開議午後1時00分
○議長(横田久俊)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、中村岩雄議員、久末恵子議員を御指名いたします。
日程第1「議案第2号ないし第14号及び第16号ないし第21号並びに報告第1号」を一括議題とし、これより一般質問を行います。
通告がありますので、順次、発言を許します。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)1番、秋元智憲議員。
(1番秋元智憲議員登壇)(拍手)
○1番(秋元智憲議員)一般質問いたします。
初めに、若者支援について質問いたします。
本市は現在、財政問題、少子高齢化、人口減などのさまざまな課題を抱えており、その一つ一つの課題はどれをとっても、将来の小樽がさらに発展していくためには、どうしても克服しなければならない課題です。そして、これらの課題を解決していくため、これまでも議論され、今年度からは本格的な対策を講じるため、人口対策庁内検討会議が発足し、その議論を踏まえ、小樽市人口対策会議の中で官民による人口対策の検討が進められるとのことです。
私は昨年、第4回定例会の一般質問、予算特別委員会で不登校、ひきこもりに関して質問しましたが、この問題は、さきにも述べたとおり、将来を担う若者が小樽市に安心して定住するために、対策を講じなくてはならない問題の一つであり、現在、国でもさまざまな対策を講じてきています。昨年の質問では、平成18年度のこころの健康についての疫学調査で、戸別訪問による面接で出た、現在、ひきこもり状態にある子供のいる世帯の推計値0.56パーセントを、本市の22年国勢調査での世帯数5万7,711世帯に当てはめると、ひきこもり状態にある子供のいる世帯は323世帯と推計されることを紹介しました。また、私自身、ひきこもりの相談を受け、その中で小樽不登校・ひきこもり家族交流会の方々との交流の様子なども話し、その中で感じたことや家族交流会の方々の要望などについても質問、提案したところであります。市長からは、今後の取組や活動支援についても前向きな答弁をいただいておりました。
そこで何点か質問ですが、現在、国はもちろん、多くの自治体で積極的にひきこもり支援が始まっております。今後、本市でもひきこもり状態にある方々や家族への支援体制を検討、構築するために、昨年の質問の中で本市の現状を把握するべきであり、その方法として、山形県が行った民生・児童委員の方々に協力をお願いし、現在持っている情報を提供してもらう方法はどうかと提案いたしましたが、本市でも既に、この方法での調査を行ったと伺っています。可能であれば、その調査結果と結果を踏まえ、どのような感想をお持ちかお聞かせください。
また、調査を行うに当たって、協力いただいた民生・児童委員の方からはどのような意見があったのか、お聞かせください。
昨年の質問の中で感じたことは、小・中学生の不登校や、特に若年者層のひきこもりなどについて、対応できる部署がなく、それぞれの担当課のみでの対応になっていること、また、それぞれの情報の共有や連携がないことで、不登校やひきこもり支援が継続的な支援になっていないものと感じます。そこで、庁内での横断的ネットワークの形成について、今後の方向性を伺います。
若者支援については、当事者への相談体制の確立、自立に向けたアドバイス、自立に向けた職業体験、民間団体との連携、家族へのサポートなどについて今後の小樽市としての方針、考え方を整理し、対応策や施策の検討をするべきであるとの考えから、例えば札幌市で策定した若者支援基本構想のような総合的に支援できる計画をつくり、対策を講じていただきたいと思いますが、市長の御所見を伺いたいと思います。
次に、小樽市障害福祉計画について伺います。
障害福祉計画は、障害者総合支援法の第88条第1項及び第89条第1項の規定に基づき、障害福祉サービスなどの提供体制及び自立支援給付などの円滑な実施を確保することを目的とし作成されるものであり、国の基本指針に即して市町村及び都道府県が作成するとされております。
この障害福祉計画の策定に当たり、本市では、平成18年度に計画期間を19年度から28年度とし策定された小樽市障害者計画との調和を図りながら、障害者等が自立した生活を営むことができるよう、障害福祉サービス等の必要量とその確保に関する3年間の実施計画として位置づけられておりますが、現在の第3期計画は26年度が最終年度とされております。現在、第4期計画策定に向け作業を進めていることと思いますが、初めに、策定するに当たり、年度途中ではありますが、第3期計画の目標数値と実績についての率直な感想と次期計画策定の進捗状況を伺います。
この障害福祉計画は多岐にわたるため、今回の質問では特に地域生活支援事業に関し質問したいと思いますが、厚生労働省によれば、地域生活支援事業の目的を「障害者及び障害児が、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、地域の特性や利用者の状況に応じ、柔軟な形態により事業を効果的・効率的に実施」することとされております。
本市の計画では、障害のある人のニーズに適切な相談支援ができる体制を整備することが記載されておりますが、第4次計画策定段階で地域生活支援事業に対し、ニーズの把握の方法とニーズにはどのようなものがあったのか、お聞かせください。
また、それらのニーズに対してどう応えていくお考えなのか、支援策について現段階でのお考えを伺います。
計画については、毎年度、点検・評価を行い、次期福祉計画策定時には小樽市障がい児・者支援協議会の意見を踏まえ、次期計画策定に反映させるとのことですが、この協議会の構成メンバーとその人選方法をお知らせください。
また、これまでどのような意見があったのかお知らせください。
次に、障害者タクシー利用助成事業について何点か伺います。
本市障害福祉計画の中に位置づけられる社会参加促進事業は、文字どおり障害者等の社会活動及び地域活動への参加を促進するものであり、8項目の事業に分かれております。その中の一つに、障害者タクシー利用助成事業があり、この事業は、現在、市債で賄われております。原課に確認すると、この事業予算は過疎債の対象になるとのことで、市債になっているとのことでした。平成20年度は国・道の補助金を受けて運営された事業であり、22年度からは過疎債を財源に実施しておりますが、本市と利用者にどのようなメリットがあるのか、改めて確認したいと思います。
障害者タクシー利用助成は、障害を持った方が通院や通勤するための支援として有効ですし、対象は障害1、2級と比較的重度の障害の方々で、社会参加の一助となっているものと認識しております。
そこで、この事業はタクシー券を交付することとしておりますが、25年度の利用状況は肢体障害の交付率49.75パーセント、利用率66.8パーセント、視覚障害交付率75パーセントで利用率75.2パーセント、腎臓の障害交付率97.69パーセント、利用率74.5パーセントとなっております。対象者全体でも交付率64.5パーセント、利用率が71.24パーセントです。交付率と利用率について、市長はどのように受け止めておられるのか伺います。
この制度は、必要な方が申請し、利用する制度ですが、この事業を利用する方からは、助成をするならもう少し使い勝手のいいものにしてもらいたいとの意見も伺っております。他市ではタクシー券とガソリン券のいずれかを選択できるところもありますし、例えばバスを多く利用する方にとっては、バス券での支給のほうが利用者にとって有効な方法だと思います。次期計画策定に当たり、このような声を反映することはできないものか、お考えをお聞かせください。
次に、小樽市地域防災計画について伺います。
小樽市地域防災計画では、災害発生時の医療救護計画を策定しており、応急救護については傷病者の救命と弱者救済や精神不安定者の解消と生活環境安全確保が目的とされています。
初めに、救護対策本部の設置は、災害発生時に災害対策本部長の要請に基づき、災害対策本部の衛生対策部が医師会と連携して保健所内に救護対策本部を設置することとなっております。まず、ここで言う連携の方法、手段についてお知らせください。
災害対策本部は、市役所本館2階応接室若しくは消防庁舎6階講堂とされています。災害発生時に各部署がいろいろな対応をする中で、情報の収集、本部との連携を考えると、できるだけ対策本部と各対策部は、一つの建物内に設置されていたほうが情報の共有化や本部からの指揮も迅速にできるものと考えますが、救護対策本部を保健所内、救護隊本部を小樽市医師会に設置することとした理由については、どのような想定をされてこのような形をとられたのか伺います。
この項最後になりますが、災害時基幹病院と支援病院の指定について伺います。
防災計画では、小樽市内を六つの地区に分け、それぞれの地区に災害時基幹病院と支援病院を指定しています。
初めに、この6地区を指定する基準はどのようなものなのか、地区の人口、世帯数か、それとも地域的な要因なのかお聞かせください。
災害時基幹病院とその支援病院の計画ですが、特に心配されるのは北部地区です。この地区の区域は蘭島から稲穂5丁目までとされ、これまで災害時基幹病院の指定を受けていた済生会小樽病院が昨年8月に移転し、その支援病院である小樽市立脳・循環器こころの医療センターが小樽病院との統合により今月移転しました。このことにより、災害時に北部地区で医療の中心となる病院がなくなったことになり、今後この地区の医療体制を防災計画上どのように考えていくのか伺います。
次に、小樽市議会が行った市民と語る会で、市民の方から寄せられた要望について伺いたいと思います。
塩谷サービスセンターで行った市民と語る会では、住民の方より、海抜表示がほとんどなく、また、避難所に指定されている塩谷小学校が土砂災害警戒区域にあるなど、心配する声がありました。
今後、災害別の避難所指定を行うということですが、1か所の避難所で複数の災害別の避難所が想定されるのか、その対象となる避難所数をお知らせください。
また、複数の避難所が想定される地域住民に対して、どう周知を徹底するのかお聞かせください。
次に、沿岸地域の防災対策について伺います。
先ほども述べましたが、災害時の対策について市民の皆さんも東日本大震災以降、関心があったものの、発災から3年半以上が過ぎ、日に日に関心も薄れていくことを感じております。これまで議会でも、さまざまな議論がされました。また、本市としても対策を講じ、市民レベルでも防災、避難訓練などが行われてきました。しかしながら、現在でも十分な対策とは言えないのも事実であります。
私も実際、沿岸部の、特に蘭島・塩谷地域を見てまいりました。海抜表示を確認できたのは数か所で民間飲料メーカーが自動販売機に掲示しているものが見受けられましたが、それ以外は確認することはできませんでした。沿岸地域の海抜表示の範囲拡大について、計画などありましたらお聞かせください。
また、少なくとも市所有の建物や建造物への海抜表示等を検討されてもいいのではないかと思いますが、何か対策をお考えでしたら、お示しいただきたいと思います。
これまで沿岸地域などにおいて、避難訓練などが行われてきました。その際、市に対する要望も多々あったと聞いておりますが、それらの要望に対し、課題の解決につながったものなどありましたらお聞かせください。
特に、沿岸部での広報活動では課題もあったと認識しております。広報車の音が聞こえないとの声を多く耳にしましたが、その対策についてどう考えているのか伺います。
以前にも、質問、提案してきた防災ラジオの導入について、市が一部負担をする形で希望する市民に配布してはどうかなど、総務常任委員会や一般質問で質問し、その際、市長からは「有償配布とした場合、どの程度普及率が上がるかなど検討しなければならない課題も多々あると考えております。本市としても、情報伝達手段についてどのような方法が最も効果的であるか、防災ラジオの活用も含め、今後さらに研究してまいりたいと考えております」とのことでありましたが、その後の検討の状況を伺いたいと思います。
次に、ICTやスマートフォンを活用した公共サービス向上について質問いたします。
総務省の平成25年通信利用動向調査における、インターネット利用動向についての調査では、13歳から59歳のインターネット利用率は9割を超えており、特に携帯電話の世帯普及率は94.5パーセントであり、内数であるスマートフォンは49.5パーセント、前年比20.2ポイント増で急速に普及が進んでおり、家庭外でのインターネット利用回数について従来型携帯電話利用では毎日1回以上が5割強にとどまっているのに対し、スマートフォン利用では約8割に達し、インターネットの利用が増加しているとの結果が発表されました。
また、家庭外での利用目的別利用状況を見ると、全般的にスマートフォン利用が従来型携帯電話利用を上回り、特にホームページ閲覧、ソーシャルメディア利用、電子商取引、地図情報の利用について、顕著に違いが出ているとの結果が出ております。
現在、各地方自治体などでは、自治体が直面する課題の解決に貢献し、地域住民にとって役立つスマートフォン用のアプリ又はウエブアプリを開発しております。主に地域情報、観光、防災、健康、福祉など地域の活性化や安全・安心に資するものとして、便利な情報を住民及び観光客などに提供しています。
本市においても、市民や本市を訪れる観光客などに対し、求められる情報を発信することで、課題解決の一助となるものと考えます。
例えば、東京都杉並区では、2014年1月6日からごみ出しマナー向上のため同区のキャラクター、なみすけを活用したスマートフォン向けアプリ、なみすけのごみ出し達人などを東京23区で初めて無料配信いたしました。
また、既存の防災マップなどの情報を事前にダウンロードし、災害時の電話回線などの乱れや通信状態に関係なく、避難場所や避難報道情報を確認することができるもの、京都府京田辺市では、iPhoneを使い「1人で初めて来訪した外国人の方でも迷わず、安心してまち歩きができる」をテーマにしたパンフレットではできなかったスマートフォンで活用できる観光案内ツールを開発、愛媛県新居浜市では、行政からのお知らせ、緊急情報、災害情報、休日・夜間診療、防災情報などを配信しております。各自治体が知恵を出し合い、まちづくりを進めております。
以上のことから、今後の本市が行う施策に役立てるために、インターネット利用動向調査を機会を捉え行うべきと思いますが、お考えを伺います。
また、市民、観光客が享受する面も多いと考えることから、小樽市においてもこれらの取組を進めるべきと思いますが、市長のお考えを伺います。
以上、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)秋元議員の御質問にお答えします。
初めに、若者支援について御質問がありました。
まず、民生・児童委員による調査結果につきましては、本市では54人とのことでありましたが、ひきこもりの定義がはっきりしていない中での調査であり、聞き取りなどをお願いした上での結果でもありませんので、数字がひとり歩きすることは好ましくなく、結果として多いのか少ないのか判断しかねるところであります。
次に、民生・児童委員の皆さんからの意見につきましては、この調査がひきこもりを考えるよい機会になったとの意見があったほか、ひきこもりの定義がはっきりせず、実態がわからない中、数字を挙げるのに大変迷ったなどといったものもありました。
次に、庁内の横断的ネットワーク形成についてですが、ひきこもりや不登校などにより社会生活を円滑に営むことが困難な子供と若者の自立や社会参加に向けた取組については、教育、福祉、医療、雇用など多岐にわたっており、一つの組織で全ての支援を行うことは困難であると認識しております。
このため、担当課が保有するそれぞれの分野における情報や課題の共有を図るとともに、支援を充実するため横断的な仕組みとして、担当課により構成する連絡会議を設け、連携を強化してまいりたいと考えております。
次に、総合的な支援のための計画についてですが、若者の自立支援施策を進めるに当たって、指針となる計画については大変重要なものと理解しておりますので、今後設ける連絡会議において、他都市の事例を参考にしながら研究してまいりたいと考えております。
次に、小樽市障害福祉計画について御質問がありました。
まず、第3期障害福祉計画の目標数値と実績についての感想でありますが、サービス種別により、目標数値に達しているもの、達していないものはありますが、障害をお持ちの方が通所して作業訓練を行う事業は目標数値より実績が上回っておりますので、そのようなサービスは充実してきているものと感じております。
また、次期計画策定の進捗状況につきましては、現在、障害福祉サービス等の必要量を見込みながら素案を策定しているところであります。
次に、ニーズの把握につきましては、障害福祉や介護事業所、高等養護学校の教諭など障害福祉にかかわる皆さんの集まる会合や障害をお持ちの方々との懇談会などで、担当者が計画の説明を行いながらニーズの把握をしているところであります。
また、ニーズの内容につきましては、手話通訳者の増員、障害児の日中の一時預かり場所の充実などがありました。
次に、ニーズに対する支援策につきましては、手話通訳者の養成事業など既に取組を進めているものもありますが、行政だけでは実施することが困難なものもあることから、社会福祉法人や民間事業者の力をおかりしながら、できるだけ取り組んでまいりたいと考えております。
