開議午後1時00分
○議長(横田久俊)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、中村岩雄議員、山口保議員を御指名いたします。
日程第1「議案第1号ないし第23号」を一括議題とし、これより一般質問を行います。
通告がありますので、順次、発言を許します。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)1番、秋元智憲議員。
(1番秋元智憲議員登壇)(拍手)
○1番(秋元智憲議員)一般質問をいたします。
初めに、不登校・ひきこもりについてです。
我が国のひきこもりに関する調査については、平成18年度のこころの健康についての疫学調査に関する研究によると、ひきこもり状態にある子供のいる世帯は0.56パーセントであり、全国では約26万世帯であると推計されています。現在では、ひきこもりの長期化や本人、家族の高齢化も深刻な状態と言えます。
このような状況から、国においては、平成21年7月に子ども・若者育成支援推進法が制定され、ひきこもりの方々への支援に関する法的根拠が確立しました。子ども・若者育成支援推進法の目的は、子供、若者を取り巻くさまざまな環境の悪化に伴い、社会生活を送る上で困難を有する問題が深刻な状況にあることを踏まえ、子供、若者の健やかな育成と社会生活を円滑に営むことができるようにすることであり、支援の取組について、基本理念、国と地方公共団体の責務及び施策の基本事項が定められました。
ひきこもりのケースとしては、大きく三つに分かれると言われており、第1に思春期、青年期での「豊かなひきこもり」で、このケースは、精神発達過程による健全性を有したものであり、数年で社会参加をすることもあるもので、第2は、精神疾患のために社会参加できない「精神病性ひきこもり」、第3は、この問題の中核とされています「社会的ひきこもり」で、明確な精神疾患や障害などの理由がなく、社会参加のきっかけを失い、ひきこもり状態が長期化しているケースです。
私はこれまで若年者の就労支援についてさまざまな施設や団体からお話を伺ってきましたが、若者を取り巻く問題の一つとして、不登校・ひきこもりについては、解決に向け力を入れなければならないと認識を強くしたところであります。
そこで、まず、本市での不登校の人数についてですが、10月の決算特別委員会で、私の質問に対し教育委員会は、本市での平成24年度の小・中学校における不登校者数は小学校6名、中学校52名であり、学校復帰を促す適応指導教室への通級者は小学校5名、中学校19名だったと答弁しました。また、適応指導教室からの学校復帰は平成24年度で小学校1名、中学校4名でした。高校進学時には進路相談を行っていると聞きますが、やはり中学校を卒業してしまうと、個人の状況を把握するのは困難であります。
そこで伺いますが、直近3年間の不登校児童・生徒数と、指導の結果、登校する又はできるようになった児童・生徒の数をお知らせください。
ひきこもりの入り口となり得る不登校は、学齢期での早期発見と早期での対応が必要であると感じます。実際、不登校だった方々の話を聞くと、小学校、中学校、高校といわゆる不登校で、その後ひきこもりになったという話も聞きますし、不登校、ひきこもりが長期化し、私が相談を受けたケースでは、60歳を超えている方もいらっしゃいました。
ただ、本市にはひきこもっている方々の人数を把握できない、把握できていないという問題があると思っています。最初に紹介したこころの健康についての疫学調査に関する研究では、ひきこもり状態にある子供のいる世帯は0.56パーセントであり、全国推計では約26万世帯とのことで、この統計で出た数値を平成22年国勢調査の小樽市の5万7,711世帯に当てはめると、小樽市のひきこもりの状態にある子供のいる世帯は323世帯程度と推定されます。このことからも、まず本市の実態を把握するため、ひきこもり者数の調査を行うことが重要だと思います。
そこで、調査に関連し質問しますが、市内小・中学校の保護者を対象に調査するとした場合、どれぐらいの予算が見込まれるのか、また、それは可能なのか、そして、市民に対して、無作為抽出などの方法により調査を行う場合に予想される予算について、同様の方法により行った高齢者保健福祉計画策定の際のアンケート調査の実績でお答えください。
次に、相談体制の現状についてです。
ひきこもりの長期化、高齢化や、それに伴うひきこもりを抱える家族や本人からの多様な相談にきめ細かく対応できる体制を整えることが重要であると感じます。本市では、現在、これらの相談窓口は保健所のこころの健康相談が該当すると思いますが、保健所によれば、平成24年度こころの健康相談利用者のうち、15歳から34歳までのいわゆる若年者層の相談は38名であり、相談内容で多いものが、親からの子供のひきこもり、不登校であるといいます。状況によってはカウンセリング等を行っているものの、場合によってはひきこもり経験者、ニート青年などを対象にしている札幌のジョブカフェ北海道や関係機関を紹介し、適切に対応しているとのことですが、保健所から他施設などを紹介した際のその後の状況など、把握されていましたらお答えください。
そもそも私は、このような相談はできる限り地域完結型が望ましいと思いますし、不登校・ひきこもりの当事者や保護者、家族も小樽市内での相談体制の充実を願っております。
そこで伺いますが、小樽市内では、小樽不登校・ひきこもり家族交流会が活動しております。地域の団体との定期的な連携は必要不可欠であると考えますが、これまで地元団体との連携はどのように図ってきたのか伺います。
次に、不登校・ひきこもりに関連し活動している団体に対しての支援についての考え方について伺います。
これまでは、不登校・ひきこもりと言われる本人への相談体制などについて質問してきましたが、実際、この問題の解決に取り組まれているのは、多くが保護者であります。さきにも質問したとおり、自治体としてこの問題をどう捉えるか、また、どうかかわっていくかが大切な点であり、社会的には、不登校やひきこもりはまだまだ怠けと捉えられています。このような状況では、自分の子供が不登校・ひきこもりであることを近所や周りに知られたくないと考える親は多いと思われます。親の会が講演会や交流会のポスターなどの市内施設への掲示をお願いしても断られることも多く、たくさんの人に会の存在と活動内容などを知ってほしいと思っても、それすらままならないと言うのです。
そこで、市として、広報誌や、市が管理する施設でのポスター掲示やチラシ配布など、広報活動に最大限協力してほしいと思いますが、市長のお考えを伺います。
また、以前から提案していました地域若者サポートステーションは、今、申し上げました不登校・ひきこもり支援や就労支援など、地域の若者支援には欠かせないものであります。今年度の選定には残念ながら漏れてしまいましたが、今後の選定に向けた考え方について伺い、この項の質問を終わります。
次に、行政評価について伺います。
これまで行政評価については、我が党としても議会の中で行政評価先進地での視察の例も紹介しながら議論してきました。本市では、これまでの試行での結果を生かして、昨年度、そして今年度と試行し、来年度からは本格実施を行うとしております。
初めに、平成24年度行政評価結果では、事業の今後の方向性として「現状維持」「要改善」「休廃止・終了」といった判定の文言の定義が各部署で統一されていなかったために、誤解、勘違いが生じ、判定結果と予算に矛盾が起きていましたが、25年度行政評価での文言の定義はどうなったのか、また各部署へはどのように周知徹底されたのか伺います。
平成24年度行政評価で「要改善」「拡大」となった42事業のうち、検討を継続とした27事業について、26年度予算編成へ向けての考え方について説明をお願いいたします。
次に、平成25年度行政評価についてです。
私は、これまでの本市の行政評価試行の状況などを伺い、平成24年度での対象事業数が134事業であったことについて、小樽市の行政評価が職員の中に、一定程度の理解と浸透があるまでは、事業数を絞り込んだほうが、スムーズに評価作業が行えるのではないかという点を提案してまいりました。
平成25年度事業評価では、対象事業数も18事業と大幅に減っております。まず、18事業に絞った理由と、対象とする事業について選定の説明をお願いします。
今回の評価結果は、休廃止・終了が1事業、要改善は7事業、現状維持は10事業であったとの資料が配付されました。そこで、一次評価で拡大とされた2事業と現状維持とされた事業のうち、3事業が二次評価では要改善となっています。その理由についてお知らせください。
外部評価についても、これまで、有識者や市民の視点を取り入れるべきであり、ぜひ他市の視察も行うべきであると提案してきましたが、本市では外部評価を取り入れている自治体の視察を行ったと伺いました。そこで、どこの市を視察したのか、また、選んだ理由と、それぞれの市にはどのような特徴があったのかも、あわせてお知らせください。
私も幾つかの市の行政評価を視察してきましたが、評価の手法自体が定着するまでに数年、また外部評価を導入しても、すぐには財政的な効果が現れにくいことから、今後、どのような検討、議論をされ、本格導入をするお考えなのか、市長の御見解を伺います。
この項の最後に、評価結果のホームページでの公表についてです。
平成24年度評価結果は、既に本市ホームページに掲載されていますが、市民の意見や感想などを聞くようなことは考えていないのでしょうか。市が行うさまざまな事業に対する認識を深めていただくためにも重要だと考えます。ただ、市民から寄せられた意見がすぐに事業に反映されることはないと思いますが、評価に対する意見が直接聞ける絶好の機会だと思います。御見解をお聞かせください。
次に、孤立死に関連し、質問します。
現在、孤立死は、高齢者のみならず、若年層の中にも広がってきており、昨年、札幌市で40代の姉妹が亡くなった事故は大変痛ましいものでした。しかし、それ以後も孤立死で亡くなる方は後を絶ちません。
2009年、内閣府が高齢者のみを対象にした調査では、孤独死を身近に感じるとの答えが42.9パーセント、感じないとの答えが55.8パーセントであり、孤独死を身近に感じているとの割合はかなり高い数値を示しており、国はもちろんですが、本市においても、孤独死、孤立死の防止の対策を強化するべきです。昨年の札幌での事故を踏まえ、各自治体でも高齢者や障害を持っている方のお宅を訪問し調査を開始し、それぞれ地域に合った支援策などを話し合ったと思いますが、その後、小樽市でいわゆる孤立死と見られるケースは何件あったのか、また小樽市の行っている対策は、孤立死防止との観点からどのように機能しているのか、効果や未然に防止できたケースなどあればお知らせください。
最近、ある町会の役員をしている方から電話があり、近所のお宅に新聞がたまっていて、心配だという連絡がありました。その方は既に民生・児童委員に連絡していましたが、あいにく留守で、役員で話し合い、警察に連絡したとのことでした。警察が到着後、窓の鍵があいていて、窓から声をかけたそうですが、反応がなく、警察は民事不介入とのことで帰っていったそうです。これだけ孤立死が社会問題になっているにもかかわらず、ましてや一刻を争う状況かもしれない中で、その対応に相談者の方は大変憤慨しておりました。私の認識としても、最後はやはり警察しかないと思っていたのですが、今回のケースから、警察が対応できない場合は、市としてどのように対応すべきとお考えですか。
市としても、現在、市内の町会やさまざまな団体などと連携し、特に高齢者の見守りなどを行い、孤立死を防ごうという活動が行われているだけに、今回のようなケースでは、今後、どのように対応すべきか伺います。
次に、就学時の健康診断について質問します。
就学時の健康診断は、小学校などへの就学予定者を対象に行われており、学校保健安全法に基づき、その実施が市町村教育委員会に義務づけられています。市町村の教育委員会が就学予定者の心身の状況を把握し、小学校などへの初めての就学に当たって、治療の勧告、保健上必要な助言を行うとともに、適正な就学を図ることを目的とし、栄養状態、脊柱及び胸郭の疾病及び異常の有無、視力及び聴力、眼の疾病及び異常の有無、耳鼻咽喉疾患及び皮膚疾患の有無、歯及び口腔の疾病及び異常の有無並びにその他の疾病及び異常の有無の7項目の検査を実施し、必要により担当医師の所見に照らして、治療の勧告や助言、特別支援学校への就学に関する指導を行うことなど、適切な措置をとるようになっています。
本市の出生数は、昭和42年の3,268人をピークに、平成に入り、11年に1,000人を割り、24年では657人と、大幅な減少に伴い、児童数の減少も続く中で、本市にとっても大切な未来の宝を守り、育てるということは重要な仕事であり、心身ともに健康な状態で学校生活を送ることは、児童はもちろん保護者にとっても子育てをする環境としてなくてはならないものです。
近年、全国的には、この就学時の健康診断が適切に行われずに重い障害が残ったことにより裁判になったり、発達障害や知的障害といった症状が発見されても、親が受け入れずに普通学級に通うことによりいじめの対象になったりするケースがあると聞きます。
そこで、本市の就学時の健康診断の実施状況と受診者数、再診断や異常ありと診断されたケースがあったかについて伺います。
また、ケースごとの対応はどう行われているのか、特に発達障害や知的障害の場合、保護者への対応はどのように行っているか伺います。
他の自治体では、健診項目にある脊柱及び胸郭の疾病及び異常の有無で、特に脊柱検査にモアレ検査を導入し、脊柱側わん症の早期発見へ向けて努力する自治体が増えていると聞きます。脊柱検査にかかわるモアレ検査とはどのようなものか、また他市でモアレ検査を導入され始めていることについての見解と、本市での導入について伺います。
以上、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)秋元議員の御質問にお答えいたします。
初めに、不登校・ひきこもりについて御質問がありました。
まず、ひきこもり調査の予算についてですが、平成23年度に実施いたしました高齢者保健福祉計画策定の際のアンケート調査の実績で申し上げますと、65歳以上の高齢者のうち、要介護・要支援認定者を除いた1,000人に対して調査票を郵送しましたが、通信運搬費や紙代など合わせて約20万円程度となっております。
次に、相談体制についてですが、まず、こころの健康相談から他施設などを紹介した方の状況把握につきましては、必要に応じて把握しておりますが、全件については把握しておりません。医学的な配慮が必要であると考えられる場合など、必要に応じて御家族や施設などへ状況を確認しております。
次に、これまでの地元団体との連携につきましては、小樽市保健所の精神保健福祉事業の社会復帰支援・家族支援事業として、平成16年4月から開始した子供のひきこもりを考える家族セミナーの参加者が中心になって、17年4月に結成された家族会である小樽不登校・ひきこもり家族交流会を設立当初から継続支援しております。
支援内容としては、活動の会場として保健所を活用していただくことや、年6回、奇数月に保健所主催の家族セミナーを開催し、学習の機会を設けております。また、関連事業などを通して活動の周知、啓発を行うなど、連携に努めております。
次に、市としての親の会に対する広報活動への協力につきましては、ポスターやチラシ等の広報活動等をはじめ、最大限協力してまいりたいと考えております。
次に、地域若者サポートステーションにつきましては、本年4月に厚生労働省から追加募集があり、庁内で協議した結果、市として道内で運営実績のあるNPO法人を推薦団体に決定し、道を通じ国に企画書を提出したところであります。残念ながらこのたびの追加募集では選定されませんでしたが、市といたしましても、生活困窮者や不登校、ひきこもり、中途退学者等の若者の自立支援施設として、地域若者サポートステーションが必要なものと認識しておりますので、今後の追加募集の有無など、国の動向を注視し、関係団体と協議の上、前向きに検討したいと考えております。
次に、行政評価について御質問がありました。
初めに、事業評価の基準の周知等についてですが、まず評価内容における今後の方向性に係る判定区分の定義とその周知方法につきましては、例えば要改善とする事業は、その手段や内容を見直し、成果の向上や効率化を目指す事業とし、休廃止・終了とする事業は、その目的が達成されたことなどにより、暫定的に休止する又は廃止、終了する事業とし、現状維持とする事業は、その手段や内容の見直しを行わず、今後も同様に実施する事業とし、見直しを伴わない単なる経費増についても現状維持とするなど、今年度の事業評価マニュアルから判定区分の定義を明示し、一次評価を行う際に全ての部局に配付いたしました。
次に、平成24年度の行政評価において、今後も検討を継続するとした27事業についてですが、今年度において、既に7事業については、評価内容に基づき、事業内容の見直し等を行っておりますが、その他の事業については、施設の民営化など見直しに時間を要するものもありますので、引き続き26年度予算への反映を含め、評価結果による事業内容の見直しを検討するよう各部局へ指示しているところであります。
次に、平成25年度対象事業の選定及び評価結果についてですが、まず、評価対象事業を18事業に絞った理由につきましては、今年度は24年度に引き続き、試行の位置づけとして実施し、事業評価調書の作成などを含めた評価手法の浸透を図ることに主眼を置き、基本的に企業会計を担当する部局を除く全ての部局において、1ないし2事業の評価を行うこととしたためであります。
また、各部局での対象事業の選定に当たっては、平成24年度に評価を行った事業や一般管理経費、人件費等の義務的経費などを除き、25年度当初予算において、一般財源の額が大きいものから所管課が重複しないように選定いたしました。
次に、一次評価で拡大とした2事業と現状維持とした事業のうち3事業を、二次評価では要改善とした理由につきましては、例えば一次評価で拡大とした事業のうち、空き店舗対策支援事業費については、人口減少対策や移住促進施策の推進にも資するような制度運用の見直しや事業内容の充実に向けた施策の検討も進めるよう、二次評価で要改善としました。
また、一次評価で現状維持としたふるさとまちづくり協働事業推進経費については、本事業による成果検証の一つとして、助成終了後の活動継続状況を把握することなどのほか、市の助成事業としての高い公益性が担保される制度運用となるよう、点検や改善に努めることとし、二次評価において要改善としました。
同様にそのほかの3事業におきましても、その事業目的などに照らし、より有効で効率的な実施を図るため、内容等の見直しについて検討するよう、要改善としたところであります。
次に、外部評価導入自治体の視察についてですが、11月15日に東京都台東区と埼玉県川口市を視察しました。いずれも関連する個々の事務事業によって構成される施策の評価を実施していることや、人件費を含むフルコストでの点検を行っていることのほか、外部評価の実施実績があったことから、視察先として選定したものです。
