開議午後1時00分
○議長(横田久俊)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、中村岩雄議員、松田優子議員を御指名いたします。
日程第1「議案第1号ないし第34号並びに報告第1号及び第2号」を一括議題といたします。
これより昨日に引き続き、会派代表質問を行います。
通告がありますので、順次、発言を許します。
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)2番、千葉美幸議員。
(2番千葉美幸議員登壇)(拍手)
○2番(千葉美幸議員)平成25年第3回定例会に当たり、公明党を代表し、質問いたします。
第1項目めの財政に関連して伺います。
初めに、地方自治体に大きくかかわる社会保障制度についてです。
昨日、4月から6月期のGDP成長率改定値が発表され、2四半期連続で3パーセント台に乗せる改善は、消費税増税に一歩近づいたと報道がありました。高齢化が進む日本で非常に関心が高い社会保障制度について、8月6日、社会保障制度改革国民会議の最終報告案がまとめられたところです。内容は、消費税率引上げを前提にした改革内容となっており、年代によっていろいろな意見があるようです。
そこで、中松市長は、率直にこの改革案に対して、どのような御意見をお持ちでしょうか伺います。
次に、決算についてです。
厳しい財政状況の中、選択と集中の視点に立ち、事業の厳選に引き続き取り組むことや、最優先の課題である財政の健全化を念頭に置き、他会計から新たな借入れを行わずに予算編成した平成24年度の決算状況が出ました。実質収支が1億5,665万6,000円の黒字で3年連続の黒字となり、単年度収支は10億1,672万8,000円の赤字となりました。
また、職員給与費の削減や財政調整基金への積立てや取崩しなどの財源対策で実質単年度収支は6億5,393万円の黒字となっております。人口減少とともに市税をはじめとする自主財源が縮小し地方交付税など依存財源に頼っている本市が目指す真の財政改革は限られた財源の中で、厳しいかじ取りが続きそうです。
そこで、以下、伺います。
市税の調定額について、この10年間のピークである平成20年度と比較し、主な税目の額をお示しいただき、その増減の理由について説明願います。
また、現年課税分の収入率と滞納繰越分の収入率、そして市税全体の収入率について、平成20年度と比較して説明願います。
小樽市では滞納対策として、昨年度より納税課にグループ制を導入しておりますが、効果についてはいかがでしょうか、お聞かせ願います。
また、他自治体では、歳入の確保対策として、市税など公的支払のクレジットカード収納サービスを始めたところもあります。カード会社によっては、分割も可能でポイントも望めることなど納税者にメリットもあり、時代に合わせたサービスの導入も検討する必要があると考えます。市税のほか水道料金などについても見解をお聞かせ願います。
次に、不用額についてですが、平成24年度の不用額は21.8億円で、ここ数年、20億円前後で推移しております。この状況から内容について分析し、翌年度の予算編成に反映されるよう努めるべきと考えます。24年度決算不用額について説明いただき、市長の見解をお聞かせ願います。
この項の最後に、小樽市の財政健全化への取組方針には、平成26年度以降から各年度収支改善目標6億円を達成し、実質収支の黒字を確保するとあります。直近で訪れる平成26年度財政の具体的な改善策の内容について、市長のお考えをお示し願います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)千葉議員の御質問にお答えいたします。
ただいま財政について御質問がありました。
初めに、社会保障制度改革についてですが、社会保障制度改革国民会議の報告書では、少子化対策や医療保険制度、介護保険制度など、社会保障の多岐にわたる分野について改革の方向性が示されたことなどにつきましては、一定の評価をするものであります。
しかしながら、国民健康保険の運営主体の都道府県化一つを取り上げても解決すべき課題が山積していることや、改革の影響は自治体ばかりでなく、広く市民生活にも及ぶことから、今後、具体的な制度設計や法案作成に当たりましては、地方の実情や意見を十分に反映していただきたいと考えております。
次に、平成24年度決算についてですが、市税の主な税目の現年課税分における平成20年度調定額との比較と増減理由について、個人市民税については、平成24年度調定額は44億1,985万円で7億4,496万円減少しており、その主な理由は、納税義務者数や個人の所得の減少によるものです。
次に、法人市民税につきましては、平成24年度は15億1,917万円で437万円の減収で、ほぼ同額となっております。
次に、固定資産税につきましては、24年度57億2,897万円で8億6,539万円減少しておりますが、21年度、24年度に評価替えがあり、土地については、この間、地価の下落傾向が続いていること、家屋については既存家屋の経年劣化等により評価額が減少したことによるものです。
都市計画税につきましては、24年度11億302万円で1億8,381万円減少しており、固定資産税と同様の理由であります。
次に、主な税目の収入率の平成20年度との比較についてですが、まず現年課税分の収入率について、個人市民税は平成24年度、97.5パーセントで1.1ポイントの増となっております。法人市民税は99.1パーセントで0.3ポイントの増、固定資産税は91.8パーセントで0.5ポイントの増、都市計画税は90.7パーセントで0.4ポイントの増となっており、各税目ともに収入率は向上しております。
次に、滞納繰越分の収入率についてですが、個人市民税は平成24年度、30.7パーセントで7.6ポイントの減となっております。法人市民税は18.3パーセントで5.1ポイントの増、固定資産税は4.6パーセントで8.2ポイントの減、都市計画税は4.8パーセントで7.8ポイントの減となっており、法人市民税の収入率は向上しましたが、他の3税目は低下しております。
次に、市税全体の収入率についてですが、現年課税分は平成24年度、95.0パーセントで0.8ポイントの増、滞納繰越分は7.2パーセントで8.8ポイントの減、合計では73.8パーセントで6.4ポイントの減となっており、市税全体としての収入率は低下しております。
次に、グループ制導入の効果についてですが、納税課では昨年4月から従来の4係1担当体制から3グループ体制に組織変更しました。このことにより早期の納税交渉及び差押えが可能となった結果、平成24年度では前年度と比べ、差押件数で557件、充当額で約2,100万円増加となり、現年課税分の収入率も0.7ポイントの向上につながったものであります。
次に、市税や水道料金などのクレジットカード収納サービスについてですが、クレジット納付は納税者が現金などを用意する必要がなく、クレジットカードによっては分割払やポイントがたまるなどのメリットもあり、納付手段の多様化により納税者などの利便性の向上が図られるものと考えております。
しかし、クレジット納付の導入に当たっては、電算システムの改修費用や取扱手数料など初期投資及び維持管理費が高額になるなどの課題があり、現在の本市の財政状況を考慮しますと現時点での導入は難しいものと考えますが、市民サービスの向上に向けて、今後とも導入効果や導入後の課題など他都市の情報収集に努め、引き続き検討したいと考えております。
次に、24年度決算の不用額についてですが、主なものとしましては、民生費では生活保護の扶助費で約3億6,300万円、商工費では中小企業等への制度融資に伴う貸付金で約1億6,900万円、消防費では高機能消防指令センター整備事業費で約2億2,700万円となっております。
また、予算編成の反映についてですが、各事業ごとの毎年度の不用額について、よく分析した上で十分精査し、過剰に見込むことなく精微な見積りに努めておりますが、国全体の経済動向や工事に係る入札など執行しなければ把握の難しい経費などがあることなどから、一定程度の不用額が発生することはやむを得ないものと考えております。
次に、財政健全化に向けた具体的な改善策についてでありますが、現時点で具体的な内容をお示しできるものはありませんが、これまでの行財政改革に向けた取組を継続するとともに、今後の26年度予算編成の中で、平成24年度から試行している行政評価の結果の反映や事務事業の見直しを行うなど、改善目標の達成に向け、努力してまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)2番、千葉美幸議員。
(2番千葉美幸議員登壇)
○2番(千葉美幸議員)第2項目め、小樽市土地開発公社の解散について伺います。
小樽市の土地開発公社は、昭和48年5月8日、市が100パーセント、500万円を出資し、公有地の拡大の推進に関する法律に基づき、公共用地、公用地等の取得、管理、処分等を行うことにより、地域の秩序ある整備と市民福祉の増進に寄与することを目的に設立されました。バブル時代到来と言われた昭和六十一、二年前後から土地の価格は上昇したものの、その後、景気の悪化とともに地価の上昇は見られず、全国で地価の下落が始まっております。これにより、公社設立の本来の目的である都市の健全な発展と秩序ある整備を促進するため、必要な土地の先買いに関する制度の整備、地方公共団体にかわって土地の先行取得を行うこと等の目的の意義が薄れてきたことや、平成17年に土地開発公社経理基準要綱が改正されたことなども背景となって、解散か存続か各自治体で議論等が進められ、中には検討委員会などを設置し、公社の存廃を数年かけて話し合ってきた自治体もあるようです。小樽市では解散を決め、清算に伴う多額の資金を第三セクター等改革推進債を発行し、整理しようとするものです。
そこで、以下、伺ってまいりたいと思います。
初めに、小樽市土地開発公社の役割についてです。設立から現在まで先行取得された用地で執行された主な事業について説明願います。
また、公社保有地は、どのように現在の状況に推移してきたのか、簿価額合計の最大年度をお示しいただき、簡潔に御説明願います。
小樽市では、公社が解散するに当たり活用される第三セクター等改革推進債について申請を今後行っていく予定ですが、この三セク債について御説明願います。
また、土地開発公社の解散に当たり、どのような手続がなされ進んでいくのか、今後のスケジュールについてお示し願います。
次に、小樽市土地開発公社の現状についてですが、現在の公社保有地は7か所で、時価相当額合計2億4,155万5,000円、取得金額5億9,180万6,000円の半分以下となっており、全てが取得年度から10年以上経過しているいわゆる塩漬け状態の土地です。目的があって先行取得されながら塩漬けの状態で現在に至った経緯について説明願います。
次に、公社の経営健全化へ向けた取組についてであります。
小樽市土地開発公社の経営状況は地価の下落に伴って、簿価額と時価額の差が大きく広がり、市の財政状況の悪化や目的があって先行取得した土地の利用が見込めない中、悪化してきたと認識しています。現在までどのような取組が進められてきたのか、御説明願います。
次に、土地開発公社の解散と第三セクター等改革推進債、いわゆる三セク債の活用を決めた財政的なメリットについてです。三セク債活用の財政効果について、具体的に土地開発公社を存続させる場合と三セク債を活用し、土地開発公社を解散させる場合を比較し、説明願います。
効果が見込まれる一方で、三セク債活用による財政指標に与える影響についてはいかがでしょうか。三セク債の償還年限が原則10年とされていることから、実質公債費比率と将来負担比率の今後10年間に影響が出ると考えます。見通しについてお示し願います。
また、この比率を抑制するための取組についても伺います。
この項の最後に、市民への説明責任について伺います。
公社の解散に当たり財政負担が生じることから、設立から解散に至るまでの経緯や理由、考え方などを市民へ情報提供する必要があると考えますが、いかがでしょうか。市長の見解を求めます。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、土地開発公社について御質問がありました。
初めに、公社の果たしてきた役割と現状についてですが、まず先行取得された用地で執行された主な事業につきましては、塩谷小学校や塩谷市営住宅の用地のほか、最近では旧国鉄手宮線跡地を先行取得し、現在、散策路や広場などの整備事業を行っており、これまで35件の土地が事業化されております。
次に、公社保有地の推移についてですが、年度別による保有地の件数は昭和57年度から平成元年度、平成6年度から12年度までの期間は10件以上の土地を保有しており、平成11年度が14件で一番多くなっておりました。
また、簿価額の合計につきましては、おおむね件数が多い年度は高くなっており、昭和57年度末が約12億1,600万円で最大となっております。
次に、三セク債についてですが、地方公共団体の財政の健全化に関する法律が平成21年4月から全面施行され、地方公共団体は地方公社等の抜本的改革について先送りすることなく、早期に取り組むことが求められ、国において、その対応策として第三セクター等改革推進債という特例の地方債が設けられました。
その内容は、対象経費として第三セクター等の整理又は再生に伴い負担する必要がある経費で、償還期限は10年以内を基本とし、対象期間は平成21年度から25年度の5か年間となっております。
次に、今後の公社解散のスケジュールについてですが、今定例会に提案している公社の解散に関する議案を議決いただきましたら、北海道へ公社解散許可申請を行うとともに、公社の保有現金及び土地を市に返済する手続を行い、清算手続に入り、今年度内に清算結了する予定です。
なお、三セク債につきましては、来年2月に北海道へ許可の申請を行う予定であります。
次に、事業化されないまま現在に至った土地の経過についてですが、先行取得時は、その時代に沿った需要や目的があり事業化を目指していたものでありますが、現在、保有している土地は、取得時期が昭和56年から平成13年であり、市の財政状況も厳しくなり、時間の経過に伴い事業の必要性や優先度が低くなるなどの理由で事業の着手が行われず、現在に至っているものであります。
次に、公社の経営健全化へ向けた取組についてですが、公社としては、先行取得した土地が市に買い戻されるまで土地の簿価に金利の上乗せ額を極力抑えることが必要であることから平成8年度までは金融機関からの長期借入れもありましたが、平成9年度からは市から無利子での借入れを基本としてきました。
また、築港地区公共公的施設用地を新南小樽市場協同組合に駐車場として賃貸し、公社の収入増を図っております。
次に、公社の解散と財政に与える影響についてですが、まず三セク債の活用を決めた財政的なメリットということでありますが、土地開発公社を存続させた場合、地価の下落傾向が続く中で、公社の土地は借入利息などが累積し、簿価と時価の差が大きくなり、市の公社への貸付金が増えるとともに事業を行う際の買い戻す金額が多額となるなど、現状よりも財政負担がますます大きくなるものです。
また、買い戻す際に土地を活用した事業を実施しなければ、補助金や起債を財源として活用することができず、単年度負担が非常に大きくなるものです。
一方、三セク債を活用し公社を解散する場合には、公社からの貸付金の返還に係る歳入欠陥に三セク債を充てることができ、10年間で返済を予定していることから、単年度の財政負担が軽減されるものであります。
次に、三セク債の活用による財政指標に与える影響などについてでありますが、今年度借入れを予定している三セク債は26年度から10年間での償還を予定しており、借入れ後の実質公債費比率を推計いたしますと、26年度は12.2パーセント、35年度は9.2パーセントと見込まれ、借入れをしない場合と比べ、0.1ポイント程度上昇する見込みであります。
また、将来負担比率では、26年度は101.5パーセント、35年度は68.6パーセントと見込まれ、借入れをしない場合と比べ、0.1から2.0ポイント下がる見込みであります。
次に、比率を抑制するための取組につきましては、健全化判断基準などを見据えながら市債の新規発行を抑制するため、今後とも建設事業は必要性、緊急性を十分考慮し事業を厳選するとともに、市債の借入れに当たっては、過疎債など有利な地方債を選択するなど、後年度負担の軽減に努めてまいります。
次に、市民への情報提供についてですが、公社の解散に当たり市民への説明は必要なものであり、9月4日に市のホームページに「小樽市土地開発公社の解散について」を掲載し、公社の設立から現在までの経緯や今回解散に至った経緯などについて情報提供を行ったところであります。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)2番、千葉美幸議員。
(2番千葉美幸議員登壇)
○2番(千葉美幸議員)質問の第3項目めです。
小樽市自治基本条例について伺います。
自治基本条例の策定ですが、小樽市では、平成21年1月、庁内研究会を発足し、翌年4月には学識経験者、有識者など5名で構成された小樽市自治基本条例懇話会の検討、そしてまちづくり団体からの推薦者や学生などで構成される小樽市自治基本条例策定委員会を設置し進められ、原案は本委員会の提言を最大限に生かした内容と伺っております。自治基本条例は2000年に施行された地方分権一括法により地域のことは地域で責任を持って決めることが求められるようになったことが背景の一つと言われ、一部の報道では現在わかっているだけでも300ほどの自治体で施行、検討が進められているそうです。市や市民、議会などの責務や役割が明記され、まちづくりの基本的な方向性やルールを示すことから自治体の憲法とも言われていますが、住民投票など条例の内容によっては、制定に慎重な考え方もあります。
そこで、以下4点にわたって伺います。
初めに、小樽市自治基本条例策定の目的と経過について御説明願います。
小樽市自治基本条例の制定によりどのような効果が期待されるのでしょうか。中松市長の公約にも自治基本条例の策定の推進が掲げられており、本条例の必要性について市長の見解をお聞かせ願います。
次に、本市の自治基本条例の内容についてですが、各自治体では特徴的な規定を盛り込んでいるまちもあります。本市条例についてはいかがですか、説明願います。市民参加のワークショップでの議論や他の自治体の状況を踏まえ、お聞かせ願います。
4点目として、小樽市自治基本条例の住民投票について伺います。
条例第11条第1項で、「市長は、市政に関する重要な事案について、直接、住民の意思を確認するため、その事案ごとに、必要な事項を規定した条例を別に定め、住民投票を実施することができます」第2項で、「市は、住民投票の結果を尊重します」となっております。市では、どのような議論経過の中で、基本条例に住民投票を位置づけられたのか、説明願います。
また、市長が住民投票で住民の意思を確認する市政に関する重要な事案とは、どのような事案を想定されているのか、お聞きいたします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、自治基本条例案について御質問がありました。
初めに、条例策定の目的と経過についてですが、近年、地方分権の流れが加速し、地方が担う役割と責任は、さらに大きくなっており、地方自治体が限られた財源により、みずから決定し、責任を持って実行することが求められております。また、本市では、人口減少や少子高齢化など多くの課題を抱えております。
