開議午後1時00分
○議長(横田久俊)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、新谷とし議員、山田雅敏議員を御指名いたします。
日程第1「議案第1号ないし第8号及び報告第1号」を一括議題といたします。
質疑及び一般質問を一括し、これより会派代表質問を行います。
あらかじめ申し上げます。
代表質問に当たっては、質問通告の大項目の順で質問を行い、再質問、再々質問がある場合は、それぞれ一括質問で行うことといたします。
それでは、通告がありますので、順次、発言を許します。
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)8番、川畑正美議員。
(8番川畑正美議員登壇)(拍手)
○8番(川畑正美議員)日本共産党を代表して質問します。
最初に、総務に関連して質問します。
初めに、財政問題です。
長引く不況の下で、自公安倍政権の地方交付税削減が加わり、市の財政が苦しいことでは、我が党と認識が一致しています。
財政問題の地方交付税の削減に関して伺います。
国は、国家公務員の給与を2か年間、7.8パーセント削減することを決め、不当にも地方公務員もこれに準じて削減することを要求し、この第2回定例会で削減を議決するよう要求しています。本年度から地方交付税をその分削減してきました。
小樽市では、職員組合との話合いは合意に至らず、現時点では今定例会に人件費の削減は提案されていません。他都市では削減に応じられないとの立場を表明されているところがありますが、どこの自治体なのかお答えください。
この不況の下で我が党は、公務員の給与削減はさらなる購買力の低下を来すので、削減すべきではないという立場です。今回の不当な人件費削減を前提とした地方交付税削減の改正地方交付税法が3月29日に成立しています。国からの給与削減要請に従わなかったとしたらペナルティはあるのか、お聞かせください。
市長は、国のこの地方公務員給与削減策を不当とは思わないのでしょうか。見解をお伺いします。
あわせて、我が党は、国に対して全国市長会として抗議と撤回を求めることを市長として要求すべきと考えますが、見解をお聞かせください。
小泉内閣のときの三位一体改革で、小樽市は3か年合計で56億円もの地方交付税が削減され、財政危機に追い込まれたことがありました。このときは地方六団体が一致して政府に財源措置を求め、現在のように不十分ながら、地方交付税の復元が図られました。あのときのように全国の地方団体がうねりのような世論を起こして、今回の地方交付税削減をやめさせ、その復元を要求すべきです。市長の見解を求めます。
今年度の財政運営と新年度予算編成に向けた財源確保をどう図るかについて質問します。
今年度の財政運営に当たっては、前年度の黒字が10億円あったとはいえ、いつものことながら、新年度の予算編成に向けて、収支不足10億円をどう確保するかを絶えず念頭に置いて、予算の執行をしていかなければなりません。前年度のように、除雪予算を留保したような大きな財源を要することは抱えていません。しかし、この冬のような大雪と寒波で、多額な除排雪予算を必要とするかどうかは不確定のところです。
ここで毎年問題となるのが、多額の不用額を当てにした財政運営を続けるのかどうかです。議決された予算は、基本的に執行することが前提です。この中には、当然のこととして市民の要求実現が盛り込まれている予算も多々あります。それにもかかわらず、多額の不用額を当てにした財政運営をしていることが常態化していることは、せっかくの市民要望にも背を向ける結果となり、ゆがんだ財政運営と言わなければなりません。また今年度もこれを繰り返すのかが問われるところであります。
市長は、不況で市税の落ち込みが懸念されるマイナス要素を抱えながら財政運営をどう進めようとしているのか、見解をお聞かせください。
総務に関連して2番目の質問は、原発問題についてです。
市長は5月30日のマスコミ報道で、泊原発再稼働の是非について、「安全性が担保されなければ再稼働すべきではない。」「再稼働の是非は軽々にお話しできないが、国が安全だと判断したのなら反対するものではない」と、訂正記事を加えながら再稼働を認める姿勢です。
日本共産党は、即時原発ゼロを実現する提案を明らかにしています。
その理由は、第1に、東京電力の福島第一原発事故が原因究明にほど遠く、いまだに収束せず、今でも仮設配電盤のショートによる長時間の停電や相次ぐ汚染水漏れが続いています。
第2に、再稼働を続けると、使用済核燃料の処分ができないことになります。
第3には、泊原発が停止して1年、この間の猛暑の夏も厳寒の冬も、原発を稼働せずに乗り越えてきました。その間、生活・産業が成り立たなくなるほどの電力不足は起きていません。
そして、第4に、何よりも国民の7割近くが原発ゼロを望んでいるということです。
泊原発は、立地上でも大きな問題を抱えています。多くの方が奥尻島を襲った大津波を記憶していることと思います。日本海側には北米プレートとユーラシアプレートの境界があり、これらに対する科学的立証という点や、不安を抱える道民への説明責任について、北海道電力は果たしていません。福島第一原発事故は、原子炉内部も確認できず、放出する放射能、汚染水問題など、収束している状況ではありません。福島第一原発事故の現状を見たときに、「国が安全だと判断したのなら反対するものではない」という市長の発言は納得できません。市民の安全・安心を守る立場にそぐわないものです。取り消すべきです。市長の見解をお聞かせください。
北海道電力は、家庭向け電気料金を平均10.2パーセント、企業向けを13.46パーセント値上げするとしています。電気料金の値上げは、一般市民も事業者にも大きな負担を強いることになります。本市にとっても、本庁舎をはじめロードヒーティングなど、大きな負担増になります。どの程度の負担増となるのでしょうか、お聞かせください。
電気料は、燃料費、購入電力量、修繕費、減価償却費、人件費、事業報酬などを盛り込んだ総括原価方式を採用しています。事業団体費、過大な広告費についても、総括原価に事実上含まれながら、その実態は明らかになっていません。道民が納得できる情報公開が十分されているかどうかが問題です。情報公開や道民合意もなく、原発をとめているうちは値上げが必要として、値上げか再稼働かと二者択一を迫ることは認められません。市長の受止め方をお聞かせください。
泊原発が停止していた昨年の夏も冬も電力不足になりませんでした。北海道電力が持っている供給設備は、南早来変電所構内の7万4,000キロワットを加え、約755万キロワットあります。加えて本州から60万キロワットを送ってもらうことも可能であり、北電に卸している他社の電気と、ほかに風力、太陽光などを合わせると、原発の発電量を除いても不足は生じないと日本共産党は試算しています。
今年3月末で出力2,000キロワット以上の太陽光発電の申込みが157万キロワットもありましたけれども、40万キロワットしか売電契約ができないと公表しています。風力発電でも、一昨年20万キロワットの募集に対して187万キロワットの応募があったように、電力会社が再生可能エネルギー導入の足かせになっているとも言えます。
このように、再生エネルギーの拡充と北海道電力の売電姿勢を変えることで、原発に頼らないエネルギー政策を確立することができます。エネルギーの転換について、市長の見解をお聞かせください。
小樽病院が今年4月1日付けで初期被ばく医療機関に指定されましたが、軽度と判断された患者を除染する程度と言われております。しかし、具体的なマニュアルは北海道と協議し、作成中とのことです。市長は泊原発の万一の事故への備えについて、新市立病院が治療を求める被曝者であふれる可能性もあるなどと発言していますが、被ばく医療機関として被曝者への対応や、原発事故に対応する設備や医師を確保する体制側からも、現状においては、対応が困難と考えられます。
小樽病院が初期被ばく医療機関に指定されたことは、福島第一原発事故が収束していない状況で、泊原発の再稼働を推し進めるための地ならしと受け止めざるを得ません。市民の安全・安心を確保する市長の立場として、泊原発をなくすることを明確に打ち出すことが必要ではないでしょうか。市長の見解をお聞かせください。
総務に関しての質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)川畑議員の御質問にお答えいたします。
ただいま総務に関連して御質問がありました。
初めに、国からの給与削減措置の協力要請に応じないとしている自治体についてでありますが、報道などにより現在把握している都市は、道外では山形県山形市、福島県いわき市、千葉県習志野市などです。道内では富良野市などと承知しております。
次に、国からの給与削減措置の協力要請に従わなかった場合のペナルティについてでありますが、現在のところ、国からは何も示されておりません。
次に、国からの給与削減措置の協力要請への見解ですが、職員の給与は自主的に決定されるものであり、国からの要請は、地方自治の本旨に照らし、極めて不適切なものであると考えております。また、この問題については、協力要請のあった本年1月以降、全国市長会や北海道市長会において、国に対して継続的に要請活動を行ってきているところであります。
次に、地方交付税の削減をやめさせ、復元を要求すべきとのことについてですが、国の平成25年度地方財政対策などにおいて、地方公務員の給与の削減を求めるとともに、地方交付税の減額を決定したことに対し、私は地方分権の流れに反し、地方自治の本旨に照らし極めて不適切であり、まことに遺憾であると考えております。とりわけ地方交付税の減額は本市の財政運営に大きな影響を及ぼすことから、引き続き北海道市長会や全国市長会などを通じて、国に対して必要な地方交付税総額の確保を図るよう要望してまいりたいと考えております。
次に、財政運営についてでありますが、本市の財政構造は、歳入では市税などの自主財源に乏しく、歳出では扶助費などの義務的経費の占める割合が高いといった硬直した状況が続いており、限られた財源の中で市政を運営していくためには、財政の健全化を確保し、改善に努め、持続可能なものにしなければならないと考えております。このため、本年3月に策定した中期財政収支見通しに示した取組を進め、収支改善目標を達成するとともに、引き続き安定した税収確保に向け、産業振興や企業誘致など地域経済の活性化を図る取組を行っていくほか、事務事業の見直しなど歳出の削減にも取り組みながら、真の財政再建に向け努力してまいります。
次に、原発問題についてですが、まず原発の再稼働については、現在、原子力規制委員会において、福島第一原発事故を教訓に、シビアアクシデント対策や地震・津波対策を含む新規制基準の検討が行われているところであり、本年7月に基準が策定されると伺っております。原発の再稼働は安全性の確保が最優先であり、今後策定される新規制基準に基づき、原子力規制委員会が科学的・技術的見地から、その安全性について厳格な審査、確認をしっかりと行うべきものと考えております。
いずれにいたしましても、私としては、再稼働については、国の責任において新たな安全基準に基づく安全性の確保、電力需給、社会、経済への影響などを踏まえ、総合的に判断すべきものと考えております。
次に、電気料金値上げに伴う市の負担増についてでありますが、全体的な数字は把握できておりませんが、影響の大きい施設で申し上げますと、平成24年度の電気料金実績をベースに試算した年間影響額の見込みは、本庁舎と消防庁舎を合わせて180万円程度、ロードヒーティングで4,700万円程度、中央下水終末処理場で1,470万円程度、小樽病院で380万円程度、医療センターで310万円程度などとなっております。
次に、料金値上げと泊原発の再稼働についてですが、北海道電力では電力の安定供給や安全の確保を前提に、経営全般にわたる最大限の効率化を織り込み、料金改定の申請を行ったとしております。このため、北海道電力には引き続き最大限の企業努力を行っていただくとともに、市民や事業者の皆さんに情報の公開を積極的に行いながら、丁寧でわかりやすい説明により、理解を得る努力をお願いしたいと考えております。
次に、原発から再生可能エネルギーへの転換についてですが、化石燃料の枯渇や地球温暖化、さらにはエネルギー源の分散化などの観点から、再生可能エネルギーの導入拡大や転換は望ましいものと考えておりますが、送電網の整備や電力供給の安定性などの課題もあると認識しております。
次に、泊原発をなくすることを明確に打ち出すことが必要ではないかとのお尋ねですが、先ほどもお答えしたとおり、原子力発電所の稼働については安全性の確保が最優先であり、今後策定される新規制基準に基づき、原子力規制委員会が安全性について厳格な審査、確認をしっかりと行った上で、国の責任において新規制基準に基づく安全性の確保、電力需給、社会、経済への影響などを踏まえ、総合的に判断すべきものと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)8番、川畑正美議員。
