開議午後1時00分
○議長(横田久俊)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、安斎哲也議員、酒井隆行議員を御指名いたします。
日程第1「議案第1号ないし第15号及び第17号ないし第54号並びに報告第1号及び第2号」を一括議題といたします。
これより、一般質問を行います。
通告がありますので、順次、発言を許します。
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)2番、千葉美幸議員。
(2番千葉美幸議員登壇)(拍手)
○2番(千葉美幸議員)一般質問いたします。
初めに、学校施設の有効利用について伺います。
平成22年度から前期・後期に分けて小樽市小中学校再編計画が進められており、今後、36年度までの計画期間の中で、保護者や地域の皆さんと協議し、理解を得ながら学校再編が進められることとなっています。
昨年は量徳小学校が閉校し、学校跡地では新市立病院の建設が進んでおり、今年度末には若竹小学校、祝津小学校がその歴史に幕をおろすことになりました。
少子化によって、日本全国では年間400から500校の廃校が発生し、平成14年度から23年度までの閉校数は4,709校に上ったようです。廃校施設の有効活用は各自治体で大きな課題となっており、今後、学校再編が進む小樽市も例外ではなく、学校跡利用の基本的な考え方が平成24年3月に示されているのは、御承知のとおりであります。
ただ、学校跡利用の検討から利活用の決定まで時間を要することが推察されることから、その間の暫定的な利活用についての考えを伺いたいと思います。
老朽化が進んでいる施設状況や耐震化の問題などもありますが、それらを理解した上で、閉校後に残る学校施設を利用したいとの声が私のところにも寄せられており、他自治体では同様の要望に対して、期間限定で開放しているところもあるようです。特に本市では、公共スポーツ施設の充実を求める声があり、児童・生徒が楽しんでスポーツに親しみ、レベルアップを図る場を確保することは、スポーツ振興の観点からも大切ではないかと考えます。
そこで、伺います。
学校施設は閉校により学校機能が失われ、通常は教育財産から普通財産へ移管されると思いますが、暫定的に体育館として利活用する場合、建築基準法や消防法等の法規制等についてはどのように変わるのでしょうか。お示しください。
また、その場合の管理上の課題についてもお示し願います。
整備費や諸経費等の自治体負担は、今後、行財政に少なからず影響していくと考えられ、恒久的、また長期的な学校跡利用の決定までの間、適正な受益者負担も視野に入れ、暫定的な利活用の検討をしていただきたいと思いますが、市長の見解をお聞かせ願います。
この項の最後に、今年度末閉校となる若竹小学校、祝津小学校の跡利用についての現時点での方向性についてお考えをお示し願います。
次に、がん検診受診率向上の取組について伺います。
昭和56年から日本人の死因の第1位であるがんは、公益財団法人がん研究振興財団の統計によりますと、2011年の死亡数が35万7,000人を超え、生涯2人に1人ががんにかかると推計されております。
国が平成19年6月に策定したがん対策推進基本計画は5年が経過し、がん対策基本法第9条第7項の規定に基づいて、24年度から28年度までの計画が見直されました。この5年間を対象として推進される第2次がん対策推進基本計画では、成人喫煙率の引下げ目標や小児がん拠点病院の整備、がんになっても安心して暮らせる社会の構築という全体目標などが新たに加えられた計画となっております。
また、現行計画の大きな目的であるがんによる死亡者を減少させるため、20から30パーセントにとどまっている五つのがんの検診受診率を、5年以内に胃がん、肺がん、大腸がんは40パーセント、乳がん、子宮がんを50パーセントに向上させる目標が明記されました。
そこで、何点か伺います。
平成23年度の小樽市実施のがん検診受診率は、胃がんが8.0パーセント、肺がん10.6パーセント、大腸がん19.4パーセント、乳がん34.8パーセント、子宮がん41.0パーセントとなっており、国が目標とする検診受診率にはまだまだ届かないのが現状です。小樽市のがん検診受診率の実態について、市長の御所見をお聞かせ願います。
また、2009年に、我が党が主導した女性特有のがん検診無料クーポン券が導入され、検診に対する女性の関心が高まり、全国的に検診受診率が大きくアップいたしました。本市における効果についても、市長の御所見をお聞かせ願います。
小樽市では、がん検診について、特定健診とともに、受診状況や未受診の理由、また病院施設などから受診率向上に対する意見などについて、平成22年度から23年度にかけ、検診受診率向上の施策を検討するため調査を行っております。本調査結果から、今後、小樽市では検診率向上に向け、どのような取組が推進されるのか、また本市の課題についてもお示しください。
長野県飯田市は、2011年から、がん検診申込書を全世帯に郵送し、受診者が約2倍となり、補正予算が組まれたそうです。これは、世帯別に家族が対象となる検診内容をお知らせし、市の検診を申し込むのか、ほかで受けるのか、受けないのかなど選択記入するもので、新たな措置が成果を上げたと言われております。また、松本市では、がん検診など各種検診の内容を全戸配布から、平成24年度は個人通知へ変更することで一層検診を受けやすくし、愛知県安城市では、民間企業や団体と市が協働し、市民に対して一層の啓発活動に取り組んでおります。
小樽市では、広報やホームページ、新聞、セミナーや講演会など、さまざまな場面を通じてがん検診の周知をされ、バスツアー検診の導入など、受診率向上に向け努力されていることは十分認識しております。しかし、顕著な効果が見られない状況から、小樽市のがん検診対象者に均等に受診勧奨が行われていないところに課題があるのではないでしょうか。この点に関して、市長の見解をお聞かせ願います。
がん検診受診率の向上は、市民の命を守り、将来的には医療費の削減、ひいては健康保険財政の改善につながると考えられ、飯田市や松本市のように、対象者に受診勧奨を細やかに行う取組や、安城市のように企業、団体との協働で受診率向上を目指す取組を、本市でも推進するお考えはあるのでしょうか。市長のお考えをお聞かせ願います。
次に、小樽市障害者自立更生者・更生援護功労者表彰について伺います。
小樽市では、身体障害者及び知的障害者であって、みずからその障害を克服し、現在自立更生して、障害者の模範とするに足りると認められている方に対して障害者自立更生者として、また、長年にわたり身体障害者及び知的障害者の更生援護に尽力し、その功績が特に顕著であると認められる者に対して更生援護功労者として表彰を行っております。現在まで表彰された方々の模範の姿を見聞きして、障害を持つ知人は、「誰かが見てくれている、よし、自分も頑張ろうと感じた」と感想を述べられておりました。
今、社会は共生社会を目指して、障害者がごく普通に暮らし、地域の一員としてともに生活できる社会を実現することが求められており、就職による自立を進めることも必要と考えられております。
このような中、国では、障害者の法定雇用率を平成25年4月1日から、民間企業において1.8パーセントから2.0パーセントに引き上げます。働いて自立したいと思っている障害者の方々の願いが現実のものとなるよう、私も尽力したいと思っております。
さて、小樽市で平成15年5月に施行された小樽市障害者自立更生者・更生援護功労者表彰基準についてですが、本基準には被表彰者の範囲と、それぞれの条件などが定められております。
初めに、本表彰が設けられた目的についてお聞かせ願います。
次に、被表彰者の選考はどのように行われているのでしょうか、お示しください。
被表彰者が満たさなければならない条件の中身についてですが、本市と同様の表彰を行っている他市町村の条件を調べてみますと、自治体によって少しずつ条件が違うようです。
小樽市では、それぞれ四つの条件が掲げられておりますが、このように定められた理由についてお聞かせ願います。
中でも、身体障害者及び知的障害者それぞれの条件の一つに、一般社団法人小樽身体障害者福祉協会長等の表彰を受けたことがあること、小樽手をつなぐ育成会長及び小樽市知的障害者職親会長等の表彰を受けたことがあることがあります。これら団体の表彰対象者となるには、会員等であることが要件と認識しておりますが、この条件を満たす小樽市の障害者数はどのくらいで、全体の何割くらいになるのでしょうか。お示し願います。
各団体に入会していない方の中にも、自立更生のため日々努力され、社会参加をしながら努力されている方もおられます。本表彰が全ての障害者の自立意識の高揚につなげることを目的としているならば、各団体等の表彰を受けたことがあるという条件は、かえって門戸を狭める結果となっているとの声があり、私も懸念をしております。条件の見直しも含め、市長の見解をお聞かせ願います。
次に、学校の食物アレルギー対策について伺います。
公明党は、2000年にアレルギー対策を求める1,464万人の署名を国に提出し、加工食品のアレルギー表示の義務化や、文部科学省へ小児アレルギー専門医を中心とした検討会の設置を要請し、2001年には免疫・アレルギー科学総合研究センターが開設され、原因究明、治療法の開発が進められております。その後、学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインの発行推進やエピペンの早期承認から2011年9月の保険適用まで、患者支援団体等の方々と協力して、アレルギー対策の充実に全力で取り組んでまいりました。
しかし、昨年12月、東京都調布市の小学校で起きた児童の死亡事故は、給食に出された粉チーズ入りのチヂミを食べたことが原因ではないかと言われており、食物アレルギーを持っていることが認識されながら、なぜこのような痛ましい事故が起きてしまったのか、大変残念であります。
実施、ここ北海道でも1988年に、札幌市で学校給食のそばを食べた男子児童が死亡するという食物アレルギー事故が起きており、給食によるアレルギー事故は年々増加しているようです。
日本スポーツ振興センターが災害共済給付データから抽出した推計値を見ますと、05年度の160件から、11年度は311件発生し、約2倍となっており、専門家からは、死に至らないまでも食物アレルギーで危険な状態に至るケースはある、事故は氷山の一角であるとの声も上がっております。
アレルギー疾患にはぜんそくや結膜炎、鼻炎などもありますが、本日は給食による重大なアレルギー事故を防ぐために、小樽市の食物アレルギー対策、対応状況について伺います。
初めに、食物アレルギーがある児童・生徒数についてです。現在、どのぐらいの有病者がいるのか、小・中学校それぞれ人数をお示しください。
また、その中で食物アレルギーを引き起こすことが明らかな三大アレルゲンとされる卵、牛乳、小麦によるアレルギーがある児童・生徒数についてそれぞれお示し願います。
さらに、症状が重篤とされるそば、落花生、エビ、カニの食物アレルギーがある児童・生徒数についてもお答えください。
小樽市では、過去5年間に、食物アレルギーによる学校での事故は報告されていないのか、状況についてもお示し願います。
文部科学省では、アレルギー患者の子供が安全・安心に学校生活を送ることができるよう、学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインが平成20年6月以降、全国の教育委員会や学校に配付され、取組が進められております。また、ガイドラインにある学校生活管理指導表には、アレルギー疾患用もあり、活用が薦められているところです。
そこで、本市における学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインに基づく給食の食物アレルギー対策についてお示し願います。
また、学校生活管理指導表の活用についてですが、本指導表には病型、治療内容はもちろん、学校生活上の留意点、緊急時の連絡先や医療機関名などを記入できます。
平成20年第2回定例会予算特別委員会での私の質問に対し、就学時健診にアレルギー疾患の調査項目があり、その調査結果に基づいて、それぞれの学校でそれぞれの症状に応じた取組を実施しているので、示された管理指導表に切り替える考えはないと答弁されております。現在の活用はどのようになっているのか、管理保管状況と、学校全体で情報共有できる体制についても伺います。
次に、重篤な症状であるアナフィラキシー対策です。
食物アレルギーの症状として、皮膚のかゆみ、じんま疹などの皮膚症状が最も多いと言われていますが、食物を摂取して2時間以内に発症する即時型では、皮膚症状から呼吸器症状、嘔吐や下痢の消化器症状など、複数の臓器に強い症状が現れることをアナフィラキシーと呼び、その後、血圧低下、意識障害を起こし、ぐったりするなど、アナフィラキシーショックの症状に至ると生命に危険が及ぶとされております。
このたび、調布市で起きた女子児童の死亡事故についても、先ほど述べましたとおり、おかわりしたチヂミに入っていた粉チーズが原因で、アナフィラキシーショックを起こしたのではないかと言われており、徹底した検証と再発防止策の構築を急がなければなりません。
そこで、以下伺います。
市教委では、アナフィラキシー症状が起きた場合の緊急時に有効とされる補助治療薬エピペンを処方されている児童・生徒の把握はされているのか、また仮にアナフィラキシーショックが起きた場合、教育現場ではどのような対応がされるのか、エピペン使用の対応についても伺います。
食物アレルギーの数は年々増加しており、ダニやハウスダストなどによるアレルギーに比べ、ショック症状の頻度が高いことからも、アナフィラキシーやエピペンの使用について、教職員向けの講習会など、周知徹底する必要があると思いますが、教育長の御見解をお聞かせ願います。
最後に、関連して、保育所の食物アレルギー対策について伺います。
平成23年、厚生労働省から、保育所におけるアレルギー対応ガイドラインが発行されました。乳幼児がかかるアレルギー疾患の中でも、アレルギー性鼻炎や結膜炎、気管支ぜんそくについては、主治医の指示に従って保育所生活を送ることで大きな問題は起こっていないようです。しかし、食物アレルギーに関しては、その発症は乳児期がピークとされ、乳幼児の食物アレルギーの有病率は、平成21年度に日本保育園保健協議会が実施した全国調査で4.9パーセントと高く、3歳以下では小学生の2倍にもなっております。また、財団法人こども未来財団の報告によりますと、平成20年度1年間に、29パーセントの保育所で誤食の事故が発生し、重篤なアナフィラキシーショックを起こす危険性が高くなっており、学校と同様にガイドラインに基づく着実な取組が進められなければなりません。
初めに、本市では、保育所におけるアレルギー対応ガイドラインについて、保育現場への周知は図られているのか伺います。
2点目に、市立保育所において、食物アレルギー疾患を持つ乳幼児の把握はどのように行っているのか、食物アレルギーの有病者数とともに、その対策と対応について伺います。
3点目に、市立保育所において、誤食などによる食物アレルギーの事故は過去に発生していないのか、またそのような事故が起きた場合の対応はどのようになっているのでしょうか。お答えください。
乳幼児は低年齢のため、体調不良や症状をみずから訴えることが難しく、重篤なアナフィラキシー症状が出た際、エピペン使用を自発的に行うことができない年齢であります。このため、職員や関係者全員が食物アレルギーに関する情報や知識、対応策を共有しなければならず、学校と同様に積極的な研修等の開催が必要と考えますが、市立保育所におけるエピペン使用についての考え方も含め、市長の御見解をお聞かせ願います。
以上、再質問を留保し、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)千葉議員の御質問にお答えします。
初めに、学校施設の有効利用について御質問がありました。
まず、閉校により、体育館を暫定的に利活用する場合の法規制等についての御質問ですが、建築基準法では、用途制限上、体育館を単独で建築できない地域があるため、既存の学校の体育館であっても、許可を受けなければ利用できない場合があります。また、消防法では、防火管理者の選任が必要になるほか、校舎と分離して利活用するのであれば、体育館と校舎間に新たに耐火区画を設けなければならない学校もあるものと承知しております。
また、管理上の課題についてですが、施設に管理する人が常駐しないことから、施錠や防犯、防火、さらに冬期間には除雪などの問題が発生するものと考えております。
次に、暫定的な利活用についてですが、閉校から跡利用の決定までの間は、普通財産として通常の維持・管理を基本とし、市民から利用の要望があった場合、個別にその利用について検討してまいりたいと考えております。
次に、若竹小学校、祝津小学校の跡利用についてですが、まず若竹小学校については、建築基準法による建物の用途制限や耐震化及び改修にかかわる経費、燃料、光熱水費等の維持管理費等の財政負担など、転用に当たっての課題がありますので、これらの課題を踏まえ、どういった利活用ができるのか、引き続き地域の御意見をいただきながら検討してまいりたいと考えております。
また、祝津小学校は、耐震化されており、比較的新しい学校であることから、庁内において、どのような活用ができるか検討を行っているところであり、今後、地域住民や地域で活動している団体等の意見を踏まえながら、活用方法について考えてまいります。
次に、がん検診受診率向上の取組について何点かお尋ねがありました。
まず、小樽市のがん検診受診率についてですが、まだまだ国の目標受診率に届いておらず、受診勧奨などの施策を進めるべきと考えております。
次に、女性特有のがん検診無料クーポン券の効果についてですが、事業開始の平成21年度前後の受診率を比較しますと、20年度の子宮がん検診受診率29.9パーセントが、23年度では41.0パーセントへ、乳がん検診は22.6パーセントが34.8パーセントへといずれも増加しており、一定の効果があったものと考えております。
次に、平成22、23年度に本市が実施した地域診断の結果を踏まえた取組についてですが、重要なものの一つとして、医療との連携があると考えております。そのため、平成23年度より、小樽市医師会と共催で市民向けセミナーを開始したところです。また、平成24年度は、小樽市医師会に、胃がん・肺がん検診の実施方法などの検討をお願いし、その結果、現行のままという結論になっております。
受診率向上のための本市の課題としては、市民の検診未受診理由として、「心配なときはいつでも医療機関を受診できるから」が顕著であったことから、市民の予防医療に対する意識向上などが重要であると考えております。
次に、本市のがん検診受診率に顕著な効果が見られない状況についてですが、地域診断の結果を踏まえ、市民の予防医療に対する意識向上などに取り組んでまいりたいと考えております。
次に、企業、団体との協働で受診率向上を目指す取組についてですが、既に働く世代のがん検診の普及啓発のために、企業経営者の集まりに一、二か月ごとに出向き、健康教育を行うなどの取組を開始しておりますが、平成25年度からの小樽市健康増進計画「第2次健康おたる21」でも重要な事項として位置づけており、本計画の推進体制として、企業、関係団体との新たなネットワークをつくることを通じて、積極的に進めてまいりたいと考えております。
次に、小樽市障害者自立更生者・更生援護功労者表彰について何点かお尋ねがありました。
初めに、表彰の目的についてでありますが、みずからが障害を克服し、自立更生され、他の障害者の模範となっている方あるいは障害者の更生援護に功績のあった方を表彰することで、障害者の自立を促すことを目的としております。
次に、表彰者の選考についてでありますが、小樽身体障害者福祉協会、小樽手をつなぐ育成会及び小樽市知的障害者職親会から推薦のあった候補者から、選考基準に照らし、決定しているところであります。
次に、四つの選考基準についてでありますが、障害の等級又は療育手帳の所有、年齢、過去の表彰受賞歴など、北海道善行賞の表彰基準を参考に定めたものであります。
次に、団体の会員となっております障害者数の数などについてでありますが、まず、表彰基準にあります年齢、障害の等級に該当する身体障害者の方で、小樽身体障害者福祉協会の会員となっている方は212人となっており、割合にしますと約5.5パーセントとなります。また、小樽市知的障害者職親会及び小樽手をつなぐ育成会は、障害者を雇用する企業や団体、施設が会員となっており、個人が会員として加入しておりませんので、割合を示すことは困難であります。
次に、表彰の条件の見直しについてでありますが、本表彰は、障害者が自立更生し、他の障害者の模範となっている方、また更生援護に功績のあった方を表彰し、障害者の自立を促進するものでありますことから、団体の会員とはなっていない方への配慮も必要と考えております。そのための仕組みづくりについて、他都市の事例などを研究してまいりたいと考えております。
次に、保育所の食物アレルギー対策について何点か御質問がありました。
初めに、保育所におけるアレルギー対応ガイドラインの保育現場への周知についてでありますが、平成23年6月に、北海道後志総合振興局から市内の認可保育所に対し、同ガイドラインに関する通知があり、周知が図られております。
次に、市立保育所における食物アレルギー疾患を持つ乳幼児の把握方法についてでありますが、市の窓口で保育所入所の申込みを受ける際に、保護者に対し、食物アレルギーの有無について確認するとともに、保育所で行う入所前の面接においても、原因食材や医師の指示事項など、児童の具体的状況を確認することとしております。
また、市立保育所における食物アレルギーを有する児童数は、2月時点で9名であり、その対策は個々の児童のアレルギーの状況を正確に把握し、児童の状況に応じた適切な給食を提供することであり、対応につきましては、主に給食におけるアレルギー原因食材の除去を行うこととしております。
次に、市立保育所における誤食などによる食物アレルギーの事故の発生状況についてでありますが、過去5年間においては、平成22年度に1件の発生があり、当該事故は、保育所においておやつとして提供された菓子を喫食した児童が一時的に体調不良を生じたものであります。
