開会午後1時00分
○議長(横田久俊)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、秋元智憲議員、濱本進議員を御指名いたします。
日程第1「議案第1号ないし第23号並びに平成25年第3回定例会議案第7号ないし第21号並びに請願及び陳情並びに調査」を一括議題といたします。
これより、順次、委員長の報告を求めます。
まず、予算特別委員長の報告を求めます。
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)2番、千葉美幸議員。
(2番千葉美幸議員登壇)(拍手)
○2番(千葉美幸議員)予算特別委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
議案第6号により市税条例が改正されると、市税を特別徴収されている年金所得者が賦課期日後に市外に転出した場合、これまで普通徴収へと切り替わっていたものが、特別徴収を継続されることとなる。国民健康保険料や後期高齢者医療制度の保険料については普通徴収も選択できることを鑑みれば、市民税についても同様に、特別徴収を強制せず、各人の希望で普通徴収に変更できるようにすべきではないか。
一方で、株式等及び公社債等に係る所得に対する課税の見直しが行われ、損益通算の対象が公社債等の利子所得、譲渡所得にまで拡大されることになれば、多くの金融資産を保有する富裕層ほど条例改正の恩恵を受けることになるのではないか。
今定例会には、消費税率の引上げに伴う水道料金、下水道使用料の改定に関する条例案が提出されている。水道料金や下水道使用料の額についての条例を議会に提出するに当たって、市長は、「あらかじめ、その額について審議会の意見を聞くものとする」と小樽市水道料金等審議会条例第2条にはあるが、今回の改定については、消費税法の改正に伴う自動的な料金改定であり、審議を行うことはなじまないとして、審議会を開催しなかったという。しかし、条例で審議会の意見を聞くことと定めていることや、消費税率の改正に伴い審議会を開催している自治体もあることから、今回の改定についても審議会を開催し意見を聞くべきであったと思うがどうか。
同報系無線による情報伝達については、長い海岸線を有する本市にあっては、整備に係る事業規模が膨大となるなど、導入にはさまざまな課題があるというが、その有効性は非常に高いのではないか。
仮に本市で導入する場合、無線を受信する野外スピーカー1基につきどれほどの範囲をカバーできるか、また何基必要になるか、市は試算しているのか。
同報系無線は、より多くの市民にいち早く危険を知らせる上で大きな効果が期待できることから、これを受信できる野外スピーカーの整備を前向きに検討し、今後もさらに研究を重ねてほしいと思うがどうか。
小樽市統計書によると、平成17年から22年にかけ本市での就業者数が7,129名減少しているが、市内に居住する就業者の減少がその大部分を占める一方、札幌からの通勤者数には変動がほとんどない。市は、この間、雇用の確保による人口増加に取り組んでいるが、この統計からは、市内に就業していても、札幌に居住し、通勤する人が相対的に増えていることが推測され、たとえ雇用の場が増えたとしても、人口は増加しないことも考えられる。子育て環境や教育の質の面から、札幌へ転居する方も多く、人口増加のためには、企業誘致とともに、こういった部分を重点的に改善していく必要があると思うがどうか。
また、そのためにも、財政難で削減され続けてきた子育て・教育関連の予算について、来年度はしっかりと措置してほしいと思うがどうか。
ふれあいパスについては、燃料高騰や利用者の減少など、バス事業者の置かれている環境が非常に厳しい現状を受け、事業者から事業者負担の減額について申入れがあったという。市は、その分を利用者負担とする方針というが、値上げをすればさらなる利用者減となり、不採算路線の拡大、ひいては路線の廃止などにつながることも懸念されるがどうか。
また、そのような場合を想定し、国の支援策を利用したデマンドバスなどの運行も視野に入れるべきと思うが、本市の公共交通機関は歴史的に恵まれてきたこともあり、市は検討していないのが現実である。しかし、現在の輸送体系が継続されていく保証はどこにもない以上、問題が顕在化しないうちに、将来の公共交通を確保するための検討を進めておくべきと思うがどうか。
現在、後志管内の市町村で国道393号の改良について国に要望をしていると聞く。この要望が実現した場合、倶知安町やニセコ町までの移動時間が短縮されることから、これらの町やキロロを含めた広域観光が活発化すると思われるがどうか。
また、これまで市内を抜け稲穂峠を経由していたルートの代替路ともなり、市内への流入交通量の減少が見込まれる。これにより、臨港線の交通量が減少すれば、現在の片側3車線を2車線化し、あいた車線を緑地帯としたり、歩道の拡幅を行い、人力車や自転車が通れるようにして、北運河へのアクセスを容易にするなど、運河周辺の再整備も可能となることから、市は、将来を見据え、国道393号が早期に改良されるよう、具体的な案をもって国に要望していくべきと思うがどうか。
本市では、今年度初めて全国学力・学習状況調査の教科ごとの結果を数値で公表したが、学校別の平均正答率の公表は難しいという。しかし、学力向上には家庭教育の重要性は明らかであり、学校別の結果を公表することは、保護者に子供の学校の現状をしっかりと把握してもらい、家庭学習に真剣に取り組んでもらうための啓発につながるものと思うがどうか。
また、「学校改善プラン」は、自校の実情に応じて作成されるものであるにもかかわらず、紋切り型の表現が多く見受けられるが、課題点は学校により違うものであるから、それぞれの学校に見合った改善策をしっかりと盛り込んでほしいと思うがどうか。
新・市民プール建設の実現には、建設後、現在ある高島小学校温水プールも合わせたランニングコストをどのように捻出するかが一番の課題になると思われる。ランニングコストについては、民間委託や指定管理者制度を導入することにより、軽減が図れると思われるが、市教委では、このことについてどのように検討しているのか。
あわせて、複合施設になれば管理費が少なくなることから、老朽化に伴い後期実施計画の中に施設整備についての項目がある総合体育館や、同様に老朽化している市民会館などに併設してプールを建設することも検討してほしいと思うがどうか。
2020年の東京オリンピック開催が決定し、今後、全国で代表メンバーの合宿や練習を行う場所の誘致活動が活発になると思うが、本市においても、総合体育館や陸上競技場など、練習会場としての国際基準に見合う規模の施設があると聞く。老朽化や駐車場等の確保など、解決しなければならないさまざまな課題があるとしても、練習に参加する代表選手を間近で見ることは、子供たちがより高みを目指したいと感じたり、新たなスポーツへの興味や関心を持つきっかけになるなど、本市の競技力の向上や競技人口の拡大に寄与すると考えることから、本市のスポーツ振興のためにも、練習地としての誘致活動を前向きに検討してほしいと思うがどうか。
市は、カジノ誘致に名乗りを上げた理由として、雇用促進や宿泊者数の増加などのメリットばかりを挙げ、市民から不安の声がある安全性は、法整備などにより担保されるだろうという。しかし、カジノがある諸外国を見ると、その周辺には風俗店が建ち並び、犯罪組織がかかわってくる可能性は否めないことから、仮に小樽にカジノが開設された場合、先人が残した都市遺産である小樽運河を中心に長い年月をかけて積み上げてきたイメージや、ブランド力を守ることができなくなるのではないか。
また、積極的に小樽を応援してくださる「まちづくり寄附条例に賛同して寄附をしていただいた方」「小樽案内人の資格を取りボランティア活動をしている方」「ふれあい観光大使に任命されている方」に対して、市はアンケート調査を行い、カジノ誘致にどのような考えを持っているか、しっかりと把握すべきと思うがどうか。
IRの一部であるカジノについては、メリットだけでなくデメリットもあることから、誘致に当たって市はしっかりと調査研究を行う必要があるが、現在、IRを担当するのは観光振興室の3名のみと聞く。しかし、わずか3名では十分な情報収集もままならず、今後、必要となる市民やIRに疑問を持つ人に対する説明をしっかりと行うためにも、体制の強化が必要と思うがどうか。
また、今後、IRを含め観光に力を入れていく上で、さまざまな取組を進めていかなければならず、そのためには、職員の増員とともに観光振興室を今の時代に合った組織へと改編していくことも必要と思うが、市は、どのように考えているのか。
国内の観光客数は、少子高齢化などによる人口減少に伴い、相対的に減少傾向になるのではないかとの声を聞く。こうした中、主要な観光地間では、誘致活動の競争激化が予想されることから、市は、近隣地域との連携を密にし、広域観光の確実な発展を目指すことが重要と思うが、現状と今後の取組はどうか。
また、国際観光は年を追うごとにその比重を増しており、よりインパクトのある小樽ならではの観光資源の見せ方や各種体験など、新たな魅力の提供が求められているが、市はどのように情報発信をしていく考えなのか。
介護保険制度について、国は要支援者向けサービスの一部を市町村事業に移管するとの方針であり、その受皿としては、既存の介護事業所に加え、NPOやボランティアの活用を想定しているという。しかし、本市には、そのようなサービスに対応できるようなNPOやボランティアの団体がほとんどないことから、平成29年の移管までに、市は、どのようにしてこうした団体を育成していくつもりなのか。
また、サービスを提供する団体を取りまとめるとともに、利用者と結びつけるための組織の設置など、課題はさまざまあると思うが、移管時に混乱することがないよう、しっかりと準備を進めてほしいと思うがどうか。
福祉灯油の実施について、市は、灯油価格が急騰した場合に、他都市の状況や、国や道の財政支援の動き、本市の財政状況を総合的に勘案し判断するとしており、灯油価格が一昨年から高どまり傾向となっているものの、本市の財政状況を鑑みると、国などからの財政支援がない中、単独での実施は困難であるという。しかし、平成19年度、20年度は、現在より財政状況が悪かったにもかかわらず、国や道の補助金があったことから実施され、19年度は1世帯当たり市は約2,000円を負担していることから、今年度においても、せめて同額程度の福祉灯油を市単独で実施する考えはないのか。
高齢者等を対象とした「置き雪除雪」の申請については、平成24年度に所管が建設部から福祉部に移ったことに伴い受付方法が変更になったが、23年度に「置き雪除雪」を実施したものの、24年度は未申請の世帯が107世帯に上ったと聞く。このうち71世帯は未申請の理由がわからず、受付方法の変更による申請漏れと懸念されるが、市は、新規申請が86件あったことを理由に、その影響ではないと判断しているという。しかし、所管を変更したことによる影響などを客観的に判断するためには、申請しない理由などの状況を把握するための調査を行うべきではないか。
また、福祉除雪の条件の一つに、ロードヒーティング等の融雪設備がないこととあるが、設備があったとしても、使用していないことが明らかであれば申し込めるという。今後、広報等で周知する際には、その旨をわかりやすく記載してほしいと思うがどうか。
本市のひきこもりに係る状況については、児童・生徒の場合は、市教委及び各学校の不登校者への対応を通じ把握できているが、市内全体での調査が行われていないことを考えると、市としての取組は不十分であると感じざるを得ない。山形県の調査で県内の民生・児童委員の43パーセントが担当地域に対応が困難な中高年のひきこもりの人がいると回答していることから推測すると、本市でも、ひきこもりについての相談を受けている民生・児童委員がいると思われる。ひきこもりの人の状況を把握し支援につなげるためには、個々の部署での対応ではなく、横断的なネットワークが必要と思うが、まずは第一歩として、民生・児童委員協議会を通じ、民生・児童委員にアンケートを行い、市内のひきこもりの人数を調査してほしいと思うがどうか。
11月に発表された障害福祉サービス受給者証への特別地域加算の記載漏れについて、市は、本年7月、事業所からの指摘により誤りに気づいたというが、公表まで4か月を要したのは、どのような理由によるものなのか。
また、市は、事業所から、利用者の自己負担増額分については、来年1月からの請求とし、平成22年度からの3か年分については、さかのぼって徴収しないとの理解をいただいたという。しかし、事業所が利用者から徴収できなかったのは、市が受給者証に加算を記載しなかったためであり、事業者には非がないことを考えると、市が負担すべきであると思うがどうか。
特別地域加算の未支給については、事業所から最初に指摘があった平成24年12月と別の事業所から再度指摘があった本年7月において、担当者から上司への報告に違いはあったのか。
また、事業所には、利用者負担の増額分は来年1月以降徴収し、過去の分は徴収しないことで理解を得たというが、同様のミスが発覚した道内他都市の状況はどうなっているのか。
今回の件は、単に担当者の認識に起因するものではなく、市の体制上のミスと言わざるを得ないことから、事業所に対し、過去の分は市が責任を持つとの態度を示すべきだったのではないか。
現在、税法上の障害者控除の対象は、障害手帳や療育手帳の交付を受けている者などであり、難病者は対象となっていない。しかし、本年4月から障害者総合支援法が施行され、難病者も障害福祉サービス等の対象となったことから、障害者控除についても対象を拡大し、難病者も加えるべきと思うが、市はどのように考えているのか。
また、このことについては、厚生労働省が財務省に対し、難病者の税制優遇措置を求めていると聞くが、本市においても、この流れを受け、先行して控除対象とするなど、積極的に取り組んでほしいと思うがどうか。
昨年10月に障害者虐待防止法が施行され、障害者に対する虐待を発見した者は地方自治体への通報が義務づけられた。法施行後、道内では障害者施設入所者に対する虐待が相次いで明らかとなったが、障害者に対しサービスを提供する職につく者が、職務中に入所者に虐待を行っていることについては、厳しく糾弾されるべきと思うが、このことについて市はどのように考えているのか。
また、再発防止に向け、道が施設に対し実態調査を開始したと聞く。本市にも障害者の入所施設があることから、道と連携し、情報の共有などに努めてほしいと思うがどうか。
旭川市では町会長などの了承の下、市で去勢、避妊手術を行った野良猫を再び地域に戻すという地域猫対策を道内の自治体では初めて実施したと聞く。地域猫対策については、本市でも個別に取組を行っている町会があると聞くが、市として旭川市と同様の施策を行うことや、取組を行っている方に対する補助などを行うことはできないのか。
保健所ではボランティア団体と協力しながら、市民に犬や猫の終生飼養について啓発活動を行っているとのことだが、動物愛護の観点から、市民に一層理解を深めてもらえるよう継続して取り組んでほしいと思うがどうか。
小樽ファンが支えるふるさとまちづくり寄附条例に基づく寄附については、先日、報道のあった防災協力自動販売機の売上げに基づくものを含め、毎年多数が寄せられていると聞く。これらの寄附は、小樽への愛着や思いに基づいて寄せられるものと思うが、市は、寄附金の使途や次年度の企画について寄附していただいた方々にお知らせしているのか。
また、今後とも、本市の歴史的遺産の保全のため、市民や全国の方々に向け、呼びかけを続けてもらいたいがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、議案第6号、第8号、第9号、第11号ないし第16号につきましては、採決の結果、賛成多数により可決と決定いたしました。
次に、その他の議案につきましては、いずれも可決と、全会一致により決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
(7番小貫元議員登壇)(拍手)
○7番(小貫元議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、議案第6号、議案第8号、議案第9号、議案第11号ないし議案第16号は否決を主張して討論を行います。
また、賛成する議案第1号一般会計補正予算に計上されました障害福祉サービス費「特別地域加算」分の増額に関連しまして、一言意見を述べます。
この特別地域加算の支給により、市民税課税世帯の利用者は、15パーセント増しの利用料となります。小樽市が支給漏れとなっていた2010年度から昨年度分までの3か年の利用料についても、15パーセント増しで利用者の負担となります。
