開会午前10時00分
○議長(横田久俊)これより、平成26年小樽市議会第3回定例会を開会いたします。
直ちに、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、濱本進議員、新谷とし議員を御指名いたします。
日程第1「会期の決定」を議題といたします。
お諮りいたします。
本定例会の会期を、本日から9月22日までの20日間といたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
日程第2「議案第1号ないし第30号」を一括議題といたします。
まず、議案第1号ないし第29号について、市長から提案理由の説明を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)(拍手)
○市長(中松義治)ただいま上程されました各案件について、提案理由の概要を申し上げます前に、私は来春の市長選におきまして、再選を目指すことといたしましたので、報告させていただきます。
平成23年の春に小樽市長に就任させていただいて以来、これまで3年4か月、市政を担う中で、財政の健全化をはじめ、企業誘致や観光振興の推進などを通じて地域経済の活性化に精力的に取り組んでまいりましたが、少子化を含めた人口問題、公共施設の耐震化や防災対策など、小樽にはまだ解決すべき幾多の課題が山積しており、課題解決に向け、さらに取組を進めていくことがみずからの責務であると考えました。
今はまだ任期半ばであり、まずは残された在任期間に全力を傾けてまいりたいと考えております。
それでは、各案件について提案理由の概要を説明申し上げます。
初めに、議案第1号から議案第5号までの平成26年度各会計補正予算の主なものといたしましては、一般会計では、平成25年度に国や道などから超過交付となった国庫支出金等の返還金を計上したほか、税・社会保障・災害対策分野における情報連携のための社会基盤となる、いわゆるマイナンバー制度のシステム整備事業費、来年4月1日からの生活困窮者自立支援法施行により実施が義務づけられる自立相談支援事業のモデル事業費、福祉バスの老朽化に伴う新車購入経費、PM2.5など市内の大気汚染状況を常時監視するためのシステム整備事業費、本年10月から定期予防接種に追加される水痘ワクチン及び高齢者の肺炎球菌ワクチンの接種に伴う費用などについて、所要の経費を計上いたしました。
また、本年度の普通交付税の交付額が決定したことから、予算額を上回る分について所要の補正を計上いたしました。さらに、平成25年度一般会計の決算剰余金である繰越金の2分の1を財政調整基金へ積み立てるとともに、25年度の決算状況なども踏まえ、庁舎建設資金基金へ積み立てることとし、所要の補正を計上いたしました。
これらに対する一般会計の財源といたしましては、地方特例交付金、地方交付税、国・道支出金、財産収入、寄附金、繰入金、繰越金、諸収入及び市債を計上し、以上の結果、一般会計における補正額は歳入歳出ともに6億2,137万8,000円の増となり、財政規模は569億8,073万1,000円となりました。
次に、特別会計及び企業会計について説明申し上げます。
国民健康保険事業、介護保険事業及び後期高齢者医療事業において、平成25年度に国や道から超過交付となった国庫支出金等の返還金などを計上いたしました。
また、病院事業において、債務負担行為として、現小樽病院の解体工事費及び駐車場整備工事費を計上いたしました。
次に、議案第6号から議案第20号までの平成25年度各会計決算認定などについて説明申し上げます。
一般会計につきましては、歳入総額601億8,428万3,954円に対し、歳出総額は598億9,777万9,662円となり、翌年度に繰り越すべき財源を控除した実質収支は2億8,639万2,292円の黒字となり、これを翌年度に繰り越すこととし、決算を了したところであります。また、前年度の実質収支を考慮した単年度収支は1億2,973万6,158円の黒字、実質単年度収支は4億4,375万9,396円の赤字となりました。
