開議午後1時00分
○議長(横田久俊)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、川畑正美議員、上野智真議員を御指名いたします。
日程第1「議案第1号ないし第41号並びに報告第1号及び第2号」を一括議題といたします。
質疑及び一般質問を一括し、これより会派代表質問を行います。
あらかじめ申し上げます。
代表質問に当たっては、質問通告の大項目の順で質問を行い、再質問、再々質問がある場合は、それぞれ一括質問で行うことといたします。
それでは、通告がありますので、順次、発言を許します。
(「議長、12番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)12番、鈴木喜明議員。
(12番鈴木喜明議員登壇)(拍手)
○12番(鈴木喜明議員)平成26年第1回定例会に当たり、自由民主党を代表し、質問します。
まだまだ実感が湧かない市民の方も多いと思いますが、さきの道内41商工会議所の調査で、2014年の各地域の景気について、小樽商工会議所も含め、改善の兆しとした割合が最も高い46パーセントを占めたとの報道がありました。
本市の平成26年度予算案は、中松市長1期目の節目としてお考えを具現化するもので、限られた財源の中で事業の優先順位を踏まえ、決められた御苦労は、大変なことだと思います。我々自民党は、市長を支える最大与党会派として、今定例会でもしっかりと市民の皆さんの代表として予算案等の審議を進めていきますので、よろしくお願いいたします。
そこで、初めに、本市財政と平成26年度予算案編成のポイントについてお聞きいたします。
平成26年度予算案は、予算規模で、一般会計は対前年度比2.6パーセント、15億1,937万円減の561億8,846万円、特別会計は対前年度比0.3パーセント、1億278万円増の350億8,589万円、企業会計は対前年度比23.6パーセント、64億4,062万円増の336億9,127万円で、全会計では対前年度比4.2パーセント、50億2,403万円増の1,249億6,563万円となりました。一般会計では、市税が対前年度比820万円増の131億4,920万円、譲与税・交付金は対前年度比9,390万円増の20億30万円、地方交付税は対前年度比4億5,300万円減の161億1,800万円と、財源対策前の一般財源収入額は約335億6,150万円、歳出充当一般財源必要額は公債費、建設事業費、繰出金の減少で対前年度比2.2パーセント、7億8,228万円減の344億5,409万円となっています。地方交付税は所得税、酒税の32パーセント、法人税の34パーセント、消費税の22.3パーセント、たばこ税の25パーセントで、交付税総額の94パーセントが普通交付税、6パーセントが特別交付税です。
総務省自治財政局の資料、国の平成26年度地方財政計画によりますと、通常収支分の地方交付税の総額は対前年度比1.0パーセント、1,769億円減の16兆8,855億円と微減となっているにもかかわらず、本市の地方交付税が4億5,330万円も減少する理由を御説明ください。
また、歳出充当一般財源必要額の主な増減項目と内容をお知らせください。
このように、必要な一般財源は、地方税が伸びない中、実質的な地方交付税が減少し、他会計から新たに借入れを行わずに予算編成をした結果、財源不足額が8億9,105万円生じました。財政調整基金の繰入れで賄うとのことですが、財政調整基金の残高は幾らになりますか。
平成25年度補正予算として、今冬は除雪費を3億5,000万円、専決処分しています。あってほしくはないですが、今後も追加補正ともなれば、財政調整基金からの繰入れが考えられますが、財政調整基金の残高が不足となることはないでしょうか。御所見を伺います。
平成26年度予算案について、市長は、病院の統合新築や学校再編に伴う校舎等の改築、社会資本の耐震化や既存のインフラ施設の老朽化対策、北海道新幹線新駅周辺のまちづくり計画の策定など、将来を見据えた諸課題への対応をすること、避難支援事業や民間大規模建築物の耐震診断経費の助成など「安全・安心な暮らしのための取組」、クルーズ客船などに対応する施設の整備など「市内経済の活性化に向けた取組」、銭函保育所、子育て支援センターの建設など「次代を担う子どもたちへの取組」を重点施策とすること、財政健全化に向けた取組を引き続き継続することの3点を予算編成のポイントとして挙げられました。
重点施策について、新年度予算案で、今、その施策を他の事業に先駆けて優先する理由を、何点か施策の例を挙げて御説明ください。
財政健全化に向けた取組については、その考えを御説明ください。
本年10月から、地方自治体間の税源の偏在性を是正するため、地方法人税を創設し、その全額の交付税原資化が行われるようであります。その内容についてお知らせください。
本市では、市民会館など公共施設の老朽化への対応など、課題が山積しています。公共施設等の総合的な管理による老朽化対策の推進ということで、計画に基づく公共施設等の除却についての地方債の特例措置があるとお聞きしました。その内容と、これからその特例措置をお使いになるお考えがあるのかも、お知らせください。
以上、1項目めの質問を終了いたします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)鈴木議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、本市財政と平成26年度予算案のポイントについて御質問がありました。
初めに、平成26年度地方交付税の減少理由についてですが、国の地方財政計画の伸び率などを基本に、公債費など本市の特殊事情を勘案して積算した結果、大きく減少することとなったところであります。
次に、平成26年度予算編成のポイントについてですが、まず歳出充当一般財源必要額の主な増減項目と内容につきましては、人件費が職員給与の独自削減率の圧縮などにより1億4,000万円の増、公債費が市債の償還額の減少により4億1,000万円の減、建設事業費が新共同調理場建設事業費の減少などにより2億1,000万円の減、繰出金が病院事業会計の繰出金の減少などにより6億6,000万円の減となっております。
次に、財政調整基金の残高につきましては、今定例会に提案している補正予算により、平成25年度の財政調整基金の残高は12億2,000万円となり、26年度の予算編成による財源不足額8億9,000万円を考慮いたしますと、基金の残高は3億3,000万円となるものです。
次に、除雪費の追加補正による財政調整基金残高の不足の可能性につきましては、今後の降積雪の状況にもよりますが、財政調整基金の範囲内での対応と考えております。
次に、重点施策を他の事業に優先する理由についてですが、「安全・安心な暮らしのための取組」につきましては、東日本大震災の教訓や社会資本の老朽化が急速に進んでいる現状を踏まえ、市民の命を守り、安心して暮らせる生活環境の維持のために、社会資本の耐震化や老朽化対策と、防災・減災対策に早急に取り組む必要があると考えております。
「市内経済の活性化に向けた取組」につきましては、本市が持つ知名度や地域特性を生かして、地域経済の活性化を図ることが持続可能な自治体経営につながるものと考えております。そのため、観光客やクルーズ客船の誘致推進のほか、雇用の場の創出に結びつく企業誘致などを重点施策として位置づけたものであります。
また、「次代を担う子どもたちへの取組」では、昨年実施された小・中学生の全国学力・学習状況調査において、多くの教科が全道平均を下回る状況にあることや、少子化が進む中では子育て環境を整備していくことが重要であり、ともに時間をかけて取り組む必要があることから、新たに重点施策として位置づけをしたものであります。
次に、財政健全化に向けた取組の考え方についてですが、平成26年度予算編成に当たっては、市税や地方交付税などの一般財源収入の減少を見込まざるを得ず、また消費税率の引上げによる影響など、大変厳しいものとなり、財源不足が見込まれる中、他会計からの借入れなどに頼ることなく収支の均衡を図ることを念頭に置いてまいりました。優先的に取り組むべき本市の将来を見据えた諸課題に対応する一方で、事業の必要性、有効性を十分に検証しながら事業の厳選に努めるなど、財政健全化に向けた取組を緩めることなく実施したところであります。
次に、地方法人税の創設と交付税の原資化につきましては、地方消費税の引上げにより地方交付税の交付団体と不交付団体の財政力格差が拡大することから、地域間の税源の偏在性を是正し、財政力格差の縮小を図るため、法人住民税法人税割の税率を引き下げるとともに、当該引下げ分に相当する課税標準を法人税額とする地方法人税を創設し、その税収の全額を交付税特別会計に直接繰り入れ、地方交付税の原資として配分するものであります。
次に、国の特例措置の利用についてですが、公共施設等の除却についての地方債の特例措置につきましては、これまで公共施設等の除却のみでは地方債の対象とはなりませんでしたが、地方財政法を改正し、公共施設等の総合的かつ計画的な管理を推進するための公共施設等総合管理計画を策定した場合、この計画に基づく公共施設等の除却については、地方債を措置するものです。特例措置の期間は平成26年度以後の当分の間で、地方債の充当率は75パーセントとなっております。また、本市は、学校の適正配置や病院の統合新築などに伴う跡地利用や、老朽化した旧施設の除却が必要となる場合も想定されることから、今後、計画を策定し、財政負担の軽減、平準化を図る必要があると考えております。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、12番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)12番、鈴木喜明議員。
(12番鈴木喜明議員登壇)
○12番(鈴木喜明議員)次に、人口減少時代への本市の対応についてお聞きします。
国内では、2013年に生まれた赤ちゃんは、過去最少だった前年より約6,000人少ない約103万1,000人となりました。死亡した人は対前年比約1万9,000人増の約127万5,000人、死亡数から出生数を引いた人口の自然減は約24万4,000人で、減少幅は過去最大になったとの記事が今年初めに載っていました。
また、本市では、市外への転出者が市内への転入者を上回る転出超過数が921人となりました。転出超過数の全国順位では14位となり、人口流出の歯止めがかかりません。
我が自民党は、現状の打開策を探るため、一橋大学大学院法学研究科辻琢也教授の「人口減少時代のこれからの自治体行政」というセミナーを受けてきました。
それによりますと、日本の総人口は、鎌倉時代、室町時代の800万人前後から江戸幕府成立時代の約1,200万人を経て、明治維新には約3,300万人に達し、以後2回の世界大戦を経て高度経済成長時代を迎え、2004年の1億2,784万人をピークに減少傾向に転じました。
国立社会保障・人口問題研究所の日本の将来推計人口を基に国土交通省国土計画局が試算した2030年の人口は1億1,522万人で、高齢化率31.8パーセント、2050年になると9,515万人、高齢化率39.6パーセント、2100年には4,771万人、高齢化率40.6パーセントとなるそうです。世帯類型に関していえば、これまで家庭類型の主流であった夫婦と子から成る世帯は2050年には少数派になり、かわって単独世代が約4割と一番多い世帯類型となります。また、単独世帯のうち高齢者単独世帯の割合は5割を超え、2050年まで増加し続けます。
これまでの住宅ストックと世帯数の関係から見ると、世帯数の伸び以上に住宅ストックが増加し、ストック超過が拡大し、また、これに伴い、空き家数も増加傾向になります。2040年の地方都市の姿として、これまでの人口流入の受皿としての郊外部の開発が進展することはなく、市街地の拡大がとまり、市街地では空き家化、空き店舗化が進展し、低・未利用の土地が増加し、建物が歯抜け状態に点在し、拡大した市街地で人口が減少することになり、一定の人口密度に支えられた各種の生活機能が成立しなくなり、都市の生活を支える機能が低下することになります。それに伴い、生活に不便なまちにおいては、雇用の確保が困難になり、企業の撤退が進むなど地域経済が衰退し、結果的には社会保障制度やインフラ更新費用の増大を招き、住民税収や固定資産税収の減少により地域活力が衰退することになります。加えて、生活利便施設へのアクセスが困難である高齢者単独世帯が急増することにもなります。人口規模、人口密度が低下すると、1人当たりの行政コストが増加することは明確で、そのことは生活関連サービスの提供が困難になったり、割高になったりする可能性もあります。
2040年、2050年の地方都市の状況を類推するとして講義を受けたわけではありますが、実際、本市では既に前述の状態であり、平成23年12月に、平成22年国勢調査を基に本市総務部企画政策室が発行した小樽市の人口によりますと、65歳以上の人口は20年間で1.61倍に、65歳以上の高齢単身者は2.17倍にも増加し、平成2年には65歳以上の6.1人に1人がひとり暮らしとありましたが、平成22年では65歳以上人口の4.5人に1人がひとり暮らしとなっています。
講義の後段で、これからの行政のあり方と対処法が述べられておりました。
注目したい一つ目は、総務省からの特別交付税等の財政措置にすぐれている定住自立圏構想のさらなる推進とあります。市町村間の役割分担による生活機能の強化として、特に医療、福祉、教育、産業振興の分野で取組が増しているそうです。また、事務の共同処理や内部組織等の共同設置、自治体クラウドは、自治体運営経費を削減する手だてになるとありました。
既に本市は、中心市宣言をし、定住自立圏形成協定を結び、定住自立圏共生ビジョンを策定した上で、包括的財政措置などを受けながらこの構想を進めておりますが、現状の取組状況と成果、本予算に関連した事業の有無、また今後の構想と地域活性化事業債や外部人材の活用に対する財政措置等の活用のお考えがあればお聞かせください。
二つ目として、集約的都市構造化戦略が重要であるとのことです。まちづくりの目標は、快適な暮らしと活力ある経済活動が営まれるまちづくりで、もう少し具体的に言うと、健康、快適なライフスタイルを送ることができるまちで、人口や年齢構成の変化に対応した経済活動が営まれるまち、財政面を含め持続可能な都市経営が可能なまちの実現です。そのためには、前述した人口減少による行政コストの増加などに対応するため、集約型の都市構造が必要となります。
実現に向けた戦略として、第1に、中心市街地も含め人が集まり住むこと、すなわち集住の推進、集住エリア内の住宅立地、土地利用計画制度と税制・金融等の誘導策等をあわせた住み替えを促す制度の構築、郊外部における新たな市街地整備に関する事業の抑制などです。
新年度は新たな住宅マスタープランの策定年度に当たりますが、市長の市街地も含めた集住の考え方をお聞かせください。
第2は、都市機能の集約立地の推進です。具体的には、空き地の集約化、空きビルの活用等の核となるエリアへの都市機能の立地を促す制度の創設です。民間事業者による都市機能の整備に対する税財政・金融支援、学校、公有地等の公不動産の有効活用の促進、活用されていない建築物の除去などです。
本市では、市内中心部をはじめ、商業地では至るところでシャッターがおり、空き家化、空き店舗化が進んでいます。また、年間2,000人を超える人口減により、世帯数上位の桜、新光、長橋、奥沢地区が人口減少のあおりを受け、住民の数が減っています。この対策として、空き店舗の活用、公不動産の活用、民間支援などが考えられますが、市長の都市機能の集約立地についての御所見を伺います。
また、本予算の事業費480万円のにぎわう商店街づくり支援事業や、事業費200万円の商店街活性化支援事業、事業費297万円の空き店舗対策支援事業については、関連した事業と思われますが、事業内容を御説明ください。
また、札幌市に隣接し、緩やかではありますが人口減少が続く北広島市では、2014年度から市内に住宅を初めて購入して定住する人に50万円を助成するなど、子育て世代の増加を目指す施策がとられます。本市では同様の施策をとりがたい面があるとは思いますが、道内では既に64市町村での実施とお聞きしております。今後は、このような施策も念頭に置かなければならないと考えますが、いかがでしょう。
また、これらの施策は長期にわたるもので、このたびの小樽市総合計画後期実施計画にどう反映されているかも、あわせてお聞かせください。
