開議午後1時00分
○議長(横田久俊)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、千葉美幸議員、新谷とし議員を御指名いたします。
日程第1「議案第1号ないし第23号」を一括議題といたします。
質疑及び一般質問を一括し、これより会派代表質問を行います。
あらかじめ申し上げます。
代表質問に当たっては、質問通告の大項目の順で質問を行い、再質問、再々質問がある場合は、それぞれ一括質問で行うことといたします。
それでは、通告がありますので、順次、発言を許します。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
(7番小貫元議員登壇)(拍手)
○7番(小貫元議員)日本共産党を代表して質問します。
最初に、消費税増税に関連して伺います。
地方財政や地域経済に大きな影響を及ぼす消費税増税について、安倍首相は、来年度から3パーセント増税し、8パーセントとすることを閣議決定しました。しかし、消費税増税は当初全額を社会保障にと言いながら、介護保険の要支援外しや年金の引下げ、生活保護基準の引下げなど、社会保障解体を進めています。しかも、増税の8兆円のうち、法人税の復興増税の廃止を含め、6兆円の経済対策を行うと表明しました。8兆円の大増税で景気を悪化させ、6兆円もばらまくということは、経済対策、財政施策としても支離滅裂な話です。社会保障に回すお金が生まれてきません。
市長は、これまでの経過から、消費税が社会保障の拡充に使われてきたと考えているのでしょうか。考えを聞かせてください。
また、今度の増税も社会保障拡充に使われるとお考えなのか、お聞かせください。
政府は、東日本大震災の復興のために、所得税の復興増税は25年間、個人住民税の増税は来年度から10年間続け、法人税の復興増税は3年間の増税さえ1年前倒しで廃止にするということに、被災地から怒りの声が上がっています。1997年に消費税が3パーセントから5パーセントに引き上げられたときの国の税収は、1999年度には消費税収が5.4兆円増えましたが、消費税以外の税収が11.4兆円減収となり、差引きで6兆円の減少となりました。
このように、消費税の増税は、より国家財政を悪化させることは、歴史的に見ても明らかです。増税翌年の1998年度の政府の年次経済報告も、1993年秋からの景気回復が、1997年度に入って消費税率引上げ等によって、景気は停滞状態となったと述べています。小樽市においては、1996年度の市民税収入は74億6,150万円、1999年度の市民税収入は65億5,890万円であり、約9億200万円の減収です。また、昨年度決算と比較しても、1996年度比で15億1,600万円の減収となっています。
生活保護との関係で言えば、月平均受給者数は、増税前1985年度に保護率3.05パーセントでしたが、その後減少傾向となり、1996年度には3,702人、保護率2.36パーセントとなりました。増税後一転し、1999年度には4,024人、2.62パーセントに上がり、その後も増え続けています。同じように、1996年度の準要保護認定人数は12.1パーセントでしたが、1997年度には13.1パーセント、1999年度には16.2パーセントに引き上がっています。
小樽市内においても、経済を冷え込ませ、貧困を拡大してきた原因の一つが消費税増税です。3パーセントから5パーセントへの増税のときを見ても明らかなように、消費税増税によって市民生活への影響は避けられません。1997年度の消費税増税が市民生活を苦しくさせ、税収の減少や生活保護受給者の増加につながったと思いませんか。また、今後の消費税の増税は市内経済の悪化を招くと思いませんか。市長の見解を示してください。
次に、来年度消費税が増税された場合の小樽市財政に及ぼす影響についてお伺いします。
小樽市一般会計歳出における消費税増税の影響額について、2013年度当初予算を基に示してください。
また、消費税の増税に伴う国からの財源はどうなっているのか、あわせて示してください。
新年度予算編成における消費税増税による歳出増に対する小樽市の基本的方針はどのようになっていますか、説明してください。
本定例会に、消費税増税の閣議決定に伴って、八つの条例を改定する議案が提出されています。その中で、特に市民負担が増額する条例に水道と下水道があります。日本共産党は、消費税転嫁により水道料金の引上げになる場合は、小樽市水道料金等審議会を開き、決定することが必要だと、過去の消費税導入時期にも主張をしてきました。市民には値上げになることから、審議会を開くべきではありませんか。
日本共産党は、毎年の議会で、水道料金などの公共料金に消費税を転嫁することをやめるように指摘してきました。これは、憲法の原則や近代税制の原則から、生計費非課税という立場に立った税制の確立が必要だからです。来年度消費税が増税された場合、2012年度決算を基にすれば、水道料金や下水道使用料への消費税増税転嫁分は幾らになりますか。
また、市民生活を応援し、住みやすい小樽を目指す上でも、公共料金の消費税増税転嫁を中止することを検討できませんか。お答えください。
消費税を増税すること自体、日本共産党は反対をしています。ただ、将来的には消費税の増税は必要だろうとする人たちの中にも、今の経済状況の中で、来年4月の消費税増税は行うべきではないとする人たちもいます。日本共産党はこのような人たちとも協力し、来年4月の消費税増税撤回という一点での共同を広げているところです。小樽市民に負担をかぶせる来年4月の消費税増税を撤回することが市民生活と営業を守る道です。市長の見解を示してください。
次に、新年度予算にかかわってお伺いいたします。
2013年度当初予算は、他会計などからの借入れなしに財政調整基金を取り崩し、収支均衡予算を編成しました。今後も予算編成には10億円前後の財源不足が生じるとの説明でした。新年度当初予算では財源不足はどの程度になりますか、お示しください。
小樽市中期財政収支見通しでは、来年度で財政調整基金を使いきってしまう見通しでしたが、現時点での来年度末の残高見込みは幾らになりますか。
政府の経済財政諮問会議の民間議員は、地方交付税の別枠加算を廃止するよう提言する方針を固めたと報道がありました。このことに対して、11月27日、全国知事会など地方六団体は別枠加算の堅持を求めています。報道によると、民間議員は、地方財政の健全化を図るためには歳入歳出両面の改革に取り組む必要があると指摘しているといいます。しかし、この議論は地方自治体の実態を顧みないものです。別枠加算はどのような事業に活用されてきて、小樽市財政にどのような効果があったのか、説明してください。
市長は別枠加算を廃止する動きについて加算堅持を求め、積極的役割を発揮していただきたいと思います。御意見をお聞かせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)小貫議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、財政問題について御質問がありました。
初めに、消費税の使途についてですが、平成11年度以降、その使途が基礎年金、老人医療、介護の高齢者3経費に限定されており、このたびの消費税率引上げに伴う社会保障制度改革は、受益と負担の均衡がとれた持続可能な社会保障制度を確立するために、総合的かつ集中的に推進するとしております。
引上げによる消費税収については、持続可能な社会保障制度確立のため、年金、医療、介護、少子化対策に用いるとされておりますので、社会保障の財源として活用されるものと考えております。
次に、平成9年度の消費税引上げが市税収入の減収や生活保護受給者数の増加につながったのではないかとのことですが、平成11年度の市民税収入が減少しているのは、個人市民税の減税の上限額の引上げや法人税の税率が引き下げられたことに伴う法人市民税への影響などが大きいものと考えております。また、生活保護受給者数は平成9年度から増加しておりますが、これが消費税の引上げの影響だけによるものとは考えておりません。
次に、消費税増税による市内経済への影響につきましては、消費税率の引上げに伴って、駆け込み需要やその反動減、さらに消費マインドの冷え込みが予想されますが、政府はその対応として、消費税率の引上げの影響緩和と持続的な経済成長につなげることを目的に、経済政策パッケージや国費ベースで5兆円を上回る規模のさまざまな取組を閣議決定しております。これらの施策は地域経済への波及効果も見込まれるものであり、今後、国が予算化とともに具体的な事業内容を示す予定でありますので、それらの動向を注視してまいりたいと考えております。
次に、一般会計歳出における消費税増税の影響額につきましては、平成25年度当初予算で試算した場合、約2億6,700万円となります。また、消費税の増税に伴う国からの財源につきましては、引上げとなる消費税率3パーセントのうち、0.92パーセントが地方への配分となり、0.7パーセントは地方消費税交付金として、0.22パーセントは地方交付税の原資となり、地方交付税として交付されます。
次に、新年度予算編成における消費税増税による歳出増に対する基本的方針とのことですが、平成26年度予算編成方針において、行政サービスのコストの低減や質の向上を進め、物価の上昇や消費税の増税分については安易な歳出の増とならないよう留意する、この旨各部に通知しております。
次に、水道料金等審議会の開催につきましては、審議会は私の諮問に応じ、水道料金及び下水道使用料の額について審議するため設置するものであります。このたびの改正は消費税法等の法律に基づく税率に合わせたものであり、選択できる余地がないことから、審議会への諮問は行っておりません。
次に、水道料金と下水道使用料への消費税増税転嫁分につきましては、平成24年度決算を基に税率8パーセントで試算しますと、水道料金で約7,540万円、下水道使用料で約5,980万円となります。
次に、公共料金の消費税増税転嫁についてですが、平成26年4月1日から消費税率引上げに合わせて改定を予定している使用料等につきましては、港湾関係などの一部を除き、水道料金や下水道使用料、産業廃棄物処理手数料など、いずれも消費税の課税対象となる企業会計や特別会計における公共料金であります。各会計は消費税の納税義務を負うものであり、条例等で規定している料率は消費税の税率に合わせるべきものと考えております。
次に、来年4月の消費税増税についてですが、政府は低所得者対策として、簡素な給付措置などの対策のほか、食料品など生活必需品の税率を低くする軽減税率も検討しておりますが、家計や市民生活、さらには市内経済に一定程度の影響があるものと考えております。しかしながら、真に国民が将来を託し得る持続可能な社会保障制度を国が責任を持って確立していく必要があり、その財源を安定的に確保するためには欠かせないものと考えております。
次に、来年度予算についてですが、まず新年度当初予算の財源不足はどの程度かとのことですが、25年度当初予算では約12億円の財源不足が生じたこと、歳入では、人口減等により市税収入の増加が見込めないことや地方交付税の動向も不透明であること、歳出では、扶助費などの自然増や消費税増税の影響、さらには新たな財政需要にも対応しなければならないことなど、具体的な不足額を現段階でお示しすることはできませんが、新年度予算編成においても多額の財源不足が見込まれるものと考えております。
次に、中期財政収支見通しにおける来年度末の財政調整基金残高の見込みについてですが、現在、平成24年度決算及び平成25年度補正予算を考慮した中期財政収支見通しの見直し作業を行っているところであります。
次に、交付税の別枠加算についてですが、まず地方交付税の別枠加算の活用と効果とのことですが、別枠加算は国が法定率分とは別枠で交付税総額に加算しているものであり、地方交付税として交付され、一般財源として活用しております。また、その効果としては、加算による本市の地方交付税総額の一定水準が確保されているものと考えております。
次に、別枠加算の堅持に向けた取組につきましては、地方交付税の減額は本市の財政運営に大きな影響を及ぼすことから、これまでも北海道市長会や全国市長会を通じて別枠加算の堅持を要望してきております。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
(7番小貫元議員登壇)
○7番(小貫元議員)次に、障害者福祉の特別地域加算の問題とふれあいパスについてお伺いいたします。
最初に、特別地域加算についてです。
経過については各会派には説明が行われ、既に新聞報道がされています。近年、業務上のミスが多発しています。2010年2月に福祉医療助成事業にかかわる高額療養費の立替金について、長期にわたり未請求があり、6,750万円の損害を市財政に与え、しかも時効となっている1,020万円も北海道に返還しました。この時点で業務事故防止の指針を作成し、再発防止策を講じたといいます。この指針では、市民からの苦情、相談や問い合わせについて情報を共有するとして、次のように記載しています。「簡単な問い合わせは別にして、業務や制度に係る苦情や相談、問い合わせについては、てん末を含めて、係内で情報を共有するとともに、疑問点があれば業務に問題がないかを調べて内容を整理しておきましょう」と、このようにあります。今回の特別地域加算の問題では、昨年12月に事業所から指摘を受けたにもかかわらず十分調査していなかったということですが、指針で述べられている情報の共有は図られていたのでしょうか、説明してください。
特に、福祉部で業務ミスが続いていることについて、担当者の問題ではなく、ミスを生じさせないシステムが機能していないからではないでしょうか。業務ミスが続く原因について、市長の見解をお聞かせください。
小樽市にはコンプライアンス推進室が設置されています。今回の件について、コンプライアンス推進室はどのような役割を果たすのでしょうか。
また、一連の業務ミスにおいて、コンプライアンス推進室の役割についてもお示しください。
特別地域加算について、市民税課税世帯は1割の自己負担に15パーセントが加算され、負担となりますが、福祉部の説明では、2010年度から2012年度の3か年の利用者負担約22万円について、事業所が利用者に負担させるわけにはいかないということで、事業所が負担する予定だと聞いています。しかし、このたびの支給漏れは、小樽市の制度に対する認識不足で起こったことです。市の責任をどのように考えているのでしょうか、市長の考えをお聞かせください。
また、利用者分の負担は事業所負担ではなく市が負担すべきと考えますが、お答えください。
次に、市内バスでのふれあいパスについてお伺いします。