(8番川畑正美議員登壇)
○8番(川畑正美議員)次に、教育に関連して質問いたします。
初めに、新・市民プールの建設についてです。
平成19年時点で当時の山田市長は、「プールの必要性は十分認識している。第3ビルの再開発については、大変申しわけないという気持ちは持っていますので、新しい総合計画にのせて早期に実現していきたい」と述べています。また、当時の教育長も、市長同様、「プールの必要性を認識しており、市民のニーズに応えられるよう努力したい」と答えていました。
小樽市は、新・市民プール整備事業を平成21年度からの第6次総合計画の前期実施計画にのせ、基本設計、実施設計に2,800万円を予算計上しています。
また、小樽市過疎地域自立促進市町村計画を議決した2010年第3回定例会で、新・市民プール整備事業について市民の御意見を伺い、「プール建設の基本設計が過疎債の対象外としても、実施設計や本体工の部分は対象になり、過疎債適用で進める」と答弁しています。
このように総合計画で市民に早期建設を約束し、過疎計画で、学校併設型ではなく、過疎債を適用したプール建設を前提にして議会議決されていることが明らかです。このことをどう捉えているのか、市長及び教育長の見解をお聞かせください。
第6次総合計画の前期実施計画は、本市が進めるべき事業として、厳しい財政の下でも練り上げてつくられた計画です。財政が厳しいことを理由に、本年度が最終年度である総合計画の前期実施計画に盛られた事業さえ見送ることは、行きすぎも甚だしいと言わざるを得ません。総合計画の前期実施計画に盛られた事業数は幾つで、そのうち平成25年度までに事業費が明示されているのは幾つでしょうか。
総合計画の前期実施計画に盛られた主な事業のうち、予算化されていないのは新・市民プールだけであり、過疎計画でもプールだけが取り残されています。なぜ新・市民プールだけが取り残されているのか、これまでるる答弁されていますが、納得できません。教育長から納得のできる答弁を示してください。
また、仮に新・市民プール建設に10億円を要したとして、平成23年度決算で14.3パーセントである実質公債費比率はわずか0.1パーセント上昇し、14.4パーセントになるだけであります。これがどうして市財政を圧迫することになるのか、合点がいきません。市長から詳しく説明してください。
教育長は、本年第1回定例会で、「学校併設型を検討し、市長部局と協議を進めてきた」と発言しています。また、総務常任委員会でも、「今後ともこれまでの市長部局との話合いを踏まえて、複合型の施設で検討していかざるを得ないと考えている」と答弁しています。
日本共産党は、学校にプールをつくることに反対していません。むしろ歓迎です。しかし、建設を求めている新・市民プールは、学校併設型で代用するものではありません。学校併設型プールの建設が突然持ち出されましたけれども、これまでの議会で議論されておりません。また、市民や関係者に説明もなく、意見をも聞かない中での突然の話であります。学校併設型でない単独型プールを建設するという議決を無視しています。これは基本方針を勝手にゆがめる暴挙であります。
今になって単独プールは維持費がかかることを理由にしています。しかし、旧小樽駅前第3ビルの室内水泳プールは、平成16年度から18年度の3か年度の維持費は平均で7,434万円、これくらいかかることを前提に総合計画でも決められてきたものだと思います。
単独型プール建設は、多くの市民が早期建設を願って、多くの陳情や署名を提出してきました。最近でも、小樽市室内水泳プールの存続を求める会から、プール建設は学校併設型ではない、単独で公認の新室内水泳プールとして早期に建設を求める要望書が提出されています。市民の要望に積極的に応える答弁を求めます。
本年第1回定例会で総務部長は、「平成25年度からは、平成26年度から30年度までの後期実施計画を議論していく過程で、どのような形で市民プールを位置づけていけるかどうかを検討させていただきます」と答弁しています。これは5年後の後期実施計画の最終期限への引き延ばしをするとも受け止められるもので、承服できません。前期実施計画で基本設計、実施設計の2,800万円を計上しており、前期実施計画の最後の年である今年度中に、前期実施計画に沿って基本設計、実施設計を最優先課題として計上するよう求めます。教育長及び市長の見解をお聞かせください。
教育に関連して2番目の質問です。手宮地区統合小学校校舎新築工事についてです。
平成28年度に北手宮小学校、手宮西小学校、手宮小学校の3校及び色内小学校の一部を統合し、現手宮小学校の敷地に新たに統合校を建築することになりました。
これまで教育委員会は、グラウンド面積がやや狭いため、教育活動が十分に発揮できるような設計にしたいとして、「地形上の制約、必要な面積などを実現しながら、地域の声を学校統合協議会などで伺う」と答弁しています。統廃合による校舎の建設に当たって、グラウンドの問題を地域住民や保護者の皆さんにどのように説明し、御意見を受けられたのでしょうか。その内容を聞かせください。
教育委員会は、手宮地区統合小学校校舎新築で、グラウンドを現手宮小学校敷地の中で検討し、グラウンドは現在の手宮小学校の4,500平方メートルを700平方メートル広げ、5,200平方メートルにする予定とのことです。児童数は、現手宮小学校の117名から、3校の統合によって、平成28年4月時点で275名の見込みとしており、約2.5倍に増える予定です。統合する3校のグラウンドの広さは、手宮小学校が4,500平方メートル、手宮西小学校が9,000平方メートル、北手宮小学校が5,800平方メートルと、手宮小学校が最も狭い条件にあります。この3校のグラウンドの広さを平均してみると、6,400平方メートルになります。手宮小学校は児童数も2.5倍に増えることから、少なくても3校のグラウンドの平均を上回る広さが必要と考えます。教育委員会の見解をお聞かせください。
5月25日に現手宮小学校で運動会が開催されました。小学校の運動会は、地域にとっての一大イベントであります。グラウンド周辺は前日から、保護者の観覧席確保に始まり、当日は児童1人に対して保護者5人と言われるほど、応援や観覧に多くの市民が押しかけています。現状でも保護者などがグラウンド敷地内で満杯の状態です。統合によって児童数が2.5倍に増加することを考えると、保護者の皆さんを収容しきれない状況が予測されます。学校統廃合による校舎の新築に当たっては、後悔しないためにも、グラウンドは最大限の広さを確保すべきと考えます。教育長及び市長の見解を伺います。
本年第1回定例会において、「手宮小学校裏手の末広公園を削って、学校敷地を拡張してはどうか」との質問に対し、「末広公園の適切な配置、位置関係を考慮すれば、現状どおり公園とすることが適切」と答弁しています。しかし、隣には大きな手宮公園があり、末広公園を現状どおり公園とすることが適切と言えるのでしょうか。また、末広公園は山手にあり、植樹も少なく、雑草が茂り、手入れがされていません。小さな広場がありますが、子供向けの遊具も使用されないまま放置された状態です。校舎新築に当たって、現在の校舎山側にある末広公園の一部を削り取り、グラウンドを広げることが最良の策と考えます。教育長の見解を求めます。
小樽市の学校教育は、「心豊かに学びふるさとに夢と誇りをもちたくましく生きる小樽の子どもの育成」という基本理念の下で進めています。市長は学校設置者として、子供たちが伸び伸びと育つために必要な環境を整える責任があります。今定例会において、手宮地区統合小学校校舎新築工事の請負契約を締結する追加議案の提出が予定されています。手宮地区統合小学校の校舎新築事業は、平成25年度、26年度で校舎棟建設・外構、解体工事が計画されています。グラウンド整備は、その後の事業となります。末広公園の一部を削ってグラウンドを拡張するには、行うべき手続も必要と思います。さまざまなハードルは予想されますが、それをクリアし、後に児童や保護者の皆さんに感謝されるグラウンドの拡張を実現するよう要求します。学校設置者として、子供たちに必要な環境を整える責任者としての市長の決断を求めます。見解をお聞かせください。
教育に関連して質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま教育に関連して御質問がありました。
初めに、新・市民プールの建設について、総合計画と過疎計画に位置づけられていることについての見解ですが、新・市民プールの建設は、本市の基本的な方向性を示す総合計画と地域の自立促進を図るための過疎計画において、生涯スポーツの振興へ向けた環境づくりのために位置づけをしたものであり、取り組まなければならない事業の一つとして認識をしております。
次に、総合計画前期実施計画の事業数と、そのうち事業費が明示されている事業数についてですが、事業数は333事業であり、そのうち事業費が明示されているものは292事業であります。
次に、プール建設にかかわる市財政への影響についてでありますが、建設費を10億円、それに係る財源として起債を8億円と見込んだ場合の実質公債費比率への影響は0.1パーセント程度と試算しておりますが、実質公債費比率という一つの指標をもって市の財政状況を判断することはできないものです。本市の財政状況は平成25年度予算編成においても約12億円の財源不足が生じたことから、財政調整基金の取崩しにより何とか予算を編成した状況であり、本年3月にお示しした中期財政収支見通しにおいても、今後も厳しい財政状況が続くことが想定されるものであります。
次に、前期実施計画に沿って基本設計、実施設計を今年度中に計上することについてですが、平成21年2月に総合計画を策定後、東日本大震災が発生したことにより、市民生活の安全・安心を守るための取組など、計画策定時に想定できなかった新たな財政需要に対応していかなければならない状況にあります。
一方、本市の財政構造は、平成22年度以降、実質収支が黒字に転じているものの、毎年度の予算編成では何らかの財源対策を行わなければ、収支均衡予算が編成できない状況にあります。このため、今後の財政運営を考えた場合、限られた財源の中で選択と集中の視点に立って事業の実施を判断していかなければならないことから、新・市民プールにつきましては当面事業の着手を見送ることとしたものであり、今年度中に取り組むことは難しいものと考えております。
次に、手宮地区統合小学校新築工事についてですが、設計に当たっては教育委員会と十分協議した上で行っており、グラウンド面積は文部科学省の基準を満たしていることから、私としても適切なものと判断をしております。
また、基準を満たしておりますので、末広公園の用地をグラウンド用地に転用することは考えておりません。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)川畑議員の御質問にお答えいたします。
ただいま新・市民プール建設についての御質問がありました。
初めに、新・市民プール建設が登載された総合計画が議決されていることについての御質問ですが、教育委員会としては、平成21年の総合計画策定時において、先進市の事例を参考に単独プールとして総合計画前期実施計画にプール建設の基本設計、実施設計を登載したものでありまして、このことについては重く受け止めております。
次に、新・市民プール建設が予算化されていないことについてでありますが、教育委員会としては、東日本大震災を契機に校舎の耐震化が急がれたことや、学校適正配置計画に基づく学校建築、さらには新学校給食共同調理場の建設など、優先的に取り組まなければならない事業が集中していたことや、市の財政が大変厳しい状況にあることから、当面、新・市民プール建設の着手を見送ることとしたものであります。
次に、単独型でのプールの早期建設についてでありますが、新・市民プールの基本設計、実施設計が総合計画の前期実施計画に登載され、プールの建設の要望が市民から寄せられていることについては重く受け止めております。私としては、新・市民プール建設に向け、引き続き建設コストやランニングコスト、さらには単独施設とするか複合施設とするかを含め検討を行い、後期実施計画にどのように登載するか、市長部局と相談をしてまいりたいと考えております。
次に、新・市民プール整備事業の今年度中の予算計上についてでありますが、今年度は新学校給食共同調理場の建設や学校耐震化工事、さらには学校適正配置計画に基づく学校改築などの事業が集中していることから、今年度中に新・市民プール建設に関する予算を要求することは難しいものと考えております。
