開議午後1時00分
○議長(横田久俊)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、松田優子議員、山口保議員を御指名いたします。
日程第1「議案第2号ないし第14号及び第16号ないし第22号並びに報告第1号並びに平成26年第3回定例会議案第6号ないし第20号並びに請願及び陳情並びに調査」を一括議題といたします。
これより、順次、委員長の報告を求めます。
まず、予算特別委員長の報告を求めます。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
(22番北野義紀議員登壇)(拍手)
○22番(北野義紀議員)予算特別委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
介護保険については、来年度からの制度改正の内容を反映させるため、今定例会に議案として介護保険事務処理システム改修経費が計上されているが、例えば予防給付費の見直しなどは、平成29年度から実施されるにもかかわらず、今から改修するのはなぜなのか。
また、市内の居宅支援事業者からは、グループホームや特別養護老人ホームなどの施設の利用状況を把握し、あきを探すことは非常に困難であるとの声を聞く。今後、地域包括支援センターを1か所増設するというが、センターがそういった情報を的確に把握し、必要とする事業者などに提供できる仕組みづくりを検討すべきと思うがどうか。
議案第13号を含むリンク方式を採用した条例については、引用した政省令の改正により自動的に変更されることから、議会の議決権を侵害するものであると指摘してきたが、このたび議決権の確保を図るべく改善の方向が示されたことは、一定評価できるものである。しかしながら、リンク方式は、国の方針をそのまま自治体に適用するという、地方自治の精神を損なうことに道を開くものである以上、その採用は納得できるものではないが、市は、このことをどのように考えているのか。
本市の放課後児童クラブは、土曜日を拠点校方式で実施しているが、拠点校が自宅から離れているため、実家や親類に頼らざるを得ないとの声がある。議案第13号小樽市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例案で基準としている厚生労働省令には、最低基準の向上とともに、「児童の保護者の就労日数、小学校の授業の休業日その他の状況等を考慮して」とうたわれていることから、拠点校方式をやめ、必要とされるクラブにおいて土曜日も開所すべきと思うがどうか。
また、市教委は、このような状況を全く把握していないことから、来年度の入会申込みに当たって、土曜日の利用についての具体的な状況把握に努めるというが、その際、保護者が自由に記載できる欄を設けたアンケートを実施すべきと思うがどうか。
本市の人口対策については、8月に設置された人口対策庁内検討会議に続き、11月には学識経験者や公募の委員などで構成された小樽市人口対策会議が設置され、来年10月までに検討が進められるという。この会議には、医療や福祉の関係者が参加していないが、今後、この分野の意見を反映させる機会を設ける考えはないのか。
また、人口減少に歯止めをかけるためには、市民にも問題意識を持ってもらい、参画してもらうことが不可欠であることから、広く市民からアイデアを募るなど、全市を挙げて取り組むという雰囲気を醸成する手だてが必要と思うがどうか。
どの自治体においても人口減少は大変重要な問題であり、本市でも、特に若い世代の減少が大きいことから、関係部署が集まり対策を検討しているとのことだが、本市における若い世代の転出要因は把握できているか。
減少のさまざまな原因を把握した上で、それらを対策に活用していくことが必要だと思われることから、市には、転出される方からアンケートをとるなどして情報の把握に努めてほしいと思うがどうか。
人口対策については、市として今後どのような戦略で進めていくのか明確に示されているとは言えないが、現時点で戦略としての基本的な考えがあるならば、前向きに示してほしいと思うがどうか。
また、えりも町における昆布のように、本市の柱として成り立つような産業を興させるなど、より戦略的に雇用を創出するための仕組みづくりに取り組むことが大切だと思うがどうか。
若年者層のひきこもりなどについては、各分野の担当課で構成される連絡会議を設置し、既に1回目の会議を開催したと聞くが、議論の内容はどうであったのか。
今後、ニート・ひきこもり・不登校などの対策を実施するに当たり、市としての構想や計画の策定が必要と思うがどうか。
また、他の自治体で行っているような現状把握のための調査を行うことや一本化した事務局を設けることを要望するがどうか。
来年度の当初予算については、統一地方選挙の関係で、いわゆる骨格予算となると思うが、予算編成の方針はどのようになっているのか。
特に市民と語る会で要望が多かった街路灯のLED化については、今般、さまざまな手だてを組んでいただいていることが答弁で明らかとなったが、市は、それらを骨格予算にどの程度反映し、3年間の事業をどう担保していく考えなのか。
全国学力・学習状況調査の結果を受け、菁園中学校や手宮西小学校ではPTAや保護者が主体となり説明会が開催されたと聞くが、どのような内容だったのか。
市教委においては、音読カップに取り組む築校小樽塾に参画する熱意ある方々の協力を得るとともに、教員の研修への参加機会の確保を図り、学校間での指導力のばらつきをなくすなど、本市児童・生徒の学力向上に向け、今後とも努力してもらいたいがどうか。
土曜授業については、全国・全道において実施する学校が急速に増えてきているが、本市における実施について、保護者や市民からは、これまでどのような意見があったのか。
また、学力向上に向けては、既存対策の充実だけではなく、ソフト・ハードの両面で新たな取組を行うことが大切だと思うが、土曜授業や小中一貫教育など、新たな教育の考え方に対し、市教委はどのような認識を持っているのか。
新しい調理設備が導入された学校給食センターの開設により、学校給食のメニューが増えたと聞くが、その後、残食の状況はどのようになっているか。
給食は自然の恵みであるということ、また、好き嫌いをなくすということや食育という観点からして、残食が出ないように取り組むべきであると思うがどうか。
どのように調理すれば食べてもらえるかを考えるためには、現場の声を聞くことが大切であることから、まずは児童・生徒や教職員にアンケート調査を行い、好き嫌いを把握することが必要と思うがどうか。
市教委では、フッ化物洗口の全校実施に向け、平成27年度にモデル校を指定して実施し、問題点などを検証するとしているが、指定するモデル校は既に決まっているのか。
また、全校実施の時期については、モデル校での実施状況を1年程度検証した上で判断するとしているが、早期に全校実施できるよう、他の自治体の実施効果も勘案しつつ、速やかに検証してほしいと思うがどうか。
市教委は、おたる自然の村公社の協力の下、からまつ公園で歩くスキーのコース整備や用具貸出しを行っているが、毎年の利用者数はどのくらいあるのか。
また、貸出用具の中には相当傷んでいるものもあると思われるが、メンテナンスはどうしているのか。
現在、コース整備については、スノーモービルを使って行っているとのことだが、利用者からは、それだけでは不十分との声が聞かれる。歩くスキーの振興は、冬季の健康維持の観点からも必要であると考えられることから、圧雪車の導入など多額の費用をかけないまでも、何らかの工夫をすることで整備状況の改善に努めてほしいと思うがどうか。
社会経済構造が変化する中で、本市は、人口の減少をはるかに上回る勢いで経済が落ち込んでいる。これを食いとめるには、観光で地域外から消費を呼び込むとともに、後志の1次産業と本市の2次産業が一体となって新商品を開発し、本市のブランド力を利用して地域外へ販売することを政策的に行う必要があると思うがどうか。
また、地域経済を維持するには、地域内での経済循環が不可欠であり、そのためには木材や食品廃棄物など、地元で得られるものを利用したエネルギーを自給することが必要と考える。このような新たな経済構造をつくっていかなければ、自治体の存続自体が危ぶまれることから、市は、積極的な政策提言を道や市長会に行うとともに、共同で研究・検討してほしいと思うがどうか。
小樽観光の振興には新たな拠点の整備が必要であり、特に天狗山、小樽港、旧国鉄手宮線の3地区が大きな役割を果たすと思われる。天狗山の再開発については、事業化に向けた検討が行われており、小樽港についても、第3号ふ頭及び周辺再開発計画が取りまとめられているところである。一方、旧国鉄手宮線については、新たな景観形成が非常に重要となる中、一応、来年度で市の整備が完了することとなる。しかし、現状では沿線に歴史的資源がないことから、国の事業を活用し、沿線の廃屋群をシェアハウスなどに活用できれば、地元学生や外国の若者たちの交流空間となり、新たな拠点になり得ると思われる。市には、これら事業の実現に向け、関係機関に強く働きかけてほしいと思うがどうか。
現在の廃棄物最終処分場は、かさ上げによる延命対策を行うことにより、当初の計画より10年程度延命できると聞くが、かさ上げにはどの程度の費用が必要なのか。
また、新たな最終処分場を建設するとなれば、延命対策以上の費用が必要になると見込まれることから、延命対策は財政面でも効率的な施策であると思われる。延命対策が積極的に進められるよう、しっかりと財政措置をしてほしいがどうか。
平成25年度事業評価の中で休廃止・終了と評価された生活支援ハウス運営事業については、事業費1,230万円のうち850万円は地方交付税が算入されているにもかかわらず、評価調書にその記載がなく、あたかも一般財源と入居者負担金のみで賄われているかのように表現されている。これでは正確な評価がなされないように思うが、市は、高齢者福祉の増進という本来の事業目的より、財政事情を優先して評価を行ったのではないか。
調書には、平成29年度までに廃止のめどをつけたいとの見込みが記載されているが、新たな転居先が見つからない場合はどうするつもりなのか。
また、たとえ廃止となったとしても、高齢者を放り出すような対応は許されないと思うがどうか。
障害者タクシー利用助成の対象となる障害者の中には、この制度を利用せず、バスやJRを利用しているケースがあると聞いている。この方たちの社会参加に対して行政は何のかかわりも持っていない状態であるが、このことについて、市は、どのように考えているのか。
また、今後の障害福祉計画の策定に当たっては、制度を利用していない方から不公平感があるなどの意見もあることから、各事業内容に関するアンケートを実施するなど、障害者の意向を聞いた上で、事業の見直しも含めて考えていくべきと思うがどうか。
発達障害などの懸念がある幼児については、3歳までは保健所の健診を通じて、その後は保育所や幼稚園を通じて行政とのかかわりを維持できることになるが、保育所にも幼稚園にも通わない場合には、行政が関与できない空白期間が生じることになる。少子高齢化で核家族化が進み、近隣との関係が希薄になっている中、支援の目が届かない家庭で問題を抱えているケースも多いと考えられるが、市では、こういった実態を把握しているのか。
また、把握していないのであれば、調査する必要があると思うがどうか。
本市におけるがん検診の受診率は、健康増進法に基づいて保健所が実施した検診での数値であるが、非常に低い率であると聞く。しかし、人間ドックなど、任意でがん検診を受ける方も多く、そうした人数が含まれていない受診率は実態とかけ離れていると思うがどうか。
受診率向上の新たな取組として、乳幼児健診に来られた保護者にチラシを配付し、受診を呼びかけたというが、効果のある対策を練るためには、任意の検診を含めた総合的な実態を調査する必要があると思うがどうか。
街路灯LED化の新たな助成制度については、現行の規則とは別に、特例として3年間限定の要綱を定めて実施するとのことである。市内の街路灯は約1万3,000灯あることから、1年当たり4,000灯以上を交換することになるが、市内での経済効果をより高めるため、施工業者を市内業者に限定する考えはないか。
また、1年当たりの助成件数が現在の件数から大幅に増えるとともに、委任払いも行われることから、原課での業務量急増が見込まれるが、現人員のままで対応できるのかしっかりと検討し、事務処理がスムーズに進むようにしてほしいと思うがどうか。
降雪期を迎えると、長期間放置された空き家に雪が積もり、崩落等のおそれが生じることから、市が危険な空き家を把握した場合は、所有者に対して建物の安全管理を指導するという。しかし、市の要請に速やかに対応する所有者ばかりとは限らないことから、地域住民の安全確保のためには、パトロールによる小まめな情報収集とともに、危険家屋の近所の方々に状況を説明していく必要もあると思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、議案第4号及び第13号につきましては、採決の結果、賛成多数により、いずれも可決と決定いたしました。
次に、その他の各案件につきましては、議案はいずれも可決と、報告は承認と、全会一致により決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)8番、川畑正美議員。
(8番川畑正美議員登壇)(拍手)
○8番(川畑正美議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、議案第4号平成26年度小樽市介護保険事業特別会計補正予算及び議案第13号小樽市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例案については否決を主張して討論を行います。
