開会午後1時00分
○議長(横田久俊)これより、平成25年小樽市議会第1回定例会を開会いたします。
直ちに、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、中村岩雄議員、新谷とし議員を御指名いたします。
日程第1「会期の決定」を議題といたします。
お諮りいたします。
本定例会の会期を、本日から3月21日までの23日間といたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
日程第2「議案第1号ないし第54号並びに報告第1号及び第2号」を一括議題といたします。
まず、議案第1号ないし第53号並びに報告第1号及び第2号について、市長から提案理由の説明を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)(拍手)
○市長(中松義治)平成25年第1回定例会の開会に当たり、ただいま上程されました各案件について提案理由の説明を申し上げるのに先立ち、新年度に向けた市政執行の所信の一端と主要施策の概要を申し上げ、議員及び市民の皆さんの御理解と御協力をいただきたいと思います。
平成25年度は、私が市長に就任してから3年目となり、任期の折り返しの年となります。市長就任後、市長と語る会をはじめ、さまざまな機会を捉えて、市民の皆さんや市内企業、団体の方々とお話をさせていただいたほか、小樽観光や地場産品のPR、クルーズ客船や新たな企業の誘致などのため、私みずから、国内はもとより、海外へも出向いてトップセールスを行ってまいりました。これまで、皆さんからいただいた多くの貴重な御意見などを踏まえ、活力のある、そして安心して暮らせる小樽をいかにつくり上げていくべきか、また厳しい状況にある本市財政の健全化をどのように成し遂げていくのか、民間での経験も生かしながら、スピード感を持って、これら諸課題への対応を進めてまいりました。
小樽のまちには、さまざまな活動やイベントなどを行う多くの方々がいらっしゃいます。そういった市民の皆さんの力を生かしながら、活力ある将来の小樽のために、行政としてやるべきことをしっかりと行う必要があると考えております。
任期の折り返しに当たり、改めて私が掲げた公約である「地域経済の活性化と新たな雇用創出」「街づくりの核となる稲一再開発」「新市立病院建設」「教育環境の整備」「子育て環境の整備」「高齢者や障害者の方が安心して暮らせる支援体制づくり」、そして「真の財政再建」、この七つの重点公約のほか、東日本大震災以降、我が国全体においても喫緊の課題となっている「防災対策」など、さまざまな課題が山積する中、歴史あるこの小樽のかじ取り役としての責任の重さを感じながら、「小樽」の発展のため、全力を注いでまちづくりを進めてまいりたい、その決意を新たにしているところであります。
さて、さきの国政選挙では、エネルギー政策や社会保障と税の一体改革に係る消費税の増税、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)などの争点の下、新政権である第2次安倍内閣が発足しました。
新政権においては、震災復興はもとより、経済の再生が最大かつ喫緊の課題とされる中、3本の矢と言われる「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」を中心とした経済政策、通称「アベノミクス」の推進により、デフレ不況からの脱却を図り、雇用や所得の拡大を目指すこととしています。
その第1弾として、「緊急経済対策」として打ち出した平成24年度補正予算と、「復興・防災対策」「成長による富の創出」「暮らしの安心・地域活性化」の3分野を補正予算と同様に重点とする平成25年度予算とを合わせた、いわゆる「15か月予算」として、切れ目のない経済対策を実行するとしています。さらなる金融政策と世界景気回復への期待感もあり、市場は円安株高基調へと転じており、公共事業関連費の拡大などの財政リスクや、輸入品の価格高騰による企業や家計への負担増が懸念されているものの、デフレ脱却と輸出の持ち直しによる景気回復など、経済再生への期待感が高まっているところであります。
国の動向は、地方自治体の行財政運営にも極めて大きな影響を及ぼすものであることから、今後の国政の動向をしっかりと見極め、的確に対応していかなければならないものと考えております。
本市の経済状況は、国内景気が低迷し人口が減少する中、地元企業の経営環境は引き続き厳しい状況にあるものと認識しておりますが、震災の影響により激減した観光入込客数は震災前とほぼ同水準まで回復したほか、昨年には20回と過去最高を記録したクルーズ客船の寄港があり、このような前向きな動きを確かなものにしていく必要があります。
また、長年の悲願であった北海道新幹線の札幌までの工事実施計画の認可、着々と進む小樽-余市間の高速道路建設など、地域経済への波及効果が期待される事業が進んでおります。
安全・安心な暮らしの充実としましては、地域基幹病院となる市立病院の統合新築や、新夜間急病センターの建設も着実に進んでいるほか、この1月には、原子力防災において「泊発電所周辺の安全確認等に関する協定」を締結するなど、着実に進めているところであります。
さらには、中心市街地において大きな課題となっておりました「旧丸井今井小樽支店・グランドホテル」の施設につきまして、新たな取得者が決定したことにより、施設の再生に向け大きく前進したものと受け止めております。今後は、事業計画が決定した段階で、市としての必要な支援・協力を行ってまいりたいと考えております。
次に、平成25年度予算編成に当たっての基本的な考え方を御説明申し上げます。
予算編成に当たりましては、依然として厳しい財政状況の中、事業の厳選や職員給与の削減継続など、財政の健全化に向けた取組を緩めることなく続ける一方で、優先的に取り組むべき「防災対策」「経済・雇用対策」とあわせ、本市の将来を見据えた諸課題への対応といたしまして、学校再編に伴う校舎等の改築、新学校給食共同調理場や保育所の建設、旧国鉄手宮線の整備などの大規模建設事業のための所要額を計上いたしました。また、事業を実施する上で必要となる歳入の確保につきましては、各収入見込みの精査や新たな財源に対する検討を行ったほか、国の平成24年度予備費や補正予算を活用し、できる限り一般財源の縮減に努めたところであります。
本市の財政は、平成23年度の一般会計決算において、2年連続となる実質収支の黒字を確保いたしましたが、他会計からの借入れや職員給与等の削減対策によるものであることから、真の財政健全化に向けて、平成24年度に引き続き、他会計からの借入れに依存しないという考えに立ち、予算編成に取り組んだところであります。
歳入の面では、景気の低迷が続く中での市税収入の伸び悩みや、地方交付税の大幅な削減が見込まれることから、歳出の徹底的な見直しを行いましたが、平成24年度予算編成時よりも4億4,000万円多い約12億2,000万円の財源不足が生じており、今年度同様、財政調整基金を有効に活用し、収支均衡予算を編成したところであります。
