開議午後1時00分
○議長(横田久俊)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、酒井隆行議員、中島麗子議員を御指名いたします。
日程第1「議案第1号ないし第34号並びに報告第1号及び第2号」を一括議題といたします。
質疑及び一般質問を一括し、これより会派代表質問を行います。
あらかじめ申し上げます。
代表質問に当たっては、質問通告の大項目の順で質問を行い、再質問、再々質問がある場合は、それぞれ一括質問で行うことといたします。
それでは、通告がありますので、順次、発言を許します。
(「議長、14番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)14番、上野智真議員。
(14番上野智真議員登壇)(拍手)
○14番(上野智真議員)自民党を代表して質問いたします。
財政についてお尋ねいたします。
平成24年度の一般会計の決算額は588億9,563万8,000円で、1億5,600万円ほどの黒字となりましたが、平成23年度の黒字額が約11億7,300万円であったことを考えると、今回の黒字額は24年度の厳しい財政運営の結果であると考えられます。平成24年度決算の黒字額減少の理由についてお聞かせください。
また、今回の決算を踏まえ、今定例会後の財政調整基金の残高と今後の見通しをお聞かせください。
平成24年度決算で、地方交付税は23年度より約7億円の増額となりましたが、増額の要因をお聞かせください。
また、国の職員給与削減に伴い本年度の普通交付税は減額が予想されておりましたが、本年度の普通交付税の状況についてお聞かせください。
国では、来年度以降の地方交付税の算定において、給与の削減など行革努力を反映させることを検討しているようですが、現在、小樽市では、国の要請に基づく給与減額は職員組合との交渉が物別れに終わり、実施されていません。今後、職員給与の引下げを行わない場合、新年度地方交付税への影響が懸念されますが、国の要請に基づく給与減額を行わず他の方法をとるのか否かを含め、今後のお考えをお示しください。
小樽市土地開発公社解散と土地開発基金廃止についてお尋ねいたします。
8月19日の理事会で小樽市土地開発公社の解散が決議され、今定例会で関連議案が上がっています。今回の解散に伴い、小樽市として小樽市土地開発公社への貸付金のうち、回収不能な3億5,500万円を債権放棄し、歳入欠陥となる部分には5億5,000万円の第三セクター等改革推進債、いわゆる三セク債の起債で賄うとのことですが、この起債は何年で償還する予定なのかお聞かせください。
また、三セク債の借入れによる健全化判断比率への影響についてお聞かせください。
この借入れは、厳しい財政運営を強いられている本市としては重い選択であったと思います。そもそも今後の事業の見通しを立てて土地を購入していたと思いますが、現在まで土地開発公社が保有していた土地で活用されていたものや収入があるものがあれば、お聞かせください。
また、なぜ今日まで土地の売却等の措置をとれなかったのか、御説明をお願いいたします。
土地開発公社解散理由と同様な理由で、今回、土地開発基金も廃止されます。土地開発基金が保有している土地は6か所あり、それぞれ当時の政策判断で取得されましたが、その政策がなされず遊休地となっているところもあります。当時の政策判断で取得された土地も、時代の変化により活用されずそのままとなり、市民に損失を与えたことは否めません。今後、このようなことが起こらないように、世情を的確に把握しタイミングを失うことがないように取り組む姿勢が必要であると考えます。
そこで、公社、基金、それぞれの土地の活用に関して、当初の目的のまま保有するものについては、今後その土地に対して事業をお考えなのか、また、売却を予定しているものについては、その売却方法をお聞かせください。
最後に、来年度の予算について、平成24年度決算を踏まえ、今秋より来年度の予算編成がなされていくと思いますが、厳しい財政運営が続く中、来年度の予算も他会計からの借入れをせずに編成がなされていくのか、市長のお考えをお聞かせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)上野議員の御質問にお答えいたします。
ただいま財政について御質問がありました。
初めに、平成24年度決算の黒字額が23年度と比べ減少した理由についてでありますが、24年度は、他会計からの借入金などに依存した財政構造から脱却するため、他会計から新たな借入れを行わずに予算編成を行ったところであり、23年度と比べ他会計からの借入金5億700万円が皆減となりました。
また、固定資産税の評価替えの影響などにより、市税が約3億4,200万円の減となったほか、歳出では除雪費が過去最高の約14億9,860万円を要し、一般財源ベースで約2億3,500万円の増額となったことが主な要因であります。
次に、財政調整基金の残高と今後の見通しについてですが、財政調整基金の残高は、24年度予算で約11億7,700万円の取崩しを予定しておりましたが、決算では約2億5,800万円に縮減できたことや24年度で生じた決算剰余金の2分の1相当の積立てなどにより、約14億5,000万円となるものです。
また、今後の見通しについてですが、現時点で今後の財政需要を見込むことは難しいところでありますが、新年度予算編成に当たっても財源不足が見込まれるところであり、可能な限り財政調整基金の積立額を確保しなければならないものと考えております。
次に、24年度の地方交付税が23年度よりも増額となった要因についてですが、24年度の普通交付税は、基準財政需要額では積雪度級地が見直しされたことや生活保護費の単位費用が増額となったことなどにより約5億9,200万円の増加、基準財政収入額では固定資産税の減収などにより約5億8,500万円の減収となり、約9億9,700万円増加したものです。
一方、特別交付税は普通交付税の積雪度級地が引き上げられたことにより、これまで特別交付税で措置されていた除雪費の一部が普通交付税に振り替わったことや東日本大震災に対処するための経費などの減により、約2億4,600万円の減収となり、合計では約7億5,000万円の増加となったものです。
次に、本年度の普通交付税ですが、地方交付税の全国総額は、地方公務員給与の削減の影響などにより、前年度に比べて3,686億円、2.2パーセントの減と6年ぶりに減額となったところであり、本市においても24年度と比べますと、約4億2,600万円、2.6パーセントの減となりました。
なお、予算額との比較では約3億8,500万円の増となっておりますが、今定例会で提案しております国や道への超過交付金の返還金約3億3,000万円など補正予算の財源として活用しております。
次に、国の要請に基づく給与減額についてですが、本年5月24日と6月19日に現在の給与の独自削減にさらに1パーセント上乗せする給与の引下げについて職員組合と交渉を行っており、組合側からは単に国からの要請によるものについては受け入れられないとされております。本市といたしましては、これまでの給与の独自削減への協力や今後の財政状況による独自削減への協力依頼を考えると、このたびの提案について組合と協議が調わない中、一方的に進めることはできないと考えており、国の動向を見ながら本市財政への影響が明らかとなったときには、給与減額について改めて組合と協議したいと考えております。
次に、土地開発公社の解散に関してお尋ねがありました。
まず、三セク債の償還年数と健全化判断比率への影響についてでありますが、償還年限は平成26年度から10年間での償還を予定しております。
次に、健全化判断比率への影響につきましては、借入れ後の実質公債費比率を推計いたしますと、26年度は12.2パーセント、35年度は9.2パーセントと見込まれ、借入れをしない場合と比べ0.1ポイント程度上昇する見込みであります。
また、将来負担比率では、26年度は101.5パーセント、35年度は68.6パーセントと見込まれ、借入れをしない場合と比べ0.1から2.0ポイント下がる見込みであります。
次に、公社が保有している土地で活用していたものや収入がある土地についてですが、現在活用している土地は5か所あり、主なものとして、色内2丁目の公園用地と中央通地区公共公的施設用地は総合博物館運河館や市民センターの来訪者のための駐車場として、幸1丁目の野球場施設用地はオタモイ・幸地区の冬期間の雪捨場として活用しており、築港地区公共公的施設用地は新南小樽市場協同組合に駐車場として賃貸しております。
次に、今日までなぜ土地の売却等の措置をとらなかったのかについてですが、公社保有地は7か所あり、そのうち5か所は先ほど答弁いたしましたが、それぞれ活用し、他の2か所の稲穂公園整備用地は近隣公園として都市計画決定されていたこと、桂岡自然公園用地は山林に位置することから、それぞれ売却することは難しい状況でありました。
また、売却に当たっては、簿価と売却価格に差が生じることから、その差額が一般会計の財政負担となることから売却に至らなかったものであります。
次に、公社と基金の当初の目的のまま保有する土地の今後の事業化についてですが、事業化するためには多額の事業費が生じることなどから現時点では考えておりません。
また、売却予定の土地については、今後、土地の位置する条件や近傍の土地の民間の動向などを考慮し、それぞれ土地の売却時期や入札方法を検討していく予定であります。
次に、平成26年度予算編成についてですが、地方交付税の動向や消費税の引上げによる影響、社会保障制度改革に伴う地方負担の状況など不透明な要素が多く、現時点で見込むのは大変難しいところでありますが、市税収入の伸びが期待できない中、扶助費などの義務的経費の自然増や新たな財政需要にも対応していかなければならないことから、引き続き厳しい予算編成になるものと考えております。今後の除雪費の状況や新たな財政需要にもよりますが、財政調整基金は昨年度と同程度の残高を確保したところであり、来年度においても他会計からの借入れをすることなく、収支均衡予算の編成に努めてまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、14番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)14番、上野智真議員。
(14番上野智真議員登壇)
○14番(上野智真議員)IR構想についてお尋ねいたします。
10月に小樽でカジノサミットが開催されます。カジノを含んだIR構想については、国会においても党派を超えたカジノ議連の議員の方々が法案の成立へ向けての取組を続けられており、道内でも釧路市や苫小牧市などでIR誘致に向けての積極的な活動がなされています。小樽市でも商工会議所を中心にIR誘致に向けた研究がなされているとのことですが、これまで小樽市としてのIRについての明確な方向性は示されておりませんでした。そのため、IR誘致に関して、小樽市は出遅れているとの声も聞こえます。
カジノに関しては、世界112か国で合法化されており、世界的に見ても最も広く親しまれているものであると言えます。カジノへの悪影響を懸念していたシンガポールでも観光客の落ち込みなどへの危機感から、2010年に合法化されました。日本も世界有数の観光客が訪れる国であり、近年の状況からカジノ法案が現実味を帯びてきています。
小樽市は観光都市宣言を掲げる観光都市であり、市長も観光に対する熱意はおありであると理解しています。小樽市でも観光客は年々減少傾向にありますが、クルーズ船を含む外国人観光客も多く訪れる小樽市において、カジノは観光産業の起爆剤になる可能性は多分にあり、今後、日本でカジノが合法化されるまでにしっかりとした準備をしておかなければ、せっかくのチャンスをふいにしてしまいます。
今回のカジノサミットへの助成金は、市としてIR実現に向けて取り組む姿勢の表れと理解していますが、市長のカジノを含んだIR構想に対する御認識をお聞かせください。
また、今後、IR実現に向けて市としてどのような取組を行っていくのか、お聞かせください。
北海道観光振興特別措置法についてお尋ねいたします。
北海道観光振興特別措置法が秋の臨時国会に提出される動きがあります。この特別措置法については、自民党が過去にも取り組んでいましたが、実現には至りませんでした。しかし、今回の法案は成立の見込みが大きいことから、北海道も注目しております。この法案が成立すれば、20万円までの関税の特定免税店の設置や観光施設建設にかかわる諸税の減免などが行われます。観光に力を入れている本市にとってはメリットが大きいと考えますが、市長の御認識をお聞かせください。
今後の観光振興に向けての組織のあり方についてお聞きいたします。
さきに述べたIR構想や北海道観光振興特別措置法など、将来の小樽観光の転機となり得る時期が迫っている中、今後起こり得る事象に迅速かつ的確に対応していくには、市としての観光に関する人員配置を含めた組織のあり方の改革も必要と考えます。現在、観光に関しては、産業港湾部観光振興室が主な対応をしていますが、観光という分野の広さからその業務も多岐にわたり、人員の増員はもとより現在の産業港湾部の中の一室ではなく、函館市の観光コンベンション部といったような組織に再編し、今後、市長が掲げる観光分野とIR構想も見通した新たな組織づくりが急務と考えます。
市の財政が厳しい中、市長は、予算に関してめり張りのある予算配分による効率的でサステーナブルな市政運営を目指していますが、組織についてもめり張りをつけ、成長分野により力点を置いた再編が必要ではないでしょうか。市長の観光分野に対する意気込みと組織のあり方に対する御見解をお聞かせください。
観光資源の掘り起こしについてお尋ねいたします。
本年、小樽市では、天狗山、祝津、北運河に関して、今後の観光を見据えた地区のあり方の提言を外部委託して調査していると聞いています。来年にはこれらの地域についての提言がなされることと思いますが、これらの提言を今後どのように精査して実現化に向けていくのかお聞かせください。
北運河に関しては、現在、ゴールドストーンなど運河のまち並みに溶け込んだ魅力的な施設が民間で運営されています。北運河地区は、その歴史ある建物や風景を失うことなく活用して、観光客はもとより市民にも親しまれる、おしゃれで魅力的な地区にしていかなければなりません。
また、現在、カナルボートが運用されていますが、今後、水上交通を使った堺町地区から北運河地区への動線も魅力的であると思います。そのような市内全体の統一を考えたまちづくりを今後していくためには、市のみで行うには限界があると思います。
以前、高松市の丸亀商店街を視察させていただきました。この商店街は、民間でまちづくり会社を立ち上げ、統一感と市民のニーズに対応した商店街再生をした例として広く知られています。今後、小樽市においても、これまで市に提言されたビジョン等を検証し実現していくためには、民間によるまちづくり会社の設立が必要と考えますが、民間によるまちづくり会社への御認識についてお聞かせください。
観光に関して、これまで述べた地区のほかにも、今後の活用が見込まれる地域として奥沢水源地があります。市が設置した検討委員会による報告書が既に提出されていますが、民間の団体でも、現在、水源地の活用に関してさまざまな角度からの調査等がなされています。
8月31日には、社団法人小樽青年会議所による奥沢水源地ライトアップが開催され、500人を超える来場があり、来場された方々からは、このようなすばらしいものは今後も残し活用してほしいなどの声も聞かれました。
奥沢水源地には、歴史的にも建築物としても価値があり、今後、観光資源となり得る原石が幾つもあります。市民の憩いの場のみならず、将来新幹線が開通すると駅から最も近い観光地となり得る要素も含んでいます。現在、小樽市水道局が管理しているこの地域は、安全が確保されていないため、許可がなければ入ることはできませんが、今後、市民が利用することについて、どのようなお考えをお持ちなのか、お聞かせください。
また、今後の水源地に関しては、明確なビジョンの下、計画性を持った整備が必要と考えますが、整備に関する見通しをお聞かせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま観光について御質問がありました。
初めに、カジノを含むIR構想に対する私の認識についてですが、この構想はカジノだけではなく、ホテル、レストラン、会議・展示施設、劇場などが一体となった複合観光集客施設の実現に向けて検討されるものであり、カジノについての課題はありますが、雇用の創出や時間消費型観光の推進につながるなど、地域経済への効果が期待できる構想であると考えております。
また、今後のIR実現に向けて、市の取組についてですが、北海道に対して、小樽国際観光リゾート推進協議会と誘致候補地の位置づけを要望していくとともに、市民の皆さんにIRに対する理解を深めていただくため、ホームページによる情報提供や説明会などを開催してまいりたいと考えております。
次に、北海道観光振興特別措置法に対する認識についてですが、この特別措置法は特定免税店制度の創設や観光振興のための施設整備に係る課税の特例措置、航空機燃料税の軽減などの支援策により、北海道における観光の振興を図り、自立的発展に寄与することなどを目的としております。そのことで道内への観光客が増加することにより、本市観光にもメリットがあるものと期待しておりますので、今後とも情報収集に努め、本市にとって有益な制度等があれば活用を検討してまいりたいと考えております。
次に、観光分野に対する意気込みと組織のあり方についてですが、私は公約で小樽観光の充実、グローバル化時代の国際観光への挑戦を掲げ、市長就任以来、観光振興に関しては特に力を入れてきたを自負しております。これからも、観光は本市の基幹産業の一つであることから、引き続き重点分野として取り組んでまいりたいと考えております。組織のあり方については、業務内容や人員配置等を含め、全庁的に考えていかなければならない問題であり、現段階で直ちに観光振興室を部に昇格するということは考えておりません。
次に、観光資源の掘り起こしについてですが、まず天狗山、祝津、北運河地区に関する今後の取扱いにつきましては、それぞれの内容を十分精査し、行政が行うべきもの、民間等が行うべきもの、また、短期的に取り組むもの、中・長期的な視点で取り組むものに区分し、議会や市民の意向も伺いながら進めてまいりたいと考えております。
次に、民間によるまちづくり会社の認識についてですが、確かに高松市の丸亀商店街のような成功例があり、本市においても、まちづくりを円滑に進めるための方策の一つとして、まちづくり会社の活用が考えられます。しかしながら、民間のアンケート調査によると、規模が小さく収益面が厳しいなどの状況にあるところが多く、また、資金やマンパワーの不足という課題があることから、このような課題解決の検討が必要になるものと認識をしております。
次に、奥沢水源地の市民利用についてですが、水源地は安全が確保されていないため、許可がなければ入ることができませんが、先日開催された奥沢水源地ライトアップのように利用者の安全対策が図られているイベントなどについては、今後とも水源地の利用を認めてまいりたいと考えております。
