地の再開発、自治基本条例の制定などの多くの成果を上げられてきたのは誰もが認めるところであります。この3年4か月をどのように総括されますか。七つの重点公約、そして5項目の基本目標それぞれを踏まえてお聞かせください。
PDCAサイクル、計画、実行、評価、改善という概念があります。市長の公約はまさに、P、計画であり、この3年4か月、着実に、D、実行をしてきました。これからは2期目に向けての政策課題を整理する上でも、C、評価、そして、A、改善の作業が必要であると思います。市長は、今後、評価、改善の作業にどのように取り組まれるのか、お聞かせください。
近年、自治体経営、都市経営とよく言われますが、企業経営との違いは、企業経営は利潤の獲得を目的としているのに対して、自治体経営、都市経営は、その運営に当たって、どの政策や課題に重点を置き、どのように限られた予算や人材などの資源、資本を適切に配分して効率的、効果的にかつ公共性を担保しながら市民の幸福、福祉という成果を得られるようにすることと言われています。公共性と効率性は部分的には相反することもありますが、市政の最高経営責任者である市長には、公共性と効率性の調和を実現するとともに、政策の優先順位を決める経営判断が常に求められています。
現在の小樽市が直面している課題は、人口減少、市内経済の活性化、さまざまな公共施設の老朽化対策、耐震化対策、財政の健全化など多岐にわたっています。市長は今後どのような観点でこれらの課題に対して経営判断をされていくのか、お聞かせください。
昨年12月に、市長公約であり、小樽市総合計画に記載されていた自治基本条例が制定されました。今年度はこの条例が広く市民に認知されるための年度であると思います。現在までに、どのような取組をされてきたのか、お聞かせください。
あわせて、どの程度市民に認知されているとお考えなのか、また、さらに認知度を高めるための取組をどうお考えなのか、お聞かせください。
市民に対してこの自治基本条例の認知を広げ、定着させるとともに、この条例を根底とした政策を策定し、実行するためには、専門の部署を新年度に新設する必要があると認識していますが、市長はどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。
自治基本条例第18条は、「市長その他の任命権者は、まちづくりの推進及び効果的かつ効率的な行政運営のため、人材の育成並びに職員の能力の評価及び適切な配置に努めます」と規定しています。人材は目的を達成するシステムである組織の大切な資源であるからこそ、市政の目的を、政策を確実に効果的に、そして効率的に実現するためには、人材の育成は組織の必須条件であると言われています。市長は今後どのような人材育成をお考えなのか、お聞かせください。
あわせて、職員の皆さんの意識、モチベーションをどのように高めていくのか、お聞かせください。
次に、クルーズ客船誘致に関連して伺います。
小樽港は伏木富山港及び京都舞鶴港と共同で日本海側拠点港の背後観光地クルーズ部門に国土交通省から選定されました。その後、クルーズ客船誘致を実現するために、市長を先頭に、船社をはじめ旅行代理店など、さまざまな方面に働きかけた結果、本年は約40隻の入港が予定されていると聞いています。
初めに、どのような誘致活動を行ってきたのか、具体的にお聞かせください。
クルーズ客船の誘致は、小樽港の利用促進、市内経済への波及効果、そして究極的には国際観光都市の実現に寄与するものと理解しています。市内経済への波及効果についてどのように分析されているのか、具体的にお聞かせください。
次に、第6次小樽市総合計画に関連して伺います。
第6次総合計画は、平成21年4月から31年3月までを計画期間として策定され、同時に平成21年4月から26年3月までの前期実施計画が策定されました。中松市長は、前期実施計画の後半3年間、市長として計画を実行してきました。そして、昨年12月に第6次総合計画中間点検報告書が作成され、これを踏まえながら、後期実施計画が作成されました。
初めに、市長は、この中間点検報告の内容に対して、どのような所感をお持ちなのか、お聞かせください。
前期実施計画には、事業実施年度、総事業費の記載がありますが、中間点検報告書には執行された事業費の記載がありません。なぜ記載されなかったのか、お聞かせください。
中間点検報告書を踏まえて後期実施計画が策定されていますが、前期実施計画との差異はどこにあるのか、お聞かせください。
例えば、前期実施計画の上下水道、「(4)資産や資源の有効活用」の事業概要の記載内容は、「水道施設の中にある近代化遺産や下水終末処理場の施設処理能力の有効活用を目的とした関係機関との調整」であるのに対して、後期実施計画の記載内容は、「水道施設や下水道施設の有効活用を推進」と、差異があります。この違いの意味をお聞かせください。
近年、水道施設の有効活用の事例として注目されているのは、地方自治体が上水道施設を利用して、再生可能エネルギーである水力を利用した発電システムの導入事例があります。取水施設から浄水場の間、そして浄水場から配水池の間に発電設備を設置して、年間を通して安定した発電を行っていると言われています。小樽市においても導入は十分可能と認識していますが、導入に当たって検討する課題や他都市の事例を踏まえて、お考えをお聞かせください。
次に、街路灯助成事業についてお聞きします。
本年5月に市議会が実施した市民と語る会において、町会などが所有する街路灯の電気料金が町会の財政を圧迫している現状について切実な報告、そしてLED電灯への転換要望がありました。本年6月の第2回定例会においても、市民と語る会の要望を踏まえて、さまざまな質問がされました。
市長は、LED電灯の設置に前向きな答弁をしていたと認識していますが、市内全域にLED電灯を設置するには、財源はもとより、解決しなければならない幾多の課題があると理解しています。解決しなければならない課題についてお聞かせください。
あわせて、LED電灯設置の制度設計についてその進捗状況、制度内容についてお聞かせください。
次に、人口対策について伺います。
この8月に、市長はじめ関係部長職などで構成された人口対策庁内検討会議が設置されました。人口減少の基本的原因は、出生数の減少、死亡数の増加、転入の減少、転出の増加であり、それぞれに要因が存在しています。対策を講じるためには、現状を正確に把握して分析、解析を行うことが前提であると認識しています。この前提条件を担保するのは、一つの部、一つの課では不可能であり、この人口対策庁内検討会議を設置した市長の判断は、自治基本条例第23条の精神にも合致しており、これを支持するものです。ぜひとも充実した会議となるよう期待しています。市長のお考えをお聞かせください。
次に、除排雪について伺います。
冬季における除排雪は、市民の暮らしと安全を守る上で重要な市の事業であります。しかしながら、限りある財源の中で、特に生活道路においては、言うなれば100パーセントの市民の満足を得る事業の実施は不可能とも言えます。
秋田市においては、生活道路の除排雪について少しでも市民の満足度を高めるために、地域住民用小規模堆雪場事業を実施しています。この事業は、公道などに接している空き地の固定資産税を減免して堆雪場として活用する事業です。小樽市においてこの制度を導入した場合、確かに固定資産税は減収になりますが、それ以上に生活道路の除排雪費用が圧縮され、市民の満足度が高まれば、トータルとして事業のコストパフォーマンスが向上すると思います。制度の導入について検討するお考えはありますか、お聞かせください。
次に、教育に関して伺います。
教育委員会は、児童・生徒の「確かな学力の育成」「豊かな心の育成」、そして「健やかな体の育成」を目指して、上林教育長を先頭にさまざまな取組を行っています。例えば、学力定着推進事業の一つであり、一昨年度から取り組んでいる音読運動は、昨年度、実施された第1回小樽音読カップでさらに広がり、定着が進んだと理解しています。今年度は小樽こどもの詩コンクールを実施すると聞いていますが、この事業の目的、教育的効果などについてお聞かせください。
最後に、くしくも第6次小樽市総合計画の最終年度、つまり後期実施計画の最終年度は平成31年の3月末であり、次期市長の任期満了の年であります。中松市長には、ぜひとも再選を実現していただき、市政の最高経営責任者として、小樽市のハードとしての港湾、運河、歴史的建造物など、そしてソフトとしての歴史、伝統、文化など、また、多様な市民力、人材などで構成される小樽市の経営資源を活用しながら、適切な経営判断によって後期実施計画に記載されている以上の成果を上げられることを期待するとともに、確信しています。再選を目指す市長として意欲に満ちた前向きな答弁をお願いし、再質問を留保して終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)濱本議員の御質問にお答えいたします。
初めに、市長公約について御質問がありました。
まず、公約の達成状況と評価についてですが、私が再選に向け決断に至った心情につきましては、少子化を含めた人口問題、公共施設の耐震化や防災対策など解決すべき幾多の課題が山積している中で、支援をいただいている多くの方々から、引き続き市政を担ってほしいとの声をいただき、本市が抱える課題解決へ向け、さらに取組を進めることがみずからの責務であると考え、来春の市長選におきまして再選を目指すこととしたものであります。
次に、市政の最高経営責任者の自覚と使命を公約で表現したとの認識につきましては、私は銀行に長く勤務し、企業経営にもかかわってきた経歴がありますので、民間での経験やそこで培われた感覚を生かし、行政運営の推進に当たっての考え方を公約の中で表したものであります。
「市民力を生かした「活力あるおたる」の創造」へ向けて、まちづくりに当たっての基本姿勢を明らかにし、大きく五つの基本目標を掲げ、その目標を実現するために七つの重点公約として具体的な取組内容を明らかにすることは、民間の経営方針と共通する考えであると認識しております。
次に、この3年4か月の総括につきましては、今はまだ任期半ばであり、総括は時期尚早かとは思いますが、現時点で五つの基本目標に即して申し上げるならば、企業やクルーズ客船の誘致、地場産品のブランド化や販路拡大などを通じた「地域経済の活性化」、消防力や防災対策の強化、新市立病院の建設や保育所の建替えなどを通じた「安心・安全で住みやすい環境整備」、校舎の耐震化や改修、教育力・学力向上の取組などを通じた「教育環境の充実」、市民の皆さんとの対話や地域防災訓練などを通じた「市民共調の街づくり」など、新たな行政需要とのバランスにも配慮しながら施策の推進に努めてまいりました。また、「安定した行財政運営の確立」に関しましては、真の財政再建へ向けた取組が道半ばであり、引き続き解決しなければならない課題であると認識しております。いずれにいたしましても、まずは残りの在任期間に全力を傾けてまいりたいと考えております。
次に、公約の評価、改善への取組につきましては、公約の達成に向けて実施しているさまざまな事業の進行管理を行う中で、現状や課題を把握するとともに、社会経済状況の変化を踏まえながら、今後の展開方法や取組内容を整理し、2期目に向けて取り組む政策課題に反映していきたいと考えております。
次に、自治体経営の観点から、現在の小樽が直面している課題に対して、どのような観点で経営判断を行うかにつきましては、本市の財政構造は、平成22年度以降、実質収支が黒字に転じているものの、毎年度の予算編成では何らかの財源対策を行わなければ収支均衡予算が編成できない状況にあります。現在、本市が直面している諸課題に対応していくためには、限られた財源の中で選択と集中の観点に立って、事業効果と優先順位をしっかりと見極めながら、将来を見据えた市政運営に当たっていく必要があると考えております。
次に、自治基本条例に関連してですが、まず自治基本条例が市民に認知されるために、現在までどのような取組を行い、どの程度認知されているかにつきましては、昨年12月の制定以降、本年2月に市内の三つの会場で条例の概要や必要性を説明し、本市のまちづくりに対する市民の皆さんの御意見をいただく機会を設けるとともに、3月には職員向けの研修会を開催いたしました。さらに、4月からは広報おたるで自治基本条例に関する記事の連載を開始し、条例についてわかりやすく伝えているところであり、徐々にではありますが、市民の皆さんへ浸透してきているものと考えます。
また、さらに認知度を高めるための対策につきましては、今後、開催を予定している市民の皆さんへの説明会を通じて、条例内容の周知に努めてまいりたいと考えております。
次に、自治基本条例の専門部署の設置についてですが、本年4月に施行した自治基本条例は、企画政策室が中心となり、これまで条例案の作成、周知、庁内調整を担ってきましたが、条例制定後はその精神は企画政策室だけではなく全庁的に尊重され、それぞれの部署が条例を念頭に置いて事業を進めるべきであることから、新たな組織ではなく、現行の体制の中で条例を生かしたまちづくりを推進してまいりたいと考えております。
次に、今後の人材育成についてですが、本市では平成19年度に人材育成基本方針を策定しており、目指すべき職員像として倫理観・使命感を持った職員、市民の目線に立つ職員、行政のプロフェッショナルとしての職員、チャレンジ精神を持った職員及びコスト意識・スピード感を持った職員の五つを掲げております。これらの目指すべき職員像を実現していくため、採用や異動時における専門的職員の配置や時代の流れに適応した職員研修の実施などに努めてまいりたいと考えております。
また、今後、職員の発揮した能力及び上げた業績を把握した上で行う人事評価制度を導入し、それに基づく任用、給与、分限その他の人事管理を徹底することで職員のモチベーションを高め、公務能率や市民サービスの向上を図ってまいりたいと考えております。
次に、クルーズ客船の誘致についてですが、まず、これまでの具体的な誘致活動につきましては、平成23年11月に日本海側拠点港の選定を受け、翌年4月に設立した環日本海クルーズ推進協議会において加盟する港湾の共同パンフレットの作成、例年マイアミで開催される世界最大級のクルーズコンベンションへ担当職員の派遣を行っており、さらに、今年度からは新たに外国船社幹部の招聘事業などに取り組むこととしております。
また、昨年設立した小樽港クルーズ推進協議会では、乗船客向けに小樽観光の新たな魅力を提案する着地型旅行商品を作成し、昨年8月東京で開催された小樽港クルーズセミナーにおいて、在京の旅行会社などに発信したところであります。私も、平成24年には上海の外国船社の現地事務所を訪問し、昨年1月には東京でプリンセス・クルーズ社の社長にお会いしたほか、機会あるごとに日本船社を訪問して、代表者の方に直接小樽の魅力をPRするとともに、国土交通省や法務省に対しては、港湾整備や誘致活動に対する支援を要請してきたところであります。
次に、クルーズ客船の市内経済への波及効果につきましては、乗船客や乗組員の市内での消費額の把握は難しいところですが、これまでの寄港により判明した特徴的な点を申し上げますと、まず、乗下船や観光のために相当の台数のバスやタクシーなどの利用が確認されております。
また、本年小樽港発着の定点クルーズが18回予定されておりますが、乗船に向けてフェリーを利用する例や乗船客や乗組員などが市内で宿泊するケースもあり、さらに船舶に積み込むための野菜や果物、生花などの生鮮品については、地元からの納入が増加していると聞いております。このほか乗船客や乗組員の観光消費をはじめ、水先案内や荷物の積みおろしなど、民間の収入を含めますと、市の港湾関係収入以外にもかなりの経済効果があるものと考えております。
次に、第6次総合計画に関連して御質問がありました。
