開議午後1時00分
○議長(横田久俊)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、松田優子議員、佐々木秩議員を御指名いたします。
日程第1「議案第1号ないし第41号並びに報告第1号及び第2号」を一括議題といたします。
これより、昨日に引き続き、会派代表質問を行います。
通告がありますので、順次、発言を許します。
(「議長、10番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)10番、高橋克幸議員。
(10番高橋克幸議員登壇)(拍手)
○10番(高橋克幸議員)平成26年第1回定例会に当たり、公明党を代表して質問いたします。
初めに、財政問題であります。
平成26年度の予算案が編成され、収支均衡予算を目指して努力されてきたことと思います。内容については、厳しい財政状況の中で、部分的にも積極的な姿勢が見られる予算案の編成については評価するものであります。26年度の予算編成に当たり、どのような考え方で取り組んでこられたのか、改めて市長の見解を伺います。
歳入についてであります。
大きな項目である市税、地方交付税の増減が予算編成に重大な影響を与えます。平成25年度との比較では、地方交付税が対前年度比で約4億5,000万円の減であり、臨時財政対策債は前年度比約1億円の減で、合計約5億5,000万円の減額となりました。市税全体では、対前年度比で約1,000万円の減額となっており、その内訳として、個人市民税では約4,000万円の減、法人市民税では約1億2,000万円の増、たばこ税が約6,000万円の減であります。これらの増減の理由について見解を伺います。
また、滞納改善策や財源の大きな要素である市税の増収対策についてどのように検討され、実施していくのか、具体的にお答えください。
財源対策では、25年度については財政健全化の観点から、他会計からの新たな借入れを行わないとの方針の下、財政調整基金の活用により、収支均衡予算が編成されていました。26年度も同様に財政調整基金を活用し、一部計上留保することなく、収支均衡が保たれている状況であります。
ただ、懸念される点として、脆弱な財政構造を考えるとき、綱渡りの状況は脱しきれず、どうしても財源対策については常に視野に入れておかなければならない点でありますが、今後の考え方も含めて見解を伺います。
もう一点気になることは、平成25年度の決算についてであります。除雪費の増額等で懸念されるところでありますが、現在の状況での主な内容と決算見通しをお示しください。
歳出についてであります。
経費別の項目を確認しますと、対前年度比で減額の項目は公債費、建設事業費、繰出金であります。この減額の要因と考え方についてお示しください。
繰出金については、これまで繰出し基準を明確にするとともに、その基準に当てはめて支出されてきました。今後、大きな変動は少ないと思いますが、繰出し基準の見直しや今後の考え方について見解を伺います。
次に、真の財政再建についてであります。
市長が考える真の財政再建とはどのようなものなのか、改めて見解を伺います。
本市の財政は一般会計で赤字解消となっていますが、他会計などからの借入残高は約42億円の見通しと伺っております。この借入れの内訳と今後の償還計画、財政に与える影響についてお示しください。
今後、厳しい財政状況の中で、真の財政再建についてどのような考え方で検討されていくのか、基本的な方針や取組について見解を伺います。
また、今後の財政運営の中で、さらなる選択と集中という政治的判断が必要になると考えますが、どのような政治姿勢で検討されていくのか、あわせて市長の見解を伺います。
第1項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)高橋議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、財政問題について御質問がありました。
初めに、予算編成内容についてですが、まず平成26年度予算編成に当たっての基本的な考え方につきましては、26年度予算は、人口減少の影響などにより市税収入の増加が期待できない中、地方交付税と臨時財政対策債については減少が見込まれ、大変厳しい予算編成となりました。ただ、そうした中にあっても、26年度予算編成は私にとりまして現任期の一つの区切りとなりますので、最優先課題である真の財政健全化を念頭に置き、事業の厳選などを続ける一方で、限られた財源の中ではありますが、特に優先的に取り組む重点施策として、これまでの「安全・安心な暮らしのための取組」「市内経済の活性化に向けた取組」に加え、今回、新たに「次代を担う子どもたちへの取組」を位置づけて予算編成したところであります。
次に、主な市税の増減理由についてですが、個人市民税につきましては、均等割は平成26年度から税率の引上げに伴い増加するものの、所得割で納税義務者数や所得の減少が見込まれることから、個人市民税全体では減少するものと見込んだものであります。法人市民税については、企業誘致の効果や企業収益の回復などから増額を見込み、たばこ税については健康志向の高まりなど、たばこの販売本数の減少傾向が続いていることから減額と見込んだものであります。
次に、滞納改善策についてですが、これまでも電話や文書催告、臨戸訪問のほか、預貯金や給与などの差押えを行うとともに、インターネット公売による動産や不動産の換価、北海道との共同催告を行ってきました。また、昨年からは他都市との合同公売会を実施するなど、滞納額の縮小に努めているところであります。
また、市税の増収対策についてですが、市税収入全体の増加につなげるには地域経済の活性化に向けた取組が重要であり、地場企業の振興や企業誘致の促進に一層努力してまいりたいと考えております。
次に、財源対策の考え方についてですが、平成25年度及び26年度の予算編成の状況を考慮しますと、市税や地方交付税の動向にもよりますが、27年度以降の予算編成に当たっても多額の財源不足が見込まれるところであり、何らかの財源対策を行わなければ収支均衡予算が編成できない財政構造にあります。このため、今後の中期的な収支を見通す中で、財源対策として財政調整基金を有効に活用していくとともに、これまでの行財政改革における歳出削減や歳入増への取組を継続していくことにより、収支を改善し、毎年度の予算編成に当たっていきたいと考えております。
次に、平成25年度一般会計決算の見通しにつきましては、除雪費のさらなる増額の懸念はあるものの、現時点において収支は均衡しておりますことから、個々の項目の具体的な見込みを示すことはできませんが、今後、歳出に一定程度の不用額を見込むことができますので、実質収支の黒字は確保できるものと見込んでおります。
次に、26年度一般会計歳出予算の経費別の減額要因につきましては、公債費につきましては市債の償還額の減、建設事業費につきましては新共同調理場建設事業費の減、繰出金につきましては病院事業会計に対する基準外繰出しの減などが主な要因であります。
次に、一般会計から特別会計等への繰出基準の見直しにつきましては、本市の繰出金の考え方は原則として国の基準を参考にしているところであり、今後につきましても国の基準の見直しなどがあれば、その都度検討してまいりたいと考えております。
次に、真の財政再建についてですが、まず私の考える真の財政再建につきましては、再び赤字団体に転落することのないよう、今後の中・長期的な収支を見極め、毎年度の予算編成時において他会計などからの借入れに頼ることなく財源不足の解消を図り、一般会計が本来の意味での収支バランスがとれることと考えております。
次に、他会計などからの借入れの内訳と今後の償還計画などにつきましては、平成26年度末の借入残高の見込みは、下水道事業会計では約25億円、産業廃棄物等処分事業会計では5億5,000万円、基金では約11億8,000万円であり、償還につきましては、下水道事業会計は平成38年度、産業廃棄物等処分事業会計は36年度、基金は35年度での完済を予定しております。
また、借入金の償還による財政への影響につきましては、償還の財源は一般財源でありますが、毎年度の予算編成に影響が出ないよう、償還計画に合わせ必要な額を予算措置してまいりたいと考えております。
次に、真の財政再建の今後の方針や取組についてですが、限られた財源の中で市政を運営していくためには、財政の健全性を確保し、改善に努め、持続可能なものとしていかなければなりません。このため、中期的な財政運営を検討する手がかりとして、5年間の財政収支見通しを立てながら、毎年度の予算編成に当たっては事業の必要性、有効性を十分に検証し、事業の厳選に努めるなど、財政健全化に向けた取組を緩めることなく継続していく必要があると考えております。
次に、さらなる選択と集中についての考え方につきましては、財政健全化に向けては、これまでの行財政改革における取組を引き続き行っていかなければならないと考えており、また本市の将来を見据えた諸課題にも対応していかなければならないものであり、事業効果と優先順位をしっかりと見極めながら、今後とも選択と集中の視点で市政運営に当たっていきたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、10番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)10番、高橋克幸議員。
(10番高橋克幸議員登壇)
○10番(高橋克幸議員)次に、平成26年度予算の重点施策についてであります。
社会資本の耐震化や老朽対策について何点か伺います。
まず1点目に、学校施設の事業費であります。
校舎等耐震補強等事業費が計上されておりますが、耐震補強事業について、これまでの実績はどのようになっているのかお示しください。
また、今後の予定と耐震化事業の完了のめどについてお答えください。
非構造部材耐震化事業は平成26年度、27年度の2か年で実施予定となっておりますが、主な内容とスケジュールについてお示しください。
2点目に、災害に強い整備事業の上下水道施設整備事業費についてですが、約8億4,000万円が計上されております。この内訳と上下水道施設の耐震対策の全体計画の概要、事業費及びその計画に対する今回の割合、そして今後の予定やスケジュールについてお示しください。
3点目に、建築物の耐震診断経費についてであります。
市で保有している施設の中で、本庁舎、市民会館、総合体育館、小・中学校の耐震診断が実施されますが、小・中学校では何校が実施予定なのか、また今後のスケジュールについてお示しください。
本庁舎については、今後求められる機能や役割を考えるとき、公共施設の耐震化や建替えの優先順位について、防災拠点の考え方から別枠で検討し、できるだけ速やかに今後の検討課題の整理と具体的な計画を進める必要があると以前にも提案いたしました。市長の御答弁では、「庁内に検討チームを設置し、予算面も含めた検討課題の整理を進めてまいりたいと考えております」との前向きな答弁がありました。そして、昨年には改築のための基金が設置され、確実に第一歩を踏み出したと思っております。
検討チームの設置や予算面も含めた検討課題の整理についてどのように検討されているのか、今後の考え方も含め具体的にお答えください。
平成26年1月、総務省より、「公共施設等総合管理計画の策定にあたっての指針(案)の概要」について、内容が示されました。これは公共施設等の全体を把握し、長期的な視点を持って、更新・統廃合・長寿命化などを計画的に行うことにより、財政負担を軽減・平準化するとともに、公共施設等の最適な配置を実現することが必要になっているという時代背景からであります。
国ではこの計画の策定に係る支援として特別交付税措置が示されておりますが、その内容についてお示しください。
また、計画に基づく公共施設等の除却についての地方債の特例措置について、地方財政法を改正し、創設するようでありますが、主な内容についてお示しください。
さらに、本市ではこの計画の策定についてどのように検討されるのか、今後の考え方も含めてお答えください。
次に、市内経済の活性化に向けた取組についてであります。
観光については別の項目で質問しますので、ここでは企業誘致について伺います。
平成24年度、25年度に東京、大阪において企業立地トップセミナーを開催し、市長みずから企業誘致を積極的に実施されてまいりました。
改めて伺いますが、市長の率直な感想と意気込みについてお答えください。
また、このセミナーに参加した企業数と主な業種についてお答えください。
さらに、参加者の感想や反応はどのようなものだったのか、そして、それについてどのように対策を検討されたのかお示しください。
今回のフォローアップ事業についてですが、企業訪問についてどのような戦略を持って臨まれるのか、その内容と予定されている企業数と業種についてお示しください。
いずれにしても、少しでもよい結果になることを期待しているものであります。
2項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、平成26年度予算の重点施策について御質問がありました。
初めに、社会資本の耐震化や老朽対策についてですが、まず上下水道施設整備につきましては、整備事業費の約8億4,000万円の内訳は、上水道施設の送水管や配水管の整備に2億9,000万円、配水池の築造などに2億3,000万円、下水道施設の汚水管整備に2億9,000万円、処理場などの整備に3,000万円となっております。
次に、上下水道施設の耐震対策の全体計画は、配水管の耐震化が総延長96.5キロメートル、総事業費約50億円を見込んでおり、平成26年度までに30.5キロメートル、進捗率は32パーセントとなり、小樽市上下水道ビジョンの目標年度である平成30年度までに35.3キロメートルを整備する予定です。
また、処理場など耐震化が必要な下水道施設は29か所で、平成30年度までに予定していた5か所については、前倒しして平成25年度までに整備を終えますので、平成26年度から新たに3か所の耐震診断などを行ってまいります。
なお、総事業費は、耐震診断を行っていない施設があるため算出しておりません。
次に、耐震診断を実施する学校数につきましては、小学校2校、中学校2校の合計4校となっております。
また、今後のスケジュールにつきましては、新年度のできるだけ早い時期に業務を発注し、来年3月までに耐震診断を完了したいと考えております。
次に、本庁舎の改築に向けた取組につきましては、昨年8月に内部検討チームとしまして、副市長を委員長とする市庁舎建設準備委員会を設置し、まずは建替えに向けた課題等の整理をしていくことといたしました。最重要課題である自己資金の確保につきましては、昨年、小樽市庁舎建設資金基金も設置したところですが、厳しい財政状況の中、今後の積立てについては、当面は単年度ごとの決算状況を見ながら検討していきたいと考えております。
次に、公共施設等総合管理計画の策定に係る特別交付税の措置につきましては、国からの通知では、計画策定に要する経費について特別交付税により措置があり、措置率は2分の1とされております。また、計画に基づく公共施設等の除却についての特例措置につきましては、これまで公共施設等の除却のみでは地方債の対象とはなりませんでしたが、計画に基づく除却は地方債が措置され、特例措置の期間は平成26年度以後の当分の間で、充当率は75パーセントとなっております。
次に、本市での公共施設等総合管理計画の策定につきましては、本市は学校の適正配置や病院の統合新築などに伴う跡地利用や老朽化した旧施設の除却が必要となる場合も想定されることから、今後、計画を策定し、財政負担の軽減、平準化を図る必要があると考えております。
次に、市内経済の活性化に向けた取組についてですが、まず東京、大阪で開催した企業立地トップセミナーにおける私の感想と意気込みにつきましては、このセミナーの開催が首都圏や関西圏の企業に対し、本市が北海道における商工港湾都市として重要な拠点であることを改めてアピールできたことは大変効果的な取組であったと思っておりますし、今後の企業誘致の推進に大きなプラスになったものと感じております。
また、近年、道内の主要都市におきましては、本市のように大阪で単独開催する例はないと聞いておりますので、関西圏の企業に対しましては、本市への立地優位性をPRする大きな足がかりになったものであり、今後も精力的に誘致活動に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、トップセミナーにおける参加企業数と主な業種につきましては、東京では参加企業数が33社、このうち主な業種は、食品4社を含む製造業が16社、物流関係が5社、一方、大阪では参加企業数が40社、このうち主な業種は食品7社を含む製造業が17社、物流関連が13社となっております。
次に、トップセミナー参加者の感想や反応につきましては、セミナーの参加者からは、道内最大の都市である札幌市に隣接する地理的優位性や、本市を含む札幌圏が地震などの災害リスクが全国的にも極めて低いことへの関心を示す声が多く聞かれました。また、セミナー後の名刺交換会では、小樽産品の試飲・試食をしていただく中で、食という面から、小樽ブランドへの興味を強く持っていただいたと感じております。
これらを踏まえた対策といたしましては、本市に集積が進む食品関連企業をターゲットに企業誘致DVDを新たに作成しましたので、今後、企業訪問時やプレゼンの機会に活用し、小樽の魅力や企業立地の優位性を最大限にPRしてまいりたいと考えております。
次に、フォローアップ事業における企業訪問の戦略と予定する企業数、業種につきましては、東京、大阪でのトップセミナーの開催により、新たに参加企業とのつながりができましたので、まずは誘致担当者がこれらの企業に対する継続的な訪問活動を行ってまいります。特にトップセミナーに参加された食品関連11社や物流関連18社につきましては、できる限り私みずからが訪問する中で、1社でも多くの企業が本市に立地していただけるよう努力してまいりたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)高橋議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、平成26年度予算の重点施策について御質問がありました。
初めに、社会資本の耐震化や老朽対策に関連して、学校施設の耐震化工事の実績と今後のめどについてでございますが、本市の小・中学校の耐震化は、平成21年に策定した小樽市立小中学校学校規模・学校配置適正化基本計画に合わせて順次整備をすることとしております。平成21年度末で耐震化率は45.8パーセントでありましたが、その後、小学校4校、中学校4校の計8校の耐震化を終え、平成25年度には耐震化率は63.8パーセントになります。平成26年度は耐震診断4校と耐震化工事の実施設計4校を行い、基本計画の最終年である平成36年度までには全ての耐震化を終えたいと考えております。
次に、非構造部材の耐震化についてでございますが、平成26年度は小学校23校、中学校14校でバスケットゴールの点検を行います。また、小学校18校、中学校12校の屋内運動場及び高島小学校温水プールの照明設備の点検、補強を行います。そのほか、教室内部のテレビやスチールロッカーなどの備品の固定を全校で行います。平成27年度は、緑小学校屋内運動場及び高島小学校温水プールのつり天井の落下防止対策を行う予定であります。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、10番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)10番、高橋克幸議員。
(10番高橋克幸議員登壇)
○10番(高橋克幸議員)次に、北海道新幹線の新小樽(仮称)駅周辺整備についてであります。
北海道新幹線は全国新幹線鉄道整備法に基づき、昭和48年、整備新幹線として計画され、32年後の平成17年にようやく新青森駅と新函館(仮称)駅の間が着工、2年後の2015年度中の開業を目指して、現在、建設中であります。
また、待望であった札幌延伸である新函館(仮称)駅と札幌駅についての着工が認可され、起工式が行われており、具体的に推進している状況であります。
さて、新小樽(仮称)駅周辺整備構想は平成18年12月に策定され、イメージとなる素案が示されております。さらに平成26年度、市は北海道新幹線新駅周辺のまちづくり計画に着手し、平成29年までに完成させるとの報道がありました。
この周辺計画とはどのようなものなのか、主な内容についてお示しください。
また、計画策定は委託により進められる考えのようですが、どのような方法で委託されるのか、さらに今後の主なスケジュールについてお答えください。
次に、北海道新幹線建設に係る小樽市の負担と事業費について、改めて伺います。
構想に記載されている内容では、全国新幹線鉄道整備法施行令第8条により、国が3分の2、北海道が3分の1となっており、同法13条では北海道は負担の一部を市町村に負担させることができることから、市の負担は駅部と一体となった用途地域部分の建設費の10分の1の見込みとなっております。
この見込みについてどの程度の負担額になるのか、また、それ以外の新駅周辺の整備事業費について試算されていればお答えください。
さらに、これらの新幹線整備にかかわる負担増という財政的課題について、どのように考えられているのか、見解を伺います。
次に、周辺計画で大きな課題と考えられる小樽駅とのアクセスの問題であります。現在の小樽駅から離れた新駅になるということで、中心市街地とのアクセスをどのように確立するかという点であります。各地域の新幹線建設においてもまちおこしの議論が多く交わされており、実施計画の結果で新駅完成後の明暗を分けると言っても過言ではありません。観光施設や中心部へのアクセスをどのように無理なくスムーズにつくっていけるかが大きな焦点であり課題であります。これらについてどのように検討されていくのか、お示しください。
また、問題協議に関係部局の協議テーブルが必要と考えますが、今後どのように考えられていくのか見解をお示しください。
次に、関連して、旧ごみ焼却場の解体についてであります。
