開議午後1時00分
○議長(横田久俊)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、川畑正美議員、佐々木秩議員を御指名いたします。
日程第1「議案第1号ないし第51号並びに報告第1号及び第2号」を一括議題といたします。
これより昨日に引き続き、会派代表質問を行います。
通告がありますので、順次、発言を許します。
(「議長、10番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)10番、高橋克幸議員。
(10番高橋克幸議員登壇)(拍手)
○10番(高橋克幸議員)平成27年第1回定例会に当たり、公明党を代表して質問いたします。
初めに、中松市長の市政運営についてであります。
中松市長は、平成23年に初当選され、民間出身の市長として、この4年間、小樽市のかじ取りを担ってまいりました。その御苦労は大変だったと思います。4年間の市政運営の労苦に対し、改めて敬意を表するものであります。
中松市長の1期4年は、財政健全化を最優先課題として懸命に取り組んできたところであり、経済対策をはじめ、諸問題に対し、さまざまな検討を加えながら進めてきたものと思います。
さて、この定例会が任期最後の定例会となりますので、市長の率直な現在の感想と、この4年間の財政問題や経済対策など、主な施策に対する総括についてお示しください。
また、民間出身の市長として、どのようなことを特に心がけてきたのかお答えください。
以上、1項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)高橋議員の御質問にお答えします。
ただいま、市政運営について御質問がありました。
まず、4年間の感想についてですが、東日本大震災発生の翌月に市長に就任し、震災の影響による市内経済の停滞という厳しい状況での船出となったことを思い出します。私は、この4年間、本市が持つ多くの魅力を再認識するとともに市民の皆さんのまちづくりに対する意欲を強く感じることができたものと思っております。
次に、総括につきましては、市長公約五つの項目で申しますと、地域経済の活性化では銭函地区への設備投資や企業進出が続いているほか、海外観光客やクルーズ客船の寄港が増加しており、取組の成果が着実に現れております。
安心・安全な環境整備では、市立病院の統合新築事業が完了したほか、保育環境の整備や防災・減災対策を進めてまいりました。
教育環境の充実では、小・中学校の適正配置や校舎等の耐震化などに取り組んでまいりました。
市民協働のまちづくりでは、市民参加と協働によるまちづくりを進めるため、小樽市自治基本条例を制定することができました。
効率的で安定した行財政運営に向けては、まだ他会計から多額の借入残高があることから、真の財政再建に向けて引き続き取り組んでいく必要があると考えております。
また、民間出身の市長として心がけてきたことは、企業経営にかかわってきた経験とそこで培われた経営感覚を生かし、市政運営の推進に当たるよう心がけてきたものであります。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、10番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)10番、高橋克幸議員。
(10番高橋克幸議員登壇)
○10番(高橋克幸議員)次に、財政問題であります。
平成27年度の予算案が編成され、収支均衡予算を目指して努力されてきたことと思います。内容については、前年度と同様に厳しい財政状況であると考えます。新年度の予算編成に当たり、改選期のため、骨格予算の編成となりますが、どのような考え方で取り組んでこられたのか、また、平成26年度の決算見込みについて市長の見解を伺います。
歳入についてであります。
大きな項目である市税、地方交付税の増減が予算編成に重大な影響を与えます。平成27年度について、地方交付税は特別交付税を計上留保のため、対前年度比で約7.8億円の減額であり、臨時財政対策債は、対前年度比で約2.8億円の減額で、合計約10.5億円の減額であります。市税では、住民税や固定資産税など各項目で対前年度比マイナスであり、対前年度比約2.3億円の減額であります。
さて、多くの地方自治体と同様に本市も人口減少が続いており、地方交付税の算定に大きな影響が考えられますが、人口当たりの今後の影響額についてお示しください。
また、今後の市税収入の動向が懸念されますが、滞納改善策についてどのように検討されているのか、市長の見解を伺います。
さらに、財源対策の今後の考え方と中期財政見通しとの比較検討結果及び財政健全化に向けた対策についてどのように考えられているのかお答えください。
歳出についてであります。
建設事業費については、対前年度比約4.7億円の増額となっており、経済状況の厳しい中、改選期による骨格予算に肉づけをした内容で校舎等耐震補強等事業などであります。
そこで、事業の発注についてですが、同時期に一斉発注するのではなく、切れ間なく重層的な考え方での検討とランク別の発注にもバランスよく偏らない工夫を要望いたします。
また、小規模工事についてはランクの業者数も多く、春一番の仕事の確保という観点から、できるだけ件数の確保を検討していただきたいと思いますが見解を伺います。
次に、公債費についてであります。
公債費は、収支バランスに大きく影響するため、政策事業を考える上で重要な要素と認識しております。公債費は、対前年度比約7.9億円の減額であり、毎年減少傾向にあります。財政部による「財政の概況(平成16~25年度決算の状況(推移))」の中で、一般会計決算ベースの10年間の推移では、平成16年度80億1,600万円、25年度64億9,900万円で15億1,700万円の減額であり、率にして約19パーセントであります。この減額の要因と市債残高の状況についてお示しください。
公債費の今後の推移では、同じく「財政の概況」の中で、一般会計ベースで平成26年度61億100万円、35年度で25億1,900万円で35億8,200万円の減額であり、率にして約59パーセントになっています。今後、学校等の改築や公共施設の改築など、さまざまな事業が検討されていくものと思いますが、市債残高の観点からどのように考えられているのか、現在の試算からの変化について、どのようにシミュレーションされているのか見解を伺います。
以上、第2項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、財政問題について御質問がありました。
初めに、予算編成内容についてですが、まず平成27年度の予算編成につきましては、改選期であることから骨格予算として編成しておりますが、当初予算に計上しなければ事務執行に支障を来す事業や国・道の補助事業等で事業の継続性の面から当初予算に計上が必要な事業につきましては、行政の継続性を踏まえて、当初予算での計上としております。
また、多くの市民の皆さんから要望が寄せられていた街路防犯灯のLED化助成につきましては、町会等の電気代の負担軽減を図るため、早期の取組が効果的であると判断し、当初予算に計上させていただいたところです。
次に、平成26年度一般会計決算の見通しにつきましては、除雪費のさらなる増額の懸念はあるものの、現時点で収支は均衡しておりますことから、個々の項目の具体的な見込みを示すことはできませんが、今後、歳出に一定程度の不用額を見込むことができますので、実質収支の黒字は確保できるものと見込んでおります。
次に、人口減少による地方交付税への影響額につきましては、毎年度の地方交付税総額が異なることから一概には申し上げられませんが、地方交付税の算定基礎となる測定単位には、国勢調査人口が多く用いられており、平成26年度の算出資料を基に試算いたしますと、人口1人当たりの基準財政需要額は約13万円となっております。
次に、市税の滞納改善策につきましては、これまでも電話や文書による催告だけではなく、財産調査の上、預貯金や給与などの差押えを行うとともに、差し押さえた動産や不動産のインターネット公売による売却や後志総合振興局との合同公売会の開催、北海道による直接徴収を実施するなど、滞納処分を強化しているところであります。今後とも先進市の事例なども参考にしながら、滞納対策の強化に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、財源対策の今後の考え方につきましては、本市の財政状況は市税や地方交付税などの動向にもよりますが、平成28年度以降の予算編成に当たっても、多額の財源不足が見込まれ、何らかの財源対策を行わなければ収支均衡予算を編成できない財政構造にあることから、今後の中・長期的な収支を見通す中で、引き続き、財政調整基金による財源対策を考えているところです。
また、25年12月策定の中期財政収支見通しは、歳入では26年1月以降の税制改正や消費税率引上げの延期、歳出では電気料金の値上げや子ども・子育て支援新制度をはじめ、社会保障制度改革の影響が反映されておらず、27年度の財源不足を3億4,400万円と見込んだのに対し、27年度予算編成では、骨格予算の段階ではありますが、見通しを上回る5億4,000万円の財源不足が生じているところです。このため財政健全化に向けた対策として、これまでの行財政改革における歳出削減や歳入増の取組を継続していくとともに、行政評価の結果などを踏まえて、事業の厳選を行うなど引き続き収支の改善に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。
次に、建設工事の発注につきましては、ゼロ市債の活用などによる早期発注を行うほか、平成27年度は早期発注のため工事担当部へ設計書の作成作業などを早めるよう指示したところであり、発注時期が集中しないようできる限り分散した発注に努めてまいります。
また、工事の内容や規模に応じた入札参加資格を設定し、市内事業者の建設工事の受注機会の確保について、引き続き取り組んでまいります。
次に、公債費ですが、まず公債費減少の要因と市債残高の状況につきましては、本市では平成14年度以降、普通建築事業費を大幅に減少させており、それに伴う市債発行額の抑制が近年の公債費の減少に寄与してきたところであります。
また、一般会計の市債残高につきましては、12年度から24年度までは元金償還額が借入額を上回っており、残高は減少傾向が続いておりましたが、近年、学校給食共同調理場や保育所の建設、学校校舎等の増改築など大型の建設事業を行う中でも残高水準は500億円弱のほぼ横ばいで推移している状況です。
次に、公共施設の老朽化対策につきましては、本市ではこれまでも病院の統合新築、学校の耐震化や再編に伴う校舎等の改築、さらには保育所の建設など、将来を見据えた諸課題への対応に優先的に取り組んできたところであり、新年度予算では引き続き橋梁の長寿命化や道路ストックの更新など、既存インフラ施設の老朽化対策にも着手することとしております。現時点で公共施設全般の老朽化対策に係る費用の試算はしておりませんが、これらは大変大きな財政負担を伴います。そうしたことから、公共施設全般を網羅した総合管理計画を策定し、中・長期的な収支を見通す中、財政規律を損なうことがないよう将来負担や市債残高なども考慮しながら取り組んでいかなければならないものと認識しております。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、10番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)10番、高橋克幸議員。
(10番高橋克幸議員登壇)
○10番(高橋克幸議員)次に、地方創生関連についてであります。
まず、人口減少対策であります。人口減少問題は、多くの自治体が同様の課題を抱えており、日本全体においても少子化の影響により人口が減少しています。国立社会保障・人口問題研究所が発表した日本の地域別将来推計人口2013年3月推計によりますと、小樽市の人口は2010年13万1,928人に対し、2040年では7万3,841人まで減少すると推計されました。まず、これらの推計についてどのように受け止められているのか、また、本市の人口減少についてどのように認識されているのか市長の見解を伺います。
人口の減少については、さまざまな要因がありますが、本市の特徴として過去10年間の人口動態の状況はどのように推移してきたのか、主な要因はどのようなものがあるのかお示しください。
他都市では人口減少対策を喫緊の重要課題として再考し、総合計画の見直しや内部組織の中に人口減少対策室の設置や外部委員会を設置し、提言書の策定など具体的な対策に向けての動きが出ているようであります。この中では、主な内容として現状の把握、アンケート調査、要因の分析、施策の提案となっており、取り組むべき課題の整理と実施に当たっての基本方針が掲載されています。本市でも人口減少に対する認識を改め、小樽市人口対策会議を設置し、推進の第一歩を進めたところでありますが、今後の予定や考え方と先ほど述べた他都市の具体的な対応について検討が必要と考えますが、市長の見解を伺います。
次に、地方創生についてであります。
地方創生と人口減少対策はリンクしており、切り離して議論するものではなく、一体のものとして総合的に議論すべきものと考えております。地方創生については、昨年11月、臨時国会にて地方創生関連法案が可決成立し、年内に施行されました。この中で、国と地方の取組が示されており、地方では地方人口ビジョンの提示や地方版総合戦略が努力義務として明記されております。地方版総合戦略では、地域の人口動向や産業実態等を踏まえ、2015年度から2019年度の5か年の政策目標並びに施策を策定する内容となっております。これには国から人的支援として地方創生人材支援制度や地方創生コンシェルジュ制度があるようであります。
まず、地方創生について、どのように認識されているのか市長の見解を伺います。
また、人口ビジョン、これは先ほど述べた人口減少対策とリンクしますが、人口ビジョンや地方版総合戦略についてどのように考えられているのか、人的支援についてどのように検討されているのかお示しください。
さらに、先ほど述べた人口減少対策との関連ではどのような体制で再考されるのか、小樽市総合計画の見直しも含め、どのように整合性を検討されるのか見解を伺います。
国が示している地方の政策パッケージが記述されておりますが、ベースの鍵を握るのは、やはり人材であると思います。地方への人材還流、地方での人材育成は必須政策であり、今後の小樽を考えていく上で、特に力点を置くべき課題であると思いますが、今後どのように市の職員も含めた人材育成を検討されるのか市長の見解を伺います。
次に、緊急的取組として、地域活性化・地域住民生活等緊急支援のための交付金についてであります。
これは、地方の積極的な取組を支援する自由度の高い交付金といわれております。今回、平成26年度補正予算関連として地域消費喚起・生活支援型の項目では、プレミアム商品券事業費と子育て世帯生活支援事業費が計上されており、市民からの期待も大きいようであります。このプレミアム商品券事業について伺います。プレミアム率20パーセント、1セット1万円を10万セット発行し、使用予定期間が本年7月から12月とされておりますが、どこの場所で販売されるのか、どこのお店で使用できるのか、販売額の上限はあるのか、発行の追加や期間の延長はどのように考えられているのか、現在のわかる範囲でお示しください。
次に、地方創生先行型の予算についてであります。
今後の本市の大きな課題の一つである移住・定住の観点から伺います。商業起業者定住促進事業費が計上されておりますが、新規商業起業者の動向についてどのような状況なのか、最近の状況と起業者の意見・要望について把握しておりましたらお示しください。
また、起業しやすい環境づくりとはどのようなことを想定しているのか、新規起業者への周知や相談窓口はどのようになっているのかお答えください。
次に、女性・若年者の地元定着を目指した人材育成事業です。女性・若年者の正規雇用による地元定着を目的とされています。まず、本市の高卒者の地元就職についてどのような状況なのか、直近5年間の推移をお示しください。
また、課題とされていた雇用状況の改善やミスマッチについてどのように検討されてきたのかお答えください。
さらに、就業体験と研修を組み合わせた実践的な人材育成とはどのようなものなのか、内容についてもお示しください。
次に、移住促進事業経費と空家実態調査事業費であります。
移住については、以前から取り組んできた内容であります。移住促進がスタートして以来、現在までの移住の状況と課題や問題点についてお示しください。
今回の受入れ環境の充実や起業希望者を対象とした市内視察はどのように検討されているのか、体制も含めお示しください。
空き家実態調査についてです。
危険な空き家については、担当所管にて把握されているようでありますが、危険な度合いや隣家、前面道路などへの影響は差があります。まず、空き家についてどのような調査を考えられているのかお示しください。
また、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、今後の所管についてはどのような体制で対策を検討されるのかお答えください。
次に、利用可能な空き家の活用についてであります。
空き家の活用については今後の課題であり、建設常任委員会の住宅エコリフォーム条例案策定の勉強会においても議論となりました。空き家の活用について、本市では空き家バンク制度が創設され実施されてきましたが、これまでどのような状況なのか、推移と制度の内容についてお示しください。
今回の空き家活用の調査で把握した情報をどのような対策のために使用されていくのか見解を伺います。
以前、地域の方と懇談した際に、空き家が別荘として売却されたり、移住された内容を伺いました。いずれも買主は本州の方であり、物件は車が直接行けない高台の景色のよいところで景観が大きなポイントだったようであります。これらは、民間の不動産会社に関係しての動きでありますが、空き家バンク制度との相互的な活用の検討は今後重要と考えますが、見解を伺います。
以上、3項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、地方創生関連について御質問がありました。
初めに、人口減少対策についてですが、まず国立社会保障・人口問題研究所による人口推計をどう受け止めたかにつきましては、現状のまま人口の減少が続けば、25年後という近い未来に人口が約4割も減少するという結果について、今後の本市のまちづくりに大きな影響があると受け止めております。
また、本市の人口減少に対する認識につきましては、昭和39年をピークに人口の減少に歯止めがかからない中、近年では年間2,000人を超える減少数となっていることから、これからも活力のある持続可能なまちづくりを考えるに当たり、人口対策は本市の最重要課題であると認識しております。
次に、過去10年間の人口動態の状況と、その主な要因につきましては、平成16年末と26年末の比較で申し上げますと、人口総数では2万132人が減少しており、内訳といたしましては出生数と死亡数の差である自然動態が1万850人、転入数と転出数の差である社会動態では9,282人、それぞれ減少しております。
近年の動向としては、出生数の減少に伴い自然動態の減少が大きくなっており、社会動態の減少を上回る状況にあります。主な要因といたしましては、20歳代を中心に就職などを機に市外へ転出する若い世代が多く、このことが出生数の減少にもつながっているものと考えております。
次に、人口対策の検討に向けた今後の予定や考え方と具体的な対応につきましては、現時点において、人口対策の検討に向けたポイントとして産業振興による働く場の創出拡大、子育て支援と教育の充実、生活環境の整備の三つを基に効果的な事業の検討を進めることとしております。今後は、他都市の取組手法についても参考にしながらアンケート調査などを実施するとともに、議論を加速させ、平成28年度の予算に反映させるよう10月を目途に人口対策の取りまとめを行いたいと考えております。
次に、地方創生についてですが、まずその認識につきましては、地方創生の考え方は地方が人口の減少や景気の低迷などにより日本創生会議が指摘した多くの自治体の消滅可能性に端を発したものと認識しております。国の総合戦略の中では、人口減少と地域経済縮小の克服のため、地方における安定した雇用の創出や地方への新しい人の流れをつくることなどを基本目標としているほか、このたびの緊急経済対策において創設された新たな交付金による支援など、地方を重視する考え方について評価しているところであります。