初めに、中間点検報告と後期実施計画についてですが、まず中間点検報告書の内容に対する所感につきましては、中間点検は前期実施計画に登載した事業のこれまでの実績のほか、市民ニーズや社会情勢の変化を踏まえた課題について点検を行う中で、後期実施計画の策定に向けた今後の方向性について整理を行ったものであります。その中では、人口減少のほか、中心市街地の歩行者通行量や商品販売額などの成果指標において計画策定時の数値を下回る状況にあると認識しておりますが、前期に計画した事業は、おおむね実施できたものと考えております。
次に、中間点検報告書の事業費の記載につきましては、中間点検報告書は、後期実施計画の策定につなげるため、前期実施計画に登載した事業の主な取組内容や課題、今後の方向性を主眼に点検を行い取りまとめたものでありますので、事業費につきましては、個別事業ごとではなく、まちづくり5つのテーマ別に計画値と各年度の実績値の比較という形で掲載したものであります。
次に、後期実施計画の前期実施計画との差異につきましては、実施計画は10年を計画期間とする総合計画の基本計画を達成するため、前期、後期それぞれ5か年で取り組む事業をまとめたものであり、基本的に大きな差異はありませんが、後期実施計画では東日本大震災などを踏まえ、安全・安心な市民生活の確保に向けた取組として、道路ストック修繕更新事業を新たに登載したほか、防災や耐震化に関する事業内容の見直しを行いました。
また、今後の取組として、コミュニティ施設の整備や奥沢水源地保存・活用に向けた調査・研究などを新たに登載したほか、各事業においては中間点検などを踏まえ、現状に即した事業概要に更新したものであります。
次に、上下水道における資産や資源の有効活用の事業概要につきましては、前期実施計画では水管橋の開放などの奥沢水源地の活用や中央下水終末処理場におけるし尿受入れ施設の整備のため、関係機関との調整を行うこととしておりましたが、奥沢水源地については将来のあり方の方向性を示すことができたこと、また、し尿受入れ施設の整備については事業に着手したことから、後期実施計画では記載内容を変更したものであります。
次に、水道施設への水力発電システムの導入につきましては、近年、資産や資源を有効に活用し、電気料金や温室効果ガス排出量の削減などを行っている事例があると承知しているところです。しかしながら、導入に当たっては、事業の採算性や設置スペースの確保、設備の維持・管理などの課題があることから、他都市の取組も参考にしながら、今後も調査研究してまいりたいと考えております。
次に、街路灯助成事業についてですが、LEDを設置するに当たっての課題につきましては、複数年で実施するため、各町会の電気代の縮減についてできる限り公平性を保つこと、またNTT柱の更新計画がある地域ではLED電灯の設置時期と調整が必要であること、さらに現行制度では助成金交付までの間、町会が工事費を立て替える必要があることなど、多くの課題があります。
また、制度設計の進捗状況や制度内容につきましては、現在、助成率及び限度額の設定、灯具の選定や設置基準などについて検討している段階であり、来年度からの実施に向けて年内に制度内容を具体化してまいりたいと考えております。
次に、人口対策についてですが、人口減少はさまざまな要因が複雑に関係する複合的なものであることから、人口対策庁内検討会議の設置に当たっては、自治基本条例にある組織運営の規定も踏まえながら、庁内横断的な組織としたものであります。人口対策は重要な課題であることから、この会議の座長は私が務めており、現在、各部に減少要因の整理や人口対策の検討を指示したところであります。最終的には民間も含めた小樽市人口対策会議での御意見等を踏まえながら人口対策を取りまとめ、施策へ反映していくこととしております。
次に、除排雪についてですが、固定資産税を減免し、堆雪場として活用する事業の導入につきましては、現在、市民の御協力により市が借地している堆雪場は既に約280か所あり、全て無償となっております。今後この堆雪場について減免制度を導入した場合、これまで市が借地している堆雪場についても減免する必要が生じるため、除排雪費用のトータルコストの圧縮につながらない可能性もあります。このことから減免制度の導入につきましては、他都市の事例も参考にしながら、引き続き検討してまいりたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)濱本議員の御質問にお答えいたします。
第6次総合計画に関連して御質問がありました。
学力定着推進事業として、小樽こどもの詩コンクールについてでありますが、教育委員会では、平成23年度の学力・学習状況調査結果において、本市の児童・生徒は文章を正確に読み取る力や表現する力、家庭学習の時間に課題が見られたことから、一昨年度から学力定着推進事業の一環として音読運動を展開するとともに、昨年度は日ごろの音読の成果を発表する小樽音読カップを開催するなど、児童・生徒の国語力の向上と家庭学習の定着を図る取組を行ってまいりました。今年度は、詩の創作活動を通して子供たちの思考力や表現力、想像力を育むとともに、日本語の持つ美しさやリズムなどを工夫しながら詩を創作することで、子供たちの言葉に対する興味・関心を高めることを目的として、絵本・児童文学研究センター、小樽南ロータリークラブ、小樽商工会議所、小樽青年会議所の御支援をいただき、第1回小樽こどもの詩コンクールを実施することとしたものであります。
本コンクールは、9月を応募期間として、絵本・児童文学研究センター顧問である詩人の工藤直子さんを名誉審査委員長に迎え、全応募作品の中から1編を最優秀賞、工藤直子のはらうた大賞に選出するほか、小学校低学年・中学年・高学年、中学生の部の4部門でそれぞれ金・銀・銅賞を与えることとしております。教育委員会としては、本市の子供たちに豊かな感性と言語感覚を培うことを目的に行う本コンクールが、将来、伊藤整文学賞にかわる小樽ならではの文学コンクールとなることを期待しております。
(「議長、15番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)15番、濱本進議員。
○15番(濱本進議員)再質問等については予算特別委員会などで行いたいと思いますので、終わります。
○議長(横田久俊)濱本議員の一般質問を終結いたします。
(「議長、19番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)19番、斎藤博行議員。
(19番斎藤博行議員登壇)(拍手)
○19番(斎藤博行議員)一般質問を行います。
子ども・子育て支援新制度に関連して質問します。
子ども・子育て支援法が第183回通常国会で可決され、平成27年4月に施行される予定となっています。この法律の目的は、少子化問題の対策として子供を産み育てやすい社会の実現を目指すもので、その中心的柱は、第1に質の高い幼児期の学校教育、保育の総合的な提供、第2に保育の量的拡大と確保、第3に地域の子ども・子育て支援の3本です。
昨年4月に内閣府は子ども・子育て会議を設置し、新制度実施に向けた作業を進め、昨年8月には子ども・子育て支援法に基づく基本指針(案)を提示しました。各自治体では、この基本指針(案)に基づき、事業計画の策定などの作業が進められています。
初めに、国の進め方の問題についてです。
保育の量的拡充と質の改善を目指す新制度実施には、1兆円を超える財源が必要とされています。しかし、実際には財源確保の見通しがないまま、内閣府は本年6月4日に子ども・子育て支援新制度説明会を開催し、来年度の施行に向けた市町村の準備事務などの説明を行っています。予算の裏づけが不明確な中で、新制度の来年4月実施を自治体に押しつける国の進め方に対する市長の見解をお聞かせください。
次に、この新制度で言う保育の量の拡大のためには、約7万4,000人の保育士が不足すると言われています。国は保育士不足の問題を政権が掲げる経済成長戦略に絡めて、育児経験豊富な主婦などを子育て支援員として活用しようとしています。
しかし、この考えは、保育の質の改善の方向と逆行するものです。全国の保育士資格登録者数は約113万人ですが、実際に保育所で働く保育士は約38万人で、他の職業についておられる方も含めて、潜在保育士は全国に約75万人おります。厚生労働省の調査によりますと、こうした潜在保育士の64パーセントは、低賃金等の労働条件が改善されれば保育現場への復帰を希望しています。保育の質の改善のためには、育児経験豊富な主婦などの活用の前に、有資格者である潜在保育士の活用に向けた条件整備が必要と考えますが、市長の見解を求めます。
次に、小樽市における取組状況について質問します。
小樽市においても、子ども・子育て支援新制度の実施に向け、小樽市子ども・子育て会議の設置や保護者のニーズ調査などを行っています。
初めに、保護者ニーズ調査で示された病児・病後児保育の実施などについてどのように認識し、計画に反映させようとしているのか、お示しください。
次に、最近、国や北海道が幼稚園や保育所など既存施設に対し、新制度移行についての意向調査を実施したと聞いています。その結果について小樽市としてどのような報告を受けているのか、お示しください。
次に、国のスケジュールでは、今年8月までに小樽市子ども・子育て支援事業計画の骨子案を作成することになっていますが、小樽市での進捗状況をお示しください。
次に、国は放課後児童健全育成事業、いわゆる放課後児童クラブに関して、クラブの定員や指導員の配置基準などに関する職員関係とクラブの面積は、児童1人につきおおむね1.65平方メートル以上とするなどの設備基準などを定めた放課後児童クラブの基準に関する条例を定めるように各自治体に求めていますが、小樽市における条例制定作業の現状をお聞かせください。
次に、子育て支援は教育、保育所等の基盤整備を進めると同時に、育児放棄や虐待の問題、ワーク・ライフ・バランスや男女共同参画の推進、低賃金長時間労働など子育て世代を取り巻く環境の課題も重要です。小樽市では、小樽市子ども・子育て支援事業計画づくりに、こうした課題の担当部署がどのようにかかわっているのか、お聞かせください。
次に、国の子ども・子育て会議では、保育の質の改善策として保育士の配置基準を、1歳児6対1から5対1に、3歳児20対1から15対1に、そして4、5歳児30対1から25対1に変える考え方を示しています。予算措置等の問題はありますが、この考えが内閣府の子ども・子育て会議から保育の質を高めるために出されたことを小樽市としても真剣に受け止め、小樽市の公立保育所の配置基準の見直しを考えるべきだと思いますが、見解をお示しください。
この項最後に、今回の子ども・子育て支援新制度への移行は、平成21年12月に出された小樽市保育所の在り方についての報告を基に平成22年12月につくられた市立保育所の規模・配置に関する計画にも影響が出てくると考えますが、見解をお示しください。
質問を変えます。
北海道省エネルギー・新エネルギー促進条例は、平成13年1月に施行されました。この条例は原子力を過渡的エネルギーと位置づけ、脱原発の視点に立って再生可能エネルギーの利用拡大が北海道の、そして北海道民の責務だと宣言しています。高橋はるみ北海道知事は、泊原発の再稼働について、基本的な手順は国が示すものだと述べ、明確な立場や考え方は明らかにしておりません。しかし、北海道知事としては、この省エネ・新エネ促進条例に基づいて仕事をするのは当然とも述べています。
北海道省エネルギー・新エネルギー促進条例に基づく行動計画は、平成23年度から32年度までを第Ⅱ期としています。この第Ⅱ期計画を加速するために、北海道は今年3月に新エネルギー導入拡大に向けた基本方向を策定しました。この基本方向の趣旨は、第1に北海道の可能性を最大限に発揮した新エネルギーの導入を加速し、道内の地域と経済の活性化を図る、第2に我が国のエネルギー拠点として中・長期的なエネルギーの多様化などに貢献する、そして、第3に北海道の取組の基本方向を明確にすることにより、省エネルギー・新エネルギー促進行動計画の取組を加速させる、この3点です。
具体的には、第Ⅱ期行動計画の最終年度である平成32年度までに太陽光、風力、中小水力、バイオマス、地熱、廃棄物による発電設備容量、いわゆる発電能力を平成24年度実績の149万キロワットから1.9倍の282万キロワットに、また、発電量は平成24年度実績58億6,600万キロワット時から1.4倍の81億1,500万キロワット時に引き上げることになっています。さらに、中・長期的目標として送電網の整備などの条件整備を進めることにより、発電能力は平成24年度実績の3.5倍の521万キロワットに、また、発電量は2.4倍の140億7,800万キロワット時にするとしています。この数字は道内全発電量の約30パーセントとなり、泊原発1号機、2号機、3号機の発電量に匹敵するものです。この計画を着実に進めていけば、北海道に原発は必要なくなります。そして、この基本方向の核をなしている考え方は、エネルギーの地産地消です。この考えは、日本の食料基地北海道、そして観光北海道の質をさらに高めることになると考えております。
初めに、今回出された新エネルギー導入拡大に向けた基本方向について、小樽市としての見解をお示しください。
次に、基本方向の「連携・推進体制」の項では、地域においては、地域の関係者で構成する地域省エネルギー・新エネルギー導入推進会議を活用して連携を密にした取組を進めるとなっておりますが、後志地域や小樽市での取組状況をお聞かせください。
第6次小樽市総合計画後期実施計画の中の「まちづくり5つのテーマ」の5番目に、「自然とまちなみが調和し、環境にやさしいまち」があります。その中で、「環境保全」の「温暖化対策の推進」の事業として、「再生可能エネルギー等の導入・普及促進に向けた検討」が加えられました。具体的には「環境に優しいエネルギーの普及促進に向けた情報収集や研究。助成制度の導入や公共施設への設備設置の検討」が挙げられています。
先ほど取り上げました北海道の新エネルギー導入拡大に向けた基本方向の中で、地域ごとの主な新エネルギーの賦存量が年間平均日射量、年間平均風速、中小水力発電、地熱発電、バイオマス発電などに分けられて参考資料として出されています。また、比較的条件がよい、賦存量が大きいエネルギー種別として、後志では風力と中小水力が挙げられています。小樽市としても、専門機関などにお願いして小樽のこうした新エネルギーごとの賦存量の調査を行い、その潜在能力を今後のまちづくりに生かしていくべきと考えますが、見解を求めます。身近な例としては、平成25年度に真狩村が再生可能エネルギー利用可能性調査を行っています。
次に、私は2年ほど前に、北海道再生可能エネルギー振興機構の設立の趣旨を取り上げ、小樽市の入会を求めました。そのときの答弁では、設立後の活動実績等推移を見たいというものでした。2年たち、道内の自治体会員は、札幌市をはじめ78市町村になっています。そして、何よりも小樽市として、総合計画の中で新エネルギーに関する情報収集や研究を進めるとの考えを新たに加えました。また、実際にこの振興機構のセミナーにも参加したことがあるとも聞いています。ただ見は絶対だめとは言いませんが、入会することにより、積極的に小樽に特化した情報収集など活用を図るべきと考えます。見解を求めます。
次に、太陽光発電についてです。
私は、雪国小樽でも、年間の太陽光発電量は梅雨の季節を持つ東京と同じ程度であり、道内市町村で行っている太陽光発電システム導入補助金制度の検討を求めてきました。議会での議論の結果、小樽市における太陽光発電の実績をまず調査することになりました。
そこで、小樽市内で家庭用の太陽光発電はどのぐらい設置されているのか、お示しください。
また、その中で小樽市が行った月別の発電量の調査には何世帯に協力していただけたのか、お示しください。
