開議午後1時00分
○議長(横田久俊)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、秋元智憲議員、新谷とし議員を御指名いたします。
日程第1「議案第1号ないし第51号並びに報告第1号及び報告第2号」を一括議題といたします。
質疑及び一般質問を一括し、これより会派代表質問を行います。
あらかじめ申し上げます。
代表質問に当たっては、質問通告の大項目の順で質問を行い、再質問、再々質問がある場合は、それぞれ一括質問で行うことといたします。
それでは、通告がありますので、順次、発言を許します。
(「議長、15番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)15番、濱本進議員。
(15番濱本進議員登壇)(拍手)
○15番(濱本進議員)自由民主党を代表して質問いたします。
平成23年4月の選挙において、中松市長が市民の負託を受け、市政を担われてから、早いもので1期4年の任期、最後の定例会となりました。今期限りで御勇退される議員の方々には、長年にわたり市政発展のため、ひたむきに議員活動、議会活動に取り組んでこられたことに対して、心より敬意を表します。
私自身としては、とりわけ北野議員には、議会全体として初めての取組でありました市民と語る会の企画運営を担当した広報・広聴委員会の副委員長として、この事業の成功に向け会派を超えて御協力いただいたことに、委員長としてこの場をおかりして感謝を申し上げます。
御勇退される議員の方々には、今後もそれぞれのお立場で、今までの御経験、そして御見識を生かして、小樽市の発展に御尽力いただくことを切に願っております。
また、この任期の中で惜しまれてならないのは、我が会派の成田晃司議員が志半ばで御逝去されたことです。市民の目線で市民の立場で真摯に議員活動をされていた姿は、今でも鮮明に記憶に残っています。私たちの任期は残りわずかではありますが、成田晃司議員の遺志を引き継ぎ、市政の発展のために今定例会に取り組んでいきたいと決意しております。
私は、平成23年第4回定例会において、就任から7か月の時点での市長の三つの基本姿勢と7つの重点公約の状況についてお尋ねしたことを思い出すとき、当時答弁された一つ一つについて、この4年間で着実に実施し、結果を残してこられた市長の政治姿勢と実行力を高く評価するとともに、我が自民党も与党会派の一員として中松市政を支えてきたものと自負しているところであります。
先日の本会議で中松市長は、4年間の市政運営を振り返り、所感を述べられていましたが、4年間の任期終盤に当たり、改めて第1期中松市政の基本姿勢と公約、現在の財政状況、今定例会に提案された予算案についてお尋ねしたいと思います。
我が自由民主党としては、中松市長が再選を果たされ、次期も市政を担うことを信じておりますが、この4年間多くの実績を残してきた市長として、そして一政治家として、これからの4年間の小樽市政に対するお考えについてもお伺いいたします。ぜひとも意欲に満ちた力強い言葉で、そして市民の皆様にも理解でき得るよう、可能な限り具体的で平易な御答弁をお願いいたします。
初めに、三つの基本姿勢についてお伺いいたします。
基本姿勢の第1「市民力の活用」については、「多様化する市民ニーズや新たな地域課題に応えるためには、市民の皆さんと行政とが協働で市政を運営する良好な関係の確立が必要です。そのため、市民参加の市政運営を進め「市民力」によるまちづくりを目指します」とのことでした。4年間を振り返り、具体的にどのように取り組まれ、その成果についてどのように評価されているのかお聞かせください。
基本姿勢の第2は、「安心・安全なまちづくり」です。子供からお年寄りまで安心・安全で健康に暮らせる地域社会の実現を目指して取り組まれたことと思いますが、この分野は非常に幅広く、また社会情勢の変化や時間の経過も踏まえ、計画的、継続的に取り組まなければなりません。この4年間で特に印象深い取組について何点かお示しいただき、今後に残された課題についての御所見も、あわせてお聞かせ願います。
基本姿勢の第3は、「魅力ある生活都市の創造」です。個性あふれる歴史、文化、恵まれた自然環境が多くあり、これら市民の財産や自然景観を徹底的に活用し、他地域にはない魅力を一層引き延ばしていくことを掲げておられました。具体的な取組とその成果についてどのように感じておられるのか、お聞かせください。
これらの基本姿勢は今後に向けた考え方、「信頼できる街づくりをめざして~基本的な考え方~」においても、その精神を受け継いでいると感じております。中松市長のこれからの政治姿勢についてお聞かせください。
以上で、第1項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)濱本議員の御質問にお答えします。
ただいま、市長の基本姿勢について御質問がありました。
初めに、「市民力の活用」についてですが、個性豊かなふるさとづくりを進めるため、地域のまちづくり団体を支援するふるさとまちづくり協働事業により、おたる案内人ジュニア育成プログラム事業や、小樽あんかけ焼そばPR事業などへの助成を行うことで、市民協働のまちづくりを進めることができたものと考えております。
また、フェイスブックの活用や、記者会見の定例化など、情報発信の強化に努めたほか、昨年4月には小樽市自治基本条例を施行しましたが、この条例は公募による市民委員の参加の下、多くの議論を重ねてつくり上げたものであり、市民参加と協働による取組の成果であると考えております。
次に、「安心・安全なまちづくり」についてですが、市民生活と最もかかわり合いが深く、市民満足の基本となるものが生活の安心と安全の確保であり、誰もが健康で生きがいを持って生活できるまちづくりへ向けた取組を進めてまいりました。中でも長年にわたり進めてまいりました市立病院の統合新築事業が一区切りを迎え、昨年12月、小樽市立病院として無事開院させることができ、責任を果たせたと思っております。今後は、健全な経営の下、質の高い総合的医療を行う地域の基幹病院として、その役割を果たしていくことが重要であると考えております。
また、東日本大震災の発生を契機に、自然災害に対する備えが自治体の重要な責務として認知され始めたことから、防災対策に力を入れ、津波ハザードマップの作成や避難所機能の強化を図るとともに、各町会での防災避難訓練への支援や津波注意喚起標識板などの設置を進めてまいりました。地震や津波などの災害が襲ってくる可能性は常に存在することから、今後もあらゆる事態に対応できるよう、防災対策に取り組んでいく必要があると考えております。
次に、「魅力ある生活都市の創造」についてですが、市民の皆さんが愛着を深め、誇りを持って暮らすことのできるまちづくりを進めるために、公営住宅の計画的な整備や住宅リフォームへの助成のほか、公園や道路、上下水道などインフラの適正な維持・管理と老朽化対策などに取り組み、生活環境の向上が図られたものと考えております。
また、まちの魅力を高めるために、歴史的建造物保全への助成や、文学館・美術館、旧国鉄手宮線の整備、新たなイベントへの助成など、本市の個性あふれる歴史、文化、恵まれた自然環境を生かしたこれらの取組により、多くの観光客が本市を訪れ、本市の経済に大きな効果をもたらしているものと考えております。
次に、今後に向けての政治姿勢についてですが、現在、本市が抱える最も大きな課題は、少子化、高齢化、そして人口減少に歯止めがかからないことです。しかし、一方では、全国的にも魅力あふれるまちとしての評価が確立しつつあることから、地域の恵まれた資源を生かしながら、活力を生み出し、次世代につなぐ持続可能な社会を築いていくことが必要と考えております。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、15番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)15番、濱本進議員。
(15番濱本進議員登壇)
○15番(濱本進議員)次に、財政について伺います。
市長は、財政健全化は、市政の最重要課題であると位置づけ、取り組まれたものと認識しております。平成23年第2回定例会で、市長は、真の財政健全化を成し遂げるとして、次のように述べられております。「山田前市長の12年間は、一般会計の累積赤字が最大で14億円に達するなど厳しい財政状況が続きましたが、「選択と集中」による事務事業の見直しなどの行財政改革を推進され、その結果、財政健全化計画を2年前倒しして、平成22年度決算をもって累積赤字が解消される見込みとなっております。しかしながら、地域経済の低迷などにより市税収入は減少傾向にあり、他会計や基金からの借入れにより収支の均衡を図るなど、引き続き厳しい財政状況であることに変わりはありません。今後、新市立病院の建設のほか、学校再編に伴う校舎の耐震化・改築など、大規模な建設事業が集中することから、事業の平準化なども念頭に置きながら進めていく必要もあると考えております」と所見を示されました。
私は、この4年間の市長の財政運営を拝見するとき、まさに、このときの所見を実践されたと感じております。中松市長が市政を引き継いだ平成23年度は、他会計や基金からの借入れがピークの時期であり、54.8億円の残高がありましたが、平成27年度末には37.5億円と17.3億円を減額する予定であるとの見込みが示されました。今後も着実に、そして計画的に残高を減らし、真の財政再建の道筋を確かなものにしていただきたいと期待しております。
一方で、将来に向けた前向きな投資として、市立病院の統合新築を成し遂げ、昨年12月1日に開院を迎えられたことは、市立病院調査特別委員会の委員として、まことに感慨深いものがあります。さらには、学校の耐震化や改築にも積極的に取り組まれておりますが、市債残高も微増にとどめていることは、財政規律の保持の面からも評価しているところであり、財政とのバランスを保ちながら市政を運営していく姿を高く評価いたします。
そこで伺いますが、市長は、この4年間どのような姿勢で財政運営に臨んでこられたのか、また、その結果をどのように評価しているのか、御見解をお聞かせください。
市立病院の建設や学校給食共同調理場などの大規模な建設事業を市債残高の大幅な増加をすることなく実行されてきましたが、今後も学校の耐震化、改築、公共施設の耐震化や老朽化対策は次々と控えており、事業実施に当たっては大きな財源が必要となりますので、全市的な調整の下で計画的に取り組む必要があると考えます。このことについて財政規律のバランスをどのように考え、今後どのように進められていくのか、お考えを伺います。
中松市長は長く金融機関に勤務され、その豊富な経験から民間の企業経営のあり方を十分御存じのことと思います。私は、経営者は耐えるべきときはじっと耐え、力を蓄えて、いざ勝負のときには機を見て敏でなければならないと考えております。そのためには、経験に裏打ちされた分析や計画などの周到な準備、あわせて事業実行のための熱意と信念が必要であります。市長は、持続可能な小樽市に向けて取り組まれていかれると思います。今後も地方財政を取り巻く環境は厳しさを増すものと考えますが、市長はどのような姿勢で財政運営に臨まれるのか、わかりやすくお示しください。
以上で、第2項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、財政について御質問がありました。
初めに、4年間の財政運営についてですが、この4年間の財政運営の基本的な姿勢とその結果に対する評価につきましては、私が市長に立起した当時は、平成22年度も累積赤字を抱える見込みで、財政調整基金残高もなく、本市財政は危機的な状況にありましたので、財政再建を最優先課題として取り組んできたところであります。とりわけ、他会計などからの借入れに依存した財政構造を改めていかなければ市民サービスの向上や新たな財政需要に十分な対応ができないことから、平成24年度以降は新たな借入れを行わずに一般会計の予算を編成しておりますが、これらの借入れは計画的に返済しており、財政健全化に向けた歩みは着実に前進しているものと考えております。
次に、今後の財政運営についてですが、まず公共施設の老朽化対策の進め方につきましては、本市では、これまでも病院の統合新築、学校の耐震化や再編に伴う校舎等の改築、さらには保育所の建設など将来を見据えた諸課題への対応に優先的に取り組んできたところであり、新年度予算では引き続き橋梁の長寿命化や道路ストックの更新など、既存インフラ施設の老朽化対策にも着手することとしております。
今後は、公共施設全般を網羅した総合管理計画を策定し、計画的に取り組んでいく必要があります。これらは大変大きな財政負担を伴いますので、中・長期的な収支を見通す中で財政規律を損なうことがないよう、将来負担なども考慮しながら取り組んでいかなければならないものと認識しております。
次に、今後の財政運営に臨む姿勢についてですが、本市の財政構造は、歳入では市税などの自主財源に乏しく、歳出では扶助費などの義務的経費の占める割合が高いといった硬直した状況が続いております。限られた財源の中で市政を運営していくためには、財政の健全性を確保し、改善に努めていかなければならないという基本的な姿勢に変わりはありません。
とりわけ、人口の減少が進み、地域経済が縮小する中では、大きな税収の伸びは期待できないことから、人口減対策を基軸として、観光振興の推進や産業・経済対策の充実など、安定した活力ある経済を実現し、将来にわたって持続可能な財政運営ができるよう、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、15番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)15番、濱本進議員。
(15番濱本進議員登壇)
○15番(濱本進議員)3項目めの質問に入ります。
平成27年度予算は、改選期であるため、義務的経費や継続的な事業を中心とした、いわゆる骨格予算として編成したとのことでありますが、一方で国の緊急経済対策を受けた新交付金を活用し、精力的に地方創生の課題に対応する事業が平成26年度の補正予算として盛り込まれました。年度末が近いこともあり、繰越明許として実質的には当初予算とこの補正予算を一体として平成27年度の市政運営、事業執行となるものと認識しております。
初めに、平成26年度補正予算案に関連して質問いたします。
安倍内閣は、これまで3本の矢から成る経済対策を一体的に推進してまいりました。有効求人倍率は22年ぶりの高水準となり、企業の経常利益は過去最高水準となるなど、前向きの動きが続いております。これらの動きは賃金上昇や雇用拡大につながり、さらなる企業収益の拡大に結びつくという経済の好循環につながることを示しております。
このような景気の緩やかな回復基調が続いている一方で、個人消費等に弱さが見られるとともに、地域ごとの景気回復にばらつきが見られており、こうした足元の景気状況に対応するため、昨年12月27日に地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策が閣議決定されたところであります。この経済対策につきましては、経済の好循環を確かなものにするとともに、その成果を地方に広く、早く行き渡らせることを目指しており、第1に地域の実情に配慮しつつ消費を喚起すること、第2にしごとづくりなど地方が直面する構造的な課題への実効ある取組を通じて地方の活性化を促すこと、第3に災害復旧等の緊急に対応を要することや復興を加速化することという3点に重点を置いております。
本市におきましても、このたびの国の補正予算を受け、地域活性化・地域住民生活等緊急支援のための交付金を活用し、生活者への支援、生活環境の整備を目的とした地域消費喚起・生活支援型とまち・ひと・しごとの創生に向けた「総合戦略」の先行的な実施を目的とした地方創生先行型の事業予算案が上程されておりますが、それぞれの経済対策について順次お尋ねをいたします。
まず、交付金を活用する事業のうち、地域の消費を喚起することを目的とするプレミアム商品券事業についてお聞きします。
国による過去の代表的な消費喚起策としては、平成11年に実施された地域振興券、平成21年の定額給付金が挙げられますが、地域振興券においては消費の一部が地域振興券による消費に置きかわっただけで、結果としてその多くが貯蓄に回ってしまったとの声が聞かれました。また、定額給付金においては、振り込まれた給付金を全く消費支出に回さなかったという世帯が3割近くに及んだとの調査結果が出ております。
本交付金の活用に当たっては、国が推奨する消費喚起のメニューの冒頭にプレミアム付商品券が挙げられていることから、全国ほとんどの自治体が発行を予定しているとのことですが、国では過去の対策に対する効果検証を伴わないばらまきとの批判を受け止め、今回の交付金事業ではアンケートなどの方法で消費喚起効果などの調査を行い、施策の効果を将来にフィードバックさせると聞いております。
プレミアム商品券による消費喚起策は、定額給付金のような支給ではなく、消費者による商品券の購入が前提になっているため、発行した商品券全ての消費が見込まれているほか、消費者負担の軽減となるプレミアム部分がさらなる消費を生むものとして我が党も大いに期待しているところであります。
現在、事業の実施に向けた検討を進められていることと思いますが、現段階で決まっている事業概要、スケジュールなどがあればお示しください。
次に、地方創生先行型についてお伺いいたします。
国は、仕事づくりなど地方が直面する構造的な課題への実効ある取組を通じて地方の活性化を促すために、地方公共団体による早期かつ有効な地方版総合戦略の策定と、これに関する優良施策などの実施に対して、国が支援することを目的に地方創生先行型としての交付金1,700億円を予算計上しており、本市におきましても、この交付金を活用する事業として合計1億8,833万円の補正予算が計上されております。本市における地方創生先行型の事業につきましては、「1産業振興による働く場の創出・拡大」1億1,533万円、「2子育て支援と教育の充実」5,400万円、「3小樽市への居住促進」900万円、「4地方版総合戦略の策定」1,000万円となっており、市長は、これまでの4年間の任期中に最も力を入れてきた経済対策にボリュームをつけた形となっております。
