開議午後1時00分
○議長(横田久俊)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、千葉美幸議員、安斎哲也議員を御指名いたします。
日程第1、「陳情の取下げ」を議題といたします。
本件につきましては、継続審査中の陳情第323号について、陳情者から取り下げたいとの申出がありました。
お諮りいたします。
陳情第323号の取下げを許可することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、取下げを許可することに決定いたしました。
日程第2、「議案第1号ないし第14号及び第17号ないし第42号並びに報告第1号及び第2号並びに請願及び陳情並びに調査」を一括議題といたします。
これより、順次、委員長の報告を求めます。
まず、予算特別委員長の報告を求めます。
(「議長、27番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)27番、前田清貴議員。
(27番前田清貴議員登壇)(拍手)
○27番(前田清貴議員)予算特別委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
市は、本年4月から施行される自治基本条例の市民周知を図るため、市内3か所で市民説明会を開催したが、参加者は塩谷サービスセンターでの6人をはじめ、どの会場でも非常に少なかったと聞く。
今回の説明会は、いずれも平日の18時から開催されたが、説明会の目的が条例の市民周知であることを考えると、開催日時など、もう少し市民が参加しやすくなるための工夫が必要だったと思うが、市ではどのように考えているのか。
自治基本条例は、市民との協働でのまちづくりについて基本的な考え方やルールを定めたものであり、市民に理解してもらわなければ成立するものではない。市には、今後とも多くの市民に条例を理解してもらえるよう、より一層の取組をしてほしいと思うがどうか。
総合計画の策定については、これまで地方自治法において基本構想を議会の議決を経て定めることが義務づけられていたが、平成23年の法改正によりその規定が廃止され、法的根拠がなくなった。そのため、市では、今後、その策定根拠を本年4月から施行される自治基本条例に置くとしているが、議決の根拠については、いまだに定めがないままである。次期総合計画の策定までに、本市における総合計画の目的と議会の議決を経ることを定めた「総合計画基本条例」の制定を検討してほしいと思うがどうか。
本市に寄せられている空き家の落雪に関する相談のうち、相続人がいないなどの理由で処理がなされていないものについては、市が注意喚起のためロープを張ったり、看板を設置したりするなどの対応を行っていると聞く。空き家も個人の財産であることから、それ以上の対応は行っていないとのことだが、現状では、落雪事故が起きる可能性もあり、もう一歩踏み込んだ対応が必要であると思うが、市はどのように考えているのか。
また、市では、空き家条例の制定に取り組んでいるものの、現在、国においても空き家対策について法制化の動きがあるため、その動向を見ながら検討していくという。しかし、条例制定の話は昨年から出ており、市は増員を含めた体制強化を図るとしているのだから、また雪による問題が生じるおそれのある次の冬に向けて、条例化の動きを早めてほしいと思うがどうか。
市は、条例の制定に向け、まずは増員を含めた組織体制の整備が必要であると考えているとのことだが、空き家対策を有効に実施するためには、どの程度の人員が必要であると考えているのか。
また、市では、国の法制化の動向を見ていきたいとしているが、まずは本市の実情に合わせた空き家条例の内容について議論を進め、法が成立した際には、それまでの議論を踏まえて検討していくこともできると思うがどうか。
法人市民税について、市は、さきの定例会で今後の収入の確保は大変厳しいとの見方をしていたが、今定例会に提出された新年度予算では、一転して対前年度比1億1,760万円の増額を見込んでいる。税収が増えることは歓迎すべきことではあるが、これまでの見通しが一転したのはどのような理由によるものか。
一方、新年度の市税収入全体では、820万円ほどの増加にもかかわらず、地方交付税と臨時財政対策債で5億5,000万円もの減収となっている。地方自治体の一般財源の不足分を賄うのが地方交付税の役割であると考えるが、これほどまでに減額された根拠について、市ではどのように考えているのか。
本年2月1日から道内で労務単価が7.5パーセント引き上げられたことに伴い、市は、工事費の積算額に影響があるものと認識しているという。この上昇分の扱いについては、いろいろな考え方があると思われるが、絶対に必要な事業を予算の範囲内でおさめるよう処理した場合、本来やらなければならないものをやらないということが起こり得るため、市には、そのような事業であれば、何かしらの財源を見つけ、予算を補正してでも必ず実施するという気構えで事業に当たってほしいと思うがどうか。
労務費や資材費の高騰によるインフレスライド条項の対象工事と予算額について、市は、手宮小学校校舎新築工事の10億9,137万円をはじめ、水道局や病院局の発注工事での適用が見込まれるという。この中で、手宮小学校の分については、このたび策定した取扱要綱に基づいた受注業者への通知を行っているのかどうか。
また、受注業者から正式な請求があった場合、その後のスケジュールはどうなるのか。
国は、1月末に急遽この条項の取扱いを各自治体に求めておきながら、影響額への国庫補助はしないとの態度であるが、市は、国が相応の負担を行うよう意見を上げるべきと思うがどうか。
市は、平成25年度補正予算で地域の元気臨時資金基金を設置し、地域の元気臨時交付金を積み立てて、地域経済の活性化及び雇用の創出を図るための事業の資金にするという。この積立金は、平成27年3月31日限りでその効力を失うという時限措置があるものの、地方単独の建設事業に充てるものであることから、確実に建設する前提であれば実施設計も対象になるという。市民から早期の建設が望まれている新・市民プールについて、市教育委員会は、本市の財政状況が厳しいことを理由に、建設場所やランニングコストなどを引き続き検討するとの答弁を繰り返すばかりだが、この積立金を利用することで実施設計を行うことが可能であるのだから、来年度中に新たな土地を検討し、プール建設を進めるという姿勢が必要ではないか。
3月4日、本市の小学校教員が大麻取締法違反の疑いで逮捕されたが、当該校の児童等への影響は大きいことから、市教育委員会には、マスコミ対応などで矢面に立つ校長の過大な負担について組織的にサポートすること、児童に対しては、当該校へのスクールカウンセラーの配置に加え、担任不在による学力への影響が出ないようにすること、学校全体が落ちつかなくなることを考慮して対応すること、また、保護者に対しては、今後の市教育委員会及び学校としての対応や方針を明らかにして、その不安を解消することに努めてほしいと思うがどうか。
市教育委員会は、これまで学力向上の先進地である秋田県のさまざまな取組を取り込んできているが、講演会などに参加すると、特に生活面において本市との差異が見られる。今般、教育行政執行方針において初めて示された「徳」については、児童・生徒の生活習慣に取り組んでいく姿勢を示したものと思うがどうか。
子供たちに、みずからの存在は先人の苦労の下に成り立っており、今後、まちのために役立つ人材として何をしていくべきかを学ばせるため、まずは小樽の歴史から取り組む考えと聞くが、昨今、建国の歴史や自分が住むまちの歴史を知らない住民が増えている中、日本人としての誇りや徳を広げてもらいたいがどうか。
小樽雪あかりの路の際に、中高生のボランティアが恥ずかしがって外国人に英語で話しかけられなかった光景を見たが、今後、小樽が国際観光都市となるためには、子供のころから英語を話すことが当たり前と思えるような環境を整備していく必要性を感じた。そのような中、新年度、実施が予定されている「小樽イングリッシュキャンプ」は、1泊2日で英語漬けの時間を過ごすという事業であり、本市の児童・生徒が英語に興味を持つよい機会になることから、国際観光都市に必要な人材を育成していくためにも、来年度以降も定例的に開催してほしいと思うがどうか。
また、このようなキャンプは、市町村単位では珍しい事業であるから、子育て世代に対して積極的に周知することで、小樽の教育が充実していることをPRするよいきっかけになると思うがどうか。
国は、本年4月からの消費税増税に伴う就学援助に係る方針として、要保護者については、国庫補助における予算単価の引上げを予定しており、準要保護者についても、市町村に対し単価の引上げに準じた適切な支給額の設定を求めていると聞く。
しかし、本市の新年度予算では、編成作業がほぼ終了した後にこうした方針が示されたため、引上げ前の予算単価に準拠して就学援助費が算定されていることから、支給に際しては、国が示す新しい予算単価で支給すべきと思うがどうか。
昨年12月20日、市は、本市では初めてとなる消防法第16条の6に基づく危険物の除去及び取扱いを制限する内容の措置命令を出したという。当該事業所内では、酢酸エチルなどを許可なく貯蔵し取り扱っていたため、作業に伴う可燃性蒸気が常に発生する状況にあったというが、従業員が中毒症状を起こすようなことはなかったのか。
工場で発生する爆発事故は、本年1月の三菱マテリアル四日市工場や、2012年4月の三井化学岩国大竹工場などの例からもわかるように、大惨事に至ることが明らかであるから、市には、今後とも、危険なケースについては、安全性の確保を念頭に置き、速やかに改善されるような指導をしてほしいと思うがどうか。
市内における消火栓と防火水槽の充足率は97.6パーセントであるというが、銭函2丁目、3丁目では少ない印象を受けるほか、水道管が通っていない地域には防火水槽が必要とされている。こういった地域をなくしていくためにも、早急に充足率を100パーセントにする必要があるが、今後、必要とされる消防水利27基の設置には、消火栓1基当たり195万円、防火水槽では1基当たり1,000万円以上の費用を要することから、一度に整備できないことは理解できる。しかし、市民の財産を守るために必要な設備であるから、優先順位の高い地域を見極めながら、しっかりと整備を進めてほしいと思うがどうか。
新年度に行われる企業立地トップセミナーフォローアップ事業では、これまで開催されたトップセミナーを受け、参加企業を訪問するとのことだが、本市での立地につながるよう、企業のニーズを掘り起こし、それに的確に応え、必要に応じて何度でも訪問するなど、市側から積極的にアプローチしてほしいと思うがどうか。
一方、市内には経営体力を失いつつある企業も出てきており、銭函地区では、3月末をめどに自主廃業する企業もあると聞く。同社で働く市民からは、今後について不安の声があることから、市は、再就職先が見つかるよう柔軟に対応してほしいと思うがどうか。
また、市には、企業立地の推進とともに、こうした市内企業が倒産などに至らないよう、既存企業への支援策についても研究してほしいと思うがどうか。
市は、港湾計画で定めた計画を未着手のまま、維持・補修だとしてさまざまな事業を行ってきている。現状、老朽化対策を総合的に進めなければならず、新規事業は着手できないというが、一方では石狩湾新港での耐震岸壁の整備などの近代化に賛成してきている。耐震岸壁は、市長公約の安心・安全なまちづくりからすれば、最優先すべき施設ではないのか。
本港は古い港のため、老朽化に伴う改善や改良を行うことは当然のことであり、今後、予定される港湾計画の改訂後においても、金がないから先送りするなど、計画したことが行われないことになれば、港湾審議会に対する背信行為となるのではないか。
また、港湾整備事業特別会計において、港町ふ頭11号上屋改修事業費が計上されているが、古い上屋からあいている新しい上屋に移せる貨物から移転させるなど、無駄にならない方法の検討は行わなかったのか。
市では、クルーズ客船の寄港に伴う経済効果について調査を行っているとのことだが、これまで日本人乗船客への聞き取りが中心であり、外国人乗船客にはあまり調査をしていないという。今後、大型クルーズ客船の寄港が増加することに伴い、外国人乗船客の増加も予想されることから、今後は外国人から情報を収集する方法を検討し、ニーズに応じたツアーなどの提案を行っていくべきと思うがどうか。
また、市は、地元の旅行代理店に依頼して、小樽ならではの着地型旅行商品を作成し、船会社等に提案していくというが、観光タクシーのドライバーも地元に密着した観光情報を豊富に持っていると聞くことから、アンケートを実施するなど話を聞く機会を設け、その意見を観光プランに反映する方法についても検討してほしいと思うがどうか。
ロリータファッションの愛好家が集まり交流した昨年の小樽kawaiiティーパーティーについては、市が補助した約61万円に対し、広告換算すると1,663万円の効果があったと聞く。このイベントは国内のみならず海外にも広がる可能性が大きいと思うが、昨年の費用対効果も踏まえ、市は、今後の展開をどのように考えているのか。
また、愛好家がいつでも集える「kawaii横丁」のようなところができれば、愛好家だけでなく、小樽のまち並みに溶け込んだロリータファッションを見るために訪れる観光客の増加も考えられることから、市としてkawaiiに関する事業をバックアップできる体制を整えてほしいと思うがどうか。
本市では、通年観光を目指し、閑散期である冬期間における観光客の誘客に向け、さまざまな取組が行われている。中でも最大のイベントである小樽雪あかりの路は、多くのボランティアに支えられ、今年で16回目の開催となった。しかし、イベントは長年行うことでマンネリになりがちであるから、今後はより一層工夫して取り組んでほしいと思うがどうか。
また、おたる水族館の冬期営業など実を結んできた取組もあると聞く。冬季の観光は天候に左右されるなど課題も多いが、いつの時期に行っても小樽は楽しめるところだと観光客に言ってもらえるよう取組を進めてほしいと思うがどうか。
食文化については、市内では当たり前と思われているものでも、例えばお餅屋さんの多さ、焼き肉後のたれをスープで飲むこと、中華料理店でのオムライスなど、市外の方から見れば独自と捉えられるものがある。本市は、運河などの歴史的景観やまち並みを残すことによって観光につなげてきた経過があるが、これら食文化を見直して付加価値をつけていくことで観光や産業振興につなげていけるものと思うがどうか。
また、幾つかの小・中学校においては、これまで小樽の歴史を学ぶきっかけとして食文化の観点から学習してきたと聞くが、若い世代に興味を持ってもらうため、御当地グルメを掘り起こすなど、食文化の勉強から消費につなげる方策についても考えてもらいたいがどうか。
新年度予算における重点施策として、観光物産プラザ屋根改修事業費が計上されている。同館はこれまでにも修繕が行われてきたが、今回、実施しなければならない理由と従前の工事内容との違いは何か。
今後、入札が行われると思うが、予算額の7,400万円の算出根拠はどうなっているのか。
市は、非公表である北海道の営繕単価を使用しており明らかにできないというが、予定価格の設定においては、十分精査してもらいたいがどうか。
観光物産プラザで商品を販売してもらうには、指定管理者である観光協会の会員にならなければならないとの話を聞いた。プラザは市の所有であり、新年度予算には7,400万円の改修事業費が計上されるなど公共性の高い施設であるが、このような取扱いが実際に行われているのであれば、公共性が著しく損なわれているのではないか。
また、学生が3番庫で観光に関する講演会を開催した際、関連する観光ガイドブックを参加者に販売しようとしたところ、営利目的での使用となるため、会場利用料が高くなると言われたという。市は、営利目的の判断が難しいため、物販を伴う際には一律の扱いとしているというが、小樽観光に寄与するというプラザの設置目的に沿った講演会などについては、単純に営利目的とはしないよう、営利の定義を見直すべきと思うがどうか。
本年2月、北海道電力が電気料金の値上げを昨年9月に引き続き再度行うと表明したが、この値上げによる採算悪化を理由に、銭函にある道内大手の電炉メーカーが3月末に自主廃業するとの新聞報道があった。最も危惧されるのは、解雇される約70名の従業員の今後のことであるから、市には、関係機関と連携の上、従業員の再就職先の確保に向け尽力してほしいと思うがどうか。
また、この電気料金の再値上げは、市内経済はもちろん、現在、市が進めている企業誘致にも影響があると懸念されることから、北海道電力に対し、再値上げは慎重に検討するよう市として強く働きかけてほしいと思うがどうか。
中松市長就任以来、商工費の当初予算の規模は、平成23年度、22億7,274万9,000円、24年度、25億560万円、25年度、27億8,641万3,000円、26年度、25億9,600万7,000円と推移している。こうした推移を見ると、市長は財政健全化のため収支均衡予算を組んでいる中で、特に経済対策に尽力していると評価するが、この4年間の対策については、どのようなことに力点を置いて行っているのか。
また、経済対策を進める上では、商工会議所との協力体制を築き、連携していくことが大切だが、その中で、新年度に向けて課題などはあるのか。
学校給食における地産地消を促進する取組として、農林水産省が実施する学校給食地場食材利用拡大モデル事業の公募が2月末に終了したという。市は、このモデル事業の補助要件である六次産業化・地産地消法に基づく地産地消促進計画の策定について、学校給食において地場産物の使用割合を30パーセント以上にするなどの目標設定が必要であるが、本市における農林漁業の従事者数が極端に少なく、条件的に難しいことから、策定は考えていないという。今後、モデル事業の成り行きを注視し、よいものがあれば検討したいというが、条件をクリアし、計画を策定する考えはないのか。
