開議午後1時00分
○議長(横田久俊)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、酒井隆裕議員、林下孤芳議員を御指名いたします。
この際、理事者から発言の申出がありますので、これを許します。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)総務部長。
○総務部長(小鷹孝一)発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
答弁の訂正について申し上げます。
昨日の共産党の小貫議員の代表質問の再質問におきまして、参与の報酬についての私の答弁の中で、再任用職員のフルタイムでの共済費の事業主負担分の金額が三十数万円で、年収と合わせて市の負担は三百三十数万円程度と答弁いたしましたが、正しくは事業主負担分が六十数万円程度ですので、合わせて市の負担は三百六十数万円程度ということに訂正をさせていただきたいと思います。
また、再々質問におきまして、小貫議員がこの三百三十数万円程度という数字を引用して発言しております。小貫議員には確認済みでありますので、これについてもあわせて措置をいただければと考えております。
今後とも答弁には正確を期すよう努めてまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
○議長(横田久俊)日程第1「議案第1号ないし第26号」を一括議題といたします。
これより、昨日に引き続き、会派代表質問を行います。
通告がありますので、順次、発言を許します。
(「議長、9番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)9番、松田優子議員。
(9番松田優子議員登壇)(拍手)
○9番(松田優子議員)平成27年第3回定例会に当たり、公明党を代表して質問させていただきます。市長、理事者の皆様、よろしくお願いいたします。
最初に、副市長の選任について伺います。
地方自治法第161条では、副市町村長の設置が定められ、置かないと条例で定められている場合を除き設置しなければならず、定数も条例で定められています。法の解説では、副市長は市長を補佐し、その補助機関の職員の担任する事務を監督するとされているとともに、第152条第1項では、長の職務を代理する重要な機関であるとされています。このような重要な機関である副市長が空席である期間の影響を市長はどのように考えているのか、見解を伺います。
次に、これまでの市長の発言について確認しますと、本年4月30日の就任挨拶の記者会見で、「5月の下旬に臨時議会があると思われますので、それまでにまとめなければならないのではないかと思いますが、いつ頃までに副市長人事をやりたいと思っていらっしゃいますか」との記者の質問には、「間に合うように取り組みたいと思っています」と回答されています。その第1回臨時会では、「市長に就任して以来、人選には熟慮に熟慮を重ねてきたところでございますけれども、最終的な判断に至ることができず、この臨時会での提案は見送りをさせていただくことといたしました」「第2回定例会までには提案をさせていただくべく鋭意検討を重ねてまいります」と発言し、5月28日の記者会見では、「内部も外部も可能性を消さないようにしています。さまざまな方がいらっしゃいますので、選ぶにしても絞るのが大変です。庁内だけでもたくさんいますし、国であったりその他さまざまな所とやり取りもしている中で、相手方の都合もありますが、私も「この人で」という方をきちんと選びたいと思っています」と述べています。以上の発言を踏まえ、これまでの副市長の人選の経緯について何点か伺います。
さきに引用した内容で「庁内だけでもたくさんいます」とありましたが、何人の方を選考し、要請されたのか、お示しください。
また、「国であったりその他さまざまな所とやり取りもしている」とありましたが、この内容と結果についてお答えください。
さらに、副市長の人選について、これまでどのような基準で人選し、判断されてきたのか、判断基準をお示しください。
さて、今回提案された副市長人事は、議会に具体的な説明もないまま、8月27日付けの北海道新聞に記事が掲載されました。これは明らかに議会軽視であり、情報管理の脆弱さが露呈したものと受け止めています。この件について、今後の対策も含め、市長の見解を伺います。
我が会派への説明で、市長は今回の人選はこれまでの経緯と全く違う人物というお話でしたが、提案に至るまでの経緯について、時系列的にお示しください。
また、さきの引用の続きで、「相手方の都合もありますが、私も「この人で」という方をきちんと選びたい」との発言もありました。今回、この人でと判断した理由、さらに判断に至る人物理解はどこまでされてきたのか、そして人選された方はどのような考えで市長のお話を受けたのか、見解を伺います。
今回提案された中村氏は、市職員OBで、平成23年の政治資金規正法違反により、公民権停止と罰金の刑事処分を受けた元部長職の方です。市長は前市長の5者連合体制をしがらみと批判し、政治資金規正法違反事件も同様に批判してきたのですから、今回の人選はどのように考えても整合性がありません。市長が自身の後援会幹部を参与に異常な形で起用した時点から、考え方が変わったのでしょうか。全く理解できません。
先日も、複数の市民の方から、なぜ政治資金規正法違反事件の関係者が副市長になるのかという厳しい御意見の電話がありました。市長に投票された方々に対し裏切り行為になるのではないかと考えますが、市長はこの方々にどのように説明するのでしょうか。
これらについて、誰にでもわかるように、それぞれ具体的に、納得できる説明をしていただきたいと思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)松田議員の御質問にお答えをいたします。
ただいま、副市長の選任について御質問がありました。
初めに、副市長の空席期間の影響につきましては、私と職員とをつなぐ役割のほか、庁内の委員会の中には副市長が統括するものが多くございますので、かなりの影響があると考えております。私といたしましても、副市長の存在の重要性については認識をしておりますので、少しでも早く現在の空席状況を解消したいと考えております。
次に、副市長人選の経緯についてですが、まず庁内から何人を選考し、要請したか、国やその他の機関とのやりとりの内容と結果につきましては、庁内の職員に影響する懸念もあり、また、相手方との関係もございますので、答弁は差し控えさせていただきます。
次に、副市長の人選についての判断基準につきましては、私としては、行政経験の豊富な方が適任であると考えておりますので、まず、行政機関での業務経験のある方の中から人選を進めてきたものでございます。また、私の公約実現に向けて、市職員とのつなぎ役となって調整していただける方がふさわしいものと考えております。
次に、議会への説明前に副市長の記事が掲載されたことにつきましては、副市長についての情報の取扱いには、私としても細心の注意を払っておりました。報道機関がどのような手段で情報を入手されたのかは不明ですが、結果として議会への説明前に報道されることとなりました。今後、情報の管理については、さらに徹底するように努めるとともに、原因究明のための調査を検討してまいりたいと考えております。
次に、提案に至るまでの経緯につきましては、私は行政経験の豊富な方が適任であると基本的に考えておりましたので、行政機関での経験のある方に絞って人選を進めておりましたところ、在職中すぐれた行政手腕を発揮されておりました中村氏のことに考えが及び、直接お会いし、就任の可能性について打診し、了承をいただいたということでございます。
次に、副市長提案の市民説明についてですが、まず、副市長に適任であると判断した理由と人物の理解につきましては、中村氏は市役所に在職中、さまざまな部署を経験され、また、すぐれた知識と能力を持っており、私の公約実現に向けて、市職員とのつなぎ役として、山積する課題を解消し、市民の皆様の期待に応えるには最も適任な方であると考えたものであります。
また、中村氏がどのような考えで受けたかにつきましては、御本人からは、私の市政に対する思いを職員に反映させていく調整役として取り組むとともに、私の公約の実現に向けて具体的な取組に結びつけていくことが役割であるというお話を受けております。また、市民の皆様と、そして職員のために働く覚悟はできているとも伺っております。
次に、政治資金規正法違反事件の関係者を副市長にしたことを私に投票した方にどのように説明するかにつきましては、政治資金規正法違反問題については、この4年の間に議会の場での追及や、さらには警察や裁判において厳格な処分を受け、それを全うされた方々に対して、重ねて追及する考えはありません。あくまで、それにかかわっていたかいないか、私を応援してくれていたかいないかではなくて、市民の皆様の期待に応えるべく、公約の実現に向け、それを理解して役割を果たしていただくということを第一に考え、中村氏が適任であると判断したところであります。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、9番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)9番、松田優子議員。
(9番松田優子議員登壇)
○9番(松田優子議員)2項目め、参与について伺います。
参与については、本年6月10日から任用しましたが、この参与の任用については、我が党をはじめ各会派より、さまざまな角度から疑問の声が上がりました。規則や条例にもない非常勤の嘱託員としての身分について、何の権限もないのに調整役としての職務内容、調整役と言いながら勤務時間が定められ、時間外勤務が認められない勤務形態、算出根拠が曖昧な報酬額の決定に加え、予算づけもされないままの任用、ひいては御自身の元後援会にいた方の任用であり、論功行賞ととられかねないなど、挙げたら切りがありませんが、そういった指摘を受け、任用に不備があったことをお認めになった上で、その身分の取扱いを変更することにしたのか、なぜ嘱託員の参与ではいけなかったのか、なぜ任用のままではだめなのか、まず伺います。
参与設置規則(案)と現在の参与を比較すると、身分から職務内容、雇用形態、勤務形態等全て変わっています。この規則は10月1日から施行となっていますが、新たな参与が委嘱された後は、現在の嘱託員としての参与のポストは廃止されると考えられるのか、御見解をお聞かせください。
また、このたびの参与設置規則(案)の内容についても伺います。
歴代市長の職務を補佐してきたのが助役であり、副市長です。森井市長は就任以来、副市長が不在でしたので、参与が必要だったかもしれませんが、副市長が配置されたなら、参与は必要ないのではないかと思います。副市長と参与の違いについて、副市長は指揮命令系統に組み込まれ、権限を有するのに対し、参与はアドバイザーとして指揮命令系統には組み込まれず、権限を有しないと説明しています。しかし、歴代市長は参与がいなくても、その職務を全うしてまいりました。また、市長は就任後の人事異動は適材適所に努めたというのであるならば、その職員を信用されてもいいのではないでしょうか。御見解をお聞かせください。
また、職務についてですが、「市長及びその補助機関の求めに応じ、会議等に出席し、必要に応じ市長の意向を踏まえた意見の陳述等により当該補助機関を補助する」とあります。今回の規則案の制定により、勤務時間の定めもないなら、夜間、土日、祝祭日の会議の出席もあり得るということでしょうか。これはどういうことを想定しているのか、お示しください。
次に、参与の報酬月額の算出根拠が、再任用国家公務員の管区機関の課長補佐級の給料月額などを参考にしたとありますが、なぜ国家公務員と同一の位置づけになるのでしょうか。市の再任用職員の位置づけと同様ではだめなのでしょうか。国家公務員の管区機関課長補佐級を位置づけとしたのは、豊富な知識を有しているからだと説明されました。参与は元技術職員ですから技術的な面では豊富かもしれませんが、市長が求められている行政全般にわたる豊富な行政手腕を有するとは言えないのではないでしょうか。市長の言う参与の委嘱基準は、除雪の専門知識ということでしょうか。以前と比べて、新たな非常勤の参与は月額単価が下がったのだからいいというものではありません。
要するに、初めから根拠も曖昧で、採用ありきで行ったという感が否めません。
(「そうだ」と呼ぶ者あり)
小樽市報酬、費用弁償及び実費弁償条例別表に既に規定のある非常勤職員の顧問と同等の10万円以内とするのが妥当ではないかと思いますが、御所見をお示しください。
(「そうだ」と呼ぶ者あり)
(「よし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)ただいま、参与についての御質問がありました。
初めに、規則案制定の理由についてですが、まず、参与の身分について、なぜその取扱いを変更したかにつきましては、第2回定例会の議論の中でも、規則を設置するなどして、その位置づけを明確にすべきという御指摘もあり、また、勤務時間の制約を取り除いて、本来期待されている仕事がより発揮できるように見直すこととしました。任用の点において不備があったとは認識をしておりません。
