開議午後1時00分
○議長(鈴木喜明)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、秋元智憲議員、髙橋龍議員を御指名いたします。
日程第1「議案第1号ないし議案第9号並びに報告第1号及び報告第2号」を一括議題といたします。
これより昨日に引き続き、会派代表質問を行います。
通告がありますので、順次、発言を許します。
(「議長、18番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)18番、佐々木秩議員。
(18番佐々木秩議員登壇)(拍手)
○18番(佐々木秩議員)民進党を代表して質問します。
一つ目は、市長の政治姿勢について伺います。
私たち議員も森井秀明市長も、任期の折り返し地点を迎えました。これを機に森井市政2年間の自他による評価を行い、市民に示すべきと考え、何点かにわたってお聞きします。市長が記者会見で気持ちとして100点とおっしゃったのは、極めて市長の主観に基づいた自己評価だと思いますが、この場ではどうか客観的、分析的に御自分のこれまでの市政運営について評価した上で、御答弁をお願いいたします。
まず、港湾・経済施策について伺います。
本市は、クルーズ客船誘致が観光・経済の起爆剤になると考え、2011年、日本海側拠点港外航クルーズ部門に応募・選定され、その後、2014年、第3号ふ頭及び周辺の再開発計画を策定、その中で、新設の国際旅客船ターミナルは、中核施設として単なるクルーズ客船対応だけでなく、観光客の北運河、旧手宮線や第3号ふ頭基部回遊観光の通年拠点としての役割を担うことになっています。こうした経過を受けて、大型クルーズ客船寄港に向けた港湾整備のため、国は第3号ふ頭岸壁の老朽化対策工事を既に実施、ことしは水深10メートルに掘り下げる工事に着手します。
ところが、2015年、初当選の森井市長は、国際旅客船ターミナル建設について、慎重な姿勢に一転しました。本来、歴代市長は、行政の継続性として、市の長期計画等をしっかり具現化していくのが使命です。国際旅客船ターミナルの新設等について、市長の意向はどういうものなのか、はっきりと今、示すべきです。また、建設しないのならば、第3号ふ頭及び周辺の再開発計画について、策定委員や議会等への説明や協議を経て変更するべきです。以上2点について、見解をお願いします。
最近お聞きした市長の挨拶、定例記者会見等でも、これまでの2年間の実績としてさまざま挙げられる中に、なぜかほとんど経済・産業・観光・港湾の話は出てきません。さらに、任期の後半についてもそれらの話は出てきません。経済・産業分野について、実績と課題、今後について御説明ください。
市長は、任期後半に向けて、「住みよいまち、人にやさしいまち小樽」実現のための施策を進めるとのこと。確かに、今住んでいる人たちのための施策は必要です。しかし、その人たちが住み続けるためには、どうしても経済的基盤がなくてはなりません。小樽市の人口は、5月8日の住民基本台帳人口の速報値で、ついに12万人を割りました。任期後半に向けて、市民が持続的にこのまちに住み続ける、基盤を支える経済・産業・観光・港湾にも視野を広げ、バランスのとれた施策の展開を求めますが、見解をお願いします。
次に、泊原発再稼働問題について伺います。
市長の北電泊原子力発電所再稼働に対する基本的な考え方については、賛成の部分が多くあります。ただ、市長の思いで小樽市だけが他自治体から突出・先鋭化しては、大きな機運にはなり得ません。国や道、北電に対して、札幌市など思いを同じくする自治体と連携した取り組みを進めるべきと考えますが、見解を求めます。また、大上段に反対を唱えるだけでなく、現状況下では、万が一に備えて安定ヨウ素剤の各戸への事前配布、市民の市外への退避計画など、具体策を市原子力防災計画に反映するなど、さらに検討を実施すべきではありませんか。
続いて、市役所人事にかかわってお聞きします。
これまでも議会において、森井市長の恣意的で違法性が疑われる人事によって、市職員のモチベーションが下がっていることを再三指摘されてきました。それは、森井市長就任後の本人希望の降格者や、定年前の退職者が急増していることや、適材適所で配置したはずの職員をたった1年で次々に異動させ、多くの職員がその対応に疲労こんぱいしている実態からも明らかなのですが、市長はそれを認めていません。私の仕事は、職員がやりがいを持って職務に邁進できる環境を整えることと市長は言いますが、実態は市長と職員の間に大きな認識のずれがあり、それがこの2年間でどんどん大きくなっています。市長は、実態が本当に市長が求めている環境になっているのか、把握されていますか。されているのならば、その把握方法と、市長の押さえている職員のモチベーションの状況について報告ください。単に市長の意に沿うか沿わないかで駒として扱われては、市民のためにという市職員、地方公務員としてのプライドを持って職務に当たることはできないということを指摘します。
次に、2016年1月29日の市長記者会見記録についてお聞きします。
一体どうするのでしょうか。市長の錯誤が原因で、事実と違うことが公式の記録として市のホームページに掲載されたままとなっているこの状況の責任は、市長にあることは疑いの余地はありません。昨年4月22日、総務常任委員会で、私の質問に市長は、まだ結論が出ていないので、最終的な責任を果たしたところまでには至っていないとお答えです。報道各社が応じないから、市長の求める形で応じるまで今のままで放置では無責任きわまりません。この機に抜本的な解決を強く望みますが、いかがですか。
続けて、市長の二元代表制の認識と議会対応についてです。
これまでの市長の議会との関係にかかわる発言や、議会議長への申し入れ書を再度読み直してみました。改めて感じたのは、森井市長は、市長と議会の二元代表制について本当に理解されているのかという点です。ことし4月21日の予算特別委員会、斉藤委員への答弁で、市長は二元代表制について、「議会というチェック機能を果たす議決機関と、市である執行機関、その分立の趣旨にのっとって」と述べられています。お聞きしますが、市長の考える分立の趣旨とは何か。地方自治において、分立している意義について、どのように認識されていますか。
さらに市長は、議会は執行機関に対して客観的な視点でチェックをされ、市が執行している状況を議会の場で指摘、提案をするのが正式の場、分立の原則論を行うことによって本来の議会機能がよりよい環境になると主張しています。市長は、これまでの言動を踏まえると、議会にだけ分立の趣旨にのっとることを言い募り、一方で御自分は、議会が変われ、市長にとって都合のいい範囲の政策議論をしろと求めています。文字どおり御都合主義で、市長の考える分立の趣旨を逸脱しているのではないですか。
市長が選挙で市民の多数から支持を受けたのは事実です。だからといって、議員も直接市民から選出されているのですから、議会のやるべきことは変わらないし、変えてはいけない。市長が誰であっても客観的視点でチェック、監視機能を果たすのが本来の議会機能、二元代表制の本旨だと私は考えます。過去に、多くの市民の圧倒的支持のもと、独裁者が生まれた悲劇、その反省に立って、権力の暴走にブレーキをかける仕組みが生まれたのです。だからこそ、今、小樽でも、それぞれが法にのっとり、しっかりと二元代表制の本旨を理解し、役割を果たしていくことが大切、それが両者の関係の改善につながる、そうは思いませんか。
この項の最後、市長の自己評価について伺います。
市長の挨拶の中には、過去2年間について、全力で頑張ったとしか書かれていません。これでは、市民にはこれまでの具体的実績がまるでわかりません。多くの首長が、定期的に御自分の選挙公約の実現達成度、進捗状況を項目ごとに点数や文章で評価し、自治体のホームページ等で公開されています。それは市民に対する説明責任だからです。森井市長にも、行政評価のオープン化と同様に、市長個人の客観的自己評価を定期的に公表することを求めます。市民に開かれた市政、市職員への自己評価のお手本として貴重な手法だと考えます。いかがですか。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)佐々木議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、私の政治姿勢について御質問がありました。
初めに、港湾・経済施策についてですが、まず、国際旅客船ターミナルビル新設等につきましては、現在、老朽化対策を早急に行わなければならない港湾施設が複数発生しており、また、市全体の公共施設においても、老朽化対策などを講じなければならない施設が数多くあることから、旅客ターミナルビルなどの整備については、直近で整備することは現実的ではないと考えております。また、第3号ふ頭及び周辺再開発計画につきましては、計画の内容は中止しておりませんので、策定委員や議会などへの説明、協議は必要ないと考えております。
次に、経済・産業分野についての実績と課題、今後の取り組みにつきましては、初めに、これまで取り組んできました主な施策といたしましては、観光分野では、第二次小樽市観光基本計画の策定や、観光振興室と観光協会の連携を強化するための新庁舎の開設、地方創生加速化交付金を活用した調査事業など、商工業分野では、創業支援事業、物産協会と連携した地場産品の販路拡大、ふるさと納税に対する地場産品の返礼、設備投資動向調査に基づく企業誘致の推進など、農林水産分野では、施設栽培の促進や農水産物のブランド化推進など、港湾分野においては、ロシアとの貿易拡大に向けた企業訪問や貨物誘致、クルーズ客船の誘致など、各分野において取り組みを進めてまいりました。
次に、これらの分野における課題といたしましては、観光消費の拡大、地場産品のさらなる販路拡大、青果や水産物のさらなる高付加価値化や、港湾物流の拡大と施設老朽化対策などが挙げられます。
次に、今後の取り組みにつきましては、これまで同様、課題解決に向けた施策を推進するとともに、本市の強みである観光を軸に、個性や資源を磨き上げ、まちの活力を高めるためのさらなる取り組みとして、観光分野では、自立した観光地経営を行う新たな主体となる小樽版DMOの設立に向けた取り組みや、今年度からは日本遺産認定に向けた取り組みを進めてまいります。商工業分野では、中小企業振興基本条例の制定に向けた取り組みや、IT関連企業等の補助制度の新設、東京事業所に配置した企業誘致推進員の活用に努めます。農林水産分野では、旬の野菜や果実、地魚、農水産加工品などの消費拡大やブランド化を図る取り組みを進め、港湾分野においては、クルーズ客船の誘致や定期航路のポートセールスを行うほか、ロシアとの貿易拡大に向け、ウラジオストクやナホトカへの企業訪問などを通じ、小樽港の物流の促進を目指してまいりたいと考えております。
次に、任期後半に向けての施策の展開につきましては、市民の皆様が将来にわたって住み続けたいと思えるような市民幸福度の高いまちを目指し、平成27年度に、平成31年度までの5年間を計画期間とする小樽市総合戦略を策定し、重点戦略や四つのプロジェクトを中心に、市政各般にわたるさまざまな取り組みを推進しております。子育て世代を初め、このまちに住む全ての人に優しい生活の利便性を向上させるための福祉や医療、教育に関する取り組みのほか、広域観光の推進、加工技術や古くからの卸売、小売業の集積などの本市の強みを生かした地場産業の振興、港湾物流の促進や創業支援などの雇用創出のための取り組みなど、産業振興のための施策についても重点的に展開をしていくこととしております。これらの施策の実施を通じて、人口減少に少しでも歯どめをかけ、本市の持続的な発展を図ってまいりたいと考えております。
次に、泊原発再稼働についてですが、まず、国や道などに対して、札幌市等の自治体と連携した取り組みを進めるべきとのことにつきましては、原子力へ依存しない地域を広く実現させるため、近隣自治体と連携した取り組みは必要なことと考えております。今後におきましても、近隣自治体の考え方などについて、情報を共有し、連携を深めながら、どのような取り組みが効果的か、引き続き検討してまいりたいと考えております。
次に、安定ヨウ素剤の各戸への事前配布と市外への避難計画の具体策につきましては、国の指針や北海道の計画では、UPZ圏外における安定ヨウ素剤の配布や広域的避難について、具体的に示されていない現状にあります。安定ヨウ素剤の配布及び服用は、専門的な知識や判断が必要となること。また、市外への避難は、広域的な連携や調整が不可欠であることから、本市単独での検討や実施は難しいものと考えております。そのため、これまでもUPZ圏外における原子力防災に関する国や北海道の取り組みをさらに進めていただけるよう要望を行っており、今後も継続してまいりたいと考えております。
次に、市役所人事にかかわって、私が求める環境になっているかどうかの把握についてですが、各職場における職場ミーティングや管理職による個別面談等を通じ、必要に応じて各部長から所属職員の状況の報告を受けることなどにより、職場環境を把握するよう努めております。また、職員のモチベーションにつきましては、その時々において上下する可能性があるものと考えておりますが、市政運営に当たり、多くの職員と直接話をする中では、精力的に業務に取り組んでいる姿を目の当たりにしておりますので、全体としてはそれぞれの職責に応じ真摯に業務に取り組んでいると認識しております。
(発言する者あり)
次に、平成28年1月29日の市長記者会見記録についてですが、市政記者クラブに対し、ホームページに注釈を加える形での訂正を申し入れましたが、理解が得られていない状況です。私としても、解決に向け、市政記者クラブからの理解が得られることを望んでおります。
(発言する者あり)
次に、私の二元代表制の認識と議会対応についてですが、まず、私の考える分立の趣旨等につきましては、地方自治において、執行機関と議決機関が分立している意義は、分立により両者の自主性と独立性が確保され、執行機関の権限の行使に対し議決機関が客観的に監視及び評価するという機能が十分に果たされることで地方行政の安定が図れるというものであると認識しております。私が考える分立の趣旨とは、まさにこのことであります。
次に、私の言動が分立の趣旨を逸脱しているのではないかにつきましては、執行機関である私は、就任から2年間にわたって予算や政策を提案し、それに対して議会は修正や否決、政策提案できる環境にある中、議決機能の権能を果たした結果として議決をいただいております。その過程において、時には意見の相違や考えの不一致があったとしても、市と議会が緊張感を持ち、それぞれの立場で役割を果たしながら市政の発展に尽くしている現在の状況こそ二元代表制の本来の姿ではないかと思っておりますので、私の言動が分立の趣旨を逸脱するという御指摘は当たらないものと考えております。
次に、市長と議会との関係につきましては、私といたしましても、お互いが二元代表制の本旨を理解し、それぞれが持つ権能の中でその役割を果たすことが市政の発展にとって大切なことであると認識しております。私が執行機関として説明責任を果たす一方で、議会も議決機関として調査権を用い、市政の情報を収集するなど、情報共有と情報交換が図られ、お互いの考えや主張を知ることが両者の関係を向上させるものと考えております。
次に、私の自己評価についてですが、客観的自己評価を定期的に公表することにつきましては、公約の進捗状況などの実績を評価し、市民の皆様にお示しをしていくことは必要なことであると思っておりますので、他市の事例なども参考にしながら、公表について検討してまいりたいと考えております。
○議長(鈴木喜明)次に、2項目めの質疑に入ります。
(「議長、18番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)18番、佐々木秩議員。
(18番佐々木秩議員登壇)
○18番(佐々木秩議員)日本遺産認定を目指して質問いたします。
4月28日、今年度の日本遺産の認定が発表されました。その中に、これまで1カ所もなかった北海道から、地域型として江差町、シリアル型として、北前船をテーマとして函館市と松前町が認定されました。江差町は、認定戦略、歴史文化基本構想、学術調査、市民意識の向上、どれも本当にすばらしく、認定第1号の栄誉にふさわしく、ぶれなかった町長、役場、学芸員、町民に敬意を表するものです。
さあ、いよいよ次は小樽の番です。本市では、国の重要文化財、旧日本郵船小樽支店の補修工事を来年度から3年計画で行う予定です。見通しでは、総事業費約6億円のうち、市負担は1億円。財政的に厳しい中、これだけの支出をかけるのは、日本遺産認定の柱、まちづくりの重要な拠点になると考えてのことと副市長も語られています。また、それに呼応して、機構改革の一環として、産業港湾部内に日本遺産セクションが置かれたことも、市の認定を目指す強い姿勢のあらわれでしょう。
そうした中で、今回の認定で、認定目標件数100件のうち54件までが決定、2020年までの申請期限からいけば、残すチャンスはあと3回、さらに、今回の申請件数79件中17件、かなり狭き門が立ちはだかります。いよいよ本市としても本腰を入れて取り組まなければ間に合わない、かなり厳しい状況になっているのではないでしょうか。
そこで、今回の江差町ほかの認定を参考にして本市の取り組みに生かし、関係者の皆様のラストスパートのサポートになればと思い、質問をさせていただきます。
今回の認定審査全体や、北海道他地域の認定結果を分析し、本市の認定戦略に生かすことは必須ですが、以下の点についてお答えをください。
地域型の江差町、シリアル型の松前町、函館市が認定に至った理由等の分析は、特に、認定に至るまでの具体的戦略、ノウハウについて、本市のこれからに反映できることは何か。これまでもあると思うが、各市・町との情報交換の機会を持つことが必要ではないか。本市は北海道認定第1号をなぜそれらの地域に先んじられたのか。今回認定17件について、特徴、傾向から見えることは。また、残念ながら認定に至らなかった62件について、なぜ不認定だったのか。
続いて、今後の小樽市日本遺産認定の戦略について伺います。
他方、本市を取り巻く情勢として、シリアル型での日本遺産を目指す動きがあります。今回認定された北前船について、日本遺産認定後に地域を追加できる仕組みがあります。小樽は、北前船寄港地日本遺産登録推進協議会から、寄港地としての価値と独自性を高く評価されています。また、北前船関連の小樽での取り組みは市民の高い関心を集めていて、商大主催シンポジウムは230人が参加しています。また、市民レベルで新たな商業化の動きも出ています。北前船追加認定を積極的に目指すべきと考えますが、いかがですか。また、北前船について、認定後の動きが早く、また、希望自治体が多いという情報があります。追加認定等を目指すのであれば、迅速に対応できる体制は整っているのでしょうか。
続いて、いわゆる炭鉄港について伺います。
炭鉄港は、空知、室蘭、小樽を石炭・鉄鋼・港湾というテーマで結び、今日の北海道を築く基礎となった歴史文化で、日本遺産認定を目指そうという動きのようです。現在、北海道「炭鉄港」市町村議員連盟が設立され、本市議員も参加、また、セミナー等も開催され、本市職員も出席されたとお聞きします。その情報と、もし、このテーマで日本遺産認定を目指すとした場合の可能性について、どのように感じていますか。いずれにせよ、市としてシリアル型での認定も目指すお考えはありますか。であれば、小樽市独自の魅力は見えづらくなるので、単なる脇役、重要文化財等の提供にとどまらず、いかに小樽の価値をそれぞれのストーリーの中でアピールしていくのか。市民にそのテーマをどのように浸透させていくのか、そこが重要だと考えますが、いかがですか。
そうした中、産業港湾部に日本遺産担当の新しいセクションが置かれました。その役割について説明してください。以前視察で訪れた尾道市は、既に二つのストーリーが認定されています。いずれも戦略的にシリアル型と地域型を組み合わせて認定。その結果として、歴史文化を核としたまちづくりや地域の活性化を進めようとしていることが鮮明に示されています。本市でも、他地域にまさるとも劣らぬ歴史的遺産と、それを支える市民意識を持っているのですから、シリアル型とか地域型で精いっぱいというような二者択一ではなく、地域型とシリアル型を含めた複合的で積極的な認定戦略が必要ではないでしょうか。ここまで進んでいる認定の動きを総合的に捉え、市の日本遺産認定と、それを弾みとしたまちづくりの戦略性、計画性について、お答えください。時期から言っても、タイムリミットはすぐに迫っています。セクションを設けたこの機に認定を目指す本気度をぜひ表明ください。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)ただいま、日本遺産認定について御質問がありました。
初めに、認定結果の分析についてですが、まず、地域型の江差町、シリアル型の松前町、函館市が認定に至った理由等の分析につきましては、江差町につきましては、テーマ自体が以前から町民の間で醸成されてきたものであることに加え、申請の条件である歴史文化基本構想の作成作業と並行して、日本遺産認定申請のためのストーリーづくりを進めるというスピード感のある取り組みが認定につながったものと分析をしております。また、松前町と函館市が参加した北前船に関するシリアル型につきましては、日本遺産の制度が創設される前からフォーラム等の活動を進めてこられたものであり、長年の取り組みが実を結んだものと分析をしております。
次に、具体的戦略、ノウハウについて、本市に反映できることにつきましては、地域型で認定された江差町では、歴史文化基本構想策定委員会に、文化庁や北海道の担当の方にオブザーバー参加いただいたこと、第1回目に認定された先進地から講師を招き、講演いただくなどの手法で進められたと承知をしております。また、シリアル型で認定された函館市や松前町では、北前船フォーラムやそこを母体とする北前船寄港地日本遺産登録推進協議会に参加し、活動されてきたものと承知しております。本市におきましても、教育委員会では既に江差町と同様の体制で歴史文化基本構想の策定を進めておりますが、今後とも先進地の認定に向けた取り組みやノウハウを参考としながら、小樽独自のストーリーづくりに生かしてまいりたいと考えております。
