開議午後1時00分
○議長(横田久俊)これより、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名議員に、松田優子議員、林下孤芳議員を御指名いたします。
日程第1「決議案第1号朝鮮民主主義人民共和国の核実験に抗議する決議案」を議案といたします。
本件につきましては、提案説明等を省略し、直ちに採決いたします。
お諮りいたします。
原案どおり可決と決定することに御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)御異議なしと認め、さように決しました。
日程第2「議案第1号ないし第54号並びに報告第1号及び第2号」を一括議題といたします。
質疑及び一般質問を一括し、これより会派代表質問を行います。
通告がありますので、順次、発言を許します。
(「議長、24番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)24番、山田雅敏議員。
(24番山田雅敏議員登壇)(拍手)
○24番(山田雅敏議員)平成25年3月、自由民主党を代表して質問を行います。
昨年を振り返りますと、リーマンショック後の世界経済の減速が影を落とし、世界不況を克服する手段として巨額の財政出動で景気を下支えするアメリカ、ユーロ経済圏、イタリアの政情不安、イランや北朝鮮の核問題、日本とロシア、韓国、中国との領土問題、中国から流れてくる環境汚染物質PM2.5、TPPへの加盟をはじめ、日本と関係する問題が山積しています。我が国政府には、このような問題とデフレによる長引く経済の衰弱を早期に脱却することなど、不安要素の払拭を一日も早く実現していただきたいと思います。
平成24年12月の衆議院議員総選挙では、公明党の協力もあり、道内選挙区全てで自民・公明両党の候補が議席を得たことは、私自身いまだかつて経験したことがなく、小樽市が含まれる北海道第4区においては、全ての市町村で最多得票となり、政権与党となった自民党の代議士が誕生いたしました。昨年の総選挙では衆議院議員が生まれ、道議会議員、市議会議員がそろい、国や道への要望などを橋渡しする太いパイプができ、以前と比べて市長の声が施策に反映される環境が整いました。このことを受けて、市長の率直な感想をお聞かせください。
また、2期目となる安倍首相がアベノミクスを発表し、我が会派も期待しております。この内容は積極的な公共事業、大胆な金融緩和、企業の投資を呼び込む成長戦略で経済再生を目指す安倍政権に市長として期待するところをお聞かせください。
次に、新年度予算編成について伺います。
年始の記者会見で市長は、人口減少や少子高齢化で厳しい市の財政運営の中で、防災対策と経済雇用対策を重点に取り組むと述べ、公共投資や観光に活路を見出し、ここに来て中松市長のカラーが本格的に始動してきたと感じています。今年は市長の任期の折り返し地点を迎えられ、過去2年の活動が大きな成果を上げることと思います。フットワークがよい面、無理をせず、お体の健康には十分留意され、市政執行に邁進されますようお願いいたします。
本市の将来を見据えた諸問題への対応について今年目指すもの、やらなければならないことなど、市政執行の所信を提案説明の冒頭で述べられています。市長任期の後半を迎え、考え方として単年度ではなく、2年のスパンで執行に取り組んではいかがでしょうか。
私は以前、山田前市長のときに予算の複数年度管理について質問いたしました。年度のはざまに起きる問題、無駄ができることやチャンスを逃すことが多い結果になると改善を求めました。お考えをお聞かせください。
また、政権与党となった安倍首相の切れ目のない経済対策のための15か月予算編成をしたことについて、小樽市への影響はなかったのか、お聞かせください。
次に、本市の職員給与等について伺います。
本年2月8日、総務省は国家公務員を100として平成24年の地方公務員の給与水準を表すラスパイレス指数を発表いたしました。全国自治体のうち87.5パーセントに当たる1,566団体が指数100を超え、前年の288団体から1,278団体増えたと聞きます。全自治体平均の指数は前年比8.1ポイント増の107.0、都道府県の地方公務員の平均は107.5で、市区町村平均は106.8、市町村の中で最高は千葉県君津市と兵庫県芦屋市の113.7、最低は大分県姫島村の78.9と聞きます。
初めに、平成24年の本市のラスパイレス指数は道内の人口10万人以上の自治体の中で一番低い結果となったことに対して、率直な感想をお聞かせください。
次に、本市は平成16年度から財政再建団体への転落回避のために、職員給与の独自削減を始めました。国は各自治体に対して既に行われている給与抑制措置を踏まえた取組を求めている中、市に配分される交付税への影響をお聞かせください。
昨年11月の国家公務員退職手当法改正に伴い、国家公務員の退職手当が民間との格差解消のため、1人平均約400万円減額された内容に準じ、国は地方公務員の退職手当も同様の削減を求め、本市も同様の削減をすると聞いています。職員の皆様方には今定例会が終わった後、二重の苦労をかけるとともに、改めて敬意を払い、士気の低下にならないように配慮をお願いいたします。
この項最後に、今後の定年退職者数、退職手当額、退職手当債の見込みについてお聞かせください。
また、今回の退職手当の減額措置により、早期退職者が発生するのではないかと危惧されます。お考えをお聞かせください。
次に、議案第36号小樽市企業立地促進条例の一部を改正する条例案に関連してお聞きいたします。
今回の条例改正の趣旨としては、新規企業に対して課税免除期間の延長や空き工場の活用など、内容を拡充し、企業進出を促すとともに、既存企業に対しては自社工場の増設や新たな機械設備を課税免除の対象に加えることで他市への転出を防ぎ、恒常的な税収を確保することが目的であると受け止めております。
最初に、条例を改正するに当たって、空き工場の活用や既存企業に対する支援の要望があったと思いますが、なぜこの時期の改正となったのでしょうか。
あわせて、例えば今年開催する大阪での企業立地トップセミナーにおいても、この改正がアピールポイントの一つになるものと思われますが、市長の見解をお聞かせください。
企業誘致の先駆けの一つに、三重県では北川正恭知事時代の平成15年に企業立地促進条例をつくり、積極的に県内への進出を働きかけ、10年が経過し、一定程度の成果が上げられました。さらに、企業の県外流出を防ぐため、新年度以降、既存企業が投資や雇用で地元にどれだけ貢献をしたかをポイント化し、たまったポイントに応じて補助する制度を設けると聞きます。本市でも研究し、将来的に導入を検討してはいかがですか。市長の見解をお聞かせください。
この項の最後に、これからの企業誘致の取組についてお尋ねいたします。
大手電池メーカーのジーエス・ユアサ京都本社は、京都市内に住む従業員の通勤における利便性を考え、昨年多額の補助金を提示した自治体ではなく、滋賀県栗東市に工場を建設いたしました。つまり、企業がその地域に進出する際の判断要素としては単に自治体の優遇策ではなく、労働力の確保のしやすさや物流アクセスの利便性などを総合的に勘案し、進出に至るものと理解しております。今後の企業誘致の取組として、進出の際の優遇制度だけではなく、進出企業の地域貢献や地元への経済波及効果などを評価して、さらなる支援をすることによって、企業の定着を図ることがこれからの真の企業誘致に必要と考えますが、市長の見解をお聞かせください。
次に、北海道新幹線について伺います。
昨年6月29日、北海道新幹線新函館(仮称)-札幌間の工事実施計画が認可されました。長年の悲願であった札幌延伸の正式決定は、北海道にとって歴史的な出来事であり、皆さんとともに喜びを分かち合いたいと思っております。改めて、札幌延伸の実現に力を尽くしてこられた多くの関係者の方々に深く敬意を表し、心から感謝を申し上げます。
新函館(仮称)-札幌間については、国は平成24年度分の事業費として8億8,000万円を配分し、中心線測量、地質調査等が行われているとともに、この区間の初弾工事となる村山トンネルの入札が今月に実施されると聞きます。また、国の新年度予算案には、北海道新幹線新函館(仮称)-札幌間など、昨年認可された3区間を含む総事業費として2,660億円を計上、このうち新函館(仮称)-札幌間は60億円が盛り込まれています。まだまだ事業費としては少ないものとなっていますが、昨年の総選挙で当選された中村衆議院議員に、政権与党の一員として平成26年度以降の予算獲得に尽力していただき、一日も早い札幌までの開業につなげていきたいと考えております。
北海道で、新たに認可された北斗市から札幌市までの区間は約211キロメートルであり、14市町村を通過して新幹線駅は八雲町、長万部町、倶知安町、小樽市、札幌市にそれぞれ設置し、小樽市では新幹線の新駅が天神に設置されます。本州や九州に行くには、飛行機と違い新幹線ではさまざまな交通機関を何度も乗り換えする必要がありません。小樽の天神の駅から気軽に青森、八戸、盛岡、仙台、東京、遠くは大阪、福岡、鹿児島まで行くことができます。老人や子供など、弱者に優しい乗り物であり、私も長生きしてぜひ乗ろうと考えております。
さて、小樽市内の新幹線ルートはほとんどがトンネルであります。新幹線がトンネルを出て地上を走行する箇所は2か所あります。小樽を訪れる観光客のほとんどが小樽駅や運河周辺に訪れることを考えれば、より中心市街地に近い天神が新幹線駅として最適と考えます。我が会派はもちろん、我が会派に寄せられる声も新駅との移動距離・時間などが短く、移動費用が少ない天神地区での新駅決定に納得しており、何ら異論を挟む余地はないと考えます。
そこで、改めて確認しますが、新幹線駅が天神地区に決まった経過についてお聞かせください。
また、鉄道・運輸機構が国に認可された工事実施計画の中で、小樽の新幹線の駅位置についてどのように記載されているのか、あわせてお聞かせください。
本市では、平成18年12月に北海道新幹線新小樽(仮称)駅周辺整備構想を策定、翌年1月には市議会各会派に説明、2月にはホームページにアップしています。本構想は天神での新駅設置を中心とした土地利用や周辺整備について示されており、我が会派としても天神地区での新駅設置を含めたこの構想を推し進め、認可に向け努力してまいりました。
札幌延伸が決定したことから、さらに一歩進んだ計画を策定していく必要があると考えています。構想を素案と位置づけ、天神地区での新幹線を生かしたまちづくり、土地利用及びインフラなどの整備について議論を重ねていく必要があると感じています。
最近では2月7日、8日の両日、建設主体の鉄道・運輸機構北海道新幹線建設局は、実施駅の概要を北斗市、木古内町にそれぞれ説明したと聞きます。北斗市の内容は模型を使い、地元の要望を取り入れ、れんがや道南産の木材を使い、地域の特色をイメージした駅舎になり、木古内駅も道南産の木材を使い、予定に入っていなかったエスカレーターやホーム全体の屋根の設置など、地元要望を折り込んだ設計と聞きます。2月14日には、2015年に開業する北海道新幹線の新函館(仮称)駅と在来線の函館駅を結ぶリレー列車の編成についての方針が発表になり、にわかに北海道新幹線に注目が集まり、高橋知事は道南への北海道新幹線の実現に期待し、そのムードを盛り上げていきたいとの抱負を語ったと聞きます。
そこで伺いますが、天神地区に設置される新幹線駅の開業に向けて、本市としてどのように計画の策定を進めていくのか、お考えをお示しください。
小樽らしい駅舎、新幹線駅から在来線小樽駅を結ぶ交通機関や交通網の整備など、あわせてお聞かせください。
札幌までの延伸、そして小樽の天神地区に新幹線駅ができることは、観光産業に対して好影響を与えるだけではなく、開業に至るまでの建設による経済活動や期待感など、人心を含め、社会経済全般にはかり知れない波及効果をもたらすものと考えます。
この項最後に、新駅設置や周辺整備にかかわる建設工事の経済効果についてどのように考えていますか。
北海道新幹線の札幌までの早期開業に向け、市長としての活動やアピールすることはありますか。お聞かせください。
新幹線が一日も早く小樽の天神から全市民の夢と希望を乗せて日本中に走り出すことを期待して、この項の質問を終わります。
次に、新型インフルエンザ対策について伺います。
感染力が強い新型インフルエンザの対応策を検討していた国の有識者会議が、2月7日、報告書を内閣官房長官に提出し、今春の新型インフルエンザ等対策特別措置法施行に向け、医療体制を確保するための具体策を定めたと聞きます。報告書の中では、対策の柱の一つとして、致死率の高い新しいウイルスに対しては、全ての国民がワクチン接種対象になると聞きます。また、報告書の骨子では、いち早く医師や看護師、発生後に子供、持病のある人たちの分類を基に、住民の予防接種優先順位を決定、次に感染の拡大を防ぐために1,000平方メートル超の施設使用制限が指示できること、次に、電気、交通など、社会機能を維持するための業者を指定すること、また、感染源を海外に想定した場合、帰国者らを診断する外来を10万人に1か所程度整備することなどが盛り込まれていると聞きます。しかし、全ての国民に予防接種を行う場合、優先順位を住民へ周知する方法や対応に混乱が起きる可能性やワクチン供給の問題などが指摘されています。
最初に、平成21年に関西地方で新型インフルエンザが発生したことは、記憶に新しく残っていることと思います。
そこで、当時本市としての予防接種体制について、医療機関、接種人数、期間、広報などの周知方法などを検証されていますか。問題点などの解決に向けた取組などについてお聞かせください。
本年もインフルエンザが大流行、1月30日に本市保健所は警報を発令し、学級閉鎖も拡大したと聞きます。
そこで、本年1月のインフルエンザの特徴、予防接種の状況や小・中学校での啓発などをお聞かせください。
議案第34号小樽市新型インフルエンザ等対策本部条例案が上程されています。内容は新型インフルエンザ等対策特別措置法の施行に伴い設置する対策本部に対し、必要な事項を定めるものですが、今後のスケジュールや体制についてお聞かせください。
