開議午後1時00分
○議長(鈴木喜明)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、秋元智憲議員、髙橋龍議員を御指名いたします。
日程第1「議案第1号ないし議案第8号、議案第10号ないし議案第14号及び議案第16号ないし議案第18号」を一括議題といたします。
これより、昨日に引き続き、会派代表質問を行います。
通告がありますので、順次、発言を許します。
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)17番、中村誠吾議員。
(17番中村誠吾議員登壇)(拍手)
○17番(中村誠吾議員)第4回定例会に当たり、立憲・市民連合を代表して質問いたします。
迫市長が誕生して3カ月余りが経過しました。第3回定例会も予定どおりの日程で終わり、小樽市政の平常化が実感でき、ここにいる多くの議員、多くの職員も胸をなでおろしていることと思います。
しかし、本当にこれでいいのでしょうか。確かに、市民の審判により森井前市長は小樽市政から退場させられました。しかし、多くの小樽市民が胸をなでおろしているのでしょうか。私は、違うと思います。多くの市民は、議員、職員ほど小樽市政に対する危機感が持てなかったのだと思います。だからこそ、さきの市長選でも森井前市長は一定の支持を得たのではないでしょうか。
迫市長は、記者会見で、森井前市長が獲得した1万9,000票の検証、分析を改めてしなければならないという発言がありました。私も同感であります。ただ、私はそのアプローチとして、森井前市長の市政を徹底的に検証して公開し、多くの議員や職員が、森井前市長の市政で感じた危機感を市民と共有していくことこそが必要ではないかと考えます。
私は、森井前市長の市政は失敗だったと思っています。平成27年の市長選挙で、森井前市長に投票した人でさえ、失敗を感じたからこそ得票数を半分に減らし、森井前市長は退場させられたのでしょう。しかし、森井前市長の市政を検証しないと、この3年半が、ただ市政を無駄に停滞させてしまった期間になるのではないでしょうか。検証をして教訓を生かすことができれば、3年半の市政は次の4年間に飛躍するための期間であり、不本意ながらもエネルギーを蓄えた時間と前向きに捉えることもできるかもしれません。この3年半の間、じくじたる思いで市役所を去っていった職員や、降任を申し出た職員、職務の中で苦労した職員に少しは報いることができるのではないでしょうか。
前市長の市政の検証は前向きな仕事とは言えないし、人によっては一日も早く忘れたいのかもしれません。しかし、迫市長も森井前市長の時代に市役所を去った職員の1人です。迫市長が前市長の市政を検証することは、意味があることだと思います。ですので、この定例会では、森井市政の失敗に焦点を当てて、迫市長がどのように検証していくのかという観点で質問していきたいと思います。
除排雪についてです。
まず、森井市政の失敗の一つ目は、除排雪です。私は、市長と一部の市民の主観が、除排雪の根本にあったのが、そもそもの失敗の原因ではないかと感じました。そこで、私は一つの本を思い出しました。「失敗の本質」という本です。旧日本軍の組織的研究をした本です。現代の日本的な組織にも当てはまることが多く、いまだに人気のある名著だと思います。
その中に、日本軍の戦略策定は、一定の原理や論理に基づくというよりは、多分に情緒や空気が支配する傾向がなきにしもあらずであった。これは、恐らく科学的思考が組織の思考のクセとして共有されるまでに至っていなかったことと関係があるのだろうとあります。
日本軍を小樽市の除排雪と入れかえても、何ら違和感のない文章になるのではないでしょうか。入れかえると、小樽市の除排雪の戦略策定は、一定の原理や論理に基づくというよりは、多分に情緒や空気が支配する傾向がなきにしもあらずであったとなります。第1回定例会で、森井前市長に質問をしたときは、全くの主観的、情緒的な観点の答弁しかありませんでした。
まず、森井前市長の除排雪の失敗はどんなところにあると考えていますか。迫市長は、客観的、科学的な観点から除排雪を行ってくれると思いますが、小樽市の除排雪の一定の原理や論理を明らかにする、あえて、第1回定例会と同様の質問をしたいと思います。
市長が除排雪に関してやるべき仕事は、路線の優先順位をしっかりつける。その優先順位の決定には、地域の実情がわかっている町会の人々にも加わってもらってもいいのではないでしょうか。その上で、それこそ道路の一本ずつにスコアをつけるべきです。そして、それぞれの道路の除排雪をする基準をしっかり打ち出す。その上で、この二つを細部にわたって情報公開すること。市長は、除排雪に対して、この二つについて、情報公開を進める考えはありますか。私は、これらのことが実現した後に、除排雪の作業状況や予定などの情報をオープンにする除排雪の管理システムの導入が必要と考えています。市長は、このような除排雪の管理システムを導入する気持ちはありますか。
森井前市長は、除排雪に関してパトロールを強化すると言っていました。迫市長は、パトロールについてはどう考えますか。私にしてみれば、パトロール要員の人件費はもったいない。職員は、パトロールをするけれども除排雪はしませんよね。本来は、パトロールをしなくてもいいようにするのが、市の仕事ではないでしょうか。そのための路線の優先順位と除排雪をする基準、そして情報公開なのです。そもそも、小樽市全域をパトロールするなど到底無理な話なのです。そうなのであれば、先ほど述べたシステムに、市民が撮影した画像を投稿できるようにするのはいかがでしょうか。つまり、パトロールの一部の業務を市民に担ってもらい、そうすると全体の状況が細かく、市も市民も把握できるようになると思います。これらのシステムに関して、市長は賛成ですか、反対ですか。
また、小樽市の除排雪の根本の原理や論理を明記するために、条例を制定していくということでよろしいでしょうか。
森井前市長は、自分の主観で排雪の必要性を判断し、排雪をおくらせて、さまざまな混乱を起こしました。また、通学路の排雪問題、大雪でもないのにバスが運休したこと。迫市長は、バス路線、通学路の排雪の優先は行うと表明され、その部分は安心しましたが、迫市長にはさらに市民が納得できる除排雪に少しでも近づくよう、一定の原理や論理を策定していただきたいと思います。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)中村誠吾議員の御質問にお答えします。
ただいま、除排雪について御質問がありました。
初めに、森井前市長の除排雪の失敗につきましては、除排雪作業において、組織として実施の判断が遅くなったことにより、刻々と変わる冬季の道路状況の変化に作業が追いつかず、結果的に排雪作業等におくれが生じました。このことにより、多くの市民に、市に対する不信感を抱かせてしまったことが失敗の一つであると考えております。
また、市民からの除排雪への要望等に対しても、的確に把握しておらず、冬の市民生活を支える目的を見失ったものと考えております。今後においては、ただいま申し上げたことを教訓にして、冬の安全で安心な市民生活を確保するために、除排雪業務を行ってまいりたいと考えております。
次に、除排雪の路線の優先順位と基準の決定等につきましては、現在これまでの除排雪業務における検証を進めておりますが、地元の実情に詳しい町会の皆様の声もいただきながら、長期的な視点を踏まえ、除排雪路線の優先順位や作業基準の設定の考え方について、情報の公開を含め検討してまいりたいと考えております。
次に、除排雪の情報公開に関する管理システムの導入につきましては、現時点では、情報共有の観点からも有効なシステムと考えておりますが、その活用方法や費用など、多くの課題があるものと認識しておりますので、他都市の事例などを参考に、本市における導入の可能性について研究してまいりたいと考えております。
次に、除排雪に関するパトロールにつきましては、担当職員が地域総合除雪共同企業体と協議を行う上でも、降雪状況などに応じて、路面や雪山の状況、交差点の見通しなど現場の状況を把握することは必要であると考えております。今後は、共同企業体とも情報共有と連携を図りながら、必要なパトロールは実施してまいりたいと考えております。
次に、パトロールの一部の業務を市民に担ってもらうことにつきましては、市民の皆様との共同事業として、画像を投稿いただくシステムは一考に値するものと考えております。現在、バスなどの交通事業者から情報を提供いただいておりますが、御提案のシステムの構築が可能なのか研究してまいりたいと考えております。
次に、除排雪条例の制定につきましては、まず、これまでの除排雪に関する検証をしっかり行い、その結果を踏まえて、冬の安全で安心な市民生活をどのように確保していくのか、市として、今後の除排雪のあり方を整理した上で判断したいと考えております。
○議長(鈴木喜明)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)17番、中村誠吾議員。
(17番中村誠吾議員登壇)
○17番(中村誠吾議員)次に、森井市政の失敗の二つ目、高島漁港区です。
この問題は、失敗というよりは森井前市長の故意ではないかと疑いたくなるような問題ですが、しかし、小樽市としては条例違反の意思決定をする段階で失敗をし、議会で問題になってからも失敗をし続けるという結果になったのではないでしょうか。
先ほど紹介した「失敗の本質」では、日本軍が戦前において高度な官僚制を採用した最も合理的な組織であったにもかかわらず、その実態は、官僚制の中に情緒性を混在させ、インフォーマルな人的ネットワークが強力に機能するという特異な組織であることを示しているという記述があります。
本来、市政においては、条例の基準を合理的に判断し、意思決定をしなければならないはずです。にもかかわらず、市長の後援会幹部というインフォーマルな人的ネットワークが強力に機能してしまったのが、この失敗の大きな原因ではないでしょうか。ただ、この高島漁港区の問題は、今も継続して、いわば失敗し続けているのです。
まず市長にお聞きしたいのは、この高島漁港区の違法な許可の原因は何でしょうか。
次に、この問題の最終目標です。観光船事業者には原状回復をしてもらい、観光船事業をやめてもらうということでよろしいでしょうか。
先ほど来、定例会での答弁では粘り強く指導していくということですが、観光船事業者は高島漁港区の問題に関し、過去に指導に従ったことはありますか。私はもう行政代執行も含めた手段を検討すべきだと思います。強制的に原状回復を行った後に、当然、裁判になるとは思いますが、その裁判の中で市の責任も含めて議論していくのが、最も合理的で最終的な決着となると思いますが、市長は行政代執行を含めた手段は検討するおつもりはありますか。この問題をしっかり解決し、森井前市長の責任を明らかにしていくことは必要だと思いますので、難しい仕事であるのは間違いないですが、適切に後始末をしていただくようよろしくお願いします。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、高島漁港区の観光船事業について御質問がありました。
初めに、違法な許可の原因につきましては、さきの第3回定例会以降、私としても高島漁港区における観光船事業に係る産業港湾部の対応のてんまつを記した報告書を確認するとともに、当時の担当者から説明を受けました。この報告書は、前市長も内容を確認し、決裁しているものでありますが、その中で、観光船の無許可係留が始まった当初、港湾室の認識としては観光船事業が前市長の後援会幹部がかかわる案件であったため、政治的に慎重な対応が必要であるとの判断のもと、平成28年5月17日に、前市長と前副市長に対して、事前に報告したと記載されております。
報告の内容としては、既に事業者が、高島地区袖護岸の車どめに無許可で穴を開けて、Uフックを取りつけて係留している状況であること。また、港湾室の考え方としては、水産ゾーンにおける観光船事業は港湾計画上、好ましくないこと。港内の安全航行の観点から事業者と漁業関係者との安全運航に関する協定締結の必要性などについて説明したとのことです。この際、前市長からは、市漁協、機船組合などに迷惑がかからないように、また観光船事業者に対しても一方的にだめだというのではなく、相手方が納得できるように説明する必要があるとの指示がありました。この打ち合わせを踏まえ、港湾室としては港湾法や管理使用条例及び分区条例に照らし、一連の手続の許可をすることを前提に、法的な取り扱いを再度整理することとし、その後の許可につながったものと考えられます。
この報告書などから、私としては、まず第一に、前市長が港湾室から観光船事業者が無許可で船舶を係留していることについて報告を受けた際、港湾管理者たる市長としては、即座に是正措置を港湾室に指示しなければならない立場であるのにもかかわらず、これを怠り、相手方が納得できるように説明する必要があるとの指示をすることは、本来あってはならないことだと考えております。確認の結果、一連の許可等については、最終的には港湾室の判断で行われたようではありますが、その前段で、前市長が無許可係留是正の指示を出さず、観光船事業者に対して理解を示したともとれる発言をしたことが、結果的にその後の港湾室における法令違反につながった一因になっているのでないかと考えております。
次に、観光船事業をやめてもらうことにつきましては、観光船事業者に対して本年4月27日付で不利益処分の決定を通知し、港湾施設管理使用条例に基づく運河護岸・物揚場護岸登録、港湾施設占用許可(水面)等の許可取り消し処分を行いましたので、観光船は高島地区袖護岸や浮桟橋を設置し、係留することはできなくなりました。また、観光船事業に係る建築物については、分区条例に適合するよう用途の変更または撤去を命じているものの、現時点で是正措置は講じられていない状況ではありますが、今後、事業者がいずれかを選択して是正措置を履行し、観光船事業として、建築物の利用がされなければ、是正措置が完了することとなります。
ただし、自己所有地を利用して観光船を運航することについては、北海道運輸局への海上運送法第20条第2項に規定する、人の運送をする不定期航路事業の事業開始届け出を受理されると可能であり、港湾計画において、水産ゾーンに位置づけていても、法的強制力を持たないことから規制をかけることはできませんが、その際においても漁業関係者との間で漁業権や安全航行の確保に関する協定を締結するよう指導は必要と考えております。
次に、観光船事業者は指導に従ったことはあるかにつきましては、事業者がこれまでに市の指導に従ったものは、無許可で高島地区袖護岸の車どめに取りつけたUフックの撤去、車どめの取りかえ及び休憩棟に保管した観光船の移動であり、建築物の是正措置と係船環撤去については、いまだに指導に従っておりません。
次に、行政代執行を含めた手段の検討につきましては、これまでも何度か顧問弁護士に、本件についての行政代執行の行使が可能であるか否かを相談しておりますが、その際、弁護士からは行政代執行法第2条の規定によると、義務者が命ぜられた行為を履行しない場合、他の手段によって、その履行を確保することが困難であり、かつ不履行を放置することが著しく公益に反すると認められるときは、代執行の要件を満たし可能となるが、現状では難しいのではないかとの御意見をいただいております。
しかし、現在においても是正措置が講じられていないことから、改めて弁護士に相談しているところであります。
○議長(鈴木喜明)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)17番、中村誠吾議員。
(17番中村誠吾議員登壇)
○17番(中村誠吾議員)森井市政の失敗の三つ目、ふれあいパス事業についてです。
平成27年第4回定例会では、枚数制限を唐突に打ち出し、結局、撤回しました。そして平成29年には、ふれあいパス事業の遂行に協力が不可欠な中央バスとの信頼関係をなくし、協定を結ばないまま事業費を支出してしまいました。また、今まで中央バスに負担していただいていた部分について、全額市が負担するしか、ふれあいパス事業が継続できないところまで追い込まれました。市長は、ふれあいパス事業について、本市が全額負担することになりましたが、森井前市長の失敗の原因はどのあたりにあると思いますか。