平成25年度重点事業の具体的な展開についてでありますが、本市は多くの難しい行政課題を抱え、課題解決に向けたスピード感と的確な対応が求められており、「選択と集中」の観点が必要不可欠と考えております。
平成25年度予算では、市民の命と暮らしを守るため、減災を主眼とする「防災対策」と、小樽の強みを生かした活力あるまちづくりを進めるための「経済・雇用対策」の二つの分野において、引き続き重点的な取組を進めてまいります。
一つ目の「防災対策」としましては、東日本大震災を契機に、これまでに津波ハザードマップを作成し、沿岸部の町会などへ配布したところでありますが、町会ではこのハザードマップを参考に自主的な避難訓練を行うなど、防災意識の高まりを感じているところであります。大規模災害、特に津波被害を想定した場合には、住民みずからの迅速で的確な避難行動が人的被害の軽減に最も有効と考えており、平成25年度においては、「津波浸水シミュレーション映像」を導入し、町会で実施される避難訓練で活用し、地域防災力のさらなる向上を図ります。
また、市民や観光客の迅速で的確な避難を図るため、運河周辺に「津波避難所案内板」を設置するほか、緊急地震速報や津波警報などを自動受信する「防災ラジオ」を町会や保育所等に配布いたします。
さらに、避難所の機能強化を図るため、非常用食糧の更新と、防寒対策に必要となる備蓄品の計画的な配備を継続するほか、通常の避難所では避難生活に支障を来す高齢者や障害者などのため、新たに社会福祉施設との協定による「福祉避難所」を指定し、安心して避難できる環境整備を進めてまいります。
次に、原子力防災としましては、本年1月16日に締結した「泊発電所周辺の安全確認等に関する協定」の締結を契機に、放射線測定器を新たに1台購入するとともに、指定避難所等へ災害情報を自動伝達するシステムを導入することにより、市民の皆さんが安心して暮らすことができるまちづくりを進めてまいります。
このほか、「災害に強いまちづくり」として、小学校の改築、配水管や汚水管などの災害に強い上下水道施設の整備、銭函地区の大雨等に備える河川氾濫防止事業などに継続して取り組むほか、消防署長橋出張所に、新たに災害対応の特殊水槽付ポンプ自動車を導入し、消防体制の充実を図ってまいります。
重点事業の二つ目としましては、「経済・雇用対策」であります。
活力あるまちづくりのためには、交流人口の拡大や地域経済の活性化を図り、雇用の場を確保することが重要であると考えております。このため、本市の恵まれた地域資源や知名度などの「強み」を生かしながら、「小樽観光の振興」「クルーズ客船誘致に向けた環境整備」「企業誘致の推進」「地場企業の振興」「雇用対策」の五つを柱に、積極的な取組を進めてまいります。
初めに、一つ目の柱である「小樽観光の振興」につきましては、「観光客の誘致推進」と「新たな魅力づくり」に取り組みます。
まず、「観光客の誘致推進」としましては、国内外への観光プロモーション事業といたしまして、海外から旅行会社やメディア関係者を招聘するとともに、国内旅行会社を対象とした首都圏での説明会などを開催いたします。また、昨年10月には、新千歳空港とタイとの間に直行便が就航したことから、札幌市などと連携した現地プロモーションやメディア招聘により、新たな観光客誘致を進めてまいります。
「新たな魅力づくり」としましては、平成21年度に策定された活用計画に基づき、中心市街地の新たな観光資源として旧国鉄手宮線の整備を進めてきましたが、平成27年度の完成を目指す総合博物館までの整備に向けて、新年度は中央通と臨港線との間の散策路と広場整備を進めてまいります。また、旧国鉄手宮線のほか、旧日本郵船株式会社小樽支店などの産業遺産が集積する「北運河地区」につきましては、地区の将来を検討するために設立される、本市も参加する協議会に対して、基本構想策定の支援を行ってまいります。
さらに、地域の特性を生かした事業として、祝津地区において食と観光をテーマとした新たなビジネスモデルを構築するための取組を進めてまいります。
二つ目の柱である「クルーズ客船誘致に向けた環境整備」として、さらなる客船の誘致や受入れ体制を整備するため、新たに本市や民間団体などによる協議会を設立し、東京都内で旅行代理店などを対象とした「小樽港クルーズセミナー」を開催することにより、小樽・北後志観光の魅力を積極的にPRしてまいります。施設整備としましては、大型クルーズ客船の寄港に対応する岸壁を早期に整備するため、大型客船航行安全対策調査などを実施するとともに、第3号ふ頭及び勝納ふ頭の岸壁改良工事などを実施してまいります。
三つ目の柱である「企業誘致の推進」として、昨年の東京に引き続き、関西圏の企業を対象に、大阪において「企業立地トップセミナー」を開催し、あわせて東京でのセミナーに参加をいただいた企業を直接訪問し、トップセールスを実施してまいります。また、新たに進出する企業のほか、既に操業している企業に対する支援のため、「企業立地促進条例」の改正により、課税免除期間の延長や支援対象を拡充するほか、本市に集積が進む食品関連業種などを誘致の対象としたDVDを制作し、本市の特徴や立地の優位性に関するPRの拡大を図ります。
次に、四つ目の柱である「地場企業の振興」として、小樽産品の販路拡大を図るため、東アジア圏での商談会・展示会への出展費用の助成を継続するほか、道外で開催される食料品関係の展示会への出展と、百貨店での小樽単独物産展などの開催を支援してまいります。
最後に、五つ目の柱である「雇用対策」としましては、「緊急雇用創出推進事業」の活用や「市独自の雇用対策事業」の実施により、新たに86名の雇用創出を図ります。また、高等学校1、2年生を対象に、市内企業への就職促進を図る「高校生就職スキルアップ支援事業」を継続するとともに、新卒未就職者等を地元に定着させるため、事業所実習などを通して、市内企業が求める人材の育成事業に取り組んでまいります。
次に、新年度実施いたします主要施策の概要につきまして、「第6次小樽市総合計画」の「まちづくり5つのテーマ」の体系に沿って御説明申し上げます。
まず、「5つのテーマ」の1点目、「心豊かに学び、地域文化をはぐくむまち『生涯学習』」の分野についてであります。小樽市の未来を担う子供たちが健やかに育ち、みずから考え行動する力を身につけるため、学校、家庭、地域が連携を深めながら、確かな学力の向上に向けた取組を推進してまいります。また、市民誰もが、文化・芸術などに親しみ、豊かで潤いに満ちた市民生活を送ることができるよう、努めてまいります。
なお、教育行政全体の執行方針につきましては、後ほど、教育長が説明いたしますので、予算面から主なものに絞って申し上げます。
学校教育では、児童・生徒の学力向上を推進するために、全ての小・中学校で取り組んでいる「音読」活動の発表会「音読カップ」の開催や、小樽商科大学の学生を小・中学校に派遣し、児童・生徒の学習支援を行う「樽っ子学校サポート」事業の充実のほか、小・中学校各1校に図書館司書を配置し、学校図書館活動の活性化に取り組んでまいります。