新小樽(仮称)駅の予定されている場所に近接して旧ごみ焼却場があります。この施設は、昭和40年11月、道内では2番目の本格的なごみ焼却施設として建設されました。以後、施設の老朽化や法律改正により、大規模な改修工事が数度にわたり実施され、用途廃止がされた平成13年まで約36年間にわたって、ごみの焼却処理が行われてきました。2000年1月から施行されたダイオキシン類対策特別措置法により、排出基準をクリアできない地方自治体の焼却炉が多くなり、2003年段階で498の自治体の焼却炉が解体できず、そのまま放置されている状況が続いております。
さて、解体についてですが、他都市においてもごみ焼却場の解体が行われておりますが、同程度の規模ではどのぐらいの費用がかかるのか、国などの補助メニューがあるのか、また解体時のダイオキシン等の安全対策はどのように実施されているのかお答えください。
また、懸念される点として、煙突や焼却場の構造体の劣化や、ダイオキシンが含まれる焼却炉の残灰や煙突内の飛灰の状態が考えられますが、どのような状態なのかお示しください。
先ほど述べました新小樽(仮称)駅の周辺計画が策定されることを考えますと、当然この旧ごみ焼却場の解体処理について、具体的な検討が必要になってくるところでありますが、今後、環境保全の観点からも、できるだけ早期の解体が必要であります。今後の考え方について、財源も含め市長の見解を伺います。
3項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、北海道新幹線について御質問がありました。
初めに、北海道新幹線の新小樽(仮称)駅周辺整備についてですが、まず(仮称)北海道新幹線新駅周辺まちづくり計画の策定目的につきましては、新幹線を活用したまちづくりの指針や新駅周辺の土地利用構想など将来ビジョンを示し、新駅周辺に整備する施設の規模・機能や交通アクセスなどについて検討する必要があります。このため、平成26年度から3か年かけ、まちづくり計画を策定するものです。
次に、計画策定に係る委託の方法とスケジュールについてですが、まず委託方法につきましては、指名競争入札による委託を考えております。
また、今後の主なスケジュールにつきましては、平成26年度に、現状の調査や課題の整理を行うために、ワークショップやアンケート調査、交通量調査を行います。平成27年度からは、学識経験者などを含めた策定委員会を開催し、新駅周辺の土地利用、駅前広場や駐車場の規模・機能、2次交通の検討などを行い、平成28年度末までに計画を策定してまいりたいと考えております。
次に、北海道新幹線建設に係る小樽市の負担と事業費についてですが、本市の負担額の見込みにつきましては、本市の負担範囲に係る総事業費が200億円から250億円程度であると北海道から伺っており、北海道が3分の1で、その10分の1が本市の負担となりますので、7億円から8億円程度になるものと考えております。
また、新駅の設置に伴う周辺整備についてですが、必要となる公共施設の規模・機能など詳細につきましては、今後、策定委員会などで検討されることとなるため、現時点では事業費を試算するまでには至っておりません。
次に、新幹線整備に係る負担増という財政的課題につきましては、北海道新幹線の建設費用に係る市の負担金は地方債の対象となることから、長期的に平準化されるものであります。
また、市債の元利償還金は50パーセントが普通交付税で措置されるものであり、将来的な公債費の負担については、中・長期的な収支を見通す中で対応してまいりたいと考えております。
次に、観光施設や中心部へのアクセスの検討や関係部局との協議についてですが、新年度に実施する交通量調査やアンケート調査などにより、交通アクセスを含めた課題を洗い出し、庁内に設置されている関係部局で構成する北海道新幹線活用戦略庁内検討会議などにおいて、観光客やビジネスマンを中心部へ誘導する効果的な動線などについて検討してまいりたいと考えております。
次に、旧ごみ焼却場の解体についてですが、まず解体に係る費用等につきましては、2年ほど前に業者から徴した参考見積りでは約2億4,000万円となっておりましたが、最近は作業員不足の影響により、解体費が高騰しているとも聞いております。解体に伴う国からの補助は、焼却炉の解体と新たな廃棄物処理施設の整備を一体として行うことを条件に、環境省の循環型社会形成推進交付金の対象事業となります。
また、ダイオキシン等の安全対策は、厚生労働省の廃棄物焼却施設内作業におけるダイオキシン類ばく露防止対策要綱に基づいて行うこととされており、施工の際にはダイオキシン類が外部に流出しないよう密封措置を講じることや、施設の付着物を高圧洗浄等により除去した後も、湿らせた状態で解体を行うなどの対策を講じることとされております。
次に、現在の旧ごみ焼却場の状態につきましては、平成13年3月の廃止時には、ダイオキシン類が含まれた灰の飛散・流出を防止するため、焼却炉開口部の閉鎖や建物内に立入りができないよう閉鎖措置を行い、平成17年12月には、雨水の流入を防ぐため、煙突の頂部を閉鎖したところです。
なお、煙突自体は平成7年に内部をステンレスにより補強しましたが、煙突の外壁の劣化はある程度進んでいるものと思われます。
また、道が策定した廃止済み焼却炉点検マニュアルに基づき、定期的に閉鎖箇所の点検を行っているほか、上屋の屋根や壁の補修など施設の維持・管理を行っており、後志総合振興局が毎年実施している立入検査においても管理上の不備は指摘されておりません。
次に、今後の解体に向けた考え方につきましては、現時点では煙突がすぐに倒壊する危険性はないものの、外壁の劣化も想定されていることから、早い時期の解体が望ましいと思っております。現在は、国において当該施設を含め老朽化した公共施設等の解体に対し、一定の条件により起債充当を認める方向でありますので、本市の財政状況も勘案しながら、今後、解体時期を検討してまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、10番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)10番、高橋克幸議員。
(10番高橋克幸議員登壇)
○10番(高橋克幸議員)次に、固定資産税の誤賦課、市税等の還付加算金の支払漏れ等の不祥事問題についてであります。
平成25年12月25日、財政部、医療保険部より、固定資産税の誤賦課、市税等の還付加算金の支払漏れについて報告がありました。
この事件の報道後、多くの市民から厳しい意見が寄せられました。また、現在、小樽市では財政健全化を最重要課題として取り組んできたところであり、大変大きな問題であると認識しており、この事件により信頼低下と失望感を与えた責任は、まことに大きなものがあります。さらに2010年、高額療養費の未請求問題があり、原因究明と再発防止への議論経過の後、さまざまな対策が出されてきたことを考えますと、この教訓を生かせていないことはまことに遺憾であります。
まず、今回の事件に対してどのように受け止めておられるのか、市長の見解を伺います。
さて、今回の原因にかかわって何点か質問いたします。
この事件と同様のものが他都市でも判明しているようでありますが、今回の主たる原因としてどのように考えられているのか、見解を伺います。
当時の償却資産係の担当者についてでありますが、この件の業務への認識、人員の配置、引継ぎなどについてお示しください。
また、組織体制としての担当の係長、課長のチェック機能はどのようになっていたのかお答えください。
次に、再発防止についてであります。
原因についてさまざまな調査や検討が必要と考えますが、今後の再発防止策についてどのように考えられているのか。
また、今回の問題について、一部局だけの問題ではなく、市全体の行政組織にわたる見直しも急務と考えます。市職員の意識改革やスキルアップ、チェック体制や組織内でのコミュニケーションのあり方、組織の職責別、役職別の研修などの検討や計画、実施について早急に対策が必要と考えますが、今後の予定や考え方をお示しください。
次に、責任の所在に関してであります。
調査及び協議などの時間経過は必要と考えますが、組織としての責任についてどのように考えられているのか、市長の見解を伺います。
4項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、固定資産税の誤賦課等について御質問がありました。
初めに、今回の件に対する私の見解につきましては、職員は公務員として法令等に基づき公正な事務の執行に努めなければならず、また常に厳正でなくてはならない地方税の課税業務等におきましてこのような誤った事務処理をしたことは、多くの市民の方々に御迷惑をおかけし、また市民の皆様の信頼を損なうこととなり、大変申しわけなく思っております。
次に、今回の主たる原因についてですが、償却資産の誤賦課につきましては、税制改正により耐用年数が見直されているにもかかわらず適用していなかったこと、家屋の誤賦課につきましては、実地調査において母屋を主に調査していたため、物置や車庫などの附属屋の取壊しを見落としていたこと、市民税等の還付加算金の支払漏れにつきましては、確定申告の提出と所得税の更正を混同し、地方税法の規定の適用を誤ったことによるものです。いずれも法令に基づき事務を行わなければならないところ、その法令と異なる処理を行っておりました。前任者から引き継いだ業務について疑問を持たず、みずから勉強し、わからないことは調べるといった基本ができていなかったことにあると考えております。
次に、当時の償却資産係の担当者等についてですが、償却資産係の職員3名のうち、償却資産を担当する職員は1名で、税制改正による耐用年数の見直しについて認識はしておりましたが、歴代の償却資産の担当者が、前任者から、申告書の内容について市では修正できないと口頭で引継ぎを受けていたため、改正前の耐用年数をそのまま適用し、賦課決定しておりました。また、当時の担当係長、課長は、税制改正による耐用年数の見直しを認識しておらず、組織としてのチェック機能は働いておりませんでした。
次に、再発防止策についてですが、このたびの固定資産税の誤賦課と市税等の還付加算金の支払漏れについては、第1に職員の法令等の理解不足が大きな要因であり、第2には組織としてのチェック体制が欠けていたと考えております。今後は、法令の正しい解釈とその適用に努め、組織として法令改正等について逐一チェックを行い、情報の収集や共有に努めるとともに、制度改正に対応した業務マニュアルを作成し、再発防止を図ってまいります。
次に、職員の意識改革等に対する今後の予定や考え方についてですが、昨年12月26日付けで業務事故防止について注意を促す庁達を副市長名で出したところであり、法令等の確認や制度改正に合わせたマニュアルの作成、さらには情報の共有や自己研さんの必要性について、職員に通達いたしました。
また、新年度には、これまでの職責等に応じた基本研修に加え、新たにチームワーク向上研修や危機管理対応研修、アイデア・発想力向上研修の実施を予定しているほか、パソコンやスマートフォンなどのインターネットを利用して、職場や自宅、通勤時など都合のよい時間に受講できるeラーニングの実施も予定しており、これらの研修を通じてコミュニケーション能力の向上や意識改革、スキルアップなどを図ってまいりたいと考えております。
次に、組織としての責任についてですが、今回の件につきましては、いずれも長期間、適正に事務処理ができていなかったことから、管理監督者としての責任があろうものと認識しております。私自身も指導力が不足していたものと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第5項目めの質問に入ります。
(「議長、10番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)10番、高橋克幸議員。
(10番高橋克幸議員登壇)
○10番(高橋克幸議員)次に、観光問題についてであります。
近年、本市の観光産業は基幹産業の一つとして成長し、小樽の経済にとって大きなウエートを占めるようになってきました。最近の観光入込客数の動向を見てみますと、ピークであった平成11年度の970万人から減少し、平成17年度760万人となり、24年度では660万人と減少傾向にありながらも、多くの方が観光に訪れております。ただ、この減少傾向には危機意識を感ずるところでありますが、これらの動向についてどのように認識されているのか、市長の見解を伺います。
また、減少の要因と観光産業の本市経済への影響や位置づけについて、あわせてお答えください。
次に、観光を推進する体制についてであります。
ここ数年、観光関連の動きとして、クルーズ客船の誘致活動やまちづくり関連で、旧国鉄手宮線の工事着工や歴史的建造物の保全、北運河構想、天狗山観光構想など、観光施策とリンクする内容がありますが、所管の違いがあり、横断的な協議会についても、どこが主導していくかによって施策の方向性が変わっていくことが考えられるところであります。
また、平成20年に小樽は観光都市宣言を行い、オール小樽の姿勢を示しましたが、残念ながらこれ以降、観光施策に大きな変化があまり見えない状況であります。
現在、戦略的な観光施策の推進についてどのような体制で行われているのか、主なものの役割や内容についてお示しください。
また、小樽観光協会との関係性や相乗効果については大きな課題であり、今後の観光施策についても重要な位置を占めているものと考えます。この点について少し懸念されるところがありますが、市としてどのように考えられているのか、見解を伺います。
今後、小樽の重要的観光課題のこれらの観点から、総合的かつ体系的に推進していく上で、行政としても、組織体制を現在の観光振興室から文化・スポーツ部門も視野に入れた部局への昇格を検討すべき時期と必要性が既に到来していると思います。また、これに至るプロセスの中で、関連する組織の横断的な協議ができるテーブルの設定も必要と思いますが、それぞれについて市長の見解を伺います。
さて、観光ニーズの多様化に伴い、さらに重要になるのがホスピタリティの問題であります。以前から議論されておりますが、大きな課題の一つであり、これまでもさまざまな取組が行われていると認識しています。自分の住んでいる土地の歴史や文化を知ることが地域愛につながり、交流面でも効果があると考えているところであります。
そこで伺いますが、観光基本計画にある重要施策で、おもてなし意識のレベルアップと交流観光を担うリーダーの育成の項目があります。特に、おもてなしについては東京オリンピック誘致のプレゼンで有名になりましたが、言葉だけが先行していたのでは意味がありません。
これらのホスピタリティの問題についてこれまでどのような対策が行われてきたのか、また今後の考え方や具体的な対策についてお答えください。
さらに、先進地や他都市への視察や参考にしてきた内容があればお示しください。
次に、大きな観光資源である歴史的建造物の保全であります。
小樽観光の大きな特徴である懐かしさやノスタルジックな雰囲気を演出しているのは、歴史的な建造物やそれに伴うまち並みの景観であります。特に歴史的な建造物は時間の経過が老朽化を進め、残念ながら解体に至るケースがありました。小樽観光にとって重要な資源であるこの歴史的な建造物についてどのように認識されているのか、改めて見解を伺います。
歴史的な建造物の保全については、今後の大きな課題であります。特に建物保有者の協力がなくては、将来にわたり観光資源の存続は考えられないところであります。また、本市においては、他都市に先駆けて条例を制定し、歴史的な建造物の保全に取り組んできたと認識をしております。
この保全の課題と問題点についてお答えください。
また、歴史的な建造物の保全に対しての助成金制度ですが、ここ10年間の予算の推移とその主な内容及び税の減免など、所有者に対して負担減になるような検討も視野に、今後の考え方について見解を伺います。
5項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、観光問題について御質問がありました。
初めに、観光客減少の要因と経済への影響についてですが、本市の観光入込客数が減少傾向にあることにつきましては、平成11年3月のマイカル小樽の開業などにより、道内客が大幅に増加した反動もあり、その後減少に転じたことにあると認識しておりますが、今年度上半期については、観光入込客数と宿泊客数はともにほぼ平成20年度の水準までに回復しております。
次に、減少の要因につきましては、長引く景気の低迷や道内外観光地との競争激化、新たな集客力のある施設がオープンしていないなどのさまざまな要因が挙げられます。観光産業の本市への影響と位置づけにつきましては、観光は本市の基幹産業の一つであることから、飲食業や宿泊業などを中心に、本市経済に与える影響は少なからずあるものと認識しております。
次に、観光推進体制とホスピタリティの問題についてですが、まず戦略的な観光施策の推進につきましては、クルーズ客船誘致では、昨年4月に国の関係機関や北後志の観光協会、市内経済団体、バス会社などから成る小樽港クルーズ推進協議会を設立し、誘致活動や受入れ態勢の整備、船社等への旅行プランの提案などを行っており、事務局は港湾室と観光振興室、NPO法人OBMの三者が担っております。
北運河の戦略プランの策定につきましては、今年度OBMに委託した事業であり、商工会議所や観光協会、小樽商科大学などで構成する協議会を立ち上げ、作業を進めており、市からは港湾室、観光振興室、まちづくり推進課の職員が委員となっております。
天狗山の「小樽の森」構想実現化につきましては、市と中央バス、観光協会、商工会議所などで構成する検討委員会で構想の実現化に向けた総合的な検討を進めており、事務局は観光振興室が担当しております。
なお、毎月、商工会議所と観光協会、物産協会、OBM、そして市産業港湾部の五者で小樽観光全般についての会議を開催し、情報共有と意見交換を行っているところであります。
次に、観光協会との関係性や相乗効果につきましては、本市の観光振興を図っていくためには、市と観光協会をはじめとした経済界とが連携して取り組んでいかなければならないと考えており、特に観光協会は観光推進の実働部隊として重要なパートナーであると認識しております。現状、観光協会においては財政基盤や事務局体制に課題があると認識しておりますので、市としても可能な限り支援してまいりたいと考えております。
次に、観光振興室の部局への昇格などについてですが、基本的に部局への昇格については、業務内容や人員配置を含め、全庁的に考えていかなければならないものであり、さらに現在、教育委員会で所管している文化・スポーツ部門を市長部局へ移管し、観光部門を含めた新たな部署の設置には、その業務を所管している教育委員会の意見を聞きながら進めていくべきであると考えております。
平成20年10月に、教育委員会では、移管については現状では適当ではないとの意見でありましたが、今後、国の教育制度の見直し等に伴い再度議論され、移管が適当との意見をいただいたときには、市として移管について検討したいと考えております。
次に、ホスピタリティについて、これまで行ってきた対策につきましては、観光協会がおもてなし講習会や地域資源の勉強会、外国語講座などを開催したほか、観光客に対して傘の無料レンタル事業を行っております。
また、交流観光を担うリーダーとして、小樽観光大学校でおたる案内人の育成を進めており、案内人の方々が昨年5月から10月までの土曜、日曜、祝日に運河プラザ内に観光案内デスクを開設し、サポートガイドとして観光案内を行いました。市としても広報おたるに観光特集を半年間連載し、おもてなし意識の重要性を発信してまいりました。
今後の考え方や具体的な対策につきましては、観光客に対するおもてなし意識の一層の向上を図るため、観光協会と連携してホスピタリティ事業の充実に努めるとともに、おたる案内人などのさらなる活用を図ってまいりたいと考えております。
次に、観光資源である歴史的建造物の保存についてですが、まず歴史的建造物の認識につきましては、歴史的建造物は先人が残した歴史的・文化的に大変重要な財産であるとともに、小樽らしいまち並みを形成する最も重要な構成要素であります。また、数多くの観光客が訪れる観光スポットにもなっており、本市の重要な観光資源の一つでもあると認識しております。
次に、歴史的建造物の保存に関する課題と問題点につきましては、歴史的建造物の維持・補修には多額の費用を要することから、所有者の財政事情などによっては維持・補修が困難となるおそれがあること、また長期にわたって利活用が進まない建物は傷みが早く進行し、保全が難しくなるおそれがあることなどが課題と考えております。
次に、歴史的建造物の保全に対する補助金の予算の推移等につきましては、この10年間の予算額の推移は、平成16年度から19年度の各年度は1,000万円、20年度は900万円、21年度から25年度の各年度は500万円で推移しており、主な工事内容は屋根や外壁の補修費となっております。今後におきましては、厳しい財政状況ではありますが、この補助制度を継続することとし、税の減免などの負担軽減の方策につきましては情報収集を行ってまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第6項目めの質問に入ります。
(「議長、10番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)10番、高橋克幸議員。
(10番高橋克幸議員登壇)
○10番(高橋克幸議員)次に、冬期特別生活支援事業、福祉灯油についてであります。
昨年の第1回定例会において質問しましたが、改めて伺います。
最近の灯油価格は、昨年同様、高騰が続いている状況にあります。これに対応し、道内の市町村では、福祉灯油事業を行っているようであります。2月13日付けの北海道新聞によりますと、道保健福祉部の調べで、今冬、福祉灯油事業を計画したのは156市町村。札幌市、旭川市、函館市などを含め19市町では実施していないという記事でありました。
この福祉灯油事業についてどのように認識されているのか、市長の見解を伺います。