また、事故が発生した場合の対応については、国のガイドラインや、保育所における事故防止マニュアルに基づき、児童の体調の観察や保護者への連絡、病院の受診など、その時々に必要な対応を図ることとしております。
次に、市立保育所における食物アレルギーに関する研修の必要性や、エピペン使用についての考え方でありますが、研修につきましては、昨年8月に、保育士を対象として、エピペンの使用方法を含めた保育所での応急措置に関する研修を実施しております。現在、エピペンを処方されている児童はおりませんが、今後、エピペン使用が想定される児童が入所した場合には、国のガイドラインに基づき、保護者や主治医との連携を図り、適切に対応してまいります。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)千葉議員の御質問にお答えいたします。
初めに、学校給食での食物アレルギーについてでありますが、本市の小・中学校の児童・生徒で、食物アレルギーを持つ人数でありますが、平成23年3月に行った調査によりますと、小学校では65名、中学校では62名、合計127名であります。その内訳ですが、重複してアレルギーを持つ児童・生徒もおりますので、延べ人数で言いますと、卵アレルギーは、小学校では16名、中学校では10名、合計26名、牛乳アレルギーは、小学校では18名、中学校では12名、合計30名、小麦アレルギーは、小学校では2名、中学校では1名、合計3名、そばアレルギーは、小学校では5名、中学校では3名で合計8名、落花生アレルギーは、小学校では4名、中学校では3名、合計7名、エビ・カニアレルギーは、小学校では3名、中学校では8名、合計11名となっております。そのほか、魚介類やヨモギ、果物類などに対してアレルギーを持つ児童・生徒は、小学校では28名、中学校では54名で合計82名となっております。
次に、食物アレルギーによる事故についてでありますが、過去5年間、学校での事故は報告されておりません。
次に、学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインに基づくアレルギー対策についてでありますが、ガイドラインでは、レベル1からレベル4までの4段階の対策が示されており、レベル1では、詳細な献立表を提示することにより原因食物が入った給食を食べさせないようにすること、レベル2では、原因食物が入った給食を食べさせないときは弁当持参により補うことにすること、レベル3では、原因食物を除いた除去食を提供すること、レベル4では、原因食物を除いた上で他の食物で補って調理した代替食を提供することとなっております。
本市においては、現在、レベル1の対策を行っており、各学校において、アレルギー疾患を持つ児童・生徒の調査を行い、その調査と詳細な献立表に基づき、アレルギーを引き起こす食材の入った給食を食べないように指導しているところであります。
次に、学校生活管理指導表の活用などについてでありますが、現在、市内の小・中学校におきましては、食物アレルギーについて、学校生活管理指導表にかえて、就学時の健康診断表や学校で行われている児童・生徒の家庭環境調査票により把握し、アレルギー疾患の児童・生徒がいた場合は、担任が家庭訪問を行い、アレルギーの症状の把握をするとともに、職員会議を通じ情報の共有化を図り、学校全体で対応できる体制をとっております。
しかし、近年、食物アレルギーへの対策について、市民からの多くの要望がありますので、市教委としては、新共同調理場の設置を契機として、調理場と学校が連携した食物アレルギー対策について検討してまいりたいと考えております。
次に、エピペンを処方されている児童・生徒についてでありますが、現在、本市の小学校で3名の児童が処方されていると把握しております。
次に、アナフィラキシーショックが起きた場合の対応についてでありますが、一般的には学校でこのような事態が起きた場合、直ちに救急車の要請を行うとともに、主治医への相談や保護者への連絡を同時に行うこととなります。また、エピペンは、医師の処方により本人、保護者が使用することが原則でありますが、あらかじめ本人又は保護者からの申出により学校で預かり、万が一アナフィラキシーショックが起きた場合に使用することを依頼された場合は、本人又は保護者にかわり、教職員が使用することも考えられます。
なお、この場合、文部科学省の通知によると、アナフィラキシーショックで生命が危険な状態にある児童・生徒に対し、救命の現場に居合わせた教職員がエピペンをみずから注射できない本人にかわって注射することは、反復、継続する意図がないものと認められるため、医師法違反にならないものと考えるという見解が示されております。
最後に、教職員の講習会や周知徹底についてでありますが、対象児童のいる小学校においては、教職員全員がその症状や緊急の対応について共通理解を図る必要があると考えており、今後、医師会とも相談しながら、アナフィラキシーショックへの対応などについて、専門家による研修の機会を設ける方向で検討を行ってまいりたいと考えております。
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)2番、千葉美幸議員。
○2番(千葉美幸議員)何点か再質問させていただきます。
初めに、がん検診受診率の向上の取組です。
非常に簡潔に御答弁いただいたのですけれども、具体的なものが何も見えていないというふうに感じております。
そこで、私自身も議員になってから受診率を見させていただいていますけれども、一向に上がっていないというのが現状なのかと思っておりまして、先ほど地域の予防意識の向上のために取り組んでいくと伺いましたが、具体的にどのように取り組んでいかれるのか、まず伺います。
それと、医療関係との連携ということで、それを変わらずやっていくということだったのですけれども、やはり検診というのは予防ということなので、アンケートからも、ぐあいが悪くなってから病院に行くというような御意見がある中で、病院でそういうふうに徹底した検診の受診を勧奨することは、一定程度効果はあるにしても、やはり今までとは違った形での受診勧奨の取組をしなければ向上はしないのではないかと思っておりますので、その件についても御答弁をいただければと思います。
次に、小樽市障害者自立更生者・更生援護功労者表彰についてでありますが、条件の見直しを研究するという御答弁でしたけれども、研究というと、行政的にはあまり前向きには捉えられないということで、ぜひ検討をお願いしたいという声が本当にあるのです。実際、この表彰というのは、厚生労働省、また道でも行っておりまして、それを受けて門戸を開く形できっと小樽市でもつくられた表彰だというふうに実感しております。ぜひ検討をお願いしたいと思います。
最後に、エピペン使用の件ですけれども、保育所については一定程度理解できたのですが、その使用について、保護者や、申出があれば教員が、その場に居合わせた教員が使用することもあるということだったのですけれども、学校全体、また教員の全体の意識づけをぜひお願いしたいと思うのです。各学校の取組を見ても、ただ単純にアナフィラキシーショックは、ショックが起きた場合のエピペン使用は自己注射である、それは本人が行うものだというふだんからの意識がある場合と、そうではなく、私たちも打つ場合があるのだという意識をふだんから持っている場合とでは、対応が全然違ってくると思うのです。ですから、本当にこの周知徹底についてはぜひお願いしたいという要望をしておきます。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)がん検診とエピペンの使用については担当部長から答弁させていただきます。
千葉議員の再質問について、小樽市障害者自立更生者・更生援護功労者表彰については、確かに私の答弁の中では、研究してまいりたいと申し上げましたけれども、どういう形で表彰するのがいいのかといったことも含めて検討してまいりたいと思っておりますので、決して後ろ向きな答弁をさせていただいたわけではございませんので、御理解いただきたいと思います。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)保健所長。
○保健所長(秋野恵美子)がん検診について答弁させていただきます。
がん検診、それから特定健診につきましては、今まで周知が悪くて受診率が高くならないのではないかという考えを私どもも持っておりましたが、今回の意識調査で、周知が主な原因ではなく、医療機関が豊富にあるという小樽市の状況に市民が大変安心をしている、それで、かかりつけの医師がいるから、何かぐあいが悪ければ診ていただけるだろうといった意識が大変高いということがわかりました。
それから、今回の意識調査とは違うのですけれども、このたびの女性特有のがん検診という事業を通じて、全員に個人通知をし、かつ無料化をして、最大の働きかけをして、受診率が41パーセントであったという結果を踏まえますと、同じことをやっても6割の人は来ないのだということがわかったわけでございます。
それで、私どもは、まずは医療機関との相談の中で、一体医療機関でどのような市民への啓発をしていただけるのかといった検討から始めたいと思っております。それから、市民に意識向上のための働きかけをすると申しましても、一体どのような方法で、どのような内容で働きかけていくのがいいのか、それも私どもが今まで考えてきたような、保健所が考えて一方的にプランを組んでいくということではなく、やはり市民の方々と実際に話し合っていく中で、じっくりとこれは進めていきたいと思っております。
今、千葉議員に、平成25年度からこういたしますと具体的に申し上げられないのは、こういった事情があったからで、今までのような保健所が一方的に考えるといった方法ではなく、実際に医療機関の方々と、あるいは市民の方々と話し合う中で、どうすればいいかという方法も含めてじっくりと取り組んでいきたいと考えているところでございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)エピペンの使用でございますが、現在、エピペンを処方されている3名の児童がおりますので、対象となる学校にはいつそういう事態が生じるかわからないということがございますので、既に学校医を通じて照会はしていますけれども、医師会との早急な話合いをした上で、全教職員が万が一の場合に対応できるように、早急に研修会等を行う方向で対応してまいりたいと考えております。
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)2番、千葉美幸議員。
○2番(千葉美幸議員)がん検診について、再々質問というよりは、要望等も含めて話をさせていただきますが、今回のアンケート調査は、なぜ受けなかったのかという視点でのアンケート調査で、では受けた方はなぜ受けたのかということでいろいろと友人等に聞きますと、身内や友人から一緒に行こうといった誘いがあったから、子供に言われたからというような理由もあるようです。ですから、そのきっかけづくりをぜひ行政も、今、市民の方のお話を聞きながらという保健所長の御答弁もありましたけれども、ぜひそのような積極的な取組をお願いしたいということで、私の質問を終わらせていただきます。
○議長(横田久俊)千葉議員の一般質問を終結いたします。
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)17番、佐々木秩議員。
(17番佐々木秩議員登壇)(拍手)
○17番(佐々木秩議員)一般質問をいたします。
最初に、若年者のワークルール教育の必要性について伺います。
少子高齢化が進む中、若者たちの存在は、あらゆる意味において、特に経済や社会保障の担い手としての役割も大変大きなものとなっています。それにもかかわらず、これまでにフリーター、ニートと、若年労働者問題が取り上げられ、そして、その若者たちが就職難に苦しむ状況を悪用して、大量採用、大量使い捨てにして利益を上げるいわゆるブラック企業の存在が浮かび上がり、社会問題化しています。
一方、本市における若者、特に高卒者の雇用状況もひところよりは改善が見られるものの、依然として厳しい状況の中で、以前から若者の離職率の高さが問題とされ、その原因はとかく社会の厳しさに耐えられない若者たちの精神面の弱さや、雇用のミスマッチなど、若者側に問題があるという判断が大方のもので、本市においてもそのような分析結果をよく聞きます。
ところが、高卒で正社員に採用されながら中途退職した若者たちにその理由を直接聞くと、決まって「求人票と全然違った」「休みがない。夜遅くまで働いて、それもサービス残業」「理不尽な怒られ方をする。人間関係が最悪」などとの声が聞かれます。小樽の若者たちが働くこのまちの企業が厳しい状況にあることは理解できます。若者たちがやめた企業が全てブラック企業だと言うつもりもありません。明らかにやめたほうに原因があった場合もあるでしょう。
ここで問題なのは、雇用される際の契約や労働条件についてのルール、いわゆるワークルールについて、ほとんど知識がないまま社会に送り出されていることです。キャリア教育が必要だとの議論は、社会全体の共通認識となり、本市においても、小・中学校をはじめ高校でも盛んに実施されるようになりました。しかし、どのようにキャリアを形成し資格を獲得するかや、就職活動の際のマナーやノウハウ等が中心であり、世の中の実態や厳しさを伝えることの重要性、企業への従順性や規律遵守ばかりが強調された内容となっていて、働く際のルールについてはほとんど関心を持たれておらず、一歩間違うと、ブラック企業の後押しをしていることになっているとの指摘もあります。
本来、キャリア教育には、権利教育としての側面もあり、これによって違法状態への対応能力や身を守るすべを身につけさせることができます。こうした権利保障、ルールの正常化は、とりわけ若年者にとって、勤労意欲の向上に役立つばかりでなく、企業にとっても、職場の風通しをよくすることによって経営効率や職場定着率を高めることも期待できます。権利ばかり教えると就職できなくなる、経営効率が落ちるというのは誤った認識です。憲法第27条は、勤労を国民の義務としているのですから、安心して働き続けるために必要なワークルールを身につけておくことは、働くことの前提であり、基本であるべきです。
そこで、お聞きします。
本市においても厳しい経済状況、企業経営が続く中で、若者の労働環境の過酷化や離職率の高さについての認識と、ワークルール教育の必要性についてのお考えをお聞かせください。
まずは、実態把握のために、市独自で又は道に働きかけて、若者の離職の理由や労働の実態について、アンケートやインターネット等を通じて集約し、その分析が必要と考えますが、いかがでしょうか。
小・中学校のキャリア教育や市の実施する高校生への支援事業の中で、ワークルールについての教育は、現状ではどのように扱われていますか。
若年者へのワークルール教育を、新卒者に対する就労支援事業の中で、関係諸機関とも連携して進めるべきと考えますが、いかがですか。
また、そのためのワークルール教育や労働教育のための資料やテキストを作成するよう、道に働きかけてはどうでしょうか。
2番目に、生活保護受給世帯の就労支援、自立支援について伺います。
全国で、厳しい日本経済の状況を直接受ける形で生活保護受給世帯が激増し、そのための支出が国、自治体の財政を大きく圧迫しているのは周知のことです。当然、憲法の規定する最低限度の生活を保障するための施策ですから、無条件に切り捨てることができるはずはありません。そこで、各自治体は国の支援や独自の政策により、状況改善のためのさまざまな工夫や事業を行っています。
今回、私たち民主党・市民連合は、京都市役所を訪ね、京都市における被生活保護者の自立支援プログラムの整備状況について視察をしてきました。京都市では、内閣府、厚生労働省が実施するパーソナル・サポート・モデル事業の活用等により、被生活保護者の状況に応じた、就労による経済的な自立、社会生活における自立、日常生活における自立を目指し、特に就労開始又は増収が期待できる被保護者に対して、重点的な就労支援を行い、また種々の自立支援プログラムを策定し、自立助長の推進を図っています。
その特徴として、国、府、市がオール京都で一体となって実施していることにより、障壁となっていた行政やさまざまな機関の縦割りを乗り越えて、支援を1人の人が生活保護受給前の予防的な時点から、生活保護廃止後のアフターケアまで継続的に受けることができる点、また一人一人に応じた支援策を考え、さまざまな場面に一対一で寄り添いながら個別に対応していく点などが挙げられます。例えば、ハローワークに配置された生活保護受給者専任の就労支援コーディネーターが、マンツーマンで継続して就労支援を行うハローワーク連携型就労支援や、ハローワークOB等、雇用に関する専門知識を有する者を嘱託職員として採用し、福祉事務所でケースワーカーと協力して、求人情報の提供や求職活動に関する技術的な指導援助等を実施する就労支援員派遣事業などが実施されています。就労支援員の力量によるところが大きい等の課題もあるようですが、就労支援員の派遣により、支援対象者のうち、生活保護廃止者や職業訓練受講者数を合わせた目的達成率は、昨年4月から12月まででおおよそ50パーセントになっています。
そこで、本市における状況について伺いますが、昨年度、市内の生活保護受給世帯のうち、就労支援対象で就労相談を受けた人数と、そのうち実際に就労した人数とその割合はどうなっていますか。
また、就労による生活保護廃止件数や職業訓練に至った件数をお示しください。
現段階での本市の就労支援の体制や方法はどうなっていますか。
また、課題はどのような点でしょうか。特に、厚生労働省管轄のハローワークとの連携については、どのように進めておられますか。
また、その今年度の成果をお示しください。
鬱病をはじめメンタル面での病気等によるひきこもりや知的障害、発達障害、その他の原因による多様化、増加する就労困難な方にどう対応しているのか、お聞かせください。
また、本市の今後の展開についてお聞かせを願います。特に、本市でも同様に国の事業に応募して、これらの支援を行う考えはありませんか。
続いて、災害時要援護者の情報共有について伺います。
国から各自治体に対し、災害時に援護を必要とする人、災害時要援護者への対策が指示され、本市においても避難支援プランを作成しているとのことです。まず、その進捗状況をお聞かせください。特に、災害時要援護者の名簿の作成はどこまで進んでいますか。
次に、各自治体の支援プランを拝見すると、町会による共助が避難支援の担い手ということが大前提となっており、災害時要援護者の避難誘導が求められています。ということは、町会による要援護者情報の把握が必要ですが、町会や地域の消防団組織との情報共有はどこまで進んでいますか。また、今後、情報共有について、どう扱う予定でしょうか。
ある町会では、いつ来るかわからない津波災害に備え、要援護者把握を急いでいますが、個人情報保護条例を理由に、要援護者情報が他の機関から得られないために、独自に戸別訪問して名簿を作成したそうです。このように、要援護者の把握にかかわる町会や自主防災組織では、個人情報保護に阻まれ、情報収集が非常に困難な状況で、大変苦慮しています。関係部署から的確な要援護者の情報が得られることは重要です。
道や小樽市の個人情報保護条例には、個人の生命、身体又は財産の安全を守るため、緊急かつやむを得ないと認められるときは、情報の提供を受けることができるとあります。まさしく障害者や高齢者等の要援護者の情報を町会は市町村と共有できるのではないでしょうか。市のこの件に関する条例解釈と、実際の情報共有をどのような方法で行っていくのかについてお聞かせください。
また、行政と住民の双方に個人情報の扱いに対して誤った判断や過剰反応があると考えます。よって、北海道個人情報保護条例や市町村の個人情報保護条例の趣旨を関係部署や住民に対してしっかりと周知し、要援護者の安全を早期に確保すべきと考えますが、見解を伺います。
続いて、子ども議会の開催について伺います。
札幌市では、子供たちが市政への関心を高め、子どもの権利条約にある自分の意見を表明する権利を具体化するため、子ども議会が開催されて今年度で12回目になります。この議会で提案されたことが市の施策としてきちんと幾つも実現されてきていますし、子供たちがまちづくりについて、自分たちで考えるきっかけの場ともなっています。提案には具体性があり、子供たちの問題意識には大人に欠けている視点も含まれていると好評だそうです。今年度も市議会議場で開かれ、小学校5年生から高校3年生までの69人が出席し、上田文雄市長らとの論戦に挑んだそうです。そのために子供たちは、昨年10月から、雪に親しんでもらう方法、自転車の乗用マナー、生ごみのリサイクルなどをテーマに六つの委員会に分かれ、10回の話合いを重ねて本会議に臨んでいます。例えば、いじめ問題も取り上げられ、問題解決につながる貴重な発言が出ています。
このように、教育や子供たちを取り巻く現在のさまざまな問題について、大人が考えたことをただ押しつけるのではなく、当事者である子供たち自身がどのように考え悩み、向き合っているのか、その中から解決策を自分たちなりに見つけていくことの大事さとともに、私たち大人がその成長過程に触れる中で、新たな解決の糸口を発見するチャンスにもなります。
ほかに、旭川市でも子ども議会を開催し、子供の声を市政に生かす取組が進められています。
昨年第1回定例会で開催を訴えたところ、「『子ども議会』という名称や議場を使用するかどうかは別として、市長と語る会や子ども会議の手法も参考にしながら、子供たちとの意見交換の場を設けてまいりたい」との御答弁をいただきましたが、この1年間の市長と語る会、子ども会議の開催実績と、その結果、子供たちから受けた話の中で、実際に市政に反映できた事例があればお示しください。
単なる意見交換の場というよりは、子供たちの側もきちんと事前の話合いや準備を重ね、より具体的な提案をしていくことにより、市政への住民参加の一環と捉えていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
また、議場を使うことについても、市民に開かれた市政、議会を形で表すよい機会ではないでしょうか。
