開議午後1時00分
○議長(横田久俊)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、吹田友三郎議員、小貫元議員を御指名いたします。
日程第1「議案第2号ないし第13号」を一括議題とし、これより一般質問を行います。
通告がありますので、順次、発言を許します。
(「議長、12番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)12番、鈴木喜明議員。
(12番鈴木喜明議員登壇)(拍手)
○12番(鈴木喜明議員)平成26年第2回定例会に当たり、一般質問をさせていただきます。
少子高齢化及び人口対策問題については、このたびの市民と語る会の中でも各会場で市民の皆さんから質問を受け、市民のそのことへの問題意識と危機感の高さが浮き彫りになったテーマでした。当然、我々市議会議員も、以前から本市にこの問題に対する打開策を求め、施策を提言、推進してきましたが、効果的とは言えず、市民の方にもあまり理解されていないのが現状のようです。この問題に対する施策は多岐にわたり、ほとんどの市の施策が相互に関連しています。このたびは、焦点を絞って、今期策定される小樽市住宅マスタープランと若年女性人口激減、年少人口減少という二つの現象についてお聞きします。
小樽市の2015年からの10年間の住宅政策の指針を定める小樽市住宅マスタープランの第1回策定委員会が、北海道職業能力開発大学校の小菅孝一准教授を委員長に、先月19日に開会されました。1回目なので、まだ何も具体的なことは出てこないのはわかりますが、その中で「市建設部が現行プランについて説明した」とありますが、その内容と現状の住宅施策の問題点を今後どのように分析、整理される予定なのか、そのお考えをお知らせください。
また、委員長からは、「少子高齢化や北海道新幹線との関連について、委員からは単なる住宅政策ではなく、福祉や教育、子育ての観点も踏まえたプランにすべきとの御意見があった」とありますが、住宅政策は人口対策問題等にも深くかかわり、しごくもっともなことと考えます。その点では、この市住宅マスタープランは本市他施策とも大きく関連することとなります。その点をどのように進められるのかをお示しください。
今年5月8日、日本創成会議・人口減少問題検討分科会から、2010年から40年までに道内の8割の市町村で、若年女性人口が半数以下になるとの試算が発表されました。本市においても、1万2,937人いた20歳から39歳の女性が4,404人まで減少し、減少率66.0パーセントと、道内都市部では最大の減少率と試算され、市民に衝撃が広がっています。自治体だけでは限界があり、国の抜本的対策を求めるところです。
しかし、本市としても手をこまねいているわけにはいきません。現在、移住促進、子育て支援など、若年女性人口減少対策には対応していますが、本市の若年女性人口の動態をどう把握され、現状をどう受け止められていますか。
また、現在進行中の施策の成果と期待及び新たな医療費助成の拡充や、保育環境の整備などの新たな子育て支援策、道内他都市で行われている体験移住用の格安の短期間賃貸マンションの用意などの新たな移住促進策などをお聞かせください。
今年4月、総務省が公表した、昨年10月1日現在の人口推計では、道内の14歳以下の年少人口の割合は11.6パーセントで、全国で3番目に低いとされました。その要因として、一人の女性が生涯に産む子供の数を示す合計特殊出生率が全国45位の1.28という低さがあるそうです。理由としては、道内の女性は全国と比べて生涯未婚率が高く、育児休業制度のある企業の割合が低いなど、社会的、経済的な要因があるとされています。
本市における年少人口の動態、合計特殊出生率、生涯未婚率、育児休業制度のある企業割合の状況と本市の今後の取組についてお聞かせください。
次に、小樽市運河・堺町観光バス駐車場管理についてお聞きします。
小樽市運河・堺町観光バス駐車場は、開設面積が3,417.76平方メートル、うち国有地が2,470.33平方メートルとなっており、平成23年7月1日から、札幌側の北一硝子株式会社開設のバス駐車場と一体管理とし、北一硝子に管理を委託し、運営しています。運河周辺には観光バスの駐車場は必須で、近隣観光関連業者は現在の管理・運営に安堵しているところです。しかし、今後の本市のかかわり方と駐車場管理の展望に毎年はらはらしているのが実情です。
今後の小樽市運河・堺町観光バス駐車場へのお考えをお示しください。
次に、本市とロシア沿海との港湾物流についてお聞きします。
高橋はるみ知事は、従来のサハリン州に加え、12年のAPEC開催を機に、経済成長率が著しい人口200万人を抱える大陸側の沿岸部への道内企業進出を後押しするため、6月5日、6日、道内の経済人ら80人でつくるロシア沿海地方・北海道経済ミッションの一員として、ロシア極東の沿海地方にあるウラジオストクを訪れ、現地のミクルシェフスキー沿海地方政府知事と会談したとの報道がありました。現地では、北海道ショールームや北海道銀行主催のウラジオストク駐在員事務所開設レセプションがあったとも聞きます。
初めに、この経済ミッションの内容をお知らせください。
平成25年第2回定例会予算特別委員会で、私の質問に対する理事者からの答弁の中で、今度の港湾計画改訂に向け、今後の小樽港の物流を、港湾関係者とともに小樽港研究会なるものを立ち上げ、小樽港の主要貨物であるフェリーやコンテナ、穀物、そしてロシア貿易貨物、こういったものについて個別に現状分析したり、また今後の可能性を探る。小樽港にとって物流は大事で、これら主要貨物を中心に、今後ともしっかりと貨物量を堅持し、また少しでも伸ばせるように取り組んでいきたいと考えているとお答えをいただきました。その後の経過と小樽港研究会の検討内容を市長はどう把握されているかをお聞かせください。
また、ロシア貿易に限って言えば、前回の旭川市中心に行った経済ミッションにも関連せず、今回の件も声がかかっていないとしたら、ロシア貿易先駆を自負する本市としては、定期航路も休止と言いつつ、再開のめどが立たず、RORO船の就航情報をも事前に把握できず、その新たな活用も見いだせないなど、圧倒的に対ロシア貿易に対する情報量が欠けていると考えますが、いかがでしょうか。
また、現時点でロシア貿易の可能性を模索していないとしたら、怠慢と受け取られても仕方がないと考えます。市長の御所見と今後の方針をお伺いいたします。
次に、高校生就職スキルアップ支援事業についてお聞きします。
文部科学省調査の今春卒業予定の国公私立高校生の就職内定率は、昨年12月末現在、前年同期比2.5ポイント増の85.3パーセントに上昇し、道内就職希望者1万531人のうち、8,315人が内定し、内定率は前年同比5.8ポイント増の79.0パーセントで、2003年度以降最高になったとあります。道教委によると、公立高校のみの昨年12月末の内定率は80.3パーセント、記録が残る90年12月の83.3パーセント以来の高さで、求人が近年になく多いとあり、本市内高校生の就職率も改善され、今期は市内企業が本市高校卒業生採用にこぎつけない状況もあるとお聞きします。
そこで、過去3年間の市内高校生の就職状況についてお聞かせください。
また、雇用対策で新規学卒者等の就職支援として、高校生就職スキルアップ支援事業費183万6,000円がさきの定例会で可決されましたが、主に高校1・2年生を対象に市内企業への就職率向上を図るため、就職活動の実践能力向上とありますが、このように就職率が改善された状況の中、どのような就職支援策となるのでしょうか。
また、皮肉なことに、本市の求人数が増えると同時に、市外からの求人も増えることとなります。例えば建設業などでは、市内の高校生に求人を出してもなかなか来てもらえず、市外に就職してしまうといった声が聞かれています。
このような現状の中、若者を市外に流出させないために何が必要か、市長のお考えをお聞かせください。
次に、ふれあいパス事業についてお聞きします。
平成26年度のふれあいパス交付が、3月20日から始まりました。4月1日から市内バス運賃が210円から220円に改定されたことに伴い、利用者負担額は1乗車につき110円から120円に変更になりましたが、70歳以上の買物に自動車を利用しにくい方や通院されている方などには大変喜ばれており、大きな予算は伴いますが、本市の必須の施策であることは周知のことです。
本市は、このたびのバス事業者との折衝には御苦労されたと思いますが、結果的な受益者負担増額に関して、市民からの苦情や御意見はどのようなものが何件あったかお知らせください。
利用者に配付しているふれあいパス利用方法の中で、「「ふれあいパス」を使用したときの市内分と市外分の合計額が、通常の一般運賃額を上回る場合は、「ふれあいパス」を使用せず、一般運賃額をお支払いください。」とありますが、ふれあいパスを使用したときの市内分と市外分の合計額が通常の一般運賃額を上回る場合の例をお知らせください。
次に、小樽公園再整備事業についてお聞きします。
本市小樽公園は明治26年の開園から何度か大規模な再整備を経てまいりましたが、今年度から日本庭園のリニューアルなど、3年間かけて再整備に取り組むことになりました。前回、第1弾として、平成20年度までに完成した施設は、空の遊びの回廊、大地の遊びの回廊などの大型遊具や迷路、さまざまな利用ができる多目的広場や野外学級施設などがあり、多くの市民が集い、憩い、遊ぶことのできる潤いとにぎわいのある公園としました。現在、公園に対する市民ニーズも多様化し、さまざまな人が集い、景観が楽しめ、子供が生き生きと遊び、学べる、地域の歴史、魅力を生かし、伝えていくなどがニーズとして挙げられています。小樽公園は本市のシンボル的な公園ですから、ぜひ市内各所から気軽に集う労を感じさせない魅力ある公園にしてほしいものです。
そこでお聞きします。このたびの第2弾整備は3年後に完成ということですが、さきに述べた市民ニーズにどう対応する公園になりますか。
市内各地から車で来られる方の駐車場対策は、いかがお考えですか。
また、3年間で行う整備の総予算をお聞かせください。
最後に、街路灯設置費助成についてお聞きします。
町会人口が減り、新興マンションやアパート住人の町会加入率の低下などにより、疲弊する町会財政に追い打ちをかけるようなたび重なる電気料金の値上げ、また設置から50年以上経過した器具も多くに上り、数多くの街路灯を運営している町会にとって、特に省エネ効果にすぐれたLEDへの改良工事は早急で必須なものと考えます。
この助成制度は、LED灯具は設置費の2分の1で1万6,000円を限度として助成する制度で、大変助かっているという町会の声も多数ありますが、いかんせん予算が400万円ではなかなか改良工事が進みません。このたびの市民と語る会の中では、各会場で市民の皆さんから質問があった関心のあるテーマでもありました。今後の町会等への電気料金の本市負担額や、老朽化した多数の街路灯の更新を見据えた街路灯設置費助成について、今後のお考えをお聞かせください。
以上、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)鈴木議員の御質問にお答えいたします。
初めに、少子高齢化及び人口対策問題について御質問がありました。
まず、小樽市住宅マスタープランの策定についてですが、第1回策定委員会では、現行計画の基本理念、五つの基本目標、その目標に従って展開する各種施策について説明いたしました。また、現状の住宅施策の問題点については、市民意向調査を実施するとともに、現行計画の点検、国勢調査等の関連する統計資料の分析、国や道の制度等との整合性の確認などを行い、その中で今後取り組むべき課題を抽出することとしております。
次に、他の施策とも関連する小樽市住宅マスタープランの策定の進め方についてですが、住宅政策は都市計画や福祉部門など複数の分野にかかわることから、策定に当たり、関係部局の課長職で組織する庁内検討委員会を設置し、その中で他の施策との調整を行いながら、素案を作成することとしております。
次に、若年女性人口の減少についてですが、まず本市の若年女性人口の動態と現状をどう受け止めるかにつきましては、住民基本台帳の20歳から39歳の若年女性人口は、平成20年末が1万4,151人、平成25年末が1万1,473人であり、各年代の出生数の減少に加え、特に20歳代が大きく転出超過の状況にあることから、2,678人減少しており、このことは本市における人口減少の要因の一つになっていると同時に、子供を産み育てる世代の減少が出生数の減少にもつながっているものと考えております。
次に、現在進めている施策の成果への期待と新たな取組につきましては、現在、企業誘致や地場企業への支援のほか、観光客やクルーズ客船誘致などの取組を進めておりますが、このような地域経済の活性化に向けた取組を通じて、特に若年者の雇用の場の創出や拡大に結びつくことを期待しているところであります。
また、新たな取組につきましては、子育て環境の整備や学力向上に向けた取組を今年度の重点施策に位置づけたところであり、まずは重点施策を中心に着実に進めてまいりますが、今後さらに新たな施策を検討していく必要があると考えております。
次に、年少人口の減少についてですが、本市における年少人口の動態などの指標と今後の取組につきましては、住民基本台帳のゼロ歳から14歳の年少人口は、平成20年末が1万3,879人、平成25年末が1万2,050人と、1,829人減少しております。
合計特殊出生率は、平成17年の0.94を底に、平成24年では1.08となっていますが、全国や北海道に比べ低い状況にあります。
また、平成22年国勢調査による女性の生涯未婚率は17.37パーセントであり、全国や北海道に比べ高い状況にあります。
育児休業制度のある企業割合については、平成25年度の小樽市労働実態調査によると、73.2パーセントとなっております。
今後の取組についてですが、国においても人口の維持に向け、本格的な議論が始まったところであり、そのような動きと並行しながら、本市としても、どのような対策が有効かを協議する場として、今後、検討会議を設置するなど、人口対策の取組を進めてまいりたいと考えております。
次に、小樽市運河・堺町観光バス駐車場管理について御質問がありました。
今後の小樽市運河・堺町観光バス駐車場につきましては、市といたしましても、北一硝子側も含めると年間3万台以上の利用があることから、小樽観光の重要なインフラとして位置づけており、本市を訪れる観光客の利便性の向上につながるものと考えております。これらを踏まえ、今後とも、観光バス駐車場の存続に向けて関係機関等と調整を図ってまいります。
次に、本市とロシア沿海地方との港湾物流についての御質問がありました。
まず、ロシア沿海地方・北海道経済ミッションにつきましては、両地域間の経済交流促進を図るため、北海道知事や道議会議長をはじめ、道内企業等の関係者約80名がウラジオストク市を訪問したものであります。ミッションにおける主な行事の概要についてですが、北海道観光や企業等の紹介、道産生鮮食品のPRを行った北海道ショールームや、道内企業とウラジオストク企業それぞれの関係者からのプレゼンテーション、金融機関円卓会議などのビジネス交流会を行ったとお聞きしております。
次に、小樽港研究会についてですが、この研究会は、小樽港湾振興会の会員企業や市の実務担当者で構成され、昨年の第2回定例会以降では4回開催しており、既存物流の振興に向けた取組、指定保税地域のあり方、公共上屋の必要数等をテーマとして検討を行ってきたところであり、現在は新規貨物誘致の可能性や、今後の港湾空間のゾーニングに関する基本的な考え方となる効率的な港湾空間の構築についての検討を進めております。
また、小樽港研究会は、本年9月をめどに小樽港の物流に関する検討を終えた後、小樽港湾振興会としての意見を伺う中で、最終的に検討結果を取りまとめることとしております。これまでに近年活発な動きが見られるロシア貿易につきましては、担当者から既に小樽港研究会の中間報告を受けておりますが、全体の検討結果につきましては、最終的な取りまとめを行った後に報告を受けることになっております。
次に、対ロシア貿易に関する情報収集や可能性の模索についてですが、ロシア極東地域につきましては本市にとって極めて重要な対外貿易地域であると考えており、特に昨年開設したウラジオストクとのRORO船定期航路につきましては、小樽港貿易振興協議会が東京と札幌で開催したセミナーで本定期航路のPRを行ったことを契機に、中古車以外の一般貨物の取扱いも試験的に開始されておりますので、運航会社や地元船舶代理店などの関係企業とともに、さらなる貨物の拡大の可能性について探ってまいりたいと考えております。
これに加え、極東ロシア沿海地方やサハリン州との在来船での取扱品目の拡充も視野に入れつつ、さきの小樽港研究会の報告なども踏まえながら、現地での情報収集の可能性を含め、新たな荷主の開拓や貨物の掘り起こしについて検討してまいりたいと考えております。
次に、高校生就職スキルアップ支援事業について御質問がありました。
まず、過去3年間の市内高校生の就職内定率につきましては、平成23年度82.7パーセント、24年度94.7パーセント、25年度97.1パーセントとなっております。
次に、就職支援策の内容につきましては、全体的な就職内定率は上向いている状況にありますが、一方で市内事業所への今年度の内定率は43.2パーセントと、高いとは言えない状況にありますので、事業所視察や模擬面接、自己PR手法などの就職活動実践サポートを通じて、地元企業への就職率向上に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
次に、若者を市外に流出させないために必要なことについてですが、ハローワーク小樽やスキルアップ支援事業受託企業などからの聞き取りによりますと、道内では給与面での条件はあまり変わらないが、福利厚生の面で違いがあること、また地元志向が強い生徒は別にして、待遇面が同じであっても、生活環境の違いから、札幌に目を向ける生徒も多いと聞いております。私といたしましては、市外流出を防ぐ意味からも、企業誘致などによる雇用の場の創出や、労働者地元定着事業などによる地元企業の魅力の周知をはじめ、若者が地元に就職したいと思えるような魅力あるまちづくりが必要であると考えております。
次に、ふれあいパス事業について御質問がありました。
まず、利用者負担の増額に対する市民からの苦情や御意見につきましては、交付会場、市の窓口、電話、中央バスの窓口や車内を含めまして、特になかったと報告を受けております。
次に、ふれあいパスを利用したときの市内分と市外分の合計額が一般運賃額を上回る場合の例につきましては、小樽駅前発のキロロ線でふれあいパスを使用した場合、市内分120円と市外分850円の合計が970円となり、一般運賃額930円に対し、40円高くなります。
次に、小樽公園再整備事業について質問がありました。
今年度から3年間で予定しております小樽公園再整備では、多様化する市民ニーズに応えるため、日本庭園における池や藤棚の改修、見晴台における眺望の確保や身障者用トイレの設置を行うことで、多くの市民の皆さんが集い、憩い、景観や眺望を楽しめる公園整備を進めるとともに、小樽公園の歴史や記念碑を紹介する案内板を設置し、歴史的魅力の発信を行ってまいります。
駐車場対策につきましては、今後、緑小学校跡地に新たな駐車場を計画しておりますが、それまでの間、旧東山中学校グラウンドに必要とされる駐車スペースを確保いたします。
また、小樽公園の再整備予算は、3年間で約1億円を予定しております。
次に、街路灯設置費助成について御質問がありました。
街路灯設置費助成につきましては、電気料金の値上げや街路灯の老朽化などに伴い、省エネ効果の高いLEDへ更新したい旨の申請件数が近年増加傾向にあります。LED化を進めることは町会等の維持費の縮減にも結びつくもので、厳しい財政状況ではありますが、助成制度のあり方について、財源も含め検討してまいりたいと考えております。
(「議長、12番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)12番、鈴木喜明議員。
○12番(鈴木喜明議員)2点ほど再質問をさせていただきます。
まず、1点目は、対ロシア貿易についてですけれども、先ほど市長の御答弁の中で、9月をめどに小樽港研究会の検討内容をまとめられるということでございますが、今、港湾関係者からは、貨物や物流を今後どうしていくかという小樽市の方針がはっきり見えないと苦言を呈されております。今回こういうことで検討内容をおまとめになって、皆さんに御説明したり発表していくわけですから、その発信をきちんとしていただきたいというのが希望であります。
それと、その件にかかわって、高橋はるみ知事がこういった形でロシア沿海地方・北海道経済ミッションに同行されたということで、石狩湾新港、あちらはやはり道の関係でございますので、今後対ロシア貿易の中心は向こうへ移るのではないかというような懸念もあるということも何となく港湾関係者から、お聞きしたわけでありまして、そういうところもきちんと押さえていただきたいというのが1点であります。