平成25年度は、歳入では、特別交付税が予算を下回ったものの、歳出では、職員給与費、生活保護費などにおいて不用額が生じたことなどにより、実質収支は黒字となりましたが、財政調整基金の取崩し額等を考慮した実質単年度収支は赤字となったところであり、依然として厳しい財政状況にあります。
なお、地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づく平成25年度の健全化判断比率等についてでありますが、実質赤字比率と連結実質赤字比率は、算定の結果、平成24年度と同様に比率自体が計上されないこととなりました。実質公債費比率は13.7パーセント、将来負担比率は88.4パーセントとなり、いずれも早期健全化基準を下回るとともに、平成24年度と比較しますと、実質公債費比率は同率、将来負担比率は5.2ポイント改善されました。
また、病院事業などの公営企業に係る資金不足比率につきましても、算定の結果、平成24年度と同様に比率自体が計上されないこととなりました。
次に、平成25年度において実施した主な事業について、第6次小樽市総合計画の「まちづくり5つのテーマ」に沿って説明申し上げます。
まず、「心豊かに学び、地域文化をはぐくむまち(生涯学習)」の分野では、児童・生徒が音読に意欲的に取り組むことや家庭への一層の普及を図ることなどを狙いに、読み方や声を工夫して競い合う第1回小樽音読カップを開催したほか、手宮地区統合小学校の校舎建設工事の着手と、山手地区統合小学校の校舎建設に向けた基本設計を行うとともに、桜小学校の耐震補強工事及び大規模改造工事を行いました。
また、新光・オタモイ二つの学校給食共同調理場を統合し、新たな共同調理場として建設工事を進めてきた小樽市学校給食センターが完成し、平成25年8月から供用を開始いたしました。
2点目の「ともに支え合い、安心して健やかに暮らせるまち(市民福祉)」の分野では、奥沢保育所の新園舎建設工事が完了し、平成26年4月から供用を開始したほか、銭函保育所の老朽化に伴い、新たに子育て支援センターを併設した保育所として改築するための実施設計などを行いました。
また、地域医療の関連では、市立病院看護師宿舎跡地に建設を進めていた新夜間急病センターが完成し、平成25年7月から供用を開始したほか、新市立病院につきましては、本年12月の開院に向け本体工事を進めてまいりました。
3点目の「安全で快適な住みよいまち(生活基盤)」の分野では、東日本大震災を契機とした防災対策の強化としまして、町会等で行う避難訓練等で活用可能な津波浸水想定映像DVDの作成、市民や観光客の迅速で的確な避難を図るための津波注意喚起標識板の設置、町会等への防災ラジオの配付を行ったほか、避難所の環境整備を促進するため、非常用食糧等の計画的な配備や市内9か所の社会福祉施設と協定を結んだ福祉避難所の機能確保のための備品配備を行い、災害時に安心して生活ができる体制の構築を進めました。
このほか、消防救急無線のデジタル化に対応する高機能消防指令センターの整備が完了したほか、消防署長橋出張所に災害対応特殊水槽付消防ポンプ自動車を配備しました。
4点目の「人・もの・情報が交流する活力あるにぎわいのまち(産業振興)」の分野では、本市への企業立地を促進するため、平成24年度に東京で開催した企業立地トップセミナーを平成25年度は大阪で開催したほか、小樽市企業立地促進条例を改正し、新たに本市に進出する企業や既存企業に対する支援制度を拡充いたしました。
また、本市観光の新たな魅力づくりを進めるため、小樽観光振興公社が所有する観光船の老朽化に伴う新造船を目的とした増資に対する出資を行ったほか、北運河地域の観光の将来像などを示した北運河および周辺地域観光戦略プランを策定いたしました。
このほか、大型クルーズ客船の寄港に対応するため、昨年度に引き続き、勝納ふ頭の整備を行いました。
5点目「自然とまちなみが調和し、環境にやさしいまち(環境保全)」の分野では、小樽市環境基本条例の具体化を図るための環境基本計画策定作業として、基礎調査や市民アンケート等を行ったほか、小樽市公園施設長寿命化計画に基づき、老朽化した公園の木製遊具の更新や小樽公園の測量及び実施設計を行いました。
そのほか、依然として厳しい本市の雇用情勢に鑑み、市独自の雇用対策事業をはじめ、北海道の基金を活用した緊急雇用創出推進事業を行うとともに、地域経済活性化等推進資金基金を活用し、地域の雇用維持・創出及び地域経済活性化に資する各種事業を行いました。
