開会午前10時00分
○議長(鈴木喜明)これより、平成31年小樽市議会第1回定例会を開会いたします。
直ちに、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、髙橋龍議員、川畑正美議員を御指名いたします。
日程第1「会期の決定」を議題といたします。
お諮りいたします。
本定例会の会期を、本日から3月14日までの23日間といたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)御異議なしと認め、さように決しました。
日程第2「議案第1号ないし議案第38号及び報告第1号」を一括議題といたします。
まず、議案第1号ないし議案第37号及び報告第1号について、市長から提案理由の説明を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)(拍手)
○市長(迫俊哉)平成31年第1回定例会の開会に当たり、ただいま上程されました各案件に係る提案理由の説明に先立ち、幾つか申し述べさせていただきます。
まず、このたび明らかとなりました、職員の住居手当及び通勤手当の過支給についてであります。
当該手当の現況調査を実施した結果、届け出た内容と実態が変わったにもかかわらず、変更の届け出を怠っていたことや、認定した家賃の中に対象とならない経費が含まれていたことなどにより、一部に過支給が生じていたことが判明しました。このことは、市の公務に対する信頼を損なうものであり、市民の皆様や議員の皆様に不信を抱かせることとなりました。改めて、深くおわびを申し上げます。
今後は、届け出内容と実態が乖離することがないよう、手当に係る届け出義務の周知徹底を図るほか、届出様式の見直しや確実なチェックを行うことなどにより、再発防止に努めてまいります。
次に、平成30年第4回定例会において議決されました、平成29年度一般会計決算の不認定への対応について、報告させていただきます。
不認定の理由に挙げられておりました事項のうち、除排雪につきましては、29年度は、特に排雪作業が十分ではなかったことから、不適切な執行であったとの御指摘を受けたところです。そこで、30年度は、排雪協議を迅速に進めて、早目に作業日程を決定し、できる限り適切なタイミングでバス路線や主要な通学路などを優先した排雪作業を進めることといたしました。
また、臨港地区の除排雪につきましては、委託業務を分割したことによって、一部の地域において路面整正などに対する苦情が寄せられ、港湾活動に支障を来す結果となったとの御指摘でありました。そこで、30年度は、支障が生じることのないような体制を確保するため、一体的な管理が可能となるよう、再委託を認めることを前提に、経費を削減しつつ、臨港地区全体を一括で行える業者に発注することといたしました。
このほか、不認定の議決に際し御指摘のありました事項のうち、ふれあいパス事業に関するものなど、速やかに是正や改善に向けた措置を講じる必要があると認められるものにつきましては、不認定の議決を待たずに措置を講じるか、または改善に向けた方策に着手したところであります。
今後におきましては、市民の皆様、議員の皆様に疑義が生じることのないよう、より一層、適正な行財政運営に努めてまいります。
続きまして、新年度に向けた市政執行の所信の一端と施策の概要を申し上げ、議員の皆様の御理解と御協力をいただきたいと思います。
就任から早くも約半年がたちました。市長として多くの市民の方々と接する中で、この歴史と伝統ある小樽のかじ取り役を担う責任と、市民の皆さんの期待を改めて感じているところであり、新年度に臨むに当たりましては、このまちが抱える多くの課題を解決し、夢あふれる元気な小樽を実現するため、スピード感を持って全力で取り組んでいく決意を新たにしているところであります。
まず、こうした決意を実行に移していくためのまちづくりの基本方針を、私が政治姿勢として掲げた三つのキーワードに沿って申し上げます。
一つ目は「対話の重視」であります。
就任後、まずはまちづくりを再起動させるべく、市長と語る会の再開や、中小企業振興会議、北海道新幹線活用小樽まちづくり協議会の設置など、官民の意見交換や協議の場を設けるとともに、昨年12月には、1年間空席であった副市長を選任し、市政を前に進めていく体制を整えてきたところであります。
さらに来月、経済界を中心とした各種団体とまちづくりについて意見交換を行う小樽スクラムミーティングを設置することとしており、こうした場などを活用しながら、市民や経済界の皆様との対話を促進し、力を合わせてまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
二つ目は「経済と生活の好循環」であります。
人口減少時代において、市民生活を守り、豊かにするための行政サービスを維持し、まちを元気にしていくためには、経済の活性化で税収の増加を図り、市民ニーズに応える施策を展開する好循環を確立していくことが必要であり、本市においてその柱となるのは観光であります。
観光を取り巻く状況としましては、世界的に海外旅行者数は増加傾向にあり、貴重な成長市場であると言えます。政府は、訪日外国人旅行者数の目標を2020年に4,000万人、2030年に6,000万人と掲げている中、2018年には初めて3,000万人を超えました。
新千歳空港ではアジア圏の観光客を中心に国際線の利用者が大幅に増加しており、さらに昨年はウラジオストクとの直行便も就航し、ロシア沿海地域が身近になってきたところです。これは本市にとって観光のほか、物流においてもチャンスではないかと捉えているところであり、いち早くこのチャンスを生かしたいと考えております。
市内においても、後志自動車道の余市インターチェンジと小樽ジャンクション間が開通し、道央圏から北後志へのアクセス向上により広域観光の推進が期待されるほか、北海道新幹線の工事が始まり、新たな玄関口となる新駅開業に向けた取り組みも進んでおります。
