開会午前10時00分
○議長(横田久俊)これより、平成25年小樽市議会第4回定例会を開会いたします。
直ちに、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、小貫元議員、山田雅敏議員を御指名いたします。
日程第1「会期の決定」を議題といたします。
お諮りいたします。
本定例会の会期を、本日から12月20日までの17日間といたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
日程第2「議案第1号ないし第23号」を一括議題といたします。
まず、議案第1号ないし第22号について、市長から提案理由の説明を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)(拍手)
○市長(中松義治)ただいま上程されました各案件について、提案理由の概要を説明申し上げます。
初めに、議案第1号及び議案第2号の平成25年度各会計補正予算について説明申し上げます。
まず、一般会計補正予算の主なものといたしましては、手宮地区統合小学校の校舎等改築事業費で、資材の納入が遅れたことにより、今年度予定していた出来高の達成が困難な状況にあることから、事業費のうち3億円を減額するほか、北海道後期高齢者医療広域連合への平成24年度療養給付費の負担金額が確定したため、その精算として8,078万1,000円を減額するものであります。
また、北海道から追加の補助内示のありました起業支援型雇用創造事業として、観光型商店街活性化モデル事業及び小樽の街並み・景色を観光資源とした観光促進事業に係る経費や、保育士等の処遇改善に取り組む私立保育所に対する保育士等処遇改善事業費を計上したほか、夜間急病センター管理代行業務費の増額など、所要の経費を計上いたしました。
これらに対する財源といたしましては、使用料、国・道支出金、寄附金、繰入金及び市債を計上いたしました。
債務負担行為につきましては、旧夜間急病センター解体工事費負担金、いなきたコミュニティセンター及び事業内職業訓練センターの指定管理者の管理代行業務に係る経費や、スクールバス運行経費などを計上いたしました。
また、年度をまたぐ端境期対策として、工事の早期発注を図るため、臨時市道整備事業費を計上いたしました。
以上の結果、一般会計における補正額は1億8,928万8,000円の減となり、財政規模は594億1,684万6,000円となりました。
次に、企業会計では、水道事業において、工事の早期発注を図るため、配水管整備工事費について、債務負担行為として所要の経費を計上いたしました。
続きまして、議案第3号から議案第22号について説明申し上げます。
議案第3号職員給与条例等の一部を改正する条例案のうち、職員給与条例の一部改正につきましては、国家公務員に準じ、55歳以上の職員、医療職給料表が適用される場合は57歳以上の職員は原則昇給しないこととし、並びに公的年金の支給開始年齢の段階的な引上げに伴い、今年度定年退職する職員から、無年金となる期間における再任用職員の給料月額を14万7,500円から21万3,400円に改正し、及び当該再任用職員に対し期末勤勉手当を年間で給料月額の100分の210支給するとともに、引用条項の修正など所要の改正を行うものであります。
次に、水道事業等企業職員の給与の種類及び基準に関する条例並びに病院事業企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部改正につきましては、職員給与条例の適用を受ける職員に準じ、企業職員である再任用職員に対しても、支給する手当に期末勤勉手当を追加するものであります。
議案第4号職員の給与控除に関する条例の一部を改正する条例案につきましては、財団法人北海道都市職員福祉協会の解散に伴い、同協会の行う事業に係る掛金等の給与からの控除に関する規定を削除するものであります。
議案第5号職員恩給条例等の一部を改正する条例の一部を改正する条例案につきましては、恩給法等の一部を改正する法律の一部改正に準じ、恩給年額が控除調整下限額を超えるときは、その年額に0.9を乗じて得た額とし、その乗じて得た額が控除調整下限額に満たないときは、控除調整下限額とするものであります。
議案第6号市税条例の一部を改正する条例案につきましては、地方税法の一部改正に伴い、延滞金の利率を引き下げるほか、個人市民税について、住宅借入金等特別税額控除の適用期間を延長するなど、平成25年度税制改正等に伴う所要の改正を行うものであります。
議案第7号税外収入徴収条例等の一部を改正する条例案につきましては、地方税法の一部改正により市税の延滞金の利率が引き下げられたことから、これに準じて税外収入等の延滞金の利率を引き下げるものであります。
次に、議案第8号から議案第16号までについて説明申し上げますが、議案第8号及び議案第9号並びに議案第11号から議案第16号までにつきましては、いずれも消費税率及び地方消費税率の引上げに伴うものであります。
議案第8号夜間急病センター条例の一部を改正する条例案につきましては、診療に係る利用料金及び文書料を改定するものであります。
議案第9号廃棄物の減量及び処理に関する条例の一部を改正する条例案につきましては、産業廃棄物処分手数料及び廃棄土砂処分手数料を改定するものであります。
議案第10号公設青果地方卸売市場業務条例の一部を改正する条例案につきましては、市場関係者の福利厚生の一環として市場内に設置している厨房施設の用途廃止に伴い、当該施設の使用料についての規定を削除するものであります。
議案第11号市営住宅条例の一部を改正する条例案につきましては、集会所の利用料金及び駐車場の使用料を改定するものであります。
議案第12号港湾施設管理使用条例の一部を改正する条例案につきましては、港湾施設の使用料を改定するものであります。
議案第13号入港料条例の一部を改正する条例案につきましては、入港料を改定するものであります。
議案第14号水道事業給水条例の一部を改正する条例案につきましては、給水装置工事に係る工事費、水道料金並びに給水装置の新設工事及び改造工事に係る加入金を改定するものであります。
議案第15号簡易水道事業給水条例の一部を改正する条例案につきましては、簡易水道事業の水道料金を改定するものであります。
議案第16号下水道条例の一部を改正する条例案につきましては、排水設備工事に要する工事費及び下水道使用料を改定するものであります。
議案第17号工事請負変更契約につきましては、桜小学校校舎及び屋内運動場耐震補強ほか改修工事の請負変更契約を締結するものであります。
議案第18号不動産の処分につきましては、港町ふ頭の土地を売払い処分するものであります。
