開会午後1時00分
○議長(横田久俊)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、濱本進議員、中島麗子議員を御指名いたします。
日程第1「議案第1号ないし第15号及び第17号ないし第54号並びに報告第1号及び第2号並びに請願及び陳情並びに調査」を一括議題といたします。
これより、順次、委員長の報告を求めます。
まず、予算特別委員長の報告を求めます。
(「議長、27番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)27番、前田清貴議員。
(27番前田清貴議員登壇)(拍手)
○27番(前田清貴議員)予算特別委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
今年度、試行されている事務事業評価については、当初、新年度予算編成に反映することを目指し、評価結果を取りまとめる予定であったが、現在も作業が続いていると聞く。このような状況の中、一部の事業で評価結果を、新年度予算を編成する上で考慮したとのことだが、結果的に幾つの事業が該当になったのか。
本事業の導入については、市長公約でもあり、また本市の行政運営の結果を広く市民に伝えるためのツールでもあることから、今年度の試行により浮かび上がった諸課題を解消するとともに、新年度以降の本格実施について、前向きに検討すべきと思うがどうか。
中央バス積丹線は、これまで国及び道から後志地域生活交通確保対策事業費補助金を受け運行してきたが、補助金算定基準が変更されたことに伴い、新年度から、本市を含む沿線4町村と事業者が事業費の一部を負担することとなったと聞く。北しりべし定住自立圏を構成する自治体として生活路線確保の立場から、一部負担はやむを得ないと考えるが、そもそも一方的に算定基準を見直して、沿線自治体に負担を求めるという国の対応には疑問を感じざるを得ず、市として、国及び道の責任においてこれまでどおりの全額負担とするよう強く要請すべきと思うがどうか。
昨年末の政権交代に伴い、カジノ合法化に向けた法案の議論が再燃し、法案成立が視野に入ってきたところである。道内には、誘致を目指し、積極的に活動している地域もある一方、本市においては、民間で誘致を目指す動きがあるものの、市は、情報収集を行うのみにとどまり、他市の動きに遅れている感は否めない。現在、市は、誘致について何ら方向性を示しておらず、このままでは同法案成立後に、本市としてカジノを含む統合型リゾート施設を誘致するとなったとしても、せっかくのチャンスを逃すことになりかねないことから、誘致に向け市の明確な方針を示すために、経済効果や市民生活への影響などについて、具体的な試算や検証を早急に行うべきではないか。
市は、業務事故防止に向け、業務事故防止の指針を策定し、市職員に周知徹底しているとのことだが、この確認はどのように行っているのか。
また、業務事故の防止には、市民から見られているという緊張感を持って仕事をすることも大切な要素であるが、市役所内部の取組は、市民に伝わっておらず、職員にとっても、見られているという意識に欠けているのではないか。
こういった意識を保持していくためには、民間企業が行う業務事故防止月間のような期間を設け、対外的に取組を示していく必要があると思うがどうか。
東日本大震災後、地震や津波に備え、各町会で避難訓練を行っているが、市職員は自身が居住する町会で行う訓練に参加しているのか。
地域防災計画によると、緊急時の避難誘導は、その地域に居住する市職員が行うとされていることからも、市は、市職員が万一の場合に支障なく避難誘導が行えるよう、訓練への積極的な参加を働きかけるべきと思うがどうか。
広報おたるは、市と市民を結ぶ媒体として重要な役割を果たしており、そのほとんどが新聞折り込みにより配布されている。しかし、昨今の経済情勢の中、家計の逼迫により新聞を購読しない家庭が増加し、広報誌が届かない世帯も増えていると聞くが、市は、その実態を把握しているのか。
また、市は、インターネットでの情報発信も行っているが、高齢者にとって、ネットでの情報把握は難しく、やはり広報誌が貴重な情報源となっていることから、全世帯への配布に向け、配達方法を見直すなど、対応策を検討すべきと思うがどうか。
第2次安倍内閣は、長引く円高・デフレ不況からの脱却や雇用・所得の拡大を目指し、日本経済再生に向けた緊急経済対策、いわゆるアベノミクスを提唱し、即効性のある政策に取り組んでいるというが、現状、本市において目に見える効果は出ているのか。
国は、緊急経済対策の財源として国債を増発する一方、この批判をかわすため、国家公務員の給与削減措置に準じ、地方公務員にも給与の削減を求め、それを反映する形で、平成25年度地方財政計画上、地方交付税の削減を図るという。しかし、本市は、国に先んじ、平成16年から職員給与の削減に取り組んでおり、地方のこうした行財政改革の努力を何ら評価することなく、地方固有の財源である地方交付税の一方的な削減を求めること自体、到底看過できるものではないと思うがどうか。
本市の平成23年度決算における将来負担比率は108.5パーセントと、早期健全化基準を大きく下回るものの、今後、歳入の減少が見込まれる中で、将来にわたって持続可能な財政運営を図り、さまざまな施策を展開していくためには、事務事業評価による事業の見直しが重要と考える。しかし、現在、市が試行している方法は、個々の事業を単独で評価するものであり、関係する事業との一体的な評価はされていないことから、今後、評価をより効果的なものとするためにも、関連事業をまとめて評価できる手法を検討すべきと思うがどうか。
また、今後、事務事業評価を本格実施する際には、具体的な財政効果の目標を持ちながらも、漫然と行政サービスを削減するという事態にならないよう、費用対効果を考えたバランスのよい評価をしてほしいと思うがどうか。
市が発注した公共工事の落札率を見ると、建築工事より土木工事の落札率が低くなっている。土木工事は、人的経費の占める割合が高いことから、人件費抑制による費用の圧縮が原因と推察されるが、市は、入札業者の賃金や労働環境について把握しているのか。
入札による低価格競争の中、自治体が発注する工事請負や委託の契約において、違法な労働条件下での就労の潜在化が危惧されており、その結果、公共サービスの品質低下を招くことが懸念されている。市は、労働条件は労使間で自主的に取り決められるものというが、公共サービスの質と委託先などの従業員の適正な労働環境の維持のため、独自の取組を行う自治体もあることから、本市においても、他都市の事例を研究し、市発注の契約における従業員の労働環境の確保に取り組むべきと思うがどうか。
本年3月から本運用される高機能消防指令センターについては、最新の情報機器とネットワークによる迅速な状況判断や出動指令により、被害の軽減や救命率の向上などが図られるものと聞く。こういった施設は、市民生活に安心を与える大変心強い設備であり、見学会の開催や緊急通報電話の講習会などにより、機能や効果を広く市民に周知してほしいと思うがどうか。
色内小学校では、観光客へのガイド体験活動を通して、小樽への愛着と社会性を育むことを目的とした、おたる案内人ジュニア育成プログラムを総合的な学習の時間に取り入れている。こういった学習の中で、児童がまちの歴史や観光について学び、ふるさとへの愛着を深めることは、おもてなしの心の醸成につながるとともに、家庭での会話を通して、保護者に観光への意識啓発が促されるといった波及効果も期待でき、将来の本市観光の発展にも寄与すると思われることから、観光教育の一環として、この取組を市内全域に広げていくべきと思うがどうか。
部活動は、教員の熱意やボランティア精神により支えられている側面もあることから、本市では、教員の異動により、部活動の維持が困難になる事例もあると聞く。部活動は、学習指導要領に位置づけられ、学校教育の一環として教育課程と関連を図るよう明記されており、部活動を継続的に行っていくためには、地域や学校の実態に応じ、教員以外で技術的指導を行う外部指導者の派遣なども検討すべきではないか。
外部指導者活用の先駆けである杉並区立和田中学校では、外部スポーツ団体に休日の部活動の指導を委託する部活イノベーションに取り組んでおり、教員の負担軽減を図っていると聞く。本市でも、和田中学校の例を参考にするなど、部活動が活発化するような新たな取組を研究してほしいと思うがどうか。
小・中学校からは、毎年のように網戸の設置など、施設・設備の改修等に係る要望が寄せられているが、限られた予算の中で、全ての要望には対応できていないという。教育委員会として最大限の努力をしていることは理解するが、施設・設備の老朽化が進んでいるのも事実であり、更新に当たっては、要望事項を精査し、優先度を見極め、対応してほしいと思うがどうか。
また、照明器具にふぐあいが生じ、修理を依頼したある中学校では、普通教室は改修されたものの、専門教室は手つかずの状態であったと聞く。こうした半端な改修は、工事の効率が悪く、児童・生徒の学習生活面への影響も心配されることから、更新・改修が必要な施設・設備についてはおろそかにせず、適時適切に行ってほしいと思うがどうか。
放課後児童クラブについて、今年度から特別支援学級等に在籍する児童の受入れ対象学年を6年生まで拡大し、小樽聾学校と高島小学校を拠点校として実施していることは評価に値する。しかし、聾学校は、来年度末での閉校が決定しており、新たな開設場所を設定する必要があると思うが、この検討に当たっては、拠点校への移動による児童の負担軽減や安全確保を考慮し、児童が在籍する小学校を開設校とするよう努めてほしいと思うがどうか。
新・市民プールについては、財政難により新たな負担はできないという理由から、当面、事業着手が見送られたが、教育委員会は建設した際の具体的な負担などについて検討はしておらず、財政にどの程度の影響があるかも不明という。それにもかかわらず、財政問題を理由とすることには根拠がなく、このようないい加減な判断で見送りとしたことは、早期建設を望む市民の熱意に水をかける暴挙であり、許されるものではないと感じるがどうか。
また、プール建設について、教育委員会は、今後、第6次総合計画の後期実施計画に盛り込む方向で市長部局と協議していくというが、長年建設を待ち望んできた市民の声に応えるためにも、計画策定を待つことなく、建設に向けた方向性を示すべきと思うがどうか。
本市では、新博物館基本計画に沿って社会教育施設の管理一元化が進められており、その第1段階である旧交通記念館、旧博物館、青少年科学技術館の機能統合については、総合博物館の開館により完了したが、第2段階の一つである鰊御殿のサテライト化については、いまだに着手されていないという。現在、両施設はある程度連携しているというが、観光施設という鰊御殿の設置目的や、サテライト化に向けた具体的な動きがない現状を鑑みれば、計画自体に疑問を感じることから、この際、計画をいったん見直す必要があるのではないか。
クルーズ船について、本年は15回の寄港が予定されており、乗船客の市内消費による経済効果が期待されているが、市民からは、下船後、札幌などへ観光に行ってしまい、どの程度小樽で買物などをしてくれるかは疑問だという声も聞かれる。そのため、乗船客を確実に市内観光へ導くには、事前に小樽の魅力を十分にPRしておくことが重要だが、市は、これまでどのような取組を行ってきたのか。
クルーズ船の誘致は、新たな観光客を確保するための絶好のチャンスであり、小樽港が国内外クルーズの主要な寄港地として多くの船社に選ばれるためには、乗船客に小樽観光を楽しんでもらい、小樽港寄港に対する評価を高めていく必要がある。そのために市では、今後、どのような施策を展開していくつもりなのか。
クルーズ船寄港による市内への経済効果が期待される中、今後の誘致促進に当たり、国際旅客船埠頭に位置づけられる第3号ふ頭の再開発に関して提言書が取りまとめられるなど、ハード面の方向性が明確になってきた。一方、乗船客の市内への誘導といったソフト面については、これまではクーポン配付などにとどまり、富裕層の多い乗船客に対する市内観光への動機づけには不十分であったと感じている。新年度は、小樽港クルーズ推進事業において、ソフト面の強化に取り組むとのことであるから、客層を捉えた小樽ならではの魅力ある産品や観光商品の発信など、乗船客の興味を喚起し、市内へ足を向けてもらえるような仕組みづくりに努めてほしいと思うがどうか。
市は、新年度、海上観光のかなめである小樽観光振興公社の観光船事業を推進する目的で、公社が所有する観光船オタモイ号、祝津号を新船に更新するための経費として、公社に対する出資金の名目で1億3,000万円もの予算を計上している。公社は、財政的に脆弱な経営体質で、単独での更新は困難な状態にあるというが、観光船事業は公社の主要な事業であり、本来、公社みずからが観光船の耐用年数を考慮し、必要な資金を調達の上、計画的に新船への更新を図るべきではなかったのか。
また、増資により設備を更新する際には、出資者の全てに更新計画を示し、出資割合に応じた負担を求めるべきであり、なぜ厳しい財政状況にある本市だけが負担するという判断に至ったのか。
タグボードのひき船業務について、市は、小樽市内及び近隣には事業者が1社しかないため、随意契約しているという。しかし、市内にはほかにもひき船業務への参入を希望する業者もあると聞くことから、入札の原則にのっとり、競争入札により業者を選定すべきと思うがどうか。
また、現在、小樽港にはタグボートが1隻しかなく、石狩湾新港のひき船業者と協力して作業に当たっているという。今後、小樽港には多くの大型クルーズ船の寄港が予定されているが、悪天候などで新港からの応援が得られず、客船を着岸させられないといった事態が生じないよう、安定した運航体制の確保に努めてほしいと思うがどうか。
本年6月に本市で、ロリータファッションの愛好家が集まり交流する、小樽kawaiiティーパーティーが開催されると聞く。こうした日本発のJAPANブランドのファッションは国外でも非常に人気が高く、愛好家はイベントへの参加に積極的と聞くことから、パーティーの周知徹底により国内外からの集客が期待できるが、市はどのように情報発信を行っていくのか。
また、継続して開催することで、新たな旅行客の発掘やロリータファッションをテーマにした服飾などの産業振興にもつながることが期待できることから、まずは初回の事業を成功させるよう、しっかりと取り組んでほしいと思うがどうか。
新年度予算には、オタモイ海岸売店施設撤去経費100万円が計上されている。オタモイ海岸は崖が崩落する危険があり、立入禁止にもかかわらず、この建物があることで海岸まで侵入する者が後を絶たないことや、土地と建物が市に寄贈されたことから、市が撤去を決定したと聞く。オタモイ海岸は、多くの観光客が訪れる本市の代表的な景勝地であり、崩落の危険性のある海岸区域や遊歩道に観光客が立ち入らないよう対策を講じることはもちろんだが、制限するばかりではなく、雄大な景色を楽しんでもらえるよう駐車場付近に展望台を設置するなど、周辺の整備を行ってほしいと思うがどうか。
昨年11月、企業誘致の積極的な取組として、市長みずからが出向いてプレゼンテーションを実施する企業立地トップセミナーを東京で開催したが、セミナー後、1社としか接触していない現状は、市のやる気を疑いかねない驚くべき実態であると言わざるを得ない。こうしたセミナーは、開催後の企業へのフォローを継続して行うことで初めて効果が現れるものであるから、市長の直接訪問に限らず、市職員による定期的な企業訪問を行ってしかるべきであると考えるがどうか。
また、企業からの問い合わせがあった場合、迅速な対応が求められることから、企業誘致を進めるに当たって、担当部局の人員増による営業力強化が必要であると考える。それができないのであれば、担当職員が定期的な出張や長期出張を行い、継続的にフォローアップできる体制を検討すべきと思うがどうか。
