開議午後1時00分
○議長(横田久俊)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、佐々木秩議員、久末恵子議員を御指名いたします。
日程第1「議案第1号ないし第34号並びに報告第1号及び第2号」を一括議題とし、これより一般質問を行います。
通告がありますので、順次、発言を許します。
(「議長、19番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)19番、斎藤博行議員。
(19番斎藤博行議員登壇)(拍手)
○19番(斎藤博行議員)一般質問を行います。
最初に、病児・病後児保育に関連して質問します。
平成22年12月に出された、小樽市における公立保育所のあり方などをまとめた、市立保育所の規模・配置に関する計画の中の、多様な保育サービスの充実では、ひとり親世帯や共働き世帯で要望が強い病児・病後児保育の実施について、「特に、子どもが病気又は病気回復期に看護師や保育士が病院などの施設専用スペースで一時的に保育を行う病児・病後児保育事業については、保護者のニーズも高いことから、医療機関との連携を図り、早期に実施できるよう努めます」と記載されています。こうしたことがあえて載せられたのは、子供が病気になると一般的には保育所が利用できなくなり、保護者が仕事を休んで家で子供の世話をすることになるわけですが、簡単に仕事を休めない、ほかに頼める人が近くにいないなどの厳しい現実が背景にあります。
私は、厚生常任委員会の視察や会派の調査で、各地で行われている病児・病後児保育について勉強させていただきました。その内容を概括的にまとめますと、病児・病後児保育は、市立病院の院内保育所を活用するケース、市内で開業されている小児科医の施設を利用するケース、NPOの運営する子育て支援施設を利用し、市内の小児科の開業医と連携するケースなどがありました。いずれの場合も、小児科の医師との連携が重要な役割を果たしていました。
小樽市における病児・病後児保育の実施については、この間、何度か議論させていただきましたが、今回は少し角度を変えて改めてお聞きします。
小樽市における病児・病後児保育実施に向けたこれまでの取組を、時系列でお示しください。
また、その過程で明らかになった課題は何なのか、お示しください。
次に、小樽市では、一昨年10月からファミリーサポートセンターがオープンし、病児の預かりも行われています。この間のファミリーサポートセンターでの病児の預かり実績を、市民税非課税世帯又はひとり親世帯による利用料一部助成を受けているケースと全額を負担しているケースに分けて、利用件数、預かり時間の平均、利用料の平均でお示しください。
また、病児の預かりを利用した保護者の事情をお示しください。
私は、平成24年6月の厚生常任委員会で、ファミリーサポートセンター事業の病児の預かりが、病児・病後児保育制度がない小樽において、窮余の策として、それにかわるものとして活用されているのではないかと指摘しました。改めて、この1年近い実績を踏まえ、こうした指摘に対する見解を求めます。
もちろん短時間のパート勤務の方もおりますが、普通、保育所に子供を預けるときの時間は、午前8時半ころから午後6時ころまでの9時間半ぐらいだと思います。仮に9時間半、ファミリーサポートセンターに病児を預けたときの一般的利用料は、時間単価900円ですので8,550円になり、それなりの負担となります。先ほど述べた病児・病後児保育を実施している他都市の利用料2,500円前後と比べますと、大変割高となります。
私は、小樽市における病児・病後児保育の実現を求める立場に変わりありません。しかし、市役所の中で検討していて時間だけが経過していくのであれば、今困っている人の助けにはなりません。そこで、病児・病後児保育制度が実現するまでの当面の措置として、ファミリーサポートセンター事業の病児の預かりを位置づけ、助成制度の拡大などを検討していただきたいと考えますが、見解を求めます。
質問を変え、化学物質過敏症に関連して質問します。
先日、化学物質過敏症で長年苦しんできた方の話を聞かせていただきました。自分の体調の悪化に気づいても原因がわからなく苦しんだ話、自分の状態がなかなか他の人に理解してもらえず苦労した話、そして最後には、仕事が続けられず退職した話などでした。
初めに、化学物質過敏症とは、どういった病気又は症状をいうのか、お示しください。
次に、小樽市は、小樽市内でこうした症状を訴える市民の存在を把握しているか、お示しください。
また、いわゆる患者は何人ぐらいいるのか、お示しください。
また、小・中学校でこうした症状で苦しんでいる子供もいるとの話もあります。教育委員会では実情を押さえていますか、お示しください。
次に、芳香剤や消臭剤などとの関連についてお聞きします。
日本で使われている香料の95パーセントは合成香料で、天然香料は5パーセントと言われています。そして、合成香料は、ほとんどは石油が原料です。化学物質過敏症と香料との関係については2007年の芳香剤・消臭剤の影響に関する研究などの報告もありますが、小樽市としての見解をお示しください。
最後に、化学物質過敏症に苦しむ市民がいることに理解を求め、市庁舎をはじめ公共施設での香料等の使用について配慮を求めるポスター等の掲示を検討していただきたいと考えますが、見解を求めます。
質問を変え、学校図書館司書に関連して質問します。
先日、今年度の全国学力・学習状況調査の結果が公表されました。全国の結果と比較して、北海道の、後志の、そして小樽の子供たちの結果についての議論が行われています。子供たちの学力を向上させるために必要な力の一つに、読む力があります。それは書かれている文字の意味を理解し、文章を正確に読み取る力です。そして、想像できる力です。
本年2月に小樽市教育委員会が出した「平成24年度全国学力・学習状況調査調査結果と指導改善のポイント」でも、小学校国語では、「目的や意図に応じ、複数の情報を結び付けたり、編集者の意図を推論したりしながら、自分の考えをまとめる」力、また中学校国語でも、「目的に応じて必要な情報を読み取る」力や、「文学的な文章の内容を捉える」力が必要とあります。
こうした読む力を獲得するために、子供のころの読書の果たす役割は大変大きいと言われています。子供が本を読む機会はいろいろ考えられますが、その中の一つに学校図書館があると思います。改めて、学校図書館の設置目的やその役割をお示しください。
小樽市では、平成25年5月から、図書館司書の資格を持つ2名を嘱託職員として採用して、学校図書館利活用推進モデル校事業を開始しました。こうした事業が必要と考えられた背景と目的をお示しください。
次に、2名の図書館司書は、どこの学校に配置され、どのような業務に携わっているのか、お示しください。
次に、学校との連携について伺います。
学校には司書教諭が配置されておりますが、この司書教諭の業務との差別化はどのようになされ、なおかつ連携はどのように図られているのか、お示しください。
次に、それぞれの学校には1年間の行事予定があります。授業内容や学校行事によって、子供たちの関心事もいろいろ変化すると思います。そうした学校のリアルな情報を学校図書館司書が共有し、学校図書館での業務に反映させるためには、学校との連携も大切になると考えますが、現状をお示しください。
この事業が開始されてまだ時間はたっておりませんので、目に見える成果とは言いませんが、モデル校となっている学校の子供たちに多少なりとも変化の兆しが見受けられているのか、お聞かせください。
私は、こうした事業の成果は、短期間に出せるものではなく、一定の時間をかけた地味なものにならざるを得ないと考えております。この事業を来年度以降どのように展開していくのか、現時点での考えをお示しください。
質問を変え、原発事故と消防に関連して質問します。
全道の消防長でつくる全国消防長会北海道支部は、本年4月、東京電力福島第一原発の過酷事故では、被曝した原発作業員の搬送や住民の避難誘導を周辺の消防本部が担ったことを踏まえ、北海道電力泊原発で事故が起きたときにも同様な活動が求められると考え、消防としての対応を検討し、課題などをまとめて報告書を出しました。これに関連して何点か質問します。
最初に、北海道で大規模な災害が発生したときには、これまでも道内各地の消防本部や道外の消防本部から出動があり災害対応をしてきたと思いますが、こうした場合の消防の出動手順はどのようになっておりますか、お示しください。
次に、全国消防長会北海道支部として、あの東京電力福島第一原発の過酷事故に立ち向かった消防の活動からの教訓を踏まえ、福島の事故で消防が対応した五つの事例をモデルにし、必要な体制や装備を検証したとあります。この五つの事例を具体的にお示しください。
また、体制や装備について、どのような検証がされたのか、お示しください。
報告書では、重装備の防護服に比べ熱には弱いものの放射線は通さない簡易型防護服は、全道の消防本部の配備分は全て合わせても1,581着で、福島の事故では原発が管内にあった消防本部1か所で3日間に約1,000枚を使用しており、事故が長期化した場合には保存分では対応できないと指摘されています。ここで言う簡易型防護服とはどのようなものなのか、お示しください。
また、小樽市消防本部では何着配備されていますか。
また、万が一の事故に際し、長期的には対応できないとなっておりますが、こうした簡易型防護服などの防護資材の確保は、誰が提供することになっているのか、お示しください。
次に、道内の消防職員約9,000人のうち、放射線の知識を習得している職員は1,366人、15.2パーセントであり、研修が必要となっています。ここで言う放射線の知識を習得とはどのようなことを言っているのかお示しください。
また、小樽の消防本部では何人が習得しているのかもお示しください。
質問を変え、泊原発再稼働に関連して質問します。
7月8日、原発の新しい規制基準が施行されました。これに先立つ7月5日、北海道電力は、新規制基準に基づき泊原発1、2、3号機の再稼働に向けた安全審査を申請する考えを明らかにし、8日に申請しました。この申請に際し、小樽市に事前に連絡などはありましたか、お示しください。
次に、9日には道庁で、後志管内16市町村と北海道電力とで締結している安全確認協定に基づいた連絡会が開催されました。連絡会での北海道電力、北海道、そして参加町村の発言はどのようなものでしたか、お示しください。
次に、この連絡会での発言も含めて、市長の北海道電力泊原発再稼働申請に関する基本的な考えをお示しください。
北海道電力は、従来の周辺4町村と新たに安全確認協定を結んだ16市町村を分ける形で会議を持っています。こうした対応の背景には、原発の新設や原子炉増設については、北海道と周辺4町村が同意権限を持っているのに対し、原発の再稼働については地元合意の範囲が国から明確に示されていないという現実があると思います。
小樽市は、安全確認協定の16市町村には入っていますが、泊原発から30キロメートルのUPZ圏内には入っておりません。市長は、泊原発再稼働の地元合意に関する地元の範囲についてどのような見解をお持ちなのかお示しください。
次に、防災計画に関連して何点かお聞きします。
昨年10月、原子力規制委員会の田中俊一委員長は、自治体がつくる原子力防災計画について、再稼働の条件ではないが、つくってもらわないと再稼働はなかなか困難になるとの認識を示し、事実上、再稼働の条件の一つとしました。泊原発から30キロメートルのUPZ圏内で新たに原子力防災計画を策定することになった9町村の計画策定の進捗状況をわかる範囲でお示しください。特に、小樽を避難先としている古平町の計画づくりは、避難ルートをはじめ、どのような状況かお示しください。
また、それら避難してくる人々を受け入れることになっている小樽市における原子力防災計画づくりは、どのような状況なのか、現状と課題をお示しください。
この項最後の質問です。
私は、泊原発再稼働の同意を求められる地元の範囲に、東京電力福島第一原発の過酷事故での汚染の広がりを考えても、小樽市は含まれるべきだと考えています。もちろん、そうはいっても小樽市や小樽市長が決めることができる事項だとは言いません。しかし、現時点のように小樽市民の安全・安心確保の計画づくりが完了していない時点で再稼働について聞かれたら、小樽市長としては、市民の安全・安心確保のめどが立つまでは待ってほしいという立場に立っているべきでないかと考えますが、市長の見解を求めます。
以上、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)斎藤博行議員の御質問にお答えいたします。
初めに、病児・病後児保育について何点か御質問がありました。
まず、病児・病後児保育の実施に向けたこれまでの取組についてですが、平成22年に新市立病院内での設置を検討いたしましたが、病院のスペースや小児科の診療体制などの面で難しい部分があったことから、他の医療機関での実施の可能性を探っていくことといたしました。その後、道内の自治体の調査や庁内での検討を行い、平成24年から25年にかけては、市内の小児科医から病児・病後児保育に関する考え方を伺うなどしてきております。
また、課題についてでありますが、市内には小児科の医師が少ないこと、事業実施のための適当な施設がないこと、新たな施設整備には相応の財政負担を伴うこと、運営に関する国の補助が低額であることなどが課題であると認識しております。
次に、ファミリーサポートセンターでの病児の預かり実績についてですが、平成23年10月から直近で把握している25年7月までの期間で申し上げますと、利用件数については、利用料の一部助成を受けているケースが26件、全額負担のケースが94件、合わせて120件となっております。
預かり時間の平均については、利用料の一部助成を受けているケースが約7時間、全額負担のケースが約5時間となっており、利用料の平均については、一部助成を受けているケースが約4,300円、全額負担のケースが約4,800円となっております。
また、病児の預かりを利用した事情については、主に働いている保護者が仕事を休めないということがあります。
次に、ファミリーサポートセンターでの病児の預かりが病児・病後児保育の代行として活用されているのではないかとの御指摘についてですが、本市においては平成23年10月からファミリーサポートセンター事業を開始しましたが、当初から仕事を休めない保護者などが利用する事業として、病児の預かりについても援助活動の一つとして行っております。
次に、ファミリーサポートセンターでの病児の預かりに対する助成の拡大についてでありますが、現在、本市においては、ファミリーサポートセンターの援助活動のうち、病児の預かり及び緊急の預かりについて、市民税非課税世帯又はひとり親世帯に利用料の一部助成を行い、1時間900円を基本とするところを日常の預かり料金と同水準の600円としており、助成のさらなる拡大については、限られた財源の中で困難であると考えております。
次に、化学物質過敏症についてお尋ねがありました。
まず、化学物質過敏症とはどういった状態なのかについてでありますが、平成8年度の厚生科学研究には、「最初にある程度の量の化学物質に暴露されるか、あるいは低濃度の化学物質に長期間反復暴露されて、一旦過敏状態になると、その後極めて微量の同系統の化学物質に対しても過敏症状を来たす者があり、化学物質過敏症と呼ばれている」と記載されております。
次に、小樽市内で化学物質過敏症の症状を訴える方の存在とその数についてでありますが、これまで市長への手紙等により化学物質過敏症への理解や対応についての要望を受けていること、また、保健所には化学物質過敏症を発症したという方からの相談事例が平成16年度からこれまで2件あることから、症状を訴える市民の方がいるものと認識しておりますが、全数については把握しておりません。
次に、化学物質過敏症と香料との関係についてでありますが、先ほど申し上げた平成8年度の厚生科学研究では、「化学物質との因果関係や発生機序については未解明な部分が多く、今後の研究の進展が期待される」との見解が示されており、その後も幾つかの研究が報告されておりますが、これにかわるものはまだ確立されていないものと認識しております。小樽市としては、専門家の結論を待つ必要があるものと考えております。
次に、公共施設での化学物質過敏症に関するポスター等の掲示についてですが、ただいま申し上げたとおり、化学物質過敏症については、いまだ専門家が研究している段階であり、市としてポスター等により市民へ周知することは現時点では難しいものと考えております。今後、国での検討等が終了し、対応の方向性が明らかになりましたら、必要に応じ市民周知に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、原発事故と消防について、何点か御質問がございました。
まず、北海道で大規模な災害が発生した場合の消防の出動手順についてでありますが、初めに管轄消防本部が対応し、災害の拡大状況により、隣接消防本部との応援協定や北海道広域消防相互応援協定に基づき、道内の各消防本部に対して応援要請がされることとなります。
また、災害がさらに拡大するなどにより、道内の消防本部だけでは対応が困難な場合には、北海道知事を通じて総務省消防庁に緊急消防援助隊派遣要請がなされ、全国の消防本部に対して出動要請がされることとなります。
次に、福島第一原発事故後の報告書の五つの事例についてでありますが、一つ目は、原子炉建屋で水素爆発により負傷し、事業者により関係施設に収容された作業員6名を救急車で病院へ搬送したケース、二つ目は、原子炉建屋で水素爆発により火災が発生し、消防隊が出動したが、放射線量の急激な上昇により消火活動を中止したケース、三つ目は、タービン建屋で被曝した作業員3名のうち、負傷した2名を除染後、救急車で病院へ搬送したケース、四つ目は、避難指示を受けた病院に入院していた重篤患者47名を救急車5台で警戒区域外の福祉施設へ搬送したケース、五つ目は、2万人を超える避難住民を受け入れた自治体の保健所と消防本部がスクリーニングや除染活動を行ったケースであります。
また、体制や装備についてでありますが、災害状況や汚染に関する的確な情報収集、活動現場や隊員の放射線量の管理、活動の長期化に備えた交代要員の確保等をはじめ、放射線防護服や除染資機材等の整備が必要であるとされております。
次に、簡易型防護服についてでありますが、簡易型防護服とは、汚染レベルの低い場所で使用され、ヨウ素やセシウムなどの粉じんに付着する放射性物質から身を守ることができるフード付防護服のことで、本市消防本部では、現在11着を保有しております。
また、簡易型防護服等防護資機材の確保についてでありますが、防災基本計画によれば原子力事業者が提供することが前提となっております。しかしながら、事故が長期化した場合には事業者の提供が困難になることも予想されることから、防護資機材の安定的な確保に向けて関係機関相互の連携が必要と考えております。
次に、放射線の知識習得についてでありますが、国の委託を受けた公的機関により実施される原子力防災研修において、原子力防災対策に係る基礎的知識や消防隊員が行う原子力防災活動に必要な実践的知識、技術の習得をいい、本市では、これらの研修を本年8月末までに31名の消防職員が受講しております。
次に、北海道電力泊原発再稼働について、何点か御質問がありました。
まず、再稼働申請前の北海道電力からの事前連絡についてですが、同社からは、新規制基準施行後に原子力規制委員会に対して速やかに規制基準への適合性の確認審査を受けるための申請ができるよう準備していく旨、6月19日に電子メールで連絡がありました。
なお、申請書が提出された7月8日には申請を行った旨の連絡があり、10日には申請の概要等について資料の提供があったところであります。
次に、連絡会における参加者の発言内容についてですが、まず北海道電力からは、泊原発で実施している安全対策など再稼働申請の概要についての説明がありました。また、出席した町村からは、福島第一原発事故の原因究明がされていない中での申請について不安があるとの発言のほか、奥尻島で大きな被害のあった北海道南西沖地震の際の津波と北電の津波シミュレーション結果との関係についての質問や、使用済燃料の適切な保管、代替エネルギーの推進に関する意見などが出されました。事務局である北海道からは、今後も連絡会を通して情報共有に努めたいとの話がありました。
次に、泊原発再稼働申請に関する基本的な考え方についてですが、原子炉等規制法の改正により、重大事故対策の強化や最新の技術的知見を施設の改善などに反映させる、いわゆるバックフィット制度が導入されるなど、事業者においては、原子力発電所の停止中も含め、新たな規制基準に適合した安全対策を適切に講ずることが求められております。
今回の北電の申請は、福島第一原発事故以降、国の指示の下、実施してきている外部電源強化など、一連の安全強化対策について、原子力規制委員会の審査を受けるために必要な手続であり、専門的な知見を有し、中立公正な立場の原子力規制委員会において、新規制基準に基づく厳正な審査が行われるべきものと考えております。
次に、泊原発再稼働の地元同意に関する地元の範囲についての見解ですが、泊原発の安全性については、原子力規制委員会において新規制基準に基づいた厳正な審査が行われ、その結果について十分に説明していただきたいと考えており、地元の同意の有無なども含め、審査後のプロセスについては、国の責任において明らかにしていただくべきものと考えております。
次に、原子力防災計画を策定する9町村での進捗状況についてですが、本年4月までに9町村全てで地域防災計画の原子力防災計画編を策定済みであり、古平町ほか3町では、その中で策定するよう定められている退避等措置計画の暫定版についても策定済みと聞いております。
また、古平町においては、自家用車による避難も認め、避難ルートについては余市町から国道5号と、いわゆるフルーツ街道を経由する2路線を基本とし、避難先を小樽市内と定めておりますが、小樽市内での具体的な避難場所について、現在、北海道や事業者と調整中と聞いております。
なお、避難の際には多数のバスや乗用車が避難ルートに集中することが懸念されることから、古平町では、北海道が作成中の避難時間推計シミュレーションの結果を参考に、必要な修正を行うと聞いております。
次に、本市における原子力防災計画の策定状況や課題などについてですが、本市では地域防災計画の中で、原子力災害発生時の避難者の受入れに関する計画と市民の安全確保に関する計画を策定していかなければならないものと考えております。
避難者の受入れに関する計画につきましては、今後、古平町で決定する本市内での具体的な避難場所や避難方法、さらには現在北海道で作成中の受入れ手順のマニュアルの完成を待って策定作業に着手してまいりたいと考えております。
また、市民の安全確保に関する計画につきましては、30キロメートル圏外のいわゆるPPAの設定や防護措置について、今後、国から具体的な基準が示された段階で策定作業に着手してまいりたいと考えております。
次に、再稼働について私の見解についてですが、これまでも申しておりますが、原発の再稼働は安全性の確保が最優先であり、原子力規制委員会においては、安全性について厳格な審査、確認を行っていただき、事業者においても、その審査結果に真摯に対応していただきたいと考えております。いずれにいたしましても、私としては、再稼働については「規制基準に基づく安全性の確保」「電力需給」「社会経済への影響」などを踏まえ、国の責任において総合的に判断されるべきものと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)斎藤博行議員の御質問にお答えいたします。