次に、小樽市障がい児・者支援協議会の構成と人選方法につきましては、障害福祉サービス提供事業所、福祉団体、障害児や障害者の親の会、地域包括支援センター、ハローワークなど、さまざまな分野における19の団体で構成されており、それぞれの団体に委員の推薦を依頼しております。
次に、協議会における意見につきましては、協議会の活性化のために専門部会を設け、地域の課題を検討してはどうか、計画策定には障害をお持ちの方々の声を聞くべきではないか、障害者のサービス等利用計画の作成を進めるために介護保険事業所の力をかりてはどうかなどといったものがありました。
次に、過疎債を財源としたことによるメリットにつきましては、本市では一般財源が乏しい中、市債を財源として事業実施が可能となるほか、起債の元利償還金の70パーセントが地方交付税の基準財政需要額に算入されるため、大きなメリットがあります。
また、利用者にとっては直接的なメリットはありませんが、こうした財源が事業の継続に寄与しているものと考えております。
次に、障害者タクシー助成の交付率と利用率に対する受止めにつきましては、障害種別により交付率、利用率は異なりますが、全体として対象者の約7割の方が交付を受け、そのうち利用率が7割程度という状況にありますので、せっかくの制度であることから御利用いただけるよう周知に努めてまいりたいと考えております。
次に、次期計画の策定に当たり、障害者の状況に応じてガソリン券やバス券の助成を選択できるよう、次期計画に反映させられないかとのことでありますが、この事業はみずから運転することやバスでの移動が困難な重度の障害をお持ちの方に、タクシーを利用して外出の機会を増やしていただこうと開始したものであります。そのため、ガソリン券やバス券の助成を含めた事業内容の拡大は困難であり、来年度から始まる計画に反映させることは難しいことを御理解いただきたいと思います。
次に、小樽市地域防災計画について御質問がありました。
まず、災害対策本部と救護対策本部との連携についてですが、災害対策本部と救護対策本部を設置する保健所とは本部員会議への保健所長の出席のほか、保健所に配置している情報連絡責任者を通じて情報の共有や指令の伝達を行うものであり、連絡手段は内線電話や携帯電話、ファクシミリなどを使用することとなります。
なお、連絡手段の多様化を図るため、今後、保健所などの外局・施設へ防災行政無線機の段階的な配備を予定しております。
次に、救護対策本部を保健所内、救護隊本部を小樽市医師会に設置することとした理由につきましては、日ごろ使いなれた執務室で救護に関する業務を行うことで、より迅速に対応できることや、それぞれの本部を別の建物とすることで、被害の分散化や救護機能の確保が図れることなどであります。
次に、災害基幹病院等の指定の際の地区分けの基準につきましては、平成9年に地域防災計画を修正した際、医師会と協議の上、基幹病院となり得る病院の位置と数や周辺人口を考慮し、市内を6地区に分けて災害基幹病院を指定したものです。
次に、防災計画上の北部地区の医療体制につきましては、済生会小樽病院の移転や小樽病院と医療センターの統合に伴い、指定地区や災害基幹病院の変更のほか、新たな支援病院の指定など今年度の地域防災計画の修正に向け、医師会と調整中であります。
次に、災害別の避難所指定についてですが、今後、本市では、土砂災害、地震、津波、及び洪水の4種類の災害に応じた避難所として指定することとしており、安全な場所にある避難所では1か所につき最大4種類の災害に対応することとなります。
また、種別ごとの避難所の指定については、現在作業を進めていることから、現時点で複数の災害に対応できる避難所の数をお示しすることはできません。
また、地域住民の皆さんには、地域防災計画の変更の後、広報おたるや回覧板などを通じて周知を図ってまいりたいと考えております。
次に、海抜表示板の設置につきましては、本年度から2か年の計画で沿岸部への設置を予定しており、本年度は蘭島地区から色内地区にかけて、沿岸部の市道にある電柱や照明柱など75か所に設置し、そのうち蘭島及び塩谷地区には計28か所に設置いたします。また、平成27年度は、色内地区から銭函地区にかけて75か所に設置する計画となっております。
なお、表示が必要と考えられる市所有の建築物等につきましては、表示方法など、今後、検討してまいりたいと考えております。
次に、避難訓練の際の要望につきましては、町会からは訓練の継続や定期的な危険箇所の周知等について要望があり、市としては、今後も町会への訓練継続の働きかけを行うほか、危険箇所の周知については、追加の都度、随時ホームページなどで土砂災害警戒区域指定の情報を提供してまいりたいと考えております。
また、沿岸部の広報活動の課題につきましては、避難開始の広報を消防、消防団、警察の車両を使って行っており、住宅内では聞こえづらいなどの御意見がありましたが、地震などの揺れを感じたらテレビやラジオなどで情報を収集し、まずは、みずからが迅速な避難行動をとっていただくよう、広く市民に周知してまいります。
次に、防災ラジオの導入につきましては、本市では昨年度と本年度の2か年で町会や保育所など計234か所に無償で防災ラジオの配付をし、災害時に役立てていただくこととしております。
また、一部有料での配布につきましては、メーカーによる防災ラジオの生産が減少している中で、先々の展開を考えることが難しいことから、他の情報伝達手段の導入について、引き続き他の自治体の取組など情報収集に努めてまいりたいと考えております。
次に、ICTやスマートフォンを活用した公共サービス向上について御質問がありました。
まず、本市におけるインターネット利用動向調査の実施についてですが、総務省の情報通信白書では、インターネットの利用状況について全国の家庭内、家庭外からの利用率の情報のほかにも都道府県別の端末別利用率も公表されておりますので、本市といたしましては、こうした情報を最大限活用していきたいと考えております。
次に、スマートフォンを活用した情報発信の取組につきましては、特に若い方々を中心に、スマートフォンの普及に伴って移動型のインターネット利用が増加していると認識しております。市としましても、これまでもさまざまな形で市政情報や観光情報の提供を行ってきましたが、他の自治体での取組を参考とし、有用性やコスト面などを見極めた上で検討したいと思います。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)1番、秋元智憲議員。
○1番(秋元智憲議員)何点か再質問させていただきます。
まず、若者支援についての連絡会議を立ち上げるということでありました。
昨年から質問させていただきましたけれども、状況が非常に切迫されている御家庭もありますし、相談体制がなかなか整っていないということで、札幌に多くの方が相談しに行っているというような状況もありますので、早急にいろいろな対策を講じていただきたいと思うのですが、先ほどの市長からの答弁では、連絡会議を立ち上げるということでしたけれども、まず、その連絡会議はいつから立ち上がるのかを伺いたいと思います。
総合支援計画につきましては、連絡会議の中でも検討していくということでしたけれども、今回その障害福祉計画、また、地域防災計画も小樽市としての計画があって初めて大きく動き出すし、進んでいくものと感じるのですね。そういう意味では、小樽市としての考え方、市長の考え方がない中で連絡会議をつくっても、私も各部の方々と話をさせていただきますけれども、どこの部署の方ももう日ごろの業務の中で、忙しい中で本当に大変だという声も伺っていますので、それが本当に進んでいくのかというふうに考えれば、やはり小樽市としての総合計画をつくっていただいた上で進めていただきたいというのが1点目です。
2点目に、障害福祉計画の障害者タクシー利用助成事業で、先ほどの市長からの答弁で、市としては7割が過疎債として、たしか九百数十万円の事業予算のうち7割が戻ってくるというお話でした。市としてはメリットがあるけれども、利用者については直接、大きなメリットはないと伺いましたけれども、私が相談をいただいた方は下肢の障害を持っている方ですが、バスを使っているのです。障害者タクシーは、対象になるということで申請はしているのですが、ほとんど使わないということなのですね。
JRにしても中央バスにしても、民間事業者が障害者に対してさまざまな取組を、補助なりをされているのですが、その方は、その恩恵には預かっているのですね。ただ、小樽市として、ではそういう方々が自立する施策として、実際タクシー券を利用されない方はそれでいいのかという話なのです。そういうお話も実際伺っていますので、次の計画にはなかなか反映しづらいというお話でしたけれども、予算の関係上、もう少し幅広く希望に応えられるような、先ほど事業の理念といいますか、柔軟な対応をできるようにという話もさせていただきましたけれども、ぜひ検討するべきだと思うのですけれども、その辺についてもう一度伺いたいと思います。
4点目に伺ったスマートフォンの活用ですけれども、これにつきましても原課の方と話をさせていただきましたけれども、やはり国の動向を見るというようなお話で、なかなか市独自でどういう政策をしていくのかという声が聞こえないのが非常に残念に感じるのですけれども、国の事業予算措置などもありますから、ぜひそういう機会も捉えて、新しい事業も計画していただきたいと思いますので、この辺ももう一度お答えいただきたいと思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)総務部長。
○総務部長(迫俊哉)秋元議員の再質問にお答えいたします。
まず、若者支援の関係の連絡会議の発足についてでございますけれども、これにつきましては教育、福祉、医療、さまざまな分野にわたるわけですけれども、関係部課の職員を集めまして、今月中には連絡会議を発足させ、それぞれの分野における情報や課題の共有をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
それから、スマートフォンの活用についてでございます。
さまざまな分野での活用の仕方があるのではないかと思っております。例えば観光情報の提供ですとか防災情報の提供、特に外国人向けのサービスが足りないというふうにも認識しておりますけれども、これらについては、市長の答弁の繰り返しになりますけれども、国の制度の活用ですとか他の自治体の状況なども参考にいたしまして、今後の取組については検討させていただきたいというふうに思っているところでございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)生活環境部長。
○生活環境部長(前田孝一)私からは、若者支援の総合的な計画の部分についてお答えいたします。
先ほど総務部長からも再質問の答弁がありましたとおり、今月中に連絡会議を立ち上げる予定になってございますので、そういった中で総合的な支援計画についての方向性についても検討していきたいというふうに考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)福祉部長。
○福祉部長(三浦波人)私からは、障害者タクシーのことでございますけれども、過疎債が導入されているということでございますけれども、この過疎債というのは恒久的な財源とはなかなかなり得ないわけでございまして、そうなりますと、この事業については、市の一般財源が基本でございますので、そういうことも考えていかなければならないという点、それから、この事業の趣旨は、答弁にもございましたように、マイカーを運転できる方とかバス停に行ってバスに乗れる、それが容易にできる方ということではなくて、運転できないとか、バス停になかなか行けないというような方を主な対象に制度設計をしている事業ということもありますので、今後の事業展開につきましては、やはり財源のことも含めて、どうしても慎重に考えていかざるを得ないものであるということについて御理解をいただきたいというふうに考えております。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)1番、秋元智憲議員。
○1番(秋元智憲議員)障害者タクシーについて答弁していただきまして、詳しくは予算特別委員会でやらせていただきたいのですが、ただ、対象となっている方が実際にいて、今、福祉部長が言われたとおり、実際バス停に行けないですとか、車を運転できない方が対象だということですけれども、ただ実際は、障害1級、2級で対象になっている方たちも申請されていますが、実際のところ利用率は非常に少ないですよね。
それはいろいろな状況があるのでしょうけれども、この交付率、利用率を見て、それでいいのかなと私は思うのです。詳しくは予算特別委員会でやらせていただきますけれども、この件を改善していく考えというのはないのでしょうか。先ほどタクシー券、バス券など、ほかの市でのいろいろな例を挙げさせていただきましたけれども、実際にもっと使い勝手のいいものにしてほしいという声があって、そういう声を議論する場がいろいろあると思うのですけれども、その声は、なかなか協議されていないのかなとは思うのですが、そういう声というのは、例えばアンケートをとるですとか、もっと利用率を見て改善していく点はないのかという議論というのはされないのでしょうか。その辺はいかがですか。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)福祉部長。
○福祉部長(三浦波人)この制度について、例えば他都市の状況などを見ますと、タクシー券以外に対応している自治体というのも若干はあるのですけれども、大方はやはり制度の趣旨からして、タクシー券に限っているというところのほうが多くございます。
議員のお話もよくわかるところがございますけれども、こうした各自治体では恐らく財源のことや制度の趣旨などを踏まえながら、あとニーズなどもございますが、総合的に判断はしてきている中で、現状のスタイルになっているのではないかというふうに考えております。
次期障害福祉計画策定にはさまざまなニーズも把握しておりますけれども、結果は別といたしましても、計画策定に当たってはいろいろな声を参考にさせていただいておりますので、その点についても御理解をいただきたいと思います。
○議長(横田久俊)秋元議員の一般質問を終結いたします。
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)8番、川畑正美議員。
(8番川畑正美議員登壇)(拍手)
○8番(川畑正美議員)一般質問します。
最初に、防災対策についてです。
東日本大震災から3年9か月になろうとしています。被災地では、いまだに約24万人もの方たちが被災生活を送っています。
今年8月には、広島市で豪雨による土石流によって死者・行方不明者が74人に上り、多くの方が避難生活を送っています。広島市では15年前にも大規模な土砂災害があっただけに、被災者からは防ぐことができなかったのかという声が上がっています。
北海道でも、礼文町で50年に1度の記録的な豪雨に見舞われ、2人の方が亡くなっています。
最近では、11月22日に長野県北部で震度6弱の地震が発生しました。地震の規模はマグニチュード6.7と推定され、多くの負傷者と住宅の全壊や土砂崩れも多く発生しました。
日本列島の至るところで津波や土砂災害、地震など、いつでも発生し得る状況にあります。
これまで、小樽市津波ハザードマップの説明会は、2012年3月21日、蘭島・忍路地区、3月22日、塩谷・桃内地区及び港湾地区、23日、祝津・高島地区、26日に船浜・朝里地区及び港湾地区、27日には銭函地区と日程表を組んで実施していますが、津波避難訓練は実施されているのでしょうか。市内全体の実施状況についてお示しください。実施していない地域についても、お聞かせ願います。
また、避難訓練に対しては、市の防災担当が支援されてこられたと思いますが、地区によって訓練実施のばらつきがあると思います。未実施地区に対する支援や対策についてお示しください。
小樽市の津波ハザードマップは、2012年3月に発行されています。これは北海道が2010年3月に作成した津波シミュレーションを基に編成されたものです。その後、2014年8月に日本海における大規模地震に関する調査検討会から津波到達時間と津波高が発表されています。浸水想定が明確になるのは、いつごろになるのでしょうか。
小樽市議会「市民と語る会」が11月6日、塩谷サービスセンターで開催され、災害対策について要望が出されました。塩谷地区は、沿岸線に接した地域であり、津波はもちろん土砂災害防災についても関心のある地域です。地域の方からは、津波から避難する際の避難経路等はどうなるのか、災害時の高齢者への対処はどうするのか、誰が救助するのかなどの声を聞きます。
また、避難経路が民有地となる場合の地権者への承諾、高齢者や障害者などの要配慮者を援助する方への周知についてはどのような対策を講じているのかお聞かせください。
小樽市議会「市民と語る会」では、避難所に指定されている塩谷小学校が土砂災害警戒区域に接している、変更する必要があると心配する声もありました。小学校は高台にあり、津波に対する避難所としては有効ですが、土砂災害の避難所としては不適です。今年の第3回定例会では、災害別に避難所を指定すると答弁されています。津波と土砂災害の避難所は地区ごとに今年中に決めたいとしていますが、住民に周知するための説明会などについては検討されているのでしょうか。日程の検討など、進捗状況をお知らせください。
次に、街路灯助成金についてです。