また、学校給食での地元食材の使用拡大を推進するに当たり、どのような課題があるのか。
北しりべし廃棄物処理広域連合では、ごみ搬入車両に過積載が多く見られたことから、受入基準等違反の処分基準を定めたが、これを受け市は、生活系可燃ごみの収集の委託業者に対し、文書による指導をしただけという。市は、過積載は年々減少傾向にあるというが、この5年間、過積載ゼロの月が一度もない実態を考えると、全市的にランダムに起きるのか、それとも地域や車両が特定されるのか、詳しく分析する必要があるのではないか。
また、兵庫県西宮市では、計量器つきのごみ収集車を導入し、過積載の防止とともに地域ごとの数値を住民に示すことで、ごみの減量に役立てていると聞くことから、このような取組を参考に、誰が見てもはっきりと積載量がわかるような具体的な対策を講ずるべきと思うがどうか。
国民健康保険料は、それぞれの地域における実態から独自の保険料を決定することができる。本市は所得割、平等割、均等割により保険料を賦課しているが、全国では平等割を廃止している地域もあると聞く。本市も同様に平等割を廃止した場合、どのような影響があるのか。
また、国保会計における高額な料金体系には、国の補助が大幅に削減されてきたという背景があると考えることから、国庫負担の拡大を国に対し強く働きかけるべきと思うがどうか。
今年度の事業評価において、在宅寝たきり高齢者等理美容サービス事業は、「通常の理美容利用者の利用料金よりも超過して必要となる経費相当額についてのみ補助するなど、受益者負担の観点も含め、事業の見直しを検討すること」として、要改善の二次評価を受けている。この二次評価に沿って同事業が見直されれば、自己負担額が増加し、寝たきりである利用者にとっては重い負担になると思うが、二次評価の過程ではどのような議論がなされたのか。
また、一次評価では、今後、在宅介護の増加が見込まれることなどを考慮し、現状維持と評価しているが、原課では二次評価の内容を受けて、同事業のあり方についてどのように検討していくつもりなのか。
認知症は早期発見の視点が重要であるが、認知症初期集中支援チームの設置における課題について、市は、本市の中部地区包括支援センターの体制強化を優先させなければならないこと、国の補助金の交付条件が厳しくなり、ルール負担分が発生することなどを挙げ、また、道内でモデル事業を実施する他市から、最大の課題は医師の確保と聞くなどしており、第6期介護保険事業計画の中でチームについて位置づけたいという。高齢化が進む本市においては、認知症の家族を抱えて苦労されている方々が大勢いることから、できるだけ早期に支援チーム設置に取り組む必要があると思うがどうか。
ふれあいパス事業に係る利用者負担増について、市は、既に決まったかのような表現でホームページに掲載し、議会審議前との抗議を受けたため取り下げておきながら、広報おたる3月号にも掲載した。あくまでも予定とし、市議会に提案中と断っていると言うが、市民からすれば決定したものと受け取りかねず、議決前のこうした行為は議会軽視ではないか。
また、ふれあい回数券の購入には、これまでのふれあいパスの提示と代金のほか、新たにふれあい回数券購入券が必要としているが、利用者は、これまでも窓口やバス車内での回数券の購入に苦労されており、3点セットを70歳以上の高齢者に強いることが本当に必要なのかどうか。
平成24年度の行政評価には、利用制限をすべきとのニュアンスのことが書かれているが、このことからすれば、回数券購入券の導入は、単なる調査にとどまらず、利用制限を狙ったものではないのか。
新年度、市は、ふれあいパスの利用状況調査を行う予定であると聞く。この調査では、個人を特定できるふれあい回数券購入券と引換えで回数券を販売し、購入券の集計、分析を行うとのことだが、この調査により、具体的にどのような利用実態が把握できると考えているのか。
また、調査に正確を期すには、購入時に購入券が必要なことは理解するが、回数券を降車時に購入するだけでも苦労されている方を多く見かける中、さらに購入券の持参を要するとなれば、利用者に過度の負担を強いることになるから、購入券がない場合でも回数券が購入できるよう、高齢者に配慮した柔軟な対応をしてほしいと思うがどうか。
将来的な人口推計については、国の機関がさまざまな予測を出しており、20年から30年後には出生数が極端に減少する状況にあるという。銭函保育所の新園舎建設工事は、現在見込まれる定員に合わせての建設となるが、今後の人口動態を考えると、将来的に万が一、保育所の役割を終えたとしても、ほかに転用できるような設計にする必要があると思うがどうか。
また、現在では送迎に車を利用する保護者がほとんどであるが、新園舎では駐車スペースの確保に配慮しているのか。
子宮頸がん予防ワクチン接種の法定化により、新年度予算では、各種予防接種費が増額計上されている。しかし、因果関係は示されていないものの、このワクチンによる健康被害が報告されている中、接種に当たり、保健所はこういったリスクが伴うことをどのように市民に説明していくのか。
一方、子供のインフルエンザについては、毎年猛威を振るい、学級閉鎖等も多く発生しているが、市は、法定ではないという理由から、予防接種の公的助成などの予算措置をせず、保護者が高額の接種料金を負担しているのが現状である。
リスクがあっても法定であれば接種を公費負担とし、市民ニーズが多くても法定でなければ助成しないという保健所の考え方は、国が責任を負う法定の施策だけに目を向けており、市民の健康を本当に考えているとは思えないことから、今後はしっかりと市民と向き合い、現状を踏まえた施策を検討すべきと思うがどうか。
喫煙は、本人だけでなく、たばこを吸わない周囲の人にも健康被害を与えるものであり、受動喫煙防止の取組が重要であるから、本市では、5月31日の世界禁煙デーに向けて、広報おたる5月号で禁煙宣言の特集を組むと聞く。市内の学校では敷地内禁煙が増えているというが、子供の健康を守るための対応は、市が責任を持つべきであるから、保健所と教育委員会が協力して、全学校において敷地内禁煙が実施されるよう取り組んでほしいと思うがどうか。
また、現在、保健所では、受動喫煙防止条例の制定に向け、先進地の情報収集を行っているとのことであるから、条例が制定された際には、市として施策を進めるために必要な財政措置をしてほしいと思うがどうか。
市立病院の広報誌では、新市立病院で新たに導入する医療機器の紹介がされていたが、PET-CTやリニアックなどは、がんの早期発見や検査、治療にかなり有効な機器であると聞く。これまで後志圏にはこういった機器がなく、必要とする患者は札幌に行かなければならなかったが、今後は、これらの機器をしっかりと運用することで、新市立病院が小樽・後志の基幹病院となり、圏域内の患者が小樽で治療できるよう努めてほしいと思うがどうか。
また、PET-CTについては、後志のがん診療に寄与するためにも、他の病院からの委託検査などを積極的に受け入れていくべきと思うがどうか。
住宅マスタープランでは、まちなか居住の推進が目標として掲げられているが、中心市街地にある市営住宅の戸数は、市営住宅全体の約2.7パーセントにすぎず、少なく感じる。また、公共賃貸住宅長寿命化計画においても、今後の市営住宅の建替えについては、平成32年度から41年度までの期間に真栄改良住宅で予定されるのみであることから、まちなか居住の推進を図るため、同住宅の建替え前倒しや中心市街地での市営住宅新規建設など、計画の見直しを行うべきと思うがどうか。
一方、本市は銭函地域や石狩湾新港小樽市域での企業誘致を進めていることから、そこで働く人の定住を進めるためにも、北海道薬科大学の移転による空きアパートを借り上げていくことを、住宅施策として考えてほしいと思うがどうか。
街路灯設置費補助金については、毎年5月末の締切りまでに設置を希望する町会などからの申請を受け、交付先を決定しているという。しかし、新たな街路灯設置の必要が生じたのが秋口であれば、既に予算残がなく、補助を受けられないことから、申請の受付時期については、緊急性などに応じて、実情に合わせた対応を望むがどうか。
また、その町会の人は利用しないが、隣接する別の町会の人がよく利用する道路においては、街路灯をつけたくても、当該町会ではそもそも設置の意思がないといった例もあると聞く。利用者が多く夜間の危険性が指摘されている道路については、町会の意思にかかわらず、必要性に応じて街路灯を設置するなど、市には弾力的な運用を考えてほしいと思うがどうか。
新年度から本市で実施される地籍調査事業について、一筆地調査は多額の費用と長い期間を要することから、まずは投資費用に対して調査速度が速い、道路と民地の境界を確定する官民境界等先行調査を実施すると聞く。この調査により道路位置が確定することから、その結果については、市がこれまで蓄積してきた道路台帳とGISにも反映させるべきと思うがどうか。
また、新年度から事業が開始されることや調査内容、実施地域などの情報を早期に市のホームページに掲載し、市民に周知を図ってほしいと思うがどうか。
市内では冬季に柵が壊れている公園が散見される。公園が雪捨場に使用されていることが原因とも聞くが、そもそも除雪の問題であることから、公園緑地課所管の修繕費予算のほかに、雪対策課で修繕に協力できることはないのか。
また、野球場のフェンスの腐食が進み倒壊の危険がある公園も見受けられ、遊んでいる子供たちがけがをするおそれもあることから、限られた予算の中、優先順位はつけづらいとは思うが、ふだんから点検、確認をしっかり行い、緊急性を見極めた上で、必要な箇所の修繕に努めるなど、しかるべき対応をしてほしいと思うがどうか。
除排雪については、ここ数年、市民からの苦情、要望件数が急激に増えていると聞く。実際の除排雪現場に行ってみると、現場の作業員は大変頑張っており、他市町村と比べても、本市の除雪はよい状況にあると感じるが、苦情、要望件数が増えているのはどういう理由によるものか。
一方では、こういった要望に謙虚に応えていく努力も必要であるが、そのためには、空き地を利用した投入排雪によりダンプの輸送コストを削減し、限られた予算の有効活用を図るとともに、各ステーションに出動基準とは別に随時出動可能な機動力のある作業班を設置するなど、きめ細やかに対応できる体制を整えていくことが必要と思うがどうか。
住宅地で雪置場を確保するために、秋田市では、無償で空き地を提供してくれた所有者に、固定資産税を減免しているという。税の減免について財政部は、市全体のコンセンサスが必要であるため、建設部から具体的な相談があった時点で検討するというが、減免額と除雪費の削減額を比較し、トータルとしてコストの圧縮につながるのであれば、選択肢の一つとして考えることができるのではないか。
また、生活道路の除排雪に貸出しダンプ制度を利用する場合、遊休地に雪を堆積することで、ダンプの貸出期間を短縮できるほか、積込みに係る重機費用などの住民負担も圧縮できるなど、市、住民双方にとってコスト削減につながると考える。固定資産税を減免するというインセンティブを与え、遊休地を雪置場として活用することは、地域住民と市の双方にとって有効であるから積極的に検討すべきと思うがどうか。
本年1月、花園小学校と菁園中学校前の歩道を雪堆積場としたため、3学期の始業式までに歩道の確保ができないという事態になったが、市は通学路の除雪を今年度の除雪計画における主な取組目標として掲げたにもかかわらず、今回なぜこのようなことになったのか。
結果的に歩道の確保は始業式に間に合わず、子供たちは、歩道が確保されるまでの間、危険なところを歩いていたことになる。子供たちの安全な通行を保障するためにも、市は、パトロールや委託業者への指示を適切に行い、今後は、始業式前に通学路を必ず確保してほしいと思うがどうか。
雪堆積場においては、雪山を切り崩す作業を見受けるが、現場では多くのトラックが行き交い、一般市民も出入りしていることから、事故発生が懸念される。市は、堆積場の安全管理をどのように行っているのか。
また、堆積場に向かうトラックがバイクと接触事故を起こし、警察が実況見分をしているところを見かけたが、こうした事故や除雪作業中の器物損壊などがあった際、市への報告はなされているのか。
空き家については、全国的な問題となっており、国も対策を考えているが、他都市では行政代執行を含めた条例制定が進んでいる。本市は、ここ20年来、有数の観光都市としてブランド力や訴求力を高めてきており、海が見える高台にある空き家などは別荘としての利用を中心に需要が見込まれる。市は、空き家の情報を持っていることから、例えば公社をつくり、ファンドを組んで資金を集め、改修や改築を行い、ネットオークションで売るといった形のビジネスで空き家解消に先進的に取り組んでみてはどうか。
また、この取組は、中古物件を格安で売るという観点からすれば、所得の低い若い人たちに持家を持って住みついていただく助けともなる。ビジネス分野出身の市長にはぜひ検討してもらいたいがどうか。
バリアフリー法の基本方針に基づくバリアフリー化の検討状況について、JR北海道は、小樽市内で基準に該当する3駅を含めた道内の駅を、平成32年度までに実施することを念頭に検討しているが、現段階では具体的な内容は示すことができないとしている。道内では、近年、実施された駅がない状況で、平成32年度までに全て行うというJR北海道の回答は非常に無責任だと思うが、市は、JR北海道と交渉を行う際に、バリアフリー化を進めてほしいという立場で臨んでいるのか。
本市の財政状況を考えると、JR北海道の対応を待っていては、いざバリアフリー化を進めるとなったときに、すぐに実行に移せるのか疑問がある。このことからも市が主導的に交渉などを進めていく必要があると思うがどうか。
現在1億2,000万人以上いる日本の人口は、2100年には4,771万人まで大きく減少する見込みであり、本市においても同様と思われる。現状のままでは、人口減少で郊外に広がる住宅地が歯抜け状態になり、地域の商店や病院、公共交通機関などの撤退に伴う買物難民の発生や公共サービスの低下により、さらなる人口減少を招きかねないことから、一定程度の購買力がある人口密集地域を計画的につくり、人口減少率を抑えていくことが必要と思うがどうか。
計画的に人口密集地域をつくるということは土地の用途変更が必要になることもある。用途変更の実施には利害関係が絡むこともあり難しい対応を迫られる場合もあると思うが、それを乗り越え、人口減に対応したまちづくりを計画的に進めてほしいと思うがどうか。
本市の水道料金の基本料金は、1か月につき10立方メートルまでを基本水量としているため、入院などで長期間にわたり使用しなかった場合でも支払わなければならない現状である。このことについての市民や議員からの質問に対し、基本料金には固定費が含まれているから市民がひとしく負担するものであるとの説明で一蹴する水道局の態度は、誠実さに欠けていると言わざるを得ない。条例で定められている基本水量と実態とを比較し、使っていない水の料金を支払うことに疑問が出るのは当然であるから、このように欠陥のある現行の料金体系は改善すべきではないか。
また、平成8年度に約20億円あった累積欠損金が23年度に解消されたことについて、市は、人件費の削減や浄水場の見直しなどの企業努力によるものと言うが、過大に設定した水道料金を市民から徴収し、返還に充ててきたことは明らかであるから、累積欠損金が解消された今、料金は引き下げるべきではないか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、議案第1号につきましては、小貫・新谷両委員から修正案が提出されましたが、採決の結果、修正案は賛成少数により否決、原案は賛成多数により可決と決定いたしました。
次に、議案第2号ないし第14号、第17号、第22号及び第28号につきましては、採決の結果、賛成多数により、いずれも可決と決定いたしました。
次に、その他の各案件につきましては、議案はいずれも可決と、報告はいずれも承認と、全会一致により、決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)次に、議案第1号に対して、小貫議員ほか4名から修正案が提出されておりますので、提出者から趣旨の説明を求めます。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)21番、新谷とし議員。
(21番新谷とし議員登壇)(拍手)
○21番(新谷とし議員)日本共産党を代表して、議案第1号平成26年度小樽市一般会計予算に対する修正案の提案説明を行います。
安倍政権によるアベノミクスの経済政策で、諸物価は上がり、平均灯油価格は3月に入っても100円を超し、プロパンガスも値上がりし、ガソリン価格も依然として高いなどで、市民の生活は厳しさを余儀なくされています。
また、ハローワークの情報による小樽管内の2013年12月と2012年12月の賃金比較では、2013年は、有効求人倍率は上がっているが、新規求人の賃金は2012年より下がっていること、小樽商工会議所との懇談の中でも、小樽市の雇用者の平均賃金は220万円程度だという発言など、景気の回復を実感できない状況にあります。
さらに、4月からの消費税増税、年金受給額の引下げ、前期高齢者の医療費窓口負担の増などの社会保障改悪で、総額10兆円もの国民負担増がかぶせられます。多くの市民が生活の不安を訴え、商売をしている方々からは、消費税が増税されたら商売をやめざるを得ないという声が聞かれます。消費税増税は、消費を冷え込ませ、景気を一層悪化させることになります。
こうした国の地方いじめや国民いじめに対して、市長提案の予算案は、ふれあいパスの乗車料金の引上げ、水道料金・下水道使用料、市営住宅の駐車場使用料への消費税増税分の上乗せなど、国の悪政の防波堤にならずに、さらに市民負担を強いるものとなっています。学校給食費の値上げも、子育て世代への負担増です。