1997年度から、市民の強い要望を受けてふれあいパス事業が始まり、2004年度には有料化となりました。地域福祉課によれば、消費税増税になれば、中央バスの料金改定で現行210円が220円に上がり、中央バスは、市内路線が赤字となって収支の悪化傾向が続いているということを理由に、ふれあいパスの事業者負担の軽減がなければ新年度からの契約に応じることは難しいと、市に申し入れてきました。これを受けて、市は利用者負担を20円引き上げることを検討しているといいます。消費税が増税されたとしても、現行の運賃が210円ですから、税抜き運賃は200円となります。それが消費税の増税分8パーセントを掛ければ216円となり、消費税増税分は6円となります。それがなぜ20円の値上げにつながるのでしょうか、説明してください。
中央バスは赤字の原因をどのように説明していますか。
また、路線としては、どの路線が赤字の原因となっているのでしょうか、主な路線名を示してください。
ふれあいパス利用者は回数券によって精算をしています。しかし、回数券をちぎるのが大変、なくしてしまう、一度にお金を払うことが大変など、回数券方式を不便に感じている利用者の声をよく聞きます。回数券方式をやめて現金でのやりとりに切り替えるには、どのような問題が生まれてくるのでしょうか。現金での取扱いに切り替えるよう、バス事業者と交渉してはいかがでしょうか。
70歳以上の人口比率は、1997年度13.70パーセントから、今年10月末の数字では25.39パーセントとなり、小樽市民の4分の1がふれあいパスの対象者となります。1997年の第1回定例会で当時の新谷昌明市長は、「生きがい健康対策といたしまして、これまで懸案でありましたふれあいパス事業を実施し、高齢者の積極的な社会参加を支援してまいります」と提案理由を説明しています。ふれあいパスが果たしている役割について、市長はどのようにお考えですか。
値上げにより、利用者数が減少すれば、バスが減便になることが考えられます。このことによる市民生活への影響を市長はどのようにお考えですか。
市は、消費税増税に伴うバス料金の値上げが行われ、市の説明する負担割合にした場合、ふれあいパス事業の現状維持では市の負担が約4,400万円の増、100円のワンコインに戻すならば約6,600万円の増になるといいます。2012年度のふれあいパス事業の対象者数と事業費を基に試算しますと、対象者1人当たりの事業費でいえば、2012年度は4,274円、市民負担が100円となった2004年度は5,498円であり、1,224円下がっています。対象者を2012年度並みとすれば、事業費が約1億8,758万円で、2012年度比4,200万円のプラスとなります。高齢者の積極的社会参加を支援する目的ならば、対象者が増えている実態からも、事業費の引上げが必要ではないでしょうか。消費税増税によるふれあいパス利用者の負担引上げ撤回を求めます。お答えください。
次に、ふれあいパスの鉄道利用について伺います。
ふれあいパスの鉄道利用は、扶助費では1997年度には約290万円でしたが、2012年度には903万円と、約3倍に上がっています。鉄道利用への扶助費が増えている理由を説明してください。
ほしみ駅と小樽駅間は1年度20枚で、塩谷駅と南小樽駅間は30枚の交付となっています。ほしみ駅と小樽駅間の料金は350円で、蘭島駅と南小樽駅の間の料金も350円です。なぜ蘭島駅まで延長していないのでしょうか。
また、小樽駅と小樽築港駅間など、利用客が多い区間について、年間枚数を増やして交付することなどは検討してこられなかったのでしょうか、説明してください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、福祉部のミスとふれあいパスについて御質問がありました。
初めに、福祉部内でミスが続くことへの見解についてですが、まず昨年12月に事業所から指摘があった段階で情報の共有をしていたかということにつきましては、事業所から指摘があった段階で、関係職員は小樽市が特別地域加算の対象になることを知りましたが、受給者証に特別地域加算の対象となる旨を記載して事業所に周知を行うことが最初の作業になるという認識がありませんでした。業務事故防止の指針にあるような作業ができていなかったものであります。
次に、福祉部において業務ミスが続く原因につきましては、福祉に係る業務は特に制度改正が多く、短い期間の中でそれに応じた対応をしていくために、情報を共有することが肝要でありますが、そうしたことができなかったところに原因があったと考えております。
次に、今回及び一連の業務事故におけるコンプライアンス推進室の役割につきましては、いずれの場合も業務事故が発生した部署との連携を図りながら、原因究明及び再発防止策についての検討を行ってきております。
また、発生した業務事故の原因がその業務に特有のものである場合を除き、他の部署や全庁的に再発防止についての周知徹底が必要なものについては、コンプライアンス推進室から再発防止のための方策を示すことにしております。
なお、これまでも風通しのよい職場づくりの一環として、職場ミーティングの実施を機会あるごとに呼びかけるとともに、業務事故防止等の観点から、マニュアル作成研修や業務改善研修を実施するなど、職員の意識改革にも取り組んでおります。
次に、特別地域加算記入漏れによる利用者負担分は市が責任を持って負担すべきということでありますが、まず事業所の皆様には、平成22年度以降、本来請求できた加算分の支払をできていなかったことにつきましては申しわけなく思っているところであります。
次に、利用者の自己負担増額分は市が負担すべきとのことでありますが、事業所に対しましては、利用者の自己負担増額分については、平成26年1月利用分から利用者の皆様に請求していただくよう御協力をお願いし、御理解をいただいたところであります。
次に、ふれあいパスの値上げについてですが、まず利用者負担の20円引上げにつきましては、内訳から申し上げますと、運賃改定予定分の10円とバス事業者の負担軽減分の10円、合わせて20円となります。改定予定の10円は主に消費税増税によるものですが、端数を出さないための調整分4円が含まれており、これにつきましては、国からの通達により、事業者の利益とすることはできないため、他の乗車券等の割引率の拡大などで調整するとのことであります。バス事業者の負担軽減分の10円につきましては、来年度の契約に向け、事業者から申入れがあったものであります。
次に、バス事業者の赤字の原因についてですが、事業者によりますと、市内人口の減少などにより、市内線の利用者数減少に歯止めがかからなかったこと、また、これまでさまざまな経営合理化策に努めてきましたが、燃料費の高騰等により、これ以上のコスト削減は限界に来ていることなどであります。
また、赤字となっている個々の路線名は、経営上の問題でもあり、情報としては得られませんでした。
次に、回数券方式から現金方式に切り替えることによる問題につきましては、本事業は利用者、事業者、市の三者それぞれが利用実績に基づき事業費を負担して実施しております。現金方式にしますとこの利用実績の把握が困難となることから、回数券方式は継続してまいりたいと考えております。
次に、ふれあいパスが果たしている役割につきましては、高齢者が積極的に社会参加し触れ合うことにより、心身の健康が保持されること、また、生きがいの創出などであると考えております。
次に、値上げにより利用客が減少し、バスが減便になるのではないかとのことでありますが、値上げによる利用客数への影響は推測できかねますが、減便となることのないよう、公共交通機関の利用促進を図っていくことは必要であると考えております。
次に、対象者が増えている実態から、事業費を引き上げることが必要ではないかとのことですが、本事業は市単独の事業であり、財政状況を鑑みますと、これ以上の予算の拡大は難しいものと考えております。
次に、ふれあいパス利用者の負担引上げの撤回を求めるとのことでありますが、先ほども申し上げましたが、本市の財政状況ではこれ以上の負担増は困難であり、事業者からも負担軽減を求められている中、市としてふれあいパスを継続するためには、方向性としてはやむを得ないものと考えております。
次に、ふれあいパスの鉄道利用についてですが、まず鉄道利用への扶助費が増加している理由につきましては正確な分析はしておりませんが、銭函地区においてはバスよりも鉄道の利便性が高いことが要因の一つではないかと考えております。
次に、南小樽駅からのJR乗車券を塩谷駅までとしている理由につきましては、ふれあいパスはバスの利用を基本としており、蘭島地区はバス利用が十分に可能でありますが、塩谷地区は鉄道のほうが利便性が高い地域があるため、鉄道の利用も選択できるようにしているものであります。
また、利用客が多い区間に交付枚数を多くすることにつきましては、本事業の公平性が失われることになるため、これまで検討したことはありません。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
(7番小貫元議員登壇)
○7番(小貫元議員)次に、JR北海道の事故と並行在来線の確保についてお伺いします。
JR北海道では、2011年5月に石勝線のトンネル内で脱線火災事故が発生しました。幸いに亡くなった方はいませんでしたが、一歩間違えば大惨事になっていたところです。その後、国から特別保安監査が入り、国土交通省としては業務改善命令を出しました。しかし、それ以後も事故や故障が続いています。今年に入ってからも、車両からの出火や線路下の砂利流出で貨物列車が脱線、運転手によるATS装置の破壊、レールの異常を放置など、とても安心して利用できる状況ではありません。さらには、木製枕木の交換基準などの安全基準の不整備や不徹底、レール検査データ改ざんなど、安全軽視の実態が明らかになっています。JR北海道には鉄道事業者としての資格が問われています。民営化後、JR北海道の社員は1万3,000人から7,000人に削減、JR北海道の検査周期の緩和などに象徴されるように、安全軽視の経営が続けられてきました。
市長は、一連のJRの事故について、分割民営化との関係での影響はどのようにあると考えていますか。
次に、北海道新幹線の札幌延伸との関係で伺います。
小樽市は並行在来線の経営分離に同意し、9月19日の総務常任委員会では地元負担についての報告もありました。このように北海道新幹線の札幌延伸について進めています。新幹線・高速道路推進室の資料によれば、新幹線は大量輸送に適しているとされています。だとすれば、なおさら事故を起こさない体制が求められています。特に札幌延伸の場合、76パーセントがトンネルであり、石勝線のような事故があれば大惨事です。市長は、事故やデータ改ざんを行うJR北海道の現状で北海道新幹線を運営することについて、どのようにお考えでしょうか。
日本共産党は、並行在来線についてJRからの経営分離に反対し、JRと国が責任を持って住民の足を確保することを求めています。そもそも整備新幹線を進めていく条件の経営分離は、法律では何も規定がない条件です。しかし、市長は並行在来線の経営分離に同意をしました。それならば経営分離に同意した首長は、住民の足の確保、とりわけ鉄路の維持、安全に取り組むことが求められています。仮に経営分離されて、第三セクターによる鉄道の運営という形になったとき、JR北海道の現状を見れば、事故が多発するような線路、維持・管理がまともにされていない線路を沿線自治体に丸投げされることになりかねません。いい迷惑です。並行在来線はもとより、鉄路の安全、施設の更新をJR北海道に求めるべきではありませんか。
一連のJR北海道の事故続きには、国の責任もあります。2005年、兵庫県尼崎市の福知山線で起きた脱線事故では100名を超える人が亡くなりました。このような事故があり、安全統括官の設置が義務づけられました。しかし、10月4日に国がJR北海道に出した改善指示では、業務を統括管理する体制が不十分であることが認められたとしています。つまり、国は、何度も監査に入っておきながら、安全統括管理が不十分なことを指摘してこなかったということです。現在、国は特別保安監査などを行ってきていますが、鉄道事業者に安全を守らせる責任は国にあります。JR北海道は、独立行政法人が全株を保有し、国が実質的に保有する鉄道事業会社です。その意味からも、JR北海道の安全軽視の経営を放置してきた政府の責任は重大です。
このJR北海道の体制に対して、小樽市議会としても、さきの第3回定例会で、「JR北海道の重要事故・トラブルの徹底した原因究明と安全運行を求める意見書」を全会一致で可決しました。小樽市長として、国が鉄路の安全対策、原因解明と再発防止策を講じて輸送の安全を確保するため、責任を果たすように求めることを要望します。
国では1970年代に大規模な公共事業が続き、そのような施設の老朽化対策などに、国土交通省の管轄だけでも190兆円がかかると言われています。老朽化対策ですから、新規事業が含まれていません。新規事業の中の整備新幹線だけでも3兆7,600億円かかります。消費税の増税で財政再建も行うと言っていましたが、増税のそばから大型公共事業にお金をつぎ込んでいったら、幾らあっても足りません。公共工事を生活密着型に切り替えていくことが求められています。
被災地との関係でいえば、いまだに仮設住宅から出る当てもない被災者が多くいる中、被災地の復興が急がれなければなりません。予算編成でも大幅な財源不足が生じている小樽市財政において、今後、北海道新幹線建設費用をどのように捻出していこうとしているのでしょうか。
公共工事は老朽化対策優先、被災地優先の原則から、札幌延伸は凍結することを求めます。お答えください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、JR北海道の事故と並行在来線について御質問がありました。
初めに、JR事故と民営化との関係についてですが、旧国鉄分割民営化後、これまでJR北海道は多くの過疎地域を抱える道内において、国が設けた経営安定基金による運用益を活用しながら、地域の足の維持に貢献してきたものと認識しておりますが、このたびの一連のトラブルは、同社内部での安全基準の不徹底など、組織運営上のさまざまな要因が絡み合って発生したものと思われますので、分割民営化という組織形態との関係だけで論じることは難しいと考えております。
次に、JRの安全確保についてですが、事故やデータの改ざんを行うJR北海道が北海道新幹線を運営することにつきましては、事故の多発やデータの改ざんなどは、安全運行に大きな責任を負う公共交通機関として決してあってはならないことと考えております。今後、JR北海道が鉄道事業者としての原点に立ち返り、抜本的な再発防止策の確立など、安全体制の再構築に総力を挙げて取り組むことが北海道新幹線の安心で信頼できる運営につながるものと考えております。