議案第4号平成26年度小樽市介護保険事業特別会計補正予算についてです。
介護保険については、要支援1・2の訪問介護と通所介護を介護保険給付の対象から外し、市町村事業へ丸投げし、特別養護老人ホームへの入所を原則、要介護3以上に限定し、所得によって介護保険サービスの利用料を2割に引き上げ、低所得者でも預貯金等があれば施設の居住費、食費を補足給付しないなど、改悪が予定されています。
介護保険事務処理システム改修提案は、改悪を進める介護保険に対応するためのシステムに改修するもので、賛成できません。
安倍政権は、制度の存続が危ぶまれると脅し、保険料を2025年度には8,200円程度に上昇させるとして、大改悪を迫っています。多くの国民からは、介護保険は、保険料を徴収しておきながらサービスが使えなくなるため、国家的詐欺という声も聞かれます。
介護保険制度は、サービス利用の増加が保険料の値上げに直結する欠陥を抱えています。保険料が値上がりし続けるのは、国庫負担の割合が低く抑えられているためです。日本共産党は、国庫負担を増やし、抜本的に改正することを提案しています。
議案第13号小樽市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例案についてです。
設備基準のうち、専用区画面積は、国の基準では、児童1人につきおおむね1.65平方メートルですが、小樽市の場合、一般児童の使用する児童館との併用を実施している施設があり、国の基準だけで判断することに困難があるとして、第4条に「市長がやむを得ないと認める場合は、この限りではない」と加えています。この点については、今後の施設拡充を期待します。
学校で開所している放課後児童クラブの開設日数については、土曜開所は4、5月のみに限られており、その後は拠点校方式になっており、開所日数は1年につき250日はクリアしているとはいえ、土曜日の拠点校方式は全道各市と比べても小樽市だけであり、今回の改正時にこそ、保護者の労働実態に合わせ、保護者の声を聞き、土曜開所を増設して改善を図るべきではないでしょうか。
また、今回の条例提案もリンク方式であり、議会の議決権を奪う仕組みであり、反対です。
以上、議員各位の賛同をお願いし、討論といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、議案第4号及び第13号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、決算特別委員長の報告を求めます。
(「議長、27番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)27番、前田清貴議員。
(27番前田清貴議員登壇)(拍手)
○27番(前田清貴議員)決算特別委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
石狩湾新港の港湾計画改訂に向け、西地区においてマイナス12メートルバースとその背後地の埠頭用地の造成が計画されている。これは、今後、輸出米や風力発電資機材の取扱量が増加することを想定してのことというが、輸出米については、過去5年間の年平均取扱量が約8,000トンしかないにもかかわらず、10年後には約12万トンに増加すると推計し、また、風力発電資機材については、北電の風力連系可能量を全く考慮せず、今後30年間、毎年76基分の資機材が陸揚げされ続けると試算するなど、あり得ない貨物量の増大を前提としているものである。このような根拠のない改訂が行われた場合、管理者負担がますます増大していくことは明白であることから、市は、絶対に改訂を認めてはいけないと思うがどうか。
石狩西部広域水道企業団からの1日平均受水量については、昨年度実績1,170トンなのに対し、平成47年度目標値が2,282トンとなっている。こうした計画に対応するためには、現行の地下水利用組合企業が簡易水道に切り替えた上で、さらに利用企業を増やしていかなければならないことになるが、新港小樽市域において操業する企業が増えていく見通しはあるのか。
また、実際に使われていない分の受水費まで支払っているという現状や、計画目標を達成できるほど多くの企業を誘致できるとは思えないことから、そもそも計画が過大であったと思われるが、今後も簡易水道事業特別会計で一般会計からの繰入れが増加し、市の財政が圧迫されるのではないかと懸念するがどうか。
広告料収入の決算額は、予算現額と比べ、収入済額が約100万円減額となっているが、この要因は何か。
広報おたるやホームページへの広告掲載のほか、納税通知書の封筒への広告も減るなど、広告募集に対して掲載を希望する企業が集まらなかったことが一つの要因であるとのことだが、自主財源を確保するためにも、広告を掲載することによる付加価値をアピールするとともに、新たな媒体の掘り起こしについても積極的に取り組んでもらいたいと思うがどうか。
本市の教育費については、道内他都市と比べ、決算総額に占める割合や人口1人当たりの財源充当額が低いことから、教育に力を入れていないと判断されかねないと思われるが、これらの数字についてどのように考えているのか。
一方、施設整備により一時的に教育費が膨らんでいる自治体もあり、この数字だけでは単純に比較できないものと思われることから、各都市のハード、ソフトそれぞれの費用について調査し、本市がどのような部分に費用をかけているのかをしっかりと把握する必要があると思うがどうか。
また、人口対策庁内検討会議において、人口減少の要因として教育面を指摘された場合、経費の配分を大幅に見直さなければならないことになると思うが、このような検討会議の結果を今後の予算編成に反映させることができるのかどうか。
情報モラル教育に関連し、現代社会では、いわゆる情報媒体が急速に増えているが、特に情報の取捨選択ができない発達段階の子供たちへのスマートフォンなどによる影響が危惧されている。市教育委員会は、ネットパトロールを通じて、発覚した個人情報の流出や誹謗中傷に係る事案についてきちんと把握しているのか。
平成25年に、個人情報の流出が95件、誹謗中傷が3件あったと聞くが、これらについては事態が深刻化しないよう速やかに対応すべきと思うがどうか。
また、いわゆるネット依存症について懸念される中、全国学力・学習状況調査によれば、本市は子供たちの携帯電話やスマートフォンの利用時間が長いという結果が出ているが、これらの問題に関しては、単に児童・生徒への指導にとどまらず、保護者に対してもインターネットの怖さを周知する必要があると思うがどうか。
学校給食費については、常習的な未納者も相当数いると聞くが、きちんと納付している保護者との間に不公平が生じることは問題である。これまで市教育委員会では、どのような対策に取り組んできたのか。
また、未納者への直接の折衝は学校が行い、学校給食センターは督促文書を発送しているとのことだが、学校現場では、児童・生徒の学力向上など、ほかに取り組むべき課題を多く抱えていることから、未納者に対しての交渉については、給食センターが直接行うべきだと思うがどうか。
給食会計の繰越金については、平成25年度当初に2,300万円あったものが、26年度当初には1,200万円まで減少しているが、これは食材価格の高騰による材料費の不足分を繰越金で補ったことが主な要因であるという。このようなことは、不測の事態とはいえ、今後も起こり得ることと思われるが、そもそも繰越金を材料費の不足分に充当することがきちんとルール化されているのかどうかについて、市教育委員会としてはどのように考えているのか。
また、今後、材料費の不足額が繰越金以上の額となった場合、どのように対応するのか。
このように繰越金の使途や教職員による未納者への対応などに係るふぐあいは、給食会計を私会計で管理することによって発生していると思われることから、市教育委員会には公会計化に向けた検討を進めてほしいと思うがどうか。
学校給食センターでは、食育とともに、よりおいしい給食を提供することにより残食を減らしたいとしている。確かにおいしい給食の提供も重要ではあるが、教育の一環としての給食を考えた場合、好き嫌いにかかわらず、食べ物を残さないということについての指導が大切だと思うがどうか。
また、国が定める学校給食衛生管理基準では、調理後から給食開始までの時間を2時間以内と定めている。平成25年度における塩谷中学校の配送体制は、その基準を満たしておらず、改善が必要であったと思われるが、26年度においてはどのような改善が図られたのか。
銭函中学校のグラウンド敷地については、年間約340万円で借り上げているという。同校は、銭函地区唯一の中学校であり、今後も存続していくであろうという状況の中で、この敷地が将来も必要であると考えられることや、開設から60年以上が経過し、これまでの借上料が相当な金額になっていることを考慮すれば、市教育委員会には、敷地の取得に向け、前向きに所有者との交渉を進めてほしいと思うがどうか。
長橋小学校に設置されている太陽光発電設備は、環境教育の授業などに活用されており、市教育委員会も、その教育的効果については認識しているという。一方、このたび新築された手宮地区統合小学校においてその導入が見送られたのは、建設費の選択と集中の観点からであるというが、具体的にどのような判断がなされたのか。
環境教育への活用という面での導入目的を考えると、それほど費用がかからない小型の設備でも教育的効果は達成できると思われる。現在、新築が検討されている山手地区統合小学校については、教育への投資という意味からも導入を検討してほしいと思うがどうか。
近年、登下校中の児童・生徒が事件や事故、災害に巻き込まれたとの報道を目にするが、本市においても、災害共済給付制度に基づく登下校時の事故などが報告されているほか、学校適正配置により長距離通学となることの影響も懸念されるところである。こうした中、登下校中の児童・生徒の安全は、大人たちの責務として何を差しおいても守らなければならないことであることから、市教育委員会には万全な体制で対策に取り組んでほしいと思うがどうか。
平成25年度「おたる自然の村」運営事業費が約7,216万円であるのに対し、使用料収入は約1,467万円であり、一般会計から管理代行業務費等として6,800万円の持ち出しを行っていることになる。多くの市民が利用した上での持ち出しであれば納得できる面もあるが、特に宿泊に関しては、市内の小・中学校が研修会などで利用しているものの、一般市民の利用が非常に少なく、そもそも自然の村をよく知らない市民も多いと聞いている。市は、現在の自然の村の実態をどのように考えているのか。
また、管理代行業務費等6,800万円のうち、約3,675万円は人件費であると聞く。現在、自然の村には公社の正規職員5名が常勤しているが、清掃などは別途業務委託していることを考えると、5名も常勤する必要があるのか疑問であるがどうか。
また、公社に対し約5,700万円の税金を支出している以上、それに見合った成果が出なければ、市民の理解が得られないと考える。公社との指定管理の契約は平成27年度までだが、次回の契約に向けては、職員の適正配置による人件費の抑制を含め、民間経営の導入など、効率的な運営に向けた検討を行うべきと思うがどうか。
また、管理代行業務費等を単純に入場者数で割ると、1人当たり約2,500円を市が負担したことになる。市外からの入場者が4分の1を占めている現状からすれば、結果的に市外の人に係るコストも市民の税金から負担していることになるが、このことについてどう考えているのか。
いずれにしても、年々利用者が減少していることから、市民のニーズや利用形態を正確に把握した上で、事業形態そのものを見直すとともに、今後の運営についてしっかりと検討してほしいと思うがどうか。
海水浴場対策費の遊泳禁止などを示す看板やブイなどの設置や撤去に係る経費については、安全対策に伴う看板設置関連経費として11万6,130円計上されたと聞いている。今年の夏、本市においては、海水浴場以外の場所での遊泳による死亡事故が発生しているが、海水浴客の安全を確保するためには、遊泳禁止場所で泳がせない対策が必要であると思われることから、今後ともこうした安全対策に継続して取り組むとともに、古い看板などについてはわかりやすいデザインのものに更新するなど、より一層の啓発に努めてほしいと思うがどうか。
沿岸漁業振興対策のとど被害防止対策事業では、トドが準絶滅危惧種に指定されていることもあり、被害状況と比べて駆除の割当てが少ないと思われるが、本市に割り当てられている頭数と実績はどうなっているのか。
特に、今年度は、ニシンの漁獲高の落ち込みに影響していると言われているが、その被害状況についてどのように認識しているのか。
また、密漁被害については、先日、釧路市での大規模な摘発が報道されたところであるが、本市が増産に努めているウニやアワビの密漁被害の実態及び対策はどのようになっているのか。
し尿処理収集運搬委託料は、水洗化されていない世帯の減少に伴い、くみ取り量が大幅に減っているにもかかわらず、車両体制を維持するための経費などの関係もあり、5パーセントの減少にとどまっていると聞く。収集運搬に一定程度の経費がかかることは理解できるが、今後も対象世帯の減少が予想される中にあっては、委託料の根拠となる経費を厳密に把握した上で、業者の考える必要経費との一致点を協議する時期に来ていると思うがどうか。
国民健康保険事業特別会計における一般被保険者療養給付費については、前年度に比べ約1,487万8,000円減少しており、この主な要因は、被保険者数の減少と考えているとのことだが、実情は高い保険料と医療費負担のために国保加入者が受診を抑制しているからなのではないか。