我が党の修正案は、石狩湾新港などの無駄な事業を削り、有価証券の売却、基金の活用、また、議員報酬、市長及び副市長の特別職並びに教育長の給与費を現行どおりに据え置くこと、消防署塩谷・長橋両出張所を統合しオタモイ出張所とした場合、塩谷の最も遠いところまで3分も着くのが遅くなることなどから、もっと検討が必要で、基本設計委託料のみ減額を行いました。これらの財源で、住民の福祉の向上という地方自治体の役割を果たすための最低限の修正を行うものです。
以下、提案内容を説明します。
臨時雇用者賃金は、2014年新卒の高校生の就職状況が前年度よりよくなっているとの市の説明から、新卒で未就職の高校生を小樽市の臨時職員として10人分を計上しました。
平和事業関係経費では、長崎屋での原爆パネル展や被爆地広島に子供2名と大人1名を派遣し、平和について学んでいただきます。
冬期特別支援事業費は、年金が下がる一方で、灯油価格が高く、悲鳴を上げている高齢者や障害を持つ低所得の市民に、ふれあい見舞金として3,000円、福祉灯油として5,000円を6,000世帯に支給します。これに要する費用は4,800万円、このうち1,000万円を社会福祉事業資金基金から充てます。
高齢者の生きがい対策のふれあいパス事業費は、1乗車100円のワンコイン負担にします。財源は過疎地域自立促進特別事業債を充て、市長提案の予算案にさらに2,000万円を上積みします。
国民健康保険料は5割軽減、2割軽減世帯が増えることから、国民健康保険加入世帯2万1,379世帯に、1世帯につき年間5,000円引き下げ、介護保険事業は、保険料の基準額となっている第4段階5,460円を5,000円にし、第4段階以下の保険料を同率で引き下げ、低所得者に助成、就学前児童の医療費全額助成で子育てを応援、消費税増税の影響を大きく受ける小事業所に限度額50万円、年度末一括返済で無利子のかけこみ緊急資金貸付金を創設し、事業経営を応援します。
地元経済活性化につながる住宅リフォーム助成事業費を5,120万円に引き上げ、希望する市民に補助金が当たるようにすることで、地元の請負業者に仕事が回ります。
署名が3万6,067筆も集まり、多くの市民から室内水泳プールの存続を求める声と、全国からもプール存続を求める声が寄せられたにもかかわらず、その声を潰してプールを廃止し、その補償金6億8,000万円を得たのに、その一部もプール建設に残さずに民間が行った駅前再々開発に流用した市の責任は重大で、市が責任を持って土地を探し、市民のためのプール建設をすることが、市が負う責任です。小樽市総合計画前期実施計画で唯一実施しなかったプールの基本設計、実施設計を行い、市民の負託に応えるものです。このうち、実施設計は、3億5,719万9,000円積み立てている地域の元気臨時資金基金を充てます。
少ない財源でもいろいろと工夫し、市民や中小業者応援のために役立てる予算修正案に他会派、無所属議員の皆さんの賛同をお願いいたしまして、提案説明といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、修正案を含め、一括討論に入ります。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
(7番小貫元議員登壇)(拍手)
○7番(小貫元議員)日本共産党を代表して、委員長報告に反対し、ただいま新谷議員から提案説明されました議案第1号に対する修正案は可決、原案否決、議案第2号ないし第14号、第17号、第22号及び第28号の否決を主張して討論を行います。
最初に、議案第1号小樽市一般会計予算及び修正案についてです。
本年4月からの消費税率の引上げが予定されています。そして、復興特別法人税は1年前倒しで廃止されます。ですが、住民税への上乗せは新年度から開始されます。
消費税増税について、政府は社会保障のためといいます。しかし、その一方で、防衛費は2年連続の増で2.8パーセント増額、大型公共事業も続けられています。
その一例が国直轄事業の石狩湾新港北防波堤工事です。今年度比3倍の予算が新年度、計上されています。港湾内の静穏度を確保するためといいながらも、この工事で静穏度を確保する岸壁はマイナス14メートルバースであり、王子エフテックス株式会社が専用状態で利用している岸壁です。しかも、現在の荷役作業に支障を来していません。小樽市財政も北海道の財政も大変なときに、このような工事は、せめて凍結すべきです。
また、近年、灯油価格が高い状態が続いています。冬の暖房が欠かせない小樽市で、灯油高により生活が圧迫されている低所得者に対して、市は福祉灯油の実施を拒んでいます。この対応はあまりにも冷たすぎます。
東日本大震災から3年が過ぎ、被災者のなりわいの復興が何より求められています。このような状況で、政府は、札幌延伸を含む整備新幹線建設に向けて足を踏み出し、在来線の経営分離が行われようとしています。今までまともな線路の管理をしてこなかったJR北海道ですが、在来線の経営に責任を持つべきであり、在来線の切捨ては許されません。札幌延伸は見直すべきです。
市は、新年度からふれあいパス事業を値上げし、消費税増税分を丸ごと市民にかぶせようとしています。ふれあいパス事業は、高齢者の社会参加を応援するために始まった事業です。その精神から逆行しています。ふれあいパス事業は、自己負担を100円ワンコインにして、制度の充実を図ることが市には求められています。
次に、議案第5号小樽市国民健康保険事業特別会計予算についてです。
ほかの健康保険と異なり、事業者負担がない国民健康保険は、国の責任が非常に大きいものであります。ところが、小樽市国民健康保険事業への国庫負担の割合を10年ごとに見ますと、1983年度は44億4,000万円で58パーセント、1993年度は53億9,000万円で36パーセント、2003年は49億5,000万円で28パーセント、2012年度は38億9,000万円で23パーセントです。この国庫負担の減少が、加入者の国保料の負担増につながっています。国に国庫負担の増額を求めるとともに、法定外繰入れで国保料の軽減を図ることが必要です。
次に、議案第6号小樽市住宅事業特別会計予算についてです。
市営住宅には入りたくても入ることができないのが現状です。小樽市は、需要があるにもかかわらず、市営住宅を減らしてきました。また、公共賃貸住宅長寿命化計画の中で決めた畳の表替えや階段室の塗装などの事業にも取り組まずにいます。さらに、特定目的住宅の申込みも指定管理者に丸投げしています。特定目的住宅に申し込む方の多くは、福祉事業の対応も必要な方です。単なる住宅の申込みだけではなく、総合的な対応をするためにも市が責任を持つことが必要です。
次に、議案第7号小樽市簡易水道事業特別会計予算、議案第17号小樽市一般会計補正予算、議案第22号小樽市簡易水道事業特別会計補正予算についてです。
今年度からの簡易水道事業では、地下水利用組合が加入することを前提に料金設定されました。しかし、現在の地下水と比べれば大きな負担になるため、簡易水道への切替えが行われていません。
もともと地下水の揚水計画は北海道の指導の下、行われてきました。北海道が赤字分に責任を持つことを求めます。
地下水利用組合の企業は、単価130円ならと提案しているわけですから、まずはその単価で料金をいただいて、不足分を北海道が負担するよう交渉を続けることが、小樽市の繰入金を減らしていくことにもつながります。
次に、議案第8号小樽市介護保険事業特別会計予算についてです。
市内の介護保険の認定者は、介護保険がスタートした2000年は4,209人、2014年は9,746人と推計されており、制度の必要性と重要性は高まっています。一方、保険料は、年間3万7,080円から6万5,520円と170パーセントに引き上がっています。国において訪問介護の生活援助の見直しが行われ、市内からも、利用者とコミュニケーションがとれないなどの意見が出されています。介護保険は、保険給付が増えれば、それだけ利用者負担にはね返ります。低所得者は利用料が払えないために介護保険料を払っても利用できない実態があります。国の負担割合を増やしていくことは当然ですが、低所得者への支援策を拡大し、市民負担軽減を行うことを求めます。
次に、議案第10号小樽市後期高齢者医療事業特別会計予算についてです。
後期高齢者医療制度は、年齢で医療保険制度を区別する差別的医療制度であり、制度そのものを廃止すべきです。しかも、2年に1度の保険料改定で保険料は上がり続けており、日本共産党は保険料の値上げに反対してきました。2014年度と2015年度の保険料は平均で1,053円下がる見込みですが、今朝の新聞報道にもあるように、所得の低い人の保険料は上がることになっています。引上げになる9割軽減の小樽市内の対象者は6,132人、後期高齢者の27.5パーセント、8.5割軽減は3,408人、15.3パーセントです。合わせて43パーセントの方々の保険料が上がり、認めることができません。
次に、議案第11号小樽市病院事業会計予算についてです。
市立病院では、DPC制度を導入しており、入院の場合、日数が増えるほど報酬額が下がっていきますから、患者の回転を速くするほど収入増になる仕掛けです。必要な医療までカットすることも懸念されます。
病院給食の委託の問題です。給食を委託するとなれば、病院職員が献立をつくるのではなく、委託業者がつくることになり、医療の一環としての栄養提供が損なわれます。個別の患者について、改善点を直接指導すれば偽装請負とも受け取られかねません。患者のためによりよい食事を提供しようとすることができなくなるシステムが給食委託です。
次に、議案第2号小樽市港湾整備事業特別会計予算、議案第3号青果物卸売市場事業特別会計予算、議案第4号水産物卸売市場事業特別会計予算、議案第12号小樽市水道事業会計予算、議案第13号下水道事業会計予算についてです。
税の原則は、収入に応じて税を納め、生活必需品には税をかけない生計費非課税が原則です。その原則から言えば、低所得者も高所得者も同じ税率で課税され、低所得者の負担が重くなる消費税は悪税だと言わなければなりません。そして、その税金が引上げになるときに、水道料金や下水道使用料に代表される企業会計や特別会計における消費税転嫁をやめれば、市として政府が行う市民いじめから市民を守ることができます。そして、そのことが消費者である市民の購買能力を確保し、市内経済の冷え込みを押さえることにつながります。
次に、議案第28号小樽市特別職に属する職員の給与条例の一部を改正する条例案です。
増税が行われる中で、市職員の給与復元は当然の話ですし、日本共産党は、一般職の給与削減の提案があったときに反対し、復元を求めてきました。
しかし、小樽市の財政状況は決して好転していませんので、市議会は報酬復元を見送りました。特別職の給与復元は取り下げたほうがいいです。
そもそも市財政を苦しくしてきた大きな要因は、地方交付税が削減されてきたことにあります。それなのに政権についた自民・公明の両党は、地方の実態を見ずに、またもや地方交付税の削減を行っています。
しかも新年度は、地方交付税の精神をゆがめる制度が持ち込まれています。2013年度限りの地域の元気づくり事業費が500億円増額され、地域の元気創造事業費として一般行政経費に移されました。3,000億円分を行革努力で算定し、残る500億円を地域経済活性化分として成果を反映させるとしています。
しかし、地方では行革努力を成果に結実させることは容易ではありません。この見合いで歳出特別枠が削減されました。地方交付税制度は、全ての自治体に安定した運営を保障するための制度であり、時の政府の政策誘導は交付税制度の精神をゆがめるものです。制度を改めて、地方が真に必要とする事業費として計上すべきです。小樽市は、政府に対して、しっかりと意見を言い、地方財政の充実を求めていくことが必要です。
以上、各議員の賛同を呼びかけて、討論を終わります。(拍手)
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)6番、安斎哲也議員。
(6番安斎哲也議員登壇)(拍手)
○6番(安斎哲也議員)一新小樽を代表し、第1回定例会議案第28号小樽市特別職に属する職員の給与条例等の一部を改正する条例案の否決の討論を行います。
この改正案は、特別職等の給与について、現在の独自削減を、市長は30パーセントから15パーセント、副市長は18パーセントから9パーセント、教育長は13パーセントから6.5パーセントに、半分に縮小するものです。
新年度予算では、会派としても次世代に対する施策の強化を要望していた中、市の重点施策として、新たに「次代を担う子どもたちへの取組」を位置づけ、子育てや教育予算に目を向けて予算配分をしたことを評価しております。
しかし、市の財政は、累積赤字が解消されたとはいえ、財政調整基金の取崩しによっての予算編成の上、他会計基金からの借入れもまだ残っており、市長がおっしゃるように財政再建の入り口にあります。この財政状況を鑑み、議員も報酬については、今任期中は現状の削減を維持することにしておりますので、どうか市長、副市長、教育長にも一緒におつき合いいただきたいと思っております。
今任期中の給与の独自削減の半減は見送り、改選後の判断に委ねることとし、議案第28号は否決とすることに、議員各位の賛同をお願いし、討論といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、議案第1号に対する修正案について採決いたします。
修正案を可決とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立少数。
よって、否決されました。
次に、議案第1号の原案について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、議案第28号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
(発言する者あり)
次に、議案第2号ないし第14号、第17号及び第22号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、総務常任委員長の報告を求めます。
(「議長、27番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)27番、前田清貴議員。
(27番前田清貴議員登壇)(拍手)
○27番(前田清貴議員)総務常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
市は、防災訓練支援事業として、各町会等での避難訓練の実施を支援すると聞くが、これまでの実績と新年度に向けた問い合わせの状況はどうか。
東日本大震災から3年が過ぎ、時間の経過とともに防災意識の低下が心配されることから、随時、町会と連絡をとりながら、1件でも多く実施してもらいたいがどうか。
また、防災ラジオについては、現在、164台を配付済みとのことだが、配付手段はどのようにしたのか。
今年度、防災ラジオの配付を受けた方の中から、ラジオは不要との声を聞き残念に思っているが、一方、危機感を持って避難訓練に取り組んでいる沿岸部では必要性を感じた。新年度においては、必要としている人に対して、ほかの沿岸部の自治体の事例を参考に、ラジオの有償配付を行うほうが有効な防災対策となると思うがどうか。
また、災害時の情報収集に不安がある高齢者に対しては、住民要望のある野外スピーカーの設置では聞こえないおそれがあることや、メンテナンスを含めた費用を考慮すれば、ラジオの有償配付のほうが現実的と思うがどうか。
国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2035年の本市の推計人口は、5歳から9歳までと25歳から44歳までの年齢層において、推計封鎖人口と比べ2割ほど少ないことから、小学校入学前後の子供がいる世帯の転出が多いと推測できるが、市はこの原因を把握していないという。今後、子育て世代の人口流出に歯止めをかけるためには、こうした転出の原因を突きとめた上で対策をとる必要があることから、市として原因を掘り下げて調べてほしいと思うがどうか。
北海道新幹線の札幌延伸については、同時期に工事実施計画が認可された北陸新幹線や九州新幹線に比べ、建設工事が遅れているように思えるが、市はこれらの新幹線建設の進捗状況をどの程度把握しているのか。
また、札幌までの延伸工事については、現在、平成47年度末に完成予定とされているが、早期に開業できれば、本市にもより大きな経済効果が期待できることから、市は、早期開業に向けて財源が確保できるよう国に働きかけてほしいと思うがどうか。
市は、老朽化した施設の除却のため、公共施設等総合管理計画を策定の上、地方債の特例措置を利用し、財政負担の平準化や軽減を図りたい考えと聞く。今後、耐震診断の結果、市民会館や市本庁舎など、多くの施設において厳しい状況が見込まれるが、市としての意思決定はどこでどのようになされるのか。
また、財源がない中、優先順位をつけて取り組んでいかなければならない以上、市長判断を求めるに当たって、妥当な順番を検討しておかなければならないのではないか。
市本庁舎をはじめ、市が管理する施設には、目的外使用許可を出し、おおむね102台の自動販売機が設置され、使用料を得ているという。一方、他都市では、通信事業者と連携し、市の施設に無料公衆無線LANと災害時に非常食の乾パンを供給する機能を備えた自動販売機を設置している例があると聞く。自動販売機からの収益を受け取らず、電気料金などは事業者負担とのことだが、これはニーズの高い無料通信環境の整備と防災が結びついた一石二鳥にも三鳥にもなる取組であることから、本市においても取り入れるべく検討してもらいたいがどうか。