2点目は、街路灯設置費助成についてでありますけれども、これにつきましては代表質問でも皆さんいろいろお聞きになりましたが、市長の御答弁の中では、どうしていくのかということがはっきり見えてこない部分がございます。私の要望としましては、町会が本当に切望していることでございますので、一、二年の短期ですと、それは町会の負担もかなり大きく、すぐにはならないのですけれども、だからといって10年、20年というすごい長いスパンでは、また計画も立たない。そういった中で、何とか5年とか数年でやるというようなことを言っていただきますと、町会もそれなりの準備ができるということもあります。
そういうことも含めて、もう少しはっきりした方針をお答えいただければというふうに思います。この2点をお聞きいたします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)鈴木議員の再質問にお答えします。
まず、ロシア貿易の関係でございますけれども、私も沿海貿易といたしまして、何とかロシア貿易を進めていきたいと思ってございます。今回のロシア沿海地方・北海道経済ミッションについては、私どもは招待というか御案内をいただいておりませんでしたので、結果として新聞等で承知したわけでございますが、今、例えば北洋銀行、あるいは北海道銀行がロシアとの関係にかなり力を入れております。先日も北洋銀行の頭取、それから北海道銀行の頭取にお会いしたときに、何とか私どもも一緒に進めていきたいということをお願いいたしましたので、今後さらに積極的に進めていきたいと、このように思っているところでございます。
それから、街路防犯灯の問題につきましては、昨日、一昨日も質問をいただいたところであります。それだけにやはり市民の、あるいは町会の気持ちとしては大変強いものがあるというふうに思っております。昨日も一昨日も答弁をさせていただきましたとおり、LEDへの変更は、かなり消費電力の節電にもつながりますし、当然消費電力が減るということは電気料金、これにもつながるわけでございまして、水銀灯から見ると約70パーセントの減になるだろうということでございますので、これは将来のランニングコストというか、電気料金のことを見ると、大変大きなウエートを占めるだろうと思っております。
ただ、答弁させていただきましたように、今、財政の問題等もございますので、そちらともにらみ合わせながら、取り組んでいかなければいけないと思いますけれども、鈴木議員がおっしゃるように、10年や20年ということではなくて、私としてははっきり申し上げられませんけれども、数年で何とかしていきたい、このように思っておりますので、御理解をいただきたいと思っております。
○議長(横田久俊)鈴木議員の一般質問を終結いたします。
(「議長、18番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)18番、山口保議員。
(18番山口保議員登壇)(拍手)
○18番(山口保議員)一般質問を行います。
まず、カジノ誘致について伺います。
私は、平成20年第4回定例会一般質問で、カジノ誘致に対する質問を行って以来、平成25年第4回定例会会派代表質問において、本市へのカジノ誘致の問題点について、再度私自身の考え方を述べさせていただきました。その際、市民と行政が向き合い、一体となって書き上げられた小樽市観光基本計画や小樽観光都市宣言、また、平成25年第4回定例会で成立いたしました小樽市自治基本条例の前文にも述べられております本市まちづくりの精神にカジノ誘致は相入れないと申し上げました。
これまで本市は、他市にはない歴史や風土を通して、市民と訪れる観光客が触れ合い、心を通わせ、そうした交流を通して、市民一人一人がより一層の郷土への愛着を深め、さらに誇りを持って暮らすことのできるまちづくりを官民一体となって努力を重ねてきたはずであります。
今年で16回目を数え、冬の風物詩として北海道を代表する催しの一つとなった小樽雪あかりの路は、まさにそうした本市のまちづくりの精神が具現化されており、だからこそ多くの市民が10日間もの長きにわたり、冬の寒さの中、ボランティアとして参加をされているのだと思います。私はそうした努力が本市の観光の質を高め、また、本市のブランド力の下支えとなるとうとい力だと確信をいたしております。本市へのカジノ誘致はそうしたまちづくりの努力に水を差し、築き上げられてきた本市のイメージや、それを支えてこられた多くの市民への背信行為にほかならないと考えます。
市長は、平成25年第3回定例会、我が会派の佐々木秩議員の会派代表質問において、「現段階でカジノを含むIRの誘致活動を進めてまいりますが、最終的な決定をしたとは考えておりません」、また、市の大きな財政負担を伴う場合や市民合意が得られないということであれば、撤退せざるを得ないというふうに思っているともお答えになっております。今もそのお考えに変わりはありませんか、お伺いいたします。
また、市民合意を得るために、今後どのような努力をされるおつもりですか。あわせてお答え願います。
佐々木秩議員の質問に対しては、「小樽国際観光リゾート推進協議会とともに説明会などを開催し、市民の皆さんにIRに対する理解を深めていただきたいと考えております」と述べられておりました。先日5月11日に設立されましたカジノ誘致に反対する小樽市民の会も交えた議論の場を設ける考えはありませんか、お考えをお聞かせください。
さて、先日開催された小樽国際観光リゾート推進協議会の定期総会とあわせて開催されたセミナーでは、北海道の関係者も出席され、今後のカジノ誘致に向けた北海道の取組についても報告されております。「誘致地域と共に北海道へのIR実現に向け、具体的に検討を進める」と書かれた項には、誘致地域とともに今年度に進めていく課題として、「地域住民の合意形成」「道民へのIR理解促進」「IR事業者へのアピール」「国への制度設計の提案」となっております。そして、この間、市場可能性調査、経済波及効果調査、社会影響予測・対策整理をした上で、今年11月を目途に北海道型IRの基本的な考え方を整理するとされております。「誘致地域と共に」と書かれておりますから、本市も当然含まれているわけであります。
こうした北海道の調査に本市としてどのように関与をされますか、お答えをいただきたいと思います。
私は、こうした調査は本来誘致の是非を判断する前に行われるべきものと考えます。北海道のこうした調査はIR実現を前提とした調査となりますから、公平な調査にはならないと考えますが、本市で独自に調査をするおつもりはありますか。私は、誘致前提の調査ではなく、誘致の是非を判断するための市の独自調査を求めますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
私は、道の調査項目とは別に、本市観光への負の影響も調査をすべきと考えます。そうした意味で、平成25年第4回定例会予算特別委員会で、例えば小樽ふれあい観光大使の52名の方々や、小樽ファンが支えるふるさとまちづくり寄附条例に寄附を寄せていただいています市内、道内、道外の1,008名の方々、また身銭を切って講座を受けられ、おたる案内人の資格を取得されたマイスターや1級、2級合わせて641名の方々に、本市のカジノ誘致の是非やお考えを率直に聞き取りされるべきと申し上げました。
市長は、その際、IR推進法が成立した暁には本市をサポートしていただいている皆さんにもそういうことはしっかりお聞きしたいと思っているとお答えになっております。もう一度この本会議の場で確認をさせていただきたいと思います。市長のこのお考えに変わりはありませんか、お答えをいただきたいと思います。
さて、市長は、4月23日から韓国のカジノ事情視察のため、済州島や江原道を訪問されております。まず、率直な感想をお聞かせいただきたいと思います。
江原道、カンウォンランドカジノについては、平成25年第4回定例会予算特別委員会で、私は2012年10月にYouTubeにアップロードされましたカンウォンランドカジノに関するレポートを基に質問をいたしました。誘致活動の中心的役割を果たされたチェ・ドンスン氏へのインタビューや、韓国賭博中毒センターでのカンウォンランド常務取締役チェ・ドンニョル氏などへの聞き取り調査などに触れ、韓国最大のカジノであり、売上げも韓国17カジノのうち群を抜いてトップであるカジノを誘致したまちの信じられない荒廃をした現状を紹介させていただきました。今回、市長は現地に行かれたわけですから、どのような調査をされ、また、その具体的な内容についても、この場でお聞かせをいただきたいと思います。
市民議論を進める上では、議論の材料となるさまざまな資料の提供が必要であります。さきの北海道による資料の中で、IR実施法案の目的は①観光振興、②経済の活性化、③財政への寄与と書かれております。市長も、おおむねそれらを誘致の目的として説明をされております。市長は誘致を表明されている以上、これらを具体的にどのように実現をされるのか、市民に説明されねばなりません。
また、プラスの側面ばかりではなく、マイナスの側面も検討がなされるべきではないでしょうか。
先ほど触れさせていただきましたカジノ誘致に反対する小樽市民の会は、シンガポールやマカオなど、先行するカジノのメリットとデメリットを検証した調査論文などもお持ちだと伺っております。私は、小樽市自治基本条例の本旨に照らして、推進派、反対派、行政の三者からパネラーを出し合い、公開の場での討論会を開催すべきと考えますが、市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
カジノの項は終わりまして、次の項に移らせていただきます。
市内空き家の増加とその管理、又はその活用についてお伺いをいたします。
私は、平成26年第1回定例会予算特別委員会でも触れさせていただいておりますが、本市でも空き家の増加が社会問題化しつつあり、空き家管理条例を制定すべく検討がなされているところだとお聞きしております。一方で、市内空き家を都市資源として捉え、それを利用する施策については、たびたび議会の場で議論をさせていただき、平成20年、21年の市内空き家の調査を経て、空き家バンクの制度が本市でも発足しておりますが、なかなか成果が上がっていない現状であります。また、残念ながら、現状では空き家バンクへの登録はゼロともお聞きしております。
私は、前定例会の予算特別委員会で、若年層の人口減対策と空き家対策を結びつけて考えられる施策として、札幌圏や市内の低所得若年層の持家対策としての市内空き家の活用を議論させていただきました。近年の不安定雇用と低賃金にさらされている若年層は、土地を取得し、長期の住宅ローンを借りて、家を新築することが大変難しくなってきております。一方で、築年数四、五十年と経過をして、不動産としての市場価値もなく、また解体費用も捻出できず放置されている物件は、結局、危険空き家として社会問題化することになるわけであります。
こうした物件の中には、改修、リフォームすれば十分に住み続けることができるものも少なくありません。市内不動産業界では、そうした空き家でも駅に近いなど、利便性が高い地区では、近年リフォームをして販売成約されているとお聞きをいたしております。また、新聞などの広告欄や折り込みチラシなどでも中古物件の売買が時折見かけられますが、築二、三十年以内のものがほとんどではないでしょうか。私は、そうした業界の網にかからず取り残される物件こそ、資源化できると考えるわけであります。
中古住宅を取得し、リフォームをして、例えば七、八百万円で、また低利で25年程度のローンが組めるとなれば、借りている家賃の範囲で十分持家が可能ではないでしょうか。そうした空き家の情報を集め、整理し、訴求し、金融と建築業界ともつなぐことのできる窓口さえできれば、埋もれている需要が相当数顕在化するものと考えられます。本市の空き家バンク制度も、そうした仕組みをセットで持っていれば生きてくるのではないでしょうか。融資につきましても、中小企業向けにはマルタル資金など、金融機関とも連携をされている制度もあるわけですし、新たな政策的金融制度として検討できると考えます。
ところで、本市の市内の空き家情報につきましては、平成20年から21年にかけて調査をされて以来、5年が経過をいたしております。現在、準備、検討がなされている本市の空き家管理条例制定に向けても、新たにより詳細な調査が必要になるのではないかと考えます。
また、これまで述べさせていただきました市内空き家の活用策も含めた新たな空き家バンク制度のリニューアルや活性化のためにも、新たな市内の空き家の調査が必要になると考えますが、市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
また、私は、市内高台にある空き家の幾つかは、二地域居住誘致のための空き家ファンドとして政策的に可能ではないかと、これまでも議論をさせていただいております。ぜひ取組を検討してほしいと思います。これまで何度も詳しくお話申し上げておりますので、ここでは説明は省かせていただきますが、いずれも本市の政策的関与なしには実効性のないものと考えます。移住や二地域居住については、本市企画政策室でも、市民を交えて研究もされてこられていると承知をいたしております。さきに触れさせていただきました若年層の持家対策と二地域居住誘致の空き家ファンドについて、市内金融機関、建築業界、市内不動産業界などにも入っていただき、研究会などを立ち上げられないでしょうか。
建設事業協会には優秀な本市のOBがいらっしゃいますし、小樽信用金庫さんは、近年、中古住宅取得に対する融資に熱心に取り組んでおられるとお聞きをいたしております。また、市内不動産業界の若手で私的な研究会が立ち上げられているともお聞きをいたしております。本議会にもこうした案件に興味を持たれる若い議員もいらっしゃいます。私も特色ある政策に仕上げていけると自負をいたしておりますのでぜひ加えていただきたいです。市長のお考えをお伺いいたし、私の質問を終えさせていただきます。
なお、再質問は留保をいたします。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)山口議員の御質問にお答えいたします。
初めに、カジノ誘致について御質問がありました。
まず、平成25年第3回定例会での民主党・市民連合、佐々木秩議員の代表質問に対する私の答弁につきましては、現在も基本的な考えに変わりはありません。
また、市民合意を得ることにつきましては、今後とも北海道と連携を図りながら、IRに関する各種情報を収集するとともに、IR推進法が成立した後には、市民の皆さんに対する説明会の開催や市ホームページによる情報提供を行ってまいりたいと考えております。
次に、今年度北海道が実施するIRに関する調査につきましては、本道におけるIRの経済波及効果等調査や社会的影響予測・対策調査など、北海道型IRの基本的な考え方の調査、道民の理解、促進を図る取組が実施されると聞いておりますので、市といたしましても、統計資料や各種情報の提供などの協力をしてまいりたいと考えております。
また、北海道では調査結果を誘致に必要な材料の整理に活用するとしておりますが、本市での誘致に向けた判断にも十分参考になるものであり、現時点では市の独自調査を実施する考えはありません。
次に、平成25年第4回定例会の予算特別委員会でのIR推進法成立後、いろいろな方の御意見をお聞きするという私の答弁につきましては、現在も基本的な考えに変わりはありません。
次に、韓国IR視察の感想につきましては、外国人専用の済州島と唯一韓国国民が入場できるカンウォンランドの対照的な2か所のカジノ施設を中心に、カンウォンランドの中毒ケアセンターもあわせて視察してまいりました。済州島では、セキュリティレベルが高いことや、外国人観光客誘致に重要な役割を果たしていること、カンウォンランドでは、市街地から離れた廃鉱跡地にありながら、大規模で平日でも来場者が多いこと、中毒ケアセンターでは依存症対策が充実していることなどが印象に残っております。全体を通して、韓国IRのメリットとデメリットを視察できたことは、大変有意義であったと考えております。
また、カンウォンランドでの具体的な調査内容につきましては、施設見学のほか、中毒ケアセンターの担当職員から、現況説明や依存症の予防、相談システムなどについての講義を受けてきたところであります。
次に、推進派、反対派、行政の三者による公開討論会の開催につきましては、IR推進法が成立した後、市民の皆さんを対象とした説明会などを実施する予定でありますので、今後、具体的なあり方についても検討してまいりたいと考えております。
次に、空き家の増加とその活用について御質問がありました。
まず、空き家に関する新たな調査についてですが、空き家バンクに登録できるような空き家は再活用できる良好な物件でありますので、そのような空き家は不動産業界や建築業界において既に販売されているところであります。
また、これまで検討を進めてきた空き家に関する条例は、危険とされる空き家に対応することを目的としており、改修までには至らない、再活用できない物件であります。これら危険な空き家につきましては、平成20、21年度の調査結果や、建設部と消防本部に寄せられている情報などから把握しております。
このことから、御質問の調査対象となる空き家は、これら以外の大きなリフォームが必要となる空き家と考えられますが、民間の業界において流通対象にならない空き家を市の政策として仲介することには、仮に隠れた瑕疵があった場合には大きな問題となることが懸念されることから、調査につきましては慎重に対応しなければならないものと考えております。
次に、低所得者向けの持家対策と二地域居住誘致のための空き家ファンドに係る研究会についてですが、空き家を持家や別荘のように活用することは定住促進、人口対策に結びつくとともに、増加する危険な空き家の発生を抑制することにもつながるものと考えておりますので、さまざまな業界が参加する研究会の立ち上げにつきましては、事業主体や市のかかわり、それぞれの役割分担も含め、研究してまいりたいと考えております。
(「議長、18番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)18番、山口保議員。
○18番(山口保議員)再質問をさせていただきたいと思います。
カジノについてです。
前回の予算特別委員会でのことでございますけれども、小樽ファンの方々にアンケートをされるようなことで調査をしないのかということで質問した際に、お答えをいただいた分では、いろいろな方々からお話を伺いたいというふうにお答えになりましたけれども、私はこのとき、先ほども具体的に聞きましたけれども、観光案内人の方とか、それから道内、市外の小樽ファンが支えるふるさとまちづくり寄附条例に寄附を寄せていただいた方とか、小樽ふれあい観光大使の方とか、そういう方にお聞きをされないのかということを聞いて、そのときには市長は、そういうことをやりたいというふうにお答えをしているわけです。今回は具体的にそういうことに触れてお答えになったのか、その辺がちょっと不明ですので、再度確認をしたいということです。
それからもう一点、江原道の視察にお行きになりましたけれども、代表質問での答弁や、今回の答弁もそうですけれども、基本的には中毒ケアセンターと、カジノ内部の話が多かったのですが、私が一番懸念しているのは、予算特別委員会でもお話をしましたけれども、カジノ周辺のまち並みが荒廃しましたということです。YouTubeの内容でも説明をさせていただきましたけれども、例えば質屋とか風俗など、そういうものが周辺にたくさんできていますよと。酔っぱらいがうろうろしていますと。浮浪者も二、三千人いますと。そうした都市の荒廃が人口のすごい減少に、半減したと言われていますけれども、そういうものにつながってしまっていると。だから、誘致を実行した中心メンバーでさえ、これは大失敗だったということでインタビューにお答えになっているわけです。一番大事なところはそこだと思いますが、そういうカジノ周辺についてもごらんになってこられたと思います。そういう印象が市長におありであればお答えをいただきたいと思っておりましたが、それには触れていただけませんでしたので、ぜひお答えをいただきたいと思います。
その2点です。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)山口議員の再質問にお答えしたいと思います。
まず1点目、カジノ誘致についてのどういう人たちにいろいろと意見を聞くかということについては、今、議員がおっしゃったような方も含めてどういう方がよろしいのか、どういう方からであれば一番きちんとした意見を聞くことができるのかを含めて考えていきたいと思っております。ですから、当然、今、議員がおっしゃっている方も対象にして考えていきたいと思っております。
