開会午前10時00分
○議長(鈴木喜明)これより、令和2年小樽市議会第1回定例会を開会いたします。
直ちに、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、横尾英司議員、酒井隆裕議員を御指名いたします。
日程第1「会期の決定」を議題といたします。
お諮りいたします。
本定例会の会期を、本日から3月13日までの24日間といたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)御異議なしと認め、さように決しました。
日程第2「議案第1号ないし議案第40号」を一括議題といたします。
まず、議案第1号ないし議案第37号について、市長から提案理由の説明を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)(拍手)
○市長(迫俊哉)令和2年第1回定例会の開会に当たり、ただいま上程されました各案件に係る提案理由の説明に先立ち、いくつか申し述べさせていただきます。
まず、新型コロナウイルスによる肺炎についてであります。
WHO、世界保健機関が1月30日に緊急事態宣言を発表しておよそ3週間が経過しておりますが、世界的に感染が拡大し、今なお終息が見えない状態となっております。国内でも、日々新たな感染者が報告されており、ここ数日では感染経路が不明な症例が相次ぐなど、新たな局面を迎えたとも報じられております。
本市は多くの外国人観光客が訪れる国際観光都市であり、クルーズ船の寄港や多くの外国船籍の船舶の入港がある港湾都市でもあります。また、新型コロナウイルスによる肺炎は、基礎疾患のある方や高齢の方において重症化しやすいとも言われており、特に高齢化率が40%を超える本市にとっては、緊張感を持った備えが必要と考えております。
このような中、市では庁内対策会議を開催し、各部署の取り組みの現況等について情報共有を図るとともに、帰国者・接触者相談センターを保健所に開設するなど、市内で感染が疑われる事例が発生した場合の対応等について確認したところであります。
市としましては、まずは市民の皆さんの安全・安心な生活を守ることを第一に考え、その上で多くの宿泊キャンセルが生じている現状などを踏まえた経済的な支援についても、小樽商工会議所や金融機関等と協議していく必要があるものと認識しており、産業港湾部にも窓口を設置し、相談に応じる体制を整えたところであります。
改めて危機管理の大切さを感じているところですが、今後におきましても、国や北海道、関係機関と連携を図りながら必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
次に、ことしはオリンピック・パラリンピックの年でありますが、オリンピックのマラソンと競歩の会場が札幌となったことから、隣まちとしてできる限りの協力をしてまいりたいと考えております。このため、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会からの職員派遣要請に対し、2月1日付けで本市職員1名を同委員会に派遣したところであり、また、8月8日及び9日の開催日には、消防特別警戒に当たるため、消防隊2隊10名程度を派遣することとしております。
なお、オリンピックの開催により、多くの方々が札幌を訪れることが期待できますので、本市にも足を運んでいただけるよう、そのための観光PRもしっかり行ってまいりたいと考えております。
続きまして、新年度に向けた市政執行の所信の一端と施策の概要を申し上げます。
一昨年8月の就任以来、喫緊の課題として、市政の停滞感を払拭し、まちづくりを前に進める体制を整えるとともに、除排雪の見直しや避難所などにおける非常時電源対策、子育て支援の充実などに取り組んでまいりました。
そして令和の時代が始まり、新年度は第7次小樽市総合計画に基づく予算の初年度となります。大きな課題に立ち向かう、新たなまちづくりの始まりです。これからのまちづくりを進めるに当たり、重点的に取り組むべき大きな課題を三つ申し上げます。
一つ目は、地域経済や市民生活に大きく影響する人口減少、特に少子化への対策です。
本市では、若い世代の転出などによる子育て世代の減少と低い出生率により出生数が急減しており、平成元年の1,172人と比べ、令和元年には約6割減の440人となりました。このままでは将来のまちを支える世代が大幅に減少することから、この傾向に歯どめをかける対策を積極的に講じる必要があります。
このため、安心して子供を生み育てられるよう、子育て世代のニーズには優先的に応え、小樽商科大学との共同研究の結果も踏まえて、相談支援や情報発信、医療費助成などの充実を図るとともに、子育て世代の移住促進にも取り組み、分野を横断して施策の重層的な展開を図ってまいります。
二つ目は、経済の活性化により税収の増加を図り、市民ニーズに応える施策を展開する経済と生活の好循環の推進です。
本市はかつて鉄道や港を中心に北海道経済の中心地として発展しましたが、国内外の環境変化によりその地位が低下し、長らく人口減少が続いています。こうした歴史からも、経済の活性化は人口とも密接に結びつく、持続可能なまちづくりを進める上で大変大きな課題であります。特に、人口減少などにより地域内の消費が縮小している中で好循環を生むためには、外から消費を呼び込む観光のさらなる発展と、その経済効果の波及が大きな柱となります。
このため、将来を見据えた観光戦略の構築に向けた調査や組織づくり、財源確保の検討を行うほか、新たな海外市場の開拓に向けたプロモーションや、日本遺産を構成する文化財など、本市の多彩な歴史文化資源を活用する取り組みを進めます。
三つ目は、安全・安心や時代の変化、そして未来に対する備えです。
まず、安全・安心への備えとしては、災害による被害を最小化し、被災しても速やかに回復できる、強靭なまちづくりを進めていく必要があります。
このため、防災・減災や迅速な復旧のための計画を策定するとともに、公共施設等の耐震化や、迅速で的確な避難行動のための対策などを進めてまいります。
時代の変化への備えとしては、公共施設の老朽化対策と将来に向けたあり方や総量の最適化が大きな課題です。将来の人口規模を見据えて維持・更新費用を縮減しつつ、多様な市民ニーズに応えていく必要があります。
