開議午後1時00分
○議長(横田久俊)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、中村岩雄議員、酒井隆行議員を御指名いたします。
日程第1「議案第1号ないし第13号」を一括議題といたします。
これより、昨日に引き続き、会派代表質問を行います。
通告がありますので、順次、発言を許します。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)1番、秋元智憲議員。
(1番秋元智憲議員登壇)(拍手)
○1番(秋元智憲議員)平成26年第2回定例会に当たり、公明党を代表し、質問いたします。
初めに、財政問題について伺います。
今月9日に内閣府が発表した2014年1月から3月期GDP改定値は、物価変動の影響を除いた実績で、前期比1.6パーセントの増であり、年率換算で6.7パーセントでありました。金融・保険業を中心に設備投資で伸びがあり、上方修正になりました。個人消費では前期比2.2パーセント増、また生活実感に近いとされる名目GDPは前期比1.4パーセント増、年率換算でも5.7パーセント増で、全体では東日本大震災による落ち込みから回復する段階での年率10.8パーセント増以来の高い成長であり、企業の設備投資が景気を押し上げる形になっております。
中松市長が誕生し、3年が過ぎました。就任以来、中松市長は他会計や基金からの借入れを行わない財政運営を行ってまいりました。先日示されました平成25年度一般会計決算見込みでは、実質収支は2億5,800万円の黒字であり、平成24年度末53億8,700万円あった他会計や基金からの借入金残高も、7億5,000万円減の46億3,700万円となりました。平成23年度より借入残高は減少傾向にあるものの、平成15年度以降、23年度までは毎年借入残高が急激に増え続けてきたことは、本市財政が大変厳しい状況にあったことの裏づけとも言えます。
初めに、平成25年度末残高を見ると、水道企業会計からの借入金残高8,000万円は完済した状況と思いますが、その他の会計や基金からの借入金残高の償還計画と見込みについて説明をお願いします。
次に、平成25年度決算見込みでの歳入についてです。歳入全体では16億6,600万円の減額となっており、予算現額と比較し、減額幅の大きなものについて、主な要因をお知らせください。
歳出について、毎年度不用額が生じる状況であり、以前、現在の予算編成の方法ではどうしてもこのような形になってしまうとの答弁があったと思います。平成24年度からは限られた行財政資源を効果的に配分し、効率的な行政運営を目指していくとの考えの下、行政評価を行っておりますが、今後、行政評価結果をどのような形で予算に反映させていくお考えか、伺いたいと思います。
また、市長は、行政評価が定着することにより、予算編成へどのような効果があるとお考えか、伺います。
平成25年度決算見込みで言うと、扶助費6億900万円、建設事業費4億3,700万円と、ほかの項目に比べて突出して不用額が多くなっていますが、この点について説明願います。
次に、減債基金の考え方について伺いたいと思います。平成15年度末で3億6,500万円の残高があった減債基金ですが、平成16年度以降、現在まで積み立てられていない状況です。減債基金は、小樽市減債基金条例で設置、積立額、処分など定められておりますが、第1条の設置で記載されているように、市債の償還に必要な財源を確保し、将来にわたる市財政の健全な運営に資するためであり、その設置目的に照らしても重要な基金であることは言うまでもありません。平成23年度より財政調整基金のみが積み立てられている状況ですが、まず、その理由と今後の減債基金の積立てに対してどのような考えを持っていらっしゃるのか、お聞かせください。
次に、議案第5号小樽市税条例等の一部を改正する条例案についてです。
この条例は地方税法一部改正に伴い、税率等の改正をするものですが、まず法人税割の税率引下げは、これまでの14.7パーセントから12.1パーセントに改正され、実質2.6ポイントの引下げですが、このことによる市税収入に与える影響額は幾らと試算されるのか、お答えください。
次に、軽自動車税についてです。政府はこれまで自動車取得税廃止について議論を進め、本年4月の消費税8パーセント時には、これまで5パーセントだった自動車取得税を3パーセントに変更し、今後、消費税10パーセント時に廃止される予定です。自動車取得税は約1,900億円の税収があり、その約7割が市町村の交付金となるため、市町村にとっても貴重な財源となっています。その代替財源として、今回の軽自動車税などの税改正が行われたと認識していますが、政府は「安定的な財源確保の観点から、地域の自主性、自立性を高めつつ、環境性能等に応じた課税を実施することとし、他に確保した安定的な財源と合わせて地方財政へは影響を及ぼさない」としております。
そこで、影響について1点質問いたします。まず、原付及び二輪車の税率を約1.5倍に引き上げるということであり、三輪以上の軽自動車及び小型特殊自動車の税率を、自家用乗用車が1.5倍、そのほかは1.25倍へ引き上げるものです。そこで、それぞれの登録台数、また影響額について伺います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)秋元議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、財政問題について御質問がありました。
初めに、他会計や基金からの借入金残高の償還計画につきましては、下水道事業会計は平成38年度、産業廃棄物等処分事業会計は36年度、基金は35年度までの完済を予定しております。
次に、平成25年度の決算見込みでの歳入についてですが、25年度決算見込みの歳入で、予算現額と比べ減収額が大きいものの主な要因につきましては、繰入金では財政調整基金繰入額の減額などにより8億2,000万円の減少となっているほか、市債では入札による工事費の減などにより6億8,100万円、地方交付税では特別交付税交付額の減により1億4,100万円、それぞれ減少しております。
次に、行政評価と予算編成についてですが、まず行政評価の結果の予算への反映につきましては、行政評価は、人口減少や少子高齢化など社会・経済の変化を見極めながら、選択と集中の観点で、対象事業が社会的ニーズに適合しているか、市が実施することが妥当か、さらには事業執行により効果が現れているかなどを点検し、今後の方向性として対象事業を拡充、縮小、要改善などに区分した上で評価結果を示すものであります。評価結果については、予算編成において、次年度の事業実施に直ちに反映できるか否かの検討を踏まえ、次年度以降の予算に反映させることになるものであります。
次に、行政評価の定着による予算編成への効果につきましては、行政評価を継続していくことで事業費が精査され、予算規模の適正化が図られるものと考えております。
次に、不用額についてですが、扶助費と建設事業費の不用額が多額になっている理由につきましては、扶助費では、生活保護の扶助費が医療扶助費の減などにより3億8,800万円、建設事業費では、新共同調理場建設事業費で入札による工事費の減などにより1億2,800万円、それぞれ減少したことなどが主な要因でございます。
次に、減債基金の考え方についてですが、まず財政調整基金のみが積み立てられている理由と今後の減債基金積立てに対する考え方につきましては、本市の財政構造は何らかの財源対策を行わなければ収支均衡予算が編成できない状況にあることから、当初予算はもとより補正予算の財源として活用するため、災害などの不測の財政需要や年度間の不均衡を調整するための基金である財政調整基金に積み立てしているものです。
また、今後の減債基金の積立てにつきましては、中期財政収支見通しでも厳しい財政状況が続くことが想定されますので、他会計からの借入れなどに頼らずに収支均衡予算を編成するためには、一定程度の財政調整基金残高を確保することが必要であり、現時点で減債基金への積立ての見通しを示すことはできないものであります。
次に、市税条例等の一部を改正する条例案についてですが、まず法人税割の引下げによる影響額につきましては、引下げが平成26年10月1日以後の事業年度から適用となるため、平成26年度予算を基に試算いたしますと、影響が半年分の平成27年度では約9,800万円の減、通年分となる平成28年度では約1億8,000万円の減と見込んでおります。
次に、軽自動車税の引上げの影響につきましては、平成26年度予算を基に試算しますと、原動機付自転車が3,236台で約300万円の増、二輪車が2,180台で約330万円の増、三輪以上の軽自動車が1万8,513台で約540万円の増、小型特殊自動車が715台で約70万円の増と見込んでおります。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)1番、秋元智憲議員。
(1番秋元智憲議員登壇)
○1番(秋元智憲議員)次に、防災対策について質問いたします。
初めに、耐震改修促進法について質問いたします。
耐震改修促進法は、平成7年に起こった阪神・淡路大震災がきっかけとなり、同年10月に公布され、平成25年11月、建築物の耐震改修の促進に関する法律等が改正されました。この改正では、大規模な地震の発生に備えて、建築物の地震に対する安全性の向上を一層促進するため、地震に対する安全性が明らかでない建築物の耐震診断の実施の義務づけ、耐震改修計画の認定基準の緩和等の措置を講ずるものとし、対象となる建物は病院、店舗、旅館などの不特定多数の人が利用する建築物や、学校、老人ホームなどの避難所となっているものの中でも比較的大規模なものとしています。
本市では、平成21年3月に、小樽市耐震改修促進計画が策定され、計画期間は21年度から27年度までとされており、この計画は大規模地震発生に備えて、市民が安全で安心した生活を送るために、住宅・建築物の計画的かつ効果的な耐震化を促進することにより、地震による人的被害及び経済的被害の軽減を図ることを目的とされております。
市としても計画を推進するためさまざま取り組んできたと思いますが、この計画策定時からさまざま質問してまいりましたが、なかなか現実問題として思うように進んでいないとの話もあったと記憶しております。市所有の建築物の耐震化についても、財政的な課題もあり進まない中で、民間所有の建築物までもが耐震改修促進法の対象となっているため、計画の目標達成には大変な御苦労があるかと察するところであります。
本年第1回定例会で、市有建築物耐震診断経費として4,990万円、そして民間大規模建築物耐震診断促進経費として4,400万円が計上されておりますが、これらの進捗状況についてお知らせください。
また、国にあっては対象建築物への耐震対策緊急促進事業の補助制度を行っています。これは平成25年度から27年度までの事業であるため、対象建築物所有者にとっても有利な事業でありますが、これまで市内の対象者でこの事業を活用した例などがありましたら、お知らせください。
次に、法改正に伴い、耐震診断の義務づけ・結果の公表が求められる市内の対象建築物の主な用途と総施設数についてお知らせください。
要安全確認計画記載建築物について伺います。要安全確認計画記載建築物は、地方公共団体が指定する緊急輸送道路等の避難路沿道建築物、都道府県が指定する庁舎、避難路等、防災拠点建築物であり、これらの建築物は耐震診断を行い、所管行政庁に報告を行うことが義務づけられました。このうちで緊急輸送道路等の避難路沿道建築物の指定の考え方についてお示しください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、防災対策について御質問がありました。
初めに、市有建築物耐震診断経費と民間大規模建築物耐震診断促進経費についてですが、これらの経費の進捗状況につきましては、市有建築物の今年度に実施を予定している7施設のうち、市庁舎、市民会館、総合体育館、幸小学校の耐震診断業務について、6月10日に入札を行っております。
また、民間大規模建築物については、現在、所有者に対して耐震診断実施に向けた意向調査を行っているところであります。
次に、対象建築物の所有者が耐震対策緊急促進事業の補助制度を活用した事例につきましては、これまでにこの制度を活用した事例はありませんが、今年度からスタートした市の補助制度を利用して耐震診断を実施する建築物は、耐震対策緊急促進事業の補助金を活用することになります。
次に、耐震診断義務づけ・結果公表対象建築物についてですが、対象建築物の主な用途と総施設数につきましては、市有建築物については、学校13施設のほか市庁舎、市民会館、総合体育館、保健所など全部で19施設となっております。また、民間建築物については、病院、商業施設、危険物の貯蔵に供する建築物など全部で10施設となっております。
次に、要安全確認計画記載建築物についてですが、緊急輸送道路等の避難路沿道建築物の指定の考え方につきましては、耐震改修促進法では、北海道や市の耐震改修促進計画で地震発生時においても避難や緊急輸送のために通行を確保する必要がある道路を指定することができることになっております。この道路を指定することにより、この道路に接し、道路幅員の2分の1の高さを超える建築物が避難路沿道建築物に該当することになります。この道路の指定につきましては、今後、北海道との協議が必要であり、その後、市としての方針をまとめていきたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)1番、秋元智憲議員。
(1番秋元智憲議員登壇)
○1番(秋元智憲議員)次に、教育に関連し、質問いたします。
文部科学省では、2007年、小・中学校においては43年ぶりに全国学力テストを再開し、小樽市では4月22日に8回目の全国学力・学習状況調査が行われました。回を重ね、本市の課題や改善点が明らかになるとともに、本市における小・中学校の学力が、全国でも下位に位置する全道に比べ、各調査科目で低い状況が続いております。これまで各年の結果を基に、問題の改善に向けて教育委員会をはじめ学校、教職員、家庭が協力し、さまざまな観点から取組を行ってきたと認識しております。
北海道教育委員会が発表している結果報告書では、過去7年間の推移についても触れられ、後志管内での小・中学校の結果も掲載されています。
そこで伺います。本市において、まず過去7回の調査でのそれぞれの指導改善ポイントを踏まえ、課題とその傾向について、どのような変化が見られるのか、お知らせください。
国立教育政策研究所が、国全体の学力の状況について、今後の教育施策の検証、改善に役立てるため経年変化分析調査を行い、経年の変化を把握、分析し、公表しておりますが、本市でも今年度より学力の定着状況を把握するために、過去の全国学力・学習状況調査問題を小学校5年生、中学校2年生で実施するとのことですが、この取組の狙いについてお知らせください。
次に、教育現場におけるICTの利活用について伺います。
現在、インターネットやコンピュータの情報通信技術は目まぐるしく発達し、教育現場でのその技術の利活用については、さまざまな角度から議論、実証が進んでおります。
しかし、本市にあっては、ゲームや携帯電話などの利用時間が全国平均よりも長く、学力に及ぼす悪影響についても懸念されているところであります。
ただ、将来、小樽の子供たちが社会に出て仕事をし、自立していくことを考えると、ICT技術の利用は避けては通れませんし、むしろいかにこの技術をうまく利用するか、これからは学校、教職員、生徒に対する情報リテラシー教育に力を入れていかなければならないと考えます。
本年第1回定例会での教育行政執行方針で、教育長は、ICT機器を活用した授業改善とそれらに対する支援を行うとのことでありましたが、今後考えているICT利活用策がありましたら、お知らせください。
また、情報リテラシー教育に対するお考えについても伺います。
総務省では、現在、フューチャースクール推進事業に取り組んでおり、この事業では、ICT機器を使ったネットワーク環境を構築し、学校現場における情報通信技術面を中心とした課題を抽出・分析するための実証研究を行っており、「教育分野におけるICT利活用の推進には、授業の双方向性を高め、児童生徒の主体性、意欲・関心や知識・理解を高める等の効果があるという特徴があり、特に、ICTを活用した授業は、活用しない授業と比較して学力が向上することが国内外で実証的に示されています」とのことです。
今後、ICT機器の活用を推進されるとのお話ですので、その実証結果については既に御存じと思いますが、フューチャースクール推進事業の認識と感想をお聞かせください。
これまで述べたように、教育現場におけるICT機器の利活用は重要であり、小樽市の学校におけるICT環境の整備は年々着実に進んでいると認識しております。
文部科学省が昨年発表した調査によれば、タブレット型パソコン端末などの教育用コンピュータ1台当たりの児童・生徒数は6.5人であり、教職員の校務用コンピュータ整備率は108.1パーセントでした。
