開会午後1時00分
○議長(横田久俊)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、安斎哲也議員、上野智真議員を御指名いたします。
日程第1「議案第1号ないし第34号並びに報告第1号及び第2号並びに請願及び陳情並びに調査」を一括議題といたします。
これより、順次、委員長の報告を求めます。
この際申し上げます。
予算及び自治基本条例特別委員長の報告でありますが、本日、中島委員長が欠席されておりますので、副委員長から報告を求めます。
(「議長、19番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)19番、斎藤博行議員。
(19番斎藤博行議員登壇)(拍手)
○19番(斎藤博行議員)予算及び自治基本条例特別委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
まず、集中審議を行いました議案第22号小樽市自治基本条例案に関する質疑といたしましては、第10条では、「市民、議会及び市は、コミュニティがまちづくりにとって重要であることを認識し、守り育てるものとします」とされているが、本市では、現在、このコミュニティに含まれる町会に加入しない市民が増えている。
第8条に規定する市民参加の推進のためにもコミュニティの活性化は不可欠であり、町会離れが進む現状、市は、どのように無関心な市民に町会などへの参加を促していくつもりなのか。
第11条の住民投票に関する条文について、地方自治法上の規定で住民投票の提案ができるのは、市長や議員、市民の直接請求であるが、条例案では市長や市のみが主語となり、議会については明記されていない。住民投票が行われるケースは多様であり、議会の提案で住民投票を行うことも想定されることから、議会についても明記すべきと思うがどうか。
また、条文中で、市長には「選挙によって選ばれた」という記載があるが、議会にはその記載がない。議会は市長とともに二元代表制の一翼を担っているものであるから、市民にそのことを理解してもらうためにも、議会について意識的に市長と同様の表記をすべきと思うがどうか。
第13条には市民の責務がうたわれているが、そもそも法令で定められていない責務を市民に課すことは、地方自治法や憲法から逸脱するものと思うがどうか。
市は、この条例の主人公である市民が理解しやすいようにとの考えで市民の権利と責務を別の条文とし、責務には「まちづくりに参加するよう努めます」と示したという。しかし、これでは市民に努力義務を強いるようなきつい表現であることから、第12条の「まちづくりに参加することができます」という表現を生かし、「市民の権利と責務」を一つの条文にして、表現を和らげるべきと思うがどうか。
第20条には、総合的な計画の策定についての規定があるが、従前、地方自治法で義務づけられていた基本構想の策定が、平成23年の一部改正により削除されたため、現在、本市においては、総合計画を議決事項とする根拠がない状態にあるという。総合計画は、小樽市が目指す将来都市像を明らかにし、実現に向けた主要施策を指針として示すために策定するものであるから、議会の議決を経て定めることは必要であり、法的根拠が失われている現状に鑑み、総合計画条例などを制定することで、計画策定の中での議会の位置づけを明確にする必要があると思うがどうか。
本条例案には、市民のまちづくりにかかわる役割、責務などが規定されており、市民と非常にかかわりのある条例である。策定委員会やワークショップに参加した市民は、議論を経てこういった内容を理解していると思うが、これだけ市民にかかわりがある以上、広く市民の意見を集約する上でも、条例案の内容を理解できるよう十分な周知を行うべきだったのではないか。
条例の策定に当たり募集したパブリックコメントには、わずか2件の意見しか寄せられなかったなど、市民への周知不足が浮き彫りになった。市長公約に、「市民が市政に対する関心を高め、まちづくりへの参加を進めるため」条例の制定を推進するとある以上、より多くの市民に関心を持ってもらうため、長崎屋やウイングベイ小樽など、人が集まる場所で周知を兼ねたパブリックコメント募集をすべきであったと思うがどうか。
また、制定後の周知に当たっては、市民を集めて説明会を行うだけではなく、子供向けパンフレットを作成し、小学校などで出前授業を行い、児童を通じて家庭へと発信していく方法なども考慮してはどうか。
次に、その他の質疑といたしましては、今定例会には、本市へのIR誘致の一環として、この秋開催されるカジノ創設サミットの開催補助金に係る補正予算が計上されている。誘致に当たって、市は、IR法案では施設が民設民営とされていることから、現時点ではIR構想策定費用以外の負担は想定していないと言うが、他都市との誘致競争や施設周辺の基盤整備のために負担が生じてくるのではないか。
また、IRに含まれるカジノは、刑法に規定される賭博に該当するだけでなく、治安悪化や青少年への悪影響、ギャンブル依存症などのリスクを内包するものであり、このようなもので税収増加を図ろうとする市の考えは不健全である。カジノ設置により、本市においてもこうしたリスクが顕在化し、依存症や勤労意欲低下で人生を狂わす市民もいないとは言えないことから、誘致活動に税金を投入すべきではないと思うがどうか。
IRの話題になるとカジノが前面に出されるため、教育分野への懸念を示す声もある。しかし、外国人観光客の増加により、外国語に触れる機会が増えるなど、語学教育を進める環境が整うほか、高校卒業後の進路についても、観光産業の活性化により、市内の就職先が増えるなど、プラスの要素も多いと思うがどうか。
また、IRの誘致よりも地場産業の振興に力を入れるべきという意見もあるが、IRにより多くの人が滞在することで、宿泊や飲食の分野だけでなく、運送業など地場産業全体への波及効果も大きいことは想像に難くないことから、観光が基幹産業である本市でのIR実現に向け、市は積極的に取り組んでほしいと思うがどうか。
市は、IR誘致に対する市民の理解を深めるため、小樽国際観光リゾート推進協議会とともに説明会を開催するというが、同協議会と市との役割分担をどのように考えているのか。
また、市は、現時点で法案が成立していないことを理由に、詳細についての答弁は難しいというが、法案などの内容について理解度を深めるとともに、市が持っているIR構想のイメージを明確化し、市民に伝えるプロセスとして、議会で議論を積み重ねることは必要不可欠であると思うがどうか。
道は、原子力防災計画の策定に当たり、多数のパターンの避難時間推計シミュレーションを行っているが、PPA圏内の小樽市民が避難することは想定していないという。しかし、余市町民や古平町民が避難する姿を見て、余市町に隣接する地域の住民が避難を始めた場合、想定外の渋滞も起こり得るなど、実効性に乏しい計画になりかねないことから、市は道に対し、市民が避難することも含めた推計を行うよう要求すべきと思うがどうか。
また、現在、北海道電力が泊原発の再稼働の申請を行っていると聞く。再稼働の是非、時期については未定だが、市民の安心・安全を確保するため、本市防災計画の策定までは稼働を待ってほしいという立場に市長は立つべきと思うがどうか。
行政評価は現在、試行ということで、対象となる事業については、「おおむね10年以上の長期継続事業」などと市が独自に選定している。来年度から本格実施に移行するとのことだが、自治基本条例案第22条に「行政評価の結果を市民にわかりやすく公表する」ことが市の努力義務として規定されていることから、実施に当たっては、市にとって都合のよい事業ばかり評価を行っているとの誤解を招かないよう、どのような事業を評価の対象とするか、明確な基準をつくるべきと思うがどうか。
放置された空き家は、老朽化や積雪によって倒壊するおそれがあり、近隣住民の不安を解消するための「空き家条例」制定を以前から提案してきたが、市は制定に向けて検討しているとの答弁に終始し早2年が経過した。年数の経過とともに空き家が増えることは明らかであることから、一日も早く制定されるよう、しっかりと取り組んでほしいと思うがどうか。
また、行政代執行まで盛り込んだ条例を既に施行している大仙市では、制定とともに、市内の全自治会長にアンケート調査を行い、空き家の実態と管理についての意見を求め、実態把握に努めたと聞くことから、本市においても、同様の取組により情報収集することを検討してはどうか。
団塊の世代の職員の定年退職に伴い、全国の自治体で退職手当の大幅な増加が想定されたため、その財源として、平成27年度まで退職手当債を発行できることとなっている。
本市も退職手当債を歳入として見込んでいるが、発行できなくなる28年度以降の歳入減少への手だてとして、財政調整基金を6億円以上用意しておかなければ財政運営に支障を来すのではないか。市は今から何らかの補填策を検討しているのか。
市教委は、本年7月の学校給食センター落成式の際、建設工事を行った業者から洗濯機の寄附を受けたが、業者からはいつの時点で寄附の申出があり、どのような手続を経て受けることになったのか。
このような寄附は、小樽のために仕事をさせていただいたという業者の感謝の気持ちの表れであると思うが、発注者である市や市教委などがその優越的な立場を利用し、受注者である業者に寄附を強要しているのではないかという疑惑を生じさせかねないことから、寄附ではない手段をとってもらうほうがよいと思うがどうか。
本市には、対象者の決定などに生活保護基準を使用する低所得者対策が多数あるが、このたびの保護基準の引下げに伴い、新たな保護基準を使用しているものが多いという。これにより、減免等の適用外となるなど、不利益をこうむる市民が出始めているが、保護費引下げという国の不当な政策から市民を守ることも市の役割であるから、せめて今年度中は、旧基準で実施することを考えるべきではなかったのか。
保護基準は段階的に引下げになるため、今後、引下げの影響を受ける市民は増加すると思われる。市は、市民生活を応援するという観点からも、国に対し、市独自の低所得者対策について財政支援を行うよう要望すべきと思うがどうか。
市教委は、本市の小・中学校において、学力に学校間格差があると受け止めているとのことだが、全国学力・学習状況調査などを通じて、どの程度の差があるか検証を行っているのか。
市教委は、この格差を改善するため、成果が上がっている学校をより伸ばし、その学校の教育実践の交流や人事異動により、他校へ波及させたいとのことだが、特に人事異動は、モデル校などの先進的な取組を他校へ波及させるための有効な手段であるから、これを最大限活用することで、格差の改善を含めた本市全体の学力向上に向けて取り組んでほしいと思うがどうか。
本市では、地場産品導入促進事業として、昨年度から小学生を対象に卒業記念としてガラス製品の製作体験が行われており、今年度は昨年度よりも参加者が増加している。参加した児童からは、体験が非常に楽しかったため、将来小樽でガラスにかかわる仕事をしたいという声があるなど、郷土愛の醸成にもつながっていることから、来年度以降もぜひ事業を続けてほしいと思うがどうか。
農林水産省は各市町村に「人・農地プラン」の作成を求めており、本市では、既に蘭島地区や忍路地区で同プランについての説明会が行われたものの、いまだ作成には至っていないという。プラン作成により、青年就農給付金や農地集積協力金などの支援を受けられるとともに、これらを活用して、新規就農の促進、耕作放棄地の拡大防止、農地の集約化を図ることもできることから、市は、農家にこれらのメリットをよく説明し、協力を得られるよう努めてほしいと思うがどうか。
また、このプランを含め、頻繁に変わる国の制度を把握できず、農業に対する支援策を活用できない農家も多いことから、こうした情報に精通する市が逐次、農家に周知、助言してほしいと思うがどうか。
産業廃棄物最終処分場については、残余埋立容量が少なくなってきており、処分地の土砂を掘り返し、残土処分地に移送する延命化を行っている。さらに、建設リサイクルを推進させ、建設木くずの搬入を減らすことで、容量の確保を図るとのことだが、その効果はどの程度と考えているのか。
また、市は、処分場があと何年利用できると認識しているのか。
産業廃棄物は排出者が処理すべきものであり、市に処理義務はないが、最終処分場が満杯になった場合、市は事業を継続するつもりなのか。
また、民間に任せるのであれば、準備に相当の期間を要することから、市としての方針を早期に示すべきと思うがどうか。
市は、次期処分場を建設するとした場合、現処分場の上流での建設を検討しているというが、その場合、国の基準では、15年間維持できるだけの残余容量が必要となる。現在の検討地でそれだけの容量を確保できるか疑問であるが、市はどのように考えているのか。
また、次期処分場の建設に優先して、現在、処分場のかさ上げによる延命を検討しており、技術的な課題がクリアできれば実現可能とのことだが、地形などの関係から、地震などにより重いごみが遮水シート上を滑る可能性も懸念されるがどうか。
認知症について正しく理解し、温かく見守り支援する応援者を増やす取組である認知症サポーター養成講座の受講者は、現在、4,463人に上るという。この方々の活用について、市は、基礎編を受講しただけでボランティアとして携わるのは難しいというが、今後、高齢者人口に比例して認知症が増加することは明らかであることから、認知症サポーターがリーダーシップを発揮し、認知症対策の中核を担う活躍ができるような場の提供を検討してほしいと思うがどうか。
本市には、病児・病後児保育制度がないことから、仕事を持つ保護者は、子供が病気で保育所に預けられない場合、ファミリーサポートセンターを利用しているが、料金は他都市の病児・病後児保育と比べ、大幅に高額である。そのため、預かり時間の短縮など、利用を自制する例が多いと思われるが、市は、このような実態をどう受け止めているのか。
現状、病児・病後児保育制度の実施に向け、検討を進めているものの、解決すべき課題が多く、実現のめどは立っていないという。しかし、その間にも、病児・病後児保育を必要とする保護者がいる現実を踏まえ、市はファミリーサポートセンターを制度実現までの代替として位置づけ、利用者の経済的負担を緩和するため、助成制度の拡大を図るべきと思うがどうか。
寡婦控除は税法上、配偶者と死別若しくは離婚したひとり親世帯に対し適用されるものであるが、現在、非婚のひとり親世帯は対象外となっている。そのため、非婚のひとり親世帯は、同じ所得の婚姻歴のあるひとり親世帯と比較し、税のみならず、税額を基に算出される保育料などでも大きな負担を強いられているが、市は、このことをどのように考えているのか。
国は婚外子の相続格差は違憲との最高裁判所の判決を受け、対策を検討するとのことであるが、それを待たず保育料の減免制度など、非婚者の不利益解消に取り組む自治体が増えている。経済的に厳しい非婚姻のひとり親世帯に対する子育て支援策及び就労意欲維持のため、本市においても同様の取組を早急に進めてほしいと思うがどうか。
これまで市は、犬や猫の引取り依頼があった場合、必ず引き取らなければならなかったが、動物愛護管理法の改正により、業者や終生飼養に反する理由での一般からの引取り依頼は拒否することができるようになったと聞く。飼い主が適切に飼育することは大前提ではあるものの、市に引取りを拒否された場合、飼い主による不法投棄の増加が懸念されるが、市はどのような対策を考えているのか。
また、核家族化の進行などにより、家族同然にペットを飼う高齢者が増加しているが、認知症などにより不衛生な環境下での飼育も増加していることから、衛生面などの管理が適正になされるよう、保健所や介護保険課などが連携を図り対策に取り組むべきだと思うがどうか。
市営住宅への入居を希望する単身者は、2人以上の世帯向け住宅が多数空き家になっているにもかかわらず、単身者用住宅の空きが少ないため、入居できない現状と聞く。市は、こうした実態を住宅行政審議会に諮り、単身者への提供を検討したいとのことであるが、入居を心待ちにしている方も多いことから、早急に審議会を開催するなど、前向きに取り組んでほしいと思うがどうか。
また、今年度から、特定目的住宅の受付を指定管理者が行うことになったが、申込みに当たっては、住宅の困窮度など多くの個人情報が必要となる。申請者が知られたくないさまざまな個人情報を扱う業務である以上、指定管理者任せとせず、市職員が直接行うことが、行政の果たすべき役割と考えるがどうか。