次に、地方版総合戦略や国の人的支援につきましては、人口減少の克服と地方創生を目指すまち・ひと・しごと創生法に基づき、地方自治体にも地方版総合戦略などの策定が努力義務とされましたが、本市においては人口対策が最重要課題であることから、その策定に向け取組を進めたいと考えております。
また、国の人的支援であり、首長の補佐役として人材が派遣される地方創生人材支援制度につきましては、人口5万人以下の自治体が要件となっていることから対象とはなりませんが、各省庁の総合的な窓口役となる地方創生コンシェルジュ制度につきましては応募しているところであります。
次に、地方版総合戦略の検討体制と総合計画との整合性につきましては、総合戦略は人口減少の克服と地方創生を目指すものであり、本市が検討を進めている人口対策とその趣旨を同じくすることから、小樽市人口対策会議と人口対策庁内検討会議においてその策定に向けた取組を進めたいと考えております。
また、総合計画では、市民が快適で安心して心豊かに暮らせる活力あふれる地域社会の実現を目指すこととし、人口対策は最も重要な課題の一つとして位置づけるなど、今後策定する地方版総合戦略とはまちづくりの方向性としては変わらないと考えております。
次に、地方での人材育成につきましては、このたびの地方創生先行型の事例集では、地域人材の育成・定着のための取組が示されていることから、今年度、地域人づくり事業として実施している新卒未就職者等及び女性離職者の再チャレンジ支援事業などの雇用創出の取組も実施可能となっており、今後とも業界団体などと意見交換を重ね、国の施策を活用するなど、人材育成に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
また、市職員の人材育成につきましては、引き続き上級研修やアイデア・発想力向上研修などを行い、政策形成能力の向上に努めてまいります。
次に、国の緊急支援のための交付金等についてですが、まずプレミアム商品券事業につきましては、現在、販売所の数や場所についての検討を進めているところであり、使用できる店舗については市内の小売店、飲食店、サービス業などを対象に公募を行い決定してまいります。
また、販売額の上限については、他都市の状況等を参考とし、購入者1人当たり5万円を予定しており、商品券の追加発行や使用期間の延長については考えておりません。
次に、新規商業起業者の最近の状況につきましては、本市商業起業者支援事業による家賃補助の対象となった起業者に限りますと、平成24年度は5名、25年度は4名、本年度は5名であります。
起業者からの意見・要望といたしましては、事業用の物件や活用が可能な助成制度、融資制度などの情報提供に関する要望が最も多く寄せられております。
次に、起業しやすい環境づくりにつきましては、経営のノウハウを学ぶ講座の開設、助成・融資制度や事業用物件などの情報提供、利用しやすい相談窓口などが必要と考えており、今後とも関係機関と連携して、起業者の支援に取り組んでまいりたいと考えております。この事業の周知につきましては、今後、市のホームページで内容を紹介するほか、北海道や中小企業大学校、小樽商工会議所などのホームページにも掲載をお願いし、必要に応じて広報おたるへの掲載や新聞各紙への報道依頼も行う予定であります。
なお、起業の相談窓口は、市役所別館4階の産業港湾部内において対応しております。
次に、本市高卒者の直近5年間の地元就職状況につきましては、毎年行っている市内高校への聞き取り調査の結果、各年5月時点での就職者の市内事業所への割合は平成22年度46.1パーセント、23年度43.0パーセント、24年度46.1パーセント、25年度43.2パーセントと推移しており、平成26年度については、本年1月末現在で市内事業所への就職内定者の割合が43.3パーセントとなっております。
次に、雇用状況の改善につきましては、雇用の場を創出するためには何より市内経済を活性化することが重要であり、これまで企業誘致や地元企業に対するさまざまな支援策に取り組んできたところであります。
また、ミスマッチの対応につきましては、ハローワークなどの関係機関と連携し、就職活動前に地元企業の情報提供や自身の仕事の適性の認識など進路を決める支援となるよう企業説明会や企業見学会などの事業を行っているほか、高校生就職スキルアップ支援事業などで個人面談を通じて企業が求める人材についての情報を就職相談に生かすことにより、少しでもミスマッチを解消できるよう取り組んできたところであります。
次に、女性・若年者の地元定着を目指した人材育成事業の内容につきましては、国が推進する女性・若者等の雇用拡大施策を受け、女性・若年者の正規雇用による地元定着を目指しており、市内の観光・サービス・物販関連企業での就業体験と語学・ビジネス・パソコンなどの研修を組み合わせた実践的な人材育成であり、自己PRや模擬面接などの就職活動支援やキャリアカウンセラー等による就職相談なども合わせて実施する予定であります。
次に、移住の状況と課題や問題点につきましては、平成17年7月に移住のワンストップ相談窓口を設置以降、本年2月末までに把握できた移住者数は58世帯、122人であります。移住に当たっては、仕事と住まいが大きな要件となりますが、市として直接その対応をすることができないことなどが課題であると考えております。
次に、移住の受入れ環境の充実や起業希望者を対象とした市内視察につきましては、受入れ環境の充実では1か月単位で長期滞在が可能なちょっと暮らし施設をホームページなどで紹介しておりますが、交流人口の拡大や本格移住に結びつけることができるよう、さらにその施設を増やすため取り組んでまいります。
また、起業希望者を対象とした市内視察は家賃などを補助する市の商業起業者定住促進事業との連携により、移住の促進と商店街の活性化を図ろうとするものであり、市内商店街の空き店舗等の視察を予定しております。ともに市が物件を所有しているものではないことから、民間事業者の協力をいただきながら事業を実施してまいりたいと考えております。
次に、空き家実態調査につきましては、今後、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく対応を進めるためには市内における空き家の現状を把握する必要があることから調査を実施し、その上で空き家を「良好」「不良」「危険」などに分類することとしております。
次に、今後の空き家対策に向けての体制につきましては、これまで行ってきた空き家の情報収集や現地確認、市民からの相談や苦情対応のほか、昨年11月に成立した空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、必要な措置について検討を行っていくことになります。このため、来年度、建設部において専任の職員複数名を配置し、空き家対策を効率的かつ総合的に推進しようと考えております。
次に、空き家・空き地バンク制度についてですが、まずこれまでの推移につきましては制度を開始した平成22年1月からこれまでに14件の登録があり、全て売買又は賃貸借が成立しております。各年度の登録件数は、初年度は8件で、その後はゼロから3件で推移しております。
また、この制度の内容につきましては、空き家・空き地の売却などを希望する方の物件情報を市のホームページで公開し、購入などを希望する方との仲介を市が提携する宅地建物取引業者が行う制度であります。
次に、調査で把握した情報につきましては、この情報を基に特別措置法に基づく空き家等に関するデータベースを整備するとともに良好な空き家については、空き家・空き地バンクへの登録などを進めるほか、危険な空き家については市民の安全・安心な生活のため必要な措置を講ずるなど、今後の空き家対策を検討するため活用してまいりたいと考えております。
次に、不動産会社と空き家・空き地バンク制度との相互的な活用につきましては、本制度は宅地建物取引業者の仲介を前提としておりますので、登録物件の情報を共有し、双方で購入等を希望する方の募集を行ってまいりました。今後につきましては、これまで以上に空き家の有効活用を促進していくために、より魅力ある登録物件を発掘し、その情報を相互に活用していくことが重要であると考えております。
○議長(横田久俊)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、10番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)10番、高橋克幸議員。
(10番高橋克幸議員登壇)
○10番(高橋克幸議員)次に、環境問題についてであります。
まず、再生可能エネルギーの推進についてであります。
我が国の新エネルギー施策の動向でありますが、石油危機によりエネルギー供給の脆弱さが浮き彫りにされたのを契機として、省エネルギー、石油代替エネルギーについてのさまざまな対策が行われてきました。石油代替エネルギー対策として、1980年に代エネ法、1997年には新エネ法が成立し、さらに今後のエネルギーを安定的かつ適切に供給するため、エネルギー供給事業者に対し、非化石エネルギー源の利用を拡大するとともに、化石エネルギー原料の有効利用を促進するエネルギー供給構造高度化法が2009年に成立しております。
東日本大震災以降、エネルギー政策の考え方が大きく変わり、再生可能エネルギーの利用促進が注目されているところであります。そこで、再生可能エネルギーの推進についてどのように考えられているのか、市長の見解を伺います。
さて、再生可能エネルギー推進の取組は必要と考えており、そのためにしっかりとした調査と具体的な推進計画が必要不可欠であります。まず、地域調査として市の自然環境や社会環境、エネルギー需要構造を勘案して、再生可能エネルギー賦存量や利用可能量などの調査をできる限り早く進めることを提案いたしますが見解を伺います。
また、今後この推進計画についてはどのように検討されるのかも、あわせてお答えください。
再生可能エネルギーの中でも住宅の太陽光発電については、ここ数年、国の政策もあり、着実に増加しているようですが、これまでの市内の太陽光発電の件数の推移を把握されていましたらお示しください。
また、今後、市として太陽光発電に対する政策的な考え方が必要と思いますが、市長の見解を伺います。
次に、一般廃棄物処理基本計画についてであります。
平成17年策定の一般廃棄物処理基本計画の計画期間は10年であり、平成26年度が最終年度であります。当初の基本計画で想定していた人口減少等が変化し、その影響が実施計画にも現れていると思いますが、基本計画の総括として何点か伺います。
初めに、ごみの排出量でありますが、生活系ごみ、資源物、事業系ごみについて、それぞれの10年間の推移と基本計画と実績値の比較ではどのようになっているのかお示しください。
また、その要因についてどのように分析しているのか、あわせてお答えください。
ごみ処理にかかわる課題についてであります。
循環型社会形成のための再資源化、収集・運搬、焼却施設、資源化施設、最終処分場の5点についてどのような課題があったのか、その対策はどのように行われてきたのかお示しください。
また、生活系ごみ質についてどのように分析をしてきたのかお答えください。
資源物の収集量についてであります。資源物の多い品目としてプラスチック製容器包装、新聞、紙製容器包装、瓶、段ボールとなっていますが、これらの資源物収集量について、この10年間どのように推移してきたのか、その要因も含め、お示しください。
また、平成25年からスタートした小型家電の回収について現在までどのような状況なのか、内容についてお答えください。
これらの分析結果を基に次期基本計画案が策定されているようでありますが、主な内容についてお示しください。
次に、生活系粗大ごみの自己搬入についてであります。
最近、他都市から転入された複数の方より粗大ごみの自己搬入について意見・要望がありました。その方々が元住んでいた自治体では有料ではありますが、少額で自己搬入ができたそうであります。一般家庭の片づけや引っ越し等で出る粗大ごみについて、本市では廃棄物処理場へ直接自己搬入することができません。搬入できるのは、一般廃棄物の許可業者に限られています。小樽を含めた全道の主要10都市、札幌市、函館市、旭川市、釧路市、帯広市、苫小牧市、江別市、北見市、室蘭市で自己搬入について確認したところ、小樽市以外は、全て自己搬入を実施しておりました。これらの手数料は多くが10キログラム単位となっており、料金は50円から200円の範囲で決められています。
まず、全道の各市で自己搬入を実施していない自治体は幾らあるのか。
本市で粗大ごみの自己搬入を実施していない理由は何かお示しください。
次に、粗大ごみの料金についてであります。
本市の生活系ごみで料金シールを購入しての処理と、それ以外は一般廃棄物許可業者、6業者に依頼する処理となりますが、どのような基準で手数料が決められているのかお知らせください。
また、許可業者の料金設定については何を基準として決められているのか、許可業者間で差があるのか、市は内容を確認しているのか、お答えください。
さらに、本市と主要な都市との比較で手数料の基準や考え方についてどのような違いや特徴があるのか、今後の課題や問題点についてお示しください。
4項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、環境問題について御質問がありました。
初めに、再生可能エネルギーの推進についてですが、まず再生可能エネルギー推進の見解につきましては、化石燃料の枯渇や地球温暖化対策としての温室効果ガスの排出削減、さらにはエネルギー源の分散化などの観点から推進は必要なものと考えております。
次に、再生可能エネルギーの賦存量や利用可能量の調査につきましては、市内のエネルギー賦存量は、北海道の賦存量推計システムを活用して試算を進めているところでありますが、賦存量を基に算定する利用可能量は、今後、他都市の事例などを参考として、引き続き、調査・研究を行ってまいりたいと考えております。
また、推進計画につきましては、エネルギー賦存量や利用可能量のほか、エネルギーを利活用するプロジェクトなどを盛り込む必要がありますので、現時点において策定を予定しておりません。
次に、市内の太陽光発電の件数推移につきましては、平成23年3月末時点では60件だった設置件数が平成26年12月末時点では282件となっており、約3年間の間で4.7倍の伸びとなっております。太陽光発電も含めた再生可能エネルギーについては今後も普及が図られるべきと認識しており、国の制度なども見極めながら、市としての対応を検討してまいりたいと考えております。
次に、一般廃棄物処理基本計画についてですが、まず現基本計画のごみの排出量につきましては、生活系ごみは現計画の前年度である平成16年度の4万2,822トンに対し、目標年次である平成26年度の予測値を2万8,110トンとしていましたが、平成25年度の実績値では2万2,751トンとなり、予測値より大きく減少しております。要因は、平成17年度に燃やすごみと燃やさないごみの収集を有料化したことや、市民の分別意識が進んだものと考えており、有料化初年度の平成17年度の時点で2万6,758トンと予測値を下回った以降、リバウンドもなく微減の状況が続いたものであります。
資源物は、平成16年度の829トンに対して目標年次である平成26年度の予測値を7,798トンとしていましたが、平成25年度実績値では6,683トンとなり、実績値は予測値を下回っております。要因は平成17年度のごみ有料化とあわせて資源物収集品目を大幅に拡大したことにより、排出量は大幅に増加しましたが、人口減少や排出抑制の効果もあり、予測値を下回ったものと考えております。
事業系ごみは、平成16年度の2万126トンに対し、目標年次の平成26年度の予測値を1万7,600トンとしていましたが、平成25年度実績値では2万212トンとなり、予測値を上回っております。要因は事業系ごみの排出量は経済活動の動向に左右されることから、減量化が進まなかったものと考えております。
次に、現計画の再資源化等の課題と対策につきましては、再資源化は市民意識の向上とともに資源物の収集品目の拡大による資源化の促進が課題であったことに対し、生活系ごみの有料化に合わせ、無料で収集する資源物の収集品目を拡大し、資源化の促進を図ってきたところです。
収集・運搬は、民間委託をする必要性と冬期間や高齢者に配慮した収集・運搬体制の検討が課題であったことに対し、路線収集の全面委託化、冬季収集困難地区対策の拡大、ふれあい収集の実施などの施策を講じてまいりました。
焼却施設及び資源化施設は、現計画の策定時においては、まだ供用開始していなかった北しりべし廃棄物処理広域連合の両施設の有効な利用が課題となっていましたが、平成19年4月の供用開始後は、それぞれの施設において随時展開検査を行うことなどを通じて適切な処理が確保されていると認識しております。
また、最終処分場は、ごみの減量化を図りながら、次期最終処分場の整備の検討が課題でありましたが、ごみの排出抑制や減量化により、現処分場の供用期間は当初計画より5年延長し、平成31年度まで使用可能となったほか、さらなる延命化についても検討しているところであります。
次に、生活系ごみ質の分析につきましては、新計画策定に当たっての基礎資料を得るため、今年度季節変動も考慮し、5月と8月の2回、燃やすごみと燃やさないごみについてごみ質分析調査を行いました。分析の結果、燃やすごみのうち47.3パーセントが厨芥類、38.8パーセントが紙・布類であり、燃やさないごみのうち43.2パーセントがプラスチック類、40.3パーセントがガラスや金属などの不燃物でした。
次に、資源物の収集量の品目ごとの推移につきましては、資源物収集品目を拡大した平成17年度と直近の平成25年度の実績値で申し上げますと、プラスチック製容器包装は平成17年度1,806トンに対し、25年度1,537トン、新聞は1,565トンに対し1,198トン、紙製容器包装は1,325トンに対し1,180トン、瓶は1,066トンに対し750トン、段ボールは611トンに対し619トンであり、段ボールが横ばいであるのを除き減少しています。主な要因は人口減少でありますが、新聞については市況価格の変動などによる民間回収業者の事業活動の影響もあると考えております。
また、小型家電回収については、平成26年2月から市内4か所に回収ボックスを設置したほか、市が後援するリサイクルイベント時にも回収ボックスを設置しており、回収量は平成25年度が1.2トン、26年度は現在のところ約5トンと見込んでおります。
次に、次期基本計画案の内容につきましては、基本方針として、「ごみの発生抑制・排出抑制による環境への負担及び処理コストの削減」「資源化の推進やリサイクル活動等の支援による限りある資源の有効活用」「安全・快適なくらしの実現と環境にやさしいごみ処理体制の整備」の3項目を挙げ、ごみに含まれる食品廃棄物の削減、適切な分別の徹底や再資源化可能なものについての可能な限りの再資源化を図るとともに高齢社会に対応したごみと資源物の収集のあり方について施策を講じることとしています。その結果、目標年次である平成36年度までに資源物を除く生活系ごみの1人1日当たりの排出量を約10パーセント減少させることを主な目標としております。
次に、生活系粗大ごみの自己搬入についてですが、まず全道の市で自己搬入のできない市につきましては本市以外にはありません。
また、本市で自己搬入を実施していない理由でありますが、処理施設がある周辺地域の静穏な生活環境の保全や施設内での安全確保の観点から認めておりません。
次に、生活系ごみに張るごみ処理券の手数料などにつきましては、ごみ処理券は長さ1メートル以内、容積0.1立方メートル以内、重さ50キログラム以内のもので指定有料袋に入らないものに直接張って出すものであり、手数料は有料袋のうち最大の40リットルの袋と同額の80円に設定しております。
また、粗大ごみの許可業者の収集料金については、それぞれの許可業者が収集品目や大きさ、排出方法や運搬距離などを勘案し設定しており、許可業者によって多少の差があると認識しております。
次に、粗大ごみに対する本市と他都市との違いなどにつきましては、それぞれの市で粗大ごみの定義や手数料設定は異なることから単純な比較はできませんが、他都市においては、一定の条件の粗大ごみについては市が業者に収集を委託し、排出者は市に定められた手数料を支払う委託方式が一般的であるのに対し、本市においては全ての粗大ごみを排出者と許可業者との直接契約としているのが他都市とは異なっております。