これらを解決していくには、市が主体的に取り組むことはもちろんですが、市民の皆さん、議会、そして市が互いの役割や責任を理解し合い、協力してまちづくりに取り組むことが大切であると考えます。そのためには市民参加と協働によるまちづくりに基本的なルールが必要であることから、豊かで活力ある地域社会の実現を図ることを目的に自治基本条例を制定することとしたものであります。
次に、条例を制定することによる効果についてですが、この制定により市民生活において直ちに変化が表れるものではありませんが、市民、議会、市がそれぞれの情報を共有することにより、まちづくりに対する意識の醸成が図られることや、審議会等の設置に際し、公募による委員を加えるといったことにより市民の意見が行政に届く機会が増えるといった効果が期待できます。また、市民との協働や説明責任に対する職員の意識が向上することで、市民の視点に立ったサービスの提供が一層図られるものと思われます。私といたしましても、市民力を生かし、市民の皆さんと行政が協働して「活力あるおたる」を創造していくことが重要であると考えておりますので、本市にとって自治基本条例を制定することは意義があると考えております。
次に、本市条例の特徴と住民投票についてですが、まず特徴的な規定については、第17条第3項の市長の役割及び責務として、「小樽及び後志地域の魅力を認識し、国内外に発信します」また、第31条の魅力あるまちづくりとして、「風格ある観光都市としてあり続ける」ことや小樽の特性を生かしたまちづくりの推進、小樽を訪れる方に対し温かく迎えることを規定しております。これらの条項は、市民参加のワークショップでの御意見や策定委員会の提言を受け盛り込んだもので、いずれも本市にとって必要な項目であると判断いたしました。
なお、他の自治体における特徴的な規定の例といたしましては、帯広市まちづくり条例で、十勝の魅力や個性を生かしたまちづくりの推進について規定されているほか、箱根町自治基本条例で、国際観光地としてのまちづくりについて規定されております。
次に、住民投票を位置づけるに当たっての議論経過についてですが、小樽市自治基本条例策定委員会からは、「間接民主制を補完する制度のひとつとして、住民の意思を直接確認する」手段である住民投票が必要であり、また、「議会での審議を経て、実施の必要性について明確にする、個別型の住民投票が望ましい」との提言をいただきました。これを受け、庁内検討会議において議論を行い、策定委員会の提言と同様に住民投票が必要であること、さらに住民投票の実施に当たっては、慎重な判断が必要となるため、個別の事案ごとに投票に必要な事項を定める条例を議会の議決をいただき制定する個別型の住民投票が適していると考え規定いたしました。
次に、市民の意思を確認する市政に関する重要な事案についてですが、具体的な事案を想定しているものではありませんが、一般的には住民に直接その賛否を問う必要があると認められる事案で、市や住民全体に大きな影響をもたらすものが考えられます。全国的にも住民投票が行われた例は多くありませんが、原子力発電所の建設や産業廃棄物施設の設置、都市計画事業の実施などの事案で住民投票が行われた例があると承知しております。
○議長(横田久俊)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)2番、千葉美幸議員。
(2番千葉美幸議員登壇)
○2番(千葉美幸議員)第4項目め、市民の安全を守る災害対策について伺います。
京都府福知山市で開催された花火大会で起きた露店爆発事故は、小さな子供も犠牲となり、痛ましい大惨事となりました。夏休みの楽しい思い出になるはずが、このような事故になってしまい、本当に心が痛みます。ここで、亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、今なお入院し治療を受けている皆様に心からお見舞い申し上げます。
今回の事故の原因は、露天商店店主の誤った燃料器の取扱いや主催者側の安全管理について問題が問われているようです。ここ小樽市は、市民や観光客が大勢集まるお祭りや花火大会、イベントなどが数多く開催される都市であり、いま一度安全対策の確認をしていただきたく質問いたします。
初めに、このたびの福知山市での火災後、小樽市でもお祭り等がありましたが、消防本部では安全確認や指導を行ったのか、内容についても伺います。
また、今後、火気取扱いの周知徹底や主催者側との連携をどのように行っていかれるのかについて説明願います。
火気取扱いの安全対策については、自治体の火災予防条例で定められておりますが、露店などのように取扱量が少なく、規制がかからない場合の安全対策に懸念を感じております。火災予防条例上、お祭りやイベント開催の届出はどのように定められているのでしょうか。
また、お祭りやイベントの開催以外でも消防車の初動態勢や通行に支障がある道路工事に伴う通行規制をどのように把握しているのか、伺います。
次に、平成25年災害対策基本法改正による要援護者等の対策について伺います。
地震や津波が発生すると高齢者や障害者、妊婦、乳幼児などは1人で避難することが難しいため、災害時要援護者と位置づけられています。特に、平成23年3月の東日本大震災で犠牲となった方々の多くが高齢者で、被災地全体の死亡者のうち65歳以上の高齢者の死亡者数が約6割、障害者の死亡率は被災住民全体の死亡率の約2倍に上ったそうです。避難のためには支援が必要である災害時要援護者に情報が届かなかったり、避難の要否が判断できない状況があったり、寝たきりなどで自力で避難することができず、とうとい命が失われました。
そこで、以下、伺ってまいります。
初めに、今まで本市で推進してきた災害時要援護者名簿の登録状況は、どのようになっているのでしょうか、現在の登録者数について説明願います。
また、今まで把握に努めてきた災害時要援護者の登録方法など、小樽市ではどのように見直されるのか、説明願います。
避難行動要支援者の状況は、常に変化するため、名簿情報を最新の状態に保つことが弱い立場の方々を守ることにつながります。小樽市では、今後、避難行動要支援者の名簿作成や更新等に必要な要配慮者の把握に関係部局との連携をどのように図っていくのか伺います。
避難所の整備や運営に関して方針の中で、事前に決めていた責任者が被災すると避難所の運営に混乱が起きることが想定され、誰でも避難所を立ち上げられる避難所運営の手引を作成すべきとされています。
小樽市の進め方について伺います。
この項の最後に、北海道地域防災マスターについて伺います。
北海道では、防災に対する心構えなどを多くの方に知っていただくため、北海道地域防災マスターの育成に取り組んでおります。恵庭市では、多数の防災マスターが誕生し、地域の安全を地域で考える防災意識が進み、自主防災組織の立ち上げの動きもあるそうです。
小樽市の取組の状況はいかがでしょうか、伺います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、市民の安全を守る取組について御質問がありました。
初めに、お祭り等の安全対策についてでありますが、お祭り等の安全確認や指導については、福知山市の火災発生直後から8月末までに開催された10件のイベント等の主催者及び関係者に対し、会場内で使用する火気、特にガソリンなどの危険物やプロパンガスの取扱いについて指導を行ったところであります。
また、今後の主催者との連携につきましては、例年本市では多くのお祭りやイベントが開催されていることから主催者に対して火災予防の徹底を指導した上で、露店関係者への注意喚起を依頼するとともに職員が現地に赴き、会場の火気取扱い等の状況を確認し、関係者に対して必要な指導を行いたいと考えております。
次に、火災予防条例上のお祭りやイベント開催の届出についてでありますが、同条例第63条では舞台などを設けて催物を行う場合には、あらかじめ届け出た上で、ガソリン等危険物や火気設備の取扱い及び避難管理の状況などの検査を受けることとされています。
また、道路工事に伴う通行規制については、同条例第65条第4号に基づく消防長への届出や道路管理者からの道路の通行制限についての通知により把握するとともに消防が実施するパトロール等により、その状況を確認しております。
次に、平成25年度災害対策基本法改正による要援護者等の対策についてですが、まず本市での災害時要援護者の登録者数は本年8月30日現在で6,962名となっており、これまで登録を希望する高齢者や要介護認定を受けている方を災害時要援護者名簿への登載を行ってきたところであります。
また、災害対策基本法の一部改正に伴い、今後は、要介護度や身体障害者手帳の等級などにより希望者だけでなく、市が定めた登録要件に該当する方を新たに避難行動要支援者名簿に登載することとなりました。
なお、登録要件については、避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針に示された例なども参考に決めてまいりたいと考えております。
次に、避難行動要支援者の名簿の作成等に必要な関係部局との連携についてですが、名簿の作成に当たりましては、法改正により必要な範囲で市町村の関係部局で把握している要介護者や高齢者、障害者などの情報を内部で利用することができることとされておりますので、今後、名簿登載に必要な情報の範囲や新たに名簿登載の要件に該当となった方の異動情報の把握の方法などについて、関係部局間で協議をさせたいと考えております。
次に、避難所運営の手引の作成についてですが、現在、本市では地域防災計画において避難所の開設を定めておりますが、東日本大震災以降、開設後の円滑な運営が求められていることから避難所の開設方法や運営を行うための役割分担などを定めた避難所運営マニュアルを作成することとしており、御提言の趣旨を踏まえ、先進地の事例や施設管理者の意見なども参考にしながら策定作業を進めてまいりたいと考えております。
次に、北海道地域防災マスター育成の本市の取組状況ですが、北海道地域防災マスターについては、北海道が市町村における防災活動のリーダーを養成する目的で、行政機関などで防災業務を経験した方などを対象として研修会を開催し認定しているもので、現在、小樽市では、市職員を含め5名が認定されているところであります。恵庭市では、本年度に研修会が開催されたことにより多数の北海道地域防災マスターが認定されたもので、本市といたしましても、北海道に研修会開催を要請し、認定者の増加を図るとともに、その活用方法について他都市の事例も参考とし、地域の防災力の向上を図ってまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第5項目めの質問に入ります。
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)2番、千葉美幸議員。
(2番千葉美幸議員登壇)
○2番(千葉美幸議員)第5項目め、第8回日本カジノ創設サミットin小樽開催補助金について質問させていただきます。
国のカジノ合法化に向けた動きが加速していると言われています。外国人観光客のさらなる拡大を目指せることや、それに伴う経済波及効果が大きく期待されており、2013年文部科学省が科学研究費としてカジノ研究に助成をしたことも誘致活動に取り組んできた団体や自治体、そして民間企業が積極的に動いている要因のようです。
道内では、昨年第7回日本カジノ創設サミットの開催地となった釧路市が、本年7月30日に蝦名市長みずからひがし北海道統合観光リゾートIR誘致協議会の関係者とともに道庁を訪れ、高橋はるみ知事に統合型リゾートに係る取組の推進に関する要望書を提出し、阿寒湖温泉地を統合型リゾート候補地とすることを要請しました。その際、高橋はるみ知事は、治安への影響など課題も多いとしながら、カジノを運営する事業者との接触など、しっかり取り組みたいと述べたことが報道されております。
また、道としても昨年、カジノを含む統合型観光リゾート(IR)による経済・社会影響調査の報告がまとめられ、北海道の観光や雇用、新たな税収の確保など、経済効果が期待されているようです。報告書を見ますと、世界のIRは公的財源を必要としない観光振興策の一手段となっていることや、カジノの合法化を行ってきた地域において、統制のノウハウが積み重ねられてきた点で、IR構想が観光産業の中で注目をされている理由のようです。
一方、懸念されている治安や青少年教育、依存症に対するリスクも確実に存在することは、報告書の中でも述べられております。中松市長は、現在まで小樽IR構想の効果への期待や情報収集に努めるお話はされているものの、カジノを含めた統合型観光リゾートの小樽市への誘致に関しては、これまでははっきりとした意思表示がなされてこなかったと認識しております。
そのような中で、今定例会の補正予算には、日本カジノ創設サミットが小樽市で開催される事業費の一部を助成する20万円が計上されており、以下、何点か伺います。
今回の助成に至った経緯について、御説明願います。
次に、道内他自治体のIR構想の取組状況はどのように把握されているのか、お示し願います。
市も参加している小樽国際観光リゾート推進協議会は、平成24年4月にまとめた小樽IR構想の実現を目指すため活動されております。カジノ法案の詳細について明らかではありませんが、市民から小樽市長の誘致に関する決断について注目する声があるのも確かであります。10月に小樽市で開催されるサミットで挨拶される市長は、積極的に誘致活動に取り組まれる意思表示をなさるのか、お考えをお聞かせ願います。
また、小樽IR構想は、市のみならず近隣自治体への影響もあると考えますが、いかがでしょうか。札幌市や広域連合町村からの意見などは届いているのかについてもお伺いいたします。
この項の最後に、現在、小樽IR構想は、小樽国際観光リゾート推進協議会が中心となって調査・研究が重ねられておりますが、構想の中にあるカジノについて市民から懸念の声が聞かれます。
市民に対して、小樽IR構想の情報提供をどのように進められるのか、お考えをお示しください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、第8回日本カジノ創設サミットin小樽開催補助金について御質問がありました。
初めに、今回の補正予算案提出の経緯でありますが、これまでのカジノを含むIRの導入については、地域経済への効果が期待できるとの考えから、小樽国際観光リゾート推進協議会や北海道から情報収集に努めてまいりました。このたび本市でサミットが開催されるに当たり、市としても協議会とともにIR誘致の実現に向けた取組を進めていくために予算案を提出したものであります。
次に、道内他自治体におけるIR構想の取組状況についてですが、先月、北海道が実施したアンケート結果によると、「誘致に向け取り組んでいる」と回答したのが本市と釧路市、「情報収集及び誘致に向けた検討を行っている」と回答したのが苫小牧市、「情報収集を行っている」と回答したのが札幌市や倶知安町など28市町となっております。
次に、誘致活動の意思表示につきましては、先ほども答弁いたしましたとおり、地域経済への効果が期待できることから、サミットの場におきましても積極的な誘致活動を表明してまいりたいと考えております。
また、近隣自治体への影響についてですが、IR構想では札幌市との連携によるMICEへの活用や後志圏のリゾートとの組合せによる観光振興も想定されており、広域的な経済効果が期待されるものであります。
なお、今のところIR構想についての近隣自治体からの意見などにつきましては、本市には寄せられておりません。
次に、市民に対しての小樽IR構想の情報提供についてですが、国会へ提出される法案などの関連情報を市のホームページに掲載するほか、小樽国際観光リゾート推進協議会とともに説明会などを開催し、市民の皆さんにIRに対する理解を深めていただきたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第6項目めの質問に入ります。
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)2番、千葉美幸議員。
(2番千葉美幸議員登壇)
○2番(千葉美幸議員)第6項目め、寡婦控除の対象世帯拡大について伺います。
今年初め、2歳の子供を育てる若い母親の方から相談がありました。彼女は結婚が決まった後妊娠し、結婚生活と出産に向け準備を進めていたそうであります。しかし、さまざまな事情で婚約破棄となり、現在、シングルマザーとして働きながら子育てに奮闘しております。相談内容は、保育費負担金月額の決定に対しての疑問でありました。
保育費負担金、いわゆる保育料ですが、入所する児童と世帯、生計を同じくしている父母及びそれ以外の扶養義務者、この場合は家計の主宰者に限られますが、これらの課税状況、所得税額、市町村民税額に応じて決まります。この所得税額や市町村民税額の算出に当たっては、収入からさまざまな所得控除がありますが、相談者が該当しないとされる控除に寡婦控除があります。女性の納税者が所得税法上の寡婦に当たる場合に受けられる所得控除で、婚姻に関する要件については、夫と死別し、若しくは離婚した後、婚姻していない人、夫の生死が明らかでない人となっており、民法上の婚姻関係が前提となっております。寡婦控除は昭和26年に創設された制度で、時代が変わるとともに本制度も女性だけではなく、条件は少し違いますが男性にも適用されるようになりました。しかし、あくまでも婚姻を前提としているため、相談者のようにさまざまな事情で未婚のまま子供を産み育てているシングルマザーは該当せず、控除を受けることは所得税法上できません。
一方で、調べていくと、離婚した後、未婚のまま別の男性の子供を産んだシングルマザーは、婚姻歴があるということで控除が受けられ、あるいは未婚のまま子供を産み、その後、別の男性と結婚し離婚したとすると、この場合も婚姻歴があるので寡婦控除が適用されます。婚姻歴のある、なしで適用が分かれる寡婦控除は、公営住宅家賃や保育料などに影響し問題と考えられるので、寡婦控除について何点か伺いたいと思います。
初めに、相談者の事例のような未婚のシングルマザーに対する差別について、市長はどのように認識されているのか、お伺いいたします。
次に、小樽市の母子家庭、父子家庭の現状についてです。
ひとり親で子供を育てている世帯数は、どのくらいになるのか、国勢調査による結果をお聞かせ願います。
また、保育所入所世帯で、未婚のため寡婦控除が適用されていない世帯数はどのくらいになるのか、お聞かせ願います。
次に、保育料算定についてですが、相談者は未婚で寡婦に該当しないため、保育料等が年間で十数万円違ってくるといいます。保育料以外でも寡婦控除の適用がないことで不満に思うことがある。収入を抑える働き方をしようと思ってしまった。そのような本音も聞かれました。平成23年度のひとり親家庭の統計データによりますと、母子世帯の平均年間収入は223万円となっており、相談者も同程度の収入です。
そこで、小樽市の保育料は幾らになるのか、給与収入を220万円、社会保険料は33万円、子供が3歳未満児1人とした場合に、寡婦控除をみなし適用した場合とそうではない場合についてシミュレーションし、説明願います。
寡婦控除の見直しについては、国でも少しずつ議論されているようですが、関係省庁が多岐にわたっていることや、いろいろな意見があるため、まだまだ時間がかかりそうであります。母子世帯総所得に限って言えば、児童のいる世帯の平均総所得の4割に満たない調査結果が出ており、未婚の母子家庭は養育費などを受けられていないことが多く、さらに収入が低いとされております。このような状況に他の自治体では、婚姻歴がないだけで優遇措置を受けられない理由がないとして、未婚の母子家庭にも適用しようとする動きが出てきました。南は沖縄県宜野湾市、那覇市、沖縄市、四国の松山市、高知市などで寡婦控除のみなし適用を始めており、ここ北海道でも札幌市が、昨年、婚姻によらないひとり親家庭の保育料の算定に当たって減免の事由として追加し、同様の内容を導入しております。