議案第19号から議案第22号までにつきましては、いずれも公の施設の指定管理者の指定についてであります。いなきたコミュニティセンターにつきましては株式会社小樽ビル管理を、駅前広場駐車場及び駅横駐車場につきましては小樽駅前ビル株式会社を、若竹住宅集会所につきましては若竹住宅集会所管理委員会を、事業内職業訓練センターにつきましては小樽地方職業訓練協会を、それぞれ指定するものであります。
以上、概括的に説明申し上げましたが、なにとぞ原案どおり御可決賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○議長(横田久俊)次に、議案第23号について、提出者から提案理由の説明を求めます。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
(22番北野義紀議員登壇)(拍手)
○22番(北野義紀議員)日本共産党を代表し、議案第23号小樽市非核港湾条例案の提案理由を説明申し上げます。
日本共産党が非核港湾条例案を毎回提出するのは、小樽市にアメリカの核兵器搭載可能艦がたびたび入港していますが、不幸にして小樽港に入港しているときに誤って核兵器が爆発したら取り返しのつかない重大事故になるから、核兵器を搭載しているかどうかをアメリカ側に問い合わせ、積んでいないことが証明されない限り港湾施設使用を認めるなと主張しているわけです。
不測の事態を言うのは、大事故に至らないまでも、アメリカでは核兵器に関する事故が実際に引き起こされているからです。
海軍の事故では、1965年12月5日、米空母タイコンデロガが同年11月からのベトナム沖での任務を終えて横須賀へ帰還する途中、鹿児島県奄美群島の北東部に位置する喜界島の南東約150キロメートルで、水爆1発を装着した戦闘機がエレベーターから海中に転落する事故が発生し、戦闘機の機体は乗員とともに水没いたしました。核攻撃アラートにつくため飛行甲板に戦闘機を上げる作業中のことでした。現場の水深は約5,000メートルあり、回収は不可能であったとのことです。この事故は1981年の国防総省の報告書で明らかにされ、詳しい場所については1989年に明らかにされました。
もう一つ指摘しなければならないのは、1966年、ノースカロライナ州でB-52爆撃機から落下した水爆が爆発寸前に至った事故です。エネルギー省が管轄するサンディア国立研究所の核兵器の安全管理を専門とする技術者が、事故の8年後に報告書を作成し、公表しています。報告書によれば、1961年1月23日、ノースカロライナ州ゴールズボロの空軍基地を飛び立ったB-52が、空中できりもみ状態となり墜落し、水爆2個が落下、うち1個の起爆装置が作動し、四つの安全装置のうち三つまでが解除されたが、最後のスイッチが残り、辛うじて爆発を免れたというものです。この水爆は広島型原爆260個分に当たる4メガトンの威力があり、実際に爆発すれば、死の灰が首都ワシントン、フィラデルフィア、ニューヨークなど大都市まで及び、数百万の命が危険にさらされた可能性があったという事故であります。
これらはいずれも、その時々の時点で、世界でも最新鋭を誇るアメリカ軍の事故です。アメリカ艦船による核兵器事故は起こらないという考えが不測の事態を引き起こすのです。今回の福島第一原発事故に見られるように、放射能汚染水だけ見ても手に負えない事態を引き起こすことになります。だから、非核港湾条例を制定し、こういう危険な要因を取り除くことは当然のことであります。
また、核兵器廃絶をめぐる世界の動きは、最近の事態を見ても大きく動いています。
2013年、今年ですが、アメリカなどが行おうとしたシリアへの軍事介入は、国際世論の包囲によって阻止され、問題解決は国連に委ねられたことは、皆さんの記憶にも新しいことと思います。国連安保理は、シリアに化学兵器廃棄を義務づけ、外交的解決に道を開く決議を満場一致で採択しました。この決議は、国連事務総長が述べているように、どんな大国といえども簡単には国連憲章を踏みにじった軍事力行使はできなくなっているという点で歴史的な決議です。同時に、核兵器廃絶という角度から見るならば、今回のシリアをめぐる動きの中で、化学兵器の全面禁止・廃絶は実現できるのに、なぜ究極の破壊的・非人道的兵器である核兵器を廃絶できないのか、廃絶させるべきだという方向に世界世論が大きく動き始めています。
もう一つ、2013年10月、国連総会第1委員会が発表した、核兵器の人道上の影響に関する共同声明です。125か国の連名で発表された声明は、核兵器が無差別的な破壊力によって受け入れがたい人道的結果をもたらすと指摘し、いかなる状況の下でも決して再び使われないことが人類の生存にとって利益であるとし、それを保証する唯一の道は、その全面廃絶であると訴えています。
これが核兵器廃絶をめぐる世界の大きな流れです。アメリカ艦船が小樽港に入港するたびにアメリカ側は、核兵器を搭載しているかどうかを明らかにしないのが同国の方針であると、市長の問い合わせに回答しています。このアメリカの回答をもって港湾施設を使用させることは無理がありますから、外務省の、アメリカ側から事前協議の申入れがないから核兵器は積載していないと判断するとの回答を根拠に、港湾施設の使用を認めています。我が党がこの場で何回も指摘しているように、核密約で、艦船に核兵器を積載したままの寄港は事前協議の対象外となっています。密約であろうと、日本がアメリカに条約上の権利として核持込みを認めていることは重大なことです。だからこそ非核港湾条例を制定し、世論を高め、小樽港での施設使用を拒否し、市民の命と安全を守るためにも、全議員の賛同をお願いして、提案説明といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)日程第3「平成25年第3回定例会議案第22号」を議題といたします。
これより、予算及び自治基本条例特別委員長の報告を求めます。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、中島麗子議員。
(20番中島麗子議員登壇)(拍手)
○20番(中島麗子議員)予算及び自治基本条例特別委員会の報告をいたします。
当委員会は、継続審査中の案件であります、平成25年第3回定例会議案第22号小樽市自治基本条例案について審査を行うため、閉会中、11月1日と11月22日の2回にわたり開催されました。
質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
まず、11月1日の委員会におきましては、理事者から提出された資料である「小樽市自治基本条例(案)の考え方」等について報告を受け、本条例案は市民自治の基本理念と基本原則を明らかにするものであるから、条例前文に「憲法が掲げる地方自治の本旨に基づき」という一文を入れるべきと思うが、市は、このことは地方自治法に規定があり、条例の前提となっているため、改めて記載するつもりはないという。補足資料として作成された「考え方」にも記載がないが、前提であるというのなら、せめて「考え方」にだけでも、この一文を加えた説明を記載すべきと思うがどうか。