石狩市では、石狩湾新港地域の冷涼な気候を生かし冷房費を抑制できることや、自然災害の発生頻度が少ないという地理的な優位性を武器に企業誘致を進め、さくらインターネット株式会社のデータセンターの誘致に成功したという。一方、本市は、専ら食品関連企業に特化した誘致活動を行っているが、石狩市と隣接し、同じ地域特性を有する石狩湾新港小樽市域においても、こうしたデータセンターを誘致できる可能性があったことを考えると、特定の業種に特化せず、本市の特性に最も適した企業について詳細に分析した上で、より広範な業種の企業に対して誘致活動を展開すべきではないか。
市は、新年度から企業が求める人材を養成し、地元への就労・定着を後押しすることを目的に、新卒未就職者等の地元定着を目指した地域人材育成事業を実施するというが、市が考える企業が求める人材とは、具体的にどのようなスキルを持つことを想定しているのか。
新卒未就職者をはじめとする若年者が就職する際には、企業の労働契約や雇用条件などを理解することが重要であることから、職を得るためのキャリア教育とあわせて、職を維持するためのワークルール教育も実施してほしいと思うがどうか。
また、地域に定着した雇用を実現するためには、労働環境の整備や正規雇用が不可欠であることから、市として企業側に対し積極的に働きかけてほしいと思うがどうか。
全道的にエゾシカやアライグマによる農作物への被害が増加傾向にあり、本市においても忍路や塩谷などで深刻化していると聞く。市は、鳥獣被害対策実施隊に猟友会の会員を任命し対応しているというが、報酬は年額3,000円であり、捕獲数に応じて支給される報償費を合わせても、実際はボランティアのような状態であることから、申しわけないとして駆除の依頼を躊躇する農業者もいると聞く。鳥獣による被害を抑え、安心して農業を営めるようにするためにも、市は、隊員の報酬を増額し、農業者が迷うことなく駆除を依頼できるような環境づくりに努めるなど、対策に力を入れるべきと思うがどうか。
本市の国民健康保険料が1世帯当たりの所得に占める割合は、ここ数年、15パーセント後半から16パーセントで推移しており、平均所得が100万円に満たない加入世帯にとって非常に大きな負担となっている。そのため、保険料の納入が滞っている世帯も多く、加えて短期保険証や資格証明書の発行件数も少なくないと聞く。そのような中、平成23年度国保事業においては、約3億4,000万円の不用額が出たことで、国保運営基金に9,000万円を超える積立てができたことに加え、今年度においても、保険給付費が減額補正される見込みであることから、これらで得た財源を活用して、25年度は保険料の引下げを行い、市民の負担軽減に努めるべきと思うがどうか。
介護サービスを受けられるのは、原則65歳以上の方が対象であるが、脳血管疾患や若年性認知症など、16種類の特定疾病により認定されると、65歳未満であっても介護サービスを受けることができるものである。本市では、204名が第2号被保険者として認定されており、市内のデイサービスセンターでは、65歳以上を対象としたサービスが展開されている現状だが、高齢者を対象としたサービス内容に違和感を持ち、利用を嫌がるケースもあると聞く。こうしたことから、若い方では40歳からいる第2号被保険者の多様なニーズに応えられるよう、対象を65歳以下に特化したサービスを実施するなど、柔軟な対応をするよう、市から働きかけてほしいと思うがどうか。
住宅用火災警報器の設置率については、義務化以降、全国で77.5パーセントに達している一方、聴覚障害者世帯においては、専用の警報器が高価であることなどから、わずか2パーセントにとどまっていると聞く。本市においても、申請により聴覚障害者のみの世帯へ警報器を給付しているにもかかわらず、設置はいまだ半数に満たないというが、これらの世帯に対して、どのように普及を進めていくつもりなのか。
また、健常者と同居している世帯については、この給付の対象外であるが、聴覚障害者だけが在宅している場合もあり得ることから、給付対象にすべきと思うがどうか。
今冬の異常な灯油高により、市民は厳しい生活を強いられているが、市は、財政難の折、国や道から大きな財政措置がないことを理由に、福祉灯油は実施しないという。他の自治体では、過疎債の活用により、一般財源の負担を減らして福祉灯油を実施した事例があると聞くが、本市では、同様の方法で財源を確保することを検討しなかったのか。
また、今後も灯油高が続くのであれば、市民の苦しい生活実態をしっかりと調査した上で、市民の生活を守るべき立場にある市長として、福祉灯油の実施を決断すべきではないか。
家庭で育児をしている方の育児相談や仲間づくり等の事業を実施する地域子育て支援センターは、現在、奥沢保育所と赤岩保育所の2か所に併設され、地域の子供と家庭を含めた子育て支援事業に取り組んでいる。平成25年度には、銭函保育所に担当の保育士を配置する予算を計上し、銭函地区の子育て支援の充実を図るというが、よりきめ細やかな支援体制を構築するためには、子育て世代が多く居住する桜地区や新光地区に、またコンパクトシティを目指すのであれば市内中心部に、それぞれセンターを設置することを検討すべきと思うがどうか。
また、本市のホームページでは、子育てに関する情報は保健所と子育て支援課でそれぞれ掲載されているが、利用者から、幾つものページを巡回しなければならず不便との声もあることから、情報の一元化を検討してはどうか。
地域子育て支援センター事業では、赤岩、奥沢、銭函の3センターに対して、ほぼ3分の1ずつ予算が配分されているが、新年度から事業を開始する銭函のセンターにおいては、立ち上げに当たり必要なおもちゃや絵本などの物品購入費用がほとんど計上されていない。子育て支援課では、既存の2センターから融通するなどして何とかやりくりしたいということだが、満足に備品もそろえられない状況では運営に支障を生じかねない。センターを併設する銭函保育所の新築も控えていることから、過渡的な状況であることは理解するが、センターが地域の子育て支援の拠点になることを鑑み、利用者が快適に利用できるよう、必要最小限の物品を購入できる程度の予算は計上すべきと思うがどうか。
現行の生活保護制度では、収入が国民年金だけの60歳以上の単身者は、収入が最低生活費以下となるため、要件を満たせば保護を受給できることから、年金受給者の保護受給が多いと聞く。このうち、稼働年齢層である65歳未満の受給者は、就労することが前提であるが、市では、このような方にどのような就業指導を行っているのか。
一方、65歳以上の受給者は、高齢であることから、稼働能力の活用は求められない。しかし、被保護者の自立、また公的負担の抑制のためには年金以外の収入を得ることが必要であるから、市はシルバー人材センターなどの関係機関と連携して、高齢の受給者にも就労対策を行うべきと思うがどうか。
全国的に生活保護の不正受給による逮捕が相次ぐ中、本市においても2名の逮捕者が出る事態となっているが、その多くは収入があるのに申告をしないことによるものであると聞く。保護受給者の収入申告は複雑なケースもあり、受給者への指導も大変だと思うが、このような事件により、他の受給者までもが肩身の狭い思いをしている現状もあることから、不正が疑われる場合には、警察への相談を含め、毅然とした対応が必要と思うがどうか。
がんの早期発見・早期治療には、検診が重要であると言われているが、子育てや仕事で忙しい年代の場合、自分の健康管理を後回しにするケースが多いと聞く。そのため、市では、特定の年齢に達した男女に対して、大腸がん検診等の無料クーポン券を送付するほか、広報誌や新聞掲載等により受診促進を図っているというが、それでも胃がんや肺がんの受診率は、全道平均より低い状態にあるという。受診率向上のためには、これまでの周知方法に加え、例えば保健所の担当者が中学校などで、がんに関する講座を実施することにより、家庭での会話を通して、自分の健康は自分で守るということの大切さが子供から親に伝わるような、間接的な啓発も有効であると思うがどうか。
今年度の夜間急病センター管理代行業務費については、当初予算1億2,100万円、今定例会で補正予算2,900万円が計上され、結果1億5,000万円になる見込みだが、市は、こうした手法による予算措置を7年にわたり繰り返している。指定管理者である医師会は、例年、前年度までの実績を基に1億5,000万円の見積りを提出しており、市は、最終的に医師会の見込額程度の収支となっていることを承知しながら、なぜ当初から医師会の要求に沿った委託料を計上しないのか。
また、例年、年度末には予算不足になり、補正予算が措置されるまでは医師会が立替えを行うなど、一時的な負担が生じている。夜間の1次救急の責任を担っているのはあくまでも本市であり、管理者に負担をかけることのないよう、当初から必要な予算措置は行うべきと思うがどうか。
平成26年の開院を目指して建設中である新市立病院は、二つの市立病院が統合されることから、外来患者や入院患者の見舞客が現在よりも増えることが見込まれるが、駐車場は現病院跡に整備する計画であり、工事着工は新市立病院開院後になることから、開院が現病院の解体前であるため、当初は40台程度の駐車スペースしか確保できないという。現状では、自家用車で来院する利用者に影響を与えかねないことから、周辺の土地の借り上げなどにより、駐車スペースを確保する必要があると思うがどうか。
また、現病院では、待ち時間が長いため、受診しにくいという声もあることから、順番や待ち時間の目安を表示するなど、少しでも短く感じるような工夫をして、市民が利用しやすい病院づくりに努めてほしいと思うがどうか。
近年の局地的な豪雨などにより、市内において、しばしば冠水被害が見られる中、新年度予算には、勝納第14排水区雨水渠築造工事費が計上されている。この事業は、新市立病院建設により、旧量徳小学校のグラウンド部分がなくなることに伴い、雨水流出量の増加が見込まれるために実施するものだが、冠水に悩むほかの地区より優先して対処するのは、どのような理由によるものか。
また、本市観光の中心である堺町通りでも、大雨時には店舗への冠水が相次ぎ、商品にも被害が発生していると聞く。こういった事態が続くことは、観光振興にも悪影響を与えかねないことから、堺町地区においても、雨水管の整備を検討すべきと思うがどうか。
住宅リフォーム助成事業については、建設常任委員会が中心となり、議会の政策提案として条例化し、平成24年度から実現した画期的な制度である。初の事業実施に当たり、市が補助申請者に対して行ったアンケート結果で注目すべきは、回答のあった補助申請者の半数以上の方が、この補助制度を知ってリフォームを行うことにしたと回答している点であり、この制度が市民に広く浸透し、住宅リフォームを促すきっかけになったとは考えられないか。
特に施工業者からは、市内経済の活性化に寄与する事業であり、申請者全員が利用できるよう改善を求める声があることから、補助金交付額を引き上げるなど、制度の拡充を前向きに検討してほしいと思うがどうか。
この冬の大雪により、市内において雪の重みで倒壊した空き家が4軒あると聞くが、所有者の金銭的事情で撤去できないものもあり、雪解け後には火災などの2次災害が心配される。近隣住民のこういった不安を解消するためにも、市には倒壊した空き家をブルーシートで覆ったり、ガスの元栓を閉めたりするなどの応急措置をとってほしいと思うがどうか。
また、3月5日には、廃屋・空き家対策検討会において、廃屋・空き家対策モデル条例が策定されたが、本市においても、このような危険な空き家が存在する現状を考慮し、モデル条例を参考にするなどして、早急に条例や危険度を判断する基準を策定すべきと思うがどうか。
経済的な事情や高齢化に伴い、放置されたままの空き家が増えているが、特に相続放棄された空き家の屋根への積雪については、家屋倒壊や落雪事故の原因ともなり、市民に危険が及ぶことも想定されることから、市は、雪止めの設置などの防護策を講じ、未然に被害を防止することを検討すべきと思うがどうか。
また、こういった空き家に係る被害が発生した場合について、近隣住民に費用負担が生じないよう、現在、市が研究中の空き家等の適正管理に関する条例の中に対策を明記してほしいと思うがどうか。
旧国鉄手宮線の活用については、中心市街地の回遊性の向上を図るための整備を進めているところであるが、市内中心部と総合博物館の間は、中央通と臨港線によって隔たりがあるため、流れが途切れることが懸念される。こういった課題を解消し、新たな観光資源として生かすためには、デュアル・モード・ビークルを活用し、浅草線から中央通まで線路を走り、そこから道路におりて旧手宮鉄道施設までを結ぶなど、一体感を出すための交通手段を整備すべきと思うがどうか。
また、この実現に当たっては、鉄道事業法など、クリアすべき法的課題が山積しているが、この実現により非常に高い宣伝効果が期待できることから、市においても積極的に研究をしてほしいと思うがどうか。
新年度の重点施策には、災害に強いまちづくりのため、排水管などの耐震化を進める上下水道施設整備事業が盛り込まれている。施設の耐震化については、小樽市上下水道ビジョンの中で、平成30年度までの目標値が定められているが、現在の進捗状況はどのようになっているのか。
また、本年2月に網走市で導水管が破裂し、断水した事故でも明らかなように、ライフラインがとまることは市民生活に大きな負担を強いることになる。災害対策の推進とともに、こういった事例を踏まえた日常点検をしっかりと行うことで、市民生活の基盤である水道施設の維持・管理に努めてほしいと思うがどうか。
平成25年度簡易水道事業特別会計予算では、25年4月から石狩西部広域水道企業団の水道用水供給が開始されることに伴い、石狩湾新港小樽市域の地下水利用組合参加企業が簡易水道に切り替えることを見込んで予算を計上している。同組合は、簡易水道への切替えを明言していないにもかかわらず、歳入予算の大半は同組合参加企業の使用料が占めており、見込みのない収入を算定し、予算を計上したのは、地方財政法上、問題であり、改めて実態に合った予算に組み直すべきと思うがどうか。
同組合は、道の策定した地下水揚水計画に基づき揚水していることから、市は、道に対し、同組合企業が簡易水道へ移行できる方策を検討し、仮に移行しない場合の減収補填をするよう求めてきたというが、協議は継続中であり、市長は、事務レベルの協議の結果を待つのではなく、みずから道に出向き、要請すべきではないか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、議案第1号につきましては、川畑、中島両委員から修正案が提出されましたが、採決の結果、修正案は賛成少数により否決、原案は賛成多数により可決と決定いたしました。
次に、議案第2号ないし第15号、第17号、第27号及び第49号につきましては、採決の結果、賛成多数により、いずれも可決と決定いたしました。
次に、その他の各案件につきましては、議案はいずれも可決と、報告はいずれも承認と、全会一致により決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)次に、議案第1号に対して、小貫議員ほか4名から修正案が提出されておりますので、提出者から趣旨の説明を求めます。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、中島麗子議員。
(20番中島麗子議員登壇)(拍手)
○20番(中島麗子議員)日本共産党を代表して、議案第1号平成25年度小樽市一般会計予算に対する修正案の提案説明を行います。
本市の財政は、平成23年度一般会計決算において2年連続で実質収支の黒字を確保し、24年度決算見込みにおいても黒字の見通しとのことです。これは、職員給与の削減や他会計からの借入れが大きかったとはいえ、市民にとっては赤字会計からの脱却ということで、市政に対する期待が大きくなると思われます。
この冬は、例年にない大雪で、市民は除雪で大変な苦労を強いられ、また生活を直撃する灯油価格の高騰が続き、肉体的にも金銭的にも一段と厳しい冬になりました。