次に、手宮地区統合小学校におけるグラウンドに関する地域住民への説明についてでありますが、これまで手宮小学校においては、学校再編に係る地区別懇談会を3回開催しており、平成24年7月5日の小学校3校合同の地区別懇談会において、保護者や地域住民に口頭で建築スケジュールや校舎の場所、グラウンドの位置などについて説明をしておりますが、この件に関し、参加者から特に御意見や要望はございませんでした。
次に、グラウンドの広さについてでありますが、想定する児童数が275名であれば、文部科学省の小学校設置基準では、児童数241人以上720人以下の場合、グラウンドの必要面積は2,750平方メートル以上となっております。現在、手宮小学校のグラウンドは実質面積で4,500平方メートルでありますが、新校舎の配置などを工夫し、5,200平方メートルを確保できる見込みであり、学校教育活動には支障がないものと考えております。
次に、グラウンドの広さを確保すべきとのことでございますが、繰り返しになりますが、校舎の建替えに当たっては、できるだけ広くグラウンドをとる観点から、校舎の配置を工夫し、敷地を広げ、文部科学省の基準を満たしていることや市内の小学校の平均と遜色のないことなどから、支障がないものと考えております。
次に、末広公園の一部をグラウンドに転用することについてでありますが、これまでも申し上げてまいりましたが、今回のグラウンド用地は文部科学省の基準を満たしていることから、公園用地の転用を申し入れることは難しいものと判断をしております。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)8番、川畑正美議員。
(8番川畑正美議員登壇)
○8番(川畑正美議員)次に、厚生に関連して質問します。
最初は、生活保護についてです。
政府は、年金よりも生活保護支給額が高いなどと国民同士を対立させるやり方で、生活保護基準額を今年8月から3年間で670億円引き下げることを決定しました。生活保護基準の改定によって生活扶助費が引き下げられ、受給者の暮らしは、さらに困難になってしまいます。新しい基準は算出方法が複雑になっているとのことですが、具体的に40代夫婦と小学生、中学生の4人世帯をモデルとした場合の例示を基に、今年6月現在と改正後の今年8月時点、平成26年4月、平成27年4月の引下げ額を対比してお示しください。
生活保護基準の改定は、受給者だけでなく、対象者の設定に当たり生活保護基準を参照しているほかの制度に影響を与えます。その影響については、それぞれの制度の趣旨や目的、実態を十分考慮しながら、できる限りその影響が及ばないよう対処することを基本にするとしていますが、現在まだその対策が示されていません。就学援助、保育料の免除、国民年金保険料の免除などに影響が及ぶと言われ、特に就学援助では、生保受給世帯の児童とそれに匹敵する準要保護世帯の児童にも及び、一説では就学援助を受けることができる児童が現在の83パーセントに減少するとも言われています。保護基準の改定によるほかの制度への影響について、市民の安全・安心を守る立場の市長として、どのような対処を検討されておられるか、お聞かせください。
衆議院厚生労働委員会において、5月31日に生活保護法改正案と生活困窮者自立支援法案が多数で強行採決され、今後、参議院で審議されることになります。これまでの国会審議では、保護申請の際に、判定に必要な書類の提出を特別な事情がある場合を除いて義務づける、親族の扶養では行政機関の調査権限を拡大し、扶養義務者に報告を求めるなど、窓口で申請をはねつける水際作戦を合法化することになります。
また、不正受給の罰則強化や家計管理など、人権侵害にもなる締めつけを狙っています。加えて、就労による自立を名目に自立活動確認書を新たにつくり、就労管理も強化しています。
このように水際作戦の強化、生活保護からの閉め出し強化は、必要な保護を受けられずに餓死や孤立死につながりかねません。本市では、保護申請の申請を受け付けせずに、生活保護からの閉め出しなどしていませんか。
また、受給者の就労管理、家計管理などの増加する実務作業でケースワーカーほか職員の負担が増大することになり、対応が心配です。現在は予想の段階ですが、今後の見通しをお知らせください。
生活保護に対するバッシングは、テレビタレントの河本問題を国会で意識的に取り上げ、一部で行われた不正受給問題も含めてマスコミが大きく報道しています。そのことが適正に受給されている方や保護を必要としている方々を萎縮させてしまい、生活保護が憲法で保障された制度であるとの理解が不足しています。
生活保護は、財源の4分の3は国が負担していますが、本来国が行うべきであることから、保護費は全額国庫負担とすべきです。市長がこの立場に立って、国や関係機関へ積極的に働きかけることを求めます。市長の考えをお聞かせください。
今年5月、国連社会権規約委員会が日本政府に総括所見として、恥辱のために生活保護の申請が抑制されていることに懸念を表明し、生活保護の申請を簡素化し、申請者が尊厳を持って扱われることを確保するための措置をとること、そして生活保護につきまとう恥辱を解消する手だてをとることが勧告されています。市長は、総括所見をどのように受け止め、対処を考えておられるのかお聞かせください。
厚生に関連した質問の2番目は、国民健康保険料についてです。
平成24年度の国民健康保険料が一部引き下げられましたが、平成25年度の保険料は引き上げられます。国保加入者にとって大きな負担です。保険料を引き上げる理由をお聞かせください。
平成25年度の国保加入者の1世帯当たりの平均保険料は幾らになりますか。
また、具体的に介護給付費納付金分がある所得200万円、給与収入311万7,000円の夫婦と子供2人の4人世帯の場合の年間保険料額、対前年度引上げ額、所得に占める保険料の割合をお知らせください。
保険料をこれ以上引き上げないためには、小樽市国民健康保険事業運営基金からの繰入れによって軽減することが必要です。その財源として、現在の基金の状況はどのようになっていますか。
道内の他市では、一般会計からの繰入れを法定内と法定外でも実施しています。本市の平成23年度の繰入れは幾らになっていますか。その額のうち、法定外の1人当たり繰入額は、他市と比較するとどのような状況にあるかをお知らせください。
また、平成25年度国保料の引上げをしないためには、どの程度の財源が必要なのかもあわせてお知らせください。
基金からの繰入れができない場合、独自に一般会計から国保会計へ繰入れができないものか、見解をお聞かせください。
国保加入世帯は自営業者や年金生活者などが多く、平成24年度所得階層別でも、加入世帯の総所得がゼロの世帯が約35パーセントを占め、100万円以下の世帯が全体の約71パーセントを占めています。低所得者が多く、協会けんぽのように事業者負担額がありません。国が国庫支出金として負担していますが、国、国保の財源に占める割合は25パーセントであり、国の負担分を引き上げることが必要です。市民負担の軽減のために市長は国に対してどのような働きかけをされているか、お知らせください。
市民は、年々引き下げられる年金、デフレ不況で売上げの減少、燃料費をはじめ食料品などの値上がりで生活が圧迫され、日々の生活に精いっぱいで、国保料を払いたくても払いきれない、保険証があっても治療費が払えないために、1年以上も病院に行くことができず、糖尿病が悪化して失明に至り、市内の無料・低額診療制度で助けられたなどの事態が起きています。国保料引上げで、平成23年度の滞納世帯数は2,247世帯、全世帯に占める割合は10.2パーセント、資格証明書及び短期証交付世帯は平成24年9月の更新時で両方合わせて973件でしたが、今後、増えることが予想され、必要な医療が受けられない市民が増えることが心配されます。
日本の皆保険制度は、国民全てが安心して医療を受けられるための制度です。資格証明書交付の適用除外について、厚生労働省は、自治体が決めれば生活保護基準以下でも特別の事情に入れてよいとしています。本市も取り入れ、具体的に対応すべきです。御意見を聞かせてください。
以上、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま厚生に関連して御質問がありました。
初めに、生活保護について、40代夫婦と小学生、中学生の4人世帯をモデルとした場合の生活保護基準改定による引下げ金額でありますが、今年6月と比較すると、今年8月で約6,000円、平成26年4月には約1万2,000円、平成27年4月には約1万8,000円の引下げとなる見込みであります。
次に、生活保護基準の改定による他の制度への影響についてでありますが、個々の制度について、まだどのような取扱いにするか決定しておりません。今回の生活保護基準改定に伴う影響、それぞれの制度の趣旨や他自治体の動向なども踏まえながら、対応について検討してまいりたいと考えております。
次に、本市における保護申請の受付についてでありますが、申請は本人の意思があれば受け付けており、窓口対応は適切に行っております。
また、就労管理や家計管理などの実務作業については、まだ全体の業務量を把握できておりませんので、今後状況に応じて対応してまいりたいと考えております。
次に、生活保護費にかかわる負担についてでありますが、生活保護は本来国の責任において実施すべきものであることから、その財源は全額国庫負担とすべきものであると考えております。これまでも、全国市長会をはじめ指定都市市長会、全国知事会において全額国庫負担とするよう、国に要請しているところであります。
次に、国連社会権規約委員会の総括所見についてでありますが、これは日本政府が勧告を受けたものですので、国から何らかの通知があれば、それに応じて本市としても対応したいと考えております。
なお、生活保護申請者の尊厳については、国の通知を待つまでもなく尊重されるべきものでありますので、職員に対しては、申請者等への誠意ある対応と保護制度について丁寧な説明を行うよう、引き続き指導してまいりたいと考えております。
次に、国民健康保険についてですが、まず平成25年度の保険料の引上げ理由について、大きな要因としては、年々増加する後期高齢者支援金、介護納付金の影響が挙げられます。平成24年度の保険料を算定するに当たっては、歳出の保険給付費を精査し、当初予算から約3億円下方修正したことで、医療分の1世帯当たりの平均保険料を23年度と比べ1万1,327円下げることができたため、後期高齢者支援金分と介護納付金分の増価額6,055円を吸収しても、全体では5,272円の引下げとなりました。しかし、平成25年度においては、保険給付費の精査のほか、保険料の上げ幅圧縮のため基金を取り崩すことで、医療分の1世帯当たりの平均保険料を24年度と比べて2,628円引き下げることができましたが、後期高齢者支援金分と介護納付金分の増加分が2,859円あるため、全体では年額213円の増加となったものであります。
次に、1世帯当たりの平均保険料と具体的な世帯の保険料額等についてですが、平成25年度の介護納付金分を含めた1世帯当たりの平均保険料は、年額14万629円となります。
また、介護納付金分がある所得200万円、給与収入311万7,000円の夫婦と子供2人の4人世帯の場合、年間保険料は47万8,150円で、平成24年度と比べ2万1,390円の増加となり、所得に占める割合は23.9パーセントとなります。
次に、国民健康保険事業運営基金の状況についてですが、平成25年5月31日現在の残高は約9,160万円で、先ほど申し上げましたとおり、保険料の上がり幅を抑えるために6,500万円を取り崩すこととしていますので、その分を差し引くと残額は約2,660万円となります。
次に、一般会計からの繰入金についてですが、平成23年度は12億6,126万円で、そのうち法定分が12億5,340万円、法定外分が786万円となっております。
また、法定外の1人当たり繰入額につきましては、道内主要10市の状況を見ますと、旭川市が約1万5,000円、札幌市、帯広市が約1万円、苫小牧市、江別市が約4,000円、北見市、函館市、釧路市が1,000円台、小樽市が230円、室蘭市はゼロ円となっております。
次に、25年度の保険料を引き上げないための財源についてですが、後期高齢者支援金分、介護納付金分の料率を平成24年度並みとした場合、約1億2,000万円の財源が必要になると推計されます。
また、市独自に一般会計から法定外の繰入れをすることにつきましては、国保加入者以外の方にも間接的に負担となることや一般会計の財政状況が厳しい中では難しいものと考えております。
次に、国の負担分を引き上げるための働きかけについてですが、これまでも北海道市長会を通じて、国庫負担のさらなる拡充・強化や低所得者に対する負担軽減策の拡充などについて、国や北海道に対して要請しているところであり、今後も継続して要請してまいりたいと考えております。
