開会午前10時00分
○議長(横田久俊)これより、平成26年小樽市議会第1回定例会を開会いたします。
直ちに、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、濱本進議員、久末恵子議員を御指名いたします。
日程第1「会期の決定」を議題といたします。
お諮りいたします。
本定例会の会期を、本日から3月19日までの22日間といたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
日程第2「議案第1号ないし第41号並びに報告第1号及び第2号」を一括議題といたします。
まず、議案第1号ないし第40号並びに報告第1号及び第2号について、市長から提案理由の説明を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)(拍手)
○市長(中松義治)平成26年第1回定例会の開会に当たり、ただいま上程されました各案件について提案理由の説明を申し上げるのに先立ち、新年度に向けた市政執行の所信の一端と主要施策の概要を申し上げ、議員及び市民の皆さんの御理解と御協力をいただきたいと思います。
私は、これまでさまざまな機会を捉えて、市民の皆さんや企業、団体の方々とお話をし、多くの貴重な御意見などをいただいてまいりました。
また、本市には、まちづくりに積極的にかかわっている多くの方々がいらっしゃいます。このような方々の知識と経験を生かし、市民と行政とが協働で取り組んでいくことが、将来の小樽にとって重要であると考えております。
このことを踏まえ、まちづくりへの市民参加や協働などについて基本的な考え方やルールを定めた小樽市自治基本条例を本年4月から施行し、市民の皆さんと議会、行政が一体となって、豊かで活力ある地域社会の実現に向け、取り組んでまいりたいと考えております。
平成23年4月に市長就任後、平成26年度は、任期として与えられた最終の年であります。
これまでの3年間、公約に掲げました「市民力を生かした「活力あるおたる」の創造」を目指すとともに、まちづくりに当たっては、「市民力の活用」「安心・安全なまちづくり」「魅力ある生活都市の創造」の三つの基本姿勢と財政の健全化を念頭に置きながら、市政運営を行ってまいりました。
私は、厳しい状況にある本市財政の健全化をどのようになし遂げていくのか、日々頭を悩ませ、平成24年度の予算編成から他会計からの新たな借入れを行わずに、収支の均衡を図ってまいりましたが、まだ多額の借入残高があることから、引き続き財政健全化の取組を進めていかなければならないものと考えております。
そのような中、私が掲げた公約につきましては、その実現に向けた取組を着実に進めてきたものと考えております。
まず、地域経済の活性化につきましては、小樽観光や地場産品のPR、クルーズ客船や新たな企業の誘致のため、トップセールスを行ってまいりました。
クルーズ客船は年々寄港数が増加し、平成26年は、現時点で昨年の19回を大きく上回る37回の寄港が予定されております。
また、平成25年度上半期における観光入込客数については、東日本大震災前の水準を超えるまでに回復するとともに、アジアの国々を中心に海外からの観光客が増えている状況にあります。
また、企業誘致においては、優遇制度の充実を図るとともに、東京や大阪での企業立地トップセミナーを開催いたしました。これまでに東洋水産株式会社や一正蒲鉾株式会社の新工場が操業を開始したほか、今後は横浜冷凍株式会社の物流センター新設や北海道漁業協同組合連合会の工場増設、琴似製麺株式会社の工場移転が予定されており、本市の操業環境の優位性を御理解いただきながら、着実に企業の集積を進めてまいりました。
このような取組は、交流人口の拡大や雇用の場の確保につながることから、引き続き重点的に取り組んでまいりたいと考えております。
懸案でありました稲穂1丁目再開発施設の跡地につきましては、既に解体を終え、今後はサービス付き高齢者向け住宅と医療機関の新築移転に向けて事業が進められます。
ますます重要となる医療・福祉の充実と、中心市街地のにぎわいづくりに寄与するものと期待をしており、今後とも必要な支援と協力を行ってまいりたいと考えております。
医療につきましては、夜間急病センターの新築移転のほか、本年12月の開院を目指して新市立病院の建設を進めているところであります。
後志の基幹病院として他の公的医療機関などとさらに連携を深めていくことで、本市の医療環境がますます充実するものと考えております。
子供たちの豊かな教育環境整備では、学校給食センターでの昨年8月からの調理開始や、小・中学校の適正配置、学校の耐震化や改築に向けた取組を進めており、子育て環境の整備では、奥沢保育所や子育て支援センターを併設する銭函保育所の改築などの施設整備を進めているほか、ファミリーサポートセンターや延長保育、産休明け保育など、保育環境の充実に努めてまいりました。
また、高齢者や障害を持った方々に対しては、成年後見センターへの支援の拡大や相談支援体制の整備など、自立した生活を送ることができるよう、福祉の充実にも取り組んできたところであります。
現在、我が国は、グローバル化と情報化に加え、人口減少時代への突入と世界の主要国の中では最も高い少子高齢化社会の到来を迎え、非常に大きな変化の中にあるものと考えております。
我が国全体の年少人口と生産年齢人口の減少や、年1兆円ずつ増加するとも言われる社会保障費など、これまでの経済を維持しながら、国民の豊かさをどう実現していくのか、さらに東日本大震災などを踏まえた耐震化への早急な対応のほか、高度経済成長期を中心に整備された多くの道路、橋梁などの社会資本の老朽化対策に、国民の生命を守る観点から、限られた財源の中でどのように効果的かつ総合的に取り組んでいくのかが、大きな課題となっております。
また、このような状況の中、平成25年国際収支状況の速報によりますと、過去最大の貿易赤字や過去最少となる経常収支の黒字額が発表され、我が国経済の構造変化が表れ始めたと言われております。