また、平成25年1月に閣議決定された国の日本経済再生に向けた緊急経済対策の取組の一つとして、24年度補正予算に計上され、本市へ交付された地域の元気臨時交付金につきましては、25年度に行った建設事業の財源として活用したほか、26年度中に行う建設事業の財源として活用するため、新たに基金を設置し、一部積立てを行ったところであります。
次に、予算と決算の対比について、その主なものを説明申し上げます。
一般会計の歳入につきましては、地方交付税が約1億4,139万円、国庫支出金が約1億2,335万円、繰入金が約8億2,671万円、市債が6億8,090万円減収となり、歳入総額では約16億4,082万円の減収となりましたが、このうち約7,795万円については、翌年度繰越事業の財源であり、平成26年度に歳入される予定となっております。
歳出につきましては、翌年度への繰越事業分を除き、約18億4,926万円の不用額を生じましたが、この主なものといたしましては、民生費では扶助費の減などにより約7億8,843万円、教育費では学校給食共同調理場建設事業費の減などにより約2億1,060万円、職員給与費では職員手当等の減などにより約2億1,019万円の不用額を生じました。
次に、特別会計のうち主な会計について説明申し上げます。
まず、国民健康保険事業につきましては、歳入総額175億7,419万8,866円に対し、歳出総額170億9,875万2,463円となり、差引き4億7,544万6,403円の剰余金を生じました。この剰余金のうち2億1,044万6,533円は、国・道支出金が超過交付となったものであり、平成26年度に返還するものであります。
住宅事業につきましては、歳入・歳出総額ともに12億3,126万6,661円となりました。主な事業といたしましては、市営住宅改善事業として、塩谷D住宅及び新光B住宅54、55、56棟の外壁等改修工事を行ったほか、北海道から移管を受けた若竹住宅1号棟の耐震・リモデル工事などを行いました。
介護保険事業につきましては、歳入総額138億6,411万5,684円に対し、歳出総額138億6,294万5,241円となり、差引き117万443円の剰余金を生じました。
なお、国・道支出金及び支払基金交付金の交付不足額9,958万728円については平成26年度に追加交付され、超過交付となった5,795万1,306円は平成26年度に精算いたします。
後期高齢者医療事業につきましては、歳入総額20億369万1,107円に対し、歳出総額19億6,970万7,857円となり、差引き3,398万3,250円の剰余金を生じました。この剰余金のうち3,224万5,780円は、平成25年度の後期高齢者医療保険料のうち後期高齢者医療広域連合へ納付未済となったもので、平成26年度に同広域連合へ納付するものであります。
なお、土地取得事業会計につきましては、土地開発基金の廃止に伴い、平成25年度末をもって廃止いたしました。
次に、企業会計について説明申し上げます。
病院事業につきましては、一般会計繰入金などの増により、平成24年度に比べ収益が増加し、単年度資金収支は7,218万2,489円のプラスとなり、25年度末資金過不足額も、22年度から引き続きプラスを維持しております。
内容について説明いたしますと、予算額に対し、収益的収支におきましては、収入は入院収益の減などにより1億9,786万1,297円の減収となり、支出では材料費の減などにより2億4,067万3,940円の不用額を生じました。
資本的収支におきましては、収入は企業債借入れや道補助金の減などにより16億478万2,000円の減収となり、支出では建設改良費の継続費逓次繰越額として15億9,688万5,000円を翌年度へ繰り越すことから、不用額は2,011万5,676円となりました。
また、平成25年度末の地方財政法上の資金不足を解消するため、一般会計から財源を繰り入れ、公立病院特例債を全額繰上償還いたしました。
なお、6億375万3,306円の当年度純利益を生じたことにより、当年度未処理欠損金は46億4,498万4,006円となり、同額を翌年度繰越欠損金として処理する予定であります。
