開議午後1時00分
○議長(横田久俊)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、千葉美幸議員、佐々木秩議員を御指名いたします。
日程第1「議案第1号ないし第8号及び報告第1号」を一括議題といたします。
これより昨日に引き続き、会派代表質問を行います。
通告がありますので、順次、発言を許します。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)1番、秋元智憲議員。
(1番秋元智憲議員登壇)(拍手)
○1番(秋元智憲議員)平成25年第2回定例会に当たり、公明党を代表し、質問いたします。
昨年12月の総選挙後、再び自由民主党・公明党が与党となり、第2次安倍内閣が誕生いたしました。政権発足後、早くも半年がたちますが、各種世論調査では安倍内閣は6割から7割と高い支持率を保っており、特に日本経済再生政策への期待が高いものと思います。昨年は1ドル80円を切ることもあった円高は是正され、5月上旬には100円を超え、5月後半には日経平均株価が1万6,000円まで急上昇したものの、6月半ばには1万2,000円から1万3,000円を推移し、円相場は90円台を推移、一時に比べると株価は乱高下をしている状況であります。
一方で、実体経済との乖離も感じられ、ある意味これから地に足のついた成長戦略を実行することで、国民が経済成長、景気回復を実感できるようにしなくてはなりません。
ただ、各分野では、少しずつではありますが、明るい兆しが見え始めているのも事実であります。国の平成24年度一般会計予算では、補正予算において約4.7兆円の予算措置を講じたため、補正後の公共投資関係費は前年度を上回り、平成25年度一般会計予算では公共事業関係費について前年度比15.6パーセント増としており、平成25年度地方財政計画では、投資的経費のうち地方単独事業費について、前年度比5.8パーセント減を含めると2.6パーセント増となり、4月の公共工事請負金額及び3月の公共工事受注額は前年を上回る結果となったところであります。
2013年1月から3月期の実質GDPの成長率は、民間企業設備、民間在庫品増加がマイナスに寄与したものの、民間最終消費支出、民間住宅、政府最終消費支出、財貨・サービスの純輸出がプラスに寄与したことなどから、前期比で1.0パーセント増、年率4.1パーセント増となり、名目GDP成長率は前期比で0.4パーセント増となりました。
また、消費総合指数は3か月平均で増加し、この結果、個人消費は持ち直しの兆しを示してきております。
5月に発表された北海道の「最近の経済動向」では、道内企業倒産で件数こそ前年を下回ったものの、負債総額は前年を上回る結果となっておりますが、個人消費、公共工事では横ばい傾向にあり、住宅建設、観光、生産活動では持ち直しの動向が見られ、雇用では依然として厳しい状況にあるものの、1月から3月期の完全失業率が5.0パーセントと前年同期比0.5ポイント低下し、有効求人倍率は0.65倍と38か月連続で前年を上回るなど、緩やかな持ち直しの動きが続いております。雇用に限って言えば、管内の新規求人数は879人で、前年同月比99人、12.7パーセントの増加で、3か月連続の増加となっておりますし、有効求人倍率0.63倍で、前年同月比0.49倍より0.14ポイントの上昇となり、18か月連続の上昇となったわけであります。
そこで伺いますが、市長はこのような現在の経済状況に対し、どのような御感想をお持ちなのか、伺いたいと思います。
市長の任期も半分の2年の折り返しを過ぎましたが、この2年間で特に昨年、今年と、長年の懸案となっていた銭函地域への企業誘致や丸井今井小樽店跡地の問題、クルーズ船誘致など、大きな結果を出されたことは、大変評価しているところであります。市長就任直前には、あの東日本大震災が起こり、当初、市長が公約として掲げられた政策の中でも、経済・防災対策を優先したことにより、いまだ実施できていない政策がありましたらお聞かせください。
また、任期残り2年でなし遂げたいと思っている政策、事業について伺います。
中松市長は、就任以来、財政運営において、他会計からの借入れをしないという強い決意を持って臨まれ、24年度決算見込みの実質収支見込みで1億円の黒字になるとのことであります。
しかし、今後も厳しい財政状況は続くものと感じており、特に本市の市税収入だけをとってみても、平成14年度の155億9,400万円に比べ、23年度では138億9,500万円、16億9,900万円の減収で、収入率については14年度87パーセント、23年度75.4パーセントであり、人口減少や高齢化が進む中で、その影響は顕著に現れてきております。そこで、23年度決算と比べて、市税の減収の要因についてお知らせください。
また、市税の増収対策は、これまでさまざま取り組んできたことと思いますが、今後の市税収入の考えや対策を伺いたいと思います。
次に、マイクロソフトのOSウインドウズXPのサポート終了に伴う影響と対策について伺います。
現在でも国内シェアが2割以上を超えるウインドウズXPのサポートが、2014年4月8日をもって終了することで、マイクロソフトからセキュリティ更新プログラムが提供されず、ウイルス感染や情報の漏えいなどが心配されております。特に個人情報を扱う自治体では、いまだXPを導入しているところが多いとも聞きます。道庁では、約6割を占めるXPのパソコン1万1,000台の更新を進めており、更新にかかる費用は、単純計算でも約10億円がかかるとの試算もあるようです。
また、札幌市では、1万3,550台のうち約半数の6,767台がXPであり、更新も思うように進んでいないといいます。
そこで、現在、小樽市でのOSごとの台数をお知らせください。
当然、市民に安心していただけるよう更新を考えていると思いますが、地元業者からはXPの更新に当たって、入札に参加できないのではないかとの不安の声も聞きますが、システムの調達についての大幅な変更があるのか、これまでの調達方法、システム等、今後の考え方について伺いたいと思います。
また、パソコンは、本庁舎以外でも使用されておりますが、水道局や病院、学校などでの対応の違いがありましたらお知らせください。
更新費用の試算や、その時期についてお考えをお知らせください。
今回のOSの更新問題に関連して、XPで使えた周辺機器のOSの変更などに伴う互換性の問題があり、OS更新費用のみならず周辺機器の更新にもつながる場合が考えられますが、現時点では調査はされていますか、現状を伺います。
次に、更新により廃棄されるパソコンの情報管理についてです。
現在使用されていて今回の更新対象となるパソコンのデータの取扱いについては、個人情報など重要なデータが多く保存され、管理についても御苦労されていると思います。以前、消防庁の一般家庭調査の情報が入ったパソコンのハードディスクがパソコンメーカーや廃棄物業者がかかわっていたにもかかわらずリサイクル店で販売されていたということがあり、情報流出の対策は慎重を期さなければなりませんが、本市がパソコンを廃棄する場合の流れを伺いたいと思います。
また、複数台廃棄する場合、1台1台のハードディスクに保存されたデータの取扱い方法は、これまでどのように行われてきたのか伺います。今回は、これまでに経験したことがないような台数になることも予想されますので、今までのような廃棄の方法では情報管理が不十分であり、万が一の見落としにより市民の個人情報が流出してしまうといったことが起こらないような対策を講じる必要があると思いますが、お考えを伺います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)秋元議員の御質問にお答えします。
ただいま財政問題について御質問がありました。
初めに、経済状況に関する所感についてですが、6月に公表された内閣府の月例経済報告や北海道経済産業局の「最近の管内経済概況」の基調判断では、国にあっては着実に持ち直し、北海道にあっては持ち直しの動きとしております。このことから、国及び北海道においては、春ごろから経済状況に改善傾向が見られておりますが、本市の経済状況は、原材料費や燃料費の高騰、さらには電気料金の値上げが予定されており、加えて国の経済対策の影響が不透明なことから、不安感もあわせ持っているところであります。
次に、市長公約の中で実施できていない政策についてですが、公約である地域経済活性化や住みやすい環境整備などの五つの基本目標と、新市立病院の建設や保育所施設の整備など7つの重点公約につきましては、それぞれ着実に取り組んできたものと考えております。しかしながら、財政の健全化につきましては、平成24年度と25年度は、他会計からの借入れを行わないで予算を編成しましたが、50億円を超える他会計などからの借入れが残っていることから、まだまだ道半ばであるものと考えております。
次に、残りの任期約2年でなし遂げたい政策や事業についてですが、人口の減少が続く本市の現状を踏まえますと、特に20代から30代の若い生産年齢人口の減少を食いとめることが重要であり、若い人たちの定着が、結婚や子供を生み育てることにつながっていくものと考えております。そのためには、安定して働くことができる雇用の場の創出が必要でありますので、地場企業の支援や企業誘致のほか、交流人口の拡大を図るクルーズ客船誘致への対応、新たな観光の魅力づくりなどを進めており、こうした地域経済の活性化に向けた取組や子育て環境の整備に今後とも力を注いでまいりたいと考えております。
次に、平成23年度決算と比べた市税の減収の要因についてですが、市税収入の24年度決算見込額は、前年度と比べ約3億5,200万円の減、約135億4,300万円となる見込みであります。
減収の主な要因といたしましては、固定資産税・都市計画税が評価替えの年に当たり、土地については地価の下落傾向が続いていること、家屋については既存家屋の経年劣化等により評価額が減少したことなどで約5億7,900万円の減収、たばこ税が販売本数の減少から約2,300万円の減収となる見込みであります。
次に、市税収入の考えや対策についてでありますが、市税収入全体の増加につなげるには、地域経済を活性化させることが重要なことであり、中小企業の振興や市内産業の活性化に努めるとともに企業立地の促進にも一層努力していかなければならないと考えており、平成25年度予算においても経済・雇用対策を重点的に取り組む分野の一つとしたところであります。これらの施策の効果に期待するとともに、市税収入の確保に向けて、滞納者に対する電話や文書による催告のほか、給与や預貯金、不動産などの差押えを引き続き行ってまいります。
次に、ウインドウズXP更新問題についてですが、まずOSごとの台数について、本年5月1日現在、庁内LANのネットワークで使用しているパソコンは1,246台で、そのうちウインドウズXPが600台、ウインドウズ7が646台であります。
次に、システムや調達方法のこれまでの状況と今後の考え方についてですが、まずシステムについては、これまでは1台1台のパソコンにデータやシステムなどの機能を持たせた機器を調達しておりましたが、今後はセキュリティ面の強化などから個々のパソコンではなく、サーバ側にデータやソフトを置き、職員が業務ごとにサーバ側にあるプログラムを各自のパソコンで操作するシンクライアントシステム方式により、システムを導入する考えであります。
調達方法については、従来はパソコン機器単体の調達でありましたので、市のパソコン仕様にて見積り合わせで納入事業者の選定を行った後、機器リース事業者による指名競争入札を行っておりました。今後は、機器調達よりもシステム構築の比重が大きくなることから、シンクライアントシステム調達として一括契約をいたしますので、システム開発事業者による一般競争入札を考えております。契約方法についても、システム開発事業者と市による契約又はリース事業者も含めた3者契約を想定しております。
次に、本庁以外での部局での調達方法等についてですが、XP仕様のパソコンについては、水道局及び病院局の業務用パソコン、小・中学校用のパソコン、いずれも今後更新していく予定であり、その調達方法については、従来の本庁と同様、納入事業者の選定を行った上で、指名競争入札によるリース契約などで調達するほか、既に導入しているシステムの更新に合わせて、一体で調達するものであると聞いております。
次に、XPの更新費用の試算と更新時期についてですが、費用としては、XP以外も含めた全体のシンクライアントシステムと機器を合わせて6年間リースで約2億3,800万円と試算しており、平成25年度当初予算で債務負担行為として計上しております。
また、更新時期については、平成26年度上半期のできるだけ早い時期を考えております。
次に、周辺機器の互換性についてですが、プリンタ関連を中心に調査を進めておりますが、周辺機器は既に更新予定のOSに対応しており、現時点では互換性に問題ないと考えております。
次に、市のパソコンを廃棄する場合の流れと保存データの取扱いについてですが、庁内で使用不要になったパソコンについては、従来より情報セキュリティマネジメントシステムについて、国際認証を取得している廃棄事業者に業務委託し、ハードディスクや記憶メディアに残存する一切のデータを消去させた上で廃棄処理を行っております。廃棄処理業務終了後は、業者から業務完了報告書を提出させており、報告書にはデータ消去証明書、データ消去作業品目リスト、1台1台のハードディスクの作業前後の破砕写真、管理番号等の剥離シール、産業廃棄物管理票などを添付させ、これらにより処理が完了していることを確認しております。
次に、廃棄台数の多さによる個人情報流出などへの対策についてですが、ただいま答弁しましたようにパソコンの廃棄については、これまでも国際認証を取得している廃棄事業者に処理をさせ、データ廃棄を含め、1台ずつ廃棄処理の完了を確認できている状況ですので、今後処理台数が増加したとしても、従来どおりの確実な処理を業者に指示し、また市としても業務が完了していることを確認するなど、個人情報が流出することのないよう万全を期してまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)1番、秋元智憲議員。
(1番秋元智憲議員登壇)
○1番(秋元智憲議員)2項目めについて質問いたします。
小樽のまちづくりの観点から伺います。
小樽は、ニシン漁や北前船の入港に伴う港湾の発展、そして石炭輸送のかなめとしての鉄道整備で早くから栄えてきました。今でも市内随所に当時の面影を感じることができ、改めて小樽のよさを再認識しているところです。日本国中どこに行っても小樽の知名度は高く、特に視察などで行ったまちの職員や議員のほとんどが一度は小樽に行ったことがあるとの話を聞くと、大変にうれしくも感じます。
現在の小樽市が抱える問題や課題、社会情勢などを考えるとき、現状を打開し、小樽市が将来発展していくためには、中松市長が言う市民力と協働が必要であり、不可欠であると思います。くしくもあの昭和40年代から約10年にも及んだ運河論争が小樽の名を全国に広げたように、賛否は別とし、市民の小樽に対する愛着や郷土愛を育んでいくことが必要なのだと考えますし、まさにまちづくりは人づくりと言われるように郷土小樽に誇りを持って生きる人材を育てることが重要であります。それにはまず小樽を知ることでありますが、これまでいろいろな形で市民に対して、小樽市のあらゆる情報を発信してこられたと思いますが、私自身議員という立場になり、初めて知ることも多く、改めて本市について勉強する機会もあり、もっと早い段階で郷土小樽について詳しく学んでおくべきだったと痛感しているところであります。
そこで、教育に関連して伺いますが、本市について社会科の副読本「わたしたちの小樽」を使い、学ぶ機会もあると認識しておりますが、それ以外で地域学習など、小樽市の景観や歴史などを学ぶ機会については、どのような現状なのか伺います。
また、その中で学ぶ内容についてもお知らせください。
小樽では、明治9年には太政大臣三条実美が小樽八景を選んでいたということもあり、小樽八区八景を選定していますが、そもそもこの選定に当たり、どのような考え方、理念に基づき進められたのか、その効果や市民への周知、今後の考え方について伺いたいと思います。
第6次総合計画には、「都市景観意識啓発事業」が記載されています。この事業は、歴史的建造物めぐりと八区八景めぐりなどの実施により、景観に対する意識の向上を図り、市民の自主的、積極的な景観形成活動を促進するとされております。
第6次総合計画は、今年度で前期実施計画が終了し、現在、後期実施計画の検討を行っていると思いますが、目標値があまりにも過小すぎるのではないでしょうか。目的や理念に照らし、小樽市の本気度が伝わってきません。例えば、オープンハウス・ロンドンなどを参考に、民間と行政が協力し、市民の意識を高めていくなど考えられないでしょうか。市長はいかが感じられますか、伺います。
次に、歴史的建造物について質問します。
小樽を語る上で、歴史的建造物は、後世に残していかなければならない重要な歴史遺産であり、産業遺産であることは今さら言うまでもありません。しかしながら、年月とともに経年劣化が進行していくのも避けられない事実であり、いかに一番いい形で保存をし、活用していくかが課題であります。市では昭和58年3月、小樽市歴史的建造物等保全審議会から歴史的環境の保全についての答申を受け、同年第4回定例会に小樽市歴史的建造物及び景観地区保全条例案が提出され、満場一致で可決し、文化財保護法によらない全国的にも珍しい条例が施行されました。この条例は、平成4年に「小樽の歴史と自然を生かしたまちづくり景観条例」の制定により廃止されましたが、当初の理念は引き継がれ、現在に至っております。
そこで伺います。昭和60年、同条例に基づき初めて歴史的建造物13棟が指定されてから約28年が経過しておりますが、歴史的建造物の指定数の推移についてお知らせください。
また、昭和58年の条例制定時には、外観の修理に要する経費について3分の1、限度額1,000万円を補助していましたが、現在までの維持・補修に係る助成額の推移と助成限度額変更に至った理由について伺います。
これまでに指定を受けた建物が維持できずにやむなく解体された件数と、解体されるまでには市としてどのような対応をされてきたのか、お聞かせ願います。
市外から来られた方の話を伺うと、確かに外観は見られるが内部はなぜ公開していないのかと、よく言われます。やはり小樽へ観光に来る方の中にも歴史的建造物の見学を楽しみにして来る方も多いのではないでしょうか。