次に、資格証明書交付の適用除外についてですが、国民健康保険法では、保険料に滞納があっても、災害など特別の事情があると認められる場合には資格証を交付せず、通常の被保険者証、いわゆる本証を交付することとしております。この特別の事情に生活保護基準以下の方も対象にすべきとの御意見でありますけれども、収入が生活保護基準以下であるとの理由だけで、一律に資格証にかえて本証を交付することは、他の国保加入者との負担の公平性を欠くことになるため、難しいものと考えております。
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)8番、川畑正美議員。
○8番(川畑正美議員)まず、原発問題でありますけれども、昨年、後志の町村において北海道原子力防災訓練が行われているわけですけれども、その中で泊原発での福島第一原発のような事故を想定して行われているわけですけれども、その中で疑問がいろいろ出ていると。例えば避難用のバスは札幌方面からチャーターしているわけですけれども、原発の災害時に果たしてバスが後志の町村まで来てくれるのだろうか、あるいは後志の海岸線は国道が果たして使えるのかと、そういう疑問も出されて、参加された方から、事故が起きたとしても、住民が安全に避難できる体制が確保されない限り、泊原発は再稼働させるなという意見が出されています。
泊原発から40キロメートルにある小樽市ですが、泊原発の事故発生時の避難体制、そして医療対処の体制などが確立されていないわけですから、再稼働に対する避難対策ではなくて、原発廃止でもって市民の安全を守ることを考えるべきでないかと思います。原発自体は過酷事故を想定した対策の実証実験を行うことが原理的にできないわけであって、客観的な安全基準を設定すること自体が不可能だと。そういう意味で安全な原発などはないというふうに思っています。
今、日本の中には2万4,000トンもの核燃料がつくり出されているわけですから、核原発の貯蔵プールには今大量に核燃料が貯蔵されている状況であります。原発の廃炉には20年かかると言われています。もっとそれ以上だとも思いますが、使用済核燃料は、原料として使用するウラン鉱石のレベルに放射能が下がるまでには数万年、そしてそれ以上、無害と言えるまでになるには十数万年と言われているわけです。早い時期に廃炉にしなければ孫子の代にまで影響を及ぼす、そういう状況になると思います。そういう意味では、泊原発を廃炉にする時期は今ではないかと思うわけです。
太陽光発電だとか風力発電で電力を賄えれば理想だ、あるいは原発なしでは社会が成り立たないなどということから出発するのではなくて、原発ゼロならどうするのかと、そういう立場に立つことが、本格的な再生可能エネルギーの普及や議論を具体化させることを進めていける状況になるのではないかと思うのです。それで、もう一度、この辺についての市長の見解をお聞かせいただきたいと思います。
それから、新・市民プールの問題でありますけれども、新・市民プールの建設に当たっては、これまでに3,411件の陳情が上がっているわけです。署名については今日現在で5万1,654筆、そういう状況にあります。近年にない市民の関心の高さがうかがえるのではないかと思います。
それと、小樽駅前第3ビルにあった室内水泳プールの取壊しに対する6億8,000万円という補償金があるわけですから、優先的にプールを建設するのは当然と考えるのが市民感情だと思います。
それと、これは総務常任委員会の中でも議論されてきましたけれども、道内の主な都市の中で小樽だけプールがないという事実も明らかになっています。ある街頭でプールの署名をしていたときに、小樽に来られた観光客が近寄ってきて、小樽市にはプールがないのですかと驚いていたと、そういう報告もあります。何としてもプールを早くつくってもらいたい、そういう思いがあると思います。
もう一つ、先日5月末に小樽市室内水泳プールの存続を求める会の要請があって、市長とお話をされたわけですけれども、私も傍聴させていただきました。その中で気になったことなのですが、市長は民間の考え方と公務員の考え方に大きな違いがあるという発言をしていました。公務員はつくることを優先するけれども、民間では建物をつくるのに趣旨がうんぬんというような話もされていたと思うのです。このプールの問題については、民間レベルでの発想ではいかないだろうと。要するに民間企業というのは利益を追求するものであって、市営の市民プールとかそういうものについては、例えば第6次総合計画では「生涯スポーツの振興へ向けた環境づくりのために、市民プールの建設や既存施設の計画的な整備を進めるとともに、スポーツ・レクリエーション施設の利用促進と有効活用に努めます」とあるわけです。そしてまた、平成24年第4回定例会で教育長が答弁されている中で、プールの行政目的は、「多くの市民が生涯にわたってスポーツを楽しみ、健康で豊かな生活を送ること及びスポーツ技術力の向上と指導者養成などを目的」としていると、そういうことで総合計画に登載されたと答弁しているわけです。
ですから、民間の発想とこのプールをつくるのとは全く違うだろうと私は思いますので、その辺で市長の見解を改めて聞かせていただきたいと思います。
それから、第1回定例会の中で、新・市民プールの建設に当たって、学校併設型と複合型ということを使い分けされていたように聞いていました。それで、複合型についてどんなイメージを描いているのか、わかればお聞かせいただきたいと思います。
それから、手宮地区統合小学校の新校舎建設に当たってのグラウンドの問題でありますけれども、学校統廃合に係る懇談会で保護者や地域の方から意見を聞いていないという話でした。今後、保護者や地域の方から意見を伺う機会をつくる予定があるのかどうか、それとも、そのままもう意見は聞く必要がない、そういう立場で工事を進めるつもりでおられるのか、その辺をお聞かせいただきたい。
それから、グラウンドの広さについて私が疑問を持つのは、確かに文部科学省の施設整備指針の標準を満たすスタンスで進められたのだろうと思うのですが、その一方で、新・市民プールの建設では施設の建設面積を2,000平方メートルにするとか、駐車場については100台必要だと。それで3,000平方メートルのスペースが必要と言って、敷地の広さにこだわってきていたと思うのです。いまだに適当な場所が見つからない、そういうことで引き延ばしされているのではないかと思うのです。市民や利用者を中心に検討するという立場ではなくて、教育委員会の都合に合わせた形で進めているのではないかと思うので、その点での考えを聞かせていただきたいと思います。
それから、生活保護の問題でありますけれども、生活扶助費は生活保護世帯が食費や光熱費に充てる費用であって、政府は物価下落の影響を扶助費の削減の理由としているわけでありますけれども、デフレの要因は、パソコンやテレビなど電気製品の価格破壊が影響しているものであります。食料品や光熱費は上昇しているわけであって、ぎりぎりの生活保護費から引下げになることは、生活保護受給者にとって大きな痛手となると思います。
それで、生活保護の申請者は大変な勇気を持って申請しているのであって、現状この本市でも、扶養義務者に通知されるとして申請を控えている人だとか、世間の目を気にしてかたくなに保護申請をせずに耐え忍んでいる、そういう人もいるわけであります。もちろん保護受給者だけでなくて、生活保護基準に類する人や、基準以下の世帯が存在しているということも事実だと思います。そういう点で生活扶助の引下げを中止させて、引き続く生活保護改正をさせないために、市長として御尽力願いたいのでありますけれども、市長はそういう点での生活保護受給者の実態や、あるいは悩んでいる方の状況も把握されていると思いますので、その辺での尽力をしていただきたいと、そういうふうに思います。
それから最後に、国民健康保険の問題ですけれども、一般会計から国民健康保険事業特別会計への繰入額は、独自分としての法定外繰入額が国保の軽減に影響するわけですけれども、本市の1人当たりは230円、ほかの都市との平均と比較しても約20分の1くらいの状況です。これを何とか引き上げることはできないものかと、そのことをもう一度伺いたいと思います。
それから、介護保険料は基準額で月額5,460円、現状そうなっています。家計にも大きな負担になるわけですけれども、要介護認定者は今後も増加する見通しだろうと思います。それで、国の負担の割合の25パーセントを大きく引き上げなければ維持できないだろうと思います。後期高齢者医療制度に当たっても、高齢者を差別したそういう欠陥制度であるので、こういうのはやはり廃止するべきだというふうに考えています。
それで、介護保険制度と後期高齢者医療制度の問題と、国保の財源となっている国庫支出金25パーセントを引き上げる、こういう点で国への働きかけをより一層強めていただきたいと、そのことをお願いして再質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)川畑議員の再質問について、私から二つ答弁をさせていただきたいと思います。
まず一つは、泊原発の避難訓練の状況の中で泊原発を廃止すべきではないかという、お話であったと思いますけれども、私が常日ごろから申し上げていることは、市民の安心・安全を守るというのは、市長の責務でありますから、市民をどうやって守っていくかということを考えるのは当然の話であります。
そういった中で、泊原発のことにつきましては、私自身は原発に対する知見も何もございませんので、やはり、現在、原子力規制委員会において進められております新規制基準の検討、こういったことを踏まえて、国がしっかりと安全ということを検討いただきたい、こういうことを申し上げているわけでありまして、市民の安全・安心を守るというのは市長として当然のことでありますので、これからも同様な気持ちで取り組んでいきたいと思っております。
それから、プール建設の問題についてもお話がありました。小樽市に市営プールはないと川畑議員は言われていますけれども、市が経営しているプールはありますので、そこをぜひ利用していただきたいと思っております。
今の議員の質問の中で、先般、新・市民プールの建設についてのお話をいただいたときに、私は民間と行政の違いということを申し上げました。民間でもいろいろと事業計画とか業務計画というのをつくるわけでございますが、当然行政もつくるわけです。今、議員が言われるのは、第6次総合計画のことをお話しされているのだろうと思いますけれども、その中での大きな違いというのは、民間は何かの計画をつくるときに、それに見合う資金があるかどうか、収入があるかどうか、こういったところから入っていきませんと民間企業というのは倒産するわけでございますから、破綻するわけですから、そういうことでお話をしたところであります。
しかし一方、自治体としては行政としてはどうかというと、事業を計画しますけれども、実際にその事業をやるための収支がどうなるかというところまでは、全くではありませんけれども、あまりその考えというか検討の中に入っていかないということで、そういう意味で民間と行政の違いということを申し上げたわけでございまして、私は何度も申し上げております。皆さんにもお話ししましたけれども、今、小樽市の財政がこういう厳しい状況の中で、小樽市自体を財政再生団体、いわゆる破綻にさせるわけにはいかないということを強く申し上げたところでありますので、御理解をいただきたいと思います。
その他のことにつきましては、担当部長から答弁をさせていただきます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)福祉部長。
○福祉部長(三浦波人)川畑議員から、生活保護にかかわりまして、基準の引下げの反対に尽力をすべきという再質問がございました。
今回の生活保護基準の改定でございますけれども、国が年齢とか世帯人員、地域差の影響を調整して、なおかつ物価動向を勘案したということですので、その結果示された生活保護の基準、すなわち最低限度の生活が保障される額だというふうに認識をしているところでございます。
しかし一方で、一般的に人が生活する上で収入が減るということは、今までよりも何かを切り詰めていかなければならないというわけで、生活保護に関しましても、改定後の額が基準として適正な額だとしても、今までより下がるのであれば何かを切り詰めなければならなくなるというのは、そういう現実は十分理解しているところでございます。
その上で、今回の改定では、平成27年4月までの期間で見直し結果を段階的に適用させていくなど激変緩和措置もとられておりますので、こうした措置も取り入れられた中で国が定めた基準額なのですということ以外に、私どもとして今申し上げられることはないのではないかと思うのです。もし言えるとすれば、現在、諸物価は少し上昇傾向にありますけれども、今後、一定物価上昇がもしあれば、今後の基準改定の際に、それをしっかり反映した見直しを行っていただきたいと思ところでございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)医療保険部長。