学校給食費は4月から改定するというが、小麦価格の上昇により、パンの単価が上がる中、単価の低い米飯給食については、道内における委託炊飯実施校中、約9割が週3回以上の実施であるにもかかわらず、本市は週2回であり、少数の1割に入っている。また、私会計で行う学校給食費の繰越金は2,000万円を超えている。市教育委員会は、米飯給食を増やすことや繰越金を活用することによって給食費を圧縮する検討を行ったのかどうか。
さまざまな値上げが直撃する子育て世代への影響を考慮し、公会計化の上、一般会計からの繰入れを検討すべきと思うがどうか。などであります。
なお、閉会中の2月13日に開催されました当委員会におきまして、石狩湾新港管理組合の協議案件について報告がなされ、質問が交わされております。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、議案第41号につきましては、採決の結果、賛成少数により、否決と決定いたしました。
次に、議案第37号並びに陳情第2号ないし第145号、第151号ないし第280号、第283号ないし第289号、第293号ないし第308号、第319号及び第325号ないし第739号につきましては、採決の結果、賛成多数により、議案は可決と、陳情はいずれも継続審査と決定いたしました。
次に、その他の各案件につきましては、議案はいずれも可決と、所管事務の調査は継続審査と、全会一致により決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
(7番小貫元議員登壇)(拍手)
○7番(小貫元議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、議案第37号は否決、議案第41号は可決、陳情第2号ないし第145号、第151号ないし第280号、第283号ないし第289号、第293号ないし第308号、第319号及び第325号ないし第739号は、可決を主張して討論を行います。
最初に、議案第37号小樽市消防手数料条例の一部を改正する条例案については、消費税率の引上げを転嫁するものであり、否決を主張します。
次に、議案第41号小樽市非核港湾条例案についてです。
1982年6月に、小樽市は核兵器廃絶平和都市宣言を行いました。当時は、米ソ対立の世界であり、核兵器の廃絶は究極的課題として、最終的にはなくしていくが、核を持ち続けるという核軍縮の問題として扱われてきました。このような社会情勢の中で、小樽市の宣言は、「いま、核兵器の廃絶、使用禁止は、もっとも緊急な課題であり」と位置づけ、核廃絶の運動を後押ししてきました。
核廃絶を求める声に押されて、核保有国の究極的廃絶論が破綻し、核兵器廃絶の明確な約束をせざるを得なくなり、段階的アプローチへと態度を変え、核兵器保有に固執しています。このことは、国際世論に背くものだと批判が強まっています。このように、核兵器をなくしていく最大の力は、世論の広がりです。
2月にメキシコで開かれた核兵器の人道的影響に関する会議において、議長のまとめでは、兵器は法的に禁止されて廃絶されてきた、これこそが核兵器のない世界をつくる道筋であると述べられました。これは、毒ガスについては1925年に使用禁止の議定書が作成され、生物兵器については1975年に禁止条約が、化学兵器については1997年に禁止条約が発効していることが背景にあります。最大の非人道的・残虐な兵器である核兵器の廃絶は、小樽市の宣言にあるとおり緊急の課題であり、世界世論もそのように変化してきました。
世界最大の核保有国であるアメリカは、軍艦に核兵器を積んでいるかどうかは戦略上明らかにしていません。広島、長崎と二度にわたって残虐的兵器の被害を受けてきた日本にとって、核兵器の持込禁止は、本来、国が取り組まなければならない課題です。しかし、国は、被爆国でありながら、アメリカの核の傘にしがみついています。ですから、国に頼らず、地方自治体として核の持込みを許さないためには、条例で定めるしかありません。世界で広がる運動と連帯し、核廃絶を求める世論を広げていくために条例案の可決を求めます。
陳情第2号ないし第145号、第151号ないし第280号、第283号ないし第289号、第293号ないし第308号、第325号ないし第739号についてです。
陳情者が新・市民プールの建設候補地として提案していた旧税務署敷地が競売にかけられ、売れてしまいました。教育委員会が市民の声に耳をかさず、購入を検討してこなかったことは、市民に対する背信行為です。
日本共産党は、新・市民プール建設の実施設計までを行う予算修正案を提案しました。この予算修正案の前提として、建設地の確保を新年度中にする必要があります。委員会では、建設候補地も提案しました。今年度中の実施設計という市民との約束を破ってきた教育委員会は、その反省に立って、早期に建設地を見つけ、建設に踏み出すべきです。
次に、陳情第319号についてです。
消費税が増税される動きの中で、家族経営などの商店などでは、コストの上昇などに向き合いながら、一つ一つの経費を節約して、客のために家族で働いています。青色申告をすれば認められるものが、白色申告では、その働きが正当に認められず、前時代的な制度をそのまま残している条文が、所得税法第56条であり、道内でも48の自治体が廃止を求める意見書を提出しています。
いずれの陳情も願意は妥当であり、議員各位の賛同をお願いいたしまして、討論といたします。(拍手)
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)17番、佐々木秩議員。
(17番佐々木秩議員登壇)(拍手)
○17番(佐々木秩議員)民主党・市民連合を代表し、委員長報告に反対、議案第41号小樽市非核港湾条例案に賛成の立場で討論をします。
アメリカ合衆国が太平洋マーシャル諸島のビキニ環礁で行った核実験で、付近で操業していた日本のマグロ漁船第五福竜丸の乗組員23人が被爆した事件から今年で60年になります。アメリカはこの海域でさらに計67回の核実験を行い、延べ1,000隻の日本漁船が被災したといわれますが、実態は今も解明されていません。
減少傾向にあるとはいえ、今なお世界には1万7,000発を超える核兵器があり、アメリカのオバマ大統領は、5年前に核なき世界を目指すと演説しましたが、その実現への道のりはなお遠いのが現状です。
しかし、世界では、非核保有国による核廃絶への粘り強い取組が続いています。この2月にはメキシコで、日本など146か国が参加して、核兵器の人道的影響に関する会議が開かれました。その議長総括では、核兵器の使用や不慮の爆発が健康や経済活動に長期にわたって深刻な影響を及ぼすことを指摘しています。核兵器廃絶平和都市宣言を掲げる小樽市としても、核廃絶を目指すこれら国際的な取組と連携し、少しでも核なき世界へ前進できるよう、核保有国への訴えを重ねていきたいところです。
小樽市においても、これまで市民の安全・安心を守るための取組が続けられています。これまでの米艦入港時の対応は、神戸方式のような核持込みの完全な歯止めには至らないものの、評価すべき点が多いと、港湾を有する他の自治体の市民から認められています。例えば、本市では米艦入港希望の1か月以上前に連絡があった時点で情報が公開されていますが、他の港湾では1日前という例もあります。
また、小樽港では、港湾管理者である市長名で、外務省及び在札幌米国総領事館に核兵器搭載の有無を文書で照会し、返事も受け取っています。
2000年、当時の山田小樽市長は、空母キティホークの入港は認めましたが、随伴艦ヴィンセンスはバースがあいていないことを理由に入港を拒否、さらに港湾内の錨泊も認めず、その後、たびたびの寄港は市民に不安を与えると不快感を表明しました。それにもかかわらず、翌2001年2月、さらに米艦ジョン・S・マッケインが入港を求めたのに対し、市民感情への配慮を理由に拒否しています。当時の山田市長がこのような対応ができたのも、それまでの平和と安全を求める多くの市民の声に支えられてのことであったとお聞きしています。
このような、これまでの本市の平和を求める長年の努力の成果を形にして表すのが、この非核港湾条例案です。この制定により、全国や世界の核廃絶の動きと、さらにシンクロしていくことができます。
また、今年の小樽港へのクルーズ客船寄港数は延べ37回と、過去最多になる予定です。米艦入港は、冬季が多いとはいえ、今後、寄港時期が重なる可能性が高まります。観光客の皆さんは、港に着いた途端、隣に核搭載の可能性のある米艦、戦争、大量殺りく兵器という、暗く厳しい現実を目の当たりにすることを望むでしょうか。明らかに本市の平和な観光都市というイメージとは相入れないものです。
改めて小樽市非核港湾条例案に御賛同をよろしくお願いいたしまして、討論を終えます。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、議案第41号について採決いたします。
委員長報告は否決でありますので、原案について採決いたします。
可決と決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立少数。
よって、議案は否決されました。
次に、陳情第2号ないし第145号、第151号ないし第280号、第283号ないし第289号及び第294号ないし第308号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、議案第37号並びに陳情第293号、第319号及び第325号ないし第739号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、経済常任委員長の報告を求めます。
(「議長、3番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)3番、中村岩雄議員。
(3番中村岩雄議員登壇)(拍手)
○3番(中村岩雄議員)経済常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
オタモイ海岸の早期整備については、市議会に陳情が寄せられるなど、市民からの要望の声も上がっている。しかし、市は、平成18年度に実施したオタモイ海岸急傾斜地調査業務の結果や、昨年も崖崩れが発生したことなどから、崩落の危険性があり、景観を維持したまま抜本的な安全対策を行うのは難しいとして、対策を行ってこなかった。しかし、昨年の崖崩れは、安全対策を講じていない民有地で発生したものであり、崖崩れが起きたという事実だけをもって開発ができないと判断することは、筋の通らない話であると思うがどうか。
また、オタモイ海岸は国有地と民有地の区分が判然としない部分があることから、安全対策や開発については、民有地も含めて考えていかなければならない問題だと思うがどうか。
市は、東京と大阪で開催した企業立地トップセミナーのフォローアップ事業として、セミナーに参加した企業を訪問すると聞く。参加企業に対し、本市の優位性をアピールし、アプローチを行っていくことは非常に重要なことだが、企業が求める情報はさまざまであり、相手企業への事前の情報収集を誤るとアプローチのミスマッチになってしまう。そうならないよう、市では、事前の情報収集についてどのような方法を考えているのか。
また、銭函地区などに大きな企業を誘致することができれば、経済効果や雇用対策の面で有効だと思うが、市内中心部に中小企業を誘致することも本市経済の活性化には効果があると思われることから、市には、大きな企業に限らず、そういった企業の誘致にも努めてほしいと思うがどうか。
小樽港港湾計画改訂の基礎資料となる今後の物流・産業動向を踏まえた小樽港の役割について、現在、小樽港研究会が七つのテーマに沿って検討を進めていると聞くが、その中には、小樽港へのアクセスに関して、具体的に検討する項目がないという。小樽港の将来を検討する上では、交通ネットワークの整備は重要であると思われることから、現在検討中の七つのテーマのほかに、小樽港を中心とする交通ネットワークの整備についても研究してほしいと思うがどうか。
また、第3号ふ頭及び周辺再開発計画(案)の中では、3か所の親水施設を整備することを計画していると聞く。親水施設は市民や観光客に水辺を楽しんでもらうためには有効な施設だが、同時に水難事故が起きる危険性もあることから、整備を行う際には、市民や観光客の安全を最優先に考えた施設にしてほしいと思うがどうか。
今年度で3回目を迎えた小樽フィルムセッションは、前回に比べ、作品の応募者数や上映会の入場者数が増加したと聞くが、市では作品募集や上映会開催についてどのようなPRをしたのか。
また、応募作品はショート作品であることから、小・中学校の昼休みの時間に放映することも可能と思われる。児童・生徒が、小樽の魅力を再発見するとともに、芸術・文化に触れるきっかけとなることから、DVD化し、各学校に配付することを検討してほしいがどうか。
さらに、市民や観光客に向けて、本庁市民ホールのコミュニティビジョンや観光物産プラザで放映することもおもしろい試みであると思うがどうか。
梅ヶ枝・末広地区においては、済生会小樽病院の移転により、病院前のバス通りから商店の閉店が相次ぎ、人通りや交通量も大きく減少するなど、地域の衰退が著しいと感じる。聞くところによると、跡地には病院を併設した老健施設が建設されるとのことであり、今後に期待をしているが、一方で、バス通りの先に続く、赤岩の自然探勝路に向かう観光客が多くなれば、通りの交通量も増え、さらなるにぎわいにつながるものと考える。自然探勝路については、来年度から北海道による整備が行われるとのことであり、より利用しやすい環境が整うことから、多くの観光客が探勝路を訪れるよう、市には、これまで以上に積極的なPRに努めてほしいと思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、陳情第290号につきましては、採決の結果、賛成多数により、継続審査と決定いたしました。
次に、所管事務の調査は継続審査と、全会一致により決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、討論に入ります。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
(22番北野義紀議員登壇)(拍手)
○22番(北野義紀議員)日本共産党を代表し、ただいまの委員長報告に反対し、陳情第290号国定公園「ニセコ・積丹・小樽海岸」の中心地区「オタモイ海岸」の早期整備方については、採択を求めて討論を行います。
今定例会で陳情第290号の採択を求めて質問したところ、この陳情の代表者である小樽史談会会長が堀耕さんから中田貞蔵さんに変更となったので、陳情第290号のこともあるので、産業港湾部が挨拶に行ったとのことでした。新しく陳情の代表者になられた中田貞蔵さんに陳情第290号の審議経過を説明し、2007年のオタモイ海岸急傾斜地調査業務の概要版をお渡ししてきたとのことでした。もちろんそのとき、陳情を取り下げてほしいということで来たわけではありませんと、ちゃんとお断りをしてきたとの弁明までしておりました。しかし、オタモイ開発は危険なので行わないという、その根拠としている調査業務を概要版とはいえ、渡してきたということは、願わくば取下げを期待してでのことではないのかと思わざるを得ません。
オタモイ海岸の安全対策の経緯を子細に検討してみますと、2006年の崖崩れを口実に小樽市がオタモイ観光開発を放棄していることがいかに無責任であるかが浮き彫りになります。
1977年から1983年、昭和52年から58年にかけて、小樽市は、オタモイ海岸環境整備事業を行い、弁天閣食堂解体、遊歩道整備と遊歩道崖地落石防止網設置、展望所造成、七曲道路整備等を実施してまいりました。北海道は、1979年から1986年、昭和54年から61年にかけ、2期にわたり復旧治山事業で駐車場山側の土どめ、暗渠、ブロック積み、水路確保、植栽などを実施してきました。
ところが、その後、2006年、平成18年以降、駐車場からオタモイ地蔵尊までの500メートルの遊歩道への岩盤の崩れや落石などがあったため、立入禁止措置を講じ、2006年から2007年にかけて、オタモイ海岸急傾斜地調査業務が行われました。その結果は、現地全体が脆弱な岩盤で覆われ、国定公園の景観を保全しながら遊歩道の安全を確保することは困難であると、景観を犠牲にした恒久的な安全対策は莫大な費用がかかるとの結論でした。その後、現在に至るまで、崩落の事後処理や立入禁止など、後ろ向きの安全対策しか講じてきておりません。2006年から2年間かけて行われた急傾斜地調査業務の対象範囲は、1978年に小樽市が中央バスから7,000万円の寄附を受け購入したオタモイの土地と、その隣接する塩谷寄りの民有地だけです。
問題なのは、それ以外の土地の崖の崩落防止などの安全対策は一切行っていないということを、理事者は進んで明らかにしていないことです。
昨年7月、オタモイ海岸の崖地で崩落があったとき、市は、オタモイ海岸急傾斜地調査業務で指摘した危険な事態に変わりがないと言って、オタモイ開発は行わないとの口実をまた一つ追加しましたが、ここはこれまで何の安全対策も行われてきていなかった箇所であります。また、急傾斜地調査業務の対象外でもありました。
もちろん急傾斜地調査業務で指摘されていることを今後の安全対策に生かすことは当然のことです。それにしても、安全対策が全然行われていない箇所の崩落をもって、オタモイの崖地全体で崩落の危険があるかのように、みずから宣伝し、オタモイの観光開発はできないとしていることは、問題のすり替えであり、歴史的経過に照らして、小樽市自身の責任放棄であり、自治体としてとってはならない態度です。これは、1978年にオタモイの土地を購入した開発の原点を忘れた態度であり、また、小樽市が危険な崖地を承知の上で、開発にはこの土地が必要だとして購入した経過を無視した態度で、こういう対応は当時の関係者への背信行為であり、即刻改めるべきです。陳情で指摘しているように、崖崩れ防止策を行えば、オタモイ地区を安全に利用できる可能性があることは明らかです。