また、それぞれの特徴につきましては、台東区では事務事業評価の新たな手法を検討するため、従来の事務事業の個別評価に加えて、事務事業の改善を図ることを目的に、他部局が行っている同種の事業との比較を行う比較評価を試行しておりました。一方、川口市では、庁内での総合評価、いわゆる2次評価にかえて、各部局による自己評価の結果を基に、外部評価委員会が各部局へのヒアリングと評価を行い、結果を公表しているなどの特徴が見られました。
次に、行政評価の本格導入に向けての見解についてですが、今年度までの試行の結果を踏まえ、評価調書の作成を含めた事業評価の実施方法や内容について再度点検を行い、評価対象とする事業の選定方法や事業数、実施のスケジュールなど、来年度の本格導入に向け、その内容を検討してまいりたいと考えております。
次に、評価結果の公表に関して、市民の意見や感想などを聞くことについてですが、今後、事業評価に係る手法の確立を図っていく中で、外部評価の導入を含め、市民の意見などを聞く手法などについても引き続き検討してまいりたいと考えております。
次に、孤立死について御質問がありました。
初めに、小樽市の防止対策についてですが、市内での孤立死と見られる件数につきましては、孤立死にはその定義がなく、統計数値はありません。
また、小樽市が行っている対策につきましては、平成21年度に高齢者見守りネットワークを立ち上げ、異変があった際の通報に係るルールづくりをいたしました。これまで新聞がたまっていたり、しばらく姿が見えないなどの通報により、未然に孤立死を防ぐことができたケースはありますが、ふだんからの見守りについては依然として課題となっておりますので、関係機関や関係団体などと今後も協議しながら、連携方法等について検討してまいります。
次に、今後の連絡体制についてですが、御質問にありました事例につきましては、詳細はわかりかねますが、警察が声かけに反応がなかったにもかかわらず帰ることは通常は考えられず、何かほかの要因があったものと思われます。
いずれにいたしましても、今後も引き続き、孤立死を少しでも防ぐ努力をしてまいりたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)秋元議員の御質問にお答えいたします。
初めに、直近3年間の不登校児童・生徒数と、指導の結果、登校する又はできるようになった児童・生徒数について質問がありました。
平成22年度から24年度までの文部科学省の調査における本市の状況についてお答えいたします。
まず、不登校児童・生徒数は、平成22年度は、小学生が9名、中学生が81名、合計90名、23年度は、小学生が10名、中学生が64名、合計74名、24年度は、小学生が6名、中学生が52名、合計58名となっております。
次に、指導の結果、登校する又はできるようになった児童・生徒数は、平成22年度は、小学生が2名、中学生が10名、合計12名、23年度は、小学生が3名、中学生が20名、合計23名、24年度は、小学生が1名、中学生が6名、合計7名となっております。
次に、市内小・中学校の保護者に、ひきこもり調査をするとした場合の予算や実施の可能性についてでございますが、教育委員会といたしましては、市内の小・中学校において、毎年、不登校調査を実施しておりますので、改めてひきこもり調査を行うことは考えておりませんが、市の関係部局において、市民に対し、ひきこもり調査を行う場合には、その内容、対象者の範囲などに応じ、できるだけ協力してまいりたいと考えております。
なお、所要の経費については、既決予算の範囲内で対応可能と考えております。
次に、就学時の健康診断について御質問がありました。
初めに、就学時の健康診断の実施状況等についてでございますが、今年度の就学時健診は10月上旬から11月下旬にかけて、市内の各小学校において実施いたしました。入学予定者745名のうち734名が受診しており、疾病などの所見があったものは416件で、そのうちの9割近くは歯科疾患であり、その他、皮膚疾患や眼の疾病、不整脈などでありました。これらの症状を持つ子供の保護者に対しては、医師や歯科医師から医療機関への受診を含めた指導・助言を行っております。
なお、発達障害や知的障害につきましては、就学時健診とは別に就学相談を実施しており、就学指導委員会が保護者との面談や知能検査などを通して、その子供の特性に応じた教育的支援について指導・助言を行っております。
次に、脊柱検査にかかわるモアレ検査についてでございますが、モアレ検査とは、脊柱側わん症の検査の一つで、格子を通した光を背中に当てて、そのしま模様の左右非対称から脊柱の変形を検査するものと承知しております。現在、小樽市では学校保健安全法施行規則に定める技術的基準に基づいて脊柱検査を行っておりますが、今後、モアレ検査を実施している他都市の状況などを調査してまいりたいというふうに考えております。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)1番、秋元智憲議員。
それで、この質問をさせていただいたときに、ひきこもりの問題といいますか、課題について対応できる課がないというので、どこの課で答弁するかというような話もあったのですけれども、確かにそのとおりだとは思うのですが、小樽市の問題として、これはぜひ取り組んでいかなければならない問題として、まずは調査の件、そして先ほど支援のことも伺いましたけれども、いろいろな要望などもございますので、それも1回聞いていただいて、対応できるのかどうなのか、伺います。
それと、就学時の健康診断を受けた半数以上に歯科、歯について所見があったということで、それも適切に指導はしているかと思いますけれども、詳細については予算特別委員会、総務常任委員会の中で質問させていただきたいと思いますが、他市では、脊柱側わん症の検査がたしか小学校5年生とか、中学校2年生とかで行っているという話もあったのですけれども、実際に小樽市でこれまで脊柱側わん症のような相談や問題がなかったのか、もし今わかれば、過去にあったのか、なかったのかということについて伺います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)秋元議員の再質問にお答えいたします。
ひきこもり調査の件につきましては、今後ともその調査はどういう形が一番いいのか、そういったことも含めて取り組んでまいりたいと思います。
それから、先ほど団体、地元団体との関係についての答弁をさせていただきました。特に現在、小樽不登校・ひきこもり家族交流会の設立当初から、私どもとしては支援を継続して進めておりますので、これからも積極的にといいますか、活動の周知・啓発を含めて取り組んでまいりたいと思っておりますので、御理解いただきたいと思います。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育部長。
○教育部長(山村幹雄)小・中学生の健康診断にかかわる脊柱側わん症の現状でございますけれども、小・中学校においては、それぞれ定期的な健康診断を毎年行っております。その中で、平成24年度の健診結果をまとめた表がございますけれども、その中では脊柱状況の中の側わん症ということで学校医が判断している児童・生徒については、小・中学校合わせて12名という報告は上がってきております。
それについては、家庭へその状態について通知しておりますので、それぞれ家庭でその状況については把握しているという状況でございます。
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)1番、秋元智憲議員。
○1番(秋元智憲議員)再質問で1点聞き忘れまして、孤立死に関連することなのですけれども、先ほど警察の方が対応しているという話だったのですが、実際、私に連絡をいただいたのが、まさにその警察の方が帰ったその場で携帯電話から連絡をいただきまして、そういう説明をいただいたのです。この質問を書き終わりまして、後日、その方ともう一度お会いしたのですけれども、親戚の方が家に来て家の中に入られたそうなのですが、やはり家の中で倒れていたといいますか、動けないような状況だったということで、少し心配なのだというお話をされていたのです。
先ほど市長からも、通常であれば警察の方が対応できているということで、私もまさにそのとおりだとは思ったのですけれども、実際にこのようなケースがあったので、もう一度その日にちなどを確認させていただいて、どのような状況があったのかというのを、委員会までに私自身もまた調べておきたいと思います。こういう問題があったということで、市長にも知っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○議長(横田久俊)秋元議員の一般質問を終結いたします。
(「議長、5番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)5番、成田祐樹議員。
(5番成田祐樹議員登壇)(拍手)
○5番(成田祐樹議員)通告に従い、一般質問を行います。
まず、本市の入札制度について伺います。
本年11月から12月にかけて、旭川市の土木建設課長が複数件にわたる収賄容疑で逮捕される事態が起こったのは、まだ記憶に新しいところです。大変残念な事件であったことは言うまでもありません。小樽市においても、市民の信頼を取り戻すためには十分な注意を払わなければならない案件かと思われます。
しかしながら、北海道新聞の報道においては、本市と旭川市の公共工事入札の制度はほぼ一緒である旨の記述がされておりました。
ここで、まず伺います。本市と旭川市の入札制度を見比べた場合、制度にどのような差異があるのかお知らせください。
旭川市の事件においては、割りつけがなされたとの報道がされています。課長が業者と頻繁に会合を重ねたという話も出てきておりました。あってはならない話でありますが、官製による割りつけなどが行われないようにするには、業者との関係はある程度の距離を置かなければならないと考えます。しかしながら、業者の方がもともと友人関係であったりする場合には、会うこと自体を制限するというわけにもいかず、市にとっても取扱いが難しい案件かと思われます。どのようにして業者とのいわゆる間合いをとっているのか、非常に気になるところです。
本市においては、公平な入札を実施するに当たり、旭川市と比べて、市職員に対してどのような取決めや規定が存在するのかお答えください。
また、取決め、規定が遵守されているかどうかの確認作業については、本市ではどのように行われているかもあわせてお答えください。
また、旭川市と本市の入札制度を見比べて、今後、本市の公共工事の入札制度において、同様の事態を防ぐために、さらなる防止策を打つ考えはあるのか、市長の考えをお聞かせください。
次に、カジノ誘致について伺います。
カジノについては、これまで中立的な立場で推移を見てきておりましたが、そのさなかで、小樽市はカジノ推進へ方向性を打ち出し、誘致する方向へ大きくかじを切りました。しかし、カジノについては、メリット・デメリットがともに多く存在し、本市にとって誘致することが利益になるのかどうか、この点についてはしっかりと検証しなければならないと私は考えておりました。
ところが、本年10月24日に、グランドパーク小樽で開催された日本カジノ創設サミットでの講演会では、雇用などメリットに関する説明はある程度の根拠やデータなどを用いた話がされておりましたが、カジノのデメリットに関する話は皆無といってもよく、しまいには一切の質疑応答などが行われませんでした。デメリットにかかわる話として唯一触れられたのが、ある研究員と国会議員が、カジノができれば裏カジノは淘汰されるという根拠も何にも基づかない発言がされただけで、サミット自体が非常に低レベルだったと言わざるを得ません。結局、デメリットにおいては、他都市の先進事例の報告など、客観的な判断要素が一切提示されず、カジノを誘致すべきかどうか判断するには、非常に物足りないものになりました。
そういった状況の中で、本市はカジノ推進にかじを切ったのですから、提示されなかったデメリットの情報について、不足する分を御説明願いたいと思います。
まずは、犯罪についてです。
一般的に、カジノが設置された場合は、犯罪の数が増えるという報告がされています。しかしながら、それがどの程度なのか、現状では全くわかりかねます。ここで、諸外国のカジノを有する都市の犯罪発生率について、カジノの設置前と設置後でどのように推移したか、変化したのか、その設置された都市名とともに犯罪発生率の客観的な数字をお示しください。
また、当然ながら、犯罪が増える予兆があれば、その都市に配置される警察官の数は増えるはずです。先ほど伺いましたカジノを設置した都市におきまして、警察官の配置人数はどのように推移したか、犯罪発生率の年度とあわせてお示しください。
これは、ある警察関係者から聞いた話ですが、カジノが設置されれば、間違いなく小樽市に配属される警察官は多くなるとの話をされていました。また、たとえ犯罪発生率が大きく上がらずとも、警察官を多く配置することによって、犯罪発生率が上がらなかったというのであれば、当然ながらまちの中には、この警察官の数が増えるわけです。まちの中に警察官やパトカーが増えるという物々しい雰囲気に変わってしまうおそれがあります。
それでも、市長は本市の観光には影響がないと考えるのか見解をお聞かせください。
次に、教育への影響について伺います。
カジノが設置されれば、当然ながらそこにかかわる青少年教育などを行わねばならず、従来では必要のない部分に教育資源を使わなければならなくなります。また、産業構造が変化することにより、住民の変化がどう教育に影響をもたらすかも考えなくてはなりません。
さらに言うのであれば、カジノを設置してしまえば、近隣に学校などの教育施設を建てることが非常に懸念されてしまうことから、ハードの面でも影響が出ると思われます。
ここで伺います。カジノを設置した場合に、諸外国のカジノを有する都市の教育の環境や影響が設置前と設置後でどのように変化したか、その設置された都市名とともに具体的な例をお示しください。
もう一点、教育と観光という話を含めた話で懸念されるのが、カジノというイメージが先行してしまうと、当然ながら教育にかかわる宿泊などに影響が出る可能性があります。なぜなら、カジノはギャンブルだからです。
よくカジノはギャンブルではないという説明をされる方がいますが、言葉の意味、定義をよくわかっていらっしゃらないかと思います。どの国語辞典を見ても、ギャンブルの意味はかけごとと記述されています。そして、かけごととは金品をかけて争うことと記述されているのです。カジノは金品をかけなければ成り立たない以上、かけごとであり、ギャンブルであるわけです。IRという言葉を利用して全体をソフトなイメージにしても、その中にはしっかりとギャンブルというものが存在し得るわけです。この大きな存在であるギャンブル施設があるがゆえに、修学旅行や部活動の合宿、大会などの際の宿泊がこれを機に敬遠される可能性があるかと考えます。
市長は、カジノを誘致しても、修学旅行など教育にかかわる観光や宿泊には全く影響がないと胸を張って言えるのか見解をお示しください。
少し話を変えて、カジノの運営について伺います。
本市は、カジノ法案の成立を見通して推進しているのですから、当然ながらカジノの運営まで考えて賛成されているのかと思われます。
ここで伺います。現在、日本においてカジノ運営のノウハウがある会社は、どこが存在するのか、見解をお聞かせください。
少なくとも、私の調べでは、日本においてカジノ運営のノウハウを持っている会社はないと言っていい状態です。つまりノウハウ全くなしにカジノなど運営できるはずがないのは当然のことで、そうなれば外資系企業が必ず運営に絡んでくることになります。本市は、公営、公の運営ではなく民営を掲げている以上、運営にかかわる収益はその母体となる外資系企業に吸収される可能性が強く、本市には雇用以外の大きなメリットはないと考えますが、その意見に対する見解をお聞かせください。
また、海外でカジノのノウハウを持っている外資系企業が運営に絡むということは、海外のマフィアとの関係も注視しなければなりません。カジノによっては、マフィアとの密接な関係があるところも報告されています。また、そういう実態がないカジノであっても、マフィアとの関係や対応策がどう行われてきたのかも調査しなければなりません。諸外国のカジノとマフィアの関係について、本市はどの程度把握しているかお答えください。
カジノについて、諸外国の例をいろいろ調べていたところ、カジノのライセンスについては、厳格な審査があることがわかりました。一つ例を挙げますと、アメリカのニュージャージー州においては、カジノのライセンスについて、州の民事政策、刑事政策に違反した形で経済的利益を追求してきた者をカジノ経営及びそれに付随する産業から極力排除しなければならないとされているそうです。また、カジノを管理している人や働く人に逮捕歴がないか調べることが義務づけられているそうです。
ここで1点、懸念材料になり得るのが、小樽市のカジノを誘致されている組織についてです。この組織には、残念ながら過去に刑事事件で逮捕され、公民権を持たれない方がおられ、アメリカ・ニュージャージー州のライセンス規定から考えると、本市は誘致をしていても、その団体にライセンスすら交付されない可能性があると思われますが、市長はどのように考えているか見解をお聞かせください。
このカジノ誘致に関しては、大きな効果も期待できますが、その反動もしっかりと見極めなければなりません。メリットとデメリットをてんびんにかけ、市民にとってどちらを選択したほうが利益が高いのか、市はしっかりと明示する必要があるかと思います。しかしながら、現在、市民にとっては、カジノのメリットやデメリットを見比べて選択する機会が全くない状態です。議会や市民に対して、このまま説明らしい説明をせずにカジノ誘致を進めていくのか、市長の見解をお聞かせください。
もしカジノ誘致に対する説明等を市で行うのであれば、どの時期にどのように行うのかも、あわせて見解をお示しください。
以上、再質問を留保し、質問を終了します。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)成田議員の御質問にお答えいたします。
初めに、入札制度について御質問がありました。
まず、本市と旭川市の入札制度についてですが、両市とも条件付き一般競争入札を既に取り入れていることなど、特に差異はないものと認識しております。
次に、公平な入札の実施に当たって、職員に対しての取決めや規定についてですが、本市では職員倫理条例を昨年4月1日に施行しておりますが、旭川市においても利害関係者との禁止行為などが条例で規定されております。また、取決めや規定が遵守されているかの確認作業については、特に行っておりません。
次に、旭川市と同様の事態を防ぐためのさらなる防止策についてですが、これまでも本市におきましては、適正な入札制度についての検討や職員に対する公務員倫理等の研修を行ってきたところであり、今後とも国や他の地方自治体における入札制度の取組などの研究を行うとともに、職員へのコンプライアンスの徹底を図ってまいります。