次に、並行在来線はもとより、鉄路の安全、施設の更新をJR北海道に求めるべきではないかとの御質問ですが、JR北海道に対する要望については、北海道市長会として10月17日に文書により、安全対策に万全を尽くし、一日も早い信頼回復に努めるよう要請を行っております。また、今月には北海道市長会会長が同社を訪問して、直接口頭での要請を行う予定となっております。
次に、国に輸送の安全を確保するため、責任を果たすよう求めることについてですが、これまで国は二度の特別保安監査を通じて、JR北海道に対して改善指示を出してきましたが、さらに新たにレール検査数値改ざん問題を受けて、11月14日より無期限の特別保安監査を引き続き実施中ですので、市としては、国がJR北海道に対して今後どのような措置を行うのか注視していきたいと考えております。
また、国としての鉄路の安全対策に係る要望につきましては、北海道市長会とも連携をとりながら、対応を検討したいと思っております。
次に、新幹線の札幌延伸についてですが、まず新幹線建設費用の財源につきましては、市の負担金は地方債の対象となり、元利償還金の50パーセントが普通交付税で措置されるものであり、他の公共事業などの地方債と同様に将来的な公債費の負担を勘案し、中・長期的な収支を見通す中で対応してまいりたいと考えております。
次に、公共工事は老朽化対策優先、被災地優先の原則から、札幌延伸は凍結すべきではないかとの御質問ですが、老朽化対策などは重要課題ではありますが、札幌延伸を含む新規着工区間については、国において収支採算性や投資効果などを確認した上で、認可されたものであります。新幹線の札幌までの延伸により、北日本全体の経済が活性化され、被災地復興についても後押しできるものと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
(7番小貫元議員登壇)
○7番(小貫元議員)次に、カジノ誘致について伺います。
第3回定例会で、中松市長はカジノという賭博について、誘致に積極的に乗り出す姿勢を明確にしました。そのことを受けて、市民の間でも批判の声が広がっています。日本共産党が行った市民アンケートは、12月7日現在で1,180通の返信が寄せられ、カジノについては「小樽の景観や環境にふさわしくない」「マイカルと同じになりかねない」「我々の生活を守るならカジノというものは必要ない」など、反対とする人が54.3パーセント、よく市民討論すべきだという人が21.8パーセントとなっています。市長は賭博が刑法で禁じられていることについてどのような見解をお持ちでしょうか、聞かせてください。
小樽市が20万円の補助金をつけた第8回日本カジノ創設サミットin小樽では、ばくち場を小樽に持ち込みたい人たちが賭博による影響について、内閣総理大臣が査察官を任命して、カジノにかかわる犯罪につき、特別司法警察官として職務を担って不正行為や違法行為などを摘発するとか、暴力団は厳重な入場規制で排除できるといいます。このような特別体制をとらなければカジノによる犯罪の被害を防げないとすること自体がカジノの有害性を物語っているのではないでしょうか。市長の見解を示してください。
また、対策を講じれば賭博にかかわる犯罪が防げるとお思いですか、お答えください。
小樽国際観光リゾート推進協議会の相談役として、小樽市総連合町会の会長と小樽市PTA連合会会長の名が連ねてあります。総連合町会やPTA連合会は、この小樽国際観光リゾート推進協議会の相談役になることについて、組織内でどのような手続を経て相談役についているのでしょうか、説明してください。
2008年第4回定例会では、当時の山田市長は、行政の立場で申し上げますと、まず合法化され、誘致について市民の合意が得られるならば、今後、官民一体となって積極的に誘致を進めていきたいと答えています。つまり、手順として第1段階が合法化で、第2段階が市民合意、そして第3段階が誘致ということでした。ところが、第3回定例会後の市長の動きを見ていますと、一気に誘致という動きを行っています。なぜ合法化されていないのにいきなり誘致に動き出したのでしょうか、市民の合意はとれていると考えていたのでしょうか、説明してください。
市民の運動で運河を保存し、観光都市として発展してきた小樽の名前を賭博に利用することは許されるものではありません。市民からは「お金を巻き上げ、そのお金で地域経済の活性化を図ろうとする魂胆が浅ましい」という声も聞きます。小樽を賭博のまちにしないため、カジノ誘致を撤回することを求めます。市長の見解を示してください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、カジノ誘致について御質問がありました。
まず、賭博が刑法で禁じられていることについての見解につきましては、賭博罪の保護法益は公序良俗、すなわち健全な経済活動及び勤労であり、また、副次的犯罪を防止することであるという趣旨の昭和25年11月22日最高裁判決があることは承知しております。しかし、IR推進法が成立すると、刑法の賭博罪の違法性を阻却する特別法の位置づけとなりますので、現在、法律により認められている競馬や競輪などと同様の取扱いとなり、健全な社会目的を有せず、法的規制も行われていない賭博行為と同列には論じ得ないものと理解しております。
次に、カジノの有害性、いわゆる悪影響と言われる部分につきましては、カジノの合法化とIRの導入にはマイナスの要素があることは承知しております。しかしながら、地域振興や雇用の創出、新たな税財源の確保などのプラスの効果もあると考えておりますので、法制化によりプラスの面を最大限に引き出しながら、マイナスの面を最小化していくことが重要なことと考えております。
また、対策を講じることにより犯罪が防げるのかとのことにつきましては、これまでIRを導入した他国の先進事例などを取り入れて、国が法により規制していくことで十分対応していけるものと考えております。
次に、小樽国際観光リゾート推進協議会の相談役につきましては、それぞれの組織の就任に当たっての手続に関することですので、市としては承知しておりません。
次に、合法化前に誘致に動き出したことにつきましては、国会にIR推進法案が提出される動きがあったことや、道内他都市でも誘致に向けた取組が加速される中、「第8回日本カジノ創設サミットin小樽」が開催される前に、北海道に対して候補地としての位置づけについて意思表示を行う必要があると判断したためであります。
また、現段階では市民合意を得たとは考えておりませんので、今後、IR推進法案が成立した後、説明会を開催するなど、市民の皆さんにIRに対する理解を深めていただく取組を行ってまいりたいと考えております。
次に、カジノを含むIRの誘致に対する見解につきましては、私といたしましては、現段階ではカジノを含むIRの誘致活動を進めてまいりますが、最終的な決定をしたとは考えておりません。今後も議会や市民の皆さんにIRに対する理解を深めていただくため、北海道などの関係行政機関や関連団体などと連携して、IRに関する情報を積極的に提供してまいります。
また、今臨時国会に提出されたIR推進法案の内容を十分に精査していくとともに、法案の審議過程等について注視してまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第5項目めの質問に入ります。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
(7番小貫元議員登壇)
○7番(小貫元議員)最後に、新・市民プールの建設に関連してお伺いいたします。
第6次総合計画の後期実施計画についてです。先日、企画政策室より、後期実施計画2013年12月現在案を総務常任委員会に報告することが総務常任委員と各会派代表者に示されました。そこで、新・市民プールについてお伺いいたします。
駅前にあった市営プールを廃止することには存続を求める陳情が署名3万6,000筆を添えて提出されていましたが、その声に耳を貸さず、補償金6億8,000万円を流用して駅前開発を進めました。
本来なら、この補償金を活用して新・市民プールを建設することが市長としての責任でした。現時点での後期実施計画の案では、「市民プールの整備に向け、建設場所や建設形態、ランニングコストなど、引き続き検討」と表現が後退しています。例えば、前期実施計画では事業概要に掲載していた基本設計、実施設計について、一言も触れられていません。今年度中に予定どおり予算を計上するとしたからなのでしょうか。表現が後退した理由をお答えください。
2009年12月15日の総務常任委員会に総合計画の前期実施計画が報告されました。そのときの議論を議事録で読みますと、菊地葉子前市議会議員が学校給食センターの建設地について質問しています。そして、その答弁では、建設地の関係については現時点では確定に至っておりませんと答えています。それでも、学校給食センター建設は前期計画に掲載されました。このように、学校給食センター建設は建設地未定でも建設すると前期計画にのせたのだから、建設地が未定でプール建設という表現が抜けたことは理由になりません。納得のいく説明をしてください。
第3回定例会の新谷議員の代表質問に対し、総合計画後期実施計画の議論を進める中で、設置形態やスケジュールを含め、教育委員会と相談しながら検討してまいりたいと答えています。その後、市長部局と教育委員会は、いつ、どこで、どんな相談を重ねてきたのか、具体的に詳しく説明してください。
総合計画では、プール以外にも体育施設の整備が計画されています。後期実施計画にも総合体育館の設備整備が予定されています。総合体育館に代表されるように、耐震性の問題などを抱えている施設が多い中で、既存施設の改築にあわせ、プールの建設を考えているのでしょうか。
また、総合体育館の設備整備とはどの程度の内容を意味するのでしょうか、説明してください。
2010年9月には、小樽市過疎地域自立促進市町村計画を全会一致で可決しました。この中には、2015年度までに新・市民プール整備事業として、基本設計、実施設計が位置づけられています。今回示されている案は議決に反することです。議会意思を無視することではないでしょうか。お答えください。
2006年度から小樽市財政健全化計画では、2012年度までに赤字額の改善を図るとしていました。このような財政健全化への取組の中、2009年に前期計画がつくられているように、前期計画は市財政が困難な中、策定したものであり、財政難でもつくることを前提につくられました。しかし、前期の最終年にある今年度の当初予算にプールだけが見送りになりました。後期計画でその内容から後退することは、早期建設を求める市民に対して説明がつきません。少なくとも、前期実施計画で計画した基本設計、実施設計を過疎計画とも整合性を持たせ、掲載し、5年間で建設することを示す内容を加え、第1回定例会までに後期実施計画を書き直すことを求めます。お答えください。
再質問を留保して終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、新・市民プールの建設について御質問がありました。
初めに、過疎計画との整合性について、まず後期実施計画の現在案が過疎計画との整合性において議決に反するとのことですが、新・市民プール整備事業につきましては総合計画と過疎計画に位置づけられ、また、多くの市民の皆様からの要望のある事業でありますので、取り組まなければならない事業の一つであると認識しております。
しかしながら、適地が見つからないことのほか、計画策定後に東日本大震災が発生したことにより、小・中学校など公共施設の耐震化への取組や、道路などの既存インフラ施設の整備など、市民生活の安全・安心を守るための取組をはじめとして、優先的に取り組まなければならない課題に対応していかなければならない状況にあります。
一方、本市の財政構造は、何らかの財源対策を行わなければ収支均衡予算が編成できない厳しい状況にあることから、後期実施計画の案においては、新・市民プール整備に向け、引き続き検討するとしたものであります。
次に、5年間で建設することを示す内容を加え、第1回定例会までに後期実施計画を書き直すことについてですが、ただいま答弁いたしましたとおり、整備に向けて引き続き検討を進めますが、現時点においては整備着手のめどを立てることができないことから、その内容を書き直すことは難しいものと考えております。
(発言する者あり)
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)小貫議員の質問にお答えいたします。
ただいま、新・市民プールの建設についての御質問がありました。
初めに、総合計画後期実施計画への位置づけについてでありますが、まず後期実施計画案において、新・市民プール整備事業が引き続き検討となった理由につきましては、新・市民プールの整備につきましては後期実施計画5か年の計画事業として登載いたしましたが、現時点で建設場所や建設形態、建設コストなどについては具体的な計画をお示しできるまでに至っていないことから、引き続き検討としたものであります。
次に、学校給食センターの建設地は未定でも、前期実施計画に掲載し、建設を進めたということにつきましては、学校給食センターはオタモイ共同調理場と新光共同調理場を統合し、新規施設として建設を行ったものでありますが、前期計画策定時においては、建設場所については現在の場所を想定していなかったものの、新光共同調理場用地での建設も視野に入れ検討されていたため、登載したものと承知しております。
新・市民プール整備計画につきましては、現状では建築場所が見つかっていないことや、災害を契機として学校の耐震化に早期に取り組まなければならないことや、本市の財政が大変厳しい状況にあることなどの事情から、建設形態や建設コスト、ランニングコストなどについても検討する必要があり、後期実施計画においても引き続き検討としたものであります。
次に、新・市民プール整備事業についての市長部局との協議につきましては、教育委員会としては、新・市民プール整備事業については、建設場所や建設形態、建設コストなどについて具体的な計画を示すことができないことや、本市の財政が大変厳しい状況にあることなどから、引き続き検討することとし、後期実施計画の計画シートを作成し、市長部局へ提出したものであります。これに基づき、市長部局と文言の修正を行い、10月下旬開催の市長ヒアリングの中で、教育委員会の考え方を引き続き検討する方向で合意を得、教育委員会議において考えを説明し、了承されたものであります。最終的に11月下旬開催の総合計画策定会議において、後期実施計画案が決定されたものであります。
