開議午後1時00分
○議長(横田久俊)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、吹田友三郞議員、松田優子議員を御指名いたします。
日程第1「議案第1号ないし第30号」を一括議題といたします。
質疑及び一般質問を一括し、これより会派代表質問を行います。
あらかじめ申し上げます。
代表質問に当たっては、質問通告の大項目の順で質問を行い、再質問、再々質問がある場合は、それぞれ一括質問で行うことといたします。
それでは、通告がありますので、順次、発言を許します。
(「議長、24番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)24番、山田雅敏議員。
(24番山田雅敏議員登壇)(拍手)
○24番(山田雅敏議員)自由民主党を代表して質問を行います。
我が国を取り巻く地政学的環境は刻々と変化しており、特に石油資源を依存する中東地域では紛争が絶えず、石油製品の高騰を招いています。また、アフリカ大陸を発症起源とするエボラ出血熱や直近のデング熱など、発症過程や感染経路のよくわからない病症への対応や、地球温暖化による異常気象と言われる環境の変化、特に今までに経験したことのない豪雨による土砂崩れや河川の増水による住居への冠水など、国レベルでの防災対策が急務となってくると同時に、一方で、少子高齢化による労働力不足、諸外国への先端技術の流出対策など、10年、20年先を見据えた教育を含めた戦略的政策が必須と考えます。
本市にあっても、経済振興や福祉の充実に向け、特に女性の社会進出に伴う子育てや教育環境の整備など、多くの課題が山積する中、市民要望をセレクト、抽出し具現化する強いリーダーが必要です。そこで、1期4年を完結した後も、中松市長の市政運営に期待するものです。
最初に、7つの重点公約の達成状況についてお伺いいたします。
昨年2月27日、中松市長任期の折り返しとなる平成25年度市政執行方針で、小樽の発展のため、まちづくりに全力を注ぐと述べられ、8月29日、定例記者会見で、来年の市長選に再選を目指し立候補する意向を正式に聞きました。今定例会でも改めて市長選再出馬について述べられ、意欲ある決意と思います。中松市長の意気込みをお聞かせください。
次に、就任当初から7つの重点公約についてお伺いいたします。
私の認識では、1、観光の充実、グローバル化時代の国際観光への挑戦、商工業の振興、雇用創出による若者の定着については、インバウンドの復活、石狩湾新港地域の企業誘致は努力が実ってきています。2、稲一再開発については、取得開発業者が決定し、掖済会病院新築移転とサービス付き高齢者向け住宅の新築が発表されました。3、26年度の新市立病院開業については、順調に施工工事が進み、今年12月1日の開院予定です。4、学校統廃合や給食環境などの教育環境の整備については、手宮地区統合小学校校舎の完成、山手地区統合小学校の候補地が決定、学校給食センターの稼働が開始されております。5、保育所や民間の保育への支援など子育て環境の整備については、奥沢・銭函等の保育所整備が図られています。6、高齢者や障害者が安心して暮らせる支援体制については、市内介護施設の充実、障害者が地域で暮らせる環境が整いつつあります。7、財政再建については、他会計からの借入れなどがあるが、実質収支が黒字化されたなど評価するものです。
市長が考える「市民力を生かした「活力あるおたる」の創造」へ努力したことや、市政執行でやり残しがあれば、お聞かせください。
次に、2期目に向けた政策課題についてお伺いいたします。
8月29日には、札幌市長が引退表明をいたしました。報道によると、この11年間で公約の大半は実現でき、年齢的なことや3期を区切りとして政治家を引退することなどを明らかにしました。
私は、日ごろより中松義治市長の行動力や折衝力、社交性、お酒の強さには一目も二目も置いているものです。でも、健康のためには少しはお酒は控えてください。
この項目では、2期目に向けた政策課題について重要項目をお聞かせの上、課題や対策などお聞かせください。
次に、新たな財源と電気料金の値上げによる本市への影響についてお伺いいたします。
大阪府高槻市では、屋根貸し事業が今年度から始まりました。内容は、国の再生可能エネルギー固定価格買取り制度を利用し、設置場所を持たない事業者にもシステム導入を促す狙いがあります。市内小・中学校や公民館などの屋根を貸し出し、売電収入の4パーセント以上を使用料収入として、年間約60万円の収入を見込んでいると聞きます。私は、以前に、予算の複数年度管理やネーミングライツ、行政コスト、ふるさと納税など、新たな財源について質問してまいりました。本市でも小規模な太陽光発電設備が見られますが、この屋根貸し事業について本市のお考えをお聞かせください。
次に、北海道電力による電気料金の値上げについて伺います。
現在、北海道電力が国に申請している電気料金改定が仮にそのまま認可された場合、市への影響として年額約2億円の負担増になるとの新聞報道が8月29日にありました。
本市が北電と交わしている高圧、低圧の契約について、それぞれの主な施設や設備とその年間の影響額及び値上げ後の金額をお示しください。
次に、市施設の照明に関連してお聞きいたします。
近年、技術や量産化が進み、LED照明が格段に高品質、低価格になり、初期投資の費用を捻出できれば、多くの企業が電気料金を抑えたいと考えています。市建設部の試算では、40ワット相当の明るさで蛍光管とLEDを比較すると、約5割の経費節減になるといいます。町会が躍起になって街路灯をLED化するわけは、ここにあるといえます。
この項最後に、本市でも、この政策は早急に取り組む必要があると考えます。御所見をお聞かせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)山田議員の御質問にお答えします。
ただいま、市長公約と新たな政策課題への対応について御質問がありました。
初めに、7つの公約の達成状況等についてです。
まず、市長選再出馬に向けての意気込みのお尋ねにつきましては、私はこれまで3年4か月市政を担う中で、財政の健全化をはじめ企業誘致や観光振興の推進などを通じて、地域経済の活性化に精力的に取り組んでまいりましたが、少子化を含めた人口問題、公共施設の耐震化や防災対策など、解決すべき課題が山積しております。市民の皆さんの負託を受け、2期目の市政を担うことになれば、それらの課題解決へ向け、市民の皆さんとともに知恵を出し合い、全力で取り組んでまいりたいと考えております。
次に、「市民力を生かした「活力あるおたる」の創造」へ努力したことにつきましては、市民力を生かしたまちづくりの土台となる自治基本条例を、市民の皆さんの御意見を伺いながら制定いたしました。
地域経済の活性化に向けては、企業誘致や観光振興の推進に取り組むとともに、安心・安全で住みやすい環境整備に向けては、新市立病院の建設や保育所の建替え、自然災害についての体制を強化したほか、教育環境の充実に向けては、校舎の耐震化や改修を推進するなど、公約の実現に向け努力してまいりました。
また、真の財政再建に向けては、道半ばでありますことから、引き続き取り組んでいく必要があると考えております。
次に、2期目に向けた政策課題についてですが、重点項目やその課題、対策につきましては、我が国全体が本格的な人口減少社会を迎え、今後、本市を取り巻く状況はさらに厳しさを増していくと思われることから、人口減少に歯止めをかけるための対策が必要であると考えております。また、公共施設の耐震化や防災対策、そして真の財政再建へ向けた取組など、いずれも早急に対応していく必要がありますが、まずは残された在任期間に全力を傾けてまいりたいと考えております。
次に、新たな財源と電気料金の値上げによる本市への影響についてですが、いわゆる屋根貸し事業につきましては、一般的に太陽光発電により売電事業を行う民間事業者に対して、国の再生可能エネルギー固定価格買取制度による買取り期間である20年間、公共施設などの屋上や屋根部分の貸付けを行うものであり、契約を行った民間事業者が事業継続ができなくなった場合の設置した設備の処理をどうするか、また契約期間中の建物の建替えが制限される、冬期間の積雪対応をどうするかなどの問題点があると認識しております。
次に、北海道電力の電気料金値上げの影響につきましては、まず高圧で受電する契約の主な設備・施設といたしましては、水道局庁舎を除いた上下水道関連施設で年間影響額約6,000万円、値上げ後の金額約3億円、市役所本庁舎で年間影響額約400万円、値上げ後の金額約2,100万円と試算しております。
また、低圧で受電する契約の主な設備・施設といたしましては、ロードヒーティングで年間影響額約6,500万円、値上げ後の金額約3億円、市所有分の街路灯で年間影響額約600万円、値上げ後の金額約3,500万円と試算しております。
次に、市施設の照明のLED化につきましては、省エネと経費節減の両面から、いずれは取り組むべき課題と認識しておりますので、LED化のメリットやデメリット、初期投資の財源や費用対効果、技術的課題、LED以外の他の省エネ照明の可能性、その改修のタイミングなど、多方面から研究してまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、24番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)24番、山田雅敏議員。
(24番山田雅敏議員登壇)
○24番(山田雅敏議員)次に、危機管理についてお伺いいたします。
最初に、日本海地震による津波被害についてお伺いいたします。
8月26日、国の有識者検討会が、北海道から長崎県の16道府県173市町村で想定される津波の高さと到達時間を初めて公表し、地震の規模はマグニチュード6.8ないし7.9と想定されました。この時期に発表したのは、日本海の津波は詳しい実態が不明なため、昨年1月から国土交通省と内閣府、文部科学省の合同検討会が国としての統一見解を初めてまとめたと聞きます。
本市でも、本年度中に避難計画を作成し、来年度から地域防災計画に組み入れようと準備していたと聞いております。今回示された小樽市における津波の最大津波高をお聞かせください。
そこで、本市の津波避難計画の策定をやり直すと聞き、多岐多様な方面が変更されると考えられます。道防災会議地震火山対策部会の地震専門委員会では、4年前にまとめた日本海側の津波浸水予測をシミュレーションに1年かけ、見直すと聞きます。津波避難計画がどの程度遅れるのか、内容についてもお聞かせください。
また、蘭島・塩谷地区、祝津・高島地区、手宮を含めた港湾地区、銭函地区別に過去の津波ハザードマップと比べ想定よりも高く早い津波で、今までの対策と比べて変更点や新たな課題があればお聞かせください。
次に、防災教育についてお伺いいたします。
平成25年度に検討を進めてきた防災教育推進のあり方に関する有識者検討委員会による提言を踏まえ、今年度道が取り組むもので、防災教育にかかわる機関や企業、地域の方々などで構成するほっかいどう防災教育協働ネットワークが設置されたと聞きました。
そこで、本市にも協力企業があると聞きます。6月に設立されたほっかいどう防災教育協働ネットワークを構成する機関、企業等をお聞かせください。
また、防災教育ポータルサイトやフェイスブックからの情報発信や防災教育モデルテキスト、DVDの普及に努めるとともに、地域で防災教育を担う市町村職員や地域防災マスター等を対象とした研修会の拡大に努めると聞きます。
そこでお聞きしますが、今回、取り組む防災教育の情報発信で、イベント、テキスト、データベースなど、どのようなものがあるのかお聞かせください。
この項最後に、防災教育の担い手として、人材教育について本市の状況、研修についてお聞かせください。
次に、土砂災害警戒区域についてお聞きいたします。
8月28日早朝、電話で町会内にある住宅の急傾斜地について周知をしたいという相談を受け、後日、町会役員と国の基準による危険斜面に建つ住宅地の指定について説明を受けました。
話は変わりますが、8月20日に起きた広島市の土砂災害では、9月1日現在、死者72名、不明者2名に上り、改めて御冥福をお祈りいたします。いまだ被災地では1万2,600世帯、約3万人を対象に避難勧告が長引く中、解除は容易ではないと聞きます。
この土砂災害警戒区域の指定に当たり、道が道内でも調査したと聞きます。本市では運河のある縁で災害時相互応援協定をしている自治体があると承知していますが、ある市民からは、近隣である札幌市と救援協定を行い、相互援助の提案が議会に寄せられています。
まず、この調査の過程や市町村の状況をお聞かせの上、本市の状況をお聞かせください。
土砂災害には、地滑り、急傾斜地の崩壊、土石流の3種類があると聞きます。今回、広島市で起きた土砂災害では、土と硫黄のまざったにおいがした、土のにおいや生木や草のにおいが強くしたなど、ふだん感じることのない兆候があったと聞きます。
土砂災害警戒情報についてお聞きいたします。
まず、どの部署がどのような状況のときに発表するのか、また解除する時期や状況もあわせてお聞かせください。
この気象情報に応じ市町村は、土砂災害警戒情報を参考として3段階の情報を出さなければならないと聞きます。具体的にこの情報が出た場合、市民はどのような行動をとらなければならないのか、段階別にお聞かせください。
住民は、ふだんから自分が暮らす地域の危険性を把握し、大雨が予想される際には、早めに避難することが重要と考えます。
この項最後に、自治体においては、市民から前兆現象に関する通報を受けることがあるとは思いますが、市民の方が防災情報を迅速かつ正確に把握するために、防災ラジオは有効であると考えますが、現在の配付状況はどのようになっているのか、お聞かせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、危機管理について御質問がありました。
初めに、津波対策についてですが、まず日本海における大規模地震に関する調査検討会が推計した小樽市に到達する津波の最大津波高については、市街地などの平地で3.9メートルと推計されております。
次に、津波避難計画の策定の時期などにつきましては、現在、本市では北海道が行った平成22年度のシミュレーションに基づき、津波避難計画を作成中であり、避難区域の設定や沿岸地域の津波到達時間や最大遡上高を記載し、津波の発生から終息までの間、市民の生命、身体の安全を確保することを目的とした内容としておりました。しかし、日本海における大規模地震に関する調査検討会が推計した沿岸での津波高が高くなったことから、今後、北海道が行うシミュレーションの成果と照合する必要があるため、計画の策定時期は平成27年度以降と考えております。