そこで、現在の市の助成制度では、内部の維持・保存は助成の対象とはなっていないために、改修費用などの面から維持できずに歴史的価値が失われていくという現実もあります。今後、老朽化や耐震化等の相談があった場合は、これまでどおりの対応をされるおつもりなのでしょうか。この点について、対応などを伺いたいと思います。
第6次小樽市総合計画前期実施計画では、歴史的建造物等保全推進事業として、平成21年度から25年度までの5年間で5,070万円しか予算がない中で、本当に歴史、産業遺産を守っていくことができるのか、大変不安に感じます。まだ最後の年度途中ではありますが、現在までのこの5年間の歴史的建造物等保全推進事業執行率と執行金額についてお知らせください。
また、この結果を踏まえ、内外部の維持・保存、活用について、現条例の助成率や限度額等見直しを考えるべきと思いますが、市長の御見解を伺います。
次に、歴史的建造物周辺の景観についてです。
市は、今年度当初予算で、重要文化財旧日本郵船株式会社小樽支店を改修するために1,197万円が計上され、まずは来年度までの現状調査を行い、補修計画策定に取りかかるとのことであります。これまで修繕をされてきた経緯や明治39年に落成した建物の老朽化の進行状況は大変に心配するところであります。平成21年度には、周辺の電線類地中化事業費9,000万円を使い整備されましたが、周辺整備という観点では、まだ課題があるのではないかと感じます。
そこで、一つだけ例を挙げ質問しますが、小樽運河クルーズは、比較的当時の面影を残す北運河の石づくり倉庫や旧日本郵船を船上から見られるという魅力ある取組であります。先日、市民の方から要望がありましたが、市民の方いわく、電線の地中化により運河公園の噴水や南防波堤にゆかりのある伊藤長右衛門、北防波堤にゆかりのある広井勇両氏の胸像があり、この一体となったロケーションは誇れるものであります。しかし、この周辺には運河公園を利用している人などの車が駐車され、すばらしい景観の妨げになっておりますが、市として対策を講じる考えはないのか伺います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、まちづくりについて御質問がありました。
初めに、小樽八区八景についてでありますが、小樽八区八景は、次代を担う子供たちが郷土を愛し、未来に誇りが持てるように小樽の個性と文化を育て、良好な都市景観を後世に残し、潤いと活力のあるまちづくりを進めるという景観条例の理念を市内各地域に広げるために市内を地形的な特徴などから八つの地区に区分し、それぞれ地区を代表する景観八つを選び出したものであります。
選定による効果としては、市民の景観に対する理解や意識の向上につながっているものと考えており、市民周知につきましては、ホームページにその内容を掲載するとともに、市民参加による八区八景めぐりやパネル展の開催などを行っております。今後も、市民の景観意識をより高めるために、小樽八区八景を活用していきたいと考えております。
次に、都市景観意識啓発事業の目標値の設定についてでありますが、歴史的建造物めぐりと八区八景めぐりの平成30年度の目標値につきましては、過去の実績を踏まえて決定したものでありますが、今後もより多くの市民に参加していただけるよう開催方法などについて検討してまいりたいと考えております。
また、景観形成活動での民間と行政の協力という観点から御紹介のありましたオープンハウス・ロンドンにつきまして、今後その手法などについて研究してまいりたいと考えております。
次に、指定歴史的建造物の指定数の推移についてでありますが、昭和60年7月に市役所本館を含む13棟を初めて指定し、10年後の平成7年度末には62棟、20年後の平成17年度末には67棟となり、28年後となる現在は、当初より58棟多い71棟を指定しております。
次に、指定歴史的建造物の外観の維持・補修に対する助成額の推移などについてでありますが、助成額の推移は、助成制度が初めて利用された昭和61年度には約180万円でしたが、北海道の補助制度があった平成4年度から平成14年度の11年間では、金額にばらつきがありますが、約260万円から6,400万円となっており、補助制度がなくなった平成15年度以降は、約200万円から800万円の間で推移しております。
助成限度額の変更については、制度創設当初は建物の構造を問わず1,000万円としていたものを、北海道の補助制度の創設をきっかけに平成5年度から木造以外を2,000万円に変更しました。その後、平成15年度に北海道の補助制度がなくなったことから平成15年度と16年度にそれぞれ20パーセントずつ減額し、さらに平成17年度からは、本市の厳しい財政事情も重なり、限度額を600万円としたところであります。
次に、指定歴史的建造物の解体件数と解体に至るまでの市の対応についてでありますが、これまで老朽化等により維持できずに解体された件数は2件であります。このうちの1件の例では、解体の2年前に所有者の引っ越しに伴う指定解除の相談を受け、現地調査を行うとともに市景観審議会へ報告し、空き家となった後も指定継続に向けて協議を続けました。しかし、1年後に屋根の一部が台風の被害に遭ったことから、改めて所有者が指定解除の相談に見えられ、建物の状況から判断して指定解除申請を受理しました。その後、指定解除について、市景観審議会の意見を求め、指定解除はやむなしという判断に至り、建物は解体されました。
次に、今後相談があった場合の市の対応についてでありますが、建物の使用に影響を及ぼさないために内部には規制をかけないというのが市の基本的な考えであり、内部改修は助成対象にはしておりません。
しかし、たとえ内部であっても構造上必要な柱やはりなどの補強工事は、現行制度の中でも助成対象にできるものがあり、相談があった場合には説明していきたいと考えております。
次に、歴史的建造物等保全推進事業のこの5年間の執行率と執行金額についてでありますが、平成21年度から25年度の現時点までの執行率は約61パーセントで、執行金額は3,083万円となっております。
なお、助成率や助成限度額等の見直しについては、本市の厳しい財政事情の中、現時点では難しいものと考えております。
次に、北運河周辺の駐車車両についてですが、一般的に駐車禁止措置は、駐車車両により車両の通行や歩行者の安全が妨げられる場合に実施されますが、北運河沿いの市道運河通線は、交通量が少なく通行車両等への影響もほとんどないということで、近隣の事業活動に伴って一時的に駐車する場合などを考慮して、駐車禁止措置をとっていないものと理解しております。このような状況の中、クルーズ船からの景観という見地からの駐車禁止措置が可能であるかについては、小樽警察署と協議してまいりたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)ただいま、まちづくりについての御質問がありました。
小樽を知る教育についてでありますが、小樽市の景観や歴史などについて学ぶ機会の現状、また、その中で学ぶ内容についてでありますが、本市においては、各小・中学校で小樽の身近な地域の自然や歴史、伝統、文化、産業などに関するさまざまな取組が行われておりますが、その特徴的なものを挙げますと、色内小学校では、おたる案内人ジュニア育成プログラムとして、ふるさと小樽への愛着と社会性を育むことを目的に小樽の歴史や歴史的建造物などについて学び、その成果を生かして観光客へのガイド体験活動に取り組んでおります。
また、緑小学校では、次代を担う子どもの文化芸術体験事業の一環として、旧岡崎家能舞台の模型づくりを通して、地域の伝統的な建物や歴史について学ぶ取組を行っております。
さらに、向陽中学校では、観光ガイドクラブの会員を講師に招き、小樽の歴史と職業の変遷の講義の後、青年会議所と連携を図りながら職場訪問を実施するなど、キャリア教育の充実にも取り組んでおります。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)1番、秋元智憲議員。
(1番秋元智憲議員登壇)
○1番(秋元智憲議員)それでは、3項目めについて質問いたします。
本市事業と事務事業評価について伺います。
これまで私はもちろん、公明党小樽市議団としても、小樽市における事務事業評価の本格的な導入に向け、何度となく議会で発言してまいりました。事務事業評価は、事業の効率化やコスト削減面での効果は言うまでもありませんが、市職員の事業コストや事業の効率化などの意識改革を進めるためにも重要だと話をしてきましたが、中松市長が市長選挙において公約とした行政評価は、具体的に何を目的とし、どのような効果を出すお考えなのか、伺います。
昨年よりこれまでの事業評価の実績を踏まえて134事業の評価を行い、今定例会でその結果について報告があるものと認識しておりますが、市長の任期も折り返しを過ぎました。任期中の本格実施、導入に向けての試行だと思いますが、ちょうど1年前にも伺いました導入時期について、改めて具体的なスケジュールをお知らせください。
平成20年の三菱総研の行政評価の調査では、2009年に導入済みの都道府県は91.5パーセント43都道府県、市区では72.4パーセント355市区であり、都道府県ではほとんどのレベルで大半が成果は上がっていると回答、市区でも50パーセントを超える自治体で効果があったといいます。
しかし、実際は、事業数が減ったり、コスト削減、事業の効率化の効果は実感が少なく、成果を実感した要因は都道府県、市区で職員の意識向上が最も多く、一方で行政評価担当者からは、やらされ感、作業負担の増大などの指摘があったとのことで、実際に多くの事務事業評価シートには拡充、継続が多く現状維持との評価がほとんどで、縮小や要改善は、ごく少数でありました。
これまで私が視察した自治体でも、やはり最初は職員のやらされ感や事業を評価する作業の負担感が懸念されていたそうですが、時間をかけ職員に対し事業の目的や必要性を説明し、一定の効果を出すことができたとのことでありまして、小樽市で本格導入に至ったとしても効果が得られるまでには数年の時間がかかるものと思われますが、これまで述べたような他市の実施状況の結果などについて、率直に市長はどのような御感想をお持ちでしょうか。
また、多くの自治体で効果があったものの、事業評価では継続や現状維持が多く、事業数削減や効率化にはなかなか結びついていないという結果に対し、その原因はどこにあると感じますか、伺いたいと思います。
バブル崩壊後、経済状況は世界的な景気の低迷が続き、自治体財政にあっては、どの自治体も歳入の減少、歳出の大幅な増加により財政状況は悪化の一途をたどっています。
また、このような厳しい社会状況の中で、毎年職員数を減らす一方で、事業数はほとんど減ることはなく、1人の職員に係る業務量は10年前、20年前と比べ、大変な負担になっているのではないかと考えます。だからこそ、事業数の適正化や効率化を図る上で、統合廃止を進めるべきだと思います。
そこで、今回示される予定の事務事業評価の評価結果は、どのように活用されるおつもりでしょうか、市長の御見解を伺います。
また、結果についての御感想を伺います。
新市立病院の統合新築に当たり、現病院の経営などについて、外部評価委員会が設置され、有識者の方々から行政サイドでは気づきづらい問題点や課題での指摘をいただき、経営の改善に向け、病院職員が一丸となり取り組まれている姿を通し、改めて内部評価のみではなく第三者の意見を取り入れる外部評価導入により小樽市役所全体の改革に取り組むべきではないでしょうか、市長のお考えをお聞かせください。
次に、生活困窮者自立支援モデル事業について伺います。
去る5月17日、生活保護法の改正案と生活困窮者自立支援法案が閣議決定されました。この内容は、生活保護受給者に対しての自立支援策や貧困の連鎖を断ち切る方策が盛り込まれる一方で、生活保護申請の厳格化も明記され、申請の抑制につながるとの声が上がるのも事実であります。私自身、両者からの意見、相談を聞く機会も多くあり、本当に必要な方がこの制度を利用できるようにするべきであり、自立へ向けて本人はもとより国、自治体として取り組まなければなりませんし、あわせて不正な考え方を抑制するような取組は欠かせないものだと考えます。
2011年度の生活保護不正受給額は総額173億円で、件数にすると約3万5,000件であり、前年に比べ約44億円、約1万件の増加であるとの厚生労働省の発表があり、生活保護費の全体に占める割合では0.5パーセントでありますが、その金額、件数には耳を疑いました。
市民から何度となく、制度の厳格化を国に訴えてほしい、国は何をやっているのだとの意見を聞いてまいりました。納税者側から見ると、自分の納めた税金がどのように使われているのか、使ってほしいのかをはっきりと意思表示することは当然だと言えますし、不正受給者がいることにより本当に必要としている方々までが大変に苦しい思いをしているのも事実です。そんな中、本市においても残念なことに昨年、今年と2件の不正受給者が逮捕されるに至りました。厚生労働省の調査では、不正の内容は就労で得た収入の無申告が一番多く45パーセント、年金の無申告が25パーセント、その他親族から得た仕送りを申告していなかったり、交通事故の示談金を申告していなかったりした事例もあったといいます。不正が見つかったきっかけで多かったのは、自治体による照会や調査が90パーセントですが、平成24年度、本市では何パーセントなのか、また生活保護の収入調査の方法についてお知らせください。
現在、国において、平成27年度からの本格実施に向けて25年度、26年度で生活困窮者自立促進支援モデル事業が実施されることになり、自治体の意向を募っていると聞きます。モデル事業においては、生活困窮者の自立に関する相談支援事業を必須事業として、それ以外の就労準備支援事業等は任意事業とし、人口30万人以上のところについては上限6,000万円、30万人以下については上限4,000万円が補助されるようです。この事業に対する認識を伺います。
本市としては、これまで独自に生活保護者等に対しての就労支援、自立支援を行ってきていると認識しているところであり、今後も積極的に取り組んでいくこととは思いますが、平成23年度、24年度に行ってきた就労支援での実績をお聞かせください。
また、事業継続の上での課題についても伺います。
さきに述べた平成25年度から実施している国のモデル事業では、予算的な措置がされ、私としては、このような事業にいち早く参加し、予算面や人材面での課題を調査し、体制を整えていただきたいと思います。もっと言えば、いずれはパーソナルサポートのような事業の実施への足がかりを整えていただきたいと思いますが、市長の御見解を伺います。
次に、インターネットを利用した選挙活動が7月の参議院議員選挙から解禁されます。
現在の公職選挙法では、選挙活動での使用を認める文書、図画をはがきやビラに限定しており、インターネットの使用は禁止されてきました。フェイスブックやツイッターなどのいわゆるソーシャルネットワーキングサービスによる投票依頼などが可能になるわけですが、今回の法改正では、政党や候補者に限り電子メールでの選挙活動もできるとのこと。
しかし、現状では国民への周知が進んでおらず、私のところへも、何ができて何ができないのかがわかりづらいといった声が寄せられています。今後、どのような方法で市民に対し周知を進めていくのか伺います。
また、初めての試みですので、自治体職員や特に直接対応する選挙管理委員会では戸惑いもあると聞きます。市選挙管理委員会への問い合わせなどがあった場合の対応の統一化などはできているのかについても伺います。今回の法改正の目的の一つに、特に若い世代が選挙に行きやすい環境の整備を行い、投票率を上げるという考え方がある一方で、インターネットで投票ができないので、それほど若い世代の投票率が上がらないのではないかとの声も聞かれます。
しかし、これまでできなかったことができるようになり、少しでも若い世代に政治への関心を高める努力と投票しやすい環境づくりは、これからも進めていかなくてはならないとも感じます。近年の市内での衆議院議員選挙小選挙区での投票率を見たとき、全国平均は2005年67.51パーセント、2009年69.28パーセント、2012年59.32パーセントであり、これに対し小樽市では、2005年69.79パーセントでプラス2.28ポイント、2009年で71.97パーセントでプラス2.69ポイント、2012年56.37パーセントでマイナス2.95ポイントであり、昨年こそ若干低かったものの、毎回全国平均より高い数値を示しておりましたし、平成19年以降に行われた4回の衆参両院の国政選挙では、期日前投票をされた方が、いずれも1万人を超え、投票所の第2委員会室の前の通路に列をつくっている様子が何度もありました。そのような中、以前より市民の方から小樽市での期日前投票所が市役所本庁舎1か所しかなく、遠くて不便だという声を伺いました。本市は東西に約36キロメートルもあり、地域によっては期日前投票所になっている市役所まで車を使っても20分から30分以上もかかり大変だといいます。高齢化が進む本市では、これまで以上に市民が投票しやすい環境整備を望むものです。
総務省では、「投票所及び期日前投票所は、投票の秘密や選挙の公正を確保するために必要な場所及び設備を有し、投票所の秩序を適切に保持することができる場合には、駅構内やショッピングセンター等頻繁に人の往来がある施設においても設置することが可能であるので、当該施設への設置について十分検討の上、積極的に措置すること」との考えを示しておりますし、設置に係る借上料を要する場合の加算規定が設けられたことからも、高齢化や地理的要因も考え、東西に1か所ずつの期日前投票所の設置や商業施設への設置を考えるべきではないでしょうか。
既に他市では、期日前投票所を数か所設置したり、多くの市民が集まる商業施設などに設置する取組をしているところもあります。那覇市では今年から2か所の商業施設に設置するそうですし、松本市は駅構内、高松市では駅地下の広場などへの実績も既にあります。
そこで、仮に東西に1か所ずつ増設するとすれば、会場費や人件費などに係る予算は幾らほどと試算できますか。本市の商業施設やアーケードでの実施を考えるとした場合の課題についても伺いたいと思います。
以上、各項目において再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま本市事業について御質問がありました。