景気の低迷が続く中、市税収入は伸び悩み、地方交付税の大幅削減が見込まれる中での予算編成とはいえ、第6次小樽市総合計画前期実施計画に計画されていた新・市民プール整備事業は、突然、学校併設型にされた上、これさえも当面事業の着手は見送るという異例の方針転換であり、この間の市民要望と議会での議論の経過から見ても、到底認められません。
我が党の修正案について説明します。
初めに、雇用対策と地域経済活性化対策です。
平成24年3月の市内高校卒業者の未就職者数は58名でした。新年度予算では、高校生就職スキルアップ支援事業や、新卒未就職者等の地元定着を目指した地域人材育成事業を実施し、対象に高校新卒未就職者も含めるとのことでした。我が党の予算修正案では、直接支援として、高校新卒未就職者20名を小樽市で1年間雇用します。
平成21年経済センサス‐基礎調査によると、市内の民営の総事業所6,597社のうち、5人未満の従業者数の事業所が4,123社で、全体の62.5パーセントです。零細事業者の多くは、20万円、30万円のやりくりが死活問題になりかねません。かけこみ緊急貸付金として、限度額50万円で、無利子・無担保で年度末一括返済の制度を設けます。
また、平成24年度から始まった住宅リフォーム助成事業は、239件の申込みに対して96件実施、交付金額は1,584万7,000円でした。総工事費は2億2,683万7,000円で、経済効果は14.3倍でした。修正案では、平成24年度の申込みが全て助成の対象になるよう積算して、必要な事業費を約5,000万円と見積もり、市長提案の2,120万円に3,000万円を上乗せします。
次に、市民生活支援策としては、引き続き国民健康保険料の1世帯1万円の引下げを実施します。市民の所得に占める国保料は、平成24年度で16.4パーセントと高く、滞納世帯数は国保世帯の1割を占め、資格証明書は238件、短期保険証は735件発行しています。平成24年度は、当初予算から3億9,000万円の減額補正をしています。払える国保料にするための引下げは必要です。
また、使わないのに保険料だけが上がると市民の批判の的になっている介護保険料については、所得段階が第4段階以下の世帯の保険料を、基準額を5,000円に引き下げることにより減額し、支援を図ります。
ふれあいパスは、市民負担分110円を100円にして、ワンコインで利用できるようにします。
小学校入学前の子供たちの医療費自己負担分は、平成23年度の実績に基づいて4,100万円計上し、無料化を図ります。
単独での新・市民プールの基本設計、実施設計分として、計画どおり2,800万円を盛り込み、事業実施を推進していきます。
今回の修正案には、平成24年度、市長がついに取り組まなかった福祉灯油を1世帯8,000円、6,000世帯分として4,800万円、遅ればせながらも予算化し、可決したときは、直ちに対象となる市民に届けます。
また、社会福祉協議会と小樽市が取り組んできたふれあい見舞金制度が廃止になって3年目を迎えます。この間、社会福祉協議会が単独で取り組んできた事業内容には、低所得者支援とは言えないと議会でも批判が出されていました。修正案では、市単独でふれあい見舞金として1世帯5,000円、福祉灯油とともに冬期特別支援事業として、合計7,800万円計上しました。
最後に、総務管理費の平和事業関係経費は7万2,000円の予算額ですが、新規購入した原爆パネルの市民展示のために要員配置の予算を組みました。核兵器廃絶平和都市宣言をしている小樽市として、広島市の平和記念式典への小樽市内小・中学生参加費も入れて35万5,000円を上乗せしました。
これらの事業を実施するための財源として、有価証券を売り払い、OBCの固定資産税滞納分回収額を上積みし、石狩湾新港管理組合負担金は全額削減します。これまでは、石狩湾新港管理組合負担金については、公債費と港湾建設費分の削減を提案していましたが、小樽港の一般貨物の入港数は、石狩湾新港が開港されて以来減り続け、平成8年には取扱貨物量が逆転してしまいました。小樽港の取扱貨物量の増大という基本を強化する方向が見えません。大型クルーズ船の離発着を中心にした観光ゾーンとして整備することも必要ですが、取扱貨物量を増やすという商業港小樽の原点に返って、石狩湾新港管理組合負担金はゼロにします。
また、在来線存続が担保されないままの新幹線関係の負担金、既存国道改修優先の立場から、高速道路関係の負担金は認められません。
株式会社小樽観光振興公社、海水浴場対策委員会、株式会社アールアイへの貸付金は、それぞれ小樽市の貸付けに頼らず自力で対策すべき対象であり、土地開発公社は、市が直接土地を購入すればよいことで、公社の存続そのものが検討されるべきです。
その結果、予算規模は571億9,474万9,000円となり、原案より5億1,308万7,000円減額になります。
修正案は、市民サービスの一部回復、市内経済の元気回復を目指して編成したものです。
他会派、各議員の皆さんの賛同を訴えて、提案趣旨説明といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、修正案を含め、一括討論に入ります。
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)8番、川畑正美議員。
(8番川畑正美議員登壇)(拍手)
○8番(川畑正美議員)最初に、3月11日で東日本大震災から丸2年が経過いたします。改めて犠牲になられた方々とその家族、関係者に深い哀悼の意を表明し、全ての被災者の皆さんに心からのお見舞いを申し上げます。
さて、日本共産党を代表して、議案第1号に対する修正案は可決、原案否決、議案第2号ないし第15号、第17号、第27号及び第49号は、いずれも否決の討論を行います。
第2次安倍内閣は、無制限の金融緩和、大型公共事業のばらまき、大企業支援の成長戦略の3本の矢でデフレ不況を打開し、強い経済を取り戻すと強調しています。一方で、地方公務員の給与削減を押しつける2.2パーセント、3,921億円の地方交付税の削減を押しつけています。財政基盤の弱い小樽市にとって、削減は真の財政健全化に重大な障害となります。
以下、否決議案の主な点について申し上げます。
議案第1号に対する修正案については、さきの提案説明のとおりです。
議案第1号平成25年度小樽市一般会計予算について、予算編成に当たって、24年度に引き続き他会計からの借入れに依存しない立場で取り組んだとして、厳しい財政状況の中でも学校再編に伴う校舎の改築、新学校給食共同調理場、旧国鉄手宮線の整備などの建設事業などを優先的に取り組む予算を計上しています。
反面、長年の市民要求である新・市民プールの単独建設については、平成25年度の着手を見送るとしています。総合計画や小樽市過疎地域自立促進市町村計画に基づき、優先的に着手すべきです。この際、強く指摘しておきますが、総合計画や過疎計画を踏みにじってプール建設を単独ではなく、後期計画で学校併設型にすり替えることは許されません。
株式会社小樽観光振興公社の観光船オタモイ号、祝津号の老朽化に伴う新造船への更新は、出資者が95人もいる中で、出資率40パーセントの小樽市が1億3,000万円全額支出することで、出資率99パーセントにもなります。これでは市の直営そのものではありませんか。観光都市宣言し、観光を強く押し出している小樽市において、観光産業の将来を担うべき民間企業の株式会社小樽観光振興公社がこのような状況では先行きが懸念されます。
例年にない降雪量と厳寒の中で、灯油価格が急騰しているにもかかわらず、福祉灯油の実施を見送るなど、市民への福祉政策には冷たい市政です。
また、石狩湾新港管理組合負担金の計上についても、同意できません。
議案第5号平成25年度小樽市国民健康保険事業特別会計予算については、23年度決算で約5億5,000万円の不用額を出し、今年度、保険料の医療分で1世帯当たり1万1,327円の引下げをしていますが、補正予算において、9,174万6,000円を事業運営基金に積み立てています。国保加入者で、1世帯当たりの所得に占める保険料の割合は、平成24年度で16.4パーセントを占めています。保険料滞納者も、平成22年度、23年度と10パーセントを超え、保険料を払いきれず、資格証の該当世帯数も973世帯に達しています。平成25年度予算では、保険料の引下げ・軽減を図るべきです。
議案第7号平成25年度小樽市住宅事業特別会計予算については、市営住宅の内部改修等修繕計画で、入居者の居住性の向上に効果的な畳の表替え、階段室の塗装などの内部改修事業を計画的に実施するとしていましたが、平成22年度以降の計画の一部は引き延ばされています。
また、オタモイ住宅5号棟の建設は、老朽化した簡易平屋建て住宅の入居者の住み替えが全て完了することから、建設を中止するとしています。しかし、平成21年度以降の市営住宅入居者希望応募倍率の状況は、一般世帯向け住宅で4.19倍から10.98倍と倍増し、特定目的住宅でも1.33倍から5.17倍とはね上がっています。入居希望者の高齢化などで、市営住宅のエレベーター設置や公共交通機関の利便性が求められており、要望に沿った市営住宅の建設が必要です。
議案第8号平成25年度小樽市簡易水道事業特別会計予算では、計上されている使用料に地下水利用組合分の1億2,500万円が含まれています。地下水利用組合が簡易水道を使用する見込みは立っておらず、入る見込みのない収入を見込む予算の立て方自体、認められないものです。一般会計繰入金を4,343万7,000円減額していますが、このまま地下水利用組合が当別ダムの水を利用しない場合、一般会計繰入金が増えることになり、その結果、また市民サービスの削減につながりかねません。簡易水道に対する北海道の支援も得られない中、ますます市の財政を圧迫する予算案に反対します。
議案第9号平成25年度小樽市介護保険事業特別会計予算については、介護認定者の増加に伴い、居宅介護サービス給付費、地域密着型介護サービス給付費、介護予防サービス等諸費等が増加しています。介護給付費準備基金繰入れ後の保険料不足分に対して、財政安定化基金からの借入れが必要となり、貸付金を使用することになれば、次期の保険料の大幅引上げをすることになり、介護保険制度の崩壊につながります。国が介護保険制度を抜本的に見直すよう、予算の増額を要求すべきです。
議案第11号平成25年度小樽市後期高齢者医療事業特別会計予算については、後期高齢者医療制度において、保険料は、収入がない方も含め75歳以上の全員にかかり、高齢化に伴い際限なく上がります。制度の加入者は、年金から保険料を天引きされていますが、年金が年額18万円未満の方は天引きされないこともあって、差押えも起きています。幸い小樽市では差押えの事例がないということですが、北海道では、2011年度113件、884万円が差し押さえられています。民主党が制度の廃止の公約を投げ捨ててしまいましたが、我が党は、この制度を撤廃し、もとの老人保健制度に戻すことを主張しています。
議案第49号小樽市学校給食共同調理場条例の一部を改正する条例案については、我が党は、学校給食の共同調理場方式に反対であります。
ほかの議案については、手数料などに上乗せする消費税収入と、物品購入や工事請負などで支払った消費税を転嫁し受益者負担としており、否決とします。
以上で、全会派、全議員の賛同を訴えて、討論を終わります。(拍手)
(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)6番、安斎哲也議員。
(6番安斎哲也議員登壇)(拍手)
○6番(安斎哲也議員)議案第1号の原案及び修正案並びに議案第12号に反対の討論をいたします。
新年度予算においては、中松市長が公約に掲げた施策を進めようと、防災と経済・雇用を重点に置いた中松カラーが反映されたものとなりました。特に、経済関連においては、中松市長の持ち前の営業力が大きく生かされたとともに、市職員も続いて営業に動いたことで、道内最大級となる横浜冷凍株式会社の新倉庫1棟の銭函工業団地への建設誘致活動も実るなど、これまでの体制でなかなか出てこなかった成果が出ていることを評価いたします。
また、ユニークな発想として応援したい事業があります。新たなまちおこし企画である小樽kawaiiティーパーティーです。小樽では、ウイングベイ小樽においてコスプレイベントが開かれている経過がありますが、今回のkawaiiティーパーティーは、オタク文化発祥の秋葉原で勢力を拡大するロリータファッションで小樽の新しい側面をアピールする可能性を持っております。市外から見れば、小樽市はこのような部分に予算をつけて柔軟だという声も聞こえてくると思っています。
このほかにも、北運河再開発、小樽の地域資源である食に関する事業費なども盛り込み、一定の評価をしておりますが、大きな経済効果のあった住宅リフォーム助成事業費の増額がかなわず、残念に思っています。増額を求める陳情も出ておりますので、これからも要望してまいります。
教育においては、学校建設などのハード投資も重なってしまったものの、学校整備は未来の小樽を担う子供たちへの投資であり、必要であると考えます。その中でも、道教委との連携による英語教育の充実、指導力向上に向けた取組など、経費をかけずに小樽が持つ教育課題の解決に向けて施策を進めていく姿勢は期待しております。
ただし、小樽市の指針となる総合計画の前期実施計画に盛り込まれていた新・市民プール建設が見送りとされたことについては、非常に残念に思っています。予算特別委員会でも指摘しましたが、総合計画の中で唯一見送る形となった事業に対する説明不足に関しては、大変遺憾に思っています。新・市民プール建設については、多くの陳情も出されており、市民からも望む声が大きい事業であります。財政状況を理由とした見送りについては、建設費だけを取り上げているのではなく、借金として扱えない将来的な負担となるランニングコストが課題であることは事実であり、プール建設を求める団体や関係者ともしっかりと情報共有し、今後の建設に向けて協議を進めていただきたく思っています。
今回の反対の主張ですが、病院事業会計において、従来から指摘しているとおり、大きな経営改善が見られず、一般会計からの基準外繰入れが継続されている点です。研修費などの増額をしていただいた点は評価させていただきますし、並木局長の手腕で医師数の増加が見込まれ、今後の病院収益に期待はしておりますが、まだまだ不十分な部分もあり、なお一層の経営努力が必要であるとともに、経営改革評価委員会でも毎回指摘されている全道でも高い水準の給与比率について、今後もしっかりチェックし、指摘していくことを申し述べ、討論を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、議案第1号に対する修正案について採決いたします。
修正案を可決とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立少数。
よって、否決されました。
次に、議案第1号の原案について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、議案第12号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、議案第2号ないし第11号、第13号ないし第15号、第17号、第27号及び第49号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、総務常任委員長の報告を求めます。
(「議長、27番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)27番、前田清貴議員。
(27番前田清貴議員登壇)(拍手)
○27番(前田清貴議員)総務常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