次に、後期実施計画案の体育施設整備事業に掲載している総合体育館の設備整備の内容につきましては、一つは総合体育館の耐震診断の実施であります。これは建築物の耐震改修の促進に関する法律の改正に伴い、平成27年末までに耐震診断が義務づけられたことによるものであります。
次に、現施設は建築後39年が経過し、施設設備の老朽化が進行していることから、施設の内部改修や体育施設設備の更新などを想定したものであります。したがいまして、後期実施計画期間中において、総合体育館の改築にあわせた新・市民プールの建設は想定しておりません。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
○7番(小貫元議員)再質問をいたします。
まず、財政問題についてなのですけれども、消費税に対する認識が市長と大分違うというのを実感しました。消費税が社会保障のために使われるというのはずっと言われてきたことで、ただ消費税ができる前、例えば健康保険の本人負担は1割でしたが、今は3割になっていると。高齢者の医療費も、月800円というところから、1割から3割というふうになっています。年金についても、開始年齢が60歳から65歳だとか、国民年金の保険料が7,700円から1万5,040円というふうになっているところで、社会保障が悪くなってきているというのが実態だと思うのです。これはちょっと国政の問題ですけれども、ただそのことと地域経済に対する関連性が、市長はこの1997年のときに現場の第一線にいたわけですから、そういう実感からどうだったのかというところをお聞かせ願えたらよかったと思うわけです。
あと、次に水道料金との関係なのですけれども、小樽市水道料金等審議会条例の第2条を見ますと、水道料金及び下水道使用料の額について、「条例を議会に提出しようとするときは、あらかじめその額について審議会の意見を聞くものとする」とあります。料金の改定は審議会の意見を聞くのだということです。小樽市水道事業給水条例第27条には、「料金は、別表第1号の基本料金と超過料金との合計に100分の105を乗じて得た額とする」とあります。つまり料金イコール別表掛ける1.05だと、こういうのが国語の読み取り方だと私は思うのです。これを先ほどの審議会条例第2条に当てはめれば、水道料金というのは水道事業給水条例の別表掛ける1.05と読み取ることができると思います。つまりこの二つの条例を合わせるならば、100分の105を100分の108にすることは料金の改定になるとみなすべきだと私は思います。だから、審議会を開くべきだということです。
もう一つの審議会を開くべきだと思う理由は、実際に水道事業が大きく変わってきていると思うのです。2011年度と2010年度の水道局の消費税の納税額を比較すると、水道で750万円減っています。こういった変化も加味して、水道料金そのものを引き下げて、市民負担を減らすべきだと私は思うわけです。
そして、水道事業会計や下水道事業会計の決算の状況を見ても、近年、単年度決算で黒字という状況にもなっているわけですから、この辺も踏まえて、審議会を開いてしっかり市民負担を軽減していくということを考えるべきではないかと思います。
あと、別枠加算については、市長が重要なものだということで思っているというような感じだと思うので、それについてはいいです。
次に、特別地域加算の問題なのですけれども、22万円を事業所にお願いするということなのだけれども、先ほど市長はやはり申しわけなく思っているということをおっしゃっています。そのとおりだと思うのです。それで、それなら市がその分を負担しますということをまず事業者に提案したのかどうか、このことをお聞きしたいと思うわけです。
あと、ふれあいパスにかかわってなのですけれども、人口減だとか燃料費の高騰だということなのですが、ちゃんとやはりこれは中央バスから状況を聞くべきではないかと思うのですよ。中央バスの決算をホームページで見ますと、2012年度決算では、確かに当期純利益はこのとき減少しているのです。ただ、売上げは連結会計年度前年度比0.7パーセント減と、ほんのごくわずかです。その中で突出して営業損失が多いのは、建設業2億5,200万円の営業損失というふうになっていますし、観光業2,700万円の営業損失というふうになっています。あと、今年度の四半期ごとの決算で4月から6月を見ていくと、同じように建設業で1億7,800円の営業損失、7月から9月の四半期では1億1,200万円の営業損失というふうに、本当にこの路線事業だけが赤字なのか、ここをしっかり突き詰める必要があると思うのですよ。売上高でいくとそれほど減少がないわけで、ちゃんとそういった話合いを進めるべきではないかと私は思います。それについてお伺いしたいと思います。
現金利用についてなのですけれども、これは実態を把握するためということなのですけれども、今後の課題としては、バスカードでの利用や、やはりKitacaとの連携というのも視野に入れて、事業所と話合いを進めるべきではないかと思いますので、これについてもお聞かせください。
あと、1人当たりの事業費で拡大すべきだということを質問しました。ふれあいパスの果たしている役割については、市長も社会参加や生きがい創出という点で役割を認めているところであります。先ほど、1人当たりの事業費では減っているというお話をしました。今、ふれあいパスは過疎計画の事業でもあるわけですから、導入のときよりも明らかに財源的にはしっかり確保できている話ではないかと思います。
そして、なぜ値上げをしないことを求めるかということも言えば、近年交付人数は減っているのですけれども、無料のときはずっと上がっていったわけですよ。有料化になった途端に交付人数が減っていったというところで、これがやはり本質問で取り上げたように、結果的に減便につながってしまうのではないかと。そのことになれば、やはり地域公共交通の確保というのはどうやって図っていくのか。その辺、地域公共交通の確保を市長は答弁していましたけれども、そうしたらどうやって確保していくのか、この辺をお聞かせ願いたいと思います。
あとJR北海道については、現状で、とてもではないけれども新幹線を運営するのは無理だと思うのです。それならば、順番としては、今、事業を着々と進めるというのではなくて、まず1回待って、それで本当に安全に運行できるような会社なのかというのを見極めていく必要があるのではないかと思うのですよ。
市長は、市内の事業については、いろいろと未来的なところを、負担などもちゃんと出してから事業を決めるように今進めていますけれども、それと同じように、ちゃんと担保するだけのことを確認してから進めていっていただきたいというふうに思います。
あと、カジノについてなのですけれども、これは賭博が結果的に競馬や競輪と同様になるというような答弁でしたけれども、プラスやマイナスで果たして考えていいのかと。税財源上プラスの効果があるから一定程度の犯罪はやむを得ないと、そういうようなことではないと思うのですよ。
(発言する者あり)
やはり賭博による社会的影響というのは、先ほど市長が最高裁の判例を示しているとおり、それが消えるものではないと私は思います。このことについて、プラス・マイナスで本当に考えていいのかというところについて市長の考えをお聞きかせ願いたいのと、もう一つカジノの誘致については市民からの合意を得たとは考えていないということと、前回誘致を言ったのは、合法化の動きがあって、そういう流れがあって言ったのだというところなのですけれども、これは市の進め方としては、以前山田前市長が答弁していたとおりの手順が本来ふさわしいと考えている、そういうつもりでいるのか、その辺をお聞かせ願いたいと思います。
あと問題はプールなのですが、市長答弁で新学校給食共同調理場との関係でどうもやはり納得がいかないのは、このとき、まず流れとして、2007年2月27日の北野議員の代表質問でですけれども、まずこの時点でも、現在、赤字決算という厳しい財政の状況の中、新たな予算措置が必要になりますので、今後検討していくことになりますというふうに答えている。そして、「水泳は、市民の健康増進やスポーツの振興はもとより、介護や病気予防に適した生涯スポーツであることは十分認識しております。このことから、新たな総合計画策定の中で検討していくこととしております」と言っているように、赤字で厳しいのだけれども、新たな総合計画でちゃんと検討するというのを議会で答弁しているわけです。
そして、続く2007年3月2日の予算特別委員会で、市長は新しい総合計画にのせて、やはり早期実現に向けてということになると思いますと、こういうふうに答弁しているのです。
そして、2009年12月15日、これは総合計画の前期実施計画を総務常任委員会に報告したときですけれども、このとき担当の主幹は、新・市民プール建設整備事業につきましては、前期計画から着手できるということで基本設計、実施設計を位置づけさせていただきましたと。そして、「さらに早期供用開始ができるよう要望していきたい」と、こういうことを答えているのです。この早期実施計画を担当した当時の企画政策室に大変失礼なことを今行っているのだというふうに私は思うわけですよ、副市長。
そして、2008年の過疎計画の中で報告があったときに、事業内容として基本計画、実施設計を記載しているけれども、基本設計については過疎債の対象にならないけれども、実施設計や本体工については過疎債の対象になるということで、この間説明してきたわけです。こういう議論を議会で行ってきて、今回、今行っていることというのは、まさに議会をないがしろにしていると私は思わざるを得ないわけです。
耐震化の話が今ありましたけれども、それならば、後期実施計画の案の段階でどれだけ耐震化の話が盛り込まれているのか、具体的に示してください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)小貫議員の再質問にお答えしたいと思います。
まず、消費税の増税における社会保障制度、これにつきましては国も、やはり持続可能な制度を進めるということであれば、今の消費税率の見直しの中で取り組んでいくということですから、私どもとしてはそのように取り組んでいただけるものと、そして注視をしていきたいというふうに思います。
それから、地域経済の問題については先ほども御答弁しましたけれども、国費ベースで5兆円規模の経済対策をするということでございますので、具体的なことはまだこれからだと思いますけれども、そちらには期待していきたいというふうには思っております。
それから、水道料金の件につきましては、これは料金の増ということではなくて、あくまでも消費税法の改正に伴うものでありますので、これについては選択の余地がないということでございますので、審議会を開かないと、こういうことでございますので御理解いただきたいと思います。
それから、ふれあいパスの問題につきましては、経営の内容につきましては、これはなかなか私どももああだこうだ、そうだこうだということは事業主にお話しできる筋のものではありませんので、事業主から説明をいただいた内容について、私どもはそれを理解することしかすべはないのではないかと、このように思っているところでございます。
それから、回数券から現金方式、これにつきましては先ほども御答弁したとおり、事業者と、それから利用者と市と、そしてどれぐらいの事業費がかかるのかということにつきましては、現金ではなかなかそれがチェックできないということでございますので、回数券での利用、これでこれからも事業としては続けていきたいというふうに思っております。
それから、値上げにつきましては、それぞれ事業者も経営内容が厳しいということですから、値上げをしたいと。これは唐突に出てきたことではなくて、以前から、事業者からはやはりこの事業の内容の見直しをしていただきたいという、こういう要望があった中で、現在までお願いをしてきたわけでありますけれども、ここに至って消費税の問題等々を含めて、やはり事業者としても値上げをしなければ経営が成り立たないということでございますので、御理解いただきたいと思います。
それから、利用者が減るということ、あるいは公共交通の確保ということについては、これは引き続き事業者にも要請はしていきますけれども、私ども利用する側もやはりできるだけ公共交通機関を利用して、少しでも事業者が、先ほども答弁しましたように人口が減少して利用者が減ってきているという状況でありますので、何とか皆さんで、市民みんなで利用することを心がけていく、こういう啓蒙もしていきたいと思っております。
それから、JR北海道に関連しまして新幹線の問題でございますけれども、これは新幹線の期成会をつくって40年に初めて札幌延伸が認可されたということですから、この40年間何をやってきたかというと、やはり新幹線が札幌まで延伸することによって、北海道の経済あるいは観光振興、いろいろなものがプラスになるということで取り組んできたわけでございまして、認可されたからここでさあやめましょうというようなことにはならないというふうに思っておりますので、理解をしていただきたいと思います。
それから、いろいろな問題につきましては、まだ国も、鉄道建設・運輸施設整備支援機構も22年というような言い方をしておりますので、その間にいろいろな問題があったときには、解決に向けて取り組んでいきたいというふうに思っております。
それから、先ほどカジノの問題につきまして、犯罪はやむを得ないなどということを私は一言も言っておりませんですから、犯罪をなくするというふうに申し上げているのです。
(発言する者あり)
ですから、カジノイコール犯罪、カジノがなければ犯罪がないかというと、そういうことではないというふうに御理解をいただきたいと思います。
それから、カジノの問題について、手続について、前市長の言っていることと違うという話ですけれども、当時はIR推進法については、国会の中で上程するというようなことが議論されていなかったわけです。議連の中ではいろいろな議論はあったと思いますけれども、国会に上程するという話がなかったのですが、今回、この臨時国会の中で上程をするというような動きがありましたので、何とかカジノ誘致ということについて取り組んできたわけでございまして、前市長と違うということは、これは状況が違うというふうに理解をしていただきたいと思います。
それから、プールの問題については、今、小貫議員から、あのときこのときそのときということでいろいろと答弁の話がありましたけれども、私はそのとき一つ一つの答弁についてはチェックしておりませんので、御理解いただきたいというふうに思います。
(発言する者あり)