しかし、この追加分については、事業者が過去の分まで利用者に負担させるわけにはいかないということで、事業者が負担することになっているといいます。このような話を事業者から聞いたら、これは小樽市のミスが原因ですので小樽市が持ちますよ、このように提案することがなぜできないのでしょうか。この額の合計が約22万円です。小樽市がカジノサミットに補助金を出した20万円とほぼ同額です。ばくちにはお金を出すが、みずからのミスについては責任を持たないという姿勢は問題であり、小樽市が負担をすべきです。
次に、議案第6号小樽市税条例の一部を改正する条例案についてです。
理由の第1は、年金所得者が賦課期日後に市外に転出した場合においても、特別徴収を継続することです。後期高齢者医療の保険料や国保料からの特別徴収は、国民からの批判を浴び、口座振替を選択できるようになりました。本来、年金についても、特別徴収の強制をやめさせ、各人の希望で普通徴収に変更できるようにすることが必要だからです。
理由の第2は、現行の上場株式等の配当・譲渡所得に対する損益通算特例を債券、公社債等の利子益、譲渡所得にも拡大することは、多くの金融資産を保有する資産家ほど税制面での恩恵を受けるものです。資産家、富裕層への優遇策の拡大となるからです。
次に、議案第8号小樽市夜間急病センター条例の一部を改正する条例案、議案第9号小樽市廃棄物の減量及び処理に関する条例の一部を改正する条例案、議案第11号小樽市営住宅条例の一部を改正する条例案、議案第12号小樽市港湾施設管理使用条例の一部を改正する条例案、議案第13号小樽市入港料条例の一部を改正する条例案、議案第14号小樽市水道事業給水条例の一部を改正する条例案、議案第15号小樽市簡易水道事業給水条例の一部を改正する条例案、議案第16号小樽市下水道条例の一部を改正する条例案についてです。
いずれの条例案も、消費税の税率引上げに伴い、料金や使用料を変更するものです。日本共産党は、市民生活に直結するこれらの料金や使用料については、生計費非課税という近代税制の原則、憲法の精神から消費税の転嫁を撤回するよう求めてきました。しかも、物価の上昇や年金の削減、年少扶養控除の廃止など、市民生活が苦しさを増す中、消費税の増税負担は厳しいものがあります。しかも、来年4月の消費税増税は、社会保障の解体と大型公共事業の復活などと一体であり、社会保障の拡充や財政再建の理由は成り立ちません。17日に閣議決定した中期防衛力整備計画では、2014年度から5年間で24兆6,700億円を予定し、オスプレイや無人偵察機など新型兵器の導入がめじろ押しとなっています。国民に増税をかぶせながら軍事費を増やすということは、税金の使い方が間違っています。
本来ならば、国において来年4月の消費税増税を撤回することが、日本経済にとっても必要なことですが、小樽市においては、市民生活を応援するためにも、せめて公共料金に来年度からの消費税増税分の転嫁を行わないように求めるものです。
議員各位の賛同をお願いいたしまして、討論といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、議案第6号、第8号、第9号、第11号ないし第16号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、決算特別委員長の報告を求めます。
(「議長、15番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)15番、濱本進議員。
(15番濱本進議員登壇)(拍手)
○15番(濱本進議員)決算特別委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
平成24年度の移住決定数は、23年度と比較し、増加している。移住には不安がつきものであることから、その解消のため、お試し移住ツアーを実施したと聞くが、その内容はどのようなもので、参加者からはどのような感想、反響があったのか。
また、昨年度の移住者8件11人について、小樽に来てからの住居や生活状況などは把握しているのか。
移住促進事業も開始から数年たったが、市は、その中で見えてきた課題や今後の方向性について、どのように考えているのか。
市では、人口減少対策として、おたる移住・交流推進事業研究会を立ち上げ、団塊の世代を対象として移住促進事業に取り組んできたが、今後は、誘致に当たりデメリットがなく、人口増に直接的な効果が期待できる現役世代にターゲットを移していくという。しかし、移住希望者が情報を得るためのホームページは団塊の世代向けであり、子育てや教育など、現役世代が必要とする項目がないことから、そういった部分を重点的に情報発信できる内容にすべきと思うがどうか。
また、研究会を解散し、そのホームページを市が管理しているとのことだが、市のホームページにも同様の内容が掲載されており、市が二つのホームページを持つことは、維持管理費用の面からも無駄であることから、市のホームページへの統合を行うべきと思うがどうか。
簡易水道事業については、地下水利用組合加入企業の利用切替えが進んでおらず、このままでは、今年度の同事業特別会計に約1億1,000万円の赤字が生じ、一般会計からの繰入れにより補填しなければならなくなるという。この負担は市財政にとって大きな打撃となることから、切替えを促すために、激変緩和措置など企業が利用しやすい条件を整備すべきと思うがどうか。
また、この地下水は道の指導により利用されてきた経緯があることから、切替えが進まないことにより赤字が生じた場合、道に責任をとって赤字分を負担するよう、市長みずからが強く求めるべきと思うがどうか。
国際交流ボランティア登録制度について、ホームステイ登録家庭数は43家庭とのことだが、平成24年度実績では、何家庭で何人を受け入れたのか。
また、受入れの確認やその報告、ホストファミリーへの病気や災害の補償については、どのような状況になっているのか。
ホストファミリーは、ボランティアということだが、助成金など予算的な措置は全くないのか。
本市職員の定期健康診断は、毎年98パーセント前後という高い受診率で実施されているが、受診者に対する有所見者の割合が7割近くで推移しているという。これは、厚生労働省が調査した全国、北海道の割合と対比しても相当高く、有所見者の判定基準が全国で統一されていない点を考慮しても異常な状態だと思われるが、市はどのように認識しているのか。
職員が10人いれば、そのうちの7人が再検査あるいは治療が必要という状況は健全な職場環境とは言えず、健康管理について具体的な対策が必要になると思うが、市は、今後、どのような対策を考えているのか。
平成24年度決算によると、本市は、市税の収入状況が非常に厳しく、地方交付税に頼らざるを得ない財政状況にあるということが改めて浮き彫りになった。このような中、全国市長会などでは、国の三位一体の改革や公務員給与削減による地方交付税の削減に対して、その都度、緊急の反対アピールを出しているが、改めて地方交付税の配分を増額するよう、強く要望すべきと思うがどうか。
また、不用額については、以前は、財政状況が厳しい中、2パーセント台で推移していたが、ここ数年間は、3パーセント台で推移している。なるべく節約するのは当然だが、各課で3パーセントを目標に不用額を出す申合せになっているのではないか。
義務教育教材費は、小・中学校の教室などで使う備品や消耗品の購入費として各校に配分されているが、備品などの購入先は指名登録業者に限られているという。指名登録業者から購入すると値段が高いという話を聞くが、今後、市税収入の減少など市財政の悪化が見込まれることから、限りある教材費を有効活用し、教育の質を上げるための財源に充てられるよう、より安く購入できるのであれば、指名登録を行っていない市内の業者からも購入できるようにしてほしいと思うがどうか。
市教委が作成した平成25年度教育委員会の事務の点検及び評価報告書の中には、昨年度までは記載のなかったスキー学校の開催についての項目が新たに追加されている。長い歴史と伝統のあるスキー学校について、改めて記載したのはどのような理由によるものか。
本市においては、海水浴の授業のように、かつて当たり前に行われていたものの現在は行われていない授業もあるが、スキー学校については、スキーのメッカ小樽ならではの授業として長く継続できるよう努めてほしいと思うがどうか。
学校給食運営協議会の決算は単年度黒字となっており、平成24年度で約2,200万円の繰越金が発生している。このうち約1,000万円強については、年度当初に新1年生の給食費が納入されるまでの運転資金に必要とのことだが、その分を除いてもかなりの金額が活用できることになると思われる。市教委はこの繰越金の活用について、給食会計全体のあり方の中で検討を行うというが、生活保護や就学援助の対象とまではならない低所得世帯に対する給食費の減免のために充てることはできないのか。
学校給食費の平成24年度決算における収入未済額は、24年度分が580万6,000円、23年度分が524万円、22年度分が563万6,000円であるという。私会計の運営であり、収納の主体が各学校長であることから、各学校で督促や催告などを行っているというが、日々の業務の傍ら直接対応に当たる職員の負担について、市教委はどのように考えているのか。
また、学校給食費の現状については保護者に対して報告されているというが、今後、透明性を高めていくためにも、予算・決算の収支状況を事務執行状況説明書に記載するといったことも検討してほしいと思うがどうか。
平成21年に文部科学省から「学校における米飯給食の推進について」の通知があり、「週3回以上を目標として推進するもの」とされているが、市教委は、この通知についてどのような見解を持っているのか。
また、現在、本市の米飯給食は月曜日と木曜日の週2回の実施であるが、全国平均の3回と比べて少ない理由は何か。
今後、児童・生徒数の減少が予想されることから、米飯食器の洗浄委託料と、学校給食センターで食器を洗浄する場合の費用をよく試算して、経費の軽減を図り、米飯給食の増加を検討してほしいと思うがどうか。
昨年度の病院事業会計について、損益収支は6年ぶりに純損失を計上する結果となったとのことだが、新市立病院建設事業に伴う除却費の影響について、監査委員はどのように考えているのか。
また、法適用の公営企業会計においては、平成26年度から新会計基準が適用されることに伴い、資金不足額の算定において影響が見込まれるとのことだが、新基準への移行に当たり注意しなければならない点は何か。
小樽港湾内の水難事故に消防が出動した件数は、ここ数年は年間十数件ということだが、水難事故が起こった場合には、全て消防本部に対して救助の出動依頼があったのか。
また、港内には、築港臨海公園や各埠頭など20か所に救命用具が設置されており、当然ながら港湾作業での事故対策として、その適切な整備及び管理は必要であるが、整備に関する予算計上が困難な中、今後、どのように対処する考えか。
若者が抱える悩みの相談について、本市では、相談の内容により、教育委員会や保健所など、担当する窓口が分かれているという。
しかし、これらの悩みは、就職や不登校など複数の問題が絡み合っていることも多く、一つの部署だけで解決に至らないため、相談者からは、一貫してさまざまな相談を受けられるような窓口を求める声が多い。こうした声に応えるためにも、市は、国が設置を進めている地域若者サポートステーションなど、ワンストップで対応できる施設の開設に努めてほしいと思うがどうか。
市は、「小樽の食品」海外販路開拓支援事業として、東アジア等への進出に意欲のある企業を募集し、昨年11月初めにシンガポールで行われた見本市「OishiiJAPAN2012」に出展したとのことだが、参加企業は何社あったのか。
この見本市を通じて、契約を成立させた企業もあったと聞くことから、これを皮切りに、さらなる販路拡大につながるよう、市は鋭意、フォローアップに努めてほしいと思うがどうか。
また、この事業は市長の思いや政策の継続性という意味でも非常に重要な事業であると理解しているが、一方で、地域で消費されないものは販路の拡大にも至らないことから、市内企業を支援し、地場産品の市内や道央圏での消費拡大など、地産地消を進める取組をさらに進める必要もあると考えるがどうか。
おたる自然の村の使用料は、過去3年間、千五、六百万円で推移しているが、利用状況などを考えると、施設の設置目的など、条例も含めて見直す時期に来ているのではないかと感じる。施設自体は大変よいものであるから、ホームページなど広報活動を充実させるとともに、現在のように広範な事業を行うのではなく、民間の協力の下で農業振興や経営の向上に関する事業を行うなど、目的をはっきりさせるべきではないか。
これから、天狗山の開発も始まると聞くことから、その部分も踏まえ、来年度以降、自然の村のあり方について見直しをすべきと思うがどうか。
小樽市青少年問題協議会については、平成19年度まではほぼ毎年度開催されてきたが、それ以降、今日に至るまで開催されていない。市は、青少年に対する総合的な施策に変更を要するとき、又は青少年に係る大きな問題が起きたときに協議会を開催するというが、近年、全国的にいじめやインターネットに関連した事件が発生し、また青少年を取り巻く環境の悪化などが言われている。本市では、まだ大きな問題として表面化していないが、今後の市としての方針を決めていくためにも、一度、協議会を開催すべきと思うがどうか。
市では次期廃棄物最終処分場検討業務費を計上し、次期処分場候補地の調査を行っているが、さらなる調査が必要であり、検討は進んでいないという。一方、現処分場のかさ上げによる延命についても新たに検討を行っているとのことだが、これまで廃棄物を埋めてきたところを地盤とすることは、強度的に問題があるのではないか。
また、現処分場については、ごみの減量が想定以上に進んでいることで、計画より4年ほど延命できる見込みであるという。処分場については、厳しい財政状況の折、現処分場をできるだけ延命化することが望まれていると思うが、市は、そのために必要な今後のごみ減量化について、どのような対策を考えているのか。
平成24年度国民健康保険事業特別会計決算の保険給付費における不用額は、約5億3,771万円となっており、23年度と比較して約1億7,000万円も増加している。その要因について、市は、被保険者数と医療費が当初予算に比べ減少したためというが、実態は、予算計上における医療費の過大な見積りや、加入者の受診抑制が原因なのではないか。
また、国保加入世帯は、所得に占める保険料の割合が16パーセント以上と、大きな負担を強いられている現状である。24年度の保険料は、医療分が1万1,327円下がったにもかかわらず、後期高齢者支援分と介護納付費の増加により、トータルの減額分が5,000円余りに半減する結果となったことから、保険料を抑えるためには、増加傾向にある後期高齢者支援分と介護納付費の抜本的な見直しと、国庫支出金の増加を国に要望していくべきと思うがどうか。
本市の介護保険料は、所得が360万円以上の場合、いくら収入が多くても第8段階で頭打ちとなるため、低所得者ほど収入に占める割合が大きくなっている。高所得者により多くの負担を求め、低所得者へ配分することについて、市は、第8段階の該当者は全体の1.9パーセントしかいないため、低所得者への負担軽減効果は薄いというが、制度として可能であるのなら、所得に応じた段階をもう少し増やしてもよいのではないか。
また、生活苦などにより保険料を滞納している市民の中には、減免に該当するにもかかわらず、制度を知らない方もいると聞くことから、保険料徴収の際に職員から、減免制度があるので担当課に相談してみてはどうかと、周知してほしいと思うがどうか。
認知症高齢者が増えていく中で、小樽・北しりべし成年後見センターの相談件数及び受任件数も増えていくように思うが、今後の見通しはどうか。
また、現在、49名の市民後見人が登録されているとのことだが、新たな市民後見人の養成講座はストップしている。その理由は何か。
9月の新聞報道では、全国的に弁護士、司法書士を含む後見人が被後見人の財産を不正流用して、その額が数十億円に上っているという記事があったが、センターでの金銭管理の体制はどうなっているか。
ファミリーサポートセンターは、子育ての援助を行いたい提供会員と援助を受けたい依頼会員の相互援助組織であるが、8月現在での登録者数は、依頼会員が217人、提供会員が128人であるという。依頼会員より提供会員の方が少ない状況で、サービスを提供する機能がきちんと果たされているのか心配であるが、これまで支障などはなかったのか。
また、事業の対象となる小学校6年生までの子供が約9,300人いるというが、会員数に鑑みると、事業を知らない保護者が多数いることが容易に推測できる。その中には、本事業を必要としている方も多くいると思われることから、さらなる周知に努めてほしいと思うがどうか。