自治基本条例を策定中ですが、その趣旨にあるような、まちづくりの主人公としての主体性のある市民育成のためにも、ぜひ実施に向けて一歩踏み出していただきたいと思いますが、お考えをお聞かせください。
最後に、学校給食による食物アレルギー対策について伺います。
最近、学校給食による食物アレルギー、特に重い急性アレルギー反応であるアナフィラキシーを起こし、場合によっては東京都調布市の児童のように亡くなるケースが発生しています。
食物アレルギーを持つ子供が珍しくなくなった現在、本市でも生命に危険があるアナフィラキシーショックまでも想定した対応が急務と考えます。そこで、国や道からの学校での食物アレルギーの対応についての指針はありますか。どのような内容でしょうか。概要をお示しください。
本市には、指針やマニュアルはありますか。あれば概要をお示しください。
現在、学校給食による食物アレルギー対策はどのようになっていますか。
本市で、学校給食により重篤な反応に至った例は過去にありましたか。その際の対応はどうしましたか。
具体的な対応として、本年8月から稼働予定の新共同調理場では、アレルゲン除去食調理に対応しているそうですが、対応システムや能力など、その内容についてお聞かせください。
また、除去食だけではなく、代替食も可能なのでしょうか。
今後、対応人数の増加やアレルゲンの多様化が進むと予想されます。将来の対応についてお考えをお聞かせください。
万一、学校でアナフィラキシーが起きたときの対応は、時間との勝負になります。その際の応急処置で役立つのは、自己注射のエピペンです。血圧を上げ、心停止を防ぐ効果がありますが、子供自身が常に携帯していて、万一の際に自分か、それが無理なときには周りの人が打つことになります。
現在、市内の小・中学校でエピペンを携帯している児童・生徒はいますか。
エピペン接種を教員が行うことは医療行為に当たり、法的に問題があるのではとの指摘がありますが、いかがですか。
今後、エピペン携帯、使用の増加が予想されます。エピペンを適切に使うには、事前に対処法などについて、医療機関や保護者、学校間での十分な話合い等、かなりしっかりした備えが必要と考えますが、いかがですか。
またその上で、子供本人や家庭はもちろん、担任や担当教員個人、学校側は子供の生命にかかわることで大きな責任を背負うことになりますが、そこに任せるだけにならないよう、市が責任を持った形の食物アレルギーに備えた総体的、具体的な指針やマニュアルが必要と考えますが、御見解をお示しください。
以上、再質問を留保し、質問を終了します。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)佐々木秩議員の御質問にお答えいたします。
初めに、若年者のワークルール教育の必要性について何点かお尋ねがありました。
まず、若年者の労働環境についてでありますが、平成23年12月に北海道が取りまとめた若年者職場定着促進調査報告書によりますと、離職理由では、給与に不満、労働時間が長い、仕事がきついなどとされており、若年者は職場環境が厳しいと感じていると認識しております。
次に、離職率についてでありますが、同報告書によりますと、平成20年3月卒業者の23年3月までの3年間の離職率は、高卒で全国平均37.4パーセント、北海道47.2パーセント、大卒で全国平均29.9パーセント、北海道34.5パーセントとなっており、道内の離職率が上回っていることから、本市におきましても同様の状況にあるものと考えております。
また、ワークルール教育の必要性についてでありますが、若年者が就職するに当たり、労働基準法などの労働関係法令等を学ぶことは、早期離職を防止する対策の一つとして有効なものと考えております。
次に、若年者の離職理由や労働実態の調査、分析についてでありますが、過去3年間の新規学卒者の離職者数につきましては、平成22年度から小樽市労働実態調査により把握しております。
また、若年者の離職理由等につきましては、北海道が実施したさきの報告書の中で調査分析されていることから、その結果を参考にしたいと考えております。
次に、市が実施している高校生への就職支援事業でのワークルール教育についてでありますが、労働者地元定着事業や高校生就職スキルアップ支援事業では、ワークルールのうち、ビジネスマナーや働く心構え等についての講義、職業適性検査、履歴書作成指導、模擬面接等を実施しておりますが、労働基準法などの労働関係法令等の講義につきましては、現在のところ実施しておりません。
次に、ワークルール教育を就労支援事業の中でも実施すべきとのことでありますが、先ほど答弁した事業の中で、労働関係法令等のワークルール教育を行うことは必要であることから、関係諸機関とも連携し、実施に向けて検討してまいりたいと考えております。
また、市の事業で実施することから、資料やテキストの作成を道に働きかけることは考えておりません。
次に、生活保護受給世帯への就労支援、自立支援について何点か御質問がありました。
まず、平成23年度の生活保護受給世帯のうち、就労相談を受けた人数は延べ1,252名、そのうち実際に就労した人数は延べ139名で、割合は約11パーセントとなります。
また、職業訓練受給者数は15名、就労したことを理由として生活保護が廃止になった件数は11件であります。
次に、本市の就労支援の体制と方法についてでありますが、生活支援課にハローワークのOB2名を嘱託の就業相談員として配置し、相談者の資格や能力、職歴などに応じた就労先の紹介、履歴書の書き方や面接対応など、就労のためのアドバイスを実施しております。
また、課題といたしましては、自動車運転免許などの資格や学歴面で就労が困難な場合や、せっかく就労しても人間関係等の問題で長続きしない場合があるなど、就労条件の困難さや就労する前段での社会面、生活面での支援が課題であると感じております。
次に、ハローワークとの連携についてでありますが、就労意欲が高く、就労が期待できる方について、ハローワークの職員が担当となって緻密で効果的な就労支援を行う「福祉から就労」支援事業を実施しております。
また、このほかにも、平成24年9月からは、ハローワークの職員が月1回来庁し、就労意欲が低いと思われる生活保護受給者に対して就労相談を行う巡回相談事業を実施しているところであります。
「福祉から就労」支援事業の平成23年度の成果といたしましては、ハローワークへ15名の支援要請を行い、10名が就労に至っております。
次に、就労困難な方に対する対応についてでありますが、就労困難な方には人と接することがうまくできずにひきこもりになっている方や、発達障害などにより部屋の片づけや家事ができない方がおり、就労以前に日常生活や社会生活に支障を抱えております。現在、生活支援課では、自立支援員として社会福祉士などの有資格者の嘱託員を2名配置しており、就労困難な方との面談を重ね、日常生活や社会生活の支援を行うことで、病院への受診や対人恐怖の克服など、社会的な生活向上を図り、最終的には就労などによる自立に結びつけていくように取り組んでいるところであります。
次に、本市の今後の展開についてでありますが、生活保護制度の見直しや、生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会の報告により、就労支援のあり方や生活困窮者対策については大きく変わろうとしています。生活保護受給の前後も含めた継続的な就労支援は必要だと思いますが、まずは第二のセーフティネットとしての国の就労支援制度などが今後どのような方向を示していくのか、また自治体とハローワークとの連携強化がどこまで求められるのかなども見極めた上で、今後の就労支援のあり方を検討していきたいと考えております。
次に、災害時要援護者の情報共有について何点か御質問がありました。
まず、災害時要援護者名簿の作成状況についてですが、本市では平成20年度に名簿を作成し、新規登録者の追加や変更情報の更新を行っており、現在、約7,200名を登録しております。
次に、町会などとの情報共有についてですが、現在、市と民生・児童委員との間では、災害時要援護者の緊急連絡先や避難支援者といった情報を共有しておりますが、町会などとはこれらの情報を共有しておりません。しかしながら、今後策定する、避難支援の基本となる小樽市災害時要援護者避難支援計画、いわゆる全体計画において、本人から同意を得た上で要援護者の登録をし、あわせて必要に応じて避難支援関係者へ情報提供をできることとしておりますので、地域での避難計画の策定や避難訓練において、情報を共有できるものと考えております。
次に、個人情報保護条例の解釈などについてですが、市の個人情報保護条例においては、人の生命、身体又は財産の保護のために緊急に必要があるときに、保有個人情報を提供することができると規定しております。この規定は平常時を想定したものではないことから、本人の同意を前提に、平常時の避難訓練など、必要に応じて避難支援関係者に情報提供できるよう、全体計画において規定することとしており、日ごろからの地域での見守りにもつながるものと考えております。
次に、子ども議会について何点か御質問がありました。
初めに、この1年間の市長と語る会及び子ども会議の開催などについてでありますが、子供たちと実施した市長と語る会は1回で、西陵中学校の生徒会の皆さんと話をさせていただきました。
子供たちから受けた話の中で、実際に市政に反映できた事例はありませんでしたが、話を伺い、生徒の皆さんが自分の住んでいる小樽のまちを愛されていることがわかり、大変うれしく思いました。
また、お年寄りに親切なまちにしたい、ポイ捨てがないまちにしようといったしっかりとした意見を持って課題や疑問を感じ、それを解決するために自分たちが地域で取り組もうとする姿勢を感じ取ることができました。
なお、子ども会議は3月23日に「出会い、つながり、支え合い」をテーマに、二つの中学校の同じクラブ活動を行っている生徒を対象に開催を予定しております。
次に、子ども議会の実施についてでありますが、本市では子どもの権利条約の趣旨にのっとり、子供たちの意見表明の場を提供することを目的に、平成10年度から子ども会議を毎年開催してきたところであり、今年度は新しいテーマの設定や会議の進め方なども工夫して、3月に開催を予定しております。したがいまして、当面は子ども議会の開催ではなく、市政への住民参加という点にも配慮し、子ども会議の内容をさらに充実したものとしてまいりたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)佐々木秩議員の御質問にお答えいたします。
初めに、小・中学生のワークルール教育についてでございますが、小学校学習指導要領では、特に労働条件などについての学習は示されておりませんが、中学校では、雇用と労働条件の改善について、勤労の権利と義務、労働組合の意義及び労働基準法の精神と関連づけて考えさせると示されており、社会科公民的分野で取り扱うこととなっております。
次に、学校での食物アレルギー対応の指針についてでありますが、平成20年3月に文部科学省が監修し、財団法人日本学校保健会が作成した学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインが示され、各小・中学校に配付されております。その内容は、アレルギー疾患とは何か、緊急時の対応、学校生活で求められる配慮、管理などのほか、気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー・アナフィラキシーなどの疾患の具体的内容とその対応について盛り込まれております。
次に、本市における食物アレルギー対策の指針やマニュアルについてでございますが、本市では文部科学省監修のガイドラインに基づき対応することとしており、独自のマニュアルは特に作成しておりません。
次に、学校給食での食物アレルギー対策についてでありますが、本市ではそばと牛乳をアレルギー源として特に注意しており、そばは提供せず、うどん、ラーメン、スパゲッティを提供しております。牛乳については、飲めない児童・生徒に対しては麦茶を提供しております。
また、各学校においては、アレルギー疾患を持つ児童・生徒の調査を行い、献立表に基づき、アレルギーを引き起こす食材の入った給食を食べないよう指導しているところであります。
次に、食物アレルギーによる重篤な反応に至った事例についてでありますが、本市ではそのような事例は報告されておりません。
次に、新共同調理場でのアレルゲン除去食についてでありますが、現在のところ、アレルギー起因食品のうち、症例数の比較的多い卵を除去した給食を提供する方向で検討しております。
なお、新共同調理場では、除去食の調理室は、通常の調理室とは別に区画し調理を行うこととし、最大で150食程度の調理が可能となっております。
次に、代替食などの対応についてでありますが、新共同調理場における代替食や除去品目の拡大については、施設設備や業務手順、人員配置などの関係があり、稼働の状況を見極めながら検討してまいりたいと考えております。
次に、エピペンの使用状況についてでございますが、市内の小学校で医師によりエピペンを処方されている児童は3名と把握しております。
次に、エピペン接種を教員が行うことについてでありますが、文部科学省の通知では、アナフィラキシーショックで生命が危険な状態にある児童や生徒に対し、救命の現場に居合わせた教職員がエピペンをみずから注射できない本人にかわって注射することは、反復、継続する意図がないものと認められるため、医師法違反にならないものと考えるとしており、緊急の場合、教員が使用することは差し支えないものと考えております。
次に、エピペンの使用についてでございますが、対象となる児童・生徒のいる学校については、エピペンの使用法について、教職員にあらかじめ周知をしていくことは大切なことでありますので、今後、医師会などとその対応について相談をしてまいりたいと考えております。
最後に、食物アレルギーに備えた指針などについてでありますが、アナフィラキシーショックやエピペンの使用方法などについては、各学校に配付している文部科学省監修の学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインに詳細に示されており、このガイドラインを活用してまいりたいと考えております。
今後、市教委としては、校長会や学校給食担当者会議などにおいてこのガイドラインを活用し、食物アレルギーの対応について、周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)17番、佐々木秩議員。
○17番(佐々木秩議員)何点か再質問をさせていただきます。
一つ目に、ワークルール教育についてですけれども、先ほど、市では、ワークルール教育については、必要であると、実施に向けて検討していただけるということで、その点について大変ありがたく思いますが、テキスト等については、市で独自に行う事業であるので、道に求めることはないということでしたけれども、そうであれば、市は、少なくともそういう事業を行うときには、独自の資料、テキストを用意して行っていただけると解釈してよろしいでしょうか。
二つ目に、子ども議会についてですけれども、子ども会議を延長する形、充実させていく形でこれに対応していくという御答弁でしたが、その方法、子ども会議を充実させていくその先に、方法や開催場所等も考慮に入れていくとすれば、この議場を使ってやっていく、結果として子ども議会と同様のものになっていく可能性もあると思ってよろしいのでしょうか。そうであれば全く構わないと思うのですが、やはりきちんとそこのところで、今、話を伺っても実質的に1回の、市長の御体調もあったのでしょうけれども、西陵中学校での市長と語る会が1回、それから子ども会議については今年度ぎりぎりの3月末に今後やるというような状況では、私が望んでいるような、実効的に、実質的に市政の中に子供たちの意見が反映されるという意味では、やや心もとない。よって、先ほど最初に申し上げたように、子ども会議が実効的な子ども議会になるような、その先に可能性があるのかどうかということについて御答弁をいただきたいと思います。
最後に、エピペン、食物アレルギーについてですけれども、先ほどの教育長の御答弁の中で、国のガイドラインが詳細なものであるので、それを基にしてやるので市独自のものについてはないと、それを用意しなくてもガイドラインのほうで大丈夫であるというような趣旨の御答弁だったと思うのですが、全国を見てもそうですけれども、新聞報道等によれば、国のガイドラインではやはり足りないと、具体性に欠くということで、このエピペンの使用若しくは食物アレルギーについて、ガイドラインや指針を独自に設けている自治体が多数あるのです。ということは、エピペンの使用について、現場で一刻を争う、調布市の例をとってみても、救急車が呼ばれて来るまでにも間に合わなかったというぐらい、数分のタイミングで、打つタイミングを逃せば命にかかわってくる、そういうものが国のガイドラインだけではやはり足りないということでつくっている。例えば今、小樽市で、エピペンを処方されている子供がいる学校だけで対応するのだといっても、いつ子供が入学するかわからない。ひょっとすると入学式がある初日にアナフィラキシーショックを起こす可能性がないわけではないのです。そのように考えると、エピペンを処方されている子供がいる学校にだけやるのではなくて、あらかじめきちんとした対応を組める、そういうためのガイドライン、小樽市独自のものがきちんと必要である、また、そのガイドラインをつくるに当たっては、当然、そこにかかわる医療機関の方、保護者を含めてさらに教職員と連絡を密にとって連携して、そういうガイドラインをつくる必要があるのではないかということについて、御見解を再度お願いいたします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)まず、私からは、ワークルールと子ども議会についての答弁をさせていただきます。
ただいまの佐々木秩議員の再質問でありますけれども、ワークルール教育については、先ほど答弁させていただいたとおりでありますし、市といたしましても、実際に就職支援事業という形で実施をしているところであります。ただ、その中で少し足りないというのは、労働基準法などのいわゆる労働関係法令については、今やっておりませんので、これからそういうものを含めてしっかりと取り組んでいきたいと思っておりますし、何といっても若い人たちが就職したときの離職率が、今あまりにも高いのではないかと。ですから、それをそういった教育をすることによって離職率が低くなるということであれば、やはりそういった教育についてもしていきたいと思いますし、それから先ほど答弁しましたように、資料などの費用については、道にお願いするのではなくて、市独自で取り組んでいきたいと思っておりますので、御理解いただきたいと思います。
それから、子ども議会の関係でありますけれども、現在、子ども会議は続けておりますが、では子ども議会と子ども会議と実際にどうなのだろうかということを考えたときに、いずれにしましても、将来の小樽を担っていただくということであれば、今、小樽の子供たちをしっかりとした考え方で育てていくことも大事だろうと思っております。
そういった中で言うと、先ほども答弁させていただきましたように、西陵中学校で生徒会の皆さんといろいろな話をさせていただきましたら、将来の小樽を本当に真剣に考えておられる姿を見て、私は大変うれしくなったわけでございます。
それから、今年度1年間で言うと西陵中学校ですけれども、その前で言うと潮見台小学校にも行っており、子供たちともいろいろな話をさせていただいておりますし、これからもいろいろな形で子供たちとのそういう話合いをしていきたいと思っておりますので、結論でありますが、子ども議会でいいのか、子ども会議の中身をやっていっていいのか、そういったことを含めて検討して、いずれにしても将来の子供たちを育てるという観点から取り組んでいきたいと思っておりますので、御理解いただきたいと思います。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)エピペンの使用などについてでございますが、国が発行したガイドラインを見ればわかると思うのですけれども、エピペンの使用に関しては、相当詳しく記述されておりまして、あれを読めば大概の人はどういう使い方かわかるという状況になっております。
さらに、先ほど答弁しましたけれども、医師会と相談しながら、研修会を開くなどの対策をしながら、教職員全員で、その学校の全員で対策がとれるような研修会も今後考えてみたいと思います。
もう一点、先ほど千葉議員の御質問にも答弁しましたが、新共同調理場の設置を契機として、学校と教育委員会、共同調理場全体で食物アレルギーに対する対応について、組織的な対応については、もう一度きちんとした組織化を図りながら、全体としてのアレルギー対策の体制づくりというものは、きちんとやっていきたいと思います。その過程の中で、エピペンの使用なども当然含めて、全体として組織的な対応をしていくという方向で検討を行いたいと考えておりますので、御理解いただきたいと思います。
○議長(横田久俊)佐々木秩議員の一般質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時32分
――――――――――――――
再開午後3時00分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、一般質問を続行いたします。
(「議長、4番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)4番、吹田友三郎議員。
(4番吹田友三郎議員登壇)(拍手)
○4番(吹田友三郎議員)一般質問をさせていただきます。
初めに、日本国憲法では、第25条第1項において「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と定めており、生存権の保障は、社会政策学者出身の衆議院議員、森戸辰男による発案で第25条として盛り込んだとのことです。戦後の混乱期には重要なものとして機能しました。絶対的貧困の生存権を保障するものであり、自助努力では国民の最低生活が不可能な者は、絶対的貧困として生活扶助等による公的支援をするものです。