次に、生活困窮者の医療費についてお聞きします。
近年、本市でも高齢者や低所得者が増大し、医療費の支払に事欠く人が増えていると聞きます。千葉県内の病院の例では、病状が悪化しても治療費を払えないために、診療を受けるのを控え、結局救急車で運ばれてくるケースが少なくないと聞きます。
そこで伺いますが、無料低額診療という制度がありますが、これは経済的困窮により医療を受けることが難しい患者に、社会福祉法に基づき医療費の窓口負担を無料又は軽減する仕組みと聞きます。また、軽減した分は実施する医療機関の側が肩がわりするかわりに、税負担が一部軽減されるといいます。
そこで、この制度について本市の状況をお聞かせください。
また、市としてこの制度の周知を図る必要があると考えますが、いかがでしょうか。
次に、孤独死の取組について伺います。
孤立が発生している背景は、家族構成や人口構造の変化、また居住形態の変化が挙げられ、最近では熟年離婚が昭和50年からの30年間で約5.7倍に増え、平成18年では3万8,922件となり、孤立者数を押し上げています。平成19年の保険会社の調査では、自身の孤独死の可能性はほとんどないと確信している人は約2割にとどまり、多くの人が人ごとだと捉えていないことがわかりました。また、孤独死を防止するために必要と思われる対策を三つ挙げてもらうと、1、日ごろから家族が連絡を密にする、2、日ごろから近所の人たちが声かけをしたり、心配りをしたりする、3、緊急連絡先や助け合える友人などを確保しておく等で、特別な対策を考えているわけではないということがわかりました。
最近の取組では、孤立している住民の情報を自治体が管理することや、地域団体の取組、企業と連携した安否確認システム、民間マンション管理組合や公営住宅の団地自治会、生活援助員等の自助、共助、公助が孤立死を防ぐ手だてと聞きます。
釧路市では昨年1月12日、アパートに住む夫婦の遺体が発見され、妻は死後約40日、夫は死後20日経過していたと聞きます。夫は要介護2の認定を受けていて、1度デイサービスを受けていたが、更新はされず妻が一人で面倒を見ていました。妻の病死後、石油ストーブの燃料が切れ、夫は凍死したと見られ、夫婦には子供はなく、町内会にも入っておらず、当時、地区の民生委員は欠員状態だったそうです。
最初に、本市では孤独死の定義をどう捉えていますか。
本市の町会に入っていない住民への対策や民生委員の世帯状況調査を活用した孤独死を防ぐ取組についてお聞かせください。
釧路市では、昨年12月、基本的なネットワークのあり方を整理した「(仮称)地域安心ネットワーク連絡会議」構想を来年度から始める第2期地域福祉計画の素案に盛り込むと聞いています。本市の見守り体制との相違はあるのか、お聞かせください。
次に、関連して遺品の取扱いについてお聞きします。
近年、高齢化が進み、夫婦のどちらかが亡くなって、自宅やアパートなどで高齢独居世帯が増加していると聞きます。現在、この独居世帯主の孤独死で問題になっているのが、遺品の引取りです。東京都大田区では相続人が遺品の引取りを拒否したり、相続人がいなかったりするケースが年40件から50件あると聞きます。都や住宅供給公社は張り紙をして数か月たっても引取り手がなければ、現金は国へ供託し、衣類や布団などは即廃棄すると聞きます。神戸市では担当者が半年かけ戸籍を調べ、相続人が見つからない場合や拒否の場合、庁内で法的措置検討委員会を開いた上で、遺品を全て職権で廃棄する、また、長崎県内の県営団地では現状保存していると聞きます。
本市内の市営住宅において高齢者が孤独死した場合、相続人がいなかったり、遺品の引取りを拒否されたりしたケースがあったのか、お聞かせください。
現在、このように孤独死した入居者の相続人がいない場合で、正規の手続を経ずに遺品を廃棄している自治体が9都県市あると聞きます。民法では相続人の存在が明らかでない場合、家主などの申立てを基に家庭裁判所により弁護士や司法書士らが選任される相続財産管理人が相続人の有無などを詳しく調査して、個人の財産を清算すると定めています。都道府県、政令都市の中で、この手続を踏んでいるのは北海道と大阪市だけと聞きます。
国立社会保障・人口問題研究所によると、65歳以上の単身世帯は1980年では88万人、2010年には5倍の498万人に、さらに2035年には762万人になると推計しています。今後増えると予想される引取り手のない遺品の取扱いや手続について、お考えをお聞かせください。
次に、平成25年度小樽市教育行政執行方針の中で挙げられている学力向上について、教育長にお聞きします。
平成25年度政府予算案がまとまり、国は教育再生の実現に向け、全小・中学生に道徳教材「心のノート」を配付し、小学校5年生と中学校2年生の全国的な体力調査を行い、小学校6年生と中学校3年生の全国学力・学習状況調査を全員参加方式に戻し、校長や教頭をサポートする主幹教諭や小学校で理科や英語を専門で教える教員を増やす予算となりました。いじめについては、いじめ防止対策基本法を定め、対策を強める自治体を財政で支える考えも盛り込み、スポーツ振興についても予算が示されました。さらに、安倍首相が下村文部科学大臣の就任時に渡した指示書は、世界トップレベルの学力という言葉で始まり、学力向上を重視していると聞きます。本市では2月27日、上林教育長が小樽市教育行政執行方針を示され、学校教育の重点施策の第1点目で学力の向上を挙げられています。
そこで、学力向上状況を把握して検証する一つの手段として、本年4月に実施する小学校6年生と中学校3年生を対象とした全国学力・学習状況調査についての対応をお聞かせください。
次に、いじめ問題についてお聞きします。
大津市で平成23年10月に起きた市立中学校2年生の男子生徒が自殺した問題で、市が設置した第三者調査委員会では、1月31日、市長に19項目にわたる報告書を提出、担任ら複数の教員が自殺前からいじめを認識しており、適切に対応していれば自殺に至らなかったと指摘し、自殺はいじめが直接的要因と明言しました。再発防止に向けた提言では、学校をサポートする外部機関の必要性が指摘され、いじめ対応の専門スタッフを置くことや、いじめ相談を受ける第三者機関の常設が盛り込まれ、加熱したマスコミ報道が事態を混乱させたことも指摘されました。
そこで、学校外での救済機関として、兵庫県川西市が平成11年に設けた子どもの人権オンブズパーソン制度が、各地に創設されていると聞きます。この制度は弁護士や大学教授らが電話相談を基に独自に調べ、問題があった学校に勧告するというものです。
最初に、この外部機関、子どもの人権オンブズパーソン制度の本市への導入について見解をお聞かせください。
このほかに、学校をサポートするスクールソーシャルワーカーは学校と家庭を橋渡しし、問題解決に取り組み、ケースによっては児童相談所など、校外の機関ともつながると聞きます。この第三者機関の取組について、教育委員会の認識と導入についての御意見をお聞かせください。
次に、自由民主党が制定を公約していたいじめ防止対策基本法案の原案がまとまり、1月29日に党文部科学部会に示し、議員立法で提出、今国会で成立を目指すことになりました。原案の骨子は、1、いじめは学校に在籍する児童らと一定の人間関係にある者が行う心理的、物理的な攻撃、2、何人も児童らをいじめてはならない、3、学校はいじめによる児童らの命又は身体の安全が脅かされているときは、直ちに警察に通報しなければならない、4、重大ないじめがあった場合は、学校は教育委員会を通じ、市長に報告しなければならないとしています。
この骨子の中の3では、直ちに警察へ通報し、逮捕、補導した小・中学生は、昨年1年間で511人に上り、前年の219人から約2.3倍に増えたと聞きます。大津市の中学生が自殺した事件で、滋賀県警が強制捜査に動いた昨年7月以降、いじめを警察に通報する学校が増えたと聞きます。学校と警察の連携が進んでいる結果と思いますが、埼玉県警が平成14年に導入したスクールサポーター制度や山口県下関市のガイダンスアドバイザーについて、私は本市でも必要と考えています。見解と導入についてのお考えをお聞かせください。
いじめ防止の有効な手だてとして、昨年第3回定例会の一般質問で出席停止制度についてお聞きしましたが、今回は懲戒についてお聞きします。
学校教育法第11条、教員は懲戒を加えることができるとあり、体罰を加えることはできないと規定されています。学校で例えば授業中ふざけたり、私語の絶えない子を何度しかってもやめないとき、教室の後ろに立たせたり、体育の授業で真面目に行わないとき、生徒をグラウンドで走らせたり、忘れ物をしたとき廊下で水を入れたバケツを持たされたりと我々は考えますが、教育委員会では懲戒についてどのように考えているのか、お聞かせください。
下村文部科学大臣は2月26日、指導として認められる懲戒と学校教育法で禁止されている体罰の区別を3月中に示すと明言しています。また、部活動をめぐっては、許されない指導についての考え方や、指導力向上のガイドラインについて、3月上旬に有識者会議を開き、議論すると聞きます。いずれにせよ、一日も早く有効な解決策を見つけ、いじめがなくなるよう我々も協力いたしますので、よろしくお願いいたします。
次に、部活動についてお聞します。
近年、全国の学校で生徒の少子化や教員の高齢化が進み、顧問のなり手不足などで部活動の手本を見せるのが難しいと聞きます。本市の中学校の部活動はおおよそ教員が担当していると思いますが、顧問や指導者についてお聞きします。
学習指導要領で部活動の位置づけや指導方針などが示されていますか。お聞かせください。
部活動は教員の半ばボランティアで支えられているのが現状だと思います。このような中で、東京都杉並区立和田中学校が、外部団体派遣のコーチに指導を任せる試みを始めたと聞きます。また、全国の中学校はこの20年間で生徒が3割減り、その間に運動部は1割ほどなくなったと聞きます。学級減で教員の配置数が減少し、高齢化や授業時間の増などで忙しくて、休日出勤の多い顧問は負担が重いといいます。民間の技術指導や他校との合同チームをつくるなど、対応がいろいろあります。現状や対策をお聞かせください。
部活動の問題への一つの対処として、セミプロをコーチとして地域のスポーツクラブや小学校に派遣するプロジェクトがあると聞きます。これは文部科学省が委託した全国46のクラブがオリンピックや国体に出るレベルのアスリートを派遣し、教える試みと聞きます。文部科学省のこのようなプロジェクトの概要をわかる範囲でお聞かせください。
次に、英語教育についてお聞きします。
OECD生徒の学習到達度調査などから、9年前の平成16年のピーク時から6年間で、日本人の海外留学は3分の2に減少したとの文部科学省の報告があります。政府のグローバル人材育成推進会議は、昨年6月に発表した最終報告で、産業界ではグローバル化が進み、業務で海外と交渉できる人材育成が急務とされ、1年以上の長期留学をする高校生や大学生を11万人に増やし、22歳人口の約1割が留学を経験することを目指す目標を立てました。高校を卒業してすぐ海外の大学に進学したり、小・中学生のうちに留学したりする子供たちが増える兆しがあります。これは親や子が英語で会話や議論ができないと、国際感覚の育成や世界で活躍の場が狭くなること、偏差値より社会人基礎力の高さが大切であることを実感し、留学していると聞きます。本市では小・中学生の留学補助制度はありませんが、海外姉妹都市との交流などを通して、短期間でも英語力の充実に努めていただきたいと考えています。
そこで、実際に留学できないまでも、小・中学校のALTや小樽商科大学に来ている海外留学生などの活用を増やし、さらなる英語教育の充実を深める必要があると感じています。見解をお聞かせください。
最後に、市民プールについてお聞きします。
2月27日に述べられた教育行政執行方針の中で、新・市民プール整備事業については、これまで建設場所及び規模、管理運営方法、建設コストやランニングコスト等について調査検討を行っていたが、早期に取り組まなければならない課題が多く、当面事業の着手を見送り、今後の進め方については、本市の財政状況を見極めながら市長部局とも相談していくと述べ、建設に向けた教育委員会の意欲の低下を感じています。
我が自民党では、平成24年第1回定例会の代表質問において、新・市民プールについては第6次小樽市総合計画の前期実施計画に実施設計の着手が登載されていると質問しています。また、さきの定例会でも総合計画の計画満了は平成30年度となっており、この計画期間や駐車場を含めた5,000平方メートル程度の敷地が必要と述べ、適地を検討しているという答弁をいただきました。再質問で平成30年度までには完成させると答弁できないのかと問うと、答弁ではなるべく早くめどを立てたいという考えを示しています。また、場合によっては30年度以降へ延びるのかという再々質問への答弁では、基本的に30年度までというふうに考えていると答弁しています。
初めに、新・市民プールについて市長部局との協議をどのように進めてきたのか、お聞かせください。
また、事業の着手までに至らなかったことについて、教育長のお考えを改めてお示しください。
この項最後に、教育委員会が出した当面事業の着手を見送る方針について、市長のお考えをお聞かせください。
第6次小樽市総合計画の平成30年度の満了時には、計画どおり完成されるよう期待しています。
再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)山田議員の御質問にお答えいたします。
初めに、国政にかかわる御質問がありました。
まず、国や道に対しての要望についてですが、現在、本市においては財政の健全化や地域経済、中心市街地の活性化など、喫緊の課題が山積しており、これら地域課題の解決を図るためには、国や道との連携は欠かせないものと考えております。このため、市長会や地元選出議員を通じて、国や道の施策についての情報収集や要望活動を行っているところであり、地域課題を熟知した地元選出議員には直接地域の声を国や道に届けていただけるパイプ役として支援いただきたいと考えております。