陳情第290号については、全会一致で採択していただきますように改めて呼びかけまして、討論といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、陳情第290号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、所管事務の調査について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時54分
――――――――――――――
再開午後3時20分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
次に、厚生常任委員長の報告を求めます。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、中島麗子議員。
(20番中島麗子議員登壇)(拍手)
○20番(中島麗子議員)厚生常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
議案第42号小樽市国民健康保険条例の一部を改正する条例案は、低所得者にかかわる保険料の軽減措置の対象範囲を拡大するものである。この改正により、今まで軽減の対象外となっていた世帯と2割軽減の世帯は減少し、5割軽減の世帯が増加するため、市の保険料収入は減るというが、他の被保険者の負担に影響を及ぼすことはないのか。
また、政令では、後期高齢者支援金と介護納付金の賦課限度額をそれぞれ2万円引き上げることになっていると聞くが、本市では今回の改正での引上げは見送られている。今後、この引上げについて、どのように取り扱うつもりなのか。
小型家電リサイクル法の施行により、本市も本年2月から回収ボックス方式によりリサイクルを始めたが、その設置場所は、市役所を含めた市の関係施設4か所のみで、市民に協力を依頼する事業としては少ないと感じることから、設置場所はもちろん、回収方法についても、市民が参加しやすい方法に向け、工夫し、改善していく必要があると思うがどうか。
また、回収後は、1キログラム当たり1円で業者に売却するとのことだが、昨年、当委員会で視察した神奈川県伊勢原市では、市内の福祉施設に引き渡し、回収した小型家電製品を分解してもらうことで買取り額を引き上げ、その売却益により分解作業の工賃を増額させるなど、地域福祉の向上につなげているという。本市においても、付加価値のある要素を研究するなど、戦略的な観点から事業をさらに深めてほしいと思うがどうか。
ふれあいパスの利用者負担については、平成25年第4回定例会において1乗車につき20円引き上げる方針が示されていたが、議会議論等を踏まえ、運賃改定分の10円のみを利用者負担とし、事業者の負担軽減分の10円については市が負担することにしたという。これにより年間約2,000万円の財政負担が生じることから、市は、この措置を継続することは困難であるとし、将来的な負担のあり方を検討するために、4月から利用状況の調査を行うという。
しかし、この調査により、今までわからなかった実態が把握できるのだから、その結果を利用者負担の見直しだけに使うのではなく、ふれあいパスが利用者にとって、より使い勝手のいい仕組みになるよう、制度設計を改善することも踏まえて分析してほしいと思うがどうか。
市立保育所の定員については、市立保育所の規模・配置に関する計画で3年ごとに見直すこととしているため、平成26年度において、手宮・赤岩・銭函保育所の3か所で50名の定員削減を行うという。市は、直近3年間の平均値を基に見直したというが、削減後の定員が現在の入所児童数よりも少なくなる保育所もあることから、今後、待機児童が発生するような事態が起きる懸念があるのではないのか。
また、市立保育所は、保育需要に対する調整弁としての役割を果たす必要があるというが、定員が大幅に削減されたことにより、民間任せになることはないのか。
母子世帯などは母親が働いても非常に収入が少なく、生活に足りない部分は生活保護に頼るというケースも少なくないと思うが、この場合は長年にわたり状況が変わらない可能性もあることから、職業訓練や新たな資格取得など、生活保護に頼らずに自立して生活できるよう導ける施策が一層必要だと思うがどうか。
生活困窮者自立支援法が成立し、平成27年4月から施行されるに当たり、市も総合的な窓口の設置に向けて取り組んでいくとのことだが、相談に来た方がたらい回しにされるのではなく、一つの窓口でさまざまな情報を得られるようにするなど、来庁者が相談しやすい方法を構築してほしいと思うがどうか。
乳がん検診と子宮がん検診の無料クーポンは、国の補助事業として平成21年度から試験的に実施されてきたものであるが、26年度から対象者を縮小する方針が示されたため、本市も国の方針に合わせるという。対象者がさらに限定されることで、現在2割程度と低迷している受診率が一層低下する懸念があるにもかかわらず、国に従うだけの保健所の姿勢からは、受診率の向上に取り組むという意思が見受けられないと思うがどうか。
また、他都市では、予防に力を入れることで医療費の削減につながり、健康で長生きできる環境になったと聞くことから、市民の健康を守るという保健所の使命を果たすためにも、予防の観点に立った取組を率先して進めるべきと思うがどうか。
本年12月開院予定の新市立病院では、開院に向けたさまざまな準備の中で案内サインについても計画していると思うが、地上7階、地下1階の大きな建物であることから、院内の案内表記については、来院者が迷うことのないよう、わかりやすく設置してほしいと思うがどうか。
また、新市立病院は、後志の基幹病院の立場にあるという観点からも、本市を含めた後志地域に居住する外国人や外国からの観光客なども多く来院することが見込まれることから、英語などの外国語表記についても検討してほしいと思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、請願第2号並びに陳情第1号、第310号、第314号、第316号、第320号及び第321号につきましては、採決の結果、賛成多数により、いずれも継続審査と決定いたしました。
次に、その他の各案件につきましては、議案は可決と、所管事務の調査は継続審査と、全会一致により決定いたしました。
なお、本日、急遽理事会を開催し、市立保育所の定員変更について、重要な案件にもかかわらず、厚生常任委員会への事前の報告がなかった件について、担当部長から謝罪を受けましたことを申し添えます。
以上をもって報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)8番、川畑正美議員。
(8番川畑正美議員登壇)(拍手)
○8番(川畑正美議員)日本共産党を代表して、厚生常任委員長報告に反対し、継続審査中の請願第2号JR南小樽駅のバリアフリー化の要請方について、陳情第1号天狗山ロープウェイ線における最上団地停留所利用時の料金設定改善要請方について、第310号銭函駅へのエレベーター設置方について、第314号小樽市女性国内研修事業の再開方について、第316号北西部地区における「一時的保育事業」の実施方について、第320号朝里におけるまちづくりセンター建設方について、第321号受動喫煙防止条例の制定等受動喫煙防止諸施策の強化方については、採択を求めて討論を行います。
厚生常任委員会において、理事者から8件の報告事項と付託案件議案第42号が説明されました。そのうち次の課題について取り上げします。
一つは、後期高齢者医療制度の保険料の問題です。
2月24日に開催された北海道後期高齢者医療広域連合議会では、2014年度から15年度の次期後期高齢者医療制度の保険料は、平均で1人当たり6万6,265円と、前回より1,053円下がりました。
しかし、均等割部分が5万1,472円に引き上がるため、差し引いても被保険者の4割に当たる方々、すなわち年金収入の低い方が保険料の引上げとなります。
加えて、賦課割合においても、2008年度から2011年度では均等割と所得割が50対50でしたが、2012年度から2013年度では52.5対47.5に変更され、2014年度からの次期については55対45に変更されます。もともとの割合に戻されたものとはいえ、均等割が増えることは、低所得者に対する負担が増加するものです。
小樽市においては、2013年3月末の被保険者は2万2,331人となっていますが、保険料均等割が9割軽減の対象者は6,132人で27.5パーセント、8.5割軽減は3,408人で15.3パーセントとなっており、合わせて43パーセントの方々が保険料の値上げとなります。現行年間保険料に比べると400円から600円の保険料増加となりますが、高齢者の暮らしは、4月からの消費税8パーセントへの増税と、さらなる年金の引下げによって一層厳しさを増しています。
政府は、後期高齢者医療制度について、十分定着しているなどと温存を狙っていますが、問題だらけの差別的な制度は、速やかに廃止し、以前の老人保健制度に戻すべきです。
次に、市立保育所の定員変更についてです。
現在、市立保育所は6か所ありますが、2014年度において50人の定員削減が提示されています。内訳は、銭函保育所が110人から35人削減しています。これは桂岡保育園が55人定員として開設していることで、定数削減したとしています。手宮保育所は5人削減、赤岩保育所は10人削減と、合わせて50人の削減です。手宮保育所の入所状況は、2010年度から2012年度の平均では、見直しの定員の範囲内にありますけれども、13年度では8月以降、ゼロ歳児、3歳児、4・5歳児とも見直しの定員を超えている状況にあります。赤岩保育所においても同じようにゼロ歳児、1・2歳児とも見直しの定員を超えています。
市内全体の保育所入所状況を見ても、2010年度から13年度までの3月段階での入所率は、公立保育所が80から92パーセントですが、私立においては100パーセントを超え、112パーセントに達しています。この間の公立、私立の合計入所率は99.93パーセントと限りなく100パーセントに近く、2011年度は106.01パーセント、13年度は101.74パーセントとなっています。公立保育所で50人の定員削減することで、待機児童をつくることにならないのかという疑問が解消されません。
また、保育士について、銭函保育所で2人、手宮保育所1人、赤岩保育所1人と4人減員しています。奥沢保育所において、0歳児保育の開始と延長保育実施により保育士を2人増やし、差引きでも2人の減員です。
また、長橋保育所は2014年度をもって廃止する予定であり、このような状況の下で、公的保育が確立、維持できるのか疑問です。市の保育行政は、公立保育所を減らして、私立保育所にお任せする方向に突き進んでいると受け止めざるを得ません。
次は、ふれあいパスの利用者負担額の変更と調査についてです。
ふれあいパスの変更は、利用者負担増にとどまらず、ふれあいパスの交付に当たって、新たにふれあいパス回数券の購入券を発行します。パスの個人番号と氏名が記載された購入券が回数券1冊購入するたびに1枚必要になります。回数券を購入する高齢者にとって、今まで以上に複雑になることで、購入に苦労することになります。市は、購入券をつくった理由に、最も多く利用する人は、年間何冊購入するのか、地域性や年齢層など、詳細な実態を把握する調査をするためで、個人を特定することを目的にしていないとしています。
しかし、市の財政を効果的に配分することを目的にした2012年度の行政評価では、ふれあいパス事業は特定見直し事業として所得制限の設定や利用限度額などを検討するとしていることからも、利用者負担増を狙ったものであります。
ふれあいパス事業は、本来の目的に立ち返り、高齢者の積極的な社会参加と生きがいを創出するためにも、利用者負担の軽減を図るとともに、利用の制限などを行うべきでありません。
日本共産党は、ふれあいパスの利用者負担増をやめ、無料化を目指しつつ当面回数券を廃止して、100円のワンコイン利用にすることを要求しています。
以上3点を特に強調いたします。
継続審査中の請願・陳情については、長期に継続審査とされ、改めて検討されることもなく経過しています。私たちの今期の議員任期も3年を経過し、残り期間1年を切っています。この間には、自治基本条例も制定され、この条例の趣旨からは、議員として市民の要求を真摯に受け止め、議論することが求められています。各会派議員においては、改めて請願・陳情の趣旨を御確認の上、今後、積極的な議論を進めていただきたいと考えます。いつまでも継続審査として放置することなく、今期中に審査を進めるよう要請いたします。
継続審査中の請願第2号JR南小樽駅のバリアフリー化の要請方について、陳情第1号天狗山ロープウェイ線における最上団地停留所利用時の料金設定改善要請方について、第310号銭函駅へのエレベーター設置方について、第314号小樽市女性国内研修事業の再開方について、第316号北西部地区における「一時的保育事業」の実施方について、第320号朝里におけるまちづくりセンター建設方について、第321号受動喫煙防止条例の制定等受動喫煙防止諸施策の強化方については、願意は妥当であり、各会派、各議員の皆さんの賛同を呼びかけて討論といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、陳情第314及び第316号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、陳情第321号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、請願第2号並びに陳情第1号、第310号及び第320号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、建設常任委員長の報告を求めます。
(「議長、10番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)10番、高橋克幸議員。
(10番高橋克幸議員登壇)(拍手)
○10番(高橋克幸議員)建設常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
まず、除雪に関する質問といたしましては、除排雪費が昨年度より増加した主な要因は、ロードヒーティングに係る電気料金の値上げや除排雪業務委託料のうち大部分を占める人件費が、国の労務単価見直しで上昇したことにあるという。人件費の増加は市の負担増になるが、国が決めた労務単価の引上げを確実に実施し、技能労働者に対する賃金に反映するようにしてほしいと思うがどうか。
各除雪ステーションは、その運営や地区内の除排雪業務を共同企業体に委託しており、市民からの問い合わせ、要望、苦情等の対応も行っているという。市民からの要望や苦情は、除排雪の質を向上させる大切な資源であることから、次年度に受注した共同企業体の作業に生かせるよう、情報を引き継いでほしいと思うがどうか。
今冬は例年より降雪量が多く、4月以降も雪割りや凍結路面対応など除雪関連業務を行う必要があるものと思われる。各地区の除雪を担当する共同企業体との契約は3月末までとなっているが、4月以降も除雪業務を遂行できるよう業者と契約し、引き続き、安心・安全な市民生活を確保してほしいと思うがどうか。
現在の貸出しダンプ制度では、1申請で最長5日間借りられることから、自宅の敷地内にある雪を道路に運び出すなど、不適切な行為が見受けられる。制度本来の趣旨を周知するのはもとより、貸出日数を制限するなど、制度の見直しを含めた検討をすべきと思うがどうか。
自宅敷地内の雪を道路に運び出すことにより、幅員が狭くなり、バスがすれ違うことができず、運行遅延の原因となっている。市は、市民生活に支障が生じていることに鑑み、単に注意、指導するだけではなく、雪捨て禁止条例を制定するなど、有効な対策を講じる必要があると思うがどうか。
その他の質問といたしましては、街路灯設置費補助金は、水銀灯の電球部分をLEDに交換することも街路灯の改良に該当するものとして新年度から助成対象に加えるという。水銀灯の電球部分をLEDに交換することで電力がおおよそ4分の1になるため、公衆街路灯の料金単価の区分も変わり、1灯当たりの電灯料金は半分以下となることから、町会等の負担軽減にとどまらず、市が助成する街路灯の維持費に係る補助金の軽減にもつながると考えられる。市は、積極的に町会等の団体に助成対象の追加で安価に改良できることを周知するとともに、LED灯のメリットが多いことを説明し、改良がさらに促進されるよう努めてほしいと思うがどうか。
住宅リフォーム助成制度では、当選を100件と補欠を30件抽選し、当選者が取りやめた場合、補欠者が繰り上がり当選となる。過去2年間の実績では、当選者がリフォームを行う住宅の所有者という申込要件を満たしていなかったことで、取りやめたケースが複数件見られることから、平成26年度事業の市民向けパンフレットには申込みの必要要件であることが強調されているというが、抽選を行う前に所有者であることを確認し、最終年度の事業がスムーズに行われるよう対応してほしいと思うがどうか。
石狩西部広域水道企業団は、平成25年4月から用水供給を開始し、小樽市、石狩市、当別町が、その供給料金を負担しているが、料金は責任水量制で、あらかじめ取り決めた水量を基本水量としているという。石狩湾新港小樽市域の地下水利用組合参加企業が、地下水から簡易水道に切り替えていないため、責任水量に達しておらず、本市では簡易水道事業特別会計に一般会計から約1億円も繰り入れして不足分を補填している状態である。市は、北海道に対し、策定済みの地下水揚水計画どおりに地下水から簡易水道に転換するよう必要な方策を早急に検討し実現することや、簡易水道への転換が進まないことよって生じる簡易水道事業の収支不足分を本市へ補填するよう求めてきたというが、全く進展が見られないことから、再度、強く要請してほしいと思うがどうか。