初めに、化学物質過敏症の症状を訴えている小・中学校の児童・生徒についてでありますが、市内の各学校においては、毎年保護者から提出される家庭環境調査票や家庭訪問等により、児童・生徒の家族構成はもとより健康上の留意点や食物アレルギーなどアレルギー症状の有無などについて把握を行っております。このたび、化学物質過敏症の症状のある児童・生徒の有無について各学校に照会したところ、市内で1名が確認されたところであります。
次に、学校図書館司書に関連して何点か御質問がありました。
学校図書館の設置目的と役割についてでありますが、設置目的は、学校図書館法第2条において、図書、視覚聴覚教育の資料その他学校教育に必要な資料を収集し、整理し、及び保存し、これを児童又は生徒及び教員の利用に供することによって、学校の教育課程の展開に寄与するとともに、児童又は生徒の健全な教養を育成する、としております。
次に、学校図書館の役割でありますが、学習に対する興味・関心などを呼び起こすこと、読む経験、読書に親しむきっかけを与えること、さらには、授業で学んだことを確かめ、広げ、深め、考えをまとめて発表するなど主体的な学習活動を支援することなどであります。
次に、学校図書館利活用推進モデル校事業が必要と考えた背景とその目的でありますが、教育委員会としては、平成23年度から教育行政執行方針の中で学力向上を最重要課題として、各般の事業を推進してまいりましたが、とりわけ本市の児童・生徒には言語能力を育成することが必要でありますことから、音読活動の奨励をはじめ、子供たちの読書に対する意欲喚起を図るため、道立図書館や市立図書館と連携した学校ブックフェスティバルや「スクールライブラリー便」事業などの取組を行ってまいりました。そのような中で、文部科学省が平成24年度から学校図書館司書配置のための交付税措置を市町村に行うことになったことを契機に、市内の小・中学校に司書を配置することで、学校図書館を充実させ、児童・生徒の読書習慣の確立を図ろうとしたものであります。
次に、司書が配置されている学校と業務内容についてでありますが、図書館司書を配置する学校の選定に当たっては、学校図書館利活用推進モデル事業の目的が十分に生かされることが重要でありますので、PTAや支援ボランティアによる学校図書館活動が活発に行われている銭函小学校と、今年度実施予定の北海道学校図書館研究大会の事務局を担うことになっている松ヶ枝中学校の2校に配置することとしたものであります。
また、学校図書館司書の主な業務内容は、「貸出し、返却」「推薦図書の推薦など児童・生徒への読書アドバイス」「本のディスプレーなど書棚の分類整理」、さらに「調べ学習に対応した資料の提供」などであります。
次に、司書教諭と学校図書館司書との関係についてでありますが、司書教諭は、学校の校務分掌に位置づけられ、年間の図書館運営計画を基に、図書の選択や図書委員会の指導など、学校図書館の運営に関する全般的な役割を担っております。一方で、学校図書館司書は、図書の分類や学校図書館の環境整備など、図書館利用に関する実務的な役割を担っております。その連携につきましては、日常の定期的な打合せにより、図書の購入計画を立てる際の学校図書館司書による情報提供や、学校の教育活動に必要な図書の事前準備、児童・生徒の図書館の利用状況の把握など、読書活動の充実に向けた連携が行われております。
次に、学校との連携についてでありますが、学校図書館司書は児童・生徒の図書の利用状況に関する情報提供のほか、教員向けの図書館だよりの発行や資料の提供など、教員との連携を密にすることで、日常の読書活動の充実に努めております。また、年間指導計画に応じた教科指導に活用する図書の準備や校内いじめ防止キャンペーンの際に、いじめをテーマとした図書の展示、休み時間や放課後の子供の居場所としての学校図書館の開放など、学校の教育活動全般にわたっての連携が行われております。
次に、この事業の現時点での成果についてでありますが、常時、学校図書館に司書がいることにより、図書の分類整理や環境整備が行われ、子供たちの利用が多くなり、本への興味・関心が高まりを見せるなど、徐々にその成果が現れているものと考えております。
最後に、この事業について来年度以降どのように取り組んでいくのかについてでありますが、この事業は今年度からスタートしたものでありますので、今後、事業の成果を十分に検証した上で、学校図書館司書の配置のあり方などについて検討してまいりたいと考えております。
(「議長、19番、議事進行について」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)19番、斎藤博行議員。
○19番(斎藤博行議員)ファミリーサポートセンターに関する質問の中で、1年間の実態を踏まえてファミリーサポートセンターでの病児の預かりが小樽において病児・病後児保育をやっていない現実があるので、窮余の策として、それにかわるものとして活用されているのではないですかという質問に対して答弁がなかったように思っているのですが、その部分の答弁が私の質問と違うのです。そこをまず整理していただきたいと思います。
○議長(横田久俊)答弁漏れということですね。ファミリーサポートセンターにおける病児の預かりが病児・病後児保育のかわりになっているのではないのかという御質問への御答弁がなかったということですね。
理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)ただいまの議事進行について、私はただいま答弁したつもりではいるのですが、確かに斎藤博行議員がおっしゃるように、病児・病後児保育の代行として活用されているのではないかという御質問があったと思います。私の答弁では、平成23年10月からファミリーサポートセンター事業を開始したという、その中で、代行ということではありませんが、この事業を開始した当初から仕事を休めない保護者など、病児・病後児という意味ですけれども、保護者などが利用する事業として、このサポートセンターも含まれるという意味で私は答弁申し上げたつもりなのです。ですから、代行ということではなく、ファミリーサポートセンターそのものが病児・病後児もサポートするという意味で答弁いたしました。
○議長(横田久俊)よろしいですか、答弁漏れの答弁として。整理しますと、斎藤博行議員の質問の中には、ファミリーサポートセンター事業の病児の預かりが、病児・病後児の保育制度がない小樽においては、窮余の策として、それにかわるものとして活用されているのではないかという御質問だったのですね。それが今の市長の答弁の中には代替ではないということですね。
再質問をお願いします。その答弁として、また言っていただくことにしますので。
(「議長、19番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)19番、斎藤博行議員。
○19番(斎藤博行議員)それでは、再質問いたします。
今の市長答弁は、聞いていたのです。聞いていて違うのではないかと、答えが違うというよりも、私は小樽市の認識を求めているのでありまして、先ほどの答弁でも、例えば120件ぐらい利用されているという実態の話もありました。それから、7時間だ5時間だと時間的にも使っていると。確かにファミリーサポートセンターも病児の預かりというサービスを持っていますから、それが動いているのだよといえば確かにそうであって、ないものをやっていると言うつもりはないのです。ただ、仮に小樽市がほかのまちでやっているような病児・病後児保育をやっているとしたら、このようなことになりません。やはりその窮余の策というのは、お金も高いですし、サービスの部分などでもいろいろあるかもしれませんけれども、今ある唯一の、働いている人方の、さきのファミリーサポートセンターの利用者で病児を預けている方のほとんどが働く保護者で、休めないから使っているという話もありました。それから、先ほど言っているように120件ぐらいの利用があったと。そういった実態を見たときに、本来のファミリーサポートセンターがその機能を果たしているのではなく、いわゆる病児・病後児保育がないことによって、あれば本来行かないで済む人もそちらに流れているのであって、やはりとってかわる、代替というのか何というのか、その制度とは違うのはわかりますけれども、その補完的役割を果たしているのではないでしょうかということに対する市長、小樽市の認識を求めているものですから、実態はこうだと、こういう使われ方をしているというのをあえて前段にお答えいただいて、それに対してどうなのだろうかという質問を私はしているつもりですので、改めてその辺についてお聞かせいただきたいと思います。
それから、二つ目は、化学物質過敏症で苦しんでいる方の実情の中で、いることは認識されているという話もいただいたし、小・中学校にもいるということなのですけれども、要はなかなかわかってもらえない部分もあって苦しんでいるのだという中で、公的施設などにおいて、言い方はきつい言い方から緩い言い方までいろいろあるのですが、きつく言うと自粛してもらいたいという部分もありますし、ソフトに言うならば配慮してもらいたいという部分もあるのですけれども、要は小樽の例えば図書館など、どこでもいいのですが、そこに化学物質過敏症で苦しんでいる方がいるということを前提にして、配慮を求めるポスターが掲示できない理由というのがよく聞き取れなかったものですから、もう一度御答弁をお願いします。
それから、もう一つは、泊原発の再稼働の関係で、前段にも小樽市がUPZの圏内から外れて40キロメートルにあるということは私もわかっているわけなのですけれども、そういう中で小樽市の考えとして、再稼働に当たっては同意を求めるべきなのかということを、もう少し御答弁いただきたいと思います。
それから、最後の市長の立ち位置の部分でお話ししているのは、市長は再稼働について三つ考えなければならない部分を言っているのですけれども、それはそれであえて否定はしないのです。国の規制基準の審査の問題や、エネルギー政策、産業経済的な影響などを考えなければならないという部分はあえて否定はしませんけれども、四つ目に、やはり小樽市民の安全・安心を守る立場として、現時点で原子力防災計画がまだ完成していないと、小樽市民に対してどういう、例えば何かあったときにどうするということが言えない段階においては、今はそういう段階だと私は思っていますので、市民の安全・安心を守るためには、原子力防災計画などがきちんとできるまでは小樽市としては待ってもらいたいと、そういう立場に立つべきで、四つ目のハードルというのか、課題として小樽市側の準備の部分もきちんと位置づけていただけないのかと、そういう立場に立っていただけないのかということで質問していますので、三つクリアしたら小樽市民の安全・安心は消えてしまうのではなく、四つ目に小樽市民の安全・安心についての考え方をきちんと持ってもらいたいという思いで質問していますので、御答弁をお願いします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)最初のファミリーサポートセンターの問題については、今、議事進行の中で私も申し上げましたので、もう一度説明させていただきますけれども、このファミリーサポートセンター自体は、市独自の事業ということで平成23年10月に発足、スタートしたわけでございます。このサポートセンターについてはいろいろと賛否両論がありまして、必要ないのではないかという意見、あるいはやはり必要だという意見があり、私は必要だという立場に立ってこの事業をスタートさせていただいたわけですが、そのときの議論の中に、依頼者あるいは提供者、要するにこのサポートを依頼する側と、そのサポートを行う側というところに、一般的には保護者が仕事の関係でなかなか時間どおりに子供を保育所に迎えに行けないなど、いろいろな状況の中で言うと、ここで提供者であるサポートする方に行ってもらって子供を預かる、そういういろいろな事業の中において、子供が病気になったときにどうするのだ、病気が治った病後児の場合はどうするのだといったことも含めてこのサポートセンターで何とかできないかという、こういう前提で私はこのサポートセンターについてはスタートさせていただいたつもりでございますので、その他のところでなかなかそれらができないから、ここで何とかできないかということで話をさせていただいたわけでございます。ですから、議員がおっしゃるような代行だというつもりでは全くありませんで、やはりそういう依頼のある人に対して提供者がしっかりとして子供を守っていくという意味で、私はファミリーサポートセンターの事業をスタートしたわけでございますので、議員がおっしゃる、代行ではないかうんぬんということについては、私は全く代行という思いでおりませんので、先ほどのような答弁にさせていただいたということを御理解いただきたいと思います。
あとは担当部長に答弁させます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)総務部長。
○総務部長(迫俊哉)再質問にお答えします。
二つ目の質問にございました化学物質過敏症の問題でございますけれども、市長答弁の繰り返しになりますが、現在、化学物質過敏症につきまして、いろいろな観点から研究されているという段階でございまして、現段階でポスターを掲示すると、それで市民の方に周知するということがなかなか難しいと考えておりますので、国において一定の検討などが終了し次第、方向性が明らかになった時点で市民への周知には取り組んでいきたいと考えているところでございます。
それから、3点目と4点目に泊原発の再稼働に関する御質問がございました。私どもといたしましては、本市はUPZ圏外にあるわけでございまして、今、地域防災計画の中に原子力編という形で作業を進めていく、準備を進めているところでございますけれども、同意にいたしましても、再稼働につきましても、最終的には今、原子力規制委員会で新規制基準適合性に係る審査を行っているという状況にございますので、あくまでも私どもの立場といたしましては、国に責任を持って地元の範囲を決定していただく、再稼働についての判断をしていただくということで考えておりますので、御理解いただきたいと思っております。
(「議長、19番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)19番、斎藤博行議員。
○19番(斎藤博行議員)3点、再々質問をいたします。
ファミリーサポートセンターの扱いについては、予算特別委員会でも話させてもらいたいと思いますけれども、今の市長の答弁の内容を聞いていると、小樽市や小樽市民にとって病児・病後児保育が本当に必要だと思われていないのではないかと受け止めざるを得ないのです。それならそう言ってくれて、ファミリーサポートセンターが機能しているから、病児・病後児保育の役割を果たしているから代行ではなく本筋だというのであれば、それは一つの考えなのですけれども、従来、小樽市はファミリーサポートセンターとは別に病児・病後児保育を、公的保育所の持つ基本的な役割の一つとして確立していくというスタンスだったものですから、それがない中で困っている人方がどう動いているかの認識だったわけですが、改めて市長は病児・病後児保育の必要性などをどのように理解されているか、まず1点お聞きします。
それから、2点目は、化学物質過敏症のポスターの件なのですけれども、今の総務部長の答弁も、答弁としてはわかるのですが、一つは、実際にそういうポスターを張っている自治体があるということを御承知ですかということをまずお聞きしたいと。そこでは、やはりこういう時代ですから、一番苦しんでいる人、一番弱い人の住みやすい社会をつくっていくということが、健康な人、強い人が生きていく上でも必要な社会だという基本的な考え方があると思うのです。そういった意味で、化学物質過敏症になっていない人、わからない人は、その苦しさがわからないという意味では、難しい部分もあると思うのですけれども、要はほかの自治体ではやっている自治体があって、それほど苦情も来ていないと聞いたものですから、そういうポスターを張ったことによって何ということをしてくれたという話は来ていないという話を聞いたのと、もう一つは、まちづくりの中で必要なのは、やはり一つの問題で一番弱いところに立っている人に対する配慮したまちづくりではないかと思いますので、その辺についてもう少し見解を求めます。
3点目は、泊原発の再稼働うんぬんの部分で私が言っているのは、小樽市民の安全・安心を守る立場をやはり持って再稼働の問題に対処してもらいたいと。北海道電力の都合や北海道のエネルギーの環境もあります。国の規制基準もあると。そういうものは十分わかります。ただ、私たちは、泊原発から40キロメートルに位置する小樽の市民は、福島第一原発事故を見て相当不安がっている部分もあるわけですから、それに対する手だてとして、この間、原子力防災計画をつくって、避難するのか、屋内で待機するのか、どこまで避難させるのか、どこに逃げるのか、安定ヨウ素剤をどうするのか、そういう原発事故を想定した計画づくりをしているわけです。そういったものがまだ完成していないのであれば、やはり市民の不安は払拭されていないと考えるべきであって、それは一般論としての原発再稼働ではなく、小樽市民、小樽市長としては、その四つ目の課題を解決できないうちは再稼働されたら困るのだと、三つがクリアされても小樽の防災計画ができていないのだったら、小樽市民の安全・安心にまだ不安な部分もあるから、急いでつくるのか、ゆっくりつくるのかわかりませんけれども、一生懸命つくって小樽市民に説明ができるまでは、小樽市長としては再稼働については待ってもらいたいと、そういう立場に立てないのかということをお聞きします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)再々質問にお答えします。
病児・病後児保育については、これの必要性は、私は、何も必要ないなどということは考えておりません。やはり必要だと思っておりますから、先ほどの取組の件でいろいろと答弁を申し上げたところでございます。ただ、そういった中で課題、いろいろとできないというか、なかなか小児科医がいない、場所がない、いろいろなことの中で現在なかなか難しいということを申し上げたわけでございます。
それから、ファミリーサポートセンターの場合は、それができないからそちらで代行しているということではありませんということを申し上げたかったのです。ファミリーサポートセンターは、働いておられる保護者の皆さんの子供をどうやってサポートしていくかということでございますので、その中には病児・病後児もいらっしゃるでしょうから、そういったところもサポートセンターでサポートしていくように、こういうような思いで平成23年10月にこの事業をスタートさせたということを先ほど答弁したわけでございます。ですから、議員がおっしゃっている代行というのと少し違うのではないかと私は思っているのです。ですから、その必要性はあると思っております。ですから、いずれその課題が解決されたときには、そのような形で取り組んでいきたいと思っておりますので、御理解いただきたいと思います。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)保健所長。
○保健所長(秋野恵美子)化学物質過敏症に関して若干、医療の面からの知見も加えまして答弁いたします。
先ほど、化学物質過敏症についてのポスターを張っている自治体があって、それに関する苦情はないと聞いているというお話がございました。一方で、東京都でございますけれども、化学物質過敏症について、まだ小樽市と同じ見解を示されている自治体もございます。
それから、弱い方々の苦しみがわかっていないのではないかと、最も弱い者に対して対策をとるべきではないかという趣旨の御質問かと思いますが、実はこの化学物質過敏症がいわゆるアレルギー性疾患であるということになりますと、この対応には、アレルギーの原因となる物質を完全に除去するという考え方も一方にございますけれども、今の主流は、完全除去はむしろよくなく、アレルギーの原因物質は脱感作のほうが有効であるというふうに変わってきております。脱感作と申しますのは、アレルギーの原因物質がわかっている方にその物質を少量から始めて投与していくことによって、その方がその物質に耐えられるように持っていくことで、そういう方向に、今、医療が変わってきている現状でございます。ただ、化学物質過敏症は、アレルギー性疾患であるというふうにもまだ認められておりません。この間、海外のいろいろな文献等も見ましたけれども、病気としての定義を決めることがまだできない状況にあるということでございますので、病気としての定義が決められない以上、その方に対する最も適切な対応は何であるのかということにつきましても、まだ専門家の見解が一致していないところというふうに私どもは認識しております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)総務部長。
○総務部長(迫俊哉)再々質問にお答えいたします。
議員のお尋ねは、地元での防災計画ができていないうちに再稼働に向けて動いていくことについて、市民の安全・安心が確保できないのではないかというお尋ねであろうかと受け止めました。現在、再稼働に向けた動きとしまして、原子力規制委員会で適合審査というのが行われているわけでございますけれども、私どもといたしましては、現在、防災計画に向けて、30キロメートル圏外のいわゆるPPZの設定や、そこの防護措置について明確な指針が示されていないということで、本来地元でつくる防災計画というのは、国との整合性を図っていくということが大前提になるのですが、それが示されていないということで、まだ防災計画の着手が進んでいない状況にはございますけれども、いずれにいたしましても、再稼働前に防災計画ができていなければ、当然、市民の安全・安心は守れないと思いますので、国の動きも見ながら、我々の防災計画をどの程度進めていけるかどうか、引き続き国に対しては速やかにそのPPZの範囲や防護措置などをお示しいただくように要請していきたいと思っておりますし、これからつくる道の受入れマニュアルといいますか、我々は古平町の住民の方々を受け入れるわけですが、そういったものもできるだけ早くにお示しいただくよう要請をしていきたいと思っております。
○議長(横田久俊)斎藤博行議員の一般質問を終結いたします。
(「議長、3番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)3番、中村岩雄議員。
(3番中村岩雄議員登壇)(拍手)
○3番(中村岩雄議員)一般質問をいたします。
認知症とは、脳の器質的障害により知能が低下した状態です。記憶や見当識の障害を含む人格変化などを伴い、生活に支障が出ている状態を指します。
認知症の症状には、中核症状と行動・心理症状と呼ばれるものがあります。中核症状とは、脳細胞が壊れることにより直接起こる症状で、記憶障害、見当識障害、理解・判断力の低下、実行機能の低下などです。行動・心理症状とは、本人の性格、環境、人間関係など、さまざまな要因により、鬱状態や妄想のような精神症状や日常生活への適応を困難にする行動です。
日本では血管性認知症が多いと言われていましたが、最近はアルツハイマー型認知症が増加しています。世界保健機構(WHO)の推計では、世界の認知症患者の数は2050年までに現在の約3倍の約1億1,500万人に達するとされ、今後の急増への対策を進めるように各国へ要請しています。