次に、新たな参与が委嘱された後は、現在の嘱託員としての参与のポストは廃止されると考えるのかという点につきましては、今定例会において議案の可決をいただいた後に、参与設置規則による委嘱をする予定であります。身分において、嘱託員である参与から非常勤の参与となり、報酬額も議案として提出させていただいた額となるわけで、新たな制度への乗換えという認識であります。可決された段階で、現在の参与は廃止する考えであります。
次に、参与の必要性、副市長や職員との関係につきましては、副市長は市長を補佐し、市長の命を受けて政策、企画をつかさどり、職員の事務を監督することとされ、また、補助機関である職員は、市長の職務を補助するために日常的な事務を遂行するものであります。これに対し、参与は市長の政策アドバイザーで、また、職員の求めに応じ調査及び助言を行う役目であり、副市長に伴う業務は一切含まれておりません。私にとって、市民の皆様とお約束をした公約の実現に向けて必要な人材であるとともに、必要な体制であると考えております。
次に、参与の職務についてですが、参与の職務内容及び勤務時間につきましては、あくまで、市長や補助機関である職員から求められた場合において、会議等に出席して、政策アドバイザーの立場から市長の意向を踏まえた意見を申し上げることがあるということであり、その意見は指揮命令権限によるものではなく、職員を補助するためのものであります。
また、勤務時間に関しましては、市長や職員に求められた場合には、どのようなときであっても、会議への出席もあり得るものと考えております。
次に、参与の報酬月額の算出根拠についてですが、まず、なぜ国家公務員と同一の位置づけになるのか、市の再任用職員の位置づけと同様ではだめなのかにつきましては、本市では一般職の職員につきましては、国の給料表に準拠しているところであり、再任用職員についても同様であります。ただ、現状では、再任用は一般職での任用しか想定しておりませんので、管理職相当の給料表は規定されておりません。
したがいまして、参与については、職員同様、国の給料表に準拠しつつも、市長直轄のアドバイザーという重責を踏まえ、国の再任用職員の管理職の給与としたもので、その中で最低レベルの俸給月額、それと合わせて支給される最低レベルの管理職手当相当額を加算したものであります。この金額から1日単価を算出し、これに市長の登庁日の平均日数を乗じた額を報酬月額としたものでございます。
次に、参与の委嘱基準につきましては、私の公約実現に向けた市政全般に係るアドバイザーを想定したものですが、除排雪の改善は公約の中でも重要な項目の一つであると考えております。専門分野である土木行政のみならず、市政全般にかかわるアドバイザーという位置づけであります。
また、報酬額は顧問と同等の10万円以内が妥当であるという考えにつきましては、顧問は個別の案件について、都度、意見、助言等をいただいておりますが、参与は基本的に出勤し、業務をしていただいているので、顧問と同等の報酬額がふさわしいとは考えておりません。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、9番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)9番、松田優子議員。
(9番松田優子議員登壇)
○9番(松田優子議員)3項目め、地方創生の取組について伺います。
昨年11月末に国が施行したまち・ひと・しごと創生法に基づき、地方自治体にも地方版総合戦略の策定が努力義務とされました。
地方版総合戦略とは、人口の将来展望である人口ビジョンと、それを基に新たな雇用創出や移住促進、安心な暮らしの確保など、地域の特性に応じて具体的な施策と目標を盛り込んだもので、本市でも、現在、その策定に向け、進んでおります。
そこで、これに関連して何点か伺います。
国においては、地方みずからが考え、責任を持って戦略を推進するように、多様な支援を切れ目なく支援する制度をつくりましたが、小樽市では、市町村の要望に応じ、当該地域に愛着、関心を持つ意欲ある府省庁の職員を相談窓口として選任する地方創生コンシェルジュ制度に応募していると、中松前市長は第1回定例会の代表質問に立った我が党の高橋克幸議員に答弁されています。これについて、市長が替わっても引き続き応募は継続されているのでしょうか。
また、応募結果はいつわかるのでしょうか、伺います。
その戦略策定に向けた検討を進める上で、市では、人口対策庁内検討会議、小樽市人口対策会議を立ち上げました。当初は産官学等で構成された小樽市人口対策会議ですが、平成27年1月に国が取りまとめた地方版総合戦略策定のための手引きにより、幅広い年齢層から成る住民をはじめ、金融機関、労働団体、メディアなどが参画することが有効とされていることから、6月11日に開催された第3回小樽市人口対策会議において、金融機関、労働組合などからアドバイザーを招聘し、メディア及び一般市民に会議を公開することが全員一致で承認されたといいます。しかし、もう既に3回が終了し、開催予定回数の5回まで、残り2回しかありません。正式な委員ではなくアドバイザーとしたのはこのためでしょうか、伺います。
国勢調査によれば、小樽市の昼夜間人口比率は近年100パーセントを超え、それは年々増加しており、それはインフラの整備が順調に進まない一方、アクセスが向上し、本市に住まないで通勤・通学する人が多いということです。
これまで小樽市には、国立の小樽商科大学をはじめ私立の小樽短期大学、北海道薬科大学、そして北海道職業能力開発大学校など多くの学校が存在し、その通学のために市外から転入してくる学生も多かったように思いますが、2008年に小樽短期大学は閉校し、本年4月には北海道薬科大学はキャンパスを市外に移転しました。そのため、銭函・桂岡にあった薬科大学生を対象にした下宿やアパートはその役目を終え、小樽商大に通学する学生を受け入れ、にぎわった緑・富岡地区も、市外から通学する学生が増えたことにより、下宿はほとんど姿を消し、アパート暮らしの学生も大幅に減少したと聞いています。
今、小樽商大に通学する学生で、市外から通学する学生はどのくらいいるか、その人数を押さえていたらお示しいただくとともに、アクセスの改善以外に、市外から商大に通学する学生が多い要因があれば、伺います。
今後は、地元小樽出身者の小樽商大への入学者を増やすことも大事な視点です。今、地元小樽から小樽商大への入学者はどのくらいいるか、その人数を押さえていたら、お示しください。
そして、近年、どのように推移しているのかも、あわせてお示しください。
地方創生と人口減少対策はリンクしており、切り離すことはできません。そこで問題になるのが、経済対策優先なのか、人口の自然減対策が優先なのかということです。本年6月11日に開催された第3回人口対策会議での資料によれば、施策の方向性についての意見に「「働く街」としての発展か、「住む街」としての発展を目指すのかを決めるべき」とあり、また、「優先すべき項目は「結婚、出産、子育て支援と教育の充実」」という意見がある反面、「働く場があって、次に結婚、子育てと続く」との意見もあり、一体どちらなのだろうと思ってしまいます。
第2回定例会での我が党の千葉議員の人口減少対策の検討方法と事業実施の方向性の質問に対し、市長は、当面は自然減対策に重きを置きながら検討すると答弁されましたが、その考えは今でも変わっていないのか、伺います。
そして、人口の自然減対策としてどのような対策を考えているのか、再度伺います。
また、優先とまでは言わなくても、経済対策のうち、地場産品のブランド化や販路拡大などの取組など、今後も積極的に進めていくべき課題は多いと考えますが、御所見をお示しください。
地方版総合戦略策定の見通しについて伺います。
平成28年度予算に反映させるために、人口ビジョン及び総合戦略の成果品の納入期限は10月30日までとなっており、残り2か月弱となりました。これについては、今後の小樽市の施策の方向性を示すものであり、場当たり主義ではなく、長期展望に立って策定しなければならず、すぐ結果が出なくても、こつこつとやっていくことが大切だと思います。
一口に地方創生と言っても、どうすれば自分たちのまちが元気になるのかということで、そのまちが克服しなければならない課題や求められる施策は千差万別です。ただ、どのようなまちであれ、あくまでもそこで生活する「ひと」がかなめであり、その「ひと」を中心に施策づくりを考え、そのまちで暮らす人々が希望を持ち、生き生きと暮らせるまちにしなければなりません。
総合戦略策定に当たり、市長の基本目標と策定までの今後のスケジュールもお示しください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)ただいま、地方創生の取組について御質問がありました。
初めに、地方版総合戦略策定についてですが、地方創生コンシェルジュ制度への応募継続と応募結果につきましては、昨年11月に国に対し、選任の希望がある旨、応募をいたしましたが、本市担当の地方創生コンシェルジュは選任されなかったところであります。
その後、新たに後志総合振興局管内担当の地方創生コンシェルジュとして、北海道財務局小樽出張所長が選任されたことを受け、小樽市人口対策会議のアドバイザーとして御就任をいただいているところであります。
次に、小樽市人口対策会議についてですが、まず、金融機関などからのアドバイザー招聘につきましては、地方版総合戦略策定における国の要請に応える形で、8月中旬に金融機関や労働組合などから、新たに7名の方にアドバイザーとして就任をしていただいたところでありますが、既に第3回の小樽市人口対策会議が終了していたことから、これまでの経緯を踏まえないままに議論に参加いただくよりも、客観的な観点でそれぞれの専門分野に特化してアドバイスをいただくほうが効果的と判断し、アドバイザーとして就任いただいたものであります。
次に、小樽商科大学に通学する学生のうち市外通学者の人数につきましては、本年7月1日現在の学部在籍者は約2,300名、そのうち約7割が市外からの通学者であると承知しており、そのほとんどが実家から通学をしていると認識をしております。ただ、道外など遠方からの入学者につきましては、市内居住者がかなりの割合を占めていると聞いております。
次に、地元小樽から小樽商科大学に入学する学生の人数とその推移につきましては、今年度の学部入学者は約560名、うち小樽市内からの入学者は1割に満たなく、直近5年間の推移で見ましても、1割を切る低い水準で推移しているとのことです。
次に、地方創生事業の方向性についてですが、まず、人口減少対策事業の方向性と自然減対策につきましては、出生数を増やし、合計特殊出生率を改善するとともに、高齢者の健康寿命を延ばすことで、自然増減の均衡を図ることが必要であり、自然減対策に重きを置くという考えに変わりはございません。
また、自然減対策といたしましては、周産期医療の安定化を図るとともに、小学生までの医療費や第3子以降の保育料の無料化など、子育てに対する支援策を中心に対策を考えておりますので、事業化のめどがつき次第、順次、実施してまいりたいと考えております。
次に、地場産品のブランド化や販路拡大の取組など、経済対策につきましては、「小樽産品」販路拡大支援事業や小樽産品商品力・販売力向上事業など、地場産品のブランド化や販路拡大の取組を継続しながら、今定例会において予算案を提出しております水産物ブランド化推進事業の拡充など、小樽の特性を生かした経済対策も進めてまいりたいと考えております。
次に、地方版総合戦略の基本目標と策定までのスケジュールについてですが、現在策定中の(仮称)小樽市総合戦略の基本目標と策定までのスケジュールにつきましては、現在策定中の総合戦略には三つの基本目標があり、基本目標の1としましては、安心して子育てできる環境や地域の教育力を向上させることに優先的に取り組むという考えの下、「子育て世代をはじめ、全ての居住者に優しい、生活利便性の向上」を図ることとしております。基本目標の2としましては、小樽の魅力を国内外に発信し、ヒト・モノ・カネの流れを活発にするという考えの下、「小樽の強みを活かした産業振興と、新たな人の流れの創出」を図ることとしております。基本目標の3としましては、近隣市町村との連携を強化するという考えの下、「札幌圏や北しりべし・後志地域における、広域的な連携の推進」を図ることとしております。
また、総合戦略策定までのスケジュールにつきましては、今月16日から素案のパブリックコメントを実施し、10月中旬にはパブリックコメントでいただいた意見等を本議会での議論を踏まえて案を作成し、10月末までに人口対策会議、人口対策庁内検討会議の議論を経て、国に報告をした上で公開する予定となっております。
○議長(横田久俊)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、9番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)9番、松田優子議員。
(9番松田優子議員登壇)
○9番(松田優子議員)4項目め、財政問題について伺います。
平成26年度決算額調べに基づき、何点か伺います。
