開会午前10時00分
○議長(鈴木喜明)これより、平成30年小樽市議会第4回定例会を開会いたします。
直ちに、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、安斎哲也議員、酒井隆裕議員を御指名いたします。
日程第1「会期の決定」を議題といたします。
お諮りいたします。
本定例会の会期を、本日から12月26日までの23日間といたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)御異議なしと認め、さように決しました。
日程第2「議案第1号ないし議案第18号」を一括議題といたします。
まず、議案第1号ないし議案第17号について、市長から提案理由の説明を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(迫俊哉市長登壇)(拍手)
○市長(迫俊哉)平成30年第4回定例会の開会に当たり、ただいま上程されました各案件についての提案理由の説明に先立ち、議案に関連して何点か申し述べさせていただきます。
初めに、副市長選任についてであります。
昨年12月から不在となっておりました副市長につきまして、このたび、本年3月で市を退職いたしました、前医療保険部長の小山秀昭氏を起用する副市長の選任同意案を提出させていただきました。
小山氏は、市職員として行政経験が長く、特に財政や公営企業、医療保険部門などを歴任し、さらには、この7月から小樽市社会福祉協議会常務理事として、福祉の第一線で手腕を発揮されており、私とは異なる分野に明るく、また、市役所内外からの信頼も厚い方であります。小山氏であれば、私とお互いの得意分野を生かし、補完しながら、ともに本市の抱えるさまざまな課題に立ち向かうことができるものと確信をし、小山氏が適任と考え起用するに至ったものであります。
そこで、一日でも早く選任し、その手腕を発揮していただくためにも、本日の本会議において先議をいただきたいと考えております。
次に、特別職に属する職員の給与条例の一部を改正する条例案についてであります。
さきの第3回定例会において、私の給料の減額に係る条例改正案について議決をいただいたところですが、このたび、副市長候補の小山氏と教育長から、私の思いに共感し、給料を減額することについて、それぞれ申し出をいただきました。
私といたしましては、このような申し出をいただいたことを大変心強く感じているところであり、お二人の意思を尊重し、今定例会において条例改正案を提出させていただいたものであります。
次に、今定例会では、第7次小樽市総合計画基本構想を提案させていただきました。
総合計画は、本市の最上位の計画として位置づけられるものであり、基本構想と基本計画から成るもので、このうち基本構想は、本市が目指す将来都市像を示し、それを実現するための基本的な方向を明らかにするものであります。平成31年度から10年間における本市のまちづくりの総合的な指針となるものでありますので、活発な御審議をお願いしたいと考えております。
それでは、上程されました各案件について、提案理由の概要を説明申し上げます。
初めに、議案第1号から議案第2号までの平成30年度各会計補正予算について説明申し上げます。
まず、一般会計補正予算の主なものといたしましては、北海道胆振東部地震の影響による国内外の観光客減少に対応するため、観光PR動画の発信事業やSNSなどによる情報発信事業を支援する「小樽の元気」発信事業費補助金を計上したほか、保育における睡眠中などの重大事故を防止するため、保育園等に備品購入費用の一部を補助する保育所等事故防止推進事業費補助金や、北海道新幹線新小樽(仮称)駅の開業を見据えたまちづくりを、官民が一体となって協議するための北海道新幹線活用小樽まちづくり協議会関係経費を計上いたしました。
また、前年度の北海道後期高齢者医療広域連合に対する療養給付費の小樽市負担額の確定に伴って後期高齢者医療費を減額したほか、市内の新規創業者に対して、創業に要する経費の一部を補助する創業支援事業費について、申請見込件数が増加したことに伴い、事業費を増額いたしました。
そのほか、冬期間における市民の皆様の健康と体力づくり、歩くスキーの普及を図る歩くスキー事業費について、今年度の事業実施に当たり、損傷したスキー用具を更新するため、事業費を増額いたしました。
これらに対する財源といたしまして、使用料、国・道支出金、寄附金、繰入金、諸収入及び市債を計上いたしました。
当初予算に計上した重要文化財旧日本郵船株式会社小樽支店保存修理工事費につきましては、4カ年事業とするため、継続費として所要の経費を計上いたしました。
債務負担行為につきましては、年度をまたぐ端境期対策として工事の早期発注を図るため臨時市道整備事業費を計上したほか、行政情報システム整備事業費、スクールバス運行経費、水泳教室開催経費を計上いたしました。
また、総合福祉センターなど5件の指定管理者の管理代行業務等に係る経費につきましても、債務負担行為として所要の経費を計上いたしました。
以上の結果、一般会計における補正額は2億8,833万3,000円の増となり、財政規模は567億7,935万9,000円となりました。
次に、企業会計では、水道事業会計において、債務負担行為として、工事の早期発注を図るため、配水管整備事業費について所要の経費を計上いたしました。
続きまして、議案第3号から議案第17号までについて説明申し上げます。
議案第3号市議会議員及び市長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例案につきましては、公職選挙法の一部改正に伴い、市議会議員の選挙におけるビラの作成に要する費用の公費負担について必要な事項を定めるとともに、所要の改正を行うものであります。
議案第4号特別職に属する職員の給与条例の一部を改正する条例案につきましては、先ほど申し上げましたとおり、副市長及び教育長の給料月額について、独自削減の減額率を変更するものであります。
議案第5号職員給与条例等の一部を改正する条例案につきましては、国家公務員の給与改定に準じ、職員の給料月額、期末手当及び勤勉手当の支給割合、扶養手当の月額並びに宿日直手当の限度額を改定するとともに病院事業管理者の期末手当の支給割合を改定するものであります。
議案第6号資金基金条例の一部を改正する条例案につきましては、国の通知に基づき、新たに学校教育施設整備資金基金を設置するものであります。
議案第7号夜間急病センター条例の一部を改正する条例案につきましては、夜間急病センターの診療時間を変更するものであります。
議案第8号損害賠償額の決定につきましては、平成29年12月25日に発生した礼文塚し尿処理場の屋根の飛散に係る損害賠償について、その賠償額を決定するものであります。