また、昨年宿泊施設が相次いでオープンし、今後もホテルの建設が予定されるなど、長年の課題であった滞在型観光の推進に向けた環境が整いつつあり、本市が観光都市としてさらに飛躍するために大事な時期を迎えていると言えます。
この機会に、歴史や文化などを生かした観光資源の磨き上げや受け入れ体制の充実を図り、観光都市としての整備を進めるとともに、その経済効果を広く波及させるため、関連産業との連携を深めてまいりたいと考えております。
三つ目は「備え」であります。
昨年9月の北海道胆振東部地震に伴う大規模停電への対応では、避難所などの電源対策や情報伝達などに課題を残し、防災の面から市民生活の安全・安心に備えていくことの大切さを改めて痛感したことから、防災力の強化に重点的に取り組んでまいりたいと考えております。
また、本市の昨年の出生数が500人を割り、ここ20年で半減しているという状況から、未来に備える少子化対策の重要性を改めて感じたところであります。
国は、子育て世代の経済的負担を軽減するため、本年10月から幼児教育の無償化を始めますが、本市としましては、こうした政策に歩調を合わせながら、地域性を考慮した独自の施策も展開し、安心して子供を産み育てられる環境を整えてまいりたいと考えております。
次に、このような方針に基づいて行いました、平成31年度予算編成の基本的な考え方を申し上げます。
本市の財政は、平成22年度に累積赤字を解消して以降も、当初予算の編成においては毎年度財源不足が生じており、依然として厳しい財政状況が続いております。このような中、31年度予算の編成においては、公約の推進を初め、これまでの議会議論において御指摘をいただいた課題や、社会的要請にできる限り応えていくため、職員と議論を重ね、選択と集中の観点で事業を厳選してまいりました。
その結果、特に近年増加する自然災害や少子化への対策として、安全・安心への備えや子育て支援を中心に、公約の推進を重視した施策を展開することとし、「みらいに向けた“備え・はぐくみ”予算」と掲げたところであります。
収支の状況につきましては、30年度予算に比べ、歳入では市税や譲与税・交付金などが増加し、歳出では債務負担による単年度負担の平準化や有利な起債の活用などにより一般財源の削減に努めたことから、昨年11月に策定いたしました収支改善プランにおける収支見通しに比べ、一定程度の収支改善が図られたものと捉えておりますが、31年度も大変厳しい予算編成となり、結果として財源不足が生じたことから、財政調整基金の取り崩しなどの財源対策を行い、収支均衡予算を編成したところであります。
今後も、収支改善プランに掲げた収支の改善に向けた取り組みを進め、財政の健全化を図ってまいります。
次に、当初予算案に計上した主な事業の概要について、第7次小樽市総合計画基本構想の「まちづくり6つのテーマ」に沿って御説明申し上げます。
なお、教育行政の執行方針につきましては、後ほど教育長から説明いたしますので、私からは予算面から主なものに絞って申し上げます。
初めに、第1のテーマ「安心して子どもを生み育てることのできるまち」についてであります。
本市の未来を支える次世代を大切に育むとともに、小樽商科大学との人口減少問題の共同研究において、教育や子育て環境の満足度が子育て世代の定住志向と関連するとされていることからも、子育て世代のニーズには優先的に応えてまいりたいと考えております。
新年度の主な取り組みとしましては、まず、妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援を目指して、新たに不妊検査にかかる費用に対する助成を行うとともに、子供の医療費の助成を、中学生の入院にまで拡大します。
また、ひとり親家庭、生活保護世帯、経済的に不安のある世帯の中学生を対象に、学習支援や困り事相談に応じる事業を新たに実施します。
さらに、保育環境の充実を図るため、学校法人小樽学園いなほ幼稚園が行う認定こども園舎などの施設整備や、新たに実施する病児保育事業に対して補助を行います。
このほか、後でも述べますが、特に子育て世代の方々から要望の多い公園整備を進めてまいります。
学校教育に関しては、教員の働く環境や児童・生徒の学習環境の改善のため、中学校への部活動指導員の配置や、教育用パソコンの整備、学校司書の増員などを行うとともに、幸小学校の耐震補強及び大規模改造工事や、耐震診断未実施の学校施設に対する耐震診断を行います。
また、生まれ育ったまちの理解を深め、小樽の未来を担う人材を育成するため、キャリア教育を推進するとともに、地域の民俗芸能を体験する機会の提供や、本市の歴史・文化などを学ぶための教材「小樽の歴史」の作成などを通じてふるさと教育の充実を図ります。
次に、第2のテーマ「誰もがいきいきと健やかに暮らせるまち」についてであります。
まず、ふれあいパス事業については、今年度と同様の制度を新年度も継続しながら、持続可能な新制度に向けた検討を行います。また、障害者タクシー利用助成事業において、新たに交付対象に視覚障害2級の方を追加いたします。
健康寿命の延伸を目指す取り組みとしましては、糖尿病の重症化を防ぐため、未治療者への受診勧奨や保健指導を新たに実施するとともに、受動喫煙を防ぐため、市民や施設管理者への周知及び飲食店などにおける受動喫煙防止策の推進を図ります。
このほか、消費税率引き上げに伴う国の対応として、低所得者及び子育て世帯の消費への影響を緩和するとともに、地域における消費を喚起するため、市民税非課税世帯と3歳未満の子が属する世帯を対象に、プレミアム付商品券を販売いたします。
次に、第3のテーマ「強みを生かした産業振興によるにぎわいのまち」についてであります。
経済と生活の好循環を生み出すため、地域経済を支える中小企業の収支改善や、そこで働く人々の雇用環境の改善に結びつくよう、外から人やお金を呼び込み、地域内で循環させることを意識しながら取り組みを進めます。