この産業振興による働く場の創出・拡大については、地場産業の振興、企業立地の促進、交流人口の拡大、若者などへの地元就労支援と四つの項目に分けて説明されており、これらの項目につきましても、従来の市長の経済対策の戦略項目を引き続き示されているものと思いますが、提案されている事業について新規事業や拡充事業のほか、継続事業についても主な事業の概要についてお伺いします。
まず、地場産業の振興の項目について、地場産品導入促進事業費と小樽がらす市実行委員会補助金の二つの事業は、年間700万人を超える多くの観光客が訪れている小樽市にあって、観光客の皆様から今でも人気が高いものの一つである小樽のガラスをテーマとしており、地場産業と言うべき小樽のガラス業界の発展につながる小樽らしい事業であると常々考えております。
平成26年で6回目となった小樽がらす市は、開催場所の旧国鉄手宮線でのロケーションが、おたる潮まつりとともに夏の風物詩となりつつあるイベントに成長しているものと考えております。また、平成24年度から事業開始している地場産品導入促進事業につきましては、将来を担う市内小学生の卒業記念としてガラス製作体験をプレゼントするもので、その子供たちが大人になったときのよき思い出として、また、末永い小樽市民としての意識の涵養も目的とした事業でありますが、両事業とも数年間実施している中で、事業目的の達成度合いや今後の進展の見込みをどのように認識されているのかお聞かせください。
さらに、中松市政の特徴である産業振興の中でも、代表的なものとして、国内外に向けた販路拡大支援事業があります。このたびの地方創生先行型事業として、この事業の拡充に取り組んでおられます。
まず、国内向けの事業として、平成25年度から行われている「小樽産品」販路拡大支援事業について、その概要や効果をこれまでの成果などを含めてお聞かせください。
また、事業名としては、新規でありますが、内容は拡充事業と聞いている海外販路拡大支援事業費について、これまでの海外向け事業との違いや、その事業の狙いをお聞かせください。
次に、企業立地の促進の項目についてお伺いします。
さきの提案説明においても述べられておりましたが、中松市長は、この4年間、積極的に企業誘致に取り組んでこられました。
1年目の平成23年度には、まず企業の設備投資の動向を把握することから始め、首都圏や道内の大手・中堅企業を中心に、設備投資動向調査を行い、小樽への進出に興味のある企業を発掘してこられました。
平成24年度には、この調査を基に小樽市で初めてとなる東京での企業立地トップセミナーを開催するとともに、優遇制度である小樽市企業立地促進条例の見直しに着手し、固定資産税などの課税免除期間を2年から3年に延長したほか、新規進出企業のみならず市内企業の工場増設や機械設備などの更新、拡充も対象に加え、既存企業も優遇制度を活用できるように条例を改正したところであります。
さらに、平成25年度には、関西圏にも誘致活動を広げるべく大阪での企業立地トップセミナーを開催し、その後は首都圏とあわせてセミナー参加企業を訪問するなど、積極的にフォローアップも継続しておられます。
また、私も拝見させていただきましたが、3DやCGを駆使した大変クオリティーの高い食関連企業誘致DVDを作成するなど、本市の魅力や企業立地の優位性などのPRにも積極的に力を注いでおられます。
こうした誘致活動や取組により、東洋水産株式会社、一正蒲鉾株式会社、横浜冷凍株式会社、北海道漁業協同組合連合会などの食品製造業や、物流・倉庫業などの大手企業の工場の建設や大規模な設備投資が行われております。さらには、コンビニエンスストア大手のローソンの全道店舗の麺類を一手に製造する株式会社コトメンフーズの工場や、電力の安定供給が期待される北海道電力株式会社のLNG火力発電所の建設着工など、着実に企業誘致の成果が現れてきております。
企業誘致は千三つとも言われており、往々にして長期に及ぶことを考えますと、この短期間での成果は、中松市長が企業誘致策として新しい取組にチャレンジしてきた積極姿勢の表れであると思っております。企業誘致は、小樽市財政の根幹である固定資産税などの税収増はもちろんのこと、市内企業との取引拡大などの経済波及効果、さらには新たな雇用創出など人口対策にも効果があるものと考えられます。
そこで、中松市長にお尋ねいたしますが、企業立地の促進の中で、新規事業である設備投資動向調査事業費の内容、また、これに関連して企業誘致における戦略的なお考えについてお聞かせください。
次に、交流人口の拡大についてお伺いします。
交流人口とは定住人口又は居住人口に対極する概念で、その地域に訪れる人のことであり、わかりやすく言えば、通学や通勤、買物などのために訪れる人のほか、広く観光客も含めるものです。本市の人口は昭和39年をピークに、その後、残念ながら減少が続いておりますが、その要因は、当初、転入者よりも転出者が多い社会動態減少、いわゆる社会減でありましたが、昭和62年からは社会減に加え、出生数よりも死亡数が多い自然動態減少、いわゆる自然減も加わり、人口減少に歯止めをかけることが容易ではなくなりました。特に、全国的に少子化傾向が進んでいる昨今、定住人口の維持、そして増加は一朝一夕には克服できない地方自治体にとっての長期的な課題となっております。
そのような中、本市は、北海道では札幌市に次ぐ約710万人の観光入込客数があり、これまでも観光客の誘致を初めとする交流人口の拡大には、他都市に先駆けて取り組んでこられたものと考えております。まさしく交流人口の拡大は、本市の強みに当たる部分であり、この強みをさらに推し進めることはとても重要であり、かつ効果的であると考えます。
そこでお尋ねいたしますが、観光における交流人口の拡大について、これからの施策の方向性と新年度に向けての特徴的な事業について、その概要をお示しください。
次に、若者などへの地元就労支援の項目についてお伺いします。
冒頭述べさせていただきましたが、アベノミクスの効果により雇用情勢は上向きで、平成26年12月現在の全国の有効求人倍率は1.04倍と高水準で推移しております。小樽管内の有効求人倍率は0.85倍で、39か月連続で上昇しており、厳しさは残るものの、改善している状況にあります。
一方、国においては、人口減少問題の克服や成長力の確保を目的に、まち・ひと・しごと創生本部を立ち上げ、長期ビジョンと総合戦略の策定を進めているところであります。そして、各市町村においても、それぞれの地域課題に沿った地方版総合戦略の策定を進めているところであります。
本市においても、人口減少に対する対策は喫緊の課題であり、若者の市外流出を防ぐための対策は子育て環境の整備や雇用の場の創出など、多岐にわたると考えますが、その一つとして若者などの人材育成や地元定着も重要であり、これまでも緊急雇用創出推進事業や地域人づくり事業を活用して人材育成及び地元定着に努めてこられたと思います。このたびの補正予算案にも、女性・若年者の地元定着を目指した人材育成事業費が計上されておりますが、これまでの人材育成事業の成果と今回の人材育成事業の内容についてお示しください。
以上で、第3項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、平成26年度補正予算案について御質問がありました。
初めに、地域消費喚起・生活支援型についてですが、プレミアム商品券事業につきましては、1万2,000円分の買物ができる商品券を1万円で10万セット発行するものであり、商品券の発行総額は12億円となります。販売対象は本年4月1日現在満18歳以上の市内在住の方などとし、事業を広くPRした後、6月下旬の予約販売と7月1日の使用開始を目指しており、使用可能な店舗は市内の小売店、飲食店、サービス業などを対象に公募の上、決定いたします。
なお、この業務につきましては、小樽商工会議所に委託する予定で、現在、協議中であります。
次に、地方創生先行型についてですが、まず地場産品導入促進事業につきましては、市内の小学生に卒業記念としてガラスの製作体験をプレゼントしておりますが、事業を開始した平成24年度の体験率が79パーセント、3年目となる今年度は87パーセントの見込みで、年々体験率が上昇しておりますので、小樽ガラスがより身近に感じられるようになっているものと考えております。
また、小樽がらす市実行委員会補助金につきましては、主に旧国鉄手宮線で開催している小樽がらす市への財政支援でありますが、これまで6回開催した中で、年々来場者数も着実に増加しており、ガラスのまち小樽の知名度向上と地域経済への貢献度が高いイベントに成長しているものと考えております。今年度は新たに小樽硝子アート展や作品コンテストなど、業界みずからが小樽ガラスの魅力向上を図る活動が始まっておりますので、ガラス業界のさらなる発展を期待しております。
次に、「小樽産品」販路拡大支援事業費につきましては、本市の強みであります食料品製造業の販路拡大を目的に、毎年2月に東京で開催される国内最大規模の展示商談会スーパーマーケット・トレードショーに市内企業が出展することにより、商談機会の創出を図るものであります。本市が初めて参加した昨年度は、市内企業10社が出展し、期間中の名刺交換数は663社、成約数は22件でしたが、今年度は出展が15社で、名刺交換数は1,582社、成約見込み数は79件と大きく増加したものであります。市といたしましては、今年度出展した市内企業が名刺交換した企業に対して粘り強く交渉を進めることにより、1件でも多く成約できるようフォローアップを続けてまいりたいと考えております。
次に、海外販路拡大支援事業費につきましては、これまで同様、海外向け商談会等への参加経費の助成事業を継続するとともに、新たな事業内容としては、札幌市が海外での展示商談会の出展のために組織する実行委員会に本市が新たに参加するものであります。札幌市との連携を強化することで、市としては市内企業により多くの海外バイヤーとの商談機会を創出できるものであり、市内企業にとっても少ない負担金で参加できますので、海外での販路拡大に向けて積極的にチャレンジしていただきたいと考えております。
次に、設備投資動向調査事業費の内容につきましては、食品・物流関連企業を中心に、東京、大阪、名古屋の三大都市圏の大手・中堅1,500社を対象に、将来、製造工場や物流施設等の設備投資を予定する企業や本市への進出に興味を持つ企業に対してアンケート方式による動向調査を実施するものであります。
また、企業誘致における戦略的な考えにつきましては、これまでと同様、本市の強みであり、集積の進む食品関連企業や物流関連企業をターゲットとして誘致を進めてまいりますが、今回の調査結果を踏まえ、1社でも多くの企業が本市に立地していただけるよう、効果的な誘致活動に努めてまいりたいと考えております。
次に、観光による交流人口の拡大における施策の方向性につきましては、道内客を含む国内観光客と海外からの観光客、それぞれに合わせた効果的な誘致事業を展開していくことが重要と考えております。新年度の特徴的な事業につきましては、国内向けには新たな観光ポスターの制作や小樽あんかけ焼そば親衛隊による全国的なイベントでの小樽観光PRのための補助金、海外向けには堺町通り観光案内所の外国語通訳配置への支援、クルーズ客船入港時の埠頭や各種イベント開催時に対応可能な移動式Wi-Fi機器の整備事業などがあります。これら事業の展開により、観光を基軸とした交流人口の一層の拡大を図ってまいりたいと考えております。
次に、これまでの人材育成事業の成果につきましては、平成22年度から25年度まで緊急雇用創出推進事業を実施し、4年間で就職内定した76名のうち62名が市内企業に就職しており、平成26年度は地域人づくり事業を実施し、若者等の地元定着を目指しているところであります。
また、今回の事業内容につきましては、国が推進する女性・若者等の雇用拡大施策を受け、女性・若年者の正規雇用による地元定着を目指しており、市内の観光、サービス、物販関連企業での就業体験と語学、ビジネス、パソコンなどの研修を組み合わせた実践的な人材育成であり、自己PRや模擬面接などの就職活動支援やキャリアカウンセラー等による就職相談なども、あわせて実施する予定であります。
○議長(横田久俊)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、15番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)15番、濱本進議員。
(15番濱本進議員登壇)
○15番(濱本進議員)次に、平成27年度予算に関連して質問します。
初めに、国際観光について伺います。
本年1月20日にJNTO日本政府観光局が推計値として発表した2014年の訪日外国人旅行者数は、前年比29.4パーセント増の1,341万4,000人で、2013年の1,036万4,000人を上回り、過去最高を記録しました。この数字を受け、国土交通省では、東京オリンピックが開催される2020年の目標2,000万人に向け、大きく前進した。2015年は1,500万人を超えると期待されているとしており、今後の訪日外国人旅行者の順調な増加が期待されています。
市長は、4年前の選挙公約の7つの重点公約のトップに、「全国的知名度をもつようになった小樽観光の充実、グローバル化時代の国際観光への挑戦」を掲げられ、今定例会の提案説明でお話しされたように、これまで観光振興の中で、特に国際観光について積極的かつ精力的に取り組んでこられたものと評価しております。
市長が就任された平成23年度の本市外国人宿泊客数は、東日本大震災の影響で3万2,265人、対前年比65.2パーセントと3割以上も減少しました。特に、震災後の4月、5月は浅草橋街園でさえ観光客が誰もいないことがあるなど、私にとってはとても信じがたい光景でありました。
そのような中、市長は、みずから小樽運河や観光施設などに足を運び、観光客の皆さんに直接本市の安全性や観光ポイントを説明するなどの取組をされたことを記憶しております。その翌年の平成24年度は4万5,491人、平成25年度は7万2,860人と外国人宿泊客は着実に増加しており、平成26年度上期では3万9,064人と過去最高を記録するまでになりました。
先月開催された第17回小樽雪あかりの路では、10日間で49万6,000人もの方が来場されましたが、特に東アジア・東南アジア圏を中心に非常に多くの外国人観光客が訪れていたことが印象的でした。本市の外国人宿泊客は上期よりも下期が多い傾向にありますので、平成26年度全体では8万人を超えることが確実なのではないかと予想しております。
このような外国人宿泊客の急速な増加の要因としては、アベノミクスによる円安傾向や、ビザ発給要件の緩和など、国が進める施策が追い風となっていることもありますが、本市としても独自にこれまで取り組まれてきた施策が効果となって現れているものと感じております。
そこでお聞きしますが、市長がこの4年間で取り組まれた外国人観光客の誘致における主な施策をお示しください。
また、外国人宿泊客の増加を図る上では、受入れ態勢の整備がとても重要なことだと考えますが、これまでの取組状況についてもあわせてお示しください。
今や全国有数の観光地であり、中国や香港、台湾はもとより東南アジアのタイやシンガポールなどでの知名度も高い本市においては、国際観光の振興、外国人観光客の誘致は重要施策の一つであります。人口の減少などにより、国内の旅行需要の大きな伸びが期待できない状況の中、今こそ本市が国際観光都市として、より一層の発展と飛躍を目指す戦略が重要となります。平成27年度は本市観光基本計画の最終年度で、同年度中に新たな観光基本計画を策定することと思われますが、今後の国際観光の戦略について市長のお考えをお示しください。
次に、小樽港についてお伺いいたします。
昨年、小樽港には過去最高でこれまでの2倍となる41回ものクルーズ客船が寄港しており、乗客、乗員を合わせて5万9,000人もの多くの方々が小樽港を利用しております。私もクルーズ客船の寄港日には商店街や観光エリアが多くの乗客、乗員と思われる方々でにぎわう光景を目にしたところですが、これに伴う経済効果につきましても、市の試算によれば7億7,000万円と、大変に大きなものがあったと聞きいたところであります。
こうした数年のクルーズ客船に関連した小樽港の動きにつきましては、これまで市長みずからのトップセールスを含め、クルーズ客船誘致に積極的に取り組んできた成果が結実したものと高く評価しているところであります。
しかし一方で、港の果たす重要な役割である物流や取扱貨物に目を転じますと、小樽港の取扱貨物量は平成8年の2,570万トンをピークとして減少の一途にあり、ここ5年ほどでは1,200万トンから1,000万トンと横ばいのまま推移しております。港湾物流を通じた港の利活用は、海上運送事業や港湾荷役、倉庫業、ポートサービス業など直接港湾にかかわる事業はもとより、製造業、運送業、卸売業、小売業など、裾野の広がりが大きく、地域の経済活動や雇用創出など多方面で地域経済を下支えする重要な役割を担っており、物流の活性化が大きな課題であると考えます。
そこで、初めに、近年の小樽港の物流動向について、市長はどのような認識を持っておられるのかお伺いします。
次に、経済効果や雇用創出効果の大きい小樽港の物流活動の促進に向けては、港湾関連の民間事業者とも連携しながら、市も危機感を持って取り組むことが急務であると考えます。昨年11月には、港湾関係者や市の実務担当者で構成される小樽港研究会により、小樽港の物流振興にかかわる方向性を報告書としてまとめたと聞いておりますが、そうしたものも踏まえ、市として、今後、取扱貨物の増加を実現するために、新年度の中でどのような施策を行っていくお考えかお示しください。
また、小樽港が今後とも道央圏の物流拠点としての役割を担っていくためには、基盤となる港湾施設の機能の確保や拡充が必要なものであると考えます。現在、市では平成28年度を目途に、港湾計画の改訂作業を進められており、あわせて具体的な将来の施設計画の検討を行う中で、港湾計画改訂後は新たな計画に沿って港湾整備事業が進められることになると思いますが、当面の港湾整備費の進め方について、新年度予算案に計上された事業にも触れてお示しください。
次に、既存街路防犯灯LED化推進事業についてお伺いいたします。