次に、安倍政権に対する期待ですが、政権交代後初となる通常国会で、安倍首相は経済再生を最大かつ喫緊の課題とし、3本の矢で強い経済を取り戻すと宣言いたしました。私としても日本経済が長引くデフレから脱却し、持続的な経済成長を取り戻すには、民間投資を喚起する効果的な政策を打ち出し、金融・財政政策との相乗効果を高め、成長戦略につなげていくことが強い経済復活につながり、また、地域経済の再生にもつながるものと考えていることから、政策実現にはスピード感を持って取り組まれることを期待するものであります。
次に、新年度予算編成について何点か御質問がありました。
まず、複数年度での予算執行についてでありますが、地方自治法第208条第2項に、いわゆる会計年度独立の原則が定められており、一会計年度の予算はその年度内に執行し、完結することを原則としており、継続費や債務負担行為などの例外を除き、複数年度にわたる予算執行はできないものとなっております。
次に、国の15か月予算に伴う本市への影響についてでありますが、新年度の予算で事業を予定していた桜小学校の校舎等大規模改造事業や勝納ふ頭の岸壁附帯施設改修事業など、約4億円の事業を前倒しし、平成24年度の補正予算として計上したところです。今回の前倒しにより、桜小学校の校舎等大規模改造事業については、平成24年度の事業費で完成となるほか、勝納ふ頭の岸壁附帯施設改修事業についても1年前倒しの25年度で完了となるものです。
次に、職員給与等について何点か御質問がありました。
まず、本市のラスパイレス指数が低いことについてですが、これは給与の独自削減により、基本給の抑制が図られた結果であり、9年間の長きにわたり職員に負担をかけているものと認識しております。
次に、地方公務員の給与費削減に伴う本市の地方交付税への影響についてでありますが、国では平成25年度の地方交付税総額を給与費削減分などを含め、6年ぶりに前年度を下回る3,921億円減の17兆624億円としたところです。本市の給与費削減分に係る地方交付税の影響額は積算しておりませんが、地方交付税総額に本市の特殊事情などを考慮して、平成24年度当初予算よりも3億800万円の減、決算見込みよりも約7億8,500万円の減と積算したところであります。
次に、今後の定年退職者数などについてでありますが、まず一般会計における定年退職予定者数ですが、平成25年度31人、26年度41人、27年度37人となっております。退職手当の支給予定額は平成25年度7億1,700万円、26年度8億9,900万円、27年度7億7,000万円であり、退職手当債の借入予定額は25年度2億5,400万円、26年度4億2,900万円、27年度2億9,300万円とそれぞれ見込んでおります。
また、退職手当の支給水準の引下げに伴う早期退職者についてでありますが、本市では早期退職者の発生が行政サービスに与える影響を考慮し、国が制度化した年度途中における引下げとはせず、年度当初から引下げを行う経過措置としたことから、この点において影響はないものと考えております。
次に、議案第36号小樽市企業立地促進条例の一部を改正する条例案に関連して、何点か御質問がありました。
まず、改正の時期についてでありますが、本市におきましては、現行条例を平成18年に制定し、企業誘致に取り組んでまいりましたが、この間、社会経済情勢が大きく変化する中、より戦略的な企業誘致の推進やこれに加えて既存企業に対する支援も求められており、企業ニーズを捉えた効果的な優遇制度にすることが必要となってまいりました。また、本年度は本市で初めての試みである企業立地トップセミナーを東京において開催したことや、全国的にも有名な東洋水産株式会社や一正蒲鉾株式会社が操業を開始したこともあり、これらを追い風にしてこの時期に条例を見直すことにしたものであります。
なお、条例改正により、企業に対する支援内容が道央圏において最も手厚くなることから、来年度に大阪で開催予定のトップセミナーにおきましては、このことをセールスポイントに本市への立地優位性を最大限にアピールしてまいりたいと考えております。
次に、三重県の補助制度導入の検討についてでありますが、この制度は投資額や投資回数、雇用人数などをポイント化し、2回目以降の投資が有利になるような仕組みで、いわゆるマイレージ制度と呼ばれるものであり、既存企業支援のための一つの施策であると認識しております。御提言のありました三重県の事例につきましては、新年度の導入と聞いておりますので、今後、活用状況などを見定めてまいりたいと考えております。
次に、これからの企業誘致に必要な取組についてでありますが、進出企業の定着化を図るため、新たに工場等の増設や機械装置の拡充・更新などに対する支援を盛り込み、条例を改正したものであります。御提言のありました企業の地域貢献に対する支援につきましては、他都市の事例も参考にしながら研究してまいりたいと考えております。
次に、北海道新幹線について何点か御質問がありました。
初めに、新幹線駅が天神地区に決まった経過についての御質問ですが、鉄道・運輸機構によりますと、新幹線駅の位置につきましては、一般的に高速走行に対応できるカーブや勾配などの技術面、地形、地質などの自然環境面、さらに市街地への影響などを基本要件として、まずルートが設定され、その上で地形や地域への効果などについて総合的に検討を行い、駅の位置が決定されるとのことです。これら基本要件を踏まえ、本市の場合には市街地に歴史的建造物が多数存在し、また起伏に富んだまち並みであることから、新幹線の開通によって地域が分断されることのないよう、ルートが決定され、駅の位置については市街地へのアクセスなどを考慮して、最終的に天神地区に決定されたと聞いております。
次に、鉄道・運輸機構が国に認可された工事実施計画における駅の位置についてですが、小樽市内における停車場の位置、つまり新幹線の駅の位置については天神2丁目と記されております。
次に、天神地区に設置される新幹線駅の開業に向けての今後の進め方についてですが、平成18年に策定しました北海道新幹線新小樽(仮称)駅周辺整備構想に基づき、今後基本計画を策定することになりますが、まずは庁内に設置している北海道新幹線活用戦略庁内検討会議において、新駅周辺の土地利用及びインフラ整備などを盛り込んだ計画の素案を作成いたします。その後、この素案を基に、市民の皆さんや関係機関などから御意見を伺いながら、小樽らしい駅舎や在来線駅との交通網の整備などを含め、新幹線の効果を最大限に生かしたまちづくりについて検討してまいりたいと考えております。
次に、新駅設置や周辺整備にかかわる建設工事の経済効果についてですが、本市独自の試算は行っておりませんが、建設工事については新駅の建設や駅前広場、それに伴う附帯工事など、地元業者への受注などが期待されることや、工事に使用する建設資材などを地元で調達することによる効果が考えられます。
また、他都市の例では、工事現場付近に関係者の宿舎や事務所が設置されており、食料品や日用品の消費が見込まれることなど、市内経済への効果は十分あるものと考えております。特に、北海道新幹線の札幌までの早期開業に向けた活動でありますが、私は北海道新幹線建設促進後志・小樽期成会の会長を務めておりますので、期成会での要望はもちろん、北海道や札幌市を含む沿線自治体と連携して、北海道新幹線の札幌までの早期開業の必要性について、引き続き国や関係機関などに強くアピールしてまいりたいと考えております。
次に、厚生に関して新型インフルエンザ対策について何点か御質問がありました。
まず、平成21年の予防接種の体制についてですが、21年の発生当時の予防接種は、国が実施主体となり、医療従事者や基礎疾患を有する方などから順次対象者を拡大し実施されました。この検証からは、一般市民が接種できるまでに時間を要したため、市民の不安が大きかったことが問題点として挙げられます。当時は、その対策として保健所のインフルエンザホットラインやホームページ、報道等を通じ、予防接種に関する情報提供に努めました。この経験から、ワクチンの供給及び接種方法についてあらかじめ決定されている必要があることが課題として明らかとなり、今回の報告にも盛り込まれているところであります。
また、一方でワクチン製造は新型インフルエンザ発生時には間に合わないことから、ワクチン接種なしで感染予防を実行することの重要性も明らかになりました。
このことから、本市といたしましては、国から示される新型インフルエンザ予防接種体制の確立と並んで、今後も季節性インフルエンザの感染予防にしっかりと取り組んでいく考えでおります。
次に、今シーズンのインフルエンザの特徴ですが、患者数は1月には625人と昨年同様の増加を示しましたが、2月は24日までに209人となっており、昨年の同時期の15パーセントにまで減少し、現在流行はおさまっている状況です。また、今シーズンは成人の年齢層から患者数が増えたという特徴もあります。
次に、予防接種についてですが、65歳以上の高齢者と60歳以上の一定の障害のある方についての接種状況は、平成23年度2万145人、接種率では43.4パーセント、24年度は1月末現在で1万9,924人であり、昨年1月末とほぼ同じ接種者数となっております。小・中学校への啓発状況につきましては、1月にインフルエンザ患者数が急増してきたことから、具体的な予防方法を含めた啓発文書を各学校に通知し、注意喚起を行っております。
次に、小樽市新型インフルエンザ等対策本部条例制定後のスケジュールなどについてですが、昨年5月11日に公布された新型インフルエンザ等対策特別措置法は、公布日から起算して1年以内に施行予定であり、その後、国においては6月をめどに政府行動計画、ガイドラインを策定する予定となっております。また、都道府県及び市町村は、それぞれ政府行動計画、都道府県行動計画に基づいて行動計画を策定することが義務づけられております。また、本条例制定により、今後インフルエンザ等が発生し、国による緊急事態宣言がなされた場合、本市は直ちに対策本部を設置し、感染拡大防止対策等を推進することとなります。
次に、無料・低額診療制度についてお尋ねがありました。
北海道の認可を受けた医療機関と利用者間の制度であり、市は直接関与しておりませんが、北海道に確認したところ、市内でこの事業を実施している医療機関は、北海道社会事業協会小樽病院、北海道済生会小樽病院、同じく西小樽病院、小樽掖済会病院、勤医協小樽診療所の5か所となっております。また、この制度の市民周知につきましては、今後広報やホームページ等を通じて行ってまいりたいと考えております。
次に、孤独死の取組について何点かお尋ねがありました。
初めに、孤独死の定義についてでありますが、これにつきましては、内閣府が平成21年4月に実施しました高齢者の地域におけるライフスタイルに関する調査の中で、「誰にも看取られることなく、亡くなったあとに発見される死」としている例はありますが、法的に明確な定義はありません。
次に、町会に加入していない住民に対する対策についてでありますが、本市では平成21年度に高齢者見守りネットワークを立ち上げ、行政や民生・児童委員、ライフライン事業者などの関係者により、町会加入の有無にかかわらず、地域の見守りを行っております。また、民生・児童委員の世帯状況調査を活用した取組につきましては、現在のところ個人情報保護の観点等の理由から、ネットワーク内での情報活用には至っておりませんので、共有等の方法について関係者と協議をしてまいりたいと考えております。
次に、釧路市と本市の見守りに関するネットワークの相違についてでありますが、行政や民生・児童委員、ライフライン事業者などの関係者により構成されている点などはほぼ同様でありますが、ライフライン事業者との生活困窮者等の情報共有について、釧路市は具体的に取り組むと聞いており、このことについては本市としても参考にしたいと考えております。
次に、市営住宅において孤独死された場合の遺品の引取りについてでありますが、市営住宅に入居されている方のうち、独居世帯で亡くなられた方は、病院や施設で亡くなられた方を含め、平成23年4月から25年2月末までで合計49名おりました。この方々全てに相続人がおり、そのうち遺品の引取りを拒否されたケースは2件ありました。
次に、今後増えると予想される引取り手のない遺品の取扱い等についてでありますが、これまで同様、家主などの利害関係者が家庭裁判所に申立てを行い、財産を処分することとなります。
次に、教育のいじめ問題に関連して、子どもの人権オンブズパーソン制度の導入についてのお尋ねがありました。
現在、市内の子供の人権に係る相談は、札幌法務局が開設している子どもの人権110番や小樽支局に常設の人権擁護委員による相談受付などで対応しており、相談内容によっては学校への助言、指導等を行い、適切な対処がなされているものと認識しております。したがいまして、市としては子どもの人権オンブズパーソン制度を新たに導入することは考えていませんが、法務局の相談体制のPRについては、市としても努めてまいりたいと考えております。
次に、教育行政執行方針にありました新・市民プール整備事業についてでありますが、平成21年2月に総合計画を策定後、東日本大震災が発生したことにより、防災対策が喫緊の課題となっており、避難所の環境整備や公共施設の耐震化など、市民生活の安全・安心を守るための取組に優先的に対応していかなければならないほか、済生会小樽病院の移転に伴う夜間急病センターの建設、大型クルーズ客船に対応する港湾整備、旧日本郵船株式会社小樽支店の保存修理など、早期に取り組まなければならない課題が発生し、計画策定時に想定できなかった新たな財政需要に対応していかなければならない状況にあります。
一方、本市の財政構造は、平成22年度以降、実質収支が黒字に転じているものの、毎年度の予算編成では何らかの財源対策を行わなければ収支均衡予算が編成できない状況にあります。このため、今後の財政運営を考えた場合、限られた財源の中で、選択と集中の視点に立って事業の実施を判断していかなければならないことから、新・市民プールにつきましては、当面、事業の着手を見送ることとしたものであります。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)教育長。
○教育長(上林猛)山田議員の御質問にお答えいたします。
