開議午後1時00分
○議長(鈴木喜明)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、松田優子議員、髙木紀和議員を御指名いたします。
日程第1「議案第1号ないし議案第15号」を一括議題といたします。
質疑及び一般質問を一括し、これより会派代表質問を行います。
それでは、通告がありますので、順次、発言を許します。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)22番、濱本進議員。
(22番濱本進議員登壇)(拍手)
○22番(濱本進議員)令和元年初めての定例会において、自由民主党を代表して質問いたします。
初めに、市長の政治信条について伺います。
昭和64年1月7日をもって昭和の時代が終わり、翌日の1月8日から平成の時代が始まり、本年4月30日に平成という元号が役割を終えました。平成の始まりは、今は亡き新谷昌明元小樽市長の就任1期目の2年目でした。つまり、新谷元市長は昭和の時代の最後の市長であり、平成の時代の最初の市長でありました。その後、平成の時代は山田元市長、中松元市長、森井前市長、そして、昨年8月に迫市長が誕生しました。
奇しくも、迫市長はかつての新谷元市長と同様に、平成の時代の最後の市長であると同時に令和の時代の最初の市長であります。また、小樽市議会議員の任期は平成最後の日の4月30日であり、新しい任期は令和の元号がスタートした5月1日からです。
そして、この本会議場には、迫市長と同様に平成最後の市議会議員であったと同時に、令和の時代の最初の議員が私を含めて多数おいでです。私は議員として一つの時代の終わりに立ち合い、今また議員として新たなる時代をつくる立場にある私の責務は、平成の時代を検証、総括して、この令和の時代に生かすことであり、まさにそれはよく言われる温故知新よりも、易経が出典の彰往察来、昔の出来事を明らかにして未来を予測する行為、行動する行為であると理解しています。彰往察来を現代の言葉で言いかえるならば、PDCAサイクルがふさわしいと考えています。
行政を経営する令和の時代の最初の市長としての政治信条、責務、そしてこの彰往察来をどのように捉えていますか。御見解をお聞かせください。
昨年の第4回定例会において、令和10年度までを計画期間とする第7次小樽市総合計画基本構想が決定しました。現在、総合計画基本構想をもとに基本計画の策定中ですが、この策定と推進に当たっては、彰往察来の精神を念頭に置きながら、言いかえるならばPDCAサイクルを強く意識し、かつ実践して進めていただきたいと望みますが、市長の御見解をお聞かせください。
あわせて、基本構想、基本計画の策定に当たって、PDCAサイクルに基づき、第6次から第7次の総合計画策定に向けて見直しを行った事例があればお聞かせください。
以上、第1項目めの質問を終わります。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)濱本議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、私の政治信条について御質問がありました。初めに、令和最初の市長としての責務と彰往察来の捉えにつきましては、彰往察来という言葉は、議員御指摘のとおり、現代のまちづくりにも通じる示唆に富んだものと受けとめており、令和という新しい時代を迎えた今、この精神も念頭に置きながら、歴史と伝統ある小樽が安全・安心で活力あふれるまちであり続けるよう未来に備えたまちづくりを皆さんとともに全力で進めていく所存であり、そのかじ取り役を担う重責とやりがいを改めて感じているところであります。
次に、第7次小樽市総合計画基本計画におけるPDCAサイクルにつきましては、本計画は第6次総合計画の課題を踏まえて策定を進めているところであり、その推進に当たっては市民ニーズ等を踏まえた効果的な事業の実施に努めるとともに、行政評価により、指標の推移などから施策の効果や施策を構成する事業の妥当性を点検し、事業の見直しやスクラップ・アンド・ビルドなどの改善を行うPDCAサイクルを確立し、効果的・効率的な施策の展開を図る考えであります。
次に、第6次から第7次の総合計画策定に向けて見直しを行った事例につきましては、全体的なことで申し上げますと、人口減少が進んでいる現状を踏まえ、人口対策を分野横断的なテーマとして設定するとともに、人口との関連が強く、市民ニーズも高いと考えられる子ども・子育て分野をテーマの一つとするなど、計画の体系を改めました。
また、市民アンケートにおける総合計画の内容が余り知られていないという結果を踏まえ、市民によりわかりやすくなるよう、基本計画ではできるだけ具体的な記述に努め、担当部署と関連計画も盛り込んだところであります。
さらに、基本計画に設定する指標について、第6次で指標の設定数や内容などが不足していたという課題を踏まえ、第7次では施策の進捗をより適切に図ることができるよう、指標の充実を図ったものであります。
○議長(鈴木喜明)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)22番、濱本進議員。
(22番濱本進議員登壇)
○22番(濱本進議員)次に、行政経営について伺います。
私は本年の第1回定例会を初め、前任期中の議会において、都市経営、自治体経営、地域経営、行政経営などについて、他の自治体の事例やその取り組みの年度などを踏まえて多面的に質問してきました。
私の質問の根底にあるのは、広義においても狭義においても、自治体は運営の時代から経営の時代に移行した、また、移行しなくては、地方自治体がみずからを律する自律、そして、みずからで立つ自立を実現できず、自治体の存続が危ぶまれると確信しているからです。
また、経営理念や経営方針などの経営の概念についても指摘してきました。現在策定中の総合計画基本計画においては、自治体における経営の考え方を取り込んでいるのでしょうか。取り込んでいるとすれば、どのような内容なのか具体的にお聞かせください。
組織を経営する上で、SWOT分析などの手法を用いて経営資源を再確認し、それを有効に活用する方策をつくり、実行することは必要不可欠であります。行政経営における重要な経営資源の一つは人材です。人材という経営資源を有効に活用する方策として、小樽市人材育成基本方針があります。その項目の一つである人事を行うに当たって、私は大きな二つの目的があると認識しています。一つは当然ながら、人を育成するために行う人事、もう一つは政策を立案してそれを実現するために行う人事であり、この二つの目的を達成して初めて経営資源の有効な活用がなされたと言えます。
迫市長は本年4月1日に一般職を含めた人事を行い、4月3日の記者会見において、育成と政策実現の人事であると発言していたと理解していますが、今回の行った人事の考え方について、抽象論ではなく具体論をお聞かせください。
あわせて、特筆すべき人事があれば、それについてもお聞かせください。
次に、行政経営を行う上で避けては通れない財務について伺います。
小樽市では、これまでの財務状況を鑑みて、昨年11月に小樽市収支改善プランを策定いたしました。その取り組み内容の一つに(仮称)職員定数適正化計画などを策定して人件費の抑制を図ると記載されています。人口、職員数の規模に違いはありますが、他の自治体においても定員管理に関する計画を策定しています。例えば道内では、石狩市が平成19年度から平成23年度を計画期間とした石狩市定員適正化計画、平成24年度から平成28年度を計画期間とした石狩市定員適正化計画2016、そして現在は平成29年度から令和3年度を計画期間とした石狩市定員適正化計画2021を実施中です。また、岩見沢市においても平成25年度から令和4年度を計画期間とした、岩見沢市職員定員管理計画を実施中です。
道外では、茨城県守谷市では平成17年度から平成21年度を計画期間とした、第一次守谷市定員適正化計画、平成22年度から平成27年度までの第二次計画、平成27年度から平成30年度までの第三次計画、そして平成31年度から令和3年度までの第四次計画を策定しています。
また、静岡県沼津市では、平成17年度から平成27年度までの10年間に2回の定員管理計画を策定し、
平成29年度に平成29年度から令和2年度までを計画期間とする、第3次沼津市定員管理計画を策定しています。このほかにも、平成18年度が計画期間初年度の静岡県菊川市では、現在、令和2年度までの第3次計画によって定員管理を行っています。
道内外の他の自治体が平成10年代後半から平成20年代の前半に定員管理計画を策定した背景にあるのは、平成17年3月29日付、総務事務次官通知、「地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針」及び平成18年8月31日付、総務事務次官通知の「地方公共団体における行政改革の更なる推進のための指針」を示し、職員数の管理を地方公共団体に求めてきたことと、平成17年、18年にピークを迎えた市町村合併により、一時的に職員数が増大したことなどによると考えられます。
初めに、平成10年代後半から平成20年代前半において、小樽市では他の自治体が策定したような定員管理計画を策定しなかった理由についてどのように捉えていますか、お聞かせください。
これまでは定員管理計画を策定していませんでしたが、このたびの収支改善プランに、(仮称)職員定数適正化計画の策定を記載した背景、理由などをお聞かせください。
他の自治体においては、定員管理計画を策定するために、組織体制などを多角的に分析して、現状、特性を把握しています。一般的には定員管理状況を分析、検証する手法としては業務棚卸表の作成などによる事務量測定方式、類似他団体比較方式、総務省定員管理モデルに基づく試算値との比較などがあります。小樽市ではどのような分析、検証する手法を用いるのでしょうか。業務量の測定は定員管理だけではなく、業務改善や業務維持計画、いわゆるBCP策定の基礎資料としても活用できる可能性があるので実施を望みますが、見解をお聞かせください。
また、計画を策定する体制、計画の策定までの作業工程、完了時期、計画期間、現在の進捗状況などについてお聞かせください。
次に、国立小樽海上技術学校の存続に関連して伺います。
昭和14年9月、全国で2番目に逓信省所管の小樽海員養成所として設置されて以来、戦後の昭和27年8月に小樽海員学校と改称し、平成13年4月に国立小樽海上技術学校に改名して、今日まで多くの卒業生を輩出し、現在、内航海運を担う船員を養成することを目的とする四つの海上技術学校のうち一番歴史のある学校が、平成29年7月に耐震改修が困難などの理由により廃止の方向が示され、その後、存続に向けて小樽市、小樽商工会議所などがさまざまな活動を展開した結果、本年4月に短大として存続が決定したことは大変喜ばしいことであり、迫市長、小樽商工会議所などの取り組みに感謝するとともに敬意を表します。我々小樽市議会も、存続の実現に微力ではありますが協力できたのではないかと思っております。
