開議午後1時00分
○議長(横田久俊)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、林下孤芳議員、久末恵子議員を御指名いたします。
日程第1「議案第1号ないし第23号」を一括議題といたします。
これより、昨日に引き続き、会派代表質問を行います。
通告がありますので、順次、発言を許します。
(「議長、9番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)9番、松田優子議員。
(9番松田優子議員登壇)(拍手)
○9番(松田優子議員)平成25年第4回定例会に当たり、公明党を代表して、質問させていただきます。市長、理事者の皆様、よろしくお願いいたします。
最初に、財政問題について伺います。
本市財政は、歳入においてはやはり市税収入の減少には歯止めがかかっておりません。平成24年度決算では、個人・法人市民税は年少扶養控除の廃止や一部企業の業績回復などにより増収となりましたが、固定資産税、都市計画税は評価替えや地価の下落により6億1,100万円も減収となったため、市税総体として対前年度比で3億4,200万円もの減収となっております。
また、市税収入率も平成12年度から低下し続け、24年度は73.8パーセントと、これも全く歯止めがかかっていないようです。市税の収入率向上につきましては日々努力されていると思いますが、平成25年度の市税収入の見通しについて、24年度決算との比較でお示しください。
また、いま一度、収入率向上対策についてもお示しください。
次に、歳出についてですが、目的別決算状況で見ると、除雪費や共同調理場建設事業費の増により、土木費や教育費も増加しているようですが、やはり一番多いのは民生費です。平成20年度に200億円を突破して以来、増加し続けていますが、25年度の決算見込みと今後の推移についてお示しください。
また、性質別決算状況でも、平成23年度と比較すると増加は横ばいになったものの、扶助費が一番多くなっております。その中で、生活保護費は平成15年度に80億円を超えて以来、年々増加し、24年度には90億円に迫るのではないかと思っておりましたが、対前年度比約2億円の減額となっております。この減少要因についてお聞かせください。
また、障害者福祉費は対前年度比4億8,500万円増加になっております。こちらは増加要因についてお聞かせください。
全体として、平成24年度決算においては実質収支は1億5,700万円の黒字となり、22年度から3年連続の黒字となり、実質単年度収支も5年連続で黒字とはいえ、25年度決算においても楽観を許さない状況であることは否めません。平成25年度決算の収支見通しについての御見解をお示しください。
なお、平成23年度までは当初予算における収支不足を補うため、下水道事業会計など他会計からの借入れによる対策を行っていましたが、24年度は他会計などからの借入れは行いませんでした。しかしながら、平成24年度末で下水道事業会計の28億500万円をはじめ、53億8,600万円もの借入残高があります。今後この他会計などからの借入金の償還めどについてお示しください。
次に、以上のような財政状況を踏まえ、平成26年度予算編成の基本的な考え方について伺います。
市は10月末に財政部長名で庁内各部局に対し、平成26年度の予算編成方針を示したとのことですが、それによると、人口減などで市税収入増加が見込めない上、扶助費の増加傾向は依然として続き、多額の財源不足が見込まれると想定し、全ての事業についてゼロベースの視点で必要性、有効性を厳しく検証するよう求めたということです。
そこで、お聞きいたします。
現在、市では平成26年度の財源不足はどのぐらいになると見込んでいるのか、お示しください。
そして、事業の必要性、有効性をどのような観点から判断するのか、お聞かせください。
また、来春の消費税増税に伴う歳出増影響も懸念されますが、平成25年度一般会計の当初予算の歳出で消費税率の引上げ分を見込んだ場合、どの程度の影響があるのか、お示しください。
市長は、昨年第4回定例会において、平成25年度予算編成とあわせ、25年度を初年度とする中・長期的な収支を見通すものとして、財政健全化に向けた新たな計画の策定作業を進める旨の答弁をされました。そして、本年3月、今後の財政運営を検討する手がかりとして、現在見込まれる一定の状況の下、平成25年度から29年度まで5年間の財政収支見通しの試算を行い、毎年度見直すこととしておりましたが、試算から半年が過ぎ、見直しについてどのように考えているか、お示しください。
また、財政健全化への取組として、各年度収支改善目標6億円を達成し、実質収支の黒字を達成するため、歳出削減対策として人件費の抑制や事務事業及び経費等の見直しを行い、歳入増加策としては使用料・手数料の改定や広告収入の確保、資産の有効活用等を挙げられておりますが、現在の取組状況をお示しください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)松田議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、財政問題について御質問がありました。
初めに、平成25年度決算の見通しについてですが、まず24年度決算との比較による25年度の市税収入の見通しにつきましては、今後の法人市民税などの収入状況にもよりますが、現時点の見込みは、たばこ税が税率改正に伴い増収が見込まれますが、個人市民税で納税義務者数や所得の減少により、法人市民税では納税額が大きく減少した法人もあることにより、市税全体の収入額は減少するものと考えております。
また、収入対策についてですが、電話や文書による催告、臨戸訪問のほか、預貯金などの差押えを行うとともに、差押物件のインターネット公売による換価、さらには北海道との共同催告や他都市との合同公売会を実施するなど、今後とも引き続き収入率向上に向け、努力してまいります。
次に、民生費の決算見込みと今後の推移につきましては、民生費は生活保護費や身体障害者に対する支援費など扶助費の占める割合が高いことから、現時点で決算見込みをお示しすることは困難であります。また、今後の推移につきましては、扶助費の自然増に加え、国の税と社会保障の一体改革の中で、社会保障の充実・安定化がうたわれていることなどから、負担の見直しなども検討されてはおりますが、今後も増加が続いていくものと想定しております。
次に、生活保護費が平成23年度と比べ、24年度で約2億円減少した主な要因につきましては、医療扶助費が約1億8,200万円減少したことによるものであります。また、障害者福祉費が増加した要因につきましては、利用者が増加した生活介護事業費や、重症心身障害児施設に入所している18歳以上の方の費用が、北海道から市に給付主体が変更したことによる療養介護事業費の増加などによるものであります。
次に、平成25年度決算の収支見通しにつきましては、まず歳入では法人市民税など、今後の景気の動向により収入の確保が不透明であることや、歳出では冬期間における除雪費や電気料金の値上げに係る影響など、不確定な要素も多く、現時点で具体的な収支見通しを示すことができる状況にはありません。
いずれにいたしましても、残された期間、引き続き歳入の確保と事業の効率的な執行等に最大限努めてまいりたいと考えております。
次に、他会計などからの借入金の償還めどについてですが、他会計や基金からの借入残高は、今年度、土地開発基金の廃止により、同基金からの借入れ5億1,000万円を繰上償還したことなどにより、平成25年度末では約46億3,800万円となる見込みであります。借入金の償還につきましては、借入時に立てた償還計画に基づき償還していく予定であり、他会計からの借入金については平成38年度、また、基金からの借入金につきましては、平成35年度での完済を予定しております。
次に、平成26年度予算編成の考え方についてですが、まず26年度予算の財源不足の見込みにつきましては、25年度当初予算で約12億円の財源不足が生じたこと、歳入では、人口減等により市税収入の増加が見込めないことや、地方交付税の動向も不透明であること、歳出では、扶助費などの自然増や、消費税増税の影響、さらには新たな財政需要にも対応しなければならないことなど、具体的な不足額を現段階で示すことはできませんが、新年度予算編成においても多額の財源不足が見込まれるものと考えております。
次に、事業の必要性、有効性の判断につきましては、必要性については事業の目的が市民ニーズや社会情勢の変化などに対応しているかどうか、有効性については成果指標などを参考にしながら、目的達成にどの程度の効果があるかなどの観点で、検証が必要であると考えております。
次に、消費税増税による一般会計の歳出への影響額につきましては、平成25年度当初予算ベースで試算した場合、影響額は約2億6,700万円となります。
次に、中期財政収支見通しについてですが、まず財政収支見通しの見直しにつきましては、各年度の予算編成や決算の状況を踏まえ、毎年度見直すこととしており、現在、平成24年度決算及び25年度補正予算を考慮した収支試算の作業を行っているところであります。
次に、財政健全化に向けた取組状況についてですが、今年度実施した主なものとしては、歳出削減対策では、人件費の抑制として、職員給与の独自削減を継続していること、事務事業の見直しとして、行政評価の試行実施や、本年10月に存続意義の薄れた土地開発基金を廃止したことなどであります。
そのほか、第三セクターの見直しとして、第3回定例会において土地開発公社解散の議決をいただき、現在、清算手続を進めているところであります。また、歳入増加策では、4年ごとに見直しを行っている使用料・手数料の改定を本年4月1日に行ったほか、資産の活用として、今定例会に議案を提出しておりますが、港町ふ頭の土地を売却することなどであります。今後とも真の財政健全化に向けて引き続き最大限努力してまいります。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、9番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)9番、松田優子議員。
(9番松田優子議員登壇)
○9番(松田優子議員)2項目め、障害福祉サービス受給者証への特別地域加算記載漏れに伴う補正について伺います。
理事者からの説明によれば、補正をしなければならなくなった原因は、障害福祉サービスを利用する障害児、障害者に交付する障害福祉サービス受給者証に、特別地域加算の対象になる旨の記載をしなかったことにより、サービスを提供する事業者が加算分の障害福祉サービス費を市に請求していなかったためという内容でした。
そこで確認のため、何点かお聞きいたします。
最初に、過疎地域として公示されると、なぜ特別地域加算の対象になるのか、制度そのものについて御説明願います。
次に、小樽市が過疎地域になったことの周知についてお聞きいたします。
市の担当者は、平成24年4月に小樽市が過疎地域として公示されたことは承知していたのでしょうか。説明では、平成21年4月より特別地域加算が新設されたことについては、市は厚生労働省の通知について北海道から情報提供があり、その通知には特別地域加算についての説明が記載されていたが、その時点では小樽市は過疎地域の公示を受けておらず、障害福祉サービス費には影響がなかったことから、深く認識できていなかったとのことでした。
そこで、お聞きいたします。
小樽市が過疎地域になったことは承知していたが、特別地域加算をしなければならないことを時間の経過により失念してしまったのか、小樽市が過疎地域として公示されたこと自体も知らなかったのでしょうか、伺います。
また、小樽市が過疎地域として公示されたことにより、この特別地域加算以外に何らかの影響が生ずる部局はほかになかったのでしょうか。あったとしても、その部局はきちんと対応していたため、このような問題が生じなかったということでしょうか。
そこで、お聞きいたします。
小樽市が過疎地域として公示されたことについての各関係部局への周知は、どこの部署がどのようにされたのか、その経過についてお示しください。
さらに、資料の内容伝達についてお聞きいたします。
過疎地域として公示された場合、特別地域加算が発生することについて、職場内での資料等の供覧等はしなかったのでしょうか、お聞かせください。
次に、事業者への制度改正説明についてお聞きいたします。
サービスを提供する事業者は、制度改正により特別地域加算があることは知っていたが、小樽市が過疎地域として公示されたことを知らなかったので、加算しないまま請求したのか、特別地域加算制度そのものを知らなかったのか、お聞きします。
制度そのものを知らなかったとしたら、あらゆる制度改正があった場合、事業者への制度改正の周知は本来誰がすべきだったのでしょうか。
制度変更の説明責任は市にあるのか、国にあるのか、お聞かせください。
補正額の財源ですが、補正額6,155万6,000円のうち、一般財源で措置する1,538万9,000円の残額4,616万7,000円は、いったん市が事業者に支払った後、国や道からの負担金で措置することになると思いますが、市が事業者に支払ったものについては必ず負担してもらえるのか、再度確認いたします。
なお、この制度改正により、市が事業者に加算金額を支払うと同時に、サービスの提供を受けた利用者についても事業者に支払う自己負担額が増加することになりますが、市はこのことについて利用者への制度改正の周知を図るとともに、障害福祉サービス受給者証の差し替えは終了したのでしょうか。
また、平成22年度から今日までの、制度改正に伴う利用者の自己負担増額分について、その金額を年度別でお示しください。