現在の公共下水道マンホールふたのデザインであるラッコ柄は昭和62年から採用されているが、現在、おたる水族館ではラッコを飼育しておらず、小樽とのつながりが明確でないことや、ふた表面の摩耗により耐スリップ性能が低下してきたことから、水道創設100周年及び下水道60周年記念事業の一環としてデザインを更新することを決めたという。小樽らしさを表現した4枚のデザイン案を示した上で好感度調査を行った結果、小樽運河に決定し、新年度の整備・更新から順次使用していくとのことだが、PRしなければ市民はデザインを変更した理由がわからないのではないか。ホームページの活用や水道創設100周年を紹介する展示会を通じてのPRなど、あらゆる方法を駆使して市民に周知する必要があると思うがどうか。
小樽を代表する歴史的建造物である旧寿原邸は、昭和61年に寿原家から市に寄贈されものであるが、築100年以上経過し、老朽化が著しいため、市では昨年、専門業者に委託して修繕計画策定のための調査を実施し、報告書が提出されたと聞く。報告書によると、建物等の劣化状況調査が行われ、それを基に修繕費用の算出を行ったところ、腐食が著しい屋根の全面的なふき替えなど全体で約1億3,000万円もの修繕費がかかるという。市は、現在、報告書の分析を行っているところであり、今後の検討方法や対応については、現時点では明確に示すことはできないというが、旧寿原邸を市から寿原記念財団に戻すという話もあるやに聞くことから、一定程度は市で修繕した上で財団に戻すことも検討してほしいと思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、陳情第309号及び第312号につきましては、採決の結果、賛成多数により、いずれも継続審査と決定いたしました。
次に、その他の各案件につきましては、議案はいずれも可決と、所管事務の調査は継続審査と全会一致により決定をいたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)21番、新谷とし議員。
(21番新谷とし議員登壇)(拍手)
○21番(新谷とし議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、陳情第309号及び第312号は採択を主張し、討論を行います。
陳情第309号は、住宅リフォーム助成制度の助成増額を求めるものです。
2013年度の応募者251件は、2012年度の236件より15件増えていますが、初めの当選者を100件に設定しているため、当選者は81件、前年度並みです。補欠者は30件のところ確定は22件、2012年度よりも8件増えてはいますが、全体の確定数130件の予定に対して103件にとどまっています。これは、市の助成総額2,000万円を超えないように補欠者の繰上げを調整しているためです。
市の助成金額確定総額は、2012年度1,584万7,000円に対し、2013年度は1,841万円と増額になったものの、結局159万円残りました。
2013年度の1件当たりの補助金額は、2012年度の16万5,000円に対し、省エネ改修工事が増えたことなどにより17万9,000円となっています。2014年度は、2013年度の補助金総額の残金と1件当たりの補助金から判断して、最初の当選者をもっと増やすなどして、希望者に補助金が当たるようにすべきです。
2012年度は、応募者の40パーセントにしか補助されず、415万3,000円も予算を残し、2013年度も確定は41パーセント、工事請負業者も61件で、資格登録業者122社の50パーセントにしかすぎません。
住宅リフォームでは、札幌の大手業者も進出しており、小樽市内の業者よりかなり安い金額で請け負っており、市のリフォーム助成制度に当選した人も、もし外れたら札幌の業者に頼もうと思っていたとの声も聞かれることから補助金総額を増やすべきです。
我が党は、毎年5,000万円の補助金をつけるよう予算修正案を提案していますが、より多くの市民、業者の願いにかなう予算です。2013年度のリフォーム工事費総額は3億214万6,000円、経済効果は16.4倍、2012年度の14.3倍を上回っています。2013年度の1件当たりの工事費平均は293万3,000円ですから、応募した市民に補助金が当たるよう単純に当てはめても、少なくても7億3,618万3,000円の経済効果になりますから、より市内経済活性化につながります。
住宅リフォーム助成制度で、初年度大幅な予算を残したのは、助成を決定する市の取組が遅れたためで、市民や業者の希望に添えなかったことから、少なくても残した分を翌年度に上積みすべきという我が党の提案も受け入れず、2013年度も2,000万円の同額予算内におさめようとしたことで、また予算を残し、市民、業者の願いに応えなかったのは、小樽市が建設常任委員会の提案に最低限の予算しかつけず、委員会で視察した岩見沢市のように補正予算を組み、市民と業者の願いに応えようとしていないからです。
リフォーム助成制度は、2014年度で一応の区切りを迎えますが、最終年度こそ予算の増額で仕事が回るよう希望している業者団体の要望を受けて、議会として陳情を採択しようではありませんか。
陳情第312号については、これまでも述べてきたとおりですが、火災を起こした本人と連絡がとれない状況ということですが、雪解けが進むと、焼けた柱が隣の家に倒れていくことも予想され、市として隣の住民の安全を守らなければなりません。
空き家対策については、現在、国においても空き家の特別措置法案が審議されており、小樽市においても庁内検討会議を立ち上げ、議論が進められていることから、陳情を採択して、空き家対策の策定の後押しをすべきです。
以上、全会派、議員の賛同をお願いして、討論を終わりますが、他会派は市民から上がった陳情に対する態度を討論をもって表明すべきということを申し添えます。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、陳情第309号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、陳情第312号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、学校適正配置等調査特別委員長の報告を求めます。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
(22番北野義紀議員登壇)(拍手)
○22番(北野義紀議員)学校適正配置等調査特別委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
市教委は、天神小学校の新入学保護者説明会や1年生保護者会に出向き、学校再編の説明をした際、意見がなかったことや今までの懇談会等において大きな反対がないことから、奥沢小学校との統合について一定程度の理解を得ているとの考えを示している。しかし、通学支援を要望し、スクールバスによる手厚い対応がされると信じていた保護者の中には、自宅と停留所の距離がかなり長くても、バス通学なのだから、そこまでは歩いてくださいという市教委の対応に怒りを感じているケースがあると聞く。この地域では、統合に真っ向から反対ではなく、ある程度はやむを得ないという考えが多いと聞くが、ボタンのかけ違いによるそごが生じないよう保護者の話にはじっくり耳を傾けた上で、しっかりと説明するよう努めてほしいと思うがどうか。
塩谷中学校・長橋中学校統合協議会において、統合校の制服及びジャージについて話し合われたが、参加した保護者を通じて生徒の意向は反映されているとして、生徒に対して制服等についてのアンケートを行わなかったという。しかし、アンケートをとることにより、自分の意見が直接反映されていると生徒が感じることは大事なことであるから、今後の学校再編の中で、新たに制服やジャージを選定する機会があれば、生徒の意見も参考にしてもらえないかと、市教委から統合協議会に助言してほしいと思うがどうか。
また、統合校の制服について検討する際に、高価な制服は家計に重い負担を与えることから、例えば格安衣料品店が販売する安いモデルの制服を採用することや、より踏み込んで制服を廃止することも含め、機会があれば議論してもらえるよう市教委から協議会に話してほしいと思うがどうか。
平成28年4月に統合する塩谷・長橋両中学校の統合後の制服について、両校の統合協議会の分科会である学校づくり部会で議論され、最終的に統合協議会において、長橋中学校の制服とすることを決定したと聞く。平成29年4月には北山・末広両中学校が統合になるが、今後統合による制服の問題については、今回の塩谷・長橋両中学校と同じ方法で決めていく考えなのか。
また、時期は未定であるが、長橋中学校については、忍路中学校との統合も検討されており、時間差で3校が統合することで、制服について、また新たな課題がいろいろ出てくると思われることから、市教委にはしっかりとした対応をしてほしいと思うがどうか。
入船小学校は、平成30年4月に他の3校へ統合される計画だが、その通学路については、冬期間はバス通りにおいても、歩道は積雪で狭隘な坂道となり、また屋根からの落雪が危惧される空き家もあるなど、通学に危険な箇所もある。市は、積極的な除排雪により、通学路の安全確保に努めるとのことであるが、危険な箇所を避けたり、点検を実施したりするなど、通学路の安全確保には、十分配慮してほしいと思うがどうか。
また、入船小学校の校舎は、老朽化が激しく、雨漏りやひび割れ、タイルの剥がれなどが起きていると聞く。将来、統合され、校舎は使用されなくなる予定ではあるものの、統合までの間、子供たちが安全・安心に過ごせるよう修繕等に引き続き、力を入れてほしいと思うがどうか。
菁園中学校への指定校変更は、現在のところ69人で、新1年生の約半数に達し、その主な理由は部活動と聞く。さらに、部活動を理由とする者のうち29人が吹奏楽部を希望とのことだが、本当に全員が入部するのか。
市教委は適正な規模が必要との理由で、学校の適正配置を進めておきながら、指定校変更を認めることによって、適正な規模が維持できない状況に陥っているのではないか。
他都市では、施設の規模に応じて、希望に添えない場合があるとの条件を付している例があることから、今後に向け、制限を含めた検討をしてもらいたいがどうか。
平成25年度に市教委に寄せられた不審者の情報は21件になると聞く。札幌市でも女子児童が連れ去られる事件が起きており、不審者に対する防犯意識を高めることが重要であると考えるが、市教委では、児童・生徒をはじめ、保護者、学校関係者に対し、どのような取組や指導を行っているのか。
また、文部科学省では、スクールガードの養成に力を入れていると聞く。警察OBなどのスクールガードリーダーから警備のポイントなどの指導を受けたボランティアであるスクールガードが、通学路の見守りを行うことは、不審者から子供たちを守るための有効な手段と思われることから、市教委にはスクールガードリーダーの配置要請を検討してほしいと思うがどうか。
いじめ防止対策推進法の施行により、学校いじめ防止基本方針を策定することが義務づけられた。これを受け、現在、市内全校において策定作業が進められていると聞くが、今後、統廃合が行われた際には、統合前の各校で策定した基本方針は、どのように扱われるのか。
一方、統合手宮小学校のグランドデザイン案作成に向けた児童へのアンケート結果において、いじめのない学校を望んでいる意見が多いことや、基本方針を策定している最中にあって、いじめが問題化している学校もあるなど、いじめはなくなっていない現状にある。学校規模を適正化しても、その中身が変わらなければ、いじめはなくならず、意味のない統合になりかねないことから、基本方針については、つくることを目的とするのではなく、教員が子供たちのこういった思いをしっかりと受け止め、いじめ防止を意識した指導が行われるような方針としてほしいと思うがどうか。
学校の統廃合に関連して、昨年廃校となった旧祝津小学校の跡利用については、いまだ公共的な利用の見通しが立っていないとのことであるが、まだ新しく使える校舎であるから、早急に利活用できるよう取り組んでほしいと思うがどうか。
児童の事前交流については、今までさまざまな交流行事が行われた結果、統廃合がスムーズに進んだものと思っているが、今後パターン化することのないよう子供たちの状況を、その都度、的確に捉えながら取り組んでほしいと思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
陳情第282号及び第291号につきましては、採決の結果、賛成多数により、いずれも継続審査と決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
(7番小貫元議員登壇)(拍手)
○7番(小貫元議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、陳情第282号及び第291号は採択を主張して討論を行います。
新年度の国家予算では、公立学校の教職員人件費に充てられている義務教育費国庫負担金は、児童の減少に伴う教員定数の自然減以外にも定数を削減しています。文部科学省は、少人数学級推進のために教員の増員を要求しましたが、認められませんでした。このように教育予算の削減が少人数学級に背を向け、学校への教員配置を減らし、統廃合を進める原因になっています。
陳情第282号小樽市立西陵中学校の存続方についてです。
教育委員会が学校適正配置を進めることになったのは、一つに人口の減少による学級規模の縮小、もう一つが校舎等の施設の老朽化が挙げられていました。この教育委員会の基本計画に沿って、学校再生プランの検討の中で、中学校は14校を8校にするプランが立てられています。
そこで、西陵中学校とプランとの関係について述べます。
一つ目は、学校規模についてです。新年度小樽市内14の中学校のうち、学級編制全体で生徒数1位は長橋中学校、西陵中学校は7位になります。指定校変更が行われなかった場合、新年度に西陵中学校へ入学する生徒は72名で5位になります。適正配置基本計画決定後、中心部にはマンションの建設で人口減少が緩やかになり、西陵中学校のある富岡1丁目、2丁目では、新築住宅が建てられています。委員会の中で、西陵中学校区の予測できる生徒数が増加傾向にあることは明らかになっています。
もう一つの校舎等の施設についてです。適正配置基本計画に記載されている校舎の建築年月で比較すると、一番新しい校舎は菁園中学校で、西陵中学校は4番目となります。新耐震基準で建てられています。普通教室の数、1位が長橋中学校、西陵中学校は8位です。設備の面でも、しばらくは補強に係る経費も抑えられることが想像でき、財政難の小樽市財政にも寄与することになります。
このように、学校規模や生徒数、設備から8校の中に西陵中学校を残さないとする理由が成り立ちません。同時に、西陵中学校については、中心部の活性化や人口減少の中のまちづくりと一体に、学校を考えていかなければなりません。
加えて、避難所としての機能についてです。西陵中学校には、給食室が設置され、単独調理が行われています。東日本大震災では、単独調理校がいち早く給食を提供することができました。夏であればプールに水がためられており、このようなことも検討すべきです。
次に、陳情第291号小樽市立塩谷小学校及び塩谷中学校の存続方についてです。
塩谷中学校から長橋中学校への指定校変更の特例により、塩谷中学校の来年度入学生徒は現在5人になる見込みだといいます。塩谷中学校区から長橋中学校に今年度から通う生徒は、バス代を自己負担して通います。教育委員会の方針でこのような結果になるのですから、塩谷中学校に進学する生徒も、長橋中学校に進学する生徒へもケアに責任を持っていただきたいと思います。
地域に学校ができて根づいてきたことには、それなりのわけがあり、その必要性もあります。学校を中心としたコミュニティが紡ぎ出されていきます。統廃合では、旧塩谷村という地域の特性について考えるべきです。
文部科学省の小・中学校の設置・運営の在り方等に関する作業部会での通学距離についての議論を読みますと、児童・生徒への影響は、徒歩の場合、4キロを過ぎるとストレスがかかってくる可能性があり、バス通学の場合、授業開始まで脳が活性していないことも懸念されることや、歩かなくなることによる体力の低下への懸念などの議論がありました。
塩谷小学校については、長橋小学校との統合になれば、通学路の安全対策と通学においての児童の負担が大きな課題になります。友達の範囲も広くなり、その際に児童の安全確保が確実にとることができるのかという課題も生まれてきます。放課後活動の制限などの影響など、教育全体にも影響を及ぼします。
いずれも陳情の願意は妥当であり、採択を主張します。議員各位に採択を呼びかけまして、討論といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより陳情第282号及び第291号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
日程第3「議案第43及び第44号」を一括議題といたします。
議案第44号については、提案理由の説明を省略し、議案第43号について、市長から提案理由の説明を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま追加上程されました議案第43号について、提案理由を説明申し上げます。