まず、地場産品のブランド化や販路拡大を図る取り組みとしましては、国内市場に向けては、全国規模の商談会への参加や商品特性に適した販路の開拓、商品の磨き上げ相談などを行い、海外に向けては産学官連携によるベトナム市場開拓のための商談会などを引き続き行います。
中小企業・小規模事業者の振興策としましては、新規創業者に対する家賃や内外装工事費などへの補助を継続するほか、産学官金の新たなネットワークである中小企業振興会議を開催し、今後の中小企業振興施策の立案に向けた取り組みを進めてまいります。
企業誘致推進の取り組みとしましては、観光客誘致やクルーズ船誘致など、強みである観光を基軸として本市におけるビジネスの機会を拡大し、企業の進出につなげていく考えであります。また、首都圏におけるネットワーク構築を図るため、新たにフォーラムを東京で開催し、私も積極的にトップセールスを行ってまいります。
次に、観光についてですが、昨年は日本遺産「北前船寄港地・船主集落」に本市が追加認定され、また、北海道遺産にNPO法人北海道鉄道文化保存会が申請した「小樽の鉄道遺産」が選定されたほか、小樽雪あかりの路が、国土交通大臣表彰である「手づくり郷土賞」大賞部門のグランプリに選ばれるなど、うれしい話題が相次ぎました。
平成31年度は、日本遺産について、来年1月に向けて地域型の申請を目指すとともに、昨年追加認定を受けた北前船ストーリーの活用策として、本年10月には石狩市と共同開催のフォーラムなどを実施し、日本遺産の取り組みを観光客の増加につなげてまいります。
また、観光案内所の通訳スタッフを増員し、外国人観光客の受け入れ体制を強化するとともに、小樽観光協会が行うフィリピン旅行博出展などのプロモーション活動に補助するなど、官民で力を合わせて誘客促進に取り組んでまいります。
このほか、中心市街地のにぎわいづくりのため、商店街などが行う魅力向上や観光客の回遊性向上を図る事業に対して支援を行います。
小樽港の振興策としましては、ロシア沿海地域や国内のポートセールスを引き続き行うとともに、コンテナ航路の維持に必要なガントリークレーンの延命化対策工事や、勝納泊地においてパナマックス船の入港に必要な水深を確保するしゅんせつ工事を行います。
また、クルーズ船誘致のためのプロモーション活動を継続するとともに、大型客船の接岸が可能となるよう、国と連携して第3号ふ頭の岸壁改良工事及び泊地しゅんせつ工事を進めるほか、港湾計画の改訂に向け、長期構想の検討を再開いたします。
雇用・就業の促進に向けた取り組みとしましては、シルバー人材センターにおける事務局体制の強化を支援し、高年齢者の就業を促進するほか、若者の地元定着に向けて、これまでの高校生就職スキルアップ支援事業を見直し、企業とのマッチング機会の確保を意識し、新たに若者就職マッチング支援事業として実施いたします。
次に、第4のテーマ「生活基盤が充実した安全で暮らしやすいまち」についてであります。
昨年の大規模停電の経験を踏まえ、災害が起きても安全・安心な市民生活を確保するための備えを優先して行います。
まず、非常時の停電対策として、避難所となる全小・中学校と公立保育所等に非常用発電機や投光器を配備するほか、停電時も救急医療を継続できるよう、夜間急病センターに非常用電源設備を整備いたします。
また、東日本大震災の教訓から、津波などの際に沿岸部の市民や観光客へ迅速に情報を伝達するため防災行政無線を整備するとともに、災害時に市内全域に情報が提供できるよう、FMおたるの難聴地域解消のための送信局増設に向けた調査及び実施設計を行います。
さらに、星置川・新川の洪水浸水想定区域の見直しに対応した洪水ハザードマップを作成するなど、防災力の強化を図ってまいります。
災害に備えた消防力の強化としましては、災害対応特殊化学消防ポンプ自動車の更新や、地域の安全を担う消防団の活動を強化するため、災害発生時に必要な資機材の搬送のほか広報車としても活用できるよう、小型動力ポンプ付積載車の更新を行います。
除排雪については、今シーズンの計画的な排雪作業などが一定程度評価をいただいたと受けとめておりますので、基本的に同様の除排雪作業を行う予算としておりますが、貸出ダンプに係る経費につきましては、市民との協働事業として抜本的な制度の見直しを含めた検討を行い、第3回定例会で補正予算として改めて提案いたします。
新幹線新駅の開業に向けた取り組みとしましては、新駅周辺のまちづくりや、2次交通、ソフト対策などについて、北海道新幹線活用小樽まちづくり協議会を開催し、官民一体となって協議を進めます。
人口対策としての移住促進の取り組みとしましては、北海道と連携して、東京23区に在住または勤務している方が本市に移住し、要件を満たす中小企業等に就職または起業した場合に支援金を支給する移住支援事業を新たに実施いたします。
次に、第5のテーマ「まちなみと自然が調和し、環境にやさしいまち」についてであります。
まず、廃棄物の適正処理に関する取り組みとしましては、桃内の一般廃棄物最終処分場の延命化のための整備といたしまして、今後のかさ上げの工事に先立ち、平成31年度はトラックスケールや、浸出水処理施設の自動制御装置の更新などを行います。
また、ごみ収集運搬等の効率化のため、大型塵芥車及び不法投棄パトロール用のリフト付きダンプを購入し、車両の再編を行います。
子供たちが安心して利用できる公園整備としましては、築港臨海公園において、ダニーデン市から寄贈を受けた友好親善の象徴である遊具を改修するほか、幸中央公園など七つの都市公園において、老朽化した公園遊具などを地域の意見を聞きながら更新いたします。
このほか、本市の強み・魅力である歴史的景観の保全のため、市指定歴史的建造物の外観の保全に要する経費への補助を継続いたします。
次に、第6のテーマ「生きがいにあふれ、人と文化を育むまち」についてであります。
まず、文化芸術の振興に関しては、第70回記念となる小樽市文化祭や、没後50年となる伊藤整の特別展を開催するほか、美術館2階展示室の照明を、省電力で幅広い展示に対応できるLED照明に更新いたします。
また、本市を代表する重要文化財である旧日本郵船株式会社小樽支店の保存・活用を図るため、耐震補強及び改修工事を行います。