また、一方で粗大ごみの定義の違いによっては、本市でのごみ処理券による排出方法が有利になる場合もあります。しかしながら、許可業者の料金については排出者にわかりやすく説明することも必要であると認識しております。
○議長(横田久俊)次に、第5項目めの質問に入ります。
(「議長、10番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)10番、高橋克幸議員。
(10番高橋克幸議員登壇)
○10番(高橋克幸議員)次に、除雪問題について伺います。
まず、空き家の危険な雪問題についてであります。
4年前、清水町で空き家の屋根から大量の雪が滑り落ちて、前面の幹線道路をふさぎ、一時通行止めとなりました。バスの運行にも影響があったようであります。ただ、幸いなことに人身、物損事故などはありませんでしたが、この道路は通学路でもあり、もし子供たちがここを通っていたら大変な事故になっていたことは間違いないと思われます。先日、他の地域で空き家からの落雪による隣家の物損事故があり、大変な状況であったようであります。
また、傾いている隣家の屋根の雪を危険回避のため、自費で雪おろしをしている方からの相談もありました。ここ数年の小樽市内の空き家の状況は増加傾向のように感じますが、このような落雪による市民からの相談件数、内容について把握していましたらお示しください。
先ほどの例のように管理されていない空き家について、今後、市内の人口減少に伴い、増加するものと推察されます。また、その影響により事故や危険性の増加が考えられるところであります。さらに、個人情報保護法により、情報が得られないことにより問題が解決しづらい環境にあると思われ、このような空き家の雪による問題は今後の大きな課題の一つであると思いますが、どのように認識されているのか見解を伺います。
さて、民家の空き家については当然所有者の責任でありますが、危険性のある場合、市からの注意喚起や所有者に連絡がとれない場合の緊急避難的な最低限の措置の検討や影響の大きい幹線道路付近や通学路周辺での危険な空き家の雪の見回りや市民からの情報収集も必要と考えますが、これらについてどのように対策を実施されているのか、また課題や問題点についてと、さらに空き家対策の関連法による今後の空き家の危険な雪問題の対策について市長の見解を伺います。
次に、貸出しダンプ制度についてであります。
本市は、道内でも比較的多雪地域であり、地形的に山坂が多く道幅が狭いため、冬道状況は厳しい環境にあります。このため、市民が安心で快適な生活を送るためには、除排雪の対策が重要となっています。今年度につきましては、昨年度と同様に積雪が多く、除排雪については補正予算を追加する状況であり、今後の積雪状況が懸念されています。そういう中にあって、長年継続されてきた貸出しダンプ制度は、冬の市民生活にとって定着してきた有効な制度であります。この貸出しダンプ制度は昭和54年度から町会などが行う排雪作業に市が費用負担したダンプを無償で貸し出す制度であり、この制度の目的は生活道路の排雪を行う際に町会等の排雪費用の軽減を図るものとされています。
そこで、この制度について何点か伺います。
平成25年度の状況で、この制度の実施件数、使用ダンプ台数、ダンプの借上金額についてお示しください。
また、この制度の直近5年間についてどのような状況なのか、特徴も含めお答えください。
次に、貸出しダンプの契約について何点か伺います。
貸出しダンプについては、四つのダンプトラックの組合と契約を締結していますが、町会などがこの制度の申込み及び抽選後、市は四つの組合にどのような基準でダンプを手配されるのか。
また、積載量やダンプ単価について、その契約内容についてもお示しください。
懸念される点として考えられるのが、ダンプや積込み重機の不足についてであります。最近の建設業の状況を見ますと、公共事業の削減や建設工事減少が続いた時期に建設業界では業務の縮小や廃業に伴い、ダンプや重機等、除雪に関連する機器が減少傾向にありましたが、本市ではどのような状況なのか、ダンプ組合の台数の推移や新規参入の状況について把握していましたらお示しください。
以前、この本会議で質問した不適切な排雪については改善されているものと思いますが、道路以外の排雪やダンプの排雪積載量が業者によって違いがあることなどについてはどのようにチェックされているのかお答えください。
また、排雪に当たっての関係課の連携強化はどのように進められてきたのか見解を伺います。
以上、5項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、除雪問題について御質問がありました。
初めに、空き家の危険な雪問題についてですが、まず空き家からの落雪による市民からの相談件数と内容につきましては、過去3年の落雪の相談件数は、平成23年度80件、24年度62件、25年度97件であり、主な相談内容は「道路に落雪した」、また「落雪しそうで危険である」「隣の家の屋根から落雪したら建物が損傷するかもしれないので指導してほしい」などであります。
次に、管理されていない空き家の問題につきましては、空き家はあくまでも個人の財産であり、個人の責任において管理すべきものであることから、行政としての対応には限界があると考えております。
また、迅速性が求められる落雪対応において、所有者の連絡先の調査や死亡している場合の相続人の調査に時間を要したり、所有者の高齢化や金銭的な理由などにより十分な管理が行われないという現状もあり、多くの課題があると認識しております。
次に、空き家の雪問題への対策等につきましては、落雪パトロールなどにより危険な空き家の把握に努めており、危険性のある場合の措置としては、落雪注意の看板設置やロープの設置による注意喚起を行うなど対応しているところであります。
また、空き家については所有者を特定し、指導することが必要でありますが、所有者の氏名や連絡先が不明な場合があることから、今後、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、固定資産税情報をどのように活用することができるかについて検討してまいりたいと考えております。
次に、貸出しダンプ制度についてですが、まず直近5年間の実績とその特徴につきましては各年度の実施件数、ダンプ台数、借上金額の順でお答えいたします。
平成21年度は365件、1,807台、約7,000万円、22年度は408件、2,354台、約9,000万円、23年度は394件、2,259台、約1億円、24年度は433件、2,838台、約1億2,000万円、25年度は461件、2,962台、約1億4,000万円となっており、いずれも年々増加傾向にあります。
次に、四つの組合へのダンプの手配につきましては、町会側で手配する積込み重機を保有する業者は1社を除きダンプも保有しており、いずれかの組合に加入していることから、その組合にダンプの派遣を依頼しております。そのダンプを保有していない業者の場合は町会に組合を選んでいただくこととしております。
次に、積載量や運搬単価の契約内容につきましては、4トンダンプ1台の積載量は5立方メートル、10トンダンプの積載量は14立方メートルと換算しております。
また、運搬単価については、排雪現場から雪捨場までの距離に応じて平成26年度ではタイヤドーザ積込みで4トンダンプは1立方メートルにつき320円から850円、10トンダンプは1立方メートルにつき330円から660円で契約をしております。
次に、ダンプ組合の台数の推移や新規参入の状況につきましては、平成24年度から26年度までの3か年では24年度は登録台数が179台で新規参入は4社、25年度は登録台数が171台で新規参入は5社、26年度は登録台数が189台で新規参入は1社であります。
次に、排雪作業のチェックにつきましては、建設部の職員が全ての現場ではありませんがパトロールを実施し、申込書に記載された箇所以外の排雪を行っていないか、ダンプの積載量が適正であるか、未登録の積込み重機を使用していないかや排雪現場と雪捨場の間のダンプの運搬時間などを確認しております。さらに、これらの確認項目と翌日組合から提出される排出作業伝票との突き合わせを行い、チェックしております。
次に、排雪に当たっての関係課の連携強化につきましては、貸出しダンプによる排雪の日時、場所、雪捨場などの情報を担当である建設部庶務課から雪対策課に提供するとともに、各除雪ステーションにも通知しております。
また、救急車、消防車などの通行に支障が生じないよう消防本部にも同様の情報を提供し、関係各課の連携に努めております。
○議長(横田久俊)次に、第6項目めの質問に入ります。
(「議長、10番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)10番、高橋克幸議員。
(10番高橋克幸議員登壇)
○10番(高橋克幸議員)次に、教育問題についてであります。
学力の向上について何点か伺います。
平成25年度の全国学力・学習状況調査では、小学校で算数A以外は全道平均を下回り、中学校では全て全道平均を下回る結果でありました。平成26年度の同調査結果では、小学校、中学校のいずれの教科においても全道平均を下回っておりました。この2年間の比較についてどのような分析をされているのか、また25年度の調査の結果を基に課題解決のための5つの改善方策を示し、実施されてきたことと認識していますが、その内容と結果について見解を伺います。
数年前に秋田市へ教育委員会として視察をされているようでありますが、その結果として本市との違い、参考にした内容及びその後どのような対策を検討され実施してきたのかお示しください。
次に、学校や教職員への取組でありますが、23の指針に基づき具体的な数値目標を設定し自己評価を行うなど、具体的な行動を確実に行うよう今後指導していくという内容が昨年の教育行政執行方針にありましたが、教育委員会としてどのように把握し指導されてきたのか、その内容についてお示しください。
次に、小樽の歴史と文化を学ぶ学習についてであります。
小樽のまちは先人の築いてきた歴史とともに遺産として残っているものが多くあります。生まれ育った小樽の歴史と文化を知ること、学ぶことは大きな意味があり、できる限り推進を要望いたしますが、教育長の見解を伺います。
小学校の社会科の副読本「わたしたちの小樽」でありますが、特にこの中で、歴史と文化の部分についてどのように学習されているのか見解を伺います。
また、本市の歴史と文化を学ぶ場所として、博物館や歴史的建造物に係る内容など多くの題材があると思われますが、総合的な学習の時間など、これまでに実施されてきた内容や特徴的な学習について把握していましたらお答えください。
以上、再質問を留保して、私の代表質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)高橋議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、教育問題について御質問がありました。
初めに、全国学力・学習状況調査結果における平成25年度及び26年度2か年の結果の分析についてですが、平成26年度の全国学力・学習状況調査結果では、小学校国語においては、A問題は全国に比べ5.7ポイント、B問題は5.2ポイント低く、平成25年度と比べ、A問題は1.9ポイント、B問題は0.6ポイントその差が広がっております。
小学校算数においても、A問題は3.1ポイント、B問題は6.7ポイント全国に比べて低く、平成25年度と比べてA問題は1ポイント、B問題は2ポイント、その差が広がりました。
中学校国語においては、A問題が全国に比べ2.9ポイント、B問題が5.3ポイント低く、平成25年度と比べてB問題はその差が0.6ポイント広がりましたが、A問題においては全国との差が1.2ポイント縮まっております。
中学校数学においても、A問題が全国に比べ4.3ポイント、B問題は全国に比べ5.1ポイント低い結果となりましたが、平成25年度と比べ全国との差はA問題が1ポイント、B問題が3.4ポイント縮まっており、改善の傾向が見られました。
平成26年度の調査結果から本市の児童・生徒は全国に比べて基礎学力がしっかりと身についていない児童・生徒の割合が高い状況にありますことから、今後は各学校において学年の学力定着目標を定め、学力向上検討委員会での分析を基に作成した確認テスト問題を学期ごとに実施するなど、基礎・基本の定着を目指した取組を継続的に行うこととしております。
次に、平成25年度の調査結果を基に作成した5つの改善方策の内容と結果についてですが、5つの改善方策は平成25年度の調査結果の分析を基に市内の教員で組織した学力向上検討委員会において作成し、「学力の定着状況の把握」「教職員の指導力の向上」「確かな学力をはぐくむ教育課程及び授業の改善」「学習習慣をはぐくむ家庭学習の充実」「学校と家庭が一体となった生活習慣の改善」の5項目で学力向上に向けた学校及び家庭の具体的な取組が示されております。この改善方策を示したことにより、全ての学校で校内研修による研究授業が実施されるとともに、学習規律の徹底や放課後及び長期休業中などを活用した補充学習が行われております。
また、家庭においても音読や読書を含めた家庭学習が定着しつつあり、児童生徒質問紙調査において、家庭での読書量の増加や家庭学習を全くしない児童・生徒が減少するなどの改善も図られております。しかしながら、今年度の調査結果から本市の児童・生徒の学力の定着にはまだまだ課題が多いことから、基礎学力の定着、書く力の育成、家庭での望ましい生活習慣の確立の3点を重点課題として、現在、各学校において具体的な取組が進められております。
次に、秋田市への視察研修の結果として参考になった内容や本市との違い並びに視察後の対策についてでありますが、まず秋田市における特色としては、学校にあっては教員が小・中学校9年間を連続したものと捉え、授業改善に向けた研修会を積み重ねるなど、一人一人が情熱を持って指導に当たっております。
また、児童・生徒の挨拶などの基本的な生活規律や授業中の姿勢、集中力などの学習規律が身についていることなどが挙げられます。さらに、家庭学習においては小学校で8割から9割、中学校で6割から7割の児童・生徒が家庭学習ノートを毎日提出しており、小学校低学年から積み上げられた家庭学習の習慣が定着していることなどが挙げられます。
教育委員会としては、平成23年度に1名、24年度に3名の教員を秋田に派遣し、視察研修後に伝達のための研修会を実施してまいりましたが、その内容を市内の教職員に十分伝えきれなかったという反省から、平成25年度から秋田大学の教授を招いての研修会を開催し、昨年は菁園中学校と西陵中学校の共同研究者として招き、6月の研修会及び11月の公開研究会で授業改善に向けた取組や校内研修の推進などの指導・助言を通して、秋田の教育のノウハウを小樽の各学校に浸透させる取組を行ってきたところであります。
次に、小樽市学校教育推進計画23の指針の把握と指導についてですが、平成26年度の推進計画では、教育委員会が示した23の指針に基づき、各学校では学校経営目標を自校の目標として数値で設定し、達成度を評価することで具体的な行動を確実に行うよう指導してまいりました。教育委員会では、年度当初に各学校から提出された自校の目標が教育行政執行方針や学校の課題に則しているかなどを確認し、学校経営訪問などにおいて指導・助言を行うとともに、2学期末の中間報告により、各学校の数値目標の進捗状況の精査を行っており、最終的には学年末の達成状況報告を受けるなどして各学校の確実な改善を行ってまいります。
次に、小樽の歴史と文化の学習についての御質問がありました。小樽の歴史と文化を学ぶ教育の推進についてですが、私としては子供たちが生まれ育った小樽の歴史、伝統、文化について理解を深め、ふるさと小樽に自信と誇りを持つ教育の推進が大切であると考えており、そのために学校においては小樽の豊富な教育資源を活用し、体験的な学習を通して、ふるさと小樽について理解を深める学習を積極的に行うことが重要であると考えております。
あわせて、子供たちが地域とのかかわりを持ち、潮まつりなどの伝統行事への参加や外部人材を招いての茶道、生け花、和楽器の演奏などを学ぶ学習などが行われており、今後これらの取組を継続するとともに、来年度は各学校には社会貢献活動を積極的に取り組むよう指導してまいります。
次に、小学校社会科副読本「わたしたちの小樽」の歴史と文化の学習についてでありますが、小樽の歴史や文化を学ぶ学習については小学校3年、4年において副読本「わたしたちの小樽」を活用した学習が市内全ての学校で行われております。例を挙げますと、3年生の授業で副読本の中に書かれている古くから残る暮らしや道具について実際に総合博物館運河館を訪ね、昔の冷蔵庫や電話機、ミシンなどの道具や暮らしについて調べる体験的な活動が行われております。
また、4年生では、副読本から学んだ広井勇や伊藤長右衛門の防波堤づくりなどについて、実際におたるみなと資料館や小樽運河へ出向き詳しく調べることで小樽の歴史や文化の学習を深めるなどの教育活動も行われております。
次に、小樽市総合博物館や歴史的建造物を活用した総合的な学習の時間などにおける特徴的な学習についてでありますが、本市においては多くの小・中学校で小樽市総合博物館や歴史的建造物を活用したさまざまな取組が行われておりますが、その特徴的なものを挙げますと、色内小学校では、おたる案内人ジュニア育成プログラムとして、ふるさと小樽への愛着と社会性を育むことを目的に運河館を見学し、ニシン漁や北前船などの小樽の歴史や歴史的建造物などについて学び、その成果を観光ガイド体験活動に生かす取組を行っております。
潮見台小学校では、地域の歴史的建造物から小樽の歴史を学ぶ学習として、総合博物館学芸員から勝納川流域の産業や建造物などの説明を受け、その後、龍徳寺や宗円寺五百羅漢像、和光荘などを見学し、住職等の説明から学んだことを壁新聞にまとめ、発表し合う活動を行っております。
また、西陵中学校では、1年生がグループのテーマである小樽の鉄道の歴史についての学習を深めるため、総合博物館を見学し、鉄道開通による小樽のまちの変化についてまとめた成果を学年集会で保護者に向けてプレゼンテーションするという取組も行われております。
教育委員会としては、小樽の歴史や文化を学ぶ学習活動を充実させることは、子供たちがふるさと小樽への愛着を持つために重要なことであり、今後とも社会教育施設と連携した体験的な学習を進めてまいりたいと考えております。
(「議長、10番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)10番、高橋克幸議員。
○10番(高橋克幸議員)空き家に関連してだけ再質問させていただきます。
空き家の実態調査について先ほど質問させていただきました。市長からは今後の体制ということで建設部に複数人の担当部署をつくるという答弁でした。まずこの点で伺いたいのですが、建設部につくるわけですから、当然、建築に詳しい職員の方々というふうに思うのですけども、空き家に関するこの特別措置法がたしか記憶によれば施行が5月からだったと思います。実際、この体制をいつからスタートさせるのか、複数人というのはどういう方々を想定して、その仕事の内容を考えられているのかというのを聞かせていただきたいと思います。
もう一点は、空き家の危険な雪についてでありますが、私だけでなくて各議員の方々も、もう雪解けシーズンになってきて、やはり落雪で大変な状況があるというのは御存じだと思っています。先日も私の近隣のところで危ないなと思って見ていたら、やはり二、三日後にどっと雪が落ちて道をふさいでしまいました。質問でも言いましたけれども、幹線道路や通学路に関しては、事故が起きてからでは大変だと思うのです。そういうことを考えると、現状でどこまでできるかという問題もある中で、特別措置法の関連でいろいろ市長も検討していかれるということを御答弁されましたけれども、結局、その落ちた雪というのは消防が来て、最低限の道を確保してあけていったという状況でしたから、先ほど御答弁にあったロープを張ったり、看板をつけたりということでは、むなしくもその看板やロープを落ちてきた雪が全部埋めてしまうわけです。