初めに、平成25年度の全国学力・学習状況調査への対応についてでありますが、24年度は抽出調査により国語、算数・数学に加え、理科を行ったところですが、25年度は4月25日に悉皆調査として、市内の全小・中学校の小学校6年生と中学校3年生を対象に、教科では国語、算数・数学を行い、あわせて児童・生徒の生活面などに関する調査を実施いたします。このほかに、今年は抽出された学校において学力の状況についての経年の変化を把握・分析する調査及び家庭の状況と学力の関係について分析する保護者に対する調査を実施することとなっております。
次に、いじめ問題にかかわる第三者機関についてでございますが、私としては、まずは学校において、日ごろの授業や校内での生活の様子から子供たちの状況を把握しておくこと、保護者との信頼関係を築いておくことを前提として、子供たちの変化を見逃さずに早期発見することが最も大切であると考えております。また、いじめが発生した場合には、スピード感を持って家庭と学校、教育委員会が連携を図り、早期解決に向け全力で取り組むことが重要であると考えております。しかし、いじめに起因する児童・生徒の自殺など、重大な事案が発生した場合には、第三者による中立的な立場での調査も必要であると考えております。
次に、スクールサポーター制度などの導入についてでありますが、スクールサポーター制度につきましては、昨年8月、教育委員会は小樽警察署と「小樽市子どもの健全育成サポートシステム」について協定を結び、情報交換しながら迅速な対応を行っております。
また、下関市のガイダンスアドバイザーについては、学校における危機管理体制の充実を図るために、職員を教育委員会に配置するものでありますが、本市においては、教育委員会指導室が学校との連絡・調整などの役割を担っており、学校との連携・協力の下、支障なく対応できておりますので、現在のところ導入は考えておりません。
次に、教員が加える懲戒についてでございますが、学校教育法第11条では、「校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない」と定められております。教育委員会としては、平成19年の文部科学省の通知により、授業中、教室内に起立させたり、学習課題や清掃活動を課すこと、立ち歩きの多い児童・生徒をしかって席につかせることなどの行為は、児童・生徒に肉体的苦痛を与えるものでない限り、体罰ではなく懲戒であると捉えており、これは児童・生徒に反省する気持ちや規範意識の育成を期待するものでありますことから、十分な教育的配慮の下、教師は毅然とした対応をとることが必要であると考えております。
次に、学習指導要領における中学校の部活動の位置づけについてでございますが、学習指導要領では、部活動は学校教育の一環であり、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養などの教育的効果が期待されると示されております。また、学習指導要領の解説では、各学校が部活動を実施するに当たっては、生徒が参加しやすいように実施形態などを工夫するとともに、休養日や活動時間を適切に設定するなど、生徒のバランスのとれた生活や成長に配慮することが必要であるとの考え方が示されており、本市においてもその方向に沿って各学校の指導を行っております。
次に、部活動における顧問の負担などについてですが、本市においては少子化の影響で小規模校が多く、教職員数も少ないことから、1人の教員が複数の校務分掌を抱え、総体的に部活動の指導が負担になっている場合も見受けられております。なお、平成24年度には中学校3校で6種目、外部指導者の協力を得て部活動を行っていると把握しております。
道教委の平成23年4月の「時間外勤務等の縮減に向けた重点取組について」の通知では、「部活動休止日の設定や活動時間の工夫に取り組むこと」などについて示しており、本市においても生徒の健康管理や安全を確保するとともに、顧問の負担の軽減が図られるよう指導を行っているところであります。
次に、トップアスリート派遣プロジェクトについてでありますが、この事業は文部科学省がトップアスリートを抱えるNPO法人などの拠点クラブが行う巡回指導事業、地域課題解決事業、小学校の体育授業等の支援事業、以上3事業を対象に年間2,000万円を限度に委託して行う事業であります。この三つの事業のうち、巡回指導の一環として学校運動部活動の指導を行うメニューがありますが、本市ではこのようなNPO法人がございませんので、このプロジェクトを活用することは難しいものと考えております。
次に、ALTや留学生を活用した英語教育の充実についてでありますが、平成24年第1回定例会で山田議員から本市の英語教育の取組について御提案をいただいているところでありますが、今年の夏に2日間の日程で小・中学生を対象に「オタル・イングリッシュ・デイ」と称するキャンプを、道教委やユネスコ協会との共催で開催する準備を進めているところであります。道教委からはALTや英語担当指導主事、ユネスコ協会からは留学生や語学が堪能な方々などのすぐれたマンパワーの支援を受けるとともに、最終日には子供たちが小樽運河において外国人に英語で小樽を紹介するなどのコミュニケーション体験を取り入れ、本市の恵まれた教育資源を十分生かしながら、英語教育を充実させてまいりたいと考えております。
次に、新・市民プール建設の検討経過などについてであります。
これまで建設場所については市有地を活用し、小樽公園周辺など市内中心部で一定の駐車場スペースを確保すること、また建物の建設に当たっては、建設コストやランニングコストを極力抑えることや効率的な管理・運営を行うことなどの方向で調査検討を行ってまいりました。これらの検討を踏まえ、プール単独での建設は、建設コストやランニングコスト、管理運営経費等が相当多額になることもあり、学校プールとして建設し、それを市民プールに活用する高島小学校方式が最も効率的であるとの判断から、山手地区統合校の基本設計に学校プールを盛り込むことを前提とした計画について、市長部局と協議を進めてきたところであります。
次に、プール建設についての私の考えについてでありますが、私とすれば市民プールの基本設計、実施設計が総合計画の前期実施計画に登載されていることや、プール建設の要望が市民の皆さんからあることなどについて重く受け止めておりますが、学校給食共同調理場の建設、学校の改築・耐震化工事に加え、旧日本郵船株式会社小樽支店の調査工事など、早期に取り組まなければならない事業が山積していることや、市の財政が大変厳しい状況にあることから、当面プールの着手を見送ることとしたものであります。
(「議長、24番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)24番、山田雅敏議員。
○24番(山田雅敏議員)今後の進め方としては、国において2月末に緊急経済対策を盛り込んだ平成24年度の補正予算も決まっております。したがって、この後は予算特別委員会で各細部については質問したいと思います。
○議長(横田久俊)山田議員の会派代表質問を終結し、この際、暫時休憩いたします。
休憩午後2時16分
――――――――――――――
再開午後2時40分
○議長(横田久俊)休憩前に引き続き、会議を再開し、会派代表質問を続行いたします。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
(7番小貫元議員登壇)(拍手)
○7番(小貫元議員)日本共産党を代表して、質問いたします。
最初に、安倍内閣が進めようとしている憲法改悪についてです。
安倍首相は、憲法をまず改正していく、自由民主党は憲法改正草案を決めている、このように公言しています。自由民主党が昨年4月27日にまとめた憲法草案では、国民主権と基本的人権、平和主義を崩壊させ、地方にも大きな影響を及ぼしますので、市長に憲法について質問します。
この安倍内閣の動きや思想は、国際社会から日本を孤立させる道であります。日本共産党は地方政治の場でも憲法を生かした政治の実現を求めるものです。日本国憲法は日本が引き起こした侵略戦争の反省に立ち、二度と戦争はしない、軍隊は持たないことを決め、主権は国民にあることを明記しました。前文には、日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起きることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定するとあり、国民が主体となって憲法を制定し、国家権力を制限するという立場が明瞭に示されています。同時に、人権尊重と民主主義の理念を高らかにうたい、これを人類普遍の原理と明記しました。この平和憲法を掲げ、戦後、日本は戦争による犠牲者を1人も出さずに、国際社会の中で重要な役割を果たしてきたと考えますが、市長の見解をお聞きします。
日本国憲法前文には、「この憲法はかかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する」とあります。それなのに、憲法第8章の地方自治に反し、自由民主党改憲案は地方自治に重大な転換を持ち込んでいます。地方自治を自主的、自立的かつ総合的に実施とし、地方自治体が担う役割を住民に身近な行政、法律の定める役割分担に限定していることです。そして、道州制に道を開こうとしています。
改憲案には、住民はその属する地方自治体の役務の提供をひとしく受ける権利を有し、その負担を公平に分担する義務を負うと、今の憲法にない住民の負担義務を明記しています。これは道州制によって人口30万程度を基礎単位にして、地方交付税をやめ、自律の名の下で全ての事業を地方自治体で行うようにし、市民サービスを受けたければ住民が負担することを狙うものです。
さらに、国家機能の集約、強化を図るとして、地域経営の主体として構築するとあります。ここには地方自治法第1条の2、地方公共団体は住民の福祉の向上を基本としてとする地方自治の精神が欠如しています。地方自治を後退させる道州制は憲法第92条や憲法前文にも反します。道州制は導入すべきではありませんが、市長のお考えをお示しください。
次に、財政健全化について伺います。
2007年度の収支見直し後、財政健全化計画では2006年度から2012年度まで赤字額の改善を図りますとしています。冊子「山田市政3期12年をふりかえって未来のために」では、「本市財政の健全化は取り得る様々な収支改善策を講じ、全庁が一丸となって累積赤字の解消に努めてきたことはもとより、国による実質的な地方交付税の増額がなされたことが大きな要因となった。」と記述されています。歳入の面で2008年度から健全化計画より増加していますが、歳出ではほぼ全ての年度で計画よりも上回っており、歳出削減は計画どおりいかなかったと見ることができます。財政悪化の大きな要因となった地方交付税の減額分をもとに戻して、国の地方交付税削減路線をやめるよう主張すべきと考えますが、いかがですか。
他会計や基金などからの借入れについて、2026年までに償還を終える計画です。償還計画によりますと、来年度から他会計と基金を合わせて2億円を超え、2014年度には4億6,500万円となり、2020年度には5億9,900万円に上ります。単年度収支を黒字にすることに必死な中で、他会計や基金などへどのようにして確実に償還を進めていく計画なのか、具体策を示してください。
小樽市新年度予算案では、市債残高が増えるといいます。前出の山田市政を振り返ってでも、「平成11年度をピークに現在にあっても市債残高は減少を続けており、将来負担の軽減につながっている。」と記述されているように、市債残高を減らし歳入に見合った適切な額にしていくことは、財政を健全化する上で重要です。真の財政再建を目指す上で、市債残高が幾らであれば望ましい財政運営ができると考えていますか。また、その市債残高にしていく目標年次をお答えください。
2012年度補正予算で約6億円を財政調整基金に新たに積み立て、来年度予算の財源不足に12億2,000万円を充てるということです。差し引いて、約4億円が財政調整基金に残ります。補正予算で約6億円を積み立てるのではなく、そのうち1億円ほどは、市民生活応援に活用すべきと考えますが、いかがでしょうか。
財政調整基金は、いざというときの切り札です。特に大型の事業がない場合は、手をつけないでいられれば、それにこしたことはありません。財政調整基金に頼らない予算編成について、どのような展望を持っているのか、お答えください。
財政健全化は、市民生活を豊かにしていくために小樽市の財政を健全にするものであり、財政健全化の名の下に市民と職員にかぶせてきた負担解消がされてこそ、真の財政健全化と言えます。新しい財政健全化計画では、これらの負担解消について明記すべきと考えますが、いかがでしょうか。
次に、政府の地方交付税の削減について伺います。
政府は、来年度の地方交付税をマイナス2.2パーセント、3,921億円削減しました。小樽の累積赤字解消に地方交付税の復元が大きく寄与してきたことは、先ほども述べたとおりです。2013年度の小樽市予算案では、地方交付税を今年度決算見込みと比較すると約7億8,000万円の減額と見込んでいますが、この理由を説明してください。
新年度より、子宮頸がんワクチン等の予防接種や妊婦健診に関する財政措置が見直され、交付税措置が拡充すると聞いています。その内容を説明してください。
また、その見直しによって、新たに小樽市の基準財政需要額に追加される見込額を示してください。
その活用についても説明してください。
小樽市が独自削減を進めてきた職員給与の削減は、2004年度に2003年度比3パーセント、2005年度に5パーセント、2006年度に7パーセントと削減してきました。2004年度以降、2011年度までの削減累計額は65億5,200万円にもなります。同時期の国家公務員の給与削減と比べて、小樽市の職員給与削減努力はどうだったのか、説明してください。
