開会午後1時00分
○議長(横田久俊)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、川畑正美議員、林下孤芳議員を御指名いたします。
日程第1「議案第2号ないし第9号並びに報告第1号並びに請願及び陳情並びに調査」を一括議題といたします。
これより、順次、委員長の報告を求めます。
まず、予算特別委員長の報告を求めます。
(「議長、10番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)10番、高橋克幸議員。
(10番高橋克幸議員登壇)(拍手)
○10番(高橋克幸議員)予算特別委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
国は、生活保護の基準生活費が年金収入を上回っていること、及び生活実態に合わない物価下落を根拠に、本年8月より3年間で670億円の生活保護基準額の引下げを決定したが、市は、この改悪により複雑化する算定方法に対応するため、生活保護システム改修費を盛り込んだ補正予算案を今定例会に提出している。改修により実務担当者の事務負担が軽減されることは理解できるが、扶助費の削減は今でさえ厳しい保護受給者の生活を一層困難にするものであることから、生活保護基準改悪に対応するための費用を計上した補正予算案には到底賛成できるものではないがどうか。
子ども・子育て支援法第77条に規定されている子ども・子育て会議の設置については、法律上、義務規定ではないにもかかわらず、市は、今定例会に設置に向けた条例案を提出している。この会議は、子ども・子育て支援事業計画の策定に携わるものだが、国からはいまだ策定のための詳細が示されておらず、設置をしたとしても、この会議で何を審議する考えなのか。
一方、子ども・子育て会議の委員の選任に当たっては、一部を幼稚園・保育所の保護者や子育て事業に従事する者から公募するとしているが、潜在的な待機児童や認可外保育施設の方も対象とし、声を取り入れていくべきと思うがどうか。
現在、市は、まちづくりの基本的な考え方や市政運営の基本的なルールを定めた自治基本条例のパブリックコメントを募集しているが、条例制定に当たっては、策定段階において、市民と情報共有しながら進めていくというプロセスが重要である。そのため市では、広報おたるやホームページのほか、フォーラムの開催など、いろいろな手法を組み合わせながら共有を図りたいとしているが、より市民が身近に情報を手に入れられるよう、メールマガジンやLINEなど、新たな媒体による情報提供も検討してほしいと思うがどうか。
北海道横断自動車道余市-小樽間の建設工事において、新たに設置される小樽ジャンクションは、現在、ハーフジャンクションでの建設が予定されている。しかし、ハーフジャンクションでは、後志方面から本市に直接入ることができず、救急搬送や物流面において不便を生じるため、市はフル化に向けた要望活動を行ってきたと聞くが、これまでどのような活動をしてきたのか。
また、フル化については、商工会議所や医師会など、業界からも強い要望があるものの、実現に向け一番の力となる地元市民の盛り上がりには欠けている状況にあることから、今後、地元一丸となってより強く要望していくためにも、市は、シンポジウムの開催などを通じ、市民意識の喚起に努めてほしいと思うがどうか。
現在、建設中の北海道横断自動車道小樽西インターチェンジにおいて、当初計画されていた国道5号へ接続する道路の建設については、小樽西インター自体の重要性を疑問視する議論もある中、計画が凍結されているという。しかし、横断道が黒松内まで延長となれば、小樽西インター経由が市内中心部と後志方面を結ぶ最速ルートとなり、市内主要病院への救急搬送などもインターからは10分とかからないことなど、後志との連携を考えた際、小樽西インターは非常に重要な役割を果たすものと考える。現計画による道道小樽環状線への接続ではアクセスがよいとは言えず、小樽西インターの有効性を最大限に発揮するためには国道5号との接続道路は必要不可欠であることから、市には、当初の計画どおり建設を進めるよう、関係機関に対し強く働きかけてほしいがどうか。
本庁舎内にはおむつ替えの場所がないことから、必要とする方に対しては保健室を案内しているとのことだが、スペースが確保されていないことについて、これまで市民から苦情や要望は出ていないのか。
市は、おむつ替えや授乳の場所を確保するには、一定程度のスペースが必要であることから設置が困難だというが、分煙を機に喫煙場所は確保したにもかかわらず、こういったスペースが確保できないということは、子育て支援の観点から納得できるものではない。スペースだけの問題であるならば、折り畳み式のベビーベッド等の設置を検討するなど、乳幼児連れの保護者が安心して市役所を利用できる環境整備を強く要望したいと思うがどうか。
本市では、ウインドウズXPの更新問題に伴い、サーバで情報の一括管理を行い、業務情報のセキュリティ強化、コスト削減が図れるとのことから、シンクライアント方式を導入するとしている。しかし、導入により、リース期間が残存するウインドウズ7パソコン約500台が未使用となり、市は、それらを緊急対応用等として全て保管するとしているが、500台も必要とは考えにくい。途中解約せず、全て保管することとしたのはなぜか。
また、導入に当たっては、セキュリティ面の強化を優先する考えと聞く。これにより、地元企業の間では、市の入札に対する考え方について懸念が生じているが、今後、他の事業の入札に関しても、コストや技術だけを最優先する考えを広げるつもりなのか。
骨太の方針の素案によると、成長戦略等により地方税収の増加を目指す一方、地方交付税の算定を行政改革の努力や地域経済活性化の成果の観点から行うとのことである。しかし、このような方針が実行されれば、アベノミクスによる経済波及効果が現れていない本市のような地方公共団体では、税収が増えず、地方交付税も削減されることが想定される。その場合、財政状況の一層の悪化が懸念されることから、市は国に対し、本来、地方交付税が持っている財政調整機能をゆがませるような政策を行わないよう求めるべきと思うがどうか。
市が発注する工事には、内訳として、現場管理費の中に労務費が算定されているというが、市は、労務単価見直しに伴い、受注した市内業者に従事する労働者の賃金が上がったとの話を聞いたことはあるか。
今後、公共工事の発注者としての立場から、状況を把握しておくべきと思うがどうか。
今定例会には、市職員による3件の事故についての専決処分が報告されている。今回報告された事故については、おおむね職員の不注意が原因であることから、再発防止のためには、職場内で原因の反省を行うとともに、事故防止の意識を共有し、徹底する取組が大切と考えるが、当該部局では、事故の後、再発防止に向け、どのような取組を行ってきたのか。
また、安全運転については、全庁的にも定期的に庁達や全職員を対象とした講習会を開催し、啓発を行っているとのことだが、不注意による事故を防ぐという当たり前のことが当たり前にできていないのが現状と考える。今後、こういった事故をなくすためには、安全に対する啓発を頻繁に行うなど、日々の取組をさらに強化すべきと思うがどうか。
昨年度、市教委が主催した教員研修プログラムの各講座に参加した教員は、全体の半数程度にとどまっているとのことであり、少ないと感じるが、各学校では、校長が対象者に講座への参加を促すなど、校長のリーダーシップはしっかりと発揮されているのか。
一方で、これらの講座も含め、フレッシュ研修会、ミニ研修、築校小樽塾などに参加し、教師力を高めようという意欲的な教員が、異動先の学校でこれまでの取組を継続しようとすると受け入れられない職場もあると聞くことから、市教委には、このような教員が市内のどの学校でも能力を発揮し、活躍できる環境づくりに努めてほしいと思うがどうか。
小・中学校における儀式的行事は、儀式儀礼ということを重視し、市内のいずれの学校においても同様の形式で行われることが重要であるが、昨年までは、卒業式及び入学式においてステージを使用せず、国旗が掲揚されていない学校が多くあったと聞く。しかし、本年は、全ての小・中学校において実施され、児童・生徒の国歌斉唱についても、二つの中学校を除き、おおむね又はしっかり歌われていたなど、長年できなかったことを大きく前進させた校長会と教育委員会の取組は高く評価できるものである。また、これは市教委と現場の教員が共通認識を持つような取組により、その距離が縮まったことも大きな要因であると思われるが、今後も両者がこのような意思疎通を図り、儀式儀礼だけでなく、学力等においてもさらなる向上が図られるように努めてほしいと思うがどうか。
小売店の相次ぐ閉店で食料品が買えないことや高齢化のため買い物に行けないなどといった買い物弱者の問題について、農林水産省が各自治体に実施したアンケートに対し、市はどのように回答したのか。
民間事業者等の取組として、移動販売車の導入・運営の項目では、コープさっぽろの移動販売車が市内を巡回していること、宅配や御用聞きなどの買い物代行サービス等への支援の項目では、聞き取りにより多くの商店で宅配等の実態があったことから、それぞれ「実施している」と回答したと聞くが、市は市内の買い物困難地域を把握しているのか。
今後、高齢者の増加により宅配等の需要はますます増えることが予見されるため、商店街活性化支援事業の予算増額や事業者への移動販売エリアの拡大要請などにより、今住む地域に住み続けられるよう支援してもらいたいと思うがどうか。
北海道開発局では、道内企業が小口で安価に海外取引を行えるよう、商社機能等を代行する「北海道国際輸送プラットホームを活用したサンプル輸送事業」を推進している。本事業は、単独での海外取引が難しい本市の中小企業が販路拡大を図るに当たって非常に有効であるにもかかわらず、これまで市内企業は全く参加していない。市は、その理由を把握しているのか。
小樽産品は、海外での物産展などにおいて商品力、ブランド力を評価されていることから、本事業の活用は企業の販路拡大、ひいては本市経済の活性化につながるものと考える。そのためにも市が窓口となり、事業の情報収集に努め、説明会を開催するなど、市内企業に積極的な活用を促していくべきと思うがどうか。
スノークルーズオーンズでは、昨年度、再オープンしたことで来場者数が前年度の2倍となり、また、本年7月にはゆり園がオープンするなど、冬季とともに、夏季においてもさらなる来場者数の増加が予想されている。一方、同スキー場へのアクセスについては、春香スキー場通線から国道5号への合流がしづらいこと、同線の幅員が狭く、バス同士のすれ違いが困難であり、渋滞を招くことなど、以前より交通事情について地域住民から懸念されているが、市はこの現状を認識しているのか。
今後、同線では、ますます交通量の増加が見込まれることから、重大な交通事故が起きる前に、国道への信号設置や同線と並行して流れる和宇尻川を暗渠化し幅員を広げるなど、この地域の交通安全確保に向けた対策を検討してほしいと思うがどうか。
稲穂小学校の児童を受け入れる勤労女性センターの放課後児童クラブでは、申込みが定員を超えた場合、弾力的な対応なしに断っていると聞くが、両親の就労など、さまざまな事情から放課後の居場所がない児童のためのクラブが、定員を理由に受け入れないという姿勢には大いに疑問を感じるがどうか。