それから、カジノの江原道の問題でありますけれども、私は以前のカンウォンランドを知らないのです。だから、炭鉱跡地にカンウォンランドができたということで、多少歴史のことを聞きましたけれども、荒廃したかどうかというのはわかりませんが、現在の状況だけ見ると、確かにカジノ施設のあるホテルの下のほうには質屋が何軒かありました。プレハブのような形の建物でありました。それから、風俗とか、そういったことについては特に感じなかったです。それから、昼間でございましたけれども、酔っぱらいがいたとか、治安の問題について心配するような、そういう感じはありませんでした。バスの窓からの視察であり、実際に土地におりたのは少しだけで、ずっと歩いていませんけれども、人通りなどを見ましても、そういうふうなことは私は特に感じませんでした。
(「議長、18番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)18番、山口保議員。
○18番(山口保議員)これは質問ではございませんけれども、申し述べておきたいと思いちょっと今申し上げますが、市長、今そのようにおっしゃいましたけれども、北海道新聞の記者も随行されたのかわかりませんが、視察されて、まとめて記事にもされていらっしゃいます。江原道のカンウォンランドの周辺のことについて、私が予算特別委員会でYouTubeを見た上でいろいろ申し上げましたけれども、それにほとんど近い形で報告がなされております。ぜひ市長には、バスの中から見た程度では、まちの変化みたいなものはたぶんおわかりにならないと思いますので、また予算を使ってお行きになってもいいですから、これは大事なことですから、しっかり見ていただいて、その報告をまとめて、議会の場でも報告をしていただきたいと私は思います。
○議長(横田久俊)山口議員の一般質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時07分
――――――――――――――
再開午後2時30分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、一般質問を続行いたします。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、中島麗子議員。
(20番中島麗子議員登壇)(拍手)
○20番(中島麗子議員)一般質問を行います。
今年3月、埼玉県富士見市のマンションで、自称ベビーシッターの男性に預けられた2歳の男児が死亡する事件が発生しました。事件の被害者である母親はシングルマザーで、2歳と8か月の2人の子供をインターネットを介して保育依頼したものです。預かった男性は無資格で、無資格者がなぜ保育事業を行っていたのか、無届けの保育サービスの実態が問題になりました。
その背景には、歴代自民党政権が多様な働き方として労働の規制緩和を進めてきた結果、派遣や契約、パートなど、非正規労働者が急増し、昨年は前年比93万人増の1,906万人となり過去最高で、その6割が女性です。多様な働き方が広がっているのに、公的保育は平日の昼間に親が働くことを前提にしているため、早朝や夜間、泊まりなどに対応する保育サービスは、ごくわずかです。そのために、ベビーシッターのような民間保育サービスがカバーしているのが現状です。しかし、1時間の料金が2,000円前後と高額なため、経済的に苦しいシングルマザーや非正規で働く人は、ネット仲介の低料金のシッターに頼らざるを得ない実態があります。
そこで、小樽市の保育事業にかかわって質問します。
本市の一時保育は、日赤保育所、ゆりかご保育園、あおぞら保育園の3か所で実施されています。平成25年度実績では延べ1,464人が利用しており、1日平均5人の利用です。同じく平成25年度のファミリーサポートセンターの利用件数は668件と聞いていますが、これらの利用目的の内訳をお知らせください。
小樽市次世代育成支援行動計画の後期計画では、平成26年度まで一時保育を拡大することを目標にしています。平成24年第4回定例会には、相愛保育所父母の会から北西部地区における「一時的保育事業」の実施方について陳情が出されています。現在の一時保育は全て市内中心部のため、北西部地域にも希望するものですが、実施されていません。市内の地形から見ても、子育て支援の立場からも、ぜひ実施すべきと思いますが、なぜ開設しないのか、市内の一時保育の充足については、どのように判断しているのでしょうか。
平成27年度から実施される子ども・子育て支援新制度に向けて、昨年秋に小樽市子ども・子育て支援アンケートを実施しています。就学前児童を持つ家庭888件の回答では、「配偶者がいない」97人、10.9パーセント、「日常的、また緊急時に預かってもらえる人がいない」84人、9.5パーセント。「子育てをする上でどんなサポートを希望するか」に対しては、「行政の子育て支援サービス」が213人、23.9パーセント、その中では「緊急の場合などの託児サービスの充実」を求めるものが31人でトップでした。一時保育は今年度までに1か所以上の拡大を目標にしており、実施したいと希望する保育所があるのに認めないのはなぜか説明してください。
同様に、上記計画にある平成26年度まで1か所設置予定の病児・病後児保育については、今年度中に実現できるのか、これまでの経過も含めてお聞かせください。
最後に、子ども・子育て支援新制度ですが、2015年4月の本格施行を目指して、子ども・子育て会議で検討を進めています。新制度では、施設型保育と地域型保育に分かれ、地域型保育の認可基準は市町村がつくることになっています。また、保護者の就労状況に基づいて保育時間が決められ、施設への補助金制度も変わります。小樽市は、認可外保育事業補助金として市内の認可外保育施設に対して市独自に補助金を出していますが、新制度になっても続けてほしいと要望があります。引き続き、市の子育て支援策として継続、拡大を希望しますが、市長の見解を求めます。
次に、全国学力・学習状況調査と教育委員会制度について質問します。
文部科学省は、4月22日、全国の小学校6年生と中学3年生約224万人を対象に、第7回目の全国学力・学習状況調査を実施しました。これまで全国学力・学習状況調査の実施要領では、序列化や過度な競争が生じるおそれなどがあるとして、自治体による学校別結果の公表は禁じていました。しかし、昨年11月に公表した本年度の実施要領で初めてその方針を転換し、市町村教育委員会が学校別結果を公表することや、都道府県教育委員会が市町村教育委員会の同意を得て、市町村別、学校別の結果を公表することができるとしました。なぜこれまで認めてこなかった学校別公表を可能としたのか、お知らせください。
学校別公表については、市民から意見が寄せられているのか、小樽市教育委員会としてはどのような議論をしてきたのか、今後の方向についてもお答えください。
全国学力・学習状況調査は、学校で普通に行われるテストとは違います。通常のテストは、授業でやったことを子供たちがきちんと理解しているかどうか、誰がどこでつまずいているのか確認し、指導に役立てられています。ところが、全国学力・学習状況調査は、結果が出るのは実施から数か月後で、どんなテストだったか忘れたころです。返ってくるのは答案用紙ではなく、問題ごとにできたかできなかったかを示す表ですから、子供たちは自分がどこでどう間違ったかわからない、教員もこのテストについての具体的な指導ができません。つまり、学力テストは、子供の学力増進に役立つものではなく、点数化された結果を学力として明らかにすることが目的です。教育長は、全国学力・学習状況調査を毎年続けてきたことで、どのような教育効果になったと考えていますか、お聞かせください。
全国下位にある北海道は、「ほっかいどう「学力・体力向上運動」メッセージ」を、高橋はるみ知事、道教育委員会委員長の連名で発信し、平成21年度より道内全ての小・中学校を対象にチャレンジテストを実施しています。この目的と、これまでの本市における実施状況、通常のテストと何が違うのか、お聞かせください。
重大なことは、全国学力・学習状況調査でランキングが明らかにされますから、平均点を1点でも上げようとする競争が目的化し、教育をゆがめることです。全国では、全国学力・学習状況調査対策として、春休みの宿題、過去の問題などを使った朝、放課後、授業時間の補習が行われ、地域や学校間競争が激化し、平均点を上げろと追い立てられる状況が各地に広がっています。小樽市内の各学校でこのようなテスト対策が実施されていませんか、お聞きします。
今述べたように、既に地域間で点数引上げ対策が始まっていますが、政府は、さらにこれを学校間に広げようとしています。しかし、今のところ、多くの教育委員会は学校別の公表には慎重です。
安倍政権は、教育委員会制度を変更し、首長が教育長を任命し、国の教育方針を推進できるようにして、教育委員会の独立性をなくそうとしています。6月13日、国会で強行可決された教育委員会制度改革は、教育委員会委員長と教育長を一体化し、首長が直接教育長を任命するものです。教育委員会は、国や首長から独立した行政組織である点に特徴があり、現在は教育委員会が教育長を任命し指揮監督する仕組みですが、立場が逆転します。教育委員会の独立性が大きく損なわれ、国と首長が教育と教育行政を支配することになります。憲法が保障した教育の自由と自主性の侵害になります。日の丸、君が代をはじめ全国学力・学習状況調査の学校別公表など、国の方針どおりの教育を押しつけることになると心配です。教育委員会制度の改革について、市長、教育長、それぞれの見解をお聞きします。
次に、障害者タクシー利用助成制度について質問します。
現在、小樽市では、一定の障害を持つ方を対象にタクシー利用助成券が交付されています。対象は、両下肢・体幹・移動機能1・2級、視覚1級、腎臓機能障害1級で、居住地や利用条件で400円券と500円券が支給されています。平成25年度実績では、年間約1,000名が利用しています。利用時はタクシーの基本料金520円がタクシー料金割引制度で1割引になり、400円券では60円の自己負担が発生します。利用者からは、タクシー基本料金分の助成支援にしてほしいと希望があります。道内他都市の実施状況を見ると、タクシーの基本料金分を支給しているところは4自治体ありました。今後、物価変動でタクシー料金の値上げの可能性もあります。基本料金分の助成に改善できないのか、お聞きします。
また、交付対象者には、視覚障害1級の方がいます。助成券には氏名を記入しなければなりません。ひとり暮らしの方もいますので、本人が希望すれば氏名の記入をしていただけないでしょうか。
再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)中島議員の御質問にお答えいたします。
初めに、子育て支援について御質問がありました。
まず、一時保育の拡大についてですが、平成25年度の一時保育事業の利用内訳につきましては、パート就労などで保育が必要な場合が765件、緊急の場合の保育が435件、私的理由による保育が264件となっております。
また、ファミリーサポートセンター事業につきましては、一時保育事業と同様の統計区分をとっておりませんが、利用内訳は日常的な預かりが602件、病気の預かりが59件、緊急の預かりが7件となっております。
次に、北西部地域において一時保育を実施していない理由につきましては、平成23年度に行った乳幼児健診受診者を対象としたアンケート調査で、「現在の3保育所以外の地域での一時保育を利用したいと思う」が約3割、「利用しないと思う」が約7割であったことや、平成24年度の利用件数が全体的に大きく落ち込んだことなどの経緯があり、実施していないものであります。
また、市内の一時保育の状況につきましては、おおむね充足されているものと考えております。
次に、次世代育成支援行動計画における実施保育所拡大の方針と実施希望保育所があるのに実施していない理由につきましては、平成21年度に行動計画を策定した以降、3か所の実施施設における利用件数が大きく落ち込んだことから、箇所数の拡大ということには至らなかったものであります。
なお、今後の方向性につきましては、昨年実施したアンケート結果を参考にするとともに、今年度の利用状況の推移などを見ながら検討してまいりたいと考えております。
次に、病児・病後児保育の実施についてですが、これまでの経過と今年度中に実現できるのかということにつきましては、平成22年度に新市立病院内での設置を検討いたしましたが、小児科の診療体制などの面で難しかったことから、他の医療機関での実施の可能性を探っていくこととし、その後、市内の小児科医から、病児・病後児保育に関する考え方を伺うなどしてきたところであります。これらの取組の中で、市内には小児科の医師が少ないこと、事業実施のための適当な施設がないこと、新たな施設整備には相応の財政負担を伴うこと、運営に関する国の補助が低額であることなどが課題となっており、これらの課題の解決が必要であるため、今年度中の実現は困難と考えております。
次に、子ども・子育て支援新制度における認可外保育施設への支援についてですが、補助の継続、拡大につきましては、現在、国が進めている子ども・子育て支援新制度の内容や新制度移行後の財政負担のあり方などとともに検討が必要であると考えております。
次に、全国学力・学習状況調査と教育委員会改革について御質問がありました。
先般、成立した教育委員会制度改革に対する見解につきまして、この制度改革は、そもそもいじめ問題が発端であると認識しておりますが、昨今、社会問題化しております引きこもりや子供の貧困、さらには現に本市でも行っております学校統廃合など、教育委員会だけではなく、福祉施設として、また、まちづくりの観点も含めて検討すべき事案が増加している現状もあります。この改革により、首長の下に総合教育会議が設置され、教育に関する大綱や重要な事項などについて協議することとなっておりますし、また教育委員会は独立した執行機関として存置されますので、教育の政治的中立性は確保されたまま、これまで以上に教育委員会との意思疎通が図られ、諸課題に対して市が一体となって対応していくことができるのではないかと思っております。
次に、障害者タクシー利用助成制度について御質問がありました。
まず、タクシーの助成額を基本料金分の助成に改善できないかということにつきましては、この制度は市の単独事業でありますので、本市の厳しい財政状況を踏まえますと、大変難しいものと考えております。
次に、タクシー利用助成券に氏名を記入することが困難な視覚障害をお持ちの方への対応につきましては、助成券を交付する窓口において職員が御本人の希望に応じて氏名を記入しております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)中島議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、全国学力・学習状況調査と教育委員会の体制について御質問がありました。
初めに、文部科学省が学校別公表を可能とした理由と市民からの意見、教育委員会としての議論の状況と今後の方向についてでありますが、文部科学省の通知では、調査結果の公表に関しては、教育委員会や学校が保護者や地域住民に対して説明責任を果たすことが重要であると示されておりますが、公表を可能とした理由についての公式な見解は、道教委としても把握していないと聞いております。
また、この件に関して特に市民からの意見は寄せられておりませんが、各種会議や集まりの中で、序列化や過度な競争につながる懸念があるので慎重に扱うべきであるという意見や、自分の子供がどのくらいの位置にあるのか正確に教えてほしいなど、さまざまな意見があることは承知しております。教育委員会として、現在、学校別の平均正答率を公表することが、子供たちや保護者あるいは教職員へどのような影響があるのか、さまざまな観点から慎重に検討を行っているところであります。
次に、全国学力・学習状況調査に継続して参加してきた教育効果についてでありますが、本調査は、児童・生徒の学力や学習状況を把握・分析し、児童・生徒への教育指導の充実や学習状況の改善などに役立てることを狙いとして参加してきました。その結果、教職員にあっては、全国学力・学習状況調査の結果の分析を行い、みずからの授業を改善し見直すという意識が高まり、習熟度別少人数指導やティーム・ティーチングの取組、放課後学習や長期休業中の補習などへの参加促進が図られてきました。
また、学習状況の面では、本市においては家庭学習や読書の時間が少なく、携帯電話の所持率が高いなどの状況から、音読運動や携10運動などを通して家庭学習の必要性や意識が徐々に浸透し、その効果が出てきているものと考えております。今後とも、学校と家庭が協力して、子供たちの学力向上に取り組んでいきたいと考えております。
次に、チャレンジテストの目的と、これまでの本市における実施状況、通常のテストとの違いについてでありますが、初めに道教委では、児童・生徒に基礎的・基本的な知識・技能の確実な定着、思考力・判断力・表現力などの育成を図ることを目的に北海道学力向上Webシステムを活用して、国語、算数・数学、理科、社会の問題の発信、集計、分析等を行っております。
本市では、このテストには子供たちの学習内容の定着状況を全道、管内と比べることができるという他のテストと違う点があることから、学力向上にプラスになるものと考えており、各学校では授業や朝の学習、放課後の補習などを活用して参加しているところであります。
なお、このチャレンジテストの実施状況ですが、道教委では年間11回配信しておりますが、小樽市教育委員会として本市の小・中学校の平成25年度の3回分について参加状況を調べたところ、平均で全教科、全学年で実施した学校は21校、一部の教科、一部の学年で実施した学校は16校、実施しなかった学校は1校となっております。
次に、全国学力・学習状況調査対策の実施についてでありますが、先ほども述べましたとおり、全国学力・学習状況調査は、子供たちの学力や学習を把握・分析し、教職員の指導の充実や学習状況の改善などに役立てることを狙いとしております。本市においては、この調査結果の分析を踏まえ、教職員の授業改善に向けた研修会、習熟度別少人数指導やティーム・ティーチングの導入、放課後学習や長期休業中の補習、音読運動や携10運動などの取組を継続して行うことが、子供たちの基礎・基本の学力の向上につながるものと考えており、単にテスト対策として行っているものではないと認識しております。
次に、先般、国会で成立いたしました教育委員会制度の改革に対する見解についての御質問でありますが、この制度改革の趣旨は、執行機関は現行どおり教育委員会とすることで教育の政治的中立性、継続性及び安定性を確保しつつ、深刻化するいじめなど教育現場の諸問題に迅速かつ適切に対応するために、教育行政における責任の明確化を図ったものであります。その内容としては、現在の教育委員長と教育長を一本化した新教育長を首長が直接任命・罷免を行うようになること、新教育長は教育委員会を代表し任期は3年であることなどがありますが、私としては、教育長の責任がこれまで以上に重くなるものと感じております。
また、新たに首長の下に総合教育会議が設置され、教育に関する大綱や重要な事項についての協議の場が設けられることから、これまで以上に首長と教育委員会との共通理解が図られるものと考えております。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、中島麗子議員。
○20番(中島麗子議員)各項目にわたって再質問を行います。
最初に、保育問題ですけれども、埼玉県富士見市の事件についてお話しいたしましたが、子育て環境の問題の中で幼い命が犠牲になることは本当に心が痛む思いで、こういう事件が起きる背景には、同様の危険な事態が全国で広がっていることが予想されます。小樽でそういうことがないようにという思いでこの問題を取り上げましたが、一時保育は現在間に合っているという答弁でありました。
しかし、平成23年度には一時保育の利用は3か所の総数で1,536人、24年度は842人と落ち込んでいます。このことを指して需要がどうかと言ったと思いますが、25年度は決算見込みということで1,464人と、また23年度並みに回復しているのです。これで利用者が少なくなったという根拠にはならないと思います。
さらに、平成22年3月に示された小樽市次世代育成支援行動計画、いわゆる子育てプランの後期実施計画で基本方針の地域における子育て支援の推進の具体的施策として、最初に掲げられているのが一時保育事業の拡大なのです。ここには平成21年度の実態が表記されています。認可保育所3か所、認可外保育施設7か所で実施、これを拡大する目標です。現状では、認可保育所は3か所で変わりません。しかし、認可外保育施設は、このときあったみのり保育園が平成24年3月に、共同保育所ポッポの家が平成26年3月に、それぞれ廃止になって、認可外保育所としては5か所、そのうち1か所は個人ですから、ほとんど4か所に減っているのです。計画当時よりも減少しているのが実態です。それでも、1か所増やすという計画も十分、保育需要は間に合っているのだと。先ほど示したアンケートの結果を見ても要望が強いと思いますが、必要ないという根拠になるのか再度お聞かせください。