次に、今までの津波対策からの変更点や新たな課題につきましては、調査検討会が発表した報告書を参考に北海道が行う日本海沿岸における津波シミュレーション及び被害想定によって、小樽市内の各地区における津波遡上高や到達時間の詳細が判明することとなりますことから、これらを踏まえて対策の変更点などについて検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、防災教育についてですが、まず、ほっかいどう防災教育協働ネットワークを構成する機関・企業につきましては、札幌市などの地方自治体のほか、民間企業や気象台などの団体が39機関、個人で参加されている方が10名となっております。
次に、ほっかいどう防災教育協働ネットワークが取り組む事業につきましては、ポータルサイトほっかいどうの防災教育のほか、フェイスブックページ、メールマガジンを活用した情報発信、ショッピングセンターやイベントスペースにおいて、楽しみながら災害から自分の家族や地域を守る知識や知恵を学べるイベントを開催する計画となっております。
次に、防災教育の担い手としての人材育成につきましては、本市は、北海道市町村職員研修センターが行う防災・減災対策研修、北海道が行う危機管理に関する研修や、市町村職員研修所で行われる防災と危機管理研修などにも防災職員を参加させ、研さんを重ねております。
次に、土砂災害警戒区域についてですが、まず調査の経過と道内市町村の状況につきましては、北海道が道内市町村全体を調査し、平成15年3月に土砂災害危険箇所1万1,898か所を公表しました。このうち、1,416か所が平成26年8月末までに土砂災害警戒区域として指定されております。
また、本市の状況は、土砂災害危険箇所が519か所あり、平成18年から26年8月までに179か所が指定されております。
次に、土砂災害警戒情報についてですが、この情報は、大雨による土砂災害の危険が高まったときに、市町村長が避難勧告等を発令する際の判断や自主避難の参考となるよう、都道府県と気象庁が共同で発表するものです。また、土壌内の水分量を示す土壌雨量指数が低下し、土砂災害の発生のおそれがなくなったときに解除されるものであります。
次に、市が土砂災害警戒情報を参考として市民に対して避難を促すために発令する情報等につきましては、避難準備情報、避難勧告、避難指示があり、避難準備情報の段階では、気象情報に注意を払いながら、避難するための準備を行い、高齢者など避難に時間を要する方は避難を開始していただくことになります。また、避難勧告の発令があった際には、強制力はありませんが、市民には避難行動をとっていただくこととなり、避難指示は被害の危険が切迫したときに発令するもので、避難勧告よりも拘束力が強く、的確な避難行動が求められます。
次に、防災ラジオの配付状況につきましては、災害時における防災情報を迅速かつ的確に収集し、町会長又は防災にかかわる役員から住民の方への情報連絡や子供たちの命を守る避難行動に活用していただくため、平成25年度は町会及び公立保育所に177台配付し、本年度は私立保育所及び私立幼稚園などに70台の配付を予定しております。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、24番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)24番、山田雅敏議員。
(24番山田雅敏議員登壇)
○24番(山田雅敏議員)市内経済の活性化に関連してお伺いいたします。
最初に、北海道新幹線開業について何点かお聞きします。
JR北海道では、先月、函館駅コンコースにおいて、平成28年3月開業予定の北海道新幹線模型を展示していました。この模型は先頭車両の20分の1のモデルで、大きさは約1メートルのものです。函館近郊の人々にとっては、開業が近いことを感じさせ、函館を観光などで訪れた人は、今度は新幹線で来ようという気持ちにさせられるのではないかと感じています。
また、平成25年6月に北海道がまとめた試算では、北海道新幹線新函館北斗-札幌間の建設工事により、約2兆6,000億円の経済波及効果が見込まれ、また雇用創出効果は約20万人に相当する効果が見込まれていると聞いています。
新函館北斗-札幌間では、道南の村山トンネルの工事が始まっております。いよいよ道民の夢が現実味を帯びてまいりました。
そこで、お伺いいたします。
小樽商工会議所の北海道新幹線建設促進小樽期成会が、一昨年、北海道新幹線有効活用ワークショップを立ち上げ、本年6月に提言書を作成し、市長に手渡されました。この提言書には、一つ目には「新小樽(仮称)駅と小樽駅および小樽港をできる限り短時間で結ぶ」、二つ目に「新駅舎の有効活用を考える」、三つ目に「高速道路を活用した二次交通を充実させる」、四つ目に「少ない土地に効率の良い駐車場を整備する」、五つ目に「周辺自治体の業務・観光の中継基地化を図る」、六つ目に「将来の新幹線通勤を想定した住宅地の提供」という六つの着眼点が記載されていますが、私は、この中で小樽市及び周辺自治体の活性化や人口対策のためには、五つ目の周辺自治体への業務、観光の中継基地化を図ること、六つ目の将来の新幹線通勤を想定した住宅地の提供は定住人口の増加が考えられますので、こういうことが重要であると考えています。市では、こういった活用方策が記載された北海道新幹線建設促進小樽期成会の提言書を今後どのように取り扱うのか、お考えをお示しください。
次に、北海道新幹線開業効果の波及拡大のための取組についてですが、北海道では新函館北斗駅開業時の1日の最大来道人数を運行本数17本、一両編成定員731人として、約1万2,500人と推計しています。単純に年間365日を掛けると約450万人にも上り、新函館北斗駅の開業効果は大きいものと考えます。この開業効果を小樽をはじめ後志に波及させるために、まず新幹線開業の認知を広める必要があると考えております。その上で小樽をPRし、新函館北斗駅まで来た人がそこから帰るのではなく、小樽を経由し、札幌や道東等への観光に足を延ばしてもらう、また逆に道東などから小樽を経由し、新函館北斗へ行っていただく必要があると考えています。黙っていては道南地域だけに開業効果がとどまってしまいます。
そこで、お伺いいたします。開業効果を普及させるためには、小樽市はどのような取組をすべきか、お考えをお示しください。
次に、平成21年から毎年開催されている小樽商人塾についてお伺いいたします。
起業を目指す人にとって、5回の講義で経営の基本、心構えが何であるかを習得でき、このセミナーを受けた人で起業に失敗した人は少ないと聞きます。開業準備を日本政策金融公庫の調査で詳しく説明、開業からの経過年数で生き残りできるかがわかり、近年の開業者に占める女性の割合は15パーセント前後で推移していると聞きます。私は、小樽経済が元気になるためには、もっと多くの若い起業家を育てなければならないと考えています。現在、さまざまな機関の講師を活用していますが、今後は自己分析や他己分析、受講者同士の模擬練習や先輩起業家による講演などパワーアップを期待するものです。この小樽商人塾の講義の内容や来年度以降の課題等をお聞かせください。
次に、道の駅についてお伺いいたします。
平成26年7月28日、「「道の駅」の新しい姿を考える栃木県「道の駅」シンポジウム」が開催されました。一般道の利用者が立ち寄るトイレ、休憩施設として生まれた道の駅は、現在1,030か所を数え、この施設自体が目的地になり、地元野菜の直売や高齢者の買物支援サービス、観光資源を生かして人を呼ぶ中、地域ごとに仕事を生み出す雇用創出や経済活性化へと独自の進化を遂げていると聞きます。本市でも道の駅設置の議論は幾度となく行われてきたと認識しています。
最初に、道の駅の登録要件をお聞かせの上、庁内で検討された今までの主な論点などお聞かせください。
雇用創出や経済効果に対する地域の期待が高まっています。本年8月28日、第1回登録証交付から20年の節目に、新たな取組が国土交通省から支援策を含めて発表されました。発表された施策の目的と主なポイントや選定の流れをお聞かせください。
私は、市内で二つの場所に可能性があると考えています。一つは、今後、整備される第3号ふ頭基部の建物に整備されること。もう一つは、忍路水車の会が運営している農産物直売所が立地上、交通の要衝と考え、ここに可能性があると考えます。
この項最後に、国土交通省が発表したこの施策には、機能や運営方法など難しい問題もありますが、先ほど申し上げた2か所に対する本市のお考えをお聞かせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、市内経済の活性化に関連し、御質問がありました。
初めに、北海道新幹線開業効果についてですが、まず北海道新幹線建設促進小樽期成会の提言書の今後の取扱いにつきましては、本市では北海道新幹線新小樽(仮称)駅周辺まちづくり計画を策定いたしますので、今年度実施するワークショップや来年度実施予定のまちづくり計画策定会議の中で、この提言書などを基に議論を深めていきたいと考えております。
次に、新函館北斗駅の開業効果を小樽・後志に波及させるための本市の取組につきましては、開業効果の波及拡大には、2次交通網の強化や情報発信などが必要ですが、本市だけではなく、オール後志で取り組むことが重要であると考えております。これらの取組を本市も含めたオール後志で実施するため、北海道後志総合振興局が北海道新幹線しりべし協働会議を設置しましたので、今後この会議の中で具体的な取組について協議していきたいと考えております。
次に、商人塾についてですが、今年度開催した内容につきましては、創業の心構えから事業計画作成までの講義を3回、マーケティング関連の講義を2回の合計5回実施しております。来年度以降につきましては、受講者を対象としたアンケート調査によりますと、起業者の体験談や事例紹介、受講者間の交流といったカリキュラム内容の充実、開講期間や講義時間の設定などの課題等があることから、今後、講師派遣元の独立行政法人中小企業基盤整備機構と協議しながら、受講者にとりまして、より効果的な内容で実施してまいりたいと考えております。
次に、道の駅についてですが、まず道の駅の登録要件につきましては、大きく三つの基本的な機能を有する施設であることが求められており、道路利用者のための休憩機能として、駐車場、トイレ、電話が24時間利用できること、道路利用者が地域の方々のための情報発信機能として道路情報や観光情報などを提供すること、道の駅を接点に活力ある地域づくりを行うための地域の連携機能として、例えば地場産品の販売など、さまざまなサービスを提供する施設であることが挙げられております。
また、本市におけるこれまでの検討につきましては、仮に道の駅を設置するとした場合、幹線道路に面した一定規模の用地の確保、利用者や採算性の維持、他の施設との競合など、これらの課題について議論を進めてきたところであります。
次に、国土交通省から新たに発表された支援策を含む施策の目的と主なポイントにつきましては、地域創生の拠点形成を目的に機能強化を図る先駆的な道の駅の取組をモデル箇所として選定し、国土交通省のほか、関係省庁が連携して総合的な支援を行うとされております。その対象となるのは、外国人観光客に対応した案内や移住に必要な情報提供などの機能も整備することで、地域外から活力を呼ぶゲートウエィ型と産業振興や地域福祉、防災などの機能も整備することで地域の元気をつくる地域センター型の道の駅の新設又はリニューアルとされております。
また、選定の流れにつきましては、各地方整備局等からの推薦を受け、企画内容の審査を経て選定するとされております。
次に、設置場所として御提案のあった市内2か所の可能性につきましては、国土交通省の採択基準によりますと、道の駅は主要な幹線道路に設置することが条件となっておりますことから、議員がお考えの2か所での設置は現状では難しいものと考えられます。
○議長(横田久俊)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、24番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)24番、山田雅敏議員。
(24番山田雅敏議員登壇)
○24番(山田雅敏議員)次に、安心・安全な市民生活に向けてお伺いしてまいります。
最初に、空き家の活用についてお伺いいたします。
本年7月29日、総務省が平成25年度の住宅・土地統計調査の結果を発表し、全国の空き家数は過去最多の820万戸で、5年前の前回調査から63万戸増加いたしました。原因は、子供の独立や高齢人口の増、固定資産税の軽減措置、治安や防災面などの問題があると聞きます。
現在、355自治体が何らかの対策条例を施行し、住宅促進のため空き家バンクへ374市町村が登録制度を導入していると聞いています。
厚生労働省では、低所得高齢者の住まいの確保のため、空き家を活用するモデル事業を今年度から始めました。国土交通省も、一定の条件の下に建築基準法の政省令を緩和して、空き家をグループホームなどに転用しやすくする方針と聞きます。
今年6月から京都市では、戸建てや長屋建ての空き家を留学生の住まいや地域の居場所に活用する場合、補助金を出すと聞きます。東京都世田谷区の空き家の活用では、全国一の賃貸・売買契約247件が成立、公益目的で空き家を利用する企画を公募するなどして、7月29日までにはさらに20件契約が増えたと聞きます。
このように空き家の活用にはさまざまな施策があり、本市でも参考にすべきと考えます。見解をお聞かせください。
次に、おたるドリームビーチの道路整備等についてお伺いいたします。
7月、海水浴帰りの女性4人が死傷した事故のあった道路について、中松市長は、7月28日の定例記者会見で、今年度は車両の通行止めは行わなかったが、来年度以降については札幌市や協同組合と検討するとおっしゃいました。安全対策については、通行止め、一方通行、歩道の整備、ガードレールの設置など、関係機関を交え協議が必要と考えます。8月29日には、現場道路の一部が国有地や民有地に隣接していることから、道路の拡幅、歩道の新設を考えるに当たって、各関係者と協議していくとお聞きします。次期の利用までに何らかの対策を望むものです。今後のスケジュールなどお聞かせください。
また、海水浴場で有名な江ノ島、湘南海岸ほかでは、喫煙・飲酒の禁止、大音量の音楽、入れ墨の露出などの禁止に取り組んでいる海の家経営者や自治体関係者がいると聞きます。
この項最後に、これらについて本市のお考えをお聞かせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、安全・安心な市民生活に向けての御質問がありました。
初めに、空き家の活用についてですが、国などの施策を参考にすべきとの御意見につきましては、現在、本市におきましても空き家バンク制度を運用しておりますが、空き家の活用は人口対策や危険空き家対策などにもつながるものと考えております。今後、空き家対策等を検討する中で、これらの事例も参考にしてまいりたいと考えております。