次に、水源地の整備についてですが、水源地は小樽水道の始まりとなる施設であり、これを後世に伝えるとともに、市民の皆さんに親しまれる場としての活用を図るために基本構想を取りまとめたところであります。今後、この構想に基づき、具体的な整備の内容、時期、事業手法について検討してまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、14番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)14番、上野智真議員。
(14番上野智真議員登壇)
○14番(上野智真議員)生活保護についてお尋ねいたします。
本年8月より生活保護基準が見直されました。今回の基準見直しによって、生活保護受給者に今後どのような影響があるのか、お聞かせください。
また、今回の基準見直しによって、この基準に基づく制度などにどのような影響が出るのか、お聞かせください。
介護事業についてお尋ねいたします。
現在、市内にはさまざまな介護事業所が運営されております。サービス内容にもよりますが、在宅型のサービス事業所は年々増加しており、市内で乱立状態にあると言っても過言ではありません。在宅型のサービス事業所の許認可は一部を除いて北海道が行っていますが、このような乱立状態を見ると、市内の需要などの把握がなされないままに許認可が出されているように思います。
まず、北海道の許認可はどのような基準で行われるのか、お聞かせください。
小樽市では、このような現状を踏まえ北海道と協議を進めていますが、その経緯と今後の見通しをお聞かせください。
次に、新聞報道などで、今後国は、現在要支援に区分されている方々を介護保険から切り離し、市町村で要支援者のサービスを行う考えが示され、また、特別養護老人ホームの入所基準も要介護3以上にするよう基準の引上げを考えているようですが、現在、市内にどのぐらいの要支援者がいるのか、お聞かせください。
また、国の動向を踏まえ、市として今後この要支援者へのサービスをどのように考えていくのか、お聞かせください。
特別養護老人ホームについて、市内全体の入所者数とその介護区分における人数をお聞かせください。
また、待機者の介護区分の人数もお聞かせください。
要介護2以下の方々が、今後、特別養護老人ホームに入所できなくなった場合、どのような受皿があるのか、また、その受皿に余裕があるのか、お聞かせください。
小樽市では高齢者が3割以上と高齢化率が高く、また、高齢者だけの世帯も多いことから、介護サービスは不可欠であり、今後も適正なサービスを行っていくためには、市として明確なビジョンを持ち、介護サービス維持に向けての要望等を含め取り組んでいかなければならないと考えますが、市長のお考えをお聞かせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま生活支援について御質問がありました。
初めに、生活保護基準の見直しによる生活保護受給者への今後の影響についてですが、今回の基準見直しにより、12月に支給される期末一時扶助が減額となり、また、働いた収入に応じて夏と冬に控除されていた特別控除がなくなりました。この結果、人数が多い世帯や働いた収入が多い世帯では、12月の保護費が大きく減額となります。
また、今回の基準見直しは平成25年8月から3年間かけて段階的に行われるものであることから、来年4月からさらに保護費が減額となり、生活保護受給者にとっては平成26年度以降も保護費減額に応じた生活を求められることになります。
次に、生活保護基準に基づく制度への影響についてでありますが、生活保護受給者以外に適用される減免や給付を行う制度において、保育費負担金の減免や成年後見制度利用者への支援などについては、減免や助成の条件が変更となり、8月以前であれば、制度の適用を受けられた所得の世帯であっても、8月以降は制度の適用外となる場合があります。
次に、介護事業所の適正な配置と運営についてですが、北海道の居宅サービス事業所の許認可の基準につきましては、北海道の条例等に規定された従業員の種類や人数について定めた人員に関する基準、食堂や機能訓練室など備えるべき部屋やその面積、消火設備や備品などについて定めた設備に関する基準、介護計画や運営規程を作成することなどを定めた運営に関する基準の三つを満たしている場合に許認可されます。
次に、北海道と進めている協議の経緯と今後の見通しについてですが、平成24年の法律改正により、市町村が指定する定期巡回・随時対応型訪問介護看護や複合型サービスを普及するために都道府県が訪問介護や通所介護事業を指定することについて市町村が協議を求めることができることになりました。現在、北海道に対し協議を申し入れているところであり、協議が認められた場合には、最終的な指定の判断は北海道が行うことに変わりありませんが、一定の制限がかけられることになります。
次に、要支援者数についてでありますが、平成25年7月現在、要支援1が1,672人、要支援2が1,236人の計2,908人となっております。
また、今後の要支援者のサービスについては、現在、国の介護保険部会で審議が始まったところであり、具体的な制度設計や財源措置などについては未定のことから、その動向を注視してまいりたいと考えております。
次に、特別養護老人ホーム入所者の介護区分等についてでありますが、平成25年5月現在、特別養護老人ホームに入所する人数は、要介護1が50人、要介護2が105人、要介護3が124人、要介護4が105人、要介護5が111人の計495人となっております。
また、待機者数については、現在把握している23年5月の調査では、要介護1が185人、要介護2が219人、要介護3が222人、要介護4が125人、要介護5が81人の計832人となっております。
次に、要介護2以下で、本来特別養護老人ホームの入所が適している方の受皿についてでありますが、定期巡回・随時対応型訪問介護看護や小規模多機能型居宅介護などが考えられ、現在、定員には達していないものの、今後の需要増加に対しては、平成27年度からの第6期介護保険事業計画策定の中で検討してまいります。
次に、適正なサービスを行っていくための市の明確なビジョンについてでありますが、本市の第5期事業計画では、地域包括ケアシステムの実現を柱とし、定期巡回・随時対応型訪問介護看護や複合型サービスの整備を進めているところであります。
国は、第6期事業計画において、医療、介護の連携や認知症対策などの必要な措置を講ずることとしており、さらに介護給付費がピークを迎える平成37年度を見据えた施策の展開を求める方針を打ち出しております。
本市においても、今後の需要の動向を踏まえ、中・長期的な視野に立った計画を策定してまいります。
○議長(横田久俊)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、14番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)14番、上野智真議員。
(14番上野智真議員登壇)
○14番(上野智真議員)自治基本条例についてお尋ねいたします。
平成22年度より有識者による策定委員会が設立され、昨年の提言書提出まで2年の歳月を費やし、数多くの議論がなされたことと思います。私も、議員に立候補する前の1年間、策定委員として取り組ませていただいたこともあり、この条例に関しては一方ならぬ思いがあります。
提言がなされ、その素案を基に市内部で精査をし、今回議案として提出されておりますが、まず策定委員会による提言を受け、どのように内部で議論がなされたのか、お聞かせください。
条例案を見ますと、ほぼ提言に沿った条文となっていることから、この条例案については策定委員会の意見を率直に取り入れたと考えてよろしいのか、お聞かせください。
この条例は、小樽市の今後の柱となっていく条例と認識していますが、この条例が絵に描いた餅にならず、実際に市民協働のまちづくりのツールとして使われていくには、広く市民に認識してもらい、条例に関しての意識醸成が必要と考えます。しかし、条例制定に向けたパブリックコメントが2件ということから、市民の認識はいまだ不足しているように感じます。
そこで、条例制定後、この条例についてどのような部署が所管して市民に周知等をしていくのか、お聞かせください。
また、今後、条例の見直しなどが考えられますが、見直しについてどのようなプロセスをお考えか、お聞かせください。
最後に、市長のこの条例に対する思いと今後この条例を柱とした市民協働のまちづくりをどのように進めていくのか、その意気込みをお聞かせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま自治基本条例について御質問がありました。
初めに、小樽市自治基本条例策定委員会からの提言書に対する庁内における議論経過についてですが、平成24年10月に策定委員会からの提言を受け、課長職による自治基本条例原案策定庁内会議を4回、また、私以下、全部長職による自治基本条例原案検討会議を3回開催し、議論してまいりました。
次に、条例案については、策定委員会の意見を率直に取り入れたと考えてよいのかとのことですが、小樽市自治基本条例に対する提言は、策定委員会が平成22年8月の発足以来2年以上にわたって目指すべき小樽のまちづくりの姿を描くため、熱心な議論をしていただいた結果であると重く受け止めております。また、策定委員会の提言は、フォーラムやワークショップにおいて出された市民の皆さんの御意見も広く取り入れられたものであることから、提言内容を最大限尊重することを基本として庁内議論を行い、条例案を策定したものであります。
次に、条例の市民周知を行う部署についてですが、この条例の趣旨を広く市民の皆さんに理解していただくために、条例制定作業に引き続き、総務部企画政策室が担当してまいります。
次に、条例の見直しについてですが、この条例は、小樽のまちづくりに関する基本的な考え方やルールを定めたものであり、その内容は軽々に変更されるべきものではないと考えます。しかし、地方自治制度の改革や社会情勢の変化、新たな地域課題の発生などがあった場合には、的確に対処していく必要があります。市は、5年を超えない期間ごとに本条例が小樽のまちづくりに適しているかどうかの検討を行うこととしており、その結果によっては必要に応じて条例を見直すとしております。その場合の手法については、現時点で明確にしておりませんが、十分に市民意見が反映されるよう、その方法を検討してまいりたいと考えております。
次に、自治基本条例への思いと市民協働のまちづくりに対する意気込みについてですが、私も市長就任前には、自治基本条例の懇話会委員や策定委員として協議に加わっておりましたので、この条例の必要性を強く感じております。自治基本条例の制定は到達点ではなく、今後のまちづくりの出発点となります。自治基本条例が決して形だけの条例とならないよう、常に市民との協議、参画を念頭に置いた市政運営を進めてまいります。
○議長(横田久俊)次に、第5項目めの質問に入ります。
(「議長、14番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)14番、上野智真議員。
(14番上野智真議員登壇)
○14番(上野智真議員)行政評価についてお尋ねいたします。
平成24年度行政評価が昨年秋から試行されました。行政評価は、行政が行っているさまざまな事業を検証し、それら事業の見直しの要否を判定し、今後の事業実施に反映させるとともに、事業の効率化を進め、限られた行政資源を最大限に有効活用するための方法と認識しております。
まず、試行された平成24年度行政評価は、評価作業のスケジュールの遅れなどにより、評価内容が25年度予算に全て反映されたとは言えない結果だったと思いますが、市長の御認識をお聞かせください。
また、市民への公表についてですが、宇都宮市では、公表について事業評価のカルテを作成して、どのような評価がなされたのか、今後どのように取り組むのかについて、詳しく、かつわかりやすく掲載されています。今回の小樽市の公表内容では、評価のプロセスや結果などについて、わかりやすいとは言いがたいものになっていると思います。今後、評価のプロセスを含め、評価内容の公表についての一定のルールや基準が必要であり、より市民にわかりやすいものでなくてはいけないと考えますが、市長の御認識をお聞かせください。
行政評価は、市民サービス向上のため、PDCAの循環サイクルをつくり進めていくべきものであり、本市においても、今後の評価システムに関し、PDCAのマネジメントサイクルを速やかに確立し、予算編成やその他さまざまな施策に反映させるべきと考えます。今年度も昨年度に引き続き行政評価を行う予定と聞いていますが、前回の結果を踏まえ、どのようなスケジュールと評価方法をお考えか、お聞かせください。
市の財政は、年々厳しさを増すことから、これまで以上に市民に理解を得るための努力をしていかなければなりません。その一つの手法としての行政評価は重要と考えます。そこで、前回は市役所内部だけでの評価でしたが、今後、試行を重ねる中で、外部からの意見を取り入れた事業評価も必要と考えますが、市長の御見解をお聞きいたします。
最後に、行政評価に関しては、本定例会で上程されている自治基本条例案の第22条に「市は、効果的かつ効率的な行政運営のため、行政評価に関する制度を整備し、実施するよう努めます」「2市は、行政評価の結果を市民に分かりやすく公表するとともに、その結果及び市民の意見を踏まえ必要な施策の見直しに努めます」と記載されています。このことからも、市長は、この取組が行政運営にとって重要な位置づけであると評価されていると思いますが、市長の行政評価についての今後のお考えをお聞かせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま行政評価について御質問がありました。
初めに、平成24年度の評価結果が平成25年度予算に十分に反映できなかったことに対する認識についてですが、評価対象事業の選定や評価作業に時間を要し予算編成時期と重なったことから、評価結果を平成25年度予算に反映させるための検討時間が十分ではありませんでした。行政評価は、事業の点検と見直しを行いながら、今後の方向性を整理し、継続して事業の改善、改革を図ることが目的であることから、その評価結果を次年度以降の事業の実施に向けて、確実に反映させることが重要であると認識しております。このため、平成25年度の実施に当たりましては、評価対象事業数を限定するとともに、作業スケジュールを早めて、評価結果を平成26年度予算に反映できるよう進めているところであります。
次に、評価結果の公表に対する認識についてですが、平成24年度の評価結果の公表につきましては、できる限りわかりやすい内容を模索しながら、試行として初めて実施したところであります。今後は、行政の市民に対する説明責任という観点からも、さらに市民の方に理解を深めていただけるよう、評価結果の公表方法や内容について、他都市の実施状況も参考にしながら改善を図っていきたいと考えております。
次に、今年度の行政評価のスケジュールと評価方法についてですが、まずスケジュールにつきましては、評価内容を平成26年度予算に確実に反映させるため、予算編成作業が始まる11月までに評価結果を確定させたいと考えております。
また、評価方法につきましては、平成24年度に引き続き、担当部が自己評価を行う一次評価と、庁内会議で評価を行う二次評価による内部評価として実施いたしますが、より客観性を持たせた自己評価を行うため、評価調書の記載内容として、実績や成果についての指標を新たに設定するなど、PDCAサイクルの確立に向けた見直しを行っております。
次に、外部からの意見を取り入れた評価の導入についてですが、外部評価につきましては、より幅の広い視点からの評価となることから、その有効性などについて引き続き検討を進めていかなければならない課題の一つであると認識しております。
次に、行政評価についての今後の考えについてですが、本市の財政状況は依然として厳しい中、緊急性や必要性を踏まえた事業の選択と集中を進める必要があると考えておりますので、この評価システムを効率的で安定した行財政運営を推進していくためのツールとして今後も活用してまいりたいと考えております。
また、本年度の評価結果につきましては、新たに各事業の評価調書を公表するなど、よりわかりやすい公表内容とするほか、今後の予算編成に確実に反映させていきたいと考えているところです。
なお、評価結果に対する市民の意見を聞くことに関しましては、その手法などについて引き続き検討してまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第6項目めの質問に入ります。
(「議長、14番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)14番、上野智真議員。
(14番上野智真議員登壇)
○14番(上野智真議員)危険家屋への対応についてお尋ねいたします。
今年の大雪は記録的で、除雪費の補正を2回行ったことは記憶に新しいと思います。雪だけでなく、最近では豪雨などもあることから、市民の安全のために市内の空き家となっている建物への早急な対応が必要と考えます。
本年3月、後志の廃屋・空き家対策検討会による危険家屋に関するモデル条例が示されましたが、その後、小樽市として、危険家屋への対応について、どのように検討されてきたのか、お聞かせください。
また、今後、条例化を目指すのか、別な対応策をとるのか、その方針はいつごろ示されるのか、お聞かせください。
今年も冬が近づいています。今年の大雪を考えると、雪による家屋の倒壊から市民を守るためには、条例制定もさることながら、点検等の迅速な対応が必要と考えますが、この冬に向かって市としてどのような取組をお考えか、お聞かせください。
耐震化についてお尋ねいたします。
今定例会で、市庁舎建設資金基金を設置する条例案が提案されていますが、現在、耐震性が確認されていない市の公共建築物が市庁舎も含め、どの程度あるのか、お聞かせください。
本年5月22日に耐震改修促進法の改正が可決されたことから、市の公共建築物も今後、耐震化あるいは新築、また閉鎖など考えていくことになると思いますが、まずその前提となる法で定められた大規模建築物の耐震診断をどのようにするのか、するとすればいつごろをお考えなのか、お聞かせください。
防災についてお尋ねいたします。
災害時に使用する備蓄品についてお尋ねいたします。
現在、市としてどのような災害時の備蓄品をどの程度保管しているのか、お聞かせください。
食料などの備蓄品は、賞味期限があると思われますが、現在、市が保有している備蓄品の賞味期限などは、どのように管理されているのか、お聞かせください。
また、不要となった備蓄品の活用について考える必要があることから、期限間近のものから順次、災害訓練などで使用するなど有効活用すべきと考えますが、認識をお聞かせください。
本年3月、小樽市は、半田市、日南市と災害時相互応援協定を締結しました。我が会派も、この締結を踏まえ、半田市への視察を行い、半田市の防災への取組を学んでまいりました。先日、小樽市総合防災訓練が行われましたが、今後災害時に円滑に相互に応援などが行えるように小樽、後志のみならず、今回協定を結んだ両市との職員の相互派遣や研修などを行い、災害時に備える取組をすべきと考えますが、協定締結以降の市の取組と今後の方向性についてお聞かせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま安全について御質問がありました。