国は、生活扶助の適切な支給に向けてなどと言って、扶助費の減額を行うことを基本に進めております。生活扶助費において、国民の間での問題点として認識されているものの多くは、不正受給の問題であります。私は、これらの問題をしっかりと解決し、真に必要な者への支給が必要と思います。
そこで、生活保護受給世帯の平成23年度、24年度の動向は、高齢者世帯、障害者世帯、傷病者世帯、母子世帯、その他世帯についてどのようになっておりますか、お尋ねいたします。
本市の人口動態を踏まえて、今後の生活扶助費の展開はどのようになると考えておりますか、お伺いいたします。
基本的に、生活保護にかかわる生活扶助、住宅扶助、医療扶助等は、確実に費消されるものであり、本市の経済活動等にはある意味で重要と考えます。高齢化が進む弱小地方都市では、ますます対象者の比率が増加するのは明白であり、生活保護に係る負担を全額国庫補助とすることに積極的に取り組むことが必要と考えます。市長の御見解をお伺いします。
次に、今、全国的に孤立無業者と言われる方がおります。20歳から59歳の働き盛りで、未婚、無職のうち、社会と接点がない孤立無業者が、2011年時点で162万人に上るとの調査結果が示されております。孤立無業者とは、日常の外出をせず、社会との関係を絶っている者です。現在は、その者に関係する家族が生活を支えているようです。2006年では112万人、2011年で4割強の増加と見られております。今後、支える者が欠けることが考えられ、公的扶助の予備軍と位置づけられます。孤立無業者対策は喫緊の課題であり、本市におけるその実態はどのように把握されておりますか。
また、これらの対策について、関係部局において検討されておりますか、お伺いいたします。
次に、本市での相対的貧困者と言われる、いわゆる絶対的貧困者のラインに入らない市民税の非課税世帯など、グレーゾーン的な存在が考えられます。私は、父子世帯・未婚のシングルマザーに対する公的援助の配慮が乏しいと思われます。このことにつきまして、本市の取組はどのようになっておりますか、お伺いいたします。
私は、少子化対策の一つとして、結婚せず子供を生み育てたいと考えている方が増加傾向にあり、シングルマザーの対策をヨーロッパのように手厚く取り組み、子供の権利を守る法整備を含め、国民的認知を進めることが必要と考えます。シングルマザーに対する財政支援の面において、市長はどのように考えられますか、お伺いいたします。
次に、市職員の旅費の問題についてであります。
昨年の本会議で質問をさせていただきました。その中で、宿泊を伴う出張における宿泊費の実費弁償をされてはいかがですかとお尋ねいたしました。これは、業務での出張地の確認に宿泊先の領収書が有効であり、また現在は宿泊費も大変リーズナブルなものとなっておりますので、経費の削減にもつながるものと考えました。しかし、このことにかかわっての御答弁は、実施することによる事務の煩雑さを理由として難しいということでした。
道内では、この方法を取り入れている市町村が新聞報道でも紹介されております。函館市も、その一例です。人事の方に電話でお聞きしましたところ、三、四年前より行っており、出張時、事前に宿泊先が申請されますので、宿泊料が確認でき、会計課におきまして、その金額を含めて旅費を出金し、旅費精算時に領収書が添付されますので、その確認だけで簡単に行われておりますとのことです。函館市は財政的にも大変厳しい状況にあり、さまざまな取組を行っているものの一つのようです。職員は、最初の1年くらいはなれなかったようですが、現在は問題もなく取り扱われておりますとのこと。また、パック旅行利用の励行など、経費削減の工夫をしているようです。
本市では、平成23年度の全ての部局の宿泊を伴う出張の回数は414回ほどであります。260日ほどの業務日を考えますと、1日1.6件ほどであります。日に50件、100件ともなりますと、業務が煩雑になると考えられますが、函館市でさえ行われておりますので、十分可能と考えます。担当部局の業務処理の取扱いを含め、市長が再考されることを希望しますが、いかがお考えでしょうか、お尋ねいたします。
次に、空き家の撤去費用の助成についてであります。
本市では、高齢者の独居世帯は毎年増え続けており、この方々が亡くなられたり転居されたりすることにより空き家が発生します。転売が難しいこともあり、空き家として現状のままとなります。近隣の方は、防犯・防火上、又は老朽化した家屋では倒壊等の心配もすることとなりますので、撤去についての苦情として市に相談が寄せられることとなります。全国的にも、さまざまな要因により撤去費用の肩がわり、一部費用の助成、また行政代執行の規定などで進められているようです。
私は、以前より、撤去費用の一部を小樽市が負担することにより、廃屋への不安を解消すべきと申し上げてまいりました。撤去費用をなるべく廉価におさめるために、本市の助成事業として1件100万円の範囲で行われたものに対し、かかった費用の15パーセントの範囲で助成することを提案したいと思います。今後の廃屋問題を考慮し、助成制度を取り入れるべきと考えます。市長の空き家対策の基本的な方針についてお伺いいたします。
次に、教育委員会にお尋ねいたします。
多くの運動クラブにおける監督・コーチによる体罰が全国的な問題として取り上げられております。さまざまな競技大会で勝つための指導として、暴力行為が横行していることを知る機会となりました。このたびの問題で取り上げるものではありませんが、オリンピックに出場するために選ばれた柔道の強化選手に対して、指導する協会関係者が暴力的指導を容認していることがわかり、ショックを受けたところです。この問題では、日本人特有の誰が言ったのかという犯人捜しに選手がおびえていることを報道で知り、このような団体は解体が必要と思います。
本題に戻ります。私には全く理解できないのですが、保護者からお預かりしている大切な子供をなぜあのような指導という名をかりた暴力を使って管理しようとするのか。そのような行為が行われていることをそもそもの学校管理者、教育委員会が把握していないのか。恐らくわかっていても、その問題を出すことが自己の保身に影響することを考えて、放置することが行われているものと考えられます。監督・コーチの行為は傷害であり、又は、場合によっては傷害致死の犯罪であり、厳しく罰するしか児童・生徒を守ることはできないものと考えております。また、学校現場の管理者の校長などは、知らなかったという理由で責任を免れることはできません。そして、わかっていながら、そのことに対応をしていない場合には、共同責任になると考えます。
まず、このような問題が発生し、本市におきましても、学校現場の実情について緊急な点検・調査を行ったと思いますが、そのような調査が行われましたか。その調査の方法と結果についてお聞かせください。
教育委員会では、日ごろ、さまざまな調査を行っているものと思いますが、その調査の内容の精査はどのような方法で行っておりますか、お伺いいたします。
本市の児童・生徒の運動クラブ活動にかかわる監督・コーチなどの指導者は、誰の権限で選ばれて就任されるのですか。その指導者はどのような資格を持っておられるのですか。そして、指導者としての研修プログラムなどは、教育委員会ではどのように進められておられますか、お尋ねいたします。
本市の教育現場には、適切に指導できる人材は十分に確保されておりますか、お伺いいたします。
学校現場の最高責任者である校長は、今回の問題を含め、運動クラブのチェックは業務として組み込まれておりますか。
教育委員会は、暴力行為の禁止等は基本的方針として考えておりますか。そして、学校現場への周知はどのようにされておりますか、お伺いいたします。
最後の質問となります。
学校現場においてさまざまな問題が発生したときに、スクールカウンセラーが活躍されるようです。事件のあった大阪市立桜宮高校では、ある第三者委員会の方が、カウンセリングの機能が果たされていなかったと言っておりました。
本市におけるスクールカウンセラーという仕事は、どのような内容の業務を行い、どのような経験、知識、技能による資格を持っておられる方が携わるのですか、お伺いいたします。
本市において、現在、カウンセラーを配置している学校はありますか。そして、カウンセリングの効果の検証はどのようなものとなっておりますか、お伺いいたします。
よく、カウンセラーがクライアント側に寄り添っていないと聞くことがありますが、教育委員会はカウンセラーにはどのような立場、位置づけで業務の取扱いをお願いしているのですか、お伺いいたします。
以上、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)吹田議員の質問にお答えいたします。
初めに、生活保護について何点かお尋ねがありました。
まず、保護受給世帯の動向についてでありますが、世帯構成の割合でお答えいたしますと、平成23年度は、年度平均で、高齢者世帯45パーセント、傷病者世帯26パーセント、障害者世帯8パーセント、母子世帯11パーセント、その他世帯10パーセント、平成24年度は、25年1月末で、高齢者世帯46パーセント、傷病者世帯21パーセント、障害者世帯8パーセント、母子世帯10パーセント、その他世帯15パーセントとなっております。
次に、今後の生活扶助費の展開についてでありますが、小樽市の人口は減少が続いているものの、その一方では年々高齢化が進んでおります。
また、全国的に景気回復がおくれ、所得がなかなか増加せず、高齢者の方々が受け取る年金額も決して多くは期待できないと思われますので、今後もしばらく生活扶助費は増加傾向が続くこととなるのではないかと推測いたします。
次に、生活保護費に係る負担についてでありますが、生活保護は、本来、国の責任において実施すべきものであることから、その財源は全額国庫負担とすべきものであると考えております。これまでも全国市長会をはじめ、指定都市市長会、全国知事会において、全額国庫負担とするよう国に要請しており、この要請を今後も続けていくことが必要であると考えております。
次に、孤立無業者についてお尋ねがありました。
孤立無業者の実態把握についてでありますが、公表されている人数は、東大の教授が総務省の社会生活基本調査のデータを活用し推計したものであることから、本市における孤立無業者の実態につきましては把握しておりません。したがいまして、その対策につきましては、現在のところ、実態把握が困難なことから検討できませんが、今後、国の孤立無業者への就労支援対策の動向を注視してまいりたいと考えております。
次に、相対的困窮者について何点か御質問がありました。
初めに、父子世帯など、ひとり親世帯に対する公的な援助に関する本市の取組についてでありますが、経済的な支援としては、児童扶養手当の支給やひとり親家庭等医療助成制度、各種資格取得のための給付金である母子家庭自立支援給付金の支給などのほか、ひとり親家庭からの相談を受ける母子自立支援員の配置などを行っております。
次に、シングルマザーに対する財政支援についてでありますが、今申し上げました児童扶養手当や母子家庭自立支援給付金などの支給につきましては、国の関係法令に基づいて行っており、市単独で新たな上積みを行うことは財政的にも難しいものと考えております。
なお、児童扶養手当をはじめとする、ひとり親家庭に関する各種制度の充実や給付費用の地方負担に関する十分な財政措置などにつきましては、これまでも全国市長会から国に対して要望しているところであり、今後も同様に取り組んでいく考えであります。
次に、出張旅費についての御質問でありますが、本市においても、パック料金など、安価で利用できるものがあれば旅費の調整により、積極的に使うよう職員に促しており、日ごろから適正かつ低廉な支出に心がけております。
また、宿泊料を実費支給とした場合、出張回数の多い部局では精算などによる事務量が増加するほか、請求や精算の審査を行う部門にも負担が生じ、経費の増加にもなりかねない懸念があります。したがいまして、本市では、これまで国に準じて定額方式を用いているところであり、今後におきましても、これまで同様、経済的な支給を念頭に置いた方法で対応してまいりたいと考えております。
次に、空き家対策の基本的な方針についてでありますが、地域や住民の安全・安心を確保するため、庁内の関係部局で連携を図りながら、市内のパトロールなどを実施し、その状況の把握と情報の共有に努めているところであります。
また、危険な空き家につきましては、これまでも所有者などに対して適正な管理や修繕、撤去等の必要な措置を要請するなどの対応をしているほか、空き家対策としての条例制定についても検討を進めております。
御提案のありました撤去費用の助成についてでありますが、空き家であっても個人所有の財産であることや公平性の観点から、基本的には所有者みずからの責任において対応すべきものと考えております。
しかしながら、市民生活に危険が及ぶことが想定され、撤去が必要となる場合においては、撤去費用の捻出が大きな課題であると考えられることから、解決手段の一つとして、引き続き慎重に検討してまいりたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)吹田議員の御質問にお答えいたします。
初めに、体罰に関する調査についてでありますが、昨年12月、大阪市立高校の運動部活動の顧問による体罰が原因で生徒が自殺した事件を受けて、本年1月に道教委が緊急に全道の小・中学校を対象に体罰の有無の調査を行った結果、本市では体罰の事案はございませんでした。その後、文部科学省が全国の小・中学校、高校、特別支援学校を対象に体罰の有無に関する調査を実施するよう通知があり、第1次調査として小・中学校に対し、体罰の有無を2月13日までに書面による報告をするよう指示し、その結果、体罰はありませんでした。続いて、2月25日には、第2次調査として全小・中学校の教職員に調査票を配付し、体罰の有無を3月8日までに提出するよう指示をしております。あわせて、児童・生徒調査及び保護者調査として、小学校にあっては保護者を介して確認する方法として、調査票を保護者全員に配付し、中学校にあっては生徒全員と保護者全員に調査票を配付し、学校を通じ、3月8日までに封筒に入れた調査票を開封しないで市教委に届くよう依頼したところであります。ただし、中学校3年生につきましては、3月5日、6日、公立高校の入学試験が終了後に調査票を配付する扱いとしております。
3月8日以降、市教委において調査票を開封し、体罰の有無について確認をし、体罰と疑われる事案があった場合には、学校に直ちに報告し、実態の把握を行い、4月8日までに道教委へ報告することになっております。
次に、教育委員会が行っているそのほかの調査内容などについてでありますが、教育委員会では日常さまざまな調査を行っておりますが、例えば、平成24年9月には、いじめによる生徒の自殺を受け緊急調査を行ったところでありますが、このとき、いじめを認知した学校ではいじめのアンケートを基に、まずは本人や他の児童・生徒又は保護者と面談を行い、事実の確認に努め、事例によっては教育委員会に報告することとし、教育委員会では個々の事例により必要な指導・助言を行うなどの対応を行っております。
次に、部活動の顧問などについてでありますが、中学校では校長が年度初めに、校務分掌と同時に運動部活動の顧問についても割り振りし、その際、経験や指導資格などが考慮されますが、近年では競技経験のない教職員も多くなっている傾向にあります。教育委員会では、部活動の顧問を対象とした研修会は行いませんが、教職員は指導の経験を積み重ねたり競技団体の研修会に参加したりしながら、みずからの指導力の向上に努めております。
なお、最近、教員の不足を補うことや生徒により専門的な指導を受けさせるなどの目的で、外部に指導者を依頼する学校も増えてきている傾向にあります。
次に、校長による部活動の状況の把握についてでありますが、校長は、自校の教育活動をしっかりと把握する責任があり、部活動につきましても、教育活動の一環として日常の活動を参観したり大会運営等を視察するなど、職務として行われております。
次に、暴力行為の禁止などの周知についてでありますが、学校教育法第11条では「校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない」と定められており、体罰はもちろん、暴力行為については絶対許されるものではありません。
教育委員会では、今年1月、体罰の防止についての通知をし、部活動の指導においては勝つことのみを重視し、必要以上の過度な練習を強いたり体罰を行うことがないよう、部活動の状況を十分把握すること、相談体制を整備することなどについて校長会議などで周知徹底を図ったところであります。
次に、本市のスクールカウンセラーの業務内容、資格についてでありますが、スクールカウンセラーは、主に中学校の生徒、保護者及び教員へのカウンセリングや助言を行っており、必要に応じ小学校でも活用を図っております。
現在、本市には6名のスクールカウンセラーがおり、1名は臨床心理士、5名は大学又は短大を卒業し、心理臨床業務又は児童・生徒を対象とした相談業務に5年以上の経験を有する者であり、スクールカウンセラーに準ずる者としての資格を有しております。
次に、スクールカウンセラーを配置している学校とカウンセリングの効果の検証についてでありますが、5名のスクールカウンセラーには相談日をあらかじめ定め、中学校14校で勤務し、1名は週2回、教育委員会の相談室に常駐しております。
教育委員会では、カウンセラーの執務記録簿や学校からの月ごとの報告により、相談件数や内容などを把握しております。なお、プライバシー保護の観点から、相談者の声を直接聞くことはしておりませんが、電話での問い合わせなどの際に、「相談してよかった」「気持ちが楽になった」などの声も伺っております。
最後に、スクールカウンセラーの立場についてでありますが、教育委員会では、スクールカウンセラーに相談者の立場に立って悩みや訴えを十分に聞いた上で、適切な指導・助言をすることや、場合によっては病院やその他の関係機関を紹介するなどについてお願いをしているところでございます。
(「議長、4番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)4番、吹田友三郎議員。
○4番(吹田友三郎議員)再質問をさせていただきます。
まず、廃屋の撤去費用の問題ですが、こういうものについては市でそれなりのお金を出すことになると、一つの事業として、地域の仕事が発生するということも一つのものだと思います。今回、私は100万円という金額を出しましたが、小樽の場合、非常に高い形になっている部分があるので、私は、それを利用しようとする方々がやはり廉価でできるようにして、なるべくやってもらいたいという、そういうことを行政側もかかわってやっていただけるのが一番かと思っております。その辺も含めて、これからそういう条例の関係も検討されるということでございますので、それらも含めて一歩進んだような感じでやっていただければと思うのですが、いかがでしょうか。
次に、旅費の問題について、私は、今、御答弁いただいたのですが、これについて私は、実施弁償の方向でどうしてもと思っておりますので、機会があるごとに皆さんに要望したいと考えています。
次に、教育委員会にお聞きしたいのですが、今回、体罰という問題があって、道教委からの調査ということでやりましたとなっていますけれども、こういうものは小樽市独自に、自分の判断でそういう調査を最初からやるということはないのでしょうか。それと、国からも後から調査が来ましたと言っておりますけれども、小樽の子供たちをしっかりと教育を含めて見ていく方々ですから、小樽市のことは皆さんが基本的には管理しているのですから、その方々が自分たちの判断でそういうことができるような形をそもそも持っていていいと私は思うのですが、その辺についての基本的なやり方についてはどのようになっておりますか。
もう一つは、現場の校長がさまざまなことを見ながらということですけれども、そういう中ではこういう形のものを校長が見つけて、それで教育委員会に報告をして、それに対応したということが今までにあるのでしょうか、お聞きします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)一つ目の廃屋の撤去の問題については、先ほども答弁させていただきましたように、あくまでも個人の所有ということでございますので、公平性の問題等を考えたときに、やはり所有者にきちんと処理してもらわなければいけないというような状況だろうと思っております。
それから、今日の新聞に、後志総合振興局での、空き家の問題で行政代執行の関係の記事が載っておりました。これらのことにつきましても、条例等についてこれからも検討していきたいと思っておりますけれども、ただ100万円に対して15パーセントといったのは非常に財政的な負担も大きくなっていきますので、それらも含めていろいろと今後検討していきたいと思っておりますけれども、現状では大変厳しい状況なのかというふうに思っております。
それから、旅費の問題についての再質問がありました。
これは、先ほども答弁させていただきましたように、日ごろから、パック料金など安価でできるようなことについて、低廉な支出に心がけているところでございます。たまたま、吹田議員がおっしゃるように、函館市が例として述べられましたけれども、函館市はどれぐらいの出張回数があるのか、あるいはその出張に関する職員数がどれぐらいなのか、そういったことは私もよく承知しておりませんので、少なくとも負担にならないようにしていかなければ、経費負担にならにようということについては、しっかりと取り組んでいきたいと思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)吹田議員の再質問にお答えいたします。
1点目の、市として独自で調査すべきではないのかという御質問でございますが、実は昨年、小樽市内の中学校で体罰事件というのがありまして処分をされ、その際、校長が見逃していたということで、校長も管理・監督責任を問われたということがありましたので、大阪市立高校の問題が出たときに、市として調査をしようということで準備をしているときに道から指示があったということで、あわせてやったということがあります。たまたま時期が重なったということでありまして、市としてもそういう事例があったので、直ちに調査するという方向で検討していたことでございますので、御理解をいただきたいと思います。