短大としての開校までに、小樽市が北海道や海技教育機構との間で解決しなければならない課題は幾つかあると思いますが、その課題についてお聞かせください。
また、小樽市自身の課題として、海上技術短期大学校が必要とする校舎の面積は譲り受ける小樽商業高校の一部であると聞いていますが、延べ床面積の何%程度なのでしょうか、お聞かせください。
また、この譲渡によって公共施設再編計画が影響を受けることはあるのでしょうか、お聞かせください。
残り部分の有効利用について、例えば現在の庁舎との距離、移動時間を考えると、小樽市役所第2庁舎と明確に位置づけて活用してはいかがでしょうか、御見解をお聞かせください。
次に、除排雪について伺います。
迫市長は多くの市民の除排雪に関する要望を実現するため、昨年9月に除排雪業務の体制強化を図るべく関係組織の再編を行いました。再編による体制強化の結果、市民の皆様からは、前年度に比較して高い評価を得ることができたと理解しています。今年度の課題として、私は第1回定例会において、貸出ダンプ制度について市長の見解を伺いました。市長は制度の検討の必要があると答弁されましたが、検討の状況はいかがでしょうか、お聞かせください。
市長はこれからの除排雪について、雪対策基本計画を関係者による懇話会などを立ち上げ、令和2年度の策定を目指したいとの答弁がありましたが、策定の進捗状況はいかがですか、お聞かせください。
次に、平成30年度決算見込みについて伺います。
5月31日をもって出納整理期間が終わり、この6月は一般会計を初め、各会計において精力的に決算を調製していると理解しています。
初めに、迫市長は昨年8月に就任以来、前市長が編成した平成30年度予算をこの年度末まで執行してきましたが、執行に当たっての基本的な方針や特に留意した点があればお聞かせください。
次に、現時点において、一定程度の決算の見通しは立っていると思いますが、一般会計を初め各会計において、平成30年度予算と比較して金額的に差異のある主な科目について、その額、原因などをお聞かせください。
次に、小樽市の大事な貯金ともいえる財政調整基金についてお聞きします。
まず、今年度の当初予算を編成後の財政調整基金の残高についてお知らせください。また、決算終了後の残高の見通しについてお聞かせください。あわせて、今年度の当初予算において計上していなかった除雪費の一部を今後の補正予算で計上する際、その財源として財政調整基金を取り崩すのでしょうか、お聞かせください。
また、除雪費のほかに取り崩す可能性は現時点で予定、予測されていますか、お聞かせください。
その上で、現時点で予定、予測される取り崩しを踏まえ、今年度の最終的な財政調整基金の残高見込みをお聞かせください。
今年度が初年度の収支改善プランでは、最終年度である令和7年度末の財政調整基金残高を8億4,300万円としていますが、迫市長は小樽市の財政規模にふさわしい、もしくは望ましい財政調整基金の規模をどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。
自民党としては、収支改善プランは取り組み項目の種類、目標額など、まだまだ未完成であると認識しています。今後、迫市長のすぐれたリーダーシップ、職員の皆さんの高いモチベーションなどを原動力として、業務改善活動などの多様な手法を導入しながら、当初の目標以上の効果、成果を上げて計画期間を終了することを望むとともに、実現できると信じています。迫市長の見解をお聞かせください。
次に、防災に関連してお聞きします。
昨年9月の北海道胆振東部地震によるブラックアウトを経験したことを契機として、全道的に防災全般に対する意識が高まり、さまざまな具体的な取り組みが行われ、現在も進行中であると理解しています。
小樽市においても迅速に地域防災計画の見直しを行うとともに、具体的に避難所の電源対策のために非常用発電機を導入するなどの資器材の充実に取り組んでいることを高く評価するものです。今後も財源などの制約が存在していることは重々承知していますが、市民の安全・安心を担保するために、自治基本条例が規定するように、市民との協働による防災への取り組みを進めていただきたいと望みます。市長の御認識、御見解をお聞かせください。
昨年10月12日付の北海道新聞には、道内179市町村のうち、小樽市を含む56%の101市町村が業務継続計画を策定していないとの記事がありました。また、同日の記事には、策定時期が未定の市町村の一覧の先頭に小樽市が記載されているのを見て、行政をチェックし見守り、提言、提案する役割を担う議会の一員として、議員としての責務の一つである研さんが不足していたなということを反省いたしました。
この記事を契機に、私はこれまで議会において、地域防災計画はもとより、業務継続計画を策定する必要性について他都市の事例などを提示して発言をしてきました。昨年12月26日付の消防災第198号、消防庁国民保護・防災部防災課長名で、各都道府県消防防災主管部長宛てに、地方公共団体における業務継続計画の策定についての通知がありました。その内容は、業務継続計画が策定されていない団体が残されていること、策定済み団体においても受援に関する規定を備えている団体は4割程度であることを指摘した上で、管内市町村に対して、平成27年5月に策定された市町村のための業務継続計画作成ガイドを参考にして早期に業務継続計画を策定すること、業務継続計画の重要な6要素について定めていない項目がある場合はその整備を行うこと、受援に関する規定については業務継続計画への追加や独立した受援計画の策定などを助言しています。
つまり、防災を実現するためには、少なくとも地域防災計画、業務継続計画、受援計画が相互に連携、補完し合うことが必要であると認識しています。当然、一朝一夕にできるとは思いませんが、現在、小樽市では策定されていない業務継続計画、受援計画の策定に向けた取り組みを進める必要があると認識していますが、市長の見解をお聞きいたします。
次に、先ほど述べた業務継続計画の重要な六つの要素の一つである、災害などによって本庁舎が使用できなくなった場合の執務場所となる代替庁舎の特定について伺います。
現在、小樽市においてはこの代替庁舎を特定しているのでしょうか。特定しているのであれば、執務を行うに当たっての機能を担保する設備、資器材を想定し準備しているのでしょうか、お聞かせください。
今後、海上技術学校の存続のために北海道から譲渡される商業高校の一部を業務継続計画における代替庁舎とする可能性についてはどのようにお考えですか、お聞かせください。
防災に関する課題が全て解決するときは永遠にめぐって来ないかもしれませんが、それでも市民の安全・安心のために、一歩ずつ着実に進める必要があると認識しています。迫市長の精力的な取り組みに期待しています。御認識をお聞かせください。
以上、第2項目めを終わります。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、行政経営について御質問がありました。
初めに、総合計画基本計画(原案)における経営の考え方につきましては、市政運営の基本姿勢において、財政健全化の推進という項目の中で、持続可能な財政運営を行うため、人口や財政の規模に見合った行政経営や行財政改革の推進のほか、魅力あるまちづくりを行うための財源確保などについての考え方を登載しています。
また、効果的・効率的な行政経営の推進という項目の中で、限られた経営資源で最大の効果を発揮するため、根拠に基づく企画立案や行政評価による事業の継続的な改善のほか、重要な経営資源である人材の育成や効率的な組織体制づくりなどについての考え方を盛り込んだところであります。
次に、本年4月の人事異動につきましては、政策実現や将来の幹部職員の配置に備えた人材育成の観点、さらには社会的要請に配慮し組織の見直しを含め、できる限り原部からの意見や内申に基づき、適材適所の考え方で効率的・効果的に業務を遂行するための人員配置を行いました。
具体的には、まちづくり推進体制の強化を図るため新幹線・まちづくり推進室を設置し、企画調整・市街地整備担当主幹を、港湾行政の推進を図るため港湾担当部長及び港湾計画担当主幹を、災害対策体制の強化や業務継続計画を策定するため災害対策室に危機対策担当主幹を、地域福祉計画を策定するため福祉部に地域福祉計画担当主幹をそれぞれ新たに配置したところであります。
次に、平成10年代後半に職員の定員管理計画を策定しなかった理由につきましては、当時は直面していた財政再建団体への転落を回避するため、平成18年2月に財政再建推進プラン実施計画を策定し、全庁的に財政再建に取り組んでおりました。その一環として、この実施計画には人件費の総体的な抑制を主眼として、採用抑制を含む定員管理の適正化に加え、職員給与の独自削減なども盛り込んでおりましたので、個別の定員管理計画を策定しなかったものと認識しております。
次に、収支改善プランに職員定数適正化計画の策定を記載した背景等につきましては、人口減少が続く中で近年職員数が増加傾向にあったことを踏まえ、厳しい財政状況のもと収支改善を図るためには人件費の抑制は避けては通れない課題であります。そのため、事務事業の見直しや業務の効率化を図りながら、業務量に見合った職員定数を管理できるよう、職員定数適正化計画の策定を記載したところであります。
次に、職員定数適正化計画を策定するに当たっての手法や策定までの作業工程等につきましては、定員管理状況を分析、検証する手法として御提言のありました業務量測定方式は、定員管理だけではなく、業務改善や業務継続計画などの基礎資料として活用できるものと認識しております。しかしながら、それには膨大な作業量が見込まれ、複数の専任職員の配置や外部委託等が必要になることも考えられますので、費用対効果、道内他都市の取り組み状況などを勘案しながら検討してまいりたいと考えております。
なお、職員定数適正化計画の策定は現時点で着手できておりませんが、組織改革を見据え、御提言のありました手法も参考にさせていただきながら、どのように進めていくのか検討してまいりたいと考えております。
次に、国立小樽海上技術学校の短大開校までに関係機関との間で解決すべきことにつきましては、北海道との間では、来年3月で閉校する小樽商業高校の市への譲渡に係る条件、また、海技教育機構との間では短期大学校の使用に係る機構への貸し付けの条件などがそれぞれ課題であると考えております。
次に、小樽商業高校の施設において、短期大学校が必要とする床面積の割合につきましては、市が取得を希望している施設における延べ床面積の25%から30%程度になるものと考えております。
次に、小樽商業高校の譲渡に伴う公共施設再編計画への影響につきましては、小樽商業高校は耐震化された大きな施設であり、海技教育機構が使用する場所も施設の一部のみで、多くの空きスペースが生じます。本市においては、老朽施設を更新するため多額の費用を捻出することは財政的に厳しい面があることから、この空きスペースの有効活用策を公共施設再編計画に盛り込む必要があると考えております。