本市では、過去に2007年、2008年と2か年にわたり冬期特別生活支援事業、いわゆる福祉灯油事業を実施してきました。当時は今以上に灯油価格が高騰し、また国の交付税や道の補助金により、負担は少なかったことは事実でありますが、一般会計においては、赤字の財政運営の途上の中でも緊急的な判断の下、実施されたと認識しております。財政難は理解しますが、福祉灯油事業が実施されていないことは残念であります。
2月14日の公明新聞では、13日に行われた衆議院の予算委員会の中で、我が党の稲津久衆議院議員の質問の中でこの福祉灯油事業に関する質問があり、これに対する答弁で新藤総務相は「自治体の実情を把握した上で、3月分の特別交付税で必要な措置を講ずる方向で検討していきたい」と、前向きな姿勢が示されました。これについてどのような認識なのか、また、どのように考えられているのか、見解を伺います。
冬の生活必需品である灯油の価格変動にはもっと敏感であるべきと思います。低所得世帯への直接的な影響の大きさを考えるとき、今後の福祉灯油事業の考え方についてどのように検討されるのか、市長の見解を伺います。
6項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、冬期特別生活支援事業、いわゆる福祉灯油事業について御質問がありました。
初めに、この福祉灯油の事業の認識につきましては、冬期間において生活必需品である灯油価格の急激な高騰が低所得者の生活に大きな影響を及ぼすことから、これを緩和するものであると考えております。
次に、自治体が行う福祉灯油事業に関する総務大臣の発言につきましては、特別交付税措置が実施されれば自治体に対する財政支援にはなりますが、現時点においても措置の具体的な内容が示されていないこともあり、今後の作業日程を考えますと、本市においては年度内での実施は困難であります。
次に、今後の福祉灯油の考え方につきましては、灯油の高騰が市民生活を圧迫していることは十分承知しておりますが、現在の本市の財政状況等を鑑みますと、国等の相応の補助を得られない中、市が単独で事業を実施することは実質的には困難であり、財政支援の動きや時期、また本市の財政状況や他都市の動向などを勘案し、実施についての判断をしてまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第7項目めの質問に入ります。
(「議長、10番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)10番、高橋克幸議員。
(10番高橋克幸議員登壇)
○10番(高橋克幸議員)次に、環境問題についてであります。
まず、小型家電リサイクルについてであります。
近年、高機能と普及が著しい電気・電子機器については、家電4品目、テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機とパソコンを除き、各種リサイクル法の対象ではないため、使用済みの小型家電製品は、貴金属やレアメタルを多く含んでいるにもかかわらず、市町村で資源として十分に回収されず、家庭ごみとして最終処分場で埋め立てられている状況にありました。環境省の推計によりますと、日本で1年間に使用済みとなる小型家電は約65万トンで、そのうち、それらに含まれる有用な金属は約28万トン、金額にして844億円になると試算されております。
このような状況の中、この貴金属やレアメタル等の有効活用を図るために、平成24年、使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律、いわゆる小型家電リサイクル法が成立し、平成25年4月に施行されております。
さて、本市において、平成26年2月から小型家電の回収について取組が開始されておりますが、この小型家電リサイクルについてどのように認識されているのか、改めて市長の見解を伺います。
次に、事業開始に関連して伺います。
まず、この法律施行後、回収事業の取組開始に至るまでの経緯についてお示しください。
回収方式については大きく3種類、ステーション方式、ピックアップ方式、ボックス方式に分類されているようでありますが、本市ではボックス回収方式を採用しましたけれども、その検討結果と決定した理由についてお示しください。
また、この方式で、市の負担や事業費についてどのようになっているのかお答えください。
次に、回収品目についてでありますが、国では特定対象品目として回収ガイドラインを示しておりますが、実際の回収品目は市町村が決めることとなっております。今回の回収品目はどのように決定されたのかお示しください。
小型家電リサイクル法に基づく基本方針では、市町村又は認定事業者等により回収され、再資源化を実施する量の目標について、平成27年度までに1人1年当たり約1キログラムと示されておりますが、本市では幾らになるのかお示しください。
リサイクルについては、これまで何種類ものリサイクル回収事業が実施されてきましたが、やはり市民の協力が不可欠であります。他都市では市民の協力意識を高めるために、周知方法の検討、リサイクル関連のイベントの開催、アンケート調査などを実施し、成果を上げているようでありますが、今後の本市の取組について、これらについてどのように検討されていくのか、見解を伺います。
次に、ごみ収集車の過積載についてであります。
昨年12月、北しりべし廃棄物処理広域連合事務局より、ごみ搬入業者に対して「年末年始における搬入車両の過積載防止について」という文書が配付されました。この中の文書には、「著しい過積載が確認された場合、当広域連合条例の規定に基づく受入基準等違反の処分対象となるため、搬入を拒否し、違反点を付加するとともに、関係機関へ情報提供する場合もありますので御承知おきください」という内容がありました。この規定に基づく受入れ基準等違反及び処分の内容についてお示しください。
さて、過積載とは、以前にも大きな社会問題となりましたが、トラック等の自動車に定められた重量の限度を超えて貨物を運搬することであり、道路交通法や道路法の違反行為となるものであります。過積載で走行すると、車体の各部の設計値を上回る負荷がかかり、車体の劣化が表れ、その要因で事故につながったケースが見受けられます。また、道路の路面や道路構造に損傷を与え、中・長期に見ると道路等のインフラ整備に影響を与えるものと考えられます。
まず、過積載問題についてどのように認識されているのか、見解を伺います。
北しりべし広域クリーンセンターに搬入しているごみの中には、市が委託している生活系可燃ごみも搬入されているわけですが、広域連合からは、市に対して過積載の状況が毎月報告されているようであります。
そこで伺いますが、直近5年間でどのような推移なのか、本市の生活系可燃ごみ量との比較でお示しください。
また、その特徴的な内容と過積載の要因はどのようなものなのか、具体的にお答えください。
さて、ごみ収集に当たり、ごみ収集地域のごみ量の推計値を基に収集計画がつくられていると思いますが、これは誰がどのような基準で算定し、決定されているのかお示しください。
次に、過積載の対策についてであります。
本市では、北しりべし廃棄物処理広域連合から報告を受けて、どのような認識だったのかお示しください。
また、直近5年間の中で、市として委託業務を進める上でどのような対策を実施してきたのか、具体的にお示しください。
また、道路交通法や道路法の違反行為がなくなるような対策についてどのように検討し、実施していくのか、見解を伺います。
7項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、環境問題について御質問がありました。
初めに、小型家電リサイクルについてですが、まず小型家電リサイクルについての認識につきましては、法律が施行されたことにより、全国的な小型家電リサイクルの仕組みが整えられ、貴金属やレアメタルが効率よく回収されるだけでなく、廃棄物の最終処分量の削減など、循環型社会形成の推進に大きく寄与するとともに、主要な資源の大部分を輸入に依存している我が国の経済の健全な発展にも寄与するものと認識しております。
次に、法律施行後の回収事業の取組開始までの経緯につきましては、平成25年4月1日の法律施行後、本市での取組について内部で検討しておりましたが、6月28日に株式会社マテックが道内企業として唯一の再資源化認定事業者となったことから、直ちに同社と交渉を開始し、その結果、本市では1か所に集約した小型家電を同社が回収することとなりました。これに基づいて市としての集約の仕方などの検討を重ね、平成26年2月10日に回収を開始したものです。
なお、これに先立ち昨年9月に開催された本市が後援するリサイクルイベントの際には、回収ボックスを設置し、3日間で約250キログラムの小型家電を回収したところです。
次に、回収方式の検討と決定理由につきましては、国のガイドラインでは何種類かの回収方法が例示されており、それを基に本市での回収方式を検討した結果、ステーション回収方式では、本市の場合、ごみの種類によって車両や収集体制、搬入先が異なることや、分別収集した場合の個人情報を含む小型家電の盗難防止などの問題があること、またピックアップ回収方式では、処理施設への搬入方法の変更や作業場所の確保のほか、小型家電に含まれる個人情報保護への配慮などの課題がありました。これらの事情や他都市の取組状況も参考に検討した結果、本市としては、まずは比較的取り組みやすいボックス回収方式を採用することといたしました。
また、市の負担や事業費でありますが、回収ボックスなど必要な資材は認定事業者で用意することとし、回収ボックスから一時保管場所への搬送については直営で行うことから、特に新たな財政面での負担は生じておりません。
次に、回収品目の決定につきましては、国では小型家電の中でも資源性と分別のしやすさから、特にリサイクルすべき品目としてパソコンや携帯電話、デジタルカメラなどを特定対象品目に指定しているところですが、回収品目を特定対象品目に限定した場合、市民に周知する際には出せるものと出せないものを細かく例示しなければならず、また市民にとっても排出したい小型家電が回収品目に該当するかどうかの判断が難しいことから、本市では回収ボックスの投入口に入れることができる小型家電について、広く回収品目といたしました。
次に、本市における1人1年当たりの回収量の見込みにつきましては、回収ボックスの投入口の大きさから、回収量の大半は特定対象品目であると予想されます。国が推計した国内で1年間に使用済みとなる特定対象品目は32万トンであり、これを人口で案分いたしますと、本市では年間320トンと推計されます。そのうち回収率を他都市の例も参考に約5パーセントと推定いたしますと、1人1年当たり0.13キログラムと推計されます。
次に、市民の協力意識を高めるための施策の検討につきましては、これまでも広報おたるやホームページへの掲載のほか、報道機関の協力を得て市民に周知してきたところでありますが、今後も各種団体の会合やリサイクルイベント、まち育てふれあいトークなど、さまざまな機会を活用し、市民への周知や情報提供に努めてまいります。
次に、ごみ収集車の過積載についてですが、まず北しりべし廃棄物処理広域連合条例の規定に基づく受入れ基準等違反及び処分の内容につきましては、広域連合では廃棄物の処理に関する条例第7条の規定に基づく搬入許可の取消し等を行うための基準として、受入れ基準等違反の処分基準を定めております。この基準では、広域連合が定める受入れ基準に違反した廃棄物を搬入した場合やその他遵守事項及び義務違反などの行為を行ったときは違反点を付加し、違反点の合計により、厳重注意から6か月の搬入停止までの処分を行うこととしております。
次に、ごみ収集車の過積載に対する認識につきましては、車体や運転操作に悪影響を与え、重大な事故につながる可能性や、路面及び橋梁などのインフラに損傷を与えることなどのほか、騒音や排気ガスの増加により、環境の悪化にもつながるものと認識しております。
次に、直近5年間の過積載の推移につきましては、平成21年度は搬入量1万8,224トンに対し、搬入台数は6,845台で、そのうち過積載だったものは476台、割合としては全体の7パーセントでありました。また、平成25年度の1月末現在での搬入量1万4,584トンに対して、搬入台数は5,642台、そのうち過積載だったものは102台で、全体の1.8パーセントとなっており、過積載の割合は減少しております。特徴としては、最近5年間のごみ量を月別に見ますと、毎年8月は果物など水分を多く含んだごみが多く排出されることから、1年の中で最もごみの重量が多く、また過積載の台数も多くなっております。
過積載の要因としては、このようなごみの多いときには、市では処理施設への搬入回数を通常より増やして搬入するよう指導しておりましたが、それが徹底されなかったものと考えております。
次に、ごみ収集に係る収集計画につきましては、収集計画は廃棄物事業所で策定しており、午前8時30分から収集を開始して、午後4時までに広域連合の処理施設に搬入できるよう、収集地区ごとのごみ収集量の実績値や、市内を巡回している指導員からの各ステーションのごみの排出情報を基に、作業時間や処理施設までの走行時間などを加味して区域割りをし、収集計画を策定しております。
次に、広域連合からの報告を受けての認識につきましては、日々の業務の中で処理施設に搬入した際に過積載があったときには、広域連合側でその都度口頭又は多量の場合は文書で注意しておりますが、市としても過積載をしないよう、引き続き指導を徹底する必要があると認識しております。
次に、直近5年間で実施した過積載の対策と今後の対策につきましては、平成21年及び23年に委託業者の従業員を対象に委託収集業務研修会を開催し、過積載をしないよう直接指導したほか、平成25年4月には広域連合の受入れ基準等違反の処分基準の周知文に過積載に対する注意を喚起する文言を記載した上、委託業者に手交により配付したところであります。
さらに日々の業務においても、搬入回数の増により、処理施設への搬入が遅くなるような場合には、市側から受入れ時間の延長を広域連合に要請するので、過積載とならぬよう指導しております。
また、今後の対策としては、法令遵守について委託業者に指導を徹底することはもとより、各地区から排出されるごみ量の変動によっては、必要に応じて適切な区域割りの調整を行っていきたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第8項目めの質問に入ります。
(「議長、10番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)10番、高橋克幸議員。
(10番高橋克幸議員登壇)
○10番(高橋克幸議員)次に、教育問題についてであります。
まず、教育行政執行方針についてであります。
2月26日の本会議において、平成26年度小樽市教育行政執行方針が教育長より示されました。この中で、重点施策の一つである学力向上について何点か伺います。
昨年の全国学力・学習状況調査では、小学校で算数A以外は全道平均を下回り、中学校では全て全道平均を下回る結果であり、厳しい状況でありました。このような学力の状況が続いているように思うところですが、主な要因について見解を伺います。
また、2年前に秋田市へ教育委員会として視察されているようでありますが、その結果として、本市との違い、参考にした内容及びどのような対策を検討され実施したのか、お示しください。
次に、学校や教職員への取組ですが、23の指針に基づき具体的な数値目標を設定し、自己評価を行うなど具体的な行動を確実に行うよう今後指導していくという内容がありましたが、教育委員会としてどのように把握し、指導されていくのか、それに対する評価と対策についてどのように検討されるのかお示しください。
次に、学校力向上に関する総合実践事業であります。
昨年に引き続きの事業となっていますが、この事業の目的と内容についてお示しください。
また、今年度についてどのような効果や実績があったのか、あわせてお答えください。
いずれにしても、本市にとって学力向上対策は重要な施策の一つであり、着実に結果がついてくる内容を望むものであります。
次に、教育における地方分権の推進についてであります。
地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律が、平成20年に施行され、5年が経過しました。この法改正は、教育基本法の改正及び中央教育審議会の答申などを踏まえ、教育委員会の責任体制の明確化や体制の充実、教育における地方分権の推進、国の責任の果たし方、私立学校に関する教育行政などの改正でありました。現行制度上、市長は教育関連に対して十分な権限がないわけですが、問題が生じた場合、結果的に総合行政をつかさどる市長に最終的な責任が問われることが多いようであります。学校の設置者であり、同時に総合行政をつかさどる者としての立場を考えるとき、この法改正により、現状から一歩踏み込んで検討し、新たな動きに出ている状況にあります。
さて、この中で注目をしているのが教育における地方分権の推進で、文化・スポーツに関する事務の所掌の弾力化であり、いわゆる事務を市長が担当できるようにすることであります。改めてこの法改正や、これに伴う動向に対してどのように認識されているのか、市長、教育長の見解を伺います。
また、他都市において教育委員会の社会教育に関する事務を市長部局に移行し、関連する業務の一元化や戦略的に文化振興を通じたまちづくりの観点、あるいは観光対策の活性化などを含めた「観光・文化スポーツ部」などの新たな統合の組織を新設する動向が見受けられるところであり、本市も検討が必要と考えます。
歴史と文化のまち小樽の将来を展望するとき、小樽観光の土台である歴史・文化の政策なくして、観光も含めた小樽の魅力や地域力はないと思うものであります。これらについて、本市での今後の考え方や、そして課題や問題点について、改めて市長、教育長の見解を伺います。
以上、再質問は留保いたします。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、教育問題について御質問がありました。
教育における地方分権の推進についてですが、まず平成20年度に改正された地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部改正の趣旨につきましては、文化・スポーツ行政について、地域づくりという観点から、他の地域振興等の関連行政とあわせ、地方公共団体の長が一元的に所掌することができるようにしたものと認識しております。
また、法改正に伴う動向につきましては、札幌市では法改正前に文化・スポーツ行政を移管し、観光行政をあわせて所管する観光文化局を設置しておりますが、札幌市を除く道内の主要8市では、いずれも移管は行われておりません。
次に、社会教育に関する事務の移行の考え方などについてですが、先ほど観光問題でも答弁申し上げましたが、教育委員会の意見を聞きながら進めていくべきであると考えており、移管が適当との意見をいただいたときには、市として移管について検討したいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)高橋議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、教育問題について御質問がありました。
初めに、教育行政執行方針についてですが、まず小樽市における全国学力・学習状況調査の結果が低迷を続けている主な要因につきましては、これまで多くの学校においては指導方法の工夫改善や外部人材の活用などの新しい取組に消極的であり、前例踏襲といった意識から、授業改善などがあまり進んでいなかったことや、家庭にあっては朝食をとらない子供たちが多いことや、テレビを見る時間が長いことなどの状況があって、学習習慣が定着していないことなどが要因であると考えております。
したがいまして、平成23年度から学力の向上を重点課題として、教職員の授業力の向上と家庭の教育力向上を柱として、各般施策に取り組んでおり、徐々にその成果が表れてくるものと考えております。
次に、秋田市への視察研修の結果として参考になった内容や本市との違い並びに視察後の対策についてでありますが、まず秋田市における特色としては、学校にあっては教員が小・中学校連携した9年間を連続したものと捉え、研修会を積み重ね、一人一人が情熱を持って指導に当たっております。また、児童・生徒の挨拶、靴の並べ方などの基本的な生活規律や授業中の姿勢、集中力などの学習規律が身についていることなどが挙げられます。さらに、家庭学習においては、小学校で8割から9割、中学校で6割から7割の児童・生徒が家庭学習ノートを毎日学校に提出しており、小学校低学年から積み上げられた家庭学習の習慣が定着していることなどが挙げられます。
この視察研修の後に、秋田市を視察した3名の教員が講師となり、小樽市内の教職員を対象に伝達のための研修会を行いましたが、十分に伝えきれなかったという反省から、平成25年度には各学校の教務主任などを対象に、道内のすぐれた実践校を視察する取組や、秋田大学の教授を招き、実際に授業を指導してもらい、公開研修会を実施するなどの取組を行ったところであります。
次に、学校教育推進計画の23の指針における取組状況の把握と指導、それに対する評価と対策についてでございますが、本市においては、小樽市学校教育推進計画の実践項目を基に学校評価を行ってまいりましたが、これまでの実践項目が抽象的であったことから、各学校の目標が漠然とし、結果として自己評価が全体として高い傾向となっておりました。そのため、平成26年度の推進計画では、具体的な23の指針を掲げ、それに基づき学校経営目標を自校の目標として数値で設定し、達成度を評価するよう指導することといたしました。教育委員会では、2学期末に中間報告を受け、学校の自己評価結果を基に指導・助言を行い、確実な学校改善につなげていきたいと考えております。