市教育委員会は、これまで議会に対し何の報告もなく、教育行政執行方針で、突然、新・市民プール建設の着工を当面見送るとの方針を示した。その後、本会議や予算特別委員会の質疑で、これまで一度も示されていない学校併設型でのプール建設の検討を唐突に表明するという、議会軽視の態度を繰り返している。そもそも新・市民プールの建設は、これまで総合計画前期実施計画や過疎地域自立促進市町村計画を踏まえ、市民が求める単独設置を前提に検討されてきた経緯があるにもかかわらず、学校併設型での建設を表明したことは、市民の思いや議会議論をないがしろにするもので、こうした対応は極めて問題と思うがどうか。
市教育委員会は、厳しい財政状況を理由に単独型での建設に難色を示しているが、過疎債を活用することで実質公債費比率への影響は少なく済み、十分建設が可能であることから、社会教育施設として市民の福祉の増進を図るという崇高な目的を達成するためにも、市民が強く望んでいる単独型での建設を再考すべきではないか。
市は、平成24年度、134事業を対象に事務事業評価を試行し、現在、一次評価を終え、二次評価に着手しているというが、一次評価における主な課題や問題点は何か。
事務事業評価により、職員が取り組む事業についてみずから評価を行い、事業の目的、成果、コスト意識の醸成を図ることで、結果的に財政効果が生み出されると考えるがどうか。
そのためには、本市の事務事業評価システムを早期に確立し、全職員が事業評価への意識を高めていくことが必要で、例えばシステム導入直後は、職員が取り組みやすいよう対象事業数を減らすことも検討してはどうか。
また、職員による評価とあわせて市民による外部評価を行うことで、市が判断しづらい硬直化した事業の見直しに効果を上げていると聞くことから、本市も、こうした外部評価の導入を検討してはどうか。
教育行政執行方針では、教育の活性化に向け、学力向上をはじめとする諸課題に対峙する市教育委員会の並々ならぬ決意が感じられ、特に学力の向上については、喫緊の課題と位置づけ、重点的に取り組む姿勢に期待するところである。児童・生徒の学力向上には、何より直接指導に当たる教員の資質、能力に負うところが大きく、独自の取組で学力向上に成果を上げている秋田県では、教員の能力などに応じた研修メニューを設け、指導力や授業力の向上に効果を上げていると聞くことから、本市においても、予算を拡充し、現在取り組んでいる研修のさらなる充実を図ってはどうか。
平成24年度全国学力・学習状況調査結果と、その分析結果が公表された。報告書の冒頭には全体傾向として、課題が見られるとの記載で、問題は軽微であると印象づけるような表記となっているが、実際には、全国と本市の状況を数値的に比較した場合、とても楽観視できる状況にはない。本市の学力向上には、現状を正確に把握した上で、学校における指導方法の工夫や家庭学習の励行など、両者が連携して取り組むことが必要ではないか。
また、教科ごとに各学校における平均点を全国と比較した場合、全国平均より高い学校と低い学校の点差は、小・中学校ともに約20ポイントにも及ぶという。このことから、学力の基礎・基本が身についていない学校に対して集中的に指導を行い、本市の全体的な学力の向上につなげてほしいと思うがどうか。
平成24年度全国学力・学習状況調査結果では、小学校国語Aの新聞記事に関する記述問題について、本市児童の無回答率が高かった。これは、新聞購読世帯の減少により、児童が家庭で新聞に触れる機会が失われていることが一因と考えられるのではないか。
市教育委員会は、この結果を受け、新聞を教材として積極的に活用する事業などを行うというが、本市は、学校の取組が記事になるケースが多く、学校でこうした児童に身近な記事の切り抜きを配付するなど、低学年から学校で新聞に触れる機会を増やす努力をすべきと思うがどうか。
また、質問紙調査では、携帯電話やテレビゲームなどに関する項目に、携帯電話でゲームをする想定での質問はなかったことから、市教育委員会は、児童・生徒の使用実態を正確に把握するために独自に調査すべきと思うがどうか。
卒業式・入学式は、学習指導要領の特別活動に位置づけられる学校行事であり、市教育委員会は、指導要領に基づく式典の意義、目的を踏まえ、小・中学校の卒業式・入学式はステージで行い、国歌斉唱時の伴奏は体育館放送設備を使用し、さらに国歌の事前練習を確実に行うよう指導しているという。それにもかかわらず、今後行われる卒業式・入学式において、市教育委員会の指導と異なる方法で式典が行われた場合、当該校に対しどのように対処していくことになるのか。
また、学校現場では、日本という国家に対する帰属意識が薄れ、学校では十分な取組がなされていないと感じることから、市教育委員会は学校に対し、国旗・国歌の意義を正しく理解させ、尊重する態度を育むよう指導してほしいと思うがどうか。などであります。
なお、閉会中の2月14日に開催されました当委員会におきまして、石狩湾新港管理組合の協議案件について報告がなされ、質問が交わされております。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、議案第54号につきましては、採決の結果、賛成少数により否決と決定いたしました。
次に、陳情第2号ないし第145号、第151号ないし第280号、第283号ないし第289号及び第293号ないし第308号につきましては、採決の結果、賛成多数により、いずれも継続審査と決定いたしました。
次に、その他の各案件につきましては、議案はいずれも可決と、所管事務の調査は継続審査と、全会一致により決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
(7番小貫元議員登壇)(拍手)
○7番(小貫元議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、議案第54号は可決、陳情については、継続審査中の陳情は全て採択を主張して討論を行います。
最初に、議案第54号小樽市非核港湾条例案についてです。
先月、北朝鮮が3度目の核実験を強行しました。大変許しがたい行為です。北朝鮮に核兵器と核開発を放棄させるために必要なことは、一つに対話のテーブルにのせ、核兵器を放棄させる努力です。もう一つは、北朝鮮は、核保有国であるとの既成事実化を図ろうとしており、その最大の理論づけは、核兵器は抑止力という立場です。この考えを許さないために、現在の核保有国も核兵器を廃棄する、だから北朝鮮も持つべきではないという運動で、北朝鮮に対して強い立場に立ち、国際社会が本気になって核のない世界に向かっていくことです。
現に、世界では、核廃絶を求める運動が広がりを見せています。小樽市も加盟する平和市長会議は、本年3月現在で、156の国と地域、5,551都市に上り、先月1日に安倍首相に対して、「核兵器禁止条約」の早期実現に向けた取組の推進についてという要請を行いました。要請文には、「1945年8月、広島・長崎両市は一発の原子爆弾により一瞬にして廃墟と化し、両市合わせて20万人を超える多くの人々の尊い命が奪われました。放射線による被爆者の苦しみは今も続いています。その広島・長崎の被爆の実相を見れば、核兵器は非人道兵器の極みであり、絶対悪であることは明らかです」と断罪しました。
小樽市には、核兵器廃絶平和都市宣言の都市として世論を喚起していき、核廃絶の先頭に立っていく役割があります。小樽港への核持込みについては、核密約によって核兵器搭載の軍艦入港は事前協議の対象外となっていますので、現状の手続では、アメリカ軍として核を搭載したまま寄港することができます。しかし、本会議の提案説明でも述べたように、小樽市長には、港湾管理者として船の入港を許可し、拒否する強い権限があります。その権限を最大限生かし、小樽港に核持込みを許さないシステムが非核港湾条例です。国際的に広がっている核廃絶を求める運動を後押しし、核兵器のない世界を実現していく第一歩をしるすためにも、非核港湾条例の制定が何よりの力になります。皆さんの賛同をお願いするものです。
次に、継続審査中の陳情第2号ないし第145号、第151号ないし第280号、第283号ないし第289号及び第293号ないし第308号についてです。
これまで、新・市民プールの建設については、建設地を明らかにすることなく、総合計画の前期実施計画の最終年度を迎えようとしました。そこに今定例会で、いきなり学校併設型を提案し、建設見送りを表明しました。
ここには行政側の二つの罪があります。一つは、今まで議会や市民に示してこなかった学校併設型のプール建設を検討していたことを表明したことです。二つ目は、総合計画の前期実施計画記載の事業をいとも簡単に投げ捨てたことです。
今述べた一つ目の罪について述べさせていただきます。
小樽市過疎地域自立促進市町村計画には、新・市民プールの基本設計、実施設計の事業が組まれています。この過疎計画は、平成22年第3回定例会で可決されたものです。付託された総務常任委員会において、日本共産党の菊地葉子前議員の質問に対して、「実施設計や本体工の部分につきましては、過疎債の対象になるもの」と答弁しています。
また、「未来(あした)のために山田市政3期12年をふりかえって」の213ページに、一部略しますが、過疎債等の特別措置を活用していくためには、過疎地域自立促進市町村計画の策定が必要なことから、平成22年第3回定例会で議決され過疎計画を決定したとあります。理事者の方々がこの冊子を読んでいないはずはありません。
このように、過疎計画の可決のときには、過疎債を利用して事業を進める、そしてその中にはプール建設が入っていることを議会に説明してきました。
一方、学校併設型では過疎債が適用にならないことは、予算特別委員会での北野委員への答弁でも明らかです。このように、プール建設は、学校併設ではない形で可決しているのに、それと異なることを進めるに当たり、この間、議会に説明がないことは問題です。また、新年度の教育行政執行方針の中では、学校併設型を検討したとは一言も言わず、与党の質問によって初めて明らかにしたものであり、議会に説明したとは言えないものです。
次に、二つ目の罪は、市長部局側にあります。
このたび、学校併設型という形でしたが、不十分ながらも教育委員会がプール建設を進めようとしたのに対し、市長部局が財政が破綻すると言い、蹴ってしまいました。ところが、基本計画や実施設計すらできない段階でどれだけ財政に影響があるのか検証していないことが、予算特別委員会、総務常任委員会の中でも明らかになりました。
平成19年3月2日の予算特別委員会会議録によれば、北野委員が当時の総合計画で未実施の事業が幾つかあることを取り上げて、次のように述べています。総合計画にのせるといっても必ずしも実現するというふうにならないのではないかという質問に対し、当時の山田市長は、「私はプールの必要性というものは十分認識しています。ですから、今回の第3ビルの再開発については、大変申しわけないという気持ちは持っておりますので、市民の皆さん方の合意が得られれば、新しい総合計画にのせて、やはり早期に実現に向けていくということになろうかと」と答弁しています。そして、市民の声に押され、第6次総合計画の前期実施計画に新・市民プール整備事業が盛り込まれたことになります。つまり、駅前の市営室内水泳プールを閉鎖したときの言いわけは、プールの補償金を使ってしまうが、建設地があれば早めにつくります。こうやって議会にも、市民にも説明してきたのです。
さらに、問題なのは、前期実施計画の中で、計画されながらほとんど実施されていない事業がこの新・市民プール整備事業のみであり、先ほど述べた過疎計画は2015年度までの計画ですが、ここで計画されている事業の中でも、残されているのは新・市民プール整備事業です。これほどプール建設をのけものにする市政運営は、異常だと言わざるを得ません。
山田前市長の時代、小樽市は、市民の声を無視し、新市立病院を築港地区に建設するといって築港地区での建設に向けて基本設計業務を開始しましたが、最終的には、市民の声に応えて現在の建設地になりました。総合計画の前期実施計画では、新年度が計画年度の終わりであり、まだやり直しがききます。市長部局と教育委員会はさらなる協議を重ね、再度検討し、一刻も早く学校併設型ではない新・市民プール建設を進めるべきです。
さて、今挙げた行政側の罪に対して、小樽市議会がどのような態度をとるのかが問われています。
三つ目の罪として、それぞれの議員が加担するかどうかです。
現在、小樽市議会は、議会の活性化に取り組み、議会の役割を発揮することが議論されています。新人議員に配付される議会運営の基礎知識では、「小樽市議会の役割は、地域の問題について、住民に代わって論議し、ものごとを決定することで、一般的には、執行機関を住民の立場から監視し行政の適正執行を確保するとともに、住民のための各種サービスについて、具体的な提案をすることといわれている」と記されています。
今まで述べてきたように、このたびの行政が表明したプール建設見送りは、議会の議決を無視し、議会と市民への説明責任を果たしていません。だからこそ、執行機関の監視、行政の適正執行を確保するため、議会全体でこのたびの行政の行いを正していくことが議会の役割です。新・市民プールは、小樽市が市民の健康維持、スポーツの振興を市民に保障するものです。
陳情は、いずれも願意妥当であり、採択を主張します。
議員の皆さんの御賛同を呼びかけまして、討論といたします。(拍手)
(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)17番、佐々木秩議員。
(17番佐々木秩議員登壇)(拍手)
○17番(佐々木秩議員)民主党・市民連合を代表し、委員長報告に反対、議案第54号小樽市非核港湾条例案に賛成の立場で討論をします。
さて、今定例会において、朝鮮民主主義人民共和国の核実験に抗議する決議が全会一致で採択されました。もちろん、北朝鮮の今回の核実験強行は強く非難されるものですし、この決議にもあるように、北朝鮮に対し、全ての核兵器・核計画放棄や、長距離ミサイルの発射、核実験の中止を求めているのは当然のことです。しかし、これらのことは北朝鮮に対してのみ求められるものなのでしょうか。
アメリカ合衆国政府は、保有している核兵器の性能を確かめるため、強力なエックス線を使って核兵器が爆発したときに近い状態をつくり出す実験を、昨年10月から12月にかけて2回実施したことを明らかにしました。核実験をするということは、今後使う機会をうかがっているのと同じだと広島、長崎両市長は強い怒りを表明し、同時に核兵器保有の前提となるいかなる核実験も中止し、核軍縮に真摯に取り組むとともに、核兵器のない世界に向けて主導的役割を果たすよう強く求め、アメリカ合衆国バラク・オバマ大統領に対し、抗議文を送っています。
唯一の被爆国、さらに福島第一原発事故を経験してしまった私たちは、人類だけでなく、地球上の生命全てに悲惨な影響を及ぼす核兵器が絶対的な存在悪であることが身にしみました。ゆえに、アメリカだからいい、北朝鮮だからだめなどという相対的な比較選択レベルの問題ではないことは明らかです。本来、私たち小樽市の核兵器廃絶平和都市宣言の中にもあるように、全ての核保有国に対し、核兵器の廃絶と軍縮を求めていくべきなのです。
アメリカの一部の政治家は、アメリカの覇権主義的な政策に反対する国々に対して、核兵器を使用することに言及しています。この広島・長崎への原爆投下を正当化した独自の正当防衛論により、米艦船の核搭載の可能性はますます高まっています。
この条例案は、核兵器廃絶平和都市宣言を行った本市へ、我が国国是である非核三原則にのっとり、核兵器の持込みを認めないことを本旨としていますが、そのことによって日本国憲法の平和主義を地方自治の場から訴える役割も持っています。ぜひ、条例制定により、本市から平和のメッセージを世界に送りましょう。
話は変わりますが、先日、第3号ふ頭及び周辺再開発計画に関する提言書の説明をいただきました。巨大観光クルーズ船が第3号ふ頭に複数停泊中の国際観光都市として、夢のある未来像をCGで見せてもらいました。しかし、大型クルーズ船停泊用に改修するこの第3号ふ頭に、まさか冬場はあいているので米軍艦船が入港するという悪夢に変わることはないのだろうかと心配もしてしまいました。ぜひ、このたびは本条例案を可決し、安全で平和な国際商業観光都市であることも同時に発信していきましょう。