また、協力していただいた世帯で、発電量の多い世帯と少ない世帯のそれぞれの年間を通じての月平均発電量はどのくらいでしたか、お示しください。ちなみに、私の家では平成22年10月に太陽光発電を設置して、平成26年9月までのほぼ4年間で1万5,800キロワット時、年平均約4,000キロワット時、月で言いますと、340キロワット時発電することができました。また、このことにより、4年間ですけれども、約2.5トンの二酸化炭素の発生を抑制することができました。
今回の調査は、今年3月で終了しております。調査の所期の目的が達成されたのかと推察いたします。総括的な報告をお願いします。
また、あわせて、その結果を協力してくださった方をはじめ、市民の皆さんへどのようにお知らせしているのか、お聞かせください。
先日、手宮地区統合小学校の校舎を見せていただきました。大変立派で子供たちもきっと喜ぶだろうと思いました。しかし、残念だったのは、太陽光発電が取り込まれていなかった点です。総合計画では、公共施設への設備設置の検討が明記されています。小学生のときから太陽の力など自然エネルギーや再生可能エネルギーなどについて目に見える形で学ぶことは、決して無駄なことではないと思います。こうした考えは、以前、私が長橋小学校に太陽光発電システムを設置したことを受け、その学習効果等について質問したとき、教育委員会の答弁も同じ考えだったと記憶しております。
今回は、聞きますと、構造上、追加工事で設置はできないと聞いております。どうして方針がぶれるのか不思議です。私は、このぶれが生ずる問題は、個々の施策の所管の問題でなく、小樽市として公共施設建設時における再生可能エネルギー設備設置の指針がないことに原因があると考えます。小樽市としてこの指針を用意すべきと考えますが、見解を求めます。
最後に、予算編成過程の公開について質問します。
自治基本条例が制定されて半年以上たちました。この条例のポイントの一つは、市民と行政、そして議会の情報の共有にあります。人口減少と高齢化が進む小樽市において、多様化する市民ニーズと限られた予算を前にして、その全てに応えると約束することは大変難しいことです。そこでは集中と選択という手法を用いざるを得ません。しかし、この手法を用いるときには、予算の編成過程の十分な説明責任が求められます。この説明責任は、市民の声を聞いて予算を要求する側、いわゆる入り口側と、査定して予算をまとめ市民や議会に提示する側、いわゆる出口側の双方に求められると考えますし、市民の側にも検証する責任が求められます。小樽市における最高の権力行使の一つである予算編成過程の公開は、小樽市自治基本条例の趣旨をさらに充実させると同時に、市民の行政への関心を高め、参加意識を高めることになると考えます。
私は、こうした考えから、今年の第1回定例会で小樽市における予算編成過程の公開についての考えをただしました。そのときの市長の答弁は、第1に、平成26年度予算案のもとになった各部の要求額を提示することは、公開を前提として資料がつくられていないのでできない、第2に、公開するための課題としては、公開する内容や方法、その時期があり、そのほかに予算編成の日程の変更も必要になるというものでした。また、再質問で財政部長は、他の自治体で公開がだんだん進んでいる、小樽市としても今後その方向に向け検討、研究していくと答弁しております。今年も9月に入り、平成27年度予算にかかわる話も聞こえるようになりました。予算編成の公開に向け、どのような検討や研究がなされたのか、お示しください。
とりわけ、各部ごとの要求額の公開については、今年度は想定していなかったということでしたが、平成27年度に向けては当然想定していただきたいものです。いかがなものでしょうか。各部ごとの平成27年度予算要求額を整理して、ホームページなどにアップして公開していただきたいと考えます。
また、予算編成日程についてはどのようになっていますか、お示しください。
今後の課題としては、予算要求段階から市民の声を聞く時間も考えていただきたいと考えます。ちなみに札幌市では、昨年11月26日から平成26年度予算の局ごとの予算要求額をアップして、市民からの意見募集を実施しています。
最後に、予算編成過程の公開に向けての小樽市としての今後の方向性を明確に示していただきたいと考えますが、今年の春よりも一歩も二歩も前に進んだ見解を求めます。
以上、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)斎藤博行議員の御質問にお答えいたします。
初めに、子ども・子育て支援新制度について御質問がありました。
まず、新制度の財源措置が不明確な中で、来年4月実施を求める国の進め方につきましては、もともと平成24年6月に自由民主党、公明党、民主党の3党による社会保障・税一体改革に関する確認が行われ、子ども・子育て関連3法が成立した経過があり、国は、1兆円を超える必要な財源についても、当初からその確保に最大限努力するとされているものであります。大幅な制度改正の実施に当たっては、所要の財源確保についても一体のものとして行うべきものと考えております。
次に、保育の質の改善に向けた潜在保育士活用のための条件整備につきましては、国は子ども・子育て支援新制度で行う地域型保育事業などについて子育て支援員の活用を想定していますが、保育の質の改善に関しては、有資格者である保育士の配置が必要であると認識しており、国において潜在保育士の活用に資する有効な施策を進めることが重要であると考えております。
次に、ニーズ調査で示された病児・病後児保育の要望についての認識につきましては、病児・病後児保育に関する利用要望に関して、「できれば利用したいと思った」方が約4割おり、一定のニーズが示されたものと考えております。
また、市町村支援事業への反映につきましては、今後の計画策定作業の中で検討してまいりたいと考えております。
次に、国や北海道による既存施設に対する意向調査につきましては、いずれも本市を通じて各施設へ調査票を配付・回収し、北海道へ送付したものでありますので、本市として回答内容を把握しておりますが、未確定の内容が多いこともあり、また、国及び北海道においてどのように公表するのかということにつきましては、示していないものであります。
次に、市町村支援事業計画の策定に関する進捗状況につきましては、本年11月中に計画の骨子案をまとめ、12月にパブリックコメントが実施できるよう、現在、必要な作業を進めているところであります。
次に、本市における放課後児童クラブの基準に関する条例の制定作業につきましては、来る第4回定例会への条例案の提出に向けて、現在、庁内関係部局による検討作業を進めております。
次に、市町村支援事業計画の策定に関する庁内担当部署のかかわりにつきましては、庁内の推進体制として、副市長を会長とし関係部長で構成する小樽市子ども・子育て支援事業対策推進会議と、関係課長で構成する小樽市子ども・子育て支援事業対策推進委員会を設置し、必要な検討協議を行っているところであります。
次に、本市の公立保育所の配置基準の見直しを考えるべきとのことでありますが、国の子ども・子育て会議で示された内容では、3歳児20対1から15対1にという考え方については、消費税率10パーセントへの引上げにより確保される7,000億円の財源により実施する事項として示されておりますが、3歳児以外の配置基準の見直しについて、その財源や実施時期などは示されておりません。市といたしましては、今後の国の動向や必要な財源措置が明らかになった段階で検討していくことになると考えております。
次に、市立保育所の規模・配置に関する計画への影響につきましては、計画では「少子化の進展、保育需要の減少を考慮する中で、全市的な定員見直しを検討する必要がありますが、市立保育所が率先して定員の調整を行う」こととしていることから、民間の幼稚園や保育所の今後の動向によっては、影響があるものと考えております。
次に、再生可能エネルギー等の導入・普及促進について御質問がありました。
まず、道が策定した新エネルギー導入拡大に向けた基本方向への見解につきましては、北海道に豊富に存在する自然エネルギーを活用し、エネルギー源の多様化、温室効果ガスの排出削減に貢献することや、生産・研究開発拠点やプロジェクトの集積によって関連産業の育成や雇用の創出など経済の活性化を図っていくことについては、考えを同じくするものであります。
次に、後志地域や小樽市での取組につきましては、平成23年度より毎年、北海道が各振興局単位で開催する地域省エネ・新エネ導入促進会議において、北海道や他自治体から新エネルギーの活用等に関する情報提供が行われていることから、本市の職員が当会議に出席することで情報収集に努め、会議での情報を踏まえて、再生可能エネルギー等の導入・普及促進へ向けた検討を引き続き行っております。
次に、新エネルギーの賦存量の調査を行ってその潜在能力を今後のまちづくりに生かすべきとのことにつきましては、現時点では賦存量等の調査を専門機関へ委託することは考えておりませんが、調査結果を基に民間事業者等に対し情報提供や事業協力することで、市内での再生可能エネルギー開発の取組が進むことが期待できるため、本市においては北海道が作成した新エネルギー賦存量推計システムなどの活用を視野に入れた賦存量の調査研究を進めてまいりたいと考えております。
次に、北海道再生可能エネルギー振興機構への入会につきましては、現時点では加入によるメリットを判断する材料が少ないことから入会する考えはありませんが、今後とも北海道主催の再生可能エネルギーに関する会議への参加や他自治体の先進事例の情報収集に努め、引き続き再生可能エネルギー等の導入・普及促進に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、市内における家庭用の太陽光発電設備の設置数につきましては、北海道電力に確認したところ、本年3月末現在で231件と聞いております。
次に、本市が行った月別の発電量の調査につきましては、入船地区や幸地区、長橋地区などの9世帯に御協力いただきました。
次に、協力していただいた世帯の年間を通じての月平均発電量につきましては、発電量の多い世帯で440キロワットアワー、発電量の少ない世帯で140キロワットアワーでありました。
次に、調査の総括的な報告につきましては、月別の発電量は春から秋にかけて数値が安定しているものの、冬は北海道の気象特性から降雪や日照時間の影響により数値が低かったことから、年間を通した発電設備の利用率は、国が示す平均的な利用率12パーセントに比べて、御協力いただいた9世帯の平均利用率が10パーセントとやや低く、冬の発電量向上に課題が残る結果となりました。
また、調査結果については、市のホームページにおいて、皆様から報告していただいた発電量の情報を公開しております。
次に、本市として施設建設における再生可能エネルギー設備設置の指針を用意すべきとのことにつきましては、設備設置の指針策定には実現性を担保する上から、市の財政負担も十分に考慮しなければならないと考えており、個々の施設の建設や改修の際に、再生可能エネルギーを利用した設備導入について判断してまいりたいと考えております。
次に、予算編成過程の公開について御質問がありました。
まず、予算編成過程の公開に向けた検討・研究につきましては、既に予算編成過程を公開している先進都市の取組状況を把握するとともに、北海道市長会の財政主管者会議において、本市の提案で道内全市の予算編成過程の公開状況やその具体的な内容などを調査したところであります。
次に、各部ごとの予算要求額の公開につきましては、新年度予算の公表にあわせてホームページなどで公開できるよう作業を進めてまいりたいと考えております。
次に、予算編成日程につきましては、予算要求に当たり、各部の検討に要する時間を確保する観点から日程の前倒しを検討しておりますが、現時点では消費税率の引上げをはじめ国の予算編成の動向が不透明であり、地方財政計画を見極める必要があることから、最終的に新年度予算が確定するのは例年どおり2月中旬になるものと考えております。
次に、本市の予算編成過程の公開の方向性につきましては、先ほど申し上げました予算要求額の公表も予算編成過程の公開の一つであると認識しております。また、第1回定例会で示したとおり、公開する場合には、公開する内容や方法、そして予算編成の日程などの課題があることから、引き続き先進都市の状況などを参考にしながら、公開に向けて研究してまいりたいと考えております。
(「議長、19番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)19番、斎藤博行議員。
○19番(斎藤博行議員)それでは、何点か再質問させていただきます。
本質問での順番どおり聞いていきますけれども、確かに今回の子ども・子育て支援新制度は、市長の答弁にありましたように、社会保障と税の一体改革の中の一つだったと私も認識はしております。そうでありながら、財政の裏打ちがないまま、あと半年後に制度に移行しろと、そういったやり方について市長の見解を求めているわけでして、市長も問題意識は一緒かなと思うのですが、できましたら、こういった部分については北海道市長会を通じるなりして、やはりきちんとした財源保障を求めていく、そういった立場に立っていただきたいと思いますので、そこの部分についての見解を求めます。
それから、病児・病後児を含めたニーズ調査の結果については、やはり調査のための調査に終わらせないためには、ぜひ具体性を持った計画づくりに反映していただきたいと思いますので、その辺についてのお考えを改めて聞きたいと思います。
それから三つ目には、道と国が行った民間の施設の意向調査なのですけれども、道と国がやったので小樽市に対する報告が完全なものではないというような答弁だと思うのですが、逆に言うと、これも小樽の計画づくりには欠かせないファクターなわけですから、この道の情報というのはいつ正式に使えるようになるのかということを、どういう見通しの下に、今の答弁ではまだ使えないのだとか公表できないのだということでしたけれども、では、いつになったら使って計画づくりに反映できるのかということをわかっていたら聞かせてもらいたいし、まだ押さえていないのであれば、早急に明らかにしていただきたいと思います。
それから、放課後児童クラブの関係なのですけれども、御承知のように、小樽の放課後児童クラブの所管は多岐にわたっているわけであります。今日は市長に答弁していただいていますので、例えばこの条例づくりの所管というのですか、責任はどこになるのかと、それから三つに分かれている施設の実態に対する責任などを1本の条例でまとめきれるのかどうか、そういった中身について今どういった検討がされているのか、お聞かせいただきたいと思います。
それから、2番目の省エネ・新エネの関係についてお尋ねします。
まず、小樽市内の新エネルギー、再生可能エネルギーの賦存量の調査を委託することはしないという考え方だということなのですけれども、私も先ほど質問の中で触れている道のデータは見せてもらっています。道は道なりにこういったシステムを使ってこの計算を行っているというふうに書いてあるわけなのですけれども、仮に、そういったものでもいいから、小樽市として今つくれる範囲でエネルギー源ごとの小樽市内の賦存量をやはり早急に出してもらいたいと。その辺について、今後やっていくのではなく、やはりそういったものをきちんと出してもらいたいと思いますけれども、スケジュール的な部分をお知らせいただきたいと思います。