議案第9号副市長の選任につきましては、先ほど申し上げましたとおり、小山秀昭氏を選任するものであります。
議案第10号から議案第14号までにつきましては、いずれも公の施設の指定管理者の指定についてであります。銭函パークゴルフ場につきましては、引き続きマルミプラス株式会社を、自然の村につきましては、引き続き一般財団法人おたる自然の村公社を、市民会館、公会堂及び市民センターにつきましては、引き続き小樽ビル管理・大幸総業グループを、総合福祉センターにつきましては、引き続き社会福祉法人小樽市社会福祉協議会を、夜間急病センターについては、引き続き一般社団法人小樽市医師会を、それぞれ指定するものであります。
議案第15号固定資産評価審査委員会委員の選任につきましては、奈良岡修氏の任期が平成30年12月25日をもって満了となりますので、引き続き同氏を選任するものであります。
議案第16号過疎地域自立促進市町村計画の変更につきましては、過疎地域自立促進特別措置法第6条第7項において準用する同条第1項の規定により、過疎地域自立促進市町村計画の一部を変更するものであります。
議案第17号総合計画基本構想の策定につきましては、先ほど申し上げましたとおり、総合的な計画の策定等に関する条例第14条の規定により、第7次総合計画基本構想を策定するものであります。
なお、議案第9号及び議案第15号につきましては、先議をお願いするものであります。
以上、概括的に説明申し上げましたが、何とぞ原案どおり御可決、御同意賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○議長(鈴木喜明)次に、議案第18号について、提出者から提案理由の説明を求めます。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)7番、高野さくら議員。
(7番高野さくら議員登壇)(拍手)
○7番(高野さくら議員)日本共産党を代表して、議案第18号小樽市非核港湾条例案の提案理由の説明を行います。
ことしは、終戦、広島と長崎への原爆投下から73年目を迎えます。平均年齢80歳を超えた被爆者の方々を初め、市民社会の後世の人々が自分たちと同じような体験を二度としないように核兵器禁止を求めてきました。何としても核兵器のない世界を実現したいという強い思いと行動で、ヒバクシャ国際署名は世界各国に広がり、国際世論と諸国民の運動でついに昨年7月に国連で核兵器禁止条約が採択されました。その後1年で署名や批准する国がふえ、現在は条約に署名した国は69カ国、批准は19カ国と広がり、近い将来、条約発効が見通せる情勢となりました。
アメリカのカリフォルニア州議会で核兵器禁止条約を支持する決議が採択するなど、核保有国でも変化が起こりつつあります。日本でも既に320以上の自治体で核兵器禁止条約の批准を日本政府に求める意見書案が採択されています。こうした世界の核廃絶と非核化の流れの中で、地方自治体の果たす役割も重要になっていると考えます。
小樽市議会では、1982年に核兵器廃絶平和都市宣言を決議していますが、小樽港にこれまで多くの核兵器搭載可能な米艦船が寄港しています。核密約が現在も有効なことから、小樽港に寄港した際も核兵器の持ち込みがないかどうかは不明です。神戸市のように市民の安心・安全を考え、核兵器搭載艦船の寄港には、非核証明書を提出するよう求め、核搭載可能な艦船が平和な小樽港に寄港できないようにすることが必要です。
本条例案に議員各位の賛同をお願いして、非核港湾条例の提案説明といたします。(拍手)
○議長(鈴木喜明)ただいま上程中の案件のうち、議案第9号及び議案第15号については先議することとし、これより、一括討論に入ります。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)22番、新谷とし議員。
(22番新谷とし議員登壇)(拍手)
○22番(新谷とし議員)日本共産党を代表して、議案第9号副市長の選任について、棄権の態度を表明し、討論を行います。
迫市長が小山秀昭氏を人選され、また、小山氏が決意されたことには、敬意を表します。
初めに、我が党は、人事の選任に当たっては、個人の人格などを判断するものではないことを申し上げます。小山氏は、小樽市立病院開院後の経営管理や、とりわけ医療保険部長として長年の市民の要望であった子供の医療費助成拡大実現に手腕を発揮されたことは、大いに評価をするところです。
今、地方自治体は、安倍政権により国際競争力の名のもとに港湾や空港などの整備などの押しつけが行われ、多くの自治体で不要不急の大型公共事業、大規模開発が問題となっています。
その一方で、社会保障費の削減により医療や介護など福祉施策の後退が深刻な問題となっており、安倍政権が強行した国民健康保険の都道府県化は、国民健康保険料のさらなる大幅引き上げの危険性をつくり出しています。地方交付税の削減も相まって、地方創生どころか住民の福祉のための機関としての自治体の機能を壊す政治にほかなりません。
こうした政治に自治体がどのように立ち向かうのか、政府の出先機関のような役割を果たすのか、それとも住民の福祉を守るという自治体本来の役割を果たすのかが問われています。
(発言する者あり)
小樽市も石狩湾新港の北防波堤延伸やガントリークレーン2基増設、また、簡易水道事業の2期工事など不要不急の事業にこのまま税金投入をし続けてよいのかどうかが問われます。小山氏が自治体本来の役割を果たすため、今後どのような姿勢で臨むのか、市民の負託にどれだけ応えられるのか、今後の推移を見させていただきます。
したがって、同意には至らず、棄権とするものです。
なお、採決に当たっては、自席にて棄権といたします。
以上、討論といたします。(拍手)
(「全然関係ない話だよ」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)討論を終結し、これより、順次、採決いたします。
まず、議案第9号について採決いたします。
同意と決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(鈴木喜明)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、議案第15号について採決いたします。
同意と決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)御異議なしと認め、さように決しました。
日程第3「平成30年第3回定例会議案第6号ないし議案第19号」を一括議題といたします。
これより、決算特別委員長の報告を求めます。
(「議長、15番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)15番、濱本進議員。
(15番濱本進議員登壇)(拍手)