水道事業につきましては、予算額に対し、収益的収支におきましては、収入は給水収益の増などにより4,197万8円の増収となり、支出では人件費などで9,201万576円の不用額を生じました。
資本的収支におきましては、収入は企業債借入れの減などにより2,266万9,339円の減収となり、支出では建設改良費などで4,741万7,327円の不用額を生じました。
なお、4億2,253万8,933円の当年度純利益を生じたことにより、全額を減債積立金として処分する予定であります。
下水道事業につきましては、予算額に対し、収益的収支におきましては、収入は下水道使用料の減などにより302万1,817円の減収となり、支出では維持管理費などで1億2,285万7,463円の不用額を生じました。
資本的収支におきましては、収入は企業債借入れの減などにより1億7,956万652円の減収となり、支出では建設改良費などで6,803万9,785円の不用額を生じました。
なお、3億7,062万7,405円の当年度純利益を生じたことにより、当年度未処理欠損金は85億8,476万1,417円となりますので、同額を翌年度繰越欠損金として処理する予定であります。
産業廃棄物等処分事業につきましては、予算額に対し、収益的収支におきましては、収入は産業廃棄物等処分手数料の増などから8,154万7,998円の増収となり、支出では維持管理費などで105万8,052円の不用額を生じました。
資本的収支におきましては、支出の建設改良費で9万5,000円の不用額が生じました。
なお、6,452万9,050円の当年度純利益が生じたことにより、全額を利益積立金として処分する予定であります。
続きまして、議案第21号から議案第29号までについて説明申し上げます。
議案第21号資金基金条例の一部を改正する条例案につきましては、防災・減災の対策を推進するための事業の資金を積み立てるため、新たに防災・減災対策事業資金基金を設置するものであります。
議案第22号山林基金条例の一部を改正する条例案につきましては、天神3丁目所在の山林の一部の売却に伴い、地積を変更するとともに、所要の改正を行うものであります。
議案第23号手数料条例の一部を改正する条例案につきましては、戸籍の電算化に伴い、磁気ディスクから出力される戸籍記載事項証明等についても従前どおり手数料を徴収できるようにするため、所要の改正を行うものであります。
議案第24号手数料条例及び薬事法施行条例の一部を改正する条例案につきましては、薬事法の一部改正に伴い、所要の改正を行うものであります。
議案第25号総合福祉センター条例及び福祉医療助成条例の一部を改正する条例案につきましては、母子及び寡婦福祉法の一部改正に伴い、所要の改正を行うものであります。
議案第26号児童発達支援センター条例の一部を改正する条例案につきましては、児童福祉法の一部改正に伴い、さくら学園において行う事業を新たに追加するとともに、所要の改正を行うものであります。
議案第27号特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例案につきましては、子ども・子育て支援法の制定に伴い、特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準について定めるものであります。
議案第28号家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例案につきましては、児童福祉法の一部改正に伴い、家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準について定めるものであります。
議案第29号市営住宅条例の一部を改正する条例案につきましては、オタモイG住宅のうち昭和41年度に整備された50戸のうち24戸及び43年度に整備された45戸の合計69戸並びにオタモイG厚生住宅を用途廃止するほか、所要の改正を行うものであります。
以上、概括的に説明申し上げましたが、なにとぞ原案どおり御可決賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○議長(横田久俊)次に、議案第30号について、提出者から提案理由の説明を求めます。