なお、その自己負担増額分については、サービス利用者からは追加徴収せず、事業者に請求放棄などをお願いしたいということですが、事業者はこのことを承知しているのか、お聞かせください。
このたびの加算金未請求についてですが、残念でならないのは、昨年12月に事業者から指摘があったのに担当者は十分調査せず放置し、本年7月になって別の事業者から再度指摘され調査した結果、未請求が判明したということですが、最初に指摘されたときは、どのような調査をしたのか疑問です。最初に指摘を受けたときに十分調査していれば補正額も今回の補正額より下回っていたはずです。最初の調査内容と今回の調査内容など、判明経過について詳しくお聞かせください。
なお、この未請求については小樽市だけでなく、管内10町村でも発覚したということですが、それほど制度が複雑だったのでしょうか。
北海道では、143市町村が過疎地域として公示されていますが、特別地域加算を行っていた自治体が大半だとすれば、制度が複雑という理由は当てはまらないと思いますが、御見解をお聞かせください。
このたびの特別地域加算未請求の責任はどこにあると考えているのか、御見解をお聞きいたします。
平成22年2月に公表した職員の業務懈怠による高額療養費未請求問題の発生を契機に、市では業務上の事故発生防止に向けた取組として、業務事故防止の指針を策定しておりますが、今回の問題では、この取組が全然生かされていないことを痛感いたします。
この指針の6ページでは、制度の改正に伴う対応について事細かく記載されておりますが、まさしく今回の業務事故はぴたりと当てはまります。指針を抜粋すれば、市の業務は、さまざまな法令を基にして行われており、法令など国の制度が変われば、当然それに応じた対応が必要になる、制度の改正などがあった場合には、事故防止の観点からも職場内での情報共有が重要なポイントになり、係内で情報共有を図ることで、チェック機能が働くとあります。さらに、特に補助金請求など基礎になる数値、区分などに関する制度改正については、文章だけではなく、視覚的にわかりやすいイメージ図やフロー図など、思い込みや勘違いが生じないよう工夫してくださいとまで示されております。この地域加算制度が適用になったのは平成22年4月であり、この指針が出されたのは22年7月です。その後、指針の内容に従って事務を行っていれば、事故は早めに防げたと考えられますが、このことについてどう認識されておりますか、御見解をお聞かせください。
業務事故が起きるたびに言われるのが再発防止ですが、いつも同じことの繰り返しです。再発防止に向けて今後どのように取り組んでいくのか、お考えをお示しください。
そして、同じ過ちが二度と発生しないよう御努力をお願いいたします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、障害福祉サービス受給者証への特別地域加算記載漏れに伴う補正について御質問がありました。
初めに、経過説明についてですが、まず、過疎地域の公示と特別地域加算の関係につきましては、障害福祉サービス事業所が、過疎地域などの厚生労働大臣が定める地域に居住している利用者に対して、サービスを提供した場合に、1回につき、所定単位数の100分の15に相当する単位数を所定単位数に加算するもので、厚生労働省告示に基づいた制度であります。
次に、本市が過疎地域として公示されたことへの担当者の認識につきましては、過疎地域として公示された当時、部長会議や庶務担当課長会議を通して職員への周知がなされていたものと考えております。
次に、過疎地域として公示されたことについての各関係部局への周知についてですが、平成22年4月の過疎法の一部改正の施行により、本市が過疎地域として公示されることとなったため、まず22年3月に開催した全部局の庶務担当課長が出席する庶務担当課長会議において、過疎地域として公示されることによる担当業務への影響について確認を行うよう、財政課から依頼を行ったところであります。
また、公示後の平成22年5月には、過疎地域自立促進市町村計画、いわゆる過疎計画の策定作業に取り組んでいたことから、全部長などが出席する部長会議において、過疎地域として公示されたことや、過疎計画を策定することなどについて、企画政策室から報告を行っております。
次に、職場内での資料等の供覧につきましては、平成21年4月に新設された特別地域加算に係る国の資料等をその当時、職場内で供覧しておりましたが、小樽市は過疎地域になっていなかったこともあり、加算の内容について職場内で確認をする作業をしていなかったものであります。
次に、サービスを提供する事業所が特別地域加算を知らなかったのかということでありますが、利用者の受給者証に特別地域加算に該当する旨を記載して交付することにより、事業所がその内容を知る仕組みになっておりますので、事業所は承知していなかったものと考えております。
次に、制度改正があった場合の事業所への周知につきましては、都道府県が行うこととなっておりますが、特別地域加算については、市町村が受給者証に記載して事業所に周知する仕組みとなっておりますので、このたびの加算にかかわる説明責任は市にあるものと考えているところであります。
次に、補正額の財源措置についてでありますが、市の支出額に対する国と道の負担につきましては、今回の所要額の補正はそもそも事業所が市に請求できる特別地域加算分の額であり、市が事業所に支払った額に対して、通常の障害福祉サービス費用に対するものと同様に、国から2分の1、北海道から4分の1の負担金として入ってくるものであります。
次に、自己負担額変更の利用者への周知についてでありますが、まず利用者への周知及び受給者証の差し替えにつきましては、自己負担が変更になる利用者の皆様には、今月中に特別地域加算の対象である旨を記載した新たな受給者証を持参し、個別に説明してまいります。
次に、利用者の自己負担増額分につきましては、平成22年度は5万6,484円、23年度は7万5,940円、24年度は8万7,894円であります。また、平成25年度につきましては、4月から9月までの実績として3万4,657円であります。
次に、利用者の自己負担増額分に関する事業所への対応につきましては、平成26年1月利用分から利用者の皆様に請求していただくよう、事業所に御協力をお願いし、御理解をいただいたところであります。
次に、加算金未請求が判明した後の経過についてですが、まず昨年からの経過につきましては、12月に事業所からの問い合わせがあり、関係職員は小樽市が特別地域加算の対象になることを知りましたが、受給者証に特別地域加算の対象となる旨を記載して事業所に周知を行うことが最初の作業になるという認識がなく、本年7月に別の事業所から問い合わせがあり、再確認の結果、誤りに気づいたものであります。
次に、本制度への認識につきましては、北海道の発表では、道内で全額又は一部未支給が73市町村、全体の約4割に上るというもので、各自治体の担当職員が、みずからの地域が特別地域加算の対象地域になっていることに気づかず経過したものであり、基本的には関係職員の認識不足が主な要因であると考えております。
次に、事故発生の責任についてですが、業務事故防止の指針との関係につきましては、指針に示されていることがまさしく基本となるものであります。特に、福祉にかかわる業務は、制度改正があれば短い期間の中でそれに応じて対応していくことや、情報を共有することが肝要であり、この姿勢が事故防止につながっていくものと考えております。
次に、再発防止に向けての今後の取組についてですが、平成22年度に制度の改正に対応することなどを盛り込んだ業務事故防止の指針を全職員に配付し、職員へはその内容が浸透しているものと考えておりましたが、残念ながら今回の事故には生かされませんでした。
今後の再発防止に向けては、業務事故防止の指針を職員に配付してから3年ほど経過しているということもありますので、改めて職員への周知徹底に努めてまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、9番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)9番、松田優子議員。
(9番松田優子議員登壇)
○9番(松田優子議員)3項目め、空き家対策について伺います。
空き家等の適正管理に関する条例化の促進につきましては、私は機会あるごとに述べさせていただいてまいりました。なぜ空き家等の適正管理に関する条例が必要かといえば、近隣からの苦情があったとしても、今までは所有者に対し行政指導しかできなかったものが、法的根拠に基づいた措置ができるようになるからです。先月行われた小樽市と町会長との定例連絡会議では、複数の町会長より空き家の現状について報告、要望が出され、それに対し市は、現在、条例制定に向けた検討を進めていると説明しました。
かつて市に対し、空き家に関連した苦情の中で、市で何とか対処してほしいなどの要望が寄せられたことはあったでしょうか。あったとしたら、その内容をお聞かせください。
先般、私が所属している建設常任委員会では、空き家等の適正管理の条例制定市の中で最初に行政代執行まで踏み込んだ内容の条例を制定した秋田県大仙市に行政視察に行ってまいりましたので、そのことも踏まえ、条例制定に向けた市の考えをお聞きいたします。
大仙市は豪雪地域で、平成18年、22年の豪雪に際し、市民の安全・安心を守るため、危険な状態にある空き家の対策に本腰を入れざるを得ない状況になったことが条例策定のきっかけでしたが、条例化促進への重要な働きをしたのが自治会長や町内会長でした。市内全域の自治会長や町内会長にアンケートを実施し、地域における空き家の実態や管理について意見を求めたところ、危険な空き家に対しては市が積極的に解体してほしいとの意見が非常に多く、通常はこのような条例を策定するときはパブリックコメントを実施して、市民から意見を広く聞くという手法をとりますが、自治会長は地域のリーダーなのでリーダーの意見を集約させるという考え方で、パブリックコメント的な要素を引き当てたという説明を受けました。
そこで、伺います。
今後、小樽市でも大仙市と同様、空き家に特化したアンケートを実施するお考えはないか、お聞きいたします。
アンケート調査後、大仙市では臨時職員10人を雇用し、空き家の場所を確認しては1戸1戸の状態を把握した実態調査票を作成し、その上で、空き家の危険度判定調査を行い、建物の危険度に応じて危険度大、危険度小、危険度なしの色分けをした空き家マップを作成し、それを各自治会長に配付し、空き家の情報を共有したとのことです。条例に行政代執行を盛り込んでも、なかなか実行しない自治体がある中、今まで3件実施したのも、危険度が代執行の判定基準であり、住民の安全を守るという防災という観点からだったと聞いています。ですから、空き家の担当も防災担当で行っているということでした。このような取組についてどうお考えか、御見解をお聞かせください。
また、解体したい意思があっても費用が捻出できず苦慮している方には、撤去費用を助成する制度も条例に盛り込み、これにより解体できた事例が21件もあるとのことです。個人財産に税金を使用することに批判もありますが、国土交通省の社会資本整備総合交付金で2分の1の補助を受けて対応しており、市の負担も軽減されています。小樽でも条例化した場合、このような助成制度はできないのか、この点についてもお考えをお聞かせください。
国土交通省による都道府県への聞き取り調査によれば、10月1日時点で空き家条例が制定、施行済みの自治体は270以上あります。本年第2回定例会の一般質問での御答弁で、市長は、条例を制定するとした場合の必要な規定として、適正管理義務の規定のほか、職員の立入調査、所有者への助言・指導・勧告、勧告に応じない場合の命令、命令に従わない場合の氏名等の公表、罰則は、危険な空き家に対する手続、手順として必要なものとして考えているとの認識を述べられておりましたが、まずは市としてできることから始めるべきではないでしょうか。
昨年の大雪により倒壊した建物が4軒あり、現在、倒壊の危険性がある空き家は38軒あると聞いております。他の自治体は国の動向を探って制定するのではなく、市民の安全・安心を図るために既に条例を制定しております。後からできる条例ほど精度が高いのは当然です。元北海道職員で、現在、北海学園大学法学部の秦教授も、条例は1回つくれば終わりではないですから、いくらでも改正すればいいわけで、不備があればどんどんつけていくことが必要なのではないかと思いますと述べています。
行政代執行については、撤去した費用を回収できない可能性や行政任せにされる懸念などの課題があるといいますが、条例を制定している自治体の約半数が行政代執行まで条例に盛り込んでおり、道内では来春施行の函館市を含め、12市町に達したと聞いています。
また、所有者を割り出す方法として、札幌市では、第三者機関の情報公開・個人情報保護審議会に諮問し、固定資産税の納税者情報から割り出すことを全国に先駆けて導入したといいます。
このように、どこの自治体も、それぞれ一つ一つ課題を克服しながら取り組んでいます。その上、条例制定による市民へのアナウンス効果により、所有者が自主的な解体を行う成果も期待できます。大仙市では、条例制定後の波及効果として、自主的な除却が71件あったといいます。財政的な問題もあるかもしれませんが、それでは市民の安全を保つことはできません。一日も早く条例を制定していただきたいと思いますが、御見解をお聞かせください。