また、市は、これまでの議会議論を受けてもなお、本条例案の内容を修正する考えはないというが、今後、市民周知を行う中で市民から意見が出た場合や、各会派が一致して変えたほうがよいという議論があった場合においても、同様の考えなのか。
本条例案が定義する「市民」には本市の住民でない者も含まれるが、第11条では、市長は住民の意思を確認するため、住民投票を実施することができるとしている。しかし、それでは、まちづくりは「市民」と協働で行うとあるにもかかわらず、市にとって重要な案件については住民だけの意見を聞くことになるが、市は、「市民」の住民投票への参加についてどのように考えているのか。
また、同条では、市は住民投票の結果を尊重するとしている。住民投票の結果が市の想定と異なることも予見されるが、「尊重する」とはどのように扱うことなのか。
ニセコ町では、まちづくり基本条例について、条文の内容だけでなく、条例に基づく町の運営もチェックし、直すべき点があれば改正していると聞く。本条例案においても、条例がまちづくりに適しているかどうかを検討し、必要に応じて見直すことが規定されている以上、制定後においては、定期的な見直しを通して条例をよりよいものに育ててほしいと思うがどうか。
市では、広報おたるに本条例案についての説明を掲載し、詳細については市のホームページを見るように、としているが、どのくらいの市民がホームページを見たかが把握できないことから、ホームページでの周知の程度を検証することは難しいという。そもそもパソコンを所有していない高齢者が多いことなどから、ホームページへの掲載をもって市民周知が図られたと判断することはできないのではないか。
また、市は、これまで行われてきた取組により、どの程度市民周知が図られたのかを、どのような方法で検証するつもりなのか。
自治基本条例は、市民と協働によるまちづくりを進めることを目的とするものであるから、制定時には市民の中にまちづくりに対する参加意識が醸成されていてしかるべきと考えるが、市民からは、全く知らない、興味がないといった声を多く聞く。市は、これまでフォーラムの開催や広報おたるへの掲載など、周知に努めてきたと説明するが、まちづくりへの市民参加を促すのであれば、現状においても、市民が本条例について話題にする程度の周知が図られていることが必要と思うがどうか。
市は、本条例案の今後の市民周知として、まちづくり団体や町会等に対し説明会を開催していくというが、市からの説明だけではなく、アンケートなど、市民から意見を発してもらうような手法をとることで、より一層の周知につながると思うがどうか。
また、市民向けフォーラムについても考えているとのことだが、開催は年明けになるという。しかし、周知については、現在、議会で盛んに議論が交わされているのであるから、間を置かず、できるだけ早期に開催してほしいと思うがどうか。
本条例案上程時の資料は、市が作成したものではなく、策定委員会の提言書だけであったが、市長が議会に提案するに際し、その考え方を説明するものとしてこのような資料を配付した市のやり方は、議会に対する丁寧さが欠けていたのではないか。
本条例案については、広報おたるやホームページにより周知に努めているというが、市は、何をもって市民周知ができたと判断するつもりなのか。
また、条例制定後については、市民参加を担保することが大事なことと考えるが、「まちづくり相談室」を設けて、そこで市民からの相談を受け、各担当部署へつなげる取組を行っている自治体もあると聞く。本市においても、新たに相談室を設けるのは難しいにせよ、現在ある案内窓口で同様の役割を担えるよう、体制を整えてほしいと思うがどうか。などの質疑があり、採決の結果、全会一致により継続審査となりました。
11月22日の委員会におきましては、「小樽市自治基本条例案の市民周知」について理事者から報告を受け、本条例案については、この間、条文の修正を提案してきたが、それができないということであれば、最低でも「考え方」の中において、前文では「市民自治の基本理念と基本原則を掲げ」とある部分をより明確にするため、「憲法が掲げる地方自治の本旨に基づいて」との文言を挿入すること、第8条では若年世代の市民参加について触れているが、より具体的に子供の意見表明権について記載すること、第36条では、条例の見直しに当たっては市民の意見を聞くことを明記することなどを検討してほしいと思うがどうか。
条例が制定された場合、多くの市民の理解が深まっていない状況で施行されることが予想される中、制定した側である市職員の意識が高まらなければ、市民からは、条例によりただ責務を押しつけられたとしか受け取られかねないと思うがどうか。
また、市は説明会などにより市民周知を図っていくというが、それだけでは市民の関心はその場限りで終わってしまい、数年後の見直し時期には、関係者以外は無関心になってしまうといった事態も想定される。そういったことのないよう、さまざまな機会を捉え、条例のあり方を市民と話し合い、みんなでまちづくりを行っていくという意識を醸成していく必要があると思うがどうか。
本条例案は、市民を取り込みながらまちづくりを進めるものであるから、市民が具体的なイメージを持てるよう市が示していく必要がある。そのためには、職員が条例に基づいた具体的なビジョンを持ち、市民の中に率先して入っていくよう意識改革が図られなければならない。市では、職員に対して条例を念頭に置きながら業務を進めるように周知するというが、研修などでは得られる効果に限りがあると思われることから、各部署において条例に基づいたスローガンを掲げるなど、目に見える取組も必要と思うがどうか。
条例制定後の職員への周知は、まちづくりにかかわる部署を優先し、職員研修などを活用して徹底していくというが、最終的には全職員の理解が深まるように取り組んでほしいと思うがどうか。
また、職員に意識づけを継続させていくためには、1度研修を行えばよいということではなく、機会あるごとに、自治基本条例にかかわる研修等を繰り返し行っていく必要があると思うがどうか。
本条例案第20条には、市の施策の基本的な方向を示す「総合的な計画」を策定するとあるが、その構成、形態については、今後、検討を行うこととしている。現行の第6次総合計画の目標年度が平成30年度であることから、以降については「総合的な計画」を策定することになると思うが、総合計画の策定には3年程度要していたことを勘案すると、現段階で市として、どのような計画とするのか、考え方や方向性程度は示すべきであったと思うがどうか。
条例案の市民周知については、制定前の周知が不足していたものの、市は、前回の委員会以降、市民向け説明会の開催や冊子の作成など、迅速な取組を行い、周知に努めてきたと感じる。