地方六団体も今回の地方交付税削減に共同声明を発表しています。国が地方公務員の給与削減を小樽市に押しつければ、小樽市の財政努力に水を差すものです。また、国家公務員給与を参考にしている企業で働く労働者へも影響が生まれ、市内経済への打撃となります。地方財政法第2条第2項には、「国は、地方財政の自主的且つ健全な運営を助長することに努め、いやしくもその自律性をそこない、又は地方公共団体に負担を転嫁するような施策を行ってはならない。」とあります。今、国が行おうとしていることは、地方自治体の自主性を侵し、地方財政法第2条第2項に反すると考えますが、市長の見解を伺います。
国は地方交付税削減の分を全国防災事業費や緊急防災・減炎事業費、地域の元気づくり事業費で賄おうとしています。地方公務員の給与削減押しつけの地方交付税減額分は幾らになると想定していますか。
全国防災事業債や緊急防災・減災事業債を活用する計画はあるのでしょうか、ありましたら、事業名と起債額についてお答えください。
地域の元気づくり事業費について、小樽市における影響を現時点でわかっている範囲でお答えください。
次に、過疎対策事業債について伺います。
現在、病院建設をはじめ多くの事業に過疎債を活用しています。2010年度から来年度予算案の一般会計における過疎債の償還額について、償還額が増大する期間とその年度の額を示してください。
また、過疎債の交付税措置について、償還が増大する期間の基準財政需要額へ算入される額を示してください。
これらの交付税措置について、市民生活の応援に重点を置き、例えば子供の医療費の無料化拡大に活用することを求めますが、いかがですか。
また、現時点で市が活用を考えていることを説明してください。
次に、政府の補正予算に関連し、地域の元気臨時交付金についてお聞きします。
政府は地方公共団体に赤字をつくるなと号令をかけている一方、号令をかけている政府が借金をつくり続ける大きな矛盾があります。今、東日本大震災からの復旧、復興のために予算を振り分けることは当然ですが、国の予算案では軍事費の拡大400億円や大型開発がめじろ押しです。しかし、この大盤振る舞いの安倍政権、15か月予算をいかに地方自治の本旨に基づき、住民の安全、福祉の向上に振り分けていくかが地方自治体の役割となっています。
最初に、地域の元気臨時交付金の内容について説明してください。
小樽市の2012年度補正予算案に示された事業のうち、地域の元気臨時交付金の対象となる事業と総事業費をお答えください。
また、元気臨時交付金が全て適用になったとして、事業費の8割が交付されるとなると総額で幾らになるのか、説明してください。
また、新年度予算の中で、過疎債以外の市債で行う建設事業にはどのようなものがあり、その起債額を示してください。一般財源で行う建設事業にはどのようなものがあり、その事業額は幾らですか。
北海道新聞の2月22日の報道の検証小樽市予算2013では、旧日本郵船小樽支店の大規模改修について触れられています。旧日本郵船小樽支店の大規模改修については異論はありません。問題は、記事にあるように教育予算の中でやりくりするように指示とあることです。
そこで、市長にお尋ねしますが、この影響でプールの実施設計や基本設計が予算から削られたのではないですか。
教育行政執行方針では、本市の財政状況を見極めながら市長部局とも相談してまいりますと教育長は述べました。そもそも小樽駅前にあったプールの保証金6億8,000万円を使ってしまったのは、市長部局です。市長部局の予算枠で対応すべきと考えますので、地域の元気臨時交付金で捻出した財源のうち、2,800万円を活用して、第6次総合計画の前期実施計画どおり、新・市民プールの基本設計、実施設計まで行うことを提案いたします。市長の見解をお聞かせください。
次に、企業立地促進と雇用、中小企業対策について伺います。
今定例会では、企業立地促進に向けて企業立地促進条例の改正が提案されています。倒産するかもしれない、税金を納めるのも困難という零細企業には一切恩恵がないという問題はありますが、現に小樽の企業でも新たに設備投資をすれば課税免除を行うよう改正することは前進面と捉えています。税収を上げて地域経済を活性化するには、企業が立地した後、雇用に結びつけること、市内の雇用拡大が重要だと考えます。
そこで、銭函地区において現行の企業立地促進条例の適用を申請し、立地・操業した企業の中で、市内に住所を有する雇用者の割合はどのようになっていますか。
また、これまでに操業した企業に地元雇用を推進していく対策についてお答えください。
今後、企業立地促進と一体に雇用拡大を進めるべきだと考えますが、小樽市としてどのような対策を考えているのでしょうか、お聞かせください。
雇用拡大とともに、労働者の賃金引上げが重要です。安倍内閣は旧来の自民党政権時代のとおり、大企業が栄えれば、やがてその恩恵が労働者、国民にしたたり落ちてくるという発想で用意した3本の矢、これは的を射ることができないものばかりをそろえました。そもそも3本の矢は3本そろえば折れないというだけの話です。
厚生労働省の毎月勤労統計調査によりますと、2011年の調査では、1997年比で全国85.2パーセント、全道87.1パーセントと賃下げが続けられています。企業が利益を上げるためにコストを抑えることで企業単独で業績がよくなっても、結局は社会全体の消費を冷え込ませ、不況が続いてきました。小樽市の市民経済計算推計結果報告書によると、一番新しい統計が2009年度ですので、この数字と1997年度を比較すると、84.6パーセントと全国に比べ賃金の下げ幅が大きいことが伺えます。小樽の企業は圧倒的に中小零細企業です。これらの企業への支援強化が求められています。小樽で黒字の企業がどの程度あるのかを把握する関係で、2011年度小樽市の市民税法人割の課税法人数と割合をお答えください。
また、法人税均等割の1号法人数と割合をお答えください。
政府に最低賃金を引き上げ、中小企業予算の増額を求めるべきと考えますが、いかがですか。
市内の企業に対して、市として賃金を引き上げ、労働条件を改善するための対策を示してください。
次に、生活保護基準の見直しについて伺います。
憲法第25条にある健康で文化的な最低限度の生活を国民に保障する国の責任があります。問題なのは、年金をもらっても生活できない低年金や無年金、雇用破壊での失業による生活難であり、政治の責任は重大です。ですから、低所得者の消費水準でどういった生活ができるのかという憲法第25条に即した生活ができるかどうかが問われなければなりません。低所得者の消費水準と比較して生活保護基準が高いからといって、生活保護基準を引き下げるとしたら、際限なく国民の生活水準が引き下げられる負のスパイラルに陥ります。
最低賃金法第9条第3項には、「労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施策との整合性に配慮するものとする。」とあるように、最低賃金にも影響を及ぼします。小樽市の各種減免等の制度で、対象者などの設定に当たり、生活保護受給者を対象にしている制度と生活保護基準を参照にしている制度はどのようなものがありますか。制度数と主な制度名をお答えください。
生活保護法第1条には、日本国憲法第25条に規定する理念に基づき、国が生活に困窮する全ての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その自立を助長することを目的とする、第3条には、保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならないとあります。小樽の生活と健康を守る会では、生活保護受給者に「私の生活実態、これで健康的、文化的なのですか。そして、私の一言」という訴えを書いてもらっていますので、一部を御紹介します。
1人目は、心のよりどころだった老齢加算が廃止され、年寄りは早く死ねと言わんばかりの国のやり方に我慢できない。夜は早く布団に入り、火を消してテレビを見て、なるべく灯油を使わないように我慢しています。食事は1日2食が多い。栄養なんか考えられない。要するに、おなかが満たせればよいと思うのです。お風呂も1週間に1回から2回入れればよいほうです。
2人目は、身内で誰かが死んだとなると、大変です。冷蔵庫も壊れ、買うことができません。髪は伸び放題、2,000円のカット代も払えません。年金や保護費が少なくぜいたくは決してしていません。私たちはどうやって生きていけばいいのでしょう。保護をもらっているみんなをどうか助けてください。
3人目は、毎週5日はハローワークで就職活動をしています。保護費で生計を立てるのは大変です。人づき合いや外食など、ほとんどできない状態で切り詰めて毎日を生活しています。これ以上生活保護費を下げられたら、生活はできません。
生活保護は生活が苦しく生きるか死ぬかの瀬戸際にいる人たちにとって、まさしく命綱です。21世紀になった世界第3位の経済大国である日本で、こういった実態がいまだにあります。これらの生活実態が健康で文化的な生活だと市長は考えられますか。
また、生活保護が果たしている役割について、市長はどのような認識をお持ちですか、お答えください。
厚生労働省の調査では、生活保護水準以下の世帯のうち、生活保護を利用しているのは全国的に32.1パーセントほどと言われており、残りの生活保護を受給していない人たちはさまざまな低所得者対策を利用して暮らしています。生活保護を受給していない人が生活保護基準引下げの影響で暮らしが成り立たなくなってしまえば、生活保護を受給し生活保護世帯が増えることにつながることも考えられますが、市長の見解を伺います。
最後に、原発に関連して伺います。
東京電力福島第一原発の事故からもうすぐ2年になります。しかし、いまだに高濃度放射能汚染水による環境汚染の危険、原子炉内に注入する冷却水をめぐるトラブルなど、福島第一原発の現状は収束とはほど遠く、今でも放射性セシウムで1立方センチメートル当たり数万ベクレルという極めて高い値です。1号機から3号機の原子炉に注入する水は、合わせて毎日400トンに上ります。汚染水のタンクも増え続け、2月5日現在で既にタンクに25万トンの水が入っており、東電も2014年夏までにタンクの総量を70万トンにすると発表していますが、これも2年半でタンクが不足するといいます。さらには、この汚染水を循環させるために、セシウムを吸着した放射性廃棄物も今後の処理方法が決まっていません。2年前の原発事故は原子力発電所の事故がほかの施設、工場の事故とはレベルが違う、二度と起こしてはならない事故だということを示しています。
1月31日の北海道新聞の報道によると、北海道電力は電気料金の値上げについて8月とか9月になると述べました。電気料金の大幅値上げが実施された場合の小樽市における影響について伺います。
電気料金値上げが行われた場合、小樽市財政に及ぼす影響は経費削減で解消できる範囲だと考えますか。
そもそも電気代の問題と原発を再稼働することをてんびんにかけてはなりません。命や経済や日本社会、地域が成り立つかどうかというくらい、福島では被害をこうむったわけです。原発のコストが一番高い、除染も賠償も廃棄物処理も廃炉に至る過程でも、とてつもない費用がかかります。何よりも故郷を奪い、人間生活を破壊するのが原発事故です。2月21日に日本原子力発電がウランを売却したことが報道されました。北海道電力もいまだに使わない原発の燃料であるウランを購入し続けており、これがコストに含まれています。コストの決め方がブラックボックスとなっており、公表させることが必要です。情報が開示されない中での一方的電気料金値上げは認められません。北海道電力の値上げについて、市長はコストの決め方も含め妥当だと考えますか。また、市内への影響について市長の見解を示してください。
市長として他市とも協力し、値上げ阻止を北海道電力に訴えることが必要だと考えますが、御意見をお聞かせください。
泊原発周辺の安全確認協定について質問します。
この協定は、核燃料の搬送が事後報告となっています。そもそも協定の内容は、原発の過酷事故が起きるという前提になっていません。原発がある限り、事故が発生し得ることを前提に住民が実際に避難し、安全確保が図られるように内容を強化しなければなりません。再稼働についても協定を結んだ市町村の同意を必要とするよう協定を変えていくことを働きかけていくべきです。市長の見解をお示しください。
日本共産党は、停止中の原発は再稼働せずに原発ゼロの日本と北海道を実現することが、福島第一原発事故から酌み取るべき教訓だと考えています。市長には泊原発の再稼働反対の立場に立つことを求めます。見解をお示しください。
以上、再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
(中松義治市長登壇)
○市長(中松義治)小貫議員の御質問にお答えいたします。
初めに、憲法と地方自治について御質問がありました。
まず、日本国憲法についての見解でありますが、第2次世界大戦後の我が国の復興と繁栄は、最高法規としての憲法に規定する基本的人権の尊重によって保障された国民の諸活動、さらには戦争の放棄の表明による他国との友好関係の醸成などに基づくものと認識しております。このことから、我が憲法は国内はもとより、現在、我が国が国際社会において占める地位においても、大きな役割を果たしてきたものと考えております。
次に、道州制の導入についてですが、道州制は現在の都道府県を廃止し、全国を10程度の道又は州に再編することで、国と地方が担うべき役割分担を明確にすることにより、自己決定、自己責任の下、地域が特性を生かし、多様化する地域住民のニーズに対応するという、国と地方のあり方の再構築を行うものであると認識しております。道州制の検討に当たっては、基礎自治体の権限強化と財源確保を最大限図る観点から行っていただきたいと考えておりますが、いずれにいたしましても、道州制の導入は国と地方の関係を変えてしまう大きな改革となりますので、具体的な制度設計の下、十分な議論と国民の理解を得ることが必要ではないかと考えております。
次に、財政健全化計画について何点かお尋ねがありました。
まず、国の地方交付税削減路線をやめるよう強く主張すべきとのことでありますが、地方交付税は地方の固有財源で地方公共団体が自由に使える一般財源であるとともに、本市においては市税と合わせて一般会計の歳入の5割を超える貴重な財源であります。これまでも国に対しましては、地方交付税の総額確保などについて要望を行ってきたところであり、今後とも北海道市長会や全国市長会などを通じ、強く要請してまいりたいと考えております。