ただ、申し上げているのは、総合計画と過疎計画に位置づけられており、また多くの市民の皆さんから要望のある事業でございますので、取り組まなければならない事業だということは、私は今も承知をしているところであります。しかし、いろいろな状況の変化の中で、変化というのは先ほども答弁しましたけれども、その後に東日本大震災があって、そして子供たちの安心・安全を守るためにはやはり耐震化の問題だとか、それから財政の問題なども大変厳しい状況にあるということでございますので、要するに適地の問題、財政の問題、そういった社会的な問題を踏まえた上で取り組んでいきたいというふうに思っているところでありまして、決してプールはつくりませんという、こんなふうには一言も申し上げておりませんので、御理解をいただきたいと思っております。
(発言する者あり)
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)福祉部長。
○福祉部長(三浦波人)私からは障害福祉サービスの特別地域加算に関連しまして、利用者の負担額の増額分の取扱いのことで、市が負担するということを事業者に最初に話したのかということでございますけれども、今回私どもでは、平成22年度にさかのぼって事業者から利用者の方々に請求することはやはり大変難しいということがございましたが、小樽市として負担をいたしますということは申し上げておりませんけれども、今申し上げたような事情を説明いたしまして、事業者の皆様に御理解をいただいているということでございます。
(「答弁漏れがあるぞ」と呼ぶ者あり)
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
○7番(小貫元議員)答弁漏れについて指摘させていただきますけれども、耐震化が大事だという点で、後期実施計画でその部分はどこにどう位置づけられたのかというところを、それらを具体的に示してくださいという旨言ったと思うのですが、それについてまずお願いいたします。私も自分で質問したことがいっぱいあったので、済みません。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)総務部長。
○総務部長(迫俊哉)再質問にお答えさせていただきます。
新・市民プールの建設に当たりまして、後期実施計画の中に耐震化の問題がどの程度見込まれるかということのお尋ねでございますけれども、私どもといたしましては、実際に金額等はこれからその中に盛り込んでいくことになるわけですけれども、具体的に申し上げられる部分といたしましては、例えば、今、市長も答弁させていただきましたけれども、東日本大震災以降におけます学校を中心とした耐震化への対応というのが一つございます。
それからもう一つは、やはり笹子トンネル天井板落下事故以降、高度成長期に整備された社会資本が耐用年数とされる50年に近づいているというようなこともございまして、社会資本を中心とした維持補修費、更新費用が必要になってくるということで、後期の中に盛り込んでいくということで考えております。
また、あわせまして、御質問の中にもございましたけれども、改正耐震改修促進法によります耐震診断の実施の義務化ということが位置づけられておりますので、そういったものが各項目の中にそれぞれ位置づけられていくことになっておりまして、こういった形で市民の安全・安心のための施策を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
○7番(小貫元議員)再々質問を行わせていただきます。
まず、ふれあいパスとの関係で、公共交通の確保という点で、市長は先ほど事業者に要請していくというふうにお答えしたわけですね。そして、利用者の拡大が必要だということを述べているわけですけれども、やはり値上げをして利用者の拡大を図ろうということは、商業的に考えて非常に難しいことではないかと私は思うのですよ。事業者に要請してこの間値上げが決定されてきているわけだから、利用者の拡大を求めるのならば、やはり高齢者が積極的にバスを利用していただく、鉄道を利用していただく施策が必要なのではないかというふうに私は思います。
あと、消費税の増税に対する影響との関係なのですけれども、このふれあいパスもそうですけれども、水道の話も、私、公共料金の消費税増税転嫁という点で言いましたけれども、水道・下水道で約1億3,500万円、ふれあいパスで4,400万円、要は合わせれば1億8,000万円もの市民負担が増えるわけですよ。これを逆に言えば、行わなければ、それだけ市民の消費能力というか、消費向上につながると。そのこと自体がやはり経済政策としても重要なのではないかと私は思うわけです。特に水道料金については、1世帯当たりの負担率というのは非常に低いでしょうけれども、これが全市民に影響していることですから、それが軽減される又は消費税増税転嫁がされないということになれば大きな経済効果を生むと。これは、経済対策としても、今、検討していくべきだと私は思います。
市長は消費税増税について、先ほど国からの財源についても述べられていました。閣議決定されて地域経済に波及効果があるということと、地方消費税のことと、地方交付税として交付されると、このように言ってきたわけです。これは、要は消費税増税によってそれだけ影響があるから、ちゃんと地方自治体として対応しなさいということで、国が示しているわけだと思うのですよ。それだったら、やはりこういうお金もちゃんと使って、市民負担軽減を図って、地域経済活性化を図っていくと。国のやることに対して、もう市民としては頼るところは市長しかないわけですよ。地方自治体としては、市長が市民の生活の守り手に、やはり前に立ってほしいと私は思うわけです。
あと、福祉部のミスにおける負担を事業者にお願いして、しかもそのことについて提案していないということを今福祉部長がおっしゃいました。業務事故防止の指針にもあるように、制度の改正に対応するという項目があります。担当者が制度改正の内容を理解したと思っていても、それが正しく理解されているか、また業務に正しく反映されているかについて、そもそも上司である係長や課長が改正内容を理解していなければ、チェック機能が働く状況すらないことになります。こうやってもう事前に指摘をされているわけです。そして、第3回定例会で、市長は第8回カジノサミットに20万円つけたのですよ。こう言ってカジノに対してはぽんと20万円出すけれども、みずからのミスについては一言も責任を持たないという、こういう市政運営で果たしていいのかというふうに私は思います。
あとプールの建設についてですけれども、取り組まなければならないことだと思っているということを何度もおっしゃっていますけれども、それならばやはり建設とまともに書くのが筋ではないかと私は思います。
総務部長、先ほど後期実施計画について、そうやって記載されている旨言っていましたけれども、例えば防災の項目で、事業名として新たに加えられていることは何一つありませんよ。事業概要の中で、耐震診断を計画的に実施だとか、住民組織による津波避難訓練の実施促進だとか、これがプール建設を阻害するほどの費用がかかるというのでしょうか。
また、道路のところでも、確かに1項目、そのことについて書かれている部分がありましたけれども、それについてもプール建設を阻害するほどの財政負担があるのかどうか、それをちょっと具体的に示していただきたいと思います。私はそれは理由にならないと、建てないための、つくらないための理由を述べているにしかすぎないのではないかと、私は思います。
そして、このプール建設という点でいえば、この間の議会議論とやはり主権者である市民の意見を無視しているということで、単なる事業をやるやらないという話ではなくて、議会制民主主義と地方自治という、そのものが今問われている問題だと思うのですよ。今、笑った議員がいらっしゃいますけれども、議会に対して正式に述べていることを、反したことを行っているのに、チェック機能を果たすべき議会が何も物を言わないと、そのままやっても笑っているだけと。
(「言っているぞ、ほかの議員も。」と呼ぶ者あり)
(発言する者あり)
それだったらば陳情にちゃんと賛成するべきではないですか、私はそう思いますよ。そういうことで、こういう大きな問題が今問われているのだということを述べさせてもらいます。
あと、市長が今、詳しい議論はわかりませんけれどもと言ったけれども、前期実施計画をつくったのはそこにいる副市長ですよ。そうでしょう。それが何でわかりませんと言うのですか。そんな無責任な話はないと私は思うのです。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)小貫議員の再々質問にお答えします。
まず一つは、ふれあいパスの問題について、公共交通の確保ということでお話がありました。これはやはり事業者と利用者双方が努力していくことではないかというふうに思っておりますので、市といたしましては、事業者にも、公共交通の今の路線の確保ということについてはしっかりお願いしていきたいというふうに思いますし、また、利用する側、これはふれあいパスだけではなくて、市民全体に利用しましょうと、こういうような啓蒙も必要なのかなというふうに思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。
それから、消費税の増税について幾つか質問がありましたけれども、地域経済の問題については、これから地域の活性化にどうつながっていくのか、そういったことをやはり注視していく必要があるだろうというふうに思いますし、それから水道料金の問題、下水道使用料の問題、これについては先ほども答弁したとおり、決して値上げということではなくて、消費税の改正の中でそうするということでございますので、御理解をいただきたいというふうに思っております。
それから、市民の安心・安全を守るというのはこれはもう当然のことでありますので、この件だけではなくて、いろいろな形でやはり市民の安心・安全は守っていきたいというふうに思っております。
それから、プールの問題ですが、先ほど答弁しましたように、適地の問題とか社会情勢の問題とか、いろいろなことがありますが、やはり一番大きいのは財政の問題なのかなというふうに私は思っているのですね。ですから、当初、小貫議員がいろいろとあの議会ではこういうことがあった、こういうことがあったというふうにお話しいたしましたけれども、それはそのときの状況とずいぶん違ってくるだろう、違っているだろうというふうに思っておりますので、ですからそこのところは理解をしていただきたいと思うのですが、今何といっても一般会計の累積赤字が解消したと言っていますけれども、私もいろいろなところでお話ししていますように、やはり企業会計であるとか、あるいは他会計からの借入れというのが相変わらず大変大きな負担になっているわけですよ。これを何とか早く解消しなければ、なかなか本当の真の財政の健全化ということは申し上げられないというふうに思います。ただ、これもそう簡単に短期間でできることではありませんけれども、いろいろな状況の中でこのプールの問題については取り組んでいきたいというふうに思っております。
それから、ちょっと前後しますが、福祉部の事業所の負担といいますか、自己負担の増額分を事業所に負担させるのはいかがなものかと、こういうお話でございました。これはそれぞれ事業所の皆さんに説明をさせていただいた中で、事業所から御理解をいただいていると、このように私は報告を聞いておりますので、こういう形でとりあえず進めていきたいというふうに思っております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)総務部長。
○総務部長(迫俊哉)再々質問にお答えをさせていただきたいと思います。
プールの関係でいわゆる状況が変わったということで、防災関係のことを答弁させていただきましたけれども、確かに今、小貫議員がおっしゃられたとおり、防災そのものという観点からいいますと、ある程度事業を平準化いたしまして、何年か計画でやるということで検討しておりますので、それそのものが大きくプールを建設するための阻害になっているというふうには考えておりませんけれども、それ以外に先ほど再質問でもお答えさせていただいたとおり、道路ですとか橋ですとか、いわゆる耐用年数に近づきつつある社会資本の整備というものが今後求められてくるだろうというふうに考えられておりまして、それにかかわる、長寿命化にかかわる、いわゆる多額の更新費用がかかってくるというふうに考えているところでございます。それぞれ道路なり橋梁の中の項に記載をされているものでございまして、学校につきましては教育の部分に記載をされているというふうに考えているところでございます。
○議長(横田久俊)小貫議員の会派代表質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時52分
――――――――――――――
再開午後3時15分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、会派代表質問を続行いたします。
(「議長、12番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)12番、鈴木喜明議員。
(12番鈴木喜明議員登壇)(拍手)
○12番(鈴木喜明議員)平成25年第4回定例会に当たり、自由民主党を代表して質問を行います。
「情報漏えいに関する脅威が高まっている状況や、各国との情報共有は情報が各国において保全されることを前提に行われていることに鑑みると、秘密保全に関する法制を整備することは喫緊の課題だ」との我が党の安倍首相の見解の下、政府は特定秘密保護法を6日に成立させました。
一番よくある誤解は、戦前の治安維持法のように言論統制を行う法律だというものです。治安維持法は全ての国民を対象にする法律でしたが、特定秘密保護法は第1条では我が国の安全保障に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものについて、特定秘密の指定及び取扱者の制限その他の必要な事項を定めるとあり、その対象は一般国民ではありません。
政府は、来年12月ごろの施行に当たり、年明けにも有識者による情報保全諮問会議を発足させ、運用基準の策定に着手します。知る権利が侵害されるとして反対論が強い同法だけに、同会議が示す運用基準が広く国民に理解されるものになることを、まず望むものであります。
我が党が一にも二にも気を使っております景気については、9月の政府の経済報告から引き続き緩やかに回復基調とあり、「着実に持ち直しており、自律的回復に向けた動きもみられる」とあります。