まず、歳入についてですが、一般会計では予算現額に対し、決算額は約17億7,000万円余り減収していますが、増加したものの中に地方交付税があります。決算額調べでは、地方交付税が予算現額166億7,600万円に対し、7,700万円余り増額の167億5,300万円になっています。予算現額より増額になった要因についてお示しください。
また、平成26年度の地方交付税額は、平成25年度と比較し、8,000万円も減少しているにもかかわらず、歳入全体に占める割合は30パーセントと、前年度の28パーセントより割合が増加しています。それだけ小樽市は地方交付税に依存していることがわかります。地方交付税は使途が特定されず、どのような経費にも使用できる一般財源であることから、自治体にとって大変重要な財源です。しかし、算定単位の一つに人口があり、毎年2,000人の人口減少にある小樽市では、地方交付税の減収には苦慮しています。そのためにも、人口減少対策につきましては、市の財政にも多大な影響を与えることから、早急に手を打たなければならないものですが、平成27年度における地方交付税の歳入見通しについてお聞かせください。
次に、歳出に関連してお聞きいたしますが、平成26年度の一般会計歳出規模が556億4,200万円と、平成25年度と比較し、42億5,600万円も減少していますが、この要因についてお聞かせください。
また、同じく一般会計の款別の歳出を見れば、総務費、商工費、土木費の不用額の割合が、予算現額に対して多いように思われますが、その理由についてお聞かせください。
次に、性質別決算状況で見ると、歳出が減少しているのにもかかわらず、扶助費は年々増加しております。その中で、生活保護費は3年連続で減少しておりますが、主な要因についてお聞かせください。
平成26年度決算では、全ての健全化判断比率及び資金不足比率が早期健全化基準及び経営健全化基準を下回ったことは喜ばしいことですが、財政力指数は41.5パーセントと、道内主要都市10市の中では一番低く、経常収支比率も98パーセントと一番高く、非常に硬直した財政構造になっています。市長も就任挨拶で、小樽の財政需要の厳しいことは把握しているとおっしゃっていましたが、平成26年度の決算状況を見ての市長の見解をお聞かせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)ただいま、財政問題について御質問がありました。
初めに、地方交付税の決算額が予算現額より7,700万円増となっている要因につきましては、3月交付の対象となっている定住自立圏の取組に係る特別交付税措置が大幅に拡充されたことによるものと考えております。
次に、地方交付税の歳入見通しにつきましては、当初予算額に今定例会へ補正予算として計上しております12億6,100万円と合わせ、166億100万円を見込んでおります。
次に、歳出決算規模が前年度と比較して42億5,600万円減となった要因につきましては、衛生費において病院事業会計繰出金の減などにより15億3,500万円、教育費において学校給食センターの建設事業完了などにより11億4,200万円減となったほか、諸支出金で土地開発公社の解散及び土地開発基金の廃止などにより14億3,400万円減となったことなどによるものです。
次に、不用額の多い事業につきましては、主なものとして、総務費ではPCB廃棄物処理関係経費が8,300万円、商工費では中小企業経営安定健全化資金貸付金が1億8,600万円、中小企業設備近代化合理化資金貸付金が3,000万円、土木費では除排雪関係経費が6,400万円、住宅事業会計繰出金が4,900万円、小樽公園再整備事業費が4,100万円、北防波堤改良事業費が3,900万円の不用額となっています。
次に、生活保護費が3年連続で減少した主な要因につきましては、平成24年度は医療扶助費の減少によるもの、平成25年度と26年度は生活保護受給者数の減少と国による生活扶助基準の見直しなどによるものであります。
次に、決算に対する見解につきましては、平成26年度は他会計等からの借入れや財政調整基金の取崩しといった財源対策を講じることなく黒字を確保することができ、また、実質公債費比率及び将来負担比率については改善傾向にあります。しかしながら、財政力指数や経常収支比率は悪化の傾向にあり、このことは本市の一般財源は普通交付税に深く依存している上、臨時の財政需要に使える財源が少なく、非常に硬直化した財政構造にあることを示しており、今後とも効果的・効率的な行財政運営の推進を図り、真の財政再建に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第5項目めの質問に入ります。
(「議長、9番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)9番、松田優子議員。
(9番松田優子議員登壇)
○9番(松田優子議員)5項目め、周産期医療について伺います。
小樽協会病院の分娩休止の問題につきましては、昨年11月に提起されて以来、小樽市はもとより、後志管内にも激震が走りました。
昨年の第4回定例会で、私はこの問題について伺い、市としてもこれは重要な問題として、市内で周産期医療の体制が維持できなくなる事態は何としても避けなければならない、今後は、病院側と協議を行うとともに、北海道とともに協議していかなければならないとの御答弁をいただきました。
この間、当事者である小樽協会病院はもとより、関係機関各位が医師の補充に向けて最大の努力を図ってきたことは認めますが、残念ながら医師の補充ができないまま、とうとう7月1日から分娩が休止となってしまいました。市民の方と懇談すると、必ずと言ってもいいくらい出るのがこの話題で、若い方はもちろん、娘を持つ母親など、皆一様に不安や危機感を持っています。これは何をおいても最優先で解決しなければならない問題ですので、周産期医療について再度伺います。
まず、周産期医療の担当部局が保健所から福祉部に変更になったことについて、市長は、管理職人事異動に伴う5月28日の記者会見で、周産期医療は大きな課題を抱えていますが、それだけにかかわらず、子育て支援と多くかかわってきますので、その両方を兼ねた専門性のある職員として配置していきたいと、その理由を述べています。しかし、7月1日という協会病院の分娩休止の期限が迫り、いまだ医師の補充ができていない中での担当部局の変更には、いまだ納得できません。医師補充のめどが立ち、一定程度落ちついてからの担当替えでもよかったのではないかと思いますが、この点について、再度、御見解をお聞かせください。
現在でも医療法に係る事務で、病院ごとの医師数の把握などについては依然として保健所の保健総務課が所管しており、むしろ第一義的にこの問題に専門性を持って対処すべきは保健所ではないでしょうか、伺います。
また、他の自治体での周産期医療の担当部局はどこが行っているのか、子育て支援の部局が行っているところがあるのか、道内の主な市について伺います。
次に、分娩休止後の小樽協会病院の産科の体制はどうなっているのか、伺います。
以前お聞きしたところ、休止になっても、北海道では地域周産期母子医療センターの認定はそのままだと伺いましたので、医師が確保されさえすれば再開できると思うのですが、すぐに対応できるようになっているのか、この点について伺います。
産婦人科医以外の助産師、看護師などの職員の配置は、現在どうなっているのでしょうか。もし休止に伴い、他の科に配置替えとなっていたり解雇されていたりした場合、医師確保ができ、分娩が再開となったときに、すぐ対応できるようになっているのでしょうか。これらについては、当該病院の問題で、市がどこまで関与できるのかということはあると思いますが、重大な問題ですので伺います。
今、私の友人が切迫早産と診断され、分娩予約をしていた札幌の病院に入院中です。もし37週前に出産した場合、母親が退院した後も、札幌の病院に毎日母乳を届けなければならず困っています。
また、ある方は、急に産気づき、受診中の札幌の病院に車で行き、出産が間に合ったというお話も伺いました。
協会病院では、6月末で分娩を休止した後も、出産予定日を過ぎた妊婦の受入れを行うと聞いていました。休止しただけで出産設備もあり、入院も可能なら、このように緊急の場合のみ受け入れてくれてもいいのではないかと考え、さきの第2回定例会の厚生常任委員会で伺ったところ、それは確認されていないという御答弁でした。それは、協会病院で受診しており、出産が遅れている方のみ受け入れるという条件で、病院側からすると、一度対応すればなし崩しになってしまうことが懸念されるからだとは思いますが、事は命にかかわる問題ですので、再度緊急の場合の受入れ態勢について伺います。
ともあれ、本年7月1日で協会病院の分娩が休止になったことにより、小樽で分娩できるのは、クリニック1件のみとなりました。そのクリニックの医師の精神的・肉体的負担はいかほどか、心中察するに余りあります。今年度のクリニックの小樽市民の分娩扱い件数を伺います。
市長は就任の所信表明で、産婦人科医の働きやすい環境を整え、支援を強化できるよう、できることから一つ一つ取り組んでいくと述べられており、前回の我が党の千葉議員の質問には、あらゆる方面から情報収集に努める中で、可能な支援策を検討していきたいと答弁されていますが、市ができる支援策とはどのようなものを考えているのか、伺います。
この地域周産期母子医療センターの休止の問題の本質は医師不足ということですが、今のままでは大きな都市でしか子供を産めないことになってしまい、人口の一極集中にますます拍車がかかってしまいます。とにかくこの問題は事一医療機関だけで解決できる問題ではなく、地域全体として体制を整えていかなければならない問題と思いますが、このことについて市長のお考えをお聞かせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)ただいま、周産期医療についての御質問がありました。
初めに、周産期医療担当部局の変更についてですが、まず、医師補充のめどがつかない中での担当替えにつきましては、私が市長に就任し、本市にはさまざまな問題や大きな課題が山積している中で、人口減少への対策が重要課題と考え、子育て支援を強化し、周産期医療の安定化に早急に取り組むため、子育て支援と周産期医療の両方の業務を担う職員を福祉部内に配置したものであります。
次に、周産期医療の問題は保健所で対処すべきではないかとのお尋ねですが、福祉部で担当する業務は、周産期医療体制を確保するための支援で、北海道など関係機関からの情報収集や医師確保の要請、協会病院を含む医療関係者との協議が主な業務であり、医療法に規定される事務について行うものではありません。また、専門的な知識が必要な場合は、保健所と連携をとって業務を進めております。
次に、道内の主な自治体での周産期医療の担当部局につきましては、保健所設置市である札幌市、旭川市、函館市では保健所が担当しておりますが、保健所設置市以外の市では、子育て支援を担当する部局内で、周産期医療を含む医療政策についても担当しております。
次に、分娩休止後の協会病院における産科の体制についてですが、まず、職員配置につきましては、助産師、看護師は分娩休止後の7月以降も同じ体制で勤務しており、医師が確保できれば、すぐにでも分娩を再開できるものと聞いております。
次に、緊急の場合の受入れ体制につきましては、医師の確保ができない中では、安全な分娩体制を24時間とることができないため、受入れは難しいものと聞いております。
次に、クリニックにおける分娩取扱件数についてですが、現在把握している7月までの小樽市民の人数でお答えしますと、平成27年4月21人、5月22人、6月16人、7月27人、合計86人となっております。
次に、産婦人科医に対する市の支援策についてですが、まず、市ができる産婦人科医の働きやすい環境整備の支援策につきましては、産婦人科医からお話を伺ったところ、近年では女性の産婦人科医が増えていることもあり、一般的には子育てをしながら働くことのできる充実した保育環境が必要であろうとのことでした。本市でも各種の子育て支援施策を実施しておりますが、今後においても、お話を伺っていく中で可能な支援策を検討してまいりたいと考えております。
次に、周産期母子医療センターの休止に対する見解につきましては、安定した周産期医療の確保は協会病院の一医療機関で解決する問題ではなく、地域が一体となって取り組んでいくべき問題であると考えております。
そこで、本市といたしましても、これまで北海道や札幌医科大学へ小樽・後志の周産期医療の現状を説明し、周産期医療体制の維持について要請も行うとともに、行政と医療関係者が小樽市における周産期医療体制の維持等について話し合う場として、小樽市周産期医療懇談会を設置し、8月20日の第1回目の会議において、会の進め方を協議したところであります。
○議長(横田久俊)次に、第6項目めの質問に入ります。
(「議長、9番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)9番、松田優子議員。
(9番松田優子議員登壇)
○9番(松田優子議員)最後に、除排雪問題について伺います。