市民や町会からの要望も強く、市議会としても早期の予算措置を要望していた街路防犯灯のLED化助成を当初予算に計上されたことについては、市長の英断を高く評価するものであります。市長は平成26年第3回定例会で、この事業についての私の一般質問に対して、制度設計、事業実施に際して多くの課題があるとの御答弁でした。課題はどのように解決されたのでしょうか、お聞かせください。
町会の実情、意向も踏まえ、早期の事業実施に向け精力的に取り組まれることを希望いたしますが、市長の見解を伺います。
次に、北海道新幹線について伺います。
北海道新幹線は当初平成47年度とされていた札幌開業時期を政府、そして自民党、公明党の与党は、5年前倒しし、平成42年度末の完成・開業を目指すことを決定しました。これは思い起こせば民主党政権下の平成23年12月、中松市長が並行在来線の経営分離に同意する決断があったがゆえだと認識しています。来年3月には新青森-新函館北斗間が開業し、北の大地を新幹線が走ります。この新幹線の札幌開業は早まれば早まるほど経済効果が早期に発揮され、また、道内はじめ東北や関東とつながることで人や物などの地域間交流が一層活発化し、小樽にとっても新たなビジネスチャンスが生まれるきっかけにもなりますので、政府与党が5年前倒しを決定したことは大変価値あることだと思います。
しかし、新幹線開業を実現していくには、新駅周辺の整備など小樽市が解決すべき幾多の課題が存在しています。
初めに、どのような解決すべき課題があるのか、お聞かせください。
次に、鉄道・運輸機構において平成27年度は八雲町の野田追トンネルや赤井川村の後志トンネルの工事に着手していくようでありますが、小樽市域の工事について工事内容、着工時期、工期などについて現時点での見通しをお聞かせください。
整備新幹線の工事については、これまでの経過を踏まえ、地元企業の活用がなされてきていると聞いております。小樽市域での工事においても、地元企業への経済効果はあるものと考えます。
そこで、地元企業活用への取組をどのように推し進めていくのか、お聞かせください。
国の想定では東京-札幌間は最短で5時間1分とされていますが、開通時に新駅に停車する新幹線のタイプはどのようなものが見込まれているのか。
また、東京-新駅間は最短で何時間になるのか。
あわせて、新駅から札幌、倶知安、新函館北斗までの所要時間についてもお聞かせください。
新駅での乗降客の見通しについてもお聞かせください。
東京-小樽間をはじめ、道内においても函館、倶知安などが新幹線によってより身近なものとなることから、函館及び倶知安、ニセコに滞在する旅行客の小樽への移動や小樽を拠点としての通勤など、定住への可能性もあると考えます。そのためには、新駅及び周辺の整備が重要な課題であると思います。
そこで、お伺いいたします。
天神2丁目に建設される新駅及び周辺整備について広く意見をとり上げるためにワークショップを行ったとのことですが、この開催状況や議論の内容についてお聞かせください。
また、このワークショップでの意見は今後どのように取り扱われるのか、お聞かせください。
新駅及び周辺整備においては、既に小樽商工会議所でも提言書が出されておりますが、市では現在、整備についてどのような方向性を持っているのか、また、今後の整備についてどのような手順で進めていくのか、お聞かせください。
この項最後に、改選後の予算編成について伺います。
当初予算では除雪費の大半を計上留保した上で、一方で特別交付税も計上を見合わせておりますが、改選後の予算編成に当たり、現時点でどのような政策的経費の計上を想定されているのか、財源を含めてお示しください。
また、その財源を考える上で、平成26年度決算内容も考慮すべき要素と思いますが、平成26年度決算見通しについてどのようにお考えなのか、お聞かせください。
以上、冒頭にも申し上げましたが、次の任期も市長として市政を担う覚悟を、決意を感じる御答弁を期待し、全ての項目にわたり再質問を留保して終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、平成27年度予算案に関連して御質問がありました。
初めに、国際観光についてですが、まず市長就任から4年間で取り組んだ外国人観光客誘致の主な施策につきましては、震災直後の平成23年度には商工会議所や観光協会とともに台湾と中国、上海を訪問して、観光客誘致についてのトップセールスを行ったほか、新千歳空港から市内宿泊施設への外国人観光客向け無料直行バスを運行するダイレクトアクセス事業を実施いたしました。平成25年度からは、北後志5町村と小樽・北後志広域インバウンド推進協議会を立ち上げ、バンコクの旅行博への参加や台湾の旅行会社招請事業などを実施いたしました。この間、中国、香港、韓国、タイなどに対する観光客誘致事業等についても積極的に行ってきたところであります。
また、受入れ態勢の整備につきましては、平成23年度に市内37か所の観光案内板やバス停留所などの表記を日本語、英語、韓国語、繁体字、簡体字の統一した多言語に切り替え、平成24年度には運河プラザ内に英語、韓国語、中国語の通訳を配置した小樽国際インフォメーションセンターを開設し、外国人観光客に対する案内機能の拡充に努めてまいりました。
次に、国際観光の戦略につきましては、訪日外国人のエリアが今後さらに東南アジア圏までに拡大していくことを踏まえ、情報発信の強化や近郊の市町村と連携した広域での観光プロモーション活動が重要であると考えております。具体的には、これまでに実績のある香港や台湾、中国などの東アジア圏に対しては、団体旅行から個人旅行へシフトしている流れを踏まえ、メディアやウエブサイトなどの活用により、最新の情報をきめ細かく発信していく必要があります。
また、新たなターゲットとなる東南アジア圏に向けては、新千歳空港との直行便で結ばれる国々に対し、北後志の5町村や札幌市のほか、倶知安町やニセコ町などともこれまで以上に連携して効果的な施策を進めていかなければならないと考えております。
次に、小樽港についてですが、まず近年の小樽港の物流動向につきましては、ここ数年、大宗貨物であるフェリー貨物や輸入穀物の伸び悩みなどにより、取扱貨物量は横ばい状況であることから、小樽港の利用拡大に向けて私みずからも荷主訪問などのポートセールスに努めてまいりましたが、社会・経済情勢や輸送形態の変化などがある中、なかなか成果に結びついていないのが実情であります。
しかしながら、中国定期コンテナ航路では、一昨年、新造船の導入により、一層の定時運航が可能となったほか、昨年、ウラジオストクとを結ぶRORO船定期航路では、従来の中古車に加えて道産農作物などの取扱いも開始されるなど、小樽港の利用拡大につながる新たな動きも出始めております。市といたしましても、今後とも港湾関係業界との連携を強化し、積極的な貨物誘致に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、取扱貨物の増加に向けた新年度の施策につきましては、国の地方創生先行型交付金を活用して、まずロシア貿易の拡大を目指し、昨年から一般貨物の取扱いが開始されたウラジオストクとのRORO船定期航路等を利用した道産農産物や農業機械などの輸出の可能性を探るべく、ロシア沿海地方の企業訪問や市場調査を実施してまいります。
また、フェリー航路や中国定期コンテナ航路、穀物類の取扱いなどの既存物流の拡大に向け、関東・関西エリアでのポートセールスを積極的に行ってまいりたいと考えております。
次に、当面の港湾整備の進め方につきましては、小樽港は港湾施設の老朽化対策が喫緊の課題であることから、基本的にはさまざまな港湾活動に支障を来さぬよう、機能保全のための事業を中心に進めるとともに、既存物流の活性化やクルーズ客船の寄港拡大など港湾振興に向けた新たな要請にも対応できるよう、今後とも必要な施設整備に努めてまいりたいと考えております。
新年度予算案では、こうした考え方に沿って老朽化対策としての北防波堤改良事業や第3号ふ頭岸壁改良事業を国直轄事業として引き続き進めるほか、新たに第2号ふ頭におけるロシア貿易機能の拠点化を見据えた岸壁改良事業にも着手したいと考えております。
次に、既存街路防犯灯LED化推進事業についてですが、まず課題の解決につきましては、各町会間の公平性は町会等が保有する対象灯具の3分の1ずつを各年度で助成することで確保することとし、灯具の選定や設置基準について、現在、細部の調整を進めているところであります。
また、円滑に事業を進めるため、総連合町会や北海道電力など、関係者による協議会を開催したいと考えております。
次に、早期の事業実施に向けての取組につきましては、町会等の負担を一日でも早く軽減したいとの思いから、既存街路防犯灯のLED化推進事業を当初予算案に計上したところであります。予算成立後、町会等に説明会の案内を発送するなど、速やかに事業に着手したいと考えております。
次に、北海道新幹線についてですが、まず新幹線開業のために小樽市が解決すべき課題につきましては、トンネル工事により発生する土砂の受入先の確保や新駅周辺地域における土地利用の方向性の検討、新駅と既存の駅や観光地を結ぶ2次交通の強化、駅前広場や駐車場など交通結節点に求められる機能や規模の検討などと考えております。
次に、小樽市域における工事内容などにつきましては、鉄道・運輸機構によりますと、主な工事としてトンネル工事、橋梁工事、駅工事、保守用車両等基地工事があるとのことですが、着工時期や工期などについては、北海道新幹線全体の工事工程を見通した中で決めていくと聞いております。
次に、新幹線の建設工事に係る地元企業の活用につきましては、新駅の建設工事やそれに伴う附帯工事などにおいては、地元企業の受注や工事に使用する建設資材の地元調達などが期待されることから、工事発注や建設資材の調達に当たっては、できる限り地元企業を活用していただくよう、今後、事業主体である鉄道・運輸機構に要望してまいりたいと考えております。
次に、新駅に停車が見込まれる新幹線のタイプなどについてですが、新幹線の運行タイプは特定の駅にだけ停車する速達型と各駅に停車する緩行型がありますが、どのタイプの新幹線が新駅に停車するかなどは営業主体であるJR北海道が開業間近に決定するため、現時点では決まっていないとのことです。
また、新駅からの所要時間は、国土交通省の想定では、札幌駅まで約12分、倶知安駅までは約13分、新函館北斗駅までは約52分、東京駅までは約5時間2分となっており、新駅での乗降客数は平成18年の北海道の試算で1日当たり約1,200人と想定されております。
次に、新駅及び周辺整備についてのワークショップの開催状況などについてですが、ワークショップは市民公募などを含む12名を委員として委嘱し、これまで新駅周辺地域の土地利用や観光地域とのアクセスなどをテーマに3回開催しております。ここで出された意見は、北海道新幹線新小樽(仮称)駅周辺まちづくり計画策定の際、参考にしてまいりたいと考えております。
次に、新駅及び周辺の整備についての方向性と今後の手順についてですが、整備の方向性につきましては、今年度を含め3か年で策定予定の北海道新幹線新小樽(仮称)駅周辺まちづくり計画の中で示していきたいと考えております。
また、今後の整備の手順につきましては、新駅周辺のまちづくり計画策定後、住民説明会や関係機関等との協議、測量や実施設計、用地買収、施設整備の順で実施していくことになります。
次に、改選後の予算編成についてですが、まず予算計上の内容につきましては、改選後に決定していくことになりますので、具体的な内容を示すことはできませんが、第6次小樽市総合計画の後期実施計画の推進はもとより、人口減対策を基軸とした取組なども進めてまいりたいと考えております。
また、財源確保につきましては、今後の除雪費の動向にもよりますが、財政調整基金に一定程度の残高が見込まれますので、それらを財源として活用することが可能と考えております。
次に、平成26年度一般会計決算の見通しにつきましては、除雪費のさらなる増額の懸念はあるものの、現時点で収支は均衡しておりますことから、個々の項目の具体的な見込みを示すことはできませんが、今後、歳出に一定程度の不用額を見込むことができますので、実質収支の黒字は確保できるものと見込んでおります。
(「議長、15番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)15番、濱本進議員。
○15番(濱本進議員)再質問については、この後の予算特別委員会等で行いますので、これで質問を終わります。
○議長(横田久俊)濱本議員の会派代表質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時17分
――――――――――――――
再開午後2時45分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、会派代表質問を続行いたします。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
(22番北野義紀議員登壇)(拍手)
○22番(北野義紀議員)日本共産党を代表して質問します。
質問に先立ちまして、先ほど濱本委員から身に余るお言葉をいただきました。お礼を申し上げます。議員の任期を終わるに当たっては、適切な機会があろうと思いますので、そのときに述べさせていただくこととして、早速質問に入ります。
新年度予算に関してです。
安倍政権はいっせい地方選挙を前に、地方の支持基盤をつなぎとめようと、自治体が期待する予算措置を地方創生の名でさまざまに打ち出しています。そうせざるを得ないほど長年の自民党政治が地方の衰退をもたらしたことへの怒りが強いからです。
安倍総理大臣は、衆議院議員総選挙後の記者会見で、国民から頑張れと背中を押してもらったと、こういう発言をされていますが、この発言とは裏腹に地方選挙を前に自信がないので、ほんのわずかだけれども、予算措置をとらざるを得なかったものです。この予算措置を積極的に活用して市民の願いに応えた事業を展開するのは当然のことであります。
一方、国の新年度予算は、社会保障切捨て、大企業減税、大軍拡の三悪予算です。これに加えて、今後、消費税増税、社会保障削減、格差拡大、TPP推進、中小企業と農林水産業破壊のアベノミクスを続けるならば、一層、地方の衰退を加速させることは疑いありません。この際、先のない道の転換こそ地域再生の前提です。この基本的な問題について市長の見解を求めるものです。
次に、国の社会保障予算削減から小樽市が市民の福祉と暮らしを守る防波堤として、地方創生の名で打ち出されている各種交付金を使って、市民の願いに応える事業について提案しますので、市長の見解をお聞かせください。
初めは、国民健康保険料引下げを求める問題です。
平成26年度の国民健康保険事業運営基金の残高1億6,000万円は、保険料引下げに使うべきものです。議案説明のとき、この基金で保険料引下げを求めたところ、保険料確定賦課のとき保険料が大幅に上がるようであれば、これを抑えるために使うが、決算見込みを見ないで今は何とも言えないとのことで、国保料を引き下げるとは言いませんでした。しかし、国は新年度予算で保険者支援制度を拡充するため、昨年度より多く小樽市にも交付されているはずです。市の新年度予算の一般会計繰入金の中に含まれていると思われますが、保険者支援分は前年に比べ幾ら多いかお答えください。
保険者支援分は、条例で保険料の総額から差し引くことになっています。言葉をかえれば、この分は保険料引下げに当たる額です。理事者が言うように、小樽市の国保加入者は低所得者が多いので、中間層に保険料の負担がかぶせられているのが特徴とのことです。しかし、予算資料では、基金の残高はこの5定補正後で1億6,000万円です。これに国の新年度の新たな保険者支援分を加えれば、1世帯1万円の保険料引下げはできるはずです。市長の見解をお聞かせください。
次に、介護保険です。
昨年6月に成立が強行された医療介護総合確保推進法と新年度予算での社会保障切捨てによって、介護は危機に直面しています。特に、介護報酬の2.27パーセント削減は介護保険制度の崩壊を招く重大問題です。
我が党は、この間、通所介護、介護予防通所介護で在宅介護を支える定員19人以下の小規模事業所33か所を菊地よう子道政相談室長を先頭に訪問して、介護報酬の2.27パーセント削減の影響が現場でどう現れているか、聞き取り調査を行いました。このままでは事業を畳む以外にないとか、利用者や家族のことを考えると赤字覚悟でやらざるを得ないが、いつまで続くか不安だなど、介護を支える人間の良心に裏づけられた切実な声が出され、心を打たれました。同時に、介護報酬の2.27パーセント削減に対する安倍内閣に改めて怒りを覚えました。
そこで提案しますが、補正予算の地域活性化・地域住民生活等緊急支援のための交付金の一つである地方創生先行型を活用して、在宅介護を支える小規模事業所に小樽市の制度として助成を行い、在宅介護を守る緊急措置をとるべきではありませんか。小樽市の財政負担がないのですから、ぜひ実現すべきです。市長の見解をお聞かせください。
あわせて、医療介護総合確保推進法が強行した要支援者の訪問介護、デイサービスを介護給付から外して市町村の地域支援事業に移行させることは認められません。要支援者への現在の介護サービスの継続のため、市長として小樽市としてやるべきことをいろいろ検討しているようですが、地域支援事業としての市町村への押しつけをやめ、現行サービスを継続するよう国に要求することを改めて提案しますので、見解をお聞かせください。
医療についてです。
国は、医療介護総合確保推進法で、病床削減のため、2015年度から2年間で都道府県に地域医療構想を策定させようとしています。これを受け、自治体病院に対しては、国がこの3月末までに定める新たな公立病院改革ガイドラインに基づき、新たな公立病院改革プランを策定させようとしています。小樽市立病院はこの12月に新築開院したばかりですが、この地域医療構想に基づく改革プランによって、小樽市立病院の病床削減が強要されることになるのか、まず説明をしてください。
今、市長に求められるのは、医師・看護師確保をはじめ、小樽協会病院での周産期医療など、地域の必要な医療体制確保に全力を尽くすことです。