スポーツの振興に関しては、手宮公園競技場に第3種公認陸上競技場として必要な附帯設備を整備いたします。
そのほかの主要事業としましては、まず、市政の総合的な指針となる第7次小樽市総合計画について、施策の内容を示す基本計画を策定するとともに、人口減少対策と地域の創生に向けた施策を取りまとめる、次期小樽市総合戦略の策定を行います。
また、公共施設の集約化や複合化などによる再編を示す公共施設再編計画を、市民意見交換会を経て策定いたします。
人口減少時代において、市民生活を守り、まちの活力を高めていくためには、各分野における取り組みをより効果的・効率的にしていくことはもちろん、複合的な課題に対して、各部門で課題を共有し、関連して取り組むことで、組織としての課題解決力を高めていくことが必要です。
こうした計画の策定により、庁内の連携を深めるとともに、議会や市民の皆様とまちづくりの課題や方向性を共有し、持続可能なまちづくりに向けて、一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。
このほか、当初予算に計上した事業以外にも、国立小樽海上技術学校の存続に向けた取り組みや、後で述べます連携中枢都市圏の形成による札幌市との連携などを進めてまいります。
本年5月には元号が変わり、新たな時代の幕あけを迎えます。
ふるさと小樽を安全・安心で活力あふれるまちとして、次の世代にしっかりと引き継いでいけるよう、皆様とともに、未来に備えたまちづくりを行ってまいりたいと考えておりますので、議員各位の御協力をお願い申し上げます。
次に、今議会に上程された各案件について説明申し上げます。
初めに、議案第1号から議案第14号までの平成31年度各会計予算について説明申し上げます。
最初に、平成31年度一般会計予算の主なものについて、前年度の当初予算と比較して説明申し上げます。
まず、歳入についてでありますが、市税につきましては、個人市民税、法人市民税などで減収が見込まれるものの、固定資産税、都市計画税などで増収が見込まれることから、2.7%、3億5,280万円増の135億7,350万円を見込みました。
地方交付税につきましては、国の地方財政計画の伸び率などを基本に、本市の特殊事情を勘案しながら積算し、臨時財政対策債を加えた実質的な地方交付税では、1.7%、2億9,500万円減の170億5,100万円を見込みました。
地方消費税交付金につきましては、3.2%、7,800万円増の25億700万円を見込みました。
また、歳出の主なものについて経費別に申し上げますと、いわゆる義務的経費では、人件費が0.6%の減、公債費が4.3%の減となりましたが、扶助費において、市内幼稚園の新制度幼稚園・認定こども園への移行に伴う教育・保育給付費負担金の増などにより、2.1%の増となったことから、合計では0.3%の増となり、歳出合計に占める義務的経費の割合は、前年度を1.9ポイント下回る56.1%となりました。
行政経費につきましては、市議会議員選挙、知事・道議会議員選挙、参議院議員選挙の執行や、低所得者・子育て世帯向けプレミアム付商品券事業の実施に伴い9.7%の増となりました。
建設事業費につきましては、幸小学校の校舎等耐震補強等事業や色内ふ頭老朽化対策事業などの工事に取りかかることから、74.3%の増となりました。
負担金、補助及び交付金につきましては、後期高齢者医療の療養給付費負担金において増となりましたが、民間保育施設等整備支援事業費補助金、周産期医療支援事業費補助金の減などにより、3.2%の減となりました。
維持補修費につきましては、除雪費において、平成30年度は補正予算で計上していた除排雪業務委託料などを当初予算で計上したことなどから、74.4%の増となりました。
繰出金につきましては、病院事業分が増となりましたが、港湾整備事業分が皆減したほか、国民健康保険事業、介護保険事業、産業廃棄物処分事業、後期高齢者医療事業、水道事業、下水道事業などへの繰り出し分が減となったことから、全体では2.9%の減となりました。
次に、特別会計及び企業会計の主なものについて説明申し上げます。
国民健康保険事業につきましては、歳出では、被保険者数の減少などにより、保険給付費が4.2%減の105億7,855万円となるほか、国保事業費納付金が0.5%増の30億1,700万円となりました。
歳入では、保険給付費の減に伴う道支出金の減が見込まれるほか、保険料の総額は2.1%減の19億460万円と見込んでいますが、被保険者数の減少と国保事業費納付金の増加の影響による保険料率の引き上げを緩和するため、基金繰入金を1億円計上いたしました。
介護保険事業につきましては、これまでの利用実績と今後の利用見込みを勘案して算定した結果、保険給付費は0.7%減の134億8,807万円、介護予防推進のための地域支援事業費は5.4%増の7億5,624万円となりました。
また、保険料は2.5%増の29億1,621万円と見込みました。
後期高齢者医療事業につきましては、保険料14億7,472万円、低所得者等に対する保険料軽減に係る公費負担金5億3,877万円及び事務費4,608万円を、事業の実施主体である北海道後期高齢者医療広域連合へ支出するものであり、前年度に比べ5,636万円の増となっておりますが、これは主に、徴収する保険料について、制度改正及び被保険者数の増加に伴い増となったためであります。
病院事業につきましては、総務省の新公立病院改革ガイドラインに基づき、平成29年3月に策定した新小樽市立病院改革プランに沿った取り組みを実践し、一定の成果があらわれてきているところであります。平成31年度においても、引き続き経営改革を推進し、改革プラン収支目標の達成に向け、病院事業管理者のもと、職員一丸となって、健全で自立した病院経営に努めてまいります。