引き続き、さらなる周知を進めるとともに、今後は、条例制定後にどのような取組を行っていくかについても、議論を深めていってほしいと思うがどうか。などの質疑がありました。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
平成25年第3回定例会議案第22号につきましては、継続審査を主張する会派がありましたが、賛成少数により、継続審査は否決されました。
続いて、棄権した会派を除き採決を行った結果、全会一致により可決となりました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、27番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)27番、前田清貴議員。
(27番前田清貴議員登壇)(拍手)
○27番(前田清貴議員)自由民主党を代表し、第3回定例会議案第22号小樽市自治基本条例案について可決の立場で討論を行います。
横山純一教授をはじめ学識経験者やまちづくり団体、学生などで構成された小樽市自治基本条例策定委員会の皆様には、公私ともに大変お忙しい中を割いて、平成22年8月から24年9月まで合計26回、約2年間にわたり、自治基本条例について議論、検討を行っていただき、小樽市にとってあるべき自治基本条例の条文やその考え方、まちづくりの課題に対しての附帯意見を盛り込んだ小樽市自治基本条例に関する提言書をまとめ、市長に提言された御苦労には最大の敬意を表するものであります。
また、本市が掲げる自治基本条例を制定する理由として、近年、地方分権が推進され、国と地方が対等な関係になり、地方自治体の役割と責任が増し、少子高齢化がますます進む中、限られた財源で市民の多種多様な要望に対応するためには、小樽らしいまちづくりを進め、市の役割やあるべき姿を定め、市民に適時的確な情報を提供し、さまざまな諸問題を市民と協働で解決し、まちづくりを進める規範としての同条例が必要であるとの認識には、市長公約でもあることから、会派としても異論はありません。
第3回定例会での討論でも述べましたが、同条例案をこれまで継続審査とした主な理由としては、定例会の質疑を通じて、住民投票と二元代表制との整合性や、住民投票の結果を尊重する記述、「市民」の定義などそれぞれの立場で都合のいい解釈が生まれる危険性をはらんでいること、「市民自治」や「約束」などという本来なじみの薄い字句や表現に対しての解釈が統一できていないこと、また本条例の中には、市民、議会及び市それぞれの役割や責務を定める部分が多く包含され、その表記に対して不十分な部分が見られること、質疑の中で逐条解説書などが整っていれば併用し、ある程度の問題は解決できたと思いますが、これまでの質疑だけでは理事者の解釈と議員の解釈に相違があること、策定段階でのパブリックコメントの少なさなど市民の関心が低いことに鑑み、理念条例とはいえ、この条例の目的とする市民、議会及び市が互いの役割や責務を理解し合い、協働による小樽のまちづくりを進めるための基本となる事項を定め、豊かで活力ある地域社会の実現を図るには、より一層の市民周知の徹底と議会審議による理解と合意が必要であるとの考えから、継続審査を主張してきたものであります。
その後、11月1日、11月22日と当委員会が2回開催され、課題となっていた補足資料としては、「小樽市自治基本条例(案)の考え方」が提出され、前述した主要な字句、表現に対する定義、解説などの解釈が答弁とあわせ一定程度、理解・統一できたこと、市民周知に関しては、11月1日の広報おたるに条例案について掲載され、その新聞折り込みでの配布、複数回にわたる町会長と語る会などでの説明、市ホームページの条例制定についてのページへのリンクの市長写真との並列・新着情報最上段への記載位置の変更、複数のまちづくり団体への説明、市職員へのさらなる意識向上と周知、庁舎など公共施設内の条例概要版の配置、今後のさらなるまちづくり団体などへの説明と市民周知徹底に努めることについて具体的に報告されたことから、我が会派は、今後の同条例の市民周知を申し添え、第3回定例会議案第22号小樽市自治基本条例案の可決に議員各位の賛同をお願いし、討論といたします。(拍手)
(発言する者あり)
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)1番、秋元智憲議員。
(1番秋元智憲議員登壇)(拍手)
○1番(秋元智憲議員)公明党を代表し、議案第22号小樽市自治基本条例案について、委員長報告に賛成し、可決の態度を表明し、討論いたします。
まず、本条例案策定に際しましては、多くの市民の皆様、また横山会長をはじめ策定委員会の皆様、担当職員の御努力に対しまして、心より敬意を表するものであります。
これまで我が党といたしまして、議案第22号小樽市自治基本条例案については継続審査の態度をとってきました。その理由は、本条例案を議論する上で、条文や文言の考え方、定義についての解説書の提出が遅れたことと、市民に対しての条例の内容等の周知が不十分であると考えたからであります。
本市では、平成21年1月に庁内研究会が設置され、その後、懇話会が発足、22年8月には小樽市自治基本条例策定委員会が発足し、学識経験者を含めた12名で構成され、策定委員会26回、策定部会15回、またワークショップ、フォーラムを開催し、24年10月には策定委員会より市長への提言書が提出されました。約3年9か月の議論を経て、市は、本年6月10日から7月10日の期間で小樽市自治基本条例(原案の概要)についてパブリックコメントを実施いたしました。この概要版については、ほぼ原案に近いものであり、市民にわかりやすいようにしたものであるとの説明でありましたが、今後、市民と協働する上で重要な条例であることを考えても、原案に近い条文形式の記載でパブリックコメントを行うべきではなかったのか。また、市民へのわかりやすさという点では、解説の掲載をするべきではなかったのではないでしょうか。
市民周知については、他市では条例施行前に町会等へ出向き、時間をかけて説明する場を設けているところもあり、そのような丁寧な市民周知を参考とするべきであったと考えます。
今回可決の態度をとるに至った理由として、一つ目に、11月22日開催の当委員会で、冒頭、理事者より報告がありましたが、市民周知という面で市民団体へは4回、町会長へは1回説明する場をつくったことは評価するものであります。
二つ目の理由は、第3回定例会での集中審議、また閉会後の2度にわたる委員会審議を踏まえまして、当初我が党といたしまして疑問としていた条文、文言の考え方については、会派として委員会の中で「小樽市自治基本条例(案)の考え方」から条文の考え方、文言の定義、意味を質疑し、改めて市民の権利や責務、議会、議員、職員の責務など当初疑問としていた件については一定の理解ができたこと、この2点が可決の態度をとるに至った理由であります。