2月19日、知事選挙と市長選挙を意識した自民党小樽支部の新春セミナーなるものが開かれました。この席で市長は、高橋知事に協会病院での医師確保を要求し、知事も中松市長と連携しながらしっかり取り組んでいると語ったとのことです。これが選挙目当てのパフォーマンスであってはなりません。医師確保の見通しについて、最悪の場合どうするのかを含めお答えください。
次に、子育てに関してです。
子供の医療費無料化についてです。
現在、小樽市の子供の医療費助成については、議員の皆さんも御承知のとおりです。我が党は、この件に関しては、昨年の第1回定例会で小貫議員が、第3回定例会で新谷議員が、それぞれ要望しています。これに対して市長は、若年層の定住、移住を図る上で、子供の医療費助成制度の拡大については財政上の問題もありますが、人口問題を議論する中で、今後、検討していきたいと答弁されています。市長選挙は、この4月です。中松市長は市長選に立候補するからには当選を目指しているはずですので、当選された暁には、6月の政策予算編成時に、せめて就学前の児童の医療費は入院、通院ともに無料にするよう提案しますので、英断を持ってお答えください。
保育料の値上げを行わないことを求め、質問します。
今、各自治体で保育料の値上げが相次いで計画されています。保育料は所得税、市民税の税額に連動しているため、政府の子ども・子育て会議が年少扶養控除の廃止にかかわって、新入児は値上げし、在園児は据え置く方針を示したことが背景になっています。小樽市でも保育料算定の制度が変わりますが、値上げしないよう強く要求します。市長の見解を求めるものです。
感染症を防止し、子供の健やかな成長を願う立場で質問します。
小樽市で感染症が発症した場合、マスコミ発表とともに各会派代表者にその状況が欠かさず事前報告されています。施設ごとの内訳を見ると、毎年保育施設が含まれていることに心を痛めていました。
そこで伺いたいのは、感染性胃腸炎の集団発生状況と予防啓発についてです。
感染性胃腸炎の集団発生状況について、ここ3年間と今年度、今年度は12月まででよろしいですから、これをまとめて発生件数、施設別件数、原因ウイルスと患者数について、それぞれ報告してください。
次に、不幸にして集団発生した場合の啓発・指導はどのようになされているか、また通常の啓発・指導はどのようにされているか、報告をしてください。
次に、子育て中の母親の皆さんとの懇談の中で出された要望で、感染症防止の上からも、これまで以上に万全を期したほうがよいと思われることがありますので伺います。
市立保育所で紙おむつを着用している子供をお持ちの母親の皆さんから出されたのは、保育所での子供の排せつ後の使用済紙おむつを保護者に毎日持ち帰らせている問題についてです。私立保育園、幼稚園の多くでは施設で一括して処理しているのに、どうして市立保育所では持ち帰らせているのか。母親の皆さんからは、保育所で一括処理して持ち帰りがないように改善してほしいというものでした。国からも感染症予防の立場からマニュアルが出されていますが、このとおりになっているのか、また、マニュアルに照らし、いかがかと思われる現状も聞いていますので、その実態はどうなっているか報告をしてください。
子育て支援課が保健所の協力もいただいて市立保育所の感染症防止の立場から感染症対策チェックリスト等で現状の把握に努められたと伺いましたが、その状況について結果はどうであったのか報告してください。
また、質問と答弁準備の過程のやりとりで、感染症防止の観点から保育所でマニュアルに照らして改善しなければならない事実もあったと思われますが、直ちに改善した点があればお知らせください。
マニュアルに沿って、私は、使用済みの紙おむつは保育所などで一括保管・処理したほうが、感染性胃腸炎などの集団発生を防止する上からもベターと考えます。また、市立保育所で一括保管・処理するとなれば、当然費用がかさみますが、これはいかほどになるか、裏づけを持った市長の見解をお聞かせください。
地域活性化・地域住民生活等緊急支援のための交付金で、子育て支援や少子化対策、結婚、妊娠、出産、若者定住などの事業が可能となっていますが、この第1回定例会で交付金で具体化した事業を説明してください。
また、これ以外で、少子化対策、人口対策も含め、小樽市にとって必要な課題があればお示しください。
次に、人口対策についてです。
日本創成会議が2014年5月にストップ少子化・地方元気戦略、いわゆる増田レポートを発表したのに続いて、8月の「地方消滅」では、自治体が消滅してしまうような予測を前提とした地方制度、国土計画の再編を提起しました。
この増田レポートの中で、日本創成会議・人口減少問題検討分科会の推計による消滅可能性都市896のリストの発表は、全国の地方都市に大きな衝撃を与えました。この小樽市も、2010年から30年間で20歳から39歳までの女性人口の予想減少率が66パーセントと発表され、消滅可能性都市896のリストの中に含まれていました。このこともあり、人口問題について市民の中に心配とともに大きな関心が広がっています。
これらの都市では、その対策組織が次々と置かれました。こうして地方自治体の危機感をあおり、安倍内閣が地方創生を重点政策として打ち出し、人口減少を前提にした国土のあり方を示し、地方には二つの内容を含んだコンパクト・プラス・ネットワークを示しました。
しかし、増田レポートの人口減少分析には、専門家の中からも批判が出されています。人口減少は出生数減少という少子化によってもたらされるとか人口の自然増減と社会増減の組合せで決まるといった表面上の算数の話で置きかえられていること、なぜ人口減少が起きたのか社会的分析がされていない、晩婚化や未婚化が進行する社会的、経済的理由が分析されていないなど、多数に上っています。
少子化は避けがたい自然現象ではありません。政府によって派遣労働者の適用業種が拡大され、さまざまな形態の非正規雇用を労働規制の緩和によって拡大したことに原因があります。若者が結婚して子供をつくることができないのは、不安定雇用、低所得、長時間労働に主な原因があります。これはひとり、日本共産党だけの見解ではありません。内閣府の年収別・雇用形態別既婚率資料によっても、20代、30代の男女ごとに正規雇用・非正規雇用、年収別に見ても、300万円未満は既婚率が1割を切っています。300万円以上400万円未満から既婚率が増え始め、500万円以上600万円未満は既婚率が20代、30代とも、また、男女とも最も高くなっています。
日本共産党は、少子化対策が順調に進んだとしても、一定期間は人口増にはならないことは承知しています。しかし、少子化対策は日本の命運を握っており、本気で若者の雇用を安定させ、所得を向上させることを考えれば、現在の労働者派遣法の改悪に見られる非正規雇用の拡大を進める政治の根本的な転換を図らなければならないことは明らかです。
以上、幾つか指摘をしましたが、これらに対する市長の見解をお聞かせください。
次に、小樽市の人口対策について伺います。
市長は、今、小樽市の人口対策について取組を開始しています。昨年8月に議会に対しても人口対策についてその方向性、考え方を示し、人口対策庁内検討会議を昨年8月に設置し、続いて官民による小樽市人口対策会議を設置し、意見の取りまとめをしていただき、庁内検討会議で整理、検討して、今後の施策の方向性と実施事業への反映を行うとしています。この進捗状況について報告をしてください。
これら一連の検討を行った上で、市長として人口対策で何をしようとしているのか、考えをお聞かせください。
人口対策に関して政府の動きと関連して心配な点がありますので、これを指摘し、市長の見解を伺うものです。国の動きですが、昨年秋の臨時国会で成立したまち・ひと・しごと創生法に基づき、12月27日、総合戦略を閣議決定し、地方自治体に対して総合戦略が定める国の政策分野を勘案して地方版総合戦略を策定することを努力義務といたしました。地域活性化・地域住民生活等緊急支援のための交付金の地方創生先行型の中では、全都道府県・市区町村に対し、地方版総合戦略策定経費を確保するとしており、全自治体が策定するものと見込まれています。地方版総合戦略の策定に当たっては、自治体ごとに地方人口ビジョン(将来推計と展望)をつくることとし、2019年度までの5年間を対象にした地方版総合戦略を遅くとも2015年度中に早期に策定することを国は求めています。
市長に伺いますが、これから取り組む平成26年度の補正の地方版総合戦略で何をかち取ろうとしているのか、目的について詳しく説明をしてください。
これに使う交付金1,000万円ですが、1,000万円かけて地方人口ビジョンと地方版総合戦略を策定するとのことですが、1,000万円のうち930万円は業務委託するとのことです。あとの70万円は会議費等とのことです。コンサルタントに業務を委託すれば、国の動向に沿った成果品になることは初めからわかりきったことで、中松市長や小樽市職員のオリジナリティーは全くありません。肝心なことをどうして業務委託にしたのか、説明をしてください。
この点で心配な二つ目は、市職員の創意工夫、能力の発揮の場が奪われていることです。小樽の将来にかかわる肝心なことを外注する、こんな対応でいいのか、小樽市役所の頭脳がどうなるのかと誰もが憂慮しています。市長の見解をお聞かせください。
地方での拠点づくりと周辺との連携形成、コンパクト・プラス・ネットワークについて伺います。
地方版総合戦略を策定する上で、地方が勘案することが求められている国の政策分野とは、一つ、地方における安定した雇用の創出、二つ、地方への新しい人の流れづくり、三つ、若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえる、四つ目、時代に合った地域づくり及び地域と地域の連携の四つです。一つ目から三つ目までは小樽市の発展にとって必要なことと我が党も考えますので、ぜひ人口増となる計画にしてください。しかし、四つ目の中の地方での拠点づくりと周辺の連携の形成が示されていることが心配です。これらに関する小樽市の取組は、平成27年10月ぐらいまでに策定するとのことです。地方での拠点づくりと周辺との連携の形成で安倍内閣が狙っているのは、公共施設や行政サービスを拠点となる中心自治体に統合し、身近な住民サービスの低下と周辺部の切捨てを進め、中心自治体もコンパクトシティと称して住民サービスを切り捨て、スリムにし、あわせて地方の衰退を一層加速させるものにほかなりません。政府の言う地方での拠点づくりと、周辺との連携は、小樽市の事業としては既に先行している定住自立圏があります。市長は、私のこの指摘を受け、今後どういう認識を持って定住自立圏に対応するつもりか、見解をお聞かせください。
以上、1項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)北野議員の御質問にお答えします。
ただいま、新年度予算に関して御質問がありました。
初めに、安倍政権の新年度予算への見解についてですが、我が国の経済は回復基調にあると言われておりますが、いまだ地方においては景気回復の効果が十分に及んでいないのではないかと感じております。今回の国の予算案では経済の好循環を確立し、地方に対して景気回復の実感を行き渡らせ、地方創生に重点を置き、経済再生と財政再建の両立を実現する予算として編成されたものと受け止めております。
次に、新交付金の活用についてですが、まず国民健康保険に関しまして、その保険者支援分につきましては、保険料の軽減対象となる被保険者の所得の把握が必要なため、前年の所得が確定する5月でないと試算できないことから、拡充分は当初予算には反映しておりません。このため、平成27年度予算の一般会計繰入金のうち、保険者支援分は26年度の決算見込みと同額の1億2,380万円を計上しております。
次に、保険料の引下げにつきましては、保険料については例年5月に前年の所得が確定した段階で当該年度の保険給付費の見込みや保険者支援分のほか、国、道からの交付金、補助金などを含め、全体の収支を勘案して算出しております。したがいまして、平成27年度の保険料算出に当たっても、新たに交付が予定されている保険者支援分の拡充分や基金残高なども考慮し、保険料の上昇の抑制に努めてまいります。
次に、介護保険に関しまして、まず地方創生先行型交付金で小規模介護事業所へ助成することにつきましては、国ではこの交付金のメニュー例として、創業支援や販路開拓支援などを挙げており、小規模介護事業所など特定の分野に限った経営安定のための助成は、交付金本来の趣旨にはなじまないものと考えております。
次に、要支援者への現行サービスを継続し、地域支援事業の移行を撤回するよう国に要求することにつきましては、急速な高齢化の進展に伴い、社会保障費が増大する状況にあって、受益と負担の均衡のとれた持続可能な社会保障制度の確立を図るため、給付の重点化や効率化などについて国が行った制度改正であることから、必要でやむを得ないものと考えており、制度改正の撤回を要求することは考えておりません。
次に、医療に関しまして、まず小樽市立病院の病床数につきましては、新たな公立病院改革プランは平成27年度から28年度にかけて都道府県が策定する地域医療構想を踏まえ、公立病院の役割を明確にするものと聞いております。この地域医療構想の策定過程において、病院等の関係者が参加する協議の場が設置される予定であり、その中で病床数など地域における必要な医療体制の確保が図られることになりますので、市立病院の病床数が強制的に削減されることにはならないものと考えております。
次に、小樽協会病院の周産期医療に係る医師確保の見通しにつきましては、現在のところめどが立っておりませんが、協会病院の分娩再開に向け、引き続き病院側と協議を行うとともに、関係機関に働きかけるなど、できる限りのことをしてまいりたいと考えております。
次に、子育てに関しまして、まず子供の医療費無料化につきましては、現在、人口対策庁内検討会議におきまして、各部から人口対策事業案が提出された中で、無料化も含め、検討すべき事業項目の一つとして位置づけたところであります。今後は、小樽市人口対策会議の検討結果や財政負担なども考慮しながら、最終的に判断してまいりたいと考えております。
次に、子ども・子育て支援新制度移行に伴う本市の保育料につきましては、新制度では保育料の階層区分の決定が従来の所得税額から市町村民税額を用いる方式になります。これにより保育料の決定時期も従来の4月から市町村民税額が確定した後の9月に変わりますが、新制度への移行年度となる平成27年度の保育料は、まず4月に前年度の市町村民税額に基づいて一度決定し、さらに9月に改めて決定することになります。新制度における国の保育料徴収基準額は、現行の利用者負担の水準を基に各階層の所得税額を市町村民税額に置きかえており、本市においても、国の改正内容に準じるとともに、現行の軽減措置を維持した改正を予定しております。しかし、市町村民税額を用いる方式への変更により、利用者の一部において保育料の増減が生じることから、市としましては一定の配慮が必要と考えており、現在、検討作業を進めているところであります。
次に、感染症防止に関しまして、まず感染性胃腸炎の集団発生件数と患者数につきましては、平成23年度が2件で35名、24年度が19件で604名、25年度が4件で137名、26年度が12月末までで7件で199名となっております。この4年間における施設別発生件数につきましては、保育所7件、その他の施設が25件であり、原因ウイルスはノロウイルスによるものが31件、ロタウイルスによるものが1件となっております。
次に、感染性胃腸炎が集団発生した場合の対策につきましては、集団発生した場合には速やかに施設を訪問し、感染症法に基づく調査を実施し、必要な指導を行います。また、通常における啓発・指導につきましては、市内における流行状況等を踏まえ、保育所、学校、高齢者施設等に対し、文書による注意喚起や施設に出向いて健康教育を実施しているほか、広報おたるやホームページで周知するなど、さまざまな方法により行っております。
次に、公立保育所での感染症防止の対応につきましては、国の保育所保育指針及び保育所における感染症対策ガイドラインに基づき行うこととしております。各保育所の施設整備の違いから全て同一の対応とはならず、特におむつ交換作業では、手洗い場があるところで行うこととされていますが、専用スペースの確保が難しい施設があることや、使用済紙おむつの保管がふた付バケツでなかった施設が1か所ありました。
なお、使用済紙おむつの持ち帰りについては、ガイドラインでは示されていないものであります。
次に、感染症対策チェックリストでの現状の把握につきましては、一部の保育所で職員が予防接種を受けていたかどうかの確認に不十分な点が見られましたが、チェック項目についてはおおむね履行されていました。
次に、公立保育所での感染症防止に関する改善点につきましては、先ほど答弁いたしました使用済紙おむつの保管方法については、直ちに改善を行っております。
また、使用済紙おむつにつきましては、今後、各施設で処理することといたします。
なお、必要な費用は、年間約50万円であります。
次に、地域活性化・地域住民生活等緊急支援のための交付金についてですが、具体化した事業の主なものを申し上げますと、子育て支援や教育の充実では、18歳未満の方がいる世帯に商品券を支給するほか、保育所などの絵本や遊具、小学校の実物投影機などを整備いたします。若者の定住促進では、移住促進に向けた取組や空き家の活用などを検討するための調査を実施するほか、働く場の創出・拡大に向けた事業として商業起業者への支援や小樽港の物流促進を目指す市場調査を、地元就労支援として女性や若年者の正規雇用を目的とした人材育成を実施いたします。
また、人口対策は、働く場の創出や子育て支援などさまざまな取組を総合的に進める必要があることから、現在、小樽市人口対策会議などにおいて必要な対策を検討しているものであります。
次に、人口対策についてですが、まず不安定雇用等の指摘に対する私の見解につきましては、平成24年3月に厚生労働省が、非正規雇用問題に総合的に対応し、労働者が希望する社会全体にとって望ましい働き方を実現するため、望ましい働き方ビジョンを取りまとめており、その中で「雇用が不安定」「経済的自立が困難」などの非正規雇用に共通する課題と、正規雇用・無期雇用への転換促進など施策の具体的方向性が示されております。