初めに、危険家屋対策についてですが、まず後志の廃屋・空き家対策検討会によるモデル条例が示された後の本市における検討状況につきましては、モデル条例に規定された行政代執行などの条文の検討を行っているほか、現在、後志の検討会において、空き家の危険度の判断基準など、モデル条例の具体的な運用方法などの整理を行っております。本市におきましても、その議論を参考にしながら、課題である空き家所有者の特定や危険度の判定、具体的な業務処理の流れなどについて、庁内連絡会議において引き続き検討を進めているところであります。
次に、条例化などの方針についてですが、危険な空き家への対策につきましては、さまざまな対応を検討する必要があるものと考えておりますが、条例化は所有者に適正な管理を促し、市民の安全・安心を確保するための一つの有効な方策であると考えておりますので、引き続き条例の制定に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。
なお、条例化の時期につきましては、先ほど申し上げました課題や具体的な業務処理の流れなどについて整理を行う必要がありますので、現時点では具体的にお示しすることはできません。
次に、危険家屋に対する冬に向けての市の取組についてでありますが、市がこれまで把握している危険な家屋については、降雪前のできるだけ早い時期に建物の劣化状況などを確認し、所有者に対して改めて建物の適切な管理を行うよう指導していきたいと考えております。また、これら以外の家屋についても、パトロール等により危険なものを把握した場合は、所有者を調査し指導していきたいと考えております。
次に、耐震化についてですが、耐震性が確認されていない市の公共建築物につきましては、耐震改修促進法により、耐震診断及び耐震改修に努めることとされている学校、体育館、集会所などの特定建築物に該当する市の公共建築物で耐震性が確認されていないものは38施設となっております。
次に、大規模建築物の耐震診断についてでありますが、今回の耐震改修促進法の改正により、特定建築物で一定規模以上の大規模建築物の耐震診断を平成27年末までに実施することが義務化されました。これらの対象建築物の詳細は10月上旬に公布される予定の政令の中で示されることから、今後、その内容を確認した上で、耐震診断の実施時期について検討してまいりたいと考えております。
次に、防災について御質問がありました。
まず、当市の備蓄品保管状況についてでありますが、風水害、地震、津波などの災害に対し食料の備蓄品としまして、アルファ米9,850食とクラッカー1万4,280食の合計2万4,130食を常時備蓄しております。
また、市として、東日本大震災を教訓に、平成24年度から平成29年度の6か年計画で避難所機能強化事業を実施しており、平成25年度末の配備状況は、寒さ対策として毛布1,240枚、ストーブ40台、床用シート795枚を配備し、また避難所の強化対策として、ボックス型簡易トイレ200台、し尿処理材40セット、救急セット40セットの備蓄数量となる予定であります。なお、平成29年度における数量につきましては、毛布3,540枚、ストーブ70台、床用シート2,154枚、ボックス型簡易トイレ350台、し尿処理材70セット、救急セット70セットの配備を予定しております。
次に、備蓄食料の賞味期限についてでありますが、クラッカーやアルファ米の賞味期限は、製造日から5か年となっており、期限内で随時更新し、品質管理を行っております。
また、不要となった備蓄食料につきましては、これまで賞味期限を考慮した上で、地域で行われる各種防災訓練での試食や備蓄食料の配備先における避難所施設で試食していただいており、今後も有効利用に努めてまいりたいと考えております。
次に、半田市と日南市との災害時相互応援協定締結後の取組などについてでありますが、本年度はそれぞれの地域周辺で異常気象などによる大雨などが発生した場合、災害発生状況の有無などの情報収集を行い、緊急時の連絡をお互い取り合っている状況にあります。
また、職員の派遣や研修などによる取組につきましては、両市と協議しながら、どのようなことができるか、今後、検討してまいりたいと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第7項目めの質問に入ります。
(「議長、14番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)14番、上野智真議員。
(14番上野智真議員登壇)
○14番(上野智真議員)教育についてお尋ねいたします。
8月27日、平成25年度全国学力・学習状況調査結果が公表されました。全4科目の平均正答率は、小学校で58.93と全国45位、中学校は38位と依然低い順位で、小学校では全国平均正答率より3ポイント、中学校では1.35ポイント低い結果となりました。平成26年度までに全国平均以上を目指している北海道教育委員会は、平均正答率が小・中学校いずれの教科でも全国平均より低い状況となっており、厳しく受け止めているとコメントを出しています。
まず、今回の結果について、教育長はどのように受け止めているのか、お聞かせください。
また、小樽市の結果はまだ精査している段階とは思いますが、現段階でどのような状況にあるのか、お聞かせください。
今回の結果では、小学校では全ての科目で全国との差は縮まりましたが、応用力を試すBの問題では、依然差が大きく、中学校においても基礎的な力を試すAの問題では差が縮まりましたが、Bの問題については、昨年全国平均を上回った国語Bも今年度は下回り、数学Bも依然差が縮まりませんでした。応用力を試す問題に関しては、小樽市も24年度調査結果で、全道同様に全国との差が大きく、また、中学校での学力の差は、全道平均よりさらに大きな差がありました。
今回の学力・学習状況調査までに、この応用力について、どのような学力向上の取組をしてきたのか、また、特に中学校の学習については、どのような取組をしてきたのか、お聞かせください。
北海道教育委員会では、道民全体で課題や危機意識を共有し、各市町村教育委員会や学校との連携をさらに深めるために、本年6月からほっかいどう「学力・体力向上運動」を推進していますが、この取組を市教育委員会はどのように認識し、今後どのような連携をお考えか、お聞かせください。
今回の公表を踏まえ、市教育委員会ではいつごろ調査結果の公表をする予定か、また、公表の仕方についてはどのようにお考えか、お聞かせください。
全国、また全道各地域で学力の差があるのは調査結果によって明らかですが、市内においても各学校での学力格差はあると考えるのが自然と言えます。今まで市教育委員会では、市内の学校間格差についての公表はしておりませんが、北海道はもとより釧路市においては、学力向上に関する学力保障条例が制定されるほど危機意識を持っています。市内全体の学力向上のためには、当然、各学校の学力を向上させなければなりません。市教育委員会では、学校間格差についてどう考え、その差を改善するためにどのような取組をしてきたのか、お聞かせください。
これまでの結果を勘案すると、教員はもとより保護者にも依然学力に関する意識や認識が浸透していない現状も考えられ、今後、各学校の差についての認識と学力低下への危機意識をしっかり持ち、学力向上への意識醸成をしていかなければならないと考えますが、教育長の御認識をお聞かせください。
今回の公表において、文部科学省は土曜授業復活の参考とするため、土曜日の過ごし方の実態調査も行い、その結果、北海道ではテレビやゲームといった回答が全国平均を上回りました。この結果は、土曜に一人で過ごす子供が多いことを示していると考えられます。文部科学省は今秋にも土曜授業を行いやすくする方向で関連省令の改正などを行いたいとしており、北海道も検討していくとのことですが、小樽市においても、家庭の状況などでなかなか学校以外での学習の時間がとりにくい現状も考えられ、学習時間の確保や学習習慣の定着のためにも、土曜授業の検討をすべきと考えますが、どのようにお考えかお聞かせください。
市内公立高校の再編についてお尋ねいたします。
生徒数の減少により、道内の公立高校の学級減や再編が行われており、市内においては、平成26年度に小樽潮陵高校が1学級の減、そして28年度には小樽商業高校が2学級となることが決定しました。この傾向は今後も続くと見られますが、小樽市教育委員会では、このようなことを踏まえ、市内における公立高校のあり方を考えるため、市内経済団体やPTA、その他さまざまな分野の方をメンバーとして懇話会が設置され、議論がなされてきたと聞いていますが、まず、この懇話会の設立の経緯についてお聞かせください。
先月、この懇話会での協議を踏まえ、市教育委員会が道教育委員会に意見書を提出しましたが、その内容と懇話会でどのような協議がなされたのか、お聞かせください。
9月3日、道議会文教委員会で自民党の佐藤禎洋議員が懇話会での意見を踏まえ、地元からの意見への対応を質問し、道教育委員会からは、地元地域の強い期待の表れと受け止め、今後の再編について地域の意見を聞きながらできるだけ早く検討していくとの見解が示されました。市内公立高校の再編は、小樽市の教育の将来にも多大な影響が出ることから、今後、小樽市教育委員会としての明確なビジョンを作成し、道教育委員会にさらに要望していくべきと考えますが、現在の高校再編への市教育委員会の認識と今後の取組についてお聞かせください。
最後に、子供の安全についてお尋ねいたします。
小樽市内の通学路に関して、市内の通学路には、歩道が設置されていないところや道路が狭い場所、また、見通しの悪い場所、交通量の多い場所など、さまざまな危険があります。
先般行われた社団法人小樽青年会議所主催の子どもサミットでも、信号がないなど通学路に関する中学生の意見が出ていたことから、このような通学路への不安は生徒自身にもあると改めて思いました。道によっては、人通りが少なかったり、街灯などが少なく、夜間暗い道など犯罪に巻き込まれるおそれもあります。また、冬は雪のため、通学路の状況が夏などとは大きく変わります。このような不安に対し、児童・生徒に通学路の危険箇所を認識してもらい、安全な通学をしてもらう方法として、稲穂小学校でモデルケースとして、探偵会社の協力で安全マップがつくられています。市内各学校でも学校独自の安全マップはつくられているようですが、今後、このような専門的な視点を入れた安全マップを含め、児童・生徒の安全確保にさらに取り組む必要があると考えますが、児童・生徒の通学に関する安全への認識と今後の取組についてお聞かせください。
以上、再質問を留保して質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)上野議員の御質問にお答えいたします。
初めに、公表された今回の全国学力・学習状況調査の結果についてでありますが、北海道の結果については、小学校は全ての教科で、中学校は国語A、数学Aで全国との差は縮まっているとはいえ、小・中いずれの教科においても全国の平均正答率を下回っている結果については、大変残念に思っております。
また、小樽市の状況については、現在、教科及び児童・生徒質問紙等における調査結果の詳細な分析を進め、公表に向けて準備をしているところですが、教科による結果については、昨年度と比べ大きな変化はなく、私としては改めて学力向上の難しさを痛感しているところであり、これまでも学力向上に向け、さまざまな取組を行ってきましたが、今後とも各般事業の着実な実施を通して粘り強く取り組んでまいりたいと考えております。
次に、応用力を育成するための取組と中学校の学習についての取組についてでありますが、子供たちの応用力を育成するためには、まずは小学校において、国語では読む力や書く力を、算数では四則計算や図形といった基礎的、基本的な力が身につく授業を行うことが重要であり、それを土台として中学校ではより専門性を高め、生徒の学習意欲を喚起する授業を展開するといった小・中連携の取組が重要だと考えております。
教育委員会としては、小学校においては、これまでも読む力や書く力を育成するために、音読や読書活動を奨励すること、言語活動を充実させた授業改善にかかわる指導資料の作成・配布や著名な講師を招いた研修会を開催しております。とりわけ、中学校では学習支援や生徒指導支援、指導方法工夫・改善などによる11名の加配を受けており、生徒一人一人の理解度に応じた習熟度別少人数指導を取り入れることや研究授業を伴う授業力向上研修講座を開催するなど、教科の専門力を高める取組を行ってきたところであります。
次に、ほっかいどう「学力・体力向上運動」についての認識についてでございますが、学力・体力の向上は、学校だけで取り組むのではなく、学校、家庭、地域が連携してサポートしながら育んでいかなければできないことだとする道の取組は、今日的な教育を取り巻く状況から考えると的を射たものと認識しております。
小樽においては、これまでもふるさと教育の観点から小樽観光大学校と連携したおたる案内人ジュニアの育成や学力向上の観点から小樽商大と連携した樽っ子学校サポート事業、音読運動への小樽商工会議所や青年会議所からの支援など、市民のお力添えをいただきながら子供たちの健全育成に努めており、今後とも学校、家庭、地域等と連携した取組を展開してまいりたいと考えております。
次に、本市の調査結果の公表の時期及び公表の仕方についてでありますが、本市における教科及び児童・生徒質問紙などによる調査結果につきましては、9月下旬に公表する予定で調査結果の分析を行っているところです。また、公表の仕方につきましては、道教委や他都市の状況も勘案しつつ、できるだけわかりやすい内容としたいと考えており、9月の教育委員会で審議の上、公表したいというふうに考えております。
次に、学力における学校間格差についての認識及び改善に向けての取組についてでございますが、私としては、学力に学校間格差があることを現実として受け止め、この差を改善するためには、学校の平準化を目指すのではなく、成果の上がっている学校をより伸ばして、その学校の教育実践の交流や人事異動によって他の学校へ波及をさせ、全体としてのレベルアップにつなげることが大事であると認識しております。
8月下旬には、校長を含む41名の教員とともに学校力向上の指定校である登別市立幌別小学校を訪ね、校長の強いリーダーシップと教員の組織的な授業改善の取組を視察し、10月には秋田大学の教授を招いた保護者や教職員向けの教育講演会などを開催するなど、今後とも、より質の高い教育に触れさせ、みずからの実践を振り返り、意欲を喚起するような研修を実施したいと考えております。
次に、各学校の差や学力の低さへの危機意識についての認識についてでありますが、学力の向上は学校と家庭が一体となって取り組むことが重要であると認識しておりますが、まずは教員一人一人がみずからの授業力を改善し、校内での組織的な取組の意識を高めることが大切であると考えております。私としては、教員や保護者に対し、子供たちの学力の実態をより正しく認識させることや質の高い教育実践に触れる機会を提供することなどで、危機意識を高めたいと考えております。
次に、土曜授業についてでありますが、文部科学省は、来年度、全国の約2割の公立小・中学校を対象に、講師やコーディネーター等への謝礼や教材開発の経費などを補助する事業を概算要求に盛り込んだと承知しておりますので、今後こういった国の動向や道、他市の状況について情報収集するとともに、本市においても校長会やPTAなどの御意見を伺いながら検討してまいりたいと考えております。
次に、市内の公立高校に関する懇話会の設立経緯などについてでありますが、平成24年9月、道教委から小樽市内の公立高校の再編について、職業学科の配置のあり方を含めた早急な検討が必要との見通しが示されたことを受けて、市教委とすれば、高校卒業者を受け入れる企業や高校に入学しようとする小・中学校、さらに保護者などから意見を聞くため、小樽商工会議所、小樽青年会議所、小樽市PTA連合会、小樽市校長会、進路担当教員などで構成する小樽市内の公立高校間口に関する懇話会を本年1月に立ち上げ、2回の懇話会を開催したところであります。
次に、懇話会での協議内容や北海道教育委員会に提出しました文書についてでありますが、本年1月に開催した第1回目の懇話会では、道教委から高校適正配置を担当する職員を招いて、配置計画についての考え方や道教委が進める新しい学校づくりの説明を受け、それに対する意見交換を行ったところであります。2月には第2回目の懇話会を開催し、市内の職業学科の再編について、それぞれの団体などから個別の意見として、「小樽ならではの観光ビジネス科など即戦力となる学科が望ましい」「魅力ある高校を設置してほしい」「市内に総合学科の学校が欲しい」「子供たちが将来の夢を見られるような学科を提案する必要がある」「ガラス工芸科や観光学科が欲しい」など、さまざまな意見要望が出されましたが、総論としては、小樽市内の産業構造や市民の要望を取り入れた小樽にふさわしい魅力ある高校をつくってほしいとの方向が示されたところであります。6月に道教委から計画が示され、その後、道教委から懇話会での意見や各団体からの要望などについて文書で提出してほしいとの要請を受け、懇話会で示された内容や市P連からの要望、職員団体などから聴取した意見などを取りまとめ、文書で報告したものでございます。
次に、現在の高校再編についての市教委の認識と今後の取組についてでありますが、今回、道教委が小樽商業高校の情報処理科の1間口減を決定しましたが、今後の生徒数の減少傾向や今年度の定員割れの状況などから、小樽商業高校の間口減についてはやむを得ないものと考えております。
また、このたびの道議会の質疑の中で、道教委から小樽商業高校と小樽工業高校の再編を視野に入れた検討が必要であり、地域産業の特色を生かした学科の設置を含め、できるだけ早く検討するとの見解が示されましたので、今後、市教委としては、小樽にふさわしい学科や再編のあり方などについて幅広く市民の意見を聞きながら一定の考え方を取りまとめ、道教委へ要請してまいりたいと考えております。
最後に、児童・生徒の通学に関する安全への認識と今後の取組についてでございますが、通学路の安全を確保する上で、通学路の安全マップは有用な手段であり、各小・中学校においては、PTAや地域と協力し、通学路の安全マップを作成しているところでございます。
今回の稲穂小学校の安全マップは、探偵社がこれまでと違った観点から、不審者の出現場所や危険箇所を写真で具体的に示すなど、わかりやすい内容で好評を得ているところでございます。
今後、各学校で作成している安全マップにこれらの手法を取り入れるなど、より充実した内容にするよう、情報提供をしてまいりたいと考えております。
(「議長、14番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)14番、上野智真議員。
○14番(上野智真議員)1問だけ再質問をさせていただきます。
IR構想に関しまして、市長から取り組んでいくという強い姿勢を御答弁でいただきました。
既に釧路市は先般、7月30日に蝦名市長が高橋知事のところにみずから出向き要望しているのですけれども、市長は、道に対してもそうでありますけれども、今後、みずからどのような取組をなさるのか、具体的なところがあればお聞かせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)上野議員の再質問にお答えいたします。