そういうことを考えると、結局もう少し手前の段階で緊急避難的に何かできなかったのかなというのはいつも感じますし、要望したいところなのです。過去にも緊急避難的にこの雪の問題に対して対応してきたことがたしかあったと思いますから、その件についてと、それから今後の考え方として、これから十分に対策を練られていく上で要望も含めてそういうことを前向きに検討していただきたいと思いますし、もう少し法の精神にのっとって、行政としても行政代執行も含めた動きが私はできるのではないかなと思っているのですけれども、その辺も含めてお答えをいただきたいと思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)総務部長。
○総務部長(迫俊哉)高橋議員の再質問にお答えいたします。
空き家対策に向けての体制については、現在、人事の編成中でございますので、最終的な形を今示すことは差し控えたいと思いますが、現在考えているのは、空き家の実態調査や苦情処理などを含めまして複数名体制ということで、その中には管理職、建築技術職といった職員は含めていきたいと考えているところでございます。
また、法の施行との関係はございますが、基本的には選挙を終えた6月の人事異動の中で体制を組んでいきたいと思っております。法の施行との間にタイムラグがございますが、現行の空き家対策は企画政策室が中心になって作業を進めておりますので、新しい体制には円滑な形で引き継いでいくよう心がけていきたいと思っているところでございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)建設部長。
○建設部長(工藤裕司)危険な雪の対応については、先ほど市長からも答弁申し上げましたが、大変難しい問題で、市としても対応には限界があるという状況にございますけれども、今後、特措法を受けまして新体制もできますので、その中でできるだけどういった対応ができるかというのは検討してまいりたいと思っております。
○議長(横田久俊)高橋議員の会派代表質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時43分
――――――――――――――
再開午後3時05分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、会派代表質問を続行いたします。
(「議長、19番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)19番、斎藤博行議員。
(19番斎藤博行議員登壇)(拍手)
○19番(斎藤博行議員)平成27年第1回定例会に当たり、民主党・市民連合を代表して質問します。
最初は、平成26年度補正予算案と平成27年度予算案に関して質問します。
平成26年度補正予算案についてですが、政府は1月9日、平成27年度政府予算案に先立ち、2,500億円の地域消費喚起・生活支援型や1,700億円の地方創生先行型の地方向け交付金を含む3兆1,000億円の平成26年度補正予算案を閣議決定しました。政府は、この地方向けの交付金により、落ち込み、冷え込んだままの個人消費と地方経済を刺激しようとしています。しかし、一過性の経済政策で景気浮揚につながるとは思えません。
小樽市は、今定例会に一般会計5億3,532万円を含む6億8,212万円の平成26年度補正予算を提案しました。その中には、国の地域消費喚起・生活支援型交付金に対応して3億3,100万円、地方創生先行型に対応して1億8,833万円の新規事業が盛り込まれています。
その中のプレミアム商品券事業費2億6,000万円について伺います。
販売価格1セット1万円、プレミアム率20パーセントで2,000円、発行数10万セットですので、プレミアムに要する部分は2億円です。残りの6,000万円の内訳をお示しください。
次に、プレミアム商品券の販売所や利用できる店など、概要をお示しください。
また、この事業が小樽市内に与える経済効果についての見解をお示しください。
平成27年度予算案についてです。
政府は、1月14日の閣議で、平成27年度予算案を閣議決定しました。一般会計の総額は96兆3,420億円で、前年度に続き過去最大を更新しました。歳入のうち税収は、消費税率8パーセントへの引上げなどの影響で、前年比9パーセント増の54兆5,250億円と大幅増を見込んでいます。また、新規国債発行額は、前年比10.6パーセント減の36兆8,630億円で、4年ぶりに40兆円を割り込みました。全体的には税収増を背景に、平成27年度に赤字を半減するという政府の財政健全化目標は達成する見通しとなっています。
地方財政計画では、歳入歳出規模は85兆2,700億円に増額となりました。歳入のうち地方税と地方交付税を合わせた一般財源総額は1兆1,908億円増額で、過去最高の61兆5,485億円となりました。しかし、その内訳を見ると、地方交付税は、地方税等の大幅な増収を見込んで16兆7,548億円となり、前年度より0.8パーセント減となっています。また、地方創生に必要な経費として、約1兆円のまち・ひと・しごと創生事業費を新設し、地方財政計画に計上したことは一定評価できます。
しかし、将来にわたる安定した財源とは言えない点と国の財源保障、財源調整の責任を放棄し、地方間の財政調整を個々に委ねたのは問題です。
特に問題になるのは、まち・ひと・しごと創生事業費の算定は、平成25年度に創設された自治体における行政改革努力を算定する地域の元気創造事業費に加え、地方創生の取組に応じた成果配分をさらに強化しようとしている点です。客観性、中立であるべき地方交付税算定に、時の政府の評価、判定を持ち込むことになり、本来の制度の趣旨から逸脱したやり方だと考えます。市長の見解を求めます。
次に、アベノミクス効果と市内の景気動向です。ちょうど1年前、これらの点について質疑を交わさせていただきました。市長はアベノミクス効果については、現段階ではアベノミクス効果が十分に行き渡っていない、市内経済全体として穏やかな回復傾向にあるなどと答弁しております。
改めて、アベノミクス効果の市内の企業業績や賃金・雇用状況や個人消費への波及はどうなっているのか、お示しください。
次に、歳入のうち市税についてです。歳入見込みは約129億2,000万円で、平成26年度当初予算と比較して約2億3,000万円、1.7パーセントの減となっています。税目ごとに見ても、多くの項目で減となっています。特に、法人市民税は約12億4,000万円で、約1億1,000万円、率で8.1パーセントの減となっています。その理由を小樽市はどのように押さえているのか、お聞かせください。
次に、特別交付税8億9,000万円を計上保留したことはわかりましたが、普通交付税が1億2,000万円増の算出根拠をお示しください。
次に、平成27年度主要施策などに関連して何点かお聞きします。
初めに、放課後児童健全育成事業です。平成27年度から法改正により対象児童を小学校6年生までに拡大し、各放課後児童クラブに支援員2名を配置することになりましたが、平成27年度のクラブ開設数と利用児童数の申込状況を学年ごとにお示しください。
次に、2名体制を確保するために、支援員など新たに何人募集したのか、お示しください。
放課後児童クラブの支援員の雇用形態の特徴として、3か月雇用者がありますが、そもそも1年間に4回も雇用を繰り返す3か月雇用は、何を目的にして長年にわたって続けられてきたのか、お聞かせください。
次に、市立保育所に関して質問します。
市立保育所の規模・配置に関する計画に基づき、3月31日に長橋保育所が廃止となります。
また、5年間、保育需要の動向を見てきた手宮保育所は廃止されないことになりましたが、手宮保育所は昭和51年建設の老朽化した施設のため、耐震補強工事に向け、耐震診断を行うべきと考えますが、見解をお示しください。
次に、小樽協会病院における分娩の新規受付休止についてです。
仮に平成25年1年間に約400件の分娩を扱ってきた協会病院が、今後、分娩を休止することになれば、市内のもう一か所の分娩可能な医療施設が、いろいろ工夫しても現状プラス100件が限度と話されていることから、差引き二、三百件の分娩が市内でできなくなるわけで、大変心配なことであります。
市長もいろいろ努力されていると聞いております。昨年12月17日に北海道に対して要望書を提出された以降の協会病院の動きなど、お聞かせください。
また、問題の背景に医師の待遇や助産師確保の課題が一部で指摘されているようですが、小樽市としてもそのような認識でこの問題を受け止め、対応策を考えているのか、お聞かせください。
平成27年4月以降の勤務医の動向もほぼ固まってきたとの話も聞こえています。時間は限られてきておりますが、今後の取組等、方針をお聞かせください。
次に、原子力防災計画についてお聞きします。
今年度も原子力防災活動に必要な資機材等の整備として、225万円が予算化されています。整備される資機材と使用目的をお示しください。
また、これらの資機材はどこで保管される予定か、お示しください。
市が独自に小樽市地域防災計画の中に原子力防災計画を織り込むと決めてから、ずいぶん時間が経過しました。改めて、この1年間の原子力防災計画づくりの進捗状況をお聞かせください。
今年の2月2日、原子力規制委員会の検討チームは、原発事故発生時の住民防災対策について、原子力災害対策指針の改正に向けた検討案を示しました。3年前に原子力規制委員会が策定した指針では、重大事故では、放射性物質が大量に放出されるおそれがある場合、原則半径5キロメートル圏内、いわゆるPAZは即時避難、半径5キロメートルから30キロメートル圏内、いわゆるUPZは屋内避難と定めておりました。今回は30キロメートル圏外の対策として、原発敷地内の空間放射線量を見て、放射性物質を含むプルーム、いわゆる放射性雲の移動方向や速度を推測して、原子力規制委員会が予防的に屋内避難を求める自治体を同心円的に設定するというものです。
私は、この考え方は、かつて小樽においても議論となった拡散シミュレーションによる被害予想と東京電力福島第一原発事故による30キロメートル圏外への汚染の広がりの実態との乖離を埋めようとしていると考えていますが、市長は原子力規制委員会の今回の動きをどのように受け止めていますか、お聞かせください。
また、今回の原子力規制委員会の30キロメートル圏外の自治体の対策の基本は屋内避難となっています。小樽市が検討を進めている原子力防災計画の基本も屋内避難を基本に組み立てられることになるのか、小樽市の考えをお示しください。
また、今後の計画づくりのスケジュールをお示しください。
次に、私は議員になってから12年間、市民の皆さんにはスリムでコンパクトな2.5次レベルの良質な医療を提供する病院をつくると話してきました。また、病院で働く職員の皆さんには、職員が自信と誇りを持って働ける病院をつくると話してきました。
この思いは病院事業管理者も同じではないかと考えます。新病院開設から3か月たった今日、先ほどの2点を含め、小樽市立病院の経営目標についてどのような見解をお持ちか、お聞かせください。
次に、予算についてお聞きします。ヘリポートや免震構造など、以前の2病院とは規模、機能が違う病院ですので、新旧病院を比較することはできません。しかし、病院事業会計として見ますと、前年度当初予定額と今年度予定額は比較して見ざるを得ません。市民の皆さんの期待に応えて医師の確保が進めば、給与費が増加することはわかります。しかし、経費の部分は、平成26年度約14億6,100万円から平成27年度では約16億6,000万円に増額となり、その内訳を見ますと、委託料が約7億8,000万円から約10億3,700万円となり、約2億2,000万円増額となっています。その中には、新病院になり削減できたものや逆に新たに発生したものもあるだろうと考えます。主な増減要素をお示しください。
また、委託料はこれでほぼ固定されたと考えるべきなのかもお聞かせください。
以上で、1項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)斎藤博行議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、平成26年度補正予算案及び平成27年度予算案について御質問がありました。
初めに、プレミアム商品券事業費に関しまして、まず、この事業費2億6,000万円のうちプレミアム部分を除いた6,000万円の主な内訳につきましては、この事業の委託を予定している小樽商工会議所の人件費、商品券やポスター、チラシなどの印刷費、商品券の換金手数料、事務室などの借上料金があります。
次に、プレミアム商品券の販売所や利用できる店舗などの概要につきましては、現在、販売所の数や場所についての検討を進めているところであり、また利用できる店舗については、市内の小売店、飲食店、サービス業などを対象に公募を行い、決定してまいります。
この事業が小樽市に与える経済効果につきましては、短期間で確実に12億円分の商品券が消費されることに加え、プレミアム部分が消費者の購買意欲を一層刺激することにより、市内の消費に大きな効果があるものと期待しております。
次に、地方財政計画に計上されたまち・ひと・しごと創生事業費に対する見解に関しましては、地方公共団体が求めていた地方創生のために必要な経費がまち・ひと・しごと創生事業費として創設され、地方財政計画に約1兆円が計上されましたことは、私としても一定の評価をしているところであります。この経費に係る普通交付税の算定は、既存の地域の元気創造事業費と同様、全国的かつ客観的な指標により算定されることが示されておりますが、自治体の状況は千差万別であることから、具体の算定に当たっては各自治体の実情を十分に勘案し、地方創生に取り組む地方の個性や独自性を尊重したものとなることを期待しております。
次に、平成26年度補正予算に関しまして、まず、アベノミクス効果の市内の企業業績などへの波及につきましては、小樽商工会議所の平成26年度第3・四半期小樽市経済動向調査によると、業況のDI値が3期連続マイナスで推移しており、夏場の天候不順による個人消費の減退などの影響もあり、市内経済全体としてはその効果が十分に行き渡っていないものと考えております。
また、賃金、雇用状況につきましては、ハローワーク小樽によると、有効求人倍率は引き続き上昇しており、さらには新規求人の賃金も昨年より上がっていることから、改善傾向にあると考えております。
また、個人消費につきましては、北海道財務局小樽出張所の調査によると、飲食料品の売上げが堅調であったことなどから、昨年同様持ち直しているとの判断ではありますが、本格的な個人消費の回復までには至っていないと考えております。
次に、法人市民税の減少理由につきましては、均等割は法人数が減少傾向にあることから、減少と見込んでおります。
また、法人税割につきましても、算出基礎となる課税標準額は前年とほぼ同額で見込みましたが、平成26年度税制改正により、27年11月以降の確定申告分などに引下げとなった新税率が適用されるため、その影響により減少と積算したものであります。
次に、普通交付税の算出根拠につきましては、国の地方財政計画の伸び率などを基本に、個別算定経費や包括算定経費の伸び率、さらには公債費など、本市の特殊事情を勘案して積算した結果、平成26年度当初予算に比して1億2,000万円の増額となったものであります。
次に、平成27年度主要施策などに関しまして、まず、手宮保育所の耐震診断につきましては、保育所に限らず公共施設全般について、優先順位を考慮しながら計画的に取り組んでいく必要があります。耐震診断や工事は大きな財政負担を伴いますので、中・長期的な収支を見通す中で、将来負担なども考慮しながら取り組んでいかなければならないものと認識しております。
次に、小樽協会病院の新規分娩受付の休止に関し、まず、北海道に対し、要望書を提出した以降の協会病院の動きにつきましては、分娩の新規受付は休止の状態が続いているものと聞いております。
次に、この問題の背景と対応策につきましては、医師の確保ができないことが根本的な原因であると受け止めており、背景には全国的に産科の医師が不足していることにあると考えております。このことにつきましては、北海道市長会はもとより、全国市長会の重点提言として国等に対して申し入れておりますので、その成果に期待をしているところでありますが、本市といたしましても周産期体制を維持するため、医師確保に向けて関係機関へ働きかけているところであります。
次に、今後の取組方針につきましては、協会病院の分娩再開に向け、引き続き病院側と協議を行うとともに、関係機関に働きかけるなど、できる限りのことをしてまいりたいと考えております。
次に、原子力防災計画に関しまして、まず、原子力防災活動に必要な資機材等の整備につきましては、平成27年度はサーベイメーターの点検・校正などのほか、新たに整備するものとしまして、防災行政デジタル無線機と地図情報システムの購入を予定しております。
また、使用目的等につきましては、防災行政無線は、連絡手段の多重化を図るため、保健所など外局への配備を予定しており、地図情報システムにつきましては、避難行動要支援者名簿の整備に伴い、位置情報の把握を行うため、防災執務室で使用するものであります。
次に、原子力防災計画策定の進捗状況につきましては、国は平成25年7月にUPZ圏外における防護措置の考え方を示すとしており、本市はそれを待っての計画策定に着手する予定でありましたが、これが先送りされ、その後進展のない状況が続いたことから、現段階では資料収集などの準備にとどまっております。
次に、原子力規制委員会の原子力災害事前対策等に関する検討チームが示した検討案につきましては、本年2月2日に開催された検討会では、UPZ圏外の地域について、福島第一原発事故の例を基に、事故の様態や規模、気象条件、モニタリング結果等により、さまざまな角度から屋内退避の範囲の決め方などが議論されていると受け止めております。
次に、本市が検討している原子力防災計画につきましては、災害対策基本法では、市町村の地域防災計画は都道府県の計画に抵触するものであってはならないとされており、北海道では国が示す基準に基づいて計画を改定すると考えられることから、本市においても基本的には国の基準に沿った計画を策定していくことになるものと考えております。したがいまして、今後、国から具体的な基準が示された段階で、本格的に着手してまいりたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)病院局長。
○病院局長(並木昭義)斎藤博行議員の御質問にお答えいたします。
初めに、小樽市立病院の運営目標の見解についてのお尋ねがありました。
私といたしましては、小樽市立病院の運営目標は、最良の医療、最高のサービス、最善の経営がバランスよく実施されるように、職員一同最大限の力を尽くすことであると職員に示しております。この実現のために、市民が安心して受診でき、2次救急医療にも対応できるよう、職員の意識改革を進め、チーム医療の充実が必要であると考えております。この方針を進めることによって、市民から選ばれる病院となり、職員が誇りを持って働くことができる病院になるものと思っております。
次に、平成27年度予算のうち委託料についてのお尋ねがありました。
市立病院の統合新築は経営改善を伴うため進めてきたものでありまして、経費についても、統合により電話交換業務など、これまで両病院で同時に委託していた経費などは削減されるものでありますが、小樽市立病院は旧病院にはない設備が充実していることやPET-CTなどの医療機器の保守費、あるいは患者増による患者給食数や医療系廃棄物の増加により、委託料は増加するものであります。今回の委託契約につきましては、図面段階で仕様書等を作成せざるを得なかったことや患者数を見込んで積算しておりましたので、新年度の契約時には見直しを行ってまいりたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)斎藤博行議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、平成26年度補正予算案及び平成27年度予算案について御質問がありました。
初めに、平成27年度に見込まれる放課後児童クラブの開設数及び利用児童の申込数についてでありますが、児童クラブの開設数につきましては、小学校は18校、24クラブ、そのほか、いなきた児童館、塩谷児童センター、勤労女性センターの3施設で4クラブ、合計21施設、28クラブを開設する見込みであります。
次に、利用児童の申込状況についてでありますが、現在のところ、21施設の合計で、1年生238名、2年生196名、3年生151名、4年生50名、5年生6名、6年生3名、合計644名であります。