また、同会計は、国からの支出金が少ないことに加え、後期高齢者支援金等や介護保険納付金が増加傾向にあることから、今後も保険料の引上げが見込まれるが、低所得者の負担を軽減するためにも、国に対し、支出金を増額するよう積極的に申入れを行ってほしいと思うがどうか。
小樽市老人クラブ連合会に交付している補助金には市老連事務局の人件費が含まれているが、実態として事務局長1名だけで業務を行っており、大変多忙であることから、市老連からは、人件費の増額や事務局の体制強化についての要望があったと聞く。しかし、現下の厳しい財政状況から、補助金を増額することはできなかったとのことだが、さらに高齢化が進めば、老人クラブの活動は、高齢者のやりがい、生きがいを見いだす場としてますます重要になることから、要望については前向きに検討してほしいと思うがどうか。
ファミリーサポートセンターについては、平成23年の開設以来、依頼会員、提供会員ともに登録数は増加しているものの、利用割合は減少傾向にある。市は、依頼会員の就労状況など、生活環境の変化が利用を左右する一因であるとしているが、依頼会員と提供会員の居住地域のバランスを分析するなど、登録が利用に結びつかない理由をしっかりと把握する必要があると思うがどうか。
また、本事業は、働く女性が従前から強く望んでいたものであることから、こうした分析を踏まえ、より充実した制度になるよう努めてほしいと思うがどうか。
保育料の収入未済額は、年々減少しているものの、平成25年度では、約4,400万円に上っている。市は、収入率の向上に向け、滞納の早期把握などに努めるとともに、就労状況など、個別の事情に応じた分割納付のほか、電話催告や夜間訪問などを継続的に行っているというが、もう少し厳しい徴収方法を考えてみてはどうか。
保育料は、保育所の運営に必要な経費であり、いわゆる応能負担であるのだから、保護者の理解と協力を求めながら、収入率が100パーセントに近づくよう取り組んでほしいと思うがどうか。
保育士等処遇改善事業は、保育士の処遇改善に取り組む民間保育所に資金交付を行い、保育士を確保することを目的とした事業で、市内全ての民間保育所が申請し、補助金の交付を受けたという。しかし、保育所では、補助金を保育士の本俸を改善するためではなく、一時金として支給したため、この事業が根本的な処遇改善につながったのか疑問が残ることとなった。処遇改善のためには、保育所の経営費用そのものに対する手だてが必要だと思うがどうか。
この事業は、平成26年度も行うとのことだが、国が直接、保育士の賃金を下支えするという現行の事業形態に疑問はあるものの、処遇改善は取組を継続しなければ意味がないことから、今後も事業を継続してほしいと思うがどうか。
新聞報道によれば、今年1月から6月までの間に、18歳未満で虐待を受けている疑いのある子供が全国で1万3,000人を超え、過去最多になったとのことである。こうした中、本市の事務執行状況説明書には、家庭児童相談等における児童虐待相談件数が56件と記載されているが、そもそも虐待の定義とはどのようなものなのか。
また、少子化が社会問題となり、子供は宝と言われながら、一方で虐待件数が増加することはゆゆしき事態と言わざるを得ない。市には、関係機関と連携の上、虐待防止に鋭意取り組んでもらいたいと思うがどうか。
最近、危険ドラッグの乱用による事件や事故が深刻な社会問題となっているが、市は、市内で問題となっている事例や販売の実態を押さえているのかどうか。
また、若年層への蔓延が危惧される中、青少年向けの啓発強化が求められているが、昨年度、青少年課が実施した啓発グッズの配布や薬物乱用防止委員会が開催したパネル展だけでは、その効果が不明である。一方、保健所は、小・中学校を対象に薬物乱用防止に関する啓発活動を行った実績はあるものの、高校や大学に対しては依頼がなければ実施しないという姿勢である。理由として、警察が中心となり、国や道が対応しているため、市単独での取組は難しいとのことだが、市としても、若年層に向けた啓発活動を積極的に行うべきと思うがどうか。
平成25年度に実施した保健所の健康情報に関する意識調査については、無作為に抽出した対象者に郵送する方法で行ったとのことだが、回収率が32パーセントにとどまっていることから、今後の調査においては、郵送が適しているのかどうかを検証するとともに、ほかの方法についても検討すべきと思うがどうか。
また、自由記載の欄には、保健所の敷居が高い、身近に感じられないといった厳しい意見が記載されているが、職員が足を運んで直接回収すれば結果が異なることも考えられることから、マイナスの評価を重く受け止め、今後の運営に役立ててほしいと思うがどうか。
株式会社アール・アイへの貸付けは、稲北地区の再開発事業を行うための資金として、住宅金融公庫の協調融資の要請に応じたものである。もともとは、平成10年度と11年度に3億5,000万円、以降、毎年度1,400万円ずつを減額しながら単年度貸付けを25年間繰り返す計画であり、現在も続いているが、そもそも市が民間企業への貸付けを繰り返すこと自体、問題であると思うがどうか。
また、平成18年度以降、必要最小限の資金を貸し出す方法に見直したため、25年度の貸付額は4,000万円と、当初の計画よりも大幅に少なくなっている。この機会に、金融機関からの融資に変更するよう指導すべきと思うがどうか。
近年、全国的な気候異変による局地的な豪雨がしばしば発生していることから、国は、盛んに防災事業の推進を呼びかけており、国や道が管理する河川については、上流部にダムがあるにもかかわらず、河口部から上流部まで3面張りにした上にしゅんせつまで行っている状況にある。一方、市が管理する普通河川に対しては、国の財源措置がなく、銭函地区河川防災事業についても単費で行ったと聞いている。防災事業を呼びかけている国が、みずからは過大とも思われる投資をしながら、市に対しては一切の補助もないというのは理不尽とも思われることから、国に対し、予算措置をするよう強く要望してほしいと思うがどうか。
事務執行状況説明書の除排雪に関する記載項目は、平成23年度までは除雪事業1項目のみであったものが、24年度からは「凍結路面対応」や「市民への説明会等」などの4項目に増え、改善されてきていることは評価するが、市民との協働事業である貸出しダンプ制度については何も記載されていない。借り上げ車両の種類や台数、排雪した距離数などについて記載すべきと思うがどうか。
また、事務執行状況説明書は、全ての事業において、当該年度の内容のみが記載されているが、行政の連続性や事業の改善につなげるという観点からは、経年変化の把握ができるよう、掲載の仕方を工夫してほしいと思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、平成26年第3回定例会議案第6号ないし第10号及び第12号ないし第20号につきましては、採決の結果、賛成多数で、いずれも認定と決定いたしました。
次に、平成26年第3回定例会議案第11号は認定と、全会一致により決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
(7番小貫元議員登壇)(拍手)
○7番(小貫元議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、2014年第3回定例会議案第6号ないし議案第20号のうち、議案第11号土地取得事業特別会計歳入歳出決算認定についてを除く議案について不認定の討論を行います。
最初に、議案第6号小樽市一般会計歳入歳出決算認定についてです。
2013年度は、第6次総合計画の前期実施計画に掲載された新・市民プールの実施設計まで行う事業を取りやめました。石狩湾新港では、マイナス14メートル岸壁の荷役作業に影響がないのに、静穏度が保たれていないといって北防波堤の延長工事が続けられています。この工事の事業費は、2012年度より8,800万円増えました。さらに、カジノ創設サミットの開催補助金を出す一方で、市民にはお金がないと言い、福祉灯油など市民生活を応援する政策への転換が行われませんでした。
次に、議案第10号小樽市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算認定についてです。
国保会計の改善には、根本的には国の負担を増やすことが必要です。小樽市の場合、一般会計からの繰入れは、主要10市の中でも少ないほうです。国保料引下げは、市民生活応援と個人経営の事業者の応援にもつながります。
次に、議案第12号小樽市住宅事業特別会計歳入歳出決算認定についてです。
使用料収納率向上対策事業費は、2013年度は基準に満たなかったので事業費が計上されていませんが、使用料の収納率向上まで委託しているという問題があります。また、長寿命化計画も、計画どおり進んでいません。
次に、議案第13号小樽市簡易水道事業特別会計歳入歳出決算認定についてです。
小樽市の簡易水道事業は、赤字分を石狩開発株式会社が負担することになっていました。しかし、石狩開発は破綻し、その際に赤字分については北海道に負担するよう、日本共産党は要求してきました。そして、現在は、当別ダムから過大な受水量の負担をして、利用する企業が増えない中で赤字となっています。簡易水道事業を進めてきた北海道の責任で補填するとともに、地下水利用企業にも働きかけるよう強く要請すべきです。
次に、議案第14号小樽市介護保険事業特別会計歳入歳出決算認定について、議案第16号小樽市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算認定についてです。
国保料と同様に、保険料の引下げで市民生活を応援することが必要です。介護保険については、保険料を払っても、いざ使うときに使えない状況があります。
後期高齢者医療制度は、医療を年齢で差別するという制度です。日本共産党は、この医療制度は廃止すべきだと考えています。
次に、議案第17号小樽市病院事業決算認定についてです。
経営の安定化を図ることは当然のことですが、DPCには問題があります。DPCは、病気ごとに料金を一括した定額払いとするものです。入院の場合、日にちが過ぎるほど報酬額が下がっていく方式であり、在院日数をできるだけ短くして、患者の回転を速くするほど収入増になる仕掛けです。定額払いなので、医療費のコストを下げるほど収入を上げるという経営上の効果が期待されているため、必要な医療までカットする過少診療の問題が危惧されます。
病院給食委託についても問題です。NSTに加算があるように、病院給食は医療の一環です。栄養状態が悪ければ、治療効果が発揮されません。ですが、委託の場合、調理方法など、調理現場で具体的に委託業者に指示を出せば、偽装請負になる可能性が出てきてしまいます。
次に、議案第18号小樽市水道事業決算認定について、議案第19号小樽市下水道事業決算認定についてです。
これらの会計は、単年度で黒字を出しています。ひとり暮らしの高齢者などでは、1か月に10トンも使わないのに、基本水量だからといって10トン分の料金と使用料を払っています。基本水量を見直すことを求めます。
また、2013年度決算において、水道事業では約26億6,400万円、下水道事業では約19億6,400万円もの消費税を市民は払っています。料金の引下げを行うべきです。
そのほかの議案については、消費税の問題です。先ほど水道・下水道両事業会計でも述べましたように、生活に欠かせないものに税金をかけるということは、生計費非課税の近代税制の原則に反しています。
以上、議員の皆さんの賛同を呼びかけて、討論といたします。(拍手)
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)6番、安斎哲也議員。
(6番安斎哲也議員登壇)(拍手)
○6番(安斎哲也議員)一新小樽を代表して、平成26年第3回定例会議案第6号平成25年度小樽市一般会計歳入歳出決算認定について、一言申し述べます。
決算議案15件については認定の態度といたしますが、一般会計では、財政については、まだまだ厳しい状況にありますが、他会計からの借入れをせずに黒字決算を確保したこと、教育予算については、都市の状況によって一概に比較はできませんけれども、10市平均に比べ、本市は3万7,405円、7.8パーセントと低い状況ではありますが、累積赤字を抱えていたころと比べて予算を増額させ、学力向上、指導力向上など、さまざまな施策を行っていることなどから一定の評価をしております。
しかしながら、我が会派から1点強く指摘しておきたい件として、第8回日本カジノ創設サミットin小樽開催補助金20万円について指摘をいたします。この補助金が計上された平成25年第3回定例会で、市長は、この補助金を契機に誘致の取組を進めるとともに、情報収集・提供に努め、議会や市民の幅広い意見も伺うとおっしゃっていました。また、市に大きな財政負担が伴った場合、IR推進法案の内容が大きく変わることが判明したときは誘致活動から撤退することもあり得ると明言されておりました。
ところが、昨年10月に開催されたカジノ創設サミットにおいては、カジノを含むIRの導入に対する目的別来客の割合や雇用に関してのメリットばかりが示されましたが、そのデータについては非常に根拠に弱いデータが並び、説得力に欠けるものでした。さらに、デメリットについては、特に市民の中で心配されている教育や犯罪に関しての説明がありませんでした。また、その説明者であった大阪商業大学の研究所の方については、過去の研究内容を勘案すると研究者としての実績も乏しく、説得力に欠けるものです。パネルディスカッションでも、抽象的な表現ばかりで、デメリット回避の説明がありませんでしたし、具体的な数字、データなどが一切示されず、メリット・デメリットをてんびんにかけた議論とはかけ離れておりました。また、会場出席者からの質問時間もありませんでした。市民に対して正確な判断材料を提供しているとは言いがたく、その点について、本市は市民への説明をしっかり果たす必要があると思われます。