ただ、先ほど申し上げたとおり、市民への周知、説明という点では、今後さらに多くの市民に対して丁寧な説明を行い、また条例の見直し段階では、今回の課題や反省点を踏まえた取組についても検討を要望いたします。
以上の理由により、小樽市自治基本条例案については可決を主張し、討論といたします。(拍手)
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)6番、安斎哲也議員。
(6番安斎哲也議員登壇)(拍手)
○6番(安斎哲也議員)一新小樽を代表し、平成25年第3回定例会議案第22号自治基本条例案の可決に賛成の討論を行います。
自治基本条例案については、第3回定例会でも繰り返し述べてきましたが、市民と協働のまちづくりを進めるための基本的なルールを定めた理念条例であるにもかかわらず、大半の市民の方々に周知されていない現状がありました。集まった意見だけで判断できるものではございませんが、パブリックコメントは2件と少なく、これまでの策定委員会のフォーラムの参加者も決して多いとは言えず、市民認識が不足していました。この条例は、策定までのプロセスの中でいかに市民の皆様が参加し、その理念を共有するかというところが大事でありましたが、このプロセスが不十分であったと判断し、継続審査を主張いたしました。
第3回定例会閉会後、市民周知の部分を丁寧に行う旨御説明いただきましたが、その進行を見定めたいという理由で引き続き継続審査の判断をいたしました。
その後は、広報おたるへの再度の掲載、ラジオ出演による情報発信、ホームページのトップへのリンク設置、わかりやすい解説書の作成などの情報共有に努められ、市が今できる手段を講じたということは評価いたします。ただし、今後、施行まで時間がありますので、さらなる市民周知に取り組んでいただくことを要望いたします。
自治基本条例はあくまでも理念条例であり、市民参加のためのプロセスと策定後の進行管理を市民とともに協働で進めることが一番重要であることから、今後の検証、見直し、情報共有をしっかりしていただくものと認識し、自治基本条例案は可決とすることを主張し、賛成の討論を終わります。(拍手)
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
(7番小貫元議員登壇)(拍手)
○7番(小貫元議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、平成25年第3回定例会議案第22号は継続審査を主張して、討論を行います。
日本共産党は、自治基本条例案について、主権は市民にあり、憲法に掲げる地方自治の本旨に基づく条例であることを明記することを求めてきました。そして、この条例は、つくり上げるプロセスも市民とともにという立場で、第3回定例会の代表質問で、千葉県流山市では市民と十分な対話を保障し、つくり上げてきたことを紹介して、条例案として市民周知を図ることを提案しました。予算及び自治基本条例特別委員会の中でも、小樽市自治基本条例案が市民と協働によりまちづくりを進める基本的なルールであるにもかかわらず、条例案が市民の間に浸透しているとはいえないとして、市民周知の実現として市内3か所ほどでの説明会を開催し、その意見も踏まえて議決すべきと主張してきました。
まちづくり基本条例の先進地であるニセコ町でも、策定に当たっては、条例試案完成後、まちづくりを考えるシンポジウム、まちづくり町民講座などを開催して議論し、町民説明会を開催して2000年12月に条例可決となりました。
市としても、ホームページでの周知や町会との懇談、まちづくり団体との懇談など手だてを講じたと、11月22日の委員会で報告がありました。しかし、その時点で懇談したまちづくり3団体は、既に策定委員会のメンバーの団体であり、市とともに条例案をつくってきた側になります。新市立病院建設のときには、当時の山田市長が、築港での建設反対の声が上がる中、市内5か所での説明会を開いてきました。このように過去実施してきたことがなぜできないのか、疑問が残るばかりです。
現状では市民周知の努力が図られたとは思えません。よって、引き続き審議することを主張します。議員皆さんに御賛同を呼びかけます。
なお、継続審査が否決された場合は、自席にて着席のまま棄権いたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより採決いたします。
平成25年第3回定例会議案第22号について採決いたします。
委員長報告は可決でありますが、継続審査と意見が分かれておりますので、まず継続審査について採決いたします。
継続審査とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立少数。
よって、継続審査は否決されました。
次に、委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
日程第4「意見書案第1号」を議題とし、提出者から提案理由の説明を求めます。
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)8番、川畑正美議員。
(8番川畑正美議員登壇)(拍手)
○8番(川畑正美議員)日本共産党を代表して、「特定秘密の保護に関する法律案」の慎重審議を求める意見書(案)の提案説明を行います。
特定秘密保護法案は、外交、防衛、特定有害活動の防止、テロリズムの防止など、日本の安全保障に関する情報を保護するため、公務員や民間業者らが情報漏えいした場合、10年以下の懲役を科され、状況によってはあわせて1,000万円以下の罰金も科すことを柱にしています。
わずか2週間という短い国会審議を通じて明らかになったのは、行政機関の長が特定秘密を指定し、その特定秘密の範囲も首相、外務大臣、防衛大臣、警察庁長官らの判断で無制限に広げられること、国民から見て何が秘密かも秘密にされること、一般国民も監視、処罰対象となるなど、この秘密保護法案の目的が国民の目、耳、口をふさぎ、知る権利や取材・報道の自由を侵害するだけでなく、日本国憲法が掲げる国民主権、基本的人権、平和主義に反する大問題を抱えていることです。
特定秘密の取扱いの業務を行うことができる者は、適性評価で秘密を漏らすおそれがないと認められた行政機関の職員、契約業者の役職員、又は都道府県警察の職員に限られています。このように秘密保護法の内容が知らされるにつれて、国民の中に反対や慎重審議を求める声が大きな広がりをもって多数となってきています。
9月3日から17日までのわずか15日間の期間で行った政府の意見公募、パブリックコメントでは、9万480件の意見が寄せられ、そのうち反対が77%に上り、賛成はわずか13%にすぎません。反対の主な理由は、国民の知る権利が侵される、特定秘密の範囲が不明確であるなどで当然の指摘です。政府が法案などを閣議決定する前に行う意見公募でこれほどの意見が寄せられたのは極めて異例であり、この法案に対する国民の不安が浮き彫りになったと言えます。