私道整備助成の申請件数は、ここ5年間では、平成20年度4件、21年度2件、22年度2件、23年度3件、24年度1件とのことであり少ない。これは制度の市民周知が不足していることに起因していると思うが、今後、市はどのように周知を行うつもりか。
また、市への申請手続については、市民にとって難解な点もあると思うが、私道整備助成を申請するに当たり、注意しなければならない点は何か。
多くの観光客が訪れる手宮公園や平磯公園など、重要眺望地点に指定されている地域や歴史景観区域などにある公園の維持・管理については、市民ボランティアによる草刈りなどが行われているものの、市の直接的な管理はほとんどなされておらず、観光都市小樽の顔として恥ずかしい状況にある。市の苦しい財政事情は理解できるが、機械を使った草刈りや樹木の剪定など、ボランティアでは対応できない部分については、しっかりと予算づけをし、人員を確保して最低限の管理は行うべきと思うがどうか。
公園に設置されている遊具の点検は、毎年、春先の設置とともに一斉に行い、その後は日常的なパトロールと公園愛護会からの通報により対応しているというが、ボルトが緩んでいるなど、整備が行き届いていない遊具を多く見かける。中でも、各地域にある子供たちが放課後に集うような公園の遊具については、安心して遊べるよう、しっかり整備してほしいと思うがどうか。
また、壊れた遊具に立入禁止のテープを巻き、長期間放置している公園があると聞くが、改修や撤去に時間がかかるのであれば、破損した遊具を柵や板で囲うなど、子供に危険が及ぶことがないような措置を最優先に考えるべきと思うがどうか。
先日、長橋なえぼ公園の駐車場において、乗り捨てられた盗難車が燃やされるという事件が発生したが、市は、公園はできるだけ自由に使ってもらうのが基本であるとのことから、今後の対策として、駐車場への出入りを制限するような処置をとる考えはないという。しかし、地域住民からは心配する声も出ていることから、このような事件が頻発するようであれば、柵や防犯カメラの設置などの安全対策をとるよう、研究してほしいと思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
平成25年第3回定例会議案第7号ないし第21号につきましては、採決の結果、賛成多数で、いずれも認定と決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)8番、川畑正美議員。
(8番川畑正美議員登壇)(拍手)
○8番(川畑正美議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、平成25年第3回定例会議案第7号ないし第21号の決算について、不認定の討論を行います。
議案第7号平成24年度小樽市一般会計歳入歳出決算認定についてです。
日本共産党は、平成24年度一般会計予算案に対し、新学校給食共同調理場建設事業の中止、石狩湾新港の北防波堤の延長工事負担金のうち、公債費と今年度分の港湾建設費相当分を削減、有価証券の売却、OBCの固定資産税滞納分回収の上積みなどで財源をつくり、未就職の高校生の市役所への臨時雇用での雇用支援、住宅リフォーム助成制度の拡大、ふれあいパスの利用負担の軽減、市営プールの早期建設を目指した調査の実施などを主張し、市民負担の軽減と市内経済の活性化を提案してきました。
2012年度決算は、21億8,000万円の不用額を生じながらも、市民生活を守る内容となっていません。
我が党は、新学校給食共同調理場の建設について、現在の小樽市の財政状況に照らしても財源規模からいっても無理があること、食の安全性、食育の立場から反対してきました。
石狩湾新港管理組合の負担については、公共埠頭とはいえ、現状は王子エフテックス株式会社の事実上の専用となっていながら、岸壁使用料だけでは借金を返済できないために、母体である北海道、小樽市、石狩市の負担となっています。王子エフテックス株式会社にも使用料のほかに適切な額を負担させるべきです。
小樽市の切実な課題である雇用確保対策に力を注ぎ、地域経済の活性化につながるような予算執行を行うべきです。
次に、議案第11号小樽市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算認定についてです。
2012年度の保険給付費で5億3,771万円の不用額が出ています。平成23年度と24年度を対比すると、後期高齢者支援金は1億5,748万円増加し、介護納付金も6,190万円増加しています。療養諸費の過大な見積りで高い保険料としていることが問題です。
平成24年度の国保料は、医療分の引下げがありましたが、後期高齢者支援金、介護納付金が引き上げられ、引下げ幅が半減しました。今後も後期高齢者支援金、介護納付金の引上げが予想され、国保料は引き上げられることになります。一般被保険者療養給付費が受診件数及び金額でも前年度比で減少し、国保加入者は、高い国保料と医療費のために受診を抑制している状況にあります。
次に、議案第12号小樽市土地取得事業特別会計歳入歳出決算認定については、本来、公有地の円滑な取得、運用のための基金です。2012年度の決算説明書によると、利子の収入が16万5,000円、これは一般会計に貸し出している5億1,000万円に対する利子です。現在は、土地が値下がりし、事前に土地を取得しておく必要性がなくなっています。本会計は、我が党が廃止を求めてきたものです。
次に、議案第13号小樽市住宅事業特別会計歳入歳出決算認定についてです。
市営住宅の指定管理者に支払われている使用料収納率向上対策事業について、昨年の決算特別委員会で我が党の中島議員が指摘していますが、収納率向上に対して民間に補助を出すことを行政がすべきではありません。
また、内部改修等、修繕計画で決められた畳替え等の改修も行われていません。計画どおり進めるべきです。
住宅リフォーム助成制度は、助成額を2,000万円計上しながら、415万3,000円残しました。リフォーム工事費は、総額2億2,683万円になり、14倍以上の経済効果をつくりました。助成額を増やして、申込者を抽選せずに受け付けし、市民と市内建設業者を応援すべきです。
次に、議案第14号小樽市簡易水道事業特別会計歳入歳出決算認定についてです。
協定に基づいて、小樽市の経営収支の不足分は石狩開発が負担することで事業を進めてきましたが、石狩開発が破綻し、小樽市にかぶせられてきました。北海道の強い要請に基づき進められてきた事業であり、北海道に負担させるべきです。
次に、議案第15号小樽市介護保険事業特別会計歳入歳出決算認定についてです。
本市の介護保険料は、全国平均を上回っています。特別養護老人ホームの待機者は解消するめどがありません。訪問介護サービスは、これまでの30分以上60分未満が45分未満に時間短縮され、生活支援などの必要なサービスができなくなっています。
介護保険制度は、介護サービスの拡充や基盤整備を進めれば、それが保険料値上げにはね返る仕組みです。
また、介護サービスを利用すればするほど、保険料が高くなり、経済的に苦しい生活の中で、多くの市民が利用していないというのが実態です。
次に、議案第17号小樽市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算認定については、2012年度からの保険料の値上げで反対です。前年同期比でも4,742万円も増大しています。
次に、議案第18号小樽市病院事業決算認定については、入院医療費の新しい計算方式であるDPC請求の実施は、収益を最優先されることから、患者への負担が増えることもあり、導入に反対です。
また、治療の一環とされる給食については、本来、病院局が経営すべき事業であり、民間に委託していることは認められません。
次に、議案第19号小樽市水道事業決算認定については、連続黒字の中で、基本水量20トンを引き下げて、市民負担を軽くすることを行わないことは認められません。特に生活保護費の切下げで、生保世帯は生活が苦しくなっており、基本水量の見直しで、水道の使用実態に合った料金体系で負担軽減を図る必要があります。
次に、その他の議案については、日本共産党は、消費税については一貫して反対の立場をとってきています。公共性のある事業について消費税を課せられるというのは、認められません。
以上の理由により、それぞれの決算について不認定を主張し、討論といたします。(拍手)
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)6番、安斎哲也議員。
(6番安斎哲也議員登壇)(拍手)
○6番(安斎哲也議員)一新小樽を代表し、ただいまの委員長報告に反対し、平成25年第3回定例会議案第7号及び第18号について、不認定を主張する討論をいたします。
まず、議案第18号小樽市病院事業決算認定についてですが、私たちの会派としては、従来の主張どおり、基準外繰入れを続けているという部分から、人件費の削減、経営形態のあり方の部分に関し、経営評価委員会からの指摘もあるように、まだまだ改善の余地があったという点です。
これまでさまざまな改善を行っていることも承知しておりますし、研修費の増額などを行っていただいたことは評価いたしておりますが、引き続き努力をしていただきたいと思っております。特に病院経営が失敗した場合には、今後の小樽市政に大きな影響を与えることは間違いなく、さらに今後は新市立病院建設費の償還についても負担が出てくるわけですから、何としても基準外の繰入れをしない経営体制を確立していただきたいと思います。
次に、議案第7号ですが、その基準外繰入れにかかわる部分から不認定とさせていただきます。
ただ、市長公約どおり他会計からの繰入れに頼らない財政運営のための皆様の努力は評価しているところで、以前から申し上げておりますが、これらの負債や借金という将来にわたるツケは、現役の皆様によるものではなく、バブルに踊った尻拭いをさせられている部分だと思います。
来年度からは、消費税増税をはじめ、さまざまな税制改正があり、地方自治体にとって大きな影響を受けますが、厳しい財政状況の中でも、選択と集中の観点から、将来負担を少なくしつつも市民の役に立つための市役所運営をお願いし、討論とさせていただきます。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、平成25年第3回定例会議案第7号及び第18号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、平成25年第3回定例会議案第8号ないし第17号及び第19号ないし第21号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、総務常任委員長の報告を求めます。
(「議長、27番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)27番、前田清貴議員。
(27番前田清貴議員登壇)(拍手)
○27番(前田清貴議員)総務常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
議案第3号により職員給与条例等が改正されると、公的年金の支給開始年齢まで、来年4月から新たに再任用となる職員の給与が引き上げられ、これまでの再任用職員との間に格差が生じる。地方公務員法では「職員の給与は、その職務と責任に応ずるものでなければならない」とされている以上、同じ職責を負う再任用職員の給与について、年金受給の有無により差をつけるべきではないと思うがどうか。
新・市民プールの建設に向けては、財政上の問題があるのならば、建設費やランニングコストの目標を立ててから、規模や建設地を決めて進めていくという視点が欠けているのではないか。
市教育委員会は、水泳人口や利用者が何を求めているかなどについて調査しているというが、一体何年かけて調査するつもりなのか。
また、後期実施計画の中で建設したいとの意向を市長部局に伝えているのか。
行政評価の結果は市民に公表する予定と聞くが、今後の方向性において「現状維持」となっていながら予算額が増額になっているものがあり、十分な説明がないままホームページに掲載しては誤解を招くことが危惧されるがどうか。
また、「要改善」との表現は何を伝えたいかがわかりにくく、「事業内容の変更」などとしたほうが一目瞭然であり、表現方法を検討してもらいたいがどうか。
行政評価における判定項目は、A・B・Cの3段階しかないが、Cは廃止と評価すべきものなのか。
本格実施に向けて市は、マイナスの評価だけではなく、例えば640日間火災による死亡者がいない火災予防の啓発事業はS評価とするなど、行政のプラス面について市民が判断しやすい表現方法を検討してもらいたいがどうか。
市は、総務省から示された新地方公会計制度に基づき財務4表を作成したと聞くが、市民1人当たりの資産額と示されても、資産には道路や公共施設など、こういうものが含まれるとの例示など、コメントが記載されていなければ市民には実感が湧かないのではないか。
今後、同表の数値が市民に与える影響や数値がどう変化することが行政の努力の表れかを示せば、市民理解が進むものと思うがどうか。
全国学力・学習状況調査の調査結果については、これまで文部科学省から過度の競争をあおらないよう配慮が求められてきたが、来年度以降、市町村の教育委員会に判断が丸投げされる。学校だよりなどでソフトに伝えられてきた内容が先鋭化すると、特定の子供が地域や学校から孤立する心配があるのではないか。
市教育委員会は、子供の能力を萎縮させるのではなく伸ばすための環境整備を行うことが重要であり、その意味から今後の公表の進め方を考えてもらいたいがどうか。
消防団員数については、高齢化に伴い、他都市においては確保に苦慮する中、本市では500人前後で推移しているという。消防本部においては、今後とも団員募集に向け、消防フェアのPRなど、鋭意努力を続けてもらいたいがどうか。
また、消防団員の研修については、多くの団員が受けやすい環境を整えてほしいがどうか。などであります。
なお、閉会中の10月17日に開催されました当委員会におきまして、石狩湾新港管理組合の協議案件について報告がなされ、質問が交わされております。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、議案第23号につきましては、採決の結果、賛成少数により否決と決定いたしました。
次に、議案第5号並びに陳情第2号ないし第145号、第151号ないし第280号、第283号ないし第289号、第293号ないし第308号、第319号及び第325号ないし第534号につきましては、採決の結果、賛成多数により、議案は可決と、陳情はいずれも継続審査と決定いたしました。
次に、その他の各案件につきましては、議案はいずれも可決と、陳情は採択と、所管事務の調査は継続審査と、全会一致により決定いたしました。
なお、当委員会におきまして、陳情第324号及び第325号について、今後の審議の参考に資するため、委員会の休憩中に陳情者から趣旨の説明を受けたことを申し添えます。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
(7番小貫元議員登壇)(拍手)
○7番(小貫元議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、議案第5号は否決、第23号は可決、陳情第2号ないし第145号、第151号ないし第280号、第283号ないし第289号、第293号ないし第308号、第319号及び第325号ないし第534号は、採択を主張して討論を行います。
最初に、今述べました議案、陳情に対する討論の前に、議案第3号小樽市職員給与条例等の一部を改正する条例案について意見を述べます。
この議案は、再任用職員の無年金期間の給与を保障するものであり、反対するものではありません。
意見の一つ目は、現在の再任用職員は、道内他都市と比べても低い給与で働いているため、新しい再任用職員との給与格差が生まれます。同一の労働には同一の賃金という点で問題が残ります。
二つ目は、週35時間労働を短時間労働とみなしている問題です。国家公務員の勤務時間は、1週間当たり38時間45分とされ、小樽市の一般職もこれに準じています。一方、国家公務員の再任用短時間勤務職員の勤務時間は、1週間当たり15時間30分から31時間までとなっています。週35時間労働を短時間勤務とする法的根拠が乏しく、一方では国家公務員には準じていながら、他方では準じることをしていないという矛盾があります。
以上、議案と関連する2点について、何らかの是正を求めるものです。