また、平成24年10月に改正された労働者派遣法では、派遣労働者の無期雇用化や待遇の改善などが盛り込まれたところであり、国としては派遣労働者の保護・雇用の安定を目的にさまざまな対策に取り組んでいると承知しておりますが、現状では雇用の不安定さや低賃金などの課題があると認識しております。
次に、人口対策庁内検討会議や小樽市人口対策会議での進捗状況につきましては、本市人口の現状についての共通認識を持つとともに、これまでの取組について整理を行った上で、人口対策としてどのような取組を進めていくべきか、議論を進めたところであります。
現時点での大きな方向性としましては、「産業振興による働く場の創出・拡大」「子育て支援と教育の充実」「生活環境の整備」の三つを検討に向けたポイントとしたところであります。今後は、検討を加速させながら、まち・ひと・しごと創生法で努力義務とされた本市の総合戦略策定に向けて取組を進めてまいりたいと考えております。
次に、人口対策で行おうとしていることにつきましては、人口の減少は購買力の減少による経済の停滞や、税収の減少による行政サービスの低下、地域コミュニティの崩壊など、さまざまな影響が想定されることから、人口対策を通じて市民の皆さんが夢を持ち、安心して生活ができる活力ある小樽をつくることが重要であると考えております。このことから、小樽市人口対策会議などの議論を踏まえ、働く場の創出や子育て・教育環境、住環境の整備など総合的な取組を着実に進めていく必要があると考えております。
次に、地方版総合戦略の目的につきましては、地方創生の考え方は地方が人口の減少や景気の低迷などにより、いわゆる増田レポートが指摘した多くの自治体の消滅可能性に端を発したものと認識しております。しかしながら、地方にとって人口や経済にかかわる問題は早期に解決できるものではないことから、地方版総合戦略を策定し、今後の目標や方向性を定めることによって、持続可能な社会を築いていくことが最大の目的であると考えております。
次に、地方人口ビジョンと地方版総合戦略の策定に当たり、業務委託をすることにつきましては、策定作業は膨大な事務量が想定され、限られたマンパワーで短期間に作業を進めていく必要があることから、検討を進める上で必要となる調査や資料の作成などについて業務を委託するものであります。それぞれの根幹となる部分については、人口対策庁内検討会議や小樽市人口対策会議などの議論を基に独自性を出してまいりたいと考えております。
次に、地方での拠点づくりと周辺との連携についてですが、今後どういう認識を持って定住自立圏に対応していくかにつきましては、定住自立圏の取組では、圏域全体として都市機能と地域資源を活用しながら一体的な発展と住民の利便性向上を図っていくことが重要であると考えておりますので、今後も北後志の近隣町村との連携を深め、圏域の人たちが安心して暮らすことができる地域を形成していけるよう、取組を進めてまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
(22番北野義紀議員登壇)
○22番(北野義紀議員)カジノ中心のIR誘致は、きっぱり中止し、健全なまちづくりを求めて質問します。
市長は、これまでの議会の議論で、小樽市の方針として最終決定したのではないと言いつつも、昨年第4回定例会で我が党の新谷議員の質問に対する答弁で、「北海道や関係機関と連携の上、IR誘致に向けた各種情報の収集に努めてまいりたい」と、IRを誘致する立場は明白でありました。
ところが、皆さんも御承知のとおり、市長選挙をめぐる最近のさまざまな新聞報道を見て、中松市長のこれまでのカジノ中心のIR誘致はどこへ行ったのだろうかとの感を強く持つものです。今度の市長選挙に向けた中松よしはる後援会討議資料を見せていただきましたが、カジノのカの字はもちろん、IRの誘致の文字はどこにもありません。
カジノ中心のIR誘致をやめてしまったのなら、我が党としては大歓迎であります。しかし、カジノ解禁法が昨年の突然の解散総選挙で廃案になってしまったことを理由に、国がまだ決めていない、これを理由にして、この際、地方選挙でカジノ誘致を言ったら不利だからカジノ中心のIR誘致は隠して選挙を行おうというのであれば、主権者たる市民を欺く許しがたい暴挙と言わなければなりません。
カジノ誘致の候補地が小樽は無理だろうとか、最近のこういう新聞報道やカジノ解禁法案の今後の国会での動向にかかわらず、中松市長としてカジノ中心のIR誘致はきっぱり中止したと、この場で約束をしていただけませんか。明快な答弁を求めるものであります。
2項目めを終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、IRについて御質問がありました。
IR誘致につきましては、今後、国会で十分な議論がなされ、IR関連法案が成立したときには、その内容を慎重に見極めるとともに、市民の皆さんの御意見を伺い、本市の方向性を決定してまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
(22番北野義紀議員登壇)
○22番(北野義紀議員)石狩湾新港港湾計画改訂について伺います。
石狩湾新港管理組合は、本年できるだけ早く港湾計画改訂を行うとのことです。この改訂の主な4事業、西地区マイナス12メートルバースと既定埠頭用地の整備、花畔内貿ユニットロードターミナル、花畔コンテナヤードプロジェクト事業、東地区リサイクル貨物輸送の効率化事業について、それぞれの事業計画の内容を一般会計と特別会計、その中の起債事業に分けて、取扱貨物と目標貨物量、事業費の内訳、管理者負担の内訳、4事業の総合計についてまず詳しく説明をしてください。
この事業での取扱貨物や目標貨物量について疑問がありますので、お尋ねいたします。
西地区のマイナス12メートルバースで取り扱うパームカーネルシェル、いわゆるPKSをバイオマス発電の燃料として年間28万5,000トン新たに輸入するとのことについてです。この根拠も管理組合では企業ヒアリングから推計したとのことです。
2月13日の管理組合議会での私の質問を理事者も傍聴していましたが、管理者の答弁は、企業ヒアリングで新港背後地でPKSを燃料とするバイオマス発電事業の意向を示していた企業があるので、マイナス12メートルバースで取り扱う輸入貨物はPKSとし、輸入量を28万5,000トンにしたとの答弁でした。これを根拠に港湾計画改訂でマイナス12メートルバース延長240メートル、ヤードは既定計画どおり8万5,000平方メートルを計画するとのことです。
港湾計画の目標年次はおおむね10年から15年後ですから、果たして西地区の事業マイナス12メートルバース延長240メートル、ヤードは8万5,000平方メートルをつくることが適切で必要なのか、いま一度冷静に科学的に検討することが求められています。市長の見解をお聞かせください。
パーム油の原料であるアブラヤシの生産のために、インドネシアやマレーシアなどで大きな農園がつくられ、毎年広大な熱帯雨林が伐採され、既に過去20年間でオランウータンの生息地の90パーセントが破壊されたとのことです。このため、絶滅危惧種のオランウータンがインドネシアとマレーシア、両国だけでこれら政府の調査によっても過去20年間で5万頭も害獣とみなされ、殺されています。このままでは野生のオランウータンは絶滅すると言われています。
こういう現状を反映し、熱帯雨林を守れ、オランウータンを守れとの世界的に高まった世論を受けて、2004年に持続可能なパーム油のための円卓会議が設立された経過があります。環境省も、これを認知しています。熱帯雨林を守れという環境保護運動は、アウトサイダーではない本流の環境保護運動です。これはPKSを新規に取り扱う石狩湾新港の輸入量に直接影響を及ぼす問題です。
さらに、両国の大農園でのアブラヤシ栽培が植民地時代のあしき遺産であるプランテーション作物であり、発展途上国の労働者の労働条件や人権問題、環境破壊が問題視されています。これらは近い将来、現地労働者の賃金の高騰にも関連していく問題であり、PKSの価格にも直接影響する問題です。
また、日本の資本も参加し、PKSを自然のままの搾りかすの殻ではなくて、固形燃料に改良して輸入する動きも顕著ですし、その工場もつくられています。こうなれば、価格はもとより輸入トン数にも直接影響を与えることになります。
こういう現状を考えると、そう簡単に、しかも新規にPKSを大量にいつまでも安定的に安く輸入する計画の根拠は薄弱です。市長はこういう三つの課題を抱えるPKSの輸入量と価格の課題をどのように認識して港湾計画改訂の貨物量を検討するつもりか、検討しているとすればどういう意見を持っているのか見解をお聞かせください。
管理組合が企業ヒアリングで取扱貨物量を推計していることについてですが、管理組合はあくまでも複数の企業からの直接ヒアリングで取扱貨物量を推計したと説明しています。しかし、どの企業からのヒアリングかは企業名は明らかにできないとのことです。
インターネットで調べてみましたら、石狩湾新港背後地に進出を検討している企業は現在のところ1社のみです。この民間企業のホームページを見ると、石狩市に4万から5万平方メートルの面積を想定し、輸入バイオマス燃料と地域材を調達し、バイオマス発電を計画し、商業運転開始は2017年、平成29年10月予定とのことです。
私は、2月18日の午後、この会社に電話して、担当者にホームページにアップしていることについていろいろ伺いました。わかったことは、この会社は事業開始に向けて、現在、調査作業中のことだと繰り返して言いました。だから、PKSの輸入量も発電規模もまだ決まっていないとのことでした。目標としては今年6月ぐらいにある程度のことを決めたいとのことでした。
インターネットで唯一、新港背後地への進出を明らかにしている企業でさえ、PKSをどれぐらい輸入するかは決めていないのが現状です。それにもかかわらず、企業ヒアリングでどうして新規に28万5,000トンものPKSが輸入できると推計したのか。市長としてこういう前提での港湾計画改訂の目標貨物量に疑問を持たないのか。マイナス12メートルバース延長240メートル、8万5,000平方メートル建設が先にありきで、これを必要だと言わんばかりに目標貨物量を後で合わせているだけではないかとの疑問を持たないのでしょうか。市長の説明を求めるものです。
起債事業で計画の段階から管理者負担が出ている問題についてです。
今回の4事業の起債事業では、機能債のみで臨海債はありません。当然のことでありますが、起債事業の元利償還財源は使用料で賄うことになっているものの、今回の4事業の計画では、計画の段階でいずれも公債費の財源が足りず、多額の管理者負担が出ることになっています。どうしてこういう計画なのか、おかしいとは思いませんか。管理組合の構成員として今までどのような意見を述べてきたのか、説明を求めるものです。
以上、港湾計画改訂の問題点の幾つかを指摘しましたが、市長は、この港湾計画改訂を承認するのか。管理組合ではこの3月中に地方港湾審議会へ諮問決定すると言っていますが、このまま変更された原案を決めることは許されません。市長の見解をお聞かせください。
計画は白紙撤回し、仮に貨物が増えたとしても、あいている岸壁やヤードを活用し、また、小樽港などを積極的に活用して、新港に新たな無駄な港湾施設はつくらず、地元に巨額の負担を強いることなく、道内港湾の均衡ある発展を図るべきと考えますが、市長の見解を求めるものです。
再質問を留保して終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、石狩湾新港港湾計画改訂について御質問がありました。
港湾計画改訂に関し、まず4事業の取扱貨物や事業費などにつきましては、西地区の新規マイナス12メートルバース等の主な取扱貨物と目標取扱貨物量は、石灰石、再利用資材であるパームヤシ殻で43万5,000トン、事業費は一般会計約53億7,000万円、特別会計約14億1,000万円、起債償還期間中の管理者負担額は、一般会計約11億9,000万円、特別会計約6億2,000万円の見込みとのことです。
次に、花畔地区内貿ユニットロードターミナルでは、同じく製造食品等の内貿ユニット貨物などで189万1,000トン、事業費は一般会計約188億3,000万円、特別会計約27億6,000万円、管理者負担額は一般会計約33億9,000万円、特別会計約9億円の見込みとのことです。
次に、花畔地区コンテナヤードでは、同じく外貿コンテナ貨物101万1,000トン、事業費は一般会計約22億5,000万円、特別会計約39億5,000万円、管理者負担額は一般会計約4億7,000万円、特別会計約20億円の見込みとのことです。
次に、東地区の新規マイナス12メートルバース等では、同じく金属くずや砂利、砂などで27万6,000トン、事業費は一般会計約63億5,000万円、特別会計約38億1,000万円、管理者負担額は一般会計約11億6,000万円、特別会計約30億3,000万円の見込みとのことです。
4事業の合計ですが、事業費は一般会計約328億円、特別会計約119億3,000万円で合計約447億3,000万円、管理者負担額は一般会計約62億1,000万円、特別会計約65億6,000万円で、合計約127億7,000万円の見込みと聞いております。
次に、西地区の新規マイナス12メートルバースの計画につきましては、主な取扱貨物の石灰石は高強度を要する高層建築物などのコンクリート骨材として利用されており、今後も耐震建築・改修の需要増加などにより取扱量の増加が見込まれること、また、パームヤシ殻はバイオマス発電事業が増加する状況にある中、発電燃料の取扱いについて企業からの意思表示があったとのことから、いずれも将来的な可能性を勘案し、貨物量を推計したものと考えております。
次に、パームヤシ殻の輸入につきましては、現在、マレーシアやインドネシアなどにおいてアブラヤシの農園の拡大による環境への影響を懸念する声に対して、関係機関や企業などにより持続可能な生産が図られるよう取組が進められていると承知しております。
また、バイオマス発電事業が増加する状況にある中、企業から発電燃料の取扱いの意思表示があり、約6万キロワットの発電規模を検討し、年間の取扱量で28万5,000トンを想定しているとのことから、港湾計画の貨物量推計手法の一つである企業ヒアリング結果を用いて、将来的に可能性のある貨物として推計したものと考えております。
次に、企業ヒアリングにつきましては、西地区の新規バースにおいてはパームヤシ殻の取扱いのほか、先ほどお答えした石灰石が今後も高層建築物のコンクリート骨材などの需要があり、増加が見込まれることから、取扱企業へヒアリングを行った上で計画貨物量を見込んだものとのことであります。
この石灰石を取り扱うに当たっては、岸壁に接岸する船型について3万トン級の大型船舶が見込まれると聞いていることから、この船舶に対応したバースは港湾の施設の技術上の基準に基づき水深マイナス12メートル、バース延長240メートル、また荷役・保管ヤードとして8万5,000平方メートルが必要であると考えております。
次に、起債事業における管理者負担に関し、管理組合の構成員としての意見につきましては、起債事業について起債償還期間中、管理者負担が見込まれることにつきましては、償還が終了した後、施設の耐用年数まで使用料収入は自主財源となることから、管理者負担を回収できるよう努力していきたいと聞いているところであります。
事業の実施に当たっては、母体の財政状況を勘案して、投資効果の高い港湾整備を進めていただきたいと申入れをしているところであります。
(発言する者あり)
次に、今回の港湾計画改訂につきましては、港湾計画とは将来における港湾のあるべき姿を実現することを目標とする港湾の整備、管理・運営のための行政指針で、事業の実施を担保するものではありません。今回の改訂案につきましては、長期構想を踏まえ、企業ヒアリングなどを実施した上で将来のあるべき港の姿としてその可能性を反映したものと認識しております。港湾計画としては適切なものではないかと思っております。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
○22番(北野義紀議員)再質問させていただきます。
最初に、国民健康保険料についてです。
答弁にあったように、新年度の保険料を確定するには、まだ時間を要するという理由でその中身も触れたようですが、5月末に新しい保険料を決めるのですけれども、それまでには前年度までの保険者支援分1億2,380万円にプラスする金額がわかるということなのですね。私が言ったのは、そういう今残っている国民健康保険事業運営基金1億6,000万円のうち、これから医療費の伸びその他があると毎年言うのだけれども、結果としてこういう基金が残っているのですよ。だから、それほど影響はないと思うのです。インフルエンザが特別昨年度より多かったというふうにも聞いていませんし、風邪を引いた人も多いとは聞いていませんから、これから医療費が大きく伸びて、この基金を全部使ってしまうということにはならないと思うのですよ。
だから、1億6,000万円とこれから新年度予算の中で1億2,380万円、これは前年度までの分ですから、これに新年度の分を政府はプラスすると言っているわけですから、必ず前年度より多く入ってくるのです。基金と保険者支援分を合わせれば、2億円ははるかに超えると思うのです。だから、1世帯1万円の保険料の引下げをやっても十分財源はあるのではないかと推計しますので、ぜひそのときは保険料を引き下げますという答弁を市長からいただきたいと。
それから、我が党は、小樽市の努力だけで保険料引下げをしなさいとは言っていません。市長も御承知のとおり、今、医療費に対する国庫負担金は32パーセントに減らされているのです。1984年度の時点で医療費に対する国庫負担金の割合は幾らでしたか。
そして、仮に今の32パーセントを1984年度の国庫負担の占める割合に戻したら、小樽市には国から新たに何億円入ってきますか、お答えください。
次に、介護保険です。
介護報酬の2.27パーセント引下げは、介護保険制度そのものの根幹にかかわる非常に重大な問題だと指摘をいたしました。
それで、介護報酬の引下げが2.27パーセントとすれば、小樽市全体では幾ら影響を受けるのか、また、小樽市内の小規模事業所全体で幾らの影響を受けるか、これをまずお答えください。