病児・病後児保育の問題は、小樽市次世代育成支援行動計画が作成されたのが平成17年ですから、今年でもう10年目です。10年間この問題について取り上げてきたわけですし、私自身も東京都昭島市、愛知県一宮市、春日井市、岡山県総社市の4か所、病児・病後児保育の視察調査をしてきました。やはり小児科に併設した形が一番適当だなと実感してきましたけれども、小樽にそのまま当てはまる条件とは思えません。この10年間、病児・病後児保育を実践するために、どういう取組をしてきたか先ほど若干お話しいただきましたけれども、それでは市長は、小樽市の病児・病後児保育のあり方として、どういう形態が望ましいと考えているのか。この間、どういう調査をして現在に至っているのか。もう来年から新しい計画を立てなければならないのです。そういう点で、この10年間で病児・病後児保育の問題では小樽にふさわしい形として、どういう結論を出しているかお聞かせください。
認可外保育施設の補助金の問題では、来年度からの新しい体制が決まってから考えるというお話でしたけれども、先ほどお話ししたように、認可外保育施設が閉鎖になっているのです。平成22年度の決算では、共同保育所ポッポの家、みのり保育園、かもめ保育園、ひばり保育園の4か所に604万円を小樽市が出していました。しかし、その後2か所が廃止になって、今年度の予算ではかもめ保育園とひばり保育園の2か所で317万円、もう半分ぐらいになっているのです。お金がないないと言いますが、子育て支援は、国の政策でもありまして、こういうことを考えれば、減額分を考慮しても既存の認可外保育施設への支援の継続、拡大を検討できる中身だと思います。再度お答えください。
次に全国学力・学習状況調査についてお伺いします。
今、答弁があったとおり、北海道のチャレンジテストというのが実施されております。25年度は11回ウエブサイトで配信されて、そこから取り出してそれぞれ実施した結果を入れれば、全道、後志、自分の学校の学年、自分の担当のクラス、それぞれの平均正答率が棒グラフで出て、自分のクラスの平均正答率が全道、後志、同じ学校内のクラスごとのどの位置にいるか一律ぱっとわかる仕組みなのです。
この問題については、5月末に我が党の全道の地方議員が参加して、北海道やJRなどと道民要求実現の交渉を行いましたが、このとき道教委に対して「チャレンジテストは強制なのか」という質問が再三行われました。道教委は最後まで「強制ではない」、こう答えることはありませんでした。先ほどの御答弁では実施しなかった学校は1校だけということですが、その後、11回目ぐらいになりますと全校実施の状況になっていると思います。
もう一つ、小樽市のことで言えば、教育研究所が標準学力検査、CRT検査を希望する学校に行っていました。平成21年度は41校中14校参加しましたが、25年度は38校全校が実施です。そういう点で、26年度からこのCRT検査の実施時期も市内全校で一致させて行うということになっていると聞いております。つまり、全国学力・学習状況調査の北海道下位という状況に対して、北海道を挙げての全国学力・学習状況調査対策、小樽市としての対策、これも進んでいるわけです。
学校別公表を実施すると、子供たちは、自分の学校は成績が悪いんだ、そういう客観的評価を思い知らされることになって、子供を傷つけることになると思います。学校間競争を激化させるような学校別公表はやめるべきだと、私たちは思っています。教育委員会は、公表の仕方によっては競争意識をつくらないというやり方が何かあると考えているのでしょうか。この辺の問題について何か検討した中身があるのなら聞かせてください。
教育委員会の改悪に対しては、現職の教育委員会はじめ、多くの国民の間から批判の声が上がっていました。子どもの権利・教育・文化全国センターが全国の教育委員を対象にしたアンケートで、教育行政に首長の政治的考え方が反映しやすい仕組みに変えようとしていることに68パーセントの教育委員が「反対」「どちらかといえば反対」です。一般紙の世論調査でも「政治家が学習内容にかかわることのないよう一定の歯止めが必要だ」というのが75パーセント。こういう声に耳をかすことなく法案が成立したわけですが、安倍政権は全国学力・学習状況調査の学校別の平均点公表を今年度から自治体の判断でできるようにしました。法案が通ったことで、教育現場、学校別公表が強いられることにならないか、改めてお聞きします。学校別公表は自治体の判断ですが、市長は、この学校別公表についてどのような御意見があるのか、お聞かせください。
最後に、障害者タクシー利用助成制度ですが、基本料金は難しい、財政的に大変だと言っておりますが、平成25年度実績で見ますと、利用枚数が2万2,910枚、支出額が929万円、1割を導入したらどうなるかということで試算してもらいましたら、136万1,000円の増ということでした。小樽市も大変ですけれども、障害を持って暮らしている方々は、もっと大変な生活を強いられている場面がたくさんあります。こういう皆さんが物価やタクシー料金の変動に合わせて負担を増やすことなく、利用料金負担分を軽減するということで、タクシーの基本料金分ということでは私はなかなかいい方法だと思うのですが、ぜひ検討していただきたいと思いますので、再度答弁をお願いします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)福祉部長。
○福祉部長(三浦波人)中島議員の再質問にお答えいたします。
最初に、一時保育の件でございますけれども、23年度は1,500件台、24年度に800件台に減りました。しかし、25年度はまた1,400件台に回復をしてきているのに、どうして実施しないのかということでございますけれども、今年度、26年度の4月、5月でございますが、利用の件数がまたかなり落ちている状況がございます。なかなか安定しないところはありますけれども、そういった事情もあると考えてございます。
また、認可外保育施設も減っている中で、受皿が減少しているのではないかということですけれども、一時保育というのは、今、認可保育所で定員15名という設定をしています。その15名で年間約300日の開設ができるということですので、一つの保育所で4,500の枠があると考えられます。それが3か所ありますので3倍ということで、これは机上での数字のはじきでございますけれども、利用の実態を考えましても、先ほど申し上げた年間の利用件数とは相当開きがありますので、そういうことからいたしましても、足りていないということではないと、今、判断をしているところでございます。
次に、病児・病後児保育でございますけれども、どういう形態が望ましいかということですが、やはり保護者の方にいたしましたら、小児科の医師と非常に密接な関係にある環境で、そこに子供を預けたいと思われるでしょうから、私どもとしては、やはり医療機関に併設あるいは非常に近い場所でという形態を想定しているところでございます。
次に、認可外保育施設の件でございますけれども、答弁にもございましたとおり、今、国が進めております新制度の内容が、これから具体編としてどう示されるのかということはやはり見ていかなければなりませんし、それによってまた財政負担がどうなるかということも見ていかなければならないと思います。現在、保育所に対しては運営費という形で国、道、市が支出しておりますけれども、新制度になりますと、新しい制度に参入する幼稚園に対しても支出が出てまいりますし、単価もやや上がるのではないかというお話もございますので、そうした方向性が見えるまでは具体的なことは申し上げられないのではないかと考えているところでございます。
次に、障害者タクシー利用助成の中身ですが、道内の各市でも同様の制度を設けております。いずれも市単独の事業としておりますけれども、これについては各市で中身がさまざまに異なっております。小樽は小樽の内容で実施しておりますけれども、総事業費的にはそれほど遜色のない形で実施していると思っておりますので、予算額の増額に関しては非常に厳しいものがあると考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)副市長。
○副市長(貞村英之)中島議員の再質問にお答えいたします。
全国学力・学習状況調査について学校別の公表に関する市長の見解ということでございますが、全国学力・学習状況調査というのはやはり学力レベルの向上を目的にしていると思います。学校教育のことは、現在、教育委員会の所管となっておりますが、今、国の改革によって首長の下に総合教育会議が設置されて教育に関する大綱、重要事項などについて協議することになっております。そういうことを考えますと、学校別の公表については、教育委員会とも十分協議しながら、その方向性について定めてまいりたいと考えておりますので、御理解願いたいと思います。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)全国学力・学習状況調査又はチャレンジテスト、それからCRT検査などの参加の件でございますけれども、先ほども申し上げましたが、これらのテストについては、教職員の自分たちの教え方が子供たちにどのように定着しているか、その結果、自分たちの授業の仕方でありますとか、研修の持ち方でありますとか、そういうことを客観的なデータを基に他者と比較することが重要であるという観点でテストに参加しているものでありまして、子供たちの点数を目指して参加しているということはありません。
また、公表に関して言えば、文部科学省からも、学校別の場合、単に数字だけではなくて、その内容などについても十分説明するようにということも申し添えられておりますので、先ほども申し上げましたとおり、現在、さまざまな観点で検討しているところでございますので、結論までもう少し時間をいただきたいと考えております。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、中島麗子議員。
○20番(中島麗子議員)再々質問です。
今回の質問に当たっては、市内の認可外保育施設や保育所でいろいろお話も伺ってきました。そういう中で例えば、大変小さな認可外保育施設でしたけれども、働く母親が病気になった子供を抱えて途方に暮れている状況を見て、本当に何とかできないかと思って、自分も病児保育ができないかと子供たちの健診担当の小児科の医師に相談したと。しかし、医師には、自分は年をとっているから長い間もたない、それは無理だと言われたという話を聞きました。保育の現場に携わっている皆さんは、そういう切ない母親たちの実態を見ながら、何とかできないのかと思っているわけです。市の保育担当の皆さんが、本当にそういう保育所の現状とか、母親たちの実態をどれだけ見に行って把握しているのかなと。需要があるとかないとか、数が増えたとか合っているとか、そういうことでおっしゃっていますけれども、現場は本当に大変厳しい実態の中で子育てしている皆さんがいるのです。
今年度は大体間に合っているのではないかとか、平成26年度は少し少なくなったからいいのではないかとおっしゃっていますけれども、皆さんがつくった子育てプランの計画に1か所以上増やすと書いてあるのです。ここには需要がなかったらやめるなんて、一言も書いていません。私たちが要求したわけではないですからね。皆さんがそうやって立てた計画で、実現できる可能性もあるのにやらないというのは、この計画自体をどういう意味でつくったのですか、そこが納得できない答弁でした。
そういう意味で、一時保育施設は十分間に合っているから、10年間の計画で増やすと書いてあるけれども、増やさなくていいのだとおっしゃるのですか、確認します。
もう一つは、認可外保育施設への支援ですけれども、制度ができなければちょっとわからないという気持ちはわかります。でも、これまで小樽市が単独で支援してきたのです。支援したいという気持ちはあるのだと、そこは確認していいのですね。ここもお答えください。
次に、全国学力・学習状況調査の問題ですけれども、今、教育長は、独立性は保たれるのだと、私はより責任が重くなる、市長部局の協力も得てやっていくのだとおっしゃいましたけれども、先ほどから言っている総合教育会議というのは、誰が招集するのですか。これは首長が招集するのですよ。その下に教育長が参画するのです。立場が明らかではありませんか。国の教育に対する方針に基づいた大綱がつくられて、それに基づいて進められる中身です。私たちは、法律ができたからといって、どのような形でいい教育をつくっていくかというのは現場の努力だと思っていますから、ぜひそういう市民や多くの皆さんの声が反映できるように期待しているところです。そういう点で、今後の学校間競争を激しくして、子供たちを傷つけるような学校ごとの平均点数、正答率の公開は、私はやるべきではないと思っています。その点については首長も含めて重々議論してほしいと思いますし、そういうことを決めていく過程について、市民や議会の声も十分反映していただきたいと思いますが、その点についてお答えいただきたいと思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)福祉部長。
○福祉部長(三浦波人)中島議員の再々質問にお答えいたします。
最初に、次世代育成支援行動計画にあるにもかかわらずなぜ実施しないのかということでございますが、次世代育成支援行動計画は平成21年度末に策定しておりますけれども、その時点で、先般実施したのと同様のニーズ調査を行っております。これは21年度に行っております。その時点で一時保育についても調査をいたしましたが、やはり相応のニーズは出ておりました。そのころの一時保育の利用状況については、1,800件を超えるような数字が出ておりましたので、私どもとしては、次世代育成支援行動計画の中に実施施設の拡大という方向で位置づけたところでございます。その後、年度がかわってまいりまして、実際の利用状況が減少してきたという、先ほどお話があったような実態がございましたので、経過を見てきていたということでございます。
ですから、計画にのせたものをやめることにしたということではもちろんございませんし、やはり計画にのせた後も実施の段階に当たっては、やはりその時点のニーズ、状況なども勘案して実施するかどうかの判断はしていかなければならないものと思います。もちろんそのときの財政状況もございます。そういうことでございます。
それで、今回また新制度に向けてのニーズ調査をしております。そのニーズの出方がどうであるか、あるいは今年度の今のところの利用状況はあまり伸びていませんけれども、そうした利用状況、実情などを勘案して、これからの計画に盛り込んでいく作業をしていくことになるというふうに考えております。
次に、認可外保育施設への認識ですけれども、これはやはり認可保育所の保育を補完する立場で皆さん運営をされております。認可保育所というのはなかなか融通がききにくいというふうに言われておりますけれども、そのあたりのすき間を埋めてくださっているといいますか、そういう立場で運営をされている、財政面においても、いわゆる公的な運営費は入っておりませんので、大変厳しい中で運営をされてきたということで、私どもとしては大切な役割を担ってきているという認識をしているところでございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)総合教育会議の件でございますけれども、現在、法案が通っておりますが、施行については現在の教育長が任期中は、なお従前の例によるということになっておりまして、私の任期が平成28年10月までありますので、その間は従前の関係でいくことになっております。
また、大綱や重要な事項について総合教育会議にかけるということなのですが、具体的にどういうことまでかけるのかということについては、文部科学省から、それらの具体的な方向についても今後その内容については連絡があろうかと思いますが、当面は28年10月までは従前の例によると。ただし、途中で、来年、市長選がありますので、その後どうなるかは不透明ですけれども、当面は28年10月まではなお従前の例によるということになっておりますので、その間に、これらの大綱や重要な事項の事例などについても、文部科学省から連絡があろうかと思います。
○議長(横田久俊)中島議員の一般質問を終結いたします。
(「議長、3番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)3番、中村岩雄議員。
(3番中村岩雄議員登壇)(拍手)
○3番(中村岩雄議員)一般質問をさせていただきます。
まず、人口減対策について、これまでの質問者と重複する部分もありますが、質問させていただきます。
5月9日の新聞朝刊に「2040年、20歳から39歳の女性人口、道内147市区町村で半減。有識者会議試算、存続の危機指摘、少子化対策遅れに警告」という見出しであります。
民間有識者らでつくる日本創成会議の人口減少問題検討分科会は、8日、現行ペースで地方から大都市への人口流出が続けば、子供を産む中心世代である20歳から39歳の女性が2010年から2040年までの30年間で半減する自治体が全国896市区町村、道内では自治体の78パーセントに当たる147市区町村に達するとの試算を発表した。これらの自治体は、出生率が今後上昇しても人口が増えず、将来的に自治体を維持できない可能性があると指摘。東京一極集中を是正し、地方の拠点都市を中心に地域社会を維持するよう提言した、というかなり衝撃的な記事であります。
分科会は、国立社会保障・人口問題研究所が昨年発表した将来推計人口を基に、人口移動が収束しないとする仮定をおいて、40年時点の若い女性数、20歳から39歳を試算。その結果、30年間で半減する自治体は、調査した1,800市区町村の49.8パーセントに上った。特に、40年時点の人口が1万人未満と見込まれる523市区町村、道内は116市町村は、社会保障や交通、学校の維持が難しく、将来、消滅の可能性があると指摘しています。政府の少子化対策の遅れに対し、民間側から厳しい警告が出された形です。
道内は、若い女性数が半減する市区町村数で全国の16パーセントを占め、西日本に比べると、特に北海道と東北の出生率が低いと指摘されており、早期の対策の必要性が言われています。札幌市南区と厚別区、函館市、釧路市など道内の都市部でも人口減が一挙に進む可能性が高まっているのに対し、国内では現在大阪圏と名古屋圏は人口が横ばい、東京圏の人口だけが増えているという状況です。東京圏で高齢化が今後、急速に進むことで、道内でも若い女性の就業が多い医療介護分野の雇用が流出する可能性が高いことも指摘されており、人口減の対策には出生率の回復だけでなく、東京圏への一極集中対策が不可欠であり、地方に雇用の場を確保するために税制で誘導する対策など、東京圏への人口流出を地方の拠点都市で食いとめ、地方の拠点都市を中心に地域社会を維持すべく提言されています。
政府の対策はもちろん、道内でも子育てしやすい環境づくりに自治体や企業、団体のさらなる意識改革と実行力が求められています。
日本創成会議の分科会は、具体的な数値目標を盛り込んだ少子化対策の提言を公表しましたが、それによると、2012年に1.41となっている合計特殊出生率の1.8への引上げ、将来的に人口を安定的に維持できる水準の2.1まで上げること。希望に沿った結婚、出産、育児には十分な経済的基盤が必要とし、独身の20代で300万円以上、30代後半の夫婦合計で500万円以上の年収を目標として、未婚率の高い非正規雇用の処遇改善や正規雇用の拡大。長時間労働の是正、時間外労働の割増し賃金率を現行の25パーセントから50パーセントへの引上げ。企業別出生率の公表。多子世帯への税制、社会保障制度上の優遇措置などを上げ、これらの支援策に必要な費用は、公的年金等控除など、高齢者世代の優遇制度見直しによって対応すべきとしています。
これに対し北海道の反応ですが、地域の活力を生み出す仕組みや観光などを通じて交流人口を呼び込む施策をこれまで以上に進める。2004年に全国に先駆けた「北海道子どもの未来づくりのための少子化対策推進条例」を制定し、保育所の整備など、子育てや出産の環境整備に取り組んできたが、今後は若い世代に家庭を持つすばらしさを伝え、結婚や妊娠、出産を促す対策にも力を入れる。また、合計特殊出生率の1.8への引上げなど、数値目標を掲げ対策に当たることも検討しているとしています。
道内自治体では、北広島市の一戸建て、マンションなど初めて購入した人に50万円を助成する定住策に続き、教育や子育て施策の強化で若い世代を呼び込んでいく。釧路市の移住体験などをする長期滞在者の誘致、小樽市の子育て支援センターの開設や延長保育の実施、木古内町の小・中学生の医療費無料化など対策に知恵を絞ってはいるが目立った成果は上がっておらず、自治体だけでは限界として国の抜本策を求める声も上がっています。