初めに、事務事業評価についてですが、その目的といたしましては、継続して業務の改善と改革を行うPDCAサイクルを確立し、持続可能な自治体経営につなげていくものであります。効果といたしましては、選択と集中の観点を持って、各事業の今後の方向性を整理することにより、限られた行財政資源を効果的に配分することができるほか、職員の業務に対する目的、成果、コスト意識の醸成を図ることなどが挙げられます。
次に、導入時期の具体的なスケジュールについてですが、昨年度は平成18年度以来となる試行として実施しましたが、その中では各部が作成する評価調書の内容のほか、予算へ反映させるための実施スケジュール、客観的な判断材料の一つとなる成果指標の設定など、幾つかの課題が明らかになったところであります。今年度は、それら課題の解決に向けた試行として引き続き取組を継続し、平成26年度からの導入を視野に、評価手法の確立を図りたいと考えております。
次に、他市の実施状況に対する感想についてですが、行政評価には決まった手法というものがないことから、本市においても評価方法の検討を行いながら、これまで数度の試行を実施してまいりました。他の自治体の状況を見ますと、やはり試行錯誤しながら時間をかけて取り組んでいる様子が見受けられることから、継続して取組を進めていくことが重要ではないかと考えております。
次に、多くの自治体において事業数削減や効率化になかなか結びつかない原因についてですが、各自治体においては、対象事業の選定方法や外部評価の導入など評価の手法が異なるため、一概に原因を特定することはできませんが、多くの事業を対象とすることにより、効果的な評価が難しくなっていることのほか、行政内部だけの自己評価となっていることなどが原因ではないかと考えております。
次に、本市における平成24年度行政評価結果の活用と結果に対する感想についてですが、評価結果は、平成25年度予算編成の参考資料として、活用可能な限り、予算や事業内容の改善に反映させたところであります。
一方、今回の試行は、その作業の遅れから予算に反映させるための時間が十分にとれなかったこともあり、引き続き検討を継続する事業がありますので、それら事業につきましては、検討状況の確認を行ってまいりたいと考えております。
今回の結果がすぐに大きな効果を生むものとは考えておりませんが、継続して取組を進めることが職員の業務に対する意識の向上や、事業の選択と集中などに確実に結びついていくものと考えているところであります。
次に、第三者の意見を取り入れる外部評価の導入についてですが、今年度は平成24年度の試行を踏まえ、評価調書や設計、予算の反映に向けたスケジュール管理など、評価手法の確立に向けた取組を進めてまいりたいと考えておりますが、外部評価につきましては、今後の課題の一つであると認識しておりますので、その有効性などについて、引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、生活困窮者自立支援モデル事業についてですが、まず本市において生活保護の不正受給が見つかったきっかけについて、市の照会や調査によって判明したものは、平成24年度では、約95パーセントとなっております。
また、生活保護の収入調査の方法についてでありますが、生活保護受給者からの収入申告や会社への照会による調査のほか、毎年、課税部局への照会により、本人からの生活支援課への収入申告額と課税部局への所得申告額との突合作業を行っているところであります。
次に、生活困窮者自立支援モデル事業についての認識でありますが、この事業については、本年4月16日付けで北海道から通知が来ており、生活保護の受給に至る前の生活困窮者に対する就労支援と相談支援の体制を構築し、自立に関する総合的な取組を実施する事業であると承知しております。
次に、就労支援の実績でありますが、平成23年度については、就労相談人数は延べ1,252人で、そのうち就労した人数は延べ139人、平成24年度については、就労相談人数が延べ1,445人で、就労した人数は延べ202人でありました。このほかハローワークと連携した就労支援により、平成23年度は10人、平成24年度には100人が、それぞれ就労したところであります。
また、事業継続の上での課題についてでありますが、資格や学歴で就労が困難な場合があること、就労しても人間関係等の問題で長続きしない場合があることなどが課題であると考えております。
次に、生活困窮者自立支援モデル事業への参加についてでありますが、事業実施のためには、職場スペースや人員配置の問題、また福祉分野だけではなく、ほかの分野との連携も必要となることなど、さまざまな課題もありますが、平成27年度からの本格実施を見据えた上で、平成26年度から実施が可能なのか今後検討してまいりたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)選挙管理委員会委員長。
○選挙管理委員会委員長(大渕勝敏)秋元議員の御質問にお答えいたします。
選挙関係について御質問がございました。
初めに、インターネット選挙における市民への周知方法についてでございますが、現在、市のホームページやフェイスブックを活用し、周知しているところでございますが、今後はこれらに加えまして、広報おたるや町会を通しての参議院議員選挙チラシにより周知を図ることとしております。
また、あわせて、他都市を参考にいたしまして、ホームページの充実を図り、市民啓発に努めてまいりたいと考えております。
次に、選挙管理委員会に対する問い合わせなどの対応についてでございますが、初めてのネット選挙であり、さまざまな問い合わせが寄せられることも想定されますので、これらに対しましては、選挙管理委員会内での情報の共有を努めることとともに、必要に応じ北海道選挙管理委員会や他の自治体、さらには警察署と連携を図り、適切に処理してまいりたいと考えております。
次に、期日前投票所の増設経費についてでございますが、会場によっては、工事費や新たな備品の購入などにより、その経費は大きく変動することが考えられます。そのため、これらを除き、開設期間や時間を現在の期日前投票所と同一とし、参議院議員選挙での経費で説明いたしますと、期日前投票所1か所につきパソコン機器等の初期経費が約50万円、人件費等の運営費が約200万円の計250万円で、2か所設置の場合には約500万円相当が見込まれます。
次に、商業施設などで開設した場合の課題でございますが、期日前投票所の増設には、開設経費や職員の確保の問題がありますので、これらの課題に加えまして、商業施設での開設は、市の施設に比べ、民間施設の借り上げのための継続的な借用が担保しにくい、また衆議院の解散等による突発的な選挙に対応することも考えられますので、この点が危惧されているところでございます。
さらには、受付パソコンを本庁舎の選挙システムと連携するための安定的なネットワーク環境の構築や選挙会場のセキュリティの確保などが課題と思われます。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)1番、秋元智憲議員。
○1番(秋元智憲議員)何点か再質問をさせていただきます。
まず歴史的建造物の考え方ですけれども、詳しくは予算特別委員会で伺いますが、市長としての歴史的建造物を維持・保存していく、また、さまざま観光面でも活用していくという部分を考えて、確かに財政的な制約は当然あると思うのですが、先ほども質問しましたように、平成21年度から25年度までの5,000万円の予算で本当に維持していけるものなのかということを非常に心配しているのです。執行率等も伺いましたが、そこが非常に心配しているところです。確かに民間の方の持ち物であったりしますから、市としてなかなか介入できない部分もあると思うのですが、実際、小樽のまちの将来にわたってのまちづくりをどういうふうに考えていくかという部分では、しっかりと今、維持・保全について確立した考え方を持っていかなければいかないと思います。
私たち公明党小樽市議団としても、いろいろと他市を視察させていただきまして、歴史的建造物に対する考え方などを伺ってまいりましたが、本当に簡単な問題ではないですし、お金が一番かかるということで、非常に難しい問題だとは思うのですけれども、特に運河周辺の一般の民間の方が持っている建物については、開放されずそのままになっているものも多数ありますから、私としては、そういう方といろいろと協議をする中で、例えばどういうふうに活用していくのかということも、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思いますので、そういうことも含めて市長の考え方を伺いたいと思います。
次に、北運河周辺の景観のことですが、駐車禁止にしていいのかどうかということは一概には言えませんけれども、ただ一つとして、運河クルーズにたくさんの方が乗って北運河の端まで行き、旧日本郵船を見られるようなものがあるのに、実際には見られずに帰ってしまうということがあるわけです。せっかく市として電柱の地中化をして景観を高めることをしてきているのに、そういう状況も含めて、どういうふうに考えるのか、仕方がないということでいいのかということで、その点も伺いたいと思います。
次に、事務事業評価の外部評価についてですが、市立病院の外部評価委員会の話もさせていただきましたけれども、その都度、市立病院調査特別委員会の中でも報告等を見させていただいておりまして、やはりいろいろな視点から指摘をいただいて、非常に効果があるものだというふうに感じております。だからこそ、この事務事業評価については、ぜひ外部の目も入れて、ある意味、内部評価だけに頼らない、外部の目を入れた非常に厳しい評価も必要なのではないかという部分で、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思いますので、この点について、もう一回答弁をいただきたいと思います。
平成25年度も実施するということでしたが、私は無理して25年度は継続しなくてもいいのかというふうに思っていまして、26年度、もし市長が本格的に導入するという考えがあるのであれば、準備期間として、昨年度は非常に事業数が多くて、職員の皆さんも御苦労されたと聞いていますので、しっかり準備するという意味でも、もしかしたら25年度は実施、試行しなくてもいいというふうに思ったのです。市長は25年度も実施するということで、詳細は総務常任委員会で報告されるというふうに伺っておりますが、25年度も試行されるということでいいのか、もう一度確認させてください。
次に、生活保護のモデル事業ですが、これも実際に、国から連絡があったのが遅かったというお話を聞いておりまして、6月3日ぐらいまでに返事をしなければいけないというふうに伺っていたのですけれども、いろいろと調べますと、6月いっぱい、7月の頭ぐらいまでは話が聞けるというお話もありました。少し細かくなるとあれですけれども、そういう新しい事業に向けて、市としてたぶんいろいろな情報を模索しながら入手されていると思いますけれども、私としては、そういう新しい事業は、体制も含めて、問題、課題はあると思うのですけれども、財政面での支援もありますので、ぜひ積極的に考えていただきたいと思います。今回は、間に合わないというお話だと思うのですけれども、今後も引き続き、ぜひ考えていただきたいというふうに思います。
最後に、選挙管理委員会に伺いますが、期日前投票所の試算を伺いました。予算の問題もあると思うのですけれども、私としては、現在、高齢化が進み、これだけ期日前投票所に来る方がたくさんいる中で、東西に1か所ずつ欲しいという声は、非常に切実なものだと考えます。予算面もそうですが、将来的に必要があるのかないのかという話を伺いたいと思います。また、インターネット選挙の対応については、どこの市町村でも悩みが多いみたいですが、本当に統一した対応ができるのか。一部聞きますと、小樽市で対応できないものは、警察などにすぐつないで電話をしてもらうような対応しかできないということですが、本当にそういう対応になってしまうのかということを確認したいと思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)秋元議員の再質問について、答弁をさせていただきます。
最初に、まちづくりに関連いたしまして、歴史的建造物の保全につきましては、やはり歴史的建造物というのは、何といっても私ども小樽の財産であると思っておりますので、今後ともそういった歴史的建造物の保存については、財政の許す限り取り組んでいきたいというふうに思っておりますが、いかんせん今、足元の財政が大変厳しい状況にありますので、どこまで取り組めるかというのは、ここで約束できませんけれども、できるだけ歴史的建造物の保存については取り組んでいきたいというふうに思っております。
それから今、運河クルーズに絡めて駐車車両の話がありましたけれども、これも今、警察署といろいろと取り組んでおりますし、せっかく運河クルーズのボートに乗っていただいた観光客あるいは市民の皆さんのボートからの景観が非常に遮られるということもありますので、そのあたりをどうしていったらいいのか、市としても限度がありますので、小樽警察署ともよく相談していきたいというふうに思っております。
次に、事務事業評価のことにつきましても御質問がありました。
やはり事務事業評価をするということは、行財政の資源をいかに効率的に効果的に配分するかというような問題もありますし、事務事業評価の作業を進めている中で、職員の意識改革あるいは職員として何をどうやらなければいけないのかということも大事なことだろうと思っておりますので、これについては今後とも取り組んでいきたいと思っております。また、私自身も、別なところでありますけれども、外部評価委員などを仰せつかって外部評価をさせていただいたこともありますが、これは客観的に物事を見るといったようなことから言うと、やはり大事なことだろうというふうに思っております。先ほど答弁させていただきましたように、今後、前向きに外部評価の導入について取り組んでいきたいというふうに思っているところでございます。
その他については、担当部長から答弁をさせていただきます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)福祉部長。
○福祉部長(三浦波人)生活困窮者自立支援モデル事業についてでございますが、市長答弁にございましたように人員配置、それから職場スペースのこと、それから他分野との連携システムの構築といった比較的準備時間のかかる大きな課題がございますので、これらについて今年度、可能性について検討しながら進めていきたいというふうに考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)総務部長。
○総務部長(迫俊哉)事務事業評価について、再質問にお答えします。
平成25年度については、継続をしなくても、準備の期間に当ててもいいのではないかという御質問がございましたけれども、平成24年度に事務事業評価の試行に取り組みましたが、作業時間が少し遅れてしまったということで、十分に予算に反映させることができなかったという反省点があります。今年度はそういった反省を踏まえて、1年間かけて事務事業評価に取り組んで、実際の予算に反映できるかどうかを考えていきたいと思っておりますので、予定どおり25年度は継続して実施させていただきたいというふうに考えているところでございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)選挙管理委員会委員長。
○選挙管理委員会委員長(大渕勝敏)秋元議員の再質問にお答えいたします。
期日前投票の効果は、相当期待できる部分でございますが、まず商業地域などでは、市民が買物時に気楽に投票できるという環境もあり、投票率の向上につながるということも考えられます。そのために期日前投票所の増設につきましては、選挙管理委員会でもいろいろと議論しているところでございますので、今後、他市の動向を踏まえまして、検討を加えていきたいと考えております。
次に、インターネット選挙についてでございますが、まず、まだ出たばかりで、各町村や北海道選挙管理委員会に聞いても、それ相当の情報を得られるわけではございませんが、ただ心配されることは、なりすましや中傷についての相談、それらのことが想定されるのと、初めてのネット選挙における簡単な御質問や事例についてはよろしいのですが、事案ごとに選挙管理委員会で対応しまして、それを振り分けていかなければならない、それが議論に値するのかということを検討していかなければなりませんので、慎重に対処してまいりたいと考えています。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)1番、秋元智憲議員。
○1番(秋元智憲議員)詳しくは予算特別委員会で行います。ありがとうございます。
○議長(横田久俊)秋元議員の会派代表質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時21分
――――――――――――――
再開午後2時45分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、会派代表質問を続行いたします。
(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)16番、林下孤芳議員。
(16番林下孤芳議員登壇)(拍手)
○16番(林下孤芳議員)平成25年第2回定例会に当たり、民主党・市民連合を代表して質問いたします。
まず、地方交付税の削減と小樽市の財政展望について伺います。
小樽市は、小泉内閣時代の三位一体の改革による地方交付税の削減や補助金の削減、バブル崩壊後の経済対策に伴う市債償還の増加、景気の低迷と人口減少による市税収入の減少、扶助費、国保事業、医療助成などの財政負担の増加などによって深刻な財政危機に直面し、財政健全化計画などによる事務事業の見直し、職員給与の独自削減や期末手当の削減、他会計や基金からの借入れによる財源対策を実施し、財政の健全化に取り組みました。何より平成16年度から9年間に及ぶ給与の削減総額は65億5,200万円にも及び、財政の健全化に大きな役割を果たしました。また、民主党政権発足以降の平成20年度からの地方交付税の増額も、小樽市のみならず全国の地方自治体の財政健全化に大きく貢献したと確信しているところであります。