次に、カジノ誘致について御質問がありました。
まず、メリットとデメリットの検証方法についてですが、カジノを有する都市の犯罪発生の推移につきましては、シンガポールの犯罪白書によると、人口10万人当たりの犯罪発生件数は、設置前の2009年は665件、設置された2010年は653件、設置後の2011年は608件、2012年は581件と推移しておりますが、他都市の犯罪発生状況は把握しておりません。
なお、警察官の配置人数の推移については承知しておりません。
次に、カジノ開設により、市内に警察官やパトカーが大幅に増えることにつきましては、現段階ではわかりません。たとえ、地域の警察官の人数が増えたとしても、本市の観光に影響を与えることはないものと考えております。
次に、修学旅行などへの影響につきましては、現段階では把握できませんが、本市において修学旅行の誘致も大切であると考えておりますので、修学旅行に影響が出ないよう取り組んでまいりたいと考えております。
次に、日本でのカジノ運営ノウハウのある会社の有無と本市の雇用以外でのメリットにつきましては、現段階で国内には海外のカジノ運営に参画している会社はあると承知しておりますが、全ての運営ノウハウを有するかはわかりません。
また、本市の雇用以外のメリットにつきましては、通常の企業誘致と同様に固定資産税や法人市民税の収入のほか、IR推進法案によりますと、地方公共団体が納付金と入場料の一部を徴収できることとなっております。
次に、諸外国のカジノとマフィアとの関係につきましては、平成24年11月の北海道の調査報告書によれば、現在、カジノを合法とする世界の先進的な国や地域では、反社会的組織を排除する対策として、厳格なライセンス制度を採用しているが、制度が採用されていないマカオなど一部の国や地域では、反社会的組織の関与が防止できていない例も存在するとの記載があることは承知しております。
次に、アメリカ・ニュージャージー州のライセンス規定とのかかわりにつきましては、カジノのライセンスは運営する民間会社に交付されるものであり、誘致を行っている組織との関係はないものと考えております。
次に、市民への説明方法ですが、IR推進法案が成立した後、IR推進法の説明をはじめ、メリット・デメリットなどについて市民の皆さんを対象とした説明会などを開催したいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)成田議員の御質問にお答えいたします。
カジノ誘致に関するメリット・デメリットについて御質問がありました。
カジノを有する諸外国での教育環境につきましては、市教委として独自に調査したことはありませんが、平成24年度に北海道が行った調査報告書によりますと、米国ネバダ州、シンガポール、マカオ、韓国のアンケート調査に対する回答が掲載されております。
それによりますと、各国それぞれで年齢制限を定めておりますが、入場時のチェック体制が甘いネバダ州では、青少年が入場することで、2パーセントがギャンブル依存症、その他10パーセントがその発生リスクを抱えているという報告がなされております。
また、マカオやラスベガスの一部の専門家からは、カジノ産業では、高等教育を受けなくても、高額な賃金を得られる職につくことができるといった状況などから、結果として青少年の進学への意欲が低下していくとの指摘があると報告されております。
(「議長、5番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)5番、成田祐樹議員。
○5番(成田祐樹議員)再質問させていただきます。カジノについてです。
今、市長からも御答弁がありましたけれども、内容によってはわからないといったような答弁が何か所かあったと思います。正直言うと、想定していた答弁です。わからないことが多すぎるのです。
では、なぜわからないまま推進してしまうのか、進めてしまうのか、ここがやはり一番心配な点であるわけです。当然ながら、デメリットについてわからないものがあれば、やはりそれは調べて市民に提示する、それを見比べて判断してもらう、こういう作業を行わなければ、どのようなリスクがあるのかわからないのに、わからないまま進めるというのは、市民にとっても不安なままなわけです。
当然、諸外国の事例については、外国の例ですから、なかなか情報も、文献も含めてデータも出てくるかといったら難しいと思います。そのような中で、こういった形で、推進という形でかじを切られたというのは、非常に納得しにくい、理解しにくいという方が市民の中にもやはりいらっしゃるのです。
それで、市長からは、そういったメリットとデメリットを説明する機会を設けたいと、今、御答弁がありましたので、ぜひそこに関してはしっかりと、本市もデメリットに関して調べられるものは調べる、そして、当然ながら私は、デメリットだけを言うのではなく、メリットもあるのだったらどちらも提示してくださいと、その中で、市民の皆さんに判断を仰いでいく、そういう形の方向性をぜひ持っていただきたい。
一番まずいのは、反対している人と賛成している人が、わだかまりを持ってしまい、全く分かれてしまったまま、お互いのことを全く見ないで進んでしまうというのは、市を二分してしまう話になるわけです。そういったところで、しっかりと判断材料を市民に提示するということはとても大切なことだと思いますので、ぜひそこについては、中松市長になるべく早く、当然法案等の制定、日本の法律制定ともかかわってはきますが、ただ諸外国の先進事例というのは、日本の法律にかかわらずわかるわけですから、そういったところの情報をぜひ示していただきたいと思います。
そこについて、1点だけお答えいただければと思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)成田議員の再質問にお答えいたします。
カジノの問題については、この臨時国会で、初めて法案というか、案という形で提案されて、恐らく来年以降の通常国会を含めて、このIRの推進については、いろいろと議論されていくのだろうと思っております。ですから、まだ法律ができていない段階の中でどういうふうになるのかわかりませんので、なかなか私は説明申し上げられませんというふうに申し上げたのです。
成田議員の話を聞いていると、何かカジノイコール全て悪いというふうな意味にどうしても聞こえてしまうのですけれども、今、問題があるとすれば、そこの問題をどうやってその法律の中できちんと整備していくかということが一番大事なことだろうと思っております。ですから、先ほども答弁させていただきましたように、観光問題や雇用問題などいろいろな中で、できるだけカジノ、IR法案がプラスになるような形で国会で議論していただきたいと思います。
それから、この議論は何か月かで決まるわけではないと思います。恐らく、今、こういった通常国会以降の議論の中でいっても、何年もかかるだろうと私は思っておりますので、そういった中で、今、いろいろと成田議員が懸念しておられますことを一つ一つやはり解決して、そしてみんなでそのIRが社交場として楽しめるような施設になってくれると私はありがたいと期待しているところでございます。
(「議長、5番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)5番、成田祐樹議員。
○5番(成田祐樹議員)私の話の趣旨がちょっと伝わっていないのかなと。私は反対と言ったことは一度もございません。メリットとデメリットをしっかり出してほしいと。その中で、メリットが前回のサミットでは出てきたけれども、デメリットの話は全くなかったわけです。だから、それをしっかり出してくださいと言っただけです。
そして、日本の法律が決まらなければわからないという話ですけれども、私が言いたいのは、そのようなことではなく、もう先例としてある諸外国の状況をお知らせしてほしいと。もう既に諸外国では行われていて、実際にどういった形で教育や犯罪といったところに影響があるのか、そういうデータがあるはずなのです。だから、それを出してくださいと言っているだけで、わからないものを出してくれと言っているわけではないのです。そういう先進事例の数字、客観的な根拠のある数字というものを市民に開示してほしいと、そこを求めたわけなので、そこについてお答えいただければと思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)繰り返しになります。日本では今、IR法については案がようやく出された状況でありまして、これがどういうふうに進んでいくかというのはよくわかりません。ですから、先ほど言いましたように、みんなが楽しめるような、そういう懸念がされることのないような形で法律ができていくとよろしいのではないかと思って報告しております。
それから、海外の問題については、私が市長になる前でありますけれども、5か所ぐらいカジノに行って視察もしてきております。先ほど成田議員がいろいろと質問された、特にデメリットの部分については私は感じておりません。むしろメリットのほうが大きいと思っているところでありますので、御理解いただきたいと思っております。
ですから、IR法ができ上がったときには、メリット・デメリットを含めて、市民の皆様にきちんと話をいたしますし、市民の皆さんがそれについて反対だということであれば、私はそれを推進していくつもりは全くございませんので、御理解いただきたいと思います。
○議長(横田久俊)成田議員の一般質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時11分
――――――――――――――
再開午後2時30分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、一般質問を続行いたします。
(「議長、13番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)13番、酒井隆行議員。
(13番酒井隆行議員登壇)(拍手)
○13番(酒井隆行議員)一般質問をいたします。
初めに、防災計画について質問いたします。
平成23年3月に発生した東日本大震災は、被災地ばかりではなく、他の自治体においてもさまざまな形で経験と防災対策の教訓を与えました。
小樽市においても、町会単位の避難訓練や非常食の準備、民間企業の協力による携帯電話でのエリアメールなどの整備も進められてきました。
また、平成24年度には、防災行政デジタル無線の設置により、市庁舎と各避難所の通信確保の手段が整い、今年度においては、町会や自治会などで防災ラジオの配置も進められており、災害が発生した際には、市民一人一人が正しい情報を入手し、適切な行動をとれる機会が従前以上に増し、整いました。
一般的には、テレビ、ラジオ、携帯電話による放送やメールによるもの、広報車や消防車などによる伝達、交通網が遮断された場合には、人力による広報活動などが挙げられておりますが、1分1秒を争う災害想定時には、多くの市民に避難を呼びかける手段として、同報系無線野外スピーカー若しくはサイレンによる警戒信号が、より多くの人により早く伝わる手段、手法ではないでしょうか。
現在、サイレンによる警戒信号は、例えば銭函の海岸沿いにおいては、全く機能していない状況にあります。銭函に隣接している石狩市では、海岸に近い地域において、平成25年度から4か年計画でサイレンが整備されます。
小樽市民の安全・安心の確保のために、海岸線近くのサイレンの聞こえない地域の市民にいち早く危険が迫っていることを知らせる手段として、同報系無線の整備は必要不可欠と思いますが、他都市の整備状況と市長の御所見についてお聞かせください。
次に、平成25年度の除雪体制について質問いたします。
平成25年度の除雪予算は総額9億4,500万円と、例年とほぼ同水準となっております。毎年度のことではありますが、降雪量によって同予算も不足する場合があり、補正予算を組み、対応してきたところであります。
近年、大雪に見舞われており、今冬の降雪量が気にかかる時期となりました。
そこで伺いますが、昨年度、市民から寄せられた除排雪依頼、除排雪後の苦情、砂まきなどの凍結路面管理の苦情件数と今年度に向けた要望の主な内容についてお聞かせください。
また、これら苦情、要望について、昨年度はどのような対策を講じ、今年度はどのような施策をする予定であるか、お聞かせください。
次に、関連して高齢者の冬道対策について質問いたします。
先日、障害を持った高齢者から相談を受けました。この方は、清水町のバス通りから急坂を通り、中道に入ったところにお住まいがあるそうです。相談者は足が不自由なようですが、夏季には積極的に趣味や買物で中心部へ外出されるそうです。しかし、冬季になると、急坂路面は凍結し、つるつるとなり、趣味も買物もできなくなるとのことでした。万が一転倒でもして骨折したら、寝たきりになってしまうのではないかと心配した相談内容でした。
現在、ロードヒーティングの新設は難しく、つるつる路面対策は砂まきボランティアの皆様の御協力で対応しているとのことでありますが、このような足が不自由な市民の人たちの外出機会を増やすためにも、道路の冬季の対策が必要と考えます。歩行は健康のもと、健康第一の観点から、冬季の道路管理には従前以上の対策が必要と考えます。今冬の高齢者への配慮を含めた急坂に対する道路管理についてお聞かせください。
次に、企業立地について質問いたします。
中松市長は、市長就任以来、企業誘致については、企業立地トップセミナーの開催や企業立地促進条例の改正など、大変力を注がれてきました。これまでにも東洋水産株式会社北海道工場の札幌からの移転に伴う新工場の建設、一正蒲鉾株式会社の新工場建設、さらには現在建設中ですが、横浜冷凍株式会社の冷凍倉庫やぎょれんの新工場の建設など、実績を数々上げられております。
先日、市長の記者会見で、琴似製麺株式会社が札幌から銭函工業団地に工場を移転するとの発表がありました。今回の同工場移転では、100人ほどの従業員の求人が必要とのことで、大変心強く感じております。
直近では、北洋銀行との連携協力協定も結ばれて、小樽市内の経済活性化が期待できるものと思っております。
そこで、11月に大阪で開催された企業立地トップセミナーにおいては、当初見込んでいた30社を大きく上回る参加があったとのことでしたが、参加企業を増やすためにどのような取組をされたのか、また昨年の東京開催との違いで特徴的なことがあればお聞かせください。
さらに、今回のトップセミナーでの基調講演、市長のプレゼンテーション、立地企業のプレゼンテーションの主な内容や参加企業の反応などをお知らせください。
特に、東日本大震災以降、大手企業では災害リスク分散の観点から、新設工場や支社を災害の少ない地域に選定する傾向があります。小樽市は地震などの災害が少ない地域としてもセールスポイントになるかと思いますが、市長のプレゼンテーションの中で、このことについての説明や、それに対する参加企業の反応があれば、あわせてお聞かせください。
この項目の最後に、今回のトップセミナーの感触や企業立地の見通しを踏まえ、今後、どのような方針で取り組んでいくのか、御見解を伺います。
次に、障害者雇用について質問いたします。
障害者の雇用について、法定雇用率が15年ぶりに改正されました。本年4月から、民間企業においては、法定雇用率が1.8パーセントから2.0パーセントへ引き上げられ、障害者を雇用しなければならない事業主の範囲が従業員56人以上から50人以上となり、障害者の雇用義務が増しました。近年、障害者の就労意識が高まる中、企業にはさらなる障害者雇用に対する取組が期待されております。
そこで、小樽管内民間企業の就業者数と雇用率及び本市の任命権者ごとの職員数と雇用率についてお聞かせください。
また、民間企業における今後の障害者雇用の推進に向け、どのように取り組んでいこうとしているのか、御所見をお聞かせください。
次に、がん対策について質問いたします。
今年度から、小樽市の健康づくりを進める指針として、第2次健康おたる21がスタートいたしました。本市の死因の第1位は、がんであります。市民一人一人が充実した毎日を過ごし、健康で楽しい人生を過ごすためにも、健康づくり推進は非常に大切だと考えます。
そこでお聞きいたします。本市のがん対策について、保健所で実施している各種がん検診の種類と受診率について、最近の傾向も含め、お聞かせください。
次に、関連して質問いたします。北海道では、学校や地域において、年齢の低い時期から健康のために望ましい生活習慣やがんに関する正しい知識を身につけることができるよう、さまざまな取組を児童・生徒を対象に行っております。また、がんの予防や早期発見などに関する講義を通じて、若い世代や親世代ががんに関する正しい知識を身につけ、がんに負けない健康づくりに積極的に取り組むきっかけとなっております。
現在、北海道教育委員会、札幌市教育委員会及びがん診療連携拠点病院などの協力の下、学校現場において出前講座形式による授業を実施し、予防、早期発見、治療など、がんに関する正しい知識の普及啓発を実施していますが、本市の小学生に対しての取組状況はどのようになっているのかお聞かせください。
次に、フッ化物洗口について質問いたします。
平成25年4月に新たに改定された、北海道が推進している北海道歯科保健医療推進計画は、保育所や小学校などでのフッ化物洗口を推進し、全ての市町村で実施することとしておりますが、教育委員会では実施に向け、どのような取組をされているのか、その内容についてお聞かせください。
本市近郊の石狩市、札幌市、当別町、余市町などで既に普及啓発が推し進められておりますが、展望と今後の取組についてお聞かせください。
次に、小・中学校での卒業式、入学式の国歌・国旗について質問いたします。
今春の卒業式、入学式について、国歌斉唱時の状況は、全児童、全職員が起立して斉唱し、国旗についても、全ての学校において掲揚されたとのことです。全校児童・生徒及び教員が一堂に会して挙行される卒業式、入学式は、我が国の国旗及び国歌の意義を理解させ、尊重する態度を育み、所属感を深める上で貴重な教育の機会であります。今年度においても当たり前に行われている卒業式、入学式ではありますが、本市の各学校における卒業式や入学式の形式は、これまで統一されたものではありませんでした。今春の卒業式及び入学式のように、今後も引き続きステージを使用し、儀式的な行事を行うにふさわしい厳粛なものにしていただきたいと思いますが、今後の取組、指導について、教育長の御所見をお聞かせください。
次に、学力向上について質問いたします。
平成25年度の全国学力・学習状況調査結果については、おおむね昨年度と同様、全道で下位とのことでした。まずは、今年度の全国学力・学習状況調査の結果をどのように受け止めているのか、改めて教育長にお聞きいたします。
また、これまで厳密に守られてきた学力テストの結果公表禁止が、他府県では一部公表されるようになってきました。学力向上を図るためには、結果を公表し、課題に基づき、教育委員会、学校、家庭、地域で改善に向けた取組をすることが大切です。特に、学校は保護者に対し調査結果をより正確に伝え、協働して学力向上に取り組むべきと考えますが、本調査結果を受け、教育長は各学校に対し、保護者に向けた公表の方法についてどのような指導をしたのか、その内容についてお聞かせください。