市長公約の柱の一つに除排雪の充実があります。参与の任用理由の中に、特に除排雪行政においては、平成8年1月における記録的豪雪の際の危機管理等、手腕を発揮したため適任とあるように、除排雪対策には特別な思い入れがあるようにうかがわれます。
確かに、平成27年3月末から5月末日に行われた人口動態アンケートの自由記述欄に寄せられた意見、感想について、転入・転出者別にコメントを分類、分析したところ、子育て、教育とともに不安・不満が多かったのが除雪と伺っています。
また、住宅マスタープランを策定するに当たって行ったアンケート調査について、現在困っているものの中で断トツ1位なのが雪の問題についてです。そして、これは市内の一部の地域に偏っているのではなく、市内全域にわたっています。それほどまでにこの除排雪問題は、小樽市民がこのまちに住み続けるための大事な要素となっています。
しかし、市長の今回の提案は、市民の本当に困っている悩みに応えているのか疑問があります。小樽市の除排雪体制は、幾度も制度や仕組みの変更を繰り返しながら今日を迎えてきたと聞いています。このたびの市長の公約では、よりきめ細やかな除排雪体制に取り組むと言っておりますが、今までの除排雪体制では何が問題点と考えているのか、そしてどこまで除排雪が行き届けばきめ細やかになると考えているのか、伺います。
市長は除排雪の公約を最優先されるお考えのようですが、その大前提になるものは、費用の確保と人の確保、そしてまた、排雪量増加に伴う雪捨場の確保ではないかと思います。
そこで、財政面について伺います。きめ細かくやればやるほど費用は増大し、その財源確保が大きな問題になります。人件費などの人的要素、機材確保などの物的要素、そして降雪量などの未知数的要素が大きくかかわってきますが、現時点では降雪量を穏やかな気象として、おおむね5メートルに想定して約11億2,900万円の補正予算を組みましたが、もし今年度が昨年度と同様の気象条件となった場合、さらにどれだけ上積みになりますか。
また、過去5年間で最も厳しい気象条件と同様の場合、どのくらいの予算が必要になりますか、伺います。
除雪出動の基準の見直しとして、第2種路線の除雪基準を15センチメートルから10センチメートルにし、生活道路の基準は変えないということですが、市民の不満は幹線道路の除雪よりも、生活道路の除排雪の充実にあります。住環境で困っていること、改善してほしいことのアンケート調査で1位だったのは、冬季など道路が狭いため、火災や自然災害時などに安心して避難できるかが不安という回答でした。
私も市民相談で訪問した折、御要望があったのは、いわゆる生活道路の除雪が年1回程度と少なく、道路の積雪が厚くなったり、暖気でぐつぐつになったりしたときに、ステーションに連絡した場合、速やかに様子を見に来て除雪をしてほしいというものでした。
また、ある方は自宅で倒れられ、救急車が横づけできず、担架も使用できなくて、救急隊員がおぶって救急車に乗せ、病院に搬送されたといいます。
生活道路の除排雪の充実も図っていただきたいと要望しますが、この点についても伺います。
除排雪体制基準が見直されればされるほど、機動力の確保と人員の確保が必要になりますが、このたびの見直しによって、人員はどのくらい必要になるとお考えですか。
また、除排雪体制の充実は、業者の対応能力にもより、共同企業体参加業者との兼ね合いもあります。このたびの変更について、業者への説明はどのようにされたのでしょうか、伺います。
排雪量が増加すれば、それに伴ってその雪を処理する場所が必要になってきます。説明によれば、若竹・桜地域に除雪拠点を増設する考えと伺っております。除雪拠点の増設は、事務所などの管理経費を増やすことになるのに反して、従前に比べて除排雪の中身が格段に改善することになるのか、市民が求める方向と違うのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
増設する若竹・桜地域は除排雪の苦情が多い地域ということですが、他と比較してどのくらい多いのか、お示しください。
苦情が多いという以外、この地域に除雪拠点を増設しなければならない理由は何があるのか、伺います。
さらに、道路管理者等に限定した雪堆積場の増設も考えているとのことですが、増設箇所は検討中のため、本予算では反映されていないという説明でした。たとえ場所が未定であっても、除排雪出動基準が見直された場合、雪捨場の確保は必然のことと思われるのに、予算が計上されていないのはなぜでしょうか。今年度の雪堆積場の増設と予算上の考え方について、伺います。
今後、雪押し場の確保や工夫を凝らした除排雪方法の検討、また、次回の全市的な除雪拠点の見直しの基礎資料とするため、除雪路線調査業務を2年計画で行うということですが、具体的にはどのような調査を行うのでしょうか。
また、調査結果によっては、今後、除排雪体制が見直されることもあり得るのか、伺います。
市民の皆様の期待が大きければ大きいほど、スムーズにいかなかった場合の反動は大きいものと思われます。苦情件数もさらに増大すると思われますが、対応は大丈夫でしょうか。市民感情として、除排雪は際限なく要求が多くなっていくという懸念もあります。将来的にどのように市民要望に応えていくのでしょうか。
今後の除排雪予算の強化とともに、除雪費の抑制に向けた取組も大変重要になってきます。市民参加や地域ぐるみの取組など、除雪に対する自己責任の方策は考えられているのでしょうか。
この項最後に、その点について市長の考えを伺います。
全ての項目について再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)ただいま、除排雪問題について御質問がありました。
初めに、今までの除排雪体制の課題についてですが、今までの除排雪体制の問題点などにつきましては、これまで私が市内の除排雪作業を直接目にし、また、市民の皆様方からの話を伺った中で、幹線道路におけるガタガタ路面の発生、生活路線における除排雪作業の遅れなど、多くの課題があるものと認識しております。
また、近年、除雪費が増加傾向にある中、工夫を凝らした除排雪への取組についても、不十分であると考えております。これらの課題や市民の皆様の要望を踏まえつつ、現状の除排雪を少しずつ改善していくことが、きめ細やかな除排雪につながるものと考えております。
次に、今後の除排雪体制についてですが、まず、昨年度と同様の気象条件になった場合の除雪費などにつきましては、気象条件はその年により必ずしも同じとは限らないため、今年度と単純な比較はできませんが、仮に試算しますと、平成26年度の除雪費は約17億3,000万円となりますので、今定例会に提案している補正額を含めた除雪費を差し引くと、約4億4,000万円の追加が必要となります。
また、過去5か年で最も厳しい気象条件の年は平成24年度でありますが、試算の金額は約18億7,000万円となります。
次に、生活道路の除雪の充実につきましては、今年度から除雪出動基準の見直し、路面整正の強化など、幹線道路の見直しを中心に除排雪の改善に取り組んでまいりますが、これらは今後、市として取り組んでいく除排雪の改善の第一歩として考えております。今後、これらの見直しの検証を行うとともに、市民の皆様からの要望も伺いながら、一つ一つ改善をしてまいりたいと考えております。
次に、除排雪体制の見直しに必要となる人員につきましては、今回の除雪拠点の増設では、タイヤドーザなどの除雪機械の増備に伴うオペレーターで5名、また、新たな除雪拠点に勤務する業務主任等の管理職員で4名の増員が見込まれます。
また、除雪業者への説明につきましては、8月28日に開催しました平成27年度小樽市共同企業体除雪業務入札等参加申請に関する説明会において、今年度の除排雪体制の見直しとあわせて、必要となる除雪機械、人員を示しております。
次に、除雪拠点の増設につきましては、除排雪作業の区域がコンパクトになることにより、機動力が向上し、除雪作業の遅れが解消され、また、道路パトロールも行き届くことで、適切な路面管理が可能になることから、市民の皆様の要望にお応えできるものと考えております。
次に、若竹・桜地域に除雪拠点を増設した理由につきましては、除雪期間中、市民から寄せられた要望については、これまでの6ステーション体制では、5年連続で桜地区を含む第3ステーションが最も多く、若竹地区を含む第2ステーションがこれに続いており、平成26年度ではこの二つのステーションで全受付数の約5割となっております。また、両ステーションが担当する地域は積雪量が多い山間部を抱え、ほかのステーションと比較して除排雪作業量が多くなっていることから、増設箇所として選定したものであります。
次に、今年度の雪堆積場の増設と予算計上の考え方についてですが、今年度は道路管理者等の使用に限定した施設の開設について検討を進めており、現時点では具体的な候補地をお示しすることはできませんが、その条件としましては、排雪に係る経費の節減額が、施設の管理経費を上回ることなどとしており、今後、新たな雪堆積場の開設が予算の増につながるものではありません。
次に、除雪路線調査業務についてですが、調査の内容につきましては、除雪路線の道路幅員、勾配、占用物件、家屋の張りつき状況、空き地の状況などの情報を一元的に整理するものであり、今後、この調査結果を踏まえ、さらなる除排雪体制の見直しに取り組んでまいりたいと考えております。
次に、苦情に対する対応についてですが、まず、除排雪体制見直しにおける市民対応につきましては、今年度から現場の状況把握、委託業者との協議、作業の指示などを的確に行っていくため、除排雪対策本部の枠組みの中で、ステーション担当員などの増員を図り、これまで以上に体制の強化を図ってまいります。
次に、除排雪に関する市民要望への対応につきましては、市民の皆様から寄せられる要望は将来的に除排雪体制を見直し、改善していくための貴重な情報であると認識しておりますので、限られた予算の中で、可能な取組から一つ一つ実施してまいりたいと考えております。
次に、市民参加や地域ぐるみの取組につきましては、本市が直面している人口減少や高齢化の進行など厳しい状況において、冬季の快適な市民生活を確保していくためには、除排雪体制の整備はもとより、市民の皆様に御協力をいただくことが重要な視点であると考えております。現在、貸出しダンプ制度など、市民の皆様との協働による取組を行っておりますが、今後、さらなる協働の取組について研究をしてまいりたいと思います。
(「議長、9番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)9番、松田優子議員。
○9番(松田優子議員)今の市長の答弁に対し、何点か再質問させていただきます。
まず、副市長の選任についてですが、市長は、我が会派への説明の際も、副市長の選任について質問しても、議会でお答えしますと、また、過日の記者会見でも、副市長の件に関しては議会でお答えしますと言って、その場では何ら回答なさいませんでした。市長には説明責任があるはずです。そういうことでこのたびの代表質問になりましたが、聞いても答えないという市長の姿勢に苦言を申し上げ、再質問いたします。
まず、この副市長の選任についてですが、先ほどお答えいただきましたけれども、今の市長の御答弁は全く答弁になっていません。
まず、中村氏の人選の経緯についてですけれども、市長は就任後の管理職の人事について、いろいろな方と相談されて人事異動を行ったと、さきの定例会でも言いましたが、中村氏については、どなたかのアドバイスがあったからでしょうか。それとも、自分でこの人と決めて折衝に当たったのでしょうか。どちらにしても、中村氏を人選するに当たって、政治資金規正法違反事件のことを承知の上で打診したのでしょうか。
それで、先ほどの私の質問に対しまして、それは全然考えていないということでしたけれども、選んだ理由として、自分の公約を実現するためというふうにお答えになりましたが、その実現をするためということで、それでは誰でもいいのかということが問題になるというふうに思います。市長は、このたびの選挙戦にあって、中松前市長は、この政治資金規正法違反に何らかかわっていないのに、また、何の処分も受けていないのに、この政治資金規正法違反事件を自身の選挙戦の目玉にして批判し、御自身が当選したら、それにかかわった方を御自身の職務を補佐し、時には御自身の職務の代理をさせる重要機関である副市長に選任するということは、誰もが納得しません。整合性がとれると思っているのかどうか、この点についてお聞かせください。
また、後援会の方についても、きちんと説明されたのでしょうか。
もし説明したのであれば、その説明をした後、後援会の人から何の異論もなかったのかどうか、もろ手を挙げて賛成したのかどうか、この点についても、これは皆さんが思っていることですので、きちんとお答えいただきたいというふうに思います。
先ほど、人選の経緯で、庁内だけでもたくさんいますということでした。何人の方を選考し要請されたのか、また、国であったりその他さまざまな方とやりとりしているということで、この内容と結果についてお答えくださいというふうに質問しましたが、それについては差し控えるということでした。別に個人名を聞いているわけでもありませんので、何人の方に当たったのか、どのような要請をされたのか、そういう内容について、きちんとお答えいただかなければ、納得するものではございません。