今後は、待機扱いをせず、年度当初から希望者全てを受け入れられるよう、所管する生活環境部、福祉部、教育部が連携して対応すべきではないか。
また、施設整備を含めた検討を早急に行ってもらいたいがどうか。
国民健康保険の限度額適用認定証の申請について、現在、受付は市役所本庁のみで行われているが、体調不良等により来庁が困難な市民もいる。そのような場合に、市は、電話相談の上、郵送での申請にも対応するというが、そのことは現状で市民にほとんど認知されていないことから、広報おたる等を通じて周知を図るべきではないか。
また、ワンストップサービスとして、申請から交付までの一連の手続を各サービスセンターでも行うことについて、市は、受給資格に問題がある場合、結局、申請者が来庁しなければならないケースもあることから難しいというが、電話での申請を受けている以上、この課題を解決する方策を検討し、ワンストップサービスを実現してほしいと思うがどうか。
本市においては、昨年度、ハローワークが実施する「福祉から就労」支援事業を活用し、生活保護受給者100名の就労に結びつけたという。その一方、せっかく就職したものの、事情やむを得ず離職するケースもあったと聞くが、市は、こういった受給者に対しアフターケアを行うなど、再就職に向けた対策は行っているのか。
また、市には、保護受給者への就労支援にとどまらず、国の生活困窮者自立促進支援モデル事業を積極的に活用するなど、保護受給に至らない生活困窮者一人一人に対しても自立支援を行えるような体制を整えてほしいと思うがどうか。
昨年、策定された健康日本21において、健康づくりに焦点が当てられていることを受け、保健所では、手軽にできる運動としてウオーキングを推奨しているという。しかし、ウオーキングでは、冬期間に運動量が減るという調査結果が出ていることから、1年を通して継続的に健康増進を図るには、季節による影響を受けない室内プールでの水泳が有効なことは明らかと思うがどうか。
また、保健所では、市民が自分に合った運動を選べる環境が必要との見解を示しており、福祉部でも高齢者向けの水中体操教室を行っているなど、市民の健康増進に室内プールが果たす役割は大きいことから、市民が経済的な負担を抑えて水泳できるよう、市営による室内プールを早急に建設してほしいと思うがどうか。
南小樽駅のバリアフリー化を求める声は、南小樽地区の住民を中心に大きく広がっているが、乗降客数等からJR北海道としての優先順位は低いのではないかという考えもあり、実現への具体的な動きはいまだない。新市立病院の開院に向け、必要性はさらに高まっているものの、市の姿勢はJR任せであり、積極性がないように感じられるが、市はバリアフリー化についての必要性を認識しているのか。
市が先頭に立って要望することでJRも理解を示し、優先順位を上げることも考えられることから、新市立病院建設というチャンスを生かし、バリアフリー化に向けた交渉を積極的に進めてほしいと思うがどうか。
小樽の水の販売本数は、平成20年のピーク時と比べ半減しているが、市は、市民に水道水のおいしさを再認識してもらうとともに、小樽の観光PRを目的として製造していることから、商業用としての販路拡大はなじまないとの考えを示している。ミネラルウオーターとの価格競争が激しく、御当地水道水の販売から撤退する自治体もあると聞くことから、今後も販売を継続できるよう、採算性を確保するための検討をしてほしいと思うがどうか。
また、仮に民間企業から、小樽の水というラベルを利用し販路を広げ、商業ベースに乗せていきたいという提案がなされた場合、市として利用を認める考えはあるのか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、議案第2号につきましては、採決の結果、賛成多数により、可決と決定いたしました。
次に、議案第3号につきましては、全会一致により、可決と決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)21番、新谷とし議員。
(21番新谷とし議員登壇)(拍手)
○21番(新谷とし議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、議案第2号は否決の討論を行います。
補正予算案はおおかた賛成できますが、生活保護基準引下げのための生活保護法システム改修費が計上されています。
生活保護については、我が党の川畑議員が代表質問で取り上げ、生活保護基準引下げと生活保護法改正案における扶養義務の強化、いわゆる水際作戦の合法化の問題点を明らかにしました。生活保護法改正案は、26日、安倍首相への問責決議が可決し、参議院厚生労働委員会は開かれずに廃案になりました。安倍首相の参議院予算委員会への出席拒否は、憲法第63条に違反し、国会を軽視するもので、問責決議の可決は当然です。
生活保護法改正案の廃案は、全国生活と健康を守る会の連日の運動や井上英夫金沢大学名誉教授ほか100人を超す大学研究者らの改悪反対の緊急共同声明、障害者の生活保障を要求する連絡会議の生活保護法改正案参議院採決に反対する緊急声明など、国民の運動と世論が大きな力となりました。田村厚生労働相は、今秋想定される臨時国会にも生活保護法改悪案を再提出する考えを示していますが、再提出はやめるべきです。
生活保護基準の引下げは、多くの反対の声を聞かずに8月から実施されます。40歳代夫婦と小学生、中学生の4人のモデル世帯の引下げ額は、現在の支給額と比較し、2013年8月には約6,000円、2014年4月には約1万2,000円、2015年4月には約1万8,000円となり、保護受給者の生活を脅かすものです。それだけではなく、生活保護基準引下げは、市民税や固定資産税、国民健康保険の一部負担金、市営住宅家賃、障害者自立支援法による利用料など、各種制度の減額免除、就学援助の給付対象などに対する適用基準も下がり、市民負担を増やすことになります。
また、最低賃金法第9条第13項で、最低賃金の金額は生活保護に係る施策との整合性を図るとされており、1か月フルタイムで働いた場合に生活保護基準を上回るよう定められています。最低賃金額は、生活保護基準と連動しており、保護基準引下げにより最低賃金が引き下げられ、給与所得が減少します。このように、生活保護基準引下げは、市民全体の問題でもあります。
社会保障制度改革推進法では、自助を強調し、社会保障給付の重点化、制度運営の効率化による負担の増大を抑制すると、社会保障給付全体の抑制を目指しています。全ての社会保障の土台であるのに当事者が声を上げにくく、生活保護を狙い撃ちし、保護基準を引き下げることは許されません。
以上のことから、生活保護基準引下げのためのシステム改修費は認められませんので、補正予算案は否決といたします。
議員各位の賛同をお願いして、討論を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、議案第2号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、議案第3号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、総務常任委員長の報告を求めます。
(「議長、27番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)27番、前田清貴議員。
(27番前田清貴議員登壇)(拍手)
○27番(前田清貴議員)総務常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
議案第9号に関連し、手宮小学校については、グラウンドを広くとってもらいたいとの保護者の思いが教育委員会に届いていると思うが、敷地が隣接する末広公園の平地部分をサブグラウンド的に利用することはできないか。
同公園の平地部分は整地可能なこと、記念植樹を予定していることなど、今後、建設部と連携し、同小学校の裏庭的な活用を考えているとのことだが、地域住民やPTAの意見を十分聞いて進めることが必要と思うがどうか。
事務事業評価においては、客観的に判断できる数値や目標が設定されていないため、平成24年度の結果集計表をホームページに載せたとしても、市民が事業の是非を判断するのは難しいのではないか。事業ごとの評価調書を公表すればわかりやすいと思うが、市の考えはどうか。
平成26年度の実施に向けては、制度定着のため、対象事業数を半分以下に減らし、職員の負担感をなくした中で進めてはどうか。
また、今後、外部評価は必ず必要になると思うが、先進地を視察し、導入につなげてもらいたいがどうか。
昨年度の事務事業評価の2次評価において、市は、事業内容を検証するに当たっては、事業ごとに改善・検討する点はないのかという視点から個別に判断しており、各事業間で共通した方向性を持って拡大、要改善などとの評価を行っているわけではないという。個別の評価も重要ではあるが、例えば人口増を目的とする事業を拡大と評価する一方、子育て世代の人口増に不可欠である教育の充実を目的とする事業を縮小する意図で要改善と評価してしまうと、評価全体のつじつまが合わなくなることから、このようにならないよう市の政策との整合性を考慮した2次評価を行ってほしいと思うがどうか。
土地開発公社の解散に当たっては、解散に必要な費用に、いわゆる3セク債を導入すると聞くが、公社保有地の簿価約6億3,900万円と時価額約2億2,700万円の差額から、公社が持つ現金を控除した分を借りる考えなのか。
公社保有地は、行政目的を持って先行取得したにもかかわらず、景気低迷や財政赤字により事業が進まず、結果的に塩漬けとなっているとのことだが、既に他の用途で使っているものや処分できないものばかりではないか。
昨年度からスタートした音読カードの取組状況について、市教委は、2年目を迎え導入する学校が増え、読解力の向上に成果が現れてきているというが、カード配付の際、教員によって「必ずやって」「やったら出して」「やってもやらなくてもいい」など、取扱いに温度差があるように聞く。学力向上につながる大事な取組であることから、今年度が定着していくかどうかの分かれ道ととらえ、校長会にしっかり伝え、各学校の教員に指導してもらいたいがどうか。
学校給食センターについては、委託契約が終わり、工事も順調に進んでいるとの報告を受け安堵しているが、配送の対応はどうなっているのか。
給食の配送は、衛生面など手を抜けない重要な仕事と認識しており、単に価格の安さで競争すべきではないと考えるが、車両や設備などで配慮している点は何か。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、議案第8号につきましては、採決の結果、賛成少数により、否決と決定いたしました。
次に、陳情第2号ないし第145号、第151号ないし第280号、第283号ないし第289号及び第293号ないし第308号につきましては、採決の結果、賛成多数により、いずれも継続審査と決定いたしました。
次に、その他の各案件につきましては、議案はいずれも可決と、所管事務の調査は継続審査と、全会一致により決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
(7番小貫元議員登壇)(拍手)