8月26日付けの読売新聞朝刊第1面に、次のような記事が掲載されていました。見出しは「自宅で老後街挙げ応援」「先進ベルギー買い物見守り・徘徊対応」「認知症社会と歩む」、「ゆったりと流れる運河に囲まれ、中世の面影を色濃く残すベルギーの古都・ブルージュ。人口約12万人の世界遺産の街は、もう一つの顔を持っている。認知症に優しい街、だ」という書き出しで、このまちに住む認知症の78歳の男性が、なじみの書店で女性店長と言葉を交わしながら新聞を買う場面の写真が載っています。握り締めた代金ちょうどの小銭を払うのを妻が見ている。認知症になると支払を忘れるなど買物が難しくなるが、この男性も認知症が進行し一人で出歩くことはできないが、店側に理解があれば、こうして自分で買物ができるという事例の紹介です。
また、このまちのNPOが運営する認知症ハウスには、認知症の人や家族の人が自由に出入りしており、互いの状況を話して支え合う場所になっていて、認知症に優しいまち、ブルージュの推進役も果たしているといいます。この地で約15年にわたり認知症の人を支援し、病院や行政などの地域との協力関係を地道に築いてきたという、このNPOの理事のコメントを紹介します。「認知症は何も分からなくなるわけではなく、できることもあるのに、長い間偏見にさらされてきた。それを改め、できるだけ自宅で質の高い生活を送るためには周囲の意識を変えるのが最も大切だと考えた」といいます。9月からは、地元住民がよく買物をする商店街で、認知症の客を歓迎する店の入り口にハンカチを模した運動のマークを掲げる予定といい、商店街を舞台に認知症の客とのやりとりを描いた短編映画も制作中とのこと。子供扱いしない、同じものを2度買うなどの特徴的な症状を理解するといった勉強会などを準備中といいます。市警察では、徘回で行方不明になった人を早く捜すため、通報と同時に、立ち寄る可能性のある昔の住まいや職場などのリストを関係者から入手するようにしたといいます。
これら一連のブルージュの試みについて、ロンドンに事務所のある国際アルツハイマー協会は、「地域の人、行政、NPOがつながって包括的な地域作りをする先進例」として評価しています。なれた場所で心地よく暮らせば、症状の悪化を抑えることも期待できるというわけです。
加齢に伴う認知症への社会の対応は、高齢化が進む日本や欧米では喫緊の課題であります。
EUでは、2010年に認知症協力会議を発足し、医療・介護の研究だけでなく、認知症の人が地域の一員として生きがいを感じて暮らせる社会づくりを推奨し、イギリスでは、2009年、国家認知症戦略を策定、キャメロン首相の下、プロジェクトチームを設置し、認知症に優しい地域づくりを進めています。
また、アメリカでは、2011年、国家アルツハイマープロジェクト法を制定、フランス、オランダ、オーストラリアなどでも、既に国を挙げて総合的な国家戦略を策定し、施策を推進しています。その基本理念は、認知症の人の思いを尊重し、住みなれた地域での生活の継続を目指すというものです。
日本では2012年6月、厚生労働省がこれまでの認知症対策を180度転換する、今後の認知症施策の方向性についてという方針を発表しました。これは、これまでの認知症高齢者を病院や施設で見るという流れを不適切と反省し、認知症になってもその人らしく地域で暮らしていける環境づくりを目指したものです。しかし、この認知症の方を地域で見るという方針は、国際的に見ると至極当然のもので、日本の方針がようやく国際的にも遜色ないものになったにすぎません。
世界的に見ても類を見ないスピードで高齢化が進む日本で、認知症対策がいかに遅れているか、そして日本がどのような課題を抱えているかについて、幾つか触れておきたいと思います。
各国の高齢化率、高齢者に占める認知症高齢者の割合、認知症高齢者数で比較してみます。これは日本の高齢化率が23パーセント時点での比較です。日本の高齢化率23パーセント、イギリス17パーセント、フランス17パーセント、オーストラリア13パーセント、デンマーク17パーセント、オランダ15パーセントです。高齢者に占める認知症高齢者の割合、パーセンテージでは、日本10パーセント、イギリス7パーセント、フランス6パーセント、オーストラリア10パーセント、デンマーク10パーセント、オランダ5パーセントとなっており、認知症高齢者数は、日本305万人、イギリス70万人、フランス55万人、オーストラリア27万人、デンマーク8.5万人、オランダ15万人となっています。この時点の推測で、2025年の日本の認知症高齢者数は470万人に達すると言われていました。しかし、2012年度時点で既に日本の高齢化率は24パーセントと世界一、65歳以上の高齢者に占める認知症高齢者の割合は15パーセントに、認知症高齢者数は462万人になっていますし、将来発症する可能性のある予備軍がさらに400万人と推計され、団塊の世代の高齢化で急増するのは確実です。
次に、各国の認知症国家戦略の予算規模を比較してみます。認知症高齢者1人当たりで換算すると、年間でフランス4万4,651円、イギリス7,500円、デンマーク3,176円、日本1,213円となります。認知症高齢者が突出して多い日本が、この問題にかける予算がいかに小さいかがわかります。
次に、認知症高齢者の暮らす場所について、先進国と日本を比較してみます。自宅で暮らしている人は、イギリス64パーセント、フランス60パーセント、オーストラリア66パーセント、デンマーク60から65パーセント、オランダ95パーセント、日本50パーセント。ナーシングホームは、イギリス36パーセント、フランス40パーセント、オーストラリア33パーセント、デンマーク35から40パーセント、オランダ5パーセント、日本35パーセント。病院は、イギリス1パーセント以下、フランスほとんどなし、オーストラリア1パーセント程度、デンマークほとんどなし、オランダほとんどなし、日本は何と15パーセント。入院期間については、日本が6か月以上と突出し、精神科への入院に限っては平均2.5年と長期化しています。日本を他国と同様の水準にするためには、現在、認知症で病院に入院している70万人を地域で見ていくことになります。日本の問題を解決するためには、入院をさせない、退院を促進させる、地域で認知症の方を見られるようにするといった全ての取組が必要です。
このように、先進国の取組と比較すると、残念ながら日本における認知症対策はかなり遅れをとっていて、その位置づけも高いとは言えません。各国の認知症国家戦略には、その全てに自宅や施設で住めるようにという脱病院の施策が盛り込まれており、それには経済的側面と人権的側面があります。病院に比べ施設、自宅で療養した場合のコストは明らかに低く、大きな開きがあり、それが脱病院の後押しにもなっています。
また、経済的な側面以上に脱病院の根拠になっているのが人権的な側面です。どの国でも、過去に認知症についての偏見と本人の意思表示が難しくなるという問題から、人権が大きく損なわれていた時期があります。それを国家戦略の中で認知症高齢者の人権保護と、国によっては法制化しながら大きな目標に添えていることは、各国の国家戦略で共通していることです。
認知症は、65歳以上の高齢者の6人から7人に1人、85歳以上の2人に1人と、誰もがなり得る病気です。私たち一人一人が、自分たちの問題として関心を持つ必要があります。
冒頭のベルギーの記事と同日の新聞記事ですが、愛知県での2年前の出来事で、ベルギーとは対照的な事例です。スーパーに買物に来た御夫婦、妻は認知症です。混乱した妻がお金を払わずに店を出ようとして取り押さえられました。もう店には来ないでほしいと、店長の強い口調。夫は謝るしかありません。御夫婦は警察で調書をとられました。店側に認知症に対する理解があれば、もう少し違ったでしょう。認知症の判断力低下は、このようなトラブルを起こしやすいのです。
今年4月から、国の対策であるオレンジプランの幾つかのモデル事業が始まっています。京都府のような自治体独自の取組も始まっています。認知症対策が少しでも早い時期に国家戦略的な位置づけになることを期待しつつも、各地域で行われる取組の一つ一つもまた注目していかなければなりません。
同じ新聞の社会面で紹介されている日本での取組の事例に幾つか触れておきたいと思います。
福井県敦賀温泉病院の取組ですが、認知症の人は外出時、「下を向いて歩く」「車道を歩く」「赤信号でも渡ってしまう」などの危険行動をとることが多いこと、普通はあちこちを見ながら歩くが、視点が1点に集中する傾向があることから、低い位置に道案内のサインをつける工夫をし、愛知県高浜市でその成果が生かされました。商店街で道にレンガを埋め込んで誘導サインをつくり、交差点が目立つように中心部に瓦を並べて菊の模様を描いたといいます。車椅子のための段差解消がベビーカーにとってもよいように、認知症の人が歩きやすければ、誰にとってもわかりやすいまちになるということです。ハードの整備だけでなく住民の理解というソフトづくりも重要です。
認知症の人と家族の会愛知県支部や商工会議所は、認知症買い物セーフティーネット実行委員会を結成。静岡県富士宮市では、商店街やタクシー会社が認知症の顧客への対応を研修、市内の旅館では、認知症の人とその家族の浴衣は帯の模様を他の客と変え、館内で迷ったときなど、さりげなく声をかけ、手助けをする試みを行っています。
さて、小樽市を見てみますと、平成24年10月1日の統計で人口12万9,506人、高齢化率32.1パーセント、65歳以上の人口4万2,599人であり、認知症発症率を15パーセントとして計算すると、認知症高齢者数は6,390人となり、今後、発症すると考えられる予備軍は約5,500人と推計されます。
このような超高齢化都市である小樽市の認知症対策として考えなくてはいけないことについて、順次質問してまいります。
一つ目の質問は、自分たちの尊敬する父母や愛する妻や夫など、家族が急に認知症になってしまったときには、認知症の方をボランティアとして介護していた経験が役立ちます。そのためには、若者や他の職業に従事している幅広い年齢層の多くの方にボランティアで活動する場の提供が必要となります。同時に、ボランティア普及のため、ボランティア時間数に合わせ、黄色、青色、赤色バッジなどを渡し、家族の施設入所が必要なときに優先措置などを講じてはいかがでしょうか。このことも含め、ボランティアの拡大策について、市長はどのようにお考えでしょうか。
二つ目は、高齢化率の高い小樽市では、いわゆる老老介護になる可能性が高く、現在15パーセントという認知症患者の入院割合を減少させるためにも、受入先の確保やサポート体制の確立とともに、今から認知症に関しての十分な理解と、それを受け入れる心の準備が必要になると思います。行政、民間、受入れ施設などが一体となり対策を図る必要があると思いますが、市長はどのようにお考えですか。
三つ目は、先進国ベルギーの取組でありますが、認知症の方々の買物については、店側の理解があると自分で買物ができます。例えば、代金の支払や簡単な声がけ、また、店の前には認知症の方を歓迎するハンカチを掲げるなど、周りのちょっとした気遣いがあれば、認知症の方も買物をしたり、喫茶店を楽しんだり、習い事をしたりして、住みなれた地域で暮らすことが可能となります。今回、ベルギーの買物の例を挙げましたが、小樽市においても、認知症の方が住みなれた地域で暮らすため、ハード面は介護保険事業計画との兼ね合いがあり難しい面はあると思いますが、ソフト面での工夫は必要かと思います。まずは、簡単なもので構いませんので、ソフト面で何かできることはありませんか。今までに実施した例を含め、今後のお考えをお示しください。
四つ目は、認知症対策の取組により、認知症の方が安心して楽しく過ごせる地域であることをアピールすることです。これにより、以前小樽に住んでいた方が戻ってくる、あるいは親族が本市に居住していて同居するなど、本市に縁のある方を呼び戻す効果が期待できるものと考えます。近隣に知り合いがいなくとも、地域住民などが優しくサポートする仕組みを構築することで、このような効果も期待できるものと考えますが、市長はどのようにお考えになりますか。
五つ目は、認知症にかかわる業務などに従事する専門職などの知識を十二分に活用することが重要と考えます。専門職による講習会や勉強会などを開催していただき、町会役員、民生・児童委員、一般の医療従事者などが意識改革や対応力の強化を図ることにより困難な事例の対応も可能と考えますが、そのようなお考えがあるかどうかお聞かせください。
六つ目は、認知症の方が徘回し、交通事故に遭ったり、真冬に凍死したりするなどの事故が報道され、つい最近では認知症の方の徘回で列車をとめたことの裁判記事を目にしました。徘回対策として、GPS機能付携帯電話や警察とのネットワークによる迅速な対応策を整備し、多くの方が利用することが必要と考えますが、市長のお考えをお示しください。
七つ目は、認知症の方や、その家族の悩み相談が大切と考えます。おたる認知症ハウスをつくり、認知症の人や家族の人が自由に出入りできるようにします。そして、互いの状況や苦労を話し、支え合える場所となるようにします。それとともに、認知症に優しいまち・小樽の推進役としても進んでいけるようになると思いますが、市長のお考えをお聞かせください。
最後に、国は認知症対策の充実に向けて関係11省庁が情報共有のための連絡会議を設置し、9月下旬に初会合を開き、認知症の方が安心して暮らせる社会づくりの推進を目指すこととしております。このようなことについては、私は国の動きを見てからではなく、むしろ地方が率先して縦割り行政を取り払って実施すべきと考えますが、いかがですか。
なお、再質問はいたしません。明快な御答弁をお願いいたします。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)中村議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、認知症に優しいまちづくりについて御質問がありました。
初めに、ボランティアの拡大策についてでありますが、施設を対象とする体験ボランティアについては、介護中の事故など課題が多いことから、レクリエーションなどの手伝いに限られていると聞いております。ボランティア活動をする場の提供は、難しい状況にあるものと認識しております。
次に、ボランティアの時間数により施設入所を優先することについては、基本的に入所順位は各施設の入所判定会議で決められ、緊急性が高い方が優先されることになっておりますので、優先措置は難しいものと考えております。
次に、認知症患者の入院割合の減少対策についてでありますが、国は本年3月に、認知症患者が在宅生活を継続できる支援策のあり方を検討する研究会を設置し、年内に報告をまとめることとなっておりますので、研究会の報告を踏まえ、必要に応じて平成27年度からの第6期事業計画で検討したいと考えております。
次に、認知症対策に係るソフト面の実施等についてでありますが、本市では、認知症の方などを介護する方が介護中であることを周囲に理解していただくための介護マークを昨年取り入れたところであります。今後の認知症対策については、昨年9月に国が示したオレンジプランに基づき、第6期において必要な措置を講ずるとともに、地域の特性を生かしたソフト面の充実にも努めてまいります。
次に、地域住民などがサポートする仕組みづくりについてでありますが、認知症の方が安心して暮らせる地域には、地域住民が互いに理解し助け合うことが必要であり、そのことが住みなれた地域で暮らしていくことにつながるものと考えております。このようなことから、今後、地域包括ケアシステムの構築を推進していく中で、市外からの居住を促す効果も期待できるものと考えております。
次に、認知症にかかわる業務など従事する専門職等の知識を活用する講習会等についてでありますが、町会役員や民生・児童委員などには、まずは基本的なことを学ぶ認知症サポーター養成講座を受けていただき、さらに次のステップとして、専門職による研修会の必要性などについて、養成講座に登録されている講師などと協議してまいりたいと考えております。
次に、徘回高齢者の迅速な対応についてでありますが、GPS機能付携帯電話については、認知症の方が携帯電話を持って徘回するとは限らないため、普及が進んでいないのが実態であります。
また、警察等のネットワークについては、緊急時の連絡体制の整備を図るなど、関係機関・団体が一体となり、より密接な連携を進めてまいります。
次に、認知症の方や家族が交流する場として、おたる認知症ハウスをつくることについてですが、市内に認知症の方や家族が常時集まる場所はありませんが、認知症の人を支える家族の方の団体がありますので、そうした中で家族が交流を図っていけるものと考えております。
次に、認知症の方が安心して暮らせる社会づくりを地方が率先して実施すべきとのことでありますが、本市の認知症対策については、国の示すオレンジプランや今月開催される11省庁の連絡会議の動向を参考にしたいと考えております。
○議長(横田久俊)中村議員の一般質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時30分
――――――――――――――
再開午後2時50分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、一般質問を続行いたします。
(「議長、27番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)27番、前田清貴議員。
(27番前田清貴議員登壇)(拍手)
○27番(前田清貴議員)一般質問を行います。
まず、平成22年に新築落成した消防署朝里出張所に配備されている救急車の出動状況について質問します。
これまで配備されていなかった救急車が新光・東小樽地区に配備され、3年が経過しました。従前の花園出張所からの出動に比べ大幅に時間短縮され、一刻を争う救急患者にとって頼もしい朝里出張所になったことと思います。
そこでお聞きします。直近3年間の出動回数と平均到着時間についてお聞かせください。
また、最近は高規格救急車の配備により、心臓や脳などの重症患者の救命率も向上してきていると思います。市内全体の救命率について、従前と比較してお聞かせください。
次に、自動体外式除細動器、AEDについて質問します。
AEDは、心室細動時に電気ショックを与え、心臓を鼓動させ、再びよみがえらせる器具です。最近では一般の人にも使用できるようになったことから普及が進み、小・中学校など公共施設をはじめ、駅など多くの人が集まるところにはAEDが設置されるようになりました。
ただ、AEDは機種ごと、また、その構成する使用パーツごとに耐用年数が異なり、製造から一定の期間が経過するとバッテリーが消耗し、AEDは使用不能となります。
そのため、AED設置後の経年から、電池、電極パッドなど使用パーツの使用期限切れによる使用時のトラブルが最近相次いで報告されています。札幌市内の125施設を対象に、北海道管区行政評価局がAEDの維持・管理状況を調査したところ、全施設の13パーセントでバッテリー切れなどが見つかり、緊急時に使用できないおそれがあることがわかりました。
そこで、本市全体で、民間の設置も含め、現在、AEDは何台設置されていますか。
うち本市が保守管理するAEDは何台になりますか。
また、日常点検項目と点検実態について、設置場所の例を示し、具体的にお聞かせください。
あわせて、機種ごとの耐用年数と経年について、今後の更新を含め、お聞かせください。
加えて、本市の費用負担額と実際にAEDが使用された実例についてお聞かせください。
次に、消防団について質問します。
平成22年第1回定例会における私の一般質問では、阪神・淡路大震災の発生を挙げ、災害は忘れたころにやってくると申し上げました。その後、平成23年3月11日午後2時46分に発生した東日本大震災の教訓から、災害はいつでもやってくることを学びました。
消防団の団員数は、平成元年まで、全国で100万人を超えていました。平成24年度版消防白書では、87万4,193人まで減少しております。道内も戦後の4万2,000人をピークに、以後、減少を続け、平成24年10月1日現在2万6,261人と、ピーク時の約6割に低下、道内各地の消防団では慢性的な団員不足に悩まされ、定員割れとなっている消防団は全体の9割を超えている状況と伺っております。本市においても、団員の増強対策としてこれまでに種々対策をとってこられました。最近では、平成19年度に、消防団員にかかわる市条例を改正し、65歳退団制を2歳引き上げて67歳、また入団年齢の上限50歳を撤廃するなどして、団員の増強に努めてこられたことは承知いたしております。
そこで、本市の条例定数と現団員数について、過不足も含め数値でお聞かせください。
あわせて、直近5年間の退団員数と入団員数、年齢層について、また団塊の世代の大量退団も想定されることから、今後5年間の定年による退団員数の見込みについてお聞かせください。
本市の消防団は第1分団から第18分団まであるとお聞きします。最小分団と最大分団の団員数についてお聞かせください。
また、本市の団員増強に向けた今後の取組について、施策などを含め、お聞かせください。
次に、各種税などの納付について質問します。
コンビニエンスストアでは、電気、ガス、電話などの公共料金から保険料、テレビショッピングなどの通信販売の代金まで、民間のさまざまな各種料金の納付に利用されています。1日の取扱金額は一般商品の販売金額の数倍になる日も少なくありません。業態としてのコンビニは既に35年以上の業歴があり、国民はもとより、広く小樽市民に支持、愛されております。市内の大手コンビニの店舗数は8月31日現在、銭函から蘭島までに48店舗が展開されています。お客様により早朝、休日、昼夜を問わず24時間、公共料金などの支払をはじめ、広く利用されています。
本市では、平成13年8月1日から上下水道料金のコンビニでの支払が可能となりました。しかし、上下水道料金以外の各種料金、税金などの納付方法は今後検討するとしたものの、いまだ旧態依然のままです。市民の休日を含めた行動形態は早朝、深夜を問わず多種多様化しており、これら料金の納付方法についても、市税収入率向上に向け柔軟に取り組むべきと考えますが、市長のお考えをお聞かせください。
次に、関連して質問します。
コンビニでは、多機能コピー機を活用して各種チケットなどを販売、取得できます。また、法律が改正され、コンビニでの住民票、戸籍謄本などの各種証明書などの発行が可能となりました。使用するには、住民基本台帳カードが必要となります。
各種証明書類のコンビニでの交付を実施しているのは、平成25年9月2日現在、全国で72の自治体です。道内では既に音更町が住民票と印鑑登録証明書をコンビニで交付しています。
そこで、本市の住民基本台帳カードの累計発行枚数についてお聞かせください。
また、住民基本台帳カードの周知方法と交付手数料についてお聞かせください。
この項最後に、コンビニでの各種証明書発行について、今後に向け、どのような議論、検討をしていくのか、市長の御意見をお聞かせください。
次に、産業振興に関連して質問します。
本市の事業所数の推移を直近の事業所・企業統計調査等で比較すると、平成13年から21年までの直近8年間を比較してもマイナス12.8パーセント、993事業所が減少するなど、一貫して右肩下がりの実態が続いています。従業者数も、平成13年の6万7,983人から21年の6万321人と、7,662人、約11.3パーセントの従業者数が減少しています。
そこで、各産業別事業所の減少要因と背景についてどのように押さえられているのか、お聞かせください。
これら事業所が減少に至った要因の一つには、売上げ不振などの物的要因が影響していることも事実でしょう。
一方で、後継者不在により廃業という企業の減少に拍車をかけている現実もあります。事業承継と後継者問題は切っても切れない関係にあり、企業を存続、発展させ、技術、のれんを次の世代へバトンタッチしていくことが中小企業の厚みを増し、小樽経済が継続的に発展を続けていくためにも、必要不可欠であると考えます。業界紙によると、企業の7割近くが後継者育成で苦労しているとの調査結果が示されています。各事業所は、事業承継を重要な経営問題と捉え、取り組んでいなければなりません。