昨年の政権交代によって発足した第2次安倍内閣は、経済政策優先で円安・株高を誘導し高い支持率を維持して、経済界、学者、文化人からの批判や懸念もほとんど報道されることなく、自民党安倍政権は、まさに順風満帆の状態が続いております。
しかし、地方交付税を地方公務員の給与削減に関連づけて削減するなどの措置は、これまでの地方自治体が独自に取り組んできた財政健全化の努力を無視し、地方自治体に対する国の支配介入であり、定着した地方分権の流れに反するもので、到底理解されるものではありません。本市は、これまで国に先駆けて行財政改革に取り組みましたが、国の指示や強制ではなく、市長や議会、市民の意思に基づき自主的に決定してきました。それが地方自治体運営の基本であり、命であると思います。こうした国の動向から今後の小樽市の財政は極めて厳しくなることが予想されることから、市長に幾つか質問し、見解を求めます。
国は、東日本大震災の復興財源として、国家公務員給与の7.8パーセントの削減を2年間の期間を限定して実施しておりますが、地方公務員にも同様の削減を求め、削減額に相当する地方交付税を一方的に減額するとしています。市長は、国の要請に応じて、5月24日に職員組合に対して4から6パーセントの給与削減に1パーセントの上乗せを提案したと報道されました。
小樽市は、国に先駆けて財政健全化に取り組み、9年間に及ぶ給与の削減を実施してきました。その結果として、小樽市の経済は低迷し、民間賃金も低迷するといった副作用も伴ってきました。安倍政権は、デフレからの脱却、2パーセントの物価上昇を目標に掲げ、経済の建て直しを図るとして、本年の春闘では総理みずから経済団体に直接出向き賃上げを要請するなど、異例の行動はマスコミからも経済の立て直しの決意を示すものとして好意的な報道がなされました。こうした一連の政策と地方公務員の給与削減を強制することは極めて矛盾しており、人事院勧告制度も無視するもので、違法、不当な措置と言わざるを得ません。市長は、こうした点についてどのような認識をお持ちなのか、お示しください。
また、半ば強制的に集められた復興財源が被災地で活用できずに国に返還される事態が生じている例や、民主党政権時代に各省庁の復興予算に関連して、無関係、便乗だと厳しい指摘を受けて削減やカットされた予算が、続々と復活していると指摘されています。
また、当時の国会やマスコミから厳しい指摘に基づき追加された、復興予算を流用しないという条項が消えてしまっていることや、安倍政権が経済政策には膨大な国債を発行して対処しながら、東日本大震災の復興は地方公務員の給与削減で賄うというのは、到底理解されるものではありません。
しかも、見返りは、復活したひもつき補助金による公共工事と言われています。これでは地方自治体がこれまで懸命に取り組んできた財政健全化の努力を無視し、国の膨大な借金を地方交付税の削減という形で地方につけ回すようなもので、国の措置には断固反対の意思を示すべきと思いますが、市長の決意をお示しください。
次に、アベノミクスと言われる経済政策と小樽経済に及ぼす影響について伺います。
アベノミクスは、金融緩和、大幅な財政出動、成長戦略の3本の柱で構成され、これまでの金融緩和、財政出動は、円安・株高の効果をもたらし、経済波及効果も大きく、高級ブランド品が飛ぶように売れている、マンションや戸建て住宅も品薄になっている、中元商戦も高級品の予約が順調などと連日マスコミが報道していますが、地方都市や市民生活にほとんど波及効果は現れていません。むしろ円安・株高によって原材料が値上がりし、市内の事業者からは、大手企業からの値上げ通告が相次いでなされ、小売価格に転嫁できない中小の事業者の経営は大変厳しくなっている、売上げを伸ばしても利益率は悪化しているとの訴えが相次いでおります。
また、燃料の高騰による漁業への深刻な影響はたびたびマスコミにも取り上げられておりますが、バスやハイヤー、タクシー、トラックなどの運輸業や、製造業においても影響は深刻になっていると言われています。そうした現状を反映して、小樽市内で賃金の引上げをしたとの話は聞いておりませんが、市長は、小樽市内の賃金の実態と経済の実態についてどのように把握されているのか、お示しください。
私どもは、アベノミクスが絶好調と言われる最中の先月上旬に上京して、同志社大学大学院ビジネス研究科教授の浜矩子氏の講演を聞いてまいりました。浜教授は、経済のグローバル化が進む中で、我が国の政府と日銀が歩調を合わせて大量の国債を発行して、日銀が買い支え、円安・株高を誘導しても、海外の機関投資家や本当に一部の株主の利益にしかならず、やがて世界各国から批判が出始め、株価は暴落する危険性をはらんでいる。円安効果も多くの資源と原材料を輸入に頼る我が国の経済構造から、輸出産業や大企業、大都市に利益が集中する懸念がある。この経済政策が順調に推移したとしても、地方経済にまで波及効果が及ぶことは期待できないのではないか。市場経済が一部でも回復すれば、金利の上昇は避けられず、長期金利の上昇により、国家財政や地方財政は極めて深刻な事態を迎える危険がある。むしろ経済政策に大量の国債を増発して財政の健全化を怠れば、国際的な信用を失い、日本ショックも起きかねないなどの講演だったと記憶しております。
そして、5月23日、日経平均株価が暴落し、1,143円安、リーマン・ショックを上回る13年ぶりの下げ幅となり、緩和一辺倒への警鐘だ、住宅ローン金利も5月から上昇に転じ、6月にさらに上がる見通しで暮らしにも暗い影を落としているなどと報じられています。私たちも日本発の国際的な信用不安が起きるのではないかと大変驚きました。やはり大切なことは実体経済を上向かせ日本全体の成長につなげることであり、我が国が進むべき道であると思いますが、市長はアベノミクスをどのように評価されていますか。
また、既に住宅ローンの金利、長期金利が上昇するといった影響が出ていますが、市債償還への影響は、どのように見ておられるのかお示しください。
成長戦略が具体的にならず、経済効果は限定的にとどまるとすれば、浜教授が指摘していることが現実味を帯びてきます。地方自治体にとっては、今以上の税収の落ち込みと金利の上昇が続くとすれば、国の政策によって多くの自治体が財政再建団体に転落していく危険性があります。それでも市長は国の政策に従うのですか。どうか、市民のためにも全国市長会と連携して、国に主張すべきことはしっかりと主張していただくことをお願いいたします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)林下議員の御質問にお答えいたします。
ただいま地方交付税の削減と小樽市の財政展望について御質問がありました。
初めに、国からの給与減額措置の協力要請についての認識ですが、本市職員の給与は、人事院勧告準拠を基本に、財政状況を勘案しながら労使合意や議会議論を経て自主的に決定されるものであり、国からの要請は、地方自治の本旨に照らし、極めて不適切なものであると考えております。
また、市としては、これまで実質的に国の要請をはるかに上回る給与の削減をはじめとした行財政改革を進めてきており、これを考慮することなく国並みに給与の引下げを求めることは、まことに遺憾であると考えております。
次に、地方交付税の削減に対する国への意思表示についてでありますが、行政サービスの根幹を支える地方固有の財源である地方交付税を地方公務員の給与削減のために用いることは、地方自治の本旨に照らし、極めて不適切であるものと考えており、これまでも北海道市長会や全国市長会などを通じ伝えてきたところであります。
次に、市内の賃金の実態についてですが、全国的には一部の大手企業が政府からの要請に応え、賃金アップを実施するということは承知しておりますが、厚生労働省が実施している毎月勤労統計調査によれば、道内の平成25年3月の所定内給与は前年同月比でマイナスとなっていることから、市内企業についても同様に賃金は上昇していないものと考えております。
また、経済の実態についても、市内の企業や経済団体からは、円安や株高による好影響よりも、原材料費や燃料費の高騰、さらには電気料金の値上がりのほうが経営に与える影響が大きいと聞いていることから、市内経済は依然として厳しい状況にあるものと認識しております。
次に、アベノミクスに対する評価についてですが、内閣府が今月10日に発表した本年1-3月期における国内総生産成長率の速報値によりますと、実質年率4.1パーセントで2四半期連続でのプラスとなっております。その要因としては、政府は個人消費の増加を中心に安倍内閣の経済政策の効果が現れ始めているものとしておりますが、円相場や株価に不安定な動きもあることから、政権誕生から約半年という短期間の結果のみで評価を申し上げるのは、時期尚早と考えます。いずれにいたしましても、デフレから早期に脱却し、雇用と所得の増加を伴う経済成長を実現できるよう、日本経済再生に向けた政策を着実に実施していただきたいと思います。
次に、金利の上昇に伴う市債償還への影響についてでありますが、今年度の一般会計当初予算では、新学校給食共同調理場や奥沢保育所、学校再編に関連して手宮地区統合小学校の建設など大型な事業を実施し、それらの財源などとして約62億9,000万円の市債の借入れを予定しております。借入時期は来年5月を予定しており、その時点での金利の状況にもよりますが、金利の上昇が続いた場合、市債の借入れに伴う金利負担の増加が懸念されるところであります。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)16番、林下孤芳議員。
(16番林下孤芳議員登壇)
○16番(林下孤芳議員)次に、奥沢水源地の保存と活用について伺います。
奥沢水源地の保存・活用については、昨年8月から検討委員会を設置して、奥沢水源地の歴史、ダムの廃止に至った経緯、奥沢水源地にある既存施設について、現況特性と課題など、多岐にわたる分析に基づき、ビューポイントやゾーニングに至るまでの保存・活用基本構想(案)が取りまとめられ、夢と歴史とロマンが自然の中に溶け込んだ大変すばらしい内容だと感動いたしております。
保存・活用のテーマは、歴史と自然の調和による市民が憩える親水空間の創出として、新たな施設としては、学習、憩い、交流、周遊、保全の機能を持たせるとしており、家族連れで水遊びができる水辺、ピクニックを楽しむ緑地、ダム跡地には見学通路を整備し、奥沢水源地の原風景でもある溢流路、水すだれも保存するとされています。
奥沢水源地は、1908年1月4日の起工から、2度にわたる洪水災害に見舞われる難工事の末に、完成まで実に6年9か月もかかったと言われています。昭和60年には近代水道史的施設、水道技術史的施設、環境・景観的施設としての価値が認められ、道内最古の水道専用ダムとして、近代水道百選にも選定されるなど、奥沢水源地は100年余りにわたり市民に親しまれ、多くの市民が小・中学生や高校生の時代には、炊事遠足などで必ず訪れる思い出の場でもあり、市民の憩いの場であることは、現在でも変わりはありません。そうした意味でも歴史的遺産と自然景観をどのように保存・活用するか、市民の憩いの場をどのように創出するか、大変難しいテーマを取りまとめていただいた検討委員会の皆さんには、心から敬意を表します。
奥沢水源地保存・活用基本構想(案)は、まだ議会にも示されておりませんが、今後のパブリックコメントや小樽市の保存・活用基本構想策定までのスケジュールについてお示しください。
最近の新聞などには、各種団体が観察会を実施していることが報道されて、市民のみならず広い分野の方々から自然環境や水道遺産としての関心が高まっていることがうかがわれます。このタイミングを生かした取組こそが今後の小樽市の事業推進にも大変役立つと考え、私どもから幾つかの提案をさせていただきたいと思います。
私どもは、奥沢水源地周辺や奥に連なる山林は、水源地の保安林として、少なくとも100年以上前から手つかずの自然環境が保たれ、貴重な鳥類や動物の生息地として、また豊富な植物の群生地としても価値が非常に高いものと考えています。もちろん水源地としての機能を失った現在、一部の鳥類の生息に変化が生じていることが想定されますが、道などの専門家による調査をしていただき、この貴重な自然環境を生かした鳥類や動物の餌場となる水辺の整備や環境保全によって鳥類も数を増やし、遊歩道や木道の整備によって、手つかずの自然が残る奥沢水源地と奥に連なる山林は、小樽にしかできない施設になると思います。
旭山動物園や山の水族館の成功例は、自然環境に近い展示にこだわったからだと言われています。知床の自然遺産と規模の違いはあるものの、豊かな自然環境と希少な鳥類や動植物をこれほど近い場所で見られるのは、小樽市だけです。将来、新幹線の駅が設置されれば、日本一駅に近い自然公園施設として、小樽観光の柱にもなり得るものだと考えます。小樽市の基本構想の取りまとめに当たっては、できるだけ多くの意見が反映され、自然環境と歴史がマッチする生の生態系が見られる施設となることをお願いしておきたいと思います。
いずれにしても、小樽市としてはかつてない規模になることが想定されるとすれば、国や道に対しても財政や人材の支援を求めなければなりません。そのためには、市長も行政も議会も市民も一体となって実現に向けた取組が必要ですが、市長の決意をお示しください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま奥沢水源地の保存と活用について、御質問がありました。
初めに、基本構想策定までのスケジュールについてですが、奥沢水源地の保存と活用については、学識経験者を含む8名で構成される検討委員会からの報告を基に、小樽市として基本構想案を取りまとめたところであり、その内容を今定例会で報告し、御意見を伺いたいと考えております。その後、7月上旬からパブリックコメント手続を行い、広く市民の皆様から御意見をいただき、9月上旬までには基本構想を策定したいと考えております。
次に、奥沢水源地の保存と活用の実現に向けた取組についてですが、基本構想は、奥沢水源地周辺の約32ヘクタールの区域について、将来的な保存と活用の方向性を示すものであり、歴史と自然の調和による市民が憩える親水空間の創出を基本テーマとして考えております。基本構想案の策定に当たっては、議員との勉強会や市民から成る検討委員会での御意見を反映させて取りまとめ、今後も行政、議会、市民が一体となり、具体的な整備内容や事業手法の検討を進め、基本テーマの実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)16番、林下孤芳議員。
(16番林下孤芳議員登壇)
○16番(林下孤芳議員)次に、人口減少と少子化対策について伺います。
人口減少と少子化については、市民の関心も高く、これまでも機会あるごとに取り上げてきましたが、決定的な対策や解決策もないままに、小樽市の人口はついに13万人を割り込み、高齢化もさらに進むことになりました。市民の誰もが人口減少に歯止めをかけてほしいと願っております。その思いは市長も議会も行政も共通であると思います。
子供の数は全国的にも減少傾向が続いており、特に最近は減少傾向がさらに加速しているとも言われています。東京都と沖縄県だけは子供の数は増加しているとのことですが、東京都は別として、沖縄県は人口に占める子供の割合も17.6パーセントで全国一、合計特殊出生率も沖縄県は全国一の1.90で、2位の島根県1.68、3位の宮崎県1.67に比べても群を抜いています。低いのは、東京都の1.09、京都府の1.23、北海道の1.26で、道内では全体的に微増傾向との分析もありますが、原因は分母となる女性の減少ではないかとも見られております。
我が国の人口減少は、38年前に合計特殊出生率が2.00を下回ったときから始まり、2005年には1.26まで低下した危機的状況が認識され、国や全国の自治体による子育て支援の取組などによって改善に向かっているとされていますが、合計特殊出生率2.00以上になるにはほど遠い状況で、また出生数と死亡者数の開きは、倍以上にも達することから、人口減少はまだまだとめることができない現状にあると理解しております。
小樽市も人口減少と少子化については、最も深刻な課題として対策を急がなければならないと考えますが、市長の認識はいかがですか。
まず、少子化対策ですが、合計特殊出生率全国一の沖縄県は、全国的にも注目を集め、マスコミにも取り上げられておりますが、まち全体が子育て支援に協力的で、離島などで保育所や学童保育などにも恵まれない中で地域全体で子育て支援にかかわる姿や、大きな産業もない地域で移住者を受け入れ、サトウキビの栽培技術を教え生活を支えるなど、私たちが忘れていた日本の原風景のような支え合う心を感じました。
国も自治体も子育て支援の環境整備を整えるために、支援策や補助事業、就業対策に力点を置き対策に取り組んできましたが、若者とのニーズのミスマッチが起きているのではないかと疑問が生じております。確かに現在の子育て世代にとっては、人口減少が続き、経済が低迷し、所得格差が拡大し、雇用の不安と不安定化が常態化し、社会保障の重圧と東日本大震災や原発の過酷事故を経験する中で、結婚して子育てをしていくにはあまりにも厳しすぎて、夢を描けずにいるのではないかとも感じるものです。失われた20年と言われますが、社会の変化は若い世代の価値観や豊かさ、幸福感を大きく変えることにもなっているのかもしれません。
小樽市も、子育て支援やおたる移住・交流推進事業研究会を立ち上げ、移住促進や各種の取組を推進して一定の成果を上げてきましたが、人口減少はますます深刻化しています。企業誘致をして就職しても、若者の流出は続いています。今まで小樽市が取り組んできた子育て支援や移住促進の対策が決して間違っているとは思いませんが、若い世代が今置かれている現状を考えると、価値観に違いが出てきて当たり前のように思えてなりません。
そこで、人口減少と少子化対策は、若い世代の移住に的を絞った政策に集中すべきと考えるものであります。小樽市は商業都市として繁栄し、ものづくりや工業製品、漁業や水産加工の分野でも北海道を代表する企業が軒を連ねていましたが、企業の流出とともに若者も流出してしまうというパターンが長く続き、一方では、1次産業やものづくりの企業では、高齢化による後継者不足も深刻になっていると言われています。工芸品の制作やスイーツで成功している例などは、若者が興味を示し、魅力を感じているものと言われています。思い切った発想の転換を図り、こうした分野に若い世代の移住を呼びかけることはできないのか、検討すべきと考えます。
小樽市は災害も少なく、自然環境にも恵まれ、子育てのしやすい環境にあることは、移住を考える若い世代には大変重要なアピールになると思いますが、市長の見解はいかがですか。