今まで議会議論の中で言うと、小樽市としては調査研究あるいは情報収集という形で進めてきたところであります。しかし、このIR推進法案につきましては、国においては超党派による議員連盟でかなり議論を深めてきているということが情報として入ってきているところであります。そういった中で、今、上野議員がおっしゃるように、IR法案が成立したという前提であると思いますけれども、7月30日に釧路市長が知事に対して、釧路市への誘致をしたということであります。
私といたしましては、このカジノの問題につきましては、法案の成立ということがまず第一でございますので、この法案ができる前からああしよう、こうしようということは基本的にはできない状況だろうというふうに思います。しかし、ただいま申し上げましたように、超党派による議員連盟では、かなり成立に向けた議論を進めているということと、近いうちにこのIR法案が成立するのではないかということでございますので、今回、私といたしましても、このIRについて遅れをとらないように推進していきたいというふうに思っているところであります。
そういった中で、9月17日でありますけれども、私以下、今小樽にあります小樽国際観光リゾート推進協議会の顧問であります商工会議所会頭、それから担当の副会頭、それから北海道第4区選出の国会議員、それから小樽市選出の道議会議員の皆さんにも声をかけながら、一体となって道に要望していきたいと、このように思っているところでございます。
直接関係ないのですけれども、昨日、2020年のオリンピックが東京で開催となりました。先ほど御質問にもありましたけれども、既に120か国を超えるところでカジノが行われているということですから、当然東京オリンピックが開催ということになれば、日本でもカジノ開催についての議論をさらに深めてくるのではないかと思っておりますので、そういった中では、前向きに取り組んでまいりたい、こういうふうに思っているところです。
(「議長、14番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)14番、上野智真議員。
○14番(上野智真議員)具体的な御答弁をありがとうございます。ぜひ本当に御努力をされることを願っております。
ほかの質問に関しましては、予算特別委員会で質問させていただきたいと思います。
以上で終わります。
○議長(横田久俊)上野議員の会派代表質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時34分
――――――――――――――
再開午後3時00分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、会派代表質問を続行いたします。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)21番、新谷とし議員。
(21番新谷とし議員登壇)(拍手)
○21番(新谷とし議員)日本共産党を代表して質問します。
初めに、財政問題について伺います。
2012年度一般会計の決算は、他会計からの借入れを行わず、実質収支で1億5,665万6,000円の黒字となりましたが、2011年度より10億1,672万8,000円減額になりました。この要因を説明してください。
市民生活にかかわっては、昨年度は介護保険料と後期高齢者医療保険料が引き上げられ、市民は大きな負担をかぶせられました。それぞれの引上げ額を2011年度比でお示しください。
義務的経費の扶助費全体は、対前年度比較横ばいですが、生活保護の扶助費と児童手当、子ども手当が減になっています。金額と理由をお知らせください。
市税について伺います。
2012年度決算額は135億5,300万円、予算現額を1,200万円上回りました。その主な要因は、固定資産税が予算額に対して1億1,500万円の減額だったにもかかわらず、個人市民税が予算額を1億6,800万円上回ったことによります。個人市民税が増額になった要因の一つは、年少扶養控除が廃止されたことによるものです。影響額と人数をお知らせください。
固定資産税収入額は年々減り続け、滞納繰越分が増える一方です。昨年度の市税状況調べによると、2009年度から2011年度の市民税と軽自動車税の滞納繰越分は年々減っているにもかかわらず、固定資産税と都市計画税は増え続けています。2011年度の滞納繰越分は、市民税が4億5,868万8,000円に対して固定資産税は29億8,274万9,000円、都市計画税は6億4,134万円、収入率は市民税27.2パーセントに対し、固定資産税は7.0パーセント、都市計画税5.9パーセントでした。2012年度決算では、これらはどうなっていますか。
市民税、軽自動車税の滞納は厳しく徴収しているのに、固定資産税、都市計画税の収入率が上がらないのはなぜですか。固定資産税、都市計画税の収入を上げることが市財政に貢献することになります。固定資産税、都市計画税の滞納の大きな部分はOBCの滞納分で25億円以上と推計されますが、いかがですか。滞納を減らすため、小樽市とOBCはどのような努力をしているのかお聞きします。
不用額についてお聞きします。
2012年度決算の不用額は21億8,000万円、一般会計予算現額の3.5パーセントで、2011年度決算の不用額を上回りました。この要因をお示しください。
一般会計の不用額は2009年度から多くなり、2009年度は21億9,200万円で3.6パーセント、2010年度、19億3,800万円で3.3パーセント、2011年度、21億4,100万円で3.5パーセントと、3パーセント台で推移していますが、3パーセント維持が目標なのですか。
特別会計の国民健康保険事業、介護保険事業、後期高齢者医療事業で剰余金を生じています。それぞれの剰余金と国保、介護の給付に係る不用額とその要因を説明してください。
新・市民プールについて伺います。
教育費の不用額は昨年度を上回る1億8,300万円ですが、これだけ予算を残すのであれば、総合計画前期実施計画にある基本設計、実施設計を行わなかった新・市民プールの設計予算を確保できたのではないですか。前定例会で教育長は、複合型か単独型かについて、総合計画後期実施計画にどのようにのせるか市長部局と十分協議するという答弁でした。その後の検討内容をお示しください。
また、市民の反対を押し切って市営室内プールを廃止し、補償金を民間の再開発に使ったのですから、市長の責任で必ず後期実施計画にのせ、単独プールとして建設するよう求めます。お答えください。
次に、地方交付税と臨時財政対策債についてです。
普通交付税は、今年度の決定額は159億913万円で、当初予算計上額を3億8,500万円上回りましたが、昨年度比4億2,600万円の減額です。臨時財政対策債振替可能決定額は24億5,400万円、予算を8,200万円上回り、昨年度比1億800万円増額になりましたが、両方合わせて3億1,800万円の減額です。
普通交付税減額は、地方公務員の給与削減を前提としたもので、市長の見解を求めた我が党の質問に対し、市長も「地方交付税を地方公務員の給与削減のために用いることはまことに遺憾である」と答弁されたとおり、認められないものです。
国は、職員給与削減に見合った額を地方財政計画に計上し、そのうち一部は地域の元気づくり事業費で普通交付税に新設された臨時費目地域の元気づくり推進費で措置されましたが、その額は幾らになったのか、また、この事業費は何に充てたのかお示しください。
国は、来年度以降の地方交付税もこのような不当な方法をとるのでしょうか、見通しをお聞かせください。
市長は、昨年度は予算を上回った普通交付税は、生活保護費や障害福祉などの扶助費の増加が見込まれることから、財政調整基金に積み立て、財源不足を解消するための財源とするほか、新たな財政需要に対応していくための財源としても活用していくとの答弁でしたが、今年度はどう活用するのかお聞きします。
また、財政調整基金には、実質収支の黒字の半分が積み立てられますが、これにより財政調整基金は総額幾らになりますか。
臨時財政対策債は、市債としての借入れになるので、収支見込みを勘案しながら借入額を決めたいと答弁されていましたが、今後の借入額と予算を上回った分の使途についてお知らせください。
臨時財政対策債は毎年増加傾向にあり、2011年度から連続して増えていますが、その理由と市の施策を実行する上でどんな影響を及ぼしているのかお聞きします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)新谷議員の御質問にお答えいたします。
ただいま財政問題について御質問がありました。
初めに、平成24年度決算についてですが、黒字額が23年度と比べ減少した要因については、24年度は他会計からの借入金などに依存した財政構造から脱却するため、他会計から新たな借入れを行わずに予算編成を行ったところであり、平成23年度と比べ、他会計からの借入金5億700万円が皆減となりました。
また、固定資産税の評価替えの影響などにより、市税が約3億4,200万円の減となったほか、歳出では除雪費で過去最高の約14億9,860万円を要し、一般財源ベースで約2億3,500万円の増額となったことが主な要因であります。
次に、介護保険料と後期高齢者医療保険料の引上げ額についてですが、介護保険料の総額は平成24年度決算額で24億6,810万2,600円、平成23年度決算額では19億6,404万7,992円となり、5億405万4,608円の増額となっております。
また、後期高齢者医療保険料の総額は、平成24年度決算額で14億6,291万1,220円、平成23年度決算額では14億121万3,520円となり、6,169万7,700円の増額となっております。
次に、生活保護の扶助費と児童手当、子ども手当で減になった理由と金額についてですが、生活保護の扶助費については平成24年度は平成23年度と比較して約1億9,200万円の減となっており、その主な理由は、医療扶助費が約1億8,200万円減少したことによるものであります。
また、児童手当、子ども手当については約2億750万円の減となっており、その主な理由は、制度改正により平成23年10月分から手当の支給月額が変更となったことによるものであります。
次に、個人市民税の年少扶養控除の廃止に伴う影響額と人数でありますが、24年度の課税データを基に推計しますと、市民税相当額で約1億8,000万円、16歳未満の人数は約9,600人になります。
次に、市民税などの滞納繰越分の調定額と徴収率についてですが、平成24年度決算では、滞納繰越分の調定額につきましては市民税4億4,989万4,000円、固定資産税32億6,296万5,000円、都市計画税7億1,018万4,000円となっております。
次に、徴収率につきましては、市民税28.6パーセント、固定資産税4.6パーセント、都市計画税4.8パーセントとなっております。
次に、固定資産税、都市計画税の滞納繰越分の徴収率が上がらない要因についてですが、これらの税は好不況にかかわらず課税されるため、長引く不況の影響などによる企業業績の悪化や個人所得の落ち込みなどから納付が滞っているものと思われます。
次に、OBCの滞納額を減少させるための小樽市とOBCの努力ということでありますが、市といたしましては、同社から納税計画の提出を求め、経営状況を随時把握しながら納税交渉に当たっております。
なお、OBCの固定資産税などの滞納額についてですが、一企業の経営に関することでありますので、私からの発言は控えさせていただきますので御理解願います。
次に、24年度決算の不用額が23年度決算の不用額を上回った要因についてですが、24年度決算の不用額は、23年度決算と比べ約4,000万円増加しておりますが、高機能消防指令センター整備事業費や花園小学校の校舎等増築及び耐震補強等事業費での入札による事業費の減が要因であると考えております。
次に、不用額は3パーセント維持が目標なのかとの御質問ですが、不用額は事業を執行していく中で結果として生じるものであり、一定割合を維持するというようなものではありません。
次に、国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療の各事業における剰余金、不用額についてですが、国保事業の剰余金は2億3,470万1,102円、不用額は6億8,554万2,466円、介護保険事業の剰余金は2,414万4,963円、不用額は2億3,907万7,911円、後期高齢者医療事業の剰余金は4,948万6,950円、不用額は1億4,369万3,864円となっております。
また、国保事業の保険給付費に係る不用額は5億3,771万5,628円で、主な発生要因は、被保険者数が当初予算の見込みより減少したこと、1人当たり医療費が下がったことであります。
介護保険事業の保険給付費の不用額は1億9,652万4,326円で、主な発生要因は途中で増額補正しましたが、その後の給付費が見込みより下回ったためであります。
次に、新・市民プールを後期実施計画にのせ、単独プールとして建設するようにとのことですが、現在、策定作業を行っている総合計画後期実施計画の議論を進める中で、その設置形態やスケジュールを含め、教育委員会と相談しながら検討してまいりたいと考えております。
次に、地方交付税と臨時財政対策債についてですが、まず地域の元気づくり推進費の基準財政需要額への参入額は2億3,487万円であり、一般財源として活用するものです。
次に、来年度以降の地方交付税の見通しについてですが、地方公務員給与の削減に伴う措置は25年度限りの時限的な措置であると聞いておりますが、引き続き国の動向を注視してまいりたいと考えております。
次に、予算を上回った普通交付税の活用についてでありますが、予算との比較では約3億8,500万円の増となっておりますが、国や道への生活保護費などの超過交付額の返還金が約3億3,000万円になっており、それらを含め、今定例会で提案しております補正予算の財源として活用しております。
また、財政調整基金の残高は、24年度予算で約11億7,700万円の取崩しを予定しておりましたが、決算では約2億5,800万円に縮減できたことや、24年度で生じた決算剰余金の2分の1相当の積立てなどにより約14億5,000万円となるものです。
次に、臨時財政対策債の今後の借入額などについてでありますが、臨時財政対策債の借入可能額は予算との比較で約8,200万円増の約24億5,400万円となっており、今後の収支見込みにもよりますが、その全額の借入れを予定しております。
また、予算を上回った分の使途についてでありますが、先ほど申し上げました普通交付税と同じく、今定例会で提案しております補正予算の財源として活用するものです。
次に、臨時財政対策債の増加している理由と施策を実行する上での影響についてでありますが、臨時財政対策債が増加している要因としましては、普通交付税から臨時財政対策債への振替額がこれまで人口を基礎として算出しておりましたが、23年度から3年間で各地方公共団体の財源不足額などにより算出する方式に段階的に移行したことが挙げられます。
また、臨時財政対策債は、ただいま申し上げたとおり普通交付税の振替であり実質的な交付税ですので、施策を実行する上での影響はないものです。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)新谷議員の御質問にお答えいたします。
財政問題に関連して、新・市民プールの総合計画後期実施計画に向けた検討内容についてでありますが、現在、市内のプール利用者の年齢層、利用目的、利用人員の推移、道内の水泳大会の開催状況とその参加者の推移などについて調査分析を行っております。これらの調査分析に基づき、プールの規模、必要な設備、建設形態、建設コスト、ランニングコストなどの比較検討を行うとともに、教育委員会としての事業量の推移なども考慮しつつ、総合計画後期実施計画にどのように登載するかを検討しているところでございます。
○議長(横田久俊)次に、第2項目めの質問に入ります。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)21番、新谷とし議員。
(21番新谷とし議員登壇)
○21番(新谷とし議員)アベノミクス、消費税増税と小樽経済への影響についてお聞きします。
参議院選挙中、安倍首相はしきりにアベノミクスで景気がよくなりつつあると言っていましたが、実態はどうでしょうか。アベノミクスは、2パーセントのインフレ目標を掲げ、六、七月ごろから物価は一斉に上がりました。円安で輸出企業の利益は増えていますが、原材料費が上がったため中小企業の経営は大変で、中小企業同友会全国協議会による2013年1月から3月期の同友会景況調査報告でも、とりわけ製造業が厳しく、後退が続いているという状況です。
大胆な金融緩和では、月7兆円もかけて銀行が持っている国債を買い上げ、出回るお金を増やし、国内の設備投資が増える計画でした。しかし、大部分が銀行の内部留保としてため込まれたり、国債に再投資しているという実態です。銀行から企業や個人への貸出しは9兆円ほど増えたものの、ほとんどが海外の土地、建物、株への投資に使われています。
住宅は、消費税増税前の駆け込み需要が起きていますが、景気の先食いをしているにすぎませんし、一方で住宅金利は上がっています。
参院選前に自民党本部で開かれた中小企業・小規模事業者緊急政策フォーラムで、全国商工会連合会の石澤会長は、「アベノミクスの恩恵は、大きな企業が感じること。地方の小規模事業者には全く感じられない」と訴えていました。
その後、内閣府が8月8日に発表した7月の景気ウォッチャー調査にも、言葉だけがひとり歩きしている感が強く、一般大衆レベルまで好景気の恩恵を受けていない、大企業の流れがアベノミクスのほうに傾いていて、地方のまちではみじんも感じられないなどの声が寄せられています。
アベノミクスは、小樽経済にどのような影響が出ているでしょうか。小樽商工会議所が行っている2013年度第1四半期の小樽市経済動向調査結果と見解を伺います。
また、市長は、アベノミクスで小樽市民の暮らしや景気はよくなったとお考えですか。
消費税増税についてです。
安倍内閣は、消費税増税を予定どおり進めようとしています。その際、最も重要な判断材料になるのが、2013年4月から6月の国内総生産です。内閣府が発表した8月12日の速報値は、3四半期連続のプラス成長となったものの、物価変動の影響を除いた実績で前期比0.6パーセント増にとどまり、年率換算でも2.6パーセント増にすぎませんでした。
GDPが伸び悩んだのは、経済活動を引っ張る設備投資が実質0.1パーセント減と6期連続のマイナスだったこと、さらにGDPの約6割を占める個人消費は、実質で前期比わずか0.8パーセント増にとどまったことによるものです。しかも増加した中身が問題で、4月から6月の家計調査によると、総世帯で最も消費が増えたのは保険医療費と食料費で、節約しづらい費目が伸びています。
一方、7月の消費動向調査では、半年後の明るさを示す消費者態度指数は2か月連続で悪化しています。個人消費が伸び悩んでいるのは、雇用が安定せず、所得が伸びていないからです。6月の労働力調査では完全失業率は3.9パーセントに下がりましたが、昨年4月から6月期と比較すると0.7ポイントの下落です。さらに正規雇用労働者が44万人も減少する一方で、非正規雇用労働者は215万人も増大し、給料は全体として下がっているのが実態です。