国は、本年4月からの消費税増税に備え、成長戦略を実現するため、好循環実現のための経済対策を昨年12月に閣議決定し、その中に盛り込まれた企業の設備投資促進や海外展開などの競争力強化策や、子育て支援・少子化対策、国土強靱化、消費税率引上げに対する緩和措置などの経済対策を本年2月に補正予算として成立させました。
この補正予算を効果的かつ着実に実施することで、消費税率引上げにより景気が腰折れすることのないよう、財政健全化と我が国経済の再生という、非常に難しい課題解決に向けた取組を期待しているところであります。
国の動向は、地方自治体の行財政運営にも極めて大きな影響を及ぼすものであることから、今後の動向をしっかりと見極め、的確に対応していかなければならないものと考えております。
平成26年度は、第6次小樽市総合計画後期実施計画の初年度に当たります。
後期実施計画の策定に当たっては、各部におけるこれまでの取組の点検や、今後の方向性の検討などを踏まえ、学校施設の改修や子育て環境の整備など、子供たちに向けた取組のほか、安全・安心なまちづくりのための公共施設などの老朽化対策、東アジア圏の観光客やクルーズ客船誘致をはじめとした地域経済の活性化など、これからの小樽にとって必要な事業を登載したところであります。
次に、平成26年度予算編成に当たっての基本的な考え方を説明申し上げます。
まず、歳入の確保につきましては、市税の大きな伸びが期待できないことに加え、地方交付税と臨時財政対策債を合わせた実質的な地方交付税の減少が見込まれることから、新たな財源に対する検討を行うなど、できる限り一般財源の歳出縮減に努めたところではありますが、結果として約8億9,000万円の財源不足が生じたため、平成25年度と同様に財政調整基金を活用し、収支均衡予算を編成いたしました。
平成26年度は、本市の大きな課題である財政の健全化に向けた取組を継続する一方で、将来を見据えた、特に優先的に取り組む重点施策として、「安全・安心な暮らしのための取組」や、「市内経済の活性化に向けた取組」のほか、新たに「次代を担う子どもたちへの取組」を重点施策に位置づけ、積極的な取組を進めてまいります。
重点施策一つ目の「安全・安心な暮らしのための取組」としましては、「社会資本の耐震化や老朽化対策」と「防災・減災対策」を二つの柱として、取組を進めてまいります。
また、重点施策二つ目の「市内経済の活性化に向けた取組」につきましては、「小樽観光の振興」「クルーズ客船などの誘致・受入れに向けた環境整備」「地場企業の振興と企業誘致の推進」「雇用対策」の四つを柱に、積極的な取組を進めてまいります。
次に、三つ目の重点施策の個々として新たに位置づけました「次代を担う子どもたちへの取組」としましては、「子育て環境整備」と「学力向上対策」の二つを柱に、取組を進めてまいります。
なお、これらの三つの重点施策の主な事業内容につきましては、今から述べます主要施策の概要の中で触れさせていただきます。
それでは、主要施策の概要につきまして、第6次小樽市総合計画の中の「まちづくり5つのテーマ」の体系に沿いながら、説明申し上げます。
まず、1点目、「心豊かに学び、地域文化をはぐくむまち(生涯学習)」の分野についてであります。
教育行政全体の執行方針につきましては、後ほど教育長から説明いたしますので、私からは予算面から主なものに絞って申し上げます。
学校教育では、平成24年度から全ての小・中学校で取り組んでいる家庭学習での音読活動を引き続き進めるほか、モデル事業として平成24年度から花園中学校と松ヶ枝中学校で実施している図書館の図書を貸し出すスクール・ライブラリー便事業では、新年度からの全小・中学校での実施に向け、専用図書を整備してまいります。
新たな取組としまして、子供たちの国際感覚を育むため、小学校5、6年生と中学生を対象に、小樽商科大学の留学生や外国語指導助手の方々との活動や宿泊を通じて英語漬けの時間を過ごす「小樽イングリッシュキャンプ」を実施するほか、小学校において、児童が授業内容を理解する上で教育効果が高い実物投影機とプロジェクターを整備してまいります。
学校施設の整備につきましては、学校適正配置計画により統合する手宮地区と山手地区の小学校改築や小・中学校の耐震化工事に向けた実施設計を行うほか、天井材や照明器具などの非構造部材の落下を防止するための点検や補強工事を行います。
社会教育では、作家伊藤整の没後20年を契機に業績を記念して創設された伊藤整文学賞が、平成26年度の第25回で終了するに当たり、伊藤整文学賞の会が実施する記念事業を支援いたします。
2点目は、「ともに支え合い、安心して健やかに暮らせるまち(市民福祉)」の分野についてであります。
子育て支援では、怒らず効果的に子供を養育するプログラムであるコモンセンス・ペアレンティングを指導するためのトレーナーを養成するとともに、子育てトレーニング教室を開催し、育児中の保護者への普及を進めていくほか、昨年8月に設置した小樽市子ども・子育て会議での審議等を基に、平成27年度から31年度を計画期間とする子ども・子育て支援事業計画を新たに策定いたします。
また、改築工事を進めていた奥沢保育所の新園舎を本年4月に開園することから、開園に合わせて、午後7時までの延長保育と、生後57日目からの産休明け保育を開始いたします。
銭函保育所につきましては、子育て支援施設の拠点となる市内3か所目の地域子育て支援センターを併設し、平成27年度からの新園舎開園に向けた建設工事を進めてまいります。
高齢者福祉では、国の制度改正を踏まえながら、平成27年度から29年度を計画期間とする第6期の小樽市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画を策定してまいります。
保健衛生では、新型インフルエンザなど、病原性の高い新たな感染症が発生した場合の対策を迅速に進めるための行動計画を策定するとともに、計画に基づく医療体制の整備や市民への予防対策の周知・啓発などを図り、危機管理体制の構築に努めてまいります。
3点目は、「安全で快適な住みよいまち(生活基盤)」の分野についてであります。