次に、おたるドリームビーチの道路整備等についてですが、まず今後の関係機関との協議スケジュールにつきましては、来季の海水浴場開設までに安全確保の対策が図られるよう、できるだけ早く関係機関や協同組合との協議を進めてまいりたいと考えております。
次に、海水浴場での喫煙、飲酒、大音量の音楽などの規制の取組につきましては、今のところ本市では海水浴場でのこれらの規制は考えておりませんが、今後とも警察、海岸管理者である北海道や各海水浴場組合とも緊密な連携を図りながら、風紀の乱れなどの是正について取り組み、安全で快適な海水浴場の運営が行われるよう、努めてまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第5項目めの質問に入ります。
(「議長、24番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)24番、山田雅敏議員。
(24番山田雅敏議員登壇)
○24番(山田雅敏議員)次に、女性の活躍の推進について何点かお伺いしてまいります。
本市でも人口対策庁内検討会議が設置された、人口減少対策の環境整備についてお伺いいたします。
本年5月、政府の経済財政諮問会議の有識者会議「選択する未来」委員会は、日本経済への提言として、50年後に1億人程度の人口目標を掲げ、70歳までを働く人と位置づけ、女性の活躍も不可欠とした中間整理をまとめました。「選択する未来」委員会のまとめについて主な内容をお聞かせください。
同じく5月、民間の有識者でつくる日本創成会議が、2040年には全国の半数に当たる896市区町村で20歳から39歳の女性が半減し、将来消滅する可能性があるとする人口推計を公表、道内はその8割が該当するといいます。
7月15日には、全国知事会が少子化非常事態宣言を採択、北海道は年内にも人口減の取組指針を作成すると聞きます。
私も、この人口問題を考える上で、女性が仕事をしながら子供を育てられる環境の整備が重要と思います。そこで、本市の対策についてお聞かせください。
次に、女性の管理職登用についてお伺いいたします。
男女雇用機会均等法は、昭和60年に成立、翌61年に施行、企業に対して採用や昇進、職種の変更など、男女で異なる取扱いを禁じています。
最初に、本年7月施行規則改正でどのような点が明記されたのか、お聞かせください。
昨年4月、安倍首相が女性の登用について上場企業は最低1人の女性役員登用をと呼びかけたことで広がり、厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、民間企業(100人以上)で昨年は7.5パーセントと聞きます。首相は、女性の活躍推進を成長戦略の中心の一つに位置づけており、平成32年までに指導的地位に占める女性の割合を30パーセントにするという数値目標を掲げています。また、7月13日、来年度に採用する国家公務員の3割以上を女性とする考えを示しました。
総務省のデータによる女性の就職希望者は、全国に328万人いると聞きます。一般に女性の雇用促進に関連して育児・介護休業法の活用や男女の役割分担の意識改革など、女性が働きやすい環境の整備についてどのような点が進んでいないと考えられるのか、お聞かせください。
今、注目される女性を含めた中間管理職向けの研修プログラムがあると聞きます。メンター制度についてお聞かせください。
内閣人事で省庁幹部の女性が倍増したと聞きます。本年4月から道庁では、観光振興監、上川総合振興局長、宗谷教育局長、保健福祉部次長など高橋知事が女性職員を重要ポストへ、札幌市では課長職に女性7人を登用したと聞きます。
報道では、一般行政職における本市の女性管理職の登用状況は、道内主要都市の中で最も低いと聞きます。本市において女性登用率が低い理由はどこにあるとお考えですか。
また、今後の女性登用に向けた施策をお聞かせください。
次に、女性勤労促進についてお伺いいたします。
平成24年の総務省統計局の調査では、全国平均で製造業の女性就業者の比率は11.3パーセント、道内では7.3パーセントと聞きます。道は今年度第2次産業に女性を誘う、ものづくり「なでしこ」応援プロジェクトをスタートさせ、男の職場と見られがちな製造業への女性就労を応援すると聞きます。
最後に、この取組の目的や活動、啓発をお聞かせの上、本市の直近の製造業における女性就業状況についてお聞かせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、女性の活躍推進について御質問がありました。
初めに、人口減少対策としての環境整備についてですが、まず「選択する未来」委員会の中間整理の主な内容につきましては、現状のままでは人口急減、超高齢社会が到来することが確実であるとした上で、流れを変えるための未来への選択として、50年後に1億人程度の人口を保持すること、創意工夫による新たな価値の創造により経済成長を続けること、年齢、性別にかかわらず能力を発揮することのほか、個性を生かした地域戦略や文化、公共心など、社会の土台を大切にすることについての考え方がまとめられているものと承知しております。
次に、女性が仕事をしながら子供を育てられる環境の整備につきましては、保育環境では保育所やファミリーサポートセンター、放課後児童クラブの運営などの事業があり、就労環境では男女共同参画の推進を図るため、ワーク・ライフ・バランスの考え方の普及などにも努めているところであります。
次に、女性の管理職登用についてですが、まず男女雇用機会均等法施行規則の改正点につきましては、間接差別となり得る措置の範囲の見直しや、性別による差別事例の追加、セクシュアルハラスメントの予防、事後対応の徹底等、コース等別雇用管理についての指針の制定であります。
次に、女性が働きやすい環境の整備について進んでいない点につきましては、厚生労働省の報告書によりますと、仕事と子育てなどの家庭生活を両立させるための支援、男性の働き方やそれを取り巻く職場の慣行に対する意識改革、子育て等のために離職した方への再就職支援などが挙げられております。
次に、メンター制度についてですが、この制度は厚生労働省が人材育成のために推奨しているもので、女性職員の活躍を促進するために有効な方法とされています。具体的には、上司ではなく豊富な知識と職場経験を有した先輩職員が後輩職員との対話を通じて、職場内での悩みや問題解決の相談役となって後輩職員の育成をサポートしようとするものであります。
次に、一般行政職の女性管理職への登用についてですが、本市において女性管理職が少ない理由としては、管理職への昇任年齢層に占める女性の職員数が少ないことも要因の一つではと考えておりますが、近年、採用者に占める女性の割合も高くなっておりますので、他都市で行っている女性のキャリアアップやリーダー養成のための研修会への参加を進めながら、職員の能力や経験に応じて適材適所の考え方に立った女性の管理職への登用を図ってまいりたいと思います。
次に、女性の勤労促進についてですが、ものづくり「なでしこ」応援プロジェクトにつきましては、今年度の北海道の新規事業であり、道内経済を支えるものづくり現場への女性の参画促進を目的として、職場見学会をはじめ、既に活躍している女性を紹介するPR冊子の作成や配布など、製造業のイメージアップ等に取り組んでいるものであります。
また、製造業における女性の就業状況につきましては、御指摘の比率については国の労働力調査によるものであり、標本数4万世帯からの調査結果であります。
一方、直近の「平成24年経済センサス-活動調査」は、ほとんどの企業や産業を調査対象にしており、本市の製造業の従業員8,700名のうち、女性は3,800名で43.7パーセントとなり、全道や全国に比べて高い比率になっております。
○議長(横田久俊)次に、第6項目めの質問に入ります。
(「議長、24番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)24番、山田雅敏議員。
(24番山田雅敏議員登壇)
○24番(山田雅敏議員)教育に関連してお伺いいたします。
最初に、全国学力・学習状況調査についてお聞きいたします。
全体的には全国の学力が向上してきているが、道教育委員会が平成23年度に掲げた目標は達成できませんでした。この中で道教委の立川宏教育長は、目標に届かなかったのは残念だと語っています。しかし、6教科で改善が見られ、全国との差が縮小した点を評価し、来年度の学力調査では全教科で全国平均以上を目指すと聞きます。
今回の学力調査から学校別の結果を市区町村教育委員会が公表できるようになったと聞きます。本市の判断をお聞かせください。
佐賀県武雄市教育委員会では、ホームページで学校別平均正答率を公開予定であり、子供たちの学習環境に関する調査結果や分析も掲載すると聞きます。大津市教育委員会では、正答率を数字ではなく、傾向をチャートで示すといいます。埼玉県鶴ヶ島市教育委員会では、全国平均を上回ったなど、文章で表記するといいます。
都道府県教育委員会では、市区町村教育委員会の同意が得られた場合、学校別の成績を公表できると聞きます。今回一緒に行われた質問紙調査では、漢字や語句の基本を定着させる授業や計算問題の反復練習をする授業をよく行った学校の割合が、小・中学校とも全国平均を上回ったと聞きます。また、長時間ゲームをする児童・生徒の割合は依然高く、勉強時間が全国平均以下で、あわせて今後の課題と聞きます。
お尋ねします。
本市の児童・生徒のテレビやゲームをする時間について児童・生徒質問紙調査の結果はどのような傾向にあるのか、お答えください。
今回初めて携帯電話やスマートフォンでのメールやインターネットの使用時間を尋ねましたが、どのような傾向にあるのか、お知らせください。
あわせて、ニュース番組や新聞を読む児童・生徒の傾向もお知らせください。
この項目最後に、学校質問紙調査における道教育委員会が推奨する朝読書等の各学校の取組状況をお知らせください。
次に、北海道家庭教育サポート企業等制度についてお伺いいたします。
この制度は、家庭教育を支援するための職場環境づくりに取り組む企業等と北海道教育委員会が協定を結び、相互に協力して家庭教育支援の一層の推進を図るための制度と聞きます。具体的な企業の取組や教育委員会の支援策をお聞かせください。
また、未来を担う子供たちのために、職場の子育て環境づくりや学校・地域行事へ協力する企業等が市内で16あると聞きます。北海道で締結企業は何社あるのですか。
また、後志管内の主な特徴的な取組についてお聞かせください。
次に、本年秋から政府の教育再生実行会議で検討される最大の改革が、小学校から高校までの六・三・三制の見直しと聞きます。1947年に学校教育法として施行され、60年が経過した今、子供の発達や思春期の早期化が進み、小1プロブレム、中学校進級を機に問題行動を起こす中1ギャップが学校で深刻化していると聞きます。
まず、本市の中1ギャップなどの状況をお聞かせください。
同会議では、このような問題に対応してアメリカの子供の発達の早期化に合わせた五・三・四制に変換した事例などを検証し、小・中一貫教育を導入し9年間のカリキュラムを独自に四・三・二に区切る東京都品川区の視察などを進めてきたと聞きます。対策として、就学前の体験入学や小・中学校のギャップを小さくする工夫が、いじめや不登校の減少に有効と聞きます。本市が対応されている事例をお聞かせください。
次に、社会教育施設についてお伺いいたします。
国は、東京オリンピック招致が決まったことにより、スポーツ庁を新設する検討を始めたと聞きます。北海道庁は、平成30年の平昌(ピョンチャン)冬季五輪・パラリンピックと32年の東京夏季五輪・パラリンピックの各国選手団の事前合宿誘致に向けて、道内179市町村を対象に行った意向調査の結果を発表しました。これによると、受入れ希望は今年5月時点で42市町村に上り、7月中には合宿誘致を希望する競技、宿泊施設を記した冊子をつくり、東京の約190ある外国大使館に発送し、意見を聞き、五輪誘致に向けた改良、誘致につなげると聞きます。
そこで、道がまとめた道内の状況と、現在、本市では、改修された陸上競技場を本州の大学が利用していると聞くことから、社会教育施設ほかでのオリンピックを見据えたスポーツ合宿誘致について、当面の考えや今後のスケジュールをお聞かせください。
関連して、札幌市内の多くの施設を管理・運営している一般財団法人さっぽろ健康スポーツ財団は、昨年、照明設備のLED化の試験導入を清田区体育館温水プールで実施し、節電効果について調べた結果が出ました。近年、大型LED照明の開発に伴い、低価格化が進み、節電効果を考慮すれば、設備投資分は数年で回収できる見込みと聞きます。
最後に、本市でもさまざまな公共施設がある中、従来の照明器具がLED灯と置きかわった場合、節電効果が高く、体育館やプールなど社会教育施設の公費負担の減少につながります。見解をお聞かせください。
再質問を留保し、質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)山田議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、教育に関連して御質問がありました。
初めに、全国学力・学習状況調査についてですが、まず学校別の公表につきましては、教育委員会では昨年度から市民への説明責任を果たすことが大切であるという観点から、市内の小・中学校全体の平均正答率を数値で公表し、今年度も同様の方向で分析等の作業を進めております。本年度の調査結果について文部科学省から市町村教育委員会の判断で学校別の結果を公表することができる旨、通知があり、これまで以上に各学校における学力・学習状況調査の結果についての説明が求められる状況となっております。
教育委員会としては、学校別の調査結果を公表することは考えておりませんが、各学校においては、在籍する児童・生徒の保護者に自校の平均正答率と学習状況及びその対策などについて説明する責任があるものと考えており、各学校にはその方向で準備を進めるよう指示をしております。
次に、本市の児童・生徒のテレビゲームなどをする時間についての傾向でありますが、児童・生徒の学習状況調査については現在分析中でありますので、速報値でお答えしますと「テレビゲームなどを4時間以上している」と答えた児童・生徒の割合は、小学校では約15パーセント、中学生では約20パーセントであり、全道、全国の数値を大きく上回る結果となっております。本市では、携10運動などの取組を通して、やや改善の傾向は見られるものの、依然として中学生では5人に1人が4時間以上ゲームをしている状況は極めて憂慮すべき事態であり、緊急な対応が必要でありますことから、現在、校長会と具体的な改善方策について協議を進めているところでございます。
次に、携帯電話やスマートフォンでのメールやインターネットの使用時間についての傾向でありますが、この設問は今年度初めて行う調査項目であり、前年度と比較することはできませんが、「1時間以上使用している」と答えた児童・生徒の割合は小学生では約20パーセント、中学生では約60パーセントであり、いずれも全道、全国より相当高い傾向が見られることから、このことについても、現在、校長会と対策について協議を進めているところでございます。