以前にもウィンドウズXP問題での各学校の状況について伺いましたが、まず教育用コンピュータ1台当たりの児童数と教職員の校務用コンピュータの整備状況をお知らせください。
この教育現場でのICTの利活用については、公明党としても国にさまざま提案してきた経過もあり、私たちもその方策やICT利活用による効果など勉強を重ねており、本年5月には、会派視察として、佐賀県武雄市で取り組まれている反転授業を視察してまいりました。
反転授業の導入は、欧米を中心に2010年ごろから注目を集めるようになったと言われております。事例数はまだ少ないですが、日本においても幾つかの小・中、高等学校、大学で導入されています。反転授業とは、授業と宿題の役割を文字どおり反転させる授業形態をいいます。通常は授業中に生徒へ教材を使って知識や考え方などの伝達、学習を行い、授業外でその内容の復習を行うことを反復し、学んだ内容の定着を図るというものです。
武雄市では、自宅でビデオやタブレット端末による教材などを活用し、あらかじめ決められた学習内容を学んでから、学校の授業でその内容に関する確認、さらには協働学習によるディスカッションなどを行い、学んだ知識を使う活動によって学習能力の向上への取組を行っています。
タブレットの導入は、児童が勉強への好奇心を育むことにつながっている上、事前に学習することで興味や関心が高まり、意欲的に授業を受けることができるといいます。当初、ゲームなどに利用してしまうのではないかという懸念の声も聞かれましたが、タブレットには学習で使用するアプリしか入っておらず、また休み時間には使わない、インターネットにはつながないというルールも徹底されております。また、児童の予習率はほぼ100パーセントで、総務省がICT教育を導入する実証校を対象に行ったアンケートでは、児童・生徒の大半がICT教育に対する授業に興味を示し、小学校3年生から6年生の児童では、コンピュータを使った学習や授業について「楽しい」「わかりやすい」「もっと受けたい」と答えた割合が9割に上っています。
先ほど紹介した反転授業は、まさにICTを活用し、子供たちの興味、やる気を高め行われるものであり、まだ授業で習っていない分野を各自が家庭でタブレットの動画を視聴して事前学習するのが特徴であり、学校での授業は児童全員が予習している前提で進められていきます。
昨年11月、また今年に入っても公開授業が行われ、数百人の参観者が全国から来ているそうです。しかし、これまでとは全く違う形態での授業は、当初からさまざまな意見があり議論されましたが、導入までには約1年、スピード感が大切だと樋渡市長が語っておりましたが、市長の言葉をかりれば、「将来、武雄市の子供たちが自分たちで飯を食っていくためにはどうすればいいのか」、さまざま思索されたそうです。当然、反対の意見や保護者や教員の不安の声もあったようですが、マスコミに取り上げられ、企業や大学などからの協力も得られたことで導入が加速し、先行して反転授業を行った2校での様子を見たり説明を受ける中で、校長や教員から導入したいとの声が上がったといいます。
現在はもちろん、今後、小樽で育つ子供たちに対してどのような方法で学力を身につけさせるのか、重要な問題でありますが、教育長はこの点についてどのようなお考えをお持ちなのか伺います。
この項最後になりますが、先日、文部科学省は、公立小・中学校の統廃合を促すために、年内にこれまでの統廃合基準を改定することを発表したとの報道もありました。一定の学校規模を維持するためであり、財政支援も視野に検討を進めるとのこと。新たな基準として、通学距離を小学校で4キロメートル、中学校で6キロメートル以内とされてきましたが、スクールバスの普及などにより、通学バスを利用した通学時間を基準とする考えもあり、それによっては平成21年に策定された小樽市立小中学校学校規模・学校配置適正化基本計画にも影響が出てくるのか、伺いたいと思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)秋元議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、教育について何点か御質問がございました。
初めに、過去の全国学力・学習状況調査を踏まえた課題と傾向についてでございますが、まず本市における過去7回の課題と傾向につきましては、本市の平均正答率を基にした全国との比較の推移を見ますと、小学校6年生では国語、算数ともに全国との差が小さくなっており、中学3年生では国語のBでその差が小さくなっていますが、A問題については全国との差に変化は見られない状況です。数学においては、A問題に改善が見られますが、B問題については全国との差に変化が見られない状況となっております。
次に、課題と傾向についてでありますが、本市の児童・生徒は、漢字や四則計算など基礎的な学習については放課後や長期休業中の補充学習、習熟度別少人数指導などにより徐々に改善が見られるものの、一方で目的や意図に応じ必要な情報を読み取る力や根拠を基に自分の考えを文章で表現するなどの応用力に課題が見られることから、それらの課題に向け、今後とも音読や言語活動を取り入れた授業づくりに粘り強く取り組んでまいりたいと考えております。
次に、過去の全国学力・学習状況調査問題を小学校5年生、中学校2年生で実施する取組の狙いについてですが、ただいまも答弁いたしましたが、本市の児童・生徒は、長文を短時間で正確に読み取ったり、類推して考えたことを文章で表現したりすることが課題となっております。その原因としては、日常の試験や宿題などで長文の問題や文章で解答する問題を扱うことが少ないことから、文章問題が多い過去の学力調査問題を活用し、これらの課題の克服を図ろうとしたものであります。
次に、今後のICT利活用についてですが、まず現在の市内の整備状況から申し上げますと、教育用コンピュータについては、平成21年度に、小学校では1校当たり約12台、中学校では1校当たり約35台の整備更新を行っております。校務用コンピュータにつきましては、平成22年度から整備を始め、平成25年度には中学校の全ての教職員への整備を完了し、現在、小学校の教職員の整備を進めております。
また、昨年度は適正配置に係る新しい学校づくりの一環として、高島小学校に実物投影機を3台導入し整備を行ったところ、授業改善に大きな成果が得られたことから、本年度には市内の小学校全校に少なくとも1台を整備することとし、今後、この実物投影機の実証研究に努めてまいりたいと考えております。
次に、情報リテラシー教育に対する考え方についてですが、文部科学省では情報リテラシー教育を情報活用能力として位置づけ、「情報活用の実践力」「情報の科学的な理解」「情報社会に参画する態度」の3点をバランスよく育成することが重要であるとしております。
本市においては、小学校ではコンピュータの基本的な操作や情報モラルを身につけ、適切に活用するようにすること、中学校では生徒が情報手段を主体的、積極的に活用することを目指し、各教科を通して指導を行っております。私としては、これからの情報化社会の中をたくましく生き抜いていくためには、児童・生徒が携帯電話やスマートフォンなどさまざまな情報機器などに関する知識や理解を深め、コンピュータなどの情報手段を適切に活用できる能力を身につけることは必要不可欠なことであると考えております。
次に、フューチャースクール推進事業の認識と感想についてでありますが、フューチャースクール推進事業は平成22年度から総務省が中心となり、文部科学省の学びのイノベーション事業と連携しながら、全国で指定された20校が学校現場におけるICT活用の課題などを分析し、その成果を普及することを目的とした事業であると承知しております。
本市においては、ICT機器の段階的な整備と、それを活用する教職員の研修を優先しなければならないと考えており、フューチャースクール推進事業などの先進的な取組事例などについても、今後、情報収集に努めてまいりたいと考えております。
次に、本市のコンピュータの整備状況についてですが、教育用コンピュータは現在、小・中学校で753台整備されており、本年5月1日現在で児童・生徒数の合計が7,584人でありますので、コンピュータ1台当たりの児童・生徒数は10.1人となっております。
また、校務用コンピュータの整備は平成22年度より7年計画で毎年整備を進め、平成25年度には中学校の教職員全ての整備を完了し、引き続き小学校の教職員への整備を進めており、平成28年度には全ての整備を完了する見込みとなっております。
次に、今後の小樽の学力向上とICTを活用した反転授業についてでありますが、現在、小樽市にあっては、教員の指導力の向上を図るため、秋田大学教授を招いた公開研究会の開催、子供たちの基礎学力の定着を図るため音読活動や樽っ子学校サポート授業、また本年度には実物投影機を活用した授業改善などを行っており、これらの取組を着実に定着することを通して学力の向上を図ってまいりたいと考えております。
なお、佐賀県武雄市のICTを活用した反転授業等の取組が教育的効果を上げていることは承知しておりますが、現在、小樽にあっては、ICT機器の段階的な整備とそれを活用する教員の資質・能力の向上に努めているところでありますので、将来的な研究課題であると認識しております。
次に、国の統廃合基準の改定と本市の適正化基本計画の関連についてですが、文部科学省から正式な通知はまだありませんが、報道によりますと、この秋には中央教育審議会に改定案を報告し、その後、全国の自治体に通知するとのことでありますので、通知があり次第、その内容を確認し、本市の適正化基本計画との関連について検討してまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)1番、秋元智憲議員。
(1番秋元智憲議員登壇)
○1番(秋元智憲議員)次に、地域包括ケアシステムについて伺います。
内閣府が発表した平成25年版高齢社会白書では、2012年の総人口に対する75歳以上の割合が11.9パーセントであるのに対し、2025年では18パーセントになると予想されています。また、ひとり暮らしの高齢者が高齢者人口に占める割合は、2010年で男性11.1パーセント、女性20.3パーセントとなっており、2025年では男性14.6パーセント、女性22.6パーセントに増加すると予想されています。
このように、今後、急速に高齢化が進む一方、社会保障費の見直しや介護の担い手不足も予想される中で、高齢者が住みなれた地域で自分らしい生活を続けられる新しいケアシステムの構築は、これからの深刻な超高齢社会への対応に欠かせない喫緊の課題であると考えます。
介護給付と保険料の見込みでは、給付について、2000年当初は3.6兆円であり、それが2025年には21兆円に上るとの試算もあります。また、保険料についても、2025年には、現在の全国平均約5,000円から8,200円程度まで上昇すると見込まれています。
このような状況も踏まえ、持続可能な制度となるよう、現在、国において地域包括ケアシステム構築へ向け、医療・介護総合確保推進法案が今国会で審議されているところです。私たちも、介護保険を利用されている方や御家族からさまざま相談を受けることがありますが、もう一方で介護の現場で働く方々から処遇や賃金の相談なども増えてきていると感じております。賃金などの問題については、2012年に処遇改善加算が導入されているものの、なかなか思うような改善にまではつながっていないですし、全国で介護現場で働く方々の離職率の高さに懸念の声も上がっております。2025年には介護人材が最大で100万人不足するという試算もあり、さらなる処遇改善は早急な対応が必要であると考えますし、機会を捉え、我が党国会議員へも処遇改善の申入れをしているところであります。
このような現状を踏まえまして、小樽市の状況などについて伺いたいと思いますが、現在、小樽市では、今年度で終える第5期計画で開始した地域包括ケアの実現のための方向性を継承しつつ、在宅医療、介護連携などの取組を本格化すべく、第6期計画の策定に向け、準備が進められていると思います。2025年を見据えた国が進める地域包括ケアシステム構築に当たり、厚生労働省が示している市町村における地域包括ケアシステム構築のプロセスなどに沿った形で議論が進んでいるのか、小樽市の状況と議論の進捗状況について説明願います。
平成24年に厚生労働省が公表した認知症施策推進5か年計画では、基本的な考え方として、24年以前は認知症の方に危機が発生してからの事後的な対応であり、公表後は危機が発生する事前対応へと変わりました。
また、取組として何点かある中で、全国的にもひとり暮らしのお年寄りや高齢者夫婦だけの世帯が増えております。
小樽市としても、重要な課題の一つに、高齢者のニーズに応じた住まいの確保があり、小樽市介護保険事業計画でも「高齢者が可能な限り住み慣れた地域で自立した日常生活を送ることができるよう介護サービスと連携し、高齢者のニーズに応じた住まいの確保を図ります」とのことであります。多様なニーズはあるものの、本市の高齢者の住まいに対するニーズとはどのようなものがあるのか伺います。
国から示された考え方に基づき、要介護者の推計を示されておりますが、標準的在宅サービス等受給対象者の要介護度別人数分布の推計を区分別で見た場合、当初の推計と現段階での人数に特徴的な変化などは見られないのか、もし特徴があればその内容と当初推計との違いが出た背景や考えをお知らせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、地域包括ケアシステムについて御質問がありました。
初めに、本市の地域包括ケアシステム構築の状況等についてですが、これまで地域の課題把握のため、日常生活圏域ニーズ調査の実施や、地域ケア会議において個別事例の検討をプロセスに沿って行ってまいりました。このような中、本市では地域支援事業の担い手として、ボランティア等の育成に努めていく必要があることなどが議論されております。
次に、高齢者の住まいに対するニーズにつきましては、現在の第5期小樽市介護保険事業計画策定に向けて、平成23年に高齢者一般調査を実施いたしました。その中で、「介護が必要になった場合はどこで暮らしたいか」の問いに、「家族の介護を受けて自宅」「介護サービスを受けて自宅」と答えた方が合わせて53.8パーセントであったという結果が出ております。高齢者の多くは、できる限り自宅で暮らすことを希望しているものと認識しております。
次に、標準的居宅サービス等受給対象者の推計と実績の比較につきましては、現段階の平成25年度末で見ますと、受給対象者は計画値と比較して、比較的軽度である要支援1で328人、要支援2で305人、要介護1で191人の実績値のほうが増加していることが差異として挙げられます。この要因としましては、必要なときにすぐサービスを受けられるよう認定を受ける方が多く、実際には認定を受けてもサービスを利用しない方が推計よりも多かった結果と考えております。
○議長(横田久俊)次に、第5項目めの質問に入ります。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)1番、秋元智憲議員。
(1番秋元智憲議員登壇)
○1番(秋元智憲議員)次に、選挙管理委員会に質問いたします。
昨年の第2回定例会において、投票環境や期日前投票所について質問いたしました。選挙権は基本的な国民の権利であり、選挙は最も重要な政治参加の機会でもあります。ただ、近年は、国政選挙、地方選挙で投票率が下がり続ける傾向にあり、国としても、これまで期日前投票制度や投票時間の延長など、投票環境の整備に力を入れてきました。
先日の報道では、総務省は来年の通常国会に公職選挙法改正案を提出予定だといいます。現在は、選挙当日は選挙管理委員会が指定した投票所のみと決められていますが、改正案では駅前に設けた投票所で投票できるようにしたり、また期日前投票所となっているショッピングセンターなどでの投票時間の延長などが検討されているとのことです。これまで本市の国政選挙での投票率は、全国でも投票率が下がる中、おおむね全国平均より高い状況が続いてきました。ただ、高齢化が進む本市では、高齢の方から、期日前投票所の東西地域での設置や商店街などへの投票所設置の要望があることも、以前この場で訴えさせていただきました。
先日、小樽市議会主催の市民と語る会の際にも、投票所が高台にあり不便であり、今の投票所より低い場所にある町内会館などで投票できないものかとの意見もいただき、改めて投票環境の問題を感じております。
初めに伺いますが、昨年質問した際、期日前投票所については、現本庁舎以外に2か所設置するとした場合の経費として、人件費や必要機器等経費で約500万円ほどであり、商業施設などへの増設に関しては議論をしており、他市の動向を踏まえ検討するとのことでした。その後の議論経過や、商業施設などへの増設の件では調査した他市の状況なども含め、お知らせください。
また、本市では可能なのか、今後の見通しについても伺います。