住宅投資は、資材価格の上昇などで実質0.2パーセント減でした。小樽市内でも「景気はさっぱりよくない。円安による灯油やガソリンの値上がり、食料品、電気代の値上がりに加えて、10月から年金が下げられるのは本当に困る。その上消費税を上げられたら暮らしていけない」、商店の方は「消費税増税されたらやっていけない。消費税を払うだけでも大変」という声をたくさん聞いています。加えて社会保障の改悪も準備され、医療では70歳から74歳の医療費2割負担、入院時の給食患者負担引上げ、保険料アップにつながる国民健康保険の都道府県への移行、介護では介護保険サービスからの要支援者外しや利用者負担引上げ、特別養護老人ホームから軽度者締め出し、デイサービス削減、年金では支給額毎年削減、公的年金等控除の縮小などによる課税強化、保育では公的責任を投げ捨てる新システムの推進、規制緩和による質の引下げなど、改悪のオンパレードです。
こうした消費税増税と社会保障改悪は、国民負担増と生活不安の増大、貧困と格差の拡大、景気を悪化させ、社会不安を広げるものです。景気悪化によって所得税や法人税が減収となり、財政も悪化するのは目に見えています。市長は、消費税増税と社会保障改悪は小樽市民・経済にどのような影響を及ぼすとお考えですか。
日本共産党は、「消費税増税を中止し、国民の仕事と所得を増やす本格的な景気回復を」の提言をしています。市長にも読んでいただきましたが、見解を伺います。
また、消費税増税が実施された場合、現在消費税を徴収している水道、下水道料金、病院の文書料、産業廃棄物手数料に転嫁すべきではありません。いかがですか。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいまアベノミクス、消費税増税と小樽経済への影響について御質問がありました。
初めに、小樽市経済動向調査結果の見解についてでありますが、今期の業況については前年同期と比較してDI値は悪化しているものの、売上高のDI値は好転しており、業種別では、建設業が5期連続でDI値がプラスで推移するなど好調であります。
一方、製造業、卸売業、小売業のDI値はいずれもマイナス幅を拡大しており、このことは製造業では円安による原材料価格の上昇、小売・卸売業では春先の天候不順による個人消費の落ち込みによるものと考えております。
また、アベノミクスの小樽経済に対する影響等についてありますが、日本経済の再生に向けた三つの政策は、国において進められているさなかであることから、あくまでも現状における影響となりますが、円安により、アジアを中心とした海外からの観光客の入り込みが好調である一方、企業経営においては原材料費や燃料費等の上昇による収益の悪化、さらに市民生活においても電力料金や小麦などの値上げも相まって影響があるものと考えております。
次に、消費税増税と社会保障改革の本市への影響についてでありますが、まず消費税増税による本市経済等への影響につきましては、消費税が基本的に全ての取引を課税対象としており、影響があるものと考えております。
また、社会保障改革の影響についてですが、国民会議の報告書では持続可能な社会保障制度を実現する一方で、一定の国民負担は避けられないものとする一方、子育て支援や低所得者に対する支援なども盛り込まれております。
いずれにいたしましても、消費税増税への対応や改革の具体的な内容については今後国において検討されていくことと思われますので、現時点で市民生活への具体的な影響について申し上げることは難しいものと考えております。
次に、日本共産党の景気回復への提言に対する見解についてでありますが、国と地方自治体はそれぞれ国民と市民のさまざまな意見を取り入れ、創意工夫しながら政策を進めており、おのおのの役割分担があるものと考えております。その中で、国の政策に対しては、地方にも好影響を及ぼす政策に期待をしているところでありますが、私といたしましては、経済と雇用対策を重点的に取り組む方針を立て、地域経済の活性化によって雇用の場の確保を図ることを目標に、交流人口の拡大、企業誘致の推進、既存企業の底上げ、雇用支援を4本柱として、厳しい財政状況でありますが、積極的に事業展開しているところであります。こういった事業展開については、日本共産党の提言内容と共通する部分もあり、応援していただけるものと考えております。
次に、公共料金への消費税の転嫁についてでありますが、御指摘のある水道料金や下水道使用料、病院の文書料、産業廃棄物処分手数料につきましては、いずれも消費税の課税対象となる企業会計や特別会計における公共料金であります。各会計は、消費税の納税義務を負うものであり、条例等で規定している料率は消費税の税率に合わせるべきものと考えております。
○議長(横田久俊)次に、第3項目めの質問に入ります。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)21番、新谷とし議員。
(21番新谷とし議員登壇)
○21番(新谷とし議員)議案第22号小樽市自治基本条例案について伺います。
自治基本条例は、日本国憲法に掲げる地方自治の本旨に基づき、市民自治の基本理念を明らかにするとともに、自治体の規範になるものと考えます。この観点に立って質問と提案をします。
地方自治法の本旨は、市民福祉の向上にあります。したがって、小樽市自治基本条例案の前文に日本国憲法に掲げる地方自治の本旨に基づき、市民福祉の向上を目指すことを明確に掲げるべきです。いかがですか。
次に、条例案前文には基本理念と基本原則を掲げるとうたわれていますが、肝心な基本理念が明記されていません。自治の主体は市民であり、主権は市民にあること、基本的人権の尊重などを盛り込んだ基本理念を別項で明記すべきです。いかがですか。
次に、用語の定義の市民についてです。当然、住民基本台帳に登録されている外国人も含まれることを確認しますが、いかがですか。
次に、子供の意見表明の機会の保障の追加についてです。
策定委員会の提言では、あらゆる市民がその趣旨と意味を理解し、みずからのものとして受け止めていくことが必要と述べています。日本は子どもの権利条約に批准しており、次世代を担う子供が意見の表明というまちづくりへの参加の機会を設けることは、自治能力を形成していく上で重要なことです。したがって、第4章第8条第2項に子供の意見表明の機会の保障を追加すべきです。いかがですか。
次に、住民投票についてです。
事案ごとに必要な事項を規定した条例を別に定めることにしていますが、個別型は重要な案件であっても議会の力関係で実施されないことも懸念されますから、常設型にすべきと考えますが、いかがですか。
次に、市民の責務についてです。
市民が主役のまちづくりを進めていく上で、市民参加の推進は必要ですが、可能な範囲においてとされてはいますが、あくまで自己の意思、条件が尊重されるべきです。責務で束縛されるものではありません。日本国憲法はもちろん、地方自治法第2章住民の項では、責務という規定はありません。別な文言に変えるか、帯広市のまちづくり基本条例のように、「市民は、まちづくりに参加又は不参加を理由に不利益を受けない」という文言を盛り込むことで、よりまちづくりに参加しやすくなるのではありませんか。
次に、職員の責務について「自らも市民としての自覚を持ち」とあります。この当たり前の文言をわざわざ入れた理由は何ですか。
次に、行政評価についてです。
「市は、効果的かつ効率的な行政運営のため、行政評価に関する制度を整備し実施する」とありますが、効率重視で市民サービス削減は認められません。見解を求めます。
次に、第9章魅力あるまちづくりについてです。
観光だけではなく歴史ある地場産業も小樽の貴重な魅力です。第1項に歴史的に形成された地場産業の振興を図ることを追記するよう求めます。
次に、市民参加で条例を練り上げていく問題についてです。
小樽市は、条例案に対しパブリックコメントを実施しましたが、寄せられた意見はたった2件です。自治基本条例の先進地と言われる流山市は、自治基本条例策定に当たり、公募38人の市民協議会を設置し、3年間で300回以上の会議を開催、あらゆる団体と対話を重ね、サラリーマンや子供にもアンケートを配布し、意見を募るなどして条例制定の機運を高めていったということです。寄せられた意見は7,000件、十分な対話を保障し、つくり上げたと聞いています。
小樽市は、パブリックコメントへの意見が2件しかなかったように、市民には自治基本条例自体の言葉や意味がまだまだ理解されていないのではないでしょうか。流山市のように、市民の側からみずからの問題として、もっとたくさんの意見が寄せられ、練り上げてから改めて提案すべきではないでしょうか。
以上、各項目ごとに見解をお示しください。
次に、まちづくりセンターについて伺います。
条例案のコミュニティ第10条2項で、「市は、コミュニティの主体性、自立性及び地域特性を尊重しながら各コミュニティの情報交換のための体制整備、活動拠点の確保その他の必要な支援を行うように努める」と述べています。この項は大いに評価できます。孤立死防止や子供や高齢者の安全、防災など、さまざまな分野において、地域コミュニティはますます重要になっています。現在、市内の幾つかの地域や団体で、まちづくりが盛んになっています。
札幌市は、こうした市民参加のまちづくりを応援するため、各区にまちづくりセンターをつくり、そこではさまざまな自主活動が行われています。
今定例会に、朝里にまちづくりセンターを創る会からまちづくりセンター設置の陳情が提出されています。地域コミュニティを図る上で、市内の各地域にまちづくりセンターを設置する一環として山田前市長が住民と約束していた朝里十字街の市有地にまちづくりセンターを建設し、コミュニティ活動を応援してはいかがでしょうか。朝里にまちづくりセンターを建設することを総合計画の後期実施計画に盛り込むことはできないでしょうか。見解を伺います。
魅力あるまちづくりに関連して伺います。
小樽市が日本カジノ創設サミットin小樽開催に予算をつけたことに対し、市民から品がないなどの批判が出ています。市長は、小樽市がカジノ賭博で風格ある観光都市になるとお考えですか。
カジノは、マカオやシンガポール、韓国で財政難に陥ったことから税収を上げるために始めたと言われますが、犯罪、青少年への悪影響、勤労意欲の減退、依存症などが問題になっています。韓国では、カジノで破綻して自殺をする人や家庭崩壊など社会問題になり、国民はカジノに否定的な意見が上回っています。
小樽市は、このような問題を引き起こすIR構想、カジノ誘致に今後も税金をつぎ込むのですか。賭博で人生を狂わせるようなことはやめるべきではありませんか。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま自治基本条例案について御質問がありました。
まず、地方自治の本旨である市民福祉の向上について、条例の前文に規定すべきとのことですが、地方自治法第1条の2に地方公共団体の役割として、住民の福祉の増進を図ることを基本とする旨の規定がされております。
一方、自治基本条例は、そのことを具現化していくため、市民との協働のまちづくりを進めていくための基本的なルールとして策定するものです。そのため、改めて条例の前文に市民福祉の向上について規定する必要はないと考えております。
次に、基本的人権の尊重等を盛り込んだ基本理念の明記についてですが、この条例は、その前文のまちづくりの意義も含め、市民参加と協働のまちづくりの基本的なルールを定めたものとなっていることから、この条例自体が市民自治の基本理念であると考えておりますので、別項目で基本理念を規定する考えはございません。
次に、市民に外国人も含まれるかどうかですが、条例上の市民として市内に住所を有する者、市内において働く者、学ぶ者などを定義しており、住民基本台帳に登録された外国人につきましても市民に含まれます。
次に、子供の意見表明の機会の保障を追記すべきとのことですが、本条例では市民参加を基本原則の一つとしており、市民の定義において年齢の規定を設けていませんので、子供についても市民として含まれることから、改めて規定を追記する考えはありません。
次に、住民投票は常設型にすべきとのことですが、小樽市自治基本条例策定委員会からは、議会での審議を経て、実施の必要性を明確にする個別型での方式が望ましいとの提言をいただきました。これを受け、庁内検討会議において議論を行い、策定委員会の提言と同様、住民投票の実施に当たっては慎重な判断が必要となるため、個別の事案ごとに投票に必要な事項を定める条例を議会の議決をいただき制定する個別型の住民投票が適していると考え、規定いたしました。
次に、市民の責務の表現についてですが、市民それぞれが可能な範囲でまちづくりに参加するよう努めることを市民の責務と規定したもので、義務として強制するものではなく、市民の役割として責務という表現を用いているものです。
また、市民一人一人が自由な意思に基づいてまちづくりに参加していただくことを前提としておりますので、参加しないことにより不利益が生ずるようなことはありません。
次に、職員の責務に「自らも市民としての自覚を持ち」という文言を入れた理由についてですが、職員は行政側の立場であると同時に市民としての立場も持っております。まちづくりに対し、職務として取り組むことはもちろんですが、市民の立場としての参加にも努め、その際にはみずからが有する知識や経験などが生かされるよう、このように規定したものであります。
次に、行政評価についてですが、行政評価は職員の事業に対する目的、成果、コスト意識の醸成を図るものであるとともに、事業の点検と見直しを行いながら今後の方向性を整理し、継続して事業の改善改革を図ることを目的としております。このことから、単なる経費や市民サービスの削減を目的としたものではありません。
次に、第9章魅力あるまちづくりに地場産業の振興を図ることを追記すべきとのことですが、第9章は、本市の自治基本条例の特徴を出すため、地域の特性を章立てて条例に盛り込むことを策定委員会から提言された部分です。御指摘の地場産業の振興は、本市経済が地場企業に支えられていることを考えますと、申すまでもなく重要なことではありますが、市民との協働によるまちづくりを進めていくことがこの条例の趣旨であり、今後も市民の皆さんと手を取り合って小樽観光の魅力を高める政策を推進する旨規定することで、本条例の特徴を強調することとしたものであります。
次に、本条例の趣旨が理解されていないことから、改めて提案すべきとのことですが、本条例案は、小樽市自治基本条例策定委員会の提言内容を最大限尊重することを基本に策定したもので、策定委員会からの提言は2年以上にわたって熱心な議論をしていただいた結果であると重く受け止めております。そこには、フォーラムやワークショップにおいて出された市民の皆さんの御意見も反映されており、市民参加によりでき上がったものと考えております。
また、これまでも本条例の必要性、あり方などについて、広報おたるや市ホームページにより周知を図ってまいりましたが、今後もさらに皆さんの理解が深まるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、まちづくりセンターについてですが、市内各地域にまちづくりセンターを設置してはとのことですが、市といたしましては、これまで町内会館の建設助成を通して地域コミュニティ活動の拠点づくりを進めるとともに、町会活動支援員制度により町会の活動を支援してまいりましたが、地域住民によるまちづくりがより推進されるよう、コミュニティ活動への支援のあり方につきましては、他市の状況も参考にしながら研究してまいりたいと考えております。
次に、朝里まちづくりセンターの建設を総合計画の後期実施計画に盛り込むことはできないかとのことですが、朝里十字街の市有地は、地域のコミュニティ活動の施設建設用地として確保しております。総合計画の後期実施計画への位置づけについては現時点では難しいですが、引き続き他の事業との優先度や財政状況を考慮しながら検討していきたいと思います。
次に、魅力あるまちづくりについてですが、初めにカジノサミットに予算をつけたことへの批判につきましては、法の下で厳格な制約を受けたカジノを含むIRは、シンガポールなど世界各国の例を見ましても観光都市を演出する大変すぐれた第一級のリゾート施設となっており、これまで培ってきた観光としての魅力を損なうことにならないと考えております。
次に、問題を引き起こすカジノに税金をつぎ込むのかとのお尋ねについてですが、確かにカジノに課題があることも承知しておりますが、各国の例にもありますように、法制化される段階で対策も検討されていくものと考えております。
本市におきましては、カジノを含むIRリゾートによる地域経済への効果が期待できることから、カジノサミット開催補助金を補正予算として提出するものであります。
○議長(横田久俊)次に、第4項目めの質問に入ります。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)21番、新谷とし議員。
(21番新谷とし議員登壇)
○21番(新谷とし議員)小樽市土地開発公社の解散及び小樽市土地開発基金廃止について伺います。初めに、小樽市土地開発基金と小樽市土地開発公社の関係をお聞きします。
小樽市土地開発基金条例は1969年に制定され、「公用若しくは公共用に供する土地又は公共の利益のために取得する必要のある土地をあらかじめ取得することにより、事業の円滑な執行を図るため」と設置目的がうたわれています。
1973年に設立された土地開発公社は、公共用地、公用地等の取得及び管理、処分を行うことにより、地域の秩序ある整理と市民福祉の増進に寄与することを目的にしています。
どちらも小樽市の開発計画の土地の先行取得を行ってきましたが、市の開発計画も進まず、先行取得した土地も買い戻されずに塩漬けにされてきました。土地先行取得に、なぜ同じような目的のものを二つ設立させなければならなかったのですか。
2013年3月31日現在の土地開発公社が保有している土地の負債総額は6億3,939万1,507円、代物弁済する7用地の取得金額合計は6億1,244万745円ですが、評価額が大きく下がり、公社から小樽市への代物弁済額は2億2,700万円にしかすぎません。この間、市財政が厳しいのに土地売却の計画は建てなかったのか、また、銀行借入れを行った利子の総額は幾らになるのかお知らせください。
今後、市に返済される色内2丁目の臨港線沿いの公園用地、桂岡自然公園用地は売却予定ということですが、色内2丁目の宅地609.84平方メートルは、現在、小樽市総合博物館運河館の駐車場として使われています。運河周辺は、観光客が多く訪れるのに駐車場が不足していますから、売却しないで駐車場にするなど有効活用すべきです。いかがですか。
桂岡自然公園用地は何のために取得したのか、詳しい説明と、今後、売却できる見込みはあるのかお聞きします。
稲穂公園整備用地は、当初の目的どおり公園用地として保有の計画ですが、そもそも地形がよくない土地をなぜ公園用地として取得したのか。売却しない理由、また、公園にする計画はいつとしていたのか、公園にするにはどれくらいの費用がかかるのかをお聞きします。
我が党は、毎年、予算修正案提案で、公社への貸付金をやめ、さらに塩漬けの土地を売って財源にし、市民の暮らしや雇用、小・零細企業を応援するよう求めてきました。