次に、テレビのニュース番組やインターネットのニュースを見たり新聞を読んだりする児童・生徒の傾向についてでありますが、ニュース番組については「よく見る」「時々見る」と答えた児童・生徒の割合は、小学生では約84パーセント、中学生では約80パーセントと、小・中学生とも全道、全国とほぼ同様の数値となっております。また、新聞については、「ほぼ毎日読んでいる」「週に1回から3回程度読んでいる」と答えた割合は、小学生では約28パーセント、中学生では約26パーセント、いずれも全道、全国よりも高く、小樽の子供たちはよく新聞を読んでいるという傾向となっております。
次に、朝読書などの一斉読書の各学校の取組状況についてですが、小学校では「毎日行った」「週に複数回定期的に行った」と答えた学校が50パーセントで、全道、全国より10ポイント程度少ない状況となり、中学校でも50パーセントと全道、全国より30ポイント程度少ない状況となっております。
一方、家庭において「1時間以上読書をする」と答えた児童・生徒は、小・中学生ともに全道、全国よりも高く、また「全く読書をしない」と答えた児童・生徒も減少しており、読書習慣の面での改善が図られているものと受け止めております。
次に、北海道家庭教育サポート企業等制度についてでございますが、まず本制度の具体的な取組についてでありますが、企業の取組としては、職場の子育てについての環境を整えることや学校行事への参加を促進すること、子供たちの職場見学や職業体験へ協力することなど、企業として子育てや家庭教育を支援する取組を積極的に行っております。
また、道教委としては、ホームページに企業名を挙げ、その取組を掲載することや、家庭教育に関する啓発資料を企業の従業員に配付するほか、従業員の研修に講師を派遣するなどの支援を行い、行政と企業が相互に協力して家庭の教育力を高める取組を行っております。
次に、道教委と協定を締結する企業数についてでありますが、8月25日現在、北海道全体で1,705社となり、後志管内では55社、小樽市内においては16社となっております。
また、後志管内の特徴的な取組としては、本年2月に倶知安町で開催された雪トピアフェスティバルに協賛企業として参画し、スレッドリレー体験などの実践的な事業を展開するほか、協定締結企業間のネットワークを図ることを目的とする組織を立ち上げ、家庭教育を支援するための職場づくりに関する情報交流を行っていると承知しております。
次に、中1ギャップについてですが、まず中学校になじめず不登校などが急増すると言われる、いわゆる中1ギャップについての本市の状況につきましては、中1ギャップとして件数を調査したことはございませんが、参考までに小学校6年生と中学校1年生の過去3年間の不登校の児童・生徒数の状況で申し上げますと、平成21年度の小学校6年生の不登校数は4名であり、その学年が中学校1年生になった段階では15名と約3.8倍となっております。平成22年度の小学校6年生の不登校数は1名であり、その学年が中学校1年生になった段階では10名と、約10倍となっております。平成23年度の小学校6年生の不登校数は5名であり、その学年が中学校1年生になった段階では6名と1.2倍となっており、年度によって多少の差はありますが、中学校1年生になって不登校が増加している傾向が現れております。
次に、本市における小1プロブレム、中1ギャップへの対応についてでありますが、今年の小・中学校の入学に当たっては、全ての学校で体験入学を実施しており、小学校では学校行事に幼児を招き、低学年の児童と交流することや幼稚園や保育所の教諭や保育士と小学校の教職員が意見交換などを行っております。中学校では小学生が中学校の授業を参観したり、授業を実際に受けるなどの体験入学を行っております。また、小・中学校の連携の取組としては、小学校においては中学校の教員が小学校に出向いて音楽や外国語活動の出前授業を行ったり、中学校においては小学生が入学する前に部活動を体験する取組など、小・中学校のスムーズな接続を心がけ、中1ギャップの解消に努めております。
次に、社会教育施設についてでありますが、まず北海道が本年5月に行った平成32年東京オリンピックに向けた合宿受入れ調査についてでありますが、合宿誘致を希望している市町村は40市町村、パラリンピックのみ合宿誘致を希望している市町村は2市となっており、また平成30年平昌オリンピックに向けた合宿誘致を希望している市町村は27市町村となっております。本市におきましては、この調査の後、合宿誘致に必要な条件や競技施設の状況などについて調査検討を行った上で、本年7月にセーリング競技、サッカー、陸上競技の3種目について、北海道に対し合宿誘致の希望を申し出たところであります。なお、今後、北海道から宿泊施設の状況や交通アクセス、またスポーツ医科学の施設の状況など、詳細な状況について確認があると聞いております。
最後に、社会教育施設の照明器具のLED化についてでありますが、一般的にLED化することにより消費電力の軽減が図られると聞いておりますが、社会教育施設の利用目的による利用効果の問題や設備更新による初期投資、対費用効果などの課題があることから、今後、他都市の状況について情報収集するなど調査を行ってまいりたいと考えております。
(「議長、24番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)24番、山田雅敏議員。
○24番(山田雅敏議員)3項目について再質問をしたいと思います。
まず、先ほど7つの公約の部分で活力ある創造ということで、市民力を生かした部分を聞かせていただきました。この答弁の中で市長は、自治基本条例についてそれを生かしたうんぬんということでお話を受けました。私は昨年、自治基本条例の制定にもかかわりましたが、まだまだ市民に浸透していない部分があるのかなという思いがあります。今後この自治基本条例を生かしたさらなる市長が考える活力ある創造へ努力していただけるようお願いしたいのですが、その点をまず聞かせていただきたいと思います。
2点目です。女性の管理職登用については、やはり絶対数が少ないということでお話を受けました。その部分では少ないなりに適材適所にするということですが、女性ですから体力的な部分、また能力的な部分、また本当に市が考える部分があると思います。適材適所ということを言われましたので、その部分をもう少し詳しく聞かせていただきたいと思います。
最後に、今回の学校質問紙調査では、家庭での新聞を読む時間が全国平均よりは多いという答弁を教育長からいただきました。その部分が本当に身になっていればいいと思うのですが、新聞を読む方が多いということで、新聞によって生徒が学校の勉強に対してどのようにためになっているかということを、もう少し具体的にこの調査でわかるかというところをお聞かせ願いたいと思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)山田議員の再質問にお答えします。
最初に、「市民力を生かした「活力あるおたる」」という中で、私の答弁といたしましては、自治基本条例を制定したということで、これは制定するまでに、至るところで市民の皆さんにいろいろな御意見を聞きながら制定をしたということでございます。これは本年4月から施行したわけでございますので、これからこの自治基本条例を基に市民の皆さんと協働した大きな活力あるまちづくりを進めていきたいということを考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
次に、女性の管理職の登用でありますけれども、一般職で言うと、私が市長に就任したときに、女性を部長職に登用させていただきました。それから、今年度、平成26年度の人事においても、課長職2名を登用させていただいたところであります。今後とも、来年度以降も含めてやはり適材適所、そういう人材を配置していきたい、このように思っておりますので御理解いただきたいと思います。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)新聞を読む小・中学生が多いという状況は、まだ詳しい分析ができていませんが、近年、学校の授業に新聞を活用するという展開が全道的にも非常に多くなってきておりますので、その影響もあるのかどうか、その辺の分析はまだこれからです。ただ一般論として子供たちが読書に親しむことが多くなってきたという傾向がありますので、そういう意味では活字を追うということに少しなれてきているとは思っていますけれども、その辺の分析は、この後、細かな分析をした結果、御報告したいというふうに思っています。
(「議長、24番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)24番、山田雅敏議員。
○24番(山田雅敏議員)詳しいことは、この後の予算特別委員会でやりますので、これで終わります。
○議長(横田久俊)山田議員の会派代表質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時28分
――――――――――――――
再開午後3時00分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、会派代表質問を続行いたします。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、中島麗子議員。
(20番中島麗子議員登壇)(拍手)
○20番(中島麗子議員)日本共産党を代表して質問します。
初めに、集団的自衛権の閣議決定について質問します。
8月15日、平成26年度の戦没者追悼式が小樽市民センターで行われました。正面左手には、「いくさ場のかの地にきみは倒れども帰りて見よやふるさとの山」と詠まれた短歌が掲げられ、この歌を詠まれた小樽市戦没者遺族会の豊島辰男会長は、この戦争で敬愛する二人の兄を失ったみずからの戦争体験を語りました。
小樽市関係者の戦没者数は、北海道連合遺族会によると3,476人です。祭壇に献花する遺族の皆さんの姿は、69年の年月がたっても、今なお肉親を亡くした悲しみが終わっていないことを強く印象づけるものでした。
しかし、7月1日、安倍政権は、歴代政権が憲法上禁じてきた集団的自衛権の行使の容認を柱とした解釈改憲を閣議決定しました。憲法第9条の下、海外での武力行使は許されないという従来の政府見解を180度転換し、海外で戦争する国への道を開くものです。こうした憲法改定にも等しい大転換を一遍の閣議決定で強行することは、立憲主義を根底から否定するものです。
閣議決定された後も国民的な反対の声が広がっており、集団的自衛権行使容認に反対あるいは慎重な対処を求める意見書を可決した地方議会が7月1日以降も増え続け、8月12日現在で閣議決定前157議会から190議会に増えています。
小樽市議会は、平成25年第3回定例会で、集団的自衛権行使を容認する憲法解釈変更に関する意見書を賛成多数で可決しています。
閣議決定後の各報道機関による7月の世論調査では、安倍内閣の支持率が5パーセント前後下落し、全ての報道機関の調査で軒並み50パーセントを割り込みました。
8月2日付けの北海道新聞に掲載された全道世論調査では、「日本が戦争に巻き込まれる不安を感じるか」という質問に対して、82パーセントが不安を感じると答えており、年代別では、20代92パーセント、30代89パーセントと、若い世代で高い結果でした。
このように、国民の反対が広がっている集団的自衛権行使の閣議決定については、市長として国に撤回するよう求めます。見解をお聞きします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)中島議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、集団的自衛権について御質問がありました。
集団的自衛権の行使容認については、防衛や外交に関することであり、地方自治法上、国の専管事項であると認識しておりますので、一自治体の長として、国にこの閣議決定の撤回を求めることは考えておりません。
しかしながら、このたびの憲法解釈の変更については、これまでの歴史的な経過から考えても、国会での議論はもとより、国には国民に対ししっかりと説明責任を果たしていただきたいと考えているところであります。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、中島麗子議員。
(20番中島麗子議員登壇)
○20番(中島麗子議員)財政問題についてお聞きします。
初めに、国内総生産、GDPの大幅下落について、市長の見解をお聞きします。
2014年4月から6月期の国内総生産は、東日本大震災以来のマイナス、個人消費は20年来最大の落ち込みとなりました。GDPは、消費税増税前は6.1パーセント増でしたが、増税後は6.8パーセント減へと急激に落ち込んでいます。個人消費は、前期と比較すると5.0パーセントも減りました。前回の消費税増税時と比べて、実質賃金は大幅に低下し、非正規雇用の拡大などで、国民の暮らしが逼迫しています。可処分所得が減る中で物価が上がり、国民は消費を引き締めざるを得ません。この上、さらに消費税率を10パーセントに引き上げれば、国民の暮らしと日本経済へのマイナスははかり知れません。
しかし、甘利明経済再生担当大臣は、過去の消費税引上げと比較しても正常と、経済同友会の長谷川代表幹事は、10パーセントへの消費税税率引上げは予定どおり実施すべきと言っており、国民生活がどうであろうと消費税増税実施の姿勢です。
中松市長は消費税増税の小樽市民への影響をどう考えているのか、予定どおり消費税を10パーセントにすべきと考えるのか、お聞かせください。
今年度の普通交付税等ですが、当初予算では、普通交付税152億1,800万円、臨時財政対策債が22億6,600万円、合計174億8,400万円でした。平成25年度当初予算に比較して、4億1,200万円の減額でした。第1回定例会の市長提案説明では、市税の伸びが期待できない、実質的な地方交付税の減少が見込まれるから、一般財源歳出削減に努めたと厳しい財政運営を示されました。しかし、7月の決定額は、普通交付税と臨時財政対策債合計で、当初予算比5億1,677万8,000円の増額でした。過去5年間のこれら二つの当初予算と決定額の比較をお示しください。
実際には、この数年来、当初予算を下回ったことはありませんから、市民サービス抑制の理由にしているのではありませんか。予算額を超えた分については、財政調整基金に積み立てると言いますが、市民サービス対策が優先です。