関連となりますが、先ほど説明した空き家問題は、特に本市内では市民の身近な関心を集めております。今シーズンも昨シーズンと同様に本市は大雪に見舞われ、空き家での雪の放置は、近隣住民にとって事故などを考えると大変不安なものです。
昨年、道が空き家条例のモデルを示しました。今年度の空き家の雪の苦情件数並びに苦情理由、その対応、空き家条例制定に向けての進捗状況をあわせてお答えください。
2項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、人口減少時代への本市の対応について御質問がありました。
初めに、定住自立圏構想の推進についてですが、現在の取組状況と成果につきましては、共生ビジョンに掲げている成年後見センターや消費者センターの共同利用のほか、周産期医療体制や生活路線バスの維持・確保、地場産品の販路拡大、圏域内の観光情報の発信などの取組を、北後志5町村と連携・協力して推進しており、平成24年度には80件程度の5町村住民による成年後見センターと消費者センターの利用が見られたほか、圏域内の観光資源が一体としてメディアに取り上げられるなど、全体の生活の利便性確保や経済の活性化の面で一定の成果があったものと考えております。平成26年度においては、これらの取組を継続するとともに、現在の共生ビジョンが26年度で期間が終了となりますので、地域活性化事業債などの国の支援策の活用も視野に入れながら、圏域の5町村と今後の具体的な取組について協議を行い、新たなビジョンを策定してまいりたいと考えております。
次に、集約型都市構造とその誘導についてですが、まず中心市街地も含めた集住の考え方につきましては、これまでも中心市街地の空洞化を抑制し、コンパクトなまちづくりを進める観点から、集住の考え方の一つであるまちなか居住の推進に取り組んできたところであります。今後、新たな住宅マスタープランを策定する際には、集住の考え方を取り入れた施策を検討してまいりたいと考えております。
次に、都市機能の集約立地の考え方につきましては、小樽市都市計画マスタープランの土地利用の方針において、人口の減少や少子高齢化などの社会動向も考慮した、利便性の高いコンパクトな市街地を形成することを目標に掲げており、都市機能の集約立地は、この目標を達成する上での有効な手法の一つであると考えております。
次に、にぎわう商店街づくりの支援事業などにつきましては、主に中心市街地の活性化を図るために実施しており、事業内容としては、にぎわう商店街づくり支援事業は、小樽市商店街振興組合連合会に所属する商店街が、にぎわいの創出、魅力向上などの事業を行う場合に、費用の一部を助成するものであります。
商店街活性化支援事業は、商店街や市場が集客強化のための催事事業、魅力向上のための宣伝事業などを行う場合に、費用の一部を助成するものであります。
空き店舗対策支援事業は、小樽市商店街振興組合連合会に所属する商店街の空き店舗や小樽市場連合会に所属する市場の空きこまへ出店する際の家賃などの一部を助成するものであります。
次に、定住人口の増加に向けた住宅購入などへの助成制度につきましては、多くの自治体で定住人口の確保に向けてさまざまな助成が行われており、動機づけの一つにはなり得ると考えておりますが、制度創設によって新たな財政負担が伴うこと、既に実施している自治体もあり、本市にとっての優位性が懸念されることなど、課題もあることから、慎重に検討しなければならないと考えております。
次に、住居や都市機能集約の総合計画後期実施計画への反映についてですが、関連する施策としましては、まちなか居住の推進や都市計画マスタープランの推進と見直しを検討する中心市街地活性化推進事業や、地域の特性に応じた計画的なまちづくりを誘導する周辺市街地活性促進事業を登載しているほか、空き家や空き店舗への対応といたしましては、空き家情報提供事業や小売業経営基盤強化支援事業を、市の公共施設の集約化としましては、市立病院統合新築事業、市営住宅の用途廃止事業、消防署所適正配置事業、し尿処理施設整備・維持管理事業などを登載しております。
次に、空き家問題についてですが、まず今年度の空き家の雪に対する苦情件数と理由、その対応につきましては、2月20日現在、52件の苦情が寄せられており、その主な理由としましては「道路に落雪しそうで危険である」「道路に落雪した」「隣の家の屋根から落雪したら建物が損傷するので指導してほしい」などであり、これらの対応につきましては、建物所有者や管理者などを調査し、所有者が判明した場合には屋根の雪おろしなどについて指導しております。
また、空き家条例制定に向けての進捗状況につきましては、庁内連絡会議において、課題である所有者等の特定や危険度の判定、具体的な業務処理の流れなどについて一定の整理を行いましたが、より有効な対策を実施していくため、今後、庁内の体制整備などの課題を解決していくとともに、条例の制定については、国の特別措置法案の動向を注視しながら検討を進めてまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、12番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)12番、鈴木喜明議員。
(12番鈴木喜明議員登壇)
○12番(鈴木喜明議員)産業・港湾・観光振興についてお聞きします。
人口減少の大きな要因は、地場産業の衰退にもあります。雇用の場が減少し、職場を求めて家族ともども市外へ転出、本市における転出超過の大きな理由ではないでしょうか。限られた予算の中で基礎自治体が財政破綻の危機を打開し、充実した行政サービスを将来にわたり提供し続けていくためには、独自の産業振興に成功をおさめてきた先行地域の具体的な取組の経緯・経験と成果事例、ベストプラクティスに密着しつつ、共通する成功要因や取組方策のポイントなどについて十分に理解を深めていくことが不可欠と考えます。
本市産業振興に対する新年度関係予算案で、水産物ブランド化推進事業、小樽ブランド力推進事業、「小樽産品」販路拡大支援事業について、その内容と具体的な目標をあわせてお知らせください。
また、雇用創出・対策事業については、主な事業内容と全体の新規雇用予定人数、総事業費についてもお知らせください。
よく市内の商工業者やまちづくり団体の長の方から言われますが、産業港湾部に限って言えば、キーパーソンとして育ちつつある人材を途中で異動させないで、異動させる場合も、企画、商工、都市政策など、産業振興に関連する業務の範囲内で異動させ、せっかく形成した外との人脈が切れないようにしてほしいとの声も多く伺います。人事のことなので僭越とは思いますが、市長の御所見を伺います。
次に、小樽港の取扱貨物量についてお聞きします。
石狩湾新港の平成25年の取扱貨物量は、北海道ガスの石狩LNG基地が24年11月に稼働し、液化天然ガスの輸入が増えたことが主因で、前年比17.4パーセント増の472万9,811トン、輸出入総額は前年比30.7パーセント増の1,184億8,859万円と、1994年の開港以来、過去最高となりました。また、中国や、タイなど東南アジアに向けた道内産冷凍サケなど魚介類の輸出額が、前年比10.4パーセント増の68億9,325万円となったことも要因です。
このことと連動して、新港地域では、物流会社による冷凍倉庫の建設が加速し、活況を呈しています。石狩湾新港の平成24年取扱貨物量は402万8,010トン、輸出入量は219万4,769トン、小樽港の24年取扱貨物量は1,124万7,018トン、そのうちフェリー貨物が1,019万2,800トン、約91パーセントを占め、一般貨物取扱量は105万4,218トンと石狩湾新港の26パーセントでしかありません。小樽港の平成25年の取扱貨物量及び一般取扱貨物量の速報値並びに石狩湾新港との比較をお示しください。
両港とも本市に関係する港ということで、石狩湾新港の取扱貨物量の増加は望むべきことです。しかし、小樽港の取扱貨物量は、平成24年にフェリー貨物の増加により若干上向きになったものの、依然、一般貨物取扱量は低め安定で、その打開策すら示されない状況です。
現在、小樽港の物流は、フェリー貨物頼みとなっています。もちろん今後も、新日本海フェリーの運航便数及び存続には、市側の細心の配慮を求めます。そして、現在検討中の一般貨物取扱量増加施策をお考えならお示しください。
前定例会、昨年第2回定例会で提案した流通備蓄用の雪氷倉庫利用及びロシア極東貿易など、道内他都市での先行事例を研究していただきたいと思いますが、御所見をお聞かせください。
次に、本市における外国人観光客誘致施策についてお聞きします。
政府は、昨年6月に閣議決定された日本再興戦略の中で、2013年に、訪日外国人旅行者数1,000万人を達成し、2030年には3,000万人を目指すとしました。実際、昨年は、7月以降、タイ、マレーシアには従来の数次ビザをビザ免除とし、インドネシアには数次ビザの滞在延長、フィリピン、ベトナム、カンボジア、ラオスには1次ビザから数次ビザというビザ緩和を行った東南アジア諸国を含むアジア地域を中心に、旅行者数が高い増加率を示し、日本政府観光局は、前年比24パーセント増の1,036万人と発表しました。訪日外国人旅行者数は、依然、韓国、台湾、中国が上位を占めますが、中国本土からの人数は微減となり、まさに本市の外国人観光客動態と一致しています。
また、追い風として、北海道ブランドが東南アジアにも浸透し、昨年の夏には観光バスが不足するなど、北海道を訪れる外国人がかなり増えているとの分析もあります。
本市は、観光庁が進めるビジット・ジャパン地方連携事業について、昨年度は現地見本市開催やセミナー、商談会を行った、事業費3,938万円のタイ北海道・札幌観光プロモーション事業や、Jリーグのコンサドーレ札幌に在籍していたレ・コン・ビン選手の知名度を活用した、事業費380万円のベトナム北海道観光プロモーション事業に参加し、両国における本市の認知度と来樽意欲をアップさせました。
新年度予算案において、国内外観光客誘致実行委員会補助金300万円と東アジア圏等観光客誘致広域連携事業費補助金120万円などが、外国人誘致促進事業と考えますが、事業内容を御説明ください。
自治体の外国人観光客誘致例として、高山市では、国際化の取組として、市内の宿泊・飲食関係事業者等に配布し研修を実施するための外国人観光客等の受入れマニュアルの作成や、民間事業者が外国人観光客を受け入れるための自社パンフレット、看板等の作成に対し補助金を交付するおもてなし国際化促進事業補助金制度があります。外国人観光客の受入れ整備を図ることも口コミの誘致に大きく貢献すると考えますが、市長のお考えはいかがでしょうか、お聞かせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、産業・港湾・観光振興について御質問がありました。
初めに、平成26年度産業振興関連予算案についてですが、まず水産物ブランド化推進事業につきましては、新たな魅力ある水産加工品を掘り起こすことを目的に品評会を開催し、受賞商品の知名度の向上や販路拡大を図るものであります。また、市内水産加工会社の情報発進力を高めるための取組として、水産加工品などの賞品情報を収集し、データベースを作成するものであります。
小樽ブランド力推進事業につきましては、新たな小樽ブランドをつくり出すことを目的に、顧客目線を重視した既存商品の磨き直し、新商品の開発や販路確保のためのコーディネートを行うものであります。
「小樽産品」販路拡大支援事業につきましては、市内業者の販路が年々縮小していることから、小樽単独物産展等の新規会場開拓やセレクトショップ展開に対して支援を行うとともに、本市の知名度を生かし、商社や大手スーパーなどにおいて、市内企業のすぐれた商品の取引を拡大することを目的に、道外の大規模展示会での小樽ブースの出展に対して支援を行うものであります。
次に、雇用創出・対策事業につきましては、国の緊急雇用創出推進事業を活用し、堺町通り商店街において観光客を商店街に呼び込むためのモデル事業として観光型商店街活性化モデル事業や、本市が所有し貸出し等を行う観光画像データの刷新等を目的とした小樽の街並み・景色を観光資源とした観光促進事業のほか、海水浴場・観光イベント等クリーンアップ事業など、本市独自の雇用対策を3事業予算化しており、合計5事業の新規雇用予定人数は51名で、総事業費は2,640万9,000円計上されております。
次に、職員の人事異動についてですが、これまでも産業港湾部に限らず、専門性の高い部署や外部との人脈を保たなければならない部署においては、配置期間を長くする、経験のある職員を配置するなど、それぞれの職場の特殊性を勘案しながら職員配置をしておりますが、一方では、人材育成の観点から、さまざまな職場を経験させることも必要ですので、今後もこのような視点で職員配置を行ってまいりたいと考えております。
次に、小樽港の取扱貨物量についてですが、まず平成25年の小樽港の取扱貨物量につきましては、速報値で全体量が1,100万6,657トン、そのうちフェリー貨物を除く一般貨物取扱量が102万5,612トンであります。また、この一般貨物取扱量を石狩湾新港と比較すると、約22パーセントとなっております。
次に、現在検討中の一般貨物取扱量の増加施策につきましては、港湾関係者とともに研究会を設けて、小樽港の輸入穀物基地としての既存機能の活用により、道内産穀物類の国内向けの輸出拠点を目指すことや水産品や果物など後志産品の集荷を図り、定期コンテナ航路を活用して販路拡大を行うことなどを検討しております。また、昨年開設した小樽-ウラジオストク間のRORO船定期航路、さらには極東ロシア沿岸地方やサハリン州との在来不定期船における取扱品目の拡充などについても検討しております。
一方で、官民を挙げたポートセールスも重要と考えておりますので、小樽港貿易振興協議会が主体となって今後とも引き続き小樽港セミナーや荷主懇談会を開催するとともに、私みずから道内外の荷主訪問を行うなど、小樽港のPRに努めてまいりたいと考えております。
次に、雪氷倉庫利用などの道内他都市の先行事例の研究につきましては、昨年第4回定例会でも答弁したとおり、小樽港の臨港地区への雪氷倉庫の導入は難しいものと考えておりますが、後志圏の農産品の集荷拡大は小樽港にとっても一般貨物の増加につながることから、道内他都市における農産地での導入事例を参考にしながら、改めて関係業界の方々の意見を伺ってみたいと考えております。
また、昨年第2回定例会で御提案のあったロシア極東地域との貿易につきましては、同地域は、今後、豊富なエネルギー資源を背景に、地域開発の進展や生活水準の向上が進むものと期待されておりますので、道内他都市に見られる取組などを参考に、小樽港の貿易拡大に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、平成26年度外国人観光客誘致関連の予算の事業内容についてですが、まず、国内外観光客誘致実行委員会補助金につきましては、外国人観光客誘致に係る事業としては、宿泊客が最も多い香港から雑誌社や旅行会社の担当者を招聘し、小樽観光の説明会や商談会、市内観光施設の視察などを行うことにより、雑誌への掲載や旅行商品造成を図ってまいります。
また、東アジア圏等観光客誘致広域連携事業費補助金につきましては、札幌市や北海道運輸局などと連携して、MICE誘致に向けたさっぽろMICEサミットへの参画のほか、アジア諸国の旅行会社やメディアの担当者などの招聘事業を予定しております。
次に、外国人観光客の受入れ整備につきましては、本市においては民間レベルで外国語パンフレットや看板の作成などは既に一定程度実施されております。そこで、新年度においては、観光事業者や市民を対象にホスピタリティの向上を図る外国語講座や外国人受入れに係る講演会を引き続き実施するとともに、運河プラザ内に開設しているJNTO認定の外国人観光案内所、小樽国際インフォメーションセンターの充実に努めてまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、12番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)12番、鈴木喜明議員。
(12番鈴木喜明議員登壇)
○12番(鈴木喜明議員)子ども・子育て支援事業についてお聞きします。
人口増加の特効薬は出生率の増加に尽きると前述の辻教授もおっしゃっていたように、子ども・子育て支援事業は、本市における最重要施策です。