道路案内標識のローマ字表記を英語表記化し、外国人旅行者にもわかりやすくする取組を推進する方針案が国から示された。この取組は訪日外国人旅行者の受入環境整備事業の拠点で先行実施するとのことだが、外国人観光客が多く訪れる本市にもメリットがあると思われることから、道路案内標識の改修を国や道に積極的に働きかけてほしいと思うがどうか。
また、本市では、通りや施設等の名称を統一するためのルールとして観光基本マップを作成しているが、ここで示される英語表記と国土交通省の見解とは若干の相違がある。外国人観光客が安心して散策できる環境を整えるためにも、地図やパンフレットなどと道路案内標識の表記の整合性を国、道と図る必要があると思うがどうか。
市道築港4号線については、道幅が狭く、冬期間、付近のマンション住民の車が交差できない状況が見られるが、除雪の基準はどうなっているのか。
また、今後、ウイングベイ小樽に新たなテナントが入ることや済生会小樽病院が開院したことに伴い、築港地区全体の交通量増加が見込まれる。市は、地区ごとの世帯数の増減を勘案した除雪水準の検討を行うなど、同地区において渋滞が起こらないよう責任を持って対応してもらいたいがどうか。
現在、本市の市街化調整区域内には、都市計画法上の違反建築物が62件あるという。市は、合同パトロールを行った平成20年以降、毎年、是正指導通知書を送付しているというが、違反建築物であっても固定資産税が課税されることを逆手にとり、納税しているのだから何の問題もないと居直られるようなことになれば、違反建築物が増加すると思うがどうか。
市が告発を行うには、行政代執行による建物の撤去までを想定して検討する必要があることから、現在は口頭と文書のみで是正を求めているというが、そもそも建ててはいけない場所に建てた違反物件であるのだから、きちんと撤去されるよう、厳しく指導してほしいと思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、議案第1号及び第22号につきましては、採決の結果、賛成多数により、議案第1号は可決と、議案第22号は継続審査と決定いたしました。
次に、その他の各案件につきましては、議案はいずれも可決と、報告はいずれも承認と、全会一致により決定いたしました。
なお、議案第22号が継続審査となりますことから、当委員会は閉会中も存置し、引き続き審査することといたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)21番、新谷とし議員。
(21番新谷とし議員登壇)(拍手)
○21番(新谷とし議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対、議案第1号平成25年度一般会計補正予算は否決の討論を行います。
また、議案第22号小樽市自治基本条例案は、継続審査を主張して討論を行います。
議案第1号一般会計補正予算に、日本カジノ創設サミットin小樽開催補助金が計上されています。
我が党はカジノに反対です。
昨年7月から10月に、北海道総合政策部政策局が、米国、マカオ、シンガポール、韓国におけるIR開発による経済効果と社会コストについて調査を行い、報告をしています。これらの国、地域において、経済効果はあるが、経済活性化の効果や地域への税財源の配分は我が国における制度設計により大きく変わるものであること、社会コストでは、犯罪や治安に関するリスク、青少年教育に対するリスク、依存症に対するリスク、その他駐車場不足、交通渋滞、周辺地域の公共交通の混雑の発生、周辺エリアの不動産の上昇による地元企業の転居、居住環境の変化についての指摘もされ、こうした社会コストをも含めてよく検討する必要があると述べています。
現在、日本で100万人がギャンブル依存症と言われています。いくら対策をとるとしても、カジノで依存症が増えないという保証はありません。
2012年、糸数慶子参議院議員とジャーナリストの若宮健氏が韓国江原道旌善郡でカジノについて取材をしています。
それを見ると、2000年10月、韓国で唯一カジノで自国民が出入りできる施設として始められ、売上高は他の16か所の施設の売上合計を上回るということですが、賭博中毒患者が増え、施設内に設けられた賭博中毒患者相談所に1日平均25人も相談に来るものの、完治する人はほとんどいないといいます。賭博中毒は、西洋人が2から3パーセントに対し、中国人、日本人が6から7パーセント、韓国人8パーセントと、アジアの人たちがなりやすいと分析しています。
この地で、カジノを推進してきた信用組合の理事や理事長は、「カジノで地元雇用を条件にし、4,000人のうち半分は地元雇用になった。しかし、お金を失って施設内で自殺する人は毎年5人から10人、地元に帰って自殺する人もいるので、正確な数字はわからない。浮浪者になった人たちは2,000人から3,000人、強盗が増え、全国から犯罪者が集まってきて、子供たちを学校へ通わせるのも心配で、転居する人たちもいる。カジノで仕事も地域もよくなると思ったが、10年前に比べ人口が半減した。地元もマスコミもカジノの幻想を振りまき、黄金の卵を産むと思っていた。切迫した経済を何とかしたいと、副作用を考えていなかった」と、反省の弁を話しています。
道路もまちもきれいになって、もうけさせてもらったという建設業者がいる反面、1日1食のみ配食されるお弁当で、身を寄せ合って暮らしている高齢者の方々もいます。この高齢者は、「カジノでよくなると思っていたが、家族は仕事がなくなり、ソウルへ行ってしまった。自分たちのことだけで精いっぱいで、自分はここにいるしかない」と話していました。利益は、住民に還元されていないのです。まちには、質屋の看板が目立ち、車を売ってまでカジノにのめり込む人、借金で一家離散した家族など、悲惨さが浮かび上がっていました。
小樽でカジノを推進しようとしている皆さんは、カンウォンランドは例外、リスクを最小限に抑えるから、小樽はカンウォンランドのようにはならないと思っていらっしゃるでしょう。マカオは香港と中国沿岸部、シンガポールはアラブやインドの大富豪を相手にしていると言われますが、小樽に観光に訪れるのは、富裕層ばかりではありません。香港、台湾、韓国など、いわゆる一般の人たち、小樽観光を楽しみたいと来樽した皆さんにカジノ賭博でお金を落とさせることが、真の観光産業振興と言えるでしょうか。
地方財源が大幅削減され、財政が厳しくなる下で、地方経済の活性化、観光産業の振興、雇用創出などの切り札としてカジノを合法化しようということですが、社会的にも多くの問題があり、バラ色に描くのは、あまりにも空想的です。地方財政がいくら大変だからといって、カジノ賭博を活用して地域経済を活性化しようなどということは、本末転倒です。
市長も法案成立で大きく変わることがある場合や市民合意を得られなければ、撤退もあり得ると答弁されています。法案がまだ成立していないため、全容がわからない上、市民合意も図られていないのに、カジノを含むIRを進めることには反対します。
釧路市は、IRカジノ推進の団体に、金銭支援は行っておりません。
以上の理由で、議案第1号は否決といたします。
議案第22号小樽市自治基本条例案は、集中審議を行い、各会派からさまざまな意見と提案が出されました。しかし、小樽市は、条例案は策定委員会からの提言を最大限尊重し、議会で出された意見は十分反映されていると言い、修正を検討する答弁は見られませんでした。議会も市民から負託を受け審査をしているのですから、もっと議会の意見を聞き、条例案に反映させるべきです。
また、パブリックコメントに寄せられた意見はわずか2件に表れているように、市民に自治基本条例とは何かがまだまだ知られていないというのが実態ではないでしょうか。市民自治が根づく機運をつくり上げていく過程が大事だと考えます。
流山市のように、公募市民も多く、300回以上の会議を開催、あらゆる団体と対話を重ね、子供からもアンケートなどで意見を聞き、寄せられた意見は7,000件、十分な対話を保証し、条例をつくり上げていったといいますから、市民の関心を高めていったことがうかがえます。
小樽市は、第6次小樽市総合計画をつくる前に、また、市立小樽病院の建設場所を築港にする計画のときも、各地域で懇談会を持ち、どちらも市長みずから出席し、市民の意見を聞きました。条例制定に当たっては、少なくとも各地域で懇談会を開き、市民の意見を取り入れるべきです。
日本共産党の代表質問では、市民の側からみずからの問題としてももっとたくさんの意見が寄せられ、練り上げてから改めて提案すべきではないかと提案しましたが、住民主権の地方自治の本旨に基づく自治基本条例を遂行していく上でも、議会での継続審議が必要です。
民主党・市民連合は、各会派が審議不足として継続審査を要求しているのですから、それを認めて、よりよい条例をつくり上げていくことにも同意すべきです。また、カジノに反対の意思表示をしているのに、議案第1号のカジノサミットの補助金になぜ賛成するのでしょうか。筋を通していただきたいと思います。
議案第30号の土地開発公社の解散には賛成ですが、色内2丁目の臨港線沿いの公園用地は売却しないで有効活用すべきという意見を申し添えます。
また、予算特別委員会で、生活保護基準が8月から引き下げられたことに伴い、個人住民税、固定資産税、保育費負担金、介護保険訪問介護利用者負担助成事業、成年後見制度利用支援事業、特定目的住宅の申込要件など16の制度のうち、既に九つの制度が改悪されていたことが明らかになり、既に影響が現れています。
第2回定例会で、我が党の川畑議員が代表質問で、生活保護基準の改定による他制度への影響について、市民の安全・安心を守る立場の市長として、どのような対処を検討しているのかと質問したのに対し、市長は、まだどのように取扱いをするか決定していないと答弁されております。事前の聞き取りに対し、小樽市は、国が影響を与えないようにするという返答でした。
また、第1回定例会で、生活保護基準の引下げ等、制度改悪をしないことを政府に求める意見書提出方についての陳情に対して、公明党は公的制度に影響が及ばないようにするとして、不採択の討論を行っています。
しかし、国が影響を及ぼさないように対応したのは、就学援助や児童養護施設等の運営費など、わずかです。国の悪政から市民の福祉を守るのが、小樽市の役割です。小樽市が、2か月もたたないうちに減免制度の改悪をしたことは認められません。また、今年度予算は、旧基準での減免制度を前提にしているのですから、今年度は旧基準での制度で実施すべきです。
以上、議員各位の賛同をお願いいたしまして、討論といたします。(拍手)
(「議長、27番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)27番、前田清貴議員。
(27番前田清貴議員登壇)(拍手)
○27番(前田清貴議員)自由民主党を代表し、議案第22号は継続審査を主張し、討論を行います。
横山純一教授をはじめ、学識経験者やまちづくり団体及び学生などで構成された小樽市自治基本条例策定委員会の皆様には、公私ともに大変お忙しい中を割いて、平成22年8月から平成24年9月まで、合計26回、約2年間にわたり自治基本条例について議論、検討を行っていただき、小樽市にとって、あるべき自治基本条例の条文やその考え方、まちづくりの課題に対しての附帯意見を盛り込んだ小樽市自治基本条例に関する提言書をまとめ、市長に提言された御苦労には、最大の敬意を表するものであります。
また、本市が掲げる自治基本条例を制定する理由として、近年、地方分権が推進され、国と地方が対等な関係になり、地方自治体の役割と責任が増し、少子高齢化がますます高まってくる中、限られた財源で、市民の多種多様な要望に対応するためには、小樽らしいまちづくりを進め、市の役割やあるべき姿を定め、市民に適宜的確な情報を提供し、さまざまな諸問題を市民と協働で解決し、まちづくりを進める規範としての条例が必要であるとの認識には、当会派も異論はありません。
このたび継続審査とした主な理由としては、本定例会の質疑を通じて、住民投票と二元代表制との整合性や住民投票の結果を尊重する記述や市民の定義など、それぞれの立場で都合のいい解釈が生まれる危険性をはらんでいること。「市民自治」や「約束」などという本来なじみの薄い語句や表現に対しての解釈が統一できていないこと。また、本条例の中には、市民、議会及び市それぞれの役割や責務を定める部分が多く包含され、その表記に対して不十分な部分が見られること。質疑の中で、逐条解説書などが整っていれば併用し、ある程度の問題は解決できたと思いますが、このたびの質疑だけでは理事者の解釈と議員の解釈に相違があるとともに、策定段階でのパブリックコメントの少なさなど、市民の関心度の低さを鑑み、理念条例とはいえ、この条例の目的とする市民、議会及び市が互いの役割や責務を理解し合い、協働による小樽のまちづくりを進めるための基本となる事項を定め、豊かで活力ある地域社会の実現を図るには、より一層の市民周知の徹底と議会審議による理解と合意が必要であると考えます。
以上のことから、議案第22号小樽市自治基本条例案は、議員各位の賛同をお願いし、継続審査を主張し、討論を終わります。(拍手)
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)17番、佐々木秩議員。
(17番佐々木秩議員登壇)(拍手)
○17番(佐々木秩議員)民主党・市民連合を代表して、委員長報告に反対、議案第22号小樽市自治基本条例案に賛成し、可決を求める討論を行います。
自治基本条例は、市民ニーズが多様化する中で、限られた財源でまちづくりを進めるという厳しい地方自治体運営を市民の皆さんとともに考え、ともに行動するまちづくりという協働の考えとあわせて、市民の皆さんに積極的に情報を発信、提供して集中と選択によるまちづくりを進めるための条例です。
こうした条例の必要性については、山田前市長や中松市長の選挙公約に挙げられ、また自民党、公明党、そして私ども民主党・市民連合も、小樽市における条例制定の必要性を訴え、早期条例化を求めてきました。
今定例会に提案されている小樽市自治基本条例案に賛成する考えを4点に絞って述べさせていただきます。
1点目、小樽市における条例づくりの作業は、市役所の中で関係部局の担当者が条例をつくるのではなく、市民の皆さんに研究会を立ち上げていただき、市民参加を基本に進められました。具体的には、自治基本条例に盛り込む内容や市民への周知方法を検討し、市長に提言書を提出した小樽市自治基本条例懇話会、そして小樽市自治基本条例案を検討し、市長に提言した小樽市自治基本条例策定委員会の活動があります。こうした懇話会や策定委員会の中で、小樽について、小樽市役所について、そして小樽市議会や議員について議論を重ね、さらに多くの市民の皆さんの参加の下、フォーラムやワークショップが行われました。こうした作業を行う中で形成されてきた市民の皆さんの小樽のまちづくりへの思いが条例策定委員会提言に収れんされ、市長に提出されました。
小樽市議会では、全会派が参加する勉強会が開かれ、条例が求められる社会情勢や他都市の条例の学習、ワークショップで出されたさまざまな意見、特に議会に対する厳しい意見も読ませていただきました。また、条例策定委員会提言の解説の講演も聞かせてもらいました。
議会論議の中で、この提言を条例づくりに最大限尊重するように求めたのも、こうした市民参加による議論経過とそれが結実した提言を大切にしたいとの思いからだと考えます。提案されている条例案は、提言の考えや議会論議を踏まえたものとなっており、この条例の根幹は市民の手によってつくられたと考えます。
2点目、小樽市における自治基本条例制定の議論は、多少時間がかかり過ぎた感があります。その間に、他の自治体では、市民と議会、行政と議会との関係を明確にした議会基本条例の制定が進んでいました。小樽市議会の中でも、小樽市議会基本条例に関する論議がされるようになりました。そうした中で、当面は学習、研究が先行している自治基本条例の議論を進め、条例制定後に小樽市議会基本条例を取り上げるとの整理がされた経過もあります。
小樽市自治基本条例案の議会に関する部分は、そうした議会での議論経過を踏まえて読むべきです。行政と議会、市民と議会などに関する踏み込んだ議論は、今後立ち上げられると考えられる小樽市議会基本条例研究会などの場で行われることになると考えます。
3点目、この条例を市民の皆さんに周知していく、そして条例を生かしたまちづくりの議論が広範に展開される土壌をつくることは大切な問題です。一般的に、条例の逐条解説は、制定された条例についてつくられるものです。条例制定後、できるだけ速やかに条例の逐条解説が出され、市の担当者も市民も議員も同じ解説書を手にして、まちづくりの議論がされることを強く希望するものです。そのためにも、条例制定後にこそ、市民周知とこの条例を生きたものにする努力とが求められると考えます。