小樽市でもひとり親世帯の子育て支援策として保育料算定の際に寡婦控除のみなし適用を図るよう検討していただきたいと思いますが、市長の御見解をお聞かせ願います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、寡婦控除の対象世帯拡大について御質問がありました。
初めに、未婚のシングルマザーについてのお尋ねでありますが、先般婚外子の相続に関する規定を違憲とする最高裁決定が出され、この決定では、戦後、婚姻や家族形態が多様化しており、父母が法律的な婚姻関係になかったことを理由として子供に不利益を及ぼすことは許されないという考え方が示されております。こうしたことから、時代の変化により法制度の見直しが図られていくものと認識しております。
次に、本市のひとり親の世帯数についてですが、国勢調査による平成17年と平成22年の調査結果で申し上げますと、20歳未満の未婚の子供と親から成る世帯は、母子世帯と父子世帯を合わせて、平成17年では1,551世帯、平成22年では1,473世帯となっております。
また、保育所入所世帯のうち、未婚のため寡婦控除が適用されていない世帯数については、本年8月現在で10世帯となっております。
次に、御質問にありました事例による本市の保育料でありますが、寡婦控除をみなし適用した場合は月額1万4,500円であり、みなし適用がない本来の保育料は月額2万3,500円となるものであります。
次に、本市の保育料の算定に関して寡婦控除のみなし適用を図ることについてですが、ひとり親家庭に対する寡婦控除のあり方は、もともと税制上の取扱いとして規定されているものでありますので、保育料の算定につきましても、全国的に同一の対応が図られることが、より望ましいことと認識しております。
先ほど答弁いたしましたが、婚外子にかかわる最高裁の決定が示されており、寡婦控除につきましても背景は類似していると思われますので、今後の国の動きなどを注視してまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第7項目めの質問に入ります。
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)2番、千葉美幸議員。
(2番千葉美幸議員登壇)
○2番(千葉美幸議員)最後の第7項目めの質問です。
学校教育に関連して伺います。
初めに、全国学力・学習状況調査について伺います。
本年4月に実施された全国学力・学習状況調査は、全国の小・中学校3万1,457校、219万人を対象に調査が実施され、先月27日に結果が公表されました。都道府県別の全4科目の平均正答率を見ますと、北海道は、依然、全国平均を下回る結果となっております。全国学力・学習調査の目的は、全国的な児童・生徒の学力や学習状況を把握・分析し、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図ることや、そのような取組を通じて教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する、また、学校における児童・生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てるというものです。
そこで、以下、伺います。
初めに、今年度の学力調査結果を受け、道内の状況について教育長の見解を伺います。
2点目、今年度の学力調査結果について、小樽市の状況を把握されている範囲でお示し願います。
市内各学校では、全国学力・学習状況調査の結果を踏まえ、学校改善プランを立て、学校と家庭、地域が一体となった取組を進めておりますが、保護者からは取組に対して、学校間や教師の間でも温度差があるという声をお聞きいたします。教育課題が多様化している中で、課題克服のため努力し、御苦労も多いと理解しておりますが、このような声に対する教育長の御所見を伺います。
文部科学省では、2014年度の学力テストの結果公表について、現在の方針を改め、自治体の判断に任せることも含め、学校別の公表に向け検討する方針を出しております。自治体へのアンケート実施は、抽出で7月に行われたようですが、これからの動きに対して教育長の見解を伺います。
次に、学校のアレルギー対策について伺います。
昨年12月、東京都調布市で起きたアレルギー死亡事故は、その後、市教委の検証委員会による報告書が提出され、学校のミスの連鎖が指摘されております。一連の流れを見ると、児童がおかわりを求めてからアレルギーショックを起こすまで、どこかの時点でこの悲劇を食いとめることができなかったのか、本当に残念であります。2008年に全国の学校に配布された学校のアレルギー疾患に対する取組ガイドラインは、教育現場では十分に活用されていないこともわかっており、各学校によって対応策にばらつきがあるのが現状です。文部科学省では、調布市の事故後、アレルギー対策の見直しに乗り出し、本年7月29日に中間報告をまとめておりますが、その中で給食の食物アレルギー事故は、全国どこの学校でも起こり得るとして、学校全体で対応することの重要性を指摘しております。
そこで、質問いたします。
私は、本年第1回定例会で、アレルギー対策として、学校全体としての情報の共有の体制について、学校生活管理指導表の活用を検討願いました。この指導表の活用については、専門家からもガイドラインとともに使うことの重要性が指摘されております。教育委員会では、新共同調理場の設置を契機として検討してまいりたいとの御答弁でしたが、早期の活用を改めて求めますが、見解をお聞かせ願います。
次に、同じく第1回定例会で質問をしたエピペンについてであります。アレルギーのショック症状には、命にかかわるアナフィラキシーショックがあります。この症状は、迅速に対応することで重症化を防ぐことができ、この症状を緩和するのに有効な自己注射薬エピペン使用について、教職員の共通理解が必要です。本年度の取組について伺います。
以上、全ての項目について、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)千葉議員の御質問にお答えいたします。
初めに、今年度の全国学力・学習状況調査結果の北海道の状況についてでございますが、私としては議員が御指摘のとおり北海道の結果が、小学校は全ての教科で、中学校は国語A、数学Aで全国の差が縮まっているとはいえ、小・中いずれの教科においても全国の平均正答率を下回っている点や学習時間が短く、ネットやゲームをする時間が長くなっている傾向が見られる点など、課題の改善が進んでいない状況について大変残念に思っており、学力向上の取組の難しさを痛感しているところであります。
次に、小樽市の状況についてでございますが、小樽市の教科による結果については、昨年度と比べ大きな変化はなく、現在、教科及び児童・生徒質問紙等における調査結果の詳細な分析を進め、公表に向けて準備を進めているところでございます。
次に、学力向上の取組に対する学校間や教師間の温度差についてでありますが、私としては、学校によって、また教員によって学力向上への取組姿勢に違いがあるものと認識しております。このような状況について教員個々に正確に伝え、全校を挙げて改善に向け全力で取り組むよう校長会を通じ指導を徹底してまいりたいと考えております。
次に、文部科学省が行った学力調査の結果の公表に関する自治体へのアンケート調査についてでありますが、このアンケートは、文部科学省が各自治体に対して公表のあり方についての意向を調べるものであり、本年11月ころ、その結果が発表されると聞いております。私としては、本道の学力調査の結果が、全国の下位にある状況などを考慮すれば、できるだけわかりやすい方法で市民に公表したいと考えており、このアンケート調査の結果も注視してまいりたいと考えております。
次に、学校のアレルギー対策としての学校生活管理指導表の活用についてでありますが、現在、市内の小・中学校におきましては、就学時健診の診断票や学校で行われている児童・生徒の家庭環境調査票、家庭訪問などによりアレルギー疾患を把握し、必要な対応を講じております。学校生活管理指導表は、アレルギー対策に有効な手段の一つだと認識しておりますが、医療機関の証明が必要なことから診断書と同様有料となり、保護者の負担が増えることになりますので、導入に当たっては、慎重に判断する必要があり、他都市の活動状況を調査するなど、引き続き検討してまいりたいと考えております。
今後につきましては、10月に実施する就学時健診の診断票にアレルギーの有無の項目を新設し、アレルギー疾患の正確な情報の収集に努めてまいりたいと考えております。
最後に、エピペンの使用についての取組でありますが、本年7月下旬と8月下旬に市立小樽病院の看護師を講師に招き、エピペンを処方されている児童が在籍をしている小学校3校を対象として、練習用のエピペンを用いた実践を含むアナフィラキシーショックとその対応について、全教職員を対象に研修会を実施し、共通理解を図ったところであります。
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)2番、千葉美幸議員。
○2番(千葉美幸議員)それでは、何点か再質問をさせていただきます。
初めに、財政に関連して伺います。
歳入の確保としてクレジットカード収納サービスの導入の質問をさせていただきました。今後も研究、検討をなさっていくという御答弁だと思うのですけれども、滞納繰越分が非常に悪い収入状況になっているという中で、私自身も滞納になってしまった市民の方の相談を受けますが、やはり現年課税分を払っておけば滞納にならないので、現年課税分を何とか払えれば次から次へと遅れる状況にならないのだというお話から、固定資産税などは4回払いということでちょっと金額が大きいので、クレジットを利用することによって現年課税分を支払える方が、数字は大きくないにしても非常に増えてくるのかというふうに思っております。今はポイントの時代なので市民サービスとしても、非常に有効な施策ではないかなと思っておりますので、ぜひこれを前向きに検討していくということで、いま一度御答弁をお願いしたいと思います。
次に、不用額についてですけれども、これは毎年度各会派からも質問があるところで、その理由についても国保や扶助費など、一定程度理解はしております。しかし、毎年度質問が出るというのは、それ以外で職員の方が努力したですとか、事業の入札うんぬんというような形で職員が努力をして、本来は一番評価されるべきところがなかなか見えていないのではないかなというふうに思っておりまして、これをもう少し具体的に御答弁されたほうが私はもっと理解が得られるのではないかと思っておりますので、翌年度予算編成に反映させるという部分で、きっちりと透明性の部分については、お示しを願いたいと思います。
次に、寡婦控除について伺います。
先ほども市長から婚外子の決定についての認識も示された中で、220万円でシミュレーションしてもらいましたけれども、年間で10万円以上違っているのです。これは保育料だけなのです。公営住宅や国保にもかかわる自治体もありまして、自治体の規模によっては30万円とも言われていて、非常に大きな金額です。ひとり親世帯で未婚の世帯というのは本当に収入が低いということもありますので、保育料が子供のためにいろいろ減免制度をしているのであれば、これをみなし的な減免制度として、市長が一歩前に出て、ぜひ進めていただきたいという思いで質問をさせていただいておりますので、いま一度御答弁をお願いいたします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)千葉議員の再質問にお答えします。
1番目のクレジットカードでの収納については、先ほど答弁させていただきましたように何とか導入に向けて取り組んでいきたいというふうに思っております。ただ、現時点で言うと、システムの改修費用、それから取扱手数料がずいぶん大きいのです。銀行の口座振替手数料から見ると、クレジットの手数料は非常に大きいものですから、そういった維持・管理の問題がございますので、そういったことを含めて、トータル的にできるだけ前向きに取り組んでいきたいというふうに思っております。
次に、不用額の問題につきましては、先ほども答弁させていただきましたけれども、やはり精緻な見積りもひとつ大事だと思っております。それから、経済状況等によっても、いろいろと数字的なものも変わってきたりということもありますし、何よりも工事に係る入札は、執行してみなければ実際にわからないということもいろいろとあります。しかし今後ともそういったことに取り組んでいきたいというふうに思いますし、職員については、事務事業の見直しの中で、できるだけ市民に迷惑をかけない状況の中で事業を進めていくという、こういったことにも取り組んでおりますので、御理解をいただきたいと思います。
3番目の寡婦の質問については、担当部長から答弁をさせていただきます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)福祉部長。
○福祉部長(三浦波人)再質問にございました保育料への寡婦控除のみなし適用のことでございますけれども、現実に道内の35市中、札幌市を含めて4市がそういった取扱いをしているようでございます。これが全道に広がっていかない理由も考えてみたのですけれども、やはり自治体には財政力の濃淡、あるいは市のいろいろな考え方、取り組む施策の順位など、いろいろな事情があると思います。今回の事例の寡婦控除などは、市長の答弁にありましたように本来は、国の政策制度ということで、税制に盛り込まれているものが発端になっています。昭和26年につくられた制度で、全国一律の取扱いとして生まれた、いわゆる戦争未亡人というのでしょうか、そうした世帯への施策でございます。実際に結婚の有無による差というのは今あると思いますけれども、これを全ての自治体ができていないということは、自治体による取組の差というのも生まれてくるのではないかというふうに私は思っております。
ですから、答弁にあったように、こういう問題というのは、全国どこに住んでいても同じ取扱いができるように国政の場で、なるべく早いうちに整理していただきたいと思っているところでございます。
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)2番、千葉美幸議員。
○2番(千葉美幸議員)再々質問で1点、寡婦控除についてであります。
先ほどの市長の御答弁と今の福祉部長の御答弁でも国の税制上の制度ということで一律に行われることが望ましいという内容でしたけれども、それができないから市町村で訴えて判断をしていただきたいと思っているのです。
保育料は負担能力に応じて徴収するものだと思っていますし、10万円というと、本当に子育てに係る費用をそれだけ削らなくてはいけない。同じ収入なのに、なぜそういう差が出るのかということを私は本当に差別だなというふうに思っております。そういう視点からも、先ほど世帯を聞いても10世帯ということでありますし、この10世帯の方々の保育料を減免するのが、財政にとってどれだけの影響があるのかということもしっかり示していただきながら、今後どうするか、もう一度御答弁をお願いしたいと思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)福祉部長。
○福祉部長(三浦波人)今回の寡婦控除の問題は、保育料はもちろんですけれども、議員もおっしゃっているように公営住宅の料金ですとか、そもそも税の負担も違ってきます。ですから、いろいろな範囲に及んでいるということですので、今回は保育料だけに焦点を絞って御質問をいただいておりますけれども、やはり全体の問題ではないかというふうに考えております。要は、婚外子の子供を持つ世帯の家計の問題、そうでない寡婦控除を適用されている家計と同じ収入でありながら、家計の状況に差が出てきてしまうという問題ですので、保育料だけに限らず全体の問題であるということで、市長の答弁どおりの考えで、私どももそういうふうに思っておりますので、御理解いただきたいと思います。
○議長(横田久俊)千葉議員の会派代表質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時27分
――――――――――――――
再開午後2時50分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、会派代表質問を続行いたします。
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)17番、佐々木秩議員。
(17番佐々木秩議員登壇)(拍手)
○17番(佐々木秩議員)民主党・市民連合を代表して質問します。
最初に、議案第22号小樽市自治基本条例案について質問します。
まちづくりの基本となるルール、小樽市自治基本条例案が提案されました。まちづくりの基本姿勢などを明らかにし、それを進めるための仕組みを保障するための条例を制定することは、有意義なことと考えます。これまでの市民とのまちづくりの実績を基礎として、情報共有と住民参加の原則に立脚してつくられた本条例案は、市民と行政、議会、相互の信頼関係を今まで以上に求めているのではないでしょうか。
まちづくりの目的は、そうした信頼関係に立って、まちの特徴や伝統、規模を生かして、市民一人一人が心豊かに温かみのある、住みやすい、安全・安心なまちをつくっていくことと考え、私たち民主党・市民連合は基本的に本条例案に賛成の立場をとるものです。
その上で、実効性ある条例、生きた条例にするために、質問、提案を以下のようにいたします。
1点目、この条例に期待するさまざまな市民や団体の皆さんの関心は高まっています。また、逆にこれまでたくさんの自治体がブームに乗るように自治基本条例、まちづくり基本条例をつくってきて、大変残念なことに、つくっただけで形骸化している実情を見て、本市においても同じ轍を踏むことになるのではないかと危惧する声もあります。
市長はかねてより、市民力の活用、市民との協働によるまちづくりを提案されてきました。その思いを具現化したものが本条例案だと思います。改めて、市長の思いや意気込みをお聞かせください。
また、この条例を制定することによって、何を目指すのか、本市や市民の生活の何が変わるのか、その効果についてもう少し具体的にお聞かせください。
続いて、条例案第12章、条例の位置付け等で、「この条例を最大限尊重し、この条例との整合性を図ります」としていますが、なぜこれを最高規範としないのか、お聞かせください。
多くの自治体の自治基本条例は、最高規範性があることを規定しており、その下に環境分野や教育分野などの各種基本条例の制定を目指すとともに、既存条例との整合性や整理、体系化を進めています。そうしたほうがわかりやすく、違反状態にならないように条例間を調整する際も混乱が生じないのではないでしょうか。
本市においても、既存条例との整合性や整理、体系化も今後重要になり、不断に条例、規則等の制定、改廃、チェックを行い、タイムラグや矛盾が生じないようにすることも求められます。市は、具体的にはどのように進められますか。
自治基本条例に密接に関連する主な既存条例名と、その関連性について説明をお願いします。
また、基本条例制定により、今後必要になると考えられる新規条例はありませんか。あくまでも可能性としてで構いませんので、お聞かせください。
例えば、市民の権利利益保護救済のための第三者機関を設置するためのオンブズパーソン条例、市民投票条例、子どもの権利条例が考えられますが、いかがでしょうか。
次に、総合計画との関係について伺います。