またもう一つ、校長自身が発見して訴えたという事例は今までございません。それで、前回そういう事件がありましたので、また今回も大阪市立高校の事件がありましたので、校長会を通じ、校長として部活動については、きちんと日ごろから目配りをしながら、何かあればすぐ校長として忠告をする、又は体罰があれば教育委員会に報告をするということについて指示をしたところでございますので、御理解をいただきたいと思います。
(「議長、4番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)4番、吹田友三郎議員。
○4番(吹田友三郎議員)これで終わりたいと思います。
○議長(横田久俊)吹田議員の一般質問を終結いたします。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、中島麗子議員。
(20番中島麗子議員登壇)(拍手)
○20番(中島麗子議員)一般質問をいたします。
最初に、公共事業受注業者の労働実態について取り上げます。
国や自治体が発注する公共工事や委託事業に従事する労働者は、建設関係だけでも全国で600万人に上り、他のサービス関連労働者を合わせると1,000万人以上になります。これらの事業に従事する労働者は、国民・住民の生活と権利、安全を守る大切な仕事を担っています。しかし、人件費を無視した低価格入札が行われ、労働者の賃金、労働条件は劣悪な状態に置かれている場合が少なくありません。
福島県労連が行った除染労働者110番に寄せられた相談では、国直轄の除染特別地域で働き、本来なら一日1万1,700円プラス危険手当の支給対象であるにもかかわらず、危険手当をもらったことにしてくれとか、危険手当をもらわないと一筆書くように言われ、除染手当が支給されていない労働者の無権利、不安定な雇用実態が明らかにされています。
そこで、小樽の問題に移ります。
初めに、平成23年度、小樽市で発注している契約金額2,000万円以上の工事を水道局、病院局、市長部局それぞれの発注件数と、そのうちの市内業者の占める割合についてお知らせください。
元請、下請の関係で、最終的な業務従事者の労働環境や賃金について、発注者側である小樽市が実態把握をしているかが問題です。道内の自治体を対象に北海道労働組合総連合が行ったアンケート調査では、札幌市を含む道内27市と49町村が回答していますが、委託先事業者の賃金・労働条件について把握しているかとの設問に対しては、いずれも平均3割台の回答で、ほとんど把握していませんでした。小樽市はいかがですか。
平成23年度、500万円以上の公共工事についてお聞きします。1点目は建築・土木工事の落札率の平均値、2点目は最低制限価格と入札価格調査制度の件数と適用予定価格に対する割合、3点目には予定価格を算出する際の人件費の根拠、4点目に総合評価方式は、新市立病院建設以外に導入したものがありますか。5点目は業務委託などで業者が変更する際、雇用の継続や労働条件の継続を依頼しているのですか。
次に、指定管理者制度についてです。
公共施設の管理・運営は、小泉内閣の構造改革路線に基づいて導入され、平成21年度時点では、全国7万施設で導入されました。平成21年度の小樽市の指定管理者制度導入施設数と平成24年度の施設数をお答えください。
24年度の本市の公共施設のうち、指定管理者が導入されている割合、また指定管理者制度のうち、民間企業参加数は何件か、全体に占める割合もお知らせください。
本市では、指定管理者の契約年数が3年又は5年と決められていますが、多くは同一業者が継続しています。しかし、小樽市民会館、公会堂、市民センターは、平成25年度から大幸総業は継続していますが、イオンディライトから小樽ビル管理に変更です。各施設の職員数は何名か、今後の雇用継続はされるのか、賃金の引下げはないのか、把握していますか。
この施設に働く市民から、経営者が変わって仕事が続けられるのかどうか不安でいっぱいだったが、継続されることになった。しかし、賃金水準は当面継続ということで、今後、同額が保障されるかどうかわからない、これからも事業者が変わるたびに心配するのはつらいとの声が届いています。
北海学園大学川村雅則准教授らの2011年札幌市の指定管理者制度導入施設の調査では、正規雇用が3割、残り7割の非正規雇用の賃金水準は、パートタイム型で100万円未満が8割強、たとえフルタイム型でも半数は250万円に満たない実態です。全国的にも、指定管理者が官製ワーキングプアの発生源になっていることが問題になっています。
本市では、指定管理者の受託事業のうち、清掃や給食など、一部を再委託に出している件数は何件ありますか。業務内容とこれまでの雇用の継続、賃金の確保についてもお答えください。
業務委託でも同様の問題があります。新光共同調理場は、平成23年度から株式会社日総の業務委託になりましたが、このとき継続して雇用された従業員の賃金が大幅に下がったと市民から苦情を聞いています。市は、委託業者に対する従業員の雇用、労働環境に対してどのような対応をしたのか、また賃金の変化について把握していますか、その内容をお知らせください。
東京都新宿区では、平成23年度から、公共事業の発注時に、公共サービスの実施に従事する者の労働環境に配慮し、適正な履行と良好な品質の確保を図るために、契約締結時に受託者に対し労働環境チェックシートの提出を義務づけています。帯広市では、発注した工事における元請、下請契約に関する実態を把握し、適正な下請契約の締結や下請代金の支払などを確保することを目的に、平成9年から二、三年ごとに下請、元請に対してアンケート調査を実施しています。調査結果を踏まえ、元請・下請適正化指導要綱や留意文書を発行して適正化を図っているそうです。
公共サービス基本法第11条では、「国及び公共団体は、安全かつ良質な公共サービスが適正かつ確実に実施されるようにするため、公共サービスの実施に従事する者の適正な労働条件の確保その他の労働環境の整備に関し必要な施策を講ずるよう努めるものとする」とあり、発注者としての責任が問われます。指定管理者制度を含む公共事業発注における労働者の労働環境や賃金の実態について、小樽市としての実態調査やアンケート実施に取り組み、自治体が発注する公共事業で官製ワーキングプアをつくらないように取り組むことを提案いたします。市長の見解をお聞きします。
次に、子供たちの健やかな体と心を育てるために質問いたします。
小樽市は、第2次健康おたる21として、平成25年度から10年間の小樽市健康増進計画を作成しました。その中では、がんや生活習慣病のリスクが高まる働き盛りの世代に対して、より若い世代からの健康づくりが重要と次世代の健康づくりの課題が示されています。具体策として、市内小・中、高等学校で、飲酒、喫煙、薬物、HIVをはじめとした性感染症や正しい性知識などの思春期健康教育の推進を挙げています。
また、小樽市教育委員会は、小樽市学校教育推進計画の中で、重点目標2として豊かな心の育成、重点目標3として健やかな体の育成を掲げています。この立場から、現在の保健所や学校教育の取組について何点か質問します。
食に関する指導として、栄養教諭等を活用した指導を実践していますが、年間の学校訪問回数と訪問した学校数、取り組まなかった学校数を、平成24年度を含めて過去3年間の実績をお答えください。
結果では、未実施校数が多いと聞いていますが、教育委員会の評価をお聞かせください。
実施校が少ないのは、栄養教諭が不足しているためではありませんか。栄養教諭の活用以外に、食に関する取組について、特徴的な取組をお知らせください。
食育教育として、生きること、体を大切にすることの学びになっているのか、子供たちの感想も含めて、教育効果についてお知らせください。
保健所では、市内小・中学校に対する健康教育に取り組んでいますが、どのようなテーマで、何校で実践してきたのか、小学校、中学校それぞれ平成22年度から24年度までお答えください。また、この結果に対する評価をお答えください。
薬物や防犯、交通安全等では警察による指導も実施していると聞いていますが、喫煙、アルコール飲酒、薬物などは、体を守るという立場から、命、健康観にも連動します。薬物や喫煙、飲酒に対する指導、性教育は、各校でどのように取り組まれていますか。保健所の参加はどれくらいありますか。この点では教育委員会と保健所の連携はどのようにされているでしょうか。
ほかに、食育の推進に責任を持つ保健所として、教育委員会の食に関する取組にはどのようにかかわってきましたか。
保健所を持つ自治体として、保健所の機能、役割を大いに活用すべきと思いますが、今後の保健所、教育委員会のかかわりについて、それぞれ見解を求めます。
再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)中島議員の御質問にお答えします。
初めに、公共事業受注者の労働実態について何点かお尋ねがありました。
まず、平成23年度の発注工事件数と市内業者の割合についてでありますが、水道局発注は19件、そのうち市内業者は9件で割合は47パーセント、病院局は1件、市内業者は1件で100パーセント、市長部局は25件、市内業者は24件で96パーセントとなっております。
次に、委託先事業者の賃金、労働条件の把握についてですが、本市においても把握はしておりません。
次に、平成23年度の500万円以上の公共工事についてですが、まず建築・土木工事のそれぞれの落札率の平均値ですが、建築は94パーセント、土木は86パーセントとなっております。
次に、最低制限価格と入札価格調査の件数と予定価格に対する割合ですが、最低制限価格は65件で84パーセント、入札価格調査は14件で89パーセントとなっております。
次に、人件費の根拠についてですが、本市における公共工事の労務単価は北海道の単価を準用しておりますが、その基となる単価は農林水産省及び国土交通省が行った公共事業労務調査に基づき決定されております。
次に、総合評価方式の導入についてですが、新市立病院建設以外では総合評価方式は導入しておりません。
次に、業務委託などでの雇用の継続や労働条件の継続の依頼についてですが、市は、受託業者に対し依頼はしておりません。
次に、本市の指定管理者制度を導入している施設数についてですが、21年度は23施設、24年度は22施設となっております。
次に、本市の公共施設のうち、指定管理者制度を導入している施設の割合についてですが、導入している施設の割合は17パーセントで、社会福祉法人や町会などを除いた民間企業の件数が11件で、割合は50パーセントとなっております。
次に、市民会館ほか2館の指定管理者についてでありますが、各施設の現在の職員数は、市民会館が9名、公会堂が3名、市民センターが10名、合計で22名となっております。職員の雇用については、2名は会社内での配置転換となるようですが、残りの20名の職員については、新しい指定管理者に確認したところ、18名の雇用を継続すると聞いております。また、賃金については、来年度は引き続き、現在の水準で維持されると聞いております。
次に、指定管理者の受託した施設の再委託などについてですが、再委託を行っているのは17施設で、業務内容として主なものは清掃、警備、除排雪などで、消防設備点検や隔年で行われる設備の保守点検などを除外した件数は、47件となっております。また、再委託先が変更になった場合の雇用の継続や賃金条件の確保については把握しておりません。
次に、本市の公共事業発注における労働者の労働環境や賃金の実態調査等の実施についてでありますが、労働条件については、労働基準法や最低賃金法など、国において関係法令を整備すること、また賃金等の労働条件については、個々の労使当事者間で自主的に取り決められることが基本と考えておりますが、事業者に対し関係法令の周知を図るなど、労働者の適正な賃金確保などの労働環境の整備促進に努めることは必要なことと考えています。市としては、今後とも他都市の取組事例などを研究してまいりたいと考えております。
次に、小・中学校に対する健康教育の取組とその評価についてのお尋ねですが、3年間の合計の実績は、小学校では薬物乱用防止、たばこ・お酒の害に関して22校で22回、675名、性、生命の誕生、性感染症に関して9校17回、243名であります。中学校では、薬物乱用防止、たばこ・お酒の害に関して4校4回、389名、性、生命の誕生、性感染症に関して9校9回、521名であり、まだ十分な状況とは言えないため、今後も強化してまいりたいと考えております。
本市では、現在、関係部局が協力して食育の推進に当たっているところですが、保健所は、小樽市食育推進計画策定以後、教育委員会が既に取り組んでいた食育に関しての連携を開始しています。今後も、現在同様、関係部局の協力において食育の推進に当たっていく所存であります。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)中島議員の御質問にお答えいたします。
初めに、従業員の雇用についてでありますが、平成23年度受託事業者は、従業員をハローワークを通じて募集を行い、当時の臨時調理員22名が施設や業務を熟知しているということから全員が採用されたものと承知しております。
また、賃金につきましては、平成22年度の臨時調理員は日給6,090円で、時給に換算すると785円でございましたが、委託業者では時給750円と伺っております。
次に、栄養教諭等による学校における食に関する指導の実績でありますが、平成22年度は14校45回、未実施校27校、平成23年度は12校56回、未実施校29校、平成24年度は、12月末時点で6校39回、未実施校34校となっております。
次に、栄養教諭が訪問していない学校が多いことに対する評価でありますが、これまで栄養教諭が学校を訪問し食育の指導をすることについては、学校の求めに応じて行っておりましたが、学習指導要領では体育や特別活動、道徳の時間、総合的な学習の時間などで取り組むよう位置づけられておりますので、今後は、校長会を通じ、積極的に栄養教諭を活用するよう指導してまいりたいと考えております。
次に、栄養教諭の配置についてでありますが、共同調理場では、道教委の配置基準に基づき、3名の道費栄養教諭を配置しており、さらに単独調理校6校を担当する市費栄養士を2名配置しておりますので、十分基準を満たした配置となっているというふうに考えております。
次に、食に関する取組の特徴的なものでありますが、新光共同調理場では施設見学会を年2回実施し、給食がどのように調理され、配食されているかを知ることで給食の大切さについての理解を深めております。
また、学校では、食品メーカーの担当者を講師に、農産物の生産から加工までの流れや味覚の大切さを教えております。さらに、市内の調理師の団体を学校に招いて、子どもの元気は朝ごはん料理教室を開催し、地場食材を使ったオリジナルレシピの紹介、食品や調理に関するクイズなどを通して子供の心や体の健康のための朝御飯の大切さを教える取組を行っております。
次に、栄養教諭による食育教育の効果についてでありますが、栄養教諭が訪問した学校からは、食べ物の大切さや食と健康のかかわりなど、丈夫な体づくりにおける食の重要性について学ぶことができたとの感想が寄せられております。また、子供たちからは、朝御飯が毎日の生活リズムをつくることや食事を残さず食べることの大切さなどを学ぶことができたとの感想が寄せられております。このことから、栄養教諭が食育教育を行うことで、子供たちが正しい食習慣や生産者に感謝する気持ちなどを持って生きることや体を大切にすることへの理解を深めることができたものと考えております。
次に、薬物や喫煙、飲酒などの指導や性教育についてでありますが、薬物や喫煙、飲酒に対する指導や性教育は、保健体育の授業の中で教科として年間指導計画に基づいて教えられているほか、特別活動としては、保健所などの関係機関から講師を招き、薬物乱用防止教室の開催や性に関する指導などを行っております。
次に、学校への保健所の参加と教育委員会の連携についてでありますが、平成23年度の実績では、薬物、飲酒、喫煙に対する指導では、薬物乱用防止教室に小学校9校、中学校2校で保健所の職員が講師として参加し、性に関する指導については、小学校3校、中学校3校において保健所の職員が授業に参加しております。教育委員会としては、保健所職員が講演や授業を行うことは子供たちへの教育的効果も大きいことから、今後とも保健所との連携を図ってまいりたいと考えております。
最後に、今後の食育の推進における保健所との連携についてでありますが、教育委員会としては、子供たちに食に対する正しい知識や食習慣を身につけさせることが大切であり、今後とも保健所とは食育推進連絡会議などの場を通じて情報交換を深め、さらなる連携を図ってまいりたいと考えております。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、中島麗子議員。
○20番(中島麗子議員)再質問を行います。
市長の答弁では、市として研究をしていきたいとおっしゃいました。私が今回取り上げた目的は、さきに示したように、除染労働者という過酷な労働現場において働いている皆さんにも、法の適用がなされずに大変無権利な状態で、下請の本当に一番下のところで働いている方の深刻な実態が全国的にはあるのです。
では小樽市に、それに類するような公共事業の発注の下で、2次下請、3次下請の中で、法令遵守や最低賃金の確保はきちんとされているか、そういう問題について全く市が関与していない、わかっていないという事態が多くのところで放置されていることについて問題提起として出した中身です。一生懸命働いても年収200万円以下というワーキングプアが全体の労働者の中で1,000万人を超える現状がある中で、税金で行う公共事業を発注する中でも同様の問題が起きてくるようなことがあれば、これはやはり官製ワーキングプアと言われるような中身が起きてこないように、発注者側の役割として、チェック機能が求められるのではないかということです。これについて市長も、そのこと自体については了解をすると、研究もしたいという御意見だったと思います。
それで、私は、新宿区と帯広市の話をしたのですけれども、例えば新宿区では、平成23年度から2,000万円以上の公共事業を発注した151社全部にこのアンケート調査をやっているのです。工事の請負、委託契約、それぞれ対象にしてチェックシートを出して、実際に労働者の確保計画も工事請負のときには出してもらう形にしています。この報告書に疑義が生じたときには立入調査をする、事実と違うときには改善計画を提出して、改善措置がされないときには指名停止や本契約の解除をするということですから、一定の行政指導の効果が期待できる中身です。実際にお聞きしたら、23年度は、1件内部告発があり、実態調査に入るかどうかの段階でこの問題は断ち消えになったと言っておりましたが、そういうことも聞いております。帯広市におきましても、これは発注した業務を二、三年に1回、その過程の全ての事業者のアンケート調査です。ですから、全ての工事発注にかかわって、元請から受注した業者の下請の一番下のところまで全部をアンケート調査の対象にしてやるというのです。こういうことを繰り返して、平成23年度に6回目の調査をやっているのですけれども、元請17社は100パーセント、下請108社も9割が回答するという状況で、その中で適正な工事の施工を求める市の指導がだんだん伝わっていくという中身が報告されていました。
その中で実際に、帯広市では、元請・下請適正化指導要綱や具体的な工事を求める留意事項なども出して、具体的な指導が行き渡るようになってきたというのです。私は、これはもう事業者と市の信頼関係をつくっていく内容で、いい仕事をしたい、そして税金に見合ったきちんとした仕事に応えていく工事現場をつくっていくということで、なかなか有効な取組だと思います。
全国では、公契約条例の制定なども話題になっていますが、いきなりそこに行くのは難しいという段階で、市が発注する業務に対するチェックをしていくという具体的な提案です。市長にもこのチェックシートを見ていただきましたので、市長がそのチェックシートを見た感想もお聞きしたいと思いますし、これも研究課題として先送りすることなく、具体的に小樽市がどこから出発できるかを積極的に検討していただきたいということを再質問として出したいと思います。
次に、教育委員会と保健所に聞いた子供たちの問題ですが、いじめや体罰がいろいろと問題になっている中で、みずから命を絶つという子供たちの事態が最近多くなりまして、命やみずからを大切にするという教育がやはり大事なのではないかと思います。どちらかというと、学力調査の中で、学力が低いということに最大の焦点がいって、いかに学力を上げるかということになりがちですが、生きていくことや自分が生まれてきたことが大切なのだと思える教育のあり方をもっと大事にしていくべきではないかと思うのです。親や兄弟や家庭の中で自分が大切に生かされている問題や、学校の中で食べることで自分が元気になっていく、先ほどおっしゃいましたけれども、そういうことに関連してぜひやっていただきたいと思うのです。そういう立場で聞いたのですが、正直申しまして、少ないという評価もしていましたが、栄養教諭の指導を取り入れた学校というのは、平成22年度は41校中45パーセント、23年度は38.7パーセント、24年度は、まだ12月までですけれども14.6パーセントと、もう半分以下から2割台とどんどん下がっているのです。教育として位置づけているとは言いがたい事態ではないかと思うのです。
そしてまた、保健所の健康教育も、専門家の教育として大変期待したいところですが、全体としては、22年度14回、23年度24回、24年度は、現在で12回ですから、多いとは言えない。もっと力を発揮してほしいという思いがあります。そういう点では、どのような連携をしていくのか、食の教育と命の教育に関して、保健所と教育委員会からそれぞれの答弁はいただきましたが、食育推進連絡会議というのがあるそうです。これは、設立されてからこれまで何年になるのか、これまで何回、各年度で開いてきたのか、これもお知らせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)中島議員の再質問にお答えします。