御賛同をよろしくお願いいたしまして、討論を終えます。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、議案第54号について採決いたします。
委員長報告は否決でありますので、原案について採決いたします。
可決と決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立少数。
よって、否決されました。
次に、陳情第2号ないし第145号、第151号ないし第280号、第283号ないし第289号及び第294号ないし第308号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、陳情第293号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、経済常任委員長の報告を求めます。
(「議長、3番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)3番、中村岩雄議員。
(3番中村岩雄議員登壇)(拍手)
○3番(中村岩雄議員)経済常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
議案第36号小樽市企業立地促進条例の一部を改正する条例案については、道央圏における本市の企業立地の優位性を確保する目的で改正を行うという。本市が主に企業誘致を進めている銭函工業団地や石狩湾新港小樽市域では、主に隣接する石狩市との競合が考えられるが、この改正により、優位性を得ることはできるのか。
一方で、観光都市でもある本市は、今後のさらなる観光振興のため、滞在型観光への転換を進めているところだが、そのために必要不可欠な旅館業については、条例制定時から課税免除の適用対象外となっている。観光産業の振興は、企業立地の促進とともに本市経済の活性化に欠かせないものであるから、旅館業についても、条例の対象施設に加えるべきと思うがどうか。
第3号ふ頭及び周辺再開発計画の策定に当たり、このたび提出された提言書には、基部にオフィスや商業施設を導入することが記載されているが、中心市街地や商店街には空き店舗が目立つ中、そもそも需要があるのかという疑問に加え、新たな商業施設の創設は、商店街のさらなる衰退を招きかねない。今後、市として、再開発計画の策定に当たっては、こういった現状を踏まえ、市全体の発展につながる計画となるよう検討していくべきと思うがどうか。
また、本市総合計画の前期実施計画には、クルーズ客船誘致事業が位置づけられ、それとリンクする形で第3号ふ頭及び周辺再開発計画が進められてきたと認識している。平成26年度から始まる後期実施計画には、本市の重要施策である第3号ふ頭の再開発を着実に推進するため、予算や事業規模など、明確な目標を設定し、位置づけていくべきと思うがどうか。
第3号ふ頭の再開発における第31号上屋の取扱いについて、ワークショップからは保存する案と撤去する案の2案が提言されている。これは、埠頭の利便性と上屋の価値のどちらに重きを置くかという問題であり、上屋については、老朽化による耐震性の問題がある一方、歴史的遺産としての側面なども考えられるが、市は、建物の価値をどのように考えているのか。
また、上屋の扱いについては、今後、市が決定していくことになると思うが、一度撤去してしまってから取り返しのつかないことにならないよう、最終的な判断に当たっては、建物の構造や歴史的価値などについて、専門家による調査を行うべきと思うがどうか。
リーマン・ショックに端を発した金融危機により、中小企業の資金繰りが悪化したことを受けて制定された金融円滑化法については、本市でも多くの利用があり、経営改善に一定の効果があったと聞くが、2度の延長を経て、この3月末で終了となる。依然として景気の浮揚が感じられない中にあっては、同法の終了により、再度貸し渋り、貸しはがしが横行するのではないかとの懸念も出始めており、市では期限到来による影響をどのように考えているのか。
また、市は、金融機関に対し、終了後も円滑な資金供給に努めるよう依頼している一方で、金融機関が地元企業に貸し出している金額や件数は押さえていないという。今後、市として、地元企業に対し的確な支援を行っていくためには、金融機関から情報を提供してもらうなど、市内の融資動向を正確に把握していくべきと思うがどうか。
例年、冬期間に小樽の沿岸に来遊するトドについては、本年も張碓旧石材積出岸壁に群れが上陸していることが確認されているが、トドによる漁業被害は大変深刻であり、中でも漁網などの漁具は被害額も高額となっている。しかし、トドは絶滅危惧種に指定されており、駆除頭数が限られていることから、小樽市漁協が岸壁の一部に柵を設置し、トドが寄りつかないよう対策をとるとのことであるが、一方、現段階で漁業被害の補償などはないことから、市は、漁業者の生活を守るための補助制度の創設について、国や道に働きかけてほしいと思うがどうか。
小樽観光大学校は、小樽を訪れる観光客のニーズに対応できる人材の育成を目標に設立され、市民レベルでおもてなしの心を醸成するという目標の下で、おたる案内人制度に取り組んできた。現在、500名を超えるおたる案内人が本市観光のさまざまな場面で活躍しているが、その裾野を広げる試みとして、平成23年度から色内小学校の授業で、案内人ジュニアの育成プログラムを行っていると聞く。この取組は、子供のころから、小樽の歴史や文化などに広く触れることで、市民としての誇りや郷土愛が育まれ、また将来の小樽観光を担う人材の育成にもつながると思われることから、積極的に支援してほしいと思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、陳情第290号につきましては、採決の結果、賛成多数により、継続審査と決定いたしました。
次に、その他の各案件につきましては、議案はいずれも可決と、所管事務の調査は継続審査と、全会一致により決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
(22番北野義紀議員登壇)(拍手)
○22番(北野義紀議員)日本共産党を代表し、ただいまの委員長報告に反対し、陳情第290号国定公園「ニセコ・積丹・小樽海岸」の中心地区「オタモイ海岸」の早期整備方については、願意妥当、採択を求める討論を行います。
2011年第4回定例会以来、私は、オタモイ地区の観光開発について、歴史的経過と事実に照らし、かつ根拠も示し、その責任は小樽市にあることを指摘してまいりました。以来、定例会のたびに、市としての観光開発はどうするのかとただしてきました。現時点でのオタモイ開発の問題点は何かということですが、小樽市は、オタモイ海岸急傾斜地調査業務の結論に立って、崖崩れの危険があるから開発できないとの対応になっていることです。
今定例会の経済常任委員会でも、オタモイ観光開発の基本的方針は何かとただしても、さきに引用した急傾斜地調査業務の危険であるという内容を紹介するだけで、観光開発の基本的方針については一言も触れずじまいです。これは、昭和50年代初頭に、小樽市がオタモイの土地を購入したオタモイ開発の原点を忘れた態度であるばかりか、市がオタモイの土地を購入するお金がなく、北海道中央バスから7,000万円もの資金を寄附してもらった経過に照らし、協力していただいた関係者の方々への背信行為であるだけでなく、このとき確認されたオタモイ観光開発は小樽市、天狗山観光開発は北海道中央バスと、事業責任を振り分けた約束をも踏みにじるものです。
次に、中松市政の小樽市における重要な事業で歴史的経過や公的約束をたがえることについて指摘せざるを得ません。オタモイ観光開発に続き、今定例会で問題となった新・市民プール建設を新年度予算で見送ったばかりでなく、先ほど来指摘されているように、プール単独建設を学校併設型にすり替えたことは、その典型です。もちろん、我が党は、学校にプールを設置することは大賛成です。しかし、このことと市民のスポーツ振興の立場からプールを単独で建設することは全く別問題です。今、小樽市政でプール建設での焦点は、単独でのプール建設です。
平成21年12月に策定された第6次総合計画の21年度から25年度の前期実施計画にうたわれた新・市民プールは、社会教育施設として単独事業として計画されたものであることは皆さん御承知のとおりです。さらに、平成22年第3回定例会で、全会一致で可決された小樽市過疎地域自立促進市町村計画の中にも、新・市民プール建設が明記されています。プール建設の財源が過疎債であることは、学校併設型でない決定的証拠です。総合計画ばかりでなく、平成22年第3回定例会で市長が提案し、議会で全会一致で可決された、いわゆる小樽市過疎計画の中に位置づけられている単独でのプール建設を、議会に何の相談もないばかりか、プール建設を求める市民に何の挨拶もなく、新年度予算要求で市長と教育委員会はプール建設を見送ったばかりか学校併設型にすり替える、許されざる交渉をしてきたのです。
3月19日の各会派代表者会議で、議長も、新・市民プール建設に関して、教育行政執行方針で当面の事業の着手を見送る旨の方針が示され、これまで議会各派に説明がなかった方向性が突然表明されたとの印象を持ったので、この場に……
(発言する者あり)
討論ですから、よく聞いてください。
この場に教育長を呼んで、これまでの検討過程と今後の対応について説明を求めたいとのことで、教育長が説明するという異例の事態となりました。なぜ小樽市政で、重要な事業で、歴史的経過や約束、果ては総合計画や過疎計画などを無視することが平然と行われるのか。私は、小樽市の人事の中枢が道からの幹部職員であるからではないかとの疑念があります。市長部局の副市長、財政部長、教育委員会の教育長が相図ってすり替えるのではないかと考えざるを得ません。
3人といえば私は思い出すのですが、1958年、私が高校生のときですが、上映された、黒澤明監督、三船敏郎、上原美佐主演の隠し砦の三悪人のストーリーを思い起こします。1958年の映画のストーリーといえば、わかるのは私のほか、久末議員、並木局長、もし映画が好きだったら市長ぐらいかなと。わからない方もおられますから、2008年に嵐の人気ナンバーワンの松本潤君、人気女優の長澤まさみさん主演で再上映された、こう言えば、皆さんもストーリーの中身は思い出すのではないかと思います。共感を呼んだのは、絶体絶命のピンチが幾度となく訪れても、それにくじけず、勇気と知恵で次々と突破する、そのひたむきさでした。私が連想するのは、落城した秋月家の莫大な埋蔵金をどうやって秋月と同盟関係にある早川家へ運び、雪姫とともに秋月の再建を図るか、こういうことで、事もあろうに敵である山名家の領地を通って早川へ運ぶという案を提案し、実行するその大胆さです。
議会を敵である山名家の領地に見立て、3人が相図って議会を突破し、埋蔵金ならぬ単独プール案を学校併設型にしてしまおうとしているのではないかという懸念です。もしそうでないというのであれば、これまでの歴史的経過を尊重するというのであれば、副市長、財政部長、教育長の3人が、後世の小樽市政に単独プール案を学校併設型にすり替えた三悪人と言われることのないように、議会が全会一致で決めた原点に立ち返り、一日も早く新・市民プール建設を実現し、小樽市の重要な課題で、歴史的経過や事実を尊重する立場に立つことです。
新・市民プール建設と同様に、オタモイの歴史的経過と事実に照らし、オタモイ観光開発の基本方針を明確にすべきではないでしょうか。
また、崖崩れの安全対策を講ずることからいっても、陳情第290号を採択することが急がれます。
各会派の皆さんの陳情第290号の採択を呼びかけまして、討論といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、陳情第290号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時59分
――――――――――――――
再開午後3時20分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
次に、厚生常任委員長の報告を求めます。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、中島麗子議員。
(20番中島麗子議員登壇)(拍手)
○20番(中島麗子議員)厚生常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
陳情第317号は、生活保護基準の引下げ等制度改悪をしないことを政府に求める意見書の提出を求めるものである。厚生労働省社会保障審議会は、生活保護世帯が一般低所得世帯の生活費を上回る逆転現象が起きているとし、2013年度から段階的に支給額を削減するという。しかし、生活保護基準は、就学援助制度や国民健康保険料の減免などの判断基準であることから、受給者のみならず、市民生活全体に大きな影響を及ぼすことになると思うがどうか。
また、生活保護費は、ほとんどが消費に回るため、市の持ち出しの数倍の経済効果が期待できる費用対効果の大きな経済政策という側面があることも踏まえ、基準を引き下げないよう国に求めるべきと思うがどうか。
生活保護基準は、5年ごとに全国消費実態調査などの結果を用いて検証されており、今回の改正は、この結果を踏まえ、一般所得世帯の生活費を上回る逆転現象の解消及び物価動向を勘案し、基準の適正化を図ることで、社会情勢を反映した生活保護制度に改めようとするものである。この基準は、住民税課税の賦課基準など、さまざまな制度の中で減免や援助の可否判定の目安であり、市民生活と密接に関連しているからこそ、行政として公平・公正な立場を堅持するために、消費実態と乖離した状態のまま放置すべきではないと思うがどうか。
要介護認定者数は、高齢者人口に比例して増加傾向にあり、在宅サービスの利用者は、平成12年度の3.5倍に増えている。その要因の一つには、特別養護老人ホーム等が恒常的に入所待ちの状態にあることが挙げられ、施設が足りないという声を聞くが、新たに整備する考えはないのか。
また、介護保険給付費の増加傾向は、利用者の増加に伴い今後も続くことが明らかであるが、本市の介護保険料は、国が保険料負担の限界とする5,000円を既に超えていることから、これ以上の負担を強いることのないよう、保険料の軽減を図るために、国の責任において保険料の一部を負担するよう働きかけるべきではないか。
小樽市の健康づくりを進める指針である健康おたる21は、子供から働き盛りの世代まで、ライフステージに応じた健康づくりを強化し、将来の成人病などの予防を推進する計画である。近年、医学の進歩により平均寿命は延びているが、充実した人生を送るためには、市民一人一人がふだんから病気の予防に取り組み、医療費抑制に努力していこうとする意識を持つことが重要と思うがどうか。
この計画では、それぞれの分野について10年後の目標が掲げられており、例えば未成年者の喫煙については、現状の12パーセントをゼロにするというが、学校や家庭において、どのような取組をいつまでに行うかという目標に向けた具体的な方策は示されていない。今回の計画は、これまでのように保健所が事業や取組などを考え、市民に啓発や指導を行うという手法ではなく、家庭、地域、学校、企業や行政などが連携して健康づくりを支援するとしているが、具体的な工程や取組が示されなければ、目標達成は期待できないと思うがどうか。
ピロリ菌の感染だけが胃がんの原因ではないものの、両者は密接な関係にあり、ピロリ菌を除去することで胃がんの予防が期待できるとされている。仮に、現在、保健所で行っている胃がん検診にピロリ菌検査を追加すると、約210万円費用が増加し、さらに除去治療に公費助成をした場合は、約1,000万円を要すると試算されている。厳しい財政状況の中、こうした公費の負担増を伴う事業に難色を示す向きもあるが、何より市民の健康増進を図ることができ、結果的には医療費の削減につながる取組であることから、前向きに検討してほしいと思うがどうか。