そこで、本市の各産業別事業所の事業承継、後継者問題を本市ではどのような状況、実態にあると捉えられていますか。後継者不在率とあわせ、お聞かせください。
行政が一企業に対してお手伝いできることは限られています。
そこで、本市がこれまでとられてきた事業承継と後継者育成に向けた施策、中小企業大学校などが主催する幹部社員養成、後継者育成など各講座の市内企業の参加申込み、受講状況について、また、市内で開催されている講座もあわせて実態をお聞かせください。
次に、本市の農業振興について質問します。
本市農業は、地形的な制約から大規模な農地がなく、耕作面積も限られるなど制約の多い中で、これまで営まれてきました。
また、近年は大都市近郊の地理的優位性を生かした都市近郊型農業として、露地栽培以外に施設栽培を広く導入するなど、各農家は消費者ニーズに応え、イチゴ、ミニトマト、ピーマンなどの品質基準を設け、選別作業を行い、ブランド化に努めています。これが北海道の北のクリーン農産物表示制度の認証を受けるなど、小樽の農業は健闘しています。
今後の本市農業を展望した場合、農家戸数、耕地面積、農家人口など、質、量を含め、一定の確保が求められます。
本市が描く小樽農業の将来像について、これら数値を含め、お聞かせください。
また、農林水産省では、今年度から将来の具体的な農地の利用計画を盛り込んだ、人・農地プラン(地域農業マスタープラン)を作成するよう市町村に求めています。同プランの内容と作成メリットについて、また本市の作成状況も含め、お聞かせください。
次に、農地法、都市計画法に関連して質問します。
最近の傾向として、自宅敷地内はもちろんのこと、遠方へ出かけ、所有地あるいは借地での野菜づくりが各家庭で盛んに行われています。
本市を見ましても、ホームセンターなどで春先には大量の種苗が販売されており、塩谷の市民体験農園はもちろんのこと、銭函、星野町、張碓、新光、東小樽、潮見台、奥沢、赤岩、高島、長橋、オタモイ、幸、塩谷、蘭島、まだあるでしょうか、これら住宅地と山裾、公道と山裾との間で盛んに野菜、花卉、果樹づくりなどが行われており、近年、ブームとなっています。これら耕地内をよく見ますと、物置はもちろんのこと、一般住宅と見間違えるほど立派な建物が散見されます。一般論ですが、農地であれば農地法が適用され、市街化調整区域の建物の建設は、都市計画法や建築基準法でそれぞれ厳しく規制されています。
本市の場合、市街化調整区域の耕地内の建築物は適法に建設されているのでしょうか。
違法建築物の実態はどのようになっていますか。地域を示し、数値でお聞かせください。
次に、新夜間急病センターについて質問します。
本市の夜間急病センターは、昭和52年6月、緑に小樽市医師会急病センターとして発足しました。平成5年4月には、梅ヶ枝町の済生会小樽病院の隣接地に移転、運営主体が小樽市医師会から小樽市となり、管理・運営を小樽医師会へ委託し、午後6時から午前7時までの急病患者の診療に対応してきました。しかし、済生会小樽病院が築港地区へ移転することとなり、同急病センターも移転を余儀なくされ、これまで同様、併設型急病センターも試案されましたが、諸般の事情から、独立型の夜間急病センターとして住ノ江1丁目の現在地へ移転、新築され、本年7月11日午後6時から、夜間急病センターとして供用が開始されました。
そこで、新しい夜間急病センターの使い勝手、評判について、立地も含め、実際に施設を使用している医療スタッフと急患として訪れる市民、患者さんに分けて、旧夜間急病センターと比較してお聞かせください。
急病センターが供用開始されてちょうど2か月が経過しました。急病で訪れた患者数について、昨年同時期と比較してどのような状況になっていますか、お聞かせください。
また、従前の夜間急病センターは市内中心部から離れたところにあり、利用しにくいとの苦情もありましたが、市内中心部へ移転となった新急病センターの地域別に見た利用状況と患者数の変化について、特に東南地区、張碓・銭函地区の方々の利用実態はどのようになっていますか、お聞かせください。
この項最後に、救急外来77パーセントは軽症、減らないコンビニ受診との見出しで報道がありました。急病センターの実態はどのようになっていますか、お聞かせください。
次に、北海道横断自動車道余市-小樽間の小樽ジャンクションについて質問します。
北海道横断自動車道小樽-余市間23.4キロメートルの工事は、平成30年度中の供用開始に向け、現在、着々と工事が進められています。同道路が完成すると、広域的な連携、交流の活性化、緊急医療、災害時の支援、流通の効率化、観光振興など、重要な役割を果たしてくれることと思います。
ただ、現時点での道路設計では、開通しても効果や影響は半分しか期待できません。なぜなら、余市方面から進入した車両の乗降口が、同道路の設計上、小樽ジャンクション周辺には確保されておらず、銭函インターチェンジまで走行し降りる、いわゆる小樽市内を通過するだけの一方通行の道路設計となっているからです。
私は、この問題をこれまでに代表質問や一般質問で幾度となく取り上げ質問してきました。これまでに、小樽市と小樽市議会、小樽商工会議所の三者は国土交通省など関係機関を訪れ、小樽ジャンクション(仮称)のフルジャンクションでの整備実現方についての要望書を提出されるなど、行動を起こされたことについては評価をいたしております。現在、朝里川温泉をはじめ小樽ジャンクション付近では、着々と工事が進み、線形も見えてきました。
そこで、その後の東日本高速道路株式会社を含む関係機関への陳情行動や内容について、その実現への感触もあわせ、お聞かせください。
この項最後に、余市-小樽間の用地取得率や工事の進捗状況、供用開始見込みについてお聞かせください。
再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)前田議員の御質問にお答えします。
初めに、救急車の出動状況について何点か御質問がございました。
まず、朝里出張所に配置された救急車の直近3年間の朝里管内における出動回数と平均到着時間についてでありますが、平成22年は557回で6分46秒、23年は732回で6分44秒、24年は779回で7分11秒であり、朝里出張所に救急車が配置される前年の21年と比較し、4分から5分程度の短縮となっております。
次に、市内全体の救命率についてでありますが、救命率は心肺機能停止患者に対する1か月後の生存者数の割合を表しており、平成21年は3.2パーセント、22年は5.7パーセント、23年は5.4パーセント、24年は9.2パーセントとなっております。
なお、本年4月より、朝里出張所の救急車につきましては、高規格救急車に更新したところであり、市内救急業務の一層の高度化が図られるものと考えております。
次に、AEDについて何点か御質問がございました。
初めに、本市全体で、民間も含めた現在のAED設置状況についてでありますが、本市で設置されているAEDの台数は、本庁別館、市民会館、図書館等の公共施設で36台、小・中学校で20台の合計56台となっております。
また、民間施設のAEDの設置につきましては、届出制ではないため、全ての設置を把握しているわけではございませんが、63か所、68台の設置について確認しております。
次に、AEDの日常の点検項目と点検実態についてですが、本庁舎別館1階案内窓口に設置しているAEDで申し上げますと、AEDが使用できる状況を保持するためには、バッテリーに残量があることが欠かせませんので、バッテリー残量があることを示す青ランプの点灯を毎日、案内窓口配置職員が確認しております。
次に、機種ごとの耐用年数と経年についてですが、本市にある機種は10種類以上ありますが、耐用年数は6年から8年となっております。更新につきましては、昨年度1台、今年度6台、来年度11台と、順次更新していく予定です。
次に、AEDの維持・管理に係る費用負担額についてでありますが、概算で申し上げますと、1台のAEDにつき、一般的な耐用年数7年間の間に、約5万円のバッテリーについては1回、約2万円の電極パッドについては2回交換することとしますと、これらの交換費用の合計9万円に、公共施設に設置のAEDの台数56台を乗じれば、維持・管理費用は7年トータルで504万円と推計されます。
また、実際にAEDが使用された例でありますが、本市で設置したAEDの使用実績はございませんが、民間のスポーツ施設において、平成23年、24年に、おのおの1名ずつ心肺停止で使用されたケースがあり、いずれも施設関係者や居合わせた市民によるAEDの使用により一命を取りとめ、その後、順調に社会復帰されたことを確認しております。
次に、消防団について何点か御質問がございました。
初めに、本市の消防団員の条例定数との過不足についてでありますが、本年9月1日現在の消防団員数は501人で、条例定数の514人と比較しますと、13人下回っております。
また、直近5年間の退団員数と入団員数は、平成20年度、退団25人、入団44人、21年度はそれぞれ35人と24人、22年度、26人と29人、23年度、32人と47人、24年度、59人と51人となっており、入団者の年齢層は10代8人、20代44人、30代79人、40代35人、50代26人、60代3人となっております。
なお、今年度からの5年間に、定年により退団する団員数の見込みは105人であります。
次に、消防団の最小分団と最大分団、その団員数についてでありますが、最小分団は第10分団で6人、最大分団は第8分団で58人であります。
次に、消防団員の増強に向けた今後の取組と施策についてでありますが、本市におきましては、毎年実施される総務省消防庁の消防団員入団促進キャンペーンに合わせ、町会や事業所、大学などに対する情報提供や入団PR、さらに消防団協力事業所表示制度の推進などに取り組んでおります。今後とも、地域の防災力を維持、向上させる観点から、消防団員の確保に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、各種税などの納付方法についてでありますが、コンビニは市民生活に定着しており、コンビニで市税などの納付を可能とすることは、納付手段が多様化し、納税者の利便性の向上が図られると考えております。
道内の自治体においても、市税などのコンビニ納付が広がりを見せており、本市においても他都市の情報収集に努め、検討を重ねてきたところであります。
しかし、コンビニ納付の導入に当たっては、電算システムの改修費用や各コンビニに対する取扱手数料など、初期投資及び維持管理費が高額になるなどの課題があり、現在の本市の財政状況を考慮しますと、現時点での導入は難しいものと考えておりますが、市民サービスの向上に向けて、今後とも導入効果や導入後の課題など、他都市の情報収集に努め、引き続き検討したいと考えております。
次に、各種証明書などの発行について何点かお尋ねがありました。
初めに、本市の住民基本台帳カードの累計発行枚数についてですが、今月3日現在、8,678枚を発行しており、うち死亡や転出などにより無効になったものを除いた有効カードとしては6,958枚です。
次に、住民基本台帳カードの周知方法と発行手数料ですが、まず、市民への周知方法につきましては、市のホームページで住民基本台帳カードの発行について詳細な説明を掲載しているほか、市内全世帯に配付されています小樽市くらしのガイドに問い合わせ先を掲載しております。
なお、発行手数料につきましては、1件500円となっております。
次に、今後のコンビニでの各種証明書発行の検討についてですが、本市では、現在、平成26年10月をめどに戸籍事務の電算化を進めており、これに伴い、本庁を含めた窓口の業務体制を見直しているところであります。この中で、費用対効果なども含めて、コンビニ交付の導入は検討材料の一つと考えております。
次に、産業振興について何点か御質問がありました。
まず、事業所数減少の要因等についてでありますが、経済センサス基礎調査によりますと、市内の事業所は、平成13年と直近の21年を比較すれば、第1次産業から第3次産業別においてもそれぞれ減少しており、従業員数9人以下の小規模零細企業の減少割合が高いことや国等の出先機関の減少などが挙げられます。
これら事業所減少の背景については、高齢化や人口減少、観光客の減少などにより市内経済全体が縮小していること、さらには全国的な消費の冷え込みなどがあり、売上げの減少が続いていることによる経営状況の悪化に加え、小規模の小売業を中心とした後継者難による廃業等によるものと考えております。
次に、事業所の後継者問題等についてでありますが、御質問にありました市内事業所の後継者不在率については、調査を行っておりませんが、民間調査会社が平成23年にオーナー企業を対象に実施した調査によれば、全国で約66パーセント、北海道では約72パーセントの企業代表者が、後継者については不在や未定とのことで回答しており、特に売上規模が少ない事業者ほど、後継者の不在率が高い結果となっております。
本市においても、統計によれば、小規模零細の事業所数の減少率が高いことから、同様の傾向があるものと推察しております。
次に、事業承継等に向けた施策等についてでありますが、本市が平成24年5月に開催した商工業振興施策説明会で、中小企業基盤整備機構が作成したガイドブックを活用し、事業承継の流れや支援体制等を説明したほか、本市で事務局を担う異業種交流団体のセンチュリー・プラザ・オタルにおいて、平成22年11月に、企業承継についての講演会を開催したところであります。
次に、中小企業大学校旭川校主催の各種講座に対する市内企業の参加状況については、平成20年度から24年度までの5年間で、延べ53社、232人が受講していると聞いております。
また、市内で開催される講座でありますが、市の事業では、平成21年度から、中小企業基盤整備機構の協力を得て、新たに商売を始める人や商店の後継者などを対象として小樽商人塾を開催しております。
次に、農業振興について何点か御質問がありました。
平成25年3月に後志総合振興局が取りまとめた後志の農業2012によると、本市の農家戸数は216戸、耕地面積は241ヘクタール、農家人口は391人で、ほとんどが耕地面積1ヘクタール未満の小規模農家となっております。
本市農業の将来像につきましては、まずは現状の数値を維持するために、高収益型の農業として施設栽培の促進を図り、大都市近郊の地理的な優位性を生かし、消費者ニーズに対応した食の安全と安心を確保するため、減農薬などクリーン農業生産技術の導入や普及を進めるとともに、北のクリーン農産物表示制度を活用し、ミニトマトやピーマンなどの農産物のブランド化に努め、都市型農業としての発展を図ってまいりたいと考えております。
次に、人・農地プランについてですが、この事業の内容は、平成24年度から、国が、農業には高齢化や後継者不足、耕作放棄地の増加など、人と農地の問題があることから、その問題の解決に向けて計画づくりの方策を示したものであり、市が農業地域との話合いにより農地の集積方法などの計画づくりを行うもので、作成のメリットは新規就農者を対象とした給付金や農地集積の協力金の給付などがあります。
また、本市プランの作成状況については、昨年4月以降、蘭島、忍路の両地区でアンケート調査を実施し、あわせて忍路地区では説明会を開催しましたが、高齢者が多いこと、後継者や新規就農者がほとんどいないことから、作成には至っておりませんが、国、道からの要請もあり、引き続き作成に向けて関係機関との協議を行ってまいりたいと考えております。
次に、農地法と都市計画法について御質問がありました。
まず、市街化調整区域内の耕地内での建築物についてでありますが、原則として都市計画法では市街化調整区域内において建築物を建築することができないこととなっておりますが、現状としては違法に建築されている建築物も見受けられます。
次に、違法建築物の実態についてでありますが、市内全域の実態を把握することは難しい状況にありますが、現在、市で把握している違法建築物は東部地区の2か所において、合計62件でございます。
次に、新夜間急病センターについて何点かお尋ねがありました。
まず、施設の使い勝手や立地に関する評判についてでありますが、小樽市医師会の調査によりますと、医療スタッフからは、患者のトイレが車椅子でも楽に入れるようになりよかった、またセンター玄関のスロープは便利だが、もう少し幅があったほうがよかったなどの意見があったと聞いております。市民につきましては、東南地区の方から市長への手紙を通じた意見があり、市内中心部に移転したことから利用しやすくなったという評価をいただいております。
次に、患者数についてでありますが、昨年7月が669人、本年7月では735人であり、66人の増加、また昨年8月が696人、本年8月では788人であり、92人の増加となっております。
次に、地域別の利用実態についての御質問ですが、夜間急病センターの受診者に対して、小樽市医師会では地域別の利用実態について分析していないため把握しておりませんが、先ほども答弁いたしましたとおり、夜間急病センターの移転場所につきましては、東南地区の市民から、市長への手紙を通じて利用しやすくなったという評価をいただいております。
次に、いわゆるコンビニ受診の状況についてでありますが、夜間急病センターにおける緊急性の低い軽症患者の数は把握していません。本市が平成24年度に市民を対象に実施いたしました、医療に関する意識調査では、約9割の市民がコンビニ受診をしないという回答結果を得ています。
本市といたしましては、引き続き市民に対し、医療機関の適切な利用を呼びかけてまいります。
なお、9月14日に開催いたします本市主催の救急医療を考える市民セミナーにおきましても、コンビニ受診の抑制について啓発することとしております。
次に、小樽ジャンクションについて何点か質問がありました。
初めに、関係機関への陳情行動や内容、その実現への感触についてですが、要望活動につきましては、期成会において、平成24年に2回、25年は既に2回行っており、11月にも要望を行う予定です。また、先月は、小樽市、小樽市議会、小樽商工会議所の三者による要望を行っております。
要望内容につきましては、後志地域における災害への対応体制の強化、救急医療、物流ネットワーク、広域観光推進など、あらゆる面での効果を考慮し、当初計画どおりフルジャンクションで整備されるよう要望しております。
実現への感触についてですが、今日までフルジャンクション化の実現には至っておりませんが、要望ごとに地元の熱意が伝わっていると感じておりますので、今後とも国や関係機関に対し、粘り強く要望してまいりたいと考えております。
次に、余市-小樽間の用地の取得率や工事の進捗状況、供用開始見込みについてですが、東日本高速道路株式会社によりますと、用地の取得率につきましては、平成25年8月末現在で約84パーセントと聞いております。
工事の進捗状況につきましては、同じく8月末現在で、工事用道路や仮橋等を施工する準備工事や高速道路本線のトンネル工事、土工工事など11件の工事が発注されており、発注済み工事割合は高速道路本線に対する延長の約6割と伺っております。
また、供用開始見込みについてですが、予定どおり平成30年度開通に向け、事業が順調に進んでいると伺っております。
(「議長、27番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)27番、前田清貴議員。
○27番(前田清貴議員)1点だけ再質問いたします。
農地法、都市計画法についてのところでございまして、建築物は違法に建設されているのかということを聞いて、実態はどのようになっているかと、この質問のくだりの終わりなのですが、今お聞きしますと、東部地区で62件の違法な建物があると、答弁でお聞きしたかと思うのですけれども、違法建築物が62件、ゼロ件であることが正しいのでしょうが、あるということで驚いたのでありますけれども、これらの詳細については予算特別委員会で質問いたしますが、指導やその結果、それと今後、これら62件の違法建築物について、どのように対応、対処されるつもりなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)建設部長。
○建設部長(工藤裕司)違法建築物に対する対処でございますけれども、所有者のわかるものにつきましては、文書によって撤去要請をしております。
また、現地で実際に菜園を行っている方がいらっしゃった場合は、その場で撤去の要請をするなど、指導は行っております。
場合によっては、是正計画書の提出を求めるなどの悪質な場合は、指導をしなければならないという考えもあるのですけれども、市民の皆さんが家庭菜園を楽しむために用具小屋などを置いている場合には、知らなかったというようなこともございますので、なかなか法的な手段まで踏み込むか、果たしてどうなのかということもございまして、現在のところは地道に指導していく、また、違反になるということも啓発するということもあわせて行っていきたいと思っております。
(「議長、27番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)27番、前田清貴議員。
○27番(前田清貴議員)悪質な案件、物件については、今後も指導していくということですけれども、市街化調整区域というか、そういった建物を建てられないところでの建設というのは、それがそもそも悪質なのではないかと思うのですが、これは今後どうするのかと、もしそれが市街化調整区域ではなく市街化区域にそういうものが建てられていたとするならば、どういう対応をとられるのか、同じ対応をとって指導して、粘り強く対応していくということになるのか、あるいは課税などについてはどのようになっているのか、この辺についてはいかがですか。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)建設部長。
○建設部長(工藤裕司)最近の事例で、農地の転用というか、悪質で告発されたという例は報道されておりましたけれども、全道的に見ましても、家庭菜園でこれまでそういった例はなく、今のところ粘り強く指導することになるだろうというふうに考えております。
(「議長、27番、議事進行について」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)27番、前田清貴議員。
○27番(前田清貴議員)答弁漏れがあるのではないかと。
○議長(横田久俊)答弁漏れですか。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)財政部長。
○財政部長(堀江雄二)前田議員の再々質問の関係なのですが、資料等を持ってきておりません。今、確認できませんので、この場で答弁することはできません。御了承願いたいと思います。
○議長(横田久俊)よろしいですか。
○27番(前田清貴議員)市街化区域でそういうことが行われていた場合は、どうするのですか、指導の関係。
○議長(横田久俊)建設部長、市街化区域でという問いかけもありましたけれども、同様ということでよろしいですか。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)建設部長。
○建設部長(工藤裕司)建物の建設につきましては、まず申請が必要になりますので、市街化区域の中であればその申請が出ますので、そういったものの判断ということになろうかと思いますけれども、市街化調整区域とは若干扱いが変わると思っております。
○議長(横田久俊)前田議員の一般質問を終結いたします。
(「議長、10番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)10番、高橋克幸議員。