新年度予算案に子ども・子育て支援事業計画策定経費が計上されておりました。本年1月末の報道で、昨年秋に実施した子ども・子育て支援アンケートの中間報告で、小樽の子育て環境や子育て支援策への満足度を「低い」「やや低い」と答えた人は計53パーセントに上り、満足度の低さが浮き彫りになりました。調査は、市が幼稚園や保育所、子育て支援事業へのニーズを把握し、今回の策定計画に反映させるのが狙いとありましたが、満足度が「高い」「やや高い」との回答は計7.1パーセント、「普通」は37パーセントと、かなり本市の子育て支援事業が不評との印象を受けました。その理由は、本市の子育て支援事業の中身がまだ知られていないのが一因で、今後、詳細なまとめをするとのことでした。
本市では、地域子育て支援センター3か所が次々と開所し、センター開放、育児相談、育児支援訪問などを行い、子育て支援ボランティア制度も取り入れ、きめ細やかに子育て支援事業を行っていると報告を受けております。なぜこのような結果となったか、分析結果と今後の対策をお知らせください。
また、子ども・子育て支援事業計画の内容と意義について御説明ください。
新年度予算案で子ども・子育て支援に資する施策がほかにあれば、その内容をお示しください。
また、今後、子育て世代がもう一人産みたくなるように、決して育てる環境の悪さゆえに本市を離れることのないよう、子育て支援事業に特段のお考えを示していただきたいと考えますが、御所見をお聞かせください。
以上、4項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、子ども・子育て支援事業について御質問がありました。
初めに、子ども・子育て支援アンケートについてですが、まず、子育て環境等の満足度に関する調査結果と今後の対策につきましては、この調査項目は、満足度が「高い」から「低い」までの5段階評価となっており、それを単純集計したものであります。今後、自由記載項目を含めて集計し、アンケートの分析を行ってまいりたいと考えております。
次に、子ども・子育て支援事業計画策定についてですが、この計画の内容につきましては、平成27年度から5年間の計画期間における保育所、幼稚園などの教育・保育施設や地域の子育て支援事業等に関する需給計画などが中心となる計画であります。
また、計画の意義につきましては、法に示されていますが、教育・保育や地域の子育て支援に関する提供体制の確保を図り、子供とその養育者に対して必要な支援を行い、子供が健やかに成長できる社会の実現に寄与することであります。
次に、平成26年度予算案の子ども・子育て支援事業計画策定以外の施策につきましては、怒らず効果的に子供を養育する子育てトレーニング教室の開催事業のほか、奥沢保育所で本年4月から産休明け保育と延長保育を新たに開始するとともに、銭函保育所では施設内に地域子育て支援センターを併設し、27年度からの供用開始に向けた改築事業を進めてまいります。
次に、子育て支援事業に関する所見につきましては、子供を産みやすい、育てやすい環境づくりのため、妊娠、出産から子供の成長に応じた子育て支援策が必要でありますし、仕事と子育ての両立支援の推進や長時間労働などの働き方の見直しも必要なことと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第5項目めの質問に入ります。
(「議長、12番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)12番、鈴木喜明議員。
(12番鈴木喜明議員登壇)
○12番(鈴木喜明議員)生活基盤関連についてお聞きします。
労務単価7.5パーセント引上げについてお聞きします。
個人消費や公共投資が堅調で、建設や小売など主に非製造業で求人が増えた結果、道内を含めて人手不足の地域が広がっているとの報道がありました。
日銀の調査では、人手不足で工事が遅れたりして、事業活動のボトルネックになっている事例が見られ始めていると指摘されています。
国土交通省は、1月30日、公共工事の予定価格、落札上限価格算出に用いる建設現場の職人の1日当たりの基準賃金である公共工事設計労務単価を、全国平均全職種で、現行比7.1パーセント増の1万6,190円に引き上げると発表しました。予定価格の上昇を促し、公共工事で落札業者が決まらない入札不調を防ぐのが狙いで、2月1日から道内では現行比7.5パーセント増の1万4,131円が適用されました。人手不足で鉄筋工などの職人の実勢賃金が上昇しているため、これを労務単価に反映し、公共事業の予定価格を全国で引き上げました。予定価格を実勢価格まで引き上げ、入札不調の解消につなげる考えとのことです。
我が党は、前回の平成25年第4回定例会代表質問において、本市の入札不調の実態と影響、また、その解消を進言しました。このたびの国土交通省の労務単価の改新は2013年に次ぐもので、実勢賃金の上昇は想像を超えた域であったことを示しています。この国の決定は、本市の入札不調解消の切り札と考えますが、いかがでしょう。
また、このことにより、本市の既存契約案件についての対応と新年度予算案への影響についてお答えください。
次に、民間大規模建築物耐震診断促進経費についてお聞きします。
建築物の耐震化をより一層進めるために、建築物の耐震改修の促進に関する法律の改正に基づき、市への耐震診断の報告が義務づけられている、不特定多数の人が利用する民間大規模建築物所有者に対し、耐震診断の経費の3分の2を助成するとありますが、対象となる施設は何棟ありますか。
また、耐震診断にかかわる建築士に一定の要件があるのかもお知らせください。
実際に、所有者の心配は、耐震診断そのものよりも、耐震診断にパスせず、耐震化への指導を受け、建築物の改修に莫大な経費がかかるのではないかということだとも聞いております。耐震診断提出後、基準を満たさなかった場合や、耐震診断を実施しなかった場合の、その後の流れをお示しください。
次に、住宅リフォーム助成事業費についてお聞きします。
2,120万円の予算案で住宅リフォーム助成事業が3年目を迎えます。道内の住宅関連企業は、増改築や修繕の時期に差しかかった住宅が増えていることに加え、少子化の進展で将来、住宅新築数の大きな伸びが期待できないため、一般住宅のリフォーム事業を強化しています。住宅メーカーや建材メーカーのほか、ホームセンターなどもリフォーム事業を拡大し、全国の住宅リフォーム市場の規模は、2009年を底に拡大傾向が続き、2012年には6兆2,000億円、2020年には7兆6,000億円に達するとの試算があり、そのリフォーム市場をターゲットに活性化していくと報告されています。
当然、本市においても、今後も増改築や修繕の必要性が高まる住宅が増えることが予想されます。しかし、本来の目的は、市内建築関連業者への経済活性化策であり、この制度を施工主が利用することによって、小規模ながら仕事を受注することができ、今後の仕事につながるとの思惑でした。3年間がめどということで、平成26年度で一度区切りがつくわけですが、本市における住宅リフォーム助成事業の2年間の総括と、今後、代替事業を検討中なのかもお示しください。
以上、5項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、生活基盤関連についての御質問がありました。
初めに、労務単価引上げについてですが、まず、国の労務単価引上げは、本市の入札不調の解消となるかということですが、現在の道内の建設現場の職人不足の原因としては、東日本大震災で大きな被害があった3県の復旧工事に出稼ぎに赴いていること、また、最近の若者が賃金の低さなどの理由から建設現場の職人になりたがらない傾向があると言われており、今回の労務単価の引上げは、建設現場の職人の増加につながり、入札不調の解消に一定の効果があるものと期待しております。
次に、労務単価上昇により、本市の既存契約案件についての対応についてですが、新しい労務単価は2月1日以降に積算する工事に適用されることとなっており、特例措置として、2月1日以降に古い単価で契約した工事は、受注者の請求により新労務単価に基づく契約に変更することができるものとなっております。
次に、新年度予算への影響についてですが、工事を発注する際、工事費の積算に当たっては、実施計画を基に資材や人工の数など詳細に積算していくことになりますが、その中で労務単価の上昇分は工事費の積算額に影響はあるものと考えております。
次に、民間大規模建築物耐震診断促進経費についてですが、初めに、助成対象となる施設数につきましては合計で12棟ありますが、このうち3棟は既に耐震診断を実施したと聞いております。また、耐震診断資格者の要件につきましては、一級建築士、二級建築士若しくは木造建築士であって、法で定められた講習を受けることとなっております。
次に、耐震診断提出後の基準を満たさなかった場合の流れにつきましては、所有者から耐震改修等の予定を提出してもらい、建物の概要や診断結果とともに公表することになります。また、期限までに耐震診断を実施しなかった場合につきましては、所有者へ是正を命じ、その旨を公表するとともに、それでも従わなかった場合には100万円以下の罰金が科せられます。
次に、住宅リフォーム助成制度についてですが、まず、事業の2年間の総括につきましては、多くの市民の皆さんがこの制度を利用し、施工者を市内の業者に限定したことにより、制度の目的である市内産業の活性化に寄与するとともに、住宅の改修が促進され、省エネルギー化による環境負荷の低減、安全・安心で快適な住環境の整備が図られたものと考えております。
また、今後の代替事業についてですが、市内経済の状況を見ながら判断してまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第6項目めの質問に入ります。
(「議長、12番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)12番、鈴木喜明議員。
(12番鈴木喜明議員登壇)
○12番(鈴木喜明議員)平成26年度小樽市教育行政執行方針についてお聞きします。
上林教育長は、この中で「「家庭・学校・地域」が一体となって各般施策を着実に実行していくことが重要である」、また、「義務教育においては、子どもたちの進学や就職を常に念頭に置きながら、厳しい現実の社会の中をたくましく生き抜いていける基礎基本の学力をしっかりと身に付けるなど、「知・徳・体」のバランスのとれた人材を育成することが求められている」と述べられておりました。全く同感であります。
本市では、義務教育の三本柱、知・徳・体で一番油断をしていた「体」が、平成25年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査で劣っているとの結果が出ました。
また、執行方針の中でも触れられておりましたが、「知」では、昨年の全国学力・学習状況調査で残念ながら、小学校では算数A以外は全道平均を下回り、中学校では全て全道平均を下回る結果と聞いております。
「徳」については、昨年度の同方針の中で、平成25年度は、いじめ・不登校、体罰などの諸課題の解決に向けて、教職員間、各学校を取り巻く人や関係団体それぞれの連携が不可欠であり、これらの活動を通し、引き続き教育の活性化に努めてまいりますと述べられておりました。
教育には時間がかかることは十分承知しています。教育長が感じられた昨年から改善されたことや、知・徳・体それぞれに対する効果的な施策を、平成26年度の施策の中から、それぞれお示しください。
本市では、新年度予算案で、「小樽イングリッシュキャンプ」、市内小・中学生の国際感覚を育むため、外国人との活動や宿泊生活、外国人観光客への観光案内など、英語漬けの時間を過ごすプログラムの実施を掲げています。特に小学校の英語教育では、外国の人々に対し物おじしない態度や積極的に人とかかわりコミュニケーションを図ろうとする態度、英語の基礎的運用能力、すなわち聞く・話す・読む・書く能力、みずからの意見を表現する能力を育むことが大切であると考えます。
昨年、道教委、小樽ユネスコ、小樽商科大学の留学生の協力の下、行われたオタル・イングリッシュ・デイは、児童・生徒にも大変好評で、この事業も楽しみなプログラムとなりそうです。しかし、小学校外国語教育は、現行の学習指導要領では、学校の判断により、総合的な学習の時間の国際理解に関する学習の一環として、外国語会話等に取り組むことができることとされており、児童が外国語に触れたり、外国の生活や文化などになれ親しんだりするなど、小学校段階にふさわしい体験的な学習が行われるようにすることのみを示しており、それぞれの小学校間で英語活動の取組に差があり、外国語、英語学習なのか、国際理解の学習なのか、必ずしも明確ではないという課題をはらんでいます。
そこで、この「小樽イングリッシュキャンプ」の内容とその位置づけ、今後の本市の小学校での外国語教育の目標について御説明ください。
また、新年度予算案ではデジタル教材整備費が計上されており、実物投影機としてプロジェクターを整備し、ICTを活用し、学習環境の整備を行うとのことです。ICTの活用で写真や図表を大きく提示して指示を明確にすることや、見せながら話して、わかりやすく説明やまとめをすることなど、児童が理解しやすく教育効果が高まることが知られています。もちろんこの機具だけでは不十分で、しっかりとしたシステムを構築しなければならないと考えます。ハード面では教員みずから機器を使いこなす技術、ソフト面では学習教材の効果的な使い方などを理解し、応用することが必要となります。教員の研修、実技指導については、どのようにお考えかをお示しください。
また、ICTは常に進化し更新を続けるものであり、常に身近に置かなければ、その効果は薄いと考えます。新年度の主要施策等一覧では、各小学校で既存のものを含め最低1台配置されるように整備とありましたが、本市の児童の基礎学力習得状況の危機感から考えて、本来、1クラス1システムの整備が望まれます。せめて1学年1システムの整備が必要と考えます。今後の小・中学校のICT整備計画等についてお答えください。
以上、再質問は留保し、質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)鈴木議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、平成26年度小樽市教育行政執行方針について御質問がありました。
初めに、知・徳・体における昨年度からの改善点と来年度の施策についてでありますが、「知」の部分につきましては、昨年、西陵中学校において、秋田大学の教授を招き公開授業を行いましたが、1回の取組では限られた人数での研修となり、広がりが見られないという反省から、来年度については、共同研究として市内2校の中学校で、年間を通して授業研修を継続し、その成果を公開研修会で多くの教員に広げることで、小樽の中学校の授業力の向上につなげていきたいと考えております。
また、昨年、日帰りの日程で実施したオタル・イングリッシュ・デイは、英語を使って活動する時間が短く、英会話の習得につながらなかったことから、来年度は1泊2日の日程で実施し、日常生活を通しての実践力を身につけられるよう取り組んでまいります。
さらに、小学生の保護者を対象として、早い段階から家庭の中で進路について考え、学習意欲の高揚につなげることを目的として実施した高等学校合同進路説明会については、子供も参加させて話を聞かせたいなどの声が寄せられたことから、来年度は対象者を市内の小・中学校の児童・生徒及び保護者にも広げて開催することにいたしました。
次に、「徳」の部分については、これまでのいじめ防止キャンペーンなどの継続的な取組により、いじめの認知件数や不登校、問題行動などについては、おおむね減少傾向にあるものの、一方でインターネット上のいじめなどの問題も見られていることから、来年度については、全校に位置づけいたしました小樽市小中学校情報モラル対策委員が一斉に行うネットパトロールを強化し、ネットトラブルに対する抑止効果を高めていきたいと考えております。
次に、「体」の部分につきましては、これまで学力の向上に重点的に取り組んできましたが、今回の体力調査の結果、子供たちの体力が予想以上に低下していることから、来年度は学力に加え、体力の向上にも意を配り、体育の授業改善や1校1実践の取組などを進めてまいりたいと考えております。