また、子育て世代の移住を考えるときは、住宅の確保が大きな課題ですが、市営住宅への優先入居や間取りの確保をするなどの措置は、現在の市営住宅の入居基準では難しい課題もあると思いますが、改正することはできませんか。
また、小樽市は、これまで住宅や土地など市民からの寄附の申出があっても、たとえ優良物件でも受け取らない方針をとってきましたが、移住者向けや子育て世代に活用できないものかと思います。これまでの空き家対策などの議論でも検討されたと記憶しておりますが、自治体が個人から不動産などの寄附を受ける場合の法的な問題点などについては、どのようなものがあるのかお知らせください。
人口減少と少子化は我が国全体の大変大きな課題ですが、小樽市は観光や中心市街地の活性化、ものづくり、1次産業など、あらゆる分野で若い力が必要です。市民が行政に一番期待しているのは、人口減少に歯止めをかけることです。ぜひ市長の決意をお示しください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま人口減少と少子化対策について御質問がありました。
初めに、対策についての認識ですが、人口減少と少子化は我が国全体に及ぶ問題であり、国の経済や雇用、社会保障などの施策により人口動態も大きく左右されることから、一つの地方自治体だけでは解決が難しい問題であると考えております。
根幹となる対策については、国が中心となって推進していく必要があると考えておりますが、本市といたしましても、人口減少や少子化を最小限にとどめるためのさまざまな取組を総合的かつ着実に推進していく必要があるものと考えております。
次に、若い世代の移住の促進についてですが、これまでは定年を迎える団塊の世代を主なターゲットとして移住促進事業を進めてきましたが、本年5月にいただいたおたる移住・交流推進事業研究会の5年間の活動報告で検証されておりますように、今後は人口減少や少子化のほか、地域の活性化などといった本市の課題に対しても、より効果が期待できる起業希望者や現役世代を中心的なターゲットとして捉え、移住者の誘致に取り組んでいくことが必要であると考えております。
次に、子育て世代移住促進のための市営住宅入居基準の改正についてでありますが、市営住宅では入居機会の公平性を確保する必要があるため、抽選などで入居者を決定していることから、移住世帯だけを優先するために基準を改正することは難しいと考えております。
しかし、現行の基準の中であっても、多少郊外にはなりますが、比較的応募倍率が低い住宅や随時に入居できる住宅もありますので、今後は市のホームページで移住者向けにこれらの住宅をお知らせしていきたいと考えております。
次に、市民からの寄附の申出があった住宅や土地などを移住者向けや子育て世代に活用する場合の問題点等についてですが、市民から寄附のあった住宅などを市が売却や賃貸などで活用する行為は、対象が移住者や子育て世代であることに限らず法的な問題は発生しないものと考えておりますが、不動産業界などの経済活動を圧迫するおそれがあります。また、活用できなかった場合には、市が維持管理経費を負担していかなければならないことから、慎重な検討が必要であると考えております。
次に、人口減少に歯止めをかけることへの決意でありますが、我が国全体の人口が減少する中、まずは人口減を最小限にとどめることが重要であると認識しております。人口減に対する特効薬はありませんが、交流人口の拡大や地域経済の活性化により雇用の場を創出し、特に若年者の流出をとめることが重要であると考えており、今年度予算においても経済・雇用対策を重点施策に位置づけいたしました。
また、これに加え、子供を産み育てやすい環境づくりや、移住促進などの取組を総合的かつ着実に推進していく必要があるものと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)16番、林下孤芳議員。
(16番林下孤芳議員登壇)
○16番(林下孤芳議員)次に、原発の再稼働をめぐる市長の認識について伺います。
5月30日付けの新聞、泊原発停止1年、首長に聞くと題するインタビューで、「安全確認後に再稼働を」との大見出しで市長の発言が報じられ、翌日には訂正記事が出されましたが、大変ショックを受けました。私どもは、市長の発言を封じ込める意思や撤回を求めるものではありませんが、原発政策をめぐっては、福島第一原発の事故以来、一貫して原発の再稼働に反対の立場を明らかにしてきました。そうした立場から、情勢認識として、市長と少しでも一致できるものがあれば、との立場で質問させていただきたいと思います。
まず、原子力発電所の再稼働について、再稼働の是非は軽々にお話はできないが、国が安全だと判断したのなら反対するものではないとお答えになっております。確かに原発の安全性については、福島第一原発で過酷な事故が起きるまでは、原発の安全神話がつくられ続けてきました。本市の市民を含む多くの国民もそれを信じて、CO2を出さない安いクリーンエネルギーとして原発は評価され、私たちも一抹の不安もありながらも過渡的なエネルギーとしての役割を認めてきました。
しかし、福島第一原発の過酷事故により、原発の安全性は、あくまでつくられた安全神話にすぎず、安全な原発などあり得ないことが明らかになったと思います。福島第一原発では、いまだに放射能漏れが続き、それを食いとめるために多くの作業員が被曝の危険にさらされ、今なお従事しています。避難住民は15万人にも上り、いまだに帰還のめどもなく、避難を余儀なくされています。そして、非常に不安定な状態で保管されていると言われる使用済核燃料棒は、安全に取り出す技術や方法すら確立できず、より深刻な過酷事故が再び起きる危険にさらされていると言われています。
我が国は、地震列島と言われるほど地震が多発しています。我が国は、地球上の面積の0.25パーセントにもかかわらず、地球上で発生するマグニチュード6以上の地震の20パーセントが発生しているとのデータがあります。特に東日本大震災を契機として地殻変動が続き、東海・東南海地震の危険度も高まっていると言われています。アメリカの地質調査機関は、地球規模での地殻変動期に入っているとの判断から、地震観測を強化して、原発事故の可能性の分析を進め、対策を強化していると報道されています。そうした厳しい環境の中で、国の原子力規制委員会は、産業界の圧力や電力業界の批判にさらされながらも、厳しい判断を示しています。
しかし、安倍政権は、原子力規制委員会のメンバーを一新して、参議院議員選挙後には再稼働に向けて動き出すとの観測が流れています。それが現実になるとすれば、国の安全宣言は、また安全神話に逆戻りする懸念があります。再稼働を考える上で、このような地球規模の地殻変動と原発の安全確認は、しっかりと検証されなければならないと思います。何より万が一にも事故が起きたときに制御できない原発を本当に再稼働していいのか、このことが福島第一原発の過酷事故を経験した私たちが考えるべき安全基準でなければならないと思いますが、市長の見解はいかがですか。
次に、電気料金値上げについて検証してみたいと思います。
確かに市長が指摘するように、火力発電所の燃料費がかさんでいることは現実の問題ですが、全国で唯一原発を運転している福井県の大飯原発を持つ関西電力は、5月から電気料金を値上げしています。福島第一原発事故が起きるまでは原発の発電コストが一番安いと言われてきましたが、それは本来すべきである事故のリスクに備えた投資や安全の確保に対する投資を怠り、コストを抑えてきたからではないでしょうか。
北海道電力は、泊原発1号機から3号機が本年12月から順次再稼働することを前提として、家庭向けの電気料金の10.2パーセントの値上げを申請しています。審査に当たる経済産業省の専門委員会で、2015年度までに再稼働が実現しなかった場合、平均で35パーセント程度の値上げが必要との説明を行ったと言われています。つまり、原発が停止すると、電力が足りなくなるのではなく、原発を動かさなければ電力会社の経営が厳しくなるということです。原発は、運転を停止中でも運転中と同じ監視体制が必要で、使用済核燃料の冷却にも大量の電力がかかっているために、電力会社は一刻も早く再稼働を望むのは当然と言えます。
我が国の原発50基を維持・管理する費用は、停止中でも年間1兆2,000億円もかかっています。世界でトップクラスの高コスト電気料金は、地域独占が認められ、競争原理が働かない規制によって守られ、全ての費用を電気料金に含めることが許されているのは、現在の自由主義経済の日本社会では、電力会社以外にはありません。銀行出身で経済に精通した市長として、北電の電気料金値上げをどのように考えているのか伺います。
使用済核燃料の安全な処分方法や数万年にも及ぶとされる管理の方法も、原発が稼働して約50年を経過した現在でも確立しておりませんので、当然のことながら正確なコスト計算もできておりません。原発の安全性を求めるには、最終処分までの安全な方法を確立しなければ、再稼働はあり得ないと考えます。
次に、再生可能エネルギーは、どの程度原発のかわりになり得るのかということについて、市長の認識を伺います。
私どもは、再生可能エネルギーの開発技術の進歩や脱原発を進めるべきとの思いから、再生可能エネルギーのごく一般的な現状について訴えさせていただき、共通認識に少しでも近づければ幸いと考えています。
先般、NHKで、「北海道のナンモン!」という、電力不足は解決するのかということを取り上げた特集番組がありました。その中で、北海道の自然エネルギーの潜在能力は非常に高く、風力、太陽光、地熱、バイオマス、小水力など、現在でも技術的に実現が可能な自然エネルギーは1億キロワットにも及び、北海道で使われている電力をはるかに上回り、我が国の使用電力の半分にも達するとされています。高橋北海道知事も、自然エネルギーの拡大は地元の雇用の拡大にもつながり、有望な産業として、現在あるさまざまな規制の見直しや条件の整備については国に働きかけてまいりたいとコメントしています。
北海道は特に地熱発電の潜在能力が非常に高く、全国で開発可能な地域の7割が北海道に集中し、発電能力は泊原発の8倍の1,674万キロワットもあり、安定した発電が可能であるとされています。森町では、既に発電所が稼働し、排出される熱や蒸気はビニールハウスの熱源として活用され、無駄のない効率的な産業になっているとのことです。現在のところ、熱源の多くが国立公園内にあるため規制が多く、昨年規制の一部見直しが行われたと言われていますが、まだ調査段階であり、今後に期待しているとのことであります。
風力発電は、管内の寿都町が早くから設置して、効率的な発電を行っていますが、送電網の能力が低く、採算性はいいものの、フル稼働はできないとのことであります。苫前町では、現在42基の風力発電機が設置されていますが、将来的には123基までの増設を見込んでいます。ここでも送電線の能力がない、発電に変動があり調整が難しいとの理由で北電が買取りを拒否し、メガソーラーの計画についても、北電の買取り制限によって断念や撤退が相次いでいることが明らかになっています。
やはり自然エネルギーの活用には、発送電の分離や電力の地域独占の見直し、時代に合った規制や法令に改正していくことが重要になっています。
北海道と同様に人口500万人規模のデンマークでは、風力発電機の80パーセント以上が個人所有の土地にあり、個人が風力発電機を設置して農家にとっても貴重な収入になっているとのことで、北海道の20倍に当たる約5,000基の風力発電機が稼働しており、民間のメンテナンス会社が通常の点検や異常時の対応も全て行って、問題はないとのことです。送電網の整備も専門の整備会社が担い、各地域間の送電の調整はコントロールセンターが行い、あらかじめ地域ごとの発電量をコンピュータに予測させ、不足分を火力発電で補う仕組みとなっています。現在、デンマークの総発電量の約30パーセントを風力発電で賄い、コントロールは可能で、ドイツやスウェーデンの近隣諸国との協力で、風力発電を50パーセントにまで増やす計画と言われています。
バイオマス発電については、十勝の大樹町の飼育農家が4億円の設備投資をしてバイオマス発電のプラントを建設して、1,500頭の牛のふん尿から年間約8,000万円の収入を得ているとのことで、厄介者であったふん尿が電力に変わり肥料として再生され、農家にとって大変大きな収入源になっております。しかも、このプラントは、地元企業が全て請け負い、完成させたと言われています。先端技術や地域経済への波及効果と、まさに地産地消のエネルギーとして、国内はもとより世界中から注目を集め、視察が殺到しているとのことです。
北海道では、1年間に及ぶ節電生活を原発なしで乗り切りました。市民からも冬の節電は命にかかわるとの懸念の声が多い中で、市長も苦悩の1年であったと思いますが、北海道だけを見ても、この10年間、人口減少が続く中で、消費電力を10パーセントも増やしてきました。その44パーセントは原発によるもので、安全性やコストに何の疑いもなく、ただ豊かな生活を謳歌してきたのではないかと思います。
福島第一原発の過酷事故は、途方もない損害と苦痛を国民に与え、しかも今後何世代にもわたって負の遺産として引き継がれることになります。教訓としてはあまりにも大きな代償ですが、原発に絶対の安全はないこと、原発の発電コストは非常に高いことを確認した以上、国や電力会社の方針にとらわれることなく、自然エネルギーの宝庫である北海道と小樽の再生のチャンスとして、脱原発、自然エネルギーへの転換へと踏み出すべきと考えますが、市長の認識を伺います。
以上、4項目について、再質問を留保し、質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま原発の再稼働をめぐる認識について御質問がありました。
初めに、原子力発電所の再稼働についてでありますが、現在、原子力規制委員会において、福島第一原発事故を教訓に、シビアアクシデント対策や地震・津波対策を含む新規制基準の検討が行われているところであり、本年7月に基準が策定されると伺っております。
原発の再稼働については、私は、何よりも安全性の確保が最優先であると考えているところであり、今後原子力規制委員会が策定する新規制基準に基づき、科学的・技術的見地からその安全性について厳格な審査、確認をしっかりと行うべきものであると考えております。いずれにいたしましても、再稼働については、国の責任において、新規制基準に基づく安全性の確保、電力需給、社会経済への影響などを踏まえ、総合的に判断すべきものと考えております。
次に、北電の料金値上げについてですが、一般家庭や小規模工場などを対象とした値上げは、国において審査が行われ認可されるものであることから、市がその料金設定の妥当性について判断できるものではないと考えておりますが、これまで節電を行ってきた市民の皆さんや、企業努力を行いコスト縮減を図ってきた事業者の皆さんなどへ大きな影響が及ぶことを懸念しております。北電には、引き続き最大限の企業努力を行っていただくとともに、市民や事業者の皆さんに情報の公開を積極的に行いながら、丁寧でわかりやすい説明により理解を得る努力をお願いしたいと考えております。
次に、脱原発、自然エネルギーの認識についてですが、電力の固定価格買取制度が昨年から開始され、化石燃料の枯渇や地球温暖化対策、エネルギー源の分散化や自給率の向上、また経済成長実現のための手段の一つとして、再生可能エネルギー導入拡大の重要性は、ますます高まっているものと認識しております。したがいまして、再生可能エネルギーで安定的な電力供給が確保されることとなった場合には、原子力発電所はゼロとなることが望ましいと考えておりますが、送電網などの課題も整理されていないことから、現状では全ての電力を再生可能エネルギーで賄うことは難しいのではないかと考えております。
(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)16番、林下孤芳議員。
○16番(林下孤芳議員)多くはこの後の委員会でも質問させていただきたいと思っていますけれども、原発問題については、おおむね市長の答弁も非常に前向きで理解ができるところなのですが、やはり電力会社の地域独占、あるいは料金に全てのコストがはね返るという仕組みについては、恐らく国が原発政策を推進するためにこういった逆の規制をしてきたのだろうと私は理解をしているわけであります。そこで、経済に精通した市長として、このような料金体系や、地域独占をやるような政策というのは、日本にあるのはやはりおかしいのではないかと思いませんかと、私はこういう思いから主張をいたしました。
例えば、NTTが電電公社から民営化されたときは、電電公社の通信網を利用して民間業者が参入して、その通信網をフル活用して、現在は携帯電話にかわっておりますけれども、いまだにそういう影響が、NTTを脅かすほどの競争が働いているという現状であります。いろいろなことで、私も国鉄改革を経験しましたけれども、やはりその課題というのは、いまだに尾を引いているものもありますが、国民に不便をかけたり、サービスが低下したりしたということは全くありませんし、本当にそういう規制を改革するほうが、私は重要な課題ではないかと思います。骨太の方針の議論も若干したいとは思っているのですけれども、まさに頑張る地方自治体に対する国の支援というものをもっと活用して、強いて言えば、電力会社の地域独占を崩していくためには、むしろエネルギー特区などというものをつくってやっていく余地は、十分にあるのではないかと考えるわけですが、その点について市長の認識はいかがでしょうか。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)林下議員の再質問にお答えいたします。
北海道電力の電気料金の値上げについての御質問かと思いますが、先ほど答弁させていただいたように、やはり私どもとしましても、一般家庭においても、できれば値上げをしていただきたくないというのが本音でありますけれども、電気がないというのも、我々の今の日常生活にとっては大変なわけでございます。ですから、やはり電気の供給ということは安定的にしていただきたいというのも、一方ではあるわけでございます。
それとあわせて、料金値上げについては、今、答弁させていただきましたように、北電においては、やはりしっかりとした詳細な説明をしていただきまして、私ども市民、あるいは企業経営者にも御理解をいただけるような取組はお願いしたいと思っております。