危険な空き家は解体、除却し、空き家をなくすことが空き家対策の根幹ですが、単に使っていない空き家を有効活用することも大事です。その一例が空き家バンク制度ですが、神奈川県横須賀市では、空き家をリフォームして大学生に貸し出すモデル事業が行われていると伺いました。家賃1万円で賃貸し、そのかわり大学生は格安で住む条件として、高齢者の資源ごみの回収の手伝いや地域の清掃など軽作業のボランティア活動を行っているそうです。また、長崎市では、傾斜地に建つ空き家を寄附することを条件に、市が全額負担して撤去し、跡地は公園や駐輪場にしているといいます。このように先進的な取組を始めた自治体も数多くあります。小樽市としても有効利用等についてお考えがあればお聞かせください。
とにかく、時間がたてばたつほど空き家が増加するのは目に見えており、所有者の特定も困難になります。一日も早い空き家条例の策定を要望いたします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、空き家対策について御質問がありました。
初めに、空き家に関連する苦情の内容についてですが、これまでに寄せられたものとしましては「自然倒壊の危険がある」「台風や強風時に建築材が飛散して危険である」「ごみが不法投棄されている」「不審者や非行少年のたまり場などになっている」「建物の屋根から落雪し、道路をふさいだ」などの苦情がありました。
次に、条例制定に向けた市の考え方についてですが、まず町会長などへの空き家に関するアンケートの実施につきましては、危険な空き家についての情報は、関係部署が日々の業務の中で行っているパトロールや、市民からの相談や通報などにより把握しておりますが、それぞれの地域における空き家に関する情報や空き家対策についての意見の把握については、今後どのような方法がよいのか検討してまいりたいと考えております。
次に、防災の観点からの空き家対策への取組につきましては、空き家に関する対策は、雪害などからの防災の観点のみならず、周辺住民の生命、身体、財産のほか、衛生環境の保全や防犯、不審火などによる火災予防など、市民の安全・安心な生活環境の保全のため、さまざまな観点からの取組が必要であると考えております。
次に、空き家の撤去費用への助成制度につきましては、空き家であっても個人所有の財産であることや、公平性の観点から、その撤去に当たっては基本的には所有者みずからの責任において対応すべきものと考えております。しかしながら、所有者にとっては撤去費用の捻出が大きな課題であると考えられることから、解決手段の一つとして引き続き慎重に検討してまいりたいと考えております。
次に、空き家対策に係る条例の制定につきましては、空き家の所有者に適正な管理を促し、市民の安全・安心を確保するための一つの有効な方策であると考えておりますが、体制整備や、自主的な解体に対する助成制度を設けた場合の財源確保などの課題を解決しながら、引き続き条例の制定に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、空き家の有効活用についてですが、本市における定住の促進を図るため、移住促進施策とも関連させながら、空き家・空き地バンク制度を利用した有効活用を進めるほか、他都市の事例なども参考にしてまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、9番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)9番、松田優子議員。
(9番松田優子議員登壇)
○9番(松田優子議員)4項目め、北海道新幹線について伺います。
先ごろの新聞報道によれば、平成47年度までに開通予定の北海道新幹線の札幌延伸で駅が設置される5市町に、駅舎などの整備に係る事業費の一部負担を、北海道が正式に要請したとありました。
最初に、北海道からの具体的な協議内容について、いま一度確認のため御説明願います。
なお、北海道の試算によれば、この事業費の小樽市負担分については7億円から8億円で、発注事業終了ごとに支払うと聞いております。そして、この負担割合を受け入れる可否については12月10日までに回答を求められておりましたが、小樽市は11月27日にこの負担を受け入れる旨、文書で回答したとのことですが、新幹線の札幌までの開業はまだ20年も先のことです。工期が長いだけに、今の試算による事業費に比べ、最終的な小樽市の負担総額が大幅に増えないのか心配です。このことについてお考えをお示しください。
また、北海道新幹線建設で懸念されるのが、最近のJR北海道の事故多発と、レール幅検査データ改ざんなど、連続している不祥事問題です。レール幅データの改ざんは安全性の根幹を揺るがすものであり、それも一つの保線管理室だけではなく、複数の保線管理室で、それも過去から行われていたことが判明し、最も重視されるべき安全性をないがしろにしたことは到底許されるべきではありません。今JR北海道では中堅の技術職員が極端に少なく、技術の継承にひずみが出ているとの指摘もありますが、このようなことが今後の新幹線の札幌延伸に伴う運行管理に影響が出ないのか大変心配です。この点について御見解をお示しください。
ともあれ、JR北海道は早く問題解決に取り組み、一日も早く私たちの信頼を取り戻すため、努力を惜しまないでいただきたいと願うばかりです。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、北海道新幹線について御質問がありました。
初めに、北海道からの協議内容についてですが、全国新幹線鉄道整備法第13条第2項の規定に基づき、北海道が負担する建設費用のうち、本市が一部負担することとなる対象範囲及び割合についての協議がありました。負担の対象となる範囲につきましては、駅部及び整備区間の用途地域となっており、本市におきましては、天神や朝里川温泉など、4か所の整備区間で計1,000メートルが負担対象範囲となっております。
また、本市の負担割合につきましては、対象範囲の工事で北海道が負担すべき負担金の10分の1となっております。
次に、工期が長いため試算よりも小樽市の負担金が大幅に増える心配はないのかとの御質問ですが、北海道からは小樽市が負担する範囲の建設費用は、消費税率のアップ、一定程度の物価の上昇などを見込んだ概算額であると聞いておりますので、大幅な増加はないものと考えております。
次に、JR北海道における事故多発などによる新幹線の札幌延伸に伴う運行管理への影響についてですが、事故の多発やデータの改ざんなどは、安全運行に大きな責任を負う公共交通機関として決してあってはならないことであります。今後、JR北海道が鉄道事業者としての原点に立ち返り、抜本的な再発防止策の確立など、安全体制の再構築に総力を挙げることが、新幹線の安心で信頼できる運行管理につながるものと考えております
○議長(横田久俊)次に、第5項目めの質問に入ります。
(「議長、9番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)9番、松田優子議員。
(9番松田優子議員登壇)
○9番(松田優子議員)5項目め、24時間健康・医療相談サービスの導入について伺います。
現在、各自治体で頭を悩ませているのが、救急車の不適正利用です。そこで各自治体では、救急車適正利用促進リーフレットを作成したり、人目につく場所にステッカーを張り出したりするなど、救急車の適正利用促進に取り組んでおります。
小樽市も例外ではありません。昨年9月28日の決算特別委員会で小樽市における救急車の不適正利用について質問したところ、平成23年度の全搬送人員5,478人中155人が不適正利用の搬送人員であり、全体の約3パーセントが不適正利用だとの御答弁をいただきました。119番通報を受けた時点で救急搬送が本当に必要か否かの判断ができれば、不適正利用は減少すると思われますが、通報を受けた段階では救急出動の必要性の判断は行わず、通報を受ければ全て出動するとのことでした。
そこで、伺います。
平成24年と本年11月末までの救急車の搬送人員と、その中で不適正利用に該当すると思われる人数割合についてお示しください。
また、通報により救急出動したものの不適正利用と判断された場合は、どのような対処をしているのかもお聞かせください。
一昨年10月、山形市では、救急車の出動要請があったとき、職員と通報者のやりとりで緊急性がないと判断し、タクシーで病院へ行くことを勧めた結果、10日後に自宅で死亡しているのが発見されたという事案がありました。消防本部の対応と死亡の因果関係は不明とのことですが、損害賠償請求訴訟にまでなっていると聞いています。
その山形市では、本年5月から2,175万円の予算を計上し、近隣3市町で民間の電話健康相談事業会社に業務委託して24時間健康・医療相談サービスを開始し、その会社のサービスを利用している全国65市町村の中で唯一、緊急度によっては相談者の電話を直接119番へ転送しており、導入1か月で948件の相談が寄せられ、うち5件が119番へ転送されるなど、住民からは、気軽に相談できるサービスがあるのは安心すると大変に喜ばれているといいます。
このようなサービス事業の導入は、山形市だけではなく、全国各地の自治体で行っており、救急車の不適正利用の防止を含め、市民生活における安全・安心の実現を図るため、医療のみならず、健康、育児、介護、そして心の悩みまで幅広く、24時間・年中無休、通話料・相談料無料で受け付けるといった内容で自殺予防対策にも一役買っているとのことです。
確かに、この種の事業として北海道では子供の急病やけがに対応する小児救急電話相談があり、小樽市民も多く利用しておりますが、残念ながら24時間の受付体制にはなっておらず、限られた時間のみの対応となっております。
健康の不安は、大人も子供も関係ありません。そこで、ぜひ我が小樽市でも、全市民を対象に24時間対応での健康医療相談サービスの導入をしていただきたいと思いますが、御見解をお聞かせください。
また、札幌市でも、救急医療のみで、さらに通話料はかかりますが、本年10月1日より救急安心センターさっぽろを開設したと聞いております。24時間365日受け付け、看護師が聞いた症状から緊急度を判断し、緊急性が高いと判定した場合は、山形市と同様に緊急搬送に引き継ぎ、緊急性が低い場合は医療機関を案内するなどの助言をし、多いときは1日80件、平均50件の利用があるとのことです。少子高齢化や核家族化など社会構造の変化により、育児や介護など、家族の負担が増えています。
また、救急体制を維持していくためには、軽症患者が夜間や休日に救急外来を利用するコンビニ受診や緊急性の認められない救急出動の減少が求められています。もし小樽市単独事業での対応が困難であれば、後志管内市町村の広域での対応や、また当面は小樽市単独で札幌市同様、救急医療相談のみでもよいですから、実現に向けての検討を要望するものです。市長の御見解を伺います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、24時間健康・医療サービスの導入について御質問がありました。
初めに、救急車の不適正利用についてですが、まず救急搬送における不適正利用の状況につきましては、平成24年が搬送人員5,557人に対して112人、2.0パーセント、本年11月末まででは、搬送人員5,309人に対して103人、1.9パーセントとなっております。
次に、不適正利用者への対処についてですが、救急出動により傷病者と接触した段階では、その傷病の程度を救急隊員が正確に判断することは困難なことから、全ての傷病者について医療機関へ搬送することとしております。
次に、医療の電話相談窓口の設置についてですが、まず全市民を対象とした24時間対応での健康医療相談サービスの導入につきましては、本市での導入は考えておりませんが、現在、医療機関や各種相談機関が対応できない夜間や休日等の時間帯について、北海道では小児救急電話相談事業、こころの健康電話相談などを実施しております。本市といたしましては、これらの事業の利用促進について周知を図ってまいります。
次に、本市単独事業での対応が困難な場合の、後志管内町村との広域による対応の検討につきましては、特に医療相談の場合、受入れ医療機関との関係が発生しますので、二次医療圏の体制整備を担っている北海道が事業主体となるべきものと考えております。
また、本市単独での救急医療相談に限定したサービス導入の検討につきましては、本年10月から開始した札幌市が、今後、札幌医療圏や本市を含む道央医療圏の希望する自治体に拡大していく考えがあるとの報道がありましたので、本市といたしましては、今後、札幌市の動向を注視してまいりたいと思います。
○議長(横田久俊)次に、第6項目めの質問に入ります。
(「議長、9番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)9番、松田優子議員。
(9番松田優子議員登壇)
○9番(松田優子議員)最後に、小樽市非正規職員について伺います。
総務省が4年ぶりに行った、平成24年4月1日時点における全国自治体の非正規職員数を調べた、臨時非常勤職員に関する調査のデータを基に、北海学園大学川村准教授が集計した結果、道内自治体職員全体に占める非正規職員の割合が15パーセントを超えているとの新聞報道が先日ありました。それによると、道内179市町村の中で、非正規職員の割合が一番高かったのは、上川管内東川町で58.4パーセント、正職員より非正規職員のほうが多かったのは4町あったといいます。
そこでお聞きいたします。
小樽市が総務省に報告した平成24年4月1日時点での非正規職員の人数と全職員数に占める割合を、前回行った4年前の調査の数値との比較でお示しください。
また、嘱託員の勤務形態も各自治体によってさまざまなようです。
そこで、さらにお聞きいたします。
小樽市における嘱託員の勤務形態をお示しください。
なお、嘱託員の報酬には月額報酬の方と日額報酬の方がおりますが、これはどういったことによる区分なのかもお示しください。