また、必要性がないことから、公社の解散について質問も行ってきました。公社解散に当たって三セク債を国に申請する計画ですが、申請に当たっての要件があるのか、また、5億5,000万円を借り入れして10年で返済予定ですが、支払利息は幾らになるのか、利息の一部は必要に応じて特別交付税を講ずる措置も示されていますが、小樽市に適用されるのか、その場合の割合などについてお示しください。
小樽市土地開発基金について伺います。
土地開発基金が保有する潮見台4丁目の土地は、予定どおり小学校建設予定地として保有する計画ですが、そもそもこのような不便な土地に小学校を建設する計画自体、小樽市の東南地域開発計画のあり方が問題だったのです。東南地域の毛無開発も予定どおり進まず計画倒れ、人口は減る一方です。現在、学校統廃合を進めている中で、ここに小学校建設予定は考えられませんが、いかがですか。そうであれば、計画変更を行い、売却したほうがよいのではありませんか。
土地開発基金条例第2条で、基金の額は5億8,000万円とされています。2013年3月31日現在、土地開発基金の現金約6,000万円は基金として運用され、一般会計へ5億1,000万円貸し付けています。基金廃止で貸付金はどうなるのですか。
小樽市土地開発基金条例第5条による2012年度運用益金は幾らになっていますか。
また、土地開発公社の解散に当たって、土地開発基金から4,700万円繰り入れる予定ですが、金額の根拠をお知らせください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま土地開発公社解散と土地開発基金廃止について御質問がありました。
初めに、土地先行取得になぜ同じような土地開発公社と土地開発基金の二つを設立させなければならなかったということについてですが、公有地の拡大の推進に関する法律が昭和47年に制定され、この法律に基づき昭和48年に土地開発公社が設立されました。この法律の制定により、地方公共団体が取得する財源としては地方債、土地開発基金のほか一般財源によらなければならないため、事業実施年度前に資金的に取得しにくかったが、公社は民間の金融機関から資金調達ができること、土地開発基金で取得した土地は、事業実施の際に国庫補助の対象とならないことが多いため、先行取得しにくかったことであります。このように、基金だけでは対応できなかった土地の先行取得の問題点を解消するために、公社が設立されたものであります。
次に、土地開発公社の解散についてですが、土地売却の計画を立てなかったことについては、現在、公社が保有している土地は7か所であり、そのうち5か所はそれぞれ駐車場や雪堆積場などとして活用しており、ほかの2か所の稲穂公園整備用地は、近隣公園として都市計画が決定されていたこと、桂岡自然公園用地は山林に位置することから、それぞれ売却することが難しい状況でありました。
また、売却に当たっては簿価と売却価格に差が生じることから、その差額が一般会計の財政負担となることから売却に至らなかったものであります。
次に、現在の保有地に対し、銀行からの借入金に係る利子の総額についてでありますが、平成25年4月1日現在で約2,160万円です。
次に、臨港線沿いの公園用地については、売却しないで駐車場にするなど有効活用すべきとのことでありますが、この土地は臨港線に面し、運河沿いにあるため、この地区の観光や商業の発展に寄与できるような民間事業者に売却することが適当であると判断したところであります。
次に、桂岡自然公園用地の取得経過についてですが、昭和59年に桂岡雇用促進住宅が建設され、第2期桂岡雇用促進住宅の誘致を進めておりましたが、入居状況の悪化に伴い誘致が不可能となったことから、平成4年、桂岡団地町会や桂岡小学校PTAなどから要望のあった勤労者及び一般市民を対象としたテニスコート、アスレチック施設のある自然公園用地として先行取得したものであります。今後の売却見込みについては現時点で判断できませんが、土地の位置する条件や近傍地の民間の動向などを考慮し、土地の売却時期や入札方法を検討していく予定であります。
次に、稲穂公園整備用地を取得した理由についてでありますが、旧市街地における公園不足を補うため、近隣公園として同用地を整備する目的で先行取得したものであります。
売却につきましては、都市計画決定をした近隣公園として整備する方針は変わっておりませんので、現時点では売却の予定はございません。
また、用地取得当時の整備計画ですが、用地取得の次の年から買戻しを始め、事業に着手する予定となっておりましたが、整備については用地費も含めて6億円程度と試算していたところであります。
次に、三セク債の申請に当たっての要件についてですが、三セク債に係る許可の申請についての議会の議決が必要となるほか、起債の発行により見込まれる財政健全化の効果や実質公債費比率及び将来負担比率の見通し、さらには財産の管理及び処分に関する方針などを定めた計画の提出が必要となるものであります。
次に、支払利息についてですが、借入利率を1.5パーセントと設定した場合、利息総額で約4,270万円となります。また、特別交付税については、本市も各年度の支払利息の50パーセントが措置される見込みです。
次に、土地開発基金の廃止についてですが、基金が保有する潮見台4丁目の小学校建設用地につきましては、市が昭和54年に策定した小樽市東南地域開発基本計画において、都市計画法の開発許可基準で義務づけられる小学校の配置を、当時計画していた住宅戸数等に基づいて計画したものであります。しかし、予定どおり計画が進んでいないことから、今後は、都市計画の区域区分を見直す際に、小学校用地の売却も視野に入れ、未利用地全体の東南地域の計画見直しについて検討してまいりたいと考えております。
次に、一般会計への貸付金についてですが、一般会計が基金から借り入れておりました5億1,000万円につきましては、基金の廃止に当たり、その全額を繰上償還し、基金の保有財産は廃止後に一般会計の帰属とするものです。
次に、24年度の運用益についてですが、利子収入が16万5,306円、土地の貸付収入が4万2,004円、合計で20万7,310円となっております。
次に、土地開発公社の解散に当たって、土地開発基金から繰り入れる金額の根拠についてですが、三セク債の借入額を縮減し、後年度負担の軽減を図るため、土地開発基金が保有していた現金約6,000万円のうち市庁舎建設資金基金への積立金1,000万円を控除した残額を起債の借入額を勘案して繰入額を決定したものです。
○議長(横田久俊)次に、第5項目めの質問に入ります。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)21番、新谷とし議員。
(21番新谷とし議員登壇)
○21番(新谷とし議員)原発問題と防災について伺います。
初めに、泊原発再稼働と原子力災害対策についてお聞きします。
原子力規制委員会は、原子炉等規制法の改正に伴う地震・津波対策、重大事故対策などを求めた新規制基準を6月19日決定し、政府は7月から施行しました。新規制基準では炉心溶融を伴うような重大事故への対策を義務づけていますが、福島第一原発の教訓を踏まえた内容になっていないことは重大な問題です。津波対策では新たに、原発ごとに最も影響を及ぼす基準津波を設定し、原発敷地内に浸水させない対策を求めています。
地震対策では、原発の真下に活断層の露頭がない地盤に設置するとしていますが、真下に活断層が走っていても露頭がなければ設置できることになります。
原発を操作する中央制御室が使えなくなった場合に備える第2制御室などの設置については、5年の猶予が設けられました。事故の際に、格納容器で高まった圧力を放射性物質を低減した上で外部に逃すフィルター付ベント設備も、福島第一原発と同じ沸騰水型軽水炉は早期の設備を求めていますが、加圧水型軽水炉は5年間の猶予が設けられました。
また、原発事故が起きた際の地域防災計画が確立されていなくても再稼働を認めています。
このように、新規制基準は施行日に合わせてつくられたもので、抜け穴だらけのものになっています。市長は、このような新規制基準をどうお考えですか。
新規制基準の施行に合わせて、北海道電力は泊原発の再稼働を経済産業省に申請しました。このことについて伺います。
原子力規制員会は、1、2号機について申請書の内容に不備があり、安全評価を見直さない限り審査しない方針を示し、北電に対し申請の取下げか補正申請を求めています。北電は、3号機の審査を優先するよう求めていますが、3号機についても15項目の安全評価の見直しやデータの提出が要求されています。中でも地震を引き起こす活断層が地下に存在する可能性が指摘され、秋田県が日本海沿岸部の断層で想定したマグニチュード8.7の地震で起きる津波評価を反映するよう求められています。北電は申請前、津波の想定を当初の計画9.8メートルを7.3メートルに下げたことに対し、不安を持っている市民もいますが、津波対策は万全となるのでしょうか。
オフサイトセンターは共和町に移転し、2014年度末ごろ本体工事が完了予定で、外構工事完了は2015年冬ごろという計画で、省令による新たなオフサイトセンターの要件整備期限の2015年9月30日を超えていますが、問題はないのですか。
避難計画についてです。
北海道原子力防災計画によると、UPZ圏内の町村の避難先はUPZ圏外とされており、古平町の避難先は小樽市になります。古平町から余市町までの避難路は、海岸線の国道229号1本です。ここにさらに他の地域からの避難者や自家用車での避難で殺到することが考えられます。古平町の住民は、その上、地震津波が起きたら逃げ道がない、自分たちは孤立死すると不安を募らせています。古平町の人口は約3,700人、小樽市のどの施設で何人受け入れるのか、また要援護者をはじめ全員を受け入れることはできるのですか。
市立小樽病院は、北海道により初期被ばく医療機関に指定され、拭き取りなどの簡単な除染を行い、けがなどの救急処置を行うとされています。簡単な除染であっても通常の急患と遮断をしなければなりません。大きな事故が起きた場合、通常の処置室で足りるのですか。ほかに別室の除染室が必要と考えますが、いかがですか。また、同様のことについて新市立病院ではいかがですか。
福島第一原発では、高濃度の放射能汚染水が海に流出する非常事態が続いています。福島第一原発に流れ込む地下水は1,000トン、そのうち最大で600トンが海に流出し、さらに原発敷地内に設置してある汚染水貯留タンクから300トンもの放射能汚染水が流出するという事態で、国際原子力事象評価尺度レベル3、重大な異常事故になりました。
その後も放射線量値は上がり、最大1,800ミリシーベルト、4時間浴び続ければ死亡する線量です。さらに、新たにタンクの配管からも汚染水が漏れ出ていて地下水に流れ込み、原発事故は収束するどころか拡大している最悪の事態です。政府はようやく9月3日、汚染水対策を決定したものの、従来の対策を踏襲したにすぎず、地下水の海洋放出について、関係者の理解を得るよう最大限努力すると明記、非常事態の抜本的対策とは到底呼べないものです。
市長は、第2回定例会で我が党の質問に対し、「再稼働については、国の責任において新規制基準に基づく安全性の確保、電力需給、社会、経済への影響などを踏まえ、総合的に判断すべきものと考えます」と答弁されていましたが、福島第一原発事故が収束のめども立っていない上、抜け穴だらけの新規制基準でUPZ範囲内の住民の避難計画も不安だらけ、初期被ばく医療機関としての受入れについても不十分なのに、泊原発再稼働は妥当とお考えですか。
次に、小樽市の原子力防災計画策定についてです。
市長は、小樽市をUPZの対象にするよう求めていましたが、UPZは30キロメートル圏内という設定で外されてしまいました。しかし、福島第一原発事故では予想もしない距離に放射性物質が飛散したのですから、市民は不安です。UPZの範囲は各都道府県が決定しますが、30キロメートルを超えて設定している県があります。県名と内容をお知らせください。
市民の命を守るために、北海道にUPZ圏内に入れるよう再度の申入れはできないのか、それでも拒否をされた場合、市民の命、安全を守る対策を北海道に要望してください。見解を伺います。
市長は、「避難者受入れと並行して市民の安全確保についても考慮していく必要がある」と第1回定例会で答弁されていましたが、その具体策をお聞かせください。
また、小樽市の原子力防災計画策定は、古平町の避難計画が示されてからということですが、それはいつになるのか、あわせて市民の命、安全確保のために市独自の計画を盛り込むよう求めます。見解を求めます。
冬季の避難路確保についてです。
7月8日、2013年度の除雪懇談会が開催された際に、堺町、朝里などから津波などの有事の際の避難路確保について要望が出されました。堺町から東雲町に抜ける道路が冬季閉鎖になること、朝里海岸からの避難路が除雪されていないなどの問題と要望が出されました。堺町の住民は、「冬に津波が来たら私らは討ち死にだね」と話しているという発言がありましたが、災害は時期を選びません。人命を守る立場で冬季の避難路を確保すべきです。いかがですか。
この項の最後に、議案第24号小樽市資金基金条例の一部を改正する条例案にかかわってお聞きします。小樽市役所本庁舎建替えに向けて足を踏み出しましたが、土地開発基金から小樽市土地開発公社解散に充てた残りの1,000万円では建替えにはほど遠いものです。建替えのための費用、資金計画、見通し、推進担当などについて、また、建替えの場合の国、小樽市の財政負担割合などをお知らせください。
改正耐震改修促進法が11月に施行されることになり、病院、店舗、旅館など、不特定多数が利用する大規模施設や学校、老人ホームなど避難弱者が利用する施設に対し、耐震診断を義務づけ、2015年末までにその結果を公表するということです。耐震診断義務対象建築物の具体的要件は、10月上旬までに政令で定めることになっています。
本庁舎は、耐震診断未実施とお聞きしていますが、本庁舎以外に対象となる小樽市所有で耐震診断未実施の主な建築物と合計件数、また、民間所有の施設は幾つあるのかお知らせください。
以上、各項目において再質問を留保して、質問を終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)ただいま原発問題と防災について御質問がありました。
初めに、泊原発再稼働問題についてですが、まず新規制基準につきましては福島第一原発事故を教訓に、地震・津波対策の強化や新たに重大事故対策を義務づけるなど、現時点における最新の知見を反映したものであると受け止めているところであります。
また今後、福島第一原発事故に関するものも含め、新たに得られる知見を規制基準に取り入れていく、いわゆるバックフィット制度の導入により基準が強化され、継続的に安全性の向上が図られていくものと考えております。
次に、北海道電力の津波対策についてですが、現在、原子力規制委員会の原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合が行われており、そこでの指摘事項について、北海道電力では対応内容などについて規制委員会に対して説明を行っております。同社が行う津波対策につきましても、その対策が万全なものかどうか、今後、規制委員会が書類審査やヒアリング、現地調査などを通じて厳格に判断していくものと考えております。
次に、共和町に移転するオフサイトセンターの整備期限についてですが、北海道によりますと新たなオフサイトセンターの外構工事は、のり面の芝生の整備、案内看板の設置などであり、省令で定めるオフサイトセンターとしての施設要件には該当しないものと聞いております。
次に、古平町からの避難者の受入れについてですが、UPZ圏外への避難先については、北海道において受入先の市町村のホテルなどの収容人員等を考慮した結果、小樽市において古平町の全住民を受け入れることが可能であると判断したものであります。
なお、小樽市内での具体的な避難場所については、現在古平町が北海道や事業者と調整をしていると聞いております。
次に、泊原発の再稼働に関してですが、これまでも申しておりますが、原発の再稼働は安全性の確保が最優先であり、原子力規制委員会においては安全性について厳格な審査、確認を行っていただき、事業者においても、その審査結果に真摯に対応していただきたいと考えております。
いずれにいたしましても、私としては、再稼働については規制基準に基づく安全性の確保、電力需給、社会、経済への影響などを踏まえ、国の責任において総合的に判断されるべきものと考えております。
次に、小樽市の原子力防災計画策定についてですが、まずUPZの範囲を30キロメートルを超えて設定している県について、滋賀県では原子力防災対策を重点的に実施する地域、いわゆるUPZの範囲をおおむね30キロメートルとしている国の原子力災害対策指針や同県が独自に実施した放射性物質拡散予測シミュレーション結果などを踏まえ、おおむね42キロメートル圏の区域も範囲に含めていると聞いております。
次に、北海道への申入れについてですが、北海道は国際原子力機関IAEAの基準を踏まえた原子力防災対策指針や国の拡散シミュレーションの結果を踏まえ、泊発電所から30キロメートル以内の地域をUPZとして設定したものであり、市として再考を求める考えはありませんが、30キロメートル圏外のいわゆるPPAの設定や防護措置の具体的な基準が示された際には、安全対策の着実な実施について北海道に要望してまいりたいと考えております。
次に、本市の原子力防災計画の策定時期などについてですが、本市では、地域防災計画の中で原子力災害発生時の避難者の受入れに関する計画のほか、市民の安全確保に関する計画を策定していかなければならないものと考えております。
避難者の受入れに関する計画につきましては、古平町で避難手段などを定めた退避等措置計画の暫定版を策定済みと聞いておりますが、今後、同町で決定する本市内での具体的な避難場所や避難方法、さらには現在北海道で作成中の受入れ手順のマニュアルの完成を待って、策定作業に着手してまいりたいと考えております。
また、市民の安全確保に関する計画につきましては、30キロメートル圏外のいわゆるPPAの設定や保護措置について、今後、国から具体的な基準が示された段階で策定作業に着手し、その内容については市民の安心・安全の確保を念頭に検討してまいりたいと考えておりますが、現時点で具体策としてお示しできるものはありません。
次に、冬季の避難路確保についてでありますが、小樽市地域防災計画では避難路としての指定は行っておりませんが、避難する道路につきましては徒歩を原則と考えております。そのため、今後、津波避難計画を策定する際、地域ごとの避難路について地域性を考慮しながら具体的な検討を行ってまいりたいと考えております。
次に、市庁舎建替えと耐震改修促進法についてですが、市庁舎建替えについては庁舎建設資金基金を新たに設置することとしたことから、本年8月22日に内部委員会として総務部を事務局とする市庁舎建設準備委員会を立ち上げ、建設場所の方針、建設費の概算、基金の今後の積立ての方針、建設までの概括的なスケジュールなどについて、今後その方向性を検討することとしたところです。
また、建替えの際の財政負担についてですが、庁舎建設の費用については国からの財政措置はありませんので、起債の利息も含め、全額市費で負担することとなります。
次に、法改正により耐震診断が必要となる建築物についてでありますが、現在、国から示されている政令案を見ますと、市有建築物については主な建築物として市民会館、総合体育館などがあり、合計で20施設程度が該当すると考えられますが、最終的には10月上旬の政令公布後に確定することとなります。