IR法案は12月解散により廃案とはなりましたが、市長は、第4回定例会において、IR誘致に向けた各種情報の収集に努めるとされております。市民に対し、正確な情報を共有するとともに、市民との対話をしていかれること、誤解のされないような予算の執行を強く求めて、討論を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、平成26年第3回定例会議案第6号ないし第10号及び第12号ないし第20号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、平成26年第3回定例会議案第11号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、総務常任委員長の報告を求めます。
(「議長、27番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)27番、前田清貴議員。
(27番前田清貴議員登壇)(拍手)
○27番(前田清貴議員)総務常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
塩谷地区で行った市民と語る会において、不安の声が上がっていた海抜表示板については、今年度と来年度の2か年で75か所ずつ整備すると聞くが、設置基準はどのようになっているか。
また、設置場所については、海岸沿いの市道交差点付近にある主な避難方向を示す電柱など、通行車両や歩行者の目につきやすいところとしているとのことだが、海抜については、日々の生活の中で意識することが大事であり、地域の方々が目にするところになければならないことや設置後に移動するのは困難であることなどを考えると、町会の意見を聞くなど、十分考慮してもらいたいがどうか。
小樽市の人口動向等及び人口対策に係る取組状況についてでは、住民基本台帳に基づく年齢別転入転出数推移として、20歳から24歳と25歳から29歳の構成比に網かけがされている。前者には小樽商科大学、後者には北海道薬科大学の卒業生が多数含まれていることが見込まれるが、それら卒業者の雇用の受皿は本市にはない。単純に数字が多いから対策が必要と捉えるのではなく、そのあたりをしっかりと分析した上で検討を行ってもらいたいがどうか。
また、人口の自然増対策には周産期医療の充実が欠かせないが、本市では、現状、民間任せとなってしまっている。小樽市人口対策会議の構成員には医療や福祉の分野の関係者が見当たらないが、その方たちの意見はどのように反映していく考えなのか。
石狩湾新港港湾計画改訂素案では、西地区において新たなバルク貨物に対応した岸壁などの整備が計画されている一方で、国際バルク戦略港湾に選定された釧路港でも整備が予想されるなど、北海道全体で考えれば、新港が利用されないということも懸念されるが、道内港全体の調整はどのように行われているのか。
また、小樽市としても、全道的な状況をしっかりと把握した上で、素案で計画されている事業が本当に成り立つのかという観点から、管理組合に意見を言っていかなければならないと思うがどうか。
北海道新幹線の開業に当たっては、現在の函館駅の3倍とも言われる新函館北斗駅の利用者を、現実性の高い確実な方法で小樽に引き込まなくてはならないと考える。そのためには、2次交通として定期的な都市間バスの運行が有効と思うが、市は、これまでクルーズ客船の誘致で相当の経済効果を上げてきた実績を後志総合振興局やしりべし協働会議に訴えるとともに、現状、採算性のネックから一歩も踏み出せないでいるバス事業者の背中を押してやる必要があると思うがどうか。
全国学力・学習状況調査の児童生徒質問紙調査で「いじめは、どんな理由があってもいけないことだと思う」と回答した児童・生徒の割合が、本市においては全道・全国と比べて低かったが、このことを市教育委員会はどのように認識しているのか。
また、小樽市いじめ対策防止推進条例が制定されるといじめに対する意識は高まると思われるが、一方で見えないところでいじめが始まるのではないかと懸念されることから、制定後は、学校だけが対応するのではなく、家庭や地域と連携し、また、機会あるごとに児童・生徒の状況を把握できるような仕組みをつくり、全てのいじめがなくなるよう努めてほしいと思うがどうか。
市教育委員会は、当分の間、菁園中学校への指定校変更に制限を設ける方針であるとのことだが、同校にこれほど生徒が集まるのは、保護者などから同校がすばらしい学校であると思われていることや本来の指定校が心もとないと感じられていることが一因なのではないか。
遠くから通学することになるにもかかわらず、わざわざ理由をつけて手続をしてまで指定校を変更したいという方が多くいるという現状を市教育委員会は真摯に受け止め、本来の指定校の改善をしっかりと行ってほしいと思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、議案第21号につきましては、採決の結果、賛成少数により、否決と決定いたしました。
次に、陳情第836号につきましては、採決の結果、可否同数となったことから、小樽市議会委員会条例第15条第1項の規定により、委員長において不採択と裁決いたしました。
次に、陳情第2号ないし第145号、第151号ないし第280号、第283号ないし第289号、第293号ないし第308号、第319号、第325号ないし第739号、第741号ないし第810号及び第812号ないし第834号につきましては、採決の結果、賛成多数により、いずれも継続審査と決定いたしました。
次に、その他の各案件につきましては、議案はいずれも可決と、所管事務の調査は継続審査と、全会一致により決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
(7番小貫元議員登壇)(拍手)
○7番(小貫元議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、議案第21号は可決、陳情第2号ないし第145号、第151号ないし第280号、第283号ないし第289号、第293号ないし第308号、第319号、第325号ないし第739号、第741号ないし第810号、第812号ないし第834号及び第836号は採択を主張して討論を行います。
最初に、議案第21号小樽市非核港湾条例案についてです。
国連総会は、12月2日、軍縮・国際安全保障問題を取り扱う第一委員会に付託された63本の決議を採択しました。このうち、核軍縮関連は21本です。非同盟諸国を中心に提出された「国際司法裁判所の勧告的意見の後追い」「核兵器使用禁止条約」「2013年国連総会核軍縮ハイレベル会合の後追い」の決議は、いずれも核兵器禁止条約の国際交渉開始を求めています。
オーストリアのウィーンで開かれた第3回核兵器の人道的影響に関する会議は、9日、核兵器のない世界の達成と維持に向けた次の段階への移行を呼びかける議長総括を発表し、閉幕しました。広島・長崎被爆70周年と核不拡散条約再検討会議を来年に控え、核廃絶の具体化を求める内容となっています。
条例の制定は、このような核兵器廃絶の運動をさらに広げていく一助になります。可決を求めます。
次に、陳情第319号及び第810号についてです。
所得税法第56条で問題になる家族労働は、多くは世帯主である夫が経営者で、その妻の働きが認められていない場合です。法令上の差別的な規定と言えます。
安倍政権は、女性の活躍推進を掲げています。女性の活躍を推進するなら、この条文は廃止すべきです。
次に、陳情第836号特定秘密の保護に関する法律の廃止を求める意見書提出方についてです。
行政機関が保有する情報を行政機関の長が広く秘密指定し、秘密を漏らした公務員や民間人に最高で懲役10年の厳罰を科す秘密保護法が、10日、施行されました。同法は、防衛、外交、特定有害活動防止、テロ防止の4分野について、行政機関の長が特定秘密を指定すると規定し、何が秘密かも秘密です。10月に策定された運用基準では、自衛隊装備品の性能や外交交渉、衛星が収集した情報など、55項目を秘密事項の対象として列挙しており、軍事情報保護を目的とする、憲法第9条違反の立法であることが一層明確になっています。秘密指定は、5年ごとに延長が可能で、30年を超える場合は内閣の承認が必要とし、原則として最長60年まで認められますが、武器や暗号、政令で定める重要な情報など、7項目は例外としています。
この法律は、昨年12月、国民の6割が反対し、法曹界やマスメディアから強い反対の声が上がる中、これを無視して安倍政権が強行しました。民意を尊重して、直ちに廃止すべきです。
次に、新・市民プールに関連する陳情についてです。
第6次総合計画の前期実施計画において、プール建設のための事業が位置づけられていました。これは、駅前の室内水泳プールをなくすかわりに、早急に新しいプールの建設を行うことを市民に約束した結果でした。ところが、この約束を破ってしまいました。
代表質問の答弁で、建設地を探していると言いましたので、委員会で、適地があれば土地の先行取得を求めましたが、取得を明言しませんでした。これでは、土地を探すと言いながら、探しても手に入れないことになりかねません。建設地を見つけ、市民との約束である新・市民プールの建設に足を踏み出すべきです。
いずれの陳情も願意は妥当であり、採択を求めます。
議員各位の賛同をお願いしまして、討論といたします。(拍手)
(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)16番、林下孤芳議員。
(16番林下孤芳議員登壇)(拍手)
○16番(林下孤芳議員)民主党・市民連合を代表して、総務常任委員長報告に反対し、議案第21号小樽市非核港湾条例案は可決、陳情第836号特定秘密の保護に関する法律の廃止を求める意見書提出方については採択を求めて討論をいたします。
まず、議案第21号小樽市非核港湾条例案についてです。
歴史的に我が国は、原爆投下や核実験による苛酷な被爆体験から、核に対するアレルギーが非常に強い国民性であることは世界が知るところでありますが、こうしたアレルギーを払拭するために、当時のアメリカの政権が原子力の平和利用の名の下に原子力発電の導入を日本政府に強力に働きかけ、国民的な反対が渦巻く中で原子力発電が稼働された歴史があります。絶対の安全性が求められる原発で、チェルノブイリ原発やスリーマイル島原発でも苛酷事故が発生し、その教訓が生かされないままに、絶対安全と言われてきた我が国の福島第一原発でも、これまでの原発事故の中でも最悪と言われる苛酷事故が発生し、いまだにその収束のめども立っていません。
原子力の平和利用とは裏腹に、原発から大量に出る放射性廃棄物のプルトニウムは、原子力爆弾の原材料として途上国にも今、広く広がり、核兵器の脅威はより深刻になっていると言われています。
また、我が国は、プルトニウムの保有量が世界一とも言われることから、IAEAの抜き打ち査察が頻繁に行われているとも言われております。そうしたIAEAや世界の疑念を払拭するためにも、小樽市の非核港湾条例案は非常に重要な意味を持つものであり、議員各位の御賛同を心からお願いをするものであります。
次に、陳情第836号特定秘密の保護に関する法律の廃止を求める意見書提出方については、第3回定例会でも同様の陳情がなされ、小樽市の龍山弁護士からも陳情趣旨説明が行われておりますが、総務常任委員会で委員長裁決により不採択とされ、本会議でも可否同数となり、議長裁決で不採択とされております。その後も、陳情者から議会に対する学習会の呼びかけや説明会の呼びかけも行われていたと思いますが、実現しないままに、12月10日、特定秘密保護法は施行されました。
しかし、法曹界のみならず、マスコミなどでも一斉に「知る権利の侵害」「廃止、撤廃を求め続ける」「政府が秘密指定する対象が曖昧で、都合の悪い情報を恣意的に隠すおそれを懸念」などの社説が続いていることは皆様も御承知のとおりであります。
なお、平成26年11月4日現在でありますが、道内179市町村のうち、65市町村が廃止又は凍結の意見書を採択し、不採択は小樽市を含めて18市町村となっています。各界の専門家が指摘しているとおり、何が秘密なのか明らかにされない法律で、突然に逮捕され、罪状も明らかにされないままに処罰が科されるおそれのある法律が施行され、私たちの子供や孫たちが犠牲とならないためにも、特定秘密保護法の廃止や凍結を求める陳情は極めて妥当なものであり、採択を求め、委員各位の良心に訴えて御賛同をお願いし、討論といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、議案第21号について採決いたします。
委員長報告は否決でありますので、原案について採決いたします。
可決と決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立少数。
よって、議案は否決されました。
次に、陳情第836号について採決いたします。
委員長報告は不採択でありますので、原案について採決いたします。
採択と決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立少数。