(10番高橋克幸議員登壇)(拍手)
○10番(高橋克幸議員)一般質問を行います。
初めに、公文書管理の取組についてであります。
近年、自治体において、公文書管理を見直す動きが進みつつあります。これは、2009年6月に国会で成立し、2011年4月に施行された公文書管理法を受けての動きであります。
公文書管理法は、公文書を適正に管理することにより、行政を適正かつ効率的に運営し、将来にわたって国民に対する説明責任を果たすことを目的としております。
公文書管理法第34条では、「地方公共団体は、この法律の趣旨にのっとり、その保有する文書の適正な管理に関して必要な施策を策定し、及びこれを実施するよう努めなければならない」とあります。
まず、この公文書管理についてどのように認識されているのか、また公文書管理法第34条の規定を受けて、本市ではどのように検討されてきたのか、市長の見解を伺います。
公文書の適正な管理を考える上で重要な点として、文書のライフサイクルを確認する必要があると考えます。「文書の作成」「文書の保管と保存」「文書の移管や廃棄」などについて、本市ではどのように行われているのかお答えください。
また、東日本大震災の教訓から、大規模災害等から公文書をいかに守るかということも、自治体の重要な役割であります。他都市では、この点についての対策やマニュアルの策定など、具体的な検討が進んでいるようですが、本市ではどのように考えられているのか、見解を伺います。
公文書管理条例について伺います。
平成13年に、全国初の公文書管理条例が熊本県宇土市で制定され、その後、これまでに他都市においても同様の動きがあり、道内では札幌市が平成24年6月に制定し、25年4月施行となっております。
本市では、公文書管理条例についてどのように考えられているのか、見解を伺います。
次に、公文書館についてであります。
重要な公文書の移管、保存、活用を考えるとき、必要不可欠なのが公文書館であります。ただ、現状を確認しますと、全国的な設置率では、市町村で約1パーセント弱という数字でしかありません。しかし、そういう中でも創意工夫をしながら、既設の施設利用や旧施設の跡利用などで、低コストで有効活用を実施しているところもあります。
本市においても、学校適正配置に関連して、学校の跡利用の検討も今後進められていくと思います。この公文書館の検討も必要と考えますが、見解を伺います。
次に、行政文書の電子化についてであります。
先ほども述べましたが、公文書については災害等に備えた危機管理対策が必要であります。東日本大震災後、政策提言の中に、この点に関するものがあり、公文書の電子化バックアップセンター構想であります。今後の方向性として、低コストの予算による自治体の重要な公文書のバックアップシステムについては、国においてもさまざまな検討をされていくものと考えますが、今後の本市としての考え方について、市長の見解を伺います。
次に、観光問題についてであります。
近年、本市の観光産業は基幹産業の一つとして成長し、小樽の経済にとって大きなウエートを占めるようになってまいりました。
最近の観光入込客数の動向を見てみますと、平成11年、ピークであった約970万人から減少し、17年度、約760万人となり、24年度には約660万人と減少傾向にありながらも、多くの方が観光に訪れております。ただ、この減少傾向は危機意識を感ずるところではあります。これらの動向についてどのように認識されているのか、市長の見解を伺います。
また、減少の要因と観光産業の本市経済への影響や位置づけについて、あわせてお答えください。
次に、平成15年度以降、10年間の観光産業の本市経済に関する影響についてですが、観光客の年間消費額、経済波及効果とこれに対する雇用効果は、現在までどのように推移しているのか、また、本市の観光振興に対する予算についての推移もあわせてお示しください。
さて、近年、観光関連の動きとして、クルーズ客船の誘致活動や、まちづくり関連で旧国鉄手宮線の工事着工や歴史的建造物の保存、北運河構想、天狗山観光構想など、観光政策とリンクする内容がありますが、所管の違いがあり、横断的な協議会についても、どこが主導していくかによって施策の方向性が変わっていくことが考えられるところであります。また、平成20年には、小樽市は観光都市宣言を行い、オール小樽の姿勢を示しましたが、残念ながらこれ以降、観光政策に大きな変化があまり見えない状況であります。
今後、小樽の重要的観光課題のこれらの観点から、総合的に体系的に推進していく上で、行政としても、現在の観光振興室から観光振興部への昇格を検討すべき時期と必要性が既に到来していると思いますが、市長の見解を伺います。
次に、観光ニーズの多様化の対応についてであります。
近年、小樽運河を中心として、限られた観光ゾーンが主なものでありました。観光客の多くはリピーターであり、毎回同じ観光ゾーンを体験しますと、当然、新鮮さや期待感が薄れていくことになり、観光客減少に影響が出ると思われます。また、最近では、観光ニーズの多様化が進み、新たな観光メニューや受入れ体制の充実、観光資源の発掘など、さまざまな課題があります。
これらについてどのように考えられているのか、また現在、具体的に取り組んでいるものがあればお示しください。
さて、多様化に伴い、さらに重要になるのがホスピタリティーの問題であります。以前から議論されていますが、大きな課題の一つであり、これまでもさまざまな取組が行われていると認識しております。自分の住んでいる土地の歴史や文化を知ることが地域愛につながり、交流面でも効果があると考えているところであります。
そこで伺いますが、観光基本計画にある重要施策で、「おもてなし意識のレベルアップ」と「交流観光を担うリーダーの育成」について、これまでどのような対策が行われてきたのか、また今後の考え方や具体的な対策についてお答えください。
さらに、小学校の教育の中で、もっと小樽の歴史と文化を学ぶ、知ることの対策も必要と考えますが、他の年代の対策もあわせてお答えください。
ハード面として、特にトイレ、案内所の問題がありますが、観光客からの意見や要望についてどのようなものがあるのか、今後の対策についてどのように考えられているのか、見解を伺います。
次に、回遊性の問題であります。
これも以前から議論され、まちづくりとも関連しますが、改めて伺います。
現在、旧国鉄手宮線の遊歩道などの工事が着工されておりますが、この手宮線をどのように観光に結びつけていくのか、利活用について見解を伺います。
さて、小樽のまち並みを俯瞰してみますと、小樽運河と並行に旧国鉄手宮線、都通りなどのアーケード街及び花園銀座などの商店街があります。小樽運河と並行ということでこれらを横軸と、小樽駅から小樽運河を結ぶラインなどを縦軸として捉えるとき、回遊性の問題として、これらのさまざまな検討が重要になると思います。この縦軸の主なものとしては、通称寿司屋通りの於古発川通線、旧日銀前の浅草線、そして小樽駅から小樽運河への中央通などであります。特に、寿司屋通りでは冬季に観光バスが交差できないことや、市営花穂駐車場の下側の他の目的としての検討、また歴史的雰囲気を醸し出す通りの形成など多くの課題があります。旧グランドホテルの活用が決定した今、これらの課題や問題点についての検討が必要と考えますが、他の通りも含め、見解を伺います。
次に、大きな観光資源である歴史的建造物の保全であります。
小樽観光の大きな特徴である懐かしさやノスタルジックな雰囲気を演出しているのは、歴史的な建造物やそれに伴うまち並みの景観であります。特に歴史的な建造物は、時間の経過が老朽化を進め、残念ながら解体に至るケースがありました。小樽観光にとって重要な資源であるこの歴史的な建造物について、どのように認識されているのか、改めて見解を伺います。
歴史的な建造物の保全については、今後の大きな課題であります。特に、建物保有者の協力がなくては、将来にわたり、観光資源の存続は考えられないところであります。
また、本市においては、他都市に先駆けて条例を制定し、歴史的な建造物の保存に取り組んできたと認識しております。この保存の課題と問題点についてお答えください。
また、歴史的な建造物の保全に対しての助成金制度ですが、ここ10年間の予算の推移、その主な内容及び今後の考え方について見解を伺います。
次に、道の駅についてであります。
現在、道の駅は全国で1,004か所、道内では114か所と毎年増加傾向にあり、地元の活性化や観光に寄与しているようであります。
道の駅では、24時間のトイレ設置をはじめ、地元の生産物やお土産の販売、食事どころ、温泉などがあり、また道内ではスタンプラリーなどの効果により、多くの方に利用されております。
北海道開発局は本年6月に、2012年度の道内の道の駅で268億円の経済効果があったと発表しました。
さて、この道の駅の設置には、基本要件、配置条件、地方自治体等のかかわり、登録制度など、いろいろな課題がありますが、設置までの主な内容についてお示しください。
また、本市では、道の駅の設置についてどのように考えられているのか、問題点と課題も含め、お答えください。
次に、建設リサイクル法に関連して伺います。
建設リサイクル法は、平成12年、循環型社会形成推進基本法が公布され、これに伴い、同年5月、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律、いわゆる建設リサイクル法が制定され、14年に完全施行となりました。この法律の目的は、「特定の建設資材について、その分別解体等及び再資源化等を促進するための措置を講ずるとともに、解体工事業者について登録制度を実施すること等により、再生資源の十分な利用及び廃棄物の減量等を通じて、資源の有効な利用の確保及び廃棄物の適正な処理を図り、もって生活環境の保全及び国民経済の健全な発展に寄与すること」であります。
法律施行後10年が経過しておりますが、この法律の目的に照らし、どのように認識されているのか、市長の見解を伺います。
次に、経過状況についてですが、平成15年度から24年度までの届出・通知件数の合計、また、特定建設資材廃棄物発生量の種類ごとの合計について、それぞれお示しください。
北海道地方建設リサイクル推進計画2008の中で、再資源化の目標として、特定建設資材の再資源化率が掲載されておりますが、本計画の最終目標数値は、平成27年度でアスファルト・コンクリート塊99パーセント以上、コンクリート塊98パーセント以上、建設発生木材83パーセントとなっております。
これらの再資源化率の本市の現状と今後の目標について、見解を伺います。
さて、特定建設資材の市内での受入れ状況についてですが、中間処理施設では、再資源化の原料となる一定の基準以外のものや混合廃棄物は受け入れていないようであります。
そこで伺いますが、届出・通知で報告されている特定建設資材廃棄物の発生量に対して、受け入れられている同廃棄物量及び率、そして受け入れられなかった同廃棄物の量及び率についてお示しください。
また、受け入れられなかった同廃棄物はどこで処分されているのか、あわせてお答えください。
次に、再資源化の流れについてですが、市内で受け入れている特定建設資材の廃棄物はどのように再資源化されていくのか、お示しください。
また、再資源化された特定建設資材はどのように使用されているのか、種類ごとにお示しください。
特に、公共工事での設計に反映されているようですが、最近の状況についてお答えください。
本年4月、産業廃棄物最終処分場におけるごみ処分手数料の改定がありました。建設木くずの処分手数料であります。20キログラム当たり65.1円から189円、約3倍であります。
最近、この件で納得されていない業者の方から複数お話を伺いましたが、理由もよく理解されていなく、なぜ3倍になったのかという疑問にも明確な返答がなかったようであります。
改定から4か月が経過しておりますが、周知についてどのように実施されてきたのか、手数料改定に当たりどのような検討や算定方法で算出されたのか、改めて見解を伺います。
さて、この改定理由は、分別解体の適正化、リサイクルの推進、最終処分場の延命化の3点であります。これらの理由は理解できるところでありますが、法律施行後10年経過してからの改定理由としては、いささか疑問が残ります。法の目的から見て、3点の理由について、これまでどのような経過だったのか、検討や対策はどのように実施されてきたのか、また、改定後の状況はどのような状況なのか、それぞれお示しください。
また、建設リサイクル法に関連して、本市の課題や問題点についてどのように考えられているのか、見解を伺います。
次に、除排雪問題についてであります。
昨年度は記録的な大雪ということもあり、市内全体が混乱し、市民から多くの苦情が連日のように続いておりました。
さて、除雪体制ですが、本市では、現在、6ステーションとして、小樽全体を六つの地域に分割し、それぞれ共同企業体と契約を結んでいるところであります。
この契約内容として、業務の当初設計が関連しますが、当初設計の主な項目で、想定数量はどのように算出されているのかお示しください。
また、除雪や路面対策等の出動基準はどのようになっているのか、また出動基準に基づいて誰がどのように判断し、指示を出すのか、お答えください。
さらに、排雪について、どのような基準で、いつ誰が決定し、指示を出し、排雪されているのかお示しください。
6ステーション体制になってから数年が経過し、毎年のデータが蓄積されていると考えますが、市民からの意見として、どうも6ステーションの作業量や出動回数にばらつきがあるのではないかという指摘を毎年のように伺うところであります。この点について、どのように把握されているのか、見解を伺います。
次に、市民からの苦情対応についてであります。
例年においても、苦情などの市民対応について、多くの課題がありました。特に、電話対応や現地対応について、不親切なもの、説明不足、そして不適切な内容などがあったと聞いております。これらについてはどのように考えられているのか、どのように各ステーションに対して対応されてきたのか、これまでの課題や問題点を挙げながら、具体的にお答えください。
次に、除排雪方法の見直しの検討についてであります。
最近、時代の変化により、人口減少に伴ってまち並みが変化し、古くからある地域では、空き家や空き地が増加傾向にあります。
車社会の背景とともに、車の登坂能力が高くなっており、相当な奥地や高地にも車の姿が見えます。
このような地域状況の中で、長年にわたる画一的な考え方では、市民ニーズに適合しているとは言えない状況にあると考えます。
昨年、坂道で両側に住宅及び車庫が連続している地域では、路面をあまり削らず圧雪で除雪していたために、道路中央がかまぼこ状となり、極端に変化しているところでは、タンクローリーが横転する危険性があったため、半月以上、灯油が配達されないということがありました。
それぞれの地域の中で、ニーズに合わせ、除排雪方法の見直しが必要ではないかと考えます。地域実態の把握やデータ調査の課題、除雪懇談会の意見、要望、市長と語る会での意見、要望など、これらについてどのように反映されているのか、どのように総合的な判断をされているのか、見直しの検討に対する考え方も含め、見解を伺います。
昨年度は、先ほど述べたように、記録的な大雪でありました。それに対し2度にわたる除雪費の補正が実施されましたが、後追いのような結果となり、除排雪の効果も半減されたように思われます。
現在は車社会であり、灯油などの配送関係車やタクシー、バスなどの乗客関係車など、生活に密着している状況であります。
今後の考え方として、除排雪については、積極的な姿勢の下で早期判断、早期実施を目指し、大変厳しい財政状況ではありますけれども、補正予算だけの考え方ではなく、当初予算の増額も視野に入れて、十分に検討していただきたいと要望いたしますが、今後の方向性について、市長の見解を伺います。
以上、再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)高橋議員の御質問にお答えいたします。
初めに、公文書管理の取組について何点か御質問がありました。
まず、公文書管理についての認識でありますが、公文書は市民の共有財産として捉えるべきものであり、適正な管理が必要なものと認識しております。
次に、公文書等の管理に関する法律の規定を受けた検討についてですが、本市では平成15年に小樽市文書事務取扱規程を全部改正し、これに基づいた公文書の管理に努めてきたところであり、従前から法の趣旨に沿った運用がなされてきているものと考えております。
次に、本市における文書の作成から廃棄までの文書のライフサイクルについてですが、本市では文書事務取扱規程において、起案は文書で行うこととされ、文書の保存に当たっては、その重要性に応じて保存年限を定め、保存年限経過まで、重要文書については毎年8月に文書主管課に引き継いだ上で、それ以外の文書は所管課において、それぞれ保存することとしております。また、保存年限が経過した文書は、永久保存の公文書を除き、毎年6月30日までに廃棄することとなります。
次に、大規模災害等からの公文書の保護についてですが、市の庁舎、施設が老朽化してきている現状にあって、公文書を別途保護するためには、書庫の耐火性の向上など、相応の費用負担が生じることになりますので、本市の置かれた財政状況等を考えますと、現時点で具体的な対策をとることはなかなか難しい状況にあると考えております。
しかしながら、ソフト面での災害時の対応につきましては、他都市の取組等も参考にしながら、今後、研究してまいりたいと考えております。
次に、公文書管理条例についての見解でありますが、先ほど申し上げたとおり、本市においては、現状でも文書事務取扱規程の適正な運用により、法の趣旨に沿った公文書の管理が図られているものと認識しておりますので、現時点で特に公文書管理条例を制定することは考えておりません。
次に、公文書館の設置についてですが、公文書館を設置し、庁舎外で公文書を保存するには、その適正な管理の必要性から職員の配置が必要となり、また維持管理経費も考慮しますと、現状では文書事務取扱規程の下、引き続き庁舎内で保存してまいりたいと考えております。
次に、公文書の電子化についてですが、まず公文書の一部である電磁的データのうち、税や福祉など基幹系業務のものにつきましては、平成23年度から実施してきた行政情報システムの再構築事業により、現在、耐震性にすぐれ、非常時の電力供給等も配慮されたデータセンターにサーバを設置して、日々、バックアップを行っております。また、戸籍データにつきましては、副本を災害から守るため、法務省において戸籍副本データ管理センターを設置し、本年10月をめどに戸籍副本データ管理システムを構築しているところであり、本市につきましても、平成26年10月に予定している戸籍の電算化に伴い、当該システムに接続することとしております。
なお、市全体規模での公文書の電子化の取組につきましては、移行のための膨大な作業量に加え、財政的な問題もありますので、現時点では方向性をお示しできる状況にありませんが、今後、国の支援策の動向や他都市の導入状況を注視してまいりたいと考えております。
ただいま、観光問題について何点か御質問がありました。
初めに、本市の観光入込客数が減少傾向にあることについては、平成11年3月のマイカル小樽の開業などにより道内客が大幅に増加したものが、減少に転じたことにあると認識しております。
減少の主な要因としては、長引く景気の低迷や道内外観光地との競争激化、新たな集客力のある施設がオープンしていないといったことなどが挙げられますが、観光は本市の基幹産業の一つであることから、飲食業や宿泊業など、本市経済に与える影響は少なからずあるものと認識しております。
次に、観光客の年間総消費金額と経済波及効果、雇用効果についてですが、観光客動態調査等では、年間総消費金額は、平成15、16年度の調査では1,319億円、20年度の調査では839億円、15、16年度の調査では、経済波及効果は2,668億円、雇用効果は1万8,499人と推計しております。
また、本市の観光費の推移についてでありますが、平成15年度は約1億6,000万円、20年度は約6,700万円、23年度では約1億4,800万円となっております。
次に、観光振興室から観光振興部への昇格を検討することについての見解ですが、確かに観光振興室の業務は、観光行政について市として総合的に推進する必要があるため、商業労政課や港湾室などの産業港湾部の各室、課はもとより、建設部のまちづくり推進課や公園緑地課などの関係部署とも情報を共有しながら進めているところです。
部への昇格については、業務内容や人員配置等を含め、全庁的に考えていかなければならない問題であり、現段階で直ちに昇格ということでは考えておりません。
次に、新たな観光メニューや受入れ体制の充実、観光資源の発掘に関しての現在の取組の主なものについてですが、まず、新たな観光メニューでは、先月29日に東京で開催した小樽港クルーズセミナーにおいて、地元旅行代理店に作成を依頼した、新しい小樽・北後志の旅34コースを、首都圏の旅行代理店等に情報提供いたしました。
受入れ体制については、昨年4月、運河プラザ内に、小樽国際インフォメーションセンターを開設し、英語、中国語、韓国語の通訳を配置し、外国人にもきめ細かい対応をしております。
観光資源の発掘については、本年度、地域資源を生かした小樽観光の魅力アップ事業で、祝津地区の食をテーマに、新たな観光ビジネスモデルの構築を進めるとともに、小樽kawaiiティーパーティーの開催などにより、新たな魅力の発掘、情報の発信に努めているところであります。
次に、観光基本計画の「おもてなし意識のレベルアップ」についてですが、観光協会がおもてなし講習会や、地域資源の勉強会などを開催するほか、観光客に対して、雨の日に傘の無料レンタル事業を行っております。
今後も、ホスピタリティー事業のさらなる拡充を進め、観光客に対するおもてなしの意識の一層の向上を図ってまいります。
また、「交流観光を担うリーダーの育成」では、平成18年に設立した小樽観光大学校において、おたる案内人の育成を進めてきており、今後とも小樽観光大学校のカリキュラムの充実はもとより、マイスターをはじめとした案内人の活用を積極的に図ってまいりたいと考えております。
次に、小樽の歴史と文化を学ぶ、知ることについてですが、小学生への対策は、後ほど教育長が答弁いたします。
他の年代層への対策についてですが、小樽観光大学校では、観光を切り口に、市民を対象としたまちかど教室を毎月開講しており、毎回、小樽の歴史などテーマを決めて、本市の学芸員をはじめとした講師によるさまざまな講座が開かれております。このほか、観光協会が実施している地域資源の勉強会でも、小樽の歴史や文化についてのレクチャーなどもありますので、市としてもこれら講座の受講者増加に向けた取組に協力してまいりたいと考えております。
次に、トイレ、案内所について、観光客からの意見や要望と今後の対策についてですが、トイレでは、水漏れや汚れについての苦情がありますが、その都度、現場を確認し、すぐに対応しているところです。今後も委託業者との連携を密にし、適切な対応に努めてまいりたいと考えております。
また、観光案内所については、昨年度、Wi‐Fiの設置要望があり、対応した経緯はありますが、今年度は特に意見や要望は寄せられておりません。
次に、旧国鉄手宮線の遊歩道の利活用についてですが、中央通から手宮側の遊歩道が完成すると、運河の散策路や、今年からシャトル運航を開始した運河クルーズとともに、市内中心部と北運河地域を結ぶ趣の異なる導線として、観光客の回遊性の向上に大きく寄与するものと考えております。現在、北運河及び周辺地域の観光戦略プランの検討を進めているところでありますので、手宮線については、このプランも参考にしながら、活用方法を検討してまいりたいと考えております。