また、民間所有の対象施設については、現在、精査中ではありますが、10施設程度が該当すると考えられます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)病院局長。
○病院局長(並木昭義)新谷議員の原発問題についての御質問にお答えいたします。
初期被ばく医療機関についてのお尋ねがありました。
初期被ばく医療機関は外来診療が中心であり、汚染拡大防止のため、一般の患者と交差しないよう配慮する必要がありますので、現病院では救急患者処置室を隔離し、除染・診療場所として使用することを考えております。
新市立病院でも、救急患者処置室は一般の患者と動線を区別できますので、現病院と同様に救急患者処置室で対応したいと考えております。
万一大きな事故となった場合については、事故の規模に合わせ除染・診療場所を確保するなど、患者はもとより医療関係者や施設への汚染拡大防止に努め、初期被ばく医療機関及び災害拠点病院としての役割を果たしていきたいと考えております。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)21番、新谷とし議員。
○21番(新谷とし議員)再質問を行います。
一つは、財政問題です。
市税について2012年度の実質収支が2011年度に比べて10億円以上落ち込んだ大きな要素は、市税収入が3億4,200万円も落ち込んだとお答えがありました。評価替えで固定資産税の収入は落ちたかも知れませんが、それにしても先ほど聞いたように、市民税に比べ収入率があまりにも低すぎます。2012年度は今聞いたとおり、固定資産税は4.6パーセント、都市計画税4.8パーセント、市民税は28.6パーセントですから、いかにここが低いかということが浮き彫りになりました。この大きな原因は、市長は金額を知っていると思いますが、OBCの滞納分です。職員の皆さんは言えないかもしれませんが、市長は金額を言えるのではないでしょうか。市民の反対を押し切って多額の市税を旧マイカルにつぎ込んだことは、本当に失敗だったのです。OBCに対しての徴収が甘いのではないでしょうか。このことをお聞きします。
それから、不用額ですが、市長の提案説明で、歳入では特別交付税が予算を下回ったものの、歳出では職員給与費、生活保護費などにおいて不用額が生じたことなどにより実質収支が黒字になったと述べておりました。前定例会代表質問で我が党の川畑議員が指摘したように、毎年多額の不用額を当てにした財政運営をしているということが常態化して、さまざまな市民要望に背を向ける結果となっていることは問題ではないでしょうか。
市民生活にかかわることですが、生活保護費で不用額3億6,662万円、扶助費が2011年度に比べると約1億9,218万円の減で、そのうち医療費が1億8,200万円ぐらいですね、先ほど答弁いただいたのは。この医療費が非常に大きな割合を占めております。生活保護を受給している方で、ぐあいが悪くてもなかなか病院に行けないと、気が引けるため控えているという人もおります。
また、見た目に働ける年齢の人についても、いろいろな病気があります、精神的に病を持っている人もおりますが、そういう年齢の人が生活保護の申請を行った場合にはすぐ職業相談に回して、窓口で申請させないということも聞いておりますけれども、そのようなことでこんなに不用額が大きくなったのではないでしょうか。
それから、国民健康保険事業ですが、療養諸費の不用額が5億3,000万円、2011年度は3億6,355万円でしたから、これは非常に、先ほど答弁があったとおり、大変な医療費が減っているということですけれども、受診抑制が起きているのではないのかと思います。なぜなら、先ほど答弁いただきました介護保険料、それから後期高齢者医療制度における保険料の大幅負担増です。介護保険では5億405万円、それから後期高齢者保険料では6,169万7,700円という、このように大きく保険料が上がっております。この保険料が重いため病院や介護保険のサービスを使えないのです。実際にそういう方々の声をたくさん聞いております。ですから、この保険料の引上げが医療の受診抑制や介護サービスの抑制になっているのではないか、このように思いますが、いかがでしょうか。
それから、新・市民プールについてです。
教育長答弁で年齢層、利用者の推移を調査して形態やコストを考えていると答弁されましたけれども、年齢層や利用推移、これはもうとっくにわかっていることではないですか。問題は形態です。どういう形態で行おうとしているのか、ここをお知らせください。
それから、アベノミクスと消費税増税です。
商工会議所の四半期ごとの経済動向調査について先ほどお答えがありましたが、確かに売上高は増加をしておりますけれども、採算は好転したというのが12.2パーセントで悪化したのが28.3パーセント、DI値はマイナスポイントが拡大しているというのが実態ではないですか。
先ほどの市長答弁でありましたように、年金生活者の介護と後期高齢者保険料の負担、現役世代も年少扶養控除の廃止、子ども手当の廃止などで、全世代にわたり負担が増えたことが明らかです。このような状況の下で消費税増税されたら、さらに生活や営業も圧迫されていくということになり、昨年の第3回定例会での質問で消費税5パーセントに増税されて以来、小樽市の市税収入は28億4,000万円も落ち込んでいる、これは昨年の答弁にあったことです。
消費税増税に対しては、マスコミ各社が8月26日、世論調査の結果を発表しました。2014年4月に予定どおり実施すべきは2割程度しかなく、行うべきでない、先送りすべきが7割以上で、これが国民の声、そして市民の声でもあるわけです。増税分は社会保障などに充て、持続可能な社会保障と言われていますが、これは市長の責任ではありませんけれども、社会保障改悪のオンパレードではないですか。本当に社会保障をよくしていくのであれば、こういうことは打ち出さないはずです。
一方、2011年度分の資本金10億円以上の大企業には、租税特別措置法による減税、法人税率の引下げで合計8兆円以上も減税しております。それから、所得1億円を超えると税負担率は下がっております。こうした不公平税制を改め、税の原則である応能負担を適用すれば8兆円から11兆円の財源ができ、消費税を上げる必要はないのです。そうは思われませんか。
また、消費税増税しますと、先ほど言ったように市税も落ち込みますし、結局、地方交付税も下がるということになりませんか。
それから、自治基本条例案についてです。
懇話会提言では、ワークショップやフォーラムなどを開催して市民の意見を十分に聞いたということでした。それから、提言に沿って条例案をつくったのだとおっしゃいました。確かに熱心な意見交換が行われたと思います。懇話会もかなりたくさん行われておりますが、私たち議員もやはり市民から負託されております。ですから、条例をつくる、そういうことに当たって提案をしたり、また修正をしたりということは、これは当然なことだと思います。
提案されている条例案の中に、市長は、「小樽市の状況課題について市民とその認識を共有し」と書かれておりますし、「市職員は、積極的にまちづくりに参加するよう努めます」と書かれております。条例をつくる前からこれを実践して、地域ごとに幅広い市民の中に入って意見を吸い上げるべきではなかったのでしょうか。
それから、追記のことですけれども、憲法に掲げる地方自治法の本旨である住民の福祉の向上の明記ですが、当然それが前提になっているということです。あえて表記することによって、この小樽市自治基本条例がより価値あるものになるのではないでしょうか。
それと、基本理念の明記ですけれども、前文に書かれているということですが、改めて基本理念って何だろうか、これを皆さんにわかってもらう必要があるのではないでしょうか。ですから、私は明記をすべきだと思うのです。
それから、子供の意見表明権の保障ですけれども、先日の子供サミット、先ほど自民党の質問にもありましたけれども、子供たちはしっかりと意見を述べておりました。また、子供たちは斬新な発想もあります。子供の意見を聞く、尊重することで次期の小樽市を担う、そういう大きな力となるものだと考えますから、あえて載せたらいかがでしょうかと思いました。
それから、魅力あるまちづくりに関連してですけれども、北海道はIRによる経済・社会影響調査報告書を出しております。それを見ますと、カジノ施設は「カジノ管理委員会の認可を受けた民間事業者により特定複合観光施設区域において設置及び運営されるもの」とされておりますけれども、特定観光施設を設置できる区域は「地方公共団体の申請に基づき主務大臣の認定を受けた区域」とされております。それで市長は熱心に誘致しようとしていると思うのですけれども、そうなりますと、当然小樽市はカジノのIR構想策定や、あるいは施設の補助金、そういうところに市民の税金を使うことになるのではないでしょうか。どういう金額的負担が決まった場合には出るのか、そこら辺をお示しください。
それから、カジノで大きな税収を上げたいという思いだと思いますけれども、アメリカやヨーロッパとは日本の歴史、カジノに対する考え方も違います。先ほどは韓国の例を挙げましたけれども、マカオでも経済効果はあるけれども、貧富の差の拡大に対する国民の不満、周辺自治の悪化、依存症対策の不足、外国人労働者の導入など、これらが問題になっています。
また、北海道の調査では、IRの開発によって駐車場不足、交通渋滞、周辺地域の交通混雑、周辺エリアの不動産価格の上昇により地元企業の転居、住居環境の変化などが指摘されており、「こうした社会コストも含めてよく検討する必要がある」と結んでおります。
市長は、これからまだ法律が定まっていないので細かいことはこれからということですけれども、先ほどの自民党の質問に対する答弁では、たしか法整備がされていないのでどんどんどんどん進めるというふうにはならないとおっしゃったと思うのですが、それならばなぜ決まっていないのに推進しようとなさるのか、その辺がわかりません。こういうことよりも景気に左右されない地場産業の育成などで税収を上げるとか、あるいは自然エネルギー採用で雇用を増やすなどの産業興しで魅力あるまちづくりをすると、今たくさんの視察の方が訪れておりますけれども、また視察も多くなって小樽にもお金が落ちることになるのではないでしょうか。そもそもカジノ、賭博で利益を上げようとすること自体、私は間違っているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
次に、土地開発公社解散と土地開発基金廃止についてです。
先ほどいろいろ聞きましたけれども、両方とも公共の利益のため地域の秩序ある整備と市民福祉に寄与するという目的を掲げましたけれども、目的に反し、過大な計画で無駄な投資をしてきたということです。
桂岡の自然公園用地は、雇用促進住宅の第2期計画がだめになって地域の住民の要望を聞いて取得したということですけれども、地域の住民の要望だけではなく事業者からも1回目の雇用促進住宅の建設だけでなくて、第2期も含めて全部買ってほしいと再三せがまれて買ったのではないですか。本当のことを言ってください。
それから、総合博物館運河館近くの土地売却ですけれども、これは先ほど言ったように市内に駐車場は少なく、北一硝子の前の土地は、市が国から借りて経営しているのではないですか。運営・管理は北一硝子でやっていると思いますけれども、そのようにしてやっているところがあることから、そういう点から、問題があるのではないかなというふうに思います。売却すると言いますけれども、何か条件をつけて売却するのですか。
それから、原発問題です。
泊原発再稼働の問題について、市民から泊原発の再稼働はしてほしくないという声が本当に多いです。自分のこととして考えてみたら本当に大変なことです。福島ではいまだに帰れない人たちが16万人もいて、それで本当に生活が厳しくて、精神的にも落ち込んで自殺を図ったりとかする人もいるということです。そういう本当に大変な状況で、その上、海に放射能汚染水が流れて、福島の漁民は漁をやめざるを得ないという深刻な事態です。泊原発でそれが起きないのかといったら、そういう保証は何もないです。ですから、自分がそういう立場にあったらどうなのかということで、それはしっかりと一回言っていただきたいと思います。
病院のことですけれども、北海道からマニュアルが何も来ていなくて、病院の担当者の方は非常に苦労して、もしも事故が起きた場合にどうするのかということを真剣に考えて、何度も何度も北海道とやりとりしているということを聞いています。ですから、病院がではなく、北海道が非常に無責任だと思うのです。そういう中で北電が原発を再稼働させる申請をする、それは本当に納得できません。
それと、市長は、第1回定例会で、市民の安全確保について考慮していく必要があるということで、PPAが決定されて国からいろいろ示されたらと言いますけれども、しかし滋賀県のように42キロメートル圏もUPZの範囲にして、対策を立てているところがあるわけです。福島第一原発事故でも予想を超えるもう大変遠いところまで放射性物質が飛んで、今でもホットスポットとなっているところでは放射線量をはかったり、大変住民の方が心配しているわけです。ですから、そういう点でマニュアル待ちではなくて、市として何ができるのか、その辺を考えてぜひ計画を立てていただきたいと思います。
それから、市庁舎の建設の件ですけれども、国から何も財源措置がないとしたら、建設できるのはいつになるのか。今せっかく立ち上げて準備を進めようとしている皆さん方も、市庁舎の建設というのは見ることなく退職されていくのかなと思いますけれども、今、耐震改修促進法が出て、これが適用されるとなりますと全面改築ではなくてこういう耐震改修なら可能なのか、この辺も含めて検討することになるのでしょうか。その点について伺いたいと思います。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)副市長。
○副市長(貞村英之)新谷議員の再質問にお答えいたします。
まず1点目、市税収入の収入率が低すぎる、OBCに対する徴収が甘いという御指摘についてですが、OBCとの打合せでは、OBCも今ああいう状態なので、収入が上がっていないという状況であります。市としても、差押え等しておりますので、その辺のところを外すなりなんなりという打合せは常にしているところでございます。
税についてはOBCの納税計画みたいなものを常に受け付けてやっております。そしてもう一つはあの施設をとめるわけにもいかないわけですから、この辺のところは甘いと言われるのもあると思いますが、可能な限り徴収していきたいと考えているところでございます。
あと、不用額の件で生活保護、国保について御質問がありましたが、担当部長から答弁いたします。
それから、アベノミクスの関係で、消費税の影響で不公平税制になると、応能負担にすればいいのではないかという質問がございましたが、保険料の引き上げによる受診抑制によりなかなか医療を受けられないのではということで、我々も消費税については今これからどうなるか、国の動向を見守っていくしかないと思っております。その上で、来年の4月から8月になるのか、その辺は見守っていくしかないと思っておりますので、正確な、こうしたらいいのではないかと答える用意はできておりません。
それから、新・市民プールについては、教育長から答弁いたします。
それから、自治基本条例について、市民からの意見を吸い上げるべきではないのかということですが、答弁したとおり、ワークショップ等々を開催いたしまして、市民の意見は聞いているところでございます。その上で、北海学園大学の横山教授をトップにした検討委員会を開催して、意見を吸い上げてといいますか、意見を聞きながらつくった案でございますので、御理解願いたいと思います。
それと、あえて住民福祉、それから基本理念、それから子供の意見表明権を明記すべきではないのかということでございますが、先ほどもお答えしたとおりのことでございますので、これも御理解願いたいと思います。
それからIRですが、特定観光施設ですが、まだ基本法ができておりませんので、市がIRの特定観光施設の区域を指定する、今の案では確かにそういう案も出ておりますが、法案はまだ上程されておりませんので、見えておりませんので、その辺はまだ答える段階ではないと思います。
それから、カジノで税収を上げていくという、確かに税収がどういうふうになるのか、民設民営になるのか公設民営なのかもまだわかりません。それと例を挙げられている韓国のいろいろカジノの問題点を指摘されたところですが、確かにおっしゃるとおり歴史が違いますので、国においてきちんとした法律ができるわけですから、その辺は法律の中で問題点はクリアされていくのかと思っているところでございます。
カジノについては、先ほど市長が申し上げたとおり、法律ができてから手を挙げては遅いということで、あえて事前に候補地としての選択を迫ろうということでございますので、この件はカジノをどんどん推進していくという段階ではまだございません。ただ、カジノについては、先ほど市長が申し上げたとおりでございますので、御理解願いたいと思います。
それから、土地開発公社、桂岡の土地の件と運河の土地の件でございますが、桂岡の土地の件については、私が聞いているところでは先ほどの答弁のとおりでございますので、それ以上のことはちょっとわかりません。
それから、総合博物館運河館横の土地の件ですが、土地開発公社が今持っている土地については、原則的には全て売りたいと我々は考えているところでございます。早く売ってこの三セク債の借金はすぐに償還してしまいたいというのが本音でございますが、なかなか売れないということで、それから使っているところもありますというところで、売れるところは売っていきたいと考えております。
それから、原発の再稼働についてですが、原発の再稼働の問題につきましては、今、国においてその辺を審査しているところですので、見守っていきたいと思っております。
それから、計画策定についても、PPAも、どういうふうに策定、対策をとっていくのか書き込んでいきたいと思っております。
それから、市庁舎の建設の件です。いつになるかわからないということですが、この件についても、確かに全額の25パーセント部分の一般財源の持ち出しもありますし、起債と申しましても単なる借金でございますので、なかなか進めていくことにはならないと思いますが、どのように積み立てていくのか、毎年のように剰余金が出る中の一部を積み立てるのか、それとも決めて積み立てるのか、これから検討していくところでございますので、御理解願いたいと思います。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)新・市民プールに関しての再質問にお答えいたします。
まずは、利用人員、それから年齢構成などについて、やはりこれからどのような使われ方をするのかということに関していえば、市内の高島小学校温水プール又は民間のプール、それらの利用状況などまだまだ分析しなければならないことがありますし、それによってプールの広さ、深さ、それから利用の仕方によって変わりますし、さらに設備がどのようなものがいいのか、あわせて建て方として複合、学校を含めた複合施設、どのような組合せがあるのかということも相手方の問題もあり、また、民間との複合も含めて考えなければなりません。さらに単独か複合かということも含め、さらに建設場所の問題もあります。それから建設する時期の問題もあると、この辺を総合的に今検討しているところでございますので、もう少々お待ちいただきたいと思います。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)財政部長。