○医療保険部長(藤井秀喜)川畑議員のからの国民健康保険の御質問について、まず一般会計繰入金について答弁いたします。
確かに法定外の繰入金だけを見ますと1人当たり230円ということで、札幌市、旭川市の1万円台から比べますと格段に低いのですけれども、実は法定、ルール分も含めた繰入金全体の額で言いますと、4番目に高い。具体的に言いますと3万6,930円ですので、札幌市、旭川市、帯広市が大体4万円台ですので、それに近いということで、保険料を引き下げる効果としての繰入金と、総額としては小樽はそれなりというのですか、繰入額としてはあると。なぜ法定内と法定外にこれだけの違いがあるかということだと思うのですけれども、本市の場合は病床数が多いだとか低所得者が多いという、全国から比べると非常に高いものですから、それに見合ったといっても全額補填されるわけではないのですが、国や道からの補助金といいますか、負担金があるものですから、それが法定内ということで繰入れがある。ですから、総額を合わせると、今言ったように、札幌市、旭川市、帯広市に次いで4番目の繰入額になりますので、保険料としては繰入金はそれなりに入れているという形になると。ただ、それがルール外とルール内に分けてしまうと、そういう著しい差に出ると。それは小樽市の独特のそういう病床数とかという状況の違いだということで御理解いただきたいと思います。
それからもう一つが、介護保険だとか後期高齢者医療保険のほうの負担もあって国保料を払うのも大変だということの御趣旨の中で、国への要望を続けてほしいということでございますけれども、それは私どもも十分承知しております。ですから、全国市長会、北海道市長会を通して、これからも引き続き要請してまいりたいというふうに考えておりますし、現在、社会保障制度改革の国民会議とか厚生労働省の各部会でいろいろな議論もされて、国保料の引下げにいろいろな税を投入するとかという話も出てきておりますので、そういう動きも注視しながら、今後いろいろ考えていきたいと思います。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)私のほうから3点、再質問にお答えをいたします。
1点目の複合型の新・市民プールの内容についてお聞きしたいということでございますが、今年度の予算要求に当たりまして、教育委員会とすれば、まずはプールを早期にやるとすればどういった方法があるかということ、それから、その当時土地がまだ見つかっていない、それから今後の小樽市の財政的な状況、それらを加味して現実的に今やるとすれば、緑、最上両小学校の学校改築に当たって、体育館とプールを複合型で重層型で建ててはどうかと、その考え方をもって市長部局と協議をしたところであります。1階が6コース公認の水泳プール、2階が体育館、そういうことを前提に市長部局と相談をしたところでございます。
それから、2点目の手宮地区統合小学校のグラウンドの拡大についてでありますが、今後、教職員と保護者と地域の町会の方々などで組織する統合協議会を設置いたしますので、その場の中で建築計画などを説明しながら、意見を聞いていきたいというふうに考えております。
それから、3点目の水泳プールの基準と学校のグラウンドの基準の考え方についてでありますが、まずは水泳プールに関して言えば、社会体育施設ということで言えば、特に文部科学省が定めた基準はございません。あるのは公認プールの競技としての基準、これがあります。これを基に附帯施設をどうするか、又は駐車場の用地をどれぐらい確保するかによって、それぞれの先進市のほうで決めていると。先ほど答弁いたしましたが、この2,800万円の事業を登載するに当たっては、道内の先進市のプールを参考に積算したということでございます。
それから、学校の敷地、学校の建物に関しては、これは文部科学省令で基準を定めていると、それに基づいて行っているという状況でございます。
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)8番、川畑正美議員。
○8番(川畑正美議員)再々質問です。まず新・市民プールの関係で市民が要望しているのは単独型のプール、今まで小樽駅前にあった、そういうプールをつくってほしいというのが要求なのです。お願いなのです。だから、それに沿った検討をしてもらうということが第一です。そして、今年度中に基本設計、実施設計を組み込んでほしいと。それは今年すぐ工事にかかるのでなくても、後期実施計画の第1番目に優先的にやってほしいというのが市民の要求なわけです。それに応えてほしいというのが一つです。
それから、手宮地区統合小学校の関係ですけれども、これから統合協議会等で意見を聞くと言っていますけれども、この意見の聞き方なのですよね。例えば、このように一方的にしますよと言っただけでは意見を聞いたことにならないと思います。今こういう現状で、このくらいの学校を、グラウンドを拡大するために末広公園をこのように削ってくれという意見もあるよと。そういうことも全部含めて市民に明らかにして意見を聞く、そのことが大事ではないかというふうに思います。
この質問をもって終わらせていただきます。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)再々質問についてお答えいたします。
1点目のプールの件に関してでございますが、先ほどもお答えいたしましたが、複合型か単独型かについては、総合計画後期実施計画にどのように登載するかについて、今後、市長部局と十分協議をしてまいりたいというふうに考えております。
それから、もう一点の手宮地区統合小学校のグラウンドの拡大につきましては、統合協議会の中で私どもの建築の計画を説明し、御意見を伺うということでございますが、私どもとすれば、基準を満たしているということで何とか御理解をいただきたいというふうに考えております。
○議長(横田久俊)川畑議員の会派代表質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時35分
――――――――――――――
再開午後3時00分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、会派代表質問を続行いたします。
(「議長、12番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)12番、鈴木喜明議員。
(12番鈴木喜明議員登壇)(拍手)
○12番(鈴木喜明議員)平成25年第2回定例会に当たり、市長、教育長並びに関係理事者に、自由民主党を代表して質問いたします。
まず、地方交付税などについてお聞きします。
道内の景気動向として日銀札幌支店は、この5月、円安を背景に自動車関連部品の生産や来道する外国人観光客が増え、株高で個人消費も上向き、円安のプラス面がマイナス面を上回り、アベノミクス効果が各方面に出始めているとして、道内景気が回復に向かっているとの認識を示しました。公共投資は堅調に推移し、国の予算成立の遅れによる工事請負金額が減少したものの、先行きは予算規模拡大により増加すると予想されます。道の試算でも、2011年度の道内名目経済成長率は1.2パーセント、物価変動の影響を除いた実質経済成長率は2.3パーセントで、ともに2年連続のプラスになったとあります。
景気回復は、市内企業の体力を蓄え、雇用を生み、市税にも好影響をもたらします。残念なことに、本市においてはまだその影響が現れていないようで、実感するには至っておりませんが、久々の景気回復の兆しを感じながら経済活動をしていくことにより、閉塞感を打開し、意欲を持つことができます。
後段で本市の経済状況と経済施策についてお聞きしますが、義務的経費比率が高い本市にとって、一般財源の約半分を占める地方交付税は、まさに生命線と言えます。6月14日に閣議決定された骨太の方針では、成長戦略に攻めの農林水産業、地域の活性化などが盛り込まれ、地方行財政制度の再構築に向けて、地方交付税を算定する際に上乗せされている歳出特別枠の見直し、危機対応モードから平時モードへの切替えを行うことに言及しています。特に地方交付税においては、新たに地域経済の活性化に資する算定を行政改革や地域経済活性化の成果の二つの観点から行い、頑張る地方自治体に交付税を重点配分する方針を示しました。次年度以降、交付税が重点配分されるような頑張る地方自治体としてアピールできる施策があればお聞かせください。
また、本市では、財政状況の厳しさから、2004年度以降、職員給与の独自削減を続けているさなか、国の災害復興財源捻出のための国家公務員の給与減額措置に伴い、地方自治体への同様の措置の要請に関連する地方交付税の減額を吸収するためには、職員組合との1パーセント賃金カット交渉案件の成立にかかっておりますが、現在までの交渉の経過はいかがですか。
また、その影響額と決裂の場合の対処及び本市財政に、どのような影響を与えるものなのかをお示しください。
この項最後になりますが、骨太の方針に示された2008年のリーマン・ショック後に特例措置として増額されていた歳出特別枠の見直しに伴う地方交付税の減額について、市としての御見解をお聞かせください。
次に、労務単価見直しによる影響についてお聞きします。
前述したように、公共工事は堅調に推移する中、平成25年度の公共工事設計労務単価が、近年の建設投資の大幅な減少により若年入職者が減少し、技術継承が進まず、熟練技能労働者の高齢化と減少により、前年比全国平均約15パーセント、被災3県では平均約21パーセント上昇しました。こうした諸事情を踏まえ、3月29日、国土交通省土地・建設産業局長名で各自治体に、平成25年度公共工事設計労務単価の早期適用、ダンピング受注の排除、労務費の急激な変動への対応などが通達されました。
それを受け、武蔵野市や葛飾区などでは、平成25年度公共工事設計労務単価に係る特例措置として、技能労働者の減少に伴い、労働需給が逼迫傾向にあることから、必要な法定福利費相当額を適切に工事金額に反映することを目的に、国における25年度公共工事設計労務単価の見直しを受け、新労務単価が24年度公共工事設計労務単価と比べ上昇していることから、既に新労務単価を適用し、工事等の積算を行い、今年度に発注した工事等の中に旧労務単価を用いて積算しているものが一部ある場合は、これらについて新労務単価に基づく契約に変更するための協議を請求できるよう、特例措置を設けることとしました。
本市建設関連業者の中にも、工事発注後、今回の労務費の急激な高騰により採算がとれず、経営が圧迫されているところもあると聞いております。協議を請求できるとありますが、具体的にはどのようなことなのか御説明ください。
また、市は、このような特例措置をお考えですか。その場合、本市全体で今年度発注のどの工事が対象となりますか。今後の発注工事の新労務単価の導入は起債の額にも影響してくると考えますが、いかがでしょうか。
このたびの急激で予想しきれない労務単価や建築資材の価格の高騰は異常の域で、一部建設関連業者の中には、公契約で通常うたわれている、予期することのできない特別の事情により、工期内に日本国内において急激なインフレーション又はデフレーションを生じ、請負代金額が著しく不適当になったときは、甲又は乙は、前各項の規定にかかわらず、請負代金額の変更を請求することができるとの条項に照らして協議を持ちかける動きもあるようですが、市としてはその場合どう対処いたしますか。
次に、おたる移住・交流推進事業研究会の活動報告書についてお聞きします。
人口減対策として発足したおたる移住・交流推進事業研究会から、先月5月に活動実績の報告が市長にありました。その中で、移住者数の実績として、平成17年度から24年度までの8年間に研究会が把握した相談受付件数は352件、移住者数は50世帯102名で、内訳は道内10世帯、道外40世帯ということでした。50世帯の移住にこぎつけたことは特筆すべきことですが、相談だけで移住に至らなかった主な原因は何か、今後の検討課題は何か、7月末に同研究会が解散後、移住・交流推進事業が今後どのように展開していくのかもお聞かせください。
以上、第1項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)鈴木議員の御質問にお答えいたします。
ただいま地方交付税等について御質問がありました。