水道事業につきましては、長期的かつ安定的な水の供給を図るため、老朽化した管路の更新や耐震化を進めるとともに、浄水場などの施設の更新工事を実施してまいります。資金収支の見通しは、平成31年度末においても、引き続き資金余剰となる見込みであり、今後とも給水収益に見合った効率的な事業運営に努めてまいります。
下水道事業につきましては、処理場・ポンプ場の機械・電気設備などの老朽化した施設の更新や、汚水管の整備を進めるとともに、色内ふ頭護岸改修工事を実施してまいります。資金収支の見通しは、平成31年度末においても、引き続き資金余剰となる見込みであり、今後の事業運営に当たりましても、効率的で健全な経営に努めてまいります。
産業廃棄物等処分事業につきましては、一般国道5号小樽市塩谷トンネル工事に伴う土砂の搬入量が大幅にふえることから、収益的収入は増加が見込まれ、収益的支出において、管理運営業務等、委託料の増などが見込まれますが、平成31年度の収益的収支としては黒字が見込まれます。
簡易水道事業につきましては、長期的かつ安定的な水の供給を図るため、配水ポンプ所の老朽化した設備の更新を進めてまいります。資金収支の見通しは、平成31年度末においても過不足は生じない見込みであり、今後とも効率的な事業運営に努めてまいります。
以上の結果、平成31年度の財政規模は、一般会計では572億130万1,000円、特別会計では327億3,680万9,000円、企業会計では258億2,769万5,000円、全会計では1,157億6,580万5,000円となり、前年度の当初予算と比較いたしますと、一般会計で3.8%の増、特別会計で5.5%の減、企業会計で5.3%の増となり、全会計では1.3%の増となりました。
次に、議案第15号から議案第19号までの平成30年度各会計補正予算について説明申し上げます。
議案第15号の一般会計の主なものといたしましては、歳出では、非常時停電対策として、外国人観光案内所の非常用発電機の整備等について経費の一部を助成する訪日外国旅行者受入環境整備緊急対策事業費補助金を計上するほか、低所得者・子育て世帯向けプレミアム付商品券事業を平成31年度に実施するため、国の補正予算に対応し、所要の経費を繰越明許費として計上いたしました。
また、決算見込みの精査により、歳出では、石狩湾新港管理組合負担金や職員給与費を減額、歳入では、土地売払収入や減収補塡債を計上するほか、市税、市債を増額するとともに、財政調整基金繰入金を減額するなど、所要の補正を計上いたしました。
以上の結果、一般会計における補正額は、歳入歳出ともに1億5,447万9,000円の減となり、財政規模は566億2,488万円となりました。
次に、議案第16号から議案第19号までの特別会計及び企業会計補正予算の主なものについて説明申し上げます。
港湾整備事業では、中央2号上屋の建物売り払いに伴う財産収入の計上や決算見込みの精査による中央ふ頭国有地購入費の減などについて、国民健康保険事業では、職員給与費の減などについて、介護保険事業では、地域支援事業費の増や保険給付費の減などについて、所要の補正を計上いたしました。
また、病院事業につきましては、入院・外来収益の増額と材料費、給与費の増額などについて、所要の補正を計上いたしました。
続きまして、議案第20号から議案第37号までについて説明申し上げます。
議案第20号職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例案につきましては、国家公務員に準じて、時間外勤務命令の上限を設定する目的で、時間外勤務に関する委任規定を設けるものであります。
議案第21号特別職に属する職員の給与条例の一部を改正する条例案につきましては、特別職の期末手当支給割合について、職員の勤勉手当支給割合の引き上げに準じた改定を行うとともに、この改定にかかわらず、引き続きその支給割合を据え置くこととするものであります。
議案第22号こども医療費助成条例等の一部を改正する条例案につきましては、こども医療費助成の対象に中学生の入院を追加するとともに、所要の改正を行うものであります。
議案第23号国民健康保険条例の一部を改正する条例案につきましては、国民健康保険法施行令の一部改正に伴い、基礎賦課限度額を改定し、及び低所得者に係る国民健康保険料の軽減措置の対象者の範囲を拡大するとともに、保険料の減免の特例について見直しを行うものであります。
議案第24号駐車場条例の一部を改正する条例案につきましては、公の施設としての銭函3丁目駐車場を廃止するとともに、所要の改正を行うものであります。
議案第25号夜間急病センター条例の一部を改正する条例案につきましては、消費税率及び地方消費税率の引き上げに伴い、診療に係る利用料金及び文書料を改定するものであります。
議案第26号廃棄物の減量及び処理に関する条例の一部を改正する条例案につきましては、消費税率及び地方消費税率の引き上げに伴い、産業廃棄物処分手数料及び廃棄土砂処分手数料を改定するものであります。
議案第27号市営住宅条例の一部を改正する条例案につきましては、消費税率及び地方消費税率の引き上げに伴い、集会所の利用料金及び駐車場の使用料を改定するとともに、所要の改正を行うものであります。
議案第28号港湾施設管理使用条例の一部を改正する条例案につきましては、中央5号上屋の供用開始に伴い、新たに使用料を設定するとともに、消費税率及び地方消費税率の引き上げに伴い、港湾施設の使用料を改定するものであります。
議案第29号入港料条例の一部を改正する条例案につきましては、消費税率及び地方消費税率の引き上げに伴い、入港料を改定するものであります。
議案第30号水道事業給水条例の一部を改正する条例案につきましては、消費税率及び地方消費税率の引き上げに伴い、給水装置工事に係る工事費、水道料金並びに給水装置の新設工事及び改造工事に係る加入金を改定するとともに、所要の改正を行うものであります。
議案第31号簡易水道事業給水条例の一部を改正する条例案につきましては、消費税率及び地方消費税率の引き上げに伴い、簡易水道事業の水道料金を改定するものであります。