○財政部長(堀江雄二)新谷議員の再質問にお答えいたします。
不用額が常態化しているのではないかという御質問ですが、確かに昨年度、今年度と20億円を超える不用額が出ております。先ほど市長からも答弁させていただきましたけれども、建設事業における入札金額の減、御存じのとおり高機能消防指令センターの減額がかなり大きかったということもございます。確かにそれもありますけれども、やはり事業をやってみないとわからない部分、さらに職員の努力で削減している等々ございますけれども、やはり事業を執行してみないとわからない部分、その部分がこういう結果に表れているというふうに私は理解してございます。たまたま昨年度と今年度、同じぐらいの額になっているということで、不用額については、ある程度は仕方がないと私は考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)福祉部長。
○福祉部長(三浦波人)私からは財政問題に関して、不用額の中で生活保護の医療費について、保護申請の相談の際に就業が可能そうな方について、申請の段階でそれを受けないのではないかということでしたけれども、そうではございませんで、生活保護の扶助費の予算額というのは90億円程度ございます。そのうち医療扶助の予算が半分ほどございますけれども、生活保護を受けていらっしゃる方の年間の病院等の受診、その内容が若干変わりますと、たちまち決算額に影響が出てくるという、そういう性格のものでございますので、当初予算がなかなか立てづらいものの一つということで、その辺の事情を御理解いただきたいというふうに思います。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)医療保険部長。
○医療保険部長(藤井秀喜)新谷議員の再質問で、国民健康保険料、介護保険料や後期高齢者医療保険料が上がったということが、保険給付の不用額でそれなりの金額を出してきた理由ではないかということで、それについてお答えいたします。
まず、国民健康保険も介護保険もそうなのですが、今の一般会計と同じように、やはり予算を組み立てるときに、基本的には国保で言えば保険給付費というものがどれぐらいになるかということを見積もりするのですけれども、歳出の額自体がもう170億円という非常に大きな規模なものですから、その中での1パーセント、2パーセントのぶれがその額になっていると。ぶれてくるというのは一般的だということでまず一つ御理解いただきたいのと、あと保険給付費で不用額が5億円ほど出ています。ここの部分については、先ほどの市長答弁にありましたとおり、被保険者数だとか医療費ということですので、細かい分析がなかなかできないので私どもも苦慮しているのですけれども、受診抑制がなかったかということであれば、それは全然ないというふうには私どもは言えないとは思います。ただ、それがどの程度なのかというのは、分析ができないものですから、それは一定程度あったものというのは否定できないのではないかと思っております。
介護保険の不用額の部分については、今回、ちょっと特殊なものです。年度の途中で給付額が予想よりも、当初の見積りより増えるということで、第1回定例会において2億6,700万円ぐらい補正をしたのですけれども、結果としてはそれが要らない形になったものですから、その部分が不用額というか、そういう形で出てきています。ですから、決算と当初の予算で比較しますと7,000万円ぐらいの不足ですから、そもそもの介護予算も130億円という非常に大きな財政規模なものですから、7,000万円ぐらいであれば大体1.5パーセントぐらいのぶれですので、これは私どもとしては、まだいいほうだと言ったら変な言い方ですけれども、誤差の範囲内なのではないかなと思っています。
後期高齢も、確かに保険料が上がったということでの受診抑制がなかったとは国保と同じように言いきれない部分もあります。ただ、会計上、広域連合なものですから、4月、5月の出納閉鎖期間の収入というものは当該年度でなく翌年度に充てられるというような形があって、数字が大きく見えると、そういう部分もあるということで御理解いただきたいと思います。
○議長(横田久俊)答弁漏れが少しあると思いますが、アベノミクスの増税の関係で、市内の企業のDI値のマイナスが拡大しているのではないですかと私のメモにあります。それからもう一つは、そういったことを踏まえて、消費税を上げる必要がないとは思いませんかという問いかけがあったように思います。
それから、運河の駐車場の関係では、これを売却するのですが、条件をつけて売却するのでしょうかというような部分の答弁がないように思えますが、いかがですか。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)副市長。
○副市長(貞村英之)済みません、御指摘の件についてお答えいたしたいと思います。
DI値の件ですが、DI値は答弁のとおり建設事業については確かに拡大しているのですが、ほかの事業ではマイナスの面もあるということで、相対的に見てあまり上向いていないということは言えるかと思います。ただ、それと消費税と結びつけて小樽ではどうのこうのではなく、今、国において検討している段階でありますので、答弁を差し控えたいといったところでございます。
それから、運河の博物館の土地ですが、条件をつけるのかどうかということですが、まだその辺のところは未検討でございますので、御理解願いたいと思います。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)21番、新谷とし議員。
○21番(新谷とし議員)再々質問を行います。
先ほど不用額について財政部長から答弁をいただきました。私は、昨年度、その前、その前とずっと3パーセント台で推移をしているということで言いましたけれども、大体このぐらいのものが残るのであれば逆に、残るのは仕方がない部分もあると思います、しかしこれだけ残るのであるなら、市民要望はいっぱいあるのです。例えば道路の側溝を直してほしいが予算がない、いつになるかわからない、こういう細かいことの要望などもいっぱいあるのですよ。ですから、それぐらい残るというのであれば、逆に予算をもう少し多く見積もるということもできるのではないですか。だから、そういう不用額を当てにした財政運営ではないということだと思うのですけれども、であればもっと市民要望を取り入れていただきたいと思います。
それから、生活保護の扶助費、先ほど半分ぐらいは医療費だということでした。医療費がどうかかるかによって数字が変わるのだということもわかります。しかし、昨年度の場合、扶助費の94パーセントが医療費というのは、これは当たり前のことなのかなと。それはもう少し詳しく調べるというか、分析していただきたいなと思うのです。わかりますか、言っている意味。昨年度の場合、扶助費のうち、医療費の分が94パーセントを占めているのです、1億九千幾らのうち、1億八千何ぼが医療費でしたから。だから、もう少し分析していただきたいと思います。我慢している人もいるのです。そして、がん検診なんかも無料でできるということも知らなかったというか、お知らせしていなかったという問題もありますから、この辺もきちんとしていただきたいと思います。
それから、先ほど桂岡の自然公園、本当のことを言ってくださいと言ったのですけれども、本当のことを言えないようですので、後で資料を、調査して示していただきたいと思います。
それから、自治基本条例案なのですが、パブリックコメントが2件しか寄せられなかったということをどのように考えているのでしょうか。策定委員会の附帯意見に、あらゆる市民がその趣旨と意味を理解して、みずからのものとして受け止めていくことが必要で、そのためにあらゆる世代の人々が理解できるように周知の手段や説明の仕方を工夫する必要があると考えていると述べております。でき上がったものをもちろんわかっていただくことは大事なことです。ですけれども、これからただホームページで知らせたところで、またわからない人が多いです。ですから、市民と情報を共有すると立派なことをうたっているわけですから、それを実践していかなければならないと思うのです。ですから、地域ごとに説明会を開くとか、そういうことも必要ではないですか。そして、そこで修正、また追加をされた場合どうするのですか、5年間ほうっておくのですか。
それから、IRカジノ誘致ですけれども、まだ法が決まっていないからとか盛んに言われて、決まってからなら遅いからということですけれども、小樽市がどういうような負担をするのか、どういうようなデメリットがあるのかということを十分にわからずに推進していくということ自体がおかしいのではないですか。市民の間では反対も多く、市民合意を得ておりません。これから自治基本条例を制定して、市民に情報を速やかに提供して情報の公開をしなければならないのですから、もっとこの問題についても広く市民の意見を聞くべきではないのでしょうか。
それから、プールのことです。
先ほど重要なことをお聞きしました。民間との複合ということは、PFI方式のことですか。このPFI方式というのは、もう既に破綻したことなのです。破綻している事業なのです。これを取り入れると利用料の負担が大きくなってしまいます。こういう形態で進める計画なのですか。それから、それはそれとして、それは別にしてですよ、そういうことをやめて、必ず後期実施計画にのせるのか、早い時期に建設するのか、それを確認いたします。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)副市長。
○副市長(貞村英之)新谷議員の再々質問にお答えいたします。
まず、不用額の件ですが、3パーセントで平均していると、その分を削ってということなのですが、その中身を見ていただくとわかると思うのですが、結構国の補助、国の負担、それから道の負担があるものがありまして、直接の事業、例えば生保ですとかそういうものについては、やはり不足させるわけにはいきませんので、かなり多く見積もらざるを得ないというのがあります。
それともう一つは、不用額が、予算のときにかなり厳しい見積もりするのですが、結局見積りをとって執行する段階で、かなり絞って執行しているというのも事実であります。そういうものを総計したのが20億円ほどの不用額、一般財源で言えばそこまではいかないのですが、その中にはやはり国に返すお金もありますし、そういうものを見ますと、やはり今の不用額が限界なのかと思います。私たちは不用額イコール悪だとは思っておりません。
記憶に新しいと思うのですが、道庁の不祥事事件のときに極端な不用額といいますか、年度内執行がそのまま3月末ぐらいに集中発注されて、それが原因でいろいろな不祥事が起きたという事例もありますので、それ以降、単費の不用額というものは努力によって自然体でいこうというのが今の流れでございますので、不用額については今の予算の仕組みが続く限り、出て仕方がないものではないかと思っております。
それから、生保の医療費、94パーセントというのがちょっと私、半分だと思っておりましたのでわかりませんので、これは福祉部長から答えていただきたいと思います。
それから、桂岡の件ですが、私はその経緯がわかりませんので、後々に担当部からいたしたいと思っております。
それから、自治基本条例案の件ですが、パブリックコメントが2件しかないのをどう思うかということでございますが、パブリックコメントを実施するときに、ああいう理念条例なるものはあまり悪いことを書いているものではないものですから、そんなに反対意見等々あるとは思っておりませんでした。2件の内容も条例に直接影響するような意見というものも出ておりませんでしたし、今後、言われるとおり、修正案が出てきたら5年間修正しないのかという御指摘もございましたが、5年以内にということが書いていると思いますので、執行していく上で、やっていく上で明らかにふぐあいがあるようでしたら、それは5年間というものに、以内という表現がありますので、とらわれずに修正していきたいと思っております。
それから、カジノの件ですが、市民合意をとるべきではないのかということですが、カジノの法案推進に当たってはもちろん市民の意見を聞くべきと思いますので、仮に、今、自治基本条例案は可決されておりませんが、もし可決していただけるなら、市民合意という中でも、この条例の中でやってもいいと思うのです。いろいろやり方はあると思うので、市民の意見を聞きながら進めていくべきものと十分理解しておりますので、そこら辺は御指摘のとおり市民の意見は取り込んでカジノのほうも推進していきたいと思っております。
あと、プールの件ですが、ちょっとPFIのことはわかりませんので、教育長からお願いしたいと思います。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)福祉部長。
○福祉部長(三浦波人)生活保護扶助費のうちの医療扶助費の件でございます。
要は決算不用額の決算額同士を比較したときに、その不用額のほとんどが医療扶助費であるということでございますけれども、これは生活保護の扶助費の予算額というのは、大きいものから言いますと、例えば医療扶助、先ほど半分ぐらいが医療扶助費だと言いました。そのほかに生活扶助費というのが30億円とか住宅扶助が10億円とか、そういう大きなものがあるのですけれども、生活扶助費とか住宅扶助費というものは、予算を立てるときにそのときの受給者の方の人数をある程度押さえて、翌年度の新規の増加傾向とか廃止の傾向をつかめばそれほど大きなずれは出てこないのですが、医療扶助については、先ほど申し上げましたように、ちょっと風邪がはやるとかはやらないとか、大きな手術をされる方がいるとか、こうなりますと、医療費の10分の10が生活保護で出すものでございますので、大変大きな影響になってきて予算が立てづらいということは先ほど申し上げました。それでどうしても不用額同士を年度ごとに比べますと、そのほとんどが医療扶助になってしまうということで、これも御理解をいただきたいと思います。
なお、先ほど来不用額の話になっていますが、年度によっては例えば風邪がはやったりいたしますと、途端に医療扶助費が足りなくなるということもあり得るということで、その点も御理解いただきたいと思います。
それから、御質問の中に受診の制度を知らない方がいらっしゃるお話があったと思いますけれども、もしそういうことがあるのだとすれば、そういうことのないように対応してまいりたいと考えております。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)新谷議員の再々質問にお答えいたします。
民間との複合施設がPFIの問題については、数ある検討の中の一つということで、それで決めたということではありませんので、御理解をいただきたいと思います。
それから、教育委員会とすれば後期実施計画に登載の方向で検討を進めておりまして、できるだけ早く一定の方向を示し、市長部局と相談をしてまいりたいというふうに考えております。
(発言する者あり)
(「議長、21番議事進行について」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)答弁漏れですか、どうぞ。
○21番(新谷とし議員)必ず後期実施計画にのせて早期に建設していただきたいということに対してのお答えがありません。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)副市長。
○副市長(貞村英之)今の件ですが、教育長の答弁の中で市長部局と協議していくということなので、我々も教育委員会からの提案を受けて検討していきたいと思いますが、必ず今のせてと言われても、まだ検討していないので、のせる方向では考えていきたいと思っておりますが、そういうことで御理解いただきたいと思います。
○議長(横田久俊)いいですね。答弁漏れはないですね。
(「議長、22番、議事進行について」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
○22番(北野義紀)議長に今発言がないのかと言ったら、ないというお話だから、議事進行の発言を求めるのです。今後の本会議の運営にかかわりますので、教育長の再答弁の中で、学校併設型も検討の一つになっている、こういう答弁がありました。
○議長(横田久俊)プールの件ですね。
○22番(北野義紀)これは前から教育委員会に何回も注意をし、第1回定例会の冒頭の教育長の教育方針の説明の中でもうたわれ、突然、学校併設型というのを市長部局と相談するということで、これは議会のほうで初めて聞いたということで、議長から教育長が各党会議に呼ばれて注意をされたことなのです。
なぜこのことを問題にするかといえば、議会で過疎計画というのは満場一致で決定されているのです。学校の施設は過疎債の対象にはならないということが前提の上で過疎計画が立てられていますから、過疎計画で言うプールというのは単独型しかないのですよ。にもかかわらず、過疎計画を満場一致で決めた議会の意向を無視して、何回注意しても学校併設型を繰り返すということについて、議長から何の注意もないというのは私は解せませんので、議長の見解を求める次第です。
○議長(横田久俊)ただいま北野議員から議事進行の発言がありました。確かに各党会議で教育長にお話を聞いて、みんなで理解をしたといいましょうか、そこでお話をいただいたわけでありますが、一貫して教育長が御答弁なさっているのは学校併設型も考慮して考えながらという発言だと私は聞いておりますし、全く過疎債との絡みはどういうふうに解消するのかわかりませんけれども、学校併設型も一つの案として考えているということでありますので、私はその答弁をそれで結構だと思っておりますので、注意はいたしません。
(「納得いかないよ、それは」と呼ぶ者あり)
後のいろいろな場面で御質問をいただきたいと思います。
(「議会の意向を無視した答弁、教育長の答弁は。そんなことでいいのですか」と呼ぶ者あり)
繰り返しになりますが、私としては今の段階では、教育長の答弁は、学校併設型も選択肢の一つとしているということでありますので、それに決めたというお話ではありませんので、これは何回も言いますけれども、教育長の答弁はそのままでいいと思います。
(「議長、21番、議事進行について」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)答弁漏れですか。
○21番(新谷とし議員)いえ、副市長から答弁いただきましたプールのことですけれども、総合計画は議会で議決しておりますよね。それを無視する発言はおかしいのではないですか。
○議長(横田久俊)新谷議員の議事進行にお答えしますが、副市長の答弁が総合計画を無視しているというふうに私は聞き取れませんでした。そういうことも含めて、これから教育委員会とさらに協議を重ねるというふうに理解をしましたので、その旨御了解ください。
(発言する者あり)
(「肯定するばかりですね」と呼ぶ者あり)
以上をもって本日の会派代表質問を終結し、本日はこれをもって散会いたします。
散会午後5時23分
会議録署名議員
小樽市議会議長横田久俊
議員酒井隆行
議員中島麗子