初めに、骨太の方針に示された地方交付税の算定における頑張る地方の支援についてでありますが、新たに、地域経済の活性化に資する算定を導入し、頑張る地方を息長く支援するとしております。算定に当たっては、「行革努力と地域経済活性化の成果の2つの観点から行う」とされておりますが、現時点でその詳細は明らかになっておりません。いずれにいたしましても、真の財政健全化に向け、行財政改革の推進と地域経済の活性化は取り組んでいかなければならない重要な課題でありますので、引き続き努力してまいります。
次に、国の給与減額措置要請に伴う職員組合との交渉状況についてですが、国からは本年1月に総務大臣名により協力要請があり、市としては、本年7月から来年3月までの間、現在の独自削減率に1パーセントを加え、給与を削減する内容で、5月24日に職員組合に対し提案を行ったところであります。職員組合からは、既に10年にもわたる給与の独自削減を行い、人員削減なども含めて行財政改革の取組には最大限努力を続けてきたものであり、これまでの努力すら無視するような提案は到底受け入れられないとの意向が示されており、現在、組合側の理解を得るために交渉を継続しているところであります。
次に、給与減額措置による影響額についてですが、7月から来年3月までの間、1パーセントの削減を実施した場合、全会計でおよそ7,000万円と見込んでおります。また、提案を行っている給与減額措置が労使間で合意に至らず7月から実施できない場合、国の動向を見ながら、今後の対応について引き続き職員組合と協議してまいりたいと考えております。
なお、今年度は既に収支均衡予算を編成しておりますので、減額しなかった場合でも、すぐに本市財政に影響を及ぼすものではありません。
次に、骨太の方針で示された特例措置として増額されていた歳出特別枠の見直しに伴う地方交付税の減額に対する意見についてですが、特例措置の見直しは、今後の景気回復を見極めながら、地方税収の動向や地方の経済状況を十分に把握すべきものと考えております。とりわけ地方交付税の減額は本市の財政運営に大きな影響を及ぼすことから、引き続き北海道市長会や全国市長会などを通じて、国に対して必要な地方交付税総額の確保を図るよう要望してまいりたいと考えております。
次に、労務単価見直しによる影響についてですが、まず新労務単価に基づく契約の協議の請求について、一般的な工事請負約款において、契約に定めのない事項については、発注者と受注者が協議して定めるものとすると規定しており、この規定に基づき、今回の特例措置として、工事の受注者は旧労務単価に基づく契約を新労務単価に基づく契約に変更するため、請負金額変更の協議を請求することができるということであります。
なお、発注者は、受注者から協議の請求があった場合は、新労務単価で積算し直し、設計変更の手順に沿って請負金額の増額を行うというものであります。
次に、本市の特例措置の考えと対象工事についてですが、旧労務単価を用いて積算して発注した今年度の工事は、市長部局で3件、病院局で1件ありましたが、市長部局、病院局ともに特例措置を実施することとし、その対象工事の受注者に対し、その旨の通知をしたところであります。
なお、5月以降の工事入札については新労務単価で積算し、実施しております。
また、対象工事名を申し上げますと、市長部局では桜1号線側溝改良工事、銭函石山沢川改良工事などで、病院局では小樽市立病院統合新築建築主体その2工事であります。
次に、発注工事の新労務単価の導入による起債額への影響についてですが、市長部局発注工事3件の請負代金合計で約300万円、4.5パーセントの増加となっております。今後発注する工事についても、新労務単価で予定価格を積算することから、起債額にも影響は出てくるものであります。
次に、インフレスライド条項に基づいた対応についてですが、この条項の趣旨は、予期不可能な特別事情による極めて急激なインフレーション又はデフレーションといった、短期的で急激な価格水準の変動を対象としております。国においては平成24年2月の通達により、岩手、宮城、福島の被災3県のみを対象に当該条項を適用するとしておりますが、本市においても、今後、国や北海道などの動向を参考に、個々の工事の事例ごとに総合的に判断していかなければならないと考えております。
次に、おたる移住・交流推進事業研究会活動報告についてですが、まず、相談だけで移住に至らなかった主な要因について、実際に受け付けた相談内容や既に移住した方へのアンケート調査結果を見ますと、住居や仕事に関する情報が移住を決める際の重要な要素となっております。移住の相談があった場合には、研究会の事務局である市が相談窓口となり、必要とされる情報の提供に努めておりますが、特に住居や仕事に関しては提供できる情報が限られてしまうことから、相談された方のニーズに応えきれないこともあり、移住に至らなかったケースもあるのではないかと考えております。
次に、移住・交流推進事業についての今後の検討課題についてですが、移住を決める際に必要とされる住居や仕事などについての相談に対して、移住希望者のニーズに合った、よりきめ細かな対応ができるよう、民間事業者等との連携、協力なども視野に入れた相談体制づくりが当面の課題であると考えております。
次に、移住・交流推進事業の今後の展開についてですが、今回、研究会からは、5年にわたる活動の成果や検証を踏まえた、本市が取り組むべき移住推進施策の方向性について、報告書をいただきました。私といたしましても、小樽への移住者が新たな視点により起業や地域活動を行うことは、新たな魅力を創出し、にぎわいをもたらすものと考えておりますので、報告書にありますように、起業希望者や現役世代を移住の中心的なターゲットとすることや、民間主導の移住推進組織の設立に向けて、引き続き市としても移住推進に関する取組を進めてまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、12番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)12番、鈴木喜明議員。
(12番鈴木喜明議員登壇)
○12番(鈴木喜明議員)次に、経済動向及び観光施策についてお聞きします。
まず、本市の経済動向について伺います。
日本全体が円安・株高で大企業の業績や個人消費が上向いている中、インフレで生活必需品や石油関連用品が次々と値上げされ、本市に限って言えば、まだまだ円安のデメリットがメリットを上回っているようにも感じますが、実際、本市の景気の現状をどう分析されているのかお聞かせください。
また、今後の経済動向についてもお示しください。
次に、本市の観光施策についてお聞きします。
2012年度、本市を訪れた観光客数が659万9,000人との発表がされ、東日本大震災で激減した11年度から56万3,000人増加し、被災前の10年度と同水準に持ち直し、その内訳は道外客が189万3,600人、道内客が470万5,400人、宿泊客数が61万2,500人で、10年度比4.8パーセント増と報告されました。LCCの就航効果や、震災後の市内の宿泊施設の本州への宿泊客確保への営業努力もあったと聞きます。結果的には本市が進める宿泊型観光が実を結んできたと思われます。
今後、本市の国内観光客誘致施策と、通過型観光から宿泊型観光への方策についてお聞かせください。
また、震災後激減した外国人宿泊客数は4万5,491人とかなり増加したものの、11年度比8.1パーセント減少となっています。今年度はタイなどのアジア圏からの誘致に力を入れるとのことですが、具体的な方策についてお聞かせください。
次に、小樽ブランドについてお聞きします。
本市も小樽ブランドの育成の重要性に鑑み、重点施策として毎年度予算を配分し、その育成と経済効果に期待しています。その中の事業で小樽物産協会が2008年度から行っている小樽物産展は、全国的に知名度のある小樽を前面に、独自の加工品や食文化の紹介や販売、観光PRに力を入れ、昨年度には井筒屋小倉店なども加わり、今年度は新たに2か所の開催地を検討するなど、発展的に着実に売上額を伸ばしています。
その一方、同じ年から行われた、道央圏へのPRを狙い、本市と小樽物産協会などが消費の掘り起こしと販路の拡大を目的とした、大都市圏の札幌で開催している物産展、小樽の物産と観光フェアの売上げが減少していると聞きます。同じような物産展が道外では人気を博し、道内では低迷しているという現状のようですが、その違いと課題はどのようなものなのでしょうか。
また、今後の方策をお聞かせください。
次に、クルーズ客船誘致についてお聞きします。
クルーズ客船誘致については、函館市も、3,000人超え乗りの15万トン級の大型客船も接岸できる岸壁整備を計画するなど、積極的に行っています。報道の中では1隻1,000万円から3,000万円の経済波及効果があるとされますが、本市の経済波及効果は幾らと試算しておりますか。
また、函館市は事業主体となる国に岸壁整備を求めるとのことですが、本市としても、何かもっと国へ第3号ふ頭岸壁整備予算確保に向け、働きかけなければならないと思いますが、いかがでしょうか。
これまでの小樽港貿易振興協議会の中で行ってきた誘致活動を、観光振興の側面から強め、誘致に特化するためとして、小樽市や観光協会など関係団体が、先月、小樽港クルーズ推進協議会を設立しました。この協議会の有用性と協議内容、また、小樽港がこれまで以上に人気の寄港先になるよう取っておきのプランを提案するとありますが、その具体案についてお聞かせください。
次に、物流港としてのロシア極東貿易についてお聞きします。
昨年12月、プーチン大統領の年次教書演説の中で、北極海航路開発の強化が表明されました。本年4月、安倍政権で閣議決定された海洋基本計画を受け、道は、アジア太平洋地域とヨーロッパを結ぶ航路として、北極海航路可能性調査報告書の中で、北極海のロシア領海を航路とする北回りルートを取り上げました。道内港から、夏は安価な北回り、冬は南回りという2ルートの組合せで、1コンテナ当たりの経費が約7パーセント抑えられるとの試算も出ております。
昨年12月には、ノルウェーからの液化天然ガスが北極海経由で北九州に到着し、北極海航路を通る商業物流として、日本での第1号の実績をつくりました。苫小牧港は北米やロシアにも近く、道外の港に比べ地理的に優位だ、1次産品の輸出拡大に活路を見いだしたいとの地元大手港湾業者の声などもありつつ、苫小牧港管理組合なども、昨年から同航路の研究を始めました。本港としては、道内1次産品のヨーロッパへの輸出窓口港の可能性と、北極海航路の国内最終立ち寄り港として、また、燃料、食料、水などの補給基地としての可能性も考えられると思います。
また、4月24日にはロシア・サハリン州が主催する経済フォーラムが東京都内で開かれ、サハリン州の関係者が同州で進むプロジェクトへの投資などを呼びかけるなど、積極的なプロモーションが行われました。
それに呼応するように、旭川市が道北の先頭に立って、サハリン州と経済交流を進めようとしています。州都ユジノサハリンスクにおいて9月に、市場を開拓するため、初めての道北物産展の開催と観光プロモーション、道路、公園の整備など土木建設分野の協力拡大の準備に入りました。通関はウラジオストク経由となり、不便な状況もあるようですが、ユジノサハリンスクには新たな液化天然ガス工場の建設や、日本の技術提供を見込んだ道路の改修計画もあるとされ、市場としては有望だと言えます。
前述したように、新たな小樽港港湾計画の直近の懸案は、クルーズ客船の誘致を進めるための第3号ふ頭及びその基部の整備ではありますが、物流港としての本港の復権にも係る案件でもありますので、北極海航路の利用案件に今後どのように取り組まれていくのか、また本市とサハリンの間に1995年、定期航路を持ち、その後、航路を休航した経緯と、現在のサハリンとの貿易の可能性について、御見解をお聞かせください。
以上、2項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま経済動向及び観光施策について御質問がありました。
初めに、本市の経済動向についてですが、市内企業や経済団体からは、報道されているような円安や株高によるメリットよりも、原材料費や燃料費等の高騰が経営に与える影響が大きいと聞いており、市内経済は依然として厳しい状況にあるものと認識しております。
また、今後の経済動向についてですが、円相場や株価が不安定な状況にある中、国の経済対策の影響が不透明であり、加えて電気料金の値上げが予定されていることから、市内経済は今後も厳しい状況が続くものと考えております。
次に、観光施策についてですが、まず、今後の国内観光客誘致施策と通過型観光から宿泊型観光への移行の方策として、8月下旬に東京で予定しております小樽港クルーズセミナーにおいて、首都圏の旅行エージェントに対して広く小樽・後志の魅力を売り込むほか、物産協会と連携して、全国の百貨店で開催する観光物産展を活用したPR活動や、観光協会と連携した札幌圏での誘致キャンペーンなどのプロモーション活動を積極的に行ってまいりたいと思っております。