次に、各市町との情報交換の機会を持つことにつきましては、御指摘のとおり、必要性を感じており、今年度、市長部局に日本遺産の担当を配置いたしましたので、今後、道外、道内における先進地視察等を行い、情報収集を行うとともに、人脈づくりに努めてまいります。
次に、北海道認定第1号を他の地域に先んじられたとの御指摘につきましては、これまで日本遺産認定に向けては、教育委員会において、申請条件の一つである歴史文化基本構想の策定と、それに基づく地域型の申請を目指して取り組んでまいりました。同構想の策定に当たっては、国の補助金を導入し、平成28年度から3カ年での策定を予定しているため、現時点では申請条件が整っていないものであります。なお、江差町では、日本遺産が創設された平成27年から歴史文化基本構想に着手し、2年間で策定したこと、また、北前船の取り組みはシリアル型のため、同構想が条件でないことなどによる結果と捉えております。いずれにいたしましても、本市の日本遺産認定に向けた取り組みは、私の就任以降正式に着手をしたものであり、現在、最速で進めるべく努力をしているところであります。
次に、今回認定された17件の特徴、傾向及び不認定となった62件の分析につきましては、まず、認定された17件につきましては、ストーリーのタイトルを見ただけでイメージが浮かぶものや、一目で興味を引くものとなっているという特徴があり、傾向としては、これまで同様シリアル型の認定が多い状況であります。
次に、不認定となったものの分析につきましては、それらのストーリーは公表されていないものが多く、入手が困難でありますが、今後できる限り情報収集に努め、分析をしてまいります。
次に、日本遺産認定の戦略についてですが、まず、北海道や文化庁との人脈づくりにつきましては、歴史文化基本構想策定委員会に市長部局から産業港湾部長や建設部長が委員として参加しており、オブザーバー参加いただいている文化庁文化財部や北海道教育委員会の方との意見交換等の交流を通じて人脈づくりを行ってきております。今後、さらに幅広く関係機関の皆様と相談しやすい関係の構築に努めてまいります。
次に、地域型の日本遺産認定の進捗状況と、地域型での申請方針に変わりはないかにつきましては、まず、地域型の日本遺産認定の進捗状況につきましては、現在、教育委員会が歴史文化基本構想の策定作業を行っており、随時産業港湾部と教育委員会が情報交換をし、協議をしながら準備を進め、構想案がまとまる予定の平成30年度にストーリー選定を行う予定であります。
次に、地域型での申請方針に変わりはないかにつきましては、本市の日本遺産認定申請は、歴史文化基本構想に基づく地域型の申請を基本とするこれまでの方針に変わりはありません。
次に、地域型のストーリーの取りまとめとオーソライズにつきましては、地域型の申請は歴史文化基本構想策定過程での調査、シンポジウムやワークショップ開催を通じた市民意見の取りまとめの結果から、市長部局と教育委員会が連携してストーリー選定を行い、市民周知や議会議論を経て決定したいと考えております。具体的な作業の進め方につきましては、今後、教育委員会と協議をしてまいります。
次に、北前船追加認定を積極的に目指すべきということにつきましては、日本遺産の認定はあらゆる可能性を検討していく必要があると考えており、相手方の御意向を確認し、本市の追加に向けて必要な手続や条件など、積極的に情報収集を行ってまいります。
次に、北前船追加認定等に迅速に対応できる体制につきましては、現在、北前船寄港地日本遺産登録推進協議会事務局との連絡体制の強化を図っているところであり、日本遺産の担当に迅速に対応させてまいりたいと考えております。
次に、炭鉄港の情報と、日本遺産認定を目指す場合の可能性につきましては、先日御案内をいただき、NPO団体が主催する岩見沢での講座に担当職員が参加をいたしました。この事業は、石炭、鉄道、製鉄、港湾を切り口に、約20年前に空知支庁が取り組みを始めたものであり、平成27年度、プロポーザル型政策形成事業として北海道知事に報告され、北海道創生総合戦略に位置づけされたものと伺っております。北海道の産業遺産をつなぐ物語として、長年の取り組みの蓄積があり、世界遺産となった明治日本の産業革命遺産とも構成要素、時間軸が似通っているため、ストーリーの取りまとめ次第では認定される可能性は高いものと感じております。
次に、シリアル型での認定を目指す考えにつきましては、新たに市長部局に日本遺産の担当を配置いたしましたので、他の自治体から本市にシリアル型の構成団体として参加を求める打診があった場合は、申請時期の競合や役割、費用負担などを確認しながら、積極的に参加を検討してまいりたいと考えております。
次に、シリアル型において、いかに小樽の価値をアピールしていくのか、市民の皆様にそのテーマをどのように浸透させていくのかにつきましては、まず、小樽の価値のアピールにつきましては、シリアル型において、本市が申請の中心的役割を担わない場合でも、本市の文化財の価値に着目すれば、ストーリー構成の主要な部分に位置づけられることが考えられます。今後、本市がシリアル型での申請に加わる判断の中では、ストーリーにおける本市の役割を確認し、本市の価値を最大限アピールしてまいりたいと考えております。また、市民へのテーマの浸透につきましては、シンポジウムの開催、広報やホームページでの周知に加え、小樽商科大学や関連するNPO団体の活動とも連携をするなど、あらゆる機会を捉えて周知に努めていかなければならないものと認識しております。
次に、日本遺産担当セクションの役割につきましては、本市が申請を予定する地域型において、教育委員会と連携しながらストーリー選定に当たるほか、これまでの歴史文化基本構想策定委員会や市内有識者からの御意見、議会議論等を踏まえた上で、シリアル型への参加も視野に入れた取り組みを進めることとし、市長部局に担当職員を配置したものであります。今年度におきましては、その主な役割は情報収集、他自治体との調整、市民意識の醸成などを予定しております。
次に、地域型とシリアル型を含めた積極的な認定戦略の必要性につきましては、国は2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催までに100件程度の認定を目指しており、現在、申請時期は折り返しを迎えております。そのため、少なくとも本市が関係する申請においては、都道府県における優先順位づけの対象となる複数申請とならないよう戦略的に取り組んでいく必要があると認識しております。また、認定がゴールではなく、今後の本市のまちづくりや活性化に生かせるよう取り組んでいく必要があるものと考えており、狭き門ではありますが、認定されるよう最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)教育長。
○教育長(林秀樹)佐々木議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、日本遺産認定について御質問がございました。
初めに、日本遺産認定の戦略についてでございますが、まず、歴史文化基本構想の策定状況につきましては、策定事業は平成28年から3カ年で策定する計画でございますが、28年度は文化遺産を生かしたまちづくりシンポジウムやワークショップを開催したほか、本市の文化財を総括的に把握するために、小樽市総合博物館紀要など、関係資料の調査を実施してまいりました。29年度につきましても、過去に調査した文化財の現状についての追跡調査や、これまで所在調査等で把握されていない有形無形の文化財の調査を行いデータベースを構築するほか、シンポジウムやワークショップを開催してまいります。さらに、基本構想素案の策定に向けて、調査等の進捗にあわせて、調査部会や策定委員会を精力的に開催してまいりたいと考えております。
次に、昨年度に開催いたしましたシンポジウム、ワークショップの開催内容と市民意見につきましては、シンポジウムは1月28日に、約70名の参加のもと、太宰府市文化財担当者を講師に招き、文化遺産を生かしたまちづくりについての基調講演のほかに、文化遺産でまちの活性化をテーマにパネルディスカッションを開催し、参加者からは、各町会を通じて、地域が誇りに思う文化遺産の情報提供を働きかけるなどの御意見をいただきました。また、ワークショップにつきましては2月11日と3月11日に開催し、1回目は19名の参加で、「市民の手で守る、育てる文化財」と題して、高島越後踊り保存会から、小樽市無形民俗文化財の指定を受けた経緯について講演をしていただいたほか、その後のディスカッションでは、参加者から、未来に残したい風景や物として、食べ物、景色、行事、暮らし、習慣などについて多くの御意見をいただきました。また、2回目は27名の参加で、「文化財群という視点」と題して札幌大学教授による講演をいただいたほか、参加者から、昔の小樽の写真や映像を保存する重要性などについて、御意見をいただいたところでございます。
次に、文化財調査事業の市民参加と、文化財をわかりやすく市民へ情報発信することにつきましては、この調査事業におきましては、多くの市民からの情報提供が重要であると考えておりますことから、ワークショップやシンポジウムの開催、アンケート調査の実施のほか、ホームページの活用などにより、現存する文化財の情報を市民に広く発信し、埋もれている文化財の発掘につなげてまいりたいというふうに考えております。
○議長(鈴木喜明)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、18番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)18番、佐々木秩議員。
(18番佐々木秩議員登壇)
○18番(佐々木秩議員)3点目、長橋なえぼ公園について伺います。
この公園は、旧営林署苗圃跡地31.1ヘクタールを活用し、野鳥や小動物などを観察できる自然生態観察公園として整備されました。以前から約3,000本の桜の名所として知られ、市民の憩いの場になっています。園内にある森の自然館には、学習室や図書コーナー、工作室、展示室を備え、なえぼ公園の情報センターになっています。1991年から93年にかけて、自然学習の場として基礎データ蓄積のための第1回目の全昆虫類を対象とした調査が行われ、その後も小樽博物館を中心とする専門家が継続的に調査を行うなど、研究データが集積された学術的にも貴重な地域であるとともに、市民や、特に子供たちにとってよく知られた、自然を楽しむ憩いの場でもあります。私も、30年ほど前には、地域の子供たちが木々を回ってクワガタをとったり、園内を流れる二ツ目川に入って水遊びや川の生き物を捕まえている光景がいつも見られる定番の遊び場だったと記憶しています。
まず、前提としてお聞きしますが、長橋なえぼ公園と園内を流れる二ツ目川について、その存在意義について、市の認識をお聞かせください。長橋なえぼ公園の近年の利用状況について、お示しください。
ところが、森の自然館の指導員の方に伺うと、現在、その二ツ目川には、以前は普通に見られていたザリガニ、カワニナ、トンボの幼虫であるヤゴなどの生き物が全く見られなくなっているとのことです。また、記録によると、2015年度まで地域の幸町会長も数回にわたって川の汚染対策を市に要望されています。原因は、二ツ目川上流、幸と赤岩を結ぶ道路沿いに2001年に開設された市の雪の堆積場からの雪解け排水が、また、その向かい側の土地で林を切り開いて2015年に設置された太陽光発電施設からの降水時の泥水が二ツ目川に流入していることではないかと関係者は考えています。これでは、子供たちの貴重な自然観察の場が形骸化してしまっています。また、その川水で遊ぶことに健康被害等はないのかも心配です。きちんとした環境保護対策が必要、ましてや、その原因の一端が市の責任にあるとすれば、早急な回復措置が必要ではないかと考え、状況改善のために質問をいたします。
そこで、まずは、二ツ目川の環境について、市としての実態把握のための調査が必要と考えます。雪解け排水の影響を調べるため、二ツ目川の水質検査をする必要があります。既に実施されているのであれば、結果をお示しください。人間にとっての有害性、影響だけでなく、水生生物等への影響についても考慮ください。また、水温についても影響が考えられます。赤岩からの流入河川の水質と比較すれば、影響ははっきりとするはずです。そこまで含めた検査の実施を求めますが、いかがですか。
このような市民が環境や地域の自然について学ぶすばらしい場が市街地のすぐ近くにあることは、市民の立派な財産です。その意味で、二ツ目川に排水や土砂が流入している状況は、やはり調査等と並行して改善すべきです。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)ただいま、長橋なえぼ公園について御質問がありました。
まず、長橋なえぼ公園と二ツ目川の存在意義と市の認識につきましては、長橋なえぼ公園はすぐれた自然環境の保全と、その適正な利用を図りながら、身近な植物や昆虫、小動物などと触れ合い、自然の仕組みを知ることができる、自然生態観察公園としての意義を持った総合公園として位置づけられております。また、二ツ目川については、現在、流域において豊かな河畔林の形成が進行中であり、園内の自然環境を奥深いものとする構成要素として、山地部分、平地部分、旧苗畑部分とともに重要な存在と認識をしております。
次に、近年の利用状況につきましては、公園全体の利用者集計はしておりませんので、お示しすることができませんが、園内にある管理施設、森の自然館の入館者数につきましては、平成26年度、1万1,343人、平成27年度、1万1,997人、平成28年度、1万617人となっております。
次に、二ツ目川の水質検査につきましては、水質測定は幸一丁目の雪堆積場の雪解け水が流入する二ツ目川支流と二ツ目川の2カ所で、平成13年度から毎年継続的に行っております。検査項目といたしましては、水素イオン濃度、浮遊物質量、溶存酸素量、生物化学的酸素要求量の4項目であり、検査結果はいずれの項目も環境に及ぼす影響は確認されておりません。
次に、赤岩からの流入河川の検査の実施につきましては、雪堆積場からの雪解け水による水生生物などの生態系へ及ぼす影響の評価を行うには、外部の専門機関へ委託し、長期間にわたり継続的な調査の必要があり、費用も莫大になることが予想されることから、こういった調査を行うことは非常に難しいものと考えております。しかしながら、市としては、当該雪堆積場を使用するに当たり、引き続き現在の2カ所の水質測定を行うとともに、新たに赤岩からの流入河川の水質測定も加え、二ツ目川の水質について確認をしてまいりたいと考えております。
次に、太陽光発電施設の事業者との事前の打ち合わせにつきましては、事業者とは建設前に数回打ち合わせを行い、当該事業が宅地造成等規制法の許可の必要な造成を伴う計画であったため、事業者に対して宅地造成等規制法の許可をとらせているところであります。また、濁水対策につきましても、その許可の中で事業が完了するまでの間、沈砂池を設置して対応をさせているところであります。
次に、二ツ目川の環境の変化の調査につきましては、長橋なえぼ公園の自然生態観察公園という性格から、昆虫を含めた小動物等の生息を確認することは重要と考えております。このため、二ツ目川については、自然観察会や野鳥観察会、森の自然館の指導員による園内の環境巡視を通して、環境モニタリング調査を定期的に行い、園内での生息状況を把握が可能なのか、検討してまいります。また、平成8年に開園して以来、その利用が長期にわたり、公園全体にさまざまな変化が予想されるため、同じような自然生態観察公園を持つ他都市の調査方法などを情報収集し、将来的には専門的な調査の実施を検討したいと考えております。
次に、地域の皆様からの情報収集などにつきましては、長橋なえぼ公園の環境を把握するため、林業関係者OBや近隣の住民、さらには、過去の調査を行った関係者などから御意見を伺うなど、情報収集に努めてまいりたいと考えております。
次に、融雪排水の無害化や排水経路の変更等につきましては、融雪水の水質の検査結果では環境に及ぼす影響は確認されていないことから、水質の上では特に問題はないものと考えております。また、排水経路の変更については、現地を踏査しましたが、地形上困難であることから、今後とも融雪水の流出部に河川への土砂の流入を防止するために設置している沈砂池の適切な維持管理に努めてまいりたいと考えております。
次に、太陽光発電施設の事業者にどのような改善策を求めたかにつきましては、既設の沈砂池の深さや大きさを改善し、濁水処理のため、ろ過材や沈砂池に流入する排水施設に数カ所泥だめを設置するとともに、造成地の一部に種子の拭きつけをして、緑化を図るよう改善を求めたところであります。また、事業者による雪解け後の対応につきましては、沈砂池及び泥だめのしゅんせつ、濁水処理の効果を高めるため、ろ過材の交換を行ったところであり、市においても降水時には現場パトロールを実施しているところであります。
次に、市民の皆様とともに育てるふやすプロジェクトにつきましては、長橋なえぼ公園は、自然環境を守り、自然生態観察で触れ合い、自然の仕組みを知ることのできる場として開園されました。動植物を持ち帰らない、持ち込まないを基本とし、園内の環境バランスに配慮した運営を心がけておりますが、外的要因により環境の変化が確認された場合は、自然環境の回復を手助けする活動も必要になることから、市民の皆様と協働でどのような取り組みができるか、研究をしてまいりたいと考えております。
○議長(鈴木喜明)次に、第4項めの質問に入ります。
(「議長、18番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)18番、佐々木秩議員。
(18番佐々木秩議員登壇)
○18番(佐々木秩議員)4点目、中央バスとの関係について伺います。
海岸線に沿って広い市域を持ち、山坂が多く、冬は雪が降り積もる本市においては、市民の移動手段としての路線バス、とりわけ中央バスの恩恵と果たす役割は非常に重要です。
一方、国においても、人口急減や少子化、超高齢化、巨大災害の切迫、インフラの老朽化、地球環境問題、ICTの劇的な進歩等の技術革新の進展など、直面する課題に対し交通の分野で政府を挙げて取り組むため、2013年に交通政策基本法が施行されています。本市としても、当面の公共交通にかかわる課題解決のために、これらを活用していくことが肝要です。
そこで、まず、交通政策基本法の目的及び地域公共交通活性化再生法の地方公共団体の役割、責務を御説明ください。それらを受けて、森井市長の地域公共交通に対する基本的認識をお示しください。また、市民の移動手段確保について、中央バスの果たしてきた役割についての所見を伺います。市と中央バスの間で何度か協議の場が持たれ、森井市政に変わった後もそれは続いているようです。その経過や話の概要について御説明ください。
続けて、地域公共交通網形成計画策定のための法定協議会の役割について説明ください。その法定協議会設立に当たって、中央バスとどのような文書のやりとりがあったか、お聞かせください。その上で、地域公共交通活性化再生法を、本市で具体化するための小樽市の地域公共交通網形成計画策定について、現状と今後の想定について説明ください。
本市においては、本来いち早く協議会を発足させ、国の支援を仰ぐ体制を整えることが、小樽市内路線では、数年前から赤字が続く中で営業を続ける中央バスに対しても、市民の移動手段確保のためにも、現在市ができる最善の策だと思います。また、中央バスからは、協議会をすぐにでも設立してほしいとの要請があるとお聞きしています。それにもかかわらず協議会設置が進んでいないのはなぜですか。両者の主張の相違点や、協議会の設立時期などをお聞かせください。
市の公共交通政策には、中央バスとの連携が不可欠なのは明白です。しかし、お聞きしたところでは、両者間に相当な認識のずれがあり、中央バス側は市長の公共交通に対する考え方に不信感も持たれたようで、必ずしも関係が良好とはいえないようです。結果、危惧されるのは、これまで本市の特性を理解し、特段の配慮の中で実施されてきたバス路線維持や運行本数の確保、スクールバス運行、ふれあいパス等敬老制度の事業者負担などに影響が及ぶようなことにならないのか伺います。
ちなみに、札幌市では、その成り立ちが違うとはいえ、中央バスへの支援体制が本市より格段にしっかりしています。札幌市では、路線バスについて、それまでの市営交通から中央バスやJRバスなどに転換する際、札幌市乗合バス路線維持対策要綱を策定し、地域協議会として石狩地域生活交通確保対策協議会を設置、さらに、路線維持のために、運行に係る経費の一部について、市長が事業者に補助金を交付しています。本市としても、地方公共交通政策の主体者たる市長の責務として、何らかの支援策を講じるべきですし、市単独で無理であれば、少なくとも国の政策にのっとった支援の方策を受け入れる道を探るべきではないでしょうか。お答えください。
このまま市の主張を事業者である中央バスに一方的に押しつける形になれば余りにも独善的で、中央バスの発祥の地に対する地域貢献の思いを無にするだけでなく、結果的に最悪、市民の移動手段を失うことにもならないかと憂慮します。そうなったら一体誰が責任をとるのでしょうか。どうか市が主体性を発揮して解決していただけるように強く望むものです。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)ただいま、中央バスとの関係について御質問がありました。
まず、交通政策基本法の目的などにつきましては、交通政策基本法は、交通に関する施策について、基本理念及びその実現を図る基本となる事項を定めるとともに、国及び地方公共団体の責務等を明らかにし、交通に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、国民生活の安定向上及び国民経済の健全な発展を図ることを目的としております。また、地域公共交通活性化及び再生に関する法律では、地方公共団体は、公共交通事業者等その他の関係者と協力し、相互に密接な連携を図りつつ主体的に持続可能な地域公共交通網の形成に取り組まなければならないこととなっております。