冒頭、発注者としての自治体が受注業者に対してどのような労働実態になっているのか、きちんと把握すべきではないかという御質問が一つだと思います。
先ほど答弁させていただきましたように、受注業者としては、その労働条件の問題等については、やはり関係法令を守ることが大事なのだろうと思っております。ですから、それを大前提に、私どもも事業者との関係でいうと、それはやはりきちんと事業者の皆さんには話をしているところであります。
ただ、賃金等の労働条件については、それぞれ個々の労使間で決めるということでもありますし、最低賃金の問題とかそういうのは別ですが、そういうことだろうと思いますので、行政としてどこまで入っていったらいいのかというところはなかなか難しいところがあるというふうに思います。
それから、議員がおっしゃっている新宿区役所の労働環境チェックシートを見ましたけれども、いろいろな項目があって、回答は「はい・いいえ」だけなのです。一つだけ、最低賃金は幾らですかという記入する項目がありましたけれども。あれだと、受注したいと思ったら、私は恐らく「はい」に丸をつけるのではないかと思うのです。ただ、問題はそれが後から違うとなったときに罰則があるという話ですから、それはそれでよろしいかと思いますが、実際にアンケートやチェックシートの問題ではなくて、それがどういうふうに生かされているか、どういうふうに使われているのかというのが本当は一番のポイントではないかと、私は思います。
ですから、答弁をさせていただきましたように、都市の状況などいろいろなことを把握しながら取り組んでいきたいと思いますが、ただ私どもはそういう事業者とのやりとりの中で言うと、関係法令についてはしっかり守ってほしいということで、アンケートも評価シートもやっていませんけれども、もしそういうことが、違う形が出てきたときには、それはそれでやはり今後取り組んでいかなければいけない問題だろうというふうに思います。指名の解消であるとか、停止であるということが必要だろうと思っておりますので、そういう形で今後とも取り組んでいきたいというふうに思っております。
食育に関しては、保健所長から答弁させていただきます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)保健所長。
○保健所長(秋野恵美子)食育の点と健康教育の点に関して再質問をいただきましたので、お答えさせていただきます。
食育推進連絡会の数字につきましては、ただいま資料を持ってきておりませんので、後ほど報告させていただきます。
食育推進連絡会が、今までいろいろ実行してきておりますので、今後とも、平成27年度までという計画でございますが、今までの努力をさらに強化していくという方針でやっております。
それから、健康教育に関しましては、毎年、小学校も中学校も子供は全て入れかわっていくわけでございますので、今年度この学校でやったから来年度はやらなくていいということにはならないと思っておりまして、全ての学校で毎年度というのが十分であるという評価になろうと思います。そのゴールを目指してどのようにやっていけるのか、保健所といたしましても、学校の求めに応じて出かけるという体制で今やっておりまして、今後、平成25年度に入りましてから、学校との連携というのは、健康づくりにおいても、国としても強くうたわれているところでございますので、全ての子供たちにひとしく健康教育が行き渡るというゴールを目指してどういうふうにしていけばいいのか、教育委員会とも学校側ともよく話合いを持っていきたいというふうに思っております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)中島議員の再質問にお答えいたします。
一つ目は、教育委員会とすれば、子供たちに「早寝・早起き・朝ごはん」運動というのを今取り組んでおりまして、まずは規則正しい生活を子供たちが送ることが学校教育をする上での全ての基礎だと考えておりまして、生活習慣をきちんとつけることが学力の向上を図る上でも一番大事な基礎・基本のことだということで、家庭の教育力を大事にしたいということで、携10運動などをしながら、きちんとした生活規律をまず持つということが大事なことだということで、その取組も今進めております。学力の向上というのは、誤解のないように言いますが、基礎・基本の学力をまずきちんとつける、そのためには基本的な食習慣もそうですし、規律正しい生活がまずきちんとできるということが大前提だと考えております。その教育についても、きちんと「早寝・早起き・朝ごはん」を基本とするということを教育の中で徹底をさせるということの取組もまたやっております。
また、平成22年度から24年度まで食育の教育の学校訪問が減ったということもあろうかと思いますが、これは23年、24年にかけて、新しい共同調理場をつくる業務で、予算の積算など大変な業務を栄養教諭に課してしまったということがありまして、結果として非常に業務が多忙になったという状況があろうかと思います。
また、学校では、他にたくさんの教育課題がある中で、食育という問題について少しおろそかになった部分もあろうかと思いますので、今後、共同調理場が新しくなることを契機に、共同調理場と学校と連携をして、食に関する指導の徹底もあわせて図ってまいりたいというふうに考えております。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、中島麗子議員。
○20番(中島麗子議員)再々質問です。
私がいろいろな数字を求めた中身は、低価格入札がどんどん進んできて、その事業を受ける業者の中に一層の困難が進んでいるのではないかということを調べようという意識もあったのです。そういう意味では、最低制限価格については、入札価格調査制度の適用件数が14件ということで、最低ラインとしているところより低く入札して、調査に入った件数が14件もあったという報告もありますし、実際に公共工事の設計単価、労務単価で人件費を出しているとおっしゃいますが、それをきちんと最低下請のところまで徹底しているかどうかもよくわからないのです。
さらに、先ほどの答弁では、市民会館、公会堂、市民センターには22名の配置で、2名を配置転換した後、18名の継続雇用ですから、2名は雇用継続にならなかったことになります。私たちのところにも、今回の事業者変更により首切りになったという相談が入りました。結局、こういうことが起きてくることは、事業者変更のたびにそこで働く労働者の雇用継続も再度検討されて、給食の委託のように賃金が変更されるということが定期的に起きるということです。定期的に起きてよくなるのならいいのですけれども、大体悪くなっています。
さらに、指定管理者制度の中では、17件で再委託をしている業種があります。もちろんコスト削減が目的ですから、さらに違う深刻な事態が起きている可能性があります。しかし、これは実態がわかりません。せめて、こういう問題を大事だと考えるなら、公共サービスを提供するというこの指定管理者制度に変更したのですが、この分野で問題が起きれば、市民に対する公共サービスの質も心配されるわけですから、私は、最低限、指定管理者制度の実態調査からでも始めるべきではないかと思うのですが、このことについての見解を伺って、終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)財政部長。
○財政部長(堀江雄二)中島議員の再々質問にお答えします。
最初に、入札調査価格の14件と市長から答弁させていただいた件ですが、答弁としましては、最低制限価格と入札価格調査の件数ということで、両方を合わせました79件のうち、入札価格調査、3,000万円以上の予定価格になっているのが14件でございます。ですから、その金額を下回って調査に入った件数が14件ではございませんので、その旨御了解いただきたいと思います。
それから、先ほども、本質問、再質問で市長から答弁させていただきました、ほかの市などの例ですが、新宿区の場合であれば、指定を解除するところまでいくということになれば、当然契約する段階で何らかのことをしていると思われます。それから、帯広市の例でいきますと、実際に指導要綱をつくって、どういう指導をされているのか、どういうペナルティーを与えているのかというところも私どもはまだ調査も研究もしてございません。中島議員の質問等で言われている最低賃金、価格の問題は大変重要だと私どもも考えてございます。当然、調査するとなると、何を目的にどういうことができるのか、どういうことをしなければならないのか、そういうものを頭に置いて調査をして、その結果どうするかということまでやはり考えながらやっていかなければならないと考えています。ですから、それらの事例などを少し研究させてほしいというのが現状でございます。
指定管理者制度の問題もそうでございます。先ほどの契約の関係も、ある程度整理ができましたら、指定管理制度で実際に引き受けていただける業者の賃金等の関係などもある程度整理はできるのではないかと考えておりますが、まだその辺のことは、他都市の事例なども、今、中島議員から具体的なお話もございましたので、資料を取り寄せながら研究していきたいと考えてございます。
○議長(横田久俊)中島議員の一般質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後4時24分
――――――――――――――
再開午後4時45分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、一般質問を続行いたします。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)21番、新谷とし議員。
(21番新谷とし議員登壇)(拍手)
○21番(新谷とし議員)初めに、福祉灯油について伺います。
2月13日、福祉灯油小樽市見送りという新聞報道があり、実施を期待していた市民に失望が広がっています。日本共産党は、今冬の灯油の高騰から、議会で、また市長への申入れでも、福祉灯油実施を求めてきました。
昨年第4回定例会の厚生常任委員会で、地域福祉課から12月7日現在の平均灯油価格が89.31円と公表されたことで、過去に福祉灯油を実施した際の価格レベルを下回っていることや国等の財政支援がないこと、道内主要都市の多くで実施に向けた動きがないことを勘案し、本年度は福祉灯油を実施しないこととするという報告がありました。これに対し、他会派からも福祉灯油実施に向けての質問があり、市は生活に直接関係している生活必需品の値上げであることから、異常な高騰を見た場合については、たとえ国や北海道の財政支援がなくても、困窮度合い等の調査が必要だと思いますが、財政支援がないからやらないということにはならないと思いますという答弁をしています。
小樽市生活環境部生活安全課の調査結果による灯油価格は、2012年12月5日時点の平均価格は89.31円でしたが、2013年1月5日時点では93.39円、2月5日時点では102.24円と高騰しています。2007年度の12月は98.53円、1月98.67円、2月97.90円、2008年度の12月は73.7円、1月65.95円、2月65.27円で、今冬の厳寒期の灯油価格が高いことが明らかです。
また、本年2月5日時点での生活必需品の小売価格調査結果では、福祉灯油を実施した2007年、2008年と比較すると、野菜や加工品が値上がりし、主食の米も10キログラム当たり600円以上も値上がりしています。その上、年金の引下げに加え、介護保険料や後期高齢者医療保険料の引上げなどで市民生活は以前より圧迫されています。寒さも厳しく、気象庁のデータによる小樽市の今冬の最低気温の月平均値は2012年11月は2.6度、12月はマイナス4.8度、2013年1月はマイナス7.2度、2月は14日時点でマイナス7.1度ですが、2007年度、2008年度の同時期の気温はどうであったか、お示しください。
市民の話を聞くと、夫が病気がちであまり働けず、収入が少ない家庭は、室温を18度に設定して、家の中でも外套を着て過ごしている。別の市民は、夜は早く布団に入り、朝もなるべく遅く起き、電気も消している。長崎屋などに行って時間を過ごすなど、さまざまな節約をし、寒さをしのいでいますが、市民生活は一段と厳しさを増しています。孤立死の懸念もあります。市長は、このような市民の実態をどう捉えているのですか。
この間、寒さの中で必死に耐えている市民の生活状況調査を行ったのですか。
市長は、円安や原油高騰で灯油価格の見通しをどう捉えていたのですか。
灯油価格高騰の状況下で、恵庭市や芦別市などは臨時会を開会するなど、福祉灯油を実施する自治体が増えています。後志管内では、小樽市以外の町村は全て実施していますし、蘭越町やニセコ町では再度の実施を行っています。小樽市が福祉灯油を実施した2007年度、2008年度は、国の特別交付税などがありましたが、赤字財政にもかかわらず、福祉灯油を実施し市民の暮らしを応援しました。市民生活を守るため、市長は国や北海道に対し、福祉灯油実施のための予算枠拡大を強く要請したのですか。
厳寒期に高い灯油価格で、市民の生活が大変なのに、なぜ福祉灯油を実施しないのか。どのような議論を経て実施見送りを決めたのか、説明してください。
2011年度の民生費の不用額は、約6億9,500万円に達していますが、多額の不用額を残すのでなく、市民生活をもっと応援すべきです。今年度の石狩湾新港管理組合負担金2,294万2,000円が小樽市分として減額されます。この減額分を含めて、今定例会で5億9,834万3,000円を財政調整基金に積み立てる補正予算案が提案されています。この減額分など財政調整基金積立ての財源活用で実施見送りを撤回し、今からでも福祉灯油、あるいはその名称が時期的に適切でないのなら、冬季生活支援金として、補正予算を組んで市民生活を応援すべきです。市長の見解を伺います。
次に、恵庭市のような庁議だよりについて伺います。
小樽市は市長の記者会見や市の施策をホームページで公表していますが、新しい施策や事業も報告のみで、どの部局がどのような考えや話合いの下で決定されたのか知らされていません。
恵庭市では、庁議だよりを作成し、市民に公表しています。毎月市長と副市長、教育長、各部長がそろって、その時々の行政課題を話し合う庁議という会議が開かれ、通常は毎月第1、第3月曜日に開かれ、議会のときなどには臨時に開かれることもあり、会議での主な議題や意見の要旨について、市のホームページに掲載しています。内容は、「1・市長コメント」「2・協議・報告・連絡事項」で、これで今、市が何を行おうとしているのかがわかります。
福祉灯油についても、1月21日開催の庁議で保健福祉部長から灯油高騰に伴う緊急対策事業についてとして詳しく報告されています。また、同日の会議でその他各部からの報告として、建設部長から恵庭市雪対策市民会議による提言書の策定経過及び今後の予定も報告されています。このように、市の行政課題決定の前にも、あらかじめ市民にお知らせすることで、市民にわかりやすく開かれた市政になるのではないでしょうか。
小樽市がこれから制定しようとする小樽市自治基本条例に関する提言でも、情報の共有として情報の提供が提案されています。恵庭市のような庁内会議は定期的に開かれていると思いますが、恵庭市のような庁議だよりとして、その内容を公表してはいかがですか。
次に、視覚障害者への地デジ対応ラジオの給付について伺います。
視覚障害の方々にとって、ラジオからのテレビ音声は貴重な情報収集手段です。しかし、2011年7月のテレビの地デジ移行の本格化に伴って、アナログ波が終了したため、FMラジオでのテレビ音声が聞こえなくなりました。そのため、全日本視覚障害者協議会から地デジ対応ラジオの製品化の請願が国会に提出され、全会一致で採択され、2012年9月にようやく製品化されました。
本年1月8日、北海道議会保健福祉委員会で、日本共産党の真下紀子道議が、道として市町村へ視覚障害者に地デジ対応ラジオを日常生活用具として給付するよう働きかけることを求めました。北海道は、速やかに市町村に通知すると答弁し、1月10日付けで各総合振興局宛てに、視覚障害者を対象とした日常生活用具給付等事業についての通知が出されています。小樽市は、地デジ対応ラジオを給付対象にするのですか。するのであれば、実施時期や基準額についてのお考えをお聞かせください。
現在、いろいろなワンセグラジオが製品化されていますが、総務省テレビ受信者支援センター統括本部が特に案内しているラジオの操作についての音声読み上げガイド機能や災害時にもわかりやすい緊急放送対応機能を有するものにしていただきたいと思いますが、いかがですか。
また、ひとり暮らしの視覚障害者の方にはどのように案内、周知するのかお聞きします。
次に、春香水道利用組合について伺います。
春香町礼文塚線沿線の住民5世帯は、礼文塚川の水を飲料水に利用しています。この地区の一部は、平成5年に小樽市により標高120メートルラインまで給水可能になりましたが、これより高いところのため、市の給水区域外となっています。
住民が飲料水として利用している川の水源上部に、王子木材緑化株式会社所有の森林があり、保安林に指定されています。同社が木材を切り出すための道路を造成したことにより、2010年11月には、そこが崩れ川に泥が流出し、水源地付近の河川が極度に濁り、取水場所と水槽に泥の沈殿が増加し、その後も濁りが頻繁にあり、飲料できないだけでなく、洗面、洗濯水用にミネラルウオーターを大量に購入しなければならないことや、ボイラーの破損、水源地砂ろ過槽の目詰まりによる清掃回数増加による重機レンタル代や砂代などの負担増、家庭用水のフィルターの目詰まりによる交換頻度の増加、さらには水購入の費用負担が大きいため、多少無理をして川の水を飲んでいる家庭もあり、健康上の不安による心理的負担など、住民は大変苦労しています。
この地域は40年以上もきれいな水を利用できていたのに、こういう状態を招いたのは、王子木材緑化株式会社が森林法違反の道路造成をしたためではありませんか。同社は、北海道から指導を受け、道路の崩れた部分にブルーシートをかぶせるなどの応急処置をしたものの、水の濁りは解決していません。
春香水道利用組合は、北海道、王子木材緑化株式会社と小樽市も交えて話合いを持ち、その後、きれいな水の供給のための施設整備を同社に対して要請しましたが、整備費用が高いと言われ中断しています。この間、小樽市水道局や建設部にも水の応急手当や水源地周辺の道路の調査など支援をいただきましたが、また今年の雪解け時期が心配です。王子木材緑化株式会社の責任で解決しなければならないことですが、住民の生活や生命にかかわる問題ですので、小樽市としても支援をしていただきたいと思います。北海道に対し、王子木材緑化株式会社が組合の要望を受け入れ、早期に濁水処理を行うよう指導することを申し入れていただきたいですが、いかがですか。
春香水道利用組合は、水道局に水道水供給について打診をしましたが、水道局は困難との見解を示しています。その理由をお聞かせください。
また、住民生活を守る立場で水道局の支援もお願いするところです。
再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)新谷議員の御質問にお答えいたします。
初めに、福祉灯油について何点かお尋ねがありました。
まず、2007年度と2008年度の11月から2月の最低気温の月平均値についてでありますが、気象庁の資料によりますと、2007年度11月が0.1度、12月がマイナス3.4度、1月がマイナス6.9度、2月がマイナス6.6度となっております。また、2008年度は、11月が0.7度、12月がマイナス3.1度、1月がマイナス4.5度、2月がマイナス5.4度となっております。
次に、灯油の高騰にかかわる市民生活の実態についてでありますが、申し上げるまでもなく、灯油は市民の生活必需品の一つであり、特に冬季には暖房の主要燃料として欠かせないものであると認識しております。長く続いております灯油の高騰は、当然市民生活を圧迫する大きな要因であり、御質問の中にもありましたように、実情は私の耳にも届いており、灯油価格が早期に適正な価格となるよう強く望んでいるところであります。
次に、市民の生活状況調査についてでありますが、過去に福祉灯油を実施した平成19年度は、11月から12月にかけて、1リットル当たりの灯油価格が約13円急騰し、また翌20年度には、一時1リットル130円台まで値上がりしましたが、今年度は当時の状況までは至っておらず、生活状況調査については行っておりません。
次に、灯油価格の見通しをどう捉えていたのかとのお尋ねでありますが、昨年12月の厚生常任委員会で福祉灯油を実施しない旨報告いたしましたが、その際の灯油価格は、1リットル約89円でありました。現在、102円まで上昇しておりますが、このような価格となることにつきましては、その時点では予想しておりませんでした。
次に、国や北海道に対する財政支援の要請についてでありますが、国の動向把握や北海道、さらには北海道市長会などとも連絡をとり、財政支援にかかわる状況については、ある程度把握をしておりましたが、要請については特に行っておりません。
次に、福祉灯油の実施の見送りを決めた経緯についてでありますが、昨年12月の厚生常任委員会において、福祉灯油は実施しない旨の報告をいたしました。御承知のとおり、その後、価格は上昇傾向が続き、2月には1リットル100円を超えたところでありますが、この間、価格の推移や国、道などの財政支援の動き、また他都市の動向等を注視してきた中で、財政支援の目立った動きはなく、さらには小樽市を含む道内主要都市10市中、実施は3市にとどまっていたことなどを勘案し、当初の方針を継続したものであります。
次に、今からでも補正予算を組み、市民生活を応援すべきとのことでありますが、灯油を含む生活必需品等の価格が高騰していることは事実であり、市民生活を圧迫していることは十分承知しておりますが、現在の本市の財政状況等を鑑みますと、国等の相応の補助を得られない中、市が単独で事業を実施することは困難であることを御理解願いたいと思います。
次に、庁議だよりについての御質問でありますが、本市では、恵庭市のように、規定を設けて庁議を設置しておりませんが、それぞれ行政課題や重要課題について検討する会議等を必要に応じて開催しているところです。会議の内容や経過などは、議論の方向性が定まらないこともあり、公表することは難しいと思いますが、本市では現在どのような課題が焦点となっているのかなどは、月1回の定例記者会見において、その時々の話題などとともに私みずから発信しており、その内容はホームページにも掲載しておりますので、今後ともこのような方法で市民の皆さんにタイムリーな情報をお伝えしていきたいと考えております。