このため、現在策定を進めている公共施設再編計画を通して、適正な行財政運営を継続するための施設総量やトータルコストの削減を図るだけではなく、利用者への魅力の創造も目指して、効率的で利便性の高い、今後の公共施設のあり方を描いてまいります。
そして未来への備えとしては、まちの玄関口の整備が重要です。
このため、海の玄関口となる港では、クルーズ船の大型化に対応するとともに、まちの中心部と近接した小樽港の特性を生かし、訪れる人にとって魅力的で利便性が高い玄関口となるよう、第3号ふ頭やその周辺の整備を進めてまいります。また、陸の玄関口では小樽駅周辺の再開発を視野に入れながら、歩行者の安全確保が課題となっている小樽駅前広場について、まずはそのあり方の具体的な検討を始めるとともに、北海道新幹線の開業に向けては、その効果を高めるための方策を具体化してまいります。
こうした大きな課題は様々な分野にまたがり、互いに関連し合うことから、分野を横断して課題や方向性を共有し、連携して解決に向けて着実に前に進めてまいります。
次に、令和2年度の当初予算編成に当たっての基本的な考え方を申し上げます。
歳入については、前年度と比べ市税や地方譲与税・交付金の増額が見込まれるものの、これらの一般財源の増加が地方交付税の算定においては減額要素となることや、人口減少の影響もあって地方交付税は減額となる見通しであり、一般財源の大きな伸びは期待できない状況にあります。
一方、歳出においては、先ほど申し上げた大きな課題を解決していくため、少子化対策を初めとする人口減少対策やさらなる観光振興、そして災害への備えやまちの玄関口の整備などを重視して、将来への課題解決に向けた予算編成を行ってまいりましたが、引き続き財源不足が生じている状況にあり、財政調整基金の取り崩しなどによる財源対策で収支均衡予算を編成したところであります。
政策の効果が発現するまでには時間がかかるものもありますが、まちづくりが新たな段階に向けて着実に動き出すことから、新年度予算全体のテーマとして、「みらいを創る、確かな一歩」と掲げたところであります。
次に、当初予算案に計上した主な事業の概要について、第7次小樽市総合計画のまちづくり6つのテーマに沿って御説明申し上げます。なお、教育行政の執行方針につきましては、後ほど教育長から説明いたしますので、私からは予算面から主なものに絞って申し上げます。
初めに、第1のテーマ「安心して子どもを生み育てることのできるまち」についてであります。
人口動態とも関わりが深く、市民の関心も高いこのテーマでは、少子化対策を意識して、妊娠から出産、子育て期まで連動性のある施策を展開するとともに、教育環境の充実を図ってまいります。
まず、子育て支援に関しては、妊娠・出産・子育てに関する相談にワンストップで応じる子育て世代包括支援センターを保健所に開設するとともに、乳児期の子供を持つ母親同志の交流を深めながら相談支援を行う産後サポート事業を新たに始めます。また、子育て支援情報を切れ目なく届けるためのスマートフォン用アプリを導入いたします。
要望の高い子供の医療費助成についてはこれまでも段階的に拡充してきましたが、近隣自治体の動向も踏まえ、本年8月から全ての未就学児の医療費の実質無料化を実現いたします。また、高い保育ニーズに応え、入所待ち児童を解消していくため、保育補助業務を行う子育て支援員を養成いたします。さらに、さくら学園の定員拡大を行うほか、ひとり親家庭及び経済的に不安のある世帯の中学生への学習・生活支援を引き続き実施いたします。
学校教育に関しては、ICTを活用した教育の推進に向けて、全小・中学校に高速大容量の通信ネットワークと学習用端末の配備を進めるほか、学校図書館の充実のため、学校司書を増員するとともに、小学校の図書館への新聞配備を行い、授業での活用を進めます。また、不登校の児童・生徒の増加を踏まえ、スクールカウンセラーを増員し、全小学校に定期的に派遣いたします。
学校施設については、潮見台中学校の耐震補強や長橋小学校の屋内運動場の大規模改造など、安全確保と老朽化対策を進めます。
次に、第2のテーマ「誰もがいきいきと健やかに暮らせるまち」についてであります。
様々な困りごとの解決に向けて、支え合いの仕組みづくりを定める地域福祉計画を市民の皆さんの御意見を聞きながら策定するほか、認知症の方とその家族を支援するための取り組みを充実させてまいります。
高齢者の皆さんの生き生きとした暮らしを支えるふれあいパスについては、このたびのバス運賃改正分は市が負担することとし、令和2年度は現行制度を継続いたします。しかし、市の負担が大きくなっていることから、持続可能で利用しやすい制度を令和3年度に導入するため、できるだけ早い時期に案をお示しし、本年第3回定例会には結論を出せるよう議論を進めてまいります。
健康づくりには、生活習慣病などの予防や早期発見が欠かせません。中でも、非常に低い水準にある国保加入者の特定健康診査の受診率向上は急務であるため、早期受診者全員にクオカードを贈呈するなど、対策を強化いたします。また、望まない受動喫煙を防ぐため、本年4月から多数の方が利用する施設での喫煙が原則禁止されることから、飲食店や市民の皆さんに対し制度の周知に努めてまいります。
感染症の予防対策としましては、乳幼児のロタウイルスワクチンの定期接種を新たに始めるほか、30歳代から50歳代の男性風疹患者の増加に対応するため、昨年に引き続き無料クーポン券による風疹抗体検査と予防接種を実施いたします。
次に、第3のテーマ「強みを生かした産業振興によるにぎわいのまち」についてであります。
外から人やお金を呼び込み、地域内で循環させることを意識して、さらなる観光振興に向けた取り組みを進めるほか、地域経済を支える中小企業の活力向上を図るための取り組みを行います。
まず、昨年導入された森林環境譲与税を用いた森林整備等の施策として、長期未整備の私有林の現況調査や旭展望台周辺環境の整備、旧国鉄手宮線への道産材のベンチ設置などを行います。
水産業については、栽培漁業推進のためナマコの種苗生産への補助を行うほか、水産加工品の新商品開発やブランド化を支援してまいります。