よって、陳情は不採択と決しました。
次に、陳情第2号ないし第145号、第151号ないし第280号、第283号ないし第289号及び第294号ないし第308号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、陳情第293号、第319号、第325号ないし第739号、第741号ないし第810号及び第812号ないし第834号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時33分
――――――――――――――
再開午後3時00分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
経済常任委員長の報告を求めます。
(「議長、3番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)3番、中村岩雄議員。
(3番中村岩雄議員登壇)(拍手)
○3番(中村岩雄議員)経済常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
市は、毎年、市内中心商店街の歩行者通行量調査を行い、調査結果を商店街に提供しているが、商店街では調査結果をどのように活用しているのか。
現在、この調査は、年間で4日間行われているが、季節ごとや人の流れが変わるイベント時に計測し、平日と比較すれば、商店街は観光客や市民のより詳細な動向がつかめるようになると思われる。調査結果を商店街の活性化に結びつけるという観点からすれば、市には、調査の目的や手法を見直すことを検討してもらいたいがどうか。
特定秘密保護法が施行されたことに伴い、例年、小樽港に入港してくる米艦に関連して、市職員や港湾事業者が知らないうちに防衛等に係る特定秘密に触れる機会が出てくるのではないかという声が聞かれるが、国からはこういった危惧に対する情報は示されているのか。
また、現状では、何が秘密に当たるのか一切情報がないという中で、これまで市は、米艦受入れの可否を判断する際、外務省と米国総領事館に核兵器搭載の有無を確認してきたが、この情報が特定秘密とされてしまえば、その回答も得られなくなると懸念される。今後、国などから具体的な情報が得られた場合に、それらをどのように扱うかという方針を示すことはできるのかどうか。
小樽港港湾計画の改訂に向け、今後の小樽港の物流について検討してきた小樽港研究会からの報告書には、貨物量の増大に向け港湾施設を整備するとあるが、同じく改訂の検討を進めている石狩湾新港でも、貨物量の増大に向けた施設整備を検討している。港湾業者にどちらの港を利用するのか確認することなく両港で施設整備をした場合、どちらかの港が施設過大になりかねないが、報告書にはその旨の記載はない。市は、このことをどう考えているのか。
また、報告書では、小樽港の厳しい現実を反映し、打開策が検討されており、その努力は評価できるが、抽象的な議論をしている小樽港の傍ら、新港では具体的な計画策定が進められており、先に整備が行われることになる。2年遅れで作業を進めているということをしっかりと念頭に置き、改訂時に意味のない計画とならないよう、業界などの力もかりた上で改訂作業を進めてほしいがどうか。
本年7月、某NPO法人主催の事業で本市を訪れ、赤岩会館に宿泊したアメリカの高校生と交流する機会を得たが、明るく素直な彼らと話をしてみて、今後もより多くの海外の若者が来樽することで息の長い関係が築かれ、それが効果的な観光振興につながっていくのではないかと感じたところである。こういった観点から、若い世代の交流に対する取組は非常に大切であると思うが、本市において、姉妹都市交流のほかに、どのような取組を行っているのか。
経済産業省は、8月の豪雨による災害の影響を受けた中小企業者に対しては、地域を指定し、セーフティネット保証4号を発動し、また、12月5日からの大雪による災害に伴い、徳島県が災害救助法を適用されたことを踏まえ、被災中小企業・小規模事業者対策を行っているが、これらの支援措置はどのような内容なのか。
また、万が一、本市において大規模な災害が発生した場合においても、国によるこれらの対策は適用されると考えてよいのか。
本市においては、12月1日から、マルタル資金の融資限度額を3,000万円に引き上げたところだが、先日の爆弾低気圧による災害が懸念されたことなどを踏まえ、災害発生時の被災中小企業への対策も考えておく必要があると思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、陳情第290号につきましては、採決の結果、賛成多数により、継続審査と決定いたしました。
次に、その他の各案件につきましては、議案は可決と、所管事務の調査は継続審査と、全会一致により決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、討論に入ります。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
(22番北野義紀議員登壇)(拍手)
○22番(北野義紀議員)日本共産党を代表し、ただいまの委員長報告に反対し、陳情第290号国定公園「ニセコ・積丹・小樽海岸」の中心地区「オタモイ海岸」の早期整備方については、採択を求め討論を行います。
陳情第290号早期整備方についてですが、本年第3回定例会の経済常任委員会以降、陳情第290号に関する理事者の動きはありません。また、この間、オタモイ海岸での崖崩れも起こっていませんので、この陳情に対する客観的変化はありません。したがって、これまでの討論で触れたことを整理し、市長並びに理事者に検討を求めたいことについて指摘をいたします。
第1は、崖崩れをどう見るかについてです。
崖崩れが起これば、鬼の首でもとったようにすぐその写真を持って共産党議員団に現れるのが産業港湾部長です。私に陳情採択を諦めろと言わんばかりです。私がいないときどうしているかというと、共産党議員団に亀裂を生じさせようと、他の議員に説得を試みているようであります。しかし、そんなやわな共産党ではありません。私は、そういうときは必ず、その後の経済常任委員会の質問や討論で反論し、陳情第290号採択の正当性を明らかにしてきました。
記憶に新しいところでは、昨年と今年で2回、崖崩れが起こっています。昨年の崖崩れの箇所は、民有地で、これまで崖崩れ防止対策が一切行われてこなかった箇所です。また、今年8月の崖崩れの箇所は、市有地ではありましたが、昭和54年に落石防止の金網が設置されて以降、一切の安全対策が行われてこなかった箇所です。抜本的対策でなくても、補強工事など安全対策がとられていたなら、今回の事故は防げたはずです。
二つ目の問題は、昭和54年にオタモイ崖地の所有権をめぐる動きの中で、小樽市のオタモイ観光開発に期待し、これに協力した経済界の方々の期待を裏切っていることです。何回か指摘させていただきましたけれども、当時、オタモイの崖地の所有者になりたいと切望していた小樽市でしたが、その所有者との話合いもできない状況でした。これを解決し、小樽市の所有に道を開いたつばめ商事の安斎允さん。そして話がついて、小樽市が崖地を購入しようと思ったらお金がない。購入する7,000万円を北海道中央バスの松川嘉太郎さんから寄附してもらって、また、オタモイの唐門、自動車の関係で移転しなければならないという、この費用300万円を寄附してくれたのは荒木源さんです。これらの方々の善意や行為を踏みにじっているのが小樽市ではないかとの指摘には、市長も理事者も口を閉ざして一言も語ろうとしないのは不誠実きわまりない態度です。この歴史的経過に照らしても、小樽市が社会的道義に反する態度をとり続けていることは明らかではないでしょうか。
小樽市は、自分がオタモイの崖地の所有者でなかったとき、昭和54年以前ですが、民間の所有者に崖の安全対策をとれと警察の力までかりて迫っていたのです。ところが、自分が崖の所有者になったら、北海道とともに一応の安全対策を行ったけれども、それ以降は全く手をかけなくなりました。それどころか、2006年、平成18年の山田前市長の時代に、オタモイ海岸急傾斜地調査業務の結論を金科玉条にして、崩落事故の後処理や立入禁止措置という名の安全対策しか講じてきませんでした。オタモイ崖地の所有者になった原点に返って、こういう態度を改め、小樽市みずから安全対策をとるとともに、民間の崖地所有者の方々にも一緒に安全対策をとろうではないかと呼びかける責任があるはずです。こうして初めて民間の所有者の方々と合意を得られるのではないでしょうか。
このことを強く要求し、陳情第290号は採択を主張し、討論といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、陳情第290号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
この際、申し上げます。
厚生常任委員長の報告でありますが、本日、中島委員長が欠席されておりますので、副委員長から報告を求めます。
(「議長、4番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)4番、吹田友三郎議員。
(4番吹田友三郎議員登壇)(拍手)
○4番(吹田友三郎議員)厚生常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
駅舎のバリアフリー化について請願及び陳情が提出されているが、市は、JR北海道から具体的な計画等が示された段階で庁内調整組織等の設置を検討するとしているため、現在まで何の進展もない状態が続いている。JRの対応を待っているだけでは、実現までに相当の時間を要すると思うがどうか。
また、函館本線の存続を求める住民の会が行ったアンケートの自由記載欄には、病院に通うためにも、南小樽駅にエスカレーターかエレベーターを設置してほしいなど、駅舎のバリアフリー化を求める声が複数あったという。市が実施したアンケートではないものの、多くの市民が望んでいることは明らかなのであるから、この結果を真摯に受け止め、積極的に取り組むべきと思うがどうか。
第6期介護保険事業計画の中間報告において、サービス付き高齢者向け住宅等の特定施設を一定戸数、整備することとなったが、費用負担に関する誤解などから入居に係る契約がスムーズにいかないことが多いと聞く。直接的には施設と利用者の問題ではあるものの、特定施設には訪問介護やデイサービスが併設されていることが多く、市が関与する機会もあることから、利用者とのやりとりが円滑に行えるよう施設に対し助言してほしいと思うがどうか。
また、夜勤のある施設は、介護福祉士を募集しても敬遠されがちであり、今後、施設が増えていくと人材が不足する可能性があることから、介護サービスの利用者だけでなく、そこで働く人たちの環境にも配慮した事業計画を考えてほしいと思うがどうか。
第6期計画の中間報告では、特別養護老人ホーム等の施設整備について、保険料の増加に直結することを考慮し行わないとしているが、介護保険制度において一番大切なことは、介護が必要な方を常に受け入れられる体制づくりであることから、財政的な問題を理由に逃げてしまっては市民のためにはならないと思うがどうか。
また、今後、団塊の世代の高齢化に伴い、施設の利用希望者が増加することは明らかであり、事前に施設整備の準備が必要であることを踏まえ、行政としてさまざまな施策を講じてほしいと思うがどうか。
第6期計画の中間値では5,980円という保険料が示されたが、これは第5期に比べ520円も増加するものである。高齢者人口が多い本市では、介護サービスの利用が多いことから保険料も高くなるというが、保険料問題の抜本的な解決には国庫負担の引上げ以外に方法がない以上、市は、国への働きかけを積極的に行うべきと思うがどうか。
地域周産期母子医療センターである小樽協会病院では、退職する医師の補充に見込みがないことから、来年7月以降の分娩を休止するという。市内2か所の医療機関が、平成25年に扱った851件の分娩のうち、490件が小樽市民であるというが、残された診療所では出産希望者をどの程度受け入れられるのか。
市は、協会病院に対し、周産期医療の継続を要請しているというが、医師の退職理由や不補充となる原因など、具体的な実態を把握していない状況でどのような対応が考えられるのか。
そもそも地域周産期母子医療センターは、北海道周産期医療体制整備計画の中で知事が認定しているにもかかわらず、医師が補充されないというシステム自体に問題があると思われることから、医師を補充するのは道の責任であることを確認した上で、道や医育大学との話合いに臨んでほしいと思うがどうか。
自殺予防対策について、市は、地域自殺対策緊急強化推進事業をはじめとしたさまざまな取組を進めていると聞く。現状、景気動向や国の対策と相まって自殺率は減少傾向にあるが、この状況を楽観視することなく、取組内容を常に評価しながら、さらに強化した施策を進めていく必要があると思うがどうか。
また、自殺の危険性がある人に対し、声かけや見守りなどにより、必要な支援につなげていくゲートキーパーの養成については、一部団体からの呼びかけに応じて講習会を開催するような受け身の対応ではなく、市が主体となり、積極的に民生・児童委員や教職員、一般のボランティアなどを対象に講習会を開催することも必要ではないか。
さらには、自殺の要因の一つである精神疾患への理解を深める教育や講習を増やすなど、全市的に取り組んでいく姿勢が大切だと思うがどうか。
先日、長年にわたる構想に基づき、二つの市立病院を統合した小樽市立病院が開院となった。開院後、まだそれほどの期間は経過していないが、外来・入院患者数はどのように推移しているか。