○15番(濱本進議員)決算特別委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑の概要は、次のとおりであります。
地方自治法第233条第6項には、「議会の認定に付した決算の要領を住民に公表しなければならない」と規定されていることから、市は、ホームページにおいて決算資料などを公表してはいるものの、議決結果までは公表していなかったというが、法的に問題ないという解釈だけで議決結果の公表を控えるのではなく、市は、市民に議決結果をきちんと公表すべきと思うがどうか。
また、この4月からは、地方自治法第233条第7項として、地方公共団体の長は、決算不認定の場合に、当該議決を踏まえて必要と認める措置を講じたときは、その内容を議会等に報告し、公表しなければならない旨が規定されたが、市には、決算の議決結果が認定・不認定のいずれであっても、議会から市政執行の誤りや不備が指摘され、それに対して措置を講じた場合は、議会への報告と市民への公表をきちんと行ってほしいと思うがどうか。
一方、この第7項については、昨年6月に既に公布されていたのだから、昨年の決算不認定時において、施行はされていないとしても、市として、道義的に報告・公表しようという考えはなかったのか。
また、今年度も決算が不認定となれば、当然、是正措置の報告・公表が必要になるが、過去2年の不認定について、改めて報告・公表するつもりはないのか。
市では、中期財政収支見通しにおいて、平成29年度の収支改善目標を6億円と設定し、そのための取り組みとして、ふるさと納税制度などの推進、遊休資産の売却、事務事業の見直しなどを実施したという。市は、収支改善対策の実効性は一定程度あったとしているが、これらの取り組みの効果を合わせても、収支改善目標に届いていない状況に鑑みると、実効性があったとは言えないと思うがどうか。
また、こういった状況において、前市長はどのような対応をしてきたのか。
平成30年第3回定例会議案第6号平成29年度小樽市一般会計歳入歳出決算認定についてに関する質疑といたしましては、石狩湾新港に設置されているガントリークレーンについては、平成29年度単年度収支でも累計収支でも赤字となっているとのことだが、市は、この現状をどのように認識しているのか。
また、同港管理組合では、2基目のガントリークレーン設置を予定しており、増設後の収支計画については、取扱貨物量が近年増加傾向にあることや、今後の使用料収入の増加が見込まれることから、将来的に収支均衡が図られるものとしている。
しかし、当該収支計画は、小樽港のコンテナ貨物を奪うことを前提とした計画であり、市は、この計画が妥当なものと考えているのか。
平成29年度の北海道新幹線推進費は、平成27年度と比較すると400万円以上減の約653万円となっているが、年度によって金額が大きく異なるのはどのような理由によるもので、また、開業までに、本市の最終的な負担額はどうなると推計しているのか。
また、平成29年に策定された北海道新幹線新小樽(仮称)駅周辺まちづくり計画では、新駅周辺が整備されることによって地域経済の活性化が期待されるとしているが、一方で、北海道新幹線の開業が予定される2030年度の本市の人口は10万人を切るという推計もあり、人口減少に伴う交付税などの減収も想定される中、さらなる負担を求める本事業をこのまま進めることには問題があると思うがどうか。
教育費について、平成29年度は1億円を超える不用額が生じているが、例年、市教委は教育環境整備のために予算の増額を求めているにもかかわらず、このような多額の不用額が生じるのは、どのような理由によるものか。
また、教育費の充実は、人口減少対策にも影響を及ぼすものと思うが、多額の不用額を発生させることは、本市が教育にお金をかけていないように思われかねないことから、不用額をいたずらに発生させないためにも、市教委には、小・中学校や関係施設が予算を使うべきところにはきちんと使うよう指導するとともに、本市が教育にきちんと力を入れていることを市内のみならず市外にもアピールしてほしいと思うがどうか。
音読については、市教委が作成した音読カードを活用し、現在は、市内小・中学校の4分の3に近い学校で取り組みを進めているという。
しかし、カードを見ると、保護者の協力なしには家庭での取り組みが難しい内容となっており、家庭の状況によっては、保護者の協力が困難な場合もあると思うが、市教委はどのように考えているのか。
また、国語力は、社会生活の中で非常に重要なことから、児童・生徒の国語嫌いを極力生み出さないためにも、市教委には、音読をさらに推進するよう取り組んでほしいと思うがどうか。
不登校児童生徒支援事業は、文部科学省が実施するモデル事業として、平成28年度から道の委託を受け開始した事業であり、本事業により配置された教育支援コーディネーターの粘り強くきめ細かな指導の結果、普通学級に通級できるようになる児童・生徒が増加するなどの成果が見られているという。
しかし、29年度は応募が多かったことから、道の事業で不採択となったため、市は委託金を受けることができず、事業費を全額負担することになったというが、大きな成果が出ている本事業を、今後も子供たちのために継続していくためにも、市には、本市と同様に不採択となった自治体と連携し、道に対して、事業費の一部を支援してもらえるよう要請していくべきと思うがどうか。
スクールバスについて、現在、市が唯一保有しているマイクロバスは、児童・生徒の登下校に利用されているほか、校外学習の際の送迎などにも使われており、稼働率は9割ほどであるというが、市は、これ以上のマイクロバスの購入は、財政面、安全面、人材や保管場所の確保といった理由により考えていないという。
しかし、スクールバスの購入には、過疎債を利用することができ、また、運行経費を上回る交付税が措置されるなど、本市にとって大きなメリットがあるという。
また、学校の統廃合により学校が遠くなり、児童・生徒の通学について不安であるという市民の切実な声も聞かれることから、市は、スクールバスを購入し、児童・生徒の通学の不安を解消すべきと思うがどうか。
違法状態が続いている観光船事業者への不利益処分について、市は、当該事業者から徴収した係留施設使用料等を返還しなければならないことは認識しつつも、具体的な返還時期については、顧問弁護士や関係部局と協議の上、これから検討するという。
しかし、市が当該事業者の違法状態を放置しているばかりか、返還義務がある使用料等をいつまでも預かっている状態についても、異常な状態であるのだから、市は速やかに、当該事業者に使用料等を返還するとともに、一刻も早く、違法状態を解消してほしいと思うがどうか。
平成29年度一般会計歳出決算のうち、港湾施設管理費には、昨年11月の低気圧で若竹地区の防波堤が被害を受けたことにより、対策が必要となった小樽港マリーナ港内係留船舶の移転費用が含まれている。この費用の財源について、市は、急遽、港湾計画改訂事業費の不用額から流用して確保したというが、対策に3,400万円もの多額の費用を見込みながら、補正予算で対応しなかった理由は何なのか。