中小企業・小規模事業者への取り組みとしましては、経営上の課題や後継者不足などによる事業承継問題に対する実態などを把握するため、アンケート調査を実施します。また、商談会への参加などによる地場産品の国内外への販路拡大の取り組みを継続いたします。
雇用確保の側面からは、高校生や大学生を対象に、市内企業の見学会やインターンシップなどを実施し、若年者の地元定着を促してまいります。なお、創業支援については、中心商店街への創業を促し、観光客などの市内中心部への回遊性向上を図るため、内外装工事費補助の見直しを行います。
企業誘致の取り組みとしましては、東京事務所への企業誘致推進員の配置にかえて、専門機関への委託により全国の企業へのアンケート調査やヒアリングなどを行い、新たな誘致の可能性を探ってまいります。
日本遺産に関しては、現在、多くの関係者の御尽力により練り上げた本市単独型のストーリー「北海道の『心臓』と呼ばれたまち・小樽」の選定結果を待つ状況ですが、先に認定を受けました北前船と炭鉄港の構成文化財を活用した地域活性化策を推進し、歴史や文化を活用したまちづくりの機運を高めてまいります。
さらなる観光振興に向けた取り組みとしましては、これからの観光戦略を構築するため、地域DMOの設立に向けて小樽観光協会にマーケティング担当の専門人材を配置するほか、観光基礎調査により観光消費が地域に与える効果を把握いたします。また、観光振興の安定的な財源となる宿泊税の議論を進め、令和3年度の導入を目指してまいります。
現在、韓国・中国からの観光客減少による影響が懸念されているところですが、外国人観光客の旅行消費は本市経済の大きな柱となることから、海外へ向けた観光プロモーションを積極的に行います。新たにさっぽろ連携中枢都市圏での共同プロモーションを始めるほか、現在主力である東アジア圏に加え、今後誘客の可能性が見込める新たな市場を開拓するため、ロシア・ウラジオストクやアメリカなどに対するプロモーションを行います。
小樽港につきましては、第3号ふ頭に大型客船の接岸を可能とする岸壁などの整備を継続するほか、クルーズターミナルと駐車場の整備に着手し、民間活力の導入も見据えたみなと観光の拠点づくりを促進してまいります。また、老朽化対策としては、新たに若竹地区防波堤の改良に着手いたします。なお、改訂作業を再開いたしました港湾計画については、長期構想の策定を経て、令和2年度中の改訂を目指してまいります。
次に、第4のテーマ「生活基盤が充実した安全で暮らしやすいまち」についてであります。
まず、空き家等の対策としましては、次期空家等対策計画の策定に向けた空き家の実態調査を実施し、この結果も活用しながら、新たに不動産関係団体と連携して良好な空き家等の流通促進に取り組みます。
移住促進の取り組みとしましては、空き家の活用や少子化対策も兼ねて、三世代での同居や近居のために移住する方などに対して、中古住宅の取得及びリフォームの補助制度を創設いたします。
除排雪については、引き続きバス路線や主要な通学路を優先するとともに、観光にも配慮した作業内容としたほか、貸出ダンプにかかる経費も当初予算で計上いたしました。また、効率的で持続可能な雪対策に向けた雪対策基本計画を令和2年中に策定いたします。
北海道新幹線の札幌延伸まであと10年余りとなりました。解決しなければならない課題も多く、残された時間は決して長くはありません。着実にスピード感を持って準備を進めてまいります。
新年度は新駅の開業効果を活用したまちづくりを進めるため、官民一体となって二次交通やソフト対策などのアクションプランを策定するほか、北海道新幹線の沿線自治体及び北海道とともに、並行在来線対策の検討に向けた調査を行います。
人口減少などの時代の変化に適応するまちづくりも大きな課題の一つです。将来を見据えた効率的なまちづくりのため、立地適正化計画の策定に着手するとともに、長期未整備の都市計画道路について、見直しの方向性を検討いたします。また、持続可能な交通ネットワークの構築に向けて、市内バス路線図を作成し、市民の皆さんに配布するなど、公共交通の利用促進策を実施いたします。
災害への備えとしましては、事前防災・減災と迅速な復旧の指針となる国土強靭化地域計画を策定するとともに、災害発生時に市の業務を的確に行えるよう、業務継続計画の策定を進めます。また、近年全国各地で相次ぐ水害に備えて、本市においても勝納川など6河川の洪水ハザードマップを作成するとともに、実践的な防災訓練として、新たに避難所運営訓練と冬季避難所宿泊訓練を実施いたします。さらに、津波などの際に沿岸部に迅速に情報伝達する防災行政無線の整備を完了させるとともに、災害時の情報提供手段となるFMおたるの難聴地域解消のため、中継局等を整備いたします。
消防力の充実強化に関しては、手宮出張所と高島支所を統合して(仮称)消防署手宮支署を建設するとともに、災害対応特殊水槽付消防ポンプ自動車1台を更新するほか、寄附を活用し、消防団第1分団に小型動力ポンプ付積載車を導入いたします。また、外国人や障害者の救急時等に的確な対応ができるよう、多言語対応の電話通訳や、スマートフォンなどの画面操作で119番通報が行えるシステムを導入するとともに、救急現場において多言語対応ができるよう、画面操作で円滑なコミュニーションが行えるタブレット型端末を配備いたします。
次に、第5のテーマ「まちなみと自然が調和し、環境にやさしいまち」についてであります。
ごみや資源物の収集に関しては、自力でごみ出しができない世帯へのごみ収集と声かけを行うふれあい収集の体制を強化いたします。子育て世代を初め、市民の皆さんから要望の高い公園整備につきましては、地域のニーズを踏まえた公園遊具の計画的な更新を引き続き行うとともに、総合体育館なども含めた小樽公園利用者の当面の駐車場を確保するため、旧緑小学校を解体いたします。
本市の魅力である町並み景観を構成する歴史的建造物の保全と活用も重要な課題の一つです。景観条例に基づく歴史的建造物の外観保全に対する助成を継続するとともに、市所有の旧寿原邸を歴史的建造物の有効活用事例とするため、一般開放の再開や、法人等との協働により施設修復、庭園再生の保全を進めるほか、文化芸術イベントなどの活用事業を実施いたします。
このほか、新幹線新駅の整備に伴い、旧ごみ焼却場を令和4年度までに解体するための実施計画を策定いたします。