次に、ふれあいパス交付規則の第1条を見ますと、「ふれあいパスを交付することにより、高齢者が積極的に社会に参加し、ふれあい、もって心身の健康の保持と生きがいの創出に資することを目的とする。」となっています。ここで高齢者がふれあいパスを通勤に使っているとしたら、それは、このふれあいパス交付規則の目的に合致すると考えますか。
次に、他人に使わせる目的でふれあいパスの交付を受けているとしたら、それはこの交付規則の目的に合致すると考えますか。他人に使わせるのは問題外で、通勤についても、本来、雇用主が負担すべきものですから、ふれあいパス交付規則の目的に合致しないと私は考えますが、ほかにもふれあいパス交付規則の目的に合致しないような利用の可能性は考えられますよね。
私どもは、平成27年第4回定例会では、森井前市長の単純な枚数制限には反対しました。交付規則の目的とも合致しない施策で、前市長の稚拙なものでしたので、当然の結論だと考えました。しかし、交付規則の目的と合致しない利用実態があるとすれば、それを全く考慮しない現状の制度設計も少し問題かと思います。
市長は、現時点でふれあいパス事業はどのような制度設計をしていくのか、お考えはありますか。ふれあいパス事業は、効果の高い必要な施策だと思いますので、ぜひ持続可能な制度をしっかりつくっていただきたいと思います。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、ふれあいパス事業について御質問がありました。
初めに、ふれあいパス事業において、本市が全額負担することとなった原因につきましては、私は市を離れた立場で、この間の議会議論を聞いておりましたが、北海道中央バス株式会社の経営状況が厳しい中で、地域公共交通に対する前市長と当時の中央バス社長との認識の相違に端を発して、お互いの信頼関係が崩れたこと。また、中央バスからの事業者負担の軽減についての要望に対して、前市長が解決に向けて努力していくという姿勢を示すことができず、協議を続けることができなかったことが原因であると感じております。
次に、ふれあいパスの利用目的につきましては、通勤での利用については御指摘のとおり、本事業の現状の目的に合致していないと考えます。また、他人への譲渡については、明らかな不正利用に当たります。
次に、ふれあいパス事業の制度設計につきましては、本制度は事業の本来の目的である高齢者の積極的な外出の支援をするため、できるだけ多くの方が利用できる制度として、今後も継続してまいります。そのため、制度設計においては、本市の厳しい財政状況を考えると事業費の増嵩を抑制する必要があるほか、公共交通の利用促進の観点なども考慮する必要がありますので、事業者と協議の上、持続可能な制度となるよう見直しを進めていく考えでおります。
○議長(鈴木喜明)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)17番、中村誠吾議員。
(17番中村誠吾議員登壇)
○17番(中村誠吾議員)そして、森井市政の失敗の四つ目は、組織改革です。
森井前市長は、平成29年第4回定例会では、事務分掌条例の一部改正の提案理由で、「産業港湾部港湾室を部に昇格させるとともに、医療保険部を廃止して福祉部を再編するほか、所要の改正を行うものであります」と述べました。目的も何もありません。森井前市長も代表質問の答弁で、「各部からのボトムアップによる76項目の提案をもとに五つの重点項目を定め、部長職から成る組織改革検討委員会を決定機関として、改革に取り組んできたものであります。」と答弁しています。
先ほどから引用している「失敗の本質」には、米軍は総合戦略という見方を重視している一方、日本軍においては陸・海・空の三位一体作戦についての陸海軍による共同研究らしきものはほとんどなかったとあります。
森井前市長は、自分で物事を決めず、各部の思惑がぶつかる意思決定機関をつくり、組織改革の方向性をなくしてしまったと思います。その結果が、意思決定そのものがおくれにおくれて、組合の合意もなく条例案を提出し、組織改革の中身も課長職が増加するので、組織改革によって人件費がふえるという案になったのではないでしょうか。私の組織改革の認識はこのようなものですが、市長はさきの組織改革について、条例案の否決という失敗の原因は何だと思いますか。
また、職員の意識改革が必要だと記者会見でおっしゃっていましたが、組織改革は必要だとお考えですか。もし、必要だとしたら迫市長は何を目標として掲げるのでしょうか。
今、小樽市の財政に余裕がないのは誰の目にもわかります。そこで、市民の利便性と職員業務の効率性を徹底的に見直していく姿勢が必要なのではないでしょうか。私どもが考える組織改革のやるべきこととして、市民の利便性を向上させるために、真のワンストップを目指し、転入や転出する市民にいろいろな窓口に行かせ、同じような書類も何回も書かせることを改善する必要があると考えますが、いかがですか。
ワンストップは、昔から言われていることです。ただ以前と違い、今は庁内LANが整備されています。市民に動いてもらうという発想ではなく、職員が動くという発想でもいいのではないでしょうか。市民の利便性は、総合的に確保した上で、次に業務の効率化を最も重視する視点として、類似の仕事を一つの係になるべくまとめていく。そして、その係員は、原則4名以上になるような編成にすれば、人事異動の引き継ぎもスムーズになるし、係として規模のメリットも生かせると考えます。市長は、この原則に対してはどう考えますか。
私は、この原則のもと、業務の分担を抜本的に見直し、係にしっかりと業務を所属させる複数の係の上に課を置くことが必要だと考えています。
また、担当次長や主幹といった管理職を場当たり的に配置しているように思います。そもそも、特命的な業務を処理する課や係をつくってしまえば、担当次長や主幹を配置する必要性もないと思いますが、特命的な業務を処理する課などを設置する考え方について、市長はどうお考えですか。
さらに一歩進んで、効果の薄い仕事をやめていくことにより、業務そのものを減らしていく。この姿勢こそが重要だと考えます。
そこで、ある会議のあり方を検証してほしいのです。それは、森井前市長時代に立ち上げたみらい創造プロジェクトというものがあります。平成28年度から行われていますが、提案されたものの中で、何か実行できたものはありますか。参加した職員が、プロジェクトで頑張った成果が実感できるのでしょうか。若手職員の感性を通じて、必要性を感じない仕事、もっと効率よくできる仕事を、自分が現実にやっている仕事を足がかりに全庁的に洗い出していく。そして、市役所全体として、一つ一つその仕事を改善する。実現すれば、実際の仕事が効率化され、働き方改革につながるのではないでしょうか。
若手職員を、業務改善のトップランナーにする考えは持てますか。そのためにも、若手職員には自己研さん、研修の場を多く与えるべきです。将来的に幅広い知見を身につけるため、現在の部署にこだわらず関心のある分野を公務と位置づけ、みずから学ぶ仕組みをつくってもらいたいと考えますが、いかがですか。
そして、この組織改革、働き方改革の先には優秀な人材を確保できるという効果があると私は考えます。というより、旧態依然の市役所では人材が確保できない時代が来ているのではないでしょうか。先日、札幌市の内定辞退率が増加していると北海道新聞に出ていました。北海道の内定辞退率の高さは、継続して報道され、高橋知事も危機感を持っています。まず、小樽市のここ5年間の内定辞退率をお示しください。
転勤のない小樽市には、まだ希望があると考えていましたが、札幌市のニュースで打ち砕かれた気がします。人材確保が非常に厳しい時代になったのだと実感しています。小樽市として、内定者が辞退しないような対策が必要だと考えます。
また、もう一つ人材が確保できるかの指標としては、応募数と合格率です。応募数が多く、合格率が低いほうが優秀な人材を採用できる可能性が高くなります。5年間の応募数と合格率をお知らせください。
そして、内定者が辞退しないような対策、応募数をふやす何か施策を行っていますか。お聞かせください。
これから小樽市職員になるかもしれない職員にアピールできるような組織になるように、市長にはお願いしたいと思います。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、組織改革と働き方改革について御質問がありました。
初めに、組織改革の条例案が否決となった原因につきましては、市長に就任後、平成29年第4回定例会に提出された組織改革の条例案を確認しましたが、その印象としまして、組織の中枢となる部の編成については、医療保険部を廃止して、子ども未来部を新設し、子育て施策を一元化するなど多様化する市民ニーズや社会情勢の変化に対応する内容に、一定程度、理解ができる項目もありました。
その一方で、私はさきの組織改革を外から見ていたわけですが、否決となった原因は3点あると考えております。一つは、組織改革を実現するための明確なビジョンが示されないまま、各部からのボトムアップの手法で提案を募ったこと。次に、それを受けて提案された項目や人工を調整し切れず、人件費の増加につながるものになったこと。最後に、市長がリーダーシップを発揮し、目標に向かって取り組む姿勢に欠けていたため、結果的には議会、職員組合、職員との信頼関係を築くことができなかったこと。これらが否決になった主な原因ではないかと考えております。
次に、組織改革の必要性と必要とした場合の目標につきましては、前回の大規模な組織改革は、平成20年度に実施したものであります。この10年を経て、少子高齢化の進行や人口減少などの諸課題に対し、迅速かつ的確に対応するためには組織体制の見直しは欠かせない状況にあると考えております。
また、目標については、私の公約や今後策定される第7次小樽市総合計画などをもとに、本市の人口構造や財政状況などを踏まえ、まちづくりや子育て施策などの行政課題を解決するため、時代の変化に対応した効率的な行政運営のための組織体制が必要であると考えております。
次に、窓口のワンストップ化につきましては、さきの組織改革の中で検討をしたものの、別館1階のスペースが手狭なことに加え、広範囲な窓口業務に対応する職員の養成や、これらを専任で対応するための職員の確保などを理由に実施を見送った経緯があるとの説明を受けております。しかしながら、市民の利便性の向上は優先して取り組まなければならない課題でありますので、今後は組織改革の中で検討してまいりたいと考えております。
次に、係の編成につきましては、今後の事務事業や組織の見直しの中で、人員の配置等を改めて検討することになりますが、組織の最小単位となる係は4年を基本とする異動サイクルを考慮した上で、原則としては4名以上の編成が望ましいものと考えております。
次に、特命的な業務を処理する課かい等の設置につきましては、特命的な業務はどの分野でも発生する可能性があり、これを一元的に特定の課かい等で処理することは、現実的に困難でありますので、専門的な知識や情報を有する当該業務の所管部に業務内容に応じて担当職員を配置する方法が適当であると考えております。
次に、みらい創造プロジェクトの提案につきましては、事業化に結びついたものはありませんが、しっかりとした現状分析に基づき、現実的なまちづくりの方策が示されているものもありますので、今後、本市の事業を実施していく上で、そのアイデアやエッセンスなどを取り入れることを検討するとともに、職場横断的な人材育成の観点からもよい取り組みだと感じておりますので、引き続き実施してまいりたいと考えております。
次に、若手職員が所属部署にこだわらず、関心のある分野をみずから学ぶ仕組みづくりにつきましては、本市の年齢別職員構成では30代が少ないため、一人一人の負担が重くなっていることや社会人枠採用のため、行政経験が不足している職員もいることから、近い将来に組織の核となる、これらの職員の行政運営能力を向上させることは、喫緊の課題と認識しております。このため、過去に実施していた派遣研修を参考に、職員みずからが関心のあるテーマを選び、企画立案して、他都市を視察する新たな研修を、新年度に向けて検討してまいりたいと考えております。
次に、職員採用試験に係る内定辞退率につきましては、医療職を除いて申し上げますと、平成25年度から29年度までの5年間では、25年度は30%、26年度は20%、27年度は17.5%、28年度は24.6%、29年度は34%であります。
次に、受験応募者数と合格率につきましては、医療職を除く平成25年度から29年度までの5年間の受験応募者数と合格率を順に申し上げますと、25年度は1,535人3.9%、26年度は1,411人3.5%、27年度は1,223人4.7%、28年度は846人7.2%、29年度は855人5.8%であります。
また、内定辞退者減や応募者数をふやすための対策につきましては、内定辞退者への対策は特段行っておりませんが、応募者数をふやす取り組みとしては、市のホームページに先輩職員の声として、志望動機や現在の業務内容等の掲載及び動画の配信を行うとともに、消防本部におきましては、市内の高校や市外の専門学校において就職担当者への訪問、就職に向けた相談会に相談ブースを設置するなどの取り組みを行っているところであります。
○議長(鈴木喜明)次に、第5項目めの質問に入ります。
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)17番、中村誠吾議員。
(17番中村誠吾議員登壇)
○17番(中村誠吾議員)5項目めです。森井市政の失敗の五つ目は、総合戦略です。
この総合戦略は「訪れる人を魅了し、暮らす人には優しい、市民幸福度の高いまち」を将来都市像と定めたとあります。一方、この代表質問で引用している「失敗の本質」からですけれども、いかなる軍事上の作戦においても、そこには明確な戦略ないし作戦目的が存在しなければならない。目的の曖昧な作戦は、必ず失敗する。それは軍隊という大規模な組織を明確な方向性を欠いたまま指揮し、行動させることになるからであるとあります。
小樽市の目標が、「訪れる人を魅了し、暮らす人には優しい、市民幸福度の高いまち」というのは、聞こえはいいですが、曖昧であることは議論の余地がないのではないでしょうか。そして、小樽市の組織は大規模とは言えないかもしれませんが、小さい組織ではありません。そして、この総合戦略で市の職員が明確な方向性を見出せるとは思えません。ということは、「失敗の本質」の分析が正しければ、この総合戦略は必ず失敗するという結論にしかたどり着けません。
ただ、この問題の難しいところは、これまでの問題と違って、失敗が明確にあらわれてこないところです。まず、総合戦略策定について、何人の職員がかかわることになりましたか。職員の人件費以外でどれくらい費用がかかりましたか。
次に、市長は森井前市長が策定した総合戦略に沿って、今後の施策を展開していくおつもりですか。私のこの議論は、今まさに行おうとしている第7次小樽市総合計画に当てはまるのではないでしょうか。
総合戦略で行った質問をもう一度したいと思います。第7次小樽市総合計画の策定には、少なくとも何人の職員がかかわることになりますか。また、職員の人件費以外でどれだけ費用がかかる予定ですか。
総合計画については、平成23年の地方自治法改正により、市は総合計画を策定する義務がなくなりました。したがって、小樽市は総合計画をつくらなくてもよいという選択肢が出てきたことになります。そして、平成25年に制定した自治基本条例第20条では、「市は、将来的な展望に立って、市の施策の基本的な方向を総合的に示す計画を策定します」としています。平成27年度から平成31年度までを計画年度とする総合戦略は、自治基本条例に言う総合的な計画ということですか。
そして、現に平成31年度から平成40年度までの第7次小樽市総合計画を策定しようとしています。本当にこれでよいのでしょうか。素朴な疑問として、平成31年度は、似たような計画があるにもかかわらず、総合計画を策定することにどのような意味があると思いますか。総合計画の計画年度が32年度からでは不都合があったのでしょうか。
先ほどの大項目で、働き方改革の質問をさせていただきました。私は、小樽市にとって、従来どおりのやり方をしている第7次小樽市総合計画は、費用対効果が非常に悪い仕事ではないかと思っています。市長は、第7次小樽市総合計画策定に時間と金をかけている余裕が小樽市にはあると考えていますか。