次に、「小樽イングリッシュキャンプ」と今後の本市の小学校における外国語活動についてでありますが、このキャンプは、昨年初めて実施したオタル・イングリッシュ・デイをさらに発展させたものであり、おたる自然の村での1泊2日の宿泊体験を通して、1日目は「「Good morning.」から「Good night.」まで」を合い言葉に生きた英語を学ばせ、2日目は、前日の学習を生かして小樽運河周辺で外国人観光客に英語で小樽を紹介する時間を設け、自分の言葉が伝わる喜びや英語で交流できる楽しさを体験してほしいと考えております。今後、本市の小学校における外国語活動については、外国人観光客が多く訪れるまちならではの特色ある英語教育を行い、国際感覚にすぐれた人材の育成を目指してまいりたいと考えております。
次に、このたび整備します実物投影機を活用した教員の研修、実技指導についてでありますが、近年、ICTを活用して子供たちに情報活用能力を育成する教育が求められておりますが、その中でも実物投影機は操作が簡単で効果が大きいということから、授業改善を図り、学力の向上につなげるため、全校に配置することといたしました。今後は、市内の教職員を対象に、効果的な使い方などを学ぶ実技研修会を開催するとともに、実際に活用する様子を見せる公開授業などを通し、教職員の指導技術の向上を図ってまいります。
次に、ICT整備の計画につきましては、教職員の研修を通じ、各学校での実物投影機を活用した授業改善の成果などを十分に検証するとともに、教育委員会として他の施策との優先度なども考慮して検討してまいりたいというふうに考えております。
(「議長、12番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)12番、鈴木喜明議員。
○12番(鈴木喜明議員)1点だけ再質問させていただきます。
まず、その前に、コンパクトシティを目指して集住という考え方を取り入れていただくということを確認いたしましたので、ありがとうございます。
それと、小樽港の一般貨物の増加施策として、ロシア極東貿易並びに雪氷倉庫の件を俎上にのせていただいたというふうに理解しておりますので、ありがとうございます。
お聞きしたいのは、1点だけでございます。先ほど、財政調整基金の残高が3億3,000万円とおっしゃっておりまして、万が一ということでございまして、もう、うららかですからたぶんないとは思いますけれども、そうなりますと残りが3億3,000万円で、1回分、この前の予算の補正が3億5,000万円でございますので、最悪ここから吹雪がありますと、1回分はあるという理解でよろしいでしょうか。それだけお聞かせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)今、鈴木議員がおっしゃるように、補正が出ないように期待しているところでありますけれども、どういう状況になるかわかりません。昨年度は、本市の財政上、やはり除雪費としては最大の15億円という数字でございました。今回は、先ほど、専決処分で、後ほどまた御承認いただかなければいけないのでありますけれども、3億5,000万円補正いたしまして15億円ということでございますので、今の状況から考えますと降雪量は多少多いのでありますが、何とか昨年並みにおさまっていただきたい、多少願望も含めております。
ですから、現実的にはそうではなくなったときには、先ほどは何とか財政調整基金の範囲内でという話をしましたけれども、そのときはまた検討していきたいと思いますが、何とか財政調整基金の今の残りの約3億円の中でできればと思っておりますので、御理解いただきたいと思います。
○議長(横田久俊)鈴木議員の会派代表質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時24分
――――――――――――――
再開午後2時50分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、会派代表質問を続行いたします。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
(22番北野義紀議員登壇)(拍手)
○22番(北野義紀議員)日本共産党を代表して質問いたします。
初めに、財政問題です。
小樽市の財政現状の認識について、人件費の独自削減の復元や新・市民プール、福祉灯油等の実現に関して、市長の見解を伺います。
小樽市の財政の現状認識について、市長は、昨年の第4回定例会での小貫元議員の代表質問で新・市民プールの実現を求めたとき、累積赤字はなくなったが、他会計等からの借入残高が平成24年度決算で54億円もあり事実上の赤字だ、市財政は依然として深刻と答えていました。
また、予算特別委員会で、川畑正美議員が福祉灯油実現を求めたとき、市長は何と答弁したでしょうか。24年度は借入れを行っていないけれども、年度末で残高が54億円になっていることを引き合いに、他会計から借入れがないから余裕があるのではないか、そういう質問ではないかと思うが、他会計からの借入れが膨らんでいったら、まさに財政再生団体に足を踏み込むことと同じことになる、こう言って福祉灯油実現を断ったではありませんか。
平成16年度、職員給与を独自削減したときの累積赤字は決算で11億7,978万円、他会計、基金からの借入残高は13億5,000万円、合計25億2,978万円。現在はどうなっているか。確かに累積赤字はなくなりましたけれども、他会計からの借入残高は、25年度決算見込みで46億3,800万円で、16年度の二つの合計より多くなっています。市長のおっしゃるとおり、他会計からの借入れが事実上の赤字だとすれば、現在のほうがはるかに財政は深刻なのではないでしょうか。
市長が、新年度予算についての記者会見で述べたように、財政再建の道半ばというか入り口、それどころか、かえって深刻さは増しているのではないでしょうか。説明をしてください。
また、昨年の第4回定例会のときと新年度予算編成時で、財政危機は少しでも緩和されたというのか、市財政の認識についての見解を求めるものです。
職員給与・特別職給与の独自削減の復元に関してです。
我が党は、平成16年度の職員給与削減のときも、財政が苦しいからといって一般職の給与削減はすべきではないと反対しました。今回の復元に関しても、一般職の復元には賛成です。
市長が職員給与・特別職給与の独自削減の復元に踏み切ったのは、平成16年度よりも財政状況がよくなったと判断したからだと考えます。そうだとすれば、新・市民プールや福祉灯油実現の要求には背を向け、財政再生団体に足を踏み込むことと同じになるとおどしをかけ、その一方で累積赤字がなくなったからといってみずからの給与は復元を図る、到底、市民の同意を得られるものではありません。私は、市長たる者は弱者を最優先し、みずからの利益は最後に享受するのが本当だと考えますが、見解をお聞かせください。
私が、市長が財政状況がよくなったと判断しているのではないかと指摘する根拠について、もう一つ尋ねます。
ふれあいパスの利用者負担増に関してです。
ふれあいパスの利用者負担増について、各会派代表者への説明のとき、原案のときですが、利用者である高齢者に1回の使用につき20円もの値上げをする案が示されました。私は、その場で、利用者の負担増は認められないと指摘をしたら、財政が大変だから、ふれあいパスでこれ以上の市の負担はできないと言い張っていたではありませんか。
ところが、その後、与党からも言われたと、取ってつけたようにあっさりと市が10円の負担、新たに2,000万円の負担をすることにしたとの追加説明がありました。取ってつけたようにと言ったのは、これまで議会の各会派への説明は、共産党は最後のほうだからです。今回の第1回定例会の議案説明は、一番最後でありました。ふれあいパスの利用者への1回につき20円負担は、与党の了解をもらった上での共産党への説明と理解するのが当然でしょう。だから、共産党への説明のとき、認められないと強く主張し、頑として聞き届けなかったではありませんか。
話は横にそれましたが、このふれあいパスの議会への説明の経過を見ても、市長の財政認識は好転しているとの判断をせざるを得ません。そうであるならば、新・市民プールの実施設計など2,800万円や福祉灯油の1,200万円をはじめ市民が切実に望んでいる事業、今からでも遅くありません、実現をして市民を喜ばせてはいかがでしょうか。
国の平成26年度地方財政計画に基づく小樽市の新年度予算編成を終えて、真の財政再建の見通しと課題について尋ねます。
平成26年度地方財政計画では、国は、一般財源総額について、社会保障の充実分等を含め、平成25年度の水準を相当程度上回る額を確保した一般財源総額で、前年度比6,000億円上回ったと胸を張りました。地方税が伸びるとして、地方交付税は臨時財政対策債と合わせ約8,000億円も削減してしまいました。
小樽市の新年度予算案で、一般財源の大宗を占める地方交付税と市税はどうなったでしょうか。
地方交付税は、前年度比4億5,300万円の減、臨時財政対策債は1億600万円の減、合わせて5億5,900万円も減らされています。
市税はどうか。法人市民税は、前年度比1億1,760万円増の13億5,080万円、個人市民税は、4,400万円減の42億8,720万円で、市民税全体では7,360万円の増にすぎません。
このほか、4月からの消費税増税に伴う地方消費税交付金に期待をしたようですが、国は、増税初年度は経過措置として平年度ベースの0.7パーセントを見込まず0.2パーセントとしたため、前年度比1億5,200万円の増にとどまりました。
地方譲与税は、国は17.4パーセント増を見込んでいますが、小樽市は逆に3,800万円の減です。
その他の一般財源を含めても、小樽市の一般財源は前年度比で増加しているのかどうか、金額、比率にも触れてお答えください。
また、小樽市の新年度予算を分析すれば、果たして国の言うとおりなのか疑問が先に立ちます。そこで、通常収支分の一般財源に関して、国の言い分に照らして小樽市の新年度予算編成ではどうなっているか、説明をしてください。
次に、国の歳出特別枠、交付税の別枠加算は、20.1パーセント、38.4パーセントとそれぞれ削減されてしまいましたが、この二つについて、小樽市の予算編成にどのような影響となっているか、国の説明どおりの効果があったのか、具体的に説明してください。
次に、中松市長の選挙公約である真の財政再建をなし遂げることが、任期1年を残してどこまで到達しているかを検証する時期と考えますので、真の財政再建をなし遂げることはどこまで来ているのか、具体的事例、金額等も示して見解をお聞かせください。
あわせて、市長自身も財政再建は4年間でできるとは考えていないと思うので、次期市長選に中松市長は再度立候補するのかも市民がひとしく注目しているところです。市長の所見をお聞かせください。
真の財政再建は、三位一体改革を前後しての財政危機を脱することを指していますが、そうであるなら三位一体改革のとき削減したあらゆる市民サービスを復元することが欠かせない課題と考えますが、市長の見解をお聞かせください。
現在の地方財政危機は、2004年度からの3か年間の三位一体改革で地方交付税を大幅に削減し、初年度だけでも2兆8,000億円もの大幅削減に起因しています。この3か年間で小樽市は、その減らされた総額が54億円を超えているのです。
しかし、地方からの猛烈な反発を受けて政府も若干の手直しを行い、地方再生対策費、後の特別枠へ統合されたものですが、またリーマン・ショックを受けての地方交付税の1兆円上積みをやらざるを得なくなり、その後、政権交代がありましたが、基本的に継承されてきました。
ところが、安倍内閣は、これらの財政の危機モードを平時モードに戻すと言って行ったのが今回の地方財政対策です。平時に戻すというのであれば、三位一体改革のときに削減した地方交付税を改革以前に抜本的に戻すことでなければなりません。市長の見解を求めるものです。
この4月からの消費税増税について伺います。
1997年の消費税率5パーセントにしたとき、国の税収は、消費税という税金は確かに増えたが、所得税をはじめ、その他の税金が軒並み減少し、国の税収全体では、差引きで6兆円もの落ち込みとなったことは記憶に新しいところです。今回の消費税増税は、この比ではない事態が平成26年度に引き起こされる心配をするのは当然です。そうなったら、ますます地方交付税の総額が落ち込み、地方財政はますます困難になることは明らかです。
そこで、市税の落ち込みにならないかの心配に対する見解をお聞かせください。
また、増税によって市民生活に重大な影響を与えることについて伺います。
みずほ総合研究所が昨年10月に、総務省の家計調査を基に消費税引上げに伴う家計負担を試算しています。消費税増税による世帯年収別の消費税負担額や、年収に対する消費税負担率を明らかにしています。これによれば、年収237万円の勤労者の世帯では世帯主の月給が17万円程度の世帯ですが、税率8パーセントになるだけで年間5万7,592円の増税となり、月給の3分の1が消えてしまう、税率が10パーセントになれば、月給の半分以上が消えると明らかにしています。
非正規労働者がますます多くなる中で、こういう事態になればどうやって生活するのかと、市民のことを思うと胸が締めつけられる思いです。市長は、市民に塗炭の苦しみを与える消費税増税をどう考えているのか、見解をお聞かせください。
消費税増税は、中小企業・商店の営業にも、深刻な事態を引き起こします。帝国データバンクの昨年9月の消費税引上げに対する企業の意識調査では、事業所の規模を問わず、半数以上が悪影響があると回答しています。
また、取引先から納入価格の引下げの要請があった場合、つまり消費税増加分を価格に転嫁するな、価格転嫁拒否の要請ですが、承諾する、条件や相手によると回答した企業が半数を超えています。転嫁拒否は違法ですが、現在でも転嫁拒否を受けている中小企業・商店が多い中にあって、さらに自分でかぶる事業所が増えることになります。小樽市内の企業も例外ではありません。市長は、この現状をどう考えるか、見解をお聞かせください。
消費税増税に伴う国の低所得者対策についてです。
住民税均等割が課税されていない方に1人1万円の支給、そのうち基礎年金受給者などは5,000円を加算する臨時福祉給付金、児童手当の支給給付者、臨時福祉給付金の対象者は除かれますが、この支給対象者に対象児童1人当たり1万円の子育て世帯臨時特例給付金を支給することになりますが、1回きりで、負担増は解消されません。
なお、これらの給付金は本人の申請によるものですが、給付時期は市町村の実情に応じて決めることになっています。小樽市ではいつ支給するつもりか、対象者はそれぞれ何人となるのか、お答えください。
財政問題の最後に、消費税増税によって昨年12月に見直した小樽市中期財政収支見通しの一般会計収支見通しが狂ってこないかの疑問に対する見解も、あわせてお聞かせください。
1項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)北野議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、財政問題について御質問がありました。
初めに、市財政の現状認識についてですが、まず財政は深刻さが増しているのではないかということにつきましては、予算編成における財源対策として、平成23年度までは他会計や基金に頼らざるを得ない状況にあり、16年度と比べ、25年度末の他会計と基金からの借入残高の見込みは増加しておりますが、現在は他会計からの借入れを行わず、収支均衡予算を編成しているところであります。
次に、市財政の認識につきましては、第4回定例会の際には国の地方財政計画が示されておらず、地方交付税の動向が不透明でありましたが、新年度予算編成時までの間で地方財政計画が示され、地方交付税をはじめとする一般財源の状況を見込むことができるようになり、財政調整基金の取崩しによる財源対策で収支均衡の予算編成となったものです。
次に、特別職の給与の独自削減についてでありますが、特別職の給与は、平成9年10月に、当時の市長が政策的判断に基づき3パーセントの独自削減をはじめ、その後、段階的に削減率を増加させながら、現在、私で30パーセントの削減としております。職員給与の独自削減を始めた平成16年度当時は、他会計からの借入れや予算の一部計上留保を行っていましたが、現状においては、他会計からの借入金の償還はあるものの、予算編成のための財源として新たな借入れや計上留保は行っていない状況にあります。しかしながら、本市の財政は余裕のあるものとは言えないことから、私の給与につきましても、平成16年当時と同率の15パーセントの削減とし、また副市長と教育長は、私と同様に現在の削減率を2分の1とすることで、引き続き給与の独自削減を行うこととしたものであります。