次に、学校力向上に関する総合実践事業の目的と内容及び本年度の成果や実績についてでありますが、まず本事業の目的と内容についてですが、本事業は管理職のリーダーシップの下で実践指定校と近隣校が連携しながら、学校の組織的な取組や実践的な研修を行い、将来のスクールリーダーを育てながら、学校の総合力を高める新たな仕組みをつくることを目的としたものであり、稲穂小学校が実践指定校、花園小学校と潮見台小学校が近隣校として本年度から取り組んでおります。
実践指定校の稲穂小学校では、校内の組織的な取組として、学期ごとに計算や漢字などの定着確認テストを実施し、徐々に基礎学力の定着が図られており、また人材育成の取組として、初任者から3年目の教員を対象に、教科指導や生徒指導などについて近隣校と連携した研修会を開催し、若手教員の指導力向上に成果を上げております。
また、今月11日には、教育委員会の主催による市内の小・中学校の管理職を対象とした実践報告会を開催し、実践校における成果を伝え、学校経営に生かすよう指導してまいります。
次に、教育における地方分権の推進についてですが、まず教育における地方分権の推進に係る法改正やこれに伴う動向に対しての認識についてでありますが、この改正は、スポーツ及び文化行政について、地域の実情や住民のニーズに応じて、地域づくりという観点から、他の地域振興などの関連行政とあわせて、地方公共団体の長において一元的に所掌することができることとしたものであると承知しております。
また、この改正に伴い、道内では平成21年度に石狩市でスポーツ行政を市長部局に、平成24年度には北海道が文化・スポーツ行政を知事部局に、それぞれ移行を行ったものと承知しております。なお、札幌市においては、平成17年度に文化・スポーツ行政を市長部局へ移行したものであります。
私としては、文化・スポーツ行政を行う上で、高齢者の生きがいづくりや健康の保持増進、地域づくりや観光振興など、市長部局との連携がますます必要となっていると感じておりますが、移行を行うかどうかはそれぞれの地方自治体の実情により判断されるものと考えております。
次に、社会教育に関する事務の市長部局への移行についてでございますが、平成19年10月に市の組織・機構の見直しに関連し、市長から教育委員会へ文化・スポーツ行政の移管についての意見を求められ、教育委員会としては平成20年10月に、「現状では適当ではないと考えるが、文化・スポーツ行政と観光との連携は重要であり、将来にわたっては検討を要する課題である」と回答したところであります。
その後、文化・スポーツ行政が健康づくりやまちづくり、観光振興など市政全般との連携がますます求められているものと承知しておりますが、現在、国において地方教育委員会制度の見直しが検討されており、中央教育審議会から「今後の地方教育行政の在り方について」の答申があり、「文化財保護を除く文化に関する事務や学校体育を除くスポーツに関する事務は、原則として首長の事務としつつも、地方公共団体の判断で、教育行政部局が担当することができるようにすることを検討する必要がある」とされていることなどから、今後、国の動向などを注視してまいりたいと考えております。
(「議長、10番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)10番、高橋克幸議員。
○10番(高橋克幸議員)丁寧な御答弁ありがとうございます。1点だけ再質問させていただきます。
公共施設等総合管理計画の策定についてです。先ほども述べましたけれども、公共施設の全体を把握して、長期的な視点を持って計画をする、私は非常に大事な視点だと思いますし、今までなぜなかったのかなというのが率直な思いです。
これは学校の跡利用がどうしても絡んでくる内容でありますし、財政の見通しについても関連するという意味では、小樽の将来のまちづくりを総合的に見ても非常に重要な計画だと私は思っております。ただ、平成26年1月に出たばかりで、まだ概要案ですし、具体的なものはこれから出てくると思うので、スピード感を持って、これに当たっての準備をぜひ開始していただきたいと思っているわけです。
私の印象ですが、学校の跡利用についても、どうしても何か場当たり的な、その地域の実情をよくお聞きしながらということもよく理解できるわけですけれども、では市としてまちづくりの観点から、小樽市の将来像から、それぞれの施設をどうしていくのかというものが見えないわけです。こういう計画がないからということもあるのでしょうけれども、そういうことを考えていくと、やはりこれは早急に手をつけていただいて、これは一部局でできる話ではないと思いますので、総合的に検討できるようなチームなり体制をとっていただいて、至急準備をして、先ほど言った財政的な問題、学校跡利用の問題、そして本庁舎も含めた小樽市の公共施設の全体像というものを市民に明らかにしつつ、どういう計画なのかを示していくべきだろうと思いますし、これができることによって、我々議員もこれからの施策の具体的な議論ができるのではないかと思っておりますので、この点についてもう一度市長からの御答弁をいただきたいと思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)高橋議員の再質問にお答えします。
ただいまの問題につきましては全国的に大変問題になっておりまして、公共施設の老朽化というものが一つ大きくなっております。その老朽化施設の建物を除却するというのがなかなか起債でできないということがありまして、この4月から総務省が中心になって、除却することについての起債を認めると、こういうようなことであります、一部条件はありますけれども。
今、お話があったように、本市においても学校施設も含めて老朽化している公共施設がたくさんあります。学校については、老朽化もあわせて適正配置の統廃合というような問題があるわけですけれども、そういったことを含めて早急に計画をつくってまいりたい、このように思っておりますので御理解いただきたいと思います。
○議長(横田久俊)高橋議員の会派代表質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時49分
――――――――――――――
再開午後3時15分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、会派代表質問を続行いたします。
(「議長、19番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)19番、斎藤博行議員。
(19番斎藤博行議員登壇)(拍手)
○19番(斎藤博行議員)平成26年第1回定例会に当たり、民主党・市民連合を代表して質問します。
最初は、平成26年度予算編成に関連して何点か質問します。
初めに、小樽市内の景気動向についてです。
安倍政権の掲げる経済政策、いわゆるアベノミクスは、今年3年目を迎えます。アベノミクスは、大規模な金融緩和に基づくリフレ政策、公共事業を柱とする財政出動による有効需要刺激政策、そして民間投資を喚起する成長政略など、経済理論とイデオロギーがまざり合ったものでできていると考えます。
例えば、アベノミクス効果で物価が上がったとき、賃金が据え置かれたら、勤労国民の生活は大変苦しくなるとの指摘があります。企業業績の改善が賃金引上げにつながらなかった苦い経験が、この指摘の背景にあります。こうした指摘に対して、企業の利潤が増えれば、行く行くはそれが労働者の賃金引上げという形で労働者へも配分され、それが消費需要を拡大し、ひいては企業の投資、事業拡大にもつながり、さらには景気は自律的に好転していくという好循環のシナリオが宣伝されています。これは経済政策というより、強い思いではないかと思います。
なぜかというと、2010年の帝国データバンクの調査では、法人税が引き下げられれば、企業はまずもってそれによって生じた追加資金を内部留保して景気の悪化などの不測の事態に備えようとし、次に固定的な金利負担を軽減して、企業体質を強めるため、借入金の返済を進めます。次に、ようやく賃上げなどによって社員に還元が来て、設備投資の増強はさらにその後に来るという現実が報告されています。
この政策順位を政策的に変えようとしているのが、安倍政権の政治です。日本の総資本の理性は、それを理解しても、個別企業の計算は別物であり、現実の経済政策は違うと考えるのが普通の考えです。
また、アベノミクス効果は、地域において大きな格差が生じているとも言われます。また、大企業と中小企業との格差拡大の心配もあります。
市長は、これまでのアベノミクス効果についてどのように評価されているのか、お聞かせください。
また、小樽市内の企業業績、労働者の賃金状況、雇用状況、個人消費状況への波及についてどのように受け止められているか、お聞かせください。
次に、平成26年度予算案の収支状況では、地方税が伸びない中、実質的な地方交付税が減少すると考えられると説明されています。それを反映して、予算案の税収は市税全体では820万円、率で0.1パーセントしか増えない中、地方交付税が約161億2,000万円で約4億5,000万円、率にして2.7パーセントの減額、また臨時財政対策債も約22億7,000万円で約1億円、率で4.2パーセントの減額になると見込まれております。合計すると、約5億5,000万円の減額です。
確かに、国の平成26年度地方財政計画では、地方交付税は16兆8,855億円で、前年比較では1,769億円の減額になっています。これは都道府県法人事業税の3,110億円を中心に地方税が35兆127億円と前年度比で9,952億円増収になり、一般財源が増えたために、一般財源の不足分を補填する地方交付税は、その分減額になったと説明されています。
しかし、これは東京都など交付税の不交付団体を含んだ全国の自治体の総額の議論であり、小樽市には当てはまらない議論と考えております。小樽市としては極めて不本意だと思いますが、地方交付税等が5億5,000万円減額になると見込まれた算定根拠をお示しください。
次に、平成26年度予算案の歳入の市税についてお聞きします。
個人市民税は今年度予算額が43億3,120万円でしたが、新年度予算では42億8,720万円と4,400万円減額となっております。
最初に、税収のベースとなっている現年課税分の調定額と収納率をお示しください。
次に、平成25年度の決算見込みと併せて平成26年度に減額した理由をお示しください。
次に、法人市民税についてです。
平成26年度予算額は13億5,080万円と、前年度の12億3,300万円に比べて、金額で1億1,760万円、率にして9.5パーセントの増額となっています。これは国の地方財政計画における市町村法人住民税が、平成25年度1兆7,836億円から平成26年度は1兆9,590億円、1,754億円、率にして9.8パーセントの伸び率に近い数字です。法人市民税の現年課税分の調定額と収納率、合わせて9.5パーセントの増額を見込んだ理由をお示しください。
次に、消費税増税に関して質問します。
4月1日には消費税が17年ぶりに3パーセント増税され、8パーセントになります。これによる税増収は約4兆5,000億円と言われています。今回の消費税増税により、国の税収史上初めて消費税収が所得税収を上回ることになりました。平成24年度決算で小樽市の一般会計で支払われた消費税は総額で幾らでしたか、お示しください。
次に、平成26年度一般会計予算では、消費税3パーセント分を幾らと見込んで予算計上されているのか、お示しください。
政府は、消費税増税対策の一つとして、臨時福祉給付金の支給を決定しました。これは市民税均等割非課税者、全国で2,400万人に1万円を支給するほか、65歳以上の老齢基礎年金受給者や児童扶養手当受給者などに5,000円加算するという内容です。小樽市内の給付者数と加算対象者数をお示しください。
次に、住民登録はされていても確定申告をしていないなどの理由で未申告となっている方の扱いはどうするのか。こうした方は小樽市内に多数いられるとも聞いております。さらに、いろいろな理由から住民登録を小樽市に移していない方の扱いはどうなるのか、お聞かせください。
言うまでもなく、税の申告や住民登録の手続のいかんにかかわらず、生活していく以上、消費税は払うことになります。逆進性の強い消費税の増税に当たっては、丁重な対応が求められます。
平成26年度予算案では、臨時福祉給付金給付事業費として約4億4,703万円、また子育て世帯臨時特例給付金給付事業費として約1億1,465万円が全額国庫補助金を財源として計上されています。被給付者の調査、確定、給付までの実務は小樽市がやることになります。先ほど来指摘をしておりますように、その作業は大変だと思いますが、どのような体制で、どのような作業手順で進められるのか、お聞かせください。
また、この方法で十分な増税対策となるかも疑問です。見解をお聞かせください。
次に、国の平成26年度予算では、国民全員に番号を振って課税情報などを集めやすくする共通番号制度の導入に向け、自治体でのシステム構築を支援するため、496億円の予算がつけられました。小樽市における、この制度導入に対する取組の現状をお聞かせください。
この項最後の質問です。
1月30日、国土交通省は、公共事業の予定価格算出に用いる公共工事設計労務単価を全国平均で現行に比べ7.1パーセント引き上げて1万6,190円とすると発表しました。これにより、道内の公共工事設計労務単価も7.5パーセント引き上げられ、1万4,131円となりました。今年の2月1日からの適用です。
国土交通省は、全国で相次いだ入札不調の原因を、公共事業の予定価格が人手不足による職人の賃金の上昇や資材価格の上昇により実勢価格を下回っていたためとし、引上げを決めたものです。
理由は別として、問題は、引上げを発表した時期のことです。小樽市では、平成26年度建設事業費維持補修費を一般会計で45億6,430万円、特別会計2億6,638万円、企業会計94億2,659万円と、合計で142億5,727万円が予算計上されています。今回の発表が1月30日付けですので、新年度予算を編成するときには、今回の公共工事設計労務単価の7.5パーセントの引上げは加算に入っていないと考えます。
今回の引上げにより予想される契約金額の増加は、予算内で吸収されるものなのか、予算補正につながるものなのか心配です。具体的に予算規模2,000万円程度の道路改良工事への新旧の工事費の試算をお示しください。
また、国土交通省は、2月よりインフレスライド条項の適用を従来の東日本大震災の被災地3県から全国に適用する旨発表しました。小樽市におけるこのインフレスライド条項に該当する工事についてお示しください。
以上、1項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)斎藤博行議員の御質問にお答えします。
ただいま、平成26年度予算編成について御質問がありました。
初めに、市内の景気動向と税収についてですが、まず、これまでのアベノミクス効果に対する評価につきましては、日本銀行や財務省などの経済動向の調査結果によると、全国的には改善傾向にあることから、一定の成果は上げていると思いますが、景況判断では大企業に比べ中小企業の値や大都市圏に比べ地方の値が低いことから、北海道をはじめとした地方においては、現段階ではアベノミクス効果が十分に行き渡っていないものと認識しております。
次に、市内の企業業績などへの波及につきましては、小樽商工会議所の小樽市経済動向調査によると、業況のDI値が2期連続プラス値で推移していることや、観光入込客数が好調な状況にあり、建設業の業況感の好転傾向も続いていることから、アベノミクスの効果が全ての要因とは考えておりませんが、市内経済全体として緩やかな回復傾向にあると考えております。
また、賃金、雇用状況につきましては、ハローワーク小樽によると、有効求人倍率が上昇していることから、雇用状況は好転しているものの、新規求人の賃金が昨年より下がっていることから、その改善までには至っていないと考えております。
また、個人消費につきましては、北海道財務局小樽出張所の調査によれば、持ち直していると判断されておりますが、消費税率の引上げ前の駆け込み需要による一面もあり、本格的な個人消費の回復までには至っていないと考えております。
次に、地方交付税等を減額と見込んだ算定根拠につきましては、国の地方財政計画は都道府県分を含むものであり、市町村が地方交付税等を推計する際の国から示された資料を基に、個別算定や包括算定の伸び率、さらには公債費など本市の特殊事情を勘案して積算した結果、減少となったものであります。
次に、平成26年度予算の個人市民税の現年課税分の調定額と収入率につきましては、調定額は均等割1億8,550万円、所得割41億470万円、収入率はいずれも97.5パーセントを見込みました。
次に、平成25年度の決算見込みにつきましては、予算と比べ現年課税分、滞納繰越分ともに調定額の減少が見込まれますが、いずれも収入率の増加が見込まれることから、個人市民税全体では予算額とほぼ同額を確保できるものと見込んだところであります。
次に、平成25年度予算との比較によると、26年度予算の減額理由につきましては、均等割は26年度から税率の引上げに伴い増加するものの、所得割で納税義務者数や所得の減少が見込まれることから、個人市民税全体では減少すると見込んだものであります。
次に、法人市民税の現年課税分の調定額と収入率増額を見込んだ理由につきましては、平成25年度の決算見込みを基に、企業誘致の効果や企業収益の回復などから、現年課税分の調定額は均等割で約4億3,200万円、法人税割で9億2,650万円を、収入率はそれぞれ96.5パーセント、99.7パーセントを見込み、前年度と比較して増額と積算したものであります。
次に、消費税増税についてですが、まず平成24年度一般会計決算の消費税につきましては4億2,000万円程度、26年度の増税の影響額3パーセント分につきましては2億1,000万円程度と積算しております。
次に、臨時福祉給付金の給付対象者数と加算対象者数につきましては、国が示している計算方法に基づいて算出しますと、給付対象者数は約3万2,000人であり、このうち約1万6,000人が加算対象者となりますが、実数については、課税業務が終了していないことなどもあり、お示しできません。
次に、住民登録がされていても、未申告となっている方の対応につきましては、まず市ではこの給付金事業についての周知を行いますが、対象になると思われる方は申請の際に課税所得がない旨を誓約していただくことによって支給対象となります。また、支給後に対象者でないことが判明した場合には、給付金を返還していただくこととなります。
次に、住民登録を小樽市に移していない方への対応につきましては、基本的に平成26年1月1日現在登録している市町村において給付の申請をしていただくことになります。
次に、給付事務に係る体制につきましては、2月21日付けで副市長を本部長とする31名から成る臨時福祉給付金等給付事業実施本部を設置したところであります。また、作業手順につきましては、市民への周知、申請書の受付、対象者への支給という流れになりますが、具体的な作業手順については、現在、検討中であります。
次に、今回の給付措置が十分な増税対策となるものかどうかにつきましては、給付金の額は国が消費税の引上げによる影響額を考慮して決定したものでありますが、その効果については現時点で判断することは難しいと考えております。
次に、共通番号制度導入に対する小樽市の取組現状につきましては、制度の円滑な導入を図るため、昨年7月に関係部署の庶務担当課長等で構成する制度導入プロジェクトチームを設置し、制度内容についての勉強会や国の示すスケジュールの情報共有を行うなど対応を始めております。今後は決められた全国統一のスケジュールに沿ってさまざまな対応を進めていくことになりますが、平成26年度は制度の基礎となる住民基本台帳システムなどの改修をはじめ、個人情報保護のための対応や条例改正の準備などに取り組んでいきたいと考えております。
次に、公共工事設計労務単価とインフレスライド条項についてですが、まず新旧労務単価の工事費の試算につきましては、道路改良工事で旧労務単価で積算した2,072万5,200円の工事は、新労務単価で積算すると2,099万5,200円となり、旧労務単価と比較した場合27万円、1.3パーセントの増額となります。
次に、本市発注工事でインフレスライド条項に該当する工事につきましては、手宮小学校校舎新築工事関連で4件、小樽市立病院統合新築工事関連で6件、水道局発注工事で汚水処理施設共同整備事業機械設備工事の1件、合計で11件の工事が該当になります。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、19番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)19番、斎藤博行議員。
(19番斎藤博行議員登壇)
○19番(斎藤博行議員)新年度予算に関連して、何点か質問します。
初めに、新市立病院建設に関連して質問します。
新市立病院建設工事は、若干の遅れは生じているものの、着実に進んでいます。12月1日開業に市民の皆さんの期待も高まってきています。この9か月間は、現在の二つの病院が従来どおりに診療を続けながら、閉院と引っ越しの準備を進め、並行して新市立病院の開業に向けた準備もするという、業務が大変がふくそうする時期であります。
こうした問題に対処するための一環として、新年度から両病院の医事業務の見直しが行われると聞いています。内容は、現在、両病院にはそれぞれ別の医療事務業者が委託業者として入っているのですが、新年度からはこれを一本化しようとするものです。改めて、なぜこの時期なのかなど、その目的とその際にどのような選定方式が採用されたのか、お示しください。
次に、競争が予想される業者の一本化は、どのような判定基準により業者の決定がなされたのか、お示しください。
また、決定された業者をお知らせください。
次に、委託業者決定から新市立病院開院までの作業スケジュールをお示しください。
次に、新年度からは、新市立病院への統合、そして病院機能強化のため、病院局の組織再編が計画されていると聞いています。新年度から新設されるセクションを中心に、その名称と果たすべき役割などを含めて再編計画をお示しください。
次に、新市立病院開業後から従来市の嘱託員が行っていた業務も相当部分が民間に委託されます。民間に委託される業務と、それらの業務を委託する理由をお示しください。