平成25年度一般会計補正予算につきましては、除雪費の不足が見込まれるため、所要の経費を計上したほか、教育の振興及び奨学生の支援を目的とした寄附を採納したことから、教育振興資金基金及び奨学資金基金に積み立てるため、所要の補正を計上いたしました。
これに対する財源といたしましては、除雪費につきましては財政調整基金繰入金を、基金の積み立て金には寄附金を計上いたしました。
なにとぞ原案どおり御可決賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括採決いたします。
お諮りいたします。
議案第43号及び第44号については、いずれも可決と決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
日程第4「意見書案第1号ないし第15号」を一括議題といたします。
意見書案第9号ないし第15号につきましては、提案理由の説明を省略し、意見書案第1号ないし第8号について、順次、提出者から提案理由の説明を求めます。
まず、意見書案第1号、第5号及び第8号について、提出者から提案理由の説明を求めます。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)21番、新谷とし議員。
(21番新谷とし議員登壇)(拍手)
○21番(新谷とし議員)提出者を代表して意見書案の提案趣旨説明を行います。
意見書案第1号は、国民健康保険の広域化に反対するものです。
社会保障制度改革国民会議が昨年8月にまとめた報告書では、「国民健康保険に係る財政運営の責任を担う主体(保険者)を都道府県とし、更に地域における医療提供体制に係る責任の主体と国民健康保険の給付責任の主体を都道府県が一体的に担うことを射程に入れて実務的検討を進め」と、国民健康保険の広域化を求めています。
社会保障制度である国民健康保険は、ナショナルミニマムを維持するという点で、国が制度設計や財政運営に責任を持つべきであり、全国知事会も国民健康保険の財政上の制度設計や財政運営上の問題を抜本的に解決するための財源措置を強く求めています。
保険者が都道府県単位の広域連合になれば、総じて保険料の引上げにつながることは、後期高齢者医療制度を見ても明らかです。高い保険料が納められず滞納が増え、機械的な差押えや徴収強化につながるおそれもあります。現在の国民健康保険は、被保険者が参加する運営協議会と議会の議論を通じて、地域の実情に合わせた事業運営方針を決めることができますが、都道府県単位下では、それらも困難になりかねません。国及び政府においては、社会保障制度である国民健康保険の広域化をやめ、国民の健康と暮らしを守り、法の趣旨、目的を生かした制度にすべきです。
意見書案第5号は、集団的自衛権に関する憲法解釈の変更に反対するものです。
安倍首相は、今国会中にも集団的自衛権に関する憲法解釈の変更に踏み切り、秋の臨時国会で関連法案を成立させようとしています。
政府は、従来から憲法第9条の下において認められる自衛権の発動としての武力行使については、「我が国に対する急迫不正の侵害があること」「この場合にこれを排除するために他の適当な手段がないこと」「必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと」とする3要件に該当する場合に限られると解しています。集団的自衛権については、憲法第9条の下において許容されている自衛権の行使は、我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであり、他国に加えられた武力攻撃を実力をもって阻止することを内容とする集団的自衛権の行使は、これを超えるものであって、憲法上許されないとしてきました。これが確立した政府解釈であり、このため2001年のアフガニスタン紛争や2003年のイラク戦争に自衛隊を派遣するための特別措置法では、武力行使をしない、戦闘地域には行かないという縛りをかけざるを得なかったのです。
集団的自衛権の憲法解釈の変更は、恒久平和主義と憲法原理と立憲主義に反するものです。集団的自衛権の行使容認に関する全国の世論調査では、反対が過半数を超えていることからも、政府においては、集団的自衛権に関する憲法解釈の変更は行わないよう強く要望するものです。
意見書案第8号は、農地中間管理機構設置に関するものです。
北海道は、農業委員会、農業開発公社などの努力によって、耕作放棄地も少なく、地域農業の振興に向けた農地の移動等が行われてきたところですが、昨年の臨時国会で、農地中間管理機構関連法案が可決され、農地利用の集積、集約化を行う農地中間管理機構を都道府県に設置することとなりました。
農地中間管理機構設置に当たっては、農業委員会が農地の提供者の意向を確認する農地集約にかかわって、市町村等がその業務の一部を受託することになっています。
しかし、農地中間管理機構と市町村農業委員会の関係も不明確です。農地賃借についての最終的な判断は知事に委ねられ、農業委員会は排除されるおそれがあります。法律に事業目的の一つとして、農業への参入の促進が明記され、販売力や資金調達力のある企業参入が優先され、地域農家も排除される危険があります。
以上のことから、農地中間管理機構の設置に当たっては、市町村や農業委員会の意向を担保、尊重するよう強く要請するものです。
以上、議員各位の賛同をお願いして、提案説明といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)次に、意見書案第2号ないし第4号について、提出者から提案理由の説明を求めます。
(「議長、19番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)19番、斎藤博行議員。
(19番斎藤博行議員登壇)(拍手)
○19番(斎藤博行議員)提出者を代表して、意見書案第2号特定秘密保護法の廃止を求める意見書案、意見書案第3号地方自治体の臨時・非常勤職員の待遇改善と雇用安定のための法改正に関する意見書案、そして意見書案第4号労働者保護ルール改悪反対を求める意見書案の提案趣旨説明を行います。
初めに、意見書案第2号特定秘密保護法の廃止を求める意見書案です。
悪法は、国会に提出される前に潰さないと力ずくで成立してしまう。この法案をめぐる国会審議、特に政府の答弁を聞いた国民の痛烈な声です。この法律を審議した国会審議は、連日テレビや新聞で報道されました。その中で、法律の持つ矛盾や曖昧さ、不十分さが数多く指摘され、さらに、それに対する政府答弁も混乱するなど、国民の知る権利を制限する法律を審議する国会審議とは到底思えず、国民は深刻な不安を感じ、法案の慎重審議、そして廃案を強く求めました。
しかし、政府は、反対を隠蔽するために、非常に重要な法案にもかかわらず、文字どおり審議を打ち切り、数の力で採決が強行されました。この法律は、単に重要な情報を隠すだけでなく、一般市民を監視し、報道関係者を萎縮させ、国会議員の持つ国政調査権を制限し、さらには法律に基づき罰するという罪刑法定主義の原則さえ揺るがす悪法です。
特に、ずさんさを指摘されたのは、この法律は運用・施行者に都合のいいように肝心な部分を附則や制令に委ねているほか、「その他」という文字が法案の中の36か所で使われており、拡大解釈、弾力的運用が可能となっている点であります。
こうした悪法に対し、国連人権高等弁務官やNGO国際人権連盟名誉委員長、そして国際ペンクラブ、日本駐在外国人記者クラブなど、多くの団体が反対を唱えております。成立したから問題が解消したわけではありません。世論を結集し、特定秘密保護法は廃止させなければなりません。
次に、意見書案第3号地方自治体の臨時・非常勤職員の待遇改善と雇用安定のための法改正に関する意見書案です。
普通、一般の企業主には、パート労働法に基づき、正規職員と非正規職員との間での均等な待遇の確保が求められております。
また、改正労働契約法第20条では、有期契約労働を理由とした不合理な労働条件の設置の禁止が義務づけられております。
また、国の非常勤職員には、賃金は給与法の第22条で正規職員との均衡が要請されております。
しかし、地方自治体で働く臨時・非常勤職員の待遇に関する規定はどこにもありません。民間を規制する法律、国を規制する法律とのすき間の問題と言われています。
しかし、事は、働く人間の権利と生活に関する問題です。総務大臣も、自治体が通常の労働者との均衡待遇の確保を図るパート労働法の趣旨を踏まえた対応を行うことは重要であると述べています。
また、総務省は、自治体はパート労働法改正や労働契約法改正などを念頭に、民間労働法制の動向に留意すべきであるとも述べているところであります。
さらに、総務省は、臨時・非常勤職員の業務の中には、恒常的な業務があること、さらに経験や技能の蓄積が必要な業務のあることについて、2012年8月28日付け通知や2013年4月15日の衆議院予算委員会第2分科会で答弁の中で明らかにしています。
しかし、大臣や官僚の答弁だけでは状況はよくなりません。こうした答弁を踏まえて、早急に地方自治体に働く非常勤職員の待遇改善と雇用の安定策、それの法整備が求められております。
最後は、意見書案第4号労働者保護ルール改悪反対を求める意見書案です。
日本の労働者を取り巻く環境は、全体として悪化、劣化が深く、そして広く広がってきています。格差が拡大しております。サービス残業、過労死、ブラック企業、ワーキングプア、派遣切りなどなど、働いている人間の尊厳を否定する悲惨な状況を表す新しい言葉が次々に生まれています。
最近、産業競争力会議などで、雇用の金銭解決制度や限定正社員制度など、従来ならば解雇権の濫用で法律で禁止されていたことを解雇規制の緩和と称して、また長時間労働を誘発し、過労死を増やすおそれがあるホワイトカラーエグゼンプションの導入を労働時間規制緩和と称して行おうとする動きがあります。
一方で、連合の調査では、2012年の調査結果として、残業代が全額支払われたかという問いに対して、全額支払われたと回答したのは、49.6パーセントにとどまっています。一部が払われたというのが46.8パーセントです。全く支払われなかったと答えた人が6.3パーセントにも及んでいます。
今ある法律を守ることの重要性が理解できない企業や経営者に、雇用や労働時間の規制緩和を許すことはできないと思います。
また、それを語る資格もないと思います。私は、以前にもこの場から、こうした人を人とも思わないような経営、また一生懸命真面目に働いて、家庭や地域や、そして何よりも会社を支えている大多数の労働者を大切にしないような労務政策が続けられていくと、その結果は無権利、不安定、低賃金の労働者を大量に生み出して、強い不満や怒りが鬱積した格差社会となり、日本という国の底が抜けてしまうと訴えました。そうした国の危機を回避するのも、政治の役割だと考えております。
以上、意見書案3本の提案趣旨説明を行わせていただきました。議員各位の賛同を訴えて、発言を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)次に、意見書案第6号及び第7号について、提出者から提案理由の説明を求めます。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)1番、秋元智憲議員。
(1番秋元智憲議員登壇)(拍手)
○1番(秋元智憲議員)提出者を代表し、意見書案第6号、意見書案第7号について、提案趣旨説明を行います。
初めに、意見書案第6号消費税の軽減税率の制度設計と導入時期の明確化を求める意見書案についてです。
昨年12月、与党政策責任者会議において、平成26年度税制改正大綱が決定され、この中に生活必需品の消費税率を低く抑える軽減税率を導入する方針が盛り込まれました。
軽減税率については、食料品や新聞など生活必需品に係る消費税の負担を軽くすることにより、低所得者や子育て世帯などへの逆進性への対策であり、その是非について、昨年12月のFNN合同調査で軽減税率導入について調査したところ、導入すべきだと答えた方が76.4パーセントであり、導入時期は10パーセント引き上げるのと同時が60.7パーセント、年代別では、30代女性で導入すべきだが90パーセント、40代、50代の女性でも80パーセントを超え、男性ではいずれの世代でも70パーセント台でありました。
この調査結果を見ても、高い割合で軽減税率導入の理解は深まってきていると感じます。消費税10パーセントへの引上げ時期については、本年末、安倍総理により判断される方向ですが、与党税制大綱に沿い、これまでの軽減税率をめぐる議論の経緯及び成果を十分に踏まえ、社会保障を含む財政上の課題とあわせ、対象品目の選定、区分経理等のための制度整備、具体的な安定財源の手当、国民の理解を得るためのプロセス等、軽減税率制度の導入に係る詳細な内容について検討し、本年末までに結論を出すことを求める意見書案です。
次に、意見書案第7号災害時多目的船の導入を求める意見書案についてです。
2011年3月11日に発生した東日本大震災は、地震や津波、火災や原発事故という複合災害により、甚大な被害をもたらしました。
特に、沿岸部では、津波による瓦れきなどにより医療機関も大きな影響を受け、道路は寸断され、陸上の医療体制が麻痺し、被災者に対し十分な医療活動を行うことができず、医療体制が整うまでには相当の時間を有したことから、国は広域的、また大規模な自然災害では、医療施設や行政機能も被害を受けることを想定し、その対策として、さまざまな機能を有した船舶の導入の可能性について検討を始め、大規模災害時、海からの救助・救援は、移動範囲や輸送能力などで利点がある点を評価し、特に船舶による医療機能の充実を図るべきとの方向性を示しました。
我が国においては、1995年の阪神・淡路大震災当時、海上保安庁と海上自衛隊に手術台や病床などの機能を持った船を複数隻保有していたものの、縦割り行政が壁となり、これらの船は物資輸送でのみ使用され、その機能が発揮されなかったことから、病院船の活用について議論されてきた経緯があります。海外で病院船、いわゆる災害時多目的船は、アメリカや中国、ロシアなどで既に同様の備えが確立されていて、海軍などが所有しており、この船舶には手術室や病室、ヘリポートなどが備えられ、船上で治療や手術などを行うことができます。アメリカは2隻の病院船を運用しており、世界規模で実施される災害救援活動などでの実績が知られていますが、例えば12の手術室と1,000床の病床を有するマーシーは、2004年12月のインド洋大津波で5か月間の活動で10万7,000人以上の治療を行った実績があり、効果についても実証されております。
以上のことから、災害時に国民の命を守る上で必要性が極めて高いと言われる災害時多目的船の導入を求める意見書案です。
以上、議員各位の賛同を呼びかけまして、提案趣旨説明といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、14番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)14番、上野智真議員。
(14番上野智真議員登壇)(拍手)
○14番(上野智真議員)意見書案第5号集団的自衛権に関する憲法解釈の変更に反対する意見書に、否決の立場で討論をいたします。
集団的自衛権は、1945年に署名・発効した国連憲章の第51条において、初めて明文化された権利であり、世界においては、国際法上、承認された国家の権利となっております。
当然、日本も国際法上においては、集団的自衛権を有しておりますが、現在の日本においては、憲法第9条の下において許容されている自衛権の行使は、我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであり、他国に加えられた武力攻撃を実力をもって阻止することを内容とする集団的自衛権の行使は、これを超えるものであって、憲法上許されないと考えており、権利を有しているが、現実には行使できない状況となっております。
現在の日本の状況を鑑みますと、歴史的にも我が国固有の領土である北方領土は、1945年以来、ロシアに不法占拠され、竹島も韓国による実効支配が常態化しており、尖閣諸島については、中国が何の法的・歴史的根拠もないままに自国の領土であると主張し、領海侵犯が行われ、最近では3月15日に中国海警局の公船3隻が領海侵犯をしております。
このような状況を考えると、今、世界のパワーバランスが揺れ動く中、これまでのようにアメリカの軍事力に一方的に頼るだけでは、国家・国民の安全を保障することは困難になってきていると言わざるを得ません。
以上のことを踏まえ、将来の日本の平和と安全を保障していくには、アメリカとのさらなる協力体制を構築するとともに、世界各国と対等の立場に立っていくために集団的自衛権の行使についても考えていかねばなりません。
(発言する者あり)
また、実際に集団的自衛権を行使するかどうかは、各国の自由であり、通常、第三国は武力攻撃を受けた国に対して援助をする義務を負うわけではないため、今後、集団的自衛権の行使についてのルールを議論して決めていくことこそが必要であると考えます。
以上を踏まえると、現状のように、我が国が集団的自衛権の行使そのものができないことになっていることは問題です。
(発言する者あり)
本意見書案は、集団的自衛権の行使を認めないことを目的とし、その手法としての憲法解釈の変更に反対するものであり、さきの理由により、我が党は、必要最小限の範囲内で集団的自衛権の行使を容認すべきとの立場であることから、この意見書に同意することはできません。
(発言する者あり)
しかし、憲法解釈の変更という手法によって集団的自衛権の行使を認めることについては、国会においても自民党内においても賛否両論があります。
(「そうだよ」と呼ぶ者あり)
