開議午後1時00分
○議長(横田久俊)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、秋元智憲議員、中島麗子議員を御指名いたします。
日程第1「議案第1号ないし第30号」を一括議題といたします。
これより、昨日に引き続き、会派代表質問を行います。
通告がありますので、順次、発言を許します。
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)2番、千葉美幸議員。
(2番千葉美幸議員登壇)(拍手)
○2番(千葉美幸議員)平成26年第3回定例会に当たり、公明党を代表し、質問いたします。
2013年は歴史的な株高で、日本経済は3年ぶりに高い経済成長率を実現いたしました。今年度に入ってからの消費税増税の影響は、個人消費の動向について回復に時間がかかっているものの、景気は緩やかな回復基調が続いていると言われておりますが、地域経済にはまだその実感がありません。依然として地方財政を取り巻く環境は厳しいと感じております。
本市の平成25年度の決算状況が出ましたが、25年度予算は財政健全化や防災対策、経済・雇用対策などを重点的に取り組まれ、一般会計の実質収支は約2億8,600万円の黒字、そして実質収支から前年度の実質収支を引いた単年度収支は約1億3,000万円の黒字となりました。
しかし、このような黒字決算は、財政調整基金の取崩しといった財源対策があってのことであり、財政調整基金の取崩しなどを考慮した実質単年度収支は約4億4,400万円の赤字となっています。平成24年度末に約23億3,700万円あった財政調整基金の残高も、平成25年度末では約17億6,400万円に減少しています。今後も電気料金の値上げや除雪費の追加などが考えられ、それらに対応するためには財政調整基金の活用が必要になると思いますが、第3回定例会での補正後の財政調整基金残高は幾らとなるのかお示しください。
本市の財政調整基金の役割を認識しながらも、財政調整基金とは別に、災害時などのために一定の金額を確保する視点や、地方債の繰上償還に充てる財源として積立てするといった庁内議論はどのようになっているのか伺います。
次に、経常収支比率についてです。
毎年度経常的に支出される経費に充当した一般財源の額が小さいほど、財政構造が弾力的であると言われ、経常収支比率はその物差しとも言われています。本市の経常収支比率は過去10年度を見ても高い状態が続いており、平成25年度は97.2パーセントで、前年度より0.6ポイント改善しました。しかし、非常に硬直した財政状況に変わりありません。
このような財政状況を市長はどのようにお考えでしょうか。
比率が高くなっている要因と対応策についても伺います。
次に、市税の収入状況と滞納対策についてです。
市政を進めていく上で、市税の収入の確保は重要です。市税の収入率は年々減少し、平成21年度78.3パーセントから、平成25年度は72.9パーセントに低下しております。平成25年度は、調定額が前年度と比べ1億8,000万円増加しましたが、収入済額は3,000万円減少いたしました。
本市の市税収入の現状と課題について、市長の認識をお聞かせ願います。
また、本市では、市税収入向上に取り組み、滞納整理を行い、税収の確保及び収入率の向上を図られております。その結果、催告書の発送件数は、平成22年度の2万7,313件から減少し、24年度は前年度よりも現年度収入率、差押えによる市税等への充当額が向上し、滞納している納税義務者数を減らすことができたと聞きます。
平成25年度の状況について、24年度と比較してお聞かせ願います。
納期内納税者との公平性を確保するため、新たな滞納者を出さない対策についてのお考えもお聞かせ願います。
次に、電気料金の値上げ申請についてです。
北海道電力は、経済産業省に認可が必要な規制部門の電気料金値上げを申請しました。これは昨年9月の値上げからまだ1年もたっていない状況での再値上げの申請です。説明では、泊発電所の再稼働の時期が昨年9月の料金改定時の想定から大幅に遅れる見通しであることや、火力燃料費の大幅な増加などで収支改善がされず、今後、必要な資金調達が困難になるとの理由です。値上げ幅は規制部門と言われる家庭向けが平均17.03パーセント、自由化部門と言われる企業向けは平均22.61パーセントで、北電は10月からの実施を目指す意向のようです。
まず、昨年9月に続いての再値上げについて、市長の御所見を伺います。
次に、本市財政に与える影響についてですが、電気料金値上げ後の年間の増加額はどのくらいになるのか、内訳についても説明願います。
また、平成26年度の増加額と補正予算の必要性についてはいかがでしょうか、お聞かせ願います。
道が、昨年5月と11月に行った電気料金値上げによる影響予測調査(企業アンケート)では、「経営に影響がある」と答えた企業は8割程度に及び、利益への影響も「減少する」と答えた企業が5割を超えておりました。電気料金値上げへの対応・対策について、「今以上の対応・対策はできない」とする企業も多く、小樽市では、昨年9月の電気料金値上げが一つの要因で電炉メーカーが自主廃業したケースも御承知のことだと思います。
市長は、今後の市内経済への影響についてどのようにお考えでしょうか、お聞かせ願います。
せんだって開催された地区連合町会長と市長と語る会の席上、市長からは街路灯のLED化について、来年度から進めるお話があったようです。電気料金値上げのマイナス要素も加わった今、早期の推進をお願いするものです。
そこで、費用対効果の試算について御説明いただき、設置推進期間をどのぐらいと見込まれているのか、また、その財源についてもお聞かせ願います。
次に、人口対策について伺います。
人口減少問題は多くの自治体が同様の課題を抱えており、日本全体において危機感を感じている大きな問題です。国だけではなく、各自治体においても対策を講じなければ、市民の生活や経済、まちづくりなどにも影響が生じるおそれがあります。
国立社会保障・人口問題研究所が発表した日本の地域別将来推計人口(2013年3月推計)によりますと、小樽市の人口は2010年13万1,928人に対して、2040年では7万3,841人まで減少すると推計されております。また、日本創成会議が本年発表した指標の中で注目された20歳から39歳までの若年女性人口は、2010年1万2,937人に対し、2040年では4,404人と大幅に減少すると推計されております。
まず、これらの推計についてどのように受け止められているのか、また、本市の人口減少についてどのように認識されているのか、市長の見解を伺います。
人口減少についてはさまざまな要因がありますが、本市の特徴として、過去10年間の人口動態はどのように推移してきたのでしょうか。
また、主な要因についてどのようなものがあるのかお示しください。
本市においても、これまでさまざまな施策を行ってきましたが、人口減少に歯止めをかけるまでの顕著な成果は表れていない状況であります。小樽市では人口対策庁内検討会議を設置し、今後、検討が進められるようですが、他都市でも人口減少対策を喫緊の重要課題として再考し、総合計画の見直しや、内部組織の中に人口減少対策室の設置や外部委員会を設置し、提言書の策定など、具体的な策定に向けて動きが出ているようであります。この中では主な内容として、現状の把握、アンケート調査、要因の分析、施策の提案となっており、取り組むべき課題の整理と実施に当たっての基本方針が掲載されています。
本市でも人口減少に対し、改めて危機意識を持ってこのような具体的な対応をすべきと考えますが、市長の見解を伺います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)千葉議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、総務について御質問がありました。
初めに、決算についてですが、まず財政調整基金の残高につきましては、平成25年度末の残高は約17億6,400万円ですが、これまでに26年度当初予算編成の際の財源対策として約8億9,100万円、第2回定例会の補正予算の財源として約5,100万円、合計で約9億4,200万円を取り崩す予算を計上しております。
今定例会では、25年度で生じた決算剰余金の2分の1相当の約1億4,300万円を積み立てるほか、7月25日に普通交付税の交付額が決定され、予算額を上回ったことから、補正予算の財源に充てるとともに、財源不足対策である財政調整基金の取崩し額を約3億4,500万円減額する予算を計上しており、今定例会後の基金残高は、25年度末よりも約4億5,400万円減の約13億1,000万円となります。
次に、積立てを行う基金についての庁内議論につきましては、私の公約の一つである真の財政再建とは、みずからの歳入に見合った歳出構造の下、年度間の不測の財政需要にも柔軟に対応し得る財務体質をつくり上げることであり、財政調整基金に一定程度積み立て、不測の事態に備えることが私の言う財務体質に通じるものであります。
そうしたことから、予算編成などの議論の中で財政調整基金の残高を一定程度確保するため、積立てなどを行っているほか、市庁舎の将来的な建替えに向け、市庁舎建設資金基金にも積立てをしております。
次に、経常収支比率が高くなっている要因と対応策などにつきましては、本市の財政構造は、歳入は市税などの自主財源に乏しく、また、歳出は扶助費をはじめとする義務的経費の占める割合が高いことから、長らく財政の硬直化した状態が続いていると認識しております。とりわけ、義務的経費の扶助費において生活保護費が高い水準で推移しているほか、障害者福祉費の増加が著しいことなどが比率を押し上げている要因の一つであると考えております。
また、今後の対応策については、市税や普通交付税など一般財源収入の増加が見込まれない中で、社会保障の充実などにより、扶助費の増加が想定されることから、この比率を引き下げることは容易ではありませんが、一般財源の確保と経常経費の節減を図りながら、その改善に向け努力してまいりたいと考えております。
次に、市税の収入状況と滞納対策についてですが、まず市税収入の現状と課題につきましては、調定額は現年課税分が年々減少しておりますが、滞納繰越分は年々増加しております。また、収入率は現年課税分については向上しており、おおむね95パーセントで推移しておりますが、滞納繰越分が滞納繰越額の増加に伴って低く推移しており、それが全体の収入率を引き下げる原因となっております。このため、滞納繰越額をいかに減少させていくかが大きな課題であると考えております。
次に、平成25年度の現年度収入率などの状況につきましては、24年度と比較して、現年度収入率は95.3パーセントで、0.3ポイント向上し、差押えによる市税等への充当額は7,232万円で、351万円の増となり、滞納している納税義務者数は5,936人で、109人減少しております。
次に、新たな滞納者を出さない対策につきましては、納税課では平成24年度にグループ制を導入し、現年担当と滞繰担当を設け、現年担当においては現年課税者への早期の納税交渉及び滞納整理に着手し、新規滞納者を増やさないように努めております。
次に、北海道電力の電気料金値上げ申請についてですが、まず昨年9月に続く再値上げが行われれば、家計や企業活動が圧迫されることが想定されますことから、再値上げは行われないことが望ましいことは言うまでもありません。一方、火力発電所の燃料費などが増加する中で、再値上げを行わないことにより、道内において電力の安定供給に支障を来すことだけは避けなければならないと考えております。北電に対しましては、再値上げに当たり、今後ともできる限り値上げ幅の圧縮に努めていただきたいと考えているところであります。
次に、電気料金値上げ後の年間の増加額とその内訳につきましては、年間の電気料金の増加額は約2億円と見込んでおり、その内訳として大きなものは、ロードヒーティングで約6,500万円、水道局庁舎を除いた上下水道関連施設で約6,000万円、市所有分の街路灯で約600万円、市役所本庁舎で約400万円となっております。
また、平成26年度の増加額は約9,000万円と試算しておりますが、これら試算はあくまでも北海道電力が申請しているとおり認可を受けた場合の想定であり、実際の増加額はいまだ不透明な状況にあります。増加額が明確になった時点で現計予算を精査し、不足額が出る場合には補正予算も検討していかなければならないと考えております。
次に、電気料金が再値上げになった場合の市内経済への影響についてですが、北海道では再値上げによる企業経営への影響を今年8月にアンケート調査しており、「経営への影響がある」と予測した企業が97パーセントを超え、特に製造業では「大きく影響する」との答えが4割を超えており、本市においても同様の状況にあると考えております。
市内企業においては、原材料等の価格上昇に加え、昨年の電気料金の値上げの影響をコスト削減などの企業努力でカバーしているところであり、このたびの再値上げが実施された場合のマイナスの影響は大きいものと危惧しているところであります。
次に、街路灯のLED化についてですが、費用対効果につきましては、対象となる灯具の全てをLEDに切り替える工事費の総額は、今年度申請による平均工事費を基に試算すると約4億7,000万円となり、電気料金については想定される灯具の一例を基に試算すると、年間約5,700万円の縮減が見込まれます。
また、設置推進期間につきましては、来年度から数年の間にLEDに移行できるようにしたいと考えており、財源としては起債の活用を検討しているところであります。
次に、人口対策についてですが、まず国立社会保障・人口問題研究所と日本創成会議の推計をどう受け止めているかにつきましては、推計値は今後何ら人口対策を行わなかった場合を前提にしているものですが、生産年齢人口、特に20歳から39歳の子供を産み育てる世代の減少はさらなる出生数の減少に結びつくことから、今後の本市人口動態に大きな影響があると受け止めております。
また、本市の人口減少に対する認識につきましては、本市の人口は昭和39年をピークに減少が続き、特に昨年1年間は2,210人と、ここ数年では大きな減少数だったこともあり、まちの活力への影響などから、改めて人口対策は本市の重要な課題であると認識しております。
次に、本市の過去10年間の人口動態の推移と主な要因につきましては、出生数から死亡数を差し引いた自然動態では、平成16年が806人、25年が1,281人の減少となり、出生数の減少と死亡数の増加により、475人減少数が拡大しております。
また、転入者数から転出者数を差し引いた社会動態では、平成16年が985人、25年が908人減少と、77人減少数が縮小しておりますが、依然転出が転入を上回る転出超過の状況が続いております。
転出超過の年齢別状況では、特に20代を中心とした若い世代が大きく減少し、地域別状況では札幌市への転出超過が大きい状況にあります。本市の人口減少は自然動態と社会動態の減少が相まって歯止めがかからない状況となっておりますが、近年は社会動態より自然動態の減少数が大きくなっております。
次に、人口減少に対し、改めて危機意識を持って具体的な対応をすべきとのことにつきましては、ただいま答弁いたしましたとおり、人口対策は重要な課題であると認識しておりますので、私が座長となり、まずは庁内横断的な人口対策庁内検討会議を立ち上げたところであります。庁内検討会議では、国勢調査、住民基本台帳人口などの統計資料のほか、出生や雇用に関する指標などを基に、人口減少の要因やこれまで取り組んできた人口対策の内容について整理したいと考えております。また、人口減少の要因とこれまでの取組を踏まえ、他都市の事例なども参考としながら、施策の事業案を取りまとめ、その後立ち上げる官民による小樽市人口対策会議での御意見等を踏まえながら、施策へ反映してまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)2番、千葉美幸議員。
(2番千葉美幸議員登壇)
○2番(千葉美幸議員)経済について、初めに小規模企業支援について伺います。
人口減少に伴う市場の縮小や海外との競争の激化、経営者の高齢化等、小規模企業を取り巻く環境が厳しい中にあって、その重要性が見直され、地域経済や雇用を支える存在である小規模企業の振興なくして経済再生はなし得ない時代となりました。
国は、昨年改正した中小企業基本法で小規模企業に対する中小企業施策の方針を位置づけましたが、これを一歩進め、小規模企業を中心に据えた新たな施策の体系を構築するため、本年6月、通常国会で小規模企業振興基本法と商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律の一部を改正する法律を成立させています。
小規模企業とは、商業・サービス業で従業員5人以下、製造業などで従業員20人以下の企業と定義されています。中小企業庁資料によると、2012年2月時点で中小企業・小規模事業者数は約385万者で、うち約87パーセントのおよそ334万者が小規模事業者ですが、長期にわたり減少傾向が続いております。
小樽市の事業所数の状況についてはいかがでしょうか。小規模事業者数の状況も含め説明願います。
また、本市の特徴として、減少数の多い業種とその理由についてどのようにお考えですか、お聞かせ願います。
このたび制定された小規模企業振興基本法は、小規模事業者の意欲ある取組を強力に支援するための体制を整備し、地域経済活性化事業に結びつけるものと理解しておりますが、事業主の高齢化や後継者不足が深刻な小樽市では事業を継承できず、ひっそりと廃業や閉店に追い込まれているケースがあります。
小樽市では、本市の小規模事業者の実態についてどのように把握されているのか伺います。
国の成長戦略における中小企業・小規模企業者政策の具体的な取組が進む中、また自治体では条例の制定により中小企業者と市、市民が連携・協働し、中小企業の振興を図ることを宣言するなどしています。また、全国商工会連合会や中小企業家同友会全国協議会でも、条例制定を自治体に働きかけています。
住民、企業及び自治体の役割や責務を明確にし、一体となって地域経済の活性化を推進していくことを基本とする中小企業振興基本条例の制定について、市長の見解をお聞かせ願います。
次は、観光についてです。
昨年、日本を訪れた外国人旅行者数は、政府目標であった1,000万人を突破し、約1,036万人となりました。また、日本政府観光局が発表した本年7月の訪日外国人は126万9,700人で、単月では過去最高となり、既に本年約753万人の外国人が訪日していることから、昨年の年間訪日外国人旅行者数を超えることは、ほぼ間違いないようであります。
この背景には、円安が進んだことや観光ビザの発給要件緩和、格安航空会社の就航・増便などが挙げられておりますが、小樽市の観光入込客数も平成25年度、5年ぶりに700万人を超え、外国人宿泊客数が対前年比で160.2パーセントの7万2,860人の数字から見ても、来樽者数が大きく伸びていることは明らかです。今後は2020年の東京でオリンピック・パラリンピック開催が決まった日本への注目が高まる中、開催効果を北海道、そして小樽市にまで波及させなければならないと考えます。
本市として積極的な戦略が必要と考えますが、市長の御所見をお聞かせ願います。
2020年、オリンピック・パラリンピック開催までの間、各種国際競技大会の誘致や事前合宿の誘致は各自治体で既に動き出しており、開催前年にはラグビーワールドカップ2019が日本で行われ、札幌ドームが会場の候補地の一つに挙がっております。そのようなことからも、観光地小樽として外国人受入れ環境の整備をさらにスピードを上げる必要があると考えます。
まず、多言語対応の改善・強化の取組と無料Wi-Fi設置についてでありますが、小樽市内における現状と今後の課題についてお聞かせ願います。
次に、外国人旅行者向け消費税免税制度についてです。