それから、介護の二つ目ですが、市長は先ほどの答弁で地域活性化・地域住民生活等緊急支援のための交付金、地方創生先行型について説明があって、「なじまない」という表現を使いました。これは国のメニューにのっていないというだけの話であって、なじまないと判断したのは市長の独自の考えではないですか。先行型では、例えば小規模事業者が経営が大変だから貸付制度はどうだろうかと思ったら、先行型は貸して戻ってくるような制度はそれこそこれになじまないと、くれてやりなさいというのが先行型なのですよ。メニューにのっていなくても、いくらでもそういう制度はできるのですよ。なじまないと言っている市長の考えは間違っていますから、これは撤回してやる気になればできるのだというふうに理解して小規模事業者の経営を守り、在宅介護を守っていただきたいということです。
それから、医療についてです。
小樽協会病院での周産期医療について、医師確保のめどは立っていないと先ほどの答弁では言いました。しかし、与党第一党の自民党の新春セミナー、2月19日に経済センタービルでやったときの新聞報道によれば、高橋知事は、医師確保について中松市長と連携しながらしっかりと今取り組んでいると答えているのです。これから取り組んでいきたいという決意表明でないのですよ。だから、取り組んだ結果どうなっているのか、もう一度お答えください。
与党第一党のセミナーに出て、ここまではっきり言っておいて、聞いたら医師確保のめどが立っていないなんて、選挙目当てと言われてもしようがないでしょう。こんな子供の命にかかわることをもてあそぶようなことはやめていただきたい。
それから、医療の問題の二つ目ですが、ベッド数の削減については出てこないのではないかという趣旨の答弁がありました。しかし、政府は入院ベッド数を2割削れと言っているのです。ところが、小樽市立病院、協会病院、済生会小樽病院、小樽掖済会病院、済生会病院は新築しましたし、小樽市立病院もそうです。掖済会病院も今年の秋にはオープンすると聞いています。
そこで、こういう四つの大きな病院が、小樽市立病院を新築するときに再編・ネットワーク化協議会で協議をしてベッドの数、診療科目はお互いに確認してこういう規模でいきましょうと、地域医療を守りましょうという確認をしたはずなのです。それに対して政府は2割削れということをこれからやろうとしているのです。小樽市立病院には影響がないというのだったら、ほかの三つの病院に影響が出るということになりませんか、玉突きで。その心配はないのかということを聞いていますから、もう少し納得のいく答弁をしてください。
もし病床数を削減するということになったら、診療科目を減らすということにも直結するのですよ。そうすると、新築した病院は、市長の御承知のような診療科目でやるということで、それぞれ新築していますから、医師がいない、建物の借金を返さなければならないという二重の財政負担になって、経営そのものが大変になる問題なのです。こういう大問題を医療費削減の立場から安倍政権がやろうというのはむちゃくちゃだと、撤回するように申し入れたらいかがかということです。
次に、子育てに関してですが、医療費の無料化を聞かれれば何か検討して近々やるようなニュアンスでいつも答えるのです、あなたは。だけれども、全然進んでいない。道の制度と同じですよ。だから、私は選挙を前にしてそういう期待を持たせる話ばかりしないで、今まで3年間言ってきたことの集大成でこうやるということで、人口増をやっていく上からも子供の医療費の無料化の拡大は避けて通れませんから、ぜひそういうことをやっていただきたいというふうに思うのです。これは人口問題のときにやります。
次に、感染症防止に関して伺います。
マニュアルに照らしてどうだったかといういろいろな答弁はあったのですけれども、マニュアルどおりやられていないということがあるから私は聞いたのです。
それで、チェックリストの問題ですけれども、保健所がつくったチェックリストで小樽の七つの市立保育所の調査を行ったと。その結果の報告があったのですが、この結果何でもないというのを市長が判断したというのは合点がいかないのです。本来、専門家である保健所がその結果を聞いて、ここは改善したほうがいいとか、これでよろしいとかという判断を下すのではないですか。保健所に言わないでなぜそういう勝手な判断をしたのか。これに関してはマニュアルが出ているけれども、マニュアルに基づく講習会などを保健所に担当者を集めてやっていないでしょう。マニュアル、平成12年に出ているのですよ、改訂版が。
だから、先ほど言ったように、施設のいろいろな不備な点があるからマニュアルどおりいかないと言いわけをしているけれども、できることでさえやっていなかったという事実が市長の答弁からもうかがえるのです。マニュアルでは使用済みの紙おむつはふたつきのケースに入れて外部に影響がないようにしなさいと言っているのですよ。
確かに、市長が言うように、マニュアルでは使用済みの紙おむつを持ち帰らせるとか、あるいは一括処理するなどと具体的には書いていません。しかし、集団発生を防止する立場から、どういう方法が適切かは考えればわかることではないでしょうか。義務づけられていないとは言うけれども、義務づけているふたつきの容器にさえ入れていない保育所があったでしょう。だから、しっかりとやらなかったらだめです。
保健所長に聞きますが、保健所が協力して子育て支援課に小樽市立保育所の感染症対策チェックリストを配って、その結果報告は受けていないということについて保健所としてはどう考えますか。指導監督する立場ですからお答えください。
人口対策についてです。
最初に伺いたいのは、札幌市は伸びが鈍化したといっても、まだわずかですが人口は増えているというふうに聞いています。
それで、札幌市周辺の都市、江別市、恵庭市、北広島市、千歳市、石狩市の人口動態はどうなっているか、その減りぐあいのパーセント、それから子供の医療費の無料化はどうなっているか、保育料はどうなっているか、これらの点をまずお答えください。
それを聞くわけは、札幌市を取り巻いているこれらの周辺の都市では、人口が増えているし、減ってもほんのわずかしか減っていないのです。小樽市の減り方が率からいったら一番大きいのです。なぜそういうふうに大きく減っているのかということを、人口対策を検討する上でも重要な分析の資料になりますから、お答えいただきたい。
二つ目に、小樽市をいわゆる消滅可能性都市としている増田レポートなのですが、市長は国の対策がこうだということで厚生労働省がこうやったというようなことを述べられていますけれども、国がどのような対策をやろうとも、若者や女性の雇用条件が悪化していると。だから、結婚し、子供をつくることさえできないという社会的な原因になっているのですよ。そこへ踏み込まないのだから、政府が労働法を改悪するたびに批判が強いからいくらあれこれの手だてをとっても根本的解決にならないのは当然なのです。だから、実態をよく見て、そうはしたけれども、労働法の改悪で国が手を打っても地方は衰退していくと、こういう現状を市長がしっかりと見て、そうならないためにどうするかという手を打たなければならないのです。その見解を聞きたいということです。
それから、人口増の問題について伺います。
これから人口対策を進めていく上で、市長は、小樽市の1,000万円の補助金で地方人口ビジョンと地方版総合戦略を策定することにかかわって外注にした理由を述べました。しかし、何を検討するかということは、まだ明らかにしていないのです、市長として我々に。だから、こういう項目でもって外注に出したいと。だから、これは市役所では無理だと。先ほど無理だという話はするけれども、どういう内容を、幾つもあると思うのですよ。それをちゃんと具体的に言った上で、小樽市役所では無理だからこれは外注に出しますと。成果品は国の言いなりになるのではないかと言ったら、市長は先回りした答弁で市からも意見を出して、そうならないようにすると言うけれども、外注に出す中でどこで歯止めをかけるのか、どの項目でどういう意見を出すのか、具体的に言っていただかないと説得力がありませんから、そういうふうにお答えいただきたい。
それから、カジノの問題ですが、我々はきっぱり中止せよというふうに言ったのですけれども、先ほどの答弁は、そういうふうには答えないで、これから国会で決まるであろう法律の中身を検討し、慎重に検討していきたいというようなことを言っているのです。しかし、以前の答弁はそうではないでしょう。法律が決まっていないのに、なぜ誘致、誘致と騒ぐのだということを我々から言われれば、市長は何と言っていましたか。法律が決まってからでは遅いのだと。政府に対して小樽市は誘致賛成だから小樽市に下さいということを法が決まる前に手を挙げておかないと間に合わないから早くやっているのだと、こうやって説明していたでしょう、一度ならず。それが、がらりと変わって、先ほどの答弁になったのです。これは私は市民の批判がある程度あって、市長もそういう声に耳を傾けざるを得なくなって、一歩後退した考えだと思っているのです。だけれども、誘致するという基本は変わっていないのです、市長の答弁は一貫して。市長はあくまでも誘致するということなのですね。その考えは変わらないということなのかどうか、はっきりさせてください。
それから、石狩湾新港の貨物量についてです。
先ほど来、事業の内容その他について詳しく説明をいただきました。
それで、一つは、アブラヤシの中に幾つかある種を搾ってパーム油をつくるのです。だから、一つの実の中に幾つかあるその種を搾った殻を輸入してバイオマスの発電の材料にするということで、これが28万5,000トン入ってくると言っているのですよ、石狩湾新港管理組合の説明は。
ところが、私は、この土曜日、2月28日の朝7時台前半のNHKの番組を見ていましたら、石狩湾新港の計画というのは、これは砂上の楼閣ではないかというふうに思った番組なのです。それは、東日本大震災からまもなく4年になりますが、津波で大量の瓦れきが出ていることは市長も承知していると思います。年間の処理量の50倍に相当する瓦れきが放置されたままなのです。それで、塩水につかった津波の被害に遭った木材等を燃やすと、ボイラーが塩分で壊れてしまうと。だから、修理するのに半年から1年かかって、瓦れきの処理が進まないという大問題を今抱えているのです。NHKの番組は、ここで釜石市の小さなボイラー会社が塩分を含んでいても修理はしなければならないけれども、修理が短時間で終わるボイラーを開発し、そしてボイラーから出る水蒸気で発電までするというのです。これが今、成功しつつあるのです。
これを聞いたインドネシア政府が、ここの企業から150億円分のボイラーと発電機を輸入すると。知ってのとおり、インドネシアは電力が不足していますから、これは大変いいことだといってアブラヤシの外側、それから中も、パーム油を搾った殻、この2種類を含めて塩分を含んでいるそうです、アブラヤシは。だけれども、釜石市のボイラー会社が製作したこの特別のボイラーでは十分可能だということになって、喜んで150億円分のプロジェクトをそこの会社に発注したということなのです。そうすると、パーム油の殻ばかりでなくて、本体も含めてそこでボイラーとその発電に使うわけですから、パーム油の搾りかすが入ってこなくなる可能性があるのですよ。
それから、先ほどは具体的な会社名は言いませんでしたが、伊藤忠商事株式会社が出資した現地の法人でパーム油を搾った殻を固形燃料にして、そして輸出するということも計画しているというのです。だから、こういうことを考えれば、パーム油の種の搾りかすの殻28万5,000トンが果たして入ってくるのかと。
それから、価格の点でも、劣悪な労働条件の問題を指摘しましたけれども、こういうことが改善されれば、当然、価格も上がるのです。だから、安い値段でいつまでもたくさん入ってくるなどというのは砂上の楼閣だと、そういうことを指摘しますので、特に西地区のマイナス12メートル、240メートル、奥の8万5,000平方メートルは必要ない施設になるということです。
それから、二つ目は、国の船の基準で3万トン級が入れば、どういう基準になっているかというお話を先ほど市長がされましたけれども、船はそうですよ。だけれども、5万トン級の船がいっぱい入るというので、西地区に深さ14メートル、長さ240メートルのバースをつくったけれども、実際にチップが入ってきて使っているのは月に1日か2日なのです。あとはがらあきなのだから。だから、パーム油の原料であるヤシ殻を持って3万トン級が来ても、マイナス12メートルバースは要らない。マイナス14メートルバース、大は小を兼ねるというから、ここで十分接岸して荷役作業はできるのですよ。その後ろの背後地だって10分の1も使われていない。だから、市長が3万トン級が入るから新しい岸壁をつくらなければならないような話をするけれども、そのような必要は全くないですから、考え直していただきたいと。
石狩湾新港管理組合で事務レベル、あるいは副市長も副管理者ですから、責任者ですから、副市長が常時行っていますから、そこでどのような意見を述べているのかと。副市長は道出身の幹部だから、道庁に盾突く意見は述べづらいと思うのですよ。いや、ずっと小樽に骨を埋めるというのなら別だよ。そうでもないしさ。そうすると、意見をまともに述べていないということになるのです。いや、述べているというのなら大変申しわけないから撤回しますから言ってください。
だから、そういう砂上の楼閣のような議論をして税金を使って、しかも起債事業で借金返済の財源も出てこないと。これを言うと、石狩湾新港管理組合と同じ言いわけをするのですよ、市長は。借金返済が終わっても岸壁は残るから、船が着いたら入ってくるのは、もう借金返済が終わっているから自主財源だと。そのことは何遍も管理組合と議論しているのです。問題なのは、借金返済中、母体に負担がかからないようにしなさいというのが起債事業なのだから。借金返済が終わるころには耐用年数でいろいろと故障するところが出てきて、修理にお金がかかるからそれにみんな充てがっているのですよ。だから、市長の先ほどの答弁は言いわけにしかなりませんから、もう一度考えてお答えいただきたいと。
まだいろいろありますが、とりあえず再質問です。
○議長(横田久俊)1点、人口問題のところの再質問で、札幌市周辺都市の人口の減少率とそれから医療費無料化をやっているところのうんぬんという、これは新しい質問かなと。
(発言する者あり)
関連はありますよ。
(「保育料に関係するのですよ」と呼ぶ者あり)
いや、わかりますけれども。
(「議長がそう言うと思って、僕も十分考えた上で質問していますから」と呼ぶ者あり)
もし答弁できれば答弁してもらいたいと思いますが、できなかったらそれはそれでいいですね。
理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)医療保険部長。
○医療保険部長(藤井秀喜)北野議員の再質問にお答えいたします。
たくさん出たので、漏れていましたら、後でまた御指摘いただければと思います。
最初に、国民健康保険事業運営基金の部分と保険者支援分、また新たに増える部分もあるものだから、それが2億円は超えるだろうということであれば、1世帯の平均の保険料の1万円というのは下げられるのではないかという御質問だったと思うのですけれども、理屈としてはそういうことは言えると思います。
ただ、保険料の算定は先ほど市長が答弁でも申し上げましたとおり、ほかの収支も見て、全体の中で収支が成り立つかということで考えますので、今の時点で、国や道の交付金がどういうふうになるのか、こちらに精算行為がありますので、毎年概算でもらって、精算して、多くもらいすぎたら返すということで、例年2億円ずつ、直近ですけれども、大体2億円ぐらいは返済しているという実績もあるものですから、基金の1億6,000万円では足りなくなる可能性もあるだとか、いろいろな状況がありますので、現時点の部分で1万円下げられるということは言えないということは御理解いただきたいと思います。ただ、理屈上のことで言えば、北野議員のおっしゃるような形の作業にはなるということはそのとおりだと思っております。
それから、療養給付費の国の負担割合のことで再質問がございました。
現在、32パーセントで当時の国の割合というのがはっきり記憶にないのですけれども、50パーセントぐらいでなかったかと思っております。それで、本当に概算で今計算しますと、療養給付費の負担だけで14億円ぐらいは増えるのではないかというふうには思っています。ただ、これも超概算ですので、御了承願いたいと思います。
次に、介護保険のことでございます。
介護報酬の改定で2.27パーセント下がったということの影響ということでございますが、全体の費用の軽減というのは、5期と6期の介護保険事業計画であるわけですけれども、6期の部分については介護サービスがまた高齢者増のために増というふうに見込みをしているところだとか、制度改正に絡むとかいろいろあるものですから、この2.27パーセントだけでどのぐらいの影響があったというのは出せないものです。ですから、参考に5期の3か年の部分ですと計画の費用が400億円ぐらいありますので、その2.27パーセントというと、概算でいくとマイナス9億円ぐらいです。2.27パーセントを単純に掛けると、それぐらいになるのかなと。ただ、6期の部分の影響ということにはなりますので、6期の場合はサービス量も増えているし、制度改正だとか、種々いろいろなところで影響がありますので、そこの積算は困難でありますので、その点は御了解願えればと思います。
続いて、介護保険の地域活性化・地域住民生活等緊急支援のための交付金の関係なのですけれども、こちらは介護という特定の業界というのですか、分野の、しかも小規模事業所だけを、ある意味、赤字補填的な収支の差額を埋めるということ自体が、ほかの介護事業者からすると、納得というのですか、理解を得られるのか。また、介護は確かにいろいろ人材の問題で広く新聞などでも取り沙汰されていますけれども、介護以外の事業所でも厳しい経営状態という部分があったときに、その分はなぜやらないのかとか、いろいろな部分も出てくると思いますので、やはり特定の分野のここの施設みたいな形で絞った形での補填という部分は、この交付金にはなじまないというふうに私どもは判断したということで御理解いただきたいと思います。全部の業界に出せるのであれば、それはそれで一つの考え方かもしれませんけれども、特定の分野ということですので、それは難しいのではないかというふうに考えてございます。