次に、視覚障害者への地デジ対応ラジオの給付について何点か御質問がありました。
初めに、給付対象とするのかという御質問でありますが、現在、給付の対象とすることで検討しております。実施時期につきましては、平成25年4月を予定しており、基準額につきましては、道内他都市の状況を調査しているところであります。
次に、給付する地デジ対応ラジオの機能についてでありますが、ラジオの操作についての音声読み上げガイドや緊急放送対応の機能を有するものと考えております。
次に、ひとり暮らしの視覚障害者の方への案内、周知についてでありますが、新たな給付品目でありますことから、基本的には電話により案内、周知を図り、必要な場合には直接訪問するなどの対応をしてまいりたいと考えております。
次に、春香水道利用組合について何点か御質問がありました。
まず、春香水道利用組合が利用する礼文塚川の濁りについては、王子木材緑化株式会社の森林法違反による道路の造成が原因ではないかとの御質問でありますが、川の上流の森林は同社の所有であり、北海道が水源涵養保安林に指定している地域のため、伐採や開発行為等に関しては同社が北海道知事に許可申請を提出し、知事の許可を受けて行っております。現状、市としては、道路造成等の実態については、把握できないところでありますので、北海道に事実確認の上、川の濁りの原因が直接森林法違反に当たるのであれば、北海道から同社に対し濁水防止等についての指導を行っていただくよう要請してまいりたいと考えております。
次に、この地区への水道水の供給は困難であるとした理由についてでありますが、当該地域が給水区域としている標高120メートルよりも高い150メートルに位置しており、給水するためには新たな施設整備が必要となることなどから、水道水の供給は難しいものと考えております。
以上であります。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)21番、新谷とし議員。
○21番(新谷とし議員)再質問を行います。
初めに、福祉灯油についてですが、今いろいろと御答弁いただきましたが、先ほども言ったとおり、恵庭市、芦別市などでは臨時会を開いてこの実施を決めております。恵庭市のホームページに掲載された1月21日開催の庁議だよりを見ますと、保健福祉部長からあらまし、次のような報告がありました。1月15日現在の生活環境部調査では、灯油価格が95.75円で、平成19年の価格に近づいてきていると。円安の進みや店頭によっては、灯油の在庫も不足しており、今後もさらに高騰が進むものと考えられる。このような背景を踏まえて、今回、灯油購入費の助成を行うこととしたと述べ、さらには対象世帯は、高齢者世帯、障害者世帯、ひとり親世帯で非課税世帯、計1.950世帯で予算は1,950万円で算定していると、こういう報告がありまして、この補正予算が承認されたら、対象世帯には戸別に文書を発送して、3月31日まで受け付けして、現金給付又は口座振替で実施すると、このように報告があります。
昨日の民主党・市民連合の斎藤博行議員の代表質問への答弁では、先ほど市長が答弁したようなことでありましたけれども、他都市はともあれ、なぜ小樽市として灯油高騰に対して市民生活を支援するかどうか検討、議論もしなかったのか。恵庭市のように灯油高騰の先を見通して実施を決めた自治体や、また蘭越町やニセコ町では2回目の実施を行っているわけです。議会では、厚生常任委員会で市民の困窮状態の調査も必要と答弁していたのですから、この実態調査も市長は市民生活の大変さが耳に届いていると言うけれども、実態調査をしていないと、これは私は問題だと思います。こういうことをしないで見送るのはもう認められません。
少し紹介しますが、北海道民主医療機関連合会は、5年目の全道の冬の高齢者生活調査を行い、2月25日に発表しました。1月15日から1か月をかけて介護サービスの利用者から聞き取り調査をし、室温もはかっております。幾つか紹介しますと、室温6度の人がいて、日中はデイサービスに通い、帰ってきたらすぐ布団に入るので、ストーブは1日2時間程度しかつけていない。室温10度の人は、ストーブは1日2時間程度、日中は布団の中にいる。暖房費だけでなく、除雪費が生活費を圧迫していて、食費を削っている。冬は暖房費のために介護サービスの利用を減らしている。85歳の女性は、体が冷えると体の痛みが出るので暖房は欠かせない。暖房費は、1か月3万5,000円以上かかる。食費を切り詰めて、介護サービスの利用も抑えていると、こういう状況が報告されております。小樽市では、こういう状況がないのでしょうか。私は、市の責任として、民間で調査していることをなぜ市がしないのか。本当に今回の福祉灯油については、非常に私は怒りを感じております。調査をすべきです。その調査もしないで見送りというのは、本当に認められません。
また、他市が実施していない、国等の財政支援がない、そうであれば、なぜ強く要請しなかったのでしょうか。本当に市民生活を守るという立場に立ったら、強く要請していただきたかったし、今後もやろうと思えば、何でもすぐ専決処分とか、そういうことでやれるわけですから、市長の特段の決意を期待したいのですけれども、いかがでしょうか。
それから、庁議だよりについては、今後検討していただきたいと思います。
あと、地デジ対応ラジオについては非常に前向きな姿勢、答弁をいただきましたので、本当に視覚障害者の方々も喜ぶと思います。視覚障害の方々にお話を聞きましたら、やはりこういうラジオを欲しいということでしたので、今回の実施については本当によかったと思っておりますので、今後ともぜひよろしくお願いしたいと思います。
それから、春香水道利用組合の問題ですけれども、王子木材緑化株式会社所有の森林は保安林ですから、所有者といえども勝手な行動はできないです。小樽市は、北海道に聞いて、事実関係を確認してということでしたけれども、市民が困っていることは北海道と密に連絡をして対処していただきたいと思います。
以上、再質問とします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)福祉部長。
○福祉部長(三浦波人)福祉灯油にかかわって何点か再質問がございました。
御質問の内容は、小樽市として国や道へ財政支援の要請をしなかったこと、あるいは市民の生活実態調査をしなかったこと、それから最終的に、小樽市として他の自治体は福祉灯油を実施しているのに、なぜ実施をしなかったのか、そういったことだと思います。
まず、国や道への財政支援の要請、あるいは生活実態調査の件ですが、市内の灯油の平均価格ですが、昨年11月時点で88円台、12月時点で89円台で、12月に厚生常任委員会で小樽市の対応について報告をさせていただきましたが、その後、1月に93円台、2月に102円台となりました。2月の価格が発表になった時点で国や道に予算枠拡大を要望するということは、もともと福祉灯油、私どもとしては冬を迎える前の11月の灯油価格などを中心に注視をしていた流れからしますと、どうしても時期的にもそうですし、また平成20年度の120円台あるいは130円台という状況にまで至っていなかったことを含めまして、要望あるいは生活実態調査をするというのは、非常に難しい状況でした。この点については、来年度以降、国等への要望については、今後、灯油価格が下がる気配がないようであれば、早めに要望はしていきたいというふうに考えております。
それから、小樽市で福祉灯油を実施しないことについてですが、昨日の斎藤博行議員の再質問でありましたが、市としては今年度どのぐらいの金額が必要と考えていたのかということに対しては、そういった具体的なものは検討はしていなかったと答弁いたしましたけれども、少なくとも平成20年度の事業費が約2,800万円でありましたが、これと同額を要するとすれば、市単独ではやはり無理であるというふうに考えておりますし、これに道の補助100万円を受けて、総額2,700万円、これを市単独でやるとしてもやはり無理だと考えております。1世帯当たり、平成20年度は6,000円でございましたが、これを5,000円として、当時は約5,000世帯でありましたけれども、今は世帯数も増えているかもしれません。そうしたことに事務費を入れても、例えば3,000万円になるかもしれませんし、それに対して、平成20年度当時の市の一般財源、約700万円でしたが、同じ700万円で残り2,300万円を国や道の補助を入れて可能かというと、もしかすると可能かもしれませんが、それはまたその時点の市の財政状況等を鑑みて判断していかなければならないものというふうに考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)産業港湾部長。
○産業港湾部長(佐藤誠一)新谷議員の再質問にお答えいたします。
春香水道利用組合についてでございますが、場所がオーンズスキー場の札幌側の奥ということで、海抜150メートル、基本的には上水道の区域となっておりませんので、ここで5世帯の方が礼文塚川の水を飲料水として利用されていると、重要なライフラインであるということは認識しております。
したがいまして、今、北海道に森林法に違反するような行為が本当にあったのかどうかを再度確認中でありますので、結果が出次第、森林法違反であれば、北海道から王子木材緑化株式会社に対して指導していただきたいと考えております。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)21番、新谷とし議員。
○21番(新谷とし議員)私は、福祉灯油については、市長にお答えいただきたかったのです。実施しないという最終判断は市長がされたのですか。
最初の質問でも言いましたが、お金がないと、確かに厳しいのはわかります。ですけれども、財政調整基金に積むお金もあるわけです。そして、必要なことは、専決処分とか、先議とかと言って、どんどん決めていくわけですよ。要は、市長が市民の生活をどのように守っていくのか、支援していくのか、地方公共団体の長としての役割が発揮されるべきときだと思うのです。他市がやらないからというのは、私は問題ではないと思います。時期的に遅いということもあると思いますが、遅くても市民に喜ばれると思います。対象者の調査、把握なんかも大変だと思うのですが、広報おたる3月号に安心カードが印刷されておりました。これは非常によく知恵を働かせて、すごくいいやり方だと思って感心しました。やろうと思えばいろいろな知恵が出てくるものだと思います。
そういう点で、先ほども聞いたように、気温も厳寒期はかなり低いわけです。そして、2回も実施する自治体もあります。ですから、やはり例年にない寒さで困っている市民に温かい手を差し伸べていただきたい、このように思います。市長の決断をお願いします。
それから、他党の皆さん、公明党も、民主党・市民連合も、実施に向けた質問があったと思います。実施しないのは残念だとも言っておりました。ですから、今からでも遅くありませんので、ぜひ市長の決断をお願いいたします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)今年は例年になく気温も低く、それから雪も多かったということで、市民にとってみると、この冬の生活は、本当に大変だったというふうに、そこのところはよく理解をしているところでございます。しかし一方で、今この第1回定例会でも何度も皆さんに話をさせていただいているように、今、新谷議員から財政調整基金があるというお話がありましたが、あれぐらいの数字はあっという間に消えてしまいます。例えば当初、財政調整基金が13億円ありましたけれども、除雪費で3億円の補正を組みました。これは財政調整基金から出して、結局10億円の残高になったわけですが、そこに約6億円の補正を組んで、財政調整基金に積んだのですけれども、結局平成25年度の予算編成の中で、約12億円不足しましたので、それを使わせていただきました。そうすると、今、財政調整基金というのは、おおよそで言うと4億円しか残っていないのでありますが、この4億円もいつどういう状況になるかというのは、本当にわからない状況にありますので、今、財政調整基金というのは、これぐらいの数字だから安心だということでは、決してありません。
そういう状況の中で言うと、くどいですが、私は財政再生団体には絶対なってはいけない、こういうふうに思っておりますので、そういった中で言うと、やはり予算の使い方というのは、集中と選択の中でいろいろとやっていかなければいけない、こういうふうに思ったところです。
今、福祉部長からも答弁しましたが、11月ぐらいからこういうようなことが予測できれば、また私としても違った対応ということも考えていかなければいけなかったと思いますけれども、やはり2月に入って急に気温が下がってきた、あるいは灯油価格が上がっていったという状況です。しかし、今後、同じような状況になったときには、十分市民の皆さんに応えられるような形で取り組んでいきたいというふうに思いますので、御理解をいただきたいと思います。
○議長(横田久俊)新谷議員の一般質問を終結いたします。
(「議長、12番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)12番、鈴木喜明議員。
(12番鈴木喜明議員登壇)(拍手)
○12番(鈴木喜明議員)一般質問をいたします。
初めに、災害時要援護者の避難支援ガイドラインについてお聞きします。
本市の高齢化率が33.3パーセント、6世帯に1世帯は高齢者の単身世帯であることを考慮しますと、本市には、災害時に自力で避難できない高齢者や障害者の皆さんが多数在住しています。実際、私の町会内でもひとり暮らしで足も不自由、隣近所には頼んであるけれども、たぶん自分の家族で手がいっぱいだろうし、いざというとき、どうすればいいのか不安だと話す高齢者の方が多いことに驚かされます。
内閣府では、2006年3月、災害発生時に高齢者、障害者、乳幼児などを助けるために、国と自治体が整備すべき支援体制のあり方を示した災害時要援護者の支援ガイドラインを策定し、市町村にも名簿や避難計画の策定などを求めています。現在、法的な位置づけがないことや個人情報保護との兼ね合いで、どの自治体でもなかなか作業が進んでいないようですが、全国の自治体の災害時要援護者の名簿や避難計画の作成状況並びに当市の作成状況、あわせて周知方法をお聞かせください。
このたび、内閣府では、新たに市町村が災害弱者の名簿を作成する、名簿などの個人情報を緊急時だけでなく平常時から民間団体、町会などに開示できるようにするといった内容を災害対策基本法に盛り込む方針としました。個人情報保護法が施行され、各自治体が定める個人情報保護条例下でも、緊急時には本人の同意がなくても情報を開示できますが、その判断は自治体でも難しく、むしろ保護に重きが置かれ、緊急時に個人情報の十分な活用がなされていないと感じています。このたびの内閣府の見直し方針は、町会や介護事業者、障害者団体との連携を模索する自治体には朗報で、当市においても、本計画策定、実現に向けての一助になると思いますが、いかがでしょうか。
また、今後の本計画策定についての御所見をお聞かせください。
一部の自治体では、独自に条例を策定し、平常時から個人情報の開示、活用を既に始めた自治体もあるそうです。個人情報の流出は必ず防がなければなりませんが、要援護者がみずからを保護してもらうために個人情報を共有されることは、むしろ安心感を与えると考えますが、前述の独自の条例化などのお考えはお持ちでしょうか。
次に、学校教育についてお聞きします。
卒業式、入学式の時期となりました。昨年の第1回定例会において、教育委員会は学習指導要領に基づき、国旗は出席者の目に触れる場所に自然な形で掲揚し、国歌は教育課程に適切に位置づけ、子供の発達の段階に応じた指導を行い、式の中で実際に歌唱されるよう、また直接子供の指導に当たる教職員が国歌斉唱時に起立することは、社会通念上、当然であることなどについて、適切に国歌、国旗にかかわる指導を行っていると述べられました。
そこで、昨年の卒業式、入学式の状況をお知らせください。
また、本来、式にはステージを使用するのが適当と考えますが、昨年の利用状況と教育長の御見解をお示しください。
また、今年度、各校への卒業式、入学式にかかわる国歌、国旗、ステージ利用についての指導状況をお知らせください。
学校教育に係る次の質問をいたします。
2月8日に全国学力・学習状況調査の学校別の結果を自治体に公表させない取決めについて、文部科学省は近く撤廃を含め検討を始める、学校の序列化や過度な競争につながるとして、公開を禁じてきたが、解禁を求める自治体に、下村文博文部科学大臣が改めて検討すると返答し、文部科学省が全国の首長らの意識調査をするとの報道ありました。
私は、常々総務常任委員会の折にも、当市の全国学力・学習状況調査結果は、PTAの多くの方が求めているように公表すべきで、真摯に現状を把握することこそ、次のステップにつながり、子供たちが自分の学校で身につけた基礎学力を見誤ることのないよう公表すべきと考えております。
先日、ある学校の惜別の会に出席の折、関係者の挨拶の中で、当学校の児童は全国学力・学習状況調査結果でも大変優秀で、今後二つの学校に通学先は分かれるが、そこの学校の学力向上に貢献するだろうというくだりがありました。実際のことは結果を公表していないのでわかりませんが、学校側が小樽市の結果は思わしくはないが、自分の学校は平均以上で大丈夫と保護者に安心感を与えているとするなら、そのような不明瞭な説明ではなく、結果を公表するべきです。学校間の序列化などの問題は確かにありますが、そのことで、各学校の基礎学力が底上げになり、平準化されるとも信じています。今まで文部科学省並びに北海道教育委員会の意向で本市教育委員会も公表を避けてきましたが、前述のように全国の首長に意識調査をするということですので、改めて教育長の御所見と市長はこの調査をどうお考えになっているのか、お聞かせください。
学校教育に係る最後の質問をします。
昨年12月、小学校で女子児童が給食を食べた後、食物アレルギーで死亡するという痛ましい事件がありました。食物アレルギーの対応は、学校での注意点をまとめた文部科学省監修の指針があるだけで、対応は市町村に委ねられているとお聞きします。幸い当市では重大事故は起こっておりませんが、食物アレルギーがある児童・生徒の割合は、近年増加傾向にもあり、注意すべき事項も多岐にわたっています。そば、チーズ、卵などのアレルギーはよく聞きますが、本市の食物アレルギー源として注意している食材と食物アレルギー児童・生徒への対応をお聞かせください。
また、急激なショック症状を抑えるため、エピペンという注射方式の応急処置薬剤があります。食物アレルギー児童・生徒が在学している学校に常備するお考えはありませんか、お聞かせください。
次に、新市立病院についてお聞きします。
平成26年暮れの開院を目指し、着々と新市立病院の工事が進捗し、市民の当院に対する期待は大きく心待ちにしています。新市立病院への期待の第一は、何といっても病気を確実に治療していただくことに尽きます。2011年の厚生労働省のデータによれば、日本人の死因、55歳から79歳までの1位は悪性新生物、2位心疾患、3位脳血管疾患となります。国立がん研究センターの統計によれば、日本人が生涯でがんに罹患する確率は、男性が54パーセント、女性は41パーセント、がんで死亡する確率は、男性が26パーセント、女性は16パーセント、男性は40歳以上で、消化器系のがん、胃、大腸、肝臓での死亡が多くを占めます。また、がんでの死亡率が高い都道府県で、北海道は2009年が4位、2010年、11年ともに5位となっています。
後志管内には、がん診療連携拠点病院が未整備で、2011年度、小樽病院は胃がん手術数28件、そのうち開腹手術が21件、腹腔鏡下手術が7件、大腸がん手術数50件のうち結腸がん手術数44件、直腸がん手術数6件となっています。
また、小樽市立脳・循環器・こころの医療センターでの心カテーテル治療数は119件、脳腫瘍手術数及び脳梗塞治療数は、道内13位から14位、くも膜下出血開頭クリッピング手術は、道内3位でその分野では道内有数の病院と言えます。
そこで、新市立病院が目指すセカンドオピニオンへの対応や緩和医療の提供が条件であるがん診療連携拠点病院とはどのような病院なのか、メリットもあわせてお示しください。
また、虚血性心疾患などのほかの心臓の病気には、どのように対応されるのか、医師の確保展望もあわせてお示しください。
以上のような新市立病院ができることで、小樽・後志の住民の安心はどうかなえられるのか、お示しください。
市民の希望の第一は、通院しやすく入院しやすいことにあります。
そこで、新市立病院の患者への、特に待たせないことへの配慮や入院の快適さなどに配慮したサービスについてのお考えや職員への教育方法についてお聞かせください。
新市立病院の開院の際、旧棟はまだ残っていて、自家用車での通院や見舞客の駐車場が整備されていないことになり、市民の方には不便を強いることとなりますが、その点はどうお考えでしょうか、お答えください。
市民の不安の第一は、他の地域での新しい市立病院の開院後の経営状況が思わしくないことが挙げられます。つまり新市立病院の経営赤字による市の一般会計からの過度な繰入れが行われるのではないかということです。ぜひとも心配に及ばないことを市民に御説明いただきたいと考えます。
次に、第3号ふ頭及び周辺再開発計画についてお聞きします。
本年6月から10月に延べ15隻のクルーズ客船が入港予定で、来年度には豪華クルーズ客船サン・プリンセスが小樽港を発着拠点とするクルーズを運航する計画が発表される中、活用が期待される第3号ふ頭とその周辺地区の将来像を、再開発地区ゾーン別に導入する機能や具体的な施設の配置計画について検討する保田小樽商科大学大学院准教授を委員長としたワークショップの提言書が2月25日、市長に提出されました。四つのゾーン別に導入する機能について御説明ください。
この計画を遂行するためには、膨大な予算と民間投資の誘導、国・道の支援、既存施設を利用している港湾業者との調整など課題が山積みだと考えます。当市の予算の件は別な機会に触れるとして、民間投資の誘導及び国・道の支援、既存施設を利用している港湾業者との関係調整については、どうお考えでしょうか、お答えください。