ショッピングにおける利便性を向上させ、消費を増加させるため、来月1日より一定の条件の下、全ての品目を免税対象品目とし、免税手続の簡素化が行われます。国は、平成26年4月1日現在で、全国に5,777店ある免税店を1万店に増やすことを目標にしているといいます。地方を訪れる外国人が地方ならではの特産品を免税店で買物ができるように取り組むとされており、食品や化粧品、お酒などが免税対象になれば消費拡大が期待されます。
小樽市では2013年4月1日現在、55店舗の免税店があるようですが、制度改正の内容や許可の取得方法などについて説明会を開くなど、免税店の拡大に早急に取り組むべきと考えますが、市長の見解をお伺いいたします。
小樽市は、平成15年11月に小樽市観光基本計画策定委員会を設置し、2年余り議論を行ない、小樽市観光基本計画を策定、平成18年度、計画をスタートしました。本計画は平成27年度までとなっており、新たな10年に向け、計画の見直しが必要な時期であります。
そこで、お伺いいたします。
まず、現計画には小樽観光の課題として、六つの事項が挙げられています。これら課題に対しての取組について、市長はどのように評価、分析されているのか伺います。
国は観光立国の実現に向け、訪日外国人旅行者数の目標を大きくし、観光庁が文化庁や農林水産省などと連携・強化を図り、新しい取組に向け、動きが活発に進んでいます。国内旅行消費額の9割はいまだ日本人の国内観光ですが、人口減少が進む中、今後、確実に増えていくであろう外国人旅行者に対する施策をさらに進めていく必要があります。
経済波及効果が極めて大きい観光産業ですが、本市の観光施策を進める上でかなめとなる次期小樽市観光基本計画についてのお考えをお聞きいたします。
また、次期計画策定に向けてのスケジュールはどのようになっておりますか、説明願います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、経済について御質問がありました。
初めに、小規模企業支援についてですが、まず本市の事業所数につきましては、平成21年と24年の経済センサス調査で比較した場合の民営事業所数は6,597社から5,940社になっており、減少傾向が続いております。そのうち小規模事業者の状況については、増加している業種は医療・福祉であり、減少している業種は卸売業、小売業や宿泊業、飲食サービス業、建設業等であります。
また、減少数の大きな業種の特徴といたしましては飲食店や小売業であり、その理由としては、売上げの減少等により廃業に至ったものと考えております。
次に、本市の小規模事業者の実態につきましては、商業においては商店街や市場の空き店舗調査により、実施の把握を行っているほか、製造業等においても関係団体との情報交換などにより、業況の把握に努めております。その中で、特に商店街や市場においては小規模事業者が多く、人口減少による売上げの低迷や経営者の高齢化、後継者難などにより、依然として厳しい状況にあるものと考えております。
次に、中小企業振興基本条例の制定につきましては、本市においても北海道中小企業家同友会しりべし・小樽支部が制定を目指し、活動を進めております。昨年2月からは、市の担当者も勉強会等に参加し、共通認識を深める中で、本年4月には私も同会役員と面会し、活動状況をお聞きしております。
この条例は、地元の経済人らがみずからまちの特性を分析し、地域内の経済循環を高めることが目的であり、その実現に向けて経済界、市民、行政が協働し、継続的に取り組むことが実効性の高い条例にするための重要なポイントと認識しております。そのためには、何よりも多くの経済人が参画する状況や機運が醸成されることが大切なことだと考えております。
次に、観光について御質問がありました。
初めに、外国人旅行者の環境整備についてですが、まず2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックの開催効果を北海道、そして本市まで波及させる積極的な戦略につきましては、本年6月に観光立国推進閣僚会議が決定した訪日外国人2,000万人を目指す観光立国実現に向けたアクション・プログラム2014の中に国の方針が示されております。市としても、このプログラムに基づき、効果的なプロモーションの展開や積極的な情報発信に努めるとともに、外国語観光ガイドの充実などをはじめ、外国人旅行者の受入れ環境整備などについて、国や北海道との連携を図りながら、早期に取組を進めていく必要があると考えております。
次に、多言語対応の取組と無料Wi-Fiの設置につきましては、まず多言語対応では、現状、英語、韓国語、中国語の簡体字、繁体字での観光マップを作成しており、これら言語に対応した総合案内板が5か所、地区案内板が16か所、案内標識が48か所設置されているところであります。平成22年度からは、観光協会と連携して観光産業に従事されている方々を対象とした語学講座なども開催しております。また、無料Wi-Fiの現状につきましては、公共施設においては国際インフォメーションセンターのある運河プラザと観光案内所があるJR小樽駅に整備されております。今後も来樽外国人旅行者の状況を見ながら、多言語対応や無料Wi-Fiの設置など、さらなる外国人対応の充実に努めてまいります。
次に、外国人旅行者向け消費税免税販売制度につきましては、既に商工会議所と観光協会がそれぞれの会員に対し、制度改正の概要と説明会の開催について周知を図っているところでありますが、市としても外国人観光客誘致や市内経済の活性化に寄与するものと考えておりますので、制度改正に向けて申請手続をはじめとした内容をホームページに掲載するなど、情報提供に努めてまいりたいと考えております。
次に、小樽市観光基本計画についてですが、まず現観光基本計画に挙げられている小樽観光の課題に対する取組についての評価、分析につきましては、主なものとして、「国際化、グローバル化への対応強化」については、国際インフォメーションセンターの開設やマップ、観光案内板の多言語化への取組などにより、一定程度成果が上がっているものと考えております。
一方、「さらなる意識改革の必要性」については、観光客に対する市民意識の向上やオール小樽で観光振興に取り組む体制づくりなどは、これからも引き続き官民一体となって取り組んでいかなければならないものと考えております。
次に、次期観光基本計画につきましては、継続課題への対応のほか、札幌市や北後志地域、さらには道内観光地との広域連携により、北海道観光のブランド力を国内外にアピールし、本道観光の一層の底上げを図っていく必要があるとの認識を持っており、本市においても、新たな観光資源の開発、整備などを進めていかなければならないと考えております。
今後のスケジュールにつきましては、現在、商工会議所、観光協会、物産協会、NPO法人OBMと小樽市で構成する小樽観光戦略会議において、今年度末を目途に体系的な観光戦略構想を取りまとめることになっており、市としては、この観光戦略構想も踏まえて、平成27年度には次期観光基本計画を策定してまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)2番、千葉美幸議員。
(2番千葉美幸議員登壇)
○2番(千葉美幸議員)次に、厚生について、介護保険制度と地域包括ケアシステムについて伺います。
内閣府が発表した平成25年度版高齢社会白書では、2012年の総人口に対する75歳以上の割合が11.9パーセントであるのに対して、団塊世代が全て75歳以上になる2025年には18パーセントになると予想されています。このような超高齢社会に対応するためには、高齢者が住みなれた地域で生活を継続できるようにするため、介護、医療、生活支援などのサービスを一体で受けられるよう、地域の実情や特性に合った地域包括ケアシステムを構築することが求められております。国では、第5期介護保険事業計画で開始した地域包括ケア実現のための方向性を承継しつつ、在宅医療・介護連携等の取組を本格化していくとされています。
まず、本市が第5期介護保険事業計画で地域包括ケアシステム実現に向け取り組まれた事業等について、効果も含め説明願います。
また、小樽市の第6期介護保険事業計画では、地域包括ケアシステム構築に向け、重点的に取り組む事項について説明願います。
地域包括ケアシステムを構築するに当たり、本市の課題についてもお聞かせ願います。
本年6月18日、地域包括ケアシステム構築への第一歩となる医療介護総合確保推進法が成立いたしました。医療介護総合確保推進法については、成立までの間、国民の負担増やサービス低下を懸念する報道もありました。しかし、介護サービスの利用者が増え、介護給付費が膨らみ続けると、その予算を確保するため、介護保険料や介護保険に投入する税金を補うための負担が増えていくのは明らかであり、低所得者の介護保険料の軽減措置を拡充する一方で、一定以上の収入のある利用者の自己負担の引上げや急増する高齢者に対応するには、施設中心のサービスでなく、在宅サービスに切り替えざるを得ないことも事実であります。限りある財源を有効活用し、自治体が住民のニーズに能動的に応えていく、地域による支え合いの仕組みづくりが重要であると考えます。
そこで、何点か伺います。
初めに、要支援1・2の軽度者の介護予防給付によるサービスであった訪問介護、通所介護が地域支援事業に移行されますが、本市のサービス利用者数と主なサービス内容について説明願います。
また、今後の進め方についてもお聞かせください。
今後、市町村に移行される訪問介護と通所介護ですが、要支援者の多様なニーズを把握し、地域の実情に応じた取組ができるとされ、地域支援事業の再編成により、効率的なサービスの充実が求められております。
本市では、日常生活圏域ニーズ調査や高齢者一般調査なども行われたと認識しておりますが、調査結果も踏まえ、要支援者の多様なニーズにどのように取り組み、効果的な介護予防・生活支援サービス事業を提供していくとお考えですか、伺います。
次に、総合事業を構成する介護予防・生活支援サービス事業と一般介護予防事業です。
栄養改善を目的とした配食や見守り、住民生活の住民主体の介護予防活動、外出支援などの事業は、今後、利用者が増加すると考えられ、それを担う人材の確保が必要です。今までの議論経過から、本市ではボランティアやNPOなどの人材が不足していると考えられ、人材確保に向け、提案をさせていただいている認知症サポーターの活用や高齢者のボランティアポイント制度など、新たな取組を進めていただきたいと思いますが、市長の見解を伺います。
この項の最後に、介護卒業の取組についてです。
埼玉県和光市では、市内全ての地域包括支援センターのスタッフ、看護師、理学療法士、ヘルパーが要支援者一人一人の介護サービス内容を徹底議論し、支援計画をつくっています。毎年およそ4割の方が要支援から卒業し、自立した生活へ復帰し、市内の介護認定率は2012年9.6パーセントで、全国平均約17パーセントを大きく下回る効果を上げています。
本市でも、要介護状態になった場合も地域で自立した生活が継続できるような支援だけでなく、要支援から自立へ介護卒業の考え方を取組に反映してはいかがでしょうか、市長の見解をお聞かせ願います。
次に、消費者問題について伺います。
先月、警視庁から振り込め詐欺被害の発表があり、本年6月までの半年間で268億円、この驚くべき数字は1日に換算すると1億4,000万円以上の被害が出ていることになります。特に被害が増えているのは、身に覚えのない有料サイトを利用した料金の支払を求められる架空請求が68億円で、昨年の3倍近く増加、オレオレ詐欺は80億円で、昨年より7億円増加、金融商品などの取引を名目とした詐欺事件も後を絶ちません。
初めに、本市の振り込め詐欺の被害状況についてです。オレオレ詐欺や架空請求詐欺は、高齢者だけでなく若い世代にまで被害が広がっているといいます。本市で把握している平成24年、25年の被害件数、被害額、被害者の年代についてはいかがでしょうか、状況についてお聞かせ願います。
また、被害について主な内容をお示し願います。
次に、振り込め詐欺に対する注意喚起等、本市が行ってきた対策についても説明願います。
特に、高齢化が進む本市は、高齢者を狙って詐欺や悪質商法などによる消費者トラブルが多くなっているのではないでしょうか。先月受けた相談ですが、ひとり暮らしの高齢者の方が引っ越しのため、見積りを依頼し、契約をしました。契約金額は10万円、荷物の量や引っ越し先までの距離から、金額について納得がいかないとお嫁さんから連絡がありました。お話をお聞きしますと、初めは15万円と提示をしてきたそうで、用意できない金額だということを話すと、10万円に安くしてくれたと親御さんは言っていたそうです。お嫁さんが他社に見積依頼をしたところ、4万5,000円でした。もちろんそちらに依頼し、無事に引っ越しを済ませましたが、最初の契約業者に断りの電話を入れた際の対応などからも、高齢者を狙った悪質とも言える営業だと感じました。
また、高齢者から、しつこい電話セールスにより電話に出るのが怖くなったという声をよく聞きます。このように密室で起こる被害は、消費者トラブルとして表に出ないケースが多いのではないでしょうか。
そこで、本市の消費者トラブルを防止する観点で以下伺います。
初めに、身近な消費生活相談窓口として、市役所内に小樽・北しりべし消費者センターがございます。消費者庁が発足し5年となり、消費者センターの認知度が高まって、相談内容の多様化や相談件数が増加傾向にあると聞きます。また、近年、高度情報化、グローバル化が急速に進み、消費者生活環境が多様化、複雑化している中で、子供から高齢者まで、消費者トラブルが全国的に多くなっております。本市における状況はどうでしょうか。相談件数の推移について、平成21年度からお示し願います。
また、年代別の相談状況についてはいかがですか。平成25年度の相談件数でお示しいただき、説明願います。
近年の相談内容、今後の取組と課題について伺います。
小樽市ではどのような相談内容が多くなってきているのか、状況についてお聞かせ願います。
また、相談の解決に向けて、消費者センターでは他関係機関とどのように連携を図っているのかについて伺います。
小樽市役所内の小樽・北しりべし消費者センターは、平成23年度から定住自立圏内の町村の相談の場として広域化し、3年がたとうとしております。圏域が広くなったことで、内容もより多様化し、相談員には専門性や他関係機関との連携、相談者の対応には時間を要するケースもあり、能力や労力が求められる時代となりました。消費者庁では、地方消費者行政強化作戦として、相談体制の質の向上が政策目標として掲げられ、消費生活相談員の資格保有率を75パーセント以上に引き上げることや、相談員の研修参加率を各年度100パーセントに引き上げる目標も掲げられております。
小樽・北しりべし消費者センター相談員の人数について課題はないのか伺います。
また、相談員のスキルアップはどのように図られてきたのか、今後の取組もあわせてお聞かせ願います。
消費者トラブルといっても、さきにお話しした詐欺や悪質な営業に、食の安全から製品等の苦情に至るまで問題は幅広く、高齢者だけでなく、若年層や子供が将来消費者トラブルに巻き込まれないためにも、取組が必要と考えます。
仙台市では、リーフレットだけでなく、遊びながら地域の歴史も学べる消費者教育教材を作成し、取組を進めています。本市の若年層や子供たちに対する消費者問題に対する啓発はどのように行われているのか、この項の最後に伺います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、厚生について御質問がありました。
初めに、介護保険制度と地域包括ケアシステムについてですが、まず第5期介護保険事業計画で地域包括ケアシステムの実現に向けて取り組んだ事業とその効果につきましては、新たなサービスとして定期巡回・随時対応型訪問介護看護や複合型サービスを平成24年度に創設し、高齢者が住みなれた地域で生活を継続できるよう、介護、医療、生活支援などのサービスを一体的に受けられる体制を整え、一定のサービス利用が図られております。
また、各地域包括支援センターでは地域ケア会議を随時開催し、ケアマネジャーや市職員、介護事業者など、多職種による個別事例の検討を行い、問題解決に結びつけるなど、一定の成果を上げております。
次に、第6期計画で地域包括ケアシステム構築に向け、重点的に取り組む事項につきましては、国のガイドラインにおいて在宅医療・介護連携の推進、認知症施策の推進などの4項目が示されており、本市といたしましても、これらについて取り組む必要があるものと考えております。
次に、地域包括ケアシステム構築のための課題につきましては、医療と介護の連携や、今後、増加が見込まれる認知症高齢者への対応、多様な生活支援サービスの提供とその実施主体となるNPOやボランティアなどを含めた受皿の確保など、多くの課題があると認識しております。
次に、要支援1・2の訪問介護及び通所介護サービス利用者数と主なサービス内容についてですが、本年4月の利用実績で申し上げますと、訪問介護が845人、通所介護が856人となっております。また、訪問介護の主なサービス内容は、食事や入浴などの身体介護、調理や掃除などの生活援助であり、通所介護では食事や入浴の提供、日常動作訓練などがあります。
次に、今後の進め方についてですが、国は、平成29年4月からの地域支援事業への移管を全市町村に義務づけていることから、それまでの期間は現行の予防給付を続けていきたいと考えております。今後、課題を整理し、他市の状況なども参考にしながら、地域支援事業への移管を進めてまいりたいと考えております。
次に、介護予防・生活支援サービス事業の提供の考え方についてですが、日常生活圏域ニーズ調査では、前回の平成23年度の調査に比べ、65歳以上の方々の運動や身体の状況が向上している結果が得られ、高齢者一般調査では、要介護認定を受けていない方でも認知症予防や介護予防に高い関心があり、また安否確認や配食、家事援助などのサービスを希望する方が多いという結果が得られました。こうした結果を考慮しながら、国の示したガイドラインに沿って必要な事業を提供していきたいと考えております。
次に、人材確保に向けた新たな取組についてですが、本市の現状としましては、総合事業を担うNPOやボランティアといった受皿がそもそもないことから、今後、御提案のありました取組も含め、検討してまいりたいと考えております。
次に、要支援から自立に向けた介護卒業に対する見解についてですが、要支援の認定を受けた方が適切なサービスや支援を受けることによって身体機能が回復し、自立していくことは、御本人にとって非常に喜ばしいことであると思われますし、本市の介護保険財政にも好影響があるものと考えておりますので、こうした視点でのサービスの提供なども考慮していく必要があると考えております。
次に、消費者問題と対応策についてですが、まず本市の振り込め詐欺の状況につきましては、小樽警察署に確認したところ、平成24年においては被害件数5件、被害額は約245万円、被害者の年代については30代から70代、25年においては被害件数4件、被害額は約929万円、被害者の年代については50代から80代とのことです。また、被害の主な内容としては、ギャンブルに関するにせ情報を提供するものや融資に伴う保証金の前払をさせるもの、架空請求によるものなどと聞いております。
次に、本市の振り込め詐欺に対する注意喚起等の対策につきましては、市のホームページに還付金詐欺や悪質な業者情報などを掲載しているのをはじめ、消費生活情報紙「くらしのニュースおたる」の発行、小樽・北しりべし消費者センター内常設展示室での悪質商法啓発コーナーの開設、消費生活関連講座や移動消費者教室の開催のほか、市の各種保険料納入通知書の封筒に注意書きを入れるなど、さまざまな手段を通じて注意喚起や啓発を行っているところであります。
次に、小樽・北しりべし消費者センターにおける本市関連分の相談件数の推移につきましては、平成21年度は1,232件、22年度1,005件、23年度947件、24年度764件、25年度848件となっております。