日額報酬が適用されているある嘱託員の方が語っておりました。今年度の年末年始は暦の関係で例年より休みが多いため、日額報酬の方には影響がかなりあります。例年休みが多い5月と1月は給料が少なくて困ると語っておりました。同じ日数休んで報酬が少なくなる嘱託員とそうでない嘱託員がいるのは違和感があります。嘱託員の報酬を全員月額報酬にはできないのか、お聞きいたします。
また、小樽市では嘱託員の任期は大体1年更新です。先ほどの嘱託員の方も、年度末の更新時期になると、来年度もまだこの仕事があるのだろうかと不安になるといいます。しかし、この任用条件を承知した上で採用されているのだからと自分を納得させているといいます。
現在、小樽市における嘱託員の中で、在職年数が最長の方はどのくらいになりますか。
小樽市でも嘱託員が配置されている職場は数多くあり、在職年数が長くなれば正職員より仕事に精通しており、その職場でなくてはならない存在になっています。とにかく、どこの自治体も非正規職員なしでは成り立たないのが現状です。今後、市は一人一人のモチベーションを高めさせながら、いかにして職への誇りを持っていかせられるかが問われていると考えます。このことについて市長の御見解をお聞かせください。
以上、再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、小樽市非正規職員について御質問がありました。
初めに、職員全体における非正規職員の割合についてですが、平成24年4月1日の総務省の調査における本市の非正規職員数は、前回の20年4月1日の調査との比較では、同数の487人でありましたが、全職員に占める割合は、正職員の数が前回に比べて減少したため、前回の20.5パーセントから1.4ポイント増加し、21.9パーセントとなっております。
次に、嘱託員の勤務形態についてですが、本市嘱託員の雇用形態は、週29時間の範囲内で、それぞれの職場における業務実態等により、週の勤務日数や1日の勤務時間が多岐にわたっておりますが、雇用者数の多い事務補助の例で申し上げますと、勤務日数は週5日、週の労働時間は29時間であり、更新は年度ごとで行っております。
次に、嘱託員の報酬の支給区分につきましては、嘱託員の報酬は日額での支給を基本としておりますが、医師、外国語指導助手、各種相談員など、特殊な業務に従事する場合は、月額としているものであります。
次に、嘱託員の報酬につきましては、月額報酬の算定に当たっては、日額報酬と同じ年間の稼働日数を12か月で除したものをベースとしております。したがいまして、日額報酬の場合、月の稼働日数によって支給額の増減があるとは思いますが、年間の総支給額では、月額報酬者に比べ、不利なものではなく、これまでどおり日額報酬を基本としたいと考えております。
次に、最も長く勤務している嘱託員の年数につきましては、交通指導員として勤務されている方で35年となっております。
次に、嘱託員の職への誇りの見解につきましては、市に勤務する嘱託員は本市の市政運営のための大切な人材として日々業務に従事していただいていると認識しており、スキルアップのために市の内部研修に加え、必要に応じ外部の研修にも参加させているほか、処遇面においては嘱託員の組合とも協議しながら改善を図ってきております。
今後とも、本市の市政運営の一翼を担う職員としてモチベーションを持って業務を遂行できるよう、環境の整備に努めてまいりたいと考えております。
(「議長、9番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)9番、松田優子議員。
○9番(松田優子議員)2項目めの特別地域加算の記載漏れに伴う補正額について再度確認させていただきたい点がありますので、お聞きいたします。
先ほど、過疎地域として公示されることにより、影響があるところはなかったのかということでお聞きしましたけれども、この特別地域加算制度以外のところで、公示になったことによって影響があった部署はなかったのかということと、それからもう一点、事業者から指摘があったときに、特別地域加算制度があるということは知っていたが、受給者証に表示しなかったからと、先ほど御答弁がありましたけれども、それは受給者証に表示しなかったということ、それから特別地域加算があるということは事業者には説明したのでしょうか。ただ単に受給者証に記載されなかったことによって事業者は1回目の指摘があったときに請求しなかったのでしょうか、この点についてお聞きいたします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)福祉部長。
○福祉部長(三浦波人)特別地域加算に関して事業所から指摘があったときのことでございますけれども、私どもとしては、事業者からの問い合わせによりまして、特別地域加算に関する請求があれば支払うというような理解はそのときに持ったのですが、そもそもこの仕組みとして、最初に受給者証に特別地域加算である旨を記載して事業所に周知する、それがあって初めて事業所が市に請求できるという全体像への理解が足りなかったということでございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)総務部長。
○総務部長(迫俊哉)松田議員の再質問にお答えいたします。
今の特別地域加算との関係で他への影響はなかったのかというお尋ねでございますけれども、当時の企画政策室から、財政課も通じて、各部局に過疎地域として公示されたことについて周知いたしましたが、この問題以外に特に影響があったという事実はございません。
○議長(横田久俊)松田議員の会派代表質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時18分
――――――――――――――
再開午後2時45分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、会派代表質問を続行いたします。
(「議長、18番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)18番、山口保議員。
(18番山口保議員登壇)(拍手)
○18番(山口保議員)民主党・市民連合を代表して、質問をいたします。
今年9月の第3回定例会では、カジノ誘致の是非をめぐり各会派から質問がなされ、理事者や賛同される方々はおおむね本市観光の新たな魅力の創出につながり、特に海外からの来訪者の増加や宿泊客の増加につながり、本市経済の活性化に資するとの御意見と承りました。一方で、カジノ誘致に疑念を持たれる方々は、未成年への悪影響、周辺で予想される犯罪の多発、ギャンブル依存症など、市民社会への悪影響を指摘されていたと記憶しております。
私は、平成20年第4回定例会一般質問において、次のように述べさせていただいております。
「私はなぜ私たちのまち小樽でカジノ誘致なのか理解ができません。小樽運河保存運動以来、市民の手によるまちづくりを旗印に、先人の残された貴重な歴史遺産を再生し、その落ちついたたたずまいを資源とし、全国有数の観光都市へと変貌を遂げ、水と緑と歴史のまちづくりを真っすぐに突き進み完成させていくことが、このまちを再生させる唯一の道だと信じて、今もその活動の中に身を置かせていただいている私にとっては、断じて認めがたいものであります。先般の本市観光都市宣言もそうした理念を推し進め、都市としての品格をより高め、多くの小樽ファンともいえる訪れる観光客と小樽市民が、このまちの歴史や自然や文化を通して交流をしていただくことが、小樽観光の質を高め、ひいては目指すべき滞在型観光につながっていく、そうした本市観光の目指すべき道を全国に向かって高らかに示したものではなかったでしょうか」。こう述べさせていただいております。理念なき観光は早晩見放され、破綻すると申し述べたわけであります。
本市の観光は小樽ファンともいうべき多くのリピーターに支えられてきたことは、皆さん御承知のとおりであります。そうした方々の多くは、本市のカジノ誘致の動きをお知りになれば、驚き、失望されるに違いありません。
また、小樽ファンが支えるふるさとまちづくり寄附条例による基金に、これまで総額で1億円にも上る寄附を寄せていただいた多くの市民や市外、道外の方々も同様の思いでおられると思います。
市長も平成23年第2回定例会、市長の任につかれるに当たり、所信をこのように述べられております。「本市は、北海道の開拓とともに発展する中で、昭和の初期までに築かれた貴重な歴史的文化遺産を有し、豊かな自然環境とともに情緒あふれるまち並みは、そこに住む人はもとより、訪れる人々を魅了してきました。このような小樽特有の財産を守り育み、市民一人一人が一層、愛着を深め、さらに誇りを持って暮らすことができるまちづくりを進めるとともに、他の都市にはない小樽の魅力を幅広く効果的に情報発信していくことにより、小樽を訪れる人、さらには新しく移り住む人々を増やすなどし、『魅力ある生活都市の創造』を進め」、本市の活性化にそしてつなげると表明されております。
このように市長が所信で述べられ、また、小樽市自治基本条例の前文で述べられているように、本市の特質を市民とともに守り育んできた数十年のまちづくりの努力が今日の小樽ブランドの形成につながり、また本市の観光を支え続けてきているのではないでしょうか。観光とは、その国の光を見るということであります。私は、カジノ誘致はそうした本市の積み重ねてきたブランド力をおとしめ、また本市のイメージを傷つけ、本市観光にも大きなダメージを与えるものとして認めることができないのであります。
先般、開催されました小樽市議会主催の市民と語る会においても、銭函、稲穂の2会場とも市民の皆さんから熱心な質問がなされましたが、銭函では約半数が、また稲穂ではほぼ9割がカジノ誘致にかかわるもので、そのほとんどが見識を疑うといったものでありました。大きな反対運動が巻き起こる予感がいたしております。私からも、この場をおかりしまして、くれぐれも市長の慎重な対応をお願いするものであります。
先般の市民と語る会では、本市の観光も年々魅力が乏しくなってきているのではないか、色内通りの電柱の地中化による環境整備とか、予算を集中してやるべきことがある、将来に向けてもっと大きなビジョンに立った議論をしてほしい、そうした意見を述べられた方もいらっしゃいました。本市の特質を生かしたまちづくりが目に見えて進展していないことへのいら立ちが感じ取られた次第であります。
当議会でも、本市のまちづくりについて、これまでさまざまな議論や提案がなされ、平成16年以降、例えば小樽市緑の基本計画、小樽市観光基本計画、小樽ファンが支えるふるさとまちづくり寄附条例、小樽港将来ビジョン、小樽の歴史と自然を生かしたまちづくり景観条例の特別景観形成地区の範囲の拡大、小樽市屋外広告物条例の制定など、行政の皆さんと議会が一体となり、計画や条例となって結実をいたしております。そして、今後こうした計画をどう実効性のあるものにしていくのかが課題となっております。
いずれにしましても、市民の皆さんには目に見える形での変化が全てであります。そうした中でも、本市の代表的な都市遺産でもある幌内鉄道旧国鉄手宮線跡地整備については、一昨年の文学館・美術館の改修にあわせて前庭と手宮線との一体化や旧色内駅舎の復元に続き、本年7月から跡地整備事業に着手され、これまで中央通から臨港線までの約400メートル及び臨港線から手宮側約200メートルの整備は完了されました。私も先日歩いて見させていただきましたが、大変シンプルでレトロな雰囲気を感じさせる、よい整備をしていただいたと評価いたしております。今後、樹木の配置など課題が残されていると感じました。花壇や樹木などについては、市民の皆さんに働きかけをされ、ぜひ協働事業としてさらなる整備を要望したいと思います。
残り国指定重要文化財旧手宮鉄道施設までの約500メートルにつきましては、平成26年度、27年度の2か年で整備を完了すると伺っております。この区間は、北運河や国指定重要文化財旧日本郵船株式会社小樽支店、運河公園、また市指定歴史的建造物の石造倉庫等に隣接し、また何よりも旧手宮鉄道施設につながる重要な整備事業となります。この事業が沿線の再生につながり、本市観光の新たな魅力づくりにつながることを願うばかりであります。
私は、かねてより北運河や北小樽地区の核となるべき施設は、旧日本郵船小樽支店と運河公園はもちろんでありますが、旧手宮鉄道施設だと考えてまいりました。周知のように、この施設は北海道鉄道発祥の地であり、国指定重要文化財旧手宮鉄道施設があります。屋外に多くの鉄道車両が展示されておりますけれども、傷みがひどく、ボランティア市民の皆さんの手でペンキ塗りなど補修が行われていることは承知をいたしております。私は、いずれ展示車両の入替えの時期が来るものと考えております。一つ一つの車両の保存状態や鉄道車両としての史料的価値の評価、整理など、必要になってきているのではないでしょうか。
以上、長々と引用させていただきましたが、この中で述べられておりますブルートレインのカシオペアや北斗星は、平成27年度末の北海道新幹線の開業に合わせて全面廃止が決まったと聞いております。北斗星の各車両は、JR東日本とJR北海道のそれぞれの所有と伺っております。カシオペアや北斗星の一部は、海外に売却の予定ともお聞きいたしました。これらのブルートレインは鉄道ファンにも大変人気があり、先ほど引用させていただきました構想とは別に展示車両としても魅力があります。また、北海道鉄道の発祥の地であり、ゼロマイル地点でもあるこの旧手宮鉄道施設にふさわしい車両であり、また残されるべき車両でもあるのではないでしょうか。譲受けが可能であるなら、ぜひ導入に向け御検討いただけますよう要望いたしておきます。
また、折しも商工会議所を中心に本市も参加されている北運河および周辺地域観光戦略プラン策定委員会が発足され、精力的に議論が重ねられていると伺っております。こうした私どもの議会での議論もぜひ生かしていただきますよう、お願いをいたしておきます。