次に、小樽商業高校を市役所第2庁舎として活用することの見解につきましては、第2庁舎としての活用方法も一つの方策であると感じております。一方、多くの空きスペースがありますので、現在、公共施設再編計画を策定している中で、本市にとって最も有効な活用方法を検討し、その位置づけについて定めてまいりたいと考えております。
次に、貸出ダンプ制度の検討状況につきましては、拙速な制度変更により混乱を招かないよう、地域の実情や利用状況を把握するため、本年4月に貸出ダンプ制度の利用団体へアンケート調査を実施したところであります。この調査結果を今後雪対策基本計画の策定にかかわる懇話会などで報告し、皆さんからの御意見を伺いながら、制度のあり方や見直しについて検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、雪対策基本計画策定の進捗状況につきましては、市民の皆さんと行政の信頼関係を築き、協働のあり方や役割分担等を検討、議論するため、現在、学識経験者や交通事業者等で構成する懇話会と地域住民の代表者で構成する分科会を組織したところであります。本年7月から懇話会等の開催を予定しており、市民の皆さんの御意見を伺いながら計画の素案を作成し、パブリックコメントを経て、令和2年度の早い時期の計画策定を目指してまいりたいと考えております。
次に、平成30年度予算の執行方針や留意事項につきましては、本市では予算執行方針を年度初めに示しており、毎年度の予算編成において多額の財政調整基金の取り崩しなどによる財源対策により収支均衡予算を編成している状況にあります。こうしたことから、今後見込まれる財政需要にも対応できるよう、次年度以降の予算編成に必要な財政調整基金の確保について予算執行における基本方針としており、特に留意事項として事業の効率性や実効性をさらに高める努力や工夫を推し進めるよう周知しております。
次に、一般会計を初め、各会計における主な科目の増減額や原因につきましては、現在、各会計の決算数値の詳細な内容を分析中でありますので、一般会計における平成30年度現計予算額と決算見込み額との比較を翌年度繰越額を除いた額でお答えいたします。
歳入については、市税や譲与税・交付金及び地方交付税において、地方消費税交付金や特別交付税の増などにより、合わせて2億200万円増加するものの、国庫支出金が社会資本整備総合交付金の減などにより2億9,300万円、繰入金が財政調整基金繰入金の減などにより14億1,200万円、市債が建設事業そのものの減などにより3億8,500万円、それぞれ減少しております。
歳出については、人件費が退職手当や時間外勤務手当の減などにより1億4,400万円、扶助費が生活保護費の減などにより5億6,600万円、建設事業費が橋りょう長寿命化事業費や港湾の国直轄工事費負担金の減などにより5億8,100万円、それぞれ減少しております。
次に、財政調整基金の残高につきましては、令和元年度当初予算編成時においては、予算編成後の財政調整基金の残高を7,400万円と示しておりました。平成30年度現計予算においては同年度中の財政調整基金の取り崩し額を16億8,700万円としておりましたが、決算においては3億円の取り崩しとなる見込みでありますので、先ほどお示しした額よりも13億8,700万円残高がふえる見通しとなっております。
次に、除雪費の一部を補正予算計上した場合につきましては、除雪費に限らず補正予算を計上する場合は、財源や他の不用額などを精査した上で、一般財源が不足する場合は財政調整基金からの取り崩しにより収支均衡予算を編成することとなります。
次に、今後の財政需要や今年度末の財政調整基金の残高見込みにつきましては、今後の補正予算として現時点で明確なものは、国庫支出金等の超過交付額返還金が考えられます。また、今年度末の財政調整基金の残高見込みについては、地方交付税を初めとした歳入の動向や新たな財政需要など、見通しの立たない部分がありますので、現時点ではお示しすることは難しいものと考えております。
次に、財政調整基金の適正な規模につきましては、本市では厳しい財政状況の中、毎年度の当初予算の編成において多額の財政調整基金を取り崩すことにより収支の均衡を図っていることから、少なくとも、各年度において安定した予算編成が可能となる額以上の残高が確保されていることが適正な財政調整基金の規模と言えると考えております。
一方で、収支改善プランにおいては収支の黒字化を進め、当初予算の編成における財源不足額自体の圧縮を目標の一つとしておりますので、収支改善の取り組みを推進しながら、今後も年度間の財源の不均衡に対応できるよう、必要な財政調整基金の確保を図ってまいりたいと考えております。
次に、収支改善プランの目標の実現につきましては、地方交付税が年々減少し、市税収入も伸び悩む本市においては、人口減少対策や施設の老朽化など、今後の財政需要を考えたとき、財政の健全化は必ずなし遂げなければならない重要な課題であると認識しております。そのためにも、今お示ししている収支改善プランを着実に進めるとともに、制度改正や新たな財政需要などに対応するため、収支の見通しを毎年度見直しながら、新たな収支改善策にも取り組み、計画の目標である収支の黒字化と財政調整基金の確保を実現するよう、私を筆頭に職員一丸となって取り組んでまいります。
次に、市民との協働による防災の取り組みにつきましては、安全で安心なまちづくりのためには、市と地域住民、さらには関係機関との連携が必要不可欠であると認識しております。例えば、北海道胆振東部地震の時点では災害協定が未締結であった小樽市社会福祉協議会と小樽青年会議所から協力をいただき、大きな役割を果たしていただいたことから、さらなる連携を図るため、新たに災害協定を締結したところであります。
また、地震後は防災講演などの開催依頼が増加しており、市民の防災意識の高まりを感じていることから、今後も自助と共助の意識を向上させるため、防災訓練や防災講演の内容を充実させるほか、地域が助け合う自主防災組織の育成など、市民との協働を進めてまいりたいと考えております。
次に、業務継続計画及び受援計画の策定につきましては、行政みずからが被災したことを想定し、施設、人員、資材などが不足する中、優先的に実施すべき業務を管理する業務継続計画や、他の自治体などから支援を受け入れるための受援計画を策定することは、速やかな災害対応につながっていくことと認識しております。
現在、業務継続計画の策定につきましては、北海道や道内主要都市の情報収集を行っているところでありますが、代替庁舎の選定や非常時優先業務の抽出などに時間を要することもあり、令和2年度末までの策定を目指しております。
また、受援計画につきましては、業務継続計画との関係もあるため、その進捗状況を見きわめながら着手時期を検討してまいりたいと考えております。
次に、業務継続計画における代替庁舎につきましては、現在のところ、本庁舎の代替となり得る規模で耐震基準を満たす建物の特定には至っておりませんが、今年度から策定に向けて取り組みを進めている業務継続計画において、他都市の計画などを参考に代替庁舎の選定を行うほか、機能確保のための設備や資器材の整備についても検討してまいりたいと考えております。
次に、小樽商業高等学校の一部を業務継続計画における代替庁舎とする可能性につきましては、商業高校の校舎は耐震基準を満たしていることや一定の規模を有することから、業務継続計画における代替庁舎として活用できる可能性はあるものと考えられます。
次に、防災に関する課題の解決に向けた私の認識につきましては、北海道胆振東部地震による市内の大規模停電を経験したことで、災害に対する備えの重要性を改めて認識したところであります。昨年度は地域防災計画において、医療救護計画の改訂や停電対策計画の新設など、可能なものから見直しを行ったところであり、今年度も継続して見直しに向けた作業を行っているところであります。
また、今年度においては、指定避難所の停電対策のほか、災害時の広報活動の重層化を図るため、FMおたるの難聴地域解消に向けた取り組みや、防災行政無線の設置などに着手しております。今後におきましても備えを怠ることなく、安全・安心なまちづくりを着実に進めてまいります。
○議長(鈴木喜明)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)22番、濱本進議員。
(22番濱本進議員登壇)
○22番(濱本進議員)次に、地域経営について伺います。
地域経営における重要な経営資源の一つである観光について伺います。平成29年4月に策定された、第二次小樽市観光基本計画において、小樽の観光資源を生かした主要施策の中に、日本遺産認定に向けた活動の推進が記載され、小樽市は平成30年5月にシリアル型の日本遺産、北前船寄港地・船主集落に追加認定されました。
また、本年5月には同じくシリアル型の日本遺産、炭鉄港が認定されました。そして現在、来年1月に小樽市単独の地域型日本遺産の認定申請を目指して、小樽市歴史文化基本構想の策定を終え、この後の作業を進めていると思いますが、現在の進捗状況、見通しについてお聞かせください。
日本遺産認定の目的は、魅力あふれる有形・無形のさまざまな文化財群を地域が主体となって総合的に整備、活用して地域の活性化を図ることが目的であり、その効果は地域の認知度が高まるとともに、地域のブランド化などにも貢献して地方創生に資するとあります。つまり、日本遺産認定は一つのゴールであると同時に、新たなるスタートであると理解しております。
小樽市は、道内では唯一、シリアル型で二つの認定を受けていますが、それぞれの今後の取り組みについて、具体的な事業などが予定されているのであればお聞かせください。また、地域型の認定を得られた場合、その後の取り組みについて、現時点での展望があればお聞かせください。あわせて、小樽が参考とすべき取り組みの事例があればお聞かせください。
次に、同じく小樽における地域経営の大事な資源である港湾について伺います。戦前、戦後の一時期までは小樽港の役割の大部分は物流でありました。現在は、残念ながら物流の役割は減少して、クルーズ船の来航に象徴されるように、観光面の役割が増加、拡大していると理解しています。これからの小樽港の整備の方針は、今まで以上に観光に目を向けることと考えております。
第6次総合計画、小樽港将来ビジョン、観光基本計画、第7次総合計画などにおいても、小樽港の位置づけ、将来の姿について、観光面の整備の必要性、可能性について言及しています。民間においても小樽港第3号ふ頭及び周辺区域の整備について提言がなされています。さらに、第2次小樽市都市計画マスタープランの素案において、小樽港第3号ふ頭及び周辺区域を自然景観などの特性を生かした魅力ある空間をつくる区域に位置づけています。市長は、第3号ふ頭及び周辺区域の将来像の実現についてどのようにお考えなのでしょうか、お聞かせください。