また、小学校の改築や耐震補強に引き続き取り組むほか、8月には学校給食の新たな共同調理場となる「小樽市学校給食センター」の供用を開始する予定であります。
社会教育では、市立小樽美術館を含む全国4美術館での共同巡回展であり、ダリやピカソなどの作品も展示される予定の特別展「詩人と美術瀧口修造のシュルレアリスム展」を開催するほか、国指定の重要文化財である「旧日本郵船株式会社小樽支店」の保存整備に向けた調査を実施いたします。
2点目は、「ともに支え合い、安心して健やかに暮らせるまち『市民福祉』」の分野についてであります。
少子高齢化が急速に進む中で、市民の皆さんが安心して心豊かに暮らすことができるよう、高齢者の方々などを支える体制づくりや、子育て環境、地域医療の充実に努めてまいります。
地域福祉では、小樽市社会福祉協議会が開設する「小樽・北しりべし成年後見センター」の相談件数が年々増加していることから、こうしたニーズにきめ細やかに対応していくため、体制強化に向けた支援を行ってまいります。
障害者福祉では、障害者自立支援法の一部改正に伴い、相談体制の充実を図るため、相談支援専門員の配置に関連する経費を計上しております。
子育て支援では、銭函地区における「子育て支援センター事業」を新たに始めるほか、平成27年度の供用開始を目指し、老朽化が著しい「銭函保育所」の基本設計・実施設計や、平成26年度の供用開始を予定しております「奥沢保育所」新園舎の工事を進め、子育て環境の充実を図ります。
保健衛生と地域医療の関連としましては、平成25年度から新たに法定接種となります子宮頸がん予防等のワクチンについての経費を計上したほか、本年7月の供用開始に向けて「新夜間急病センター」の建設を着実に進めてまいります。
3点目は、「安全で快適な住みよいまち『生活基盤』」の分野についてであります。
上下水道や道路などの社会資本整備につきましては、老朽化した施設の計画的な更新や維持管理を行い、市民生活の利便性の向上を図ってまいります。また、市内135橋の「橋りょう長寿命化修繕計画」につきましては、平成25年度中の策定に向けて作業を行ってまいります。
ロードヒーティングにつきましては、冬期間の安全・安心な市民生活と交通を確保するため、順次、老朽化した設備の更新を進めており、平成25年度は梅源線と最上山手線の更新を行うほか、全てのロードヒーティングの稼働状況の把握や制御を行う中央監視システムについても更新を行ってまいります。
住環境の整備と市内産業の活性化を促進するための「住宅リフォーム助成」につきましては、平成24年度に引き続き実施するとともに、市営住宅につきましては、若竹住宅1号棟の耐震補強及び改修工事を引き続き実施するほか、新光B住宅の老朽化に伴う屋根・外壁改修工事を新たに実施してまいります。
広域交通の関連では、利用者が減少し赤字路線となっている小樽と積丹を結ぶ「中央バス積丹線」について、赤字額の一部を小樽市、余市町、古平町、積丹町の地元4自治体で負担し、北後志圏域の交通路線維持に努めてまいります。
4点目は、「人・もの・情報が交流する活力あるにぎわいのまち『産業振興』」についてであります。
本市の経済を支えているのは多くの中小企業でありますので、地域経済の活性化に向けた「経済・雇用対策」として、観光の振興や地場企業の振興の重点的な取組を進めていくほか、水産業や商店街の活性化などにつきましても、積極的に取り組んでまいります。
水産業につきましては、塩谷地区の水質保全や良質な漁場環境の改善を目的とした「水産環境整備事業」を引き続き実施してまいります。また、漁港基盤整備として平成23年度から実施している忍路漁港の防波堤等整備事業を継続するほか、新たに祝津漁港においても、護岸等の補修工事に向けた測量調査などを実施してまいります。さらに、近年増加の傾向にあるトドの漁業被害を軽減するため、トドの休憩地に上陸防止柵を設置するための支援を行ってまいります。
商店街関連では、中心商店街の活性化に向けた取組を支援する「にぎわう商店街づくり支援事業」や、市内の各市場や商店街などが実施する販売促進やイベント事業などを支援する「商店街活性化支援事業」、さらには「空き店舗対策支援事業」など、引き続き支援に努めてまいります。
地場企業の振興としましては、既存商品の改良と新たな商品開発を総合的にサポートしていく「小樽ブランド力推進事業」のほか、小学生の卒業記念にガラスの製作体験を支援する事業を継続して行い、本市の大切な地域資源である「ガラス」の周知と活用促進を図ってまいります。
観光の振興としましては、小樽観光振興公社の観光船を更新し、海上観光の推進を図るほか、「小樽フィルムコミッション」活動の活性化を図るため、小樽のまちを舞台としたショートフィルムコンテストを開催し、本市のすぐれた映像資源を広く発信していきたいと考えております。
まちづくりのテーマの最後、5点目は、「自然とまちなみが調和し、環境にやさしいまち『環境保全』」についてであります。
豊かな自然と歴史的な地域資源を有する本市の生活環境を守り、市民の皆さんが快適な暮らしを送るための環境整備を進めてまいります。
平成22年度に制定した「小樽市環境基本条例」に基づき、現在、作業を進めております「環境基本計画」の策定につきましては、平成27年度の計画施行・公表を目指し、調査費等を計上いたしました。
また、桃内の廃棄物最終処分場につきましては、現在の処分場を延命化する場合の諸課題を検討してまいります。
公園等の整備関連では、市民の皆さんが安全で快適に利用できるように、いしやま公園などの木製遊具の更新を進めてまいります。
また、昭和61年に寄贈を受け、一般開放を行っております「旧寿原邸」につきましては、築100年を迎え老朽化に伴う傷みが進んでいることから、専門家による建物の現況調査を行うための経費を計上いたしました。
最後に、その他の施策について申し上げます。
「小樽市東京事務所」につきましては、所長1名の体制であることから、事務所規模の見直しによる経費節減を図るため、平成25年9月に完成予定の北海道東京事務所が入居予定のビルへ移転するための経費を計上いたしました。
また、これまでパスポートの発給申請や交付に関する業務につきましては、週1回決められた時間に、北海道後志総合振興局が移動窓口を開設しておりましたが、北海道から権限移譲を受けることにより、月曜から金曜までの執務時間内に常設窓口を開設し、利便性の向上を図ってまいります。
次に、今議会に上程された各案件について説明申し上げます。
初めに、議案第1号から議案第15号までの平成25年度各会計予算について説明申し上げます。
最初に、本市の平成25年度一般会計予算の主なものについて、前年度との比較で説明申し上げます。
まず、歳入についてでありますが、市税では景気低迷の影響などにより減収が見込まれるため、0.8パーセント、9,960万円の減収を見込みました。
地方交付税につきましては、国の地方財政対策の伸び率などを基本に、地方公務員給与費削減の影響や本市の特殊事情を勘案しながら積算した結果、臨時財政対策債を加えた実質的な地方交付税では、0.6パーセント、1億600万円の減と見込みました。