4点目、私ども民主党・市民連合は、今年6月、小樽市自治基本条例原案の概要などが机上配布された段階で担当者に来ていただき、勉強会を行い、提言と条例案との違いなどについて細かい検討をさせていただきました。その中から、市役所組織のあり方や総合計画の条例上の位置づけ、さらには市長公約との連続性や予算編成過程における集中と選択の透明化など、今後の課題も見えてきました。
しかし、こうした議論は、今定例会に提案されている小樽市自治基本条例をさらに進化させる過程で十分論議ができると考えています。
以上、私たちの会派の見解を4点述べさせていただきました。改めて、条例可決を訴えて討論を終わります。
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)2番、千葉美幸議員。
(2番千葉美幸議員登壇)(拍手)
○2番(千葉美幸議員)公明党を代表し、議案第22号小樽市自治基本条例案について、継続審査を求めて討論を行います。
まず、本条例案の策定に際して、平成21年1月、庁内研究会が発足し、翌年1月に発足した学識経験者、有識者などで構成された懇話会では、条例に盛り込むべき内容の骨子、市民周知の方法などが検討され、懇話会の提言書をまとめられました。その後、策定委員会やワークショップなどで御協力をいただいた多くの市民、また、横山会長をはじめ、市長への提言書をまとめられた策定委員会の皆様、そして庁内で条例原案の検討に当たられた担当職員の御努力、御協力に対して、心より敬意を表するものであります。
自治基本条例は、2000年に施行された地方分権一括法により、地方公共団体の権限が拡大し、地域のことは地域で責任を持って決めることが求められるようになり、他自治体でも施行、策定の検討が進められております。
本市が抱える人口減少や少子高齢化など多くの課題を解決するために、市が主体的に取り組むことはもちろん、市民の皆様、議会、そして市が互いの役割や責任を理解し合い、協力してまちづくりに取り組む考えに異論はなく、豊かで活力ある地域社会実現のため、市民自治の基本理念と基本原則をうたう自治基本条例の制定は、意義深く望ましいものと考えます。
しかし、今定例会に上程された議案第22号の本会議並びに特別委員会における議論経過を振り返りますと、昨年10月の提言書の段階から議案上程に至るプロセスに若干の疑問を感じております。
本年6月10日から7月10日の期間でパブリックコメントが行われましたが、市民からの意見表明は2件と少なく、他都市で実施された例のある地域ごとの住民説明会も行われておりません。
本市の自治基本条例は、市民参加と協働によるまちづくりの基本的ルールとしながら、その主となる住民への説明や意見を丁寧に聞く時間は十分とは言えず、広く市民への周知は必要と考えます。
また、議会議論においても、提言書から条例案文への変更点やその考え方についての逐条解説等の必要性が指摘されたり、「市民」や「協働」といった基本的な用語の定義や住民投票にかかわる条文の内容や文言に疑義が出されるなど、現状では審議が十分尽くされたとは言いがたい状態と考えます。
したがって、本議案については、これまでの審議時間では不十分であり、さらに時間をかけてもう一歩深めた議論が必要と考え、議案第22号小樽市自治基本条例案は、継続審査を求めるものであります。
以上、討論といたします。(拍手)
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)6番、安斎哲也議員。
(6番安斎哲也議員登壇)(拍手)
○6番(安斎哲也議員)一新小樽を代表して、議案第22号小樽市自治基本条例案の継続審査を主張する討論を行います。
自治基本条例は、中松市長が公約で「市民が市政に対する関心を高め、まちづくりへの参加を進めるため」に掲げた政策です。
小樽市では、平成22年8月から学識経験者や民間団体、学生など12名で策定委員会を発足させました。委員会では、全26回にわたり議論され、提言書が市長に提出、提言後は、まちづくり提言フォーラムを開催し、「市民共調の街づくり」に向けて御尽力いただきました。この場をかりて、かかわっていただいた皆様に対し、敬意を表し、感謝を申し上げます。
しかしながら、小樽市では、この提言書を受けて、原案を作成した後、ホームページや広報おたるには載せたものの、1か月のパブリックコメントの実施のみで、実際に市民周知、情報共有を十分に広げたとは言えません。パブリックコメントに寄せられた御意見は、たった2件であり、寄せられた意見の数字だけで市民の関心が高い、低いとは言えませんが、まちづくり提言フォーラムの参加者数が40名ということもあり、決して関心を高められているとは思えません。
この中で、市長は今定例会で議案を提出されました。私は、自治基本条例集中審議で、ほかの自治体で実施している制定前の説明会や制定後の説明会をはじめとする市民参加のための具体的な仕組みや整備の実施を求めました。答弁では、前向きではあったものの「検討する」だけでした。本来であれば、条例の具現化に向けた取組について具体案を考えておくべきでした。
さらに、市民周知においては、「制定後に市民周知を広める」の一辺倒の答弁でありました。しかし、自治基本条例は、市民とともに策定するプロセスが大事であり、これがみんなでまちのことを考え、情報共有、市民参加を広げるということであります。制定後にいかに市民周知を広げ、「市民共調の街づくり」を進めるかも必要なことでありますが、策定委員会会長の横山教授もおっしゃっていたように、策定するプロセスが大事で、この条例をつくり上げていく中で、より一層の情報共有、市民参加を広げることが重要であると考えますが、市は、このプロセスがまだまだ不十分であります。
この条例は、理念条例ですので、何かがすぐに変わったり、改善するものではございませんが、つくった後にどのように市民、市議会、市がその役割と責任を認識し、協働して市政に参加してよりよいまちづくりを進めていくかがポイントで、そのための策定過程が大変重要になります。
今回の予算及び自治基本条例特別委員会の最終日の採決で、継続審査とする新聞報道があった後、市民の方から言われたのは、「自治基本条例って何、名前からわかりづらい」とのお声をいただきました。集中審議の中で、私もこの名称がわかりづらいと指摘しましたが、市長は、そもそも名前についてあまり意識していなかったと述べておられました。公明党の千葉議員も名称について、わかりやすいものをと提案されていました。条文には何度も協働によるまちづくりを進めると述べているのですから、この一番重要と思われる言葉を使ってわかりやすくすることも考えるべきではないでしょうか。
いずれにしましても、今回の審議の中で、各会派からも市民周知、情報共有などについて指摘され、継続審査し議論を深めるべきという声がありました。一新小樽としては、まちづくりの基本理念と基本原則を掲げる同条例案に関しては、多くの市民合意の下で「市民共調の街づくり」を進めていくべきだという考えから継続審査を主張します。
この間に、市民が市政に対する関心を高め、まちづくりへの参加を進められるよう、情報共有を高めるとともに、自治基本条例の具現化に向けた具体的な取組を形づくることを求め、討論を終えます。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、議案第1号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の方の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、議案第22号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の方の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、決算特別委員長の報告を求めます。
(「議長、15番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)15番、濱本進議員。
(15番濱本進議員登壇)(拍手)
○15番(濱本進議員)決算特別委員会の報告をいたします。
去る9月11日に開催されました当委員会において、付託されております各議案について採決いたしました。
採決の結果、議案はいずれも継続審査と、全会一致で決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、議案第7号ないし第21号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、総務常任委員長の報告を求めます。
(「議長、27番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)27番、前田清貴議員。
(27番前田清貴議員登壇)(拍手)
○27番(前田清貴議員)総務常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
所得税法第56条では、居住者と生計を一にする配偶者その他の親族がその居住者の営む事業に従事したことにより当該事業から対価の支払を受ける場合には、その対価に相当する金額は必要経費に算入しないものとされているが、申告方法により経費の捉え方が変わること及び来年1月からは記帳や帳簿保管の対象が拡大され、青色申告と白色申告の違いがさらに薄れることからすれば、単に税の問題にとどまらず、人権問題と言わざるを得ない。本市は、小規模の事業者が多いと聞くが、家族従業者の割合も多いことが見込まれることから、第56条廃止の法改正により税負担が軽減されれば、地域経済にも貢献するものと思うがどうか。
新幹線建設費用の負担については、北海道から本市における駅部や用途地域を範囲として、事業内容に応じた事業費に基づき道の負担割合である3分の1の10分の1として30分の1の割合で求められており、平成26年度分で見込まれる本市負担額は20万円程度と聞く。完成までの負担総額がわからずに合意するのは難しいことから、市は、開業までの二十数年間にかかる総費用の概算をどの程度と見込んでいるのか。
また、期成会などの活動を通じ、仮に開業が前倒しとなった場合、負担金の増額などの影響はあるのか。
行政評価結果集計表では、二次評価の判定が現状維持でありながら事業費が大幅に増えていたり、事業費が半分程度に減っていながら縮小ではなく要改善と判定されていたりするなど、文言の定義がなされていないためわかりにくく、ホームページを見た市民に誤解を与えているのではないか。
今後、本格実施に向けて大幅な改善が必要と感じるが、市は、先進地の視察を含めてどう考えているのか。
風力発電について、ヨーロッパでは景観に配慮して風車を配置している例もあるが、市は、配置について事業者に対しヒアリングや提案を行っているのか。
景観に限らず、本市における風力発電所建設に向けた現在の動きを見ると、民間事業者が建設を主導し、市は全く関与できない状態だと思うが、今後、市として何らかの形で携わっていく考えはあるか。
ヨーロッパにおける風力発電の普及理由が住民主体の経営や地元への経済効果であることを考えると、本市でも風力発電に対する市民参加を図り、発電に係る利益が市外ではなく市内にもたらされるよう、市は市民と事業者のつなぎ役として尽力してほしいと思うがどうか。
全国学力・学習状況調査については、昨年度とあまり変わらない結果と聞くが、市教育委員会が学力向上に向け取り組んできたさまざまな施策の中で、音読カードは浸透してきたと思われる。現状、中学校2校においてあまり行われていないようだが、音読は読解力を高めることが目的であり、市内全校で取り組んでもらいたいがどうか。
また、携10運動についても、2年目を迎え、情報モラル教育やネットパトロール体験会などを通じて携帯電話やスマートフォンへの危機意識を高めてきているというが、市P連にかかわりのある保護者と一般の保護者には認識の差があるため、今後とも鋭意取組を進めてもらいたいがどうか。
消防指令センターについては、位置情報通報システムや高所監視カメラなどを含む機器の更新が行われ、2月14日の試験運用開始から9月18日までで、5,685件の119番入電を受け、火災26件、救急出動要請4,557件に対応したと聞く。これまで一般的には設備の更新が進むと、職員を削減するという考え方が続いてきた。しかしながら、消防職員は東日本大震災における応援体制や原発事故対応に見られるように、全国的に大災害から小さな事件までさまざまな場面で動員されており、減員ではなく増員を図るべきと思うが、国の考えは示されていないのか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、議案第34号につきましては、採決の結果、賛成少数により、否決と決定いたしました。
次に、陳情第2号ないし第145号、第151号ないし第280号、第283号ないし第289号、第293号ないし第308号及び第319号につきましては、採決の結果、賛成多数により、いずれも継続審査と決定いたしました。
次に、その他の各案件につきましては、議案はいずれも可決と、所管事務の調査は継続審査と、全会一致により決定いたしました。
なお、当委員会におきましては、陳情第319号について、今後の審議の参考に資するため、委員会の休憩中に陳情者から趣旨の説明を受けたこと、また、5月に実施した第1回市民と語る会で、参加者から要望があった美術館への指定管理者制度導入について、委員会を代表して副委員長から市教育委員会へ質問し、美術館及び文学館は、長期にわたる調査研究活動や企画展の開催など専門性の高い学芸的な面を持つ業務のため、数年でかわる可能性がある指定管理者制度で行うことは現状では困難と思われるが、先進事例を研究したいとの答弁があったことを申し添えます。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
(7番小貫元議員登壇)(拍手)
○7番(小貫元議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、議案第34号は可決、陳情第319号及び継続審査中の陳情は全て採択を主張して討論を行います。
最初に、議案第34号非核港湾条例案についてです。
アメリカによる原爆投下から68年がたち、多くの被爆者がみずからの苦しみを通じて、核兵器の残虐性を伝え、核兵器をなくせと訴え続けてきました。そして、世界に広がり、核廃絶を求める世論と運動を築き上げてきました。
8月9日の長崎平和式典で、被爆者代表の築城昭平さん86歳が平和への誓いを読み上げ、次のように述べています。「今、強く願うことは、この大量破壊・大量殺人の核兵器を一日も早くこの地球上からなくすことです。我が国は、世界で唯一の戦争被爆国として、核兵器廃絶の先頭に立つ義務があります。それなのに、さきに開かれた核不拡散条約再検討会議準備委員会で、核兵器の人道的影響に関する共同声明に賛同署名をしませんでした。私たち長崎の被爆者は、驚くというより憤りを禁ずることができません」と政府の態度を批判しています。
核不拡散条約再検討会議が開始される2015年は、被爆70年になります。被爆者たちは、高齢ながらも、この会議に向けて、核兵器禁止条約の交渉開始を求める世論と運動を広げるために奮闘しています。被爆国日本の態度が批判される一方で、国際的には、核兵器の非人道性を問い、核兵器廃絶の声が広がっています。
8月20日、中南米カリブ海諸国共同体の会議で採択された宣言は、核兵器の存在とその使用の可能性が人類に対する脅威となっていることに深い憂慮を表明し、完全で検証可能な核軍縮の実現を最優先課題と位置づけ、「核兵器の使用と脅威に反対する唯一の保障は、核兵器の廃絶である」と強調しています。また、核兵器の使用や威嚇を「人類に対する犯罪であり、国際的人道法規や国連憲章を含む国際法違反である」と断罪し、爆発を伴わない実験も含め、あらゆる核兵器実験、開発を拒否しています。核保有国に対して、核不拡散条約が定める義務を履行し、核廃絶に進むことを要求しています。
小樽港には、毎年のようにアメリカの軍艦が入港しています。平和な商業港である小樽港に軍艦は似合いません。提案説明でも述べたように、神戸では、非核神戸方式を確立し、アメリカの軍艦は1隻も入っていません。
核の密約によって、核兵器の持込みはアメリカの自由だということが明らかになった以上、核廃絶の世論を後押ししていくことを求め、非核港湾条例案の可決を主張いたします。