次に、地域公共交通に対する基本的な認識につきましては、本市において、人口減少や少子高齢化により、市民による公共交通の利用が減少している一方、本市を訪れる観光客の増加に伴い、インバウンドを含めた観光客に、公共交通を活用した移動手段のニーズが高まっているものと認識をしております。このような状況を勘案した場合、今後のまちづくりを考える上で、公共交通は大変重要なものであることから、本市における公共交通の現状や問題点、市民等の利用者の声を踏まえて、行政と交通事業者がそれぞれの役割や責務において連携し、将来にわたり市民にとって利用しやすい持続可能な公共交通体系の再構築に取り組む必要があると考えております。
次に、中央バスの果たしてきた役割につきましては、本市に本社を置きながら、山坂が多く、降雪量が多い地域特性の中、他都市と比較して均一料金で市内一円にくまなく路線をめぐらせ、便数も多く運行されていることは、本市の強みであるとともに、長年にわたり市民の皆様にとって必要な移動手段として市内バス路線の維持、確保を担っていただいているものと認識をしております。
次に、市と中央バスの間の協議の経過につきましては、平成24年度から市と中央バスとの間で定例会議を開催し、その中で、ダイヤ改正、ふれあいパス、ノンステップバス導入、市内バス路線の課題などについて意見交換を行っております。
次に、地域公共交通網形成計画策定における法定協議会の役割につきましては、地域公共交通網形成計画は行政が中心となり、まちづくりと連携をさせて、面的に公共交通ネットワークを再構築するための基本方針や目標、施策等を記載したものであります。策定に当たっては、市町村や公共交通事業者、道路管理者、利用者などが集まり、地域公共交通の問題点や課題の整理、地域公共交通網形成計画の基本方針や目標の設定、施策の検討などを行う必要があり、法定協議会は、その協議組織としての役割と、施策を実行していく役割を担っているものと考えております。
次に、法定協議会設立に当たって、中央バスとの文書のやりとりにつきましては、中央バスからは早急に法定協議会を設立してほしいとの要請がありました。本市としては、法定協議会の設立については、現在、銭函地区をモデル地域に選定し、行政として地域公共交通に対する役割や課題などを把握するとともに、他都市の取り組み状況を調査、研究した上で判断したい旨をお伝えしたところであります。
(発言する者あり)
次に、地域公共交通網形成計画策定につきましては、地域公共交通網形成計画策定には、本市が中心となり、公共交通事業者、道路管理者、利用者などの関係者との連携が求められていることから、現在、法定協議会の設立に向けて取り組んでいるところであります。また、法定協議会設立後には、本市の地域公共交通の現状や課題を把握するとともに、利用者へのアンケートを実施するなどの調査事業を行いながら、公共交通ネットワークを再構築するための、地域公共交通網形成計画策定に取り組むことになるものと考えております。
次に、法定協議会の設立時期などにつきましては、中央バスからは早急に法定協議会を設立してほしいとの要請がありました。私としては、平成28年度に本市で初めて公共交通担当の職員を配置し、地域公共交通の課題などを検討する体制を整えたところであります。法定協議会は継続的に運営されることから、行政として運営マネジメント能力が求められるため、設立時期については、現在、銭函地区をモデル地域に選定し、行政として地域公共交通に対する役割や課題などを把握するとともに、他都市の取り組み状況を調査、研究した上で判断をしてまいりたいと考えております。
(発言する者あり)
次に、バス路線維持などへの影響につきましては、中央バスとは平成24年度から定例会議を開催し、ダイヤ改正やふれあいパスなどについて情報交換を行ってきているほか、本市とバス事業者などでノンステップバス導入のための協議会を設立し、国の支援を活用しております。また、中央バスからは、人口減少、少子高齢化などにより路線バスの利用者が減少し、市内バス路線の維持が厳しいものと聞いていることから、今後は法定協議会を設立し、将来にわたり持続可能な公共交通体系を再構築するための、協議を進める中で、ふれあいパスなどの課題についても議論をしてまいりたいと考えております。
次に、国の政策にのっとった支援の受け入れにつきましては、今後策定を予定している地域公共交通網形成計画や、その施策を具体化した事業が明記される地域公共交通再編実施計画に基づく事業が実施される際には、国などの支援を活用してまいりたいと考えております。
(発言する者あり)
○議長(鈴木喜明)お静かに。
次に、5項目めの質問に入ります。
(「議長、18番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)18番、佐々木秩議員。
(18番佐々木秩議員登壇)
○18番(佐々木秩議員)最後に、町会について伺います。
小樽市自治基本条例では、コミュニティーの中に町会も含むと定め、そのコミュニティーとは、「市民が心豊かに暮らすために主体的かつ自立的に活動する組織又は団体」と定義しています。また、条例第10条では、小樽市内の各コミュニティー、町会はまちづくりにとって重要な役割があること、それぞれ町民による主体性、自立性をもった組織であること、そのために市は必要な支援を行うことが定められています。
しかし、各町会の実態は、さまざまな課題を抱えて、なかなか条例の趣旨にあるような主体性、自立性を発揮することが困難なところがほとんどではないでしょうか。これは何も本市だけの抱える問題ではなく、人口減少の進む自治体共通の悩みとなっています。根本の原因に、地域人口の減少、高齢化の進行及び単独世帯の増加、人間関係の変化があり、具体的課題としては、加入会員の減少、役員のなり手不足などがあります。そこから派生する課題として、町会加入世帯の減少傾向、未加入の増加に歯どめがかからない、活動を支える町会費の減収、高齢化の進行に伴い会費の増額が困難な状況、分別収集の徹底や新聞の購読世帯の減少などによって、リサイクル資源の減少による町会運営資金の減少傾向、町会館、事務所の維持困難、自主的に運営されてきた各行事の縮小、廃止、ごみステーション及びごみ収集に当たってのモラル低下などです。
結果として存続困難になった町会も出てきていますが、近年、大規模な自然災害の発生や、高齢者単独世帯の増加等で、その果たす役割が再認識されています。そこで、まず、本市にとって町会組織はなぜ必要なのか、市が考える町会組織の存在意義について、見解をお願いします。
(「新年会回るためじゃないの」と呼ぶ者あり)
町会存続のためにみずからが主体的に解決を図ることは続けなければなりませんが、限度があります。よって、市は必要な支援を行う必要がありますが、市が町会の活動支援のために現在行っていることは何ですか。小樽市総合戦略の中で、町会にかかわる部分では、幸福度KPIの一つとして、町会加入世帯率75.16%から、2019年までに77%まで引き上げることとしており、そのための施策として、総連合町会補助事業、内容は、総連合町会の円滑な運営の促進と、各地域における生活環境の整備、また青少年の健全育成などの町会活動に対して支援を行うことを目的として助成する事業、町会館の新築、改修に対し支援を行う事業が挙げられていますが、これらは従来も取り組まれていた事業で、残念ながら、加入世帯率低下に歯どめをかけることはできていない現状です。よって、先進地域の事例などを参考にして、各事業の見直し、改善や新しい施策が必要ではないでしょうか。
例えば、各種補助金、助成金について、単純に増額を行う。もしくは、担当課ごとに細かく分かれ、使い道が限定され、申請手続も煩雑化しているのが現状ですが、これらを統合一括化して、包括型交付金として、各町会に給付し、各町会は主体的にその運用を行う。他の地域コミュニティー、例えば、まちづくりや福祉関係NPO組織や企業、団体との連携もこの町会を取り巻く問題の活路となるのでは。その際、具体的な事業実施にかかわる補助金等をつける事業提案型交付金、ふるさとまちづくり協働事業の町会寄り版のような制度で町会や地域コミュニティーの主体性を促すなどですが、以上について、市の見解をお願いします。
逆に、町会にお願いしてやってもらっていること、委任・依頼業務にはどのようなものがありますか。他の自治体では、委任・依頼業務が過重、多岐にわたり、結果として役員の引き受け手がいない原因の一つになっているそうですが、もし本市においても同様の事実があるとしたら、それらについての精選等が必要ではありませんか。よく言われるのは、まず自助、次、共助、どうしてもだめなら、公助。しかし、現在の縮小高齢化社会の中では、まず、公助をしっかりと備えることが必要です。そうでないと、小さな町会は立ち向かえません。町会の役割についての市の認識に見合った事業の展開をお願いします。
細かい部分については予算特別委員会でお聞きいたします。
以上、再質問を留保し、質問を終えます。(拍手)
(発言する者あり)
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(森井秀明市長登壇)
(「新年会回ってんだから、ちゃんと答えてよ」と呼ぶ者あり)
○市長(森井秀明)ただいま、町会について御質問がありました。
まず、町会の存在意義につきましては、町会とは、一定の地域に住む人たちが明るく住みよい豊かなまちづくりを目指し、地域における生活上の諸問題、身近な環境整備、防犯、防災、福祉などさまざまな問題の解決に取り組むとともに、地域のお祭りや敬老会、子供会等を通じて住民同士が交流し、連帯意識の向上に努めている自主的な団体であります。
本市における町会活動は、これまで、地域を取り巻く社会情勢や生活環境が大きく変化する中で、小樽市のまちづくりの支えになってきたものと思っておりますが、近年では会員や役員の担い手の減少や少子高齢化等の課題を抱えており、また、地域における人と人とのつながりが希薄になっている中で、町会は地域住民と行政のパイプ役としてなくてはならない身近な団体であり、まちづくりに欠かすことのできない存在であると認識をしております。特に、大規模な地震や台風、大雨等の自然災害発生時には、町会等の地域コミュニティーの役割や重要性が再認識されており、安心・安全なまちづくりを目指して、行政は町会と連携・協働していかなければならないと考えております。
次に、町会の活動支援のために現在行っていることにつきましては、総連合町会補助金、町内会館等建設助成金、集団資源回収団体奨励金等の交付のほか、地域の安全で安心なまちづくりのために、街路防犯灯の設置や維持に対する助成金を交付しております。また、地域活動の中心となるコミュニティーリーダーを育成するため、町会役員を対象とした研修会の開催や町会活動支援員制度等を通じて、日ごろの町会活動を支援しております。
次に、新たな町会への支援策につきましては、現在の町会に対する助成は、その補助金によって町会の規模、事業費、実績額等を算出基礎としていることから、それらの補助金を一括化することは難しいと考えておりますが、町会への助成制度の見直しについて、町会の活性化に資するよう、御提案のありました事業提案型交付金を含め、他市の状況や総連合町会からの意見も聞きながら検討してまいりたいと考えております。
次に、市が町会にお願いをしていることにつきましては、回覧板や掲示板等を通じての行事等に関する案内やお知らせの周知のほか、町会長と市との定例連絡会議等における意見要望の集約や、市が主催する会議への出席をお願いしております。また、このほかにも、地域の清掃活動や公園の草刈り、資源物回収事業等を行っていただいております。町会の皆様に御負担をおかけしている部分があると思いますので、総連合町会を通じて実態をお聞きし、市で負担軽減できるものがあれば検討してまいりたいと考えております。
(「議長、18番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)18番、佐々木秩議員。
○18番(佐々木秩議員)再質問をさせていただきます。
本当はほかの質問についてもたくさんお聞きしたいことがあったのですが、時間の都合上、中央バスとの関係について、絞って少しお聞かせをさせていただきます。
答弁を聞いておりましたら、どうも焦点がはっきりしてこない、そういう印象があります。聞いていますと、中央バスは法定協議会をすぐにでもつくってほしいという強い要望を上げているにもかかわらず、小樽は全然今までノウハウがないから、まず銭函でちょっとやってみるから、それまで待っていてねということなのでしょうか、要約すると。
中央バスはこれまでたくさんの赤字を抱えて、数年間、それでもやってこられてきた。それでも、もう我慢が成り立たない、我慢ができなくなってきているので、ここのところで何とか早く、いち早く市に協力をお願いしたい、そういうふうに言っているんだと思います。
そこで、少しそこのところを大前提にしてお聞きしますが、そこまで言っているにもかかわらず、小樽市が銭函でやるまで待っていてくださいと。いつまで待てばいいのか。法定協議会の設立時期が具体的にいつなのか。これをまずはお聞きしたいところなのではないでしょうか。これについてまずきちんと、できてからとかいうのではなくて、具体的な時期で示していただきたいと思います。
それから、支援のことについてですけれども、それについても具体的なものが示されていない。市の硬直化した財政ですから、お金を支出できるということについては限界があるというのは理解しているつもりです。しかし、やはり市民の移動手段の確保、これは市長の目指す市民幸福度の高い町に直結する重要な課題であると思います。市にお金がないから何もしないではなく、市内路線バスの運行で赤字が続く中央バスに、やはり、ほかのまちでもやれていることはあるわけですから、市側からお金をかけるだけのことではなく、国からの支援も含めて、それがいち早く来るようなそういうような手法、何らかの具体的支援が求められていると思いますが、何かやれることはないのかどうか。これについてもお聞きします。
それから、一番私は聞いていて、質問の中でも指摘をされていることについて、具体的に聞かざるを得ません。どうも実務レベルでは何らかの打開策を模索して、そういうノウハウを積み上げる等についてやっているということについてはわかりました。しかし、いろいろ聞こえてくるお話によると、先ほども指摘したように、肝心のトップ同士の関係がどうなっているのかということです。
先ほど、文書でどういうやりとりがあったかというふうにお聞きをしましたけれども、その文書が私の手元にあります。中央バス、牧野社長から森井市長宛ての今年2月15日付、小樽市内バス路線に関する考え方について(確認)という文書と、3月2日付、森井市長から牧野社長への同回答文書があります。この確認文書が出る前に2度にわたって牧野社長が市を訪れ、市長と面談し、そこでの市長の認識に大きな疑問を牧野社長が持たれたことが、この確認が行われた原因のようです。それによると、市長は、赤字覚悟の事業を事業者が無条件で受け入れなければ協議会を開催できないと発言したが、交通政策基本法に基づく自治体の役割と責務を認識しているのかとの牧野社長の確認に対して、市長は回答で、そんな発言はしていないと真っ向から否定しています。
もう1件、市長は地域内の交通の現状を正確に把握しているのか、その上で現状の交通網をどう維持していくのか、と確認をしましたが、なぜか市長からは、協議会設立についてはと、全く聞かれたこととは違う回答をしています。
(「議会答弁と一緒じゃないですか」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
これらについては、発言をして否定したことへ、さらに牧野社長は抗議をし、交通網維持についても、その後もやりとりが何度かあったようですけれども、現在、いまだに牧野社長の納得は得られていない、平行線のまま現在に至っているというのが事実ではないですか。このことについて、事実関係についてお答えください。
(「錯誤じゃ済まされないですよ」と呼ぶ者あり)
そうだとすれば、そのことが事実だとすれば、事実のようなのですけれども、両者の実務レベルで何とかこういう話をうまく進めようと努力されても、まとまる話もこれはまとまらない。さらに、今後協議会が開かれたとしても、そのような関係のもとにあって建設的な話が進むとも思われません。そのことについてもいかがでしょうか。
もう1件。小中学校統合の際の児童・生徒の交通手段の確保、これも中央バスの協力なしにはあり得ません。もし、中央バスの協力がこの関係によって悪化して、そこのところの協力が得られないようになれば、学校規模・学校配置適正化基本計画の継続にも重大な影響を及ぼすと考えられます。
それから、今までのふれあいパス、その他も、今定例会の中でもふれあいパスの維持その他について話し合い、これも協議会の中で話し合うと言われていますが、まずは協議会を開かないと、ふれあいパスがどうなるかも話し合えないではないですか。そういうレベルで、市長対応の不信感の中で、これまでの実務レベルでの話し合いも含めた中で、中央バス側が実際にふれあいパスや市内バス路線維持、スクールバスでの協力、本社移転に言及したことはなかったですか。私の心配が杞憂かどうかということにかかわりますので、言及があったかどうか、お答えください。
こうやって質問しておりますけれども、私は何も一方的に、中央バスの言っていることを、何でもそのとおりごもっともですと言えと言っているわけではありません。当然市として主張すべきことはあるはずだと思います。しかし、最終的に両者の緊密関係で、市民の足の維持確保が、これが一番の至上命題、これが重要だと市長も最前から答弁をされているとおりです。
昨日、共産党、酒井隆裕議員への答弁でも、その重要性を強調されておりました。それなのに、その市長がやはり、例によってと言っては申しわけないですけれども、議会の場合と同様に我を通す。一方的に自分の主張を民間の会社の社長に言い張ってどうされるんですか。これはまさしく市長の政治姿勢の問題であると思います。
よって、両者の関係改善が、この話、きちんとした地域交通を小樽市にきちんと築く、その大前提になるのではないでしょうか。今後どうやってトップ同士の関係を改善するのか、この解決に当たるのかをお示しください。
○議長(鈴木喜明)説明員に答弁を求める前に、佐々木秩議員に申し上げます。先ほど、トップ同士の関係はどうなるのか、これは構わないですけれども、先ほど申し上げました中央バスの社長と市長とのやりとり、これの事実関係につきましては本質問に盛り込んでいただいていないというふうに考えております。それを答えていただけるかどうかはわかりませんけれども。
(「議長、18番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)18番、佐々木秩議員。
○18番(佐々木秩議員)私は本質問の中で、文書のやりとりはどうなっていますかというふうにお聞きしております。
(発言する者あり)
この文書のやりとりの文書というのがこれに当たります。
○議長(鈴木喜明)そういうことでありましたら、文書の中身を具体的に申し上げたわけでありますけれども、その文書の中身がこのことということととってお答えいただくということになりますね。
それでは、説明員の答弁を求めます。
(「少しお待ちいただければと思います」と呼ぶ者あり)
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)お待たせいたしました。佐々木議員の再質問にお答えいたします。私が答弁したこと以外におきましては担当部長より答弁をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
まず、法定協議会を立ち上げる日はいつなのかということの御質問があったかなと思っております。法定協議会設立に向けては、先ほども答弁させていただきましたけども、その場で一つ計画などをつくって終わりではなくて、その後においても継続的に運営されるものになっていくと考えているところでございます。
(発言する者あり)
よろしいですか。
実際に市のほうで、先ほど来答弁させていただいているように、今まで小樽市役所内にそれにおける専門担当部署というものが存在をしておらず、それに向けてのやはり準備、情報収集、体制づくり等に、やはり非常に時間を要するというふうに考えているところでございます。そしてやはり、その体制がしっかり整わなければ、形だけのメンバーを集めて会議をつくったとしても、国に補助金等を要請したときに、耐え得る内容等をつくれるかどうか、それに対しての心配等もあります。ですので、現在、他市で法定協議会をつくられて、網計画等をつくられている自治体はありますけれども、そのような市に対しても情報収集などを現在行っているところであり、その体制が整い、その準備ができて進めてまいりたいと思っておりますので、現状でこの日までとは言えない状況ではありますが、一日でも早く立ち上げられるよう努力をしてまいりたいと思っております。
(発言する者あり)
(「政策議論したいって言ってるのに、政策議論できないじゃないです
か」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
それと、トップ同士のお話でございますけども、御指摘のように、私自身も中央バスの社長と何度か直接お会いし、協議をさせていただいているところでございます。やはり、網計画におきましては、先ほどもお話しさせていただいたように、行政がしっかりと中心となって、まちづくりと連携し、面的な整備を行っていかなければならないと考えているところでございます。その中で、現在、中央バスが中心となってバス路線を運用していただいておりますけれども、必ずしも現路線と同じになるとは限らないと考えているところでございます。また、新たな路線等が例えばできた場合であったりとか、また、現状における赤字路線も含めて、現状中央バスが、今まで小樽市において交通網を全体的に行っていただいているところでございますから、やはり地域住民の方々にとって、そういう路線を新たに構築してほしいであったりとか、または、現状の路線を継続してもらいたいというお話があった中で、さまざまな交通事業者というのはあるとは思いますけれども、やはり中央バスの皆様に対しての期待というのは大きいと思っているところでございます。