また、平成25年度における年代別の相談状況につきましては、20歳未満4件、20代41件、30代78件、40代141件、50代116件、60代163件、70代171件、80歳以上79件、不明55件となっております。
次に、増加傾向にある相談内容につきましては、健康食品の送りつけ商法やインターネット通信サービスに関する電話勧誘、貴金属を無理やり買取る押し買いなどであります。
次に、他関係機関との連携につきましては、平成17年に市、警察、消費者団体、地域、教育、福祉などの関係団体や金融機関などとともに消費者被害防止ネットワークを立ち上げ、情報交換を行うほか、広報紙を発行して被害防止の啓発に努めるなど、関係団体が連携して消費者被害の防止に取り組んでいるところであります。
また、近年は、認知症の方に対する被害も増えていることから、個別の事案に対し、地域包括支援センターや介護事業所などと連携して問題解決に取り組んでおります。
次に、小樽・北しりべし消費者センター相談員の人数につきましては、平成23年度の広域化に伴い、相談員を1名増員して6名体制とし、相談受付時間も拡大し、対応しているところであります。
また、相談員のスキルアップにつきましては、近年、悪質業者の手口が複雑巧妙化するなど、より新しい専門的な知識が必要とされることから、専門講師を招いての学習会の開催、国や北海道が主催する各種研修会等への派遣などを行っており、今後も積極的に相談員の資質向上を図ってまいりたいと考えております。
次に、若年層や子供たちに対する啓発につきましては、学校などからの依頼に応じ、消費者被害防止や知識普及のための学習会や研修会に消費生活相談員を派遣する出前講座を実施しており、消費者啓発を行っているところであります。今後も、教育委員会などとの連携を深め、若年層に対する消費者啓発の推進に努めてまいります。
○議長(横田久俊)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)2番、千葉美幸議員。
(2番千葉美幸議員登壇)
○2番(千葉美幸議員)次に、土砂災害について伺います。
この夏は局地的大雨による被害が多く見られ、先月、広島市や北海道礼文島を襲った局地的大雨は、たくさんのとうとい命を奪う事態となりました。お亡くなりになられた皆様の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された方々、そして今なお避難生活を余儀なくされている皆様に心からお見舞い申し上げます。
現地では今なお復旧作業が行われておりますが、このたび、これだけ大きな被害が出た主な要因は、土砂災害と言われています。広島県は15年前にも30人の犠牲者を出す豪雨に見舞われ、これがきっかけで土砂災害防止法が制定されました。この法律は、土砂災害のおそれがある土砂災害警戒区域と住民の命や建物に著しい被害が生じるおそれのある土砂災害特別警戒区域を、都道府県知事が市町村長の意見を聞いた上で区域を指定する流れとなっています。全国の土砂災害警戒区域は7月末時点で約35万か所、土砂災害特別警戒区域は約21万か所となっており、本市の状況について市民から懸念する声が上がっています。
まず、小樽市の土砂災害警戒区域と土砂災害特別警戒区域についてですが、本市では、本年8月に新たな指定箇所が増え、土砂災害警戒区域は179か所、土砂災害特別警戒区域は174か所となりました。これらの指定区域に居住されている世帯数と居住者数、事業所などはあるのでしょうか、それぞれお示しください。
また、指定区域ではどのような対策がとられることになるのか、御説明願います。
高度成長期に都市部に人口が集中し、住宅確保のため山を切り開き、宅地が造成されました。3年前の東日本大震災で、仙台市太白区や青葉区などで大規模な地すべりが発生したように、造成した住宅地で災害が頻発し、対策が急がれています。現在、危険な造成は禁止されていますが、同法の土砂災害警戒区域等の指定には都道府県による危険箇所の地形や地質など基礎調査が必要で、多くの時間を要すことや費用の面からもなかなか進んでいないのが現状です。
国土交通省の調査点検要領により、都道府県が実施した調査で判明した土砂災害危険箇所は、土石流、地すべり、急傾斜地の崩壊が発生する場所で、小樽市内には現在519か所あると認識しております。それぞれ土石流危険渓流、地すべり危険箇所、急傾斜地崩壊危険箇所の危険箇所数についてお示し願います。
また、近年、小樽市内で起こった土砂災害発生状況についてはいかがでしょうか、御説明願います。
このたびの広島市で起こった甚大な土砂災害の要因は、その多くが土砂災害警戒区域に指定されていなかったため、避難が遅れた可能性や、居住している地域が土砂災害の危険箇所になっていることさえ知らなかったと答える住民が多くいらっしゃいました。
本市では土砂災害危険箇所の住民への周知徹底は図られていますか、伺います。
また、本市で土砂災害警戒区域指定が進んでいない主な理由についてもお示しください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、土砂災害について御質問がありました。
まず、土砂災害警戒区域に居住している世帯数などにつきましては、区域指定に伴う基礎調査で調査対象になっているのは家屋数のみであり、土砂災害警戒区域179か所で、2,448棟となっております。
次に、指定区域の対策についてですが、警戒区域の指定に当たり、区域内の居住者等を対象に説明会を開くほか、指定後には土砂災害から住民の生命・身体を保護するため、避難経路、避難所等を記載したハザードマップを作成し、配布しております。
次に、土砂災害別の危険箇所数につきましては、土石流危険渓流75か所、地すべり危険箇所10か所、急傾斜地崩壊危険箇所434か所となっております。
次に、本市の近年の主な土砂災害の被害状況につきましては、平成19年4月に朝里川温泉スキー場で融雪による土石流が発生したほか、平成22年8月には低気圧による大雨で市内13か所、平成23年9月には台風12号による大雨で市内9か所で土砂崩れが発生しておりますが、いずれものり面や石垣の崩壊などによるもので、人的被害は発生しておりません。
次に、土砂災害危険箇所の住民への周知徹底についてですが、これまで市民の方が土砂災害危険箇所を知るには、北海道が作成した土砂災害危険箇所図を市建設部都市計画課で閲覧する方法と、北海道のホームページで確認する方法がありましたが、今回の災害を踏まえ、公共施設内に図面を新たに掲示するほか、危険箇所図を閲覧できる北海道のホームページのアドレスを本市のホームページ上に掲載したいと考えております。
次に、本市で土砂災害警戒区域指定が進んでいない主な理由につきましては、土砂災害危険箇所が多いことから、基礎調査資料の精査、地権者や住民の把握、住民説明会の開催などに多くの時間を要することが主な理由と考えております。
○議長(横田久俊)次に、第5項目めの質問に入ります。
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)2番、千葉美幸議員。
(2番千葉美幸議員登壇)
○2番(千葉美幸議員)最後に、学校給食における食物アレルギー対策について伺います。
去る6月27日、アレルギー疾患対策基本法が公布されました。アレルギー疾患には、ぜんそくやアレルギー性鼻炎、花粉症、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなどがあり、国民の約半数がかかっているとも言われ、アレルギー疾患に対する研究や知識の普及が課題となっていました。特に、私は食物アレルギー対策について、平成20年に文部科学省が監修して発行された学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインに基づく対応が必要との観点で、何度も議会や委員会で取り上げ、推進をお願いしてきたところです。
そうした中、2012年12月、東京都調布市の小学生が給食後に食物アレルギーによるアナフィラキシーショックの疑いで死亡した事故が発生し、文部科学省では学校給食における食物アレルギー対応に関する調査研究協力者会議を設置、昨年12月に文部科学省が公表した「学校生活における健康管理に関する調査」中間報告では、公立小・中・高校の調査対象児童・生徒数約1,015万人のおよそ4.5パーセントに当たる約45万4,000人に食物アレルギーがあり、アナフィラキシー症状を起こしたことのある児童・生徒数は約5万人で、07年の調査より約3万1,000人も増加しました。少子化が進む中で、何かしらの食物アレルギーを持つ子供は、減少するどころか大きく増加し、学校生活における適切な対応が求められております。
そして、今年3月に調査研究協力者会議が取りまとめた最終報告では、調布市で起きた事故について現状の問題点として、学校給食における食物アレルギーの対応などを示している文部科学省が監修したガイドラインに基づく対応が学校現場で徹底されていないことが指摘されています。
そこで、伺います。
初めに、学校生活管理指導表の活用についてです。
小樽市は、これまでアレルギーに関して特筆する場所のない就学時の健康診断票や家庭環境調査票により、アレルギー疾患の児童・生徒の把握をされてきましたが、昨年の10月には就学時の健康診断票にアレルギーの有無を記入する箇所を設けられたことは一定の評価をしております。しかし、一人一人のアレルギー体質を正確に把握することや、学校全体で情報を共有するにはいまだ懸念があり、学校生活管理指導表の早急な活用を改めて求めたいと思いますが、見解を伺います。
また、現在、学校生活管理指導表の活用を進める上で課題があれば説明願います。
次に、食物アレルギーに関する知識や重篤な症状であるアナフィラキシーショックの症状を和らげるエピペンの使用について、本人のかわりに注射する教職員の研修の必要性についても訴えてきました。平成25年第3回定例会では、本年7月下旬と8月下旬に小樽病院の看護師を講師に招き、エピペンを処方されている児童が在籍している小学校3校を対象として研修会を実施したと答弁をいただいておりますが、その後の開催状況や参加人数はどのようになっておりますか、説明願います。
次に、アレルギーのある児童・生徒の情報の共有についてです。
アレルギーの症状が出た場合の対応は、学校だけでなく、医療関係者や消防機関等との連携体制の構築が重要であります。今後、関係機関との連携をどのように図っていくとお考えなのか、お聞かせ願います。
また、現在、市内各学校ごとに、保護者との面談などで食物アレルギーのある児童・生徒の対応が判断されていると認識しておりますが、各学校の教職員間の情報の共有や本当に配慮が必要な児童・生徒の見極め、対応など、他自治体ではマニュアルを策定し、ルール化しております。事故が起きた場合の備えとして、各自の役割分担などを明確にした本市の実践マニュアルの整備が必要と考えます。教育長のお考えをお伺いいたします。
この項の最後に、学校給食センターにある専用調理室が活用されず、卵アレルギー除去食の提供も行われていないと聞きます。道教委の指針が先月示されたとお聞きしておりますが、いつから始められるのか、今後のスケジュールを伺います。
また、課題についてはいかがでしょうか、お聞かせ願います。
再質問を留保し、質問を終わらせていただきます。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)千葉議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、学校給食における食物アレルギーについて御質問がありました。
初めに、学校生活管理指導表の活用についてでございますが、これまで本市では、就学時健診の診断票や学校で行われている児童・生徒の家庭環境調査票、家庭訪問などにより、アレルギー疾患の把握に努めておりました。しかし、本年4月、文部科学省から通知があり、学校給食における食物アレルギー対応について、学校生活管理指導表の提出が重要であると示されたことから、市教委としては活用する方向で検討を行っております。
学校生活管理指導表の導入に当たっては、アレルギー診断にかかわる医師会との調整や文書料の保護者負担などが課題となっております。
本年9月には、道教委から具体的なアレルギー対策についての指針「学校における食物アレルギー対応の進め方」が示される状況にありますので、市教委としては、その内容を確認した上で、学校生活管理指導表の導入に向け、医師会、校長会、PTAなどと協議を進めてまいりたいと考えております。
次に、エピペン使用の研修についてですが、昨年9月以降の実施状況を申し上げますと、12月上旬、小樽市学校保健会主催の「様変わりする食物アレルギーと緊急時の対応」の講演会には、市内小・中学校の教職員や学校給食センター職員など合わせて34名が参加し、講演終了後、エピペン使用の実技が行われました。本年6月、医師会主催の食物アレルギーの対応の研修会が開催され、市内小・中学校の教職員や学校給食センター職員など12名が参加し、エピペン使用の実技も行われました。また、エピペンのメーカーが作成した使い方のガイドブック及びDVDを市内小・中学校全校に配付し、校内研修などで活用するよう指導しております。
次に、関係機関との連携についてですが、教育委員会としては、アレルギーがある児童・生徒がアナフィラキシーショックを起こした場合の対応について、今後、保護者の同意を得た上で、学校、医療機関、消防署などの関係機関との情報共有を図るため、その内容や方法などについて協議を進めてまいりたいと考えております。
次に、実践マニュアルの整備についてですが、現在、アレルギーがある児童・生徒が在籍する学校では、既に危機管理マニュアルにその対応についても盛り込まれておりますが、本年9月、道教委から指針が示されますので、その内容を参考に、全ての学校で危機管理マニュアルが整備されるよう、校長会を通じ指導してまいりたいと考えております。
次に、卵アレルギー除去食の提供の時期についてでございますが、道教委の指針が9月に公表されますので、その指針に基づき、2学期中に除去食の提供を開始したいと考えております。
なお、提供に当たっては、卵アレルギー除去食の調理作業の確認や対象児童・生徒に確実に届けるための体制の整備などの課題がありますが、今後、校長会などと早急に協議を進め、実施してまいりたいと考えております。
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)2番、千葉美幸議員。
○2番(千葉美幸議員)3点ほど再質問をさせていただきます。
初めに、街路灯のLED化について質問させていただきました。設置推進期間についても質問させていただいて、数年という単位という御答弁だったと思うのですが、その設置推進期間の考え方について、今後、費用対効果を見ながら年数を考えていくのか、それとも昨日も御答弁がありましたけれども、新しい制度、何か今までの補助の仕方だとか、今、自治会が、町会が管理している街路灯を例えば市が管理するだとか、変わる制度内容を見て設置期間を考える方向なのか、その考え方について伺います。
それから、土砂災害なのですけれども、先ほど土砂災害警戒区域について、居住されている世帯数、居住者数等を伺いましたが、家屋数として把握されているということで、これも早急にそこに何名の方が住んでいるということは把握をされるのかどうか、もう一度確認させていただきたいと思います。今日も急に雨が降ってきましたけれども、想定外のことが起こる可能性もありますので、今までは区域の指定は道の管轄だというふうに思っておりますが、市としても危険箇所に住んでいる方が何人で何世帯いらっしゃるのか、しっかりと把握に努めていただきたいと思いますので、その辺についても、もう一度御答弁をお願いしたいと思います。
それともう一点、先ほど介護について人材不足ということで、認知症の件についても第1回定例会で質問させていただいたときに、ボランティア等の人材不足、非常に課題が多いというふうに感じました。これは次期計画に向けていろいろ提案した内容も含めて検討していくということなのですけれども、次期計画、介護保険制度の計画というのは3年間ということで、長いようで非常に短い期間なので、育成については非常に心配をしております。具体的にボランティア、その他育成について取組を考えられていることがあれば、いま一度御説明を願いたいと思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)千葉議員の再質問にお答えしたいと思います。私からは、LEDの件について答弁させていただきます。あとは担当部長から答弁させていただきます。
LEDの問題につきましては、私どもとしては、現在、平成26年度予算で言うと400万円の予算措置しかしていないわけでございます。先日8月に連合町会の会長と話をしたときに、やはりもう少し予算を増額してほしいということと、それから何よりも、今回、電気料金が値上がりしているものですから、街路灯の電気料金を何とか安く抑えたいと、そのためには何とか早くLED化していきたいのだというふうに御要望がありました。ただ、今回の整備につきましては町会の負担も出てくるものですから、できるだけ町会の負担も軽減していけるようなことができないか、そんなことをいろいろと考えているわけでございます。
それで、とりあえず今、工事を全部やると4億7,000万円必要でありますけれども、年間5,700万円の電気料金の節減になるということでございますから、そうするとやはり工事を進めることによって、将来的なランニングコストである電気料金が早く安くなるだろうと思いますので、できるだけ27年度から設置を進めていって、できるだけ短期間で行いたいと、こういうふうに思っているところです。ですから、例えば2年、3年という具体的な数字は申し上げられませんけれども、私としては、町会からそういう要望があればできるだけそういう形で進めていきたい、このように思っているところでございますので御理解いただきたいと思います。まずは、早くしていきたいということでございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)建設部長。
○建設部長(工藤裕司)先ほどの家屋数の関係ですけれども、北海道の基礎調査の中の項目というのは棟数のみとなっておりまして、それ以外の数字の把握ということになりますと、相当の時間と手間がかかるということがございますけれども、どういった内容を把握しなければならないのか、それでどういった対応ができるのかということも含めまして、今後、検討をさせていただきたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)医療保険部長。
○医療保険部長(藤井秀喜)千葉議員の再質問にお答えいたします。
ボランティアの育成についての御心配ということでございますが、千葉議員のおっしゃるとおり、3年間というのは長いようで短いというのは、私どもも同じ考えを持ってございます。現在、市長答弁にありますとおり、なかなかボランティアなど核となる受皿がないものですから、そこの育成の部分については、具体的な道筋などはまだちょっと見えてきていない状況ではございます。ただ、全市町村の義務づけは平成29年4月ですので、27年度、28年度と2か年ありますので、その中で人材の育成の部分を何とかしたいということで、27年度にはどういう形ができるか、できれば候補を挙げながら28年度にはモデル事業的なものをやって、その課題とかを見つけながら、29年度から本格的というのが一つの考え方かというふうには考えてございます。
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)2番、千葉美幸議員。