また、トラブルなどは報告されているか。
市立病院の駐車場については、旧病院を取り壊した跡地に設置することから、現時点では、近隣3か所に臨時駐車場を開設しているほか、本来開放する予定ではなかった救急車専用駐車場を開放しているというが、その需要は満たされているのかどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、請願第2号並びに陳情第1号、第310号、第314号、第316号、第320号、第321号及び第835号につきましては、採決の結果、賛成多数により、請願及び陳情は、いずれも継続審査と決定いたしました。
次に、その他の各案件につきましては、議案はいずれも可決と、所管事務の調査は継続審査と、全会一致により決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)8番、川畑正美議員。
(8番川畑正美議員登壇)(拍手)
○8番(川畑正美議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、継続審査中の請願第2号並びに陳情第1号、第310号、第314号、第316号、第320号、第321号及び第835号は願意妥当であり、採択を求めて討論を行います。
請願第2号、陳情第310号は、駅舎のバリアフリーに関するものです。
今年3月に亡くなられた方の家で、生前集められたJR南小樽駅のバリアフリー化の要請署名が発見され、厚生常任委員会直前に届けられました。駅舎バリアフリー化実現に対する熱意を強く感じるものでありました。
また、同委員会において、JR函館本線の存続を求める住民の会のアンケート調査集計結果の紹介がありました。アンケートは、在来線存続など、地域にとってかけがえのない鉄道を守るために、幅広く小樽市内の住民の皆さんに御協力を願ったものです。私が小樽市内の幹事をしていることから、アンケート結果の設問内容の一部を紹介します。
JRの利用目的の設問で、26パーセントの方が通院に利用していること、また、JRを利用しない理由についても、跨線橋の階段などバリアフリー化されていないためと答えた方が9.8パーセントでありました。暮らしに役立つJRにするためには駅のバリアフリー化が必要という方が20.2パーセントでありました。そして、御意見の記入欄の中で、「南小樽駅にエスカレーターかエレベーターを設置してほしい。特に病院に通うためには必要」などとの意見がありました。これら市民の声を真摯に受け止め、まず本市が積極的姿勢を示して、JR北海道に促進を促すべきであります。
そのほかの継続審査中の陳情第1号天狗山ロープウェイ線における最上団地停留所利用時の料金設定改善要請方について、陳情第314号小樽市女性国内研修事業の再開方について、陳情第316号北西部地区における「一時的保育事業」の実施方について、陳情第320号朝里におけるまちづくりセンター建設方について、陳情第321号受動喫煙防止条例の制定等受動喫煙防止諸施策の強化方について、陳情第835号国民健康保険に対する国庫負担の増額を求める意見書提出方については、願意妥当であります。
このような市民の率直な御意見に応えて、継続審査のままにせず、改めて請願・陳情の趣旨を確認の上、議論すべきであります。
他会派・議員の賛同をお願い申し上げまして、討論を終わらせていただきます。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、陳情第314号及び第316号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、陳情第321号及び第835号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、請願第2号並びに陳情第1号、第310号及び第320号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、建設常任委員長の報告を求めます。
(「議長、10番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)10番、高橋克幸議員。
(10番高橋克幸議員登壇)(拍手)
○10番(高橋克幸議員)建設常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
町会等が保有する街路防犯灯のLED化については、基本的な考え方が示され、助成対象は、既に設置されている水銀灯や白熱灯などをLED灯に改良する場合に限られ、LED化後の契約電力は40ワット以下との条件つきとなっている。しかし、町会によっては、周囲に電灯がない場所に照度の高い大出力の水銀灯を設置している例もあり、40ワット以下のLED灯に交換する場合は、新たな街路防犯灯を設置して照度を確保しなければならないということも考えられる。また、新設は対象外というが、必要であれば相談に応じるなど、できる限り町会側の立場に立った制度運用に努めてほしいと思うがどうか。
小樽市住宅リフォーム助成事業は、今年度が最終年度であるが、この制度を利用することでリフォーム時期を早めたり、工事費を増やした利用者が多かったこと、3年間で資格登録業者137社中102社が実際に工事を請け負ったことなどから、市民にとって住環境を整備する上で大変有益であるとともに、地域経済の活性化にも資する制度であったと思われるが、市の見解はどうか。
一方、消費増税などで請負件数が減少し、1件当たりの工事費が少額となったことで、今年度も予算を残す見込みであると聞く。当委員会では、この1年間で6回の勉強会を開催し、新たにエコリフォームの促進に関する条例案を提出したいと考えているが、事業実施に当たっては予算を残さないよう努めてほしいと思うがどうか。
来年3月までに策定予定の新たな住宅マスタープランの基本目標等の案には、主な施策の一つとして、「空き家等の利活用」が挙げられているが、その内容は、現在、全庁を挙げて取り組んでいる人口対策のための住宅施策であり、空き家を活用することにより積極的に移住促進を図ることを目指しているという。そうであるならば、この住宅マスタープランに、人口対策のための施策であることが読み取れるよう、相応の文言を盛り込むべきと思うがどうか。
札幌市では、生活道路における除雪作業の出動状況を確認できる除雪情報をホームページ上で提供し、市民が作業状況を把握しやすいようにするとともに、置き雪をはじめとした除雪に関する要望や質問などをQ&A形式で紹介するさっぽろ雪の絵本をホームページ上に掲載し、市はどうしてできないか、どこまでが市の役割なのかということを明確にすることで市民に理解を求めているという。除雪作業は、市民の協力が必要不可欠であることから、市は、除雪懇談会で説明するだけではなく、札幌市のようにホームページを活用し、さまざまな情報を市民に提供することで理解が得られるよう努めてほしいと思うがどうか。
市営住宅の入居者の緊急時に迅速に対応するため、現在、819戸に緊急通報システムを設置しているという。このシステムは、寝室、トイレ、浴室に設置され、ボタンを押すかひもを引くと室内の親機が鳴るほか、玄関前のランプが点滅し、音声でその場を通った人に知らせる仕組みとなっているが、今般、ひもを引くことができない状態になり、誰にも知らせることができず、救助が遅れた事例があったと聞く。今後、このようなことがないよう、例えばペンダント型の通報器で知らせるシステムや、介護保険課が行っている緊急通報システム助成事業のように、登録した連絡先に通報されるシステムを導入するなど、何らかの対策を検討してほしいと思うがどうか。
大分県臼杵市の歴史的まち並みの保全に対する取組は、伝統的建造物だけではなく、一般住宅にも範囲を広げており、歴史的建造物以外の修景事業への助成も行っていると聞く。本市では、中央通地区の沿線整備後は、財政状況が厳しいとの理由で修景事業が廃止され、直ちに事業を再開することは難しいというが、財源としてふるさと納税制度を活用し、小樽の将来に資する魅力ある制度設計を行い、臼杵市のようなまち並み保全を図る必要があると思うがどうか。などであります。
それでは、ここで建設常任委員会として提案いたしました議案第22号小樽市住宅エコリフォームの促進に関する条例案について、提案趣旨の説明をいたします。
昨今、地球温暖化の問題や限られたエネルギー資源の問題で、「地球にやさしい」をテーマとし、さまざまな計画や具体的な内容が実施されてきている状況にあります。
そうした中で、平成23年第3回定例会で、現行制度である小樽市住宅リフォーム助成条例を建設常任委員会として提案し、全会一致で可決、そして平成24年度から26年度までの3年間の時限措置として実施されてきたところであります。この3年間の実績では、申請件数が合計で304件、リフォーム総額では毎年約2億2,000万円から約3億円となっており、地域経済、地元業者にとって大きな効果があったと思っています。
この制度が最後の年度を迎えるに当たり、一定の役割を果たしたことを確認し、今後の新たな制度を検討すべく、建設常任委員会として勉強会の開催を全会一致で決定しました。
その後、本年1月よりこれまで6回の勉強会を開催し、住宅のエコリフォームに特化した内容について検討、研究してきたところであります。
また、この条例案は、環境負荷の低減及び空き家の有効活用を図るため、住宅エコリフォームの促進に関し、市、市民及び市内事業者の責務を明らかにし、市の施策の基本となる事項を定めたもので、環境負荷が少なく、快適な住環境の創出の促進を図り、市内経済の活性化に資することを目的にしているとても重要な条例案と考えており、建設常任委員会として提案をさせていただきました。
この提案については、平成18年の地方自治法改正により、委員会として議案を提出することが可能になり、小樽市議会としても2回目の委員会提案であります。この提案が今後の議会活性化の一助になることを期待するものであります。
最後に、議員各位の御賛同をお願いしまして、提案趣旨の説明とさせていただきます。
それでは、報告に戻ります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、陳情第309号、第312号及び第740号につきましては、採決の結果、賛成多数により、いずれも継続審査と決定いたしました。
次に、先ほど説明いたしました小樽市住宅エコリフォームの促進に関する条例案の提案については、全会一致により可決と決定いたしました。
次に、所管事務の調査につきましては、継続審査と、全会一致により決定いたしました。
以上をもって、報告及び議案第22号の提案趣旨の説明を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)21番、新谷とし議員。
(21番新谷とし議員登壇)(拍手)
○21番(新谷とし議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、陳情は全て採択を主張し、討論を行います。
陳情第309号住宅リフォーム助成制度予算の増額方についてです。
日本共産党は、これまでも議会で予算の増額を求め、せめて前年度残した予算を上乗せすべきという質問を行い、陳情を採択するよう主張してきました。
住宅リフォーム助成制度は、3年間で申込件数665件、抽選制にしたため、抽選件数は659件、実際に制度を利用できたのは、2012年度96件、2013年度103件、2014年度は12月18日の時点で105件、合計304件で、全体抽選件数に対しても46パーセント程度でした。
今年度、リフォーム助成制度を利用された方の意見・要望では、「補助制度を利用することができ、助かりました」が最も多く、「今後も補助制度を継続してほしい」「補助金の額を増額してほしい」が合わせて30.7パーセントになっています。工事施工業者の意見・要望も、「今後も補助制度を継続してほしい」が54.8パーセント、「予算をもっと増やしてほしい」「助成件数を増やしてほしい」と続いています。
今年度の申込み174件、抽選は172件で、過去2年間と比較すると一番少ない件数でした。結果は、補助金も、12月18日の時点で340万9,000円残し、1件当たりの補助金は15万8,000円で、3年間で最も低い金額になっています。
また、施工業者へのアンケートでは、リフォーム施工件数は昨年同時期と比較して「減っている」が30パーセント、請負金額も「減っている」が40パーセントと、どちらも過去2年間と比較して最も多くなっています。アベノミクスによる資材の高騰、消費税増税などが経営を圧迫していることがうかがえます。今年度のリフォーム工事費は総額2億2,715万6,000円でしたから、補助金を残さず使うと、さらに工事費が増え、リフォーム助成制度の目的達成に貢献するものです。
住宅リフォーム助成制度は、3年間の時限条例ではありましたが、登録施工業者137社中、施工請負業者は102社で、地域経済に貢献したのは明らかです。まだ3月末日まで日にちはありますから、残りの補助金を不用額にしないで、利用者を再募集して、補助金を使い切ってリフォーム助成制度に貢献すべきです。この点で、ぜひ陳情を採択しようではありませんか。
陳情第312号市による火災崩壊家屋の撤去及び空き家対策の策定方についてです。
空家対策特別措置法が、国会解散直前に成立しました。法律で、問題のある空き家を「特定空家等」と定義して、市町村が空き家への立入調査を行ったり、指導、勧告、命令、所有者が命令に従わない場合や所有者が不明な場合は行政代執行の措置をとれるように定め、所有者が命令に従わない場合は過料の罰則を設け、空き家の所有権がわからない課題については、固定資産税などの課税のための個人情報を必要な範囲において利用できるように定めています。