そして、先ほどの答えでは、中村氏については、判断基準からして最も適任の人というふうに言いましたけれども、先ほども言いましたとおり、政治資金規正法違反事件についてあれほど批判してきて、また、中松前市長は何もしていませんから刑事罰も受けていないわけです。だけれども、この中村氏については、刑事罰も受けた方です。その方について最も適任な人と、これについても誰も納得するものではないと思います。これらについて、しっかりもう一度具体的に説明していただきたい、このように思います。
次に、参与についてでございますが、副市長の選任についても不同意になり、参与の予算も否決になり、新しい参与が委嘱されない場合になったとしても、現状の参与のポストは廃止されると考えてよろしいのかどうか、この点についてもお聞きしたいと思います。
周産期医療については、所管が保健所から福祉部になってもそれほど影響はなくて、これから連携をとっていくというふうにお答えになりましたけれども、変わった時期というのが先ほど言いましたとおり7月の時期で、ちょうど大変な時期なのに変わって、私は変わって悪いとは言わないのですが、その時期がどうだったのかということをお聞きしたかったわけです。それで、私もいろいろその7月のときに厚生常任委員会などでも聞きましたけれども、その福祉部の担当の方は、まだ情報収集に当たっていますということで、やはり担当に替わった方についても、本当に初めてで大変だったのではないかと、このように考えます。この点について再質問いたしますので、よろしくお願いします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(森井秀明)松田議員の再質問にお答えいたします。
まず、副市長の件で、4点だったかと思うのですけれども、1点目、私自身が中村氏に打診をし、直接交渉させていただいておりますので、紹介とかそういうものがあったわけではございません。
それから、中村氏が政治資金規正法違反事件に関与していたのを知っていたかどうかというお話もあったと思いますけれども、もちろん知っておりました。
それから、私自身、選挙戦において、政治資金規正法違反についても含めて批判していたのではないかというお話だったかと思いますけれども、私は今日、このたびに限らず話をさせていただいておりますが、誰か個人を特定し、それについて話をしているわけではなく、その体質、体制について批判をさせていただいた又は変えていきたいという思いを訴えさせていただいたということでございますので、どなたか個人を責めようということではございません。
また、後援会の方々から異論がなかったかというお話でしたけれども、この副市長の提案をさせていただいて、その後にこの週末も含めてさまざまな方々、いろいろなイベント等もありましたし、たくさんの方々にお会いをしておりますが、その方々とお話をしている中で、そのような異論や、中村氏はやめたほうがいいとか、そのようなお話は一つも受けておりません。
それから、参与について、大変恐縮ですけれども、今回の議案について、皆様に御理解をいただいて可決し、何とかその体制をと思って提示させていただいておりますので、現時点で否決されることを前提でどうするかということまで考えが及んでおりませんので、御理解いただければと思います。
もう一点、周産期医療のことにおいて、時期のお話があったかと思いますけれども、このように協会病院において医師不足になりそうだというお話を受けて、そのフォローをさらにしっかりできるようにということも含めて配置をさせていただいたので、時期も含めてそのときに行ったということでございます。
○議長(横田久俊)1点答弁漏れでしょうか。先ほど、何人に要請したのかというときに、答弁を差し控えると言いましたけれども、松田議員の再質問では、個人名を出すのではなくて、人数、何人と折衝されたということでしたので、それについてどうですかという質問がございました。これについては、差し控えるということでよろしいのですか。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(森井秀明)答弁漏れ、大変失礼をいたしました。
今、さまざまな経緯についてというお話がありましたけれども、やはり庁内の職員に影響する懸念もありますし、また、相手方の関係もありますので、大変恐縮ですが、これについては答弁を差し控えさせていただければと思いますので、お願いいたします。
(発言する者あり)
(「議長、9番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)9番、松田優子議員。
○9番(松田優子議員)再々質問させていただきます。
先ほども何回も言いましたとおり、市長は何人かに当たっているというふうに、要するにいろいろな人に当たっているということを言っていましたので、別に、先ほど言いましたとおり、名前を出してください、どこの部署の方をと言っているわけではありませんので、何人に当たったのかは答えられることだと思います。その点について、もう一回聞かせていただきたいと思います。
それから、先ほど、後援会の方には異論は一つもなかったと言いますけれども、本当に一つもなかったのかどうか、また、市民感情として、森井市長を応援した市民の方についてはどうなのでしょうか。その点についても、全く異論もなくてということでしょうか。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(森井秀明)松田議員の再々質問にお答えをいたします。
1点目の人数ということですけれども、具体的な人数にはならないかもしれませんが、庁内や国、その他の機関、さまざまなやりとりをさせていただいた中で、複数、アプローチをさせていただきました。
(「そんなんでいいの」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
それともう一点、異論があったかないかということだったかと思いますけれども、皆様に議会において提案をさせていただき、私個人に限らず、皆様ももちろんでしょうが、マスコミ関係等でも中村氏のことが御紹介され、さまざまな方々、もう既に御存じの方もたくさんいらっしゃるかと思いますけれども、その提案をさせていただいた後に、たくさんの方々にお会いする中で、先ほどお話ししたように異論ということは一つもございませんでした。
○議長(横田久俊)最初の人数のお話ですけれども、松田議員からは、個人名も部署も必要でない、これは市長しかわからないことですので、何人ぐらいの方に交渉したのか、その数字は出してもいいのではないかという松田議員の質問ですが、どうでしょうか、それでも。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(森井秀明)5名、6名ぐらいだったかと思います。
○議長(横田久俊)5名ないし6名ということでよろしいですか。
(「議長、9番、議事進行について」と呼ぶ者あり)
9番、松田優子議員。
○9番(松田優子議員)やはり先ほど言いましたとおり、本当に先ほどは複数と言ったり、今度は五、六人と言ったり、やはり聞かなければ答えてくれないという、そういう……
(「そうだ」と呼ぶ者あり)
市長の姿勢に対して苦言を申し上げます。
それと、先ほど言いましたとおり、異論が一つもなかったという……
(「関係ないよ」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
はい。
(発言する者あり)
○議長(横田久俊)今、市長にお答えいただきましたので、これで質問は終結いたします。よろしいですか。
松田議員の会派代表質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時35分
――――――――――――――
再開午後2時55分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、会派代表質問を続行いたします。
(「議長、18番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)18番、佐々木秩議員。
(18番佐々木秩議員登壇)(拍手)
○18番(佐々木秩議員)2015年第3回定例会に当たり、民主党を代表し、質問をいたします。
最初に、市長提出議案について伺います。
除雪費として11億2,900万円を追加、今年度は計12億8,500万円となる案が示されました。そのうち市長公約実現のための新たな除雪体制による増額分は、1億400万円とのことです。出動基準を降雪15センチメートルから10センチメートルに緩和するのは、幹線道路と生活道路を結ぶ補助幹線道路の第2種路線、延長約260キロメートル、また、第1種路線及びバス路線になっている第2種路線を路面整正強化、いわゆるガタガタ雪道を平らに削る作業を行うことになっています。もちろんこれらの道路がしっかり除雪、整備されるにこしたことはありません。しかし、これらに要する費用が計9,500万円、この分を財政逼迫中の本市会計のどこから捻出していますか。
なにせ自然が相手です。近年特に増えている異常気候、異常降雪等が本市を襲うとも限りません。そうでなくても、この何年間かの除雪費は増える一方です。今回の補正予算では降雪量を500センチと想定していますが、仮に昨年度と同様の気象条件であった場合、さらに補正で追加する分は幾らになりますか。
また、最終的な今年度の予算は幾らになりますか、試算をお示しください。
出動基準の緩和は試行となっていますが、その方法や範囲について、改善のための試行という意味で、いったん始めたものをお金がかかりすぎるのでやはり来年からやめますという意味ではないはずです。そういう捉えでよろしいでしょうか。
この除雪基準に従って継続していった場合、中・長期的に本市財政への影響が憂慮されますが、この予算をどのように生み続けるのか、行政の無駄を省くなどの曖昧な紋切り型ではなく、具体的な財源をお示しください。
中・長期的な見通しが立ってこその基準改定です。小樽市中期財政収支見通しによると、来年度以降も単年度収支の赤字が見込まれています。市民生活第一と言いながら、結果として財政破綻を招いてしまっては、一番迷惑をこうむるのは市民ということになります。この点について、市長の所見を伺います。
そもそも市民が望んでいる除雪とはどのようなものでしょうか。私たちが一番お聞きするのは、子供たちの通学路の安全確保、高齢者や体の不自由な方の家の玄関先から除雪されている道路までの間の雪かき、除雪後の置き雪の除去、1シーズンに二、三回、本当にまれにしか入らない家の前の生活路線の除排雪をどうするのかという問題です。市長の選挙公約にある除雪出動基準の緩和について、市民はこれら生活道路の除雪問題を解決してくれることを期待していたのではないでしょうか。市長は今回の施策でこの思いに応えたとお考えでしょうか、見解をお聞きいたします。
本来、除雪の対応は建設部だけの事業課題ではなく、市全体で連携して対応しなければならない切実で重要な問題です。本市にももちろん、福祉除雪や貸出しダンプ制度がありますが、十分に機能しているとは言えません。これまで継続してきたこれらの事業や新規事業によって、市民生活や生活弱者の皆さんへの個別的な対応の拡充、充実も同時に進めていくことが不可欠ですが、今回の補正予算にそのような視点は見られません。この点はいかがですか。
除排雪に係るアドバイザーとして、民間の除雪委託会社の職員だった参与が採用され、これまでの間、除排雪業務見直しにかかわる協議の場や除雪懇談会などに出席されました。除雪については、多額の費用がかかることから、委託契約に係る業者の選定、入札について公正・公平に行われることが求められるため、入札業務所管課以外の職員である参与がかかわることは、情報管理やコンプライアンスに問題があると思いますが、いかがですか。
引き続き、参与について伺います。
市長が6月10日にアドバイザーとして採用した参与は、嘱託員として既に勤務しておられ、月額30万円の報酬を得ています。私たちの会派は、除雪についても専門的ノウハウを持つ職員が既にいること、多くの嘱託員はじめ非正規職員が低い賃金で働いており、賃金差別であることを指摘し、その必要性について疑問を呈してきました。この場では、参与の報酬についてお聞きします。
示された規則案によると、雇用形態は委嘱で、雇用関係はないとのことですが、地方公務員法に基づく給与条例主義の趣旨は生かされるのですか。
既に支払われた、そして今回提案の参与報酬は、どう見ても最初に額ありきで、後から理由づけしているとしか理解できません。給与条例主義で禁止する任命権者の恣意的な決定に当たるのではないでしょうか。見解をお願いいたします。
仮に、小樽市報酬、費用弁償及び実費弁償条例の一部改正案が否決された場合、参与の扱いはどうされるのか伺います。
次に、副市長の選任について伺います。
今年5月から空席になっていた副市長の選任について提案がありました。まず、副市長職に中村浩氏を充てた経緯と理由について御説明ください。
中村氏については、2011年のいわゆるパーティー券問題で公民権停止を受けています。氏は既に処分を受け、公民権は回復しているとはいえ、市長は常々、また、前定例会でも、この問題を含む市役所の体質を内部の恥部と批判し続けています。その市長が中村氏起用に当たって、これまでの批判姿勢とどう整合性をつけるのかお聞かせください。