次に、支援員の新たな募集人員についてでありますが、市全体の21施設、28クラブに配置する支援員は、全体で平日は77名、土曜日は95名であり、そのうち新たに必要となる支援員は、平日は47名、土曜日は60名を予定しております。
次に、支援員の雇用形態についてでありますが、これまでの支援員の配置については、利用児童数が22名までは1名を配置することとし、児童数が22名を超える場合は1名増員となるため、増員の1名については、利用児童数により不確定な要素があるため、3か月雇用としております。
また、特別支援学級に在籍する児童が放課後児童クラブを利用する際には、児童1名に支援員1名を配置しており、これについても利用児童数による不確定な要素があるため、3か月雇用としております。
平成27年度からは全てのクラブに2名配置となりますので、支援員2名は通年で雇用することとし、特別支援学級に在籍する児童を担当する支援員はこれまで同様、不確定な要素があるため、3か月雇用とするものであります。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、19番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)19番、斎藤博行議員。
(19番斎藤博行議員登壇)
○19番(斎藤博行議員)第2項目めの質問を行います。
市長公約に関連して質問します。
小樽市自治基本条例が制定されてから1年になります。私は、この条例をさらに深め、市民と行政と議会が情報を共有し、議論を交わすルールの多様性がさらに求められていると考えております。それに向けた切り口はいろいろあろうかと思いますが、私は予算編成過程の公開と市長公約の可視化があると考えております。
予算編成過程の公開については、昨年の議論経過に沿って各部ごとの予算要求額と最終の予算額を資料として提出していただきました。暫定予算とはいえ、それぞれの入り口と出口が議会に示されたことは大変ありがたく思います。限られた時間の中で苦労された職員の皆さんに感謝申し上げます。この方式は今後の予算編成でも踏襲されるものと考えますが、来年度以降の方向性とあわせて見解をお示しください。
次に、市長公約に関してです。
市長が選挙で実現を訴えた公約を、市民は表にして家のどこかに張っておく、そして新聞等で日々報じられる市長の動向や予算づけがどの公約の実現のためなのか点検する、そして4年後に公約の達成度などを判定する、この緊張感が市民の皆さんにも行政にも求められていると考えます。こうした観点から、4年前の選挙公約の進捗状況などについて伺います。
初めに、基本姿勢について伺います。
「人口減少の深刻化、超高齢社会の到来、厳しい財政状況、社会資本の老朽化など我が市における社会状況は大きく変化し、それらへの対応が行政課題として急務となっています。このような時こそ、持続可能な地域社会と活力ある地域経済の確立が必要であり、そのためには、小樽の歴史と伝統の上に立った「市民力」を今こそ結集し、市民・行政と協働で創意工夫をしながら、「活力あるおたる」を創造してまいります。」これが「市民力を生かした「活力あるおたる」の創造」を掲げた中松市長のまちづくりの基本姿勢です。
特に市民力については、「現在は主役交代の変わり目です。中央から地方へ、大企業から中小企業へ、そして今、市民へと主役が変わろうとしています。それは社会が新たな決め事や新たな機能を持つ組織の誕生を予測させます。市民であることは、行政サービスを受ける一方で、まちづくりにも参加できるということです。市民不在では真の地方主権は生まれません。今こそ市民力を生かしましょう」と力を入れています。この4年間を振り返って、市民力を生かしたまちづくりはどのぐらい実現できたのか、その評価をお聞かせください。
次に、公約についてです。
公約は5本で、17の項目から成っています。
第1は、「様々な連携による地域経済の活性化をはかります」で、「本市の経済を支えているのは多くの中小企業です。中小企業の活用なくして、活性化を考えることはできません。このため、本市の恵まれた地域資源や知名度など「強み」を活かすとともに、産業間の連携や北後志など他地域との連携によって、新たな商品開発や市場の開拓を進め産業振興を図ります。また、経済団体との相互連携によって中心市街地の活性化を図ります」としております。その内容としては、国際観光の推進、産業振興と雇用拡大、稲穂一丁目再開発施設の再生、小樽港の振興、そして北後志定住自立圏構想の5項目を挙げています。
第2は、「安心・安全で住みやすい環境整備を進めます」で、「誰もが安心して心豊かに暮らせるように地域医療体制の充実と子育て支援を推進します。また、高齢者や障がいを持った方々が健康で生きがいを持って生活できる地域社会を実現します」として、その内容として、新病院の新築統合と小児救急医療の充実、子育て支援、高齢者や障害者への支援体制強化、安心・安全なまちづくり、必要な社会資本の整備の5項目を挙げています。
第3は、「教育環境の充実と、文化芸術・スポーツの振興を進めます」で、「将来を担う子どもたちが心豊かに安心して学ぶことができるよう、教育環境の充実に努めるとともに、生活の豊かさを実感できるよう文化芸術やスポーツの振興を図ります」とし、その内容として、教育力と学力の向上、適正配置の推進と校舎の改修、文化芸術活動やスポーツに参加できる環境づくりの3項目を掲げています。
第4は、「市民共調の街づくりを進めます」で、「市民参加により、地域のニーズにあった事業を推進します。行政が一定の役割を果たしつつ、地域社会を構成する市民や企業と行政が協働して住みよいまちづくりを進めます」とし、市民の意見を行政機関に反映させる仕組みづくり、自治基本条例の制定、コミュニティ活動支援の3項目を掲げています。
第5は、「効率的で安定した行財政運営の確立を目指します」で、「人口が減少し、地域経済が低迷する中、大きな税収の伸びは期待できません。このため、財政の健全化を基本として、すべての事務事業や行政と民間の役割分担などについて行政評価システムの導入により検証し、見直すとともに積極的に経済政策を進め、効率的で安定した行財政運営の確立を図ります」とあります。
以上17項目については、一定の成果が生み出されているものもあります。また、時間がかかる事業や計画もあります。あえて峻別はいたしませんので、この4年間における項目ごとのその達成状況と残された課題についてお聞かせください。
また、この公約は3・11東日本大震災以前に考えられたものだと思いますが、震災後に今後のまちづくりに向けてより強くお考えになったことがあれば、お聞かせください。
関連して2点質問します。
初めは、平成26年度行政評価、事業評価の実施結果についてです。昨年11月に99事業の実施結果が総務常任委員会資料として配付されました。私は昨年もこの問題を取り上げて議論させていただきました。その中で、試行を続ける理由として、客観的な評価指数の設定や膨大な作業量などが課題としてあり、より継続性のある評価手法の確立に向け、評価調書や指標の設定についての見直しを進めているとの答弁でした。その後、26年度から本格実施とのことですが、25年度と26年度で、事業評価調書など、実施に当たって見直された点をお示しください。
また、評価の対象が市民生活に関係する事業も含め、市の業務全般に関することから、実施結果の報告は本格実施を受けて各常任委員会ごとにすべきと考えますが、見解をお示しください。
次に、子ども・子育て支援に関連して質問します。
小樽市は、平成27年度予算案において、認可外保育施設かもめ保育園に対して、137万円の補助金を計上しています。
初めに、安心して子供を産み、育てるまちづくりの観点から、広く市民を受け入れている認可外保育施設の小樽における位置づけをお示しください。
次に、認可外保育施設かもめ保育園の入所定員、職員数とその内訳、施設面積等の概要をお示しください。
次に、子ども・子育て支援新制度に関する小樽市とかもめ保育園との協議経過をお聞かせください。
次に、かもめ保育園からの要望事項とそれに対する小樽市の回答をお示しください。
次に、認可外保育施設が小規模保育事業施設に移行しようとする認可申請についてです。30年近くの間、地域の子育てを一定程度支えてきた認可外保育施設の認可申請は、全く新たな新規の事業者の保育園の参入とは違い、地域の保育の需給関係の大きな変動にならないと考えますが、見解をお示しください。
次に、小規模保育事業の認可申請手続を扱う際の小樽市の裁量など、法的権限をお示しください。
最後に、小規模保育事業の設備や運営に関する基準はどうなっているのか、お示しください。
以上で、2項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、市長公約に関連して御質問がありました。
初めに、予算編成過程公開の今後の方向性に関しましては、平成28年度以降の予算編成においても、今回の方式による公開を予定しております。
なお、予算編成過程の公開はそれぞれの自治体で取組の状況や公開の方法が大きく異なっておりますので、他都市の事例などを参考にしながら引き続き研究してまいりたいと考えております。
次に、私の公約に関しまして、まず、市民力を生かしたまちづくりに対する評価につきましては、個性豊かなふるさとづくりを進めるため、地域のまちづくり団体を支援するふるさとまちづくり協働事業により、おたる案内人ジュニア育成プログラム事業や小樽あんかけ焼そばPR事業などへの助成を行うことで、市民協働のまちづくりを進めることができたものと考えております。
また、フェイスブックの活用や記者会見の定例化など、情報発信の強化に努めたほか、昨年4月には小樽市自治基本条例を施行しましたが、この条例は公募による市民委員の参加の下、多くの議論を重ねてつくり上げたものであり、市民参加と協働による取組の成果であると考えております。
次に、私の公約、五つの項目ごとの達成状況と残された課題につきましては、まず、地域経済の活性化では、銭函地区への設備投資や企業進出が続いているほか、海外観光客やクルーズ客船の寄港が増加しており、取組の成果が着実に現れております。
安心・安全な環境整備では、市立病院の統合新築事業が完了したほか、保育環境の整備、防災・減災対策を進めてまいりました。
教育環境の充実では、小・中学校の適正配置や校舎等の耐震化などにも取り組んでまいりました。
市民協調のまちづくりでは、市民参加と協働によるまちづくりを進めるため、小樽市自治基本条例を制定し、効率的で安定した行財政運営に向けては、2年間の試行を経て行政評価を本格的に実施したところであります。
一方、今後に向けての課題としましては、まだ他会計から多額の借入残高があることから、真の財政再建に向け、引き続き財政健全化の取組を進める必要があるほか、今後、長期的かつ計画的な取組が必要となる人口対策と公共施設などの耐震化や老朽化対策などが挙げられます。
次に、東日本大震災後のまちづくりに向けた考え方につきましては、未曽有の被害をもたらしたこの震災により、自然災害の恐ろしさをまざまざと見せつけられ、防災・減災対策など市民の安全・安心な生活を守るための取組は重要課題の一つであると認識いたしました。このことから、避難所への防災行政無線や備蓄品の配備、津波ハザードマップの作成、避難訓練支援などの取組のほか、小・中学校の耐震化や老朽化対策を重点的に進めてまいりました。
次に、行政評価に関しまして、まず、平成25年度と26年度とで事業評価調書など、実施に当たって見直した点につきましては、行政評価の目的の一つであるコスト意識の醸成を図るため、事業に要した経費について、人件費を含めたコストの記載をするなどの見直しを行いました。
また、各部局での一次評価において、活動指標や成果指標の設定が容易となるよう、マニュアルの改善を行ったところです。
次に、評価結果の議会への報告につきましては、行政評価は、一次評価を行った各部局の考え方や意見などを基に、総務部と財政部が中心となって二次評価に向けた案の作成を行っており、個別の事業の最終的な評価結果だけではなく、全庁的な観点で行った評価のプロセスについては、総務部と財政部が所管し、整理を行っております。このため、対象とした個々の事業評価調書は議員の皆様に配付しておりますが、行政評価の実施結果全体にかかわる報告としては常任委員会ごとではなく、総務常任委員会で行うことが望ましいと考えております。
次に、子ども・子育て支援に関しまして、まず、認可外保育施設の位置づけにつきましては、認可保育所と同様に、市内の不特定多数の児童を受け入れしていることから、認可保育所を補完している保育施設であると考えております。
次に、かもめ保育園の施設の概要につきましては、平成26年4月現在で、入所定員は45名、職員数は11名で、その内訳は施設長のほか保育士6名、調理員2名、その他2名であり、施設面積は約350平方メートルであります。
次に、かもめ保育園との協議経過につきましては、昨年6月に、これまで市が実施している運営費補助の継続について要望を受けました。その後11月に小規模保育事業に関する説明会開催の要望を受けましたが、説明会を開催する予定はない旨回答しております。その後、本年1月に認可に関する要望書を受け、2月に回答したものであります。
次に、かもめ保育園から要望事項と本市の回答につきましては、4点の要望があり、一つ目として、小規模保育事業に関する説明の要望がありましたので、認可基準などの資料をお渡しし、申請書類の様式は3月末をめどに作成予定である旨回答しております。
二つ目として、小樽市子ども・子育て支援事業計画に小規模保育事業を盛り込んでほしい旨の要望がありましたが、本市では保育需要の増加が見込まれないことから、計画では新たな施設及び事業の拡大ではなく、原則として既存施設の活用を図ることとしており、小規模保育事業は含めていない旨回答しております。
三つ目として、小規模保育事業の認可後に、札幌市からの広域入所を可能にしてほしいとの要望がありましたが、本市においては銭函地区の保育需要があることから、札幌市からの広域入所を受け入れる状況にはない旨回答しております。
四つ目として、小規模保育事業と認可外保育施設の併設についての公的制限を明らかにしてほしいとの要望があり、設備や職員は共有できないことなどを回答しております。
次に、小規模保育事業の認可と保育需給の変動につきましては、新規事業者の参入ではないので、保育の受皿として見た場合は市内の需給関係の大きな変動にはなりませんが、現在の認可施設で保育需要が賄える状況にあることから、新たな認可は認可施設の需給関係に変動が生じるものと考えております。
次に、認可に関する本市の法的権限につきましては、改正後の児童福祉法の規定により、小規模保育事業の認可は市町村の権限とされ、条例等に基づき認可を行うものであります。
次に、小規模保育事業に関する主な基準につきましては、国の基準に基づき設備や運営などは市の条例で規定しております。小規模保育事業の類型は3類型あり、A型を例に挙げると、ゼロ歳児は児童3名に対し職員1名、1、2歳児は児童6名に対し職員1名、そのほか1名加算となっており、資格については保育士となっております。このほか保育室等の面積については、ゼロ歳児及び1歳児は1名当たり3.3平方メートル、2歳児は1.98平方メートルなどとなっております。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、19番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)19番、斎藤博行議員。
(19番斎藤博行議員登壇)
○19番(斎藤博行議員)3項目めの質問を行います。
小樽市いじめ防止対策推進条例案に関連して質問をいたします。
昨年10月、文部科学省は全国の小・中・高校と特別支援学校の平成25年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査を発表しました。全国では、いじめの被害者の生命、身体の安全が脅かされたり、被害者が長期間不登校になったりする重大事態が181件もあったと報告しています。
私は、あるとき、子供がいじめに遭っていた保護者から話を聞く機会がありました。初めは、給食の配膳中に大好きなプリンを、「おまえプリン嫌いだよな」と言われて取り上げられたことなどを淡々と話してくれました。しかし、話が相手の子供とその保護者に及んだとき、10年以上たった今なお、いじめを受けた子供とその保護者の相手に対して抱いている怒り、悔しさの奥深さに戦慄を覚えました。いじめはいじめられた子供と家族に消すことのできない傷を残していることを、強烈に教えられました。
初めに、平成23年度から25年度までの小樽市内の小学校、中学校におけるいじめの認知件数と認知学校数をお示しください。
あわせて、それらを認知に至った経過別に分けてお聞かせください。
次に、条例では、いじめの問題を学校だけでなく、保護者や地域の皆さんと一緒に取り組んでいく方向性が強く示されています。この方向性は正しいと思いますが、その実効性を考えるとき、課題も見えてきます。この間、いじめが認知された学校では、そうしたことについて、児童・生徒や保護者や地域の皆さんにどのように情報発信してきたのか、お聞かせください。
次に、先ほどの3年間の不登校の件数をお示しください。
いじめと不登校の問題は別々に起きたり、強く影響している場合もあると考えますが、この条例の中には不登校に関する記載がなく、条例制定後は別々に対処していく考えなのか、お聞かせください。
次に、いじめとは何か、なぜ絶対に許されないものなのかを条例の中に、例えば北海道いじめの防止等に関する条例の第1章第1条に書かれているように、「いじめが、いじめを受けた児童生徒の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、その生命又は身体に重大な危険を生じさせるおそれがあるもの」といじめの本質をきちんと書き込むべきではないでしょうか。見解を求めます。
次に、第2条でいじめは「当該児童生徒と一定の人的関係にある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為」と記載されています。これが意味することは、いじめは被害者と同じクラス、学年、学校に通学している児童・生徒によって起きているということで、加害者も児童・生徒という実態です。加害者である児童・生徒に対する教育的な配慮や理解が根本的解決のためにも必要ではないかと考えますが、見解を求めます。
次に、インターネットの世界でのいじめです。道内では教員による北海道児童生徒ネットコミュニケーション見守り活動が行われていると聞きますが、どのようなものなのか、また小樽でも行われているのか、お示しください。
あわせて、小樽におけるネットいじめに関する現状をお示しください。
次に、いじめ防止対策は「いじめの問題に関する児童生徒の理解を深め、いじめの解決に向けて主体的に行動できるようにすることを旨として行わなければならない」と基本理念でうたっておりますが、このことはいじめの防止の主体は最終的には児童・生徒であるということと解釈いたしますが、見解を求めます。
次に、第4条では「児童生徒は、いじめが人権侵害であることを認識し、いかなる理由があってもいじめを行ってはならない」と書かれています。全く同感です。先ほどの基本理念にもかかわりますが、いじめが人権侵害であるという意識を認識するための学習が非常に重要です。それは子供の自治能力を高める教育、言いかえれば自分と相手を同等にそれぞれを尊重し合う思いや、人間関係は互いの違いを認めた上でのみ成り立つという考え方を教えることが大切です。学校現場における人権教育を条例の中で位置づけるべきと考えます。見解を求めます。
次に、いじめ問題に関する教職員について、何点かお聞きします。
この条例が施行された後には、既存の生徒指導担当や生徒指導年間計画等との関係はどのように整理されるのですか、お示しください。
学校には専門性を有するスクールカウンセラーなどの配置も今後必要となると考えますが、必要性の認識と配置計画について見解をお聞かせください。
この条例制定に関して学校現場からどのような質問、意見・要望がありましたか、お知らせください。
市立学校及び市立学校の教職員の責務の中に、「児童生徒一人一人についての理解を深めるとともに、児童生徒との間に信頼関係を構築し、主体的に考えて行動する児童生徒の育成に努めなければならない」とあります。今の学校現場の人、物、金、そして限られた時間の中で、こうしたことが本当に可能なのか心配になります。条例の掲げる理念や責務をどうやって学校現場で実のあるものにするのか、考えをお聞かせください。