○7番(小貫元議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、議案第8号は可決、継続審査中の陳情は全て採択を主張して討論を行います。
最初に、議案第8号非核港湾条例案についてです。
原子力爆弾が68年前に投下され、一発の原爆によって多くの命が奪われました。二度とあのような惨劇を繰り返してはならないと思います。
旧安保条約の下では、当時の政府は、日本が独立国だといっても世界では通用しない、もっと独立国の体裁を整えるようにしなければならないとして、安保条約改定のとき、事前協議の制度を設けることで独立国の体裁をとれるとしました。それまでは、基地を何に使おうが、核兵器を持ち込もうが、アメリカの自由でした。
しかし、1960年1月に日米両政府は三つの文書を取り交わし、そのうちの一つが1959年6月の討論記録と呼ばれる核密約です。この討論記録によって、核兵器を積んだ艦船の立ち寄りについては、事前協議の対象ではなく、現行の手続に影響を与えるものとは解されないとあり、旧安保条約どおり、アメリカの好き勝手にしていいですよとなっております。この下では、核兵器を積んでいても、入港する権利はアメリカにあります。この密約が存在する中で、核兵器を持ち込ませない唯一の手段が、全ての外国艦船に非核証明書の提出を求める方法です。
小樽市は、過去に、公式・非公式含めて4回の米艦入港を断っています。港湾管理者である市長が断れば入港できないことは、この事実に照らしても明らかです。
戦後、核兵器を持つ国が増えても使用を許してこなかったことは、これまでの国際的世論の高まりが背景にあります。国際的に広がっている核廃絶を求める運動を後押しし、核兵器のない世界を実現していく第一歩を刻むためにも、非核港湾条例の制定が何よりの力になります。皆さんの賛同をお願いするものです。
次に、継続審査中の陳情第2号ないし第145号、第151号ないし第280号、第283号ないし第289号及び第293号ないし第308号についてです。
第6次総合計画の前期実施計画にプール建設を示すことで、市民に早期建設を約束したにもかかわらず、本年の第1回定例会で新・市民プール整備事業を見送りました。市民の健康維持、スポーツ・レクリエーションの促進からも、新・市民プールの建設は急がれています。道内主要都市の中で学校以外の市営室内プールがないのは小樽市だけです。市長部局と教育委員会はさらなる協議を重ねて、再度検討し、今年度中に市民への約束を守り、基本設計、実施設計を予算計上し、新・市民プールの建設を求めるものです。
陳情は、いずれも願意妥当であり、採択を主張し、議員皆さんの賛同を呼びかけまして、討論といたします。(拍手)
(「議長、19番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)19番、斎藤博行議員。
(19番斎藤博行議員登壇)(拍手)
○19番(斎藤博行議員)民主党・市民連合を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、議案第8号小樽市非核港湾条例案に賛成の立場から、可決を求めて討論をします。
提案されている条例案の前文には、こう書かれています。
「小樽市民は、世界に開かれた国際観光都市の市民として、小樽市の平和の営みが世界の平和に通ずる確かな道であると確認し、核兵器廃絶平和都市宣言を一層発展させる」と、ここまででしたら誰も異議はないと思います。そして、そのために「積極的な非核港湾行政を推進します」と書かれています。当然のことであり、昨今の情勢下では、その必要性はますます大きくなっていると思います。小樽市議会でもそうですが、地方議会で平和の問題に議論が及ぶと決まって話されるのが、防衛や外交は国の専権事項であるというフレーズです。
しかし、ここで決定的に欠落しているのは、住民の命と暮らしを守る、そして住民の安全と安心を守ることは、地方自治体の最重要事項であり、その存在理由の一つであるという点であります。この最重要課題である住民の命と暮らしを守る、そして住民の安全・安心を守るという責任は必ずしも国の外交や防衛に対立するものだとは考えておりません。しかし、決して外交や防衛の下に位置づけられ、外交や防衛政策の前に屈服や沈黙を強いられるものではないと考えております。地方議会の議員として、ぜひこの点についても御理解をいただきたいと思います。
こうしたことを踏まえて、この条例をもう一度見ます。全世界的には、アメリカやロシアを中心とした戦略核兵器の削減は一向に進んでいないと言われております。オバマアメリカ大統領の有名なチェコ・プラハ演説、そして先日のドイツ・ベルリン演説は、核なき世界の実現に向けて、その理念を示しながらも、実際には進んでいない現実を明らかにしました。アメリカでは、核戦略、核戦術の二段構えの核戦略政策は堅持されたままです。そうした中で、米艦船の国内民間港への入港が繰り返されています。小樽には、毎年のように米艦船の入港が繰り返されています。アメリカ海軍のホームページで公開されている資料を見ても、小樽港に寄港した艦船は、小樽港寄港の前後に日本海や太平洋上で軍事訓練を展開していることを示しています。作戦行動中の給油、休息という米軍の狙いが明らかになっています。小樽港が、そうした作戦に利用されていると思います。小樽港は、アメリカ海軍により優先使用が求められている港であることも忘れるわけにはいきません。港のよさが評価されているとお話しされる方もいます。しかし、そういうふうに言うことは、現実を前にした一種の沈黙だと思います。
小樽港への核兵器の持込みを許さず、米軍の優先使用を認めない平和で安全な小樽港の発展が求められていると思います。条例は、そうした思いを議会として、条例として制度化し、市長に持たせようとするものです。世界からクルーズ船が寄港する小樽港、中国やロシアとの対岸貿易の拠点港としての小樽港は、何よりも平和で、全ての国に開かれた港でなければなりません。
改めて、この条例の持つ意義を御理解いただき、賛成していただくように訴えて、私の討論を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、議案第8号について採決いたします。
委員長報告は否決でありますので、原案について採決いたします。
可決と決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立少数。
よって、否決されました。
次に、陳情第2号ないし第145号、第151号ないし第280号、第283号ないし第289号及び第294号ないし第308号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、陳情第293号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、経済常任委員長の報告を求めます。
(「議長、3番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)3番、中村岩雄議員。
(3番中村岩雄議員登壇)(拍手)
○3番(中村岩雄議員)経済常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
市は、改訂する港湾計画の中で、第3号ふ頭をクルーズ発着の起点とするべく、現状の機能移転なども含めて公共上屋や指定保税地域のあり方について、小樽港研究会で検討しているという。しかしながら、港湾計画を審議する港湾審議会と同研究会との関係が明確にされていないことから、研究会に参加する一部の関係者が意思決定し、審議会には単に事後承諾を求めるだけともなりかねないが、このようなやり方について、市はどう考えているのか。
法に基づく組織である審議会が形骸化するような状態はよくないことから、研究会で扱う議題については審議会で諮り、その了承の下で検討を行うべきと思うがどうか。
小樽観光振興公社に貸与している小樽市所有の屋形船による船舶海難が発生した。乗員・乗客に大きなけがなどはなかったが、船は破損により当分使用できず、屋形船に係る観光や経済効果を考えると大きな打撃であるが、キャンセルによって生じる公社の損失はどの程度になるのか。
小樽海上保安部によると、小樽港内での船舶海難は過去に6件あり、同部では海難事故防止に関する講習の実施やホームページで対策に関するページを多く設けるなど取組を行っており、道もプレジャーボートなどの事故防止などに関する条例を制定するなど、事故防止の取組を進めている。今後、夏を迎えるに当たり、小樽港には多くの大型クルーズ客船の入港に加え、プレジャーボートなどの往来も増し、事故の増加も懸念されることから、市としても水難事故防止に向け、市民などへの周知に取り組むべきと考えるがどうか。
赤岩遊歩道については、市や市議会からの働きかけにより、徐々にではあるが、道が修繕箇所の整備を進めており、安心して散策できる環境が整いつつあるものと感じている。しかし、せっかく整備されても存在自体が認知されなければ、これまで同様、祝津を訪れても、遊歩道からの雄大な眺望を知らずに帰ってしまう観光客が多いのではないかと推測される。遊歩道が観光ルートの一環となれば、観光客の時間消費も増え、本市が目指す滞在型観光の一助ともなり得ることから、市としても赤岩遊歩道の積極的なPRに努めてほしいと思うがどうか。
農業委員会は、小樽の農業について多くの人に知ってもらうため、市内の農業従事者や農業委員会が情報発信をするホームページ「SIGNAL~シグナル~」を昨年立ち上げた。アクセス数については低調なものの、小樽で収穫できる農産物の種類や生産者の声、直売所の紹介などをすることで、ホームページを見て直売所に足を運んだという市民もいると聞く。このホームページを通して市民が本市農業に興味を持つことは、市内の農業従事者にとっても励みになることから、農業がより多くの方に興味を持ってもらえるよう、作物のできや旬の話題を加えるなど、ホームページの内容を一層充実させることで、さらなる情報発信を行うべきと考えるがどうか。
近年、本市での漁獲量が減少している一因として、ライフスタイルの変化による魚離れが挙げられるが、衰退する水産業に歯止めをかけるには消費量の拡大を図る必要がある。そのために有効な取組として、学校給食に小樽産の食材を取り入れる「小樽の日」を実施したが、昨年度はわずか1回の実施であったと聞くことから、市は、漁業者や加工業者などと連携を図り、今後、実施回数を増やせるよう努めてほしいと思うがどうか。
また、小樽ではカレイの漁獲量が多いが、骨の多さから消費が伸びず、その単価は下落傾向にあるという。市では、新しいレシピの紹介など、家庭での消費拡大に向け積極的な取組を進める考えというが、あわせて学校給食に取り入れる工夫もしてほしいがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、陳情第290号につきましては、採決の結果、賛成多数により、継続審査と決定いたしました。
次に、所管事務の調査は継続審査と、全会一致により決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
(22番北野義紀議員登壇)(拍手)
○22番(北野義紀議員)日本共産党を代表し、ただいまの委員長報告に反対し、陳情第290号国定公園「ニセコ・積丹・小樽海岸」の中心地区「オタモイ海岸」の早期整備方について、願意は妥当、採択を求める討論を行います。