以上の点から、陳情者の願意は妥当です。
陳情第740号も採択を求めます。
銭函の御膳水仲通線の地盤や道路構造が悪いのは住民のせいではありません。現在、設置されている側溝は、その用をなしていません。住民が安心して暮らせるようにするのが市の役割です。建設部は、これまでも難しい工事をこなしてきましたから、技術の問題ではなく、予算の問題と考えます。予算が不足しているのはわかりますが、何年かの計画で少しずつ改修していくことは可能です。議会が陳情を採択して、住民が困っていることに対し一歩前進になるように求めます。
議員各位の賛同を求め、討論といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、陳情第309号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、陳情第312号及び第740号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、議案第22号について採決いたします。
原案どおり可決と決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、所管事務の調査について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、学校適正配置等調査特別委員長の報告を求めます。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
(22番北野義紀議員登壇)(拍手)
○22番(北野義紀議員)学校適正配置等調査特別委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
市教委は、これまで、学校規模をある程度大きくすることによりいろいろなメリットがあるとして、学校適正配置を進めてきており、実際に適正配置が行われた学校では、学級数が増えたことで競争意識が生まれたり、閉校になった学校で行われていた取組が統合校でも取り入れられたりするなど、一定の効果が現れているという。しかし、市教委は、それらの効果を市民に十分にアピールできていないと思われることから、今後とも、それぞれの学校の伝統を融和し、生かす取組を考えつつ、なおかつこれまでの取組に自信を持って、適正配置の意義やメリットをしっかりと前面に出しながら適正配置を進めてほしいと思うがどうか。
市教委は、小樽市立小中学校学校規模・学校配置適正化基本計画に基づき、一定の学校規模を確保するという方針であることから、小規模特認校制度を実施する考えはないとしている。一方では、地域の合意を得ないことには廃校にしないという立場をとっていることからすれば、小規模校が残る可能性もあると思うが、このような場合、特認校を認めてほしいという要望が強ければ、基本計画が進行している中にあっても認めることはあり得るのか。
また、総務省の調査で、学校が地域活性化の拠点として極めて有効に機能するポテンシャルを持っていることが明らかになるなど、地域において学校が果たしている役割は大きい。こうした役割にしっかりと光を当て、小規模校であっても存続できるよう、特認校制度の実施を求めたいがどうか。
統合する学校間に学力の差がある場合、一方の学校の児童・生徒が授業についていけなくなることも想定されるが、このような事態が起きた場合、これまでの統合校ではどのような対応をしてきたのか。
また、こういった学力のばらつきを解消するには、統合後の対策ばかりではなく、統合前に各学校がそれぞれの児童・生徒の学力の状況を把握し、最低限の基礎学力を確実に身につけさせておくことが必要と考える。そのためにも、指導室が率先し、しっかりとした指導を行える教員の育成に努めてほしいと思うがどうか。
適正配置が予定されている学校の校舎については、そのほとんどが昭和56年の建築基準法改正により、耐震性が強化される以前の建物でありながら、今もって耐震診断も耐震化工事も行われていないと聞く。災害は統合が終わってから起きるとは限らず、いつ襲ってくるかわからないものであるが、市教委は、それらの校舎をあと何年使う予定なのか。
現場からは施設・設備への十分な配慮があり感謝しているとの声も聞かれるが、少なくとも災害時に児童・生徒に危害が加わらない対策とともに、耐震性の低さを考慮した避難訓練を行うべきと思うがどうか。
菁園中学校においては、指定校変更による入学希望者が今年度71名に上り、来年度も同程度の変更があった場合、学校施設の収容能力を超える可能性があることから、市教委は、同校への変更に当分の間、制限を設けるという。しかし、制限の理由が収容能力の問題であるならば、今年度の変更者が判明した時点である程度の見込みが立つことであり、もっと早い段階で示すべきであったと思うがどうか。
市教委が、部活動などを理由とする菁園中学校への指定校変更に制限を設けることについては、本市の中学校は指定校制であるという大原則にのっとることが適正配置を進める上でも、また、学校間の生徒数の偏在を防ぐためにも必要であり、評価するものである。その一方で、将来への夢を持ち、指定校以外の、よりレベルの高いクラブでの活動を希望する生徒がいることも事実である。こういった生徒の意思を尊重するためには、指定校に通いながらも、部活動だけは希望する学校で活動できるよう検討していくことも必要と思うがどうか。
通学路の除雪については、校長会からの要望を踏まえた上で雪対策課との打合せを行うというが、降雪期には車道と歩道の区別がなくなる場合もあるため、統廃合により通学路が変更され、通学時間が長くなる児童の保護者は心配しているという。道内では、中学生が除雪車にひかれるという痛ましい事故が発生するなど、登校時における交通事故が立て続けに報道されていることからも、安全確保には特に配慮してほしいと思うがどうか。
また、スクールバスを利用している学校において、インフルエンザ等による学級閉鎖などで、一部の児童を先に帰宅させる場合については、速やかに帰宅できるよう、迅速なバスの配車に努めてほしいと思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
陳情第282号及び第291号につきましては、採決の結果、賛成多数により、いずれも継続審査と決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
(7番小貫元議員登壇)(拍手)
○7番(小貫元議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、陳情第282号及び第291号は採択を主張して討論を行います。
最初に、陳情第282号小樽市立西陵中学校の存続方についてです。
学校の統廃合は、子供の教育環境の整備とあわせて、地域の合意が必要です。陳情者は、みずからの学校がなくなることだけではなく、小樽のまちづくりから考えても、西陵中学校を残さないプランはおかしいのではないかと陳情を提出しました。教育委員会とも懇談をして、教育委員会は新しいプランをつくることを約束しました。しかし、約束であるプランの提示が行われないばかりか、方向性すら示せていません。陳情が提出されて3年がたちます。西陵中学校を存続させる決断を求めます。
次に、陳情第291号小樽市立塩谷小学校及び塩谷中学校の存続方についてです。
答申を出した小樽市立学校の規模・配置の在り方検討委員会の議論では、小規模校を機械的になくすことに警鐘を鳴らしていました。答申では、「学校と地域のこれまでの関係に配慮して、保護者、地域住民と学校適正配置についての共通の理解を深めることが必要である」と記されています。地域のよさを生かした教育の実現が求められています。
いずれの陳情も、地域の合意を必要とする前提から見て願意は妥当であり、採択を主張します。
議員各位の賛同をお願いしまして、討論といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより採決いたします。
陳情第282号及び第291号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
日程第2「議案第23号ないし第25号」を一括議題といたします。
議案第25号につきましては、政務活動費の使途の透明性確保と情報公開促進のための条例改正案です。これまで、政務活動費の使途に関して収支報告書及び証拠書類の閲覧は、情報公開制度を経由する手続が必要だったものを、議長に対する請求の手続のみで閲覧可能とするものであります。全会派の議員による提出であるため、提案説明は省略し、議案第23号及び第24号について、市長から提案理由の説明を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)(拍手)
○市長(中松義治)ただいま追加上程されました議案について、提案理由を説明申し上げます。
議案第23号公平委員会委員の選任につきましては、藤島豊氏の任期が平成26年12月31日をもって満了となりますので、後任として山岸康治氏を選任するものであります。
議案第24号人権擁護委員候補者の推薦につきましては、北潟谷仁氏、高橋房子氏、加藤孝憲氏の任期が平成27年3月31日をもって満了となりますので、新たに西尾弘美氏を、引き続き、高橋房子氏、加藤孝憲氏を委員の候補として推薦するものであります。
なにとぞ原案どおり御同意賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、議案第23号ないし第25号について、一括採決いたします。
議案第23号及び議案第24号は同意と、議案第25号は可決と、それぞれ決定することに御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
日程第3「意見書案第1号ないし第10号」を一括議題といたします。
意見書案第5号ないし第10号につきましては、提案理由の説明を省略し、意見書案第1号ないし第4号について、提出者から提案理由の説明を求めます。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
(7番小貫元議員登壇)(拍手)
○7番(小貫元議員)日本共産党を代表して、意見書案第1号ないし第4号の提案趣旨説明を行います。
最初に、意見書案第1号必要な介護サービスを受けられるよう求める意見書(案)についてです。
要支援者の訪問介護と通所介護が介護予防給付から外され、特別養護老人ホームへの入居・入所も要介護3以上に制限するとしています。介護利用料も引き上げ、利用者負担を重くするものです。誰もが必要とする介護サービスを受けられるよう求めるものです。
次に、意見書案第2号泊原発は再稼働せず、廃止・廃炉入りを求める意見書(案)についてです。
福島第一原発の事故により、今なお12万人を超える方々が避難生活を送っています。
日本は、1年3か月、原発を稼働しないでいます。福島第一原発の事故のようなことを起こさないためにも、泊原発は再稼働しないで、廃炉にすることが求められています。
次に、意見書案第3号再生可能エネルギー拡大を求める意見書(案)についてです。
原発に依存しないエネルギー体制を構築する上でも、再生可能エネルギーの抜本的な拡充が必要です。
次に、意見書案第4号後期高齢者医療制度の「特例軽減措置」の継続を求める意見書(案)についてです。
厚生労働省は、社会保障審議会医療保険部会に対し、後期高齢者医療制度の特例軽減措置の段階的廃止を示しました。この制度は、後期高齢者医療制度の導入に当たり、差別的制度だとして国民の怒りを買い、年金収入で250万円以下の世帯を対象として保険料を最大9割軽減してきたものであり、この制度の継続を求めるものです。
以上、提案説明といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)21番、新谷とし議員。
(21番新谷とし議員登壇)(拍手)
○21番(新谷とし議員)日本共産党を代表して、意見書案の討論を行います。
意見書案第1号は、必要な介護サービスを受けられるように求めるものです。
6月の通常国会で、医療介護総合確保推進法が可決、成立しました。参議院の審議で重大な欠陥が明らかになり、政府がみずから行ってきた法案の説明が撤回に追い込まれたにもかかわらず、自民・公明両党などの賛成多数で強行されました。法律には、2000年の介護保険制度発足以来、前例のない改悪が幾つも盛り込まれました。
第1に、介護保険サービス利用料2割負担の問題です。年金280万円の世帯では、平均的な消費支出をしても、年間60万円が余るので、2割負担は可能だということを唯一の論拠にしていました。しかし、日本共産党の小池晃参議院議員によってその論拠が崩れたにもかかわらず、2割負担を強行しました。高齢者の5人に1人が対象となる利用料2倍化は、介護を必要とする高齢者の生活に負担を課し、利用抑制を引き起こしかねません。
第2に、要支援1・2の訪問介護、通所介護を国の保険給付から外し、市町村の地域支援事業に置きかえることです。要支援者への給付費の伸び率5.6パーセントが3.7パーセントに抑制され、2035年度の給付制限は2,600億円に上ります。サービス単価や人件費の切下げ、利用者の負担増につながり、介護サービスを質、量ともに低下させることは明白です。