その中で、国に対しても補助金は当然求めてはまいりますけれども、中央バスが望む補助金がそのとおりに来るかどうかというのはこれからの協議でございます。時々においては、その補助金がもしいただけたとしても、その路線自体に対して赤字が起こり得るということを考えますと、状況においては中央バスが今まで担われた期待感から……
(発言する者あり)
○議長(鈴木喜明)答弁が聞こえないので、お静かに願います。
(発言する者あり)
○市長(森井秀明)その取り組みにおいて、状況によっては路線そのものが赤字になり得ることがあるかもしれませんけれども、中央バスにそういう場面を担っていただく可能性はあり得るというお話をさせていただいたことであって、先ほどのような中央バスのお考えのもとでお話をしたわけではないということで御理解をいただければと思います。
(発言する者あり)
(「答弁をやり直させたほうがいいですよ、こんなの」と呼ぶ者あり)
(「全然、全くだめだ」と呼ぶ者あり)
(「こんなの中央バスに聞かれたら大変なことになりますよ」と呼ぶ者
あり)
それから、建設的な話し合いにはならないのではないかというお話ではありましたけれども、しかしながら、真剣に市の事情もお話をし、そして、この小樽市における、やはり公共交通をしっかり持続的に、そして、市民の皆様にとって期待できる環境づくりを行っていくために、行政もそうですけれども、中央バスとは常々そのように情報交換をしているところでございますので、私たちといたしましては、前に向かって建設的にお話をさせていただいているところでございます。
(「その前にいなくなるよ」と呼ぶ者あり)
(「撤退」と呼ぶ者あり)
それと、そのことから、現状の関係をどのように改善を図るのかというようなお話もあったかと思いますけれども、大切なことは、小樽市における公共交通を安定的に取り組んでいくということから、それに向けて、市としては、これからも変わりなくしっかりと真剣に向き合いながら、法定協議会の設置に向けて取り組み、さらには、それに伴った交通網の形成計画をしっかりつくっていくことが責務であるというふうに思っておりますので、引き続きその観点において、中央バスを含めた公共交通事業者の方々とはやりとりをしてまいりたいと思っているところでございます。
(「全然答弁になっていないじゃないか」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)ほかの説明員の方はよろしいですか。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)建設部長。
(「ちゃんと答弁し直したほうがいいんじゃないの」と呼ぶ者あり)
○建設部長(上石明)佐々木議員の再質問にお答えいたします。
まず、具体的な支援がないかという御質問ですが、まず、この法定協議会につきましては、市長から先ほど答弁がありましたように、今後、地域公共交通をどうやって維持・確保していくかということを、要は議論をしながら施策をつくっていく場になるわけですけれども、現在、例えばノンステップバスやなんかを導入するときも協議会はつくっておりますが、これにつきましては事業者が主体となる協議会で一時的な協議会になるのですけれども、今回つくろうとしております法定協議会につきましては継続的な協議会になりますので、要は、そういった運営が行政に任されると。その中で改めて、今後どういった支援が必要なのかという部分は、交通事業者等を含めて、お話をしていく場になりますので、現在どういった支援があるのかという部分は、お答えするのは難しいのかなと思っております。
(「何か歯切れが悪いな」と呼ぶ者あり)
あと、ふれあいパス等の部分で言及があったのかというお話なのですけれども、要は、中央バスとしましては、今回こういうふうになりましたのは、市内路線バスの収支が厳しくなってきているというところから、そういうお話が、今回の法定協議会につきましても、そういった話がありましたので、特段その中でふれあいパスをどうのこうのというよりは、要は、収支がすごく厳しい状況の中では、こういうものにもなかなか難しい課題が今あるというようなお話は触れておりました。
○議長(鈴木喜明)説明員の方に申し上げます。答弁漏れとしまして、トップ同士の関係はどうなっているのか、ずばりこのこと。それと、先ほどの会議のやりとりの事実関係、このことについては答弁が漏れていますので、もう一度答弁をしていただきたいと思います。
(発言する者あり)
(「議会と同じように錯誤なんて言ってばかにしたら終わりですよ、本
当に」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
(「議長、済みません。答弁漏れがまだあるのかと思うんですが、答え
ているのかもしれないですけど、確認いただきたいんですけども」と
呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)18番、佐々木秩議員。
○18番(佐々木秩議員)中央バスが、実際にふれあいパスや市内バス路線、スクールバスでの協力について、話し合いの中で言及したことはなかったのかということについてもお聞きしたと思うのですけれども、これについての御答弁もあったかどうか、確認をお願いいたします。
○議長(鈴木喜明)今の1点をつけ加えて、大きく3点ということでよろしいですね。
少々お待ちください。
(「やっていないんだったら1回とめて、ちゃんとやり直したほうがい
いですよ。こんなのが議事録に残ったら大変なことになりますよ」と
呼ぶ者あり)
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
○市長(森井秀明)答弁漏れ、失礼いたしました。
今、佐々木議員からお話のあった、学校適正配置に伴う中央バスで担ってくれている、通学時においてのバスの取り組みであったりふれあいパス、そしてさらに、本社移転についての言及があったかどうかという御質問ということでよろしいでしょうか。
私とお話をした中で、そのお話の言及はありませんでした。
そして、例えば、ふれあいパスとかにおきましては、福祉部地域福祉課が担当しておりまして、今までの法定協議会に伴うやりとりとは別に、ふれあいパスについては別な場面で協議をしているところではございます。
(発言する者あり)
(「議長、18番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)18番、佐々木秩議員。
○18番(佐々木秩議員)今の答弁で不足があるので、今、市長等のところで話はなかったということですけれども、実務レベルでこの話を進める上で、こういうことについてのお話もなかったのかも含めてお聞きしたと思いますけれども、いかがでしょうか。
○議長(鈴木喜明)それは、説明員の方、どなたですか。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)福祉部長。
○福祉部長(日栄聡)ふれあいパスにつきましては随時協議を行っているところでありまして、事業者との負担割合につきまして、ふだんから話し合いを行っているところでありまして、法定協議会とは別の話として承ってはおります。
(「全然ごちゃごちゃでしょう」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)それと、先ほど課題に出してある2点、この件についてお答えください。どなたですか。もう一度言いますか。では、もう一度言いますよ。中央バスとのトップ同士の関係はどうなのか、このことが1点。それから、先ほどの会議のやりとりの事実関係はどうなのか、この点、2点であります。
(発言する者あり)
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
○市長(森井秀明)失礼いたしました。
今、議長から御指摘のあった2点目のうちの1点目について、御答弁させていただきます。
トップ同士の関係についてというお話であったかと思いますけれども、先ほどお話をさせていただいたように、今までも直接この件も含めてお会いをし、お話をさせていただいているところでございます。
その後、先ほど、書面でお読みになられたやりとりがあったかと思いますけれども、そのお会いした後にそのような書面が出てきておりますが、私からその書面をいただいたときには、牧野社長のほうでは、私がした発言については誤解を招いたのではないかなというふうには思っておりますが、それで、こちらからもそういう意味ではありませんということでお返事をしたところでありますけれども、そのとき以来直接は、恐縮ですがお会いをしておりませんので、その誤解が解けているかどうかということは私自身確認できていないところであります。今後におきましても、今までと同様に、トップ同士の協議もその時々において必要であるというふうに思っておりますので、申し入れがあれば対応してまいりたいと思っておりますし、また、今後において、法定協議会に向けて、事業者の方として参画いただく場合におきましては、市からしっかり依頼をさせていただきたいなと思っているところでございます。
(「関係は良好じゃないということですね」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)佐々木秩議員に、もう一つ確認をしたいと思いますけれども、スクールバスの件、先ほど述べられましたけど、それは答弁されていませんよね。
(「全部一緒で聞いたつもりなんですけれども」と呼ぶ者あり)
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)建設部長。
○建設部長(上石明)バス事業者からは、要は、市内バス路線の収支の話がありました。その中では、特段スクールバスということに対してはお話はありません。
要は、具体的なものはなかったのですけれども、収支が悪いということは、例えば、スクールバス以外に、市内路線バスに児童・生徒が乗る場合に、やはりいっぱいになって乗れないので、またバスを手配しないといけないと。そういうふうになりますと、やはり市内路線の一環として、中央バスの負担が出てくると、そういうことは想定はされましたが、中央バスとの話の中では、特段そういった個別の案件に対しては触れることはなかったです。
(「議長、18番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)18番、佐々木秩議員。
○18番(佐々木秩議員)再々質問をいたします。
市長は先ほど、この文書の確認と回答のやりとりの後、どうなったかわからないという、お会いできていない。その後どうなったかもわかりませんがというお話がありませんでしたか。そういうように聞いておりましたけれども。その後も文書等のやりとりがあるように私は聞いております。そこの中でも、それはどうなったかわからないということなのでしょうか。文書のやりとりがあって、そこの中での解決がなされていないように私は聞いております。先ほどの市長の御答弁が事実とは違うように私は思うのですが、いかがでしょうか。それが一つ目。
それから、このやりとりをずっと聞かせていただきましたが、その中で、ついに、中央バスが求めている実際の協議会をいつになったら開けるのだということについては、やはり、ノウハウができてから、市の準備ができてからということを繰り返されるばかりで、これではやはり、今こうやって話を進めようとしていることの大前提が、中央バスに市の思いは伝わらないと考えます。やはり、具体的に、例えば何月までとか、年内にとか、という答えを出すべきだと。それについてお答えできないのか、再度ここでお聞きしたいと思います。
それから、最後になりますけれども、先ほど読み上げた2月15日の牧野社長からの確認文書の、さらに、その最後のところにこういう部分があります。交通政策基本法の制定により、地域の公共交通を担うべき主体が自治体にかわり、まちづくりと一体として必要な足を、自治体みずからが考える責務を担ったことを貴殿が全く認識されていないのではないかと思われます。当社も公共交通を担っている事業者としてできる限りの協力はしていくつもりではおりますが、それも限界に来ております云々。私が言いたいのは、限界に来ておりますの「限界」という言葉です。これは普通に読むと、会社として赤字が続き、営業的に限界というふうに読むのでしょうけれども、私は、地域公共交通に全く無理解な貴殿、市長に対して我慢の限界だというふうに読み解けるのではないかというふうに考えます。これをそういうふうに読めば、中央バスのこれは最後通告のようなものだと理解して事に当たるべきだというふうに考えますけれども、事に当たる市長の心構えについて、最後に伺います。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
○市長(森井秀明)佐々木議員の再々質問にお答えいたします。私が答弁したこと以外においては担当部長から答弁させていただきますので、お願いいたします。
私からは2点。まず、いつなのかということをはっきり示せという御指摘でありましたけれども、繰り返しになりますが、今、その準備や情報収集、体制づくりをしっかり担った上で、やはり取り組んでいかなければ、それこそ、運営を始めてから瑕疵が起きるということにはならないというふうに思っておりますので、できるだけ早急にその体制づくりを行って、法定協議会が設置できるように努力してまいりたいと思っておりますが、本日において日をはっきりと明確にお話ができないということでございますので、御理解をしていただきたいと思っております。
もう1点、中央バスからのお話、文書からそのように推測されるというお話でありましたけれども、交通政策基本法そのものにおいては、平成25年に策定されたと認識をしているところでございます。そのことから鑑みますと、本年は平成29年でございますから、4年目を迎え、その期間、4年間あるにもかかわらず法定協議会ができていないということにおいての中央バスなりのいら立ちではないかなと私は推測をしているところでございます。
しかしながら、私自身は平成27年の4月に就任をさせていただき、市役所の体制の中で、公共交通の担当部署がない中で、それをいきなり即つくるということにはなり得ません。ですから、その体制づくりを、先ほどお話をさせていただいたように、平成28年度につくり、そして、今、2年目を迎えているところでございます。この法定協議会を策定するに当たって最速のペースで進んでいる状況でございますので、牧野社長のお怒りは理解はできますけれども、しかし、市としてしっかりその体制づくりを行って、先々において網計画等も含めてしっかりとしたものをつくるために市として努力をしていきたいというふうに思っておりますので、その点について中央バスにおいても理解いただけるように努力をしてまいりたいと思っております。
(発言する者あり)
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)建設部長。
○建設部長(上石明)佐々木議員の再々質問にお答えいたします。
先ほど議員から御質問がありました文書のやりとりですけれども、先月、5月に入りまして、中央バスから再度文書が来ております。内容としましては、先ほど議員からお話がありました、要は、市内路線バスの実態を理解しているのかという点と、協議会の設立の時期について再度御確認という確認の文書がありまして、市としましては、先ほどの現状理解をしているのかという点について回答をしました。そして、協議会の設立時期につきましては、先ほど市長が答弁しておりますけれども、まず、我々職員にそういうノウハウがないということがありますので、他都市の取り組んでいる情報をまず聞き取りをしました。そして、まず、全地域の課題につきましては、実際に協議会をつくった後に、網計画を策定する段階で市内全域の調査を始めるのですけども、まず、一部地域、銭函地区に対して、限定して、どういった課題があるのかということを把握してから協議会を設立しなければ、行政としての責任がとれないということもありましたので、まずそれをやった後に判断をしたいということの趣旨の回答をしたところであります。
○議長(鈴木喜明)佐々木議員、よろしいですか。
(「議長、18番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)18番、佐々木秩議員。
○18番(佐々木秩議員)そうすると、今の部長のお話だと、市長が、先ほど最初の私が読み上げた文書の後には、何もその後はないというふうにたしか御返答されていたと思うのですけれども、その後、5月に文書があるということですよね。そうすると、最初の市長のお答えは私も記憶にないので、どういうふうだったか。ないだったか、忘れましたけれども、それが事実と矛盾してしまう可能性がありますので、御確認をお願いしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○議長(鈴木喜明)会っていないというふうには聞いたけれども、文書の件はもう一度確認をいたします。説明員の答弁を求めます、その点だけ。文書がないというふうなお答えだったようだけれども、違うのではないですか。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
○市長(森井秀明)今の点についてでありますけれども、先ほど私は、その後に直接御本人とはお会いをしていないので、その辺の感情であったり、どういう思いを持たれているかということはわからないというお話をしたところでございます。
○議長(鈴木喜明)佐々木議員の会派代表質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後3時04分
――――――――――――――
再開午後3時30分
○議長(鈴木喜明)休憩前に引き続き会議を再開し、会派代表質問を続行いたします。
(「議長、11番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)11番、斉藤陽一良議員。
(11番斉藤陽一良議員登壇)(拍手)
○11番(斉藤陽一良議員)平成29年第2回定例会に当たり、公明党を代表して質問いたします。
森井秀明市長の政治姿勢について、伺います。
まず、行政運営全般についてであります。
我々公明党は、これまで議論されてきた多くの問題、具体的に言えば、ドリームビーチの市営開設、参与の任用、平成27年6月1日の人事異動、副市長の選任おくれ、除雪共同体の構成員数変更、貸出ダンプ制度の見直し、後援会通信、公用車の私的使用、高島観光船事業、議員の議会発言への名誉毀損訴訟の提起とそれへの市長発言、市長の排雪現場への介入、商工会議所や議員の各種協議会や審議会からの排除など、どの問題をとっても、何か先入観を持って森井市長をいじめてやろうとか、森井市長を市長の座から引きずりおろそうなどとの意図をもって攻撃したというものは一つもありません。我々が考えて、こうあるべきという市民全体の利益に照らして、プラスになるのかマイナスになるのかという是々非々の立場から判断して議論を行ってきたところであります。
むしろ、5者体制云々とありもしない幻想をつくり上げ、ドン・キホーテよろしくはた迷惑に所構わず大なたを振り回し続けているのは森井市長のほうであります。森井市長は、市長として、ある案件について、それを議会などに問題提起し、最終的に一定のコンセンサスに導くプロセスにおいて、多くの人を納得させるに足る独自の見識、あるいは方法論を必ずお持ちだと思います。それについてお示しください。ある案件について、関係者に事前説明を行い、そこで意見を聴取して、やりとりの後、たたき台などを示し、部分修正などが必要であればそれを行った上で正式な議論に進むというのがほぼ一般的な方法と考えます。これに対して森井市長のやり方は、これまで見ていると、決定すべき内容それ自体が多くの市民から賛同を得ることが難しい特定の人の意見や利益に基づくため、あえて反対が予想されるような事前説明や意見聴取を行わず、殊さらそれを避けて決定を先行させるために、議論が後手に回って紛糾するというケースが多いように見受けられます。
(「そうだ」と呼ぶ者あり)
森井市長には、今後、政策決定に際しては、みずからの後援会関係者などの特定の意見や利益に配慮するのではなく、多くの市民、小樽市民全体の立場に立った意思決定や行政運営を期待したいと思いますが、見解をお示しください。
次に、議会対応についてであります。
本年第1回定例会の冒頭、森井市長は、今後の議会対応はもちろん、市政運営におきましても気を引き締め取り組んでまいりたいと述べられました。前段申し上げましたように、我々公明党は、森井市長が議論をコンセンサスに導くプロセスを踏まえ、市民全体の立場に立った議会対応と行政運営を切に期待するものであります。
しかし、本年第1回定例会最終日の3月22日に可決された森井秀明市長に対し正確な議会答弁と適正な市政運営を求める決議にも指摘されているように、森井市長の実際の議会への対応や行政運営は、言に相違して改善どころか、相変わらず不適切きわまりないものであります。しかのみならず、今回の議会事務局職員の人事異動への対応は、まさに発言とは真逆の対応と言わざるを得ません。平成28年第4回定例会をめぐる2者会談の折に、森井市長が前議長に対して職員人事について打診を行ったとか、副市長が正式に協議を行って承諾を得たつもりだったとか、何かのついでやつもりで済まされる問題と考えたのか、明確な答弁を求めます。どこが気を引き締め取り組んだのか、全く理解できません。議論を提起して一定のコンセンサスへ導くプロセスを全くわきまえることのない暴挙と言わざるを得ません。