去る6月25日の経済常任委員会で、無所属の久末恵子議員が陳情第290号に継続審査の態度をとったとはいえ、祝津海岸での夕日の見事さに観光客が感動しておられた光景を質問の中で紹介しておられました。
昭和の初め、祝津海岸と地続きのオタモイ海岸から眺める夕日のすばらしさに感動した市内の料亭蛇の目の経営者加藤秋太郎氏が、オタモイ地区に龍宮閣、弁天閣、弁天食堂など、おとぎ話の龍宮城に模した建物として完成させ、一大観光地としたことは皆さんも御承知のことと思います。その後の経過は省略しますが、1970年代に入って小樽運河論争が起こり、小樽観光が運河やガラス工芸にシフトしていく中で、オタモイ海岸は崖崩れなどもあり、後景に追いやられるようになりました。
陳情第290号の内容をよく読めば、龍宮閣、弁天閣、弁天食堂などを、お金をかけて復活せよとは言っていません。現行の観光基本計画でも、オタモイ海岸の整備を位置づけており、限られた観光資源であるオタモイ海岸に多額の費用をかけない従来方式の整備に早急に取り組み、国定公園の指定にふさわしい景観を生かすことを期待しているだけです。
この陳情の実現を後押しするかのように、弁天閣、龍宮閣を写した貴重な8ミリフィルムが、この3月21日に小樽市に寄贈されました。皆さんもごらんになったことと思います。8ミリフィルムについては、先日もNHKでも紹介されたぐらいです。
このささやかな現実を踏まえた陳情第290号をいつまでも継続審査にすることは許されません。継続審査をするといっても、質問をする議員は共産党以外にはいないのです。また、閉会中、経済常任委員会の招集、あるいは経済常任委員会の懇談会を開いて、この陳情についてどうするかということを提案する委員もいないわけです。こうなれば、継続審査にするということは、結局何もしないで先送りするということで、陳情者に対してまことに失礼なことになるのではないか、こう思うわけです。
ぜひ、各議員の賛同を呼びかけまして、討論を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、陳情第290号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、所管事務の調査について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、厚生常任委員長の報告を求めます。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、中島麗子議員。
(20番中島麗子議員登壇)(拍手)
○20番(中島麗子議員)厚生常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
専決処分報告の小樽市国民健康保険条例の一部を改正する条例について、現在、国民健康保険被保険者が75歳になって後期高齢者医療制度に移行し、国民健康保険に残る世帯員が単身となった場合、双方での負担が生じるが、これを軽減する特例措置として、国保料の平等割額が5年間は2分の1に減額されている。今回の改正では、さらに3年間延長して、減額を4分の1とし、延長しない場合の急激な負担増を緩和する軽減措置を行うとのことだが、これまで2分の1軽減されていた人にとって4分の1軽減は被保険者負担額が増えることになり、軽減措置の悪化となると思うがどうか。
本年4月に行った産業廃棄物処分場における建設木くずの処分手数料の改定について、市は、ホームページや広報等で市民や事業者へ周知しているとのことだが、いまだに関係者からは、料金が値上げされて大変であるとの声が聞かれる。このたびの料金の値上げは、処分をなるべく市内の民間リサイクル処理業者に任せ、少しでも最終処分場での埋立てを減らしたいという市の政策的な意図があるとのことから、単純な値上げではないことを広く周知することが必要であると思うがどうか。
また、周知用パンフレットなどにも、改定の背景を掲載するとともに、イラストなどを使用し親しみやすいものにするなど、関係業者はもちろん、一般市民にもわかりやすい工夫を講じるべきと考えるがどうか。
幼児期の学校教育や保育の総合的な提供、保育の量的拡大など、地域の子供・子育てを柱とする子ども・子育て関連3法に基づく新制度については、地域のニーズに応じた計画的な施設整備や財政支援の強化、認定子ども園の推進などにより、待機児童の問題や子育ての負担感など、さまざまな課題の解消を目指す制度と聞いている。国のこの制度を受けて、市は、実施主体として、市民・関係団体・学識経験者等で構成する子ども・子育て会議を設置し、議論を行っていくとのことだが、事業計画の策定に向け、重要な協議会になると思われることから、国の動向を見極めながら慎重な議論を望むがどうか。
銭函保育所の定員は現在110名であるが、市が来年度から75名に変更するとしたことで、銭函地区の定員は、桂岡町の認定こども園の55名を合わせて130名となる。市は、二つの保育所を合わせた4月1日時点の入所児童数が96名であることから、地域の保育需要に対応できるとの見解を示しているが、保育所の入所児童数は年度末に向かって増加するものであるから、6月1日時点で71名が通う銭函保育所の定員が75名になった場合、待機児童が発生する可能性が極めて高くなるのではないか。明らかに定員をオーバーするような想定で新しい保育所の設計が進められることについては、到底容認できるものではないことから、再度検討してほしいと思うがどうか。
公立保育所の建設に当たり、札幌市では、厚生労働省が基準とする面積より2割程度広いスペースを確保していると聞く。銭函保育所の建替えに当たっては、たとえ定員を超えていても保護者からの入所希望に応えられるよう、余裕を持たせた設計にしてほしいと思うがどうか。
また、民間施設の場合は、保育所として使用されなくなった際の利用方法を考えながら建設すると聞くことから、入所児童数が減った場合にも活用できるよう、将来を見据えて検討してほしいと思うがどうか。
ワクチンにはさまざまな種類があるが、予防接種は利点だけでなく副反応などのリスクを伴う医療行為であることから、本市では、国の法定接種以外の助成は行っていない。子供に対するインフルエンザワクチンの接種については、法定接種とはなっていないが、テレビなどによる周知により自主的に接種している人が多い実態があることから、助成の対象としている市町村もあると聞く。インフルエンザの予防について保健所は、感染防御が浸透しているというが、毎年、学級閉鎖が起こる状況に鑑み、さらなる予防の必要性があると思われることから、本市においても、子供の健康増進を図るため、インフルエンザ予防接種の助成を検討してほしいと思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、報告第1号並びに請願第2号並びに陳情第1号、第310号、第314号及び第316号につきましては、採決の結果、賛成多数により、報告は承認と、請願及び陳情は、いずれも継続審査と決定いたしました。
次に、所管事務の調査につきましては、全会一致により継続審査と決定いたしました。
なお、質疑終結後に開かれた当委員会の理事会におきまして、理事者から報告のあった市立銭函保育所の定員変更については、慎重に検討してもらいたい旨、委員会として見解を示してほしいという意見がありましたが、2度にわたる理事会での議論の結果、合意には至らなかったことを申し添えます。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)8番、川畑正美議員。
(8番川畑正美議員登壇)(拍手)
○8番(川畑正美議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、報告第1号専決処分報告(国民保険条例の一部改正)については不承認、継続審査中の請願第2号JR南小樽駅のバリアフリー化の要請方について、陳情第1号天狗山ロープウェイ線における最上団地停留所利用時の料金設定改善要請方について、陳情第310号銭函駅へのエレベーター設置方について、陳情第314号小樽市女性国内研修事業の再開方について、陳情第316号北西部地区における「一時保育事業」の実施方については、それぞれ採択を主張する討論を行います。
報告第1号は、国民健康保険条例の一部を改正する専決処分報告です。
国保の被保険者が75歳になり後期高齢者制度へ移行し、国保に残る世帯員が単身になった場合に、国保料の平等割額の2分の1が5年間、軽減されることとなっています。それに加えて、6年目以降について、平等割額を4分の1に軽減して3年間延長するというものです。軽減額が半減しても、軽減期間が延長されるというメリットがあると捉える向きもあります。一般的には、世帯主は夫で、夫が75歳となって妻が60歳代というモデルを想像されますが、75歳以上の両親と無職・無収入の40歳代の子供が同居している場合もあり得ます。これまで、5年間2分の1に軽減されていた国保世帯から見ると、負担分がこれまでの2分の1から4分の3に増加することになります。
次に、日本共産党は、国民健康保険事業を改正することに反対しています。したがって、このように国保世帯の負担が増加となる国民健康保険条例の一部を改正する専決処分報告は承認できません。
次に、継続審査中の請願第2号JR南小樽駅のバリアフリー化の要請方について、陳情第310号銭函駅へのエレベーター設置方については、双方ともJR駅関係のバリアフリー化に関する内容です。この課題については、我が党の小貫議員が一般質問で明らかにしているところでありますが、国は1日3,000人以上の利用がある鉄道駅についてバリアフリー化を進める方針です。
小樽市内の、国のバリアフリー化の基本方針に合う駅は、小樽駅、南小樽駅、銭函駅となっています。日本共産党として、6月6日にJR北海道に交渉に行き、南小樽駅や銭函駅のバリアフリー化の要請をしています。しかし、JR北海道は、地元自治体と協議を行いながら進めるとしています。
駅舎のバリアフリー化促進には、小樽市の役割が重要となっています。南小樽駅は、市立病院に近く、利用者も多く、市立病院統合新築工事が進められており、今後も公共交通機関として南小樽駅の活用が見込まれます。また、観光客の利用が多く、今後の増加に向けて、観光客を温かくもてなす必要があるとの本市の方針からもバリアフリー化が待たれます。銭函市街地は、小樽駅方面へのバスの便数が不足しており、JRを利用している人が多くおります。また、市立病院統合新築に合わせて整備することが絶好の機会になります。
さきの予算特別委員長の報告においても、新市立病院の開院に向け、必要性はさらに高まっているものの、市の姿勢はJR任せで、積極的でないと感じられる。市はバリアフリー化についての必要性を認識しているのか。市が先頭に立って要望することでJRも理解を示し、優先順位を上げることも考えられるので、バリアフリー化に向けた交渉を積極的に進めてほしいとの意見もありました。
国は、2020年までにバリアフリー化を終了させる予定です。国の助成を活用し、道からの補助を受けて実施するには、今から取り組むことが必要です。議会としても、継続審査に終わらせず、積極的な審議を進め、全会派が一致して採択していただくことを改めて呼びかけします。