それでは、議案第5号小樽市職員恩給条例等の一部を改正する条例の一部を改正する条例案についてです。
恩給年額を引き下げるものであり、しかもその額がわずか年額約2万7,000円ですから、引き下げるべきではありません。
次に、議案第23号小樽市非核港湾条例案についてです。
小樽市が加盟する平和首長会議で扱う核兵器禁止条約の交渉開始等を求める市民署名は、12月現在で86万筆を超えています。
国連総会は、12月5日、核兵器禁止条約の交渉開始を求める決議を圧倒的な賛成多数で採択しました。9月には、初めてとなる核軍縮に関するハイレベル会合も開催し、核兵器禁止条約の国際交渉の速やかな開始を求める声が世界の流れになっていることを示しました。
また、イランの核兵器開発疑惑の解決を目指して、アメリカなど国連安保理理事国やEUによる交渉が合意を見ました。イランの核開発が明らかになってから10年余、平和解決に向けた画期的合意だと歓迎の声が上がっています。
このような核廃絶への国際世論の広がりがありますが、核保有国にみずから核兵器の放棄を約束させるには、さらなる世論の広がりが必要です。
現在、アメリカは、みずからの艦船に核兵器を搭載しているかどうかは明らかにしていません。来年2月になると、雪まつりの時期になります。すると、同時にやってくるのではないかと心配されることがアメリカの艦船です。核密約の存在が明らかになり、核兵器を持ち込む場合の事前協議は必要ないことが明らかになりました。
条例案は、小樽港に入港する外国艦船に核兵器が積んでいるかどうかを確認してから入港を許可するという内容であり、入港を許可するかどうか、港湾管理者の権限を条例上はっきりさせるものです。
次に、新しい陳情第325号ないし第534号「第6次小樽市総合計画」の「後期実施計画」の早期での「市民水泳プール」の建設方について、継続審査中の陳情第2号ないし第145号、第151号ないし第280号、第283号ないし第289号及び第293号ないし第308号についてです。
駅前ビルの室内水泳プールを反対の声があるにもかかわらず壊し、その補償金を駅前開発に流用しました。その後、市民の声に押され、小樽市は第6次総合計画に位置づけて、当時、財政状況が厳しい中でも早い段階での建設を目指し、前期実施計画に基本設計と実施設計の事業を明記しました。にもかかわらず、今年度予算で予算計上をせず、前期計画内での事業開始を見送り、加えて今定例会で報告のあった後期実施計画2013年12月案では、前期に記載していた基本設計と実施設計すら記載しないという後退した表現を示しました。
陳情は、市民に約束した事業を実施してほしいと建設を位置づけるよう求めるものであり、陳情者の願意は妥当であります。
次に、陳情第319号所得税法第56条を廃止し、自家労賃を経費として認めることを求める意見書提出方についてです。
12月現在で、道内48の自治体が意見書を可決しています。来月から白色申告にも記帳義務が拡大するのですから、青と白で区別をつける必要はありません。願意は妥当、採択を求めます。
議員各位の賛同をお願いしまして、討論といたします。(拍手)
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)17番、佐々木秩議員。
(17番佐々木秩議員登壇)(拍手)
○17番(佐々木秩議員)民主党・市民連合を代表し、委員長報告に反対、議案第23号小樽市非核港湾条例案に賛成の立場で討論をします。
私たちは、これまでのこの条例案討論の中では、主に米艦入港時の核兵器持込み疑惑や、その核兵器の危険性など、直接的な市民への脅威について指摘をしてきました。今回は、さらに核搭載可能性のある米艦入港による新たな間接的な脅威や不安を指摘しなければなりません。
それは、先日の特定秘密保護法の成立とその影響によるものです。これにより、アメリカ政府の公文書で明るみに出た核兵器を積んだ米艦船や航空機の領空、領海の一時通過や寄港などの場合、事前協議は不要とする日米核密約は一層秘密の闇に沈み、これからも米艦船核搭載情報が明らかにされることは、さらになくなるでしょう。このことは、逆に核搭載の可能性を一層否定できなくなることでもあります。
その特定秘密の塊のような米艦が毎年のように小樽港に寄港します。私たちが危惧する点は、米艦寄港時には、市職員、港湾関係者が米軍事機密という特定秘密を扱う者としてふさわしいかどうかの適性評価と呼ばれる適格審査が行われる可能性があるということです。適性評価制度では、本人だけでなく、親族、知人まで調べられ、把握されます。評価項目も思想・信条、恋人の有無、借金額や酒ぐせまでも含む広範囲なものとなっています。また、この適性評価は、公務員だけでなく、業務委託を受けた民間業者や従業員も対象となります。市民の思想・信条の自由など、個人の人権が脅かされる危険性があります。
また、友好親善を名目にやってきた米兵とのまちなかでの交流時の会話が本人の知らないうちに秘密に触れ、何げなくネットに書き込むと家宅捜索、事情聴取、最悪は起訴、有罪、懲役10年、これではおっかなくて友好親善どころではありません。
大げさなと思うかもしれませんが、前例があります。1957年、横須賀市で、米艦入港日程を乗組員から聞き出した出入りのクリーニング業者が米軍の機密を犯す罪で逮捕され、有罪になっています。ただ、仕事熱心さの余り、ほかの業者より先にクリーニングの注文をとろうとしただけにもかかわらずです。
さらに心配するのは、私たち市議会議員が米艦入港問題を議会で質問しても、理事者の皆さんがそれに答弁をしても、法に触れることになるのではという可能性が生まれたことです。結果、それぞれが自己規制し、議論が萎縮してしまうのが怖いところです。
このように、小樽市民の安心・安全がこれまでの核搭載の疑いにより脅かされる心配に加え、特定秘密保護法制定によって、個人の知る権利や人権、自由、これらが脅かされる不安が米艦入港によって身近にやってくることになります。
ぜひ、このたびは本条例案を可決し、多くの市民が疑念と不安を持っているこの特定秘密保護法の影響を少しでも減らすために、核搭載可能性のある米艦入港にノーと言えるこの小樽市非核港湾条例案に御賛同をよろしくお願いいたしまして、討論を終えます。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、議案第23号について採決いたします。
委員長報告は否決でありますので、原案について採決いたします。
可決と決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立少数。
よって、議案は否決されました。
次に、陳情第2号ないし第145号、第151号ないし第280号、第283号ないし第289号及び第294号ないし第308号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、議案第5号並びに陳情第293号、第319号及び第325号ないし第534号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、経済常任委員長の報告を求めます。
(「議長、3番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)3番、中村岩雄議員。
(3番中村岩雄議員登壇)(拍手)
○3番(中村岩雄議員)経済常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
札幌入国管理局では、旭川出張所の新設に伴い、札幌本局に最も近い小樽港出張所の廃止を予定していると聞く。入管の説明では出張所の適正配置によるものとのことだが、小樽港のこれまでの実績を考えると、旭川出張所の新設と小樽港出張所の廃止は違う問題であると思うが、市はどのように認識しているのか。
また、小樽港の出入国者数等は、来年度以降予定されているクルーズ客船の寄港数増加などにより、旭川空港と遜色のない人数になると見込まれ、さらなる寄港誘致に向けた取組も行っているなど、出入国審査業務の拡大が想定される中で、出張所を廃止するという国の理に合わない判断は絶対に認めてはならないと思うがどうか。
現在、市は、第3号ふ頭及び周辺再開発計画の作成を進めており、その中ではクルーズ客船誘致に係る施設整備などが計画されている。しかし、市民からは、夏に時々入港するだけのクルーズ客船のために多額の整備費用を投ずる価値があるのかといった疑問の声も聞かれることから、市は、クルーズ客船がもたらす経済波及効果について、しっかりと説明していくべきと思うがどうか。
また、整備に当たっては、乗船客のためだけではなく、市民が親しめる港にしていく必要がある。計画にあるイベント広場などは、市民が日常的に子供連れで遊べるスペースにもなり得ることから、そういったことも想定し、安全性に配慮した素材での舗装で整備をしてほしいと思うがどうか。
「小樽の森」構想については、これまで、運河を中心としていた本市観光において、天狗山を中心とした山側の魅力発信や施設整備を進め、さらなる観光振興につながるものと期待する。しかし、多額の事業費を要することから、一度に全ての事業に着手することは難しいと思うが、市では、まずどの事業から優先して取り組むべきと考えているのか。
また、事業実現化検討報告書には、アウトドアに係るさまざまな資格を取得できる専門学校を自然の村に設置する記載があるが、今の日本でこういった資格のニーズはあるのか。
一方、このような専門学校ができた場合、現在、市内の小・中学校が自然の村で行っているさまざまな体験学習を、これまでどおり実施することは可能なのか。
北小樽観光の中心である祝津地区は、ニシン漁繁栄の歴史や文化、おたる水族館のほか、豊かな自然を有しており、これらの資源を活用して、にしん群来祭りや花火大会などのイベントを実施し、多くの観光客を呼び込んでいる。北小樽観光の発展は、本市観光の課題である時間消費型観光の推進にもつながるものと思うが、小樽観光において、祝津地区はどのように位置づけられているのか。
また、祝津からオタモイにかけて、勇壮な海岸美を堪能できる赤岩遊歩道は、時間消費型観光に欠かせない観光資源であるが、より多くの観光客に足を運んでもらうためにも、来年度、小樽観光振興公社が新たに就航させる観光船内で放映されるプロモーション映像の中で、紹介してほしいと思うがどうか。
今年の小樽しゃこ祭は、開催時期を早めたことや天候にも恵まれたことから、昨年を大きく上回る4万1,000人の入場者が訪れたと聞く。関係者の苦労が実り、祭りの目的である小樽産シャコのブランド化については、ある程度熟成してきたものと思うが、今後さらに進めていくに当たり、市はどのような課題があると認識しているのか。
また、祭りには荒波しゃこ次郎という公式キャラクターがいるが、キャラクターの利用はブランド化の取組に効果的であると思われることから、ゆるキャラ化など荒波しゃこ次郎を前面に出した取組も必要と思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、陳情第290号につきましては、採決の結果、賛成多数により継続審査と決定いたしました。
次に、その他の各案件につきましては、議案は可決と、所管事務の調査は継続審査と、全会一致により決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
(22番北野義紀議員登壇)(拍手)
○22番(北野義紀議員)ただいまの委員長報告に反対し、陳情第290号国定公園「ニセコ・積丹・小樽海岸」の中心地区「オタモイ海岸」の早期整備方については、採択を求め、討論を行います。
オタモイ海岸の観光開発に小樽市が責任を持たなければならない理由については、2011年第4回定例会の陳情第290号の採択を求める討論で、歴史的経過を含めて述べていますので、改めてここでは詳しく述べません。
志村和雄市長の時代、オタモイ観光開発のためには、小樽市がオタモイの土地所有者になる必要があるとの立場から、関係者に協力をお願いして、ようやく小樽市が所有者になることができました。2007年のオタモイ海岸急傾斜地調査業務での崖の危険な事態を理由に、現在、小樽市は、オタモイ観光開発を本格的に進めようとはしていません。しかし、小樽市史にも書かれていますが、土地を購入することになった昭和53年第4回定例会で当時の志村和雄市長が、問題はあそこの崖崩れであると述べているように、崖の危険な状態は、今に始まったことでなく、危険を承知で開発するために購入したはずであります。
オタモイ観光開発がなぜ後景に追いやられたか。1970年代初頭、小樽運河を守れの運動が起こり、10年にわたる論争とその後の市民の努力で、小樽市という名前が世界のブランドとなりました。これでオタモイに頼らなくても小樽観光は売り出せると小樽市の認識が後退し、後景に追いやられる結果となりました。
しかし、これで、オタモイ観光開発の小樽市の責任が免罪されたわけではありません。加えて、2005年以降、遊歩道への岩盤の崩れや落石が発生したため、同地域を立入禁止にし、山田前市長時代の2006年から2007年にかけて、オタモイ海岸急傾斜地調査業務が行われました。この中で、景観を犠牲にした恒久的な安全対策には莫大な費用がかかるとの見解に飛びついて、これを理由にオタモイ観光開発を見捨ててしまいました。
新谷昌明市長の時代の12年間、マイカル誘致にうつつを抜かし、また山田勝麿市長の前半の7年間も有効な手だてをとらず、オタモイ観光開発に手をつけなかったことが、現在の困難をもたらしていると言って過言ではありません。
急傾斜地調査業務の報告をもってオタモイ観光開発はできないとする見解には、同意できません。
陳情の説明の中でも、市内業者の協力での現地調査では、昭和52年当時の復旧には1億7,000万円程度で、落石ネット補修、落石処理、落下防止手すり、お堂の修理・修復、沢整備・排水処理、のり面整備、モルタル吹きつけ、落石防止鉄製ガード等の整備をすれば十分に安全利用可能であると工事専門家は見ていますと述べられています。このように、陳情は安全対策にも言及しています。
陳情第290号を採択し、オタモイ海岸を早期に整備することを求め、討論といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、陳情第290号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時41分
――――――――――――――
再開午後3時10分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
次に、厚生常任委員長の報告を求めます。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、中島麗子議員。
(20番中島麗子議員登壇)(拍手)
○20番(中島麗子議員)厚生常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
陳情第322号は、共同保育所ポッポの家の解体及び清算費用の経費負担を市に求めるものである。同保育所は、少子化等により入所児童数が激減したことから、平成25年度末で閉所することを決断し、今日まで、家屋の解体費用等を捻出するための寄附金を募ってきたが、いまだに不足している状況であるという。開所した1971年からの21年間、小樽市で唯一の産休明け保育を実施するなど、本市の保育事業の補完的役割を果たしてきたことから、経費負担を求めるものであるが、同保育所の土地や建物の所有権はどのようになっているのか。
同保育所が本市に貢献してきたことは理解するが、市が費用を支出でき得るような法的根拠や公金を支出するべき政策的な理由はあるのか。
市が解体費用を負担することについては、公益性の観点等から難しいというが、閉所後の残務整理は職員がボランティアで行うと聞くことから、同保育所が本市の保育行政に貢献してきたことに鑑み、解体及び清算費用を含め、市として可能な援助がないものか、改めて検討するべきではないか。
陳情第323号は、容器包装リサイクル法を改正し、発生抑制と再使用を促進するための法律の制定を求める意見書の提出方についてである。現在の法律では、分別収集と保管を自治体が行うことになるため、ごみを減らそうと努力している市民の税負担に対する不公平感が高まっているという。平成20年度には市町村に支払われる資金拠出制度が創設されたものの、24年度には原資となる再商品化の費用が見直され、拠出金額が大幅に削減されるなど、自治体がリサイクルの推進に取り組むほど負担が増す状況であることから、このような仕組みを見直すよう国に要望すべきと思うがどうか。