今年の第3回定例会において、2014年度の街路灯設置費助成金の当初申請が57町会629灯との答弁がありました。今年度予算が400万円であったことから、207灯のみの助成となりましたが、残りの422灯全部に助成するには助成額は約630万円が必要であることが明らかになり、この額は今年度でも実施できると答弁しています。助成の対象となった422灯に対して追加助成を求めたところ、新年度から現行の制度よりも有利な助成率で制度設計を検討しているが、町会へ改めて照会して、現行の助成率でも設置したいという希望があれば対処することになっていました。
当初申請57町会のうち20町会に対しては申請した全灯への助成を行ったと聞いていますが、残り37町会422灯分が未助成で追加助成の対象になっていました。この422灯に助成する場合の助成総額は約630万円とのことでした。この設置工事費の総額はおよそどのぐらいになるのでしょうか。
また、追加助成の対象となった町会に対しては、どのような照会をしてきたのでしょうか。お答えください。
町会によっては辞退されたところもあると思いますが、辞退理由など把握されていましたらお聞かせください。
11月19日に町会長と市との定例連絡会が開催されています。その中ではLED街路灯設置助成も話題となり、会議における市長講評では市の設置助成割合を9割として、3年間で実施したいと語っています。8月開催の地区連合町会長と市長と語るつどいでは、例えば7割とか8割を市が持ってと語っておりましたから、大きな前進です。
第3回定例会の予算特別委員会で、一括全額助成の申入れに対して、街路灯の所有権が町会にあるため、市の全面負担は難しい問題があるが、手法も含めて検討したいと答弁されています。全額助成することなどは検討されなかったのでしょうか。
町会に対しては、LED化の設置助成金と電気料金への助成金があります。設置については9割の助成を3年間で実施と伺いましたが、電気料金の助成についての見解をお聞かせください。
次に、生活支援ハウスの休廃止についてです。
小樽市は、2013年度の行政評価で試行としながらも、赤岩の高齢者施設、生活支援ハウスの運営を休廃止・終了と判定しました。
生活支援ハウスは、2004年4月に開設されています。施設の概要は、高齢等のための独立して生活することに不安のある方に住居を提供するとともに、各種相談や助言等を受けながら自炊で生活する施設とされています。入居要件については市内に居住する60歳以上で、高齢等のため独立して生活することに不安がある方のうち、ひとり暮らしの方、夫婦のみの世帯の方、家族による援助を受けることが困難な方となっており、定員は12名です。費用は前年の収入に応じた利用料負担で、光熱水費等について実費相当を負担することになっています。
この施設の開設当初の目的について、昨年第4回定例会の厚生常任委員会では、高齢者に対して介護支援機能、居住機能及び交流機能を総合的に提供することによって、安心して健康で明るい生活を送れるように支援して高齢者福祉の増進を図ることや、また、2000年介護保険制度の創設に伴い、要介護度が低く特別養護老人ホームなど、退去しなければならない高齢者の受皿となる福祉施設を自治体が整備するよう、国から通知されていると説明されています。
生活支援ハウスについては、市内の社会福祉法人が設置して、それに対して市が補助しているとのことですが、建設費と建設に当たっての市からの補助金は幾らですか、お聞かせください。
委託料は2004年当初は補助金があったが、現在は一般財源化され、持ち出しとなっているとのことですが、2013年度の委託料は幾らになるのでしょうか。
また、この部分に対する国の地方交付税算入額をお知らせください。
12名の入居者に対して比較的安価な入所料にしていることに対して、一般財源の使い道として疑問があり、休廃止としたと答弁していますが、これは少ない人に安い入所料にしていることを問題にしていると受け止めざるを得ません。福祉の観点から問題です。見解をお聞かせください。
法人側が施設として経営的うまみのある施設でなく、今後ほかの目的の福祉施設として転用を考えているようですとの答弁は、市からの補助金を出している中で福祉事業に対して利益優先と思うが、見解を聞かせてください。
早期廃止に向けて計画的に進めようとして、現在の入居者には退去を勧めているようですが、新たな転居先確保について市が責任を持つのですか。施設の定員は12名ですが、現在の入居者は何人ですか。退去者が出た場合、入居者の補充はどうなっていますか。
介護保険制度が改悪され、特養は原則要介護3以上が対象になります。今後、施設入所希望者の受入先確保のためにも、生活支援ハウスは続けるべきではありませんか。養護老人ホーム小樽育成院やケアハウスも入所待ちの状態です。市の都合で退去を求め、入居者の意にそぐわない退去の推進はすべきではありません。行政評価の試行段階で休廃止・終了を決め、終了する2018年度までに早期廃止に向けて計画的に取り組むとしていますが、休廃止・終了を取りやめるべきです。見解をお聞かせください。
以上、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)川畑議員の御質問にお答えします。
初めに、防災対策について御質問がありました。
まず、津波避難訓練の実施状況についてですが、2012年に津波ハザードマップの説明会を実施した6地区のうち、塩谷・桃内地区ではまだ実施されておりませんが、他の5地区におきましては、本年度までに各地区の町会又は連合町会において訓練が実施されております。
次に、避難訓練に対する市の支援につきまして、避難訓練は町会が自主的に実施することが望ましいと考えておりますが、訓練を実施していない地区の町会に対しましては、これまで同様、図上訓練をはじめとした準備段階から実施訓練に至るまで、訓練全般について可能な限り支援を行っていきたいと考えております。
なお、訓練未実施の町会には市が支援を行う旨や他地区での取組状況を紹介するなど、実施に向けて働きかけてまいりたいと考えております。
次に、北海道が行う津波浸水想定についてですが、北海道からは今年度中に日本海側の断層モデルを決定し、平成27年度に津波シミュレーションを行い、その後に各地区における浸水想定を公表すると聞いております。
次に、避難経路などにつきましては、町会が避難訓練を行った結果、町会の皆さんが民有地を避難経路とすることが最良の選択であると判断され、避難路としてあらかじめ土地所有者の承諾が必要となる場合には、その承諾が得られるよう、町会側と働きかけをしてまいりたいと考えております。
また、要配慮者を援助する方への支援方法などの周知についてですが、地域の方々には町会が行う訓練において、車椅子を使用した支援を体験してもらうなど、身近にお住まいで避難行動が困難な方の支援方法などについて理解を深めていただけるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、災害別の避難所の指定につきましては、現在市内に69ある避難所を土砂災害、地震、津波及び洪水の4種類の災害に応じた避難所として指定するための作業を進めており、年度内をめどに地域防災計画の変更とあわせて住民の皆さんには広報おたるや回覧板などを通じてお知らせしたいと考えております。
次に、街路灯助成金について御質問がありました。
まず、未助成の422灯の設置工事費につきましては、総額で約1,600万円となっております。また、照会の方法につきましては、追加助成の対象となった町会全てに電話連絡し、新年度から現行の制度よりも助成率の高い制度を実施する予定であることを伝えた上で、追加助成の希望の有無について意向を確認しました。
次に、追加助成を辞退した町会の理由につきましては、一部の町会からではありますが、新年度から助成率の高い新たな制度が始まることを知り、今年度は辞退することとしたと聞いております。
次に、全額助成などの検討につきましては、制度設計の中で町会の負担をできるだけ少なくするという観点からは検討を行ってきましたが、厳しい財政状況の中ではLED化に係る費用の全てを市が負担することは難しいものと判断したものであります。
次に、電気料金の助成についての見解につきましては、既存の街路防犯灯のLED化を促進することで電気料金の縮減に結びつくものと考えておりますので、電気料金への助成率を変更することは考えておりません。
次に、生活支援ハウスの休廃止について御質問がありました。
まず、社会福祉法人が設置した生活支援ハウスの建設費とこれに対する市の補助金額につきましては、建設費が約1億6,800万円、市の補助金が900万円となっております。
次に、平成25年度の委託料と国の地方交付税算入額につきましては、委託料が1,230万円、交付税算入額が約850万円となっております。
次に、生活支援ハウスに対する一般財源の使い道に関する見解につきましては、投入する一般財源の額と受益者数を勘案すると、市が行う事業として公平性の観点から見直しの必要があるものと考えております。
次に、法人の事業運営が利益優先になっているのではないかとのことでありますが、委託する法人からは建設費の償還金を含めると赤字であると伺っており、利益を優先しているということはなく、社会福祉法人として市の福祉事業に対する協力は十分に果たしてくれているものと考えております。
次に、現在の入居者の転居先に対する責任などについてですが、入居者本人や御家族とも十分に話合いをさせていただき、入居者の状況を把握、理解した上で全員が転居先を確保できるよう支援してまいりたいと考えております。また、現在の入居者は11名であり、補充はしておりません。
次に、生活支援ハウスの休廃止・終了を撤回すべきとのことでありますが、本市の財政状況、さらには公平性の観点から、休廃止・終了の方針を変えることは困難であります。しかしながら、現在、実際にお住まいになっている方がいらっしゃいますので、入居者の皆さんの御理解をいただきながら進めてまいりたいと考えております。
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)8番、川畑正美議員。
○8番(川畑正美議員)質問項目3項目、順番に再質問させていただきます。
まず、防災対策についてですけれども、防災対策の説明会だとか避難訓練を実施していない町会では、浸水想定が明確になっていないこともあると思うのですけれども、町会の事情もあったのだろうと思うのです。町会で説明会などを実施されていても、参加されていない住民の方もいるわけで、そういう方から災害に対する不安の意見や疑問も聞かれているわけです。
先ほども質問の中で出ていますけれども、例えば塩谷では、小学校、中学校が避難所の指定をされているわけです。小学校は土砂災害では不適であって、災害別に避難所の指定が変わるとなれば地域住民が混乱を起こしかねないのではないかと。混乱しないような周知をすることが必要ではないかと思うのですが、そのことについてもう一度確認させてください。
それから、平成28年度に避難場所である塩谷中学校が長橋中学校と統合して閉校する予定です。その後の避難場所はどのようになっていくのか、その辺を聞かせていただきたいと。
それから、市からの支援員対策に当たって、未実施の町会では個別に懇談して障害を取り除くことが必要だと思うのです。先ほど答弁の中では、全般についてということでの答弁でありましたけれども、町会全体ではなくて、町会の班だとか組織だとか小さな地域、その中での懇談が必要だと思うのですが、その辺についてはどう考えているのか聞かせてください。
それから、2番目に街路灯の助成金についてですけれども、町会長と市との定例連絡会議で市長は、街路灯の電気料金を考えたときに、一日も早くLEDに変えていくべきと考えていると。LED化は約1万3,000灯あって、4億円から5億円はかかるでしょうと。これを平成27年度から29年度までの3年間かけて毎年3分の1ずつLED化していきたい、市の助成は現在半分くらいですけれども、これを市の設置助成割合を9割にして町会には1割だけ負担していただきたいと考えていると。工事を進めると、町会の負担は大きくなると思いますけれども、市が9割助成するわけですから、かなり楽になるのではないかと、そう語っているわけです。
それで、街路灯設置費助成金で追加助成の対象となったのは422灯で、助成総額は630万円でした。この工事総額は約1億6,000万円ということですので、422灯で工事総額は市の助成額との差額が約1,000万円、980万円くらいになると思うのです。このときの市の助成が4割程度ですからこうなるのですけれども、街路灯をLED化するためには、1灯当たりの平均工事費が約3万8,000円くらいで、4万円はかからないだろうと言われていました。それで、1万3,000灯であれば私の計算では4億9,400万円ぐらいになると思うのです。市からの補助9割としても、町会が1割負担で4,940万円負担することになるわけです。これを3年で分割しても年間1,600万円を超える金額を町会が負担しなくてはならないです。
そういうふうになると、町会によっては財政的に厳しいところもあると思うのです。ですから、そういうときに財政的に負担が厳しい町会に対しては、市から何らかの支援について検討はできないものなのかどうか、もし検討できるのであればその辺もお伺いさせてください。
それから、3点目の生活支援ハウスの休廃止の問題です。
平成25年度の事業評価書を見ると、経費の推移の額には22年度決算から26年度見込みまでの事業費は1,230万円計上されています。財源の内容については、利用者負担と一般財源としか記載されていないわけです。ここにコピーをとってきてありますけれども、そのほかの負担は一般財源がほとんどだというような表現です。それで、25年度は地方交付税算入額が850万円と伺ったわけですけれども、事業費が1,230万円となっていても、交付税算入額を加味すれば実質380万円程度の財源負担ではないかと。事業費が1,230万円計上されて、一般財源額の負担と思っていたのだけれども、実際には地方交付税が算入されていたのではないかと、もしかして地方交付税算入額を隠していたのではないかと私は疑いたいと思うのですが、その辺についての見解をお示しください。
それから、12名を少ない入所料で対応するのは一般財源の使い道として問題という考え方をしているようですけれども、市がそのような捉え方では問題ではないかと私は思います。それで、福祉推進の立場から安い入所料で住まいできること、そして少なくとも人間らしく生活できる広さの施設を増やしていくということが必要ではないかと思うのです。それで、市長のこの辺に対する見解を改めて聞かせてください。
それから三つ目に、入居者に退去を勧めているわけですけれども、具体的にどのような施設を勧めているのか、その施設名を答えていただきたいのと、転居先として市営住宅なども選択肢の中に入れているのかどうなのか、その辺を聞かせてください。
この生活支援ハウスの最後の項目で、法人側が施設として経営的にうまみのある施設ではなく、転用を考えているようですとのことなのですが、施設建設に当たって、先ほど回答いただいたように、建設費が1億6,800万円、そして国庫補助金が4,500万円ぐらい、道費補助金が2,250万円ぐらい、そして市の補助金が900万円ぐらいあるわけです。ですから、その合計額が7,656万円の補助があるわけですから、数字的には約半分近く、45.6パーセントという額が補助されているわけです。ですから、福祉事業を進めていく市の立場からも、福祉施設の運営方針に指導すべきではないのかと私は思うのですが、その辺についての態度をお聞かせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)総務部長。
○総務部長(迫俊哉)川畑議員の再質問にお答えいたします。
最初に、避難所の指定変更の場合の周知についてのお尋ねがあったかと思いますけれども、現在、市内にある避難所につきまして、災害ごとの適・不適を確認する作業をしてございます。仮に災害によっては、避難所に適さないとなった場合については、広報おたるや回覧板などを使って住民の皆様には丁寧に説明をしてまいりたいと考えてございますが、その前に地域防災計画を変更いたしますので、その後になるかと思ってございます。
続きまして、小・中学校の適正配置にかかわる避難所の変更についてでございます。今、塩谷中学校の話がありましたけれども、我々といたしましては全市的な課題だと思ってございます。適正配置後の避難所の変更、代替場所については、今後、検討をさせていただきたいというふうに考えてございます。
それから、地域ごとあるいは班ごとに防災対策についての詳しい説明をということでございましたが、確かに防災訓練などは町会単位で行ってございますけれども、市の政策なりを地域に出向いて説明をしていくという制度がございまして、その中にも防災のメニューがございます。地域に出向いて市の職員が防災対策を説明する制度というのが整ってございますので、申し出ていただければ防災担当の職員を派遣し、説明をさせていただきたいと思ってございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)建設部長。
○建設部長(工藤裕司)LEDの町会負担分の考え方ですけれども、灯数が多い町会は財政規模も大きいと思っておりまして、何とか1割を御負担願いたいと考えております。まだ具体的な方策等は考えておりませんけれども、実際にその負担については、まずは町会と話をする中で、そういった状況があれば話を聞いて相談をさせていただきたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)福祉部長。