その他の継続審査中の陳情第1号、第314号、第316号は、これまでも述べているとおり、願意は妥当であり、採択を求め、各会派各議員の皆さんの御賛同を求めて、討論といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、陳情第314号及び第316号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、報告第1号並びに請願第2号並びに陳情第1号及び第310号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、所管事務の調査について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時14分
――――――――――――――
再開午後2時40分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
次に、建設常任委員長の報告を求めます。
(「議長、10番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)10番、高橋克幸議員。
(10番高橋克幸議員登壇)(拍手)
○10番(高橋克幸議員)建設常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
高齢者や重度身障者の方から、既存の市営住宅を改良し、車椅子対応となった住宅では、居室内はバリアフリーだが、玄関がバリアフリーになっておらず、不便な状況になっているとの声が寄せられた。新たに建設した住宅は、ユニバーサルデザインを導入しているため、玄関がフラットで、車椅子の方でも安心して住める設計になっているとのことだが、今後、新たに建設する住宅の予定がないことから、既存の住宅を改良する際は、最新の技術で玄関のバリアフリー化ができるよう検討してほしいと思うがどうか。
江別市では、家族などで市営住宅の広い居室に入居する市民に対し、将来、世帯人数が減り単身となった際、単身者用居室への住み替えをあらかじめ約束する誓約書を提出してもらうための新たな規則を設けたという。高齢化が進展する本市においても、ミスマッチ世帯の解消は喫緊の課題であることから、居住者が減った高齢者世帯には移転してもらうよう促し、あいた居室を子育て世帯に活用してもらうなど、市営住宅の効率的な運用に向けた対策を講じるべきと思うがどうか。
本市では、夜間の安全・安心のための一要素である街路灯の設置・維持・改良に係る経費の一部を各団体や町会へ、小樽市街路灯助成規則を根拠に補助金として交付している。この規則は、昭和37年に制定されたもので、直近の改正でも平成21年であることから、今日のLEDの技術進歩が想定されておらず、従来のLED灯設置に係るイニシャルコストよりも安価で、水銀灯よりもランニングコストが低廉な最新のLED灯へ簡易に改良が可能となったにもかかわらず、現在の運用では補助金の対象とならないという。行政が実際の社会の進歩に遅れることで不利益をこうむるのは各団体、町会であることから、速やかに規則改正を行うべきと考えるがどうか。
LED街路灯は、従来の街路灯と比較し、町会に重い負担となっていた電気料金や電球の取替えにメリットがある反面、導入時に割高となる認識があったことから、一部の町会では、比較的有利な無電極式にかえているという。しかしながら、最新のLEDには、水銀灯の電球を取り替え、安定器をバイパス配線するのみで使えるものがあるということから、仕様どおりの寿命、結果が得られるならば、無電極式にかえるよりも割安になると思われるため、つけ替えを促進する施策を考えてほしいと思うがどうか。
市道桂岡2号幹線の歩道は、冬期間は車道の幅員を広く確保するために堆雪スペースとして使用されており、除雪はされていないという。歩道を堆雪スペースとすることについて、地域住民からの理解は得られているのか。
また、今冬は、3月にも連続した降雪があり、4月に入ってからも日陰には多くの雪が残り、地域住民は歩道の雪割り作業に追われていた。当該路線は通学路でもあることから、4月に入っても融雪が見込めない場合には、市が雪割りを行い、歩道の確保をしてほしいがどうか。
奥沢浄水場は、水源としての機能を堤体に陥没が見つかったために失っており、現在、休止している。稼働すれば、自然の浄化能力を利用し、ゆっくりと時間をかけてろ過をする緩速ろ過方式の施設に満々と水をたたえた、道内でも希少な情景を見ることができ、また約100年にわたり水をつくり続けている、現役で使用可能な歴史的資産・遺産としてその価値は高い。ダムのかわりに二股沢川、勝納川の河川水を取水し稼働する場合は新たな設備を要することから、費用対効果を含めて水道施設としての利用が検討されるというが、奥沢水源地利用・活用の基本方針として追加される新たな機能である学習、憩い、保全等に費用対効果という経済的観点はなじまず、持ち込むべきではないのではないか。
先人から引き継いだ、生きている資産として将来に向けて運用させていくべきと考えるがどうか。
水道局が販売するペットボトル小樽の水は、水道創設90周年を記念して製造され、ピーク時には年間15万本を販売していたが、ここ数年は、民間との価格競争の激化やミネラルウオーターの多様化などで年々減少傾向にあるという。黒字を確保するためには、販路の拡大や道内外での物産展で売上げが増えるよう、インターネット等も活用したPRを行い、誰もが小樽の水を買いたいと思える商品になるよう工夫してほしいと思うがどうか。
現在、水道創設100周年記念事業の一つの案として、2リットル入りの新商品を検討していると聞く。災害備蓄用を念頭に置いたものと思われるが、例えば100周年記念ラベルの採用を含め、ボトルのデザインを変えるなど、斬新なアイデアで小樽をPRする商品にしてほしいと思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、陳情第309号及び第312号につきましては、採決の結果、賛成多数により、いずれも継続審査と決定いたしました。
次に、その他の各案件につきましては、議案は可決と、所管事務の調査は継続審査と、全会一致により決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)21番、新谷とし議員。
(21番新谷とし議員登壇)(拍手)
○21番(新谷とし議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、陳情第309号、第312号は採択を求める討論を行います。
陳情第309号は、住宅リフォーム助成制度予算の増額を求めるものです。
この制度の目的は、住宅の改修を促進し、環境負荷の低減及び省エネルギー化の促進、安全・安心で快適な住環境整備並びに市内経済の活性化を図ることにあります。
昨年度の実績は、辞退者3件を除く申込件数は236件、交付件数は96件、補助金交付額1,584万7,000円に対し、工事総額は2億2,683万7,000円で、経済効果は14.3倍でした。予定していた補助金2,000万円は、取りやめ件数が34件もあったため、予定額を大きく下回りましたが、2,000万円を残らず使っていたら住環境整備の拡大と、もっと大きな経済効果があったはずです。しかも、改修工事は、市の入札制度に参加していない小さな業者に仕事が回っており、経営応援の一助にもなっています。
今年度のリフォーム助成の申込件数は251件、工事の登録業者は119件と、どちらも昨年度より多く、制度に対する期待の大きさが表れています。昨年度の補助金は、1件当たり平均16万5,000円でした。これを基準に今年度の申込者全員に当てはめると、予算は4,200万円ほどでおさまります。これで、さらに市内経済の活性化が図られるのです。申込者全員に助成されると、昨年度より登録の多い市内建築関連業者に確実に仕事が回ります。
陳情は、住宅リフォーム助成制度の目的を後押しするものであり、願意は極めて妥当です。住宅リフォーム助成制度は、建設常任委員会の委員会提案ですから、議会の名誉にかけても陳情を採択して、市民の負託に応えるよう、全議員の賛同をお願いします。
陳情第312号は、市による火災崩壊家屋の撤去及び空き家対策の策定を求めるものです。
火災を起こした住人が、現在、行方不明ということで、解決には時間がかかるという困難さはありますが、引き続き行政に住人を捜す努力をしていただきながら、空き家対策策定については、後志管内20市町村などでつくる廃屋・空き家対策検討会での議論を参考に課題を整理し、条例制定に向けての検討を始めていることから、陳情者の願意は妥当です。
以上、議員各位の賛同をお願いしまして、討論を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、陳情第309号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、陳情第312号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、学校適正配置等調査特別委員長の報告を求めます。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
(22番北野義紀議員登壇)(拍手)
○22番(北野義紀議員)学校適正配置等調査特別委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
稲穂小学校では、今年度から道教委が実施する学校力向上に関する総合実践事業の実践指定校に指定されたことに伴い、教員の加配など、いろいろなメリットが考えられることから、在校生にとっては非常に恵まれた教育環境になるものと思う。しかし、平成28年4月の色内小学校との統合に当たり、色内小学校の児童にとってはこれまでと著しく異なる教育環境となることから、授業内容についていけないなど、困惑するようなことにはならないのか。
学校の統合に当たり、児童にとっては、そのスケールメリットとして、教員数の増加、設備の充実などが考えられるが、市教委は、本市の教育にとって統合のメリットは何であると考えているのか。
色内小学校の校区は、平成28年度、同校が周辺の小学校と統合することに伴い、手宮地区統合小学校、統合稲穂小学校、統合長橋小学校の3校区に分割される。現在、色内小学校の児童は、原則、西陵中学校に進学しているが、統合後については、中学校進学の際に児童が細分化されないようにするという市教委の方針に従うと、遠距離の手宮・長橋両地区の中学校に進学する生徒が増え、近隣の西陵中学校の生徒数のみが減少してしまうことから、学校再編に当たっては、小学校区と中学校区の設定を個別に検討すべきではないか。
市教委は、西陵中学校の存続を訴える会と中央・山手地区の学校再編についての新たなプランをつくることを約束しているにもかかわらず、それを示す前に西陵中学校の生徒数を減少させてしまうような市教委の方針は問題であると思うがどうか。