公共施設や上下水道、道路などの社会資本の耐震化や老朽化対策は、大きな課題と考えておりますので、計画的な更新や維持・管理を実施し、市民生活の安全と安心の確保に必要な整備を進めるため、老朽化が進む道路やトンネルの点検と修繕計画の策定に取り組むほか、本庁舎など市有建築物の耐震診断や、市内の民間大規模建築物所有者に対して耐震診断費用の一部を助成することといたしました。
平成26年度で計画期間が終了する住宅マスタープランにつきましては、平成27年度から36年度までの新たな計画を策定してまいります。
また、冬期間の安全・安心な市民生活と交通を確保するため、ロードヒーティング設備の計画的な更新に取り組んでまいります。
市街地整備としましては、平成24年6月に北海道新幹線の札幌延伸が認可されたことから、天神2丁目に設置される新幹線新駅周辺整備などの指針となるまちづくり計画の策定に向けて、ワークショップの開催や市民アンケート、交通量調査などを実施してまいります。
防災・減災対策では、避難所の環境整備を引き続き実施するほか、津波浸水シミュレーション画像を活用した町会等での研修など、津波避難訓練の支援を継続してまいります。
また、市民や観光客の迅速で的確な避難を図るための津民注意喚起標識板を蘭島から銭函までの16か所に、海抜表示板を蘭島から港湾地区の一部75か所に設置するとともに、民間の保育所、幼稚園及び放課後児童クラブなどに防災ラジオ70台を配付いたします。
原子力防災対策としましては、泊発電所における災害に備えるため、衛星携帯電話や小電力トランシーバーなどの必要な資機材を整備し、市民の皆さんが安心して暮らすことができるまちづくりを進めてまいります。
消防体制の整備につきましては、消防署長橋出張所と塩谷出張所を統合し、旧学校給食オタモイ共同調理場跡地に新庁舎を建設するための基本設計のほか、平成28年5月末の消防救急無線のデジタル化移行に対応する無線施設のシステム整備などを進めてまいります。
4点目は、「人・もの・情報が交流する活力あるにぎわいのまち(産業振興)」についてであります。
地場企業の振興としましては、小樽産品の国内外への販路拡大を図るため、商品を輸出する際の手続費用や商談会・展示会等への参加費用を助成するほか、道外で開催される展示会への出展や百貨店での小樽単独による物産展開催を支援してまいります。
また、札幌市やジェトロ、日本貿易振興機構などとの共催により、海外バイヤーとの商談会や製造工場の見学会を開催し、海外での商談会などへ参加できない市内企業への商談機会を創出してまいります。
ブランド力の強化としましては、本市の水産物のブランド化を図るため、水産加工品の品評会を開催し、その受賞商品のPRに努めるほか、本市で製造されている水産加工品をデータベース化し、道内外に広く情報提供をしてまいります。
企業誘致の推進としましては、平成24年度に東京、平成25年度に大阪で開催した企業立地トップセミナーへ参加いただいた企業などを私や担当者が直接訪問し、本市のPRや情報交換を通じて、企業との接点をより強固なものとするためのフォローアップ活動に取り組み、今後の本市への立地実現へ向けて努力してまいります。
商店街関係では、市内商店街や市場などの活性化に向けた取組を支援するにぎわう商店街づくり支援事業や商店街活性化支援事業、さらには市外からの移住者を含めた商業起業者や既存事業者の店舗家賃等の一部を助成する空き家店舗対策支援事業に引き続き取り組みます。
観光関連では、これまで行ってきた首都圏の旅行代理店などへの観光PRに加えて、観光閑散期と言われる11月から2月までの宿泊客の増加を図る取組として、新たに企業の福利厚生の会報誌などに冬期間の本市観光情報や市内宿泊施設の広告を掲載してまいります。
東アジア圏を中心とした海外からの観光客誘致に向けては、香港の旅行代理店担当者や札幌市などと連携してメディア関係者を招聘するプロモーション事業に取り組んでまいります。
クルーズ客船関連では、平成26年は、これまでで最も多くのクルーズ客船が本市へ寄港する予定であり、多くの乗船客による観光消費が期待できることから、昨年4月に設立した小樽港クルーズ推進協議会を中心に、市内の旅行代理店が作成した本市や北後志の見どころを盛り込んだ旅行プランのさらなるPRに努めるなど、引き続き積極的な誘致活動を行うほか、地域経済への波及効果を高めるため、乗船客に向けた市内観光情報の提供や寄港時に合わせて物産展を開催するなど、受入れ態勢の強化に努めてまいります。
港湾施設の整備につきましては、クルーズ客船のほか、小樽-ウラジオストク間に就航した国際定期RORO船などへの対応を含め、老朽化した第3号ふ頭と勝納ふ頭の岸壁改良や、港町ふ頭の保安施設の改良など、利用形態に合わせた施設整備を進めてまいります。
雇用対策につきましては、高等学校の1、2年生を対象に市内企業への就職率向上を図る高校生就職スキルアップ支援事業を継続するとともに、北海道の基金を活用した雇用対策事業などに取り組んでまいります。
5点目は、「自然とまちなみが調和し、環境にやさしいまち(環境保全)」についてであります。
環境基本計画の策定につきましては、平成27年4月の計画施行・公表に向け、取組を進めてまいります。
また、ごみの適正処理に関連して、平成26年度で終了する一般廃棄物処理基本計画について、平成27年度から36年度を計画期間とした次期計画を策定してまいります。
公園の整備では、小樽公園の再整備を実施するほか、安全で快適な利用ができるように、銭函公園など四つの公園の老朽化した遊具の更新や、手宮公園緑の相談所にあるトイレのバリアフリー化を実施してまいります。
都市景観の関連では、景観条例に基づき登録している歴史的建造物の保全を推進するため、建造物の外観補修費の一部を引き続き支援してまいります。
最後に、その他の施策について申し上げます。
本年4月から施行する小樽市自治基本条例につきましては、その内容に関して十分な市民周知と理解を図っていく必要があることから、わかりやすいリーフレットを作成するとともに、市民説明会を開催してまいります。