また、第3号ふ頭及び周辺区域の整備に関しては民間との連携が必要と考えますが、何か具体的に取り組んでいるものがあればお聞かせください。
次に、国土交通省は市町村や港湾管理者、特定非営利活動法人などによって港づくりとまちづくりを連携させて、港とまちづくりを目指すためにみなとオアシス制度をスタートしています。道内の港湾においても、函館港、江差港、室蘭港、稚内港などが既に認定されています。小樽港でも令和2年度の申請を目指したいとのことですが、どのような状況なのかお聞かせください。
以上、再質問を留保して終わります。(拍手)
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、地域経営について御質問がありました。
初めに、地域型日本遺産の認定申請に向けた進捗状況と見通しにつきましては、本年3月に第1回小樽市日本遺産推進協議会を開催し、申請に向けた体制などを協議した結果、ストーリーと地域活性化計画を検討する二つのワーキンググループの設置を決定し、5月31日に第1回目のストーリー検討ワーキンググループを開催したところであります。
今後、地域活性化計画検討ワーキンググループを並行して開催する中で、それぞれのワーキンググループの原案をまとめ、協議会での協議・決定と文化庁への事前相談を経て申請書として取りまとめ、来年1月の期限までに申請を行う予定であります。
次に、シリアル型日本遺産で取り組む事業につきましては、北前船の今年度実施する事業としましては、北前船日本遺産推進協議会において、旅行情報誌への北前船情報の掲載や、インターネットにより無料で受講ができる北前船オンライン講座のコンテンツ制作を予定しております。
また、市が独自に実施する事業といたしましては、本年10月に石狩市と共同で開催する北前船寄港地フォーラムや、舞鶴便のフェリーでの北前船船上講座などを予定しております。
また、炭鉄港では炭鉄港推進協議会の地域活性化計画において、構成文化財を案内するためのマニュアル作成と講習会の開催、日本遺産の認知度向上と地域の気運醸成を図るためのフォーラム開催、炭鉄港関連資料を残すためのデジタルアーカイブ構築などを予定しているとともに、市が独自に実施する事業といたしましては、炭鉄港ストーリーと構成文化財を活用した教育旅行誘致や、小樽港の開港120周年を記念するパネル展など、五つの事業を予定しております。
次に、地域型日本遺産における取り組みの展望と参考とすべき取り組み事例につきましては、まず、取り組みの展望では、現在、ストーリー及び地域活性化計画の原案がまとまっていないためお示しできる段階ではありませんが、歴史や文化は本市の強みでありますので、その魅力を活用することで地域の活性化に結びつくような取り組みとしてまいりたいと考えております。
また、地域型の地域活性化計画策定に当たっては、市が昨年実施した日本遺産シンポジウムの際に紹介された、宿泊客をふやす取り組みである「日本一の朝プロジェクト」や、尾道市で開催された北前船寄港地フォーラムにおいて提案がありました、北前船の寄港地を現代の名産品でつなぐ取り組みなどがありますので、こうした事例を参考にしながら検討してまいりたいと考えております。
次に、第3号ふ頭及び周辺区域につきましては、小樽観光の新たな魅力づくりとして、平成26年度に第3号ふ頭及び周辺再開発計画を策定したところであります。しかしながら、計画全体の実現につきましては、物流機能の移転・再配置、財政負担、さらには民間活力の導入など課題も多いことから、段階的に進めていく必要があると考えております。
このため、第1段階として、現在、大型クルーズ船対応の岸壁整備を進めているほか、去る6月4日には経済界や観光業界との意見交換の場として、第3号ふ頭を核とした魅力づくり連絡会議を開催し、今後、上屋への旅客ターミナル機能の導入や駐車場の整備、さらには第3号ふ頭基部の整備について御議論をいただくことになっております。私としても、本件は港湾振興、観光振興の両面から重要な案件と捉え、先進地の視察を重ねているところであり、前向きに取り組んでまいりたいと考えております。
次に、みなとオアシスにつきましては、登録後の運営等に当たっては、民間事業者との連携が不可欠であり、先ほど述べた第3号ふ頭を核とした魅力づくり連絡会議において、みなとオアシスの運営主体や構成施設、活動計画などについて意見交換を行い、市として課題を整理した上で令和2年度の申請を目指してまいりたいと考えております。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)22番、濱本進議員。
○22番(濱本進議員)市長、御答弁ありがとうございました。何点か聞きたいことはありましたけれども、この後の予算特別委員会等でお伺いしたいと思いますので、私はこれで終わります。
○議長(鈴木喜明)濱本議員の会派代表質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時01分
――――――――――――――
再開午後2時30分
○議長(鈴木喜明)休憩前に引き続き、会議を再開し、会派代表質問を続行いたします。
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)17番、佐々木秩議員。
(17番佐々木秩議員登壇)(拍手)
○17番(佐々木秩議員)立憲・市民連合を代表して質問をいたします。
最初に、小樽市の財政について伺います。
まず、予算編成についてです。
小樽市では、財源不足が今後も長く続く見通しなど、財政が最大の課題と言っても過言ではない状況になっています。この課題に対しては、市役所が一丸となり取り組む必要があると思いますが、残念ながら小樽市の決意、市長の決意はいま一つ伝わってきておりません。危機感が市役所の現場で共有されていない中で、従前からの手法が市長と現場の乖離を生んでいるのではないでしょうか。
そこでまず、予算の作成方法や意思決定方法について質問をしたいと思います。
平成31年度予算要求に当たっては、財政部として全庁的に5%カットを要求しました。原部が個別の予算案を作成し、財政部が予算を査定するに当たり、財政部として5%カットの要求以外の指示を行いましたか、伺います。
平成31年度の予算を作成するに当たって、大変な苦労をしたと聞きます。それはそうです。最初の予算案の作成を各課がそれぞれ思い入れを持って行っていますから、財政に余裕のあった時代ならともかく、現状の小樽市の財政状況においては、予算の合計額がうまく範囲内におさまるはずがありません。このような従前からの予算編成の方法が時間外勤務の増加を招くなど、現場を疲弊させているのではないでしょうか。現状の予算編成の手法に対する市長としての問題意識について伺います。また、現状の予算作成方法では、どの段階で小樽市としての政策の優先順位が検討され、予算案の作成に反映をされているのでしょうか、伺います。
少なくとも、市長や副市長など、大きな意思決定が可能な職責にある人が大局的な政策の優先順位を考えながら予算の各部の大枠をまずつくる。そして、同時に廃止や縮小を検討すべき事業の指示もする。その後に、大枠の枠内で各部なりの優先順位を考えながら予算案を作成する。その後は、財政部が今までどおり査定をしていく。現在の事業を大胆に廃止、縮小できるのは市長しかいません。原部が予算を作成する前に小樽市の全事業をテーブルに並べて、ゼロベースで事業の優先順位をつけていく必要があると考えます。ここまでしないと、小樽市の財政の危機は乗り越えられないと考えますが、こうした予算編成の手法は実行可能でしょうか。市長のお考えを問います。
2点目、小樽市収支改善プランについて伺います。
続く財源不足に対応するための小樽市収支改善プランですが、現状、その実効性に疑問を感じています。もちろん、必要な計画であることは間違いありませんが、内容に具体性が乏しいのではないでしょうか。一言で言えば、魂のようなもの、気迫が感じられません。小樽市は、財政の健全レベルでは10市の中でも最低です。他市よりも工夫、努力が必要な現状であるにもかかわらずです。
まず、小樽市収支改善プランにあるふるさと納税制度を取り上げてみますと、毎年1,000万円増の効果額を見込んでいますが、500億円近く集めた泉佐野市の例は極端ではあるし、手法に賛否があるのは事実ですけれども、泉佐野市が必死にやっている姿勢は感じ取ることができます。一方で、小樽市はこれで本当によいのでしょうか。私は以前、ふるさと納税について質問をしたときに、いたずらに返礼品競争に走らず、職員の工夫によって、市にとって本当に効果のある手法を目指してほしいと提言をしました。
次に、小樽市収支改善プランでは、職員定数の適正化による人件費の抑制を挙げていますが、単なる人件費抑制なら誰でもできます。どのように人件費を抑制するのかが問われています。組織改革や事務事業の見直しにより職員の負担が減り、その上で結果的に人件費が削減されるよう目指すべきであるというふうに思いますが、市長も同じ考えでしょうか、伺います。
あくまでも市民サービスへの影響を最小限にしつつ、とにかく市役所全体として仕事を減らす。その上で残ったやるべき仕事を一番効率よく処理できる部署が仕事をする。また、新しい技術を導入し、非効率的な仕事を減らす努力を常にする。このことを組織全体として日々行えるような仕組みをつくっていく。言葉にすると単純ですが、実績を出すのは本当に難しいと思います。
しかし、やっている組織はあります。トヨタです。有名な「カイゼン」です。現在、市役所として「カイゼン」と言えるような何か取り組んでいることはありますか。もし、これから「カイゼン」に取り組むとしたら、今の市役所なら、「カイゼン」を発表するために、現場に何かないかと調査の書類を送付し、その上で会議を延々とし、立派な資料をつくる。こんな新たな仕事と費用を生み出す皮肉な結果しか想像ができません。いわゆるお役所仕事です。こうならないように、どういう仕組みや組織をつくっていくのかが市長に問われているのではないでしょうか。職員定数の適正化による人件費の抑制を収支改善プランで掲げるのであれば、まず仕事をいかに減らすかということを実効性を持たせて考えていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
以上、厳しい指摘もしましたが、市長のリーダーシップのもと危機意識を共有し、全庁を挙げて本市財政健全化に向けて取り組んでいただきたいとの思いからの発言ですので、受けとめていただけますようお願いをいたします。
第1項目めの質問を終わります。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)佐々木議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、本市の財政について御質問がありました。