次に、小樽のまち並みを回遊する際に、縦軸となる通りの課題と問題点についてでありますが、まず、寿司屋通りの海側にある川沿いの区間では、柳の植樹などの事業が実施されており、現段階で道路の幅員を広げることはできませんが、冬季につきましては、適正な除雪対応により、できるだけ道路幅員の確保に努めてまいりたいと考えております。
また、市営花穂下駐車場につきましては、設置の経緯や改修から間もないことなどから、現時点では他の目的に使用することは難しいと考えております。
通りの形成につきましては、これまでも通りの特徴に合った歩道や街路灯などの整備を行ってきたほか、それぞれの通りの景観特性に応じた沿道の建物の景観誘導などを行ってきたところであります。
今後も引き続き景観誘導などによって、小樽らしい魅力ある通りを形成することにより、回遊性の向上に努めてまいりたいと考えております。
次に、歴史的建造物に対する認識についてでありますが、歴史的建造物は、本市にとって歴史的、文化的に大変重要な財産であるとともに、観光客が数多く訪れる観光スポットにもなっており、小樽らしいまち並みを形成する最も重要な構成要素の一つであると認識しております。
次に、歴史的建造物の保全に関する課題等についてでありますが、外観の維持補修をする際、市の助成制度はあるものの、所有者にも相応の負担が発生することから、所有者の金銭的な事情によっては維持補修が困難となるおそれがあること、また長期にわたり再活用が進まない建物は劣化が進行し、保全が難しくなるおそれがあることなどが課題と考えております。
次に、歴史的建造物の保全に対する補助金の予算の推移等についてでありますが、この10年間の予算額の推移は、平成16年度から19年度までの4年間は各年度1,000万円、20年度は900万円、21年度から25年度までの5年間は各年度500万円で推移しており、その主な内容は、屋根や外壁の補修費となっております。
今後につきましては、厳しい財政状況ではありますが、所有者の皆さんの意向を把握しながら、適切に予算措置を行ってまいりたいと考えております。
次に、道の駅について御質問がありました。
まず、道の駅設置の主な要件等についてですが、一般的に道の駅は、駐車場やトイレ、道路情報提供施設を道路管理者が整備し、これ以外の地域振興施設などを設置者である市町村等が整備することになります。設置者として申請できるのは、市町村又は市町村にかわり得る公的な団体とされております。
なお、道の駅には、大きく三つの基本的な機能を有する施設であることが求められており、道路利用者のための休憩機能として、駐車場、トイレ、電話が24時間利用できること、道路利用者や地域の方々のための情報発信機能として、道路情報や観光情報などを提供すること、道の駅を接点に活力ある地域づくりを行うための地域の連携機能として、例えば地場産品の販売など、さまざまなサービスを提供する施設であることが挙げられます。
次に、本市における道の駅の設置の対する課題等についてでありますが、幹線道路に面した一定規模の用地を確保できるか、さらに年間を通して多くの利用者を見込むことができるのか、そして道の駅の運営に際して採算性を維持できるのかといった課題を整理していく必要があります。また、市内には地場産品などを扱う商業施設や観光施設がほかにも多くあることから、これら民間施設との競合についても考慮する必要があると考えております。
次に、建設リサイクル法について何点かお尋ねがありました。
初めに、法の目的に照らし、どのような認識をしているのかとのお尋ねですが、建設リサイクル法施行後、建設廃棄物の分別解体及び再資源化は着実に進んでおり、廃棄物排出量や最終処分量の減少が図られ、循環型社会の形成に大きく寄与していると考えております。
次に、平成15年度から24年度までの届出・通知件数の合計についてでありますが、この10年間で3,938件となっております。
また、特定建設資材廃棄物発生量の種類ごとの合計についてでありますが、届出書等に記載されている発生見込量によりますと、コンクリート塊は46万7,921トン、アスファルト・コンクリート塊は7万1,817トン、建設発生木材は7万7,016トンとなっております。
次に、本市における再資源化率などについてですが、建設リサイクル法では、市に届出等があるのは発生見込量であり、実際に発生した量や資源化量は報告義務がありません。
また、建設廃棄物は地域を越えて広域的に処理されることもあるため、本市のみの資源化率や数値目標をお示しすることは困難であります。
また、それぞれの再資源化施設で受入れ条件に合わない場合もあることは承知しておりますが、その量などにつきましても、把握しておりません。
なお、再資源化施設で受け入れられなかった廃棄物につきましては、廃棄物処理法に基づき、市外を含めた産業廃棄物処理施設で適正に処理されております。
次に、特定建設資材廃棄物の再資源化方法とその利用についてですが、コンクリート塊につきましては、破砕後、路盤材として、アスファルト塊につきましては、破砕後、舗装の材料として再利用されております。また、木材につきましては、チップ化し、農業用敷料や肥料、ボード・製紙の原料、燃料などに再利用されるほか、炭化し、炭としても再利用されております。
次に、公共工事における最近の状況ですが、北海道の建設副産物適正処理マニュアルや通知に基づき、再生資源の有効利用を図っているところであり、施工条件にもよりますが、路盤材やアスファルト・コンクリートに再生材を利用するよう努めております。
次に、ごみ処理手数料の改定の周知方法ですが、市内の建設関連団体を通して加盟業者へ周知を依頼したほか、官公庁、産業廃棄物最終処分場での手数料後納を許可している業者、市内の産業廃棄物収集運搬許可業者、過去の建設リサイクル法の届出で元請となっていた業者等に、直接、周知文を送付いたしました。さらに、最終処分場の窓口においても周知文書を配布したほか、広報おたる、小樽市のホームページも活用し、周知の徹底を図ってまいりました。
また、手数料の算定方法につきましては、建設リサイクルの促進の観点から、再資源化施設の料金より高めに設定することとし、近隣の再資源化施設の料金や他市の中間処理と最終処分の料金設定の比率などを参考に決定したものであります。
次に、法施行後の経過や対策でありますが、本市では、建設リサイクル法の届出時に、再資源化等に関する計画表を提出させ、分別解体及びリサイクルを推進しているとともに、再資源化に関する指導権限を有する北海道と合同で、1年に2回、パトロールを実施し、現場での指導も行っております。
しかしながら、木くずに関しては、再資源化施設の準備がなかなか進まない中で、最終処分場での受入れを行っておりました。
一方で、最終処分場の残余容量が逼迫してきたため、平成23年度より、これまでの埋立物のうち約8割を占めていた廃棄土砂の一部を掘り起こして、残土処分地へ移し、処分場の延命を図っているところであり、また近年になり、木くずの再資源化施設の整備が一定程度進んだ状況も踏まえ、リサイクルの推進を図るため、手数料改定を実施したものであります。
料金改定後の状況ですが、木くずの搬入量は8月末現在で2,679トンであり、前年同期の6,414トンと比較して58パーセントの削減となっております。
次に、建設リサイクル法に関連しての本市の課題等についてですが、一部の解体業者の建設リサイクル法に対する認識の低さに加え、発注者の分別解体に伴う応分の費用負担に対する抵抗感などから、依然として最終処分場へ特定建設資材廃棄物が搬入される場合があり、その都度、適正な分別解体と再資源化施設への搬入を指導しているところであります。
次に、除排雪問題について何点か御質問がありました。
まず、当初設計の主な項目の想定数量についてでありますが、当該年度の気象状況を降雪量約5メートルの穏やかな気象と想定し、これに基づいて、除雪工は、想定した出動回数に道路水準ごとに定めた作業延長を乗じて作業数量を算出しております。路面対策工につきましては、除雪工と同様に、出動回数に作業延長を乗じて作業数量を算出しております。また、排雪工には、同様の気象想定で排雪回数をおおむね1回とし、必要な排雪量を算出しております。
次に、除雪や路面対策等の出動基準についてでありますが、除雪は市内を幹線道路、補助幹線道路、生活道路の三つの道路種別に区分し、幹線道路は10センチメートル以上、補助幹線道路は15センチメートル以上の降雪量が見込まれ、かつ除雪作業が必要なときと定めており、生活道路は圧雪状態を基本とし、わだち等による交通障害が発生したときとしております。また、路面対策等は除排雪作業が行われた後などで路面状態を確認して、通行に支障があると判断し、作業が必要なときと定めております。
作業実施の判断、指示につきましては、受託業者の責任者が道路パトロールでの状況を確認した上で、出動基準に基づき、作業の必要な路線を判断して、作業実施の指示を出しております。
次に、排雪作業についてでありますが、作業基準は数字的には特に定めておりませんが、市が路線の重要性を考慮し、雪山の高さ及び車道走行幅員や歩道の状況を総合的に判断して排雪時期を決定し、受託業者に作業実施の指示を出しております。
次に、6ステーションの作業量や出動回数のばらつきについてでありますが、毎年度、各地域の総合除雪の受託業者より提出される排雪作業量や除雪などの出動回数の実績報告を確認しており、地形や降雪量に違いがあることから、一概に比較することはできませんが、結果として各地域の数値に差があることは認識しております。
次に、市民からの苦情対応についてでありますが、日ごろより市民の皆さんに対する接遇には、礼を欠くことのないように努めなければならないと考えております。そのため、これまでも冬期間において2週間に1度実施するステーション会議で、受託業者の責任者へ実例を挙げて適切な接遇について指導しておりますが、このような事例がなくならないのは、市の指導が十分に浸透していないことに課題があると認識しております。
今後におきましては、市民の皆さんに対する態度や言葉遣いにはさらに注意をして対応するよう、指導の強化をしてまいりたいと考えております。
次に、地域ニーズに合わせた除排雪方法の見直しについてでありますが、全ての御要望にお応えする見直しは、市の財政的な制約も大きく、難しい問題もあると考えておりますが、地域実態や市民の皆さんからの意見等については、作業基準に照らし合わせながら、市として対応が必要と判断した内容は、除排雪計画に反映しているところであります。
今後とも地域ニーズを総合的に勘案しながら、より効率的な除排雪に努めていきたいと考えております。
次に、当初予算の増額を視野に入れた今後の方向性についてでありますが、市の全体予算も限られていることから、当初の除雪費に関しましては、穏やかな気候状況を想定した予算としております。
今後とも除雪費については、安全で快適な冬の生活を確保するため、気象状況に応じて適切な時期に適正な予算を確保していきたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)高橋議員の御質問にお答えいたします。
小学校における小樽の歴史と文化を学ぶ、知る学習についてでございますが、現在、市内の全ての小学校では、3年生、4年生の社会科の授業において、教育委員会独自に作成している副読本、わたしたちの小樽を活用し、小樽の歴史、文化、産業を学習しております。
また、色内小学校では、おたる案内人ジュニア育成プラグラムを総合的な学習の時間で取り組んだり、潮見台小学校では、住吉神社や五百羅漢など地域の歴史的建造物を見学し、建築の様子や歴史などについて学習を行ったりするなど、各学校が工夫しながら、ふるさと教育に取り組んでおります。
私としては、子供たちに小樽の歴史や文化をしっかりと学ばせ、郷土に夢と誇りを持てるような教育を行うことは、大変重要であると認識しておりますので、今後は校長会などとも相談しながら、全ての小学校で小樽の歴史と文化を学ぶ学習を行うことについて検討してまいりたいと考えております。
(「議長、10番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)10番、高橋克幸議員。
○10番(高橋克幸議員)1点だけ再質問させていただきます。
観光問題の中で、観光振興室の部への昇格の質問に対する答弁の内容ですけれども、本質問でも述べたように、市長との認識は一緒だと思うのです。観光入込客数の減少傾向を見ると、やはり危機的意識を持たなければまずいというのは共通認識だと思います。そういう中にあっていろいろな努力をされて、クルーズ客船の誘致から始まっていろいろな、先ほども申し上げましたけれども、課題や問題点もあって、なおかつ私が大事だと思うのは、観光都市宣言をした後、やはり戦略的な施策が必要だと思っています。そういう意味では、人材の確保や、集中的にそこの部に投入するという考え方が必要ではないかと思っています。
本州のある市では、外部から人材を投入して、たしか何年間かの契約だったと思いますけれども、効果が出ているとも伺っています。そういう意味では、新たな風を入れるとか、もっと集中的に人材を投入して、今後の10年、20年スパンの観光政策というものを、予算も含めて検討しなければならない時期ではないかと思っているのです。
先ほど市長も答弁されたように、必要性があるというのはわかりましたので、直ちにというのはなかなか難しいかもしれませんけれども、地に足を据えてやっていかなければ、衰退して手の施しようがなくなってからどうすると言っても遅いわけです。
そういう意味では、観光産業というのは、小樽の中でも基幹産業としてしっかりとしたものがあると認識していますので、小樽の経済政策の中の大きな柱として、それをしっかりと考えていく上では、軸としての組織体制というのはこれから非常に大事になると思うのです。
そういう意味があると思いますので、この点について、もう一度市長の見解を伺います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)高橋議員の再質問にお答えします。
ただいま、御提言がありました観光振興室から観光振興部ということでございまして、ただいま議員がおっしゃったとおりでございまして、私も同様の考えでございます。
2008年に観光都市宣言をし、小樽の定住人口がだんだん減ってきているという状況の中で言うと、交流人口を、交流人口というのは、観光客をどう増やすかということでありますが、どうやって増やしていくかということは、まさに私も大変重要な取組というふうに思っております。
先ほど答弁いたしましたように、室から部への昇格については、直ちにということはちょっと答弁できないというふうに話をいたしましたけれども、将来的にはどういうような状況ができるのか、全体の人員配置等を含めて全庁的に検討してまいりたいと思いますので、御理解いただきたいと思います。
○議長(横田久俊)高橋議員の一般質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後4時36分
――――――――――――――
再開午後5時00分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、一般質問を続行いたします。
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)8番、川畑正美議員。
(8番川畑正美議員登壇)(拍手)
○8番(川畑正美議員)一般質問をいたします。
最初に、国民健康保険の都道府県単位化についてです。
社会保障制度改革国民会議の報告を受けて、安倍自公政権は、医療、介護、年金、保育の諸制度を大改悪していく手順を定めたプログラム法案の骨子を閣議決定し、国民健康保険の運営主体を都道府県へ移行する法案を2015年の通常国会に提出する計画です。
国民健康保険の都道府県単位化は、小泉構造改革の医療構造改革の基本方針で計画されていましたが、全国知事会の反対で具体化できませんでした。その後、民主党政権になって、2012年1月に開催された第180回通常国会で国保法が改正され、2006年に導入した保険財政共同安定化事業の対象となる医療費を1件30万円以上から1円以上とし、全ての医療費に拡大するとともに恒久化しました。2015年から
、共同の負担が実施されます。これらによって都道府県単位化への道は進むことになりますが、国保が抱える構造的な問題は解決しません。
問題点は、一つに、国が責任を持つべき国保の制度設計や財政運営が都道府県単位化によって国の責任放棄につながります。国保会計の総収入に占める国庫支出の割合が、1980年度の57.5パーセントが2011年度には25.1パーセントに削減され、国保の地方負担は増加の一途をたどっています。
二つには、これまで自治体の努力で行ってきた一般会計から国保特会への繰入れは、道からの繰入れが期待されず、国保料の大幅引上げが予想されます。協会けんぽとの一元化も見越し、国保料の年間上限額を93万円に段階的に引き上げることも検討されています。
三つに、現在の市町村国保は、地域の実情に合わせた事業運営方針を決めることができますが、住民被保険者の声を踏まえた対応が困難になります。
また、減免制度も、道が基準を決めることになれば、各市町村の独自減免がなくなってしまうという弊害が考えられます。
小樽市と国保加入者にどのような影響があるのか伺います。
社会保障制度改革国民会議の報告では、保険料等の住民負担のあり方を総合的に検討するとして、国保料の負担引上げが予想されます。小樽市の国保料も上がるのではないでしょうか。
後期高齢者医療保険制度の広域化のように、国保料の賦課徴収、保険事業などは市町村が担うことになる見込みです。減免制度も基準が道単位となると、各市町村の国保料の独自減免制度や一部負担金減免制度がなくなってしまい、国保加入者の実情が無視されて機械的にならないのか、また、滞納に対する相談や支払窓口はどこになるのか、資格証明書や短期保険証の発行はどこが行うのかなど、国保加入者にとって不安が山積みしています。これらについてお答えください。
次に、市営住宅の空き家対策について質問します。
市営住宅は、東日本大震災の被災者受入れに対応するために、2011年4月から2013年6月までの期間、公募していない住宅があります。その公募をしない期間を除いても、長期間空き家となっている市営住宅があります。その住宅は市の郊外に多く、特に塩谷地区に集中しています。
まず、塩谷地区に空き家が集中している理由をお知らせください。
また、広報おたるでは、塩谷地区の一般世帯向け住宅を随時募集とありますが、いつから始めたのでしょうか。開始時期とその理由についてお答えください。
次に、市内の空き家となっている特定目的住宅と一般住宅の型式とその戸数をお知らせください。
また、東日本大震災の被災者用住宅として公募しなかった期間を除いた空き家期間を、1年以内、2年以内、2年を超えるものに分けて戸数を示してください。
今、高齢者の単身世帯が多く、市営住宅の入居を希望する方が増えています。今年8月公募における特目住宅の申込みが、単身者向け住宅は高い倍率とのことですが、今回の公募で、単身者用住宅の状況についてお知らせください。
現状は、単身者の入居希望者が多い反面、祝津や塩谷地域に集中はしているが、2人世帯以上の住宅が空き家となっているアンバランスな状況にあります。市営住宅入居に関しては、事務処理要綱で住宅の型式別人数が決められているわけですが、長期間空き家となっている中では、単身者でも希望する入居者がいれば、活用させるべきです。住宅の型式別人数の変更や特例とした措置はできないものか伺います。
特目住宅の申込みは、2013年4月から、小樽市営住宅指定管理者が受け付けることになりましたが、その理由をお知らせください。
特目住宅の申込みに当たっては、困窮事情採点表によって採点し、その採点によって優先順位が決められています。その内容は、現在の住宅状況や立ち退きなどが中心ですが、個人情報に関する身体障害者の内容や所得に関する内容も含まれています。このような個人情報を指定管理者とはいえ、市の職員以外に任せるのは問題ではないですか。私は、市民の困窮状態などは市職員が直接聞き取り、実情を把握することが行政に携わる大切な仕事であると捉えています。個人情報にかかわる業務については、市の職員が行うべきと思いますが、市長の見解をお聞かせください。
次に、ふれあいパスについてです。
ふれあいパス制度は1997年に制定され、16年経過しています。制度は、高齢者が積極的に社会に参加し触れ合い、もって心身の健康保持と生きがいの創出を目的にしています。
当初は利用者負担なしで開始され、対象人数2万3,392人に対して82.2パーセントの交付率でした。2004年から利用者負担分が有料化されましたが、70パーセント台の交付率を維持しておりました。しかし、2012年では対象人数が3万4,120人に増加している反面、交付率は63.1パーセントに減少しています。
ふれあいパスの利用者は年金受給などで低所得者が多く、年金支給日直前には1,100円の回数券代は負担が大きい、車内での購入は高齢のため手間取って周りの人に迷惑をかけるなどと、利用しにくいという声が寄せられています。
ふれあいパスの利用に当たって、110円のふれあい回数券を100円ワンコインで利用できるよう、改善を申し入れます。市長の見解をお伺いします。
利用者負担を110円から100円にした場合、市の負担額はどのくらいになりますか。2012年度実績を基に金額をお答えください。
この制度の市の事業費について、有料化された後のピーク時点と2012年度の金額をお答えください。
次に、回数券についてです。
ふれあいパスは70歳以上の方に交付され、北海道中央バス、JR北海道バス、ニセコバスの市内停留所間を回数券で利用できますが、回数券には有効期限が設定されています。期限の必要性を説明願います。
回数券の有効期限は、年度で料金が変わる場合には必要かもしれませんが、料金に変更がなければ必要ないと思います。年度ごとにつくられる回数券の諸費用を削減して、利用者負担の軽減に努めるべきです。有効期限を設定することで、諸費用も必要です。費用はどのくらいか、お知らせください。
回数券は実質2年間有効になっていますが、払戻し可能な期間は、購入した年度の末日となっています。購入時期によっては、その期間が短くなります。市外転出や死亡などによって、その後、使用が見込めない場合を考慮し、期限を設定せずに払戻しに応ずるよう変更すべきです。お答えください。
以上、再質問を留保し、質問を終わります。
なお、市長、自席にて答弁なさって結構ですので、よろしくお願いいたします。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)川畑議員、御配慮ありがとうございます。大丈夫でございますので、ここで答弁をさせていただきます。
川畑議員の御質問にお答えいたします。
初めに、国民健康保険について何点かお尋ねがありました。
まず、国民健康保険の都道府県化に伴う保険料の設定についてですが、国民会議報告書では大まかな方向性は示されたものの、具体的な保険料の設定方法までは記載されておりません。国民会議の議論の中では、都道府県で基準保険料率を定め、各市町村が医療費や収納率の高低に合わせて最終的な保険料を決定する案も出されていたようですが、具体的な保険料の設定方法については、今後、国の審議会や地方との協議の場などで検討することとされており、現時点で小樽市の保険料がどうなるかは不明であります。
次に、減免制度についてですが、現在は市町村が独自で要綱等を定めておりますが、保険者が都道府県に移行されれば、北海道が要綱等の基準を定めることになると思われます。その詳細については、今後、保険料の設定と同様に、国等において検討されるものと考えております。