また、高齢化が進むと、社会保障が充実した都市部に流入する高齢者が増え、医療や介護など付随する就業機会を求めて、若者も地方を離れる傾向が強まります。
対策として、若者が子育てしながら生活できる状況をつくること、地方の雇用拡大に貢献する企業の法人税を低くするなどの提案もあり、そのためには国を挙げた取組が必要となります。
後志管内の状況も同様で、子供を産む中心世代となる20歳から39歳の女性が2010年から30年間で半分以上減少する自治体が16市町村、このうち40年時点の人口が1万人未満と見込まれ、将来消滅の可能性があると指摘されたのは13町村。各自治体は医療費助成や保育所の定員増といった子育て支援策や移住者向けの住宅整備などに取組はしていますが、地方の対策だけでは限界、国の仕組みづくりをという声が上がっています。
5月10日付けの新聞の社説から引用させていただきます。見出しは、「自治体の危機少子化対策は待てない」として、「「将来消滅する可能性のある」自治体が全国で896市区町村に上り、道内では全体の8割近くを占める147市区町村に達する」「函館、釧路、旭川といった拠点都市や札幌市南区さえも含まれる」とし、そしてそこで述べられているのは、「あくまで試算だ。冷静に受け止め、実態を分析し、政策を果敢に打ち出すこと」「政府や自治体は、若い世代の大都市への流出を防ぎ、地域で子供を産み、育てるための少子化対策に可能な限り手を尽くすべき」「若年層の生活安定には子育て支援の拡充に加え、正規雇用の拡大や長時間労働の解消が必要だ。人口流出の防止には地方での雇用創出や地方分権推進も欠かせない。こうした課題に、政府は最優先で取り組まなければならない」「上川管内東神楽町や東川町などは若年女性の減少率が小さい。きめ細かな保育や住宅建設の補助などが定住化につながっている。少子化対策の参考にしたい」「この先の人口減少を考えれば、医療や介護、交通、学校といった社会インフラは、自治体単独では整備も維持も困難になる。そのため自治体間の連携がますます重要になる。地域の中核的な都市を中心に協力体制を構築する視点が欠かせない。それが地方の活力を生み、大都市への人口流出を防ぐことにもつながるはずだ」「道は自治体にこうした動きを促し、後押しする必要がある。国には、地方活性化に向けた財政支援などを強く働きかけるべきだ」と指摘しています。
翻って小樽市の場合を見てみましょう。全国的に急激な人口減少社会を迎える中、小樽市においては、昭和39年の20万7,000人をピークとして継続的に人口が減少し、さきの国立社会保障・人口問題研究所の推計を基にした日本創成会議の試算によると、2040年には6万6,000人台まで減少すると推計されています。未婚者の増加などに伴う少子化の進行などに加え、若年層の市外流出など全国共通の要因のほか、小樽独自の要因など多岐にわたるものと思われますが、人口減少の実態と要因をどう分析されているのか、まずお示しください。
また、これまでどのような施策をとってきたのかお示しください。それらの施策が人口流出を完全に防止するには至らないまでも、一定の効果を上げてきたのではないかと思われますが、見解をお伺いいたします。
若い世代の大都市への流出を防ぎ、地域で子供を産み育てるための少子化対策に可能な限り手を尽くすべきという観点から、他町村で成果を上げている施策で、例えば先ほどの上川管内東神楽町や東川町などは、きめ細かな保育や住宅建設の補助などが定住化につながり、若い女性の減少率が小さいと言われており、小樽でも参考にできるような事例であれば積極的に取り入れるべきと思いますが、その他の事例も、あわせてお考えをお聞かせください。
前掲の社説にも言われているように、この先の人口減少を考えると、医療や介護、交通、学校といった社会インフラは、自治体単独では整備も維持も困難になり、そのため自治体間の連携がますます重要になり、地域の中核的な都市を中心に協力体制を構築する視点が欠かせないと言われています。それが地方の活力を生み、大都市への人口流出を防ぐことにつながるはずだとすれば、小樽市としては、今後、札幌市と後志各町村との関係をどう進めていくのかお聞きいたします。
また、北海道は、自治体にこうした動きを促し、バックアップする必要があります。北海道が果たすべき役割をどのように考えているのかお聞かせください。
また、国には地方活性化に向けた財政支援などを強く働きかけるべきだと思いますが、御所見をお聞かせください。
このような状況の中、人口減少問題への対応策をさらに検討していくべきと思いますが、今後の取組についてお聞かせください。
次に、北海道新幹線についてお尋ねいたします。
北海道新幹線の札幌延伸は、北海道と東北、関東との新たな連携を生み、道内の活性化に大きな可能性を広げます。国土交通省が北海道新幹線の新函館北斗-札幌間の工期を短縮する案を与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームに提示しました。開業初年度の道内における経済波及効果は、900億円を超える規模であるとの北海道の試算がありますが、工期が早まることで企業投資を含め、経済効果の一層の拡大も期待できると言われています。少なくとも5年短縮し、2030年度の開業を求めてきた北海道の要望を踏まえたもので、北海道や経済界は前倒しを前提に沿線自治体と緊密に協力しながら具体的な振興策を急ぐ必要があります。
新青森-新函館北斗間は2016年3月の開業を予定していますが、交通網の拠点である札幌までの延伸は不可欠であり、新幹線が札幌から鹿児島まで1本の線路でつながる意義も大きく、道内の発信力を高める好機でもあります。農業地帯の東北と手を組み、観光と食と農を結びつける取組、新幹線が走らない道東、道北の住民に開業効果が実感できる活性化策の提示も急務であります。
そこで、お伺いいたします。
後志管内では、新幹線開業を見据えた取組として、北海道新幹線しりべし協働会議を設置したと聞いていますが、いつ設立され、その構成メンバーや設立目的についてお聞かせください。
札幌までの延伸は不可欠であり急務でありますが、札幌延伸を急ぐあまり沿線住民の意向を軽視してはならないし、そのための協議は待ったなしです。JR北海道からの分離に同意した函館-小樽間の並行在来線を含む交通手段の確保に向け、北海道が全力を挙げるのは当然です。乗り継ぎ割引の導入など新幹線と連動した仕組みも重要になります。こうした対策は、今すぐにでも着手しなければなりません。
そこで、お伺いたします。
北海道新幹線並行在来線対策協議会の構成メンバー、設立の目的、これまでの活動状況についてお聞かせください。
今後、その協議会の活動を加速させていく必要があると思われますが、市長の見解をお示しください。
再質問を留保し、終わらせていただきます。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)中村議員の御質問にお答えいたします。
初めに、人口減対策について御質問がありました。
まず、人口減少の実態、要因やこれまでの施策とその効果についてですが、人口減少の実態として、出生数の減少のほか、20歳代の転出が多い状況にあります。この要因としては、雇用の場や住居を市外に求める若い世代が多いためと考えております。このようなことから、これまで市内での雇用の場の創出や拡大を図るため、企業誘致のほか観光客やクルーズ客船の誘致など、市内経済の活性化に向けた取組を行ってまいりました。直接的な効果をはかることは難しいですが、誘致による新たな企業の進出やクルーズ客船の寄港増など雇用の場の創出や拡大に寄与しているものと考えております。
次に、他の自治体での効果的な対策を取り入れるべきとのことにつきましては、他の自治体では住宅購入に対する補助や若い世帯の転入に対する補助、子育て世帯向けの低額賃貸マンションの建設などの事例があると承知しております。今後、他の自治体の事例を参考にしながら新たな施策を検討してまいりたいと考えております。
次に、札幌市や後志の町村との関係をどう進めていくのかにつきましては、本市では、これまで観光客誘致や地場産品の販路拡大など、札幌市や後志の町村とも連携しながら経済活性化に向けた取組を行っております。
また、平成22年に北後志の5町村と北しりべし定住自立圏形成協定を交わし、この間、圏域全体の必要な生活機能の確保や利便性の向上を図ってきております。今後もこうした近隣自治体との協力・連携を続けながら、経済の活性化や医療、福祉、交通などの整備・維持に取り組み、定住人口の確保につなげてまいりたいと考えております。
次に、北海道が果たす役割をどのように考えるかとのことにつきましては、北海道においても道外への転出超過が続き、北海道自体の人口減少を食いとめることが重要でありますので、北海道経済の活性化や道民が安全・安心に暮らすことができる取組など、総合的な施策を広域的な視点で展開いただくとともに、道内各地域が取り組んでいる、あるいは今後取り組む事業に対して、積極的な支援が必要ではないかと考えております。
次に、国には地方活性化に向けた財政支援などを強く働きかけるべきとのことにつきましては、人口対策には出産・子育てなどにかかわる社会保障制度の整備、非正規をはじめとした雇用形態のあり方の見直し、東京への一極集中の是正など、国が取り組むべき課題も多くあると考えております。
全国市長会においても、少子高齢化に対する提言を国に対して行っておりますが、今後、本市の人口対策を検討していく中で、必要となる支援などについては市長会を通じて国に働きかけてまいりたいと考えております。
次に、今後の取組につきましては、国においても人口の維持に向けて本格的な議論が始まったところであり、そのような動きと並行しながら本市としてもどのような対策が有効かを協議する場として、今後、検討会議を設置するなど人口対策の取組を進めてまいりたいと考えております。
次に、北海道新幹線について御質問がありました。
まず、北海道新幹線しりべし協働会議の設立時期などについてですが、この協働会議は本年5月に設立され、後志総合振興局、後志管内の市町村、市町村議会及び経済団体など121団体の代表者で構成されております。
設立目的につきましては、「北海道新幹線の開業効果を後志管内に広く波及・拡大させるための取組をオール後志で推進し、後志地域の経済及び地域の活性化に資すること」となっております。
次に、北海道新幹線並行在来線対策協議会についてですが、対策協議会は北海道と函館-小樽間の並行在来線沿線自治体の代表者で構成され、並行在来線沿線の地域交通の確保に係る検討及び新幹線整備に伴う地域課題への対応に関する協議を目的に、平成24年9月に設立されました。この協議会を円滑に運営するため、長万部-小樽間の沿線自治体と北海道で構成される後志ブロック会議と、函館-長万部間の沿線自治体と北海道で構成される渡島ブロック会議に分け、それぞれのブロックごとに活動しております。
本市は、後志ブロック会議に所属していますが、現在までに計2回の会議が開催され、先行県における並行在来線の状況や国の支援策などについて調査研究を行っております。
次に、北海道新幹線並行在来線対策協議会の活動を加速させることについての見解ですが、対策協議会では北海道が中心となり、沿線自治体と協議した上で、開業の5年前ごろまでに交通利用形態の方向性を決めることとなっております。地域住民の足を確保するためには十分な検討協議が必要であり、北海道においては開業を5年以上短縮するよう国に要望を行っていることから、こうした動きを見極めながら議論を深めていく必要があると考えております。
(「議長、3番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)3番、中村岩雄議員。
○3番(中村岩雄議員)何点か再質問をさせていただきます。
人口減少問題の対策について検討会議を設置する予定ということなのですが、もう少し具体的にお聞かせいただければと思うのですが、各部局の関係課長クラスで、それもどの辺までの課長なのか、その辺の組織の内容を具体的に聞かせてください。
また、この検討会議で、人口減対策への提言書なりを取りまとめるようなことで進んでいくのかどうか、仮にまとめるとすれば、どのようなタイムスケジュールでいくのか、その辺の具体的なところをもし差し支えなければお示しいただきたい。
もう一点は、新幹線についてですが、しりべし協働会議、これもできれば今後の具体的なスケジュールと予定等があればお示しいただきたいと思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)中村議員の再質問にお答えいたします。
先ほど、人口問題について答弁させていただきましたが、その中で検討会議の設置ということについて、もう少し具体的にというお話でございました。これは、できるだけ早く立ち上げていきたいと思っておりますけれども、まずは庁内にこの検討会議を立ち上げて、その議論の後にいろいろと市民の皆さん、あるいはいろいろな組織、団体の皆さんに加わっていただいて議論を進めていきたいと思っております。提言書をどうするのかという問題については、その議論の中で進めていきたいと思いますので、御理解をいただきたいと思います。
次に、北海道新幹線しりべし協働会議の今後の活動スケジュールということでありますけれども、この後、シンポジウムの開催、それから東北、北関東へ向けたプロモーションの実施など北海道新幹線新函館北斗への開業に向けた後志への普及啓発、あるいは観光振興に取り組んでいくと聞いております。
○議長(横田久俊)中村議員の一般質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後3時46分
――――――――――――――
再開午後4時10分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、一般質問を続行いたします。
(「議長、9番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)9番、松田優子議員。
(9番松田優子議員登壇)(拍手)
○9番(松田優子議員)第2回定例会に当たり、一般質問いたします。
最初に、空き家対策について伺います。
新聞報道によれば、島牧村では倒壊の危険性がある空き家の所有者に適正な管理を求める条例案を12日開会の定例村議会に提案したとのことであり、また倶知安町でも条例制定の動きがあると聞いています。このように、同じ後志管内の自治体として、廃屋・空き家対策検討会に参加し、一緒にモデル条例の作成にかかわってきた村や町に、国や道の動向を待たずに条例化の動きがあることに対し、小樽市はどのように捉えているのかお聞かせください。
また、既に条例を制定した道内の自治体と小樽市の課題の違いは、どこにあると考えているのか伺います。
また、小樽市では、条例化は職員配置も含めた上で検討をしなければならないと本年第1回定例会の予算特別委員会で御答弁されておりましたが、今後の策定方針について再度伺います。
空き家の除去が進まない理由の一つに、更地にすると一般的に固定資産税が6倍にはね上がってしまうということがあります。そこで、解体しないで高齢者の共同住宅に転用するなど、空き家を活用する動きも出てまいりました。しかし、固定資産税の軽減措置は、居住用住宅をNPO法人の地域活動の場として活用する場合は適用されないとお聞きしました。このほかに一般的に空き家活用の課題がありましたらお示しください。
また、空き家の活用ということに関連し、昨年の一般質問で、民間アパートの空き家の公営住宅への転用について伺いました。そのときは借上住宅のメリット・デメリットなどを含め、他都市の状況を調査し、市として導入が可能かどうか検討していくとの御答弁でした。私は推進すべきと考えますが、検討経過についてお示しください。
この借上公営住宅に関連して、市営住宅について伺います。
まず、現在の低層の住宅戸数内訳について伺います。
かつて、市営住宅は低層が主流でした。低層の市営住宅は老朽化しており、政策空き家となっているのが現状で、低層にお住まいの方は、今後、建替え後の中高層住宅に住み替えることになると思います。ところが、低層から中高層住宅に住み替わった場合、気密性を重視するあまりドアを閉めると外部と遮断されます。低層の場合は、窓をあければ通りがかりの人と会話もできるなど人のぬくもりを感じることができましたが、新しい団地ではそれもままならず、孤独感から老人性の鬱を発症する人も少なくありません。
実は、先般、数年前に低層からの住み替えにより中高層住宅に入居した方から、今の市営住宅はまるで監獄みたいだと、かつて相談を受けた方と同様の悩みを訴えられました。また、夕方、高層の市営住宅を見上げたとき、渡り廊下の窓からじっと外を眺めている高齢の方がおりましたので、声をかけると、人恋しくて誰か知っている人が通らないか眺めていると答えられました。もちろん本人の性格にもよりますので、入居者全員の考えではありませんが、高齢の方が孤独感にさいなまれていることを今さらながら気づかされました。この方も低層から住み替えた人です。
そこで伺いますが、今後、市営住宅を建設する場合、全部中高層住宅になるのでしょうか。2010年施行の公共建築物等木材利用促進法を受け、道は今後、各地で木造平屋の住宅建設を促進する方針と聞いております。中高層、低層それぞれにメリット・デメリットはあると思いますが、他の自治体の実態を参考にしながら小樽市でも平屋住宅建設の検討をしていただき、そしてこの平屋住宅については、高齢者世帯の入居に配慮していただきたいと思いますが、御見解をお聞かせください。
次に、住宅の集会所について伺います。
住宅の集会所の管理は自治会で行っていると聞いておりますが、集会所の活用状況はどのようになっているのか、また、誰もが気軽に利用できる談話室などに活用ができないかについて伺います。
集会所を、高齢者のコミュニティの場、ぬくもりを感じる場として活用できれば、短時間であっても孤独感を解消できるのではないかと思いますし、高齢者に限らず、子育て世代入居者のコミュニティの場として活用できるのではないかと考えます。
次に、介護保険について伺います。
今の介護保険制度は、介護を必要とする人の制度であり、介護する人への支援になってはいないのではないかという意見を時折耳にすることがあります。今後、家族介護者は、ますます多様化すると考えられています。晩婚化や離婚の増加に伴うシングル介護者、10代、20代から祖父母や親の介護を引き受けざるを得ないヤングケアラーもいます。また、配偶者や親など複数の介護を引き受けるダブル介護者もいます。そうした中、私の知人に、自分と御主人の両親の4人を介護せざるを得なくなり、体調を崩してしまった方もいます。
企業で働いている人については介護休業があります。しかし、平成25年度小樽市労働実態調査によれば、制定事業所は6割を超えていますが、取得したのは4人で、取得者の割合はわずか0.05パーセントで全て女性です。今、全国で家族を介護するために仕事をやめる介護離職が増えていますが、中には人事部にも相談しない隠れ介護離職者もいると聞いています。
そこで伺います。市職員で介護休業を取得している方がいるかどうか、過去に取得した職員の取得状況をお示しください。
また、休業しないものの、家族の介護のために年次有給休暇をとった人はどのくらいいるか把握していますか。もし、把握していないとしたら、今後把握する必要があるのではないかと考えますが、御見解をお示しください。
私は、2年前の平成24年第4回定例会の代表質問で、介護者の支援策に関連して、小樽市での養護者による介護虐待について伺ったところ、23年度は30件あったと御答弁いただきました。
そこで、その後の介護虐待の推移について伺います。主な虐待の内容とその件数、虐待をした養護者の性別、虐待を受けた高齢者と養護者との関係性、高齢者の世帯構成をお示しください。
また、そのときの御答弁では、生命が危ぶまれるような虐待の場合には、要介護者を特別養護老人ホームに入所させるなどの措置をするとのことでしたが、その後そのようなケースがあったかどうかお示しください。
どのような場合であっても虐待はあってはならないことですが、高齢者介護による負担が虐待につながっているのではないかと推察します。市として虐待の発生する要因についてどのように考えているかお聞かせください。
また、これに関連して、小樽市が所管する介護施設でのヒヤリハット、事故報告についても伺います。私は、ある介護施設の運営推進委員をさせていただいており、二、三か月ごとに開催される運営推進委員会では、前回の運営推進委員会以後発生したヒヤリハットや事故報告があります。中には、同じ入所者の連続した事故報告もあります。このヒヤリハットや事故報告については、市にも報告されていると思いますので、平成25年度の主な内容と件数をお示しください。