桃内の廃棄物最終処分場については、いずれその容量が超過することが予想されることから、延命化対策として、新たな処分場を建設するよりはるかに安い費用で済む既存の処分場のかさ上げについて検討しているという。現在、市は、北海道とかさ上げに係るさまざまな協議を行っているとのことであるが、財政状況が厳しい中、費用負担が少なく、また効率的に長期間使用できる施設の構築を望むがどうか。
ふれあいパス事業の目的は、高齢者の社会への積極的な参加であり、本市にとって大変重要な福祉サービスの一つであるにもかかわらず、試験的に行った平成24年度事業評価の対象とし、さらには見直しを要する事業とすること自体、なじまないものと思うがどうか。
また、バス事業者からの負担割合の見直し要望により、新年度からバス1回乗車につき新たに20円の負担が発生することについて、これを全額利用者負担とする方針とのことである。ふれあいパスの配付対象者数は年々増加しているにもかかわらず、実際の交付者が減少しているということは、パスが必要なのは自身でバスに乗車して行動できる高齢者であることから、事業の趣旨に近づいてきているものと考える。そのような中で、利用者の負担を増大させることは、その趣旨に反するのではないか。
本事業は、高齢化の進む本市にとって極めて必要性が高く、本市が独自に行っている看板事業であるから、受益者負担増や経費削減を求めるものではなく、サービスの充実や維持を根本として考えるべきと思うがどうか。
また、バス事業者が今の負担に耐えられないというのであれば、事業者の負担軽減分である10円分について、利用者負担とするのではなく、市が負担するよう検討すべきと思うがどうか。
事業者からの要求に何の対応もせず、利用者にそのまま負担させる市の考え方は、重大な問題である。仮に市が20円分を負担した場合、財政負担は約4,400万円の増額になるというが、現在の事業費に増額分を加えても、過去の事業費を超えるものではないことから、増額分を市が負担すべきではないか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、陳情第322号につきましては、意見が分かれ、賛成少数により継続審査は否決されました。
続いて、棄権した会派を除き採決を行った結果、賛成少数により不採択と決定いたしました。
次に、請願第2号並びに陳情第1号、第310号、第314号、第316号、第320号、第321号及び第323号につきましては、採決の結果、賛成多数により、いずれも継続審査と決定いたしました。
次に、所管事務の調査は継続審査と、全会一致により決定いたしました。
なお、当委員会におきましては、陳情第322号及び第323号について、今後の審議の参考に資するため、委員会の休憩中に陳情者から趣旨の説明を受けたこと、また11月に実施した第2回市民と語る会で参加者から要望があった勤労女性センターへのエレベーターの設置を検討し、それが困難であれば4階の軽運動室を1階に移設してほしいとの件について、委員会を代表して斎藤博行委員が市長部局へ質問し、エレベーターの設置については、過去に検討したものの、スペースや財政面等から困難であること、また軽運動室の1階への移設については、センターの基本的機能を維持する観点から困難であるとの答弁があったことを申し添えます。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)8番、川畑正美議員。
(8番川畑正美議員登壇)(拍手)
○8番(川畑正美議員)日本共産党を代表して、新たに提出された陳情第322号共同保育所ポッポの家の解体及び清算費用の経費負担方について、陳情第323号容器包装リサイクル法を改正し、発生抑制と再使用を促進するための法律の制定を求める意見書の提出方について、また、継続審査中の請願第2号JR南小樽駅のバリアフリー化の要請方について、陳情第1号天狗山ロープウェイ線における最上団地停留所利用時の料金設定改善要請方について、陳情第310号銭函駅へのエレベーター設置方について、陳情第314号小樽市女性国内研修事業の再開方について、陳情第316号北西部地区における「一時的保育事業」の実施方について、陳情第320号朝里におけるまちづくりセンター建設方について、陳情第321号受動喫煙防止条例の制定等受動喫煙防止諸政策の強化方について、いずれも採択を求めて討論を行います。
陳情第322号共同保育所ポッポの家の解体及び清算費用の経費負担方についてです。
陳情趣旨説明で、みずからの体験として、土日・祝日関係なく24時間体制の勤務のため、対応してもらえる保育所を探しましたが、小樽市にはそのような保育所はありませんとの答えで、小樽市では、まるで小さい子供を持つ母親はフルタイムで働くなと言われているような気がして途方に暮れたとき、ポッポの家に入所することになり、ポッポの家がなければ、10年間、助産師として、正職員として仕事を続けることはできませんでしたと語っています。同保育所が42年間、無認可の下でも「産休明け保育」「保育時間の延長」「市外在住の子供を受け入れる広域保育」「緊急一時保育」など、小樽市の公的保育所や認可保育所に先駆けて取組を行い、保育行政に貢献してきたことは、本市の担当部局をはじめ各会派の皆さんも認めているところです。
しかし、ポッポの家の解体及び清算費用の経費負担について、自民党は、ポッポの家は民間の事業所であり、みずからの運営に責任を担うもの、この件に限って特別に認めることはできないとして、また公明党は、本市の公金をもって閉所の経費負担をすることは法律上の根拠もなく、政策的な判断としても公益性がないことなどから、特定の民間財産の処分に支出すべきでないとして不採択を主張しています。
財政の基本原則には、公金支出の禁止がうたわれています。しかし、その趣旨は、私的な事業への不当な公権力の支配が及ぶことを防止するための規定であって、既に強い支配が及んでいるところには、そのような心配がないので、公金の支出も許されるという見解があります。このことからいえば、ポッポの家のように既に補助金を支出してきている中で、今回閉所することで、引き続く運営に強い支配が及ぶ心配がありません。
これまで、国においても、リーマン・ショックでの保有株式の価格暴落などで金融機関に公的資金を投入しています。東日本大震災にかかわり、住宅の新築、改築などをする場合において、これまでの住宅資金の借入れに加えてさらに住宅資金を借り入れるときに、これまでの借入れについては資金援助をしてきた例もあります。また、これまで本市においても、福祉灯油事業や住宅リフォーム助成事業で私的なことに公金を支出してきた経過があります。
このように、国、自治体を問わず、政策的な必要性から私的なことに支出してきた経過があります。民間事業者に対して市が支出する法的根拠がないなどとの主張は当たらないものと思います。ポッポの家がこれまで保育行政に積極的に貢献してきたことに鑑み、閉所に当たっての経費負担については、政策的にも支援していくことは妥当だと思います。
陳情第323号容器包装リサイクル法を改正し、発生抑制と再使用を促進するための法律の制定を求める意見書の提出方についてです。
廃棄物・リサイクル問題の解決のためには、大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済社会から脱却し、環境への負担が少ない循環型社会を推進することが必要です。
現状においては、収集は市町村、再商品化は事業所、分別は消費者の役割となっていますが、プラスチック容器の処理作業や経費は自治体に肩がわりさせられ、事業者はリサイクルの費用の一部を負担するだけというのが実態です。
このように自治体がリサイクルを積極的に進めることで一層自治体の負担が増える仕組み自体が法律の問題だとして、容器包装のリサイクルについて拡大生産者責任を強化するなど、容器包装リサイクル法を改正し、発生抑制と再使用を促進するための法律の制定を求める意見書を国会及び関係行政庁に提出することを求めた陳情であり、妥当であります。
継続審査中の請願第2号JR南小樽駅のバリフリー化の要請方について、陳情第310号銭函駅へのエレベーター設置方についてです。
市議会での市民と語る会においても、銭函の方から、「銭函駅の上り下りは年寄りには大変なことだ」「バスは国道まで出ていかなければならず、JRが頼りだ」「急いでバリアフリー化とあわせてエレベーターを設置してほしい」「JRと責任のなすり合いをするのではなく、市が積極的な姿勢を進めてほしい」などと、強い要望がありました。
市議会としても、いつまでも継続審査とすることなく、今この時期に採択し、市に積極的な推進を求める必要があります。
そのほかの継続審査中の陳情第1号、第314号、第316号、第320号及び第321号も願意妥当であり、採択を求め、各会派、各議員の皆さんの御賛同を呼びかけて、討論といたします。(拍手)
(「議長、14番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)14番、上野智真議員。
(14番上野智真議員登壇)(拍手)
○14番(上野智真議員)自由民主党を代表して、陳情第322号共同保育所ポッポの家の解体及び清算費用の経費負担方について、不採択の立場で討論いたします。
共同保育所ポッポの家は、昭和46年、小樽市で初めて産休明け保育を開始し、その後も無農薬野菜を使った手づくりの給食や外遊びの充実によって丈夫な体をつくる取組、また延長保育や緊急一時保育、広域保育など、認可保育所では対応が難しい特色のある保育を推進し、長きにわたり地域の要望に応えるべく先駆的な取組を行い、小樽市の子育てにおいて補完的な役割を担われてきた御功績には深く敬意を表するとともに、これまでの取組は今後も小樽市において必要なものと考え、会派としても行政に対し、強く要望していくものであると考えます。
しかし、これまでの保育への取組については、市も保育内容や園児数に見合った補助金を支出し、支援をしておりますが、本陳情に関しては、保育に対する補助ではなく、事業所の解体及び清算経費であること、またポッポの家は、民間の事業所であり、一般的な認識として、保育所に限らず、どの業種においても、民間事業所の運営責任は民間事業者みずからが担うものであることから、陳情内容については、一定の理解はいたしますが、この件を他の民間事業者と分けて特別に扱うことは、我が会派としては賛同しかねます。
よって、本陳情に関しては、不採択を求め、討論といたします。(拍手)
(「議長、19番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)19番、斎藤博行議員。
(19番斎藤博行議員登壇)(拍手)
○19番(斎藤博行議員)民主党・市民連合を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、陳情第322号共同保育所ポッポの家の解体及び清算費用の経費負担方について、継続審査を求める立場から討論します。
共同保育所ポッポの家は、1971年の開設以来、市内における多様な市民ニーズに柔軟に対応し、当時の認可保育所がカバーできない部分を補完する役割を果たしてきました。特に、認可保育所が産休明け保育を開始するまでの間、文字どおり、市内で唯一の産休明けの子供を受けてくれる保育所として大きな役割を果たしてきました。そうした役割については、先日開かれた厚生常任委員会においても、各会派より高く評価する発言が相次ぎました。
しかし、認可外保育所の経営は大変厳しいものがあり、利用している保護者や地域の支援に支えられてきた面が多々あります。このたびの閉所に当たっての費用についても、保護者、また以前にお世話になった保護者の皆さんのカンパが主要な財源と聞いています。40年以上の歴史はありますが、その間に余裕が生じたことはなかったのではないかと思います。
今、その役割を終えようとしているとき、この間の地域における子育て支援に果たしてきた経過を踏まえ、陳情者の思いを受け止め、全庁的に検討するためには時間が必要と考え、継続審査を主張するものであります。
なお、継続審査が否決された場合には、自席にて棄権の態度をとらせてもらうことを申し述べ、討論とさせていただきます。(拍手)
(「議長、5番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)5番、成田祐樹議員。
(5番成田祐樹議員登壇)(拍手)
○5番(成田祐樹議員)一新小樽を代表しまして、委員長報告に反対、陳情第322号共同保育所ポッポの家の解体及び清算費用の経費負担方について、継続審査を主張する討論を行います。
一新小樽としましては、このポッポの家の今までの活動を高く評価しておりますが、その一方で、解体にかかわる費用、また万が一残金が発生した場合の取扱いなど、まだまだ議論しなければならないことはたくさんあります。
よって、一新小樽は、継続審査を主張いたします。
なお、継続審査が否決された場合は、自席にて棄権いたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、陳情第322号について採決いたします。
委員長報告は不採択でありますが、継続審査と意見が分かれておりますので、まず継続審査について採決いたします。
継続審査とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立少数。
よって、継続審査は否決されました。
次に、委員長報告は不採択でありますので、原案について採決いたします。
採択と決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
○議長(横田久俊)起立少数。
よって、不採択と決定いたしました。
次に、陳情第321号及び第323号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、陳情第314号及び第316号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、請願第2号並びに陳情第1号、第310号及び第320号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、所管事務の調査について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、建設常任委員長の報告を求めます。
(「議長、10番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)10番、高橋克幸議員。
(10番高橋克幸議員登壇)(拍手)
○10番(高橋克幸議員)建設常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
平成20年7月にスタートした中心市街地活性化基本計画は、本年3月末に計画期間が終了したため、内閣府に最終フォローアップ報告書を提出した。計画に位置づけられた55事業には建設部所管のものだけではなく、総務部がかかわった事業や産業港湾部所管の事業もあるという。他部局にかかわる計画や報告がある場合は、担当理事者間で連携を図り、各常任委員会へも情報提供を行う必要があると思うがどうか。
次に計画を作成する際には、高齢化が進む本市の状況を考慮し、行政は高齢者がまちなか居住をするような仕組みをつくり、中心商店街はその方々をターゲットとした商品を販売するなど、官民協働により中心市街地活性化に取り組んでほしいと思うがどうか。
災害に強い国土・地域の構築に向けた建築物の耐震化を推進するため、「建築物の耐震改修の促進に関する法律の一部を改正する法律」が施行され、昭和56年5月31日以前に着工された建築物のうち不特定多数の人が利用する大規模建築物は、耐震診断を実施し、平成27年12月31日までにその結果を国に報告することが義務づけられたという。国は補助制度がない市町村に所在する民間事業者に対し、耐震診断に要する費用の一部を補助しているが、本市が補助制度を創設すれば、道の支援も見込まれ、結果的に事業者負担を大幅に軽減させることができる。本市において耐震診断を行わなければならない民間建築物は12件であり、その中には市の計画によりビルに入居した店舗もあることから、早急に補助制度を創設し、事業者負担の軽減に努めてほしいと思うがどうか。
建設常任委員会では、環境負荷の低減や省エネルギー化の促進、良好な住環境の整備、地域経済の活性化を図ることを目的とした住宅リフォーム助成条例案の提案を全会一致で決定し、委員会提案として上程、可決したものである。市民が市内建設業者に依頼して、みずから住んでいる住宅のリフォームを行う場合に工事費の一部を助成するものであるが、本事業に係る予算は2,000万円程度のため、申請者が多数の場合、抽選により決定しているのが現状である。本事業は市内経済を活性化し、経済波及効果が見込まれることから、本市財政が厳しい状況にあることは承知するが、予算の増額や国の補助制度を活用するなど、申請者全員が利用できるようにすべきと思うがどうか。