○2番(千葉美幸議員)土砂災害の棟数の把握ですけれども、今回の広島市で起こった土砂災害の状況等を見ると、やはり実際にああいうことが起こると、何世帯で何人の方が行方不明になっている等、市町村でしっかりと把握をしなければいけないということを考えると、やはりこれはきちんとした把握、町会等の協力も得ながら把握するには早急に対応をお願いしたいというふうに思います。これは、お願いの一つです。
それと、先ほどLED化について市長から御答弁いただきました。早急にやっていただきたいのは本当に私も同じ思いなのですが、LEDの寿命も長いとはいえ、今のところ10年等と言われていて、一気にやるとまた一気に更新の時期が来るということもあるので、そういうことも含めての検討なのかなという思いで質問をさせていただきましたので、また内容等は予算特別委員会で確認をさせていただきたいと思います。
○議長(横田久俊)千葉議員の会派代表質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時31分
――――――――――――――
再開午後2時55分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、会派代表質問を続行いたします。
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)17番、佐々木秩議員。
(17番佐々木秩議員登壇)(拍手)
○17番(佐々木秩議員)民主党・市民連合を代表し、質問をします。
最初に、議案に関連して何点かお聞きします。
まずは、財政問題についてですが、2014年度普通交付税配分額が決まりました。後志総合振興局によると、地域経済・雇用対策費の減少などから、管内20市町村の総額は前年度比2.8パーセント減の481億8,800万円となり、中でも赤井川村では15.7パーセントもの減額となっており、このようなことを見ると、交付税算定方法の変更によっては大幅な減額になることも想定され、今後、本市においても同様の減額が心配されるところです。
本市においてはこれまで普通交付税は増加傾向でしたが、本年度は前年度に比べると1億7,264万8,000円減少しています。また、特別交付税も2011年度より減少が続いています。地方交付税は、市税収入の増加はなかなか見込めない中、歳入の28パーセントを占める重要な財源です。算定方法の変更など、国のさじかげん一つでの減額は地方自治体に大きな混乱を招きます。安定的な地方財政運営が図られるよう、地方交付税の同水準の確保、さらには増額を引き続き政府に求めていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
次に、市税の収入率についてです。
市税収入は、地方自治の意味からも本市財源の根本です。歳入に占める割合も22.5パーセントを占めています。しかし、人口減等により、長期にわたって減少が続いています。その中で気になるのが収入率も年々低下していることです。
収入率が低下している主な理由は何ですか。
また、市民の皆さんが納税に公平感を持つことは大変重要なことです。収入率を上げるために市の対応策が必要と考えます。いかがでしょうか。
次に、財政調整基金について伺います。
平成25年度一般会計の決算は、財政調整基金を約11億6,500万円を取り崩すといった財源対策により、実質収支を約2億8,640万円の黒字としています。一方、前年度23億3,700万円あった基金残高は17億6,400万円に目減りしています。これは昨年12月に見直された小樽市中期財政収支見通しで示された25年度末残高見込み14億2,400万円よりも若干多い額になっており、厳しい財政状況の中、御苦労がしのばれます。ただ、この基金の動きがわかりにくいので、今年度の補正部分も含めて説明をお願いし、結果、第3回定例会補正後の残高は幾らになるのかお示しください。
また、中期見通しでは2018年にゼロ円になる予測でしたが、今後この見通しは変わってくるのでしょうか。そうだとすれば、その市財政への影響と今後の財政調整基金に対するお考えをお聞かせください。
今年の大雪対策をはじめ、予期せぬ経費の発生に対応する市の貯金がゼロになることは、赤字財政への転落に直結するため、何とか避けるべきと考えます。
続いて、26年度補正予算社会福祉総務費の中の生活困窮者自立促進支援モデル事業についてお聞きします。
来年4月1日施行の生活困窮者自立支援法で実施が義務づけられている自立相談支援事業を、道の補助金を活用したモデル事業として本年11月から実施するとのことです。私たち民主党・市民連合は、本年7月に佐賀市生活自立支援センターの事業について行政視察をしてきました。本市と同じくモデル事業として開始し、NPO法人に委託して、職員6人体制で実施しておられました。支援内容は、自立相談支援、就労準備支援、学習支援、生活改善支援で、特に中学生の学習支援に力を入れ、貧困の連鎖を断ち切ることに力を入れておられます。本市が取り組む自立相談支援についても、専門家による就職相談等を行い、25年度は相談者数142名の実績を上げていました。ただ、モデル事業のため、やってみて初めてわかる課題も多いようでした。
そこでお聞きします。モデル事業を実施するに当たって、小樽市では生活困窮者の定義、範囲はどのように決めますか。
また、生活困窮者へのアプローチ方法はどうしますか。黙って待っているだけでは相談者の数は伸びないそうです。
相談支援員の配置と資格や経験の有無はどうなるでしょうか。相談支援員の経験が実績を大きく左右すると伺いました。
また、市内関係機関との連携が重要です。お考えをお聞かせください。
最後に、本年度中の相談者数や支援対象者数、就労数などに目標設定はありますか。本年度の本格実施に向けてノウハウの蓄積が大事だと思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)佐々木秩議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、議案に関連して御質問がありました。
初めに、財政問題についてですが、まず地方交付税につきましては、地方交付税の減額は本市の財政運営に大きな影響を及ぼすことから、これまでも国に対して必要な地方交付税総額の確保を図るよう要望してきたところであり、今後とも北海道市長会や全国市長会などを通じて強く要請してまいりたいと考えております。
次に、市税収入率についてですが、まず市税の収入率が年々低下している主な理由につきましては、現年課税分は向上しており、おおむね95パーセントで推移しておりますが、滞納繰越分が滞納繰越額の増加に伴って低く推移しているため、それが全体の収入率を引き下げる原因となっております。
次に、収入率を上げるための対応策につきましては、これまでの取組として、平成19年度には、これまで電話などによる納付催告を中心として取り組んでいたものを、差押えなどの滞納処分を強化する方針に変更し、21年度には差し押さえた動産や不動産などの換価のため、インターネット公売を開始しました。24年度には納税課の組織を係制からグループ制に変更して収納体制の強化を図り、25年度には他都市との合同公売会への参加や事務所への訪問による強制徴収や自動車のタイヤロックなどを実施し、収納対策の強化を図ってきたところであり、今後も引き続き収入率向上に向け努力してまいります。
次に、財政調整基金についてですが、まず基金の動きにつきましては、平成25年度末の残高は約17億6,400万円ですが、これまでに26年度当初予算編成の際の財源対策として約8億9,100万円、第2回定例会の補正予算の財源として約5,100万円、合計で約9億4,200万円を取り崩す予算を計上しております。今定例会では、25年度で生じた決算剰余金の2分の1相当の約1億4,300万円を積み立てるほか、7月25日に普通交付税の交付額が決定され、予算額を上回ったことから、補正予算の財源に充てるとともに、財源不足対策である財政調整基金の取崩し額を約3億4,500万円減額する予算を計上しており、今定例会の基金残高は25年度末よりも約4億5,400万円減の約13億1,000万円となります。
次に、財政調整基金の市財政への影響などにつきましては、平成27年度以降の財政調整基金の残高見込みは、現在、中期財政収支見通しの見直し作業を行っており、お示しすることはできませんが、本市の財政構造は27年度以降の予算編成に当たっても多額の財源不足が見込まれるところであり、何らかの財源対策を行わなければ収支均衡予算を編成できない状況にあります。今後とも、他会計からの借入れなどに頼らずに収支均衡予算を編成するためには財政調整基金による財源対策が必要であることから、引き続き財政健全化の取組を継続し、基金残高の確保に努めてまいりたいと考えております。
次に、生活困窮者自立促進支援モデル事業費についてですが、まず本市の生活困窮者の定義、範囲につきましては、生活困窮者自立支援法で、「「生活困窮者」とは、現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある者をいう。」と定義づけられており、これを基本に相談者の生活困窮の要因や困窮の程度を見ながら、具体的な範囲について定めていきたいと考えております。
次に、生活困窮者へのアプローチ方法につきましては、モデル事業では対応できる相談者の数が限られますので、市内関係機関から情報をいただき、生活に困窮している方や生活保護相談をした結果、保護開始に至らなかった方の中からモデル事業の対象者を絞り、支援してまいりたいと考えております。
次に、相談支援員の配置と資格、経験の有無につきましては、モデル事業において雇用する相談支援員は社会福祉士などの資格があり、相談業務の経験のある方を1名配置したいと考えております。
次に、市内関係機関との連携につきましては、生活困窮者の自立支援においては、ハローワークをはじめ、社会福祉法人やNPO法人などの関係機関と連携は欠かせないものであり、これらの機関に対する積極的な働きかけにより情報収集を図るとともに、支援、協力を求めていきたいと考えております。
次に、本年度中の相談者数や支援対象者数、就労数の目標設定につきましては、今回のモデル事業は来年度の本格実施に向けた課題整理や相談支援業務の経験を積むことを目的としているもので、数字上の目標は特に設定しておりません。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)17番、佐々木秩議員。
(17番佐々木秩議員登壇)
○17番(佐々木秩議員)地域防災について伺います。
まず、本市の土砂災害防止対策についてお聞きします。
8月後半、広島県広島市、北海道礼文町で相次ぎ局地的な豪雨により土砂崩れが発生し、多数の住宅がのみ込まれるなどして、多くの人命が奪われました。日本中でいまだかつてない規模の豪雨の被害が続いており、今後も局地的集中豪雨は本道も含めて増加傾向にあるそうです。一方で、新たな宅地開発が進み、土砂災害の発生するおそれのある箇所も年々増加し続けています。自然災害が少ないと言われている本市でも、いつ起きても不思議ではないと考えるべきです。
そこで、現在見直し中の市地域防災計画に今回の災害の反省を反映させ、市民の安全をより確実に守れるよう、幾つか質問をいたします。
本市には土砂災害の危険のある区域がほかの自治体に比べても多数存在していますが、いまだに、国が示す土砂災害危険箇所であるにもかかわらず、土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域に未指定になっている地点があるとのことです。未指定の理由等は報道されていますが、私がお聞きしたいのは、その地域周辺の住民は、たとえ指定されていなくても、実際には自分たちの地域が警戒区域、特別警戒区域相当の危険な場所だとわかっているのでしょうか。市の対応をお聞きします。
市は警戒区域について避難経路などを記したハザードマップを作成していますが、この周知方法はどうなっていますか。
また、その地域の皆さんの避難準備などの防災意識等について調査はありますか。
今回の広島市の災害でも、過去に同様の被害がありながら、危険だと思っていなかった、自分のところは大丈夫と思い込んでいたようです。あまり災害の発生していない本市の場合、いったん発生すると、住民も当局側も大きな混乱が予想されます。そうならないための準備を入念に進めておくべきと考えます。
続いて、実際に災害の発生のおそれがある場合についてお聞きします。
本市における避難勧告や指示を出すまでの判断手順を示してください。
また、その発令基準はどうなっていますか。
また、その判断の材料となるデータや情報は何でしょうか。
今回の広島市でも情報データは示されていたはずですが、勧告を出すのが遅れています。その理由はさまざまあるようですが、同じ轍を踏まないための本市の対応をお聞かせください。
今回のように未明の睡眠時に災害に襲われると、被害が甚大になります。本市計画では、こういう事態に対応しているでしょうか。
他県でも始められている予防的避難の考え方も参考になると思います。夜間に大雨が心配される場合、自治体が夕方から避難所を設け、自主避難を呼びかける方法ですが、たとえ空振りに終わっても、住民の危機意識を高める効果があるそうです。
今回の他地域の大災害から、国や道もこれまでの防災対策にさまざまな変更を考えているようですが、市の防災体制や見直し中の地域防災計画への反映や見直しはこれ以外で考えておられますか。あればお示しください。
次に、津波避難計画についてお聞きします。
先月末に日本海側における大規模地震に関する調査検討会が公表した津波の高さの推計で、本市に押し寄せる津波は平地最大津波高が3.9メートル、全海岸線最大津波高は6.1メートル、高さ30センチの津波の到達時間が最短で24分と発表されました。これは2010年の最大津波高予測値3.5メートル程度を大きく上回る数値です。以前より、最新の予測値が出た段階で浸水予測図の更新等を行うとのことでしたが、市内の浸水区域の変更やそれによる被害予測、各町会の避難対応の変更や訓練内容等、その他多くの影響が出てくると思いますが、予測値の変更による津波避難計画への影響や今後の対応についてお答えください。
次に津波等、大規模災害時の観光客への防災対応についてお聞きします。
市民をさまざまな災害から守るための防災計画はもちろん大切ですが、本市を訪れるたくさんの観光客を対象とした防災対応はどうなっているのでしょうか。
改めて見てみますと、運河、堺町はいずれも標高5メートル以下で、小樽市を訪れる観光客の大半が津波浸水区域にいることがわかります。観光客は災害弱者であるという認識が必要です。地の利が全くない、知り合いもいません。特に外国人観光客は言葉も不自由です。
昨年度、本市の観光入込客数は710万7,700人、このうち一番少ない4月でも1日平均1万3,000人、多い8月では1日3万人もの観光客が訪れています。災害発生時、少なくてもこの何割かの対応が必要になります。
そこでお聞きします。災害発生時の観光客の避難計画、特に津波発生の際のものはありますか。
発生時、観光客の皆さんは、実際にどういう動きになると予想されていますか。
また、現時点での対応、例えば事前の周知方法、避難誘導方法、発生情報や避難先情報、その後の帰るための交通手段など情報発信方法、伝達手段はどうなっているでしょうか。
今後に向けて、早急に小樽市地域防災計画に観光客の防災対応をのせていくべきです。道外観光地では、全国に先駆けて観光客の対応を明文化することで不安を軽減するとともに、イメージアップ効果を期待しているところもあります。本市もぜひ取り組むべきと考えますが、いかがですか。
この項最後に、原子力防災計画について伺います。
青森県大間町で建設中の大間原発をめぐり、函館市は、国と電源開発株式会社に対し、設置許可の無効確認や建設差止めを求める訴訟を起こしました。東日本大震災の前から同様の裁判は全国にありますが、自治体が原告になるのは初めてです。国はこれに対して、地方自治体の存立を維持する権利を憲法が保障したものではない、また、自治体は住民ではないから訴える資格がないと主張し、中身の論争に入らずに訴えを却下するように求めました。本州最北端に当たる大間原発から函館市域までの距離は最短で23キロメートル、しかも間は津軽海峡で遮るものがないので、事故が起きた際の風向きによっては、27万5,000人の市民を抱える函館市は、自治体が崩壊するほどの壊滅的被害が現実のものとなります。
工藤壽樹函館市長は、「私は、函館のまちを守り、そして市民の安全安心を守るため、万やむを得ず訴訟を提起いたしました」と、意見陳述の中で述べています。市民の安全や自治体の存続に主体的に決断し、動き始めている函館市の姿勢について、中松小樽市長はどのような見解をお持ちですか、お聞かせください。
私たちは、原発事故が起きると自治体が機能しなくなる、つまり自治体の命が失われてしまう事態を目の当たりにしました。地方自治体の存立を維持する権利を今や実体ある権利として扱うべきだと思いますが、地方自治体の存立を維持する権利、地方自治権や市の所有権、財産権について、本市の基本的お考えをお示しください。
工藤函館市長の主張を見れば、根底に地方は国が決めたことに無条件に従わなければならないのかとの問題提起があるのだと感じます。国は、原発から半径30キロメートル圏内の自治体に原発の建設再稼働の同意権を認めず、一方では避難計画の策定を課しています。自治体の権利を否定しておいて、義務ばかりを求める国の理不尽さ。今回の場合、原発を具体的な論点としていますが、市長はこの論点で国と地方の関係性についてどのように受け止められますか、見解をお聞かせください。
原子力規制委員会は、九州電力川内原発について、新規制基準に適合するとして、事実上、再稼働審査合格としました。しかし、審査にかかわって田中俊一委員長は、規制基準による適合性審査を絶対安全を保証するものではない、再稼働の判断にはかかわりませんと発言。一方、安倍首相は、世界で最も厳しい安全基準にのっとって規制委が審査し、安全と結論が出れば再稼働を進めていきたいとして、みずからは再稼働に関して判断を行わず、政権としての判断責任を曖昧にして、あとは地元同意が整えば再稼働可能としています。
これに対して中松市長は、7月17日の報道では、北電泊原発再稼働について、原子力規制委員会の結論に基づき、国に総合的に判断してほしい。また、本年第1回定例会、我が会派の斎藤博行議員への答弁で、泊原発について安全でありますと規制委員会が話し、国もそれについては安全だというふうに認めました、その上で進めていただきたいと述べておられます。残念ながら、中松市長の思いと違い、規制委員会は絶対安全とは言っていませんし、国は判断責任を放棄しています。
このような状況では、これまで市長が求めてきた泊原発再稼働後の絶対安全は誰も保証していないことになります。やはり市長としては、北電泊原発再稼働について、自治体の長として市民の安全を守るために主体的に判断されるべきではありませんか。その際、即廃炉とは言わなくても、最低限、原発事故の際のきちんとした市の対応ができるまでは再稼働は認められないと主張できるのではありませんか。見解をお聞きします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、地域防災について御質問がありました。
初めに、本市の土砂災害防止対策についてですが、まず土砂災害警戒区域等の指定がされていない土砂災害危険箇所周辺の住民が危険な場所とわかっているかということにつきましては、これまで市民の方が土砂災害危険箇所を知るには、北海道が作成した土砂災害危険箇所図を市建設部都市計画課で閲覧する方法と北海道のホームページで確認する方法がありましたが、今回の災害を踏まえ、公共施設内に図面を新たに掲示するほか、危険箇所図を閲覧できる北海道のホームページのアドレスを本市のホームページ上に掲載したいと考えております。