次に問題は、第7次小樽市総合計画の計画年度の長さです。市長は、平成35年度以降の小樽市の財政状況を現時点でしっかり把握できると考えていますか。私はできるわけがないと思っています。財政状況も把握できない状況で計画を考えられると思いますか。結局やっていることは、曖昧な目標しか設定を背負わされていると考えられないでしょうか。そして、曖昧な目標を設定した戦略は、失敗の本質によれば、必ず失敗するのです。
この項の質問を終わります。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、総合戦略と総合計画について御質問がありました。
初めに、総合戦略の策定にかかわった職員数と費用につきましては、策定は全庁的に取り組んだものでありますが、意思決定機関としては人口対策庁内検討会議の構成員が12名、事務局業務を行う職員が3名の計15名がかかわっております。また、策定にかかわる人件費以外の費用は、総合戦略の策定支援業務委託料などとして988万円となっております。
次に、今の総合戦略に沿って今後の施策を展開していくのかにつきましては、現行の総合戦略については平成31年度までの計画期間となっており、残り期間が短いことから大幅な改訂については考えておりませんが、必要に応じ事業を追加してまいりたいと考えております。
なお、国からは32年度以降の5年間に向けた総合戦略策定の方向性が示されましたので、現在策定中の第7次総合計画や小樽商科大学との人口減少問題共同研究の結果などを踏まえた上で、新たな総合戦略の策定作業を進めてまいりたいと考えております。
次に、第7次総合計画の策定にかかわる職員数と費用につきましては、策定は全庁的に取り組んでおりますが、規則等で位置づけている策定体制の職員数は、総合計画策定会議の構成員が17人、同会議の補助組織の構成員が92人、事務局業務を行う職員が5名の計114人であります。
また、策定にかかわる人件費以外の費用は、平成28年度が決算額で112万1,356円、29年度が同じく116万2,364円、30年度が予算額で270万円であり、31年度は審議会開催経費のほか、冊子作成等の費用を予定しております。
次に、総合戦略と自治基本条例の総合的な計画との関係につきましては、総合戦略はまち・ひと・しごと創生法を根拠とする人口減少克服、地域創生を目的とした計画であり、本市の施策の基本的な方向を総合的に示す計画ではないことから、自治基本条例に規定する総合的な計画には当たらないものであります。
次に、第7次総合計画の開始年度につきましては、先ほどお答えしましたように、総合戦略は総合的な計画には当たらないことから総合的な計画を継続させるために、第7次の総合計画は第6次に引き続き、平成31年度からとしたものであります。
次に、総合計画策定の時間と費用につきましては、総合計画は10年先を見据えたまちづくりの基本的な方向性を総合的に示す重要な計画でありますので、多くの方から意見を聞き、しっかりと議論を重ねて策定するために必要なものと考えております。
次に、平成35年度以降の財政状況の把握につきましては、歳出は今後の財政需要を一定程度見込むことも可能ですが、歳入は市税や地方交付税など社会情勢や国の制度などで大きく影響を受けるものが多く、流動的な要素があります。このため、35年度以降の財政状況を正確に把握することは難しいものと考えておりますが、必要な施策を着実に実行できるよう収支改善に向けた取り組みを進めてまいります。
○議長(鈴木喜明)次に、第6項目めの質問に入ります。
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)17番、中村誠吾議員。
(17番中村誠吾議員登壇)
○17番(中村誠吾議員)最後に、副市長に関連してお聞きします。
昨年の前副市長辞任により1年にわたり空席となっており、迫新市長の市政執行に当たっては、当初より、この第4回定例会において副市長の提案を明言されて、その際に庁外からの登用を予定するということでありました。そして、このたび選任された小山秀昭氏については、その行政手腕については高く評価しており、我が会派としては選任に同意したところです。
改めて伺いますが、迫市長が小山副市長に期待しているものは何ですか。市長の補佐、職員や議会、対外的な調整といったような一般的な副市長の職務としてではなく、小山氏の経験やスキル、人脈などを踏まえて、どういった分野で、どのような手腕を期待するのかをお答えください。
ここまで我が会派として副市長の選任については、公募等による方法は考えられないのかとお聞きしてきた経過がありました。それは多様な市民ニーズの中で民間活力を導入してはどうか。そのために、そのような視点を十分にお持ちの方を副市長にできないものかという趣旨でありました。
そこでお聞きしますが、副市長を2名体制にして、もう1人を公募するお考えは、現時点ではありますか。
先ほどから引用させていただいている「失敗の本質」では、日本のトップマネジメントは、年齢は異常に高い。日本軍同様、過去の成功体験が上部構造に固定化し、学習棄却ができにくい組織になりつつあるのではないだろうか。日本型企業も新たな環境変化に対応するために、自己革新能力を創造できるかが問われているものであると結ばれています。
小樽市は、森井前市長の市政により、それ以前の過去の成功体験を捨てるチャンスが訪れたのではないかと思います。迫市長には、現状をチャンスと捉え、大胆に取捨選択を行い、新たな環境に対応できる人材をうまく使って、新たな小樽市政を行っていただきたいと思います。
再質問を留保し、代表質問を終わります。(拍手)
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、副市長に関連して御質問がありました。
初めに、副市長の手腕への期待につきましては、今定例会の提案説明においても申し上げましたが、小山副市長は市職員として行政経験が長く、財政、公営企業、医療保険部門などを歴任していることから、私の得意分野と相互に補完しながら即戦力として市政運営に当たっていただけるものと考えております。
特に、財政分野におきましては、平成17年の財政再建推進プランの策定に携わり、また、財政部長として本市の予算編成を取りまとめた経験を持つことから、厳しさを増す本市財政の収支改善に向け、存分に手腕を発揮していただけるものと期待しているところであります。
次に、副市長を2人体制とすることにつきましては、現時点では財政状況が極めて厳しいこともあり、すぐに2人体制とすることは考えておりませんが、今後の市政運営において本市の抱えるさまざまな課題に立ち向かう中で、必要だと判断した場合は2人体制とすることも視野に入れたいと考えております。また、選任に当たっては公募等も含め、幅広い分野から登用することも検討いたします。
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)17番、中村誠吾議員。
○17番(中村誠吾議員)再質問をさせていただきます。
まず、高島漁港区のことです。
迫市長が起こした問題ではないのですけれども、市長として解決しなければならない問題であるのは事実なのです。そして、現在も条例上の問題もさることながら、漁業者にとっても迷惑な存在である観光船事業者が、いまだに営業しているのですよ。
私としては、市長の覚悟をお聞きしたいと思っているのですが、というのは、どの市長とは言いませんけれども、私は法律に縛られないと答弁した人がいました。あきれ返ってしまったのですが、いいです。私は、法を逸脱した方法によってでも是正をしなければならないと言っているのではないのです。しかし、法律の範囲内であらゆる手段を講じる。前例も関係ないし、とにかく法律的に可能な手段を総動員してほしいのです。最大限厳しく、先ほど来言っているのですが、裁判所の力もかりて解決していく。このような覚悟が必要ではないですか。
市長として、高島漁港区の問題解決について、法的に可能な限りの手段を使い、最大限厳しい態度で臨む覚悟はお持ちなのかどうか、再度お聞かせください。
次に、私はこの多様なニーズを持つ市民の利便性を向上させるためには、迫市長が記者会見でも言及していた職員の意識改革は、そのことについて、つながるものなら必要と考えています。ですけれども、職員の意識改革というのは、ポスターを張ったらできるものではないのですよ、庁内に。一つ一つ狙いを持って、いろいろな仕掛けを地道につくっていくことが必要なのですよ。その積み重ねの結果が、市民の利便性を向上させるし、そして職員の意識改革にもつながるのだと考えています。先進的な他都市の事例なども研究していただきたいですし、少なくとも山椒は小粒ではないけれども、柔軟で強い組織を迫市長にはつくってもらいたいと考えています。ですから、さまざまなアイデアを試していく。職員の研修のことも言いましたが、このような姿勢を迫市長に持っていただきたい。再度聞きます。お持ちですかということなのです。
また、確認の意味でもう一度お聞きしたいのですけれども、必要性の低い仕事ですとか重複して複数の部署でやっているような仕事を全庁的に洗い出してほしいのです。とにかく小樽市役所の仕事そのものを効率化させていってほしいのです。このような取り組みをこれから全庁的にやっていただけますかと聞きたいのです。再度、お答えになったのでしょうけれども、市長の見解をお聞かせください。
質問で、内定率、辞退の話をしました。貴重な人材を獲得する。これは、なかなか効果を数値としてあらわせないのかもしれないのですが、しかし、市長は今までと同様なことをしていて、他の自治体や民間に流れていますから、民間との人材獲得競争に勝てると思いますか。施策が足りないと思っています。お答えください。
私は、これから働こうと考えている人たちにとって、小樽市職員という存在が、若い職員に魅力的な職場と映るようあらゆる手段をとっていただきたいと考えています。
総合計画についてお聞きするのですけれども、迫市長の就任数カ月の現状では、とれる選択肢も限られているのは理解します。しかし、総合計画は10年後もこのままだと考えます。そうすると市長、次回の総合計画について、現状の総合計画のやり方で問題ないし、次回も同じようにやるべきだと考えていますか。率直な見解をお聞きしたいのです。
そして、今回の計画の最後に、私は次回の総合計画のあり方について何か検討することはできないでしょうか。もっと言うと、迫市長に問題意識があるのであれば、今回の第7次小樽市総合計画の最後に次回の総合計画については、例えば計画期間策定方法を抜本的に見直すのだというような決意や考えを入れることは不可能ですか。
先ほど質問したのですけれども、答弁から私としては、総合戦略は総合計画より下位にあるものだと聞こえました。そのことを前提に話をさせていただくと、その総合戦略が先に存在していることになりますよね。そこで質問ですが、それでは、この下位の総合戦略を意識して総合計画をつくられるのですか。もしくは全く無視できるのですか。非常に端的な質問ですけれども、再質問させていただきます。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
○市長(迫俊哉)中村誠吾議員の再質問にお答えいたします。
最初は、高島漁港区の問題解決についての取り組みについてでございましたけれども、これにつきましては、昨日、横田議員の質問に対してお答えもさせていただいておりますが、顧問弁護士にも相談させていただいておりますけれども、行政代執行については現状では難しいのではないかということで御意見をいただいておりまして、現在につきましては、是正措置が講じられていないことから改めて実名公表なども含めて、弁護士と相談をさせていただいているところであります。私としては、やはり違法な状態というものを看過することはできないと考えておりますので、この問題については、今後もしっかりと臨んでいきたいというふうに考えているところでございます。
それから、2点目については、職員の意識改革などについて触れられておりましたけれども、副市長が就任されて、お話しした中で、この組織力の強化というのは、私も副市長も課題だというふうに認識として一致しているところでございます。御指摘がありましたように、これからもいろいろな仕掛けを地道につくっていく。そして、それを積み重ねていくということは非常に大事な観点だというふうに思っておりますし、先ほど答弁申し上げましたように、比較的若い職員を先進自治体に派遣をしまして、自分の仕事だけではなくて、関心のある分野についても研究をさせる。そういう制度を新年度に向けて制度化していきたいというふうに考えておりますので、職員の意識改革については積極的にこれからも取り組んでまいりたいなと思っているところでございます。
それから、3点目については必要性の低い仕事、あるいは重複しての仕事、こういったものを一定程度整理すべきではないのかとお尋ねがございましたけれども、この問題につきましても、財政的な面からも全ての事務事業を今これから見直す。そういうことで取り組んでいくこととしておりますので、そういった中で財政面からも、それから組織面からも効率的になるように取り組んでまいりたいというふうに考えております。
それから、内定辞退のことでございますけれども、先ほど答弁申し上げましたが、内定者の辞退もふえていますけれども受験者数も減っている。そういう実態にあるわけです。これはこのままではいけないというふうに考えておりまして、何らかの手だてを講じていかなければならないと考えておりますが、いずれにいたしましても人材の獲得と育成、これは組織の改革にとって、大変重要なことでありますので、今、具体的に何をするかということは申し上げられませんけれども、この受験者数をどのようにふやしていくのか、内定辞退率をどのように落としていくのかということについては、しっかり取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
4点目は、総合計画の今のやり方について問題がないかということでございますけれども、私も今回どのような過程で、この総合計画が議論されていったかということは、詳細まで、まだ把握はしておりませんが、一定程度、私なりに今後見直しをさせていただくことも検討させていただき、このままでいいのかどうかということを1回少し考えさせていただきたいということで、まだ具体的にどのようにということは申し上げられません。今回も3層構造、2層構造にする、こういったことで実施計画を策定することは取りやめましたけれども、そういったことも含めて、今後どのようなことで改めることができるのかどうか考えていきたいと思っておりますし、見直す場合については、何らかの形で表明していくということは、これは必要なことだというふうに思っております。
それから最後は、総合戦略と総合計画との関係についてお尋ねがございましたけれども、この総合戦略というのは、日本創成会議の中で増田レポートが発表されまして、当時2040年には日本の自治体の半分が消滅するよということで、消滅可能性都市という言葉が一つのキーワードになったわけで、そのところから地方創生という言葉が生まれて、この総合戦略を各自治体がつくることになった。私としてはどちらかというと、つくらされたという感があるのですけれども、いずれにいたしましても、この総合戦略につきましては、人口対策と地域の活性化というところでつくっておりますので、総合計画とその総合戦略の視点というのは異なりますが、人口対策と地域の活性化という部分では、無視することはできませんので、整合性を図りながら策定に取り組んでいきたいなというふうに思っているところでございます。
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)17番、中村誠吾議員。
○17番(中村誠吾議員)以下は、委員会でお聞きします。これで終わります。
○議長(鈴木喜明)中村誠吾議員の会派代表質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時19分
――――――――――――――
再開午後2時45分
○議長(鈴木喜明)休憩前に引き続き、会議を再開し、会派代表質問を続行いたします。
(「議長、9番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)9番、松田優子議員。
(9番松田優子議員登壇)(拍手)