次に、投票区、投票所、投票者基本人数について伺います。現在、さまざまな自治体において投票区、投票所の見直しに着手するところが増えていると聞きます。理由は自治体ごとにあるかと思いますが、多くは人口減、財政難に伴う効率的な事務と経費削減が理由であると感じますが、当然、本市選管にあってもこのような状況は御存じかと思います。
まず、小樽市では投票区はどのような基準で設置されているのか、設置基準と投票区数もあわせてお知らせください。
また、投票所までの距離などの基準があるのか、現状では投票所まで最大何キロメートル程度の例があるのか、お知らせください。
先ほども述べたとおり、地域によっては地理的な状況や高齢化などにより投票環境が悪い地域もあると感じますが、このような条件の解消に向けて議論はこれまでされてきたのか、お聞きいたします。
これまでに本市の投票区が増減した数などありましたら、お知らせください。
また、増減した理由はどのような理由だったのか、伺いたいと思います。
この項最後に、平成24年度行政評価で要改善の判定がされた選挙経費については、行政評価自体が試行ということもあり、判定結果が予算へ反映されなかったと認識していますが、要改善判定を受けた理由は、「中心部の投票所について、統合可能性の調査・研究を続けること」とのことでありました。
ここで言う中心部の投票所統廃合について、中心部投票所の状況を説明願います。
また、今後の方向性について何かお考えがありましたら、お知らせください。
以上、全ての項目にわたり再質問を留保し、質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)選挙管理委員会委員長。
○選挙管理委員会委員長(大渕勝敏)秋元議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、選挙管理委員会について御質問がありました。
初めに、本庁舎以外での期日前投票所の設置についてございますが、期日前投票所増設の検討経過につきましては、本年2月の選挙管理委員会において検討を行っております。増設する場合には、パソコン機器等の初期導入経費及び人件費の増額、事務従事者の確保、民間施設に置く場合、継続的な借用が可能なのかの課題が挙げられ、また他市の事例では、期日前投票所の増設による投票率の大きな変化は見られなかったことから直ちに増設を進めることは難しいが、選挙人の利便性の向上に主眼を置いて継続的に検討すべきであることを確認いたしております。
期日前投票所増設の他市の状況につきましては、本市を含む道内主要10市では、平成25年の参議院議員選挙において7市が複数の期日前投票所を設置しておりますが、そのうち民間の商業施設に設置している市は函館市のみで、設置する際、有線の専用通信回路を敷設し、投票の秘密を保持するセキュリティ対策を行ったとのことであり、回線の敷設について所有者の了解を得ることができれば、本市においても可能であると考えられます。
今後は、国からの執行経費等の状況や公職選挙法の改正の動向を見ながら、増設の実現、時期等について、随時検討を重ねてまいりたいと考えております。
次に、本市投票区設置基準につきましては、具体的な要件を列挙した法令の定めはございませんが、昭和44年に出された投票区の増設についての自治省通知では、投票所から選挙人の住所までの道のりが3キロメートル以上である地区は、分割や再編成によりその解消に努めることと、また1投票区の選挙人の規模はおおむね3,000人を限度として分割を行い、規模の適正化を図ることなど、有権者の分布状況、地形等の地域の特性とあわせて、投票区の増設について配慮するよう通知されております。これを基準といたしまして、現在の投票区数は47となっております。
また、投票所までの距離についても、自治省通知を基準としており、現在、山間部の一部で投票所からの道のりが4キロメートルとなる地域を含む投票区が1か所あるほかは3キロメートル未満となっております。
次に、投票区の見直しについてでございますが、まず投票環境の改善につきましては、山坂の多い本市の地勢と高齢化が進行している状況から、投票所はできるだけ平たん地に設置されることが望ましいと考えており、当該投票区内に建物の1階に適切な広さを確保できる、土足のまま利用できる、バリアフリー又はそれに近い状態にあるなど、条件に合う適切な施設がある場合は、随時変更を検討してまいりたいと考えております。
なお、詳細な経緯の記録は残っておりませんが、昭和40年には当時の若竹小学校から小樽水産高等学校へ、また平成5年には小樽潮陵高等学校から龍徳保育園へと2件の投票所施設を低い場所へ変更しております。
次に、投票区の増減につきましては、塩谷村を合併し、現在の市域となった昭和33年以降で申し上げますと、当時の投票区33か所をより細分化し、14か所を増設しております。
また、投票区を減らした地域は、これまでにはございません。
投票区を増やした主な理由でございますが、郊外に大規模住宅地が造成されたことにより有権者数が大幅に増加したことや、町内会館を新設したことにより広域投票区を分割してほしいとの地域からの要望を受けたためでございます。
次に、投票所の統廃合につきましては、中心部投票所の状況は、潮見台から稲穂、錦町までの地域を対象として申し上げますと、47か所中16か所が該当し、1投票区当たりの選挙人名簿登録者の平均人数は2,185人となります。中心部以外の投票区の平均数2,393人と比較すると、1投票区当たり1割ほど選挙人名簿登録者数が少ないものでございます。
今後につきましては、投票場所の拡大について検討が始まった公職選挙法改正の動向を注視し、期日前投票所を含めた市内全体の投票所配置のあり方について、研究を進めてまいりたいと考えております。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)1番、秋元智憲議員。
○1番(秋元智憲議員)何点か質問させていただきたいと思います。
まず、緊急輸送道路、また避難路沿道の建築物についてですが、法改正前でも避難路の総延長や建物の指定がされていたと思います。それは、今回の法改正に伴って、道とさまざま協議するということですが、そもそもの距離数や建物の考え方というのは変わるものなのか、それを聞かせていただきたいと思います。
次に、投票所の問題です。期日前投票所については、道内では函館市1か所が商業施設にというお話を伺いました。それで、技術的には可能ということですが、函館市での有線で期日前投票所と結ぶ場合の経費などを伺っているのか、その辺を聞かせていただきたいと思います。
また、市民の方から、今回、市民と語る会の中でお話があったのですが、先ほど答弁であったとおり、これまで2か所、高いところから低いところに投票所を移したということですけれども、それはどういう経過があってそのような形になったのか。例えば、市民の方から投票所の設置に当たっての不便さですとか、そういう声があった場合に、どういう手続をすればそういう変更が可能なものなのか、その辺はどのようになっておりますでしょうか。
その2点をお答えください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)建設部長。
○建設部長(工藤裕司)基本的には変わらないと思いますけれども、今度、建物というのが附属で出てきますので、その辺は慎重に判断されていくものと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)選挙管理委員会委員長。
○選挙管理委員会委員長(大渕勝敏)秋元議員の再質問にお答えいたします。
函館市の経費等は、コミュニティセンターとかそういう場所数は把握しておりますが、金額については確認してございません。
また、高いところから低いところへ移した経過について、今、二つ紹介しましたが、若竹小学校から小樽水産高校、それから小樽潮陵高校から龍徳保育園、特に若竹小学校は急傾斜でございまして、数パーセントの傾斜がございます。まして前回の衆議院議員選挙のような冬期間になりますと、凍結等も懸念されるわけでございますので、高齢者に対しては特に、入り口等もございますけれども、そういう傾斜のあるところや段差があるところは特に解消したいと考えておりますので、今後もそういうような高低差のあるところはできるだけ解消してまいりたいと思います。
手続等についてですが、地域住民の皆さんのやはり御意見を勘案しまして、近くに適切な投票所があるかどうか、そういう検討も踏まえて判断しておりますので、よろしくお願いいたします。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)1番、秋元智憲議員。
○1番(秋元智憲議員)最後にもう一点、確認させていただきたいのですが、今、お話を伺いまして、投票所の低い場所への設置については、住民の方の声というお話がありましたけれども、例えば署名みたいな形でも十分可能なのか、その声というのはどういうことなのですか。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)選挙管理委員会委員長。
○選挙管理委員会委員長(大渕勝敏)今まで私が選挙管理委員会の委員となってからはございませんが、できるだけ私たちもそういう高低差のあるところ、特に危険と感じられる地域に対しては解消してまいりたいと常日ごろ考えております。そういう意味からいたしまして、皆さんの御意見がもしありましたら、検討を加えて施設を考えてまいりたいと思います。
○議長(横田久俊)秋元議員の会派代表質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時11分
――――――――――――――
再開午後2時30分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、会派代表質問を続行いたします。
(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)16番、林下孤芳議員。
(16番林下孤芳議員登壇)(拍手)
○16番(林下孤芳議員)第2回定例会に当たり、民主党・市民連合を代表して質問いたします。
議案第11号動産の取得について、ロータリ除雪車の3,272万4,000円が計上されていますが、車両の老朽化が進み、シーズンの最盛期に故障して除雪に支障を来すことがあってはならないとの立場で理解するものであります。小樽市が所有する除雪車については、経年や老朽化による故障などで現状の除雪体制を維持することに不安はないのか、心配しています。そうした観点から、幾つかの考え方について伺います。
平成25年度の除雪体制は、記録的な暖冬少雪を思わせるスタートが一転して、年末年始にかけて大雪となり、記録的な降雪が続き、例年の1.5倍に達する積雪と重なり、生活路線を中心に混乱が続きました。除雪を請け負った業者も建設部も大変な苦労が続いたと思いますが、私どもにも例年にも増して市民の苦情が多い年でもありました。
近年、全国的な傾向として、低温多雪の傾向が指摘されていますが、特に北海道は局地的な大雪や暴風雪が長時間続く傾向があることから、あらゆる角度から除雪体制の検討が必要ではないかと考えるものであります。
1月20日付けの新聞報道では、「足りぬ「除雪のプロ」若者離れ、被災地に流出も」との見出しで、「本格的な降雪シーズンの道内で、除雪機械のオペレーターが不足している。若者の建設業界離れに加えて、東日本大震災の被災地に労働力が流れているとみられ、確保が難しくなっている。地域の道路状況を熟知するオペレーターの育成は防災面でも重要で、札幌市は官民一丸で除雪技術の継承を進めようと22日、若手オペレーターを対象に初の技能講習会を開く」と報じております。
こうした状況は道内の自治体に共通しているものと思われますが、小樽市の現状についてはどのように認識されていますか。
また、実際の除雪作業には、どのような影響が出ていると認識されていますか。
私どものところにも、昨年暮れからの本格的な降雪が始まって以降、例年のように苦情や要望がありましたが、年明け以降2週間が過ぎても除雪が全く入らないとか、やっと除雪が入ったが車の腹がつかえて動けないといった苦情が寄せられるようになり、その都度現地に赴き確認をいたしましたが、やはり例年の除雪との違いを感じるところがありました。
例年にない大雪で、幹線道路の除排雪作業を前倒しで行わなければならない事情もありましたが、2月以降も除雪に対する同じような苦情が続き、道路状況は改善されず、3月4日付けの市内版には、「除雪に不満山積、小樽市、高齢者、観光客らに危険」との大見出しの報道がなされました。「多額の予算とは裏腹に市への除雪に関する苦情は後を絶たず、これまでに約2,700件に上る」と記されています。
私も長年にわたり公共交通の政策に携わり、国道や道道、市町村道の除雪の応援団を自認してきましたが、これほど市民の苦情が胸に刺さるような思いになったことはありません。
市直営での除雪能力がない現在の体制の中で、除雪のできばえや作業時間、路線ごとの回数などのチェックがどのようになされるべきか、もう一度見直す必要はありませんか。
小樽市の市道580キロメートルの60パーセントが8パーセント以上の坂道と言われていますが、こうした地域に住む市民にとって、除雪状況によっては孤立しかねないということが極めて懸念されます。
最近の気象状況は、発達した低気圧が長時間北海道付近に居座る傾向が続き、記録的な大雪の原因になっていると言われています。そのため、毎年、当初予算を上回る補正予算で対応せざるを得ない状況が続いています。今年度の予算でも除雪費が若干増額されていますが、昨冬のような厳しい気候状況であれば、除雪費がまた底をつくことが想定されます。これは道内の多くの自治体の共通の課題として、当初予算を上回った分は災害と位置づけ、国において措置するルールが必要と考えますが、小樽市としての考え方について伺います。
除雪事業を100パーセント民間に委託している小樽市としては、除雪機械のオペレーターの不足や若者の業界離れによる技術継承の問題、夜間作業、重労働、長時間労働に見合った待遇改善の問題など、業界の体質改善が指摘されています。
空知や十勝の自治体では、大分以前の話ではありますけれども、冬期間、農家に委託して市町村道の除雪を農業機械で行っておりました。これらの地域では農業が主要な産業であることから、冬期間、農家の収入の確保や、農道など広大な面積の道路を確保するには除雪事業者だけでは手が回らない等の理由もあり、大変うまく機能していたと記憶しています。
小樽でも、現状では限られた地域しかできないと思いますが、将来にわたって安定した除雪能力を確保する意味で検討に値すると考えますが、見解を伺います。
また、小樽市が所有する除雪車両の耐用年数は何年となっていますか。耐用年数が過ぎた車両は何台あり、更新計画はどのように検討されていますか、お知らせください。
次に、小樽市の除雪事業者との契約に関してお伺いいたします。
札幌市では、除雪事業者のオペレーター不足や機器の不足などが深刻で、札幌市が事業者と連携して対策に乗り出していると言われています。後志の自治体では、除雪費の支払をめぐってトラブルが起きているとの情報も伝えられております。
昨シーズンの小樽市の除雪に対する市民の苦情件数について調べてみますと、除雪ステーションによる差があることや、市内の各町会長の意見も大変よく対応していただいていると評価する声がある一方で、かつてない予算を使っているのに除雪回数が減っているというのは納得がいかないとの指摘もあります。これは、各除雪ステーションの総合的な作業能力に差が出てきているのではないかと思われますが、契約に当たり作業能力の実態の把握はなされているのか伺います。
次に、除排雪の課題について伺います。
小樽市も住宅ブームの時代には、小規模の宅地開発や急傾斜の高台まで住宅が建ち並び、市の除雪が入らない地域でも、これまで住民が協力し合いながら除雪を行い、道路を維持してきたところは少なくありません。高齢化が進み、空き地が目立つようになるにつれて除雪が困難となり、対策を求める声が多くなっています。中には目の前まで除雪されているのに、わずかな距離が私道のために除雪がつながらないといったケースも相当数あるのではないかと思いますが、小樽市もこうした要望に応えていかなければならないのではないかと思います。毎年増え続ける除排雪費は小樽市の財政にとっても大変重い課題であり、市民生活の生命線として対応が求められていると思いますが、一方で市民からの除排雪の不合理を指摘する声も少なくありません。
とりわけ置き雪対策と排雪に関しては、明らかに道路以外の敷地や駐車場から道路に出される雪まで市が結果的に排雪することは不合理であり、無駄な除排雪を少しでも抑えるためにも対策を求められているのは当然だと思います。しかし、現状では対策が難しく、悪質な道路への雪出しが後を絶たず、悪循環が続いています。
そこで、明らかな道路以外の敷地や駐車場等からの雪出しを確認した場合の事象に対しては、排雪費の相当分の負担を求める条例が必要と考えますが、市長の所見を伺い、第1項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)林下議員の御質問にお答えします。