また、教育委員会は結果を踏まえ、学校ごとの分析結果を基に、学力以外の課題解決に向けた取組を進める必要があると聞きます。児童・生徒の自助努力はもちろんですが、教員側の改革も必要です。一例ですが、均衡ある指導体制を整えるための適切な人事異動を実施することも大切な要素かと思います。
そこで、教育長に、教員の適正な同一学校での勤務期間についてお聞きいたします。
あわせて、市内各学校の実態についてお聞かせください。
以上、再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)酒井議員の御質問にお答えいたします。
初めに、防災計画について御質問がありました。
まず、同報系無線によるスピーカーの整備状況についてですが、国の調査によりますと、平成25年9月末時点で、道内179市町村のうち93市町村が整備をしており、整備率は52パーセントとなっております。
また、災害時における市民への情報伝達につきましては、複数の手段が必要と考えており、同報系無線による情報伝達も有効な手段の一つでありますが、本市は長い海岸線を有し、整備に係る事業規模が膨大となることなど、導入にはさまざまな課題があることから、他の伝達手段も含め、有効性や事業手法などについて、今後、さらに検討してまいりたいと考えております。
次に、除雪について御質問がありました。
まず、昨年度、市民から寄せられた苦情件数についてですが、除排雪依頼につきましては2,108件、除排雪後の苦情につきましては597件、砂まきなどの凍結路面管理の苦情につきましては368件となっております。
また、今年度に向けた要望の主な内容につきましては、「交差点の見通しを確保してほしい」「通学路の歩道の除排雪対応をしてほしい」「高齢者が増えており間口の置き雪に配慮してほしい」などの要望がありました。
次に、苦情、要望の昨年度の対策につきましては、除排雪や砂まき依頼があった場合に、その地域の道路状況を確認した上で、道路の安全が保てないと判断したときには、必要に応じて作業を実施し、道路の安全確保に努めたところであります。
今年度の施策につきましては、市民の皆さんからの御要望が特に多い、主要な交差点の見通しの確保や主要通学路における歩行路の確保に重点を置いて作業を進めてまいりたいと考えております。
次に、今冬の高齢者への配慮を含めた急坂に対する道路管理につきましては、市内で639か所の砂箱を設置して対応しているほか、個人でも砂まきボランティアに御登録いただき、皆さんの砂まきの御協力により、急坂な歩行路の安全確保に努めているところであります。今後とも砂まきボランティアの御協力をお願いするとともに、急坂路面の効果的な道路管理について研究してまいりたいと考えております。
次に、企業立地について御質問がありました。
まず、大阪で開催した企業立地トップセミナーにおける参加企業を増やすための取組につきましては、本市に立地する企業と関連のある在阪企業に案内するとともに、関西小樽会や北海道、さらには関西圏を拠点とする市内企業の協力と連携により、当初の予定を上回る40社の参加があったものであります。
また、大阪開催における特徴につきましては、道内の主要都市が東京でのセミナーを開催する中で、本市のように大阪での単独開催は少ないと聞いており、関西圏の企業に対し、本市の魅力をPRする大きな足がかりになったものと考えております。
次に、トップセミナーの主な内容につきましては、基調講演として、兵庫県立大学の秋山准教授から、北海道のビジネス環境とブランド力をテーマにお話をいただきました。
私のプレゼンテーションでは、本市が道内最大都市である札幌市に隣接する地理的優位性や交通アクセスの利便性、観光都市小樽の知名度、さらには地震など災害リスクの低い地域であることなどを最大限にアピールいたしました。
また、立地企業プレゼンテーションでは、伊藤ハムデイリー株式会社の福来小樽工場長から、同社が早くから企業進出に至った経緯や、本市の良好な立地、操業環境についてお話をいただきました。
次に、参加企業の反応につきましては、全体的に好感触であり、とりわけ第2部の名刺交換会では、参加企業の皆様と大変友好的に話をさせていただきました。その中で、本市を含む札幌圏については、地理的、地形的な条件の優位性や、今後も大きな地震に見舞われる確率が極めて低いことに関心を示す声が多く聞かれました。
次に、今回のトップセミナーを踏まえた今後の企業誘致の方針や取組につきましては、近年、本市に集積の進む食品関連企業や、この業種から波及効果が期待できる物流関連企業の誘致を中心に取り組んでまいりたいと考えております。企業立地は地道で粘り強い取組が必要でありますので、今回のトップセミナーを契機として新たにつながりができた企業に対し、今後ともできる限り私みずからが訪問し、直接お会いする中で、本市への企業誘致の可能性を高め、1社でも多くの企業が本市に立地していただけるよう努力してまいりたいと考えております。
次に、障害者雇用について御質問がありました。
まず、平成25年6月1日現在の小樽管内の民間企業における障害者の就業者数と雇用率につきましては、ハローワーク小樽によりますと、215名で1.77パーセントとなっております。
また、同様に、6月1日現在の本市の任命権者ごとの職員数と雇用率につきましては、市長部局は17.5名で2.24パーセント、教育委員会は4名で2.02パーセント、水道局は2名で2.44パーセント、病院局は3.5名で1.04パーセントとなっております。
次に、今後の障害者雇用の推進につきましては、市内企業に対し、障害者の雇用の促進等に関する法律に基づく雇用制度の周知を進めるとともに、ハローワーク小樽などの関係機関と連携し、障害者を雇い入れる際の支援・助成制度の周知や職業相談、求人開拓などにおいて協力を深めながら、障害者の雇用拡大に努めていかなければならないと考えております。
次に、がん対策について御質問がありました。
まず、保健所で実施しているがん検診の種類と過去3年間の受診率につきましては、胃がん検診が平成22年度8.0パーセント、23年度8.0パーセント、24年度7.5パーセント、同様に肺がん検診が11.3パーセント、10.6パーセント、9.6パーセント、子宮がん検診が45.6パーセント、41.0パーセント、39.5パーセント、乳がん検診が39.5パーセント、34.8パーセント、32.3パーセント、大腸がん検診が16.5パーセント、19.4パーセント、18.9パーセントとなっております。
また、受診率につきましては、減少傾向にあります。
次に、がんに対する正しい知識の普及啓発について、本市の小学生に対する取組につきましては、小学校からの要請に応じて実施している保健所の健康教育のうち、たばこに関するテーマの中で、たばことがんに関して普及啓発をしております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)酒井議員の御質問にお答えいたします。
初めに、フッ化物洗口について御質問がありました。
まず、フッ化物洗口に関するこれまでの取組についてでございますが、本年1月、フッ化物洗口を行っている幼稚園の保護者を対象にアンケート調査を行いましたが、小学校でも引き続きフッ化物洗口を行ってほしいと回答した割合が6割ほどあったことから、該当する小学校にその旨を伝え、実施に向けて協議を進めていたところであります。学校としては、一部にそのような声があるものの、全体としては要望が多くなかったことや、教職員や保護者の間に安全性に対する危惧の声があること、業務分担に対する懸念などの課題があり、現在まで実施に至らず、引き続き検討しているところであります。
その後、市教委としては、教職員や保護者にフッ化物洗口の安全性や効果を十分説明する必要があることから、保健所や小樽市歯科医師会と今後の啓蒙活動などについて協議を進めており、12月4日には歯科医師会から講師を招き、校長に対するフッ化物洗口の有効性についての研修会を開催するなど、実施に向けての取組を進めているところであります。
次に、フッ化物洗口についての展望と今後の取組ですが、先ほども述べましたとおり、フッ化物洗口が進まない理由として、教職員や保護者がフッ化物洗口の安全性に疑問を持っていることや業務分担への懸念、さらには使用薬剤について小樽薬剤師会との調整が進んでいないことなどがありますことから、今後、保健所や歯科医師会のお力添えをいただきながら、課題解決に努め、早期に実施できるよう取り組んでまいりたいと考えております。
次に、卒業式、入学式について御質問がありました。
本市においては、今年の卒業式、入学式はステージを使用して行われ、国旗の掲揚はもとより、子供や教職員の起立、体育館の放送機器の活用など、全ての学校で同じように実施することができました。このことは地域、保護者の長年の願いでもあり、校長会が一致団結して取り組んだ成果であると考えております。
私としては、卒業式や入学式は子供たちが成長した姿を祝う厳粛な儀式的行事であり、今年と同様の実施ができるよう、校長会とも連携しながら取り組んでまいりたいと考えており、特に今年は子供たちが大きな声で国歌を斉唱できるよう、指導を行っているところであります。
次に、学力向上について御質問がありました。
まず、小樽市における今年度の全国学力・学習状況調査の結果についての受止めについてでありますが、小学校では算数Aで全道の平均正答率を上回っているものの、他の教科では全て全道、全国の平均正答率を下回っており、中学校ではいずれの教科においても全道、全国の平均正答率を下回っているという状況であります。特に、中学校では国語・数学のBの問題において、全国との差が大きく、伝えたい事実や事柄について、自分の考えや理由などを明確に説明する力などに課題が見られました。
また、児童・生徒質問紙調査結果においては、1日に1時間以上勉強する児童・生徒の割合が全国に比べ低い状況にあり、テレビゲームやコンピュータゲーム、携帯式のゲームをする時間が全国と比べて長いという状況が見られ、望ましい生活習慣の確立が必要であると考えております。
私としては、全国学力・学習状況調査において結果を出すことの難しさを痛感しております。全体としての平均正答率を上げることはもちろんでありますが、何よりも本市の子供たち一人一人が自分の将来に夢と希望を持ち、それを実現するためには、小学校においてしっかりと基礎基本の学力を身につけることが大切であると考えております。今後も学校、地域、保護者と連携を図りながら、各種研修会を通して教員の資質能力の向上を図るとともに、音読をはじめとする家庭学習習慣の定着に向け、粘り強く取り組んでいくことが重要だと考えております。
次に、本調査結果の保護者への公表方法についてでありますが、今年度、本市では、子供や保護者、地域の人たちが本市の学力の状況をより正確にわかるよう、具体的な課題や改善点なども盛り込みながら、各教科の平均正答率を数値で公表いたしました。また、学習時間や読書量などの学習状況の課題についても、全道、全国と比べ、特徴的な点を示しました。さらに、これまでは統一されていなかった各学校の教科の調査結果については、単に「課題がある」や「成果が上がった」という表現ではなく、「全国より上回っている」「全道より下回っている」などの表現にすることや、教科ごとの改善策や生活面での課題なども踏まえ、10月末までに学校だよりなどで地域、保護者に説明するよう、校長会議において指導し、全ての学校で公表を終えております。
次に、教職員の適正な同一校での勤務期間と各学校の実態についてでありますが、後志管内の教職員の人事異動につきましては、後志教育局が定める後志管内小中学校教職員人事異動実施要領に基づき、同一校6年を基準勤務年数として人事異動を行い、学校の活性化に努めているところであります。しかしながら、学級担任の持ち上がりの関係、研究指定校などの学校経営上の事情などにより、7年以上在籍する教職員が全体で約5パーセントといった状況もありますので、今後とも道教委と連携し、本市と後志管内の他町村との人事交流を積極的に進めるなど、人事の刷新に努めてまいりたいと考えております。
(「議長、13番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)13番、酒井隆行議員。
○13番(酒井隆行議員)あとは、予算特別委員会で詳しくお聞きしていきたいと思います。
○議長(横田久俊)酒井議員の一般質問を終結いたします。
(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)16番、林下孤芳議員。
(16番林下孤芳議員登壇)(拍手)
○16番(林下孤芳議員)一般質問を行います。
まずは、寡婦控除のみなし控除適用の導入について質問をいたします。
婚姻歴のないひとり親家庭の母(父)を税法上の寡婦(夫)とみなし、寡婦(夫)控除を適用することを求める意見は、さきの第3回定例会でも取り上げられ、また同様の意見書は全会一致で可決され、小樽市議会の意思として関係機関に送付されました。この間、市長並びに関係理事者からも、婚姻歴だけで税法上の差別があることの合理性の疑問や、小樽市がみなし適用に該当すると思われる項目の検討結果など、回答はいただいたものの、国の制度にかかわる問題との認識から、みなし控除に対する前向きな判断は示されませんでした。
趣旨については、第3回定例会で、公明党の代表質問で詳しく質問されておりますので、重複は避けますが、本年9月4日の、婚外子の相続権をめぐり、法の下の平等に反するとして違憲とした最高裁決定を受けて、国においては民法の一部改正の手続が進められ、11月21日には衆議院で婚外子の相続分を摘出子の半分とする規定の削除が可決されたものの、政府が準備した戸籍法の改正案は見送られ、63年前に舞い戻るような議論も再び繰り返されていることから、今日の厳しい経済環境の中で懸命に子育てをしている未婚の親に救済の手が及ぶまでには、まだ時間がかかることが想定されております。
そもそも未婚の親の寡婦控除は、最高裁の判断や国の動きを待たず、市町村や都道府県が独自の判断で救済に乗り出していることが以前から知られておりますが、大都市を中心とした調査によりますと、保育料では12自治体で、公営住宅の家賃では4自治体で実施済みと言われており、最近は拡大傾向が続いているとのことであります。また、学童保育など他の事業と併用する形で実施している自治体も多くあるとのことです。
八王子市では、年収201万円、子供2歳のシングルマザーのモデルケースで試算したところ、婚姻歴のありとなしでは、所得税で1万7,500円、住民税で6万3,100円、保育料で12万8,400円、合計で20万9,000円となり、今年度から児童扶養手当を受給している未婚のひとり親家庭の保育料を無料化したとのことであります。
既に実施している自治体は、婚姻歴の有無は生まれてくる子供の責任ではない、子供は親を選べないということを根拠に踏み切った、離婚したひとり親世帯と状況は何ら変わるものではないとして、現行制度の矛盾を指摘しています。
租税法の専門家は、同じ所得水準なら、税金を担う能力は変わらない、税制は公平・中立であることが基本原則であり、特定の価値観に誘導するためのものではない、未婚のひとり親が不利に扱われる合理的理由はないとコメントしています。
私は、今、少ない所得で懸命に子育てをしている未婚のひとり親に対する支援は極めて緊急性の高い事業であると思いますし、婚姻歴で差別を受けている、社会的に一番弱い立場にいる親子の支援に踏み切ることは、行政のトップである市長の決断であり、私たち議会の責任であるとも考えます。
以上の観点から、小樽市の厳しい財政を踏まえたとしても、できることは必ずあると思いますので、市長の見解を求めます。
また、対象項目は全国平均で11項目と言われており、全ての項目に寡婦控除のみなし適用を行っても、財政的な影響はそれほど大きくないと考えますが、先ほどの八王子市のモデルケース、給与収入201万円、2歳児1人の世帯の場合、寡婦控除の有無により、保育料や市営住宅の家賃はどのようになるのか、お知らせください。
次に、介護保険制度に対する小樽市の対応方について伺います。
厚生労働省は、2013年9月25日の社会保障審議会の介護保険部会の場で、サービス利用時の自己負担割合を、現行の1割負担から、一定の年収がある人は2割負担とするなど、現役世代並みの所得のある人、貯金や有価証券がある人、固定資産評価額が2,000万円以上の不動産を所有する人の自己負担の見直しなどを提案し、介護総費用の拡大に歯止めをかけるとしています。
また、要支援者に対する介護予防給付を市町村が実施することも議論されているとのことです。厚生労働省は、要支援1、2の軽度者向けのサービスを市町村の事業に移し、特別養護老人ホームへ新たに入所できる人を要介護3から5、中重度者に絞ることを狙いとしていることを明らかにしていますが、介護保険制度は、創設以来、所得に応じて保険料を支払い、利用は平等というのが原則で維持されてきました。
また、これまで自治体が担ってきた介護制度を、サービスの充実と平準化を目的に、介護保険制度によって事業は民間に移行されてきましたが、介護報酬の不正受給や介護福祉士の待遇改善など、多くの課題を抱えながらも、介護保険制度は老後の安心を確保するための施策として定着しつつあると思ってまいりました。私たちも、少子高齢化が進む中で、社会保障の維持と機能の充実、財源やサービス提供の確保が重要な課題となるとの認識に基づき、消費税率引上げの3党の合意がなされたと確信いたしております。
社会保障制度改革国民会議の提言は、こうした経過を全く無視したもので、改革の名にも全く値しないものであります。しかし、政府は持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律案を国会に提出し、年明けの通常国会で成立させ、2015年から実施すると報じられています。早速、専門的な立場から、サービスの利用を控えさせ症状が重度化してしまえば、結果的に財政を圧迫するのではないか、介護サービスが減っても病院の受診が増えて、社会保障財源の健全化にはつながらない、高齢者の自立した生活を長く続けていくための介護保険制度なのに理念に逆行するものだ、などとの指摘があります。
私たちも影響の重大さを憂慮する立場で全国的な自治体アンケートを実施しておりますが、圧倒的に多くの自治体から、要支援を自治体に移管することと、さらなる新たな財政負担に懸念の声が寄せられております。
市長は、社会保障制度改革国民会議の介護保険の提言について、どのような問題点があると認識されておりますか。
また、こうした動きにどのように対応されるつもりなのか、所見を伺います。
次に、携10運動とスマートフォンの普及に伴う依存症対策について伺います。
内閣府が2012年11月に行った調査によると、スマートフォンの所有率は、高校生が56パーセント、中学生25パーセント、小学生は8パーセントとなっており、この1年間で所有率はさらに高まっているとも言われています。これに伴い、LINEなどを使ったいじめや依存症の問題が最近、大変クローズアップされてきております。厚生労働省が本年8月に発表した推計値では、ネット依存症と見られる中高生は全国で52万人もの数値となっています。