○9番(松田優子議員)平成30年第4回定例会に当たり、公明党を代表して質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
最初に、第7次小樽市総合計画について伺います。
この総合計画は、これまでも市政全般についての指針となる最上位の計画として位置づけられており、平成26年4月から定めた小樽市自治基本条例の理念に基づき、市民、議会、市が一体となってまちづくりを進めることを求められていることから、その策定には議会も責任の一端を担っていますので、何点か質問させていただきます。
まずは、次期の総合計画について伺う前に、平成21年度から始まり今年度末で終了する第6次総合計画に対する現在までの評価をお伺いいたします。
平成28年12月に示された第7次総合計画策定の基本方針によれば、第6次との大きな違いは基本構想、基本計画、事業概要を示す実施計画の3層構造から、第7次は基本構想、基本計画の2層構造に再編するとのことですが、2層構造にする理由についてお示しください。
また、まちづくりのテーマは、第6次総合計画では五つだったのに対し、第7次では子ども・子育て分野を新たに加え六つにしましたが、その理由について改めてお聞かせください。
「市政運営の基本姿勢」の「持続可能な行財政運営の推進」に「行政評価を通じて「何を行ったか」よりも「どのような効果をもたらされたか」という成果を重視した市政運営の推進を図る」とありますが、これでは市民の皆様にはわかりづらいと思いますので、どのように成果を重視した市政運営の推進を図るのか、もう少し具体的に御説明願います。
第7次の総合計画期間は明年からの10年間とされ、このように2年前から基本方針を打ち出し、準備が進められてきましたが、計画策定に当たって庁内の体制としては、市長及び市職員で構成する総合計画策定会議がありますが、迫市長は本年8月に市長に就任したので、5月に策定された基本構想原案のときには策定会議の構成員とはなっておりませんので、自身の意見が反映されていないように思いますが、これについて、市長はどのような見解をお持ちなのか伺います。
基本構想原案は、半年ほどおくれて本年5月14日に有識者で構成する総合計画審議会に諮問し、9月21日にその答申がありましたが、それによると全部で74件の意見があり、基本構想に修正を加えたもの、修正は加えないものの基本計画に反映を検討するものがありますが、どこにも反映されないものが10件ほどありました。ともあれ、今後、審議会の答申を受けて基本計画を策定していくことになりますが、基本計画に反映を検討するというものが約30件ありましたが、その中には検討した結果、反映されないものも出てくるのではないかと思いますが、反映しないことについては、審議会にはどのような形で伝えることになるのでしょうか。
基本構想を拝見すると、交通ネットワークという言葉が随所に出てきます。これが、第7次の総合計画の重要なキーワードの一つになっているように私は思いますが、この点についての市の認識を伺います。
今、小樽市ではようやく地域公共交通網形成計画の実現に向け動き出しておりますが、計画策定の進捗状況についてもあわせてお伺いいたします。
それにしても心配なのは、計画実施時期の問題です。当初の予定では、基本構想原案策定後、有識者で構成する小樽市総合計画審議会に諮問し、その答申を受け、本年6月開催の第2回定例会で議案として提出され、議決を経ることになっていましたが、それがおくれて今定例会に議案として提出されましたので、通常でも半年ほどおくれています。基本計画は、その答申を受け、さらに半年間くらいかけて検討して案を作成し、また総合計画審議会に諮問し、その答申を受けて計画を策定し、議会に報告することになっているようですが、この第7次小樽市総合計画が平成31年度からの実施となれば、間に合わないのではないかと懸念しますが、今後の策定スケジュールについてお伺いいたします。
ともあれ、この総合計画策定に当たっては、自治基本条例のもと、市民の皆様の意識や意見を生かすために18歳以上の市内在住の皆様、また地区別として町会や自治会、経済界や建設などの団体、また東京や関西小樽会など市外在住の皆様、観光で小樽においでになった皆様など、さまざまな種別のアンケート調査、そして小樽市民会議100の皆さんのワークショップや、おたる子ども会議の皆さんの協議会など、今までにない多くの方の意見をいただいたと伺っています。自然と人が紡ぐ笑顔あふれる小樽を目指し、市民、議会、市一体となって、まちづくりに励んでいきたいと思います。決して計画倒れにならないことを願っています。
以上で、第1項目めの質問を終わります。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)松田議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、第7次小樽市総合計画について御質問がありました。
初めに、第6次総合計画との違いについてですが、まず、第6次総合計画に対する評価につきましては、基本計画に設定した成果指標においては、平成28年度に試行として実施した施策評価の時点で、全73項目のうち目標値に達した指標が24項目、達していない指標が47項目、達成度を判定できない指標が2項目あったほか、成果指標の設定数や内容等が全般的に不足または改善を要することが見出されたことから課題があると考えております。
一方、市民アンケートによる市政への満足度においては、19年度と28年度を比べると項目が異なるため、単純比較はできないものの、わずかながら上昇傾向にあることから、厳しい財政状況の中で、一定程度の成果を上げているものと捉えております。
次に、総合計画を2層構造にする理由につきましては、従来の3層構造における事業計画の事業は、現状では毎年度の予算編成や政策検討の場面などで具体的な検討を行っており、さらには個別計画も策定されているため、その役割が薄れてきている実態にあります。このことから、新たな総合計画はまちづくりの総合的な指針としての役割や施策の成果をはかる機能を重視しつつ、従来の実施計画が持っていた市政全般にわたって施策の内容を示す役割を基本計画に統合して2層に再編することで、市民によりわかりやすい計画になると判断したものであります。
次に、まちづくりのテーマに子ども・子育て分野を加えた理由につきましては、この分野は最重要課題と位置づけた人口対策と関連が強く、市民アンケートの結果や市民会議の議論などからも高いニーズがあり、これまで以上に重要度が増したと考えられることから、関連施策をまとめて新たに一つのテーマとしたものであります。
次に、成果を重視した市政運営の推進につきましては、今後策定する基本計画では第6次総合計画において、成果指標が不足していたことや内容が不十分であったという反省を踏まえ、施策の成果をより適切にはかることができる指標を設定するとともに、行政評価では、これを用いた点検を行い、成果を意識して事業を展開していこうと考えております。そのため、「市政運営の基本姿勢」では、従来、ともすれば行政の側の主観的な表現で施策を評価していたものから、できるだけ客観的、定量的な根拠をもとに成果を示すことができる市政運営を進めたいとの姿勢をあらわしたものであります。
次に、基本構想原案に対する私の見解につきましては、御質問のとおり、私は策定会議の構成員として原案策定にかかわっておりませんが、就任後は策定会議の議長としてかかわり、原案に対する総合計画審議会からの答申やパブリックコメントによる市民の意見を尊重した上で、私も内容を精査し、納得して議案として提出させていただいたものであります。
次に、基本計画の策定についてですが、まず審議会からいただいた答申の中で、基本構想に反映していないものにつきましては、今後、計画案を策定し、審議会に諮問する際に市の考え方を説明する予定であります。
次に、交通ネットワークに対する認識につきましては、交通ネットワークは市民の生活や人、物の交流における重要な要素であり、人口減少が進行している中において、まちづくりを進めていく上では、議員御指摘のとおり、重要なキーワードであると認識しております。
次に、現在の地域公共交通網形成計画策定の進捗状況につきましては、今年度は8月に第1回目の協議会を開催し、7月に実施した市民ニーズ調査や路線バスの利用実態調査結果の速報等を報告しております。第2回目は、12月末に開催する予定であり、アンケート調査の分析結果等をもとに作成した路線別カルテ等を示し、問題点や課題の抽出、整理、対応方針や目標を協議してまいります。3回目以降は、その目標を達成するための施策や事業を協議し、年度内に計画素案を取りまとめる予定です。31年度には、パブリックコメントを実施し、できるだけ早期に策定したいと考えております。
次に、策定スケジュールにつきましては、現在基本計画の策定に着手したところでありますが、来年2月を目途にこの案を策定し、総合計画審議会の審議を経て8月を目途に策定を終え、第3回定例会での報告を予定しております。基本計画の策定は、平成31年度の途中となりますが、年度内には終えることになりますので、御理解をお願いいたします。
○議長(鈴木喜明)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、9番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)9番、松田優子議員。
(9番松田優子議員登壇)
○9番(松田優子議員)2項目め、人材育成について伺います。
迫市長が就任してから3カ月以上が経過しましたが、30年以上市職員の経験があるとはいえ、市政を再起動させることは大変なことと思います。市長が出席する会合で挨拶される中で、市長になって、まだ日が浅いものですからという言葉をたびたび耳にしましたが、先般開催された福祉のシンポジウムでは、長い市職員の経験があるものの、福祉畑は経験がないのでしっかり勉強していくと挨拶されていましたが、経験がないとは言っても、行政経験が全くない民間出身の市長も大勢いるのですから、その御苦労は察するに余りあるとはいえ、言いわけにはなりません。
その点、このたび1年の空白を経て、ようやく選任された小山副市長は、医療保険部長や財政部長、病院局の経営管理部長も経験し、市職員退職後は小樽市社会福祉協議会の常務理事も経験しており、厚生所管の経験もあることから、まさしく市長の右腕として打ってつけの方だと思いますので、今後は互いに補完し合いながら市政運営を担っていただきたいと思います。
そこで、私は市職員の人材育成の観点から、市長に何点か質問いたします。
今、どこの業種も人材不足が叫ばれ、人材確保が急務となっていますが、特に行政は市民の安全・安心な暮らしを守るため、なおさら人材確保が求められています。本年4月に改訂された小樽市人材育成基本方針によれば、今後の課題として限られた職員数で行政サービスを向上していかなければならず、一方で豊富な知識や経験、技術を持つベテラン職員が退職するため、十分な経験を積むことがないまま管理的ポストを担わなければならない状況も考えられ、これを担うことができる職員を育成する「計画的な人材育成」が、今後の課題となっていますとあります。このことについては、職員のアンケートの意見でも、これまでに経験のないところに管理職で異動してきて戸惑う職員が最近多過ぎる、これが身体への不都合を呼び、休職など期待していない方向に進み、最終的には市の損失になると考えるという意見もありました。この基本方針は、市長が市職員退職後に改訂されたものですので、市長がお考えになっている人材育成の課題としての認識をお聞かせください。
今までも問題視されてきましたが、職員の在任期間の問題です。特に前市長のときは、管理職の異動が早く、短いと1年くらいで変わり、委員会などでは答弁に苦慮している姿をよく目にしていました。在任期間の考え方をお伺いいたします。
職員のアンケートからは、仕事にやりがいを感じているのは約6割、やりがいを感じていないは1割で、感じていない理由は、仕事の量が多過ぎる、適性や経験が生かせないとあり、自己啓発に取り組んでいる職員は全体の5割で、その内容は講演会、各種セミナーなどが挙げられ、取り組みが困難な理由の一つに、仕事が多忙で残業が多く、時間がとれないというものでした。
そこで、以前もお聞きいたしましたが、28年度以降の年間延べ時間外勤務時間数と、1人当たりの平均時間数、この2年間の年間最高時間数をお示しください。また、時間外勤務が多い部署もお示しください。
同じく、職員のアンケート調査によれば、人事異動が適切に行われていると感じている職員は全体の2割で、適切でないと感じているのは約4割もあり、そして人事異動はどうあるべきかについては、職員の適性に配慮すべき、多様な経験を積ませるよう配慮すべきなどが挙げられていたようですが、それを受けて、市では人材育成の方策として採用から10年までの間に窓口部門、事業部門、管理部門などへの配置により計画的に職務経験を積ませることで、基礎知識の習得と必要な能力を育成するとともに、自己の適性を発見できるように考慮するとありますが、この取り組みはスムーズにできているのでしょうか。現状をお聞かせください。
また一方、技術や業務の継承の観点から業務に精通した職員が必要な職場もあるため、スペシャリストを育成、配置する人事異動も検討する必要があり、多様な経験を積ませるために官公庁や民間団体への職員の派遣に努めるとありますが、それらへ派遣している職員は現在どのくらいおり、ここ10年間のそれぞれの派遣人数をお聞かせください。
ともあれ、これからの職員が必要な能力として、基礎的職務遂行能力、政策形成能力、マネジメント能力、行政経営能力が求められていますが、我が党が5月に行った会派視察で、姫路市では職員提案制度を取り入れています。これは、市行政の事務処理について職員の提案活動を促進することによって、職員の研究心及び職務意識の高揚を図り、行政運営への参画及び行政運営の向上に資するもので、その内容はサービスの向上や事務及び作業能率の向上、経費、時間、人員の削減、収入の増加、市のイメージアップの向上に係るアイデアなどを募り、平成16年から本格的に取り組み、平成29年度では約750件の提案になっています。
小樽でもこのように職員のやる気を向上させ、それに対しきちんと評価していく方策として、職員提案制度があると聞きますが、今まで何件の提案があり、どのように活用されているのでしょうか。お聞かせください。
また、再任用職員について今後、役職者の再任用は避けられないと思うが、他都市では役職者として再任用されている例もあるので、本市でも研究をしていく必要があるのではないかという意見もありましたが、現在の再任用職員の人数と、そのうち係長以上だった人は何人いるのかお示しください。基本方針にあるように、小樽市を愛し、市民とともにまちづくりに積極的にチャレンジする市職員の育成にしっかり取り組んでいただきたいと思います。
以上で、2項目めの質問を終わります。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、人材育成について御質問がありました。
初めに、人材育成の課題についてですが、まず私が考える課題につきましては、今後ますます人口減少や少子高齢化が進み、行政課題がこれまで以上に多様化、複雑化していく中で、限られた職員数で行政サービスを維持していくためには、一人一人の資質の向上を図ることが重要であると考えております。特に、職員の年齢構成のうち5年後、10年後には係長職、課長職として組織の核となる活躍を期待している30代が極めて少ないことから、現在の若手職員や中堅職員の人材育成は、組織として優先的に取り組む喫緊の課題であるものと認識しております。
次に、職員の在任期間につきましては、専門的な知識を深めるためには一定期間、同一の職を経験する必要がありますので、基本的には4年の異動サイクルが望ましいものと認識しております。しかしながら、管理職にあっては定年退職の補充などにより、異動サイクルが短くなる場合も生じております。
次に、時間外勤務につきましては、一般会計における2年間の実績を年間延べ時間数と1人当たりの平均時間数、個人の年間最高時間数の順で申し上げますと、平成28年度は約7万3,400時間、84時間、879時間、29年度は約7万7,300時間、85時間、956時間であります。また、1人当たりの年間時間数が300時間以上の部署は、28年度では秘書課と財政課、29年度では財政課であります。