近年、成人の風疹発症が多発していることに伴い、国では予防接種の啓発を行っており、予防接種に対する関心が高まっている。しかし、そもそも風疹に限らず、過去に受けた予防接種の種類についてはよくわからないという声を多く聞く。保健所で管理している予防接種台帳は、5年保存であるため、個人の接種履歴は母子手帳により確認することになるが、成人が自身の母子手帳を持っていないこともあり得ることから、例えば雇用保険のように個人に番号を割り当て、接種履歴を一元管理するなどの仕組みを検討してほしいと思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、陳情第317号につきましては、継続審査を主張する会派がありましたが、採決の結果、賛成少数により、継続審査は否決されました。
続いて、棄権した会派を除き採決を行った結果、賛成少数により、不採択と決定いたしました。
次に、請願第2号並びに陳情第1号、第310号、第314号及び第316号につきましては、採決の結果、賛成多数により、いずれも継続審査と決定いたしました。
次に、その他の各案件につきましては、議案はいずれも可決と、所管事務の調査は継続審査と、全会一致により決定いたしました。
なお、当委員会におきましては、陳情第317号について、今後の審議の参考に資するため、委員会の休憩中に陳情者から趣旨の説明を受けたことを申し添えます。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)8番、川畑正美議員。
(8番川畑正美議員登壇)(拍手)
○8番(川畑正美議員)日本共産党を代表して、陳情第317号生活保護基準の引下げ等制度改悪をしないことを政府に求める意見書提出方について及び継続審査中の請願第2号JR南小樽駅のバリアフリー化の要請方について、陳情第1号天狗山ロープウェイ線における最上団地停留所利用時の料金設定改善要請方について、陳情第310号銭函駅へのエレベーター設置方について、陳情第314号小樽市女性国内研修事業の再開方について、陳情第316号北西部地区における「一時的保育事業」の実施方について、いずれも採択を主張する討論を行います。
陳情第317号は、生活保護基準の引下げ等制度改悪をしないことを政府に求める意見書提出方についてです。
生活保護費については、国は、これまでも70歳以上の老齢加算を廃止し、多人数世帯の生活扶助基準も削減しています。70歳以上の高齢者は、生活保護費を約2割減額され、食事を1日2回にした、あるいは知り合いの葬式にも出席できないなど、人間らしい生活ができなくなっています。
新年度の政府予算案で、生活保護費は生活扶助の基準額を2013年度から3年間で約670億円減額します。年末に支給する期末一時扶助についても約70億円減額し、合わせて740億円も削減することに対する生活保護基準の引下げをしないことを求めているものであります。引下げ実施は、食費など、日常生活にかかわる費用を賄う生活扶助の基準額を2013年度から3年間で6.5パーセントの大幅削減です。
このことは、受給者だけでなく、生活保護基準を参照して設定されている就学援助制度、国民年金保険料の免除、高額療養費などの所得区分など、幅広い対象者にも影響します。不正受給者に対しては厳しく対処することが必要ですが、不正受給の生活保護費全体に占める割合は、平成23年度において、全被保護世帯数に対する不正受給の件数が1.74パーセント、金額においても0.34パーセントと低い状況にあります。このように、多くの生活保護受給者は真面目に生活しているにもかかわらず、いつでも全体化され、罰則の強化が叫ばれているのは問題です。
保護受給者の就労、自立の促進では、障害や疾病を持っていても、適切な環境や条件があれば働ける人はたくさんいます。その人なりに持っている能力を生かそうとする配慮がされていない中で、生活保護利用者を押しなべて働かないと決めつけて審査を厳格にすることは問題です。
政府、厚生労働省は、全国消費者実態調査などの結果を踏まえ、生活保護費が一般所得世帯の生活費を上回る逆転現象の解消を狙って生活保護基準の引下げを進める方針です。生活保護基準は、住民税課税の賦課基準をはじめ、さまざまな制度で減免や援助の判断の目安となっているからこそ、基準の引下げはやめるべきです。むしろ、デフレ不況解消のためにも、生活保護費より低い年金や最低賃金こそ引き上げるべきであります。
また、生活保護費の経済効果も重視すべきです。低所得者にとっては、所得額が消費に向ける割合が高いわけでありますから、生活保護費は市民生活を直接守ることになり、そのほとんどが消費に回っています。確かに自治体の持ち出しもありますけれども、その数倍の経済効果が期待できることから、費用対効果の大きな経済対策であるという報告もあります。
以上のことから、陳情第317号生活保護基準の引下げ等制度改悪しないことを政府に求める意見書提出方については、国の関係機関へ意見書の提出を求める陳情であって願意は妥当、継続審査中の請願第2号並びに陳情第1号、第310号、第314号及び第316号は、これまでも述べてきたとおり願意妥当、いずれも採択を求め、各会派、各議員の皆さんの御賛同を呼びかけて、討論といたします。(拍手)
(「議長、2番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)2番、千葉美幸議員。
(2番千葉美幸議員登壇)(拍手)
○2番(千葉美幸議員)公明党を代表し、ただいまの委員長報告に賛成、陳情第317号生活保護基準の引下げ等制度改悪をしないことを政府に求める意見書提出方についての不採択を求めて討論を行います。
生活保護制度は、生活、医療など8種類の扶助があり、年齢階層、世帯人員、所在地地域別など、国の定めた保護基準によって支給され、一般の低所得者との公平性を保つため、全国消費実態調査などを用いて5年ごとに基準の検証が行われることになっております。厚生労働省が、平成25年1月16日に公表した検証結果は、生活保護受給高齢者世帯では、低所得者の生活水準を下回り、子供のいる多人数世帯では、生活保護が保護を受けていない低所得世帯の生活費の水準を上回る傾向があると報告されました。この結果を踏まえ、逆転現象を解消し、これまで据え置かれていた物価下落分を反映する生活扶助基準の適正化は、保護費の削減ありきではなく、客観的な検証結果と合理的な指標に基づいた見直しであると考えます。
また、今回の基準適正化は、物価下落分を反映させたものになっていることから、公明党は、今後、景気、経済が回復し、物価が上昇した場合も適時適切に支給額に反映させることや、問題となっている不正受給対策の厳格化、また就労可能な受給者に対しては、保護に安住せず、積極的に求職活動を行い、就労による自活を目指す人との公平性を確保するため、自立就労支援の強化を行うこと、さらには生活保護の受給に至る直前の方を含む生活困窮者を支援するための法整備を要望しております。
先ほど共産党から、生活保護費に関しまして経済効果もあるという、いい影響についてのお話がございましたけれども、これは税金であります。国民に信頼される生活保護制度を構築する必要があると考えます。
生活保護基準は、個人住民税の非課税限度額の算定や国民健康保険の一部負担金の減免、就学援助の要否判定などに影響を与えますが、公的制度に影響が及ばないよう配慮することや、むしろそのような影響の多い基準であるからこそ、年齢や世帯人員、地域の消費実態の水準等に基づいて適正に見直すことは必要であると考えます。
以上の理由から、生活保護基準の引下げをしないことを政府に求める意見書を提出する陳情第317号は、不採択の態度を表明し、討論といたします。(拍手)
(「議長、4番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)4番、吹田友三郎議員。
(4番吹田友三郎議員登壇)(拍手)
○4番(吹田友三郎議員)一新小樽を代表して、陳情第317号生活保護基準の引下げ等制度改悪をしないことを政府に求める意見書提出方につきまして、継続審査を主張し、討論をいたします。
このたびの通常国会におきまして、生活保護費の支給にかかわる議論を重ねております。絶対的貧困者の生活を守る重要なものであります。生存権の保障は、国の重要な政策となりますことから、このたびの議論を見極める必要があり、継続審査を主張いたします。
議員各位の御賛同をお願いいたします。
なお、継続審査が否決された場合、その後の採決に当たりましては、一新小樽は自席にて棄権の態度をとることを申し上げ、討論といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、陳情第317号について採決いたします。
委員長報告は不採択でありますが、継続審査と意見が分かれておりますので、まず継続審査について採決いたします。
継続審査とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立少数。
よって、継続審査は否決されました。
次に、ただいま継続審査が否決されました陳情第317号について採決いたします。
委員長報告は不採択でありますので、原案について採決いたします。
採択とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立少数。
よって、不採択と決定いたしました。
次に、陳情第314号及び第316号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、請願第2号並びに陳情第1号及び第310号について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、建設常任委員長の報告を求めます。
(「議長、10番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)10番、高橋克幸議員。
(10番高橋克幸議員登壇)(拍手)
○10番(高橋克幸議員)建設常任委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
陳情第309号について、平成24年度住宅リフォーム助成制度のアンケート結果では、地元業者に大きな経済効果が認められる一方、繰上当選者の半数が工事申請前に工事着手又は完成したとの理由から申請を取りやめたため、多額の予算執行残が生じる結果となった。市は、25年度の実施に当たり、本年度と同額の予算を計上しているが、この制度の目的の一つである経済効果を最大限発揮するためには、本年度の執行残相当額を25年度予算に追加計上するなど、予算を増額し、全ての希望者を補助対象にすべきと思うがどうか。
小樽公園については、こどもの国の廃止に伴い、同公園整備計画を策定し、20年度までバリアフリー化や遊具の新設など、公園施設の整備を行ってきたという。その後、財政状況の悪化により、整備が凍結されていたが、25年度、国の補助事業を導入し、整備を再開すると聞くが、具体的にどのような施設の整備を行う予定なのか。
特に、子供連れの保護者から、公園内駐車場の整備を求める要望が寄せられており、大会等の際には、公園内道路は路上駐車で混雑している状況も見られることから、前向きに整備していくべきと思うがどうか。
また、教育部では、小樽公園に位置する桜ヶ丘球場など、運動場について老朽化に伴う改修を検討していると聞くことから、工事の方向性が固まった際には、効率性の観点から、公園施設の更新とあわせて一体的に整備してはどうか。
今冬は、記録的な豪雪により、例年2月に行う排雪作業を前倒しして実施しているが、低温が続いたため雪が解けなかったことや3月に入ってからの連続降雪の影響で、市内の幹線路線や生活路線では、車両の通行が困難な場所も多く見受けられる。今後、4月に入っても道路わきの雪山が残った状態も想定され、その場合はどのレベルまで除排雪を行っていく考えなのか。
春を迎え、雪解けも進むと思うが、この先の天候によっては大雪になることも考えられることから、その際は住民の安全・安心な生活を守る立場から、厳冬期と同様の体制で除排雪を行ってほしいと思うがどうか。
貸出しダンプ制度は、冬期間の交通を確保するため、町会等が自主的に生活道路の排雪を行う際に、市が無償でダンプを派遣するものであるが、市の除排雪により交通が十分確保できている道路へも貸出しが行われ、排雪作業前に自宅敷地内の雪も道路に出すことが常態化しているのが現状である。現在の制度では、1申請で最長5日間借りられ、対象外の区域から雪を道路に運び出す時間的な余裕があることも、こうした不適切な行為を助長する要因と考えられることから、制度本来の趣旨に添うよう、貸し出す日数を最小限に制限するなど、制度のあり方を見直すべきと考えるがどうか。
廃屋・空き家は、全国的に増加傾向にあり、後志管内においても、倒壊、不審火などの危険や周囲の景観を阻害するといったさまざまな問題が表面化している。この対策を協議するため、後志振興局が管内の市町村に呼びかけ設立した廃屋・空き家対策検討会において、先ごろ建築物の維持管理に関するモデル条例が提案されたという。本市においても、放置されたままの危険な廃屋について、行政の責任で指導・勧告及び代執行をするなど、毅然とした対応を求める声は高まっており、このモデル条例を参考に、実態に即した条例を検討してほしいと思うがどうか。
本市では、近年話題となっている耐塩素性病原微生物の水源への流入など、水道水へのリスクに対応するため、水源管理の強化を図り、水道水の安全を一層高める目的で、国の示すガイドラインに基づき、WHOが提唱する水安全計画を策定し、水源から蛇口に至る総合的な水質管理を行うという。しかし、水質管理の業務は、担当する技術職員が先輩から学んだ技術や経験に頼る業務が多いにもかかわらず、今後10年で、これまで担当してきた技術職員の5割が退職する見込みとのことである。今後は、計画の基本方針にもあるように、先人が培った技術力を次代の職員に確実に伝え、技術レベルの維持向上を図ってほしいと思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
まず、陳情第309号及び第312号につきましては、採決の結果、賛成多数により、いずれも継続審査と決定いたしました。
次に、その他の各案件につきましては、議案はいずれも可決と、所管事務の調査は継続審査と、全会一致により決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、21番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)21番、新谷とし議員。
(21番新谷とし議員登壇)(拍手)
○21番(新谷とし議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、陳情第309号及び第312号は採択の討論を行います。
陳情第309号は、住宅リフォーム助成制度予算の増額方についてです。
小樽市の2013年度の助成の予算は、昨年同様2,000万円で、申込者が多くても100人を抽出し、30人を補欠者に選び、最初の当選者に取りやめが出ると、順次、補欠者を繰り上げて、2,000万円の範囲内でおさめるということです。2012年度の補助金確定額総額は1,584万7,000円で、415万3,000円を残しました。交付確定件数は96件で、取りやめ件数は34件、補欠の13件が待ちきれないで工事に取りかかりました。2013年度も助成の対象者は抽選ですから、昨年抽選で外れ、今年に期待をかけている人がまた外れる可能性もあり、ましてや2012年度予算が大きく残ったことで制度への信頼も薄れるのではないでしょうか。