次に、陳情第319号所得税法第56条を廃止し、自家労賃を経費として認めることを求める意見書提出方についてです。
この所得税法第56条は、既に白色申告でも記帳義務が拡大されることが決まっていて、青色と差別をつける必要がありません。また、家族従業者は、従業員と同じという世界の原則に反しており、働いているとみなされず、家族従業者の人権や人格の否定につながっていることが挙げられます。
国会での議論では、2009年3月の自民党・公明党政権のとき、当時の与謝野財務大臣が「研究させてもらいたい」と述べ、政権がかわって2009年11月に当時の峰崎財務副大臣が「検討していくべきであろう」と答えています。そして、2010年の11月、安住氏が「大臣として省内にしっかり指導していきたい」、このように答えています。
道内でも47の自治体、全国で367の自治体が意見書を可決しています。税理士団体も北海道をはじめ意見書を採択しています。このように廃止を求める世論に押され、国も廃止の方向に動いています。所得税法第56条の廃止は急務だと思います。
国も廃止の方向で準備を進めているわけですから、急がせるためにも意見書の可決を求めます。
次に、陳情第2号ないし第145号、第151号ないし第280号、第283号ないし第289号、第294号ないし第308号新「小樽市室内水泳プール」の早期建設方について及び第293号旧小樽税務署敷地への新「小樽市室内水泳プール」建設方等についてです。
第6次総合計画の前期実施計画に新・市民プール整備事業として、基本設計と実施設計を行うとしていました。ところが、この予算計上を今年度見送りました。市民への背信行為です。さらに後期実施計画にどのようにプール建設を位置づけるのか、明らかにされていません。今定例会でも、署名が積み重ねられているように、新市民プールの建設を求める声は高まっています。この願いに応えていくべきです。
いずれも願意は妥当であり、可決を求めます。
議員各位の賛同を呼びかけまして、討論といたします。(拍手)
(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)16番、林下孤芳議員。
(16番林下孤芳議員登壇)(拍手)
○16番(林下孤芳議員)議案第34号小樽市非核港湾条例案に賛成の立場で討論をいたします。
我が国に原子爆弾が投下されて68年にもなります。悲惨な被爆を体験した方々が毎年減少している中で、核兵器の悲惨さをややもすると忘れがちになっているのが社会の現状かと思われます。
しかし、この間、核兵器の残忍さを繰り返し訴え続けてきたことが再び核兵器の使用があってはならないとする世界共通の願いとして定着したと思っております。
我が国は世界で唯一悲惨な原子爆弾を投下され、多くの国民が犠牲となり、68年を経過した今日も、なお深刻な後遺症に苦しみ続けている国民がいることを引き続き世界に発信していかなければなりません。
我が国の非核三原則は、国是として世界から高い評価を受けてきましたが、核兵器持込みの日米の密約が発覚して以降、日本の信頼は大きく失われています。アメリカの判断で核兵器が我が国に自由に持ち込まれているとすれば、我が国民は常にアメリカの核兵器の脅威と危険にさらされていることになります。
事故や災害は忘れたころにやってくると言われますが、先日の新聞に機密指定を解かれたアメリカの公文書に、アメリカ南部ノースカロライナ州ゴールズボロ上空で飛行中の米軍爆撃機から核爆弾が外れて地上に落下し、奇跡的に起爆を免れた事故の詳細が報じられました。爆弾は、広島に投下された原爆の260倍の威力があり、TNT火薬で400万トン相当に匹敵するもので、爆発していれば、ワシントンやニューヨークまで被害が及び、数百万人の生命が危険にさらされたとされています。落下時の衝撃で四つある安全装置のうち三つが解除された状態となり、最後に残された低電圧の単純な構造のスイッチが起爆を食いとめたと言われます。まさに、奇跡的に取り返しのつかない大惨事を免れたと報道されております。アメリカ政府は、事故の実態が国民に知られることとなってからも、深刻な事故ではなかったと説明していたことも明らかにされています。
さらに、情報公開法に基づく公文書によると、1950年から1968年の間だけで、核兵器に絡む重大な事故は少なくとも700件も起きていることが記載されております。そのこと自体、大変な驚きではありますが、現在も核兵器を搭載した艦船や爆撃機が我が国内で活動していれば、いつこうした大惨事が起きても全く不思議ではなく、我が国の周辺地域と港や空港から排除されるべきものだと考えられます。
事故ばかりでなく、テロによる危険も指摘される中で、議案第34号小樽市非核港湾条例案は、大変重要な提起であると思います。
議員各位の御賛同を心からお願いして、賛成の討論といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、議案第34号について採決いたします。
委員長報告は否決でありますので、原案について採決いたします。
可決と決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立少数。
よって、否決されました。
次に、陳情第2号ないし第145号、第151号ないし第280号、第283号ないし第289号及び第294号ないし第308号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、陳情第293号及び第319号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、経済常任委員長の報告を求めます。
(「議長、3番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)3番、中村岩雄議員。
(3番中村岩雄議員登壇)(拍手)
○3番(中村岩雄議員)経済常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
市は、雇用創出や滞在型観光への移行推進につながるなど、地域経済に効果が期待できるとして、IR構想を推進している。現在は、道が作成した調査報告書を基に検討が進められていると聞くが、この報告書からは、市が言うような雇用面や経済面での効果は読み取れない。市は、一体何を根拠にこういった効果があると説明しているのか。
また、カジノによる依存症や青少年への悪影響などのマイナス面については、先進国の事例を見ると、法により規制しきれるものではなく、社会問題に発展していることから、多くの市民はその悪影響を心配している。このようなカジノ賭博をIRと言いかえてメリットばかりを強調し、積極的に市民に理解を求める市の姿勢は到底認められるものではないと思うがどうか。
IR誘致をめぐる議論の中では、どうしてもカジノが争点になりがちであるが、カジノはあくまで統合型リゾートの一要素にすぎず、その側面だけの議論は、IRの本旨とかけ離れた議論になるのではないかとの懸念がある。こういった誤解を防ぐためにも、市は、説明会を開催するなど、IR構想について丁寧に市民へ周知していくべきと思うがどうか。
また、本市では、今後、少子高齢化の進展に伴い、福祉サービスに係る財政負担の増大が想定される。交付税のあり方についても変化が見込まれる中で、現状の福祉施策を維持・向上させるためには、自立した財政構造に改める必要があることから、IR誘致で経済活性化を図り、自主財源の確保につなげてほしいと思うがどうか。
小樽観光振興公社が運航するベイクルーズでは、船内で販売している餌で、カモメに餌づけする行為が観光客に人気を博している。しかし、この行為は、北海道生物の多様性の保全等に関する条例に違反しているとの指摘があるが、市や公社は、このことを認識していたのか。
また、北海道から指導などはなかったのか。
餌づけはクルーズの目玉であることから、餌の販売を取りやめるとなれば、利用者数の減少にもつながりかねないが、公社、ひいては市の自然環境保全に対する姿勢を示すためにも、しっかりとした対応を望むがどうか。
市は、北運河及び周辺地域観光戦略プランの策定等をNPO法人OBMに委託し、現在は、来年3月策定を目標に協議会などが開催されていると聞く。今年度に入り、旧国鉄手宮線整備事業が開始されたほか、運河クルーズによる浅草橋~北運河間シャトル便が運航されるなど、長年の懸案であった北運河への観光客の回遊性を高めるための取組が行われていることから、プランの策定に当たっては、こういった取組を踏まえ、北運河地域の持つ落ちついた風情を残しつつ、さらに活性化できるよう努めてほしいと思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、陳情第290号につきましては、採決の結果、賛成多数により、継続審査と決定いたしました。
次に、所管事務の調査は継続審査と、全会一致により決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
(22番北野義紀議員登壇)(拍手)
○22番(北野義紀議員)日本共産党を代表し、ただいまの委員長報告に反対し、陳情第290号国定公園「ニセコ・積丹・小樽海岸」の中心地区「オタモイ海岸」の早期整備方については、願意妥当、採択を求める討論を行います。
採択を求める根拠は、一昨年の第4回定例会の討論でその基本を詳しく述べ、その後の討論でも角度を変え、また新しい観点も紹介しながら明らかにしてきました。これらに触れたことは、ここでは詳しく述べることはいたしません。
戦後のオタモイ地区の土地所有をめぐる複雑な経過の中で、昭和30年代以降、オタモイ海岸の整備は進まず、荒れ放題とされていました。昭和50年代に入り、志村市長の時代、小樽市がオタモイ観光開発を進めるためには、土地所有者になる必要があると、関係者に土地購入に関し協力を強く要請し、小樽市がようやく土地所有者になることができました。このとき、土地購入資金を中央バスから寄附してもらいました。
オタモイ観光開発に責任を持つことになった小樽市ですが、次の二つのことで、観光開発は後景に追いやられることになります。
1970年代に入って運河論争が起こり、この論争を通じて、歴史的景観を生かしたまちづくりが市民の中に浸透し、小樽の名前が全国ブランドとなり、小樽運河、ガラス工芸、すしなどが、観光都市小樽の売りになっていき、オタモイが観光資源から除かれていくようになりました。
二つ目は、オタモイ海岸での落石などが、それまでも起こっていましたが、2006年以降、海岸へ通じる道路への落石や岩盤の崩落で、急傾斜地調査業務のため、付近一帯を立入禁止区域にせざるを得なくなり、調査業務で景観を犠牲にした恒久的な安全対策には莫大な費用がかかるとの結論で、オタモイ海岸の根本的な観光開発の取組は、事実上、中断することになっています。
ところで、今定例会で大きな関心を呼んだIR構想に関してですが、北海道がIR構想について調査した報告書、IR構想に関する調査報告書に触れなければなりません。この概要版の3ページに観光資源の項目があります。ここでは、次のように書かれています。「IR施設の開発地域の分析において、もう一つの指標となるのが周辺観光資源の充実度である。IR施設はそれ自体が強力な集客力を持つ観光資源であるものの、その魅力度をさらに押し上げるためには、周辺地域におけるその他の観光資源との連携が重要となる」。
我が党はIR構想に反対ですが、推進の立場からいっても、オタモイ海岸の観光開発は、観光の魅力度アップに大きく貢献するものであります。
先ほど、新谷とし議員の討論で、この調査報告書の概要版からマイナス面がいかに深刻であるか、いくら法で規制しても、それではマイナス面をカバーできないという事実が北海道の調査で明らかにされていることが、詳しく報告されています。
IR構想でもこのように賛否は分かれておりますけれども、オタモイ観光開発という点では一致できるというふうに確信しています。しかも、陳情第290号で指摘しているように、小樽市の観光基本計画でもオタモイ海岸の整備が位置づけられており、多額の費用をかけないで従来型の整備を早急に取り組んでほしいという、小樽市の方針に沿ったささやかな要望が陳情の内容です。
私は、この後、討論を行わないことは活性化に反すると厳しく批判するくだりを書いたのです。ところが、本日の議会運営委員会の報告を聞いたら、先ほどもありましたように、冒頭でたくさんの議員がいつもより討論に立って、みずからの見解を明らかにした。これは活性化への一歩前進とは言わないけれども、半歩前進だと、小貫議員からそういう厳しい批判は、今後の推移を見てやってほしいと言われましたので、そこのくだりは削除いたしました。ところが、常任委員会の報告になったら、いつもと同じように討論が非常に少ない。だから、一歩前進とは言わないで半歩前進と言った次第です。
ぜひ今後は、大いに討論を行っていただきたいということを述べ、陳情第290号については、ぜひ全議員の賛同を呼びかけまして討論といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、陳情第290号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、所管事務の調査について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時42分
――――――――――――――
再開午後3時10分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
次に、厚生常任委員長の報告でありますが、先ほど申し上げましたとおり、中島委員長が欠席されておりますので、副委員長の報告を求めます。
(「議長、4番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)4番、吹田友三郎議員。
(4番吹田友三郎議員登壇)(拍手)
○4番(吹田友三郎議員)厚生常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
陳情第320号は、朝里におけるまちづくりセンターの建設を求めるものであり、同趣旨の陳情を提出する活動が12年にわたり継続しているという。平成19年の地域懇談会では、山田前市長が朝里十字街共同住宅跡地にコミュニティセンターを建てたいという回答をしたが、東南地区への建設は遅々として進んでいないのが現状である。そのような状況の中、昨年3月に中松市長は、施設のモデルとなる札幌市の地区センターを視察したというが、現時点で後期実施計画に位置づけることは困難であり、財政状況を考慮しながら検討するとの姿勢に変化はない。しかし、市長は、本年8月の懇談会において、仮に後期実施計画にのらなくても実現させるための協議を続けると約束したと仄聞するが、そうであれば、センター建設を後期実施計画に盛り込むべきと思うがどうか。
現在の財政状況からは、センターの建設を後期実施計画に位置づけることが困難であることは理解できるが、地域住民と意見交換を行う懇話会や研究会を後期実施計画に位置づけ、本腰を入れて建設を進めるという姿勢を示してほしいと思うがどうか。
また、現在、コミュニティ政策の所管は生活環境部となっているが、まちづくりの観点からは、企画政策室や建設部など各部にまたがるケースがあるため、コミュニティ活動に関する相談を総合的に取り扱う部署を創設してほしいと思うがどうか。
陳情第321号は、受動喫煙防止条例の制定等受動喫煙防止諸施策の強化を求めるものであるが、そもそも受動喫煙とは何か。
タバコの主流煙と副流煙に含まれている有害物質を比較すると、心臓に負担をかけるニコチンは2.8倍、発がん物質であるタールは3.4倍と、受動喫煙により健康被害を及ぼすことは明らかであることから、本市では、健康おたる21において、おいしい空気の施設推進事業などの取組を示しているというが、根拠となる要綱など、もう少し明確な受動喫煙防止についての指針を整備してほしいと思うがどうか。
また、喫煙者独特の老化現象と言われるスモーカーズフェースが一目瞭然となるような写真を用い、視覚に訴える啓発ポスターの作成を検討してほしいと思うがどうか。
受動喫煙防止対策ガイドラインは、現在、市内631か所の事業所に配付していることから、喫煙者も多く目にしていることが想定される。このガイドラインに「禁煙治療とタバコ代の比較」や「禁煙でたまるお金の計算」など、金銭面に関する内容を掲載すれば、喫煙者が禁煙を始めるきっかけになるとともに、受動喫煙の防止、さらには市民の健康増進にもつながると思うがどうか。