そもそも、市長と議会の信頼関係が崩れている中での議会事務局職員の異動に関する問題については、念には念を入れ、慎重の上にも慎重に、一点一点了解事項を確認しながら進めるなど、徹底した丁寧さが求められていたと考えますが、なぜそうしなかったのか、お示しください。自分たちのやり方のずさん、手抜かりであるにもかかわらず、あたかも議会の責任であるかのように記者会見などで言い募る市長、副市長の態度はまことに見苦しいの一語に尽きます。なぜ了解の確認を得てもいないものについて、協議はあったなどと一方的に主張をしたのか。もし了解を得たと主張するのであれば、どのようにして了解を得たのか。あるいは、了解を得ることなしに協議は調ったと判断したのか。そうだとすれば、その根拠は何なのか。その経緯と理由について、明確な説明を求めます。
ましてや、「人事の状況を盾にして、出向させないという取り組みにおいては、正直、行き過ぎ」「全く協議をしていなかったと言われる、その議長のお言葉に対して、私は、非常に不信感を持っている」「そのような経過がしっかりある中で、出向辞令を拒否されるというのは、正直、信義にもとる」など、平成29年4月5日の市長定例記者会見における市長発言については、前議長は人事権を盾にして異動を拒否しているわけでは全くなく、人事に関する協議は調ったとは言えないと指摘しているだけであり、明確に事実と異なるものであります。これは明確な事実誤認であり、前議長と議会に対する冒瀆でもあります。森井市長に対しこの発言の取り消しと謝罪を求めるものであります。いかがですか。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)斉藤議員の御質問にお答えをいたします。
ただいま、私の政治姿勢について御質問がありました。
初めに、行政運営全般についてですが、まず、コンセンサスを得るためのプロセスに対する私の見識等につきましては、私といたしましても、斉藤議員が述べられたとおり、関係者への事前説明、たたき台の提示や意見聴取、案の修正などを得て正式な議論に進むという流れが合意形成の定石であるものと認識をしております。しかし、最終的に意見の相違や考えの不一致があった場合には、それぞれが持つ権能の中で適切に判断されるものと考えております。
次に、今後の政策決定に際しての意思決定や行政運営につきましては、これまでも常に市民の皆様全体の立場に立った意思決定や行政運営を行ってきたところであり、御指摘のような特定の意見や利益だけに偏った判断をしたことは一度もありません。政策決定に際しては、市民の皆様に対して、まちづくりに関する情報の積極的な発信や市政へ参加する機会の提供に努めるとともに、政策の立案、実施及び評価の各段階において、できる限り多くの市民の皆様の御意見を反映できるよう取り組んできたところであり、今後とも同様に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、議会対応にかかわっての議会事務局職員の人事異動についてですが、まず、前議長への打診や協議につきましては、今回の議会事務局職員の人事異動内示に当たっては、1月下旬に前議長とお会いした際、私から事務局職員2名について異動させたい旨をお伝えし、3月上旬には副市長が正式に協議を行うため、アポイントをとった上で前議長を訪問したところであります。その協議の中で改めて事務局職員2名を異動させたい旨をそれぞれ異動の理由を含めてお伝えをしたところ、そのうち1名だけは残留をさせてほしいとのお話がありましたので、その意を酌んで1名は残留させることとし、内示を行ったものであります。このように、協議が調った上で内示をしたところでありますので、御指摘のようなことを考えたものではありません。
次に、議会事務局職員の人事異動における丁寧さにつきましては、先ほど申し上げたとおり、議会事務局職員の人事異動に当たっては、事前に私が打診をし、その上で副市長が正式に協議を行っておりますので、通常の手続より丁寧に対応したと考えております。
次に、事前協議の経緯と理由につきましては、繰り返しになりますが、議会事務局職員2名の異動に当たっては、事前協議の中でそれぞれの理由を述べて異動させたい旨をお伝えしたところ、そのうちの1名についてのみ残留させたいとの意向を酌んだものでありますので、協議は調っており、御指摘については当たらないと考えております。
次に、定例記者会見に係る私の発言の取り消しと謝罪につきましては、何度も申し上げているとおり、議会事務局職員の人事異動についての協議が調っている中で、なぜ突然に前議長が執行辞令を拒否されたのか、理解しがたい心境でありましたので、そのことを記者会見で述べたものであり、取り消す理由も謝罪する理由もないと思っております。
○議長(鈴木喜明)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、11番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)11番、斉藤陽一良議員。
(11番斉藤陽一良議員登壇)
○11番(斉藤陽一良議員)次に、財政問題について伺います。
森井市長は、平成29年第1回定例会の提案説明において、本市財政の現状について厳しい財政状況との認識を示し、平成29年度予算編成においても、市税の伸びが期待できない、地方譲与税や交付金、さらには地方交付税の減少で、大変厳しい収入状況と述べています。それにもかかわらず、事業予算については、これまで余り手をかけられなかったものに配慮して必要な事業を盛り込んだとしています。まず、これまで余り手をかけられなかったものとは具体的にどのような事業を指しているのか、お示しください。財源がないのに新たなものに手をつければ、これまで取り組んでいたものをやめざるを得なくなる可能性は十分にあります。既存の計画等で予定されていた事業が盛り込まれなかったなどの事例は発生していないか、お示しください。
また、市長は、今後においては財源対策に頼らない真の収支均衡予算を編成できるよう、事業の効率化による経費の抑制や収入確保を進めるとしています。しかし、それにもかかわらず、このたび示された平成28年度一般会計決算見込みでは、実質収支見込みは5億3,400万円の黒字とはなったものの、平成29年度予算編成に伴って示された平成29年度から33年度までの中期財政収支見通しにおいては、これまで毎年度予算編成時点で10億円程度だった財源不足額が、今後は20億円を超える見通しで、年度ごとの収支改善目標を従来の4億円程度からさらに6億円上積みして、年間10億円程度の収支改善が必要とされています。これは、市長の目指す真の収支均衡とは正反対の厳しい現実であります。このような事態を生じさせている原因について、人口減少などの一般論ではなく、市長の政策判断に甘さはなかったのか、市長の認識をお示しください。
次に、昨年の中期財政収支見通しでうたわれていた、平成29年度当初予算編成段階までに4億円という収支改善目標は現実に達成されたといえるのか。さらに、平成29年第3回定例会時点での財政調整基金残高の見込みをお示しください。さらに、平成30年度までに上積み分の6億円の収支改善の達成は可能かどうか。また、従前から設定されていた4億円の収支改善目標とあわせて、毎年度10億円もの巨額の収支改善が継続的に期待できるものか。もしそれが達成されたとして、毎年度20億円を超える収支不足額が予想される中で、このままでは30年度以降の財源対策に支障を来すと中期財政収支見通しが指摘しているように、財政調整基金そのものが枯渇するおそれはないのか、見解を求めます。また、そのような場合、新たな財源対策が必要になることは考えられないか。また、新たにどのような財源対策があり得るのか。さらに、財源対策にとどまらず、新たな財政健全化計画の策定も視野に入れざるを得なくなるのではないかと考えますが、所見をお示しください。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)ただいま財政問題について御質問がありました。
初めに、これまで余り手をかけられなかったものについてですが、まず、これが具体的にどのような事業を指しているのかにつきましては、例えば、建築ストックリノベーションまちづくり事業やトイレの洋式化等整備事業、保育の質向上研修事業、語学指導等外国青年招致事業、小樽産農産物PR事業、児童用机・椅子更新事業、消防団被服整備事業などであります。
次に、計画等で予定されていた事業が予算に盛り込まれなかった事例につきましては、市の計画等に盛り込まれている個別具体的な事業についてはお答えできませんが、一般論として、特に長期的な計画においては、各年度における本市財政の収支見込みや計画を構成する事業間での緊急度等による優先度合いの変更などのほか、国等の補助金などの財政措置の状況によって、当初計画どおりの実施時期や事業規模ではなく、予算措置を次年度以降に見送ったり、予算規模の縮小、または、予算措置ができなかったりする事例が発生し得るものと考えております。
次に、平成28年度一般会計決算見込みについてですが、中期財政収支見通しにおける財源不足が拡大した原因についての認識につきましては、私も市長就任以来、財政の健全化に向けて努力をしておりますが、歳出においては、生活保護費などの扶助費や過去の建設事業による公債費などの占める割合が高く財政が硬直化している中、歳入においては、人口減少などの影響により、地方交付税や譲与税、交付金が想定よりも落ち込んでおり、真の収支均衡予算が編成できない状況にあります。私といたしましては、そのような状況を踏まえ、財源対策に頼らない真の収支均衡予算となることを引き続き目指して取り組んでいくことが必要であると考えております。
次に、中期財政収支見通しについてですが、まず、平成29年度当初予算編成までの間に講じるとしていた4億円の収支改善につきましては、平成29年第1回定例会において、歳出では、職員給与費や公債費などの減額補正により約3億円の一般財源を確保したほか、退職手当債約3億7,000万円の借り入れにより4億円を超える収支改善が図られたものであります。また、決算見込み段階では、そこからさらに市税の増のほか、扶助費や繰出金など不用額が生じたことから、5億3,400万円の黒字となる見込みであります。
次に、財政調整基金の残高につきましては、地方財政法では、決算剰余金のうち2分の1を下らない金額を翌々年度までに積み立てることになっており、平成29年度の決算見込みの剰余金で算定いたしますと、5億3,400万円の半分の2億6,700万円を積み立てる一方、第3回定例会では国等からの補助金の超過交付額の返還金や除雪費予算の計上を予定しており、それらに伴う取り崩しを約10億円程度と想定いたしますと、第3回定例会補正後の残高は約18億円程度になると見込んでおります。
次に、新たな財源対策や財政健全化計画の策定の必要性につきましては、財源対策では、本市におけるさまざまな課題への財政需要はもとより、国の政策などにより新たな財政需要が生ずることがありますので、今後も一般財源の確保には努めていかなければなりません。そのためには、人口の減少が進み地域経済が縮小する中では大きな税収の伸びは期待できない状況の中、人口減少対策を基軸として、安心して子育てできる環境づくりや教育力の向上、快適で利便性の高い生活環境づくりに重点を置きつつ、観光振興の推進や産業、経済対策の充実など、安定した活力のある経済の実現を目指すとともに、既存事業の検証などにも取り組みながら財源の確保を図ってまいりたいと考えております。また、財政健全化計画の策定につきましては、今後も決算の状況なども踏まえ、収支見通しを随時見直しながら判断をしてまいりたいと認識をしております。
○議長(鈴木喜明)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、11番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)11番、斉藤陽一良議員。
(11番斉藤陽一良議員登壇)
○11番(斉藤陽一良議員)次に、高島漁港区における観光船事業について伺います。
事業者は、本年4月以降、高島袖護岸における係船環設置に関して違法な状態を放置し、市のたび重なる指示を無視しながら、一方で、港町物揚場を使用した観光船運行を既成事実化して事実上の事業活動を開始したようであります。まず、市が把握している範囲で、できるだけ詳細に、この事業者の直近までの事業活動の実態について、時系列でお示しください。この問題については、平成28年第3回定例会では、当時の全5会派が一致して森井秀明市長に対する問責決議が可決されました。そこでは、平成28年9月16日の本会議で森井市長が、全責任は私にある。議会の心配は無用と豪語しながら、自身の後援会関係者である事業者に不適切な状態での係留を許可したこと。漁業者の声に真摯に応えようとしない市長の政治的道義的責任が問われました。
また、結局自然閉会となった第4回定例会では、会期末の12月19日、この問題に関して、再び全4会派一致で、高島袖護岸での係船環設置許可の取り消しを求める決議が可決されました。
10月31日開催の経済常任委員会では、係船環設置について市側が、書類が整ったとしても許可はできないのではないかと答弁していたのにもかかわらず、漁業者と事業者が協議のテーブルに着いたかつかないかの12月1日という段階で一方的とも言える形で係船環設置が許可されたことは、小樽市の関係漁業者に対する背信行為とさえいえるものであり、係船環許可の取り消しを求めたものであります。
そもそもこのような意味不明で一見して不備であることがわかる申請書類をなぜ許可しなければならなかったのか。それも、議会答弁において、書類が整っても許可できない趣旨の発言をしているにもかかわらず、これこそまさに、本年第1回定例会の決議が指摘しているとおり、市の許認可事務の適格性、公平性、公正性の上からゆゆしき問題であります。市長に対し、この件に関する徹底的な原因究明と再発防止対策を求めるとともに、見解をお示しください。
さらに言えば、もし万が一本件許可が有効であり、施工期間変更の承認も有効だったとしても、現時点では、小樽市港湾施設管理使用条例第3条第4項に基づく運河護岸、物揚場護岸の使用登録による高島袖護岸の登録期間が平成29年3月31日に満了し、係船環設置の根拠が消滅しています。市側は本年4月4日と5月12日に係船環撤去の指示を行ったようですが、その結果をお示しください。
本件事業者は、高島袖護岸の使用が登録された平成28年6月1日から登録期間が満了した本年3月31日までの期間において、市の再三にわたる指導にもかかわらず違法に取りつけたU字型ボルトの撤去を行わないばかりか、撤去後も、その取りつけ時に損壊した車どめの復旧は登録期間満了直前であり、ほぼその全期間にわたって、市側の指示に従わず違法状態を継続しました。過去において指示に従わず現在も市の指示に従っていない本件事業者に対し、港湾室は本年2月24日、港町物揚場護岸の使用について登録を行いました。常習的に条例違反を犯し、現に違反状態が解消されず、改善の指示にも従わない本件事業者からの新たな護岸への登録申請を港湾室はなぜ認めなければならなかったのか。市のトップレベルの意向が示されたり、そのようなそんたくが働いたということは間違ってもなかったと考えますが、改めてそれについて説明を求めます。
そもそも、高島袖護岸はもちろん、一般に護岸は、港湾法上の港湾施設に関する定義によれば、港湾施設を守る外郭施設とされています。船を係留させるための施設は係留施設で、岸壁、係船浮標、係船くい、桟橋、浮桟橋、物揚場及び船揚場であり、護岸は、緊急的な場合を除き、船を係留することはできません。護岸に長期の係留を許可すること自体、厳密に言えば港湾法に違反することになります。したがって、小樽市が小樽市港湾施設管理使用条例に基づいて、運河護岸・物揚場護岸登録申請により係留を目的とする護岸への登録を行ったことは、港湾法の拡大解釈による異例の寛大な措置と言わなければなりません。そのような異例の寛大な措置による特別の便宜を、常習的に条例違反を犯し、市の指示にも従わない事業者に対してなぜ小樽市が供与しなければならないのか、その理由は何なのか、改めて納得できる説明を求めます。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)ただいま、高島漁港区における観光船事業について御質問がありました。
初めに、本年4月からの事業活動の実態につきましては、市として把握している範囲でありますが、事業者は、小型の観光船について、4月1日からは高島地区の自己所有地から、さらに、4月10日ごろからは、港町物揚場からそれぞれ1隻ずつを出し入れし、青の洞窟や窓岩へ観光遊覧を行っていると聞いております。また、4月1日からは陸域の施設をオープンしており、4月15日と16日には創業祭を開催し、その旨を15日の新聞の折り込みチラシで宣伝したと聞いております。
次に、係船環設置許可についてですが、まず、今回の係船環設置のための工作物等施工許可申請書につきましては、行政処分に対する無効確認訴訟の凡例では、行政処分が当然無効であるためには、重大かつ明白な瑕疵がなければならないというものがあります。これに関して、今回の許認可について、施工期間は許可条件の中で重大な要素ではないため、多少誤記があったとしても有効なものとして扱うと解釈をしてもよいと顧問弁護士からの見解を得ているところでもあり、許可は有効なものと考えております。
次に、係船環設置許可に係る市の許認可事務の適格性、公平性、公正性の問題について、徹底的な原因究明と再発防止対策につきましては、許認可の事務については、これまでどおり前例をもとに的確に処理をしてきたものでありますが、これまで以上に厳格なチェック体制を敷くとともに、マニュアルの整備などによる遺漏のない事務処理を行うよう職員を指導したところであります。
次に、本年4月4日と5月12日に係船環撤去の指示を行った結果につきましては、本年3月31日をもって高島地区袖護岸への護岸登録機関が満了し、その後の護岸登録の更新手続が行われていないことから、護岸登録に当たっての条件により原状復旧を求めたところでありますが、現在においても係船環が設置されている状況であります。
次に、港町物揚場の使用登録についてですが、まず、港町物揚場の護岸登録につきましては、観光船事業者が港湾施設管理使用条例の規定に基づき運河護岸・物揚場護岸登録申請書を提出し、必要な書面が整っていたため護岸の登録を行ったものであり、議員が御指摘されるようなことはございません。
次に、港町物揚場の護岸登録を認めたことにつきましては、港町物揚場への護岸登録については、港湾施設管理使用条例の規定に基づき運河護岸・物揚場護岸登録申請が提出され、必要な書面が整っていたため登録をしたものであり、議員が御指摘されるような特別な措置を行ったものではありません。
○議長(鈴木喜明)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、11番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)11番、斉藤陽一良議員。
(11番斉藤陽一良議員登壇)
○11番(斉藤陽一良議員)次に、市内公共交通の現状と対策について伺います。
本市は歴史的に他都市と比較して市内バス路線網が充実し、公共交通機関として大きな役割を果たしてきております。その分、行政がそれに依存し過ぎて、対策が立ちおくれている嫌いさえあります。ただし、いわゆる市内バス路線としては、路線延長の制約があるため、西部地区はオタモイ、塩谷まで、東南部地区は桜、望洋台、新光2丁目までであり、忍路、蘭島及び朝里川温泉、張碓、桂岡、銭函方面は遠距離路線として別建てとされ、隣接する余市町や札幌市手稲区のバス路線に接続しているものもあり、さらにこれらの地区では鉄道利用も公共交通の手段として重要となります。
また、観光振興の面では、千歳、丘珠、函館、旭川などの各空港やJR各線、広域都市間バス、フェリー定期航路なども考慮に入れなければなりません。平成25年12月に施行された交通政策基本法は、地方公共団体の責務や施策について定めており、その区域の自然的・経済的・社会的諸条件に応じ、まちづくりその他の観点を踏まえ、総合的かつ計画的に実施するとしています。それに基づく国の交通政策基本計画においては、人口急減、超高齢化、車社会の進展等を踏まえ、各自治体が中心となってコンパクトシティー化等のまちづくり施策と連携し、地域交通ネットワークを再構築するとしています。そのうち、さらに推進していくものとして、2014年に改正された都市再生特別措置法等及び地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に基づき、立地適正化計画及び地域公共交通網形成計画を作成する自治体を総合的に支援する体制を構築し、それらの計画の着実な策定を促す地域公共交通網形成計画の策定総数を2020年度までに100件とする数値目標を掲げています。
そこで伺いますが、人口の急減、超高齢化、車社会の進展等が進む本市において、市内バス路線の利用者数の減少やふれあいパスの維持、存続など多くの課題が山積しており、市が中心となって率先して関係機関と連携し、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に基づいて協議会を設置し、地域公共交通網形成計画の策定に向けて動き出すべきと考えます。協議会設置及び計画策定について、スケジュール感等を含め見解を求めます。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)ただいま、市内公共交通の現状と対策について、御質問がありました。
協議会設置及び地域公共交通網形成計画策定の見解などにつきましては、交通施策基本法に基づき、行政が中心となりまちづくりと連携し、面的な公共交通ネットワークの再構築に取り組まなければならないことから、地域交通網形成計画を策定するため、まずは法定協議会の設立が必要と考えております。法定協議会の設立については、現在、銭函地区をモデル地域に選定し、行政として地域公共交通に対する役割や課題などを把握するとともに、他都市の取り組み状況を調査・研究した上で判断してまいりたいと考えております。なお、計画策定には、他都市の事例などを参考にいたしますと、おおむね1年程度を要するものと考えております。
○議長(鈴木喜明)次に、第5項目めの質問に入ります。
(「議長、11番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)11番、斉藤陽一良議員。