次に、人材育成の方策についてでありますが、まず計画的に職務経験を積ませる取り組みにつきましては、若手職員の人事異動においては窓口部門、事業部門、管理部門などできる限り多様な業務を経験させることを意識的に行っており、適切に取り組んでいると考えております。
次に、職員の派遣につきましては、一部事務組合や広域連合、社会福祉協議会等への派遣を除き、現在は総務省、厚生労働省など国へ3名、北海道及び北海道教育委員会へ2名、民間企業など官公庁以外へ2名の合計7名を派遣しております。また、平成21年度以降10年間の延べ人数は、国は5名、北海道及び北海道教育委員会へは19名、官公庁以外へは6名の合計30名であります。
次に、本市の職員提案制度につきましては、平成10年に創設したもので提案があった際には、審査委員会において審査を行い、実現性などを勘案し表彰を行うものです。創設時からの提案件数は5件となっており、このうち課題を整理した後に民間の協力により実現したものは1件、市の事業として実現したものは1件ありました。このほか、1件が表彰の対象となったものであります。
次に、再任用職員につきましては、現在の再任用職員の人数は全部局で64名であり、そのうち退職の際、係長職以上であった職員は38名で、内訳は部長職6名、次長職4名、課長職8名、係長職20名であります。
○議長(鈴木喜明)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、9番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)9番、松田優子議員。
(9番松田優子議員登壇)
○9番(松田優子議員)3項目め、防災について伺います。
胆振東部地震からちょうど3カ月が過ぎました。これに起因して前回の第3回定例会でも我が党を初め、各会派の議員から当市の防災体制についてさまざまな観点から質問がなされましたが、震災直後とあって整理されていない点も多々あり、今になって改めて見えてきた課題も数多くあると思います。新聞でも各自治体の検証が連載され、またテレビ報道でも時々放映されていますが、天災は忘れたころにやってくるということわざもありますので、あえて忘れないうちにもう一度伺いたいと思います。
災害は、その発生時間、曜日、季節によって状況が大きく変わるため、その対応も変わってきます。11月7日に行われた本年2回目の小樽市議会「市民と語る会」でも、テーマの一つに防災を取り上げましたが、御意見の中で市民の方がしみじみ語っていたのは、地震発生が冬でなくてよかったというものでした。
平成23年に発生した東日本大震災が3月11日、また、それにさかのぼること16年、平成7年に発生した阪神・淡路大震災が1月17日であったことを考えると、冬期間の対策を講じていくことは必然の理です。冬季の宿泊訓練について、今までもたびたび質問させていただき、昨年の第1回定例会では帯広市の例をひいて質問したのに対し、本答弁では費用対効果の面からどの程度有効であるのか現状では見えていないことから、実施は考えていないというものでした。
しかし、冬季の防災訓練を実施している自治体に職員を参加させて訓練内容や課題を把握することは、大変重要であると認識し、今後の防災対策に生かしていきたいと答弁していますが、派遣した状況をお聞かせください。
そして再質問に際しては、冬季の防災訓練を行う課題として実施訓練を行っている他の自治体と比較し、小樽は地形が山坂であり、また降雪量も多く、避難所にたどり着くのが大変で、高齢者などはつるつるの路面などで転倒するおそれも考えられるので、訓練は難しく、他都市の事例を参考にして今後検討していきたいと当時の総務部長は答弁しています。先ほども述べましたとおり、災害は時期を選ばず、自治体によって諸条件が違うのですから、自前の訓練は必要だと思いますが、他都市との検討結果も踏まえてお答えください。
このたびの胆振東部地震では、地震もさることながら、北海道全域にわたる停電が発生したことで注目されていますが、実は地域限定ではあるものの、災害時に大停電が起こったことは過去にもあります。それが、平成24年11月27日未明から北海道を駆け抜けた低気圧による暴風雪のため、胆振地方の3市4町で最大5万5,000戸が停電し、一部では復旧まで4日を要し、住民は暗闇と寒さに耐えたというものです。
そこで、その直後に開会された平成24年第4回定例会で私は、あらゆることを想定しながら訓練をすべきだと主張し、避難所の受け入れ体制などとともに情報伝達方法について質問させていただいています。そのときの御答弁では、避難所により設備や備蓄品、受け入れ可能人数など異なるので、停電規模や地域などの状況に合わせ開設したいと述べています。このたびの避難所の開設に当たり、一部の避難所では和式トイレしかなかったことから、身体の不自由な方が避難所から自宅に戻らざるを得なかったとのお話をお聞きし、後日、担当課にお伺いしたところ、体育館には和式トイレしかなかったが、校舎には洋式トイレがあった。しかし、体育館と校舎がシャッターで仕切られ、そのシャッターは体育館側から開けられず使用できなかったといいます。こういったことは予想できなかったのでしょうか。御見解をお聞かせください。
また、このときの胆振地方の災害の問題として、市民への情報提供の際、車両による避難広報が聞き取りにくかったことを受け、これを教訓に地域防災の点検を行うと言っていましたが、残念ながら今回はこの教訓を生かせなかったように思います。
また、避難所や市役所等で食料等を配布しましたが、食料を配布していることを知らなかった方も多く、後で不公平感を持った方もいました。災害時は、情報発信が大変に重要な役割を果たします。このことについて認識をお聞かせください。
このたびの地震を受け、北海道で調査をした結果、災害時に優先すべき業務や対応手順を定めて、行政機関を確保する業務継続計画をいまだ策定していない自治体が道内では半分以上あり、その中には小樽市も入っていると報道され、その上、小樽市は策定の目途さえ立っていない自治体の中に入っているという結果が出ています。北海道では、防災関連の会議のたびに策定を促してきたと言いますが、策定できない理由等、小樽市の状況についてお聞かせください。
さて、このたびの地震における対応に際し、今まで述べてきたように小樽市の防災で見えてきた課題はたくさんあると思います。9月に行われた記者会見で、その課題の対応について毎年2月に開催される防災会議に間に合わせるのか、それとも時間を置いて考えるのかと問われた際、間に合うものは2月の防災会議の中で、防災計画を変えていきたいと答えられていますが、それはどのような案件なのか具体的にお示しください。
地震が発生する直前に発行された広報おたる9月号の特集記事の中で、災害救助の果たす役割の割合は、自助7割、共助2割、公助1割とし、阪神・淡路大震災ではこれに近い割合で救出された実績を踏まえ、自助、共助の対応力を高めることを強調されています。
また、今回の地震に際し、行方不明者の捜索活動のため現地に派遣された消防職員からの聞き取りでは、地域の結びつきの重要性を述べられていました。市では、災害時にみずから避難することが困難な方を掌握する避難行動要支援者名簿の作成、更新を行っていると思いますが、現在の状況をお聞かせください。
しかしながら、避難支援をする重要な役割を果たす民生・児童委員のなり手が不足し、また町会の加入率の低下が問題視されていますが、今後の共助のあり方について考えていかなければならないと思いますが、御見解をお聞かせください。
ともあれ、このたびの震災は、いかにふだんからの備えが大事であるかがわかりました。その自助を促すためにも、防災ハンドブックの作成を要望いたします。東京都では、防災ハンドブックを作成して配布していると聞いています。そこには、今までの災害を経験した人の体験を交えながら、イラストつきでアドバイスも載せています。かつては、地震が来たときは家屋がゆがむことから、戸を開けておくことの大切さが伝えられていましたが、それが守られていません。経費がかかるというなら、立派な本でなくても必要最低限のことを例示して、ふだん目につくところに張っていただくものにするなど、発行を検討していただけたらと思います。御見解をお聞かせください。
災害、特に地震や台風、風雪害などは人知では推しはかることはなかなかできず、完全に防ぐことはできませんが、災害時の被害を減らす減災はできます。そのため、町会単位やグループ単位などで防災の出前講座を開催して、防災、減災の勉強会を行っていると聞いていますが、状況についてお示しください。
また、子供を対象にした防災教育も大変重要なことだと思います。小樽市における小・中学校の防災教育についての御見解をお聞かせください。
東海地震で大きな被害が懸念される浜松市では、教育委員会が学校の防災教育で使用する防災ノートを作成し、今年度から小・中学校に通う全ての子供に防災ノートを配布したといいます。内容は、子供の発達段階に分けて、小学生は2学年ごとに3種類、そして中学生向けと全部で4種類あるといいます。また、携帯電話が使えなくなったとき重要な手段となる公衆電話のかけ方も知らない子供もいると聞いています。先ほどの防災ハンドブックと同様、子供を対象にした防災ノートの作成について要望いたしますが、この点についての御見解もお聞かせください。
ともかく、このたびの地震災害は一人一人が災害を我が事と考え、我が命を、地域の財産をいかに守るかよいきっかけになったことは言うまでもありません。さまざまな課題解消に向けしっかり取り組んでいただきたいと思います。
以上で、3項目めの質問を終わります。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、防災について御質問がありました。
初めに、冬季の対応についてですが、まず冬季の防災訓練を実施している都市への職員の派遣につきましては、平成30年1月27日、28日に帯広市及び十勝建築災害対策協議会が主催した帯広市冬季防災訓練に職員2名を派遣し、宿泊訓練を含む全日程に参加したところであり、今年度についても訓練を実施する自治体と参加に向けて調整中であります。
次に、冬季の防災訓練につきましては、帯広市冬季防災訓練に参加した経験から、日中における避難所開設訓練や傷病者の発生を想定した応急手当訓練については実施が可能と思われますので、内容や規模、回数などを整理した上で、より実践的な訓練を実施してまいりたいと考えております。
また、冬季の宿泊訓練については、資機材や装備などの課題を整理し、実施に向けた検討をしてまいります。
次に、停電時の対応についてですが、まず、本年9月の地震時の避難所の開設につきましては、日没が迫る中、市内の停電が長期になるとの情報を入手したことから、地勢や生活圏を優先したほか、停電に関係なくトイレが使用できる7カ所の小学校を開設したものであります。しかし、議員から御指摘のありました体育館と校舎を仕切るシャッターを開けることができないことについては、把握をしておりませんでした。今後につきましては、各避難所における問題点等を整理し、必要な対策を行ってまいりたいと考えております。
次に、災害時の情報発信につきましては、このたびの停電対応の経験から、市民の皆様への情報発信が重要であることを改めて認識したところであります。今後においては、今回の主な情報伝達手段であったFMおたるや市ホームページ、フェイスブック、広報車などによる広報活動のほか、市民の皆様に必要な情報が的確に伝わるよう、町会や消防団など関係団体との協力体制を構築し、重層的に対応してまいりたいと考えております。
次に、業務継続計画についてですが、まず当該計画の策定につきましては、地域防災計画との整合性を図り、さらには各部局において非常時に優先すべき業務を抽出し、時系列で整理するとともに、全庁的な整合性も図る必要があります。これらに取り組むには、現在の人員では難しく、これまで市全体の計画策定に着手するには至っておりません。しかしながら、計画の必要性については認識しているところでありますので、まずは計画策定に向けた課題の整理と分析に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、防災計画の変更につきましては、現在最優先の案件として考えている大規模停電対策計画の追加や災害広報計画の強化などが挙げられますが、そのほかにも災害ボランティアに関する項目を初め、関係機関や担当部局との調整が整った事項については、変更や追加を計画に反映させてまいりたいと考えております。
次に、防災・減災対策についてですが、まず避難行動要支援者名簿の現在の状況につきましては、平成27年度の前半に名簿を作成し、その後、半年ごとに更新しており、名簿掲載人数は27年8月末時点で925名でしたが、最新の30年8月末時点では950名となっております。
なお、現在は、7回目となる今年度末の名簿更新に向けて作業に取りかかっているところであります。
次に、今後の共助のあり方につきましては、阪神・淡路大震災などの大規模災害時においては行政が全ての被災者を迅速に支援することが難しく、また、行政自身が被災して機能が麻痺するような状況が起こり、公助の限界が明らかになったところです。災害時には、一人一人が自分の身を守る自助が基本となりますが、要支援者の多くは自助が困難であり、共助が大きな役割を果たすものと考えております。この共助の力を確保していくためには、地域コミュニティーの活性化に向けた取り組みとともに、それを補完するボランティアと連携を図ることが大変重要であると認識をしております。
次に、防災ハンドブックの発行につきましては、本市においては、東京都のようなカラー印刷で100ページを超える冊子を作成し、配布することは難しいものと考えておりますが、昨年度に作成した防災マップに「わが家の備え」と題した自助を促す避難メモを掲載したところです。
また、本年9月の広報おたるには、切りとって壁に張りつけることもできる避難メモの縮小版を掲載しているところであります。
次に、町会単位やグループ単位での防災・減災の勉強会につきましては、現在はまち育てふれあいトークとして防災に関する講習会を開催しており、平成28年度は10回、29年度は4回、本年度はこれまでに9回実施し、1回当たり数名から50名程度の方々に参加をいただいております。このほかにも、町会主催の避難訓練の際には、災害対策室の職員による防災に関する講話などを平成28、29年度は各4回、本年度はこれまでに3回行っております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)教育長。
○教育長(林秀樹)松田議員の御質問にお答えをいたします。
ただいま、防災について御質問がございました。
初めに、防災・減災対策についてですが、まず小樽市における小・中学校の防災教育の見解につきましては、各小・中学校におきましては、学校安全計画を策定し、理科や社会、保健体育などの教科において、自然災害の特性や防災への努力、災害時の適切な行動のあり方などについての学習を行うほか、毎年火災や地震などを想定した避難訓練を実施し、教職員の役割や子供たちの避難経路の確認を行うなど、学校教育全体をとおした防災教育を計画的に推進しているところでございますが、近年道内におきまして大きな地震や突発的な暴風雪、記録的な豪雨により甚大な被害が発生している地域もあることから、児童・生徒への防災教育や学校の防災体制のさらなる強化、充実を推進していくことが大変重要であると認識をしているところでございます。
次に、子供を対象とした防災ノートの作成についての見解につきましては、道教委から浜松市版の防災ノートのように発達の段階に応じて、地震や津波、風水害等における適切な行動を学ぶことができる防災教育資料「学んDE防災」が各小・中学校へ配付されており、各学校において積極的に活用するよう指導しておりますことから、教育委員会といたしましては、まずは道教委の資料をしっかり活用することで、防災教育の充実に努めてまいりたいと考えております。
○議長(鈴木喜明)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、9番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)9番、松田優子議員。
(9番松田優子議員登壇)