また、本年4月からの消費税率の引上げに際し、所得の低い方々や子育て世帯の負担を緩和するため、臨時的な措置として国が実施する臨時福祉給付金と子育て世帯臨時特例給付金につきまして、事務費を含めた支給業務に係る所要額を計上いたしました。
なお、財政状況の悪化により、平成16年度から職員給与の独自削減を行ってまいりましたが、この間の財政健全化に向けた努力もあり、平成22年度決算で累積赤字が解消されたことや、職員団体との交渉経過も踏まえ、新年度は本俸と管理職手当について、現行の独自削減率をそれぞれ2分の1に圧縮することとし、また私も含めました特別職と教育長の給与につきましても同様としたいと考えておりますので、所要額を計上するとともに、関係条例案を提出したものであります。
次に、今議会に上程された各案件について説明申し上げます。
初めに、議案第1号から議案第14号までの平成26年度各会計予算について説明申し上げます。
最初に、本市の平成26年度一般会計予算の主なものについて、前年度との比較で説明申し上げます。
まず、歳入についてでありますが、市税では法人市民税の増収が見込まれるものの、個人市民税では減収が見込まれるため、前年度とほぼ同額の131億4,920万円を見込みました。
地方交付税につきましては、国の地方財政対策の伸び率などを基本に、本市の特殊事情を勘案しながら積算した結果、臨時財政対策債を加えた実質的な地方交付税では、3.0パーセント、5億5,900万円減の183億8,400万円を見込みました。
また、歳出の主なものについて経費別に申し上げますと、いわゆる義務的経費では、職員給与等の独自削減率を圧縮したことなどの影響により、人件費が2.3パーセントの増、扶助費が臨時福祉給付金や子育て世帯臨時特例給付金の給付などにより3.2パーセントの増、公債費が6.2パーセントの減となったことにより、合計で1.1パーセントの増となり、歳出合計に占める割合は、前年度を2.1ポイント上回る58.8パーセントとなりました。
行政経費では、市有建築物耐震診断経費や民間大規模建築物耐震診断促進経費の計上などにより、4.7パーセントの増、建設事業費につきましては、新学校給食共同調理場建設事業や新夜間急病センター建設事業が終了したことなどにより、23.9パーセントの大幅な減となりました。
負担金、補助及び交付金につきましては、社会福祉事業資金基金などの基金償還金の増により、0.4パーセントの増、維持補修費につきましては、小・中学校の非構造部材耐震化事業費の計上などにより、8.4パーセントの増、繰出金につきましては、国民健康保険事業、簡易水道事業、介護保険事業及び後期高齢者医療事業などで増となりましたが、住宅事業、病院事業及び下水道事業分などが減となり、総額では6.1パーセントの減となりました。
次に、特別会計及び企業会計の主なものについて説明申し上げます。
国民健康保険事業におきましては、歳出では、1人当たり医療費の増などにより、保険給付費が0.1パーセント増の119億5,837万円となるほか、後期高齢者支援金等は2.1パーセント減の17億3,045万円となりました。
歳入では、保険給付費の増に伴う国庫支出金等の増が見込まれるほか、保険料の予算総額は2.7パーセント増の27億3,270万円となりました。
介護保険事業につきましては、これまでの利用実績と今後の利用見込みを勘案して算定した結果、保険給付費は2.6パーセント増の137億6,354万円、介護予防推進のための地域支援事業費は6.4パーセント増の2億845万円となりました。
保険料は、介護給付費準備基金の取崩しを実施し、2.1パーセント増の25億6,243万円と見込みました。
後期高齢者医療事業につきましては、保険料15億8,524万円、低所得者等に対する保険料軽減に係る公費負担金4億9,308万円及び事務費3,711万円を事業の実施主体である北海道後期高齢者医療広域連合へ支出するものであり、前年度に比べ2億98万円の増となっておりますが、これは保険料率の改定、保険料軽減対象の拡大及び被保険者数の自然増によるものであります。
病院事業につきましては、新市立病院の本体建設工事費及び医療機器整備費69億1,790万円を計上いたしました。
また、一般会計から11億2,344万円を繰り入れることとし、引き続き経営改善に努めていくとともに、病院事業管理者の下、職員一丸となって、良質で安全な医療が市民に提供されるように、公立病院としての役割を担ってまいります。
水道事業につきましては、長期的かつ安定的な水の供給を図るため、配水管や送水管の更新や耐震化を進めるとともに、浄水場や配水池の老朽化した施設の更新を行うほか、清風ヶ丘配水槽の移設工事を実施してまいります。
資金収支の見通しは、平成26年度末においても引き続き資金余剰となる見込みであり、今後とも給水収益に見合った効率的な事業運営に努めてまいります。
下水道事業につきましては、処理場やポンプ場の機械・電気設備などの老朽化した施設の更新を進めるとともに、汚水管や雨水管の整備を実施してまいります。
資金収支の見通しは、平成26年度末においても引き続き資金余剰となる見込みであり、今後の事業運営に当たりましても、効率的で健全な経営に努めてまいります。
産業廃棄物等処分事業につきましては、国道5号の忍路防災関連事業に伴う土砂搬入が予定されていることから、収益的収入は大幅な増を見込んでおり、収益的支出においては土砂搬入による業務増となりますが、平成26年度の収益的収支としては黒字が見込まれます。
以上の結果、平成26年度の財政規模は、一般会計では561億8,846万6,000円、特別会計合計では350億8,589万1,000円、企業会計合計では336億9,127万7,000円、全会計合計では1,249億6,563万4,000円となり、前年度予算と比較いたしますと、一般会計は2.6パーセントの増、特別会計は0.3パーセントの減、企業会計では23.6パーセントの増となり、全会計では4.2パーセントの増となりました。