また、中村氏御本人がどういう姿勢で副市長職に当たられるのか、お聞きになっているところをお示しください。
特に、議会や職員、対外組織との調整役を果たすことが期待されますが、いかがですか。
我が会派は、副市長を置くのであれば、参与は必要ないのではないかと考えています。それぞれ役割、専門分野、その他が違うと言われるでしょうが、総合的に見れば、実質的副市長2人体制と変わりがないことになり、行政改革の流れに逆行するのではないでしょうか、所見を伺います。
今回、市長の会派への提案の前に内容が新聞で報道されるという、議会軽視、ルール違反がありました。これまでも議会との了解事項、ルールが守られず、結果として大事な論議に支障を来す場面が続いています。以後、同様なことがないよう強く求めます。同時に、この件の最大の問題点は、市役所トップの秘密情報が簡単に外部に漏れたということです。これは、市の入札情報をはじめ数々の重要な情報が流出する重大な危機と押さえるべきです。原因究明、調査が必要です。見解をお示しください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)佐々木議員の御質問にお答えをいたします。
ただいま、市長提出議案について御質問がありました。
初めに、除雪費についてですが、まず、市長公約に係る予算の財源をどこから捻出しているかにつきましては、除雪費は第2回定例会まで当面必要な経費を計上しておりましたが、今定例会では私の公約部分も含め、今年度必要とする年間予算とするため、11億2,900万円を増額計上したものであります。その財源としましては、国庫補助金、除雪費負担金収入及び当初予算で計上を留保していた特別交付税のほか、普通交付税や繰越金などの一般財源を精査し、計上しております。
次に、昨年度と同様の気象条件であった場合の補正額などの試算につきましては、気象条件はその年により必ずしも同じとは限らないため、今年度と単純な比較ができませんが、仮に試算をいたしますと、除雪費は約17億3,000万円となりますので、今定例会に提案している補正額を含めた除雪費を差し引くと、約4億4,000万円の補正額となります。
次に、除雪出動基準の見直しにおける試行の考え方につきましては、第2種路線を対象として、除雪出動基準を降雪15センチメートルから10センチメートルにして実施するものでありますが、来年度からの本格的な実施に向けて、この基準を維持するための課題の抽出や除雪方法の工夫などを検討する実証実験としての意味合いを含めたものであります。
次に、新たな出動基準で除雪を継続していく場合の財源につきましては、今後、予算編成過程の中で、地方交付税をはじめとする国の予算の動向などを注視しながら、小樽市全体の財政需要を把握した上での検討が必要となりますので、現時点で具体的な財源をお示しする段階にはありません。まずは、持続可能な除雪費予算となるよう、雪押し場の確保や工夫を凝らした除排雪方法を検討し、経費の抑制に努めるとともに、毎年度の予算編成においては、必要な市民サービスに配慮しながら、事業効果と優先順位を見極め、事業の取捨選択などにより、財源の確保を図ってまいりたいと考えております。
次に、財政破綻に対する所見につきましては、除雪費に限らず、公約の実現に当たっては、当然のことではありますが、財政破綻を招かないことが前提であり、限られた財源の中で市政を運営していくためには、財政の健全性を確保し、持続可能な財政基盤を構築していく必要があると考えております。
次に、市民が望んでいる除雪問題の解決につきましては、今年度から除雪出動基準の見直し、路面整正の強化、除雪拠点の増設などを実施してまいりますが、これらは今後、市として取り組んでいく除排雪の改善の第一歩として考えております。今後、これらの見直しの検証を行うとともに、市民の皆様からの要望も伺いながら、一つ一つ改善してまいりたいと考えております。
次に、市民生活や生活弱者の方への対応につきましては、高齢化が進む本市にとって大変重要な課題であると認識しておりますので、今年度は幹線道路の見直しを中心に除排雪の改善に取り組んでまいりますが、今後、現行制度を踏まえながら、市民ニーズの把握に努めてまいりたいと考えております。
次に、除雪に関する委託契約の手続に所管課以外の職員である参与がかかわることにつきましては、私の公約である除排雪体制の見直し実現に向けて、参与にアドバイザーとしてその協議の場などに出席をしてもらいましたが、業務委託にかかわる業者の指名や入札などの契約手続については、所管課以外の職員がかかわることができないものであり、所管課職員においても、これまでと同様に法令遵守や情報管理の徹底を図り、適正な執行に努めるよう、改めて指示をしてまいります。
次に、参与についてですが、まず、参与の報酬に地方公務員法に基づく給与条例主義の趣旨は生かされるのかとのことにつきましては、同法では職員の給与について、「その職務と責任に応ずるものでなければならない。」、また、「生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定めなければならない。」と定められておりますが、特別職の位置づけとなる参与に対しましては、基本的に同法は適用されません。ただし、一般的には報酬は役務の対価として与えられる反対給付と解されておりますことから、役務の内容を正当に評価して、報酬額を条例で定める必要があるものと考えているところであり、その正当性を担保するためには、直接的な適用はないとしても、地方公務員法の規定を参酌する必要はあるものと考えております。
次に、参与の報酬の額につきましては、今、申し上げましたとおり、地方公務員法では、その職務と責任に応ずるものであること、また、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮することとされており、この規定を参酌して設定する必要があるものと考えております。参与は私の公約実現のための直轄のアドバイザーとしての重責を担うことから、今回、参与の身分取扱いの見直しに合わせ、その報酬額についても、国家公務員の再任用の管理職に支給される最低限の給与額をベースに改めて積算し直した結果でありますので、御理解をいただきたいと思います。
次に、小樽市報酬、費用弁償及び実費弁償条例の一部改正案が否決された場合の参与の扱いにつきましては、第2回定例会での議論を踏まえて議案として提出させていただいたものであり、現時点では原案どおり可決いただくよう、できる限りの説明をしてまいる考えであります。
次に、副市長の選任についてですが、まず、中村浩氏を充てた経緯と理由につきましては、私としては、行政経験の豊富な方が適任であると考え、行政機関等での経験のある方に絞って人選を進めておりましたところ、在職中にすぐれた行政手腕を発揮されておりました同氏のことに考えが及び、直接お会いし、就任の可能性について打診をし、了承をいただいたという経緯であります。
また、理由としましては、中村氏は市役所に在職中、さまざまな部署を経験され、また、すぐれた知識と能力を持っており、私の公約実現に向けて、市職員とのつなぎ役として、山積する課題を解消し、市民の皆様の期待に応えるには最も適任であると判断したことであります。
次に、これまでの批判姿勢との整合性につきましては、私としましては、あくまで体質を変えることを言い続けていただけであり、個人を批判したわけではありません。政治資金規正法違反問題について、この4年の間に議会の場での追及や、さらには警察による捜査や裁判において厳格な処分を受け、それを全うされた方々に対して、重ねて追及する考えは持っておりません。あくまでそれにかかわっていたかいないか、私を応援してくれていたかいないかではなくて、市民の皆様の期待に応えるべく、公約の実現に向け、それを理解して役割を果たすことを第一に考え、中村氏が適任であると判断したところであります。
次に、中村氏本人がどういう姿勢で副市長職に当たるかにつきましては、御本人からは、私の市政に対する思いを職員に反映させていく調整役として取り組むとともに、私の公約の実現に向けて、具体的な取組に結びつけていくことが役割であるというお話を受けております。また、市民の皆様と、そして職員のために働く覚悟はできているとも伺っております。
次に、副市長を置くのであれば、参与は必要ない、行政改革の流れに逆行するのではという件につきましては、参与は市長の政策の実現に向けたアドバイザーで、また、職員の求めに応じ、調査及び助言を行う役目であり、副市長に伴う業務は一切含まれておりません。これに対し副市長の職務は、市長を補佐し、市長の命を受けて政策、企画をつかさどり、職員の事務を監督することとされていることから、指揮命令系統に組み込まれることになります。私にとって、市民の皆様とお約束した公約の実現に向けて、必要な人材であるとともに、必要な体制であると考えております。
次に、情報流出の原因究明、調査につきましては、私としても副市長についての情報の取扱いには細心の注意を払っており、報道機関がどのような手段で情報を入手されたのかは不明ですが、結果として議会への説明前に報道されることとなりました。今後、このような情報の管理については、さらに徹底するように努めるとともに、原因究明のための調査を検討してまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、18番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)18番、佐々木秩議員。
(18番佐々木秩議員登壇)
○18番(佐々木秩議員)おたるドリームビーチ海水浴場について質問します。
8月14日、あれだけ話題になり、さまざまな方に心配をおかけしているドリームビーチ海水浴場の現状がどうなっているのか気になって、出かけました。結構暑い日で、閉鎖の情報を知らない海水浴客がたくさん来ているのではないかと心配をいたしました。道路は駐車場手前で封鎖されています。車は入れません。数台の車が違う入り口付近の路上に駐車をしていました。ドリームビーチはほとんど人がいない状態です。ごみ等もボランティアの方々のおかげでしょうか、思ったより目立ちません。一方、小樽寄りのサンセットビーチ銭函は、食品の営業許可を受けている海の家もあり、海水浴場として開かれているので、車で来場している人が結構います。現在のところ、私が見た範囲では、大きな混乱や危険な状態はないようでした。これは、関係者の皆さんの広報等の御努力や、結果としてメディアで大きく取り上げられたことで周知が進んだためと思われます。このまま平穏のうちにシーズンが終了し、その後、このビーチの来年に向けての改善策の検討が進むよう願うものです。
まず、お聞きしますが、シーズンを終えた現在の市としての状況把握と分析、市長の感想、心境についてお聞かせください。
次に、来シーズンに向けての市の方針について伺います。市長は、将来的には誰もが安心して楽しめる海水浴場を目指すと意思も示されていますが、専門家として小樽の海水浴場ビジョンをはっきりとお持ちのはずです。どのようなビジョンなのか、具体的にお示しください。
市長は、第2回定例会で林下議員への答弁で、この夏を何とか乗り越えて、来年に向けて条件整備、対策を講じて、あの地域をより活用できるような環境を整えていきたいと答えられました。シーズンを終え、緊急避難的措置の必要がなくなった今、市が来年度に向けて進めていくべきことは何ですか。
来シーズンはドリームビーチが海水浴場として開設されるのでしょうか。
また、開設される場合、市としてすべきことはどのようなことを想定されていますか。
前提として、建築基準法に違反する建築物である海の家の除却は、どう進めるのですか。
条件整備は、市の制定する海水浴場についての条例が中心になるはずです。制定についてのお考えを示してください。
市長のビジョン実現のために、単なる形だけの理念条例では現状を打破するものにはなりません。実効性のある条例を施行するべきです。4人が死傷した昨年7月の飲酒ひき逃げ事件の発生とも強く関係をしています。二度と同様の事件、事故を起こさないためにも、条例制定によるルールづくりは不可欠です。条例制定の必要性は、前回、林下議員も訴えておられましたし、新聞でも他自治体での状況が報告、報道されています。
例えば、「鎌倉市海水浴場のマナーの向上に関する条例」では、基本理念として、「海水浴場に関わる全ての人が「他人を思いやり、お互いが快適に楽しめる海水浴場」を目指し、海水浴場におけるマナーの向上に努めるものとする。」と定め、具体的に市や店舗営業者、海水浴場利用者の責務を明記、また、禁止事項も具体的に挙げ、違反者には市が指導又は勧告をすることができるとしています。また、同市では、「海の家の営業に関するルール」で、営業時間の設定、クラブ化形態の営業の禁止、イベント開催の規定、風紀上の対策を具体的に定めています。
本市においても、現状に顧み、風紀の乱れを憂いておられた市長の思いを形にするためにも、このようなルールづくりを急ぐべきではないでしょうか。お考えをお示しください。
また、その際は、当然、警察や当事者である店舗営業者、市民の皆さん等さまざまな分野の関係者との協議や意見交換が必要と考えますが、いかがでしょうか。