本条例案では、総合的な計画策定と他施策との整合性を図ること、必要に応じて見直しについて検討することを規定しています。総合的な計画をこの条例で定める意義、自治基本条例と総合的な計画との関係性について説明をお願いします。施行後、現総合計画を条例に沿って見直す考えはありますか。
続いて、参加及び協働の中で、住民投票についてなぜ市民ではなく住民なのでしょうか。
市民は定義で「市内に住所を有する者並びに市内において働く者、学ぶ者、事業活動を行う者」としていますが、小樽商大生をはじめ、市においてさまざまな活動に参加する大事な構成要員ではないでしょうか。
本案ではなく、事案ごとに定める投票条例で投票者を定めることは可能ではないでしょうか。
続けて、コミュニティについて伺います。
コミュニティの中でも町会活動の果たす役割は重要です。ところが、住民、とりわけ若年層の人口減、働く世代の労働環境悪化、多忙化で町会活動まで手が回らない状況で、住民自治活動への理解不足や無関心化が一層進み、固定化した高齢の役員が実質活動を支えておられるのが、大方の現状です。
条例制定に当たり、市の町会活動に対する今後の構想や働きかけについてお考えをお聞かせください。
また、「各コミュニティの情報交換のための体制整備、活動拠点の確保その他の必要な支援を行うよう努めます」となっています。まちづくりのための市民活動の拠点についての基本的な考え、設置、整備、運営について市の展望をお聞かせください。
札幌市では、市民まちづくり活動促進条例を制定しています。その中での大きな柱は、さぽーとほっと基金という市民まちづくり活動促進基金の設置です。これは市民から寄附金を募り、町内会、ボランティア団体、NPOなどが行うまちづくり活動に助成することで、札幌のまちづくり活動を支える制度です。これにより、寄附を通じてまちづくりに参加するという新しい参加協働の仕組みを生み出しています。本市においても、検討の余地があるのではないでしょうか。
行政組織運営については、まずは条例制定を機に縦割り行政の解消を進めていただきたい。市民生活は縦割りにはなっていません。市民活動も一つの活動が多岐にわたることがほとんどです。そのたびに、市役所の窓口、担当者がかわり、市役所内をさすらうことになります。
また、本市の地域住民活動は制定後はもっと活発になるはずです。行政としても、この住民活動を支援していくために、コミュニティ同士や道、その他の公的機関とをつなぐ事務局としての役割が求められます。
例えば、現在、それに近い役割を担う建設部に所属するまちづくり推進課では、ハード面が主で、これからのソフト面での役割には対応が難しくなります。そこで、条例案にも示されている効率的かつ機能的な組織の編成に当たる機構の改革や新設についての具体的案をお聞かせください。
続けて、提言書の策定委員会としての附帯意見の扱いについてお聞きします。
策定委員の皆さんもせっかくつくられた条例が絵に描いた餅にならないように心配されたのでしょう。附帯意見として何点か指摘されています。多くの事例を研究された皆さんからの御指摘ですから、真摯に受け止め、具現化すべきと考えます。
まず、附帯意見の中で、提言の内容に沿った自治基本条例の制定を望まれていますが、提言書からの主な変更点があればお示しの上、変更の理由をお聞かせください。
この件に関する市民からのパブリックコメントは2件と、必ずしも関心が高いとは言えません。わかりやすくさまざまな手段で市民のあらゆる世代への周知が必要です。今後の周知方法をお示しください。
周知、推進及び検証を行う市の部署を創設することを提言していますが、さらに条例見直しも含め、やはり条例の趣旨に沿って、市民、行政、私たち議会の代表と第三者による自治基本条例の実効性を高めていくための機関の創設を提案いたしますが、いかがでしょうか。
また、市が市民目線に立ったまちづくりを行うことが重要なことから、地域と行政がより密接な協力体制を構築するための制度の創設を求めています。このことに対する見解をお聞きします。
そして、この項最後になりますが、どれだけすばらしい仕組みをつくっても、やはり肝心なのは市民やかかわる団体、個人、市、議会、全ての人がここに示された理念に共感し、まちづくりに参加していこうという意識を持てるかであり、これは実効性を高めるかなめであると考えます。その観点で実効化についての市長のお考え、決意をお聞かせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)佐々木秩議員の御質問にお答えします。
ただいま、小樽市自治基本条例案について御質問がありました。
初めに、条例案の体系についてですが、まず条例に対する思いや意気込みにつきまして、私も市長就任前には自治基本条例の懇話会委員や策定委員として協議に加わっておりましたので、この条例の必要性を強く感じております。自治基本条例の制定は到達点ではなく、今後のまちづくりの出発点となります。自治基本条例が決して形だけの条例とならないよう、常に市民との協働、参画を念頭に置いた市政運営を進めてまいります。
次に、条例を制定することによる効果についてですが、この制定により市民生活において直ちに変化が現れるものではありませんが、市民、議会、市がそれぞれの情報を共有することにより、まちづくりに対する意識の醸成が図られることや、審議会等の設置に際し、公募による委員を加えるといったことにより、市民の意見が行政に届く機会が増えるといった効果が期待できます。
また、市民との協働や説明責任に対する職員の意識が向上することで、市民の視点に立ったサービスの提供が一層図られるものと思われます。
次に、なぜ最高規範としないのかについてですが、条例の実効性を高めるという考えの下、自治基本条例を条例の頂点に位置づけている自治体もあり、最高規範とすることに対してさまざまな考え方があります。本市では自治基本条例も市の条例の一つであり、形式的には他の条例と並列の関係にあると考え、最高規範という表現は用いておりません。
次に、既存条例等との整合性などを今後どう進めるかについてですが、他の条例や規則などの制定又は改廃に際し、本条例の担当と法制担当との連携を図ることはもちろんですが、本条例の庁内周知を行い、職員一人一人に条例の目的や趣旨を十分理解させ、自治基本条例と他の条例との整合性について意識が高まるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、自治基本条例と密接に関連する主な既存条例名とその関連性についてですが、既存条例ではまず小樽市情報公開条例と小樽市個人情報保護条例が本条例と密接に関連するものとして挙げられます。関連性につきましては、本条例にまちづくりの原則の一つとして情報の共有を掲げ、その具体的内容については別に条例で定めるとしておりますが、その条例が小樽市情報公開条例と小樽市個人情報保護条例となります。また、小樽市総合計画審議会条例をはじめとした各種審議会条例には、本条例に委員の公募について規定していることから、この条例が尊重されることとなります。
次に、条例制定により今後必要になると考えられる新規条例についてですが、現段階で想定している条例はありませんが、仮に住民投票の規定に基づき、市政に関する重要な事案について直接住民の意思を確認することとなった場合には、その事案ごとに必要な事項を規定した条例案を議会に提出することとなります。
次に、総合的な計画をこの条例で定める意義や関連性、現総合計画の見直しについてでありますが、平成23年5月の地方自治法の改正により、基本構想の策定義務が削除されましたが、本市では将来展望に立ち、市の施策を総合的に示す計画が必要であると判断して規定しました。本条例との関連性として、総合的な計画が将来へ向けたまちづくりの指針であるのに対し、そのまちづくりを進めるための基本的なルールを定めたものが自治基本条例であります。
次に、現総合計画の見直しについてですが、条例案では社会状況に大きな変化があった場合には、必要に応じて計画を見直すとしておりますが、現総合計画の策定以降、条例案を規定するような状況にはありませんので、現時点で現総合計画の見直しについては考えておりません。
次に、参加及び協働についてですが、まず住民投票における投票者につきましては、住民投票は市や住民全体に大きな影響をもたらすような事案を対象に行うものであることから、市内に住所を有する方に限定しています。
次に、町会活動に対する今後の構想や働きかけについてですが、昨今、町会活動においては、高齢化や会員の減少などにより活動に支障を来していると聞いておりますが、その一方で、防犯や防災など、さまざまな分野で地域における取組が重要になってきているものと認識しております。私としましても、公約の一つとして市民力の活用を掲げており、町会をはじめとしたコミュニティは重要であると考え、本条例にその旨を規定しておりますので、今後とも町会が行うさまざまなまちづくりの活動に対して支援してまいりたいと考えております。
次に、まちづくりのための市民活動の拠点についてですが、地域コミュニティの主体性、自立性及び地域性を尊重し、支援を行っていくためには、コミュニティ活動拠点の確保は必要であると認識しております。そのため、現在、町内会館の整備について助成を行うとともに、生涯学習プラザなど、公共施設における活動の場の確保を図っているところであります。
現在の本市の財政状況から新たな施設の整備は難しい状況にありますが、今後も市民の皆さんの活動に支障が生じないよう、既存施設の維持・管理に努めるとともに、地域の拠点となる施設に対して支援してまいりたいと考えております。
次に、寄附によるまちづくりを応援する仕組みの検討についてですが、札幌市のさぽーとほっと基金と同様の制度として、本市でも寄附金を財源として公共性の高いまちづくり活動へ助成を行うふるさとまちづくり協働事業を実施しております。御指摘の札幌市の助成制度につきましては承知しておりませんが、本市の制度との違いなどを調査してまいりたいと考えます。
次に、効率的かつ機能的な組織の編成についてですが、本市の組織・機構については、スリムで効率的な行政運営や市民サービスの一層の向上を目指して機構改革を行い、部の統廃合などを進めてきた一方で、社会経済情勢の変化に伴うさまざまな課題に対応できる体制を維持してきたところであります。現時点では今後の具体的な機構改革などの考えをお示しすることはできませんが、条例案や要望の趣旨を踏まえ、今後とも市民ニーズや行政課題に対応できる組織機構の見直しを図ってまいりたいと思います。
次に、策定委員会附帯意見の扱いについてですが、まず提言書からの主な変更点とその理由につきまして、庁内での議論により、第10章の安全で安心なまちづくりの条項について自治基本条例策定委員会の提言内容に自助と共助の規定を加えました。その理由としましては、市民の皆さんもみずから防災対策を講じていただくことや、互いに協力して地域の防災対策を進めることにより、減災につながると考え、規定したものです。
なお、本条例案については、策定委員会の提言内容を最大限尊重して作成したものであり、この加えた項目を除いては提言のあった項目を全て盛り込んだものとしております。
次に、今後の周知方法についてですが、市民との協働によるまちづくりを進めていくため、この条例の趣旨を十分御理解していただくことが必要であると考えております。これまでも条例について、広報おたるや市ホームページのほか、フォーラムの開催などでお伝えしてまいりましたが、今後は新たにパンフレットを作成するなど、多くの皆さんに御理解いただけるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、条例の実効性を高めていくための機関の創設についてですが、条例案では5年を超えない期間ごとにこの条例が小樽のまちづくりに適しているか検討を行うとしており、その際には市民の皆さんから御意見をいただくことも考えておりますので、現時点では御提案のあった機関の創設は考えておりません。
次に、市民目線に立ったまちづくりを行うことについてですが、職員に対してこの条例の周知を図ることで市民との協働や説明責任に対する意識の向上につながり、市民の目線に立ったサービスの提供が一層図られるものと期待しているところです。
次に、地域と行政が協力体制を構築するための制度の創設についてですが、協働のまちづくりを進めていくためには、市民の皆さんとの意見交換の場の充実に努め、認識を共有していくことが重要ですが、そのための協力体制として、どのような制度などが考えられるか検討してまいりたいと考えております。
次に、条例の実効性を高めていくことについての考えと決意についてですが、まずは小樽市自治基本条例の趣旨を多くの市民の皆さんに理解していただき、みずからがまちづくりの主人公であることを認識していただくことが重要であると考えます。私自身もその認識を共有し、本条例の制定目的である豊かで活力ある地域社会の実現に向けて市民の皆さんと協働してまちづくりに取り組んでまいります。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)17番、佐々木秩議員。
(17番佐々木秩議員登壇)
○17番(佐々木秩議員)2点目、カジノ誘致について質問いたします。
今回の補正予算の中に、第8回日本カジノ創設サミットin小樽開催補助金20万円が観光費として計上されています。カジノを含む統合型リゾート構想関連の所管がこれまでの総務部企画政策室から産業港湾部観光振興室にかわりカジノ誘致推進の会合に予算をつけるということは、本市が今までの方向性を示さない研究、情報収集という方針を転換するということです。総務部長が記者会見で、カジノを中核とする統合型リゾート施設誘致の実現に向けて取り組むという意思表示ですと述べていますが、まず市の考えている統合型リゾート施設とはどのようなものを想定されているのか、特にその中でのカジノの位置づけについてお聞かせください。
また、実現に向けて取り組むとは具体的にどのような内容を指すのか、今後そのためにどのように進めていかれるつもりなのか、お示しください。
そして、なぜこの時期に今までの判断を超えて誘致の意思表示という判断をしたのか、理由をお聞かせ願います。
これまで、カジノ誘致については、私たち民主党・市民連合は次のように主張してきました。小樽のまちは、市の進めるまちづくりの一方、小樽運河保存運動以来、雪あかりの路など小樽再生を目指す市民の手によるまちづくりの歴史がある。水と緑と歴史のまちづくりを旗印に、先人が残した貴重な歴史遺産を再生し、その落ちついたたたずまいや雰囲気が小樽ブランドというものを形成し、全国有数の観光都市へと変えてきた。また、そうした小樽の持っている特性に共感して、小樽市民はもとより、訪れる観光客をはじめ、多くの小樽ファンとも言える市外の応援団が支えてくれている。こうして築かれ、守られてきたこのまちの歴史、自然、文化が小樽観光の質を高め、市民のための住みやすいまちづくりにつながってきた。そうしたこれまでの流れや積み重ねとカジノは相入れない。カジノはいかに飾ってもとても質の高い観光資源とは言えないし、そのような場所では市民一人一人が小樽観光の主役などにはなりようもない。市として慎重に検討をいただきたいという内容です。
一方、過去の議会内での市側の答弁は、市民の幅広い意見を聞きながら、誘致の是非については慎重に検討していく。合法化され、誘致について市民の合意が得られるならば、今後、官民一体となって積極的に誘致を進めていきたい。市として、北海道をはじめ、各種団体との情報との共有、情報収集を図るとなっています。
これらの答弁と今回の推進意思表示との整合性についてお聞きします。
1点目は、答弁では国の法律が改正されることが推進の最低条件の一つのはずです。なぜ法律の整わない現段階で誘致実現に向けての意思表示を行うのか、その整合性について見解を求めます。
2点目は、これまでカジノ誘致についてメリット、デメリットその他を情報収集、研究調査されているはずですが、その内容が市民や議会に事前に開示されることもなく、決定だけが意思表示されるというのは市民の合意を得るという答弁に反するのではありませんか、お答えください。
まずは、その内容と庁内議論経過、成果、分析は一体どうなっているのか、特に今回、市としての是か非かを慎重に判断した結果、誘致実現に向けて取り組むことになった重要な判断材料は何ですか、明らかにしてください。
また、市民合意について、もう少しお聞きします。
市としては、既に幅広く市民の声を聞き、市民合意を得たとお考えでしょうか。それならば、いつ、どこで得たのか、お示しください。
それとも、これからの市民による議論で合意を得ていくとお考えなら、どのような方法で幅広い市民の声を聞く場を持つのか、お示しください。
その中で、もし市民の合意が得られなかったと判断される場合は、また、それ以外の要因でも再検討はあり得ると考えますが、いかがでしょうか。
例えば、カジノ誘致のデメリットに対する国の対策が不十分な場合や、市の負担が予想を上回る場合などが考えられます。要はここでいったん意思表示をしたからには、誰が何と言おうともカジノを含むIR構想実現に突き進むのか、幅広い議論の結果、推進再検討もあり得るのかということです。
私たちは、現段階で今回のカジノ誘致推進の判断に市民合意を得られているとは思いません。市民の皆さんにとって今回の提案は非常に唐突感、困惑を持って受け止められています。その意味で、今定例会に提案されている自治基本条例案の趣旨である市民への情報公開や協働の姿勢がいきなり問われています。自治基本条例案の観点から、今回の進め方について市長の見解を求めます。
さらに、自治基本条例案の中で、風格ある観光都市としてあり続けること、豊かな自然環境、歴史的景観等の小樽市の特性を生かし、魅力あるまちづくり施策の推進に努めること、また、まちづくりに関する施策の実施に際して、この条例を最大限尊重し、この条例との整合性を図ることとなっていますが、どれだけIRというオブラートに包んでいても、カジノはカジノです。それを小樽につくることと条例案の整合性をどのように考えておられますか。
私たちは、カジノ誘致については、市の観光行政の一大転換を迫る重要な議論になると押さえています。市民はもちろん、本市の文化、伝統、歴史を重んじたまちづくりに共鳴して多額の寄附をいただいている小樽ファンをはじめ、市外の多くの皆さんもこの問題に対する小樽市の姿勢を注視しています。よって、カジノを含む統合型リゾート誘致については慎重かつ丁寧に検討していくことを求めます。見解を伺います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、カジノ誘致について御質問がありました。
初めに、これまでの議会答弁との整合性についてですが、まず市の考えている統合型リゾート施設につきましては、一般的にカジノだけではなく、レストランやバー、ショップ併設のヨーロッパ型、ホテル機能を加えた併設型、さらには商業施設や文化、芸術施設を併設した複合型などが想定されておりますが、本市におきましても、これらのうちのいずれかに近い施設になるものと想定しております。その中で、カジノは法の下で厳格な制約を受ける大人の社交場として位置づけられるものと考えております。
次に、カジノを中核とする統合型リゾート施設誘致の具体的な内容と今後の進め方についてですが、北海道に対して小樽国際観光リゾート推進協議会と誘致候補地としての位置づけを要望していくとともに、国会へ提出される法案などの関連情報の収集に努め、誘致に向けて必要な取組を進めてまいります。
次に、意思表示の判断の時期についてですが、秋の国会でいわゆるIR推進法案の提出が予定されていることや、道内他都市でも誘致に向けた取組がなされている中、今後誘致活動を進めていくためには、第8回日本カジノ創設サミットin小樽が開催されるこの段階で、北海道に対して意思表示をすることが必要であると判断したためであります。