特定秘密保護法案をめぐって国会情勢が緊迫する中で、11月21日に東京の日比谷野外音楽堂で行われた法案の反対集会は1万人の人々であふれました。
また、11月25日に福島市内の会場で開催された地方公聴会では、7人の公述人全員から、法案に対して反対の表明や、さらなる公聴会の開催など、慎重審議を求める意見が相次ぎました。
しかし、政府は、その翌日の26日に衆議院で採決を強行しました。今、参議院において議案審議されていますが、日本国民の暮らしと人権、平和、民主主義、国民主権にとって極めて重大な問題です。
全道の世論調査を見ても法案に反対が65%に達しており、「今国会にこだわらず慎重に議論すべき」、こういう声が70%、「廃案にすべき」が18%あり、9割近くの道民が慎重な審議、廃案を求めています。小樽市議会としても、全会派、全議員の総意として特定秘密に関する法律案の慎重な審議を求めるものです。全会派、全議員の皆さんの御賛同を期待しまして、提案説明といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、24番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)24番、山田雅敏議員。
(24番山田雅敏議員登壇)(拍手)
○24番(山田雅敏議員)自由民主党を代表して、意見書案第1号「特定秘密の保護に関する法律案」の慎重審議を求める意見書(案)の可決に反対の討論を行います。
特定秘密保護法案の概要は、国民の安全の確保のため、防衛、外交など他国とのさらなる信頼関係の構築を目的に、外交など4分野23項目を特定秘密に指定し、一定期間は開示しないことと、公務員などの情報漏えいに対して、これまで以上の罰則を規定するものです。
例えば、自衛隊の保有する武器や性能、重大テロが発生した場合の対応要領といった国と国民の安全にかかわる重要な情報が、この法案の内容に当たります。
以前より日本では、他国のスパイ活動が盛んに行われ、やりたい放題と言われてきました。防衛上の機密や企業のテクノロジーを狙った犯罪がこれまで多数発生していることは、議員の皆さんも御承知のことと思います。
9月3日から15日間行われた、同法案に対するパブリックコメントの主な意見では、国民の知る権利や報道の自由が侵害される不安、現行制度で十分であり新たな法律を制定する必要はないなど反対意見が寄せられている一方で、我が国の安全保障のためには秘密を守ることは重要だ、秘密保護に関する罰則が軽すぎるので漏えい事件が後を絶たない、法律を成立させ、国内のスパイを早く取り締まれるようにしてほしいなどの賛成意見も寄せられています。
国にとって大事な情報、秘密は、しっかり守らなければいけない。
(発言する者あり)
御家庭でもクレジットカードの暗証番号は他人に知られないようしっかりと保護していることと同じです。
また、この情報の保護では熱心に取材を行う新聞記者が処罰されてしまうのではないかという心配がありますが、例えば公務員に根気強く執拗に説得、要請を続けた場合でも、報道機関による正当な取材活動は処罰の対象になることはありません。
(発言する者あり)
また、広く国民が処罰の対象になるという心配については、この法案は特定秘密を取り扱う公務員等においてこれを漏えいした場合の罰則を規定しており、一般市民が知らない間に特定秘密を知ったとしても、この法案に違反することはありません。ただし、公務員以外の者について暴行や窃盗、うそをついて特定秘密を取得した者は例外です。
(発言する者あり)
他国から寄せられた重要な情報や自衛隊の最新装備に関する秘密は、漏らしてはならない第一級の情報です。
自民党、公明党、みんなの党、日本維新の会の4党が、共同でまとめた特定秘密保護法案の修正案が衆議院特別委員会に提出、11月26日に賛成多数で可決され、現在、参議院に送られ、審議されています。特定秘密の保護に関する法律は、早期に成立させ、施行させなければなりません。議員各位の賛同をお願いするとともに、意見書案の可決に反対し、討論といたします。(拍手)
(「慎重審議にも反対するのか」と呼ぶ者あり)
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)21番、新谷とし議員。
(21番新谷とし議員登壇)(拍手)
○21番(新谷とし議員)日本共産党を代表して、ただいま提案された「特定秘密の保護に関する法律案」の慎重審議を求める意見書(案)の可決を主張する討論を行います。
提案説明にあったように、この法案は、国民の目、耳、口をふさぎ、知る権利、取材・報道の自由、言論の自由を侵害し、日本国憲法が掲げる国民主権、基本的人権、平和主義に反するものです。
法案の問題点の第1は、何が秘密かも秘密で、自分が接した情報が特定秘密かどうかわからないまま処罰されることです。
法案は、特定秘密の範囲として、防衛、外交、特定有害活動の防止、テロリズムの防止に関する情報を掲げています。防衛については自衛隊の運用、装備、施設など、あらゆる事項が対象となり、特定有害活動については核兵器、化学・細菌兵器、ロケットやミサイル、無人航空機などの輸出入活動までが秘密の範囲にされてしまいます。現在でも政府が保有する特別管理秘密等の文書は、42万件もあります。衆議院の審議の中で安倍首相は、新たに特定秘密の件数について、現時点で確たることは申し上げることは困難と言うだけです。ですから、先ほど山田議員が秘密の件数は23項目と言いましたが、その保証は何もないのであります。このように、秘密の範囲が極めて曖昧です。
自民党のホームページの特定秘密の保護に関する法律Q&Aで、原発事故やTPPに関する情報は特定秘密の指定の対象とはならないと書いてありますが、テロリズムの防止という口実で原発施設の配置や、原子力規制委員会、原子力規制庁が持つ原発情報は特定秘密の範囲となり、福島第一原発事故後、続いている汚染水漏れは、場所が特定されるという理由で隠されるおそれが十分あります。
実際、福島第一原発事故時、政府は、SPEEDIのデータを米軍にはすぐに提供したのに、周辺住民にはすぐに知らせなかったため、線量の高い地域に避難し、避けられたはずの被曝をした被災者もいました。このことは、11月25日に福島市で開かれた地方公聴会で、7人の公述人のうち4人がSPEEDIの情報を開示しなかったことを批判し、全員が福島第一原発事故をめぐる政府、東電の対応に怒りと不信を表し、自民党、公明党推薦の公述人も、法案には慎重審議を求め、賛成は一人もいませんでした。にもかかわらず、翌日、数の力で衆議院で採決したことは、この法案がより多くの国民の反対に遭わないうちに決めてしまおうという狙いが見え見えです。まさに民主主義を踏みにじる暴挙ではありませんか。公明新聞12月1日号に、SPEEDIは特定秘密に当たらないと書かれていますが、安倍首相が言うとおり特定秘密の範囲が決まっていないのですから、断定できないのではありませんか。