次に、市民のための事業ということにつきましては、限られた財源の中ではありますが、市民の「安全・安心な暮らしのための取組」や「市内経済の活性化に向けた取組」に加え、今回、新たに「次代を担う子どもたちへの取組」を優先的に取り組む重点施策として位置づけ、予算編成したところであります。
次に、真の財政再建の見通しと課題についてですが、まず新年度の一般財源の状況につきましては、財政調整基金による財源対策前で335億6,000万円、25年度予算と比べ4億6,000万円、1.4パーセントの減となっております。
次に、本市の主な一般財源を国の地方財政計画に照らした場合につきましては、地方税では、国は2.9パーセントの増と見込んでいるのに対し、本市は0.1パーセントの増、地方譲与税では、17.4パーセントの増に対して10.2パーセントの減、地方交付税では、1.0パーセントの減に対し2.7パーセントの減、地方特例交付金では、5.0パーセントの減に対し15.1パーセントの減、臨時財政対策債では、9.9パーセントの減に対し4.2パーセントの減となっております。
次に、歳出特別枠、交付税の別枠加算の影響につきましては、国は、地方財政計画において歳出特別枠を1兆1,950億円としており、地域の元気創造事業への振替分3,000億円を含めると前年度水準を確保したとしておりますが、一方で、歳入では、地方税収の伸びを踏まえ、交付税の別枠加算を9,900億円から6,100億円に縮小したことなどから地方交付税総額が減少しており、本市の地方交付税が減少となる要因の一つであると考えております。
次に、真の財政再建の到達度についてですが、私の考える真の財政再建とは、赤字団体に転落することのないよう、今後の中・長期的な収支を見極め、毎年度の予算編成時において他会計などからの借入れに頼ることなく財源不足の解消を図り、一般会計が本来の意味での収支バランスをとることと考えております。平成24年度以降は他会計などから新たな借入れは行っておらず、私が就任した23年度には約54億8,000万円であった借入残高も、26年度末では約42億3,000万円まで減少する見込みであり、財政再建に向け着実に前進しているものと感じております。しかしながら、この借入れの完済にはなお12年ほどかかる予定であり、現状といたしましては道半ばであると考えております。
次に、次期市長選に対する私の考えでありますが、現在、財政健全化や市内経済の活性化の取組など、本市が抱える課題に全力で取り組んでいるところであります。私の進退につきましては、残された任期に全力を傾注し、その上で適切な時期に判断したいと考えております。
次に、削減した市民サービスの復元につきましては、先ほどもお答えいたしましたが、真の財政再建の達成にはいまだ道半ばであると認識しており、財政健全化に向けた取組を継続していかなければならないものと考えております。市民サービスの推進のためには安定した行政運営と財政基盤が必要不可欠でありますので、そのためにも真の意味での財政再建をなし遂げることが重要であると考えており、財政健全化のため最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
次に、地方交付税の復元につきましては、これまでも、三位一体改革の際の地方交付税の大幅な削減が現在のさまざまな地方行財政上の課題の対応を困難にしている原因の一つであることに鑑み、増大、多様化する地方の財政需要を適切に積み上げるとともに、地方税などの収入を的確に見込み、必要な地方交付税総額の確保を図るよう北海道市長会や全国市長会などを通じて要望してきたところであり、今後も引き続き、必要な地方交付税総額の確保を国に要望してまいりたいと考えております。
次に、消費税増税と市税の落ち込みについてですが、国が作成した平成26年度地方団体の歳入歳出総額の見込額の市町村税では、法人住民税均等割と市町村たばこ税など以外は、いずれも増加と見込んでおります。本市では、これまで必ずしも全国と同様の傾向にはならないことから、一定程度、市税収入への影響はあると考えております。
次に、消費税増税についてですが、国は、低所得者及び子育て世帯への対策として、臨時福祉給付金及び子育て世帯臨時特例給付金の給付事業を実施するほか、政府与党では、生活必需品の税率を低くする軽減税率の導入も検討しておりますが、家計や市民生活に一定程度の影響があるものと考えております。しかしながら、真に国民が将来を託し得る持続可能な社会保障制度を国が責任を持って確立していく必要があり、その財源を安定的に確保するためには欠かせないものと考えております。
次に、消費税の転嫁拒否等につきましては、国としても、このたびの消費税率の引上げに当たり、中小の事業者を中心に消費税の価格への転嫁について懸念が示されていることから、消費税を価格へ転嫁しやすい環境を整備するため、消費税転嫁対策特別措置法を平成25年10月1日から施行しております。この法律では、大規模小売事業者等に対し、商品や役務を供給する中小事業者等への減額や買いたたき、本体価格での交渉の拒否などを禁止しているほか、転嫁拒否等の行為に対する検査、指導等を行うことで違反行為を防止、又は是正することとなっております。本市といたしましても、国からの要請に基づき、同法に係る情報受付窓口を産業振興課に設置し対応しておりますので、市内中小企業者が消費税の転嫁拒否を受けることのないよう、適切に対応してまいりたいと考えております。
次に、臨時福祉給付金と子育て世帯臨時特例給付金の給付時期につきましては、支給条件の一つが、平成26年度の市民税均等割の非課税者となっていることから課税業務が終了してからとなりますが、申請の受付や給付に係る準備業務を考慮しますと、早くとも8月以降になるものと考えております。
また、対象者につきましては、国が示している計算方法に基づいて算出しますと、臨時福祉給付金が約3万2,000人であり、子育て世帯臨時特例給付金が約1万人となりますが、実数については、ただいま申し上げましたとおり、課税業務が終了していないことなどもあり、お示しすることができません。
次に、消費税増税による中期財政収支見通しへの影響についてですが、昨年12月に見直しを行った収支見通しは、24年度決算及び25年度予算を基に見直しの時点で見込むことのできる一定の条件の下で試算したもので、消費税率の引上げも考慮して推計しており、影響はないものと考えております。収支見通しにつきましては、各年度の予算編成や決算の状況を踏まえ毎年度見直すこととしており、今後も国の動向などを的確に把握しながら、適切な見直しを行っていきたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
(22番北野義紀議員登壇)
○22番(北野義紀議員)水道料金体系の合理的改善を求めて質問します。
現在の家事用の料金体系についてですが、水道料金基本額は条例で定められています。基本料金は、基本水量10立方メートルまで1,270円、10立方メートルを超え20立方メートルまでの1立方メートルにつき185円、20立方メートルを超える1立方メートルにつき190円となっています。
この料金体系で問題なのは、使っていない水道料金まで払わされているということです。メーターの検針は2か月ごとに行い、料金を請求していますが、使用水量が2か月間で基本水量の20立方メートルに満たない加入者が、昨年の8、9月の調査で1万8,157件で、家事用加入者5万33件の36.3パーセントとなっています。これらの加入者が年間使用したとみなされる水量は217万8,840立方メートルですが、実際に使用した水量は129万1,308立方メートルですから、88万7,532立方メートルが使用していないにもかかわらず料金として払わされている水量です。水道料金にしてみますと、年間1億1,835万2,392円にもなります。しかし、これは水道水の使用が一番多い8、9月ですから、1年間となれば、未使用にもかかわらず支払わされている料金はさらに多くなると思われます。
使用水量が2か月間で、基本水量20立方メートルに満たない加入者が、平成24年度決算で使っていない水道水の料金まで払わされている額は幾らになるか、お答えください。
また、基本水量に満たない加入者1件当たりの使っていない水道水の料金の平均額は幾らになるかについてもお答えください。
この問題は、以前から我が党が何回か指摘してきたところです。市長は、この水道料金体系についてどのような見解をお持ちか、お聞かせください。
次に、使っていない水道水の料金まで払わされていると指摘すれば、水道局は即座に、基本料金の中には管理維持費が含まれている、こう説明します。それでは、家事用の基本水量10立方メートルの料金1,270円のうち、管理維持費は幾らなのですか、お答えください。
また、1,270円の中には企業債の元利償還は含まれているはずだと思うのですが、これらの疑問についても生まれてまいりますので説明してください。
また、平成24年度損益計算書で、未処分利益剰余金は7億6,147万4,962円で黒字ではないかと言えば、貸借対照表の負債・資本の部の借入資本金164億2,173万3,567円の解消に充てるからとも説明します。それでは、維持管理費、企業債元利償還は、家事用と業務用、これに案分していると考えますが、加入者1件当たり、それぞれ幾らになるか、その根拠も示して説明をしてください。
現在の水道料金体系について伺います。
現在の水道料金は、平成8年度に改定されて以来のものです。当時は、収益的収支と資本的収支合わせての年度末資金不足が出ており、これを3年間で解消するためとのことでした。ところが、平成9年度には年度末資金不足は解消されました。しかし、多額の累積欠損金の解消の必要性から、現在の料金体系を続けてきました。しかし、累積欠損金は平成23年度末で解消したにもかかわらず、現行料金を改定しようとはしていません。どうしてなのか説明を願います。
次に伺いたいのは、平成8年度当時、どうして年度末資金不足が生じたのか、また、その当時、多額の累積欠損金が生じたかについて、それぞれ金額も含め説明してください。
合理的な水道料金体系に改定することについて伺います。
先ほど来指摘しているように、使っていない水の料金まで払わされていると市民の不満が出ていますが、この解消のためにも企業債の元利償還あるいは維持管理費を明確にして、その上で水道使用水量に応じた料金体系とするか、また1立方メートル当たりの料金の中に企業債の元利償還、維持管理費を含めた水道料金体系にすることがより合理的で、市民の皆さんの理解を得られるのではないでしょうか。市長の見解を求めるものです。
平成5年に完成した朝里ダムが水道企業会計に大きな負担となった問題です。
朝里ダムは、小樽市の人口が22万人になるとの想定で建設されました。ところが、逆に人口が減り、給水人口も減少し、水道企業会計に大きな負担となり、市民が払う水道料金にも大きな影響を与えていると考えますが、市長の見解を最初にお聞かせください。
次に、朝里ダムの総事業費は幾らで、小樽市の負担は幾らだったのか、国庫補助は幾らで、一般会計からの繰出金は幾らか、水道局の企業債は幾らで、平成35年度まで利息の合計は幾らと推計しているかについて説明をしてください。
平成23年度に解消したとはいえ、多額の累積欠損金が生じた原因も朝里ダムにあったのではないでしょうか。説明してください。
また、現在の水道料金にもなっている平成8年度の水道料金値上げの原因が、朝里ダムの建設費の借金払いにあったのではなかったか、これについても説明をしてください。
次に、朝里ダムの元利償還が平成35年度までかかるとのことで、償還のピークはもう過ぎているとはいえ、現在でも市民の皆さんが払う水道料金にかぶせられている問題です。
企業会計の決算の推移で伺います。資本的収支の差引きで不足となった場合、収益的収支の給水収益、つまり水道料でカバーし、資本的収支と収益的収支合わせて年度末資金が不足にならないようにしているはずです。こういう理解で間違いがないかどうか、最初に説明してください。
次に、昭和56年度に朝里ダムの最初の企業債借入れを行って以降、多額の借入れを起こしてきました。企業会計の決算で言えば、朝里ダム償還金とは記載されていませんが、企業債償還金として資本的収支の支出に記載されます。しかし、資本的収支で支出が多額で差引きでマイナスになったら、資本的収支と収益的収支合わせて年度末資金が不足することになり、これを消すためには収益的収支の給水収益、水道料の値上げでカバーせざるを得ません。給水収益は水道料金ですから、人口減による給水人口の減少で、朝里ダムの償還金は、市民からの水道料金に上乗せしなければ年度末資金過不足はとんとんになりません。
だから、過大な朝里ダムの償還金が、飲んでいないにもかかわらず、その水にまで高い水道料として市民にかぶせられる仕組みにならざるを得ません。市民に朝里ダムの負担をかぶせていなかったかどうかお答えください。
次に説明いただきたいのは、朝里ダムの企業債償還が始まった以降の決算の推移についてです。
資本的収支の収入と支出で、差引きの結果はどうなっていたか、お答えください。
次に、資本的収支の支出の企業債償還金のうち、朝里ダムの償還金は幾らであったか、また資本的収支の収入と支出での差引きでマイナスとすれば差引額で幾らであったか、また収益的収支の収入の給水収益は幾らで年度末資金過不足はどうなっていたのか、それぞれ説明をしてください。
水道料金の最後に、この4月から消費税増税を水道料金、下水道使用料に転嫁しないことを求めて伺います。
マスコミ報道で明らかなように、旭川市は、総務省が各自治体に消費税が適正に転嫁されるよう願うという通達があったにもかかわらず、4月から物価値上げを強いられる市民の懐に配慮する、こういう理由で低所得者や障害者世帯向け約1万6,000世帯の水道料金など、900万円を転嫁しないとのことです。
消費税8パーセントへの増税は、本市経済に大きな打撃となるものです。水道料金、下水道使用料に増税となる3パーセントを転嫁しなかったら、その影響額はそれぞれ幾らで、その合計は幾らになるでしょうか。
また、最低限、旭川市のように、低所得者や障害者世帯の水道料金、下水道使用料に転嫁せず、暮らしに配慮していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
この場合、水道料金、下水道使用料で、それぞれ幾らで、その合計は幾らになるかお答えをいただき、転嫁しないことへの市長の見解を求めるものです。
2項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、水道料金体系の合理的改善について御質問がありました。
初めに、現在の家事用の料金体系についてですが、まず平成24年度における基本水量に満たない使用者の年間の基本水量と実使用水量との差に相当する金額につきましては、基本料金に1立方メートル当たりの従量単価の考え方はありませんが、基本料金の1,333円50銭を基本水量の10立方メートルで除した133円35銭を従量単価と仮定して試算しますと、約1億980万円となります。また、1件当たりの金額につきましては、1,143円となります。
次に、現在の水道料金体系につきましては、料金は基本料金と従量料金とで構成されており、基本料金は水の使用の有無にかかわらず賦課される定額の料金で、従量料金は基本水量を超える実使用水量に応じて賦課される料金です。
次に、未使用の水道水の料金を徴収していることについてですが、まず基本料金に含まれる経費内訳につきましては、人件費や維持管理費、水道施設を整備するために借り入れた企業債の元利償還金などで固定的にかかる経費であります。
また、家事用、業務用別の内訳につきましては、現行の料金は、平成8年度の改定の際、資金不足の解消を図ることを目的とし、経費の積み上げを行っていないため、家事用、業務用の基本料金に対しての経費の案分はしておりません。
次に、現在の水道料金の体系についてですが、まず現行料金を改定しないことにつきましては、料金収入は平成11年度をピークに年々減少しており、その一方で、施設の老朽化対策や耐震化対策を進めるため支出が増えることから、現行の料金を下げる状況にないためであります。
次に、平成8年当時の年度末資金不足や累積欠損金が生じた原因につきましては、市内への安定的な給水を図るため、昭和53年から第6次拡張事業を行っており、これに係る企業債の償還による影響があったものです。