初めに予算編成についてですが、まず、予算編成に当たっての財政部からの指示につきましては、原部からの予算要求においては、基準額の対象事業の一般財源合計額に燃料単価の上昇分を加算した上で、5%を減じた額の範囲内での予算要求を基本としたところですが、予算編成の基本方針として、今後の厳しい財政状況を踏まえ、歳入の確保はもとより、歳出全般にわたり徹底した見直しにより収支改善の取り組みを引き続き強力に実行することを求めており、具体的には歳入・歳出の各般について、その積算に当たっての基本的な考え方を予算要求に当たっての基本的な事項として示しております。
次に、予算編成の手法に対する認識につきましては、より正確かつ社会動向に即した予算編成を行うためには、できる限り直近の国の政策動向や経済状況を把握する必要があることから、予算編成業務の開始時期が毎年11月となっており、2月上旬には予算案を作成する流れとなっております。現在の厳しい財政状況についての認識を予算編成方針や部長会議などを通じて職員との意思共有に努めておりますが、この限られた期間の中で事務事業の精査や政策判断を行うなどの予算編成を進める必要があることから、短期的に事務が集中することになり、全庁的に業務多忙となってしまう状況にあるものと認識しております。
次に、政策の優先順位につきましては、本市の予算編成に向けては、政策検討会議や関係部長会議において施策や事業の一定程度の方向性を定めているほか、予算編成前に私から社会や経済の動向や社会的な要請を踏まえて、個別の検討課題を具体的に指示し、原部にて事業の優先順位を十分に検討させた上で予算要求を行い、まずは財政部長によるヒアリングを経て財政部予算原案を作成いたします。その上で財政部予算原案をもとに、私がヒアリングにおいて事業の必要性や優先順位についての議論を重ね、選択と集中の観点で事業を厳選し、最終的に決定しているものであります。
次に、御提案の予算編成の手法につきましては、限られた財源の中での予算編成であり、本市においては、とりわけ地方交付税などの国の地方財政計画における歳入の動向を見きわめる必要があることからも、各部局への予算枠などの設定は難しいものであると考えております。
また、政策の優先順位をつける上では、予算編成の際に財政部からの予算原案の説明を受けますが、一般的な管理経費など経常経費以外の政策的事業については、その考え方を聞いた上で優先順位を十分に意識しながら査定を行っております。
今年度における収支改善に向けた取り組みとして、現在、既に事務事業の見直しについて財政部から具体的な検討事項を示し、各部において検討作業を進めているなど、予算編成作業が本格化する前段で集中的に令和2年度予算に向けた事務事業の見直しに取り組むこととしており、その結果を予算編成に生かしていきたいと考えております。
次に、小樽市収支改善プランについてですが、まず職員が一丸となってふるさと納税を獲得していく仕組みづくりの御提案につきましては、総務省から返礼品を強調した宣伝広告を行わないことなど、寄附金の募集の適正な実施に係る基準が示されているため、その基準に合致するかなどの問題点があると考えております。いずれにいたしましても、引き続き収入増に向けてどのような取り組みができるか研究してまいりたいと考えております。
次に、職員定数の適正化による人件費の抑制につきましては、厳しい財政状況のもと収支改善を図るため、人件費の抑制は避けては通れない課題であると認識しております。私としましても、業務量に見合った職員定数とするためには、まずは職員の負担を減らす必要があるものと考えております。
次に、「カイゼン」と言われるような取り組みにつきましては、本市でもこれまでに全職員に対し、節約行動や経費節減、業務の効率化のアイデアを募集するなどの取り組みを行ってきましたが、残念ながら組織としてまだまだ十分な効果を上げているとは言えないものと考えております。
次に、実効性を持たせた仕事量の削減につきましては、近年、行政の仕事が多種多様化する中で、その業務も広範囲化かつ複雑化しており、職員の負担を減らすためにも、業務の効率化は喫緊の課題であると認識しております。そのため、事務事業の見直しのほか、職員の意識改革にも取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(鈴木喜明)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)17番、佐々木秩議員。
(17番佐々木秩議員登壇)
○17番(佐々木秩議員)第2項目め、小樽市建造物・文化財を生かすまちづくりについて伺います。
1点目は、小樽100年プロジェクト・セミナーについてです。去る5月25日、旧三井銀行小樽支店を会場に、2019年全国町並み保存連盟小樽総会記念「始動!小樽100年プロジェクト・セミナー」が開催されました。このセミナーは、小樽の近代の歴史的建造物とその町並みをどのようにして将来に伝えられるかを考えるために、小樽市と実行委員会の共催で開かれたものです。これに際して、市内29団体から後援をいただきましたが、これほどまでの団体が一堂に会してセミナーを開催するのは、近年では初めてのことと思います。当日は、旧三井銀行のホール定員の120人を大きく超える170人以上の方が詰めかけてくれました。改めて市民のこれら歴史文化や建築物群への愛情と熱意を感じることができました。
セミナーの内容に少し触れると、基調講演の中で、神戸芸術工科大学教授の西村幸夫氏は、まず、外からの客観的視点から小樽運河の保存運動を振り返り、その価値を、まちづくり運動そのものの原型となったことを挙げられました。市民からの働きかけにより、公共事業をよりよいものへ変えることの可能性が生まれたということです。官民協働などという発想のない当時に、行政と市民の意見をすり合わせ、よりよい解決策を生み出すきっかけとなり得ることを全国に示したという意義があったということでした。
続くNPO法人八女町家再生応援団代表の北島力氏からは、福岡県八女市八女福島の事例報告がありました。北島氏は、八女市での文化財保護の担当職員として、それらの国の制度活用について、市の行政面から携わってきた経験をお持ちの方です。
私が前々回の定例会で、市内近代建築群保存修理のための国の制度活用について質問をした部分を具体的に経験されてきた方ですので、その導入のための手法や導入後のメリット等について、大変興味深く聞かせていただきました。
制度導入を進めていく上でのポイントは、対象となる建物等をエリアで指定するので、その地区の住民の皆さんの理解、合意形成をいかに進めるかという点にあるそうです。その際、市職員だけでなく、民の協力もあれば進みやすいなど、具体的手法について聞くことができ、文化財の保存と活用に向けての市民と行政の協働が大事になると感じました。
セミナーの最後には、全体のまとめを駒木定正セミナー実行委員会代表が発表し、小樽宣言、小樽の歴史的建造物と文化財を生かすまちづくり宣言とすることが来場者満場一致で認められ、次の日の全国町並み保存連盟総会においてもこの宣言を支持し、賛同することを決議してくれています。
その内容を要約すると、我がまち小樽は、近代の歴史的建造物とその町並みに特色があり、それが市民の誇りであるとともに、多くの観光客が訪れる貴重な財産になっているが、それは過去の市民運動における議論がこれらの遺産を見出し、まちを変えてきたからこそ今がある。ところが、主要な歴史的建造物は、耐用年数と修理方法に課題があり、現在の維持体制のままでは、大規模な地震などの災害が起きると存続できる保証がない現状にある。そのため、法律や制度に基づいて、維持・保全と活用を行うことを柱とした小樽の未来100年の大計を官民協働でともに考え、歴史的建造物と文化財を生かすまちづくりを推し進め、子供や孫たちへその価値を伝えていくことを宣言するとしています。昨年、第4回定例会の私の一般質問への答弁で、市は、歴史的建造物群の価値についてや色内地区の歴史的建造物群の現状についての基本認識は、今回参加した多くの団体とおおむね共有していることがわかりました。
そして、このセミナーでは、これら建築物群の保存活用のための方法として、国重要文化財の指定、伝統的建造物群保存地区の選定、歴史まちづくり法の活用等の国の制度利用が有効であることをお教えいただき、さらに本市のこれまでの取り組みを押さえた上で、より具体的な手法として、例えば、エリア指定の際には事前の保存対策調査が必要だが、本市にはこれまで歴史的経緯の中で蓄積されてきた膨大な調査データが存在するため、比較的容易に進めることが可能なことなどをこのたびのセミナーによって把握できたことは大きな成果ではないでしょうか。
ここでようやく質問に入ります。
市が共催という形で運営に参画いただきました。また、セミナーに参加し、町並み保存の専門家の発表や先進事例に接した市長の御感想をお聞かせください。
このセミナーの意義は、小樽市、小樽市民のアイデンティティーである近代建築群をこれまでの小樽の歴史の中で育んできた、切磋琢磨して生み出してきた小樽スタイルの官民協働のまちづくりの手法で次の世代に伝えていこうということを再認識したことにあると考えています。つまり、公のことは何でもかんでも行政に押しつけるのではなく、市民ができることを行政とも連携をして一つ一つ備えていく。まさに小樽市自治基本条例の理念を具現化する一大プロジェクトを今後100年を見据えて始動させましょうということです。
市長におかれては、行政の代表として、これからも小樽宣言実現のため、官民協働の理念に基づいてともに進めていくことを表明していただきたいのですが、いかがでしょうか。
2022年、小樽市は市制施行100周年を迎えます。これを機に近代歴史的建造物の保存活用の具体的道筋を内外に示すことは、近くでは地域型日本遺産の認定にも影響を及ぼし、さらには本市100年の未来像を広く内外に掲げることにほかなりません。
続いて、日本遺産について質問いたします。
本市では、他自治体との共同によるシリアル型、北前船寄港地・船主集落での認定に続き、炭鉄港でも認定を受けることができました。もちろん認定されるのが目的ではありません。これを機に観光面での活性化につなげるだけでなく、市民に向けてまちへの関心、愛着をさらに深めてもらう動きを加速しなければ意味がありません。市民にこそ、日本遺産認定がどのような価値や意味があるのかをわかるようアピールしていくことが大事です。
そこでお聞きしますが、炭鉄港認定後の事業展開は既に申請書に示されていると思いますけれども、本市にかかわる部分でどのようなことが予定されていますか。
小樽市歴史文化基本構想が策定され、小樽市単独の地域型日本遺産の来年度申請に向けた動きも加速しているとお聞きします。現在の状況と申請までの今後の予定をお聞かせください。
新聞報道によれば、申請ストーリーは基本構想にも示されていた中の民の力によるまちづくりを軸として検討されているとのことでした。他の地域にはなかなか見られない明治以降の近代をメーンに扱い、このたびの100年プロジェクト、西村教授のお話からも、本市にとってふさわしいテーマだと思いますけれども、既に認定された北前船や炭鉄港のストーリーとの関係や、これからの展開の可能性についてお聞かせください。