本市が進めてきた温暖化対策推進実行計画は、市の事務事業から排出される温室効果ガス削減の取組であるが、削減目標の数値を1次及び2次計画において達成し、大きな成果を上げてきたという。このたび策定された3次計画においても、過去の計画同様、目標の達成に大きな期待を寄せているところだが、計画の中の職員一人一人の取組については、その取組項目が多岐にわたっており、覚えきれないおそれがあることから、周知徹底を強化してほしいと思うがどうか。
高齢者の総合的な生活支援の窓口である地域包括支援センターは、当市地域においても、北西部・中部・東南部の3か所に開設しているが、中でも中部地域包括支援センターは、他の2か所のセンターに比べ、高齢者人口の比率も高く、その業務量は突出していると聞く。このような状況から、市は、体制の強化や業務の平準化を図るため、中部地域を分割し、新センターの増設を目指しているとのことだが、現在の中部地域包括支援センターの業務量を考えると、今後の急速な高齢化に対応する余裕はないことから、早急な新設と速やかな業務移行を望むがどうか。
本市における人工妊娠中絶の割合は、出生数の約3割に相当するという。経済的な事情から中絶を決意する人が多いとのことであるが、特別養子縁組制度や里親制度の積極的な活用、さらには財政的支援など、中絶を決意させない施策や援助が必要と思うがどうか。
出生数の減少は、市の根幹を揺るがしかねない大きな問題である。中絶が減少し出生数が増えれば、人口増加にも寄与することから、生まれてくる大切な命を絶やさないよう、行政全体のさまざまな形でのサポートを望むがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、請願第2号並びに陳情第1号、第310号、第314号、第316号、第320号及び第321号につきましては、採決の結果、賛成多数により、いずれも継続審査と決定いたしました。
次に、その他の各案件につきましては、議案は可決と、所管事務の調査は継続審査と、全会一致により決定いたしました。
なお、当委員会におきましては、陳情第320号について、今後の審議の参考に資するため、委員会の休憩中に陳情者から趣旨の説明を受けたことを申し添えます。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)8番、川畑正美議員。
(8番川畑正美議員登壇)(拍手)
○8番(川畑正美議員)日本共産党を代表して、厚生常任委員長報告に反対し、新たに提出された陳情第320号朝里におけるまちづくりセンター建設方について、陳情第321号受動喫煙防止条例の制定等受動喫煙防止諸施策の強化方について、継続審査中の請願第2号JR南小樽駅のバリアフリー化の要請方について、陳情第1号天狗山ロープウェイ線における最上団地停留所利用時の料金設定改善要請方について、陳情第310号銭函駅へのエレベーター設置方について、陳情第314号小樽市女性国内研修事業の再開方について、陳情第316号北西部地区における「一時的保育事業」の実施方について、それぞれ採択を主張する討論を行います。
陳情第320号朝里におけるまちづくりセンター建設方については、朝里・新光地域に多目的コミュニティセンターを実現する会が、2002年から陳情し、その後、継続審査となっています。しかし、朝里・新光地域コミュニティセンターの建設を願う趣旨の請願については、1984年12月5日に、新日本婦人の会小樽支部新光班より新光地区に多目的集会所の設置方についての請願が提出されています。1998年9月14日には、朝里・新光地域にコミュニティセンター設置方についてと名称が多目的集会所からコミュニティセンターと変更されておりますが、2000年まで8回請願が提出され、通算すると29年間の長い歴史が重ねられています。
2009年度からの第6次小樽市総合計画では、市政運営の基本姿勢に参加・協働によるまちづくりの推進を掲げ、町会など地域コミュニティの維持・強化の必要性を説き、市民と行政が一体となったまちづくりのために、地域住民がコミュニティ活動に参加しやすい環境づくりを進め、活動や交流の拠点となる施設の充実に努めると記載されています。
2011年9月の厚生常任委員会で、山田前市長が朝里十字街共同住宅跡地は、あくまでもコミュニティセンターの建設用地であると明言したことを中松市長も建設用地と確認した上で、朝里地区におけるセンター建設の必要性についても十分理解し、今後、研究会などを立ち上げることを当面の課題として事業に取り組んでいきたいと答弁しています。
陳情第148号朝里・新光地域における多目的コミュニティセンター設置方については、2013年3月に取り下げられ、改めて朝里にまちづくりセンターを創る会が陳情第320号を提出しています。陳情名称や陳情者が変わっても、取組の継続が確認されています。
朝里にまちづくりセンターを創る会との懇談会やセンターの構想づくりには、市長をはじめ市の担当者や市議会議員も積極的に参加しています。創る会は、センターの構想づくりに当たって、本市の財政事情をも加味し、まちづくり活動の拠点、市民の日常交流や学習スペース、また公的役割を担うものとして、他市のまちづくりセンターの建設をモデルとして視察するなど、構想を練り上げてきたものです。
創る会は、建設構想をつくる上で、札幌市清田区の里塚・美しが丘地区センターをモデルにしていることから、市長や市職員にも施設の視察を要請してきました。それに応えて、視察された市長は、センター建設に当たって十分研究されたものと思います。中松市長は、創る会との懇談会に参加された折、センター建設は後期実施計画に載らなくても実現させたいと語ったこと、また、市長との懇談会や市担当部とのセンター建設に当たってのコンセプト説明、そして市長のモデル施設の視察などは、創る会の皆さんにとって建設への足がかりとして大きな期待を寄せていたところです。
今定例会での我が党の新谷とし議員の代表質問に対して、市長は、コミュニティ活動への支援のあり方について、「他市の状況も参考にしながら研究してまいりたい。朝里十字街の市所有地は施設建設用地として確保している。総合計画の後期実施計画への位置づけは、現時点では難しい」と答弁しています。この答弁は、これまでの繰り返しにとどまり、朝里地域の方々が長年建設を求めて請願陳情してきたことを無視するものです。少なくとも、後期実施計画には登載すべき事業です。
陳情第321号受動喫煙防止条例の制定等受動喫煙防止諸施策の強化方については、禁煙対策によって、がんや心臓病、脳卒中の抑止に貢献し、他人のたばこの煙を吸わされる周りの人にも健康被害を与えることから、受動喫煙防止の対策が重要になっています。
喫煙は基本的に個人の自由であり、愛煙家に対して一方的に禁煙を押しつけるものではありません。禁煙を望む喫煙者に対しての支援を進めるものであります。
陳情は、受動喫煙防止条例の制定をはじめとした実効ある受動喫煙防止の諸施策の強化を図ることを求めています。小樽市保健所から、市民の健康管理と健康増進の立場で禁煙対策の推進と受動喫煙防止条例の制定を前向きに検討する旨の答弁をいただいています。
陳情第320号、陳情第321号の願意は妥当であり、それぞれ採択を求めます。
次に、継続審査中の請願第2号JR南小樽駅のバリアフリー化の要請方についてです。
国は、1日3,000人以上の利用がある鉄道駅についてバリアフリー化を進める方針です。小樽市内には、国のバリアフリー化の基本方針に合う駅として小樽駅、南小樽駅、銭函駅が対象となっています。日本共産党がJR北海道と交渉し、南小樽駅や銭函駅のバリアフリー化の要請をした際に、JR北海道は地元自治体と協議を行いながら進めるとしており、駅舎のバリアフリー化促進には、小樽市の役割が重要となっています。
南小樽駅は、市立病院に近いことから、患者の利用も多く、市立病院統合新築工事が進められており、今後も公共交通機関として、南小樽駅の活用が見込まれます。9月19日の小樽市立病院経営改革評価委員会の中でも、市立病院統合新築にあわせて南小樽駅と直接通じることができないか、北後志の拠点病院として、患者が列車で病院に来られることも考慮し、JRと話合いを進めるべきと委員からの御意見もありました。今、整備することが絶好の機会であり、採択を求めます。
その他の継続審査中の陳情第1号、第310号、第314号、第316号は、これまでも述べているとおり、願意は妥当であり、それぞれ採択を求め、各会派各議員の皆さんに御賛同の呼びかけをして、討論といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、陳情第314号及び第316号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、陳情第321号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、請願第2号並びに陳情第1号、第310号及び第320号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、建設常任委員会の報告を求めます。
(「議長、10番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)10番、高橋克幸議員。
(10番高橋克幸議員登壇)(拍手)
○10番(高橋克幸議員)建設常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
特定目的住宅は、市内に住所を有する高齢者・母子・障害者・低所得者世帯で住宅に困窮している方が申し込める公営住宅で、本市では4月から指定管理者が申込みの受付と、付随する住宅困窮度の現地調査を行っている。現地調査は、民間のノウハウを生かし、住宅の壁や老朽度、設備等を誰が見ても客観的に判断できる調査票を用いて点数をつけ、市は単に書類での報告を受け、住宅困窮度の審査により入居者を決定しているという。しかしながら、机上の書類審査では、市役所の役割である市民の福祉の向上のために必要な市民の要望、悩み、大変さといった状況を知ることはできないと考えられる。市職員が直接現地調査をすることで、市としての役割を果たせると思うがどうか。
昨年の大雪で市民は大変苦労をしながらも、生活道路の除排雪を行ったが、道路に面して存在する空き地である未利用地では、所有者の厚意により排雪スペースとして活用できる土地がある一方で、所有者の意向により使用できない土地もあった。市は排雪場所に困窮する近隣住民のため、土地所有者に対し何らかの特典を与えるなど、未利用地を有効かつ円滑に活用できるような方策を考えてほしいがどうか。
貸出しダンプ制度は、市民が居住する地域の冬期間における交通を確保するため、町会等が自主的に生活道路の排雪を行う際に、市が無償でダンプを派遣し運搬処理を行うことにより、町会等の排雪費用の軽減を図ることを目的としている。本制度の目的では、屋根、駐車場など道路以外の雪は排雪しないことになっているにもかかわらず、現状では自宅敷地内の雪を道路に出すことが常態化しており、こうした不適切な行為が貸出し日数を増やす原因ともなっている。制度本来の趣旨に沿うよう、市の排雪基準に準じた貸出し日数を設定し規制するなど、対策を講じるべきと思うがどうか。
本市水道発祥の地である奥沢水源地は、平成23年8月に廃止されたが、周辺の自然景観・環境は、すぐれた地域資源としての可能性を持っていることから、市民に親しまれる場として活用するため保存・活用基本構想を策定したという。この構想に基づき、具体的な整備内容、時期、事業手法について検討していくと聞くが、泉佐野丘陵緑地公園のように、整備だけではなく、その後の管理・運営も含めた計画を市民と協働で策定することや、公園の運営方法を運営審議会において議論していくなど、市民協働の公園づくりを目指してほしいと思うがどうか。
横浜市では、災害時の応急的な飲料水確保を目的に、災害用給水タンクや緊急給水栓などを整備しているが、より深刻な事態を想定し、消火栓につながる配水管を順次耐震化し、被災時でも利用可能で、さらに専用の蛇口をつなげることにより飲用可能な水が出るという新たな消火栓の活用策に向けた検討を始めていると聞く。急傾斜地が多い本市では、給水車両が入れない場所もあり、また、災害による道路分断なども考えられることから、本市においても消火栓の活用を検討すべきと思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、陳情第309号及び第312号につきましては、採決の結果、賛成多数により、いずれも継続審査と決定いたしました。
次に、その他の各案件につきましては、議案は可決と、所管事務の調査は継続審査と、全会一致により決定いたしました。
なお、5月に実施した第1回市民と語る会で参加者から要望があった小樽公園の駐車禁止区域の警察への見直し要請については、委員会を代表して副委員長から市建設部へ質問し、現在の駐車禁止が事故防止のため地元住民の要望で設定された経緯があることから、駐車禁止区域の見直し要請は難しいが、市外から来た人にも駐車禁止であることが認知できるよう、対策を考えていきたいとの答弁がありましたので、申し添えます。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)21番、新谷とし議員。
(21番新谷とし議員登壇)(拍手)
○21番(新谷とし議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、陳情第309号及び第312号は採択を求める討論を行います。
陳情第309号は、住宅リフォーム助成制度の予算の増額を求めるものです。
今年度の住宅リフォームの申込件数は、1件の辞退者を除き251件です。9月17日現在の補助金申請件数は99件、補助金総額は1,759万3,000円、昨年度予算を残した反省から、昨年度の補助金総額1,584万7,000円を上回っています。工事費総額は2億7,240万4,053円、これも昨年度の2億2,683万7,000円を上回り、経済効果は15.48倍、昨年度の14.3倍を上回っています。
しかし、今年度の工事登録業者は119件で昨年度を上回っているにもかかわらず、工事請負業者は59件と仕事が回っているのは半分にしかすぎません。9月17日現在の1件当たりの補助額は17万7,707円で、これを基準に申込者全員に充てると4,460万4,457円で、あと2,500万円ほどで申込みをした市民への助成と工事請負業者の仕事拡大を応援することができます。
日本共産党は、第1回定例会で、昨年度の申込者全員と1件当たりの工事費を積算して、市長提案の住宅リフォーム助成制度へ3,000万円上乗せをする予算修正案を提案しましたが、これを可決していただいていたなら、今年度の申込者全員に分け隔てなく助成ができ、昨年度のように待たされて、待ちきれずに工事に踏みきった結果、予算を残してしまったということはなかったはずです。リフォーム工事時期も遅くならずにできるはずです。
同時に予算増額で、市内経済活性化につながるのは、住宅リフォーム助成制度を実施している他の自治体を見ても明らかです。
隣の余市町では、今年度から住宅リフォーム助成制度がスタートしましたが、当初1,000万円の予算だったところ、1か月で申込者が殺到し、予算がほぼいっぱいになったため、また1,000万円の補正予算を組んで対応しています。
建設常任委員会で視察に行った岩見沢市は、2007年度から2010年度の4年間で、受付件数は288件から815件に増加、2009年度は2,700万円の補正予算を、2010年度は当初予算1億3,500万円に4,000万円の補正予算を組んで1億7,500万円に引き上げ、工事金額は15億565万4,500円に達しました。
もう一つの視察先の滝川市は、補助率を初年度10パーセントから2年目は20パーセントに引き上げ、申請者は2年目6倍になり、補助金総額も2,982万9,000円に引き上げました。事業効果として、補助対象を市内業者に限定した効果は大きく、地域経済活性化に貢献しているという報告を滝川市から聞きました。
このように、地域経済活性効果があることから、各地の自治体で予算増額をしています。
小樽市の地域経済活性化のためにも、予算増額の願意は妥当、採択を主張します。
陳情第312号は、市による火災崩壊家屋の撤去及び空き家対策の策定を求めるものです。
火災を起こした住人はまだ連絡をとれないということで解決に向けて困難さはありますが、傾きが激しくなっていることから、何らかの市の支援は必要です。空き家対策については、小樽市が条例制定に向けて検討を進めていることから、陳情者の願意は妥当です。