小樽市教育委員会は、学力向上の観点から携10運動に取り組んできましたが、スマートフォンの急速な普及によって、学力向上以前の問題として対策を求められているのではないかと推察いたしております。私は、基本的に親が依存症や犯罪に巻き込まれる危険性を認識して子供に教育すべき問題と捉えてまいりましたが、最近、電車の中でも終始画面をさわり続けている場面や、移動中や人との会話中ですら画面をさわり続けている大人が実に多いことに気づきました。これでは、自分も使っているからと子供に甘くなるのは当然であります。
道教委は北海道児童生徒ネットコミュニケーション見守り活動の取組を各市町村の教育委員会に指示していると聞いておりますが、市教委では小樽市小中学校情報モラル対策委員会を設置して、児童・生徒の正しい判断や危機回避能力を育てる効果的な指導や調査研究を行い、情報モラル教育に取り組んでいると伺っております。多くの専門家が指摘しているように、児童・生徒が置かれている状況は極めて深刻さを増しており、対策委員会のメンバーも努力が報われず、苦悩されていることと思います。
最近の新聞報道を見ても、知らぬ相手や不特定多数との交流で性犯罪に巻き込まれるケースや、いわゆるリベンジポルノ被害も増えていると報じられていますし、大人や高校生が勤務先やアルバイト先で食品冷蔵庫の中に入った写真を投稿したり、売り物のピザを顔に張りつけている写真を投稿したり、パトカーの上に上がって騒いでいる写真を投稿したり、万引きに成功したこと、無免許運転などの告白を投稿したりするなど、全く切りがなく、不用意な発言や写真の投稿が続き、逮捕者が出たり、大きな店が閉店に追い込まれたりするなど、大きな社会問題を引き起こしております。また、とても見るにたえられないような写真の投稿に、群がるようにアクセスが殺到し、子供たちにどのような影響を及ぼしているのか、大人が考えて社会的に大きく規制しなければ、子供への影響はますます深刻さを増すものと思われます。
学校現場ではそうした厳しい環境の中で葛藤が続いていると思いますが、教育長は現状の携10運動の対策の効果が期待できるとお考えでしょうか。
また、子供への影響を少しでもなくするためには、今後、どのような対策が望ましいと考えているのか、所見を伺います。
次に、国の景気対策と小樽経済の現状について伺います。
私どもは第2回定例会の代表質問で、地方交付税の削減の対応やアベノミクスに対する小樽経済への影響について、市長の見解を求めてまいりましたが、政権発足から半年余りで評価することは時期尚早、雇用と所得の増加を伴う経済成長を実現できるよう、日本経済再生に向けた政策を着実に実施していただきたいとの見解を示されました。
私どもも実体経済を上向かせ、大企業や大都市に偏ることなく、日本全体の成長につなげることが重要であるとの判断から、期待もしてきたところですが、安倍政権が発足してまもなく1年を迎えようとしている今日、大企業や大都市の好景気が報じられても、相変わらず地方への経済効果はほとんど現れていないのが現実ではないかと考えます。
しかし一方では、10月下旬に取りまとめられた、7月から9月の道内の経済動向の調査では、売上高、利益で建設業は高水準とされ、官公庁の発注増、つまり公共事業が圧倒的に多く90パーセントで、利益率も前年比39.1パーセントとなっています。
北海道財務局は、4月から6月、7月から9月と好況感が続いているのは、大幅に増えた公共事業がこの時期に多く発注され、景気の牽引役となり、観光需要のピークとも重なって、外国人観光客が増えた影響が強く出ている、格安航空の相次ぐ就航や国際線の増便もあり、消費動向によい影響を及ぼしている、売上高では卸・小売業のプラス幅が大きく、消費者の志向をよく研究して工夫して売っているところが支持されているとの見解を示し、景気が回復していることを強調する一方で、懸念材料として、売上げが伸びても利益が減少した要因として、原材料コストの値上げや電気料金の値上げ、所得の改善が進んでいないことが挙げられております。来年4月の消費税増税までは駆け込み需要が続き、景気はよいが、増税後の反動を考えて、今から官民が連携して知恵を絞らなければならないと報告いたしております。
小樽市の経済状況は、建設業や観光業以外は、原材料の値上げの影響を受けて、景気対策の効果が見られていないとの指摘があります。これは道内の平均的な傾向でもありますが、今、何らかの対策をとらなければ、地方は取り残されるという危機感が各界からあります。市長は小樽経済の現状をどのように捉え、どのような対策を考えておられるのか、所見を伺います。
小樽商科大学地域研究会の江頭教授の研究グループは、見えぬアベノミクス効果について、北海道は1兆5,000億円を超える交付金を受けているが、地域収支では1兆円の赤字となっている、北海道の資金は循環して道内経済を十分に潤すことなく道外へ流出する、公共事業をもとにした開発型経済では、道内産業を育成するどころか現状維持すら怪しい、多くの事業は補助金という形で投下されているが、その大半は中央の政策によって使途が決まっており、道内市場の発達状況とは無関係に行われている、などと指摘しています。
政府は経済対策にこれまで大量の税金を投入してきましたが、経済効果は大都市や大企業にとどまっています。来年4月の消費税増税に向けて、経済の腰折れを防ぐために、政府は5兆円を上回る規模の経済対策を閣議決定いたしましたが、今度こそ地方経済に目を向けた措置が必要であると思います。市長の見解を伺います。
以上、再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)林下議員の御質問にお答えいたします。
初めに、寡婦控除のみなし適用について御質問がありました。
まず、寡婦控除のみなし適用についての見解でありますが、ひとり親家庭に対する寡婦控除のあり方は、もともと税制上の取扱いとして規定されているものでありますので、全国的に同一の対応が図られることが望ましいことと認識しております。
婚外子にかかわる最高裁の決定も示されており、寡婦控除につきましても、背景は類似しているものと思われますので、今後の国の動きなどを注視してまいりたいと考えております。
次に、保育料や市営住宅の家賃についてですが、御質問にありました事例の保育料につきましては、所得税はみなし適用により非課税となり、さらに市民税は非課税範囲の所得額に該当するため、保育料は無料となります。みなし適用がない本来の保育料は、月額2万3,500円となります。市営住宅の家賃につきましては、同じ条件であれば最低区分の家賃となるため、みなし適用を行っても変わりはありません。
次に、介護保険制度改革に対する本市の対応について御質問がありました。
社会保障制度改革国民会議の介護保険の提言につきましては、制度の持続性や世代間の公平という観点から改革の方向が示されたことは、一定の評価をするものであります。しかしながら、要支援のサービスを市町村に移行する場合の受皿の整備や財源確保など、改革を具体的に進める上で、さまざまな課題があるものと認識しております。
このため、本年11月、全国市長会を通じて、次期制度改正に伴う十分な財源確保や各保険者の意見を的確に反映することなど、社会保障制度の充実強化に関する決議をし、国に対し強く要請したところであり、今後も国の動向について注視していく考えであります。
次に、国の景気対策と小樽経済の現状と対策について御質問がありました。
まず、本市の経済状況に対する見解につきましては、小樽商工会議所の平成25年度第2四半期の小樽市経済動向調査によれば、全業種平均のDI値は売上高で大幅にプラスとなりました。一方、採算面ではマイナスを示したものの、全体的な業況判断としては、平成11年度の調査開始以来、初めてプラスとなったところであります。
このことは、公共事業をはじめとした建設関係の事業が多いことや、本市の観光入込客数が増加していることなどから、売上げの伸びに伴って業況感が改善したものでありますが、原材料等の価格上昇の影響により、採算面では厳しい状況を示したものと認識しております。
また、本市の経済対策につきましては、私が市長に就任以来、厳しい財政状況下においても、地域経済の活性化に向けて必要な事業を積極的に展開しており、今後も同様の考えで施策を進めていく所存であります。
次に、国の新たな経済対策につきましては、本年10月1日に、消費税率の引上げによる反動減を緩和し持続的な経済成長につなげるための経済政策パッケージを閣議決定し、さらにその一環として、12月5日には、国費ベースで5兆円を上回る規模で、消費税率の引上げの影響緩和と持続的な経済成長につなげることを目的に、さまざまな取組を閣議決定しております。これらの施策は地域経済への波及効果も見込まれるものであり、今後、国が予算化とともに具体的な事業内容を示す予定でありますので、それらの動向を注視してまいりたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)林下議員の御質問にお答えいたします。
携10運動とスマートフォンの普及に伴う依存症対策などについて御質問がありました。
まず、携10運動など現状の対策の効果についてでございますが、本市の子供たちの携帯電話やスマートフォンを所持する割合が全道、全国と比べて高くなっており、それに伴いトラブルが発生していることは、大きな課題であると受け止めております。
市教委では、これまで携帯電話などを夜10時以降は使用しない、自分の部屋に持ち込まないなどを合い言葉に携10運動を展開し、家庭内でのルールづくりを呼びかけるなど、普及啓発を図ってまいりました。また、教職員や保護者を対象としたネットパトロール体験会を開催し、ツイッターや子供たちに人気のあるサイトなどのパトロールをすることで、日常の教育活動の中での指導や、家庭にあっては子供たちの指導に生かす取組を行ってきたところであります。
しかしながら、携帯電話などによるネット上のいじめや、SNSを使った不特定多数との交流サイトなどにおけるトラブルが依然として見受けられることから、これまでの取組では危険を回避することは難しいものと認識しております。
次に、子供への影響を少しでも少なくするための今後の対策についてですが、市教委としては、各学校の道徳や特別活動などにおける情報モラル教育の指導の充実はもとより、外部の専門家を講師とした情報モラル教室の開催やPTA研修会などでの啓発活動を行うなど、効果的な対策について検討を進めてまいります。
しかしながら、私としては、インターネットなどによる不適切な書き込みや不特定多数との交流などの未然防止については、学校現場における指導の限界を感じており、今後、都市教委連などを通じて、国や道に対し、企業等と連携したフィルタリングの対策などを講ずるよう、要請してまいりたいと考えております。
(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)16番、林下孤芳議員。
○16番(林下孤芳議員)再質問をさせていただきます。
寡婦控除の適用につきましては、市長は国の動向を見守るという判断を示されたというふうに理解いたしましたけれども、国の動きは、先ほど申し上げましたとおり、非常に鈍いということで、やはり社会的に一番弱い立場の人あるいは貧困率も非常に高いと指摘されていることを考えれば、緊急性は大変高いと思います。
先ほどもモデルケースについて答弁をいただきましたように、仮に対象者が小樽市で10人程度としても、小樽市の財政にそれほど大きな負担をかけることはないのではないかとも考えられます。
先ほどほかの会派からも質問がありましたように、小樽市で親子が孤立死するというような痛ましい事故が起きる前に、ぜひ市長の決断をお願いしたいというのが私の質問の趣旨でありますので、ぜひよろしく検討をお願いしたいと思います。
また、国の景気対策と小樽経済の現状の部分につきまして、市長の見解については、ほぼ財務局の景気判断と一致しているというふうに理解いたしております。政府は今、アベノミクスで景気が回復すれば税収も上がるということが基本戦略だというふうに理解しているわけなのですけれども、昨日までの代表質問に対し、市長は法人税を含めて税収は非常に減収になる見込みだと、こういうふうに大変強調されておりました。
しかし、景気が回復してきているという状況の中で、どうして税収が落ち込んでいくのかが、どうも私は、例えば観光業や建設業といったところでは税収が上がってしかるべきではないかと思うわけであります。
また、給与水準についても、いろいろな見方があるのですけれども、例えば先日、北海道新聞に載りましたアンケートによりますと、賃金が上がったという人よりも、下がったという人が圧倒的に多いという状態になっております。
また、消費動向も改善しているというデータも示されていないということでありますと、やはり経済の専門家である市長としては、この辺の景気動向と、税収や賃金、消費動向にどうしてはね返ってこないのかというところが、若干私は矛盾があるのではないかと思うのですけれども、その点についてどのような判断をされているのか伺います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)林下議員の再質問にお答えしたいと思います。
最初に、寡婦控除の問題でございます。
これにつきましては、先ほども答弁させていただきましたように、税制上の問題であるということが一つ、それからこういった税制上の問題については、やはり全国的に同一の対応をしていくべきではないのかという考え方でございます。ですから、財政負担が小さいからいいなどということではなく、やはり公平の原則の中からこういったことを対応していくべきだろうと思っております。
それから、婚外子にかかわる最高裁の決定も既に御存じのとおり出たところでございます。そういったことを踏まえて、一時から見るとかなりスピード感を持っていろいろと国も対応してきているのではないかと思っておりますので、そういう状況で注視してまいりたいと答弁させていただいたところでございます。
それから、経済状況の問題でございます。
確かに商工会議所の動向調査によれば、景気が非常によくなってきていると、平成11年以降、初めてこういう数字が出たということですから、ぜひこれからも継続してこういう状況が続いてくれるとありがたいと思っております。
ただ、経済の問題というのは簡単に、一月、二月で少しよくなったからすぐに全体がよくなるというようなことではなく、やはり少し時間がかかるだろうと思うのです。ですから、私としては、もう少しこの経済の状況が、特にアベノミクスと言われている状況がどういうふうになっていくか、よく見極めてみたいと思っております。
ただ、先般も答弁させていただきましたけれども、入札問題でもなかなか応札がないなど、仕事がいろいろと今、非常に多いということで、これはありがたい、いいことではないかと思っておりますので、こういった状況の中で、今後、平成26年度のスタートするときにどういう状況になっているのか、個人的にはそういうようなことで、この足元の景気、経済については見ていきたいなと思っているところでございます。数値的にはよくなってきているわけですから、議員がおっしゃるように、ぜひ給料ももっと上がって税収も増えるという状況を、私としては期待しているところでありますけれども、もう少し景気、経済の問題については時間を見る必要があるのではないかと思っておりますので、御理解いただきたいと思います。
(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)16番、林下孤芳議員。
○16番(林下孤芳議員)あとは、予算特別委員会でやります。
○議長(横田久俊)林下議員の一般質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後3時41分
――――――――――――――
再開午後4時00分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、一般質問を続行いたします。
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)8番、川畑正美議員。
(8番川畑正美議員登壇)(拍手)
○8番(川畑正美議員)一般質問を行います。
介護保険は、介護や支援の必要性が生じた場合に保険給付を受けられるという前提で、40歳以上の国民が保険料を支払うことで成り立っている制度です。しかし、現実には、保険料を年金から天引きされている高齢者の8割がサービスを利用していない状況にあります。また、利用したくとも利用料が払えないためにサービスを控えている高齢者もおります。
厚生労働省は、150万人が認定を受ける介護保険要支援者のサービスを廃止して、市町村の事業に全面的に移す方針を撤回すると、社会保障審議会介護保険部会に示し、介護給付の4割を占める訪問リハビリ、訪問入浴介護、ショートステイ、福祉用具貸与などについては、全国一律の保険給付として残さなければ支障を来すとして、引き続き介護保険によるサービスを継続しています。
一方では、予防給付の6割を占める訪問介護と利用者が施設に通う通所介護を、自治体の事業に移行する方針を明らかにしました。最も利用頻度の高いサービスだけを保険給付から外し、市町村に移行するのは約束違反であり、保険制度の崩壊につながるものです。
デイサービスは、高齢者の日中の重要な生活の場であり、常時見守りや介護が必要な高齢者が、日中一人にならずに済み、介護者の休息機能として、また家族が働き続ける助けになる事業です。お金がかかりすぎるからと全国一律基準の介護保険サービスから外し、内容、料金設定などが市町村の裁量で決められる市町村の事業に移行することは、利用者と家族の現実を無視したものと言わざるを得ません。
このような厚生労働省の事業移行方針をどう受け止めていますか、御意見をお聞かせください。
厚生労働省が要支援者の主要なサービスである訪問介護と通所介護を市町村に移行した場合、自治体の財政力によってサービスの違いが起き、財政難の自治体は事業メニューの絞り込み、担い手もボランティアなど専門職以外に代えて費用を削減することも当然考えられると思います。
小樽市としては、事業をどのように進めようと考えているのか、またその財源はどのようになるのか説明願います。
要支援者の通所介護と訪問介護を自治体業務にすることによって、要支援1、2と要介護1で受けるサービス内容が変わることになります。認定によって決まった区分が、要介護1から要支援2又はその逆の場合など、変更になったとき、どのように変わるのか、説明してください。
特別養護老人ホームは、要介護1から5の認定を受けた65歳以上の高齢者が中心に入所できる施設ですが、厚生労働省は入所者を要介護3以上に限定し、2015年度からは要介護2以下は新たな入所を認めない方針です。今後、どのような対処が見込まれるのか、お知らせください。
また、本市においても、特養へ入所希望する待機者は定数の倍に達すると言われています。最近の入所者数と待機者数及び待機者に対する対応についてお知らせください。