それから、太陽光発電の関係で言いますと、231世帯に増えたというのは、私が前に聞いたときの2倍近くに増えているなというのが実感としてある、前は100世帯ぐらいだったと記憶していますので、確実に増えていっているのだなというような思いはあります。ただ、その中で9件にしか協力していただけなかったという部分については、それこそ委員会で議論させていただきますが、一つだけ聞いておきたいのは、結果として1か月の発電が440キロワット時と140キロワット時とずいぶん分かれています。これは発電能力を平均化した数字なのかどうか、要するにパネルの数で発電能力はずいぶん違うわけなので、例えば同じ地域、隣り合っていても、パネルの数が6枚の家と8枚の家では当然発電量は違ってくるわけなのですけれども、そういったものが考慮された数字なのかどうかだけお聞かせいただきたいと思います。
それから、公共施設への再生可能エネルギー、特に太陽光発電システムを設置する基準については、個々に判断していきたいという考え方なわけなのですけれども、それはそれで一つの考えだとは思います。ただ、そうした場合にどうしても気になるのは、耐震補強工事を行った長橋小学校のときにはつけていただいたと、そして、今回、説明では10億1,000万円かけてつくった手宮地区統合小学校にはないと。この違いはどこから生じてくるのかというのがどうしても納得できないので、この違いが出てきたところを説明していただきたいと思います。
それから、最後の予算編成の部分は、組織的に大変難しい取組だとは思うわけなのですけれども、今年の第1回定例会で、入り口である各部ごとの要求額についてはやはり示してもらいたいということをお願いしているのですが、今の市長の答弁を聞いていますと、この入り口である各部ごとの要求額の開示についての部分がはっきり聞き取れなかったので、それがないと当然出口の話などというのは届かない話なのですけれども、私の考えは、繰り返し言っているように、予算編成が厳しいまちですから、例えば各部から出された予算が最終的にスリム化されていく過程、要はいろいろ削られたりカットされたりしていく過程そのものも、市民の皆さんに見てもらう必要があるのではないのかと。それが予算編成過程を市民と共有する、つらい過程ですけれども、必要なのではないかということで質問しているわけなのですが、今日の時点では、まずやはり平成27年度の予算編成に向けて入り口である各部ごとの要求額、これについては公表していただきたいと。その辺についてもう一度答弁をお願いします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)福祉部長。
○福祉部長(三浦波人)斎藤博行議員の再質問にお答えいたします。
私からは、子ども・子育てに関する質問、4点ほど項目としてはありましたけれども、まず財源の問題でございますが、子育て支援にかかわるさまざまな財源というのは、これまでも市長会を通じてしっかりと財源措置するように要望はしておりますし、今回のような子育て支援新制度のことについても要望はしていきたいと思います。あとは、今回も、市長答弁でありましたように、必要な財源措置については、やはり着実に確実に措置、手当をしていただきたいと思っているところでございます。
それから2点目ですが、病児・病後児保育のことでございます。
これは、これまでのさまざまな検討の中で、これまで議会でも示してきたような幾つかの課題が見えてきたわけでございまして、その中には小児科医のことなど課題の解消が大変難しいものも含まれておりますけれども、新制度に向かって策定いたします市町村の子ども・子育て支援事業計画について、まさに今、どのように持っていくかということの検討作業をしているところでございますので、その旨御理解いただきたいと思います。
それから、三つ目の国や道が調査した市内事業者の意向に関することですが、国や道は具体的にいつごろその結果を出すか、どういう形で出すかというのは、今は全く示されておりません。ただ、私たちとしても実際問題、来年度の予算要求の関係もありまして、どこかでは把握しなければいけない、時期的には、予算要求時期までには把握したいと思っていますので、仮に国や道から示されなくても、私どもで具体的に把握していきたいと思いますし、現実に今時点で市内の事業者は未定のところが多いということでございます。
それから、4点目の放課後児童クラブについては、再質問にあった、所管はどこなのか、それから、1本の条例にまとめることができるのかという質問は、本質問にはなかったのかと思うのですけれども、答えられる範囲でお答えいたしますが、所管については、御存じのとおり、3部にまたがって施設がございますので、3部それぞれ持っていますし、必要に応じて3部で検討会議をするというようなことで課題への対応をしてまいりました。総合的な窓口は、これまでは教育部ということで位置づけられております。
条例化のことについては、できるだけ1本のものにしていけるように検討していきたいと思っています。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)総務部長。
○総務部長(迫俊哉)再生可能エネルギーの導入・普及についての再質問にお答えいたします。
賦存量調査についてお尋ねがあったわけでございますけれども、この再生可能エネルギーの取組につきましては、総合計画にも位置づけられている政策・事業であるというふうに考えておりますし、自前ではありますが、かつてこのシステムによりまして企画政策室で試算した経過もありますので、これに基づく賦存量の調査については検討していきたいと思っております。
スケジュールについてのお尋ねがございましたけれども、自前での作業になるということと、どのエネルギー、いわゆるエネルギーの種類ということになると思いますが、そういったものの判断もしていかなければなりませんので、今の時点で詳しいスケジュールを申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思ってございます。
それから、太陽光発電の調査につきましてのお尋ねでございますけれども、パネル数を考慮したものではなく、単純に平均を出したものでございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)財政部長。
○財政部長(小山秀昭)予算の公開についてですが、各部の要求を示してほしいということで、先ほどの市長の答弁にありましたけれども、予算を公開する時点で各部の要求額は示したいと、そういう作業をしていきたいと思っております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)副市長。
○副市長(貞村英之)再生可能エネルギーの中で公共施設になぜつけなかったのかと、長橋小学校と手宮地区統合小学校の違いということの御質問だと思いますが、長橋小学校につけたときは、たしか私が企画政策室長のときだったと思いますけれども、あのときは国の経済対策で財源があったわけでございます。今回の手宮地区統合小学校については全部起債ということになりますし、効果がまだはっきりしていない中で起債を借りて後年度に負担をかけるのはいかがなものかという議論もございまして、教育部の中では検討していたようなのですが、そういう議論の中で後年度負担、後年度に今の若者たちに負担させるのはいかがなものかということもありまして、手宮地区統合小学校については計画の中には入れないで、そのまま普通の学校として建設したという経緯でございます。
(「議長、19番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)19番、斎藤博行議員。
○19番(斎藤博行議員)再々質問させていただきます。
何点かに絞ります。
まず、道がやった子ども・子育て支援新制度への移行に関する民間調査の結果についての扱いなのですけれども、どうしてこういう問題が大事かと申しますと、小樽市の市立保育所の規模・配置に関する計画の中で、手宮保育所の扱いというのは今年度中に整理しなければならない課題として残っていると理解しています。そういう中で、やはり道が行った民間の保育所、民間の幼稚園などを経営している方の意向なども手宮保育所の将来を考えるときに参考にしなければならないと、そういった議論を重ねてきた経過があるものですから、そういった中で、それがわからないままいった場合、手宮保育所の扱いがどうなるのか、ずっと心配しているというか、考えているものですから、それとの関連の中で質問させていただいていますので、手宮保育所の将来と関係ないということであれば、また少し違うのですけれども、そこら辺についてはぜひお願いしたいと、もう一回説明していただきたいと思います。
放課後児童クラブの扱いなどについては、それぞれの委員会でまた質問させていただきたいと思います。最後に、太陽光発電を今回、手宮地区統合小学校につけなかった理由について、副市長から説明がありました。私は、考え方としては、これから手宮地区統合小学校に子供を入れる保護者は、たぶん太陽光を使った自然エネルギーの学習については期待するものが大きいのではないかと思います。ただ、財源の問題だと言われてしまうと、話は終わるのですけれども、幾ら必要だったのかとか、それはどういうふうにして捻出できなかったのかというあたりについては、もし説明していただけるのだったら説明していただきたいし、子供の将来を考えたときに、やはり必要だったのではないかと思いますので、その辺についてもう一度答弁していただきたいと思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)福祉部長。
○福祉部長(三浦波人)私からは、斎藤博行議員の再々質問の中で、市内事業者の意向についてお答えいたします。
今回、北海道あるいは国が調査した意向の主な狙いといいますのは、市内の保育所や認定こども園、あるいは幼稚園を今後どうするかというところでして、保育所と認定こども園についてはみなし規定がありますので、このまま普通ですと新制度に移行しますけれども、幼稚園をどうするか、現在のままの幼稚園とするのか、それとも新制度に移行した幼稚園となるのか、この辺によって財源措置などが大幅に変わってくるということで、そのあたりの意向を把握しようとしたものでございます。
ですから、特に手宮保育所の取扱いが直接かかわってくるということではなく、今回の北海道と国が行った意向調査というのは、あくまでも特に幼稚園がどのように移行していくかということですし、それにかかわっては手宮保育所の関係というよりは、むしろ新制度でどのような運営ができていくのかということが、幼稚園も現在国が示している情報だけではなかなか決めきれていないということが要因になって未定ということになっておりますので、その旨御了解いただきたいと思います。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)副市長。
○副市長(貞村英之)斎藤博行議員の再々質問にお答えいたします。
再生可能エネルギーについて、手宮地区統合小学校へなぜ太陽光発電設備をつけなかったのか、規模等ということなのですが、まず一つ、起債することにより翌年度以降に負担がかかるということは御承知のことと思いますけれども、それに際しては、やはり投資に対する見合いの収入というものがあって、それでペイしなければいけないというのが一つあると思うのです。施設の建設費、維持費、そういうものを全部含めた中でトータル的にそれが算定できるかどうかというと、できないわけでございます。その中で、それを投資して学校、子供のためになるか、ならないかはわかりませんが、そういうものを投資することは最初から教育部で何らかの検討をされていたようですけれども、そこまでいく前にそういう議論で、そこら辺は規模とかそういう事業費とかは、はじく前に別に要求しなかったわけでございますので、そこら辺の規模、そこら辺の事業費は不明でございます。今の考えでいきますと、この発電の、個々の公共施設を建てる場合に、一つ一つ個々に検討していくべきものと考えます。例えば国の補助金があるのであれば、それなりにペイできる可能性も出てきますし、そういうところで、今後は、個々の施設ごとに、そのときにつくるかつくらないかの検討をしていくべきだと考えておりますので、そこら辺は御理解願いたいと思っております。
○議長(横田久俊)斎藤博行議員の一般質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後4時03分
――――――――――――――
再開午後4時30分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、一般質問を続行いたします。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)21番、新谷とし議員。
(21番新谷とし議員登壇)(拍手)
○21番(新谷とし議員)初めに、土砂災害対策についてお聞きします。
8月19日以降、広島市内を襲った記録的豪雨による大規模土砂災害で大勢の方が亡くなり、その後礼文町で50年に1度と言われる記録的豪雨による土砂崩れで2人の方が亡くなりました。被害に遭われた方々には心から哀悼とお見舞いを申し上げます。
日本共産党は、広島市の土砂災害後、直ちに災害対策本部を設置し、緊急対応や支援活動に取り組んできたところです。
土砂災害対策は、二つの対策が必要です。一つは、住民に危険箇所を周知し、避難対策を整備すること、もう一つは、土石流の勢いを弱める砂防ダム等の施設整備です。小樽市でも、山を切り開いて宅地開発を行い、山際や崖の上、下に建っている家も多く、心配している市民も多いです。市民の生命・財産を守る行政の役割は、いよいよ大事です。
土砂災害警戒区域指定について伺います。
指定は北海道ですが、小樽市の土砂災害危険箇所は519か所、そのうち、土砂災害警戒区域は179か所です。土砂災害危険箇所は、急傾斜地崩壊危険箇所、土石流危険渓流、地すべり危険箇所の三つに区分されていますが、各危険箇所数及び現警戒区域指定数をお知らせください。
国土交通省調べによると、この間、全国では毎年平均1,000件以上の土砂災害が発生しており、2011年は1,422件、死者・行方不明は85名も出ています。小樽市では2007年に朝里川温泉スキー場で大きな土砂崩落が起きましたが、過去の土砂災害の被害状況と主なものをお知らせください。
2006年から急傾斜地崩壊危険箇所の対象地域で住民説明会を実施しているも、5か所が未指定ということですが、これまでの災害を通して未指定地域で理解を得られていない住民には継続的に働きかけていたのでしょうか。
また、住民の理解が得られなければ警戒区域の指定ができないという法的根拠はありますか。
5か所を含めた残りの340か所の警戒区域指定の計画についてお知らせください。
住民周知についてお聞きします。
広島市の土砂災害では、幸い命を取りとめた方が、ハザードマップで自宅付近が警戒区域となっていることを知らなかったと述べていました。小樽市はハザードマップを対象地域の住民に配布したといいますが、転入してきた住民にも漏れなく配布していますか。
最上など土砂災害警戒区域指定から少し離れた地域の住民にはハザードマップが配布されていないため、連続して起きている土砂災害で、いざというときどこに避難したらよいか不安に思っています。住民に常日ごろから避難場所を意識してもらうことも大切です。内閣府から示された避難場所、避難方法等を記載した災害・避難カードを市民に配布し、市民周知を進めるべきです。いかがですか。
この間、学校統廃合が進められ、色内小学校付近の住民は、避難場所が遠くなることに不安を持っています。住民の納得を得られているのですか。
避難勧告・避難指示の発令、伝達についてです。
広島市や礼文町の土砂災害では、避難勧告が遅れたことが指摘されています。広島市の場合は、夜中に豪雨が集中したことで、避難勧告を出すのが難しかったということですが、後日、広島市長は避難勧告が早ければ被害が小さくなった可能性があると述べています。