また、歳出の主なものについて経費別に申し上げますと、いわゆる義務的経費では、人件費が3.0パーセントの減、扶助費が障害者福祉費の訓練等給付費の増などにより0.2パーセントの増、公債費が3.1パーセントの減となったことにより、合計で1.4パーセントの減となり、歳出合計に占める割合は、前年度を1.9ポイント下回る56.7パーセントと見込みました。
行政経費では、平成23年度から順次整備を進めてきた行政情報システム整備費の増などにより8.9パーセントの増、建設事業費につきましては、新学校給食共同調理場建設事業、校舎等改築事業及び保育所建設事業の実施などに伴い、42.6パーセントの大幅な増となりました。
負担金、補助及び交付金につきましては、水道事業及び下水道事業からの借入金償還金の増などにより4.5パーセントの増、維持補修費につきましては、昨年、一部計上を留保した除雪費を全額計上したことなどにより12.9パーセントの増、投資及び出資金につきましては、株式会社小樽観光振興公社への出資により皆増、繰出金につきましては、介護保険事業、産業廃棄物処分事業及び病院事業分などで増となりましたが、国民健康保険事業、住宅事業及び後期高齢者医療事業分などが減となり、総額では1.5パーセントの減となりました。
次に、特別会計及び企業会計の主なものについて説明申し上げます。
国民健康保険事業におきましては、歳出では、1人当たり医療費の減などにより、保険給付費が7.9パーセント減の119億4,418万円となるほか、後期高齢者医療費の増に伴い、後期高齢者支援金等が8.6パーセント増の17億6,740万円となりました。歳入では、保険給付費の減に伴う国庫支出金等の減が見込まれるほか、保険料の予算総額は3.9パーセント減の26億6,190万円となりました。
介護保険事業におきましては、これまでの利用実績と今後の利用見込みを勘案して算定した結果、保険給付費は3.9パーセント増の134億1,496万円、介護予防推進のための地域支援事業費は2.4パーセント減の1億9,582万円となりました。
保険料は、北海道介護保険財政安定化基金からの借入れを行うことにより、2.9パーセント増の25億906万円と見込みました。
後期高齢者医療事業におきましては、保険料14億7,120万円、低所得者等に対する保険料軽減に係る公費負担金4億403万円及び事務費3,923万円を事業の実施主体である「北海道後期高齢者医療広域連合」へ支出するものであり、前年度に比べ7,261万円の減となっておりますが、これはシステム機器更新の終了による負担金の減や、徴収する保険料について実績を基に算定した結果、減となったためであります。
病院事業につきましては、平成24年9月に着工した新市立病院の建設費52億3,310万円を計上し本体工事を推進するとともに、現病院においては統合に向けた準備を行うなど、平成26年11月の開院を目指して準備を進めてまいります。
また、一般会計から17億2,143万円を繰り入れることとし、引き続き経営改善に努め、地方財政法上の資金不足の解消を目指します。病院事業管理者の下、職員一丸となって、良質で安全な医療が市民に提供されるように、公立病院としての役割を担ってまいります。
水道事業につきましては、長期的かつ安定的な水の供給を図るため、配水管の更新を進めるとともに、豊倉浄水場や配水池の老朽化した施設の更新を行うほか、清風ヶ丘配水槽の移設工事を実施してまいります。資金収支の見通しは、平成25年度末においても引き続き資金余剰となる見込みであり、今後とも給水収益に見合った効率的な事業運営に努めてまいります。
下水道事業につきましては、処理場やポンプ場の機械・電気設備などの老朽化した施設の更新を進めるとともに、汚水管の新設や更新を実施してまいります。資金収支の見通しは、平成25年度末においても引き続き資金余剰となる見込みであり、今後の事業運営に当たりましても、効率的で健全な経営に努めてまいります。
産業廃棄物等処分事業につきましては、高速道路建設関連の解体工事がほぼ終了し、瓦れき類の搬入量が減少することから、営業収益は減と見込んでおります。
また、施設の延命化対策としての埋立地改良業務が増加することにより、営業費用は増となり、平成25年度の収益的収支におきましては、損失が見込まれます。
以上の結果、平成25年度の財政規模は、一般会計では577億783万6,000円、特別会計合計では349億8,311万1,000円、企業会計合計では272億5,065万1,000円、全会計合計では1,199億4,159万8,000円となり、前年度予算と比較いたしますと、一般会計では2.1パーセントの増、特別会計では2.2パーセントの減、企業会計では7.8パーセントの増となり、全会計では2.0パーセントの増となりました。
なお、財政の健全化に向けた今後の収支見通しについては、現在、係数の整理中でありますので、まとまり次第お示ししたいと考えております。
次に、議案第16号から議案第25号までの平成24年度各会計補正予算について説明申し上げます。
まず、議案第16号につきましては、国の予備費に関連して、岸壁附帯施設改修事業費について、繰越明許費として計上いたしました。
次に、議案第17号から議案第25号までの主なものといたしましては、一般会計では、まず歳出におきまして、国の予備費や補正予算に関連して、旧国鉄手宮線整備事業費や公園遊具の更新等を実施する都市公園安全・安心事業費、岸壁附帯施設改修事業費及び桜小学校の校舎等耐震補強等事業費を繰越明許費として計上するとともに、石狩湾新港管理組合負担金の減額や退職手当の増額を計上したほか、所要の補正を計上いたしました。
歳入におきましては、市税及び市債について増額計上したほか、所要の補正を計上いたしました。
以上の結果、一般会計における補正額は歳入歳出ともに12億5,796万8,000円の増となり、財政規模は601億3,653万4,000円となりました。
次に、特別会計及び企業会計の主なものについて説明申し上げます。
まず、国の補正予算に関連して、住宅事業では、市営住宅改善事業費を繰越明許費として計上したほか、下水道事業では、中央下水終末処理場電気設備工事の実施に伴う所要の補正を計上いたしました。
次に、国民健康保険事業では保険給付費の減額等について、介護保険事業では保険給付費の増額等に伴う所要の補正を計上し、病院事業では新病院建設事業の工期変更に伴う関係予算の減額などを、水道事業では清風ヶ丘配水槽の移設工事の実施を平成25年度に変更したことに伴う所要の補正を計上いたしました。
次に、議案第26号から議案第53号までについて説明申し上げますが、議案第33号、議案第35号、議案第38号から議案第42号まで及び議案第45号から議案第48号までにつきましては、いずれも地域主権一括法等による関係法律等の一部改正に伴う権限移譲によるものであります。
議案第26号職員給与条例の一部を改正する条例案につきましては、地方自治法の一部改正に伴い、災害派遣手当に新型インフルエンザ等緊急事態派遣手当を加えるとともに、新人事給与システム導入に伴い、給与の支給日を統合するものであります。