ただいま、平成25年度の除雪体制について御質問がありました。
初めに、最近の豪雪についてですが、まず除排雪機械のオペレーター確保につきましては、本年5月末に開催した除排雪委託業者との意見交換会で、昨年度は除排雪機械のオペレーターは確保されていたことを確認しており、本市においては除排雪作業への影響はなかったと認識しております。
次に、除雪作業のチェック方法の見直しにつきましては、これまで各除排雪業者から日々作業報告書の提出を受け、作業の内容や出動状況などを確認するとともに、道路パトロールによる現地確認を行い、作業指示を行ってきたところであります。しかし、昨年度も多くの苦情が寄せられていることから、今冬に向け、チェック方法の見直しを含め、より効率的な除排雪体制の構築に取り組んでいるところであります。
次に、当初予算を上回る除雪費を災害と位置づけて国に措置を求めるという考え方につきましては、災害は災害対策基本法などで定義されており、金額の多寡だけでの位置づけはできないものと認識しております。現行制度では、積雪による財政需要が見込まれる地域には、普通交付税で基準財政需要額が加算され、特別交付税でも一定程度の措置があるほか、全国的な豪雪により地方交付税の措置だけでは不足が見込まれる場合には、国による特例措置があります。
いずれにいたしましても、必要な地方交付税総額の確保と豪雪の際の特例措置につきましては、引き続き国に対して要望してまいりたいと考えております。
次に、除雪の農家への委託につきましては、空知や十勝地方の自治体における実態を把握しておりませんので、まずは実態を把握した上で、本市でも実施が可能なのか検討したいと考えております。
次に、除雪車両の耐用年数につきましては、特に省令に定めはありませんが、除雪費の算定根拠としている日本建設機械施工協会発行の損料表によると、標準耐用年数は15年となっており、それを超えた除雪車両は18台であります。
また、更新計画については、平成26年度から30年度までの5年間で、ロータリ除雪車3台とグレーダ2台の合計5台を更新する予定としております。
次に、契約における作業能力の実態把握につきましては、その地域の除排雪に必要な除雪機械の種類や台数、業務指示者数などを除雪業務の入札参加資格としております。このことから、入札に参加する業者は必要な作業能力を有していると考えております。
次に、道路への雪出し防止条例についてですが、道路パトロールにおいて雪を出した個人を特定することやその量を把握することは非常に困難であることから、排雪費の相応分の負担を求める条例の制定につきましては、難しいものと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)16番、林下孤芳議員。
(16番林下孤芳議員登壇)
○16番(林下孤芳議員)次に、国の経済対策と小樽市の現状、対策についてお伺いいたします。
私どもは、これまでも安倍政権の経済政策が大都市や大企業中心で、地方は経済も雇用も賃金も効果は見られず、国の補正予算や消費税導入前の景気対策、新年度予算編成時など、折に触れて地方に経済効果を波及させるための政策の実現を国に求めるべきと訴え続けてきました。市長も一定の理解を示し、全国市長会を通じて働きかけるとお答えになっておられました。また、経済の波及効果は地方に及ぶまでには時間がかかるので、もう少し見守る必要があるとの見解も示されております。
期待していた消費税増税に伴う景気対策は、地方に手厚くという要望とは全く逆の、社会資本整備総合交付金などの公共事業関連予算が大半を占め、景気対策を隠れみのにした無駄の復活との厳しい批判を受けています。これでは、地方自治体がかつて経験してきた国の無駄の押しつけによる市民も国民も望んでいない事業が進められ、国からの押しつけによる財政の悪化を再び招くおそれがあります。
国の2014年度の予算を見ても、国債の発行総額は181兆円に膨れ上がっており、今年度末には1,143兆円に達し、国民1人当たり900万円の借金となることを財務省が明らかにしています。しかも2020年には基礎的財政収支を黒字化するという国際公約の達成は絶望的であり、地方自治体へのますますのしわ寄せが心配されています。
それでも大企業や東京周辺では空前の好景気で、これまでマスコミにたびたび登場していたブラック企業でも半数以上のパートを正社員化し、賃金の大幅アップなどが報じられています。外食産業では、東京を中心に人手不足が深刻化して、パート労働者の時給が深夜で1,200円を上回っても人が集まらないと言われるほどになっていると報道されています。
こうした状況は、東京周辺では景気対策の効果は明らかに現れており、当然のことながら税収効果も期待されますが、地域間の格差の拡大はますます深刻な状況となっています。
小樽市の経済の現状は、公共事業や観光を中心に好景気が伝えられていますが、原材料の値上げや人手不足などの影響から、業績の改善は進んでいないとされています。6月に入った現在に至っても、賃金の引上げが行われたとの情報はありません。
市長は国が膨大な国債を発行しながら行っている経済対策の効果はいつ出ると考えておられるのか、お示しください。
また、法人市民税の税収見通しも厳しく見込んでおりますが、建設業や観光産業でも企業収益が全く改善していないとお考えでしょうか。直近のデータに基づいてお示しください。
5月16日、連合小樽・後志の組合員が「STOPTHE格差社会!暮らしの底上げ実現」を訴えて街頭集会を開催して市民に訴えております。この新聞報道によりますと、管内の有効求人倍率は0.82倍となっておりますが、その6割が非正規雇用、北海道の雇用労働者の42.8パーセント、95万6,800人が非正規雇用で、不安定な労働者の拡大が続いています。給与所得者の25パーセント、40万人近くが年収200万円以下のワーキングプアで、貧富の格差の拡大がますます進んでいることを訴えています。
また、労働環境をますます悪化させる労働法制の改悪にも反対を訴えていると報じられております。
政府は、消費税増税や年金、医療などでも国民に多くの負担を押しつける一方で、経団連などの要望を受け入れ、10パーセントの法人税減税の方針を打ち出しています。既に3月末には復興特別法人税を廃止し、企業交際費の5割を非課税にし、設備投資や研究機関の開発促進のために租税特別措置など多くの優遇税制を実施しているにもかかわらず、さらに企業のみを優遇すれば、格差と不公平が拡大することは間違いありません。
最近、新聞各紙の社説でも、企業への優遇が過ぎるとの厳しい批判が続いていることもあり、さすがに政府・自民党内部からも異論が出ていると言われますが、実効税率を10パーセント引き下げた場合、5兆円もの減収になり、消費税2パーセントに相当するとも言われており、消費税の増税分は本来の目的である社会保障にはほとんど回らないことになります。その分、介護保険制度の見直しなどを地方に押しつけてくることになります。
総務省が5月30日に発表した4月の消費者物価指数は、前年の同月比で3.7パーセント上昇し、104.4パーセントとなり、北海道は東北と並んで全国最高となったと発表しました。つまり、消費税増税分の3パーセントを上回る値上がりがあったことになります。このまま賃金が上がらなければ、景気が回復する前に、さらなる落ち込みが心配されます。
議案第5号では、小樽市税条例等の一部を改正する条例案として、法人市民税を2.6パーセント引き下げる一方で、軽自動車税などの増税が提案されていますが、国が決定したこととはいえ、市民の厳しい批判も結果的に小樽市に向けられることが懸念されます。問題は、国が決定した減税に対する地方自治体への措置が保障されず、結果的にしわ寄せだけが残ることであります。経済効果が現れず、貧困層が拡大する一方で、生活保護受給者数が過去最多を記録したと報じられていますが、小樽市の生活保護の現状をお知らせください。
先般行われた小樽商工会議所との意見交換の席上で、小樽市の労働者の平均賃金は年収で200万円ちょっととの発言もあり、まだまだ小樽市は最低賃金レベルから抜け出すことが難しいことを知らされた思いでありました。これでは、賃金の高い札幌や他都市への人口流出は防ぐことができないばかりか、結婚や子育てにも悪影響を及ぼすことになります。何としても景気回復の遅れや賃金の格差を固定させずに貧困層から中間層へ引き上げる努力が求められています。そのために、今、小樽市として取り組むべきは官製ワーキングプアからの脱却しかないと私どもは確信に至りました。
昨年10月、札幌市の上田市長は、公契約条例を議会に提出し、自民党などの反対で否決されました。労働者の賃金の下限額を市が決めることに経営圧迫を懸念する関係業界が反発したためとされていますが、これまで発注額の抑制を重視してきた行政と安い労働力を求めてきた事業者側は、ともに労働者の目線に立った賃金水準実現のために意識を変えるときだと思います。いかなる業界でも労働力は確実に減少している中で、人手不足は将来必ず深刻なものとなります。昨年10月、札幌市議会で議論が続く中でも、新聞の社説やマスコミ報道では、「公契約条例の制定を拒む理由は何か」「労働者目線への転換のとき」といった議会の否決に対する疑問の声が多くありました。
小樽市は札幌市より賃金水準が現在も低く、あらゆる政策の推進の支障になっています。そうした小樽市を取り巻く環境を考えるとき、経営者も議会も小樽を消滅させないために、将来に責任を持つ立場で議論すれば、事業者にも必ず理解されるものと思います。
公契約条例の制定について、市長の所見を伺い、2項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、国の経済政策と小樽市の現状と対策について御質問がありました。
初めに、貧困層から中間層への引上げについてですが、まず国の経済対策の効果が地方に現れる時期につきましては、本市の平成25年度観光入込客数が前年を大幅に上回り、5年ぶりに700万人を超えており、また北海道財務局小樽出張所による直近の管内経済の総括判断として、持ち直している状況としております。このことから、これらの全てが国の経済対策の効果とは考えておりませんが、景況感は地方にも徐々に広がりを見せているものと感じておりますので、今後、さらに国の経済対策が進捗することにより、その効果が地方にも十分実感できることを期待しております。
次に、直近データに基づく建設業や観光産業での企業収益の状況につきましては、小樽商工会議所で行っている平成25年度第4・四半期小樽市経済動向調査によると、建設業では業況DI、採算DIはともに8期連続プラスで推移し、売上DIもプラス幅を拡大しております。また、観光・サービス業では、業況DIは5期連続プラス、売上DIは8期連続プラスで推移しているものの、採算DIはマイナス幅を拡大したことから、収益状況が悪化しているものと考えております。
次に、本市の生活保護の現状につきましては、平成26年4月の生活保護受給世帯数と人員数でお答えしますと、3,832世帯5,336人であり、前年4月と比べ、4世帯55人の減少となっております。
次に、公契約条例の制定についてですが、賃金等の労働条件については、労働基準法や最低賃金法など国において関係法令を整備し、個々の労使当事者間で自主的に取り決められることが基本と考えております。公契約条例を制定するとした場合に、最低賃金法を上回る具体的金額を設定することなどが関係法令との整合性が図られるのか、また全国的にも制定に至った事例が少ない状況であるので、現時点では札幌市など他都市の事例などを調査してまいりたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)16番、林下孤芳議員。
(16番林下孤芳議員登壇)
○16番(林下孤芳議員)次に、子育て支援の課題について質問いたします。
人口減少が続く小樽市にとって、市民の最大関心事でもある人口減少にいかに歯止めをかけるか、私どももあらゆる場で積極的な提言も行ってきましたし、小樽市議会においても、会派を問わずさまざまな視点から、働く場の確保、住宅問題、子育て支援、教育環境の整備などが議論されてきました。しかし、人口減少の対策は、決定的な解決策や劇的に改善する方策がないだけに、議論が空回りに終わるむなしさだけが漂っております。
先日、民間の有識者で構成する日本創成会議がまとめた将来の推計人口は、全国の半分近い自治体で、都市部への人口流出などによって、今後30年間で子供を産む若い女性が5割以上減り、地域が消滅する可能性があるとする衝撃的な発表がありました。日本創成会議の増田寛也元総務大臣は、インタビューで、「経済予測はしばしば外れるが、人口予測ほど正確なものはありません。今のままでは人口減少で地域が消滅する可能性があるという事実をきちんと伝えて、データを基に議論してもらおうと言葉を選びました。少子化対策は時間との闘いです」と控えめに答えておりました。この提言では、現在の出生率1.4パーセントを上昇させることが不可欠で、人口急減の緩和には出生率が1.8パーセントの実現がまず必要、そのためには20歳代後半の婚姻率を現在の40パーセントから60パーセントに高める必要があるとしています。
現在のところ、国の経済政策は大企業優先で、どうしても大都市へ人口の流出は避けられず、これからは地域で働く場をどれだけつくれるかが国の経済政策としての大きな課題です。地域で生まれた子供は地域で守り育てる、地域で子育てをする若い世代には地域が子育て支援を積極的に行うという体制づくりと市民合意が小樽市に求められていると思います。
最近、育児放棄や虐待などによって我が子を死に至らしめる事件が相次いで報道されておりますが、その多くが経済的な困窮や地域での孤立などがその原因とも指摘されています。
現在、我が国で所在も生死も不明な小学生だけでも700名以上にも達すると言われており、戸籍法が厳格で、世界に誇る法治国家で全く信じられないことであり、何としても少ない子供の命を守るための対策が必要となっていると思いますが、小樽市はどのような対策をとっておられますか。
私どもはそうした立場から、恵まれない環境で子育てしている若い世代の子育て支援策について検討を求めてきました。
昨年の第4回定例会では、婚姻歴のないひとり親家庭を税法上の寡婦(夫)とみなし、寡婦控除の適用を求めてきましたが、いまだに実現しておりません。
今年に入っても、インターネットを通じてベビーシッターに預けた男児が死亡するという驚くべき事件が起きました。私も当初は大切な子供をインターネットで預けるのは非常識ではと思いましたが、近くに預かってもらえる人も相談できる人もいない場合、子供のころからなれ親しんでいるネットを信用しても不思議ではないとも思われますし、預け先を必死に探す余り、シッターの質を見分けられないといったことも考えられます。問題は、ベビーシッター事業や仲介サイトの事業が法的な規制もなく、誰もが自由に行えることにあり、極論ですが犯罪目的で子供を預かることもできる現行制度は早急に改善しなければなりません。
また、厚生労働省の調査でも、母子家庭の母親の就労収入の平均は181万円で、小さい子供を抱えての正社員の採用は厳しく、夜も昼もパートで働かざるを得ない実態が浮かび上がっております。
小樽市でもファミリーサポートセンターがありますので、必要があればもっと利用すべきとの答えが返ってきますが、やはり頻繁に使えるほど収入もなく、夜間保育も限定されていることなどを考えると、不安があっても民間のベビーシッターに預けなければならない必然性が出てきます。小樽の実態との多少の差はあると思いますが、再び同じような事件を起こさせないためにも、せめて、ひとり親世帯のファミリーサポートセンターの利用料金を免除することはできないか、検討していただきたいと要望いたします。
日本創成会議の試算では、子供を産む中心世代は26年後に3分の1まで減少するとされ、人口10万人以上の自治体では小樽市が最も高い減少率となっています。若い世代を定住させるためには、国の支援策や法改正を待っていては間に合わず、他の自治体より少しでも子育て支援に積極的に取り組んでいるか、子育て支援の環境をどれだけ改善しているかが問われていると思いますが、市長の見解をお示しください。
小樽市でできることはなりふり構わず取り組んでいく決意のアピールも大切だと思います。そうした意味では、まだまだ工夫にもアイデアにも欠けると指摘されています。
例えば、小樽市では、託児施設や保育ママにどうしても子供を預けなければならない緊急性が生じたときに、小樽市のホームページにアクセスしてもたどり着くことができないとの指摘があります。先般のベビーシッターの事件からも、安心して預けられる先が容易にわかることが必要だと思います。
また、子育てに関する相談や悩み、緊急時の対応にアクセスしやすい工夫が求められていると思いますが、いかがお考えですか。
この項最後に、私は、子育て支援を前面に出し、充実すべきと思います。市長は小樽市の子育て支援策の現状をどのように考えておられるのか、御所見をお伺いし、3項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、子育て支援の課題について御質問がありました。