議案第32号下水道条例の一部を改正する条例案につきましては、消費税率及び地方消費税率の引き上げに伴い、排水設備工事に要する工事費及び下水道使用料を改定するとともに、所要の改正を行うものであります。
議案第33号札幌市及び小樽市における連携中枢都市圏形成に係る連携協約の締結に関する協議につきましては、地方自治法第252条の2第1項の規定により、連携中枢都市圏形成に係る連携協約の締結に関し、札幌市と協議するものであります。
議案第34号市道路線の認定につきましては、朝里北30号上通線及び朝里中学校前通線を認定するものであります。
議案第35号職員給与条例等の一部を改正する条例案につきましては、管理職である職員に限り、人事評価の結果を昇給及び勤勉手当の支給に反映させるものであります。
議案第36号水道布設工事監督者を配置する工事及び当該監督者の資格基準並びに水道技術管理者の資格基準に関する条例の一部を改正する条例案につきましては、水道法施行規則の一部改正に伴い、所要の改正を行うものであります。
議案第37号過疎地域自立促進市町村計画の変更につきましては、過疎地域自立促進特別措置法第6条第7項において準用する同条第1項の規定により、過疎地域自立促進市町村計画の一部を変更するものであります。
最後に、専決処分報告についてでありますが、報告第1号につきましては、平成30年度一般会計予算において、小樽港保安施設改良工事について入札不調により年度内にその支出が終了しない見込みであることから、その予算の一部を繰越明許費とするため、同会計の補正予算について平成31年1月21日に専決処分したものであります。
以上、概括的に説明申し上げましたが、何とぞ原案どおり御可決、御承認賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○議長(鈴木喜明)次に、平成31年度小樽市教育行政執行方針について教育長から説明したいとの申し出がありますので、これを許します。
○議長(鈴木喜明)教育長。
(「議長」と呼ぶ者あり)
(林秀樹教育長登壇)
○教育長(林秀樹)平成31年度の教育行政執行に当たり、小樽市教育委員会の基本方針を申し上げます。
急速な人口減少や少子高齢化、高度情報化の進展など、社会情勢が大きく変化する中、国においては、平成30年6月に第3期教育振興基本計画を策定し、人生100年時代や超スマート社会の到来に向け、若年期の教育として「知識・技能の習得」や「思考力、判断力、表現力等の育成」、「学びに向かう力・人間性等の涵養」の三つの資質・能力の育成と、「生涯にわたって自ら学習し、自己の能力を高め、働くことや、地域や社会の課題解決のための活動につなげていく」ことを、今後の教育施策の重点事項として位置づけました。
また、平成30年3月策定の北海道教育推進計画においては、「自立」と「共生」の二つの理念のもと、「ふるさとを想い、グローバルな視野で共に生きる力の育成」と「学校・家庭・地域・行政の連携による、人口減少に対応するための教育環境の形成」の二つを重点事項に位置づけました。
本市におきましては、現在、第7次小樽市総合計画を策定しておりますが、その基本構想におけるまちづくりのテーマにおいて、学校教育では、多様な社会的変化を乗り越えるための力を育む学校教育を地域と連携・協働しながら取り組むとし、また、社会教育では市民一人一人に生涯各期にわたる多様な学習機会やスポーツ・レクリエーション活動を行う環境を提供するとともに、市民による文化芸術の振興や多様な歴史文化資源の活用・保存に取り組むといたしました。
総合計画の「まちづくりの基本的な考え方」では、先人たちから受け継いだこのすばらしいまちを、次の世代へ責任を持って引き継げるよう、持続可能な発展を図るとしておりますが、これから迎える新たな時代に対応可能な人材、特に小樽の未来を託すことのできる人材を育成する取り組みが、ますます重要になるものと考えております。
教育委員会といたしましては、人材育成は、学校教育や社会教育の分野を横断した取り組みが必要との観点から、学校教育と社会教育とに分かれて策定しておりました教育推進計画について、教育計画としての総合性を高め、学校教育と社会教育との整合性を図ることを目的に、第7次小樽市総合計画並びに小樽市教育大綱の趣旨を踏まえつつ、(仮称)小樽市教育推進計画として平成31年度中に一体化して策定してまいりたいと考えております。
それでは、教育委員会が平成31年度に重点的に取り組む施策について申し述べます。
まず、学校教育の分野ですが、小樽市学校教育推進計画の五つの重点目標に沿って、御説明いたします。
重点目標の1点目、「確かな学力の育成」に向けた取り組みでありますが、主体的・対話的で深い学びの視点に基づく授業改善と望ましい学習及び生活習慣の確立を両輪として進めてまいります。
まず、授業改善につきましては、中学校2年生の通常学級に大型テレビを設置するとともに、ICT機器の効果的な活用を図るICT活用研修講座や科学・自然に対する興味・関心を高める理科教育特別研修講座の開催などを通して、指導力の向上を図ります。
次に、児童・生徒の確かな学力の定着を図るため、音読カップや小樽こどもの詩(ポエム)コンクール、標準学力検査などを引き続き実施します。
次に、学習及び生活習慣の確立につきましては、家庭学習をテーマとした学力向上特別研修講座を新たに開催するとともに、小樽市PTA連合会との共催による家庭学習等に関するフォーラムを開催します。
また、インターネット利用等に関する本市独自のルールであるおたるスマート7の周知を図り、児童・生徒や保護者への定着に努めてまいります。
続いて、重点目標の2点目、「豊かな心の育成」に向けた取り組みであります。
まず、小樽市教育支援センターでは、コーディネーターを中心とした訪問型支援や登校支援室でのきめ細かな指導を継続するとともに、スクールカウンセラー及びスクールソーシャルワーカーの配置を通して、不登校児童・生徒への支援の充実を図ってまいります。