ただ、本音を言うと、できれば料金値上げはしていただきたくないというのが本音でありますけれども、そのようなことで御答弁をお許しいただきたいと思います。
(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)16番、林下孤芳議員。
○16番(林下孤芳議員)私は、そういったことをいろいろな角度から取り組めば、全原発の再稼働は必要ないのではないかということが最終的な結論でありまして、ぜひこれからもそういった視点で、よりよい有効な方法があれば、知恵を出し合って、こういうことは乗り切っていくべきだと考えております。
以上で質問を終わります。後ほどまた委員会で質問いたしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。(拍手)
○議長(横田久俊)林下議員の会派代表質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後3時51分
――――――――――――――
再開午後4時11分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、会派代表質問を続行いたします。
(「議長、4番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)4番、吹田友三郎議員。
(4番吹田友三郎議員登壇)(拍手)
○4番(吹田友三郎議員)平成25年第2回定例会に当たり、一新小樽を代表して市長、教育長及び関係理事者に質問させていただきます。
昨年12月に政権交代が行われ、安倍政権が誕生、景気浮揚を第一の目標とする政策を日銀とともに進め、アベノミクスなる造語も歩き出し、日本経済への期待から円安・株高が大幅に進み、輸出産業を中心とする国内産業の設備投資が増加傾向となり、国内景気に好影響があるということが考えられます。
しかし、国にとっては、国際社会から要請されております財政の健全化は重要課題であり、グローバル経済への影響に対する大きな役割を国際社会から求められております。それでも、私には、国民の消費活動が少し好転し、日本が暗いトンネルから少し明るい出口が見えてきたように感じられます。
一方、税は、国民がひとしく必要な公共のもの、サービスに必要な資金として集めたものを再配分することが求められています。税は基本的に累進制をとっており、税を支払っている者はその税が適正に公共のために使われているか、そして税を支払いたくても課税対象とならない収入の人たちへの再配分が行われているか、大いに関心を持っていると考えています。私は、小樽市民の皆さんには、自分たちが支払っている市民税、固定資産税など、地方税の使われ方に関心があると思いますが、国民は国税として払う所得税等をより多く負担しており、その一部が地方交付税交付金、補助金などとして本市に入ります。市議会議員は、本市における国税の使い方についても、しっかりとチェックしていくことが求められているものと考えております。
初めに、総務に関連して質問させていただきます。
本市の存続が危ぶまれる少子高齢化の問題であります。
人口動態について、今後の社会動態、そして自然動態の推移と将来人口はどのような展開となりますか、お尋ねいたします。
高齢者及び新生児の大幅な減少による税収及び地域経済への今後の影響についてどのように考えておられますか、伺います。
人口減少に伴い、本市の歳入の中でも重要である、国及び北海道からのさまざまな交付税、交付金、譲与税等における影響について、数字的にはどのような減少となることが予測されますか、伺います。
本市では、観光を中心とした一過性の購買に主力を注いでおります。しかし、地域経済は、そこに住む人々の通年の消費行動が支えており、新しい命が誕生し、この地域に根づくことが必要であります。
東京のある区では、子供が生まれる家族、子供がいる家族を特別の扱いとして公営住宅に優先して入居させることを進めており、このことについては地方のある町が同様の取組をされ、その地域では奇跡と言われる、乳幼児を含む若年人口の増加があるようです。
本市は、今後、新しい家族がつくられ、そして新しい命が生まれる環境づくりを進めるためにも、このような市営住宅についての取組ができないか、伺います。
本市も、地域社会が消滅しないように将来を見据えた政策を総務部を中心に取り組む必要があると考えます。市長の見解をお尋ねいたします。
続きまして、公共工事の契約等について質問いたします。
本市では、公共事業について、基本は工事担当課において設計等に係る業務を行っているものと考えております。また、契約管財課におきまして、建設工事最低制限価格制度と建設工事低入札価格調査制度による最低制限価格又は調査基準価格や予定価格が設定され、入札が行われていると考えております。私は、公共工事において実際に入札決定した金額が工事予定金額からして高いのではないかと考えており、これにはどのようなことが考えられるか質問いたします。
まず、小樽市建設工事最低制限価格制度実施要綱及び小樽市建設工事低入札価格調査制度実施要綱は、どのような経緯で制定されたものですか。
この二つの制度ができたことにより、本市にはどのような有効性、有用性が発生したと考えますか、伺います。
最低制限価格制度実施要綱第3条の最低制限価格の設定については、第1号、直接工事費の額、第2号、共通仮設費の額、第3号、現場管理費の額、第4号、一般管理費等の額に、各号に定める割合を乗じた額の合計額となっております。
ここで、中央公共工事契約制度運用連絡協議会なるものが影響するものと考えられます。この協議会は、中央官庁13機関、内閣府、防衛省、法務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、国土交通省、環境省等の大臣官房会計課長等、そして公団等21機関、鉄道、空港、高速道路等の経理部長、財務部長等で協議会がつくられており、低入札価格調査制度及び最低制限価格制度の活用を目指し、現在は平成23年4月に改正された、工事請負契約に係る低入札価格調査基準中央公共工事契約制度運用連絡協議会モデルを参考とするように、都道府県、市町村に総務・国土交通両省から通知されております。
先日、私は、国土交通省大臣官房地方課にお邪魔し、契約制度のモデルについて話を伺い、国の示す算定は競争にならない制度ではないかと言いましたら、担当者は、国では入札にあっては予定価格、制限価格の事前公開はなく、公共工事の入札の多くは提案型となっているため、入札価格が制限価格を下回っても、その内容を審査し、適切であるときは契約となりますので、特に支障はないとのことでした。また、このモデルは参考でありますので、各地域の実情を考慮した制度となると考えているとのことでした。
小樽市建設工事最低制限価格制度実施要綱第4条において、本市の最低制限価格を設定したときは、一般競争入札では入札公告に、指名競争入札では指名通知によりその旨を周知することとなっておりますが、なぜ周知が必要と考えますか、伺います。
本市では、入札を行うときに、予定価格を事前に公表しておりますが、国土交通省では入札前にこのような周知はしないように、との要請を行っていると言っております。国は、「低入札価格調査基準価格及び最低制限価格については、その事前公表により、当該近傍価格へ入札が誘導されるとともに、入札価格が同額の入札者のくじ引きによる落札等が増加する結果、適切な積算を行わずに入札を行った建設業者が受注する事態が生じるなど、建設業者の真の技術力・経営力による競争を損ねる弊害が生じうること、地域の建設業の経営を巡る環境が極めて厳しい状況にあることにかんがみ、事前公表は取りやめ、契約後の公表とすること。予定価格についても、その事前公表によって同様の弊害が生じかねないこと等の問題があることから、事前公表の適否について十分に検討した上で、弊害が生じた場合には速やかに事前公表の取りやめ等の適切な対応を行うものとすること」としています。本市では、この点についてどのような理解となっておりますか、伺います。
また、低入札価格調査制度実施要綱の調査基準価格と、先ほどの最低制限価格との違いはどのようなものになっているのか、また、この2制度の使い分けはどのように行われていることとなっているものですか、伺います。
これより、二つの入札について質問いたします。
一つ目は、平成24年5月30日に行われた新学校給食共同調理場新築工事についてであります。
本市の公共事業につきましては、多くの場合、分離発注ができると考えられるものは、どのような進め方をされておりますか。新共同調理場工事におきましては、どのように取組をされたのでしょうか、伺います。
このたびの工事では、本体工事以外に空気調和設備工事、衛生設備工事その1、衛生設備工事その2の三つの附帯工事があり、入札参加者が10社で、全部の業者が三つの工事の入札に参加し、空調設備工事では予定価格の94.96パーセントで、衛生設備工事その1では予定価格の95.20パーセント、衛生設備工事その2では予定価格の96.57パーセントで落札されました。入札結果を見ますと、同日に入札が行われております。各入札には、発注者の要請と思いますが、JVを組んで参加され、三つのそれぞれの入札におきまして、JVの組合せは違ったのですが、10社中9社がこの三つの附帯工事のうちの一つずつに参加することとなりました。
先月に会計検査院と国土交通省に行った折、この入札結果の感想を求めたところ、担当者からは、このようなこともあるのですねとのコメントしかいただけませんでした。市長は、このような結果となりましたことについて、どのような感想をお持ちか、伺います。
二つ目は、奥沢保育所新築工事であります。
この工事は、本体工事、機械設備工事、電気設備工事に分かれて入札が行われ、本体工事は予定価格の94.95パーセントで、機械設備工事は予定価格の94.74パーセント、電気設備工事は予定価格の94.73パーセントで入札が終わりました。
私は、この工事の予定価格、調査基準価格及び最低制限価格が適切かについて独自に検証することとし、工事見積りを行う業者には、実際に工事ができるわけではありませんので、これをつくることに要した費用は私が払うことで依頼をし、小樽で工事をするときの工事金額を出してもらうこととしました。そして、自社が存続することができる利益をつけることを条件としました。市から仕様書と図面のみをいただき、札幌の業者にお願いしました。札幌市では、仕様書に数量等の記載がありますが、小樽市にはそれがないため、余分な時間がかかりました。結果を見ますと、本体工事は予定価格1億6,620万円に対し84.8パーセントで、調査基準価格89.3パーセントより4.5ポイント少ない金額です。機械設備工事は予定価格の86.5パーセントで、調査基準価格89パーセントより2.5ポイント少ない金額、電気設備工事は予定価格の81.1パーセントで、最低制限価格88.2パーセントより7.1ポイント少ない金額でありました。
本市には、建設工事低入札価格調査制度実施要綱がありますが、このたびの奥沢保育所の三つの工事の失格基準となる工事価格は幾らとなりますか、伺います。
私としては、今回の結果を見て、予定価格及び最低制限価格、調査基準価格の設定が高すぎるのではないかと考えますが、この金額設定にはどなたがかかわられ、どなたがその決定をされたのですか。
最低制限価格制度・低入札価格調査制度両実施要綱の第3条第2項では、前項の規定にかかわらず、市長は、特に必要があると認めるときは、最低制限価格及び調査基準価格を下限額から上限額までの範囲内で任意に定めることができるとなっておりますが、この工事を含めこの1年間のさまざまな工事では、市長が特別な配慮をしたものがありますか、伺います。
また、そのようなことがあった場合は、その根拠もお示しください。
私は、入札方法について、1、入札に係る予定価格は事前公表せず、より競争性を高めること、2、入札では工事内容の提案を積極的に受け入れ、工事内容の適正化と工事金額の低廉化に努めること、3、入札に使う小樽市からの仕様書は、数量等詳細な内容を付記し、入札参加者の事務の効率化を図ること、4、入札決定者には札幌市のように入札決定日に工事費内訳書の提出をさせ、工事内容が適切に積算されているか確認し、契約を進めることとの4点を提案いたします。市長は、これらの点についてどのようなお考えをお持ちですか、伺います。
このたびの工事金額を見積もるために、100万円以上の金額がかかりました。市の公共工事の入札参加業者は、毎回の入札で多額の見積費用がかかっていると思われますが、その費用はどのようにして取り返すことになりますか。市長はどのように認識されておりますか、伺います。
次に、市職員の給与の問題であります。
国は、財政の健全化を主軸に、国家公務員の給与削減を進めております。このたび、地方に対して国に準じる形で削減を求めており、一般国民、そして小樽市民も、公務員の給与、報酬は国民の生活実態に合っておらず、高いと考えております。
本市におきましては、限りある財源を、将来への投資を基軸とした政策に投入できる財源として確保することを踏まえ、事務費の削減の中心となるものは人件費であり、市は適切な経営判断をとることが必要と思いますが、市長は財政の縮小を踏まえた対応はどのようにされますか、伺います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)吹田議員の御質問にお答えいたします。
ただいま総務に関連して御質問がありました。
初めに、少子高齢化についてですが、今後の社会動態及び自然動態の推移と将来人口の展望について、社会動態の面から見ますと、昭和34年以降、転出者が転入者を上回る、いわゆる転出超過の状況となっており、また自然動態につきましては、昭和62年以降、死亡者数が出生者数を上回った状態で推移しております。全国的にも人口が減少し、少子高齢化が進むことが想定される中で、本市においてもこれまでと同様の自然動態、社会動態が続くものと考えられ、人口減少は避けられないものと考えております。
次に、人口の減少による税収、地域経済への今後の影響についてですが、まず税収への影響については、本市の歳入、とりわけ自主財源として最も大きなウエートを占める市税収入の減少を招くこととなり、財政が硬直化し、行財政運営に支障を来すおそれがあります。
また、地域経済への影響については、生産力や購買力、さらにはまちの活力の低下を招くこととなり、特に新生児の減少は将来の働く世代や子育て世代の減少につながるもので、本市にとって重要な課題の一つであると認識しております。
次に、地方交付税等の人口減少による影響についてでありますが、地方交付税は算定の基礎となる測定単位に国勢調査人口が多く用いられているほか、地方消費税交付金や交通安全対策交付金においても、国勢調査人口を基礎に配分されております。数字的な影響ということでありますが、毎年度の配分総額が異なることから一概に申し上げられませんが、地方交付税の国勢調査人口を測定単位としている項目を平成24年度算定方式で試算いたしますと、人口1人当たりの基準財政需要額は約13万円と見込まれます。
次に、子育て世帯に対する市営住宅の優先入居についてでありますが、現在、市営住宅では子育て世帯から高齢者世帯まで、幅広い世帯からの入居希望が多いことから、子育て世帯のみを優先的に入居させることは難しいものと考えております。
しかし、比較的応募倍率の低い住宅や、公募によらず随時入居が可能な住宅もありますので、申込窓口などでこれらの住宅を積極的に紹介していきたいと考えております。
次に、将来を見据えた政策の取組に対する見解についてですが、我が国全体が少子高齢化や人口減少の傾向にある中で、まずは人口減を最小限にとどめることが重要であると認識しております。人口減に対する特効薬はありませんが、地域経済の活性化や子供を産み育てやすい環境づくり、移住促進など、さまざまな取組を総合的かつ着実に推進していく必要があると考えております。人口対策は、各部署のそれぞれの施策を積み重ねていくことが重要でありますので、今後も必要に応じて庁内の横断的な調整を図りながら、取り組んでまいりたいと考えております。
次に、公共工事についてですが、まず建設工事最低制限価格制度実施要綱などの制定の経緯についてですが、平成12年、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律が公布されたことから、国や地方自治体では、入札、契約の適正化の促進により、より一層の公共工事に対する国民の信頼の確保と建設業の健全な発展に向け、取組を進めてまいりました。その取組の一つとして、いわゆるダンピング受注の防止を図るため、全国の地方自治体でも最低制限価格制度や低入札価格調査制度の導入を進めていたことから、本市においても平成17年に要綱を制定したところであります。
次に、最低制限価格制度などの本市における有効性、有用性についてですが、いわゆるダンピング受注は、工事の質の低下を招くだけではなく、下請企業や労働者へのしわ寄せや安全管理の不徹底を招き、さらには建設業者の自転車操業を助長することになり、建設業の健全な発展を阻害すると言われております。本市においても、最低制限価格制度などの導入は、ダンピング受注の防止にもなっているものと考えております。
次に、最低制限価格の設定の入札公告などでの事前周知の必要性についてですが、入札においては、最低価格入札者を落札者とするのが基本であるため、最低制限価格等を設定した場合は、入札参加者に対し、落札者の決定方法として周知は必要であると考えております。
次に、予定価格の事前公表についてですが、本市では、予定価格の事前公表を平成13年度から実施しており、その時期は、国や全国の地方自治体でも予定価格の事前公表を進めておりましたが、その後、入札価格が同額のくじ引きによる落札者が増加し、競争性を阻害する結果等の理由から、事後公表に変更している傾向にあります。本市においてはくじ引きによる落札が少ないこと、また他都市では事後公表に変更してもくじ引きが多発しているとの話もあり、今後も予定価格の公表の時期については、研究していかなければならないものと考えております。
次に、本市における最低制限価格制度と低入札価格調査制度についてですが、本市では、設計金額3,000万円未満の建設工事については最低制限価格制度を、3,000万円以上の建設工事については低入札価格調査制度を適用することができるものとしております。
次に、工事の分離発注についてですが、本市の発注工事では、市内業者の受注機会の拡大などを考慮し、建築工事では工種ごとに本体工事、電気工事、機械設備工事、外構工事などに分離し、発注をしております。