第2回定例会で我が党をはじめ各会派から提案された街路灯に関する助成制度については、検討していきたいとの答弁でした。北海道電力の電気料金値上げが提案されています。経済界、道民、多くの反対の声が上がっていますが、何らかの値上げが実施されたなら、街路灯電気代にも影響が出ます。市の試算では、LEDに切り替えたら電気料金が70パーセント削減になり、普通交付税も予算を上回って交付されるのですから、来年度に先送りすることなく、今年度にでも実施するよう考えるべきです。お答えください。
昨年第4回定例会で、我が党の川畑議員は、福祉灯油実施を求め、質問しました。昨年11月の家庭用灯油小売平均価格が100円91銭と高額が続いているのに、国や北海道の財政的支援がないことを理由にして、市は実施しませんでした。今年8月の調査では104円57銭で、さらに値上がりしており、今年4月からの消費税率引上げもある中、今後も電気料金値上げなどが続けば、市民の負担は増大します。今年こそ福祉灯油を実施してください。答弁を求めます。
次に、北海道電力の電気料金値上げについてです。
今回の値上げは昨年9月の値上げの2倍を超える大幅なもので、全国の電力会社で原発停止後2回目の値上げ申請は北電だけです。申請どおりに値上げされた場合、市の支出は今年度半年間で約9,000万円の増となります。年間支出としては、約2億円増加する見込みで、その内訳としては、市道のロードヒーティングで6,500万円、市役所本庁舎分として400万円増になるということです。昨年の電気料金値上げ以降、どのような対策をとってきたのですか。
新聞報道では、市はこれ以上の節電は難しい、他の部分で歳出を削れないか検討せざるを得ないと述べています。ふれあいパスの市民負担増を実施したばかりですが、さらに市民サービス削減を進めるということなのか、お答えください。
値上げの理由は、今回も泊原発の再稼働の遅れを挙げており、泊原発が再稼働すれば電気料金はもとに戻すとさえ言っています。再稼働に向けて、規制委員会の基準にパスするための経費1,600億円も含めた電気代値上げで、まさに原発再稼働のための電気料金値上げです。各地の説明会のやりとりでは、再稼働がさらに遅れるときの再々値上げの含みすら残しています。
5月に福井地裁は、関西電力の大飯原発3、4号機運転差止め判決を下しました。多数の人の生存にかかわる権利と電気代の高い低いの問題をてんびんにかけること自体、法的に許されないと述べています。
小樽市民の安全と安心を守る立場である市長として、次期市長選挙に再度立候補を表明した立場からも、北電に対して申請を取りやめるよう申し入れてほしいと思いますが、どうですか。
あわせて、原発そのものを廃止すべきと考えますが、市長の御意見をお聞きします。
財政問題の最後は、平成25年度決算についてです。
平成25年度は、24年度に引き続き、他会計・基金からの借入れをせず、財政調整基金を取り崩して予算化しましたが、最終的には実質収支、単年度収支は黒字となりました。平成24年度は黒字であった実質単年度収支は4億4,376万円の赤字にはなりましたが、財政調整基金は一般会計歳出不用額により取崩しをやめ、残高は17億6,400万円です。さらに、今回、普通交付税が当初予算額より増額した分も財政調整基金の取崩しの縮減に使うと言いますが、第3回定例会補正後の財政調整基金は幾らになるのか、お答えください。
市長は、真の財政再建を目指していると述べていますが、市長の目指す財政再建とはどういうことか、お示しください。
平成16年度以来、ゼロだった財政調整基金、減債基金でしたが、22年度から実質収支が黒字になり、財政調整基金への積立てが始まっています。予算作成時は当てにしたい財政調整基金ですが、市民サービス削減推進では問題です。一般会計では、予算現額に対して不用額の割合は約3パーセントですが、主なものについて説明してください。
国民健康保険事業特別会計の収支では、4億7,500万円の黒字です。昨年度に続いて黒字決算になった理由について説明してください。保険料が高すぎたのではありませんか。
平成24年度から国民健康保険事業運営基金を設置していますが、今年度黒字分を含めると、基金残高は幾らになりますか。
小樽市国保は2001年度33億8,700万円あった累積赤字を、高い保険料を設定して意図的に不用額を残す手法で、2010年度に解消しました。今後、基金額を多額に残していくべきではありません。本年第1回定例会の我が党の予算修正案では、国保世帯1世帯当たり、保険料5,000円引下げに1億689万5,000円を計上しました。1万円の引下げでも2億1,300万円ほどです。基金額を増やさず、国保料引下げを実施すべきです。市長の見解をお聞きします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、財政問題について御質問がありました。
初めに、GDP大幅下落に関連し、消費税増税の市民への影響と見解についてですが、消費税増税は、真に国民が将来を託し得る持続可能な社会保障制度を国が責任を持って確立していく必要があり、その財源を安定的に確保するためには欠かせないものと考えております。一方で、消費税増税により、市民の家計や生活に一定程度の影響があるものと考えております。国は、景気動向等を見極めながら、消費税増税の実施方法や実施の判断について、慎重に検討を進めるとしておりますので、動向を見守りたいと考えております。
次に、普通交付税平成26年度分についてですが、まず過去5年間の普通交付税と臨時財政対策債の合計額の比較につきましては、21年度決算額は当初予算額と比較して4億6,504万円、3.0パーセントの増、22年度は5億3,653万円、3.1パーセントの増、23年度は7,056万円、0.4パーセントの増、24年度は7億225万円、3.9パーセントの増、25年度は4億8,518万円、2.7パーセントの増となっております。
次に、当初予算における普通交付税等の減を市民サービス抑制の理由にしているのではないかとのことにつきましては、当初予算編成における地方交付税と臨時財政対策債の予算計上額については、国から示される地方財政計画を参考に積算しておりますが、限られた情報の中で見込むことが困難な要素もあることから、結果として予算額と決定額に差額が生じているものであり、御理解いただきたいと思います。
次に、街路灯に関する助成制度の今年度の実施についてでありますが、現在、新たな助成制度の創設に向けて検討を行っている段階であり、今年度内に実施することは難しいものと考えております。
次に、福祉灯油の実施につきましては、灯油価格が急激に高騰した場合に、他都市の状況や国と北海道からの財政支援の動き、また本市の財政状況を総合的に勘案し、判断することとしております。
現在も灯油価格が高どまり傾向にあるほか、電気料金値上げの影響もあり、市民生活が圧迫されていることは承知しておりますが、依然として本市の財政状況は厳しく、国等からの相応の財政支援がない中で、本市が単独で実施することは困難であることを御理解願いたいと思います。
次に、北海道電力電気料金値上げについてですが、まず昨年の北電の値上げ以降の対策につきましては、本市では、経費削減の観点から、既に10年以上前から節電の取組を進め、昼休みの消灯、エレベーターの使用自粛、冷蔵庫の撤去、蛍光管の間引きなどを進めてまいりました。特に、一昨年の平成24年には、電力需給逼迫による計画停電のおそれもあったことから、勤務時間中の執務室の部分的な消灯やパソコン周辺機器の小まめな電源オフなど、できる取組を徹底し、以後、継続しているところであります。
また、ロードヒーティングにつきましても、従前同様、気象状況に応じた効率的な運転に努めてきているところであります。
次に、さらに市民サービス削減を進めるのかとのことにつきましては、現時点では北海道電力の電気料金値上げは国から認可されておらず、実際の影響額は不透明な状況にありますが、実際に値上げとなれば市財政に与える影響は大きく、節電だけで賄いきれるものではないと考えますので、さらなる効率的な行財政運営に努めなければならないと考えております。
次に、北電に対する申請取りやめの申入れについてですが、北電による再値上げが行われれば、家計や企業活動が圧迫されることが想定されることから、再値上げが行われないことが望ましいことは言うまでもありません。一方、火力発電所の燃料費などが増加する中で、再値上げを行わないことにより、道内において電力の安定供給に支障を来すことだけは避けなければならないと考えております。このことから、電気料金については、北電の財務状況や電力供給の問題を総合的に勘案する必要があり、単に再値上げをしないよう北電に要請することは、現時点では考えておりません。
次に、原発そのものを廃止すべきということにつきましては、原子力発電所については、安全性の確保が最優先であり、その上で国の責任において「電力需給」「社会、経済への影響」などを踏まえ、総合的に判断すべきものと考えております。
次に、平成25年度決算についてですが、まず財政調整基金の残高につきましては、25年度末の残高は17億6,400万円ですが、これまでに26年度当初予算編成の際の財源対策として約8億9,100万円、第2回定例会の補正予算の財源として約5,100万円、合計で約9億4,200万円を取り崩す予算を計上しております。今定例会では、平成25年度で生じた決算剰余金の2分の1相当の約1億4,300万円を積み立てるほか、7月25日に普通交付税の交付額が決定され、予算額を上回ったことから、補正予算の財源に充てるとともに、財源不足対策である財政調整基金の取崩し額を約3億4,500万円減額する予算を計上しており、今定例会後の基金残高は、25年度末よりも約4億5,400万円減の約13億1,000万円となります。
次に、私の目指す真の財政再建につきましては、再び赤字決算に陥らないよう、今後の中・長期的な収支を見極め、毎年度の予算編成時において他会計などからの借入れに頼ることなく財源不足の解消を図り、一般会計が本来の意味での収支バランスをとることとあわせて他会計などからの借入れを完済することと考えております。
次に、不用額の主なものにつきましては、民生費で生活保護費の扶助費で約3億8,700万円、教育費では新共同調理場建設事業費で約1億2,800万円、商工費では中小企業等への制度融資に伴う貸付金で約6,000万円、土木費では第3号ふ頭岸壁改良事業費で約4,400万円となっております。
次に、国民健康保険事業特別会計の平成25年度決算が黒字になった理由についてですが、保険給付費の平成25年度上半期の支出額が平成24年度の上半期と比べ大幅に上回ったため、年度末に3億5,000万円程度不足が見込まれたことから増額補正しましたが、下半期で見込みほど伸びず、結果的に約3億円の不用額が生じたことや、共同事業拠出金が予算よりも1億1,000万円の減額となったことが、主な要因と考えております。したがいまして、不用額を前提に保険料を高く設定したものではありません。
次に、基金残高についてですが、今回、補正予算を計上していますとおり、歳入では平成25年度繰越金と国の交付金の追加交付分を合わせて5億1,761万円、歳出では国、道への返還金が2億1,045万円ありますので、その分を差し引いた3億716万円を基金に積み立てることとしております。したがいまして、積立て後の残高は3億955万円となる予定であります。
次に、基金額を増やさず保険料引下げを実施すべきとのことですが、基金の設置目的は国民健康保険事業の健全な運営を確保することであり、保険給付費に不足が生じた場合などに、その財源に充てることを基本としております。今後は、医療費の増加とともに、制度改正等による収支への影響も考えられるため、引き続き一定額の積立ては必要と考えており、保険料の引下げに充てることは難しいものと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、中島麗子議員。
(20番中島麗子議員登壇)
○20番(中島麗子議員)次に、子ども・子育て支援新制度について質問します。
提案されている議案第27号及び第28号の条例案は、小樽市独自に暴力団排除を盛り込んだだけで、内閣府令及び厚生労働省令に定めるとして、具体的な条文も内容も記されておらず、内容がわかりません。今、市民、とりわけ子育て世代が注目している子育て支援の条例が、読んでもわからないのでは問題です。通常の条例と同じように、条文ごとに記載したものを提案すべきです。初めに、この点をお答えください。
2015年4月から、子ども・子育て支援新制度が本格的に実施される予定になっています。新制度は介護保険をモデルにしており、最大の特徴は、これまでの市町村の責任によって保育を提供する現物給付の制度を改め、利用者と事業者の直接契約を起点にする現金給付の仕組みに変更したことです。
新制度では、保育所、幼稚園、認定こども園などの施設型のほかに、新たに定員19人以下の地域型保育が導入されますが、規模が小さいことを理由に、従来の保育所などに比べて、国基準の緩和が持ち込まれ、その結果、施設、事業によって保育に格差ができることになりました。
初めに、保育認定です。新制度では、保育利用者は認定を受けて保育利用時間を決めることになり、標準時間11時間と短時間8時間保育に分かれます。子供を預ける時間は各家庭の都合やその日の仕事によって変動しますが、一人ずつの子供の利用時間をどのように把握するのか、保育時間が違う子供が同じクラスにいるとき、職員配置やクラス運営に影響がないのでしょうか。
また、標準時間保育と短時間保育の子供を一人ずつ登園時間を確認して延長保育時間の対応をするのでしょうか。短時間保育の子供が時間延長したために、標準時間保育の保育料金を上回るような心配はありませんか、お聞きします。
次に、認定の方法ですが、本年9月1日、市内の保育所の入所児童数は1,427人です。このうちの継続利用を希望する方と、さらには新年度の入所希望者の認定が必要です。認定の手続はいつどのように進めるのか、市民への周知方法も含めてお知らせください。
また、新制度へ移行する幼稚園園児の認定についてもお知らせください。
次に、保育士配置です。国の家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準では、小規模保育事業はA型、B型、C型と3タイプありますが、保育士配置は、B型は保育士を2分の1以上とし、C型は保育士の配置は必要とせず、研修を受けた者でよしとされています。居宅訪問型保育事業では、深夜1人の保育者による保育も想定されるのに、保育士資格は必要とせず、保育の経験がなくても事業ができるとなっています。現在は認可外保育施設の職員配置でも保育者のおおむね3分の1以上が保育士とされているのに、新制度において国の補助金を投入する施設の基準で無資格者配置を認めるのは問題です。小樽市は国の基準どおりにすると言いますが、現行保育の後退ではありませんか。
給食基準は、3歳未満児から外部搬入が認められており、このときは調理員配置もなしです。しかし、現在は3歳までの子供たちに自園給食が義務づけられており、市内の全ての認可保育所で3歳まで実施しているのに、なぜ新制度で2歳までに引き下げるのか、子供たちの味覚が形成されるこの時期に、外部搬入方式ではどうしても味つけが濃くなります。