議案第27号職員退職手当支給条例等の一部を改正する条例案につきましては、国家公務員に準じ退職手当の支給水準を引き下げ、及び独自削減策として実施してきた退職手当の調整額の凍結を解除するとともに、所要の改正を行うものであります。
議案第28号市議会議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例等の一部を改正する条例案につきましては、障害者自立支援法の一部改正に伴い、所要の改正を行うものであります。
議案第29号手数料条例の一部を改正する条例案につきましては、都市の低炭素化の促進に関する法律の施行に伴い、低炭素建築物新築等計画の認定に係る申請手数料を設けるとともに、所要の改正を行うものであります。
議案第30号児童発達支援センター条例及びこども発達支援センター条例の一部を改正する条例案につきましては、児童福祉法の一部改正に伴い、所要の改正を行うものであります。
議案第31号福祉医療助成条例の一部を改正する条例案につきましては、障害者自立支援法の一部改正に伴う所要の改正等を行うものであります。
議案第32号夜間急病センター条例の一部を改正する条例案につきましては、夜間急病センターを移転することに伴う改正を行うものであります。
議案第33号食品衛生法施行条例の一部を改正する条例案につきましては、食品衛生法施行令の一部改正に伴い、食品衛生検査施設の設備及び職員の配置の基準を定めるものであります。
議案第34号新型インフルエンザ等対策本部条例案につきましては、新型インフルエンザ等対策特別措置法の施行に伴い、対策本部に関し必要な事項を定めるものであります。
議案第35号産業廃棄物等処分事業の利益及び資本剰余金の処分に関する条例案につきましては、地方公営企業法の一部改正等に伴い、産業廃棄物等処分事業の利益及び資本剰余金の処分に関し必要な事項を定めるものであります。
議案第36号企業立地促進条例の一部を改正する条例案につきましては、市内に既存の建物を取得し工場等を設置する者及び工場等を増設する者を、固定資産税及び都市計画税の課税免除の対象者として追加することにより、企業立地に係る支援制度を拡充するとともに、課税免除の限度額を設けるほか、所要の改正を行うものであります。
議案第37号観光物産プラザ条例の一部を改正する条例案につきましては、指定管理者に利用料金制を導入するとともに、所要の改正を行うものであります。
議案第38号都市公園条例の一部を改正する条例案につきましては、都市公園法の一部改正等に伴い、都市公園の配置及び規模の基準並びに公園施設の設置基準等を定めるとともに、所要の改正を行うものであります。
議案第39号都市公園における移動等の円滑化のために必要な特定公園施設の設置に関する基準を定める条例案につきましては、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部改正に伴い、都市公園における移動等の円滑化のために必要な特定公園施設を新たに設置する場合の基準を定めるものであります。
議案第40号道路の構造の技術的基準等を定める条例案につきましては、道路法の一部改正に伴い、市道の構造の技術的基準を定めるものであります。
議案第41号高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に係る道路の構造に関する基準を定める条例案につきましては、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部改正に伴い、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に係る道路を新たに設置する場合の構造の基準を定めるものであります。
議案第42号準用河川管理施設等の構造の技術的基準を定める条例案につきましては、河川法の一部改正に伴い、準用河川管理施設等の構造の技術的基準を定めるものであります。
議案第43号市営住宅条例の一部を改正する条例案につきましては、福島復興再生特別措置法の施行に伴い、公営住宅の入居者資格に居住制限者に対する特例措置を設けるものであります。
議案第44号バリアフリー等住宅改造資金融資条例の一部を改正する条例案につきましては、融資の対象工事の施工業者を市内で事業を行う者に限定する措置を継続するものであります。
議案第45号下水道条例の一部を改正する条例案につきましては、下水道法の一部改正に伴い、公共下水道の構造の技術上の基準等を定めるとともに、所要の改正を行うものであります。
議案第46号水道布設工事監督者を配置する工事及び当該監督者の資格基準並びに水道技術管理者の資格基準に関する条例案につきましては、水道法の一部改正に伴い、水道布設工事監督者を配置する工事及び当該監督者の資格基準並びに水道技術管理者の資格基準を定めるものであります。
議案第47号水道事業及び下水道事業の利益及び資本剰余金の処分に関する条例案につきましては、地方公営企業法の一部改正等に伴い、水道事業及び下水道事業の利益及び資本剰余金の処分に関し必要な事項を定めるものであります。
議案第48号病院事業の利益及び資本剰余金の処分に関する条例案につきましては、地方公営企業法の一部改正等に伴い、病院事業の利益及び資本剰余金の処分に関し必要な事項を定めるものであります。
議案第49号学校給食共同調理場条例の一部を改正する条例案につきましては、学校給食オタモイ共同調理場及び学校給食新光共同調理場を統合し、新たに学校給食センターを設置するとともに、所要の改正を行うものであります。
議案第50号工事請負契約につきましては、奥沢保育所新築工事の請負契約を締結するものであります。
議案第51号工事請負変更契約につきましては、市営若竹住宅1号棟の改修工事の請負変更契約を締結するものであります。
議案第52号市道路線の認定につきましては、銭函中央団地第1線ほか5路線を認定するものであります。
議案第53号市道路線の変更につきましては、竹の葉上通線の終点及びチャラツナイ本通線の起点をそれぞれ変更するものであります。
次に、専決処分報告についてでありますが、報告第1号につきましては、平成24年度一般会計において福祉除雪サービス緊急対策事業費に係る予算を措置するため、同会計の補正予算について平成25年1月31日に専決処分したものであります。
報告第2号につきましては、平成24年度一般会計において除排雪関係経費及びロードヒーティング関係経費に係る予算を措置するため、同会計の補正予算について平成25年2月8日に専決処分したものであります。
以上、概括的に説明申し上げましたが、なにとぞ原案どおり御可決、御承認賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○議長(横田久俊)次に、平成25年度小樽市教育行政執行方針について、教育長から説明したいとの申出がありますので、これを許します。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