一方で流用元である港湾計画改訂事業費の不用額は、前市長が議会や小樽港長期構想検討委員の反対を押し切って計画改訂作業を中断したことにより生じたものであることを踏まえると、市は、計画改訂作業の中断を決定した時点で、不用となった予算を減額補正すべきだったのではないかと思うがどうか。
小樽港港湾計画について、平成24年度から改訂作業に着手していたが、前市長が長期構想検討委員会などの各関係機関の意見を無視し、小樽港の方向性は物流がメーンであるという一方的な考えにより、昨年度、改訂作業を中断させた。
前市長が中断を決断したからには、普通であれば物流一本で改訂するための戦略があってしかるべきところを、港湾室には何ら具体の指示もなく、また、庁内会議のみをもって、突発的、場当たり的に改訂を中断した前市長の考え方は理解しがたいと思うがどうか。
平成29年度の臨港地区の除雪業務について、産業港湾部は、地域総合除雪業務の特記仕様書を準用し、再委託の制限に関する制度変更をしたことで、従来1社に発注していた業務を1社で行うことが困難になったことから、3分割して発注し、除雪作業を行ったという。
制度変更前後の年度別・月別の降雪量に対する月別の予算執行額を見ると、執行率の平均は、28年度が約7割であるのに対して、29年度が約5割と低くなっており、28年度に比べて降雪量に見合った除雪が行われていないことや、業務の進捗におくれが生じていたことも見てとれるが、市は、3地区それぞれの業務の進捗状況をどのように管理していたのか。
また、除排雪に関する苦情件数が、28年度はゼロ件だったのに対して、29年度は16件と大きく増加したというが、その要因は、制度変更による業務進捗状況の確認・管理不足が除排雪作業のおくれを招いたことにあるのではないか。
平成29年度のふれあいパス事業費については、事業実施に向けて、市と北海道中央バス株式会社とで協議を進める中、前市長が同社との信頼関係を構築できず、同社から事業費負担の協力を得られなくなったことで、28年度と比較して2,000万を超える増額となったが、市は、この増額分に充てるための財源を確保するのに当たり、何か検討はしたことはあるのか。
また、事業費が増額となったことに対して、原課には前市長から翌年度以降の財源確保について何らかの指示はなかったのか。
前市長については、事業費を増大させてしまった自身の失政について、何ら責任をとっていないが、このことは問題があると思うがどうか。
ふれあいパス事業費の支出について、市は、事業者負担割合を決定するに当たり、毎年度、中央バスと協定書を締結しているが、平成29年度分については、事業開始までに締結できなかったことから、締結に至るまでは28年度と同様の負担割合とすることを口頭で合意した上、4月分から8月分までの事業費を同社に支払ったという。
しかし、協定書を締結しないまま、口頭合意のみで事業費を支出したことは、小樽市契約規則第17条第1項及び財務会計規則第59条第1項の規定に違反すると考えるが、このような市の財務会計行為は、瑕疵ある行政行為に該当するのではないか。
また、市は、本事業費の予算科目が扶助費となっていることから、支出負担行為を行うに当たり、財務会計規則上、契約書の添付は不要というが、もし、契約書が必要と規定されていれば、今回のような問題は起きなかった可能性が高いことから、市には、扶助費の支出負担行為にも契約書が必要と規定することや、もしくは、ふれあいパスの科目を他の節に変更するなど、再発防止に向けた検討をすべきと思うがどうか。
一方、市の不適切な処理によって中央バスに支払われた5,802万7,550円自体は有効であるとは理解するが、市は、この支出が違法な行政行為によって行われたものであることを厳格に受けとめ、二度とこのようなことが起こらないよう努めてほしいと思うがどうか。
平成29年度の家庭児童相談件数は、前年度と比べ1.4倍にもなっており、その内訳を見ると、児童虐待相談が3倍以上にもなっているとのことだが、市は増加した要因について、どのように考えているのか。
また、他都市では、児童虐待の情報を得ているにもかかわらず、児童相談所など各関係機関との情報共有がなされず、最悪死に至ってしまうようなケースも発生していることから、本市においては、各関係機関との情報共有や連携に努め、未来ある子供の安心・安全を守るために、しっかり取り組んでほしいと思うがどうか。
地域公共交通網形成計画の策定に向けて設置された小樽市地域公共交通活性化協議会については、平成29年11月の設置から約1年が経過しようとしているが、網計画策定の進捗にはおくれがあるようにも感じられる。そもそも交通事業者から網計画策定の強い要望があって協議会を設置したという経緯に鑑みると、市は、交通事業者の希望に添えるようスピード感を持って対応すべきなのではないか。
また、協議会の設置に至るまでには、北海道中央バス前社長から前市長のトップ会談における発言内容をめぐって抗議文が発出されたが、前市長は、この抗議文の内容を認めたにもかかわらず、何らの後始末もせずに辞職してしまったことから、市には、行政の継続性に鑑み、これまでの経緯等をしっかりと整理した上で、中央バスに対して謝罪などの対応をしてほしいと思うがどうか。
平成29年度の除雪費の予算執行について、市の排雪抑制によって道路脇に除雪された雪が高く積まれることで、交通事故などが発生する危険性を指摘する市民の声が多くあったことから、当時の自民党、公明党、民進党の3会派は、前市長に対して、補正予算を措置して早急に排雪を実施すべきという申し入れを行ったが、これに対して前市長は、除排雪が改善されていることを理由に排雪を行わない考えを示していた。
しかし、その後、市は、年度末に他科目からの予算流用によって排雪を行ったが、流用するという判断は正しかったと考えているのか。
一方、この流用は、道路補修などにかかわる予算に影響や支障を及ぼすことはなかったのか。
平成29年度の排雪については、市民からの排雪依頼が例年より増加したばかりか、五つのステーションでは市民からの要望・苦情のうち排雪依頼が一番多かったという事実に鑑みると、市が、市民生活を考えた排雪を実施していなかったと言わざるを得ない。
さらに、予算執行率などの排雪にかかわるデータからは、市内全域で事業者に計画的な排雪作業をさせなかっただけでなく、特定のステーションを狙い撃ちして排雪させなかったのではないかと思われるほどのひどい状況が読み取れるが、市は、29年度の排雪にどのような視点で取り組み、その結果をどう分析するつもりなのか。