小樽市として配置基準上の保育者は全て保育士とし、給食は現行どおり3歳まで自園方式にして調理員を配置すべきと考えますが、市長の見解をお聞きします。
また、設備基準では、乳幼児を2階以上の建物で保育することを認めていますが、保育の場は原則1階に設置すべきではありませんか、お答えください。
保育料です。国の基準では、保育の質の向上を図る上で特に必要と思われる経費の上乗せ徴収や、日用品や文房具など実費徴収が、保護者同意の上で認められています。上乗せ徴収や実費徴収は一律徴収になり、低所得者の負担が多くなる心配があります。保育料そのものに含め、別の徴収をするべきではないと考えますが、いかがですか。
また、これまでは保護者の収入によって保育料が決定されましたが、新制度ではさらに保育時間で違うことになります。保育時間による違いはどのくらいになりますか。
現在でも、国の基準の保育料は大変高額なため、ほとんどの自治体が独自に保育料を引き下げて設定しています。新制度の保育料は現在でも高すぎる国の保育料基準を引き下げて適正化し、自治体負担を軽減することが第一であり、現行を上回る保育料基準に引き上げるべきではありません。市長の御意見をお聞きします。
小樽市には新制度においても保育料の引下げ、あるいは現行同様の基準を維持するよう求めますが、市長はどのように考えていますか。
新制度が始まっても、幼稚園や認可外保育施設が新制度に移行するかどうかは、それぞれの判断で現行どおりに継続することもできます。市内の幼稚園等の意向調査を実施したと聞きますが、市内の幼稚園のどれくらいが新制度に移行する予定でしょうか。
来年度予算の日程もありますから、市全体の新制度移行の事業所数や児童数はいつごろまでに把握する予定なのか、お聞かせください。
現在の認可外保育施設は、新制度の基準に該当すれば、補助金を受けて家庭的保育事業等として運営することができます。認可外保育施設の新制度への移行希望については、把握していますか。
現在の市内の認可外保育施設数と、そのうち市の補助金支給施設数、補助金額を平成25年度決算でお知らせください。
新制度に移行しない事業所は現行どおりということですから、認可外保育施設に対しては、本市でも現行どおりに市の補助金を継続すべきと思いますが、いかがですか。
他に小樽市としてこれまで独自に実施している保育士配置や保育所地域活動事業への補助金交付、障害児保育に対する助成などについては、新制度に移行しても継続して子育て支援を続けてほしいものですが、市長の見解をお聞きします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、子ども・子育て支援新制度について御質問がありました。
初めに、条例提案についてですが、確かに議案第27号及び第28号の条例案につきましては、一部独自規定と厚生労働省令の読替えを盛り込んだほかは、内閣府令又は厚生労働省令に定めるところによるとしております。今回のような条例の内容は、政省令で従うべき基準として定められている事項が多いこともあり、他都市では政省令どおりの条文をそのまま規定しているものが多く見受けられる状況にあります。このような中で全国的に見ますと、今回提案の条例案のように、簡略化したものが見られるようになってまいりました。この条例案のメリットとしましては、立案事務の効率化が図られること、政省令そのままの引用と比較し、本市独自の規定が明らかであることなどが挙げられることから、他都市の条例も参考にした上で提案したものであります。御理解をいただきたいと思います。
次に、保育認定についてですが、まず子供の利用時間の把握につきましては、国は保育短時間認定の子供の保育利用時間については、保育所ごとに例えば9時から17時までといった一律の時間帯を設定するとし、その時間帯以外の利用については延長保育として取り扱う旨の考え方を示しておりますので、子供の登園又は退園時間によっては延長保育となる場合もあり、現在と同様、保育士が時間を確認することとなります。
また、保育所の職員配置やクラス運営への影響につきましては、現在もフルタイムやパートタイムなど、保護者の就労状況により子供の登園又は退園時間が異なる中で保育を行っておりますので、新制度においても大きな影響はないものと考えております。
次に、登園時間の確認と延長保育時間への対応につきましては、保育所が設定した保育短時間の時間帯以外の利用は延長保育となりますので、保育士が子供の登園時間及び退園時間を確認することになります。保育短時間の子供の延長保育利用により、保育標準時間の保育料を上回ることも想定されますので、今後、このような点を含めて検討すべきことと考えております。
次に、今後の認定手続の方法、時期につきましては、これまで新規、継続のいずれの入所手続についても1月から行っておりますが、現時点では、同様の時期を想定しつつ、事務手続の詳細について検討しております。周知の方法につきましては、広報おたるや市のホームページなどで御案内するとともに、現在、保育所を利用されている方については、施設を通じて周知してまいりたいと考えております。
また、同様に新制度に移行する幼稚園の利用者につきましても認定が必要となりますので、該当する施設とよく協議の上、利用者への周知を行い、事務手続を進めてまいりたいと考えております。
次に、保育士配置についてですが、職員配置につきましては、国は、多様な地域の保育事業からの円滑な移行を想定し、小規模保育事業の3類型を設けたものであり、子ども・子育て会議などでの議論を踏まえ、多様性を重視した制度創設を図ったものと認識しております。
給食及び調理員配置につきましては、新制度においても原則としており、一定の条件を付した上で連携した保育所、幼稚園等からの外部搬入を認めているものでありますので、各事業者において責任を持って給食が提供されるものと考えております。
また、保育の場は原則1階にすべきとのことでありますが、設備等に関する基準において、必要な要件を満たした上で2階以上での保育が認められていることから、1階に限られるものではないと考えております。
次に、保育料についてですが、まず上乗せ徴収や実費徴収は保育料に含めるべきではないかとのことでありますが、国は、上乗せ徴収を教育・保育の質の向上を図る上で特に必要な対価について保護者に負担を求めるものとし、実費徴収を教育・保育施設の利用において通常必要とされる経費で、保護者に負担させるものとしており、いずれも保育料に含めることは適当でないと位置づけております。
また、保育時間による保育料の違いにつきましては、国が現在示している仮の利用者負担の上限額によりますと、保育短時間が保育標準時間の約98.3パーセントと設定され、月額で比較しますと、階層によりゼロ円から1,600円までの差となっております。
次に、国の保育料の基準につきましては、自治体において独自軽減を図っている実態があることから、その負担を軽減するためにも、現行水準より低く設定されることが望ましいものと考えております。
また、新制度における本市の保育料につきましては、今後、検討してまいります。
次に、小樽市独自支援の方向についてですが、まず国や北海道による既存施設に対する意向調査につきましては、いずれも本市を通じて各施設へ調査票を配付、回収し、北海道へ送付したものでありますので、本市として回答内容は把握しておりますが、未確定の内容が多いこともあり、また国及び北海道においてどのように公表するかということについては、示していないものであります。
また、市全体の新制度移行の事業所数や児童数把握につきましては、新年度予算の関係もありますので、予算編成時期に間に合うよう把握してまいりたいと考えております。
次に、認可外保育施設の新制度への移行希望につきましては、特に把握はしておりません。
また、市内の認可外保育施設数は、休止中の事業所施設1か所を除き15か所であり、平成25年度に運営費補助を行った施設は3か所で、補助金額は合わせて480万円であります。
また、認可外保育施設に対する今後の補助の継続につきましては、現在、国が進めている新制度の内容や新制度移行後の財政負担のあり方などとともに検討が必要であると考えております。
次に、本市が独自に実施している補助金交付等の継続についてですが、これらのことにつきましても、新制度の補助事業の内容や財政負担のあり方などとともに検討が必要であると考えております。
○議長(横田久俊)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、中島麗子議員。
(20番中島麗子議員登壇)
○20番(中島麗子議員)次の質問は、カジノ問題です。
8月20日、厚生労働省研究班調査では、パチンコや競馬などのギャンブルに依存し、やめられない病的ギャンブラーが全国で推計536万人になると発表しました。成人全体の4.8パーセントで、男性が8.7パーセント、女性が1.8パーセントです。研究班が昨年7月、約4,000人に面接調査を実施した結果です。
海外の同様の調査では、アメリカ1.6パーセント(2002年)、香港1.8パーセント(2001年)、韓国0.8パーセント(2006年)で、日本の割合は高いと指摘されています。その理由は、パチンコやパチスロが身近な場所に普及している影響ではないかとしています。
秋の臨時国会で本格審議されるIR推進法案が成立した場合、さらにギャンブル依存症が増加することが心配されますが、この調査結果について、市長の感想をお聞きします。
研究班では、対策として、「啓発と予防教育、治療や社会復帰のシステムづくりが必要だ」としていますが、現在、ギャンブル依存症に対する国の対策はどのようになっていますか。
特にギャンブル依存症については、今回、国の実態調査が実施されましたが、治療や予防の取組、道内の治療機関の実態についてお聞きします。
あわせて、国の調査結果を小樽市に当てはめると、ギャンブル依存症は何人ほどになりますか。
私は、今回、ギャンブル依存症について、市内の石橋病院の白坂知信院長に会ってお話を伺いました。白坂院長は、小樽精神保健協会アルコール薬物専門部会長をはじめ多数の役割をお持ちです。最近、北海道警察署長会で講演した依存症の講義に基づいて説明をしてくれました。ギャンブル依存症は脳の病気であり、性格や個人の意思の問題ではない、依存症とは身体的、精神的、社会的に自分の不利益、不都合になっているにもかかわらず、それをやめられずに反復し続けている状態で、脳が利益そのものに反応し、確実な報酬よりリスクを伴った報酬に強く反応するといいます。また、僅差で外れて大きなスリルを感じて、次回に期待することで快楽を感じてドーパミンという物質が分泌されますが、何度も繰り返すことで快楽を感じる細胞の感度が下がり、ドーパミンの分泌量が減少し、満足感を得るためにはさらに刺激回数を増やしていくといいます。石橋病院では、年間を通して毎月5人ほどのギャンブル依存症患者の入院があるそうです。訪問した8月時点では、パチンコ依存症や競馬依存症の方が入院中で、1億5,000万円を失ったバカラ依存症の方も通院していると聞きました。
カジノ依存症に対して、本人が行かなければいいのだと言う方もいますが、その統制がとれなくなるのが依存症という病気です。また、小樽はお金がない人ばかりだから、カジノがあっても行かないとの意見がありますが、ギャンブル依存症に陥る人間の心理は同じで、性別、身分、社会的地位は関係なく、金持ちは金持ちなりに、貧乏人は貧乏人なりに依存症になるということです。
市長は、第2回定例会の我が党の川畑議員の質問に対して、ギャンブル依存症については把握していないと答弁しています。この際、白坂院長をお呼びして、できれば議会と共同でギャンブル依存症の学習会を開催してはいかがでしょうか。
日本にはパチンコ店が1万2,000軒、店内に設置されているギャンブルマシン総数は460万台、世界中のマシンの6割を占めます。既に、ギャンブル依存症の発生率が世界的に高いことも明らかになりました。ここにさらにカジノ解禁でギャンブル施設を増やすことは、依存症対策が不十分な中では、社会的問題を拡大するばかりです。欧米の研究では、1人の病的ギャンブラーの周囲で8人から10人が精神的・物理的被害を受けているとされています。依存症を増やしていくカジノ誘致はやめるべきです。改めて市長の見解をお聞きします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、カジノ問題について御質問がありました。
初めに、厚生労働省研究班が発表したギャンブル依存症の調査結果につきましては、詳細な内容が公表されていないため、新聞報道で見た限りでありますが、小樽市保健所へのギャンブル依存症に関する相談件数は平成24年度ゼロ件、25年度2件ということからすると、率直な感想として、全国で推計536万人、成人全体の4.8パーセントという結果は高い数値なのではないかと感じております。
次に、ギャンブル依存症に対する国の対策につきましては、現在、特別な対策は行われておりません。治療としては、アルコール・薬物依存症の治療法でもある認知行動療法などがあり、予防としては、ギャンブルに使うお金を決める、ストレスの発散方法を増やす、また、過度なギャンブルに注意することなどが重要であると言われております。
また、道内の医療機関の数につきましては、6か所程度あると聞いております。
次に、報道されている国の調査結果を小樽市に当てはめた場合のギャンブル依存症者数につきましては、単純に人口規模で換算いたしますと5,356人と推計されます。
次に、市議会との共同開催によるギャンブル依存症の学習会につきましては、今後、IR推進法案が可決され、次のIR実施法案で示される具体的な依存症対策などの内容も見ながら検討してまいりたいと考えておりますので、直ちに開催することは考えておりません。
次に、カジノを含むIRの誘致に対する見解につきましては、法制化されたIRはシンガポールなど世界各国の例を見ましても、第一級のリゾート施設となっており、本市の国際観光推進にも大きな役割を果たすものと考えます。
また、依存症対策につきましては、IR推進法の法制化を受けて検討されるIR実施法の中で、国において依存症対応のための機関の創設など、諸外国の先行事例を生かした対策が定められていくものと考えております。
したがいまして、今後とも北海道や関係機関と連携し、IR誘致に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。
(発言する者あり)
○議長(横田久俊)次に、第5項目めの質問に入ります。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、中島麗子議員。
(20番中島麗子議員登壇)
○20番(中島麗子議員)最後の質問です。
石狩湾新港港湾計画改訂に関して質問します。
石狩湾新港管理組合は、平成26年度中に港湾計画改訂を行う予定です。幾つかの項目がありますが、とりわけ問題なのは、新たなバルク貨物に対応すると称して新規に西地区にマイナス12メートルバースを計画し、その背後地に既に計画されている6.6ヘクタールの埠頭用地を造成しようとしていることです。