(上林猛教育長登壇)
○教育長(上林猛)平成25年度小樽市教育行政執行方針の説明をさせていただきます。
初めに、昨年、大津市で起きた「いじめ」による生徒の自殺、大阪市立高校の部活動顧問から受けた「体罰」による生徒の自殺など痛ましい事故を契機に、教育委員会や学校の対応をめぐり全国的にさまざまな議論が展開されております。
一方、北海道の学力は依然として全国の下位にあり、道教委では具体的な数値目標を掲げ各般の取組を進めておりますが、本市においても道と同様の傾向にあり、学力の向上は多くの市民の願いでもあり、喫緊の課題として重点的に取り組まなければなりません。
小樽市教育委員会としては、これまで「学校との距離を縮めること」「小樽の恵まれた教育資源を活用すること」を念頭に教育の振興に努めてまいりましたが、平成25年度は、「いじめ・不登校」「体罰」「学力の向上」などの諸課題の解決に向けて、教職員間、学校と保護者・地域住民間、幼稚園・小学校・中学校・高校間、教育委員会・学校・民間団体間、それぞれの連携・協力を強化することが不可欠であり、これらの活動を通して引き続き教育の活性化に努めてまいります。
以下、平成25年度の重点施策について御説明を申し上げます。
まず、学校教育についてでありますが、学校教育の重点施策の第1点目は、「学力の向上」であります。
平成24年度全国学力・学習状況調査の結果では、学力面では、本市の小学生は全道平均とほぼ同様、中学生は知識に関する問題では全道とほぼ同様ですが、知識の活用に関する問題では、やや低いという状況であります。また、学習習慣等に関する調査では、「家庭で勉強を全くしない」「家や図書館で本を全く読まない」と答えた児童・生徒の割合が全国に比べて高く、家庭での学習と読書習慣の定着が課題となっております。
こうしたことから、平成25年度におきましては、次のような取組を行ってまいります。
一つ目は、「学校の組織力を高める取組」であります。
道教委では、若手教員と将来のスクールリーダーを育成することを目的に、「学校力向上に関する総合事業」を全道で14校指定し、実施することとしております。本市では稲穂小学校が実践校として、花園小学校と潮見台小学校が協力校として指定され、この3校に教員4名、事務職員1名が定数の加配を受け、重点的に取組を行うこととしております。
また、潮見台小学校は、国立教育政策研究所の指定校事業に応募し、全道で1校、国語科の研究指定を受けることとなりました。この研究は、本市の課題である「言語活動の充実」に大きく貢献するとともに、その成果を広く全国に普及する役割も担っております。
さらに、花園小学校と菁園中学校では、国語科の授業改善について、北海道立教育研究所と共同で研究する学校に指定され、先進的な研究を進めることとしております。
また、現在、市教委では、いじめや体罰などで悩みを抱えている児童、保護者への教育相談の窓口として、道費スクールカウンセラーを5名、市費のカウンセラーを1名配置しておりますが、平成25年度は小樽市教育研究所に心理カウンセラーの資格を持った職員1名を配置し、早期発見・早期対応できるよう体制の強化を図ります。
教育委員会では、これらの事業を実施することを通して、全道、全国の先進的教育の支援を受けながら、組織的な実践力を高めてまいりたいと考えております。
二つ目は、「教員の指導力を高める取組」についてであります。
学力の向上には教員の指導力の向上が重要であり、これまでの研修に加え、若手教員を対象に、いじめや不登校、問題行動の解決に向けた指導力の向上を図る「生徒指導力研修講座」、道教委と連携して防災教育の指導のあり方を学ぶ「防災教育研修会」など、今日的課題に即した実践的な研修を行います。
また、教務主任など50名程度を対象に、道内の先進的な教育実践を行っている小・中学校を訪問し、すぐれた学級経営や教科経営を肌で感じてもらう「教育状況視察研修」を行い、指導力の向上を図ります。
「築校小樽塾」は、教員はまず一市民として幅広い知識と経験を身につけることが基本であるとの思いから、現在37名の塾生が参加し、小樽の歴史を学ぶとともに、保護者や商店主、地域の方など、さまざまな分野の方々との意見交換を行う研修プログラムを進めております。今後、これらの塾生が小樽の教育の中心的な役割を担えるよう支援してまいります。
三つ目は、「家庭の教育力を高める取組」についてであります。
まずは、「読書習慣の定着」に向け、昨年から取組を始めた「音読」については、新たに「音読カップ」と題する発表会を開催し、児童・生徒が「音読」の成果を発表する機会をつくることで、「音読」への意欲の喚起と家庭への一層の普及を図ってまいります。
また、学校図書館の利用を促進するモデル事業として、小・中学校各1校に学校図書館司書を配置することといたします。さらに、本年9月には、市内の小・中学校などを会場に北海道学校図書館研究大会を開催し、学校図書館活動の活性化を図ります。
次に、これまでに延べ23名の商大生が小・中学校延べ16校で行った「樽っ子学校サポート事業」には、1,015名の児童・生徒が参加しております。平成25年度は商大生に交通費などを支給し、さらなる事業への参加を促進し、児童・生徒の学習意欲を高める取組を継続して行います。
次に、「情報モラル」教育についてであります。本市の児童・生徒は携帯電話やメールの使用率が高く、家庭での学習時間が少ないことから、平成25年度は、小樽市小中学校情報モラル対策委員会に各学校の担当者を加え、研修会などを開き、系統的な指導法について協議を行います。また、PTAを対象とした研修会を実施し、「携10運動」の推進を含め、情報機器を利用する際の家庭内でのルールづくりを促進します。
学校教育の重点施策の第2点目は、教育環境の整備についてであります。
環境整備の一つ目は、学校再編の着実な推進についてであります。
学校再編については、急激な少子化が進行する中、望ましい学校規模を確保し、よりよい教育環境をつくるため、平成21年に策定した「小樽市立小中学校学校規模・学校配置適正化基本計画」に基づき進めております。
本年4月には、若竹小学校を桜小学校及び潮見台小学校に、祝津小学校を高島小学校と統合することとし、統合に際しては、通学時の安全確保に配慮することや新しい学校づくりの取組を進めます。
高島小学校においては、祝津地区のニシン漁の歴史的資料や水族館など、豊富な教育資源を活用した「ふるさと学習」の展開、「ユネスコスクール」の活動を通じて、環境教育や国際感覚の育成など、特色のある学校づくりに向けた取組を進めてまいります。
平成25年度は、中央・山手地区の入船小学校、南小樽地区の奥沢小学校及び天神小学校をはじめ、関係する学校の保護者や地域の方と地区別懇談会を開催し、統合の時期などについて議論を重ねてまいります。また、塩谷中学校と長橋中学校、北手宮小学校、手宮西小学校及び手宮小学校の手宮地区3小学校について、平成28年度の統合に向け、関係校の保護者や教員、地域住民から成る統合協議会を設置し、円滑な統合が図られるよう進めてまいります。