最後に、札幌市とか江別市の子供の医療費の無料化の件なのですけれども、例えば札幌市であれば……
(発言する者あり)
そうですか。例えば私どもで今、持っているのは、例えば、自己負担の分で市民税の課税世帯の3歳以上児であれば、江別市で、入院のみ、初診時一部負担金だけというような形になってございましたり、北広島市も就学前は初診時一部負担金のみとか、恵庭市もそうですね。そういうことで、他都市の部分については小樽市よりも充実しているという形にはなってございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)保健所長。
○保健所長(秋野惠美子)2点若しくは3点お答えしなければいけないと思っています。
まず、2点につきまして答弁させていただきます。
1点目、地域医療構想、地域医療ビジョンとも呼ばれますが、これに関する再質問であったかというふうに伺っておりました。
この地域医療ビジョンと申しますのは、現行の医療のベッド数の構造が急性期の病床に大きくシフトしているという点を、将来この構造を亜急性期若しくは慢性期のほうに病床数が転換することによって望ましい、2025年に対応できるような、そういった地域の医療計画を立てるべきであるという国の指針に基づきまして、各都道府県が平成27年度から28年度にかけて現在の急性期病床から亜急性期若しくは慢性期のほうに変えていくとしたら、どのような将来の形がいいかについて、これから1年若しくは2年の間に道としての計画を、将来の形を決めようとしているところでございます。
将来の形を考えるプロセスにおきましても、また、それを実際に実行に進めていくプロセスにおきましても、現場のいろいろな関係各位と話し合いながら進めていくというふうに伺っておりますので、まだ道としての地域医療ビジョンが固まってございませんので、それについて議員が御心配のような強制的に病床削減をするということは、現時点ではあり得ないものというふうに考えてございます。
それからもう一つ、保健所長として感染症についてどう考えるのかということがございましたが、保健所は小樽市民全ての方々に対して感染症が広がらないように、その予防について考えている場所でございます。ですから、感染症の流行期になります前に、子供も、それから高齢者の方に向けても啓発を行っているところでございます。
今回、議員が御質問になりました私どもが出しましたチェックリストと申しますものは、これは保育所と幼稚園、計51か所に対して2月16日に発出いたしましたが、この目的は、このチェックリストをそれぞれの施設に見ていただきまして、御自分で御自分の施設がどのようになっているか、対策を立てる際の参考にしていただきたい、そういう目的でお渡ししたものでございます。
感染症に関して感染症法ですが、私ども保健所が保育所、幼稚園に対して指導監督権限を持っているかと申しますと、持ってございません。私どもは医療機関に対しまして立入検査を行いますけれども、この際にも感染症に対して義務規定、若しくはこうしなさいといった命令は出す権限は持ってございません。あくまでもこのようにすることはいかがでございましょうかという申出を……
(発言する者あり)
具体的にはそういうふうにしております。感染症対策と申しますのは、一つのシンプルな方法になっているものでもございません。いろいろな方法を組み合わせて、結果として感染症が少しでも起きないように、あるいは少しでも広がらないように、それをいろいろな方面から総合的に考えていく対策でございますので、この方法で行うようにという固まったものがある前提の下に指導に入っているものではございません。今回のように、まして保育所、幼稚園となりますと、私どもは立入り権限を持ってございませんので、あくまでも市民のお一人という形でこのように考えていただいてはいかがでしょうかという申出をしたということでございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)福祉部長。
○福祉部長(三浦波人)私からは、2点答えさせていただきます。
まず、1点目ですけれども、公立の保育所において感染症対策など総じてどのようにしていくのか、きちんとやっていないのではないか、そういうことでしたので、今回、出ておりましたチェックリストあるいは厚生労働省が出しているガイドライン、こういったものを参考に、答弁にもありましたが、保育所では施設のスペースの関係でなかなか難しいところもありますけれども、総じて取り組めるものについては今後も取り組んでまいりたいというふうに考えています。
それから、2点目ですが、保育料についてのお尋ねで、道内の状況ということでございますけれども、今日持ち合わせているのは道内主要市、小樽市を除く9市の平均の資料しかないのですが、この資料は、いわゆる各市の個別の保育料ではなくて、国の基準からどのぐらい軽減をして設定しているかという数値でございます。これは平成25年度決算の数値で道内の小樽市を除く主要9市平均値が約23パーセント国の基準から軽減していると。小樽は約22パーセントということで、この答弁はこれに限らせていただきます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)総務部長。
○総務部長(迫俊哉)再質問にお答えいたします。
私からは、人口の関係と石狩湾新港の関係で答えさせていただきます。
最初に、増田レポートとの関係で若者と女性の雇用条件が悪化しているということで、そこに踏み込んだ形でいろいろ解決していかなければならないのではないかという御指摘がございましたけれども、私どももそのとおりだというふうに思っておりますので、今後、人口対策を考えていく中で、やはり女性ですとか、若年者の不安を解消できるような施策というのを考えていかなければならないのではないかというふうに考えているところでございます。
それから、人口対策の地方版総合戦略策定の1,000万円の使い方でございます。議員は肝心なことまで業務委託してしまうのではないかということで心配されていますけれども、私どもはあくまでも、今後、検討を進めていく上で必要となる調査や資料の部分だけを委託するという考え方でございますので、核となる施策などにつきましては、今後、人口対策庁内検討会議あるいは小樽市人口対策会議の中での議論を基に独自性を発揮していきたいというふうに考えておりますので、心配には及ばないのではないかというふうに考えているところでございます。
(発言する者あり)
そのとおりです。
それから、新港につきましては2点ございました。
PKSの関係でございますけれども、一つには、新港管理組合といたしましては、企業ヒアリングを行った上で、今回、貨物量を推計したということでございますが、港湾計画を改訂していく上で港湾を利用する民間事業者の要請といいますか、意見といったものを反映していくというのは、一つのあり方だというふうに考えておりますので、そのことについては適正だと思っておりますし、企業としては当然事業性を考えてやられるということでございますので、問題ないのではないかというふうに考えているところでございます。
それから、3万トン級の船が接岸することにつきまして、マイナス14メートル岸壁を有効に利用すべきではないのかということでございますけれども、ここにつきましては、石灰石を扱うために3万トン級の船が接岸するということで想定されておりますが、これにつきましても、企業のヒアリングですとか、港湾の施設の技術上の基準に基づいて算定されたものだというふうに考えてございます。私どもといたしましては、母体を構成しておりますけれども、機会を見つけながら引き続き既存施設の有効利用については申し入れていきたいというふうに考えているところでございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)副市長。
○副市長(貞村英之)北野議員の再質問にお答えいたします。
各部長それぞれ答弁いたしましたが、答弁しなかった部分について、まず、2月19日の新春セミナーで知事が取り組んでいると言ったということに対する何を取り組んでいるのかということでございますが、私、当時これに出ていなかったものでわからないのですけれども……
(「市長答えればいいじゃない」と呼ぶ者あり)
小樽協会病院の例の問題が発覚したのは昨年12月でございまして、その後すぐ医局のほうに赴きまして、いろいろ原因、それからいろいろヒアリングを受けてきたところでございます。その後、道に行きまして、要望書も提出してまいりました。その後で、知事にも伝わっていると思いますが、一応道としては周産期といいますか、産婦人科医の不足は全道的なものであると。それで、今、周産期センターのトップにあるコドモックルにも産婦人科医が不在の状態であるということで、全体を見て対策を打たなければならないということで、道もいろいろ検討している段階でございます。その後の内部の検討経過については承知しておりませんので、たぶん知事はそのことを捉えて言ったものだと考えております。
それから、札幌市周辺市町村の人口の増減の質問でございますが、住民基本台帳人口で平成22年と26年を対比して増減率でお答えしたいと思います。まず、小樽市は平成22年と26年を対比しますと、マイナス5.9パーセント、それから北広島市マイナス1.6パーセント、恵庭市プラス0.1パーセント、千歳市プラス1.8パーセント、それから江別市マイナス1.6パーセント、石狩市マイナス2.8パーセント、札幌市は言うまでもなくプラス2.0パーセントという状況でございます。
あと、医療費、保育料については各部長が答弁したところでございます。
それから、石狩湾新港の起債の償還の件でございますが、もちろん公営企業債でございますので、使用料をもって返済するというのが大原則でございますけれども、起債の償還は当該の社会資本の状況と耐用年数、かなり開きがあるということで償還期間と耐用年数との間に大きな隔たりがあるという状況でございます。例えば港湾施設の場合、護岸ですとか荷さばき地、大体50年前後と言われておりますが、償還期限は20年となっているところでございます。こういうことから、母体といいますか、石狩湾新港管理組合自体が構造的に資金不足が発生するという状況、そういう仕組みの起債の制度でございます。
近年、国において地方公営企業の安定的な経営といいますか、そういう観点からこのギャップを縮小するということを長い間検討してきました。つまり、償還年限を延ばして耐用年数に近づけていくということを検討してきたわけでございますが、残念ながら、国でも財政投融資改革ですとか、郵政改革という流れの中で、民間資金にシフトしていくなりにも償還を引き受けてくれるところがだんだんなくなってきているという実態でございます。いくら地方債というのがある程度信用度が高いと申しましても、長期の起債を引き受けてくれるという金融機関がなかなか見当たらないという中で、国は借換債ですとか、資本費平準化債ということで償還期限をずっと延ばしていたところでございます。そういう手法で今、お茶を濁しているというような状況でございます。
一方で、ここに来て、政府の資金を使えばいいのですが、それ以外で民間でも外資系の金融機関ですとか生命保険会社でこのごろ起債を引き受けるようになってきたので、少々流れも以前と変わってきております。
そのような中、国においては公営企業債のうち、財政投融資で引き受けるもの、充当するもの、それから施設の耐用年数を踏まえて償還期限を延長するような措置を平成27年度からとるようなことで地方財政計画の中に位置づけております。
例えば、港湾整備で言いますと、上屋が20年だったところが31年、それから荷役の機械が15年が17年と、埠頭用地は20年から40年と、こういうふうに延ばしてきておりますので、母体負担、これでもまだ足りないところではございますが、上屋ぐらいの50年ぐらいであると大体ペイできるような状態になるのかと思っております。これも同意を受けて発行する公営企業債のうちという条件つきでございますので、全部が全部ということでありませんが、一応国としては何とかそういう方向で対処しているという状況でございます。
そういうことでございますので、今後まだ耐用年数と償還年限の違いがあるところについては、さらなる検討をしていただくよう、市としても、港湾管理者とまとまって国に要望してまいりたいと考えております。
最後にカジノの件でございますが、事務的に申しますと、確かにIR法案自体が廃案になってどうのこうのということでございますけれども、手を挙げていないと間に合わないといいますか、手を挙げなければ対象にもならないと、まな板にものらないということで、そういう意味で市長は、間に合わないという言葉を使ったものということで理解を願いたいと思います。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)医療保険部長。
○医療保険部長(藤井秀喜)済みません、1点答弁漏れがありました。
北野議員から介護のことで小規模事業所のデイサービスの介護報酬の削減の影響額みたいなものがわからないのかという御質問があったものですから、それに対して答えさせていただきます。
平成27年度の計画値をベースにして、それを2.27パーセント削減になる前と比較すると、大体差額が3,700万円ぐらいになるものですから、その中で小規模と通常という大きく分けると二つあるものですから、そこの小規模の定員割というのですか、それで案分しますと大体1,200万円ぐらいという形の影響額が算出されます。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
○22番(北野義紀議員)たくさんありますが、国民健康保険について、今、答弁がありましたけれども、1984年の時点では部長がおっしゃるとおり50パーセントあったのです、医療費に対する国庫負担の割合が。それが今32パーセントでしょう。その差を計算すれば14億円、50パーセントに戻ったとしたら小樽市に金が入ってくるというのだから、14億円ということは、2万世帯で割れば年間2万円の保険料の引下げ分に相当するのですよ。これだけ国は削ってきているのですよ。とんでもない話だと思うのです。だから、これは引き続き市長の努力で、国保は全ての市町村がやっていますから、保険者として、そういうことはもとに戻せということをやっていってください。この点が一つです。
それからもう一つは、5月末にならないと先ほど答弁にあったような理由でわからないということだけれども、部長は都合が悪いことは隠しているのさ。例えば我々がいつも言うのは、医療費を多く見積もってそれほど病院にかからなかったからといって不用額が出たとなっているでしょう。だけれども、今度の答弁では不用額については一言も言っていないのだから。使わなかった分は国に返さなければならない。それが毎年2億円ぐらいあると。そういうことであれば、その2億円があるのだということをなぜ予算説明のときに言わないのさ。だから、いくらあなたがそうやって返還額が毎年2億円ぐらいあるから、それも頭に入れておかなければならないと言うけれども、不用額についてはなぜ頭に入れておかないのさ。不用額だって億単位で出るでしょう。それが相殺されれば、幾らでも値下げできるでしょう。私の言っていることについて、それはそのとおりだとお答えになったのだから、5月の確定賦課のときに保険料が大幅に上がる、上がらないにかかわらず、下げてください。そのことを要望しますが、もう一度お答えいただきたい。
それから、介護保険ですけれども、今答弁漏れだと慌ててお答えになりましたが、あなた方からいただいた平成27年3月作成の小樽市介護保険事業計画、27年度から29年度までの分があります。そこの中の56ページ、これに第6期事業計画で保険給付費内訳を全部書いて、その合計が書いてあるのです。だから、そこから2.27パーセントで割り返していけば3億2,000万円になるのです。だから、いくらでも計算すれば出てくるのです。だから、小規模事業所が1,200万円くらいだと言うから、だからそれはメニューになくても、特定の人のことでやるのはいかがかとかと言うけれども、そんなことを言ったら、低所得者に対する対策は全部特定の人になるのですよ、交付金でやっている。だから、あなた方の言うのは、国の言っていることを否定した上に立っての答弁なのです。だから、1,200万円を、多く来た分で、多く来た分というよりも、これからいわゆる事業者を支援する分として来る分に、保険者を支援する分として来る分は昨年より上回ると言っているのだから、介護については。だから、その分で1,200万円くらい出てくるでしょう。
それで、小規模事業所が一番、今、影響を受けるのです。定員が満杯になっているところがあまりないですから、私たちが回って聞いたら。しかし、定員の少ないところのほうが実際に利用している方の御家族や御本人の話を聞いても、大きいところは職員の目が行き届かないのですよ。だから、声をかけてもらえないと。小規模のところに行ったら、声をかけてもらって生きがいを感じて、こちらがいいという人のほうが圧倒的なのですから。だから、小規模事業所を守るというのは、いわゆる在宅にシフトをするという国の大方針に沿って考えたとしても、これはやはり在宅介護を支える基本的な施設ですから、あなた方の言っている答弁というのは、特定の人に利益を図ることはできないなどというのは理由にならないですから、国の方針からいっても。
それから、限度額が言われているけれども、限度額を超えて今の事業を積み上げているわけでしょう。だから、積んでも文句を言われないのですから。だから、小規模事業者に対してそういうことをやって援助をして2.27パーセント切下げの影響を可能な限り緩和するということをやってください。再度要望しますから、お答えください。
それから、保健所に聞きますけれども、先ほどの答弁で地域医療の問題で今のところはそのようなことは出てこないという趣旨の話がありました。しかし、これは3月末で国が都道府県にガイドラインを示して、それを受けて都道府県がガイドラインをつくって自治体病院に示すのです。そこで地域医療の中でどうするかと。だから、急性期を少なくして、療養型や慢性期のほうにベッドを持っていって医療費を削減するという、そういうことが見え見えなのですから、そのために今ぎりぎりで急性期の診療科目、医師の確保もあってぎりぎりの診療科目を設定して病院も新しくしてやっているところに急性期を削れなどということはもう論外な話だということで、これは市長や保健所長がしかるべき機関で先頭に立って意見を出して、地域医療を守るようにしてください。これはお答えをいただきたい。