代表質問としては少し細部の話で恐縮でありますが、運河公園の整備について気になっている点がありますので、お尋ねいたします。
平成20年、21年と運河公園の札幌側遊歩道部分の改修工事が行われております。市の費用負担が発生しない業者の新たな製品のサンプル工事ということで行われたと工事後お聞きした記憶があります。素材は廃プラスチックを圧縮した平板ブロックとお聞きをいたしております。周囲の景観と比べて素材も色合いも大変奇異で、違和感があります。
運河公園は、本市景観条例の歴史景観区域にあり、公園の整備も運河の遊歩道と同じく石材や鋳物など、重厚な素材で行われたすばらしい公園であります。問題の歩道部分も、改修前は旧国鉄手宮線跡地整備で行われているような土を固める工法で行われていたと記憶いたしております。この公園は建設部の所管ではなく、当時の港湾部で景観条例を所管するまちづくり推進室との協議はなく、工事が進められたと推察いたしております。平成15年に市民の手により植樹をされたソメイヨシノも10年を経て木陰をつくるまでに成長し、近年は遠方からも子供を連れて自転車や水遊びをされている姿を目にするようになりました。近所の高齢者の方などもベンチでくつろいでいらっしゃいます。また、観光客の方々が写真を撮っておられる姿も目にいたします。本市を代表する歴史公園にふさわしい整備に戻していただきますよう要望いたしますが、御検討いただけないでしょうか。
これまでの経緯とお考えをお聞かせいただきたいと思います。
次に、天狗山のリニューアルについてであります。
天狗山は本市観光基本計画の中で小樽観光の重点地域の一つとして位置づけられ、近年、夜景眺望スポットとしてミシュランの一つ星として評価もされ、本市の滞在型観光を担う切り札としてその再生が注目されてまいりました。スキー場やロープウエーを運営する中央バス観光商事株式会社もロープウエーの更新を迫られていることにあわせて、リニューアルに向け本市及び小樽観光協会とともに天狗山観光推進検討委員会を立ち上げられ、平成23年、天狗山観光推進に向けた提言として再整備の基本構想をまとめ上げられ、議会にも報告をいただき、私も平成23年第4回定例会の代表質問において、基本構想について大変斬新で集客が十分期待できるものであり、早期の実現に期待する旨申し上げました。
先般、さきの基本構想を具現化し、事業化を視野に入れた「小樽の森」事業実現化検討報告書がまとめられたと伺っております。山麓エリア、山頂エリア、自然の村エリアを一つの事業会社でさまざまな事業を展開することが計画されております。主体はあくまで北海道中央バスでありますけれども、副市長が理事長として統括されていらっしゃいますおたる自然の村公社も計画に組み込まれていることから、本市観光振興室とともに計画策定に参加、尽力されているとお伺いいたしております。
この報告書に書かれておりますように、さまざまな屋外での体験メニューやツリートレッキングなど、私は自然の村公社の優秀な人材が1年を通して活躍していただけるものと期待するものであります。
市長は、平成23年第4回定例会における私の質問に対して、「この地域の活性化は、今後の小樽観光の振興に大きな役割を果たすものと考えておりますので、観光事業者だけでなく、本市も連携して事業を進めていかなければならないものと認識しております」と、大変前向きな答弁をされております。今後は事業者であります北海道中央バスの会社としての決断にかかっていると思います。私は、もうそろそろ市長の出番ではないかと感じております。トップ会談でぜひ実現への道筋をつけていただきたいと思いますが、市長の御決意をお聞かせいただきたいと思います。
さて、さきの市民と語る会でも、本市の景観の荒廃を指摘される意見を拝聴いたしました。特に、堺町かいわいのお話ではありませんでしたけれども、近年の堺町通りの屋外広告が写真製版されたカラー写真看板であふれ、落ちついたまち並みのたたずまいであった、かつての面影が消え失せております。
本市では昨年、それまで適用されてまいりました北海道屋外広告物条例よりも厳しく規定された小樽市屋外広告物条例を定め、昨年7月1日をもって施行されました。今後、新しく設置若しくは更新される看板は条例に従っての設置が義務づけられますが、既存の看板については既存不適格のまま設置し続けられることになります。現在、市まちづくり推進課では、条例に照らして違反と見なされる既存不適格の看板がどの程度あるのか現況調査を行っているとお聞きしております。
堺町通り商店街は、本市と観光協会などの働きかけが実り、昨年7月5日、正式に商店街組合を発足されております。事業者全体の約3分の2の組織化にとどまっておりますが、本市商業労政課とも連携をされ、堺町ゆかた風鈴まつりなど、さまざまな催しが行われております。私は、まち並み景観の維持・保全は、結局は事業者自身の意思と努力にかかっているものと認識いたしております。しかし、本市観光はまだ日が浅く、まして自然発生的に形成され、共通の認識が醸成されるまでには時間を要するものと考えます。私は商店街組合が組織されたのを機に、まちづくり推進課が屋外広告物条例の理念や規則など普及版のパンフレットなどにまとめられ、現況調査の報告などを兼ねて堺町商店街組合の皆さんに粘り強く説明されるなどしていただければ、景観に対する認識が醸成される契機になると考えます。
また、私は、こうしたことは一度きりではなく、繰り返し行われてこそ効果が生まれるものとも考えております。そうした取組を検討していただきたいと思います。本市観光の中心地である堺町がかつての上品なまち並みのたたずまいを取り戻す努力がなされないまま放置されれば、悪貨が良貨を駆逐するとの格言のように、ますます景観は荒廃し、心ある観光客から見放され、衰退する、そうした事態は避けねばなりません。本市観光にとっても見過ごすことができない課題であります。御所見をお伺いいたします。
これまで述べさせていただきましたように、旧国鉄手宮線やその沿線、北運河やその周辺地区が環境整備され、天狗山の再生が実現し、あわせて計画されている小樽港第3号ふ頭の客船ターミナルとしての整備やその基部の環境整備が実現すれば、私は再び小樽観光は光を取り戻す、そのことができると確信する次第であります。
いずれにしましても、市長が就任冒頭で述べられましたように、本市の有する貴重な歴史的文化遺産や豊かな自然環境、情緒あふれるまち並みなど、本市特有の財産を守り育み、市民が誇りを持って暮らせるまちづくりを進める、このことこそ本市発展の王道であり、ようやく目に見える形で実現されようとしている本市の市民協働のまちづくりをカジノ誘致などという邪道にくみすることなく、真っすぐに進めていただけますよう、お願い申し上げまして、私の質問を終えさせていただきます。
なお、再質問は留保をいたします。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)山口議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、本市観光を中心としたまちづくりの戦略とその方向性について御質問がありました。
初めに、旧国鉄手宮線跡地整備と北運河、旧手宮鉄道施設のあり方についてですが、まず運河公園の歩道部の改修につきましては、運河公園は平成10年に供用を開始し、その後、歩道部に採用した土系舗装の劣化が進み、補修を検討していたところ、平成20年に市内リサイクル企業から樹脂製平板ブロック寄贈の話があったものです。本ブロックは耐久性が高く石畳模様で、石づくりを基調とした運河公園に使用が可能であると判断し、平成20年、21年の2か年でこのブロックを使用して市で補修いたしました。他の舗装材への置き替えについては、補修後間もないことや費用的なこともあり、当面考えておりませんが、運河公園が歴史景観区域内にあり、小樽港の歴史を伝える重要な施設でありますことから、今後とも歩道も含めて施設の補修が必要になった際には、使用する材料等について十分景観に配慮したものを選定したいと考えております。
次に、天狗山リニューアル構想につきましては、以前の御質問に対し、観光事業者だけではなく、市も連携して事業を進めていかなければならないと答弁しており、今もその認識は変わっておりません。
このたびの検討委員会からの報告は、小樽観光の振興策を広い視野から提案されているものであり、将来に向けた本市のまちづくりの観点からも重要であるものと捉えておりますので、その実現に向けて、私といたしましても、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、堺町通り商店街のあり方と屋外広告物条例についてですが、本市では、これまで主に建築物を対象とする景観条例によりまち並み景観の誘導を行ってきたところでありますが、これに加えて、昨年7月に屋外広告物を対象とする市独自の条例を施行し、より実効的なまち並みの景観の誘導が可能となったところであります。
しかし、屋外広告物が多い堺町通りのような商店街のまち並み保全を図るには、商店街組合などの事業者の皆さんとの協働が不可欠でありますので、まずは現地の実態を把握した上で、景観まちづくりに関する周知、啓発に取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)山口議員の会派代表質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後3時16分
――――――――――――――
再開午後3時40分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、会派代表質問を続行いたします。
(「議長、3番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)3番、中村岩雄議員。
(3番中村岩雄議員登壇)(拍手)
○3番(中村岩雄議員)第4回定例会に当たり、一新小樽を代表して質問させていただきます。
まず、小樽観光について伺います。
本市経済の活性化を呼び起こす起爆剤は何か。常日ごろより各地域の方々と触れ合ってきた中で思うこと、私が行き着いたのがやはり小樽観光のますますの発展こそが幾つかある大きなキーワードの最たる一つであるとの強い思いに立って何点かお尋ねしていきます。
平成24年度の観光入込客数の状況をはじめ、今シーズンに入り、最近に至る観光客の動向に注目してきました。東日本大震災後、国内外からの観光客の入り込み状況は、ここ小樽においても順調な回復基調にあることは、とりわけアジア圏を中心とした外国人観光客のにぎわいぶりを見て明らかと言えます。運河かいわいや堺町通りはもとより、まちなかの商店街においても、際立って目立つほどの増加傾向にあることを実感してきました。
こうした喜ばしい状況の中、これまで市長をはじめ、あらゆる関係者、皆さんによるさまざまなる精力的な誘致活動が実になってきたたまものと改めて敬意を表したいと思います。と同時に、先人が築いた小樽ならではの数々の魅力を今日に至るまでしっかりと守り続け、また、こつこつと磨き上げてこられた実に心ある多くの方々の御尽力があってこそと深く感謝の念でいっぱいであります。こうした礎があって、今日の小樽観光は我がまち小樽にとって、今や押しも押されもせぬ基幹産業に位置づけられることに何ら異論を挟む余地は見当たらないでしょう。小樽観光が、今後ますます前進していくべきと考えます。
そこで、観光の新たな魅力づくりについてですが、全国の自治体が観光振興でまちを活性化させようとさまざまな施策に取り組む中、競争に打ち勝ち、多くの観光客を誘致していくためには、常にまちの魅力を発信していく必要があるものと考えます。新たな魅力がなければ、いつかは飽きられ、観光客の減少にもつながってしまいます。また、現状のように、小樽運河や堺町周辺中心の短時間の観光であれば、小樽のよさを実感できないままとなり、消費にもつながらないのではないでしょうか。さらには旅行形態が団体周遊型から個人や家族連れ、グループ単位へと変化してきており、今後はますますその傾向が強くなるものと予想されています。これに伴い観光客の目的も多様化し、さまざまなニーズへの対応が求められており、特に国際観光を推進する小樽市にとっては、重要な課題であると考えています。観光客の多様なニーズに応えていくためにも、小樽運河や堺町だけではなく、新たな魅力ある観光エリアの創出や今までにはない切り口での観光資源の発掘が必要だと考えています。
小樽観光の象徴である小樽運河に昨シーズンより待望の運河クルーズが運航され、今期は利用客数が倍増以上になり、すこぶる好評であったとのことです。こうした実績は、大変多くの方々に今なお小樽にしかないまち並み風情を残す北運河の認知度をかなり高める結果を残したものと思うところです。それが来期に向けて一層その相乗効果が増すものと期待感を膨らませているところでもあります。
また、去る10月末には、小樽駅前中央通から北に向かう旧国鉄手宮線沿いに新たな散策路が一部オープンされたことにより、北運河周辺への回遊性が一段と高まる弾みがつくものとその思いを強くしております。この散策路は、2年後には北海道鉄道発祥の地へと結ばれます。まさしく小樽栄華を極めた小樽本物ずくめの手宮北運河かいわい、ここからまた新たな小樽が始まる、新たなビジネスチャンスが生まれる、こんな予感がしてなりません。今眠っている近隣の歴史的倉庫群も生き生きとよみがえってくるのではないでしょうか。そうしたことにより、北運河周辺一帯の時間消費型観光が大々的にクローズアップされることに伴い、宿泊施設の誘致といった新たな展開にまで動きが出てくることを切に願うものです。この北運河周辺地域に新たな滞在型観光の光があると信じてやみません。