市営住宅指定管理者業務仕様書などによると、指定管理者は、適宜、アンケート調査等を実施し、管理・運営を行うこと、また、入居者からの意見、苦情等について把握に努め、その結果及び業務改善の反映状況については、市に報告することとなっているが、桂岡住宅におけるアンケート調査は、平成22年度から24年度の指定期間内は実施されていなかったという。アンケートによらずとも、通常業務を通して入居者の意向は把握しているというが、先般開催された小樽市議会市民と語る会では、桂岡住宅の敷地内で、背丈ほどに繁茂している雑草の刈取りを願う要望が上げられた。市は指定管理者任せにはせず、入居者の意見・要望が反映されるように、指定管理者と連絡を密にして状況を把握し、対応してほしいと思うがどうか。
今冬は、政府と北海道電力による平成22年度比6パーセント以上の節電要請があり、市道のロードヒーティングは、節電のために、降雪が見込めず日中の気温が高く推移するという時間帯を見ながら、小まめに電源を切っているという。急坂路線が多い本市では、ロードヒーティングは安全に欠かせないものとなっていることから、電源を切る際は、中央監視システムのみで判断せず、地域を巡回している除雪パトロール車からの情報も考慮し、交通事故が起こらないよう、安全が保たれる運用をしてほしいと思うがどうか。
積雪による倒壊などが問題化している空き家が、過疎化が進み人口が減少している地方だけではなく、都市部でも増えていると聞く。札幌市では、市民の相談や通報を受けた際、空き家の所有者を特定するため、納税者情報から所有者を割り出す手法を全国に先駆けて導入し、問題解消に当たっているという。
税情報の利用が個人情報の目的外使用に該当するおそれがあるため、使用の可否を第三者機関である情報公開・個人情報保護審査会に諮問するなど慎重な対応が必要ではあるが、空き家対策としては有効な手法であることから、本市においても、ただ国の動向を探るだけではなく、このような事例を参考にして積極的な対応を検討すべきと思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、陳情第309号及び第312号につきましては、採決の結果、賛成多数により、いずれも継続審査と決定いたしました。
次に、所管事務の調査は継続審査と、全会一致により決定いたしました。
以上で、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、討論に入ります。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)21番、新谷とし議員。
(21番新谷とし議員登壇)(拍手)
○21番(新谷とし議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対、陳情第309号及び第312号は採択を求める討論を行います。
陳情第309号は、住宅リフォーム助成制度予算の増額を求めるものです。
今年度の住宅リフォームの申込件数は、1件の辞退者を除き251件でした。12月16日現在の補助申請件数は104件、補助申請金額の総額は1,867万3,000円と、昨年度予算を大きく残した反省から、昨年度の総額1,584万7,000円を上回っています。工事費総額は3億354万円と、これも昨年度の2億2,683万7,000円を上回り、経済効果は16.3倍と、昨年度の14.3倍を上回っています。
今年度の工事登録業者は122社で昨年度を上回っており、工事請負業者も61社と、昨年度の53社を上回っているものの、仕事が回っているのは半分にしかすぎません。12月16日現在の1件当たりの補助申請金額は18万円、これを基準に取りやめを除く申込者全員に充てると、あと2,718万円で市民への助成と工事請負業者の仕事拡大を応援することができます。
日本共産党は、第1回定例会で、昨年度の申込者全員と1件当たりの工事費を積算して、市長提案の住宅リフォーム助成制度へ3,000万円上乗せをする予算修正案を提案しましたが、これが市内経済活性化につながるのは、住宅リフォーム助成制度を実施している他の自治体を見ても明らかです。
隣の余市町では、今年度から住宅リフォーム助成制度がスタートしましたが、当初1,000万円の予算だったところ、1か月で申込者が殺到し、予算がほぼいっぱいになったため、また1,000万円の補正予算を組んで対応しています。人口約2万人の自治体で2,000万円の補助制度ですから、それに比べ、小樽市の助成制度の総額は低すぎるのではないでしょうか。
住宅リフォーム助成事業利用者アンケートでの補助制度に対する意見・要望では、助かりましたという感謝と、事業の継続と補助金の増額の希望が意見・要望の92パーセントを占めています。施工業者アンケートでは、回答した26件中、ほとんどが事業の継続、増額、件数増をしてほしいという要望です。
全国商工新聞は、2004年12月から2012年7月まで、7回にわたり全国の住宅リフォーム助成制度の実施状況を調査しています。2004年の第1回の調査では87自治体、第7回の2012年には6倍以上の533自治体と、実施する自治体が飛躍的に広がっています。そのうち北海道は45自治体で、その後も先ほど紹介した余市町などで実施され、この制度が地域活性化策として広がっていることを示しています。
来年度は、今回の住宅リフォーム助成制度の最終年度を迎えます。建設業者は、現在の建設関係の好況は、来年の消費税率の8パーセントへの引上げ前の駆け込み需要によるもので、来年度以降はどうなるかわからないと、増税による景気の落ち込みを心配しています。住宅リフォーム助成制度の助成の対象者数を拡大して、申請した市民全員に当たるようにすべきです。
小樽市の地域経済活性化のためにも、予算増額の願意は妥当であり、採択を主張します。
陳情第312号は、市による火災崩壊家屋の撤去及び空き家対策の策定を求めるものです。
火災を起こした住人とはその後もまだ連絡をとれないということで、解決に向けて困難さはありますが、焼けた柱が隣の家の壁にかかっている状態になっていることから、住民の安全を守るための市の支援は必要です。空き家対策については、小樽市が条例制定に向けて検討を進めていることから、陳情者の願意は妥当です。
以上、議員各位の賛同をお願いいたしまして、討論を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、陳情第309号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、陳情第312号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、所管事務の調査について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、学校適正配置等調査特別委員長の報告を求めます。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
(22番北野義紀議員登壇)(拍手)
○22番(北野義紀議員)学校適正配置等調査特別委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
中央・山手地区と南小樽地区の中学校の統合については、小学校の統合を先に行うとのことだが、現在、1学年1学級と生徒数の少ない向陽中学校からは、統合を早く進めてほしいとの意見が出ている。両地区の小学校再編については、現時点で一定程度のめどがついていると思われるが、向陽中学校の対応について、市教委はどのように考えているのか。
また、松ヶ枝中学校について市教委は、校舎の老朽化が著しいことから、統廃合とは別に、平成30年に統合された後の最上小学校の校舎を改修し、移転、暫定的に利用するというが、このことは松ヶ枝中学校の保護者や地域住民の理解を得た上で決定したことなのか。
天神小学校で行った2回目の保護者・地域との懇談会では、前回と何ら変わらないとの意見が寄せられていた。これまで市教委は、若竹小学校の懇談会であった200件を超える要望に対し、担当者が現地確認を行った上で、次回に返答しながら進めてきたことからすれば、1回目に出された要望に対しては、調査し、問題点を解決していくという姿勢を示すことが必要だったのではないか。
また、指定校変更や地域の人口減少などの要因から適正な学級規模が見込めない状況が生じ得る場合は、計画の見直しをしなければならないと思うがどうか。
手宮地区では、4小学校が統合され新築の統合校ができるが、市教委が説明するように、統合は単に校区を一つにするのではなく、統合を機に特色ある学校づくりをするということは、非常に大事なことであると思う。特に校舎を新築する場合については、学級数や教員の指導方法、学習の形態などを総合的に捉えた上で、必要な場所や設備を検討し導入することで、初めてその学校の特色が生まれると考える。他の自治体で取り入れているからという理由で、ただオープン教室を取り入れた学校をつくり、あとは教員に任せるということでは、特色のかけらもなく本末転倒であることから、今後も適正配置を行う際には、統合校のコンセプトをはっきりさせた上で、ほかとは違う学校づくりに臨んでほしいと思うがどうか。
手宮地区小学校統合協議会では、企画会議におけるグランドデザイン案作成に向けた議論を深めるため、児童、保護者、地域に向け、アンケートを実施した。児童アンケートでは、統合校で頑張ることとして、いじめをしない、統合校の希望像として、いじめがない学校との回答が多かったというが、この背景には、今の学校でいじめがあり、統合校ではなくなってほしいとの児童の思いがあるのではないか。
また、アンケート結果からは、児童と保護者で学校に求めているものが異なることなどがうかがえるが、市教委はこうした結果をまとめ、統合校でどのように生かしていく考えなのか。
山手地区の統合小学校については、小樽公園の隣接地に建設する方向性が示されていることから、統合後は、公園を活用したさまざまな教育活動を行うことができるものと期待している。
しかし、公園側に校舎を建てるのか、グラウンドを置くのか、また玄関と公園の位置関係によって教育活動に影響を与えるという研究もあり、漫然とした設計ではせっかくの公園を有効活用するには至らないことから、市教委には、公園をどのように教育に生かすのかという明確な意思を持って設計に当たってほしいと思うがどうか。
また、手宮地区統合小学校の建設の際には、設計に教員などの意見を反映できなかったことから、今回は、実際に現場で働く教員の意見などをしっかりと取り入れて、設計を進めてほしいと思うがどうか。
平成30年4月に予定される小学校の統廃合における児童のケアについて、ケアに係る教員の加配は現行制度ではできないとのことだが、通学の環境が大きく変化し、さまざまな問題が起きて混乱することも考えられることから、児童に対しては、きめ細かい配慮をしてほしいと思うがどうか。
また、統合により新たな学校へ通学する場合、前の学校よりも古い校舎で、環境が劣悪になることもあるという。現在、桜小学校では大規模な耐震改修工事を行っているが、統合校については同様に改修工事を行い、新たに通学する児童にも過ごしやすい環境づくりをしてほしいと思うがどうか。
また、通学路についても、なれない道を通ることになり不安であると思うことから、順次、地域内を調査し、安全点検に努めてほしいと思うがどうか。
保護者・地域との懇談会において保護者からは、学校が遠くなることによって通学距離が長くなるとの不安の声が多く寄せられている。この不安に対し市教委は、バス運賃補助の説明や安全マップの作成、ボランティアによる見守りなどによって子供の安全を確保したいと回答しているとのことだが、その中でもボランティアの役割は、地域で児童の成長を見守るためには特に重要であり、統合に際しては、見守りボランティアの充実を図ってほしいと思うがどうか。
また、通学のほかにもさまざまな不安や疑問があると思われるが、統合を迎える保護者の不安を和らげる方法として、意見交換会などの形で、既に統合が終わった学校の保護者から体験談等を聞く機会を設けるべきと考えるがどうか。
旧若竹小学校は売却の方針ということで、今後、地域住民への説明や売却に向けた手続を進めていくことになると思うが、跡利用は地域住民にとって非常に大事な問題であることから、周知等について丁寧な対応をしてほしいと思うがどうか。
また、旧祝津小学校については、その活用方法について模索中とのことだが、先日、総務常任委員会で視察した東京都豊島区では、空き校舎を演劇・ダンスの稽古場やカフェなど地域住民が集うことができる施設として活用している事例もあった。本市においても、地域の要望や特性などを生かし、地域の活性化につながるような校舎の活用方法を検討してほしいと思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
陳情第282号及び第291号につきましては、採決の結果、賛成多数により、いずれも継続審査と決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
(7番小貫元議員登壇)(拍手)
○7番(小貫元議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、陳情第282号及び第291号は採択を主張して討論を行います。
最初に、陳情第282号小樽市立西陵中学校の存続方についてです。
委員会の質問でも明らかなように、西陵中学校の校区内の予測生徒数は、今年度と比べて2019年度まで増加傾向にあり、これは市内中心部でのマンション建設に起因していると思います。
西陵中学校は市内中心部にあり、中心部の活性化と一体に学校の存続を考えていかなければなりません。校舎も比較的新しく、グラウンド面積は菁園中学校の倍の広さがあり、設備の面でも、しばらくは耐震化などの補強にかかる経費も抑えられることが想像できます。学校を残す必要性は十分にあります。
次に、陳情第291号小樽市立塩谷小学校及び塩谷中学校の存続方についてです。
塩谷中学校から長橋中学校への指定校変更により、来年度以降に入学する生徒の一定数が長橋中学校に入学することが考えられます。教育委員会は子供たちを二分することをするべきではありません。
小学校については、他地域の懇談会でも必ず出される要望が、通学路の安全対策です。塩谷から長橋への長い道のりは、児童にとって大きな負担となることが予想されます。安全対策は、通学の時間帯だけ行えばいいわけではありません。校区が広くなれば、友達の範囲も広くなります。そうなれば、児童が日常的に長橋と塩谷を行き来することになります。このことへの安全対策も必要です。通学に対する負担は、児童の教育にも影響を及ぼします。学校の統廃合は、地域の住民との合意を前提にしなければなりません。
いずれの陳情も願意は妥当であり、採択を主張します。議員各位に採択を呼びかけまして、討論といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより採決いたします。
陳情第282号及び第291号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
日程第2「議案第24号」を議題とし、市長から提案理由の説明を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)(拍手)
○市長(中松義治)ただいま追加上程されました議案について、提案理由を説明申し上げます。
議案第24号人権擁護委員候補者の推薦につきましては、泉幸子氏、加納萬壽美氏、長門享二氏の任期が平成26年3月31日をもって満了となりますので、引き続き泉幸子氏、加納萬壽美氏、長門享二氏を委員の候補者として推薦するものであります。
なにとぞ原案どおり御同意賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、採決いたします。
お諮りいたします。
議案第24号については同意と決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
日程第3「意見書案第2号ないし第14号」を一括議題といたします。
意見書案第6号ないし第14号につきましては、提案理由の説明を省略し、意見書案第2号ないし第5号について、順次、提出者から提案理由の説明を求めます。
まず、意見書案第2号及び第5号について、提出者から提案理由の説明を求めます。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、中島麗子議員。