また、これまでの議会議論において、排雪をしっかりと行うための補正予算を組むよう、多くの議員が何度も指摘しており、市が立ちどまって考える機会は十分にあったと思うが、結果的には市民要望に応えず、ひどさばかりが目立つ状況となってしまった29年度の排雪は、過去に類を見ないほどに最悪なものであったと思うがどうか。
臨時市道整備事業費などの道路新設改良費において多額の不用額が発生している件について、市は、その理由を入札差金や交付金配分額の減額によるものであったというが、不用額が発生することを早期に把握できていたのであれば、予算の減額補正をすることはできなかったのか。
また、平成29年度の除雪費の不足額は、道路新設改良費からの多額の流用で賄われているが、不用額の減額補正をしなかったのは、除雪費の流用の財源とするためだったのではないのか。
公園の除草については、市による直営・委託での作業のほかに、市と地域住民による愛護会活動との協働で実施されているという。
しかし、愛護会は会員の高齢化もあって団体数が年々減少しており、公園清掃等の活動が難しい状況にあると聞くが、市は、この実情をどのように考えているのか。
また、除草されていない公園を見て、適切な管理がなされていないのではという不安から、公園利用を控えるというような利用者の声も聞かれることから、市には、今後しっかりと公園を管理できるよう、直営による作業体制についても、さらに検討してほしいと思うがどうか。
住宅エコリフォーム助成制度は、市民が住宅の断熱改修や省エネ型設備機器の設置など省エネ改修を行う際、その工事費用の一部を助成する制度であるが、平成29年度に空き家を有効活用するために本制度を利用した人はいないと聞く。
また、バリアフリー等住宅改造資金融資制度は、市民が住宅を改造する場合に必要な資金を無利子で融資する制度であり、住宅エコリフォーム助成制度と同様に、空き家の有効活用につながると考えるが、平成29年度に制度を利用した人はいないという。
空き家の発生を抑制するためにも、両制度ともに、広く市民に周知し、制度を利用してもらうことが重要であるから、市には、広報おたるでの掲載など、市民に対する制度周知について検討してほしいと思うがどうか。
次に、平成30年第3回定例会議案第10号平成29年度小樽市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算認定についてに関する質疑といたしましては、国民健康保険に係る短期被保険者証と資格証明書は、特別な事情がないまま保険料を滞納した場合に交付され、本市における交付状況については、年々減少傾向にあるとのことだが、滞納者の中には、保険料を払いたくても払えない方や納付相談に行くこともできない方もいると考えられることから、市には、その実態をきちんと把握した上で、滞納者の相談に乗ってほしいと思うがどうか。
また、国民健康保険事業運営基金については、平成29年度決算を経ると、残高が約5億4,023万円になると見込まれるとのことだが、29年度末の本市の国民健康保険加入世帯が1万7,979世帯であることに鑑みると、基金を1億7,979万円取り崩せば、一世帯当たりの国民健康保険料を1万円引き下げることは十分に可能であり、一定程度の基金残高も確保されることから、今後、市には、国民健康保険加入者の生活を考慮して基金を活用した保険料引き下げを検討してほしいと思うがどうか。
次に、平成30年第3回定例会議案第15号平成29年度小樽市病院事業決算認定についてに関する質疑といたしましては、控除対象外消費税は、税率が5%だった平成25年度には約1億8,000万円であったが、年々増加し、税率が8%になった影響もあって29年度には3億1,000万円を超えるものとなっている。
これは、消費税が病院経営を圧迫している状態であり、今後、増税されれば、病院会計の負担がさらに増大することが予想されることから、市として国へ消費税反対の声を上げてほしいと思うがどうか。
次に、平成30年第3回定例会議案第16号平成29年度小樽市水道事業決算認定について及び平成30年第3回定例会議案第17号平成29年度小樽市下水道事業決算認定についてに関する質疑といたしましては、水道事業の決算について、平成29年度の損益収支及び年度末資金はどちらも黒字となっており、順調に推移していると思われるが、市は、決算の状況をどのように検証しているのか。
また、ボトルドウォーター「小樽の水」は、本市のPRのほか災害時の支援物資としても有効なものと考えられるが、平成29年度の製造本数や在庫本数はどのくらいとなっているのか。また、29年度決算では、採算はとれているのか。
家事用の水道料金及び下水道使用料について、本市では、2カ月の基本水量は20立方メートルであり、実態として12立方メートルしか使用していない場合でも、基本水量分の料金・使用料の支払いを強いられている。また、道内主要都市との比較では、2カ月で12立方メートル使用した場合の料金は、上から3番目に高額であるという。
さらに、市民経済計算推計結果報告書によると、本市の市民所得は、国民・道民所得と比べて低い水準にあることから、本市における水道料金及び下水道使用料に対する市民負担の割合は他市に比べ大きくなっている。
現在の料金体系については、資金不足の解消を目的として、21年前に料金を改定して以来、継続している状態であるが、水道事業及び下水道事業については、既に資金不足が解消されているのだから、市は、基本水量や基本料金を見直し、市民負担を軽減すべきと思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、平成30年第3回定例会議案第6号につきましては、採決の結果、賛成者がなく、不認定と決定いたしました。
次に、平成30年第3回定例会議案第7号ないし議案第19号につきましては、採決の結果、賛成多数により、いずれも認定と決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(鈴木喜明)これより、一括討論に入ります。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)7番、高野さくら議員。
(7番高野さくら議員登壇)(拍手)
○7番(高野さくら議員)日本共産党を代表して、2018年度第3回定例会議案第6号ないし第19号について、不認定の立場で討論をいたします。
議案第6号2017年度一般会計歳入歳出決算認定についてです。
除排雪に関して、日本共産党は、市民要望に沿った除排雪を要望してきました。実際には、除排雪抑制が続けられるなど、市民要望に対応した除排雪とはなりませんでした。
新・市営室内水泳プールについても調査経費が計上されていましたが、具体的な進展はありませんでした。
IT企業誘致ですが、2,000万円かけて企業進出を促す補助金は計上されていましたが、実際にこの予算が使われることはありませんでした。地場産業発展に寄与することが必要です。
港湾計画改訂事業費の流用は問題です。