○9番(松田優子議員)第4項目め、除排雪について伺います。
今定例会の初日に行われた本会議での採決の結果、決算特別委員会の委員長報告どおり平成29年度小樽市一般会計歳入歳出決算認定は、またもや不認定となりましたが、私も不認定に賛成する立場での討論を行いました。不認定とする理由の一つは、除排雪事業費の予算執行、特に排雪については市民の要望に対する実施率が余りにもかけ離れており、本来あるべきはずの市民の福祉増進に役立つような執行状況ではなかったからです。今、市民の方とお会いすると皆さんが口々におっしゃるのは、市長がかわったから、これでことしから除排雪がよくなるねというものでした。
先ほど次期小樽市総合計画についての質問をいたしましたが、基本計画の策定に生かすことを目的に行った市民アンケートでも、この除排雪問題は現在の満足度が低く、今後の重要度が高い領域に入っています。
また、これに先立ち小樽市住宅マスタープランにおける市民アンケートやその他でも除排雪問題は不安、不満の意識が強く、御意見も数多く寄せられる案件です。恐らく市長も、就任前に市民の皆さんと接するうちに切実な声を耳にされ、このままではいけないと感じたからこそ、就任後真っ先に行ったのが雪対策課の機構改革だったのではないかと推察いたします。
前置きが長くなりましたが、そこで何点か質問させていただきます。
まずは、除排雪事業における昨年度とことしの大きな違いの一つは、除雪体制部門の強化ですが、市長就任後1カ月で御自身での検証もままならないうちに、機構改革を行った目的について改めてお聞かせください。機構改革をして2カ月足らずでその効果を聞くのは早過ぎるとは思いますが、もう新体制で動き出していますので、これによりどういった課題が解消できると考えられたのか、お伺いいたします。
また、除雪対策本部の立ち上げは、今までは12月でしたが、本年は前倒しで11月15日に立ち上げましたが、現時点でどのような課題や効果を考えられているのかお示しください。
なお、先般の胆振東部地震でも問題になったのが情報共有の問題でした。年の4分の1を雪とともに暮らしていかなければならない小樽市民にとって、いかに冬を快適に過ごすかはとても重要なことです。そこで、冬期間における要望を一つずつ着実に応えていく必要があることから、総合的な冬の市民サービスに対して、各部の情報共有の場として本年より雪対策庁内連絡会議が設置されたとの報告が先日ありました。そして、早速11月下旬に第1回目の会合が行われたとお聞きしましたが、どのような内容だったのか、お伺いいたします。
なお、本年度の雪対策に関する主な見直しとして5点が挙げられていますが、そのうちの一つに生活道路の一部における歩行空間確保の取り組みの見合わせがありますが、これは昨年初めて行われたものであり、なぜ1年で見合わせることになったのでしょうか。取り組んではみたものの、効果がなかったからなのか、その見合わせることになった理由をお聞かせください。
また、同じく貸出ダンプ制度では、一昨年までは積込業者による代理申請が可能だったのに、昨年は積込業者による代理申請の受付は不可となり、利用団体による直接の申し込みになりました。ことしは、それが積込業者の代理申請が再び可能となりました。それは、代理申請でも問題がなかったからではないかと思いますが、復活した理由についてお聞かせください。
昨年度は、各ステーションから要請を受け、その実施時期を検討する排雪協議が行われていましたが、要請があってから実施までかなりの時間を要し、また会議が定期的に行われていたにもかかわらず、議事録がきちんと整理されていなかったなど、問題が余りにも多かったように思います。今年度の排雪協議の進め方と、改善点を述べていただきたいと思います。
そして、昨年、何といっても問題になったのは、排雪作業がうまくいかず路線バスが運休になったことです。天候激変による安全確保のための運休ならまだしも、単に排雪作業のおくれによる道路幅員確保ができなかったという理由により交通弱者の足を奪うのは最悪です。どうか二度とこのような事態に陥ることがないよう強く要望いたしますが、このことについての認識をお伺いいたします。
また、見直しの一つに主要交差点における見通しの強化ですが、昨年度の50カ所が90カ所に大幅に増加となりましたが、これは大変に喜ばしいことです。ただ、大きな交差点だけではなく、基準が曖昧だった雪山の排雪や通学路の安全確保にもきちんと取り組んでいただくことを強く要望いたしますが、その点についての認識を伺います。
ともあれ、市長がかわったことで除排雪が改善されるという市民の皆さんの期待も大きいことから、ことしの除排雪事業がつまずくと市長のイメージダウンにもつながりかねませんので、前市長のような曖昧なではなく、しっかり改善に向け取り組んでいただくことを願って、この項の質問を終わります。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、除排雪について御質問がありました。
初めに、除排雪体制の強化についてですが、まず機構改革を行った目的につきましては、私といたしましては就任前から雪対策が2課体制であり、しかも地域割りの業務分担になっていることに疑問を感じておりました。そのため、就任後直ちに担当部と協議を開始し、建設部内に建設事業室を新設することで、体制強化を図りました。その上で2課体制であった雪対策の担当課を統合し、夏の道路維持業務と冬の除雪業務を一体的に行う課を新設して、1年を通じて道路維持の効率的な業務執行を可能としたところであります。
また、担当主幹2名の配置により、冬の除雪業務の繁忙期に関係なく、安定継続的な除排雪計画や年次予算及び雪堆積場の検討、貸出ダンプの制度設計などを早期に策定できるものと考えております。
次に、機構改革による課題の解消につきましては、これまでは雪対策を2課体制にしたことにより業務が縦割りとなり、情報共有や連携が課題となっていましたが、その解消ができるものと考えております。
また、夏の道路維持業務も統合したことにより、通年における業務量の平準化が図られるとともに道路維持業務における人材育成が可能となることから、市民の皆様からのお問い合わせに対しても的確な対応ができるものと考えております。
次に、除雪対策本部立ち上げの前倒しにつきましては、近年、11月から降雪や路面の凍結が発生しており、例年、地域総合除雪業務の契約を締結しているものの、除雪対策本部と除雪ステーションが設置されていないため、市民の皆様からの問い合わせにも対応し切れていない状況となっておりました。今年度は除雪対策本部を11月15日に立ち上げたことにより、同月22日から23日にかけての降雪時には凍結路面対策や山間部の除雪を行ったほか、そのときの市民の皆様からの問い合わせにも対応できたものであります。
次に、雪対策庁内連絡会議につきましては、私と副市長、関係8部長で構成しております。第1回目の会議は11月28日に開催しており、その内容としましては、まず除雪対策本部事務局から今年度の雪対策に係る体制と主な取り組み、11月の稼働状況の報告がありました。その後、教育部から小樽市通学路安全推進会議の立ち上げについての情報提供、また、消防本部から救急車の円滑な走行のための道路状況把握についての要請があり、雪対策の情報を共有したものであります。
次に、雪対策の見直しについてでありますが、まず生活道路における歩行空間確保の見合わせの理由につきましては、今年度はこれまでの市民からの要望等を踏まえ、バス路線や小・中学校周辺の通学路など主要な路線を優先した対応、主要交差点の見通しの確保に重点を置いて排雪作業の充実に取り組むことといたしました。そのための財源確保として、除雪第2種路線の出動基準を従来の降雪量15センチメートルへ見直すとともに、試行で実施した歩行空間確保の取り組みを見合わせたものであります。
次に、貸出ダンプ制度の申請方法の変更につきましては、これまで代理提出の弊害として申請者が申請内容を十分に把握していないという事案が発生しておりました。そこで、昨年度は申請内容をしっかり理解していただくため、申請者が直接来庁し、申請書を提出することとしたところであります。このことにより申請内容の理解は得られましたが、一方で申請者の負担が増大し苦情もあったことから、今年度につきましては申請内容を理解していただくため、申請者へ申請書の写しを市が送付することを前提に代理提出を認めることとしたものであります。
次に、今年度の排雪協議につきましては、昨年度は排雪路線の協議から作業の実施までに大変時間を要したことから、今年度は昨年度における路線の部分的な排雪から、地区ごとの面的な排雪に作業方針を改め、市内の全体的な作業計画を定めて協議をすることで排雪作業を計画的に行えるよう業務を改善するとともに、作業路線の決定に至る経過を記した書類を作成してまいりたいと考えております。
次に、バス路線への対応につきましては、市内の路線バスは高齢者や通勤・通学者などにとっても大変重要な交通手段であることから、今年度はバス事業者と情報共有を行いながらバス路線などの主要路線の作業を優先し、排雪作業のおくれにより運休とならないよう努力してまいりたいと考えております。
次に、雪山の排雪と通学路への対応につきましては、今年度はバス路線や小・中学校周辺などの主要な路線に重点を置いて道路状況を的確に把握しながら適切な時期に計画的な作業を進めていくことで、主要な通学路の安全を含め道路の円滑な交通の確保に取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(鈴木喜明)次に、第5項目めの質問に入ります。
(「議長、9番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)9番、松田優子議員。
(9番松田優子議員登壇)
○9番(松田優子議員)最後に、学校施設の耐震化について伺います。
平成21年11月に策定された学校規模・学校配置適正化基本計画では、期間を前期と後期の2期に分け、そして平成22年度から平成36年度までの15年間かけて実施することになっており、前期は平成29年度で終了しましたが、さまざまな課題から再編が未実施になりました。今、小樽の現状を見ていると残念ながら人口減少に歯どめがかからず、予想以上に児童・生徒の減少が進んでいます。学校再編の目的の一つが、望ましい学校規模を確保するということでしたが、児童・生徒の数の減少が続いていることから当初予定していた望ましい学校規模の確保が難しい状況に陥ることも懸念されています。
そうした中、迫市長は学校再編についてまちづくりの観点や地域との関係を踏まえ、さらに今後を見通した中で考えていく必要があると述べられています。今後の学校再編の計画をどうするのか、いろいろな観点から改めて検討する必要があると思われ、一定程度の期間をかけて見直しを行うこともやむを得ないのではないかと我が党は認識しております。
そこで、懸念されるのが学校施設の耐震化問題です。このたびの胆振東部地震の発生が早朝であったため、児童・生徒の通学や在校している時間帯にならなかったことは不幸中の幸いでした。しかし、多くの小・中学校が災害時の緊急避難場所に指定されていることからも、早期に学校の耐震化を進めていく必要があるのではないかと考えます。
小樽市の学校施設の耐震化は、道内他都市と比較するとおくれているようですが、耐震化の状況はどのようになっているのか、教育委員会にお伺いいたします。
次に、小樽市の学校施設の現状に対し、北海道から耐震化を早期に実施するようにとの要請があったと聞いていますが、このことについて小樽市としてどのように捉えているのか、市長の御見解をお聞かせ願います。
未来を担う子供たちの安全・安心な場を確保することは、大人たちの責務であり、昨今の災害発生状況から考えると、このままでは子供たちの安全・安心が脅かされる状況にあると言えます。今後においても再編に合わせての耐震化では余りにも時間がかかり過ぎるため、早期に耐震化を進めてほしいと考えますが、この点について市長のお考えをお聞かせください。
小樽市では、適正化基本計画によって学校再編に合わせて耐震診断結果や学校施設の老朽度合いを考慮して、耐震補強や大規模補修を実施することとし、統合校については必要な耐震化が図られたようですが、統合が進まなかった前期の再編対象校については、耐震化されていない現状がこのまま続くことになり、さらに時間がかかることになります。日中のほとんどを学校で過ごす児童・生徒の安全・安心を考慮し、早期に学校施設の耐震化を図るためにも再編と切り離して取り組む必要があるのではないかと考えますが、教育委員会のお考えをお聞かせください。
また、耐震化とあわせて前期の再編対象となっている松ヶ枝中学校の老朽化は著しいものがあります。商業高校での西陵中学校の統合についても、現在、目途が立っていない状況であり、松ヶ枝中学校をこのままにしておくのは大変忍びがたいものがあります。松ヶ枝中学校の対応について、教育委員会としてどのようにお考えか、お聞かせください。
以上、再質問を留保して私の質問を終わります。(拍手)
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)ただいま、学校施設の耐震化について御質問がありました。
まず、北海道からの学校施設耐震化の要請につきましては、北海道からは本市の学校施設耐震化の状況が他市町村と比較しておくれていることや、北海道胆振東部地震の発生を踏まえ、学校施設の耐震化について早期完了に向けた取り組みをしていただきたい旨の要請が10月31日にあったところです。私といたしましても、学校施設の耐震化は児童・生徒の安全・安心の確保や地域の方々の避難所機能を確保する観点からも、早期の対応が必要と考えているところであります。
次に、早期の耐震化につきましては、これまで適正化基本計画による学校再編に合わせて耐震化や老朽化対策を進めてきましたが、統合が進まないことにより耐震化を終えていない学校施設が残っていると聞いております。私といたしましては、学校施設の耐震化は重要な課題と認識しておりますので、今後の進め方については教育委員会と協議をしてまいりたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)教育長。
○教育長(林秀樹)ただいま、学校施設の耐震化について御質問がございました。
まず、本市の学校施設の耐震化の状況につきましては、本年4月1日現在における本市小・中学校施設の耐震化率は81.3%となっており、全道平均の95.8%と比較いたしますと耐震化率は低い状況となっております。
次に、早期に学校施設の耐震化を図るためにも、再編と切り離して取り組む必要があるのではないかとのことにつきましては、適正化基本計画の期間前期の点検結果でお示ししたように、学校の統合が進まず耐震化に至っていない学校があり、児童・生徒の安全・安心の確保からは早急な対策が必要と考えておりますので、今後の耐震化の進め方について検討を行い、市長部局と協議をさせていただきたいと考えております。
次に、松ヶ枝中学校の対応につきましては、松ヶ枝中学校は老朽化が著しく、耐震化優先度調査において耐震化の優先順位が最も高く、教育環境のさらなる悪化が危惧されますことから、建築物の耐震改修の促進に関する法律の規定に基づき、平成32年度末には用途廃止することといたしております。
このたびの適正化基本計画の見直しでは、西陵中学校と松ヶ枝中学校の学校再編につきましても改めて検討することとなりますが、松ヶ枝中学校の現状に鑑み、旧最上小学校への移転などについて早急に検討する必要があるものと考えております。
(「議長、9番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)9番、松田優子議員。
○9番(松田優子議員)それでは、御答弁いただいた中から何点か再質問させていただきます。
まず、人材育成についてです。
小樽市では職員提案制度があり、そこでは今までに5件の提案があったと先ほど御答弁いただきましたけれども、すごく少ないように感じます。というのは、平成10年からこの職員提案制度があるとお聞きしましたが、先ほど例に挙げた姫路市では、平成16年から始まって現在まで750件の提案、確かに制度は少し違いますので、比較にならない部分もあるかと思いますが、余りにも少ないのではないかと感じています。これについてもう一度、なぜ少ないのかについて、どのように感じているかお聞かせ願いたいと思います。