後志管内に目を移せば、日本銀行札幌支店が発表した金融経済概況では、9月の景気判断について「持ち直している」とされました。小樽市内では、小樽商工会議所が調査した経済指標にも、持ち直しの傾向が徐々にではあるが見られています。しかしながら、本市の市税の減少傾向には歯止めがかからず、依然厳しい財政運営が続いているのが現状です。
そこでまず、本市財政と平成26年度予算編成についてお聞きします。
平成25年度一般会計当初予算は577億700万円、前年比11億6,100万円、2.1パーセントの増を計上し、一般会計の歳入総額に対する市税の割合は約22.8パーセントで、平成24年度市税収入決算では135億5,324万9,000円、予算比1,264万円、0.1パーセントの増と報告を受けました。
平成25年度一般会計歳入歳出予算額によると、平成24年度予算額と比較して、歳入では市税は9,960万円の減額、地方交付税は3億800万円の減額、国庫支出金1億600万円増額、道支出金1億1,500万円減額、繰入金5億4,700万円増額、諸収入3,200万円の減額、市債10億5,200万円の増額となっています。
また、歳出では、総務費1億8,600万円増額、民生費2億4,200万円増額、商工費2億7,600万円増額、消防費4億8,500万円減額、教育費14億300万円増額、公債費2億1,200万円減額、職員給与費2億5,100万円減額となっています。
平成26年度の予算を考える上で参考になりますので、この中身について主なものを御説明ください。
本市の普通会計の決算状況によると、市税は平成20年度約153億円で、歳入の構成比は28.0パーセントでした。平成21年度は約145億円、25.2パーセント、平成22年度、約142億円、24.0パーセント、平成23年度、約139億円の23.5パーセント、平成24年度は前述の数字です。経常一般財源等の構成比においても、平成20年度の46.3パーセントから23年度の42.0パーセントへと低下し続けています。
市税の落ち込みは、当市の自主財源の低下を意味し、新たな行政課題が持ち上がっても、対応に苦慮する状態、すなわち財政の硬直化を示す指標である経常収支比率は、適正が80パーセント以下ですが、全市平均で90.2パーセントと増加を招いています。実際、本市の経常収支比率は、平成20年度98.6パーセントから22年度93.8パーセントと少し改善したものの、再び平成23年度97.8パーセントとなりました。平成24年度決算における経常一般財源等の市税構成比と経常収支比率をお聞かせください。
並びに、この財政状態を市長はどのようにお感じになり、今後どのように改善していくかをお聞かせください。
また、以前からの健全化判断比率の公表、総務省方式の地方公会計にのっとった貸借対照表、行政コスト計算書、純資産変動計算書及び資金収支計算書という財務4表の提出など、自治体財政を指標化する動きは厳しく、そうした中、公募地方債を発行する自治体が格付を取得する事例が増えております。その格付の地方自治体の信用力を評価する大きな四つの基準は、1、税収を左右する域内の経済力と動向、2、債務の規模と返済に回せる資金のバランス、3、財政収支の構造と状況、4、財政運営の能力とあります。格付を判断するための財務指標としては、債務償還可能年数と実質債務月収倍率がありますが、これらの指標の本市の状況についてお聞かせください。
また、それぞれの指標の類似団体の状況などについてもお聞かせください。
このたび、第6次小樽市総合計画中間点検報告書が出されました。
中間点検は、平成21年度から25年度までの前期実施計画期間中の点検として主な事業である33の施策に成果指標を用いて掲載しており、平成26年度から30年度の後期実施計画策定へとつなげるためのものです。今回の中間点検の成果指標において、順調に推移していると考える主な施策と、順調ではないと考える主な施策を理由とともにお答えください。
また、このたびの中間点検報告で後期実施計画につなげることは、どのようなものですか。お答えください。
後期実施計画で、現時点はまだ予算づけされてはいないが予定されている新規事業があれば、お示しください。その上で、後期実施計画の初年度となる平成26年度の予算編成に当たり、基本的な考え方や重点項目のお考えをお聞かせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)鈴木議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、本市財政と平成26年度予算編成について御質問がありました。
初めに、自治体格付とそれを取り巻く状況についてですが、まず25年度予算で前年度予算と比べて増減額の大きい項目の主な概要につきましては、歳入では、市税で固定資産税の評価替えや地方交付税で地方公務員給与の削減などの影響を考慮して減額と見込んだ一方、繰入金で財政調整基金の取崩しによる財源対策や普通建設事業費の増加により、市債を増額で予算計上したものです。
また、歳出については、消防費で高機能消防指令センター事業費により減、教育費で新共同調理場建設事業費や学校校舎等改築事業費により増となっております。
次に、市税の構成比などにつきましては、24年度普通会計決算における市税の経常一般財源等の構成比は40.4パーセントで、前年度と比べ1.6ポイント下がり、経常収支比率は前年度と同じ97.8パーセントとなっております。市税の構成比の減少は自主財源の比率低下につながっており、地方交付税や国・道支出金、市債など、依存財源の比率が高い財政構造になっております。
また、経常収支比率は90パーセントを大きく上回る状況が続いており、新たな財政需要が生じた場合、対応のできない硬直した財政構造になっていると認識しております。
そうした中、今後どう改善していくのかとのことですが、自主財源である市税の増収につなげるには、地域経済を活性化させることが重要なことから、今年度の予算編成においても経済・雇用対策を重点事業として優先的に取り組んできたところであります。今後とも、中小企業の振興や市内産業を活性化させるとともに、企業立地の促進にもなお一層努力してまいります。
次に、債務償還可能年数などにつきましては、本市では算出しておりませんが、北海道財務局による平成22年度決算の試算では、債務償還可能年数は14.5年、実質債務月収倍率は14.4月とお聞きしております。
また、類似団体の平均値は、それぞれ8.6年、13.4月で、本市は債務償還可能年数は長く、実質債務は大きい状況にあります。
次に、第6次小樽市総合計画中間点検報告書についてですが、まず中間点検における成果指標につきましては、順調に推移している主な施策としては、子供たちの安全・安心な教育環境を確保する小・中学校の耐震化や子育て環境の充実を図る延長保育の拡大など、学校教育、子育て支援の施策が挙げられます。
また、これまで力を入れて取り組んできた企業誘致の実績として、操業を開始した企業数や新規雇用者数が着実に増えている工業・企業立地、雇用・労働の施策のほか、海外からの観光客誘致の取組により、外国人宿泊客数が増加している国内・国際交流の施策が挙げられます。
一方、市街地整備や商業の施策における成果指標では、中心市街地の居住人口や年間商品販売額が減少していることから、まちなかのにぎわい創出や市内経済への影響が大きいものと考えております。
次に、総合計画の中間点検を後期実施計画につなげることについてですが、中間点検においては、前期実施計画に掲載した各事業について、これまでの実績のほか市民ニーズや社会情勢の変化を踏まえた必要性や有効性と事業を実施する上での課題について点検を行い、今後の方向性について整理いたしました。後期実施計画は、その中間点検での結果や本市の政策課題を踏まえ、平成26年度以降の後期計画期間に取り組む事業を取りまとめたものであります。
次に、後期実施計画で予定している新規事業についてですが、老朽化が進む道路やトンネルなどの修繕や更新を行う道路ストック修繕更新事業や水産物の消費拡大とブランド化を図る水産物ブランド化推進事業、大型クルーズ客船への対応を含めた第3号ふ頭及び周辺再開発事業を予定しているほか、北海道新幹線の札幌までの延伸認可に伴う北海道新幹線新駅周辺まちづくり計画策定事業などがあります。
次に、平成26年度予算の考え方についてですが、予算編成の基本的な考え方などにつきましては、地方交付税において別枠加算の廃止による減額が検討される中、消費税増税に伴う経費の増や扶助費などの義務的経費の自然増、さらには新たな財政需要にも対応していかなければならず、引き続き厳しい予算編成になるものと考えております。
そのような状況を踏まえ、既存の全ての事務事業について、ゼロベースでの視点で必要性、有効性を厳しく検証し、スクラップ・アンド・ビルドによりめり張りをつけるとともに、行政サービスのコストの低減や質の向上を進めることなどを基本方針として、10月に通知したところであります。
そうした中にあっても、小・中学校をはじめとした公共施設の耐震化への取組や、道路などの既存インフラ施設の整備など、安全・安心なまちづくりに向けた取組のほか、企業誘致や大型クルーズ客船の受入れ対応など、地域経済の活性化と雇用の場の確保を図るため、経済・雇用対策については引き続きしっかりと取り組まなければならないと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、12番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)12番、鈴木喜明議員。
(12番鈴木喜明議員登壇)
○12番(鈴木喜明議員)次に、2項目めの質問をいたします。
本市の一般職員の構成についてお聞きします。
平成19年度は、本市普通会計の一般職員等総数1,128名、内訳は一般職員873名で技能労務員164名を含む、その他教育公務員6名、消防職員249名。平成24年度は一般職員等総数1,017名、内訳は一般職員1,011名で消防職員240名及び技能労務員87名を含む、その他教育公務員6名とあります。
一般職員の仕事の効率化による減少傾向は、当市においても喫緊の課題と思いますが、平成19年度から23年度までの一般職員等の減少分111名の大部分が技能労務員の減少分77名で占められております。技能労務員の主たる職種は何でしょうか。また、大部分を占めている理由はなぜですか。技能労務員が減少することで影響が生じることはありませんか、お答えください。
また、このたびの議案第3号として、小樽市職員給与条例等の一部を改正する条例案が提出されました。国家公務員に準じ55歳以上、医療職給料表が適用される場合は57歳以上の職員は原則昇給しないこととし、並びに公的年金の支給開始年齢の段階的な引上げに伴い、今年度定年退職する職員から無年金となる期間における再任用職員の給与月額と期末勤勉手当に所定の改定を小樽市水道事業等企業職員及び小樽市病院事業企業職員ともに行うとのことです。
この議案は、無年金期間が生じるという社会情勢に鑑みて理解はいたします。反面、長期的な考えでは、退職者再任用により、新卒採用者及び中途採用者が制限され、今後の職員年齢構成や技術職の育成など、バランスがとれた職員構成に支障が出ることがないのかを危惧するところでもあります。
市長は、職員年齢構成並びに技術職の必要性などをどのようにお考えですか。御所見をお伺いいたします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、本市の一般職員の構成について御質問がありました。
初めに、技能労務員の主な職種につきましては、清掃作業員、運転手、学校や保育所の給食調理員や用務員などとなっております。
また、一般職員等の減少分の大部分を技能労務員が占めているのは、行政改革の一環として退職者を補充せずに民間委託などで対応してきたためであります。
次に、技能労務員が減少することによる影響についてですが、減少分について業務の民間委託や公用車運転を専任職員から一般職員に振り替えるなどにより対応してきているため、支障は生じていないものと考えております。
次に、再任用職員の任用による職員の年齢構成などについてですが、本市では平成20年度に再任用制度を再開しており、本年度で6年目となりますが、定年以外の退職者や再任用を希望しない職員もいるため、この間も事務職をはじめ、土木・建築などの技術職を業務の必要性に応じ採用してきております。さらに、職員の年齢構成を考慮し、平成21年度の職員採用試験からは学校卒業後7年までの年齢制限を10年までに見直しており、今後につきましても、年齢構成にも配慮しつつ、業務量に見合った人員配置をしていきたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、12番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)12番、鈴木喜明議員。
(12番鈴木喜明議員登壇)
○12番(鈴木喜明議員)3項目めの質問をいたします。
小樽港の冷雪貯蔵と港湾物流の機能分担についてお聞きします。
小樽港第3号ふ頭の再開発素案がまとまり、国際旅客ターミナルビルの建設やイベント広場の整備など、港のにぎわいの創出プランが発表されました。再開発は、クルーズ客船の寄港増加に合わせ、埠頭全体を整備するのが目的です。その意味では、順調に計画が進行していると感じますし、期待を寄せるところです。
一方で、今後検討される港湾のもう一つの柱である物流港としての課題です。前回は、ロシア極東の好景気を背景に、道や旭川市を中心とする企業の積極的な極東貿易策を見習ってはいかがですかとの質問に時期尚早とのお答えでしたが、今回は冷雪貯蔵のための雪氷倉庫建設についてです。
道内の農産物の多くは収穫期にホクレンを通じ、首都圏の冷蔵倉庫に出荷されるバルク販売が中心です。これを道内の雪氷倉庫で貯蔵することによって、農産物の糖度を高めるなど付加価値をつけ、端境期で高い値段がつく時期に出荷できるようにするなど、雪氷による冷気を利用して道産の農産物を貯蔵し、付加価値をつけて首都圏など消費地に通年出荷することを目的とした食料流通備蓄推進協議会の設立総会が今年4月25日、北海道経済センターで行われました。3月末に解散した大規模長期食糧備蓄基地構想推進協議会の主要メンバーが流通に特化した雪氷倉庫を3年以内に建設することを目的に新たに設立したもので、民間主導による社会資本整備事業と位置づけられています。
設立総会には、美唄市や釧路市の食料基地構想協議会のメンバーや行政関係者、民間会社社長のほか、金融界から北海道銀行頭取ら23人が参加しました。会長には美唄市大規模冷温食糧備蓄基地構想推進協議会会長で美唄商工会議所会頭の岸本邦宏氏、理事長には森田哲明北海道国際経済交流会会長が選ばれたほか、理事には高橋幹夫美唄市長ら8人が就任しました。