初めに、育児放棄や虐待に対する地域の支援策についてですが、まず育児放棄や児童虐待などから子供の命を守るための対策につきましては、本市におきましては、警察、児童相談所、幼稚園、保育所など16の関係機関で構成する要保護児童対策地域協議会を設置し、虐待の予防に関する市民啓発や関係施設職員への研修、個別の事案に対するケース検討会議などを行っております。
また、こんにちは赤ちゃん事業による全戸訪問や乳幼児健診の未受診世帯への家庭訪問などの取組も進めているところであります。
次に、国の法改正を待つのではなく、独自の判断をすべきということについては、まず本市の子育て支援環境の改善による若い世代の定住策につきましては、企業誘致による雇用の創出や地場企業に対する支援などの経済・雇用対策、また子育て環境の整備が必要であると認識しております。若年層の人口対策の基盤となる出産や子育てに関連する施策は国が取り組むべきものもあると考えており、国への働きかけなど必要な対応を図ってまいりたいと考えております。
次に、本市のホームページへのアクセスの容易性や内容のわかりやすさにつきましては、現在、本市のホームページでは子供の預かりに関して、認可保育所や不特定多数の子供を預かる認可外保育施設のほか、ファミリーサポートセンター事業や育児相談に関する情報などを掲載しております。今後、ホームページの掲載内容の構成については、より利用しやすいものとなるよう、必要な見直しを図ってまいりたいと考えております。
次に、子育て支援策の現状に対する所見につきましては、私が市長に就任後、ファミリーサポートセンター事業の開設や奥沢保育所及び銭函保育所の建替え事業などを進めてきました。安心して子供を産み育てやすい環境づくりは、重要な施策と私も認識しており、今後も継続して取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)16番、林下孤芳議員。
(16番林下孤芳議員登壇)
○16番(林下孤芳議員)次に、地域医療・介護総合推進法と小樽市の対策について伺います。
厚生労働省は、昨年9月25日の社会保障審議会の介護保険部会で、サービス利用時の自己負担割合を、現行の1割を2割負担に、一定の所得や資産がある人などへの自己負担の見直し、要支援者に対する介護予防給付を市町村が実施、特別養護老人ホームへの入居は要介護3から5の中重度者に限定するなどの大幅な改悪を行い、介護費用の拡大を抑える方針を打ち出しました。
民主党が実施した全国自治体アンケートの調査結果に基づき、介護保険制度は創設以来、所得に応じて保険料を支払い、利用は平等の原則に反すること、かつては自治体が担ってきた介護制度をサービスの充実や平準化を理由に介護保険制度を導入して、事業を民間に移行したのはかつての自民党政権であり、少子高齢化が進む中で社会保障の維持と機能の充実、財源やサービス提供が重要な課題であるとの認識に基づき、制度の維持を前提として消費税の導入に3党合意がなされました。私は、その経過を踏まえて、昨年の第4回定例会の一般質問でも市長の見解を伺いました。市長もさまざまな課題があり、全国市長会とも連携して懸念を伝えるとの見解を示されましたが、法案は多くの課題や問題点の修正も行われぬままに5月15日、十分な議論もない中で衆議院を与党の強行採決で通過し、現在、参議院の厚生労働委員会で質疑が行われていますが、今月中にも成立すると言われています。
介護保険制度は国が主導してつくられたものである以上、制度の持続性は重要な課題であり、根幹をなすものですが、高齢化が進むことも制度創設以来の課題として盛り込まれ、介護費用の膨張も予測されたものであり、そのための消費税であることは国民との約束でありました。政権交代したとはいえ、安倍総理は消費税は全額社会保障に使われると表明しながら、その大半を企業減税に使い、介護保険制度には国が十分な資金の手当もせずに、軽度の要支援者向けの通所介護、デイサービスと訪問介護、ホームヘルパー事業を市町村に押しつけ、NPO法人やボランティアの活動を求めていることは、介護の質を低下させる明らかな要支援切りであり、国民との約束違反でもあります。矛盾した法改正を強行し、その事業を押しつけられる全国の自治体では懸念が広がっています。
昨年末に、北海道社会保障推進協議会の調査では、91の自治体から回答があり、約30パーセントが移行は不可能と回答し、可能は10パーセント弱とのレポートがありますが、この結果は民主党が昨年、法案の審議が始まる前に行った全国自治体アンケートの調査結果とほぼ一致するものであります。
そこで、来年4月から要支援1、2の高齢者向けの訪問介護、通所介護を介護保険から外し、地域支援事業に移行した場合、小樽市の対象人員をお知らせください。
政府は介護予防給付の伸びを現行の五、六パーセントから三、四パーセントに圧縮するとしていますが、小樽市の影響額はどのくらいになると見込んでいますか。財源が大幅に抑制された場合、小樽市の介護サービスにどのような影響が出ると想定されていますか。
調査結果によりますと、要支援者のうち軽い認知症の方の割合が高くなっているとの指摘があります。そうした症状には早期に専門知識のあるプロのサービスが大切であると言われていますが、早期に適切なサービスが受けにくくなることにより症状が重篤化し、結果的に財政負担を大きくするとの指摘もありますが、小樽市の要支援者の実態からどのような分析をされていますか。
要支援1、2のサービスカットや自己負担がアップすれば、今まで以上に家族の自宅介護が増えていくことが予想され、介護のための離職が心配されます。特に、女性の社会参加は我が国の重要政策として安倍総理も訴えていますが、女性の社会参加を阻害することにならないか、市長の見解を伺います。
地域医療・介護総合推進法案の重要課題として、介護事業者に支払う委託料も引き下げられることになっておりますが、これまでも介護職員の待遇改善の必要性は求めてきましたが、まだまだ離職が多いと指摘されています。これ以上賃金が引き下げられると、プロとして経験を積んだベテラン職員の離職が心配されます。また、介護事業者がベテラン職員を雇えず、ボランティア等に頼らざるを得ないということも考えられますが、どのような認識をされていますか。
今回の改正では、現行1割の介護保険の自己負担割合は、年間の年金収入が280万円以上の人は2015年8月から2割に引き上げられますが、小樽市の対象人員はどの程度になると見込まれますか。
今回の改正への対応では、市町村で財政的に豊かなところやボランティアが集まりやすい自治体と集まらない自治体では、要支援に対するサービスに大きな格差が生まれると言われていますが、小樽市では財政的な負担とボランティアの確保、NPO法人にどのような見通しをお持ちですか。
来年4月からの制度改正で要支援事業が移管されますが、社会福祉の専門家は、自治体がこれから安定的な事業に仕上げていくためには大変な困難が伴い、サービスに地域格差が出るようであれば市民の目も厳しくなり、不満は市町村に向けられるのではないかと予測していますが、市長はどのような体制で迎えようとしているのか、所見を伺います。
以上、再質問を留保して、質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、地域医療・介護総合推進法と小樽市の対策について御質問がありました。
初めに、国の要支援切りにどう対処すべきかについてですが、まず地域支援事業へ移行した場合の小樽市の対象人数につきましては、平成26年2月の利用実績では1,411人となっております。
次に、介護予防給付の伸びを抑制した場合の小樽市の影響額につきましては、仮に2パーセントの予防給付の抑制があったといたしますと、本年2月利用実績からの試算では、年間1,200万円の影響があると考えられます。
次に、財源が抑制された場合の介護サービスへの影響につきましては、国は予防給付を地域支援事業に移行した場合でも、給付に見合う財源を措置することとしており、現時点では影響がないものと考えております。しかし、仮に国が予防給付の伸びを大幅に抑制した場合には、地域支援事業での介護サービス利用料や介護職員の報酬に影響が出てくることが考えられます。
次に、要支援者の実態からの認知症の重度化による財政負担増の問題につきましては、本市の要支援者2,505人のうち、認知症と言われる認知症高齢者の日常生活自立度Ⅱ以上の方は139人で、要支援者全体に占める割合は5.5パーセントと比較的小さいものであります。
また、早期の認知症対策として国が示している認知症初期集中支援チームの設置などの取組により重度化を抑制し、大きな財政負担とならないよう努めていきたいと考えております。
次に、要支援1、2の地域支援事業への移行等が女性の社会参加を阻害しないかとのことにつきましては、今回の制度改正の目的は、急速に進展する高齢化に伴い、増え続ける介護給付費の伸びを抑制し、今後も介護保険制度を維持していこうとするものであり、現時点では女性の社会参加への影響について申し上げることはできません。
次に、ベテラン職員等の離職につきましては、要支援者へのサービスが市町村事業に移行となる場合、サービスの受皿として既存の介護事業所への委託も想定できますが、まだまだ法案の審議中で具体的なことが示されておりません。したがいまして、現時点では委託料の引下げを前提とした職員の離職について申し上げることはできません。
次に、自己負担が2割となる対象人員につきましては、世帯構成や他の所得の状況により、2割負担の基準額が変わります。また、対象となる基準額の世帯であっても、実際に介護サービスを利用している人数を把握しておりませんので、現時点では対象人数の把握は困難であります。
次に、小樽で要支援のボランティアやNPOでの対処が可能であるかについてですが、まず財政負担の見通しにつきましては、国では給付に見合う財源を措置するとのことでありますので、大きな財政負担になるとは考えておりません。しかし、ボランティア等の確保につきましては、現状では地域支援事業を担うほどの団体等がないため、今後、積極的にボランティア等の育成に努力していく必要があると考えております。
次に、要支援事業の移管後の体制につきましては、国は平成29年4月からの地域支援事業への移管を全市町村に義務づけていることから、それまでの期間は現行の予防給付を続けていく考えであります。今後、地域支援事業への移管に向けて課題を整理し、他市の状況なども参考にしながら、体制を整えていきたいと考えております。
(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)16番、林下孤芳議員。
○16番(林下孤芳議員)再質問をさせていただきます。
確かに除雪体制の問題では、災害対策基本法というのがあることは承知しているのですけれども、ここ二、三年の状況を見ますと、関東地方でも大雪が降る。それは30センチメートルかそれぐらいの話ですけれども、それでも国は災害対策という位置づけでいろいろな措置をしているように報道されています。しかし、現状では、北海道においてはその措置がされたりされなかったりという、そこが私は最大の問題だと思っておりまして、何とか北海道全体の自治体が連携をして国に対して要望すべき課題ではないかと考えるわけであります。その点については考え方が示されておりますけれども、そういった取組、そういった視点で市長のお考えがあれば、お答え願いたいと思います。
また、除排雪の条例の関係ですけれども、私は、冬の道路の環境あるいは安全、快適に維持するというのは、やはり市民も協力してやっていかなければならないという大きな課題であると思っております。そこで、市民との協働という立場での条例があれば、より効果的なものになるのではないかと考えておりますので、これについても、今の段階ではなかなか難しいとは思うのですけれども、市民との協働ということを前提に、お考えがあればお聞かせ願いたいと思います。
次に、国の経済対策の関係ですけれども、一番問題なのは、今日の新聞の社説にもありましたけれども、やはり企業が利益を上げて、それが労働者の賃金に反映されていないというところが一番大きな課題であると思っています。例えばこれまでも国においては工事請負契約の変更契約、つまりインフレスライド条項の関係などありまして、賃金の関係を反映した、国にはそういった法律があるのですけれども、やはりこれは公契約条例という地方に置きかえてみれば、例えば小樽市が公契約条例を制定するにしてもあまり不合理はないのではないかと私は考えておりますので、ぜひそういう観点で検討をお願いしたいと思っております。
次に、子育て支援の関係では、少子化対策というのは全国的な課題でもありますし、なかなか難しい問題だと思いますけれども、ほかの市町村も同じ状況だとすれば、やはり先駆けて何とか小樽でできることをやっていただけないかというのが質問の趣旨でありまして、それについての見解をお示しいただければと思います。
次に、地域医療・介護総合推進法の関係ですが、恐らく来年4月からということになっていても、体制が整うまでには何年かかかるという猶予期間もあるのではないかという御答弁を聞いておりましたけれども、やはり一番心配しているのは、その二、三年の猶予期間を待たずして、事業者が廃業するのではないか、撤退するのではないかということでありまして、その点についてお考えがあればお伺いしたいと思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)林下議員の再質問にお答えします。
まず、除雪の関係でありますけれども、先ほども答弁をさせていただきましたように、災害というような状況につきましては、災害対策基本法という一つの決まりがございますので、そういった中で考えていかなければいけないというふうに思っております。
また、特例の措置等につきましては、これは引き続きやはり国に対して要望していきたいと思います。北海道においても、市においても、除雪費は物すごいばらつきがあるのです。小樽市は多いほうでありますけれども、小さいところは1億円ぐらいで済むところもございますし、そういったことを踏まえて、一自治体の問題ではなくて、国に対して要望してまいりたいと思っておりますので、御理解いただきたいと思います。
また、道路への雪出し防止条例の話でございますけれども、これはなかなかその個人を特定するとか、あるいは誰が雪出しをしているかというのはなかなかチェックできない状況であります。仮にそれをチェックしたとしても、どれだけの量を出したのかという、そういったこともなかなかわからないところでありまして、そこにまた不公平感が出てきてもいけないと思います。市民協働ということでは、条例ではなくて、やはり市民の皆さん一人一人にこういったことのないようにこれからもお願いしていきたいと思っておりますので、御理解いただきたいと思います。
次に、公契約条例の制定でありますけれども、これも全国的に非常に少ない事例でございまして、もう少し事例などを調査する必要があるのかと思っているところでございます。道内では札幌市がこの公契約条例の制定について取り組んでいると聞いておりますが、賛否いろいろとあるのだろうと思いますので、そのあたりもよく調査をしてまいりたいと思っております。
次に、子育て支援につきましては、私はいつも申し上げておりますけれども、将来の小樽を担う子供たちの支援については、やはり前向きにしっかり取り組んでいかなければいけないものだと思っております。
特に、平成10年までは年間1,000人の赤ちゃんが生まれてきたわけですけれども、その後平成11年に1,000人を切ってからずっと減り続けております。2年ほど前年比で少しプラスになった年がありますけれども、昨年も647人しか生まれてこない状況にあります。
ですから、やはり産み育てやすい環境づくりというのはしっかり取り組んでいかなければいけないと思っておりますので、これにつきましても、先ほど答弁させていただきましたように、継続して取り組んでいきたいと思っているところでございます。
最後は、部長から答弁させます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)医療保険部長。
○医療保険部長(藤井秀喜)林下議員の再質問にお答えいたします。
介護事業所の今後の経営の不安ということについての御質問だったと思うのですけれども、確かに国の制度改正自体も審議中ですし、具体的な中身がいま一つ見えてこない部分もありますので、経営者の方からすればそういう漠然とした不安も含めて、いろいろと悩みがあるというのは私どもも考えております。
今、要支援者を訪問介護などのサービスから外すということでの受皿として、先ほどもお話がありましたNPOなどのボランティア団体ということですけれども、なかなか団体の中でもそこまで支えてくれるような団体がまだ育っていないというか、ない状態ですので、もしできたとしても、それが100パーセントというか、大部分を支えてくれるということにはならないだろうと私どもは見ております。ですから、そこを補っていただくというのか、そういう部分は介護事業所に委託という形で、国もそれを想定しているようなコメントもありますので、そういう形でやっていくのが現実的かというイメージは抱いておりますが、委託料がどのようになるのかという部分もありますけれども、そこら辺を含めて、策定委員会での年度内のいろいろな議論を踏まえて、また、国からいろいろなガイドラインも示され田中で、議論していく中で、そういう課題についても検討していきたいと考えてございます。