また、5件あったけれども現実に、提案は全部で確かに5件ありましたが、活用が少ないように思いますが、この点についてももう一度お聞かせ願いたいと思います。
また、少ないと思いますので、どうすればその提案の拡大につながっていくのか、もしお考えがあればお聞かせ願いたいと思います。
それと、時間外勤務についてですけれども、前年度から見ると確かに最高のところは、前は千何時間ということでしたので、800何時間とかということに減ってはいますが、先ほどのアンケートにもあったように、時間外が多いために勉強したくてもできないというアンケート調査の結果も出ています。そういうことについて、もう一度御返答願いたいと思います。
次に、防災についてですが、先ほど防災会議については2月に毎年行われているようでありますが、それで反映させていくものということで先ほど具体的に何点かお示しいただきましたけれども、この2月に防災会議を行うというのは、もうこれは動かせないのかどうかということについて。というのは、今回みたいに急な災害があった場合に、臨時的にそういったことで検討するということで防災会議が、ただ防災会議のメンバーを見ますと、小樽市だけが構成メンバーになっているわけではありませんので、難しいのかもわかりませんけれども、情報共有だとか皆さんの御意見を聞くために、防災会議の時期というのは臨時的に行うことができないのかどうか。この点について御見解をお聞かせ願いたいと思います。
それと、冬季訓練については、ことしの1月に帯広市に職員が派遣されていろいろな課題等も見てきたようですけれども、ことしについても検討すると先ほど御答弁がありましたが、具体的にどこに行くかということについてはまだ決まっていないのでしょうか。その点について、お聞かせ願います。
また、学校耐震化についてですけれども、先ほど市長はこの耐震化については早急に進めていきたいというふうにありました。また、この再編と耐震化について切り離して考えられないのかという質問をさせていただきましたが、今後検討していくというふうな御答弁でしたけれども、やはり耐震化というのは、昨今のこの状況を見たときに、やはり切り離して考えていくべきではないのかと思いますので、もう一度その点について御意見をお聞かせ願いたいと思います。
それと、松ヶ枝中学校については先ほど今後、旧最上小学校に移動していくような方向性で、決定ではないのですけれども、ただ、松ヶ枝中学校は2年後にはもう用途廃止が決まっているわけですから、早急にこの移動先というのを決めていかなければならないと思います。そう言って、旧最上小学校に仮に移動した場合に、小学校に移動するということについては、やはり学校設備としていろいろ今度改修だとか、いろいろな備品関係、ただ机だとかそういうものはやはり小学生のものを中学生が使うわけにいきませんので、そのまま机を持っていったりとかということは可能だと思うのですけれども、改修だとかそういったことも計画していかなければならないのではないかと考えますが、課題等お聞かせ願いたいと思います。
以上、再質問いたします。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
○市長(迫俊哉)松田議員の再質問にお答えいたします。
1点目は、人材育成の項目の中での職員提案の件でお尋ねがありましたけれども、確かに議員御指摘のとおり制度発足から5件というのは少ないというふうに私どもも感じているわけであります。この原因につきましては、やはり制度の周知、それから制度の魅力不足、こういったものも原因だというふうに考えておりますので、今後職員の提案がふえていくように周知はしていきますけれども、やはりその職員にとっても、提案をしたことが少しでも実現につながるのだというモチベーションがなければいけないというふうに思っておりますので、制度の拡大だけではなくて、そういった制度というか中身、制度の内容そのものについても考えていかなければなりませんし、我々としてそれをしっかり受け入れて、可能な限り政策に反映していく、そういう姿勢を見せていくということも大事なのではないかというふうに思っているところでございます。
それから、時間外勤務の関係ですけれども、正直多いなと感じてはおりますが、今後、全ての事務事業を見直していく、あるいは組織の編成を見直していく中で考えていかなければならないことだと思われますけれども、やはり多い職場というのは大体限られておりますし、秘書課というのは本来、秘書課も今回多かった、28年度の秘書課もありますが、こういったものは本当に特殊な事情があって一時的に多かった、特殊な事情があって多かったわけですけれども、財政課というのは恒常的に多いわけですから、その辺については少し考えていきたいなというふうに思っているところでございます。
それから、防災会議を臨時的に開催できないのかということですけれども、この規定の中で防災会議をいつ開催するかということについて、規定されているかどうかについて把握しておりませんが、今回ですと9月6日の胆振東部地震を踏まえて180件ぐらいの職員からの提案があったそうです。これをやはり、ある程度整理をして、防災会議にかけていくということは、ある程度時間がかかるということにもなりますので、今回は予定どおり2月に実施をさせていただいた上で、防災計画の変更なり追加なりというのを対応していきたいなというふうに思っているところでございます。
それから、冬季訓練について、ことしはどこで実施するのか私も把握しておりませんので、委員会でもお答えできればと思っておりますけれども、どこかで開催されるようであれば、それに向けて調整はさせていただきたいなというふうに思っているところでございます。
それから、小・中学校の耐震化の問題でありますが、学校配置適正化基本計画を今回見直すということで、おくれていることによって耐震化がおくれるという、そういう学校があってはいけないというふうに思っております。先般、総合教育会議が開かれまして、教育委員からもそういった御意見が出されまして、私も全く同感だということで、適正化基本計画とは別に耐震化計画、学校の耐震対応をしていくということは別途考えていかなければいけないのだなというふうに考えておりますけれども、これについては教育委員会としっかりと協議をさせていただきたいというふうに思っております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)教育長。
○教育長(林秀樹)松田議員の再質問にお答えさせていただきます。
私からは、松ヶ枝中学校の件に関しての御質問があったと思っておりますけれども、課題といたしましては、仮に旧最上小学校を活用するということになれば、耐震化はできているものの中学校で特別教室として必要な技術家庭科室がございません、小学校には。そこを改修して利活用するというようなこと。それから、できればですけれども、中学校仕様のトイレにしていく必要があるのかというようなことなどの課題があるのかなと思います。それにかかわって、移転費用、引っ越しの費用も含めて経費が多少かかってまいります。
そういうこともございますので、まずは庁内の跡利用検討委員会に早急にお諮りをして、結論を出していただきたいというふうに我々は思っておりますし、今後いろいろ経費もかかることなので、そこら辺のこともお願いをしていきたいと思っています。この辺が課題なのかなというふうに思っています。
いずれにいたしましても、子供たちの安全・安心のために少しでも早く移ることができるように取り組んでまいりたいというふうに思っております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
○市長(迫俊哉)先ほど冬季訓練のお尋ねがございまして、私が失念してお答えできなかったわけですけれども、今冬は千歳市と調整中ということでございますので、改めて答弁させていただきます。
(「議長、9番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)9番、松田優子議員。
○9番(松田優子議員)先ほど防災会議については今後検討していくというお話がありましたけれども、今回は地震が9月でしたので、次の防災会議というのは2月ですから半年ない間に、ただ、たまたまこれが3月に地震があったときに次の2月となると、約1年終わることになりますので、そういったことで少しほかの機関との調整もあるでしょうけれども、この臨時的に行うことについて、少し皆さんと協議していただければと思いますが、その点についての、もう一度御見解をお聞かせ願いたいことと、あと、耐震化につきましては、本当に子供たちの安全を考えたときに、先ほど切り離して考えていくということについてはしっかり取り組んでいただければと、これは要望です。よろしくお願いします。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
○市長(迫俊哉)松田議員の再々質問にお答えいたします。確かに今回は9月の地震を受けての2月の防災会議ですけれども、3月の災害を受けての2月ということであれば1年時間があるわけです。特にその2月に必ずやらなければならないということ、あるいは臨時的に開けないということではないと思いますので、そのあたりは臨機応変に対応できるように心がけていきたいというふうに思っております。
○議長(鈴木喜明)以上をもって、会派代表質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後4時13分
――――――――――――――
再開午後4時35分
○議長(鈴木喜明)休憩前に引き続き、会議を再開し、質疑及び一般質問を行いたい旨の申し出がありますので、これを許します。
(「議長、3番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)3番、安斎哲也議員。
(3番安斎哲也議員登壇)
○3番(安斎哲也議員)第7次小樽市総合計画基本構想案について質問します。
本市の最上位の計画として位置づけられる総合計画のうち、基本構想案が提案されました。まず、平成23年の地方自治法の改正によって、基本構想の策定を義務づけていた規定が廃止されましたが、本市が策定する意義をお答えください。
また、小樽市自治基本条例第20条に基づいて策定するのであれば、第21条に定めた財政運営において総合的な計画を踏まえながらとしているのに、なぜ先日示された小樽市収支改善プランの計画期間が7年で、総合計画の基本構想の期間は10年としているのでしょうか。
また、本市にはさまざまな計画がありますが、その位置づけなどはどう関連されるお考えなのかお聞かせください。
そもそも、本年度までの第6次総合計画のPDCAが必要と考えます。当時の将来都市像は、「歴史と文化が息づく健康、にぎわい、協働のまち」でした。これを目指し、基本計画には成果指標が設けられましたが、目標値に達成した指標は幾つあり、それは何かお聞かせください。また、目標値に達成しなかった指標は幾つあり、それは何か、理由をお聞かせください。
社会状況の変化によって、当時付した目標が達成できないこともありますが、総合計画はまちづくりの指針で、行財政運営の根拠となるものです。計画にある事業だから予算をという形式的なものではなく、やはり目指す将来都市像のために必要な事業予算だという考えを持っていただきたいと思います。
提案された基本構想案の将来都市像、「自然と人が紡ぐ笑顔あふれるまち小樽」について質問します。前段で総合計画について質問しましたが、私は前回選挙時に笑顔あふれる元気なまちを掲げ、今でもこの理念と思いを持って活動しています。ですから、人が紡ぐ笑顔あふれるまちを目指すという将来都市像は大変共感をしております。
ただ、「自然と人が紡ぐ」については疑問があります。パブリックコメントでの意見に対し、市の考え方として自然に恵まれた本市を舞台にみんなで力を合わせてまちづくりを進め、を比喩的に表現していると回答しています。人が紡ぐならば力を合わせてという理解はできますが、自然と人が紡ぐというと自然と人がつながるというふうに読み解いてしまいます。自然に恵まれた本市を舞台にとは理解しづらいのですが、なぜこの表現にしたのか理由をお聞かせください。
また、都市像のサブタイトルとして「あらたなる100年の歴史へ」としていますが、時代が紡がれればおのずと新しい歴史が築かれていくので、あえてあらわす必要はないのではないかと考えますが、なぜあらわす必要があるのか、理由をお聞かせください。
本来であれば、これから基本構想について質問を深めていきたいのですが、時間の関係上、ここで終わります。
再質問を留保して終わります。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)安斎議員の御質問にお答えをいたします。
ただいま、第7次小樽市総合計画基本構想について御質問がありました。
まず、本市が基本構想を策定する意義につきましては、将来的な展望に立った市政の総合的な指針を策定することにより、時代の変化や多様化する市民ニーズに対応した計画的な市政運営を行い、豊かで活力ある地域社会の実現を図るためであります。
次に、小樽市収支改善プランとの計画期間の違いや他の計画の位置づけなどにつきましては、自治基本条例における財政運営についての規定は、健全な財政運営を図るため、総合的な計画を踏まえながら、中長期的な展望に立った予算編成に努めるとしたものであり、財政に関する計画と総合計画の期間を一致させる趣旨ではありません。
また、他の計画との関連については、小樽市総合的な計画の策定等に関する条例において総合計画を本市の最上位の計画と位置づけ、他の計画の策定または変更に当たっては総合計画との整合性を図ると規定しております。
次に、第6次総合計画の成果指標につきましては、平成28年度に試行として実施した施策評価の時点で目標値に達している指標は24項目あり、主なものは観光入込客数、外国人宿泊客数などであります。目標値に達しなかった指標は47項目あり、主なものとその理由はロードヒーティング更新率では、国の交付金の減少などから、更新が予定どおりに進んでいないため、また、自主防災組織参加町会数では、これまで本市では災害が少なく、防災に対する意識が高まらなかったためではないかと考えております。このほか、達成度を測定できない指標が2項目あります。
次に、将来都市像で「自然と人が紡ぐ」と表現したことにつきましては、本市の恵まれた自然は計画の策定に当たって実施したアンケート調査や市民会議、子ども会議においても本市の魅力、強みとして広く共有されていたように、まちづくりの重要な要素であることから、この自然を人々が守り、生かしながら笑顔あふれるまちの実現を目指すことを比喩的に表現したものであります。
次に、将来都市像のサブタイトルにつきましては、本計画の期間内に市制施行100年という大きな節目を迎えることから、次の100年も住みよい魅力的なまちであり続けられるよう、これまでの歴史を生かして新たな歴史を築いていくという積極的な姿勢を示す意図で、このようにあらわしたものであります。
(「議長、3番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)3番、安斎哲也議員。
○3番(安斎哲也議員)答弁ありがとうございました。
2点ほど、再質問をさせていただきますが、基本構想の期間の部分でなぜ10年間としているのかというところも質問に入れておいたはずだったのですけれども、少し私の伝え方が悪くてその点、収支改善プランのほうと少し答弁が多くなっていたものですから、もしお答えいただけるのであれば、基本構想の期間をなぜ10年間としているのかというのをお聞かせいただきたいと思います。
もう1点が、「自然と人が紡ぐ」の部分ですけれども、確かに少し細か過ぎて申しわけないのですが、比喩的に表現するというのは、例えであらわすということですけれども、自然と人が紡ぐと、その「自然と」と言うと、別個のような感じがしているのになぜそれが比喩的に自然に恵まれた本市を舞台にということになるのかというところが理解できなかったものですから質問をさせていただきました。これについて見解をお願いします。
最後に、笑顔あふれるという点ですけれども、この笑顔というのは心が豊かでないと笑顔にもなれませんし、健康でないと笑顔にはなれません。活力とかにぎわいというのも市長の公約にもありましたから、それを踏まえた笑顔あふれるまちを目指して、今後、基本構想、計画をつくっていただきたいなと思っております。