新しく発足した食料流通備蓄推進協議会では、3から5年の時限組織とし、道内の産地と輸送拠点の港湾に雪氷倉庫を複数建設することを事業目的として、3年後をめどに産地で2万トン、港湾拠点に5万トンの貯蔵ができる雪氷倉庫建設を進める計画です。そして、流通備蓄だけでなく災害時にも役に立てられるように考えられました。同協議会では、農林水産省とも連携をとりながら、6月から札幌、釧路、石狩、美唄などでプロモーションを行い、雪氷倉庫建設の機運を高めていくとのことです。
平成25年4月に提出された美唄市食糧備蓄拠点構想の中では、備蓄した支援物資を輸送する際にはトラック輸送が主たる手段であり、道外への輸送にはフェリーや貨物船などの海路が使用され、道央圏には国際拠点港湾である苫小牧港、重要港湾である石狩湾新港の名前が挙がっております。
今年3月の第1回石狩湾新港長期構想検討委員会・幹事会資料の産業の動向の章で、「雪氷冷熱の導入施設は全国で140施設のうち、北海道が65施設を占め、主に自治体や農業団体などにおいて公共施設の冷房や農産物貯蔵などに利用されている。新港地域では、雪氷等の冷熱をデータセンターの誘致や食料倉庫の利用に結び付けようとする取組が行われている」とあります。
そこでお聞きしますが、当市において小樽港の物流構想の中で、雪氷倉庫建設など食料流通備蓄推進協議会が示すような検討をしたことがあるかどうかをお聞かせください。検討しなかったとしたら、理由をお知らせください。
また、この雪氷冷熱の利用について、小樽港と石狩湾新港の機能分担に関係があれば、あわせてお知らせください。
前述は一例ですが、そもそもこの2港で機能分担とはどのように決められていたのか、今後はどのように進めていくのかお答えください。
本市は、小樽港の新港湾計画を策定中で、その中での石狩湾新港との機能分担は確かに必要と考えますが、本市の石狩湾新港管理組合への影響力がどうも弱く、このままでは小樽港はフェリー及びクルーズ客船に特化した港になり、物流港としてはもはや役目を終えた、石狩湾新港のみが物流の港になるのではという港湾関係者や市民の声が多く寄せられています。
市長の新港湾計画策定中の小樽港と石狩湾新港の機能についてのお考えを改めてお聞かせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、小樽港の冷雪貯蔵と港湾物流の機能分担について御質問がありました。
初めに、冷雪貯蔵についてですが、まず小樽港における雪氷冷熱を利用した倉庫建設などにつきましては、これまでは具体的に検討をしたことはありません。雪氷冷熱を利用する場合は、積雪寒冷地において大規模な雪の堆積場を確保できることが前提条件になるものと考えておりますが、小樽港の背後地は狭隘であり敷地の面で余裕がないことから、導入は難しいものと考えております。
また、雪氷冷熱の利用に関しては、積雪寒冷地の特徴を生かしながら、省エネルギー化を図る取組であり、小樽港と石狩湾新港との機能分担の問題とは違うものと考えております。
次に、小樽港と石狩湾新港の機能分担がどのように決められてきたかについてですが、機能分担については石狩湾新港の建設に際し、小樽港が持っている特殊な施設・機能と競合するような過大な二重投資を避けることを前提に整理された考え方で、貨物の配分の形で表されており、昭和47年11月の石狩湾新港の港湾計画策定時にその考えが示され、その後、計画改訂時などにおいて新港管理組合、北海道、小樽市、石狩市の4者間で協議し、確認を行っております。
新港管理組合では、平成26年度に石狩湾新港の港湾計画改訂を行いたいとしておりますが、今後も過大な二重投資を避け、それぞれの港の特性を生かすためにも、機能分担については必要に応じて4者間での協議を行っていかなければならないと考えております。
次に、小樽港の物流につきましては、現状の小樽港を取り巻く環境は大変厳しい状況ではありますが、フェリーやコンテナの定期航路をはじめ、輸入穀物基地としての既存機能やロシアとの既存航路などを最大限に生かしながら、一層の貿易の拡大につなげることが重要であると考えております。現在、港湾計画の改訂に向け、港湾関係者と今後の物流振興施策について検討を進めているところであり、今後とも港湾業界と連携しながら取扱科目の拡大に向けた取組に努めてまいりたいと考えております。
また、石狩湾新港については、石油製品、LNGなどのエネルギー供給拠点、リサイクル資材の取扱い等の特性がありますが、いずれにいたしましても、それぞれの港の特性を生かしつつ、相互に連携して道央圏日本海側の物流拠点としての役割を担っていくべきものと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第4項目めの質問に移ります。
(「議長、12番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)12番、鈴木喜明議員。
(12番鈴木喜明議員登壇)
○12番(鈴木喜明議員)4項目めの質問にまいります。
NHK連続テレビ小説「マッサン」観光についてお聞きします。
「『2020年東京オリンピック決定』に沸いた日本。”ワクワクする時代の到来”を求め、”日本人としての誇りを持ち夢に生きること”に今ほど飢えている時代もないと日々感じています。そんな今こそ、夢を生きた”日本人の原点”を描くドラマをお届けします。」とのキャッチフレーズで、隣町余市町を舞台とした、日本ウィスキー誕生を支えた竹鶴政孝氏とその妻リタがモデルとなる、平成26年度後期NHK連続テレビ小説「マッサン」の制作が発表されました。
皆様おなじみの今年の流行語大賞も受賞した「じぇじぇじぇ」で有名なNHKの連続テレビ小説「あまちゃん」による経済効果、アマノミクスが大旋風を起こしています。まずは、ドラマの主な舞台である岩手県、岩手経済研究所は8月、「あまちゃん」による岩手県内の経済波及効果が本年度だけで32億8,400万円に上ると発表しました。試算に用いたのは今年の大型連休の実績で、北三陸市のモデルである久慈市、メーンロケ地の小袖海岸には、連休中だけで通常の年間観光客数の2倍が訪れました。あまちゃん関連のグッズやウニ丼が売れに売れたとのことです。
今も久慈市のまちは、じぇじぇじぇバブルに沸いています。あまちゃんブームを見て、じぇじぇじぇスタンプはお盆に1日100個も売れ、じぇじぇじぇTシャツが最低でも1日20枚、週末には100枚も売れた日があったといいます。
劇中の第三セクター北三陸鉄道のモデルとなっている三陸鉄道も、あまちゃん効果で乗降客が急増しています。北リアス線の久慈-田野畑駅間の7月から9月の総乗降客数が前年比5割増し、特別運行しているお座敷列車は、人気のため当初9月までの運行予定を10月までに延長したというほどです。もちろん、経済波及効果は岩手県内にとどまりません。
このように、NHK連続ドラマロケ地とその周辺の知名度は上がり、ブームの大小はありますが、舞台となる余市町はもとよりですが、隣市である我が小樽市にも経済効果が確実にあります。半年以上先のこととはいえ、より経済波及効果を高めるために、当市は「マッサン」観光のベース地として利用してもらうため、何か余市町とのタイアップ企画等の取組を持ちかけたりする考えはありますか。この機会を利用して、北後志観光の振興へとつなげる必要があると考えますが、いかがでしょうか。
また、前述のドラマ観光は一例ですが、観光入込客数が前年同期比4.3パーセント増の391万9,300人になり、その中でも外国人宿泊客が円安傾向などにより同68.5パーセント増の3万4,000人と過去最高を記録した本市は、観光客の滞在時間の延長を目指し、国内観光客はもとより外国人観光客の滞在日数の長期化に取り組み、オーストラリアをはじめ世界各地からスキーリゾート観光や夏場の長期体験型観光を外国人旅行者対象に推し進めているニセコ町や倶知安町との観光施策の連携が必須と考えます。広くは後志圏の各町村との観光連携について、今後のお考えをお聞かせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、NHK連続テレビ小説「マッサン」観光について御質問がありました。
初めに、余市町との観光連携についてですが、まず、余市町とのタイアップ企画などの取組につきましては、余市町から先週設立されました「マッサン」応援推進協議会への参画についての依頼がありましたので、本市としても協議会に参画し、撮影協力や観光客誘致、受入れ態勢の整備等について積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、この機会を利用して北後志の観光振興へとつなげる必要性につきましては、「マッサン」応援推進協議会には本市のほか、北後志の各町村、観光協会なども参画する予定と聞いておりますので、地域内の経済効果が高まるように連携し、ドラマを活用した観光振興に努めてまいりたいと考えております。
次に、外国人観光客誘致における後志圏との観光連携についてですが、ニセコ町や倶知安町を含む後志圏の各町村との観光連携につきましては、これまでもニセコ町や倶知安町とは札幌市も含めたMICE事業等により、共同で外国人観光客誘致を進めてきております。
また、今年8月に本市を含む北後志6市町村で北後志広域インバウンド推進協議会を組織し、9月中に中国、台湾、タイの旅行関係者との意見交換会を実施したほか、来年2月にはタイ・バンコクでの国際旅行博への出展に向けて、現在、準備を進めております。今後とも各町村と連携を深め、後志広域観光の推進に取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第5項目めの質問に入ります。
(「議長、12番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)12番、鈴木喜明議員。
(12番鈴木喜明議員登壇)
○12番(鈴木喜明議員)5項目めの質問に参ります。
特別地域加算の記入漏れによる所要額の補正についてお聞きします。
本市が、障害者福祉サービスを利用する障害児・者に交付する障害福祉サービス受給者証に、2009年度の厚生労働省の報酬改定により、過疎地域指定の公示を受け、特別地域加算の対象となる旨の記載をしていなかったために、サービスを提供する事業所が本市に障害福祉サービス費を請求する際に、特別地域加算分15パーセントを上乗せして請求していない状況となりました。対象の30事業所は今後それぞれ3万円から800万円の不支給分を当市に請求すると聞きます。
また、昨年12月に事業所の指摘を受けたにもかかわらず放置していたことが報道されました。制度が複雑とはいえ、改定に当たっては、当然、新制度の研究や勉強会を通じて担当者に周知徹底していると思いますが、なぜこのようなことが起こったのか説明してください。今後、必要な事務処理と対象事業所の種別をお答えください。
また、本市に対する請求額は幾らとなりますか。そして、小樽市が本来支出すべき額以外に負担が生じることはないのですか、お答えください。
公文書流出及び国庫負担金超過交付額返還金支払遅延の発生など、市役所内で不祥事が続いた今から約1年前の11月8日の市職員を集めた訓辞の中で中松市長は、いずれも当事者本人の公務に対する意識の希薄さに起因するとして、不適切な文書管理を見過ごし、日常の業務における決裁書類の確認の甘さなどがあり、管理監督する者のチェック機能が果たされていれば未然に防げたものであると考えると述べられました。
今回の記入漏れも担当者の勉強不足、認識不足からと考えますが、上司のチェック機能も果たされておらず、残念ながらそのときの訓辞が今回生かされませんでした。二度とあってはならないとのお考えだと思います。今後の福祉部の再発防止策と関係職員の処分についてお考えがあればお知らせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、特別地域加算の記入漏れによる所要額の補正について御質問がありました。
初めに、このようなことが起きた経過につきましては、平成21年4月に国により特別地域加算が新設された際、小樽市は加算の対象地域でなかったことから、平成22年4月に過疎地域になった以降、小樽市が特別地域加算に該当しているということに気づかないまま経過いたしました。
昨年12月、事業所から問い合わせがあり、関係職員はそのときの小樽市が特別地域加算の対象になることを知ったわけでありますが、受給者証に特別地域加算の対象となる旨を記載して事業所に周知を行うことが最初の作業となるという認識がなく、本年7月、別の事業所から問い合わせがあり、再確認の結果、誤りに気づいたものであります。
次に、対象事業所の種別につきましては、ヘルパーが利用者の自宅を訪問し、身体介護や家事援助等を提供する居宅介護事業所、ヘルパーが目の不自由な方の外出を支援する同行援護事業所、利用者からの相談を受けてサービス等利用計画を作成する相談支援事業所であります。
次に、本市に対する事業所からの請求額につきましては、過年度分となる平成22年度から24年度までは4,199万4,000円であり、平成25年度の額につきましては、年度末に確定いたします。
なお、このたびの補正額に平成25年度の所要額として1,956万2,000円を計上させていただきましたが、この額は対象となる事業費の当初予算額に15パーセントを乗じたものであります。
次に、本来支出すべき額以外に負担が生じないのかとのことでありますが、今回の所要額の補正はそもそも事業所が市に請求できる特別地域加算分の額であり、市が事業所に対して支払った額に対しては通常の障害福祉サービス費用に対するものと同様に、国から2分の1、北海道から4分の1が負担金として入ってくるため、小樽市が本来支出すべき額以外に市の負担が生じることはないものであります。
次に、福祉部の業務についての今後の再発防止策につきましては、福祉にかかわる業務はさまざまな法令を基にして行われており、制度改正があれば短い期間の中でそれに応じた対応をしていくことが必要になります。来年4月には障害者総合支援法など、福祉部所管にかかわる新たな改正も予定されておりますので、制度の改正等を間違いなく業務に反映させるためにも、職員が制度等の改正内容を十分に確認し、職員間の勉強会を実施しながら取り組んでいかなければならないものと考えております。
次に、今回の特別地域加算にかかわる関係職員への対応についてですが、今後開催される分限懲戒審査委員会の審査結果を受け、厳正に対処してまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第6項目めの質問に入ります。
(「議長、12番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)12番、鈴木喜明議員。