次に、第6のテーマ「生きがいにあふれ、人と文化を育むまち」についてであります。
市民一人一人が豊かな人生を送ることができるよう、生涯を通じて多様に学び、文化芸術に親しめる環境を整えてまいります。
まず、図書館について、市民の皆さんから安全で快適な読書環境を求める声が寄せられていることから、館内照明のLED化やエレベーターの更新、屋上防水工事などを行い、市民の読書環境の改善や施設の安全性の確保を図ってまいります。
美術館においては、市民はもとより観光客にも魅力的な展覧会となるよう、北前船などをテーマとした特別展を実施いたします。また、スポーツ分野に加えて、文化芸術に取り組む児童・生徒の活動を支援するため、文化芸術分野の部活動等における全国大会等に出場する小・中・高校生に対する奨励金を創設いたします。
姉妹都市交流につきましては、ナホトカ市の市政70周年記念事業のほか、ソウル特別市江西区との姉妹都市提携10周年記念式典、ダニーデン市との姉妹都市提携40周年記念式典に代表団を派遣いたします。
その他の主要事業としましては、人口減少対策や地域活性化に向けた施策を推進するため、次期総合戦略を策定するほか、市のホームページの利便性を高めるため、令和3年度の全面リニューアルに向けて作業を進めます。
公共施設の統合化や複合化など、整備・維持していくべき施設の方向性を定める公共施設再編計画につきましては、昨年お示しした再編素案から、市民の皆さんの御意見も踏まえて内容を見直し、再編により機能や利便性の維持・向上を図ることができると判断できたものについて、その方針を示すこととし、そのほかの施設はさらに議論を重ね、あり方や整備方針が定まるまで当面維持するという考え方で策定を進めてまいります。
そして、公共施設の適正な維持管理方針を定める長寿命化計画とあわせて、個別施設計画として令和2年度中に策定する予定であります。個別の公共施設では、これまで申し上げたもののほか、葬斎場について、令和2年度からの火葬炉使用料の有料化にあわせて計画的に大規模改修を行い、施設の延命化を図るとともに、市民要望の高い控室のバリアフリー化などにも対応いたします。また、合同墓の納骨スペースを増設し、埋蔵可能容量を拡張いたします。
そして、令和3年度から新たに短期大学校として開校することとなる国立小樽海上技術学校の移転先として、小樽商業高校の敷地及び施設を取得するとともに、その残余部分については市の公共施設として有効活用してまいります。
このほか、収支改善に向けた取り組みとしてふるさと納税制度による寄附者が利用するポータルサイトを現在の1サイトから3サイトへ拡充し、さらなる寄附金の増加を図ります。このような様々な課題に市の組織が的確に対応していけるよう、令和3年度の組織機構の改編に向けて検討を進めてまいります。
まちづくりにおいては、行政の力だけでは限りがあります。そして、山積する困難な課題に立ち向かい、解決するには、私の政治姿勢であります対話を重ね、課題や方向性を共有しながら、市民の皆さんがお持ちの御意見・アイデアを市政にできるだけ反映し、民間の皆さんとも力を合わせていくことが必要であります。財政や法令などの制約もあり、全ての要望に応えるのは難しいことですが、行政と市民の皆さんとの距離感を縮めていくことで、納得いただけるまちづくりを目指してまいります。
ことしの8月には任期の折り返しを迎えます。着実に課題の解決と公約の実現に向けて取り組み、将来に向けて持続可能なまちづくりを進めてまいりますので、議員各位の御協力をお願い申し上げます。
次に、今定例会に上程された各案件について説明申し上げます。
初めに、議案第1号から議案第13号までの令和2年度各会計予算について説明申し上げます。
最初に、令和2年度一般会計予算の主なものについて、前年度の当初予算と比較して説明申し上げます。
まず、歳入についてでありますが、市税につきましては法人市民税で減収が見込まれるものの、固定資産税で増収が見込まれることから、1.7%、2億3,740万円増の138億1,090万円を見込みました。
地方消費税交付金につきましては、消費税率引き上げの影響などから20%、5億200万円増の30億900万円を見込みました。
令和2年度から新たに創設される法人事業税交付金につきましては、1億1,800万円を見込みました。
地方交付税につきましては、国の地方財政計画の伸び率などを基本に、市税や地方消費税交付金の増収のほか、本市の特殊事情を勘案しながら積算した結果、臨時財政対策債を加えた実質的な地方交付税では、4.4%、7億5,200万円減の162億9,900万円を見込みました。
また、歳出の主なものについて経費別に申し上げますと、いわゆる義務的経費では、会計年度任用職員制度の導入に伴い、これまで一般管理費に区分していた臨時雇用者賃金を会計年度任用職員給与費として人件費に組み入れた影響などにより、人件費が2.9%の増となりましたが、扶助費が生活保護費などの減により1.4%の減、公債費が1.9%の減となったことから、合計では0.2%の減となりました。
これにより、歳出合計に占める義務的経費の割合は、前年度を1.1ポイント下回る55%となりました。
行政経費につきましては、国勢調査費、港湾計画改訂事業費の増などに伴い、1.5%の増となりました。
建設事業費につきましては、潮見台中学校の校舎等耐震補強等事業や(仮称)消防署手宮支署の建設事業などの工事に取り掛かることから、37%の増となりました。
負担金、補助及び交付金につきましては、後期高齢者医療の療養給付費負担金において増となりましたが、民間保育施設等整備支援事業費補助金が皆減したほか、北しりべし廃棄物処理広域連合負担金の減などにより、1.5%の減となりました。
維持補修費につきましては、旧緑小学校の解体工事に着手することなどから、17.9%の増となりました。
繰出金につきましては、介護保険事業や後期高齢者医療事業分などが増となりましたが、産業廃棄物処分事業への繰出分が特別会計廃止に伴い皆減したほか、病院事業や下水道事業及び簡易水道事業分が減となり、全体では1.9%の減となりました。
次に、特別会計及び企業会計の主なものについて説明申し上げます。