また、これにつきましては、職員の目が行き届きにくくなる夜間に多いのではないかと思いますので、夜間帯での内容と件数もあわせてお示しください。もし、夜間の事故が多いのであれば、今後の夜間の職員の配置のあり方も考慮し、場合によっては国の制度の見直しにもかかわってくるのではないかと思いますが、お考えをお聞かせください。
また、報告を受けた後、再発防止に向けて事業所に対し、どのような取組をされているのか伺います。
私は、昨年第2回定例会の一般質問で、子育て支援策の一つとして、乳児を連れての外出中に突然のおむつ替えや授乳場所が必要になったときに、その場所を提供する赤ちゃんの駅について伺いました。そして、それは北海道では赤ちゃんのほっとステーションと名づけられた事業であり、市内には登録場所が2か所あるとの御答弁をいただきました。しかしながら、乳児連れが多く来庁される市役所内に授乳場所はおろか、おむつ替えスペースさえないことを取り上げさせていただいた結果、昨年12月に本庁舎内に授乳場所とおむつ替えスペースを確保していただき、同時に北海道に赤ちゃんのほっとステーションとして登録もしていただきました。これからも、この事業の周知と登録を呼びかけ、さらなる拡大を願うばかりです。また、その施設利用者以外の方も気軽に利用できることが本来の目的ですので、その点についても配慮していただきたいと思います。
そして、今回提案したいのが、移動式赤ちゃんの駅についてです。これは、屋外のイベント会場においでになった乳幼児連れの母親たちが授乳やおむつ替えに自由に使える場所を確保するためテントや折り畳み式おむつ交換台を用意するもので、それを移動式赤ちゃんの駅として自治体が無料で貸し出す制度です。
現在、この貸出制度を行っているのは、和歌山県橋本市や大阪府河内長野市などがあり、その自治体の中で開催し、営利活動、宗教活動、特定の企業の商業活動を目的にしない団体で、乳幼児が参加でき、法令や公序良俗に反しないなどの条件があるようですが、保育所や幼稚園、小学校の運動会などにも貸し出されており、平成23年から実施している大阪狭山市などでは、好評につき貸出テントを増加購入したといいます。この貸出制度を行う自治体は増加する傾向にあり、道内では室蘭市が今年度から新規事業として行おうとしていると聞いております。
確かに主催者が用意する場合もあるでしょう。しかし、1日、2日の短期間や短時間でのイベントの場合や年に1回や2回程度しか行わない単発のイベントなど、このような貸出制度があれば、今までイベントへの参加を見合わせていた方などに大変に喜ばれるのではないかと思います。赤ちゃんのほっとステーションについては、道内他都市と比較して登録件数が少なかった小樽市です。いつも他都市の動向を見ながら新規事業の導入を図る小樽市ですが、この移動式赤ちゃんの駅については、他都市の先陣を切って導入を図っていただきたいと思います。御見解をお聞かせ願います。
文部科学省が昨年行った不登校経験のある児童・生徒を追跡調査した結果によると、学校を休み始めた時期を尋ねると、中学校1年生の7月から9月との回答が最も多く、次いで中学校2年生の7月から9月だったと報告されています。そして全体的に見ると、不登校経験者の約3割が中学校1年生の4月から12月の9か月間で不登校に陥っていることから、中学校1年生へのケアの重要性を示していることがわかります。また、同じく文部科学省の調査によると2012年度に30日以上欠席した不登校児童・生徒の数は小学校6年生で約7,000人、中学校1年生は3倍の2万1,000人を超えていたと報告されています。要因はさまざまだと思われますが、その大きな要因の一つに中1ギャップがあるのではないかと考えます。
そこで伺います。
現在、小樽市で不登校として押さえている児童・生徒数を学年別でお示しください。
そして、いつごろから学校を休み始めたのか、その時期がわかっていたらお示しください。
昨年1月、私たち公明党市議団は、いじめ問題や不登校問題について先進的に取り組んでいる兵庫県明石市に視察に行ってまいりました。明石市教育委員会では、不登校に係る課題は最も重要な教育課題と考え、平成20年度から市内全小・中学校に不登校予防のため早期対応システムを導入しています。不登校が本格化すると、再登校までの本人や保護者、教員の労力が大きくなるため、学校現場での早期の対応が大きな効果をもたらすと考え、断続欠席の児童・生徒についての取組が注目されます。欠席1日目に電話連絡、断続欠席2日目から6日目には電話連絡や家庭訪問を実施し、連続欠席3日目と断続欠席7日目の全ての児童・生徒を対象に、教育委員会の担当課にファクスし、今後の対応について検討するというシステムです。
このように、明石市では現場の教師が児童・生徒の欠席に敏感になり、いち早く不登校の予兆に気づき、早期対応することで不登校予防を図っているとのことでしたが、小樽市における不登校者を出さないための取組状況をお示しください。
その上で、残念ながら不登校に陥ってしまった児童・生徒に対する市としての取組もあわせてお聞かせください。
明石市では、新たな不登校を出さない取組を進めるためには6月からの対応が大切と言っています。4月から5月にかけては進級、進学により新しい環境になじめず、子供たちも落ちつかない時期ですが、
5月の半ばから6月にかけての学級づくりが進むこの時期の指導のあり方によって、学級経営が軌道に乗れば、充実した1年間への足がかりになると御教示いただきました。ともあれ不登校になるに当たっては予兆があるはずです。日常の行動観察により、いち早く予兆に気づき初期対応で子供たちをケアすることによって、新規の不登校の連鎖も断ち切れると述べておりました。昨年の調査報告を踏まえ、文部科学省では本年2014年に不登校防止策を検討すると言っておりますが、小樽市としても予兆を見逃さず、この問題にしっかり取り組んでいただきたいと思います。
以上、再質問を留保して、私の質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)松田議員の御質問にお答えいたします。
初めに、空き家対策について御質問がありました。
まず、空き家対策条例の策定方針についてですが、後志管内の町村が国などの動向を待たずに条例化の動きがあることにつきましては、報道にもありましたとおり、倶知安町と島牧村において条例制定に向けての動きがあることを承知しております。本市といたしましても危険な空き家への対応については大きな課題であると認識しておりますが、現在、自由民主党空き家対策推進議員連盟が中心となって空家等対策の推進に関する特別措置法案が議論されていると聞いておりますので、その動きを見ながら空き家対策の検討を進めていく必要があるものと考えております。
次に、既に条例を制定した道内の自治体と小樽市の課題の違いにつきましては、道内では平成26年4月1日現在で8市24町村において空き家等の適正管理に関する条例が制定されていると承知しておりますが、そのほとんどが安全・安心な住民生活のための危険な空き家への対応を主眼とした条例であり、課題としては、所有者等の特定や行政代執行の費用徴収、空き家対策の体制整備などで、自治体による大きな違いはないものと考えております。
次に、条例の今後の策定方針につきましては、先ほど申し上げました特別措置法案が制定される動きがあると聞いており、その法案では所有者等の把握における固定資産税情報の利用や、これまで本市が検討してきた危険な空き家に対する助言・指導、勧告、命令、行政代執行などが規定されていることから、現在その動きを注視しているところであります。このため、本市の条例化につきましては、このような国の動きを見ながら新年度からの体制整備を含め、検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、空き家活用の課題についてですが、空き家は所有者が不明であったり遠隔地に住んでいることが多く、活用のための実態把握や賃貸、売買などに関する所有者との協議が難しい場合があることや、十分な管理が行われていないため、活用に必要なリフォームに多額の費用がかかる場合があることなどが一般的な課題として考えられます。
次に、民間アパートの借上公営住宅制度の検討経過につきましては、三重県名張市や亀山市の事例を調査した中では、メリットとしては、建設費など大きな初期投資が不要であることや利便性の高い地域での居住機会が拡大する、デメリットとしては、借り上げ期間満了後の入居者への対応が必要であることや既存アパートではバリアフリー化されていないなどがありました。
また、市内民間アパートの現状把握のため関係団体から空き室状況などの聞き取りを行っているところであり、これまでに1棟単位での空き物件はないが、フロアー単位であく物件はあるなどの情報を得ております。今後も情報収集を行い、制度導入の可能性について検討してまいりたいと考えております。
次に、市営住宅について御質問がありました。
まず、低層の市営住宅についてですが、現在の戸数内訳につきましては、平屋の住宅管理戸数は323戸、2階建ての住宅管理戸数は250戸となっております。
次に、今後、市営住宅を建設する場合は、全部中高層住宅になるのかにつきましては、土地の有効利用、建設コスト、維持・管理面から中高層住宅になると考えております。しかし、今後建設する際には、気軽に談話できるスペースを設けることなどにより、住民同士のコミュニケーションが円滑に図られるよう配慮していきたいと考えております。
次に、市営住宅を建設する場合に、高齢者のための平屋住宅を検討することにつきましては、まちなか居住の観点からも、今後は市中心部における市営住宅整備が主体になることから広い土地を確保することが難しく、平屋では供給戸数を確保することができないことから、平屋住宅の建設は難しいと考えております。
次に、集会所の活用状況につきましては、自治会の総会、役員会などの会合や新年会などの行事のほか、サークル活動などに活用されております。
また、集会所を誰でも気軽に使える談話室として活用することにつきましては、今後、検討してまいりたいと考えております。
次に、介護保険について御質問がありました。
まず、介護者支援についてですが、市職員の介護休業につきましては、平成7年2月に長期間取得可能な介護休暇を、さらに22年6月に特別休暇として短期介護休暇の制度を設けております。その取得状況は、昨年まで介護休暇につきましては7人、短期介護休暇につきましては20人となっております。
次に、介護のために年次有給休暇を取得している職員につきましては、年次有給休暇の具体的な取得理由については、プライバシーの問題もあることから、その状況を把握することは考えておりません。
次に、介護虐待についてですが、まず虐待の内容と件数などにつきましては、虐待の疑いがあるとして市に通報があった件数は、平成24年度の実績で申し上げますと、総数で27件となっており、虐待内容としては、重複を含めて暴力行為などの身体的虐待が14件、暴言などの心理的虐待が10件、親族が年金をだまし取るなどの経済的虐待が8件、意図的に介護を行わない介護放棄が5件となっております。
虐待をした養護者の性別は、男性が22件、女性が5件であり、被虐待者との関係では夫7件、息子11件、娘4件、孫や兄弟などが5件となっております。
また、世帯構成では夫婦世帯が8件、子との同居世帯が9件、単身世帯が3件、その他7件となっております。
次に、虐待による施設入所などの措置についてですが、生命が危ぶまれるなど、やむを得ない事由により老人福祉法に基づく施設入所などの措置をした実績は現在までありません。
次に、虐待の発生する要因についてですが、家庭内で起こる高齢者に対する虐待は、虐待者側ばかりではなく認知症による問題行動など高齢者側の要因によるもののほか、借金や失業など経済的な不安による家庭環境に起因するものなど、多くの要因が複雑に関与して発生するものと考えております。
次に、小樽市が所管する介護施設のヒヤリハットや事故報告についてですが、まず平成25年度の件数につきましては、市内55施設でヒヤリハットが1,411件、事故報告が177件であります。主な内容としましては、転倒などによる骨折や打撲、薬の飲み忘れや飲み間違いなどの誤薬があります。
また、事故報告のうち午後6時から翌朝8時までの夜間帯の件数は88件で、主な内容は骨折や打撲、誤薬など全時間帯と同様となっております。
次に、夜間の職員の配置のあり方につきましては、現状では必ずしも夜間に事故が多いとは考えておりませんが、職員の配置が少なくなる夜間では、火災などの不測の事態が発生した場合に職員1名では対応できないことも想定されますので、できれば国の基準を上回る職員の配置が望ましいものと考えております。
次に、再発防止に向けた事業所に対する取組につきましては、毎年、市内の介護事業者を一堂に集めて、業務マニュアルの確認や事故の分析に基づく再発防止策の検討などを行うよう指導しているところであります。
次に、移動式赤ちゃんの駅の貸出しについて御質問がありました。本市においても、この制度を導入できないかとのことでありますが、現在準備している室蘭市など他の自治体の事例につきまして、調査をしてまいりたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)松田議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、不登校対策について御質問がありました。
初めに、本市の学年別の不登校児童・生徒数と不登校が始まった学年についてでありますが、平成24年度の文部科学省の調査における本市の不登校児童・生徒数は、小学校では5年生が4名、6年生が2名、中学校では1年生が6名、2年生が28名、3年生が18名の合計58名となっております。
不登校が始まった学年につきましては、小学校では2年生からが1名、3年生からが2名、4年生からが1名、5年生からが4名、6年生からが7名となっており、中学校では1年生からが14名、2年生からが19名、3年生からが10名となっております。
次に、本市における不登校者を出さないための取組についてでありますが、学校では児童・生徒が無断で欠席した場合には、電話で保護者に連絡をして欠席の理由を確認し、欠席が続けば家庭訪問を行って状況を把握し、さらに7日以上の欠席となる場合には、教育委員会に欠席状況報告書を提出し、教育委員会の助言の下、スクールカウンセラーの派遣を要請したり、児童相談所と連携したりするなどの適切な対応を行っております。
教育委員会では、児童・生徒を不登校にさせないためには、教職員が日常子供たちをきめ細かに観察し、不登校の予兆を敏感に感じ取ることが大切だと考えており、不登校対策研修会や不登校対策連絡協議会、生徒指導講演会などを通して教職員の資質、能力の向上に努めているところであります。
次に、不登校児童・生徒への対応につきましては、各学校では学級通信や学校だよりを届けたり、学校行事などの連絡の機会を捉えて、担任や管理職が家庭訪問を行い、登校に向けた働きかけを行いますが、困難な場合には各学校の保健室などへの登校や教育委員会に設置している適応指導教室への通級を促すなど、児童・生徒や家庭の状況に応じた指導を行っております。この間、教育委員会では、学校と密接に連携を図りながら、家庭環境の問題など不登校の要因によっては、スクールソーシャルワーカーの派遣や児童相談所などの関係機関との調整を行いながら、課題解決に向け粘り強く取り組んでおります。
(「議長、9番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)9番、松田優子議員。
○9番(松田優子議員)1点だけ再質問させていただきます。
ヒヤリハットと事故報告ですけれども、ヒヤリハットの定義ということで、ヒヤリハットにつきましては、事故が起きる前の状況だということなのですが、これがヒヤリハットかどうかということについては、主観的なものが入るのではないかと思います。件数についても、これがヒヤリハットの、要するに何を言いたいかというと、ヒヤリハットというふうにすると、やはり自分の施設は目が行き届いていないのではないかと判断されると思って、ヒヤリハットとして報告しないところもあるのではないかと感じるのですが、その点について、ヒヤリハットと事故の関連性について、どのような見解をお持ちなのかお聞かせ願います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)医療保険部長。
○医療保険部長(藤井秀喜)松田議員の再質問にお答えします。
ヒヤリハットと事故報告の基準ということですが、区分について明確なものは確かにありません。事故に至る前ということの定義しかございませんので、松田議員がおっしゃるように意図的に介護事業所が事故ということまでにはしたくないということであれば、私どものほうに出てくるのは、当然、現場を見ているわけではなくペーパーでの報告になりますので、それはどうなのかということはできないということは御理解願いたいと思います。
ただ、私どもが地域密着型として所管している施設については、国等で定められている期間の中で実地検査もしておりますし、その中で少しひっかかるというのですか、問題があるというようなところは、次の検査を待たずに状況の確認などをするようにしておりますので、そういう中で、事業所には、1回そこですり抜けたから2年後までいいというようなことがないように、常に私どもがきちんと見ているのだということを感じさせるような実地検査を今後もしていきたいと思っております。
○議長(横田久俊)松田議員の一般質問を終結いたします。
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)6番、安斎哲也議員。
(6番安斎哲也議員登壇)(拍手)
○6番(安斎哲也議員)一般質問します。
小樽市教育委員会が全国学力・学習状況調査の本市児童・生徒の平均正答率を公表したことで、数値によって全国・全道平均と比較できるようになり、学校現場や保護者に小樽の学力の低さを自覚させるとともに、現場の緊張感の高まりにつながったと感じています。市教委の教育問題に対する熱意、姿勢を評価させていただきます。
さて、私は3月に開かれた絵本・児童文学研究センター正会員ゼミに参加し、道教委の武藤久慶学校教育局次長の「基礎学力問題のディープインパクト~基礎学力軽視論が招く危険な未来」を拝聴いたしました。講演では、基礎学力がないことで消費税の計算や預金利息の算出ができない、マニュアルが理解できないなどの問題が実際にあること、新規高卒者の離職率が高い傾向にあり、高校中退など将来的な問題点が挙げられました。さらに、2007年就業構造基本調査に基づくデータで、生活保護世帯の母親の中卒率が34パーセント、その父親の42.3パーセントが中卒、その母親の51.9パーセントが中卒、保護母子世帯の母親の14.6パーセントが保護世帯で育っているなどという数字が示されました。この統計データから、基礎学力低下という問題から、このまちの将来の危機感を強く感じました。
学力が高いと言われる秋田県や福井県では、全国学力・学習状況調査で全国平均以下の点数の児童・生徒がほぼいない状況です。北海道では平均点以下の児童・生徒が多く、平均点以上の児童・生徒がとても少ない状況です。小樽市においても同様です。武藤次長は、全国平均以下の児童・生徒のフォロー、ケアが大切であり、そこを改善することによって、必然的に全国平均以上になってくるとおっしゃっていました。私も同様に考えています。
地域の発展は労働力に直結していると言われますが、将来就業する子供たちがしっかりと基礎学力を身につけなければ、雇用先という受皿があったとしても企業が求める労働力につながらず、まちの経済の衰退につながると懸念しています。
ここで、まず上林教育長もこのゼミに参加されていましたので、率直な感想と小樽の教育の問題、課題解決のためのお考えをお聞かせください。
次に、市教委では、教育分野の重点施策の第1点目に学力の向上を掲げ、23の指針を示し、各学校が具体的な数値目標を設定し、行動を行えるよう指導しているとのことですので、各学校でどのような数値目標が設定され、どう行われているのかお聞かせください。
23の指針の中で、体験的な活動の充実があります。文部科学省でも体験活動について、思考や知識を働かせ、実践してよりよい生活をつくり出していくために体験が必要であると提起しています。文部科学省中央教育審議会の答申では、体験活動の意義、効果として、社会を生き抜く力の養成、規範意識や道徳心の育成、学力への好影響などを挙げています。また、独立行政法人国立青少年教育振興機構の調査では、小・中学生時代の経験が豊富な大人ほど意欲、関心や規範意識が高い人が多い、学力の面でも自然観察をしたことがある小・中学生のほうが、全国学力・学習状況調査での平均正答率が高いというデータが示されています。体験活動の効果として、市教委はどのような見解をお持ちで、今後の学校現場での取組にどのように期待されているかお聞かせください。