二つ目は、学校の耐震化など施設の整備についてであります。
学校の耐震化など施設整備については、学校再編の進捗状況と整合を図りながら進めており、平成25年度は桜小学校の耐震補強工事及び大規模改造工事を行うとともに、手宮地区3小学校の統合校となる校舎の建設に着手いたします。また、緑小学校と最上小学校の統合校建設に向けた基本設計を行います。
三つ目は、「小樽市学校給食センター」の建設についてであります。
同センターは、昨年7月、建設工事に着手し、本年8月の供用開始に向け工事を進めているところであり、完成後は国の基準に基づく最新の衛生管理の下、安心・安全でおいしい給食の提供に努めてまいります。
学校教育の重点施策の第3点目は、特別支援教育の充実についてであります。
教育委員会では、平成25年度の早い段階で、特別支援教育連携協議会を立ち上げ、幼稚園や保育所、小・中学校、高校との間で情報交換を行うとともに、医療や保健、福祉などの専門的な助言を受けて、幼児期から学校卒業まで、連携のとれた効果的な教育支援を行うよう取り組んでまいります。
次に、特別支援教育支援員についてでありますが、通常の学級に在籍するLDやADHDなどの障害のある児童・生徒の学習活動上の支援を行うため、これまで小学校に20名配置してまいりましたが、平成25年度は新たに3名増員し、中学校にも配置することといたします。
次に、社会教育の重点施策について申し上げます。
第1点目は、社会教育施設における特別展の開催についてであります。
「美術館」では、「詩人と美術瀧口修造のシュルレアリスム展」と題して、「財団法人地域創造」の助成を受け、道外の公立美術館と共同で行う特別展を開催いたします。これは「文学館」との共催事業として、小樽に縁のある、詩人であり美術評論家でもある瀧口修造の生涯と業績を紹介するもので、ダリやピカソをはじめとする内外の著名作家の作品を展示するほか、講演会や小・中学生を対象とする鑑賞講座などの開催を予定しております。
また、中村善策没後30年、中村善策記念ホール開館25年を記念して特別展「風景の躍動感没後30年中村善策展」、さらには「北の水彩画人白江正夫と宮川美樹展」と題し、小樽に縁のある作家のすぐれた作品を紹介する特別展を開催いたします。
「総合博物館」では、財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構及び九州国立博物館との共催で、特別展「アイヌ工芸展ロシアから見たアイヌ文化」を開催し、ロシア科学アカデミー人類民族学博物館が所蔵する、19世紀初頭に集められた貴重なアイヌ民具を国内で初めて公開いたします。また、会期中には、アイヌ古式舞踊の上演や小・中学生向けの工芸体験講座などを予定しております。
第2点目は、図書館が小・中学校と連携して実施する読書習慣の定着に向けた取組についてであります。
まず、道立図書館との連携事業である「学校ブックフェスティバル」については、本年度、小学校2校で開催したところでありますが、多くの児童が読み聞かせや体育館に並べられた数多くの書籍に関心を寄せるなど好評であったことから、開館30年を迎える平成25年度においても開催を計画しております。
また、学校のリクエストに応じて図書館の図書を貸し出す「スクールライブラリー便」や「児童図書リサイクル事業」についても引き続き実施するほか、新たに「小樽っ子ノート」と題し、児童・生徒に読書記録ノートを配付し、読書記録や感想を記入してもらうほか、ノートに図書の貸出しレシートを貼付し、レシートがいっぱいになった際には、「図書館の達人」の認定証を交付することで、児童・生徒の読書意欲を高める取組を始めます。
第3点目は、文化財の保護についてであります。
重要文化財旧日本郵船株式会社小樽支店については、昭和62年に保存修理工事を行ったところでありますが、経年による劣化で雨水が建物内部に浸透し、壁紙が剥落するなどの状況が見られることから、その原因を特定し保存修理工事の方針を策定するため、調査工事を実施いたします。調査工事の期間中は、一部公開を制限することとなりますが、皆様の御理解を賜りたいと思います。
第4点目は、市民スポーツの振興についてであります。
今年で25回目の開催となる「おたる運河ロードレース大会」は、道内外から多くの参加者を得て、北海道を代表するマラソン大会として定着しておりますが、平成25年度は制限時間の緩和など運営内容の検討を行い、より多くのランナーに楽しんでいただける大会といたします。
また、新・市民プール整備事業については、これまで建設場所及び規模、管理・運営方法、建設コストやランニングコストなどについて調査検討を行ってまいりましたが、教育委員会といたしましては、共同調理場の建設、学校の改築・耐震化などに加え、旧日本郵船株式会社小樽支店の保存修理など、早期に取り組まなければならない課題が多く、当面、事業の着手を見送ることとし、今後の進め方については、本市の財政状況を見極めながら市長部局とも相談してまいります。
第5点目は、市内の社会教育関係団体のネットワークづくりについてであります。
本市は、文化やスポーツなどの各分野における専門家などのマンパワーが豊富であり、多くの文化・スポーツ団体が活動しておりますが、その活動内容などの情報は関係者間にとどまり、十分に共有されているとは言えない状況にあります。
こうしたことから、教育委員会が各団体から情報提供を受け、活動内容などを一元的に把握し、市民や団体の求めに応じて情報提供することで、新たな教育資源としての活用を図るとともに、団体間のネットワークづくりに取り組み、文化・スポーツのさらなる振興に努めてまいります。
以上、平成25年度の教育行政を執行するに当たって重点施策と狙いについて説明申し上げました。
市民の皆様並びに議員各位の一層の御支援と御協力を心からお願い申し上げます。
○議長(横田久俊)次に、議案第54号について、提出者から提案理由の説明を求めます。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
(22番北野義紀議員登壇)(拍手)
○22番(北野義紀議員)日本共産党を代表し、議案第54号小樽市非核港湾条例案の提案説明を行います。
まず、アメリカ第7艦隊のミサイル駆逐艦ラッセンの入港を認めたことに関してです。
山田前市長時代に米艦入港に関して小樽方式と言われた三つの条件、一つ、核兵器を積載していないこと、二つ、民間の荷役作業に支障がないこと、三つ、入出港に当たって港湾の安全性が確保されること、この三つの条件をクリアしていることが、米艦船に港湾施設を使用させるハードルとされました。しかし、この間の事実はどうで、今回のラッセン入港を認めるかどうかの検討に、核兵器搭載の有無の確認がどうであったかが検証されなければなりません。
市長は、アメリカ総領事館と外務省の小樽市長への回答を検討の条件にしています。
アメリカ総領事館の回答は、「国の方針として、艦船などを含む核兵器の存在若しくは不存在について、これを認めることも、また否定することもしないこととしている」と、核兵器搭載の有無について事実上回答しておりません。この立場は、みずからの機密文書公開後も同じです。