しかし、予算を大きく残したものの、リフォーム工事費は総額2億2,683万7,000円で、補助金総額に対して経済効果は14倍以上です。リフォーム助成制度の登録業者96社のうち、工事請負業者は53社で、そのうち39社が市の指名登録業者ではない小さな業者ということです。工事請負業者のアンケートでは、リフォーム工事の請負金額が増えていると回答した業者が56パーセントで、住宅リフォーム助成制度が低迷する建設関連業の経営を改善し、市の経済底上げに寄与していることは明らかです。その点で我が党は先ほど予算修正案を提案しましたが、思い切って予算を増額し、少なくても2012年度で残った予算を2013年度に上乗せするくらいのことをし、市民と市内建設業者を応援すべきです。陳情の願意は極めて妥当です。
陳情第312号は、市による火災崩壊家屋の撤去及び空き家対策の策定方についてです。
出火から1年10か月がたちますが、小樽市は、家主との連絡がとれず、火災崩壊家屋の撤去のめどは立っていないということです。今年の大雪で隣家への落雪の危険や、雪が解けるとまた防犯や美観の問題が出てきます。現在、建築指導課がロープを張ったり立入禁止の看板を立てていますが、陳情者は、好奇心旺盛な子供たちが中に入って遊ぶなどでけがをしたり、火遊びなどの心配もしております。手宮地区住民の総意は、速やかな火災崩壊家屋の撤去や人が入れないような囲いを設けるなどの対策を望んでいます。近隣の高齢の住民は、火事の夢を見るなど、精神的苦痛も受けています。引き続き家主との連絡をとる努力をしながら、対策を講じるべきです。
空き家対策については、小樽市も検討を始めておりますが、一日も早い制定で市民の願いに応えるため、議会として陳情を採択して、前へ進むよう応援すべきだと考えます。
全議員の賛同をお願いして、討論を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、陳情第309号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、陳情第312号について採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
次に、ただいま決定いたしました以外の各案件について、一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
次に、学校適正配置等調査特別委員長の報告を求めます。
(「議長、22番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)22番、北野義紀議員。
(22番北野義紀議員登壇)(拍手)
○22番(北野義紀議員)学校適正配置等調査特別委員会の報告をいたします。
当委員会における質疑・質問の概要は、次のとおりであります。
西陵中学校の存続を訴える会から、同校が存続するプランを示してほしいとの要望が出たことを受け、市教委はこれを示すと約束しているが、当委員会において、市教委から、現段階でプランを示すには至っていないことの理由が報告された。この要望は議員から要求されたものではないにもかかわらず、陳情者や地域を差しおいて議会への説明を行ったのは、どのような理由によるものか。
また、西陵中学校を含め、基本計画で計画前期に位置づけていた学校の統廃合が進まず、平成30年度以降にずれ込むことが確実視されている。加えて、計画当初の児童・生徒数の推計値と現状で差が生じている中では、改めて計画を見直す必要があると思うがどうか。
今年度をもって祝津小学校は閉校となるが、祝津地区には、水族館や鰊御殿などの観光施設に加え、水産業などの地域資源が豊富にあり、地域に根差した教育を行うには最適と思われる。統合校となる高島小学校も同様に、地元の資源を活用し教育活動を行ってきたと聞くが、新年度以降、祝津地区で行われてきた取組もあわせて実施する予定はあるのか。
また、地域教育の中で、地元の産業やそれに従事する方と触れ合うことは、子供たちの感性を引き出すとともに郷土愛を育み、ひいては地域の教育力を高めることにつながるものと考えることから、こういったメリットを最大限に引き出せるよう工夫を凝らしてほしいと思うがどうか。
潮見台小学校の通学路について、歩道が新設され、通行時の安全確保がなされた真栄橋では、地域や保護者から、冬季の通学時間帯における歩道の除雪体制に懸念を示す声を聞くが、市教委は、除雪状況や体制について把握しているのか。
また、若竹地区の高速道路高架下を通学路とする児童については、この区間の安全が確保されるまでスクールバスでの対応となるが、保護者からは、積雪によりバスの待機場所自体が確保できないおそれもあることから、早急に高架下に信号機を設置するなど、整備をしてほしいとの声もある。市は、設置に向けた環境整備に着手しているというが、早急に実現されるよう、関係機関にも重ねて働きかけてほしいと思うがどうか。
本年4月から、若竹小学校は桜・潮見台両小学校と統合するが、統合後の潮見台小学校の4年生は1学級となる見込みであり、学校適配の目的の一つである1学年複数学級が達成されていない。複数学級を望んで統合に賛成した保護者も多いと聞くことから、市教委は、道教委に要請し、特例で35人学級を認めてもらうなど、4年生でも2学級となるよう努めてほしいと思うがどうか。
一方、平成28年4月に長橋中学校と統合する塩谷中学校においては、指定校変更で長橋中学校へ入学する生徒が相次ぎ、統合を前にして生徒数の減少が著しいと聞く。このまま統合まで生徒の流出が続き、塩谷中学校がますます小規模化することになれば、一定規模の下で教育の質を高めるとする学校適配の目的と逆行することになるのだから、市教委は、指定校変更について、地域の実情を勘案の上、適正に行ってほしいと思うがどうか。
新年度から運行される潮見台小学校のスクールバスは、通学路の安全や利便性が確保された場合、廃止や通学支援への切替えもあり得るという。その際、市教委は、保護者と話し合って決めていくというが、スクールバスの導入は保護者から特に要望のあった事項であるから、話合いで廃止等の合意を得るのは難しいと考えるがどうか。
一方、奥沢・天神両小学校の再編は、統合校を奥沢小学校とする方向で進められており、通学距離が長くなる天神地区では、通学時の安全確保のため、スクールバスを期待する保護者も多いが、2月の懇談会では、その運行についての話はなかったという。バス運行が現行の基準に満たないため難しいことは理解するが、統合を進めていく上では、こういった保護者の不安を解消していくことが必要であるから、スクールバスの運行についても、弾力的な判断をしてほしいと思うがどうか。
新年度から統合される若竹・祝津両小学校に続き、塩谷中学校では平成28年4月での統合が決まるなど、各地域で具体的な動きが出ている現状を受け、改めて学校適正配置が基本計画どおりに進められていることを認識しているところである。南小樽地区の奥沢・天神両小学校においても、奥沢小学校を統合校とした再編についての懇談会が始まったところだが、天神小学校の保護者からは、奥沢小学校は暗くて寒いという学校施設面への不安の声が聞かれる。学校再編をスムーズに進め、子供たちのためによりよい学習環境を整備していくためには、こういった声に応えて施設改修を行うなど、統合に向けた環境整備に努めていくべきと思うがどうか。
学校の統廃合により、通学距離が長くなることで、登下校中に事件・事故に巻き込まれないかを懸念する保護者の声がある。張碓小学校では、通学班をつくり、高学年の児童が低学年の児童を先導して通学する取組により、児童の安全確保に努めていると聞くが、こうしたよい事例については、その他の小学校にも積極的に紹介し、今後の参考にしてもらってはどうか。
統廃合により閉校する学校には、長年の歴史の中で積み上げられてきた膨大な資料があるが、閉校後の保管に当たっては、収蔵場所の都合上、取捨選択せざるを得ない状況にあるという。その判断は、市教委職員と博物館学芸員とで行っているとのことだが、歴史的・学術的価値がないものであっても、地域や卒業者など、当事者には大切な資料もあることから、今後、保存の検討に当たっては、こういった方の声も取り入れていくべきと思うがどうか。
また、資料には、学校行事などの貴重な映像も含まれているが、多くはビデオテープであることから、長く後世へと伝えていくにはデジタル化して保存していく必要があると思うがどうか。などであります。
付託案件の結果は、次のとおりであります。
陳情第282号及び第291号につきましては、採決の結果、賛成多数により、いずれも継続審査と決定いたしました。
以上をもって、報告を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
(7番小貫元議員登壇)(拍手)
○7番(小貫元議員)日本共産党を代表して、ただいまの委員長報告に反対し、陳情第282号及び第291号は採択を主張して討論を行います。
最初に、陳情第282号小樽市立西陵中学校の存続方についてです。
教育委員会は、西陵中学校の存続を訴える会との約束である西陵中学校を残す第6、第7のプランを示せずに、約束から1年がたちました。
プランを示すことは、陳情者からも、議会からも何度も要求してきました。しかし、このたびの学校適正配置等調査特別委員会では、教育委員会からプランを示すことができないとの報告があり、いつ示すのか、時期も明確に述べることがありませんでした。ここには、先ほどから討論で出ているプール建設見送りと同様の体質があります。
プールの建設のときも、情報開示を求める声に対してひたすら口を閉ざし、鋭意努力している、そのように言って、突然、市民の願いとは別の方向性を示す、このようなことが西陵中学校の問題でも行われるのではないかという疑念が生まれてきます。プール建設の問題でも、この西陵中の問題でも、罪を犯した三悪人を中心とする行政が相手にしているのは主権者である市民であり、主権者の声に応えていくことが求められており、陳情者をはじめとする地域住民にプランをしっかりと説明する責任が教育委員会にはあります。
また、西陵中学校の存続については、市内中心部の学校であり、中心市街地の構成をどうしていくのか、今後の市内全体のまちづくりを左右する問題です。
次に、陳情第291号小樽市立塩谷小学校及び塩谷中学校の存続方についてです。
陳情文では、「地域にとってはまさに重大であり、見逃すことはできません。人口が減り、若く子育てをする家庭の塩谷からの引越し、高齢者のみの弱者の多い地域として衰退することは明白です。」と訴えています。
塩谷中学校が長橋中学校に統合されることが決まり、生徒は路線バスによる長距離通学となり、生徒の負担は、はかり知れないものがあります。塩谷小学校がどうなるのか、旧塩谷村の地域から学校が一つもなくなることに対する市民の不安は当然です。
学校の統廃合は、子供の教育の視点とともに、地域の住民合意が不可欠です。いずれも願意は妥当であり、採択を主張します。議員皆さんに採択を呼びかけまして、討論といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより一括採決いたします。
委員長報告どおり決定することに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立多数。
よって、さように決しました。
日程第2「議案第55号」を議題とし、市長から提案理由の説明を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)(拍手)
○市長(中松義治)ただいま追加上程されました議案第55号について、提案理由を説明申し上げます。
平成24年度一般会計補正予算につきましては、除雪費におきまして不足が見込まれるため、所要の補正を計上いたしました。これに対する財源といたしましては、3月に追加交付されました普通交付税及び財政調整基金繰入金を計上いたしました。
なにとぞ原案どおり御可決賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、採決いたします。
原案どおり可決とすることに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
日程第3「意見書案第1号ないし第11号」を一括議題といたします。
意見書案第7号ないし第11号につきましては、提案理由の説明を省略し、意見書案第1号ないし第6号について、提出者から提案理由の説明を求めます。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
(7番小貫元議員登壇)(拍手)
○7番(小貫元議員)提出者を代表して、意見書案第1号ないし第6号について、提案趣旨説明を行います。
最初に、意見書案第1号憲法をいかし、地方自治及び地方財政の拡充を求める意見書案についてです。
政府・自民党をはじめとする憲法を変えようとする政党は、まずは憲法第96条を変えることを目指しています。日本国憲法は、国民の人権を保障するための権力を縛る法です。ですから、第96条は、時の権力者が都合のいいように改定が安易にできないよう厳しい手続を要求しているのです。
そして、憲法の地方自治の精神をなくしてしまおうとする動きが道州制です。国と地方の役割分担などとして、住民の身近な行政の名の下に、社会保障の役割を専ら地方に押しつけるものであるなら、国の責務は骨抜きになりかねません。
地方は、地方交付税の削減により、厳しい財政運営を強いられてきました。地方行政が住民の福祉の増進を図る役割を憲法に基づき発揮するためにも、地方財政の拡充を求める意見書案です。
次に、意見書案第2号年金2.5パーセント削減中止を求める意見書案についてです。
昨年11月、民主党、自民党、公明党の3党によって、年金水準を3年間で2.5パーセント削減する法案を合意し、短時間の国会審議で強行可決しました。年金額は、消費者物価に連動して調整することになっています。ただし、2000年度から3年間は、物価が下がった際に、高齢者の生活実態と経済への悪影響に配慮して据え置かれました。それを年金額が本来より高い特例水準にあるとして、引き下げるといいます。ひとり親家庭や障害者への手当も、特例水準の解消として3年間で1.7パーセント引き下げようとしています。
本来、物価スライドは、物価高騰に対して年金が減るのを回避するためのものであり、削減の手段とすることは本末転倒です。社会保障の引上げや増税などで生活に充てることのできる年金額は大きく減っており、高齢者をさらに生活苦に追い込む行為です。さらには、地域経済にも大きな影響を及ぼす年金引下げ中止を求める内容となっています。
次に、意見書案第3号70歳から74歳までの高齢者の医療費窓口負担増の中止を求める意見書案についてです。
70歳から74歳の2割負担は、旧自民党・公明党政権時代の2006年の医療改悪法に盛り込まれましたが、国民の批判を浴びて凍結されていたものです。高齢者の方は、70歳になれば負担が軽くなるといって通院を我慢し、70歳を超えてから通院するというケースもあります。重い窓口負担が受診抑制を引き起こし、症状を悪化させる悪循環を断ち切ることが必要であり、窓口負担の引上げ中止を求めるものです。
次に、意見書案第4号公務公共サービスを担う非正規雇用労働者の雇用安定と均等待遇実現を求める意見書案についてです。
自治体が提供するサービスは、実施形態が委託であるか直営であるかを問わず、また公務員が直接サービスを提供していない場合でも、その実施に当たっては、最終的な責任は自治体にあります。地方自治体では、国の地方切捨て路線の影響もあり、人件費削減で非正規労働者が拡大しています。
このような非正規職員の安定した雇用、均等待遇とともに、常勤職員を増やしていくことが公共サービスの拡充には必要です。日本は、同一価値、同一労働、同一賃金を定めたILO第100号条約を批准しており、条約に基づく格差是正が求められています。また、日本が批准していないILO第94号条約は、公共事業の労働者の賃金や労働条件は、同地域の民間事業に劣らない有利なものでなければならないとしています。自治体が発注する工事によって官製ワーキングプアを生み出すことのないようにしなければなりません。これらのためにも、国が有期労働契約の規制や公契約法、短時間公務員制度などの関係法制の整備を図ることを求めているものです。