このことにより、多くの人が11月末に嘱託という職を失うことになります。長年にわたり病院の業務の一端を担ってきた嘱託員に対しては、病院は雇用者責任があると考えます。どのように考えられ、対処しようとしているのか、お聞かせください。
次に、新市立病院開院後の小樽病院解体工事と駐車場整備工事について伺います。
現在の小樽病院の解体工事の入札と契約は、いつごろを予定していますか。
小樽病院の解体工事は敷地が狭く、民家に隣接しており、さらにアスベスト対策も必要な工事になると考えておりますが、工事期間はどの程度を考えておりますか、お示しください。
また同様に、駐車場整備工事の入札・契約時期と工事期間をお示しください。
駐車場が完成するまでは新市立病院には駐車場がない状態が続き、患者さんやその御家族に不便をおかけすることになりますが、その間の対策は検討されておりますか、お聞かせください。
次に、新市立病院の駐車場利用料についてです。
初めに、道内の市立病院の駐車場利用料はどのような状況なのか、お示しください。
新市立病院の駐車場は、非常にいい場所にできます。この駐車場を利用する方には、相応の負担をお願いしなければならないと考えますが、見解を求めます。
次に、子ども・子育て支援事業に関連して質問します
平成26年2月1日現在の保育所待機児童数は市立が6人、民間が18人で、合計24人です。1月1日現在の18人より6人増えています。そのうちゼロ歳児は9人から18人となり、全体の75パーセントを占めています。
私は、待機児童の発生する要因、特にゼロ歳児の受入れを困難にしている要因は、必要な保育士の確保の問題があると考えておりますが、小樽市では待機児童の発生する要因をどのように考えておりますか。
また、市立保育所での対策をどのように講じておりますか、お示しください。
小樽市では、平成22年12月に市立保育所の規模・配置に関する計画、以下計画と言いますが、これを決定しております。この計画において、保育所ごとの入所児童数は3年ごとに見直すとしております。
平成26年度の入所児童数を見直すのは、どこの保育所ですか。
また、どのような考えで削減数を決めたのか、5年間の入所児童数の最大人数との関係を含めてお示しください。
私は、昨年の第4回定例会で、銭函保育所の定員を現行の110人から75人へ大幅削減するのは、定員削減により待機児童を人工的に発生させることになりかねないので、慎重に行うように指摘しました。それに対して小樽市は、銭函保育所は75人にするが、銭函地区としては新たに定員55人の桂岡保育園ができ、地域の枠は130人となり、十分対処していけるとの考えを示しました。確かに数の上ではそうですが、必ずしも計算どおりにはいかないとの話も聞こえてきます。
2月1日現在の入所児童数は銭函保育所82人、桂岡保育園36人、合計118人となっている現状を踏まえ、昨年の答弁に沿った推移となっているのか、新銭函保育所の定員は75人で大丈夫なのか、見解をお示しください。
銭函保育所の定員の議論は、平成27年度の新保育所の定員をめぐる議論でした。そのほかの保育所の平成26年度の定員に関する議論はどこにもありませんでした。計画は、有識者による議論、保護者の声や地域の声、そして議会での議論を重ねてつくられました。新しい定員はいつ議会に報告されるのか、お示しください。
また、計画では、手宮保育所と最上保育所については、平成26年度中にそのあり方について結論を出すとなっています。今後1年間のこの問題に対する取組方針をお示しください。
この問題は、両保育所が仮に存続することになると、平成27年度以降の建替えなどの議論に直結する問題だと考えておりますが、あわせて見解をお示しください。
次に、国は、保育所への入所条件を見直し、パートなど短時間勤務者の子供の受入れを可能にする考えを決定しました。小樽市としては、この考えの変更にどう対処しますか、お聞かせください。
この間、小樽市では、計画の中で、入所児童数は人口や出生数の数の減少に必ずしも比例するものではありませんが、将来的に保育所入所対象となるゼロ歳から5歳までの人口減少に伴う保育需要の減少は避けられないとの考えで、小樽市全体の入所児童数を推計し、市立保育所の役割を特化し、市立保育所の縮小を進めてきました。今回の国の考え方が小樽市の保育需給に与える影響、また前提条件が変わる可能性がある計画の見直しをどのように考えているのか、お示しください。
次に、小樽市は、子ども・子育て支援アンケート中間報告速報を公表しました。調査の目的は、平成27年度から31年度までの子ども・子育て支援事業計画策定に向け、計画の基礎数字となる教育、保育等の需要動向などを把握するためのニーズ調査となっています。調査は就学前児童と放課後児童クラブ児童に分かれておりますが、ここでは就学前児童の保護者に聞いた子供が病気の際の対応と地域子育て支援事業について質問します。
子供が病気のとき、「父親若しくは母親が休んだ」との回答は合わせて94パーセントに達し、「病児・病後児保育を利用したい」との回答は40.3パーセント、利用したい事業形態としては「幼稚園や保育所に併設された施設」46.5パーセント、「小児科に併設された施設」76.4パーセントとなっています。保育所を利用している家庭で最大の問題は、子供が病気となり保育所などの利用ができず、子供の病気も心配ですが、仕事も休めないときです。このことは、既に平成21年12月に出された小樽市保育所の在り方検討委員会報告でも指摘されていますし、計画や総合計画後期実施計画でも取り上げられています。
調査により改めてその重要性が浮き彫りになった病児・病後児保育の問題、新たな子ども・子育て支援事業計画以前の問題として小樽市はどう対処しようとしているのか、お示しください。
次に、地域子育て支援事業についてです。
調査では、13の地域子育て支援事業について知っているか、これまで利用したことがあるか、今後利用したいかとの3項目聞いておりますが、知っていて利用したことがある事業は、こんにちは赤ちゃん訪問事業だけでした。他の項目は60パーセント前後の方がその事業のことを知っているが、利用したことがある、今後利用したいとの答えは30パーセント前後にとどまっています。メニュー自体の検証も必要かと考えますが、この結果についての見解を求めます。
この項最後の質問に、北海道労働局が行った市立と民間の認可保育所と認可外保育所で働く保育士の労働環境に関する調査について質問します。
小樽市長が開設者である市立保育所も調査の対象でありました。
初めに、市立保育所に対する調査の経緯をお聞かせください。
次に、市立保育所の調査結果と指摘事項の有無についてお示しください。
北海道労働局の公表は、調査に回答しなかった施設、回答内容が労働基準法などで問題があった施設、問題がない施設に分かれています。そして、全道の調査結果では、チェックリスト未提出の保育所を中心に認可保育所161か所、認可外保育所59か所の合計220か所に抜き打ち調査を実施した結果、認可保育所140か所、認可外保育所41か所の合計181か所で違反事項が見つかったというものです。違反が指摘された割合は高いと思います。子供を預けている保護者から疑問の声や心配の声が寄せられています。小樽市として今後の対応など、どのように考えているか、お聞かせください。
質問を変えます。
平成26年度当初予算における重点施策では、市内経済の活性化に向けた取組の2番目にクルーズ客船などの誘致受入れに向けた環境整備として、クルーズ客船の誘致推進のために環日本海クルーズ推進事業費182万円、小樽港クルーズ推進事業費1,584万円、またクルーズ客船などに対応する施設の整備のため第3号ふ頭岸壁改良事業費7,440万円、港内泊地しゅんせつ事業費1,800万円、小樽港保安施設改良事業費2,740万円と総額1億3,746万円が計上されています。市長は、2月26日の提案説明の中で、多くの乗船客による観光消費が期待できると述べ、小樽市の経済活性化、小樽観光の振興に向け、クルーズ客船の寄港に大きな期待をかけていることがうかがえます。
初めに、平成25年度のクルーズ客船の寄港回数と乗客数をお示しください。
次に、平成26年度の寄港予定数をお示しください。
次に、クルーズ客船の入港数の増加と市内経済の活性化、小樽観光の振興との関連とその経済的波及効果について伺います。
初めに、クルーズ客船乗船客の入港後の行き先は、必ずしも全てが小樽市内観光とはなっていないと聞いておりますが、下船後の行き先をお聞かせください。
クルーズ客船の寄港によって見込まれる経済効果について観光消費を含め、どのようなものがあり、平成26年度の寄港増を踏まえ、どのように期待しているのか、お聞かせください。
また、改めてクルーズ客船に対する経済効果の調査をする必要もあろうかと思いますが、市長の見解を求めます。
次に、原子力防災計画についてお聞きします。
新年度予算では、原子力防災関係事業費として道補助金200万円を含む225万円が計上されています。これらは原子力防災に必要な資材や機材を整備するためのものですが、連絡通信機器の整備と防災資機材、避難施設備蓄品の整備について具体的に主な内容と予算額をお示しください。
これらの予算措置は、北海道の原子力防災計画に基づき、北海道電力泊原発で重大事故が発生したときに小樽市に避難してくる方を受け入れる際に必要な資機材かと考えますが、これらの資機材は同様に泊原発で重大事故が発生したときに小樽市民の安心・安全確保のためにもどのような働きをするものなのか、お示しください。
原発事故が起きたときに、避難してくる方の受入れや札幌方面への誘導などのためにさまざまな準備をする必要性は否定するものではありませんが、問題は、そうした状況になっているときの小樽市民の安全・安心の確保も大切だということです。
隣の余市町では、事故の際には国道などを使い、小樽経由で札幌市に避難することを基本とした計画を準備しています。余市町の住民が避難しているとき、余市町に隣接する地域の小樽市民はどうするのか、また小樽市民に向かって市長はどう指示するのか。大混乱を回避し、市民の安心・安全を守る小樽市の原子力防災計画の策定が急がれます。計画策定の進捗状況をお示しください。
小樽市の原子力防災計画ができるまでは、それができない理由や責任はほとんどが国の作業の遅れにある点を踏まえ、原発の再稼働には反対の立場を明確にしていただきたいと考えますが、見解を求めます。
最後に、小樽市防災会議において、小樽市が策定を目指している原子力防災計画はどのような議論がされているのか、お聞かせください。
以上で、2項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、新年度予算案に関連して御質問がありました。
初めに、子ども・子育て支援についてですが、まず待機児童の発生する要因と対策につきましては、本市においては国の基準による待機児童はおりませんが、希望する保育所への入所申込みを受け付けした段階で、保育士の配置基準を超えると見込まれる場合は、新たに保育士の募集を行います。その際、速やかな応募がなかった場合には、希望する保育所への入所を待っていただくことがあります。このような状況に対する市立保育所における保育士確保の対策としましては、ハローワークへの募集に当たって、市職員や保育専門学校等に対しても募集についての情報提供を行っております。
次に、平成26年度の市立保育所の児童定員の見直しにつきましては、手宮保育所と赤岩保育所で行っています。見直しに当たりましては、歳児別に直近3年間の当該保育所児童数の平均値を用いることとしています。これにより手宮保育所は90名から5名減の85名、赤岩保育所は115名から10名減の105名となります。手宮保育所と赤岩保育所における過去5年間の最大の入所児童数につきましては、手宮保育所が平成24年度の94名、赤岩保育所が平成21年度の118名であります。
次に、銭函保育所につきましては、定員55人の桂岡保育園ができたことによって、銭函地区としては130人の枠を確保できることから、銭函保育所の定員を75人とするものです。銭函保育所に現在入所している5歳児が卒園した後の4月には64人からのスタートとなり、入所を待っていただくような状態にはならないと考えております。
次に、見直した保育所児童定員の議会への報告時期につきましては、今定例会の厚生常任委員会で報告することとしております。
次に、手宮保育所と最上保育所のあり方の検討につきましては、これまでの入所状況や、さきに実施した子ども・子育て支援アンケートの保育需要に関する調査結果などを踏まえて行っていくこととなります。
次に、国が示した短時間勤務者の就労時間の考え方につきましては、さきに実施したアンケート調査の集計結果や子ども・子育て会議での意見聴取などを踏まえて検討を行うこととしており、本市の保育需給に与える影響につきましては、現時点ではわかりかねるものであります。
また、市立保育所の規模・配置に関する計画につきましては、今後、必要があれば見直し等について検討してまいります。
次に、病児・病後児保育につきましては、さきに実施したアンケートの分析は今後の作業になりますが、これまでの課題として市内の小児科医師が少ないこと、事業実施のための適当な施設がないこと、新たな施設整備には相応の財政負担を伴うこと、運営に関する国の補助が低額であることなどがありますので、これらの課題について引き続き検討してまいります。
また、地域子育て支援事業につきましては、今後、自由記載項目の集計結果なども参考としながら検討してまいりたいと考えております。
次に、北海道労働局による市立保育所に対する調査の経緯につきましては、平成25年4月から5月にかけて、北海道労働局から各保育所に対して労働条件に関する自主点検という形で調査が実施されたもので、市立保育所に対する指摘はありませんでした。また、市内の民間保育所に関する本市の対応につきましては、既に北海道は北海道労働局からの要請を受け、直接各保育所に対して保育所における職場環境の整備への取組に関する要請などの通知を発出しているほか、今回の調査結果に関する確認を行っており、今後、北海道の指導監査で必要な対応が図られますので、本市としても指導結果について把握してまいりたいと考えております。
次に、クルーズ客船と市内観光についてですが、まず平成25年度のクルーズ客船の寄港回数と乗客数につきましては、19回の寄港で8,919人であります。また、平成26年度の寄港予定回数は、現時点で確定しているもので37回となっております。
次に、クルーズ客船乗船客の下船後の行き先につきましては、昨年、勝納ふ頭に寄港した大型客船3隻について観光ツアーを運営する旅行会社に対するヒアリングや、埠頭で職員が直接乗船客にお聞きしたところでは、まずバスツアーが約3割、個人散策が約7割でありました。バスツアーでは小樽市内の周遊や積丹方面の人気が最も高く、遠くは旭川、富良野、美瑛、札幌や定山渓方面へのツアーも催行されております。また、個人散策は、小樽市内では運河周辺、堺町通りかいわい、祝津地区や天狗山方面の人気が高く、移動にはタクシーが多く利用されており、積丹方面や札幌まで足を延ばされる方もいたとお聞きしております。
次に、クルーズ客船の寄港によって見込まれる経済効果につきましては、まず観光消費としては、乗船客や乗組員の土産代や食事代、観光施設の利用料、バスやタクシーなどの交通費のほか、定点クルーズなどでは本市で前泊するケースもあることから、その際のホテルなどの宿泊代金もある程度見込まれております。さらに、その他の経済効果としては、民間においては水先案内料金や綱取り業務収入、船舶に積み込む食材や船用品の販売などの売上げのほか、入港料や係留施設使用料などの市の港湾関係収入が挙げられます。平成26年度は寄港回数が倍増することから、これまで以上に大きな経済効果が見込まれるものと期待を寄せております。
なお、経済効果の調査につきましては、乗船客や乗組員の市内での消費額など把握が難しいものもありますが、新年度は寄港回数の増加とともに、これまでに例のない大型客船の寄港が予定されておりますので、改めて可能な範囲で旅行会社や乗船客などに聞き取り調査を行ってまいりたいと考えております。
次に、原子力防災計画についてですが、まず原子力防災関係事業費の主な内容と予算額について、連絡通信機器につきましては、衛星携帯電話機や防災行政デジタル無線の携帯型無線機、小電力トランシーバーの購入費などで約78万円となっております。また、防災資機材の整備につきましては、放射線量測定器の点検校正費や公用車の賃貸料などで約52万円、避難施設備蓄品の整備につきましては、避難所用毛布の購入費が約95万円となっております。
次に、避難者を受け入れる際に必要な資機材の小樽市民の安心・安全確保に対する働きにつきましては、衛星携帯電話をはじめとした通信機器については、北海道や他市町村及びその他の防災関係機関、広域避難者の受入先となるホテル等との連絡に用いるもので、これらの通信機器を整備することにより、迅速で正確な災害情報の収集や伝達が図られ、市民の方々への情報提供にも寄与できるものと考えております。
また、避難施設備蓄品の毛布については、広域避難者が市の公共施設等での滞在が必要となった場合には、寒さ対策や寝具として整備するものですが、市民の方々の避難が必要となった際の安全確保にも役立つものと考えております。
次に、原子力防災計画作成の進捗状況についてですが、原発から半径30キロメートル圏外に位置する自治体にとって、原子力防災計画を策定するためには、国が示す基準に基づく必要があります。しかしながら、30キロメートル圏外のいわゆるPPAの設定や防護措置について現在のところ国からは何も示されていない状況ですので、市としては具体的な基準が示された段階で着手してまいりたいと考えております。
次に、原発の再稼働に対する私の立場についてですが、これまでも申し上げておりますとおり、原発の再稼働は安全性の確保が最優先であり、原子力規制委員会において安全性について厳格な審査、確認を行っていただき、事業者においても、その審査結果に真摯に対応していただきたいと考えております。
いずれにいたしましても、私としては、再稼働についてはそのプロセスも含め、規制基準に基づく安全性の確保、電力需給、社会、経済への影響などを踏まえ、国の責任において総合的に判断されるべきものと考えております。
次に、小樽市防災会議における原子力防災計画についての議論についてですが、昨年8月に開催した小樽市防災会議において、原子力災害発生時に広域避難をする方々の受入れ態勢や万が一本市に影響が及ぶ場合の市民の安全確保などについて、今後、検討が必要になることを委員の皆様にお話をしたところですが、国の基準が示されていない中で、現時点では具体的な議論には至っておりません。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)病院局長。
○病院局長(並木昭義)斎藤博行議員の新病院建設に関連しての御質問にお答えいたします。
初めに、医事業務委託の一本化の時期、その目的と選定方式についてのお尋ねがありました。
両院が一日も早く一つの病院として機能し、新病院開院時に円滑に医事業務を遂行するためには、両病院の医事業務の運用統合を図る必要があることから、これまで両院で別々の事業者に委託していた医事業務について、平成26年度当初から一本化するものであります。
また、今回の医事業務委託候補者の選定に当たっては、通常の医事業務に加え、新市立病院開院に向けて両病院の運用をいかに円滑に統合するかということが重要ですので、それらを評価できるプロポーザル方式を採用したものであります。
次に、業者選定の判定基準についてのお尋ねがありました。
判定基準は、業務推進体制について、現病院における経営改善への提案について、新病院に向けた現病院での取組について、新病院における経営改善への提案について、費用についての五つの大項目を設定し、それぞれに詳細な評価基準を設けました。特に、両病院を管理統括する体制と新病院準備計画の実効性や両病院の運用の統一計画をどのように考えているかなどについて重点的に評価いたしました。
これらの評価項目について、市立病院医事業務委託業者選定委員会により、総合的に審議を行った結果、現在、医療センターの医事業務受託者である株式会社ニチイ学館を最優秀提案者と決定いたしました。
次に、新市立病院開院までのスケジュールについてのお尋ねがありました。
昨年12月25日に最優秀提案者を決定した後に、当該業者と病院局で委託内容決定に向けての打合せを随時進めております。また、人員の確保対策や小樽病院の医事業務受託者との業務の引継ぎを精力的に行い、円滑な業務移管に向けて万全を期しております。
平成26年度は、まず4月から11月まで両市立病院の医事業務委託契約を締結し、この間に医事業務の運用の統合作業などに取り組むとともに、新市立病院での業務内容を整理し、新病院について改めて12月から3月までの医事業務委託契約を締結したいと考えております。
次に、新年度からの組織再編についてのお尋ねがありました。
まず、診療体制の充実を図るため、医師の増員に合わせて、小樽病院医局に呼吸器内科、医療センター医局に神経内科を新設いたします。
次に、これまで医局に所属していた医療技術職員の指揮命令系統や業務内容を明確にするため、小樽病院においては、医療技術部に視能訓練科を新設し、医局眼科所属であった視能訓練士を配置します。
医療センターにおいては、デイケア業務、医療相談業務、臨床心理業務、作業療法業務、訪問看護業務を集約し、精神科医療センターを設置し、医局精神科所属であった作業療法士、医療相談員、看護部所属であった看護師を配置いたします。
また、認知症疾患への対応といたしまして、医療センターに認知症センターを設置し、精神保健福祉士を専従配置いたします。
専門部門においては、新病院での統合を見据え、医事事務職を配置している両院の事務課医事係と医療情報管理室を統合し、経営管理部医事課を設置いたします。
以上の組織再編を行い、新市立病院の開院準備を進めていくものであります。
次に、新市立病院開院時における嘱託員業務の民間委託化についてのお尋ねがありました。