○福祉部長(三浦波人)私からは、生活支援ハウスについての再質問にお答えします。
まず、安い料金で暮らせる施設をということがございましたけれども、今回はあくまでもこちらの施設の利用料などが一般の高齢者が住まわれているような施設と比べると低料金で暮らせるような仕組みになっているということがありまして、そうしたところに公費を投入して補填するということについて、やはり市の行う事業の公平性についての観点から見直しが必要であるということでございます。
それから、どのような施設を勧めているのかということですが、まだ具体的に入居者の方にはこういう施設をということではお勧めはしておりませんけれども、せんだっては一度、御希望の方に例えば養護老人ホームを御見学していただいたという経緯はございます。
それから、福祉施設の運営といいましょうか、こちらに関しては、特段私どもとしては問題点はないというふうに考えております。
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)8番、川畑正美議員。
○8番(川畑正美議員)再々質問をします。
生活支援ハウスの関係ですけれども、先ほどから何回か言っているのですが、今でも育成院は満杯の状況なわけです。入るにも1年以上待たなければならないという状況があるわけです。それで、例えば今の生活支援ハウスから、いよいよの時期に来て、追い出されるとなれば、市営住宅や一般の借家を借りなければならない状況も起きてくるのではないのかと心配しているわけです。例えば市営住宅であれば、市営住宅を建て替える場合などでは住み替えというような方法もとっているわけですけれども、そういう対策をとることができないのかどうか、そのことを再確認させていただきたいと思います。
それともう一つ、低料金に市が補助するというのが問題だという答弁だと思うのです。しかし、今でも低料金でなければ生活できない、そういう方々がたくさんいるわけですよ。そういう人だって本当は入りたいのだけれども、12名定員が11名しか入れていないという状況がありますよね。それはやめるという前提の下でそうしているわけです。ですから、先ほど再質問の中で言ったように、負担額が丸々一般財源ではないはずですから、そういう点ではそれぐらいの負担は市が当然していくべきであるし、今、育成院などの施設も足りない中で、それらにも力を入れていく必要性があるのではないかと思うのです。そちらに力を入れていただきたいということで、質問します。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)福祉部長。
○福祉部長(三浦波人)再々質問でございますけれども、まずは低料金といいましょうか、それに関しましては、いろいろな施設でも例えば公的な住居などにおきましても、所得の低い方に対しては減免制度などがございますので、そうした観点で対応していくのが本来の形ではないかというふうに思っています。
それから、住み替えのことについて御質問がありましたけれども、私どもとしてはまだ具体的にいつまでにというようなことを入居されている方には申し上げておりませんで、現在はとにかく入居者お一人お一人の事情を把握することが先だということで、全体の説明会もいたしましたし、せんだってはお一人お一人にお話を聞くということをさせていただいております。あとは、御家族や御親族のいる方はそうした方のお考えもありますし、入居者の方の御事情、それから心身の状況もありますので、そうしたものをまず私どもが把握して、その上で今後の方針などを固めていきたいというふうに思っていますので、御理解をいただきたいと思います。
○議長(横田久俊)川畑議員の一般質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時23分
――――――――――――――
再開午後2時50分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、一般質問を続行いたします。
(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)16番、林下孤芳議員。
(16番林下孤芳議員登壇)(拍手)
○16番(林下孤芳議員)一般質問を行います。
まず、人口減少対策について伺います。
第3回定例会の総務常任委員会で、人口対策庁内検討会議を設置し、全庁挙げて人口減少の要因やこれまでの取組の整理を行い、今後の人口対策としての施策の方向性や事業の取りまとめを行うとの説明がありました。また、官民による小樽市人口対策会議を設置して、意見の取りまとめをすることも示されております。
私どももこの間、小樽市の人口減少対策は重要な課題として、幾度となく取り上げてきました。
国においても、人口減少は我が国の将来を危うくする重要な課題との認識の下に、子育て支援や地方自治体が独自の判断で政策に生かせる一括交付金などの財源支援策を講じてきましたが、東日本大震災の影響や政権交代などもあり、厳しい状況が続いています。
政府は、地方創生担当大臣を置き、まち・ひと・しごと創生本部を立ち上げ、人口減少対策や地方創生に向けて動き出しました。長年にわたる地方経済の停滞と過疎化の流れに対しては、竹下政権のふるさと創生事業から始まり、歴代の政権でも取り組まれてきましたが、今日に至るまで成果がないままに地方の人口減少は加速度的に進み、今、多くの自治体が消滅すると言われる重大な危機を迎えています。
石破担当大臣は、何でも地方自治体の支援をすることにはならない、やる気があるところ、ないところを一緒にしたら全体がだめになる、これからは小さな市町村にも官僚や大学教員、民間のシンクタンクからも人材を派遣して、地方自治体のシティ・マネジャーとする構想を明らかにしています。
これが政府の本音であるとすれば、小樽市が取り組んでいる人口対策会議の結論にも影響を与えかねないことになります。政府主導のいわば上からの視点で進めようとする地方の創生は、これまで失敗の連続であったように、地方の声が本当に生かされない限り、人口減少はますます深刻なものとなると思いますが、市長はどのような受け止め方をしているのでしょうか、伺います。
私も、地方自治体で人口減少に一定の歯止めをかけ、若者が地元に定着している事例に注目してきました。
さきの新聞報道によれば、道内の合計特殊出生率が平均で1.25人なのに対し、えりも町は1.90人、別海町は1.86人、共和町1.81人、日高町1.80人などとなっていますが、各町に共通しているのは、いずれも収入が高く、安定した雇用が地元にあることであります。
道外においては、和歌山県印南町で、大学や民間事業者等と連携して、昨年、メガソーラー発電を稼働させ、町有地の借地代などの歳入増加を実現しています。同じ県の串本町でも、市民発電を10月に稼働させています。これらの事例に共通するのは、エネルギーもお金の流れも地産地消を実現したことであると紹介されています。
また、道北の下川町では、町の基幹産業である林業を中心に雇用の場を確保してきましたが、平成10年、下川産業クラスター研究会を設立し、循環型森林経営を進める中で、森林バイオマスエネルギーを段階的に取り入れて、現在は町の公共施設の6割にバイオマスエネルギーを供給しているほか、農業用のビニールハウスや温泉施設にも供給し、利益の半分は施設の拡充金、残りの利益は子育て支援事業として、人口減少にも一定の成果が現れているとのことであります。
バイオマスエネルギーの分野では、さまざまな開発が進み、地域の資源を活用したバイオコークスなど、大変効率的なエネルギー源も開発されています。こうした技術を他市に先駆けて導入し、稼働させれば、エネルギー負担の軽減のみならず、経済的な地産地消が実現することになります。
小樽市の人口減少を食い止め、出生率を高めるには、全国的な事例を見れば明らかなように、地元で安定した雇用と賃金水準を高めるほかになく、こうした事例を小樽市としてどのように受け止め、人口対策会議に反映をしていく考えなのか、市長の所見を伺います。
次に、子供の貧困対策について伺います。
政府は、子供の貧困対策に関する大綱を今年の8月29日に閣議決定しましたが、子供の貧困率は2012年の集計によると16.3パーセントで、過去最高となっています。
子供の貧困対策は、子供の将来が生まれ育った環境により左右されることなく、世代を超えて貧困が連鎖することのないようにするのが狙いであり、経済的事情などで満足な教育や生活支援を受けられない子供のために、教育、生活、保護者の就労、経済的支援などが重要な施策として有識者検討会議でも議論され、答申がなされたとのことであります。
政府が取りまとめた大綱にもかかわらず貧困率を下げる数値目標は盛り込まれず、家計の安定を支えるための現金給付も見送られ、失望が広がっています。特に、ひとり親家庭の母子世帯は、パート、アルバイトなど非正規雇用が半数以上で、年収は全国平均でも181万円と極めて低く、複数の仕事をかけ持つダブルワークやトリプルワークを余儀なくされている実態があります。
厚生労働省は、これまでこうした負担の大きいダブルワークを自宅での副業に切り替えれば、子育て中のシングルマザーも仕事と育児を両立できるとして、在宅での仕事に必要な技術を習得する支援事業を行ってきました。その実績は5年間で170億円にも達しているにもかかわらず、打切りを決めました。ひとり親家庭等の在宅就業支援事業評価検討会の報告書によると、事業の意義は認めながらも、費用対効果が低く、このままの形で事業を継続するのは妥当ではないとされております。
北海道の在宅就業支援事業は、ひとり親に加えて障害者にも拡大し、4年間で1,231人が受講して一定の成果があったと評価し、岩見沢市の担当者も「受講者はIT技術が向上して仕事に生かせており、自信にもつながっている。有意義な事業だった」とコメントしています。
在宅就業支援事業は、本来、子育てをしながら副業として収入を確保することが目的で始められた事業であります。ダブルワーク、トリプルワークではなく、一つの仕事で安定した収入が得られる正規雇用につながる支援策が必要だと思いますが、市長は、このたびの厚生労働省の在宅就業支援事業の打切りの判断は子供の貧困率の改善やひとり親家庭の自立につながるとお考えでしょうか、所見を伺います。
私は、小樽市で子供の貧困を少しでも改善するために、以下の提言をいたしますので、市長の見解をお示しください。
まず一つ目として、これまで北海道の在宅就業支援事業については、周知が進んでいなかったと思いますが、現在利用できる制度をひとり親家庭に十分周知し、相手方が制度を理解するだけでも支援の可能性が広がると思います。いかがでしょうか。
二つ目として、ひとり親家庭等日常生活支援事業は、厚生労働省の通知により、NPO法人などにも委託が可能になっているので、社会福祉協議会やファミリーサポートセンターなどに事業を委託して、事業の運営を検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。
三つ目として、国家資格などの取得を支援する高等職業訓練促進給付金等事業は、看護師だけでなく保育士などにも適用されることを周知することや、准看護師の資格取得にも対象を拡大することは可能とされていますが、活用できませんか。
四つ目として、ひとり親家庭に限らず、生活困窮者への就労支援策の適用を拡大できませんか。
次に、就学援助について伺います。
生活が苦しい家庭の小・中学生に、学用品や給食などの費用を市町村が補助する準要保護の就学援助で、対象者を減らす事例が全国的に相次いでいるとの報道がなされております。もともとは国の補助金であったものが、地方分権や三位一体の改革の名の下に、税源移譲と地方交付税措置と引換えに、全て市町村の予算で措置する仕組みに変わり、市町村の財政力などによって援助の対象に大きな差が出る仕組みがあり、当初から就学援助のハードルが上がるのではないかと心配されていましたが、それが現実になりつつあるとのことであります。
文部科学省は政府に対し、新たな対策を求めたことから、改善の期待もありましたが、現在は新たな対策も検討されないままに、さらなる格差の拡大が心配されています。
安倍政権の経済政策で雇用も拡大し、賃金も上昇しているとの発表とは裏腹に、親の所得は低下し、軌を一にして就学援助を受ける子供は全国的に急増し、6人に1人が対象となっているとのことでありますが、北海道では25パーセント、4人に1人が対象となっているとの報告もあります。
全国学力・学習状況調査の分析でも、就学援助を必要とする子供の多い学校ほど、平均正答率が低いとされております。
来年4月から施行される生活困窮者自立支援法でも、生活困窮家庭の子供を対象とした学習支援事業で、費用の半分を国が補助する方針を打ち出しましたが、これは任意事業であり、実施主体である福祉事務所設置自治体が実施するかどうかで、さらに学力に差が出ることが考えられます。
昨年できた子どもの貧困対策の推進に関する法律の理念は、子供の将来が生まれ育った環境で決まってしまうことのない社会を実現するとなっていますが、現実には理念に逆行し、新たな格差が拡大していることがデータ的にも示されております。
そこで、次の点について、教育長の見解を伺います。
まず一つ目として、小樽市における就学援助を受けている割合と動向についてお示しください。
2番目として、家庭の経済力と子供の学力は比例することが全国学力・学習状況調査の分析で明らかにされていますが、この結果に対する見解を伺います。
3番目として、国の制度改正や法律の制定によって、子供の教育環境のレベルが低下したり地域間で差が生じることがあってはならないと思いますが、教育長はどのようなお考えか伺います。
次に、北海道新幹線開業に向けた小樽市の課題について伺います。
北海道新幹線は、2016年3月開業に向けて着実に準備が進められておりますが、私は、これまでも終着駅となる新函館北斗駅には現在のJR函館駅より多くの利用者が見込まれていることから、小樽市にもその経済効果を最大限に引き出す対策が求められていることを訴えてまいりました。
北海道は、今年9月に新函館北斗駅をおりた利用者が道内各地に向かう乗り継ぎの交通手段の需要を探る調査を実施していますが、函館駅へのアクセスの改善やJR札幌駅への輸送力の改善などが中心となり、後志地域への2次交通の充実は置き去りにされる不安がありました。
こうした情勢を踏まえて、5月21日に、後志総合振興局は、小樽市をはじめ後志の各自治体や商工会議所等121団体で北海道新幹線しりべし協働会議を設立し、リゾート列車の誘致や2次交通の整備についての検討を始めたとのことであります。既に、小樽市、余市町、積丹町、倶知安町、ニセコ町の観光協会とJR北海道、北海道中央バスで構成される北後志・ニセコエリア広域観光推進懇談会が観光誘致に向けた活動をしていると報じられていますが、この間の各種講演会の中でも、学識経験者や交通の専門家からも、新函館北斗駅から後志・小樽に向けた都市間バスの有効性が示されたと伺っているところであります。
北海道新幹線開業まで1年3か月余りに迫っている現在でも、後志・小樽方面へ直通で乗り入れる交通手段はほとんどなく、リゾート列車や貸切りバスの活用を否定するものではありませんが、毎日定期運行され、住民に信頼され、誰にでも利用できる、基本となる2次交通の具体的な姿を今すぐにでも示す必要があります。これが遅れれば遅れるほど、経済効果は期待できなくなります。現在でも小樽市民や後志管内の住民から利便性の改善が求められている小樽・後志経由函館行きの都市間バスの想定をした場合、利用者が定着し、採算ベースに乗るまでは少しの時間が必要となることが想定されますが、そのことが運行の開始の障害になるとすれば、その間は道や市町村が分担して補助できれば、必ず経済効果となって還元され、管内の住民にとっても新幹線効果を受ける手段として活用できると思います。何より人の動きを活性化することによって、地域の魅力が再認識されることは間違いありません。
今年の11月9日には札幌延伸に向けた昆布トンネルの安全祈願式も行われ、10.4キロメートルの掘削が始まり、建設工事関係者の増加などによって、後志管内はかつてない人の動きが続くと思われますが、公共交通の整備はほとんど改善されておりません。札幌-函館間の室蘭経由の輸送力と比較しても、その差は歴然としており、何としてもまずは函館と後志管内・小樽市を直結する都市間バスを走らせる必要があると考えますが、市長の所見を伺います。
以上、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)林下議員の御質問にお答えいたします。
初めに、人口減少対策について御質問がありました。
まず、政府が進める地方創生につきましては、人口減少に歯止めをかけることや潤いのある豊かな生活を営むことができる地域社会の形成などを目指すことを目的とするもので、具体な事業はこれからとなるものの、地方公共団体向けの自由度が高い交付金の検討などもなされていると聞いております。
これまでも、国のまち・ひと・しごと創生本部では、全国知事会や全国市長会との意見交換が行われてきたものと認識しておりますが、いずれにいたしましても国と地方の役割分担の下、地方の自主性を尊重する適切な方策の検討が進められるよう期待しているところであります。
次に、再生可能エネルギーの取組と人口対策につきましては、それぞれの自治体で地域の特性を生かして独自の取組を行っていることに関しましては、まちづくりの参考になるものであります。