日本遺産の認定は、これまで何度か指摘したとおり、来年度がラストの申請チャンスとなります。これまでに申請しても認定に至らなかった地域も含めて熾烈な認定争いになるでしょう。どうか推進協議会委員や関係職員の皆様方の御健闘をお祈りしております。
第2項目めの質問を終わります。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、小樽の歴史的建造物と文化財を生かすまちづくりについての御質問がありました。
初めに、小樽100年プロジェクト・セミナーについてですが、まず、セミナーに参加した感想につきましては、市民による運河保存運動を客観的に考察した基調講演や行政担当者として大変苦労された経験談を交えての事例報告など、当日御参加いただいた多くの皆さんとともに貴重なお話をお聞きし、小樽の歴史を生かしたまちづくりを進めていく上で、歴史的建造物や文化財を保全し、活用していくことは大変重要であることを改めて認識したところであります。
次に、歴史的建造物などを生かすまちづくりを官民協働で進めていくことにつきましては、私としても、往時の繁栄を物語る歴史的な建造物や文化財が市内に数多く残されていることは、本市にとってほかにはない強みであり、これらに新たな価値を見出し、その価値を生かし、次の世代に継承していくことが重要であることから、市民の皆さんと協働し、豊かな歴史文化を生かしたまちづくりを推進してまいりたいと考えております。
次に、日本遺産についてですが、まず、認定された炭鉄港の本市にかかわる事業につきましては、炭鉄港推進協議会の地域活性化計画において、構成文化財を案内するためのマニュアル作成と講習会開催、日本遺産の認知度向上と地域の気運醸成を図るためのフォーラム開催、炭鉄港関連資料を残すためのデジタルアーカイブ構築などを予定しており、本市においても講習会とフォーラムを開催することとしております。また、市が独自に実施する事業としましては、炭鉄港ストーリーと構成文化財を活用した教育施行誘致や小樽港の開港120周年を記念するパネル展など、五つの事業を予定しております。
次に、地域型日本遺産の取り組みにつきましては、本年3月に第1回小樽市日本遺産推進協議会を開催し、申請に向けた体制などを協議した結果、ストーリーと地域活性化計画を検討する二つのワーキンググループの設置を決定し、5月31日に第1回目のストーリー検討ワーキンググループを開催したところであります。今後、地域活性化計画検討ワーキンググループを並行して開催する中で、それぞれのワーキンググループの原案をまとめ、協議会での協議・決定と文化庁への事前相談を経て申請書として取りまとめ、来年1月の期限までに申請をする予定であります。
次に、地域型日本遺産のストーリー展開につきましては、現在、検討中の地域型の申請に当たっては、日本遺産の審査基準に斬新さの項目がありますので、既に認定された二つのストーリーと競合しないテーマを設定する必要があると考えております。多様性がある歴史や文化は本市の強みでありますので、小樽市歴史文化基本構想の八つの歴史的テーマと関連文化遺産群を参考にしながら、現在検討が進められているストーリー検討ワーキンググループの議論を経て、小樽の魅力を十分伝えられ、独自性のあるストーリーを作成してまいりたいと考えております。
○議長(鈴木喜明)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)17番、佐々木秩議員。
(17番佐々木秩議員登壇)
○17番(佐々木秩議員)3点目、中学校の部活動について伺います。
現在、市内中学校ではさまざまな運動系、文化系の部活動が展開されており、多くの生徒が参加して活動してきています。その中から、これまでスポーツ界や芸術分野で活躍する幾多の才能が開花してきたことは異論のないところだと思います。
ところが、現状を見ますと、小樽市内の中学校の1校当たりの生徒数は20人から300人程度、さらに人口推計によれば、これからも生徒数の減少は避けられないところです。部活動顧問を受け持つ教職員数も、生徒数にあわせて大きく減っていくのが現在の国のシステムです。これでは、現在はもちろん、今後も各学校で部活動を成立させるのが困難なのは明らかです。
結果、入学した中学校に自分のやりたかった部がない。あるにはあるが、競技規定の人数に達せず、大会に参加できないという事態が各校で起こっています。本市においては、この部活動におけるこうした諸問題解決を学校統廃合の理由の一つとしていましたが、その計画が現在ストップし、再検討中で時間もある程度かかることが予想されていることから、部活動については、今の生徒のために今できることを進めるべきと考えます。
また、以前は、中学校の代表的な競技会である中体連大会は、各競技市内大会、後志との代表決定戦、そして全道大会へと駒を進める形で運営されていましたが、後志まで含めた参加校の減少などにより、形が変わってきているとお聞きします。
そこでまず、生徒数の減少と部活動参加者について伺います。
そもそも学校教育の中での部活動の位置づけはどう示されているのかお示しください。
中学校における部活動参加者数の全生徒数に対する割合とここ10年間の推移、傾向はどうなっていますか。全体的なものと運動系、文化系に分けたものもお示しください。
不参加生徒の主な理由等は把握していますか。主に経済的事情により、部活動をしたいのにできない生徒が大勢いる現状があります。お金のかかる道具、楽器代、年々広域になっている大会等への遠征費が各家庭の経済的な負担になるからです。経済的な理由によるスタートラインに格差をなくすための学習支援は本市でも始まりました。しかし、スポーツ、文化面では、経済的理由でスタートラインにさえ立てない子供たちがいるのが現状です。子供たちは可能性すら試せないのです。部活動に参加する場合、できるだけ個人の負担を減らす取り組みが必要です。公的な支援も含めて対応を求めますが、御所見をお願いします。
続いて、部員数減の影響とその対策について伺います。
北海道教育委員会では、運動部活動に係るさまざまな課題に対応するため、平成26年度から運動部活動等推進委員会を設置し、運動部活動指導の充実策などについて検討を行い、それぞれの対応方策について、その概要と優良な市町村の実際の取り組み事例、期待される効果などについて紹介しています。その中では、部活動運営の工夫例として、中学校拠点校方式部活動、学校間連携方式部活動も挙げています。
札幌市でも中学校の小規模化により、各学校における部活動の設置数が減少していることから、生徒が希望する種目の運動部活動に入部できないという状況に対応するため、2016年度より、生徒が他校の運動部活動に参加する学校間連携方式を導入しています。これは、自分の学校に希望する運動部活動がない場合に、隣接する学校の運動部活動に参加することを可能とするものです。
また、現在、本市では1校だけでは団体種目の規定メンバー数を満たせない場合、他校チームとの複数校合同チームを組んで中体連大会に参加しているそうですが、この方式の概要説明と、札幌市の学校間連携方式の違いについて御説明ください。また、市内での複数校合同チーム導入の状況についてもお示しください。
拠点校方式、学校間連携方式は、どちらも団体種目については、中学校体育連盟の規定より、他校からの生徒は大会には出場できないことになっており、活動のみを保障するという規制があることや、生徒の学校間の移動の問題等はあるものの、各学校に部を設置できない場合の個人種目の選手に練習の場を与えることができるようになることや、市内全体の学校に部を計画的に配置することで顧問教員の減少に対応できるようになること、さらに部活動指導員の配置と組み合わせることで教員の負担を軽減、生徒の技術向上にもつながるメリットがあります。
よって、本市でも札幌市の事例を研究するなど、学校間連携方式導入に向けて検討すべきと考えます。
小樽市では、菁園中学校を除き、運動系や文科系の部活動がないことを理由とする指定校変更を認めていますが、この方式を取り入れれば、本来の指定校に通いながら、別の学校であっても希望の部活動ができるようになりますがどうでしょうか。
少し別の観点から見れば、子供の希望する部活動が地域の学校にない、部活動を選べないという現状は市民の満足度や幸福度を著しく下げているのではないか。また、子供のいる移住希望者の方にとっては、子供の部活動の有無は、移住地選択の結構大きなポイントになると私は考えます。
この項の最後に、顧問、指導者について伺います。
新年度より部活動指導員制度が本市でも導入され、6人の配置が計画されているとのことでした。その目的は、第一に教員の負担軽減、多忙化解消。第2が生徒の技能向上にあるとの説明をいただいていました。6月末の中体連大会を控え、部活動指導員の配置と活動状況やその効果について御報告ください。部活顧問の多忙化が問題となり、市では小樽市立学校における働き方改革行動計画を策定して各校に示していましたが、学校現場での部活指導にかかわる部分の遵守状況を把握されていましたら示してください。
以上、3点目の質問を終わります。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)教育長。
○教育長(林秀樹)佐々木議員の御質問にお答えをいたします。
ただいま、中学校の部活動について御質問がございました。
初めに、部活動の位置づけにつきましては、現行の学習指導要領総則において、「生徒の自主的、自発的な参加により行われる部活動については、スポーツや文化及び科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等に資するものであり、学校教育の一環として、教育課程との関連が図られるよう留意すること。その際、地域や学校の実態に応じ、地域の人々の協力、社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携などの運営上の工夫を行うようにすること。」と規定をされております。
次に、部活動参加者数の全生徒数に対する割合と10年間の推移、傾向につきましては、10年前との比較で申し上げますと、部活動に参加している生徒の割合は平成21年度が77.8%、今年度が76.3%で1.5ポイントの減となっており、わずかに減少傾向にございます。部活動の内訳については、運動系の部活動に参加している生徒の割合は平成21年度が64.6%、今年度が57.7%で6.9ポイントの減となっており、減少傾向にございます。文化系の部活動に参加している生徒の割合は平成21年度が13.2%、今年度が18.6%で、5.4ポイントの増となっており、増加傾向にございます。