そこで、お尋ねします。
今年度に入ってNPO法人OBMが北運河周辺の観光戦略プランづくりに着手したと承知していますが、どのような方向性を持った議論がなされているのか、その進捗状況とまとめ上げられる時期についてまずお聞かせ願うものです。
そして、何よりも小樽観光まちづくりのトップリーダーたる市長から、北運河周辺一帯の観光振興に向けての御所見を伺うものです。
次に、今話題とした北運河から北西方面へと少し足を伸ばすと、積丹ブルーにも遜色のない祝津海岸線を目にします。ここ祝津は、ニシン漁で開けた往時を忍ばせる独特のまち並みが連なる、いわゆる番屋通り沿い一帯は、かつての北前船から綿々とした小樽のまちの発展のそもそもの原風景として今日なお物語っております。この番屋通り沿いのすぐ間近には、この春閉校となった祝津小学校があります。今後この小学校の跡利用はどのような方向性をたどるのか、非常に関心があるところです。歴史ある祝津の地にあるこの建物の利活用について、これまでの間、地域関係者の方々からはどのような声が上がってきているのでしょうか、お知らせください。
この地域の歴史性から見て、祝津ならでは利活用策はないものだろうかと思案するところです。例えば、児童・生徒から大学生などに向けた、広く海洋体験型の宿泊施設に適しているのではないか、漁業に関する学習やマリンスポーツなどの拠点として絶好の場所ではないでしょうか。あえて御提案を申し上げました。ぜひとも早急に有効活用策を見いだす必要があるものと考えます。小樽市としてどのようなお考えを持っておられるのか、お尋ねいたします。
さらに、まちめぐりを進めます。
小樽のまち並みを俯瞰する天狗山に向かいます。天狗山、おたる自然の村周辺一帯の再開発を目指す新たな「小樽の森」構想についてお伺いいたします。
これまで小樽市や中央バスなど関係者により、るる協議が進められてきたと承知しております。この構想について、このたび私としては時期的にもそろそろ全体像が見えてきたのではと質問するやさきに報告書が提出され、しかも新聞報道もなされ、いささか驚いているところです。そのため、質問内容を一部変更せざるを得なくなったわけですが、この際ですから、さらに詳しく内容を理解いたしたく、丁寧な御答弁をお願いするものであります。あえて申し上げます。
報告書を受けて、今後の具体的な作業の進め方や最終決定される時期など、その見通しについて最初にお伺いいたします。
かつては全国のスキーのメッカとして名をはせた天狗山スキー場です。しかしながら、少子高齢化社会が進む中、今後ますますスキー人口の減少化はこのままいくと避けられない厳しい状況下にあるだけに、このたび上げられた「小樽の森」構想に、なおさらのこと注目するところであります。
こうした社会背景の中にあって何よりも知りたいことは、通年型観光の集客拠点として成り立っていくのかという点です。いかに人を呼び込む魅力を有するか、お示し願うものです。
現在、小樽市の施設である自然の村は、指定管理者によって運営されていますが、今後どのような位置づけとなるのか、その方向性について、あわせて専門学校誘致のことがうたわれていますが、その実現性についてもお聞かせ願います。
報告書によると、経営主体が見えてきません。最も重要と思われるその本体の姿はどこにあるのでしょうか。誰が担っていくかがこの構想の現実性を色濃くし、広く市民への説得力も増すものと考えるからです。ぜひともお聞きいたします。
また、報告書では、公的資金の導入も検討する必要があると示されています。このことは小樽市としても経営参画するといったことが想定されているのかどうか、やはりこの場面でお聞きしておかなければなりません。
この項の最後としますが、このたびの報告書は、経営上の採算性があると見越して公表されたものと受け止めました。最も肝心な今後の経営計画です。この点についても伺っておきます。
いずれの項目についても、わかりやすくお知らせください。
さて、小樽のまちめぐり、いよいよ最後のエリア、小樽の奥座敷として位置する朝里川温泉郷に到着しました。小樽にとってなくてはならない四季折々の絶好のアウトドア志向派のリゾート地であり、閑静なたたずまいにあって広い年齢層にとって身も心も癒やされる保養地でもあります。まちなかからこれほどまでに近い温泉郷はそうざらにはないと言っても過言ではありません。この優位性をもっともっと訴えるべきではないかと考えます。そして、ずばり札幌圏からも極めて至近距離にあるこの朝里川温泉エリアを今後どのようにさらなる活性化を目指すお考えか、地元温泉組合の御意向もあわせ、御所見を伺うものです。
次に、国内外からの観光客誘致にかかわってお伺いします。
大きく2点に絞ります。
クルーズ客船と国際観光についてです。
最初に、クルーズ客船への対応についてお尋ねします。
小樽港がクルーズ部門で日本海側拠点港として国に指定された中、実に多くの観光客が小樽のまちへと次々にタラップをおりてくる姿は圧巻で、小樽市内、まちなかへの経済波及効果も目にする以上にあったのではと推測するところでもあります。さらに、来シーズンは小樽港に寄港するクルーズが相次いで商品化される中、小樽観光がますます世界各国にクローズアップされていくことに間違いありません。これまでにも増して、絶好のビジネスチャンスです。来シーズン小樽港に寄港するクルーズ客船はどれほどの回数が決まっているのでしょうか、最初にお知らせください。
さらに、小樽を訪れる多くのクルーズ乗船客に小樽観光を楽しんでもらえる取組が必要と思われます。それには何よりもまず、埠頭での歓迎やオール小樽による受入れ態勢に取り組む必要があるものと考えますが、どのような対策を練っておられるのか、ぜひともお伺いするものです。
続いて、国際観光に質問を移します。
海外から訪れる観光客が増加傾向にあり、順調に推移しているとのこと、特に東南アジア圏からの来道客数が飛躍的に伸びている状況にあると連日のように新聞などで報じられています。そうした中にあって、先般、本年度上半期における本市への観光入込客数が公表されました。外国人観光客の状況については、やはりすこぶる増加したとの喜ばしい報告ですが、この追い風傾向は今後とも引き続き伸びていくのか、どう捉まえているのか、お考えをお聞きいたします。
次に、あえて投げかけいたしますが、市内の観光スポットや商店街での飲食店、土産屋の対応で、気にかかっている点についてであります。
それは、飲食メニューや商品の案内などで、外国語が表示されていない店が見受けられることです。これだけ海外から訪れてくれるまでになった小樽観光です。今や外国語表記のみならず、国際観光都市としての受入れ態勢をより進めていく取組が求められると思われますが、いかがでしょうか、お尋ねいたします。
この項最後の質問とします。
外国人観光客の誘致活動については、今後さらなる精力的な展開が望まれるところです。来年度に向け、どのような戦略を組み立てていくのか、そのお考えを伺います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)中村議員の御質問にお答えします。
ただいま、小樽観光について御質問がありました。
初めに、新たな魅力づくりについてですが、北運河に関して、まず今年度NPO法人OBMが着手している「北運河および周辺地域観光戦略プラン」につきましては、本年6月に本市がその策定業務を委託したもので、市民と観光客の交流をキーワードとしてエリアの基本戦略のほか、ゾーンごとのプランなどについてOBMが組織した策定協議会で議論しており、現在、部会での検討を終え、まとめの協議を進めている段階と聞いております。来年3月末には成果品として報告書の冊子と映像DVDが市に提出されることになっております。
次に、北運河周辺地域の観光振興につきましては、北運河周辺地域は建設当時の幅40メートルの運河水面や旧日本郵船株式会社小樽支店をはじめ、石造倉庫などの歴史的建造物が現存し、昔ながらの風情が残っている本市観光にとって貴重なエリアであると認識しております。
また、運河クルーズの運航や平成27年度完成予定の旧国鉄手宮線などのエリアの動線整備も進んでいることから、北運河周辺の観光振興を図ることにより、観光客の回遊性を向上させ、本市の目指す時間消費型観光を一層推進してまいりたいと考えております。
次に、祝津に関して、まず旧祝津小学校の利活用に対する地域関係者からの声につきましては、祝津が持つ地域資源を生かした新たな観光ビジネスモデルの構築を検討しているプロジェクトチームやNPO法人おたる祝津たなげ会が祝津地区の活性化に取り組んでいることから、市といたしましても、これまで何度か御意見を伺ってまいりました。その際、地域の活性化につながるような利活用を検討してほしい、また市の管理の下で利活用する際には、建物の一部を地域コミュニティ活動の場とすることも考慮してほしいといった意見が出されております。
次に、旧祝津小学校の活用策に対する市の考え方につきましては、現在、平成24年3月に策定いたしました学校跡利用の基本的な考え方に沿って、旧祝津小学校の活用策の検討を進めておりますが、祝津地域は海に面し、小樽市鰊御殿やおたる水族館などの観光資源を有しており、小樽市観光基本計画では、これらの地域特性を生かし、観光の振興を図っていく地域としております。市といたしましては、今後とも関係者の御意見を参考にしながら、地域の活性化につながるような利活用を検討してまいります。
次に、天狗山に関して、まず「小樽の森」事業実現化検討報告書を受けた今後の具体的な作業の進め方や最終決定される時期などの見通しにつきましては、引き続き「小樽の森」構想実現化に向けた検討委員会で協議していくこととなりますので、現時点では具体的な内容や時期などについて示すことはできません。
次に、「小樽の森」構想における人を呼び込む魅力につきましては、報告書によりますと、今までにない新たな魅力を持つ天狗山地域というイメージの下、遊ぶ、学ぶ、感じるをキーワードとした事業を山麓、山頂、自然の村の三つのエリアで展開することにより、市民や観光客を呼び込もうというものであります。
具体的には、特に山頂エリアに力を入れ、レストランや売店をデザイン性や質を高めてリニューアルするほか、人気が高まっているツリートレッキングやジップラインなどの野外活動施設を新設し、さらには小樽の森らしい宿泊事業として、豊かな自然の中でゆったりと時間を過ごすテントリゾートを設けるなどのプランが提案されております。
次に、「小樽の森」構想におけるおたる自然の村の運営につきましては、報告書によりますと今後も本市が施設を保有し、小樽の森全体の事業展開を行う新たな経営主体が指定管理者となり、天狗山事業と一体的に運営することが提案されております。
また、専門学校誘致の実現性につきましては、将来的に小樽の森でアウトドアの指導者を育成することを目的としており、その際、新たに学校を設立するよりも国内のアウトドア専門学校や道内にある専門学校を経営する学校法人などと提携するほうがより実現性が高いと報告されております。
次に、「小樽の森」構想における経営主体につきましては、報告書によりますと、新たな経営主体が想定されており、今のところ具体的には特定されておりません。
次に、小樽の森への市の経営参画につきましては、報告書によりますと、公的な事業資金融資制度の活用などを検討するということであり、現在のところ市が小樽の森の経営に直接参画するということは考えておりません。
次に、「小樽の森」構想の今後の経営計画につきましては、報告書ではロープウエーやレストラン、宿泊などの各事業についてさまざまな項目の収支を試算し、採算性があると分析されておりますが、経営計画は新たな経営主体が報告書などを基にして策定すべきものと考えておりますので、現段階でお答えできるものではありません。
次に、朝里川温泉に関して朝里川温泉エリアのさらなる活性化につきましては、平成17年3月に産学官で小樽経済の活性化について検討した観光クラスター研究会「小樽ゆらぎの里」がまとめた朝里川温泉地域観光振興プランに基づき、朝里川温泉組合と協力しながら、健康をテーマとした振興策に取り組んでいるところであります。温泉組合としては、マラソン大会の開催やスキー合宿の誘致を行うほか、観光協会などと連携して乳酸菌入りリキュール酒を開発しており、各ホテルでは乳酸菌を活用した宿泊プランを展開しております。市といたしましても、札幌圏の至近距離にあるという利点を生かしながら温泉郷の活性化につながるよう健康分野での取組を支援してまいりたいと考えております。
次に、観光客誘致についてですが、まず来年の小樽港へのクルーズ客船の寄港回数は、現在、発表されているものでプリンセス・クルーズ社のサン・プリンセスが13回、ダイヤモンド・プリンセスが7回と同社だけで20回の寄港が決定されております。これに加え、現在、他の国内外船社からも寄港打診が寄せられておりますので、寄港回数は合計として30回台の後半になるものと見込んでおります。
次に、クルーズ乗船客の歓迎体制や受入れ態勢につきましては、これまでクルーズ客船の寄港に合わせて、埠頭では小樽クルーズ客船歓迎クラブによる出迎えや関係者による歓迎セレモニーのほか、臨時開設した観光案内所や物産販売所ではボランティアによる観光案内やクーポンの配布、観光協会などによる小樽産品の販売、さらには潮太鼓保存会の打演による見送りなども実施してまいりました。また、本年4月に設立した小樽港クルーズ推進協議会での議論を踏まえ、観光協会を通じ、市内観光事業者に寄港情報の提供を行ったことから、店頭にクルーズ客船歓迎の表示を掲げるといった動きが見られたほか、8月には東京において、地元旅行代理店が作成した小樽・北後志の魅力を盛り込んだ着地型旅行プランを在京の船会社や旅行会社などにPRしたところであります。
いずれにいたしましても、来年度は過去最高のクルーズ客船の寄港が予定されておりますので、官民一体となり、一層の歓迎体制、受入れ態勢の充実に努めてまいりたいと考えております。