本市におきまして、再生可能エネルギーとの関係で人口・雇用対策を考えていくことは、自然条件などの面で課題は多いと思いますが、地産地消の視点で人口・雇用対策を検討していくことは重要であると考えております。
次に、子供の貧困対策について御質問がありました。
まず、国の在宅就業支援事業の打切りに関する所見につきましては、国は本年8月に、ひとり親家庭等の在宅就業支援事業に関する報告書をまとめておりますが、今後の在宅就業支援のあり方については、これまでの取組事例から蓄積されたノウハウを基に、事業実施方法の見直しを図りながら、ひとり親家庭への就業支援策を進めるとしており、子供の貧困率の改善等に寄与する施策となるよう期待しているところであります。
次に、ひとり親家庭が利用できる制度の周知につきましては、市のホームページや広報紙、くらしのガイド、離婚届の受付時にお渡しする案内チラシなどへも掲載しておりますが、引き続き周知に努めてまいりたいと考えております。
次に、ひとり親家庭等日常生活支援事業をNPO法人等へ委託して実施すべきとのことでありますが、本市では、これまでひとり親家庭からの相談の中で本事業への要望がなかったため実施しておりませんが、引き続き、ひとり親家庭のニーズを把握してまいりたいと考えております。
次に、高等職業訓練促進給付金等事業が保育士資格の取得に関して適用されることの周知につきましては、ひとり親家庭が利用できる制度の一つとして引き続き周知してまいります。
また、准看護師資格への適用につきましては、本市では正看護師資格を対象としておりましたが、今後、准看護師資格についても検討してまいりたいと考えております。
次に、生活困窮者への就労支援策の拡大につきましては、平成27年4月から生活困窮者自立支援法が施行され、本市でも新たに自立相談支援事業を実施しますが、この事業で就労支援員を配置して、就労に向けた支援を実施する予定であります。
また、このほかに、すぐに就労が困難な生活困窮者に対しては、日常生活の改善や社会生活自立訓練などを行うことで、就労に結びつける就労準備支援事業を実施する予定であります。
次に、北海道新幹線について質問がありました。
函館と後志・小樽を結ぶ都市間バスの必要性についてですが、開業効果の波及・拡大には道南地域との2次交通網の充実・強化が必要であり、今後、市町村や経済団体などで構成する北海道新幹線しりべし協働会議で2次交通などについて協議されることになっていますので、都市間バスも含め、後志地域が開業効果を最大限に享受できるよう、オール後志で取り組んでまいりたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)林下議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、就学援助について御質問がありました。
まず、本市の小・中学校において、準要保護家庭に対する就学援助を受けている児童・生徒の割合と傾向についてでございますが、平成24年度は23.8パーセント、平成25年度は23.0パーセント、平成26年度は11月1日時点で22.5パーセントと、ほぼ横ばいの傾向となっております。
次に、家庭の経済力と子供の学力は比例するとした調査結果についてでございますが、文部科学省の平成25年度の全国学力・学習状況調査において、家庭状況と児童・生徒の学力等の関係について分析するために、全国の小・中学校から839校を抽出し、子供への接し方や子供の教育に対する考え方、教育費等について調査をしており、その結果として、両親の学歴や家庭の所得などの社会・経済的背景の指標が高い児童・生徒のほうが各教科の平均正答率が高いという相関関係が見られたものの、一方では家庭の社会・経済的背景の指標が低いからといって、必ずしも全ての子供の学力が低いわけではないと報告されております。
私は、これまで本市の子供たちの学力を向上させるためには、教職員の指導力の向上と家庭での学習規律の定着を図ることが重要であるとして、指導力の向上に向けては、秋田大学教授を招いての公開研究授業や実物投影機の導入、樽っ子学校サポート事業などの取組を進めてまいりました。
また、家庭での学習規律の定着を図る目的として、音読運動や学校図書館司書の配置による読書活動の推進などを行ってきており、このような取組を着実に行うことで、経済的背景の指標にかかわらず、子供たちの基礎学力の定着を図ることができるものと考えております。
次に、国の制度改正や法律の制定にかかわる見解についてでありますが、今回、文部科学省においては、子供の貧困対策の一環として、新たな経済的支援や学習支援などの助成事業を概算要求していると聞いておりますが、ただいま申し上げましたとおり、本市においては、これまで子供たちの学力向上に向けてさまざまな取組を行ってきておりますので、今後、国の助成事業の内容を検証するとともに、既存の事業との整合性などについて検討し、効果的な事業の運営を行い、本市の子供たちの基礎・基本の定着に努め、教育レベルの向上を図ってまいりたいと考えております。
(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)16番、林下孤芳議員。
○16番(林下孤芳議員)2点だけ再質問させていただきます。
人口減少対策については、基本的には市長の認識も、私どもの認識も変わってはいないと思うのですけれども、私は、私どもの会派も含めて、バイオエネルギーだとか、そういったことを提起して、市長の見解はやはり地域の資源が十分でないという判断であります。このことについては、確かにそういう面もあろうかと思いますけれども、小樽の状況を考えますと、本州と比較して最も大きなハンデとなるのは、積雪寒冷でエネルギーの負担が非常に大きい、このことがやはり言われているのではないかと。これを逆手にとるわけではありませんけれども、何とか雇用と、それから負担の軽減につながるような施策があれば、人口減少対策に一定の効果が出せるのではないかと、こういう立場でいろいろと話をさせていただいております。
例えばバイオコークスは、近畿大学が最近、研究成果を発表して、実証実験も始まっておりますけれども、これは例えばお茶がらであるとか、コーヒーのかすであるとか、あるいは牧草からでもこういったものがつくれるということが既に実証されておりまして、こうしたものは本当に早く地域が手を挙げれば実現が可能ではないかという立場で話をさせていただいておりますので、ぜひそういった立場で市長にも検討していただければ非常に効果が出てくるのではないかと考えております。
それともう一つには、2次交通の関係で、私もずっとこの問題を取り上げてまいりまして、私だけが焦っているのかなという感じも多少ないわけではないのですけれども、2次交通をきちんと定着させるには若干時間がかかる、今までの例からいっても、やはりまずは住民にしっかり利用されて信頼される、定時性だとか、定期性とか、安全性というものが信頼されて、住民に利用されて初めて広く国民の間にも2次交通としての位置づけがなされるものだと考えております。
そういったこともありまして、オール後志という考え方は十分に、市長の立場も理解はできるのですけれども、後志の各町村ではやはり並行在来線の課題というのがあるものですから、どうしてもバス転換といったものに悪いイメージがあって、都市間バスの役割というのは認めつつも、なかなか各町村長は言い出しにくいのではないかと私は理解しております。ただ、20年後の対策を議論するよりも、今、目前に迫った対策をしっかり立てるという意味では、やはり市長として何とか役割を果たしていただきたい。小樽市はクルーズ客船の誘致でも非常に頑張って、非常に経済効果もあったと理解しているのですけれども、やはりそれにも多くの時間と労力、そしていろいろな投資をしてきた、そういう結果であると理解しておりますから、ぜひ開業効果を最大限小樽に引っ張ってくるためには、何とか小樽市がその先頭に立って動いていただいて、一日も早くやっていただくということに御尽力を願えないかという点で再質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)副市長。
○副市長(貞村英之)林下議員の再質問にお答えいたします。
私からは、2次交通のことについて答弁いたします。
函館地域からここまでのバスの定期運行ということですが、進めるのはいいにしても、どのぐらいの需要があるか、そこら辺をまだ捉えていないというところもありまして、確実に需要があるのであれば、当然民間でやることでございますから、民間からも声が上がるのでしょうけれども、今のところ全く上がっていない状態でございます。
今後、どのような人の流れになるか、きちんと見極めながら、そこら辺のところは重々頭に置いておりますので、後志管内全体としてもどのようにしていくかということで検討することになっておりますので、忘れているわけではございませんので、よろしく御理解願いたいと思います。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)総務部長。
○総務部長(迫俊哉)林下議員の再質問にお答えいたします。
人口減少対策についてお尋ねがございまして、雇用につながるエネルギー政策ということでのお尋ねだったかと思います。
確かに、エネルギーを利用いたしまして、地産地消などを通じて雇用対策に結びつける、大変重要な視点であるというふうに考えておりますけれども、やはりエネルギーに関しましては、その初期投資に大変高額な費用を要するという問題がありますし、また、例えばバイオマスで申し上げますと、酪農だとか、林業だとか、その地域の産業構造とのかかわりなどもあるかと思っております。それから、採算性の問題になりますと、やはりその地域の持つ自然環境といったことも考えていかなければならない、大変大きな課題ではないかというふうに思っております。
ただ、私どもといたしましても、CO2の削減の問題ですとか、例えば現在で言いますと電気料金の値上げの問題、原発の問題などから、自治体としてもやはりエネルギー問題にはかかわっていかなければならないというふうには思っておりますけれども、費用の問題もございまして、一自治体でかかわっていく、大変難しいとは思っておりますが、中・長期的な視点で取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
(「あとは、予算特別委員会でやらせていただきます」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)林下議員の一般質問を終結いたします。
(「議長、23番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)23番、佐々木茂議員。
(23番佐々木茂議員登壇)(拍手)
○23番(佐々木茂議員)通告に従い、質問をさせていただきます。
子ども・子育て支援新制度についてであります。
2015年4月に始まる子ども・子育て支援新制度は、幼稚園や保育所にかかわる戦後初の大きな制度改革と言われ、一部の自治体で新制度に対応した手続が始まるなど、全国各地で準備は急ピッチで進んでおります。しかし、子供を持つ親たちからは、肝心の新制度の中身が複雑でわかりにくいと不安の声が上がっています。スタートまであと4か月、新制度の変更点、問題点について伺います。
新制度の変更点については、どのような内容であるのか。
自治体での支給認定はどのような手続であるのか。
また、認定証の交付についてはどのような内容であるのか。
さらに、新制度移行に関する課題はどうであるのか。
次に、無届け有料老人ホームについてであります。
新聞報道によりますと、有料老人ホームの要件に該当しているにもかかわらず、必要な届出をしていない施設が道内で431か所に上ることが、厚生労働省の調査で明らかになりました。また、無届けの施設は高齢者向けの共同住宅や下宿として運営しているケースが多く、総数は都道府県で最多、防災設備の有無など、入居者の安全やサービスの質を行政が監視できない懸念があるとして、同省は届出の指導を強化するとありました。
老人福祉法は、入居者に食事の提供、介護、家事、健康管理のいずれかのサービスを行う施設を有料老人ホームと定義しております。昨年10月末の時点で届出済みの施設数は323か所であるのに対し、無届け施設数は431か所あり、その内訳は札幌市194か所、旭川市が60か所、函館市39か所などとなっているそうです。
そこで、伺います。
新聞報道にあった431か所のうち、小樽市では何か所ありましたか。
また、その後は増えていないのでしょうか。
現在、本市における無届けの施設の届出状況はどうなっていますか。
次に、街路防犯灯のLED化についてであります。
去る11月19日、町会長と市との定例連絡会議、小樽市街路防犯灯組合連合会通常総会において、市長の大英断により、平成27年度から3か年で、補助率90パーセントでLED化を実施したい旨の発表がありました。
詳細はこれからとのことでありますが、業者によっては工事価格に差があることが考えられるため、助成の基準となる工事価格を設定する必要があると考えます。本市としてはどのように考えているか、伺います。
次に、認定農業者制度に関してであります。
認定農業者制度は、農業者の自主的な経営改善を支援する制度で、認定を受けた農業者が誇りと意欲を持って経営の改善・発展に取り組むことや経営者としての自覚を高めることなどが期待でき、専業的な農業経営が主体の食料供給基地、北海道にとって、農業の安定的発展を図る上で、重要な取組となっています。北海道では、北海道農業・農村ビジョン21を平成16年3月に策定し、その中で示した取組姿勢に基づき、関係機関・団体と連携し、制度の一層の普及推進を図るとともに、農業者が支援策を効果的に活用しつつ、経営改善を円滑に進めることができるよう支援しているとのことであります。
北海道の認定農業者数は平成25年3月現在、3万1,410、農業経営体数4万4,100に対する割合が71.2パーセント、市町村別認定農業者数の推移は、本市においては、平成12年3月より25年3月まで3経営体です。また、認定基準として、農業経営改善計画が市町村の基本構想に照らして適切であること、達成可能な計画であること、農用地の効率的・総合的利用に配慮したものであることを満たしていることが必要です。
そこで、伺います。
認定農業者向けの支援政策や認定農業者に対する優遇措置は、どのようになっておりますか。
北海道農業経営基盤強化促進基本方針が北海道より出されておりますが、本市における基本的な構想の作成についてはいかがですか。
また、平成26年4月に施行された改正農地法により、農業委員会が保有する農地の所在、地番などの情報を一筆ごとに整備することとされ、平成27年4月からインターネットなどで公開することとされていますが、本市における農地台帳の作成状況について、市長はどのように把握されていますか。
本市における農地整備促進事業費については、平成26年度行政評価(事業評価)調書によると、主たる受益者は制度を利用する農家、その対象者数は市内農家数216戸に対して10戸です。庁内総合評価(二次評価)は要改善であり、「事業の必要性を検討し、存廃も含めた見直しについて、平成27年度事業に反映させること」と記述がありました。営農の安定のため、今後、農業委員会、農政課に一層期待をいたすものであります。
次に、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正について伺います。
文部科学省は、本年7月1日、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律について、各都道府県知事、各都道府県教育委員会、各指定都市市長、各指定都市教育委員会宛てに通知したとのことです。同法は、平成26年6月20日に公布され、平成27年4月1日から施行されます。そこで、主な改正の概要についてお聞かせください。
次に、今後の放課後等の教育支援の在り方に関するワーキンググループ取りまとめの概要についてであります。
中央教育審議会生涯学習分科会の今後の放課後等の教育支援の在り方に関するワーキンググループは、今年6月25日、子供たちの豊かな学びのための放課後・土曜日の教育環境づくりと題する最終報告を取りまとめたとのことです。Ⅳ、基本的方向性を実現する具体的方策、その一つ、全ての子供たちのための放課後等の教育の充実に向けた新たな方策。Ⅴ、基本的方向性を実現する具体的方策、二つ目として、土曜日の豊かな教育環境の実現に向けた新たな方策。そこで、本案の概要の主な内容についてお聞かせください。
次に、学校施設の防災機能に関する実態調査の結果についてであります。
国立教育政策研究所文教施設研究センターは、平成26年10月3日、地域住民の避難所としての役割を担っていくためには、教育委員会と防災担当部局及び地域住民が連携協力して対応していくことが重要であるとして調査を行ったとありました。その調査内容についてお聞かせください。
また、平成26年度教育委員会の事務の点検及び評価報告書(平成25年度事務)には、「市の防災担当と連携して、学校防災に取り組んでまいります」と記述されております。本市における取組の状況についてお聞かせください。
質問の最後に、ICTを活用した教育の推進に関する懇談会の概要についてであります。
文部科学省のICTを活用した教育の推進に関する懇談会が8月29日、報告書(中間まとめ)を公表したとのことです。第2期教育振興基本計画における教育のICT関係部分の達成目標、重点事項、段階的・計画的な整備の推進、ICT環境整備4か年計画:地方財政措置の活用促進、2014年より毎年1,678億円、4年間で6,712億円、諸施策の実施工程表にありますが、本市におけるICTに関する取組状況について伺います。