以上、議員各位の賛同をお願いしまして、討論を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、陳情第309号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、陳情第312号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、学校適正配置等調査特別委員長の報告を求めます。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
(22番北野義紀議員登壇)(拍手)
○22番(北野義紀議員)学校適正配置等調査特別委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
学校統廃合については、昭和48年の文部省通達に従い、地域住民の理解と協力を得て進めるべきと考えるが、この間の統廃合を顧みると、保護者との話合いは進む一方、前回の当委員会から今日まで、地域との懇談会が一度も行われていないなど、市教委と地域住民との話合いの機会は少なく思える。今後、学校適正配置に当たって市教委は、地域住民と、学校の存在意義について十分に話し合い、住民の合意を得た上で計画を進めるべきと思うがどうか。
学校の統合に向けた準備を進めるため、統合協議会が発足された場合、協議会の会長、副会長には統廃合するそれぞれの学校長が就任することが多いと聞く。協議会発足後は、統廃合の実施まで学校や地域にとっては大事な時期となるが、その間に学校長が異動などでかわることにより、協議会の議論経過の継承に影響が出ることを心配する声もあることから、統廃合の実施まで当初の体制のまま協議会を維持できるよう、市教委は人事面での配慮を道教委に求めてほしいと思うがどうか。
また、協議会の中には、部会が設置され、その構成員の選任は会長、副会長に一任されると聞く。部会においては、多くの構成員から多様な意見が出ることが望ましいことから、市教委がこのことで相談を受けたときは、偏りのない人選となるよう助言等を行ってほしいと思うがどうか。
このたび、学校再編に向け三つの統合協議会が発足したが、中でも色内小学校は、この三つの協議会それぞれに関係するため、校長が各協議会の要職を兼務していると聞く。校長という役職はただでさえ激務であるから、精神的・身体的負担を考慮して協議を進めてほしいと思うがどうか。
また、今後は、3協議会それぞれにおいて、協議の方法や進捗状況などに差異が生まれることも考えられる。このため、各協議会に所属する色内小学校の保護者の間で、協議の進め方に対する戸惑いや心配が出てくることが懸念されると思うがどうか。
手宮地区小学校統合協議会では、議論のベースとなるグランドデザインの検討に当たり、児童、保護者、地域の方々の思いや期待などを把握するため、アンケートを実施することとし、先日、その作成のための会議が行われたと聞く。しかし、市教委が示したたたき台は、ほかの学校統廃合の際に使われたアンケートであり、今回の統廃合が、新校舎に4校が入るという今までにない形態で行われることを考慮すれば、ふさわしいものではないと思うがどうか。
また、市教委は、今後の統合協議会での議論を経て、手宮地区の歴史や地域性を反映したアンケートが作成されるだろうと言うが、そうであれば、最初からそういったことを踏まえたたたき台を示すべきだったのではないか。
統合後の潮見台・花園両小学校の児童、保護者、教員を対象に統合についてのアンケート調査が実施されたと聞く。保護者に対するアンケートにおいて、児童の学習意欲の変化についての質問では、「わからない」「無回答」との回答が多く、子供の学習状況に無関心な保護者や家庭環境に問題を抱える児童の存在を読み取ることができるが、市教委はどう認識しているのか。
また、教職員のアンケートでも、「わからない」「無回答」といった回答が多く見られるが、市教委が鋭意取り組んでいる学校適正配置に、現場が向き合っていないように感じられ、非常に残念に思う。市教委には、今回の結果を参考に、教職員がしっかりと統廃合に向き合えるよう取り組んでほしいと思うがどうか。
9月19日、下校中の児童が不審者に遭遇する事案が発生したが、保護者からは、学校再編に伴い通学距離が延び、このような事案に自分の子供が巻き込まれるのではないかとの不安の声がある。このような事案が発生した場合、一般的には遭遇した児童の保護者から警察や学校へ連絡されるが、その後の他の保護者や他校などへの連絡体制はどのようになっているのか。
市教委は、学校から保護者への連絡方法として、連絡網を用いた電話連絡で、直接声で伝えているというが、他市では共働き世帯の増加などにより、保護者全員に情報が伝わらなかった事例もあったことから、保護者の同意を前提に、メールの一括送信による連絡なども検討してほしいと思うがどうか。
統廃合により1学年複数学級となった学校で、一部の保護者から宿題の量など、学級間に差があるという声が出ている。今後、統廃合が進む中で、学校間格差はもとより、このような学級間での指導内容、方法、進度に著しい差が生じてはいけないことから、既に市教委は指導や研修など対策をとっているとのことだが、教員にはなかなか浸透していないのが実情と思われる。しかし、これは教員の取組に対する姿勢一つで変わることであるから、各教員が意思統一して、市教委の示す施策に真剣に取り組むよう指導してほしいと思うがどうか。
中体連の市内大会は当番校方式により運営されており、当番校になると文化系の教員や管理職なども準備作業に追われるなど、学校を挙げて大会に臨んでいる。しかし、今後、統廃合により中学校数が減少することで、1校での複数種目の開催や顧問数の減少による教員個人の負担増など、運営自体が難しくなるのではないかと危惧する声が上がっていることから、市教委は、学校数減少に係る大会の運営について、市内に限定した開催ではなく、後志地域との合同開催なども含めて、きちんと維持していける方法を検討してほしいと思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
陳情第282号及び第291号につきましては、採決の結果、賛成多数により、いずれも継続審査と決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
(7番小貫元議員登壇)(拍手)
○7番(小貫元議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、陳情第282号及び第291号は採択を主張して討論を行います。
最初に、陳情第282号小樽市立西陵中学校の存続方についてです。
学校の統廃合は、一つ一つの学校について、学校を存続させるべきか、統合すべきか、子供の教育にとってどちらがいいかを判断し、保護者や地域住民との合意で進めていかなければなりません。
ところが、今進めている学校の適正配置計画は、最初から学校の数を半分にすることが決まっており、そこからスタートしています。ですから、適正配置といいながら、まちづくりでは学校の配置がアンバランスになってしまうのが現状です。ここで、西陵中学校が廃校になり、駅周辺に中学校がなくなることは、まちづくりの点からも大変問題です。
今定例会で、まちづくりの基本を定めるとして、自治基本条例案が提出されました。そこには、第5条に「市は、市民との情報の共有を図るため、まちづくりに関する必要な情報が生じた際は速やかに、分かりやすく市民へ提供するよう努めます」とあります。
しかし、今回の委員会で、時期の目安については示しましたが、陳情者が求める情報を明らかにせずにきています。情報を示さずには、地域住民の理解を得ることはできません。教育委員会が示すと約束した新しいプランを示し、住民の願いに応えるべきです。
次に、陳情第291号小樽市立塩谷小学校及び塩谷中学校の存続方についてです。
塩谷中学校が長橋中学校に統合されることが決まりました。そして今、市営塩谷C団地が廃止になります。団地もなくなり、中学校もなくなる。ここに小学校までなくなれば、地域に若い世代が住めなくなるおそれがあります。
適正な規模にするために、学校を統合するといいます。しかし、国会の論戦でも、「地域のいろいろな伝統あるいは住民の考え方等も反映してでき上がっているものでございまして、必ずしも標準でなければならないというわけではないのでございます」と、当時の文部省が答弁しています。
いずれも願意は妥当であり、採択を主張します。議員各位に採択を呼びかけまして、討論といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより陳情第282号及び第291号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
日程第2「議案第35号」を議題とし、市長から提案理由の説明を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)(拍手)
○市長(中松義治)ただいま追加上程されました議案について、提案理由を説明申し上げます。
議案第35号教育委員会委員の任命につきましては、北嶋知恵子氏の任期が平成25年10月17日をもって満了となりますので、後任として笹谷純代氏を任命するものであります。
なにとぞ原案どおり御同意賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、討論に入ります。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
(7番小貫元議員登壇)(拍手)
○7番(小貫元議員)日本共産党を代表して、ただいま上程されました議案第35号小樽市教育委員会委員の任命について、不同意の討論を行います。
日本共産党は、基本的に教育人事は、山積している教育課題にどのような態度をとるのか明確でないことから、新たな任命の場合は棄権の態度を表明してきました。
今回、提案されました笹谷氏については、長い間PTA活動に御尽力いただいたことは感謝申し上げます。しかし、今年6月までカジノを推進する小樽国際観光リゾート推進協議会の相談役に名前を連ねてきました。教育上の影響が危惧されているカジノを進める協議会にPTA連合会会長として相談役とはいえ参加することは、教育行政を担うには不適切です。よって、同意することはできません。
以上、討論といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより採決いたします。
同意することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
日程第3「意見書案第1号ないし第17号」を一括議題といたします。
意見書案第10号ないし第17号につきましては、提案理由の説明を省略し、まず意見書案第1号ないし第8号について、提出者から提案理由の説明を求めます。
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)8番、川畑正美議員。
(8番川畑正美議員登壇)(拍手)
○8番(川畑正美議員)提出者を代表して、意見書案第1号ないし第8号について、提案趣旨説明を行います。
まず、意見書案第1号です。
来年3月の定年退職者からは、基礎年金部分相当分だけでなく、報酬比例部分の支給開始年齢も2年置きに1歳ずつ引き上げられ、無年金期間が生じます。定年退職する職員が公的年金の支給開始年齢に達するまでの間、再任用を希望する職員については、再任用することを閣議決定いたしました。
ところが、道内の道立高校、小・中学校に勤務する教職員については、再任用が全く保障されない異常な事態が生じていることから、希望する全ての教職員の再任用実現へ必要な制度設計を行うよう、速やかな措置を要望する意見書案であります。
意見書案第2号は、意見書案第1号に関連して、希望する教職員全員の再任用保障へ、国は対策が求められる都道府県への交付税等、必要な財政支援を行うことなど、必要な交付税措置を国に求める意見書案です。
意見書案第3号は、「教育費無償化」の前進を求める内容です。
国が2010年から開始した公立高校の授業料不徴収及び高等学校等就学支援金制度、いわゆる高校無償化は、教育の機会均等を保障するものとして国民から歓迎されました。しかし、長引く不況の中で所得が下がり、教育費負担は依然として家計に大きな負担となっています。国は責任を持って、教育費の父母負担軽減を進める必要があります。
また、公私ともに高校、大学の無償化を前進させ、社会全体で高校生・大学生の学びを支えることが求められており、高校無償化の維持・拡大、給付制奨学金制度を作ることを国に求める内容であります。
意見書案第4号は、労働者派遣制度改悪をやめ、ブラック企業根絶を求める内容です。総務省が発表した2012年の就業構造基本調査によると、パートやアルバイトなどの非正規職員や従業員は、調査開始後、初めて2,000万人を超え、2,043万人となっています。厚生労働省は、若者を使い捨てにするブラック企業に対して、過労死を引き起こした企業に再発防止を徹底させることや、重大な違反が確認された企業の送検や企業名を公表することを打ち出しました。
ブラック企業を根絶するためには、悪質な企業名の公表や長時間労働の法的規制などとともに、非正規雇用の増大を制限することが必要です。国が労働法制の規制緩和をやめ、労働者保護を柱とする労働者派遣法を抜本改正し、正社員が当たり前の社会を目指すよう、政府に求める意見書です。
意見書案第5号についてです。
安倍政権は、今年8月から生活保護基準の大幅引下げを強行しました。基準の引下げは、受給者の暮らしを直撃するだけでなく、就学援助費や最低賃金額など、国民生活を支える諸制度にも深刻な影響を及ぼします。生活保護費を3年で670億円も引き下げることは、生活保護制度発足後、一度もありません。今回、減額された生活扶助費は、食費や光熱費などに充てられるもので、受給者にとって命にかかわるものです。政府は、憲法の保障する生存権を守る上でも、生活保護費の削減を撤回し、生活保護制度が最低生活を守る最後の命綱にふさわしい制度に改善するよう、小樽市議会として政府に生活保護費の削減を撤回し、改善を求める意見書案です。
意見書案第6号についてです。
2012年4月の介護報酬改定で、訪問介護の生活援助の時間区分が短縮されたことにより、必要な介護を受けられない状況が生じています。介護保険制度を改善し、介護報酬の引上げや介護保険料、利用料を国の責任で軽減することをはじめ、訪問介護での生活援助の時間短縮と上限引下げの見直しなど、安心できる介護制度の実現を求めています。
意見書案第7号は、要支援者に対する介護予防給付継続と利用者負担増の中止を求める意見書案です。
社会保障制度改革国民会議が政府に提出した報告書は、介護保険制度について、要支援1、2と認定された要支援者を保険の給付対象から外し、市町村の裁量で行う地域支援事業の対象に移すことで介護保険制度を後退、改悪するものです。
事業内容は、市町村の裁量とされ、介護に当たる人員や運営の基準もなく、ボランティアや民間企業のサービスを活用することになります。要支援者の生活援助を取り上げることにつながり、地域間の格差が生じることが懸念されます。
意見書案第8号は、集団的自衛権行使を容認する憲法解釈変更に関する意見書案です。
内閣法制局は、集団的自衛権について、我が国は憲法第9条の制約があり、自衛のための必要最小限度の武力行使しかできないのであり、集団的自衛権は憲法上許されないとしてきました。自民党の改憲草案は、この憲法第9条第2項を削除し、国防軍を創設するとしています。憲法9条の解釈変更のため、安倍首相に近い立場の人物を長官に起用するという、極めて強引なやり方に対して危惧の声が上がっています。
海外で戦争する国づくりに変え、日本の自衛とは無関係の集団的自衛権行使の容認、憲法解釈の見直しは行わないよう、政府に求めるものです。
以上、各会派各議員の賛同をお願いして、意見書案の提案説明を終わらせていただきます。(拍手)
○議長(横田久俊)次に、意見書案第9号について、提出者から提案理由の説明を求めます。
(「議長、9番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)9番、松田優子議員。
(9番松田優子議員登壇)(拍手)
○9番(松田優子議員)提出者を代表して、意見書案第9号若い世代が安心して就労できる環境等の整備を求める意見書について、提案趣旨説明をいたします。