このことを踏まえると、憲法解釈のみにこだわらず、憲法改正も含めたさまざまな手法を考え、集団的自衛権の行使について議論すべきであることを指摘し、議員各位の賛同をお願いし、討論を終わります。(拍手)
(「よし」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)16番、林下孤芳議員。
(16番林下孤芳議員登壇)(拍手)
○16番(林下孤芳議員)民主党・市民連合を代表して、意見書案第1号ないし第4号に対する討論を行います。
意見書案第2号は、特定秘密保護法の廃止を求めるものですが、当初から行政機関の長の判断で恣意的に秘密という指定をすることができるとされていることや、公務員が秘密を漏えいした場合は、10年もの懲役刑が科されるほか、民間人も罰則の対象となり、国民の知る権利や憲法で保障された言論の自由、表現の自由までが侵害される危険性が指摘されています。国会の審議でも修正や訂正が繰り返し行われた経緯からしても、特定秘密の基準が極めて曖昧であることが明確になっています。
安倍政権は、絶対多数の力をもって強行採決をいたしました。その後も独立した公正な立場で検証、観察できる新たな機関として設置される第三者機関についても、内閣府に保全監視委員会や独立公文書管理監を設置するとしても、政府内の内部機関が閣僚を指揮監督する首相の関与する余地を残したままに特定秘密への疑念や危険性は国民の各層から厳しく指摘されています。
強行採決された特定秘密保護法は、その後の世論調査でも、反対、慎重審議を含めると9割の国民が懸念を示しています。本意見書案は、国民の暮らし、基本的人権、国民主権、平和主義を守るために特定秘密保護法を廃止することを求めたものであり、極めて妥当なものだと思います。
次に、意見書案第3号は、地方自治体の臨時・非常勤職員の待遇改善と雇用安定のための法改正に関する意見書案です。
現在、自治体の臨時や非常勤職員は全国で70万人にも上ると言われ、その多くが年収200万円以下で、生活苦と雇用不安を抱えながら働いております。しかも、その職種は、行政事務や学校教育、看護師、保育士など、自治体業務全体に広がっています。
一方で、待遇や雇用について保護する法制度がなく、労働法制や地方公務員制度のはざまに置かれていると指摘されています。こうした状況を放置すれば、民間企業で働くパート労働者にもやがて労働法制や賃金に悪影響を与え、悪循環となり、官製ワーキングプアはいつまでたっても解消することはできません。ますます増え続けるパート労働者の待遇改善と、雇用安定のための法改正を求められるのは当然であり、極めて合理性のある意見書であります。
次に、意見書案第4号は、労働者保護ルール改悪反対を求める意見書案です。
我が国の雇用労働者が安定的な雇用と公正な処遇の下で、安心して働くことができる環境整備を求めています。それは、日本経済・社会の持続的な成長のためには必要であると考えるからであります。
今、政府は、成長戦略の名の下に、解雇しやすくする金銭解決制度や限定正社員制度、ホワイトカラーエグゼンプションなどを検討中と言われ、労働者を保護するルールの後退が懸念されています。多様な働き方を選択する自由があるとする考え方もありますが、安定した雇用と公正な処遇を否定する労働者はいません。
かつて小泉政権時代に、雇用制度の転換や大幅な規制緩和によって、雇用は一気に流動化が始まり、賃金も毎年低下を続け、景気も後退し続けてきました。今や我が国の賃金水準は、先進国の中でも極めて低いと言われるまで低下しております。やはり安定した雇用環境や賃金水準が維持されてこそ我が国の経済の安定成長と社会の持続ある発展が証明されるものだと思います。そうした意味で、意見書案第2号、第3号、第4号は、極めて妥当であり、議員各位の御賛同を心から訴えるものであります。
また、意見書案第1号は、小樽市の国民健康保険の現状を踏まえ、どのような改善や対策を検討すべきかという点では、方法論は別として、各会派とも認識は一致しているものと思いますが、そうした意味で、これからまだ会派としても勉強も検討も必要と考えています。現時点で国民健康保険の広域化に反対するというのは、賛成することはできません。
以上、民主党・市民連合の意見書案に対する討論といたします。(拍手)
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)2番、千葉美幸議員。
(2番千葉美幸議員登壇)(拍手)
○2番(千葉美幸議員)公明党を代表し、意見書案第6号消費税の軽減税率の制度設計と導入時期の明確化を求める意見書案、意見書案第7号災害時多目的船の導入を求める意見書案について、可決の討論を行います。
初めに、意見書案第6号消費税の軽減税率の制度設計と導入時期の明確化を求める意見書案についてです。
先ほど提案説明にあったとおり、平成26年度税制改正大綱には、軽減税率について「消費税の軽減税率制度については、『社会保障と税の一体改革』の原点に立って必要な財源を確保しつつ、関係事業者を含む国民の理解を得た上で、税率10%時に導入する」と盛り込まれております。軽減税率は、食料品など、生活必需品の税率を低く抑え、低所得者ほど税負担が重くなる消費税の逆進性を緩和することを目的としており、消費の多い子育て世帯を含めた中間所得層にも幅広く恩恵を及ぼすことができる制度でもあります。
既に、軽減税率を導入しているヨーロッパ諸国を例に見ますと、日本の消費税に当たる付加価値税の標準税率が19パーセントのドイツでは、食料品の軽減税率は7パーセント、標準税率19.6パーセントのフランスでは、書籍、食料品は5.5パーセント、新聞、衣料品は2.1パーセント等の軽減税率を適用しており、ヨーロッパ各国で実績のある制度は、日本においても導入が可能であります。
我が国の軽減税率導入に関して報道機関等で世論調査をしておりますが、7割前後の方が賛成と答え、暮らしに欠かせない食料品等への軽減税率導入を求める声が家計を預かる主婦層から多く上がっております。この調査結果からも、制度導入に関して国民的な理解は得られているものと考えます。
(「得られていない」と呼ぶ者あり)
よって、軽減税率導入について、対象品目や軽減する消費税率、関係事業者の納税事務等について、詳細な制度設計の協議を急ぎ、国民や事業者等の理解を得られるよう、平成26年度税制改正大綱に沿って本年12月まで結論を出すべきです。
また、消費税率10パーセント引上げ時期については、経済対策の効果を見極め慎重に判断することと、低所得者層を含む消費者全体に恩恵が及ぶ軽減税率は、消費税率10パーセント引上げ時に導入するよう求めるのは当然であります。
次に、意見書案第7号災害時多目的船の導入を求める意見書案についてであります。
東日本大震災から3年がたち、甚大な被害をもたらした震災では、さまざまな検討課題が今なお話し合われております。その一つに病院が大きな被害を受け、医療体制が麻痺したことが挙げられておりますが、厚生労働省の資料によりますと、岩手、宮城、福島3県、約380病院のうち震災の際、全壊又は一部損壊した病院が300病院にも上り、全体の8割に達したそうであります。瓦れきなどで道路は寸断され、医薬品の搬送も困難となり、災害弱者への対応が後手に回ったり、高齢者が避難所で体調を崩し、亡くなるケースが報告されるなど、課題を突きつけられる形となりました。
そうした中で、注目を集めているのが災害時多目的船で、諸外国では病院船と言われております。船内には医師や看護師が常駐し、医薬品や医療機器などを提供し、手術が行える船になった病院であります。既に、海外では中国、ロシア、スペインなどで同様の備えが確立され、アメリカでは2隻の病院船が運用され、洋上からの災害救援活動の実績が知られております。現在、日本は、南海トラフ巨大地震や首都直下地震など、大規模災害の発生が懸念されており、電気、ガス、水道など、ライフラインが寸断され、陸上の病院で医療活動が困難になることが懸念されています。
四方を海に囲まれた日本で大規模災害が起きた場合には、海からの医療支援が有効であり、政府は災害時多目的船を日本の北と南の地域にそれぞれ配置すると24時間以内に災害現場に到着が可能だろうと想定しています。
以上のことからも、我が国における災害時多目的船早期導入は、海上自衛隊や海上保安庁の医療機能を持つ艦船や民間船舶の活用を検討し、洋上からの医療支援を可能にするため、新年度実証事業を確実に行い、国民の生命を守る国の重要な施策として進めるべきであります。
以上、議員各位の賛同を求め、討論といたします。(拍手)
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)6番、安斎哲也議員。
(6番安斎哲也議員登壇)(拍手)
○6番(安斎哲也議員)一新小樽を代表し、意見書案第8号農地中間管理機構設置に関する意見書案に対する討論を行います。
この意見書案は、農地中間管理機構関連法案が可決されたことによって、農地中間管理機構が設置されることに当たり、この機構と市町村や農業委員会の関係性が不明確であること、農地貸借で市町村や地域の農業委員会が排除されるおそれがあること、企業の農業参入が優先され地域農家が排除されるおそれがあること、業務は市町村や農業委員会で決めるのは知事と、機構から地域に農業に関する意向を反映させられないなどの理由から、市町村や農業委員会の意向を担保、尊重するよう要請するという内容のものです。
この新制度については不透明な部分があり、本来であればもう少し様子を見て判断をしたかったので、現時点では、この意見書案に対しては賛成に至らなかったということを主張し、討論を終わります。(拍手)
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
(7番小貫元議員登壇)(拍手)
○7番(小貫元議員)日本共産党を代表して、意見書案第1号ないし第5号、第8号は可決、第6号及び第7号は否決を主張して討論を行います。
最初に、意見書案第1号国民健康保険の広域化に反対する意見書案についてです。
国保会計においては、保険料が引き上げられている要因は、国庫負担が引き下げられてきたことにあります。そのことを解決せずに、広域化で集めたところで、弱者同士の痛みの分かち合いにしかなりません。結局、住民に保険料引上げか受診抑制かを迫ることになりかねません。社会保障制度としての公的医療保険を破壊する路線です。
次に、意見書案第2号特定秘密保護法の廃止を求める意見書案についてです。
特定秘密保護法は、基本的人権をじゅうりんする憲法の根本原則に反する法律であり、日本をアメリカとともに戦争できる国にするための法律で、憲法の平和主義をも踏みにじります。
そもそも憲法違反の法律は、制定し、存続すること自体が許されません。憲法第98条には、「この憲法は、国の最高法規であって、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。」とあります。しかも、この憲法違反の法律をまともな審議も行わず強行採決した成立に至る経過も、道理がありません。直ちに廃止すべきです。
次に、意見書案第3号地方自治体の臨時・非常勤職員の待遇改善と雇用安定のための法改正に関する意見書案についてです。
地方自治体では、国の地方切捨て路線の影響もあり、人件費削減で非正規労働者が拡大しています。
しかし、どんな勤務形態であれ、行政の公共性を持つ仕事に携わっている以上、公正で効率的な行政サービスを住民に提供するという役割があります。このような非正規職員の安定した雇用、均等待遇とともに常勤職員を増やしていくことが、公務員が真に全体の奉仕者として業務に従事できることにつながります
次に、意見書案第4号労働者保護ルール改悪反対を求める意見書案についてです。
労働者派遣は、臨時的・一時的業務に限定する正社員が行っている業務を派遣労働に置きかえないというのが世界では当たり前の原則です。
ところが、政府案は、派遣受入れ期間を期間制限を骨抜きにし、いつでも継続して派遣労働者を受け入れることを可能にしています。
ILOの民間職業仲介事業所条約やEUの派遣労働指令では、派遣労働者の保護措置として均等待遇を明記しています。
アメリカのオバマ大統領は、13日、一定収入以上の労働者に残業手当は払わなくてよいとする現行の制度ホワイトカラーエグゼンプションを間違っていると指摘し、より働く必要があれば、もっと給料をもらうべきだとして、労働省長官に見直しを指示する大統領令に署名したと、15日のしんぶん赤旗で報道がありました。
企業がためこんでいる480兆円もの内部留保の一部を活用して賃上げを実現すること、そのためにも中小企業への支援策とあわせ、最低賃金を政府の責任で大幅に引き上げることが不可欠です。
次に、意見書案第5号集団的自衛権に関する憲法解釈の変更に反対する意見書案についてです。
まず、自民党の討論であった領土問題について、一言触れさせていただきたいと思います。詳しく述べると時間がなくなりますので、簡単に述べます。
千島列島に関しては、解決のためには、まずサンフランシスコ平和条約第2条C項を放棄することが必要です。
竹島については、編入した当時、日本が韓国の外交権を奪っていたことも含めて、歴史的検証を共同で行うことが必要です。
尖閣諸島は、中国との関係で領土問題は存在しないとして、時の自民党政府が棚上げにしたまま今なおその態度を変えていないことが解決できていない問題です。このように軍備の問題で解決できる問題ではなく、外交で解決する問題だというのが領土問題です。
2004年、時の首相であった……
(発言する者あり)
小泉純一郎首相は、国会答弁で、集団的自衛権の便宜的な憲法解釈の変更を「政府の憲法解釈、ひいては憲法規範そのものに対する国民の信頼が損なわれることが懸念される」と戒めたことがあります。ですから、集団的自衛権を容認したい歴代の自民党は、堂々と憲法を変えることを目指してきました。
ところが、今、安倍首相が最高責任者は私だと言って憲法解釈を変えようとすることは、歴代の自民党政権としてやってきたことも否定する言動です。
(「そうだ」と呼ぶ者あり)
選挙に勝てば法解釈は自由ということになれば、法律も裁判所も意味を持ちません。憲法が憲法でなくなり、憲法としての最高法規性がなくなってしまいます。
この憲法解釈をめぐる問題は、民主主義国家、法治国家から人によって国を治めるファシズムへの道を選ぶかどうかという大変重要な課題です。集団的自衛権の行使を認める立場かどうかという問題ではありません。自民党の元幹事長古賀誠氏は横浜市での講演で、そういうルール違反、こそくなことを絶対やってはいけないと言いましたが、まさしくそのとおりです。自民党は、よく先輩の言うことを聞いていただきたいと思います。
(「そうだ」と呼ぶ者あり)
次に、意見書案第8号農地中間管理機構設置に関する意見書案についてです。
農地の番人として重要な役割を果たしている農業委員会を農地集積事業から事実上排除することを規定しています。規制改革会議は、農業委員会の法的関与は要しないこととすべきであるとして農業委員会の排除を求め、農業委員会制度に対する攻撃さえしています。
また、優良農地において、大企業が主体の大規模農業生産法人への農地集中を進め、農村の解体や中山間地の荒廃を進めかねません。これまで話合いで、農村の農地管理と水路や畦畔の管理を行ってきた農村集落が崩壊しかねません。
次に、意見書案第6号消費税の軽減税率の制度設計と導入時期の明確化を求める意見書案についてです。
国民の所得が増えていかない下で、生活必需品などには消費税をかけないことや、かかる消費税に軽減税率を導入することは、世界の流れからして当たり前のことです。
しかし、この意見書案は、消費税を10パーセントに引き上げることが前提となっており、国民の負担軽減を図るというのなら、引き上げなければいいことであり、賛成できません。
次に、意見書案第7号災害時多目的船の導入を求める意見書案についてです。
災害時に自衛隊を活用することは必要なことですが、災害時多目的船を口実に自衛隊の軍備強化、海外派遣を図るものであり、賛成することができません。
(発言する者あり)
以上、各議員の賛同を呼びかけまして、討論を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、意見書案第1号について採決いたします。
可決とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立少数。
よって、否決されました。
次に、意見書案第2号ないし第4号について、一括採決いたします。
可決とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)可否同数であります。
よって、地方自治法第116条の規定により、議長において可否を裁決いたします。
本件につきましては、議長は否決と裁決いたします。
(発言する者あり)
次に、意見書案第5号について採決いたします。
可決とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、意見書案第6号及び第7号について、一括採決いたします。
可決とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、意見書案第8号について採決いたします。
可決とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の意見書案について、一括採決いたします。
いずれも可決とすることに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
以上をもって、本定例会に付託されました案件は、全て議了いたしました。
第1回定例会は、これをもって閉会いたします。
閉会午後5時17分
会議録署名議員
小樽市議会 議長 横 田 久 俊
議員 千 葉 美 幸
議員 安 斎 哲 也