一方、教育現場では、この意義と効果は認識していても、授業日数や課外活動への予算の割り振りなどで、教員が望むことができないでいるという課題があります。先日もある中学校の地域活動に参加しましたが、体験活動はもっと増やしたいが、ふだんの授業のこともあり、年1回取り組むので精いっぱいなどとの声をいただきました。市教委としてどのように感じ、今後どのように対処していくか、お考えをお聞かせください。
最後に、教育予算についてです。
教育は、さきに述べたとおり、小樽の経済にも影響するとともに、子育て世代、若者世代の定住にも大変影響します。将来のまちを考えていく上で重要で、長期的に取り組む必要があります。近年、ハード面を除いても、教育費は増額されてはいますが、次世代の子供たちを育てる上で教育予算の拡充をさらに求めます。見解を伺い、質問を終わります。
なお、再質問は留保いたします。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)安斎議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、教育について御質問がありました。
初めに、このセミナーに参加した感想と小樽の教育の問題、課題解決についてでありますが、講演では、教育の目的は社会に役立つ人材の育成であり、そのためには義務教育では、しっかりと基礎・基本を身につけさせることが大切であり、そのため生活規律や学習規律の重要性について詳細なデータを基に説明されたものであり、まさに小樽の教育を改善するに当たって的を射た内容であったと感じております。
小樽の教育の現状は、小学校で基礎・基本の学力が十分に身につかないまま中学校に入学し、授業内容が理解できず、学力を伸ばすことができていないことが課題であると考えております。これらの課題を解決するため、学校においては教科書を声を出して読むことや文章を書くことを取り入れたわかりやすい授業を行っており、一方、家庭では子供たちに早寝早起き朝ごはんなどの生活習慣を身につけさせることなどの取組を行っております。また、教育委員会では、全市的な音読運動や樽っ子学校サポート事業、指導方法工夫改善に向けた研修会などの取組を進めており、学校と保護者、教育委員会が一体となって学力の向上に努めているところであります。
次に、23の指針の数値目標についてでありますが、例えば「確かな学力の育成」では、樽っ子学校サポート事業を活用した長期休業中の補習を10日間以上実施する、「豊かな心の育成」では、地域や外部団体と連携し、年1回以上のボランティア活動に取り組む、「社会の変化に対応した教育の推進」では、英語の授業が楽しいという子供の割合を80パーセント以上にするなど具体的な目標が示されており、教育委員会では学校訪問等を通してこれらの状況を確認するとともに、2学期末には達成状況と今後の改善策などについて報告を求め、目標の達成に向け、指導・助言を行ってまいります。
次に、体験活動の効果についての見解と学校の取組への期待についてでありますが、23の指針においても体験的な活動の充実を重要な観点と位置づけており、みずから学び、みずから考える力などの生きる力を培う上で欠かせない活動であると考えております。教育委員会としては、これまでも総合博物館での理科実験教室、美術館でのワークショップ、おたる案内人ジュニアの取組などの体験活動を行っておりますが、今後とも各学校において、小樽の恵まれた教育資源を活用した体験活動を積極的に取り入れるよう指導してまいりたいと考えております。
次に、体験活動の現状と今後の対応についてでありますが、体験活動につきましては、思考力、判断力、表現力を養うことを狙いとして学習指導要領で定められており、年間指導計画に適切に位置づけられることが求められております。道教委の調査によると、卒業式や入学式などの儀式的行事や学芸会などの文化的行事の準備に多くの時間が使われている状況が報告されており、この時間を縮減するなどの工夫をして、体験的活動を取り入れるなど、バランスのとれた教育課程が編成されるよう指導してまいります。
次に、教育予算の拡充についてでありますが、教育委員会では平成23年度から毎年、教育行政執行方針を議会で説明し、学力向上をはじめとした各般の施策に取り組んでおり、その執行に当たっては、それぞれの事業の成果を分析、検証しながら次年度以降の予算に反映することが大切であると考えております。今年度、市長の重点施策に次代を担う子供たちへの取組の一つとして学力向上対策が取り上げられ、デジタル教材整備費やスクール・ライブラリー便事業費を予算化できたことは、その成果と考えており、今後とも市長部局の理解と協力を得ながら予算の獲得に向け、努力してまいりたいと考えております。
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)6番、安斎哲也議員。
○6番(安斎哲也議員)これは意見として聞いていただきたいのですけれども、運動会や学芸会などの練習については、北海道では比較的多く、小樽でも多いという話をこの前、室蘭市の学校の教員から伺いまして、今、答弁でもありましたように、その辺を少し整理して取り組んでいただけるということをうれしく思います。
また、先日市内のある企業から話を伺ったのですが、地元の小樽の子供を採用したいのだけれども、札幌の子供たちと比べると、どうしても札幌の子供のほうがレベルが高く、札幌の子供を採らざるを得ない状況にあったのだというような話も伺いました。学力ばかりではないのでしょうけれども、そういった市内企業の就職的な問題でも、ぜひ小樽の子供たちが地元で頑張れるようにして、基礎学力を育んでいただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。
○議長(横田久俊)安斎議員の一般質問を終結いたします。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)21番、新谷とし議員。
(21番新谷とし議員登壇)(拍手)
○21番(新谷とし議員)初めに、医療・介護総合法案の問題について質問します。
安倍政権が進める医療・介護総合法案は、昨日、参議院厚生労働委員会を通りましたが、内容には市民や小樽市にもさまざまな不利益な問題点があり、反対の立場で質問いたします。
医療法関係では、2025年度までに入院ベッドの再編、削減を進め、7対1病床は、2014年度から2年間で9万床を減らす計画です。都道府県に各病院の病床再編計画をつくらせ、都道府県主導でベッド削減を進める仕組みが盛り込まれ、病院に病床削減や増床中止を勧告する権限を知事に与え、従わない場合はペナルティまで科して在宅に押し戻そうというものです。今でも早期退院が迫られ、リハビリもないまま在宅に戻されているのに、この法案では、さらに法制度と診療報酬の両面から患者追い出しを進めるものです。法案が最終的に成立すると、医療法関係の施行期日は今年10月以降とされています。患者や市内の医療機関にどのような影響が出るとお考えですか。
介護保険法関係では、第1に要支援者に対する訪問・通所介護を地域支援事業に移行し、新たなメニューを設け、代替のサービスに置きかえる問題です。まず、ここ2年間の小樽市の要支援1、2の介護予防サービス利用人数と全体利用者に対する割合、サービス利用内訳と割合をお知らせください。
要支援者のサービス外しに対して、日本医療労働組合連合会や全日本民医連などで構成される「介護に笑顔を!」北海道連絡会が北海道内の要支援者の実態把握と問題点の検証を行っています。深刻な事例が1か月で269件寄せられ、そのうち99パーセントの人が何らかの疾病を持ち、68パーセントに認知症が認められ、独居・高齢者のみ世帯も73パーセントになっています。
小樽市内の調査事例を紹介しますと、1、要支援2の男性80歳代後半、ひとり暮らし。高血圧などで内科を受診。小児麻痺で身の回りのことや物を持っての移動が困難。現在、週2回、訪問ヘルパーに調理補助や掃除、買物をしてもらっているが、年金収入は月10万円に満たないため、高いサービス費になれば週1回に減らすか、やめざるを得なくなり、重症化、孤立化が心配される。2、要支援2の70代女性ひとり暮らし。両股関節と肩の手術をしており、常に脱臼の危険性があり、かがむ動作はできない、重いものは持てないという状態で、週2回の訪問ヘルパーと週2回のデイサービスを利用。高額支払は困難で、サービスを受けられなくなると、閉じこもり、孤立化が心配されるなどです。269件の事例のまとめでは、要支援者は決して軽度者ではなく、専門職による介護保険サービスを利用して今の生活を維持していること、介護保険サービスが利用できなくなると、重度化、重症化を招くことから要支援者の介護保険外しは、人命にかかわる大問題と報告しています。
小樽市は、坂道の多い独特の地形ですから、ひとり暮らし世帯や高齢者世帯では、要支援の訪問介護や通所介護サービスが必要です。訪問介護中心の事業を展開している事業所は、今でも赤字なのに倒産するのではないかと不安を持っています。
小樽市は、このような要支援のサービス利用者と事業所の実態を把握していますか。実態を把握していなければ調査すべきです。いかがですか。
訪問・通所介護の見直しは、2年間の猶予期間が設けられていますが、この間は小樽市として訪問介護事業を行うのか、どうお考えですか。
既に要支援者向けの介護サービスを地域支援事業に置きかえる総合事業を実施している自治体では、「デイサービスによる入浴をやめ、老人福祉センターの風呂に通えないか」「元気なのだから介護サービスを受けるのではなく、ボランティアとして助ける側に回るべきだ」など、サービスを縮小される事態が起きています。このようなサービス利用抑制は許されません。地域支援事業の新たなメニューとして、小樽市はどのようなことを考えているのかお知らせください。
地域支援事業に対して、国からの財政措置はどうなるのですか。
第2の問題は、特別養護老人ホームの入所が要介護3以上に限定されることです。現在、特養待機者は、全国で52万4,000人、そのうち17万8,000人は要介護1、2ですが、小樽市の待機者の介護度別人数をお知らせください。
厚生労働省は、サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームを受皿にすると言いますが、2011年度の厚生労働省年金制度基礎調査によれば、年金受給者の約48パーセントは年金額100万円以下です。これでは、これらの施設には入所できません。小樽市では、やむを得ない事情がある場合を除いた要介護2以下の受入先はあるのでしょうか。
全国的には、介護保険の適用外で特養待機者が利用している宿泊デイサービスで事故や死亡が起きて問題になっていますが、小樽市ではそのような事例はありませんか。
特養入所を要介護3以上に限定することをやめ、待機者解消計画の策定、廃止された特養建設に対する国庫補助の復活、用地取得への支援など特養増設に向けた施策を推進するよう国に要望すべきです。見解を伺います。
第3に、介護保険料についてです。
第1号被保険者の保険料は、第3段階以下の軽減が拡充される予定ですが、この内容と、小樽市における2014年度ベースでの第3段階以下の人数と割合をお知らせください。
第6期介護保険事業計画における本市の介護保険料は、どのような所得段階にするお考えですか。あわせて、小樽市独自の減免制度は、これまでどおりの実施を求めますが、いかがですか。
第4に、利用料の負担増の問題です。
単身で年金収入280万円以上の場合、介護サービス利用の自己負担割合を2割に引き上げようとしています。
しかし、参議院の厚生労働委員会で、日本共産党の小池晃参議院議員の質問で、夫婦で年金収入359万円のモデル世帯は、支出より所得が60万円多いから2割負担できるという厚生労働省の論拠が崩れ、撤回せざるを得ませんでした。参考までにお聞きしますが、小樽市の居宅サービスにおける支給限度額に対する1件当たりの割合を介護度別にお知らせください。
そもそも年金280万円で高収入と言えるでしょうか。医療の窓口負担増と相まって、必要なサービス抑制になることは必至ではありませんか。市長の見解を伺います。
第5に、補足給付についてです。
介護施設に入所した場合、低収入の人に対する補足給付を預貯金が一定額を超える場合や世帯分離していても配偶者が住民税課税であれば打ち切るとしています。小樽市の施設で補足給付を受けている人の人数と割合を施設ごとにお示しください。
また、補足給付に資産要件を追加することは、社会保障制度として妥当とお考えでしょうか。
第6に、認知症対策についてです。
さきに紹介した「介護に笑顔を!」北海道連絡会の調査では、68パーセントに認知症が認められましたが、予防給付の見直しは認知症対策に逆行するものです。小樽市の要支援1、2の認知症割合はどのようになっていますか。
現在、要支援2であれば認知症対応のグループホームも利用できますが、自治体の裁量に任せられれば、これまでと同じサービスを受けられる保証はなく、介護する家族の負担を増大させるだけです。認知症の方の所在不明も社会問題となっており、地域全体での対応が求められています。第6期介護保険事業計画では、認知症対策をつくることになっていますが、小樽市としての取組や計画をお知らせください。
政府は、病院や施設への入院、入所を限定するかわりに、地域で医療や介護を提供する地域包括ケアを市町村単位で構築するとしています。しかし、訪問看護事業所の看護師不足や零細経営が大きな問題となっており、介護職員の深刻な人手不足で、国が設定する必要数よりも100万人が不足している状態ですから、医療や介護を切れ目なく提供し、住みなれた地域で最期まで暮らせるようにするというスローガンが絵に描いた餅になりかねません。このように医療・介護総合法案は、入院患者を強引に在宅に押し戻す一方、介護サービスを後退させるものであり、漂流患者、介護難民は増え続けるばかりです。また、介護サービス利用2割負担の論拠が撤回された以上、このような法案は撤回すべきではないでしょうか。市長の見解をお聞かせください。
次に、駅舎のバリアフリー化について伺います。
JR南小樽駅舎のバリアフリー化、JR銭函駅における昇降機の設置は、住民の強い要望です。共産党市議団は、5月27日、JR北海道に駅舎のバリアフリー化や施設の安全を求める要望書を提出し、交渉してきました。この中で要望していた潮見台踏切内の舗装が改修されるなどの成果もありました。交渉では、JR側は、国と小樽市とJRの三位一体の事業を再三強調し、小樽市との協議が必要と述べていました。その後、小樽市としてどこまで踏み込んだ話合いをしてきたのですか、市内各駅についてお答えください。
12月には、市民が待ち望んでいた新市立病院が開院されます。後志の基幹病院でもあり、今後、患者が増えると期待されるのではないでしょうか。市内路線バスが1時間に1本もなく、JR列車に頼らざるを得ない銭函の住民にとっては、南小樽駅の階段があまりにもきつく、手稲など札幌の病院に通う人が少なくありません。南小樽駅や銭函駅がバリアフリー化にならないと、せっかくの新市立病院にもかかれなくなります。道内の駅舎のバリアフリー化は、2020年度まであと14駅残っていますから、先に手を挙げたほうがよいのではありませんか。
バリアフリー新法では、市町村が基本構想を作成することができ、公共交通事業者の施設設置管理者は、市町村から協議会への参加を求める通知を受けた場合には、正当な理由がある場合を除き、協議会に参加しなければならないとされています。いつまでもJRにお伺いを立てるのではなく、小樽市が基本構想を作成し、積極的にJRと協議を進めるべきです。基本構想の作成体制として、作成担当部局のほか、庁内調整組織の設置、協議会の設置が望ましいとされていますが、庁内調整組織を早期に設置し、協議会の設置についても検討すべきではないでしょうか。市長の見解を伺います。
再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)新谷議員の御質問にお答えいたします。
初めに、医療・介護総合法案の問題について御質問がありました。
医療法関係についてですが、本法案が成立した場合の患者や市内医療機関への影響につきましては、現時点では情報が十分ではないため想定することが困難であることから、今後、国や北海道の動向を注視したいと考えております。
次に、介護保険法関係について御質問がありました。
初めに、要支援者に対する訪問・通所介護を地域支援事業へ移行する問題についてですが、まず要支援1、2の方の介護予防サービス利用人数と全体の利用者に対する割合及び主なサービスごとの利用者数と割合につきましては、平成25年4月分の実績では、要支援1、2の方の各予防サービス利用延べ人数は2,076人、全体の利用者に対する割合は20.9パーセントとなります。
主な予防サービスの内訳としては、訪問介護では同様に911人、29.2パーセント、通所介護では697人、28.2パーセント、訪問看護では30人、7.5パーセントとなっております。
直近の実績で、平成26年3月では、全体で延べ人数2,108人、20.1パーセント、訪問介護では838人、26.2パーセント、通所介護では829人、29.3パーセント、訪問看護では36人、9.3パーセントとなっております。
次に、要支援サービス利用者の実態調査につきましては、平成27年度から3年間の第6期介護保険事業計画の策定に当たり、日常生活圏域ニーズ調査を実施したところであり、その中で要支援1、2の方の実態を調査しております。
また、訪問介護事業所に対する実態調査は実施しておりませんが、今後、法案成立後に国から示される予定の事業実施のためのガイドラインを踏まえ、実態調査について検討していきたいと考えております。
次に、2年間の猶予期間における訪問・通所介護事業の実施についてですが、国では平成29年4月からの地域支援事業への移行を全市町村に義務づけていることから、それまでの期間は現行の予防給付を続けていく考えであります。
次に、地域支援事業の新たなメニューにつきましては、第6期計画に位置づけることとし、具体的な実施方法などについては、実施が義務づけられている平成29年度までに事業実施の受皿の整備などの課題も含め検討してまいりたいと考えております。
また、国の財源措置につきましては、既存の地域支援事業に加え、介護予防給付に見合う財源が措置されることとされております。
次に、特別養護老人ホーム入所を要介護3以上に限定する問題についてですが、まず本市の特別養護老人ホーム待機者の介護度別人数につきましては、平成25年10月1日時点では、要支援等が13人、要介護1が89人、要介護2が157人、要介護3が142人、要介護4が125人、要介護5が99人、合計625人となっております。
次に、要介護2以下で、やむを得ない事情がない方の受入先についてですが、基本的には在宅で訪問介護や通所介護サービスなどの在宅サービスを中心に、必要に応じて24時間定期巡回・随時対応型訪問介護などを利用していただくことになると考えております。
次に、本市での宿泊デイサービスの事故についてですが、市内には宿泊デイサービスを行っている事業所が数か所あると認識しておりますが、介護保険法適用外のサービスであり、把握することは難しい状況であります。
次に、特別養護老人ホーム増設に向けた国への要望につきましては、今後の高齢者数の推移や待機者の状況も見据えながら、国への要望も含め、第6期計画策定の中で検討してまいります。
次に、介護保険料についてですが、まず第1号被保険者の保険料の軽減拡充の内容につきましては、低所得高齢者の保険料負担の軽減を図るため、第3段階以下の保険料において、基準保険料からの軽減率を第1、第2段階では0.5を0.7に、特例第3段階では0.33を0.5に、第3段階では0.25を0.3に拡大するものです。
また、本市の平成26年度当初賦課における第3段階以下の人数と割合は、第1段階が2,289人、5.2パーセント、第2段階が1万187人、22.9パーセント、特例第3段階が4,084人、9.2パーセント、第3段階が4,090人、9.2パーセントとなっております。
次に、第6期計画における介護保険料の段階と本市の独自減免制度の実施につきましては、第6期計画策定の中で国が示した標準を基にしながら検討してまいりたいと考えております。
次に、利用料負担増の問題についてですが、まず本市の居宅サービスにおける支給限度額に対する1件当たりの割合につきましては、平成26年3月実績で介護度別に申し上げますと、要介護1では35.0パーセント、要介護2では39.9パーセント、要介護3では45.4パーセント、要介護4では44.7パーセント、要介護5では51.5パーセントとなっております。
次に、一定以上の所得がある方の利用者負担を2割とすることへの見解についてですが、今回の制度改正案の背景には、高齢化の伸展に伴う介護費用の増加が見込まれることがあります。そうした中で、制度の持続可能性を高めるため、一定の所得や資産のある方の利用者負担を見直すものであり、やむを得ないものと考えております。