次に、新学校給食共同調理場新築工事の分離発注についてですが、本工事は工事費が多額であるため、電気、機械設備ともに同規模工事での市内業者が過去に受注した実績がないこと、また施工中における資金力のリスクを回避するため、分離して発注したところであります。
次に、新学校給食共同調理場の新築工事の入札結果に対する感想についてですが、落札率については、参加業者がそれぞれの工事ごとに企業努力を反映した結果であり、また落札者については、入札の結果として参加業者の受注の拡大につながったものと考えます。
次に、奥沢保育所の新築工事の失格基準の工事価格についてですが、本体工事の失格判断基準額は、直接工事費は1億375万3,500円、共通仮設費は467万8,100円、現場管理費は668万5,000円、一般管理費等は348万9,300円となっております。
また、機械設備工事の失格判断基準額は、それぞれ3,627万4,500円、145万400円、351万4,700円、125万6,100円となっております。
次に、予定価格及び最低制限価格などの金額は誰が決定するのかという御質問についてですが、設計担当課が設計金額及び最低制限価格などを計算し、予定価格の金額に応じ、決裁権者が決定いたします。
なお、最低制限価格及び調査基準価格を算出する際の計算式は、国の中央公共工事契約制度運用連絡協議会で作成されたモデルを採用しております。
次に、私がこの1年間で最低制限価格及び調査基準価格を任意に定めたことがあったかということについてですが、昨年度も今年度もありません。
次に、吹田議員の提案に対する見解ですが、まず予定価格の事前公表についてですが、先ほどお答えいたしましたとおり、今後も研究していきたいと考えております。
次に、工事内容の提案の受入れについてですが、本市ではこれまで提案型の発注は行っておりませんが、今後の発注工事で大規模かつ特殊性がある工事については、検討してまいりたいと考えております。
次に、仕様書についてですが、入札参加者が効率よく積算事務を行えるよう、今後、設計図書の内容の記載を検討してまいりたいと考えております。
次に、入札決定者に工事費の詳細な内訳書の提出を求めることについてですが、本市では工事の着手時に内訳書の提出を求めておりますが、詳細な内訳書の作成は業者の事務の負担につながるということもあり、今後も他都市の取扱いなどを参考に研究していきたいと考えております。
いずれにいたしましても、国や全国の地方自治体においてもさまざまな取組を行っており、本市におきましても、競争性や透明性を高めた公共工事の発注や契約方法に関し、今後も検討は必要なことと考えております。
次に、入札参加者の入札にかかわる見積費用についてですが、入札参加者は建設業を営んでおり、当然その会社には設計図書などを基に工事費を積算できる専門の技術者が在籍しておりますので、それら職員の人件費も含めて入札金額を算定したものと考えております。
次に、市職員の給与についてですが、財政規模の縮小を踏まえた対応について、本市では組織の改編や業務委託の推進などにより人件費総額の抑制を図ってきたところであり、今後とも時代のニーズに合った組織づくりを進めながら、人件費規模の適正化に努めてまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、4番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)4番、吹田友三郎議員。
(4番吹田友三郎議員登壇)
○4番(吹田友三郎議員)次に、厚生に関連して質問いたします。
初めに、地域総合整備資金貸付金についてであります。
平成25年度一般会計補正予算の保健所総務費に、北海道済生会への地域総合整備資金貸付金として3億円が、市債を財源として計上されております。この地域総合整備資金貸付とは、どのような経緯でつくられ、どのような内容の事業なのですか、伺います。
北海道済生会は、新病院が完成目前となっておりますが、病院建設事業は平成25年度当初から既成の事実としてありました。当初予算ではなく補正予算として組むこととなった経緯、貸付金の金額が3億円であることの理由、そして今後、市の予算上の負担となる起債の利息分の総額はどのようになるかを伺います。
今後、本市におきまして、地域総合整備資金貸付金を使って施設整備事業の対象として想定される事業には、どのようなものがあると考えられますか、伺います。
次に、生活保護についてであります。
生活保護総務費に生活保護システム改修等経費119万8,000円が、特定財源、国庫補助金10分の10で計上されております。このたびの生活保護基準の改定は、どのようなものとなりましたか。生活保護受給世帯にとりましてはどのような影響がありますか、伺います。
母子世帯となって生活保護となっている世帯数は、過去3年間で何件ありましたか。
また、新しい伴侶を見つけられ、結婚されて生活保護が廃止になった世帯は、過去3年間で何件ありましたか、伺います。
福祉の立場ではありませんが、母子世帯の子供の健全育成の観点からも、できれば両親の下でと考え、行政がかかわる「婚活」を今後検討されてはいかがでしょうか、伺います。
幸せな家族、児童の健全育成、そして生活保護関係費の削減のために、大切なことと考えます。
次に、市町村子ども・子育て支援事業計画策定についてであります。
平成25年度一般会計補正予算に、民生費の児童福祉総務費に子ども・子育て支援事業計画策定経費として380万円が計上されております。このことにつきましては、子ども・子育て支援法に基づく都道府県子ども・子育て支援事業支援計画の策定との関連が考えられますが、本市の策定作業に北海道はどのようなかかわりを持つこととなりますか。
また、地方版子ども・子育て会議なる組織の設置と、この計画策定とのかかわりはどのようになると考えますか、伺います。
市町村の計画策定のタイムスケジュールはどのようになりますか、お尋ねいたします。
このことに係り、教育、保育、子育て支援を踏まえ、認定こども園、幼稚園及び保育所等の担当部局を一元化することが求められていると考えておりますが、本市は今後どのような組織体制で取り組むこととなりますか、伺います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま厚生に関連して御質問がありました。
初めに、地域総合整備資金貸付、いわゆるふるさと融資についてですが、まず制度がつくられた経緯ですが、平成元年に地域活性化の促進を目的として、民間の事業者等が地域振興に資する施設設備などの社会資本を整備する際に、地方自治体が金融機関と共同して費用の一部を貸し付ける制度として創設されたものであります。
次に、貸付制度の内容ですが、地方自治体が地方債を原資として、財団法人地域総合整備財団を通じ、民間の事業者に対して、施設整備等に係る事業に要する経費の一部を無利子で貸し付ける制度であります。
なお、貸付期間は15年以内で、地方自治体が負担する地方債の償還利子については、75パーセントが地方交付税措置により補填されることになっております。
次に、貸付金を当初予算ではなく今回の補正予算として計上した経緯についてでありますが、北海道済生会からのふるさと融資制度による借入申込みが本年4月にありましたので、直近の第2回定例会に補正予算として計上したところであります。
次に、貸付金額につきましては、今回、北海道済生会から3億円の借入申込みがあったところであります。
また、今後の起債に係る償還利子の総額につきましては、直近の国の長期貸付金利の利率で試算いたしますと約2,000万円となりますが、地方交付税で措置される分を除く実質的な負担は約500万円と見込んでおります。
次に、今後、ふるさと融資制度による施設整備事業の対象として想定される事業についてですが、地域の振興、活性化を図るという制度の目的に照らし、公共性、事業採算性、低収益性等の観点から実施され、事業開始に伴い、市内からの一定人数以上の新規雇用が見込まれることなどが条件となっております。全国的な事例では、病院のほか、老人保健施設や看護専門学校、地場産品加工施設、産業廃棄物処理施設、複合商業施設などの整備事業に活用されております。
次に、生活保護についてですが、まず生活保護基準の改定について、社会保障審議会の生活保護基準部会における検証結果を踏まえ、年齢、世帯人員、地域差による影響の調整や物価動向を勘案するとともに、必要な激変緩和措置が講じられたものであります。
また、生活保護家庭への影響についてでありますが、このたびの基準改定により、ほとんどの世帯では生活保護費が減少することとなります。
次に、生活保護を受給している母子世帯数についてでありますが、平成22年度は438世帯、23年度は422世帯、24年度は402世帯となっております。
また、結婚により生活保護が廃止となった件数につきましては、平成22年度で12件、23年度で11件、24年度で11件となっております。
次に、結婚するための活動、いわゆる婚活についてでありますが、保護受給の有無にかかわらず、広く独身の方などを対象として民間主導あるいは実行委員会形式などで実施していただくのがよいのではないかと考えているところであります。
次に、子ども・子育て支援事業計画についてですが、まず本市における計画の策定作業と、北海道のかかわりについて、子ども・子育て支援法の規定で、都道府県は、市町村子ども・子育て支援事業計画の作成上の技術的事項について必要な助言その他の援助の実施に努めるとされており、本市の策定作業につきましても、必要に応じて北海道の助言を得て実施することとなります。
次に、地方版子ども・子育て会議と子ども・子育て支援事業計画の策定作業とのかかわりについてでありますが、子ども・子育て支援法では、市町村子ども・子育て支援事業計画を定める場合は、会議の意見を聞くこととされております。
また、計画策定のスケジュールにつきましては、平成25年度にニーズ調査を行い、平成26年度内に計画を策定するよう、国から示されております。
次に、認定こども園、幼稚園及び保育所等の担当部局についてでありますが、国は、子ども・子育て支援法などに基づく新制度を平成27年度から実施予定で、新制度の具体的な内容については順次決定していくこととしております。このことから、関係する部局の組織体制につきましては、現段階では見通しが立っていないところであります。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、4番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)4番、吹田友三郎議員。
(4番吹田友三郎議員登壇)
○4番(吹田友三郎議員)次に、経済に関連して質問いたします。
初めに、経済政策についてであります。
本市では、一般会計予算におきまして、市内のさまざまな経済活動にかかわった補助制度、そして各種団体の活動の援助等を進めておりますが、過去に予算対応したもので、市内の経済活動の定着に大きく貢献したものにはどのようなものがありましたか、伺います。
私は、税金を主財源とした公営の一大企業である小樽市役所が経済施策を行うことにより、その結果として大幅な税収の増をもくろむべきと考えます。企業経営に精通された市長は、どのように考えておられますか、伺います。
市は、国より借地して堺町に観光バス駐車場を開設しておりますが、費用対効果はどのように分析されておりますか、伺います。
先日、日本ヒューマン経営研究社の大塚徹氏が、年に200回ほどの地方の講演に出かけるようですが、その中で「だめな店は決まってだめな人が経営している」と大変厳しい言葉を放っておりました。
本市の将来については、優秀な経営者の発掘、そして養成が、再生の大きな鍵となります。市長はどのような政策を考えておりますか、伺います。
次に、港湾の整備についてであります。
商業観光港として発展させることを考えておられるのであれば、民間の資金を使ってより斬新な、魅力のある港湾地域を形成させることが必要であります。日本銀行が市中の資金量の拡大を図っており、民間企業にとりましては好機となっているものと考えます。市長は民間企業の活用についてどのように考えておられますか、伺います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま経済について御質問がありました。
初めに、市内の経済活動に関する補助事業についてですが、その主なものとして、いきいき商店街づくり支援事業や商店街活性化支援事業、本市の特色であるガラス産業への支援策として昨年度から実施した地場産品導入促進事業など、さまざまな事業を実施することにより、市内経済の活性化に効果があったものと考えております。
また、経済団体への支援といたしましては、商工会議所、物産協会や観光協会などの運営に対する支援を行っており、これらの団体の活動は、本市地域経済の振興に寄与しているものと認識しております。
次に、経済政策についてですが、本市はこれまでも、厳しい財政状況にあっても、少ない事業費で大きな効果を上げるよう、事業を厳選しながら進めてきたところであります。今後においても、この考えをベースに地域経済を活性化することが雇用の確保や税収の増加につながることから、さきに述べた事業のほか、国内外への販路拡大につながる事業、設備投資の支援や企業誘致に向けた取組など、さまざまな事業を展開することが必要であると考えております。
次に、堺町の観光バス駐車場の費用対効果についてですが、本市では、小樽運河や堺町の近くにあるこの観光バス駐車場を小樽観光の重要なインフラとして位置づけており、ここを拠点にすることで観光客の買い物や散策の利便性が向上するものと考えております。北一硝子側を含めると、年間で3万台を超えるバス利用があることから、お土産や飲食などで直接消費する額のほか、小樽全体のさまざまな業種・業態への波及効果を考えますと、本市が投入する費用に対して相当な効果を上げているものと認識しております。
次に、優秀な経営者の発掘と養成についてでありますが、企業経営にとって「ヒト」「モノ」「カネ」は重要な経営資源であり、中でも人材の育成は特に重要と捉えております。そのため、市では、商業の起業者や事業の後継者を対象として、経営のノウハウの習得を目的に平成21年度から「商人(あきんど)塾」を開催しているほか、中小企業大学校旭川校における研修受講の際の費用を助成するなど、企業や人材育成の支援を行っております。このほか、民間主催のさまざまな研修会やセミナーなどが行われていることから、市といたしましても、商工会議所などの経済団体や関係機関と連携しながら、人材育成に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、港湾整備に関する民間企業の活用についてですが、小樽港では、これまでも小樽港マリーナのセンターハウスや勝納ふ頭のフェリーターミナルの建設など、民間資本の導入を図ってきたところであります。今後の小樽港の港湾整備においては、直ちに民間資本の活用といった施設整備は想定できませんが、現在、検討を進めている第3号ふ頭及び周辺再開発計画の推進においては、民間の活力が必要不可欠なものと考えておりますので、今後とも小樽観光の拠点づくりやクルーズ客船誘致によるにぎわいづくりに取り組むことにより、民間投資が導入されやすい環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、4番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)4番、吹田友三郎議員。
(4番吹田友三郎議員登壇)
○4番(吹田友三郎議員)最後に、教育に関連して質問いたします。
私は、以前から、学力の向上には教員の絶対的な努力が必要と考え、要請し続けております。しかし、本市はさまざまな要因で教育を受ける対象者が激減しており、教育委員会の関係者は、この問題についてみずからができることを積極的に取り組んでもらう必要があると考えております。
今の少子化は、子育てには費用がかかるということで諦めていることが考えられ、学校関係者が学力向上は学校で完結させ、親の経済的負担の解消を図ること、そして小樽の魅力ある教育内容、体制をつくり、小樽での教育を希望する市外の方の積極的な受入れを、市と教育委員会が両輪となって進めることはできないものか、伺います。
戦後の教育は、日本の心を育てる教育を怠ってきたと考えております。本市における心の教育についてどのような取組が行われておりますか、伺います。
世界的な有名人となっておりますビル・ゲイツ氏は、富の獲得と幸福はイコールと考え、必死に仕事をされ、ある程度の生活ができるようになりましたが、幸せを感じることができないため、また必死に仕事をして多くの富を獲得しました。それでも心の豊かさに満足ができず、さらに努力を重ね、超巨大企業のトップとして成功者となりましたが、満たされない気持ちが続いておりました。あるとき、さまざまな問題で苦しんでいる人々に巨額な私財を提供し、さまざまな感謝を受け、満ち足りた人生となっておられるとのことです。教育におきましては、人のために何をしてあげることができるか、困った人に温かい手を差し伸べられる優しい心を育てることが必要と考えます。教育長は、今後どのように教育の中に取り入れることができますか、伺います。
各項目について再質問を留保し、質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)ただいま教育に関連して御質問がありました。
初めに、小樽の教育を魅力あるものとするため、市と教育委員会が取り組むことについてでございますが、まちづくりは人づくりといいますが、小樽の将来を担う人材を育成することは、市及び教育委員会の共通の目標であります。
教育委員会としては、小樽市学校教育推進計画の基本理念として、「心豊かに学びふるさとに夢と誇りをもちたくましく生きる小樽の子どもの育成」を掲げ、各般事業を推進しております。
とりわけ、小樽の教育を魅力あるものとするためには、まず子供たちが生まれ育った小樽の歴史、伝統、文化、産業等について理解を深め、ふるさと小樽に自信と誇りを持つ教育の推進が大切であると考えております。そのためには、総合的な学習の時間などにおいて、地域の建物や人材、文化財など、身近な教育資源を活用した学習の充実に努めております。