次に、新しい小樽観光の魅力づくりとして、新たな冬のイベント、小樽ゆき物語や、祝津地区の「地域資源を生かした小樽観光の魅力アップ事業」などを実施してまいります。これらの事業を効果的に展開していくことにより、道内外からの観光客、とりわけリピーターや宿泊客の増加を図り、宿泊滞在型観光への移行を進めてまいりたいと考えております。
次に、外国人観光客誘致の具体的な方策についてですが、タイについては、昨年10月の直行便就航により観光客の増加が期待できることから、札幌市などと連携して、7月に旅行雑誌の招聘事業、8月に現地でのPRキャンペーン、11月には旅行エージェントの招聘事業を予定しております。このほか今年度は、台湾、香港、中国などに向けたプロモーション活動などを展開し、広くアジア圏からの観光客誘致を進めてまいりたいと考えております。
次に、道外での小樽物産展と、札幌圏での小樽の物産と観光フェアの違いと課題についてですが、道外の百貨店で開催される小樽物産展は、日常買い求めることができない小樽産品を買える機会であり、一方、札幌圏では小樽産品を容易に買い求めることができる点に違いがあります。また、課題としては、道外では百貨店の閉鎖による会場の減少等、札幌圏では出展者や出展商品の固定化により魅力が薄れている点が挙げられます。
今後の方策についてですが、道外では「小樽産品」販路拡大支援事業を活用し、小樽物産展等の会場の新規開拓に努めるとともに、札幌圏では物産協会等との連携を図りながら、出展者や出展商品がマンネリ化しないよう工夫を凝らすなど、地場産品の販路拡大につながる取組を進めてまいりたいと考えております。
次に、クルーズ客船誘致についてですが、まず寄港に伴う本市の経済波及効果については、乗船客や乗組員による市内消費のほか、水先案内や綱取りなど港湾関係業者の収入、さらには入港料や係留施設使用料などの市の収入があります。昨年のクルーズ客船の寄港実績を基に、過去の入港時に実施したアンケート調査での1人当たりの平均消費額等を用いて試算しますと、乗船客や乗組員の市内消費額は約1億7,000万円となり、それに港湾関係業者や市の収入を加えると、これらの直接的な経済効果だけでも、平成24年度で約2億円となります。
次に、第3号ふ頭岸壁の整備についてですが、本市としても、岸壁整備には多額の事業費を必要とすることから、国の支援が必要不可欠であると考えております。私も本年1月と5月に北海道開発局港湾空港部長と面談し、国直轄事業による第3号ふ頭岸壁整備の実施について直接要請しており、また、去る5月29日に東京で開催された環日本海クルーズ推進協議会の総会に際して、石井富山県知事や平井鳥取県知事らとともに、鶴保国土交通省副大臣に対して岸壁整備等に関する支援を要請したところであります。今後も機会を捉え、引き続き国土交通省などへの要請活動を行ってまいりたいと考えております。
次に、小樽港クルーズ推進協議会についてですが、近年のクルーズ客船の寄港増を受けて、従来小樽港貿易振興協議会で行っていた歓送迎行事や誘致活動のほか、観光宣伝などの一層の充実強化を図るため、新たに国の関係機関や北後志の観光協会などにも参画いただき、本年4月に設立したものであります。今後は、小樽港へのクルーズ客船の誘致を通じ、後志地域や道央圏との連携を図りながら、地域全体の振興に寄与することを目的に活動を進めることとしております。
次に、プランの具体案等についてですが、観光ボランティアを活用するなど、地元ならではの個性的な着地型旅行プランの提案を想定しており、現在、市内の旅行エージェントが作成中であり、完成したツアー商品を、8月下旬に東京で開催予定の小樽港クルーズセミナーなどで、旅行エージェントに対し、積極的に売り込みを図ってまいりたいと考えております。
次に、物流港としてのロシア極東貿易についてですが、まず、北極海航路の調査研究につきましては、平成24年度に北海道建設部が北極海航路に関する情報の共有を図り、北海道における運航の可能性とその活用について調査研究することを目的に、北海道北極海航路調査研究会を設置し、小樽市も道内の他の港湾管理者とともにオブザーバーとして参画しております。この航路の開通によって、スエズ運河を利用したルートと比べ、輸送距離が約3分の2となり、燃料費等の輸送コスト削減や輸送時間の短縮が期待されることから、その経済的効果について関心が高まっております。今後もこの研究会において検討が継続されると伺っておりますので、市としても、北極海航路を活用した貿易の可能性等について情報収集に努めてまいりたいと考えております。
次に、本市とサハリンとの定期航路についてですが、平成7年に小樽-コルサコフ間でロシア船サハリン7により定期航路を開始し、8年には航路が小樽-ホルムスク間に変更となり、その後日本側の貨物の集荷が進まないことや燃料高騰などにより、ロシアの運航会社が不採算航路と判断し、17年8月以降、現在に至るまで休航となっております。現状の中で航路の再開には難しいものがありますが、今後とも北海道が事務局を務める日ロフェリー定期航路利用促進協議会とも連携を図りながら、航路の再開に向けて協議を続けてまいりたいと考えております。
なお、本港とロシア極東の港との貿易につきましては、サハリンやナホトカとの間で、主に中古車や機械類の輸出、水産品の輸入が行われておりますが、平成24年度の速報値ではありますけれども、貨物量は輸出入の合計で約11万7,000トンと微増傾向で推移しており、当面はこのような状況が続くものと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、12番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)12番、鈴木喜明議員。
(12番鈴木喜明議員登壇)
○12番(鈴木喜明議員)3項目めに、待機児童ゼロ施策についてお聞きします。
待機児童ワーストワンから待機児童ゼロへと、横浜市の取組は、頻繁にテレビ番組等、報道機関に取り上げられています。隣の札幌市では、先月、要件を満たしながら認可保育所に入所できずにいる同市内の4月1日時点の待機児童数が398人と、前年同期から6割減り、6年ぶりに減少に転じたとの報道がありました。両市とも在宅で求職活動をしている世帯の児童を除外するという、従来とは異なった算出方法での比較なので単純にはいきませんが、その待機児童を減らそうという意気込みと目標年次を設定しての行政主導の取組は心強く、強烈に感じることができます。
そこで、本市における待機児童解消についてお聞きします。
本市では実際に希望する保育所に入れないという母親の声も聞こえますが、どのような現状となっていますか。
また、希望する保育所に入れない状況に対して、これまでどのような対応をしてきたかお聞かせください。
本年4月1日、ほかの母子と交流したり、育児相談に応じたりする施設、地域子育て支援センター「あそぼ」が銭函保育所内に、奥沢地区の「げんき」、赤岩地区の「風の子」に続いて3か所目のオープンとなりました。今後、このような施設の内容充実や増設は、本市の少子高齢化問題、人口減少問題の解決策としての子育て支援に欠くことができず、期待されます。
現在、国において、保育所事業への株式会社参入や認可を目指す認可外保育所施設への支援など、新たな少子化対策が進められていますが、今後の本市の子育て支援の考え方と目標、そして、それに向けてのロードマップをお示しください。
以上、3項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま待機児童ゼロ施策について御質問がありました。
初めに、保育所に入れない児童の現状についてでありますが、市内全体の受入れ枠としては不足しておらず、また、国の定義による待機児童はおりません。ただし、実際に特定の保育所を希望されて、そこに入れないために入所待ちとなる状況は発生しており、直近の年度末の状況を申し上げますと、昨年度末では12人であり、年齢別に見ますと、約8割が3歳未満児という状況になっております。
次に、希望する保育所に入れない状況への対応についてでありますが、保育所の利用児童数はやや減少傾向にある中で、3歳未満児の入所希望が多いことから、保育所の定員見直しの際は、年齢別の入所動向に留意しているところであります。また、保護者に対しましては、市内保育所の空き情報などを適宜説明するなどしております。
次に、今後の子育て支援の考え方と目標、ロードマップについてでありますが、就業形態の変化や多様化するニーズに対応する子育て支援サービスの充実などにより、安心して子供を産み育てることができる環境づくりが必要であると考えております。
また、子ども・子育て支援法に基づいて、市町村は子ども・子育て支援事業計画を策定することとなっており、この中で市民ニーズなども参考にしながら、教育、保育の需要量の見込みや提供体制などを検討してまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、12番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)12番、鈴木喜明議員。
(12番鈴木喜明議員登壇)
○12番(鈴木喜明議員)4項目めに、本市の上下水道事業及び小樽の水についてお聞きします。
本市の上下水道事業の経営環境は、人口減少や景気低迷などにより水需要が減少し、連動して料金収入が減少している状況にあり、このような中、施設の老朽化や災害時の対応、経営基盤の安定化、熟練職員の退職による技術の継承問題への取組などが求められています。特に、上下水道事業とも普及率は高水準に達しましたが、施設の経年劣化や腐食などによる老朽化対策、すなわちライフラインを維持するための更新計画は重要で、莫大な経費がかかるため、計画的に改築、更新を進めなければなりません。
市は、平成17年度に更新計画を策定し、進めているわけですが、当然人口減少のため、施設や管路周辺の供給・処理量の変動が見込まれ、施設の規模や管路の径、材質もランニングコストの関係で考慮していかなければならず、上下水道管網の縮小も、今後、課題になると思います。
一方、銭函2丁目付近のように雪解け水が側溝からあふれ出し、下水溝に流入し下水処理場の処理能力を上回ったため、付近の一般住宅の水洗トイレが使えなくなる事態などを未然に防ぐ整備、連携なども考えなくてはなりません。これらの課題についてのお考えをお聞かせください。
次に、小樽の水についてお聞きします。
本年、はこだての水が販売を終えるなど、御当地水道水が民間商業ミネラルウォータなどに、2リットル100円を切るものもある状況の中、価格的に押され、苦戦を強いられています。本市においても、昨年度の販売本数が7万6,306本とピーク時の2008年度から半減しており、小樽の水の売行きが低迷しています。
そこで、平成24年度の収支についてお聞かせください。
また、東日本大震災の支援物資としての有用性を鑑みると、今後想定される東海地震や南海トラフ地震に備えて、災害備蓄用や救援物資用として、また、本市での災害備蓄用としての存続性はあると思われますが、常時生産するためには採算性が重要であり、現在のボトリングシステムを見直すことや、今後、清潔な飲料水不足に見舞われる中国の都市部に大量供給する販路を模索するなど、商業用としての生産コストや販路については改善の余地が十分あると考えますが、いかがでしょうか。
以上、4項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま上下水道事業及び小樽の水について御質問がありました。
初めに、人口が減少している中での上下水道事業の施設更新の課題についてですが、水道施設では給水量に見合った管の口径に変更することや配水池の統廃合を行うことにより、また、下水道施設では処理設備の容量の見直しを行うことにより、建設コストや維持・管理コストの削減を図っているところであります。今後とも、施設の更新に当たっては、人口に見合った適切な施設規模となるよう計画的に進めてまいりたいと考えております。
次に、小樽の水についてですが、まず、平成24年度の収支は、売上げが521万円で、ペットボトルの製作などに係る経費が478万円で、収益は43万円となっております。
次に、採算性を確保するための改善策についてですが、販路についてはインターネットや観光イベントなどを利用してきたところであり、販売目的が市民に小樽の水道水のおいしさを再認識してもらうとともに小樽の観光PRであることから、商業用としての販路拡大はなじまないものと思っておりますが、今後も小樽の水のおいしさのPRに努め、販売してまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第5項目めの質問に入ります。
(「議長、12番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)12番、鈴木喜明議員。