(11番斉藤陽一良議員登壇)
○11番(斉藤陽一良議員)次に、除排雪について、伺います。
まず、平成29年度当初予算で、除雪費が一部しか計上されていない問題についてです。
次に、森井市長就任後の平成27年度、28年度に取り組まれた除排雪関係の見直しについて、伺います。
27年度からの第2種路線における出動基準引き下げの効果、及びそのことによるマイナスの影響などはなかったのか。がたがた路面解消のための路面形成強化の効果は上がったのか。除雪対策本部体制の強化は2シーズンを経て見るべき成果は上がったのか。反省すべき点も含め、見解をお示しください。特に、除雪対策本部体制の強化については、本部長である副市長が27年度途中まで不在であり、28年度も排雪箇所の変更や中止の決定とその伝達が滞り、その結果、市長が排雪現場に直接赴いて作業内容を確認したことにより、排雪作業が業務委託契約上の手続を踏まずに中止されるという前代未聞の事態すら発生しています。これでは、むしろ除雪対策本部体制の強化どころではなく、弱体化のきわみと言わざるを得ません。厳しい検証が必要と考えますが、見解を求めます。また、28年度から始まった第3種路線の一部における除排雪の試行、主要交差点の局部的な排雪による見通し確保について実施した結果はどうだったのかお示しください。さらに、27年度、28年度で除雪路線の調査が行われておりますが、調査内容とこれまでに得られた結果、今後の路線見直しの方向性などについてお示しください。
次に、地域総合除雪の共同企業体等にかかわる見直しについて、伺います。
まず、第7ステーションの増設とステーション区域の変更のメリット、デメリット等については、市としてどのように評価されているのか、見解を求めます。若竹、桜地域を特別に第7ステーションとすることで、この地域の除排雪の内容が各段によくなったのか、疑問があります。特に、28年度は、東小樽交差点から桜ロータリーに至る桜町本通線がバス路線であるにもかかわらず、雪山が背丈以上になって路線バスの交差が難しい状況になっても排雪が入らなかったという市民の苦情が寄せられています。なぜこのようなことが起こったのか、説明を求めます。また、市が共同企業体の構成員数を4社にすることを目指している点についてですが、ある共同企業体参加企業からは、ステーションの区域が削減され2社で賄える範囲を3社で行っているとの声があります。また、その他の参加企業からも4社だと採算割れが起こる。採算がとれない状況では新規業者の共同企業体加入は困難との声もあります。4社構成には反対の声が多く、企業にやる気をなくさせ、不都合な点ばかりで、除排雪の内容の向上にもつながらない、4社構成を目指す考えは撤回すべきと考えますが、見解をお示しください。
この項の最後に、貸出ダンプ制度について、伺います。
平成28年度から、集合住宅の敷地内通路と雪堆積場の排雪は対象外、実施日数を1申請につき連続5日から3日へ短縮、対象となる道路に対する制限の緩和などの変更がありました。特に、集合住宅の敷地内通路や雪堆積場が周知期間や激変緩和措置もなく突然対象外とされたことには市民の驚きと反発は大きかったと考えますが、実施に当たって苦情やトラブルはなかったのか、お示しください。
貸出ダンプ事業は、平成28年度に改正された過疎地域自立促進特別事業に登載されています。その必要性として、町会等の除排雪費用の軽減を図ることが挙げられています。今回の見直しによって、町会等の貸出ダンプ利用団体においては、1シーズンで数十万円単位の費用負担が新たに発生したところもあると聞いております。市長は、今回の見直しについては、長年利用されてきた中で、特例により利用団体が貸出ダンプ実施前に除雪した雪山や集合住宅の通路なども対象としてきたことは制度本来からの逸脱であるとして、原点に立ち返って、原則、道路の雪を対象とする見直しを行ったと説明しています。しかし、貸出ダンプ制度の目的が少しでも町会等の除排雪費用の軽減を図ろうとすることにあるとすれば、今回の見直しは制度の本来の趣旨に逆行することになりかねないと考えますが、見解をお示しください。ダンプトラックの配車方法については、現在、派遣されるダンプトラックの選定は各組合が行っており、市は今後、より効率的な配車方法を検討するとしていますが、ダンプトラック組合から反発の大きかったトラック1台1台に番号を割り振る方式を再び検討するということになるのか。29年度以降の考え方をお示しください。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)ただいま、除排雪について、御質問がありました。
初めに、除雪費が一部しか計上されていない問題についてですが、まず、当初予算での除雪費の一部計上につきましては、私が市長就任以来、よりきめ細やかな除排雪を推進するために、2シーズンにわたり新たな取り組みを進めており、その中の検証に一定の時間が必要なため、当初予算の除雪費は、降雪期までに係る必要な経費のみを計上し、本格的な除排雪などの経費については、それぞれの検証結果を踏まえ、補正予算計上で対応しております。なお、今後の予算計上につきましては、この2年間の検証で一定程度の分析が進みますので、平成30年度には当初予算に計上できるように努力をしてまいります。
次に、平成27年度、28年度に取り組んだ除排雪関係の見直しについてですが、まず、平成27年度から取り組んだ施策の検証につきましては、除雪第2種路線の出動基準の見直しについては、除雪車の出動基準を除雪第1種路線並みにしたことで、本施策前に比べ除雪車の出動回数が増加し、除雪第1種路線やロードヒーティングとの段差が解消されたことなどから、特にマイナス面はなく、昨年度同様、おおむね効果があったものと考えております。
次に、がたがた路面の解消については、バス事業者への聞き取りからがたがた路面について特に問題がなかった旨の回答があり、昨年度同様、おおむね効果があったものと考えております。除雪対策本部の強化については、本施策前の平成26年度に六つのステーションを3人の職員で担当していたものを、昨年度は七つのステーションを最大で12人の職員が担当し、パトロール体制が強化されたことなど、おおむね効果があったものと考えてはおりますが、担当職員の中には地域総合除雪業務の未経験者も多かったことから、今後においては担当職員の現場確認能力の向上に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、除雪対策本部体制につきましては、平成28年度の除雪対策本部設置期間中、本部長である副市長をトップに業務を遂行しておりましたが、排雪協議結果の業者に対する伝達の一部に不備があったことから、問題点等を検証し、協議結果のチェック体制を強化するなどの対応をとったところであります。また、除雪対策本部の体制については、地域総合除雪の業務担当員の増員やパトロールのための車両を増車するなど、強化に取り組んでいるところであります。
次に、平成28年度から取り組んだ施策の検証につきましては、除雪第3種路線の一部において、これまで圧雪管理としていたところ、15センチメートル以上の降雪が見込まれる場合に、除雪作業を行ったことでがたがた路面や轍が解消されるなど道路状況の改善が見られたことから、おおむね効果があったものと考えております。
また、主要交差点等の雪山処理の強化については、交差点の見通し確保につながり、バス事業者からは効果的であるとの意見があったことから、おおむね効果があったものと考えております。なお、これらの施策については今後も検証を続けるとともに、さらなる改善を図ってまいりたいと考えております。
次に、除雪路線調査業務につきましては、除雪路線の基本情報である道路幅員や勾配、空き地情報等を一元管理するための枠組みとなるデータベースを構築したものであります。本年度は、昨年度から取り組んでいる除雪第3種路線で除雪の強化を行う試行路線の拡大に向けて本成果を活用するとともに、さらなるデータの蓄積を行うことにより、今後は除雪作業を行うオペレーターの支援、雪おろし場の確保、除雪拠点や路線の見直しの検討等に活用してまいりたいと考えております。
次に、地域総合除雪の共同企業体等にかかわる見直しについてですが、まず、平成27年度から、除雪拠点の増設につきましては、旧第2、第3ステーションの担当区域を第2、第3、第7ステーションの担当区域に再編したことで、これらのステーションエリアがコンパクトになり、道路パトロールや路面管理の面でステーションの管理が行き届くようになったこと。また、この区域について、二つのステーションから三つのステーション体制としたことで除雪機械が増加したことなどにより、ステーションの体制が強化され、おおむね効果があったものと考えております。
次に、市道桜町本通線の排雪につきましては、職員や地域総合除雪業者がパトロールを行い、必要があれば、まずかき分け除雪や拡幅除雪をすることとし、道路脇の雪山が大きくなり、これ以上の対応が困難になったときに排雪作業を実施することとしており、昨年度の当該路線については、排雪が必要な状況には至っていなかったと判断したものであります。しかしながら、桜町本通線に接続をする市道との交差部において、雪山が高い箇所については雪山の局部排雪を実施し、交差点の見通し確保に努めたところであります。
次に、地域総合除雪業務の共同企業体の構成員数につきましては、今年度の地域総合除雪業務の内容や共同企業体の構成員数については現在検討しているところであり、具体的な内容は示せませんが、作業のおくれが見込まれた場合の業務の補完や、将来にわたり持続可能な本市の除排雪体制を構築するため、現状の体制が維持されているうちに、地域総合除雪業務に多くの業者が参加することが必要と考えており、共同企業体の構成員数については4社以上にすることが望ましいものと考えております。
次に、貸出ダンプ制度の見直しについてですが、まず、実施に当たっての苦情やトラブルにつきましては、昨年10月末に集合住宅の申し込み15団体に説明を行い、そのほか、10月から3月までに30件ほどの意見や問い合わせが寄せられました。その主な内容は、集合住宅の敷地内通路と雪堆積場を対象外としたことに対し、不満や次年度に延期してほしいとの意見がありましたが、大きなトラブルは発生していないものと認識をしております。
次に、平成28年度の制度の見直しにつきましては、貸出ダンプ制度は、長年運用される中で特例が拡大解釈をされ、本来対象外である道路以外の雪の排雪や、必要以上に作業日数を多く申請するケースが見られるようになったことから、生活道路の交通を確保するという制度の原点に立ち返り、対象範囲を明確にする一方、対象路線の条件を緩和し、真に市民のために公平に活用されるよう見直しを行ったものであります。
次に、平成29年度以降の見直しにつきましては、貸出ダンプ制度におけるダンプトラックの配車は、長年にわたり利用団体が契約する積み込み業者が加盟するダンプトラック組合のダンプトラックを派遣する方法で運用されてきたことから、一部の積み込み業者の所属する組合へ偏った配車となり、さらには、組合内においても偏りが見られ、業者間で業務量に大きな差が生じていること。また、過去には積込量が過少なケースや不自然な運搬回数が見られたことなどから、このような事例を防止する必要があるものと考えております。本来、ダンプトラックの配車は、発注者である市が責任を持って適切に行うべきものであることから、通し番号制にはこだわらず、公平で効率的に配車できるよう、早期に改善を図っていかなければならないと考えております。
○議長(鈴木喜明)次に、第6項目めの質問に入ります。
(「議長、11番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)11番、斉藤陽一良議員。
(11番斉藤陽一良議員登壇)
○11番(斉藤陽一良議員)最後に、日本遺産認定に向けての取り組みについて、伺います。
本年の去る4月28日に、文化庁から平成29年度の日本遺産認定17件が発表されました。申請79件中の狭き門を通った中には、地域型では、「江差の五月は江戸にもない-ニシンの繁栄が息づく町-」の江差町。シリアル型では、「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」の函館市、松前町などが北海道の自治体として初めて認定を受けました。まず、同じく認定を目指す北海道の自治体として、本市としての所感をお示しください。
念のため伺いますが、今回認定された「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」は、山形県酒田市、北海道函館市、松前町のほか、青森県鰺ヶ沢町、深浦町、秋田県秋田市、新潟県新潟市、長岡市、石川県加賀市、福井県敦賀市、南越前町の7道県11市町に及ぶ典型的なシリアル型の認定でしたが、ここにさらに小樽市も加わるという形の認定もあり得るのかどうか、その可能性についてお示しください。
去る5月12日、13日の両日、江戸後期、北前船の有力な船主である高田屋嘉兵衛のふるさと兵庫県淡路市で、第19回北前船寄港地フォーラムが開催されました。また、本年7月14日、15日には、岡山市で第20回目が開催の予定となっています。昨年11月には、今回、「江差の五月は江戸にもない-ニシンの繁栄が息づく町-」で地域型の認定を受けた道南の江差町と函館市で第18回が開催されています。まず、北前船寄港地フォーラムについて、その意義や目的、これまでの意義や開催地、イベントの内容などについてお示しください。この項最後に提案をいたしますが、このフォーラムは当初、年1回開催であったとお聞きしています。しかし、会を重ねるごとに開催を希望する都市がふえて、近年は年2回開催となる年も多いといいます。本市がシリアル型にせよ地域型にせよ、北前船寄港地を意識して日本遺産認定を目指すのであれば、まず、その第一歩として、他の地域に先んじて、ぜひ早急に北前船寄港地フォーラム開催に名乗りを上げ、北前船寄港地小樽としての独自の意義をアピールすべきと考えますが、御見解を求めます。
以上、再質問を留保して質問を終わります。(拍手)
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)ただいま、日本遺産認定に向けての取り組みについて、御質問がありました。
初めに、平成29年度日本遺産認定の所感についてですが、道内で初めて地域型が認定された江差町につきましては、テーマ自体が以前から町民の間で醸成されてきたものであります。また、松前町と函館市が参加した北前船に関するシリアル型につきましては、日本遺産の制度が創設される前からフォーラム等の活動を長年進められてきたものであります。いずれのケースにおいても、地域に根差したテーマをもとに魅力あるストーリーを構築されたものであり、本市にも関連のあるテーマを掲げた道内の自治体が高く評価されたことをうれしく思うとともに、本市の日本遺産の認定に向け、教育委員会と連携して市民の皆様の御意見を伺いながら、一層努力をしていかなければならないと感じたところであります。
次に、産業港湾部の担当職員の配置についてですが、まず、日本遺産認定に向けて配置した職員の職名につきましては、産業港湾部主幹及び産業港湾部商業労政課主査であります。また、所掌事務につきましては、主幹は日本遺産に係る特命事務。主査は、商業労政課の事務分掌中、日本遺産認定についてのこととして、日本遺産に係る事務に従事をいたします。
次に、新たな職員配置と従来からの歴史文化基本構想策定の流れとの関係につきましては、歴史文化基本構想を策定する教育委員会と密接に連携をしながら、地域型の日本遺産認定を目指すものであります。また、他自治体が新設するシリアル型への参加も視野に入れ、情報収集や市民意識の醸成を図るため、配置をしたものであります。
次に、地域型かシリアル型かについてですが、まず、地域型かシリアル型か両方か、前後関係や目標年度を含めた考え方につきましては、本市が行う申請は、歴史文化基本構想に基づく地域型を基本として申請、認定を目指すこととするこれまでの方針に変わりはありません。現在教育委員会が進めている歴史文化基本構想は平成30年度の策定を予定しておりますので、江差町と同様の手法を用いれば平成31年度の申請条件が整うことになります。また、他の自治体からシリアル型の構成団体として参加が求められた場合は、平成30年度での申請が可能であるものと考えます。いずれにいたしましても、あらゆる可能性を検討し、認定を目指してまいりたいと考えております。
次に、今回認定された「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」に小樽市も加わる可能性につきましては、相手方の御意向を確認し、本市の追加に向けて必要な手続や条件など、積極的に情報収集を行ってまいります。
次に、北前船寄港地フォーラムについてですが、まず、北前船寄港地フォーラムの意義や目的などにつきましては、江戸時代から明治まで、北海道、東北、北陸、関西、九州を結んだ北前船の日本海側の寄港地の連携、地域間交流による活性化を図る観光フォーラムとして始まったものであります。第1回は平成19年に山形県酒田市で開催され、第4回目は松前町、第9回目には函館市で、そして昨年、第18回目は江差町でそれぞれ開催されております。イベントの内容につきましては、基調講演、パネルディスカッションのほか、会場での物産展やPRブース開設など、地域住民の皆様にも周知し、北前船について理解を深めていただく場であったと承知しております。
次に、早急に北前船寄港地フォーラム開催に名乗りを上げ、小樽としての独自の意義をアピールすべきとのことにつきましては、北前船と本市とのかかわりは重要なものであり、相手方の御意向を確認の上、構成文化財が所在する自治体に追加いただけるよう、積極的に対応してまいりたいと考えております。
(「議長、24番、議事進行について」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)24番、横田久俊議員。
○24番(横田久俊議員)先ほどの斉藤議員の冒頭の質問に対する市長の答弁で、正確でない部分がありますので、私の名誉にもかかわることでありますから、経過を述べさせていただいて、議長の裁きをお願いいたします。
市長の答弁にもありましたように、実際に副市長が来られました。来た際に2人の職員の名前を挙げて、先ほど市長が答弁しましたけども、一人については留任をと言った。もう一人は言わなかった。何も意思表示をしなかった。私は意思表示をしていません。だから、それが了解だと思われたという発言だったと思いますが、協議が調ったという理解だということでしょうけれども、協議というのは、協議をする両者が理解し納得しなければ、協議が調ったとは言わないです。これは、辞書でも何でも引いてみてください。
副市長は、私が文書を持っていく前にお会いしたときにいろいろお話をしましたけれど、そのときに、いや、もう少し確認をすればよかったと。これは内示が出た後ですけど。そういう話をされました。ということは、確認ができていないということです、両者でですね。そして、何も意思表示がなかったのでそう思ったというのは、これは、プライベートで居酒屋で両者が話し合ってあうんの呼吸というのはあるかもしれませんけれども、オフィシャルの公的機関同士では、そういうことは絶対あってはならない。確認しなければならないと思いますよ。ですから、副市長が来られて、こういうふうにしたいんだと言ってお帰りになられました。そして、もしそう決まったのであれば、もう一度来られて、こういうふうになりましたからという確認をしていただくのが本当だと思います。副市長から市長にどういう報告がなされたのかはわかりませんけれど、私は、協議が調っているとは全く思っておりません。今でも思っておりません。私の反論できないところで、記者会見ですか、私に言わせれば礼を失した発言をされているようでありますけれど、これは私のほうこそ大変心外であります。
よって、市長の先ほどの協議が調っているという断定された答弁は正確ではありません。この後の斉藤議員の再質問等にも影響を及ぼすおそれがありますので、市長のあの答弁がそのままでいいのかどうか、議長において御判断、裁きをお願いいたします。
○議長(鈴木喜明)ただいま24番、横田久俊議員から議事進行がございました。
内容としましては、先ほど市長が答弁された内容にそごがあるということであります。協議が調っているというふうに答えた中で、そうではないというお話ですね。そのことは重大でありますので、私のほうは、その内容につきまして意見、判断はできませんが、今のお話で、まず、市長が、答弁者が何か変えること、それがあるならここで申し出ていただきたい、そう思います。ありませんか。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
○市長(森井秀明)ございません。
(「それならちょっと、答弁をちゃん精査としてください」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
○議長(鈴木喜明)この件は、まず、斉藤陽一良議員の質問でございますので、まず、その中で質問していただいて、審議を、答弁を聞いていただきたいと思いますのと、今の件でありますけれども、これは何というのかな。とめて精査ということも今の時点では難しいと。今、市長の答弁がありましたので。
(「審議にかかわる発言なんですよ」と呼ぶ者あり)
(「違うことで審議が進められたら大変なことになりますよ」と呼ぶ者あり)
答弁者にお聞きをしますけれども、今、何もないと。変えることはないというお話でありますけれども。
(「何でないんだ」と呼ぶ者あり)
これは真っ向から違うお話でございますから、これの真偽、例えば、では、どちらが正しいかということをこの場ではできないと思います。
(「議長、1番、議事進行について」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)1番、秋元智憲議員。