ライフスタイルの多様化や少子高齢化により、若い世代の働き方や暮らし方が変化しています。非正規労働者や共働き世帯が増え、望んでいる仕事と生活の調和が崩れ、理想と現実とのギャップに悩む若者が数多くいます。
また、今の若い世代を取り巻く就労問題は多岐にわたり、年々深刻さを増しています。ワーキングプアから抜け出せず結婚を諦めざるを得ない若者や、仕事と子育ての両立に悩む女性が増加し、正規雇用でありながら、過酷な労働環境に耐えられず早期に離職してしまう若年労働市場の実態などが挙げられます。
公明党の青年委員会は、本年3月から5月にかけて、若い世代を対象に、ワーク・ライフ・バランスのアンケート調査を行い、全国で28万6,037人もの方から回答をいただきました。
「何のために仕事をしているか」との質問に対し、「お金を得るため」と回答した人が約7割を占め、仕事を選ぶ上で重視するのは「収入額」という回答が約半数おります。「仕事とプライベートのどちらを優先しているか」という設問に対しては、「仕事」が「プライベート」を上回っています。しかし、「どちらを優先させたいか」との質問では、「プライベート」が「仕事」を大きく上回っています。そして、仕事や生活の悩み事の相談相手は、「友人」が圧倒的に多くなっています。
このように、このアンケートでは、ワーク・ライフ・バランスの理想と現実のギャップが明らかになったほか、収入面や労働環境など、仕事や職場での不安を抱えていることや国等の若者支援策の利用度や認知度の低迷が浮き彫りになりました。
そこで、私たちは、今こそ若い世代のライフスタイルに合った社会の実現に向け、取組を進める必要があると考えます。よって、政府においては、若い世代が仕事と生活の調和を保ち、安心して働き続けることができる社会の実現を目指し、より一層適切に対策を講じるべきだと強く求めます。
まず、収入面の不安解消のためには、世帯収入の増加に向けて、賃金配分に関する政労使によるルールづくりや正規・非正規間の賃金格差是正、子育て支援など総合的な支援を行うとともに、最低賃金引上げに向けた環境整備を早急に進めるべきです。
そして、労働環境の不安解消については、若年労働者に対して、劣悪な労務環境下での仕事を強いる企業への対策を強化するなど、若年労働者の早期離職の解消を図るべきです。
また、仕事や子育て等に関する行政サービスの利用度や認知度の低迷を解消するためには、利用者の実態を踏まえ、必要な運用の改善や行政機関の相談窓口等の周知や浸透に努め、若者支援策がより有効に実施、活用されるようにするべきだと考えます。
以上、議員各位の賛同を求めて、提案説明といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、13番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)13番、酒井隆行議員。
(13番酒井隆行議員登壇)(拍手)
○13番(酒井隆行議員)自由民主党を代表して、意見書案第8号について否決の立場で討論を行います。
我が国をめぐる21世紀の安全保障環境は、日本国憲法が制定された第2次世界大戦直後と大きく異なることは言うまでもない。また、これまで政府によりさまざまな憲法解釈が打ち出された冷戦期からも大きく変化しており、さらに冷戦終結後の安全保障環境とも異なっている。また、こうした客観情勢の変化とともに、我が国の主体的条件も大きく変容を遂げてきており、我が国の国際社会における地位は向上し、それに伴う責任も増大している。
憲法解釈を含む安全保障の法的基盤は、こうした変化に応じて不断に再検討されなければならない。21世紀における安全保障環境の特徴として指摘されていることは、第1に核兵器などの大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散、あるいは国際テロリズムの拡大など、安全保障上の脅威が多様化してきたことである。
また、第2には、安全保障問題に対する国際社会としての共同対処の動きが強まり、国連安保理の判断が重視されるようになって、国連決議などにより設立された国際的な平和活動が広範に展開されるようになってきたことである。
そのような観点から、今日、我が国の安全保障政策とその法的基盤を見直す必要があるものと考えられる。我が国にとって自国の安全保障のために自助努力を継続していく必要はいささかも低下していないが、同時にこれに加えて、日米同盟をさらに実効性の高いものとして維持することが求められている。
特に近年、北朝鮮ミサイルを追尾する日米イージス艦の共同行動が行われていることなどを念頭に置かなければならない。また、国連を中心とした国際社会全体との協力体制を強化していく努力が求められているものである。
このような状況においては、これまでの政府解釈をそのまま踏襲することでは、今日の安全保障環境の下で生起する重要な問題に適切に対処することは困難となってきている。我が国としては、安全保障環境の変化に適合し、かつ法的に見ても一貫した論理に基づき、国際的にも適切と考えられる新しい解釈を採用することが必要である。
憲法を含め、およそ成文法の解釈においては、まず、それぞれの規定の文理を解釈すべきことは言うまでもないが、同時に文脈、制定経緯、国の基本戦略、各時代の社会、経済などの要請、その他関連の諸事情も考慮する必要がある。国の基本法である憲法については、このような総合的な解釈の姿勢が極めて重要である。
特に、憲法9条の対象となっている戦争、武力の行使、個別的自衛権、集団的自衛権、集団安全保障などは、本来、国際法上の概念であり、国際法及び国際関係の十分な理解なしには適切な解釈は行い得ないものである。
今日の激変した国際情勢の中、我が国の国際的地位を鑑みると、憲法第9条は、個別的自衛権はもとより、集団的自衛権の行使や国連の集団安全保障への参加を禁ずるものではないと解釈すべきものと考えられる。特に、集団的自衛権に関しては、昭和35年の政府答弁では、その本体部分、すなわち外国に出かけていってその国を防衛するという意味の集団的自衛権は、我が国の憲法上認められていないとしているが、その他の部分については、明確な答弁が行われないままとなっていた。
昭和47年に我が国が国際法上、集団的自衛の権利を保有していることは、主権国家として当然であるが、これを行使することは憲法上許されないという政府見解が示され、昭和56年の政府答弁書も、これとほぼ同趣旨である。
しかるに、権利の保有と……
(発言する者あり)
その行使との関係をいかに捉えるべきか、個別的自衛権が認められていながら、集団的自衛権の行使がなにゆえ憲法上認められていないのかなどの点について、政府は明確な根拠を示してこなかったため、国民の理解を十分に得られていないと思われる。
また、憲法第9条は、武力の行使を国際紛争を解決する手段としては禁止しているが、その趣旨は、我が国が当事国となっている国際紛争の解決のために、我が国が個別国家として武力に訴えることを放棄するというものであって、我が国が国連などの枠組みの下での国際的な平和活動を通じて第三国間への国際紛争の解決に協力することは、むしろ憲法前文、「われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」からも期待されている分野と言わなければならない。
(発言する者あり)
こうした点が未整理のままであったため、安全保障をめぐる幾つかの問題について、政府は国際法的にも……
(「むちゃくちゃな討論だな)と呼ぶ者あり)
国内法上も、不自然、不合理とも思われる綱渡りの解釈で対応してきたことの問題性が指摘される。
新しい時代の日本が何を行い、何を行わないのか、明確な安全を国民の皆様にお示しすることが重要であると考え、集団的自衛権行使も含めて、議論を深めることが必要と考えます。
小樽市議会としても、ぜひ全議員の皆さんの賛同をお願いし、討論といたします。(拍手)
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
(7番小貫元議員登壇)(拍手)
○7番(小貫元議員)日本共産党を代表して、意見書案第1号ないし第8号はいずれも可決、第9号は否決の討論を行います。
初めに、意見書案第1号希望する教職員全員の再任用を求める意見書及び意見書案第2号希望する教職員全員の再任用と必要な交付税措置を国に求める意見書についてです。
今年3月、国家公務員の雇用と年金の存続について閣議決定され、これを受けて、総務副大臣より「地方公務員の雇用と年金の接続について」という通知が出されています。ここには、今年度以降、公的年金の報酬比例部分の支給開始年齢が段階的に引き上げられることに伴う教育公務員の雇用と年金の接続について、現行の地方公務員法の再任用制度に基づき適切に対応することとあります。
北海道の教職員の再任用希望者に対する任用率は、小学校で55.2パーセント、中学校で56.4パーセント、高校で35.9パーセントにとどまっています。再任用が増加することで、新採用の抑制や期限付職員の雇いどめを実施しないことが求められます。
このような対策の下でも、再任用希望者の雇用確保ができないときは、改めて定年延長を実施すべきです。
小樽市職員の場合、平成20年度以来、再任用職員は現在約70人で、選考基準はありますが、これまで希望者全員の雇用が確保されてきました。教職員のように、希望者の3割から5割しか雇用されないことになれば大変です。高校の場合、再任用に当たり、広域での転勤が求められて、再任用を希望しないケースも生まれています。定年延長にかわる再任用制度による雇用確保は政府の約束です。希望する全員が再任用になるよう対策が求められます。
次に、意見書案第3号「教育費無償化」の前進を求める意見書についてです。
1966年に国際人権規約が国連で採択され、日本は1979年に批准しましたが、第13条第2項については留保し、締約国の約160か国のうち、留保しているのは、日本とマダガスカルだけということになっていました。
それを昨年、留保撤回しました。この国際人権A規約の第13条第2項(b)と(c)は、「種々の形態の中等教育は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、一般的に利用可能であり、かつ、すべての者に対して機会が与えられるものとすること」とあります。(c)には、「高等教育は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、能力に応じ、すべての者に対して均等に機会が与えられるものとすること」とあります。
高校授業料無償化への所得制限の導入は、この国際人権A規約に逆行するものです。高校授業料の無償化は、父母や教職員らの長年の運動を受けて、2010年4月に開始しました。公立高校の授業料を国が負担し、私立高校生の授業料も原則同額を就学支援金として負担しています。この結果、経済的理由での高校中退者は、2009年度の1,647人から2011年度は945人に減っています。
日本の教育予算は、少なすぎます。日本の教育機関への支出総額は、2009年度GDP比3.6パーセントと、経済協力開発機構加盟国の中で最下位、OECDの平均は5.4パーセントです。一般政府総支出に占める教育支出もOECD平均は13.0パーセントに対して、日本は8.9パーセントと最下位となっています。OECD諸国で授業料が有料で給付制奨学金さえないのは日本だけであり、まさに例外国家となっています。
次に、意見書案第4号労働者派遣制度改悪をやめブラック企業根絶を求める意見書についてです。
小林多喜二の小説「蟹工船」に、労働者を売り飛ばす周旋屋が登場します。戦前の人貸し業、タコ部屋などと言われる悲惨な労働実態は間接雇用から生まれました。戦後の民主化で間接雇用による労働者供給事業は全面禁止され、職業安定法に明記されました。
一度は厳しく禁止されたはずの間接雇用ですが、1985年に職業安定法の例外として、業務を限定して労働者派遣法が制定され、間接雇用が復活しました。派遣労働を導入するかわり、条件がつきました。
一つ目は、派遣は臨時的、一時的な場合に限る。常用雇用の代替禁止。正社員を派遣に置きかえてはならないという大原則です。
二つ目は、大原則を確実に守るため、派遣受入れ期間を制限することになりました。制限期間を超えて働かせる必要があるのなら、それは恒常的業務になるので直接雇用の正社員として雇いなさいということになります。
ところが、マツダでは、派遣会社と共同して派遣労働者を3か月と1日だけ直接雇用のサポート社員にして、また派遣に戻すというクーリング期間の偽装を行いました。今年3月の山口地裁は、常用雇用の代替禁止という労働者派遣法の根幹を否定する施策だと断罪し、原告を正社員に認めました。
昨年、改定された派遣法で、期間制限を超えて働かせていた場合など、労働者が直接雇用される制度が2015年から導入されます。雇用の安定のためといって導入したのに、意見書案にあるように期間制限を超えても使えるようになれば、直接雇用しなくても済んでしまい、いつでも派遣を続けられることになります。低賃金で不安定な働かせ方を厳しく規制し、雇用の安定を図ることが必要です。
厚生労働省は、9月1日、いわゆるブラック企業にかかわる無料電話相談を行いました。相談件数は1日で1,042件に上り、労働者本人からが716件、家族からが223件であり、20代が252件、30代が253件と20代と30代で半数を占めました。相談内容で最も多かったのがサービス残業で556件、続いて長時間労働・過重労働で414件です。
日本にはブラック企業問題の登場以前から、違法労働が蔓延してきました。しかし、若者を採用後、数年で使い潰すという現象は、明らかに近年の新しい事態です。2008年、ワタミフードサービス株式会社では、当時26歳の女性が月141時間の残業を強いられ、わずか入社2か月で過労自殺をしました。
厚生労働省はよほど悪質でない限り企業名は公表しないと言いますが、ブラック企業として問題になっているのは、アパレルメーカーや外食チェーンなどの大手企業です。ブラック企業を根絶するためには、大企業に正面から踏み込み、違法の事実があれば、企業名を公表するという姿勢が必要です。
ブラック企業の被害は、社会全体に及びます。鬱病が広がり、若者の将来が奪われることで、日本全体の技能育成が困難となり、生産性が引き下がります。また、優良な雇用を守って努力する他社の利益を不正な競争で圧迫し、産業のあり方をゆがめます。
国連の社会規約委員会が5月に、日本で過労死やハラスメントによる自殺が起こっていることに懸念を表明し、長時間労働を防止する措置を講じるように勧告を出しました。
政府に求められているのは、長時間労働をさらに助長する労働時間の規制緩和を直ちに中止し、安心して働ける労働ルールをつくることです。
次に、意見書案第5号生活保護費の削減を撤回し、改善を求める意見書です。
8月1日から生活保護基準が引下げになり、これに対して9月17日、異議があると全国25都道府県で利用者が一斉に不服審査請求を行っています。
貧困問題に取り組む諸団体は、同日、厚生労働省で会見を開き、今月末までに47都道府県で、少なくとも7,671世帯が審査請求することを明らかにしています。
小樽市では、同日、審査請求書提出集会に63人が参加し、116件の不服審査請求書を小樽市に提出しています。
当日、私の手記として提出された訴えを幾つか紹介します。
44歳、子供2人の母子家庭です。私は、16歳と12歳の子供と3人暮らしです。鬱病が原因で仕事ができず、生活保護を受けています。中学の娘は塾に行きたいと言っていましたが、お金がないので我慢させています。部活もユニフォーム等にお金がかかるので、お金のかからない文化部に入っています。子供ながらに親に気を使って、自分から、お金がかからない文化部に入るねと言っていました。今でさえ子供に我慢させているのに、これ以上何を我慢させればいいのでしょうか。子供がかわいそうでなりません。子供がもっと伸び伸びできる国にしてください。
次は、67歳、ひとり暮らしの方です。私は生活保護を受けながらパートで働いています。いろいろ交際費がかかります。親戚に不幸があっても香典も思うようにしてあげられず、夫が死んだときは大変お世話になったのに心が重くなります。これからだんだん年をとって働けなくなったら、もっと大変になります。この先真っ暗、心寂しい限りです。生活保護を受けながら真面目に生きている人のことを少しでも考えてください。