次に、補足給付打切りの問題についてですが、まず補足給付を受けている人数と割合につきましては、平成26年3月の居住費の実績では、介護老人福祉施設では347人、78.7パーセント、介護老人保健施設では379人、77.3パーセント、介護療養型医療施設では358人、77.7パーセントとなっております。
次に、補足給付に資産要件を追加する妥当性についてですが、補足給付は低所得者に対して原則自己負担である食費と居住費を補助する制度であります。そのため、一定額以上の預貯金を保有するにもかかわらず、保険料を財源とした給付が行われることは、食費や家賃を負担し、在宅で生活する方との公平性を欠くことから見直されるものであり、やむを得ないことと考えております。
次に、認知症対策についてですが、まず本市における要支援1、2の認知症の割合につきましては、疾病としての認知症の人数は把握しておりませんが、たびたび道に迷う、金銭管理にミスが目立つなどの症状がある認知症高齢者の日常生活自立度がⅡ以上である割合を申し上げますと、平成26年5月26日現在で要支援1では5.0パーセント、要支援2では6.3パーセントとなっております。
次に、認知症対策の取組と計画につきましては、平成24年9月に国が策定したオレンジプランに示されている認知症初期集中支援チームの設置など、必要な対策を第6期計画策定の中で検討していきたいと考えております。
次に、今回の法案に対する見解についてですが、国会審議における利用料2割負担についての論議については承知しておりますが、国ではいわゆる団塊の世代が75歳以上となる2025年を見据え、地域で安心して医療や介護サービスを受けられるよう一体的な改革を行うとしているものであり、やむを得ないものと認識しております。
次に、駅舎のバリアフリー化について御質問がありました。
まず、市内各駅に関するJR北海道との話合いの内容につきましては、今月初めにJR北海道本社において、バリアフリー化の検討状況について確認をしておりますが、JR北海道は国の基本方針を踏まえ、小樽駅、南小樽駅及び銭函駅を含め、乗降客数が3,000人以上である道内駅のバリアフリー化について、平成32年度までの実施を念頭に引き続き検討を進めているものの、まだ各駅の具体的な計画等を本市に示せる段階にはないとの説明を受けたところであります。
次に、バリアフリー化がまだ実施されていない道内駅舎の中で、先に手を挙げたほうがよいのではないかとの御質問につきましては、今後、具体的な計画等が示された段階で、各駅の整備年次につきましても、JR北海道と協議をしてまいりたいと考えております。
次に、基本構想の作成につきましては、今後、JR北海道から具体的な計画等が示された段階で、適切に判断したいと考えており、構想を作成する場合には、庁内調整組織や協議会の設置についても検討してまいりたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)病院局長。
○病院局長(並木昭義)新谷議員の駅舎バリアフリー化についての御質問にお答えいたします。
JRを利用する患者数についてのお尋ねがありました。
現在、医療センターに後志地域から通院される患者も、引き続き新市立病院に通院されると思いますので、開院後の動向をよく見まして、市長部局とよく協議してまいりたいと考えております。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)21番、新谷とし議員。
○21番(新谷とし議員)再質問いたします。
初めに、医療・介護総合法案の問題です。
先ほども言いましたけれども、昨日、法案が参議院厚生労働委員会を通りました。介護サービス利用料2割負担の論拠が完全に崩れて、撤回したのにもかかわらず、数の力で通してしまったわけです。これは大問題です。まず、そのことを最初に言っておきたいと思います。
医療ですけれども、社会保障と税の一体改革、全戸配布されました政府広報ですが、平成26年度から「高度急性期、急性期、回復期、慢性期の医療機関が相互に連携を強化し、できるだけ早く社会復帰できる体制を整備します」、要するに在宅に戻すということですけれども、その戻す前の体制などは、もうできているのですか。情報がまだない、想定することが困難だという御答弁でしたけれども、既にこういうものが出ているわけですから、やはりこれは市としても、もっと情報を集めて、どういう影響が出るか調べるべきだと思います。
それから、介護保険関係です。
要支援1、2の訪問・通所介護給付外しなのですけれども、これまでのように2年間は経過措置として自治体の裁量で要支援の訪問・通所介護は既存の事業所で行うことが認められております。確認しますけれども、この2年間は利用料、それから介護報酬は変わらないと捉えてよろしいのですか。
それから、要支援の介護サービス利用者数は、利用割合が大きいですし、中でも訪問介護、通所介護の利用割合が大きいです。政府は、これまでも要支援者に対して、ヘルパー派遣回数の制限や介護時間の短縮など給付抑制を行ってきましたが、今回の法案では、さらなる給付制限です。先ほども言いましたけれども、地域支援事業へ移行している自治体、サービス縮小が起きているところもあります。「介護に笑顔を!」北海道連絡会の調査でまとめて述べているように、要支援の方は、ボランティアではなく、専門職による介護保険サービスを利用しているからこそ今の生活が維持できているとしております。しかし、厚生労働省は、新事業のガイドラインで、各サービスの単価や人件費を現在の訪問・通所介護の報酬以下に設定するように義務づける方針と聞いております。2年後、保険給付から外されたら事業所の経営悪化にもなります。要支援者を重度化させない、事業所の経営を守るためにも市長は要支援の訪問・通所介護を保険給付から外すのをやめるよう国に意見を上げるべきです。いかがでしょうか。
それから、地域支援事業ですが、政府が目玉としているのが24時間定期巡回・随時対応サービスですけれども、実施自治体は、わずか1パーセントです。小樽市でも1事業所で実施しておりますけれども、現在、20人の定員に対して8人しか利用しておりません。利用料は高く、このサービスを使うと支給限度額との関係で、他のサービスが使えなくなります。先ほど利用負担のところでお答えいただきましたように小樽市の介護サービス利用は、支給限度額をどの段階でも大きく下回っております。利用したくてもお金がかかるから利用できない。サービスを提供する側は、1人に対して20分から30分のサービスを1日3回、4回と往復しなければならないし、夜間対応できる職員がいないということを聞いています。実際、あるケアマネジャーも勧めづらいサービスだと言っています。こういう実態で、政府の言うような地域支援事業利用が進むとは考えられないのではないでしょうか。市長はどうお考えでしょうか。
特別養護老人ホームの入所問題です。
先ほど御答弁いただきましたが、特養の入所申込みのうち要介護2以下の方々は236人で39.4パーセント、これは全国平均よりも高い数字です。現在、介護老人保健施設、グループホームも満杯で、いつ入れるかわからないということで、しかもサービス付き高齢者向け住宅には金銭的に入れないという人が圧倒的に多いわけです。そういう点では、市長は国にも要望していきたいということでしたけれども、これは特養を増やすしかないのです。そして、あるヘルパーの話ですと、家の人が仕事に行かなければならなくて、パンを置いて寝かされている人を何人も見ているということです。実際、痛ましい事件も起きております。介護心中や介護殺人などが起きておりますから、こういう点では、やはり強力に特養を増やす、このことを要望していただきたいと思います。
それから、認知症対策についてですけれども、これはこれから考えていくということですが、医療法人渓仁会札幌西円山病院の峯廻名誉院長は、軽度認知症のうち半数が4年後には認知症になると、介護者が疲弊しないためには、認知症患者と離れる時間をとることや休憩、息抜きをすることが大切で、デイサービスや短期入所など国や病院施設が支援サービスをより充実させていくことが求められると指摘しております。これについても、やはりこれまでどおりの利用ができるように、さらに地域全体で認知症に対応している釧路市の釧路地域SOSネットワークなどもありますけれども、こういうことを参考にして進めていただきたいと思います。
それから、JRの問題ですけれども、これまで小貫議員が質問で明らかにしてきましたが、国土交通省の市町村アンケートで、基本構想を作成する効果、「鉄道駅舎など旅客施設のバリアフリー化が進んだ」、70.1パーセントでトップです。先ほどの病院局長の御答弁でも、これまでどおり後志からの患者に来てもらえるのではないかということでしたけれども、やはり南小樽駅をバリアフリー化して、患者が安心して通院できるということは重要なことだと思います。銭函駅では、前にも言いましたけれども、高齢者や障害者の方が階段から足を踏み外してけがをしたという人が何人もいて、エレベーターの設置は切実なのです。住民からの市長への手紙、また町会からの要望として昇降機の設置の要望が出ているはずです。5月のJRとの交渉では、JRは、例えば南小樽駅の地形からどのようにしていったらいいか模索しているということでした。確かに財政問題、財源問題はあると思います。
また、JRからの提案があってから基本構想をつくるということですけれども、私たちは尾道市を視察してきましたが、そこではエレベーターが2基設置されておりました。その経過について聞きましたら、やはり基本構想を先につくってJR側と協議を始めております。もちろん財源的な問題は前提にあったとは思うのですけれども、基本構想をつくってから財政、財源の問題をしっかりと話し合ったということを聞いております。今までの答弁からは市長の積極姿勢が見えないのです。新幹線の地元駅整備の負担をするのですから、住民の生活の足、安全を守る、これはやはり本当に取り組まなければならない問題だと思いますので、積極的な姿勢をお見せいただきたいと思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)保健所長。
○保健所長(秋野惠美子)新谷議員の再質問にお答えいたします。
医療・介護総合法案の問題で、医療法関係の問題でございますけれども、やはり今後どのようなことが起きてくるのか、まだまだ十分でない情報が多くございます。例えば、地域医療構想、ビジョンをつくることになってございますが、まだ北海道でこれはできてございません。こういったものが次々出てくる中で、今後の影響がわかるというふうに考えてございますので、今後とも情報を集めて調べながら、国や北海道の動向を注視していくことが必要と考えてございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)医療保険部長。
○医療保険部長(藤井秀喜)新谷議員の再質問にお答えします。
医療・介護総合法案の介護保険法関係ということで何点か再質問がございました。
まず、利用料や介護報酬が2年間の猶予期間は変わらないのかということですけれども、私どもとしては昨日の本会議の答弁と同様に、2年間の部分については、現行どおりの中でサービスも含めてやっていきたいと考えてございます。
次に、さらなる給付の削減がサービス低下につながると。受皿でボランティアの話などがいろいろ出ておりまして、そういう意味でかかわれる部分は少なく、専門職だからこそできる部分があるのだということで、そこの御趣旨は、私どもも同様に認識してはございます。
ただ、報酬が下がって、介護事業所の経営の悪化という、そういうおそれがないのかということで、国へ法案を撤回するように要求してはどうかということなのですが、インターネットで調べたところによりますと、もう参議院の本会議で、今日可決・成立したと聞いておりますので、少し遅かったのではないかというような感じもしないでもないのですけれども、ただ私どもとしては、昨日の本会議の答弁でもお答えしましたとおり、やはり担っていただくのは、介護事業所がメーンになると思うのです。ボランティアというのは、やはり補完的な部分でしかできないと思いますので、そういう意味では、財源の問題など、まだ具体的に国から示されておりませんので明確なことはお答えできませんけれども、介護事業所に受皿としてやっていただけるように、また受けていただけるように関係者の皆さんと協議しながら、策定委員会の中で、最終的にいろいろ議論していきたいと考えてございます。
それから、24時間定期巡回・随時対応サービスの件でございました。実態としては、先駆的に取り組んだものの残念ながら今のところの実態というのは非常に少ないということで、私どもも大変苦慮しているところでございます。しかし、このサービス自体は在宅で介護をするということの視点というのですか、基本的な考えというのは私どもも理解しますので、そういう意味では普及も含めて、これから課題がたくさんありますけれども、少しずつ粘り強く広げていきたいと考えてございます。
次に、特養の入所制限の問題ですけれども、確かに特別養護老人ホームをたくさん増やしていけば介護サービスを受ける方、あと御家族で苦労して介護されている方に対しては、非常にいい話だとは思います。ただ、御承知のとおり、介護保険料が全国平均で5,000円程度と言われているところが既に5,460円ということで、500円ほど小樽市は高いです。しかも2025年には、多くの団塊の世代の方がサービスを受けるようになり、8,200円程度になるということは、これも昨日の秋元議員の代表質問にもあったとおりでありますので、それだけの負担ができるのかということもございます。
あと、財源負担の部分で、大まかに言いますと、介護費用の半分は公費で、要するに税金です。残り半分のうちの2割は介護サービスを受けている方や対象者の方に保険料ということで負担していただきますけれども、残り3割は現役世代の負担なのです。現役世代ということは、子育て世代が中心です。ですから、特養を増やすということは、費用をそれだけ増やすということになりますので、保険料を上げざるを得ない。サービスを受けている方が保険料を上げないでくれということになりますと、もちろん現役世代がさらなる負担をするということに今の構造の中ではなるのです。現役世代の方も子育てで大変だというのは議会の中でも出てきているわけですから、果たしてそういう形で現役世代の方が納得してくださるのかという部分もあるのではないかと思っておりますので、一定程度の所得のある方は、我慢してくださいという言い方もあれですけれども、一定程度そういう形でやっていただかないと、保険料をますます上げる形になってしまって、サービスを受ける世代も、支える現役世代もどちらも大変なことになってしまうという形になろうかと思いますので、そういう部分については御理解いただければと思います。
あと、認知症の件につきましては、答弁のとおり今後の策定委員会の中で議論していく重要事項の一つだと考えておりますので、先ほど御紹介いただきました釧路市の例も含めて、先進事例を参考にしながら今後、議論を深めていきたいと思います。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)建設部長。
○建設部長(工藤裕司)駅舎のバリアフリーの関係ですけれども、繰り返しになりますが、これまでもJR北海道とは、本部に出向いて協議、打合せを行っているところでございます。その中で、小樽市内にはバリアフリー対象駅が3駅ありまして、JRでは今それを含めて現状分析中ということでございますので、その状況を見ながら対応していきたいと思っております。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)21番、新谷とし議員。
○21番(新谷とし議員)再々質問を行います。
今、本当は市長にお答えいただきたかったのですけれども、医療保険部長から答弁がありましたが、いずれもやむを得ない、地域支援事業については苦慮しているということです。本当に、これは利用者、それから自治体を困らせる問題だと思うのです、この全体の問題が。
それで、特別養護老人ホームについては、先ほども言いましたけれども、やはり国の特養建設に対する国庫補助を復活する、国の負担割合を変えるなどしていかなければ、特養に入れる特例入所というのもあります、虐待や認知症、精神障害など困難な状況にある人、やむを得ない事情のある方は入所できるというのがあるのですが、こういう方々も結局は入れないということになっていく問題で、これはすごく重大な問題だと思います。
そもそも、社会保障のために消費税率を上げました。全部社会保障に充てますと言ったのではないですか。そういう前提があるのに、今までどおりに考えてというのはやはりおかしいと思うのです。やはりどんどん国に対してもこういうことはしっかりやってほしいということを要望していかなければ、結局は市民も高い保険料を払わなければならない、そういうことにつながっていくのです。2割負担の論拠が崩れたのに法案を参議院本会議で通してしまった、数の力で強行するということに本当に怒りを感じます。怒りを感じないでしょうか。
それから、バリアフリー化なのですけれども、いつも同じ答えです。いつ、それが示されるのか、現状分析をしていくなどいろいろありますけれども、もう少しJRに積極的になるように、市が先に積極的にならないとだめなのではないですか。それでないと進まないのではないですか。2020年までに14駅も残っているのです。結局、後回しにされて市民の足も守れない、安全も守れないということになるのですから、この辺で本当に積極的になってほしいと思います。いかがでしょうか。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)医療保険部長。
○医療保険部長(藤井秀喜)新谷議員の再々質問にお答えします。
新谷議員のお怒りについて、私どももはっきり言いまして理解はできます。ただ、消費税を社会保障に全部充てると言いながらやっていないなどという話になりますと、もう私どもがお答えできるレベルを超えてしまいますので、ここの中では答弁は難しいと思いますが、特養の件、確かに要介護2以下の方でも困難事例の方は入れるということで国が譲歩したという話は聞いております。そうなったときに、満床で入れなかったらどうするのかという御質問だと思いますけれども、そういうことも含めて、私どもも保険料にどうしてもはね返ってしまうものですから、その辺の給付と負担のバランスというのですか、サービスの充実もしながら、それが結局保険料の値上げにかかわるものですから、その辺のバランスをどうとっていきながら計画を進めていくのかと、これが本当に悩ましい問題なものですから、その辺の部分について、策定委員会の中で今後議論を深めていくということと、国ではガイドラインなどを示すと言っておりますので、そういうものも含めて、いろいろな情報を収集しながら、また釧路市など他都市でもいろいろなことをやっている例があると聞いておりますので、そういうものも含めて多面的に検討はしていきたいと考えてございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)建設部長。
○建設部長(工藤裕司)バリアフリーの関係でございますけれども、私も昨年、JR北海道の本部長と話をしておりますが、そのときは、JRの現在の状況等の話がございました。大変なのだという話、それと私も小樽の状況はお話ししましたので伝わっていると考えておりますけれども、そういった気持ちを持って、今後、協議を進めていきたいと考えております。
○議長(横田久俊)以上をもって、一般質問を終結いたします。
お諮りいたします。
ただいま上程中の案件のうち、議案第2号ないし第4号及び第6号につきましては、議長指名による9名の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
それでは、予算特別委員を御指名いたします。秋元智憲議員、吹田友三郎議員、小貫元議員、松田優子議員、鈴木喜明議員、上野智真議員、林下孤芳議員、新谷とし議員、前田清貴議員、以上であります。
なお、委員中、事故ある場合は、所属会派において補充することといたします。
次に、議案第5号、第7号、第10号及び第13号は総務常任委員会に、議案第8号、第9号及び第12号は厚生常任委員会に、議案第11号は建設常任委員会に、それぞれ付託いたします。
日程第2「陳情」を議題といたします。
本件につきましては、別紙お手元に配付の議事事件一覧表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。
日程第3「休会の決定」を議題といたします。
お諮りいたします。
委員会審査のため、明6月19日から6月29日まで11日間、休会いたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
本日は、これをもって散会いたします。
散会午後5時52分
会議録署名議員
小樽市議会 議長 横 田 久 俊
議員 吹 田 友三郎
議員 小 貫 元