また、子供たちがみずからの進路や職業を選択し、北海道はもとより日本、世界で活躍できる人材を育成するためには、学力の向上が必要であります。そのため、教育委員会では、基礎学力を支える樽っ子学校サポート事業や音読を利用した家庭学習の定着化、教員の資質能力を高める教員研修プログラムの充実を図り、確かな学力の育成に努めているところでございます。
これらの取組を通じ、活力ある小樽のまちづくりに寄与する人材を育成することで、小樽の教育を魅力あるものとして、市外からの小樽への人の流れが期待できるものと考えております。
次に、本市の心の教育の取組状況についてでありますが、学校教育では、各学校がさまざまな工夫をしながら、豊かな心の育成に向けた取組を行っております。
例えば、道徳の時間では、心のノートなどを使い、登場人物の行動を通して、集団や社会とのかかわりなどについて、互いの考え方を深め合う学習を行っております。
また、総合的な学習の時間では、高齢者や車椅子利用者、妊婦などの疑似体験を通して、福祉や命の大切さについて学び、思いやりや優しさを育む学習などを行っております。
次に、優しい心を育てる教育についてでありますが、私としては、まずは子供たちの豊かな感性や表現力、想像力を育む読書活動が大切であると考えており、市立図書館の小樽っ子ノートや音読カップの取組を通じ、読書習慣の定着を図ってまいりたいと考えております。
また、総合的な学習の時間などを活用し、幼稚園や保育所、高齢者施設などでの体験的な学習を通して、子供たちのコミュニケーション能力を高めるとともに、困っている人に手を差し伸べられる思いやりの心を育むことや、優しい心を育てる取組の充実を図ってまいりたいと考えております。
(「議長、4番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)4番、吹田友三郎議員。
○4番(吹田友三郎議員)再質問させていただきます。
まず、予算特別委員会のこともあるのですけれども、ここで一つには、先ほど申し上げましたが、入札の予定価格を出す場合、そういうものが適正に行われていないということを念頭にした場合はやめるというようなことがあるということが国から出されているのですけれども、例えば今回も奥沢保育所の関係では、各工事の落札価格が入札予定価格の94.5パーセントから95パーセントに全てなっているという状況なのです。これは予定価格を出さなければこのようなことにならないのでないかと私は感じておりまして、こういう形の、私にすれば高い数字というのは、偶然なってしまったことですが、ある部分、それは弊害ではないかと考えていることがあります。
それと、今回の私の提案の中で、仕様書の内容について検討したいということで、詳細な部分はやりたいということであったのですけれども、今まではそういう形で出ないから、万が一の場合、図面と単なる項目だけで全てをやろうと思ったら大変な作業になるという状況で、私にすれば、なぜそういうことを放置していたのかと。
それは、単価を入れて入札するというのならわかります。予定価格ですから、それはだめです。しかし、それを算出するための数字を、いわゆる量的なものとか、何かの数とかなどというものについては、決まったことだから、そのようなものは出して何にもおかしくなかったにもかかわらず、今までそういうことが行われていなかったというのは、何か意図があってやったのではないかと私は感じます。私の見方が違うのかもしれませんけれども、普通に考えたら、皆さんが入札しようと思うときは、なるべく適正に正確にというのですか、札幌の場合も、そういうものについてきちんと積算できているかどうかについて、その日のうちに出してもらって、チェックをして、そして適切であれば契約するというやり方をしているのです。だから、そう考えますと、小樽の場合は今まで、考え方によっては物すごく難しくやっていたと。
これは、私にすれば、なぜそういう形になっているのかということについては、いろいろな理由が行政側に出てくると思いますけれども、全然理解できない。自分たちが物事をやらせるのだったら、絶対に競争ですから、入札については、金額的なことは全部自分たちが努力して交渉して、さまざまな交渉をしますから、そのようにやっていただく。しかし、数字をつくることについて、もともとそういう大変な作業をやっている人たちに、自分で勝手にやってくださいというのはどうかと、発注者側は圧倒的に強い立場ですから。しかし、私たちにすれば、そういうことについては、やっていただく方も常に対等な立場であると考えているのです。ただし、努力して安くしていただくことは必要だと。
だから、それを考えたら、これについては今後はこういうやつでいくけれども、今までなぜそうなっていたのかということについて、市長は就任して2年ですが、その前から延々とやっていたということで、これはどういう体制でやっていたのかということについて少しお聞きしたいと考えております。
次に、地域総合整備資金貸付金の関係については、償還利子として2,000万円が最終的に市の予算に計上されますが、その75パーセントが国から措置されると。問題は、これが義務的経費として来るのか、それとも交付税的なものになるのか、そうすると、いつ切られるかわからないという状況が考えられます。また、これは年数的には相当先までのことですから、場合によってはそれは市のほうで持ってほしいというやり方も出てくるのではないかと考えているのですけれども、この辺については、先ほどおっしゃいましたが、75パーセントというのは確約されたものなのかどうかということについてお聞きします。
このたびのこういった貸付けについては、これからもさまざまなものが考えられるのですけれども、これについては希望される、また、そういう適切なものであれば、市のほうでは大いに受けていくのか、それとも、小樽市の財源としてはこのくらいの範囲でしかできないものなのかどうか、これらについてはどのような形になっているでしょうか。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)副市長。
○副市長(貞村英之)吹田議員の再質問にお答えいたします。
まず、入札制度の件ですけれども、奥沢保育所の例を挙げられて予定価格の94パーセントから95パーセントというのが一律、予定価格の公表の弊害ということでございますが、公表しておりますから大体同じようなものが出てくるのではないかと思いますけれども、以前、予定価格を公表していなかったときも、かなり高い、95パーセント以上のものがかなりあったということで、予定価格を公表して公明正大にやるということも一つの制度でございますので、ここら辺は別に弊害があるかとかというのではなくて、これから事前公表するか事後公表するかもいろいろ指導もあるかと思いますが、研究してまいりたいと考えております。
それから、仕様書の内容を精査して量的なものが出てこないということについて、確かに量がなかったらかなりの作業になるかと思うのですが、設計図書等で確認できれば、確認というか、量がわかるものですから、私も小樽市の設計図書のことはわかりませんけれども、たぶんその辺で負担をかけていたものもあるのではないかと思いますので、今後、ほかの市町村の事例等も研究しまして、あまり負担をかけないような方向で取り組みたいと思っております。
それから、ふるさと融資の利息、2,000万円に対する交付税ですが、これはもう制度として決まっております。平成元年のふるさと創生事業の時代の制度をそのまままだ引きずってというか、まだ生きておりますので、今まで交付税措置がなくなったということは、当初、契約時に借りまして、終わりまでになくなったことはありませんので、これは保証できると思っております。
それから、額ですが、3億円を借りるということになっておりますけれども、内規で上限を決めております。これは保証行がつかないと借りられないことになっておりますので、保証行をつけて相談に来ていただければ3億円まで上限として貸せるようになっておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
(「議長、4番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)4番、吹田友三郎議員。
○4番(吹田友三郎議員)このほかは予算特別委員会、また常任委員会で質問したいと思いますので、これで終わりたいと思います。
○議長(横田久俊)以上をもって会派代表質問を終結いたします。
次に、久末議員から質疑及び一般質問を行いたい旨の申出がありますので、これを許します。
(「議長、28番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)28番、久末恵子議員。
(28番久末恵子議員登壇)(拍手)
○28番(久末恵子議員)平成25年第2回定例会の質疑及び一般質問をいたします。
初めに、国定公園に指定されている赤岩遊歩道について質問をさせていただきます。
この件につきましては、昨年の第3回定例会、第4回定例会でも取り上げさせていただきましたが、今定例会では、最近の情報に基づいてお聞きしたいと思います。
昨年の秋には、地元や関係機関の御協力によって遊歩道の一部が補修され、感謝いたしております。
本年5月18日、19日の両日、おたる祝津たなげ会主催で、第5回おたる祝津にしん群来祭りが盛大に開催されました。この中で、赤岩~祝津絶景コースとして、「にしん山道フットパス」が企画され、参加者の皆さんは赤岩遊歩道の散策を楽しまれておりました。残念ながら私は散策には参加することができませんでしたが、参加者から写真を見せていただきましたところ、この冬は積雪も多く、しばれが強かった影響なのでしょうか、多くの柵が倒れたり壊れたりしており、大変驚きました。
この赤岩遊歩道は、赤岩3丁目に位置し、地元の貴重な財産であり、観光資源として生かし、小樽の活性化に利用すべきと常々考え、これまでも各方面に協力をお願いしてきております。
早速、国定公園の管理者である北海道にも確認していただき、ロープによる応急措置がなされたと聞いておりますが、従前から申し上げておりますとおり、幼児から高齢者まで安心して歩けるよう、市としても安全な遊歩道整備について、関係機関への働きかけを強くすべきではないでしょうか。市長のお考えをお聞かせください。
次に、冬季における観光客の誘致についてお尋ねいたします。
昨年度は例年よりも雪が多く、しばれが強かったため、なかなか雪が解けず、市内では道路の両脇にうずたかい雪の山ができ、車の往来には非常に危険な状態が続きました。
このような寒さ、残雪の多さでは、観光入込客数に影響があるのではないかと心配しましたが、市によりますと、3月の観光入込客数は前年同月よりも増加したそうで、ひとまず安心をいたしました。雪が深くても、寒さが厳しくても、多くの観光客に来ていただき、観光のまち小樽の観光資源をゆっくりと楽しんでいただきたいと願うものであります。
そこでお聞きしますが、寒い時期でも観光客の皆さんに来ていただけるよう、次の冬に向け、何か新しい取組を考えておられましたら、お聞かせいただきたいと思います。
最後の項です。
今、私の地元であります北小樽地域に大きな変化が起こっています。8月には、地域から長年親しまれてきた済生会小樽病院が築港地区に移転します。来年秋には、長橋の市立医療センターが小樽病院と統合されますので、この地域から大きな病院が二つなくなることになります。また、手宮のまち並みを見てみますと、空き地、空き家、シャッターが下がったままの店舗が目立ち、かつての勢いを失ってしまった市場など、活気にあふれた全盛期を知る者として、そのあまりの変化に心が痛みます。
小樽全域に目を向けますと、教育の分野では、これからの小樽を背負って立つはずの子供たちが減少しており、学校再編が進められております。また、若い人たちは職を求め市外に流出しており、小樽経済の低迷に拍車をかけているように思います。
一方では、高齢者の人口は増え、市民の高齢化率は増加の一途にあり、北小樽かいわいはもちろん、市内全域に活気を取り戻すためには、若い人たちの力が欠かせないものと思っております。
人口対策については、これまでもいろいろと検討されてきていることと思いますが、小樽から若い人たちが減少しないような何かよいお考えがありましたら、お聞かせいただきたいと思います。
以上、再質問を留保しまして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)久末議員の御質問にお答えいたします。
初めに、赤岩遊歩道について御質問がありました。
確かに、この冬は寒さが厳しく積雪も多かったことから、雪解けも遅く、遊歩道の柵にも被害があったものと思われます。
国定公園を管理している北海道が既にロープによる応急措置をしたとお聞きしましたが、利用者の安全を確保するためにも、柵の補修やつけ替えについて、市としても北海道へ要望してまいりたいと考えております。
次に、冬季における観光客の誘致について御質問がありました。
次の冬に向けての新たな取組についてですが、観光協会では、冬季の観光客誘致に向けて、昨年まで実施しておりました小樽ロングクリスマスの内容を充実させた新たなイベント、小樽ゆき物語を開催すると聞いております。内容等の詳細につきましては、来月にも公表される予定でありますけれども、期間は11月11日から翌年の1月13日までの64日間に延長されるとのことであります。市といたしましても、冬季の観光客誘致は小樽観光の課題の一つでありますので、雪あかりの路とともに小樽の冬の魅力を発信する効果的なイベントとなるよう、観光協会と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
次に、まちの活性化に向けて、若い人たちが減少しないための方策がないかという御質問がありました。
我が国全体の人口が減少する中で、まずは人口減を最小限にとどめることが重要であると認識しております。人口減に対する特効薬はありませんが、交流人口の拡大や地域経済の活性化により、雇用の場を創出し、特に若年者の流出をとめることが重要であると考えており、今年度予算においても、経済・雇用対策を重点施策に位置づけいたしました。また、これに加え、子供を産み育てやすい環境づくりや移住促進などの取組を総合的かつ着実に推進していく必要があるものと考えております。
(「議長、28番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)28番、久末恵子議員。
○28番(久末恵子議員)一つだけ、山のほうのことなのですけれども、群来祭りのときに参加者の中で登山研究家の方がおりまして、その方は、この山道はこのままにしておいたら、あと一、二年の間にもうだめになって閉鎖され、通行止めになりますと断言しておりまして、私もびっくりしたのですが、そのようなことで、一時的に直すのはいいのですけれども、それを見守っていかなくてはならないわけで、いつまたそこがだめになるかという心配も出てくるわけでございますので、やはりこれは道にお願いをしまして、恒久的にそれを直してもらう方法を考えていただくということを、市からもお願いできればいいなと思っております。やはり危険が伴うわけですから、国定公園になってもう半世紀以上たっておりますので、これを維持するためには、ただ単発的に直すのではなくて、安全という、そこを一番の基調にしてやっていただければありがたいと思っております。
先日、私も雪が解けてから山に3回か4回ぐらい車で見に行っています。そうしたら、いろいろな人が来ておりまして、女性の方が、歩いてはいけないという崖の下からはい上がってきて、草やぶが動くもので、びっくりしまして熊だろうかと思ったのですけれども、海のほうには熊は来ないというふうに聞いておりますので、熊でなければキツネかなと思っていたら、若い女性がやぶの中をはい上がってくるのです。そして、びっくりして声をかけましたら、ロッククライミングに挑戦するのだと言っていまして、こんな若い女性があの危ないところを、と思ってびっくりしましたけれども、今、そういう時代になってしまったのですね。
それから、あるときは、車から男女2人がおりてきまして、私たちの乗っている車の前を通っていきましたら、その女性がハイヒールを履いているのです。この人はこの山をこの履物で上がるのかという感じで、おりてくるかなと思ってしばらく待っていましたら、来ないので帰りましたけれども、そういうこともあったり、それからお地蔵さんをお参りするお年寄りが何人か来ていたり、やはり結構皆さんここを歩いているものですから、できるだけ早く誰もが本当に安心してあの風景を見られるような道にしていただければと、小樽で最北端の場所ですから、これは大事にして、北の果てまで観光客に来ていただいて、あそこにお風呂もあるわけですから、最後は泊まってもらう、そうしたら滞在型観光にもつながると思っておりますので、市長のお考えをよろしくお願いしたいと思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)久末議員の再質問について、私の考えを話させていただきたいと思います。
私もこの赤岩遊歩道については大好きでございまして、妻と2人でよく行くところでございますので、状況等については十分承知しているつもりでございます。
今、議員がおっしゃるように、赤岩のほうから祝津のほうにおりていきますと、左側には暑寒別連峰であるとか、あるいは今、ロッククライミングをやっている方もたくさんおられます。それから、遊歩道を歩くと、足元には非常に小さなというか、かわいらしい花などもずいぶん咲いておりまして、私もいつも楽しんでおります。
そういったような状況でございますから、より多くの市民あるいは観光客の皆さんがこの遊歩道を楽しんでいただけるように、やはり何といっても安全を確保するということが一番だろうというふうに思いますので、私といたしましても、この国定公園を管理している北海道に対して、粘り強くお願いをしてまいりたいというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
○議長(横田久俊)以上をもって、久末議員の質疑及び一般質問を終結いたします。
ただいま上程中の案件のうち、議案第1号については先議することといたします。
本件につきましては、直ちに採決いたします。
お諮りいたします。
原案どおり可決とすることに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
本日は、これをもって散会いたします。
散会午後5時42分
会議録署名議員
小樽市議会 議長 横 田 久 俊
議員 千 葉 美 幸
議員 佐々木 秩