次に、不参加生徒の主な理由につきましては、野球やサッカーなど、学校外のクラブチームでの活動や、体操、水泳、柔道、剣道、ピアノなどの教室に通っているためでございますが、勉強に集中するために部活動に参加せず、塾へ通う生徒がいるということも把握しております。
次に、部活動に参加する場合の公的な支援につきましては、各学校に対しましては、道具や楽器代などを支援するために部活動の運営費を軽減する措置として、生徒数等をもとに積算した定額を配当しております。また、個人に対しましては、小樽市中学校体育連盟を通して、全道大会等への出場に係る交通費や宿泊費の支給をしているほか、沖津寅太郎・安子青少年スポーツ振興資金基金から、全国大会に出場する生徒に対する交通費や宿泊費の助成を行っておりますが、部活動に参加する場合の各家庭の経済的負担について、教育委員会として実態を押さえておりませんので、まずは実際にどれぐらい経費を要しているのか調査をしてまいりたいと考えております。
次に、複数校合同チームの概要と札幌市の学校間連携方式の違いにつきましては、北海道中学校体育連盟の規定によりますと、複数校合同チームは、運動部活動参加生徒数の減少で単独チームによる大会参加が困難な学校に配慮し、少人数の運動部にも大会参加の機会を与えるという趣旨から、学校に運動部があり、各学校の教員が引率して練習することなどを条件として、団体種目において複数校の合同チームによる大会参加が認められているものであります。
札幌市の学校間連携方式は、個人種目において対象生徒は在籍校で大会に参加することはできますが、団体種目においては、対象生徒は受け入れ校の一員として参加することができないことが違いとなっております。また、本市における複数校合同チームにつきましては、今年度は野球では向陽中学校、潮見台中学校の合同チームと、桜町中学校、望洋台中学校、朝里中学校、銭函中学校の合同チーム、サッカーでは松ヶ枝中学校、桜町中学校の合同チームが編成されております。
次に、学校間連携方式導入に向けて検討すべきではないかということにつきましては、本市におきましても、学校の小規模化により、教員定数や運動部活動に加入する生徒数が減少していることなどから部活動の数は減少傾向にあり、生徒が希望する部活動に参加することができない状況となっております。
また、文化系の部活動においても、在籍校に希望する部活動がない状況もあり、市内の部活動全体について対応策を検討する必要があるものと考えておりますが、学校間連携方式の導入に当たっては、生徒が移動する際の安全確保や事故が起きた際の対応、団体種目の大会には参加できないことなど、実施上の問題点を整理する必要がございますので、まずは本市における部活動のあり方について、校長会や小樽市中学校体育連盟と協議を進めてまいりたいと考えております。
次に、部活動指導員の配置と活動状況、その効果につきましては、今年度に配置を予定している中学校6校のうち1校についてはまだ指導者は決まっておりませんが、現在配置に向けた人選を進めているところでございます。また、現時点で指導員を配置している種目につきましては、ソフトテニス、バスケットボール、サッカー、吹奏楽であり、各部活動で週6時間を基本に指導をお願いしているところであります。配置の効果につきましては、学校からは部活動指導員は専門的な知識・技能を有しており、練習メニューの充実により生徒の技術力向上が見られているほか、教員の部活動指導に係る時間が軽減し、生徒の面談などの時間を確保できるようになったとの報告を受けているところでございます。
次に、小樽市立学校における働き方改革行動計画のうち、部活動指導に関する部分の遵守状況につきましては、この行動計画において、毎週平日は1日以上休養日を設定すること、毎週土曜日・日曜日・祝日は1日以上休養日を設定すること、部活動の時間を平日2時間程度とすること、などを定めており、全ての中学校において、この行動計画を遵守していることを確認しております。
○議長(鈴木喜明)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)17番、佐々木秩議員。
(17番佐々木秩議員登壇)
○17番(佐々木秩議員)最後に、サイクルツーリズムの可能性について伺います。
「桜を見に行こう!札幌-小樽サイクリングコース往復約80km」というホームページの案内が載っていました。その中には、「札幌から車で約1時間の観光スポット「小樽」。そしてサイクリストのあなたなら、ロードバイクで訪れることができるおススメスポット。札幌からひと山超えて片道約40km、往復80kmのちょっぴり経験者向けロングライドを楽しむことが出来ます。今回の目的地は、小樽運河の外れにある桜の名所「小樽手宮公園」。桜並木を走り抜け小樽運河を目指す、北海道ロングライドサイクリングコース」だそうです。これからもわかるとおり、小樽はサイクリングで札幌から1日日程でやって来るのに最適なコースの一つとして、サイクリストの中では広く認知されているようです。札幌、小樽、朝里峠を越えて札幌に戻る周遊コースが経験者に人気というお話も市内のサイクルショップで伺いました。
社会環境の変化に伴い、自転車の果たす役割は、環境負荷の低減や健康増進、観光振興、災害時の活用など、大きく広がっているとの認識のもと、国においては2017年5月、自転車活用推進法、昨年4月1日には北海道自転車条例が施行されました。その中でも、自転車を観光に生かしたサイクルツーリズムの推進がうたわれています。石狩市や後志の各自治体は、本腰を入れてサイクルツーリズムを観光の柱の一つに取り入れ、道や事業者と連携を開始し、マップの作成やサイクリングロードの整備を始めています。
ことしの3月、北海道新幹線後志開業効果活用検討会議で示された2030年度の新幹線延伸に向けて取り組むべき地域活性化策の中間報告案で、倶知安駅は、自転車愛好家を標的とした観光メニューの開発が盛り込まれています。小樽はその中で、札幌-後志間のサイクリングにおけるミッシングリンクになっているのが現状です。
本市は山坂が多く、市民には昔から小樽は自転車に向かないまちという先入観があります。自転車の普及率も他市に比べ低いという話も聞きました。しかし、私も自転車に乗って通勤していますが、実際には、海岸線と並行に走る分には坂はさほど気になりません。天狗山に向かうときはさすがにきついですけれども。また、自転車に乗る人はかえって坂を上り下りするのが楽しい。ヒルクライムと言うらしく、朝里峠、毛無峠を越えているサイクリストの方を随分見かけるようになりました。
中央バスの手宮ターミナルから手宮公園陸上競技場に向かう坂を励ましの坂と言うとのこと。最大斜度22度のあの坂を足をつくことなく自転車で登り切ることができれば願い事がかなうとの伝説も生まれ、テレビでも紹介されて、新しい観光スポットになっているとの話もあるようです。山坂を逆手にとってのツーリズムがあり得るのではないでしょうか。
また、市内サイクルショップでお話を伺うと、本市の自転車関係者、愛好家は、なぜ小樽はサイクルツーリズムに動かないのかと不思議に思っていたそうです。
そこでお聞きしますが、市として北海道自転車条例にもあるサイクルツーリズムについて、どのような認識をお持ちでしょうか。
第二次小樽市観光基本計画の中でも主要施策の一つとして、潜在する新たな観光資源の調査発掘が挙げられていますが、本市でもサイクルツーリズムを観光のコンテンツの一つとして取り組むことはできないでしょうか。道条例でも、取り組むとなれば助言と必要な支援を行うとしていますが、いかがでしょうか。
以下、具体的に何点か提案をします。
まずは例えば、札幌やその近郊のサイクルショップや自転車関係の団体の行事や大会にあわせてアンケートを依頼し、自転車愛好家の皆さんの小樽へのサイクリングの関心、ニーズを探ること。小樽商科大学の学生たちが作成した祝津までのサイクルマップ、大変楽しく、また示唆に富んでいます。こうしたサイクルマップをコース別に示しているまちがかなりあります。本市でも、学生や自転車愛好家と連携して追随できないでしょうか。
また、125名の会員が参加する札幌サイクリング協会の方からは、私案としてですけれども、古くから栄えた小樽の歴史を探索する、余り知られていない観光ルートやグルメを紹介したらどうか。また、小樽の急な坂、激坂チャレンジとして、坂のまち小樽をテーマに複数ルートの激坂に挑戦、頂上からの景色や眺めを売りにしてはどうかという御提案もいただきました。ほかに北後志との観光連携について、余市・積丹ルート、赤井川ルートなど、小樽を起点に宿泊を組み合わせてルート設定ができるメリットがあるのではないか。
2030年予定の新幹線駅開業に向けて、本市でも自転車愛好家をターゲットにした観光振興策が考えられるのではないか。
以前、私たちが視察で訪れた、長野県飯山市の新幹線飯山駅では、飯山駅信越自然郷アクティビティセンターを拠点とし、休憩スポットであるサイクルステーションを各所に設置し、安全で快適なサイクリングをサポートしています。ステーションには、洗面所や水の提供、ポンプや工具の貸し出しなどの機能があります。このように、まずは市内の事業者や公共施設、機関と提携して、各ポイントにサイクルラックの設置やトイレの提供など、余り費用をかけずに取り組めるところから始めてはいかがでしょうか。
朝里川温泉のホテルでも、健康促進面も考えてサイクルシェアリングとツーリズム2本立てで自転車を活用した事業の検討に入っているとお聞きしました。このような自転車の活用を考えている市内の関係団体事業者との協議も今後持たれてはいかがでしょうか。また、行く行くは自転車のための標識案内板の設置、道路の改良整備も行っていくこと。
以上のような提案について、市としてはどのように受けとめられるでしょうか、御見解をお聞かせください。
以上、再質問を留保し、代表質問を終えます。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「市長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、サイクルツーリズムの可能性について御質問がありました。
まず、サイクルツーリズムに対する認識につきましては、近年、ロードバイクなどでサイクリングを楽しむ方が増加傾向にあり、愛媛県と広島県を結ぶしまなみ海道には、日本初の海峡横断自転車道が併設され、平成27年度には32万台が通行するなど、サイクルツーリズムが脚光を浴びております。
北海道におきましても自転車条例を制定し、北海道の特性や魅力を生かしたサイクリングコースやサイクルツーリズムに関する地域の取り組みを紹介するなど、観光客が自転車で観光しやすい環境づくりや情報発信を進めているものと認識をしております。
次に、本市でのサイクルツーリズムへの取り組みにつきましては、最近では、市内でもロードバイクなどで走行する姿を見かけますので、まずは現状を把握し、北海道開発局や北海道経済部観光局などの関係機関からサイクルツーリズムに関する情報収集を進めてまいりたいと考えております。