次に、保護者の責務についてはそのとおりだと思いますが、1点お聞きします。それは、いじめに関して、被害者の子供にも、加害者の子供にも、家庭、そして保護者がついて回る点です。こうした子供の置かれた家庭状況などについて、どのように考えて対策を考えていこうとしているのか、お聞かせください。
次に、いじめ防止での市民の役割についてです。さきに行われたパブリックコメントに寄せられた市民の皆さんからの意見は何件で、どのようなものでしたか、お聞かせください。
市民は当該地域全体で児童・生徒を見守る、心身ともに健全に成長できる環境づくりに努める、いじめ防止の取組に協力するよう努めるとありますが、社会全体でいじめ問題克服と考えるのであれば、パブリックコメントだけでなく、直接校区の町会など地域からの声を聞いて、初めから条例づくりにかかわってもらうべきではなかったでしょうか、見解を求めます。
次に、北海道との連携です。北海道との連携は必要と考えますが、後段に「いじめ防止対策に関して必要があると認めるときは、北海道に対し必要な措置を講ずるよう要請するものとする」とあります。どのようなことを想定されて、どのような措置を念頭にあえて条例に載せたのか、見解をお示しください。
次に、4月1日施行とありますが、教職員、児童・生徒、関係機関、そして地域の皆さんに周知を図るには極めて時間が限られています。今後のスケジュールを、学校での教職員と児童・生徒、また地域に分けてお示しください。
あわせて、いじめ防止基本方針はいつまでにどこで作成されるのか、お示しください。
以上で、3項目めの質問を終え、再質問を留保し、会派代表質問を終わります。
さて、この場から私が皆さんにお話しするのはこれが最後と思います。厚生常任委員会と市立病院調査特別委員会一筋の12年間を振り返ると、いろいろな思いがあります。改めて12年間大変お世話になった市長をはじめ理事者の皆さんにお礼を申し上げます。
また、議員の皆さんには、対立した課題も多々ありましたが、今にして思いますと、ともに取り組んだ課題が思い出として浮かんできます。この間の御指導、御鞭撻に心よりお礼を申し上げます。
なお、聞くところでは、4月の市議会議員選挙に立起する議員がたくさんいらっしゃるとのことです。立起される議員各位におかれましては、この間の議員活動での経験を生かし、新たなステージでの活躍を大いに期待しております。そのためには選挙に勝ち抜かなければなりません。思想、信条の違いはあります。また、政治政策課題の違いもありますが、こうした違いを横に置いておけば、そこに残るのは人情です。人情としましては、この4年間、ともに議会の場で議会の活性化や市政の発展に取り組んできた全ての皆さんが選挙に勝ち抜き、再び議員として活躍することができますことを心より御祈念申し上げております。頑張ってください。
以上申し上げまして、私の発言を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)斎藤博行議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、小樽市いじめ防止対策推進条例案について御質問がありました。
平成23年度から25年度までの市内の小・中学校におけるいじめの認知件数と学校数及びそれらを認知するに至った主なきっかけについてでありますが、認知件数と学校数については、平成23年度は小学校30件、15校、中学校50件、12校、24年度は、小学校24件、11校、中学校66件、11校、25年度は、小学校15件、9校、中学校37件、11校となっております。
次に、認知するに至った主なきっかけとしては、小・中学校とも一番多いのはアンケート調査によるものであり、次に本人の保護者からの訴え、本人の訴え、学級担任の発見の順となっております。
次に、いじめが起きた場合の情報発信についてですが、いじめがあった場合には、まず、事実確認を正確に把握し、児童・生徒や保護者のプライバシーに十分配慮しながら、情報を伝える範囲など、個々の状況に応じ、慎重に判断しております。
次に、平成23年度から25年度までの不登校の件数についてですが、平成23年度は、小学校10件、中学校64件、24年度は、小学校6件、中学校52件、25年度は、小学校18件、中学校60件となっております。
次に、条例制定後のいじめの問題と不登校についてでございますが、不登校の原因はいじめに起因する以外にもさまざまな要因が考えられますので、個々の状況に応じ対応することになりますが、いじめに起因する事案につきましては、本条例に沿った対応になるものと考えております。
次に、いじめの目的規定の表現についてでありますが、国の法律や道の条例においては、いじめは心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えることや生命又は身体に重大な危険を生じさせることなど、いじめが与える影響について目的規定の前段に記載しておりますが、本市においてはこの条例の目的を、児童・生徒が安心して生活し、健やかに成長できる環境をつくるとわかりやすく端的に表現したものであります。
次に、加害者である児童・生徒に対する教育的な配慮やケアについてでありますが、いじめの問題が発生した場合には、まずはいじめられた児童・生徒の安全確保や心のケアなどが優先されるものと考えております。しかしながら、いじめた児童・生徒に対しても、教育的な配慮が必要と考えておりますが、状況によっては厳正な対応が必要な場合もあるものと考えております。
次に、北海道児童生徒ネットコミュニケーション見守り活動と本市の現状についてでありますが、この活動はインターネットのウエブサイトなどを監視し、不適切な利用によりいじめや犯罪等のトラブルに発展しないよう未然防止を図ることを目的に、道教委が中心となり、市町村教育委員会や学校が一体となって取り組む活動であります。
本市では、平成24年度より小樽市情報モラル対策委員会を設置し、市内全ての学校に情報モラル対策委員を位置づけ、自校における定期的なネットパトロールのほか、情報モラル対策委員が市内中学校に集まり、ネットパトロールを実施するなどの取組を行っております。
なお、道教委の調査によると、本市におけるネットいじめはないものと報告を受けておりますが、このネットパトロール調査では、児童・生徒の間で使用されるLINEの検索ができないことから、全ての情報を把握することは難しいものと考えております。
次に、条例案第3条第2項の基本理念についてでありますが、いじめの解決に向け、児童・生徒が主体的に行動できるようにすることとしたのは、児童・生徒がいじめの問題を他人のことではなく、自分の問題として捉え、みずから行動することを促すことを狙いとしたものでございます。
次に、学校における人権教育を条例に位置づけることについてでありますが、人権教育については、人権教育及び人権啓発の推進に関する法律に基づき、各学校では発達段階に応じ、人権尊重の理念に対する理解を深め、これを体得することができるよう、各教科や道徳の授業などで既に学習されていることから、本条例には盛り込まなかったものであります。
次に、条例制定後の学校における生徒指導のあり方についてですが、本市においては、平成25年9月のいじめ防止対策推進法の施行に伴い、26年4月末までに全ての小・中学校において学校いじめ防止基本方針を定め、いじめ対策委員会を設置し、年間指導計画に基づき、組織的な対応を行っております。本年4月に本市の条例が施行され、基本方針が制定されても、いずれも国の法律や道の条例に基づくものでありますので、学校における取組には影響することはないと考えております。
次に、スクールカウンセラーなどの今後の配置等についてでありますが、本市では平成11年度より道教委のスクールカウンセラー活用事業を活用し、中学校14校に5名を配置するとともに、市費の事業としてスクールカウンセラー1名を週2回教育委員会内に配置し、臨床心理士等の専門性を発揮した適切なカウンセリングを行っております。さらに、平成26年度より本市においてはスクールソーシャルワーカーを1名研究所に配置し、学校だけでは解決が難しいいじめや不登校などに対応しております。生徒指導上の事案が複雑化しており、関係機関と連携するケースが多く、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの専門性が求められており、今後、国や道の財政的支援の状況などを見据えながら対応してまいりたいと考えております。
次に、条例制定に関する学校からの質問や意見・要望についてでありますが、昨年10月、校長会、PTA連合会事務局を通じて条例の素案を示しましたが、特に意見などは上がってきておりません。本条例の施行に当たっては、全ての教職員、児童・生徒、保護者への周知徹底に努めてまいりたいと考えております。
次に、条例の基本理念や責務をどのように学校で実のあるものにするかについてですが、今回の条例制定に伴って、市として児童・生徒向けや教職員、保護者向けのわかりやすいパンフレットを作成、配布し、周知徹底に努めるとともに、各学校においては、児童会、生徒会活動の一環として取り上げることや、教職員の校内研修やPTAの研修会などを通して、条例の理念や責務などについて浸透を図ることが重要であると考えております。
次に、いじめの被害者及び加害者となった児童・生徒の家庭状況に応じた対応策についてでありますが、いじめが発生した場合には、各学校においては事実関係を正確に把握し、必要に応じてスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの支援をいただきながら、場合によっては児童相談所などの関係機関と連携するなど、個々の状況に応じてきめ細かな対応を行ってまいります。
次に、パブリックコメントに寄せられた市民からの意見についてでありますが、本条例は12月26日から1月26日までの期間にパブリックコメントを実施しましたが、市民から寄せられた意見などはございませんでした。
次に、条例をつくる際の町会や地域のかかわりについてですが、いじめ防止の条例は市民生活に直結する内容ではないことから、町会などからの意見聴取は行わなかったものであります。
次に、いじめ防止対策に関して必要であると認めたときの北海道への要請や措置についてでありますが、いじめの被害や加害の状況によっては、全道的な情報収集や対応について、道との協力関係が想定されますので、条例に盛り込んだものであります。
次に、今後のスケジュールといじめ防止基本方針についてでありますが、本条例は本年4月1日に施行し、速やかにホームページに掲載し、教職員、保護者向けのチラシ、児童・生徒向けのチラシを配付するとともに、市民向けには町会の回覧板などを通じ、周知してまいります。
また、いじめ防止基本方針については、今定例会中にお示しし、御議論をいただき、3月中に教育委員会において決定し、4月1日に制定することとし、条例と同様の方法により周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
(「議長、19番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)19番、斎藤博行議員。
○19番(斎藤博行議員)何点か再質問をさせていただきます。
最初に、私の聞き漏れかどうか確認したいのですけれども、協会病院の周産期の関係の質問の中で、一部に問題を医師の待遇の問題とか、助産師確保の問題というふうに聞くところもあるのだけれども、小樽市もそういう問題として受け止めているのですかと聞いているのです。それをそういうふうに受け止めて対策を考えているのですかと聞いている部分があるのですけれども、そこの部分の答弁がはっきりしなかったものですから、もう一度お願いしたいと思います。
それから、原子力防災計画の関係ですけれども、今日の市長の答弁を聞いていると、国ができてという順番なのですが、最初に小樽市が原子力防災計画を考えなければならないとこの本会議場でお話ししたときというのは、まだ国とかが地方、特に30キロメートル圏外の部分を意識した話がない中で、小樽市はそういった状況の中でも、市民の安心・安全を確保するために原子力防災計画を考えなければならないと言ったと思っております。ですから、事実関係から言うと、国とか道が決まったらそれに沿って原子力防災計画をつくるというのは、順番が逆になっているのではないのかなと思うものですから、その辺についてもう一度整理して答弁いただきたいと思います。
それから、手宮保育所の耐震化の調査の部分ですが、手宮保育所は、先ほども述べましたけれども、築39年、40年の建物になっているわけであります。厚生常任委員会の議論の中で、奥沢保育所それから赤岩保育所と新しい銭函保育所はそれぞれ新しい基準をクリアしているという話です。それから、最上保育所は最上保育所が入っている市営住宅の耐震診断の結果、大丈夫だという結論が出たという報告を受けています。そういった中で残っているのは、公立では手宮保育所だけであります。2階建てで、小さい子供もたくさんいる施設でありまして、安全性の確保というのは必要だと思っています。今言ったように、保育所の関係で言うと、手宮保育所だけが残っているわけなので、先ほどの答弁にあった計画的に取り組んでいくというその計画とは一体何かと思ってしまうわけなので、そこら辺もう少し手宮保育所はその計画の中でどういうふうに位置づけられているのか、お聞かせいただきたいと思います。
また、経費もかかることはわかるのですけれども、まず、規模とか考えたとき、手宮保育所ぐらいの大きさの保育所の耐震診断はどのぐらいお金がかかるのか、お聞かせいただきたいと思います。
それから、かもめ保育園に関しては、今、考え方を聞かせていただきました。私が聞きたかったのは、小樽市は民間の無認可保育施設を運営してきた事業主が申請をしたときに、申請内容に不備があるからだめだというのであれば十分わかるのですけれども、申請そのものを認めないとか断るという権限がある根拠を聞きたかったものですから、その辺についてもう一度お聞かせいただきたいと思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)保健所長。
○保健所長(秋野惠美子)斎藤博行議員の再質問にお答えいたします。
先ほど御質問いただきました、問題の背景に医師の待遇や助産師確保の課題が一部で指摘されているようだけれども、小樽市としてそのような認識でこの問題を受け止め、対応策を考えているのかお聞かせくださいという質問に対する答弁といたしましては、先ほどの繰り返しになりますが、市長はこの問題の背景と対応策につきましては、医師の確保ができないことが根本的な原因であると受け止めておりますと答弁しており、これが小樽市の認識でございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)総務部長。
○総務部長(迫俊哉)再質問にお答えいたします。
地域防災計画への原子力防災計画の位置づけということでお尋ねがございましたけれども、当時どのようなことで答弁をさせていただいて、どういったやりとりがあったのか記憶にないのですけれども、現在の考え方といたしましては、やはりこれから国の考え方が一定程度示されることになっておりますので、国の考え方に沿った形で地域防災計画の中に原子力防災計画を組み込んでいきたいという考え方で進めていきたいと考えているところでございますので、御理解をいただければというふうに思っているところでございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)福祉部長。
○福祉部長(三浦波人)私からは、2点、一つは手宮保育所の耐震化でございますけれども、市内には手宮保育所以外にも公的な建物があって、耐震化が進んでいないところがあるということでございますので、そうした全体の中で計画を立てていくという考えでございます。費用的なものは恐らく手宮保育所の場合ですと、数百万円規模になるのではないかと考えているところでございます。
それから、かもめ保育園の件でございますけれども、今回は無認可の保育施設が認可を求めるということよりも、正確に言いますと、まずは小規模保育施設の認可をということでございます。子ども・子育て新制度で教育・保育の必要量とか確保の方策ということに限って言いますと、そもそも大都市などで起きている待機児童の解消のために、本来は認可保育所をたくさん整備して、そこの解消に持っていくのが筋なのですが、認可保育所は非常にハードルが高いということで、それよりも若干緩くした小規模保育というものを新制度の中で新たに設けたわけでございます。今回は、かもめ保育園はその小規模保育の認可を求めているということで、実際は各自治体の中で現在保育需要が満たされていない、そういう場合に新たに認可をしていくというようなことでございますが、小樽では現在、認可保育施設の中で一定程度の保育需要は満たされているということでございますので、認可の方向にはならないというような考えを示したところでございます。
なお、認可申請が出てきた場合には、当然その審査をさせていただく形になります。
(「議長、19番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)19番、斎藤博行議員。
○19番(斎藤博行議員)医師不足というのは、もう少し普遍的なことをおっしゃっているのかと、病院で産婦人科の医師が少なくなっている。私が聞きたかったのは、新聞なのですけれども、小樽協会病院に関する報道の中で、医師の待遇とか、それから助産師の確保の部分というのが記載されていたものを読んだ記憶があるのでして、それを突き詰めていくと、小樽市ができることの中に、例えば経済支援となったときに、医師の待遇の問題とか、それから助産師の確保という観点になってくると、小樽市の予算にかかわるような問題にもなりかねないものですから、そこら辺を聞いたわけなのですけれども、今の保健所長の答弁で言うと、要するに協会病院で起きている医師の不補充の原因は、待遇とか助産師等の問題ではなくて、あくまでも全道・全国的な医師不足による事案だと、そういうふうに小樽市は押さえているということでよろしいですか。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)保健所長。
○保健所長(秋野惠美子)私の答弁で誤解が生じてはいけないので、もう少し丁寧に説明申し上げますと、先ほど、医師の確保ができないことが根本的な原因で、背景には全国的に産科の医師が不足していることにあると考えていると市長は答弁しております。今、斎藤博行議員がおっしゃいましたように、北海道でも顕著でございますけれども、産科医師の絶対数、総数が年々減ってきていると。小児科の医師数については増えておりますが、産科の絶対数がとにかく減ってきていると。この現実が何といっても一番の原因と考えております。それだけで全てが解決できるということにはもちろんならないと思いますが、一つの問題が起きた場合に、当然複合する要因が多々あると思います。しかし、小樽市の認識としては、まず何といっても絶対的な医師数の不足、これが今回の最大の原因であると認識しているというところでございます。
○議長(横田久俊)斎藤博行議員の最後の会派代表質問を終結します。お疲れさまでした。
この際、暫時休憩いたします。
休憩午後4時34分
――――――――――――――
再開午後4時55分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、会派代表質問を続行いたします。
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)6番、安斎哲也議員。
(6番安斎哲也議員登壇)(拍手)
○6番(安斎哲也議員)代表質問いたします。
今定例会が、市長や我々議員の任期最後の定例会となります。斎藤博行議員、先ほどは激励ありがとうございました。
それでは、質問に入りたいと思います。
さて、4年前にこの立場をいただき、この間、小樽市の抱える諸課題において、さまざま質問をさせていただきました。
提案説明の冒頭において、中松市長が4年間の市政運営を振り返り、所信を述べられ、さらに昨日、本日とで会派代表質問が行われていますが、通告に従いまして幾つか質問させていただきます。