次に、議案第15号から議案第26号までの平成25年度各会計補正予算について説明申し上げます。
まず、議案第15号及び16号につきましては、病院事業会計において公立病院特例債を繰上償還するために所要の補正を計上いたしました。
次に、議案第17号から議案第26号までの主なものといたしましては、一般会計では、まず歳出におきまして、国の平成24年度補正予算に関連した地域の元気臨時交付金を廃棄物事業所建設事業などの財源に充当したほか、住宅事業及び下水道事業に繰り出すこととし、残額を新たに設置する地域の元気臨時資金基金に積み立て、今後、その目的に沿って活用していくことといたしました。
また、国の平成25年度補正予算に関連して、消防救急無線デジタル化事業費を繰越明許費として計上するとともに、石狩湾新港管理組合負担金の減額や簡易水道事業、国民健康保険事業などへ繰出金を増額計上したほか、所要の補正を計上いたしました。
歳入におきましては、市税、普通交付税及び市債について増額計上したほか、所要の補正を計上いたしました。
以上の結果、一般会計における補正額は、歳入歳出ともに12億9,039万5,000円の増となり、財政規模は610億6,724万1,000円となりました。
次に、特別会計及び企業会計の主なものについて説明申し上げます。
まず、港湾事業につきましては、港町ふ頭用地売却による財産収入の増額等について、国民健康保険事業につきましては、保険給付費の増額等について、簡易水道事業につきましては、水道使用料の減額等に伴う所要の補正を計上いたしました。
次に、水道事業につきましては、清風ヶ丘配水槽の移設工事の実施を平成26年度に変更したことに伴う所要の補正を計上いたしました。
続きまして、議案第27号から議案第40号までについて説明申し上げます。
議案第27号社会教育委員条例の一部を改正する条例案につきましては、地域主権改革一括法による社会教育法の一部改正に伴い、社会教育委員の委嘱の基準を定めるとともに、所要の改正を行うものであります。
議案第28号特別職に属する職員の給与条例等の一部を改正する条例案につきましては、特別職等の給料月額について、独自削減の減額率を変更するものであります。
議案第29号職員給与条例の一部を改正する条例案につきましては、行政職給料表適用者の給料月額について、独自削減の減額率を変更するとともに、所要の改正を行うものであります。
議案第30号資金基金条例の一部を改正する条例案につきましては、国の交付する地域の元気臨時交付金を平成26年度における地域経済の活性化及び雇用の創出を図るための事業の資金とする目的で積み立てるため、地域の元気臨時資金基金を設置するものであります。
議案第31号手数料条例の一部を改正する条例案につきましては、薬事法の一部改正及びエネルギーの使用の合理化に関する法律の一部改正に伴い、所要の改正を行うものであります。
議案第32号児童福祉施設条例の一部を改正する条例案につきましては、奥沢保育所の位置の変更及び銭函保育所の仮設園舎の位置を定めるものであります。
議案第33号公設青果地方卸売市場条例の一部を改正する条例案につきましては、国有地を公設青果地方卸売市場の敷地として賃借することに伴い、同市場の面積を変更するとともに、所要の改正を行うものであります。
議案第34号病院事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例案につきましては、新たな診療科目を開設するほか、市立小樽病院及び小樽市立脳・循環器・こころの医療センターを統合し、新たに小樽市立病院を設置するとともに、所要の改正を行うものであります。
議案第35号市立学校設置条例の一部を改正する条例案につきましては、北手宮小学校、手宮西小学校及び色内小学校を廃止するものであります。
議案第36号消防長及び消防署長の資格を定める条例案につきましては、地域主権改革一括法による消防組織法の一部改正に伴い、消防長及び消防署長の資格を定めるものであります。
議案第37号消防手数料条例の一部を改正する条例案につきましては、地方公共団体の手数料の標準に関する政令の一部改正に伴い、製造所、貯蔵所又は取扱所の設置の許可の申請に対する審査等の手数料を改定するものであります。
議案第38号過疎地域自立促進市町村計画の変更についてでありますが、過疎地域自立促進特別措置法第6条第7項において準用する同条第1項の規定により、小樽市過疎地域自立促進市町村計画の一部を変更するものであります。
議案第39号市道路線の認定につきましては、元母子寮前第1通線ほか4線を認定するものであります。
議案第40号市道路線の変更につきましては、元母子寮前通線の終点を変更するものであります。
最後に、専決処分報告についてでありますが、報告第1号につきましては、平成25年度一般会計において税等過誤納金還付金に係る予算を措置するため、同会計の補正予算について平成26年1月28日に専決処分したものであります。
報告第2号につきましては、平成25年度一般会計において除排雪関係経費及びロードヒーティング関係経費に係る予算を措置するため、同会計の補正予算について平成26年2月5日に専決処分したものであります。
以上、概括的に説明申し上げましたが、なにとぞ原案どおり御可決、御承認賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○議長(横田久俊)次に、平成26年度小樽市教育行政執行方針について、教育長から説明したいとの申出がありますので、これを許します。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
(上林猛教育長登壇)(拍手)
○教育長(上林猛)平成26年度小樽市教育行政執行方針を申し上げます。