24時間訪問サービスの事業はどうなっていますか。定期巡回・随時対応型サービスは、利用者に対して24時間、365日対応可能な窓口を設置し、利用者の心身の状況に応じて適切な回数、内容の訪問サービスを提供するというものです。ただし、これまで利用していた生活援助などの併用は認められないサービスです。
本市は、第5期介護保険事業計画の新規事業として、一月当たり利用者が平成24年度40名、25年度60名、26年度80名の事業計画を基に進めています。現在の利用状況と課題及び今後の見通しをお知らせください。
介護保険料は、制度創設の第1期の平成12年度から14年度まででは、全国が2,911円、全道が3,111円で、小樽市は3,090円で、全国より高い状況にありました。現時点では、全国、全道より高く、5,460円に達し、被保険者の負担は限界に達しています。
介護保険料を引き上げしないため政府は、保険給付の範囲や内容を大幅に縮小や削減を検討していますが、介護保険制度は介護対象者が今後も増加する見通しにあります。
我が党は、財源構成について国の負担割合を、現行の25パーセントを差し当たり10パーセント引き上げ、被保険者の負担を軽減する方針を掲げています。
介護保険制度改革の中では、保険料を引き下げるなど、国民負担の軽減のためにどのような対策を検討しているのでしょう。
全国町村会は、11月20日の全国町村長大会で、介護保険の要支援外しについては、サービスに格差が生じないよう国が責任を果たすこと、特別養護老人ホームから締め出される要介護2以下の利用者について、在宅介護が困難な人もいるため、受皿を確保することなどを主張しています。
また、施設入所者への補助の縮小については、要件とする預貯金などを一元的に把握する仕組みがないことを挙げて、慎重な検討を求めています。
市長は、全道市長会を通じて全国市長会にどのような働きかけをしているのでしょうか、お知らせください。
福祉灯油について伺います。
福祉灯油に取り組むに当たって、昨年の9月14日の予算特別委員会及び12月21日の厚生常任委員会で理事者は、灯油価格の目安は90円、異常な高騰を見た場合については、国なり道の財政支援がたとえなくても、市として財政支援がないからやらないとはならないと答弁しています。
灯油の平均価格は、11月以降、積雪期になって本格的に消費します。昨年の11月が88円62銭でしたが、今年1月以降は93円39銭、2月から3月にかけて100円台に突入し、4月以降は90円台になったものの、限りなく100円に近い価格でした。そして、11月には再び100円台を超えています。
福祉灯油を実施した平成19年度、20年度の本格的に消費する11月から4月の灯油価格は、100円に達しておらず、平成20年度の12月には73円7銭、3月には59円8銭に低下しました。市は、今年11月の灯油の平均価格が100円91銭と高値が続いていることを認めながら、国の特別交付税等の財政支援措置や北海道の交付金の限度額拡大などの動きがないと言っています。
福祉灯油の対象は、母子世帯、75歳以上の独居高齢者など低所得者です。小樽市民の平成24年度国民年金給付状況は、平均受給額が年額61万5,000円で、月にすると5万1,000円です。1世帯当たりの灯油使用量は、平成18年度、日本エネルギー経済研究所調べによると、10月から3月の全道平均消費量は約1,230リットルと報告されています。一月当たり205リットルとなり、灯油価格100円で計算すると、約2万円になります。そして約39パーセントの負担率です。
国民には増税負担、福祉切捨てをする安倍自公政権の下で、市民を守るのが自治体の役割です。せめて福祉灯油に取り組み、低所得者への支援を行うべきです。市長の見解をお聞かせください。
次に、市道餅屋沢通線拡幅についてです。
市道餅屋沢通線は、国道5号に接続し、蘭島2丁目を通り、広域農道、通称フルーツ街道ですが、これを越えて山側に上る道路です。この市道はこの地域に居住する方々の生活道路であり、近郊の農業者の農産物を運ぶ重要な路線として交通量も多いところです。市道として舗装されておりますが、1車線で道路幅が狭く、交差するためには困難をきわめているところです。蘭島町会や地域の方々にとって、道路拡張の要望は相当以前から根強くありました。
北海道横断自動車道の小樽-余市間工事の進捗に伴い、工事用ダンプや重機類は国道5号からは道路が狭いため、広域農道経由にて運搬することになりました。NEXCO東日本は市に道路占用許可申請を行い、市道餅屋沢通線の工事現場と広域農道の間に待避所3か所をつくっています。待避所を設置することによって、工事用ダンプをはじめ生活道路、農産物運搬路として活用できる道路となっています。NEXCO東日本は工事の関係から、平成29年3月末まで道路占用許可により待避所を設置しています。工事の継続中は、餅屋沢通線及び待避所の整備はNEXCO東日本が行い、工事終了後は待避所があり仮設工事としているため、元に戻して返却するとのことです。地域の方からは、市道拡幅整備が根本的な要望ですが、工事を機会につくられた待避所を継続して活用するようにしてほしいとの要望が寄せられています。
地域住民の要望に沿って質問します。現在の待避所は市の占用許可を受けていると伺っていますが、そのうち本市が所有する土地にあるものは、何か所ありますか。
現在ある待避所が市道用地であれば、本市が工事終了後、現在の待避所を仮設工事のままで引き受けることにはならないのでしょうか。
その場合、市民の要望に応え、待避所を継続して活用するには何が問題となるのでしょうか。
工事による道路占用許可は平成29年3月までとなっており、先のある話でありますが、工事終了に伴って待避所がなくなることは、地域の皆さんにとって不便な状況が再発し、生活を低下させることになります。市道拡幅をすることが最良の策ですが、せめて待避所を確保していくことが必要最小限の対策と思います。市民要望に沿った検討をお願いします。
以上、再質問を留保して、一般質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)川畑議員の御質問にお答えします。
初めに、介護保険について御質問がありました。
まず、国の市町村への事業移行の方針につきましては、要支援者のサービス提供を効率的に行い、将来の給付費の伸びを抑制するため、通所介護等の市町村移行が示されましたが、制度の持続性の観点から、一定の評価をするものであります。しかしながら、要支援者のサービスを市町村に移行する場合の受皿の整備や財源確保など、改革を具体的に進める上でさまざまな課題があるものと認識しております。
次に、事業を市町村に移行した場合の進め方等につきましては、今後、国は市町村向けに事業の留意点や先行事例などを示したガイドラインを作成することとしておりますので、それらを参考に検討を進めることになると考えております。
また、財源につきましては、現在、社会保障審議会において、予防給付からの移行分を賄えるよう、地域支援事業の枠をさらに拡大することなどを議論しているところでありますが、まだ明確な方向性が示されておりません。
次に、要介護1から要支援2などに変更となったときのサービス利用につきましては、要介護1のサービスは介護給付から、要支援2のサービスは訪問介護と通所介護に限り市町村の地域支援事業からのサービス提供となり、それ以外の訪問看護などのサービスは引き続き予防給付からの提供となります。このため、要介護1から要支援2へ、又はその逆の場合でも、それぞれの要介護認定の区分により、サービスの提供を受けることになります。
次に、特別養護老人ホームの入所要件の見直しにつきましては、要介護2以下の方でも、認知症や虐待などやむを得ない事情がある場合は、特例的に入所は可能とする方針であります。特養の入所については、平成23年の調査では、市内に800人ほど待機者がいますが、各施設の入所判定会議において緊急度の高い方から優先的に入所しており、既に要介護2以下の方はやむを得ない事情がないと入所できない状況にあるため、新たな方針が示されたとしても、市内の特養の入所の状況は変わらないものと考えております。
次に、特別養護老人ホームの入所者数等につきましては、平成25年9月の入所者数は496人、待機者数は平成23年の調査では832人となっております。
また、待機者に対する対応については、在宅の重度者が住みなれた地域で暮らし続けられるよう、定期巡回・随時対応型サービスや複合型サービスなど、新たな地域密着型サービスに取り組んでおります。
次に、24時間訪問サービス事業の現在の利用状況と課題につきましては、平成24年度の利用者数の合計は86名、月平均約7名であり、平成25年度は4月から10月までの7か月間で63名、月平均9名と、いずれも計画値を下回っておりますので、計画値に近づくよう利用者数を増やしていくことが課題として挙げられます。
今後の見通しにつきましては、これまで利用してきた事業者を変更してまで本サービスの利用に踏み切れないことが、利用者が増えない理由として考えられますので、事業の浸透にはまだ時間を要しますが、引き続き事業の周知に取り組んでまいります。
次に、介護保険制度改革における介護保険料の引下げにつきましては、現在、世帯全員が非課税の場合、保険料基準額が0.5倍又は0.75倍に軽減されております。今回の見直し素案では、低所得者対策として、さらに保険料を引き下げる案が示されておりますが、詳細については、現在、社会保障審議会で審議中であります。
次に、全国市長会への働きかけにつきましては、本年10月に、北海道市長会を通じて、市町村地域支援事業の移行については、サービス提供体制や市町村負担の格差が生まれることがないよう、人材や受皿の確保とこれに必要な運営費等の支援を図ることについて、全国市長会として国へ要望するよう提案したところであります。
次に、福祉灯油について御質問がありました。
福祉灯油を実施し、低所得者への支援を行うべきとのことですが、この事業の実施に当たりましては、灯油価格が急激に高騰した場合に、他都市の状況や国、北海道からの財政支援の動き、また本市の財政状況を総合的に勘案し、判断することとしております。
灯油価格は一昨年から高どまり傾向となっており、市民生活を圧迫していることは承知しておりますが、本市の財政状況を鑑みますと、国などからの財政支援がない中で、市が単独で実施することは困難であることを御理解願いたいと思います。
次に、市道餅屋沢通線について御質問がありました。
まず、NEXCO東日本が設置した待避所についてですが、3か所のうち2か所は本市が所有する土地に設置されており、残りの1か所につきましては、市有地と民有地にまたがって設置されております。
次に、待避所を仮設のまま引き受け、継続して活用する上での問題点としましては、この待避所が仮設であるため、耐久性に問題があることや、1か所の待避所は民有地を含んでいることなどが挙げられます。このため、民有地を含まない市道用地にある2か所の待避所につきましては、工事終了時点の状況を確認した上で、継続して活用できるかどうかを判断し、NEXCO東日本と協議していきたいと考えております。
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)8番、川畑正美議員。
○8番(川畑正美議員)それでは、再質問させていただきます。
最初に、介護保険の問題ですけれども、先日の自民党の代表質問に対して、市町村移管する上でボランティア団体等の受皿の確保や提供されるサービスの質の担保のほか、財源の確保など、課題があると答えているわけですが、私が情報を得た中で、北海道社会保障協議会の方から話を聞いたのですけれども、要支援の地域支援事業に移行する計画に対して、道内67の自治体からアンケートをして、その67の自治体から回答を受けたそうです。その中で、地域支援事業に移行することが可能というのが13パーセント、そして不可能と不明又は未定というのが、おのおの43.3パーセントあったという報告を聞きました。
それで、小樽市にも確認したのですけれども、小樽市は回答されているとのことで、その中身を確認しましたら、可能と回答しているけれども、利用者も市町村も混乱するだけでメリットもないに等しいと、そのように伺ったわけです。
それで、小樽市はボランティアの受皿があるのかどうか、そして対応しきれるのかをまず一つお聞きしたいと思います。
それから二つ目に、市は既存の介護事業者を利用できるのかどうか、それからまた利用者はこれまでのようにサービスを使えるのかどうかも確認させてください。
それと、要支援者の訪問介護とそれから通所介護が市に移行するということなのですけれども、利用する事業者が変更になるので不安でしようがないという意見もあります。それで、安定したサービスが提供されることができるのかどうか心配なのだという意見もあるので、その辺について見解をお示しいただきたいと思います。
それから、特別養護老人ホームの関係ですけれども、今でも在宅の関係でいけば未整備なサービスだと思うのですけれども、その未整備なサービスで特別養護老人ホームに入れない人方に、どうそのサービスを対処できるのか、その点をお聞きしたいと思います。
それから、福祉灯油の関係ですけれども、今の市長の答弁にあったのですけれども、私ども共産党が市民生活のアンケートをした中でこのような意見がありました。一市民が何を言っても結局はどうにもならないのだろうか、年金が月7万円に満たない中で仕事もなくて体も悪く生活がどんどんつらくなる、生活できない者は死ねということなのだろうかと、そういう意見がありました。
要するに何を私が聞きたいかというと、福祉灯油の対象となっている低所得者の生活実態を把握されているかどうか、それを聞きたいのです。
それと、今まで異常な高騰を見た場合に限りなく道の財政うんぬんということで、先ほど質問したわけですけれども、現在の灯油価格が異常な高騰ではないのかと私は思うのですけれども、その辺の見解をお示しください。
それから、餅屋沢通線の件ですけれども、NEXCO東日本と相談するというようなことで回答を得たのですが、要するにどういうことで相談していくのか、その中身が、方向性がわかれば示してほしいと思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)医療保険部長。
○医療保険部長(藤井秀喜)川畑議員の再質問にお答えいたします。
最初に、ボランティアの受皿があるのかということなのですが、現在のところは国で考えているように、いろいろな介護サービスをやるという部分でのボランティアというのは、まだ残念ながら育ってはいないと思います。ただ、ここの受皿の部分も含めて、要支援の分離されるサービスについては、平成29年4月から完全移行、各保険者がやりなさいということでございますので、27、28年度は猶予期間みたいな形で設定されておりますので、来年の26年度も含めば3年間あるということで、これが長いのか短いのかということもありますけれども、そういう中でできるだけ取り組んでいきたいというふうには考えてございます。
あと、既存の介護事業者を使えるのかということなのですけれども、その後段の既存のサービス、また安定したサービスの部分も含めて、国で考えているのは第6次の介護事業計画、いわゆる27年度からスタートした中で、いきなり27年度からスタートしなければならない部分と、今言ったように29年度まで猶予がありますので、26年度からいろいろな私どもも事業計画策定の準備に入りますので、その中で私どもとして、できるだけ利用者にそごがないというのですか、円滑にいく方法はないかということで検討していきたいというふうに考えてございます。
それと、特養の件なのですけれども、今入っている方に出ていきなさいという話ではございませんので、新たにということでございますので、今の時点での利用者の方に御迷惑をかけるということはないと思います。
ただ、先ほどの市長からの答弁もありましたとおり、私どもの現実の状態では、国で、今、制限をかけようとしている部分と結果としては同じふうになっていますので、その部分では特に問題は出てこないのかと思っております。しかも、認知症だとか、いろいろな問題で在宅での受入れが難しいという方に対しては、特養ということの選択肢しかないのであれば、特養に入れるということの国の方針も示されておりますし、そういう部分の、ガイドラインというふうに言うのかどうかわかりませんけれども、そういう指針みたいなものも追って出されるということも聞いておりますので、それらを参考にしながら検討してまいりたいというふうに考えてございます。
あと、入れない人の対処はできるのかという部分を含めて、先ほどとちょっと重複しますけれども、6期の事業計画、あとこれからの国の法案がどういうふうに決着するのかにもよりますが、いろいろな運営方針が次々と出てくると思いますので、それらを総合的に判断して、今後検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○議長(横田久俊)訪問通所サービスが市に移行するというような答弁だったのですが、不安だという声があると。ちゃんと安定したサービスが受けられるのかという質問があったように思いますが。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)医療保険部長。
○医療保険部長(藤井秀喜)そのことについても、先ほどのその次期の介護事業計画の中で、できるだけ皆さんに御不便をかけないような形では国の制度を見ながら検討していきたいということでございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)福祉部長。
○福祉部長(三浦波人)福祉灯油にかかわる再質問でございますけれども、現在の価格につきましては、急激な高騰ではないにしても、非常に高どまりが続いているという意味では、非常に厳しい状況であるということは私どもも認識しております。これだけ灯油価格の高騰が続いておりますし、それからガソリンですとか、あるいは電気代も上がっているという中で、市民生活への影響もございますし、それから産業にかかわる部分についても大きな影響があるというふうには認識しております。実際に市民生活の状況について、調査などはしておりませんけれども、やはり相当厳しい状況であるというのは十分に想像ができるというふうに思っておりますし、こういった状況については、なるべくやはり灯油の価格、安い価格で安定するようになるように私どもも強く願っているところであるということで御理解いただきたいというふうに思います。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)建設部長。
○建設部長(工藤裕司)NEXCO東日本との協議の内容についてでございますけれども、NEXCO東日本の工事が終了した時点で、先ほども答弁いたしましたけれども、利用可能かどうかを確認いたしまして、可能であれば、2か所の待避所につきまして、残してもらうということについて協議していきたいと考えております。
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)8番、川畑正美議員。