今年4月に内閣府から避難勧告等の判断・伝達マニュアルの策定要請があり、北海道がマニュアルを作成し、小樽市はこれを受けて避難勧告の基準を変えるということですが、これまでの市の発令基準との違いと北海道のマニュアルには今回のように突然の豪雨への対応が盛り込まれているのか、お聞きします。
小樽市も危険区域が多いのですから、マニュアル作成を急ぐべきです。完成の時期、市民への周知方法などお知らせください。
もう一つの対策である砂防ダムの施設整備は何か所行われていますか。
広島市の土砂災害は、県の砂防事業予算が1999年をピークに激減し、施設整備が遅れたことも指摘されていますが、近年の北海道の予算はどうなっていますか。
市民の生命と安全を守るためにも、国に対して危険箇所の調査費や砂防ダムなどの土砂災害対策予算の増額を求めていただきたいですが、いかがですか。
(「自民党と一緒じゃないか」と呼ぶ者あり)
朝里川温泉区域についてお聞きします。
土砂災害警戒区域に指定されている朝里川温泉区域の避難所は、豊倉小学校になっています。朝里川温泉区域は地すべり箇所とされている場所が広く、この中に豊倉小学校が入っていて、しかも急傾斜地危険崩壊箇所が近くにあります。災害が発生するおそれがあるところを避難所として指定するのは不適切ではありませんか。
また、この区域にはケアハウス、特別養護老人ホーム、障害者支援施設など、高齢者・介護・福祉施設が集中しています。土石流危険渓流、地すべり危険箇所もあるのに施設建設をなぜ許可したのでしょうか。
安全対策は講じられているのか、また、土砂災害警戒区域指定時期はいつごろになるのか、お聞きします。
各施設には要援護者が多数入所していますが、避難場所について施設ごとにお知らせください。
体制についてお聞きします。
礼文町の土砂災害は警戒区域未指定だったことや、役場の職員が別地区の土砂崩れの対応に追われて手が回らなかったことが問題になっています。小樽市の体制はどうなっていますか。
また、救助に当たる消防職員は、8月1日現在、条例定数252名に対し249名、そのうち消防吏員は248名ですが、不足はありませんか。消防吏員を確保すべきです。
また、土砂災害に限らず災害が増えていますから、防災担当職員をさらに増やすべきです。お答えください。
次に、人口増対策についてお聞きします。
市長は2期目出馬を正式表明し、政策課題に人口問題を挙げ、「小樽の最重要課題。国任せでなく取り組みたい」と述べています。我が党は、人口増には仕事と家庭の両立支援や経済的支援が不可欠であると考えます。
国勢調査による小樽市の生産年齢人口は、2000年は65.1パーセント、2005年62パーセント、2012年58.5パーセントと、調査のたび減少しています。今後の人口増対策は若年層・生産年齢人口の定住・移住にポイントを置いて進めるべきではないでしょうか。
2008年には、おたる移住・交流推進事業研究会を立ち上げました。この事業では、2008年度から2013年度までに33世帯、60人が移住し、そのうち世帯主が50歳代以下の世帯は78.8パーセントです。これらの方々が小樽市への移住を決めた理由はどのようなことでしょうか。
今年3月に発表された厚生労働省のセーフティネット支援対策等事業費補助金で行った「人口移動効果を踏まえた自治体の福祉政策展開」に関する調査研究報告書によると、従来の空き家紹介や産業施策などに福祉的な施策を加えることで、都市部から地方部への転居行動の効果を高める可能性などを検討しています。移住希望者アンケート調査では、地方移住を高める条件として、50歳までについては生計を立てられる程度の収入があるか、子育て期の女性では日常的な生活において困らない程度の生活環境や子供の教育環境が整っているかなど、生活において困らない程度の水準を挙げています。また、地方への移住希望者の意向としては、全世代で「自然豊かな環境で暮らしたい」というものです。
札幌市から小樽市に移住した何人かの若い世代の話を聞くと、自然豊かな土地で子育てしたいからと言い桂岡町に移住した40歳代の女性からは、桂岡町は札幌からも近く、子育て世代を呼び込むにはよい環境、冬の除雪、通勤・通学バスの増車など検討してはどうかという提案もあります。
小樽市は札幌市に近く、自然豊かな環境の点では他市に負けない利点がありますから、これを生かし、その上で小樽に住んで安心の施策が必要です。そのためにも、育児支援で少なくとも札幌市並みでなければならないと考えます。生活応援の子供の医療費助成比較では、札幌市は通院では小学校就学前は自己負担は初診時一部負担金のみ、入院は中学校卒業までの助成で小樽市より拡大されています。若年層の定住・移住を図る上で、子供の医療費助成の拡大を進めるべきではありませんか。
また、生計を立てられる程度の収入という点で、雇用の場の確保は定住・移住の大きな条件ですが、どのような施策を考えているのかお聞かせください。
小樽市は、8月に人口対策庁内検討会議を設置し、11月には今後の施策の方向性や事業案をまとめ、その後、官民による小樽市人口対策会議を立ち上げ検討するとしていますが、事業案の内容、民間の構成メンバー、人数、また一般公募などについて、いつ提示されるのでしょうか。
次に、雇用問題をお聞きします。
自治体における臨時・非常勤職員の官製ワーキングプアが拡大する中、待遇の改善を求める運動と世論の高まりで、総務省は7月、地方自治体の臨時・非常勤職員の待遇改善を求める通知を出しました。臨時・非常勤職員の再度の任用をめぐっては、次の任用までの間に空白期間を設け、健康保険や厚生年金から脱退になるため、医療費負担増や年金減少になることが問題になっていました。小樽市でも雇用保険は掛けているが、健康保険はいったん打ち切っています。今回の総務省の通知では、有期の雇用契約又は任用が1日ないし数日の間をあけて再度行われる場合においても、事実上の使用関係が中断することなく存続していると判断される場合には、厚生年金及び健康保険の被保険者資格を喪失させることなく取り扱う必要があると述べています。これは既に今年1月17日付け厚生労働省通知で示されていましたが、小樽市は、この通知内容をなぜ実施しなかったのですか。
総務省の通知を受けて速やかな改善を求めます。お答えください。
現在、市立保育所の保育士が不足していると聞きます。2人の子供を一緒に手宮保育所に預けたいと思って申し込んだが、ゼロ歳児は保育士が不足しているので受け入れられないと断られ、自宅から離れた民間の認可保育所に預けているため、送迎に1時間近くかかり困っていますという若い人の話を聞いています。小樽市は正規職員のほか臨時保育士を雇用していますが、ここ3年間の保育士の正規職員と臨時職員の数と割合をお知らせください。
保育士不足は安定しない雇用のためではありませんか。安定しない雇用では、子供を安心して預けたいという若い世代の願いに応えることはできません。保育士の正規職員を増やすべきです。お答えください。
次に、おたるドリームビーチの海水浴客の安全対策について伺います。
小樽市が管理する銭函の道路で、ドリームビーチの海水浴帰りの女性4人が飲酒運転の車にひき逃げされ、3人が死亡するという痛ましい事件が起きました。市長は、初めはこの道路を歩行者専用にするとしていましたが、その後、歩行者の安全を確保するため、歩道設置の検討も含める方針に変えました。歩行者の安全を守るために早期の歩道設置を進めるべきです。いかがですか。
また、一番の問題は飲酒運転です。これを防止するためのドリームビーチ協同組合と小樽市の対策をお知らせください。
再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)新谷議員の御質問にお答えします。
初めに、土砂災害対策について御質問がありました。
まず、土砂災害警戒区域指定についてですが、市内の土砂災害別の危険箇所数につきましては、急傾斜地崩壊危険箇所434か所、土石流危険渓流75か所、地すべり危険箇所10か所となっております。
また、警戒区域指定につきましては、急傾斜地の崩壊177か所、土石流2か所となっております。
次に、本市の過去の主な土砂災害の被害状況につきましては、平成19年4月に朝里川温泉スキー場で融雪による土石流が発生したほか、平成22年8月には低気圧による大雨で市内13か所、23年9月には台風12号の大雨で市内9か所で土砂崩れが発生しておりますが、いずれものり面や石垣の崩壊によるもので、人的被害は発生しておりません。
次に、理解が得られていない住民への働きかけにつきましては、これまで2度の説明会を開催し、さらに個別にも説明を行い理解を求めているところであり、今後も働きかける予定と聞いておりますが、理解が得られなければ警戒区域の指定ができない法的根拠につきましてはありません。
また、警戒区域指定の計画につきましては、平成28年度までに全道で2,370か所を指定したいとの計画であると聞いておりますが、本市における計画は示されておりません。
次に、住民周知についてですが、まず転入してきた住民へのハザードマップの配付につきましては、現在、配付はしておりませんが、今後、市の窓口で転入手続を行う際、ハザードマップを入手又は閲覧できる部署やホームページからの入手方法などを記載したパンフレットを配付し、周知してまいりたいと考えております。
次に、災害・避難カードにつきましては、各家庭で土砂災害や津波などの災害ごとに避難の必要性、避難する場所を整理して事前に記載したカードとなっており、災害時には市町村が発令する避難勧告等をきっかけに、悩むことなくあらかじめ定めた避難行動をとることができることから、内閣府の避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドラインでは、導入を提案しているところであります。
このカードの導入については、今後、市が策定することとしているマニュアルの中で、その導入について検討を行ってまいりたいと考えております。
次に、色内小学校統合後の避難所につきましては、現在、地域の方々と跡地利用の協議を行っているところであり、今後、御意見をいただきながら避難所のあり方について判断したいと考えております。
次に、避難勧告等の発令・伝達についてですが、まず本市の避難勧告等の発令基準と北海道のマニュアルとの違いなどにつきましては、本市地域防災計画では土砂災害に係る避難勧告等の発令は、土砂災害警戒情報のほか、過去の土砂災害の発生状況や予兆現象などを総合的に分析した上で判断することとしておりますが、北海道のマニュアルでは土砂災害警戒情報などが発表された場合に、避難勧告等を発令するための判断基準を示して、市町村の判断が遅れないことに着目したものとなっております。
また、大雨警戒発表時に現在の降雨がその地域にとって災害の発生につながるような、まれにしか観測されない雨量であることを知らせるために、気象庁が発表する記録的短時間大雨情報も判断基準としているところであります。
次に、本市の避難勧告等の判断・伝達マニュアルの作成時期などにつきましては、本年4月に国のマニュアル策定ガイドライン案が策定されたことを踏まえ、北海道が市町村のマニュアル作成の参考となるように、8月に土砂災害と津波災害にかかわる避難勧告等の判断・伝達マニュアル案を作成したところです。本市におきましては、これらを参考に年度内をめどにマニュアルの作成を進めていきたいと考えております。また、市民への効果的な周知方法についても、あわせて検討してまいりたいと考えております。
次に、砂防ダムの施設整備についてですが、市内には72か所の砂防施設が整備されております。また、近年の北海道の予算についてですが、ここ5年間の砂防関係事業費は100億円前後で推移していると聞いております。
次に、国に対して土砂災害対策予算の増額を求めることにつきましては、これまでも北海道市長会などを通じて砂防事業について積極的に整備を進めていただくよう要望しており、今後も引き続き要望してまいりたいと考えております。
次に、朝里川温泉区域についてですが、まず豊倉小学校が避難所として指定されていることにつきましては、本市においては津波避難所を除き、災害の種類ごとに避難所を指定しているものではありません。しかしながら、平成25年に災害対策基本法が改正され、避難所を指定する際の基準が新設され、想定される災害の影響が比較的少ない避難所を指定することとなったので、今後、災害の種類別に避難所を指定することとしております。豊倉小学校については、土砂災害の発生するおそれがあると判断した場合には、避難勧告等により朝里小学校などに避難誘導したいと考えております。
次に、福祉施設の建築許可につきましては、これらの福祉施設の敷地は、土砂災害特別警戒区域に指定されていないことから許可したものであります。安全対策につきましては、砂防法に基づく対策工事が一部施工されております。また、区域指定につきましては、北海道から福祉施設がある場所は早期に指定したいとの意向が示されております。
次に、施設ごとの避難場所につきましては、朝里川温泉周辺の施設入所者の避難場所は各施設ともに豊倉小学校となりますが、収容人員を上回る被災者が発生した場合や、土砂災害の発生するおそれがあるときは、朝里小学校などの避難所や被災者の受入れについて協定を締結している朝里川温泉組合の施設に協力を要請してまいりたいと考えております。
次に、本市の体制につきましては、本市地域防災計画に非常配備の基準を設けており、災害の発生規模に応じて職員を動員することとしております。その内容は、小規模の災害や災害の発生するおそれがある場合には、関係する部署の職員が参集する第1非常配備で対応し、局地的な災害が発生している場合などは災害対策本部の係長職以上が参集する第2非常配備としております。また、広域にわたる災害となった場合には、職員全員が参集する第3非常配備体制で対応することとしております。
次に、消防職員につきましては、通常の火災や救急救助出動などに対応できる職員数は適正に確保しており、不足とは考えておりませんが、災害等で増員が必要となる場合には、非番職員や消防団員の招集を行うほか、他の消防本部や警察等関係機関の協力を要請し、対応してまいります。
次に、防災担当職員の人員を増やすことにつきましては、平成23年の東日本大震災以降、防災業務が増えたことから、平成25年度に担当主幹1名を、平成26年度には担当主査1名を増員し、現在6名となっております。防災業務の重要性は増しておりますので、職員配置については今後の人事編成の中で検討してまいります。
次に、人口対策について御質問がありました。
まず、今後は若年層・生産年齢人口にポイントを置くべきとのことですが、本市は少子高齢化だけではなく、生産年齢人口が減少している状況にあり、その中でも子供を産み育てる世代の減少がさらなる少子化につながっているものと考えられます。また、この世代がさまざまな活動の担い手として、まちの活力やコミュニティの維持に欠かすことができないことから、生産年齢人口を中心とした人口対策を検討する必要があると同時に、出生数の増加に向けては若い世代を支援する施策に力を入れていく必要があるものと考えております。
次に、小樽市への移住を決めた理由につきまして把握している範囲で特徴的な点としては、港町であり、歴史的な建造物が残るまちの雰囲気や小樽の人の魅力に引かれたといった理由のほか、海、山があり、自然に恵まれていること、まちの規模がコンパクトで暮らしやすいこと、札幌に近く交通アクセスがよいなどが挙げられます。
次に、若年層の定住・移住を図る上での子供の医療費助成制度の拡大につきましては、道内他市町村の医療費助成の状況を見ますと、本市と同様の取扱いとなっているところのほか、各自治体が独自で助成制度を拡大しているところもあります。小樽市といたしましても、財政上の問題もありますが、人口問題を議論する中で、今後、検討してまいります。