次に、38歳、子供2人の母子家庭。小学校に入学し、背も伸びて、ある日、足が痛いと子供に言われ、春に買った靴が小さくなっていました。そのまま履かせるわけにもいかず、新しい靴を買いましたが、着る服もすぐに小さくなってしまいます。お風呂に入るときも、湯船に入れるお湯を少なくして灯油代を節約していますが、これからまた値上げになります。今の生活から、さらに保護費が下がってしまうと、子供を育てていくのに不安を感じます。
これが利用者の声です。利用者の生活実態を見ずに行われた過去に例のない大幅な引下げは、生存権を保障する憲法第25条を空洞化するものです。また、生活保護基準の引下げは、住民税の非課税世帯や就学援助基準、最低賃金などさまざまな制度に直結し、国民生活そのものの引下げにもつながります。引下げ撤回は、命を守る運動そのものです。
次に、意見書案第6号安心できる介護制度の実現を求める意見書及び意見書案第7号要支援者に対する介護予防給付継続と利用者負担増の中止を求める意見書についてです。
もともと介護保険は、年間10万人もが介護のため仕事をやめざるを得ない状況や、介護者の4割が65歳以上という、いわゆる老老介護の実態、介護疲れから悲惨な事件など、介護地獄の苦しみをどう取り除くのかというところに2000年の出発点がありました。しかし、現状は、利用料負担が大きく、必要な介護が受けられず、家族の介護負担も軽減されていません。
介護保険制度は、介護サービスの拡充や基盤整備を進めれば、それが保険料値上げにはね返る仕組みです。国は、この12年間、介護施設の整備抑制、利用者の自己負担引上げ、介護サービスの時間、内容変更の制限など徹底した給付削減を進めてきましたが、保険料は上がり続けています。2000年の制度スタート当初、65歳以上の介護保険料は、平均で月2,900円でしたが、現在は平均で月5,000円となっています。それが2025年度には月8,200円になるというのが厚生労働省の試算です。
このような重い利用者負担とサービス削減が続けられてきましたが、政府はさらに削減を狙っています。介護保険から要支援1と要支援2の人を外し、地域支援事業に移そうとしています。
この事業は、厚生労働大臣も「介護保険の制度ではない」と述べています。要するに、サービス水準について、全国一律のルールがある介護保険から要支援者を外し、市町村任せの地域支援事業に移せば、サービスの質も量も引下げが可能になるということであり、財政難に苦しむ市町村に要支援者へのサービスを丸投げして介護費用の削減を実行させることです。大臣は「質は絶対に落としていただいては困る」と述べましたが、質を保障する国の責任を投げ捨てて、市町村に丸投げし、財政負担を減らすよう迫っておきながら、市町村に質を守れということは大変無責任な話です。
介護難民をなくし、安心して利用できる制度にし、保険料高騰にはね返らせないために、現行では介護給付費の4分の1以下である国庫負担を引き上げていく必要があります。
次に、意見書案第8号集団的自衛権行使を容認する憲法解釈変更に関する意見書についてです。
先ほど、自民党から討論がありました。国際社会の変化を述べられていましたけれども、最大の変化は、紛争を戦争にはしないという努力が広がっていることです。
ASEANを中心としてTACというシステムがつくり上げられ、ここに多くの国々が参加して、この精神を実現しようと努力しているところです。ベトナム戦争のときは、国連は力を発揮することができませんでした。しかし、イラク戦争のとき、国連は断固としてアメリカの軍事行動に反対し、国連中心主義を守って発揮してきたのが、この間の歴史です。
日本においても、イラクへの自衛隊派兵のとき、あくまでも出るところは戦闘地域ではない、戦闘地域から一歩下がって水をまいているだけだと言って、自衛隊はイラクに出ていったわけです。このような過去の状況をしっかりと見ないで討論を行うことは、大変、自民党としてもまずいことだと思います。
さて、それについてもう少し詳しく述べます。
安倍内閣は、内閣法制局長官を、これまでの内部昇格の慣例を破り、小松一郎氏を起用することを閣議決定しました。小松氏は、集団的自衛権行使の積極的容認派です。歴代政府の憲法解釈を変更する狙いです。今年8月まで長官だった山本庸幸氏は、「今の憲法の下で半世紀以上議論され、維持されてきた憲法解釈であり、私自身は難しいと思っている」と発言しました。法制局が簡単に憲法解釈の変更を認めてしまえば、憲法解釈の信頼性が根本から失われてしまいます。
自民党などが国連憲章第51条を持ち出して、日本は個別自衛権だけではなく、集団的自衛権を持っており、行使は当然だというのは重大な誤りです。国連憲章第51条は、国連の認めない戦争は許されないという国連の精神に反して、自衛の名による戦争を強行するため、アメリカなどがねじ込んだものです。ですから、第51条による自衛の行動は、国連による紛争の解決の原則そのものが崩壊の危機にさらされることになりかねません。
そして、集団的自衛権は、アメリカや旧ソ連など、他国への無法な侵略、干渉を合理化する口実としてのみ主張されてきました。
具体的に述べます。ソ連は、1956年ハンガリーに、1968年にはチェコスロバキアに、1979年にはアフガニスタンに軍隊を投入し、政府を崩壊させましたが、いずれも軍事同盟を結んだ相手側の要請による集団的自衛権の行使だと主張しました。
アメリカも、ベトナム戦争で、アメリカが押しつけた南ベトナムのかいらい政権への人民の抵抗を北ベトナムによる武力攻撃だとし、南ベトナムの内戦状態を北ベトナムとの戦争だとして、北ベトナム爆撃を集団的自衛権の行使だと主張しました。1979年に親米独裁政権を倒したグレナダを1983年に侵略しましたが、グレナダも加盟する東カリブ海諸国機構の要請による集団的自衛権の行使だという体裁をとっています。同じ1979年に、親米独裁政権を打倒したニカラグアにも、機雷敷設や石油施設爆破などの武力攻撃を加えましたが、隣国エルサルバドルの反政府勢力をニカラグア政府に結びつけて、エルサルバドルとの集団的自衛権の行使だとしました。
このように、武力攻撃も発生していないのに、軍事介入をする口実として集団的自衛権を主張してきたものばかりです。他国への軍事介入の論拠に使われてきた規定を持ち出して、憲法違反の武力行使を正当化するのは大間違いです。
最後に、意見書案第9号若い世代が安心して就労できる環境等の整備を求める意見書についてです。
先ほど、公明党から提案説明がありました。意見書案第4号で述べているように、そもそもの問題に手をつけずに、この若い世代が安心して就労できる環境はつくることができません。
2012年6月に閣議決定された新成長戦略では、最低賃金を2020年までに全国平均1,000円まで引き上げることが明記されました。これは、政労使合意で2020年までに全国1,000円を目指すと確認したもので、安倍内閣もこの目標を達成すべき義務を負っています。
日本共産党は、この合意を達成するために取り組むべきとも考えています。しかし、安倍内閣が進めていることは、政労使の合意で改定したばかりの問題を産業競争力会議と規制改革会議を中心に検討され、労働者代表がいない財界中心の会議でもとに戻すような議論を進めてきました。政労使協議の環境づくりといって、企業減税や労働コスト削減の規制緩和など、企業の利益拡大のための協議の場にすることは認められません。
厚生労働省が5日に発表した派遣労働者の調査によると、派遣社員ではなく、正社員として働きたいと答えた人が43.2パーセントに上り、派遣労働者として働きたいという人も43.1パーセントいましたが、このうち80.4パーセントは比較的長い期間働ける常用雇用型を望んでおり、正社員など雇用の安定を求める声が大多数を占めることが浮き彫りとなりました。また、同調査では、正社員になれないまま、派遣労働者として年齢を重ねていることも明らかになりました。
安倍首相が「経済活性化のため、柔軟で多様な働き方を進めるための規制改革を進める」と言うように、労働問題は規制改革の焦点となっています。ここで言う「柔軟で」とは解雇しやすい、「多様な」とは正規雇用中心ではなく、有期や派遣など、いろいろな雇用形態を増やすということです。
政府の規制改革会議で示された内容を見ると、無効な解雇を金銭で可能にする、労働時間規制をなくしてただ働きを合法化する、派遣など低賃金で不安定な雇用を一層拡大する等が特徴です。
提案されている意見書案は、この安倍内閣が進めている雇用破壊をかなめとする成長戦略の政策の一部であり、その目的は、正社員を多様化し、企業は総人件費を大幅に削減することが狙いであり、賛成することができません。
議員各位の賛同を呼びかけまして、討論といたします。(拍手)
(「議長、1番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)1番、秋元智憲議員。
(1番秋元智憲議員登壇)(拍手)
○1番(秋元智憲議員)公明党を代表し、これから述べます九つの意見書案について、簡潔に討論をしたいと思います。
意見書案第1号希望する教職員全員の再任用を求める意見書、第2号希望する教職員全員の再任用と必要な交付税措置を国に求める意見書、第3号「教育無償化」の前進を求める意見書、第4号労働者派遣制度改悪をやめブラック企業根絶を求める意見書、第5号生活保護費の削減を撤回し、改善を求める意見書、第6号安心できる介護制度の実現を求める意見書及び第7号要支援者に対する介護予防給付継続と利用者負担増の中止を求める意見書はいずれも否決、第8号集団的自衛権行使を容認する憲法解釈変更に関する意見書及び第9号若い世代が安心して就労できる環境等の整備を求める意見書はいずれも可決の討論をいたします。
まず、意見書案第1号及び第2号については、北海道の現行の教職員定数が明年3月において、定数法による分限免職が発生するような実態と乖離した低い状態にあるとは思っておりません。また、北海道教育委員会の人事当局において、再任用希望の教職員に対しては、希望に沿った対応が行われているものと認識しており、ここで言われるような心配はないものと考えております。
次に、意見書案第3号について、我が党としても高校無償化の制度は維持・拡大すべきと考えておりますが、意見書案では、所得制限のあり方について検討されていることに触れ、予算増ではなく、予算内での低所得者対策は同制度での趣旨に反していると述べられています。しかし、我が党としては、予算内での平成26年度以降の所得制限について、年収910万円以上の世帯を除外することは、所得の低い世帯に手厚く振り分けるものであり、当然、制度本来の趣旨に沿ったものと考えるものです。
次に、意見書案第4号について、また、関連し、意見書案第9号についてです。
まずは、意見書案第4号にあるブラック企業根絶での対策強化という点では、趣旨の理解はするものの、この意見書案の最後に労働者派遣法の抜本改正で、正社員が当たり前の社会を目指すことを強く求めるとのことでありますが、そもそもこの考え方が現在の労働環境などについて正しい認識なのか、疑問があります。もちろん、正規雇用や正社員を望む人については、できる限り希望に沿った働き方ができるようにするという意味では理解はするものの、先ほど松田議員より詳しく提案説明がありましたが、今年3月から5月にかけ、公明党青年局としてワーク・ライフ・バランスについてのアンケート調査を実施し、全国で28万人を超える方から回答をいただき、その結果を基にして、国に対し提言をいたしました。
この結果から見えてきたものとして、仕事よりプライベートを優先するなどの考え方が増えてきており、必ずしも正規雇用、正社員という働き方だけを望んでいるわけではないということです。
ライフスタイルの多様化や価値観の多様化が進んだ現代では、子供のいない共働き世帯や単身世帯などが増えており、例えば正社員の夫と専業主婦の妻、そして2人の子供という、これまで一般的とされてきた日本の社会システムについても実態との間にずれが生じており、今後、少子高齢化が進むと、ますますそのずれが広がる可能性があるものと考えます。
また、関連し、今回提案されております意見書案第9号は、今紹介したアンケート結果から導き出された対策、世帯収入の増加対策、正規・非正規の格差是正、子育て支援、最低賃金引上げに向けた環境整備、また、多様な働き方を可能にする環境整備を国に求めるものであり、意見書案第9号に対しては可決の態度を示します。
次に、意見書案第5号生活保護費の削減を撤回し、改善を求める意見書です。
社会保障審議会生活保護基準部会は、これまで行われてきた11回の議論を基に、生活保護基準の年齢、世帯人数、級地という体系のあり方について、それぞれ消費実態の水準などを分析し、一体的な評価、検証を行う考え方を確認しました。
このことを踏まえ、政府は、今年8月1日より生活保護基準の見直しを実施しました。ただ、今回の見直しは、保護費の削減ありきで行われたものではありませんし、今述べたように消費実態の水準を踏まえた判断であります。また、不正受給対策の厳格化や自立・就労支援の強化と一体となったものであり、国においては、さらに現在問題となっている貧困の連鎖問題や生活保護受給世帯と社会とのつながりを強くする努力が必要であると考えます。
次に、意見書案第6号は、介護報酬の引上げと介護保険料・利用料の軽減を同時に求めるものでありますが、高齢者の増加する中、介護給付費が年々増加し、介護保険財政が逼迫しつつある現時点においては、制度の持続可能な給付と負担のバランスを図ることが重要であり、意見書案で求める内容は現実的ではないと考えます。
また、意見書案第7号は、社会保障制度改革国民会議が要支援者に対する介護予防給付について、市町村が地域の実情に応じて新たな地域包括推進事業として受皿を確保しながら、段階的に移行させる方向を打ち出していることに対して中止を求めるものでありますが、地域支援事業の財源は、これまでどおり介護保険財政から支出され、事業内容について市町村の裁量が広く認められるものであり、より地域に密着した介護サービスが提供できる可能性もあり、それ自体否定するものではありませんし、むしろ第6号同様、持続可能な制度設計を進めるべきと考えます。
次に、意見書案第8号集団的自衛権行使を容認する憲法解釈変更に関する意見書についてです。
国連憲章第51条では、「国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない」と、集団的自衛権を認めています。
しかし、これまで我が国は、日本国憲法前文の平和主義の理念に基づき、国際法上認められていても、我が国は外国とは戦わないことを明らかにし、これまでの政府答弁においても一貫して、集団的自衛権の行使は憲法9条の下において、その範囲を超えるものであって、憲法上許されないとしてきました。
このことからも、集団的自衛権の憲法解釈変更は、これまで積み上げてきた議論経過を根底から覆すものであり、政府見解をも覆すものであります。
政治の正道からいうと、むしろ問題があるのであれば、憲法解釈変更ではなく、憲法第9条のどの点にどのような問題があるのか明らかにし、国民的議論を醸成すべきと考えます。
よって、意見書案第8号集団的自衛権行使を容認する憲法解釈変更に関する意見書は可決を主張いたします。
以上、議員各位の御賛同をお願いし、討論といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、意見書案第1号ないし第4号について、一括採決いたします。
可決とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立少数。
よって、否決されました。
次に、意見書案第5号ないし第7号について、一括採決いたします。
可決とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立少数。
よって、否決されました。
次に、意見書案第8号について採決いたします。
可決とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、意見書案第9号について採決いたします。
可決とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の意見書案について、一括採決いたします。
いずれも可決とすることに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
以上をもって、本定例会に付託されました案件は、全て議了いたしました。
第3回定例会は、これをもって閉会いたします。
閉会午後5時08分
会議録署名議員
小樽市議会議長横田久俊
議員安斎哲也
議員上野智真