また、事前協議なしでアメリカが日本に核を持ち込める核密約の存在は、米公開文書や当時の外務省担当者の証言でも裏づけられているにもかかわらず、政府はいまだに密約は一切ないという過去の答弁を撤回しようとしていません。先ほど北野議員が非核港湾条例案提案でるる述べたことは、日本では一切調べられないことになり、市民の安全を守ることもできなくなります。
原発事故でも日米密約でも情報隠しに何の反省も検証もなく、新たな秘密保護法制をつくれば、日本は暗黒社会になってしまいます。
第2に、秘密を指定するのが行政機関の長であることです。
外務大臣、防衛大臣、警察庁長官らの勝手な判断で秘密の範囲をいくらでも広げることができます。
第3に、秘密にしておく指定期間です。
法案では、5年を超えない範囲内で有効期間を定め、要件を満たすときは、さらに有効期間を延長し、その期間は30年とされていたものが、修正協議で60年にされました。日本は、さまざまな情報を隠して太平洋戦争に突入し、60年以上たっても従軍慰安婦の問題など、その責任がとられていません。
このように、秘密の下で内外に多大な損害を与えて、誰がどのようにその責任をとるのでしょうか。それについては何も記述されておりません。しかも、法案を担当する内閣情報調査室は、文書の廃棄や秘密指定の更新も秘密にすると説明しています。
第4に、適性評価の問題です。
秘密として指定された情報を取り扱う公務員や民間企業社員が情報を漏えいするおそれがないか、適性評価という名目で住所や生年月日だけでなく、犯罪歴や懲戒歴、外国への渡航歴、精神疾患、飲酒、信用状態や経済状況など徹底的に調査されます。さらに、身辺調査は、本人だけでなく、配偶者や子、父母、兄弟姉妹、配偶者の親族、同居人も対象になり、まさしく人権侵害そのものです。
第5に、罰則は一般国民も対象になることです。
先ほど山田議員は、対象は公務員と言いましたけれども、法案第23条で、特定秘密を保有する者の管理を害する行為により特定秘密を取得した者、また未遂でも罰することが明記されており、第24条にも教唆、扇動した者も懲役に処すると書かれており、その範囲は書かれていませんから、処罰の対象にならないという保証は何もありません。恫喝などという文言は一言もありません。
公務員や民間業者らが情報漏えいした場合、10年以下の懲役又は情状により10年以下の懲役とあわせて1,000万円以下の罰金も科せられるほか、省庁間のやりとりで特定秘密を知った人が情報漏えいした場合も5年以下の懲役と、状況によっては罰金500万円以下の懲役が科せられ、漏えい未遂や過失でも処罰されます。裁判にかかっても肝心なことが秘密ですから、弁護士も裁判官も十分な審議ができないということになります。
法案が成立したら、偶然ある情報に接触したというだけで逮捕されたり、家宅捜査されたりする可能性があります。例えば、地方行事で展示されていた自衛隊の地対空誘導弾の詳細な装備をブログなどに写真つきで詳しく書き込んだ場合、特定秘密保護法の特定秘密取得行為で処罰される可能性があり、不正アクセス行為その他の特定秘密を保有する者の管理を害する行為として、10年以下の懲役、1,000万円以下の罰金が科せられます。日本には既に不正アクセス禁止法があるにもかかわらず、新たにこの処罰規定を設けたのは、特定秘密に近づく行為を広く処罰する狙いがあるからです。不正アクセス行為の定義も曖昧で、何が不正アクセス行為かの判定は、行政機関や捜査当局によって決められます。
また、法案では、特定秘密を持つ人に情報を求めることも、特定秘密を保有する者の管理を害する行為として処罰対象です。集会の訴えや取材の指示まで罪になるのです。
公明党は法案に国民の知る権利、報道の自由を盛り込んだと言いますが、法案の第21条第1項は「国民の知る権利の保障に資する報道又は取材の自由に十分に配慮しなければならない」という文言で、報道・取材の自由は保障ではなく、あくまで配慮にすぎません。知る権利は、報道・取材の自由さえ確保されれば保障されるというものではなく、秘密の必要な情報に自由にアクセスできる、国民一人一人が持つ権利です。秘密保護法案は、この知る権利の行使自体を犯罪扱いし、警察に日常的に国民を監視させる仕組みをつくるものです。
第21条第2項に出版・報道業務の従事者の取材行為について「法令違反又は著しく不当な方法によるものと認められない限りは、これを正当な業務による行為とするものとする」という条文が加えられましたが、取材を処罰しないとはどこにもありません。正当な業務による取材でも処罰され得る曖昧さを残しています。特定秘密を得ようとする行為そのものが犯罪となり、たとえ最終的に正当な取材と認められても、家宅捜査で記者のパソコンや携帯電話を押収されるだけで、メディアにとっては大打撃となります。「知る権利の保障に資する」とは書けても「知る権利を保障する」と書けないところに、知る権利とは両立しない法案の仕組みが凝縮されているのではありませんか。
公明新聞12月1日号にQ&A特定秘密保護法案が載っていますが、それだけ支持者の皆さんが懸念しているということではありませんか。
このように、何が秘密かも秘密で、集会の訴えなども厳罰化されては、憲法に保障されている知る権利、報道の自由、権利が侵され、国民は物を言えなくなってしまいます。
さらに、国権の最高機関であるはずの国会が行政府の監視下に置かれ、安全保障委員会の秘密会で明らかにされた情報の是非を、自分の所属する政党に持ち帰って議論することも、専門家に意見を聞くこともできなくなり、当たり前の議会政治ができなくなります。国会は、主権者・国民の代表機関であり、行政を監視する立場にあるのに、国政調査権も形骸化され、行政と官僚の下に置かれることになります。
また、第三者機関の設置については、参議院の審議の中で、森担当大臣は法律の施行まで第三者機関を設置すると述べましたが、自民党のQ&Aには「特定秘密の性質から行政機関以外の第三者が扱うことは適当でない」と書かれており、礒崎首相補佐官も「行政からの完全な独立ではない」と述べています。第三者機関を設置すればよいという軽いものではないのです。
特定秘密保護法案での広範な秘密指定、共謀、教唆、扇動などで処罰される国民威嚇の仕組みは、日本が太平洋戦争に突入した1941年に施行された国防保安法に酷似していると、特定秘密保護法の制定に反対する刑事法研究者の声明で指摘されています。特定秘密保護法案との共通点の一つは、秘密の範囲が広く曖昧で、何が秘密かも秘密なことです。内容について否定するのが行政機関の長であるのも同様です。知らぬ間に犯罪者とされ、処罰される仕組みも同様です。開戦前夜、国民を統制し、戦争へ導いた国防保安法とうり二つの特定秘密保護法案を認めるわけにはいきません。
特定秘密保護法案は、その危険性が知れるにつれ、国民各界各分野から廃案を求める声が広がっています。