次に、なぜ法整備がされていない段階で誘致に向けての意思表示を行うのかとのお尋ねですが、もちろん法制化されていない以上、現時点で最終的な判断はできませんが、カジノを含むIRリゾートによる地域経済への効果が期待できることや、道内他都市が誘致に名乗りを上げたことなどを踏まえ、誘致実現に向けた取組を進める段階と判断したものであります。
次に、市民合意についてのお尋ねですが、現段階でカジノを含むIRの誘致活動を進めてまいりますが、最終的な決定をしたとは考えておりません。今後は1人でも多くの市民の皆さんにIRに対する理解を深めていただくために、情報提供に努めてまいりたいと考えております。
次に、IR誘致の内容等についてですが、内容はまず、本市を北海道の誘致候補地の一つに位置づけられるよう、北海道に対し要望することになります。
庁内議論経過については、平成20年から企画政策室を中心に会議を行ってきましたが、本年7月23日に小樽国際観光リゾート推進協議会からサミットへの補助金とIR誘致の要望があったことを受け、今定例会に補正予算を提出し、IR誘致に向けて取り組むこととしたものです。
IR誘致の成果、分析については、法案の詳細が明らかにされていない現段階ではお示しすることはできません。市として誘致実現に取り組むこととした判断材料は、地域経済への効果が期待できることや、秋の国会でIR推進法案の提出が予定されていること、10月に本市でサミットが行われること、道内他都市が北海道に対し候補地への要望をしたことなどから、これらの状況を総合的に判断したものであります。
次に、市民合意についてですが、市として幅広く市民の意見を聞き、市民合意を得たと考えているのかとのお尋ねにつきましては、市民合意を得たとは考えておりません。今後、国会へ提出される法案などの関連情報を市のホームページに掲載するほか、小樽国際観光リゾート推進協議会とともに説明会などを開催し、市民の皆さんにIRに対する理解を深めていただきたいと考えております。
次に、再検討が想定される場合の対応についてですが、市としてデメリットが大きいと判断した場合で、例えば市の大きな財政負担を伴うなど、現在承知しているIR推進法案の内容が大きく変わることが判明したときは、誘致活動から撤退することもあり得るものと考えております。
次に、自治基本条例案との整合性についてですが、まず自治基本条例案の観点からのカジノ誘致にかかわる進め方につきまして、今回提出しましたのは、あくまでも第8回日本カジノ創設サミットin小樽開催補助金の議案であり、これを契機に誘致の取組を進めてまいりますが、同時に情報の収集、提供に努め、議会や市民の皆さんの幅広い意見も伺ってまいりたいと考えております。したがいまして、自治基本条例案の趣旨に反するものとは認識しておりません。
次に、カジノと自治基本条例案についてですが、法の下で厳格な制約を受けたカジノを含むIRは、シンガポールなど世界各国の例を見ましても、観光都市を演出する大変すぐれた第一級のリゾート施設となっております。また、本市の特性である豊かな自然環境や歴史的景観等にマッチしたIRをつくっていくことも十分可能であると考えておりますので、自治基本条例案における魅力あるまちづくりとの整合性は図っていけるものと考えております。
次に、カジノを含む統合型リゾートの誘致についてですが、私といたしましては、議会や市民の皆さんにIRに対する理解を深めていただくため、IRに関する情報を積極的に提供してまいります。また、秋の国会に提出される予定のIR推進法案の内容を十分精査するとともに、法案の審議過程等について注視してまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)17番、佐々木秩議員。
(17番佐々木秩議員登壇)
○17番(佐々木秩議員)3点目、学校給食と食育について伺います。
社会情勢と食は密接に結びついています。雇用情勢の厳しさ、勤務対応の24時間化、労働条件の悪化、収入減少による家庭へのしわ寄せ、核家族化、少子化と相まって子供の孤食化がさらに進み、家庭の教育力の低下、特に食の大切さが伝わらないことが問題となり、食育という言葉がクローズアップされ、2005年、国において食育基本法が成立し、小樽市もそれを受け実施期間を2011年度から2015年度までとする小樽市食育推進計画がつくられました。まちづくりは人づくり、市民の健康で健やかな心身の維持向上にかかわる食、食育が果たす役割は大きいものがあります。計画が動き出し、さまざまな取組がされてきたと思いますが、本市における経過とここまでの成果をお示しください。
特に、食事と子供たちの心と体への影響とその中でも学校給食の果たす役割について市長の御認識をお聞かせください。
その上で、保健所では学校給食の内容等を把握されていることと思いますが、食育推進計画から見た現状についてその目的内容にのっとったものとなっているでしょうか。今後の改善点などがあれば、見解をお聞かせください。
また、教育長には学校給食センター稼働を機に、食育について、特に教育としての学校給食をどのように捉えておられるのか、また、今後の方針についてお聞きしたいと思います。
次に、食育と学校給食での地場産物活用について伺います。
第2回定例会の経済常任委員会で、消費者の魚離れ対策に学校給食での地元でとれる水産物の食材利用について質問し、さらに市内地場産品の給食での利用状況についてお聞きしたところ、小樽の食材を使った日を目指しているとのことでした。確認のために学校給食食材の地域別産地について直近の例でお示しください。
国の第2次食育推進基本計画では、地場産物活用率の向上を目標達成の指針の一つとしています。道のどさんこ食育推進プランでも、地場産物を積極的に活用することとして、地元の生産者などの協力を得て契約栽培や共同購入を進め、安定供給できる体制づくりを促進しますとあります。それにもかかわらず、本市においては地元食材の使用が非常に少ないようです。その理由をお聞きします。
また、市が考えている地場産物とはどの範囲のものを指しているのでしょうか。私は基本的に生産者の顔が見える、市内で生産される、広くても後志産のものを指すと思うのですが、どうでしょう。
さまざまな理由はあるにせよ、国、道、市の考え方からいけば、単に道産品を使えばよいではなく、できるだけ近くの顔が見える生産者のものを使った小樽の食材利用を増やすべきと考えますが、いかがでしょうか。
続けて、学校給食の安全・安心についてお聞きします。
食育推進計画では、市が食品関連事業者に安心、安全な食品の提供を求め、市民がそれを受けることで健康的な生活を送れることを目標にしています。その観点から、学校給食では食品添加物、遺伝子組み換え作物、抗生物質の使用過多、残留農薬、BSEが心配される輸入牛肉の扱いは現在どのようになっているのか、お聞きします。
将来、我が国がTPP、環太平洋戦略的経済連携協定に参加した場合、食品の安全検査方法など食の安全にかかわるさまざまなルールの統一が迫られ、貿易障壁になるとの指摘で外国に合わせて日本のルールを緩和、撤廃することになるかもしれません。残留農薬基準の引下げ、ポストハーベスト農薬の使用許可、遺伝子組み換え作物の輸入拡大、食品添加物使用規制の緩和などが心配されます。そうなると、大量安価にそれらの食材が国内に流入することになりますが、その際、本市の学校給食の安全性は守られるのか、大変心配されます。市教育委員会はこの件についてどのような見解をお持ちでしょうか、お聞かせください。
ここでも生産者の顔の見える地元の食材利用は、食の安全・安心に直結します。コスト削減を一方的に優先し、食の安全性がないがしろにされることのないよう強く求めるものです。
給食の残食について伺います。
ある意味、給食の食べ残しの量は、提供する側の姿勢や思い入れと食べる側の子供の気持ちやその背景とのバランスで決まるのではないかと思っています。小樽市の給食残食の状況を、残食率等の数値でお示しください。
特徴や原因分析と残食を減らす工夫や対応はどうなっているか、この面で学校給食センターの果たす役割をお聞かせください。
その中で、食に関する体験活動を通し、生産者と直接触れ合うことで食べ物を大切にする気持ちを育て、残食を減らす取組も各地で行われています。それについては、どのように考えられますか。
また、地元農林漁業者の協力を得た体験教育、食育の学習指導例はありますか。あれば、その概要と成果について報告してください。
残食を減らすためにクラス対抗で競わせたりしていたことが、アレルギーによる死亡事故の遠因となったなど、クラスでの指導はなかなか難しくなっていると思いますし、いろいろな取組を経ても残食が出るのは仕方がない面があります。
そこで、給食残食は、どのように処理されていますか。
その処理費用はどのくらいになりますか。
また、国、農林水産省も食育の推進の一環として、食品循環資源の再生利用等に関する体験活動を推進していますし、本市でも研究の余地があると考えます。残食の堆肥化や飼料化、バイオ発電など活用方法はないのでしょうか。
この項最後に、小樽の子供の食育のために地場産食材の活用と体験学習の導入は大事な要素です。食育推進は保健所、学校給食は教育委員会、農林漁業者、食品関連事業者等、関係機関は産業港湾部の所管とそれぞれなっていますが、一層連携を密接にして活性化すべきと考えますが、いかがでしょうか、市長のお考えをお聞きします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、学校給食と食育について御質問がありました。
初めに、食育と地場産物活用についてですが、まず食育推進計画の経過につきまして、本市では平成23年度から5年間の食育推進計画を策定し、その後、食にかかわる団体や市民で構成された食育推進連絡会が中心となって食育の取組を進めております。
今までの成果についてですが、平成24年度のアンケート調査では、家族の誰かと朝食を食べる子供が増加し、朝食の欠食が減少している結果となっております。また、キッズクッキングやプロから学ぶ食育講座などの取組件数が増加しており、食育について関心がある市民が増加しているものと認識しております。
次に、学校給食の果たす役割についてですが、学校給食はバランスのよい食事をとることができ、さらに友達と食事を楽しむという効果もあり、子供たちの心と体にとって重要であると認識しております。
次に、食育推進計画から見た学校給食についてですが、食育推進計画の目標指標として、食事バランスガイドの普及や生活習慣病の予防を挙げていることから、学校給食の内容はこの目標と合致していると認識しております。
次に、食育推進の活性化についてですが、今後も食育推進連絡会を通して、それぞれの団体で事業を充実していただくことにより、活性化が図られるものと認識しております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)佐々木秩議員の御質問にお答えいたします。
学校給食と食育について何点か御質問がございました。
まず、教育としての学校給食の位置づけでありますが、学校給食は児童及び生徒の心身の健全な発達と、食に関する正しい理解と適切な判断力を培う上で、重要な役割を果たすものであると認識しております。
私としては学校給食センターの開設を機に、温かくおいしい安全な給食を迅速に子供たちに届けるとともに、施設の見学スペースを利用して子供たちに給食がどのようにつくられているのかを見てもらうことで、つくる人への感謝の気持ちや食べ物の大切さを学ぶなど、食育教育を推進する施設として活用を図ってまいりたいと考えております。
次に、学校給食食材の地域別の内訳でありますが、本年7月に使用した食材では、豚肉、鶏肉は全て道内産で、野菜は後志産が3.9パーセント、その他道内産が85.7パーセント、道外産が10.4パーセントであります。また、主食であるパン用小麦は全て道内産、米は全て後志産となっております。
次に、地元食材の使用が少ない理由についてでありますが、学校給食では限られた食材費の範囲の中で大量の食材を安定的に供給を受ける必要がありますことから、野菜については小樽産を確保することが困難な状況にあります。水産品のうち、生魚はこれまで使用しておりませんが、ちくわやかまぼこなどの加工品は地元企業の製品を使用しております。なお、魚のフライ用の加工品は、価格面や品質にばらつきがあることから、恒常的に使うことは難しいものと考えております。
次に、市が考えている地場産品の範囲についてでありますが、学校給食においては生鮮品などは小樽市内でとれたもの、加工品などは小樽市内で加工されたものを地場産品と扱っております。
次に、小樽の食材を増やすことについてですが、学校給食センターでは新たな調理機器を導入したことで、これまで使用できなかったサケの空揚げ用加工品を市内加工業者から納入可能となったことから、今後、他の加工品についても使用に向けて情報収集してまいります。また、野菜や水産品の確保についてJA新おたるや小樽市漁協などとも価格面や供給面の協議を進めながら、地元食材の導入に努めてまいりたいと考えております。
次に、学校給食の安全・安心についての御質問がございました。
まず、食品添加物、遺伝子組み換え作物などの取扱いについてでありますが、現在、食品添加物が懸念されるしょうゆやみそなどについては、成分表を確認し、無添加又は極力少ないものを使用しております。また、遺伝子組み換えが懸念される大豆やトウモロコシについては、成分表で確認の上、遺伝子組み換えでないものを使用しております。さらに、抗生物質の使用過多が懸念される外国産肉類や残留農薬が疑われる外国産野菜及び輸入牛肉については使用しておりません。
次に、TPPに参加した場合の学校給食の安全性の確保についてでありますが、現在、国においてTPP交渉に参加しておりますが、その交渉内容について判明しておりませんので、学校給食センターとしては、これまで同様、極力安全な食材の確保に努めてまいりたいと考えております。
次に、給食の残食について何点か御質問がございました。
まず、本市の給食残食の状況についてでありますが、食材の全重量に占める残食率は、本年7月の実績では小学校で20パーセント、中学校で28パーセントであります。
次に、残食の原因分析や学校給食センターの役割についてでありますが、残食の原因としては、冷めてしまったものや嫌いなものを食べない傾向にあること、食生活の変化などから煮物などの和食を食べなくなっていること、さらには新しいメニューは食べなれるまで残食が多いことなどが挙げられます。今後、学校給食センターでは温かな給食を迅速に学校に届けることや、魅力あるメニューを工夫すること、栄養教諭や担任による、つくった人への感謝の気持ちや食物の大切さなどの食育指導を通して、残食を減らすよう取り組んでまいります。
次に、食に関する体験活動についてでありますが、現在、小樽市内の小・中学校では、社会科での市内かまぼこ工場やインスタント食品工場の見学、総合的な学習の時間を活用した稲作体験やブドウ栽培、宿泊研修では稲作や畑作体験、修学旅行ではリンゴの花摘み体験などを行っております。これらの体験活動を通して、生産者への感謝の気持ちや食べ物を大切にする心を育み、子供たちが給食を残さず食べてあげようという意識になることが期待できると考えております。
次に、残食の処理やその費用についてでありますが、残食については事業系一般廃棄物として廃棄物処理業者に処理を委託しております。平成24年度実績でオタモイ、新光両共同調理場の残食処理委託料は年間約35万円となっております。
次に、給食残食の活用方法についてでありますが、現在、学校給食センターでは残食を事業系一般廃棄物として処理しておりますが、今後、堆肥化や飼料化など残食を再利用している他都市の状況やその内容について調査研究してまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)17番、佐々木秩議員。
(17番佐々木秩議員登壇)
○17番(佐々木秩議員)4点目です。
広報広聴課撮影の記録写真について伺います。
大多数の皆さんがカメラで、また携帯電話の機能で身近な人の様子やきれいな景色を記録に残そうと写真を撮っておられるのではないでしょうか。写真という媒体は、それが発明される以前の文字や口承、絵画でしか伝えられなかった時代と比較にならないほど、正確に膨大な情報量を後世に伝えてくれるようになりました。本市においても、明治初期からさまざまな人たちが写真を撮影し、その一部が残っており、北海道近代化のトップランナーとしての小樽の姿を伝えています。
北海道新聞小樽支社が発行されている小樽なつかし写真帖、小樽なつかしの昭和アルバムなどで見る昔の小樽のまち並みや市民生活の様子は、多くの市民の皆さんに改めて本市の歴史・文化への関心と愛着を呼び起こしています。
その中で使われている写真のうち、広報広聴課が戦後撮影してきた広報用の記録写真があります。保管されているものを見せていただきました。ネガフィルムの状態で推定10万枚、市の行事や学校の様子など、その時々の世相を文字どおり写してきています。例えば、過去に何度か開かれた小樽博覧会、お祭り、スキー国体などの行事、姉妹都市ナホトカの話題など、時代は昭和26年から平成14年までフィルムカメラが使われなくなるまでのもので、これ以上増えることはありません。
見せていただいて大変心配になったのは、このネガの保存状況です。現状、大部分は本館4階の書庫のキャビネットや段ボール箱に入れられて置かれています。本来、フィルムやプリントの保存環境は、劣化を防ぐため光と空気を遮断するのが原則です。また、湿気、ほこりなどがなく、室温ぐらいで温度差の少ない場所を選んで保管することになっています。湿気によりフィルムにカビが生えたり、ネガアルバムにフィルムがくっついてしみが残ります。これからいくと、本館4階書庫は室温差が夏冬で大きく、ほこりだらけで、今後、庁舎の老朽化で雨漏りが心配されるなど保存環境としてよくありません。聞けば、庁内でも、このままではせっかくの貴重な資料が朽ち果ててしまうのを見ているばかり、何とかしたいとの声もあるようです。
広報広聴課の皆さんが長年にわたって記録してきた写真資料の価値や評価を認め、若しくは後世に評価が定まるまでこれらの保管活用等について検討していただきたく、以下についてお聞きをします。
まず、市長は小樽の歴史や市民生活の記録のうちでも、写真資料についてどのような認識をお持ちですか。特に、この広報広聴課の写真ネガフィルムの価値をどのように押さえていますか。
歴史的文化財的価値、教育用教材的価値、観光商業的価値などが考えられますが、どうでしょう。
これらの写真は、時代的に戦後の昭和、いわば近過去に当たり、今はあまり貴重と思えないかもしれません。しかし、先日寄贈され公開されたオタモイ遊園地の映像のように、何げない家族旅行の様子を映したものが今は失われた当時の貴重な記録資料になっているように、少なくとも後世に価値を見いだすまできちんと保管しておかなければ、さきにも述べたとおり、今の環境のままでは劣化退色が進んでしまいます。早急な対応が必要です。保管、保存について改善を求めます。お考えをお示しください。
参考のために、小樽市総合博物館の写真等の保存・活用の状況についてお尋ねしたところ、昭和31年の博物館開館以来、小樽の生きた歴史の語る貴重な資料として活用することを目的として、市民や小樽ゆかりの方々から寄贈していただいた明治、大正、昭和の写真が乾板でおよそ3,000点、ネガフィルムでおよそ1,000本程度保有し、フィルム類は湿度管理ができる収蔵庫で保管し、これらを全て紙焼きの状態に処理をした後、デジタルデータで保管し、現在およそ1万6,000枚の写真をデジタルアーカイブとしてパソコン上で検索ができます。このデータは来館者だけでなく、多くのマスコミ、研究者にも大変多く活用されているとお聞きしました。
その上で、広報広聴課のネガ、写真の使用活用の可能性について伺います。