次に、ハザードマップの周知方法や地域住民の防災意識などにつきましては、警戒区域の指定後、区域内の各戸へ配布するほか、町会で回覧を行うとともに、小樽市のホームページに掲載しております。
また、ハザードマップには土砂災害の予兆現象や気象情報に関する内容を記載し、注意喚起に努めておりますが、警戒区域内の方への意識調査は実施しておりません。
次に、避難勧告等の発令基準などにつきましては、現在の地域防災計画では、災害対策本部長である私が気象庁と北海道が共同で発表する土砂災害警戒情報のほか、過去の土砂災害の発生状況や予兆現象などを総合的に分析した上で判断し、避難勧告等を発令することとしております。
次に、勧告を出すのが遅れないための本市の対応についてですが、北海道では本年8月に国が策定したガイドラインを踏まえ、市町村の参考となるように避難勧告等の判断・伝達マニュアル(案)を作成しております。これは、土砂災害警戒情報などが発表された場合に市町村が避難勧告等を発令するための判断基準を示して、判断が遅れないことに着目したものとなっております。
本市ではこの案を参考に、年度内をめどにマニュアルを作成することとしておりますが、この間の災害には道のマニュアル(案)に準じ、勧告等の発令が遅れることのないよう対応してまいりたいと考えております。
次に、未明の災害対応につきましては、本市地域防災計画ではその対応についての計画はありませんが、今回の災害を踏まえ、予防的避難の方法など、他の自治体が行っている手法などについて研究してまいりたいと考えております。
次に、今回の災害を踏まえた防災体制や地域防災計画の見直しにつきましては、今後、国においてさまざまな角度から今回の土砂災害が検証されると思われますので、その結果を参考に地域防災計画の見直しを行っていきたいと考えております。
次に、津波避難計画についてですが、まず津波の予測値の変更による津波避難計画への影響などにつきましては、今後、北海道が作成する津波シミュレーションによって、小樽市内の各地区における津波遡上高や到達時間の詳細が判明することとなりますことから、これらを踏まえた津波避難計画を新たに地域防災計画に位置づけてまいります。
次に、観光客の避難計画につきましては、現在は多言語表記した津波注意喚起標識などを沿岸地域に計画的に設置しておりますが、観光客の避難を目的とした計画は作成しておりません。
次に、災害発生時の観光客の動きにつきましては、災害による動揺や地理に詳しくないことから生じる不安により、多くの方が的確な避難行動をとれないことが想定されます。
次に、観光客に対する情報発信方法や伝達手段につきましては、現時点ではこれらの対応について明確な計画は整っておりませんが、観光マップへの避難所の表記など、国内外の観光客に向けた対策を検討してまいりたいと考えております。
次に、小樽市地域防災計画における観光客対策につきましては、今後、策定する津波避難計画の中に国内外からの観光客に対応した内容も盛り込んでいきたいと考えております。
次に、原子力防災計画についてですが、まず函館市の姿勢につきましては、函館市においては福島第一原発事故後、防護対策を講ずる区域が拡大され、函館市が原子力防災計画の策定義務を負うにもかかわらず、国や事業者から説明などがない中で建設工事が再開されたことは理解しがたいこととして、今回の提訴に至ったものと承知しております。この建設工事の中止については、北海道市長会でも国へ要請をしてきたところでありますが、函館市が自治体として全国で初めて提訴に至ったことについて、国や事業者は重く受け止め、慎重に対応すべきと考えております。
次に、地方自治権及び市の所有権の基本的な考え方につきましては、一般論としてお答えしますと、地方自治法上、地方公共団体には法人格が付与され、特に市町村は基礎的な地方公共団体として、地域における事務などを処理することとされておりますので、地域のことは地域で決める、いわば自治権は地方公共団体に可能な限り幅広く認められるべきと考えております。
また、地方公共団体は一法人として財産を所有する権利を有しておりますが、その財産に急迫の危険がある場合には、市民共有の財産という観点からしましても、必要な保全措置をとらなければならないと考えております。
次に、国と地方との関係性につきましては、これについても一般論となりますが、平成12年施行のいわゆる地方分権一括法により、国と地方との関係は、制度的には対等協力の関係に改められたものと認識しております。あわせて、役割分担の明確化も図られましたことから、原子力を含むエネルギー政策は、国の専管事項として、避難計画の策定は地方公共団体の事務として考えられます。
次に、泊原発の再稼働についてですが、原発の安全性については、やはり国の責任においてしっかり判断をしていただくということが必要だと考えており、規制委員会も含め、国が一元的な責任を持っているということは当然のことであると考えております。
また、本市は原子力防災計画の策定を義務づけられた自治体ではありませんが、地域防災計画の中に原子力災害対策を盛り込むこととしており、規制委員会で再開する原子力災害事前対策等に関する検討チームによるUPZ外におけるプルーム通過時の防護措置実施の範囲及び判断基準についての検討結果なども踏まえ、作業を行ってまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)17番、佐々木秩議員。
(17番佐々木秩議員登壇)
○17番(佐々木秩議員)次に、人口問題についてお聞きします。
日本創成会議がまとめた将来推計人口の発表は、特に自治体関係者にとって衝撃的な内容でした。今年7月末の小樽市の総人口は12万5,875人、20歳から39歳の女性人口1万1,049人ですが、日本創成会議の推計では、2040年総人口6万6,696人、同年代の女性人口は4,404人となっています。総人口の減少も大きいですが、20歳から39歳の女性人口の変化率が2010年と比較してマイナス66パーセントと、出生率に大きく影響することが指摘されています。
また、平成25年小樽市住民基本台帳では、本市の人口は前年比で2,210人の減で、このうち自然減が1,281人、社会減が929人となっており、減少割合の拡大も気になるところです。
しかし、人口問題は今に始まったことではなく、今回初めて気づいたということでもありません。本市第6次総合計画基本構想でも、将来人口については厳しい状況にあることを認め、その対策は最も重要な課題の一つとして押さえ、そのために各施策を展開していくことで人口減少を最小限にとどめるよう努めるとしています。
私たち民主党・市民連合も、日本全体が2008年をピークに人口減少社会に転じた今、将来的に本市の人口減少も避けられないとの判断に立ち、これを前提にして本市の未来を描くこと、ただし人口の急減と偏った人口年齢バランスは多大な悪影響を市全体に及ぼすので、これを回避、改善する施策を策定、実行すること、そして将来、市民が適正な規模のまちで豊かな生活が営める道筋をつけることが今の私たちの世代の役割だと考えます。
まず、来期の市長選に出馬表明をされ、引き続き市政を担われる決意を示された市長は記者会見で、人口減問題は小樽の最重要課題、全産業にかかわる重要問題と述べられたそうですが、改めて本市の人口問題についての認識と、この問題に取り組む姿勢や覚悟についてお聞かせください。
その上で、前定例会でも表明されていた人口減少の原因や対策を考える人口対策庁内検討会議を設置されましたが、その具体的な整理・検討内容と、その際の手法等をお示しください。
それについては、既存の施策の並べ直しや総花的な羅列では実効性につながらない、これまでの施策の実効性について検証すること、できればその効果を客観的に表すこと。判断資料として、人口についてはビッグデータの活用等で数値や客観的情報による説得力のある結果を提示すること、他市の例ばかりでなく、地域に根差した本市の独自の視点、工夫等から生まれるこれまでにないアイデア、施策も視野に入れることなどについて考慮をいただきたいのですが、どうでしょうか。
これまで我が会派も、結果として人口対策となるさまざまな提言をしてきました。周産期医療の充実や子供・子育て支援、子供の貧困対策、教育環境や若者の労働教育、雇用問題、住環境にかかわって空き家バンクの創設、地域交通、高齢者の足としてのデマンドバスの導入など、これらは人口減少対策として、組合せ方によって有効な手だてになると考えています。
また、市のこれまでのさまざまな事業についても、その進め方や連携によって、同様若しくはそれ以上に人口減少対策になり得るものでしょう。
ただ、逆に見ると、これまでいろいろやってきている方法でも、人口減に歯止めをかけていないという見方もできます。単なる施策の並べ直しにならないよう、重ねてお願いするものです。
続いて、検討会議の中で、今後の施策の方向性をこの会議で取りまとめるとのことですが、先行してこの問題に取り組んだ自治体の例をホームページ等で見ますと、人口問題は数字に表れるのに時間がかかるのかもしれないのですが、同様の会議で検討して、施策にその結果を反映させるという手法で成功した例がなかなか見つかりません。効果が表れない理由の一つは、中高年目線の対策ばかりで若い世代の考えとずれていることが挙げられます。経済面の対策はもちろん重要ですが、それに偏りすぎて、実際のターゲットである若者世代の生の声に必ずしも一致していないのです。若者のライフスタイルは、仕事や収入のあるなしだけではなく、文化的側面や友人たちとのコミュニティも大きな要因になります。職場は札幌でも、住む、遊ぶは小樽ということもあり得るのです。
よって、若者の実際の声をしっかりと受け止めて、方向性を定めることが重要と考えます。例えば、庁内の若い男性、女性の職員の意見を反映させる仕組みを組み込むことや、成人式を迎える若者に小樽について意識アンケートを行うこと、さらに人口問題について考え、二十歳の提言をしてもらうなどはどうでしょうか。今の若者は、社会参画に前向きです。ぜひ、ともに小樽の将来を議論する場を設けてほしいと要望します。
続いて、庁内検討会議の検討結果を受けて設置される、官民による小樽市人口対策会議について伺います。
そのメンバー構成について、経済団体などの民間メンバーとのことですが、そのほかはどういう方を想定していますか。客観的、専門的にデータや情報、庁内検討結果を扱える小樽市外の専門的知識をお持ちの有識者や郷土愛のある提言を行える市民、そして若者の代表の参加が重要な鍵になると考えます。
また、国や道がこの人口問題について検討を始めています。国は来年度の予算編成でこの問題に対応していくようですし、道は市町村が参加して地域づくり連携会議での意見聴取や有識者会議の設置などを始めています。これら国や道の動きと本市の独自の今回の取組の関連性、整合性はどうなりますか。
この項最後ですが、総合計画内の将来都市像では具体像まで踏み込んでいませんが、将来人口推計から導かれる本市の将来像、ビジョンがどのようなものになるのか示していくべきです。そこから、まちの適正な規模に向けて今何をすべきかが見えてくるのだと思います。市税収入減などのマイナス要因等、限られた枠の中で何をすべきで何ができないのか、自治基本条例に基づき、市民の皆さんとしっかり論議をしながら決めていくべきと考えます。これらについて市長はどうお考えですか、見解をお聞かせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、人口問題について御質問がありました。
初めに、本市の人口問題についての認識とこの問題に取り組む姿勢や覚悟につきましては、本市の人口は昭和39年をピークに減少が続き、国立社会保障・人口問題研究所の推計では今後も大きく減少することが見込まれるほか、昨年1年間が2,210人と、ここ数年では大きな減少数だったこともあり、まちの活力への影響などから、改めて人口対策は本市の重要な課題であると認識しております。
このことから、このたび立ち上げた人口対策庁内検討会議の座長は私が務めており、現在、各部に減少要因の整理や人口対策の検討を指示したところであります。最終的には、民間も含めた小樽市人口対策会議での御意見等を踏まえながら人口対策を取りまとめ、施策へ反映していくこととしております。
次に、人口対策庁内検討会議の具体的な整理・検討内容につきましては、人口減少の要因とこれまでの取組の整理といたしましては、国勢調査、住民基本台帳人口などの統計資料のほか、出生や雇用に関する指標などを基に人口動向について分析を行うとともに、これまで取り組んできた人口対策の内容について整理したいと考えております。
今後の施策の方向性や事業案の検討といたしましては、人口減少の要因とこれまでの取組を踏まえ、他都市の事例等も参考としながら、本市の現状に即した効果的な施策や事業を検討してまいりたいと考えております。
また、その手法につきましては、関係各部で検討した結果を基に議論を深め、庁内会議で取りまとめを行うこととしております。
次に、人口対策庁内検討会議で整理、検討すべき内容や手法等に関しての御提案につきましては、人口減少はさまざまな要因が複雑に関係する複合的なものであり、人口の減少に歯止めがかかっていない状況の中で、これまで行ってきたそれぞれの取組についての効果を具体的に検証することは難しいと考えておりますが、人口の減少要因については、できるだけ多くのデータから整理を行い、今後の施策や事業について、本市の現状や特性を生かした取りまとめをしてまいりたいと考えております。
次に、若い世代の意見などの反映につきましては、手法の検討はこれからになりますが、意見や考え方などをお聞きすることは重要な観点だと考えております。
次に、小樽市人口対策会議のメンバー構成につきましては、一般公募の考え方も含めて、今後、庁内検討会議において検討してまいりたいと考えております。
次に、国や道での検討の動きと本市の取組との関連性や整合性につきましては、今後、国では、まち・ひと・しごと創生本部が中心となり、地方活性化と人口減少の観点から対策が検討され、新年度予算に向けた調整、取りまとめを行うものと聞いておりますが、本市において活用できる施策などについての動向をきちんと見ていく必要があると考えております。
また、北海道では、今後、人口対策の本部を設置し、市町村との連携を図りながら対策を講じていくと聞いておりますので、今後は、国、北海道、市町村が連携と役割分担をしながら、人口対策の取組を進めていくことになるものと考えております。
次に、将来都市像やビジョンの提示と、その実現に向けて市民の皆さんと議論しながら決めていくべきとのことにつきましては、将来都市像は市民意向調査のほか、地区別や業種別の懇談会などでの議論を踏まえ、将来的な人口の減少を想定した上で、現在の総合計画においてお示ししているものであります。
また、人口問題は産業活動に密接にかかわることでありますので、今回の人口対策を検討するに当たって、庁内だけではなく、民間の方々の意見を取り入れながら対策を検討することが重要と考え、経済団体などの民間の方々にも参画していただく、官民による人口対策会議を設置することとしたものであります。
○議長(横田久俊)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)17番、佐々木秩議員。
(17番佐々木秩議員登壇)
○17番(佐々木秩議員)教育に関して幾つかお聞きします。
まず、学校における食物アレルギー対応についてです。
学校における食物アレルギー対応の進め方については、今月に入り、道教委の指針の素案が出たとお聞きしました。教員からは、現場でのさまざまな対応を不安視する声をいただいております。また、小樽市学校給食センターのアレルギー除去食について、早めの提供を求める要望を保護者の方から伺っています。その観点からお聞きします。
この指針素案の示された理由、意義と、具体的な内容で特徴的なことは何ですか。
特に、食物アレルギーを有する児童・生徒への対応については、学校生活管理指導表を提出することが義務づけられるようですが、どのようなものなのかお示しください。
学校医など医療関係者や消防機関との定期的な協議で、アレルギーを有する児童・生徒の情報を共有することが求められています。指針素案では、どのような内容になっていますか。
学校給食センターでの対応についてお聞きします。
アレルギー除去食のうち、本センターでは卵除去食に対応した専用ラインが設置されていることは承知していますが、その提供は指針が出てから対応を検討するとのことです。今回、指針素案が出て、検討すべき点や準備等が明らかになったと思いますが、現段階で示すことのできる点はありますか。
学校給食センター内はもちろんですが、学校側の受入れ対応準備等もあると思いますが、どうでしょう。
また、提供開始時期については、いつごろになるでしょうか。
続いて、ICT機器の導入について伺います。
本年度、市内小学校全校に導入したICT機器の一つ、実物投影機は、そのアナログ的な使い方ができる点で取っつきやすさが魅力ですし、何よりアイデア次第でいろいろな教育効果が期待できるものです。教員を対象とした研修講座も開かれ、活用が期待されるところです。
そこで、導入後の活用状況、その効果、児童・生徒の反応、教員の活用上の工夫等についてお聞かせください。
また、指導室で活用のための教職員用資料をつくったとお聞きしましたが、概要をお示しください。
ICT機器活用の今後の展開、新しい機器導入の予定はお考えでしょうか。
電子黒板、タブレット等の活用例はあるようですが、本市においては、まず実物投影機の普及と、その映像を映し出すプロジェクター又は今も大半が使用しているブラウン管テレビを画面の大きい液晶テレビへの更新を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
3点目に、教職員の多忙化解消についてお聞きします。
OECDが34か国・地域の中学校を対象に実施した国際教員指導環境調査で、日本の教員の1週間当たりの勤務時間は最長53.9時間、参加国平均では38.3時間だそうです。授業時間は参加国平均と同程度である一方、課外活動での指導時間が特に長く、事務業務、授業の計画・準備に使った時間は長いとのことです。
また、海外の教員に比較して、公式の初任者研修に参加している割合が高く、教員間の協力の下、授業研究の実践や校内研修が盛んに行われており、研修へのニーズが全体的に高いが多忙であるため、参加が困難な状況にあるという結果です。
一方、学級の雰囲気について、「生徒が授業を妨害するため、多くの時間が失われてしまう」「教室内はとても騒々しい」が、参加国中、一、二番目に低いと良好です。ところが、主体的な学びを引き出すことに対して自信が低く、ICTの活用等の実施割合も低いとなっています。
このような教員多忙化の実態は、なかなか市民の皆さんには御理解いただけないのですが、おおむねこの調査のイメージや実態は、市内の小・中学校教員大半に当てはまる結果だと私は思います。教員の多忙化解消は、単に教員の負担軽減のためだけではありません。それにより教員が心身ともに全力で子供たちに向き合えるコンディションを整えた上で、子供たちにより時間をかけて真剣に向き合い、また本務である授業に時間と力を注げるようにすることこそ、教員の教育力を向上させる原動力となり、それが今後の教育の土台になると考えます。
授業以外のさまざまな課題の解決や指導が望まれ、膨らむ役割と責任、増えない人手、この不均衡に歯止めをかけないと、早晩、教員も児童・生徒ももたなくなります。やはり本務授業以外の事務や調査、文書報告、会議、部活動などが多すぎます。多岐にわたる公務に追われると、肝心のいじめなど、迅速さと細心の注意を要する問題に対応しきれないおそれもあり、本末転倒です。
多忙化の原因解消のため、教育委員会が出す学校への依頼文書の精選や事務の効率化などをさらに進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