次に、サイクルツーリズムに関する御提案につきましては、観光客がサイクリングで本市を訪れ、市内での滞在時間が増加する可能性はありますが、山坂が多く、市民が自転車を利用する機会の少ない本市において、歩行者との接触や自動車との事故など、歩行者側と自転車側両方に対する安全面の不安があることや、自転車の運転マナーの問題などの課題もあると聞いておりますので、まずは現状の把握に努めてまいりたいと考えているところでございます。
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)17番、佐々木秩議員。
○17番(佐々木秩議員)何点か再質問をさせていただきます。
まず、財政についてですが、予算編成について、御答弁の中にもありました予算編成基本方針、そういうものが示されていると、それに沿ってというお話は承知をしております。ただ、その中を見ましても、その思いみたいなものは入っているというのはわかりますけれども、具体性に乏しくて、私から見て、ざっくりとしたものというような感じです。具体性があるとすれば、その中に、言葉の中に出てきているのですのですけれども、別途通知というものがあります。出てきております。この別途通知が例えば具体性のあるものであれば、その中身についてどのようなものなのかを伺いたいと思います。お示しをください。
それから、予算編成について、大変いろいろ厳しいお話をさせていただきましたけれども、基本的に私たちは市長の予算編成権を侵すつもりは、まずはありません。その上で私たちも信頼をして、何とか市長にこの財政危機を乗り越えていただきたい。その思いでこの話をさせていただいておりますけれども、やはり、質問の中でも言わせていただきましたが、市長の市民から受けた負託、そうしたものに基づいた大きな権限で、この財政危機をしっかりとリーダーシップを発揮して乗り越えていただきたい。その思いをもう一度、選択と集中という言葉が市長の口から幾度もこの話について出てきておりますけれども、その選択と集中にきちんと市長の意思を乗せた、そうした手順で予算編成を行っていただきたい。そういう思い、決意を改めてお聞かせ願いたいと思います。
それから、中学校の部活動についてお聞きします。
いろいろとお話をしていただいたのですが、今、私のほうで押さえているところと若干話が、お聞きした部分で認識の違うところがあったので、まず話をさせていただきますけれども、部活動の個人負担軽減ということで話をしましたが、例えば各中学校は、まずは部活動に参加している生徒の個人負担を減らすために、さまざまな工夫をしてやっているのは、当然市教委も御存じだとは思うのですけれども、PTAと協力のもと廃品回収を行って、そしてその得た収入でユニフォーム、道具、楽器購入費をつくっています。そういうことのほかに、例えば市内の中学校、ブラスバンド部、私が押さえている範囲では3校ありますが、3校ともまず基本的には、市内のさまざまな催しに引っ張りだこの人気ですけれども、そこで使う楽器や何かの購入費、それから修理費、やはり不足して、部員が個人負担をしての購入もあるのですが、それ以外に地域の皆さんの寄附、助成活動に支えられている。そういう現状もあります。
その上で、そうした努力は自助努力というのでしょうか、部活動の中での努力はあった上で、さらに不参加生徒の理由は、先ほどは勉強のために部に参加しないというようなお話だということもありましたが、実際問題、私が中学校の美術部の顧問をしていたときの、そのときにいた生徒の経験ですけれども、本当は体育系の部活動に入りたかった。運動系の部活をやりたかったけれども、残念ながら家庭でそれだけの費用を出せない。聞けば、美術部は道具、絵の具や何かについても部が全部出してくれる、お金がかからないと聞いたので入るという生徒が複数いました。こういうことが実際に多分あるだろうと。そういうことの上で、先ほど経費や何かがどれくらいかかるのかという実態把握をしていただけるというお話がありましたので、そういうことについては、非常にこれは有効な手段になると思いますので、ぜひその辺については取り組んでいただきたいと思います。
先ほど数字を出してもらいました。体育系の部活動は6.9%減、そして、文化系は逆に5.4%ふえている。もちろんそういう、今言ったような経済的な理由ばかりではないとは思いますけれども、実際問題、そういう理由でこの数字に反映されていると私は思います。ぜひその辺の調査をしっかりとしていただきたいのとともに、この調査をするときに、できたら先ほど言った学校間連携の方式や何かについて、さまざまな問題点があって、そのことについて協議をされるということでしたので、その協議をするための資料として、例えば本当に希望した部活動に入っているのかとか、自分が入ろうとしている部活動が学校にない場合どうするのかとか、そしてそれ以外、他校でできるとしたら、放課後そちらに行ってでも活動したいのかとか、というようなこちらの方面についても一緒に調査なども進めていただけないかなというふうに思いますので、その辺のところはいかがでしょうか。
この件の最後ですけれども、学校配置適正化基本計画を今ストップしています。学校配置適正化基本計画というのは、生徒が希望した学校で部活動ができない、人数が減り過ぎてできないから、学校を合わせることによって、生徒数、教員の数がふえて部活動に行けるようになる、設置して入れるようになるというのも一つの理由でした。こういうことから言っても、やはりこれをとめたからには、今のこの状態を長く続ける、改善をしないまま続けるということはできないと思いますので、これは市教委の責任において取り組んでいただきたいということです。
四つ目、サイクルツーリズムの可能性について、一つだけ。今、最後のほうで、それについて情報収集していただけるということだったと思います。8月29日、30日に、第8回自転車利用環境向上会議in北海道・札幌というのが開催されるそうです。これは札幌市、北海道開発局主催で行われるものですけれども、これは全国大会を持ち回りでやってきているのですね。今回の会議の議題というのは、サイクルツーリズムの推進、これは自転車利用環境の向上というものをテーマとして、基調講演やパネルディスカッションを行うそうです。これはぜひ格好の場だと思いますので職員の方を派遣していただけないかなというふうに思います。それについて再質問ということにさせていただきます。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
○市長(迫俊哉)佐々木議員の再質問にお答えをさせていただきます。
私から、予算編成について幾つか御指摘をいただきましたけれども、市長になりまして、今年度予算の編成に私としても初めて当たったわけですが、私なりにいろいろと反省もしておりますし、改善もしていかなければいけないなというふうに思っておりますけれども、御指摘のありましたとおり、今の小樽市の厳しい財政状況の中で、収支の改善を図っていくということは避けることができない状況だというふうに考えております。
答弁の中で、トヨタのいう「カイゼン」のような取り組みもやっておりますが、まだ実際に効果を上げているような状況ではありませんので、今御指摘のありましたとおり、選択と集中の観点で事業の厳選も行う、あるいはスクラップ・アンド・ビルドを進めていく、あるいは事業の効率性に重点を置いた施策を進めていくなど、こういった多くの課題がありますけれども、そういったことをしっかりと市長としてリーダーシップを発揮しながら取り組んでまいりたいなというふうに考えているところでございます。
それから、サイクルツーリズムの御質問がございましたけれども、8月29日、30日に開発局主催の会議があるということでございますので、日程を調整させていただいた上で職員を派遣させていきたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)財政部長。
○財政部長(前田孝一)私から、再質問の最初にございました、基本的事項の中で、別途通知と言っている部分について御説明いたします。
基本的には、予算要求というのは各部長から財政部に予算要求することになってございますが、中には、具体的に一つ事例を申しますと、トイレの洋式化整備事業のように全庁的に取り組んでいる中で、そちらの優先順位等については、財政部サイドで付けて原部から予算要求してもらう、そういったものもございます。
また、特定の財源の中で、例えば電源立地地域対策交付金のように、こういった事業の充当についても、財政部で該当する事業を選定して原部に通知する。そういったような事例のときに、こういった別途通知ということで原部に通知しているところでございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)教育長。
○教育長(林秀樹)佐々木議員の再質問にお答えをさせていただきます。
ただいま、まず、中学生とかにアンケート調査をしてはどうかということでございますけれども、議員のおっしゃるとおり、部活動については子供たちの選択肢をふやして、生徒が希望する部活動の場を保障するということでは、大変意義あるものというふうに思っております。部活動そのものが、そうしたことから、子供たちにもぜひ取り組んでほしいなということでございます。そういった中において、議員のおっしゃる学校間連携方式等の取り組みを進めてみてはどうかとかという、いろいろ御提案がございました。
そういった中で、札幌市の学校間連携方式もいろいろ課題もありますし、メリットもあるという状況でございます。そういった中にあって、小樽市の部活動をどうしていくのかということでございますけれども、札幌市の状況と小樽市の状況は若干違っているということもございます。小樽市は指定校変更による入学者の希望を認めているという状況でございますので、そういったことも踏まえて、いろいろと先ほど御答弁をさせていただいたように、関係者といろいろと協議をしていく必要があるのだろうなというふうに思っております。
そういった中にあって、アンケートの部分でございますけれども、どの学年を対象に、どのような聞き方をすれば子供たちの声を十分把握することができるのかというところも、実は非常に難しい部分でございまして、それについても慎重にしていかなければならないかなというふうに思っていまして、そこの部分も関係者と協議をしていきたいというふうに思っています。
いずれにいたしましても、どういうことで改善できるのかというような観点に立って取り組んでまいりたいというふうに考えております。
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)17番、佐々木秩議員。
○17番(佐々木秩議員)あとについては、予算特別委員会その他でやらせていただきます。
○議長(鈴木喜明)以上をもちまして本日の会派代表質問を終結し、本日はこれをもって散会いたします。
散会午後3時47分
会議録署名議員
小樽市議会議長鈴木喜明
議員松田優子
議員髙木紀和