(20番中島麗子議員登壇)(拍手)
○20番(中島麗子議員)提出者を代表して、意見書案第2号及び第5号の提案趣旨を説明いたします。
意見書案第2号来年4月からの消費税増税見送りを求める意見書(案)についてです。
政府が発表した7月ないし9月期の国内総生産の改定値は、年率1.1パーセントの伸びと、速報値より大幅に悪化しました。国民の暮らしを立て直し、経済を再建していくことが急務です。
消費税は、消費者が品物を買ったり、サービスを利用したりするたびに課税される税金で、1パーセント増税するだけで約2兆5,000億円もの税収増となり、その分国民から購買力が奪われることになる、まさに消費破壊税です。
国民の所得が減り続けている中、消費税が増税されれば、国民生活が一層悪化し、日本経済が落ち込むことは避けられません。東日本大震災の復興財源になる復興特別法人税は、来年3月末、1年前倒しで廃止され、民間活力の活用などの口実で、大企業の交際費を経費扱いできるようにし、設備投資に対する減税も実施され、財界が強く要求した法人実効税率の引下げも引き続き検討する一方で、消費税増税分は社会保障の財源に回すとした社会保障と税の一体改革は、年金の引下げ、介護保険制度からの要支援者外し、生活保護基準の引下げ、さらに70歳以上高齢者の医療費自己負担の引上げなど、改悪のオンパレードです。家計から吸い上げ、大企業にばらまくだけでは、消費税増税による経済への打撃を打ち消すことはできません。消費税増税を強行し、国民に負担を押しつけ、消費税をほとんど負担しない財界、大企業に大盤振る舞いするのでは、消費をさらに冷え込ませるばかりです。このようなときに消費税増税は中止すべきです。
意見書案第5号秘密保護法の「廃止」を求める意見書(案)についてです。
安倍晋三政権とその与党の自民・公明両党は、主権者である国民の過半数が法案に反対し、7割から8割の国民が慎重審議を求めているのに、衆議院に続き、参議院でも強行採決を繰り返しました。とりわけ福島市の公聴会では、自民党推薦の公述人を含め7人全員が反対か慎重審議を求めたにもかかわらず、公聴会翌日に衆議院で強行採決し、国民の怒りが急速に広がりました。議会制民主主義を踏みにじるやり方で押し通した秘密保護法は、廃案にすべきです。
秘密保護法は、行政機関の長が安全保障の妨げになると判断すれば、どのような行政情報でも特定秘密と指定し、国民に隠すことができます。故意であれ、過失であれ、漏らした公務員も情報を求めた国民も重罪で、主権者である国民から知る権利を奪い、国民を重罰で脅かす基本的人権の侵害の点でも、国家安全保障会議の設置と一体で戦争する国を目指すという平和主義に反する点でも、憲法の諸原則を破壊する違憲立法です。憲法違反の秘密保護法を廃止することこそ、国民が主人公である政治のあるべき姿ではないでしょうか。
以上、各会派、各議員の賛同を訴えて、提案趣旨説明といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)次に、意見書案第3号及び第4号について、提出者から提案理由の説明を求めます。
(「議長、19番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)19番、斎藤博行議員。
(19番斎藤博行議員登壇)(拍手)
○19番(斎藤博行議員)提出者を代表し、意見書案第3号2014年度地方財政の確立を求める意見書(案)、意見書案第4号利用者本位の持続可能な介護保険制度の確立を求める意見書(案)の提案説明を行います。
最初に、意見書案第3号2014年度地方財政の確立を求める意見書(案)についてです。
政府は、8月8日に中期財政計画を閣議で了解しました。その中では、地方の一般財源の総額については、平成25年度地方財政計画と実質的には同水準を確保するとされていますが、同時に歳出特別枠の見直しに言及しており、2014年度予算編成に向け、地方交付税総額が削減されるおそれがあります。
地方分権の時代にあっては、国の財政の果たすべき役割は、資源の配分、所得再分配、経済安定化の3機能であります。決して中央集権化ではありません。
地方は、長年にわたり、国を大きく上回る歳出削減努力を続けてきています。また、人口減少、少子高齢化、そして地域振興などの課題について、地域に密着した施策を講じてきています。
政府は、地域の財政需要を的確に見積もり地方財政計画を決定し、地方交付税総額を確保する義務があります。特に、地方交付税法の趣旨に反した給与削減を条件とするような政策的強制を伴う制裁措置は、2014年度では絶対にやめていただく必要があります。意見書案第3号は、そうした主張を地方から発信しようとするものであります。
次に、意見書案第4号利用者本位の持続可能な介護保険制度の確立を求める意見書(案)についてです。
本年8月6日、社会保障制度改革国民会議は、確かな社会保障を将来世代に伝えるための道筋をサブタイトルとした提言を政府に提出しました。これを受け政府は、持続可能な社会保障制度確立を図るための改革の推進に関する法律案を国会に提出しております。政府は、介護保険制度について、要支援者に対する介護予防給付を、市町村が実施する地域支援事業の形に見直すことや、一定以上の所得のある利用者の負担割合を引き上げることなどを含む介護保険法改正案を平成26年通常国会に提出する方針です。
そうした中で、社会保障の機能強化に向けた財源確保やサービス提供体制の確立が一層重要となっております。また、あわせて介護労働者が安心して働き続ける環境整備も必要となっております。意見書案第4号は、そのために必要な施策を政府に求める意見書案であります。
以上、それぞれ意見書案の趣旨を述べさせていただきました。議員各位の賛同を訴えて、私の提案説明を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、24番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)24番、山田雅敏議員。
(24番山田雅敏議員登壇)(拍手)
○24番(山田雅敏議員)自由民主党を代表して、意見書案第5号秘密保護法の「廃止」を求める意見書(案)に否決の討論を行います。
12月4日の意見書案第1号についての討論では、特定秘密保護法案の概要を説明いたしました。
国民の安全確保のため、また防衛、外交など他国とのさらなる信頼関係の構築を目的に、外交など4分野23項目を特定秘密に指定し、一定期間は開示しないことと、公務員などの漏えいに対し、これまで以上の罰則を規定するものです。例えば、自衛隊の保有する武器や性能、重大テロが発生した場合の対応要綱といった国と国民の安全にかかわる重大な情報がこの法案の対象に当たります。
現在、国際情勢の複雑化に伴い我が国及び国民の安全の確保にかかわる情報の重要性が増大するとともに、高度情報通信ネットワーク社会の発展に伴い、その漏えいの危険性が懸念される中で、我が国の安全保障に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものについて、これを的確に保護する体制を確立した上で、収集、整理及び活用することが重要であることに鑑み、当該情報の保護に関し、特定秘密の指定及び取扱者の制限その他の必要な事項を定める必要がある、これがこの法律案を提出する理由であると述べられております。
以前より、日本では他国のスパイ活動が盛んに行われ、やりたい放題と言われてまいりました。防衛上の機密や企業のテクノロジーを狙った犯罪がこれまで多数発生していることは、議員皆さんも御承知のことと思います。
自民党、公明党、みんなの党、日本維新の会の4党が共同でまとめた特定秘密保護法案の修正案が衆議院特別委員会に提出され、11月26日に賛成多数で可決となり、参議院に送られ審議され、安倍首相は、三つの新しいチェック組織に言及し、さらに国民に丁寧な説明をしていくと述べ、今月6日深夜に可決され、13日公布されました。
(発言する者あり)
この間、経済3団体の首脳は、そろって必要性を認め、おおむね賛成の立場をとっています。
(発言する者あり)
経済同友会の長谷川代表幹事は、12月5日の会見で、これまで日本になかったことは、他の先進国に比べて出遅れていたと述べました。安全保障の秘密を保護し、漏えいした人を罰する法律はどの先進国にもあるし、法整備自体は必要だとの考えを示したものです。
(発言する者あり)
また、経団連の米倉弘昌会長は、12月4日の会見で、安全保障の観点から秘密保持の義務を課すのは当然だと話し、日本商工会議所の三村明夫会頭も、国が秘密を保護するのは当たり前のことと語っています。
公布されたこの日、内閣官房では準備室を立ち上げ、保全監視委員会の秘密指定の運用に関する検討、独立公文書管理監の設置、秘密指定の基準の妥当性をチェックする情報保全諮問会議の有識者の人選を進め、さらに第三者機関のチェック体制強化として、情報保全監察室の設置も加えました。
施行日を、公布日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日として、施行後に効力を持つことになりますが、今後、十分国民に理解していただき、丁寧な対話を心がけながら、真摯に国政運営に当たっていくことを誓いますと、1年前に首相に返り咲いた安倍首相は、初めての国会演説で述べています。
安全保障の観点からも、この法律は必要と認め、議員各位には意見書案第5号は否決をお願いし、討論を終わります。(拍手)
(発言する者あり)
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)8番、川畑正美議員。
(8番川畑正美議員登壇)(拍手)
○8番(川畑正美議員)日本共産党を代表して、意見書案第2号ないし第5号は、いずれも可決の討論を行います。
最初に、意見書案第2号来年4月からの消費税増税見送りを求める意見書(案)についてです。
安倍政権は、4月から消費税の税率が5パーセントから8パーセントに増税され、増収分は全額社会保障の財源に回すとともに、増税によって日本経済や国民の暮らしが痛めつけられないよう配慮するとしてきましたが、大枠が固まった来年度予算の姿は、こうした消費税増税の口実が自滅してしまうことを浮き彫りにしています。先ほど中島議員の提案説明にあったように、消費税は1パーセント増税するだけで約2兆5,000億円もの税収増となるわけですが、その分国民から購買力が奪われることになる、まさに消費破壊税です。
国民の所得が減り続ける中、消費税が増税されれば、国民生活が一層悪化し、日本経済が落ち込むことは確実です。生活必需品の物価は上がり、年金の受給額は減り、医療費は増えることから、4月からの消費税増税に国民の7割が反対しています。
1997年に税率が3パーセントから5パーセントになったとき、国民の所得は増え続けていました。しかし、増税によって家計の底が抜け、大不況の引き金になりました。今回のように、所得が減り続けている下では、暮らしも経済も破壊されてしまうことは火を見るより明らかです。
今、長期にわたって国民の所得が減少し、消費が落ち込み、そのために景気が悪化する深刻なデフレ不況が続いています。このようなときに、消費税増税をすれば、消費をさらに冷え込ませ、日本経済を一段と危機に陥れてしまうことになります。
5パーセントへの増税前の1996年度と1999年度の税収を比較すると、消費税は増税によって7兆6,000億円から12兆9,000億円に増えていますが、所得税、住民税、法人税、その他の税収の合計は82兆8,000億円から71兆3,000億円に減少し、全体として6兆2,000億円も税収が減少しています。また、5パーセントへの増税後、3年間で国と地方の長期債務残高は、499兆円から600兆円に拡大しています。
政府が決めた来年度予算編成の基本方針や与党自民・公明両党が決めた来年度税制改正大綱で盛りだくさんなのは大企業への減税です。東日本大震災の復興財源になる復興特別法人税は来年3月末で廃止され、民間活力の活用などの口実で大企業の交際費を経費扱いできるようにし、設備投資に対する減税も実施され、財界が強く要求した法人実効税率の引下げについても引き続き検討すると明記しているのです。
家計から吸い上げ、大企業にばらまくだけの安倍政権の予算編成では、消費税による経済への打撃を帳消しにはできません。減税などで大企業のもうけを増やせば、水がしたたり落ちるように回り回って、賃金や下請単価が引き上げられるというのが政府の言い分です。しかし、巨額の内部留保に回るだけで、何の実行の保証もないことは、政府の税制調査会のメンバーからも指摘されています。経済再生と両立できなければ、消費税の口実は自滅してしまいます。消費税増税の増税分を社会保障の財源に回すとした社会保障と税の一体改革の口実は既に破綻しています。生活保護や介護保険などの改悪が持ち出されている一方、大企業や不要不急の大型開発事業へは大盤振る舞いです。
消費税増税は、まさに百害あって一利なしです。社会保障のあり方、財政危機打開の行方で意見の違いがあっても、国民の暮らしと経済を守るために、来年4月からの消費税増税は見送るべきです。我が党は、住民の暮らし、地域経済、地方自治体に深刻な打撃を与える消費税増税を中止することを強く求めます。
次に、意見書案第3号2014年地方財政の確立を求める意見書(案)についてです。
国家公務員給与の臨時特例に合わせて削減された地方公務員給与費の約8,500億円については、2013年度に限った特例です。この特例に対し、一般財源で補充されたのは、地域の元気づくり推進費の3,000億円で、復元されれば地方財源は約5,500億円の増額となります。しかし、これは増えるのではなく、あくまで復元であり、当然もとに戻すというのが筋です。
一般財源で補充した約3,000億円のほかに、国は、地方公務員給与費削減の対策として、全国防災対策費の地方分担分の973億円、緊急防災・減災事業費4,550億円を盛り込みました。地方公務員給与の削減分を完全に復元するなら、この防災対策予算を削減しようとする動きがありますが、本来これらの防災・減災の事業は、地方債で賄うものであって、地方公務員給与などとてんびんにかけるような性質のものではありません。
次に、意見書案第4号利用者本位の持続可能な介護保険制度の確立を求める意見書(案)についてです。
厚生労働省は、150万人が認定を受ける介護保険の要支援者向けのサービスについて、予防給付の6割を占める訪問介護と利用者が施設に通う通所介護を、自治体の事業に移行する方針を明らかにしています。
最も利用頻度の高いサービスだけを保険給付から外すことは、保険制度の崩壊につながるものです。デイサービスは高齢者の日中の重要な生活の場であり、介護者の休息機能として、また家族が働き続ける助けになる事業です。介護保険サービスの給付事業は、その質を担保するため、人員、職員の資格、施設、運営など、厚生労働省が定めた全国一律の基準に基づいて実施されているものです。全国一律基準の介護保険サービスから外し、市町村の事業に移行することは、自治体の財政力によってサービスの違いが起き、財政難の自治体は事業メニューの絞り込み、担い手もボランティアなど専門職以外にかえて費用を削減することも当然考えられ、地域格差が生じることになっていきます。
また、制度創設以来1割に据え置かれてきた利用者負担についても、一定以上の所得がある高齢者については2割に引き上げるとしています。基準に該当するかは、個人単位で判断され、所得が基準を超える者が2割負担となります。介護保険利用者のうち、40万から50万の人が2割負担になるとも見られています。
介護保険料を引き上げないため、政府は保険給付の範囲や内容の大幅な縮小、削減を検討しています。介護保険制度は、介護対象者が今後も増加する見通しにあります。我が党の政策は、財源構成について、国の負担割合を現行の25パーセントから、差し当たり10パーセント引き上げ、利用者負担を軽減する方針です。高齢者の尊厳が守られる社会保障制度を確立し、利用者本位の持続可能な介護保険制度を求めるものです。
次に、意見書案第5号秘密保護法の「廃止」を求める意見書(案)についてです。
12月6日の深夜、1万5,000人以上の人々が国会前に駆けつけ、廃案にせよ、強行採決するなという声を無視して、自民党と公明党の政権は、特定秘密保護法案を参議院で強行採決しました。
特定秘密保護法は、防衛、外交、特定有害活動の防止、テロの防止に関する情報を対象にしています。
防衛については、自衛隊の運用、装備、設備など、あらゆる事項が対象となります。特定有害活動の防止については、核兵器、化学兵器や細菌兵器、ロケットやミサイルなどの輸出入活動までが秘密の範囲にされます。現在でも政府が保有する特別管理秘密は42万件もあるといいます。安倍首相は、新たに生まれる特定秘密の件数について、現時点で確たることは申し上げることは困難であると言うだけであります。