次に、国際観光に関して、まず今年度上期において大幅に増加した外国人宿泊客の今後の見通しにつきましては、為替相場の変動や外交関係などといった不確定な要素はありますが、10月から新千歳空港とバンコクとの直行便が毎日運航となったことや、来年2月から新たに中国広州との直行便就航も予定されていること、さらには台湾や香港からの観光客も依然として好調なことから、来道外国人は全体として増加する傾向にあると言えます。したがいまして、本市の外国人宿泊客も現時点では増加傾向にあるものと考えております。
次に、国際観光都市としての受入れ態勢を進める取組につきましては、今年度新たにタイ語のマップを作成したほか、昨年度運河プラザ内に設置した国際インフォメーションセンターでは、英語、中国語、韓国語での問い合わせに対応するとともに、市内観光施設等からの飲食メニューや商品の案内表示などの翻訳を行っているところであります。
また、観光協会では、一昨年から観光事業者などを対象として、直接接客に役立つ外国語講座を開催しており、今後とも観光協会と連携して外国人受入れ態勢の充実に努めてまいりたいと考えております。
次に、来年度に向けた外国人観光客誘致の戦略につきましては、バンコクとの直行便が毎日運航となり、今後ますます観光客の増加が期待されるタイに向けて今年度に引き続き、プロモーション活動に力を入れるとともに、後志の町村や札幌市などとの連携を一層強めながら、MICE事業への取組を進めてまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、3番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)3番、中村岩雄議員。
(3番中村岩雄議員登壇)
○3番(中村岩雄議員)本市経済の活性化を呼び起こす起爆剤としてのキーワード、中松市長も重点施策の一つとして力を入れている企業誘致についてお聞きします。
昨今の企業立地トップセミナーの開催や企業立地促進条例の改正など、新規の進出企業の発掘のみならず、誘致促進策に加えて、既存企業に対する支援策を盛り込むなど、小樽市の産業振興に結びつく施策に積極的に取り組んでおられます。こうした施策の実施が、近年、大手企業の新工場などの建設や操業、さらには本市への新たな工場立地計画の発表など、企業誘致と既存企業の規模拡大という成果を生んでいるものと思っております。このような企業立地は新たな雇用が生まれるとともに、税収効果や他の企業への波及効果など、さまざまな好影響が本市にもたらされるものであり、また中松市長の企業誘致における積極的な姿勢は対外的なアピールにもつながっているものと考えております。
まず、企業立地トップセミナーについてお伺いいたします。
小樽市で初めての試みとして昨年度には東京でトップセミナーを開催し、今年度は大阪においてセミナーを開催されております。新聞報道などでもセミナーでは市長みずからが先頭に立ち、小樽の魅力を存分にPRされたと報道されており、大変に心強く感じております。
そこで、今回、大阪で開催したトップセミナーの概要と何か特筆すべき事項があればお知らせください。
また、企業の参加状況や参加企業の感想などについてお聞かせください。
さらには、今後の企業誘致に向けての戦略感などをお聞かせください。
次に、小樽市企業立地促進条例についてお聞きいたします。
本年4月には企業立地促進条例を一部改正し、企業の誘致対策の強化も実施され、積極的に取り組んでおられます。近年、新たな工場の建設や新規企業の小樽進出のニュースをたびたび耳にしており、私も大変うれしく思っておりますし、今後も大いに期待しているところであります。
そこで、こうした企業誘致策における成果と今後の展望について市長のお考えをお聞かせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、企業誘致について御質問がありました。
まず、今年の11月15日に大阪で開催した企業立地トップセミナーの概要につきましては、第1部のセミナーでは兵庫県立大学の秋山准教授からの基調講演に始まり、その後、私のプレゼンテーション、最後に伊藤ハムデイリー株式会社の福来小樽工場長から立地企業プレゼンテーションがありました。また、第2部の名刺交換会では、小樽の地酒やワイン、あんかけ焼きそば、そして小樽ニシン漬けなどの小樽産品をはじめとした試飲・試食コーナーを設ける中で、参加企業の方々と和やかに歓談をさせていただきました。特に特筆すべきことにつきましては、道内の主要都市が東京でのセミナーを開催する中で、本市のように大阪での単独開催は少ないと聞いており、関西圏の企業に対し、本市の魅力をPRする大きな足がかりになったものと考えております。
次に、企業の参加状況や参加企業の感想などにつきましては、製造関連や物流関連を中心に40社の参加があり、本市が道内最大都市である札幌市に隣接する地理的優位性や交通アクセスの利便性、そして今後も大きな地震に見舞われる確率が極めて低いことに関心を示す声が多く聞かれました。
次に、今後の企業誘致に向けての戦略感につきましては、近年、本市に集積の進む食品関連企業や、この業種から波及効果が期待できる物流関連企業の誘致を中心に取り組んでまいりたいと考えております。企業立地は地道で粘り強い取組が必要でありますので、今回のトップセミナーを契機として新たにつながりができた企業に対し、今後ともできる限り私みずからが訪問し、直接お会いする中で、本市への企業誘致の可能性を高め、1社でも多くの企業が本市に立地していただけるよう努力してまいりたいと考えております。
次に、小樽市企業立地促進条例の改正に伴う企業誘致策の成果につきましては、本年4月の条例改正により工場等の新増設における固定資産税等の課税免除を拡充したことが追い風となり、銭函5丁目に横浜冷凍株式会社が冷凍冷蔵倉庫の新設を、北海道漁業協同組合連合会が製造工場の増設をそれぞれ決定され、現在、建設中であります。
さらには、現在、札幌市で立地操業している琴似製麺株式会社が銭函3丁目に工場の移転新設計画を決定しており、このことは同様に企業誘致政策の成果が着実に現れてきているものと考えております。
次に、今後の展望につきましては、この条例改正により、本市の優遇制度が道央圏において最も手厚くなり、また、その成果も目に見えてきていることから、今後においても積極的に企業誘致に取り組んでいく中で、さらに本市への企業立地が促進されるものと期待しているところであります。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、3番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)3番、中村岩雄議員。
(3番中村岩雄議員登壇)
○3番(中村岩雄議員)それでは、中心市街地における新たなる医療・福祉ゾーン計画についてお尋ねします。
公的新病院の誕生が続々と始まりました。済生会小樽病院、小樽市立病院、小樽掖済会病院です。その中でも、小樽掖済会病院は北海道の消化器センターとして中心的役割を担っており、このたびサンモール一番街、旧丸井今井小樽店跡に新築される予定です。小樽市中心部の新たな医療・福祉ゾーンの担い手として生まれ変わります。
平成25年11月4日の北海道新聞からの引用です。「小樽市中心部の旧丸井今井小樽店などが入っていた商業ビルが解体され、2015年夏に病院とサービス付高齢者住宅(サ高住)が開業する。まちなかで閉店した商業施設を医療・福祉ゾーンとして再生する試みは、高齢化が進む他都市のモデルケースにもなり得る。成功例とするために小樽市や経済界、商店街は、にぎわい復活に向けた周辺の環境整備に積極的に関与すべきだ」という記事が載っておりました。
以前より、こうした問題を取り上げ続けてまいりました。つまり高齢化率の非常に高い小樽市が再活性化し、市民の方々が生きがいや楽しみを持って生活できるまちづくり、地域と行政が手に手をとり、慢性疾患や認知症を持つ高齢者が安心して楽しく生きていくことができ、家族も幸せになれるまちづくりです。
旧丸井今井小樽店の商業ビルが開業した1990年に比べて、現在の小樽市の人口は約3万7,000人減り12万8,000人、高齢化率は34.1パーセントであり、18.4ポイント急激に上昇し、今後も高齢化率は上がり続けていきます。高齢化と空洞化は、全国の地方都市が抱える共通の課題です。空き店舗の増加など疲弊が進む商店街や商業施設の空き地を小樽市のように医療・福祉の観点から再開発するのは現実的な判断と言えます。小樽の事例を本当の意味で他都市のモデルとするためには、さらなる知恵が必要です。
札幌国際大学の都市社会学教授の飯田俊郎氏は、サ高住の入居者が近隣住民や商店街と交流するような仕掛けづくりなど、まちなかならではのアイデアが必要、行政の責任は大きいと指摘しています。東京の巣鴨の商店街がおばあちゃんの原宿と呼ばれるように、工夫次第で高齢者をターゲットにしたまちのにぎわい創出も期待できると言っております。
さらに、医療・福祉ゾーンの整備を進めることにより、最も大切な課題である高齢者の生きる喜びや楽しみ、また、高齢者同士のきずなやつながりを広げることができるでしょう。
ここに、前回私がお話しさせていただいた「認知症ハウス」の考え方が生きてくると思われます。これは認知症患者に限った考えではなく、高齢者全般に当てはまると考えております。高齢者に優しく、生活していて楽しい空間づくりを行政が前に立って行うべきであると考えます。
ここで大切なことは、健康な高齢者から慢性疾患や急性期医療を必要とする患者、認知症の高齢者を一つの相談窓口で交通整理をしながら受入先をわかりやすく導いていくことです。また、これらは日常生活自立支援や生活困窮者自立支援を必要とする方々の悩み相談から指導、自立のための適切なアドバイスや実際のバックアップなどについても、行政と民間が包括的に支援することを進めていくことが大事です。そして、これは年齢や病気の進行により状態が変化するため、今通っている施設や病院などからスムーズに移行できるシステムが大切であり、行政としての大きな介入が必要であると思います。
また、4か所ある公的病院の特色を生かしたネットワーク化、病診連携の重要性を考える必要があります。小樽のプライマリーケアを担う診療所と2次病院、専門病院との連携をさらに強め、診療分野や治療ステージごとの役割分担を行い、効果的な医療を行うことも必要でしょう。
そこで、最も注目されるのは、新たな医療・福祉ゾーンとしてのモデルケースとなる旧丸井今井小樽店の商業跡地です。ここには2次病院、専門病院としての小樽掖済会病院、サービス付高齢者住宅、1次病院、療養型病床を有した病院としての三ツ山病院、地域自治体としてのサンモール一番街、都通り商店街、花園銀座通り、商業施設として長崎屋や各商店が一体となり活性化を進めることが必要です。そのために行政の力が必要なのです。
そこで質問ですが、まず1点目、中心市街地におけるこの掖済会病院とサービス付き高齢者住宅を併設した新たな医療・福祉ゾーンについては、超高齢化社会におけるモデルケースになり得ると思っております。高齢化が進む本市において、中心市街地にこのような計画が進むことは、まちづくりの観点からも重要だと思いますが、市長の御見解を伺います。
順調に建設が進めば、平成27年夏には完成の予定と聞いています。現在、解体が進められていますが、建設計画の概要について承知している範囲でお聞かせください。
このサービス付高齢者住宅の中には、一般の方が利用でき、コンサートなども可能なレストランがつくられる予定と報道されています。サ高住の入居者が近隣住民や市民、商店街と交流するためには、具体的にどのような仕掛けが効果的とお考えですか、御提示ください。
これらの事業により、中心市街地の中核部に医療・福祉ゾーンが形成されることになりますが、一方、周辺の商店街では空き店舗が増加しております。中心市街地のにぎわいづくりのため、行政としてどのように関与していくのか、市長のお考えをお示しください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、中心市街地における新たな医療・福祉ゾーン計画について御質問がありました。
初めに、今回の中心市街地における医療と福祉が一体となった計画につきましては、人口の減少や少子高齢化が進む本市にとって、利便性の向上による来街者の増加や高齢者のまちなか居住といった高齢化時代に対応したまちづくりを進めていく上からも重要なことと捉えております。
次に、建設計画の概要につきましては、これまで報道されておりますとおり、稲一再開発ビルは来春までに解体工事を終え、更地となった旧小樽グランドホテルと旧丸井今井小樽店の跡地には、小樽掖済会病院が現在地から移転し、地上7階地下1階建て、病床数138床で新築され、平成27年夏に開院の予定と伺っております。また、旧マルサ棟の跡地には株式会社日本レーベンにより、地上9階建て72戸のサービス付き高齢者向け住宅が建設される予定と承知しております。
次に、サービス付き高齢者向け住宅の入居者と近隣等との交流のための効果的な仕掛けにつきましては、施設設置者が一般客も利用可能なレストランを施設内に設けるとのことであり、入居者の理解を得た上でレストランを会場とするコンサートなど、一般市民向けの催しが行われると伺っております。さらに、周辺商店街のイベント、町会の行事など身近なところへの参画を入居者の方々に呼びかけると聞いておりますので、市といたしましても、設置者と協力して入居者と市民との積極的な交流を促し、にぎわいのあるまちづくりにつなげていくことが大切と考えております。