○議長(横田久俊)林下議員の会派代表質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後3時39分
――――――――――――――
再開午後4時00分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、会派代表質問を続行いたします。
(「議長、4番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)4番、吹田友三郎議員。
(4番吹田友三郎議員登壇)(拍手)
○4番(吹田友三郎議員)平成26年第2回定例会に当たり、一新小樽を代表して、市長並びに教育長に質問させていただきます。
最後の会派代表質問者でございますので、前質問者と重複することもございますが、通告どおりに質問させていただきますので、よろしくお願いします。
現在、地方都市は、「限界」という名称がついたもの、つくことが予想されるものが多数あります。各地方自治体の多くは、社会動態のさまざまな年齢者の転入者増により、人口減少の歯止め、そして増加を目指しております。しかし、現在のやり方は、ない者同士の人口の取り合いをしているようなものであり、市町村レベルでは、同列で限界に突き進むことになると考えております。私は、自立した地方自治を進めることは、地方分権を目指し、地方のことは地方独自で考え、住民の合意の下、人と金を調達し、進めなければならないものと考えております。
本市におきましては、さまざまな政策を進めるとき、各事業へどれほどの財源の確保ができるかが成功への大きな力となります。限られた財源を事業費に最大限傾注し、そして効率性、タイムリー性を重視し、目的の達成度を高めなければなりません。
まず、第1項目として、市長公約と次期市長選の争点についてであります。
1点目に、市長公約の評価についてお聞きします。
平成23年の選挙におきまして、3期12年市政を担当された山田勝麿市長から、さまざまな新たな公約を掲げられ1期目をスタートされた中松市長は、1期目の最終年を迎えましたが、公約にかかわっての評価はどのように考えておられますか、伺います。
今後、来春までに取り組まなければならない重要案件については、どのように考えられておられますか、伺います。
2点目に、IRについてであります。
新聞報道によりますと、政府・自民党は、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の整備を促す特定複合観光施設区域整備法案について、今国会での成立を見送る方針です。これは、カジノ導入による治安悪化や依存症を懸念する声が多いことからであるようです。今後、IR法案の成立に向かっては、さまざまにマスコミ等が報道を通じて、国民が判断する材料を提供していくことを期待しております。この事業では、国内の特定地域に複合型の大規模なものとなると考えております。また、2020年の東京五輪に向けたものでもあり、国の今後の動向を注視していかなければならないと考えます。
このたび、第3回小樽市議会「市民と語る会」の意見交換におきましても、市民のカジノへの関心は高かったのですが、その多くの方は反対の意見でありました。参加者の中には、市民の合意もなくカジノ視察に公費を使って韓国へ行くのはいかがなものかとの発言もありました。
そこで、このたびの海外視察の目的、成果についてお尋ねいたします。
今回の韓国へのカジノ視察は、本市が企画したものではないと思われますので、どこでいつごろ企画され、市長が参加同行されることは、いつ決められたのですか。この視察には、どのようなメンバーが参加されたのですか、伺います。
高橋北海道知事は、韓国の旅客船沈没事故を考え訪問を中止されたようですが、市長は、このことについてどのように配慮されましたか、伺います。
済州島と江原道に行かれたようですが、済州島は外国人専用カジノしかないと聞いております。済州島での視察の成果はどのようなものでしたか。
江原道は誰でも賭博に興じられるところと伺っておりますが、市長は、どのような場所に行かれ、どのような調査研究をされてきたのでしょうか、伺います。
そして、このたびの海外視察の成果は、今後の政策にどのように生かされると考えておりますか、伺います。
このたびの海外視察には、どの程度の公費が使われたのですか、伺います。
IRについては、本格的な取組は、来年の統一地方選挙後と考えます。市長は、そのことも視野に入れた視察でしたか。
また、次期の選挙の争点の一つとなると考えますが、市長はどのように捉えておりますか、伺います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)吹田議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、市長公約と次期市長選の争点について御質問がありました。
初めに、市長公約の評価についてですが、まず、その評価につきましては、公約では「市民力を生かした「活力あるおたる」の創造」を目指し、五つの基本目標と七つの重点公約を掲げました。今日まで市民力を生かしたまちづくりの土台となる自治基本条例を市民の御意見を伺いながら制定するとともに、特に安全・安心で住みやすい環境整備に向けて、新市立病院の建設や校舎の耐震改修、保育所の建替えに取り組んでいるほか、東日本大震災を受けての各種防災対策を推進するなど、この3年間、公約の実現に向けた取組を着実に進めてきたものと考えております。
次に、来春までに取り組まなければならない重要案件につきましては、ただいま申し上げましたように、これまでの取組を着実に進めていくほか、公約に掲げた真の財政再建につきましては、平成24年度の予算編成から他会計からの新たな借入れを行わずに収支の均衡を図ってまいりましたが、まだ多額の借入残高があることから、引き続き財政健全化の取組を進めていくことが重要であると考えております。
次に、IRについてですが、まず4月に行った韓国IR視察につきましては、北海道経済部観光局の企画によるものであり、本市としては、3月17日の案内を受けて、同月中に参加決定をしております。
視察の参加メンバーは、本市からは私と随行職員、ほかに北海道経済部観光局、北海道商工会議所連合会、北海道観光振興機構、小樽市議会、苫小牧市、苫小牧市議会、苫小牧商工会議所から参加があり、合計17名が参加いたしました。
次に、今回の視察と韓国での旅客船事故との関連につきましては、当初、知事はIR視察のほか、済州島との友好協定の調印式、式典を予定されておりましたが、旅客船の事故により延期となったことから、IR視察も取りやめになったと聞いております。視察の事務局である北海道経済部観光局が、韓国側にIR視察の受入れについて確認したところ、視察受入れに問題はないとの回答があり、道からIR視察は予定どおりに行うので、ぜひ参加願いたい旨の連絡があったことから、当初の予定どおり実施したものであります。
次に、済州島での視察の成果につきましては、カジノ施設のセキュリティレベルの高さや、外国人観光客の誘致に重要な役割を果たしていることなどについて理解を深めることができたものと考えております。
また、江原道では、カンウォンランドのカジノ施設や中毒ケアセンターのほか、大会議場やスキー場、コンドミニアムなどの施設を見学してまいりました。
なお、中毒ケアセンターでは、担当職員から施設の現況説明や依存症の予防、相談システムなどについての講義を受け、IRにかかわる認識を深めてきたところであります。
次に、今回の視察成果の生かし方につきましては、視察を通じて得たIRのメリットとデメリットの実態を十分に見極めるとともに、北海道とも情報の共有を図りながら、今後のIR誘致の取組に生かしてまいりたいと考えております。
次に、今回の視察に要した経費につきましては、私と随行職員の旅費、合わせて35万453円となっております。
次に、IRについての本格的な取組の時期につきましては、今回の視察以前から国会でのIR関連法案の審議状況によるものと考えております。
また、次期選挙の争点となるかどうかにつきましては、現時点で私が話すことができる事柄ではないものと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、4番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)4番、吹田友三郎議員。
(4番吹田友三郎議員登壇)
○4番(吹田友三郎)第2項目めとして、経済対策についてであります。
1点目は、地域人づくり事業についてであります。
第1回臨時会で議決されました地域人づくり事業についてお尋ねいたします。
この事業では、障害者福祉費では、障害者相談支援事業所サポート事業費400万円が執行され、2名の新規雇用を創出、老人福祉費では、介護人材確保支援事業費3,173万円の執行により23名の雇用を創出、労政費では、新卒未就職者等及び女性離職者の再チャレンジ支援事業費3,000万円の執行により12名の新規雇用を創出となっております。既に事業は始まっているものと思いますが、3事業で37名の新規雇用ができているのですか。
これらの事業費のうち新規雇用者へ直接支払われる事業費はどのくらいと考えますか。
また、雇用者への支払がないものは、どのような事業費の使われ方をしているのですか、その内訳を御説明ください。
3事業で6,573万円と大きな資金を投入して新たな雇用を創出するもので、その効果の検証はとても重要です。今回の37名の雇用者は、どのくらいの期間この事業としての雇用となるのですか、お尋ねいたします。
2点目として、低賃金者の待遇の改善についてであります。
小樽市内では、さまざまな職場におきまして、臨時職、パート職で就労している方がおられます。多くの収入を望まれる方、収入の範囲を決めて就労されている方とさまざまです。小樽市役所に勤務する職員の構成は、正規職と臨時職の人数は、どのようになっておりますか。
臨時的な就労者は、どのような勤務形態で働き、どれほどの収入を保障されているものなのですか、伺います。
臨時的雇用の職員の賃金は、どのように決定されているものなのですか。勤務条件の見直しは、どのようなときに検討されるものですか、伺います。
臨時職員の賃金の内容を決めるときは、生活給、職能給、職務給等があると思われますが、臨時職は年齢に関係なく行われる待遇であり、生活給的要素が必要と思われます。
日本の労働環境は、ますます正規職と臨時職の二重構造が顕著に現れてきております。水は高位から低位に自然の力で流れていきますが、人間社会の所属にかかわっては、低いところから高いところに逆流しているように感じております。貧富の差の縮小には、低賃金者の待遇を上げることが必要であります。
本市におきましても、総人件費の配分を見直すことが必要です。保育士の臨時職員の現在の年収ベースは200万円程度と見ておりますが、最低でも手取りベースで、この金額を保障する必要があると考えます。このようにするためには、どの程度の財源が必要と考えますか。また、その財源を捻出することはできませんか、伺います。
今年は、安倍首相が経済団体に対して賃上げを強く要請いたしました。私は、小樽市内の民間業者に対しては、市行政のトップであります中松市長より、さらなる給与の引上げを要請し、若い世代に地元での就業の選択をしてもらえるようにすべきと思います。また、パート職の時給は、最低1,000円にする必要があると考えます。市長は、これらの点についてどのような御見解をお持ちですか。また、民間事業者に対して働きかけを行うお考えはありますか、お尋ねいたします。
3点目に、小樽観光振興公社の事故にかかわってであります。
本市にかかわる公社は、平成25年度に清算した小樽市土地開発公社のほか、おたる自然の村公社、小樽水族館公社、小樽観光振興公社の三つがあります。法人組織ですので、独自の運営ができるものと考えます。本市は、公社との関係では、どのような権利関係、義務関係が存在するのですか、伺います。
現在、自然の村公社には、運営上のトップに副市長が理事長としておられ、小樽水族館公社は、長年、市長が社長をされておりましたが、最近は市の退職者がその職務を担っており、小樽観光振興公社も同様と理解しております。毎年、3公社から経営状況を説明する書類の提出を受けると思われますが、これらの確認、分析はどの所管で行われているものですか。
平成25年度の土地開発公社の清算では、市民の税金が使われたと認識しております。現在あります3公社につきましては、法的に最終責任は本市にあるとの認識でよろしいでしょうか。
先般、小樽観光振興公社所有の新造された観光船あおばとが、就航まもなく観光客四十数名を乗船させ、遊覧航行中に操船ミスで岩礁に乗り上げ、多数の負傷者が発生する事故がありました。この船舶は、全長19メートル、最大幅4.5メートル、深さ2.12メートル、総トン数19トン、航行区域が平水区域、限定沿海区域となっており、GPS、国際VHF無線、レーダー1基を装備しているようです。このたびの事故原因については、まだ公式な発表はなく、北海道運輸局から輸送の安全確保に関する命令が出され、その対応をされていると思われますが、市は、その内容を把握しておりますか。その後の公社の事故への対応について、市は、どのような報告を受けておりますか。北海道運輸局の輸送の安全確保に関する命令の対応についても、どのように確認されておりますか、お尋ねいたします。
私は、韓国の旅客船の事故が連日報道されており、国内の旅客船、遊覧船の運航には最善の配慮をしていたものと思いますが、小樽観光振興公社内では、どのような事故予防対策をとっていたのですか、伺います。
あのような船舶は、乗船者が少ないと喫水線が下がらず、風の影響をまともに受けることが考えられ、今後はあおばとの航行能力を見極めた運航が必要と考えます。市長はどのようにお考えですか、伺います。
今後、海上保安庁が業務上過失致傷罪を視野に対応されると思いますが、早く観光地小樽の海岸線の遊覧を再開させるために、市長はどのようにかかわりますか、伺います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)吹田議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、経済対策について御質問がありました。
初めに、地域人づくり事業についてですが、まず37名の新規雇用の採用状況につきましては、求人中であることから現状では1事業1名の新規雇用でありますが、今後37名全員を雇用していく予定となっております。
また、新規雇用者に直接支払われる事業費につきましては、人件費として3事業合わせて5,000万5,000円であり、それ以外の事業費の内訳につきましては、研修費、既存職員の人件費、諸経費となっております。
次に、37名の雇用期間につきましては、12名が8か月、23名が6か月、2名が10か月となっております。
なお、事業期間の終了後にも引き続き雇用が継続されることを期待しているものであります。
次に、低賃金者の処遇の改善についてですが、まず市の正規職員と臨時職員の人数につきましては、本年4月1日現在で、再任用職員を含む正規職員が1,744人、臨時職員が77人となっております。
また、臨時職員の勤務形態につきましては、正規職員と同様で週5日、週38時間45分の勤務となっており、賃金は事務補助で年間155万円程度となっております。
次に、臨時職員の賃金の決定と勤務条件の見直し方法につきましては、賃金は業務の内容や困難性、必要な資格の有無などのほか、北海道の最低賃金、市内官公庁や道内他都市の賃金単価などを考慮して決定しており、勤務条件の見直しの検討は、関係法令の改正等があった場合に行うこととしております。
次に、臨時職員の年収の確保につきましては、臨時職員は、正規職員の欠員や育児休業における補充を行う場合や臨時的業務の発生などで採用することとなります。このため、その時々の情勢により雇用人数や期間が変動することや賃金単価も職種によってさまざまであることから、手取りベースで年収200万円を保障するための財源をトータルで算出することは困難でありますが、仮に事務補助の臨時職員を通年雇用した場合には、1人当たり80万円程度の財源が必要となります。しかしながら、本市の賃金単価は、民間と比べ、高めに設定されていることから、現行の賃金単価を見直す考えはありません。
次に、市内企業に対するさらなる給与引上げの要請につきましては、中小企業の多い本市においては、大都市圏に比べ、いまだ景気回復が十分に行き渡っていないと認識しており、その中で各企業が業績等を勘案し、給与を決定しているものと考えております。