文部科学省は2012年度、心の病で退職した教員が全国で969人、休職者が4,960人に上ると発表しました。世界一多忙とされる教員の環境改善の必要性が指摘されていますが、市内の精神疾患の教職員数について、過去3年分と全教員に占める割合をお示しください。
原因は職務との関係ばかりとは限らないでしょうが、その対策は必要と考えます。お聞かせください。
年次有給休暇は規定どおり消化されていますか。平均使用日数の変化をお示しください。
教員の職業倫理でどうしてもとりづらいのですが、年休休暇行使率向上は市教委や管理職の責任で行うものと認識していますが、いいでしょうか。
これらのことは文部科学省や道教委の対応が求められる部分が多いのですが、市教委の主体的な取組も重要です。今後の対応もよろしくお願いいたします。
最後に、児童・生徒のネット上のプライバシー保護について伺います。
約2,260万件の個人情報が外部に漏れたベネッセホールディングスの顧客情報流出事件、そのかなりの量は子供の個人情報です。情報管理について改めて問われています。
小樽市立小・中学校におけるインターネット利用に関するガイドラインがあり、学校から発信される情報について、児童・生徒のプライバシーは守られていることになっています。市教委のホームページからつながる各学校のホームページを見ると、使われている写真等には個人が特定できないような配慮がされています。しかし、一部個人名がフルネームで載っているなど、若干の注意が必要な事例が見られます。ネットパトロールにかかわる方は、特に中高生の個人情報はその世界では格好のターゲットになっているとのことであり、万が一の際、ベネッセなどから流出した情報とこれらを組み合わせると、特定個人のプライバシーがかなりの部分暴かれ、一瞬で個人情報がネット上で拡散し、半永久的に消去できなくなってしまいます。もう一度確認や対応が必要と思いますが、いかがでしょうか。
また、問題点として、外部からの訪問者や保護者、関係者、生徒自身が生徒の様子や行事等を写真撮影し、無意識、無配慮に写真をネット上にアップしてしまう事例や、個人名等の個人情報がたぶん本人の了解もないまま載っている事例が大量に見られます。これについては、私たち議員もその扱いに気をつけなければと自戒するところです。
そこでお聞きしますが、市教委は、このような状況を把握されていますか。
また、学校等において、学校だよりや行事の際の呼びかけや注意喚起等、何らかの対応が必要ではありませんか。
あらゆる個人情報の提供を控えようという過剰反応の強まりも懸念されていますが、事子供に関する個人情報については、これからの長い将来にかかわる問題となるため一層の配慮が必要と考えますが、いかがでしょうか。
以上、再質問を留保し、民主党・市民連合の代表質問を終えます。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)佐々木秩議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、教育に関して御質問がありました。
初めに、食物アレルギー対応についてですが、道教委が学校における食物アレルギー対応の進め方の指針素案を示した理由と意義についてでありますが、文部科学省は平成20年に示した学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインで求めた対策が浸透していないため、本年3月に都道府県の教育委員会に対して、より実効性のある食物アレルギー対策を講ずるための指針を示すよう通知を発信、これを受けて道教委が指針を作成することで、市町村や学校における取組の徹底を図ることとしたものと承知しております。
また、これまで市町村や学校によってばらつきがあったアレルギー対応を、指針を示すことで全国同一レベルの対応が徹底される意義は大きいものと考えております。今回の指針素案の特徴は、医師の診断に基づく学校生活管理指導表を提出することでアレルギー対策に万全を期することや、アナフィラキシーショックなどの緊急時の対応をマニュアル化することで、児童・生徒の安全・安心を確保しようとするものと考えております。
次に、学校生活管理指導表についてでありますが、気管支ぜんそく、食物アレルギー、アナフィラキシーなどの病型・治療に関することや、運動・屋外活動・給食など学校生活上の留意点について、医師が診断に基づき記載するものであります。
次に、医療関係者や消防機関との定期的な協議による情報共有についてでありますが、道教委の示した指針素案では、教育委員会は学校関係者、医療関係者、消防関係者等の関係者と定期的に協議の場を設け、市町村の学校の調理場等の施設設備や人員配置、アレルギーを有する児童・生徒の情報について、関係者間で共有する必要があるとしております。教育委員会としては、アレルギーがある児童・生徒がアナフィラキシーショックを起こした場合の対応について、今後、保護者の同意を得た上で、学校、医療機関、消防署等の関係機関との情報共有を図るため、その内容や方法などについて協議を進めてまいりたいと考えております。
次に、食物アレルギー対応に関して現段階で検討すべき点や準備などについてでありますが、現在、卵アレルギー除去食の検討を行っておりますが、学校給食センターとしては、調理作業の確認や対象の児童・生徒に届けるための体制整備が課題となっております。
また、学校内の体制としては、除去食が対象児童・生徒に確実に届くまでの手順や緊急時の対応マニュアルの整備が課題であり、校長会などと早急に協議を進めてまいりたいと考えております。
次に、卵除去食の提供開始時期についてでありますが、道教委の指針が9月に公表されますので、その指針に基づいて、食物アレルギーの対応のための校内の体制整備、学校給食センターでの調理作業の確認、保護者への説明などの作業を行った上で、2学期中に除去食の提供を開始したいと考えております。
次に、ICT機器の導入についてですが、まず実物投影機を導入した小学校での活用状況やその効果などについてでありますが、本年度導入した9校の活用状況は、毎日使用している学校が7校、週一、二回程度使用している学校が2校であり、いずれの学校も教科を限定せず、どの学年でも使用しております。児童からは「授業がおもしろい」「わかりやすい」などの声が寄せられており、また、教員からは「指示が明確に伝わりやすく、児童の集中力や定着度に高まりが見えるようになった」との効果が報告されております。学校の配置台数が1台から2台と限られているため、それぞれの学校で低学年を優先したり、学年により使用時期の順番を決めたり、使用頻度が高い高学年の階に保管したりするなど、子供たちの学習内容や使用の状況に応じ、工夫をしているとの報告を受けております。
次に、教育委員会で作成した教職員用資料についてでありますが、本市では操作が簡単で学習効果にすぐれている実物投影機を使って授業改善を行うことにより、児童・生徒の学力向上が期待できるものと考え、今年度、各学校で少なくとも1台配置することを基本に実物投影機を導入いたしました。この教職員用資料は、ICT機器の特色について簡単に紹介するとともに、実物投影機を活用した授業の効果や使用方法について、カラー写真を使い、わかりやすくまとめたものであり、この4月に市内全教職員に配付しております。
次に、ICT機器活用の今後の展開と新しい機器の導入についてですが、現在、小樽市では平成25年度に中学校の校務用パソコンの整備が終了し、引き続き、今年度より小学校の校務用パソコンの整備を進め、平成28年度に全ての小・中学校に整備することとしております。
また、実物投影機につきましては、昨年度、高島小学校に新しい学校づくりの一環として3台配置し、授業改善に大きな効果が見られたことから、今年度、全小学校に少なくとも1台の整備を行うこととしたものであります。
今後の展開につきましては、これらのICT機器の配置に伴う効果を検証するとともに、教職員の活用技術の習得を進めながら、新しい機器の導入も含め、整備の進め方について検討してまいりたいと考えております。
次に、実物投影機などの普及とテレビの更新についてですが、実物投影機につきましては、現在プロジェクターとセットで購入し、スクリーンに映し出して活用しております。この実物投影機はブラウン管テレビへ直接接続して使用できますが、画面が小さく見づらいため、ほとんどの学校ではスクリーンを活用しております。今回、初めて手宮地区統合小学校の改築にあわせて大型液晶テレビを導入しますが、ここでは実物投影機に接続し、各教室で授業に使用することが可能と考えております。
なお、大型液晶テレビの整備につきましては、多額の費用を要することもあり、今後、本市の財政状況を見極めながら検討してまいりたいと考えております。
次に、教職員の多忙化に関連して御質問がありました。
まず、多忙化解消のため、教育委員会から学校への依頼文書の精選や事務の効率化についてでありますが、市教委の各種調査事務を学校依頼する場合には、学校の負担軽減を図るため、庁内他課で同様の事務があるかを確認しながら、調査項目を精選するなどの対応に努めております。
また、事務の効率化につきましては、平成22年度から年次計画で校務用パソコンを整備しており、現在、中学校においては、教育委員会と学校の文書伝達をインターネットを活用して迅速化を図るとともに、校内LANによる情報の共有化を進めております。今後、小学校のパソコン整備にあわせ、順次、事務の省力化を図るなど、教職員の多忙化解消に努めてまいります。
次に、本市教職員の過去3年間の精神疾患による休職者数と全教職員に占める割合についてですが、平成23年度は休職者数9人で、全教職員の1.3パーセントであります。24年度は8人で1.2パーセント、25年度は7人で1.0パーセントとなっております。
次に、教職員のメンタルヘルスに関する取組についてでありますが、まず各学校では、メンタルヘルスに関する研修会を開催するとともに、生徒指導上の問題や保護者への対応については、校長、教頭を含め複数で対応することや、管理職が日常、職員の態度の変化に意を配るよう努めております。
また、市教委では、教職員の日常の健康管理に関する相談を行うための健康管理医を各学校に配置することや、児童・生徒の指導に当たる教職員が指導上の悩みを抱え込む事例が見られることから、7名のスクールカウンセラーが各学校を巡回し、相談や助言の体制の整備を行っております。
また、道教委では、管理職が教職員の心の健康を適切に保持するための役割や配慮事項を解説した管理監督者のためのメンタルヘルスハンドブックを全校に配付するとともに、専門医による心の健康相談を全道8地区で月1回程度行っております。
次に、本市の教職員の過去3年間の年次有給休暇の平均使用日数についてですが、平成23年度は13日と4時間、24年度は14日と7.4時間、25年度は13日と2.6時間となっております。
次に、年次有給休暇の使用率向上についてでありますが、道教委の通知に基づき、市教委としても、毎年、各学校長に連続した休暇の使用促進や年次有給休暇・夏季休暇の使用促進について積極的な取組を進めるよう通知するなど、年次有給休暇の使用率向上に努めております。
次に、児童・生徒のインターネット上のプライバシー保護についてですが、まず小樽市立小・中学校におけるインターネット利用に関するガイドラインの内容などについてでありますが、ガイドラインは平成13年に定め、小・中学校でインターネットを利用する上での留意事項など11条で構成されており、第7条では個人情報の発信とその範囲が示され、「インターネットを利用した児童生徒及び関係者の個人情報の発信は、校長が教育活動のために必要と認めた場合に限るものとし、発信された個人情報により本人が不利益を被ることがないよう、必要な対策を講じなければならない。」と定めております。近年、各学校のホームページには一部個人の名前がフルネームで掲載されたり、個人が特定されるような写真を使用するなど、ガイドラインにそぐわないものも見受けられますので、今後、校長会を通じ、ガイドラインを踏まえ対応するよう、指導の徹底に努めてまいりたいと考えております。
次に、外部からの訪問者が児童・生徒を撮影した写真を本人の了解なしにインターネット上にアップしていることなどへの対応についてですが、教育委員会として、学校行事などにおいて外部からの訪問者が児童・生徒の写真などを撮影し、それをどのように扱っているかについては承知しておりませんが、近年、児童・生徒の個人情報がインターネット上に流布され、事件に巻き込まれるなどのケースもありますので、ネットパトロール体験会や情報モラル教室などの機会を捉え、写真などを勝手に掲載することは著作権や肖像権の侵害につながることなどを伝えるとともに、外部からの訪問者には撮影した写真などの取扱いに十分注意を促すよう、校長会を指導してまいりたいと考えております。
次に、児童・生徒の個人情報に関する一層の配慮についてですが、教育委員会としては、第三者によりインターネット上に投稿された写真などが原因で児童・生徒が事件に巻き込まれたり、進学や就職などの内定が取り消されたりするなどの将来にわたっての大きな問題となるケースも考えられますので、個人情報の管理を徹底するよう指導してまいりたいと考えております。
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)17番、佐々木秩議員。
○17番(佐々木秩議員)何点か再質問をさせていただきます。
地域防災に限って再質問をさせていただきます。それ以外については、予算特別委員会でさせていただきます。
まず、1点目は、土砂災害警戒区域、特別警戒区域相当の危険な場所とわかっているところへの周知方法はどうなっているかということについての答弁では、閲覧できるようにしていたり、ホームページでアドレスを紹介するということでしたけれども、これはもちろん自分のところが危険な場所に相当するところだとわかっている人はそれを見ると思うと思うのです。だけれども、そもそも自分のところが危険なところだ、特別警戒区域、警戒区域相当の場所だと知らない人は、こういうものを見ようとはしないと思うのです。
ですから、私としては、もう一歩進んで、そういうお宅に訪問するなり、何らかの方法でアクセスして、そして直接あなたのところはこういう危険性があるので注意してくださいね、ついてはこういうものを見てくださいということが必要ではないかと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
2点目は、避難勧告、避難指示の発令についてお話があって、その中でいろいろな条件があり、情報や過去の発生状況や予兆現象などを総合的に分析した上でということで答弁がありましたし、現に防災計画の中には「総合的に分析した」という言葉が入っております。ただ、今回のさまざまな災害を見ますと、この「総合的に」の部分が曖昧だということで、判断が遅れて指示を出すのが遅れたという指摘がされております。この「総合的に分析した」という言葉は、果たして今度の見直しや何かのときにもやはり入れる必要があるのかどうなのか、その辺についての見解を伺います。
3点目ですが、観光客の避難については、これから考えなければならないということはわかりますが、ぜひ考えていただきたいことが1点あります。それは町会においても津波の避難訓練は各地域でやっていますが、例えば商店街と町会で、特に商店街の組合の皆さんが率先して、観光客を誘導するという視点の避難訓練をやるというようなことも将来的には必要なのではないかと考えますので、そういうこともぜひ視点の中に入れていただきたいという要望が三つ目です。
4点目ですが、これは市長に、原子力防災のところで何か答弁が困難なことばかり聞いているようで申しわけなかったのですけれども、一般論として地方と国は対等な関係にあることや財産権や自治権や何かについての答弁をいただきました。国に先んじる形で、30キロメートル圏外にもかかわらず原子力防災計画を策定することを表明されたのは、やはり市長が市民の安全を第一に考えられているからこそだと思うのです。それであれば、やはり今、立てた防災計画がきちんと実行される、それを実効性のあるものにすることが必要だと思うのです。今のままであれば、少なくともこの規制委員会の新規制基準の中には、避難計画というものは一切入っていませんから、たとえ圏内にしても圏外にしても避難計画ができていることは条件に入っていないので、計画ができていなくても再稼働は行われるわけです。
そういう状況の中でいけば、今、小樽においても30キロメートル圏外とは言いつつも、この計画がないままに再稼働が行われる可能性があります。その空白期間に、もし原発を再稼働するとなったときには、原子力発電所は稼働したときととめるときに一番事故が多いと言われていますので、動かした途端に事故が起きたら、小樽市は全く防災計画がないままに逃げ惑うということになってしまいます。ぜひ市民の皆さんの安全を第一に考えられる市長として、国に対して一元的というよりは対等な関係として、やはり市民の安全を第一に考えて、何らかの意思表示を国に対して主張をすべきだと考えますけれども、もう一度この辺についてお答えをいただければと思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)佐々木秩議員の再質問にお答えいたします。
私からは原子力防災について答弁をいたしまして、その他の災害については担当部長から答弁させます。
私は、特に泊原発の問題についてはいろいろな形で御質問を頂戴するわけですけれども、この再稼働についてはやはり原子力規制委員会が安全を確認するということが第一、それからそれに基づいて国が安全である、そういうことを踏まえて進めるということが一番ではないかというふうに何度も繰り返して答弁しており、現在もそれは変わっておりません。私は、その原子力につきましての知見、こういったことについてはなかなか判断が難しいということでありますので、やはり専門家であります原子力規制委員会がそういったことの安全を確認するということ、それに基づいて国が安全であるという確認をしたのであれば、それで進めていただきたいということを申し上げているのであって、ただ私どももこれからいろいろと計画をつくってまいりますので、その中で、30キロメートル圏外ではありますけれども、どういう形がいいのか、それは今後取り組んでいきたいと思っておりますので、御理解いただきたいと思います。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)総務部長。
○総務部長(迫俊哉)私からは、地域防災に関しまして、さきの3点について答弁をさせていただきます。
まず、危険区域を知らない方に対する周知というお尋ねでございますけれども、今回の答弁は、警戒区域や特別警戒区域については、基本的には北海道が指定するときに地域での説明会を行っております。その後、我々がハザードマップをつくって、地域の皆様に避難場所や避難経路を示していますので、むしろ土砂災害危険箇所が五百数か所ございますけれども、これが指定されたときに地域住民には周知されていないということがございますので、そこを重く考えているところでございます。
今、国でも今回の災害を受けまして、速やかに住民の方々に危険箇所を周知するようにということで指示をいただいていますので、今回答弁させていただいたように、市役所を含めた公共施設の中に土砂災害危険箇所図を掲示する、あるいは新聞報道によりますと、道では、昨日の新聞でしょうか、トップページに土砂災害の危険箇所を載せたということですから、今日、明日中には市のホームページもこれと連動させようと思っております。また、パネル展なども開催し、可能な限り、土砂災害危険箇所の周知については図ってまいりたいと思っております。
また、転入されてくる方々については、当然お住まいになるところが危険箇所かどうかわからないと思っておりますので、その対応についても検討していきたいと考えているところでございます。