次に、他会計や基金へ償還を行う具体策についてでありますが、それぞれの借入金につきましては、借入時に償還計画を立てており、その計画に基づいて償還することとしております。償還財源は一般財源であり、毎年度の予算編成の中で必要な額を予算措置してまいりたいと考えております。
次に、望ましい財政運営ができる市債残高などについてでありますが、望ましい市債残高の基準はありませんが、公債費等の負担割合を示す財政指標として実質公債費比率があります。平成23年度決算における本市の比率は14.3パーセントで、早期健全化基準である25パーセントを大きく下回っておりますが、全道市平均を3.4ポイント上回る高い比率となっており、財政の硬直化が高くなっております。こうした状況を改善するためには、事業効果と優先順位を見極めながら、事業の選択を行い、市債の借入額を抑制し、市債残高を減らしていく必要があるものと考えております。
次に、平成24年度補正予算における財政調整基金への積立ての一部を、市民の生活応援に活用すべきとのことでありますが、平成24年度の決算見込みにおいて、除雪費のさらなる増額の懸念があることや、平成24年度及び25年度の当初予算編成の状況を考慮しますと、26年度以降の予算編成に当たっても10億円前後の財源不足が見込まれるところであり、他会計からの借入れなどに頼らずに収支均衡予算を編成するためには、可能な限り財政調整基金の積立額を確保していかなければならないものと考えております。
次に、財政調整基金に頼らない予算編成についてどのような展望を持っているかとのお尋ねでありますが、先ほども申し上げましたとおり、本市の財政構造は今後の予算編成においても財源不足が見込まれ、何らかの財源対策を行わなければ収支均衡予算が編成できない状況にあります。このため、今後の中期的な収支状況を見通す中で、これまでの行財政改革における歳出削減や歳入増への取組を継続していくことにより、収支の改善を図っていくとともに、事業の厳選もしていかなければならないものと考えております。
次に、新たな財政健全化に向けた計画で、市民と職員に対する負担解消を明記すべきとのことでありますが、新たな計画は、現在、中期的な財政収支見通しとして策定作業を進めておりますが、本市の財政状況は平成22年度に累積赤字の解消を図り、実質収支で黒字になっているものの、景気の低迷などによる市税収入の減少や地方交付税も前年度に比べ減額して見積もらなければならない状況にあり、厳しい財政運営が続くものと考えております。議員が御指摘のようなことを考えておりませんが、私といたしましては、最優先課題である真の財政健全化に向け、今後とも最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
次に、地方交付税削減の影響について何点か御質問がありました。
初めに、平成25年度予算の地方交付税を減額と見込んだ理由についてでありますが、平成25年度の地方交付税総額が給与費削減分などを含め、前年度と比べ3,921億円減額となったことから、地方交付税総額に本市の特殊事情などを考慮して、平成24年度当初予算よりも3億800万円の減、決算見込みよりも約7億8,500万円の減と積算したところであります。
次に、子宮頸がんワクチンの予防接種等に関する財政措置の見直しについてですが、これまで子宮頸がんワクチン等の予防接種と妊婦健診については、国庫補助金事業として実施されてきましたが、平成25年度からは補助金が廃止され、一般財源化となり、普通交付税による財政措置となったところであります。あわせて、予防接種法に基づく既存の定期接種ワクチンについても、子宮頸がんワクチンと同様の財政措置となったところです。
なお、これらの一般財源化に当たっては、国から住民税の年少扶養控除廃止等による増収分を活用すると通知されておりますが、その詳細な内容については示されておりません。
次に、子宮頸がんワクチンの予防接種等に関する財政措置の見直しにより、追加される基準財政需要額の見込額などについてでありますが、現時点で普通交付税の基準財政需要額の算定の詳細が示されていないことから、その見込額をお示しすることはできません。
また、仮に増額となった場合の基準財政需要額の活用についてでありますが、平成25年度の地方交付税総額が前年度を下回っていることなどから、新年度予算では前年度に比べ、大幅に減額せざるを得ない状況であり、活用できる財源となり得るものではありません。
次に、本市と国家公務員の給与削減の比較についてでありますが、平成16年度から23年度までの間、国家公務員の給与削減は行われておりませんが、本市職員の給与は、この間、最大で本俸7パーセントの削減をしたほか、期末手当や管理職手当の削減などを行ってきたところであります。
次に、国の地方公務員給与の削減に伴う地方交付税の削減が、地方自治体の自主性を侵しているのではないかということについてでありますが、地方公務員の給与をはじめ、地方自治体の行政運営にかかわる事項は、国が指示するものではなく、公平・中立な知見を踏まえ、住民や議会の意思に基づき、各自治体が自主的に決定すべきものでなければなりません。本市でも厳しい財政状況を踏まえ、給与の独自削減に取り組むなど、国に先んじて行財政改革を実施してきたところであり、地方の固有の財源である地方交付税を地方公務員の給与削減のために用いることは地方分権の流れに反し、地方の自主性を大きく阻害するものであり、まことに遺憾であると考えております。
次に、地方公務員の給与費削減における地方交付税の減額分についてでありますが、本市の給与費削減分に係る地方交付税の影響額は現段階では積算できません。
次に、全国防災事業債などの活用についてでありますが、現時点で活用の予定はありません。
次に、地域の元気づくり事業費の本市における影響についてでありますが、地域の元気づくり事業費につきましては、地方公務員の給与費削減に見合った事業費として、地方財政計画の歳出に特別枠として計上されたものの一つであり、地方交付税においては新たな費目を設け、全国の算定額は3,000億円程度、そのうち市町村分は1,050億円程度であり、各団体への給与水準と職員数削減を勘案して需要額を算定し、措置されると聞いております。なお、影響額につきましては、算定のための数値が示されていないことから、現段階ではお示しすることはできません。
次に、平成22年度から25年度までの過疎債の借入れに係る償還額についてでありますが、今年度はまだ借入れを行っておりませんが、25年度借入れを含めた借入利率を1.5パーセントと設定した場合、元利償還額は平成29年度から34年度までの6年間が最大となり、年間約7億5,200万円と試算しております。
次に、過疎債の交付税の基準財政需要額への算入額についてでありますが、過疎債は元利償還金の70パーセントが普通交付税の基準財政需要額に算入されることから、先ほどお答えいたしました元利償還額で算定しますと、平成29年度から34年度の算入額は約5億2,600万円となります。
次に、過疎債の地方交付税措置分を子供の医療費の無料化に活用してはどうかとの御提案についてでありますが、過疎債の元利償還額は交付税で7割、市税などの一般財源で3割を賄わなければならないものであり、本市の地方交付税を含む一般財源が減少しており、26年度以降の予算編成においても財源不足が見込まれることから、現時点では非常に困難な状況にあります。
次に、地域の元気臨時交付金について何点か御質問がありました。
初めに、地域の元気臨時交付金の内容についてでありますが、この交付金は平成25年1月11日に閣議決定され、日本経済再生に向けた緊急経済対策において追加される公共投資の地方負担が大規模であり、予算編成の遅延という異例な状況の中で、地方の資金調達に配慮し、経済対策の迅速かつ円滑な実施ができるよう、今回限りの特別の措置として各地方公共団体の追加公共投資の負担額等に応じて配分されるものであります。
次に、補正予算案のうち、地域の元気臨時交付金の対象事業などについてでありますが、一般会計では旧国鉄手宮線整備事業費、岸壁附帯施設改修事業費など、住宅事業特別会計では市営住宅改善事業費、下水道事業会計では中央下水終末処理場電気設備工事が対象事業と考えており、これらの総事業費は約3億9,600万円となっております。
次に、地域の元気臨時交付金の額についてでありますが、総事業費から国庫補助金を除いた市の負担額約2億円の8割に相当する1億6,000万円程度と見込んでおります。
次に、新年度予算で過疎債以外の市債で行う建設事業などについてでありますが、その主なものと起債額は一般会計では臨時市道整備事業費で4億円、銭函地区河川防災事業費で5,200万円、住宅事業特別会計では市営住宅改善事業費で2億1,870万円となっています。また、一般財源で行う建設事業の主なものといたしましては、廃棄物事業所建設事業費で4,300万円となっております。
次に、プール建設予算についてでありますが、平成21年2月に総合計画を策定後、東日本大震災が発生したことにより、防災対策が喫緊の課題となっており、避難所の環境整備や公共施設の耐震化などに優先的に取り組まなければならないことや、済生会小樽病院の移転に伴う夜間急病センターの建設、大型クルーズ客船に対応する港湾整備など、計画策定時に想定できなかった新たな財政需要に対応していかなければならない状況にあります。
一方、本市の財政構造は先ほども申し上げましたが、平成22年度以降、実質収支が黒字に転じているものの、毎年度の予算編成では何らかの財源対策を行わなければ収支均衡予算が編成できない状況にあります。このため、今後の財政運営を考えた場合、限られた財源の中で選択と集中の視点に立って事業の実施を判断していかなければならないことから、新・市民プールにつきましては、当面事業の着手を見送ることとしたものであり、新聞記事にあるようなことでプール建設予算を計上しなかったものではありません。
次に、企業立地の促進と雇用や中小企業対策について何点か御質問がありました。
まず、銭函工業団地及び石狩湾新港の小樽市域において、企業立地促進条例の課税免除を受けた企業の市民雇用の状況についてでありますが、免除申請時における市民雇用の割合は2割程度となっております。また、企業に対する市民雇用の促進についてでありますが、操業に当たっては極力、小樽市民を雇用していただくようお願いをしております。
次に、市民雇用に向けた対策についてでありますが、今回の条例改正におきまして、新たに立地した企業における雇用増はもとより、既存企業にあっても新たに中古の建物を取得し、工場等として活用する場合や設備等を拡充する場合も対象に加えたことから、特に市街地で操業する企業においては、より市民の雇用増が期待できるものと考えております。
また、市外への企業流出を防ぐという意味からも、市民雇用の継続に一定の効果があるものと考えております。
次に、法人市民税の課税法人数等についてですが、平成23年度決算における法人税割の課税法人数は1,056法人で、その割合は全体の29.2パーセントを占めております。また、均等割が課税される法人のうち、資本金1,000万円以下で市内従業員50人以下の1号法人数は2,632法人で、その割合は全体の72.8パーセントであります。
次に、政府に最低賃金の引上げを求めることについてでありますが、最低賃金法における地域別最低賃金の決定方式につきましては、最低賃金審議会の調査審議に基づく答申により、厚生労働大臣又は都道府県労働局長が決定する仕組みであり、本市がその引上げを求めるべき性質のものではないと考えております。
また、中小企業予算の増額を求めることについてでありますが、現在、国においては大型補正予算と対前年度比で大幅に増額となっている平成25年度予算案を合わせて、切れ目のない経済対策を進めております。この中で、国からは中小企業・小規模事業者対策として、新たな挑戦、事業再生、地域経済の活性化などを目的とした事業案が示されておりますので、これらの成果を注視する中で、必要があれば増額要求について検討したいと考えております。
次に、市内企業に対する賃金引上げや労働条件を改善するための対策についてでありますが、企業の業績が上向くことが何より重要なことと考えておりますので、今後とも地元企業の活性化に向けた支援を行い、市内経済を活性化するために重点施策として掲げているさまざまな経済対策を実施してまいりたいと考えております。
また、介護休暇や育児休暇等の労働条件の改善につきましては、引き続き関係機関と連携し、市内企業や関係団体への普及啓発に努めてまいりたいと考えております。
次に、生活保護基準の見直しについて何点かお尋ねがありました。
まず、小樽市の各種減免等の制度についてでありますが、現在、把握しているものを申し上げますと、生活保護受給者を対象としているのは、個人住民税、保育費負担金、し尿処理手数料、水道料金など34件でございます。また、生活保護基準を参照しているのは、市営住宅家賃、就学援助費など15件でございます。
次に、健康で文化的な生活についてでありますが、憲法第25条でいう健康で文化的な生活が具体的にどの程度の生活状態を示すのか、明確に定義されておりませんので、御紹介いただきました事例の内容だけで判断するのは難しいと思います。また、生活保護が果たしている役割につきましては、社会保障や社会福祉などの制度を利用しても、なお、生活に困窮している方の最後のセーフティーネットとして、その最低限度の生活を保障することであると思っております。
次に、生活保護基準の引下げにより生活保護世帯が増えることにつながるかどうかについてでありますが、国においてはこのたびの生活保護制度の見直しに伴う各種制度については、その制度の趣旨や目的を十分考慮しながらできる限り影響が及ばないよう対応するとしておりますので、これがなされれば、基準の引下げがそのまま生活保護の増加につながることにはならないのではないかと考えております。
次に、泊原発に関連して何点かお尋ねがありました。