また、パート職の時給を最低1,000円にすることの見解につきましても、国が決定した最低賃金を参考に各企業が業績等を勘案し、時給を決定していることから、市としては、これらの決定を尊重すべきものと判断しており、民間事業者への働きかけについては、特に考えておりません。
私といたしましては、給与等の引上げには、何よりも企業の業績が上向くことが重要と考えますので、今後とも市内経済の活性化に向けて、国や道との連携を十分に図りながら、さまざまな施策に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、小樽観光振興公社の事故についてですが、まず経営状況を説明する書類にかかわる確認分析の所管につきましては、小樽水族館公社及び小樽観光振興公社は産業港湾部観光振興室、おたる自然の村公社は産業港湾部農政課であります。
次に、3公社の法的な最終責任につきましては、公社の経営に当たっては、独立した事業主体として、みずからの責任で事業が遂行されるものであり、市といたしましては、定期的に点検・評価を行う必要はあるものと考えておりますが、出資者として負う責任は、あくまでも出資の範囲内の有限責任であります。
次に、観光船の座礁事故に係る北海道運輸局からの輸送の安全確保に関する命令の対応等につきましては、その内容は把握しております。小樽観光振興公社の事故後の対応につきましては、負傷者の状況及びその後の補償等、観光船の損傷状況及び修繕等並びに北海道運輸局など関係官庁による事故に対する指導内容等についての報告を受けております。
また、輸送の安全確保に関する命令の対応につきましては、公社から逐次その改善状況の報告があり、その都度、内容の確認を行っております。
次に、公社内の事故予防対策につきましては、これまでも公社の安全管理規程に基づき、朝礼等を通じ、安全教育などが行われていると聞いております。
また、観光船あおばとの航行能力につきましては、公社の運航基準に定める風速、波高、視程等の条件下において、安全運航が可能な性能を有しているものでありますが、今後とも一層の安全対策を講じるよう公社に伝えてまいりたいと考えております。
次に、観光船の再開についての市のかかわりにつきましては、再びこのような事故が発生しないよう運航再開に向けて公社みずからが観光船の安全確保と再発防止に向けた万全な対策を確立していただきたいと考えており、今後とも公社と緊密な連携を図ってまいります。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、4番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)4番、吹田友三郎議員。
(4番吹田友三郎議員登壇)
○4番(吹田友三郎)第3項目め、人口対策についてであります。
1点目は、公立保育所の削減による保育料の低廉化であります。
私は、平成15年に議員になってから、このことを取り上げ続けてまいりました。現在、1か所の公立保育所の廃止を進めておられますが、公立保育所の問題点は、運営経費が高すぎることであります。この大きな要因が人件費にあることは明白であります。これらの削減による余剰財源を保護者負担の保育料の低減に活用するべきと考えます。
札幌市は、保育料が低く抑えられていることから、負担の関係で幼稚園等への移動はないと言われております。子育て世代にとりましては、保育料は日々の生活に大きく影響しますので、どこの地域を生活基盤とするかを決定する判断材料ともなります。少子化対策は、子育てをする方に見える形での対応が重要です。このような取組が必要と思われます。市長の御見解を伺います。
2点目は、多児家庭への公的支援についてであります。
国は、経済財政諮問会議において、経済財政運営の基本方針、骨太の方針の中で、50年後も1億人の人口を維持するため、本格的な少子化対策を行う方針を示し、安倍首相は関係閣僚に結婚、妊娠、出産、育児への切れ目ない支援を指示、骨太の方針では、国の予算を育児分野へこれまでよりも重点的に配分し、第3子以降の子供を産み育てやすくする政策を中心に据えると言っております。
私は、幾度も言っておりますが、夫婦は、2人目までの子供については御自身の責任で養育されること、しかし社会が必要とする第3子、第4子以降の子供を産み育てていただく費用は国民の負担で行うことしか、この問題の解決はないものと考えております。私は東京で機会あるごとに話しておりますが、まだまだ危機感が見られないように思います。第3子以降で年間50万人の出生数を確保し、成人するまで費用を保障するためには、現在の消費税5パーセント分、12兆5,000億円を用意すると十分と考えており、結婚しない人、子供を望まない人も次世代の子育て費用の負担をすることにより老後の不安を払拭することができるものと考えます。
本市におきましては、年間出生数を1,500人にすることが必要であり、私も子育て支援事業にかかわっておりますが、子育て家庭の家庭状況を見ますと、子育て費用の不安がなければ、第3子以降の期待は十分できるものと考えます。私は、人口政策に成功しているフランスのように多児世帯への現物給付、公営住宅入居、公共料金、公共交通機関、公共施設の利用料などの優遇に国税、地方税をあわせ投入し、少子化を食いとめることを喫緊に国及び市町村が取り組むべきと考えます。市長はどのようにお考えですか、伺います。
3点目に、行政サービスの見直しと市職員の削減についてであります。
人口減少は、加速度的に続くものと考えられます。国は今後、潤沢な財政支援を考えておりませんので、歳入不足の状態になることが考えられることから、行政サービスの効率化、そして見直しを迫られます。行政サービスの縮小により職員数及び処遇の見直しがセットとして起こると考えます。
小樽市は、地域最大の公的企業であり、その経営のやり方によりましては、大きな財源の確保が可能と思います。人口対策の資金確保は、慣例的なやり方、対応では済まないものと考えます。市長は、行政サービスの見直しと市職員の削減についてどのように考えられますか、伺います。小樽という地名が存続する人口対策が必要です。
4点目に、高齢者等の本市への移住についてであります。
高齢者に移住を決断させるためには、ふだんの生活上の負担の軽減が必要であります。都会にお住まいの現役を離れた方々は、基本的には年金収入で生活設計をしているものと思います。今後の心豊かに安心して生活する居住地の選択をしようとされる方は、第1次ベビーブームの世代から増えることが考えられ、特に景気が回復基調となり、資産価値が上がった不動産等の売却益を新天地への移住費用とすることが十分予想されます。行政経費の削減により、市民税、固定資産税等が例えば道内の市で一番安いなどということがあれば転入に期待が持てると考えます。
小樽市は、移住者に優しいまちとなっておりますか。東京などの方と退職後の話をしても、やはり負担の話が出ております。この問題の解決が人口増加に寄与すると考えます。市長は、どのような施策をもって移住を検討されている高齢者の方々の期待に応えることを考えておりますか、伺います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)吹田議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、人口対策について御質問がありました。
初めに、公立保育所の削減による保育料の低廉化についてですが、余剰財源を活用する取組につきましては、子育て支援や産み育てやすい環境づくりには総合的な取組が必要であり、市全体の財政状況や施策の優先度を見て、判断してまいりたいと考えております。
次に、多児家庭への公的支援についてですが、少子化対策の考え方につきましては、国は、経済財政諮問会議などを経て、今後、新たな少子化社会対策の大綱策定に着手することとなっており、こうした動向を注視し、本市の人口対策に活用できる施策につきましては、国から具体的内容が示された段階で検討してまいりたいと考えております。
次に、行政サービスの見直しと市職員の削減についてですが、本市としては、これまで市民生活の維持向上や国の制度などへ確実に対応するため、事務事業の不断の見直しを行うとともに、大規模な組織の改編や業務委託の推進などにより組織のスリム化を図ってきており、今後とも業務量に見合った適正な職員の配置を行ってまいりたいと考えております。
次に、高齢者の本市への移住についてですが、どのような施策をもって移住を検討されている高齢者の方々の期待に応えるかにつきましては、小樽の魅力を生かした移住施策を推進することは、人口対策の一つとして重要と考えております。移住の判断や価値観は世代によって異なり、特に移住を検討される高齢者の方々にとりましては、金銭的な負担だけではなく、より安全、より安心で心豊かに暮らせる生活環境にあるかが重要と考えております。市といたしましては、地域医療体制の充実やコミュニティ活動への支援など、高齢者が健康で生きがいを持って生活できるまちづくりに今後とも取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、4番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)4番、吹田友三郎議員。
(4番吹田友三郎議員登壇)
○4番(吹田友三郎)第4項目めは、議案第9号及び第10号にかかわってであります。
平成26年5月30日現在の契約管財課扱いの工事入札状況を見ますと、土木工事3件、解体工事2件、建設工事1件、電気工事1件であります。この内容を見ますと、土木工事は事業費で1,589万円から3,447万円と比較的小さな工事であり、例えば朝里南20号線道路改良工事の入札には9社が参加し、予定価格1,802万円、落札額は最低制限価格と同額の1,565万9,900円で、落札率は86.9パーセントです。この入札では、最低制限価格未満が9社中6社となっており、落札額と最低入札額との差額は5万4,600円と僅差でありましたが、企業努力の競争が働いていたと思われます。
小樽港保安施設改良工事の入札には5社が参加し、予定価格1,589万円、最低制限価格1,395万900円、率にして87.8パーセント、落札額は1,430万円で、落札率は89.99パーセントでした。
解体工事は2件あり、旧奥沢保育所解体工事は、予定価格599万円、最低制限価格422万円、率にして70.45パーセント、落札額は496万8,000円で、落札率は82.9パーセントとなっており、旧銭函保育所解体工事の入札では、予定価格751万円、最低制限価格530万4,200円、率にして70.63パーセント、落札額は591万円で、落札率は78.7パーセントでありました。二つの解体工事で1,350万円の予算で262万2,000円、19.4パーセントの未執行額が出ております。
桂岡大通線外1線道路改良工事では、予定価格3,447万円、調査基準価格3,005万1,100円、率にして87.18パーセントで、5月21日に入札が行われ、10社が参加、そのうち1社は無効となりましたが、調査基準価格を下回った業者が6社となり、2,749万3,000円の最低価格入札者を保留とし、失格判断基準に該当しないことを確認、低入札価格調査の結果、落札者として決定したようです。調査基準価格より7.42ポイント少ない79.76パーセント、予定額を700万円ほど余しての工事となりました。これらの工事は、市の指名業者A2、B、C級がかかわったものです。
しかし、今回の議案第9号及び第10号では、銭函保育所新築工事は、予定価格2億2,986万円、調査基準価格2億687万4,000円、率にして90.00パーセントのところ落札額は2億1,950万円、落札率は95.49パーセントとなっております。
また、消防救急デジタル無線整備工事は、予定価格4億2,167万円、調査基準価格2億9,516万9,000円、率にして70.00パーセントのところ、落札額は4億980万円、落札率は97.19パーセントとなっております。
議案にのらない工事は、A2、B、C級の市の指名業者が参加しており、競争の結果の落札であると思われますが、議案の2件は市のA1級の指名業者が参加しているにもかかわらず、非常に高い落札額となっております。特に、消防救急デジタル無線整備工事は、調査基準価格が70パーセントに設定されている中で、落札率は97.19パーセントになっております。市長は、この議案第9号及び第10号の工事契約についてどのような認識でおられますか。また、もう少し安い入札額を期待されておりませんでしたか、伺います。
私は、本市で行われる多くの公共事業は市民の借金、いわゆる市債で行われており、いかに廉価で事業をおさめるかが重要と考えます。市長は、この点についてどのような努力をされておりますか、伺います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、議案第9号及び第10号について御質問がありました。
初めに、落札率と入札額につきましては、各入札参加者が予定価格の範囲内で応札し、落札した結果であり、その額や率について特にコメントすることはありません。
次に、公共事業の経済性を高めるためにどのような努力をしているのかとのお尋ねにつきましては、公共事業では経済性に加えて、その品質の確保や市内経済への影響も考慮すべきと認識しており、適切な設計、積算の下で、透明性の高い公平・公正な競争がなされるよう、必要に応じ入札制度などを見直してきたところであります。
○議長(横田久俊)次に、第5項目めの質問に入ります。
(「議長、4番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)4番、吹田友三郎議員。
○4番(吹田友三郎)第5項目め、市民生活にかかわってであります。
1点目は、街路防犯灯についてであります。
街路防犯灯は、市民生活に大変重要な役割を持っております。夜道を明るく照らし、高齢者や小さな子供たちの足元をしっかり守り、そして不審者等の犯罪予防にも大きな力となっております。本市の街路防犯灯の設置灯数はどのように把握されておりますか。そのうち、LED器具への交換の進捗状況はどのようになっておりますか、伺います。
そもそも街路防犯灯は、どなたの責任で設置、運用されているものなのですか。防犯灯の老朽化により、改修費負担と値上がりする電気料金が地域町会に重くのしかかっております。町会会員の減少により、維持・管理の確保のめどが立たないと言われております。本市は、どのような対策を考えておりますか、伺います。
私は、器具の改修には大きな資金を必要とすることから、例えば本市より町会に改修費の90パーセントは無利子で貸し付けることにより、市内の街路防犯灯の確保をすることが必要と考えます。市長は、いかがお考えになりますか、伺います。
道内の小さな町村では、街路防犯灯の維持・管理は、地域住民の責任で対応されているものなのですか。どのように把握されておりますか、伺います。
地域住民が減少しても、住民のいる限り、街路防犯灯数は確保しなければなりません。今後の街路防犯灯の維持・管理は、一つの考えですが、地域にある町会組織の機能が継続されないところから随時、市の負担としなければならないと考えます。市長の御所見を伺います。
第2点目に、ごみの不法投棄についてであります。
本市におきましては、ごみ処理の有料化、資源の有効活用を含めた分別の定着化に向け取り組んでいると思われます。本市のごみの減量化、不法投棄などでは、どのような問題を抱えているものと考えますか、お尋ねいたします。
最近、個人で、投棄されたごみの収集作業をする活動が新聞紙上で登場します。私は、大変ありがたいことだと思っておりますが、小樽以外の方々まで来て、観光地小樽がごみの中にいるようなイメージになってはと危惧しております。私は、今話題になっている漫画家の作家などが来て、小樽はごみを平気でまちなかに捨てる人が住むまちだと紹介されてはと思っており、拾う人がいることにより必ず捨てる人が醸成されると考えます。市長は、観光地小樽をアピールする手段として、ごみ拾いをする方々の活動を進めていくお考えをお持ちですか、伺います。
ごみを捨てないという高い認識を一人一人の市民が持つことが重要です。私は、不法投棄を減らすため、例えば自動販売機設置者に対し、回収ボックスの設置、維持・管理を義務づけ、購入者が気軽に、どこにでも設置してある回収ボックスに入れられるような対策をとること、また、現在、ボランティアによるごみ回収の処理は市がやっており、回収ボックスのごみ処理料を市の負担で行うことにより、環境美化対策をされてはどうかと考えます。御所見を伺います。
今、行われているごみ拾いの運動を好機と捉え、大きな市民運動としてきれいなまちづくりを日々の生活の中で定着させることが重要と思われます。教育の中でも、きれいな環境のすばらしさを認識させ、落ちているごみを拾うことにより、社会に役立つことを教えることが必要と思われます。小・中学校の教育現場では、どのような教育を行っておられますか、伺います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、市民生活について御質問がありました。