病院事業における業務の民間委託化は小樽病院改革プランにも掲げていた項目であり、外部評価委員会からもアウトソーシングが可能な業務活動を再検討し、さらなる見直しが必要であるとの指摘もありました。そのため、直接職員からの指揮命令系統を必要とせず、業務が標準化されているコメディカルの助手業務などを民間委託するものであります。この民間委託化は現病院の組織の改廃に伴うものとなりますが、これにより職を失う嘱託員につきましては、委託先での雇用の継続を申し入れるなど、配慮してまいりたいと考えております。
次に、新病院開院後の小樽病院解体工事と駐車場整備工事の入札及び契約の時期と工事期間についてのお尋ねがありました。
まず、解体工事は、新病院開院後速やかに解体作業に着手できるよう、本年度秋ごろには入札等の手続を行い、来年夏ごろまでの完了を予定しております。
また、駐車場整備工事につきましては、解体工事と工程や工事内容が重複する部分もありますので、解体工事と同時期に入札したいと考えており、工事の完了は来年秋ごろを予定しております。
次に、新しい駐車場が完成するまでの対策についてであります。
現病院の解体工事中は、工事敷地内の安全確保の観点から、現在、駐車場としているスペースの利用は困難と考えております。このため、新しい駐車場が完成するまでは、周辺の民間駐車場等を仮駐車場として確保するなどの対策を検討しているところであります。
いずれにしても、十分な駐車スペースを確保することは困難なことから、病院を利用していただく市民の皆様には御不便をおかけすることになります。そのため、なるべく公共交通機関の利用をお願いするとともに、現病院の解体工事及び駐車場整備工事を効率的に進め、一日も早い完成を目指してまいりたいと考えております。
次に、道内の市立病院及び新病院における駐車場利用料金の設定についてであります。
昨年12月時点の調査では、道内の同規模市立病院13のうち、10の病院では駐車料金を無料としております。三つの病院は、駐車時間や利用者の種別によって、1時間100円程度を徴収するなど、原則として有料としております。新病院では、これらの市立病院や市内の公的病院の事例も参考にしながら、立地条件や利用者区分なども考慮して有料とするか無料とするかなどを検討してまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、19番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)19番、斎藤博行議員。
(19番斎藤博行議員登壇)
○19番(斎藤博行議員)3項目めの質問を行います。
4月から自治基本条例が施行されます。市民の皆さんと市の職員と私たち議員が小樽のまちづくりについて共通のルールを持って議論できるようになります。そこでは、説明責任と情報の公開が大切になります。小樽市自治基本条例をより深めていきたい、そんな立場から質問をいたします。
初めに、予算編成過程の公開について質問します。
私は、小樽市自治基本条例づくりの議論の中で、この条例の必要性について、少子高齢化が進み、市民ニーズが多様化する中で、限られた予算を有効的に活用したまちづくりを進めるため、選択と集中が求められていると訴えてきました。このことは予算編成過程についての説明責任が一層重くなってきていることを意味すると考えます。
平成26年度予算案は、一般会計約561億900万円、特別会計約350億9,000万円、企業会計約336億9,000万円で、全会計合わせ約1,249億7,000万円というものです。今、私たちが目にしている予算案は、財政部長査定や市長査定をクリアしたものです。つまり選択と集中に基づく作業の結果ですので、高い完成度をもって私たちに提案されています。問題は、どのような選択と集中が行われたかです。従来、小樽市では予算編成過程は公開することを想定せずに作業を進めていたと聞いておりますが、可能な限り平成26年度予算編成過程についてお答えください。
最初に、平成26年度の予算編成に際して、各部局から出された要求額を部局ごとにお示しください。
次に、査定の結果、決定された予算額を部局ごとにお示しください。
あわせて、その過程で削減された予算の主なものをお示しください。
こうした質問事項は、札幌市においては昨年11月上旬に平成26年度予算要求の概要、12月下旬に平成26年度財政局査定状況、そして今年の1月に入ると市長査定状況という形でホームページに公表され、それぞれの段階で市民の意見を求めています。予算要求の段階が公表されることは要求する側の考えについても説明責任が求められ、査定の過程が公開されることも同じように説明責任が求められます。予算編成の入り口から出口までが公開されることにより、いい意味での緊張関係が生じ、そのプロセスに市民の目が向くようになると考えます。
小樽市における最高の権力行使である予算編成過程を、小樽市自治基本条例にある情報公開と情報共有の考えに立ち、市民参加を可能にするためにも予算編成過程を公開すべきと考えます。予算編成過程の公開に対する市長の見解と、あわせて当面考えられる実施に向けた課題などがありましたら、お示しください。
次に、小樽市で行われている行政評価について伺います。
「平成25年度行政評価(試行)の実施結果について」が、昨年12月に総務常任委員会に資料として提出されました。その資料によりますと、行政評価の目的は行政評価をツールとして活用し、職員の業務に対する目的や成果、コスト意識の醸成を図るとともに、必要な点検や見直しと効果を把握する中で今後の方向性を整理し、継続して業務の改善と改革を図ることにより、持続可能な自治体経営につなげることを目的とするとあります。
初めに、評価の対象は一般財源の額が大きいものとなっております。小樽市では過去に財政健全化に向けて事務事業の見直しを実施したことがありますが、こうした取組との違いはどこにあるのか、お示しください。
次に、現在は評価手法の確立に向けた試行となっていますが、どの部分が確定できずに試行とされているのか、お示しください。
次に、行政評価の進め方は、一次評価段階では、最初に評価の視点として市が実施する必要性、公共性、妥当性、次に事業の有効性と効率性、そして事業の改善の可能性の3点を整理し、さらに必要性、緊急性、優先性により各部局による自己評価が行われています。その結果、今回対象となった18事業は、今後の方向性として「休廃止・終了」が1事業、「要改善」が2事業、「拡大」が2事業、「現状維持」が13事業と判断されました。しかし、次に行われた二次評価の結果では、「要改善」が五つ増えて7事業に、「拡大」は2からゼロに、「現状維持」は3減して10事業となりました。変更がなかったのは「休廃止・終了」の1事業だけです。二次評価については庁内総合評価となっていますが、具体的にはどのような形で、また、どのような基準で評価が行われたのか、お示しください。
試行といっても、一定の結果が出される事業もあると思います。平成25年度行政評価の結果が平成26年度予算案に反映されている事業などがありましたら、お示しください。
事業評価の結果は、現在行われている各事業について担当部局がどのように考えているのかを知る点において、大変重要な意味を持っています。評価調書の取りまとめと報告書の作成は総務部企画政策室が行っています。総務部企画政策室が担当する意味をお示しください。
現在は担当が総務部企画政策室のため総務常任委員会報告との扱いになっていると考えていますが、その内容は市役所の業務全般に関する評価です。その報告書の議会への提出に際しては、各常任委員会に報告事項としてまとめることを要望しますが、いかがでしょうか。
最後に、第6次小樽市総合計画後期実施計画に関連して質問します。
初めに、第6次小樽市総合計画後期実施計画をまとめるに当たって、前期実施計画の進捗状況などについてどのような総括がなされたのか、お示しください。
この時期に後期実施計画を考えるときどうしても避けられない現実として、3・11東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故があります。後期実施計画策定に当たり3・11をどのように考えられたのか、また計画のどの部分に反映されたのか、お示しください。
このたび示された後期実施計画では、前期実施計画では記載がなかった小樽市の原子力防災計画に関する記載が載せられました。そのことは評価するものですが、記載が原子力災害対策となっております。原子力災害対策の中身をお示しください。
次に、新エネルギー政策についてです。
旧来の考えでは、新エネルギーは二酸化炭素削減や地球温暖化問題として記載されておりました。しかし、あの原発事故を経験してからは新しいエネルギー政策、つまり再生可能エネルギーの活用による脱原発の推進が将来に対する大きな責任と認識されるようになったと考えています。後期実施計画策定に際して、そうした認識は持たれたのか、お聞かせください。
また、それらの考えが計画のどこに反映されているのかも、お聞かせください。
次に、総合計画と市長公約との関連についてお伺いします。
かつて小樽市においても、運河問題や築港地区再開発問題など、まちを二分して議論が交わされるような課題があり、市議会議員選挙の争点となったり、市長の選挙公約として重要な課題となってきました。市長選挙と総合計画の対象とする時期、計画づくりの時期、見直しの時期とは必ずしも一致しません。そうした中で総合計画の記述と違う考えの公約を掲げた方が市長になったとき、総合計画と市長公約との違いはどのようにして解消されるのか。
例えば、前回の市長選挙の争点の一つであった新市立病院問題について、総合計画では公立病院として二つの市立病院の統合新築を掲げておりますが、3候補者のこの問題の経営形態と規模に関する考えは、北海道新聞の平成23年4月1日の記事によりますと、中松市長は現計画踏襲、災害拠点を担える規模388床と話されておりますが、ある候補は200床に縮小、事業費半減し独法化と、また、ある候補は早期民営化、市は病院から手を引くとあります。このように進行中の総合計画の記載が包容できる範囲、限度を超えた公約を掲げる市長が仮に出現したときの総合計画の扱いはどうなるか、お聞かせください。
次に、地方自治法上の裏打ちがなくなった総合計画は、その策定根拠をどこに置いているのか、お示しください。
最後の質問です。
総合計画のあり方について、全国各地では市長公約との関連を明確にするためなどの理由から、選挙時期と合わせて8年計画の4年サイクルで見直していく市や総合計画の進捗状況を市民の皆さんにお知らせするため、一覧表にまとめて毎年全戸配布する市、総合計画にない事業は行わないと条例で定める市など、総合計画をより市民の皆さんに近づけるための努力と工夫が取り組まれています。
今は第6次総合計画後期実施計画の議論をしていますが、もうすぐ次の総合計画策定の準備作業が始まります。次の小樽市総合計画の策定日程や制度設計はどのように考えられているのか、他の自治体の動向を踏まえた見解をお示しください。
再質問を留保し、質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、自治基本条例に関連して御質問がありました。
初めに、予算編成過程の公開についてですが、まず各部局からの要求額につきましては、公開を前提として資料をまとめておりません。
また、現在提案しております一般会計予算案の各部局ごとの予算額につきましては、金額の大きい順に福祉部180億1,000万円、総務部95億7,000万円、財政部93億9,000万円、医療保険部65億6,000万円、教育部30億1,000万円などとなっております。
なお、編成過程で査定した主な事業としては、維持補修費で優先度や緊急性を勘案して査定した事業があるものです。
次に、予算編成過程の公開に対する見解と課題につきましては、本市では、財政に関する情報公開として、広報誌やホームページに予算、決算の状況などを掲載しているほか、平成25年度予算編成からは予算編成方針についてもホームページで公開してきたところでありますが、全国の自治体の中にはそのほか予算編成過程や予算ヒアリングの公開などを行っているところもあり、各自治体により取組の状況は異なっていると認識しております。
また、本市が実施する場合の課題といたしましては、公開する内容や方法、そして時期により、これまでの予算編成日程を変更する必要があると考えております。いずれにいたしましても、引き続き他都市の状況などを参考にしながら研究してまいりたいと考えております。
次に、行政評価についてですが、まず過去に実施した事務事業の見直しとの違いにつきましては、平成15年当時に取り組んだ事務事業の見直しは、極めて厳しい財政状況の中で財政健全化の視点で収支改善のため、聖域なく全ての事務事業と歳入について見直しを行ったものであります。
一方、現在行っている行政評価は、選択と集中の観点から限られた行財政資源を効果的に配分し、効率的な行政運営を目指す目的で実施するもので、歳出の削減のみを目的としているものではないということに違いがあります。
次に、評価手法のどの部分が確定できずに試行としているのかということにつきましては、行政評価は業務の改善に向けた点検作業として毎年度継続して実施すべきと考えますが、これまでの試行では客観的な評価指標の設定や膨大な作業量など解決すべき課題が多く、本格的な実施に至りませんでした。こうした経緯を踏まえ、昨年度からより継続性のある評価手法の確立に向け、評価調書や指標の設定についての見直しに主眼を置き、対象事業数の絞り込みなどを行いながら、試行として実施したところです。
次に、二次評価の具体的な実施方法や基準につきましては、まず総務部と財政部が各部局から提出された一次評価の事業評価調書について、改めて全庁的な観点から事業の必要性、有効性、効率性などマニュアルに定めた一次評価と同じ視点で点検し、一次評価を行った部局と内容の確認や調整を行った上で二次評価に向けた案を作成しました。その後、総務部から私が二次評価案についての説明を受け、市政の総合的な推進を図る観点から、必要な修正等を行った上で、評価を確定したものであります。
次に、平成25年度の評価結果が平成26年度予算案に反映されている事業につきましては、評価結果が「現状維持」とされたもの以外の8事業のうち、「要改善」とした空き店舗対策支援事業費については、評価結果を踏まえ、従来の商店街振興だけではなく、移住促進施策の推進にも資するよう、移住により新規に起業する方も対象に含め、予算計上いたしました。
次に、評価調書の取りまとめなどを行う担当部局につきましては、先ほどのお答えにもございましたが、行政評価は収支改善のための歳出の削減を主な目的とした事務事業の見直しとは異なり、事業の選択と集中の観点から事業の内容を全庁的な観点で点検、見直しを行うものであり、所管を総務部として実施しております。
次に、評価結果の議会への報告につきましては、先ほどからのお答えにもございますとおり、行政評価は一次評価を行った各部局の考え方や意見などを基に、総務部と財政部が中心となって二次評価に向けた案の作成を行っており、個別の事業の最終的な評価結果だけではなく、全庁的な観点で行った評価のプロセスについては、総務部と財政部が所管し、整理を行っております。このため、対象とした個々の事業評価調書は全ての議員に配付いたしますが、行政評価の実施結果全体に係る報告としては、総務常任委員会で行うことが望ましいと考えておりますので、常任委員会ごとに報告事項としてまとめることは考えておりません。
次に、第6次小樽市総合計画後期実施計画についてですが、まず前期実施計画の進捗状況につきましては、懸案でありました市立病院統合新築事業をはじめとして、おおむね着実に実施できたものと考えております。
総合計画の各施策に設定した成果指標の達成状況から判断しますと、順調に推移しているものといたしましては、子供たちの安全・安心な教育環境を確保する小・中学校の耐震化や子育て環境の充実を図る延長保育の拡大など、学校教育、子育て支援の施策が挙げられます。
また、これまで力を入れて取り組んできた企業誘致の実績として、操業を開始した企業数や新規雇用者数が着実に増えている工業・企業立地、雇用労働の施策のほか、国内・国際交流では、海外からの観光客誘致の取組により、外国人宿泊客数が増加している状況にあります。
一方、市街地整備や商業の施策において、成果指標としている中心市街地の居住人口や年間商品販売額は減少傾向にあります。
次に、後期実施計画の策定に当たり、東日本大震災や原発事故をどのように考え、反映させたのかについてですが、東日本大震災では津波及び原子力発電所の事故による被害が甚大で、これまで想定されていた災害規模を大幅に上回ったことから、本市地域防災計画の中で原子力災害対策などを位置づける必要があると考えたものであります。このため、後期実施計画では、まちづくり五つのテーマの一つである生活基盤を構成する施策の防災危機管理の中で、災害応急活動体制の確立における事業に地域防災計画への津波避難対策や原子力災害対策などの追加の検討を盛り込んだところであります。
次に、後期実施計画における原子力災害対策の内容についてですが、国からは現時点でPPAの設定や防護措置について示されていないことから、具体的内容は決まっておりませんが、UPZ圏内の市町村に義務づけられている地域防災計画(原子力災害対策編)の国の作成マニュアルでは、連絡体制の整備などを定めた原子力災害事前対策や応急活動体制、屋内退避等の防護措置などを定めた緊急事態応急対策事故後の風評被害等の影響の軽減などを定めた原子力災害中長期対策を講じることとしておりますので、本市の原子力災害対策の内容もこれらを踏まえたものになると考えております。
次に、計画策定における新エネルギー政策への認識についてですが、東日本大震災における原発事故以来、従来の地球温暖化対策やエネルギー資源の枯渇対策などに加え、原発の依存度を下げる観点からも再生可能エネルギー導入拡大の重要性がますます高まっていることから、再生可能エネルギーの推進は必要なものと認識しております。このため、後期実施計画では、まちづくり五つのテーマの一つである環境保全を構成する施策の中の事業の一つとして、新たに再生可能エネルギー等の導入、普及促進に向けた検討を登載いたしました。
次に、総合計画の記載と公約が異なる市長が就任した場合の総合計画の扱いにつきましては、総合計画は多くの市民の皆さんや総合計画審議会、市議会などの意見や議論を踏まえた上で策定し、基本構想については議決されたものであることから、民意を反映したものであります。
また、総合計画とは異なる公約を掲げて当選した市長も、民意が反映された結果であることから、それぞれ尊重しなければならないものでありますので、その内容や社会情勢などの状況を見て、取扱いを判断することになると考えております。
次に、総合計画の策定根拠につきましては、現総合計画は平成21年度に策定したことから、その根拠は改正前の地方自治法にあります。その後、平成23年の地方自治法の一部改正により、基本構想策定の義務づけはなくなりましたが、総合計画はまちづくりの指針となる本市行政運営の基本的方向を示すものであることから、自治基本条例において「将来的な展望に立って、市の施策の基本的な方向を総合的に示す計画を策定します」と規定し、次期計画の策定根拠を置いたものであります。
次に、次の小樽市総合計画の策定日程や制度設計につきましては、現総合計画の庁内会議設置が平成18年7月であったことを踏まえますと、平成28年度には具体的な策定作業に着手しなければならないものと考えております。
また、現総合計画は計画期間を10年間とし、基本構想、基本計画、実施計画の3層で構成しております。この計画期間や構成は全国でも一般的なものですが、地方自治法の一部改正により他の自治体では構成を見直す動きなども見られますので、どのような形態の計画とするか、引き続き他都市の状況を調査しながら、方向性を決めてまいりたいと考えております。
(「議長、19番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)19番、斎藤博行議員。
○19番(斎藤博行議員)それでは、何点か再質問させていただきます。
最初に、地方交付税の減額の部分からですけれども、経過は質問でも言いましたし、答弁でもお聞きしました。ただ、改めて認識として地方交付税の役割というのが地方自治体ごとの財政力の差の調整というのが大きな役割の一つだというふうに習うわけなのですが、それが十分働いているのかと。そのことについて市長はどんなふうに思われているか、まずお聞きしたいというふうに思います。
それから二つ目は、今日の待機児童の答弁の中で、従来小樽市、特に私は厚生常任委員会で議論させてもらうのですけれども、その保育所の待機児童の扱いについては国が基準を変えたものですから、新基準、旧基準という言い方をするのですが、小樽市は従来から実態を反映するのは昔の基準だというようなことで、それぞれ保育所をめぐる議論では、旧基準をベースにして資料をつくってもらったり、議会での議論をさせていただいているのですけれども、今日いただいた答弁についても旧基準に基づいているのかが、聞き取れなかったものですから、そこを確認したいというふうに思います。
それから、保育所関係で言うと、手宮保育所と最上保育所の部分については、これからの議論になるのは十分わかるのですけれども、当然、地域住民との関係とか利用者との関係、議会での議論等を考えたときに、この手宮保育所の見直しなどの判断をするタイムリミットというのは、どの辺を想定したらいいのか、どの辺にあるのかというのをどういうふうに考えているかをお聞かせいただきたいというふうに思います。
それから、原発の関係で、前も同じ質問をしているので、市長も同じ答弁だというのはおっしゃっていますけれども、市長が考えている再稼働については、安全性が確保されて電力需給などを意詰めたり、重要なエネルギー政策だと、そういったことを考えて判断していくのだけれども、最終的には国の判断だろうというのが市長がおっしゃっていることだと思うのです。それはそれで私はいいとは言えないけれども、そういうお考えだというところは私もわかっているのですが、問題は仮に国の作業が進んでいったときに、特に泊原子力発電所は再稼働の申請をしていますから、仮に市長が言っている条件がクリアされたということで、国が泊原発の再稼働に動き出したときに、小樽市のようないわゆる30キロメートル圏内の自治体に隣接している、30キロメートル圏外の自治体に原子力防災計画がなかったときにどうするのですかと聞いているわけなのです。