次に、生活保護の浪費を禁止する条例についてお聞きします。
昨年、当市では生活保護費の不正受給が発覚し問題になりました。不正受給の割合は、市の見解では少ないとはいえ、常々市民から生活保護費の適正支出を指摘され、当市も頭を悩ませているところであります。
兵庫県小野市では、市民の責務として、不正受給者や浪費を見つけた場合、市に情報提供することを盛り込んだ、生活保護費や児童扶養手当をパチンコなどのギャンブルで生活が維持できなくなるまで浪費することを禁止する条例案を市議会に提案されました。同様の問題を抱えている当市としても見過ごせない条例案となりますが、当市としての御見解をお聞かせください。
最後に、当市でのIR構想における核となる施設であるカジノの誘致についてお聞きします。
御存じのように、IRとはマリンリゾート、MICE施設、ゴルフ場、温泉などの観光資源とカジノが結びついた複合型カジノリゾートのことで、当市には完備された大型のMICE施設はまだないものの、銭函地区でのマリンスポーツ、築港地区などのヨットハーバー、近郊にはゴルフ場、朝里地区の温泉など、IR構想に必要なその他の既存の観光資源が充実しています。
先日、「維新、カジノ推進法案提出へ地域振興に他党と連携」という見出しで、「日本維新の会は23日までに、国内でのカジノ合法化に向け、今国会に『カジノ区域整備推進法案』(仮称)を議員立法で提出する方向で調整に入った。後押しする議員連盟も党内に立ち上げ、自民、民主両党などの有志議員に連携を呼び掛ける」動きがあると報じられました。
第2次安倍内閣では、安倍総理大臣、麻生副総理大臣は、カジノ合法化を推進するIR議連の最高顧問であったのはもとより、下村文部科学大臣は副会長など議連の中で要職を務めてきた議員がたくさん含まれております。7月の参議院議員選挙後、臨時国会でとの話もありますが、一度中断していた法制化が現実を帯びてきました。
私は、平成23年第2回定例会の予算特別委員会の中で、市長に手遅れになる前にカジノ誘致の有用性を各部署に研究させ、当市においてのメリット・デメリットを把握し、必要とするならば、早めに手を打っていただきたいとお願いしました。市長は、現在は違法で合法化が見えてきてから、その後を見極める旨の答弁をされました。まさに、このたびの日本維新の会の動きは、そこを見据えたもので、当時お答えになった観光振興、地域振興、それから経済、雇用を含めた産業振興などのメリットに対して、治安の悪化、青少年に与える悪影響、ギャンブル依存症の問題などのデメリットをしっかり数値化できるものはして、市民に問いかけ、早急に市民の意見や経済団体の意向も踏まえ、トータル的にお考えいただき、一定の判断を示していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
また、本年10月24日に当市で全国カジノサミットが民間ベースで開催されるとの話ですが、当市としての対応をお答えください。
以上、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)鈴木議員の御質問にお答えいたします。
初めに、災害時要援護者の避難支援計画について何点か御質問がありました。
まず、災害時要援護者名簿や避難計画の策定状況などについてでありますが、国のガイドラインでは、災害時要援護者避難支援の基本となる全体計画の策定、要援護者個々の緊急連絡先や避難、支援者などを定める個別計画及び災害時要援護者名簿の作成を市町村に対して求めております。内閣府の調査結果によりますと、平成24年4月1日現在で、全体計画を策定済みの市町村は、全国で83.5パーセント、個別計画の作成は同じく28.8パーセント、名簿の作成は同じく64.1パーセントとなっております。
本市では、個別計画や名簿には、現在約7,200人を登録し、新規登録者の追加や変更情報の更新を随時行っており、全体計画につきましては、本年度中に策定することとしております。
この制度につきましては、年2回広報おたるで新規の登録案内を中心に掲載をしておりますが、今後、制度の趣旨や内容などについても周知を図ってまいりたいと考えております。
次に、災害対策基本法の改正方針が計画推進の一助になるのではないかとのことですが、新聞報道等によりますと、今後、災害時要援護者名簿の作成を市町村に義務づけるほか、この名簿を避難支援に当たる関係者に対して一定の条件下で平常時でも提供できることなどを規定し、これにあわせて国のガイドラインも改定されると聞いております。改正された場合には、関係機関などとの情報共有や円滑な連絡が図られ、より迅速で的確な避難支援を実施できるようになるものと考えております。
次に、本市が策定する計画についてですが、本市では今後策定する小樽市災害時要援護者避難支援計画、いわゆる全体計画の中で登録者から同意を得た上で、市の関係部局や民生・児童委員で個別計画などを共有するほか、必要に応じて、町会等の避難支援関係者へ情報提供できることとしており、地域で行われる避難訓練や避難計画作成の際に、これらの情報が活用されるものと考えております。また今後、法が改正された場合には、改正趣旨も踏まえて支援体制を整備してまいりたいと考えております。
次に、情報共有の条例化についてですが、先ほど申し上げましたとおり、今般、本市で策定する全体計画では、登録の際に本人から同意をいただき、必要に応じて避難支援関係者へ情報提供できることとしており、また国においても、今後、法制化が検討されておりますので、当面条例を制定する考えはありません。
次に、全国学力・学習状況調査の学校別の結果の公表についてでありますが、文部科学大臣が全国の首長の意識調査をするということに関しては、報道の範囲内でしか承知しておりませんが、現在、学力の向上については、教育委員会が重点的に取り組んでおりますので、私としては教育委員会の考え方を尊重してまいりたいと考えております。
次に、第3号ふ頭及び周辺再開発計画について何点か御質問がありました。
まず、ワークショップの提言書にある四つのゾーンに導入する機能についてでありますが、第3号ふ頭内のAゾーンは、多用なイベントも開催可能な国際旅客船埠頭として、国際旅客船ターミナルビル、バス駐車場、交流広場等が配置されております。次に、Bゾーンについては、海陸交通ターミナル機能を要し海や船を眺めることができる憩いの空間として観光船ターミナルビル、観光船や小型船の係留施設、緑地等が配置されております。次に、Cゾーンについては、海に触れることができる親水空間として緑地、親水護岸、観光駐車場が配置されております。次に、Dゾーンについては、多用な使用方法が可能な空間として、多目的広場のほか、観光駐車場が配置されております。
次に、再開発計画の実現に向けての課題についてでありますが、このたびのワークショップの提言も参考に、国や港湾関係者などからの意見を聞きながら市としての再開発計画を取りまとめてまいります。計画の推進には、港湾業者との合意形成が前提となりますし、国や北海道の支援、さらには民間資本などをどのように誘導することができるのか、大きな課題になるものと考えております。また、第3号ふ頭の既存施設を利用している港湾業者との調整については、昨年8月に港湾関係者と小樽市とで設置した小樽港研究会の中で、小樽港の物流の効率的な再編とあわせて第3号ふ頭の物流機能の移転方法等について検討を始めているところであります。
次に、生活保護費浪費を禁止する条例案についてのお尋ねでありますが、生活保護法において、「被保護者は、常に、能力に応じて勤労に励み、支出の節約を図り、その他生活の維持、向上に努めなければならない」とされていることからも、生活保護費をパチンコなどで浪費することは好ましいことではないと考えます。
本市では、生活保護の不正受給や生活保護費の浪費については、現在、市民からの通報があれば、随時必要な調査指導を行っているところであります。また、国が予定している生活保護制度の見直しの中で、不正受給対策や家計管理支援のために、福祉事務所が必要な場合には、生活保護受給者の支出を把握できるようにすることも示されております。これにより、不正受給や浪費の防止については、より厳しい指導を行えるものと考えておりますので、こうした状況も踏まえ、小野市の条例案の推移を見てまいりたいと考えております。
次に、カジノ誘致について何点か御質問がありました。
まず、カジノ誘致に関する市の判断についてですが、国においては平成23年8月に超党派で結成された国際観光産業振興議員連盟がカジノ施設を含めた特定複合観光区域の整備について、その基本理念等を規定した法律案を取りまとめたことは承知しております。
こうした中で、小樽商工会議所が事務局となり、市も参加している小樽国際観光リゾート推進協議会で、小樽を中心としたエリアにおいて、カジノや会議場、宿泊施設等を一体的に整備を行う統合型リゾート、いわゆるIRの実現を目指す小樽IR構想が昨年4月に取りまとめられ、その中で、IR導入の意義やコンセプト、幾つかの整備イメージ、予想される課題などについての考えがまとめられております。
市といたしましては、IRの導入により、雇用の創出や時間消費型観光の推進につながるなど、地域経済への効果が期待できると考えておりますので、引き続き関係機関と連携を図り、情報の収集に努めてまいりたいと考えております。
次に、全国カジノサミットについてですが、今回で8回目となるサミットが本市で開催されることを小樽国際観光リゾート推進協議会から聞いております。このサミットには、全国からカジノ誘致団体をはじめ、関係者が集まることとなりますので、市としましても、サミットに参加し、情報収集に努めてまいりたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)病院局長。
○病院局長(並木昭義)鈴木議員の新市立病院についての御質問にお答えいたします。
初めに、がん診療連携拠点病院と心疾患への対応、あわせて市民の安心についてのお尋ねがありました。
まず、がん診療連携拠点病院についてですが、これは全国どこでも質の高いがん医療を提供することができるよう、国において診療機能や相談支援体制などについての一定の要件を定めて、医療機関を指定しているものであります。この指定を受けることにより、がん診療連携拠点病院加算などの診療報酬を算定できることに加え、患者にとっては、地域のがん治療の中核的存在として安心して病院を選択できるよう、情報提供をすることが可能となり、現在では道内9都市に21の病院が認定されています。
新市立病院では、必須条件である放射線治療医の確保に努め、がん診療連携拠点病院の指定を目指していきたいと考えております。そうした中で、この4月から要件を緩和して新設される北海道がん診療連携指定病院の認定を目指して申請を行っているところであります。
また、心疾患への対応につきましては、新市立病院での診療の柱である心血管疾患診療を充実させるため、循環器内科と外科との連携を強化いたします。特に道内でも最新鋭のハイブリッド手術室を整備し、先進的な手術が迅速かつ安全に実施できるようにいたします。このように、最先端医療を提供できる設備を整備するとともに、これまで以上に積極的に医師確保に取り組みたいと考えております。
実際に、この4月には外科医師が1名補充されます。また、脳神経外科と心臓外科につきましては、教授との話合いで来年4月には1名ずつの補充が予定されております。
こうしたがん診療と心疾患診療の充実に加え、脳神経疾患診療を新市立病院の3本の柱として位置づけ、良質な医療を提供するとともに、ヘリポートの設置や免震構造の採用により、小樽・後志地域の救急医療及び災害対策の充実を図ることで、小樽・後志の住民の方々に安全・安心、信頼をもたらすことができるよう努めてまいります。
さて、患者へのサービスと職員教育についてのお尋ねがありました。私は、病院建設というハード面が一段落した今、これからは開院に向けたソフト面を充実することに力を注いでまいります。例えば、開院した場合の患者動線がどのようになり、それに対し職員がどのように対応するかを具体的に定める運営マニュアルの作成に取りかかっております。そこでは、現病院で実施している患者満足度調査の結果などを踏まえ、患者の目線に立った対応を現場を担う看護部、他部門が連携して協議している最中であります。その原案を病院局の最高意思決定機関であります経営戦略会議に諮り決定して、よりよい患者サービスとなるよう努めてまいります。
また、職員の教育には、これまで以上に接遇研修などを充実すること、また小樽・後志の医療関係者と連携を深め、医学的な研修や学会等への発表などで学術的な教育にも力を入れ、よりよい医療の水準を賄える人材育成に努めてまいります。
次に、新市立病院の開院時における駐車場の確保についてであります。
新市立病院の駐車場が完成するまでの間の駐車スペースは限られており、不便をおかけすることになります。しかしながら、現病院の解体工事や駐車場整備工事中においても、現在使用している駐車場の一部を利用できるよう工夫することや新病院の敷地内を暫定的に活用するなど、できるだけ御不便を減らすよう努めてまいります。
次に、新市立病院の経営が心配であるとのお尋ねがありました。
新市立病院では、脳神経疾患、心血管診療及びがん診療を3本の柱とし、他の診療機関で賄えない疾患の診療及び地域医療連携における中心的な役割の二つの特性を統合後の利用しやすい一つの病院で果たすことにより、安定的に患者数を確保すること、また診療科の増加、医師の新規採用、補充により、医療の質、量とも充実することなどで、収益面が期待できることになります。支出面では、現在、二つの離れた場所で老朽施設を経営していることで生じている各種の非効率性が、統合新築により改善し、職員数の適正化も含めてさまざまな面で費用の削減、圧縮が図られるからであります。
これらにより、新市立病院においては、病院の本来の収益と国の繰出基準による基本的な繰入金により、毎年度資金収支の黒字を維持できるものと考えております。その結果、繰入額も新市立病院では、建設にかかわる負担を含めておおむね12億円から13億円台で推移していくものと見込んでおり、そのうちおおむね8億円から9億円程度は地方交付税で措置されますので、一般会計の負担も現在より軽減されると考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)鈴木議員の御質問にお答えいたします。
初めに、本市の小・中学校の昨年の卒業式、入学式における国旗掲揚、国歌斉唱の状況についてでありますが、全ての小・中学校において、国旗は三脚などを使用し、式場内に掲揚され、国歌については、小学校の音楽の授業や中学校での全体練習の場面などで指導が行われた上、式の中で斉唱され、斉唱時には、全ての教職員が起立をしております。
次に、ステージの使用状況と私の考え方についてでありますが、卒業式でステージを使用したのは、小学校では27校中14校、中学校では14校中8校となっており、入学式では、小学校では26校中2校、中学校では14校中8校となっております。
私としては、卒業式などの儀式的行事は、厳粛かつ清新な雰囲気の中で行われることが一般的であり、常設されているステージを使用することが自然であると考えております。
次に、今年度の指導状況についてでありますが、教育委員会では、市内いずれの学校においても、同様の卒業式などが行われるよう、小樽市立小・中学校の卒業式と入学式の標準的な式次第や式場図などを作成し、校長会議を通じ徹底するよう指導したところでございます。今年度は、とりわけ常設のステージで式を行い、会場の放送設備を使用し、子供たちがしっかり国歌を歌唱できるよう校長会などで指導をしております。
次に、全国学力・学習状況調査結果の学校別の公表についてでありますが、全国学力・学習状況調査の趣旨は、児童・生徒の学力や学習状況を把握し、学習指導の改善や学習環境の整備に役立てるものでありますので、調査の結果を分析し、教員が日ごろの授業改善を図り、児童・生徒に着実に基礎・基本を定着させることに結びつけることが大切であると考えております。
学校別の結果公表により、現状では、学校において、基礎・基本の定着をしっかり取り組むことよりも点数を上げることに主眼を置くことも懸念されますことから、当面は児童・生徒に基礎・基本が確実に身につくよう、教員の指導力の向上を図ることを優先したいと考えております。
なお、今後、国の動向や市民の考え方について十分注視してまいりたいと考えております。
次に、食物アレルギーへの対応についてでありますが、本市の学校給食では、アレルギー源として特に注意している食材は、そばと牛乳であり、そばは提供せず、うどん、ラーメン、スパゲッティを提供しております。体質やアレルギーにより牛乳が飲めない児童・生徒に対しては、代替として麦茶を提供しております。また、これ以外の食物アレルギーを持つ児童・生徒への対応は、各学校において、アレルギー疾患を持つ児童・生徒の調査を行い、その調査と詳細な献立表に基づき、アレルギーを引き起こす食材の入った給食を食べないよう指導しているところであります。
最後に、エピペンの常備についてでありますが、エピペンはアレルギー症状のある児童・生徒が医師の処方に基づき、自己管理するものであり、一時的に学校で預かり、万が一の場合使用することができるものでありますので、学校で常備し使用することはできないこととなっております。
(「議長、12番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)12番、鈴木喜明議員。
○12番(鈴木喜明議員)1点だけ再質問します。新市立病院についてですけれども、私が先ほど質問の中で、がんのことを長々と説明しながらがん診療連携拠点病院のことを聞いたのですけれども、お答えしていただきたいのは、私の友人も肺がんなどで亡くなっています。小樽ではなかなか全部のがんを診てもらえないというのが今の状況でありまして、そういったことがほかの病院、公的病院も含めて、今度は小樽市でがんを大体何でも診てもらえるという体制ができるのかということを中心に聞きたかったわけでありまして、その点についてお答えください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)病院局長。
○病院局長(並木昭義)小樽病院で診療できないということですけれども、実績が少ないのが肺がんの治療で、あとは大体できます。これにつきましては、向かいの協会病院と非常に連携を密にしております。当病院に一番紹介患者が多いのは、協会病院呼吸器科でございまして、協会病院の紹介で小樽病院に来て放射線治療云々をする、そういう連携を深めております。同時に、今、札幌医科大学付属病院第3内科の呼吸器のほうに、医師補充の要請をしておりまして、この前教授と会って、教室でもその気になりつつありますと言っていましたので、かなりいい反応を示しつつあるということで、今それから一押ししていきたいと思いますし、今の1か所だけなら向かいの協会病院も大変なのです。やはり二つぐらいあって、両方がお互いに切磋琢磨していくというスタイルが一番よろしいのではないかと思いますし、実際、我々としては新病院におきましては、この地区でないPET-CTを入れることを今考えております。これを入れますと、そういうふうな患者を診れば、がんの進行度とかいろいろな診断できますので、そういう意味で、この地域に必要な機械を新病院には入れて、小樽病院だけでなくて、協会病院、例えば済生会小樽病院もそうですし、全体で使えるような形にしてまいりたいというふうに思いますし、どうしても欲しいのは放射線の治療医ですが、これもなかなか人がいなくて、いいところまでいっているのですが、これを入れますと、本当のがん拠点病院になると思います。その一歩手前の指定病院に恐らく4月からなれるのではないかというふうに思いまして、そういう意味では、私としましては、この地域のがんの拠点病院として、今、いろいろな研究会とかを、どんどん盛んに小樽・後志の医師を方集めてやっておりますので、そういう意味では、なるべくここでいろいろな治療、診断治療が行えるように、後志二次医療圏としてここで終わるような形で、これから努力してまいりたいと、そういうふうに思っております。
○議長(横田久俊)以上をもって、一般質問を終結いたします。
お諮りいたします。
ただいま上程中の案件のうち、議案第1号ないし第15号、第17号ないし第25号、第27号、第32号及び第49号ないし第51号並びに報告第1号及び第2号につきましては、議長指名による9名の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
それでは、予算特別委員を御指名いたします。千葉美幸議員、成田祐樹議員、小貫元議員、川畑正美議員、高橋克幸議員、鈴木喜明議員、斎藤博行議員、山田雅敏議員、前田清貴議員、以上であります。
なお、委員中事故ある場合は、所属会派において補充することといたします。
次に、議案第26号、第28号及び第54号は総務常任委員会に、議案第36号及び第37号は経済常任委員会に、議案第30号、第31号、第33号ないし第35号及び第48号は厚生常任委員会に、議案第29号、第38号ないし第47号、第52号及び第53号は建設常任委員会に、それぞれ付託いたします。
日程第2「陳情」を議題といたします。
まず、平成24年第4回定例会において継続審査と決定いたしております陳情第148号について、陳情者から取り下げたいとの申出がありました。
これを許可することに御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、取下げを許可することに決定しました。
次に、今定例会に新たに提出されました陳情第317号につきましては、別紙お手元に配付の議事事件一覧表のとおり、厚生常任委員会に付託いたします。
日程第3「休会の決定」を議題といたします。
お諮りいたします。
委員会審査のため、明3月7日から3月20日まで14日間、休会いたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
本日は、これをもって散会いたします。
散会午後6時12分
会議録署名議員
小樽市議会 議長 横 田 久 俊
議員 安 斉 哲 也
議員 酒 井 隆 行