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)8番、川畑正美議員。
(8番川畑正美議員登壇)(拍手)
○8番(川畑正美議員)日本共産党を代表して、議案第30号小樽市非核港湾条例案の提案理由を説明します。
1945年8月6日、広島市が世界最初の原子爆弾の惨禍を経験し、9日には長崎市にも投下されました。永遠の平和を確立しようという広島・長崎市民の願いを世界の人々に伝え、世界的行事に発展させた平和祭典が行われてきました。
今年の世界大会開催時点での原爆死没者の累計は、広島被爆では29万2,325人、長崎被爆では16万5,409人にもなります。被爆69年に当たる2014年の平和記念式典は、被爆死没者への追悼とともに、核兵器廃絶と恒久平和の実現を願って、6日に広島市、9日には長崎市において世界大会の平和式典が開催され、平和宣言を世界に向けて発表しました。
今年の広島市長の平和宣言は、「加盟都市が6,200を超えた平和首長会議では世界各地に設けるリーダー都市を中心に国連やNGOなどと連携し、被爆の実相とヒロシマの願いを世界に拡げます。そして、現在の核兵器の非人道性に焦点を当て非合法化を求める動きを着実に進め、2020年までの核兵器廃絶を目指し核兵器禁止条約の交渉開始を求める国際世論を拡大します」と呼びかけ、また、「核保有国の為政者の皆さんは、早期に被爆地を訪れ、自ら被爆の実相を確かめてください。そうすれば、必ず、核兵器は決して存在してはならない「絶対悪」であると確信できます。その「絶対悪」による非人道的な脅しで国を守ることを止め、信頼と対話による新たな安全保障の仕組みづくりに全力で取り組んでください」とうたっています。これは今の核兵器問題の中心点を明らかにしているものではないでしょうか。
また、平和宣言は、政府に対して、「唯一の被爆国である日本政府は、我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増している今こそ、日本国憲法の崇高な平和主義のもとで69年間戦争をしなかった事実を重く受け止める必要があります。そして、今後も名実ともに平和国家の道を歩み続け、各国政府と共に新たな安全保障体制の構築に貢献するとともに、来年のNPT再検討会議に向け、核保有国と非核保有国の橋渡し役としてNPT体制を強化する役割を果たしてください」と訴えています。日本国憲法第9条が国連憲章と比較して恒久平和主義をさらに発展させているのは、広島と長崎のような惨害をこの地球上のどこにも起こしてはならないという願いが込められているからです。その日本国憲法第9条を破壊しようというのが集団的自衛権であり、広島、長崎の平和の願いに真っ向から逆らうものです。
今年の原水爆禁止世界大会での広島決議の広島からのよびかけと長崎決議の長崎からすべての国の政府への手紙は、被爆70年に当たって核不拡散条約再検討会議が開かれる2015年を核兵器のない世界の達成という合意を実現する決定的な機会にしようと訴えています。
原水爆禁止日本協議会は、世界大会の広島総会で、自治体首長を含めた410万4,911人の核兵器全面禁止のアピール署名をアンゲラ・ケイン国連軍縮担当上級代表に手渡し、核兵器全面禁止の国際的な運動を大きく励ましています。
小樽市議会にとって、非核神戸方式の実現に向けた神戸市民と神戸市会の粘り強い運動の継続を学び取ることが大切であります。
1957年、神戸市会は、全世界の人々と相携えて恒久平和の実現に邁進する平和都市であることを宣言し、1975年には核兵器積載艦艇の神戸港入港拒否に関する決議を行っています。決議内容は、入港を希望する艦船に、神戸港管理者である神戸市長に対して核兵器を搭載していないことを明らかにする非核証明書の提出を義務づけたものです。