石狩湾新港について、2017年度は北防波堤の延伸工事の予算が配分されませんでした。急ぐ工事ではないことのあかしです。
また、ガントリークレーン増設のために2017年度は、約4,000万円設計業務が実施されていましたが、ガントリークレーンを黒字化するためには、小樽港のコンテナ貨物が石狩湾新港に奪われることが前提です。ガントリークレーンを増設となれば、コンテナ貨物が伸びても小樽市の経済、小樽市の財政にも打撃となります。増設は中止し小樽港の積極的な活用を求めます。
住宅エコリフォーム助成制度は、2017年度9件の申請となっています。かつての住宅リフォーム助成制度での100件前後とは、大きな開きがあります。快適な住環境の創出や市内経済の活性化という目的からも住宅リフォーム助成制度を検討するべきです。
新幹線では、並行在来線の経営分離を前提とする問題だけではなく、新幹線の建設で住みなれた地域を立ち退きしなければいけない問題も出てきており、経済効果もわからない中、このまま推進することとなれば、小樽市の負担は最低でも7億円から8億円、そのほかに新駅に駐車場や案内表示などを設置すればさらに費用がかかり、膨大な負担額となります。
また、後志トンネル、札樽トンネルの掘削土から有害物質が出ているにもかかわらず、掘削土の受け入れ候補地を決める説明会では、質問がなければ環境影響評価の報告すらしないという、新幹線ありきの姿勢は認められません。
議案第10号2017年度小樽市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算認定についてです。
現在の国民健康保険に加入している世帯の多くが、非正規雇用や年金生活者、無職の方です。所得ゼロの世帯は52%、所得100万円未満が74%です。国民健康保険の短期被保険者証と被保険者資格証明書の交付は、減少傾向となっていますが、短期被保険者証と被保険者資格証明書の合計交付数は468世帯にもなります。滞納対策として、国民健康保険の取り上げは、法の趣旨にも反します。国の負担割合についても強く求めるべきです。
また、国民健康保険事業運営基金の残高は、2017年度剰余金と返還金の差額9,526万1,000円が加算され、約5億4,023万円となっています。一世帯1万円の国保料の引き下げをしても3億5,000万円ほど国保事業運営基金に残るわけですから、引き下げも十分可能だったと考えます。
議案第11号2017年度小樽市住宅事業特別会計歳入歳出決算認定です。
借り上げ住宅を子育て世帯向けに市営住宅として提供することは賛成できますが、住宅提供に関する条件が厳しいことや地域に限定されていることは問題です。子育て世帯がより少ない負担で、利便性の高いまちなかに住める受け皿を確保することを考えたら、入居要件を緩和することやより多くの市営住宅を対象にするなど制度の運用を見直すべきです。
日本共産党の予算修正案にある、若年者定住促進家賃補助金制度は有効、得策と考えます。
また、市営住宅があいていても入居できない状況があるので、市営住宅の空き家の修繕を進めるべきです。
議案第12号2017年度小樽市介護保険事業特別会計歳入歳出決算認定についてです。
高過ぎる介護保険料は、市民の負担になっています。本市は主要都市の中でも上から3番目に高い保険料です。日本共産党は、第1回定例会で第2段階から第5段階を第5期と同額にする介護保険低所得者保険料負担助成事業費として、介護保険事業会計繰出金3,853万5,000円を提案しました。基金残高は、2017年度末5億5,866万円であることから、介護保険料を引き下げることも十分可能だったと考えます。
議案第14号2017年度小樽市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算認定についてです。
日本共産党は、後期高齢者医療制度は、後期高齢者の人口と医療給付費が増加すればするほど保険料の値上がりにつながる異常な制度と指摘しました。国に対して、高齢者が安心して医療が受けられる制度にするよう見直しを求めます。
議案第16号2017年度小樽市水道事業決算認定について、議案第17号2017年度小樽市下水道事業決算認定についてです。
昨年、行われた水に関しての市民アンケートでは、水道と下水道料金について、高いとの回答が46.2%と高い割合になっています。本市の基本水量は他市に比べて高い水準にあり、基本水量20立方メートルに満たない水道料金、下水道使用料では、一番水が使われている8月、9月でも平均使用水量が11.8立方メートルです。20立方メートル未満の方にとっては大きな負担額となっています。小樽市の水道事業会計、下水道事業会計の純利益は約10億円となっており、改めて基本水量見直しなど、市民負担の軽減に向けて取り組むべきです。
議案第19号2017年度小樽市簡易水道事業特別会計歳入歳出決算認定です。
石狩西部広域水道企業団から買う基本水量は年々ふえているのに利用所数はふえず、2017年度決算簡易水道に対する一般会計繰入金は受水費の単価が下がったこともあり1億円を割ったものの、このままでは赤字がふえるばかりです。この事業を進めたのはそもそも北海道ですから、北海道の責任で赤字補塡をするのが当然です。
残りの議案についても共通することですが、日本共産党は公共性の高い事業について消費税をかけることについては、これまでも反対してきました。2017年度の小樽市立病院の損税は3億円にもなっており、大きな負担です。消費税は経済にも市民にも打撃を与えるものです。
このような理由から、それぞれの決算については不認定を主張します。
議員各位の御賛同をお願いし、討論といたします。(拍手)
(「議長、14番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)14番、中村吉宏議員。
(14番中村吉宏議員登壇)(拍手)
○14番(中村吉宏議員)自由民主党を代表し、平成29年度小樽市一般会計決算について、不認定の立場で討論をいたします。
不認定の理由といたしましては、以下のとおりであります。
まず、冬の市民生活の安心・安全を確保するための市の除排雪事業について、平成29年度は全く市民要望にかなった形での除排雪事業が執行されなかったことが平成29年度決算特別委員会の質疑で明らかになりました。
平成29年中に開会された小樽市議会定例会の中で、ほぼ全ての議員が除排雪の充実を訴えていながら、全く対応できなかったことは、大問題であります。地域総合除雪のみならず、臨港地区の除排雪についても、降雪の状況に合わせた事業執行の進捗管理もできておらず、結果、市民から多くの苦情、排雪要望が上げられることとなったものであります。この事業は森井前市長のもとでの事業執行でありました。きめ細やかな除排雪と言いながら、結局のところ言葉だけがひとり歩きし、市民置き去りの事業執行でありました。このような結果を我々は認めるわけにはいきません。迫市長のもとで今冬の除排雪事業をしっかり充実させ、市民の冬の安心・安全を取り戻していただくことを切に望むものであります。