○1番(秋元智憲議員)先ほど横田議員が言ったのは、事実と違うので謝罪をしてほしいということじゃなくて、正確に話してほしいということなのです。要するに、話し合いが調った、協議が調ったということは違うという話なのです。そこははっきりしてもらわないと、片や協議は調っていないと言うのですよ。それは名誉にかかわる話なので、何もないなんて、そんなふざけた話ではないですよ。しっかり裁いてください。
○議長(鈴木喜明)今、秋元智憲議員から議事進行がございました。真っ向事実が違うということで、今、なっているわけでありますけれども、経緯としましては、先ほど答弁されましたが、それの事実関係で誤認はないということをもう一度確認をしたいと思います。
(「誤認はしていませんと言うしかないでしょう」と呼ぶ者あり)
副市長、何か。
(発言する者あり)
(「協議は調ったというのを撤回したほうがいいですよ」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
○議長(鈴木喜明)今、説明員で市長からありましたけれども、この経緯にかかわっているのは副市長もあるというふうに先ほど判断しました。それで、副市長から事実誤認がないか、もう一度答弁をお願いします。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)副市長。
○副市長(上林猛)私から、当事者でございますので、話の内容について確認をさせていただきます。
今、前議長から話されたことは事実であります。ただ、その内容がそれぞれがどう思ったかということに関して言えば、私とすれば、人事の話で2名の話をし、その内容については了解をいただいた。協議については調ったという印象で私は戻りましたので、そのことは、話の内容は同じです。前議長が申し上げたとおり、間違いございません。私とすれば、理事者側の話について理解はいただいたということを感じて戻ってきた。それもまた事実でございますので、それは正確に申し上げておきたいと思います。
(「調ったと感じてたということ」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
(「調ったって断定しちゃっているんだから、事実と違うじゃないですか」と呼ぶ者あり)
(「前議長の言ってることが正しいのだったら違うでしょ」と呼ぶ者あり)
(「全然違う」と呼ぶ者あり)
(「調ったと認識していた」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
○議長(鈴木喜明)今、副市長からお話がありましたが、先ほどの答弁の中に、当然今の部分は入れておくべき話だったと思います。先ほどは、全く協議は調っているだけお話をしていますし、そうではなく、その経緯として、お互い事実誤認としてお互いの思いが違っていた。私どもはそう感じたということを的確に入れていただきたかったということもありますね。それで、これを、今、副市長が述べられたお話ですけれども、24番、横田久俊議員はどうお考えですか。
(「議長、24番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)24番、横田久俊議員。
○24番(横田久俊議員)話をしたのは私と副市長ですから、言った言わないになるかと思いますが、何度も言いますけれども、協議というのは双方が了解しなければならない。副市長が思い込んだというふうに言われましたが、そうであれば最終的な確認が欲しかった。先ほども申し上げましたけれども、言った言わないですから、あとは斉藤議員の再質問の中でしっかり副市長をただすのか、市長をただすのかどうかはわかりませんけれど、いずれにしても、私の意見としては、協議は調っていると断定されることは非常に心外でありますので、そのことだけを申し上げます。あとは議長の裁きにお任せをいたします。
○議長(鈴木喜明)副市長に申し上げます。先ほどの答弁の中で、私、自分なりには協議が調っていたというふうにお話をしたわけであります。考え方が違うのではないかと、お互いの受け取りが。しかしながら、そのことをしっかり確認をして発言をされたのかというところに問題があるわけでありまして、自分はそう思っていたということで確信があって述べられて市長にそうお伝えしたのかどうか、もう一度お話をしてください。
(「さっきと同じだから、答弁を修正するかどうかを確認しないと」と呼ぶ者あり)
(「調ってないのです。協議が調っていないのです。お互いがだって理解していないのですから、調っていないです」と呼ぶ者あり)
(「確認より答弁修正を求めてください」と呼ぶ者あり)
答弁修正ですか。
(発言する者あり)
では、もう一度副市長にお聞きをしますけれども、答弁の修正はありますか。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)副市長。
○副市長(上林猛)協議が調ったというのは人事上の協議のことでございますので、これは、私ど人事をする側が異動させたいという意思を明確に述べて、その意思を確認し、片一方は残せということでありますので、私どもの意思は十分に通じたということで理解をしておりますので、一般論の協議と人事というのは違うことでございまして、任命権者が違う人たちに対して、私どもがこうしたいという意思を伝え、向こうの意思を確認しても任命権者として人事を行う場合がありますので、そういう意味で言えば、私どもは意思は確認をしたということで理解しておりますので。
(「そういう話をしなかったでしょう」と呼ぶ者あり)
(「確認したと協議が調ったとは違うんです」と呼ぶ者あり)
(「議長、11番、議事進行について」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)11番、斉藤陽一良議員。
○11番(斉藤陽一良議員)私としては、まさに今のことを再質問で尋ねるべきところですけれども、先ほど冒頭に横田前議長からの発言があり、今、副市長あるいは市長からもありましたが、変更がない。副市長も変更がないということですね、今の御答弁は。そういう状態では、私は今、この再質問をこの場で続けるわけにいかないです。今の冒頭の横田前議長の発言についてと今の答弁について、しっかり議事録等で精査をしていただきたいと思います。その前提の上で再質問させていただきたいと思います。
(「話がすりかわっちゃっているよ」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
○議長(鈴木喜明)わかりました。そうしますと、今の市長答弁並びに横田前議長のこと、そのことにつきまして。
(「答弁に対して指摘があって、それに対して副市長の言ったことが違うと言っているんですよ」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
(「議長、そんなの聞かないで進めてくださいよ」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)いや、今、議事進行として、裁きとしてどうするかというお話でありますので、私の権限において、これは休憩をとって精査をするということにさせていただきます。
それでは、暫時休憩いたします。
休憩午後5時00分
――――――――――――――
再開午後7時10分
○議長(鈴木喜明)休憩前に引き続き会議を再開します。
議事進行により議事を中断し議事録を精査したところ、説明員より発言の申し出がありますので、これを許します。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)副市長。
○副市長(上林猛)二度目に発言いたしました私の答弁いたしました内容について訂正をお願いし、改めて答弁をさせていただきたいと思います。
まず、冒頭、横田前議長の発言の内容については間違いございません。私もそのように理解をしております。ただ、私の受けとめとすれば、2名のうち1名の異動について御理解をいただき了承いただいたということで、その旨を戻って市長に協議については理解をいただいたということで報告をし、今回の答弁には協議は調ったということで答弁をさせていただいております。以上のように私の発言の訂正をお願いしたいと思います。
なお、この間、答弁調整のため時間を要したこと、まことに申しわけございません。
○議長(鈴木喜明)それでは、斉藤議員の再質問から議事を再開いたします。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)副市長。
○副市長(上林猛)申しわけございません。私の2回目の答弁の中で、議長の人事権にさわる言葉を発した、そのことについて、発言に対して改めて訂正をさせていただきたいと思います。先ほど申しましたとおり、横田前議長の発言には誤りはございませんし、私もそのように理解しております。ただ、私とすれば協議が調ったものという理解をし、その旨を戻って市長に報告し、このたびの答弁につながっているところでございます。その旨もあわせて訂正をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(鈴木喜明)それでは、斉藤議員の再質問から議事を再開いたします。
(「議長、11番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)11番、斉藤陽一良議員。
○11番(斉藤陽一良議員)まず、政治姿勢の部分で、議会対応についてですが、市長は本質問で触れましたけれども、4月5日の定例記者会見では協議が調ったの一点張りでした。先ほどの副市長の議長からの問いかけに対するお答え、それから、今の訂正の発言を含めて、前議長のおっしゃったことを事実として認められたと、それでよろしいですね。これが政治姿勢の部分の1問目。
議会事務局職員の人事に関して、1名は残してくれと言われたと。もう1名には言及がなかったと。なかっただけで、残さなくてもいいとか、あるいは、動かしてもしようがないとか、そういったニュアンスのいわゆる了承とか了解とかという確認を前議長から副市長はとったのかどうか。これが2問目です。
ただ、言及がなかったと。もう一人は話がなかったというだけでひとり合点というか早合点をしているだけであれば、副市長がそういうふうにひとり合点をしただけだったら、協議が調ったという判断にどんな根拠があるのですか。これが3問目です。そういう早合点、ひとり合点であっても、根拠があるのだ、調ったという根拠があるのだというのだったら、言っていただきたい。なければ、そういう根拠がないのだったら、協議が調ったものと認識しているということはならないです、調っていないのですから。4月5日の定例記者会見の会見、それから、きょうの本質問の答弁、その調ったという関連の部分については全て訂正をしていただきたい。
1月下旬に、市長が前議長と市内某所で会談を持ったと、最初の答弁でも市長がおっしゃっていましたが、これは、市長がもう少し慎重に質問をされていたらこのようなことにはなっていないというような発言をされて、第4回定例会が自然閉会になった。第1回定例会が開けないかもしれない。そういう後始末をどうするかという、そういうためのわざわざ市内某所の会談ですよ。そのときにですよ、そのことと今の人事の話とは何の関係があるのですか。その関係ないことを勝手に口走って、それが議長に打診したのだと無理やりこじつける。とんでもない話ですよ。
副市長にしたところで、正式な協議だということでわざわざアポをとったとか答弁でおっしゃっていましたが、この重要な問題について、この人事の大変な問題について、5分かせいぜい10分足らずですよ、そんな挨拶程度ですよ、これは。そんな程度の話で、これは要するに、これから協議させていただきたいと思いますという挨拶みたいなものですよ。これから始まるというのならわかりますよ。それで終わったのですよ。それが協議ですか。ましてや、協議が調うというのは、話し合って合意に達するということですよ。これで合意に達したのですか。最低限でもこの人は異動させませんとか、この人は異動させますと、これでいいですねと確認しないで合意に達したという話はありますか。協議は調っていないのではないですか。それでも調ったという、もう強弁するのでしたら、どのような状況でその前議長が合意をされたということを確認したのか。言葉でなかったら動作なのか、目くばせなのか、何なのか、それを説明していただきたいと思います。これが5問目です。
現実には、先ほど横田前議長が発言をされたように、副市長の一方的な話に横田前議長は合意していないとおっしゃっているのです。そんな了解した覚えはないよと。一方の当事者が合意していないとおっしゃっているのですから、前議長は合意されていないのに、そのときに、その同じ場面で、副市長がその前議長の言葉とか身ぶりとか、そういったもので合意されたという前議長の意思表示と受け取れるような何かサインを見た。だから自分はこう合意したと言っているのだというものが何かあるのであれば、そのサインなるものを、もしあればですよ、言っていただきたい。これが6問目。
それがないのなら、ひとり合点ですよ。要するに、副市長がひとり合点、早合点をして、合意を得たのだと思い込んで、それを市長に報告したと。そういうひとり合点では協議が調ったとはいえないと思いますが、いかがでしょうか。これが7問目です。
そして、協議が調ったといえないのであれば、きょうの本答弁、先ほども言いましたけれども、きょうの本答弁、それから、4月5日の定例記者会見、市長が調った調ったと何回もおっしゃっています。そういう主張をされた部分、その関連部分について、全て訂正をしていただきたい。訂正をする必要があると思いますが、いかがですか。これが政治姿勢のところの8問目。
次です。財政のことに関して、これまで余り手をかけられなかったもののあおりで、それを市長が頑張ることによって、既存計画にあるのに平成29年度予算に盛り込めなくなったという、そういうものがあるんじゃないですかというふうにお聞きをしました。具体的には余り答弁の中に入ってこなかったのですけども、ややニュアンス的に、28年度から32年度のいわゆる過疎計画、小樽市過疎地域自立促進市町村計画、この28年から32年の部分で、第3号ふ頭及び周辺再開発事業、何回も今定例会でも、きのうも議論になりましたけれども、国際旅客船ターミナルビル整備事業、こういったものは、29年度から30年度実施予定なのですよ。直近の実施は無理などと市長は非常に消極的な発言を繰り返されていますが、既存計画、それも、自分が市長になってから改正してわざわざ計画に追加したのです。そう追加した事業について、おまけに、道とか国とか、これからやりますと、お金をくださいと言っているわけですよ。その舌の根も乾かないうちに、やはりやるのをやめましたと。そんな話はありますか。これは市長の判断ミスでこういうことが起きているのではないかというふうに伺っているわけです。もう一回答弁してください。
高島の話ですけども、行政行為の向こうの要件、重大かつ明白な瑕疵、この重大とはいえないという理由を答弁の中で、多少の誤記程度ならいいというようなことを調べたとおっしゃっていますが、多少の誤記程度のミスではないのですよ、これは。もう一回御答弁をいただきたいと思います。
重大だという場合と重大とはいえないという場合と、場合分けがある、必要だと思います。今回の場合は重大な瑕疵に当たると考えます。もう一回御答弁をいただきたいと思います。
高島でもう1点ですが、一方で、小樽市港湾施設管理使用条例に、それこそ重大な違反をして、現にその違反状態の改善を指導されながら、それに従っていない。そういう事業者が新たに同じ条例に基づく別の場所の登録を申請してきたと。書類上その新たな申請は登録の要件を形式上具備していたとしても、現状、一方で違反状態が改善されていないわけですよ。されていないのに新たな登録を認めるということは、現状の違反状態を許す、あるいは黙認するというふうに考えられませんか。いかがでしょうか。そうであれば、新たな申請は認めるべきではないと考えますが、いかがですか。新たな申請を認めても、別途違反状態については改善を求めていくからいいのだというような考え方は、違反しているその事業者に、その違反状態を改善しなくてもいいのだと。既にもう新たに認められているのだから、従来の違反状態をわざわざ改善するという意欲を減殺することになるのではないですかということを伺います。
それから、公共交通ですけれども、先ほどもありましたが、法定協議会をいつ立ち上げるのか。課題を市内全域で把握するということではなく、銭函地区をモデルにして云々という。私は本質問でも触れたのですけども、銭函地区というところは、交通の面で考えると、小樽市内、いわゆる小樽の中心部と相当状況が違うのですよ。特殊過ぎるのです。市内全域の課題把握のモデルには到底ならないです。銭函地区でその協議会を立ち上げるというのは、それは別途必要かもしれません。それはやっていただきたいのですが、それをやった後で、それから云々という話にはならないでしょう。それから全市的な課題はなんてやっていたら、いつになるかわからないですよ。バス事業者は、現時点で収支が改善できなかったら死活問題なのですよ。一刻の猶予もない。その中で小樽市がそんな悠長なことを言っていたら、市長が何か会談のときに、急がば回れとか、そういうことをおっしゃったそうです。その市長の言葉に対してバス事業者は本当に怒っていますよ。
(「相当怒っているんじゃない」と呼ぶ者あり)
交通の現状を把握しているのか、現状のバス路線をどのように維持するのか、主体者は市なんだという自覚があるのか、そこまで言っていますよ。バス事業者にそこまで言わせる、そういう市長の姿勢というのは許されないと。もう、いわゆる市議会とか市の中で言っている話ではなくて、民間の対外的にそういう情けないことは言わないでいただきたいと思います。
次、除雪についてですが、当初予算に除雪費を一部しか計上していないという部分について、もう既に2シーズン経過しているのです。平成27年度は別ですけども、27年度、28年度、29年度、今、29年度ですよ。その29年度は、除雪費がかからないというのならまた話は別ですが、もうわかり切っているのです。最低10億円、それ以上必要なことがわかっていて、当初予算に計上しないというのは、それこそ議会の予算統制を犯すのではないですか。経費がかかることがわかっていて当初予算に載せないというのは、予算の意義を損なうことになります。10億円計上して、厳密な検証をしたら、あと1億5,000万円かかりますよと。補正するというのならまだわかりますよ。逆ですからね。1億5,700万円しか計上しておかないで、後から10億円という話はありますか。財源不足隠しだと言われても言いわけできないのではないですか。
それと、もう1点です。貸出ダンプについてですけれども、制度の目的は町会等の除雪負担の軽減なのですよ。そうだとすれば、今回の見直しというのは、市長はいろいろな理由をつけていますが、町会等に大きな負担を増加させました。これは目的から見て逆行ではないですか。拡大解釈だ云々だと言う前に、そもそもそれが目的で始めたのではないのかと。拡大解釈ではなくて、目的に沿った制度改善が行われてきたのですよ。そういうことではないですか。
以上、再質問いたします。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(2分経過)
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
○市長(森井秀明)斉藤議員の再質問にお答えをいたします。私から答弁したこと以外におきましては各担当より答弁させていただきますので、よろしくお願いいたします。
まず、私からは、議会対応のことにおきまして、私の記者会見において、協議が調ったと一点張りでなかったかと。それは、先ほど前議長がお話ししたことも含めて、違いがあるのではないかという御指摘だったかと思います。
私といたしましては、先ほど副市長からもお話がありましたように、副市長の中で前議長とその協議をさせていただき、その意向も含めて受け取り、それが調ったという認識で私に説明をしているところでございます。そのことを前提に内示等も含めて行っていたことから、それに対し、前議長から出向に対しての拒否が起きたということにおいては、私としては非常に驚いたところでございます。ですから、先ほど答弁させていただいたとおり、その協議は調っているという前提のもとで、その発言をさせていただいたところでございますので、前議長の言葉そのものは私と認識が違うと思っておりますので、私自身の認識がこのように考えておりますから、前議長の言葉そのものを認めたということではございません。
それとですね。
(発言する者あり)
いや、違う答弁にはなっておりません。それについても改めて、不規則発言に対して説明するのはおかしいかもしれませんが、改めて説明いたしますけど、前議長自身と副市長自身は、お話しされたことについては同じ考え方であったというふうに思っております。しかしながら、それぞれそのときに受けとめた考え、認識は違ったと思っております。ですから、前議長自身はそれが事実だというふうに思われているかと思いますけれども、我々としてはそれは考え方が違ったということで、前議長自身の言葉について認識が違うということから、そのこと自体を認めているわけではありません。
それともう一つ、私からは、私自身と前議長が直接お話をさせていただいた、事前打診をさせていただいたのは、おっしゃるように、そのことのためにお会いするということでお話の場を設定したわけではございません。おっしゃるように、再開に向けた協議に対してすみません言葉に少々正確性がありません。第1回定例会の再開に向けて議長と私と打ち合わせをするという機会を設けていただきまして、その場においては、それが本質のお話の場でございました。ただ、私はそのときに、そのお話に入る前に、市の事情、いわゆる人事の件において、もうお話がそのように出ていたものですから、先にそのお話に入る前に、そのことを先にお伝えさせてくださいという前置きをさせていただいて、その説明をさせていただいたということでございます。