現在、これらが使われている例はあるのか、誰がどのように利用されているのでしょうか。
ある編集者の方にお聞きしたところ、活用しやすくするために、まずはリスト化することだそうです。日付、場所、内容を一覧表にすること、それによって市職員、市民や団体、事業者も活用しやすくなるそうです。
博物館の寄贈写真は、年代、場所がわからず、整理、キーワード検索化の作業が大変困難で、専門の知識が必要でしたが、広報広聴課の写真は年代別に整理され、日付、撮影内容も記録されていて、リスト化はある程度機械的に可能だそうです。まずは、できるところから始められてはいかがでしょうか。そして、できればデジタル化も進めていただきたいと思いますが、どうでしょう。
また、今後の活用法ですが、例えばデータを地域に還元し、地域遺産として地域、町会の活性化の一助に活用できます。まちの歴史を調査、文書化されている郷土史家の方も利用できるでしょう。お考えをお聞かせください。
この項最後に、将来的に他市にもあるような歴史的・文化的価値を有する文書及び資料類の収集及び保存に関する規程の制定や、歴史的価値を有する公文書や資料の適正な管理、保存・活用のための公文書館、若しくは市政資料室の設立の検討をお願いしたいのですが、いかがでしょうか。
以上、再質問を留保して質問を終えます。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、広報広聴課撮影の記録写真について御質問がありました。
初めに、記録写真の価値と保存についてですが、まず写真資料については、文章だけでは表すことのできない多くの情報を含むことから、資料として有効で価値の高いものと認識しております。
また、広報広聴課の写真は大部分が市の施策等についての広報を目的として撮影されておりますが、中には撮影当時の小樽のまち並みや市民生活の様子を伝える写真もあり、歴史的、文化的価値があるものも多数あると考えております。
次に、ネガフィルムの保管、保存の改善についてでありますが、市庁舎内のスペースの問題により、当面は現在の場所で保管せざるを得ませんが、空気密閉性のある容器への収納や書庫内の清掃などに気を配るなど、できるだけ望ましい条件の中で保存に努めてまいります。
次に、リスト化、デジタル化、活用法についてですが、まず写真やネガフィルムの活用例につきましては、市の周年行事の際の広報誌の特集記事などに利用しているほか、北海道新聞小樽支社とどうしん小樽販売所会が発行しております小樽なつかし写真帖や小樽なつかしの昭和アルバムの資料として提供しており、編集委員の方へネガフィルムの貸出しを行っております。
次に、ネガフィルムのリスト化についてですが、昭和26年から39年までの分は撮影日や撮影内容をネガ整理簿という形で整理しておりますので、今後も順次進めていきたいと考えております。
また、デジタル化につきましては、枚数も膨大であり、ネガフィルムの歴史的・文化的資料価値についての判断も必要となりますので、学芸員や郷土史研究家などと連携を図りながら、今後、時間をかけて検討してまいりたいと考えております。
次に、広報広聴課撮影の写真の今後の活用ですが、写真の活用は利用者それぞれの関心や目的に応じたものとなりますので、一概に活用法を述べることは難しいところですが、現在も希望者には劣化状態を見ながらネガフィルムや写真などの貸出しを行っておりますので、地域の皆様には今後とも有効に活用していただきたいと思っております。
次に、歴史的・文化的価値を有する公文書及び資料類の収集及び保存に関する規程の制定についてですが、保存年限を過ぎた写真やフィルムを含めた公文書で歴史的価値を有すると判断されるものについては、その保存をするためのルールづくりについて他市の状況を参考にしながら、今後、研究してまいりたいと考えております。
また、公文書館や市政資料室の設置につきましては、その設置場所が外部の場合には土地の確保の問題、内部の場合にもスペース上の問題があるほか、職員配置を含めた維持管理経費の負担も考慮しますと、現状におきましては、その設置は難しいものと考えております。
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)17番、佐々木秩議員。
○17番(佐々木秩議員)再質問を何点かさせていただきます。
まず、自治基本条例についてですが、周知方法について幾つか挙げていただきましたけれども、パンフレットその他も大変重要ですし、ホームページもやり方としてはわかりますが、やはり今までのこういうやり方ではパブリックコメント2件というところから脱出していくのはなかなか大変ではないかと思います。
私が思うに、そういう媒体にばかり頼らない、一方的にこちらから示すばかりではなく、例えばまちづくりにかかわる団体、それから集まりのあるところに職員の皆さんが積極的に出ていかれて、直接双方向のやりとりで説明する、そして意見を聞いてくるというような取組が大事なのではないかと思いますが、そういう方法についてはいかがでしょうか。
カジノ誘致についてお聞きします。
カジノ誘致の中で、いろいろとたくさんあるので、また別の機会にはなると思いますけれども、ここでお聞きしたいのは、再検討する場合の判断について、市が予算などの理由で撤退するというようなことはあり得るという御答弁ではありましたが、肝心のところの市民合意が得られなかった場合については判断の材料にならないのか、そこをもう一度御説明をお願いしたいと思います。
それから、給食、食育について、聞いていて、安定供給、きちんとした材料、食材を大量にそろえるのはやはり非常に難しいのだと。学校給食センターをつくるに際しては、共同調理場方式でつくるという論議の中で、食材を少数でもいろいろと工夫して集められる自校方式の調理場を求める声もあった中で、今回、共同料理場方式という選択をされています。そうであれば、国や道も食材について地場産品を使うことをこれだけ推奨している中でその判断をされたのですから、やはり何とか工夫等をして材料を地場産品で集める御努力をさらに続けていただけるようにお願いしたいと思います。
お聞きすれば、パンの小麦は道産のものを、それから米は後志産のものを使っているということですので、その部分ではずいぶんと地場産品を使っていると思います。一方、野菜の確保が難しいということで、先ほど数値で一桁台のパーセンテージで非常に残念だったのです。主食の部分でもう少し地場産品をしっかりと使っていけるという部分で、米飯の給食が、今、週2回ということになっています。国の基準では、もっとたくさん給食の中に米飯給食を採用するということがたしか示されていたと思いますけれども、その観点から言うと、後志産の米飯を使える給食、米飯給食の回数をもう少し増やすべきだと考えますが、その点についていかがでしょうか。
米飯給食については、私もパンは大好きですし、日ごろから食べますけれども、殊、子供の給食、食材として、パンの場合、例えば油脂を使う、それから砂糖を加える必要があるという中で、子供の肥満傾向などの問題もあるということで、その点、米飯の給食についてはそういう心配もなければ、後志産のものを使うことができるというふうになります。米飯の給食の回数をもう少し増やすお考えがないかどうかお聞きします。
写真については、密閉容器を使って、それから清掃等もしていただけるということで、当面そこのところはわかりました。ぜひ、場所、温度をきちんと保たれるようなところ、保管方法について今後も取組をお願いします。
それから、リスト化について一つだけ。リストをつくるときに、今までやってきたというものがあるとのことですが、できればそれをコンピュータでエクセルなどに入れておいていただけると、検索等の使い方ができるのではないかと思います。エクセル等の表計算ソフトに入れるということも考えていただけないかと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)佐々木秩議員の再質問にお答えいたします。
まず、自治基本条例の周知についてでありますが、先ほど申し上げましたパンフレット等というのは、一つの方法であって、あらゆる機会を通じて市民の皆様に周知していきたいと思っているところであります。
それから、カジノにつきまして、1点御質問がありまして、要するに撤退するというのは市民合意も含むのではないかという話でありますが、当然、今、IR推進法という法律ができていない状況でありますので、この法律がどういう形でできるのかといったことがまず第一だろうというふうに思っております。そのIR法案ができた段階で、もし市として進めていくということであれば、当然ながら市民の皆さんにIR法を理解していただきたいと思っておりますけれども、その結果、市民の皆さんの合意を得られないということであれば、そういったことについては撤退せざるを得ないだろうというふうに思っているところであります。何よりも市民の皆さんがどういうふうにお考えになるかということがやはり一番大事なところだろうというふうに思っておりますので、御理解いただきたいと思います。
それから、給食については、教育長から答弁いたします。
それから、記録写真の保存、その他につきましては、密閉性のある容器、そしてこの写真は非常に大事なものでもありますし、価値のあるものでありますから、この保存についてはしっかりと守っていきたいと思いますし、それからリスト化につきましては、今、佐々木秩議員がおっしゃったような形でできるのかどうか、そういったことも含めて取り組んでまいりたいと思いますので、御理解いただきたいと思います。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)佐々木秩議員の再質問にお答えいたします。
それから、米飯給食についても、できるだけ増やしたいという気持ちがありますが、それをやるとすれば、米飯は今、委託していますので、その委託料が高騰するということになりますので、価格面でどう回数を増やして全体の給食費が値上がりしないように、どう抑えていくかという兼ね合いもございますので、もう少し検討させていただきたいと思います。できるだけ増やす方向では検討していきたいとは思っていますので、その辺の全体の給食費との兼ね合いの中でどう調整するかということをもう少々時間をかけて検討させていただきたいと思っています。
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)17番、佐々木秩議員。
○17番(佐々木秩議員)各案件ともよろしくお願いいたします。
これで終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)佐々木秩議員の会派代表質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後4時15分
――――――――――――――
再開午後4時40分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、会派代表質問を続行いたします。
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)6番、安斎哲也議員。
(6番安斎哲也議員登壇)(拍手)
○6番(安斎哲也議員)一新小樽を代表して、質問いたします。
初めに、今定例会に上程された土地開発公社の解散と土地開発基金の廃止に係る改正条例案に対し、質問いたします。
国は、地方公共団体財政健全化法の全面施行を機に、第三セクター等改革推進債という債務の整理手段を創設して、第三セクター等の抜本的改革を進めることにしました。第三セクターへの負担は、規模によっては数字上健全財政を維持してきた地方公共団体を一気に財政健全化団体や財政再生団体に転落させることもあり得る非常に注意すべきリスク要因です。三セク債は平成21年度から25年度までの時限的な特例措置で、後になって三セク債のような手法が必要になっても、活用できるものではありません。この背景から全国や道内の自治体でもこの三セク債を活用し、土地開発公社の解散などの手続が進められ、公社の負債は、道内では旭川市が約42億円、釧路市が約19億円、室蘭市が約33億5,100万円、千歳市が約53億円、江別市が約27億円などとなっています。
小樽市においても、平成25年度までの特例措置にあわせて今定例会に上程されましたが、道内各市の状況と比べると、小樽市が放棄する額は3億5,540万円で、三セク債の起債額も5億5,000万円と低い状況にあります。
まず、ここで伺いますが、他都市と比較して小樽市の公社の負債額が小さい要因をお聞かせください。
また、平成21年度の三セク債創設後、土地開発公社の解散と土地開発基金の廃止について検討されてきたと思いますが、最終年度の25年度の上程となった要因をお示しください。
三セク債の償還について、国は財政健全化の効果、実質公債費比率及び将来負担比率の将来の見通し、当該地方公共団体の財政規模などを総合的に勘案して、必要な最小限の期間とすることとし、10年以内を基本とするとしています。これまでの質疑の中で出ていますが、通告どおり質問いたします。今回の5億5,000万円の償還計画と健全化判断比率への影響をお示しください。
そもそも、今回の土地開発公社の解散や土地開発基金の廃止における財政負担については、先人たちが取得した財産の尻拭いとなります。公社と基金で用地を取得したものの中には、売却予定のものや当初の目的どおりに利用するものがあるとされていますが、今、考えると、残っている保有地は本当にその目的に適していたかというと、大変疑問に思っていますが、いかがお考えでしょうか。
売却予定とする土地には、土地開発基金が保有する畜産関係事業用地、廃棄物焼却処理施設用地、土地開発公社が保有する臨港線沿いの公園用地、桂岡自然公園用地などがあります。他都市でも売却方針としていましたが、入札に参加する業者がおらず、結局売却できなかったという事例があります。売却できなかった場合は、そのまま塩漬けとするのか、お聞かせください。
特に、荒巻山一帯の土地は公園用地として取得したようですが、あの地形を考えると、公園用地に本当にできるのかは甚だ疑問です。この用地を含めて、利用見込みのない土地を取得した先人たちに責任をとってもらいたいというのが、これからの小樽に住む若者、市職員の方々の思いではないでしょうか。市長もこれまでの負の遺産の尻拭いばかりで心から同情いたします。
そうはいっても、その当時は先行取得するというところに意義があったのも事実でありまして、小樽市の公共事業に対して役立ってきたものがあるかと思います。小樽市政にとって役立っていた土地がありましたら、お聞かせいただきたいものです。
現在、小樽市総合博物館運河館の駐車場として利用している公社保有の公園用地は、売却方針でありますが、運河館利用者のことを考えると、周辺に駐車場スペースがないことからも現在の利用方法が最適かと考えます。いかがでしょうか。
また、運河館駐車場としての利用を担保するなどの一定の条件をつけることも売却方法の一つではないでしょうか。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)安斎議員の御質問にお答えいたします。
ただいま、土地開発公社の解散と土地開発基金の廃止について御質問がありました。
初めに、他都市と比較して小樽市の公社の負債額が少ないことについてですが、本市においては公共事業のための用地の先行取得を基本に行ってきましたが、他の自治体では公社みずからが土地の取得造成事業を行い、結果として造成地の売却が進まず、負債が増大した例もあると聞いております。
また、本市では、平成13年度から市税収入が減少するなど財政状況が厳しくなり、大型公共事業も減少し、13年度から先行取得した土地が1件しかなく、土地の取得が抑えられたことも要因として考えられます。
次に、三セク債最終年度の平成25年度に公社の解散などとなった要因についてですが、土地開発公社につきましては、18年度に旧国鉄手宮線跡地を先行取得し、市民の旧国鉄手宮線活用懇話会における検討の議論を踏まえ、一般会計が24年に買い戻し、散策路や広場などの整備事業を行っておりますが、公社保有の他の土地については、将来も事業化のめどが難しいものと判断し、三セク債を利用して公社の解散方針を決定したものです。
また、基金につきましては、先行取得の意義が薄れてきたこと等の理由により、従前より廃止の時期を検討しておりましたが、公社の解散を機に廃止の方針を決定したものです。
次に、三セク債の償還計画と健全化判断比率への影響についてでありますが、償還年限は平成26年度から10年間での償還を予定しております。健全化判断比率への影響につきましては、借入れ後の実質公債費比率を推計いたしますと、26年度は12.2パーセント、35年度は9.2パーセントと見込まれ、借入れをしない場合と比べ、0.1ポイント程度上昇する見込みであります。
また、将来負担比率では、平成26年度は101.5パーセント、35年度は68.6パーセントと見込まれ、借入れをしない場合と比べ、0.1から2.0ポイント下がる見込みであります。
次に、土地の取得がその目的に適していたかどうかということについてですが、公社及び基金が現在保有している土地は、取得時期が昭和56年から平成13年であり、現在においては時間の経過に伴い、まちづくりも社会情勢や地域情勢などにより変わり、土地活用のニーズも伴って変化しておりますが、取得当時はその時代に沿った需要や目的に合ったものと考えています。
次に、売却予定の土地が売却できなかった場合についてですが、売却すると決定した土地については、今後、土地の位置する条件や近傍の土地の民間の動向などを考慮し、それぞれの土地の売却時期や入札方法を検討していく予定であります。
なお、入札が不調で売却できなかった場合においては、土地の入札方法などを改めて検討していきたいと考えております。
次に、公共事業に対し用地の先行取得が役立った土地があるのかとのことでありますが、公社においては塩谷小学校や旧国鉄手宮線跡地など35事業で先行取得した土地が事業化されております。
また、基金においては市営住宅や赤岩保育所など、42事業で事業化されており、公社、基金ともに公共事業の推進に役立ったものと考えています。
次に、総合博物館運河館の駐車場として利用されている土地は、現在の利用方法が最適ではないかとのことですが、土地の有効利用という観点から、博物館の夏場の繁忙期を除き、駐車場はあまり使用されていないこと、また、土地は臨港線に面し、運河沿いにあるため、この地区の観光や商業の発展に寄与できるような民間事業者に売却することが適当であると判断したところです。
次に、運河館の駐車場としての利用を担保するなどの条件をつけて売却してはどうかということについてですが、売却方法については、今後、検討していきたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)6番、安斎哲也議員。
(6番安斎哲也議員登壇)
○6番(安斎哲也議員)第2項目めの質問に入ります。
昨日、今日といろいろと問題を投げかけられていますが、通告どおり質問いたします。
超党派の国会議員でつくる議員連盟が秋の臨時国会にカジノ解禁に向けた法案を提出する準備を進めており、その法案では、首相を本部長とする特定複合観光施設区域整備推進本部と、衆参国会議員や学識経験者らでつくる特定複合観光施設区域整備推進会議がそれぞれ設置されることとなっております。内閣府には管理委員会を設けてカジノの運営を監視する仕組みを整え、法律の施行から2年以内をめどに解禁のための法準備をするとしています。
政府や自治体にとってのカジノの魅力は、経済成長の起爆剤としての効果というふうな話があります。カジノは現在、120以上の国や地域で合法化されており、主要8か国でカジノを全面的に禁じているのは日本のみとなっています。アメリカやマカオではカジノ税収を活用して医療施設の整備や教育費の無料化に取り組んだ例があり、厳しい財政状況の下で財務省からもカジノ税収に期待する声が浮上しています。