次に、人口増対策における雇用の場の確保につきましては、地域経済を活性化することが何より重要であると認識しておりますので、引き続き地元企業の活性化に向けた支援や企業誘致などの施策に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、人口対策庁内検討会議の事業案や官民による小樽市人口対策会議のメンバーなどの提示の時期についてですが、今後の施策の方向性や事業案は、庁内の意見を取りまとめた後、11月中に立ち上げる官民の会議へ提示したいと考えております。
また、官民の会議の構成メンバーや人数、一般公募につきましては、今後、庁内検討会議において検討してまいりたいと考えております。
次に、雇用問題について御質問がありました。
まず、市臨時職員の健康保険等の被保険者資格の取扱いについてですが、臨時職員につきましては、地方公務員法第22条第5項の規定に基づき、任用を行っております。この任用は6か月を超えない期間とされ、6か月を超えない期間で更新できることとされており、基本的には最大で1年以内の任用と定められております。このことから本市においては、臨時職員の通算の任用期限を1年とし、業務上資格が必要な職種や人員の確保が難しい職種においては、更新後、国の通知にある1日ないし数日ではなく、おおむね10日間をあけて再度任用を行っております。これまで市の被保険者資格の取扱いは、任用期間終了後、資格喪失手続をとり、再度任用する場合に改めて資格取得手続をとることとしておりましたが、このたびの国からの通知を受け、空白期間における無保険や無年金の期間が生じないよう、その対応を検討しているところです。
次に、この3年間の保育士の正規職員と臨時職員の人数と割合につきましては、各年度の4月当初の状況では、平成24年度は正規職員54名、臨時職員25名、正規職員の割合は68.4パーセント、25年度は正規職員52名、臨時職員21名、正規職員の割合は71.2パーセント、26年度は正規職員52名、臨時職員17名、正規職員の割合は75.4パーセントとなっております。
次に、保育士の正規職員の割合を増やすべきとのことでありますが、市立保育所の保育士の正規職員配置については、国の基準を踏まえ、職員組合とも協議の上、必要な人員の確保に努めているところであります。
次に、おたるドリームビーチの海水浴客の安全対策について御質問がありました。
まず、早期に歩道の設置を進めることにつきましては、安全対策の一つであると考えておりますので、今後、来季の海水浴場開設に向け、歩道設置も含め安全対策を検討してまいりたいと考えております。
次に、飲酒運転防止対策につきましては、ドリームビーチ協同組合では、海の家での運転者へのアルコール販売の禁止、飲酒運転撲滅啓発のぼりの作成、最寄りの星置駅への無料送迎バスの運行期間の延長などのほか、警察への取締り強化の依頼を実施したと聞いております。
また、市においては、警察と共同で海の家全店に注意喚起を行ったほか、銭函3丁目駐車場などでの啓発チラシの配布や事故現場付近にのぼり・看板の設置を行い、飲酒運転の危険性の周知に努めたところです。市といたしましては、これまでさまざまな交通安全啓発活動を行ってまいりましたが、今後はこれまで以上に飲酒運転防止に向けた啓発活動に努めてまいりたいと思います。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)21番、新谷とし議員。
○21番(新谷とし議員)再質問させていただきます。
土砂災害対策についてですが、小樽市の残りの340か所の危険区域の警戒区域指定についてです。平成28年度までに全道で2,370か所とのことで、本市における計画は示されていないということでした。
今日の夕刊に白老町と登別市で局地的な豪雨により、白老町では68人が孤立してキノコ工場が決壊したというニュースがありまして、気候変動で災害がいつ起きるかわからないという状況ですから対策が急がれます。
広島市でも今回、土砂災害に遭った53か所は全て危険箇所でしたけれども、警戒区域に指定されていたのは13か所にすぎません。多くの犠牲者を出した地区は指定されていなかったのです。
小樽市では割合にすると、まだ34.5パーセントしか指定されておりません。しかも、地すべりに対してはゼロです。全国平均が67.5パーセントという報道がありました。ですから、小樽市への指定が大変遅れているわけです。
この理由は、調査費が圧倒的に少ない、このためではないでしょうか。私が聞いた砂防関係事業の予算と基礎調査に係る予算額、これは私が入手したものですけれども、小樽開発建設部では、平成25年度、26年度ともに3,600万円しかありません。ですから、圧倒的に予算が足りないのだと思いますので、全道市長会を通して言っているとおっしゃいましたけれども、個別に小樽にも早くこういう調査をして、警戒区域の指定を急いでほしいということをぜひ申し入れていただきたいと思います。これに対しての見解をお願いします。
また、災害・避難カードについては、今後検討していくということですが、いろいろな災害がありますので、ぜひ早く、この配付を急いでいただけるようにお願いいたします。
次に、朝里川温泉区域の避難所の問題です。豊倉小学校で災害が発生するおそれがある場合には、朝里小学校に誘導するということでしたけれども、そもそもこういう危険なところで、災害が発生する可能性の大きくあるところを指定することが、やはり見直すべきではないのかなと思います。
次に、消防吏員の増員についてですけれども、適正だとおっしゃいましたが、先ほど言いました2007年の朝里川温泉スキー場の土砂災害は、突然起こって土砂崩れは7回も来て、崩落地形は幅、延長ともに大きくなった。このことが山田前市長名で突然の土砂災害として「砂防と治水」という機関誌で報告されておりますし、インターネットにも掲載されております。そのときいち早く活動したのが消防隊で、土嚢を設置したことなどが書かれておりますし、災害発生が予想されるときの住民避難の誘導は消防隊が行うと。今後の施策でこのようにしたいということが書かれておりました。ですから、今は間に合っている、いざとなったら消防団員にもお願いすると言いますけれども、市の責任として、少なくとも条例定数は確保すべきだと思います。
次に、人口増対策ですが、市長も同じように若年層・生産年齢人口にターゲットを当てたことを考えていきたいということでした。
医療費の拡大についても今後検討ということで、今までは絶対に財源がないから難しいという答えばかりだったので、若干前進したかなと思うのですけれども、ぜひこの医療費の助成拡大はしていただきたいと思います。
総務省の人口調査で人口が増加している東神楽町は、子供の医療費助成は所得制限なしで中学生まで無料です。千歳市も人口が増えておりますが、自己負担はありますけれども、小学校3年生までになっています。また、道外ですけれども、埼玉県滑川町では、子供の医療費が高校3年生まで無料で、給食費は保育園から中学校まで無償、環境もよいし、子育てしやすいと20歳代、30歳代の子育て世代が移住してきて、この12年間で人口が38パーセントも増加して、勤労世帯の増加で税収も増加していると、このような新聞報道があります。このまちと同じにできないとしても、子供の医療費の無料化をぜひ拡大していただきたいと、このように思いますけれども、いかがでしょうか。
次に、雇用の問題です。
保育士が足りなくて子供を同じ保育所に預けられなくて1時間もかかって別々の保育所に子供を預けているというのは、これは本当に子育て支援にならないと思うのです。ですから、先ほども聞きましたけれども、実際の正規職員の数は、54人、52人、52人ということでしたが、これは定数よりも8人から10人も少なくしているのですね。こういう状況の中で、公立保育所の入所率は9月、81.9パーセントで待機児童が4人もいるのです。やはりこれは保育士不足ですし、それと正規職員をもっと増やして安心して子供を預けるというふうに変えていかなければならないのではないかなと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)建設部長。
○建設部長(工藤裕司)土砂災害の予算の申入れにつきましては、先ほど議員から指摘はありましたけれども、全道平均が1割弱の中で本市は高いほうではありますが、引き続き要請をしてまいりたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)総務部長。
○総務部長(迫俊哉)再質問にお答えいたします。
災害・避難カードの導入につきましては、お願いということでございましたけれども、導入に向けて検討させていただきたいと思っております。
次に、避難所の考え方ですが、現在の市の地域防災計画の中の避難所というのは、避難所というくくりだけで指定をしているものでございます。今後につきましては、津波は津波用の避難所、土砂災害は土砂災害に向けた避難所ということでの指定について地域防災計画の中で位置づけていかなければならないと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)福祉部長。
○福祉部長(三浦波人)保育士の配置でございますけれども、市長の答弁にございましたように、私どもも正規保育士を確保していくようにしておりますので、先ほど答弁にありましたような比率からしますと、臨時職員の割合はやや減少しているところでございますし、今後も国の基準を踏まえまして、職員組合とも協議しながら確保を図ってまいりたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)消防長。
○消防長(飯田敬)再質問にお答えします。
消防職員を条例定数まで確保すべきとのお話でございますけれども、条例定数につきましては、一時的に職員の増員が必要になる場合を考慮いたしまして、必要職員数に若干上乗せして設定しているものでございますので、そういう余裕があるということで御理解をいただきたいと思います。
私ども、災害に当たりましては、小樽市の警防規程によりまして災害の規模、状況によって消防の体制を増強することとしてございまして、特に初動の体制につきましては、非番員の招集等も含めまして、しっかりと対応してまいりたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)総務部長。
○総務部長(迫俊哉)済みません、答弁の漏れがございました。
人口対策について、再質問の中では医療費助成の拡大についてぜひということでございましたけれども、そのほかの人口対策についても言及されていましたので、私から答弁をさせていただきます。庁内に設置した検討会議は、市長が座長となっておりまして、現在、各部に考えられる人口施策というものを宿題として与えております。この会議の中では全国的な事例についても検討させていただきたいと思っておりますし、小樽市ができる小樽市独自の施策というものも考えていかなければならないと思っております。一つ一つの人口対策については今お話しすることはできませんけれども、そういった観点で人口対策を庁内検討会議なり官民も含めた人口対策会議の中で検討させていただきたい、議論させていただきたいと思っております。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)21番、新谷とし議員。
○21番(新谷とし議員)再々質問ですが、消防吏員のことですが、間に合っているとおっしゃいますけれども、実際に現場は大変ではないかなと思いますし、大変だという声も聞いております。やはり全体的に職員を減らして人件費を浮かせたい、そういう方針だろうと思うのですけれども、それではやはり市民の安全・財産を守ること、命を守ることはできません。消防職員だけが防災の担当ではないのですが、市全体でやっていかなければならないことですけれども、まずは消防職員が避難救助、あるいは避難の誘導をするということでは、果たす役割は大きいと思いますので、これはやはり検討を要すべき問題だと思います。
その1点だけお聞きします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)消防長。
○消防長(飯田敬)職員数の不足ということで再々質問いただきましたけれども、御存じかと思いますが、消防職員数につきましては、国が定めます消防力の整備指針という一つの指針に基づきまして設定しているものでございます。小樽市にとって必要な消防・救急等の車両台数に見合う職員数、あるいは火災予防や警防、総務などの各業務に対応する職員数を確保している状況でございまして、そういう意味で決して不足している状況ではございませんし、かえって小樽市は地形が東西に細長いという状況から、整備指針の基準以上に署所数を多く抱えている状況でもございます。また、人口当たりの職員数も道内の主要消防本部と比べても決して少ないというわけではございませんので、そういう意味では職員数が不足しているという状況ではないと私どもは判断しているところでございます。
(「国の指針を満たしていることになると言うのだな」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)新谷議員の一般質問を終結いたします。
(「議長、10番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)10番、高橋克幸議員。
(10番高橋克幸議員登壇)(拍手)
○10番(高橋克幸議員)最後の一般質問となりましたが、よろしくお願いしたいと思います。
初めに、ワンストップサービス(総合窓口)についてであります。
この問題は、これまで何回か質問してきましたが、重要な問題と考えておりますので、改めて伺います。
近年、他都市では、市の総合窓口としてワンストップサービスの導入について実施あるいは検討されているところが増えているようであります。以前、会派視察で訪問した大野城市も、このサービス事業を進めた市の一つであります。また、道内では北見市が平成26年3月にワンストップサービス推進計画を策定しているところであります。
いわゆるワンストップサービスとは、市民の方が多数の窓口に移動することなく、ほとんどが一つの総合窓口業務で終了するという内容であります。ただ、各自治体においてシステム内容は少し相違があるようであります。
初めに、このワンストップサービスについてどのように認識されているのか、見解を伺います。
本市は高齢化や核家族化が進んでおり、特に窓口業務については、さらに細やかな配慮が必要な市民が増加している状況にあります。また、社会全体の高度情報化に伴い、情報取得の要望についても先進的サービスが求められているところであります。
具体的な内容で言いますと、転入、転出、結婚、出産、死亡など、いわゆるライフイベントに伴って、その都度、住民票や国民健康保険、年金、税、学校、子供の手当など、市役所で行わなければならない手続が多岐にわたって発生する上に、必要な手続や持ち物も世帯の状況によって異なるため、わかりにくさや負担感の要因となっています。また、担当する課の窓口へ行くたびに説明、本人確認、記入、担当課からの説明と複数にまたがり、同じような説明を何回もしなければならないような経験をされた方が多く見受けられるところであります。
このような中、北見市では来庁する市民の立場を考え、見直しを行い、まず平成3年から関連する手続をまとめて受け付ける「まとめ受付」を実施し、さらなる改善や見直しの結果、ワンストップサービス推進計画の策定に結びついたようであります。
窓口業務は市役所の顔であり、市民と多く接する場であります。市民サービスの向上や利便性、また行政事務の効率化という観点からワンストップサービスの導入を要望いたしますが、市長の見解を伺います。
さて、このワンストップサービスを考えるとき、問題点として本市の現状は、まずハード面の問題や各種制度の複雑化により、窓口業務量の増加傾向もあると認識していますが、このサービスの導入を検討する上で現状の課題と問題点の整理が必要と考えます。これらについてどのように捉えているのか、見解を伺います。