国民健康保険事業につきましては、歳出では特定健康診査等の保健事業拡充などにより、総務費が3.4%増の3億5,612万円となりました。歳入では、財政安定化支援事業の制度改正の影響等による一般会計繰入金の減少などにより、保険料の総額は0.9%増の19億2,210万円と見込まれ、保険料率の引き上げを緩和するため、基金繰入金を5,832万円計上いたしました。
住宅事業におきましては、令和元年度末に策定予定の新たな小樽市公共賃貸住宅長寿命化計画に基づき、老朽化した市営住宅の外壁等の改修を行います。
介護保険事業につきましては、これまでの利用実績と今後の利用見込みを勘案して算定した結果、保険給付費は1.1%増の136億4,073万円、介護予防推進のための地域支援事業費は1.1%減の7億4,764万円となりました。また、保険料は令和元年度に低所得者軽減強化の制度改正があったことから、3.9%減の28億237万円と見込みました。
後期高齢者医療事業につきましては、保険料15億663万円、低所得者等に対する保険料軽減に係る公費負担金5億7,290万円及び事務費5,062万円を事業の実施主体である北海道後期高齢者医療広域連合へ支出するものであり、前年度に比べ7,058万円の増となっておりますが、これは主に、徴収する保険料について、制度改正及び被保険者数の増加に伴い増となったためであります。
病院事業につきましては、総務省の新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成29年3月に策定した新小樽市立病院改革プランに沿った取り組みを実践していますが、薬品費などの費用が増加しており、大変厳しい経営状況にあります。令和2年度においても引き続き経営改革に取り組み、病院事業管理者のもと、職員一丸となって健全で自立した病院経営に努めるとともに、質の高い医療サービスを提供し、公立病院としての役割を担ってまいります。
水道事業につきましては、将来にわたって安定的に水を供給するため、昨年12月に策定した第2次小樽市上下水道ビジョンに基づき、老朽化した管路や浄水場などの施設の更新・耐震化などの工事を実施してまいります。資金収支の見通しは、令和2年度末においても引き続き資金余剰となる見込みであり、今後とも給水収益に見合った効率的な事業運営に努めてまいります。
下水道事業につきましては、水道事業と同様、第2次小樽市上下水道ビジョンに基づき、処理場・ポンプ場の機械・電気設備などの老朽化した施設の更新や汚水管の整備を進めるほか、色内ふ頭護岸改修工事を実施してまいります。資金収支の見通しは、令和2年度末においても引き続き資金余剰となる見込みであり、今後の事業運営に当たりましても効率的で健全な経営に努めてまいります。
産業廃棄物等処分事業につきましては、一般国道5号小樽市塩谷トンネル工事完了に伴い、土砂の搬入量が大幅に減少することから収益的収入は減少が見込まれますが、収益的支出において補修実施設計業務等により委託料の増があるものの、燃料費や消費税等の減などが見込まれることから、令和2年度の収益的収支としては黒字が見込まれます。
簡易水道事業につきましては、長期的かつ安定的な水の供給を図るため、今年度に引き続き配水ポンプ所の老朽化した設備の更新を進めてまいります。なお、令和2年度から石狩西部広域水道企業団による第2期創設事業の工事が着手されるため、出資金及び負担金の負担が生じておりますが、資金収支の見通しは、令和2年度末においても過不足は生じない見込みであり、今後とも効率的な事業運営に努めてまいります。
以上の結果、令和2年度の財政規模は、一般会計では581億2,650万4,000円、特別会計では321億6,099万8,000円、企業会計では261億441万7,000円、全会計では1,163億9,191万9,000円となり、前年度の当初予算と比較いたしますと、一般会計で1.6%の増、特別会計で1.8%の減、企業会計で1.1%の増となり、全会計では0.5%の増となりました。
次に、議案第14号から議案第18号までの令和元年度各会計補正予算について説明申し上げます。
議案第14号の一般会計の主なものといたしましては、歳出では国の令和元年度補正予算に対応するため、第3号ふ頭岸壁改良事業費を増額し、所要の経費を繰越明許費として計上するほか、継続費について、重要文化財旧日本郵船株式会社小樽支店保存修理工事費の施工方法の変更などにより、総事業費、期間及び年割額の変更を行うものです。
また、決算見込みの精査により、歳出では石狩湾新港管理組合負担金、扶助費及び職員給与費を減額、歳入では減収補填債を計上するほか、普通交付税や市債の増額、地方消費税交付金、財政調整基金繰入金や臨時財政対策債を減額するなど、所要の補正を計上いたしました。
以上の結果、一般会計における補正額は、歳入歳出ともに4億1,000万9,000円の減となり、財政規模は589億4,918万8,000円となりました。
次に、議案第15号から議案第18号までの特別会計及び企業会計補正予算の主なものについて説明申し上げます。
国民健康保険事業では、保険給付費の増額や職員給与費の減額などについて、介護保険事業及び後期高齢者医療事業では、職員給与費の減額などについて所要の補正を計上いたしました。
病院事業につきましては、入院収益の減額と材料費などの増額について所要の補正を計上いたしました。
続きまして、議案第19号から議案第37号までについて説明申し上げます。
議案第19号職員定数条例等の一部を改正する条例案につきましては、地方公務員法及び地方自治法の一部改正により、会計年度任用職員制度が導入されることに伴い、会計年度任用職員に係る勤務条件、育児休業、退職手当等に関し必要な事項を定めるなど、関係する条例の整備等を行うとともに、所要の改正を行うものであります。
議案第20号特別職に属する職員の給与条例の一部を改正する条例案につきましては、特別職の期末手当支給割合について、職員の勤勉手当支給割合の引き上げに準じた改定を行うとともに、この改定にかかわらず、引き続きその支給割合を据え置くこととするものであります。