カジノの発祥は欧州で、イタリア語のcasaとinoを組み合わせてできた言葉とされ、もともとは貴族がゲームを楽しむ小さな館を意味していました。近年はカジノにホテルや国際会議場、スポーツ施設などを備えた統合型リゾート、IRと呼ばれる大きな館でのカジノが主流となっています。ラスベガスはカジノを中心にミュージカルやスポーツイベント、国際会議などの受皿となるIRで年3,800万人を集客、ドイツのバーデンバーデンでも温泉や美術館などとカジノを楽しむ文化が浸透しています。業界関係者の推計では、世界のカジノ市場は15兆円から20兆円規模といいます。
カジノの設置場所については、最終的には全国で10か所程度できるという見方があるようです。ただ、最初から10か所つくるのは難しいので、最初の候補地としては東京、関西、沖縄が、そして東京の場合だとお台場が濃厚なのではないかとの見方もあるようです。
年内に提出される見込みがあるのは、いわゆる基本法案で、カジノ設置の詳細を定める実施法は来年度以降に審議されることになり、さらにカジノ誘致を目指す自治体が計画をつくって、国の承認を受けたりする必要があるので、実際の開業はずっと先になりそうです。
さて、国の動向を見極めながら、小樽市においても今後議論を深めていかなければならないと思っています。推進派と反対派がいることからわかるように、カジノにはメリットとデメリットがあります。
カジノのメリットとしては、まず一番に経済の波及効果が挙げられます。カジノが設置される地域経済の活性化や雇用創出、外国人観光客を呼び込んでの観光振興などです。そして、国や自治体などの財源確保も期待されています。
逆にデメリットは、治安の悪化や犯罪率上昇、地域環境の悪化、青少年への悪影響、ギャンブル依存症患者増加の懸念などが挙げられています。治安の悪化については、はっきりとしたカジノとの因果関係はないと言われていますが、ギャンブル依存症の問題については、確実に現れる最も大きなデメリットと見られています。
今回の第8回日本カジノ創設サミットin小樽開催補助金の20万円は、本年第1回定例会で中松市長の「このサミットには、全国からカジノ誘致団体をはじめ、関係者が集まることとなりますので、市としましても、サミットに参加し、情報収集に努めてまいりたいと考えております」との答弁の趣旨に沿ったものと思います。
ここで伺います。
昨日、本日とカジノについては質問がされていますので、3点に絞って伺います。
市としてサミットに参加し、情報収集するだけならば、20万円の補助金はなくてもいいように思えますが、総務部長が8月27日の記者会見で発言された、カジノを中核とする統合リゾート施設誘致の実現に向けて取り組むという意思表示であるということなのか、まず改めて市長の見解を確認させてください。
市が手を挙げたことで、市民の方からも私のところにいろいろと賛否の問い合わせが来ていますが、今後どのように議論していくかが非常に重要だと考えます。市としては、どのように市民との対話をしていくのか、お考えをお聞かせください。
先ほども一般的なメリット・デメリットを述べましたが、今定例会で予算措置をしたとしても、もしも市にとってデメリットが大きいと判断した場合は、手を下げることができるのか、お聞かせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、第8回日本カジノ創設サミットin小樽開催補助金について御質問がありました。
初めに、この補助金は統合型リゾート施設誘致の実現に向けて取り組む意思表示かとのお尋ねですが、カジノを含むIRの導入については、地域経済への効果が期待できると考えております。市といたしましては、この補助金を契機に、小樽国際観光リゾート推進協議会とともにIR誘致に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。
次に、今後どのように市民と対話をしていくのかとのお尋ねですが、国会へ提出される法案などの関連情報を市のホームページに掲載するほか、小樽国際観光リゾート推進協議会とともに説明会などを開催し、市民の皆さんにIRに対する理解を深めていただきたいと考えております。
次に、市としてデメリットが大きいと判断した場合は、手を下げることができるかとのお尋ねですが、例えば市に大きな財政負担が伴うなど、現在、承知しているIR推進法案の内容が大きく変わることが判明したときは、誘致活動から撤退することもあり得るものと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)6番、安斎哲也議員。
(6番安斎哲也議員登壇)
○6番(安斎哲也議員)次に、一般会計補正予算に体育施設費として計上されている望洋シャンツェ物品・圧雪機置場解体経費について伺います。
この施設は国体誘致のため、1998年度に約13億円をかけて建設されました。完成年度にはみなと・おたる国体が開かれましたが、翌年度は大会がゼロ、2000年度から2004年度までは北海道スキー選手権大会や全道高校スキー選手権大会などが開催されましたが、国体は完成年度のみでした。この後、2008年度から昨年度までの6年間塩漬け状態のまま冬の利用がなく、施設の電気料金などを税金で支払い続けている状況となっています。
ここで伺います。
物品・圧雪機置場を解体する理由をお聞かせください。
解体するということは、ジャンプ台としての利用をしないということになりますか。
そもそも、この望洋シャンツェは無駄だったのではないでしょうか。
有効利用の方策があるのであれば、お聞かせください。
有効な利用方法が見つからない上、使われない施設のために毎年度税金を支出するだけであれば、英断を下す時期に来ていると思いますが、いかがでしょうか。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)安斎議員の御質問にお答えいたします。
初めに、物品・圧雪機置場を解体する理由についてでありますが、昨年度の大雪の影響により、倉庫の天井のはりが経年劣化による老化と雪の重みで倒壊したものでございます。現在、望洋シャンツェのブレーキングゾーンはオートキャンプ場として活用しており、また、年を通して山歩き、山菜とりに来る方の出入りもあることから、安全確保のために撤去するものであります。
次に、施設の解体と望洋シャンツェとのかかわりについてでありますが、今回の施設の解体は市民の安全確保のため解体撤去するものであり、望洋シャンツェの利用については今後の検討課題と受け止めております。
次に、望洋シャンツェについてでありますが、望洋シャンツェは平成11年2月のみなと・おたる国体のジャンプ競技場として使用するため、10年5月に設置され、その後、北海道スキー選手権大会兼全道高校スキー選手権大会が12年度、18年度を除き、19年度まで計7回開催されております。以降は競技会の開催はなく、平成20年度からは電気設備、リフト等の保守点検整備をやめ、22年度からは高圧電源設備を閉鎖し、現在、運営ハウスの光熱水費を支出しております。
今後、望洋シャンツェでのジャンプ競技を開催するためには、大規模な改修で多額の費用を要することや、スキー人口の減少が続いている現状から、望洋シャンツェのあり方についてスキー連盟をはじめ、関係団体と協議を行い、できるだけ早く一定の方向性を示したいというふうに考えております。
○議長(横田久俊)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)6番、安斎哲也議員。
(6番安斎哲也議員登壇)
○6番(安斎哲也議員)介護保険制度の改定による要支援1、2の認定者を介護保険制度の対象外とする問題について質問いたします。
社会保障制度改革国民会議は4月の会議で医療、介護の適正化を議論し、要支援1、2の認定者を介護保険制度の対象から外し、2017年度中に市町村事業に完全に移行させる方針を固めました。市町村事業への移行によって、全国一律のサービスをやめ、内容や利用者の負担割合を市町村の裁量に委ねるとのことです。これにより、地域格差が広がるとともに、介護予防が手薄になることも考えられ、重度化が進み、結果として介護給付費が増える可能性もあり、利用者や事業者、市町村が振り回されると危惧しているところです。
高齢化が進む小樽市において、要支援1、2の認定者は増加傾向にあり、今後ますます増加していくことが考えられます。
そこで伺います。
2012年度時点、小樽市には要支援1に1,575人、要支援2に1,272人が認定されています。今後も増加傾向が続くと思いますが、御見解をお聞かせください。
増加傾向にある現在の要支援者の切捨てとも言える国の制度改定には今後どのように対処していくおつもりなのか、お聞かせください。
国としては、サービスの質も量も市町村に考えてもらい、NPOや地域の団体を使う方法もあるとしています。2015年度から段階的に移行する方針でありますが、現状で小樽市としてどのような検討をされているのか、市民力を活用したサービスを検討するべきものと考えますが、いかがでしょうか。
現在、国では地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金を出し、高齢者、障害児、子供やその他の地域の住民が一緒に利用し、必要な福祉サービスを受けたり、コミュニティ活動の拠点となる共生型福祉施設の設置を進めています。
共生型福祉施設では、高齢者の居宅介護や通所介護などのサポート、高齢者の健康相談や介護予防、高齢者や障害者の一時預かり、乳幼児とその保護者の交流の場、障害者の就労の場、高齢者、障害児、子供と地域住民の交流の場、高齢者や障害者の住居など、地域のニーズや利用できる資源に応じ、創意工夫によりこれらのサービスを組み合わせた柔軟なサービスの提供が行われています。商店街の空き店舗などを改修し、世代間交流などを行う拠点として再活用するなど、コミュニティの再生の一翼を担っている事例もあります。
道内市町村でも、この交付金を活用した地域共生型施設の設置が進んでいるところです。室蘭市では、地域福祉を推進する共生型事業の展開として、障害者と高齢者の協働型活動、高齢者、障害児、子供、地域住民が自由に集い、交流の図れるフリースペースの設置、障害者の通所サービス、ホームヘルプサービス及び日帰り一時利用サービス、自宅での入浴が困難な障害児や高齢者向けの入浴サービスの提供を行っています。
国の要支援切捨てによって、これまで利用できたサービスや利用料が市町村の裁量になり、また財源についても市町村へ負担が強いられますが、小樽市としてもこれまでのサービスをすぐにやめることはなかなかできないものと認識しています。
そこで、室蘭市の事例でもあるような共生型福祉施設を小樽市で設置し、市民力を活用し、誰もが安心して過ごせるまちづくりを目指すべきと考えます。
まず、小樽市としてのこの共生型福祉施設の取組についての認識をお聞かせください。
道内各市でも進められていますが、この室蘭市の事例についての御感想をお聞かせください。
市長公約では、「市民共調の街づくりを進めます」の項の中で、「人口減少や少子高齢化が進み、支えあいの機能が低下する中、人と人とのつながりなど地域社会を活性化させるため、コミュニティ活動を支援します」と約束されており、この地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金を活用した共生型福祉施設の設置は、「地域社会を活性化させるため、コミュニティ活動を支援」することに値するものと考えますが、いかがでしょうか。市長の見解をお聞かせください。
この国の交付金の額は施設1か所につき3,000万円の範囲内となっており、財政難の小樽市においても財政難を理由にこの交付金の活用をしないということにはならないと思います。ほかに活用できない理由があるのでしょうか。
高齢化が進む小樽市で介護保険制度改定に伴い、小樽らしい地域介護・福祉空間を新たにつくっていく必要があると思いますので、交付金を活用した共生型福祉施設の設置のため、事業者を集めた研究会などを行いながら、前向きに御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、誰もが安心して過ごせるまちづくりについて御質問がありました。
初めに、介護保険制度改定による要支援者外しの対策についてですが、要支援者の今後の増加傾向につきましては、過去3か年の要支援者数は平成22年度が2,484人、23年度が2,609人、24年度が2,847人と増加傾向にあり、あわせて高齢者数も増加していることから、今後も要支援者は増えるものと考えております。
次に、介護サービスから外れる要支援者の対策についてでありますが、現在、国の介護保険部会で審議が始まったところであり、具体的な制度設計や財源措置などについては未定のことから、その動向を注視してまいりたいと考えております。
次に、市民力を活用したサービスの検討についてでありますが、平成23年度にNPOやボランティアで行う生活支援サービスを検討しましたが、人材確保や育成などの体制が整っていないことから事業の取組を見送った経緯があります。このため、市町村が行うサービスの実施に際しては、関係機関やサービスを提供する団体等、土台づくりからのスタートになるものと認識しております。
次に、地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金の活用についてですが、まず共生型福祉施設の取組についての認識につきましては、全国各地でこの共生型福祉施設の取組は広がりを見せており、特に最近では東日本大震災による被災地での福祉サービスの提供体制の再構築や地域コミュニティの再生、活性化の拠点となっているものと認識しております。
次に、室蘭市の共生型福祉施設の取組の感想についてでありますが、この施設は昨年4月にオープンしたばかりの施設であり、障害者福祉サービスを提供しているNPO法人が事業主体となり運営しております。施設内に広いフリースペースを設け、障害者と地域の高齢者や子供と交流を図ったり、喫茶スペースを設け、住民の憩いの場として提供することにより、地域とのつながりに徐々に広がりつつあると聞いており、本市にとっても参考になる事例であると受け止めております。
次に、共生型福祉施設の設置と市長公約についてでありますが、この共生型福祉施設は地域社会を活性化させるための環境づくりに大きく寄与するものであり、コミュニティ活動を支援することにもつながるものであると考えております。
次に、共生型福祉施設整備に係る国の交付金の活用についてでありますが、1施設につき3,000万円の範囲内の交付金は施設整備の財源として有効ではありますが、事業の運営費や高齢者、障害者、子供のいずれに対しても柔軟に対応できる人材の確保、また、地域のニーズの把握など、交付金以外の設置後の運営に係る諸課題もありますので、交付金の条件のみで判断することは難しいものと考えております。
次に、共生型福祉施設の設置に向け、前向きに検討してはどうかとのことでありますが、この共生型福祉施設は地域社会を活性化させるためのコミュニティ活動を支援することに寄与するものであると考えておりますが、事業者に対しましては、諸課題もあることを含め、情報提供してまいります。
○議長(横田久俊)次に、第5項目めの質問に入ります。
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)6番、安斎哲也議員。
(6番安斎哲也議員登壇)(拍手)
○6番(安斎哲也議員)教育について質問いたします。
まず、千葉県流山市の取組について紹介いたします。
8月2日の東洋経済オンラインの記事で、「30代人口急増!流山市、“異端”の街づくりマーケティングがあれば、地方都市は蘇る!」の見出しが私の目に飛び込んできました。
記事によると、流山市は、大きな企業や商業施設が少なく、住民の高齢化が進んでいましたが、2005年の人口に比べて現在は16万8,000人と、1万人も増える右肩上がりの状態とのことです。特に30歳代の若いファミリー世帯が急増しているようです。
流山市では、都心から一番近い森のまち、と都市のイメージを設定し、共働きの子育て世代をターゲットに若い世代の移住促進に力を入れました。勤め先が東京都内にあったとしても、その都心に近く、子育てをする住環境が充実している、これを訴求していきました。子育て世代に選ばれるまちになるための方針として、財政健全化の実現、良質な住環境の整備、子育て・教育環境の充実の三本柱で整備を進めました。
小樽市においては、財政健全化については中松市長の号令の下、進められているやに思っています。良質な住環境の整備については、小樽市にはそもそも緑もあり、海もあり、恵まれているものと思っています。ただし、子育て、教育環境が課題です。
流山市では、認可保育所の新設、増設で定員数を増やし、待機児童ゼロを目指す取組を進め、教育では市内中学校全8校に外国語指導助手、ALTを1名ずつ配置、小学校でもネーティブスピーカーの小学校英語指導員スーパーバイザー3名が全15校をサポートしている状況です。
私は議員当選後から、教育の充実が重要で、小樽の教育環境がよくなれば、札幌からでも移住してくれる子育て世代が出てくると訴えてきました。小樽市も流山市と同様、札幌市という北海道の最大都市に隣接するまちで状況は似ています。違うのは、中松市長が公約で「地域経済活性化を推進するとともに、新たな雇用創出による若者の定着を目指します」としている点です。確かに、若者の定着については地域経済の活性化と雇用創出も重要な点ではありますが、それ以前にこのまちで子供を産み、育てたいと思ってもらえるかが重要だと思っています。ちょうど私の世代が30歳代の子育て世代でありまして、同期や先輩、後輩たちと話をすると、やはり子育てや教育について充実した札幌に引っ越してしまうということがあります。特に子供が中学校に入る前に、将来を考え、札幌に引っ越してしまう方々もいます。
そこで、市長に伺います。
全国的な人口減はあるものの、小樽市では人口流出、特に最近では若い世代の流出が増加していますが、これを食いとめるには、子育て世代に対する施策の増強が必要ではないでしょうか。経済の活性化と雇用創出も重要な点ではありますが、流山市のように子育てや教育に力点を置いてはどうでしょうか。流山市の取組とその結果による人口増に対する市長の御感想をお聞かせください。
市長の公約の中で、「教育環境の充実と、文化芸術・スポーツの振興を進めます」としていますので、流山市だけを今回は例にとりますが、ぜひとも流山市のように、小樽は教育が充実し、子育て世代が子を産み育てやすいまちだとアピールできるほど、教育にもっと力を入れ、そして大きくPRしていくべきではないでしょうか。
私は、本会議や委員会での質問で、国際観光都市にとって英語教育に力を入れることは重要だと訴えてきました。今年、高島小学校でオタル・イングリッシュ・デイが開かれ、子供たちが楽しく英語に触れ、そして観光客へおもてなしをするという、まさに生きた英語教育であったと思っています。まず、今回のオタル・イングリッシュ・デイについての教育長の感想をお聞かせいただき、今後の取組をお示しいただきたいと思います。
また、国際観光都市を目指す小樽市としては、流山市のようにやはりALTを充実すべきだと考えています。財政も絡むことではありますが、今後の小樽を支える子供たちに投資するという観点からもぜひ増員すべきと考えますが、いかがでしょうか。