中松市長は、4年前の選挙において、グローバル化時代に沿った観光の充実、商工業の振興など地域活性化の推進と新たな雇用創出による若者の定着、稲一再開発の道筋、市立病院の統合新築・新病院の平成26年度開業、学校統廃合など教育環境の整備、保育所施設や民間の保育への支援などの子育て環境の整備、高齢者や障害者の方が安心して暮らせる施設整備、そして真の財政再建、この七つの重点公約を掲げ、当選されました。
4年の間、予算などを審議し、議決を行ってきましたが、稲一再開発の道筋をはじめ、山田市政から引き継いだ新市立病院の開業とともに、並木局長による病院経営、上林教育長を迎えて進めた教育改善など、細かな施策・運営などで課題があり、議論することはあったにせよ、公約に沿って進めてこられたことについては評価いたすものでございます。
ただ、公約に明記された中で、その効果は一体どれほどなのか、疑問もある部分があります。これらについて質問をさせていただきたいと思います。
観光問題についてです。
まず1点目は、グローバル化時代に沿った観光の充実についてです。次期政策において、人口減対策を基軸として七つの挑戦を掲げ、その中で基幹産業である観光のさらなる充実と国際観光都市への挑戦として第1番目に掲げていることから、この観光問題について質問いたします。
これまで、小樽国際インフォメーションセンターの開設や観光事業者向け外国語講座の実施など、ソフト面での対応を行ってきました。また、中国や台湾、香港などの東アジア圏のほか、来道観光客数が急増しているタイなどに対し、積極的な外国人観光客誘致に努められ、実際に東アジア圏などからの外国人宿泊客数は増加してきています。
今後の小樽観光を考えると、まずは今抱える課題を一つずつクリアし、今ある小樽の観光資源を生かして観光客の増加を目指していくことが最善の策と考えます。
そこで伺いますが、市長は、国際観光の振興を含む小樽観光の充実に向けて、何を喫緊の課題と捉え、今定例会に上程されている予算案の中で、その課題解決に向けた施策を実施しようとお考えなのでしょうか。主なもので結構ですから、具体的にお示しください。
市内の宿泊施設の現況は、繁忙期はキャパシティーの問題で施設からあふれ、札幌に泊まらざるを得ない観光客の方々もいるようです。宿泊施設においては民間の力が必要となりますが、繁忙期以外の宿泊数を増加させることがまずは底上げになるだろうと思っていますし、滞在時間も減少している状況ですから、それらの課題解決に向けて官民協力して取組を進めるべきと思います。
私としては、今後、現在のニセコのように、民間投資による観光資源の再開発が必要だと思っています。今は、運河で記念撮影し、堺町で買物、そしてツアー中に時間があれば寿司屋通りで昼食というのがオーソドックスな流れとなっています。そこでさらに楽しんでもらえれば、再び小樽に訪れ、さらにディープな小樽観光へとつながるわけですが、今はまだ少数であると感じています。
そこで、市長も提案説明で述べられていましたが、北運河や天狗山などの新たな観光拠点の開発について取り組んでいかなければいけないと私も思っております。本市の基幹産業である観光のさらなる充実に向けて、どのような考え方をお持ちなのでしょうか。ぜひともお聞かせいただきたいと思います。
また、安倍総理大臣がアベノミクスの成長戦略の目玉として位置づけている統合型リゾートに関して、中松市長は、統合型リゾートは、ホテルやショッピングモールなどさまざまな施設が一体となった施設で、新たな観光を担う施設として期待が寄せられており、経済の活性化にも寄与するものと考えるとして、IR誘致に向けた各種情報の収集に努めると過去の議会で発言されてきました。
三つ目の大項目でも質問しますが、老朽化する公共施設への課題です。特に会議場施設やレクリエーション施設などとともに、全国有数の観光都市でありながら宿泊施設が少ないという問題がある小樽市において、民間投資によって、財政の苦しい小樽の課題解決の一つとしてメリットがあるとの観点で考えてこられたと思いますし、カジノ運営者からの納付金やカジノ入場者からの入場料の徴収などによる財源手当てのうまみもあるかもしれないとの視点もあったと推測いたします。小樽市政を担うリーダーとして、小樽の活性化のためにさまざまな面で検討し、夢を描き実現させるための取組を進める姿勢は評価をいたすところでございます。
しかし、市民の中には、カジノと聞けばギャンブル依存症が増え問題になるといった反対意見が根強くあります。
また、さきのカジノ議連の実施法案に関する基本的な考え方では、カジノ施設を全国津々浦々に設置すべきではないとし、全国で2か所か3か所を選び、その後10か所程度に広げるとの考え方もありましたが、そもそも大都市型と地方型の2種類で構想されていましたが、大都市と地方という区別が立地条件に着目したものなのか、それともMICE機能などの開発様式に着目したものなのかが明らかではなく、どのようなIRなのか空中論戦でした。
そして、ここに来て、政府が2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでに横浜市と大阪市の2か所で開設を目指す方針が固まったとの報道がなされました。法案審議が遅れている中で、2市と調整を進める狙いがあるとの報道がありますが、たとえ法案が今国会に提出され成立したとしても、東京五輪開催の2020年時点でも部分開業にとどまるという見方もありますし、さらに次期小樽市長の任期は2019年までです。
このような状況において、次期市長選で、「カジノ争点化綱引き」との見出しで新聞報道が2月にありましたが、反カジノとか推進だとかではなく、そもそも法案もどうなるかわからないですし、横浜、大阪の2市の候補地で決定しては、カジノでまちの未来をどうするかとの議論は成り立たないと感じているところです。もしもまた、ほかの候補地の話が浮上したといっても、2020年以降になろうことから、本市においては、現在はもう白紙状態と言っても過言ではないと考えますが、市長の見解をお聞かせください。
1項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)安斎議員の御質問にお答えします。
ただいま、観光問題について御質問がありました。
まず、小樽観光の充実に向けた喫緊の課題につきましては、宿泊客数の増加を図ること、増加している外国人観光客の受入れ態勢を整備すること、新たな魅力づくりを進めることが挙げられます。このたびの予算案の中で、これら課題の解決に向けた施策といたしましては、宿泊客の増加に向けては、宿泊客誘致事業費補助金や国内外観光客誘致実行委員会補助金、受入れ態勢の整備に向けては、外国語通訳配置支援事業費補助金や小樽国際インフォメーションセンター運営費交付金、移動式Wi-Fi環境整備事業費、新たな魅力づくりに向けては、小樽あんかけ焼そば親衛隊観光PR補助金や小樽kawaiiティーパーティー実行委員会補助金などがあります。
次に、観光のさらなる充実に向けた考え方につきましては、観光協会をはじめとする市内観光関連団体との連携を強化し、国際観光都市として東アジアから東南アジア圏に対する積極的な観光客誘致活動や、受入れ態勢強化を進めていかなければならないものと考えております。このほか、北運河エリアや天狗山の整備などによる魅力あふれる観光拠点の形成を進めるとともに、国内外のクルーズ船社に対する積極的な誘致活動などを展開することにより、一層の観光振興を図り、本市における経済波及効果を高めていく必要があると考えております。
次に、IRに関する見解につきましては、今後、国会で十分な議論がなされ、IR関連法案が成立したときには、その内容を慎重に見極めるとともに、市民の皆さんの御意見を伺い、本市の方向性を決定してまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)6番、安斎哲也議員。
(6番安斎哲也議員登壇)
○6番(安斎哲也議員)財政問題についてです。
まず、新年度予算編成について質問します。
中松市長は、4年前の公約の中で、「小樽市の真の財政再建を成し遂げます」とし、効率的で安定した行財政運営の確立を目指してこられました。
おっしゃるとおり人口が減少し、地域経済が低迷する中で、大きな税収の伸びは期待できません。新年度予算では、税制改正による法人市民税の法人割の税率引下げ、固定資産の評価替えによる固定資産税の減収などを見込んで、市税収入は前年度比較で1.7パーセント、2億2,700万円減の129億2,220万円が計上されました。
小樽市は、経常一般財源の半分以上を普通交付税に依存し、平成25年度決算時、財政力指数が道内主要都市で一番低く、経常収支比率は一番高く、政策的な事業に使える財源が少ない、非常に硬直した財政構造となっています。
こうした中、新年度予算では、骨格予算ではあっても、放課後児童クラブの拡大や教育支援活動など教育予算の拡充を行ったり、地域包括支援センターの拡大、さらに地域から強い要望のあった既存街路防犯灯LED化推進事業費を盛り込むなど、限りある財源の中での対応は評価できるものです。
しかし、骨格予算ではあっても予算編成に財源不足が生じ、平成26年度同様に財政調整基金を取り崩しての収支均衡で、依然として自転車操業で厳しい財政状況には変わりないという認識でおります。
ここで伺いますが、今回の予算編成において財源不足が生じた要因は何か、お聞かせください。
また、予算規模約550億5,000万円のうち58.4パーセントの約321億7,000万円が義務的経費となっています。義務的経費においては、扶助費や公債費が減少していますが、その主な内訳をお示しください。
骨格予算であっても、新規事業とともに事業の拡大が盛り込まれています。細かな施策については予算特別委員会で議論をしたいと思いますが、新規事業、事業拡大についての市長の考え方についてお聞かせください。
提案説明の中で、重要課題である財政健全化について、平成24年度から他会計からの新たな借入れを行わずに予算編成を行ったことを挙げておられましたが、これは中松市長の真の財政再建に向けた強い決意の下で行われたと思います。しかし、平成26年度末で約42億円の多額の借入残高があり、真の財政再建に向けて引き続き健全化の取組を進める必要があるとも明言されていました。私も同感するところでございます。
一方、次期政策の中では、財政再建についての件が触れられていません。これについては、4年前と比較し改善されたことやこのままの市政運営が続けば他会計からの借入残高は減り、市債残高も新たな市債が必要となる事業がない限り減少していくという考え方から、真の財政再建を次期政策に盛り込まなかったのでしょうか。小樽市の今後の財政の動向と市長の考え方をあわせてお聞かせください。
生活困窮者自立支援事業費について伺います。
生活困窮者自立支援制度は、平成27年度から施行される生活困窮者自立支援法に基づいた事業で、生活保護に頼らず、働いて自立できるよう生活困窮者を支援する制度となっています。
自立相談支援事業にかかわる国庫負担、任意事業にかかわる国庫補助があり、現在、生活保護を受給していないが生活保護に至る可能性のある者で、自立が見込まれる者を対象に事業が行われます。
小樽市においては、平成26年度にモデル事業として自立相談を行い、新年度で国庫負担である必須の住居確保給付金支給事業、自立相談支援事業、任意事業の就労準備支援事業の3事業に2,213万5,000円の予算をつけて取り組むことにしています。
この制度は、国が課題としている最後のセーフティーネットである生活保護の受給者の増加に対し、その手前の生活困窮者を支援し、自立を促すためのものです。
小樽市においては、昨年12月現在、生活保護受給が3,833世帯で、北海道内で4番目に高い保護率で、生活保護を含める扶助費はここ二、三年は微増ですが、過去数年上がっている経緯があります。
まず伺いますが、小樽市における生活保護の受給者数の過去5年間の推移をお聞かせください。
先ほど、財政問題の質問の中で硬直している点について触れましたが、新年度の一般会計の歳出のうち約6割の義務的経費の中で、半分以上が扶助費であり、特に生活保護費の占める割合が大きくなっています。その生活保護を含めた扶助費が、財政の硬直化を生じさせている原因の一つだと思いますが、見解をお示しください。
生活保護は現在25パーセントを地元負担しなければいけないので、小樽市では約90億円、その財政負担がどんどん大きくなっています。そもそも国できちんと財政措置をしてもらえないのかということもありますが、これはさまざまな機会で要望されていると思います。生活保護の問題では、不正受給をはじめとする医療費の問題もあります。そこで、この生活困窮者自立支援事業につながるわけですが、まず、3事業それぞれの事業内容をお示しください。
就労支援事業、就労準備支援事業については、プロポーザル方式により、受託法人選定委員会による書類審査とヒアリング審査に基づく採点を行い、この結果に基づいて市長が最終決定したとのことです。これにより受託業者は、高齢者、子供、障害者、まちづくりにかかわるさまざまな地域密着事業を行う特定非営利活動法人ワーカーズコープが選定されました。同NPOによる就労準備支援事業で今後どのような生活習慣形成指導・訓練、社会的能力や就職活動に向けた技法・知識の習得などの支援が行われるのか、期待しているところです。
この生活保護制度は大変重要で、本当に困った方々への最後のセーフティーネットとして必要だと思いますが、その一歩手前で支援する、それが一番大事だと思っています。事業実施への市長の見解と今後の方針をお示しください。
また、市としては、今回、国庫負担である必須2事業、任意1事業の計3事業のみ実施することとしていますが、私は任意事業である生活困窮者世帯の子供の学習を支援する子どもの学習支援事業をなぜ加えなかったのか、疑問であります。なぜでしょうか。
以前も議会で例に出し質問をいたしましたが、生活保護と基礎学力の関係です。基礎学力がないことで、消費税の計算や預金利息の算出ができない、マニュアルが理解できないなどの問題が実際にあること、新規高卒者の離職率が高い傾向にあり、高校中退など、将来的な問題があります。
この状況の中、2007年就業構造基本調査に基づくデータで、生活保護世帯の母親の中卒率が34パーセント、その父親の42.3パーセントが中卒、その母親の51.9パーセントが中卒、保護母子世帯の母親の14.6パーセントが保護世帯で育っているなどという数字があります。
地域の発展は労働力に直結していると言われますが、将来就業する子供たちがしっかりと基礎学力を身につけなければ、雇用先という受皿があったとしても企業が求める労働力につながらず、まちの経済の衰退につながります。
市長は、次期政策の中で、人口減対策を基軸として、教育環境の整備と学力・教育力向上を掲げています。生活保護世帯の子供が生活保護受給者になってしまう連鎖があるということを重く受け止め、生活困窮者世帯の子供への学習支援はぜひとも盛り込んでいただきたいと考えているところですが、市長のお考えをお聞かせください。
地方創生先行型事業についてです。
財政問題の最後に、平成26年度補正予算について質問します。
平成27年度予算は、義務的経費や継続的な事務事業などを中心とした骨格予算としての編成となっていますが、国の地域活性化・地域住民生活等緊急支援のための交付金に対応し、地方創生先行型として40事業、1億8,833万円が26年度補正予算に計上されています。
国の方針により緊急的に事業を選別しなければならない中、交流人口の拡大として、観光案内所運営費交付金や外国語通訳配置支援事業費補助金、移動式Wi-Fi環境整備事業費などの観光事業に5,965万円、若者などへの地元就労支援として、女性・若年者の地元定着を目指した人材育成事業費などに2,855万円、子育て支援と教育の充実として、移動式赤ちゃんの駅事業費やデジタル機器整備事業費などが計上されるなど、新規施策が盛り込まれていることは評価をいたします。特に、地域活性化策として、子育てと女性の人材育成、教育の充実にも配慮している部分は評価をしているところです。
ただ一方、新規事業以外の施策では、前年度と同様の予算規模や事業内容にとどまるものもあり、物足りなさもあります。
まず、今回の平成26年度補正の中の地方創生先行型事業に対し、どのような理念の下、これらの事業を計上されたのか、お考えをお聞かせください。
また、新規事業以外で前年度同様の予算規模、事業内容にとどまった要因もお聞かせください。
また、新規事業、事業拡大を除いた事業を地方創生先行型事業として補正に盛り込まなかった場合、予算編成において歳出がさらに膨らみ、財政調整基金をさらに取り崩さなければならなかったのかと危惧するところですが、見解をお聞かせください。
2項目めの質問を終えます。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、財政問題について御質問がありました。
初めに、新年度予算編成についてですが、まず、予算編成で財源不足が生じた理由につきましては、国は、平成27年度の地方財政計画において、地方税を対前年度比7.1パーセントの増加と見込み、臨時財政対策債を約1兆円の大幅な減としております。本市では、地方消費税交付金の増加が見込まれるものの、市税は国が示しているような税収の増加を期待することができず、平成26年度当初予算と比べて約2億3,000万円の減、臨時財政対策債は約2億8,000万円の減となったことが主な要因と考えております。
次に、扶助費と公債費の減少の主な内訳につきましては、扶助費では、国の子ども・子育て支援新制度に伴う予算の増加が見込まれるものの、生活保護費の扶助費で約2億6,000万円、臨時福祉給付金給付事業費で約2億3,000万円減少しているほか、公債費では平成6年度、11年度に借入れした市債の完済などにより、元金で約7億円、利子で約9,000万円減少しております。
次に、骨格予算における事業の新規、拡大の考え方につきましては、平成27年度は改選期であることから、骨格予算として編成しておりますが、当初予算に計上しなければ事務執行に支障を来す事業や国・道の補助事業等で事業の継続性の面から当初予算に計上が必要な事業につきましては、行政の継続性を踏まえて当初予算での計上としております。
また、多くの市民の皆さんから要望が寄せられていた街路防犯灯のLED化助成につきましては、町会等の電気代の負担軽減を図るため、早期の取組が効果的であると判断し、当初予算に計上させていただいたところです。
次に、今後の財政の動向と財政運営に臨む姿勢につきましては、私が市長に立起した当時は、平成22年度も累積赤字を抱える見込みで財政調整基金残高もなく、本市財政は危機的な状況にありましたので、財政再建を最優先課題として取り組んできたところであります。引き続き本市の財政構造は、歳入では市税などの自主財源に乏しく、歳出では扶助費などの義務的経費の占める割合が高いといった硬直した状況が続いており、限られた財源の中で市政を運営していくためには、財政の健全化を確保し、改善に努めていかなければならないという基本的な姿勢に変わりはありません。
次に、生活困窮者自立支援事業費についてですが、まず、本市における生活保護受給者数の過去5年間の推移につきましては、年度平均でお答えしますと、平成21年度は5,389人、22年度は5,390人、23年度は5,453人、24年度は5,465人、25年度は5,375人となっております。
次に、扶助費についての見解につきましては、義務的経費の中でも扶助費は、社会保障費の増大に伴い、年々増加傾向にあるほか、今後も社会保障制度改革に伴う負担の増加が懸念されており、財政の硬直化の大きな要因になっていると認識しております。
次に、本市が実施する3事業の事業内容につきましては、住居確保給付金支給事業は、離職等で住宅を失った又は失うおそれがある生活困窮者で一定の条件に該当する方に対して、原則3か月、最長9か月間、家賃相当額を支給するものです。自立相談支援事業は、生活困窮者からの相談を受け、抱えている問題を分析した上で、解決に向けたプランを作成し、それに基づいて関係機関とも連携しながら継続的、包括的に支援を行うものです。就労準備支援事業は、すぐに就労が難しい方に対して、日常生活自立や社会生活自立の支援を行い、就労体験などを経て一般就労に結びつけていくものであります。
次に、事業実施への見解につきましては、生活困窮者自立支援事業を実施することにより、生活困窮状態を抜け出せる方が少しでも増えるのであれば、本人にとっても本市にとっても大変喜ばしいことであり、事業の実施は非常に有意義なものであると考えております。
また、今後につきましては、事業実施後の状況を見ながら、必要があれば他の任意事業についても取り組みたいと考えております。