最初の2点を再質問とさせていただきます。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
○市長(迫俊哉)安斎議員の再質問にお答えをいたします。
私から長期構想の10年という期間の考え方についてお答えさせていただきますけれども、一つに、やはり市政を運営していく上で、長期的な視点というのが必要だというふうに考えていることと、また、ある程度時代の変化、社会の変化をあらかじめ予見できる期間が10年程度ではないか、そのようなことから基本構想の期間としては10年ということで定めさせていただいているものでございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)総務部長。
○総務部長(日栄聡)安斎議員の再質問にお答えいたします。
私からは、将来都市像であります「自然と人が紡ぐ」につきまして説明させていただきます。
なかなか説明は難しいのですけれども、紡ぐという意味でございますが、これは幾つかの要素によって何かができ上がるこの様子をあらわしたものでございまして、つくるとか構成するという意味合いでございます。それで、自然といいましてもいろいろなものがありまして、海ですとか山ですとかいろいろございます。また、人についても訪れる人もいますし、ここで生活している人もいるという、さまざまな人たちがいます。
こういったさまざま自然とさまざまな人々が複雑に絡み合いまして、組み合わされて、つなぎ合わせて一つのよいまちをつくっていくということを考えてつくったものでございます。
(「議長、3番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)3番、安斎哲也議員。
○3番(安斎哲也議員)今の2点について再々質問させていただきます。
市長からお答えいただいた基本構想の期間の10年のところですけれども、きのうもたしか横田議員の質問で答弁されていましたが、社会の変化を予見するというのが、ある程度10年ぐらいだろうということですけれども、それが何で10年なのかというところが少しわかりづらいなと思って聞いていました。何で10年が社会の変化を予見することになっていくのかというのが少し疑問にありまして、その根拠となる部分が何かあるのかをお聞かせいただければと思います。
前回の基本構想の10年を踏襲したというふうな答弁であれば、逆にそうなのだという理解はできるのですけれども、社会の変化を予見ということの10年が少しわかりづらかったので質問しました。
あと、今の総務部長からいただいた「自然と人が紡ぐ」ということですけれども、自然と人がつなぎ合わさって笑顔あふれるまちになっていくというふうに理解すると、自然に恵まれた本市を舞台にというところとはまた少し違うような感じがしているのですが、これを言うと延々続いてしまう話なので、とりあえずこの部分は、私の小言と思って聞いていただいて、1点目の10年の部分を答弁いただければと思います。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
○市長(迫俊哉)基本構想の10年ということで、ある程度その時代の変化や社会の変化が予見できる期間としてということでお話しさせていただきましたが、短期、中期、長期というふうなことで考えていきますと、長期といいますと際限なく行くわけでありますので、先ほど申しましたように具体的に何をもってということではありませんけれども、人口の問題ですとか少子高齢化の問題ですとか、あるいは社会の経済状況なども含めて、この10年というのがある程度、先を見通せる限界ではないかな。そのようなことで、10年ということで考えておりますし、この考え方は前回の総合計画でも同じ期間だというふうに認識しているところでございます。
○議長(鈴木喜明)安斎議員の質疑及び一般質問を終結いたします。
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)6番、石田博一議員。
(6番石田博一議員登壇)
○6番(石田博一議員)臨港地区の除雪業務の入札についてお聞きします。昨年度は3地域に分割しての入札となりました。今年度はまたもとに戻ってその3地域を一まとめにして、去る11月29日に契約が締結されたと聞いております。しかも1社随意契約でありました。去る11月12日、原部より、このように進めたいと説明がありました。業者に対してのアンケート及びヒアリングを行った結果、3パターンの選択肢を見出したが、1社随意契約で行いたいとの内容でした。各議員の方々も、その説明を受けていると思います。その内容のポイントは、受託者が他の業者に対する再委託を認めるかどうかで分かれております。
ここで質問ですが、初めから再委託ありきで入札を執行することに疑問を感じます。すなわち、自分の会社1社では手が回らないということですから、初めから入札には参加できないというのが普通の考えだと私は思います。そもそも、小樽市としては中小零細企業を育てていくという大義名分があるはずです。確かに分割することによって若干の経費増はあるものの、それは入札という競争の原理や企業間の切磋琢磨によって吸収されるかもしれません。であるならば、より多くの業者の方に参加してもらうのが正当な考えではないでしょうか。
(発言する者あり)
あたかも例年受注してきた業者にさまざまな理由をつけて、また今年度も受注させようとしているようにしか感じられません。何にせよ、どうであれ、2分割、3分割という案もありながら、結果として1社随意契約という結論になった理由を改めてお答えください。
(発言する者あり)
次に、再委託についてお聞きします。
今回の平成30年度の臨港地区除雪業務の契約書一式を見せていただきました。その契約条項の第4条に、受託者は業務の処理を一括して第三者に委任し、または請け負わせてはならないとありますが、これはいわゆる丸投げはだめですよという理解でよろしいでしょうか。
そして、同じく第4条では、ただし、業務の一部を第三者に委任し、または請け負わせたときは、下請負人の商号または名称その他必要な事項を委託者に通知しなければならないとあります。
ここに、冒頭にあります業務の一部というのはどういうことなのか。つまり、受託者も再委託者も両方地域全体を担当するのか、それとも例えば中央地区は受託者が担当し、勝納地区や手宮地区は再委託者が担当するということなのか、わかるように説明してください。
(「その質問がわからないよ」と呼ぶ者あり)
最後に、機械の重複登録についてお聞きします。
今回は、受託者からまだ機械の登録に関する書類が届いていないということですので、届き次第しっかりとチェックしていただきたいと思いますが、実は平成28年度の契約書を調べましたところ、受託者は今回と同一の業者でありました。そこで気になったのは、この業者は地域総合除雪業務も請け負っていますが、それに登録してあるグレーダやドーザの機械は、砂散布車を除けば18台の登録がありました。そして今度は、臨港地区除雪業務に登録してある機械を調べましたが、何と8台も重複登録していることがわかりました。
本来、降雪があれば市内各地各所一斉に出動しなければならないと考えますが、これでは一斉出動ができないと思います。まさか一般道路の除雪が終了してから、臨港地区に入るということではないと思いますが、このような登録を認めている理由を説明してください。
再質問を留保し、私の質問を終わります。
(発言する者あり)
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)石田議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、臨港地区の除雪業務の入札について御質問がありました。
初めに、1社随意契約の理由につきましては、冬期間においても港湾活動に支障を来さない路面管理を行える体制を整えることを基本に据え、具体的には路面整正作業に適しているグレーダの効率的な使用ができる体制の確保、また一括発注により諸経費の低減が図られ、その分で路面整正などの除雪作業が充実できる優位性を考慮し、再委託の可否も念頭に置いた上で、除雪業者へのアンケートやヒアリングを行うなど検討を進めてまいりました。
この結果、再委託を認めることで臨港地区を一括して発注することが有利であるとの判断に至ったため、この要件で受注可能な1社と随意契約したものであります。
次に、契約条項の第4条の規定につきましては、委託業務における一括再委託の禁止について定められているものであります。
次に、平成30年度の業務における受託者と再委託者の担当区分につきましては、受託者は業務全体の管理、監督を行うほか、主に中央地区の新雪除雪作業及び全地区の路面整正作業を行います。また、再委託者は受託者の指示のもと、主に勝納及び手宮地区の新雪除雪作業を担当いたします。
次に、平成28年度の機械登録につきましては、受託者は地域総合除雪業務と臨港地区除雪業務を受けており、御指摘の重複登録されている機械は主にグレーダでありますが、新雪除雪はそれぞれの業務に専属で割り当てて作業を行っており、各業務で必要としている台数は確保されているため、新雪除雪における一斉出動には支障がないものであります。
重複登録されている理由としては、受託者において機械の故障発生時などの緊急事態の際、機械を相互に融通し、作業を継続できることから承諾したものであります。
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)6番、石田博一議員。
○6番(石田博一議員)なかなかすきのない答弁で再質問に困りますけれども、1点だけさせていただきます。
(「今まですきあり過ぎたんだって」と呼ぶ者あり)
この1社随意契約ということですけれども、このままこの臨港地区を一つの地域で入札する限り、今後ずっとこの1社しか該当がないという状況が続くと思うのですね。やはりここの本文にもありましたが、やはり分割することによって小さな業者の方も多分参加してこられると思うのですよ。
(「グレーダー持ってないしょ」と呼ぶ者あり)
(「それはないでしょう」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
だからその部分が、やはり小樽市の中小企業を育てるという部分に少しひっかかるような気がしたものですから、できればそういういろいろな業者の方に参加していただくというのはこれから大事なことだと思いますので、そこら辺の見解を一つお聞きしたいと思いまして、再質問といたします。
(「そう言ってた人もういないんだから、やめようよその主張」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)副市長。
○副市長(小山秀昭)石田議員の再質問にお答えいたします。
昨日も答弁させていただきましたが、単体で受けるのか、JVで受けるのかのこともありますが、全てのことを単体で受けるのはできない場合に、やはり下請の力をかりるというやり方がありまして、特に本件におきましては、グレーダという特殊な機械を持っている業者、そこでなければその新雪除雪、あの長い臨港道路の除雪に支障を来すものですから、その業者が入っているということでございます。
また、業者育成の意味から言いますと、下請の形もありますが、さらにここでJVを組むというやり方というのもあり得るのかもしれませんが、その点については来年以降に向けて検討するように私からも原部には指示しておりますので、そういう結果も待ちたいと考えております。
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)6番、石田博一議員。
○6番(石田博一議員)実は再々質問でこの地区の除雪もJVを組むみたいな発想はないのかということを聞こうと思っていたのですけれども、今先におっしゃっていただいたので、私の質問は終わります。
(「すきがない」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)石田議員の質疑及び一般質問を終結いたします。
(「議長、4番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)4番、中村岩雄議員。
(4番中村岩雄議員登壇)
○4番(中村岩雄議員)病児保育についてお伺いいたします。
道内35市中21市で実施されている病児保育ですが、10万人以上都市を見ると、小樽市だけが行われていない、まさに空白地帯でありました。これまで実現に向けてのさまざまな検討はなされてきましたが、残念ながら実施には至りませんでした。しかし、今般ようやく関係者の努力が実り、実施予定の学校法人も決まり、国、北海道の支援も受けながらオープンに向けての準備に入ることができたと思います。今年第2回定例会の一般質問で、収支、施設のスペース、病院との連携、システムの問題についてお聞きいたしましたが、具体的な実施内容までは示していただくことはできませんでした。その後、青写真もでき上がり、現在は認定こども園舎の工事の様子も目の当たりにしています。
そこでお尋ねします。第2回定例会質問時以降の認定こども園舎の工事の進捗状況と、今後の予定をお知らせください。
また、病児保育施設の工事予定、病児保育事業の開始予定時期をお示しください。
懸念材料があります。今後の内示がスムーズにおり、病児保育施設に係る交付金が順調につくのかという点です。おくれたりタイミングがずれたりすることにより、箱の中身や人の確保のことがあり、順調な開業も難しくなります。看護師や保育士などのスタッフの準備をスケジュールどおり進めていくためにも、早い内示をもらい早期着工ができるよう、国や北海道への働きかけも早目早目に行い、早期着工の協議の照会がきた暁には、速やかな対応をすべきと思いますので、くれぐれも遺漏のないようにお願いいたします。
また、具体的には今後、実施法人と協議を進められると思いますが、病児保育を利用される保護者にとって、利用の際の流れ、手引きをわかりやすく作成して示していただくことも必要と思いますので、そうしたことにも留意をし、進めていただければと思います。
最後に、市と商大との研究成果で、人口減対策の有効手段として子育て世代への支援がまず挙げられています。究極の子育て支援と言われる病児保育などを含めた、より包括的な子育て支援策を早期に講じていくべきと思いますが、市長の御所見をお聞かせください。
以上、再質問を留保し、質問を終わらせていただきます。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)
○市長(迫俊哉)中村岩雄議員の御質問にお答えします。
ただいま、病児保育について御質問がありました。
まず、第2回定例会以降の学校法人における認定こども園の園舎新築工事につきましては、本年10月初旬に工事請負業者が決まり、現在順調に建築が進められ、今年度末までには新園舎が竣工する予定と聞いております。また、病児保育施設の工事予定と病児保育事業の開始予定時期につきましては、来年の4月以降、旧幼稚園舎が解体された後に、病児保育施設が新たに建てられる予定ですが、当該施設は来年の9月末を目途に竣工する予定と聞いておりますので、病児保育事業の開始時期は早くても来年の10月以降になるものと考えております。
次に、病児保育等を含めた包括的な子育て支援策につきましては、現在、本市においては子ども・子育て支援事業計画に基づき、保育所などの定員の確保や、病児保育事業を含め、利用者支援事業、乳児家庭全戸訪問事業、時間外保育事業など13の地域子ども・子育て支援事業について、計画的な推進に努めております。
あわせて、現在、子育て世代包括支援センターの開設に向けて庁内で検討を進めているところであり、今後も引き続き子育て世帯に寄り添い、安心して子供を産み育てることができるまちづくりに向け、皆様のより多くの声を反映した子育て支援策に取り組んでまいりたいと考えております。
(「厚生常任委員会でやります」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)以上をもって質疑及び一般質問を終結し、本日はこれをもって散会いたします。
散会午後5時06分
会議録署名議員
小樽市議会議長鈴木喜明
議員秋元智憲
議員髙橋龍