初めに、一昨年発足した安倍内閣は、我が国の子供たちをめぐるいじめ問題、学力や体力の低下の問題などに早急な対応が必要として、21世紀の日本にふさわしい教育体制のあり方について議論、検討するため教育再生実行会議を立ち上げ、教育委員会制度の見直し、道徳や英語の教科化の導入、土曜授業の導入など、さまざまな提案がなされておりますが、本市においては、これまでいじめ防止対策や学力向上対策などについて、教職員の資質、能力と学校の組織力の向上を図るとともに、保護者や地域の方々と連携してさまざまな取組を行ってまいりましたが、これまで以上に子供たちの生活規律の確立に向けて、家庭・学校・地域が一体となって各般施策を着実に実行していくことが重要であると考えております。
私としては、義務教育においては、子供たちの進学や就職を常に念頭に置きながら、厳しい現実の社会の中をたくましく生き抜いていける基礎基本の学力をしっかりと身につけるなど、知・徳・体のバランスのとれた人材を育成することが求められていると認識しており、そのために全力を挙げて小樽の教育の活性化に努めます。
先ほど市長の提案説明にありましたが、本市として、新年度から新たに重点施策として「次代を担う子どもたちへの取組」として、学力向上対策を掲げていただいたことを大変心強く感じているところであります。
以下、教育委員会として、平成26年度の重点施策について説明申し上げます。
まず、学校教育の分野ですが、重点施策の第1点目は、学力の向上であります。
昨年の全国学力・学習状況調査では、残念ながら小学校では算数A以外は全道平均を下回り、中学校では全て全道平均を下回る結果となり、改めて学力を向上させることの難しさを痛感したところであります。また、朝食をとらない児童・生徒が多いこと、テレビを見る時間やゲームをする時間が長いことなど、生活習慣に大きな課題があることも浮き彫りとなり、改善に向けて保護者の方々と一体となって取り組んでいかなければなりません。
このため、一つ目は、学校や教職員への取組であります。
市教委では、平成26年度小樽市学校教育推進計画を策定して、その中で基礎学力の定着、家庭学習の定着、子供の体力づくり、いじめのない学校づくりなど23の指針を示し、各学校がこの指針に基づき、具体的な数値目標を設定し自己評価を行うなど、具体的な行動を確実に行うよう、今後、指導してまいります。
次に、学校力向上に関する総合実践事業の実施についてであります。
この事業は、昨年に引き続き、稲穂小学校を実践指定校、花園小学校、潮見台小学校を近隣実践校として、教員及び事務職員の加配を受けて教育課程の改善、若手職員や将来のスクールリーダーの養成を図りながら、組織的な学校力を高めようとするものであります。
次に、中学校教員の授業力向上に向けた取組として、秋田大学の教授を本市の中学校2校の共同研究者に依頼し、授業改善をテーマとした研究を行い、公開授業などを通して、その成果を市内の教職員に還元することといたします。
次に、ICT機器実物投影機を活用した授業改善の取組であります。
小学校に既存の機器を含め全校に最低1台を整備し、めり張りのある授業の展開など、その活用方法について、研修会を行うなどの支援を行ってまいります。
二つ目は、家庭、保護者との取組であります。
まず、音読運動の取組であります。
一昨年から「家庭学習は音読から」を合い言葉にこの運動に取り組んでおり、「音読カードを通して家庭と学校のつながりができた」「徐々に学校図書館を利用する児童・生徒が増えている傾向が見られる」、さらには「昨年行われた第1回「音読カップ」での競い合いの効果から意欲的に取り組む児童・生徒が多くなった」などの状況が見られることから、新年度も引き続き積極的に取り組んでまいります。
次に、情報モラル教育と携10運動についてであります。
本市の児童・生徒は、携帯電話やメールの使用率が高く、家庭での学習時間が少ない傾向にあることから、小樽市小中学校情報モラル対策委員会を活用し、その正しい使い方を指導するとともに、ネットパトロール体験会などを通じ有害情報への対応など危機回避の方法などの周知徹底に努めます。
また、校長会や市P連などと連携して、携10運動の啓発チラシを配付し、家庭における携帯電話等の使い方のルール徹底に努めます。
次に、高等学校合同進路説明会の開催についてであります。
昨年、小学校の児童を持つ保護者を対象に、小学校の早い段階で将来の進路について家庭の中で話し合うきっかけとするために、高等学校の進路説明会を開催したところ、大変好評を得ました。
平成26年度は小・中学生及びその保護者を対象に開催し、子供たちが家庭の中で進路について保護者と話し合い、明確な目標を持つことで学習意欲の高揚につなげたいと考えています。
三つ目は、地域と連携した取組についてであります。
まず、教育支援活動推進事業の充実であります。
教育委員会内に運営委員会を設置して2名の地域コーディネーターがすぐれた地域の人材を発掘し、小・中学校で必要としている外部人材を学校に派遣する事業で、学校教育活動の一層の活性化を図ります。
次に、「小樽イングリッシュキャンプ」の実施であります。
道教委、小樽ユネスコ協会、小樽商科大学の留学生などの協力をいただき、1泊2日英語漬けの時間を過ごし、生きた英語によるコミュニケーション能力を養成するとともに、2日目には外国人観光客へ英語で観光案内するなど、国際感覚も養います。
学校教育の分野の重点施策の第2点目は、教育環境の整備であります。
まず、一つ目は、平成21年度に策定した学校規模・学校配置適正化基本計画に基づく新しい学校づくりの着実な推進であります。
平成26年度は、「手宮地区小学校統合協議会」「色内小学校・稲穂小学校統合協議会」「長橋小学校・色内小学校統合協議会」及び「塩谷中学校・長橋中学校統合協議会」において、それぞれ学校、保護者、地域住民が連携し、学校教育目標や学校行事など新しい学校づくりに向けた検討を行うとともに、通学路の安全対策や統合校との事前交流事業などについても検討を進めてまいります。
また、平成29年度に予定されている北山中学校と末広中学校の統合に向けて、年度中に学校、保護者、地域住民による統合協議会の設立を目指します。
さらに、中央・山手地区の緑小学校、最上小学校、花園小学校及び入船小学校、南小樽地区の天神小学校及び奥沢小学校については、保護者や地域住民の理解を得ながら平成30年度の統合に向けて、それぞれ統合協議会の設立を目指します。