議案第21号会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例案につきましては、地方公務員法及び地方自治法の一部改正に伴い、会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関し必要な事項を定めるものであります。
議案第22号資金基金条例の一部を改正する条例案につきましては、地域経済活性化等推進資金基金を廃止するものであります。
議案第23号手数料条例の一部を改正する条例案につきましては、建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令等の一部改正に伴い、建築物のエネルギー消費性能に係る簡易な評価方法に対応した建築物のエネルギー消費性能向上計画等の認定に係る申請手数料を追加するとともに、所要の改正を行うものであります。
議案第24号放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例案につきましては、基準省令の一部改正に伴い、基準省令等の内容現在を更新するものであります。
議案第25号廃棄物の減量及び処理に関する条例の一部を改正する条例案につきましては、一般廃棄物とあわせて一般廃棄物最終処分場で処分する産業廃棄物の処分手数料を特別会計から一般会計へ変更することに伴い、当該手数料に係る消費税及び地方消費税の申告が不要となるものであります。
議案第26号国民健康保険条例の一部を改正する条例案につきましては、国民健康保険法施行令の一部改正に伴い、基礎賦課限度額を改定し、及び低所得者に係る国民健康保険料の軽減措置の対象者の範囲を拡大するものであります。
議案第27号公設青果地方卸売市場条例及び公設青果地方卸売市場業務条例の一部を改正する条例案につきましては、卸売市場法の一部改正に伴い、生鮮食料品等の公正な取引の場として規定するべき遵守事項等を規定するとともに、北海道地方卸売市場条例の廃止に伴う卸売業者の承認等に係る規定を新設するほか、所要の改正を行うものであります。
議案第28号公設水産地方卸売市場条例及び公設水産地方卸売市場業務条例の一部を改正する条例案につきましては、卸売市場法の一部改正に伴い、生鮮食料品等の公正な取引の場として規定するべき遵守事項等を規定するとともに、北海道地方卸売市場条例の廃止に伴う卸売業者の承認等に係る規定を新設するほか、所要の改正を行うものであります。
議案第29号消防団条例の一部を改正する条例案につきましては、新たに消防団員の区分、休団制度等を定めるとともに、団員の年齢の上限を引き上げるほか、所要の改正を行うものであります。
議案第30号非常勤消防団員に係る退職報償金の支給に関する条例の一部を改正する条例案につきましては、新たに消防団員の区分を定めることに伴い、退職報償金の支給対象者を基本団員に限定するとともに、支給基礎の勤務年数から休団または停職となる期間を除くほか、所要の改正を行うものであります。
議案第31号工事請負変更契約につきましては、幸小学校校舎耐震補強ほか改修工事の請負変更契約を締結するものであります。
議案第32号不動産の取得につきましては、北海道小樽商業高等学校の土地及び建物を取得するものであります。
議案第33号権利の放棄につきましては、小樽市海水浴場対策委員会に対する短期貸付金について、銭函3丁目駐車場の運営による利益額を同委員会に対して補助金として交付し、当該貸付金の返済に充てておりましたが、平成27年度以降当該駐車場は利益が生じておらず、平成31年4月1日から市営駐車場としての運営を廃止したことから、補助金の交付等による返済が見込めないため、同委員会に対して有する短期貸付金に係る債権を放棄するものであります。
議案第34号過疎地域自立促進市町村計画の変更につきましては、過疎地域自立促進特別措置法第6条第7項において準用する同条第1項の規定により、過疎地域自立促進市町村計画の一部を変更するものであります。
議案第35号市道路線の認定につきましては、スプリングス星野3号幹線及びスプリングス星野4号幹線を認定するものであります。
議案第36号市道路線の変更につきましては、二俣分線通線ほか4線の認定区間の変更についてであります。
議案第37号工事請負契約につきましては、(仮称)消防署手宮支署新築工事の請負契約を締結するものであります。
以上、概括的に説明申し上げましたが、何とぞ原案どおり御可決賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○議長(鈴木喜明)次に、令和2年度小樽市教育行政執行方針について教育長から説明したいとの申し出がありますので、これを許します。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)教育長。
(林秀樹教育長登壇)
○教育長(林秀樹)令和2年度の教育行政執行に当たり、小樽市教育委員会の基本方針を申し上げます。
人口減少や少子高齢化、高度情報化の勢いはさらに加速するとともに、グローバル化の急速な進展など、未来の予測が困難になっていく時代の中で、市民一人一人が時代の変化を前向きに受けとめ、主体的・協働的に社会に関わっていくことが求められております。
このような状況の中、教育委員会といたしましては、令和元年度に策定された第7次小樽市総合計画を踏まえた小樽市教育推進計画に掲げる「主体的に学び小樽の未来を創る心豊かな人づくり」という基本理念のもと、「変化の激しいこれからの社会において、生涯を通じて主体的に学び、自らの個性や能力を伸ばすことができる人」「郷土に誇りと愛着を持ちながら、広い視野を持って、小樽の魅力をさらに高めていくことができる人」「思いやりと感謝の気持ちを持ち、様々な人々と協働し支え合いながら自らを高めていくことができる人」の育成を目指し、教育行政を推進してまいります。
それでは、教育委員会が令和2年度に重点的に取り組む施策について、小樽市教育推進計画に示した8つの目標に沿って御説明をいたします。
初めに目標1、「未来を創る力の育成」に向けた取り組みについてであります。
まず、中学校に配置された加配教員等を活用して、小学校高学年における教科担任制を導入する実践校を指定し、義務教育9年間を見通した教育課程の編成や指導方法の工夫・改善、中1ギャップの解消等に向けた包括的な学校改善を進めます。