学校再編に伴い、手宮地区では統合小学校の新築工事に向けた準備を進めているが、教員からは、現場の意見・要望が現時点の設計に反映されていないと不満の声が上がっている。教員への意見聴取について市教委は、5月末に行い、現在、集約中とのことだが、設計にこれら意見を反映するためにはもっと早い時期に行うべきだったのではないか。また、今回、集約される現場の意見については、これからでも設計に反映することはできるのか。新しい学校をつくる過程で、児童のために必要な意見や新たな取組を行うための要望を持つ現場の教員は多いことから、今後、他の地区で統合新校の建設を行う際には、設計段階から現場の声を聞く仕組みを構築し、しっかりと反映させていくべきと考えるがどうか。
統合についてのアンケート調査については、統合後の潮見台・花園両小学校の児童、保護者、教員に対し実施されたと聞く。このうち、教員からは100パーセントの回答を得られてしかるべきと思っていたが、回答率は9割にとどまったという。回答しない教員がいたことについて、市教委は、その理由を把握しているのか。また、教員の回答を見ると、「わからない」「無回答」といったものが目につくが、これは設問の趣旨が曖昧で、回答しにくかったことが原因であるという。統合による効果や今後の適正配置を進める中で配慮すべきことを知る上で、教員の意見は非常に大切であることから、市教委には今後、アンケートをする際には、必要な答えをしっかりと引き出せるような方法を考えてほしいと思うがどうか。
量徳小学校に係る統廃合は、地域、保護者、市教委に加え、教員も一体となって進めてきたものと認識している。それにもかかわらず、こういった努力の結果を回答するアンケートにあまり協力的ではないと映る教員がいたことは非常に残念であると思うがどうか。
また、このアンケート結果で得られた課題や参考点などをよく検討することで、今後の統廃合がスムーズに進むよう努めてほしいと思うがどうか。
若竹小学校の跡利用については、閉校当初、校舎を博物館の収蔵庫として検討していたとのことであるが、建物の老朽化が目立ち、恒久的な利用には疑問があることから、校舎の取壊しも視野に入れて再度検討してはどうか。あわせて、閉校後も、同校敷地内の遊具がそのまま放置されており、近隣の子供たちが使用しないか危惧されることから、敷地への立入りを制限するなど、早急に対策を講じてほしいと思うがどうか。
また、祝津小学校の跡利用について、同校校舎は耐震性もあり、再利用もできるのではないかと聞いているが、利用可否の議論が長期化し、未使用の状態が続けば建物の荒廃も進むものと考える。体育館についても、利用したいという市民の声もあることから、市には早急に跡利用が行えるよう検討を進めてほしいと思うがどうか。
指定校変更に伴い、学級編制に影響があったものについては、最上小学校において、他校からの変更による3名の増と他校への変更による2名の減で、差引き1名の増で2学級編制となり、一方、松ケ枝中学校においては、差引き17名の減で、少人数学級の3学級が2学級編制になったと聞く。このように、1名の増減が学級編制に大きな影響を与える以上、市教委は、クラブ活動を理由に指定校変更を行った場合など、その後の調査を行うとともに、今後、指定校変更の取扱いについても検討が必要と思うがどうか。
市内小・中学校の玄関におけるオートロックの整備については、児童・生徒の安全確保の観点からも進める必要があり、職員室や事務室が玄関から離れた学校から優先的に整備を始め、現在、15校で整備を完了していると聞く。整備が完了していない学校については、耐震補強工事などを行う際にあわせて整備を行う予定というが、工事の予定がない学校での整備については、市教委はどのように考えているのか。また、オートロックを整備することで、来客時の扉の開閉などにより教員が対応しなければならないことも考えられることから、設置に当たっては、教員の業務に支障がないよう配慮してほしいと思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
陳情第282号及び第291号につきましては、採決の結果、賛成多数により、いずれも継続審査と決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
(7番小貫元議員登壇)(拍手)
○7番(小貫元議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、陳情第282号及び第291号は採択を主張して討論を行います。
最初に、陳情第282号小樽市立西陵中学校の存続方についてです。
教育委員会は、西陵中学校の存続を訴える会との約束であるプランをいまだに示せずにいます。主権者である市民の声に応えていくことが求められています。
西陵中学校のある富岡2丁目の人口は、今年5月の数字では、基本計画策定時と比べ増加をしています。稲穂、色内、富岡の合計でも、平成22年5月が8,944人、今年5月が9,411人と、461人増加し、人口減少が続く小樽市にとって重要な地域となっています。学校をなくするということは、地域の人口減少に拍車をかけます。人口減少社会の中、西陵中学校の存続をどうするか、中心市街地の構成をどうしていくのか、今後の市内全体のまちづくりを左右する問題です。
また、教育委員会は、基本的に一つの小学校から同じ中学校に行くことが望ましいとの考えの下で、統合後の中学校の学区を決めていくつもりでいます。このままでは、色内小学校の閉校に伴い、西陵中学校区が自動的に狭められてしまいます。小学校区と中学校区は分けて考えるべきです。
例えば、教育委員会は、菁園中学校に四つの小学校から通っている状態は望ましくないという立場でいます。しかし、今年度、菁園中学校には指定校変更によって松ケ枝中学校区から17人、西陵中学校区から7人、潮見台中学校区から6人、向陽中学校区から5人、長橋・末広中学校区からそれぞれ1人が入学しています。このように、多数の学校から既に入学を受け入れていながら、小学校区と中学校区の学区を一緒にするということは大きな矛盾を抱えています。
次に、陳情第291号小樽市立塩谷小学校及び塩谷中学校の存続方についてです。
塩谷中学校が長橋中学校に統合されることが決まり、生徒は路線バスによる長距離通学となり、生徒の負担ははかり知れないものがあります。地域的にも塩谷と長橋は違い、バス料金も塩谷文庫歌から240円となります。小学校についても、塩谷地区の児童が長橋小学校に通うことになれば、児童に大変なストレスがかかります。市営住宅廃止の上に、塩谷地区から小学校も中学校もなくなれば、塩谷地区に若い世代が住まなくなるおそれがあります。
何度も主張していますが、学校の統廃合は、子供の教育の視点とともに、地域の住民合意が不可欠です。いずれも願意は妥当であり、採択を主張します。議員各位に採択を呼びかけまして、討論といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより陳情第282号及び第291号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
日程第2「議案第10号」を議題とし、市長から提案理由の説明を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま追加上程されました議案について、提案理由を説明申し上げます。
議案第10号職員懲戒審査委員会委員の任命につきましては、坂田榮子氏、大矢繁夫氏、山田雅敏氏、貞原正夫氏、竹田文隆氏の任期が平成25年8月31日をもって満了となりますので、引き続き坂田榮子氏、山田雅敏氏を、新たに多木誠一郎氏、三浦波人氏、前田孝一氏を任命するものであります。
なにとぞ原案どおり御同意賜りますようお願い申し上げます。
○議長(横田久俊)これより、採決いたします。
同意することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
日程第3「意見書案第1号ないし第12号」を一括議題といたします。
意見書案第6号ないし第12号につきましては、提案理由の説明を省略し、意見書案第1号ないし第5号について、提出者から提案理由の説明を求めます。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、中島麗子議員。
(20番中島麗子議員登壇)(拍手)
○20番(中島麗子議員)提出者を代表して、意見書案第1号ないし第5号について、提案趣旨説明を行います。
意見書案第1号は、「橋下大阪市長の『慰安婦制度は必要』『風俗業活用』という暴言を許さず、日本政府として、女性の人権尊重の立場から厳正に対処し、旧日本軍『慰安婦』問題の真摯な解決を急ぐことを求める意見書案です。
5月13日、日本維新の会共同代表であり大阪市長である橋下徹氏が「慰安婦制度は必要だった」、沖縄で米海兵隊司令官に「もっと風俗業を活用してほしい」と述べたことに、国内外から驚きと抗議の声が巻き起こっています。今回の問題は、世界ジェンダーランキング101位にある日本女性の状況を象徴し、さらにおとしめて、日本の国益にも反するものであり、政府として厳正に対処すべきであります。このような暴言は、国際社会で到底通用するものではなく、既に国連女子差別撤廃委員会は、日本で繰り返される政治家の女性蔑視発言に憂慮を表明し、締結国として方策をとるよう強く勧告しています。公党の代表、市長という立場で女性の人権じゅうりんの立場は放置できません。
政府は、女性の人権尊重の立場から、橋下氏の暴言に厳正に対処し、旧日本軍「慰安婦」問題での韓国政府との協議に応じ、一刻も早い解決へと踏み出すことを、小樽市議会として政府に働きかけることを求めます。
意見書案第2号は、原発のない北海道の実現を求める意見書案です。
福島第一原発事故から2年4か月が経過しましたが、いまだに事故原因は究明途上で、放射性物質の放出が続き、収束の見通しが立たないまま、15万人を超える福島県民は避難生活を続けています。
福島第一原発事故は、原発と人類が共存できないことをはっきり示しました。
また、この2年間余、原発が稼働しなくても電力不足が起きないことが明白になり、電力確保のために原発は必要という議論は通用しなくなりました。最近の世論調査では、原発ゼロが7割、再稼働反対が過半数を占めています。
ところが、安倍内閣は、新規制基準をクリアした原発から再稼働する、新増設もあり得る、海外に輸出するなど、原発推進の方向です。また、この新規制基準案は、原発の直下に活断層があっても、地表に現れていなければ立地を認めており、たとえ新規則基準をクリアしても安全性を保障できるものではありません。しかも、泊原発も、大間原発も、事故を起こした福島第一原発と同じ軽水炉型原発であり、冷却用電源が途絶えた場合、福島と同様に炉心溶融から過酷事故になり得る構造的欠陥を有しています。
このような状況の下で、泊原発の再稼働や大間原発建設を認めることはできません。今こそ、原発のない北海道実現のために踏み出すべきです。
意見書案第3号は、介護サービスから「軽度の高齢者」分離に反対する意見書案です。
政府は、介護保険制度から、軽度の要支援1・2の約140万人を除外し、全体の介護費用を抑制しようとしています。介護度は、要支援1・2から要介護1ないし5まで7段階あります。要支援1・2は、介護予防サービスですが、厚生労働省はこれを市町村に丸投げして、ボランティアや民間企業を活用せよとしています。介護事業所にとっても、利用者が減り、小規模事業者や軽度認定者を多く受け入れている事業所では、運営自体が困難になります。また、自治体として、これらのサービスを提供すると言いますが、人材確保や財源など、自治体間格差が広がることになります。