二つ目は、学校の改築や耐震化などの施設整備についてであります。
平成26年度は、手宮地区統合小学校の校舎棟が完成し、9月には現手宮小学校が新校舎に引っ越しを行うほか、山手地区統合小学校の実施設計を行います。
次に、耐震化関係としては、耐震診断は、奥沢小学校、幸小学校、潮見台中学校及び朝里中学校、耐震化工事に向けた実施設計は、奥沢小学校、銭函中学校、潮見台中学校及び朝里中学校で行います。
次に、建築基準法施行令改正に伴う非構造部材の落下、転倒防止対策として、屋内運動場の照明設備の点検・補強やバスケットゴールの改修のほか、教室内の備品を固定するなどの対策を行います。
三つ目は、児童・生徒の安全管理に関する取組についてであります。
自動体外式除細動器AEDについて、これまで小学校7校、中学校14校に設置しておりましたが、児童・生徒の緊急時に迅速な対応ができるよう全校に配置することとし、未配置の小学校17校全てにAEDを設置いたします。
また、昨年8月から学校給食センターが稼働し、アレルギー対策について検討してきましたが、現在、卵除去食などの提供について検討を進めており、早急に取り組んでまいります。
本年8月には小樽市で第57回北海道学校給食研究大会を開催することとしており、食育指導のあり方や食物アレルギーなどの研究を通して、職員の資質、能力の向上を図り、一層安全で安心な学校給食の提供に努めます。
学校教育の分野の第3点目は、特別支援教育の充実についてであります。
昨年、保育所、幼稚園、小・中学校、高等学校、特別支援学校のほか、保健福祉関係機関、医療関係機関、公共職業安定所などで組織する小樽市特別支援連携協議会を立ち上げ、特別支援教育を必要とする子供たちの個別支援計画について協議を行い、乳幼児期から就労時期まで一貫した支援を目指します。
また、小・中学校の通常学級に在籍するLDやADHDなど特別な支援を必要とする児童・生徒や、介護の必要な障害のある児童・生徒の学習活動を支援するため、必要に応じ特別支援教育支援員と介護員を配置します。
次に、社会教育の分野の重点施策についてであります。
第1点目は、社会教育施設の取組についてであります。
まず、市立美術館では、開館35周年を記念して、特別展「色彩の饗宴巨匠たちの絵とパレット~ピカソ、ユトリロ、北海道ゆかりの画家たち~」を開催します。これはキャンバスに描かれた作品とパレットに描かれた作品を一対で紹介するもので、これにあわせて一般市民向けの講演会、小・中学生向けの講座やワークショップを開催します。このほか特別展として、親子のための展覧会「伊藤英二木のおもちゃ展」を開催します。
次に、市立文学館では、特別展「石山透と少年少女ドラマの時代」を開催します。これは、小樽生まれの脚本家石山透が活躍した1960年代から1980年代の少年少女ドラマに関する資料を展示するものです。
次に、総合博物館では、勝納川の歴史、自然、産業、地質など幅広い分野を取り上げた企画展「小樽をはぐくんだ川~勝納川~」を開催します。これにあわせて、流域の潮見台小学校、奥沢小学校、天神小学校と連携してフィールドでの講座を開催します。このほか「バイオミメティクスの世界」「刷師三田村務の世界」「学校帰りのおもちゃやさん」の三つの企画展を行います。
次に、市立図書館では、平成25年度末に電算システムを更新することとしており、これを機にインターネット予約サービスを開始し、市民の貸出しの利便を図ります。
また、平成24年度から松ヶ枝中学校、花園小学校でモデル的に行っていた市立図書館によるスクール・ライブラリー便事業を全小・中学校を対象に本格実施します。これは、学校からのリクエスト本を市立図書館で購入し、100冊を単位として2か月間学校に貸し出し、順次学校を巡回するもので、学校図書館の利用促進を図るとともに、子供たちの読書意欲を喚起しようとするものであります。
第2点目は、文化財の保存・保護についてであります。
重要文化財旧日本郵船株式会社小樽支店の保存修理に向けた調査工事を昨年に引き続き行いますが、この間、休館の措置を講ずることになりますので、市民、観光客の皆様への周知徹底に努めます。
また、無形民俗文化財の関係では、本年10月に小樽市で第56回北海道・東北ブロック民族芸能大会が道教委主催で開催されることになっており、本市から松前神楽小樽保存会が出演することになっております。
第3点目は、市民スポーツの振興についてであります。
年々、道内外から参加者が増えているおたる運河ロードレース大会を今年も開催し、夏の観光イベントの一つとして定着化を目指します。
また、9月に開催される第16回北海道ジュニア陸上選手権大会に備え、手宮公園陸上競技場のスリットビデオシステムを更新し、1,000分の1秒を競う大会の成功を目指します。
さらに、高齢化や子供の体力の低下といった状況を踏まえ、教育委員会として今後の生涯スポーツのあり方などについて、スポーツ推進審議会、スポーツ推進委員会、小樽体育協会などの協力をいただきながら検討を行ってまいります。
なお、新・市民プール整備事業については、引き続き建設場所、建設形態、ランニングコストなどについて検討を行ってまいります。
第4点目は、生涯学習関係事業についてであります。
初めに、昨年、市内で活躍している芸術・文化・スポーツなど生涯学習関係団体の活動内容などの調査を行い、145団体について市のホームページに掲載したところであります。今後、各団体間のネットワークづくりへの支援を行いながら、団体活動の活性化を図ってまいります。
また、長く続いていた伊藤整文学賞が本年、第25回をもって幕を閉じることとなりますが、伊藤整文学賞の会では、記念誌の発行、企画展、記念講演などの記念事業を計画しており、小樽市としてその事業に対し助成を行います。
以上、平成26年度の教育行政を執行するに当たっての重点施策と狙いについて説明を申し上げました。
市民の皆様並びに議員各位の一層の御支援と御協力を心からお願い申し上げます。