(12番鈴木喜明議員登壇)
○12番(鈴木喜明議員)次に、介護保険制度改革についてお聞きします。
厚生労働省は、11月27日、2015年度から実施する介護保険制度改革の意見書素案を社会保険審議会介護保険部会に提示しました。一律1割となっているサービス利用時の自己負担割合を年収に加算して、年金収入だけの単身者の場合で280万円以上など、一定の所得のある人は2割に引き上げ、また介護の必要度が低い要介護1、2の人向けの介護予防サービスのうち、予防給付費全体の約6割を占める訪問介護と通所介護を3年間かけて段階的に17年度末までに市町村事業に移管することとし、特別養護老人ホームへの入所を原則、介護の必要性が高い中・重度者に限定する内容でした。
現状の介護保険制度は、報道によりますと、引上げ対象は全国で40万から50万人程度、うち道内は数万人と見られるとありました。訪問介護や通所介護サービスの内容が自治体みずからに任せられ、市町村事業に移管する上で懸念されることはどのようなことがありますか。
市内には52か所のデイサービス事業所があり、定員数は1,010人となり、事業所間の競争が激化していると聞きます。デイサービスの利用料の自己負担は現在1割負担で、どの事業所を利用するかは要介護者が家族や担当のケアマネジャーと相談して決めることとなっています。稼働率は現在低下中で、今後、市内高齢者数が減少に転じる2015年以降、経営が成り立たなくなる事業所も出てくることが懸念されています。
このたびの介護保険制度改革のうち、通所介護サービスが市町村事業に移管となることで、市内デイサービス事業所に与える影響をお知らせください。
さらに、今回の改正では、特別養護老人ホームの入所要件を中・重度者に限定するとしています。特別養護老人ホームに与える影響も、あわせてお知らせください。
また、市内介護施設及び関連産業に従事される方はかなりの数と認識していますが、訪問・通所介護の市町村移管をした場合、当市のサービス提供によっては事業者やそこに従事する従業員にも大きな影響を与えることになります。一部の専門家から、市の財政力や介護人材などによって地域間格差が生じるなどの指摘もありますが、小樽市として移管された場合、今後どのような対応をされるのかお聞かせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、介護保険制度改革について御質問がありました。
初めに、市町村移管についてですが、訪問介護と通所介護を市町村事業に移管する上での懸念につきましては、国は移管の受皿を既存の介護事業所に加えて、NPOやボランティアの活用によるサービス提供を想定しておりますが、ボランティア団体等の受皿の確保や提供されるサービスの質の担保のほか、財源の確保など、さまざまな課題があるものと認識しております。
次に、市内介護事業所への影響についてですが、まず介護保険制度改革がデイサービス事業所に与える影響につきましては、市町村に移管となった場合、仮に新たなNPOやボランティア団体などが参入することになれば、既存の介護事業所の利用者数に影響を及ぼすことが考えられます。
次に、特別養護老人ホームの入所要件を見直すことの影響につきましては、現在、特別養護老人ホームの待機者が、平成23年の調査では市内に800人ほど待機者がおり、特養の入所については各施設の入所判定会議において緊急度の高い方を優先的に入所しております。
今回の見直しは、特養の入所要件が要介護3以上を基本とし、虐待や認知症などのやむを得ない事情がある場合は要介護2以下でも特例的に入所を可能とするものですが、本市は待機者が多いため、既に要介護2以下の方はやむを得ない事情がなければ入所できない状況にありますので、特別養護老人ホームに与える影響はないものと考えております。
次に、訪問介護や通所介護を市町村に移管した場合の対応につきましては、今後、国は事業の円滑な実施を推進するため、市町村向けに事業の留意点や先行事例などを示したガイドラインを作成することとしておりますので、それらを参考に検討を進めることになると考えております。
○議長(横田久俊)次に、第7項目めの質問に入ります。
(「議長、12番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)12番、鈴木喜明議員。
(12番鈴木喜明議員登壇)
○12番(鈴木喜明議員)次に、入札及び入札不成立案件への対応についてお聞きします。
本市の本年4月から10月に発注した公共工事で、応札する業者がいないなどの理由で不成立になった入札が全体の1割を超す12件に上っています。消費税増税前の駆け込み需要などによる人材や建設資材の不足が原因と見られ、参加資格を変更するなどして再入札を実施していると聞いていますが、今年度、今まで再入札を繰り返し、不調のままにある工事は何ですか、お知らせください。11月の入札不成立がありましたらお知らせください。
入札不成立は、いつまでもそのままというわけにはいきませんので、当然入札価格のかさ上げ、設計仕様のグレード変更などが考えられますが、設計などの変更を余儀なくされた事例は何件ありますか。そして、その影響をどのようにお考えですか。
今期の今までの入札状況で特異な点がありましたらお知らせください。
人材や建設資材の調達困難という点では、このたびの補正予算案の手宮地区統合小学校校舎等改築事業費が平成25年度予定事業から一部26年度事業へ変更になったのは、資材調達が間に合わなかったためとお聞きしましたが、もう少し詳しく理由をお示しください。
また、校舎の完成遅れは生じますか。その影響もお示しください。
前述の入札不成立の12件の中には、水道局発注の3件の工事も含まれていました。今回の補正予算に恒例の民間業者の受注端境期対策として、平成26年度予算の前倒し工事としてゼロ市債で配水管整備工事費1億円、臨時市道整備事業費1億円が計上されました。計上することには我が党としては賛成します。しかし、今年のように入札不成立が続いておりますので、せっかく端境期対策の前倒し工事が入札不成立など起こさないか心配ですが、その懸念はありませんか、お答えください。
また、先月上旬、旭川市で土木工事入札をめぐり、贈収賄事件として同市課長らが逮捕、送検されました。旭川市の入札制度は、一般競争入札や郵便入札などを取り入れた本市と同様の入札制度とお聞きします。
本市はかねてより入札改革を進め、職員による情報漏えいなど官製談合の可能性を極力排除してきたと報告を受けています。同じ制度の導入状況で他市において不祥事が起きたことは、今後の警鐘として受け止め、より一層の不正防止を求めますが、我が党としてはあくまでも市の公共工事の利益を地元に還元し、市中景気の呼び水になることを念頭に、現状の予定価格7,000万円以上の土木工事や同1億円以上の建築工事などは指名競争入札を引き続き実施し、地元企業が単体で受注が困難な大規模な工事では、地元企業との共同企業体を優先指名することを望みますが、市長の今後の不正防止策や入札制度についてのお考えをお示しください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、入札及び入札不成立案件への対応についての御質問がありました。
初めに、入札不成立案件のその後の対応についてですが、まず今年度、今まで再入札を繰り返し、不調のまま執行していない工事につきましては、於古発川改良工事の1件であります。また、11月での入札不成立の工事は於古発川改良工事と市営住宅排水管改修工事の2件であります。
次に、入札不成立で設計などの変更を行った工事の件数についてですが、今年度入札不成立となった工事は11月末現在で14件あり、そのうち設計変更を行った工事は4件、受注業者のランクの変更などを行った工事は6件、再入札を行っていない工事や新年度での執行を予定している工事は4件となっております。
次に、入札不成立の工事の影響についてですが、再入札を行うことにより工事の完成時期が遅れ、当初予定していた供用開始が遅れるなど、市民サービスの低下につながるものと考えております。
次に、今年度の入札での特異な点についてですが、入札不成立14件のうち、応札者がいないため入札不調になったケースが13件あり、このように多くの件数となったことは過去にはなかったところであります。
次に、手宮地区小学校校舎等改築事業費が平成25年度から26年度に一部変更になった理由につきましては、道内での大型工事の急増に伴い、建物の基礎に使用するコンクリート杭の製造工場での生産が間に合わず、現場での基礎工事が約2か月遅れたことから、当初予定していた年度内の出来高が確保できなくなったためであります。
また、その影響による校舎の完成の遅れにつきましては、下請業者の増員確保等により、工期内に完成できることを請負業者と確認しております。
次に、ゼロ市債での工事が入札不成立にならないかについてですが、入札不成立の原因として一番大きい理由は、工事受注のふくそうなどによる型枠工や大工などの技術者の不足と聞いております。ゼロ市債は工事の端境期対策として実施していることから、入札時期は来年2月から3月を予定しており、この時期は公共工事の施工が少ないことや現場には雪解け時期から早く入れるという利点などがあり、また人員の確保がしやすいこともあり、入札不成立の可能性は低いものと考えております。
次に、不正入札防止についてでありますが、これまでも本市におきましては適正な入札制度についての検討や職員に対する公務員倫理等の研修を行ってきたところであり、今後とも国や他の地方自治体における入札制度の取組などの研究を行うとともに、職員へのコンプライアンスの徹底を図ってまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第8項目めの質問に入ります。
(「議長、12番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)12番、鈴木喜明議員。
(12番鈴木喜明議員登壇)
○12番(鈴木喜明議員)最後に、全国学力・学習状況調査の結果公表についてお聞きします。
10月上旬、本市教育委員会は、今年4月に実施された本年度の全国学力・学習状況調査の結果を発表いたしました。
今回、初めて我が党が求めていた全国・全道との比較を容易にするため、各教科の平均正答率を明らかにし、小学校算数Aでは全道平均を0.2ポイント上回ったものの、それ以外の教科はいずれも平均を下回ったとあります。
また、昨年度の結果報告では、本市は改善傾向にあるとおっしゃいましたが、今年度このような結果の要因をどうお考えですか、お聞かせください。
先月末に文部科学省は、小学校6年生と中学校3年生を対象に行っている同調査について、これまで禁じていた市町村教育委員会による学校別の結果公表を来年度から認めると発表しました。
我が党は、かねてより同調査の学校別の結果公表を認めるべきだと主張してまいりました。
理由としては、同調査内容は確かにテストの教科は国語、算数・数学のみで、児童・生徒の学力の全てを調査できるわけではありません。しかし、テスト内容としては、基礎学力としての重要な部分が多く含まれ、現在の習熟度や今後の授業理解度の目安になると考え、学校別での結果公表は、PTA及び地域の人々がその学校の学習の習熟度の現状をある程度正しく認識でき、保護者間で交わされる、あの学校がよいみたいだというような根拠のない風評や、うちの学校はまあまあよいほうですなどという学校側の抽象的な表現に振り回されず、問題意識を共有できると考えるからです。
確かに反面、序列化などの懸念により、公表に関して今まで本市教育委員会は慎重な姿勢を示してきました。我が党としては、都道府県教育委員会による市町村別の結果公表も控えている中、保護者が各学校の状況や我が子が通う学校の教育施策の成果を知りたいと思うのは当然のことで、本市での学校別の結果公表を早期に求めるものです。
教育委員会として、猶予期間として二、三年程度必要というお考えであれば、公表は何年度からと公表年度を発表し、懸念のある学校には早期に学習体制の改善をこの機会に求めるべきと考えますが、学校別の結果公表について教育長のお考えをお示しください。
以上、再質問を留保し、質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)鈴木議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、全国学力・学習状況調査の結果公表について御質問がありました。
まず、小樽市内における今年度の全国学力・学習状況調査結果の要因についてでありますが、教科ごとの調査結果では、国語において小・中学生ともに自分の考えを書く力や文章を読む力に課題が見られました。算数や数学では、数量の関係を読み取ったりする力や道筋を立てて考える、表現する力に課題が見られました。これは、毎日の授業の中で、子供たち自身が自分の考えを持って説明をする力が引き出されていないことが要因の一つであろうと考えております。
また、児童生徒質問紙調査結果によると、本市の子供たちは全国と比べて1日当たり1時間以上勉強する子供の割合が低く、1日当たり3時間以上ゲームをする子供の割合が高いなど、家庭での学習習慣が確立されていないことも要因の一つであると考えております。
私としては、今後とも教職員の実践的な研修を行い、力量を高めるとともに、音読の取組などを通じ家庭学習の習慣化を図り、学力の向上に向け、粘り強く取り組んでまいりたいと考えております。
次に、学校別の結果の公表についてでありますが、本市では、今年度初めて教科の調査結果を数値で公表しましたが、これは小樽市の学力の状況を保護者や教職員に正しく認識してもらうことで学力向上に向けた意識の啓発を狙いとしたものであります。
私としては、学校別の平均正答率を公表することが直ちに学力の向上につながるとは考えておりません。大切なのは、教職員が子供たちに魅力ある授業を展開し、基礎・基本の力をしっかりと定着させるという意識を持つことであり、一方で家庭では保護者の方々が子供たちに学習習慣をしっかりと身につけさせることであり、そのことが結果として学力の向上に結びつくものであると考えております。
しかしながら、各学校が子供たちの学力の状況を保護者に説明することは必要なことと考えておりますので、今後、教育委員会として、公表内容などについて十分検討してまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)以上をもって本日の会派代表質問を終結し、本日はこれをもって散会いたします。
散会午後4時31分
会議録署名議員
小樽市議会議長横田久俊
議員千葉美幸
議員新谷とし