次に、ふれあいパス事業や地域公共交通に関してであります。
小樽市内の地域公共交通の中心的役割を担っていただいている北海道中央バス株式会社への対応についてであります。
森井前市長が同社と市との関係を壊滅的な状況にし、議会から再三にわたり関係改善のために対応するべきと指摘をしているにもかかわらず、何らの対応もしないままになっておりました。この状況についても、我々はこれでよしと判断することはできません。
また、ふれあいパス事業については、事業費の面について同社も負担協力をしていただいていたところ、同社から負担部分の見直しを求められていたにもかかわらず、何ら対応しないまま同社が負担協力を打ち切らざるを得ない状況になりました。
さらに、そのことをひた隠すかのように議会にも報告せず、結果、平成29年度後半からこれまで同社が負担をしていただいていた4,000万円以上の負担部分を市の財政から負担せざるを得なくなったものでありました。市民負担が増す結果を発生させながら、その補正予算案を議会に提案する際にも議会、市民に何ら説明をするでもなく、理解を求めるでもなく、財源確保のための行動をとるわけでもなかった前市長の進め方を間違っても認めるなどということは、到底できないものであります。
この点も迫市長のもとで同社との関係改善を初め、本市の地域公共交通が持続可能な形で守られていくよう、また、高齢者の外出機会創出という大切な目的を持つふれあいパス事業が継続されていくように、同社との関係改善を含めた市政運営を行っていただくよう願うばかりであります。
ほかにも多々問題はありますが、今決算特別委員会で多くの議論がなされ、本市の平成29年度決算について審議を行いました。その中で、森井前市長のもとで行われてきた数々の失政の結果、市民生活を混乱に至らしめたことも明らかになりました。
このような中、迫市長が今後行わなければならない市政運営の道は、森井前市長が残したマイナスの状況を改善し、さらに小樽市政を前進させなければならないという厳しい状況にあります。我が会派としては、こうした状況にも負けず、市民のために市政を前進させていただくことを迫市長に期待をしているものであります。
以上の理由から、我が会派は、平成29年度小樽市一般会計決算について、不認定とすることで一致いたしました。
各会派、議員皆様の御賛同をお願いし、討論といたします。(拍手)
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)17番、中村誠吾議員。
(17番中村誠吾議員登壇)(拍手)
○17番(中村誠吾議員)立憲・市民連合を代表して、平成29年度小樽市一般会計歳入歳出決算について、不認定の立場で討論いたします。
昨年の第1回定例会においても、前市長に対し、正確な議会答弁と適正な市政運営を求める決議案が賛成多数で可決されたことは、皆さんの記憶にも新しいことだと思います。前市長の真摯な態度で議会に臨むという言葉は何だったのか、いまだに理解できません。
(「理解できません」と呼ぶ者あり)
そのような背景がありながらスタートした平成29年度予算は、その後あらゆる場面で迷走したのは周知の事実であります。5月には就任2年の任期折り返しの記者会見で、諸問題の解決はおろか議会対応や後援会絡みの問題には一切ふれず、自分自身では100点であるという厚顔無恥な発言をしました。
不認定とした理由ですが、一つ目は、平成29年度の支出において、ふれあいパス事業の4月から9月分までの支出が違法であったという点です。確かに支払い義務はあったという点は事情として一定の理解はできますが、前市長は支出の事務に関して、しっかり改善を図ってまいりたいと考えていると答弁しました。
しかし、その後この問題に対して何か対策等はとられたのでしょうか。市長は結局、放置しました。支出に関し支払い義務はあったとしても、違法な支出が行われたことに対しての対策は何もしていない状態で、違法な支出を行った決算に対して認定ができないのは明らかです。
2点目は、市長報酬に対してです。
(「前市長」と呼ぶ者あり)
そうです、失礼。
8月21日には高島漁港区の観光船事業者への一連の許可が条例違反であることをコンプライアンス委員会から報告を受け、報告内容を精査し、適切な対応を図るとのコメントを発しましたが、以降も議会側からの再三の指摘には全くと言っていいほど耳もかさず、違反はないとの一点張りの答弁に終始し、虚偽の答弁を繰り返しました。
しかし、さすがに観念し、みずからの非を認めたのでしょう。前市長は、平成29年第3回定例会から自身の減給条例案を提出しました。しかし、ひとりよがりの条例案を提出するのみで、議会と対話することもありませんでした。これは否決を前提とし、減給されたくない本音を隠しながら、パフォーマンスのための条例案を提出したと言われても仕方ありません。そして、結局、退職するまで森井前市長は、規定どおりの給料を受け続けました。
法的には問題ないとして、このようなことが政治的道義的に許されるわけありません。前市長の報酬を規定どおり支払ったことに対し、我々は、決算不認定を通じて政治的、道義的に許されないという意思を明確に示したいと思います。
そして、三つ目は、除排雪問題です。
前市長は、きめ細やかな除排雪を公約にして当選しました。しかし、実態は何らありませんでした。まちじゅうには排雪されない雪山が死角を生み、交通事故が懸念され通学路が満足に確保されず、子供たちには大変な危険性が潜んでいました。
市民が不安を感じているにもかかわらず、前市長は事もあろうに除排雪は以前より改善が進んでいると豪語したのです。市民の大切な移動手段である公共交通機関のバスが道路での交差ができず運休するということが2年連続発生しました。記者会見では、具体的な場所の除排雪がどうなっているのかという質問に全く返答できず、つまりは実態を知らない。知ろうとしない態度が明確になりました。市政を混乱させ、市民の行政に対する信頼をとことんなくしたのは、前市長の責任であります。
不本意ながら、平成29年度小樽市一般会計歳入歳出決算は、以上の理由から認定できるものではありません。
議員各位におかれましては、不認定に賛同を得ることをお願いし、討論といたします。(拍手)
(「議長、9番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)9番、松田優子議員。
(9番松田優子議員登壇)(拍手)
○9番(松田優子議員)公明党を代表し、ただいまの委員長報告に賛成し、平成30年第3回定例会議案第6号平成29年度小樽市一般会計歳入歳出決算認定については、不認定を求めて、討論を行います。
不認定とする具体的な事業費については、ふれあいパス事業費と除排雪事業費の二つです。