他自治体では、ただ規制するだけではなく、行政が積極的にイメージ一新のためや地域の活性化のために、海水浴場を活用するアイデアを募集し、実行しているところがあります。本市においても、将来のビジョンに基づいて活用策を探るべきですが、いかがでしょう。
具体的には、市長は、石狩湾における人工構造物のない砂浜の海岸線という貴重な環境の保護・活用、将来的に小樽市民にとっても効果的になるようなビジョンなど、環境保全、効果的活用についても述べられていますが、その施策の反映はどのようにされるのでしょうか。
将来的には、恵まれた貴重な自然環境や、おたる水族館、小樽市総合博物館に蓄積されている学術的資産を生かして積極的にドリームビーチ一帯の保護、活用策も検討していくことはよいことだと思います。しかし、今のままでは、バギー等が乱入し、せっかくの環境が破壊され尽くしてしまいます。それを防ぐためには、やはり条例等で定めることが必要と考えます。小樽市域のみならず、道や近隣自治体との海水浴場をめぐる協議が必要です。大勢の市民が利用する札幌市との協議が特に重要と考えます。札幌市としては、市民レクリエーションの場として開設を望んでいるとお聞きします。話合いの場を設定してはどうでしょうか。違った観点や発想で解決策を探れる可能性もあると思います。
この項最後に伺います。サンセットビーチ銭函の扱いについて、行政のちぐはぐさが指摘されています。今後の対応はどうなるでしょうか。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)ただいま、おたるドリームビーチについて御質問がありました。
初めに、市条例の制定についてですが、まず、シーズンを終えた現在の市としての状況把握と分析、感想、心境につきましては、第2回定例会における議論が数多く報道されたため、市民の皆様はもとより道民の皆様に、今夏のドリームビーチの危険性について幅広く周知がされたことや、7月18日から8月31日までの期間、海上保安、北海道、警察と連携し、プレジャーボートの規制、水難事故防止及び不法投棄防止の対策を強化するための巡回パトロールなどを行ったことなどにより、結果的に来場者の抑制につながったものと考えております。
今夏のドリームビーチは、多くのボランティアの皆様の御協力や関係機関の連携により、大変積極的に来場者の水難事故防止や清掃活動などを行っていただいたことによって、無事にシーズンを終えられたものであり、私といたしましても安堵しているところであります。
しかしながら、海の家については、8月31日現在、9棟が除却されていることを確認しておりますが、依然として28棟が残っている中で、1棟が一時的に解体の目的以外で使用された事案が発生したこともあり、これらを除却することが課題と考えております。
次に、海水浴場のビジョンにつきましては、現在は違法建築物などの課題がありますが、将来的には安全・安心な海の利用ができるルールをつくり、この恵まれた海岸線を有する本市の特性を生かしたマリンレジャーやイベントなどによる観光振興を図って、本市に経済波及効果をもたらすような取組を進めてまいりたいと考えております。
次に、市が来年度に向けて進めていくべきことにつきましては、まずは違法建築物の除却をしっかりと進めていかなければならないものと考えております。
次に、来夏、ドリームビーチが海水浴場として開設されるのか、また、開設される場合、市としてすべきことはどのようなことを想定しているのかにつきましては、いまだ除却が完了していないことから、開設を前提とした御質問にはお答えできる段階にはないものであります。
次に、海の家の除却につきましては、ドリームビーチ協同組合に対して、建物を除却するよう、4月2日付けで勧告文書を送付し、その後、口頭による指導を繰り返し行っております。
また、組合だけではなく、個々の組合員に対しても、7月30日付けで同様の勧告文書を送付し、その後、口頭による指導を行っているところであります。今後も、速やかに全棟が除却されるよう、引き続き強く指導してまいりたいと考えております。
次に、海水浴場についての条例制定につきましては、今夏、市内ではドリームビーチのほかに6か所、海水浴場が開設されており、各海水浴場によって特徴や課題が異なっております。このため、少し時間はかかるかもしれませんが、これらの課題等をしっかり整理した上で、今後の海水浴場のあり方について検討していきたいと考えております。
次に、ルールづくりを急ぐべきではないかとのことにつきましては、確かにルールづくりの必要性については認識をしておりますが、先ほど答弁させていただいたとおり、本市海水浴場の課題等をしっかり整理した上で、対応していかなければならないものと考えております。
次に、海水浴場のルールづくりの際の関係者との協議や意見交換の必要性につきましては、現在も海水浴場の管理・運営に関するさまざまな問題を協議する場として、海上保安、警察などの関係機関や海水浴場開設者などの関係者で構成されている小樽市海水浴場管理運営協議会を開催しております。今後、ルールづくりを検討する際には、この協議会をはじめ近隣自治体、市民の皆様などとも協議や意見交換を行う必要があるものと考えております。
次に、海水浴場を活用する将来ビジョンなどにつきましては、今後、海水浴場のあり方を検討する際に、そのような他の地域の事例などについても調査研究をしてまいりたいと考えております。
次に、環境保全、効果的活用についての施策への反映につきましては、石狩湾の海岸線は人工構造物がなく、全国的に見ても大変美しい天然の海浜であり、石狩川河口から銭函までの海岸は、北海道の自然環境保全指針の中で、保全を図るべきすぐれた自然地域に指定されているところです。将来的には道や近隣自治体と連携し、安全・安心な海の利活用ができるルールをつくり、環境保全などに取り組むとともに、マリンレジャーやイベントなどによる観光振興を図ることによって、効果的な活用を推進してまいりたいと考えております。
次に、ドリームビーチ開設にかかわる札幌市との話合いにつきましては、札幌市からはそのような要望を直接は伺っておりませんが、今後、海水浴場のあり方を検討するに当たり、御意見を聞いてまいりたいと考えております。
次に、サンセットビーチ銭函の対応につきましては、おたるドリームビーチと異なり、当該ビーチの海の家が民有地に建築されていたことから、所有者確認に時間を要し、除却の是正指導通知が7月となり、結果的に営業が続けられたものであります。今後も速やかに全棟が除却されるよう、引き続き強く指導してまいりたいと考えております。
また、食品衛生法に基づく営業許可につきましては、違法建築物であることをもって不許可にはできないとの国の通知に基づき、保健所ではサンセットビーチ銭函を含めた海の家の許可をしておりましたが、現在は関係法令を遵守した上で営業許可を取得するよう指導をしております。その他の法令の遵守についても、関係機関の連携強化を図り、適切に対応してまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、18番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)18番、佐々木秩議員。
(18番佐々木秩議員登壇)
○18番(佐々木秩議員)官製ワーキングプアについて伺います。
官製ワーキングプアとは、自治体によってつくり出されるワーキングプア問題のことです。
地方自治体は、「住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする。」と地方自治法第1条の2にあります。よって、自治体の施策によって、そこに住む人々やそこで働く人々を困難に陥らせているということは、あってはならないはずです。
国や自治体が提供するさまざまな公共サービスで、業務委託、指定管理者制度等の手法により、業務の一部又は全部をアウトソーシングする動きが広まっています。国や地方自治体が直営する場合でも、正規公務員から臨時・非常勤職員に置きかえる動きも加速しています。この置きかえの理由は、財政逼迫に伴うコスト削減が主な理由です。その結果、公共工事や委託業務に従事する労働者や自治体採用の臨時・非常勤職員の労働条件を低水準に押しとどめることになってしまいます。働き続けても独立して生活を設計することができない水準の賃金や報酬しか支払われない人が、自治体が発注する業務を担い、あるいは自治体に直接採用されて、住民の福祉の増進につながる公共サービスを提供している、つまり住民の福祉が満たされない人の手により住民の福祉の増進が図られようとしているという皮肉で悲惨な現実があるのです。
本市においても例外ではありません。多くの悲痛な声をお聞きしているところです。
まずは、このような官製ワーキングプアという問題についての市長の基本的認識をお示しください。
さきに述べたように、この問題は大きく二つに分けて捉えられます。
一つは、市で働く臨時・非常勤職員、非正規公務員という問題です。非正規とはいえ、公務員なのだから、民間から比べると賃金も待遇も恵まれているのでしょうという声がありますが、実際には民間の非正規社員と比べても、非正規公務員は不利で厳しい状況にあるというのが事実です。自治体の側に圧倒的な裁量があるからです。そのため、どんなに長期で働き続けていても、雇いどめに抗することができません。非正規公務員は、正規の公務員でもない、民間の非正規社員もないという法のはざまの存在なのです。
職員定数削減の圧力が増し、財政が逼迫する一方で、行政サービスに対するニーズは増大、多様化するという状況を背景に、自治体では正職員が減らされ、かわりに臨時・非常勤職員が増大しています。短期間・短時間勤務者を除いた2013年発表の総務省調査でも、その数は全国で約60万人とされています。
それでは、非正規雇用の何が問題かというと、一つは雇用の不安定です。仕事が恒常的に存在するのに、再度任用の回数や年数が制限されたり、再度任用に際して、任用と任用の間に一定の空白期間が設けられたり、任用期間を区切って雇うなど、有期雇用の乱用が自治体によって行われ、結果として非正規公務員はいつまで働けるのかとか、再就職などへの不安を常に抱えているのが実態です。
もう一つは、賃金が低いという問題です。ある自治体で調査をしたところ、非正規公務員の報酬は、ワーキングプアのボーダーラインとされる年収200万円未満で9割を占めていたという報告があります。また、嘱託員は専門性がより高い仕事に配置されているにもかかわらず賃金水準が低い、正規職員とほぼ同じ仕事をしているのに賃金の差が大きすぎる、働く時間が短いので収入が少ない等の不満の声が上がっています。さらに、賃金、諸手当、通勤費ばかりでなく、休暇や教育訓練、福利厚生においても、正規職員との均等・均衡待遇になっていないことが挙げられています。
そこで、本市の非正規職員についてお聞きします。
本市の場合、主な非正規職員は臨時職員、非常勤嘱託員となっていますが、それぞれ任用の規定、任用期間、職務内容、勤務時間等、概要について説明をしてください。
休暇・休業制度や教育訓練、福利厚生など、処遇についての概要もお示しください。
10年前、5年前と比べて、職員数の変化とその変化の主な理由を示してください。
現在の年齢構成、男女別の割合についてお示しください。
臨時嘱託員を任用する主な理由は何ですか。それぞれお答えください。
それぞれ契約の空白期間は存在するのですか。結果として、いつやめさせられるのかわからないという雇用の不安定は生じていないのでしょうか。
賃金について伺います。それぞれ一般的な例として、時給、1年間働いたとしての年収を示してください。
賃金の基本額の設定の考え方は、どんな点を考慮していますか。
本市においても、公共サービス、市民サービスのかなりの部分が、実質、非正規職員の職業上の倫理観や専門的知見、ノウハウの蓄積によって支えられている現状があります。それを正当に評価し直す必要があるのではないでしょうか。本市での非正規職員の現在の状況について、市としてどのような認識をお持ちか伺います。
非正規職員の中にも、いろいろなお考えの下、現職につかれていることは承知しています。子育てその他の理由があって、フルタイムで働くのではなく、それ以外の時間を確保するために、その雇用形態を望んで選んでいる人もいます。しかし、そういう人であっても、処遇や賃金について、正規職員との格差を認めているわけではありません。
任期の定めのない短時間勤務職員制度があれば、そのほうがよいと思われている方もいます。一方、本人が主な家計支持者の場合もあり、低い収入で苦労しており、正規職員になることを強く望んでいる方もいます。そういう思いや要望、不満、実態をきちんと把握して、官製ワーキングプア対策に反映させる必要があります。実態把握のための調査、アンケート実施を望みますが、いかがでしょうか。
第2に、自治体は、地方自治法で言う最少の経費で最大の効果を上げるという原則に沿って、公共事業、委託事業、指定管理者など、さまざまな仕事を発注なり委託なりしています。その委託先で、人件費削減のために働いている人の低賃金はじめ労働環境が悪化し、結果、全国的には住民サービスの低下や事故、トラブルが多発しています。これについては、自治体にも発注者責任があり、その解決のために公契約条例を制定する必要性については、第2回定例会において林下議員が主張されたとおりですので、ここでは繰り返しません。