○議長(横田久俊)次に、議案第41号について、提出者から提案理由の説明を求めます。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、中島麗子議員。
(20番中島麗子議員登壇)(拍手)
○20番(中島麗子議員)日本共産党を代表して、議案第41号小樽市非核港湾条例案の提案理由を説明します。
2000年の第3回定例会で初めて本条例案を提案してから、今回で54回目の提案になります。
この間、核兵器をめぐる世界の運動は、大きく変化してきました。
そもそも核兵器廃絶は、国連総会第1号決議が原子兵器の禁止であったように、戦後政治の原点でした。しかし、米ソ二極構造の下で、両国が同盟国を核の傘に置く軍事ブロックをつくって対抗しながら、核兵器を独占する体制が続いてきました。
1970年に核兵器不拡散条約NPTが発効されましたが、これは核兵器を持つことが許される国を5大国に限定し、それ以外の国が核兵器をつくったり手に入れたりすることを禁じた、核兵器の独占を認める差別的なものです。しかし、条約では、核保有国が核軍備の縮小、撤廃を約束しており、やがてなくしていく方針が含まれており、この点に多くの国が賛成し、現在190か国が参加しています。そして、5年ごとに再検討会議を開き、条約の運営状況を検討することになって現在に至るものです。当初は、こうした大国主導の下で核軍縮の議論も今と違って活発ではありませんでした。
この状況に決定的な変化をもたらしたのが、1991年のソ連崩壊と、その軍事ブロックの解体でした。2国間の対立の中で支配や圧力の下にあった国や運動は、その影響から解放され、非同盟諸国が積極的な役割を果たすようになりました。
米ソ対立がなくなった後の世界は、核兵器のない世界が基本になること、核兵器保有国が核軍縮義務を怠っていることを批判し、1997年の国連総会では、マレーシアの提案で核兵器禁止条約の交渉を要求する決議が賛成115で採択され、その後この決議は毎年提出されています。
来年は被爆70周年を迎える年であり、被爆者の皆さんの平均年齢は今年中に80歳を超えます。一刻も早く核兵器のない世界を実現しなければなりません。
現在、核兵器禁止条約をめぐる新しい動きが起きています。
一つは、非同盟運動を代表してイランのロウハーニー大統領が行った、核兵器を禁止、廃絶する条約の新たな提案です。第68回国連総会では、この提案を盛り込んだ決議が加盟国の3分の2を超える137か国の賛成で採択されました。非同盟運動が中心となって提案した決議としては、最も多くの賛成を得たものになりました。
もう一つの大きな特徴は、核兵器の使用がもたらす非人道性に目を向け、この残虐な兵器を禁止、廃絶すべきだという議論が大きく発展していることです。
2012年4月、ウィーンで行われたNPT再検討会議の第2回準備委員会は、16か国の連名で核軍縮の人道的側面に関する共同声明を発表して以来、この年の国連総会では賛同が34か国になり、昨年10月21日には125か国の賛同で4回目の声明が発表されました。日本政府は、「日本は米国の傘の下にいるというアプローチをとっている。こうした核抑止の否定につながるものには賛同できない」こう言って、過去3回の共同声明には加わりませんでした。しかし、2013年の平和宣言で田上富久長崎市長が、「日本政府は署名せず、世界の期待を裏切りました。これは二度と世界の誰にも被爆の経験をさせないという被爆国としての原点に反します」と厳しい批判をするなど、世論や平和運動に押されて、4回目の共同声明に参加しました。
日本政府が被爆国にふさわしい役割を果たすことは、核兵器のない世界へ前進するためには大変重要です。
ところが、安倍晋三首相は、インドとの間で原発輸出につながる原子力協定交渉を進めています。インドの原発は21基、今後、設備容量を2032年までに10倍以上に拡大する目標です。NPTに加盟せず、過去2回、地下核実験を行った核保有国であり、核弾頭保有数は90ないし100発と推測されています。インドとの原子力協定は、被爆地の広島市、長崎市の両平和宣言で、「核兵器を廃絶する上で障害となりかねない」「NPTを形骸化する」と批判の声が上がっています。被爆国日本は、インドの核兵器製造に加担するような原発の輸出はやめるべきです。
このような状況の中で、来年、NPT再検討会議が開催されます。日本中の各地域の核廃絶を進める運動や自治体活動が大きなうねりとなって世界の運動に連動します。
今年2月は、小樽港に米艦船の入港がありませんでした。1961年から2013年まで、68隻の外国の艦船が入港しています。毎年、さっぽろ雪まつりの時期に合わせ、親善、友好を目的と称してアメリカ軍の艦船が小樽港などに入港していますが、核兵器の搭載については明らかにされないままです。小樽港は古くから商業港として発展し、近年、クルーズ船の寄港も含めて平和な港として利用されてきました。
小樽市は、1982年、核兵器廃絶平和都市宣言を行いました。ここには「いま、核兵器の廃絶、使用禁止は、もっとも緊急な課題であり、日本国民は、世界唯一の被爆国民としてこれを積極的に実現する崇高な責務をおっている。」とあり、「小樽市は、わが国の非核三原則が完全に実施されることを願い、すべての核保有国に対し、核兵器の廃絶と軍縮を求め、核兵器廃絶の世論を喚起する」ことを宣言しています。30年以上経過した現在もなお、この宣言の内容は、ますます真価を発揮しています。
さきに述べたように、核廃絶に向けて世界の世論が高まっている現在、小樽市が非核港湾条例を制定することは、日本だけでなく世界を励ますことになります。議員各位の賛同をお願いして、提案説明といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)日程第3「休会の決定」を議題といたします。
お諮りいたします。
議案調査のため、明2月27日から3月2日まで4日間、休会いたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
本日は、これをもって散会いたします。
散会午前11時17分
会議録署名議員
小樽市議会議長横田久俊
議員濱本進
議員久末恵子