次に、避難勧告や避難指示の発令について、御指摘のとおり、現在の小樽市地域防災計画の中では、土砂災害情報も含めていろいろなデータを総合的に分析した上で発令しようというのが基本的な考え方になっております。ただ、一方では国が指針を示しておりまして、避難指示の発令は早めにするというのが基本的な考え方として示されておりますので、私どもといたしましてはこの指針に基づいて今回マニュアルを策定していくこととしていますけれども、できるだけ速やかに避難指示なり勧告が発令できるように、総合的な分析というのはガイドラインの中にも入っておりませんので、それに準じてつくっていくことになりますと、「総合的な分析」という言葉については使わない方向で考えていきたい、できるだけ速やかに発令をしていくという考え方で進めていきたいと思っております。
次に、観光客に対する避難計画でございますけれども、先ほど答弁申し上げましたとおり、観光マップなどを使いまして、できるだけ周知をしていくような形で考えていきたいと思っておりますけれども、たしか京都だったかと思いますが、事業者の協力をいただきながら観光客を誘導しているという動きがあるようですので、そういった動きも参考にさせていただきながら、事業者なり関係団体とも協議をさせていただいて、対応を検討させていただきたいと思っているところでございます。
○議長(横田久俊)佐々木秩議員の会派代表質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後4時20分
――――――――――――――
再開午後4時45分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、会派代表質問を続行いたします。
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)6番、安斎哲也議員。
(6番安斎哲也議員登壇)(拍手)
○6番(安斎哲也議員)一新小樽を代表し、代表質問いたします。
3日の市長提案説明において、中松市長は、来春の市長選で再選を目指すことを表明されました。財政の健全化をはじめ、企業誘致や観光振興の推進などを通じて地域経済の活性化に精力的に取り組んだが、少子化を含んだ人口問題、公共施設の耐震化、防災対策など解決すべき課題が山積し、その課題解決に向けて取組を進めるという出馬理由を述べられました。ただ、今はまだ任期半ばであり、残された在任期間に全力を傾けるとのことです。
今回の代表質問では、中松市長が市政を担う中で、第一に取り組んでこられた財政問題をはじめ、2期目に向けて政策課題に挙げた人口減問題、広島市で発生した土砂災害に関連した災害対策、ドリームビーチに向かう市の管理道路で発生した飲酒事故を契機とした市内の交通安全対策について質問いたします。
まず、財政問題についてです。
小樽市の財政は、平成16年度の国の三位一体の改革による地方交付税と臨時財政対策債の削減で、実質収支で11億8,000万円の赤字を計上、財政調整基金と減債基金を全額取り崩し、この残高減少を受け、他会計や特定目的資金基金から借入れを行い、23年度には借入残高が54億8,300万円に上りました。さらに、病院事業会計、国民健康保険事業特別会計と一般会計との間で行っていた年度間の貸付けが、不適切な会計処理という扱いとなり、この不良債務の解消に相当苦労してきました。追い打ちをかけるように、新地方財政健全化法により、連結実質赤字比率という概念が導入され、早期健全化基準に抵触寸前までに至りました。今日まで職員給与費や事業見直しなど、さまざまな経費の節減による歳出削減を行うなどの努力を続け、平成22年度からは単年度黒字を計上し、24年度以降は他会計からの借入れをしない予算編成を行い、23年度以降は財政調整基金への積立てが復活、他会計からの借入残高も減少し始めています。
ここで、今定例会に提出された平成25年度決算について質問いたします。
平成25年度の一般会計歳入では、特別交付税が予算を下回りましたが、歳出において職員給与費、生活保護費などで不用額が生じ、実質収支は2億8,600万円の黒字となりました。しかし、これは前年度繰越金や財政調整基金の取崩しなどがあってのもので、まだまだ厳しい状況にあります。結果的には除雪費の補正と公立病院特例債返還のための繰出しにより、平成24年度末、23億3,700万円あった財政調整基金は17億6,400万円と減額となりました。
ここで、伺います。
突発的に支出が必要な際に、財政調整基金の取崩しを行うことで対処できるようになったことは評価できますが、平成26年度当初予算では一時的に財政調整基金がほぼ底をつくなど、ためては取り崩してを繰り返す自転車操業が続き、まだまだ綱渡りの状態であると考えます。まず、中松市長の認識を伺います。
しかしながら、中松市長は公約どおり、他会計・基金からの借入れによる財源対策をやめ、安定的な財政運営を目指すよう努力されています。平成16年度の三位一体の改革での地方交付税と臨時財政対策債の削減による財政悪化時から比べると、安定とは言えなくとも、まだまだ道半ばではありますが、以前よりは健全化が図られていると思います。市長の見解をお聞かせください。
とはいえ、平成26年度末の他会計・基金からの借入残高は、下水道事業会計からは26億8,500万円、産業廃棄物等処分事業会計からは5億9,000万円、基金からは13億6,200万円の計46億3,700万円あります。市長は、健全化判断比率について、実質赤字比率と連結実質赤字比率は平成24年度と同様に比率自体が計上されないと述べられていますが、他会計・基金からの借入れが赤字としてみなされた場合、実質赤字比率において早期健全化基準を超えてしまい、苦しい状況になるかと思います。いかがでしょうか。
さらに、市の財政力指数は0.42で道内主要都市10市の中で一番低い数値で、標準的な行政サービスに対しては、市税や地方譲与税などで42パーセントしか賄うことができず、58パーセントを普通交付税に依存している状況です。加えて、歳出の性質別経費では、平成25年度も扶助費が一番多く、義務的経費で歳出全体の54パーセントを占めており、財政の硬直化の一因となっています。年間約2,000人の人口が減少するこのまちで、この歳出の形が続いていくことには大変な危機感を抱いておりますし、一般会計にある499億円の公債費を計画どおりに償還していけるのか危惧しています。市長の見解をお示しください。
財政調整基金は、平成23年度から積み立てられていますが、この市債償還のための減債基金は、平成16年度以降ゼロとなっています。今は財政調整基金に積み立ててもまた取り崩す状況でありますから、減債基金まで手をつけられないという状況であると思います。いかがでしょうか。
減債基金がゼロであっても、減債基金は市債償還の財源として特定目的基金となってしまうことから、今は財政調整基金がその役割を担う形で推移しています。いずれにしても、財政調整基金が一定程度積み立てられた時点で、減債基金も積み立てていかなければ、今度は市債償還のために四苦八苦しなければいけなくなるかと思います。今後の市長のお考えをお聞かせください。
次に、電気料金の再値上げに関連し、2点のみ質問いたします。
この財政状況下で、北海道電力の再値上げがさらに市の財政負担を強いることとなりそうです。8月29日の北海道新聞に、この影響試算が取り上げられました。もしも北電が国に申請している電気料金再値上げが認可された場合、今年度で9,000万円の増額が見込まれるとのことです。昨冬もロードヒーティングの電気代によって支出が増加したにもかかわらず、再度の値上げで、より一層除雪費のやりくりが大変となることとなります。
伺います。再値上げされた場合、小樽市の影響額は年間で23.5パーセントの増となり、今年度だけでも今後半年で約9,000万円の増加となれば、苦しい財政運営を余儀なくされている小樽市にとって非常に大きな金額と考えます。特に雪国では、冬場はロードヒーティングなどの電気料金の増大が懸念されるところです。北電の再値上げについて市長の見解を伺います。
さらに、電気料金だけでなく、国土交通省では、人件費を10月以降に改定する方向で調整するとの報道が出ていました。北国に住む我々としては、市の除雪対策が関心事であり、もしもの場合の生命線ともなります。昨冬も人件費の増加によって、除雪費のやりくりが大変でした。これについての対応もあわせてお聞かせください。
1項目めの質問を終了します。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)安斎議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、財政問題について御質問がありました。
初めに、平成25年度決算についてですが、まず本市の財政運営の認識につきましては、今後も人口減などにより市税収入の増加が見込めない中、地方交付税の動向も不透明であること、歳出では扶助費などの自然増や新たな財政需要にも対応しなければならないことから、多額の財源不足が生じることが見込まれ、何らかの財源対策を行わなければ、収支均衡予算が編成できない厳しい状況にあると認識しております。
次に、財政の健全化に対する見解につきましては、平成24年度以降は他会計などから新たな借入れは行っておらず、私が就任した23年度には54億8,300万円あった借入残高も25年度末では46億3,700万円に減少しており、財政再建は着実に前進しているものと感じております。しかしながら、この借入れの完済にはなお12年ほどかかる予定であり、財政再建は緒についたところという気持ちで今後も取り組んでまいります。
次に、他会計等からの借入れを赤字と考えた場合につきましては、現在これらの借入金は赤字とみなされておりませんが、財政運営の健全性の確保、財政秩序の維持といった観点から、計画的に解消していかなければならないものと考えております。
次に、市債の償還に対する見解につきましては、地方自治体の予算はみずからの歳入に見合った歳出構造であることが基本ですので、今後の中・長期的な収支を見極めながら、毎年度の予算編成において、財政健全化に向けた取組を継続しながら必要額を確保してまいりたいと考えております。
次に、減債基金に対する考え方につきましては、今後も厳しい財政状況が続くことが想定されますので、他会計からの借入れなどに頼らずに収支均衡予算を編成するためには、当面は一定程度の財政調整基金残高を確保することが必要であると考えております。
次に、減債基金の積立てにつきましては、現時点で減債基金への積立ての見込みは示せませんが、一定程度の財政調整基金の残高が確保された時点で、減債基金を含め、将来の財政需要などに備えるための対応について検討してまいりたいと考えております。
次に、電気料金の再値上げについてですが、まず再値上げに関する見解につきましては、北海道電力の再値上げが行われれば、年間ベースでは約2億円の財政負担が増える見込みでありますことから、再値上げが行われないことが望ましいことは言うまでもありません。一方、火力発電所の燃料費などが増加する中で、再値上げを行わないことにより、道内において電力の安定供給に支障を来すことだけは避けなければならないと考えております。北電に対しましては、再値上げに当たり、今後ともできる限り値上げ幅の圧縮に努めていただきたいと考えているところです。
次に、人件費の改定による除雪費の対応につきましては、現在のところ、人件費の改定時期や額が不明であるため、これらが確定し、除雪費に不足が生じる場合には、適切な時期に適正な予算を確保してまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)6番、安斎哲也議員。
(6番安斎哲也議員登壇)
○6番(安斎哲也)人口対策について質問します。
中松市長は、8月29日の記者会見において、出馬表明とともに、2期目に向けた政策課題の中で人口対策を最重要課題に挙げ、強調されました。
小樽市は、昭和39年をピークに人口の減少が続き、平成25年では、年間で2,210人の減少となりました。総務部企画政策室が平成22年の国勢調査を受けてまとめた「小樽市の人口-人口等基本集計結果-」によると、本市の現状として、平成17年から22年までの人口増減は14万2,161人から13万1,928人へと1万233人減少しました。この間の転入は1万16人で、転出は1万2,720人と、市外への転出者が市内への転入者を上回る転出超過となっています。このうち15歳未満の転出が13.1パーセント、15から64歳未満の転出が12.3パーセントとなっています。さらに、過去の実績人口の動きから変化率を求め、それに基づき将来人口を推計するコーホート変化率法を用いた本市の児童数の将来人口の推計は、ゼロ歳から5歳までは平成25年9月末の4,236人から平成31年末には3,247人となり約23パーセント減少、6歳から11歳までは5,118人から4,223人となり約17パーセントの減少、12歳から17歳までは6,009人から5,123人となり約15パーセントの減少が予測されています。現状とともに、今後も子育て世代の転出が多いと推測されます。このような現状と推計を基に、小樽市における人口対策については、これまでも子育て環境の充実と教育の重要性などを訴えてきております。市長は、人口対策庁内検討会議を設置し、人口減少の原因や対策を考え、対策の方向性や事業を取りまとめていくとのことで、その姿勢は高く評価します。しかしながら、もっと前からも取り組むべきであったと感じています。
そこで、人口対策庁内検討会議の設置について質問します。
人口対策として、これまで企業誘致や雇用対策、移住施策などを進めてきています。企業誘致においては、中松市長の営業努力によって成果を上げておりますが、人口減少に歯止めがかからず、若者世代の流出が増加しています。仕事は札幌でも、このまちで子供を産み育てたい、そのように思ってもらうためには、生活環境の整備が必要です。
そこで、まず伺いますが、これまでも人口対策を含めて、企業誘致、雇用対策などそれぞれで施策を進めてきておりますが、このタイミングでの庁内検討会議設置の理由をお聞かせください。もっと早くから設置し、取り組むことができたのではないでしょうか。
設置に向け、人口減少理由や人口動態の分析などの準備を進められてきたと推察しております。小樽の人口流出については、特に20代の若者世代の流出が大きくなっています。これをどう捉えているか、お聞かせください。
これまでも人口対策には小樽の教育問題を挙げています。まちづくりは人づくりで、まちの活性化にはそこに住む人々の活力が必要だと思っており、そのためにまちの子育て・教育施策は重要であると訴えてきましたし、市としても平成26年度の重点施策の一つに教育を挙げ、現在、政策を進めておられます。庁内検討会議では教育長もメンバーに入っているとのことで、この教育問題について取り組んでいただけるものと考えておりますが、いかがでしょうか。教育長の見解を伺います。
海士町の取組事例から質問いたします。
先日もテレビで紹介されていました海士町の取組ですが、ないものはない、そんなキャッチフレーズで知られています。島根半島沖合に浮かぶ諸島、海士町は、コンビニがなく、ショッピングモールもなく、本土からは船で二、三時間かかるという離島にもかかわらず、20代から40代の働き盛りの移住が人口約2,000人のうちの1割で、一流大学の卒業者や一流企業でキャリアを持つ現役世代がIターンしているとのことです。
彼らの目的は、単なる田舎暮らしがしたいとは違います。地域に貢献できる仕事をしながら、地域の方々と生活を楽しみ、安全・安心なおいしいものを食べながら稼いで、家族と幸せに暮らす。そういった思いで移住、定住してきた人がいます。先ほど述べましたが、ないものはないと、離島というまちの課題や問題点を町民はじめ、外の人と共有することで、このまちの未来のために何かしたいという人が住みつき、仕事をつくってくれているのです。地域全体で持続可能な事業、産業をつくり出せる人材を育て、仕事がないから帰れないのではなく、仕事をつくりに帰りたいという意識を醸成してきた海士町の取組は大変参考になるものがあります。
小樽市においても、仕事がないから札幌だ、東京だと流出してしまうのではなく、このまちで仕事をつくり、このまちで子供を産み育てるという起業意識を持つ人材を育て、そして支援する取組が必要だと思っています。
小樽市は、海士町と比べると都会の札幌にも近く、さまざまな産業をつくり出せる資源に恵まれ、チャンスがたくさんある都市です。人口対策において、起業家的人材の育成、その支援を盛り込むなど海士町の取組を参考にし、小樽独自の政策展開とともに、今後、国が人口対策として打ち出す地方移住モデル事業など、さまざまな政策を活用しながら、この重要課題解決に向け、取り組んでいただきたいと思います。いかがでしょうか。
さらに、その海士町では、さまざまな子育て支援策を打ち出しておりますが、一つ紹介させていただきます。すこやか子育て支援に関する条例というものを制定し、第3子の誕生祝いとして50万円、第4子以降に100万円などを支給する取組を実践していることも効果を上げています。今後の人口対策会議の中で、これまでの施策の検証とともに、この海士町の子育て支援施策を検討していってはどうでしょうか。
現在進められている子ども・子育て会議から質問します。
平成24年8月に子ども・子育て関連3法が国会で成立し、この三つの法律に基づいて、早ければ27年度から新制度が開始される予定です。新制度では、5年を一つの期間として、子ども・子育て支援事業計画の策定が義務づけられ、これらの計画策定に関する子育て当事者等の意見を聞くことや、計画策定後の施策の実施状況等について調査、審議が必要になりました。これを受け、本市では、平成25年に小樽市子ども・子育て会議条例を制定し、市の附属機関として小樽市子ども・子育て会議を設置し、現在、意見聴取などを行ってきています。
このたび、昨年11月に実施した子ども・子育て支援事業計画策定にかかるニーズ調査の結果がまとめられました。小学校就学前の児童の保護者2,000件、放課後児童クラブ利用児童の保護者508件を対象とし、就学前児童の保護者からの回収率は低いものの44.4パーセント、放課後児童クラブ利用児童の保護者からの回収率は81.1パーセントとなりました。
このニーズ調査の中で、子供の病気の際の対応についての項目がありました。この項目の中で、特別な対応をとる必要があった方の対処方法は、「母親が休んだ」が73.9パーセントと最も多く、次いで「(同居者を含む)親族・知人に子どもをみてもらった」が44.5パーセントとなりました。父親あるいは母親が休んで対処した方の病児・病後児保育事業の利用意向は、「できれば利用したいと思った」が40.3パーセント、「利用したいとは思わなかった」が55.9パーセントとなりました。できれば利用したいと思った方の希望する事業形態は、「小児科に併設した施設で子どもを保育する事業」が76.4パーセントと最も多く、次いで「他の施設に併設した施設で子どもを保育する事業」が46.5パーセントとなりました。
そもそも就学前児童の保護者からの回収率が低いため、どの程度のニーズがあるか判断することになります。小樽市次世代育成支援行動計画後期実施計画策定の際のニーズ調査では、保育サービスを利用している子供が病気になったときに、どちらかの親が仕事を休んだという方が約9割おり、その半数以上の方ができれば施設に預けたいと希望していることから、病児・病後児保育事業についての対応が求められているとのことで、小樽市は、この後期実施計画において平成26年度で病児・病後児保育事業の1か所開設を目標にしておりますが、現在、未実施となっています。現状は、ファミリーサポートセンターで、一定の病気の子供の預かりが担保されている部分もありますが、一部補助、全額負担のケースなどがあり、全額の場合は相当な負担となる部分が出ているとのことです。
小樽市としては、次世代育成支援行動計画で、病児・病後児保育を平成26年度までに設置するとしていましたが、進んでいません。その理由は、医療機関との連携など、さまざまなハードルがあると思いますが、いかがでしょうか。