テロの防止については、原発情報は特定秘密の対象となり、福島第一原発事故での汚染水漏れも隠されるおそれがあります。実際に、福島第一原発事故のとき、政府はSPEEDIのデータを、米国にはすぐに提供したにもかかわらず、周辺住民にはすぐに知らせなかったため、放射線量の高い地域に避難し、被曝した被災者もいました。
11月25日に福島で開かれた地方公聴会では、7人の公述人のうち4人がSPEEDIの情報を開示しなかったことを批判し、自民党、公明党推薦の公述人も法案には慎重審議を求め、賛成は一人もいませんでした。にもかかわらず、翌日、数の力によって衆議院で強行採決したわけです。
秘密を指定するのが行政機関の長であり、外務大臣、防衛大臣、警察庁長官の勝手な判断で秘密の範囲が広げられます。秘密の指定期間は、みんなの党、維新の会との修正協議で30年とされていたものが60年にされました。しかも、例外項目は対象外で、半永久的に延長されることになります。政府にとって都合の悪い情報は、永久に国民の目から隠されてしまいます。
かつて日本はさまざまな情報を隠して太平洋戦争に突入し、60年たってもその責任がとられていません。このような秘密の下で、内外に多大な損害を与えても、誰がどのようにその責任をとるのでしょうか。
適性評価では、指定された情報を取り扱う公務員などは、情報を漏えいするおそれがないか、住所や生年月日だけでなく、外国への渡航歴、精神疾患、飲酒、信用状態や経済状況など徹底的に調査されます。もちろん本人だけでなく、配偶者や子、父母、兄弟なども対象です。
情報を漏えいした場合、10年以下の懲役、又は情状により10年以下の懲役と合わせて1,000万円以下の罰金も科されます。また、裁判にかかったとしても、肝心なことが秘密ですから、弁護士も裁判官も十分な審議もできないことになります。
公明党は、法案に国民の知る権利、報道の自由を盛り込んだといいますが、報道・取材の自由は、保障ではなく、あくまで配慮にすぎません。知る権利は、報道・取材の自由さえ確保されれば保障されるというものではなく、必要な情報に自由にアクセスできる、国民一人一人が持つ権利です。秘密保護法は、この知る権利の行使自体を犯罪扱いし、国民を監視させる仕組みをつくるものです。
このように、何が秘密かも秘密で、厳罰化されては、国民は物を言えなくなってしまいます。どの世論調査を見ても、この秘密保護法に反対すると意思表示する声が5割を超えて広がり、8割もの国民が慎重審議を求めていました。全道の世論調査においても、この法案への反対が65パーセントに達し、「今国会にこだわらず慎重に議論すべきだ」という声が70パーセント、「廃案にすべき」だという声が18パーセントあったと、北海道新聞が報道しています。
秘密保護法が成立した後も、各分野から反対の声が沸き起こっています。日本弁護士連合会、ペンクラブなどの団体とともに、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏、田原総一朗氏、作家の澤地久枝さん、雨宮処凛さん、映画監督の山田洋次氏、女優の吉永小百合さん、大竹しのぶさんなど幅広い方々が反対の声を上げていました。特定秘密保護法案に反対する映画人の会の反対声明には、264人ものの賛同者が集まりました。ノーベル賞を受賞した白川英樹氏、益川敏英氏などが呼びかけた特定秘密保護法に反対する学者の会の反対声明は、わずか数日間で4,720人もの賛同者が集まりました。こうした国民多数の声を踏みつけにした秘密保護法の強行は絶対に許すわけにはいきません。
与党自民・公明両党は、国会では確かに多数を持っています。しかし多数であれば、何をやっても許されるというものではありません。
秘密保護法は、あらゆる点で憲法に違反する憲法違反の法律であることが、今回の臨時国会の審議を通じて明らかになっています。
一つに、この法律は、憲法の国民主権の原理に真っ向から反します。特定秘密の指定には、歯止めがなく、秘密が際限なく広がる危険性が明らかになりました。国民の知る権利が踏みにじられれば、国民主権は成り立たなくなります。
また、この法律は、憲法に保障された基本的人権を踏みにじる国民弾圧法です。何が秘密かも秘密です。秘密を漏らした人や秘密を知ろうとした人だけでなく、相談し合ったら共謀罪、記者に取材を指示したら、そそのかしたとして教唆罪、集会やデモで真実を訴えたら扇動罪として処罰の対象にされます。裁判になっても、先ほど言ったように特定秘密は開示されません。
そして、この法律は、憲法の平和主義に真っ向から反する戦時立法です。特定秘密保護法の国民威嚇の仕組みは、日本が太平洋戦争に突入した1941年に施行された国防保安法に酷似しています。共通点は、秘密の範囲が曖昧で、何が秘密かも秘密なことです。内容について指定するのが行政機関の長であるのも同様です。知らぬ間に犯罪者とされ処罰される仕組みも同様です。開戦前夜、国民を統制し、戦争に導いた国防保安法とうり二つの特定秘密保護法を認めるわけにはいきません。
安倍政権と自民党、公明党は、秘密保護法をつくる理由を、米軍と情報を共有するためとその本質を語っています。国民の目と耳と口をふさいで侵略戦争への道を突き進んでいった、あの暗い時代の再現を許してはなりません。日本国憲法の国民主権、基本的人権、平和主義を真っ向から踏みにじる憲法違反の秘密保護法は廃止するしかありません。
以上、議員の皆さんの賛同を呼びかけまして、討論を終わらせていただきます。(拍手)
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)1番、秋元智憲議員。
(1番秋元智憲議員登壇)(拍手)
○1番(秋元智憲議員)公明党を代表し、意見書案第3号2014年度地方財政の確立を求める意見書(案)及び意見書案第4号利用者本位の持続可能な介護保険制度の確立を求める意見書(案)について、否決を求めて討論いたします。
まず、意見書案第3号2014年度地方財政の確立を求める意見書(案)についてです。
地方公務員給与費は、2013年度地方財政計画において、国の臨時特例措置に準じて削減されました。この点については、地方自治体の独自削減など、努力してきた経緯なども含めて、2014年度予算編成に向けて、国と地方自治体との協議は必要であり、その合意に基づいた算定が望ましいとは思いますが、2013年度減額分、全額完全復元を求めることは現実的ではなく、賛成できません。
次に、意見書案第4号利用者本位の持続可能な介護保険制度の確立を求める意見書(案)についてです。
このたび政府が提出した、持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律案は、一定以上の所得のある利用者の介護保険利用料を2割負担とすることや、要支援者に対する介護予防給付を市町村が実施する地域支援事業である新たな総合事業の形に移行するなど、逼迫する介護保険財政を立て直し、介護保険制度を含めた社会保障を持続可能で、さらにはこれからの社会的ニーズに対応したサービスを提供することを目指すものです。
本意見書案は、自治体の財政力による給付水準の格差拡大や介護サービスの安定供給への懸念などから、これらの改革を行うことなく、現行の予防給付を維持することを求めるものであります。
しかし、要支援者に対する地域支援事業の財源は、これまでどおり介護保険財政から支出され、事業内容についても市町村の裁量が広く認められており、新たな地域包括推進事業として受皿を確保しながら、段階的に移行されることにより、より地域に密着した介護サービスが提供できる可能性があることから、賛成できません。
(発言する者あり)
以上の理由により、否決の態度を表明し、討論といたします。(拍手)
(発言する者あり)
(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)16番、林下孤芳議員。
(16番林下孤芳議員登壇)(拍手)
○16番(林下孤芳議員)民主党・市民連合を代表して、意見書案第3号及び第4号の可決を求める討論を行います。
まず、意見書案第3号2014年度地方財政の確立を求める意見書(案)ですが、政府が閣議了解した中期財政計画によると、平成25年度の地方財政計画の水準を確保するとする一方で、地方自治体の行革努力を反映した交付税算定の導入や、地方交付税法に反する制裁措置の導入も検討していることが示されています。
小樽市に限らず、地方自治体は、長年にわたり財政健全化の努力を続けてきましたが、今年度予算では、政府が国家公務員に準じた給与の削減を強要し、制裁として交付税の削減をすることを地方自治体に求めました。これは、地方交付税法や人事院勧告制度も否定し、地方自治法にも抵触するものとして、第1回定例会と第2回定例会でも訴え、皆様の御理解をいただき、同趣旨の意見書案も全会一致で可決されて、関係機関に送付されております。
地方自治体では、引き続き歳出削減の努力が続けられる中で、政府は経済対策に膨大な国債を増発して、国家財政は硬直化を一層深めております。そうした中で、来年度の地方財政だけを縮減させるような政策は、国の赤字財政のツケを地方に押しつけるものであり、到底理解されるものではありません。特に、減額した企業関係経費に関する財源を復活させることは市民の理解が得られないとする主張は、今、安倍総理大臣が再び各経済団体に賃金の引上げを要請していることとも矛盾し、これまで経験してきた、公務員も賃金が下がっているのだからといった理由で賃金が引き下げられる悪循環が続き、景気が回復しても、中小企業や地方に経済効果が現れない結果を招いています。
こうしたことは、賃金、税収、地方経済の格差を固定させ、民間賃金のさらなる引下げにもつながりかねず、こうした政策を続ける限り、若者が地方に定着することは不可能だと思います。
次に、意見書案第4号利用者本位の持続可能な介護保険制度の確立を求める意見書(案)ですが、介護保険をはじめとする社会保障費は毎年増え続け、財政負担をどのようにすべきかは、与野党間を問わず重要な課題として議論が続けられてきました。
民主党政権時代には、自民党・公明党との協議を重ねた上で、社会保障制度を維持する財源として、消費税率の引上げが合意されました。しかし、政府は、社会保障制度改革国民会議の提言を受ける形で、介護サービス利用時の負担アップや介護予防給付の市町村による実施などを検討しております。これによって介護保険制度の目的や維持に大きな問題が生じる懸念があります。私たちも、そうした問題の重要性から、全国的な自治体アンケートを実施したところ、圧倒的多くの自治体が介護予防給付の問題や新たな財政負担に対する懸念を示しております。
そうしたことから、今定例会の一般質問でも取り上げ、市長からも全国市長会を通じて、社会保障制度の充実強化に関する決議をし、国に対して強く要請したとの答弁をいただいたところであります。
野田前総理大臣は、税と社会保障に関する代表質問で、だました安倍総理大臣が悪いのか、だまされた私が悪いのかと演説して話題となりましたが、私もだまされてから泣き言を言う前に、政府としっかりと協議して、自治体や国民の負担の問題を解消するべきだと思います。高齢化が進む小樽市の現状を考えると、自治体にとっても大変重要な課題であります。
この二つの意見書案については、ぜひ各議員の御理解をいただき、御賛同をお願いいたしまして、討論といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、意見書案第2号について採決いたします。
可決とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立少数。
よって、否決されました。
次に、意見書案第3号について採決いたします。
可決とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立少数。
よって、否決されました。
次に、意見書案第4号及び第5号について、一括採決いたします。
可決とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立少数。
よって、否決されました。
次に、ただいま決定いたしました以外の意見書案について、一括採決いたします。
いずれも可決とすることに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
以上をもって、本定例会に付託されました案件は、全て議了いたしました。
閉会に先立ちまして、一言御挨拶を申し上げます。
本年も残すところわずかとなりましたが、この1年を振り返ってみますと、国際政治においては、アメリカではオバマ大統領が2期目を正式にスタートし、中国では全国人民代表大会において習国家主席が選出され、韓国では初の女性大統領に朴槿惠氏が就任しました。しかし、依然として領土、外交問題に緊張が続いている状況であります。
我が国においては、インターネットを使った選挙運動が夏の参議院選挙から解禁され、参院選の結果、国会のねじれ状態は解消されることとなりました。長い経済の低迷状態から抜け出す政策とともに、地域の活性化に向けた政策を的確かつスピーディーに実施されることを期待するものであります。
国内の主な出来事といたしましては、6月に富士山が世界文化遺産に登録され、9月に2020年のオリンピック開催都市に東京が選出されるなど観光立国につながる話題や、東北楽天ゴールデンイーグルスの日本一と田中将大投手の開幕24連勝などの明るい話題がありました。
一方、8月に高知県四万十市で41度の国内史上最高気温が記録され、10月に台風26号の記録的大雨により、伊豆大島が大きな被害を受けるなど、異常気象の発生が目立ちました。
本市におきましては、2月に長年の懸案でありました稲一再開発跡地の問題について事業化が決まり、市民の安全・安心を守る施設等として、3月に高機能消防指令センターが、7月に新夜間急病センターが、8月には学校給食センターが、それぞれ供用を開始いたしました。
また、6月には、過去最大のクルーズ客船であるサン・プリンセスが初寄港し、11月には旧国鉄手宮線北側の一部が開通するなど、今後の観光振興につながる出来事がありました。
さらに市議会におきましては、この1年を通じて、主に生活保護、介護保険などの福祉問題、いじめ、学力向上などの教育問題、その他市内の経済活性化など、広範囲に議論してまいりました。
特に本市におけるまちづくりの基本的な考え方や市政運営の基本的なルールを定めるという新たな取組である小樽市自治基本条例については、集中審議等で議論を深めました。条例の施行に当たっては、本条例の重要性に鑑み、条例の趣旨、内容について市民の十分な理解を得て共有できるよう、周知徹底に努めていただきたいと思うところであります。
次に、市民に開かれた議会の取組の一環としては、昨年に引き続き1月に議事堂でヴィオラマスタークラスコンサートを開催、8月にはふるさと創造樽っ子サミットの議事堂での開催の後援をいたしました。
5月と11月には、それぞれ市内2か所で、小樽市議会市民と語る会を開催し、議会報告を行うとともに、広く市民との意見交換を行いました。
また、第2回定例会から、代表質問において、従来の一括質問、一括答弁にかえ、大項目に分割して質問・答弁を行う、いわゆる一問一答制を試行するとともに、新たな質問席及び質問時間表示タイマーを設置いたしました。
さらに、今定例会から本会議初日の午前開催を試行するなど、一歩一歩ではありますが、議会活性化の取組を進めているところであります。
平成24年度一般会計決算では、3年連続で実質収支の黒字を確保いたしましたが、他会計などからの借入残高もあり、依然として厳しい財政状況にあります。今後とも、真の財政再建に向け、財政の健全化を図るとともに、制度改正の情報共有やコンプライアンスにも留意し、気を引き締めて市政運営に取り組んでいただきたいと思います。
市長並びに議員各位におかれましては、改選期まで残り1年余りとなりましたが、市政には解決すべき課題が山積しておりますので、今後とも市民の代表、代弁者として、なお一層の御尽力を賜りますようお願いを申し上げます。
また、この1年、私にお寄せいただきました御厚情に対しましても、心から感謝を申し上げる次第であります。
結びになりますが、議員並びに市長をはじめ理事者の皆様におかれましては、健康に御留意をされ、御家族ともども御多幸な新年をお迎えになられますよう御祈念を申し上げまして、本年最後の議会に当たりましての挨拶とさせていただきます。
第4回定例会は、これをもって閉会いたします。
閉会午後4時03分
会議録署名議員
小樽市議会議長横田久俊
議員秋元智憲
議員濱本進