1975年以降の神戸港に入港した外国艦船は、カナダ、オーストラリア、フランス、インド、イタリア、スウェーデン、チリなどがありますが、全て非核証明書を提出しています。1983年8月に、イギリス空母インヴィンシブルを旗艦とする機動部隊の入港について、外務省から神戸市長に照会がありました。市は、条件付承認をするために非核証明書を求めたところ、軍事機密のためとして提出を拒みました。その後、11月5日に、再び外務省を通じて、入港の取りやめの通知があり、入港しておりません。そして、米軍艦船については、1975年の市会決議以後、一切入港の申請がありません。
また、神戸市会は、1983年、人類共通の念願である真の恒久平和に向けて、日本の国是である核兵器を持たず、つくらず、持ち込ませずの非核三原則が完全に実施され、全ての核兵器が廃絶されることを強く希求した非核平和都市に関する決議を行っています。
小樽港では、今年7月18日に、アメリカ海軍の揚陸指揮艦ブルーリッジが寄港しました。米軍艦船の小樽港寄港は、1961年から数えると75隻目になります。小樽市長は従来から、「入出港時及び接岸時の安全性」「商業港としての港湾機能への影響」「核兵器搭載の有無」の受入れ判断の三つの条件に基づいて入港を認めています。しかし、米軍は、日本に寄港する艦船に核兵器を搭載しているかどうかは、これまでも一切明らかにしていません。
日本共産党は、2000年の早い時期に、アメリカの国立公文書館での調査で、1960年1月の安保条約調印の際に結ばれた米国政府の一連の秘密解禁文書を入手し、不破哲三前議長が2000年の党首討論で、この資料を基に核密約の真相の徹底調査を政府に求めました。不破前議長は、1960年1月6日、日米両国政府代表の間で取り交わされた討論記録が核密約であり、日米安保条約と不可分の一部をなしていることをアメリカ側の公文書で立証し、それ以後、この密約に基づいてアメリカが核兵器を積んだ艦船を事前協議なしに日本に入港させ、積載艦船の母港を日本に置くことまでやってきたことを、アメリカ側の公文書で示しました。
このときの政府の対応は、アメリカが秘密開示したという文書に日本政府は関知しない、密約など存在しないと紋切り型の答弁に終始しました。政府の調査では討論記録の存在を認めながらも、核積載艦船の事前協議なしの日本寄港を認めたものと読むのは、アメリカ側の一方的解釈であって、その解釈を日本側に明らかにした形跡はないとしています。
しかし、討論記録では、核兵器を搭載している米軍艦船の日本の領海と港湾への立入りは従来どおり続けられ、事前協議の対象にはならないとされています。したがって、米軍艦船は、この密約の下に当然のように日本の各地に寄港しているのであります。日本の外務省も、核兵器を搭載していないことを我が国政府として疑っていないなどと曖昧で無責任な対応をとり続けています。
この状態を解決するためには、討論記録の密約文書を破棄しなければなりません。
一方、密約文書と一体となっている日米安保条約の下で、神戸市会は、1975年に核兵器積載艦艇の神戸港入港拒否に関する決議を、1983年には非核平和都市に関する決議を行っています。
小樽市議会では、1982年6月28日に核兵器廃絶平和都市宣言を行っています。この宣言には、「核兵器の廃絶、使用禁止は、もっとも緊急な課題であり、日本国民は、世界唯一の被爆国民としてこれを積極的に実現する崇高な責務をおっている。小樽市は、わが国の非核三原則が完全に実施されることを願い、すべての核保有国に対し、核兵器の廃絶と軍縮を求め、核兵器廃絶の世論を喚起するため、ここに核兵器廃絶平和都市となる」と核兵器廃絶を明快にうたっています。本市の核兵器廃絶平和都市宣言の趣旨にのっとり、非核神戸方式の先例に学び、小樽市民の平和と安全・安心のために、核兵器を積載した艦船が入港することのないように非核港湾条例の制定を求めるものです。
議員皆様の賛同をお願いしまして、提案説明といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)日程第3「休会の決定」を議題といたします。
お諮りいたします。
議案調査のため、明9月4日から9月7日まで4日間、休会いたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
本日は、これをもって散会いたします。
散会午前10時45分
会議録署名議員
小樽市議会 議長 横 田 久 俊
議員 濱 本 進
議員 新 谷 と し