外務省の回答は、「アメリカとの間で核兵器を日本に持ち込むときは事前協議がある。事前協議がないということは、核兵器は搭載されていない」とのことです。公開された機密文書によれば、アメリカが日本に事前協議を申し入れるのは、日本に核兵器を半永久的に持ち込むか、あるいはその基地をつくる場合に限られています。核兵器搭載の航空機の一時立ち寄りや艦船の一時的寄港は、事前協議の対象とはなっていないということです。これがアメリカが日本と結んだ機密文書を公開した内容です。市長が外務省の事前協議のすり替えの回答で核兵器搭載なしとの判断をしたことは、事実誤認です。
次に、米艦船に限らず本港の港湾施設を使用させるかどうかは、港湾管理者である市長の権限に属するということです。小樽方式の二つ目の条件である民間の荷役作業に支障がないという問題です。これは有効なハードルであることは、我が党も認めているところです。
ごく最近の歴史を振り返ってみます。2008年1月にブルーリッジの入港要請を受けて、1月25日の港湾関係者による定例のバース会議で、米艦入港希望予定期間中のバースの使用予定について検討しました。この結果、ブルーリッジが接岸可能なバースは水深12メートル以上ですから、勝納ふ頭1番、中央ふ頭4番、港町ふ頭2番、3番の4バースのみです。これら全てが民間船舶による接岸や荷役作業でふさがっていることが、このバース会議で確認されました。これを受けて、1月28日、港湾管理者である小樽市長名で、海上保安庁の小樽港長宛てに、文書で「依頼のありました上記艦船が入港予定の期間中、同艦船が接岸可能ないずれの岸壁も商船の接岸、荷役が予定されておりますので、岸壁の手配は困難であります」と回答し、事実上、ブルーリッジの小樽の港湾施設使用拒否を通告しました。
本港の港湾施設を使用できるかどうかは、港湾管理者の権限に属することであり、法的に可能なものです。アメリカや日本政府の小樽港への米艦入港要請に際して、米国や政府に対しても法的に有効な手段となるのは、港湾管理者の港湾施設使用権限です。
二つ目の歴史的事実ですが、小樽港にかつて空母インディペンデンスが入港してから3年後の2000年10月に空母キティホークの入港予定が明らかになった市議会で、日本共産党は、米艦の入港を認めることは外交を取り扱う国の専権事項としても、どの港湾施設を使用させるかは港湾管理者の権限であり、港湾施設使用を認めないことは法的に可能であるという見解を改めて明らかにしました。空母キティホークに随伴艦がなく、空母1隻で小樽港への入港要請との情報に接し、我が党議員団は再三にわたり当時の山田市長に空母に随伴艦が同行しないのか確認を求めましたが、国はキティホーク1隻のみとの回答でした。ところが、10月13日の空母入港直前に、随伴艦として巡洋艦ヴィンセンスも同時入港との要請が海上保安庁の港長からありましたが、港湾管理者である小樽市長は、検討する時間的余裕もないところから、小樽港の港湾施設使用を断りました。ヴィンセンスは、当然のこととして、港湾区域外の沖合にアンカーをおろすこととなりました。ところが、第7艦隊は、入港を拒否されたヴィンセンスの乗組員を、日本業者のプレジャーボートを調達して小樽港に上陸させようとしました。第3号ふ頭です。当時の小樽市港湾部は上陸のためのバース使用を現場で拒否し、大問題となりました。しかし、当時の運輸省の小樽の出先機関の判断、これは当然、上級に判断を仰いでいたはずですが、この判断で上陸が認められるということになりました。この事実は、いざというとき、米軍や日本政府は、憲法はもとより国内法である港湾法をはじめ関係法令を踏みにじり、安保条約優先で事の解決に当たるということを示した点で、重大な出来事でした。
最後に、世界と日本の核兵器廃絶の流れとアメリカの対応について述べます。
世界的な動きで特徴的なアメリカのダブルスタンダードについて触れます。
昨年12月、ヘルシンキで開催予定の「核兵器のない中東」を目指す国際会議がアメリカの意向で中止されました。アメリカの思惑は、中東で唯一の核兵器保有国であるイスラエル擁護のためであるということは明らかでありました。シオニスト政権であるイスラエルは200発以上の核弾頭を保有していると言われている中で、この政権がIAEAに対し、自分たちの核兵器の有無を査察することを一切認めていません。
これに対し、3年前にニューヨークで行われた核兵器不拡散条約の再検討会議で、189か国に上る条約加盟国が、中東地域からの核兵器廃絶を目的とした国際会議の開催を決定しました。この会議は、世界各地から核兵器廃絶を目指す国連の措置という枠組みの中で計画されていたものです。しかし、アメリカは中東地域におけるイスラムの目覚めという状況やイスラエル孤立化を心配し、これ以上イスラエルが国際社会の中で孤立しないよう、国際会議の開催を阻止したのです。小樽港にミサイル駆逐艦を入港させようというアメリカはダブルスタンダードと非難され、仲間内と部外者、国内向けと外国向けに、対象によって全く異なる価値判断の基準を使い分ける国であるということを認識する必要があります。
まして今回の入港に関しても、アメリカ総領事館の小樽市長への回答は、ミサイル駆逐艦ラッセンの核兵器保有の有無についてノーコメントであるにもかかわらず、外務省の言い分のみを根拠にして港湾施設の使用を認めたことは、山田前市長のときの判断基準と比較しても大きな後退であります。日本への核持込みについての日本とアメリカの秘密の取決めの公文書を率先して公開したアメリカは、それ以降、小樽市長への回答の内容に変化が生じています。日本の外務省がただ1人、機密文書公開以降も旧態依然たる対応です。ところが、それを唯一の根拠にして今回の入港を認めたことは、中松市長の見識が問われる問題です。
非核三原則を国是とする日本で、小樽市が非核港湾条例を制定し、核兵器を積んだ艦船の港湾施設使用を認めないということは、核兵器廃絶という核問題での根幹で画期的な前進が図られようとしている世界の大きな動きから見れば、まことにささやかなものであります。しかし、ささやかであっても、そのことは世界の核兵器廃絶の平和の流れに沿う歴史の大道に立った極めて大きな意義を持つものです。
また、小樽市から全世界に核兵器廃絶を発信することは、核兵器廃絶平和都市宣言に続き、歴史に名誉ある地位をしるすことにもなるものです。
満場の皆さんの賛同をお願いして、提案説明といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)日程第3「休会の決定」を議題といたします。
お諮りいたします。
議案調査のため、明2月28日から3月3日まで4日間、休会いたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
本日は、これをもって散会いたします。
散会午後2時24分
会議録署名議員
小樽市議会 議長 横 田 久 俊
議員 中 村 岩 雄
議員 新 谷 と し