(「自分の問題意識を言ってから、ちゃんと聞けやな」と呼ぶ者あり)
以上をもって、再質問を留保して質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)佐々木茂議員の御質問にお答えいたします。
初めに、子ども・子育て支援新制度について御質問がありました。
まず、新制度における変更点につきましては、これまで幼稚園や保育所に対する国の給付は所管省庁により分かれていましたが、新制度においては、これらの施設に対する給付措置が一本化されるとともに、認定こども園制度の改善や地域の実情に応じた子ども・子育て支援の充実が図られるものとなっております。
次に、自治体での支給認定につきましては、新制度の実施主体である市が保護者の申請を受け、子ども・子育て支援法に基づき市が定める基準により、保育の必要性を認定する手続であります。
また、認定証の交付の内容につきましては、家庭の就労実態等に応じて、市が決定する保育時間や支給認定の有効期間などを記載した支給認定証を保護者に交付するものであります。
さらに、新制度移行に関する課題につきましては、制度実施までの準備期間が短いこと、そのため利用者への周知に一層取り組む必要があることなどであります。
次に、無届けの有料老人ホームについて御質問がありました。
まず、本市における無届け有料老人ホームの数につきましては、所管が北海道でありますので、昨年12月の北海道からの照会に対し、該当する可能性のある施設として9か所を報告いたしました。
また、本年11月に、それ以降に把握した施設の照会がありましたので、新たに4か所を報告したところであります。
なお、北海道では、独自調査により、本市が報告した施設以外にも何か所か把握しているものがあると伺っております。
次に、無届けの有料老人ホームの届出状況につきましては、所管する北海道に伺いましたところ、有料老人ホームに該当する可能性のある施設に対し、年度末までには実態調査を行い、該当する場合は届出を行うよう促していきたいとのことであります。
なお、その結果につきましては、本市にも情報提供いただき、状況を把握したいと考えております。
次に、街路防犯灯のLED化について御質問がありました。
助成の基準となる工事価格の設定につきましては、灯具の明るさにより工事価格が異なることから、灯具を北海道電力の契約電力別に3種類のランクに区分し、それぞれについて今年度の申請実績を基に設置工事費の平均額を算出し、助成の基準としたいと考えております。
次に、認定農業者制度に関連しての御質問がありました。
まず、認定農業者への支援政策につきましては、安定した農産物の生産、付加価値の向上等を目的とした補助金などがあり、また、優遇措置につきましては、施設整備など経営改善に必要な取組に要する長期資金を低利で融資する制度などがあります。
次に、本市における基本的な構想につきましては、平成7年3月に、効率的かつ安定的な農業経営を行うために数値目標等を定めた、農業経営基盤の強化の促進に関する基本的な構想を作成し、基本的には5年ごとに見直しを行う中で、逐次改訂してきているところであります。
次に、農地台帳の作成状況につきましては、改正農地法によると、農業委員会は農地等の所有者の氏名又は名称及び住所、所在、地番、地目、面積等の情報を紙媒体ではなく、電子データ化した磁気ディスクで農地台帳を整備することが義務づけられており、平成27年4月からインターネットなどで公開される仕組みとなっておりますが、守秘義務にかかわる部分のほか、市街化区域内の情報については公表しないことになっております。
また、本市農業委員会では、既に農地台帳の作成作業は完了しており、来年4月1日からの公開に向けての準備に入っているものと聞いております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)佐々木茂議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正について御質問がありました。
その概要についてですが、一つ目は、教育行政の責任体制を明確化するため、教育委員長と教育長を一本化した新たな責任者である新教育長を、市長が議会の同意を得て任命することとしております。その任期は市長より1年短い3年とし、これにより市長は任期中に少なくとも1回、教育長の任命権限を行使することになります。
二つ目は、市長が招集する総合教育会議を設置し、教育に関する総合的な施策の大綱の策定や教育の条件整備など重点的に講ずべき施策などについて、市長と教育委員会が公の場で協議、調整を行うこととしております。
これらにより、教育の政治的中立性、継続性を保持しつつ、市長と教育委員会の連携を強化し、迅速な危機管理への対応にも配慮がなされたものと考えております。
次に、中央教育審議会生涯学習分科会の最終報告の基本的方向性を実現する具体的な方策についてでありますが、この最終報告では、子供たちの豊かな学びのための放課後・土曜日の教育環境づくりとして、これまでの学校教育だけでなく、実社会、実生活とのつながりを体験的に学習できる機会の充実のため、これまで以上に多様な人材の参画による放課後や土曜日などの教育支援を充実していくことが必要として、具体的な方策の提言がありました。
初めに、放課後等の教育の充実に向けた新たな方策については、学校と地域の連携、幼・小、小・中の連携の仕組みづくり、学校内へのコミュニティスペースの併設などの施設の複合化・共用化の促進、地域コミュニティの創造、放課後児童クラブとの連携の強化、地域コーディネーターの養成と地域連携担当教員などの位置づけなどについての具体的な提言がなされております。
次に、土曜日の豊かな教育環境の実現に向けた新たな方策については、地域人材や企業などが土曜日の教育活動に参画する仕組みづくり、学校と地域・企業・大学等をつなぐコーディネート機能の充実、土曜日ならではのキャリア教育やふるさと教育など、多様なプログラムづくりについて具体的な提言がなされております。
次に、学校施設の防災機能に関する実態調査の内容について御質問がありました。
この調査は、学校施設の防災機能の向上を図るため、教育委員会と防災担当部局の連携・協力体制や避難所に必要な施設・設備の整備状況などの実態を把握するために行われたものであります。
調査の内容につきましては、学校施設が避難所としての役割を担うため、教育委員会と防災担当部局との間で連携・協力体制ができているか、避難所として施設利用計画の策定や必要な防災機能について検討しているか、新・増築などの設計に当たって地域防災への配慮を検討しているか、さらに、防災訓練の際、防災施設・設備について定期的に点検し適切に維持・管理されているかなどの項目について、アンケート形式での調査でありました。
次に、学校防災の取組の状況についてですが、本市の小・中学校におきましては、全ての学校で危機管理マニュアルを作成しており、年2回以上、火災のほか地震などを想定した避難訓練を実施しております。そのほか、今年度は、教職員を対象に、札幌管区気象台から講師を招き、危険予測・危機回避能力などを身につけさせるための防災教育や非常災害時に安全かつ的確な行動をとることができるような防災訓練のあり方について、研修講座を開催いたしました。
また、本市の防災担当が企画した免震性能体験会に、市内の小学校2校の児童や教職員を参画させるなどの取組を行っており、今後とも市の防災担当と連携を図りながら、防災教育の充実に向け、取り組んでまいりたいと考えております。
次に、本市におけるICTに関する取組状況について御質問がありました。
校務用パソコンについては、平成25年度に中学校の整備が終了し、引き続き今年度より小学校の校務用パソコンの整備を進めており、平成28年度に全ての小学校に整備することとしております。
さらに、教職員の授業改善を図るため、昨年度より導入した実物投影機を本年度、全小学校に少なくとも1台の整備を行ったところでありますが、今後、これらのICT機器の配置に伴う教育効果を検証するとともに、教職員の活用技術の習得を行いながら、整備の進め方について検討してまいりたいと考えております。
(「議長、23番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)23番、佐々木茂議員。
○23番(佐々木茂議員)るるお答えいただきましたので、再質問はいたしません。終わります。
○議長(横田久俊)佐々木茂議員の一般質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後3時55分
――――――――――――――
再開午後4時20分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、一般質問を続行いたします。
(「議長、5番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)5番、成田祐樹議員。
(5番成田祐樹議員登壇)(拍手)
○5番(成田祐樹議員)通告に従って、一般質問を行います。
小樽協会病院の産科の一時休止について質問いたします。
本年11月21日に、後志管内唯一の地域周産期母子医療センターを持っている小樽協会病院が、産科の分娩予約の受付を一時休止する意向を発表しました。やはりそうなってしまったかという感想とともに、想像以上に早く一時休止の事態に追い込まれてしまったことに対し、ざんきの念にたえません。小樽協会病院も大変な努力をされている中での苦肉の休止だと思われますし、さまざまな事情があったことかと思われます。
私は、前任期中である7年前から再三にわたり、小樽協会病院における周産期医療の維持について、支援が少ないのではと何度も指摘をしておりました。直近では、平成26年第2回定例会の市立病院調査特別委員会においても、周産期医療を含めた市内の医療体制について、周産期医療の中止などが起こらないようにしっかりアンテナを向けてほしいという質問を行い、それに対して保健所次長から「人が住む上で基本的なインフラの一つだと非常に重要視してございます」との答弁がありましたが、非常に重要視しておきながら、それを食いとめることができなかったことに対して大変残念でなりませんし、その不安を市民に与えた小樽市の責任は非常に重いと考えます。
元来、私は小樽市立病院の建設に対して、建設費の問題だけではなく、市内の医療機関のバランスが崩れてしまうことも強く懸念しておりました。小樽市の人口動態、医療動態及び出生数の減少などから、仮に医師数が増え、小樽市立病院の運営がうまくいったとしても、他の民間病院への影響や不採算部門を持つ病院に影響が出て、周産期が撤退してしまうこともあり得るのではないかと、平成22年第2回定例会や24年第1回定例会の予算特別委員会などで指摘をしておりました。その22年第2回定例会で指摘をしたときは、議場内で大変多くのやじや批判的な言葉を浴びせられました。当時まだ1期目の私にとっては、非常に厳しいものがありました。しかしながら、その当時はどの会派もそのような懸念を示すこともなく、結果としては、一時休止という形になってしまったわけです。その会派の方が、今さらこの定例会にて周産期医療を何とかしてくれという発言をするのが全くもって理解できません。なぜ、その議論を当時しっかり行わなかったのでしょうか。強く反省を求めるとともに、この責任は小樽市だけではなく、市内の将来の医療体制をしっかり議論できなかった小樽市議会にも大きくあるということを先に述べておきます。
(「北海道知事の責任はどうなるのよ」と呼ぶ者あり)
斎藤博行議員は最近、この問題を時々取り上げていたのはよく存じ上げておりますけれども、7年前のときに質問したという記憶は私にはございません。
質問に移ります。
まず、今回の新規分娩の予約の受付休止について、小樽市に対してどのように報告がされたのか、お聞かせください。
また、小樽協会病院から一時休止となった産科の再開のめどについて、意向や状況をどのように聞いたのかお聞かせください。
平成22年第2回定例会本会議において、私は、「本定例会前に小樽協会病院から周産期医療の支援要請が来ましたが、今回、予算計上された支援額はたったの770万円でした。明らかに、必要とされる額に対してけたが一つ違うと思われます。この金額の支援ということは、周産期医療は撤退しろということなのか、御見解をお答えください」と質問をしました。
さらに、続けて、「3月の北海道新聞の記事では、小樽協会病院では6,000万円以上もの収支が不足しているとされていました。6,000万円以上の不足に対して770万円の支援ということは、とりあえず赤字で経営しなさいということではないでしょうか。赤字が続けば撤退ということになり、今回の予算計上額は撤退を勧告しているとしか思えません。御見解をお聞かせください」という問いかけもいたしました。
それに対し病院局長は、こう答弁されました。「再編・ネットワーク化協議会の最終報告にもありますとおり、周産期医療、小児医療につきましては、小樽協会病院を中心に連携を図るとしておりますし、今回お示ししております新市立病院計画概要(案)におきましても、小樽協会病院は地域周産期母子医療センターに認定されていることから、役割分担を行い、市立病院では産科は行わないとし、小児科についても新生児を扱わないこととしておりますので、周産期医療につきましては今後も小樽協会病院に中心的に担っていただき、必要な連携を行ってまいりたいと考えております」。病院局長は、役割分担を強調し、必要な連携を行ってまいりたいと答弁したにもかかわらず、結果的には今回の産科の一時休止という事態に陥ってしまいました。周産期の休止及び将来的な撤退の可能性を再三指摘したにもかかわらず、必要な連携は結果として図られなかったわけです。これは、当時の小樽市の判断に誤りがあったのではないでしょうか、見解をお聞かせください。
この周産期にかかわる支援体制について質問をした際、必要な財政支援を行うとの答弁もありましたが、しかし、その市の答弁の中には、一体幾ら支援したらよいかわからない、根拠を示した額を病院側から提示してもらえないというような回答もありました。
次に述べるのは、平成22年2定の予特での当時の山田厚副市長の答弁です。「770万円で足りているのかと言われても、幾らいただきたいと言ってこないから、私どもがつくった数字で御理解をいただいたということです」という答弁でした。この答弁については、非常に疑問が残ります。例えば、小樽協会病院側が支援額の根拠を示して金額を明示したとして、その根拠や金額を全て受け入れるつもりだったのでしょうか。結果的に小樽協会病院側が根拠額を示しても、補助額を最終的に判断するのが市であれば、その支援額の根拠を明記するのは市ではないでしょうか。根拠の算出を病院側に押しつけ、自分たちでは明確な根拠、基準を設けない、このような市の姿勢に問題があったのではないでしょうか。
ここでお伺いします。
どのように必要な額の積算根拠を算出するのか、過去において病院側からではなく市から協会病院側に補助額の算出方法の提示などを行ったのか見解をお聞かせください。
また、過去のやりとりの中で、意思疎通が不十分な面があったのではないか、見解をお聞かせください。
「必要な連携や支援」という答弁を何回も使っておきながら、結果的には産科が受入れ休止になったという現実を見れば、当時の市のやり方に大きな過ちがあったのではないかと思われます。
小樽協会病院の産科で一時休止の状態が進んだ場合、また、再開する様子が見られない場合、今後の後志及び小樽市内の医療体制についてどのような変化があると認識しているのでしょうか。今は、産科の問題だけだと思っている方が多いのかもしれませんが、私は以前から議会で取り上げていたことで心配なのは小児の救急についてです。現在は、小樽協会病院が周産期医療とともに小児救急も担っているわけですが、産科の縮小が今後決定されてしまえば、小児科も自然と縮小する可能性が高いと考えられます。そうなってしまえば、いよいよ周産期の撤退という話が出てくるかもしれません。いくら本市が人口減にかかわる対策会議を開いたところで、子供を産めない、いざというときに子供が医療を受けることができない、そんなまちに子育て世代が住みたいと思うでしょうか。
この周産期にかかわる問題は、本市の抱えるさまざまな問題の中で優先順位が非常に高いと考えておりました。だからこそ、しつこく議会で質問を行っていたわけです。市も認識として、平成24年第1回定例会の予算特別委員会の答弁の中で、当時の保健所参事は、周産期はお産の周り、いわゆる産婦人科あるいは小児科という答弁をされています。産科の一時休止が長引けば、小児科にも大きな影響が出てくるのではないでしょうか。見解をお聞かせください。
本市は、この産科の一時休止に対して、それを食いとめるために動くのか、それとも、それ以外の選択肢があるのか、どのような姿勢で対応するつもりなのか見解をお聞かせください。
また、本市において周産期医療を維持していくのだと、そういう強い見解を持っているのであれば、財政的支援など具体的にどのような負担をしていくのか、現在考えられる方法を市民に提示してください。
山田勝麿前市長から今の中松市長になってからは、小樽協会病院への支援額が増えているなど、一定程度、私の発言に対しての御理解や動きがあったことは理解しております。しかし、こちらの指摘に対して、小樽協会病院への支援が足りなかった、情報収集不足だったということは否めません。市長からしっかりしたサポートをするという強い答弁を聞かせていただきたいと思います。