次に、滞納に対する相談や支払窓口についてですが、国民会議報告書では、保険料の賦課徴収、保健事業などは引き続き市町村が担うべき業務とされていますので、今後、国等の検討がそういった方向で進めば、滞納に対する相談や支払窓口、資格証明書や短期保険証の発行などは、これまでどおり市町村の業務になるものと考えております。
次に、市営住宅の空き家対策について何点か御質問がありました。
まず、塩谷地区に空き家が集中している理由についてでありますが、塩谷地区は中心部と比較し、交通の便や買物、通院等をする上で、やや利便性に欠けることから、応募が少ないものと考えております。
また、随時募集の開始時期とその理由についてでありますが、平成23年4月1日から開始し、塩谷地区の住宅が他の地区と比較して募集戸数に対し申込者が少なく、次回の公募に繰り越すことが続いたことから、空き家の有効活用を図るために実施したものであります。
次に、市内の空き家となっている特定目的住宅と一般世帯向け住宅の状況についてでありますが、本年8月公募で申込みがあった住宅を除くと、空き家は特定目的住宅が25戸、一般世帯向け住宅が7戸となっております。
また、東日本大震災の被災者用住宅として公募しなかった期間を除いた空き家期間についてでありますが、1年以内が22戸、2年以内が5戸、2年を超えるものが5戸でございます。
次に、8月公募の特定目的住宅における単身者向け住宅の応募状況についてでありますが、若竹住宅は募集8戸に対し申込者が71人で、倍率が8.9倍、緑A住宅は募集1戸に対し申込者が5人で、倍率が5倍、オタモイ住宅は募集1戸に対し申込者が7人で、倍率が7倍であります。
また、長期間空き家の単身者向け住宅への活用についてでありますが、世帯の人数に合わせた住宅を提供することが基本的な考え方でありますが、今後、住宅行政審議会の御意見をいただきながら、検討してまいりたいと考えております。
次に、今年度から指定管理者が特定目的住宅の受付を行うことになった理由についてでありますが、一般世帯向け住宅と特定目的住宅との違いにより申込窓口が異なり、申込者に不便をおかけしていたことから、申込者の利便を図るため、指定管理者の更新時から、窓口を一本化したものであります。
また、個人情報にかかわる業務についてでありますが、小樽市と指定管理者との間で、個人情報の取扱いをはじめ業務にかかわる守秘義務などを規定した基本協定を締結しており、指定管理業務として実施することに問題はないと考えております。
次に、ふれあいパスに関連して何点か御質問がありました。
初めに、110円のふれあい回数券をやめて100円のワンコインで利用できるようにすべきとのことでありますが、利用者の負担を引き下げるためには、それに見合う負担が生じます。バス事業者側からも負担の軽減を求められており、本市の財政状況も大変厳しいことから、現状においては困難であると考えております。
次に、市が10円負担を増やし、利用者負担を110円から100円に下げた場合の市の影響額についてでありますが、平成24年度実績を基に試算いたしますと、ふれあい回数券が約22万冊発売されましたので、約2,200万円の負担増となります。
次に、ふれあいパスの事業費についてでありますが、有料とした以降に事業費が最も多かった平成17年度は約1億6,700万円で、平成24年度は1億4,600万円となっております。
次に、ふれあい回数券に期限を設定している必要性についてでありますが、ふれあいパス事業は単年度事業であり、現在の事業内容が今後変更となり、回数券の金額も変わる可能性があることから、有効期限を設定しているものであります。
次に、ふれあい回数券に有効期限を設定することにより発生する諸費用についてでありますが、諸費用といたしましては回数券の印刷経費であり、30万冊の印刷で約50万円であります。
回数券に有効期限を設定しなかった場合、大量に印刷することが可能になることによるスケールメリットが考えられますが、印刷業者に確認したところ、印刷単価にそれほどの差は生じないとのことでありました。
次に、ふれあい回数券の払戻し期限を設定せずに、払戻しに応じるよう変更すべきとのことでありますが、ふれあいパス事業は単年度事業であることから、期限の設定につきましては、従来どおりといたします。
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)8番、川畑正美議員。
○8番(川畑正美議員)まず、国保の都道府県単位化について再質問します。
市町村国保財政は、国庫支出金が大幅に減額されているわけで、そういう点で国保の加入者には低所得者が非常に多いと。そういうことから、今、国保財政というのは非常に深刻な状況にあるわけです。
小樽市の状況でも、国保加入者は、2012年度の統計で総所得が100万円以下というのが70パーセントを超える状況にあるわけです。そして、1世帯当たりの保険料の所得に占める割合についても、16パーセントを超えていると。また、滞納者も2012年、2013年ともに10パーセントを超える状況にあるわけです。
先ほども答弁の中にありましたが、社会保障制度改革国民会議の報告書では、都道府県は国保の財政運営の責任を担う、それで保険料の賦課徴収、保健事業などを市町村が担うということになっているわけですけれども、都道府県単位化になると、保険料を安く抑えている市町村が、今後、ほかの給付費が多い市町村の犠牲になる形で保険料の引上げを余儀なくされることが起こり得るのではないかと思います。
また、給付費が多額になっている市町村は、ほかの市町村に迷惑をかけないためとして、徹底した給付削減策を迫らざるを得ない状況になってしまうと思います。そういう中で、結果的に国保加入者に影響を与えると思うので、その点でどのような影響が与えられるのか、聞かせていただきたいと思います。
また、後志管内で、16町村が構成している国保の広域化の中では、国保と介護の滞納の整理、そういう事業を行っていると聞きました。その中で、国保が基本的には各町村の独立採算制で行われるのですが、国庫支出金が減額されている中で、国保会計の赤字が問題になって、繰上充用で対応しているけれども、結果的に一般会計から負担せざるを得ない状況も起きるという問題点もあることを聞いています。
それで、滞納整理については、現年度課税分は町村でやるけれども、過年度分については広域連合がやると。そうなると、その町村におられる加入者は、両方に相談に行かなくてはならないという問題点もあるのだということを言っています。そういう問題等を考えれば、今の都道府県の単位化について進めるべきではないと、そういうふうに考えるわけです。
こういう後志管内16町村の状況を見た場合に、小樽市でも保険料の徴収には加入者の実情を加味されないで機械的になることが心配されると思うので、その辺で改めてもう一度見解を聞かせてもらいたいと思います。
それから、国保の関係でいけば、都道府県の単位化にされることで、保険財政の規模は大きくなるわけですけれども、保険料の引上げによって収納率が悪化すると。そして、国庫負担や調整交付金の削減によって、市町村国保の財政が逼迫することが予想されるのではないかと、そういうふうに思うわけです。
それで、国保の都道府県単位化については、こういう諸問題が根本的に解決することにはならないとは思うので、そういう点ではこれを市長が国保の都道府県単位化の推進をうのみすることではなくて、国保への国庫支出金を増額することで解決する、そういうことを肝に銘じて国に要請すべきではないかと思いますので、市長のその辺の決意を聞かせていただきたいと思います。
次に、市営住宅の関係ですけれども、今、具体的に回答いただきました。
中身は、要するに今住宅があいているけれども、空にして、単身世帯でも入りたい人を入れないでいるというのが実情なわけです。空にしたからといって、それでは長もちするかというと、そうはいかないわけです。ですから、せっかくあるものであれば活用すると、そういうことをぜひ進めていただきたいと思います。
市長の答弁では、住宅行政審議会に出して検討したいということなので、これを積極的に進めていただきたいと、そのことをお願いしたいと思います。
もう一つは、特目住宅の申込みですけれども、確かに煩わしさがあるために一本化したというようなことを言っていましたけれども、第三者にそういう個人情報を扱わせることではなくて、その方法を解決するには別の方法だってあるのでないかと思います。そのことを先に考えるべきであって、困窮者の採点をするという点は、個人情報に属する問題なので、それは問題ではないですかと、そういうことを改めて申し入れしたいと思います。
次に、ふれあいパスの関係ですけれども、細い話で30万冊を印刷するのに50万円にしかならない、それも大体想像はつくのですが、要するに私のほうに市民から要望があったのです。それはなぜかというと、ある方が長期間入院していたと。入院して、古い券があったので、市役所に行って、払い戻しできないだろうかと言ったら、期限が過ぎたからだめと断られたと。そういうわずかなお金ですけれども、やはりそういうものに期限をつけてやるということ自体がいかがなものかと。そういう市民からの強い要望があったので、あえてこの問題を取り上げたわけです。
重ねて言いますけれども、確かに市長がおっしゃるように、市の財政が大変だと言いますけれども、今までのピークの時期の差額のと、今、110円を100円にした場合の金額は、ほとんど変わらないわけですね。だから、それで穴埋めは十分できるはずだと、私はそう思いますので、その辺も含めて答弁をいただきたいと思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)医療保険部長。
○医療保険部長(藤井秀喜)川畑議員の再質問にお答えいたします。
国保の都道府県化に関連してでございますけれども、市長の答弁と重なってしまいますが、今の国民会議の中では、一定の方向性は答弁のとおり示されておりますけれども、小樽がどの程度になるかという具体的なことについては、まだ審議会、あと、それを経てまた地方との協議という、そもそも全国知事会がこれを簡単に受けるとは思えませんので、そういう部分も踏まえて、小樽への影響というのが今の時点では算出できないというのですか、出せないという状況でございます。
それと、2点目の市町村で滞納関係の部分をやっていても、機械的になるのでないかと、そういう懸念があるということなのですけれども、こちらの部分についても、今の厚生労働省の審議会の中では、市町村に滞納の部分とか保健事業の部分を任せるという方向になっていますが、最終的にどういうふうになるかはまだ見えてきていません。もし仮にそういうふうになれば、今までの答弁のとおり、保険収納課で対応しているとおり、滞納者の方の実情に合わせてやっていきたいとは考えておりますが、最終的にどういう形で、方向性というのですか、具体的な制度設計が出てくるかによりますけれども、一応そういう形で私どもは今後も変わらないような対応はしていきたいというふうに考えてございます。
あと、財政の逼迫化で、都道府県化、広域化が最終的にそういうことになっていくのでないかという御懸念なのですけれども、確かにこの都道府県化をしたからといって、国保そのものが持っている赤字の構造というのは解決できないというのは国も認めていますし、知事会も単なる赤字のつけ替えは許さないということでコメントもしていますので、地域との今度の協議の場で、その辺の課題解決に向けてはかなりいろいろな議論が出てくると思いますので、そういうようなことがないように、きちんと知事会には国と協議を進めてほしいですし、私ども各保険者も、こちらのほうにそういう赤字のつけ替えみたいな形で、それが最終的に私どもの保険料のアップに結びつかないようには、市長会を通じてこれまでもやってきましたけれども、今後もそういう形で要望はしていきたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)建設部長。
○建設部長(工藤裕司)市営住宅の申込窓口の一本化についてでございますけれども、先ほど市長からも答弁いたしましたが、申込者の利便性を図るため一本化したものであります。
これまでも個人情報の守秘義務につきましては、受託者との基本協定に基づいて適正に取扱いが行われているものと考えております。しかし、議員の御指摘もございましたので、改めて受託者に気をつけるように話をしたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)福祉部長。
○福祉部長(三浦波人)ふれあい回数券の払戻しの件でございますけれども、今、お話のありましたように、ふれあいパスを御利用されている市民お一人お一人、いろいろな事情がおありかと思います。このふれあいパス事業が、市長答弁にございましたように、単年度事業ということで取り扱う以上、払戻し期限の設定をしないということはやはり困難ということでございますので、いろいろと御不便をおかけいたしますけれども、その点について御理解いただきたいと思います。
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)8番、川畑正美議員。
○8番(川畑正美議員)今、何点かあったのですが、一つは、特目住宅の関係ですけれども、申込みの利便性をうんぬんということで、申込みはいいと思うのですが、要するに個人情報にかかわる困窮事情の採点表というか、それを指定管理者が調査するということがほかの町村であるのか、実際に私はないのではないかと思うのです。小樽だけではないかと思うので、そういう問題がある個人情報の調査をあえて小樽だけですることになるのか、その辺を確認したかったのです。
もう一つは、ふれあいパスの問題ですけれども、今、福祉部長から答弁があった中身で、そのことを全く検討できないのかどうなのか。期限をあえてつけなければならない理由というのは、なかなか私も理解できないのです。だから、そのことを、期限を外すことの、どういうところに問題があるのか、その辺を聞かせていただきたいと思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)建設部長。
○建設部長(工藤裕司)個人情報の関係ですけれども、利便性を図ったということで御理解をいただきたいと思いますが、今、他都市の状況の資料を持ってございませんので、後ほど調べて議員に報告させていただきたいと思います。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)福祉部長。
○福祉部長(三浦波人)川畑議員の再々質問でございますが、繰り返しになってしまいますけれども、このふれあいパス事業は、単年度の事業で今行っておりますので、どうしても当該年度内に終わらせるという必要がございまして、こういった取扱いになっているということでございますので、その点について御理解いただきたいと思います。
○議長(横田久俊)川畑議員の一般質問を終結いたします。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
(22番北野義紀議員登壇)(拍手)
○22番(北野義紀議員)最後になりましたけれども、前に行われた議員の皆さんとは重複していない石狩湾新港の問題ですので、通告どおりゆっくりやらせていただきます。
石狩湾新港に関して尋ねます。
初めは、北防波堤延伸事業についてです。
我が党は、西ふ頭のマイナス14メートルバースの静穏度を保つためとの理由で、北防波堤の延伸工事を進めることに反対です。
静穏度の国の基準は、年間の静穏度が97.5パーセント、つまり365日のうち356日、静穏度が確保されていなければならないとなっています。
御承知かもわかりませんが、静穏度というのは、水平線、動かないものと仮定すれば、波高の一番高いところと低いところの差が50センチメートル、だからプラス25、マイナス25と。たかがそれだけですから、全くのなぎなのです。こういう状態が、年間356日保たれていなければならないと。
ところで、マイナス14メートルバースでのチップ船の荷役作業は、3万トンから5万トンクラスの大型船によって、平成18年は2隻、19年19隻、20年25隻、21年16隻、22年21隻、23年21隻、24年17隻、本年25年は8月末現在で8隻の入港で、荷役作業を行っています。しかし、これまでこれらの荷役作業に何の支障も来していません。この事実は、マイナス14メートルバースは基本的に静穏度が確保されていると政治的に判断して差し支えないことを示しているのではないでしょうか、お答えください。
国土交通省のコンピュータの解析では、現在のマイナス14メートルバースの静穏度は何パーセントなのか、静穏度確保日数は何日間となっているのか説明してください。
荷役作業に何の支障も来していない事実に照らして、仮に石狩湾新港推進の立場からいっても、少なくとも各母体の財政が好転してから着手していいのではないでしょうか。市長はどういう理由で北防波堤延伸事業に同意してきたのか、説明を求めるものであります。
次に、小樽港の貨物が石狩湾新港にシフトされている問題です。
石狩湾新港の計画が持ち上がったとき、小樽港と競合するのではないかとの指摘に、新港の取扱貨物は石油、セメント、石炭などの大量ばら荷貨物、小樽港の取扱貨物はその他の一般貨物と機能分担するから心配ないとの理由で、我が党の反対にもかかわらず、新港の建設を強行しました。
このスタート時点で議論の対象にもなっていなかったコンテナ輸送が、海上輸送の形態として現れました。小樽港に先駆け、石狩湾新港では、本州の日本海側との間とはいえ、平成3年、コンテナ航路が開設されました。小樽港は10年遅れの平成14年、ようやく中国との定期コンテナ航路が開設されています。
伺いますが、新港のコンテナで取り扱われている貨物の種類とその量について、詳しく説明してください。
このうち、機能分担に照らして、本来、小樽港で取り扱われる貨物は何々か、また、その取扱量についても説明してください。
輸送形態の進展とはいえ、フェリーに安住し、コンテナ輸送に取り組むのが新港に比べ10年も遅れたことが、小樽港衰退の要因の一つであることは疑いありません。今後の対策を含め、市長の見解を求めるものです。
次に、新年度予算要求と当初予算について伺います。
石狩湾新港管理組合では、平成26年度の直轄事業の北防波堤延伸事業予算要求を22億円で行うとのことです。平成24年度、25年度の予算要求額が9億円であったのに比べ、桁違いの予算要求となる原因については、これまでの基礎工事の上に載せるケーソンを、本体工事ですね、このケーソンを新たに事業内容に盛り込んでいるからとのことです。市長はこの原案にいつ同意をするのか、説明を求めます。
平成24年度、25年度は、石狩湾新港管理組合の当初予算計上額は、新年度予算要求額と全く同じでした。しかし、配分額は大幅に下回りました。管理者は、平成26年度当初予算の計上額は予算要求額と同じように計上するつもりであると、石狩湾新港管理組合議会で私の質問に説明していますが、市長はこれに同意するのでしょうか、見解をお聞かせください。
次に、北防波堤延伸事業の予算計上について伺います。
管理者が国に北防波堤延伸の予算要求を幾らで行うかは自由ですが、管理組合議会の第1回定例会の予算計上となれば、話は別です。地方自治法や地方財政法に照らして、確保できる財源を予測して予算計上しなければなりません。自治体の予算編成は、全てこのように行われているはずです。小樽市も同じと思いますが、予算編成についての私のこの指摘が間違っているかどうか、まず市長の見解をお聞かせください。
新港管理組合議会の平成25年度当初予算では、直轄事業の北防波堤関連事業費は、前年度に続き9億円を基に、管理組合の負担金1億3,500万円で議決されました。ところが、その後、配分額が大幅に削減され、事業費は8,300万円と9割以上も削減されています。見込みとはいえ、第1回定例会の議決予算とはあまりにも開きが大きすぎます。このことに関する市長の見解、どうしてこうなったかの理由を含めてお聞かせください。
また、平成24年度と同じように大幅な追加補正が行われないとすれば、それこそ地方財政法を踏みにじる予算計上ということになり、管理者の責任はもとより、これに同意した市長の責任も問われる問題です。平成24年度と同じような大幅な追加補正の見通しがあるのか、市長の見解をお聞かせください。
平成24年度の北防波堤関連予算はどうであったか、昨年第1回定例会の北防波堤関連予算は9億円で、配分額は1億円、ここでも8億円という大幅な削減でした。ところが、第3回定例会の補正で5億4,000万円追加となり、これが本年度の減額された予算8,300万円と合わせて、現在、北防波堤延伸工事、基礎工事が行われています。これと同じことが本年度のこれ以降の補正で期待できると見込んで予算計上に市長は同意したのか、見解を伺います。
そうであれば、あまりにもずさんな予算計上に同意しているということになります。地方自治法や地方財政法、特に地方財政法第3条ではどう定めているか、「地方公共団体は、法令の定めるところに従い、且つ、合理的な基準によりその経費を算定し、これを予算に計上しなければならない」第2項では、「地方公共団体は、あらゆる資料に基づいて正確にその財源を捕そくし、且つ、経済の現実に即応してその収入を算定し、これを予算に計上しなければならない」と定めてあります。
法に照らして、新港の北防波堤の平成25年度の予算計上が適切と考えて市長が同意したのか、改めて見解をお聞かせください。
再質問を留保して、終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)北野議員の御質問にお答えいたします。
石狩湾新港について御質問がありました。
初めに、北防波堤延伸事業について何点か御質問がありました。
まず、西地区マイナス14メートルバースの静穏度についてですが、チップ船の荷役作業において、管理組合からは支障が出ているとは聞いておりませんが、現状での静穏度は、国の解析では基準である97.5パーセントに達していないため、当該バースの静穏度は確保されていないと認識しております。
次に、国で解析した西地区マイナス14メートルバースの静穏度についてですが、現在の港の状態で、平成14年から平成18年までの5年間のデータを用いて解析した静穏度は93.8パーセント、また、静穏度が確保されている期間については、年間で日数計算すると342日になると管理組合から聞いております。
次に、北防波堤延伸事業に市が同意した理由についてですが、西地区マイナス14メートル岸壁の静穏度が、国の基準である97.5パーセントを確保できていないことから、港内の船舶の航行や停泊、荷役作業の安全性を確保する上で必要な事業と考えており、市として同意したものであります。
次に、小樽港と石狩湾新港の貨物について御質問がありました。
まず、石狩湾新港のコンテナ貨物の種類と取扱量についてです。単位は全てフレート・トンでありますが、平成24年の主なものを申し上げますと、水産品、その他畜産品などの農水産品が5万2,726トン、電気機械、産業機械、その他輸送機械などの金属機械工業品が3万8,192トン、染料・塗料・合成樹脂、その他化学工業品などの化学工業品が2万1,241トン、紙・パルプ、砂糖、製造食品などの軽工業品が6万5,176トン、家具装備品、その他日用品、木製品などの雑工業品が4万4,048トン、再利用資材などの特殊品が3万8,936トンとなっております。
このうち機能分担で小樽港のみで取り扱うとされた貨物については、農水産品のうち麦・豆類などの米穀類、野菜・果物に含まれているバナナ、その他畜産品に含まれているマトンであり、貨物量については米穀類が4,070トン、マトンとバナナについては個別の品目になりますので、貨物量は公表されておりません。