それから、カジノの問題で、市長が答えないで副市長が市長の答弁はこうだろうとおもんぱかって言うのは、あんなのは答弁でないですよ、市長に聞いているのだから。だから、副市長の言っていることと違うというふうに市長が言ったら、あなたの答弁は撤回しなければならなくなるのだから、そういう市長をさておいた答弁は市長から言われたからといって、それは市長が答えてくださいと言えばいいのですよ。市長が答えてください、このカジノの問題については。あなたの言っていることは後退だけれども、カジノはあくまでもやるという立場は変わっていないのではないかという指摘ですから、いや、そのようなことはありませんというふうに答えれば一番いい。
それから、保健所長に伺いますし、市長にも聞きますが、感染症防止で保健所は例えば小樽市立保育所について指導権限を持っていないと言うけれども、例えば感染性胃腸炎がノロウイルスなどが原因で発生した場合は、行って事情を聞いて、手洗いその他についてきちんとやりなさいということを指導するわけでしょう。だから、ふだんから任意であっても、チェックリストに基づいて不十分な点があればこういうふうにしたほうがいいのではないですかという提案くらいできるでしょう、指導監督権がなくても。そうやってやれば指導監督になるのですか。そんなことはないでしょう。ありがたく受けるでしょう、子供の衛生管理だもの。そんなことは保健所は余計だと言うような市長だとか福祉部長がいたら、おきゅうを据えなければならない話だ。子供の健康にかかわる問題ですよ。もう一回答えてください。
特に今回、マニュアルに基づいてやっていないという事態が生まれていたのだから、そして改善したのだから、そういうことは市長答弁でも認めているのですから、チェックリストをやってその結果を聞いて、いろいろな援助を行うということはいいのではないですか、自主的に、お互い、そういう立場を認め合った上で、権限はなくても専門的な機関からこういう意見を述べたということで、子供の健康を守る、環境をよくするということは、一向に差し支えないのではないですか。ごちゃごちゃ言う人がいたら言ってください。私も意見を述べますから、その人に。
それから、総務部長からお答えになりましたけれども、人口対策でいわゆる外注に出す問題だけれども、あれは市長と同じ答弁なのさ。それではだめだから聞いたのに同じですと言うのは、答弁ではないでしょう。市長と同じかと言ったらそうですと言うのだもの。そんなのは答弁でないよ。なぜ外注しなければならないか、そのわけを聞かせろと、納得いくように説明しなければならないから、市長の答弁だけなら不十分だから聞いたら、市長と同じ答弁ですと。そんなのは答弁でないですよ。もう一回答えてください、しっかりと。
(「市長と違ったら大変だよ」呼ぶ者あり)
それから、石狩湾新港の問題ですが、副市長が副管理者としていろいろお答えになったけれども、それは起債事業に対する償還の期間が少し短いのではないかという不満を述べているだけなの。そういうことをわかっていても、借金を返済する期間の中で使用料で全部返しなさいというのが建前でしょう、あなたが冒頭認めたのだから。その上に立って、今の岸壁だとかヤードとか、そういう起債事業の償還が計画の段階で4事業を合わせて約127億7,000万円もあるというのはおかしいというのが私の指摘なのです。貨物が入ってこなければ、それがさらに膨らむのですよ。127億円できかない。恐らく200億円以上になると思いますよ。そういうお金は全部市民の負担になるのだから、税金を払っている側から言えば、そのような無駄なことはしないでくれというのが当然でないですか。市民から預かっているお金を使うのですから、少しでも節約するという立場で考えたら、現行の制度の下で考えて計画の段階から赤字になるような計画はやめなさいと言わなければならないでしょう。
(「そのとおり」と呼ぶ者あり)
貨物が入らなかったらもっと赤字なのだから。
船のことで総務部長がお答えになりましたけれども、マイナス14メートル岸壁に245億8,000万円かけたときも同じことを言われたのです。だけれども、扱われたのはチップだけですよ。石炭も来ない。水産品は小さな船で入って使わないと。いっぱいあるでしょう。だから、あそこが管理者負担だけで借金返済期間だけで62億円の赤字が出るのですよ。それは全部、住民負担でしょう。そういう事例があるから、いくら同じようなことを言って12メートル岸壁だとか、あるいはその他の内貿貨物だとか東地区のリサイクルの問題とかといったって赤字が出るのですから、言っていることに説得力がないですよ。内貿RORO船は道央圏で扱う取扱貨物を石狩湾新港で新規に扱うと言っているのですから、しかし、苫小牧港の入っているRORO船は全部道央圏の貨物を扱うのですよ。新港がそういう計画を立てたら、苫小牧港の内貿ROROとばっちりぶつかるでしょう。どちらかが影響を受けるのですよ。苫小牧港のほうが有利になったら、新港は大赤字ですよ。だから、127億円できかない、そういう地元負担が出てくるという私の指摘のほうが現実的ですから、市民が額に汗して納めた税金を無駄には一銭も使わせないという立場で予算の執行に当たっていただきたいと。
以上の点について答弁を求めます。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)私からIRについて答弁して、あとは担当部長から。
IRの推進につきましては、私もいろいろなところへ行って調査をしたり視察をしたりしておりますけれども、やはりコンベンションホールの建設ですとか、あるいはショッピングモールあるいは劇場あるいはホテルあるいはスポーツ施設、こういったものをつくることによって大変な、面積的にもそれぞれどの程度の規模でやるかというのはひとつありますが、やはり地域振興であり、観光振興であり、何よりも雇用の場が創出できるということだと思うのです。それとあわせて税収が確保できるという問題、そういったことで今日、議員からも御質問がありますけれども、人口問題だとかいろいろなこと、財政的な問題も含めてやはりプラスに働くものが非常に多いだろうというふうに思っているのです。
(発言する者あり)
しかし、この二、三年の中で言うと、国自体にいろいろな考えがおありなのだろうと思いますけれども、IR法案を国会に上程した後、いろいろな議論の中で現在、廃案になっているという状況ですから、やはり新たなといいますか、どのような形でIR法案ができてくるのか、それに基づいてしっかりとした取組をしなければいけないのだろうと。
(発言する者あり)
まして、いろいろな団体、いろいろな方からいろいろな考えが出てきているわけですから、そういった人たちとの話合いも大事だろうというふうに思っておりますので、答弁をさせていただいたように、どういうIR法案が出てくるのか、それに基づいてそれが本当に本市のためにプラスになるのかマイナスになるのか、そういったことを見極めて、そして市民の皆様にいろいろと説明させていただき、御意見をちょうだいしながら、今後の対応について進めていくという、こういうことでございますので、御理解をいただきたいというふうに思います。
(発言する者あり)
○議長(横田久俊)お静かに。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)医療保険部長。
○医療保険部長(藤井秀喜)何点か再々質問がございました。
まず、国民健康保険の関係ですけれども、療養給付費の国の負担割合を以前の50パーセントに戻せということなのですが、確かにそういう形でやっていただけるのであれば、全国どこの保険者にとってもいい話にはなるのでしょうけれども、今、平成30年度に向けて、国保の都道府県化ということもだんだん動き出してきているということもありますし、私どもも全国市長会などを通じて、確かにここの比率自体は以前から比べれば下がってはいますが、財政支援の部分で財政調整交付金だとかいろいろな制度の中で、補填というのですか、そういう不足部分を補っている部分もございますので、今後とも全国市長会を通じて、国保そのものの赤字体質というのはなかなか解消できませんので、そこの部分はこれからも継続して要望、要請していきたいというふうに考えてございます。
それから二つ目が、基金等不用額などを利用して保険料は下げられるだろうということでございまして、不用額のことをあえて言わなかったのは、結局、不用額そのものが出ればそれは基金に積み立てるものですから、そのことは御承知ということで私は別に不用額まで話をしなかったので、意図的にということではございませんので、その点は御了解願いたいと思います。
ただ、北野議員がおっしゃるとおり、保険料を何とか下げたいという思いは私どもも同じでございますので、この拡充分以外にも保険給付だとかいろいろな部分で下げられる部分があれば、そういうものを活用して、できるだけ保険料は下げる方向では取り組んでいきたいということには変わりはございません。
それと、3番目に、地方創生先行型の交付金で小規模介護事業所の支援はできるだろうということなのですけれども、それができないなら低所得者対策でも同じだろうというようなお話でしたが、低所得者に対しては、収支の赤字を見て補うとかという事業所に対してのようなことをするわけではございませんので、そこら辺は事業所の赤字の補填とは性格は違うのではないかというふうには思っております。
(発言する者あり)
ただ、小規模事業所だけに限って支援するというのも、果たして他の介護事業所からするといいのかということもございますし、収支の赤字がどの程度出ればどういうふうに補填するのだというようなことも、算定がなかなか難しいということでございますので、特定の業界の特定の事業所の部分だけというのはこの先行型の交付金の中では……
(発言する者あり)
交付金に限って言えば、ここの赤字の補填ということで特定の業界の部分のここだけを支援するというのは、ほかの事業者からの理解も得られないのではないかという思いもありますので……
(発言する者あり)
○議長(横田久俊)不規則発言はお控えください。
○医療保険部長(藤井秀喜)私どもはこの先行型の交付金の本来の趣旨からしてもなじまないということで、この中でのメニュー出しは考えなかったということでございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)保健所長。
○保健所長(秋野惠美子)北野議員の再々質問に2点お答えいたします。
まず、1点目でございます。医療の関係でございますが、現在の急性期医療の病床数が大変多く、その次の亜急性期が非常に少なく、慢性期はややあるという、この状態を急性期医療から亜急性期のほうにシフトするようにというのが大きな考え方でございます。急性期医療の医療機関だけで治療が完結する疾病ももちろんございますけれども、脳梗塞等は急性期医療機関だけでは治療が完結いたしませんで、亜急性期の治療、慢性期の治療を必要とされるという患者の方がたくさんいらっしゃるというのも、また現実でございます。
国として全体の医療の動向、現状を詳しく考えた上で、将来にわたってこの形を維持していくということは必ずしもよくないということで亜急性期を増やしてはどうかという大きな方針が出されたわけでございますが、今、進められているのは、各都道府県の現状においてどうであるのか、都道府県において現状分析をして考えるようにということでございますので、この北海道においてどういった病床のあり方がいいのかがこれから検討されるところというふうに考えてございます。その道の考え方に沿って各2次医療機関ごとに、では、それぞれの2次医療機関がどのような形がいいのかという形でこれから検討が進んでいくところでございますので、一刀両断に全国を金太郎あめのようにこのようにすべしということではなくして、それぞれの地域においてその患者の病気のあり方等を踏まえた上で、どういった病床がいいのかという検討がされるものというふうに私は理解しているところでございます。
それから、感染について申しますと、議員がおっしゃいましたように、提案してもいいのではないかと。そのとおりでございまして、私ども、小樽市民に対して感染症の予防のために、対策のために種々のことを提案している立場でございます。
今回の感染症対策チェックリストにつきましても、それをごらんいただきました関係各位がこのようにしたらどうかと、あるいはこうするためにはどうしたらいいのだろうかと、いろいろな御意見をお寄せいただくことを切に待っているところでございますので、そういった御要望に対しては全て応えていきたいというふうに考えてございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)福祉部長。
○福祉部長(三浦波人)公立保育所を所管する私から関連してお答えいたします。
公立保育所の感染症対策、これは保健所からいただいたチェックリストですとか、それから厚生労働省のガイドライン、こういったものを活用して今後も感染症対策には取り組んでまいりますけれども、具体的に対応の効果とか、いろいろと不明な点などがありましたら、これは随時保健所にお尋ねするなどして相談をさせていただくというような形で対応してまいりたいというふうに考えています。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)総務部長。
○総務部長(迫俊哉)再々質問にお答えいたします。
私からは、地方版総合戦略の策定経費にかかわる外注の件でございますけれども、この総合戦略策定関係経費といいますのは、地方人口ビジョンと地方版総合戦略を策定するということでございますが、非常に限られた時間の中でやっていくということで、体制的にも非常に難しいということで一部を外注させていただくわけですけれども、その外注する中身といいますか、内容につきましては、我々ではできない分析ですとか、推計の部分、それから会議等にかかわる資料の作成、そういったような部分を外注するということで考えておりますので、先ほどもお答えさせていただいたように、人口対策の核となる施策につきましては、人口対策庁内検討会議なり、小樽市人口対策会議の中で出された御意見を踏まえまして、市が策定していくということになりますので、その中で独自性は発揮させていただきたいというふうに考えているところでございます。
それから、石狩湾新港の関係でございました。内貿のお話もされておりましたけれども、我々といたしましても検討部会というのがございまして、この内貿については新港管理組合に対して意見を申し述べてきております。ほかの港から石狩湾新港に荷物を持ってくるということにつきましては、基本的にはゼロサムの話でして、北海道全体として荷物が発生するわけではないですし、北海道全体の発展に寄与するわけではないということで、管理組合に対しては、そのことについては申し上げてきたところでございます。当時、北海道開発局も出席しておりましたけれども、国としてもそういった観点で考えているという御回答をいただきまして、結果としては内貿のバースにつきましては、既定計画どおりというふうにされたところでございます。
いずれにいたしましても、四つの事業がありまして、それぞれ推計貨物量が今回出されておりまして、港湾計画の中に施設計画が位置づけられていくわけですけれども、今後、事業化に向けましては、実際に今貨物が動いているわけではありませんので、直ちに整備にかかるということではございませんが、将来に向けて整備が視野に入った段階では、社会情勢の変化なども捉えまして、既存の施設の有効利用については管理組合には引き続き申し入れていきたいというふうに考えているところでございます。
(「議長、22番。議事進行について」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
○22番(北野義紀議員)質問と答弁を聞いて議長も疑問を持ったのではないかと思うのですが、例えば今、総務部長が答弁された花畔地区の掘り込みのところ、既定計画どおり3バースをつくって、荷さばき地もつくると。だけれども、同じ答弁の中で北海道開発局も北海道全体として貨物が延びるわけではないと言っているのだから、そこへ石狩湾新港が今扱っていない内貿のコンテナをがっぱり扱いますよというのだから、ほかの港とバッティングするのははっきりしているのではないですか。北海道全体で変わらない貨物量の中で、新港は札幌圏と言っているのですから、道央圏というか、それは今全部苫小牧から入ってきているのですよ。それを石狩湾新港で扱うということになれば、奪い合いになるのでしょう。だから、同じ答弁の中でつくる必要はないという根拠が明らかなのに、なぜそういう答弁をするのかという疑問があるのですよ。これは聞いている私も全く納得できませんから、議長においてきちんと納得する答弁をするようにお諮りいただきたいと。
○議長(横田久俊)ただいまの北野議員の議事進行でありますが、私が聞いている限りでは、理事者も答弁をしっかりしていると思います。ただ、北野議員のいろいろな思いといいましょうか、御意見もそれはお持ちでしょうから、それに対して期待される答弁がないということは、これは議会の質問答弁ではあることですので……
(「私の言うとおりに答えれなんて言っていないよ」と呼ぶ者あり)
いや、そんなことは言っていませんけれども。それで予算特別委員会等がこれからございますので、深い部分はそこで詰めていただきたいと思います。全く答弁をしていないということではありませんので、その辺を御了解願います。
(「ごまかしの答弁だ」と呼ぶ者あり)
いやいや、ごまかしではないですよ。
(「私の思うとおりに答えれなんて一言も言っていないですよ」と呼ぶ者あり)
いやいや、それは言っていなかった、それは間違えました。ただ、御意見があるのはということですので。
(発言する者あり)
はい。よろしいですか。
(「よろしくないけれども、終わります」と呼ぶ者あり)
北野議員の最後の代表質問になると思います。お疲れさまでございました。
以上をもって本日の会派代表質問を終結し、本日はこれをもって散会いたします。
散会午後5時20分
会議録署名議員
小樽市議会議長横田久俊
議員秋元智憲
議員新谷とし