ですから、要するに再稼働の条件は、市長が考えていることもあろうかと思いますけれども、仮に小樽市を含めた30キロメートル圏外の自治体で原子力防災計画の準備が整わないうちに、原発の再稼働に直面したときにはどうするのですかというのが質問の根底にあるわけですから、そういった意味では、やはり30キロメートル圏内の自治体に隣接する地域を置いてきぼりにしない意味でも、やはり防災計画づくりを国の責任でやると言っているならきちんとやってもらって、全国で30キロメートル圏内の自治体に隣接するところも防災計画がない以上は再稼働に反対してもらいたいと、そういった趣旨で質問しておりますので、もう一度御答弁をいただきたいというふうに思います。
それから、最後ですけれども、予算編成過程の公開の部分です。質問をつくっているときにもいろいろ議論しながらつくらせていただきましたけれども、要は今年度は想定していないことは了解しました。ただ、今後の問題として、内容や方法や時期なんかについて研究していくという御答弁をしていただいているわけですので、この答弁の趣旨は、実施に向けていろいろ研究していくと、そういった答弁だというふうに受け止めてよろしいですかと再確認させてください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)斎藤博行議員の再質問にお答えしたいと思いますが、私は原発の再稼働について答弁をさせていただきたいと思います。あとは担当部長から答弁をさせていただきたいと思います。
原発の再稼働につきましては、何度も申し上げておりますように、やはり原子力規制委員会の中で厳格な安全ということについてしっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。それに基づいて事業者である北海道電力、それから国が安全ということについてしっかり取り組んでいただいた上で再稼働についてのゴーサインを出していただければというふうに思いますし、現状どういう状況になっているのか承知しておりませんけれども、私としては原子力発電所の再稼働についての知見ということについてはなかなか持ち合わせておりませんので、やはり原子力規制委員会、国、事業者、こういったところにしっかり取り組んでいただきたい、こういうことでございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)財政部長。
○財政部長(堀江雄二)交付税の関係と予算編成過程の公開の件について、2点答弁させていただきます。
まず、1点目の地方交付税の関係、恐らく交付税の持っている財源調整機能のお話かと思います。
今回の交付税につきまして昨日も答弁させていただいたのですけれども、国から示されている資料の下に小樽市の独自の部分も勘案しながら交付税を算定したところでございますが、確かに国の伸び率から比べると小樽市の落ち率が大きいという積算結果にはなってございます。
詳細の地方交付税につきましては、例年7月の半ば過ぎに決定しております。詳細の補正率だとかそういうものは恐らくこれから交付税の算定の中で決めていくと思いますので、その中で小樽市の現状と、もし合っていない部分が見られるとすれば、地方交付税法の中にございます国に対する意見の申出、そういう中で小樽市の現状との乖離がある部分については国に言っていかなければならないと考えてございます。
従前においても税で個人住民税の所得割というのがございまして、そのときに、今の記憶で申しわけございませんけれども、10万都市につきましては数億円単位で乖離があったという記憶がございます。そのときも他市と共同して道にその意見の申出をした記憶がございます。その結果として、国で、当該年度ではないのですけれども、後の年度等々で交付税の穴があく分につきまして資金手当の制度を設けていただいたという記憶もございます。交付税の詳細な算定につきましては、これからですけれども、現状だけを見ますと、なかなか国の伸びとは合っていないのかというふうには思ってございます。
それからもう一つ、予算編成過程の公開ということでございますが、他の自治体におきましても、その公開がだんだん進んできているというのも事実でございます。小樽市におきましても、今後そういう方向に向けてどういうものを公開していくのか、どういう表を公表していくのか、そういうものを含めまして、今後、検討、研究させていただきたいと思います。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)福祉部長。
○福祉部長(三浦波人)斎藤博行議員の再質問にお答えいたします。
まず1点目は、待機児童の定義のことですけれども、今回答弁でお示ししている入所をお待ちいただいているという概念は、旧基準で言う待機児童になるものというふうに思います。
それからもう一点、手宮保育所と最上保育所の見直しのタイミングについてでございますけれども、市長の答弁にありますような課題がありますので、現時点では具体的にいつということは申し上げられませんけれども、今は平成26年度中ということで申し上げておりますので、その点御理解をいただきたいというふうに思います。
(「議長、19番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)19番、斎藤博行議員。
○19番(斎藤博行議員)一つ、原発の関係なのですけれども、市長の言っていることは何回も聞いているから、もうお互いに同じことをやり合っているのでわかっているのです。ただ、問題は、そういう一方の流れと、小樽市の原子力防災計画づくり、小樽市民を守るための原子力防災計画づくりのタイミングが遅れてしまっていて、例えば小樽が情報を待っているのだけれども、来ないままずっと待っていたと。ところが、国が、何かの拍子で再稼働の話が動き出して、先ほど市長が言っているような条件もクリアされたので、原発が作動してもいいですよという状況が来たら困るわけです。だから小樽市は原子力防災計画をつくると言っているというふうに私は理解していますので、そのタイムラグが生じたときに、それだったら原発の再稼働は待ってくれと言わないと、小樽市民の安心・安全が守れないのではないでしょうかと聞いているので、片一方のほうの市長の考えはよくわかります。ただ、問題は、それと小樽市の原子力防災計画づくりをどこでコミットさせるのかという部分をもう一度説明していただきたいというふうに思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)斎藤博行議員の再々質問にお答えしたいと思いますが、今申し上げていることは、私どもも原子力防災計画というのはまだつくっていないということで、これは今、国がなかなか示してくれないということでございますので、待ってたらいつ出てくるのだということがありますので、これを内部的にはやはりできるだけ何とかつくれないかということで、今、議論をしているところであります。それは、いつまでにということは申し上げられませんけれども、仮にその防災計画があったとしましても、今、議員の質問の中で言うと、再稼働というようなことについては繰り返し同じことになるのです。
ですから、原子力規制委員会が泊原発について安全を確保したのかどうかという問題が一つ。その上で確保しましたと、安全でありますというふうに規制委員会がお話ししました。それから、国もそれについては安全だというふうに認めました。それについて事業者である北海道電力が規制委員会が決めたことについて粛々とやはりきちんと対応していただきたい、事業を進めていただきたい、こういうことで、再稼働についてはどういう形になりますかわかりませんけれども、私の考えとしては、そこのところをしっかり取り組んでいただきたいということでございます。
○議長(横田久俊)斎藤博行議員の会派代表質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後4時58分
――――――――――――――
再開午後5時15分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、会派代表質問を続行いたします。
(「議長、5番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)5番、成田祐樹議員。
(5番成田祐樹議員登壇)(拍手)
○5番(成田祐樹議員)一新小樽を代表して、会派代表質問を行います。
最初の項目として、新年度予算案の基本的な考え方について伺います。
中松市政も来年度で4年目を迎えることとなり、1期目の仕上げとなる時期になりました。ただ、本市の財政は硬直化したままで、独自の施策を反映させるのが難しい中、どの予算を実際に反映させるか、非常に頭を悩ませる展開であったことは容易に察しがつきます。
その中で、中松市長は新年度予算の重点施策として、防災、経済、教育、子育て支援を軸として盛り込まれた点に関しては、多くの人からの要望を反映させた予算案であるとともに、私にとっては従来から強く要望していたことが反映されつつあることに感謝を申し上げたいと思います。
しかしながら、小樽市政が抱えている問題は山積しており、今後、小樽市政がどのような方向性を持って進むのか、大枠の真意を聞かなければならない点が幾つかございます。それは人口減にかかわる問題であったり、インフラに関してであったり、本市の将来像にかかわる部分です。今後の中松丸のかじをどちらに切って市政を運営されるのか、この定例会にて確認させていただければと思います。
主要施策の中で個別の政策を見ていくと、その予算がつけられたときだけ効果のある一時的なカンフル剤よりも、種をまき芽を出すための育てる政策が多いように感じられました。即効性という意味では物足りないという見方もありますが、一方で堅実に小樽に根づく施策を実施しているとも言えます。ここで、中松市長にとって、今回つけられた予算については、どのような思惑や考え方によって策定され、予算づけがなされたのか、見解をお聞かせください。
種をまき芽を出すといった施策は、根がしっかり張ったときの力強さがある一方で、継続性も必要となります。実施し始めた施策に水をまいて育てるという過程も必要になり、時間をかけて育てていくものと思いますが、中松市長の任期はあと残り1年となりました。昨日の北野議員の質問では進退を明らかにしませんでしたが、市長がかわってしまえばその施策も続かず、変わってしまう場合があります。これらの施策は平成27年度以降への継続性についてはどのように考えているのか、市長の見解をお聞かせください。
せっかくまいた種や芽を枯らしてしまうことになるのであれば、それは残念でなりません。市長のお答えを伺います。
以上、最初の質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)成田議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、新年度予算案について御質問がありました。
初めに、基本的な考えについてですが、今回の重点施策の考え方につきましては、「安全・安心な暮らしのための取組」では、東日本大震災の教訓や社会資本の老朽化が急速に進んでいる現状を踏まえ、市民の命を守り、安心して暮らせる生活環境の維持のために、社会資本の耐震化や老朽化対策と、防災・減災対策に早急に取り組む必要があると考えております。
「市内経済の活性化に向けた取組」につきましては、本市が持つ知名度や地域特性を生かして地域経済の活性化を図ることが、持続可能な自治体経営につながるものと考えております。そのため、観光客やクルーズ客船の誘致推進のほか、雇用の場の創出に結びつく企業誘致などを重点施策として位置づけたものであります。
また、「次代を担う子どもたちへの取組」では、昨年実施された小・中学生の全国学力・学習状況調査において、多くの教科で全道平均を下回る状況にあることや、少子化が進む中では子育て環境を整備していくことが重要であり、ともに時間をかけて取り組む必要があることから、新たに重点施策として位置づけをしたものであります。
次に、重点施策の平成27年度以降の継続についてですが、社会資本の耐震化や老朽化対策は長期にわたり多額の事業費が見込まれることから、財政状況を踏まえながら今後も計画的に進めていく必要があります。
また、平成24年度から重点施策に位置づけた企業誘致などの「市内経済の活性化に向けた取組」や新年度から新たに位置づけをした「子育て環境整備」と「学力向上対策」につきましては、効果が現れるまでには時間を要するものもあり、成果を検証しながら継続していくことが重要であると考えております。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、5番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)5番、成田祐樹議員。
(5番成田祐樹議員登壇)
○5番(成田祐樹議員)次に、2項目めの質問を行います。
本市の財政にかかわって、消費税増税の影響について伺います。
4月から始まる消費税の増税は、市内の生産者や消費者だけに限らず、本市の財政にも大きく影響を及ぼすことと思われます。増税によって本市の収入が総体的に増えるというのであれば、また別な観点からの質問となりますが、総務省からの通達を見ると、少なからずさまざまな疑問が残っております。
ここで伺います。
本市の一般会計歳出予算における消費税の増税による影響額をお示しください。
当然ながら、物品の購入や燃料費など転嫁できない経費がたくさんあるかと思われます。また、消費税の増税に伴い、地方自治体への地方消費税交付金が増額となりますが、増税によってもたらされる本市への影響額についてもお示しください。
ここで、一番懸念されることは、地方消費税交付金が増額になっても、本当に本市にとってプラスになるのかという部分です。消費税増税により増える地方消費税交付金の分は、地方交付税の基準財政収入額に算入され、増収分は地方交付税の減少となるといいます。つまり、消費税の増税によって地方消費税交付金の増額分だけ財源不足の縮減につながることから、結果的に地方交付税の交付額が減ることになりますが、このことについての見解をお示しください。
また、新年度だけではなく、平成27年度以降の状況についてもあわせて見解をお示しください。
以上、2項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、消費税増税について御質問がありました。
初めに、市の一般会計の歳出における影響額についてですが、増税による影響額は2億1,000万円程度、また、地方消費税の増額分は、国から示されている資料を基に試算いたしますと、2億4,700万円程度となるものです。
次に、消費税増税による地方交付税の将来的な状況についてですが、消費税の増税に伴う地方消費税交付金の増額分は、地方交付税の基準財政収入額に100パーセント算入されることから、一般財源収入の増に寄与するというものではありません。今後、消費税が10パーセントに引上げになった場合でも、同様であります。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、5番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)5番、成田祐樹議員。
(5番成田祐樹議員登壇)
○5番(成田祐樹議員)次に、3項目めの質問をいたします。
本市のインフラの戦略的な配置について伺います。
新年度予算が示されたことにより、新たな道路の更新や水道管の更新などさまざまな施策がある中で、また新たに市道を認定されるなど、日々市民サービスの向上を図られていることに関しては、感謝を申し上げたいと思います。
しかしその一方で、現実に目を向けなければならないときが来ています。御存じのとおり、本市は毎年2,000人近い人口が減っており、著しい勢いで市街地の衰退が見受けられます。国立社会保障・人口問題研究所の一番新しいデータでは、小樽市においては、およそ20年後の2035年には人口が8万2,914人になると推測されています。現在の人口の65パーセントほどしかいなくなる計算です。果たして、20年後に人口が約3分の2になってしまうのに、現在の施設やサービスをこのまま維持することができるのでしょうか。早めに手を打たなければ、本市の財政にも大きな影響を及ぼすのは明確です。よって、本市においては、戦略的な再配置や撤退を考えなければならない時期に来ています。
そのような中で、あえて小樽市が抱えるインフラの中でも基幹であり非常に難しい部分である道路、水道施設、公共施設の3点について、本市は今後どのような戦略を持って更新や維持に努めていかれるのか、3点それぞれについて見解をお聞かせください。
主要施策の中から抜粋すると、道路に関していえば、臨時市道整備事業費で4億500万円、道路ストック点検・修繕更新計画策定事業費について3,500万円、水道施設においては配水管整備工事、改良工事、導・送水管整備工事、消火栓整備に9億8,811万6,000円、汚水管・雨水管の整備及びポンプ場・処理場の更新に14億6,846万9,000円が計上され、また、その他の公共施設においても、さまざまな更新費用がつけられております。本市に必要な予算案であることは十分認識しておりますが、一方で金額が多いというのも確かな話です。
これら三つに関してあえて取り上げたのは、短期間で新たな体制にできるということがほぼ不可能な事業であり、これらは10年、20年という長い年月をかけて少しずつ形態を変えながら更新していくものです。なおさらのこと、早くから、しっかりした計画を策定していかなければなりません。
学校の適正配置にかかわる問題や消防署出張所のオタモイ移転など、既に将来を見越した再配置でのよい例もあります。特に消防署出張所のオタモイ移転に関しては、市内西部の時間・距離的にも最も合理的な場所の立地であると考えられます。都市計画学的にも理にかなった場所だと思われます。本市におきましては、分野を問わず、どの所管においても今後の再配置を一考していただきたい、そのように願う問題であります。
以上、3項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、インフラの将来的な配置について御質問がありました。
初めに、道路における更新と戦略につきましては、人口の減少により利用者が少なくなった道路であっても、廃止することは、その道路に面した土地の利用に支障を来すことから、難しいものと考えております。そのため、効率的な維持・管理が重要であり、多額の費用を要する更新が必要となる前に、予防的な修繕を実施し、施設の延命化を図ることにより、維持・管理コストの縮減に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、水道施設における更新と戦略についてですが、施設の更新に当たっては、給水量に見合った水道管の口径の変更、配水池の統廃合や規模の見直しなどにより、建設コストや維持・管理コストの縮減を図っているところであります。今後とも、人口に見合った適切な施設規模となるよう、計画的に更新を進めてまいりたいと考えております。
次に、公共施設における更新と戦略についてですが、本市では、これまでも施設の規模、あり方を見直し、小・中学校をはじめ、保育所、消防庁舎、学校給食共同調理場や市立病院で統廃合を進めているところであります。しかしながら、本庁舎や市民会館など、耐用年数を経過し、老朽化が進んでいる施設もいまだ多いことから、これらの施設の今後のあり方についても検討を進めることは重要な課題と認識しております。これまで公共施設等の除却のみでは地方債の対象とはなりませんでしたが、国において、地方財政法を改正し、公共施設等の総合的かつ計画的な管理を推進するための公共施設等総合管理計画を策定した場合には、この計画に基づく公共施設等の除却については地方債を措置するものとされましたので、今後、公共施設のあり方の検討を進め、この計画を策定し、施設の適正な配置に加え、財政負担の軽減や平準化を図る必要もあるものと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、5番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)5番、成田祐樹議員。
(5番成田祐樹議員登壇)
○5番(成田祐樹議員)4項目めに、北海道新幹線について伺います。
北海道新幹線は、函館までの延長開業があと2年という段階に来ました。計画が順調に進んでいるかのように思われますが、その一方で、函館における新駅は駅名がいまだに決まっていないなど、懸念事項も山積し、JR北海道は果たして予定どおり開業できるのか非常に心配なところであります。
小樽、札幌までの延伸も計画どおりにいくのか、頭の中にはクエスチョンマークがつくばかりです。少なからず計画より前倒しして着工という目はしばらくなくなりそうな雰囲気ですから、この件に関してはゆっくりと議論ができると思われます。まだまだ駅の立地については、天神だけではなく、朝里川温泉にも議論の余地があると思っております。他都市の新幹線の駅の中には、着工直前に駅の場所が二転三転したようなところもあり、時の大臣がどう判断するかによって変化する可能性が残されているわけです。
さて、そのような中で、平成26年度から28年度の3年間の(仮称)北海道新幹線新駅周辺まちづくり計画策定事業費として、新年度予算においては1,215万7,000円が予算計上されております。天神2丁目付近に駅ができることを前提にした周辺整備に関するまちづくり計画について、基本的な考え方をお聞かせください。
また、調査方法について、3か年かけてどのようなワークショップの開催を実施され、また、交通量調査などを行っていくのでしょうか。その目的と見解をお聞かせください。
また、この調査結果によって、何の判断を行い、どのような決定をされていくのか、お聞かせください。