次に、合理的な料金体系につきましては、現行の料金は、改定の際、資金不足の解消を図ることとしていたため、個々の料金にどのような経費が幾ら含まれているかわかりづらいことから、今後、料金改定を行う際には市民にわかりやすい体系にしたいと考えております。
次に、朝里ダム建設の市民負担についてですが、まず水道料金への影響につきましては、朝里ダムは、市内への安定給水と渇水に強い水源を確保し、将来の水需要に対応することを目的として建設しており、その経費については必要な負担と考えております。
次に、朝里ダムの総事業費につきましては349億円で、そのうち小樽市負担分は126億円となります。本市の負担分の財源内訳ですが、国庫補助金が46億円、企業債が54億円、一般会計の負担金など26億円となります。また、企業債利息の支払総額は57億円となります。
次に、累積欠損金や料金値上げの原因につきましては、朝里ダムを含めた第6次拡張事業に係る企業債の償還による影響があったものです。
次に、料金値上げの要因についてですが、まず公営企業会計の会計処理につきましては、御質問のとおり、資本的収支の不足分は収益的収支の減価償却費などで補填するため、結果的に給水収益で補填していることになります。
次に、朝里ダムの市民負担につきましては、先ほども答弁いたしましたが、市内への安定給水と渇水に強い水源を確保するため建設したものであり、その経費については必要な負担と考えております。
次に、朝里ダムの企業債の償還が始まった以降の収支の推移につきましては、料金改定を行った平成8年度では、企業債償還金は5億8,600万円、そのうち朝里ダム分は9,100万円となります。資本的収支では6億6,700万円の不足となり、給水収益は30億1,700万円、年度末資金過不足では5,200万円の不足を生じました。平成24年度では、企業債償還金は14億6,600万円、そのうち朝里ダム分は3億3,000万円となります。資本的収支では14億7,200万円の不足となり、給水収益は26億3,900万円、年度末資金過不足では9億1,400万円の余剰となっております。
次に、消費税の転嫁についてですが、3パーセント転嫁しない場合の影響額につきましては、平成26年度予算では、水道料金で約6,000万円、下水道使用料で約4,800万円、合計で約1億800万円となります。
また、低所得者などへ転嫁しない場合の影響額ですが、平成24年度の水道料金、下水道使用料の減免世帯で試算しますと、水道料金で約380万円、下水道使用料で約320万円、合計で約700万円となります。
最後に、消費税を転嫁しないことについてですが、企業会計は消費税の納税義務を負うものであり、条例等で規定している料率は、消費税の税率に合わせるべきものと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
(22番北野義紀議員登壇)
○22番(北野義紀議員)簡易水道事業特別会計について尋ねます。
簡易水道事業特別会計については、幾つかの問題点があります。差し当たって解決しなければならない点について、また、その原因について伺います。
簡易水道事業特別会計への繰出金は、将来にわたって市財政を圧迫する要因となります。平成26年度予算案では、食料品製造企業地下水利用組合加入者が簡易水道に切り替えていただくことが見込めないと判断し、一般会計の繰出金9,975万円を当初予算案に計上しました。
石狩開発株式会社が平成14年に破綻した以降、簡易水道事業特別会計への一般会計からの繰出金の合計が、26年度予算までで6億8,621万円にもなっています。
平成23年10月に、食料品製造企業地下水利用組合から中松市長宛てに、水道水大量使用者の料金の低減を図っていただきたい旨の要望が出されています。
また、市長は、平成25年6月に、新港地域における簡易水道事業に関する要請を北海道知事宛てに行っています。
市長も認めているように、地下水利用組合の皆さんの簡易水道への切替えは難しい課題で、簡易水道に切り替えた場合、料金の新たな負担増は7社で幾らになると推計しているか、お答えください。
次に伺いますが、平成元年度の小樽市簡易水道事業の給水開始に当たって、小樽市簡易水道事業特別会計の赤字を石狩開発株式会社が負担することに、どうしてなったのか、その経緯について詳しく説明をしてください。
我が党は、平成14年度に石狩開発株式会社が破綻したとき、簡易水道の赤字は北海道に負担させるよう要求してまいりました。その理由は、後ほど触れますが、北海道は、北海道、小樽市、石狩市、地下水利用組合、石狩開発の5者で構成する地下水利用協議会を昨年3月末で解散してしまいました。これは、北海道が簡易水道事業立ち上げの経過に照らし、北海道が負うべき責任を放棄し、同協議会に対し、毎回、小樽市が簡易水道への赤字の負担を求めることを遮断するためとしか考えられません。市長の見解をお聞かせください。
石狩湾新港背後地域の水の供給問題で伺います。
石狩湾新港地域への水の供給問題では、我が党は初めから、当別ダムを建設し、新港背後地へ本管を布設するより、小樽市の水道水を新港背後地に本管を延長、布設したほうが格段に安上がりで、小樽市の水道水の使用となるのだから小樽市のためになると、当時の市議会の議員協議会で主張しました。しかし、小樽市の要望を顧みず、北海道の主導で当別ダム建設が強行されました。当別ダムは完成し、水の供給も始まりました。
伺いますが、当別ダムの建設費と浄水場送水管建設費は、総計で幾らになったでしょうか。その財源の内訳も示してお答えください。
次に、小樽市の豊倉浄水場から樽川配水池までの送水管布設の費用は幾らと推計されるか、一般的条件でいいですからお答えください。
新港背後地で、簡易水道の給水量は幾らと想定しているのか、お答えください。
仮に、小樽市の水道水を使用したとなれば、その料金は幾らと推計されるか説明してください。
石狩湾新港推進で小樽港を衰退させ、その背後地では水の問題で、小樽の水を使用しないで、当別ダムを建設して無駄なお金を使う、石狩湾新港地域で北海道が小樽市をないがしろにしてきたことに対する市長の見解を求めるものです。
3項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、簡易水道事業特別会計について御質問がありました。
初めに、簡易水道事業特別会計の繰出金についてですが、まず地下水利用組合の各企業が地下水から簡易水道に切り替えた場合の負担につきましては、平成25年度当初予算で計上した水量33万7,000立方メートルで試算いたしますと、7社で約9,500万円の増となります。
次に、簡易水道事業の収支不足分を石狩開発株式会社が負担することになった経緯につきましては、昭和57年に、小樽市と石狩開発株式会社との間で石狩湾新港地域銭函地区土地区画整理事業の施行に伴う開発関連事業に係る費用負担等に関する協定を締結しました。この協定では、水道事業については、小樽市が事業者となって水道の布設及び経営を行い、同社は当該水道事業の健全な経営に資するため、建設費の一部及び経常収支の不足額等について負担すると取り決めたことから、本市の簡易水道事業の収支不足分は同社が負担しておりました。しかしながら、同社は、平成14年に経営破綻したことから、その後の収支不足分は本市が負担しております。
次に、地下水利用協議会の解散につきましては、昨年3月末に北海道から本市に対して、平成25年度より石狩西部広域水道企業団からの恒久水源が確保されたことから、これまで暫定的に地下水揚水計画量などを定めた地下水揚水計画を継続しないこととし、平成25年3月31日をもって地下水利用協議会を解散する旨、通知がありました。
市としましては、協議会の解散によって北海道のこれまでの主導的な立場がなくなったものとは考えておらず、北海道が策定した計画どおり、地下水利用組合企業が地下水から簡易水道へ転換するよう、必要な方策を早急に検討し、実現すること、また地下水利用組合企業が本市の簡易水道への転換を行わないことで生じる簡易水道料金収入の不足分について本市へ補填などの対策を講じることについて、北海道に対しては継続的に申入れを行っているところであります。
次に、石狩湾新港背後地への水の供給についてですが、まず当別ダムと浄水場等の建設費総計及び財源内訳につきましては、ダム本体の建設費は685億円で、そのうち水道用水の負担分は199億円、浄水場送水管等の建設費は371億円で、総計は570億円となっております。また、その財源内訳は、国庫補助金が212億円、企業債が156億円、各構成団体からの出資金等が202億円であります。
次に、豊倉浄水場から樽川配水池までの送水管の布設費用につきましては、浄水場の増設、ポンプ場の建設、送水管等の施設費を標準的な施工条件、地質条件で試算しますと、現在の建設費で約60億円となります。
次に、石狩湾新港背後地での簡易水道の給水量と料金の推計につきましては、小樽市域分の給水量は、地下水利用組合が簡易水道に切り替わることを想定し、平成25年度当初予算では44万4,000立方メートルを計上いたしました。また、この水量を小樽市給水条例で定められている業務用の料金で試算いたしますと、約1億2,700万円となります。
次に、石狩湾新港推進に係る見解についてですが、石狩湾新港地域では、国の基本計画に基づき、港湾を核とした札幌圏における新たな生産・流通基地の創出を目的として産業拠点の開発が行われており、この開発に伴う国、道、小樽・石狩両市などが参加する石狩湾新港地域開発連絡協議会などを通じて、関係機関が相互に密接な連携を図りながら当該地区の開発が進められてきたと認識しております。
○議長(横田久俊)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
(22番北野義紀議員登壇)
○22番(北野義紀議員)石狩湾新港地域港湾区域に石狩市と小樽市の境界の確定を求めて質問します。
石狩湾新港の港湾区域に、いまだに小樽市と石狩市の境界が定められていません。昨年12月に、石狩湾新港の港湾計画の一部変更が行われ、港湾区域に再生可能エネルギー源を利活用する区域、いわゆる洋上風力発電区域が設定されました。港湾区域への両市の境界の線引きいかんでは、洋上風力発電開始となれば、小樽市あるいは石狩市に固定資産税が入ります。境界の確定は急がれることになりました。
市長は、石狩市と境界についていつ話合いを持とうとしているのか、今後のスケジュール、クリアしなければならない課題等があれば説明してください。
次に、石狩市との境界をめぐる協議に当たって、市長はどういう立場で臨むのか、基本的見解と、市町村の境界紛争時に、その解決の根拠とされる「埋立地における市町村の境界紛争とその考察視点」という文献がありますが、そのどこを根拠にするのか、また、そのほかに権威ある文献があるのであれば紹介をいただき、そのどこを根拠にするのかについて説明をしてください。
石狩湾新港の港湾区域の小樽市域に洋上風力発電が供用開始となれば、港湾区域の中には既に漁業権は消滅していますが、石狩湾漁協が心配しているように、その隣接海域や周辺海域での漁業への影響がどうなるのかが新たな課題として出てまいります。
市長は、昨年12月の石狩湾新港港湾計画の一部変更に同意していますが、この新たな課題をどのように考慮されたのでしょうか、見解をお聞かせください。
4項目めを終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、石狩市と小樽市の境界について御質問がありました。
初めに、石狩湾新港地域港湾区域の境界確定に係る石狩市との協議についてですが、先月、両市の担当者間で石狩湾新港地域の洋上の境界の設定について打合せを行い、今後の協議及び情報共有の必要性について確認したところであります。今後は、石狩湾新港管理組合において洋上風力発電事業者を公募して決定していくとしていることから、この公募の手続や事業者が行う環境影響評価手続の進捗などを注視しながらスケジュールを決めていきたいと考えております。
また、境界設定における課題につきましては、両市の考えが一致することが必要であると考えているため、本市の意向だけでは進められないと考えているところあります。
次に、石狩市と協議に臨む私の基本的立場ということでありますが、公有水面上の境界設定につきましては、地方自治法第9条の3の規定により、石狩市と本市の合意が基本と考えられますので、まずはその合意形成に努めてまいりたいと思っております。
公有水面上の境界設定につきましては、実益がないためか、多くの文献は見当たりませんが、方法としては幾つかの説があり、海に向かい水際線に垂直な線を引く説や現在の境界線をそのまま水上に延長する説などがあるものと認識しております。
次に、洋上風力発電に伴う漁業への影響についてですが、昨年12月の港湾計画の一部変更への同意につきましては、環境への影響を考慮したものではなく、再生可能エネルギーを利活用する区域の設定が港湾の管理上、支障のないものと判断したものであります。
なお、環境への影響につきましては、事業者が行う環境影響評価の手続の中で調査結果を踏まえて十分な検討がなされ、対処されるべきものと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第5項目めの質問に入ります。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
(22番北野義紀議員登壇)
○22番(北野義紀議員)その他の項目で質問します。
この3月1日、新聞折り込みで広報おたる3月号が皆さんのお宅に配布されました。その6ページに、「ふれあいパスの交付が始まります」という表題で、ふれあいパスの値上げを前提に、予算が議会で議決されていないにもかかわらず、利用者負担を変更する予定と告知し、そして記事の中で4月1日から利用者負担額を1回の乗車につき110円から120円に変更する予定だと、この場合、ふれあい回数券1冊分の購入代金は1,200円となります。さらに、ふれあい回数券購入券が新たに必要になるということも説明しています。
市長に伺いたいのは、議会で議決もしていないのに決まったかのように広報おたるに掲載することは、議会の議決権を侵す許すべからざる暴挙だと私は思いますが、謝罪と訂正を直ちに行うよう要求し、市長の見解を求めるものです。
なお、これに至る経過もあり、以前、ホームページでこのことが掲載されたときにも抗議をしました。このときはホームページから削除されました。そして、今回広報おたるに掲載したいと来たから、私はそれはやめるべきだということまで言ったにもかかわらず掲載を強行する、こんな暴挙は許されないことは明らかであります。市長の見解を伺います。
再質問を留保して終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、ふれあいパスの広報掲載についての御質問がありました。
まず、議会の審議前に広報に掲載したことにつきましては、ふれあいパスの交付を今月中に予定しており、混乱を避けるため、利用者負担の引上げについても、あらかじめ周知する必要があることから、行ったものであります。
また、記事については、あくまでも予定である旨の表現とし、議会に提案中であることを注記しておりますので、御理解いただきますようお願いいたします。
また、ふれあい回数券購入券につきましては、利用の実態を調査するために御協力をいただくものでありますので、重ねて御理解をお願いいたします。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
○22番(北野義紀議員)何点か質問させていただきます。
市長から答弁いただきましたけれども、国の財政計画に照らして小樽市の新年度予算の歳入の乖離は甚だしいものがあります。今までこんなことはなかったはずです。
小樽市の新年度予算では、国は地方税が伸びる、だから地方交付税を削ると言いますが、小樽市の場合、市税全体で820万円しか伸びない、にもかかわらず交付税は5億5,900万円も削減する、こんなことはかつてなかったことです。どうしてこんなことになったのですか。
先ほどの答弁を聞いていれば、地方財政計画が決まってから予算案をいろいろ検討したようですが、地方財政計画が決まってから載せているはずなのに、どうしてこんなことになるかという点が第1点です。
国の地方財政計画は日本全体のものですから、必ずしも一自治体にそれがストレートに反映されるというふうには私も思いません。しかし、これまでの国の地方財政計画あるいは地方財政対策に照らして、小樽市の新年度予算の組み方はそんなに違っていなかったのです。むしろ交付税は、財政の基盤が弱いこともあって国の標準より伸びていたことが多かったのです。なぜ新年度はこんなことになったのですか、全く合点がいきません。説明をしてください。