要介護認定では、要支援と要介護がたびたび変更になることがありますが、利用するサービス提供事業者がそのたびにかわるようでは、高齢者への安定的なサービス提供になりません。年々経費が増加する介護保険制度ですが、財政的な見地からのみサービス抑制を進めることなく、高齢者が安心して地域で暮らせる地域づくりのためにも、要支援1・2の認定者を介護保険制度から除外することはやめるべきです。
意見書案第4号は、生活保護基準引下げと各種制度改定の切下げに反対する意見書案です。
今年8月実施に向けた生活保護基準の引下げは、生活保護受給者の生活実態から見ても実情に合っていません。春から物価が値上がりしており、来年からは消費税増税を計画しており、このような経済状況からも撤回すべきです。
厚生労働省は、生活保護基準引下げにより影響を受ける各種制度のうち、就学援助、保育料減免などは、できる限りその影響が及ばないように対応することを基本的考え方とするとしていましたが、現在まで見直しによって影響を受ける各種制度への対応は明らかにされていません。特に、就学援助の準要保護世帯は、各自治体ごとに基準を設けていますが、保護基準が下がれば、これまでの対象者から除外される世帯が出てきます。既に準要保護世帯に対する国の補助金制度が廃止され、地方交付税に切り替わっていますから、別枠で国による財政援助額を明確にすべきです。このままでは多大な影響を与えることになり、対策が急がれます。
意見書案第5号は、憲法第96条の発議要件緩和に反対の意見書案です。
憲法第96条は、憲法改正について、各議院の総議員の3分の2以上の賛成によって発議できるとしています。今、自民党は、これを2分の1以上に緩和し、憲法改正のハードルを下げようとしています。憲法第96条は、単なる手続ではなく、国民が権力を縛るという立憲主義に基づいて決められたものです。これを2分の1以上に緩和するということは、最高規範である憲法を一般法律と同様の扱いにすることです。
憲法学者の多くの皆さんが、改憲派を含めて反対しています。自民党は、第96条の改正後は、憲法第9条を改正し、国防軍をつくり、集団的自衛権の行使ができる国にしようとしています。憲法第9条改正の突破口としての第96条改正は行うべきではありません。
各会派、議員各位の賛同をお願いいたしまして、提案趣旨説明を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、13番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)13番、酒井隆行議員。
(13番酒井隆行議員登壇)(拍手)
○13番(酒井隆行議員)自民党を代表して、意見書案第5号憲法第96条の発議要件緩和に反対する意見書案について、否決とする討論を行います。
同案は、憲法第96条の発議要件緩和を行うと、それを突破口に憲法第9条を改正するのではないかとして、極めて短絡的に発議要件緩和を行わないようにと求めるものです。
(「お宅の幹事長が言ってるんだぞ」と呼ぶ者あり」)
○13番(酒井隆行議員)
第96条改正は、憲法改正の発議要件を各議院の総議員の3分の2以上の賛成から過半数の賛成に引き下げるということです。これは、憲法を改正しやすくするというより、改正を発議しやすくするという意味を持っています。発議されれば国民投票にかけられますから、改正するかどうかは国民が判断するわけであります。したがって、第96条を改正したら、権力側の思惑で憲法がどんどん変えられてしまうという批判は全く当たりません。憲法改正手続に国民投票を導入している各国でも、発議された改正案が国民投票で否決された例はいくらでもあります。
(「3分の2で国民投票なんだから」と呼ぶ者あり)
○13番(酒井隆行議員)
さらに、第96条改正には大きな意義があります。現在の発議要件では、各議各院の3分の1以上が反対すれば改正は発議されませんから、いわば憲法は国会の3分の1の議員のためのものになっているのです。
(発言する者あり)
○13番(酒井隆行議員)
そのため、現実に日本国憲法は制定後、一度も改正案が発議されることなく、改正されてこなかったのです。これを各議院の過半数に引き下げれば、政治の現実として改正案の発議が可能な状態になりますから、改正の是非が国民投票にかけられる機会が生まれます。
(「詭弁だ」と呼ぶ者あり)
○13番(酒井隆行議員)
つまり、発議要件の緩和によって日本国憲法は、制定後初めて国民の国民による国民のための憲法になるのです。国民が、憲法改正についても権利行使できるように環境整備をすべきであります。
(「権利制限をしようとしているんじゃないか」と呼ぶ者あり)
○13番(酒井隆行議員)
改正案に賛成するのも、反対するのも、国民の自由です。
(発言する者あり)
○13番(酒井隆行議員)
発議要件を緩和して、憲法改正が国民投票にかけられるようになるのは危険だなどという批判は、日本国民の良識をはなから疑っている、実にばかげている見識です。そうした批判をする人こそ、自分自身がムードに流されやすいから、そう思っているのでしょう。良識を持った日本国民が憲法改正の国民投票でいいかげんな判断をするとは我々は思っていません。
つまり、第96条改正は、単なる憲法改正手続の改正ということではなく、憲法を国民のものとする重要な意義を持っているのです。したがって、憲法をどう改正するか、全体像も示さずに第96条だけをまず改正するのはよくないという批判も、その意義を理解していません。まず、第96条を改正して憲法を国民のものにしてから、どのような改正をしていくのかは、政治やマスコミ、学者などが机上の空論をしているだけはなく、国民全体で議論していけばいいのではないでしょうか。そのほうが時代や国民の意思に沿った憲法改正が実現すると思います。
我が党は、参議院議員選挙の公約で「主権者である国民が『国民投票』を通じて憲法判断に参加する機会を得やすく」するとして、
(発言する者あり)
○13番(酒井隆行議員)
3分の2以上を過半数に緩和することを明記しています。ただ、発議要件緩和には、連立を組み、友党である公明党の協力が不可欠と思っております。
(発言する者あり)
○13番(酒井隆行議員)
公明党が本件に対して慎重姿勢であることに鑑み、参院選公約では先行改正は盛り込まず、改憲原案の国会提出という表現にとどめております。本市議会でも、公明党の理解を得られるよう、今後も議論を重ねていきたいと思っております。
(「難しいな」と呼ぶ者あり)
○13番(酒井隆行議員)
我が党は、今の憲法の下で、日本の平和と安全を守るのは困難だという危機感を持っております。尖閣諸島を中国から守り抜く上でも、自衛権が強く制約され、抑止力を他国に依存している憲法を改めなければなりません。その改正を封じる各議院の総議員の3分の2以上の賛成という発議要件の緩和が妥当かつ必要なものであることを主張します。したがって、第96条の発議要件緩和に反対する本意見書案には到底賛成することはできません。
各会派、各議員の皆様が同調していただけるならば、この場でも構いませんので、ぜひ御賛同いただきたいことをお願いし、討論を終わります。(拍手)
(発言する者あり)
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
(7番小貫元議員登壇)(拍手)
(「ゆっくり長く聞かせてやって下さい」と呼ぶ者あり)
○7番(小貫元議員)最初に、今、自民党からありました憲法の問題、意見書案第5号について話をしなければならないなと思います。
意見書案第5号憲法第96条の発議要件緩和に反対する意見書についてです。意見書案の順番と変わりますが、御了承ください。
今の自民党の討論では、やはり憲法そのものをまず理解していないと。国民のものにしていくとおっしゃいますけれども、憲法前文には、「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する」とあります。そして、第43条には「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する」とあります。このように、国民の意思の下に組織される国会で議論すること、そして自民党が主権者の意思を反映しないというのであれば、自民党の国会議員の立場が問われていると私は思います。
民主主義のそもそもの根幹は、統治される側と統治する側が一緒だ、治者と被治者の同一性が原則です。つまり、国の機関というのは、その機能を固有の権限として有しているのではなくて、全て国民から信託を受けることによって初めて発生する問題なのです。ですから、今の自民党の議論というのは、国民のものにしていくと言いながら、憲法の原則を理解していない議論でしかありません。
憲法第96条の改正は、先ほど中島議員が提案説明で申しましたように、改憲を容易にするためのものであり、その先には憲法第9条や人権規定などの憲法改悪があります。憲法は、権力を握る者が権力を乱用しないように、たがをはめることに意義があります。第96条が法律よりも厳しい要件を定めているのは、多数派の権力行使によって少数派の人権が侵害されることを防ぐためです。
この第96条を先行して変えることに対して、改憲勢力の一人、慶應義塾大学の小林節教授は、しんぶん赤旗のインタビューに応じ、次のようなコメントをしています。「初めにお断りをしておきます。ぼくは自衛戦争を認める立場で、憲法改正論者です。しかし、今、問題になっている96条改正は、それ以前の問題―憲法を憲法でなくしてしまう問題なんです。」と切り出しました。そして、第96条の改正は、「権力者たちが、憲法の拘束へのいら立ちから、憲法を憲法でなくし、法律のように変えようというのは、僕の言葉で言えば『邪道』です。大学で言うと『裏口入学』」と述べています。そして、「立憲主義の否定だ」と強調しました。さらに、この立憲主義への「理解がないから、改憲ハードルを下げよという考えが出てくる。憲法が何なのかわかっていない人たちが、憲法の拘束を逃れたくて、憲法との位置関係を破壊しようとしている」と批判しています。4月28日付けしんぶん赤旗日曜版に掲載されていますので、ごらんになっていただければと思います。
次に、6月2日付けのしんぶん赤旗に掲載された、自民党の元幹事長古賀誠氏のインタビュー記事を紹介いたします。古賀氏は、次のように述べました。「いま第96条を変えて憲法改正手続のハードルを下げるということが出ていますが、私は認めることはできません。絶対にやるべきではない。」と強調し、「憲法は我が国の最高法規です。ほかの法規を扱う基準とは違うのは当然でしょう」「諸外国を見ても、憲法改正のハードルは高くなっているじゃないですか」と批判しています。自民党の皆さんは、先輩をぜひ見習っていただきたいと思います。
諸外国の憲法改正要件は、アメリカでは3分の2の賛成の上に4分の3の州議会の承認が必要です。ドイツでも3分の2の賛成、韓国も国会の3分の2の賛成と国民投票と決められています。このように、諸外国と比べて改正しにくい憲法という論理は成り立ちません。日本は一度も改正していないと嘆きますけれども、憲法を変えても、憲法改正要件を改正した国はありません。ただでさえ、現在の日本の選挙システムでは、第1党が4割の得票で7割から8割の議席を得る小選挙区制の下で、過半数という条件は真に国民の意思を尊重しているとは言えません。最高法規としての憲法を守り、立憲主義を守るために憲法第96条は変えるべきではありません。