他都市では、導入の検討に入る前に現状の課題や問題点を整理検討し、先ほど述べた北見市の例のように、現在でもできる対策や改善策を実施しています。本市もこのような市民目線に立った対応が必要と考えますが、見解を伺います。この中で、プライバシーに配慮した窓口の改善や繁忙期の窓口の確保として、フレキシブルな対応策の実施、また、民間の人材会社による職員の気配りや説明能力といった接客能力の向上に資するスキルアップの講習や認定員の資格制度の制定など、導入以前から全体的な改善の実施が行われていたようであります。
ワンストップサービス導入については即席でできるものではありませんが、だからこそ、このような前向きな意識改革の下、現状でも改善実施に向けた積極的な姿勢が求められていると考えます。これらについてどのように受け止めて考えられているのか、見解を伺います。
また、ハード面、システム面、人材面などの観点から、今後のワンストップサービスの導入を前提とした検討チームの設置を要望いたしますが、市長の見解を伺います。
次に、代読・代筆支援についてであります。
近年、高齢化の進展に伴い、視覚障害者に限らず、視力が低下した高齢者など、読み書きに支障がある人への支援の必要性が求められています。日常生活を送る上で、読むことと自己の意思を表すための書くことは必要不可欠であります。しかし、視覚障害者や視力が低下した人、高齢者などには、これが十分保障されているとは言えない状況にあります。近隣の高齢者から要望があり、訪問することがあるのですが、市などから送られてくる文書について、何が書いてあるのか意味がよくわからない、読んで説明してほしいとの声があります。また、ある単身高齢者宅では、未開封の封筒が多く積まれていたこともありました。高齢化が進む本市では、単身高齢者や高齢者世帯が増加傾向にあり、同様の問題も増えているのではないかと思われます。
また、プライバシーの確保についての現状課題があります。市などから送付される文書には、税金や年金関係など、個人情報にかかわる内容が多いため、単なるボランティアではなく、プライバシーが確保される公的サービスとして提供する必要があります。以前、視覚障害者から相談を受けた内容ですが、税金の通知や年金にかかわる情報などの個人情報について、介護サービスで訪問してくる介護支援員には見られたくない。また、これらの個人情報を本人が確認する方法でその簡易性を求める内容がありました。これらについては現在どのような対応をされているのか、お示しください。
平成23年7月に成立した改正障害者基本法に、読み書き支援サービスを行う人の養成、派遣を国や自治体に求める規定が盛り込まれ、さらに、平成25年4月に施行された障害者総合支援法の地域生活支援事業実施要綱に自治体が行う支援の一つとして、代読や代筆が明記されました。このような状況についてどのように認識されているのか、これまでの対応も含め、市長の見解を伺います。
他都市の実例では、函館市の委託事業でNPO法人が運営する函館視覚障害者図書館にて、2011年7月から週4回実施、また品川区では2011年4月から地域福祉計画の支援メニューとして、読み書き代行サービスが実施されており、専門性が高く、公的機関等が実施するサービスとして位置づけられているため、利用者からも行政が行っているので安心との感想もあるようであります。
文部科学省の有識者会議が2006年に出した報告書では、これからの図書館のあり方について、住民の読書を支援するだけではなく、地域や住民の充実が求められると指摘をしており、この方向性は2012年に改正した図書館の設置及び運営上の望ましい基準にも盛り込まれ、文部科学省は各地の公共図書館に課題解決型への変革を促しています。
このような観点から、代読支援について図書館を活用した考え方も必要と思いますが、見解を伺います。
視覚障害者や視力が低下した高齢者などから最近も要望がありましたが、本市としてもプライバシーを確保できる専門の支援員の養成の取組や代読・代筆が受けられる仕組みづくりを提案、要望いたしますが、市長の見解を伺います。
次に、健康マイレージ事業についてであります。
平成25年、第2次健康おたる21が策定されました。この計画は、21世紀における小樽市の健康づくりを進める指針であります。この中で「ライフステージに応じた健康づくりを進めるとともに、子どもから働き盛りの世代までの健康づくりを一層強化し、将来のがん、心臓病、脳卒中、糖尿病などの予防を推進します」とありますが、本市の健康づくりの取組について、これまでの主な内容についてお示しください。
また、第2次健康おたる21の中で、健康づくりの取組について特に重点的に取組を考えている項目はどのようなものがあるのか、理由と狙いをお示しください。
健康づくりは、今後のさらに進む高齢化社会において医療、介護に直接的に影響を及ぼし、今後の市の政策にとって大変重要な課題の一つであります。高齢化が進んでいる小樽市としてどのように認識しているのか、重要課題の取組状況もあわせて、市長の見解を伺います。
健康づくりは市民一人一人が取り組む課題ですが、一人では継続して取り組むことは難しく、社会全体として積極的に取組を支援する体制が必要であります。健康診断の受診やスポーツ活動への参加など、ポイントをためると特典を利用することができる健康マイレージ事業の取組が注目されており、先日も静岡県藤枝市の取組がテレビ放送で紹介されておりました。静岡県は、厚生労働省が発表した健康の新たなバロメーターである健康寿命が全国トップであります。健康寿命とは、寝たきりや介護を必要としない自立した生活を送っている人の統計であります。特に、藤枝市と掛川市は、がん標準化死亡比の低さでもトップクラスの健康都市のようであります。藤枝市では、日々の運動や食事の目標を達成できた場合や健康診断、禁煙、健康講座やスポーツ教室、ウオーキングイベント、地域行事などに参加した場合、ポイントとしてマイルを付与し、健康マイレージ事業として推進しているようであります。このポイントは、ふじのくに健康いきいきカードに加算されて、県内の協力店でサービスが受けられるようであります。また、日本一健康文化都市を掲げる静岡県袋井市では、健康づくり活動をポイント換算し、公共施設利用券と交換することができる健康マイレージ制度を平成19年度から全国に先駆けて実施しており、先進的な事例として厚生労働省の「健康日本21~健やか生活習慣国民運動~」に紹介されています。
これらのような取組は、将来の超高齢化社会を見据えた施策の一つとして全国で広がりつつあります。本市においても目指している健康づくりをさらに推進するために、この健康マイレージ事業の検討を要望いたしますが、見解を伺います。
次に、廃棄物最終処分場についてであります。
まず、一般廃棄物処理基本計画の分析についてであります。
平成17年策定の一般廃棄物処理基本計画の中に最終処分場の項目があります。この中で、「5.ごみ処理に係る課題」の最終処分場の記述には、「現在の小樽市廃棄物最終処分場は、第2期整備分を含めると、平成26年度まで使用可能と見込まれますが、ごみの排出抑制や資源化の促進により、一層のごみ減量化を図り、最終処分場の延命化に努める必要があります」と書かれております。一般廃棄物処理基本計画の計画期間は10年であり、平成26年度が最終年度であります。当初の基本計画で想定していた人口減少等が変化し、その影響が実施計画にも表れていると思いますが、基本計画の総括として、最終処分場にかかわるごみ排出量や資源化の促進の結果など、平成26年度の計画目標に対してどのように分析、評価しているのか、主な内容についてお示しください。また、次期基本計画の今後の予定や主な考え方についてお答えください。
次に、最終処分場の延命化についてであります。
環境省からの通達により、最終処分場の残余容量を的確に把握するため、現地測量を基本とし、やむを得ず換算係数を用いて推定した場合でも、約3年に1度は現地調査を行って補正することという内容が示されております。
本市では、平成23年に現地測量が実施されましたが、今後の予定と考え方についてお示しください。
さて、平成23年の調査結果では、残余容量は体積換算係数により算出された推定値10万3,000立方メートルに対し、実測値は23万9,000立方メートルであり、大きな乖離がありましたが、この理由についてお答えください。
現在の最終処分場の全体埋立容量は94万1,000立方メートルですが、平成25年度末までの換算係数による埋立量と残余容量は幾らなのか、また、年平均の埋立推定値の算出方法とその推定値から計算される残余年数についてお示しください。
昨年の予算特別委員会でも議論しましたが、最終処分場の延命化対策について伺います。
延命化対策については北海道と協議を進行中であり、技術的な課題や問題点が解決できれば、現在の最終処分場のかさ上げによる埋立てが可能であるとの答弁でありましたが、この内容とこれまでの経過についてお示しください。また、かさ上げによる埋立ては、その高さや容量など、どのような考えで検討されているのか、お答えください。
次に、地元町会との協定について伺います。
このように当初予定されていた計画年次よりもさらに長く使用が可能となり、また検討されているかさ上げによる埋立てで、さらに延命化が図られる可能性がありますが、町会との協定について、これまでどのような協議が行われてきたのか、今後どのように検討されていくのか、見解を伺います。
次に、次期最終処分場についてであります。
現在の最終処分場が当初計画よりも大幅に延命化される可能性が大きいため、次期最終処分場の準備について時間的余裕が生まれ、早急に検討しなければならないという制約がなくなっておりますが、重要な問題なので改めて伺います。
次期最終処分場候補地の想定条件でありますが、以前の答弁では現焼却施設にできるだけ近いことが望ましいこと、また、地質の面で地表近くに岩盤がなく、地下水位が高くないことなどが挙げられています。候補地として有力とされている現処分場の上流区域についてボーリング調査が行われましたが、調査結果では土石流による玉石や砂質分が厚く堆積しており、地盤支持力は比較的弱く、地下水位も高いことがわかりました。これらの課題や問題点について候補地選定を含め、どのように検討されているのか、見解を伺います。また、次期処分場建設までのスケジュールや規模についての考え方もお示しください。
次に、道路の予防保全についてであります。
日本の社会資本、いわゆるインフラ整備の多くは昭和の時代の高度成長期に整備され、この社会資本全体の高齢化が急速に進行している状況であります。また、安全・安心の確保のため、既存施設を適切に維持・管理し、その機能を保持するということが喫緊の課題と言われておりますが、今回はインフラ整備の中の道路について伺います。
阪神・淡路大震災や東日本大震災以降、地域防災の重要性が改めて認識され、平成9年に北海道緊急輸送道路ネットワーク計画を策定し、直近の改訂は平成22年度に行われています。
さて、北海道で指定されている緊急輸送道路ですが、本市では維持・管理や安全輸送確保対策などについて、どのように調査や検討を行っているのか、総括的窓口はどこが担当しているのか、また、今後の課題や問題点についてお示しください。
本市では、社会資本の保全について橋梁の長寿命化計画の策定など、長寿命化に向けた施策を行っておりますが、道路については臨時市道整備事業で、ある程度計画的に進められているものの、道路の維持・管理は問題箇所をその都度補修する対処療法であり、事後保全が現状であると思います。大規模災害時の応急活動や物資輸送に利用される緊急輸送道路や病院、学校、福祉施設など、大きな影響のある道路について、道路の陥没や損傷は安全・安心の確保にとって大きな問題であります。
そのため、安心な道路サービスの提供やライフサイクルコストの縮減等を図るため、定期的な点検により早期に損傷を発見し、補修を実施することが必要であります。これらについてどのように考えられているのか、これまでの対策も含め、お答えください。
次に、定期的な点検・調査についてであります。
他都市では道路の陥没事故があり、損害賠償にまで進んでいる事例があります。道路の陥没の原因である路面下の空洞は目視で見つけることは困難であるため、札幌市などでは目視だけではわからない路面下の危険な空洞の非破壊検査による調査が行われているようであります。
この調査の中で大きな空洞が発見され、危険順位の高いものから優先順位を決定し、想定される陥没事故に対応されているようであります。このことから、道路の予防保全として調査の重要性が改めて認識されたようであります。大切な資産である道路ストックをできるだけ長く保全するためには、安全かつ防災・減災の観点からも、できるだけ早く市道の定期的な点検・調査とともに、目視だけではわからない路面下の危険な空洞の非破壊検査による調査が必要であると考え、提案いたしますが、これらについての見解を伺います。
以上、再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)高橋議員の御質問にお答えします。
初めに、ワンストップサービスについて御質問がありました。
まず、総合窓口によるワンストップサービスにつきましては、同じフロアで各種証明書の申請、交付や相談業務などが行われ、必要な手続を効率的に進めることができ、来庁者の待ち時間を短縮することができるなど、市民サービスの向上が図られるものと認識しております。
次に、総合窓口によるワンストップサービスの導入に当たりましては、必要な機能を一つのフロアに集約することや高齢者や障害者などに配慮した窓口配置が必要となります。本市においては、本庁舎の構造的な問題、さらには行政情報システムの再構築の内容なども関係することから、直ちに実現することは難しいと考えておりますが、待ち時間の短縮など利便性の向上には、引き続き取り組んでいく必要はあると考えております。
次に、ワンストップサービス導入の課題と問題点についてですが、ただいまもお答えしましたとおり、一つのフロアに業務を集約するスペースの確保など、庁舎の構造的な問題のほか、ワンストップに対応するための組織体制やシステム関係の再構築、広範囲な窓口業務に対応できる各種業務に精通した職員の養成や、これらを専任で対応するための職員の確保などが考えられます。
次に、市民目線に立った対応についてですが、これまでも本市におきましては、各サービスセンターにおける税や福祉などに関する取次業務の拡大、組織改編に伴う類似業務の集約による窓口の一本化など、市民サービス向上が図られるものについては導入の取組を進めてきたところであります。
また、このほかの対策、改善策としては、戸籍の電算化、別館1階の窓口番号表示盤や各フロアの庁舎案内板設置など、可能な限り市民サービスや利便性の向上を図っておりますが、将来的にもマイナンバー制度の導入を踏まえてサービス拡大の検討を進めるなど、市民目線に立った改善を行ってまいりたいと考えております。
次に、窓口対応の改善実施に向けた姿勢についてですが、私は常々市役所は総合サービス産業であり、窓口に従事する職員は市役所の顔であると考えており、例えば市長への手紙により窓口対応に関する意見が寄せられた場合には、私からも対応改善について職員に指導する場合もあります。今後とも、職場研修やミーティングにおいて窓口に従事する職員の意識改革を図り、来庁された皆さんにできるだけ負担をかけない対応に努めていかなければならないと考えております。
次に、ワンストップサービスの導入を前提とした検討チームの設置についてですが、庁舎の構造的問題もあることから、現時点では検討チームの設置までは考えておりませんが、業務の改善に当たっては、これからも必要に応じて庁内で議論したいと考えております。