次に、一般財源について答弁がありましたけれども、私が聞いたのは、国は、前年度水準を相当程度上回ると、そして6,000億円上回ったのだと言って胸を張っているのです。ところが、先ほど市長が答弁されたように、小樽市の一般会計は前年度に比べて4億5,869万円も減っているのです。こんな逆さまなことが何で起こったのかと。本質問でも金額等は触れていますから、これをまず説明してください。
次に、財政の認識についてです。
累積赤字と他会計基金からの借入れの問題です。
予算の編成に当たって、財源が足りないからといって銀行や金融機関から、何億であってもその不足分を借りてきて帳尻を合わせるということは禁じられています。ところが、他会計からの借入れや、あるいは基金からの借入れというのは、この禁じ手を破って、そして金利を払って借りることになります。これはちょっと異常ではないかと思うのです。ただし、これには例外があって、臨時財政対策債は、国が、元利償還は交付税で面倒を見るから、不足分を小樽市は何億円借りてよろしいですと、これは法律でそうなっているから別ですけれども、この禁じ手を使わざるを得ないくらいやはり小樽の財政は大変だということだと思うのです。
ところが、累積赤字は消えたけれども、この禁じ手の他会計からの借入れは年々増えていって、市長が平成24年度から実質的な予算編成をやるに当たって、この他会計からの借入れをやめたのは私は賢明だったと思うのです。
しかし、累積赤字が平成16年度よりも相当額上回っているのもかかわらず、いわゆる私が本質問で聞いたプールの実現とか、福祉灯油とか、そういう問題に対して、市長は、あたかも財政が好転したかのように共産党は言うけれども、そうではないのだと言って実現を拒んだではないですか。それは12月の話です。ところが、年が明けて、予算編成の段階でふたをあけたら、財政が好転したと言わんばかりに特別職の報酬の復元、削減率を半分にするということですけれども、復元ですよ。これをやるというのはどういうものだろうかと。財源の認識は、12月と予算編成時で明らかに市長の認識は違っているとしか思われません。どうしてそういう心境になったのか、認識の違いになったのかをお答えいただきたい。
それで、現在の特別職の報酬というのは、平成9年12月2日に、たしか報酬審議会から当時の新谷市長に答申があって、大急ぎで第4回定例会に追加提案したのです。共産党は、そのとき、審議の時間が足りないと言って、提案してすぐ決めろというやり方は乱暴だと言って同意はしませんでした。しかし、このときも、新谷市長が、特別職と議員報酬をそれぞれ引き上げますと、こう言って議案として提案したのです。なぜ私がこの古い話を言うかというと、議会は、先日、各会派代表者会議を開いて、財政が依然として厳しいと、こういう認識で議員の復元については今任期中では行いませんということを決めました。今まで新谷市長の時代からも、市長の給与、議員の報酬というのは、一体で仲よくやってきたのですから、議会がそうであれば、私は返上というか、議案を撤回して、議員と同じように足並みをそろえますというふうにならないのかということを市長からお答えいただきたい。
それから、水道局に伺います。
先ほどの市長答弁を聞いていますと、水道料金の中に維持管理費や企業債の償還、これらの数字を並べて説明しているのです。ところが、驚いたことに、後段になったら家事用と事業用は案分していないと。それは、平成8年度の水道料金改定のときに、ただ赤字を消す、収益的収支と資本的収支の差によって生ずる年度末資金不足をどうしたらなくすことができるかということだけで、金額だけいじって、そして水道料金改定をやっているから、案分なんかやっていないという話なのです。そうしたら、前段で言ったことが果たして正しい数字なのかと、金額なのかという疑問が出てきます。だから、当然、一貫性のある数字を示して、納得いくように答弁をお願いしたいと。
それから、水道事業会計の決算の推移について、市長は先ほど答弁されました。
それで、平成4年度にも水道料金値上げをやっているのです。朝里ダムは、その少し前に、昭和50年代の後半に完成して、そして借金返済、企業債の返還が始まっているのです。しかし、水道料金、平成4年度に上げたけれども、資金不足は依然として深刻だと言って、値上げしてからわずか4年目でまた大幅な値上げをやっているのです。3か年で過不足をなくするという約束でやったけれども、2年目にもう不足は解消して、以来ずっと黒字になっているのです。収益的収支と資本的収支を合わせたものです。
だから、水道料金を高く取り、朝里ダムの償還金が重荷になっていたのを、支払を全部、市民の負担でやってきたことだというふうに考えるのは当然ではないかと思うのです。その前の累積赤字ですね、累積欠損、この金額もただものではないです。26億円以上あったと思うのです、平成8年度に。それも14年間かけて、23年度末にはゼロにしているのです。これは市民に対してひどいやり方だと思います。
本来であれば、朝里ダムは人口22万人の想定だから、22万人分に匹敵する給水人口で水道料金を払うことになっているのを、今の人口12万とか13万とか、減り続ける市民の皆さんの負担で二重の支払をされてきたということが問題ではないかというのです。だから、そうであれば、累積欠損金もなくなったし、年度末の過不足もなくなったのだから、水道料金を引き下げるということをやらないのかということなのです。
市長は、先ほど、これから人口がまた減っていくから、そのときのことも考えているというお話ですけれども、市民にとっては払わなくてもいい高い水道料金を今まで払わされてきているのです。だから、せめて累積欠損金がなくなったり年度末の過不足がなくなったら、その期間だけでも水道料金を下げるということをするのが当たり前ではないですか。何でそういうことをしないのかということです。この点について、お答えいただきたい。
それから、水道事業会計について、先ほど市長は、積み上げ方式で計算していないから案分はされていないというのです。そうしたら、管理維持費だとか企業債の元利償還がどれぐらいの割合で家事用にかぶっているのだろうかという疑問が出てくるのです。それなのに、その前段で、先ほども指摘したけれども、市長がいろいろな金額を言うから、その金額は本当かということになりませんか。その数字、間違いなく正しいですか。これは水道局長、答えてください。
それから、簡易水道についてですが、市長は北海道に遠慮をして、あまりはっきりは言わないけれども、当時、石狩湾新港をつくられ、その背後地も開発するということになったときに、そこへ進出する企業に水をどう供給するかというのが大きな問題になったのです。そのとき、我が党は、議会で、小樽の水道水を新港背後地に引っ張っていけば安くつくのではないかと、巨大なダムをつくるよりずっといいと。
先ほどの答弁を聞いていましたら、当別ダムの総事業費と、それから市長がお答えになった豊倉浄水場から樽川の配水池までの本管を布設した場合、約60億円。そうしたら、10分の1で済むのです。五百九十何億円でしょう。だから、こんな10分の1で済むものを何で10倍の金をかけてやったのかと。そのツケが、今、簡易水道に来ているのです。
だから、企業名は言いませんけれども、石狩湾新港の背後地の小樽市域に張りついた七つの企業、相当大きな企業もありますが、そこの企業が、今、地下水をくみ上げているけれども、それをやめて当別ダムの水、簡易水道に切り替えたら、年間9,500万円も水道料金が高くなるのです。これでは、「はい」なんて言えませんよ。
言ってみれば解決不能なことが今起こっているのは、高い水道料金となったからにほかなりません。こういうことを北海道が小樽市に強引に押しつけて、小樽市を引っ張り込んでおいて、その赤字を石狩開発株式会社に払わせるからいいだろうと言ってスタートさせたと。ところが、石狩開発株式会社が平成14年に破綻したものだから、小樽市が負担しろと。こんな話を、北海道が主導してやらせているのです。そういうことに怒りを感じないのかという点でお答えください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)北野議員の再質問にお答えしたいと思いますが、私からは、財政にかかわる特別職の報酬ということについて答弁をさせていただきたいと思います。
先ほど、答弁させていただきましたように、予算編成の財源として新たな借入れ、それから計上留保などを行っていないということですから、これは決して余裕があるというふうには思っておりませんけれども、平成16年度当時に戻させていただきたいという、こういうことでございます。余裕があるということであれば、職員も含めて全額ということを考えたいと思いますけれども、現在ではそこまでは言えないかなと、こういうようなことでございますので、何とか御理解をいただきたいというふうに思います。
そのほかの財政問題と水道関係、簡易水道含めて、担当部長から答弁させていただきます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)財政部長。
○財政部長(堀江雄二)北野議員の再質問にお答えします。
まず1点目、国の地方財政計画と市の当初予算の歳入の状況について大きく違うのではないかという御質問でございますけれども、その違いにつきましては、まず地方税につきまして、確かに国では全体で2.9パーセント増で見込んでおります。先ほど北野議員からありましたように、地方財政計画につきましては、都道府県分等も含んでいることから大きく伸びるというふうに見込んでいるのかと思います。
税につきましては、あくまでも市税の状況、それに照らし合わせて毎年度、地方税の歳入を算定しているところでありまして、小樽市の現状からいきますと、個人市民税であれば均等割の税率は上がりますけれども、納税義務者は減少傾向にあるということも鑑みまして、個人住民税につきましては、減少するというふうに算定したところであります。
また、法人・個人市民税につきましては、決算見込み等々も勘案しながら、企業の業績が若干回復しているということも見まして、法人市民税につきましては増という形で積算しております。
そのほかの税目につきまして、固定資産税につきましても、現在の状況等を勘案して積算をしたところであります。たばこ税とかは、国の伸び率等を勘案して、それで積算をして、トータルとして現在の当初予算で計上しております0.1パーセントの増と見込んでいるところでございます。
それから、地方譲与税につきましては、確かに国では、全体では17.4パーセントの増で見込んでいます。小樽市は、逆に減少ということで見込んでいます。これの大きな要素につきましては、地方譲与税の中に、国では都道府県分の地方法人特別譲与税、これは都道府県に係る部分なのですが、その分での伸び率を23.7パーセントの増で見ております。小樽市に係る分の地方譲与税につきましては、それぞれの項目でそれぞれの伸び率を勘案して積算したところで、現状からいきますと、それぞれの項目で、減少している項目もありますので、その比率でもって積算をしたところでございます。
それから、地方交付税につきましては、国も減少しているわけなのですけれども、地方財政計画を示された後に、国で地方交付税の積算に係るその通知といいますか、「地方交付税の推計について」という資料が参ります。その中で、交付税の中で、大きい項目で言いますと、個別算定項目とか包括算定項目という、そういう項目ごとの伸び率をその中で示しております。その中身につきましても、一つ例を挙げますと、個別算定経費におきましては、都道府県分では0.5パーセントのプラスになる、それから市町村分では1.5パーセントの減になる、そういうふうに都道府県分との差もございます。それから、包括算定のほうにいきますと、都道府県分では0.6パーセントの減ですけれども、市町村分では6.5パーセントの減という形での示され方をしています。
小樽市の積算をしたときにつきましても、その率等を参考にしながら、また公債費の部分、要は元利償還金の部分、それは小樽市独自というか、計算すれば出てきますので、その分を計算しております。逆に、交付税のもう一つの基準財政収入額につきましても、それぞれの項目で税の伸び率、税収の項目ごと、それから国から来る譲与税ですとか交付金、それの伸び率が示されますので、国の伸び率を使うもの、それから市独自で算定できるものにつきましては市独自の算定でやる、それらを勘案して地方交付税を算定したところ、御提案の額でもって積算をしたところでございます。
それから、地方特例交付金、こちらも国は5パーセントの減ですけれども、小樽市の場合、15.1パーセントの減というふうに見込んでおります。これも、昨年の特例交付金の決算額に、現時点では決算見込額ですか、それに国から示されている伸び率、それを勘案して積算すると、小樽市の場合は15.1パーセントの減になったというものでございます。
それから、臨時財政対策債についても、都道府県分も含めまして9.9パーセントの減、そういう中で市町村分につきましては、7.7パーセントの減でした。
それで、小樽市につきましても、先ほどの基準財政需要額ですとか、それらの算定の中で前年度のというか、25年度の臨時財政対策債の額を勘案しまして、臨時財政対策債の額を積算したところでございます。これが、地方財政計画と小樽市の状況の乖離でございます。ですから、地方財政計画の中で、都道府県分と市町村分の伸び率が大きく違う部分があるいうことを認識していただきたいと考えております。
それから、二つ目の質問で、一般財源の減の理由という御質問がございました。
国では伸びるという中で、小樽市では4億6,000万円、1.4パーセントの減で見込んだわけなのですけれども、大きな部分ではやはり地方交付税の減、これを4億5,300万円ほどの減で見ております。ですから、逆に市税の伸びというのは、国のほうでは大きく伸ばしておりますので、小樽市の現状からいきますと、市税の伸びが大きく見込めないという中にありながら地方交付税の減が大きいものですから、総体的に昨年度の一般財源より減になったというところでございます。
それから最後、3点目になるのですけれども、財政の認識で、昨年12月と今回の中で何が違っているのかといいますと、第4回定例会のときについては、国の状況というのはまだわかりませんでした。地方財政計画も出ていない中で、その中で私どもではどういう認識をしていたかというと、やはり25年度予算を組んだときに財源不足が12億円を超える額が必要であったこと、それからさらにまた除雪費、それがどのようになっていくかというところを考慮していたのも事実でございます。それが年明けまして、除雪費については専決処分で予算措置をさせていただいたところなのですけれども、地方交付税につきましても地方財政計画の中で伸び率だとか示された、それから税の関係、地方譲与税の関係、交付金の関係もある程度伸び率が示されたということもございまして、そのときとの状況は、歳入とかの状況がある程度見えてきたというところが違いかと思っております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)水道局長。
○水道局長(飯田俊哉)北野議員の再質問にお答えします。
3点ほど、水道に関して御質問がありました。
1点目でございますけれども、維持管理費、企業債の償還について、家事用と業務用に案分をしていない、内訳がわからないということでございますけれども、現行料金が平成8年度に料金改正をしてございますけれども、その料金改定の際の算出方法があくまで8年度から3か年間、平成10年度の運転資金10億円を解消するというために料金値上げをしてございますけれども、その際の算定方法が、あくまでその10億円分の値上げということで、維持費ですとか、人件費だとか、そういうことの個々の積み上げはしていないので、その内訳がわからないということでございます。
それと、累積欠損金も解消したので料金の値下げをしたらどうだというお話でございますけれども、先ほど市長からもお答えをしてございますけれども、料金収入というのは、平成11年度をピークに毎年のように減少してございます。25年度の見込みで言いますと約7億円で、率にすれば20パーセント以上減少しています。一方では、管路の耐震化も進めなければならないですし、施設もかなり古くなってございますので、維持管理費も増高する形で、支出が非常に増えていくと、非常に厳しい経営状況にありますので、今、料金値下げをするという状況にはないというふうに思ってございます。