第3に、特別養護老人ホームの入所を要介護3以上に限定することです。6月時点で全国の特養待機者は52万人、小樽市では9月時点で685人、そのうち在宅で待機している方は、要介護3以上で127人、要介護1・2は116人もいます。政府の進めるサービス付き高齢者向け住宅は、低い年金ではとても入居できる状況ではありません。介護難民、老人漂流社会は一層深刻になります。
第4に、低所得者の施設入所の居住費・食費を軽減する補足給付を制限することです。これまでにない負担と給付制限が加えられ、安心して入所することもできません。社会保障と税の一体改革では、政府広報で消費税増税分は全額社会保障に回しますと宣伝していたのに、社会保障後退は認められません。
要支援者、要介護者への全ての介護サービスをこれまでどおり保険で継続し、介護報酬を大幅に引き上げるとともに、国の責任で介護職員の確保、処遇改善のための施策を早急に講ずるべきです。介護保険料の値上げを抑え、介護の基盤整備を推進するため、国は地方自治体に必要な財源を支援すべきです。
意見書案第2号は、泊原発は再稼働せず、廃止・廃炉を求めるものです。
福島第一原発事故から3年9か月たちますが、いまだに事故の原因究明も、解明もされていません。放射性物質の汚染水問題も解決できず、除染も被災者への損害賠償も進まない中で、いまだ12万人以上もの県民が避難生活を強いられており、緊急時避難準備区域は解除されたといっても、自宅に戻れる見通しは立っていません。
泊原発で福島第一原発と同じような事故が起きれば、後志管内はもとより北海道全域に深刻な被害を及ぼすことは必至です。大飯原発再稼働に対する福井地裁の判決で、原子力発電においては、いったん発生した事故は、時の経過に従って拡大していく性質を持つ、このことは、他の技術とは異なる原子力発電に内在する本質的な危険であると指摘したように、時とともに被害は拡大していきます。原発と人類は共存できないのです。
泊原発が稼働停止して2年半以上たっていますが、道民や企業の節電努力、また、自家発電などで電力不足は起きていません。ところが、国も北海道電力も再稼働ありきで、稼働もしていない泊原発の維持費に800億円を超える巨費をつぎ込み、原子力規制委員会の規制基準をクリアするために1,600億円を超える投入をしています。さらには、北電の過度の原発依存により招いた経営危機を打開するため、電気料金の値上げを道民に押しつけ、泊原発が稼働しないから電気代を上げるとしていることは到底認められるものではありません。
衆議院議員総選挙の前に行われた北海道新聞の全道世論調査では、泊原発再稼働反対が賛成を上回っており、10月29日に発表された同社の調査結果では、電気代が下がるとしても泊原発の再稼働は認めないとの回答は41パーセントで、賛成の23パーセントを上回っています。稼働していなくても維持費に巨費をかけている泊原発は、再稼働せず、廃止・廃炉にするのが現実的な道です。
意見書案第3号は、再生可能エネルギー拡大を求めるものです。
消費税8パーセント増税と物価高騰に追い打ちをかけるように、北海道電力は、道民の反対を押し切って、11月から電気料金の値上げをしました。福島第一原発事故後、各電力会社が原発以外の電源開発を進めている中で、北電の原発依存度は44パーセントと全国トップレベルです。北電は、再生可能エネルギーの普及が進む下で、送電線などの設備不足、太陽光発電や風力発電は季節や天候、時間帯によって発電量が変わり不安定、蓄電設備を補う火力発電の設備の必要性など、あれこれの理由で買取り制限に踏み切りました。
12月18日、経済産業省は、有識者の新エネルギー小委員会で、再生可能エネルギーの固定価格買取制度の見直し案を提示し、大筋了解されています。これは、原発再稼働を前提とし、電力会社が必要に応じて再生可能エネルギー事業者に発電量抑制を要請できる期間を年30日から拡大することが柱であり、原発に依存することで再生可能エネルギーの普及に障害をもたらすものです。
しかし、発電抑制を要請する対象は太陽光と風力に限定し、電力会社が新たに再生可能エネルギーを受入れ可能になれば、安定して発電できる地熱や水力を優先して導入する方法も検討するということですから、原発に頼らない再生可能エネルギー拡大は可能です。
既にドイツでは、福島第一原発事故の教訓から原発からの撤退を決め、再生可能エネルギー拡大を進めており、2014年上半期の電力消費に占める割合は28.5パーセントに達し、雇用の拡大も進んでいます。日本は、ドイツの9倍もの自然エネルギー資源を有しているのに、自然エネルギー電力の導入率は9分の1にすぎません。国は、北電の買取り制限を容認せず、率先して再生可能エネルギーの拡大・普及と送電線の整備など、条件整備に努めるべきです。
意見書案第4号は、後期高齢者医療制度の特例軽減措置の継続を求めるものです。
75歳以上が加入する後期高齢者医療制度では、現在、年金収入で250万円以下の世帯を対象に、特例として、保険料を最大9割軽減、子供の扶養家族だった高齢者も特例として9割軽減しています。ところが、厚生労働省は、世代間、世代内の不均衡があるとして、特例措置をなくし、810億円の医療費を削減する案を提示しています。
北海道後期高齢者医療広域連合に加入する被保険者数は約72万6,000人で、所得階層別被保険者は、所得なしが約42万人、30万円未満が約5万人、30万円以上50万円未満が約2万8,000人、50万円以上100万円未満が約5万8,000人、100万円以上150万円が約5万7,000人であり、所得の低い被保険者が約61万3,000人と全体の84パーセントです。特例措置対象者は、被保険者全体の60パーセントを占め、特例廃止により、保険料は2倍から3倍に上がります。後期高齢者医療制度のもともとの狙いは、公的医療費の抑制・圧縮です。
厚生労働省は、入院給食費も自己負担を1食当たり200円引き上げて460円とすることや、200床以上の大病院で紹介状なしに受診する場合、定額負担として5,000円から1万円も徴収し、医療費削減のため、入院患者追い出しや患者が自由に診療を受けられなくすることを進める案も示しています。
年金の削減、消費税増税、生活必需品の値上がりなどで、後期高齢者を取り巻く状況は極めて厳しくなっており、この上、特例措置が廃止されれば、対象となる被保険者に深刻な影響を及ぼすことは明らかです。この問題を審議する社会保障審議会の部会では、軒並み負担増を強いることに対して、全国老人クラブ連合会は、後期高齢者医療の特例は恒久的措置になっていると、日本看護協会は、経済的格差による受診抑制を招くという意見を出しています。
今回の軽減措置廃止による国費削減額は、法人税減税1パーセント分に必要な国費5,000億円の6分の1程度です。多くの国民の反対を押し切って始めた後期高齢者医療制度は、うば捨て山だと批判され、軽減措置は国民の声に押されて実施してきたものです。文字どおり、うば捨て山に導く制度改悪はやめて、国においては特例軽減措置を引き続き継続するように求めるものです。
以上、議員各位の賛同をお願いいたしまして、討論といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、意見書案第1号ないし第4号について、一括採決いたします。
可決とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立少数。
よって、否決されました。
次に、ただいま決定いたしました以外の意見書案について、一括採決いたします。
いずれも可決とすることに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
日程第4「議員の辞職」を議題といたします。
去る12月22日、成田祐樹議員から、明12月26日をもって辞職したい旨の願が提出されております。
本件につきましては、成田祐樹議員の一身上に関する問題でありますので、除斥されます。
(5番成田祐樹議員退席)
○議長(横田久俊)お諮りいたします。
成田祐樹議員の辞職を許可することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、成田祐樹議員の辞職を許可することと決しました。
(5番成田祐樹議員着席)
○議長(横田久俊)日程第5「市立病院調査特別委員の選任」を議題といたします。
ただいま許可された議員の辞職に伴い、市立病院調査特別委員が欠員となりますので、その補充員として安斎哲也議員を議長において指名いたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、市立病院調査特別委員として安斎哲也議員を選任することに決しました。
以上をもって、本定例会に付託されました案件は、全て議了いたしました。
閉会に先立ちまして、一言御挨拶を申し上げます。
本年も残すところわずかとなりましたが、この1年を振り返ってみますと、国際情勢としては、2月の冬季オリンピック・ソチ大会をはじめ、サッカーワールドカップ・ブラジル大会や韓国でのアジア競技大会など、平和の象徴としての国際的なスポーツの祭典が開催されました。
しかし一方で、イギリス・スコットランドの独立運動や香港の学生たちによる抗議行動など、世界各地において民衆による政府に対する意思表示のうねりが見られたほか、ロシアによるクリミア半島の編入問題やイラク、シリアにおける武装組織によるイスラム国の樹立宣言、そして我が国においても、沖縄県の尖閣諸島や島根県の竹島など、領土・外交問題において緊張が続いている状況にあります。一日も早く、真に平和な世界が実現することを念願するものであります。
我が国においては、政府の経済成長戦略の効果により景気回復の兆しが見られる中、4月の消費税率8パーセントの実施や円安に伴う輸入原材料の高騰などから一部足踏み状態が見られたことから、先日14日には、改めてアベノミクスへの評価や消費税率引上げなどを争点とする衆議院議員総選挙が行われ、安倍内閣が再スタートすることとなったところであります。今後とも、景気の回復や国家財政の健全化、社会保障の充実とともに、人口減少の克服や地方創生の推進に向けた取組についても、的確に実施されることを期待するものであります。
国内の主な出来事といたしましては、大型の台風や記録的豪雨により、広島市や礼文町での大規模な地滑りなど、各地で土砂災害が多発するとともに、本市においても暴風雨のために潮まつりの最終日のイベントが初めて中止になるなど、昨年に引き続き異常気象の発生が目立ったほか、つい先日の長野県と岐阜県の県境に位置する御嶽山の突然の噴火により、50人以上が死亡した戦後最悪の火山災害など、自然の破壊力をまざまざと感じた年でもありました。
本市におきましては、東アジア圏を中心とする外国人観光客の入り込みが好調である中、4月に新観光船あおばとが就航、6月以降、ダイヤモンド・プリンセスをはじめとする世界最大級の大型クルーズ客船の相次ぐ寄港があったほか、10月の郡山市での全国B-1グランプリでは、小樽あんかけ焼きそばが初出場ながら堂々の9位に入賞するなど、小樽のPRにつながる出来事がありました。
また、まちづくりや市政運営の基本的なルールとなる小樽市自治基本条例が施行されたほか、9月には、学校適正配置の一環として手宮地区統合小学校が完成するとともに、今月1日には、建設地や入札など多くの難題に直面しながらも、待ち望まれていた小樽市立病院が開院するなど、これらに携わった皆様方の御努力が実を結んだ明るい話題も多くありました。
一方で、7月には、ドリームビーチにおいて、一度に4人の女性が死傷するという飲酒運転ひき逃げ事件が発生したほか、年明けには、かつて運河論争の真っただ中に身を置いた志村和雄元市長が御逝去されるとともに、地方発信の文化の象徴でありました伊藤整文学賞が第25回目をもって終了となるなど、一つの時代の終わりを感じさせる話題もありました。
市議会におきましては、主に子育て支援や介護保険などの福祉問題をはじめ、学力向上や子供の貧困などの教育問題のほか、IR構想や人口減少問題、防災対策や街路防犯灯のLED化など、市政各般にわたり広く議論を行ってまいりました。中でも、市議会のあり方の基本となる議員定数問題につきましては、フォーラムや意見交換会を開催するとともに、特別委員会での集中審議などを通じ議論を深め、結果として、定数を28名から3名を減じた25名とすることとなりました。
また、市民に開かれた議会に向けた取組の一環としては、昨年に引き続き、7月に、議事堂を市民に開放し、小樽ゆかりの野瀬・奥野両氏によるジャズの議事堂コンサートを開催したほか、市民と語る会を5月と11月に、計5か所で開催し、議会活動の報告を行うとともに、広く市民との意見交換を行ったところであります。
さて、市長をはじめ、私ども議員にとりましても、残された任期はあと4か月余りとなりました。次期改選期に立候補される方々にとりましては慌ただしい年末年始になるものと思いますが、市政には解決すべき課題が山積しておりますことから、市民の代表としてなお一層の御尽力を賜りますようお願い申し上げます。
また、ただいま辞職が許可されました成田祐樹議員におかれましては、議員として新たなステージに挑戦されることと伺っております。小樽市議会議員としての2期8年の経験を十二分に生かされ、これからも小樽のことを忘れずに御活躍されることを心から御祈念申し上げます。
結びになりますが、この1年間、私にお寄せいただきました御厚情に対しまして心から感謝を申し上げますとともに、議員並びに市長をはじめ理事者の皆様におかれましては、健康に御留意され、御家族ともども御多幸な新年をお迎えになりますよう祈念申し上げ、本年最後の議会閉会に当たりましての御挨拶とさせていただきます。
第4回定例会は、これをもって閉会いたします。
閉会午後4時31分
会議録署名議員
小樽市議会議長横田久俊
議員松田優子
議員山口保