そして、今後は子ども・子育て会議で、小樽市子ども・子育て支援事業計画をつくり上げ、政策にしていかれると思いますが、市長のお考えをお聞かせください。
2項目めの質問を終了します。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、人口対策について御質問がありました。
初めに、人口対策庁内検討会議の設置についてですが、まずこのタイミングでの設置の理由につきましては、これまでも人口の減少を最小限にとどめるため、雇用の場の創出や子供を産み育てやすい環境づくりなどの取組を進めてきたものの、この間、平成25年3月には、国立社会保障・人口問題研究所から本市人口の大幅な減少が推計されるとともに、本年5月には日本創成会議による若年女性の減少に焦点を当てた推計が発表されたこともあり、人口対策は改めて重要課題であるとの認識をしたものであります。
このため、本年第2回定例会において、人口対策会議の設置について言及いたしましたが、国による対策の本格化や6月には北海道が対策本部の設置を表明したこともあり、本市では、人口動向の整理など立ち上げの準備を進め、このたび庁内検討会議を設置したものであります。
次に、20代の若者世代の流出につきましては、20代は転入と転出の差である社会動態において、大きく転出超過の状況にあります。要因といたしましては、入学のため市外から転入した若者や地元から通学していた若者が卒業後に就職などの関係から転出しているものと考えられます。若い世代はさまざまな活動の担い手として、まちの活力やコミュニティの維持に欠かすことができないとともに、子供を産み育てる世代の減少は、さらなる少子化につながっていくものと考えられることから、出生数の増加に向けては、若い世代を支援する施策に力を入れていく必要があるものと考えております。
次に、海士町の取組事例についてですが、まず起業意識を持つ人材の育成と支援につきましては、本市では、これまでも起業を考えている方などを対象に経営の基本的なノウハウを学ぶ小樽商人塾を開催しており、さらにこの受講者等を対象に、小樽市商業起業者支援事業として家賃助成などによる起業支援を実施しております。本市の人口対策においても、起業者を増やすことは重要なテーマであることから、国の起業・創業の推進策を注視しながら、人口対策庁内検討会議で議論を深めてまいりたいと考えております。
また、誕生祝い金などの取組につきましても、今後の人口対策の中で検討してまいりたいと考えております。
次に、子ども・子育て会議についてですが、まず病児・病後児保育の取組が進んでいない理由につきましては、市内の小児科医師が少ないこと、事業実施のための適当な施設がないこと、新たな施設整備には相応の財政負担を伴うこと、運営に関する国の補助が低額であることなどであります。
次に、小樽市子ども・子育て支援事業計画への病児・病後児保育の位置づけにつきましては、今後の計画策定作業の中で検討してまいりたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)安斎議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、人口対策について御質問がありました。
人口対策庁内検討会議の設置に関連して、人口対策における小樽の教育の問題についてでございますが、私が3年前、教育長に就任してまもなく、子供が小学校に上がるので札幌に引っ越します、こんな話を耳にしました。小樽の教育に携わる者として、身を切られるような思いがしたのを今も鮮明に記憶しております。
小樽の人口が減少している要因の一つに教育への不安があることは非常に残念なことでありますし、このことを解消することが急務であるとの思いから教育行政執行方針の重点目標の一つに確かな学力の育成を掲げ、教職員の資質・能力の向上と家庭の教育力の向上を目指して、各般の施策に取り組んでまいりました。
まちづくりは人づくりと言いますが、教育の目的は、社会の役に立つ人間を育てること、小樽の将来を担う人材を育てることと認識しております。学力の向上はもちろんのこと、学校で子供たちに小樽の歴史を教えることを通して先人たちの苦労と子孫に託した思いを伝え、自分の役割や期待されている自分を自覚させる教育を進めること、道立高校の学科の再編など学校づくりへの意見反映、小・中学校の適正規模化など新しい学校づくり、校舎改築や耐震化の促進、ICT機器の導入など子供たちに夢を抱かせる教育環境を整備すること、教職員や子供たちがおたる潮まつりなどの地域行事やイベントに参画することで地域に活力を与えるなど、まちづくりに貢献できる学校を目指すこと、これらの取組を着実に推進することが小樽の人口対策の一助となるものと信じ、全力を挙げて取り組んでまいります。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)6番、安斎哲也議員。
(6番安斎哲也議員登壇)
○6番(安斎哲也)土砂災害について質問します。
先ほども大変大きな雷が鳴りましたが、8月20日、広島市で豪雨による大規模な土砂災害が発生し、70名を超える死傷者が確認されるものとなり、土砂災害の犠牲者としては平成に入ってから最も多い災害となってしまいました。この場をかり、亡くなられた方の御冥福をお祈りいたします。
さて、この土砂災害を受け、連日さまざまなニュースが取り沙汰されています。北海道においても、市町村と連携し、災害時に崩壊や土石流のおそれがある急傾斜地の土砂災害警戒区域の指定のスピードアップを図るという報道がされていました。小樽市は土砂災害危険箇所が519か所あり、道内2番目に多い都市です。このうち、さらに調査し、住民の同意を得て指定する土砂災害警戒区域は179か所で、より危険性が高い土砂災害特別警戒区域は174か所となっています。
まず、伺います。これは道の調査が入って住民の同意を得て指定する区域指定にはまだ至っていないところが340か所あります。2006年以降、対象地域の指定を進めてきておりますが、土砂災害の警戒区域の指定はどのような基準によって行っていますか。
各警戒区域の土質はどのように把握されていますか。
道の調査が入り、区域指定に向け動いても、土地の資産価値が下がるなどの理由で警戒区域に指定できない地点が市内に5か所あるとのことですが、これまでの経過と今後の区域指定に向けた説明会の予定はありますか。
また、指定は、あくまでもハザードマップを作成し、住んでいるところが警戒区域であり、どこが崩れ、どのように崩れていくかの範囲を記し、避難場所を示すというソフト的な対応で、住民にとって区域指定によるメリットが感じられないのではないでしょうか。区域指定をするだけでは広島のような大規模な土砂災害が発生した場合に十分ではなく、その運用が重要であると考えます。区域内の住民それぞれが日ごろから防災・危機管理意識を持ち、区域内の町会単位で災害を想定した訓練を繰り返し行う必要があると思いますが、いかがでしょうか。
各警戒区域の降雨量は想定されているのでしょうか。
また、深層崩壊が基本なのか、表層崩壊が基本なのか伺います。
過去に小樽市において土砂災害が発生した事例がありますが、どのような事例であったか、また、その被害状況もホームページや広報おたるなどで周知し、小樽は災害が少ない、ここは大丈夫という意識を変えていくことが必要と思いますが、いかがでしょうか。防災対策は、一にも二にも、まず自分のことは自分で助ける自助が大事で、そのような意識が減災につながります。
広島での災害は、ふだんからの防災対策以外に、避難勧告の遅れなど、行政の対応が後手に回ったことにより、大きな被害につながってしまったということがあります。
内閣府は今年4月に市町村に対し、避難勧告等の判断・伝達マニュアルの作成を要請したとのことです。広島の災害は他人事ではなく、マニュアルの作成が急がれます。現在の進捗はどのようになっていますか。
想定として、小樽市の上空に前線が張り、日本海側から雨量が供給され、1時間に100ミリとか1日に300ミリから400ミリの豪雨があった場合には、どのような災害が発生すると考えますか。
また、崖地での土砂災害発生時には、どのような人員と態勢で対応するのですか。
他市町村との連携はどのようになっているのでしょうか。
災害で発生した土砂の処理はどのように考えておりますか。
最後に、高齢化率35パーセントの小樽市では、災害弱者と言われる高齢者への対応について、特段の対策を講じる必要があります。独居高齢者をはじめ、福祉・介護施設に入所する高齢者などに対し、対策が必要です。
市では、平成25年度において、防災対策の強化として、市内9か所の社会福祉施設と協定を結び、拠点となる福祉避難所の機能確保のための備品整備を行いました。厚生労働省の福祉避難所設置・運営に関するガイドラインでは、「少なくとも、地域における身近な福祉避難所については、小学校区に1箇所程度の割合で指定することを目標とすることが望ましい」とされています。今後、身近な避難所については、どのように取組を進めるおつもりでしょうか。
3項目めの質問を終了します。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、土砂災害について御質問がありました。
まず、区域の設定基準についてですが、土砂災害警戒区域は3種類の土砂災害を想定し、北海道が調査を実施し、指定しております。それぞれの基準については、急傾斜地の崩壊では、勾配が30度以上、高さが5メートル以上で崩壊のおそれがあること、土石流では、土石流の発生のおそれのある渓流において、扇形の地形の頂部から下流で勾配が2度以上であること、地すべりでは、亀裂、陥没、隆起などの地すべりの兆候が見られるなど、地すべりしている又は地すべりするおそれがあることとなっております。
また、各区域の土質の把握については、崖の高い位置を中心に目視により判断することとなっております。
次に、警戒区域に指定できない地点でのこれまでの経過と今後の説明会につきましては、これまで2度の説明会を開催し、さらに個別にも説明を行い、理解を求めているところであり、今後も説明会を開催する予定と聞いております。
次に、町会単位での訓練につきましては、本市におきましても、これまで国や北海道と連携し、土砂災害を想定した避難訓練を実施してきたところであり、今年度につきましては石山町会主催で図上訓練と実地訓練が行われる予定となっております。このような訓練は、地域の方々の災害に対する知識の習得や防災意識の向上を図り、被害の軽減につながることから、市としても、今後、他の町会などにも訓練の実施について働きかけてまいりたいと考えております。
次に、各警戒区域における降雨量の想定についてですが、3種類の土砂災害のうち、土石流のみが想定されており、百年に一度降る程度の降雨量で区域を検討することとなっております。
また、崩壊の種類についてですが、急傾斜地の崩壊、土石流につきましては表層崩壊、地すべりにつきましては深層崩壊を想定していると聞いております。
次に、過去に本市において発生した事例などにつきましては、近年では、平成19年4月に朝里川温泉スキー場において融雪による土石流が発生したほか、平成22年8月には低気圧による大雨で市内13か所、平成23年9月には台風12号による大雨で市内9か所において土砂崩れが発生しておりますが、いずれものり面や石垣の崩壊によるもので、人的被害は発生しておりません。
また、これらの事例の市民周知については、市のホームページで紹介するなど、注意喚起の方法について、今後、検討してまいりたいと考えております。
次に、避難勧告に係るマニュアル作成の進捗状況についてですが、本年4月に国において避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドライン(案)が策定されたことを踏まえ、北海道は8月に、市町村においてマニュアルを作成する際の参考となるよう、土砂災害と津波災害に係る避難勧告等の判断・伝達マニュアル(案)を作成したところであります。本市におきましては、これらを参考にしながら、今年度内をめどにマニュアルの作成を進めていきたいと考えております。
次に、1時間に100ミリ又は1日に300ミリから400ミリの豪雨が発生した場合の災害についてですが、本市では過去にこのような降雨を記録したことがないことから、具体での想定は困難であります。
次に、崖地での土砂災害が発生した場合の人員体制につきましては、本市地域防災計画に非常配備の基準を設けており、災害の発生規模に応じて職員を動員することとしております。その内容は、小規模の災害や災害の発生するおそれがある場合には、関係する部署の職員が参集する第1非常配備で対応し、局地的な災害が発生している場合などは、災害対策本部の係長職以上が参集する第2非常配備としております。また、広域にわたる災害となった場合には職員全員が参集する第3非常配備態勢で対応することとしております。
次に、災害発生時の他市町村との連携についてですが、本市では平成20年6月に災害時における北海道及び市町村相互の応援に関する協定を、平成25年3月には小樽市・半田市・日南市災害時相互応援協定を締結しており、これらの協定に基づき、本市で大規模な災害が発生した場合には、必要に応じ各市町村から食料、飲料水及び生活必需物資の提供や必要な職員の派遣を受けることができることとなっております。
次に、災害で発生した土砂の処理につきましては、土砂処分場や遊休地へ運搬処理を行いますが、受入れ量を上回る土砂が発生した場合には、民有地の借り上げや北海道を通じて近隣市町村へ土砂の受入れを要請することで対応することとしております。
次に、身近な福祉避難所についてですが、厚生労働省のガイドラインでは、身近な福祉避難所については、小・中学校等の指定避難所の中に介護や医療相談を受けることができる空間を確保することを想定しております。本市におきましては、小・中学校においてこのような空間を確保するために、災害時用の間仕切りの整備を今年度及び来年度の2か年で行うこととしております。
○議長(横田久俊)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)6番、安斎哲也議員。
(6番安斎哲也議員登壇)
○6番(安斎哲也)最後に、市民の交通安全について伺います。
女性4名が飲酒運転の車にひき逃げされ、3名のとうとい命が犠牲になった悲惨な事件が発生しました。大変痛ましく、悲しいニュースに憤りを感じているところです。この再発防止策として、中松市長は現場の道路の歩行者専用化を検討すると表明しましたが、調整が進まず、来年への課題持ち越しとなっています。安全確保のため、道路の拡幅による歩道の新設も含めて協議していくとのことですので、安全対策について要望が寄せられているところです。
さて、報道では、この事故のあった道路が市道であると報道されていますが、この道路は市道認定外の管理道路という認識であったと思います。まず、この道路の位置づけ、市が管理することになった経緯をお知らせください。
国道からドリームビーチのほうへと進むと、札幌市の市道に入り、札幌市道が終わると今回の事故現場となった小樽市の管理道路となりますので、協議は2市と警察、そしてドリームビーチ協同組合など関係機関とトータル的に話し合っていかなければならないと感じています。仮に、道路を拡幅し、歩道を新設する安全対策が採用された場合、工事費用はどれぐらいで、来年度までに完成させることができるのでしょうか。
やはり住民の安全を守る観点からも、今回の事件が発生した道路だけに限らず、ほかの道路などについても、さまざまな対策を講じる必要があると思います。今回の事故を契機に、小樽市全体の道路の安全対策も問題視されているところです。市の見解をお聞かせください。
最後に、この悲惨な事件は、運転手のモラルの問題であります。行政がいくらハード的な対策を行ったとしても防げないこともあります。ハードとともにソフト対策も必要です。この事件を受けて、市の交通安全対策について、今後どのように取り組んでいかれるのか、市の見解をお聞かせください。
以上、再質問を留保し、代表質問を終了します。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、市民の交通安全について御質問がありました。
初めに、事故が発生した道路の位置づけにつきましては、林野庁から借り受けている海側の区間と財務省から譲与を受けた山側の区間があり、いずれも管理を始めた時点で市道の基準を満たしていなかったため、認定はしておりません。
また、管理することになった経緯につきましては、海側は、昭和40年ごろに札幌市営バスの運行開始に当たり、小樽市域であるものの、札幌市が林野庁から借り受けて管理しておりましたが、その後、バス運行が廃止となり、平成14年3月から本市が管理を引き継いだものであります。山側は、地方分権一括法の施行に伴い、平成17年3月から本市が管理しているものであります。
次に、道路を拡幅し、歩道を新設する安全対策を採用した場合の工事費用につきましては、1億円は超えるものと試算しております。
また、来年度までに完成できるかということにつきましては、道路の拡幅を伴う歩道設置となることから困難なものと考えておりますが、安全対策につきましては、ハード面だけではなく、その他の対策も含め、来季の海水浴場開設までに実施できるよう検討してまいりたいと考えております。
次に、小樽市の道路の安全対策につきましては、これまでも取り組んできているところでありますが、引き続き警察署などの関係機関と協議をしながら、今後も交通安全施設の整備に努めてまいりたいと考えております。
次に、市全体の交通安全対策につきましては、市は、これまでに警察をはじめ、交通関係団体と連携をとり、6期60日の交通安全運動をはじめ、さまざまな交通安全啓発活動を行ってきたところであります。特に、これまでは、高齢者の事故防止やスピードダウン、シートベルト着用などによる交通安全の励行に重点を置いていましたが、今後はこれまで以上に飲酒運転根絶に向けた啓発運動に努め、市民の安全の確保に努めてまいりたいと考えております。
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)6番、安斎哲也議員。
○6番(安斎哲也)財政問題で1点だけ確認させてください。
そのほかは予算特別委員会で質問させていただきますが、財政問題の中で早期健全化基準を超えてしまうといった部分なのですけれども、どの程度苦しい状況になるかということも伺いたかったと思いまして、私としては全部足した場合に、どのぐらいの実質赤字比率になるのかというのを聞きたかったところでございます。ですので、予算特別委員会がありますので、参考までにまず何パーセントなのかを示していただいて、今後、計画的に解消するということなので、その具体的な解消方法もお聞かせいただけたらと思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)財政部長。
○財政部長(小山秀昭)先ほど市長が答弁したように、基金等からの借入れは赤字ではありません。ただ、それを仮に赤字として計算したところによりますと、実質赤字比率は13.19パーセントになります。
(「その具体的な解消というのは見えないという」と呼ぶ者あり)
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)財政部長。
○財政部長(小山秀昭)一番大きな借入れである下水道事業会計からの借入れは、下水道事業会計の資本費平準化債の償還に合わせて返そうと思っております。そのほかの基金と水道事業会計等からの借入れにつきましては、それぞれの償還計画をつくっておりますので、それに基づいて返したいと思っております。
○議長(横田久俊)以上をもって、会派代表質問を終結し、本日はこれをもって散会いたします。
散会午後5時45分
会議録署名議員
小樽市議会 議長 横 田 久 俊
議員 秋 元 智 憲
議員 中 島 麗 子