初めに、街路防犯灯についてですが、まず町会等が管理する街路灯の設置灯数につきましては、昨年8月末時点で1万4,071灯であり、このうちLEDは476灯で、全体に占める割合としましては約3.4パーセントとなっております。
次に、街路防犯灯の設置、運用につきましては、夜間における治安の維持などを目的として、町会がみずから設置、運用しているものであります。
次に、防犯灯の維持管理費の確保につきましては、町会等が管理する街路防犯灯に数多く設置されている水銀灯などのLED化を進めることが維持費の縮減にも結びつくものですので、厳しい財政状況ではありますが、助成制度のあり方について財源も含め、検討してまいりたいと考えております。
次に、市による改修費の無利子貸付けにつきましては、現在、設置費についての助成を行っていることから、今のところ考えておりません。
次に、町村における街路防犯灯の維持・管理につきましては、後志管内の町村の状況を見ますと、半数の町村が町会で管理していると承知しております。
次に、町会組織の機能が継続されないところから、随時、市の負担とすべきとのことにつきましては、高齢化や人口減少に伴い、今後、町会の運営が厳しさを増していくものと思われますので、検討していかなければならない課題の一つであると認識しております。
次に、ごみ不法投棄についてですが、まず、ごみの減量化は、平成17年度の家庭ごみ収集の有料化や資源物収集の拡大により家庭ごみの排出量は大幅に減少し、既に市民に分別方法が定着しております。
また、本年2月からは、小型家電の回収にも着手しておりますが、さらなるごみの減量化については、再資源化先の確保の問題もあり、有効な方策を模索している状況にあります。
また、不法投棄についても、依然として家電やタイヤなどの大型のごみが山間部などに捨てられており、その処理に多額の経費を要していることなどが挙げられます。
次に、ボランティアによるごみの収集活動につきましては、市民ボランティアによる地道な清掃活動の様子が市民や観光客の目に触れたり、報道で紹介されたりすることにより、モラルの向上にもつながっているものと思っております。したがいまして、本市といたしましては、引き続き回収袋の配布やごみの無料収集を通じてボランティアによる収集活動を支援し、観光客の皆さんに気持ちよく市内を観光していただきたいと考えております。
次に、自動販売機での回収ボックスの設置の義務づけによる環境美化対策につきましては、回収ボックスを設置しても、管理が不十分であった場合には、逆に不衛生な状態になるおそれがあることから、回収ボックスの設置については、自動販売機設置者の判断に委ねております。
また、適正に維持・管理されている回収ボックスについては、空き缶やペットボトルなどの資源物が大半と考えられますので、リサイクル業者に引き渡すことにより、設置者には大きな負担は生じていないものと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)吹田議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、市民生活にかかわっての御質問がありました。きれいな環境のすばらしさを認識させるための小・中学校における教育についてでありますが、学校教育の中での扱いについては、道徳教育において、ごみを散らかさないことや自分のごみは持ち帰ることなど、社会人としての基本的なマナーを身につける学習が行われております。
また、環境教育の一環として、海や山、川などでの自然体験活動や古紙、アルミ缶などのリサイクル活動を通して、自然を大切にする心や地球環境を守る心を育む教育を行っております。
そのほか、各学校での特色ある活動としては、向陽中学校では、保健美化専門委員会の取組として、6月から10月までの登校時に自宅から学校までの通学路に落ちているごみを拾う地域ごみ拾い活動を行っており、日常的に地域の環境美化に努めております。
また、塩谷中学校においては、塩谷桃内連合町会と連携し、通学路や塩谷海岸の清掃活動を実施しており、地域の特色でもある海水浴場の美化活動を通して、郷土を大切にする心の育成に努めているところであります。
教育委員会としては、今後とも自分が生まれ育った小樽の自然や環境を大切にする豊かな心を育む教育の推進に努めてまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第6項目めの質問に入ります。
(「議長、4番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)4番、吹田友三郎議員。
(4番吹田友三郎議員登壇)
○4番(吹田友三郎)最後の質問、第6項目めとして教育委員会にお尋ねします。
学校給食についてであります。
児童・生徒の給食は、真栄の近代的な設備の中で、児童・生徒の健康面と嗜好を考えてつくられていると思われます。小学校1年生から中学校3年生までの年齢差のある中で、年齢に即した対応はどのようにされておられますか。食事量、味つけなどについての配慮点をお示しください。
私の聞き及ぶところによりますと、小学校のPTAから、子供たちから塩辛いとのクレームがあり、改善の要望がされたと聞きましたが、教育委員会では、このような問題についてどのような情報管理をされておりますか、伺います。
学校給食センターがスタートしてから、どのような問題がありましたか。また、その案件は確認されておりますか、伺います。
おいしく食べてもらうための味つけは大変重要なことであり、この点のリスク管理のシステムは、どのようになっておりますか。味つけに問題がある場合は、どなたが判断し、どのような方法をもって問題の解決を図ることになりますか、伺います。
児童・生徒の食育は、大変重要なことであり、常に問題とならない対応が必要であると考えます。
再質問を留保し、質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)ただいま、学校給食について御質問がありました。
初めに、児童・生徒の年齢に即した食事量、味つけについてでありますが、給食で提供する食事量につきましては、文部科学省が定める学校給食摂取基準に基づき、小学校低学年では530キロカロリー、小学校中学年で640キロカロリー、小学校高学年で750キロカロリー、中学生で820キロカロリーとなっており、パン又は米飯の主食とおかずをそれぞれのカロリーに合わせて量を調節し、提供しております。
また、味つけにつきましては、甘みや塩分については小・中学校で変わりありませんが、カレーライスや麻婆豆腐などの辛みについては、小学校では控えめに、中学校ではやや辛めに変えて提供しております。
次に、給食の味つけなどの要望の情報管理についてでありますが、昨年8月の学校給食センター開設当初は、設備や調理機器を使いなれていないことから、味にばらつきが出たため、多くの御意見をいただきましたが、改善に努め、現在は作業工程や調理手順にもなれ、味つけも安定してきております。
給食に関して味つけなどの要望は、学校を通じ又は直接センターに連絡がありますが、その都度、受付簿に記入し、できるだけ早く改善を図るよう努めております。
また、毎月開催している全小・中学校の給食担当者の会議において出されるさまざまな要望についても、速やかに改善を図るよう努めております。
次に、学校給食センターが開設してから発生した問題についてでありますが、開設当初は、先ほども申し上げましたが、設備や調理機器を使いなれるまでさまざまなトラブルがありました。機器類の操作ミスによる故障や調理時間が予定より長くかかり配送に遅れが生じたり、設備面では冷蔵庫などの機器に初期的な故障の発生や調理場内の換気がスムーズに行われないなど、想定しないさまざまな問題がありましたが、現在は、それらの問題は改善され、順調に給食の提供ができるようになっております。
次に、味つけについての判断や問題の解決方法についてでありますが、学校給食の味つけは、センターの栄養士が作成した調味料の配分に従って調理員が行いますが、栄養士が最終的な味見を行い、問題がある場合には、直ちに調理責任者に調整を指示しております。
また、学校の給食時間前にセンター職員が異物の混入や味つけを確認するため検食を行っており、ここで異常があれば、給食の提供を停止することとしております。
なお、味つけに関して御意見があった場合は栄養士に伝え、次回の同じメニューの際には調味料を調整し、味つけを改善した上で提供することとしております。
(「議長、4番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)4番、吹田友三郎議員。
○4番(吹田友三郎)再質問を一つしておきたいと思います。
先ほど、市長から、街路防犯灯については、電気代と器具の関係で配慮されているということなのですけれども、やはり今、差し迫って、防犯灯の改修についても、私は恐らく全体が、例えば毎年少しずつやっていけば間に合うという形のところのつけ方をしているというようなイメージが私にはなくて、問題は全部だめになってしまうときがあるだろうと思いますので、そのときに町会自身が、今そういう形のやり方をしていくとなりますと、とても難しいのかなと。私としては、先ほど市長から、1万4,000灯あるということは、例えばそれを取り替えるためには、恐らく7億円程度があれば十分かなという感じがしないのでもないのです。起債というのは必要なときにどんどん起きますので、そういう形のことが考えられるのであれば、小樽の事業として、全部すっきりと何とかするとかということが私は必要ではないかと思います。それと、先ほど後志管内であれば、約半数は小さなところでも町内会がやっていると。それ以外は、絶対に自治体がやっていらっしゃると思うので、そういうものも、小樽でこれからもっと町会がなくなってくるというのは、あまりに問題がありますけれども、そういう中では、なるべくそういうところについては、防犯灯というのはそもそも地域を犯罪から守るのだというイメージみたいなものですから、それは本来は自治体が守るべきだと考えるのです。この辺も含めて、私はやはりもう少し積極的な予算措置を考えて、防犯灯の交換については、もう少し進めていただきたいなと。自分のところでも、よく町会で、箇所数を言うと、そうしたら50年かかるのですねと言われるのです。そのようなことは無理かなという感じもありますが、そういう点では、そういうところについて、来年度からでもいいですけれども、そういう配慮をもう少しやっていただけないかなと思うのですが、いかがでしょうか。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)吹田議員の再質問にお答えいたします。
ただいまの街路防犯灯の設置状況につきましては、先ほど答弁させていただいたとおりであります。
それから、昨日も答弁させていただきましたけれども、現在、数多く設置されている水銀灯のLED化を進めることによって電気料金が7割ぐらい減になるということでございますから、ランニングコストを考えたときに、これは本当に大事なことだろうと思います。
しかし、今、一遍にそれを切り替えるということになってきますと、財政的な負担が大変大きいものですから、御存じのとおり私としても財政健全化に向けて一つ一つ取り組んでいかなければいけないし、他会計からの借入れに依存しないで予算編成をしていかなければいけない、こういうことでございます。ただ、先ほども答弁させていただきましたが、高齢化や人口減に伴って、やはり町会の運営が大変厳しくなってくると思いますので、いろいろなことを含めて検討してまいりたいと思いますので、御理解いただきたいと思います。
(「議長、4番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)4番、吹田友三郎議員。
○4番(吹田友三郎)このほかにつきましては、予算特別委員会等で質問してまいりたいと思いますので、これで質問を終わります。
○議長(横田久俊)以上をもって、会派代表質問を終結いたします。
次に、久末議員から質疑及び一般質問を行いたい旨の申出がありますので、これを許します。
(「議長、28番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)28番、久末恵子議員。
(28番久末恵子議員登壇)(拍手)
○28番(久末恵子)質問も最後になりまして、皆様お疲れのことと思いますが、少々の時間を下さいますようお願いいたします。
今定例会では、赤岩遊歩道最終取組についてお聞きしたいと思います。
顧みますと、赤岩遊歩道に取り組んで、今定例会で満3年を経過いたしました。赤岩遊歩道整備に取り組んできっかけは、私のボランティアグループの友人が、お地蔵様をお参りの途中、悪路に足をとられ転倒したことでございます。大事に至らなかったので、ほっとしたのですが、このままでは、また利用者や観光客が、と考えたときに、これから観光客誘致を目指すこの山道で、けが人が出ては大変と思い、遊歩道整備の取組に着手いたしました。
国定公園内の小樽海岸では、祝津からオタモイ、塩谷にかけて断崖と奇岩が連なっており、中でも赤岩地区は、世界の高峰を目指すクライマーが集まるロッククライミングの名所であります。残念なことですが、過日事故がありましたが、軽傷であったと聞いております。また、古くから信仰の霊山として多くの信者、修行者が訪れております。
今年も、もう札幌の幼稚園の園児が訪れております。幼児から高齢者まで安全で快適な登山をするために、自然を生かした道路の整備が必要なのであります。国定公園の指定を受けて50年、半世紀にわたって多くの利用者が快い汗を流し、魅力あるすばらしい景色を眺めて、いつまでも思い出に残る遊歩道であってほしいと願っております。
国定公園にあるこの山道を維持するには、何としても国、北海道の理解と協力が必要であります。ある登山専門家は、この道もこのまま放置しておくと、通行閉鎖となると言っておりました。私といたしましても、何としても北海道の御理解をいただきたいと懸命に取り組んでまいりました。
今年度に入り、5月、朗報を耳にいたしました。北海道後志総合振興局から、3年間にわたる公園の整備計画が決まり、初年度の平成26年度には小樽の赤岩遊歩道の整備着工が決定しているとの知らせを受けました。着工時期は、8月と伺っております。一時補修ではなく、恒久的な整備と聞いております。3年間取り組んでまいりました赤岩遊歩道整備事業が安全・安心な登山道として一日でも早く実現することを願うものであります。
このように赤岩遊歩道が整備されるわけですから、多くの観光客や市民の皆さんに利用していただき、美しい海岸の風景と季節の植物などを楽しんでいただきたいと思っております。市としましても、これまで以上に赤岩遊歩道のPRに努めていただきたいと考えておりますが、市としてのお考えをお聞かせください。
この際、一つだけ要望があります。
祝津には、大勢の観光客が訪れております。赤岩遊歩道は、祝津側から登る登山客もおります。山登りを目指している方は、高台にある案内板に目がとまりますけれども、観光客の目には届かない位置にあります。祝津のまちの中で、誰の目にもとまる位置にもう一つ立てていただき、観光客の心を登山口に向けていただけるよう要望いたします。そのときには、外国語も記載してください。これは要望ですので、答弁は結構でございます。
最後に、これまで御協力、御支援をいただきました関係機関及び御協力をしてくださった方に深く感謝申し上げ、これで赤岩遊歩道の質問は終了させていただきたいと思います。
本当にありがとうございました。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)久末議員の御質問にお答えいたします。
小樽海岸自然探勝路、いわゆる赤岩遊歩道について御質問がありました。
赤岩遊歩道のPRにつきましては、昨年度、案内ポスターを作成し、祝津地区の観光施設等での掲示を依頼したところであります。今後、北海道により遊歩道が整備されると、市民をはじめ観光客の皆さんが、より利用しやすくなりますので、今年度は市内3か所の観光案内所にも案内ポスターを掲示するなど、赤岩遊歩道のさらなるPRに努めてまいりたいと考えております。
なお、議員から最後に御要望のありました看板の設置についても検討させていただきたい、このように思っておりますので、よろしくお願いいたします。(拍手)
(「どうもありがとうございました」と呼ぶ者あり)
(議場歓然)
(「一番前向きな答弁が出たんじゃないですか」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)以上をもって、久末議員の質疑及び一般質問を終結いたします。
ただいま上程中の案件のうち、議案第1号については先議することといたします。
本件につきましては、直ちに採決いたします。
お諮りいたします。
原案どおり可決とすることに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
本日は、これをもって散会いたします。
散会午後5時18分
会議録署名議員
小樽市議会 議長 横 田 久 俊
議員 中 村 岩 雄
議員 酒 井 隆 行