(12番鈴木喜明議員登壇)
○12番(鈴木喜明議員)それでは、最後の大項目の質問となります。
体罰の実態及び学校力向上について伺います。
まず、本市の体罰の実態について伺います。
大阪市立桜宮高校での体罰による自殺事件、本市の私立北照高校スキー部での体罰及びその隠蔽など、体罰による事件が問題となっております。
文部科学省は4月26日に、体罰を加えたと各教育委員会が把握した教員は昨年4月から本年1月までの10か月で840人、このうち懲戒などの処分を受けた教員は前年度1年間の1.5倍に当たる604人で、過去最多だったとの全国公立学校で起きた体罰に関する緊急調査の結果を公表しました。
道内では21校で確認され、被害を受けた児童・生徒は、小学生が10人、中学生が14人、高校生が3人、状況は、授業中8件、部活動5件、休み時間3件などであり、中学校と高校では部活動中の発生が最も多く、体罰と容認される指導との線引きが難しい中、部活動での体罰防止対策が急務であるとあります。体罰を加えた21人中、調査時点で処分を受けていたのは、減給5人、戒告4人との調査結果でした。引き続き、児童・生徒や保護者にアンケートでの再調査を実施し、児童・生徒の訴えから、道内において従来の市町村教委からの報告には含まれていなかった昨年度の体罰75件が新たに判明しました。
そこで、本市において、前回の調査報告内容と今回のアンケートでの再調査でそごが判明した事例はありますか。本市の状況と対応をお聞かせください。
また、アンケートの継続を求める声もあるようですが、いかがお考えでしょうか。
次に、学校力向上についてお聞きします。
2013年度から、稲穂小学校が学校力向上に関する総合実践事業の実践指定校に指定されました。昨年度指定校になった北広島市立大曲小学校では、基礎学力の底上げのために漢字の読み書き検定や数値目標を設定し、学力向上に取り組んでいます。指定校は、教員や事務職員の加配などにより少人数指導の時間が倍増したことや、保護者との距離も縮まったと聞いています。
この事業の概要と取組状況と、まだスタートしたばかりでその効果について把握しきれないかもしれませんが、現状についてお聞かせください。
一度に児童の学力、体力など、さまざまな課題を扱うモデル校を指定して、学校力の向上の事業に取り組むのは初めてとありますが、今後この成果をどう本市の教育に反映されるかもお聞かせください。
また、前年度の指定校の中で、特に成果のあった取組についてお聞かせください。
次に、教員研修プログラムについてお聞きします。
平成25年度小樽市教育委員会教員研修プログラムが、全教員を対象に全30回行われます。全9回の授業力向上研修講座が組まれており、これは教員の授業力を向上させ、児童・生徒の学力向上にも直接結びつくものと考えますが、この内容とこの研修プログラム全体の狙いについて御説明ください。
教育状況視察研修の視察先は、前述の学校力向上に関する総合実践事業のモデル校ですか。選んだ理由を含め、お聞かせください。
次に、PTA「入退会自由」宣言についてお聞きします。
平成25年4月1日、札幌市の小学校でPTA「入退会自由」宣言という新聞の見出しを見て正直驚きました。PTAの入退会は自由で、広報誌発行などを担当したり、校内行事を手伝っていたりした全委員会を廃止し、行事や活動ごとに参加者を募集するそうです。児童・生徒の減少、共働き家庭、ひとり親世帯、介護が必要な家庭の増加により、従来の活動や役員選びが難しくなっている中、逆転の発想と言えるかもしれませんが、ますますPTA役員の不足や学校、家庭、地域の連携を図る活動に支障を来すようにも感じます。
教職員もPTA会員として一緒に活動を続けていますが、このPTA入退会自由という傾向をどう受け止められますか。
また、教育委員会が各PTAに期待することは何でしょうか。
以上、各項目において再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)鈴木議員の御質問にお答えいたします。
ただいま体罰実態及び学校力向上について御質問がありました。
初めに、体罰の実態についてでありますが、本年1月に文部科学省から体罰についての調査依頼があり、2月に第1次調査を行ったところ、学校からは平成24年度に発生した体罰はないとの報告があったことから、その旨を北海道教育委員会に報告したところであります。その後、3月に第2次調査として保護者や生徒を対象にアンケート調査を行った結果、小学校1件、中学校2件の体罰事案が確認され、4月に北海道教育委員会にその旨を報告したところであります。小学校の事案は授業中の体罰であり、中学校の事案は2件とも部活動による体罰でありましたが、当該教員の体罰行為に対する認識の不足から、校長に報告されていなかったものであります。
市教委としては、新たな事案が発生したことから、改めて文部科学省通知、体罰の禁止及び児童生徒理解に基づく指導の徹底についてに基づき、各学校に指導の徹底を図ったところであります。今後、任命権者である北海道教育委員会では、詳細に事実関係を調査した上で厳正に対処するとしております。
次に、体罰に関するアンケートの継続についてでありますが、今回、第1次調査の段階で体罰が把握できなかったのは、教員の体罰に対する認識の甘さ、管理職員による把握や学校全体での情報共有が十分でなかったことなどによるものでありますことから、現在、文部科学省通知に基づき体罰に関する指導の徹底を図っており、アンケートの実施については、今後の状況を見極めながら判断してまいりたいと考えております。
次に、学校力向上に関する総合実践事業の概要と稲穂小学校での取組状況及びその成果についてでありますが、初めに事業の概要についてですが、本事業は、管理職のリーダーシップの下で、実践指定校と近隣校が連携しながら、学校の組織的な取組や実践的な研修を行い、将来のスクールリーダーを育てながら、学校の総合力を高める新たな仕組みをつくることを目的としたものであります。
次に、稲穂小学校の取組ですが、本事業は稲穂小学校が実践指定校、花園小学校と潮見台小学校が近隣校として、3校合同で行う事業となっております。稲穂小学校では三つのテーマに基づき事業を実践しており、一つ目は、信頼と協働体制に満ちた学校をテーマに、教務主任を中心とした部内会議などを活性化させ、組織マネジメントに基づいた学校の組織力を高める取組が行われております。二つ目は、地域の風がゆきかう学校をテーマに、新たなミッションを持って加配された事務職員が保護者等に学校の最新の情報を伝えるため、ホームページを毎日更新するなど、開かれた学校づくりの取組が行われております。三つ目は、教師が育つ学校をテーマに、近隣校と連携した初任者研修や、市内の採用4年目までの教員を集めるフレッシュ研修会の開催など、教師力を高める取組を行っています。
最後に、成果についてでありますが、稲穂小学校の取組は始まったばかりですが、現時点では基礎学力を保障するための数値目標を設定し、効果的な習熟度別少人数指導や放課後学習など、学力の向上に資する取組がなされております。また、国立教育政策研究所の総括研究官を招聘し、校内研修の進め方や研究主任の役割など、教職員の資質能力の向上を図る研修に深まりが見られております。
次に、昨年度の実践指定校の成果と本市の教育への反映についてでございますが、この事業は昨年度から実施され、道内で7校が、教育課程、地域・家庭との連携、人材育成などの3点を柱に、地域や学校の実態を踏まえた包括的な取組が行われました。これらの実践指定校の成果としては、一つは、低学年において漢字検定や音読、暗唱大会等を行うことにより、子供の学習意欲が向上し、基礎学力の改善が図られたこと、二つ目は、家庭と学校が連携し、生活リズムチェックシートを活用することで、子供の生活習慣の改善を図った結果、家庭での読書時間の向上が見られたこと、三つ目は、近隣校との合同初任者研修会や道内外の有識者や専門家による研修会を実践したことにより、学校としての組織力や教員個々の授業力に高まりが見られ、初任者が安定した学級経営を実現できるようになったなどの成果が現れているものと聞いております。
今後、教育委員会では、実践指定校や連携校が開催する研究会や講演会への参加を広く呼びかけるとともに、3校で育った教員が人事異動により他校へ行き、リーダーとして活躍することで、市内全体の学校力及び教員個々の授業力が向上するものと期待をしております。
次に、教員研修プログラム全体の狙いと授業力向上研修講座の内容についてですが、教育委員会が行う教員研修プログラムは、今年度、授業力向上、今日的課題、実践校視察、英語力向上、スキルアップの五つのテーマを基に全30講座を開設し、小樽市の教職員の資質能力の向上を目指しております。また、そのうち授業力向上研修講座は、教員の授業における指導技術の向上を目的として行っており、公開研究授業を伴う講座としては、算数の習熟度別少人数指導や、小・中学校の教員が連携して行う外国語活動の授業などがあります。また、講演・講義を行う講座としては、筑波大学附属小学校教官の算数について、文部科学省教科書調査官の全教科における言語活動についてがあります。また、演習を伴う講座としては、理科の実験の演習や実物投影機を使った授業展開などの講座を実施することとしております。
次に、教育状況視察研修の視察先と選んだ理由についてでありますが、このたび教務主任など50名程度が参加する教育状況視察研修では、登別市立幌別小学校及び幌別中学校の訪問を予定しております。幌別小学校につきましては、昨年度から学校力向上に関する総合実践事業の実践指定校となっており、「教育課程」「人材育成」「地域・家庭との連携」の三つをテーマに、特に管理職や教務主任がリーダーシップを発揮して、校内の組織力や教員の授業力の向上に大きな成果を上げております。今回の視察は、本市の課題である教員の指導力と学校の組織力を高めることを主な狙いとし、先進的な取組をしている幌別小学校を、また小・中学校の連携の視点から幌別中学校を視察することとしたものであります。
次に、PTAの入退会自由についてでありますが、本市においては、これまで各学校のPTAは、登下校時の見守りや子ども110番の家の設置、学習支援など、学校と連携した取組を行い、本市の教育の振興に大きな役割を担ってきたところであります。近年の少子高齢化の進展や人間関係の希薄化といった状況にあって、学校教育にあっては家庭、学校、地域社会の連携がますます重要となりますことから、私としては、保護者がPTAに加入し、学校と連携した取組を行うことが望ましいと考えております。しかしながら、共働き家庭など、家庭のさまざまな事情により活動が難しい状況も見受けられますことから、今後PTA活動のあり方などについて、十分議論していかなければならない課題であると認識しております。
(「議長、12番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)12番、鈴木喜明議員。
○12番(鈴木喜明議員)ほとんどのことは予算特別委員会並びに常任委員会で質問したいと思いますけれども、1点だけお聞かせください。
教育委員会に質問したいのですけれども、先ほど言った体罰に関する調査の1回目、第1次調査がゼロという回答で、それから2回目のアンケートで3件ということになりました。このことは、先ほど教育長がおっしゃったように、受け止め方が違ったということはあるのかもしれませんけれども、こういう調査等で、後で実際はあったという形になりますと、PTA並びに保護者が不安を感じる部分もあろうかと思いますので、今後はそういうところに注意してやっていただきたいと思いますが、その件だけお答えいただいて終わりたいと思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)第2次調査でアンケート調査の結果、このようなことが判明した、その内容は、詳しいことは申し上げられませんが、体罰と懲戒のはざまといいますか、その辺の解釈がなかなか統一されていなかったと。第1回定例会でも体罰の件がありまして、懲戒なのか体罰なのかという、その線は個々の判断による、また、教員と児童・生徒の信頼関係、それによってさまざまな判断が分かれてくる、また、第三者が目で見て判断するということと、当人同士が理解し合っているということの間にそごがあるといった非常に難しい状況があるのもまた事実ですので、当面は、今回改めて文部科学省から体罰と懲戒の指針が出ましたので、それを徹底することをとにかくやってみたい、その上でこのような事案があるのであれば、アンケート調査もまた考えなければならないという趣旨で答弁いたしました。
○議長(横田久俊)以上をもって本日の会派代表質問を終結し、本日はこれをもって散会いたします。
散会午後4時14分
会議録署名議員
小樽市議会 議長 横 田 久 俊
議員 新 谷 と し
議員 山 田 雅 敏