次に、代読・代筆支援について御質問がありました。
まず、視覚障害者から税や年金などの個人情報について問い合わせがあった場合の対応につきましては、窓口に来ていただき運転免許証などで本人確認をすることが原則でありますが、視覚障害者に限らず、電話での問い合わせに対しましては、制度上可能な場合で生年月日や通知書番号などにより本人と認められるときには対応しているところであります。
次に、読み書き支援を行う人の養成や派遣につきましては、情報バリアフリーの一環として障害者基本法に盛り込まれたところでありますが、こうした取組には課題が多く、本市におきましては、点字広報の発行や「くらしのガイド」音声版の作成などによる情報提供、さらには手話通訳や要約筆記などによる意思疎通の支援に努めているところであります。今後も、障害種別に配慮しながら、これらの支援を行っていく必要があるものと考えております。
次に、プライバシーを確保できる専門の代読支援員の養成や代読・代筆が受けられる仕組みづくりにつきましては、障害だけでなく高齢化により読み書き困難になる方が今後増えていくことは認識しております。しかしながら、代読支援員に求められる要件等が示されていないため、今後、国や北海道の動向を見ながら具体的な情報の収集に努めてまいりたいと考えております。
次に、健康マイレージ事業について御質問がありました。
まず、第2次健康おたる21における平成25年度の重点的な取組内容につきましては、計画の周知啓発を行うとともに、各種健康づくり事業を実施しました。計画における重点的取組項目につきましては、がんや生活習慣病予防としておりますが、これは本市の疾病特性として、がんや生活習慣病が多いためであり、高齢になっても健康な生活が営めるよう、また、病気になっても重症にならないようにすることを狙いとしたものであります。
次に、健康づくりへの認識と重要課題の取組状況についてですが、まず健康づくりへの認識につきましては、市民が充実した毎日を過ごし、豊かな人生を実現するために、健康づくりは重要であると考えております。高齢化社会における重要課題の取組につきましては、がん検診、特定健診などのほか、生きがいづくりとしてシルバースポーツ大会などの開催、さらに認知症予防事業、介護予防事業などに取り組んでいるところであります。
次に、健康マイレージ事業につきましては、健康づくりの機運を高めるきっかけの一つになると言われておりますが、まだその効果は明確になっておりませんので、既に実施している市町村における取組状況などについて研究してまいりたいと考えております。なお、健康づくりにつきましては、これまで同様、推進してまいります。
次に、廃棄物最終処分場についての御質問がありました。
まず、現一般廃棄物処理基本計画の総括につきましては、家庭系一般廃棄物は、計画の初年度となる平成17年度に実施した燃やすごみと燃やさないごみの有料化と資源物収集の拡大の結果、市民の分別意識が急激に進んだため、排出量の減少率が基本計画で見込んだ率を大幅に上回り、また、その後も人口減少により緩やかな減少傾向が続いております。
一方、事業系一般廃棄物については、現基本計画ではリサイクルの推進などにより減少することを見込んでいましたが、経済活動の動向による影響が大きく、平成26年度の排出量は基本計画の目標を達成できない見込みです。
次に、次期一般廃棄物処理基本計画の今後の予定や主な考え方につきましては、現在、平成27年度から10年間の計画を策定中であり、本市のごみの特性についての基礎データとして、ごみ質分析調査を行っているところであります。その調査結果を踏まえ、本市のごみ処理に関する課題を整理し、さらなるごみの減量化などについての方策を取りまとめた上で、年度内に新計画を策定する予定であります。
次に、現地調査の今後の予定と考え方につきましては、最終処分場の延命化にかかわる実施計画策定のため、来年度において実施を予定しております。また、それ以降につきましても、3年をめどに現地測量を実施し、最終処分場の適正な維持・管理に努めてまいりたいと考えております。
次に、平成23年度の残余容量の推定値と実測値の乖離につきましては、幾つかの要因が相乗的に働いたと思われますが、主なものとしては、平成17年度から家庭系ごみの有料化や資源物収集の拡大によるごみの減量、特に不燃ごみの減量が想定以上に進んだことや、広域連合の中間処理施設から排出される残渣が計画値より下回っていることなどが考えられます。
次に、平成25年度末までの埋立量につきましては77万7,000立方メートル、残余容量は16万4,000立方メートルと推計しております。また、年平均埋立推定値は平成23年の残余容量調査の際の直近のデータを用い、推計した平均埋立量は2万2,000立方メートルと算出しており、残余容量から堰堤や最終覆土の量を除いた埋立可能量は14万5,000立方メートルであり、残余年数は6.5年となります。
次に、北海道との事前協議の内容と経過につきましては、北海道から検討すべき課題として示されていたかさ上げに伴うごみの滑りに対する安全性、地下埋設している管類の耐圧や流下能力の検討、遮水シートの紫外線による劣化に対する安全性、浸出水処理水量及び処理水質等について専門的見地も必要なことから、コンサルタント会社への委託をし、安全性の検討を行ってまいりました。
現時点では、北海道との事前協議の中で一定程度理解を得ていることから、今後、詳細設計を行った上で最終的な協議をすることとなります。
次に、かさ上げによる埋立ての高さや容量の考え方につきましては、今後、実施設計で詳細を決定してまいりますが、基本的には技術基準を遵守する範囲内で最大限かさ上げできるよう計画してまいります。
次に、地元町会との協定につきましては、現協定の埋立期間は平成27年度までになっておりますが、平成23年度の残余容量調査の結果により、5年程度延びることが推定されております。
一方、次期処理場の検討も進めていたため、協定の変更についてはあわせて行うことで町会に理解をいただいていたところです。その後、かさ上げによる延命化の検討が始まり、北海道と協議のめどが一定程度つきましたので、本年6月5日に協定書の変更を正式に申し入れ、現在、協議しているところです。
次に、次期処分場候補地の選定等につきましては、基本的には現処理場の近隣が望ましいと考えており、平成23年度のボーリング調査結果に対して、技術的に可能な工法や処分場の形態を検討した経過があります。しかしながら、現在は、現処分場でのかさ上げによる延命について優先的に考えているところでありますので、次期処分場の検討については一時保留としております。なお、一般的に処分場の建設に当たっては、用地買収から工事完了まで7年程度かかるとされており、処分場の規模は国庫支出金の交付基準である15年相当の埋立容量となります。
次に、道路の予防保全について御質問がありました。
まず、緊急輸送道路の維持・管理や安全輸送確保対策につきましては、市道部分についての維持・管理や安全輸送確保対策の一つである耐震改修促進法に基づく沿道建築物の調査や選定を行っております。統括窓口につきましては、防災上の視点から庁内調整を防災担当が担当いたします。
また、課題や問題点につきましては、各道路管理者間の連携体制の強化や沿道建築物の耐震化等が課題であると認識しております。
次に、緊急輸送道路等の管理につきましては、これまでパトロールなどで損傷箇所を発見する都度、補修を行ってまいりました。本年度はこれに加え、緊急輸送道路を含めた幹線市道の点検を実施し、10か年の修繕更新計画を策定しており、今後は計画的な修繕に取り組み、安心な道路サービスの提供やライフサイクルコストの縮減を図ってまいりたいと考えております。
次に、路面下の空洞調査につきましては、現時点では社会資本整備交付金事業の対象となっていないことから、札幌市を除く道内市町村では、試験的なものを除き実施しているとの話は聞いておりません。空洞調査は費用が高額であることから、今後、交付金事業の対象となった場合には、他都市の実施状況も勘案しながら検討してまいりたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)高橋議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、代読・代筆支援について御質問がありました。
図書館との関連についてでありますが、現在、市立図書館では、高齢者や目の不自由な方へのサービスとして大活字本の貸出しを行っておりますが、道内他都市の図書館では、録音図書の貸出しや朗読ボランティアを活用した図書の対面朗読サービスなどを行っているところがあると承知しております。今後、図書館サービスについては、道内の他都市の情報収集を行うとともに、本市の利用動向などについても研究してまいりたいと考えております。
なお、図書館の行政サービスとしての代読・代筆支援につきましては、市長部局と連携し、情報収集に努めてまいりたいと考えております。
(「議長、10番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)10番、高橋克幸議員。
○10番(高橋克幸議員)2点、再質問させていただきます。
まず1点目は、代読・代筆支援についてであります。
市長から御答弁いただきましたが、情報の収集はしますよという大変簡便な答弁でしたけれども、認識はしていただいていると思うのです。
視覚障害者の方は、例えば税情報にしても、年金情報にしても、点字で情報を受けていないわけです。特に問題なのは、視覚障害者の方で家族も視覚障害者の方、若しくは単身世帯で視覚障害者の方というのは、ヘルパーが入っていなければ誰も確認することができない、何の封筒かもわからないわけです。そういう中にあって、たまたま介護ですとか、いろいろな内容でヘルパーが来ている場合には、確認していただくという方法もあるかもしれませんけれども、そういうことを考えると、やはり読むことができないということで困っている方が実際にいるわけです。例えば、開封されていなくても、近隣の方、若しくは訪問された方がこれは市からの封書だよとか、税金のことだよという話があった場合、市役所に電話をする、しかし本人確認ができないので個人情報はお教えできませんと、こういう繰り返しもあったそうです。
そういうことを考えると、確かに情報収集もしてほしいですし、私が例で挙げた函館市の視覚障害者図書館や品川区の例もぜひ調べてほしいのですけれども、やはりボランティアも活用して、プライバシーを担保した中で代読のサービスをやっているということでしたので、私はすぐに結果が出るというふうには、できるというふうには思ってはいませんが、やはり認識の度合いがまだ浅いのではないかなと思うのです。
ですから、実際にどういう状況なのかをもう少し把握してほしいですし、この制度について、問題点もあるかと思いますけれども、しっかりと内容を把握して一歩進めるような、そういう動きをぜひしていただきたいと市長にはお願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
もう一点は、道路の予防保全についてです。
計画的な維持・管理をしていくというお話でしたけれども、私が例に挙げた空洞は、表面からは全然わかりません。陥没してからどうするかという話になるわけです。札幌市以外はまだやっていないというお話でしたけれども、試験的な調査など具体的に進めている市が増えてきています。そういうことを考えると、すぐに調査できるかどうかはわかりませんけれども、では小樽市の緊急輸送道路や重要な幹線道路で本当にその空洞はないのかあるのかという、そういう試験的な調査はやってみてもいいのではないかと思うのです。
そういう中で、具体的に危険性というのが実際目で見なければわかりませんので、計画的な保全といっても表面的なものではなくて、私の言っているのは特に危険だと思うのは、やはり陥没なのです。そういうことを考えると、先ほど言ったような試験的な調査若しくはどういうものがあるのかという、どういう空洞があるのかということもいいですし、具体的にそういう状況を確認した上で判断していただきたいと思っていますけれども、この2点についてお願いしたいと思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)高橋議員の再質問に答弁させていただきます。
最初に、代読・代筆についてでございますけれども、先ほども答弁をさせていただきましたが、こういった方について、やはり取り組んでいかなければならないということについての認識は大変強く私自身も持っております。単に視覚障害の方だけではなくて、高齢化が進んでいくと同様なことも必要になってくると思っておりますので、国や北海道の動向というふうに申し上げましたけれども、そういった中でできれば取り組んでいきたいと思っておりますので、御理解いただきたいと思います。
なお、道路の予防保全については、担当部長から答弁をさせていただきます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)建設部長。
○建設部長(工藤裕司)先ほども答弁いたしましたけれども、空洞調査というのは非常に高額な調査になりまして、国の補助金等がないと単費で行っていくというのは実質上は無理だということなのですが、先ほど議員からもありましたけれども、他都市で調査でやっているという例もございますので、その辺を調べて、試験的でもいいから実施できないか検討してまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)以上をもって、一般質問を終結いたします。
お諮りいたします。
ただいま上程中の案件のうち、議案第1号ないし第5号及び第21号につきましては、予算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することとし、議案第6号ないし第20号につきましては、地方自治法第98条第1項の規定による権限を付与した決算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することといたしたいと思います。
なお、両特別委員会の構成につきましては、いずれも議長指名による9名の委員をもって構成することといたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
それでは、予算特別委員を御指名いたします。秋元智憲議員、千葉美幸議員、安斎哲也議員、川畑正美議員、酒井隆行議員、濱本進議員、佐々木秩議員、中島麗子議員、山田雅敏議員、以上であります。
次に、決算特別委員を御指名いたします。千葉美幸議員、安斎哲也議員、小貫元議員、川畑正美議員、松田優子議員、鈴木喜明議員、上野智真議員、斎藤博行議員、前田清貴議員、以上であります。
なお、いずれの委員会においても、委員中、事故ある場合は、所属会派において補充することといたします。
次に、議案第30号は総務常任委員会に、議案第22号は経済常任委員会に、議案第23号ないし第28号は厚生常任委員会に、議案第29号は建設常任委員会に、それぞれ付託いたします。
日程第2「陳情」を議題といたします。
本件につきましては、別紙お手元に配付の議事事件一覧表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。
日程第3「休会の決定」を議題といたします。
お諮りいたします。
委員会審査のため、明9月11日から9月21日まで11日間、休会いたしたいと思います。
これに御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
本日は、これをもって散会いたします。
散会午後6時08分
会議録署名議員
小樽市議会 議長 横 田 久 俊
議員 安 斎 哲 也
議員 山 田 雅 敏