我が党は、新規のマイナス12メートルバースを建設しなくても、マイナス14メートルバースとその背後地の4.2ヘクタールの荷さばき地で、新たなバルク貨物は取り扱うことができると考えています。
3点質問します。
1点目に、マイナス14メートルバースとその背後地の荷さばき地の利用状況です。
平成24年と25年のマイナス14メートルバースの利用状況について説明してください。
次に、その背後地には船からおろした貨物の荷役を行う荷さばき地がありますが、そのうち西1号荷さばき地と西3号荷さばき地の合計4万2,000平方メートルについても、平成24年と25年の利用状況について説明してください。
2点目です。
平成26年第2回石狩湾新港管理組合議会定例会での我が党の北野義紀議員の質問で明らかになったように、新たなバルク貨物とは、石材、輸出米、風力発電の輸入機材のことです。
最初に、輸出米です。
現在、北海道から輸出されている道産米は、北海道港湾貨物取扱統計年報によると、1万5,080トンにすぎません。ところが、港湾計画改訂の目標年次の10年後から15年後には、8倍の約12万トンになるとのことです。その根拠は、全国の米の生産量から、国内での消費量を差し引いた約225万トンが全部輸出米になるとして、このうち道産米の量を石狩湾新港から輸出している割合で推計したものです。しかも、食糧支援米は除くとの前提です。全国の米の生産量から国内での消費量を差し引いた約225万トンが全部輸出米になる根拠を説明してください。
石狩湾新港における米穀類と輸出米の取扱量についてお聞きします。港湾統計上の貨物の分類では、米穀類は平成18年の5万358トンをピークに減少し、平成25年は5,186トンです。平成18年から25年までの石狩湾新港における米穀類とその中の輸出米の取扱量の推移について、暦年ごとに説明してください。
次は、風力発電機材についてです。
石狩湾新港管理組合の説明は、全国の風力発電導入可能量2,880万キロワットのうち後志、石狩、留萌、宗谷の日本海側の割合15.9パーセントを乗じ、風力発電の導入可能量を458万キロワットと推計しています。風車1基の発電規模を2,000キロワットとすると、対象地域への導入可能基数は2,290基、耐用年数30年とすれば、年間76基建設される計算です。これらの機材の年間取扱量は12万フレート・トンになるとのことです。
また、管理組合の説明によれば、2,290基が今後30年間にわたって、毎年毎年76基分の風力発電機材が石狩湾新港に輸入されるとのことです。耐用年数を考慮しても、25年後から30年後にまた76基の風車の機材が輸入されるというのであればうなずけますが、これから毎年76基分の風力発電機材が取り扱われるなど、考えられないことです。
問題は、このようにあり得ない取扱貨物量を前提に、マイナス12メートルバースと背後地の6.6ヘクタールの埠頭用地を73億円かけて建設しようとしていることです。これがあり得ないとなれば、風力発電機材の年間取扱量12万フレート・トンは根拠のない貨物予定量となり、マイナス12メートルバース建設の根拠は崩れることになります。
このような施設計画に市長は同意するつもりなのか、見解をお聞かせください。
3点目です。
マイナス12メートルバース関連事業に投入される税金73億円について伺います。
8月7日の石狩湾新港管理組合議会では、管理者はマイナス12メートルバース関連事業の起債償還は使用料収入を充て、償還期間中の公債費償還額は約38億円、使用料収入は約22億円で、管理者負担は約16億円になる見込みと答えています。しかし、管理者負担がこの程度で済むのかという疑問があります。マイナス12メートルバースのバース及び荷さばき地、それぞれの起債償還額と使用料収入の見込額を説明し、管理者負担約16億円の根拠を説明してください。
また、バルク貨物ごとの使用料収入の詳しい内訳を説明してください。先ほど指摘したように、新たなバルク貨物の取扱貨物量は過大見積りどころではありません。果たして使用料収入をどのように推計しているのか疑問がありますので、わかるように説明してください。
これまで小樽市は、港湾計画改訂に当たって、管理組合からの提案をそのまま受け入れ、過大な港湾計画を認めてきた事実があります。今回もまた同じように同意するのか、見解をお聞きします。お答えください。
以上、再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)石狩湾新港港湾計画改訂について御質問がありました。
初めに、マイナス14メートルバースと荷さばき地の利用状況についてですが、まず平成24年と25年のマイナス14メートルバースの利用状況につきましては、24年は木材チップを取り扱うチップ船が17隻、チップ船以外の船舶が8隻、25年はチップ船が14隻、チップ船以外の船舶が2隻、バースを利用していると聞いております。
次に、西1号荷さばき地と西3号荷さばき地の平成24年と25年の利用状況につきましては、24年は木材チップ船の荷さばきヤードとして使用されたほか、ロシア向けの石材を輸出する際の荷さばきヤードとして、25年は木材チップ船の荷さばきヤードとして使われたと聞いております。
次に、新たなバルク貨物についてですが、まず全国の米の生産量から国内での消費量を差し引いた約225万トンの全てが輸出米となる根拠につきましては、今後、我が国の米の消費は、人口減少のほか食の欧米化により需要の減少が想定されますが、既に北海道をはじめとした我が国の米生産者の一部には、海外へ販路を求めていく取組が進められており、また今後、日本食への評価から、海外で日本産米の需要が高まることを想定し、取扱量が推計されていると聞いております。
次に、平成18年から25年までの石狩湾新港における米穀類とその中の輸出米の取扱量推移につきましては、18年は米穀類が5万358トン、うち輸出米が1万1,107トン、同じく19年は2万8,866トン、うち8,878トン、20年は3万9,628トン、うち1万2,416トン、21年は4万7,449トン、うち2万2,519トン、22年は1万8,922トン、輸出米につきましては取扱いはありませんでした。平成23年は2万7,436トン、うち13トン、24年は2万6,410トン、うち1万402トン、25年は5,186トン、うち159トンとなっております。
次に、今回の施設計画へ同意するのかにつきましては、石狩湾新港管理組合より、バースごとの取扱貨物量の根拠が示されておりますが、現在、国土交通省北海道開発局、北海道、小樽市、石狩市、管理組合の担当者で構成する石狩湾新港港湾計画改訂検討部会において、目標取扱貨物量や施設計画の内容確認を行っております。また、現在、国土交通省港湾局での内容の審査が行われており、その動向を注視しているところであります。
次に、改訂計画費用についてですが、まず管理者負担約16億円の根拠につきましては、マイナス12メートルバース関連事業が岸壁整備と荷さばき地等の整備から成り、岸壁整備については、起債償還期間中の公債費償還額は約19億円、使用料収入は約9億円と試算されることから、差引き約10億円が管理者負担となると見込まれるとのことであります。また、荷さばき地等の整備については、起債償還期間中の公債費償還額は約19億円、使用料収入は約13億円と試算されることから、差引き約6億円が管理者負担となると見込まれ、これらを合わせて管理者負担は約16億円と見込んでいると聞いております。
次に、バルク貨物ごとの使用料収入の内訳につきましては、風車の輸入では、岸壁の使用料は石狩湾新港に接岸実績のある大型船舶を想定して、計画貨物量から荷役に必要となる係留時間を基に算定すると約3,400万円、荷さばき地の使用料は荷さばき地の面積に使用料単価と使用時間を乗じて約4,500万円となり、合計で約7,900万円の収入が見込まれるとのことであります。
また、米の輸出では、同様に算定して、岸壁の使用料が約900万円、荷さばき地の使用料が約1,800万円で、合計で約2,700万円の収入が見込まれます。
以上、二つの取扱貨物の使用料収入の合計は、約1億600万円を見込んでいると聞いております。
次に、今回の港湾計画改訂に同意するのかとのことにつきましては、先ほどお答えしましたように、管理組合が示した施設ごとの計画について、現在、検討が行われておりますが、今後は計画の方針や港湾の能力などを合わせて港湾計画の全体が示されることになります。石狩湾新港が小樽港とともに日本海側の拠点港湾として発展していくためには、今後も必要な施設整備を進めるべきと考えておりますが、母体の財政状況、既存港湾施設の利用状況、推計取扱貨物の蓋然性などを総合的に勘案した上で、同意するか否かの判断を行っていく必要があると考えております。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、中島麗子議員。
○20番(中島麗子議員)それでは、再質問を行います。
最初に財政問題ですが、北海道電力に申入れはしないとお答えになりました。
しかし、今回、北海道電力の電気代値上げに対しては、北海道が8月に影響調査をやっています。道内の約1,000余の企業に対してアンケートを行っていますが、92.3パーセントの企業で影響があると答えておりまして、そのうち24.2パーセントが「大きく影響する」と答えています。業種別では製造業で「大きく影響する」と答えた企業が41.0パーセント、全体では「価格に転嫁できない」と答えている企業が4割強でありました。
道内の地域経済に深刻な事態を引き起こす心配がある、そういう点では道内の自治体として初めて苫小牧市が8月26日に、根本的に見直すよう、北電に要望書を出しています。
市民の代表として、また、地域経済振興を進める市長の立場としても、本当に意見を上げるときではないかと思います。財政難だと言い続けている小樽市こそ、北電に撤回、見直しの声を届けるのが当然ではないかと思いますが、市長、再度お答えいただきたいと思います。
街路灯の問題です。
助成額を来年度から見直すと言っていますが、今年度は特に計画しないと。しかし、今年度予算は400万円、57団体が629件申請して、交付されたのが207件です。400万円の予算の範囲ということになると思いますが、とりあえず今年度の交付税は5億円ほど予定より多かった。実際に今年度申請があった629件全部を認めたとしたら、小樽市がさらにお金を出す予算は幾らぐらい必要なのか、これを明らかにしていただきたいと思います。
同じように、国民健康保険事業特別会計の決算ですが、保険料が高すぎたわけではないと伺いました。しかし、市長提案説明では、4億7,500万円ほどの剰余金、2億1,000万円は超過交付金として来年度返すと、残額は基金に残るということで、それでは基金総額は幾らになるのか、お答えください。
小樽市は、平成24年度に、国民健康保険事業運営基金条例を制定しています。国保事業の黒字額処理が目的です。条例の第5条を見ると、国保事業会計の基金を一般会計に貸し出すことができる、こういうことが書いてあります。国保事業会計では国や道に超過交付金を返すことになっていますが、同様に市民にも返すのが本当ではありませんか。剰余金は基金に積み立てることなく、保険料引下げに回すべきだと思います。
今後、基金の積立額に対しては、一般会計に貸し付ける予定なのか、保険料引下げに回すのか、先ほどは回さないと言いましたけれども、この条例を見ると、一般会計に貸し付けることができると堂々と書いてあるのです。そのためにこの基金条例をつくったのか、もう一回はっきりお答えいただきたいと思います。
次に、子ども・子育て支援新制度です。
議案第27号及び第28号ですが、これを読んで小樽市の保育内容がどのように決められているのか市民にわかりませんけれども、政省令を参照にして、市民が理解できるようにするためには一体どのように考えているのか、ここのところをお聞かせください。
政府が政省令の条項がずれるような改正をしたときには、内容は変わらなくても、市の条例変更のために議会に諮ります。一方、政省令の内容が変わっても、条項番号さえ変わらなければ、市の条例は改正する必要はなく、市議会に諮られない。これでは小樽市の条例としての意味がありません。国の変更がそのまま連動して、市議会も認識できない、こういうことになるのではないですか。大変問題がある提案だと思いますが、再度お答えください。
4月からの新制度に当たっては、現行制度でもいろいろ問題点はありますけれども、最低でも現行基準を下回らない、それが基本だと思います。しかし、今いろいろ説明を受けましたが、国の基準と同じようにすると、現在より保育の質が後退する、そういうものを感じました。この点は、小樽市の条例ですから、無資格者は導入しない、給食は現在までと同じように3歳児までは保育所で提供する、市長の判断でできる中身です。国の法令どおりでは、現行保育の後退になると思いますが、市長はどうお考えになりますか。この基準どおりにするのか、小樽市としての現行の中身を維持するのか、はっきりお聞かせください。
カジノの問題についてお聞きします。
ギャンブル依存症の実態調査をしたことは重要だったと私は思います。小樽でもギャンブル依存症の方が5,000人ぐらいいるという数になると。大変驚きました。
問題は、精神疾患なのに、治療・予防対策も取り組まれていない状況です。私もある家族の問題で相談を受けたケースがありますが、本人がパチンコ依存症で、家計費の全てをパチンコに投入し、借金を繰り返して家族関係が破綻した、そういう方でした。市長は「いろいろなところのカジノ視察に行っていますが、心配されるようなことはそんなに感じていません」、このように記者会見でお話ししていましたが、あまりにも実態を知らないのではないでしょうか。国の調査結果でも大変多くの方がギャンブル依存症であるという実態が出ていて、IR推進法案が可決されれば国の責任で対策も出されるとおっしゃっていますが、こういう医療機関の体制をつくるとなれば、数年単位での医師の教育や施設の準備が必要です。そういうことの保証があるのかどうか曖昧な中でカジノの開設だけを進めるというのは、私は納得がいきませんが、どうでしょうか。
ギャンブル依存症の実態をしっかりつかんでいただきたい。白坂院長は、いつでも学習会の講師を引き受けますと、大変好意的でした。法律が決まる、決まらないにかかわらず、正確な知識を理解するためにも、積極的に学習会を検討すべきだと思います。いかがでしょうか。
石狩湾新港の西地区の新たなマイナス12メートルバースの計画ですが、今、御答弁を聞いたとおり、岸壁の使用料・手数料が9億円、荷さばき地で13億円、そういうことで16億円の根拠もお示しになりました。この使用料・手数料がきちんと入ってくるかどうかが心配だと私は質問いたしました。そういう点では、資料で今、説明してもらったとおり、米穀類の取扱量やその中における米の取扱量もどんどん減少しているのです。そういう中で、過大な設定をしているのではないかと大変心配です。その分は全部管理者負担、小樽市と北海道と石狩市が入ってこない分を負担するというのは、既に経験済みです。