ただ、本市における清掃や警備等の民間業務委託をしている事業において、入札時に労働者等の賃金等については明らかになっていますか。
また、契約後、労働環境、労働者の人数や賃金についての調査、確認作業はしていますか。
請負先が決まったらそれでおしまい、働く人については知りません、コストさえ削減できれば後のことは知りませんというのは、発注者としての責任を果たしていないのではないかと思いますが、その点についてのお考えを伺います。
第2回定例会で、林下議員がこの公契約条例について質問をした際、市長は、しっかり勉強、研究してまいりたいとのことでした。そのためにまずすべきことは、実態把握、働く環境としての現状を本市において調査することです。課題は、非正規公務員と公共サービスに従事する民間労働者の処遇の改善と雇用の安定です。そのためには、まず、今、どういう問題があるのかを目に見えるようにすることが重要です。これまで述べてきたような本市職員や関係企業等の協力を仰ぎ、データ収集、分析の取組をお願いいたします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(森井秀明市長登壇)
○市長(森井秀明)ただいま、官製ワーキングプアについて御質問がありました。
初めに、非正規公務員についてですが、まず、官製ワーキングプアに対する基本的認識につきましては、ワーキングプアとは、働く貧困層と言われておりますとおり、一般的にフルタイムで働いても生活保護基準に満たないような収入しか得られない方を指す言葉として用いられているものと承知をしております。そして、官製ワーキングプアとは、一般論で申し上げますと、国や自治体で働く非正規職員がこのワーキングプアに該当しているという考えから生まれてきた言葉であると認識しております。
次に、臨時職員と嘱託員の任用の規定等につきましては、まず、臨時職員について申し上げますと、任用根拠は地方公務員法第22条第5項で、同項の規定によりますと、任用期間は6か月を超えない期間で更新は1回のみ、任用期間の最大は1年となります。基本的には、職員に欠員が生じた場合の補充として又は一時的に業務が多忙となる場合に任用され、職員が行う業務の補助に当たることとなります。職員の代替としての配置となりますことから、勤務時間は職員と同一となります。
また、嘱託員については、任用根拠は地方公務員法第3条第3項第3号であり、任用期間は1年を超えない範囲内で、年度ごとに任用が更新される取扱いとなっております。職務内容につきましては、福祉の就業指導員などの専門性を有するもののほか、職員の業務を補完するものとなりますが、本来、職員を配置すべきところ、その業務量が1人工に満たないと判断される職について、短時間勤務職員である嘱託員を配置するというのが基本的な考え方となります。勤務時間につきましては、1週29時間の範囲内となっており、週5日勤務であれば、通例1日5時間48分の短時間勤務となっております。
次に、休暇制度等につきましては、まず、臨時職員の年次有給休暇について申し上げますと、労働基準法で定める最低基準では、雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した場合に、初めて付与されることになりますが、本市では5か月を超える任用者に対しては、その任用日から5日を付与する取扱いとしております。
嘱託員については、任用期間に応じ、任用の日から所定の年次有給休暇が付与されるほか、有給の特別休暇としては、7日以内の服喪休暇を付与することとしております。また、無給とはなりますが、公民権行使休暇等を特別休暇として認める取扱いとしております。
教育訓練として市で実施する研修においては、業務に直接的に関係があると認められる科目で、本人からの希望がある場合には、正規職員同様、臨時職員、嘱託員いずれも受講は可能としております。
福利厚生については、両者ともに北海道都市職員共済組合の組合員とはなりませんので、短期の任用の場合などを除き、全国健康保険協会北海道支部の健康保険などの社会保険が適用となります。
なお、公務災害に対する補償については、労災保険が適用される場合と、職場に応じ、小樽市議会議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例が適用となる場合があります。
次に、職員数の推移につきましては、10年前、5年前、本年について、臨時職員、嘱託員の順に、それぞれ5月1日現在の人数で申し上げますと、平成17年、164人、612人、22年、134人、598人、27年、106人、636人となっております。
この増減の主な理由ですが、臨時職員については、基本的には正規職員の欠員補充として任用されますので、組織の見直し等による必要職員数の減少に伴って、欠員数も減少しているものと考えられます。
また、嘱託員については、減少要因としましては、組織の見直し等に伴う減が考えられますが、正規職員の嘱託化のほか、特に本年については、放課後児童クラブの設置基準の見直しによる指導員の増などがあり、トータルでは増加をしているものと考えられます。
次に、臨時職員、嘱託員の年齢構成及び男女別の割合につきましては、本年8月1日現在でお答えをいたしますと、臨時職員については、40代が最も多く27.2パーセント、次いで60歳以上で21.9パーセント、次いで50代で20.2パーセントとなっており、男女別では男性が44.7パーセントで、女性が55.3パーセントとなっております。
嘱託員については、50代が最も多く30.5パーセント、次いで40代で28.9パーセント、次いで60歳以上で21.0パーセントとなっており、男女別では男性が8.0パーセント、女性が92.0パーセントとなっております。
次に、臨時職員、嘱託員を任用する主な理由につきましては、先ほど申し上げましたとおり、臨時職員については、職員に欠員が生じた場合の補充や一時的な業務多忙がその理由となります。嘱託員については、専門性を有する職員の配置や業務の見直しに伴う短時間勤務職員への振替などがその任用の理由として挙げられます。
次に、臨時職員、嘱託員の任用の空白期間につきましては、まず、臨時職員については、地方公務員法の規定により、6か月以内の任用期間で1回のみ更新可能、トータル1年以内という縛りがございます。このため、本市におきましては、業務上資格が必要な職種や人員の確保が難しい職種においては、おおむね10日程度の空白期間を設けた上で、再度、任用するという取扱いとしていたところですが、空白期間における無保険、無年金の期間が生じないよう、本年2月1日から、この空白期間を原則1日に改め、臨時職員の処遇の改善を図ったところです。
また、嘱託員については、基本的に年度ごとの更新となりますので、空白期間は生じておりません。
なお、いずれも任用の際の辞令に、任用期間は明示をしているところです。
次に、臨時職員、嘱託員の時給と年収の一般的な例につきましては、それぞれ事務補助でお答えいたしますと、臨時職員については、日額単価が6,360円となっておりますので、これを1日の勤務時間である7時間45分で割りますと、時給は約821円となります。年収については、臨時職員は欠員補充や業務多忙の際の任用ということになりますので、育児休業の代替等の場合を除き、基本的には1年間フルに勤務するということは想定されないところではありますが、フルに勤務したと仮定して、日額単価に年間勤務日数を乗じて試算いたしますと155万円程度となります。
嘱託員については、日額単価が6,150円、これを1日の勤務時間5時間48分で割りますと、時給は約1,060円となり、年収は156万円程度となります。
次に、臨時職員の賃金、嘱託員の報酬の単価の設定の基本的な考え方につきましては、制度創設当初の設定の考え方については、かなり以前ということもあり、確認することはできませんが、以後、その当初設定額に最低賃金のアップ率を勘案し、単価の改定を行ってきたという経緯はございます。
また、新たな職種の単価の設定に当たりましては、資格のありなし等を含め、業務内容が類似する職種の単価を参考にしております。
次に、本市における非正規職員の現状についての認識につきましては、まず、臨時職員については、地方公務員法に基づく任用期間の制限があり、あくまでも一時的な雇用ということになります。このことからしますと、臨時職員の主な業務は正規職員の補助とならざるを得ないこととなりますので、民間の賃金水準も考慮し、その職責に見合った制度設計とする必要があるものと考えております。
(「参与、参与」と呼ぶ者あり)
また、嘱託員については、フルタイムではなく、パートタイムであり、本来的には嘱託員自身がその勤務形態を希望して任用されているものです。確かに嘱託員が蓄積したノウハウ等に支えられていることも事実としてありますが、その報酬単価が民間の賃金水準との比較で決して低くはないということ、また、パートタイムであるということもあわせて考えますと、フルタイムで賃金水準が低いという官製ワーキングプアには該当しないものと考えられます。このようなことから、いずれの職につきましても、現段階では見直すという状況には至っていないものと考えております。
次に、実態把握のための調査、アンケートの実施につきましては、臨時職員、嘱託員の勤務条件については、臨時職員には任用期間、嘱託員には勤務時間の縛りがあり、さらには正規職員となるための条件としては、競争試験を経ることなどが必須など、法制度上の壁があり、現状では見直しをする余地は少ないものと考えております。
また、先ほど申し上げましたとおり、現段階では現制度を見直すという状況には至っていないものと考えておりますことから、現時点では御提案のありました調査についての考えは持ってございません。
次に、公共サービスに従事する民間労働者のワーキングプア問題についてですが、まず、本市における清掃、警備等の業務委託における入札時の労働者の賃金等につきましては、入札金額はその業務を遂行するに当たり、効率かつ適正な金額であるかを主眼としておりますので、従事する労働者の個々の賃金等までは把握をしておりません。
また、契約後につきましても、契約内容は業務の成果を求めることを目的としたものであり、現時点では個々の賃金等について、特に調査、確認作業は行っておりません。
次に、発注者としての責任につきましては、賃金等の労働条件については、個々の労使当事者間で取り決められることが基本と考えておりますが、市としましても、適正な賃金の確保及び労働環境の整備は必要であると考えており、契約書においても、関係法令の遵守はもとより妥当な労働条件及び賃金の確保に努めることを規定しているところであります。
○議長(横田久俊)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、18番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)18番、佐々木秩議員。
(18番佐々木秩議員登壇)
○18番(佐々木秩議員)最後に、日本遺産について質問します。
小樽市では、運河保存運動を皮切りに、このまちの代表的な文化資産である歴史的建造物や運河、港、鉄道関係遺構や車両等の保存・活用にこれまでも取り組んできた歴史があります。その先人の努力の成果が、今の小樽の観光産業だけでなく、まちづくり、市民生活、さらにまちへの愛着や誇りを支えていると言ってもよいのではないでしょうか。市民の皆さんが小樽の歴史・文化にとても誇りを持っている、関心が高いことは、さまざまな場面でお聞きしているところです。
しかし、課題として、現在、それら文化資源の維持・管理、保存が市の財政難等により非常に難しくなっていること、また、活用という観点では、いつまでも観光の隆盛という現状が続くという保証はありません。観光地というのは、はやり廃りがあり、飽きられればそこまでという例は、全国のどこにでも見られる悲しい現状です。
さらに、市民にとっては、このまま歴史的建造物が朽ち果てていくのを座視し続けることは、このまちへの思いや将来にも諦めの気持ちを抱かせてしまうのではないでしょうか。
ほかのまちにはない傑出した歴史・文化を残すこのまち自体が観光客から飽きられ、過去の遺産を失い、よその無味乾燥で特徴のないまちと同じになってしまう前に、本市の歴史・文化資源の維持・活用のために、新しい視点に立ったこれらの再発見、再構築していく取組が必要な時期に来ていると考えます。
そして、その歴史・文化を小樽のアイデンティティーにしていくことを明確に小樽市の方針として位置づけていくべきです。
例えば、観光では、これまでと違う切り口に立った観光資源の発掘、再構築をしたり、地域研究の事例から、これまでの個々のコンテンツを新しいストーリーの中で再配置して結びつけていくことなどが小樽商科大学の先生から提案をされています。
また、歴史・文化の活用という視点は、人口減少問題という本市最大の課題解決の重要な鍵になり得ます。市民が行政と協働で歴史・文化をまちづくりの一環として積極的に参画していくことで、この愛着あるまちに住み続けたいという市民の思い、シビックプライドを育てる絶好の機会と捉えるべきです。
そこで、そのきっかけ、起爆剤になると考え