○8番(川畑正美議員)介護の問題については、予算特別委員会でもまた質問したいと思います。
ただ、私が思ったのは、今回のこの福祉灯油の関係ですけれども、あまりにも冷たい姿勢だなとつくづく感じました。要するにやらないということですよね。その辺をもう一度確認させてください。確認というよりも、それに対して抗議したいと思います。
それから、餅屋沢通については、仮設だということで、それを壊して本設工事をすることになるか、これは先の話ですから、まだこれから検討の余地はあると思うのですけれども、何としてもやはり今の交通の便を確保していく、そういう点で検討をしていただきたいと、そういうふうに思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)福祉部長。
○福祉部長(三浦波人)実施をしないのかという再度の御要望ですけれども、基本的にはやはり市長が答弁申し上げましたように、小樽市として国や道の相応の支援がない中で、単独で実施するというのは事実上できないというようなことで、その点については御理解をいただきたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)建設部長。
○建設部長(工藤裕司)検討してまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)川畑議員の一般質問を終結いたします。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)21番、新谷とし議員。
(21番新谷とし議員登壇)(拍手)
○21番(新谷とし議員)初めに、住宅問題について伺います。
市営桂岡住宅は、1969年から1971年竣工で、当時の管理戸数は118戸でしたが、今年11月1日現在の入居者は23戸で、入居率19.4パーセント、空き家が目立ちます。老朽化が進んでいる上、23棟のうち閉鎖されている住宅が多く、1棟に1世帯のみのところもあり、防犯上も不安な状況です。草も伸び放題で、ここの住宅の住環境について、住宅を出た方や住民からも心配の声が上がっています。
11月12日、銭函市民センターで開かれた小樽市議会と市民と語る会でも、草ぼうぼうの状態の改善を求める要望が出されました。入居されている方のお話では、殴り雨のときは雨漏りがするので、管理会社に言って見てもらうものの、雨がやんでから見に来るので、そのまま様子を見るということでなかなか直してもらえない、水道のメーターが家の中にあるので、検針時は一々家の中に上がってもらうので困ることもある、トイレが水洗でないなど、さまざまな苦情と要望があります。
以前に伺ったときは、雪の時期、見回りに来てもらえないなどの苦情もありました。
ここ5年間の草刈り、除雪の経費をお知らせください。
草刈り、除雪については、入居者の方から希望があれば管理者は対応するといいますが、小樽市と指定管理者との市営住宅の管理に関する基本協定、小樽市営住宅指定管理者業務仕様書では、指定管理者は団地巡視をすることになっています。市営桂岡住宅の2010年度から2012年度の巡視結果報告をどのように受けていますか。
草刈りは自治会が行事として行うことになっていますが、入居者の高齢化と入居世帯の状況から、自分の家の周りで精いっぱいと聞いています。それ以上のことは無理ではないかと思われます。小樽市としてどう考えますか。
指定管理者業務仕様書の確認事項に、立ち木の枝払いがありますが、入居者又は付近住民からの要請があれば、現場の状況確認及び写真撮影を行い、市と協議することになっています。
私が10月にここを見たときも、立ち木の伸びだけではなく、草は伸び放題、荒れた環境という状況でした。団地巡視で決められた項目と入居者の要請だけで判断するのではなく、巡視の中で住宅の周りの環境がよくないことを把握したなら、市と協議をし、草を刈るくらいは行うべきではないでしょうか。
また、仕様書18の(4)では、指定管理者は適宜、入居者にアンケート調査等を実施し、自己評価書を作成して、市営住宅等の管理・運営の改善を行うことになっていますが、桂岡住宅での実施状況をお知らせください。
次に、桂岡住宅の用途廃止についてです。2010年3月作成の小樽市公共賃貸住宅長寿命化計画による桂岡住宅の用途廃止は、2019年に59戸、2020年から2029年までに59戸ですが、この計画を策定した時点で既に31戸でした。この時点で用途廃止の時期を早めるべきではなかったのでしょうか。
また、長寿命化計画では、桂岡住宅の用途廃止について、現入居者は住宅全体に分散しており、冬期間の除雪等、生活に支障を来しているため集約化を検討しますと述べられていますが、その検討結果をお知らせください。
2006年に小樽市が用途廃止に向けた調査を行った結果、ここに住みたいという方が多かったということですが、現在入居している方に聞きますと、銭函地域にいたいが市営銭函住宅には住み替えができないと言っており、この住宅に住み続けたいということではありません。前回、アンケートを実施してから7年もたち、状況も変わっていますから、またアンケートを実施すべきと考えますが、いかがですか。
桂岡住宅の簡二住宅の耐用年数が45年であることや入居世帯の減少と分散化から、用途廃止の期限を早め、住み替えを進めるべきではないでしょうか。
次に、銭函地域での市営住宅建設についてです。
銭函地域は公営住宅が足りません。銭函地域に企業が集まっているにもかかわらず、雇用促進住宅も廃止されました。市立銭函保育所横の道営住宅銭函団地も、用途廃止で希望があるのに入居できません。今後、市が銭函地域に企業誘致を進める上でも、この地域に市営住宅建設の必要があるのではありませんか。
次に、除排雪問題について伺います。
今年度の取組についてです。第3回定例会建設常任委員会で、今冬の主な取組目標の一つは、児童などの通行の安全を確保するため、主要交差点の早めの雪山処理や主要通学路における歩行路の確保に努めたい、通学路は1種路線として対応する、歩道除雪路線が5キロメートル増加するとの報告がありました。
交差点の雪山処理や通学路の歩道確保は、日本共産党市議団も要望してきたところです。改めて新たに追加される主要交差点の箇所、主要通学路の5キロ増加の主な場所についてお知らせください。
福祉除雪についてです。
福祉除雪は、2010年度から福祉除雪サービス事業と屋根雪下ろし助成事業の両方が利用可能になり、市民から喜ばれているところです。しかし、除雪は該当世帯でも、敷地内にロードヒーティングや融雪槽があれば対象外となってしまいます。
11月30日、夫が亡くなる前にロードヒーティングを設置し、今はひとり暮らしの高齢の女性の方が、屋根は1万円まで助成してもらえるけれども、ロードヒーティングがあるから除雪はだめと言われた、でも電気代が上がっているので使っていない、心臓が悪くてやっと雪をよけたと困っていました。
このように、融雪設備はあっても、電気代や灯油の値上がりで使用していない人は、福祉除雪の対象にすべきです。福祉除雪は社会福祉協議会の事業ですが、このことを社会福祉協議会と協議していただきたいと思いますが、いかがですか。
置き雪対策についてです。
置き雪対策事業は、本年度から所管が建設部から福祉部に移管され、福祉除雪の一環として実施されます。2011年度、2012年度の実施世帯数をお知らせください。
2012年度から、申請が郵送から民生・児童委員が受理することに変わりましたが、対象者全てに周知できたのでしょうか。置き雪対策は自己申請制度ですから、自分が対象となるかどうかわからない市民もいます。知らなかったということがないように、一層の周知を図るように求めますが、新たに考えていることはありますか。
次に、防災問題で伺います。
今年9月と10月、蘭島から銭函まで6地区で、小樽市作成の津波ハザードマップに基づき、津波避難実施訓練を行いました。津波の最大遡上高は地区によって違いますが、ハザードマップに表れていない浸水予想をして、町会が市の支援を受けて津波避難訓練を実施したのは、意義があったと思います。
私も朝里町会の避難訓練に参加させていただきましたが、訓練での主な問題点を挙げると、第1は要援護者の問題です。今回の実施訓練参加は全地区で何人で、要援護者の参加数と要援護者避難対象の割合をお示しください。
車椅子の方など要援護者全てが参加したわけではなかったことや、住民がおぶって坂道を上がるのは無理だったことなど、実際の災害時にはなかなか大変ではないかという感想を持ちました。
訓練後、参加者の意見交換会が行われた中で、民生・児童委員や消防団の力をかりずに、近所の力で素早く、より早く避難することが必要ではないかという意見が出た一方、ほかの町会では車椅子での避難が難しいことなどが挙げられたと聞いています。
現在、小樽市地域防災計画第4章第4節に、災害時要援護者対策計画が掲載されており、災害時要援護者の実態把握が載せられています。要援護者と支援者数、避難方法など、どの程度決まっていますか。
第2に、避難路の問題です。私が参加した朝里1丁目1番地の坂道は急斜面で、上方の階段の段差がきつく、車椅子での避難は無理な道路です。訓練後の意見交換会でも、ここをなだらかな坂にしてほしいという要望が出されました。
この問題は、2011年の私の代表質問に、北海道が急傾斜地の指定を行っているところなので、状況を調査し、北海道と避難路に向けて協議をしていきたいとの答弁、さらに今年第3回定例会代表質問でも取り上げ、今後、地域ごとの避難路について、地域性を考慮しながら具体的な検討を行っていきたいとの答弁でした。その後の北海道との協議はどうなっていますか。この坂を利用する皆さんは高齢化で日常生活でも困っていますから、早急の改修を求めます。
他の地区でも、急勾配の坂道や車椅子での避難が大変など、道路に関しての意見要望が出されています。第3回定例会代表質問での答弁では、今後、津波避難計画を策定する際、地域ごとの避難路について、地域性を考慮しながら具体的検討を行ってまいりたいとのことでしたが、今回の各地区の避難訓練の結果を踏まえた避難路検討の進捗状況をお知らせください。
また、蘭島地区の浸水予想地域は、蘭島川の支流が避難の障害になっている上、避難所も遠すぎます。2011年の代表質問でお聞きした蘭島川に津波が遡上してきた場合の避難場所は、津波避難計画の中で最善の方法を考えていきたいとのことでしたが、どのように考えているのですか。
第3に、冬季の避難道路の除雪です。どの地区でも車椅子での避難は冬場は無理なことや、夏場は高台に避難できても、冬場、除雪がないから無理という意見が上がっています。全ての生活道路の除雪は困難でも、小樽市が避難路として指定し、そこを除雪するとしたら、住民も安心するのではないですか。
第4は、サイレンや広報車の声が聞こえないという問題です。外にいても声が小さいと感じたので、改善すべきですが、いかがですか。
第5に、訓練後の意見交換で出されたさまざまな意見を取り入れた津波避難計画は、いつできるのでしょうか。
第6に、ハザードマップについてです。北海道は2010年に作成した津波浸水予測図の見直し作業を行い、太平洋沿岸は昨年6月に予測図を改訂したが、日本海沿岸部でも過去に北海道南西沖地震による津波の高さ、最大30メートルを超える高い津波が起きた可能性を示すデータが見つかったため、本格的な見直しに入ったとの報道がありました。津波の高さ、浸水予想はもっと大きくなると考えられますが、新たな津波予測図作成はいつごろになる予定か、お聞きしていたらお知らせください。
最後に、津波避難訓練は始まったばかりですが、防災は市長公約でもあります。市長がおっしゃる地域力を大事に、それに応えるためにも、市民の命を守るための避難路整備など、しっかりしていただくよう要望いたします。お答えください。
以上、再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)新谷議員の御質問にお答えいたします。
初めに、住宅問題について御質問がありました。
まず、市営桂岡住宅についてですが、過去5年間の草刈り及び除雪経費につきましては、草刈り経費は、平成20年度、21年度がそれぞれ10万590円、24年度が8万7,780円であり、22年度及び23年度は実績がありませんでした。
また、除雪経費につきましては、平成21年度が31万1,183円、22年度が71万4,420円、23年度が31万3,761円、24年度が54万9,507円であり、平成20年度は実績がありませんでした。
次に、平成22年度から24年度までの巡視結果の報告につきましては、毎月、指定管理者から市へ提出される業務報告書により、巡視を行った住宅名の報告を受けております。
なお、桂岡住宅の巡視回数については、平成22年度が19回、23年度が14回、24年度が13回と聞いております。
また、入居者の高齢化に伴い、草刈りが困難になってきていることにつきましては、これまでも必要に応じ、市において対応してまいりましたが、政策空き家として募集を停止している状況もありますので、自治会と協議し、市としてどのような支援ができるのか、検討してまいりたいと考えております。
また、巡視によって住環境がよくないことを把握した場合、草刈りをすべきではないかにつきましては、今後、指定管理者と連絡を密にし、状況の把握に努め、対応してまいりたいと考えております。
次に、桂岡住宅におけるアンケート調査につきましては、平成21年に市内全住宅の自治会長と管理人を対象に、修繕依頼や苦情相談などに対して指定管理者が適切に対応したかどうかを調査する目的でアンケート調査を実施いたしました。しかし、記載方法が無記名であったことから、桂岡住宅に特化した調査結果は把握しておりません。
次に、桂岡住宅の用途廃止の時期につきましては、公共賃貸住宅長寿命化計画を策定する際には、耐用年限を超えている住宅が多いオタモイや塩谷地域を優先したことから、桂岡住宅の用途廃止は後年次になったものです。
また、桂岡住宅の集約化の検討結果についてですが、入居者を集約するためには住み替え先の住宅を修繕する必要があり、その費用と分散している住宅の除雪費用との経済比較を踏まえ、集約は行わないこととしました。
次に、用途廃止に向けたアンケート調査につきましては、実施後、相当年数を経過していることから、改めて意向確認を行ってまいりたいと考えております。
また、用途廃止の実施時期についてでありますが、現在、塩谷地域の住み替えを進めており、住み替え先の住宅を確保する必要もあることから、長寿命化計画に位置づけされた計画年次で進めてまいりたいと考えております。
次に、銭函地域の市営住宅建設についてですが、応募倍率が高い市中心部に比べて、銭函地域は市内の平均的な倍率と差がなく、また現在の計画においても建設を位置づけていないことから、当面は市営住宅を建設する予定はありません。
次に、除排雪問題について御質問がありました。
まず、今年度の取組についてですが、新たに追加した主要交差点の箇所につきましては、3か所で、築港地区の築港海岸通線と接続する築港2号線、3号線、4号線との交差点となっております。
また、主要通学路の増加した主な場所につきましては、新光地区の東小樽線、幸地区の街路幸線、梅ケ枝・赤岩地区の手宮川通線などであります。
次に、福祉除雪についてですが、融雪施設があっても利用していない方をこの事業の対象とすべきとのことでありますが、社会福祉協議会に確認したところ、この事業は原則として融雪施設が敷地内にない方を対象としているが、施設を使用しないことが明らかな場合には、福祉除雪の対象としているとのことでありました。御質問にありましたケースは、このことについての民生・児童委員の対応が統一されていないことが原因であると思われますので、社会福祉協議会に対し対応の徹底について申し入れたいと思います。
次に、置き雪対策についてですが、まず平成23年度と24年度の実施世帯数につきましては、23年度は248世帯、24年度は227世帯となっております。
また、置き雪対策が広く周知されているのかとのことですが、この事業は申請方式をとっておりますので、対象となる方の把握はしておりませんが、広報、ホームページへの掲載や民生・児童委員の皆様の御協力により、事業の周知はされているものと考えております。
次に、置き雪対策の周知につきましては、ただいま申し上げましたとおり、これまでも広報やホームページ等で行ってきましたが、今後はより早い段階で新聞等への掲載を依頼することなどにより、早期からの周知に努めてまいりたいと考えております。
次に、防災問題について御質問がありました。
初めに、要援護者の問題についてですが、まず、津波避難訓練の参加者数などにつきましては、今年度の実施訓練の参加者は全体で932人、そのうち要援護者の方は27人で、これは避難訓練対象地区における災害時要援護者名簿登録者の約6パーセントとなります。
次に、災害時要援護者の実態把握などにつきまして、本市での災害時要援護者は、これまで登録を希望する高齢者や要介護認定を受けている方々を災害時要援護者名簿へ登載してきた結果、登録者数は本年8月30日現在で6,962人、支援者の数は1,883人となっております。
また、避難方法などについては、登録者ごとに個別書を作成し、避難先や車椅子の利用、緊急連絡先などを記載しております。
なお、災害対策基本法の一部改正に伴い、今後は要介護度や身体障害者手帳の等級などにより、希望者だけではなく、市が定めた登録要件に該当する方を新たに避難行動要支援者名簿に登載することとなり、名簿登録者も増加することから、改めて支援方法などについて検討してまいりたいと考えております。
次に、避難路の問題についてですが、朝里1丁目1番地の急傾斜地の道路につきましては、その後、北海道と協議を行っており、現時点で具体的な進展はありませんが、具体化に向け、今後も引き続き協議してまいります。
次に、地域ごとの避難路につきましては、昨年来、8地区の町会等で避難訓練が実施され、地域の方々から避難路についてさまざまな意見や要望が出されましたので、これらについて今後作成する津波避難計画にどのように反映できるか、現在、検討を行っているところであります。
次に、蘭島川に津波が遡上した場合の避難場所につきましては、当該地区は平たんで近くに高い建物がないことから、人的被害をなくするために、住民みずからの迅速で的確な避難行動が最も有効であると考えております。このため、昨年から地域を熟知した住民があらかじめ一次避難場所を定め、積極的に訓練に取り組んでいるところであり、市としても地域の方々とともに避難経路や時間の確認など、地域の状況に応じた避難方法を研究してまいりたいと考えております。
次に、避難路の除雪についてですが、冬季における避難路は、現在、除雪されている道路を優先することを基本と考えております。
なお、国道、道道、市道以外の道路を避難路として指定し、除雪をすることについては、土地の権利関係や費用負担など、さまざまな問題が生じることから、難しいものと考えております。
次に、広報の問題についてですが、サイレンや広報車の声が聞こえないということにつきまして、各地域の避難訓練では、消防車両やパトカーなどにより災害情報の伝達や避難の呼びかけを行っているところでありますが、訓練の参加者からは、車両で移動しながらの広報では声が聞こえないなどの御指摘がありましたので、今後、車両による広報のあり方について検証し、改善に向け、関係機関と協議してまいりたいと考えております。