次に、子どもの学習支援事業を加えなかった理由と事業に盛り込む考え方につきましては、平成27年度の事業を決定する際に、経済的な自立に直接結びつく事業を優先に考えて、まずは就労準備支援事業を実施することとしたために加えなかったもので、子どもの学習支援事業についての必要性も十分理解しておりますので、本年4月以降の相談状況なども見ながら、今後、事業の実施について検討してまいりたいと考えております。
次に、地方創生先行型事業についてですが、まず、計上した事業の考え方につきましては、この交付金は、人口減少の克服と地方創生を目指すまち・ひと・しごと創生法により努力義務とされた地方版総合戦略の策定と、これに関する施策を先行的に支援するものでありますので、現時点での人口対策の検討に向けたポイントとして取りまとめた「産業振興による働く場の創出・拡大」「子育て支援と教育の充実」「生活環境の整備」を柱に事業を検討し、計上したものであります。
また、継続した取組であっても、地場産品の販路開拓や観光振興など、今後の地方創生に向けての取組を進めていく上で必要となる事業を計上したものであります。
次に、既存事業を地方創生先行型事業として盛り込まなかった場合の財源対策につきましては、平成27年度予算編成は、財政調整基金の取崩しによる財源対策で収支均衡予算としておりますので、国の新交付金を活用しない場合はさらなる財政調整基金の取崩しが必要となるものです。しかし、これらの事業の中には、これまで地域経済活性化等推進資金基金などの基金を財源として取り組んできた事業もありますので、その全額が財源不足になるとは考えておりません。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)6番、安斎哲也議員。
(6番安斎哲也議員登壇)
○6番(安斎哲也議員)最後の項目の質問に移ります。
公共インフラについてです。
人口減少が進む小樽市において、市長も次期政策に掲げているコンパクトシティ化が必要となってきています。
コンパクトシティの概念や目的は、必ずしも万人共通の理解として定まったものではないようですが、郊外の開発を抑制し、より集中した居住形態にすることで、周辺部の環境保全や都心の商業などの再活性化を図るとともに、道路などのハードな公共施設の整備費用や各種のソフトな自治体の行政サービス費用の節約を目的としているとされています。
小樽市の現状としては、海岸線に沿って約69キロメートルの細長い地形です。このため、横長にインフラを整備したり、消防署の出張所が必要だったりと維持コストが人口密度の割に必要な状態です。
その状態の中、小樽市は人口減少に悩み、さまざまな施策を講じてもまだ減少に歯止めをかけられない状況です。さらに、小樽協会病院の周産期医療の問題もあり、これまで予測していた以上に人口減が進むことが予想されます。今後、人口対策を行ったとしても、現状の周産期問題から想定すると、一時的に小樽の出生数が減り、さらなる負の連鎖が起こり得る可能性が高くなっていると考えます。
小樽市では人口対策庁内検討会議とともに小樽市人口対策会議を設け、諸課題の洗い出しを行い、人口対策についての検討を始めていますが、それらを進めながらこのまちの将来ビジョン、将来のまちの形をもしっかり示した中で、人口対策を打ち出していかなければなりません。
人口減対策に関連しては、総務常任委員会で報告された人口減少要因として考えられる要素については、まさに私も同感していますが、国民健康保険料や水道料金などの生活環境についてが除かれている点に疑問があります。この点に加え、教育・子育て環境、産業・雇用問題により移住してしまっている現実がありますので、細かな点については予算特別委員会で質問させていただきます。
これらの対策を行ったとしても、急激に人口が増えることは自然動態関係から見ても難しく、残念ながら一定期間は人口減を見込まなければなりません。昨日の会派代表質問の中でも取り上げられていた増田レポートの中でも、どのような対策を行っても、出生率の回復が5年遅れるごとに将来の安定人口数は減少し、回復時期がずれ込むと人口減少がとまる時期も数十年にわたって遅れるということがあります。
ですので、私としては、今後の人口対策による効果が見える間、人口1人当たりの交付税について、基準財政需要額ベースで約13万円の影響があるとされる中で、公共インフラにおいては、人口に見合った適切な施設規模が必要だと思っています。
小樽市において人口が減り、密集度が少なくても道路や水道施設などの維持・管理が必要となってしまう状況は、硬直した財政の中で負担がかなり重なることになると思います。ただし、小樽市の公共施設は老朽化しているという状況もあります。コンパクトシティという観点で、必要な公共インフラ整備を進めつつ、道路や水道などのハードな公共施設の整備費用や各種ソフトな自治体の行政サービス費用の節約も行っていかなければならないと考えています。
この観点から、市長の言うコンパクトシティに向けたまちづくりとはどのようなものなのか、お聞かせください。
老朽化する公共施設においては、小・中学校をはじめ保育所、消防庁舎、学校給食共同調理場や市立病院の統廃合が進められてきましたが、昨年の第1回定例会において、「本庁舎や市民会館など、耐用年数を経過し、老朽化が進んでいる施設もいまだ多いことから、これらの施設の今後のあり方についても検討を進めることは重要な課題と認識しております」との答弁がありました。今年度中に終わる予定の市民会館と総合体育館の耐震診断の結果はどのような状況になっているか、お聞かせください。
国は、公共施設等の老朽化対策に要する経費について、地方財政計画に所要の歳出を計上し、集約化・複合化等に対する地方財政措置を充実させるとのことです。公共施設等総合管理計画の策定が急がれますが、これに基づいて実施する公共施設等の最適化には充当率90パーセント、交付税算入率50パーセントで、平成29年度までの3か年となっています。早急に公共施設等総合管理計画を策定し、市の抱える老朽、非耐震の公共インフラの整備を進めていただきたいと考えていますが、御所見をお聞かせください。
最後に、これにあわせて、市長の次期政策でも掲げられている新・市民プールの整備にも弾みをつけていただきたいと思っていますが、お考えをお聞かせください。
以上、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、公共インフラについて御質問がありました。
まず、コンパクトシティに向けたまちづくりにつきましては、これまでに整備されてきた都市基盤を有効に活用しつつ、市が管理する公共施設の集約化やまちなか居住などを推進することにより、人口の減少や少子高齢化などの社会動向も考慮した利便性の高いコンパクトで安全、快適なまちづくりを目指すことであります。
次に、市民会館と総合体育館の耐震診断の結果につきましては、これらの耐震診断業務は委託期間中であり、業務が完了していないため、診断結果はまだ出ておりません。
次に、公共施設等総合管理計画の策定と公共インフラの整備につきましては、本市ではこれまでも病院の統合新築、学校の耐震化や再編に伴う校舎等の改築、さらには保育所の建設など、将来を見据えた諸課題への対応に優先的に取り組んできたところであり、新年度予算では引き続き橋梁の長寿命化や道路ストックの更新など、既存インフラ施設の老朽化対策にも着手することとしております。今後は公共施設全般を網羅した総合管理計画を策定し、計画的に取り組んでいく必要がありますが、これらは大変大きな財政負担を伴いますので、中・長期的な収支を見通す中で財政規律を損なうことがないよう、将来負担なども考慮しながら取り組んでいかなければならないものと認識しております。
次に、新・市民プールの整備につきましては、これまでも多くの方々から御要望をいただいているところであり、第6次小樽市総合計画後期実施計画にも位置づけておりますことから、私といたしましては、今後、できるだけ早い段階で具体的な検討案を示してまいりたいと考えております。
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)6番、安斎哲也議員。
○6番(安斎哲也議員)2点のみに絞って再質問させていただきます。
IRについてなのですけれども、これまでの、北野議員への答弁と変わりがないといいますか、その法案が出てからということは重々承知はしているところでございますが、私の考え方としては、先ほど述べたとおり、2020年の東京オリンピックに向けて、横浜市と大阪市の2都市の対象となるだろう都市型のIRに向けて、たぶん推進法案はこれから議論されるだろうと思っています。ただ、推進法案を成立させて、その後、実施法案をまとめるという流れでつくっていくと、たぶん2020年のオリンピックには、開業は間に合わないだろうというふうに私も考えています。それらを考えると、まず、今国会で提出されるかもしれない法案については、都市型のIRを設置するための実施法案に近い法律になってくるのかなと思っていまして、そう考えると都市型のIRですと、小樽にそもそもそれを誘致できる受皿というか、土地がないというふうに考えていまして、たとえ法案が成立して2都市にIRができたとしても、その検証が行われた後に、全国の地方に向けた部分が検証されていくのだろうというふうに考えておりますから、もしまたIR誘致の話が浮上したとしても、次期市長の任期の2019年、さらにそれを超えた2020年以降になってくるのではないかなというふうに私は考えています。
(発言する者あり)
その考え方について、市長がどういうふうに思っていらっしゃるか、見解を求めたいと思います。
もう一つが、地方創生先行型事業についてなのですけども、今回、国の方針で短時間での補正予算計上というふうに義務づけられているため、なかなか新規事業以外の部分で今までの事業を形にして、補正予算の中に入れるというぐらいにしかならなかったのも十分理解しています。本来であればもう少し時間をいただいて、もっとクリエーティブな発想の下で地方創生先行型の事業ができていけばよかったのだろうなと思ってはいるのですけれども、今後、まち・ひと・しごと創生法に基づいた地方人口ビジョンや地方版総合戦略の策定が進められていくと思いますので、その中でいろいろな事業を盛り込んでいただきたいというふうに思っております。
ただ1点だけ、かなり報道でも取り上げられているのですけれども、さまざまな自治体で、コンサルタントに任せてしまって劣化版のようなものも出てくるとか、そういった問題視をしている報道もあります。小樽市においては、昨日、北野議員も指摘されていましたけれども、ただコンサルタントに任せるだけではなく、やはり今まで皆さん努力されていろいろな頭脳を持っていらっしゃる方々がいると私は信じていますので、不十分な部分でもいいのですが、職員一丸となって小樽らしい独自プランをつくって、地方創生の戦略に向けて進めていっていただきたいなというふうに思っていますので、その点について御答弁いただいて、代表質問を終わりたいと思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)安斎議員の再質問にお答えいたします。
私からはIRについて答弁をさせていただいて、残りは担当部長からいたします。
安斎議員もおっしゃるとおり、IRについては、物すごくハードルが高いのです。もともと高いのです。もともと国は1か所か2か所、しかもその1か所か2か所を設置してからさらに何年間か、10年、20年の中で次を設置するということですから、極めて高いわけです。
しかし、何度も申し上げておりますように、このIRにつきましては、コンベンションホールですとか、ショッピングモールですとか、ホテルですとか、劇場であるとか、スポーツ施設だとか、そういった中でかなりの面積も要りますし、そこでの雇用というのは3,000人とも5,000人とも言われているわけです。それだけ広い施設ですから、当然ながら地域振興の問題、観光振興の問題、それから税収の問題だとか、いろいろな中でかなりプラスに働くものがあるわけでございます。そういったことから、全国各地でIRの誘致がされているわけでございます。ですから、私としては、IRについては、非常にプラスに働くものと、このように考えているわけですけれども、しかし一方では法律がまだできていないわけです。法律ができていないというのは、中央としてもいろいろな御意見があって、いろいろなお考えがあるのだろうというふうに思います。しかも、今、法案として廃案になっているわけですから、今度の新たな法案がどういう形になるのか、そういったことをしっかり見極めた上で、もう一度市民の皆さんにもお話をしながら、IRについてはどうなのかということをしっかりとした形で取り組んでいきたいというふうに思っているわけです。
ですから、まずは法律ができてから、その法律の中身を見て、そしてそれが小樽市にとってプラスなのかマイナスなのか、そういったことを市民の皆さんにお話をして、そして決定をしていきたいというふうに思っております。今の時点では法律自体がまだありませんから、法律ができた後にもう一度取り組んでみたいと思います。しかし、冒頭に話したように、非常にハードルが高いということですから、何か手を挙げたら簡単にできるような、そういうイメージをお持ちの方はいらっしゃるかもしれませんが、そんなことは決してありません。ですから、非常に高いハードルでありますし、あるいは期間、時間もかなりかかるものであると、このように私は思っております。
(発言する者あり)
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)総務部長。
○総務部長(迫俊哉)地方創生先行型事業につきましての再質問にお答えいたします。
三つほど質問があったかと思いますけれども、今回、地方創生先行型事業につきましては、新旧織りまぜて事業を計上させていただいておりますが、地方創生という言葉自体は新しいものではありますけれども、目指すところは人口対策であったりですとか、地域経済の活性化だということでございますので、我々のこれまでの取組と全く同じでございますので、それを今回の交付金の中に盛り込ませていただいたというのが一つございます。
それから、独自性の問題について御質問がございましたけれども、今回、新しい事業を若干入れてありますが、今後、国では300億円の上乗せというのが予定されておりまして、まだ詳しいことはわかっておりませんけれども、4月以降にはそのスケジュールなども発表されるのではないかというふうに伺っておりますので、全国で300億円交付金として用意されておりますが、ある意味、言葉が適切ではありませんけれども、いわゆる予算の分捕り合戦みたいな形になりまして、新規性だとか独自性というのは当然問われてくると思いますので、その交付金の活用の際には、小樽市としては、新規の事業を盛り込むような形で新規性、独自性を発揮していきたいというふうに考えているところでございます。
それから、コンサルタント任せの件につきましては、昨日、北野議員にもお答えいたしましたけれども、あくまでも核となる部分につきましては、人口対策庁内検討会議あるいは小樽市人口対策会議の中で御議論いただいた御意見を基に、市が最終的に総合戦略を策定していくわけでありますから、議員がおっしゃるとおり、小樽市の職員なり民間の方々なりの人的資源を活用して、小樽らしさを発揮していきたいというふうに考えているところでございますので、御理解をいただければと思います。
○議長(横田久俊)以上をもって、会派代表質問を終結いたします。
次に、久末議員から質疑及び一般質問を行いたい旨の申出がありますので、これを許します。
(「議長、28番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)28番、久末恵子議員。
(28番久末恵子議員登壇)(拍手)
○28番(久末恵子議員)質問も最後になりました。質問された方も、答弁された方も、本当にお疲れと思いますけれども、もう少々のお時間を私にもいただければありがたいと思います。
平成27年第1回定例会における質疑及び一般質問をさせていただきます。
今後の北小樽における観光振興についてということでやりたいと思います。
初めに、私にとりまして、この本会議場での最後の質問となりました。万感の思いでこの壇上に立たせていただいております。8期32年の長きにわたり、伝統ある小樽市議会の一員として重責を務め上げることができましたのも、まずは地域住民の皆様をはじめ議員の皆様、市の理事者の皆様のおかげだと思っております。この場をおかりいたしまして、深く感謝を申し上げたいと思います。皆さん、ありがとうございました。
この間、私としましては、党派の分け隔てなく、地域住民の方はもちろんのこと、市民の皆様の御意見に真摯に耳を傾け、精いっぱい力を尽くしてきたつもりでございます。道路整備をはじめさまざまな事業にかかわることができ、お声をお寄せいただいた皆様に微力ながらお応えすることができたのではないかと自負しているところでございます。
残念なことは、昭和58年の初当選時にはほぼ18万人あった人口が、今では12万5,000人を切るような状況になっており、今後、さらなる人口減少も見込まれているとのことでございます。中でも北小樽は昭和60年11月の旧国鉄手宮線の廃止以降、徐々ににぎわいを失ってきており、往時の手宮駅かいわいの繁栄ぶりを知る一人として、とても寂しさを感じているところでございます。この間、小樽が一大観光都市に成長したことはすばらしいことですが、運河周辺だけではなく、観光客の方々にいかに祝津方面までお越しいただくか、これが北小樽の活性化の鍵となると考えております。
私は、この任期で初めて経済常任委員会所属となりましたので、北小樽の活性化に向け、懸命に取り組んでまいりました。特に赤岩遊歩道の整備実現に力を注いでまいりましたが、先般、後志総合振興局長、そして副局長にお会いする機会を得まして、遊歩道を所管する北海道にも直接お力添えをお願いすることができました。また一歩、私の取組が実現に向け着実に進んだように感じ、大変うれしく思っております。
赤岩遊歩道から見る海に沈む真っ赤な夕日、時がたつのを忘れるほどの絶景をぜひとも多くの方々にごらんいただきたいと常に思っていることでございます。赤岩遊歩道ばかりではなく、鰊御殿、茨木家中出張番屋、水族館など、北小樽は観光資源も豊富です。先ほども申し上げましたが、いかに多くの観光客の方々に足を運んでいただくか、これが北小樽の再生に向けた重要なポイントになると信じております。
中松市長におかれましては、北小樽の活性化に向け、今後の北小樽全般における観光振興について、どのようなお考えをお持ちであるのか、この1点を伺いまして、私のこの議場での最後の質問とさせていただきます。
皆様には御健康に留意され、市政発展のためさらなる御活躍をお祈りし、私の質問を閉じさせていただきます。
本当に長い間、皆さんにお世話になりまして、ありがとうございました。
再質問はいたしませんので、よろしくお願いいたします。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)久末議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、北小樽全般における観光振興について御質問がありました。
祝津、赤岩を含むいわゆる北小樽エリアは、ニセコ積丹小樽海岸国定公園に指定されている勇壮な海岸線や小樽海岸自然探勝路、小樽市鰊御殿をはじめとするにしん漁場建築やおたる水族館、ヨットハーバーなど、多彩な観光資源を有し、古くから本市観光を先導してきた重点地域の一つであります。
私も、昨年7月、姉妹都市であります韓国ソウル特別市江西区の盧顕松区庁長や使節団の皆さんをこの地域に御案内させていただきました。そのとき、運河周辺や色内かいわいとは異なる雰囲気にとても満足をしていただきましたし、ニシン漁で栄えた歴史を有する本市に残る伝統的な建物に大変興味を持たれておられましたことは、強く印象に残っているところであります。
今後の北小樽全般における観光振興につきましては、地域のニシン漁の歴史や文化を生かした取組をさらに進めるとともに、地域の特性である海の魅力を最大限に活用することが大変重要であると認識しており、このことが小樽観光全体の振興にとりましても、とても大きな役割を果たすものであると考えております。
○議長(横田久俊)以上をもって、久末議員の質疑及び一般質問を終結します。長い間お疲れさまでした。
本日はこれをもって散会いたします。
散会午後6時03分
会議録署名議員
小樽市議会議長横田久俊
議員川畑正美
議員佐々木秩