さらに、教育については他都市の取組を見習うことも必要だと思いますが、やはり小樽独自の小樽でしかできない特色ある教育が現在の状況を打破できるものと思っています。小樽には国立大学である小樽商科大学がありますし、進学校、商業高校、工業高校、水産高校などもあります。大きな目標を持って、幼稚園、保育所から小中高の連携を行い、さらには商大を巻き込んだ人材育成をしていかなければ、小樽は生き残っていけないと思います。教育長の御見解をお聞かせください。
築校小樽塾の研修に参加したことに関連して質問いたします。
小樽の子供を育てていく上で、やはり重要となっていくのは支える教員や地域の方々だと思っています。先日開かれた教育長肝いりの、やる気のある教員を集めた築校小樽塾の第8講兼学校支援ボランティア研修会に出席いたしまして、ここで多くの方々より現場で感じた声を直接聞かせていただきましたので、幾つか質問いたします。
研修会では、地域コーディネーターから小樽市の現状を伺った後、学校支援ボランティアに参加する水泳指導に当たる方、おはなしの会の方、商大生、そして学校支援ボランティアを活用する学校の校長からその現場の生の声をいただきました。課題となっていることにつきましては、それぞれの学校にコーディネーターを設けることができれば、もっと支援ができる、支援をお願いしたいが、ボランティアに交通費も出せない、周知が弱いなどが出されました。
そこで伺います。
この研修会には教育長も出席されていましたが、参加者の方々からさまざまな課題が出されました。率直に御感想をお聞かせください。
次に、コーディネーターの要請についてです。
現在は2人でコーディネーター業務を行っておりますが、それぞれの学校で抱える課題、例えば忍路中学校だと学年に女子が1人だけだったりする、市内中学校では部活の専門的な指導、地域ではボランティアの人数などが違うと思いますが、どのように把握されていますか。
私としては今後中学校区などの単位でコーディネーターを配置することが望ましいと考えますが、お考えをお聞かせください。
ボランティアに対する交通費についてです。
忍路中学校の教員から直接伺ったのですが、中心地から離れた場所のために、ボランティアに多くの交通費を負担させてまで派遣を要請していいのか悩んでいるとのことです。また、スキーや水泳授業などについては学校区から離れた場所での活動となり、要請する側も交通費についてPTA会費などで捻出するということもあるようです。今後、一層、地域で市民力を用いて子供たちの教育を支えるためにも、学校支援ボランティアのための予算的な措置を増やすことはできないものでしょうか。
周知についてです。
ブログやホームページ、チラシなどでも周知活動をされているようですが、研修会で話を聞く中で、なかなか浸透していないのが課題であることを痛感しました。現場の学校の教員でさえも知らなかったり、商大と連携した樽っ子学校サポート事業を進めているのにもかかわらず、教員課程の学生以外にはあまり周知がされていなかったりする現状があるようです。周知が行き渡らない状況に対して、何が課題であると考えますか。
支援事業にかかわる学生からは、若者はSNSで情報を得ているという声もありましたので、小樽市としても、開設しているフェイスブックなどのツールの活用を模索してはいかがでしょうか。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、教育について御質問がありました。
子育て・教育環境の充実に関して、千葉県流山市の子育てや教育に力点を置いた人口増対策についてですが、流山市は都心まで電車で20分の首都圏に位置し、交通インフラや雇用環境、保育所待機児童の状況など、その立地環境や生活環境は本市と大きく異なると思われますので、同様の施策により同様の成果を得ることは難しいものと考えます。
また、本市におきましても、保育所や子育て支援センターの整備、各種の保育関連事業のほか、小中学校における音読の推進や学校図書館司書の配置など、子供を産み育てやすい環境づくりや教育の充実に資する事業について取り組んでおりますが、今後も地域経済の活性化や雇用対策、移住促進などのさまざまな取組とあわせて、総合的かつ着実に人口問題に対応してまいりたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)安斎議員の御質問にお答えいたします。
7月29日、30日に本市で初めて開催したオタル・イングリッシュ・デイについてですが、小学生41名、中学生15名、教職員13名、商大留学生と道教委と市教委のALT8名、ユネスコ協会などのスタッフを含め、総勢100名ほどが参加し、子供たち全員が運河周辺を観光で訪れている外国人に英語でさまざまな質問をし、コミュニケーション能力を高める取組を行いました。参加した子供たちにとっては、自分の英語が通じることの喜びを実感できる貴重な体験であったろうと思います。
私といたしましては、今後もこのような取組を継続するとともに、本市の学校教育の特色として、英語教育並びに国際理解教育を通じ、観光都市小樽にふさわしい人材育成を進めてまいりたいと考えております。
次に、ALTの増員についてでございますが、現在、小樽市のALT2名は、市内全ての中学校14校と派遣希望のある小学校6校で指導を行っており、そのほか、小学校の外国語活動のために道教委が行っている退職教員等外部人材活用事業を利用し、外国人など8名を小学校18校に派遣しております。私としては、ALTの増員は多額の予算が必要でありますので、当面、道教委が行っている退職教員等外部人材活用事業の拡大や小樽市の恵まれた教育資源を最大限に活用しながら、子供たちへの英語の指導を充実させてまいりたいと考えております。
次に、本市の人材育成についてでありますが、私は常日ごろ本市の歴史、文化、芸術などあらゆる恵まれた教育資源を有効に活用し、ひとづくりをすることが小樽のまちづくりにつながることだと思っており、幼・小・中・高・大と発達段階に即した、子供自身を目指す夢を持てるよう、教育環境を整えることが重要であると考えております。
一昨年より経済界や保護者、学習塾、幼稚園、小・中学校、高校、小樽の各界、各層の方々にお集まりをいただき、円卓形式の懇談会を3回ほど行い、小樽のこれからの教育についてさまざまな意見を交換してまいりましたが、このたびは商大学長にも参加をお願いし、商大を頂点とする小樽の人材育成の方策や小樽にふさわしい教育のあり方などについて議論を深めてまいりたいと考えております。
次に、築校小樽塾第8講兼学校支援ボランティア研修会に塾長として参加をしての感想ですが、塾生と学校支援ボランティアの方々が参加をし、学校における外部人材の活用について率直な意見交換をいたしました。研修会終了後のアンケートの中にも、日ごろかかわることのないいろいろな立場の人の話が聞けてよかった、若い教員、ボランティア、教育委員会の方々との交流がすばらしかったなどの感想が寄せられ、私としても塾生の意識改革を図る上で、大変有意義な研修だったと感じております。
また、意見交換の中で、学校とボランティアのあり方や学校支援ボランティアの周知不足などの意見もあり、今後各学校における学校支援活動への一層の理解、啓発を図ってまいりたいと考えております。
次に、各学校の課題などを2名のコーディネーターで把握しきれるかについてでございますが、現在、学校支援ボランティアとして小学校17校、中学校2校のボランティアのほか、スキーや水泳などの学習支援を行う9団体のボランティアが登録しており、コーディネーターは各学校からボランティア派遣の依頼を受け、活動内容の合致するボランティアと連絡調整の上、学校に派遣するとともに、各学校の課題やボランティアの把握に努めており、現在は2名で対応できているものと承知しております。
次に、中学校区などの単位でのコーディネーターの配置についてですが、全ての小・中学校で必要とされるボランティアの人数がそろい、その活動内容においてもバランスよく登録されるなどの条件がそろった段階で、中学校区単位のコーディネーターの配置も考えていかなければならない課題と受け止めております。
次に、交通費などの予算措置についてでありますが、現在、ボランティアのために傷害保険などの保険料措置を行っておりますが、交通費については、学校支援ボランティアの場合は学校単位で近隣のボランティアによる活動を想定しておりますことから、従前より支給しておりません。しかし、スキー学習や水泳授業などの校外学習の支援については、遠距離移動が伴いますことから、当面実態の把握に努めてまいりたいと考えております。
次に、学校支援ボランティアの活動の周知についてですが、平成23年度に事業がスタートして以来、教育委員会や運営委員会が事業の説明のために学校訪問を行っているほか、校長会議での説明や、ホームページ、チラシなどで周知活動を続けておりましたが、今回の研修会の中で不十分との指摘もありますので、今後各学校やPTAなどの組織を通じ、周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
次に、周知方法などについてですが、学生など若者への周知の手段の一つとして、フェイスブックなどのソーシャル・ネットワーキング・サービスが有効だと考えておりますので、今後それらの活用について検討してまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第6項目めの質問に入ります。
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)6番、安斎哲也議員。
(6番安斎哲也議員登壇)
○6番(安斎哲也議員)最後に、奥沢水源地保存・活用基本構想について伺います。
基本構想(素案)が策定され、7月8日から8月7日までパブリックコメントが行われました。
まず、そのパブリックコメントで市民の方から御意見が出されているのであれば、どのような御意見があったのかお聞かせいただき、基本構想策定後のスケジュールについてお聞かせください。
基本方針とともにゾーニングが決定されているかと思いますが、整備予算について大枠が決まっているのであれば、お示しください。
これまで、市の事業として整備された小樽公園などについては、ハードの整備に終始していたと感じています。何かをつくってそれで終わり、それが今までのやり方であって、その後の施設を見てみると、整備方針に沿って市民が継続的に利用しているかというと、そうではない事例もあると思っています。
奥沢水源地の保存・活用とは少し離れますが、先日小樽経済センターで開かれた「北運河および周辺地域観光戦略セミナー」に出席いたしましたけれども、その中で、講師である東京大学生産技術研究所の太田浩史氏が、世界の港湾都市再生と北運河の課題と可能性について話をされ、シビックプライドが重要であると繰り返し述べられておりました。シビックプライドとは、市民がまちに対して抱く愛着、誇り、自負心であります。さまざまな港湾都市の事例を御紹介いただきましたが、いろいろな都市再生が行われ、新しくできた空間を市民が楽しみ、観光客と共存しているということでした。
小樽市の現状としましては、どこか市民は市民、観光客は観光客という意識が根深くあり、市民は観光地に行くものではない、観光イベントは観光客向けだろうという意識が強い方もおられるように感じます。これは小樽市の公共事業でも同じことが言え、市で勝手にやった事業でしょう、私たちの生活には関係ないといった、少しシビックプライドからは離れているように考えます。
今、日本の自治体でも都市ブランディングの試みが急増しており、人と人、人と都市をつなぐデザインのニーズが高まっています。この視点で大阪府の泉佐野丘陵緑地での、「使う人自身がつくる公園」について簡単に紹介いたします。
中松市長の公約では、市民と行政の協働で創意工夫をしながら活力ある小樽を創造すると約束されていますので、この小樽の歴史遺産である奥沢水源地の活用において、市民と協働の公園づくりを目指していただきたいと思いますが、まずお考えをお聞かせください。
泉佐野丘陵緑地では、基本計画策定後に運営計画をつくる人をプロポーザルで決めていくという手法をとっていましたが、これまで小樽市が導入した経過はないと承知します。整備だけではなく、その後の管理を含めた計画づくりを民間とともに策定していくべきと考えますが、いかがでしょうか。
ただし、その事例に準じて全てをするということでもなく、小樽市においてはさまざまな団体がいらっしゃいますので、例えば先日奥沢水源地のライトアップをされた小樽青年会議所の取組などですけれども、水源地の活用構想の中の「学習」「憩い」「交流」「周遊」「保全」と五つの活動メニューに沿って、市がコーディネーターとなってそれぞれの方々と膝を突き合わせて協議する運営会議なるものをつくり、そこで運営経過について議論を重ねていくという手法も考えられますが、いかがでしょうか。
市民みずからが公園の整備、運営にかかわることでシビックプライドを育んでもらうことも可能かと思います。先日のセミナーは、今回は「北運河および周辺地域観光戦略」という観点でしたが、これは小樽市全体のまちづくりに共通していかないといけないものと思っています。港湾室や観光振興室の職員の方もその会場にいらっしゃいましたので、今回の奥沢水源地の整備を皮切りに、市民が楽しめる、市民が利用する公共空間のあり方を模索し、市民と協働でつくっていってほしいと思います。
再質問を留保して、質問を終了します。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま、奥沢水源地の整備について御質問がありました。
初めに、基本構想についてのパブリックコメントですが、期間中に5人から16件の意見が提出されました。意見としてはイベントを開催できるような環境づくりを行い、市民の方が楽しみ、憩い、アピールしたくなる環境になればよいなど、ほとんどが水源地の活用方法に関する内容でありました。
また、基本構想策定後のスケジュールについてですが、今後この構想に基づき、具体的な整備の内容、時期、事業手法について検討してまいりたいと考えております。
次に、奥沢水源地の整備予算についてですが、ただいまお答えしましたが、今後、具体的な整備の内容などを検討することになるため、現時点で整備予算を示すことはできません。
次に、奥沢水源地について、整備だけではなく、その後の管理・運営についても市民などとの協働により進めてはどうかとの御提案ですが、私も市民の皆さんと協働で市政運営を進め、市民力によるまちづくりを目指しておりますので、御提案の事例なども含め、どのような方法があるのか、調査してまいりたいと考えております。
○6番(安斎哲也議員)再質問はいたしません。これで終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)以上をもって、会派代表質問を終結いたします。
次に、久末議員から質疑及び一般質問を行いたい旨の申出がありますので、これを許します。
(「議長、28番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)28番、久末恵子議員。
(28番久末恵子議員登壇)(拍手)
○28番(久末恵子議員)質疑及び一般質問をさせていただきます。
私は、これまで経済常任委員会委員として小樽の経済対策、とりわけ基幹産業であります観光に力を注いできたつもりでございます。昨年第3回定例会以来、北小樽に観光客を誘致することを目的として、赤岩遊歩道について取り組み、今定例会でちょうど1年となりました。この間、地域の方々、北海道の方々の御協力をいただき、応急措置ではありますが、要望をかなえていただきました。今年度はロープによる危険箇所の改善、さらに道では来年度からの整備に向けた検討をしていただいていると聞いております。
振り返ってみますと、この赤岩山は小樽の最北端に位置し、半世紀、50年前に、ニセコ積丹小樽海岸国定公園に指定されまして、赤岩遊歩道として親しまれてまいりました。昨年第3回定例会でも申し上げましたが、赤岩山は古くから霊山として信仰され、修行者、信者の霊峰として今も多くの方々がお地蔵様のお参りに訪れております。また、ロッククライミングなどは、現在は女性も挑戦しております。春も早い時期には、野花などの自然観察を楽しむ市民グループの姿も見えております。世の流れとともに、登山客に加え、観光客も増加しております。青い海に面してそそり立つ断崖絶壁のすばらしい景観や、赤岩山にふさわしい独特の赤色をなす空と海と緑のコントラストは、旅人の誰もが驚嘆する魅力ある山であります。さらに夕方、水平線のかなたに落ちる真っ赤な太陽に、誰もが足をとめ、シャッターを切る光景がしばしば見られます。神秘の世界そのものだと思っております。幼児から高齢者まで安全・安心で快適な旅をするための自然を生かした恒久的な道路整備が必要と思っております。
前定例会でも、国定公園であるため、市や地元の者が勝手に手を加えることができないとはいえ、身近な草刈り整備などは、市町村、地域住民などに任せていただきたいと要望しておりましたが、利用者や地域住民の活動については、道との協働による維持・管理として可能な分もあると聞いております。
このように、夏の観光施策としての赤岩遊歩道につきましては、各方面の御協力をいただき、今後の整備について展望が開けてまいりました。北小樽の活性化のためにも、この遊歩道の早期完成が待たれますし、また、滞在型観光の一助となることも期待しているところであります。
私といたしましても、大変うれしく思っているところですが、そろそろ小樽も夏の観光シーズンのピークが終わり、これからは冬の観光施策について考えていかなければならない時期を迎えたと思います。
聞くところによりますと、平成17年から始まった小樽観光協会の冬のイベント、小樽ロングクリスマスが昨年をもって終了し、今年からは新たな冬のイベントに取り組まれるということでございました。私も夏の潮まつり、冬の小樽雪あかりの路という2大イベントとはまた趣の異なったロングランのイベントとして小樽ロングクリスマスが好きだっただけに、終了の話を伺ったときには大変残念に思いましたが、新たなイベントはロングクリスマスを発展的に引き継いでいくものと伺い、今から大変楽しみにしております。
そこで、この新たな冬のイベントにつきまして、現在決まっている内容についてお知らせいただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
再質問を留保しまして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)久末議員の御質問にお答えいたします。
新しい冬の観光イベントについてですが、イベントの名称につきましては、小樽ゆき物語と決定いたしました。現時点で決まっている主な内容といたしましては、開催期間がクリスマスまでではなく、来年1月13日まで延長され、2月7日から始まる小樽雪あかりの路につなげていくイベントという色彩を濃くしたこと、また昨年好評だったLEDのいのり星を運河に流す冬の流星を行うことなどであります。このほか、子供も楽しめるイベントや若い女性の目線で見た鍋料理紹介キャンペーン、空間演出による、ゆき物語の雰囲気づくりなどが検討されていると伺っており、市といたしましても冬の観光客誘致に寄与するイベントとなるよう、協力してまいりたいと考えております。
(「議長、28番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)28番、久末恵子議員。
○28番(久末恵子議員)本当にせっかく観光客が来てくださるのですから、やはり新しいものに挑戦して、また行こう、また何かいいものを見せてくれるかもしれないという、観光客にそういう希望を持たせていただければ本当にありがたいと思っております。
○議長(横田久俊)以上をもって、久末議員の質疑及び一般質問を終結し、本日は、これをもって散会いたします。
散会午後5時52分
会議録署名議員
小樽市議会議長横田久俊
議員中村岩雄
議員松田優子