まず、ふれあいパス事業費についてですが、利用者の運賃値引き分100円の負担割合については、毎年度末に市と北海道中央バス株式会社とで協定を締結してきましたが、前市長の不誠実な対応によりバス事業者との関係が悪化し、平成29年度分は協定書未締結のまま、口頭で前年の平成28年度の割合で事業継続すると合意して、平成29年4月から8月分までを支出してきました。
しかし、協定書未締結のまま予算を執行したことは、この協定書が小樽市契約規則が適用される契約書に当たることから、小樽市契約規則第17条第1項及び第18条に明らかに違反しており、瑕疵ある行政行為だったと総務課が認めています。
さらに、平成30年10月22日開会の決算特別委員会での質疑により、支出が法令に違反していないことを確認する必要があることを定めた小樽市財務会計規則第59条にも違反する不適切な支出であることが明らかになりました。
したがって、平成29年度ふれあいパス事業費執行額1億7,869万8,171円のうち、北海道中央バス株式会社に支払った平成29年4月から8月分5,802万7,550円の扶助費については、支払い額そのものは無効にならないとしても、支出負担行為の違法性は免れないことから、認定することはできません。
次に、除排雪事業費についてですが、前市長が公約の一丁目一番地として掲げ、自身が市長に就任してから除排雪に関しては改善されたと言いつつ、問われても何ら具体的な改善点を述べることができませんでした。
しかし、データに基づき種々検証すると、改善されたどころか最悪な結果になっています。特に排雪作業については、平成29年度の地域総合除雪における市内7カ所の除雪ステーションごとの除排雪計画路線とその実績を検証すると、実施率は最も高いステーションでも65%にすぎず、最も低いステーションは33%と、3分の1にとどまっていることが判明しました。
そのため、各ステーションに寄せられた2,500件以上の市民からの声で、七つあるステーションのうち5ステーションで1番目に多かったのは排雪依頼で、それは750件近くに上っています。担当課もこの結果を見る限り、排雪が十分でなかったと認めていますが、この除排雪に関しては、我が党を初め多くの議員が議会で何度も取り上げていることから、立ちどまって考える時期、計画を見直す時期は何度もあったはずなのに、何もしないまま当初の計画を進めたので、市民からこのような疑義が生じたのは当然の結果と言えます。
そのきわめつけが、路線は違うものの2年連続で発生した道路幅員が確保されないことによる路線バスの運休という過去最悪の事態でした。これについても担当課は、除雪する際は点での対応で、線で対する認識がなかったと言いますが、短期間とはいえ路線バスという市民の大切な足を奪ったことは言語道断です。
議会が決算を認定するに当たっては、予算の執行の結果が予算に照らして適正であったかどうかの確認のほかに、予算の執行が議会の議決、法令等の規定に従い適法、公正、能率的、合理的に行われ、市民の皆様の福祉増進に役立ったかなど総合的に判断すべきであると考えると、この除排雪事業費も認定するわけにはいきません。
以上の理由により、平成30年第3回定例会議案第6号平成29年度小樽市一般会計歳入歳出決算認定については、不認定の態度を表明し、議場におられる全ての議員に賛同を呼びかけて討論といたします。(拍手)
(「議長、3番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)3番、安斎哲也議員。
(3番安斎哲也議員登壇)
○3番(安斎哲也議員)平成30年第3回定例会議案第6号平成29年度小樽市一般会計歳入歳出決算について、不認定の立場で討論をいたします。
当該年度は、前市長によって予算、行政執行がなされたものであります。前市長は、一部の議員は全て反対だと辞職会見でも、選挙ビラでも訴えられていましたが、全て反対したことはございません。当時の民主党が政権交代を果たした期間と同じ3年3カ月の前市長時代に賛成したものは9割に及び、今回も議案第6号ないし議案第19号のうち第6号のみの反対であります。何をもってそんなおかしなことをおっしゃっているのか、直接伺いたいものですが、今はもうおりません。公の方ではないので聞く機会もございません。前市長派議員の方のみいらしますので、御説明をいただきたいものです。
さて、当該年度における一般会計決算の不認定の理由は、大きく二つのみ挙げます。
一つは、除排雪にかかわるものです。そもそも、排雪抑制をしている時点で認められませんが、それに加え、現場からの再三の排雪協議も先延ばしさせたこと、大雪でもないのに雪山の狭隘により一部路線でのバス運行の休止に追い込ませたこと、臨港地区の除雪業務委託をわざわざ経費をふやしてまで3分割させ、結果、事業者から過去になかった要望が多く上がり、小樽港の管理体制に不安を抱かせる状態をつくったことなどであります。
もう一つは、前市長の代表的な失政の一つと言える中央バスとのトップ会談における言動による信頼関係崩壊とともに、それによってふれあいパス事業における負担割合を市税からこれまで以上に投入することになってしまったことです。みずからの判断ミスで市民の血税による支出を増大させ、住民の福祉向上を損なわせました。
このほかにも、多々行政執行では認められないものもありますが、以上、大きく2点の理由を挙げました。
よって、平成29年度の一般会計決算は、認定することはできません。
以上、討論といたします。
○議長(鈴木喜明)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、平成30年第3回定例会議案第6号について採決いたします。
委員長報告は不認定でありますので、原案について採決いたします。
認定と決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
(発言する者あり)
(「おかしいべや」と呼ぶ者あり)
(「理由がわからない」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)起立少数。
よって、議案は不認定と決しました。
次に、平成30年第3回定例会議案第7号ないし議案第19号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(鈴木喜明)起立多数。
よって、さように決しました。
日程第4「休会の決定」を議題といたします。
お諮りいたします。
議案調査のため、あすから12月9日まで休会いたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)御異議なしと認め、さように決しました。
本日は、これをもって散会いたします。
散会午前11時23分
会議録署名議員
小樽市議会議長鈴木喜明
議員安斎哲也
議員酒井隆裕