次に、専科教員や授業改善推進チームの配置による主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を一層進めるとともに、音読の推進やICT機器の効果的な活用、標準学力調査の実施など、各種施策を通して確かな学力の育成を図ります。
次に、通常学級において、発達障害などにより困り感のある児童・生徒への声かけや作業補助などの学習支援を行う特別支援教育支援員を全校に配置いたします。
次に、小・中学校5校を英語教育推進校に指定し、英語教育特別研修講座の開催等を通して実践の成果を広げるとともに、小樽イングリッシュキャンプやウインターイングリッシュスクールを開催するなど、国際理解教育の充実を図ります。
次に、科学や自然に対する興味・関心を高めるため、小学校1校を理科教育実践校に指定し、研修講座での公開授業等を通して指導力の向上を図ります。
次に、児童の情報活用能力の育成を図るため、全小学校の図書館に新聞を配備するとともに、小学校1校を新聞活用実践校に指定し、公開授業を開催するなど、新聞を効果的に活用した授業力の向上を図ります。
次に、小学校1校をプログラミング教育実践研究校に指定し、プログラミング体験を目的とした研修講座の開催等を通して、児童・生徒の論理的思考力の育成を図ります。
次に、小樽市キャリア教育推進会議を開催し、小学校から高等学校までの系統的なキャリア教育について協議するとともに、外部講師による出前授業や職場体験等の活動を通してキャリア教育の充実に努めます。
続いて目標2、「豊かな心の育成」に向けた取り組みであります。
まず、「考え、議論する道徳」の授業のあり方について研修を深めるため、小学校1校を道徳教育推進校に指定し、研修講座での公開授業等を通して指導力の向上を図ります。
次に、小学校5年生、6年生に教材「小樽の歴史」を配付し、総合的な学習の時間を活用して、ふるさと小樽の歴史や文化、産業等についての理解を深めるとともに、教員向けの研修講座を開催するなど、ふるさと教育の充実を図ります。
次に、現在市内に6名配置している学校司書を1名増員し、学校図書館の環境整備や貸出・返却業務を充実することにより、児童・生徒の読書習慣の確立に努めます。
次に、いじめや不登校などの未然防止や早期対応に向けた取り組みの充実を図るため、スクールカウンセラーを1名増員し、全小学校で定期的にカウンセリングができるよう体制を整備します。また、小樽市教育支援センターにおける、コーディネーターを中心とした訪問型支援を継続するとともに、小樽いじめ防止サミット等の取り組みを通して、いじめの防止や不登校児童・生徒の支援の充実に努めます。
続いて目標3、「健やかな体の育成」に向けた取り組みであります。
まず、体育専科教員を配置する小学校1校を体力向上実践校に指定し、研修講座の開催等を通して先進的な体育科の指導方法を広く市内の教員に還元します。また、小中学校体力向上検討委員会において、児童・生徒の望ましい生活習慣等に関する指導資料を作成するとともに、スポーツイベント等への一層の参加促進を通して、健康の保持増進及び体力・運動能力の向上に努めます。
次に、食に関する正しい知識や望ましい食習慣を身に付けさせるため、栄養教諭を中心とした食に関する指導の充実を図るとともに、新たに外部から講師を招き、教員向け食育研修講座を開催いたします。
次に、薬物の危険性や飲酒・喫煙の身体への影響などの正しい知識を理解させるため、外部講師を活用した薬物乱用防止教室を全校で実施するなど、健康教育の充実を図ります。
続いて目標4、「家庭・地域との連携・協働の推進」に向けた取り組みであります。
まず、小樽市PTA連合会との共催によるゲーム依存に関する講演会や、おたるスマート7の取り組みを継続するとともに、社会教育施設と連携した体験教室を長期休業中に開催するなど、児童・生徒の望ましい生活や学習習慣の確立に努めます。
次に、生涯学習プラザを拠点に、子育て世代の保護者を対象として、外部から講師を招いた家庭教育に関する講座の開催や交流の場を提供するなど、家庭教育支援の充実に努めます。
次に、山の手小学校、奥沢小学校及び朝里中学校の3校を新たにコミュニティ・スクール導入校として指定し、地域住民との連携・協働による学校づくりを進めます。
続いて目標5、「学びと育ちをつなぐ学校づくりの実現」に向けた取り組みであります。
まず、義務教育9年間における教育課程の編成や小・中学校間での授業交流等を実施する小中一貫教育推進地区を6地区に拡充するとともに、研修講座の開催等を通して取り組みの成果を還元するなど、全中学校区単位で小中一貫教育の充実を図ります。
次に、学校施設の整備につきましては、潮見台中学校の耐震補強等の工事や、塩谷小学校校舎の耐震工事の実施設計並びに忍路中央小学校の耐震診断を行います。また、令和2年度中に学校施設の長寿命化計画を策定し、効率的な整備計画のもと、教育環境の確保を図ります。
また、国の教育情報化推進事業を活用し、高速通信ネットワーク環境を全校に整備するとともに、児童・生徒一人一台の学習用端末の整備を計画的に推進するなど、教育環境の整備・充実に努めます。
次に、部活動指導員の配置を6校から8校に拡充することに加え、スクールカウンセラーの全校派遣、学校司書の増員及び特別支援教育支援員の全校配置などの人的支援を行うとともに、学校における夜間や休日の対応として留守番電話機能を導入するなど、教職員の働き方改革を一層推進してまいります。
続いて目標6、「生涯各期における学習機会の充実」に向けた取り組みであります。
まず、市民大学講座では、小樽出身の作家で昨年直木賞候補となった朝倉かすみ氏を講師として招聘するなど、市民の多様な学習ニーズに応える機会を提供してまいります。また、文学館においても、同時期に朝倉氏に関する企画展を開催し、その魅力を多面的に紹介します。
美術館では、三つの特別展のうちの一つとして、北前船主たちが北海道にもたらした九谷焼の名品を展示する「北前船の華―北海道に渡った九谷焼」を開催し、日本遺産に認定された北前船の歴史を美術の側面から紹介します。
図書館では、館内照明のLED化やエレベーターの改修を実施するなど、安全で快適な読書環境を整備します。また、子どもの読書活動推進計画に基づいた事業として、就学前の子供たちが本と触れ合う機会を創出することを目的に、新たに幼稚園や保育所の読書活動の支援に取り組みます。