災害情報の伝達については、サイレンや広報車による広報以外にも複数の手段が必要であると考えており、どのような方法が有効であるか、あわせて研究してまいりたいと考えております。
次に、津波避難計画の策定時期についてですが、現在、津波避難計画の作成作業に着手しており、地域防災計画の平成26年度の改定時に盛り込んでいきたいと考えております。
次に、ハザードマップについてですが、北海道日本海沿岸部における新たな津波予測図の作成につきまして、北海道防災会議の地震専門委員会に設置されたワーキンググループにおいて、日本海沿岸の津波浸水想定の点検、見直し報告書が本年3月に発表され、見直しにつながる十分なデータが得られていないことから、津波浸水想定の見直しについては中長期の課題とし、今後、国で行う日本海側沿岸の検討結果など、新たな知見が充実した段階で、改めて検討を行うとしているところであります。北海道からは、現時点で、報道にあるような見直しは、未定であると聞いております。
次に、避難路整備などについてですが、避難路については、市有地だけではなく、国や北海道、民間の所有地などの場合もあり、整備については関係機関との協議のほか、民間の所有者の場合には土地の権利関係など、さまざまな問題が生じることとなりますので、基本的には実際に避難をする地域の方々のお話を伺いながら、課題などを整理していく必要があるものと考えております。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)21番、新谷とし議員。
○21番(新谷とし議員)再質問を行います。
最初に、住宅問題についてです。
桂岡住宅における草刈りや除雪の5年間の経緯をお聞きしました。平成22年度、23年度は草刈りはゼロ、除雪も20年度はゼロだったということで、今後については、自治会とどのように対応するか協議をしていきたいということでしたけれども、指定管理の目的は、基本協定書の総則の第2条には、民間事業者の能力を活用しつつ、もって地域の福祉の一層の増進を図ることにあることを確認するとうたわれております。ですから、この視点に立ってしっかりと協議していただき、ここの高齢化とか分散化だとか、いろいろな悪条件がありますから、皆さんの要望をしっかり受け止めてやっていただきたいと思います。
それから、桂岡住宅の用途廃止です。現在でも23戸しかない。もう用途廃止を決めた時点で31戸しかなかったわけです。予定どおりにしかできないと言いますが、それは銭函地域のほかに住み替えるところがないからかもしれませんけれども、予定どおり行うとしたって、一体何人が残るのかわかりません。もう既に出なくてはならないという方もいらっしゃいましたし、誰もいなくなるということもあり得るわけです。本当にそういう点では、この計画を見直していかなくてはならないと思います。
それと、銭函地域での住宅建設はしないということでしたけれども、先ほども言いましたが、銭函地区は企業も集中しております。小樽市も企業誘致に力を入れておりますし、何より住まいの確保が必要です。そのためにも市営住宅の建設は考えなくてはいけないのではないでしょうか。
2010年代後半のまちづくりを進める小樽市都市計画マスタープランでは、銭函地域の住環境について、ゆとりある良好な住環境を確保しつつ、多世代住宅の建設など、多様化する住要求への対応を検討すると書いてありますが、多世代住宅建設を検討したことがあるのでしょうか。なかったとしたら、定住人口対策からも検討すべきではないでしょうか。
それから、除排雪問題です。
置き雪対策についてですが、2012年度は2011年度に比べて雪が多かったことや、高齢化が進んでおります。そういう中で、置き雪対策は増えるのかなと思いましたが、逆に減ってしまったということですけれども、事務執行状況説明書によれば、福祉サービス事業は、除雪サービスも屋根の雪おろし助成もそのサービスを受けた人は2011年度より2012年度のほうが増えているのに、置き雪対策が減ったということは、事実上の後退ではないかと思いますが、それはなぜでしょうか。
それから、防災の問題です。
要援護者の問題ですが、本当にこの要援護者支援というのが一番大変な問題ではないのかなと思っております。来年4月に災害対策基本法が施行されると聞いております。この対象者に対して、支援する方が4分の1ですか、もっと少ないですね。そうなりますと、来年4月施行に間に合うのかなと思うのです。ですから、そのためにもなかなか大変な事業だと思いますので、防災だけの問題ではありませんし、早急に進めなければなりませんから、そのための庁内体制の整備、体制を整えなければならないと思いますが、それは整っているのでしょうか。
それから、避難路についてですけれども、これから検討していきたいというお答えがほとんどでしたが、今年3月に、東日本大震災の教訓や法制度を反映して見直しをした津波対策推進マニュアル検討会報告書が、総務省消防庁から発表されております。避難路については、最も短時間で到達できる経路をして設定するが、安全性の高い経路を定めることが重要と述べられております。そして、避難路、避難経路の幅員はできるだけ広くとることや海岸沿いや、河川沿いの道路を指定、設定することはできるだけ避けるなどが挙げられております。その点で、朝里1丁目の坂道は大変きついですし、狭いです。だからこそ地域から要望が出ており、具体化に向けて北海道と協議をしていきたいということなのですが、なかなか進まないようですので、ぜひ力を入れて進めていっていただきたいと思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)建設部長。
○建設部長(工藤裕司)住宅の問題についてお答えをさせていただきます。
まず、1点目の自治会との協議につきましては、議員からの御指摘の点も十分踏まえまして対応していきたいと考えております。
それから、2点目の用途廃止の計画についてですけれども、これは繰り返しになってしまいますけれども、住み替えには移転先の確保が必要でありまして、現在、塩谷、オタモイ地区を実施中でございまして、全ての住宅で実施することは財政的にもかなり困難なことから、年次を決めて計画に沿って進めてまいりたいと考えております。
それから、3点目の世帯の検討につきましては、現在あります住宅マスタープランは平成26年度まででございますので、27年度からは次の計画というふうになっていきますので、その策定の際に検討させていただきたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)福祉部長。
○福祉部長(三浦波人)私からは、置き雪除雪の件数が減っている理由についてでございます。
平成23年度が248世帯、24年度が227世帯ということで、数字的には21世帯の減少となっておりますけれども、これは中を見ますと、24年度で新規に申し込んだ方も86世帯、その中にいらっしゃいまして、それぞれの世帯の御事情で新規にお申込みになったり、あるいは除雪の必要がなくなって登録をおやめになった方もいらっしゃるということの結果であるということに捉えているところでございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)総務部長。
○総務部長(迫俊哉)新谷議員の再質問にお答えをいたします。
私からは、要援護者の問題と、避難路の2点についてお答えをさせていただきますが、やはり防災を考える場合に、小樽市の特性といいますか、やはり高齢化あるいは積雪寒冷地、山坂が多い、そういった特性の中で考えていかなければいけないというふうに考えております。
1点目の要援護者の問題でございますけれども、御質問の中にもございましたとおり、来年の4月1日に災害対策基本法が施行されます。庁内の体制についてはまだ整っておりませんけれども、今後、早急に体制を整えていきたいというふうに思ってございます。これにつきましては、法制化される前には国からマニュアルが示されておりまして、任意ではございますけれども個別計画などもつくっておりますので、当面はその個別計画を使いながら、将来的には法律の改正に対応していきたいというふうに思っているところでございます。
それから、2点目の避難路の問題でございますけれども、朝里1丁目の問題だけに限らず、小樽の場合、避難路の確保というのは、これまでの避難訓練の中で、地域の皆様から大変、御意見なり御要望をいただいているということについては承知をいたしているところでございます。希望されます避難路といいますか、通路が避難に際しての唯一無二のものであるのかどうなのか、あるいは迂回路があるのかどうなのか、あるいはそれは公道なのか私道なのかという問題もございますので、それぞれ個々の状況を見ながら、今後、判断をさせていただきながら避難路の整備に取り組んでいきたいというふうに思っているところでございます。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)21番、新谷とし議員。
○21番(新谷とし議員)再々質問を行います。
置き雪対策なのですけれども、確かに新規の方が86世帯増えたということはよかったと思っております。
登録する方法が変わったということで、民生・児童委員の方も一生懸命説明されたとは思いますが、むしろ建設部が行ったように、置き雪対策だけで対象者に手紙を送って申請してもらったほうが、受け取るほうは簡潔でわかりやすいのではないかなと思うのです。一度にたくさんのことをお話しされると、わからない方も多いのではないかなと思いまして、申請方法をもう一回検討し直したらいいのではないかなと思います。
それから、要支援者、これについては早急に整えていきたいということでした。
それから、避難路については、朝里1丁目だけではなく、各地区でいろいろな要望を受けているということですけれども、防災だけでは本当に大変な問題なので、その辺は建設部とどのように連携してやっていくとか、その辺の体制はどうなっているか、お知らせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)福祉部長。
○福祉部長(三浦波人)置き雪除雪の申請方法についてでございますけれども、建設部が対応していたとき、個別に郵送案内をしていたのですけれども、もともとその郵送案内をする対象者の方というのは、事前に福祉除雪に登録した方、その中から市道に面した方に郵便で案内をしていたということでございます。
現在の取扱いは、やはり事前に福祉除雪に登録していた方に対して、今度は民生・児童委員に申し込んでいただくような形をとっておりますし、それで仮に昨年、登録をしていたけれども、今年登録がないという方がいらっしゃった場合には、民生・児童委員は必要に応じて声かけをする場合もあるというふうにも聞いております。したがいまして、こうした福祉除雪サービスについては、市民の方からすれば一つの取扱いになったということで、かえってわかりやすくなっているのではないかというふうに認識をしております。その部分については、さらに周知に向けては広報で載せる時期を少し早めるですとか、あるいは報道機関に掲載依頼をしていく時期を検討するとかということで、より周知については徹底をしていきたいというふうに考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)総務部長。
○総務部長(迫俊哉)防災にかかわる避難路の体制についてということでお尋ねがございましたけれども、避難路の関係でいきますと、防災担当だけでは十分知識が足りないものですから、当然建設部と連携を図っていかなければなりませんし、例えば急傾斜地区であれば、北海道などとも連携を図っていかなければならないというふうに考えております。
また、防災には、専門職として事務職のほかに土木職も配置しておりますので、そういった形で今後も体制は整備していきたいというふうに思っているところでございます。
○議長(横田久俊)新谷議員の一般質問を終結いたします。
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)6番、安斎哲也議員。
(6番安斎哲也議員登壇)(拍手)
○6番(安斎哲也議員)一般質問をいたします。
オープンデータは、行政がつくった公共データを機械判断可能な形にして、商用利用を含めた2次利用を制限せず、公開し、利用を促進することで、経済効果や新たな住民サービスを実現することであります。
オープンデータとして成立する要件は、1、営利・非営利問わず利用を可とする、2、人間が目で見るのではなく、プログラムで処理を可能とする機械判読可能、3、単に公開するのではなく、検索できるなど一覧性があることと言われています。
オープンデータの取組の流れは世界的な潮流であり、政府はG8により推進を合意し、規制・制度改革としてオープンデータの推進を閣議決定しました。
基本的には政府の取組ではありますが、地方公共団体としても有用な取組であると思いますし、全国、全道の自治体でも率先して取組が進められています。
オープンデータとして期待される効果は、1、行政の透明性、信頼性の向上、2、産官学連携による工夫を生かした住民ニーズへの対応、3、新たな知見、サービスによる経済効果の3点が挙げられています。
そこで質問させていただきます。
小樽市は公共データを全く公開していないわけではなく、一部のデータに関して公開を行っていますが、現時点に至るまでの経過と、現時点でのオープン化状況をお聞かせください。
行政のデータは統計データと地図データであります。統計データの事例としては人口データなどがあり、テキスト形式、いわゆるCSVで提供されています。これは機械判読可能データであり、オープンデータの理念に近いと思いますが、どのような理念の下、現在の一部オープン化に至っているのでしょうか。
市では、人口データや地図データなど幾つか公開してはいますが、一覧性がなく、オープンデータのためのポータルがありません。機械判読可能な形式で配信しているものは少数で、形式がばらばらという点で、利用者側が不便であるという問題があると思いますが、見解をお聞かせください。
地図データの事例としては、津波ハザードマップでは電子文書形式、いわゆるPDFとして公開されていますが、PDF形式は絵でありまして、人間が目で見て判断することしかできないデータとして公開されているため、オープンデータとは言えません。現在のハザードマップを例えば携帯でダウンロードすると、重すぎますし、見づらい状況であります。パソコンでも、ただPDFのデータを公開しているだけにすぎないと思います。
道内の先行都市では、もととなる図形情報と属性情報を持った地図データファイルの公開を行い、津波で浸水する深さの予測図や津波の避難の際に目指すべき目標地点、避難場所までの経路などをオープンデータにしています。
これらを基に民間によって防災教育地図教材がつくられた例もあります。ほかにも全国では先進的に取り組む自治体が増えてきており、民間が、行政がつくってきた公共データを活用し、経済利用や新たな住民サービスを提供しています。
小樽市においても、地図のオープンデータ化を検討すべきと思いますが、いかがお考えでしょうか。
また、今後取り組む意思はあるのでしょうか、お聞かせください。
再質問を留保し、一般質問を終了します。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)安斎議員の御質問にお答えします。
ただいま公共データのオープン化について御質問がありました。
初めに、本市公開データの現時点に至るまでの経過についてですが、市の情報については、個人情報などを除き、公開できるものについては、これまでも市民や事業者に向けてホームページなどで積極的に公開してきておりますが、データの形式については、特にオープンデータの観点で取り組んできたものではなく、各部署で市民が閲覧しやすい形を考えて公開してきたものであります。
また、現時点でのオープンデータ化の状況についてですが、近年、国ではオープンデータの公開度を機械判読や加工のしやすさなどから5段階の基準で示しており、これに当てはめますと、現在、本市で公開しているデータには、第1段階である電子文書形式のPDFの地図データのほか、第2段階、第3段階である統計関係の表形式やテキスト形式のエクセルデータ及びCSVデータが含まれておりますが、第4段階以上の基準となる形式でのデータは現時点では公開しておりません。
次に、現在の一部オープンデータ化の理念についてですが、本市が公開しているデータは、各部署でそれぞれ公開してきたものが結果としてオープンデータと言える形式になっているものもありますが、特に機械判読と2次利用のしやすさという視点での理念を持って進めてきたものではありません。
次に、現在の公開形式での利用者の利便性についてですが、ただいま申し上げましたように、これまでオープンデータとしての理念を持って整備してきたわけではありませんので、国が進めていこうとしているオープンデータの趣旨からすれば、御指摘のような不便さはあると認識しております。
次に、地図のオープンデータ化への取組についてですが、オープンデータ化そのものは、利用者の利便性を図るため、地図データに限らず、市として今後検討していく課題であると認識しておりますが、当面は導入の経済的効果や2次利用に当たっての課題なども見極めながら、先進都市の情報を収集するなどして研究してまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)以上をもって、一般質問を終結いたします。
お諮りいたします。
ただいま、上程中の案件のうち、議案第1号、第2号、第6号ないし第9号、第11号ないし第16号及び第18号ないし第22号につきましては、議長指名による9名の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
それでは、予算特別委員を御指名いたします。千葉美幸議員、中村岩雄議員、小貫元議員、松田優子議員、鈴木喜明議員、酒井隆行議員、山口保議員、中島麗子議員、山田雅敏議員、以上であります。
なお、委員中、事故ある場合は、所属会派において補充することといたします。
次に、議案第3号ないし第5号、第17号及び第23号は総務常任委員会に、議案第10号は経済常任委員会に、それぞれ付託いたします。
日程第2「陳情」を議題といたします。
本件につきましては、別紙お手元に配付の議事事件一覧表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。
日程第3「休会の決定」を議題といたします。
お諮りいたします。
委員会審査のため、明12月12日から12月19日まで8日間、休会いたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
本日は、これをもって散会いたします。
散会午後5時28分
会議録署名議員
小樽市議会議長横田久俊
議員中村岩雄
議員山口保