(「そうだ」と呼ぶ者あり)
○7番(小貫元議員)
さて、最初に戻って、意見書案第1号について述べます。
「橋下大阪市長の『慰安婦制度は必要』『風俗業活用』という暴言を許さず、日本政府として、女性の人権尊重の立場から厳正に対処し、旧日本軍『慰安婦』問題の真摯な解決を急ぐことを求める意見書」です。
第1に、橋下氏の発言は、人間の尊厳を冒瀆するものだということです。日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が、5月13日、日本の侵略と植民地支配の誤りを認めた村山談話に触れる中で、「侵略の定義については学術的にきちんと定義がない。安倍首相の言われているとおりだ」と発言し、旧日本軍の慰安婦制度について、「銃弾が雨嵐のごとく飛び交う中で命がけで走っていくとき、猛者集団を休息させてあげようと思ったら、慰安婦制度が必要なのは誰だってわかる」と述べました。戦争のために女性を利用するのは当たり前などというのは、女性を人間として扱わず、人権を著しく侵害した犯罪行為です。
慰安婦問題とは、旧日本軍がつくった慰安所に女性を拘束し、軍人らの性行為の相手を強いたという問題です。第2次世界大戦中、国家が組織的に性奴隷制度をつくったのは、大日本帝国とナチス・ドイツしかありません。植民地とした朝鮮半島や軍事占領をした中国や東南アジアから女性を連行し、旧日本軍が管理する慰安所で旧日本軍による強姦や売春を強制したということは動かしがたい事実です。
橋下氏は、外国特派員協会で行った記者会見で、「誰だってわかる」と発言しておきながら、「私が容認していると誤報されてしまった」と、誰だっての中に自分は入れないという、メディアに責任転嫁をしました。しかも、同日配付された「私の認識と見解」の中で、「日本兵が慰安婦を利用したことは、女性の尊厳と人間をじゅうりんする決して許されないものであることは言うまでもありません」と言いながら、発言について撤回も謝罪もありませんでした。
第2に、当時だったら、世界的に認められたという問題ではありません。日本は、1921年に国際連盟で採択された「婦人及児童ノ売買禁止ニ関スル国際条約」など、一連の条約に加わっていました。こうした世界の動きもあって、日本でも22の県会で公娼制度廃止を求める決議が可決されました。1935年には内務省でも公娼制度の廃止が検討されており、公娼制度は既に当たり前のことではなくなっていました。
第3に、この発言を放置しておいたら、日本が国際社会から信用を失うということです。歴史を顧みず、人間の尊厳をおとしめる暴言に対して、地方議会では、千代田区議会をはじめ、先日は堺市議会でも発言の撤回、謝罪と公職辞任を求めています。
そして、国内にとどまりません。大阪の姉妹都市であるアメリカ・サンフランシスコ市議会は、橋下氏に発言の撤回を求めることなどを盛り込んだ決議案を全会一致で採択しました。アメリカ・ニュージャージー州でも、「元『慰安婦』の人たちを支持し、日本政府にその『歴史的責任』を認めるよう求める決議」を全会一致で採択しました。国連からは人権規約に基づく拷問禁止委員会が、「公人による事実の否定、否定の繰り返しによって、再び被害者に心的外傷を与える意図に反論すること」とする勧告をまとめ、日本政府に対して即時かつ立法的・行政的措置をとるよう求めています。勧告で指摘されたことは恥ずべきことであり、日本政府は勧告に従って、誤った歴史認識を抜本的に改めるとともに、慰安婦問題は決着がついていないことを改めて謝罪、賠償を行うことが政府の責任です。
意見書案第2号原発のない北海道の実現を求める意見書です。
2011年3月11日、東京電力福島第一原発での事故から2年余が過ぎ、福島第一原発では、毎日400トンもの地下水が流れ込み、大量の汚染水が生まれています。事故は収束などしておらず、いまだに危機の真っただ中にあります。
ところが、原子力規制委員会は、原発の新規制基準を決めました。安倍首相は、当初、世界最高水準の安全基準で、安全が確認された原発は再稼働すると述べていましたが、厳しい批判に押されて、原発に絶対安全はないということを認めました。ですから、原子力規制委員会も安全基準という言葉が使えなくなって、新規制基準という言葉に言いかえざるを得なくなりました。このように、もう既に世界最高の安全基準は破綻しました。それならば、再稼働の方針は撤回すべきです。
しかも、新基準は、スケジュールが先にありきでした。2012年6月に、原子力規制委員会設置法で、今年7月18日が新規制基準の施行期限としていたからです。ですから、議論を尽くすどころか、期限に間に合わせる議論に終始しました。
一方、再稼働を急ぐ電力会社は、審議過程の聞き取りで、工事が大規模になる、基準が厳しすぎると対策を値切る姿勢を露骨に示しました。さらに、時間のかかる対策などは軒並み先送りされています。たとえば、政府の事故調査委員会が問題にしている原子炉を監視する水位計があります。福島第一原発事故では、水位計が機能せず、初動対応に影響しました。規制委員会は、この新規制基準づくりの検討は7月以降にすると言い、福島第一原発事故の教訓を後回しにするつもりです。
さらに安倍内閣は、原発事故の原因究明すら終わっていないのに、海外に原発輸出を広げています。国内には絶対安全はないと言いながら、海外では世界一安全な原発技術が提供できると二枚舌を使っています。1基建設するだけで数千億円にも上り、原発メーカーなど原子力村に巨額の利益をもたらすものです。
加えて問題なことが、インドとの原子力協定です。インドは、核兵器不拡散条約未加盟の核保有国です。日本が原子炉や関連技術をインドに輸出し、原発が稼働すれば、核兵器製造に適しているプルトニウムが生まれます。結果として、インドの核開発に手をかすことになります。
さらに、このことは、北朝鮮の核開発問題に大きな影響を及ぼします。アメリカなどの核保有国が北朝鮮やイランなどの核開発を阻止しようとする一方で、インドを例外扱いにすれば、北朝鮮はインドをモデルにして国際社会から核保有国としての認定を受けようとしています。核開発を助長することを被爆国である日本がすべきではありません。
また、泊原発の再稼働も、大間原発の建設も行える状況にはありません。今、政治に求められているのは、原発ゼロにする政治決断です。
次に、意見書案第3号介護サービスから「軽度の高齢者」分離に反対する意見書です。
昨年の介護報酬改定で実施された生活援助の時間短縮は、利用者、家族の生活に深刻な影響をもたらしています。例えば、調理時間が削られたため、配食弁当や総菜の購入に切り替えざるを得なくなるなど、ヘルパーからは状態の変化を見逃さないか心配との声もあります。回数を増やせば利用料にはね返り、45分だと買物に行って帰るだけ、洗濯は利用者が先にボタンを押しておいて、ヘルパーは干すだけ、ヘルパーと家事を一緒にする機会も減り、本人の意欲低下が見られ、介護保険の理念である自立支援そのものに反する事態が生まれています。
政府は、このような利用者、介護現場の困難な制度矛盾を放置したまま、新たに制度を変えようとしています。
第1は、保険給付の見直しです。要支援1と2は、そもそも介護保険から切り離し、ヘルパーの生活援助はそもそも介護保険外にする、そして生活援助の内容を商品化して、市場原理を導入する。安心はお金で買いなさいということです。さらには、施設入所は要介護3以上の中・重度に限定し、施設サービスの利用者負担について要介護1と2に限っては在宅の区分支給限度基準額を適用し、限度額を超えた分は2割負担を狙っています。
第2に、利用者負担の見直しです。年収320万円以上の要支援者の利用者負担の2割引上げも検討課題とされ、ケアプランの策定は要介護1,000円、要支援500円と有料化の案が示されています。そのほかにも、低所得者を対象にする補足給付の見直し、施設における多床室の居住費値上げ、40歳から64歳の2号被保険者の負担増などが狙われています。
介護保険制度は、誰のための、何のための制度なのかが問われています。要支援者を介護保険から外すという公費削減の路線ではなく、公的責任の強化による介護改善充実が求められています。
次に、意見書案第4号生活保護基準引下げと各種制度改定の切下げに反対する意見書についてです。
近年、餓死や孤独死のニュースが増加しているように思います。国内における餓死者の推移は、2000年に1,314人、2005年には1,747人、2011には1,746人と、2000年に比べ133パーセントと3割増になっています。
ところが、安倍内閣は、社会保障の全分野にわたる予算削減と制度改悪に乗り出そうとしています。その最初の標的が生活保護です。新たに生活保護の申請に書類提出を義務づけ、相談者を書類不備で追い返すことができるようにするものです。生活に困窮し、生活保護の申請に来た人を門前払いにして餓死に追い込んだなどとして大きな社会問題となった水際作戦を合法化する異常なものです。悲惨な餓死事件が後を絶たず、貧困の連鎖を広げる社会にしておきながら、最後のセーフティーネットの申請さえも妨害する、これは生活困窮者だけではなく、憲法第25条の生存権という国民の権利の侵害です。
5月17日、国連の社会権規約委員会は、日本政府に対して、最低保障年金の実現、生活保護での申請手続の簡素化と申請者の尊厳を守った対応を行うよう勧告しました。これこそ日本政府が取り組むべきことです。
受給者を排除し、保護費削減ばかり目指す根本が間違っています。生活保護の受給者が急増しているのは、年収200万円以下のワーキングプアが1,000万人を超え、貯金ゼロの世帯が全世帯の4割に上り、国民年金の平均受給額が4万円にとどまるなど、社会全体に貧困が広がっているからです。ですから、この社会全体に広がる貧困を解決していくことが急務であり、健康で文化的な生活を国民に保障する憲法第25条に基づく制度の充実、発展こそが求められています。
以上、議員各位の賛同をお願いしまして、討論といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、意見書案第1号について採決いたします。
可決とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立少数。
よって、否決されました。
次に、意見書案第2号ないし第4号について、一括採決いたします。
いずれも可決とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)可否同数であります。
よって、地方自治法第116条の規定により、議長において可否を裁決いたします。
本件につきましては、議長は否決と採決いたします。
次に、意見書案第5号について採決いたします。
可決とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の意見書案について、一括採決いたします。
いずれも可決とすることに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
以上をもって、本定例会に付託されました案件は、全て議了いたしました。
第2回定例会は、これをもって閉会いたします。
閉会午後3時50分
会議録署名議員
小樽市議会 議長 横 田 久 俊
議員 川 畑 正 美
議員 林 下 孤 芳