次に、いじめ防止対策につきましては、年2回のキャンペーンを実施し、小樽いじめ防止サミット等の取り組みを通して、児童・生徒が安心して学校生活を送ることができるよう努めてまいります。
また、平成31年度は中学校において道徳が教科化されることから、中学校1校を道徳教育推進校に指定し、研修講座での公開授業等を通して、教員の指導力向上を図ります。
さらに、現在、市内に5名配置している学校司書を6名に増員し、学校図書館の環境を充実することにより、読書習慣の確立を図ります。
次に、小樽市手話言語条例の施行を受け、小樽ろうあ協会や北海道高等聾学校などの協力を得て、出前授業を開催し、児童・生徒に聴覚障害や手話に対する理解促進を図ります。
続いて、重点目標の3点目、「健やかな体の育成」に向けた取り組みでありますが、体育専科教員を引き続き小学校に配置するとともに、研修講座の開催等を通じて、先進的な体育科の指導方法を広く市内の教員に還元します。
また、小中学校体力向上検討委員会において、体力向上に関する指導資料を作成するとともに、スポーツイベント等への参加促進を通して、児童・生徒の一層の体力向上を図ってまいります。
続いて、重点目標の4点目、「社会の変化に対応した教育の推進」に向けた取り組みであります。
まず、関係機関との連携のもと小樽市キャリア教育推進会議を開催し、小樽市ふるさとキャリアプランの策定や職場体験協力事業者リストの作成について協議するとともに、小・中学校において、外部講師による出前授業を実施するなど、キャリア教育の充実に努めます。
また、ふるさと教育の推進につきましては、教材「小樽の歴史」を作成し、その効果的な活用に向けた教育課程等の準備を進めます。
次に、英語教育の充実につきましては、まず、小学校3校、中学校4校を英語教育推進校に指定し、公開授業等を通して実践の成果を広げてまいります。
また、全小学校に英語に堪能な外部講師を派遣する英語教育推進事業や英語の指導教員が、ティーム・ティーチング等を行う巡回指導教員研修事業を実施するなど、小学校教員の授業力と英語力向上を図ってまいります。
さらに、小樽イングリッシュキャンプやウインターイングリッシュスクールを開催するなど、さまざまな施策を通して、英語教育の充実を図ってまいります。
また、新学習指導要領により、新たに小学校においてプログラミング教育が実施されることから、すぐれた授業実践の習得やプログラミング体験を目的とした研修講座を開催し、プログラミング教育の円滑な実施に向け、教員の指導力向上を図ります。
続いて、重点目標の5点目、「信頼に応える学校づくり」に向けた取り組みであります。
まず、コミュニティ・スクールにつきましては、新たに花園小学校、手宮中央小学校、北陵中学校において、学校運営協議会を設置するとともに、小学校2校、中学校1校において、学習会等を開催するなど、導入拡大に向けて推進環境を整えてまいります。
次に、小・中学校間の連携・接続につきましては、新たな取り組みとして、小中一貫教育推進地区を指定するとともに、研修講座の開催等を通して取り組みの成果を還元し、全中学校区単位で取り組んでまいります。
このほか、教育環境の整備について申し上げます。
まず、1点目、小・中学校の再編についての取り組みであります。
平成21年度に策定した小樽市立小中学校学校規模・学校配置適正化基本計画につきましては、計画前期の成果と課題の検証を踏まえ、改めて将来を見据えた学校再編の考え方について検討を行ってまいります。
また、朝里小学校と豊倉小学校につきましては、統合協議会を設置し、平成32年4月の円滑な統合に向け取り組みを進めてまいります。
2点目は学校の施設整備についてであります。
まず、ICT環境整備につきましては、授業で使用する児童・生徒用の教育用パソコンとして、小学校はタブレット型パソコン610台、中学校ではデスクトップ型パソコン420台と、タブレット型パソコン140台を整備いたします。なお、教職員が使用する校務用パソコンについても610台を更新いたします。
また、耐震診断未実施の塩谷小学校、桂岡小学校の校舎等の耐震診断を進めるとともに、幸小学校の校舎と屋内運動場の耐震補強等の工事を実施します。
さらに、教職員の働き方改革の一環として、国や北海道の事業を活用し、中学校に部活動指導員を配置することにより、教職員の負担を軽減し、多忙化解消及び部活動の質の向上を図ってまいります。
続いて、社会教育の分野でありますが、小樽市社会教育推進計画の三つの重点施策に沿って御説明申し上げます。
まず、1点目、「生涯各期の学習活動の推進」に向けた取り組みにつきましては、市民の多様な学習ニーズに応えるため、道内外から講師を招いて開講する小樽市民大学講座や、市民の学習要望を取り入れ、趣味や教養などの学びを提供するはつらつ講座の実施など、学習機会の充実に努めてまいります。
また、教育支援活動につきましては、地域住民が学校支援ボランティアとして、学習支援や部活動、登下校の見守りなどへの支援を行うほか、おたる地域子ども教室の実施に取り組んでまいります。
このほか、地域人材を活用した家庭教育支援の活動に取り組むとともに、市内の小学生を対象に生活習慣の改善を目的とした体験講座などを行ってまいります。
続いて2点目、「文化芸術、スポーツ・レクリエーションの推進」に向けた取り組みにつきましては、まず、小樽市文化祭が第70回を迎えることを記念し、本年設立70周年を迎える小樽市文化団体協議会と連携して(仮称)おたる市民芸術祭を開催いたします。
また、平成30年度から取り組んでいる重要文化財旧日本郵船株式会社小樽支店の耐震補強及び改修工事を継続して行ってまいります。
次に、本市の文化財である松前神楽や高島越後踊り、向井流水法などの地域の民俗芸能を保存継承するため、多くの児童・生徒に体験を通じた学びの機会を提供するとともに、人材育成や伝承活動の振興を図ります。
さらに、おたる運河ロードレース大会につきましては、コースの安全面への配慮からハーフ種目を除く種目で開催し、市内小・中学生や市内外のランナーの参加を呼びかけてまいります。