次に、小樽港の一般貨物の減少とその対策についてですが、近年の小樽港の貨物の減少は、飼料工場の撤退に伴う飼料原料の輸入の減少や、豊羽鉱山の閉山により鉱石の移出が減少したこと、さらに建設事業の減少に伴い、建設資材である砂・砂利やセメントの移入が減少したことなどが大きな要因であると考えております。
小樽港を取り巻く環境には引き続き厳しいものがありますが、主要貨物である穀物をはじめ既存の取扱貨物の確保や、本年、新造船を投入し、より定時運行が可能となった中国定期コンテナ航路の新たな貨物の掘り起こしなど、今後とも港湾関係業界と連携を図りながら、小樽港の利用拡大に向けてポートセールスに努めてまいりたいと考えております。
次に、新年度予算要求と当初予算について御質問がありました。
まず、平成26年度の直轄事業、北防波堤延伸事業予算要求案に対する同意についてですが、この予算要求案については、小樽港湾振興会及び小樽商工会議所へ意見を照会し、意見がない旨回答をいただいたところです。この回答を踏まえながら検討した結果、9月19日に開催予定の総務常任委員会において同意意向の報告を行い、その後、管理組合へ同意の回答を行いたいと考えております。
次に、予算要求額と同額の予算計上を行うことについてですが、管理組合で予算編成はその時点で最も合理的と考えられる予定額で計上したいとしていることから、平成26年度予算についての母体協議などがなされた時点で判断してまいりたいと考えております。
次に、北防波堤延伸事業の予算計上について御質問がありました。
まず、法令に基づいた予算計上についてですが、北野議員の御指摘のとおり、確保できる財源を予測しての予算計上でなければならないと考えております。
次に、平成25年度の北防波堤延伸事業の配分額と追加補正についてですが、北防波堤延伸事業の配分額は国において決定されるものでありますが、要求額に対して減額される場合については、国の予算の上限もあることから、やむを得ないものと考えております。
また、本年度の国における追加補正の見通しについては、管理組合では現段階では明らかになっていないとしていることから、今後、国の動向を注視してまいりたいと考えております。
次に、本年度予算に対する補正についてですが、管理組合では当初予算編成時に、国から個別の事業費が示されなかったことから、北防波堤延伸事業費の要求額である9億円を基に計上したものであり、市として補正を期待して同意したものではありません。
次に、本年度予算の同意についてですが、先ほども申し上げたとおり、管理組合では、当初予算編成時に国から個別の事業費が示されなかったことから、北防波堤延伸事業費の要求額を基に計上したものであり、市は予算編成として適切であったと考え、同意したものです。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
○22番(北野義紀議員)何点か再質問させていただきます。
最初に、マイナス14メートルバースの静穏度にかかわってでありますが、先ほどの市長の答弁でいきますと静穏度が確保されているのは342日で、国の基準は356日ですから、あと14日間、コンピュータの解析で静穏度が保たれれば、国の基準を満たすと。
この14日間なのですが、ここを使っているチップ船は王子製紙の子会社、今、社名が横文字になったからちょっと忘れましたけれども、要するに江別市にある王子製紙の子会社です。そこの会社が使うチップしか取り扱っていないのです。本来であれば、これは王子製紙の負担でマイナス14メートルバース、224億円を出してつくるべきものを、公共バースとして税金で対応している、こういう不当なことをやった上に、また静穏度が保たれていない、3万トンから5万トン級の船が入ってきて、平成18年以降、一度も荷役作業に支障がないのです。前にも指摘しましたが、私に毎回、管理組合議会で追及されるものだから、支障があるというあかしをつくりたくて、500トン未満の船をマイナス14メートルバースにつけたのですよ。ところが、その500トン未満の船の荷役作業にも支障がなかったという笑い話まであるのですよ。
そこまで事実上、政治的に判断して静穏度が保たれているのと同じなのですから、わざわざ王子製紙の子会社のために133億円出して、コンピュータ計算での14日間のために133億円をつぎ込むなんていうことはやめるべきだと。私は、管理組合議会で、道理を尽くしてこのことは再三要求していますし、また仮に推進の立場であっても、今、北海道でも、石狩市でも、小樽市でも、各母体の財政が大変なのだから、少なくとも母体の財政が好転してからでもいいのではないかというふうに指摘をするし、提案するのですが、聞く耳を持たないのです。
だから、こういう事情を考えて、私は目視でやれと。コンピュータでそんなややこしい計算、聞いてもわからないと言うのだから。自分らもわからないコンピュータの解析をやって、そして静穏度が保たれているとか保たれていないとかやっているから、目視ではかれと私は言ったのです。それもやらないのですよ。そういう問題が二つ目です。
それからもう一つは、社名変更する前の王子特殊紙株式会社のときですが、本社に電話して、今後のチップの見通しはいかがかということ、私は名前を言って、こういう身分の者だということも明かして、王子製紙の子会社の本社に聞いたのです。そうしたら、最近は流通の変化、特にコンピュータその他で紙をあまり使わなくなっているから、チップの輸入については、今後、大幅に増えることはあり得ないとはっきり言いましたよ。そして、事実、貨物量の変動を見ても、平成20年を境にして、チップは20年よりもずっと少なくなっているのです。
だから、私は、荷役作業に支障がないのに、何で大企業の子会社の事実上の専用埠頭に133億円も投入するのかということと、今後、チップの取扱量が増える見込みがないのに、それでも133億円を投入するのかと。こんなことをやらないで、まず目視でやれと。この3点について、第1項目めの質問として市長の見解を伺います。
2項目めは、機能分担で本来小樽港で取り扱われるべき貨物が、石狩湾新港のコンテナに紛れ込んでいるのではないかということを前から指摘していたのですが、これは紛れ込んでいるというよりも、機能分担そのものの違反ですよ。
これは石狩湾新港港湾計画資料その1、昭和63年8月に管理組合で決定したものですが、これの68ページに、機能分担について、6項目の決まりが述べられています。その6項目めに、マトン、バナナは既存施設の活用が可能である、小樽港で取り扱うものとすると、はっきり書いてあるのです。それを、海上輸送の進展とはいえ、予想しなかったコンテナ輸送が入ってきて、そこで明確に文字としても書かれているバナナやマトンが、新港にとられてしまっていると。これに対して市長は全く異議申立てをしていないのは、私は解せないと。どうして異議申し立てしないのかということが一つ。
それから二つ目は、新港の統計年報、平成24年のコンテナ貨物の内訳のうち、機能分担にある新港の背後地に張りついた企業が使う、輸入する原材料、製品は新港で扱うと。これは一番いいかもしれません。そうであれば、コンテナ貨物の内訳で背後地の企業の海上輸送による原材料、製品は何々入っているのかということを、調査していると思いますから、答えてください。
三つ目は、石狩湾新港の取扱貨物量の推移についてですが、先ほど機能分担で市長も若干お答えになりましたが、コンテナ以外の貨物で背後地の企業の海上輸送による原材料、製品は何々かということを、以上3点が2項目めの再質問です。
3項目めは、予算計上の問題です。
市長は、予算計上のとき、国から何も示されていないから、最も科学的な調査をやった予算要求額でのせるという趣旨の答弁をおっしゃいました。これは管理組合でも管理者が同じようなことを言っています。ところが、先ほど市長もそれはそのとおりだというふうに、自治体の予算編成の考え方は地方財政法にのっとってやらなければならないということでしょう。
大体、平成22年度の配分額は、当初予算に対して60パーセント、23年度は10パーセント、24年度は追加補正を含めて60パーセント、本年度は9.2パーセントです。こんなずさんな予算計上があるのかということです。
副市長と財政部長に伺いますが、あなた方は北海道出身です。北海道はこんな予算編成をやっているのですか。だから、道議会に準ずる管理組合も同じなのだというふうに言い張るつもりなのか、市長の答弁の後、副市長でも財政部長でもいいです、答えてください。これが地方財政法に照らして適切で科学的な予算計上と言えるのかという問題です。
長くなりますから、この程度にしておきます。
○議長(横田久俊)北野議員に確認いたしますが、少し整理させてください。
2項目めの1番目、バナナ、マトンうんぬんが機能分担に違反しているのではないかと。これに対して市長は異議申し立てしないのかという質問は再質問として適切かと思いますが、2項目めの2番目と3番目は、新たな質問ではないかなというふうに思いましたが、原材料は新港で、背後地の品目を示せということでしょうか。これはお聞きになっていなかったのではないかなと思うのですが。本質問でも聞かれていましたか。
それから、3番目のコンテナ以外の推移についての数字を示せということでしたが、これもちょっとどうかなと思いましたが。
○22番(北野義紀議員)小樽港と石狩湾新港の貨物の機能分担について聞いているのですよ、議長。
○議長(横田久俊)機能分担、その1番目のやつはわかったのですが。
○22番(北野義紀議員)いや、議長、私は機能分担は私の考えでやっているのでないですよ。
○議長(横田久俊)いや、もちろん出ているのは知っていますが。
○22番(北野義紀議員)これにちゃんと書いてあるのだから。だから、貨物の機能分担ということは私は1回目でちゃんと言っているでしょう。だから、その機能分担の中身がここにあるのだから、それに基づいてお答えくださいと言っているにすぎませんよ。新たな問題を持ち出したということでは全くありません。1回目のときに機能分担ということはちゃんと言っていますから。
○議長(横田久俊)いやいや、それは聞いております。わかりました。その資料を理事者がお持ちかどうかわかりませんけれども、それでは質問としてお受けをいたします。
それから、3項目めの道出身の副市長と財政部長が予算計上方針をどうしてやっているのかというのも、これもちょっと再質問にはなじまないかなと思いますので、もし答弁ができるようであればしてもらいますが、できなければこれは再質問になじまないということでお願いいたします。
それでは、理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)総務部長。
○総務部長(迫俊哉)北野議員の再質問にお答えします。
まず、マイナス14メートル岸壁の静穏度の問題でございますが、幾つかお尋ねがございまして、これまで荷役には支障が生じていないのだということで御質問がございましたけれども、港の静穏度につきましては、国の基準が示されておりまして、97.5パーセントの静穏度を確保するということが一つの条件になっているわけでございます。
14日の違いしかないからということでお尋ねもございましたけれども、石狩湾新港といたしましても、ポートセールスなどを行う場合に、国の基準度を満たしているということは一つのセールスポイントになっていくわけですから、これは国の基準に従いましてやはり97.5パーセントの静穏度は保つ必要性があるのではないかというふうに考えてございます。
次に、目視のお尋ねがございましたけれども、この静穏度の算出の仕方につきましては、国が基準を示しておりまして、やはり客観的な考え方の下で計測を行い、示すことが妥当なのではないかというふうに考えているところでございます。
続きまして、機能分担との関係でお尋ねがございました。マトン、バナナの取扱いにつきまして、これまで取扱貨物の考え方につきましては、港湾計画を新規に策定されてから数回にわたって見直しをされてきているというところでございます。お尋ねの中にもございましたけれども、現在、昭和63年の港湾計画に決められたものを平成9年に確認をしてございまして、それに基づいて両港で取り扱う貨物というのが位置づけられてございます。
確かにマトン、バナナにつきましては、既存施設の活用が可能である、小樽港で取り扱うものということで規定されていることは事実でございまして、これについて小樽市として異議申立てをしないのかということでございますけれども、やはりマトンやバナナにつきましては、当時、小樽港に入ってきていたときの荷姿とは全く異なりまして、コンテナという輸送形態でも入ってきているということと、またもう一つはコンテナは基本的には定期船という形で決められた港に定時に入ってくる形になっているわけですから、そこになかなか行政側の考え方、もちろん民間ですから経済的な合理性にのっとってやっているわけですから、行政の仕切りというのがなかなか時代の流れとともに通用しなくなってきているのではないかというふうに考えているところでございます。
次に、新港の後背地でどのようなコンテナの貨物が使われているのか、あるいはコンテナ以外の荷物がどのように使われているのかということにつきましては、コンテナ貨物の中身、詳細については明らかに公表されておりませんので、それらの荷物が後背地のどういった企業で使われているかということについては、承知いたしておりません。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)副市長。
○副市長(貞村英之)北野議員の再質問にお答えいたします。
道ではこのようなずさんな予算計上をしているのかということでございますが、直轄事業ですが、道では直轄負担金、ほぼ省庁との打合せどおりの予算計上をしておりまして、それによって執行率はほぼ九十何パーセント、98、99パーセントという執行になっておりますので、こういうことは起きていないところでございます。
ただ、御承知のとおり、平成22年から、財務省の内示というものがなくなりまして、それに伴ってどのぐらい計上していいのかという合理的な数値というものは持ち合わせていない状況であります。道路とか直轄河川のように、直轄で所管している部局であれば、どのぐらいの配分というのは把握できるものかと思いますが、港湾事業自体が港湾管理者、市町村なり、他府県では都府県になっておりますので、国の省庁からの予算の内示というものがなければ、合理的な資料という、若しくはそういうものを持ち合わせていないということで新港から聞いているところでございます。
したがいまして、このような予算計上になって、要求額イコールそれしかよりどころがないものですから、このような計上にさせていただいているところでございますということで、新港からは聞き及んでおります。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
○22番(北野義紀議員)再々質問です。
まず、静穏度の問題でありますけれども、133億円の北防波堤の延伸事業の予算なのですよ。だから、小樽市長として、静穏度が本当に確保されているかどうかということを目視でやれと、金がかからないのだから。そういうことを要求するつもりはないですか。これが一つ。
それから、静穏度の国の基準が現在の97.5パーセントに厳しくなったのはいつからですか。仮に国の基準が定められたとしても、莫大な予算を伴うことですから、港湾管理者の判断で、実際上、荷役作業に支障がないから、いずれやるからちょっと待ってくれということを言ったって、別に罰則規定はないわけでしょう。静穏度の基準が決められて5年以内とか10年以内にそれをやらなかったらだめだということにもなっていないようですから、その辺は努力をしたのかどうか、まずお答えください。
次に、平成26年度の予算要求と新年度の予算計上にかかわって、北防波堤延伸工事の直轄事業が平成22年度から25年度まで、先ほど指摘したように、当初予算と配分額で大幅な開きがあると。普通は自治体としてはこんなことは考えられないことです。地方財政法はあらゆるものを調べてちゃんとやれと書いてあるのだから、昨年度は予算に対して配分額はどうだったかということを参考に検討して予算計上に当たるべきではないですか。国から内示がなくなったからわからないと言って要求額を全部やるというのはいかがかと。だから、平成26年度について、先ほど言いましたが、直轄事業、22億円を要求すると。これは、根拠が、内示がないからわからないとおっしゃっていますが、その他の事業や補助事業で国から来るお金もありますけれども、こんな開きなんてないですよ。何で直轄事業、北防波堤だけが、内示がないからと、こんなに開きがあるのですか。その他国からお金が入っている、交付金の事業や補助事業もありますけれども、調べてみたらこんな差なんてないですよ。何で直轄の北防波堤の延伸だけがこんなむちゃくちゃな予算計上をやっているのですか。これは国の内示がなくなったからという一言で済ませる問題ではないと。そういうことを考えて、市長は意見を聞かれるわけだから、商工会議所とか港湾の関係団体に意見を求めるだけではなくて、これまでの過去4年間の経緯があるわけですから、そういうことも指摘して管理者に物を言うべきだというふうに考えていますので、ぜひそういうことはやっていただきたいと。
次に、小樽市長は石狩湾新港推進ですから、関係の部長も推進の立場だとは思いますけれども、しかし推進の立場であっても、先ほど総務部長がお答えになりましたが、機能分担については、昭和63年の機能分担を平成9年の港湾計画の改訂のときも確認しているというのだから、変わっていないのですよ。そうであれば、コンテナとかコンテナ以外の石狩湾新港で取り扱われる貨物のうち、背後地に張りついた企業が使っているものは何々かということぐらいはちゃんと調べて、小樽港繁栄に、両港の共存共栄だとあなた方は常に言うわけだから、何で小樽港を見捨てたような話を私の質問に対してはそうやって答えるのですか。小樽港の立場も考えてお答えをいただきたい。これは調べて、後でぜひ返事をいただきたいということであります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)副市長。
○副市長(貞村英之)北野議員の再々質問にお答えいたします。
静穏度に関してでございますが、国の基準がいつから厳しくなったというのはちょっとわかりかねますので、後ほどお伝えしたいと思います。
いずれやるからいいのではないかということではなくて、港湾計画にのっとって順次進めてきている事業なものですから、国の基準、荷役作業の安全を確保するという上で必要な事業と考えておりますので、港湾計画にのっとって進められているものに対しては、同意していきたいと考えております。
次に、平成26年度の予算についてですが、確かに直轄事業に関してはなぜこのようになったかということですが、25年度、大体、本港地区の北防波堤で事業費を9億円要求しておりまして、もう一つ、中央水路で耐震岸壁も9億円、これも合わせて18億円要求しております。25年度はそういうふうに要求しておりまして、確かに北防波堤は8,300万円しかついておりません。26年度については、北防波堤だけの要求となっておりまして、それについては22億円というケーソン100メートル、聞くところによりますと、港湾局から、ケーソンの単位は50メートルとかではなくて100メートル単位で要求するということで、22億円の要求となったということでお聞きしております。ちょっと大きい要求だと思いますが、この辺のところは技術的な面もございますので、そのように同意していくこととしたいと思っております。
次に、機能分担について、背後地のコンテナの中身ですが、我々はちょっと数字を押さえておりませんが、その点については調べきれるかどうかわかりませんが、努力して、後ほど報告いたしたいと思います。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)総務部長。
○総務部長(迫俊哉)北野議員の再々質問にお答えいたします。
静穏度に関して2点あったと思いますので、お答えいたします。
目視で静穏度を計測してはどうかということで、そういったことを要求していかないのかということでございますけれども、先ほども答弁申し上げましたが、国で基準が示されており、それで計測の仕方なども考え方が説明されておりますので、私どもといたしまして、やはり対外的にも基準にのっとった形で満たしているということが港のセールスポイントにもつながっていくのではないかということで、目視でやって基準を満たしているということはなかなか対外的には言いづらいことではないかというふうに思っています。
それから、静穏度の97.5パーセントがいつからかということでございますが、詳細についてちょっと資料がございませんのでお答えできませんけれども、少なくとも今私の手元にございます平成19年、日本港湾協会が発行しております「港湾の施設の技術上の基準・同解説」では、もう既に97.5パーセントというふうになっているものでございます。
それから、管理組合への市の考え方ということでございますけれども、私ども管理組合を構成する一つのメンバーとして、やはり母体負担につきましては、それぞれの自治体の財政状況が大変厳しい状況については常々話をさせていただいておりまして、事業の慎重な進め方、事業の効率化、それから平準化、そういったものは機会を見ながら管理組合へ伝えているというところでございます。
○議長(横田久俊)以上をもって、一般質問を終結いたします。
お諮りいたします。
ただいま、上程中の案件のうち、議案第1号ないし第6号、第22号ないし第26号及び第30号ないし第32号並びに報告第1号及び第2号につきましては、予算及び自治基本条例特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することとし、議案第7号ないし第21号につきましては、地方自治法第98条第1項の規定による権限を付与した決算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することといたしたいと思います。
なお、両特別委員会の構成につきましては、いずれも議長指名による9名の委員をもって構成することといたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
それでは、予算及び自治基本条例特別委員を御指名いたします。千葉美幸議員、吹田友三郎議員、高橋克幸議員、鈴木喜明議員、上野智真議員、斎藤博行議員、中島麗子議員、新谷とし議員、前田清貴議員、以上であります。
次に、決算特別委員を御指名いたします。秋元智憲議員、中村岩雄議員、川畑正美議員、松田優子議員、酒井隆行議員、濱本進議員、佐々木秩議員、中島麗子議員、山田雅敏議員、以上であります。
なお、いずれの委員会においても、委員中、事故ある場合は、所属会派において補充することといたします。
次に、議案第28号、第29号及び第34号は総務常任委員会に、議案第33号は厚生常任委員会に、議案第27号は建設常任委員会に、それぞれ付託いたします。
日程第2「陳情」を議題といたします。
本件につきましては、別紙お手元に配付の議事事件一覧表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。
日程第3「休会の決定」を議題といたします。
お諮りいたします。
委員会審査のため、明9月12日から9月24日まで13日間、休会いたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
本日は、これをもって散会いたします。
散会午後6時31分
会議録署名議員
小樽市議会 議長 横 田 久 俊
議員 佐々木 秩
議員 久 末 恵 子