次に、中心市街地のにぎわいづくりにつきましては、稲一再開発ビル跡地が医療・福祉ゾーンとして再生されることに対し、周辺の商店街は大変期待しており、各商店街では国の地域商店街活性化事業助成などを活用し、活性化に向けたさまざまな事業に取り組み始めております。市といたしましては、稲一再開発ビル跡地が医療・福祉ゾーンとして再生されることによる来街者の増加や観光集客ゾーンである堺町通りとの交流人口の増大を図るため、商店街や商工会議所などの関係機関と十分に話し合いながら、中心市街地の活性化に向け、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、3番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)3番、中村岩雄議員。
(3番中村岩雄議員登壇)
○3番(中村岩雄議員)それでは、超高齢化社会に求められる医療等について質問いたします。
超高齢化医療のパラダイムシフトは、次のようなことです。急性期医療から終末期医療へ。長寿から天寿へ。キュアからケアへ。病院から地域へ。専門医から総合医へ。根治医療から緩和医療へ。
超高齢化社会では、支える医療が主体となり、その人のQOL、生活の質を高めることがとても重要です。こうしたパラダイムシフトをスムーズに行うために、前述した中心市街地の医療・福祉ゾーンに必要なことがあると考えます。
一つは、病気の人だけではなく、日常生活自立サポートを必要としている人など、さまざまな支援が必要な市民に対応するための共通窓口「サポートの窓」といった相談室の設置、もう一つは「認知症ハウス」として「みんなのケアスペース」といった認知症の人や家族の方々が自由に出入りできる場所を運営することです。互いの悩みを打ち明けたり、困っていることを相談したり、互いの状態を話して支え合える場所とすること、認知症や高齢者に優しいまち小樽の推進役を担ってもらえます。病院・介護施設や自治体と行政など、地域との協力関係は地道に築いていくことが大切です。認知症になっても安心して暮らせる社会づくりをしなくてはなりません。
また、市と病院の地域医療連携室との情報共有や連携も必要です。小樽の各公的病院には地域医療連携室が設置されています。それは地域医療連携の充実による地域完結型医療の推進のために、さまざまな業務を行っています。患者が病院での治療を終えた後、病気や障害を抱えながらでも地域で安心して暮らしていけるように、退院支援などを行い、継続治療、経過観察、リハビリが必要な方に転院施設の紹介もしています。また、自宅に帰っても治療、看護や介護が必要な方には在宅医の紹介、介護保険サービス、障害福祉サービスなどを利用できるように、患者や御家族と一緒に相談しながら支援をします。
ここで、お伺いいたします。
こうした地域医療連携機能は病院だけに任せておくべきものではないと考えます。前述していた医療・福祉ゾーンにも設置され、病気の患者だけではなく、健康に不安を持っている人や、その御家族の方々の相談に適切に対処してあげることが大切です。
また、認知症や生活習慣病の発症初期や境界域にいる人たちの病状悪化を防ぐためには、行政と病院の地域連携室が連携を深め、患者や家族に対して温かく丁寧な対応をしていくことも重要です。それにより認知症患者や生活習慣病患者の増加や悪化の防止にもつながると考えられますが、予防医学的な見地も含め、行政のかかわり方についてお考えをお聞かせください。
2点目、車椅子の人のための段差解消がベビーカーにとってもよいように、認知症の人が歩きやすければ誰にとってもわかりやすいまちになります。こうしたバリアフリー化、また道にれんがを埋め込んでの誘導サインや交差点に模様を描くなどの工夫はいかがでしょう。認知症対策についてお考えをお示しください。
3点目、施設の入居者や病院に通院している患者について、かかりつけ医と2次病院との連携を密にし、病態が急に増悪したときの対応を市でも把握することにより、まず、どうすればよいのかというアドバイスができるようになります。つまり、かかりつけ医に連絡しましょうとか、救急車を呼びましょうとか、少し安静にして家族に連絡してくださいというアドバイスです。そうした情報共有型のシステムづくりに関してどのようにお考えですか、お聞かせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、超高齢化社会に求められる医療等について御質問がありました。
まず、地域医療連携機能への行政のかかわり方につきましては、既に医療、介護、福祉の各関係機関が連携しながら地域で生活している認知症患者や生活習慣病患者に対応しております。今後は、超高齢化社会に対応するため、国や北海道がさらにさまざまな施策を展開するものと考えております。
次に、認知症に対するハード面の整備につきましては、国は昨年9月に「認知症施策推進5か年計画」、いわゆるオレンジプランを策定し、認知症の人とその家族の支援体制を計画的に整備することとしております。これを受けて本市では、今後の介護保険事業計画において、ソフト面の整備を優先して進めていくこととなりますが、道路整備等のハード面の必要性もあることから、将来的な検討課題として考えてまいります。
次に、施設入居者や通院患者の病態急変に対応するための本市と医療機関との情報共有型のシステムづくりについてですが、国においては超高齢化社会に向けて情報共有型のシステムについて検討し始めていると聞いております。本市といたしましては、国の動向を注視してまいりたいと思います。
○議長(横田久俊)次に、第5項目めの質問に入ります。
(「議長、3番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)3番、中村岩雄議員。
(3番中村岩雄議員登壇)
○3番(中村岩雄議員)それでは、医師会看護高等専修学校と市立小樽病院高等看護学院の役割についてお尋ねいたします。
小樽市では、医師会の看護師養成学校を卒業した准看護師が高い割合で市内に就業しています。今後も、新病院の誕生にあわせ医療・看護職が増加し、良質の医療を行うとともに、小樽市の就業人口を支えてくれるようになることが理想的と考えます。
また、女性の働く場を広げることも大切であり、出産や育児などで離職した看護師や保育士の復帰を支えるために、復帰研修の必要性を申し上げてきました。
その方策として、出産・育児のため離職した看護師の復帰研修について、市立小樽病院高等看護学院で講義を受け、公的病院での研修を受けられるようにすることです。復帰に必要な講義や研修のために、以前勤務していた病院での標榜科の講義を現看護学生とともに受けられるようにするという案です。これにより多くの予算をかけることなく、看護学生たちと一緒に学ぶことができ、学ぶ意欲も強まるに違いないと思います。ここには、やはり公的病院の役割が必要とされます。再研修施設として看護学校を利用するという案は、恐らく日本中のどこの市町村でも行っていないと思われます。こうしたモデルケースにもなり得る看護学校の運営は、小樽市の医療の質を大きく向上させてくれるのではないかと思います。
小樽に定着する看護師の育成を第一に考え、看護学校の教育・研修システムを充実させることが大切です。それにより、他の地域からの小樽看護学校への入学希望者が増えるようになり、また病院研修のために小樽を訪れるようになります。結果として、卒業後や研修後は小樽で働きたいと考える看護師が増えることにつながります。こうした未来を見据えたシステムづくりが必要です。
現在、小樽の医療や看護は、医師会の看護学校卒業生たちに支えられています。小樽市の全ての病院・診療所・介護施設では、市全体として看護師の約40パーセントが医師会看護学校の卒業生です。これだけの定着率を誇り、小樽の医療を支えている事実を基に考えると、行政としてもっとバックアップをすべきであり、国家百年の計を持って人材育成に当たるべきであると考えます。
最近では、脱ゆとり教育により、日本の学力が向上してきたとの新聞記事がありました。また、近年、私立の医学部でも学費を大幅に下げたところ、優秀な学生が入学するようになり、偏差値は国公立の医学部と変わりない状態になってきています。
道内医師会が運営する准看護学校への市からの補助金ですが、9都市で1人当たりの年間補助金の平均額は3万4,078円であり、小樽市は6,000円と不十分な額であり、道内で最低額です。優秀な講師を招き学費の補助をすることにより優秀な看護師が育っていくことは、私立医学部の例からも明らかです。それにより、小樽の医療や介護の質も向上するでしょう。それには少なくとも道内平均レベルの補助金が必要であり、道内医師会の運営する准看護学校への市からの補助金額の平均値260万8,817円をこれからの看護医療の教育に充てる必要があると思われます。市立小樽病院高等看護学院の年間授業料が18万円に対し、医師会看護高等専修学校の授業料は39万6,000円となっています。医師会看護学校卒業後の看護師の小樽への定着率や貢献度を考えても、やはり補助金の増額が必要と思われます。
そこで、この項に関し、お伺いいたします。
まず、看護師不足の現状を改善するために、行政としては具体的にどのような方策をお考えですか。
2、出産・育児により離職した看護師の現場復帰にはやはり講習や実地研修が必要と考えますが、具体的にどのような支援策をお考えでしょうか。
3、既存の施設の有効利用こそ大切だと思いますが、先ほどお話しいたしました看護学校と連携した内科や外科や小児科など、本人の必要とする単位制研修などをどのようにお考えですか。
4、小樽市の未来を見据え、より充実した小樽に定着する看護師の育成のため、医療教育活動は非常に重要です。そのためには、医師会と連携し、医師会看護学校の補助金額の増額が必要と考えますが、いかがお考えですか。
5、さらには、公的病院での研修システムも小樽市の看護学校生だけではなく、他の市町村からの再就職者にも行政が窓口となり、受皿を広げることが大切と考えますが、御意見を御提示ください。
再質問を留保し、終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、小樽市医師会看護高等専修学校と市立小樽病院高等看護学院の役割について御質問がありました。
まず、看護師不足の現状を改善するための行政としての具体的な方策につきましては、北海道医療計画に基づき、道が北海道医師会や北海道看護協会と連携しながら、看護師の確保対策に取り組むべきものと考えております。
次に、離職した看護師の現場復帰に対する具体的支援策につきましては、北海道が再就職支援事業としてナースバンク事業を実施しており、その中で最新の知識・技術を学ぶ研修会を実施しております。
次に、看護学校と連携した内科や外科や小児科などの本人が必要とする単位制研修などにつきましては、北海道のナースバンク事業の委託先である北海道看護協会によりますと、再就職先の医療機関における実践的な研修が有効とのことであります。
次に、小樽市医師会の看護学校の補助金額の増額につきましては、昨年10月に小樽市医師会から増額の要望書が提出されておりますが、看護学校の経営は原則学生からの授業料収入により維持されるべきものと考えております。本市といたしましては、今後、補助額について道内他都市の状況を調査し、学生負担も含め、どの程度が適切なのか検討してまいりたいと思います。
次に、他の市町村からの再就職者に対する公的病院での研修システムの受入れにつきましては、現在、北海道がナースバンク事業の事業主体として実施しておりますので、本市の公的医療機関への受入れ拡大についても、その事業の中で行われていくべきものと考えております。
(「議長、3番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)3番、中村岩雄議員。
○2番(中村岩雄議員)それでは、再質問をさせていただきます。
小樽観光について、新たな魅力づくり、天狗山に関することです。私も、ぜひこの「小樽の森」構想を前進させていただきたいという応援団の一人としてエールを送りたいと思います。
それで、2点ほど再質問させていただきます。
今後、構想を実現するためには、経営主体を決定することが何よりも重要だと思います。それが決まらなければ、市民に対する説得力もやはりなくなってしまうおそれがあると危惧しております。この点についてどのようにお考えでしょうか。これが1点目です。
2点目として、新聞報道などでは関係機関と今後の方向性を考えたいというコメントが書かれておりましたが、ここで言う関係機関とはどこになるのか、これを明らかにしていただきたいと思います。この2点について、再質問させていただきます。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)中村議員の再質問にお答えいたします。
今、天狗山の「小樽の森」構想、観光について新たな魅力づくりということで御質問があったわけですけれども、その経営主体がどこになるかというのは、これは大変重要な問題だというふうには私も同様に認識しております。ただ、今回の報告書は経営主体を特定せずにプランとして作成をしたということでございますので、引き続き検討委員会で協議を進めていくものと思っておりますので、そのように御理解をいただきたいと思います。
それから、二つ目の問題でございますけれども、関係機関ということで御質問がありました。今後の方向性については検討委員会で協議をしていくということでございますので、この関係機関につきましては、検討委員会のメンバー、団体、組織、こういったものが関係機関ということになるかというふうに思いますので、そのように御理解をいただければと思います。
○議長(横田久俊)以上をもって会派代表質問を終結し、本日はこれをもって散会いたします。
散会午後4時46分
会議録署名議員
小樽市議会議長横田久俊
議員林下孤芳
議員久末恵子