続いて3点目は、「社会教育施設の利活用の推進」に向けた取り組みであります。
まず、後志管内唯一の第3種公認陸上競技場である手宮公園競技場の公認検定に向け、必要な器具を整備することにより、スポーツの振興と競技力の向上を図ります。
次に、図書館におきましては、平成31年度を初年度とする小樽市子ども読書活動推進計画に基づく事業として、図書館司書による学校図書館の支援事業や、地域に出向き本の貸し出しや読み聞かせを行うブックフェスティバルなどの各種イベントを開催し、子供の読書環境の充実に努めます。
また、美術館は開館40周年を記念し、小樽ゆかりの作家を特集した四つの特別展を1年間にわたって連続して開催するとともに、文学館では、伊藤整の没後50年を記念した特別展で、初期の未公開小説の直筆原稿など、貴重な資料を展示いたします。
次に、総合博物館におきましては、近年一括寄贈されました旧北の誉酒造の関連資料をもとに、企画展「小樽ニ銘酒有之候(おたるにめいしゅこれありそうろう)」を開催し、小樽の日本酒醸造の歴史を紹介してまいります。
以上、平成31年度の教育行政を執行するに当たっての主な施策について御説明をいたしました。
市民の皆様及び議員各位の一層の御支援と御協力を心からお願いを申し上げます。
○議長(鈴木喜明)次に、議案第38号について、提出者から提案理由の説明を求めます。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)21番、川畑正美議員。
(21番川畑正美議員登壇)(拍手)
○21番(川畑正美議員)日本共産党を代表して、議案第38号小樽市非核港湾条例案の提案説明を行います。
かつて小樽市議会は、小樽市民が世界に開かれた国際観光都市の市民として、小樽市の平和の営みが世界の平和に通ずる確かな道であることを確認し、1982年に全道に先駆けて核兵器廃絶平和都市宣言を決議しています。
小樽市非核港湾条例の目的は、核兵器廃絶平和都市宣言を一層発展させ、小樽市の平和が世界の平和とともにあることを自覚し、市と市民の不断の努力によって、日本国憲法の平和主義と国の非核三原則及び地方自治の本旨にのっとり、積極的な非核港湾行政を推進することです。この条例提案は今回で74回になります。議員各位の皆さんには提案の趣旨を御理解願います。
さて、世界の核兵器禁止に対する情勢が大きく動いています。2017年7月7日に国連の会議で採択された核兵器禁止条約は2019年1月30日現在、核兵器禁止条約に調印した国が70カ国、批准した国は22カ国に達しています。この条約は50カ国目の批准書が国連事務総長に寄託されてから90日後に発効されます。
被爆国である日本は本来、核兵器禁止運動を発展させる役割を果たすべきです。しかし、日本政府は核保有国の体制と非核保有国体制との橋渡しをしていくという態度をとっています。ところが、日本が目指す橋渡しは核保有国をより温存させることにつながっており……
(「つながってないって」と呼ぶ者あり)
戦争被爆体験を持つ日本がとるべき姿勢ではありません。
(「非核港湾条例案と関係ないんじゃないの」と呼ぶ者あり)
日本政府は核兵器禁止条約に調印し、条約発効に貢献すべきです。
(「それ意見書でしょ」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
ことしの米軍艦艇の寄港については、ことし1月4日付で小樽港長から小樽市長に米艦船ミサイル巡洋艦アンティータムと揚陸指揮艦ブルーリッジの寄港、9日には掃海艦チーフの寄港と、3隻相次いで通知されていました。このうち、チーフは寄港を取りやめ、アンティータムは小樽港の岸壁が商船の入港予定があるため岸壁の利用ができないことから、寄港先を石狩湾新港に変更しました。結果的にブルーリッジの入港のみとなりました。
小樽港への外国艦船の入港は1961年以来91隻目になりました。そのうち、米艦船は81隻になります。小樽市は外国艦船の小樽港寄港に当たって、従来から入港時及び接岸時の安全性、商業港としての港湾機能への影響、核兵器搭載の有無の3項目について検討した結果、接岸手配をしています。
米軍は入港目的を親善とし、今回入港したブルーリッジのエリック・アンデューズ艦長は、揚陸指揮艦は核兵器を搭載する種類の船ではないと語り、また、外務省北米局日米安全保障条約課長は核兵器搭載の有無について、核兵器を搭載する米国艦船の我が国への寄港はないと判断している。
(発言する者あり)
搭載能力がない以上、核兵器を搭載していないことにつき疑いを有していないとの見解を示しています。しかし、その根拠を明らかにされておりません。
(発言する者あり)
日米間に核密約があることは実証済みであり、日本政府との事前協議なしに核兵器搭載艦船や航空機が自由に通行できることは、米国の公開文書で明らかになっています。
小樽港や近隣港への相次ぐ米国艦船の寄港は、今後の小樽港の軍事利用の危険を一層高めています。
(発言する者あり)
議員の皆さんも御存じのとおり、神戸市会が1975年3月に核兵器を積載した艦船の神戸港入港を一切拒否する決議を行い、艦艇の入港に当たって非核証明書の提出を義務づけていました。その後、米軍艦船の入港申請はありません。
この神戸方式に学んで、小樽市議会議員の皆さんが賛同され、全議員の総意でもって非核港湾条例を決議されることを呼びかけて、提案説明といたします。(拍手)
(「逆におもてなししてあげればいいんじゃないですか」と呼ぶ者あり)
(「そうだ」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)日程第3「休会の決定」を議題といたします。
お諮りいたします。
議案調査のため、明日から2月24日まで休会いたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)御異議なしと認め、さように決しました。
本日は、これをもって散会いたします。
散会午前11時15分
会議録署名議員
小樽市議会議長鈴木喜明
議員髙橋龍
議員川畑正美