次に、意見書案第5号生活保護の改悪に反対する意見書案についてです。
生活保護の基準引下げは、国民の最低限度の生活を引き下げるものです。生活保護を受けることができない人たちを生み出すだけでなく、就学援助や市営住宅の家賃減免、地方税などに影響が出てきます。
また、扶養義務者にまで説明義務を課すことは、生活保護利用を今以上にためらわせ抑制するものです。
憲法第25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」を基に生活保護の制度があります。この意見書は、最後の命綱である生活保護基準の引下げを行わないよう求めるものです。
次に、意見書案第6号賃上げによる内需拡大を柱とした経済政策・デフレ不況打開を求める意見書案についてです。
安倍政権が打ち出している3本の矢は、これまで的を射ることができなかったものばかりを並べて、2009年の総選挙で政権交代を余儀なくされた旧来の自民党政権政策と全く同じです。国債発行を増やし、国民に将来負担をかぶせるものです。今求められているのは、物価目標を持つことではなく、賃上げ目標を持つことであり、その対策を政府に求める意見書案です。
以上、議員各位の賛同を呼びかけまして、提案説明といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)これより、一括討論に入ります。
(「議長、20番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)20番、中島麗子議員。
(20番中島麗子議員登壇)(拍手)
○20番(中島麗子議員)日本共産党を代表して、意見書案第1号ないし第6号について、可決の討論を行います。
意見書案第1号は、憲法をいかし、地方自治及び地方財政の拡充を求める意見書案です。
政府は、憲法を変え、地方自治に重大な転換を持ち込もうとしています。
その一つは、地方自治体が担う役割を住民に身近な行政、法律の定める役割分担と限定していることです。しかし、本来、地方自治体が果たす役割は、身近な行政にとどまりません。中央集権を抑制し、国民の自由を保障するとともに、福祉国家理念をきめ細かく実現すること、また住民の直接参加によって民主主義を発揚させることなどがあります。
もう一つは、道州制に道を開こうとしていることです。自民党の憲法改正草案第93条で、「地方自治体は、基礎地方自治体及びこれを包括する広域地方自治体とすることを基本とし、その種類は、法律で定める」と規定、財源問題でも、自主財源を新たに規定し、「地方自治は自主的財源に基づいて運営されることを基本」とする一方、「住民は、その属する地方自治体の役務の提供を等しく受ける権利を有し、その負担を公正に分任する義務を負う」と住民の負担義務を明記しています。財政健全性も準用していますが、これでは自治体の規模によってサービスの内容が変わり、サービスを受けたければ住民が負担することになります。
さらに、自立、共助を強調し、国の社会保障の役割を弱めています。今日、多くの自治体は、自民党・公明党政治の三位一体改革で深刻な財政危機に陥り、国民生活も構造改革で格差と貧困が進み、地域経済が疲弊し、過疎化と高齢化が進んでいます。この小樽市も例外ではありません。
憲法に基づき、地方自治体が住民の福祉の増進を図るという役割を発揮するようにすることが、国の役割であります。政府は、憲法第25条に基づき、国民の暮らしと権利を守るため、ナショナルミニマム保障の責任を果たし、その財源保障を果たさなければなりません。財源は、逆進性が大きく、地域経済衰退を進める消費税に頼らず、内部留保を260兆円を持つ大企業、大資産家への優遇税制を改めれば8ないし11兆円、世界にない日本の米軍への思いやり予算、不要不急の公共事業などの聖域のない無駄の削減で3兆円から5兆円を生み出すことができます。
意見書案第2号は、年金2.5パーセントの削減中止を求める意見書案です。
政府は、昨年11月15日、年金を3年間で2.5パーセント削減し、基礎年金国庫負担引上げに消費税を充てる法案を賛成多数で可決しました。財源を消費税増税にしていますが、消費税の増税は低所得者ほど負担が大きく、社会保障費の増大が税率のさらなる増大につながるという点からも認められません。
そもそも基礎年金の2分の1国庫負担は、国会決議に基づき、2004年の改正で約束したものでした。それが2009年まで先延ばしされ、その間に基礎年金2分の1の財源として定率減税の廃止や老年者控除の廃止、公的年金控除の縮減など、国民負担を押しつけてきました。にもかかわらず、今日に至るまで財源が確保されていないとして消費税増税で対応することは、さらなる国民負担を課すものです。
また、2.5パーセントの特例水準の解消といいますが、当時、厳しい経済状態の下で、高齢者の生活に配慮するということで年金額を据え置く措置がとられました。政府は、この間の物価下落時に年金を下げなかったので、もらいすぎた分として3年間で2.5パーセントの引下げと言います。しかし、無職の高齢夫婦世帯の可処分所得は、10年間で平均、月2万9,544円も減っています。消費物価が下がっているといっても、大型家電の下落が原因であり、介護保険料などは反映されていません。
さらに、少子高齢化を口実に、自動的に年金額を減らすマクロ経済スライドは、2004年に自民党・公明党政権が導入しましたが、年金を毎年下げ続け、現役世代の収入の約6割あった支給水準を5割以下に削減するものです。しかし、物価下落時には発動しないルールがあり、一度も発動されていませんでした。これをデフレでも発動できると改悪し、さらなる給付引下げを進めることはやめるべきです。
意見書案第3号は、70歳から74歳までの高齢者の医療費窓口負担増の中止を求める意見書案です。
後期高齢者医療制度は、国民的な反対で廃止の方針でしたが、民主党政権下で公約が破棄され、現在まで継続し、ゼロ歳の赤ちゃんを含む全ての国民に保険料負担が課せられています。このとき決定した70歳から74歳までの医療費の窓口負担については、本則2割負担を1割で維持し、平成25年4月についても1割負担で継続しますが、政府は、今後、2割負担の導入を進めようとしています。
全国保険医協会が、診療所や病院に対して行った2010年度の調査では、この半年間で、患者が経済的な理由で治療を中断又は中止する事例があったと答えた方が38.7パーセント、医療費負担を理由に検査や治療、投薬を断られたことがあった、これは43.1パーセント、未収金は48.2パーセントがあると答えています。
今、医療費の窓口負担を2割に上げるよりも、若い世代を含めて全体として軽減していくことが、国民全体の声ではありませんか。3割負担は重すぎます。70歳から74歳までの医療保険加入者数は、2009年度で631万人で、そのうち3割負担、いわゆる現役並み所得者は58万人で1割以下です。現在の窓口負担を2割に引き上げると、この年代の9割の方に負担増の影響が出ることになります。新たな所得が見込めない高齢者に年金引下げ、医療費負担増では、将来世代にも大きな影響を与えることになります。高齢者医療費窓口負担の引上げはやめるべきです。
意見書案第4号は、公務公共サービスを担う非正規雇用労働者の雇用安定と均等待遇実現を求める意見書案です。
自治体に働く非正規職員は3割を占めており、福祉や教育、医療などさまざまな分野で、住民サービスの一線で頑張っており、今やなくてはならない存在になっています。しかし、その処遇は、今どきあってはならないほどに不安定な実態に置かれています。
これらの非正規職員の大半は、地方公務員法に基づく一時的、臨時的、補助的業務ではなく、恒常的、基幹的業務に従事しています。しかし、地方公務員法は、恒常的、基幹的業務に非正規職員を従事させることを想定していないため、一時金、退職金、諸手当がないなど、低い労働条件の下で働いています。実際には恒常的であるが、短時間勤務が合理的な職も少なくありません。
しかし、このような職においても、正規職員と同様に公務員としての役割が求められています。任期の定めのないとは、定年まで働ける意味であり、オランダなどで普及している労働時間の短い正規職員で、子育てとか介護とかに時間を充てようとすれば、何の不利益もかぶらずに選択できる制度のことです。非常勤職員に真の意味での均等待遇が実現すれば、それも任期の定めのない短時間公務員になり、そのためにも、これら非正規職員を正規職員として認め、任期の定めのない短時間公務員制度の確立を求めるものです。
日本は批准していませんが、ILO第94号条約には、公共事業の労働者の賃金や労働条件は、同地域の民間事業に劣らない有利なものでなければならないとしています。この精神にのっとって公契約法を制定し、公共サービスの質の確保と、官製ワーキングプアを防ぐことが必要です。
日本国憲法第15条第2項には、「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」としています。国や自治体が、公共サービスを担う非正規労働者に生活できる賃金、人間らしく働くことのできる労働条件を定めることは、全体の奉仕者としての公共サービスの質を向上させることにつながります。
意見書案第5号は、生活保護の改悪に反対する意見書案です。
戦後、生活保護基準が下がったのは、2003年の0.9パーセントと2004年の0.2パーセントだけです。
今回、政府の方針は、3年で7.3パーセントという過去に例のない大幅カットですから、生活保護世帯の96パーセントが削減されます。都市部の30代母と子1人の世帯では月額9,000円原、20代から40代の単身世帯では7,000円減とし、ほぼ1週間分の生活費に当たる額が削られます。しかも、今回の引下げには道理がありません。今回の大幅引下げの9割は、物価下落分を下げるということですが、物価を下げている要因は、パソコンやビデオなどの下落ですが、水道光熱費や食料などの生活必需品は下がっていません。さらに、政府は、2008年と2011年を比べて、物価下落分として4.78パーセント引き下げるとしていますが、2008年は原油高などで物価指数が飛び抜けて高く、そういう特異な年と比べるのは妥当ではありません。
生活保護の基準は、1984年以来、一般国民の消費水準と比べて調整されてきましたが、2004年から、一般世帯でなく、低所得者世帯と比べる考え方になり、今回も2009年の消費支出データが用いられています。本来なら2009年のデータを用いるべきところを2008年と比べるのは、自民党の生活保護10パーセント引下げという政策に合わせるためのやり方です。
また、生活保護費を検討する検証基準も問題です。生活保護費の削減は、厚生労働省の社会保障審議会生活保護基準部会の試算を基に対応するとのことです。同試算では、全世帯の所得で最下位の10パーセントの世帯との生活費と比較されています。しかし、ここには生活保護基準を下回る所得世帯のうち、生活保護を受給していない世帯が多く含まれており、比較すると、さらに生活保護基準が下がってしまいます。ほかに最低生活を算定する方法が幾つか生活保護基準部会で提案されましたが、政府は取り上げませんでした。
生活保護基準は、憲法が国民に保障する最低生活水準です。引下げは、最低賃金、住民税の非課税限度額、就学援助、医療・介護保険料の軽減免除制度をはじめ、多くの制度の対象者を狭め、悪影響を与えます。政府は、できる限り影響が及ばないように今後対応すると言いますが、予算措置の見込みもなく、何の担保もありません。生活保護基準が持つナショナルミニマムの機能を壊すことになる生活保護基準の引下げは、やめるべきです。
意見書案第6号は、賃上げによる内需拡大を柱とした経済政策・デフレ不況打開を求める意見書案です。
昨年の勤労者の平均賃金は、1990年以降で最低となり、ピーク時の1997年より年収で約70万円も減っています。非正規雇用が労働者の3人に1人、若者と女性では2人に1人にまで広がり、年収200万円に満たない労働者が1,000万人を超えています。低賃金で不安定な働き方の非正規雇用の拡大は、正規雇用の労働者の賃金と労働条件の低下、長時間労働に拍車をかけています。
日本の最低賃金は全国平均時給749円ですが、フランス1,084円、イギリス928円、オランダ1,021円、アメリカ753円など、先進国で最低水準です。日本の非正規雇用は、1980年代から1990年代前半までは労働者全体の1割ないし2割程度でしたが、今や35.5パーセントです。ドイツ14.5パーセント、フランス13.5パーセント、イギリス5.7パーセントと比較しても、異常な多さです。1997年度比では、日本企業全体の経常利益は、2011年度には1.6倍に増えていますが、働く人の所得は9割以下に減少しました。
同時期に輸出は1.25倍になりましたが、国内需要は約1割減少しました。国際競争力のためといって、乱暴なコスト削減で輸出は増やしたけれども、働く人の所得を大幅に下げたために国内需要が減少し、デフレ不況の悪循環に陥っているのです。
大企業の内部留保は、この10年間で100兆円も積み増しされ、260兆円にも達しています。人件費削減で目先の利益は増やしたものの、国民の所得が減り、市場が収縮したために、企業経営としての有効な使い道もなくしてしまいました。不況下で市場内需が冷え切っている中では、余剰資金を新たな設備投資に振り向けることは期待できません。賃上げと安定した雇用の拡大によって内需を活発にすることが余剰資金を生かせる道であり、そのほんの一部を充てれば、日本経済の好循環をつくり出す突破口になります。
安倍内閣には、物価を2パーセント上げるというインフレ目標はあっても、賃上げ目標はありません。企業の業績が上がれば、いずれ賃金は上がるというだけです。
失われた20年と言われる中でも、企業の業績が回復し、史上最高の利益を上げた時期もありましたが、その間も賃金は下がりました。金融緩和などで、一時的に円安や株高が起きても、働く人の所得増に結びつける努力がなければ、本格的な景気回復に向かうことはできません。日本経団連は、定期昇給の延期、凍結による新たな賃下げを提起し、物価が下がっているから働く人の所得をもっと下げていいとしていますが、デフレ不況促進策でしかありません。
賃上げを促進するためには、最低賃金を引き上げること、大企業による単価の買いたたきや一方的な発注中止をやめさせ、中小企業と大企業の公正なルールをつくり、中小企業の経営を安定させ、労働者の賃上げにつながるように支援すること、公務員の賃金引下げは民間賃金引下げに連動し、生活保護基準の引下げは最低賃金引下げに連動するため、実施すべきではありません。賃上げと安定した雇用の拡大こそ、デフレ不況を打開し、経済も産業も立て直す道です。
以上、各会派議員の皆さんの賛同をお願いし、討論といたします。(拍手)
○議長(横田久俊)討論を終結し、これより順次、採決いたします。
まず、意見書案第1号ないし第3号について、一括採決いたします。
いずれも可決とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立少数。
よって、否決されました。
次に、意見書案第4号ないし第6号について、一括採決いたします。
いずれも可決とすることに、賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(横田久俊)起立少数。
よって、否決されました。
次に、ただいま決定いたしました以外の意見書案について、一括採決いたします。
いずれも可決とすることに、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
以上をもって、本定例会に付託されました案件は、全て議了いたしました。
第1回定例会は、これをもって閉会いたします。
閉会午後4時46分
会議録署名議員
小樽市議会議長横田久俊
議員濱本進
議員中島麗子