いただいた石狩湾新港のパンフレットの「概要・経緯」では、平成18年に多目的国際ターミナルの核として西地区でマイナス14メートルバースが供用開始と書かれていますが、利用実態は、今、説明のあったとおりです。この利用実態については、当初計画と比べてどのように考えているのか、お聞かせください。
今後、マイナス12メートルバースでも同じようなことが起きるのではないかと心配なので、お聞きしております。例えば風力発電ですが、76基分の発電量、1基2,000キロワットとして15万2,000キロワットを北電に買い取ってもらうことになります。しかし、北電の風力買取り可能量がありまして、平成25年度現在、既に31万6,000キロワット買い取られておりまして、あと24万4,000キロワットしか買取り容量がありません。送電線の関係で決められた内容です。毎年76基分輸入されるという計画とは大きく矛盾すると思いますが、いかがでしょうか、お答えください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)中島議員の再質問にお答えいたします。
北海道電力の値上げの問題、それから街路灯の問題、それからカジノの問題については私から答弁させていただき、残りは担当部長から答弁させていただきます。
まず、北電の再値上げの問題でありますけれども、先ほども答弁させていただきましたように、国から認可されていないということが一つあります。
それからもう一つ、やはり一番大事なのは電力の安定供給、これだけは確保しなければいけないだろうと。停電になってしまうなどということがあってはいけないのではないかと。確かに議員がおっしゃるように、それぞれ個人も事業所も値上げの負担は大きいと思いますけれども、私どもとしてはできるだけ再値上げをしないような形でいっていただければと思いますが、やはり電力の安定供給ということだけは確保しなければいけないだろうと、こういう思いでおります。
それから、街路灯の問題につきまして、LEDへの変更については、8月に町会長との会合を持ちました。このときも町会長からの質問というか話は、LEDの問題オンリーでございまして、その中で私も話をさせていただきました。今年度の実施はなかなか難しいと思うけれども、来年度、平成27年度以降、何とかピッチを上げてスピード感を持って取り組んでいきたいということで、町会長には御了解いただいているところでございますので、御理解いただきたいと思います。
それから、カジノの問題につきましては、先ほどたまたま全国でギャンブル依存症患者が536万人というような推計があるということですから、それを単純に小樽市の人口で割り返して5,356人という推計ではないだろうかということを申し上げたのであって、5,356人依存症の方がいるということではありませんので、御理解いただきたいと思っております。
それから、議員から御提案がありました医師とのそういう話については、先ほど答弁させていただきましたように、まだIR法ができていないわけですから、できた上でそういうことにも取り組んでいきたいと思いますし、何度も申し上げておりますけれども、市民の皆様への説明もしていきたいと思っておりますので、御理解いただきたいと思います。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)医療保険部長。
○医療保険部長(藤井秀喜)中島議員の再質問にお答えいたします。
国民健康保険の件ですけれども、基金の件で、保険料の引下げに充てることはできないのかということで御質問がありました。
先ほど、市長の答弁にもございましたとおり、そもそも設置の目的が国保事業の健全な運営を確保する、保険給付に不足が出た場合、インフルエンザ等で急に医療費が増えたとき対応するというような、そういう目的のものですので、一般会計の他会計からの貸付金みたいな形の性格ではありませんので、もしものときの一時的な貯金のような性格というふうに考えてくださればよろしいかと思いますので、保険料の、適正な財政運営に寄与するために設けているものでございますので、引き続きこの部分については、条例どおりもしものことの部分で積立てはしていきたいと思います。それがまた何らかの、インフルエンザなど、いろいろなことが出た場合に、翌年度にまた取り崩すということで、保険料がそのことで大きく上がらないような抑制効果をもたらすということを考えていますので、そのようにして取り計らっていきたいと思います。
ですので、先ほどの答弁にもありますとおり、積立て後の残高は約3億円、3億955万円ということで、今回の補正で3億700万円ぐらいを積み立てるという形で、結果が3億955万円になる予定でございます。
(発言する者あり)
○議長(横田久俊)再々質問でもう一回お願いします、もしあれば。
(「答弁漏れでないのか」と呼ぶ者あり)
答弁漏れではないですよね。
(「答弁漏れだよ」と呼ぶ者あり)
一般会計に貸し付けることができるかということですね。その文言がなかったですけれども、どうですか。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)医療保険部長。
○医療保険部長(藤井秀喜)では、お答えいたします。
一般会計に貸し付けることは、理論上はできないことはないかもしれませんが、あくまでもこの基金の私どもの目的というのは、先ほど言った通常考えられない病気の発生だとか、いろいろな制度の改正で急に負担をしなければならないというような、激変緩和と言ったら少し言いすぎかもしれませんけれども、そういう部分も含めての貯金ですので、そういう一般会計への貸付けをするということでは考えてございません。
(発言する者あり)
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)福祉部長。
○福祉部長(三浦波人)では、私からは、保育の質を低下させないようにという再質問についてお答えいたします。
今回、本質問では、例えば現在の認可外保育施設よりも質が低下するのではないかという御質問がございましたけれども、新制度の中を見ますと、例えば本質問にありました小規模保育のB型については、保育士以外の部分については一定の研修を受けた方というようなことで、現在の認可外保育施設の基準よりも若干厳しくなっている点、それから小規模保育のC型については、家庭的保育者というふうになっていますが、この中身をよく見てみますと、保育士あるいは保育士と同等の知識、経験を有する者というような言葉が出てきておりますので、新制度におきましても、一定の保育の質に対する配慮がなされているのではないかと考えております。
それから、条例に関しての市民への内容の周知につきましては、今回については、例えば子育て支援にかかわる市のホームページの部分に国の政省令のリンクを張るといった工夫をするなどしてまいりたいと考えています。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)総務部長。
○総務部長(迫俊哉)私からは、議案第27号及び第28号、それから石狩湾新港についてお答えいたします。
議案第27号及び第28号の議会との関係についてお尋ねがございましたけれども、今回のこういったような立案形式といいますか、規定しようとする内容をできるだけ簡略化した形のつくりというのは、一般的になりつつあると、他市でもやっているというようなことで聞いております。ただ、議員から、政省令が改正された場合に、議会の審議もなく、本市の基準も変わっていくのかというようなことについて御指摘があったわけですけれども、こういった立案方法を採用した場合、政省令の改正があったときの議会への情報提供といいますか、そういったことについては、今後、きちんとした形でルール化していく必要があるのではないかと思っております。そのルール化につきましては、今後、議会側とも相談させていただければと思っているところでございます。
それから、石狩湾新港のマイナス12メートル岸壁についてのお尋ねがございました。
私どももこれまで管理組合とは事務レベルで何度か協議させていただいてきてはおりますけれども、このマイナス12メートル岸壁にかかわらず、全体として現行の計画660万トンが1,300万トン程度になるということで説明を受けておりますので、それぞれの施設における取扱貨物量の推計につきましては、その蓋然性といいますか、実現性といいますか、きちんとした形で説明していただきたいということで繰り返し話をさせていただいているところでございます。
それから、マイナス14メートル岸壁の計画値との比較についてお尋ねがございました。
詳細について、今、資料がないのでわかりませんけれども、低い数字になっているということについては承知しております。推計の取扱貨物量にいたしましても、使用料と手数料にいたしましても、こういったものをしっかりと精査していただくよう、引き続き管理組合に対しては私どもとしても要請していきたいと考えているところでございます。
(「最後はオーケーしているんでしょう」と呼ぶ者あり)
(「議長、20番。答弁漏れがあります」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)答弁漏れですか。20番、中島麗子議員。
○20番(中島麗子議員)街路灯の関係で、今年度予算400万円に対して629件申請されました。207件の交付がされましたが、全て申請どおり交付されるとしたら、小樽市負担はあと幾ら追加になりますかということについて、御答弁がありませんでした。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)建設部長。
○建設部長(工藤裕司)数字について、私から答えさせていただきます。
総額で630万円程度と見込んでおります。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、中島麗子議員。
○20番(中島麗子議員)聞いて疑問に思うことは多々ありますが、ここで全てを質問するわけにもいきませんので、まず今の街路灯のことを言えば、交付税については予定額を5億円上回る額が入ったわけですから、市民サービスに使ってほしいと私は言っているのですけれども、630万円、これから制度改正すると言っているときに、せめて今年度分全部認めて出発したらどうですかと言っているわけです。市長の判断でできる額だと私は思います。そして、来年度から変えるとおっしゃった前向きの答弁にも追加して励ます中身になりますから、ぜひ今年度分の申請については、当初の予算額は400万円だったけれども、認めましょうと、来年度さらに頑張りますと、そういう結果を出してほしいと本当に思っているのです。市長の権限だと私は思います。そういう話をぜひ市長に直接聞かせてほしいと思っております。
再々質問については、いろいろ聞くわけにはいかないと思いまして、もう一つだけ、今、総務部長が答弁された議会と条例の関係です。
政省令が変われば、議会に報告するシステムや中身は検討したいとおっしゃいました。それはあり得ることだと思います。しかし、問題は、議会の議決権は必要としないということなのです。そうなれば、議会は何の権限もない、そういう小樽市の条例なのです。そういうことがあっていいのですか。私は、これは大変危険な中身だと思います。数が多いからいいとか、みんながやっているからやるとか、そういう問題ではないと思うのです。
先ほどの山田議員の質問に対して、自治基本条例の話をしていましたけれども、自治基本条例「第3章情報の共有」の第5条、「市は、市民と情報の共有を図るため、まちづくりに関する必要な情報が生じた際は速やかに、分かりやすく市民へ提供するよう努めます」、第6条「情報の公開」、「議会及び市は、その保有する情報に関して、市民の知る権利を尊重し、別に条例で定めるところにより、情報を公開します」、このように書いてあるのです。この条例違反になりませんか。
さらに、憲法にある地方自治です。第8章の地方自治、第92条、地方自治の基本原則、「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める」、この地方自治をないがしろにする、そういう中身になるのではないですか。私は大変懸念しております。
これらについての見解をお聞きして、質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)副市長。
○副市長(貞村英之)中島議員の再々質問にお答えいたします。
まず1点目に、街路灯の件ですが、630万円、今年中にできなくはありません。ただ、来年度以降、今、検討しているものが、今年よりもかなり有利になる検討を行っております。市長が前回の定例会で答えたとおり、数年で何とか片づけたいという答弁をしたと思うのですが、そうなるとかなりの基数を集中的にやっていかなければならないということで、町会の負担もかなりになると思うのです。それで、今、建設部とも話合いをしているのですが、検討しているのは、補助率を上げるなりなんなりしていくということになると、来年度以降の補助金のほうがかなり有望なものになるのではないかと。もう一つは、補助にするのか、直接やるというのも検討したのですが、直接やると所有権の問題等もあるのでなかなかできないということで、来年度に送って、しっかりした制度にしていこうということでただいま検討しておりますので、その辺は御理解願いたいと思います。
今すぐその部分をやってくれというのであれば、予算をつけてすることは可能なのですが、いや、それでいいのでしたら可能だと思いますが、少し不公平になると思いますし、町会ともその辺のことはきちんと話し合っていきたいと思いますので、御理解願いたいと思います。来年度以降のほうがかなり有利になろうかと思いますので、御理解願いたいと思います。
それから、議会の議決権、条例のつくりの問題だと思うのですが、確かに御指摘のとおり、議会の議決なくして政省令が変わればそのままなるということで、かなり議会の議決権を奪うということで御指摘を受けたのですけれども、今回の法律を受けて検討するにしても、実態がまだつかめない状況がございまして、他市の例を参考にこのような条例をつくったことと思いますが、ただ、今後、市独自のものでいろいろ出てくると思います。そのときは新たにどういう条例にしていくのか、その部分だけを抜いてまた書きかえるのか、そういうことも検討してまいりたいと思いますので、今回の条例については、飛ばしたという感じの条例になっておりますが、そこら辺のところも御理解願いたいと思います。
(発言する者あり)
○議長(横田久俊)以上をもって、本日の会派代表質問を終結し、本日はこれをもって散会いたします。
散会午後4時42分
会議録署名議員
小樽市議会議長横田久俊
議員吹田友三郞
議員松田優子