まず、電気料金が値上げとなった場合の本市財政への影響についてでありますが、平成23年度決算における一般会計の電気料金の総額は約4億円であり、電気料金の値上げが行われた場合には、少なからず物件費の増加による影響があるものと考えています。しかしながら、値上げの率などその内容が明らかになっておりませんので、現時点でどの程度の影響となるかはわかりません。
次に、電気料金値上げの妥当性についてですが、料金の値上げについては国において審査が行われ、認可されるものであることから、市がその料金の妥当性について判断できるものではないと考えております。また、電気料金の値上げについては、市民生活や企業活動など、地域経済に少なからず影響があると考えております。
次に、料金値上げに対する申入れですが、先ほども申し上げましたとおり、料金は国において審査が行われ認可がされるものですので、北電への申入れは考えておりません。
次に、協定を締結した市町村による再稼働への同意についてですが、泊発電所周辺の安全確認等に関する協定は、福島の原発事故を契機として、泊発電所に関する情報提供や意見を述べる仕組みなどについて、北海道や北海道電力に対して要請した経緯があり、このたびUPZを包含する管内16市町村が一つになってこの協定を締結したことは、住民の安全・安心の確保とともに、環境の保全も図るためにも意義があるものと考えております。
泊発電所の再稼働につきましては、今後、原子力規制委員会が策定する新たな安全基準に基づき、安全性について厳格な審査、確認をすべきだと考えており、再稼働の判断を含めた一連のプロセスについても国の責任において住民にわかりやすく説明すべきであると考えております。また、協定を締結した15町村にもさまざまな御意見がありますので、本市として再稼働に同意を必要とするよう働きかける考えは今のところありません。
次に、再稼働反対の立場に立つことを求めるとのことですが、ただいまお答えしましたように、原子力発電所は安全性の確保が何よりも重要であると考えており、先般、原子力規制委員会から新たな安全基準の原案が示されましたので、まずはその妥当性について専門家による適切な判断がなされるべきと考えております。その上で、再稼働の是非については、新たな安全基準に基づく安全性の確保、電力需給、社会経済への影響などを踏まえ、判断すべきと考えております。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
○7番(小貫元議員)再質問します。
他会計や基金への償還計画について、その時々の一般財源を見てという答弁でしたが、具体的な内容があまりなかったと思います。もう少し将来を見据えて、例えば財政調整基金のピークを2020年度の時点でどういう目標を持つのか、新たな市民負担に何か知恵をめぐらせているのか、そういう何も裏づけなしでやっていくつもりなのか、もう少し詳しくお聞かせください。
市債残高については、少し答弁がずれているような感じもしたのですが、今の財政健全化計画では、今年度で403億円になる予定でした。ところが491億9,000万円ということで違いが出てきているのです、実際に今の計画でも。そういった場合にどうやって調整をしていくつもりなのか、具体策をお答えください。
次に、市民負担解消については、計画に明記しないというような答弁でしたが、2003年度に数々の市民負担がかぶせられました。手数料の値上げで1,500万円、保育料の値上げで6,600万円、水道料金の減免を50パーセントから25パーセントにして1億円、ごみの有料化で3億5,000万円、ふれあいパスの有料化で5億円。しかしその一方で、毎年私たち日本共産党が指摘しているように、石狩湾新港の工事の負担金を出し続けてきたのです。マイナス14メートルバースの静穏度を高めるために、今年度の補正予算では5億4,000万円がつきました。当初予算と合わせて6億4,000万円になります。新年度は9億円です。
先月の総務常任委員会でも取り上げましたけれども、この岸壁には王子エフテックス株式会社の利用が17隻ありましたが、荷役作業には影響が出ていなかったということです。それならこの工事は本当に必要なのかということで、たび重ねて市長は事業を厳選してとおっしゃいますが、厳選するのならば、この北防波堤工事は中止すべきではないかと思うのです。
北防波堤の工事は、今年度の補正予算と新年度の予算で地盤工事が150メートル進むというので、単純計算で地盤工事400メートルに41億円かかります。ところが、計画では地盤工事は32億円なのです。もう単純計算では計画どおり行かないことになっています。そうやって事業費が積み上がっていった場合に、さらに言いなりにこの事業を続けていくのか、このような工事はまずやめるべきだということを主張しておきます。
やはり財政健全化の目的というのは、本質的に市民の生活をよくするために市の財政を強化して、そして市民にいい暮らしをしてもらうために行うべきものです。だから、今述べたような石狩湾新港への負担金をやめて、例えばふれあいパスの無料化の復活をいつ行うとか、水道料金の減免をいつもとに戻すというように、財政を健全化したら必ず市民の負担を解消します、市民へのサービスを拡充しますという約束を市民に向けて発信すべきではないかと思いますけれども、お答えください。
あと、地方交付税の削減の問題です。
今回、冒頭で、憲法と地方自治の問題を質問しました。憲法を変えることというのは道州制に推進と一体であって、市長も答弁でおっしゃいましたが、地方自治の形を変えるものです。自由民主党憲法草案の第96条に自主財源の原則を新たに規定しているのです。そして、QアンドAには地方自治は自主的財源に基づいて運営されることを基本としていると。だから、今、行われている地方交付税削減路線の延長には、そういった道州制を見据えて、自分たちのお金だけでやっていきなさいといった狙いがあるのです。
昨年11月21日の全国町村長大会では、道州制について地方分権の名をかりた新たな集権体制だといった批判をした上で、改めて導入に反対するという特別決議を採択しているのですから、市長にもぜひ明確に反対の立場に立つことを求めます。
次に、公務員の給与削減についてですが、市長の答弁でいろいろと道理がないことが明らかになりました。小樽市は長年削減をしてきたけれども、国はこの間何年間だけだとか、地方公務員の給与削減分を減らして、新たな事業の枠は設けているけれども、小樽市に一切恩恵がないということが市長の答弁からも明らかになったと私は思います。そういうところで、先ほど自由民主党の山田議員が自由民主党は太いパイプを持っているというふうにおっしゃいました。まだ、穴もあいてないし詰まってもいないようですので、ぜひ政府与党である自由民主党の市議の皆さんにも協力してもらい、地方公務員の給与削減を押しつけるようなやり方はやめてもらうとともに、地方交付税の増額をお願いすることが必要ではないかと思います。
ただ、地方交付税で言えば、一般財源化を進めるこの間の政府の姿勢も大変問題だと思います。ですから、交付税で措置すると言われても、怪しいというのが今の市長の答弁でも明らかです。さまざまな事業について結局明らかになっていないというのが答弁で出ていましたけれども、就学援助にしても、本来は半分を国が持たなければいけないのが全国的には3割台となっていますし、そういった場合、就学援助をさらに広げてやろうとすると地方の持ち出しになるため、財政的に厳しくなるということで、やはりこういった国庫補助から一般財源化されたものについても、実態と合わない場合は、国庫補助の復活を求めるか、地方交付税の積算単価を引き上げていくということもあわせて要望していくべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
次に、過疎債については、この間、建設事業を厳選してきたと言いますが、その中には日本共産党が反対してきたものがありますけれども、市としては全て必要に迫られてつくってきたということだと思います。ですから、過疎債が適用にならなかったら、本来それは全て市の負担だったのです。交付税措置されなかった分ですから、今、増大する期間が平成29年度から始まって約7億5,000万円になると。その間、約5億円が地方交付税に入ってくる見込みだという答弁でしたから、今特に人口が減少していて、どうやって歯止めをかけていくかという中で、共産党としてのさまざまな公約がありましたけれども、その中でやはり子育てしやすいまちづくりの一環として、子供の医療費の無料化拡大をこのお金でぜひできないかと考えます。年額4,000万円です、私たちが提案しているのは。交付税措置が増える分の1割ですから、その1割を使って子供への投資を決断すべきだと考えますが、今後の状況によっても一切こういったことを検討の課題に挙げないつもりなのかどうか、その辺をお答えください。
次に、我が党の中で先ほどの山田議員の答弁に対して非常に問題になったのですが、新・市民プールの建設についてです。あくまでも見込みの段階ですが、地域の元気臨時交付金が今1億6,000万円交付されてくるという答弁でした。ひとつ確認しておきたいのは、これに石狩湾新港の北防波堤工事の今年度補正予算5億4,000万円の事業費の小樽市負担分、1,350万円の8掛けになる1,080万円も追加になると思うので、それを確認したいと思います。
それで、それを合わせると、1億7,000万円になりますが、この1億7,000万円のうち、たった16パーセントで今実施計画に盛り込まれている新・市民プールの基本設計、実施設計までを行うことができるので、何もそれを全部使ってやってほしいと言っているわけではないのですから、活用すべきと考えます。ぜひ、そういった決断をしていただきたいと思いますので、再度、答弁をお願いします。
それで、今日、新・市民プールの建設については、答弁で北海道新聞の報道のようなことはないということがありましたが、新・市民プールの建設について、私は6億8,000万円を市長部局で使ったのではないかと批判しましたけれども、プール建設というのは、市長部局として教育予算で行う予定なのか、それとも一般財源の枠内で行う予定なのか。今ちょっと道筋が見えてきたので、この間のままでいくと教育予算ということになりますが、従来計画していたのはどちらだったのか、説明してください。
次に、中小企業対策についてですが、小樽市の場合、答弁にあったように、黒字の企業にかかわる法人税割が約3割、そして1号法人が約7割ということで、比較的小さい企業が多いというのが、税収からも見ることができるのではないかと思いました。市長は必要があれば中小企業への支援についての要請をしたいと言っていたと思うので、幾つか言っていただきたいことがあります。まず、中小業者に大きな負担となるのは、消費税の増税だと思うのです。これをやめてくださいと言ったところで、それはできませんと答えると思うので、これは言いませんけれども、消費税は今、売上げ1,000万円が免税点となっていますけれども、今の答弁で言えば、その企業が1号法人で約7割ということで、そういった企業が多い小樽市にとってもやはり大きな打撃になると思いますので、免税点の引上げをぜひ求めてほしい、これが一つ目です。二つ目には、金融円滑法の打切りをやめること。そして、三つ目には減らされた国民健康負担の国庫負担を戻すこと。四つ目には、例えば経営困難な事業所に対して社会保険料の猶予・軽減する制度をつくることなどといったことを求めていただきたいと思います。
次に、生活保護の問題です。
今、答弁にありましたように、対象となる事業が49件あるということでした。今、政府が影響のないようにしますと言っているという答弁がありましたけれども、先ほどの地方交付税の話ではありませんけれども、どれだけそれが財政措置されるのかというのは、甚だ怪しいというのがこの間のさまざまな政党が政権についた結果だったと思うのです。今、市長が言っていましたけれども、現に例えば市営住宅の家賃減免の制度についていえば、結局、道から負担金が入ってくるけれども、基準は自治体で決めているのです。その負担金が連動しないようにしていくといっても、道からの負担金が本当に増えるのかという問題が出てくると思います。そういった財政措置が自治体ごとの実態に合わせて出てくると思っているのかどうか、お聞きしたいと思います。
そしてまた、この財政措置が実態と合わないケースが出てきた場合、小樽市の負担が増えるのですが、その場合でも減免の基準を維持していくという考えかどうか、お答えください。
最後に、泊原発にかかわって再稼働の問題ですが、自民党は、今何かにつけて、新たな安全基準をつくってというところで再稼働を進めようとしています。これは今市長に答えていただいたとおりだと思います。しかし、安全協定については、もともと4町村の安全協定も事故を前提にしていないので、4町村についても再稼働についての同意の文章というのは盛り込まれていません。不安になるのは、この間の総務常任委員会でも述べましたが、再稼働への同意が含まれていない協定を結ぶことによって、再稼働の同意は協定に入っていないから、北海道電力や政府の判断によって行うという担保を与えてはいけないということなのです。こういう視点に立って、まず16市町村で結んだ協定の改正は可能なはずですから、何も廃棄してくださいということを私たちは、述べていないわけで、さらに拡充をしていく立場に立って、核燃料の持込みの事後報告ではなくて、事前報告や、こういった再稼働への同意というのを求めていくべきだと私は思います。再度、お答えください。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)小貫議員の再質問にお答えいたしますが、項目がかなり細かくなっておりますし、非常に広がっておりますので、私は財政健全化を中心に答弁させていただき、それ以外については担当部長から答弁させていただきます。
まず、財政健全化の問題について、私はいつも申し上げておりますけれども、小樽市が財政再生団体になってはいけないという強い思いを常に持っています。これは市長に就任した当初から、財政再生団体になったときに、どういう惨めな行政をしなければいけないかということについていつも私は思っておりますので、ですから財政再生団体にならないようにしていかなければいけないという強い思いが前提にありますので、御理解をいただきたいと思います。