日本弁護士連合会、日本民間放送連盟、メディア総合研究所、日本ペンクラブ、29の劇団、日本雑誌協会、国連人権理事会、日本外国特派員協会など多数に加え、11月28日にはノーベル賞受賞者や学者らが分野を超え、特定秘密保護法案に反対する学者の会を結成し、憲法の定める基本的人権と平和主義を脅かす立法で、直ちに廃案すべきと声明を発表し、賛同者も増え、内外の学者2,000人を超えました。
12月2日には、特定秘密保護法案に反対する音楽・美術・演劇・映像・出版など表現に関わる人の会が立ち上げられ、法案に反対する声明を発表、坂本龍一氏、ピーター・バラカン氏、村上龍氏ら91人が発起人に名を連ね、衆議院での強行採決に強く抗議し、速やかに廃案とするよう求めています。
12月3日には、特定秘密保護法案に反対する映画人の会が発足、高畑勲氏、山田洋次氏、宮崎駿氏、大林宣彦氏、大竹しのぶ氏ら264人の賛同が寄せられています。
このように、反対は空前の規模で広がっています。12月3日の北海道新聞に、同社が実施した全道世論調査の結果が報道されていました。法案に反対が65%に達し、賛成の26%を大きく上回り、「今国会で成立させるべきかについては、今国会にこだわらず慎重に議論すべきだ」が70%、「今国会で成立させるべき」の12%を大きく上回っています。
自民党の石破幹事長は、ブログで法案反対の市民のデモをテロと同列視したことに対し、国民の批判を浴び、ブログにおわびと訂正を掲載したものの、依然として本来あるべき民主主義とは相入れないと発言しています。特定秘密保護法案では、政治上その他の主義主張に基づく国家、若しくは他人に強要する行為をテロと列挙していることは、この発言は失言ではなく、秘密保護法案と軌を一にした発言であって、法案の弾圧法としての危険な本質をあらわにしているものです。
国民世論に押され、参議院では、衆議院で法案を共同提案した日本維新の会、賛成したみんなの党も徹底審議に回り、7野党一致しております。日本共産党は、政党間で連携し、院外の国民の闘いとスクラムを組み、法案の廃案を求めるものですが、少なくとも世論調査の慎重審議を求める声に応えることでは一致できると考えます。
自民党、公明党、無所属議員の皆さん、今、市民の意見・要望を聞くために市民の中に入る努力をしている小樽市議会が、慎重審議を求める世論に背くことができるでしょうか。今こそ一致した議会意思を示そうではありませんか。このことを呼びかけて、討論を終わります。(拍手)
(「議長、10番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)10番、高橋克幸議員。
(10番高橋克幸議員登壇)(拍手)
○10番(高橋克幸議員)公明党を代表し、意見書案第1号「特定秘密の保護に関する法律案」の慎重審議を求める意見書(案)について、否決の討論を行います。
現在、臨時国会の参議院の中で審議されている特定秘密保護法案とは、安全保障に関する情報のうち防衛、外交、特定有害活動防止、テロ防止の4分野に限って、行政機関の長は特定秘密に指定できるものであります。この特定秘密保護法案の必要性についてでありますが、大量破壊兵器や国際テロ活動に適切に対処するためには、安全保障に関する重要な情報を入手し、その漏えいを防止し、国民の安全や国益を守ることは、喫緊の課題であります。
現在、国家公務員法や自衛隊法などにも秘密を漏えいした公務員を処罰する規定はありますが、量刑の問題や情報の対象が限定されており、我が国の安全保障に関する重要な情報漏えいを防ぐ法整備は万全とは言えない状況にあります。情報管理が万全でなければ、諸外国は重要な情報を我が国と共有しようとはしないわけであります。特定秘密を守るための法整備は、国際基準となっております。
さて、臨時国会で審議されてきた主な内容を見てみますと、懸念されている第三者機関についてですが、特定秘密指定の妥当性をチェックする第三者機関を設置すべきとの指摘に、森内閣府特命担当大臣から、国民のための情報なので、なるべく明らかにしていくことは重要であり、指摘を謙虚に受け止め検討したいとの政府答弁がありました。
また、知る権利について、報道機関の萎縮で国民の知る権利が制約を受ける可能性があるとの指摘に安倍総理大臣は、知る権利は十分尊重されるべきである、捜査機関も取材の自由に十分配慮した法の運用が行われると認識していると答弁しました。この件については、法案では特定秘密を対象にした取材について刑法第35条が処罰しないと定める正当な業務と明記され、これにより特定秘密の報道は脅迫など法令違反や著しい不当な方法による取材以外は正当な業務とされ、処罰対象とならないわけであります。
また、国会審議の中で参考人の意見として、首都大学東京法科大学院の前田雅英教授からは、特定秘密保護法案は、世界の秘密保護の標準からいってごくごく常識的で、しかも秘密保護と報道の自由のバランスも非常によくとれている、また東京大学大学院の長谷部恭男教授からは、特別な保護に値する秘密を政府が保有している場合には、みだりに漏えい等が起こらないよう対処することには高度の緊要性が認められるし、それに必要な制度を整備することも十分に合理的であるなど、こういう賛成、また反対の両方の立場から、さまざまな識者の意見が述べられ、いろいろな角度から審議が進められてきたと認識しております。
このような中、国会審議の中で衆議院での審議時間は約46時間であり、秘密指定の範囲や期間などが修正され、可決となったところであります。現在、良識の府である参議院で審議中でありますが、さらに深めた議論が行われるものと思っているところであり、審議時間もしっかりととられているものと思っております。
(発言する者あり)
したがって、相応の審議が進められており、一定の審議経過の後は採決に至るのは議会制民主主義においてやむを得ないものと考えます。ただ、政府に対しては、国民の不安ができるだけないようにしっかりと説明責任を果たすことを要望するものであります。(拍手)
(発言する者あり)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより採決いたします。
意見書案第1号について採決いたします。
可決とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)可否同数であります。
よって、地方自治法第116条の規定により、議長において可否を裁決いたします。
本件につきましては、議長は否決と裁決いたします。
(発言する者あり)
日程第5「休会の決定」を議題といたします。
お諮りいたします。
議案調査のため、明12月5日から12月8日まで4日間、休会いたしたいと思います。
これに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
本日は、これをもって散会いたします。
散会午前11時32分
会議録署名議員
小樽市議会議長横田久俊
議員小貫元
議員山田雅敏