総合博物館では、プログラミングの体験ができるように、新たにタッチパネル式モニターのコンピューターを設置し、子供たちが楽しく学習ができる機会を提供します。また、企画展では公益財団法人アイヌ民族文化財団との共催による「仮称アトゥイ三つの海とアイヌ文化展」を開催し、豊富な民具や史料を用いて、アイヌと海との関わりについて紹介いたします。
続いて、目標7「文化芸術の振興と文化遺産の保存活用」に向けた取り組みであります。
まず、小・中・高校生の文化芸術分野の部活動等への奨励制度を創設し、学校教育における文化芸術活動を支援します。
次に、平成30年度から取り組んでいる重要文化財旧日本郵船株式会社小樽支店の耐震補強及び改修工事を進めます。また、新たに忍路中央小学校を活動拠点とし、市指定無形民俗文化財である忍路鰊漁撈の行事を子供たちが体験することにより、地域の民俗芸能の伝承活動を推進します。
続いて目標8「生涯スポーツ・レクリエーションの振興」に向けた取り組みであります。
まず、おたる運河ロードレースでは、新たに親子で参加できる種目を加え、魅力的な大会となるよう努めます。また、体育施設の整備として、総合体育館の床面の補修、手宮公園競技場において公認記録として認定するため必要な写真判定システムの更新及び入船公園庭球場の夜間照明の改修など、市民の皆様が安心してスポーツに親しむことができるよう努めてまいります。
以上、令和2年度の教育行政を執行するに当たっての主な施策について御説明をいたしました。市民の皆様及び議員各位の一層の御支援と御協力を心からお願い申し上げます。
○議長(鈴木喜明)次に、議案第38号及び議案第40号について、提出者から提案理由の説明を求めます。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)20番、小貫元議員。
(20番小貫元議員登壇)(拍手)
○20番(小貫元議員)提出者を代表して、議案第38号及び議案第40号について提案理由を説明いたします。
始めに、議案第38号小樽市非核港湾条例案です。
核兵器禁止条約の批准国は35カ国になりました。あと15カ国で条約が発効いたします。しかし、唯一の戦争被爆国である日本の名前はありません。現政権は核兵器を禁止するどころか、アメリカの核の傘による核抑止論に縛られています。また、アメリカ国防総省は、新たに開発した低爆発力の小型核弾頭を搭載した潜水艦発射弾道ミサイルをアメリカ海軍が実戦配備したと発表しました。これは、トランプ政権の核態勢見直しによるものです。この核態勢見直しには、F35戦闘機を核搭載可能にするなど、北東アジアなどに前方配備する能力を保持することも明記しています。現在、こうした核搭載米軍機や米軍艦船による日本への飛来・寄港が日本政府との事前協議なしに自由にできるという密約があります。
核兵器禁止条約を批准すれば、核兵器を積んだ艦船も戦闘機も立ち寄ることができません。私たちは、核兵器禁止条約に政府が取り組まないからといって、小樽に核の持ち込みの可能性がある現状に指をくわえて容認し続けるわけにはいきません。
戦後、港湾の管理は国から地方に移されました。本条例案はその権利を生かし、港湾管理者として核の持ち込みを許さない制度をつくる役割を定めるものです。具体的には、港湾施設を利用する外国の艦船に核兵器は積んでいませんという非核証明書を提出させる内容となっています。ですから、軍艦であっても核兵器を積んでいない証明ができた船を断ることはしません。
日本政府は非核三原則の立場を取っています。この条例案によって、小樽港は非核三原則を具体化した対応を取ることになります。そして、このことは核兵器廃絶平和都市宣言とも合致することになり、国の方針にも、市の宣言ともかみ合う港湾行政を可能にするものです。
次に議案第40号小樽市議会議員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例案です。
人事院勧告で、期末手当について4.5カ月とする勧告が出されました。しかし、日本共産党は市の財政状況から、引き上げできる状況にはないと判断しています。また、引き上げには報酬等審議会に諮ることを提案してきたところです。
さらに、今定例会では市長から特別職の手当についての条例案も提案され、4.1カ月に据え置く内容です。本条例案は、市特別職と同様に人事院勧告に従い、議員の期末手当について6月と12月にそれぞれ2.25カ月、年間4.5カ月分支給することに改正するとともに、付則において、当分の間その支給割合を6月と12月それぞれ2.05カ月、年間4.1カ月とし、このことによる予算削減額は、401万7,000円を見込んでいます。
以上、両議案とも可決をお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。(拍手)
○議長(鈴木喜明)次に、議案第39号について、提出者から提案理由の説明を求めます。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)22番、濱本進議員。
(22番濱本進議員登壇)(拍手)
○22番(濱本進議員)議案第39号小樽市議会議員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例案について、提出者であります自民党、公明党、立憲・市民連合を代表して、提案理由を説明いたします。
この条例はさきの人事院勧告に準じ、議員の期末手当の支給割合の引き上げ改定を行うためでございます。
以上、議員各位の賛同と可決をお願いし、議案第39号の提案説明といたします。(拍手)
○議長(鈴木喜明)日程第3「休会の決定」を議題といたします。
お諮りいたします。
議案調査のため、明日から2月24日まで休会いたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)御異議なしと認め、さように決しました。
本日は、これをもって散会いたします。
散会午前11時20分
会議録署名議員
小樽市議会議長鈴木喜明
議員横尾英司
議員酒井隆裕