以上、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)成田議員の御質問にお答えします。
ただいま、小樽協会病院の産科の一時休止の問題について御質問がありました。
まず、産科休止につきましては、11月17日に小樽協会病院の院長から産科の医師の退職が見込まれ、安全な分娩体制の確保が困難となることから、分娩の新規受付を休止する、また、このまま医師の確保ができなければ、現在受け付けている方の分娩が終了する来年の7月以降の分娩を休止するとお聞きしました。
次に、産科の再開のめどについてどのように聞いたかとのことですが、院長からは、後任の医師確保に向けて最大限努力をしているので、確保ができ次第、再開する意向である旨お聞きしました。
次に、財政支援に係る過去の市の判断につきましては、小樽・北しりべし定住自立圏の構成自治体と協議し、平成22年度から周産期体制維持のための財政支援を行っておりますが、金額については、小樽協会病院側と合意の上、決定したものでありますので、当時の市の判断に誤りがあったとは考えておりません。
次に、小樽協会病院への財政支援についてですが、後志管内の町村が倶知安厚生病院に支援をしている例がありましたので、これを参考として算出しており、小樽協会病院側にも提示して合意をしたものでありますので、意思疎通に関して不十分であったとの認識はありません。
次に、今後の医療体制の変化に対する認識や市としての対応につきましては、市内で周産期医療体制が維持できなくなる事態は何としても避けなければならないものと考えており、現在、小樽協会病院での分娩継続に向け、小樽協会病院側と協議を行うとともに、北海道など関係機関に働きかけているところでありますが、市としてもできる限りのことをしてまいりたいと考えております。
(「議長、5番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)5番、成田祐樹議員。
○5番(成田祐樹議員)一点だけ直球で再質問したいと思います。
連携やそういった支援は合意の上で不十分ではなかったけれども、結果的には、一時休止に陥ったわけです。その辺はどのように考えておりますか。連携やそういったことは支援しているけれども、向こう側の理由で休止になってしまったということなのか、少なからず何かしらそういった情報も含めてしっかり連携がとれていたら、こういうことにはならなかったのではないかなと思うのですけれども、それについてお聞かせ願えますか。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)保健所長。
○保健所長(秋野惠美子)ただいま、成田議員から再質問がございました。
市長が答弁したように、当時、小樽協会病院と市は話合いを繰り返しました。そして、その結果、合意の上で、どのような金額で、どのような考え方で、どのようなつくりで定住自立圏として支援をしていくかが決められたものでございます。
今の成田議員の御質問は、それであっても今回このような事態になったということは、連携不足だったのではないかということかと思いますが、私どもは小樽協会病院と連携をとってきてございます。そして、毎年度、翌年度の額について小樽協会病院の病床利用率を伺いながら連携をとっているところでございます。今回も、先ほど市長が答弁いたしましたけれども、11月17日でございます、院長からお話がありまして、その後、何回となく話合いもしておりますし、常に連携していくという姿勢でやっておりますので、私どもの連携が足りなかったというふうには認識してございません。
(「議長、5番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)5番、成田祐樹議員。
○5番(成田祐樹議員)何回も連携が足りなかったとは思っていないと言いながら、結果としては、一時休止に陥っているわけです。だから、その部分でしっかり情報収集をしたか、足しげく通ったかということは別にして、きちんと向こう側の求めるものをしっかり提示できたのかというところについては非常に疑問が残るわけです。今回、休止が単純にそういった金銭的なものだけではなく、さまざまな要素・要因が考えられるかもしれないですけれども、そういったところを結果として実現できなかった、こういう状態になったことに関しては、結果だけ見れば、やはり問題があったのではないかと思うのです。
その責任をどうのこうのというところを今、話してもしようがないですけれども、一つお願いしたいのは、もう少しそういった病院への配慮等を行って、不採算部門を持っているところへの支援というところをもっとしっかり考えてほしい、増額できるものは増額してほしいですし、そういったところに関しては、お金をけちる部分ではないと思うのです。
市長からサポートするとおっしゃっていただきましたけれども、そこは最大限配慮する、向こう側が、いや、そこまでしなくてもいいぐらいだと言えるぐらいやってほしいというのが一つありますので、そこだけ最後約束してください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)保健所長。
○保健所長(秋野惠美子)先ほど市長が答弁しましたとおりでございまして、小樽市としては、できる限りのことをしてまいりたいというのは、そのとおりでございます。
1点、補足説明をさせていただきます。
小樽協会病院で収支が不足していたと言われていた6,000万円についてですが、私が当時この件に一番かかわっておりましたので、申し上げさせていただきますと、6,000万円という額に対して、それを市として、あるいは定住自立圏として、補助する金額として決定していいかどうかと。つまり6,000万円というものをどういう考え方でもって定住自立圏の他町村に説明していいかと、本当に素朴な質問を投げただけでございます。私どもは、ただ教えてくださいと、この6,000万円のつくりは、どのようなことから6,000万円が出たのですかとお聞きしただけでございます。そして、その後は私は直接かかわってございませんが、参事からの報告によりますと、その後、6,000万円のつくりについて、なかなかお答えが出てこない。時間だけがたっていく。その中で、では病床利用率という考え方で補助額をつけましょうと、そうすれば今までとは違ってお産の数ではなく病床利用率という形で、ある程度フィックストの感じで、動かない形でつけましょうということで、こちらからその額のつくり方について申出をし、こちらから歩み寄って、そしてあの額をつくったということは御認識いただきたいと思います。
○議長(横田久俊)成田議員の一般質問を終結いたします。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、中島麗子議員。
(20番中島麗子議員登壇)(拍手)
○20番(中島麗子議員)一般質問をします。
初めに、障害者問題のうち、精神障害者のバス運賃割引についてお聞きします。
平成24年7月31日に一般乗合旅客自動車運送事業標準運送約款が改正され、従来の身体障害者、知的障害者と同様に精神障害者の割引が加わりました。
しかし、北海道バス協会に加入し路線バスを運行している30事業者全てが、身体障害者、知的障害者への割引を実施しているのに対し、精神障害者割引の実施は15事業者、50パーセントでなかなか進んでいないのが現状です。小樽市内路線バス事業者の同事業に対する意向については、どのように把握していますか。
今年の第2回定例会予算特別委員会で、私は、旭川市が自治体として事業者支援を開始して、今年度から精神障害者のバス運賃割引を実施したことを取り上げ、本市でも研究してほしいと求めました。
平成26年3月31日時点で、本市の精神障害者保健福祉手帳交付数は541件ですが、交通機関利用対象外の重度の方もいます。実際のバス利用対象者数は何人ほどの見込みになりますか。
また、本市では、精神障害者が社会復帰施設に通うための交通費として、今年度は北海道からの補助金50万円を含めた351万3,000円が精神障害者社会復帰施設等通所交通費助成事業費として計上されています。平成25年度決算では、利用者数は64人、決算額は266万7,900円でした。旭川市では、本市と同様に社会復帰施設等通所交通費助成を実施するほかに、精神障害者バス料金助成事業として3,000円分の回数券を発行しておりましたが、本年度から精神障害者バス料金半額乗車を実施して、精神障害者バス料金助成は廃止、精神障害者社会復帰施設等通所交通費助成も大幅に減額し、その分バス事業者2社に対して補助金を交付すると聞いています。旭川市の取組に対する感想をお聞かせください。
人口規模や対象者数から見て、小樽市も同様の方法で精神障害者のバス運賃の2分の1割引を実現できるのではありませんか。来年度予算編成に当たり、現在執行されている事業費の使い方の見直しを検討して事業開始に取り組むよう求め、市長の見解をお聞きします。
次に、障害者福祉サービス利用者が65歳で介護保険制度優先になる問題です。
2000年、介護保険法が施行され、65歳以上の障害のある人と40歳から64歳の介護保険法に指定されている特定疾病に該当する人は、介護保険制度と重複する自立支援給付は原則として介護保険優先が定められました。その後、厚生労働省は、2007年3月に介護保険優先原則を基本としながら、障害福祉サービスの種類や利用者の状況に応じて一律に介護保険サービスを優先としないことを通知しています。これは、本人の意思や選択権が考慮されることなく、認定された要介護度ごとに介護保険サービスが優先され、障害福祉の支援が制約されることへの対策です。
しかし、障害者が働く作業所でつくる団体、きょうされんは、2014年5月、介護保険優先原則による利用者への影響調査を実施して、1、家事援助・身体介護の訪問支援では、65歳になると21パーセントが障害福祉サービスを打ち切られている、2、障害者福祉サービス利用者は、市民税非課税世帯の負担はないが、介護保険優先により、訪問支援では86.2パーセントが応益負担となっている、3、厚生労働省が発行した適用関係等の通知の解釈と実施は、市町村によって大きな差異がある、このように報告しています。
そこで、本市における実態について何点かお聞きします。
現在の障害福祉サービス受給者数と訪問支援、日中活動支援、居住支援、サービス内容別の利用状況をお示しください。
また、65歳以上の利用者の状況もお知らせください。
2点目、本市では障害福祉サービス利用者に対して、65歳以降介護保険制度優先になることについてどのように周知しているのか。
また、65歳以上のサービスの内容は、どのように決定しているのか。
3点目、障害福祉サービス利用者の多くは非課税世帯と聞いています。しかし、65歳以上になると、介護保険制度優先で1割負担が発生します。65歳以上になり、新たな自己負担が発生した事例数と、そのことによりサービス利用抑制になっていないかを把握しているのかお答えください。
4点目、介護保険制度が開始されて14年目です。この間、65歳で障害福祉サービスから介護保険制度が優先されるケースも多くなっています。一度アンケート調査をして、サービス利用実態や応益負担の影響など調査してはいかがでしょうか。
日本障害者協議会の報告では、障害者のうち年収100万円以下が56パーセント、101万円から200万円が42パーセント、98パーセントが最低生活ラインより下回っているとのことです。障害のある人のための支援、介護は、法律や制度が障害福祉か介護保険であるかに関係なく、障害のある人が障害のない人と同等に生きるために必要な支援です。その趣旨から介護保険優先原則は撤廃すべきと考えます。市長の見解をお聞きします。
次に、第6期介護保険事業計画について何点か質問します。
1点目は、介護保険料です。
安倍自公政権は、医療介護総合確保推進法を強行可決し、1、要支援者訪問介護・通所介護を介護保険給付から外す、2、特別養護老人ホームの入所を原則要介護3以上にする、3、年金収入280万円以上の場合は利用料2割負担、などの介護保険サービス抑制方針を明らかにしています。これらを実施して、小樽市の中間報告によると、第6期での65歳以上の介護保険料は基準額で5,980円、第5期と比較して9.5パーセント増です。増額になる理由を説明してください。
国が示す介護保険料段階は6段階あり、第4段階が基準額です。今回、国はこの6段階を9段階に変更しましたが、小樽市は、既に第5期で8段階10区分を実施しています。低所得者負担を軽減するといいますが、負担額を階層別に調整するのみで介護保険料総額は変わりませんから、全体として保険料軽減にはなりません。第6期に向けて小樽市の段階設定はどのように考えていますか。
政府は、団塊の世代が75歳になる2025年の介護保険料を全国平均で月額8,200円としています。現在4,972円ですから、今後もどんどん上がる見通しです。各自治体にも2025年度の介護保険料の試算が求められています。小樽市の試算額をお示しください。
本市では、介護利用者は高齢者の18パーセント程度ですが、保険料は全ての高齢者の問題です。生活を圧迫する保険料にしないために、国庫負担割合を大幅に引き上げるよう国に求めるべきです。市長の見解をお聞きします。
2点目は、施設計画についてです。
政府は、2025年の高齢化のピークに備えて地域包括ケアの体制を確立するといいますが、具体的な方針は、今、述べたとおり公的制度の縮小・削減路線です。高齢化のピークに備えるためには、介護・医療は抑制でなく充実こそ必要です。
しかし、小樽市は第6期計画に向けて、新たな施設整備は行わない方針です。第5期では、平成24年度、25年度ともに市の事業計画を上回る高齢化が進んでおり、要介護認定者、介護保険サービス受給者数も増加しています。介護老人福祉施設、いわゆる特養です。介護老人保健施設、グループホームの待機者数と第5期の実際の入所者数をお示しください。
とりわけ、特養6施設の定員数は460人ですが、この間の在宅の待機者数と、その要介護度の内訳はどのようになっていますか。平成23年度は、在宅待機者308人中、要介護度4、5の重度の方は31人、15人だったものが、26年度には52人、29人と増加しています。介護度の重い要介護4、5の高齢者は単なる順番待ちではなく、個別の事情により優先的に入所を検討するとも聞いていますが、この入所実態についてお知らせください。
今回、特養やグループホームの増設を全く実施しないのでは、今、明らかにした施設待機者数の改善を図ることはできません。現状では、介護保険料だけ3年ごとに増加して、有無を言わさず年金から天引きされるのに、申し込んでもいつ入れるかわからない施設状況では、市民の不安と負担は増すばかりです。介護保険制度の仕組みでは、高齢者が増えてサービス供給が増加すると介護保険料に反映します。今回のように保険料引上げに反映させないために必要なサービスも実施しないとなれば、保険あってサービスなし、この実態が拡大するばかりです。希望者全てが施設入所できる計画を立て、必要な財源は、国が財政措置するよう働きかけるべきです。住民、高齢者の生活を守り、社会保障制度として対応するために特養やグループホームの拡大を検討すべきです。市長の見解をお聞きします。
再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)中島議員の御質問にお答えします。
初めに、障害者問題について御質問がありました。
まず、精神障害者へのバス運賃割引実施の支援策についてですが、市内路線バス事業者の運賃割引に対する意向についての把握方法につきましては、事業者と定期的に行っている会議等において実施についてのお願いや意向についての確認をしておりますが、各事業者とも現段階では運賃の割引については考えていないと聞いております。
次に、精神障害者保健福祉手帳交付者のうちバス利用対象数の見込みにつきましては、正確な数は把握しておりませんが、交付者数全体の541人に対し、障害の程度が重度であり交通機関利用対象外と思われる1級の58人を除いた483人が見込みとしての最大値になるものと考えております。
次に、旭川市が本年度から精神障害者のバス運賃を軽減するためにバス事業者へ助成を始めたことにつきまして、本市といたしましては、運賃の軽減は事業者が自主的に取り組むべきサービスであると認識しております。
次に、市の新たな事業として運賃割引のための事業を実施することにつきましては、これまで北海道市長会などを通じて、北海道や国に対し、事業者に対する指導要請について働きかけているところであり、また市として事業者に対し、国の標準約款に基づくサービスの実施を引き続き粘り強く求めてまいりますので、現在のところ新たな事業として実施することは考えておりません。
次に、障害福祉サービス利用者が65歳になると介護保険制度が優先になることの影響についてですが、まず現在の障害福祉サービス受給者数につきましては、平成26年8月末で1,053人であります。
また、サービス内容別の利用状況につきましては、重複の利用も含めますと、訪問支援が229人、日中活動支援が904人、居住支援が494人であります。
また、65歳以上の利用者数につきましては、年代別には把握しておりませんので支給決定者数で申し上げますと、154人で全体の1,163人に占める割合は約13パーセントであります。
次に、障害者に対して介護保険制度が優先となることの周知方法につきましては、本人が65歳に到達する約3か月前にサービスを利用している事業所を通じて本人に説明を行っており、さらに約1か月前には、要介護認定申請の有無などについて確認を行っております。