それと、3点目の積み上げていないことと維持管理費との金額との答弁は矛盾するのではないかということでございますけれども、先ほどもお答えをいたしましたけれども、あくまで料金値上げの際に、維持管理費とか、人件費ですとか、そういう個々の積み上げをしていないということから内訳がお示しできないわけで、先ほど北野議員から、維持費等の金額を答弁しているというお話でございましたけれども、維持費等の金額については答弁はしてございません。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)総務部長。
○総務部長(迫俊哉)北野議員の再質問にお答えいたします。
最後の簡易水道について、私からお答えをさせていただきたいと思います。
この簡易水道事業につきましては、少し前の話にもなりますけれども、石狩湾新港地域の開発につきましては、御存じのとおり、石狩開発株式会社という企業が行う土地の分譲ですとか、土地の価格が上がっていくという、こういった前提で全ての資金スキームというのが当時から組み立てられていたわけでございまして、市としても、その当時から企業団に参画するかどうかということは、庁内でも相当に議論されたというふうには承知しておりますけれども、最終的に判断に踏み切った経過といたしましては、北海道が市の財政運営には支障を与えないと、ここのところで最終的に判断に踏み切ったのではないかというふうに思っているところでございます。
そういったこともありまして、この食品製造業が簡易水道に移行してこないということを受けまして、道に対しては、北海道がこれまでも主導してきたのだということで我々としては主張してきておりますけれども、北海道側からは、石狩開発の特定財源が前提であったということですとか、やはり事業者が負担すべきものではないのか、あるいは補填の根拠がないということで、何度か道とも協議をいたしておりますけれども、平行線のままで来ているという現状でございます。
市といたしましては、多くの収支不足が生じるわけですから、引き続き道に対しては何らかの形での補填というものができないかどうかということを協議していきたいと思っておりますし、一方では、やはり収支の改善を図るためには水を使っていく企業を増やしていくということも考えていかなければなりませんので、引き続き新港地域への企業誘致を進めていくということが現実的な対応ではないかというふうに考えているところでございます。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
○22番(北野義紀議員)再々質問させていただきます。
まず、水道局ですけれども、10立方メートル1,270円、2か月だから20立方メートルの基本水量を定め、20立方メートルも使っていないのに20立方メートル使ったとして請求することは、使っていない水まで請求するのかという市民の疑問、怒りに対し、あなた方は市民に対して、企業債の返還だとか、維持管理費、人件費が入っているから、皆さんにひとしく負担していただいているのだと、こうやって説明するでしょう。
今回の質問に当たっても、私は真っ先にそのことを聞いたのです。そうしたら、20立方メートルの基本料金の中には維持管理費、企業債の償還も入っていると、こうやって言うのです。ところが、平成8年度の改定のときは、要するに不足分を、3か年で10億円を生み出せばいいと、そういう計算だったから、維持管理費が水道料金にどのように反映しているかわからないと、そうやって答えているのでしょう、今。そうしたら、市民に言っていることや議員に説明したことと違うでしょう。維持管理費が入っているというから、幾ら入っているのだと。当然、家事用、業務用あるいは浴場用、こういうものに案分して入れているはずなのですから。そういうことを市民に対しては、余計な料金を取るなと言えば、ちゃんとほかのものも入っているのだと、こうやって言っていて、幾ら入っているのですかと聞けば、わからないと。こんな話はないです。だから、水道局長の答弁は、答弁にはなっていないです。
だから、きちんと計算して、この場で答えてください。そうでないと、あなた方は市民や議員に対する質問に対して不誠実な態度をとっているということになるのです。それは、今までも我が党の議員が聞いたときにもそうやって答えているし、今回聞いても同じ答えなのです。維持管理費は料金に反映するということは当然ですから、どういうふうになっているのですかとまず現状を聞いているのだから、入っているからには現状をきちんと答えてください。これが水道局に対する第1点です。
それから、朝里ダムの問題については、負担については答えていないのですけれども、これをお答えください。市民負担で解消してきたはずなのですから。
決算の推移を見ますと、平成4年度に料金を値上げして、3億円以上の収益を上げているのです、プラスですよ。それでも年度末の過不足が解消されないということで、平成8年度にまた値上げをしたのです。このときも3億円ぐらい収益を上げているのです。それからずっと黒字になってきているのです。だから、朝里ダムの償還が始まって、払いきれないで赤字になっているのです、水道局の決算を見れば。収益的収支と資本的収支、これを見れば明白なのですから。だから、過大なダムをつくって、払いきれない分は全部市民の水道料金にかぶせて、今日の赤字を消したということですから。
水道局長に聞きますけれども、平成8年度の決算で累積欠損金は幾らありましたか。それを23年度、14年後に解消しているのですよ。それらも含めてお答えをいただきたい。
それから、財政の問題ですが、3点ほどにわたって財政部長から答弁ありましたけれども、地方財政計画というのは、国会の承認で決まっているのですよ。だから、都道府県の分も含まれているのは当たり前の話です。あなたの話を聞いていたら、それがあるから市町村の分が少なくなったかのような印象であるのですから。その率まで国会に出していたら、その率というのは後で追加で出てきたのでしょう。地方財政計画が国会で出されたときに、都道府県と市町村の率まで書いていましたか。国は、後で都合悪くなって通知を出したのではないですか。
今までいろいろ地方財政計画、厳しい計画があったけれども、小樽市がこんなにひどい状況にされたということはないです。私は、三位一体改革以降、小樽市の財政については注意を払ってきましたけれども、こんなひどい財政の組み方になったことはないです。これは、市長が悪いとか、財政部長が悪いと言っているのではないです。国が全くいいかげんなのです。だから、正直に、国のやり方が悪かったから小樽市としてはこうせざるを得なかったとはっきり言えばいいのです。それを隠すから、市長や財政部長が私から見れば悪者になるのです。きちんと判断して、説明をいただきたいと。
要するに、国は、一般財源は確保して前年度より6,000億円多くなったと威張っているのです。ところが、小樽市は、4億8,000万円以上落ち込んでいるでしょう。話が違うじゃないかと、こういうふうに思うのは当たり前ではないですか。
だから、これは国に異議申立てをやってください。こんな予算のやり方を、地方財政計画をやった後に、通知か通達か知らないけれども、それを出して、交付税だとか、その他の国が市町村に出す分をどんどん削ると、こんなやり方を許していたら、国会の承認事項をも覆すようなやり方ではないですか。この点は明確にやってほしいと。お答えいただきたい。
それから、総務部長から簡易水道の問題についてお話がありましたけれども、このままいったら毎年、1億円前後、簡易水道の赤字を一般会計から持ち出さなければならなくなるのです。こんな余裕なんて一般会計にはないです。だから、北海道が小樽市には迷惑をかけないと言って強引に押し切ったのだから、それをきちんと実行していただくように強硬な姿勢で、市民みんなに訴えてでもやっていただきたいということです。
答弁漏れのないようにお願いします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)水道局長。
○水道局長(飯田俊哉)北野議員の再々質問にお答えをいたします。
まず、人件費等の内訳についてでございますけれども、先ほども答弁をしましたが、一般的に料金の設定というのは、人件費ですとか、それから維持管理費や企業債の償還金を含めて、そういう必要な経費で算出するというのが一般的ですので、今回もそういう形で経費に含まれているというお話をさせていただきました。
ただ、その平成8年度の現状の料金設定の際に、そういう維持管理費や人件費など、そういう個々の必要額を積み上げして、それで料金の値上げ率を決めたわけではないものですから、内訳についてはお示しができないということでございます。
(発言する者あり)
それと、朝里ダムの影響についてでございますけれども、この朝里ダムについては、市内への安定給水等、渇水に強い水源の確保という形で施設整備を行ってございまして、市民の負担については必要な経費であるというふうに考えてございます。
それと、平成8年度の累積欠損でございますけれども、20億6,800万円というふうになってございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)財政部長。
○財政部長(堀江雄二)北野議員の再々質問にお答えします。
地方財政計画と市の状況ということで、その率が相当違うのではないという質問ということでございますけれども、議員がおっしゃるとおり、都道府県も含んでいる中での地方財政計画の総額でございます。
それから、地方税ですとか地方譲与税につきましては、国に出す資料の中にもそれぞれの項目での伸び率が載ってございます。その中で一つ例を挙げますと、譲与税につきましては、先ほど言いましたように、譲与税全体の伸び率につきましては17.4パーセントの伸びなのですけれども、再度繰り返しになります、その中の一つの項目の部分で、都道府県分の伸びが非常に大きかったということ、市町村に係る部分、小樽市に係る部分の伸び率で言いますと、100パーセント前後の伸び率の項目しか、小樽市には譲与税として来ていない項目がありますので、その分での伸び率が大きく違うということでございます。
それから、地方交付税のことを言いますと、あくまでもその算定式の違いは都道府県分、市町村分がありますけれども、例年、地方財政計画が、12月に決まりましたら、年明けにその地方交付税を各市町村、都道府県が算定するときに当たっては、先ほども言いましたように算定を推計するに当たっての通知が来ます。それに基づいて例年算定しているところでございまして、繰り返しになりますけれども、その中で市町村分の大きい項目で言います包括算定項目ですとか個別算定項目、その伸び率が都道府県と比べて非常に市町村分の伸び率が低かった、逆に減が大きかったということで、小樽市の状況としても、そう見ざるを得なかったというのが現状でございます。
また、一般財源のことを言いますと、やはり国は地方税を伸ばしています。その中で、地方交付税の総額も、特別加算ですか、その分だとかも減らしている中で交付税総額が決まってございます。その中で、さらにその細かい項目の中での推計の仕方ということで国で示された伸び率という、その部分が都道府県なんかより市町村分のほうの減の伸び率が大きかったというところでございます。
(「さっきと同じ答弁でしょう」と呼ぶ者あり)
ですから、あくまでも国からの通知を基に、それでないとなかなか算定というのは、非常に個別に算定することができませんので、例年もそうなのですけれども、国から示されている伸び率、細かい項目での伸び率があれば、それを使って交付税の額は算定しております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)総務部長。
○総務部長(迫俊哉)北野議員の再々質問にお答えいたします。
御指摘のように、このままいきますと毎年、簡易水道事業特別会計に対しましては一般会計から1億円を繰り出すということになりますけれども、先ほどお答えいたしましたように、北海道とは継続的に協議を進めておりますが、残念ながら解決策が見いだせないで平行線をたどっている状況が続いています。引き続き北海道に対しましては、何らかの形で補填をいただくような形で要請を続けていきたいというふうには思っておりますけれども、繰り返しになりますが、新港地域への企業誘致を進める、あるいは企業団に対しまして経費の縮減をさせる、そういったことも一つの方法になるのではないかというふうに思いますけれども、さまざまな形を通じまして収支不足の縮減には努めていきたいというふうに考えているところでございます。
(「議長、22番、議事進行について」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
○22番(北野義紀議員)議長にお願いですけれども、私は、水道の問題は、適正な料金の体系に改善するように求めて、それで先ほど来いろいろな角度から質問をしているのです。
そして、水道局は、一般論としては維持管理費や企業債の返還等は水道料金の中に含まれていると、こう言うから、どういうように反映されているのか、まず現状を議会にも明らかにしていただいて、その上で不合理な点があれば改善をしていくということになるのですけれども、維持管理費や元利償還金が含まれているといっても、現状どうかといえば、わからないと。こんな議会をばかにした話はないです。
これだったら水道料金の審議になりませんから、休憩して水道局長にきちんと答えていただくか、又は予算特別委員会の初日までにきちんと計算して出していただくというふうにしないと、議会としての審議ができません。今後の本会議並びに以降の議会の審議にかかわりますので、議長の見解を伺います。
○議長(横田久俊)北野議員に申し上げます。
ただいまの議事進行の発言について、内容については、先ほど来、水道局長が答弁していることが極めて間違っていると私は思いません。
それから、北野議員がおっしゃるように、案分の数値がわからないということについても、今ここで局長に出していただくわけにもなかなかいかないと思いますので、後段おっしゃいました予算特別委員会でまた御質疑をいただいて、そのときにしっかりと答弁できるように水道局長には申し伝えます。
(「議長、22番、議事進行について」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
○22番(北野義紀議員)ただいまの議長のお話ですから私も何とか理解したいと思うのですが、議長は水道局長に軍配を上げているのです。そんなことは初めからわかっている話なのです。水道料金の中に含まれていると書いてあるのだから、決算にきちんと。だから、それを前提にして現状はどういうふうになっているのですかと聞けば、答えないのです。案分はされていないということは具体的に言うけれども。それでは小樽市の料金体系に維持管理費や企業債の償還がどうなっているのですかと聞けば、答えられない。
議長の今の裁定ですけれども、水道局長に今聞いてもわからないから予算特別委員会までというふうにおっしゃいましたが、私は、代表質問をするに当たって早くから水道局に、この問題は最初に提起して、そうであれば、いいかげんな水道料金だということになるから、きちんとした考えを、現状をちゃんと分析して持ってきてほしいということは毎日のように言ったのです。持ってこないから質問で聞かざるを得なかった。そうしたら、現状どうなっているかをいまだに言えないのです。こんないいかげんな水道料金を市民にかぶせておいて、それでいいなんていうふうになりませんから。
だから、議長がおっしゃるとおり予算特別委員会までに、水道局長の責任において、きちんと議会の質問に対してかみ合った答弁がされるというのであれば、私はこれで終わります。そうでなければ、議会を水道局が冒瀆したと、議長の再提案まで蹴っ飛ばしたということになるわけですから、事は重大になるということだけ警告して終わります。
○議長(横田久俊)ただいまの北野議員の議事進行については、そういうことでお願いいたします。
ただ、予算特別委員会でしっかりした数字が早急に出るかどうかは、これはなかなか私がここで裁定するわけにいきませんので、その辺はしっかりと申し伝えることは私が責任を持って行います。
よろしいですか。
○22番(北野義紀議員)議長は責任を持ってください。
○議長(横田久俊)以上をもって本日の会派代表質問を終結し、本日はこれをもって散会いたします。
散会午後4時53分
会議録署名議員
小樽市議会 議長 横 田 久 俊
議員 上 野 智 真
議員 川 畑 正 美