以上、4項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、北海道新幹線について御質問がありました。
初めに、新駅周辺整備に関するまちづくり計画の策定の目的についてですが、新幹線を活用したまちづくりの指針や、新駅周辺の土地利用構想など将来ビジョンを示し、新駅周辺に整備する施設の規模・機能や交通アクセスなどについて検討する必要があります。このため、平成26年度から3か年かけ、まちづくり計画を策定するものです。
次に、ワークショップと交通量調査の目的についてですが、まず、ワークショップについては、市民から幅広く参加者を募り、新幹線やまちづくりに関する市民の多様な意見やアイデアを集約するために開催するものです。
また、交通量調査についてですが、新駅付近の交差点の交通量や交通の流れを調査することにより、現在の道路状況を把握し、新幹線開業に向けたアクセス道路の整備の必要性を検討するために実施するものです。
次に、調査結果などを基に、今後どのように進めていくのかについてですが、庁内に設置されている関係部局で構成する北海道新幹線活用戦略庁内検討会議や、平成27年度から開催予定である学識経験者などを含めた策定委員会において、交通アクセスや駅前広場などの規模・機能を含めた検討を行い、市民の多様な意見も取り入れながら、平成28年度末までに計画を策定してまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第5項目めの質問に入ります。
(「議長、5番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)5番、成田祐樹議員。
(5番成田祐樹議員登壇)
○5番(成田祐樹議員)5項目めに、小樽市の教育及び子育て支援の環境と体制について伺います。
本市が主要施策の中に教育と子育てを組み込み、これらに力を入れ始めたことは、小樽に住んでいる若年・青年層の世代にとっては、定住化を促すこととなり、人口減少の歯止め策になることが期待されます。特に、札幌からの時間・距離が小樽とほとんど変わらない恵庭市がベッドタウンとして人口が増え続けているのは、子育て支援策に力を入れているのも大きな要因の一つであると思われます。20代から30代の世代が持ち家を探すときに、勤務先への距離は大きな判断材料の一つとなりますが、やはり子育て環境が整っているか、教育が充実しているかという部分も大きな判断材料の一つとなります。
本市は、そのタイミングでの流出を何としても防がなければなりません。非常に残念な話ではありますが、子供がいる小樽商科大学の若手の多くの教員が札幌で子育てをされているそうです。口をそろえて教員が言うのは、小樽はまちとしての魅力があるけど教育が、という言葉です。高等教育機関の教員に評価されないようなまちでは、その高等教育機関で学んできた学生も居住するはずがありません。より優秀な人材を定住化させるためにも、教育は極めて重要な項目だと考えます。
その一方で、教育や子育ての結果が出るのは早くても10年、15年後になり、客観的な評価として成果が出るのはとても時間がかかってしまいます。今スタートしても、とても多くの時間を費やすわけです。特に教育にかかわる部分の評価というのは、市民の中でも口コミで評価されてしまい、現在の評価をよいほうに覆すのも時間のかかることと思われます。
本市は早くに教育と子育てにも力を入れるのだということを20代や30代の世代にPRしなければ、また人口流出の要因になってしまいます。教育と子育て支援に力を入れるという点に対して、わかりやすい結果が出ずとも、少なからず以前よりも力を入れていくのだということを市民や近隣の自治体の住民に対してPRしていくべきだと思いますが、本市は今後どのように教育にかかわるPRや広報活動を行っていくのか、見解をお聞かせください。
英語学習について、新年度予算にもつけられている「小樽イングリッシュキャンプ」などの英語だけで過ごす授業というのは、英語能力の向上には非常に役立ち、また保護者からも望まれていた学習の一つであると思われます。昨今、大学などの高等教育機関でも語学に関して英語だけで授業を行うところは、ビジネスの場でも使える実用的な英語に強い学生を生み出しており、小樽商科大学の学生が不況のときにおいても就職率がある程度よかったのは、このような教育を徹底していたからだとも言われております。来年度の結果を受けて、さらにこの英語漬けの学習機会を増やしていくことを考えていただきたいのですが、これに関して見解をお聞かせください。
平成25年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果から本市の結果を伺うと、体力測定の結果は合計得点において、小学校5年生男子が全国平均の53.87点に対して小樽市が51.88点、小学校5年生女子が全国の54.70点に対して小樽市は52.76点、中学校2年生男子においては全国の41.78点に対して小樽市は38.94点、最後に中学校2年生女子が全国の48.42点に対して小樽市は41.58点と、全てにおいて下回っておりました。また、運動の実施状況では、ほとんど毎日運動している子供の割合が、小学校5年生の男女においては、全国平均よりも小樽市は3パーセント以上低く、中学校2年生においては、男女ともに全国平均より小樽市は13パーセント以上も低いことが明らかになりました。
これと比べて、北海道の平均は、全国と比べてほぼ同じか、北海道のほうがやや上回り、北海道自体の結果は低くないのに、小樽市に限って言えば、運動を実施している人の割合が大きく下回っているというのが現状です。
また、運動の実施率の低さに反比例して、テレビの視聴時間が全国や北海道の平均よりも長くなっており、運動しないかわりにテレビを見ているという実態が如実に表れています。また、小樽市ではゲームをする時間が全国平均よりも長いことが確認されていることから、結論として、小樽市の児童・生徒は、運動しないことによって体力不足を引き起こし、テレビやゲームに時間を多く割くことから、学力低下への要因の一つになっているのではないかと考えることができます。
ここで、まず1点伺いますが、本市の児童・生徒の体力の値やテレビを見る時間、ゲームを行う時間について、夏と冬での季節に関して場合分けをしたデータ収集はされたことがあるのか、お聞かせください。
なぜ、夏と冬という場合分けの質問をしたかについて触れたいと思います。それは子供たちの冬の過ごし方に原因があるのではないかと思われます。小樽市内の公園において、春夏秋の間は公園に集う小学生や親子連れの幼児などが遊ぶ姿を多く見受けることができますが、一転して冬の公園に行くと、全く人がおらず、足を踏み入れた痕跡すらない公園が多数ありました。これは道央圏の近隣市町村との大きな違いです。隣の札幌市や石狩市では、冬の公園でも子供たちが小さな山をスキーやそりで滑ったり、かまくらをつくったりと、遊んでいる姿が見受けられます。場合によっては、遊具から雪の上に飛びおりたりと、季節に合った遊び方をしている場面も見受けられます。しかし、冬の小樽で子供と一緒に公園で遊ぶと、近隣の人からも珍しいかのような扱いを受けてしまうのです。実際に公園で遊んでいて、珍しいねと声をかけられたことが何度となくあります。
本市の児童・生徒の体力の低さやゲームをする時間が長いことの原因については、冬に子供たちが遊ぶ機会が非常に少ないことが原因ではないでしょうか。幼少期から冬は外で遊ばず、家の中で過ごすことが増えてしまえば、結果的に体力の低下を招き、テレビ、ゲームの時間が増えてしまうと思われます。その冬の過ごし方に夏の過ごし方までが引きずられているのではないでしょうか。
ただ、冬に子供たちが外で遊ぶことができないという環境については、本市の特性上、大きな面積の公園が少ないことや、地形的に空き地が少ないことから雪捨場がなく、やむを得ず住民が公園に雪を捨ててしまい、冬に遊ぶ環境が整えられないことも要因として考えられます。また、冬における外遊びのやり方を教えていないことも要因としてあるのではないでしょうか。
これはどこかの一部が悪いという話ではなく、小樽市におけるさまざまな特性や習慣が重なって引き起こされたものだと思われます。学力向上のためにも、生活習慣の改善は非常に大切です。冬に子供たちが遊べる環境をつくっていくために、本市はどのように対応していくのか、市長の見解を伺います。
以上、5項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、教育と子育て支援について御質問がありました。
初めに、教育・子育てにおける推進姿勢のPRについてですが、子育て支援施策のPRや広報につきましては、これまでも子育て支援事業の実施予定などについて、毎月、市のホームページに掲載しているほか、広報紙や子育て支援ニュースにより周知を図っております。今後につきましても、フェイスブック等の活用や利用者がより見やすいホームページづくりを検討するなどして、さらに周知に努めてまいりたいと考えております。
次に、体力、ゲームと、冬季遊び場の因果関係についてですが、冬に子供たちが遊べる環境づくりにつきましては、家に閉じこもりがちとなる期間が長いことから、子供の体力向上の観点からも大切なことと考えております。しかしながら、雪の多い本市におきましては、それぞれの地域において、子供が安全に遊べる小公園などを冬季においても確保することは難しい状況にあります。このことから、冬季の子供の遊び場としては、安全上の観点からも、小樽公園やからまつ公園などの比較的大きな公園を御利用いただきたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)成田議員の質問にお答えいたします。
ただいま、教育と子育て支援について御質問がありました。
初めに、教育における推進姿勢のPRについてでありますが、これまでの取組といたしましては、平成23年度から小樽市教育行政執行方針を議会で述べることで、取組の考え方や施策について、議会を通じ市民へお知らせすることができるようになったことや、音読カップや高等学校合同進路説明会などの新しい事業をするに当たっては、市政記者クラブへお知らせをし、新聞などへ掲載していただいているところでございます。
また、私みずから、PTAなどさまざまな団体の求めに応じ講話を行い、教育の考え方などについて説明し、理解、啓発に努めております。
今後は、これらの取組を行うとともに、各学校において学校行事など学校の取組を地域住民や保護者に積極的に広報し、地域、保護者が一体となった学校経営ができるよう指導してまいりたいと考えております。
次に、「小樽イングリッシュキャンプ」のような英語の学習機会を増やしていくことについてでありますが、教育委員会としては、来年度実施する「小樽イングリッシュキャンプ」の成果を検証し、今後の進め方について検討を行うとともに、小樽ユネスコ英語祭の英語によるスピーチへの参加促進や、高島小学校で行っているユネスコスクールの取組の一環として、海外の子供たちとのインターネットによる交流を図るなど、さまざまな機会を捉え、外国人と英語による交流の機会の拡充に努めてまいります。
次に、児童・生徒のゲームを行う時間に関する季節ごとのデータの収集についてでありますが、夏季や冬季など、季節ごとのデータの集積はしておりませんが、一般的には夏季より冬季は室内で過ごす機会が多い傾向にあるものと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第6項目めの質問に入ります。
(「議長、5番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)5番、成田祐樹議員。
(5番成田祐樹議員登壇)
○5番(成田祐樹議員)6項目めに、公園の再整備計画について伺います。
新年度予算において、市内の公園再整備計画について予算づけがされましたが、先ほど述べました子供たちの遊び場の確保は、体力の向上や学力にもよい影響を与えることと考えられることから、子育て・教育に関して公園整備は大きなプラス要素となるものと思われます。
また、市民の憩いの場が再整備されるということは、年代を問わず、さらなる住環境の向上を促し、住んでいる人の満足感につながることから、この公園再整備計画には大きく期待したいところです。
より多くの子育て世代が小樽のよい環境で子供たちを遊ばせることができるように、遊具の更新など継続した公園の再整備をお願いしたいと思います。
ここで、まず新年度予算における小樽公園での整備計画についてと、小樽公園以外については具体的にどの公園を再整備し、遊具などの更新はどのように行われるのか、見解をお聞かせください。
また、平成27年度以降の公園施設の更新などについては、どのように考えているのか、方向性について見解をお聞かせください。
6項目めの質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、公園について御質問がありました。
初めに、公園の再整備につきましては、小樽公園では新年度に日本庭園における池の漏水対策や周辺の整備、藤棚の改修、案内サインの設置などを行う予定となっております。また、小樽公園以外で再整備を行う公園は、入船、さくら、はまなす、銭函の4公園を予定しております。遊具などを更新する際の方針につきましては、安全性や耐久性を考慮し、市民の皆さんの御意見を参考にして、より親しまれる公園の整備に努めてまいりたいと考えております。
次に、平成27年度以降の方向性につきましては、更新事業の対象となる公園の優先順位は、遊具などの現状調査による健全度判定、アンケート調査による公園の利用状況の把握、地域バランスなどを考慮して決めております。公園施設の中でも、公園利用者の安全を確保する立場から、遊具の更新を優先して実施していくことにしております。
また、隔年で入船公園や平磯公園などにおいてトイレのバリアフリー化を予定しております。
○議長(横田久俊)次に、第7項目めの質問に入ります。
(「議長、5番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)5番、成田祐樹議員。
(5番成田祐樹議員登壇)
○5番(成田祐樹議員)最後の項目として、市内の医療体制と夜間急病センターの運営について伺います。
新市立病院においては、開院後の平成26年12月には医師数が53名になる予定など、かねてからの懸案事項であった市立病院の運営の未来には大きく活路が見いだされ、病院経営においても明るい兆しが見えたのは非常に喜ばしいことでもありますが、その一方で、新市立病院は2.5次の病院を目指すとしていることから、高度な治療に専念すべきであり、1次救急に関しては市内の医療機関におけるしっかりとした役割分担が必要かと思われます。
そこで、病院局に伺います。
新市立病院が完成しても、小樽市夜間急病センターについては、市内の救急の初期対応に当たる前線機関です。ここがうまく機能しなければ、市立病院を含めた2次医療機関にも負担がかかり、小樽市全体の救急体制が疲弊してしまうことと思われます。また、それによってせっかく増員となった新市立病院の医師にも必要以上の負担がかかり、また医師数が減ってしまうということも心配しなければなりません。小樽市内の現在の医療体制を考えれば、夜間急病センターがなければ病院局にとっても非常に困ることだと思われるのですが、その施設の重要性についてどのように考えているのか、見解をお聞かせください。
夜間急病センターが平成25年7月に現在の場所に移転してから約8か月が過ぎましたが、今までの済生会病院併設のときと違い、機器や施設の利用状態などが以前と変化したことから、さまざまな状況変化が出てきているものと思われます。新夜間急病センターがこれまでと違う仕組みで運営されることにより、光熱費など新たな負担が出ていることなどが予測されるのではないでしょうか。
また、来年度は消費税の増税もあることから、細かい負担額の増加も予想されます。よって、市が委託している夜間急病センターに関しては、運営状況をしっかりと把握していく必要があると思われますが、新夜間急病センターでの平成25年度の経営状態の変化について、本市はどのように把握しているか、見解をお聞かせください。
続いて、夜間急病センターに対する平成26年度及び27年度以降の予算額のつけ方について伺います。
夜間急病センターについては、近年、ほぼ毎年1億2,100万円の予算が計上され、これを小樽市医師会に委託し、運営されています。しかしながら、近年の医師不足をはじめとしたさまざまな状況の変化により、毎年度の末には常に補正となってしまう状況です。
これが除雪といった天候に大きく左右されるようなものであれば、補正する可能性を残して当初予算をつけるということは理解できるのですが、毎年度の運営結果がある程度予測できるものに対して、毎年度、最終的には補正しなければならないという形の当初予算のつけ方に対しては、非常に疑問の残るところです。果たして、当初予算額として適正に計算された数字なのでしょうか。市内の他の医療機関からも夜間急病センターは必要と言われ、さらに、市で直営するのは非常に難しい施設であるはずです。
このように本市にとって重要度の高い施設に関しては、委託先に対してしっかりと当初予算をつけるべきではないでしょうか。
この件に関して小樽市は、新年度の夜間急病センターの運営費の予算額に対してどのように考えておられるのか、見解をお聞かせください。
また、平成27年度以降の予算案については、しっかりと25年度、26年度の夜間急病センターの運営状況を勘案して予算づけをするべきではないでしょうか。市長の見解をお伺いします。
以上、再質問を留保し、質問を終了します。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、市内の医療体制について御質問がありました。
夜間急病センターの適正な予算額についてですが、まず、平成25年度の経営状態につきましては、新築移転してから大きな変化はないものと把握しております。
次に、夜間急病センターの予算につきましては、小樽市医師会と締結した協定に基づき、運営に支障のないよう予算措置をしてまいりました。新年度の予算額に対して、運営費が不足した場合につきましても、これまでどおり補正予算で対応してまいります。
また、平成27年度以降につきましては、当該年度が指定管理者の更新年次に当たりますので、小樽市医師会と改めて協定を締結する中で、25年度、26年度の運営状況を勘案し、運営に支障のないよう予算を計上してまいります。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)病院局長。
○病院局長(並木昭義)成田議員の市内の医療体制と夜間急病センターの運営についての御質問にお答えいたします。
小樽市夜間急病センターは、病院の診療時間外に初期救急に対応し、市民に安全・安心を与えるとともに、市内の病院勤務医の負担軽減に寄与するなど、オール小樽で今後の医療体制を考えていく上でも大変重要な役割を果たしている施設であると認識しております。
いずれにいたしましても、この問題につきましては、医師会とよく話し合い、市立病院といたしまして協力体制は惜しまないつもりでございます。
(「議長、5番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)5番、成田祐樹議員。
○5番(成田祐樹議員)細かい部分は予算特別委員会で質問させてもらおうと思うのですが、1点だけ、冬の遊び場の部分について伺います。
非常に難しい問題だとは認識しております。小樽の地形上、やはり公園で冬の間遊ばせるのは危ないという声や、以前に非常に痛ましい事件もあったという話も伺いました。
冬の間、全く遊ばせないとしてしまうのは、たぶんそれが安全策としては一番わかりやすい、反映させやすいことだとは思うのですが、その一方で、事故が起きたら怖いから遊ばせないという指導をしていくことが、果たして小樽の子供たちのためになるのかと考えると、非常に疑問が残るところです。スポーツでも、やはりスポーツをしたらけがをしてしまうこともあるし、最悪なパターンだともっと大きな障害が残ってしまったりすることも少なからずあると思いますが、だからといってスポーツをやめるということにはならないと思うのです。
外遊びもそうですし、なるべく、少しでもそういった子供、児童・生徒が外で遊べるような環境を少しずつでも考えていく、これはすぐにやってくれ、すぐにできるという話ではないと思います。今後の公園の再整備の計画にもありましたけれども、そういった長い時間をかけながら、少しずつでも冬に外で子供たちを遊ばせて、少なからず、もう少し体力の部分の取組、又はそういった室内で遊ぶということばかりが習慣になってしまわないような取組というのを、全庁的に所管をまたいで議論してほしい、若しくは問題提起として受け止めてほしいと思います。それについてだけ答弁をお願いいたします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)成田議員の再質問にお答えいたします。
今年度の状況につきましては、将来の小樽を担う子供たちへの取組ということで重点項目に挙げさせていただきました。やはり子供たちへの取組につきましては、学力向上、体力向上ということが大変大事なところでございますので、ある程度学校に行っている児童については、いろいろな形で体力向上についてはありますけれども、就学前の子供たちについては、なかなかどういう形がいいのか、そういったことを含めて、やはり体力向上についても取り組んでいきたいと思いますので、庁内的に少し議論をさせていただきたいと思いますので、御理解いただきたいと思います。
○議長(横田久俊)以上をもって、会派代表質問を終結いたします。
ただいま上程中の案件のうち、議案第15号及び第16号については先議することといたします。
本件につきましては、直ちに一括採決いたします。
お諮りいたします。
いずれも原案どおり可決とすることに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
本日は、これをもって散会いたします。
散会午後6時14分
会議録署名議員
小樽市議会議長横田久俊
議員松田優子
議員佐々木秩