それで、関係ないことを打診した中で、そのことを何というんですか、ないがしろにしてお話をしているわけではなくて、会議の内容については別の内容ではありましたけれども、そのお話が始まる前に事前にそのことをお伝えしたいということで、その会議が始まる前に事前に打診をさせていただいたということで、ないがしろにしているわけではなく、そのことを事前にお伝えすることは、なかなか前議長もお忙しくて、お時間を許されないということもありますから、そのような機会、恐縮ですけれども時間をいただいて、事前にお話をさせていただいたということでございます。
それと、余り手をかけられてこなかったものに重点を置き過ぎて、本来既存計画のものが盛り込めなかった、その判断ミスではないかという御指摘であったかと思いますけれども、私自身はそのようには思っておりません。これまで余り手をかけられてこなかったものにおいては、市民の皆様のニーズであったり、実際に不便をかけている状況等があり、それについては一刻も早く改善を図らなければならないという考え方もありました。ですので、これについては、その計画においてのほかの進行度合いとはまた別にしっかり行わなければならないということで、予算化をさせていただいたところでございます。そして、その計画に盛り込まれているものに対して手をつけなかったこと、いわゆるそちらを先行したことにおいて判断ミスがあったのではないかという御指摘でありますが、私自身はそのように思ってはおりません。必要な措置であったと考えているところでございます。
それから、公共交通における法定協議会をいつ立ち上げるのかという御質問もあったかと思います。これについては、先ほども佐々木議員のときにも答弁させていただきましたけれども、その法定協議会の設立に向けて動き始めているところではございますが、やはり、その体制も含めて、まだはっきりとした目安が見えていないところでございます。できる限り一日も早く早急に立ち上げたいという思いはありますけれども、現時点でそれを具体的な日として表現ができませんので、そこについては御理解をいただければと思っているところでございます。
それと、除雪費についてでございます。かかることがわかっているのに一部しか載せないことにおいては、財源不足隠しを続けることにつながっているのではないかという御指摘があったかと思います。私はそのような意図を持って行っているわけではありませんし、第1回定例会当初から第3回定例会に取り上げたいというお話もさせていただき、それにおいては10億円程度かかるのではないかということも既にお話をしております。しかしながら、この検証をしっかりして、その精度を高めて、また、今、取り組んでおります新たな取り組みにおきましてもどれほど加えるのかということにおいても、第1回定例会段階においてはまだお示しできない状況でありましたから、ですから、その検証をし、その課題等の整理、さらには、新たな取り組みを含めて議員の皆様にお示しをした上で予算化をすることが今年度においては重要であろうということから、第3回定例会で掲げさせていただきたいというふうに御説明させていただいておりますので、それをもって財源不足を隠しているということには当たらないと私自身は思っているところでございます。
もう1点、貸出ダンプにおいて、目的に沿った制度の改善だったのかと。それによって不便が生じたところがあっただろう。それは目的とは逆行しているのではないかという御指摘もあったかと思います。この改善においては、先ほども答弁させていただきましたけれども、長年運用される中で、やはり特例が拡大解釈をされまして、本来の対象外である道路以外の雪であったり、排雪や必要以上に作業日数を多く申請するケースが見られるようになったこと。そのことから、やはり改善を図らなければならない、このように考え、判断をしたところでございます。
実際に、平成26年度においてその課題が多々見受けられ、市として7,000万円で貸出ダンプの予算を組んでいる中で、結果、それが1億5,000万円を超える予算執行となったという状況。その26年度において、先ほど説明させていただいたように、ダンプトラックに伴う回数が異常な状態であったりとか、または、過小に積み込んでいるような事実、やはり、そのような状況も含めて改善を図っていかなければならない、そのようなことも含めて制度改正を行ったところでございます。
私といたしましても、斉藤議員がおっしゃるように、この制度におきましては、やはり市民の皆様と市のほうで協働をすることで、その排雪の業務に伴う負担の軽減を図っていくという重要な目的があると思っているところでございます。私といたしましても、今後においてそれがしっかり適切に、そして、効率よく運営されることによって、市民の皆様の目的が果たせる、そういう制度設計を行ってまいりたいと思っておりますので、今まで改善を図ってきたことも含めて、そのような目的で行っているということで理解をしていただければと思いますので、よろしくお願いをいたします。
(発言する者あり)
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)副市長。
○副市長(上林猛)斉藤議員の再質問にお答えいたします。
私は、人事の件に関して何点かありましたが、ほとんどが大体同じようなことで聞かれているのかなと思うのは、まず一つは、人事協議ということでアポイントをとって時間をいただいて、きょうは人事のことで参りましたということから会談が始まりました。
その中で、私のほうは、今回は人事のことですので、個人的なことを詳しくは申し上げられませんけれども、2人について異動させたいと。それから、1人については勤続年数も長いので、もうそろそろ私どものほうでいただきたい。それから、もう1人は、上司との兼ね合いで、次の年度に上司が退職するということもあるので、ことし残せば、またさらに長くなると。年齢的なことを考えたら、そろそろ出したほうがいいのではないかと、そういう話をこちらから提案という形で実施、その後、横田前議長から、1人は、私の記憶で言えば、これだけは残してほしいという趣旨の発言がるるありまして、もう一方の方の話はなかったというふうに記憶しております。
そういう状況でございましたので、私の理解とすれば、2人を提案し、1人を残せばこれで話し合いが成立した、理解が得られたというふうに私自身は理解をしております。その意味で、確認はとったのかということで言えば、内示までは特に私から確認をすることはございませんでした。また、前議長からも、特段このことに関してのお話は、その間はなかったものと記憶しております。したがいまして、何点かの質問が大体同じ内容だったと思いますが、そういう経過があって、私とすれば協議が調ったというふうに理解をし、そのように市長に報告をしたものでございます。ひとり合点ではないかということでございますが、私は、その話の内容から、私自身が勝手に根も葉もないひとり合点の理解というふうには私自身は思っておりません。したがって、協議が調っていないので訂正をしてほしいということについて、私どもはそのようには考えてございません。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)産業港湾部長。
○産業港湾部長(中野弘章)斉藤議員の再質問にお答えいたします。私からは、高島の観光船事業にかかわる部分で2点御質問がございましたので、この2点について答弁させていただきます。
まず、係船環の設置に伴う工作物等施工許可申請につきましては、護岸の登録に伴いまして、この船を適切に係留するための施設を整備するということで許可したものでありまして、施工期間の部分では確かに明白な瑕疵ということで、許可日より本来60日というところを、施工後60日という明らかに間違った記載がありましたけれども、許可条件の中ではこの部分は重大な要素ではないということで判断いたしまして、先ほどのように答弁したところでございます。
それから、もう1点でございますけれども、港湾施設管理条例違反の改善がなく、新たなところにまた護岸登録をしているという部分で、現状でこういう状況を許すということになるのではないかということ。それから、新たに改善するという意欲を減退させるのではないかということでございますけれども、そのようなことがないように、これからも粘り強くきちんと指導していきたいと考えているところでございます。
○議長(鈴木喜明)あと、説明員の答弁はありませんか。
確認したいのですけれども、斉藤陽一良議員、バス事業者にそこまで発言させるのはいかがなものかとありますが、これは質問ではないと。
○11番(斉藤陽一良議員)質問です。
(「要望じゃん」と呼ぶ者あり)
(「要望のわけないでしょう」と呼ぶ者あり)
要望ではない、質問です。
○議長(鈴木喜明)これが抜けています。説明員、答弁を。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
○市長(森井秀明)御質問だったということで、先ほどはそんなことは言わないでほしいというお話だったので、要望として受けとめていたものですから、大変失礼をいたしました。
この点につきましては、先ほども佐々木議員のときにも少し、答弁させていただいたところでございますけれども、やはり、市として、その法定協議会の設置に向けた体制づくりも含めて、今、取り組んでいるところでございます。今、その体制が整わない中で法定協議会ありきで物事が進んで、結果壊れてしまう。結果、その運営の継続性が保たれない、そのような状況になってしまった場合においては、その後により時間がかかり、また、その効果が最大限見込めない状況になった場合においては、慌てて行ったとしてもうまくいかないのではないかという考えでのもとで、急がば回れという表現をしたところでございます。
そして、そんなことを言わないでほしいというお話がありましたけれども、しかしながら、現在、その法定協議会を立ち上げる、または、網計画の策定に向けて、やはり市としてしっかりと情報収集をし、その体制をつくって、その準備をし、そのノウハウも含めて身につけていかなければならないと思っているところでございます。それには、今、銭函を少し先行させて取り組むということでお話をさせていただいておりますけれども、その中でしっかりと経験を得て、やはり小樽市内において、この公共交通においては非常に長きにわたって取り組み、そして、全市内を網羅されている状況です。これを市役所職員自身が、その状況について把握をできない中でいきなり踏み込むということにおいては、非常にハードルの高いことであると思っておりますので……。
(発言する者あり)
小樽市内においてのバス路線において、銭函地域は小樽市域と必ずしもリンクをしているわけではなくて、少し、独立しているエリアということもあって、その地域からまず着手をし、そこでしっかりとした、中央バスはもちろんのこと、その公共交通関係者であったり、市民の皆様からの情報収集、さらには、その地域における実情等も把握できるその体制づくり、また、その準備の仕方も含めて経験をさせていただいた上で、次のステップとしてその全体に対して踏み込んでまいりたい、このように考えていることからお話をさせていただいたところでございますので、そのようなことを言わないでほしいという御指摘がありましたけれども、その意図のもとでの発言でございますので、これからもその視点を持って、中央バスに限らずですけれども、議員の皆様も含めて説明をしながら進めてまいりたい、このように考えているところでございます。
○議長(鈴木喜明)斉藤陽一良議員に確認をします。再質問の答弁で漏れはありませんか。
(「議長、11番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)11番、斉藤陽一良議員。
○11番(斉藤陽一良議員)先ほどの1問目、2問目と、政治姿勢の部分で順番をつけて伺ったのですが、その中の3問目、ひとり合点、早合点をしているだけなんじゃないかと。
○議長(鈴木喜明)そうではないということで。
○11番(斉藤陽一良議員)だから、そうではないと言うのだったら、協議が調ったと言うのだったら、その判断にどういう根拠があるんだ、こういう根拠があるから言っているんだという根拠を示してくれと言ったのですが、何ら根拠は示されていません。
それと、副市長の答弁で、合意を確認したのかと。何か確認したのか、していないのか、非常に曖昧な言い方なんですが、理解されたという印象を持ったみたいな言い方を副市長はされますけども、では、そういう印象というのは、どのような状況でそういう合意をされたというふうに受け取られるような確認をしたのか。そのとき合意をしたと副市長が見た横田前議長の言葉ぶり、あるいは身ぶり、目つき、そういったあらゆるサインの中で、副市長がそれで合意をされたのだと受け取る、何か合理的なそういうサインがあったのか。だから合意したのだというふうに受け取って、市長に協議が調いましたという報告をされたのであれば、その具体的などういう事実、どういうサインがあったのか。それを言わなかったら合意したのだと、そういう印象を受けました、そういう理解をしましたというのは、単なる副市長の印象でしかないです。事実ではないです。それをきちんと言っていただきたい。
○議長(鈴木喜明)副市長にもう一度お尋ねしますけれども、先ほど、こうこうこうでひとり合点ではないが、確認はしていないというふうに私は聞いたのですけれども、もう一度今の点、明確に答えられるなら答えていただきたいと思います。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)副市長。
○副市長(上林猛)早合点でないという根拠でございますが、先ほども私から説明いたしましたが、2名の異動をそれぞれの事情を説明しながら異動させるということで説明し、前議長からは、これだけはどうしても残してほしいという話でございましたので、私の理解とすれば、一方だけは残してほしいということであれば、一方について、その後も何も話がなかったので、これだけはいうことであれば一方はいいというふうに理解したものでございますので、それは話のやりとりの中での感触でございますので、私はそのように。根拠といえば、多数いるうちの何人かでなくて、2人のうちの1人、これだけはということは、残る1人は言及なければということで、私の根拠といえばそれが根拠でございますし、先ほどの確認という意味で言えば、その後、3月上旬にそういう協議をした後、内示までは確認ということは私はしていませんということでお答えをしたとおりでございますし、その間また、前議長からも特段この人事についてはお話がございませんでした。
(「議長、11番」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)11番、斉藤陽一良議員。
○11番(斉藤陽一良議員)再々質問をさせていただきます。
絞って伺いますが、全く今の話は納得できません。これだけはと議長がそうおっしゃったので、じゃあ、他方はいいんだと。それは推量ですよね。一方、Aは、これだけはと言って言及されたと。もう一方については言及がないですよね、Bは。言及がないからいいのだというのは、副市長の推量にすぎないのではないですか。言葉に出して、Aはこうですと。Bはいいですとか、Bはしようがないとか、そういうBについての発言を確認しないで、Aについてだけ発言があったから、Bはどうでもいいのだという話にはならないはずです。この重大な人事にかかわる、人の一生を左右するのですよ、これは。その一生を左右することをそんな当て推量で、こちらは言われたから、これは言われなかったからいいのだと、そんなでたらめと言ったら失礼ですけども、そういうやり方は、一つの市の副市長のという立場の方が、ましてやこの人事ということにかかわってやるべきことではないのではないですか。後から、だから、確認をしなかったから、今、こういう問題になっているのですよ。こういう重大な問題なのですよ、そもそも。それを、これは調った、協議が調ったと強弁できませんよ、これは。どう考えたって、誰がどう見たって、協議なんて調っていないよねと言いますよ。
(「調っていない」と発言する者あり)
それを、自分の印象で、こういうふうな理解を前議長がされたのではないかという印象で市長に協議が調いましたと言うのは、人事の交渉に当たっている副市長として、許されないミスです。これはどうしてもお認めいただけなければ納得できません。この議会の議論の中でいろいろな人が聞いていますけれども、それはミスだったと、副市長は認めるべきだと、そういうふうに思います。
あと、もう1点は、許可条件のことで重大でなかったと言い張っていますけれども、単なる誤記程度のことであれば、数字を間違ったとか日にちを間違った、そういう、月を間違ったとか、そういったことであれば、それは重大ではないです、確かに。ところが、意味不明なのですよ。読み取れないのですよ。期限がいつなのかがわからない。結局、期限はいつやりますということを書いていないと同じというか、実際書いていないのです。期間の表示がないのです。期間の表示がない許可というのは、これは重大ですよ。明白でもあるし重大でもあります。だから、無効ですよ、そもそも。これを無効ではないと言い張る、それもおかしいですよ。全く理解できません。
それと、銭函地区の公共交通の件ですけれども、銭函地区を少し先行させて、その経験を何か全市的に生かすのだというニュアンスで、先ほど市長が答弁されましたけれども、先ほどから言っているように、銭函の状況というのは特殊なんです。小樽市の中でも、札幌市手稲区と非常に密接であって、そういう交通状況の中、市内のいわゆる市内線という、そういうバスが走ってこないと言ってみんなが困っているわけですから、そういう地域の問題と、市内全域のどちらかというと中心部の話と一緒にして、銭函を先にやるから、その経験を生かして云々という話にはならないのです。まず早急に協議会を立ち上げて、その立ち上げた協議会の中でしっかり議論すればいいのではないですか。バス事業者の意向だとか地域の意見だとか、その協議会の中で聞けばいいのではないですか。なぜ渋っているのですか。そこをきちんと答えていただきたい。
○議長(鈴木喜明)説明員の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)副市長。
○副市長(上林猛)斉藤議員の再々質問にお答えいたします。
ひとりよがりでないかと、早合点ではないかということでございますが、当時、前議長と私の2人の会話の中では、2名のそれぞれの事情を詳しく説明した中で、1人だけは、これだけは何とか残してくれということでありますので、そのほかさまざまな話もいたしましたけれども、その全体の話の中で、私はこの1人を残せば了解を得られたということで、私自身とすれば確証を得たものでございますので、早合点だと言われるのは私にとっては非常に心外でございまして、私とすれば、確実にそのように理解を、会話の中でそのように理解したものでございます。これは、当事者として間違いなくそのように確証を得たと、自信を持って私は言いたいと思います。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)市長。
○市長(森井秀明)斉藤議員の再々質問にお答えいたします。私からは1点答弁させていただきます。
銭函地区においての地域特性としては特殊過ぎるという御指摘かと思います。市内線が走ってこないということで不便を感じているというお話もありました。
私自身といたしましては、おっしゃるように、市内線が走ってこないという、いわゆる小樽駅中心部と銭函駅においては、その公共交通においてつながっていない、つまり、独立しているエリアだという認識を持っております。そして、その中で銭函という地域においては、銭函駅、または、小樽市ではありませんけれども、ほしみ駅等があって、その駅を中心としたまちづくりというふうになっております。
その中で、駅からも離れた遠方もあり、実際に、現状においてはバス路線の走っていないエリア等もあります。つまり、小樽市地域全体を見渡しますと、やはり、小樽駅を中心として離れた地域、先ほども御指摘がありましたけれども、いわゆるバス自体が行き届いて切れていないエリア等もあってという、そのような御指摘もありましたが、そのように、私は、銭函という地域が小樽全体から見ると、小さい形で似通った問題点をはらんでいるのではないかなと認識をしているところでございます。
この銭函駅を中心とした交通網の体系に対して、現在走っている路線に限らず、公共交通のあり方、まちづくりとあわせて、全体としてネットワークを面的に考えていかなければならないということを、そのエリアをモデルとしてしっかり経験をして、それを形にしていくことは、先々において、このように複雑化している小樽駅を中心とした公共交通の取り組み、面的に改善を図っていくための十分に得られる経験になっていくのではないかと思っているところでございます。ですので、御指摘のように、銭函地区における取り組みによって全体を把握できるということではなくて、その公共交通における面的なネットワークに対しての網計画の策定というノウハウにおいて、先々、全体的にやったときに、その経験が生かされるのではないかという認識のもとで御答弁をさせていただいたということで、御理解をいただければと思います。
(発言する者あり)
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木喜明)産業港湾部長。
○産業港湾部長(中野弘章)斉藤議員の再々質問にお答えいたします。
単なる日付の期限がではなくて、この誤記につきましては非常に重要な部分だというような御指摘でございますけれども、以前にも顧問弁護士の見解ということで議会で答弁したことがございますが、その中では、この期間の部分については、多少の誤記があっても有効なものとして扱っても解釈していいという見解を得ております。それにつきましては、先ほど私が御説明したとおり、このたびの許可の部分が、係船環設置に伴う工作物の施工許可でございますけども、護岸の登録に伴って船を適切に係留するための施設、これが係船に当たっての条件というふうにもなっておりますので、その部分が重要な部分だというふうに考えておりますので、先ほど御答弁したとおり、今回の許可条件の中で、日付の誤りの部分は重大な要素ではないというふうに判断したものでございます。
○議長(鈴木喜明)以上をもって会派代表質問を終結し、本日はこれをもって延会いたします。
散会午後8時13分
会議録署名議員
小樽市議会議長鈴木喜明
議員秋元智憲
議員髙橋龍