次に、サービス内容の決定につきましては、一般的なサービス利用と同様、ケアプラン作成時にケアマネジャーとよく相談いただき、必要なサービスの利用を決めていただくことになります。
次に、65歳以上で自己負担が発生した事例数につきましては、障害福祉サービスから介護サービスに移行した人数は、平成23年度から25年度の3年間では23人であり、このうち介護サービス利用で1割負担が発生した方は9人となっております。
次に、1割負担がサービス利用の抑制になっていないかとのことですが、介護サービスは、ケアマネジャーの作成する適切なケアプランに基づき必要なサービスが提供されるものであるため、基本的にはサービス利用の抑制はないものと考えており、特に把握はしておりません。
次に、障害福祉サービスから介護保険へ移行した方に対し、アンケート調査を実施してはどうかとのことでありますが、介護保険へ移行した方のサービスの利用実態は、ケアマネジャーが把握しておりますし、利用料はそれぞれの制度の中で定められているものでありますので、アンケート調査を実施するということにはなりませんが、これからも障害福祉と介護保険が十分に連携し、障害者の在宅生活を支援してまいりたいと考えております。
次に、介護保険優先の原則を撤廃すべきとのことでありますが、障害福祉サービスに相当するサービスが介護保険にある場合は、介護保険が優先となる旨、障害者総合支援法に規定されていることから、御理解をいただきたいと思います。
次に、第6期介護保険事業計画について御質問がありました。
初めに、介護保険料についてですが、まず第6期の保険料基準額が第5期と比較して9.5パーセント増となる理由につきましては、高齢者数の増加に伴う介護サービス利用の増加が大きな要因ですが、このほか保険給付費などに占める第1号被保険者の負担割合が21パーセントから22パーセントに変更となったことなどが挙げられます。
次に、第6期に向けての介護保険料の段階設定につきましては、国では標準の段階を6段階から9段階に細分化しておりますが、本市では負担能力に応じた保険料賦課の観点と第5期の段階との整合性も考慮し、設定していきたいと考えております。
次に、平成37年度の介護保険料の試算につきましては、国が示した指針では、37年度での介護サービスの見込量や費用、保険料など、中・長期的な推計を行い、第6期計画に示すこととされております。現在、長期的なサービス見込量の推計などを行っているところであり、現時点でお示しすることはできません。
次に、国庫負担割合の引上げを国に求めるべきとのことですが、これまでも全国市長会を通じて被保険者の保険料負担が過度とならないよう国費負担を引き上げることと要望しており、今後も引き続き要請してまいりたいと考えております。
次に、特別養護老人ホームやグループホームなどの施設拡大についてですが、まず各施設の待機者の状況につきましては、平成26年9月の調査では特養685人、介護老人保健施設では103人、グループホームでは110人となっております。
また、各施設の入所者数は、病院入院後再入所となった人数なども含め、特養では24年度232人、25年度172人、介護老人保健施設では24年度227人、25年度187人、グループホームでは24年度163人、25年度169人となっております。
次に、特養の在宅での待機者の要介護度別の内訳につきましては、本年9月の調査では、在宅での待機者が249人であり、内訳としましては、要支援が6人、要介護1が42人、要介護2が74人、要介護3が46人、要介護4が52人、要介護5が29人となっております。
次に、要介護度が重い方への特養への入所状況につきましては、各特養での入所順位は、定期的に開催される入所判定会議の中で、要介護度の重さや家族の支援状況、対象者の緊急度などが総合的に判断され、決定されております。個々の事情により在宅での生活が困難な状況にある場合には、申込順に関係なく、入所が優先される事例がありますが、件数については把握しておりません。
次に、特養などの施設の拡大を検討すべきとのことですが、確かに国が必要な財源を措置する前提であれば、施設の整備も介護保険料に関係なく拡大は可能と考えますが、施設整備には多額の費用を要すると想定されることから、財源確保は困難であると考えられ、現行制度の中では、実現は難しいものと考えております。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、中島麗子議員。
○20番(中島麗子議員)再質問を何点かいたします。
精神障害者の方のバス料金の割引の件は、旭川市の具体的な事例も紹介したのですが、今はやる気はないという率直なお答えでした。
しかし、北海道の資料によりますと、現在、道内でバス料金の精神障害者割引を実施している15事業者ですけれども、この割引開始時期というのが、調べてみると標準運賃約款の改正以前から実施していたのが1事業者です。約款改正後に実施したのが9事業者、さらに北海道運輸局が協力要請を行った以降に実施したのが5事業者、これで全部で15事業者です。ですから、行政の働きかけというのが非常に大事だということがわかりました。
そういう点で、答弁では、実際の利用者の見込みが重度の方を除いて483人。現在、小樽市は約60人の方に社会復帰施設の通所半額バス助成として年間240万円を使っているわけです。この分をバス事業者支援に充てると、精神障害者全体の483人に2分の1助成ができるのではないかと思うのです。対象者数も限られておりますし、なかなか前向きに取り組めない事業者としても、自治体からの支援があれば取り組むきっかけにならないだろうかと。市長のおっしゃるとおり私も原則事業者が自主的にやる事業だと思います。しかし、進んでいかないところに働きかけをするのが、やはり行政の役割だと思うのです。小樽市としても新たな予算編成ではなく、今、執行している予算を組み替えて使うという知恵と工夫のしどころだと思います。そういう点で検討できないのかと正直思っているのですが、再度答弁をお願いします。
二つ目の問題は、介護保険料です。
現在、2025年度の試算については、まだ示すことができないということでしたが、この2025年というのは、私たち団塊の世代が75歳になる年なのです。そのときに一番お金がかかるということで設定していると思うのですが、国は基準額で8,200円です。小樽市の介護保険料というのは、第5期介護保険事業計画までいつも国の基準より多い額が設定されています。このままいけば8,200円を超える基準額になると思います。はっきり言って、介護保険料が8,000円を超えるなどということが現実的なのか、もう制度として破綻する、機能しない、そういう問題が出てくるのではないかと思うのです。ですから、私は、こういう8,000円を超えるような介護保険料を実際に市民に課すことが起きるということについて市長はどういうふうに考えているのかお聞きしたいと思います。
また、実際に2025年度の小樽市の介護保険料が示せるのはいつごろの時期になるのか、これもあわせてお答えください。
施設計画の問題です。
今回、第6期介護保険事業計画に向けて、小樽市はいろいろアンケートをとっています。そのうち市内の介護サービス事業者や居宅支援事業者、地域包括支援センターを対象にして、これは小樽市独自で調査をしたと聞いております。このことは大変評価いたします。
とりわけ、市内の介護サービス事業者向けアンケートでは、市内204か所中、112か所、回答率54.9パーセントです。その中で、本市の現状から今後充実が必要と思われるサービスは何かという質問に対して、トップが在宅医療と介護の連携でした。2番目は認知症対策です。実際のサービス利用希望については34.8パーセントが提供困難、こう答えており、方法としては可能な限り待ってもらう、これが69.2パーセントです。現在の市内での介護サービス提供は、希望に対して35パーセント提供不可能な事態なのです。これがアンケートの結果です。
また、ケアプランを作成する居宅介護支援事業所では、量的に不足しているサービスのトップは特養で58.5パーセントです。今後不足しそうなサービスについても、同様に特養で46.3パーセントです。
こういう現場の声をアンケートで調査しておいて、グループホームや特養の増設は必要ない、そういうふうに判断したのか。このアンケート結果をどのように受け止めたのか、このことについてお答えください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めますが、3番目の第6期のアンケートの結果についての感想については、本質問になく、答弁にありませんでしたので、少し違うかと思いますので御了承ください。
理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)保健所長。
○保健所長(秋野惠美子)精神障害者の方々への交通費の助成の件でございますけれども、先ほど議員は、小樽市は通所半額バス助成というふうにおっしゃいましたけれども、小樽市の場合は、札幌市の医療機関を利用される精神障害者の方が多いことから、小樽市内だけでなく札幌市であっても通所のために、あるいはデイサービス等の利用のために札幌へ行かれる場合のJRも含めて、バスも含めて補助をしているという考え方で行っております。
そういうことですので、私どもの考えといたしましては、精神障害者の方々に一番大事なことは、医療であると。ほかの2障害と違ってやはり医療というもの抜きには考えられない障害の方々でございますので、特に札幌への通所というのは、とても小樽の精神障害者の方々にとって大事なことでございますので、そこをしっかりと支えていこうという考えでつくってございます。御理解いただきたいと思います。
○議長(横田久俊)医療保険部長。
○医療保険部長(藤井秀喜)中島議員の再質問にお答えいたします。
2点ございました。2025年の団塊の世代がピークになるときの小樽市の介護保険料の見込みのことでございます。議員がおっしゃったように全国では8,200円程度ということで、推計というか試算が出ております。小樽市は、まだ決定的な推計は出ていないですけれども、確かに議員のおっしゃるように8,000円を超えるとなると、基準額で8,000円ですので、最高位の方は1万1,000円、2,000円とか3,000円とか、それだけの額を負担するということになります。しかも、どちらかというと高額の介護保険料を払っている方のほうが介護サービスの利用率が非常に低い、現行では1パーセントにも満たないぐらいです。ですから、言い方は悪いですけれども、保険料を払っているだけみたいな形になってございますので、議員がおっしゃるとおりなかなか理解されるのは難しいと思っています。
それで、市の推計ですけれども、予定としては2月に最終の策定委員会がございますので、そのときには示す形になりますので、平成27年第1回定例会で厚生常任委員会に報告ということになりますので、2月の策定委員会のときに、これをお示ししますから、その段階で事前に説明申し上げる形になろうかと思っています。
金額は、8,200円にプラス四、五百円ぐらいになるのではないかと何となく御懸念を持っていらっしゃるとは思うのですけれども、今の高齢者の人口の推移を見ますと、75歳以上は確かに2025年でピークですけれども、65歳以上であれば、その5年前ぐらいがピークで、順次落ちていくだろうというような見込みも立てておりますので、8,000円ぐらいか、やや下がるかというような形。ただし、それはあくまでも施設整備を行わないことが前提ですから、今後第6期の部分では、施設整備は行わないという方針を示しておりますけれども、第7期、第8期がそういうふうになっていくかとなると、その辺は難しいので、やはり全国レベルぐらいにはなっていく可能性のほうが高いかというイメージは持ってございます。現時点ではそれぐらいでございますので、御理解願いたいと思います。
(「議長、20番。議事進行について」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、中島麗子議員。
○20番(中島麗子議員)私の質問の中で、特養やグループホームの拡大を検討すべきですという、そういう質問をして、施設拡大について……
(「アンケートを前提にしているの」と呼ぶ者あり)
ええ。施設拡大を求めて質問をしているのです。
(「だから、議長が最後に言ったのおかしいのだよ」と呼ぶ者あり)
それにあわせてお願いします。
(「答弁させてください」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)細かい数字を挙げられて、これはよろしいのですけれども、それについてどうなのだということでしたので。
(発言する者あり)
(「本質問にないというのは違うから」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)答弁になかったということだったのですけれども、答弁できますか。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)医療保険部長。
○医療保険部長(藤井秀喜)確かに高齢者も増えてきますので、当然特養などの施設があったほうがいいとは思っております。中島議員の質問の中にもありましたとおり、国の財政措置の担保があれば一定の施設拡大というのは可能でしょうけれども、今、言ったように整備をしなくても介護保険料が500円ほど上がる形になります。しかもサービスの利用者は6人に1人で、残り5人はサービスを利用していない状態の中で介護保険料だけを負担していただくという形になるものですから、実際にサービスを利用している側からの立場から言えばそれは当然ですけれども、サービスを利用しないで介護保険料を負担していただいている方、また、大きく言えば現役世代も負担しているわけですから、そういう全体のことを考えて、第6期ではアンケート調査とは反するかもしれませんが、トータルとしては第6期の部分では整備を行わないという考えに至っているところでございます。
(「矛盾するぞ」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、中島麗子議員。
○20番(中島麗子議員)再々質問になります。
苦しい胸の内は、よく聞かせていただきました。しかし、先ほどの答弁にあったとおり在宅で待機している249人のうち要介護4は52人、5が29人、3割弱の方が要介護4、5です。急いで入れなければならない方ではないですか。今の部長の答弁では、決してこの必要性を認めていないわけではないけれども、これ以上介護保険料に反映させることができないというふうに私は聞こえましたけれども、これが自民党・公明党政権の方針です。これをきちんと解決してもらおうということを自治体、現場から言わない限りは、この路線が続くのです。私たちは、自治体の責任を持つ市長として、また、保険・年金の部長としても、小樽市はもう大変なのだから、方針を変えて国の負担をきちんと反映させてくれなかったらサービス提供も老後対策もできない、そういうことを積極的に進めていく立場に立ってほしいと思います。そういうふうにならないと改善しないのではないですか。
(「そうだ」と呼ぶ者あり)
再度お答えください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)医療保険部長。
○医療保険部長(藤井秀喜)再々質問にお答えします。
国の財源負担があるという前提であれば、市長が答弁しましたとおり一定程度はできると思いますけれども、先ほど説明したとおりそれがない中で、現実に第6期の中では難しいだろうというのが私どもの判断です。ただ、それがいいとは私どもも承知しているわけではございませんので、これも市長答弁にありましたとおり、全国市長会を通じて、公費負担の部分を上げていただきたいということは今後も粘り強く要請してまいりたいと考えてございます。
(発言する者あり)
○議長(横田久俊)以上をもって、一般質問を終結いたします。
お諮りいたします。
ただいま上程中の案件のうち、議案第2号ないし第8号、第13号及び第16号ないし第20号並びに報告第1号につきましては、議長指名による9名の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
それでは、予算特別委員を御指名いたします。秋元智憲議員、中村岩雄議員、松田優子議員、酒井隆行議員、上野智真議員、濱本進議員、山口保議員、新谷とし議員、北野義紀議員、以上であります。
なお、委員中、事故ある場合は、所属会派において補充することといたします。
次に、議案第12号、第14号及び第21号は総務常任委員会に、議案第11号は経済常任委員会に、議案第9号及び第10号は厚生常任委員会に、それぞれ付託いたします。
日程第2「陳情」を議題といたします。
本件につきましては、別紙お手元に配付の議事事件一覧表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。
日程第3「休会の決定」を議題といたします。
お諮りいたします。
委員会審査のため、明12月11日から12月24日まで14日間、休会いたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
本日は、これをもって散会いたします。
散会午後5時23分
会議録署名議員
小樽市議会議長横田久俊
議員中村岩雄
議員久末恵子