他会計からの借入れの償還方法については、先ほども答弁させていただいたように、どのように歳入を増やしていくか、どのように歳出を減らしていくか、効率的に減らしていくか、そういった中で償還の財源を生んでいきたいというふうに思っております。他会計からの借入れの償還ができないということであれば、しっかりした財政の計画がとれないということでございますので、そのためには先ほども答弁をさせていただきましたが、市民に負担をかけていることについては、今は解消できる状況にはないということです。こういうことをやると、今の財政再生団体に陥ってしまうということでございますので、現時点ではそういうことができないということを先ほども答弁させていただきましたので、御理解いただきたいと思います。
次に、公務員の給料の削減については、全国市長会も地方六団体も一緒になって何とかそういうことのないようにということで要請をしている最中でございますし、そういうことで強くお願いしている状況にあります。しかし、国家公務員がこの2年間で7.8パーセントの削減ということを打ち出して、それを地方公務員にというのは私個人的にもそれは納得がいかないというふうに思っておりますので、御理解いただきたいと思います。
次に、過疎債の問題でありますけれども、先ほども答弁させていただきましたが、過疎債は7割が交付税措置されると言いましても、3割は一般財源で措置しなければいけないということですから、この3割の一般財源も本当に大きいのです。これが3割だからいくらでも過疎債でやってもいいということになっても、この3割がやはり財政再生団体に陥る大きな原因になるということがあってはいけないと思いますので、何とかこういったことも、現在、予算編成するときに皆さんからはいろいろと要望されますが、お金があったら私は何ぼでもやります、100パーセントやりますよ。しかし、今そんな中で財政再生団体になってはいけないということですから、市民の要望も含めてなかなかできないわけでありまして、本来であれば私もいい顔したいですから、はい、わかりましたといって全部やりたいです。だけど、そういうことにはならないということを御理解いただきたいというふうに思います。
次に、新・市民プールの建設についても同様で、これは基本設計をやればそれで済むわけではなく、プールをつくらなければいけないということですから、設計の予算だけを見て、できるできないということにはならないというふうに思いますので、御理解いただきたいと思います。
それから、先ほど冒頭、答弁もさせていただきましたけれども、結局、平成21年に第6次総合計画をつくった後に、いろいろな大きな問題が出てきたわけでございますので、そういった緊急的なことに対処していかなければいけないというような問題でございますので、御理解いただきたいと思います。
それから、泊原発の話でありますけれども、これは原子力規制委員会が、今、安全基準をつくって、その安全基準の妥当性は、専門家を中心に検討されるということでございますので、私個人の話で恐縮ですけれども、私のような素人が判断できる問題ではないだろうと思うのです。ですから、やはり専門家に判断をお任せするということであれば、原子力規制委員会で今やっていることについて、何とか市民の安全といったことを検討していただきたいということでございますので、そのあたりも御理解をいただきたいと思います。
次に、中小企業支援等については、これはいろいろと検討させていただきながら、私としても対処していきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
今、私が答弁いたしました以外は、部長から答弁させます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)総務部長。
○総務部長(迫俊哉)私からは、道州制の関係を答弁させていただきます。
町村会が道州制の考え方を批判されたという質問がございましたが、市の考え方といたしましては、市長の答弁にもございましたとおり、道州制の考え方というのが画一的な中央集権システムといったものを改めまして、自己決定あるいは自己責任の下で地域の特性を生かしたまちづくりを進めていくということでひとつ大きな考え方もありますが、先月、全国知事会でも改めてこの道州制の問題について議論されたというふうに聞いております。その中でいろいろな問題が出されておりまして、例えばそれぞれ今までの国あるいは都道府県が持っていた債務をどうするのか、あるいは税収の権限だけではなくて、税収の移管をどうしていくのかということで、まだまだ課題があるわけですので、そういった道州制の導入に当たりましては、まだまだ具体的な制度設計ができていないので、今後、具体的な制度設計の下で十分な議論をしていただき、国民の理解を得ていくということが必要なのではないかということで、市として直ちに批判をしていくというような考え方はございません。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)財政部長。
○財政部長(堀江雄二)小貫議員の再質問に答えさせていただきます。
市債残高の件でお話がございました。確かに平成25年度予算では、市債残高が増える形になってございますが、市長の提案説明等にもありましたとおり、今すぐやらなければいけない事業等を今回計上したところでございまして、市債の償還も当然考えていかなければならないと考えてございます。それは収支見通しの中で当然考えていかなければならないものと思っております。
それから、先ほど交付税と一般財源のお話もございましたが、確かに今回は国で一般財源化をしてございます。制度が変わって、その後、市の財政の中での負担の状況、それから交付税の制度の中身でも同様な形で算入されていくか、具体的にはこれからですけれども、国の交付税となりますと、制度改正要望も地方交付税法の中でうたわれてございますので、これまでも所得割の差が大きかったときに道を通じて国に要望した経緯もございます。ですから、今回の一般財源化によって、市で使われている一般財源と交付税措置の額が非常に乖離しているという状況がございましたら、またそれは調査をしまして、道を通じて国に要望していきたいと考えてございます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)福祉部長。
○福祉部長(三浦波人)生活保護基準の見直しに伴う他の制度への影響にかかわる再質問ですが、これは市の多くの制度にかかわる財政的な影響が含まれた質問でございますけれども、私から答弁をさせていただきます。
そもそも生活保護の基準等の見直しは、本年1月27日に厚生労働大臣と財務大臣の予算編成大臣折衝が行われております。ここで生活扶助費の基準引下げや削減額などが示されたところですが、その翌日以降、厚生労働大臣が記者会見を開いておりまして、そこで基準見直しの他制度への影響の有無について問われており、大臣は影響が生じないような方向で調整していくと答えております。これがスタートでしたが、このことは2月5日の閣僚懇談会でも各関係閣僚を含め、その方向性が確認されておりますし、その後の予算委員会の質疑でも同様の方向性がしっかりと示されているところでございますので、私どもとしてはそういった認識をしております。したがいまして、国等の財政負担が入ってこない場合の御質問もございましたけれども、そういったことの検討はまだする段階ではないのではないかというふうに考えております。
○議長(横田久俊)1点、プールの関係で、従来から教育予算だったのか、一般予算だったのか、これは事実関係だけですが、どうですか。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)副市長。
○副市長(貞村英之)小貫議員の再質問にお答えいたします。
プールの建設を教育予算でやるべきか、一般予算でやるべきかという御質問でございますが、当時、考えていたのは教育予算の中でやるというわけではなくて、財源全体の中でどのように対応できるかということを考えておりまして、その中で、総合計画策定時に比べて全く予期できなかった財政需要が出てきたものですから、今回は見送ったということでございますので、御理解いただきたいと思います。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)財政部長。
○財政部長(堀江雄二)先ほどの小貫議員の再質問の中で、石狩湾新港の負担金が交付金の対象になるのかという御質問がございました。現時点では交付金の対象になるというふうに聞いてございます。
(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)7番、小貫元議員。
○7番(小貫元議員)再々質問いたします。
まず、市民負担解消については、今すぐという話をしたつもりはなくて、財政健全化を成功させた暁には、何をというまでは難しいにしても、ちょっと特別な事業ないしは何かを復活させますという、市民に展望を与えることを新しい財政健全化計画、どのような名称になるかはわかりませんが、それでは掲げたほうがいいのではないですかという質問の趣旨でした。それについてもう一度答弁をお願いいたします。
次に、新・市民プール建設の話ですが、まず、この間の事業というのは先ほど財政部長の答弁の中で、たしか市債残高は増えているけれども、やらなければいけないことをやってきた結果なのだと。それは市長も触れているとおりだと思うのですけれども、それならばプールというのはやらなければならない事業だとは考えていないというふうに私は受け取ってしまいました。苫小牧市の場合は、沼ノ端に12億円でプールができましたけれども、国の補助は3億円しか出なかったということで、実質市の負担が9億円なので、これは本当に多大な負担だと思います。20年の償還ですから、単年度で4,500万円です。そこに過疎債の適用ということになると、実質1,350万円ぐらいの負担で行うということになるのですが、単年度1,350万円というのが、やらなければいけない事業として支出できないのですかということを私は問うてるのです。
小樽市の財政部というのは、私は特に優秀だと思っているのです。市長も大変優秀だと思いますけれども、だからそれだけにこれらの財源を捻出できると私は思います。だから、建設に向けてまず一歩足を踏み出すべきだということを提案していますので、よく検討していただきたいと思うのです。
この件は、また予算特別委員会でも北野議員が取り上げると言っていますので、今回の山田議員に対する教育長の答弁というのは、市民がこの間望んできたにもかかわらず、市民に一切何も言わないで方向性を勝手に議会で発表して、それで進めます、あなたたちの意見は聞きませんということで、住民の声を無視して、本当に住民を置き去りにした行政だと批判されてもしようがないことだと思います。これは問題だということで一言申し上げておきたいと思います。
次に、泊原発の再稼働に関連してですが、市長は市長が判断すべき内容ではないという答弁でしたけれども、今の情報ではそうかもしれない。政府が情報を全て出してきて、その基準で市長が市民の安全を守ることができるのかという判断はしてほしいのですけれども、現行の協定だとそれは市長の判断事項ではありませんという内容ですから、それをまず広げていただいて、市長には、ぜひ反対の立場に立っていただきたいと思った次第です。
それで、現時点の情報ではそういった決断はできないということですから、やはり住民自治の原則に立って、例えば市民に審判を仰ぐということもぜひ検討して、この再稼働問題というのは考えるべきではないかと思います。以上、3点を質問して終わります。
○議長(横田久俊)理事者の答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(横田久俊)市長。
○市長(中松義治)小貫議員の再々質問にお答えします。
再質問のときも答弁させていただきましたように、私としてはやはり今抱えている小樽市の大きな問題の中で財政の問題がございますので、財政の健全化については、何としても取り組んでいきたいということを申し上げました。したがいまして、今、小貫議員の再々質問にもありましたけれども、例えば今市民の皆さんに御負担かけている問題について、財政が本当に健全になったときには、しっかりどういう形がいいのかということも含めて取り組んでいきたいというふうに思います。
それから、新・市民プールの問題についても、決して私は市民の皆さんの声を聞いていないということではなくて、今これだけの財政負担ができない財政状況にあるということで、そういう判断をしたことであって、今の財政状況を見た上で、いつできるかというのはちょっと現時点で約束はできませんけれども、やはり将来的にはそれだけ大きい市民の声があるわけですから、取り組んでいきたいと、これは私も思っております。ただ、時期等については約束できるような状況ではありません。平成25年度の予算編成の中でも、小貫議員がおっしゃったように基本設計の予算すらちょっと出せないというような状況でございますので、できるだけ財政健全化を含めて、早くできるような形にしていきたいというふうに思っております。
次に、泊原発の再稼働についてですが、これは先ほど来答弁しておりますように、私といたしましては、市民の安全・安心ということは絶対に考えていかなければならないということですので、それについてはしっかり取り組んでいくつもりでございます。ただ、今申し上げたように、やはり再稼働については非常に専門的な知見、知識が必要だということですから、原子力規制委員会の中で安全基準というものについて現在進めているところでありますから、そういったような状況を見て判断していくべきだと、このように思っているところでございます。
○議長(横田久俊)以上をもって本日の会派代表質問を終了し、本日はこれをもって散会いたします。
散会午後4時24分
会議録署名議員
小樽市議会議長横田久俊
議員松田優子
議員林下孤芳